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51回国会衆議院1966/03/17

逓信委員会 第11号

発言数
360
登壇者
17
会派数
3
開催日
1966/03/17

会議録

砂原格自由民主党

○砂原委員長 これより会議を開きます。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許します。中井委員。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 NHKの予算についての審議の議題だそうでありますが、私は放送関係にだいぶ長い間ごぶさたをしておりますので、現在の日本の放送関係につきましてはあまり詳しく知っておるわけではございません。しかしながら、逓信委員として今度は国民の側といいますか、そういう立場から久しぶりにお尋ねをするわけでございます。NHKの予算でありまするから予算関係から少し入りまして、そうして一般の問題についても二、三お尋ねをいたしたいと思うのであります。しろうとの質問でございますから、そのおつもりで御答弁をたまわりたいと思う次第でございます。  まず第一に、昭和四十一年度のNHKの予算の中で減価償却費は幾らございまするか、それをまず伺ってみたいと思います。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。四十一年度のNHKの減価償却費は九十八億円でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 NHKの財産は全部で幾らほどございますか。そのうち償却の引き当てになりまする財産は幾らでありますか。概算でけっこうです。土地とか建物の――おたくはみんな鉄筋でございましょうから、そう急に償却をする、償却の率も低いと思うのですが、その辺のところを伺っておきたい。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 資産の総額といたしましては七百四十四億九千五百万円に相なっております。これに対しまして償却の対象になります資産が六百十六億一千百万円でございます。いまお尋ねの項目のうちで建物に関しましては三百八億八千五百万でございますが、これに対しましては七・四%の償却率でございます。それから機械に対しましては三一・四%の償却率でございます。二百四十五億円でございます。それから器具什器類につきましては一九・五%の償却率でございまして、二億一千百万円でございます。以上です。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 伺いますと、機械が三一・四%というのは、これはどういう……。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 NHKの機械につきましては非常に精密な機械が多いわけでございますが、大体五年程度の定率償却を行なっておりますので、こういう比率に相なるわけであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そうしますとバルブとか何とかいうものは消耗品だと思うんだが、それ以外のものといったら具体的にどういうものですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 一番大きなのは鉄塔、それから放送器具であります。それから輸送設備に付帯いたします調整関係の設備、録画設備、VTRのようなものでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 これはほんとうにこの率を見ますとびっくりします。消耗品ではないわけですから……。いま御答弁になった方、理事ですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 さようでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 放送局の理事。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 さようでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 建物も七・四というのですから、これは大体二十年たったらみんな償却だ。二十年たってつぶれるような建物をNHKはちっとも建てておりません。五十年から百年もつものばかりだし、二百四十五億の機械三一・四%というのは、戦後よほど景気のいい民間会社でも――自動車の償却はどれくらいですか。あなたのところは自動車は何ぼで償却しておりますか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 自動車は四年で償却をするようにいたしてございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 税金の関係その他ありまして、自動車の償却は大体そういうことですが、放送機械はそれより一年長いだけというふうなことは驚くべきことだと私は思うのですが、どうですか。これは非常に喜ぶべきことかもしれませんけれども、ずいぶんたっぷりゆったりした減価償却のように思うのですが、会長さんや郵政大臣の御見解いかがですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 ただいまお尋ねの点に関しまして、NHKの立場からこの償却率を見ますと、私どもといたしましては現状においてはやむを得ないという考え方を持っております。と申しますのは、これまで四十一年間のNHKの機械設備は同事業界の標準から見ますと、かなり陳腐化しておりました。このために御承知のように第一次五カ年計画、それから現在は第二次六カ年計画、御審議をいただいておるのはこの第二次六カ年計画の五年度になるわけでございます。  それからもう一つは技術の進歩が非常に目まぐるしいという意味でも、その機械設備に対しましては、聴取者の要望にこたえるためにも、またNHKの責任としてもできるだけ良質の放送を出すというたてまえで、こういうこれまでの歴史と現実と、それからNHKの責任という立場からこの程度の償却が現状においては必要であるという見解を持っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 郵政大臣、どうですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私もNHKの現況から見ましては適当なことだと思っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 責任者としてはそう御答弁なさるより答弁のしかたがあるまいと私は思います。けれども、そう日進月歩といいましても、弱電界が二、三年たったらまた急にすばらしい発明ができたり何かするようなことではなくて、いま百四十五億の対象になっておるものなどは現実に見ますと、五年、十年幾らでももてるものである。三百八億もの建物、この建物が七・四%であると十五年ですか、算術平均数でいきますと十五年にもならぬ。十年で七〇%ですから、十四年ぐらいですな。それでみんなゼロになる。これはどうも経理としておかしい。こういうことは事実を曲げておる。いい、悪いはとにかくとして事実を曲げておる。五十年もてる建物なら五十年の償却をやるべきだ。ここに私は日本放送協会の経理そのものに、基本の考え方に何か欠陥があるんじゃないかと思います。欠陥というのは、私はぜいたくとかむだとかいう意味の欠陥だと思うのです。そういうことでちょっと調べてみましたら、NHKでは金が余るとどういうふうにするのでございますか。毎年毎年決算をいたしまして、余った金はどういうふうに扱うことになっておるのですか。この辺のところからちょっと聞いてみたいと思います。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 ただいまの答弁を多少詳しく申し上げますと、平均率におきまして七%、こう申し上げたわけですが……。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 いや、いま聞いているのは、余っている金はどうしているんだ……。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 それをお答えいたします。  先生の御指摘のとおり、建物にはいろんなものがございます。鉄筋のものにつきましては六十年の耐用年数を考えておりますので、それに相応するパーセンテージの償却をいたしております。木造のものは二十五年というようなことで、いろんな段階を設けてやっておりますので、必ずしも鉄筋のそれが十五年くらいで全部償却するというようなことにはなっておりません。  それと、後段の金が余った場合という御質問でございますが、これはたてまえといたしましては収支とんとんにいくことをたてまえといたしておりますけれども、剰余金等が出ました場合には、この協会は営利を目的とすることは禁じられておりますし、いろいろ出資によってできたものでもございませんし、配当等の必要もございません。これは後年度の財政のささえにいたしますために繰り越しまして、いろいろNHKの本来の義務でございます置局の促進とかあるいは放送設備の改善充充、そういった方面に使い、なお剰余があればこれは後年度における財政の基金として保有をするということに相なっております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 積み立て金という項目はあるのですか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 ございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そういたしますると、あなたのお話を伺っておると、コンクリートの建物は六十年ですか、それから日本家屋は二十五年、そうすると、冒頭御説明なすった人は七・四%、こう言いなすったが、これはどこで調和するのですか。六十年なら三%とか二%とか……。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 先ほどの説明がたいへん足りませんで失礼を申し上げました。  NHKにおきましては減価償却は定率法でいたしてございますので、先ほどのような率になるわけでございますが、現在適用いたしておりますのは、鉄筋コンクリートにつきましては六十年と四十五年と二種類ございます。それから木造につきましては、二十五年、二十年、十五年というふうに段階がございます。それから機械につきましては八年と四年、先ほど御説明いたしましたような自動車のようなものにつきましては四年でございますが、一般の機械につきましては八年でございます。これを定率法で償却率を算定いたしましたものでございます。基準といたしましては、法人税法等にきめられておるものを、ほぼそれに準拠して実行いたしておるわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 何だ、そうすると、三一・四%というのはどういうことなんです。九十八億のうちの三一・四%が二百四十五億のものに対する償却に充てている、こういう意味ですか。どういうことなんです。これは、七%、三一%、一九%、三つ合わせたところで六〇にもなりませんし、あと四〇、どこか……。これはどういう率なんです。三一とか七・四とか一九・五とかいうのは、冒頭の説明が間違うておるのか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 機械は八年、四年、三年といろいろございますが、八年の定率法の償却率は年に二五%でございます。それから四年の定率法の償却率は年に四三・八%でございます。それから三年のものにつきましては年に五三・六%というのが定率法の償却率でございます。これを協会の機械に合わせまして平均いたしましたものが先ほど申し述べましたような三一・四%ということになりまして、八年、四年、三年のものを込みにいたしまして、平均いたしまして、機械の総額に対しましたものが三一・四%でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 三年で償却というのはどういうものですか。だんだん聞くほどにわからなくなる。というよりも三年で償却などという機械というのはどういうものでございますか。これは消耗品じゃありませんか。どうですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 電気機械のうち最も精密な中継車に積み込んでおるような機械でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そういたしますと、消耗品とそういうものとの区別をどうしておるのです。たとえば机とかいすとかいうものは、どういうことになっておるのですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 机、いす類につきましては、器具什器という資産で整理をいたしてございまして、器具什器につきましては八年で償却をいたしてございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そういう形のもので、三年でつぶれてしまうようなものまで減価償却として九十八億の中に入れておる。こういうことになると、またその面で私は問題として取り上げなくちゃならぬと思うのですがね。いずれにいたしましても、来年度のあなたのところの年間収入は八百億ですか、九百億ですか、私ものんきなことだけれども、そのうちの九十八億という数字は、私は、非常に大きな数字のように思いましたのでお尋ねをした、お尋ねをしたところが、このような非常に率の高い償却をやっておる。これは翌年度の建設費に回したり資金繰りの関係だろうと思うのですけれども、いずれにいたしましても、その中を調べてみますると、何か六十年のものもあるとおっしゃる。そうしたら今度は、三年のものも入っておる。どうも少し私は、経理体系としては納得できませんがね。どうしてこういうことになってきたのか。それから、八年のものとはたとえばどういうものであるか。これはここで議論をしても何ですから、ひとつ私は資料を出してもらいたいと思いますね。九十八億円、こんなに要らないと思います。それから、前田会長が新しい施設をやる、これはけっこうで、さっき聞きましたら、予算決算で剰余金があったら積み立て金にやるというのだから、積み立て金に堂々と入れて、そうして翌年の新規事業のほうにそれを回していく、こういう形のほうが私はいい、そう思います。これはことしの予算に、私どもは別に与党じゃありませんから、少数党ですから、直せといったって通らぬことだろうと思うから言いませんけれども、これはことし一年の間研究し直してください。どうもこういうことが、収支とんとんであるべきだ。収支とんとんであることが営利事業でない、そんなことはありません。赤字をつくる年もあれば黒字をつくる年もある。それが企業体じゃありませんか。そんなものは合うはずがないでしょう、予算と決算が。合いますか。途中で人が死んだり突発事故が起こるにきまっておる。私は、この形そのものに非常に疑問がありまするので、一例として減価償却の問題を出してみた。そうしたらこの始末です。はっきり言いますが、三百八億円の建物、七・四%、相当高率ですよ。三一・四、一九・五、これは償却のやり過ぎです。二十億や三十億はこれを積み立て金のほうに回して、そして堂々とそれでやるという形にしないと、どういうことが出るかというと、この次に物を買うときに高くなる。非常に高い物を平気で買うようになる。これはひとつ私の意見として申し上げておきます。こんなぜいたくな企業体はありません。これはけっこうなことだ。それから、前田会長は日進月歩と言われるが、それはこのごろ地球の上に浮かんでおるいろいろなものがあってそれに照射をするとかそういう意味のものはありますけれども、国内の放送施設あるいはテレビの施設、この間それで私はどっかでお尋ねをしました。あなた方はカラーテレビをやるのに今度施設何ぼかかるかと言ったら、いや、現状のやつでそのままできます、こう言うんですから、ずいぶん余裕のある施設をしておると私は思って驚いたのです。これは電電公社との関係等もあろうと思うのですけれども、そういう意味から申しまして、これは減価償却一つとりましたところでも、関連をいたしまして、NHKの経理体系を来年までにひとつ改めてもらいたいように私は思う。またこのことだけで私は何時間でも皆さんと論争をしていただきますよ、こんなのんきなことであるならば。しかし時間がありませんから、あまり同僚の皆さんに御迷惑をかけてもいけませんから次へ移りまするけれども、これはひとつぜひとも検討していただかにゃならぬと思うのですが、郵政大臣、このNHKの経理体系ですね、ひとつ検討する御意思があるかどうか、最後にちょっとこの点で伺っておきます。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私も、このたびの受信料についての規定を改めることを改正案でお願いもしております。それだけに、国民すべてが納得し得る経理でなければ相ならぬと思います。そのような意味合いで、日本放送協会では特に気をつけてやっていておりまするけれども、私といたしましても十分経理内容については今後気をつけて見てまいるつもりでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 来年までに改める意思があるかどうかまで突っ込んで聞きたかったのですけれども、まあこれはあとにいたしましょう。放送法の改正の問題も法案が出ておるようでございまするから、そのときにまた私はお尋ねをいたしたいと思います。  この経理の関係でもう一点だけ、これは国民として気がつきましたことですからお尋ねをするのですが、テレビの聴視料を毎月取りにきておりますが、これは月に三百三十円であったと思うのですが、そういたしまして、一年取りますると何か割引きをするということのようですが、その辺の徴収の関係ですね、月に幾らで、それから聴視料として人件費ですか徴収に関する経費ですな、それが何%であるか、そういうことをちょっと伺ってみたいと思います。このNHKの関係の理事でけっこうです。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 最初にお尋ねの、受信料を一括して払いました場合の額でございますが、三百三十円に対しまして、十二カ月分を前納していただきましたときには一カ月分を割引きいたしまして三千六百三十円をちょうだいいたしております。それから、ラジオにつきましては、月額五十円でございますが、一年分を一括してちょうだいいたしました場合には一カ月分を割引きまして五百五十円を徴収いたしております。  それから、受信料の収納に要しまする経費につきましては年間約四十五億円でございまして、そのうち、契約関係に要しまする経費が九億五千五百万円でございます。それから収納関係が二十九億八千四百万円でございます。そのほか契約、収納及び受信者開発に伴う業務連絡関係の経費が九千九百万円ばかり、それから受信機の開発普及関係の経費、加入と称しておりますが、契約収納業務関係の維持管理に要します経費が約四億六千万円ばかりでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そういたしますると、契約関係を除いて、料金徴収関係の経費は、大ざっぱに見て年間三十億前後。そうしますと、聴視料は年額幾らでしたか。四百億ですか、六百億ですか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 四十一年度のお手元の予算には、七百三十一億でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そういたしますると、約五%、四%強ですね。これにつきまして、私ども毎月毎月三百三十円ずつとりに来ておる人の実態を調べておりますると、最近のような時勢になりますると、なかなか両方でつとめに出たり何かいたしまして、昼間は留守の人がたいへん多い。そうしてこういうものを調べますると、何回もわずかな金をとりに来るというのでもって、非常にむだなことをやっておる。どうも私はそのやり方を見ておりますと、何か放送協会ずいぶん、失礼なことだけれども、ある意味では独創的なお考えがないのだなという感じを持つのです。銀行などへ払い込まれるということもあるようでございます。いろいろお考えですが、これは汽車とも違いますし、電話とも違うし、新聞配達のように毎日毎日戸口へ来ておるのでしたら、お金をとるのもついでにということもあるし、別の人もおりましょう。それから、アメリカヘでも行ってしまえば別でありますが、日本におれば、東京におろうが大阪におろうが北海道におろうがNHKだし、もっといい方法がありはせぬか。放送債なんというものをお持ちになって、ずいぶん借金されておるようですが、払うほうから見ればどうですか。受信機を四万円で買ったときについでに三万円ほど出して放送局へ納めておけば、もう一生ただ。永久の何かマークなんかもろうて、四万円払ったらもうその人が死ぬまでただ。利子は大体三千円。なぜそういうことをやらないのだ。少しばかじゃないか。どこか抜けているのじゃないか。私はこれは社会党で決議をして申し上げておるわけではないのです。中井徳次郎個人の意見ですから、あとで党内で異論が出るかもしれませんが、こんなことはどうなんです。ちょっと六万円の受信機を買った。あと四万円放送局に届けておいて、まあ永久というのがお困りになるなら二十年ぐらい鑑札でももろうて、それを張っておいたらそれでいい。そういうことをなぜやらぬのですか。放送局ができてから大かた五十年になるのに、ずいぶんまだるっこしいことをやっておるなと思っておるのです。  それからラジオの収入は何ぼですか。これはきのうも畑君が言っておりましたし、理論上いろいろ問題もありましょうけれども、そういうことをやるべきであって、何か税金のようにして放送料を取る強制権を持つのは、憲法違反だと思うのだ。なぜ経営ということをじょうずに考えていかぬのですか。前田さんどうですか。あなたは民間出身ですから、新聞の皆さんは、学業と印刷それから編集とこうあるわけでしょう。放送関係は印刷とか編集、営業の関係のものは、新聞とずいぶん違うのですね。ずいぶん違いますよ。こんなものは紙一枚要るわけはないし、インクが要るわけではないし、技術があるだけなんです。各県にNHKの何とか支局というのがあって、行ったらNHKの放送局かテレビ局があるのかと思ったら、何にもありはしない。五十人もいて何をしているのだと言ったら、集金をしているのですよ先生。こんなばかなことはないと思うのですよ。どうなんです。これまでどうしてそういうことをお考えにならなかったのか、この辺について一そういうことはまた憲法違反か何か知らぬが。むしろ私は今度の改正案を見て、どうしてもNHKが出せ、そんなことを言っても、おれはいやだと言ったら、機械に封印でもされてやられたらどうするのだ。これは最高裁判所に訴えられたら、放送局は負けるかもしれぬぞと思いながら読んでおりましたのですが、そういうことにこだわらずに、政府の何というか、そでに隠れて強権を発動するなんという、そんなむずかしいことをせぬでも、出しよい人から出してもらう、いかがですか、そういうことについてちょっとお尋ねいたします。私は別に金額を幾らにせいとかなんとかいうわけではありません。あるいは将来金利体系が変わるでありましょう。そういうものの収入は特別会計にしておけばいい、特別会計にしておいて、毎月の業務のほうに回しておけばいいと思うのですが、こういうことは何でもないと思うのですが、こういうことについて会長さんの御意見を承りたい。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 お尋ねの御趣旨につきましては、私も全く同感でございますし、もしそういうことができればこれにこした方法はないと考えております。その点につきましては、私どもも徴収の方法については、事務的に申しますと、何か先生がおっしゃるような最終目標に到達し得るような方法はないかという検討を、私に関する限りは十年近くやってまいりました。その中で考えられる方法は、先生がおっしゃるような方法あるいは公共事業を中心とする集金集団の共同結成、いろいろ考えてまいりましたが、その中で当面やり得るものという考え方で始めたのが、ちょうど御質問の中にもありました一種の金融機関を通じて聴視者一人一人の立場で御便宜をはかりながら、かつ聴視者にもそれによる利益を分配するという方法の、いわゆる一年もしくは半年前納に対する割引制度というところまでやっと実はこぎつけたわけでございます。先生御指摘の受像機を買う場合に、可能な人から数万円、これは具体的には検討しなければいけないと思いますが、そのようなことができるかどうかという問題につきましては、私どもも検討いたしましたが、法制のいかんにかかわらず、実際上現在NHKの対象となる御家庭は、全国で一千八百万ございますので、なかなか現実の問題としては、まだ現在ではそれに到達できないというような事情もございまして、理想的な形としては、私は先生の御意見に全く賛意を表するものでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 会長も突然のことだったから、やりたいなんて言って、またそう言うたじゃないかと言われると困るからそういう返事だろうと思うが、これは簡単にできる。ぼくは一例として受信機買ったときと言ったが、別に買ったときでなくても、毎月毎月来てもらうのがめんどうだから、一時払いにするという一時払いの制度、金利から逆算をして、一年分だったら三千六百三十円なんておっしゃった。だからまあ三千円の金利になるような元金、こういうことになって、大体五万円くらいで元金のほうも食わしてもらうので、私はこんなこと何でもないと思うし、どこにも障害がない。別に出したいという人に出してもらえばいい。それは放送債みたいなかっこうであるかもしれませんね。しかし永久の、二十年なら二十年、三十年なら三十年、元金を返すなんということじゃなくて、一時納めて片をつける、幾らでもできると思いますよ。これをこれまでどうして考えられなかったか、どうしてそういうことをしなかったか、だれも考えなかったのか、その辺のところが問題ですがね。私はやってもらっていい。われわれ毎日聞いております放送と、何も関係のないことです。積極的にひとつ研究していただきたいですね。いかがですか、もう一度。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 先ほどお答え申し上げましたように、考え方としては私どもも敬意を払っております。したがいまして、これがどの程度実行できるか、どのような方法があるかについては今後検討を続けてまいりたいと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 いま関係者は千八百万軒ですか、一割としても百八十万、五万円とすれば九百億、これは何とか債というのはどっかへ飛んじまいますよ。ひとつ十分私は検討してもらいたいと思うのであります。  それから今度は次の問題に移りますが、NHKが東京におきましては第一と第三ですか、波を出しておられますが、庶民の感覚といたしましては、最近それじゃNHKと他の民間放送局との区別はどうかということになってきますると、これはテレビの話ですけれども、広告が中に入らぬのがNHKだ、中に入るのが民間放送だ、こういうふうに国民は理解をしておる。子供から老人に至るまで理解をいたしておる、ということは、内容は同じだということですね。ほとんどみんな同じ定食の料理なんですがね。こういうことについて、前田さんとしてどういうふうにお考えになっておるか。原則的なことですが伺っておきたいのです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 庶民的感覚としての受け取り方は御説のとおりであると思います。私といたしましては、それが商業放送であろうとも公共放送としてのNHKであろうとも、放送番組の制作という点については原則的には変化はないものと考えております。したがいまして、その原則から考えますと、全く異質の番組内容が常に存在し得るとは考えられません。しかし、NHKとしては、放送法の精神あるいは放送法の規定というのは、私どもの考え方ではそれはミニマムの規定であると考えております。放送法のこの規定の根拠となる精神的な表現を私に許していただけるならば、私はこれをミニマムの根拠として、より大きな社会的責任を痛感すべきであるということを考えておりまして、私はNHKの番組の編成方針の基本的な考え方としては、その点に重点を置いているわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 これはむしろ、私どもが後刻機会を見まして民間放送の諸君に要望すべきことであるかとも思いますが、国民は同じような料理を食べさせられておる。このごろは新聞でもそういう傾向がある。これは先輩の前田さんよく御案内だと思うが、特に放送はそういう形がありまして、少しそういう行き方を変える段階にきておるのではないか。  これに関連をいたしまして、何か聴視のパーセンテージがたいへん問題になるように思っております。たとえばゴールデンアワーのときはどうだとか、あるいは「義経」の放送のときにはほかの放送は困るとか、そのパーセンテージはどうだとかこうだとか、民間放送はそのことによって料金が変わるわけでございましょうから重大ではございましょう。しかしながら、NHKとされましては、その辺の数字にも、何と申しますか表現はむずかしいですけれども、指導的なものがあっていいのではないか。特に教育放送におきましては、そういう形をとっておられるとは思いますけれども、何か、どうもあまり聞いておる人はないとか非常に多いとかいうことによって逆に放送内容を決定的なものとしてきめられていくという動きが、最近少し強過ぎはせぬかというふうな感じを持つのであります。特に教育放送関係の資料を拝見いたしますと、やはりもう一枚深く考えていく必要があるのではないかという感じを持ちます。たとえ聴視者が少なくても必要なものは出していくということでないことには、本来の姿が守れないのではないかというふうな感じであります。そういう意味におきまして、この放送番組審議会を、今度は、新しい放送法では少し変えていかれるようでございますが、その辺のところの、NHKの基本的な考え方について、あらためて伺ってみたいと思うのです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 私どもといたしましては、先ほど申し上げました基本的な考え方は、放送法の列記された条項を、われわれの責任の最小限度を示したものという考え方に立ちまして、これを中心とするより大きな社会的責任を痛感しながら、番組を編成していくというたてまえでございます。聴視率等につきましては、これはやはり一般の意向、動向を察知するためには聴視率調査も私といたしましては必要だと考えております。ただ聴視率によって番組を制作し編成するということが主眼であって聴視率調査をするのではなく、先ほど申し上げたたてまえから申し上げますと、私どもとしてはNHKの伝統的な方針として、見るに値し、聞くに値する番組を制作するということを主たる方向に考えております。  お尋ねの件と関連しまして、教育放送は御承知のように学校教育に関するもの、あるいは社会教育に関するもの、あるいは一般教養に関するもの等がございますが、学校放送に関しましても、社会教育に関しましても、一般教養に関しましても、これは一応だれが聞き、だれが見てくださるかという対象をまず策定することが必要だと思います。たとえば学校放送のごときは、やはり私どもといたしましては、揺籃から大学までという指標のもとに、現在死力を尽くしておりますのは、幼稚園、保育園から義務教育の最終年度まで、この部分につきましては、御承知のように日本の教育基本法あるいは教科課程に準拠してつくるというたてまえをとるわけでございます。したがいまして教育放送全般の中身につきましては特に特定対象ということを目標といたしておりますので、一般の御家庭に送る一般的な放送とは異なって、聴視率にこだわるという考え方は毛頭持っておりません。新しく改定される放送法の中に、ただいま申し上げました狭義の教育と関連して新たに教育番組審議会ができ上がるという条項がございますが、この点に関しましても私といたしましてはただいま申し上げたような線において教育番組審議会のおそらく委員の方の選任が行なわれ、同時にいま申し上げた方向に従ってその番組に関する限りの審議会に相なるものと、このように予想いたしております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 だんだんと御説明がありましたが、たとえば学校教育よりも社会教育ということを私ども考えてみましたときに、どうもいまNHKが採用しておりまする3の教育放送は少しむずかし過ぎやせぬか、そんな感じを私は持ちます。もう少しばかばかしいことでもやさしくやる必要がありやせぬか、その点について会長の意見をもう一度聞いてみたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 その点は基本的には全く同感でございます。たとえばいま申し上げた学校放送等につきましてはやはり教科課程によるというたてまえもあり、学校で御利用願うという目標もございますので、これにはこれをこなす限界というものが技術的に出てくるとは思いますが、一般の社会教育、一般の教養についてはできるだけすべての方々に御理解していただける表現と演出をとるべきであるというのが、私どものやはり基本的な考え方の一つでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 私はさらに具体的に言いますと、たとえば毎年毎年同じことでもやりなさい。一月の十日から二十日まで基礎の算術を毎年やる、一足す二は三だということをやる。私の昔の恩師に数学の大家がいますが、この人は小学校の六年まで数学ができなかった。一足す二は三ということがわからなかったという。それがわかったら急に大家になりました。恥ずかしい話ですが、私もオタマジャクシがわかりません。皆さんわかりますか。おそらくいま四十、五十の人はオタマジャクシを御存じない。私は小学校で教わらなかった。一、二、三、四というやつで、だから「シャープさんフラットさん」なんか――それはよくわかりますよ、耳でわかりますけれども、基本のそういうものがありませんから音楽がわからない。そういうふうなことがまだ日本にたくさんあると思うのです。そういうことについていかがですか。私はもっとこの点幾らでも申し上げたいのだが、まずこの一つの問題だけ……。非常に高度なベルリン交響楽団を連れていらっしゃる、みんな聞いていいと思っている。思っている人のうち五十歳以上の男子は――女子は知っています、昔小学校で教わったが、男子はオタマジャクシがわからない。有名な老声楽家でまだオタマジャクシが読めないという人があることも私はひそかに聞いております。そういうことを教える。毎年一月十日から二十日までは音楽の基礎を教えるというふうなことがむしろ必要である。大学の教授が十年間同じ講義をしたというて新聞などでいつもひやかしに出されますが、その教授にとりましては、それは楽であると同時に自分としてはこれ以外に教える方法はない、これがどうしても自分の学問の終結であるというふうな考え方もないわけではない。そういう意味において私はいまの3の波を見ておりますと、どうも落第生が一人もおらぬな。きょう、あす、あさってと、こういく。テレビの性格から見てどんなものか。そういうふうな疑問を持つ。テレビが始まりましてからもう十年以上たつ、ラジオを入れるともうずいぶんになるのだが、もっと日本人は考えてみる必要があるのではないかというふうに思うのですが、いかがですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 この点につきましても御趣旨には私も賛成でございます。私も実は放送協会をやっておりますけれども、オタマジャクシを――まあ大体高いところと低いところはどうなるのだろうという程度しか存じません。したがいましてNHKといたしましては^これは一例でございますが、音楽の教室というものも教育の波、第二放送もしくは教育テレビでは年間を通じて実施いたしております。御趣旨の点は一段と留意してまいりたい、このように考えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 重ねるようですが、一つの例を申し上げてこの点はおきたいと思うのですが、私はもう五十五歳をこえましたけれども、小学校の友人連中と一年に一回会合を持ちます。最近まで知りませんでしたが、その友人五十人ほど集まりまする中で三十人ほどは、中井さん私は新聞の社説は幾ら読んでもわからぬのだ、小学校だけしか出てないというが、りっぱな商人があります、りっぱな社会事業家もありますけれども、率直にそう言いました。私は実に胸を打たれた。いろいろほかのものもありましょうけれども、やはり社会教育というもの、それをくだいていくというのが本物じゃないか。  さらにもう一つのお話をいたしますと、私の友人の大学の教授、某私立大学の教授でありますが、それは中井君、恥ずかしいことだが、いまの大学生のうち三割までは高等学校卒業の資格はない、だからあれは遊んでおるだけだ、ぼくら幾ら教えたってその理解力がない、理解力がないということを言うのもしゃくだし、いいかげんにごまかしてやっておる。確かに三割はいる。これは戦後の非常に悲しむべき現象である。世論調査などをいたしましても、よくわからないというのが二割おります。私はもっとおるのではないかと思うのです。あと一割くらいは、わからぬというのはかっこうが悪いから何か言っておる。おれは自民党だ、おれは社会党だと言っておるだけだというのが日本における隠された一つの社会現象じゃないかと私は思うのです。それでもまだ青少年たちは最近の教育で思うことをずばずば言います。わからぬことはわからぬとまだ言うようにはなりましたけれども、さらに年配になりますというとそういう次第である。軍隊の中の過去のさまざまな事件その他もやはりそういうことが一つの原因である。知らないから肉体的に権力的に、納得じゃなくてやるというのが何百年と続いてきておる。そういうふうなことを放送としてはぜひ認識をしてもらいたい。その上に立ってやる。ときどき夜大学教授等が出ていろいろな批判会をやります。それから社会党も出る、自民党も出る、話をする。しかしあれはわかっていない、全部がおおわかりだと思っているが。その人たちを自然に教え込むということ、そういうことこそ必要ではないか。私はオタマジャクシがわからぬと、こう言いました。たいていみなわからぬだろうと思ったから言うたわけでありますが、六十になってからでもやはりわからしてもらえるとありがたいわけでございます。茶の間に直接入る教育でありますから、この教育放送につきましては、特に私はそういう意味における幅の広い、深い考えをお願いをいたしたい、こう思うのであります。  それから、今度は政府のほうでございますが、政務次官さんお見えでございますか。――今度この放送法の改正で、一つの地区でNHK以外に二つの民間放送を聞けるようにしたいということなんですか。それはNHK以外に一つなんですか。それとも民間が二つなんですか。どちらでございますか。

亀岡高夫自由民主党郵政政務次官

○亀岡政府委員 NHKのほかに二つ以上ということでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 それはどういう理由からでございますか。

亀岡高夫自由民主党郵政政務次官

○亀岡政府委員 中井委員も御承知のとおり、電波は国民のものであるということでございますので、東京では民間放送四つが見えるわけでございますが、地方に行くと一つのところもあるわけでございます。したがいまして、少なくとも二つの波を見られるようにしてやりたいという気持ちからそういうふうにいたした次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 これはどうなんですか。二つ以上というのは、将来民間放送はいろいろ特徴ができてきまして、民間なりのカラーができてきて、一つは非常に拙速をとうとぶ、一つはゆっくりだけれども正確にやるとか、あるいは政治的には一つは何といっても社会党、大体社会党びいきなやつが多いとか、あるいは一つは自民党びいきのやつが多いとか、一つではどうもいかぬからやはり二つ置いておかぬといかぬということですか、率直に言うと。どうも私はこの二つ以上というのはひっかかるんで、放送関係で政党関係とかその他いろいろあるでしょうけれども、いまはまあ不偏不党なんというようなことを言っておりますが、どういうことですか。

亀岡高夫自由民主党郵政政務次官

○亀岡政府委員 そういうただいま中井委員の仰せられたような意図は毛頭考えておらないわけでございまして、国民の電波である以上、できるだけ東京に準じたような波を出し得るならば理想的でございますけれども、これもいろいろな社会、経済情勢からいって事実上不可能でもあるわけでございます。したがいまして、少なくとも一つで独占的に経営をやらせるよりも、二つありますとお互いに競争いたしまして、よりいい番組を提供できるというような立場から二という複数の考え方をとった次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そうすると、二つ以上くらいはいいだろう、こういうことですか。これはたいへんのんきなことですが、どうしてわざわざ法律でそういうことをきめられる必要があるのですか。一つではどうしていかぬのですか。私はこの辺どうもさっぱりわからぬ。どうなんですか。

亀岡高夫自由民主党郵政政務次官

○亀岡政府委員 政府といたしましては、できるだけ多くの電波を国民に見せたいというような立場から二つという目標を一応法律に規定いたした次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 どうもわかりません。二つとした基本的な政府の考え方、あなたの説明を聞くと、三つならなおいい、四つならますますいい、こういうことですね。少なくとも二つ、そういうことですか。もう一度……。

亀岡高夫自由民主党郵政政務次官

○亀岡政府委員 気持ちとしてはそのとおりでございます。同じ国民でありながら、東京におって四つ見える、いなかにおるために一つしか見られないということは、これはある意味からいって不公平さが出てくるわけでございますので、できるだけそういう体制には持っていきたいわけでございますけれども、民間放送は御承知のとおり一般の経営事業でございますから、経済的にも非常にむずかしい面も出てくることは中井委員も御承知のとおりでございますので、そういう点で一つの目標として二以上ということにいたした次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 東京や大阪はチャンネルをいろいろ回したらどんどん出てくる、地方では出てこないから、なるべくたくさんのほうがいいだろう、一応そういうことですか。地方でもたくさん聞こえるところも現在でもございますし、またいまでも全然聞こえないところもあるわけですね。NHKも聞こえない、何か機械の施設をしないと聞こえないところもある。それからさらに、必要でないところのニュースはどんどん入るけれども、肝心のニュースが入らない地方もある。具体的にいいますと、たとえば群馬県なら群馬県で東京の放送は入るけれども、山のぐあいで前橋のローカルの放送は入らない。だから、その地方の県会の報道などは一切入らぬ。私の出身地は大阪の放送はどんどん入りますが、名古屋の放送は一切入らぬ。だから二つどころじゃない。五つ入ります。五つ入りますが、名古屋の放送は入りませんから、私どもの県の報道は一切入らぬ。他府県の報道は入る。天気予報も、他府県の天気予報はどんどん入るのです。実に明らかに入るが、肝心のものが入らぬ。そういうところがたくさんあるわけですね。そういうものについて、今度こういう放送法の改正案をお出しになるのだが、何カ年計画でぴしっとするのか。いま報道のうちのやはり最も必要なことはニュースだろうと思うのですが、ニュースが見当違い、気象通報も見当違いというのでは困りますので、それは何年計画でぴしっとするのか、そういうことについて、これは監督官庁としての見解を伺っておきたい。

亀岡高夫自由民主党郵政政務次官

○亀岡政府委員 確かに中井委員仰せのとおり難視聴の問題は、放送事業にとってこれを解消するということは喫緊の問題でございます。したがいまして、NHKにおいても、昨日も会長からお話のありましたとおり五カ年計画に基づきまして懸命の努力を続けまして、難視聴の解消を期しておる次第でございます。また民間放送事業者におきましても、できるだけ広く視聴できるような努力をそれぞれやるように指導をいたしておる次第でございます。今後もこの難視聴解消という問題につきましては、郵政省としましても大いに努力をしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。  また、私の県でも実は山の新潟寄りのほうに参りますと、福島県の放送が入らないで、新潟県の放送が入ってくる。小学校の生徒なんかは、新潟県の知事を福島県の知事と間違えるというような事例も聞いておるわけでございます。こういう点につきましては、今度の改正法案につきましても、ローカル番組というような点にそれぞれ大いに努力をしていただくということと、今度の改正案では業務区域というものをきめまして、相当の難視聴の解消を期してまいるということにいたしておるわけでございますが、実際の業務の上におきましては、改正法案を国会で通していただいたあとにおきまして、新たなる立場からのチャンネルプランの決定の際に、ただいま仰せのような点を十二分に考慮いたしましてチャンネルプランを決定してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 亀岡さんからだんだん御説明がありましたが、結局何年計画でそういう地区を解消されるのか、いかがですか。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまのテレビの普及率というのは九二%だったかと思います。それでたとえば東京のようなところに一局つくりました場合のカバレージというものは、大体どのくらいカバーするかと申しますと、一局によりまして大体二〇%ぐらいまではいけるかと思います。ところが地方に参りますと、世帯の数が非常に希薄でございますので、そのために一局つくりまして、六百戸ぐらいのものを対象にいたしますれば、全国二千三百万ぐらいでしょうか、そのくらいの世帯であるといたしますと、約〇・〇〇二%ぐらいになるかと思います。したがいまして、千局つくりまして二%ぐらい上がるということになります。いまのところでは千五百戸ぐらいのところを大体最低の基準のところに置いておりますので、そのくらいにいたしますと、結局〇・〇〇六%ぐらいになるかと思います。そういうようなことでございますので、だんだんと地方に行けば行くほど、普及率をカバーするということが非常にむずかしくなります。したがいましてどの程度のところをどういうぐあいに押えまして何年計画でどう持っていくかということは――相当指数的に伸びていくわけでございます。したがいましてその年限を何%くらいのところで何年ということをしなければ先生に対するお答えにならぬと思いますけれども、その点につきましては、少なくともまだ二千や三千局というものはなるべく早い時期におきまして普及をしなければならぬ目標の数字かと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 ちょっと大事な点でありますので、関連をして聞いておきたいと思います。  いま中井さんが言っておりますのは、二以上の局の問題について問題になっておるわけでありまして、当面一番問題になっておりますのは、やはり関西とそれから東海が問題になっておるわけであります。具体的にいま中井さんから説明があったように、たとえば三重県において、大阪のテレビは五局入る、しかしながら東海のほうは全然入らない。そういうことになってくると、ローカルは全然入らない、こういうことになってくるわけであります。そこで、現行のVにおいては全然ないけれども、今回の放送法の改正によってチャンネルプランができ上がるとするならば、今後Uの中身が開放せられるということになる。そういう場合に、いま中井さんが言っておりまするように、具体的に、その県のそれぞれのローカルというものを非常に望んでおる。そういう場合に、結局ここに今回の放送法の改正によるところのいわゆる使用計画における場合において、波の割り当てが、具体的に、たとえば東海方面においては、岐阜、三重、こういうところは全然いわゆるローカルの親局がない。こういうところについては今後、民間放送においても、あるいは場合によってはNHKにおいても、そういうところのものをこの法改正というものは置いていく方針である、こういうふうに解釈をしていいと私は思うわけでありますが、その点はっきりしておきたい、こう思うわけです。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 いま先生の御指摘のありましたとおりに、今度の新しい改正法律によりまして二局以上ということをうたっておりますので、したがいまして、波の問題につきましてもその方針で、十分これをカバーするように努力するということを考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 いや、その二局以上というのは、たとえば五つ入ってもそれが五局ということになるわけであります、五つの波が見えるということになりますので。私が言っておるのはそうではなしに、現実に、たとえば三重県なら三重県においては三重県というものの放送が全然ない、岐阜においては岐阜県の放送が全然ない、そういう場合については、今回の新しいUの波を開放する場合においては、具体的に二以上という場合のこれが当てはまってきて、そのいわゆる県別の地域放送というものが認められると解釈をしてよろしいかどうか。これは単に岐阜、三重県だけの問題でなしに、ほかにも関連をする事項がありますので、特に念を押しておくわけであります。これは非常に重要な点でありますので……。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの御質問よくわかりました。その点につきましては、法律の上で考えておりますことは、事業区域というものは、一つの府県というものを一つの最小の単位というぐあいに考えまして、それ以上というぐあいに規定しております。その趣旨は、たとえば関東のごとき広いところにおきましては広域圏というものがございますので、そういうものをカバーできるようにという意味でございまして、先生のいまおっしゃったような意味でぜひ必要というものにつきましては、もちろん従来なかったところでもだんだんとそういう方向で埋めていくというぐあいに考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで、この事業区域のところには、確かに都道府県区域、さらにそれを拡大をして解釈すると、たとえば関八州という問題が出てくるわけでございますけれども、たまたまいま中井委員が質問をしたところの三重県なり岐阜県の問題については、これは相当事情が変わっておるわけですね。だから、私は具体的な例が出たからここで具体的に聞いておるわけであって、こういう三重のような場合については、これは当然私は認めていかざるを得ないのではないか、特に名古屋と大阪というふうなキーステーションの両局にはさまれたような中間については、認めなければこれを解消する方法はないのじゃないかという点が言えると思うのです。そういう点については、たとえば関東における東京の場合と、東海の名古屋と大阪にはさまれているというこの内容とは若干意味が違ってくる、そういう点からいくとするならば、いまたまたま出ましたので、私は三重県あるいは岐阜県というものについては、その県域放送というものを認める方向に行かざるを得ないのではないか、こういうことを考えておるわけであります。そういうふうに考えていいかどうか、こういうことを聞いておるわけであります。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 事業区域というものを設定いたしました以上、しかも二つ以上見えなければならないんだということをうたっております以上、先生のおっしゃった方向でこれは検討しなければならぬと思っております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 専門の森木君から御質問がありましたものにこれから関連すると思うのですが、私は技術はしろうとなものですから、第一、Uの波というものはどういうものか一向にわかりませんので、――これまでの波はVというのですか、Uの波を置いたら普通のテレビ受像機ですぐ見れるのですか。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、これは電波というものの性質からきておりまして、御承知のように電波には周波数というものがございまして、その周波数によりまして、電磁波の振動する周波数というものに共振をさせて初めて受信というものを可能にしておるというわけでございます。したがいまして、一つの受信機をつくりました場合に、実際に共振をして受信ができるようなそういう周波数範囲というものは広いことが望ましいのでございますけれでも、機械の性能とかあるいは経費の問題によりましてある幅というものが限定されてまいります。そういう意味で、従来ありましたところのVHFというものと、それからいま御指摘のUHFというものは、これは実は二つのバンドが離れてございまして、この二つを一緒にして受けるような受信機というものは相当むずかしいものでございますから、そういう意味から解き放して、同じテレビというものを受けながら二つ離れております。したがいまして、Uのほうのための受信機、Vのほうの受信機というようなぐあいに二つに分けていくほうが便利である、もちろんこれは将来におきまして両方ができるということもできますし、現在の受信機に手当てをいたしまして、コンバーターのようなやり方でもってVのものによりましてUを受けるというようなやり方もできます。そういうようなわけでございますので、Uというのは周波数というものによりまして、周波数の違いから起こってくるところの周波数のバンドである、周波数のある帯域であると御理解願えればよろしいかと思います。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 しかし、アメリカあたりでは、これは両方見られるものでないと許さぬというふうになっておるのじゃないですか。どうですか。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 アメリカにおきまして御指摘のようにオールチャンネル法というものをつくりまして、UもVも同時に受けられるような受信機でなければ許さないということを、一つ一つの州でございますが、そういうところでもって、製造する場合あるいはよその国から輸入する場合におきましては、そういうオールチャンネル法にかなったものでなければいけない、こういうぐあいにきめております。その趣旨は、結局UとVというものが同じように将来発展していくように、二つのバンドがあまり区別されないで同じような利用ができるようにということをはかったものだと考えます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 そこで、私はちょっと文句があるんだ。私どもの地方のことを考えてみますと、Vで入る場所は大阪、名古屋は入らない。人口二十万ある。そこで名古屋も入れてある、Uというのはできた、一万円出してこの機械を直したら名古屋は聞こえる、こういうわけだ、一万円といえば受信料の二年分、三年分じゃないか、それなのにかってに放送局をつくってしまって、おまえら機械を買えとは何だ、そんなものをつくるなら三億円出しなさい、聴取者に。受信をしておる三万戸に対して、全部一万円ずつ出さなければ名古屋の放送は聞けない。これは単に娯楽とかなんとかいうものではない。東海三県合併、そういってもぼくは何にも知りません。何を言っておるんだ。岐阜県の知事は東海三県合併と言っておるが、絶対反対。反対しますよ。高山の奥のほうはちっとも受けられない。何を言っておるか、一部のやつは。というぐあいだ。だからぼくはこういうことはけしからぬと思う。入れるならば、大阪のものをUにして名古屋のものをVにしなさい。そうじゃないか。なぜ三億円も民衆に使わせるんだ。二局以上置かなければいかぬ、何を見てけつかる。ぼくは法律の改正よりも、そういう不親切さ、NHK全体のものの考え方を言っている。それで冒頭に言った。減価償却九十八億、むちゃくちゃだ。そんなものは四、五年たったら余ってしまってどうにもならない。だから新しい機械でもこわしてしまえということになる。悪口を言わせてもらえば、昔の陸海軍の予算みたいなものだ。波なんて聞こえない。日進月歩か何か知らぬが、そんなものは大金のかかるものは入れません。この間私は聞いたのです。ところが、先生のところは聞こえますよ、いや聞こえない、いや一万円かけてもらったら聞こえます。ばかにするなというんだ。何を言っておるんだ。そんなことで全国の波をどうこうといっても、ほんとうにやるのなら、私はそういう不親切な――あなたの説明を聞いておると物理学者の説明だ。そのとおりだ。しかしあなたやはり行政官なんだ、電波監理局長という。そういう不親切なことはいけない。全国にもこういうところはたくさんあると思う。おそらく亀岡さんのふるさともそうでしょう。Uにするから一万円ずつ出せとやったら亀岡さんも大弱りしますよ。選挙は落選するよ、ほんとうですよ。こんなことを何でやるのか。だから私はこういうことはみんな防いで――さっきはおとなしく聞いておった。あなたは調子に乗って話をするから、つい私も本音をはいたんですがね。もっとこれは整理をしてください。会長さんぜひひとつ、これはNHK自体としても、聴視者の立場に立って――私は申し上げるが、NHKはそれはゆっくりしてます。けっこうなことです。それをどうこうして、いま私は三百三十円のなにを下げろとは言いません。言いませんけれども、それを聴視者にお返しをするのならば、親切心がないといけない。経費を節約して、そういうふうに充てていく。先ほど伺ったような料金の徴収方法だって、これは非常に成功すると私は思っておりますよ。聴視者の一割や二割は一回納めたら二十年、三十年納めぬでいいと思えば、三万円、四万円の金はみんな出しますよ。そういうことに踏み切られて、そうして親切は――こういうことについて二放送にしたいとか何とかいったって、なかなかそれは実際にむずかしい。   〔委員長退席、佐藤(洋)委員長代理着席〕 それはけっこうなことです。けっこうなことですが、二というから私は与党と野党かなと思ったくらいなんですけれども、だんだん伺ってみますと、そうじゃなくて、できるだけ親切にやるというのならば、このUの波を出す。それでアメリカのように当分の間はそういうふうにNHKのほうでひとつ考えていただくし、将来は受像機そのものを両方とも聞けるようにしなければ、みんなわれわれ庶民は月賦で買うているんです。またここでいま森本さんが七千円と言っているが、森本さんはくろうとだから七千円くらいで買えるが、ぼくらが買うと一万円かかる。大体そんなに実際買ってやりませんよ。だからNHKとしては施設をやって――無人局でしょう。施設をやって民放なんかと連絡をして喜んでいるんだ。だれも聞いてやしない、一万円要るから。だから効果はないんです。この問題をぜひひとつ、これはこの国会中に、あとまたベテランの森木さんその他自民党の皆さんも御同感だろうと思いますので、何かいい解決方法をひとつ見出してやっていきたい、かように思います。  あとまだお尋ねしたいことがありますが、十二時をもう過ぎましたから、一件だけ伺います。日本の技術がきわめて優秀でありまするから、おそらくや南のほう、東南アジア方面には大いに技術協力という形のものが放送関係においても行なわれておるのではないかと思うのでございますが、この現状はどの程度でありますか。この点を最後に伺っておきたいと思います。

三熊文雄日本放送協会専務理事

○三熊参考人 ただいまの御質問の、NHKの現在行なっています低開発国に対する技術援助につきまして、御説明いたします。  まず場所を申し上げますと、パキスタン、シンガポール、マレーシア、インドネシア、カンボジア、エルサルバドル、このような六カ国につきまして技術援助をやっておりまして、特に現在は、パキスタンにつきましては、テレビの放送網計画、これにつきまして、いろいろと人を出しまして、援助しております。  それから、シンガポールにおきましては、ラジオ、テレビの学校の先生及びシンガポール放送局の実際面につきまして、人を出しましてやっております。  それから、マレーシアにつきましても、テレビジョンの置局につきまして、いろいろと指導したわけです。  インドネシアにつきましても、同じく人を出しまして、インドネシアの放送網について、やりました。  カンボジアにつきましては、現在行っていまして、放送局を建設し、この間そのカンボジアの局ができ上がったという状況でございます。  エルサルバドルにつきましては、現在、学校がありまして、そこへ一人出しておると同時に、向こうの教育テレビジョン網につきまして計画を行ないつつあります。  以上でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 ことしの新しい計画はどんなふうですか。

三熊文雄日本放送協会専務理事

○三熊参考人 ことしはこれにタイ国が加わるのではないか、こう考えています。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 あと少しお尋ねしたいこともございますが、時間の関係もございますから、きょうはこの程度にいたしまして、あとの機会に譲りたいと思います。

佐藤洋之助自由民主党

○佐藤(洋)委員長代理 佐々木良作君。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 私は、このNHKの予算を拝見して、それから現在のこの根拠法の放送法を初めてほんとうは拝見して、いろいろどうもわが国においては非常になじみの薄い法制であり、したがってこのNHK予算についてどういう角度で審議したらいいのか、私自身戸惑っておる次第でございますが、これに対しましては明確に郵政省の意見を承りたいと思いますから、郵政大臣が見えてからお伺いしたいと思います。したがって、ほんとうは郵政大臣を通じて聞くのか、NHK自身に聞くのか、私よくわからないのでありますが、せっかく予算が提出されておりますから、NHKの会長さんもお見えでありますので、この予算の中心につきましてお伺いいたしたいと思います。  まず、NHKの四十一年度予算は、これは何か特別な特色をもってつくられておるのか、何の特色もないものか。われわれがしろうととして、四十一年度に何か特別NHKとして計画されていることがあり、従来とこういうところが違う、こういうところに特徴を持たせたいというものがあるのかないのか、お聞かせいただきたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 お尋ねの件に対してお答え申し上げます。  昭和四十一年度予算の本質的な性格は、現在進行中の第二次六カ年計画の第五年度目という背景のもとに編成されております。これが根本的な予算編成のたてまえでございますが、その長期計画の第五年度目としての四十一年度予算の特殊性と申しますか、特殊の目標は何かということになりますと、これは三点ございます。  その第一点は、番組編成と関連する放送の計画についてでございますが、この点では一番大きな柱は教育テレビジョン放送の時間を今年度よりも毎日一時間半増すという点に目標を置いております。この一時間半増すという中身は、主として勤労青少年のための放送による通信教育を拡充するという点にあるわけでございます。  第二点は、いわゆる放送法並びに長期計画の最終目標としての全国あまねく公平にNHKの受信ができるような建設計画を強く推し進めるという点でございます。この点につきましては、御審議をいただきます予算の中には、テレビジョンについては、総合テレビ並びに教育テレビジョンともそれぞれ明年度中に百二十局を完成し、したがって合計二百四十局になりますが、さらに五十局ずつを着工する。したがいまして、両方で三百四十局に相なります。これは従来の計画をさらに一そう推し進めたものということができるかと思います。また機械設備との関連では、これは研究の費目の中に含まれておりますが、放送衛星の具体的な研究に着手するということを含めております。これが建設計画に対する第二の特徴でございます。  第三は、企業の合理化――合理化と申しますのは、要するに長期計画の最終目標の一つは、経営管理を合理化して、できだけ経費の節約をはかるというところにあるわけでありますが、この計画は、簡単に申しまして、あと二年残っているわけですが、その最終年度の前年度計画として、全国的な機械化を番組面並びに技術面において前進させるという方針をきめております。これが昭和四十年度予算の、その年度における特殊の性格でございます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 いまのお話の中に、放送衛星の具体的研究にというお話がありましたが、それはどういうことですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 これは御承知のように、オリンピックのときに、アメリカの通信衛星を通じまして世界中継ができたわけでありますが、その後の世界の放送事業界の傾向を見ますと、通信衛星のうちの放送部分を具体的に利用しようという傾向になっております。特に去年十一月パリで開かれたユネスコのマスコミに関する特殊会議におきましては、今年度の、一九六六年度のユネスコの基本政策の一つとして、新聞、通信、放送をひっくるめて、この通信衛星の利用の予算編成をするというたてまえに踏み切っております。と同時に、三年ほど前と記憶しておりますが、ITUのジュネーブ会議において、この放送における通信衛星の利用を国際的に最終的に決定し、これに基づいてわが国の電波法の中にも、将来通信衛星を使うための基礎的規定がすでに規定されております。それからまた実際問題といたしましては、ソビエトは昨年以来二つの放送衛星を上げておりますし、カナダは今後二カ年計画で放送衛星を上げる計画を発表いたしております。さらに、フランスにおいてもその実験を過去二回にわたって行なったことは御承知のとおりであります。ヨーロッパ諸国におきましても、この問題は数カ国が協同して目下研究中でございます。そのようなたてまえから申しましても、特にNHKといたしましては、全国一〇〇%にテレビの波を到達させる義務を持っているという点からいっても、経済的にもそれからスピードアップするという意味でも、もし放送衛星によってこれができるものであれば経済的にもきわめて有利であり、同時に実際的にもいわゆる単なる法文の明文でなくて、明文どおりの実行ができるのではないかという点で、とりあえず研究を開始したい、このように考えております。  ここで一言、私が放送衛星と申しますのは、いままでアメリカその他が打ち上げた通信衛星とは別のものでございます。通信衛星は電信電話を含んでおりますけれども、私どもといたしましては、放送という目標だけに沿ったものをつくることが、より経済的であるという考え方のもとに、特に放送衛星ということばを使ったわけでございます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 私はそういう科学的なことはよくわからないのですが、国内の放送を完璧ならしめるための措置として、いまのようなお話を承るわけですが、国際的な関係での宇宙衛星の関係はどういうふうにお考えになっておるわけですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 私どもといたしましては、NHKという立場からこれを放送を中心として考えるわけでございますが、私の申しました放送衛星も、広い意味での宇宙衛星の一種になると思います。私はNHKを中心として、国内の難視聴地域の解消に経済的にも役立てたいということを申しましたが、同時にこの放送衛星を幾つ上げるか、どの高さに上げるかによってこれは国際的関連を持ってくると思います。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 東京オリンピックの際にNHKがわが国の放送技術といいますか、放送水準の高さを世界に対しましては、相当にPRすることに効果があったし、その意味におきまして私は相当な成果をあげたと存じます。いまの放送衛星の問題と関連いたしまして、次のメキシコオリンピックに対しまして、ちょうど東京オリンピックの際は全世界に東京から中継して外へ出したわけですけれども、メキシコから今度は日本の国内向けに中継して、これをやるというような計画も含めて考えられておりますかどうか、その辺いかがでしょうか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 御説のとおりであります。私どもはまだ予備折衝の段階にございます。先々週も技術者と放送関係の責任者をメキシコに送りまして実情を調査すると同時に、メキシコのオリンピックに対する放送能力及びいろいろな条件の研究を開始いたしております。私どもといたしましては、メキシコからあらゆる手段を通じて、日本選手の活躍を中心に、各国選手の活躍をできるだけ急速に報道するたてまえをとらなければいけないという考え方を持っております。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 郵政大臣お見えになりましたから、基本的な問題に返りたいのでありますが、続きでありますから、こまかくちょっと一、二お伺いいたしたいと思います。  いまの放送衛星の問題というのは、私はきわめて重要な問題だろうと思います。したがいまして、これは十分なる研究を重ねられまして、具体的な成果がおさめられるように、特段のひとつ努力をお願いをいたしたいと思います。ややもするとオリンピック目当ての国際中継問題だけがクローズアップされがちだと思います。私は当然に国際的なつながりにおきまして、メキシコオリンピックを今度は日本向けに中継するという意味でのそのような計画を十分に進められなければならないと存じますけれども、そのようなはなやかな計画の裏に、最も基本的であるところの日本のすみずみにまで電波を行き渡らさなければならぬということがなおざりにならないように、先ほどのお話の中に当然に入っておるわけでありますけれども、どうしてもはなやかな向きに、同じ放送衛星に取り組みましても、はなやかな向きに行こう行こうとするものだろうと思います。それに対しまして十分なるひとつお心がまえで推進をお願いいたしたいと思います。  それから一、二こまかいことでありますが、先ほどことしの特色として教育テレビの時間をふやすという教育面への重点をあげられておったようであります。私はたいへんけっこうなことだと存じます。しかしこのことはけっこうでございますが、それと並行的に最も強くほんとうは聴視者として考え、気がついておりますのは、直接教育目的を持って放送されるものもさることながら、一般の家庭向けの放送の質的向上のことだと存じます。これは言うまでもなく、いまいろいろな機関やあるいはNHK自身においていろいろお考えのことだろうと思いますが、この教育テレビの時間をふやしたり、そういうことは、言うならば私は非常に簡単だ。しかしながら一般家庭向けの教育内容といいますか、質的な向上をするということは非常に困難な仕事だと思いますが、ほんとうを言えば、これのほうが影響は大きいし、一そう必要性は強かろうと思います。ひとつこの問題についての格段の御吟味を願いたいと思いますが、本年度特にお考えになっておることがございますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 その点につきましても御趣旨と全く同感でございまして、私は先ほどきわめて簡潔に明年度予算の特徴を申し上げましたが、同時に番組面におきましては、総合テレビにおきましては、端的に申し上げて夜八時から九時の線の番組の編成がえ、制作がえをいたします。この時間帯は毎日どなたがごらんになっても共感をいただきながら豊かな社会への創造に寄与できるものということを考えております。またラジオの第一放送につきましても、生活に直結しながら、しかもインフォーメーション、情報と客観的事実が把握できる根本的な編成がえをいたします。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 現状に対しまして努力のあとはわれわれ感じるのでありますけれども、なおいろいろな批判もありましょうし、われわれは一そうの質的な向上を要望いたしたいと思います。  関連いたしまして、一般のニュース放送的なものについてお伺いをいたしたいと思いますが、これは私の直感でありますけれども、いまニュースの取材というものにつきましては非常に競争が激しく行なわれております。私どもはこれは必ずしも政治問題だけを取り上げるわけではございませんけれども、言うならば情報のため、記事のために内容をつくらせられることが案外政治の面では多いことは御承知だと思います。それがまた一たび今度は社会的な事故が起こりました際には、その事故の内容を正確に報道するということよりは、むしろその事故に対しての感情を刺激するといいますか、くすぐるといいますか、それを非常に正確に迅速に報道することよりは、悲惨なことだという事態が起これば、その悲惨さを強調しようとする面が、これはNHKだけではございませんで、いま一般の報道機関の中に持っている一つの特徴のような気がいたします。したがいまして特にNHKは、言うならば完全に私営のものでもございません、公的なものでございますから、どうも一般ニュースの取材に対しまして、他の商業関係のものとあまりにも強い過当競争の状態に入り過ぎておるのではなかろうかという感じを持つわけであります。同様な意味におきまして、先ほどから繰り返しておりますように、たとえばこの間の飛行機の事故なら事故がありました際に、この事故は悲惨なものだという放送者自身の感情が悲惨な面だけをとらえようとし、そして国民に対して一そう悲惨だぞ悲惨だぞということを訴えることが何か一つの目的のような印象を受ける。ニュースというものは感情に訴えるものではなくて、私は最も正確に知能に訴えて批判を国民に求めるものだと存じます。その意味におきましてニュースのとらえ方について吟味をされる必要はないかどうか御所見を承りたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 この点につきましても、基本的には全く同感でございます。ニュースというものは水ないし空気と同じようなもので、全く客観的に事実そのものがとらえられなければならないと思います。その点につきましては、私どもNHKの自家取材と申しますのは、実は戦後初めて始まったわけでありまして、昭和二十五年に初めて放送法が制定せられたときに、自家取材というたてまえが放送法の中でも確立したわけでございます。したがいまして新聞その他と比べまして、報道取材の歴史はきわめて短かいのでございます。しかし私どもは仰せのごとき方向で職員を訓練し、また編集の方針を立てております。私どもといたしましては、さらにこの報道の純化という点で広く世論を聞く機関をつくっているばかりでなく、協会内におきましても考査的な強力な機関をつくりまして、たとえば先日の全日空、カナダ航空、BOACの報道態度も、その後続けて検討をしているという状態でございまして、できるだけ御要望に沿える、国民全体が納得できる真のニュースの姿を実現してまいりたい、かように考えております。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 ついでにもう一点。会長自身一般聴視者から意見を聞かれるチャンスはございますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 ほとんど連日ございます。私どもの制度といたしましては、今年度の当初、すなわち去年の四月一日から全国に相談室というものを設けましたが、それ以前過去数年間にわたって全国の聴視者との懇談会というものを開いております。大体年間一千回近いかと思います。したがいまして、私自身地方に出る場合には必ず懇談会を開いていただきまして、直接一日二時間ないし三時間聴視者と話し合っております。また実際問題として、ほとんど連日電話もしくは書類で私に御意見、御要望を述べてくる方が一日数件に達しております。そういう意味で、私といたしましては協会の責任の重さを痛感しながら、できるだけその面ではみずから接触したいという熱意に燃えております。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 放送のあり方につきまして具体的な意見も持っておりますし、改善意見もないことはないのでありますけれども、いまの会長の基本的な方向を了といたしまして、また別な機会をとらえていろいろ意見も申し上げ、拝聴させていただきたいと思います。  会長に対する質問は一応切り上げまして、先ほど申し上げましたごとくに郵政大臣に伺いたいと思います。  郵政大臣にお伺いいたしますが、先ほど申し上げたのですが、今度初めてNHKの予算書なるものの審議を命ぜられて、自分で繰ってみて、同時にまた、この根拠法である放送法をずらっとべっ見をいたしまして、これは一体どういう態度でどこまで吟味したらいいのか、非常に戸惑っておる次第であります。つけ焼き刃にあちらこちらに話を承ってみますと、NHKというものは一体どういう性質の機関かということについて、これはなかなかハイカラで微妙にできておって、たいへん上等にでき過ぎておるような気がいたします。われわれは普通にこういうような機関を、常識的には半官半民の機関だと言います。そして国民も大部分半官半民だと思っていると思います。しかし国民の中にある半官半民という考え方は、言うならば国鉄でありますとか電電公社でありますとか、資金の大部分なり一部なりを政府が出して、そして民営、つまり民間の創意くふうがこの経営に当たるという式のものを半官半民のものとしてとらえておると思います。しかしNHKという機関は、御承知のように国が金を出しておるわけでもございませんし、というて完全な民営でもないし、この性格を把握することは非常に私は困難であると思います。時間がございませんから、この放送法の中から具体的に、どれとどれがどうだ、こういうお聞きのしかたはなかなか困難であろうと思いますので、まず非常に具体的に承りたいのですが、いまわれわれが審議しているこのNHKの予算書ですね。この予算書に対するわれわれの審議の態度はどうあるべきか。国鉄予算を審議するときとどう違うのか、御意見を承りたいと思います。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 おっしゃいますように、私はNHKというものは放送法によって存在を認められ、放送法でその組織なり業務なり財務なりの規律を受けておりまする他に類のない一種特別の法人だと思います。確かに御指摘のように公社等と比較いたしまする考えが世間にあるかもしれません。私はこれと全く種類を異にしておるものだと思います。こうした文化事業を営みます一種特別の放送法上の法人と考えます。したがいまして、御指摘がございましたように、このたびの電波法、放送法を改正いたすにあたりましても、電波を計画的に分配し、計画的に使用する、そうして国民は協会と民放との両方の放送を必要にして十分なだけ聴取することができるようにするというような配意はいたします。しかしながら放送事業の自主性というものは、どこまでもその事業の面、存立の面でも確保をいたしてまいっております。その意味においてはNHKが放送法に基づいて設立される放送事業者であり、したがいまして、そういう性格は持っておりまするけれども、放送事業者としての自由な経営、自由な判断による番組の編集等は、これは保証されておるところでございます。しかしながらそれが今度は国民と非常に深い関係を持ち、また、ことにこのたびの改定で国民の義務として――国民と言いますとちょっと語弊がございますが、聞き得る設備を持ちます者には義務として放送料を徴収いたしておる。そういう関係からいいまして、これは国会の慎重な御承認をいただかなければならないNHKの予算ではございます。ございますけれども、他の国または国に関係のあります機関とは全く別個の、放送法上設置されておる法人としてお扱いを願いたいのであります。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 具体的にわれわれの審議権は放送法の三十七条に起因しておると思います。この条文を読んでみまして私は戸惑っておるのでありますが、国会でこのNHKの予算書を修正することができますか、御見解を承りたいと思います。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 立案当初からできないことに解しております。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 そうしますと、たてまえは、たとえば政府機関の予算書の場合の議決の問題と承認の問題との性格の相違といいますか、できないという根拠、理由はどういうことになっていますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 三十七条の承認と申します意味合いはそのような意味合いであるというぐあいに当初から認め、そういう前提で三十七条の御解釈を願い、運用されておると思うのでございます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 逆に郵政大臣は意見を付さなければならぬことになっております。今度の意見書を見ますと、おおむねよかろうという話で、あってもなくてもよさそうな意見書しかくっついておりませんが、もしこの意見書が三項に予想するようなかっこうで、この内容は変更すべきものだ、こういう意味の意見書をつけた場合の国会の審議はどういうことになりますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 郵政大臣が変更すべき意見を付しました場合に、それをNHKの原案とそして郵政大臣の意見書と両方をごらんをいただきまして、そうして直さなければいけない場合にはNHKが出し直すという手続に相なると思います。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 いまの意味は……。それでよろしいか。

森本靖日本社会党

○森本委員 関連して。その場合はこれは郵政大臣が――実際問題としてはあり得べきでないけれども、法律上そういうことは間々あると考えなければならぬのだ。だがNHKはこの予算を郵政大臣を経由して国会に上程をする、その前に郵政大臣が、この予算は全くだめだ、こういう意見書を付して、そのまま国会に上程することは現実の問題としてあり得るわけです。それでこの予算を承認すべきかしないかは国会が判断をする問題であります。現行の法律解釈ではこれが正しいわけでありますから、法律解釈という問題は大臣、はっきりしておいてもらいたい。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私ちょっとそこを……。国会はNHKの案とそして郵政大臣の意見と並べて御判断をいただき、国会がすべて御判断になることでございます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 国会が判断をした結果は、そうするとイエスかノーかということだと思いますが、そうでしょうか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 さようでございます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 そういたしますと、もう一ぺん繰り返しますが、NHKが予算書を提出されまして、そして郵政大臣のほうで、これはこういうところがおかしいから直すべきだ、変更すべきだという意見をつけて出された場合には、そうすると国会のほうは郵政大臣の意見をとるべきかあるいは原案の意見をとるべきか、それによりまして結論は、出されておるNHKの予算を承認するか、承認しないという意思表示をするか、いずれかだ、こう解釈してよろしゅうございますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 そのとおりでございます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 私もそうだろうと思います。その場合の基本的な考え方は、私は経営委員の任命権のところや罷免権の状態を見て、つくづくとそう思ったのであります。普通の場合は、むしろ行政機関との関連の深い国家機関的な予算を審議する場合には、国会の考え方と行政府の考え方とは大体似たものだということを前提にする審議のしかたが多いわけです。しかしながらこの場合は全然逆なたてまえになっておって、言論機関に対する行政権の介入があり過ぎないようにするために、聴視者の代表としてあるいは国民の代表としての国会に、言うなればベトー、拒否権を与えておるものだ、こういう考え方が成り立つと思うのです。そういう考え方でやった場合に、私はNHKの状態を含めてのこの機関の運営のしかたを見ております場合に、今度は逆にNHKのやり方に対して不満があり、それからわれわれ国会議員にしろ国会にしろ政府側にしろ、相当な意見がある場合に、これを今度は意見を聞いてくれといって積極的にNHK向きに迫ることにおいて欠くるところがないだろうか、逆向きに。これはわれわれ野党の者からはほんとうは言うべきことではないし、あまり言いたくもないことなんでありますけれども、最近における世相は言うなればすべて大衆迎合、大きい声を出す者に迎合して、政治の姿勢が乱れ、行政の姿勢が乱れる傾向が強いのであります。したがって、いまのこの法制で郵政大臣はそのような十分なる、指導、監督ということばはいいことか悪いことか知りませんけれども、真に国民の期待に沿うような通常ができると、こうお考えになりますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 番組の審議会にいたしましても世論調査委員会にいたしましても、そうした番組内容の向上等についての十分な配意を法律上求めるために新しい規定を設けておりますけれども、しかしながら放送の自主性、自立性というものについてはどこまでもこれを確保してまいる、そうした考え方で法律を整えております。したがいまして、私どもはこれに対しての今後世論調査機関等ができました場合に、これらのものの十分な活用、こうしたことを期待すべきだと思います。しかしながら、直接的な政府の監督権等はこれは置くべきものではない、こういうたてまえは現行法におきましても改正法におきましてもくずさずに持ち続けておるところであります。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 三十七条との関連で、三十八条並びに四十条、三十八条の業務報告の報告義務、それから四十条の書類の提出義務を規定しておりますが、これらと含めてのこの三つの条文によるNHKに対する言うならば指導監督は現在十分行なわれておるとお考えになりますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私は、現行法におきましてもまた改正法におきましても、その点は十分確保し得る運用ができると考えております。もちろんNHKについても、その経営委員会自体の活動もございますし、これらを通じての国会での御判断もございますし、あらゆる方向から確保してまいるという手だては講じられておると考えております。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 三十八条が予定しておるところの業務報告の報告義務でわれわれは何をすべきか、国会側はこれに何をすることが期待されておるとお考えになりますか。同様の意味で、四十条にはこのような決算、今度は報告書、貸借対照表、バランスシート等の提出義務がくっついております。この資料提出によって国会は何をなすべきだとお考えになりますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 これらの報告を通じての、国会での深刻な御検討もあると私は思います。それに応じたもし改むべきものがあればそれぞれの点についてNHKは当然にその後における、何と申しますか、こういう報告でございますから、事後監査と申しますと、ことばが少し適当じゃないかもしれませんけれども、事後における御検討がなされるのでありますから、それに対しましては国会の御検討の結果というものは、当然NHKがこれを電視してまいることであると考えております。そのような意味の御審査が効果として期待できると思います。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 三十八条の報告の義務という規定と、四十条の提出の義務という規定とに、その効果で何か差異を感じておられますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 これについては、私は効果の差異というのは別にないと思っております。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 同じことですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 意見のつきますような点で、大臣の報告書に対する意見等がございますから、御判断の資料としては加わったものが報告書にはあったといたしましても、効果という意味では別に差異はございません。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 これは数回、だいぶ前のように拝聴いたしておりますが、ここの森本君あたりからも意見が出されたり、受田君等からも意見が出されたりして、かつて古池大臣のときですか、修正をしなければならぬような感じでの御答弁があったように記憶しておりますが、その後郵政省で御検討になっておりますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私、古池大臣のときの経過についてつまびらかにいたしておりませんから、政府委員のほうからお答えいたします。

館野繁郵政事務官(電波監理局放送部長)

○館野政府委員 そのようなことを私自身承知しておりませんので、当時の記録等によりまして後ほどお答え申し上げたいと思います。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 要するに、報告のしっぱなしで、これに対して何もしりぬぐいができないのではないか、言うならば抜け穴みたいなことで何もないじゃないかという質問に対して、当時の郵政大臣は、だからしりくくりをするための法改正が必要であるかもしれない、ことばは相当はっきりのようでありましたけれども、私はあるかもしれないくらいに読んでいたほうが間違いなかろうと思いますが、そういう意味の御答弁をなすっておるようであります。それに対しまして、森本委員から、もしそんなことを簡単に返事をされるならば憲法九十条の決算報告の問題がありますぞ、それはあなただいじょうぶかと言われてじたばたとされてじっとされておるような経過になっております。しかもそれは放送法がいずれ改正になるからということが前提でそのときにということになっておりますから、私は十分吟味をされたいと思います。  ただ郵政大臣、特に私お願いいたしておきたいのですが、もう法律も出たようだけれども、私いろいろ法制局で初めから聞いてみましても、この法律のたてまえ全部が、言うならば当時の占領軍といいますか、その意向が非常に強くて、私はそこのところが問題だと思うのだけれども、方針としての意向の強いのは受け入れていいと思うのです。非常にユニークなNHKという機関をつくろうというための占領軍の強い意思があったようでありまして、そこのところは当然受け入れなければならなかったし、また独特な機関としてのある程度の成果もあげておられると私は思うのです。しかし、法制というものはあくまでも日本の法制でなければなりません。この法制には従来の日本の法制の中では消化しにくいいろいろな要素やことばがあり過ぎております。いまのようなお話であるならば、どうして一方は報告しなければならないという報告義務にし、一方は提出しなければならないという提出義務にしておるのか。おそらくその当時は報告と提出とによって、英話でしゃべられたことのニュアンスの違いを感じて、そのニュアンスの違いをちゃんとくっつけておったのだろうと私は思うのです。ですから、その辺はもう完全に日本のものにされるわけだから、舌をかむような回りくどい法律じゃなくて、しろうとが読んでわかる法律にしなければならぬ。その意味で、私は、この報告義務と提出義務というもの、それからこの承認の条項の基本的な問題というのは法制上相当に問題があるような気がいたしますが、これらをすっきりとさせられる意図はありませんか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 これらの点につきましては、法制局の審議の経過に、郵政大臣が報告をする、今度は郵政大臣に提出したものを内閣が国会に提出する、そういう受け付けたぐあいで報告とか提出とかいうことばの使い分けをしておるようでございますけれども、格別の違いを別にあらわしておるものとは考えておりません。むしろこの三十八条を郵政大臣は自分が受理してこれを報告をいたす。今度は、四十条のほうは、まず郵政大臣に提出する、郵政大臣が内閣に提出する、内閣がそれを会計検査院の検査を経て国会に提出する。その受け付けたものが次に提出をしてまいる形で提出ということを言うたのでございます。しかしそれによって、先ほどもお尋ねがございましたが、法律上の効果にどういう差があるかというと、私はないものだと考えます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 それはつまらぬことみたいですけれども、私はこの法解釈と法制の体制からいくと必ずしもつまらぬことじゃないと思います。時間がありませんから、あまり議論をしようとは思いませんけれども、これは日本の旧来の法制とそのときに言われた占領軍の考え方とくっつけて、私は非常にややこしくなり過ぎる状態になっておると思う。ひとつ十分再吟味されたほうがよかろうかと思います。  それからちょっともとへ戻るようですけれども、実質的な意味で私が非常にいろいろ考えておるのは、この三十七条のほうの承認という条文なんです。普通で考えますと、承認というものからくる印象は、先ほどのように、修正もしない、修正権はないもの、そして言うならばオールオアナッシング、イエス、ノー、こういうことで、言うならば基本方針を吟味し、ワクを大体吟味する、こういう式のものだろうと思うのです。しかし三十二条の受信料の決定は、ここから国会意思がきまることになっております。法制のたてまえは、予算書を承認することによって国会意思が受信料の内容を確定することになっております。そのたてまえでいきますと、ほんとう言うと国家予算の他の条項と同じようにわれわれは内容を吟味せぬならぬという式のものだろうと思うのです。ここのところは観念上非常に微妙で私はこれはちょっと違っているのじゃないかと思う。承認体制でいかれるならこのものははずされなければいかぬし、それからこういうふうに受信料というものの内容ははっきりと国会が決定するというたてまえをとるならばその方針を貫かなければならないし、これはおかしいと思うのですけれども、承認の問題とともに検討されておりますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 現在の法の立て方、おっしゃるように受信料の契約締結をこういうぐあいに支払い義務に改めましたけれども、現行法の三十七条の二項と四項との関連は、このたびの改正をいたしましたが、別にこの立て方はかえるべきものでもなく、まあ根本に入りまして承認ということに修正が入るかどうかという問題になりますと、私は根本的な議論はあろうと思います。あろうと思いますけれども、承認ということは特に修正であるとうたいません限りはやはりそれを一体としてお認めをいただくかどうかということになるのであり、その立て方のもとに受信料との結びつきをつけておりますこと、私はその点はこのたびの改正でもかえようという判断はいたさなかったのであります。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 これは私流の解釈であるかもしれませんけれども、国家予算や政府機関関係の予算の場合には国会で成立をするわけです。案として出されまして、国会の意思が予算を決定するわけです。しかしこのNHK予算のたてまえはNHKの予算が発効する条件として承認を求めておると思います。したがって、その内容を国会で吟味するときのしかたが――これは私流の解釈で違うかもしれませんですよ。国会で予算を決定する場合には各項目の具体的な内容について、これはいい悪いというはっきりとした国会の意思が必要なものだ、こう思うのです。しかし承認案件として出てきておる場合には全体として一本としてきておるわけでありますから、したがって方針として大体こういうものでいいかどうか、ワクが大体これでいいかどうか、こういう吟味をするのが普通ではあるまいか。したがって、たとえばNHKの給与が高過ぎる、安過ぎるという議論は、方針議論としては私はこの予算書の審議のときにやってもいいけれども、この内容によって国会がその責任を直接負うものではない。しかしながら国鉄予算のようなものの場合には、これは給与の基準から何から規定が非常に明確になっておりまして、国会意思がきちっと入るようになっておる。そして国会意思が今度は公社に渡しておる権限の内容が非常に具体的なことになっておる。言うならば予算書の具体的項目について、国会が成立をさせる意味で直接責任を負うたてまえになっておるが、NHKの場合には直接に国会が責任を負うたてまえではないと思うのです。ところがその収入の中の一番大宗であるところの受信料というものだけについては国会が責任を持たなければならぬというたてまえがこれだと思うのです。たてまえから見て、私はこれをいまどうせいというのじゃありませんけれども、観念の混同があるような気がしてしかたないのです。ひとつ吟味していただけませんか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 全体を承認をし、しかもその中に受信料という、ことに義務づける場合に非常に大きい、国民と申しまするか、聴視者の負担が加わっております。したがいまして、そのような意味合いでも非常に特殊な承認という性格ではあると思います。ただそれを切り離すという立法論、私はそれもあると思います。あると思いまするけれども、このたびの吟味の過程におきましては、従来のような承認の中に一括してお願いをするということでよろしいのでないか、そこに特に変える理由はないというぐあいに考えた次第でございます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 もう一ぺんお考えいただきたい。支出項目の中で人件費の具体的な単価なら単価を中心とした内容についてわれわれが国会で審議をする場合に、私どもの政党は政党の考え方がございます。したがって、この項目についてはわれわれは了承しかねる、こういうことになります。したがって予算書については、原則として、政策のかん詰めでありますから、野党は反対です。反対の立場をとるのです。反対の立場をとるゆえんの基本的なものは、一つ一つ積み重なっておる支出項目に政策がくっついておる、それの責任を私は負いません、私はその出し方に反対ですという意思表示だと思うのです。もし同じようにNHKに対してわれわれの意思を求められるならば、われわれこれは絶対反対せざるを得ないことになるわけです。従来から見ると、必ずしもそうでなくて、大体方針とワクとでもって私は承認をしておると思うのですが、その中でただ一つ異質のものが受信料というものの拘束力、国会が明確に受信料については責任を負わなければならぬというたてまえ、この収支予算書の中で、受信料を、これから明確に効果の発生するものとして、これだけはちょっと異質な項目だとお考えになりませんか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私、特殊な法人であるということを先ほども申し上げたのでありますが、この特殊な法人に対する、したがって国会の承認という法律上の要件、これ自身がすでに御指摘のように一種特別なもの、したがいまして、同時にその中にそうした形で国会がお認めになるといいますか、御承認になる受信料というものは非常に異質なものであるということは私も感じます。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 時間がなくて恐縮ですが、郡さん、これは考えてもらわぬと、少なくとも法制論としてはおかしい。国家予算や政府関係機関予算の場合には、ともかく国会は直接各支出項目に対して意思が問われておると私は思うのです。議員の意思が問われておると思うのです。しかしNHKの予算の場合には支出項目と収入項目の一つ一つについて私の意思は問われておらないのではなかろうか、問われておるのは受信料という収入だけ、これは明確に意思が問われておるものだという感じがしてならないわけです。それであるならばこのものは別に抽出さるべきもの、こういうふうに私は思います。意見が違うかもしれませんけれども、ひとつ十分に吟味をしていただきたいと思います。  もう一点だけ、経営委員というものについて、これがまた私見まして非常に特殊なものであって、了解するに苦しんでおるわけですが、経営委員というものは、直接どこにだれに対して責任を負っておるものか、お考えを聞かしていただきたいと思います。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 だれに対して責任ということになりますと、私はNHKに対して責任を持っているということだと思います。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 任命は国会の同意を観て総理大臣がきめる、給与はどこから出るのですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 給与はNHKから出しております。任命権者というものは別にございますが、内閣で任命いたしますけれども、それは任命ということでありまして、先ほど申しました負うべき責任の所在はNHKに対してある、このように考えております。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 そうでしょうか。経営委員というものは直接NHKに対して責任を負っておるものだとするならば、経営委員というものはそれほど特殊なものでない。言うならば、普通の諮問機関みたいなものになりがちだと思うのです。これはそうじゃないんじゃないですか。たとえば、一般聴視者というものに対して責任を持つとかそういうものじゃないですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 その果たします仕事は、聴視者であり、それからあるいは任命権者に対するような意味合いで全体の公益の代表というような意味合いがあると思います。しかしながら、責任は――責任ということばの使い方ですが、私は経営委員の仕事の中身は聴視者全体であり広い公益だと思うのです。広い公益を守っていき、広い公益についての発言をするというものだと思います。ただ、そうした使命を持っておりますということと、法律の関係がどうだということであるならば、協会に置く経営委員でありますから、協会との関係においてあるのだ、しかし責任というのは協会の利益をはかるというような意味では全くなく、果すべき職能の役割りは、それは公益全体を代表しているのだということだと思います。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 それならば、NHKに対して直接責任を負うものだという考え方はちょっとおかしいですよ。これは、その経営委員がだれの利益を守るために存在しておるのか、こう見なければならぬと私は思うのです。それならやはり聴視者ということじゃないですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私のことばが足りなかったように思います。私は責任と申しますか職能と申しますか、その果たすべき役割りは公益全体である。公益全体ということは、その中に含まれておる個々人の聴視者の利益を守るためであるということでございます。でございますから、その経営委員のつながりはどういう関係であるかという意味合いでは、申すまでもなく協会でございます。したがいまして、責任というようなお尋ねに対して、協会と申しましたことはあるいは不穏当であるかと思います。

佐々木良作民主社会党

○佐々木(良)委員 理屈の論争はこの程度でやめて、ひとつ吟味を十分お願いいたしておきたいと思います。ただ私は郵政大臣にお願いしておきたいのは、言うまでもなくこの新しい機構は、NHKという機構、経営委員というもの、経営委員の任命のしかた、こういうものは従来の日本の法制でないものだと思います。それが、従来の日本の法制にないものを竹に木をついだような形でぱっときておるわけです。したがって、もうこれができましてから十数年たっておるわけであります。十分に消化されたかどうかというのがほんとうは今度の放送法の出発点にならなければならぬと思うのです。十分消化されて、ほんとうの日本人の中に根をおろした法制にしなければならぬ。ところが、普通にわれわれが見ましても、国会の承認ということばの中にも、内容がいろいろに考えられておる。私自身ほんとうはこの逓信委員になるまでNHKの予算というものは、私がうんとさえ言わなければ身動きできないものであるということは知らなかったのです、正直言って。それほど重要なものであるならば、これに対する吟味のしかたというものを変えなければならぬ。しかしながら吟味をする場合にも、新しいNHKという人格が、もっとも従来の関係からいうと特に行政権力から特別な圧力が加えられないようにということを非常に注意をしてできた法制である。それならば、同時にまた国家権力の一部をなしておる議院というもののこれに対する吟味のしかたも、独立の自主的なNHKに対する、言うならば権限を十分に残した形で吟味しなければならぬ。そのかわりに、包括委任みたいなかっこうでありますから、包括委任をさせる限りにおいて、やりそこない、あるいは国家の意思なり国民の意思と違う状態の場合については、断固とした処置ができる、こういうものでなければならぬと思うのです。現在の法制がまだ不十分であり、修得のしかた、運用のしかたが不十分であるがゆえに、言うならばどこもが無責任な状態になっておるのではあるまいかという気がするわけです。どうかその意味におきまして、経営委員のあり方あるいは経営委員自身というものに対しましても、あるいはNHKの基本的な問題に対しましても、この際私は十分なる吟味を尽くされんことを希望してやみません。格別こういうややこしい制度がそのままややこしいままに残っておるのではぐあいが悪い。特にこれができた経緯は、いまお話しのように一貫しておるものは、NHKが予算を出しても政府はこれにけちをつけられ得る。しかし政府がけちをつけた場合にはNHKの意見を直接国会で聞きなさいよ、こうなっておるわけだ。それから経営委員に対しても、これこれこういうふうにぐあいが悪ければ政府は首が切れます。罷免権を持っております。しかし罷免を同意するのは国会です。国会が同意を与えるという場合には、罷免をされる人から直接意見を聞きなさい、言うならば懲罰委員会が開かれる場合には、懲罰される人が直接一身上の弁明ができるたてまえになっておる。このたてまえの法制と、これまで――言うならば普通の意味で消化されておる半官半民みたいに伝えられておる機関に対する国会と政府の関係、国民の見方というものと、相当質の違ったものです。したがいまして、そういう感じがまず国民に理解されるように、そしてNHKが独得の機関として特殊な発展の基礎が十分持てるように格段の――今度放送法の改正の時期でもありますから、お考えになるよう希望を申し上げまして私の質問を終わります。

佐藤洋之助自由民主党

○佐藤(洋)委員長代理 本会議散会後再開することとし、この際休憩いたします。    午後一時九分休憩      ――――◇―――――    午後五時二十二分開議

佐藤洋之助自由民主党

○佐藤(洋)委員長代理 これより再開いたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を続行いたします。森本靖君。

森本靖日本社会党

○森本委員 昨日の同僚栗原委員の質問にもありましたように、わが党としては、今回の放送法の改正と電波法の改正とがどのようになるか、そのことによって、今後のNHKも相当変わってくるということで、今回の法改正案というものがどういう改正案が出されるかということを注目をしておったわけでありますが、幸い、いわゆる放送法と電波法の改正案が一昨日国会に提案をせられたわけであります。この放送法と電波法の改正案につきましては、いずれ日をあらためてじっくり審議をする、こういうことになるわけでありますけれども、しかしながら、事実問題としては、今回のNHKの予算については、この放送法の改正におけるNHKの問題について非常に関係のある事項がありますので、私は、まずその点を先に郵政大臣にずっとお伺いをしながら、それに関連をしてNHKにお伺いをしていきたいというふうに考えるわけでございます。  まず、今回の予算についてでありまするが、今回の放送法の一部改正におきましては、NHKに関係するところとしては、いわゆる運営その他については、放送法の第三条の二、現行の四十四条の問題等については非常に問題が多いわけでありますけれども、直接予算にこれは関係がありませんのでさておきまして、新しく今回第三条の五として、放送世論調査委員会というものが置かれることになっておりまして、この放送世論調査委員会については、NHKも一緒になるわけですね、大臣。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 大体そういたしますると、この放送世論調査委員会における構想というものは、どういう構想をお持ちになっておられるわけですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 放送世論調査委員会につきましては、今後さらに検討いたさなければならないのでございますけれども、とにかく一つの全国的な組織体をこしらえる。そしておそらく事務局というものが必要であろう。そして調査の方法手段といたしましては、直接調査委員会が事務局を使いまして調査をいたす。私は、この事務局のスタッフのいかんということが非常に大きい問題だと思います。直接調査をいたしますとか、外部の機関に委託するとかいうようなことはあろうと思います。さらに、委託よりはさらに間接的な、新聞社等の意見を収集するというような方法があろうと思います。そしてそれを公表をいたすということがあろうと思います。公表の方法についても、いろいろな方法が考えられると思います。放送事業者自身が放送を手段として使うこともございましょうし、文書を発行することもあれば、新聞に掲載いたすということもあろうかと思います。そしてこの世論調査機関につきましては、協議を期待しております。これがNHKと民放との協議が、おそらく民放連のようなものになりましょうか、そうした協議を期待しているわけでございまして、そうしてことに大切な点は、経費の分担になると思います。これにつきましては、NHKと民放各社の番組制作局の数に応ずるようなことも一案としております。ことに、経費の分担につきましては、世論調査機関自体がNHKと各社の協議を土台としておりますので、その点についてはさらに検討さしていただきたいと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 この放送世論調査委員会というものは今度は法律で設置しなければならない、こういうことになっておるわけですが、設置しない場合にはどうなりますか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私は、設置しない場合についての処置というのを別に規定しておりませんから、しかしながら、こうしたものが直ちに――私は、少しこの協議というものに時間がかかるということはあると思います。しかしこれはいままでのいろいろな世論と申しまするか、そうした経過を見ましても、要望されておるものでございまするから、これができない場合ということを私はいま考えておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはやはりこの放送世論調査委員会というものが放送事業者の協議によって組織するということになっておりまするから、協議がととのわない場合もあり得るわけであります。だから、協議がととのわない場合においてはできない場合があるわけです。その場合にどうするかということも法律をこしらえる以上は考えておかなければならぬ。だから、その場合にはどうするか、こういうことを聞いておるわけです。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私は、法律上の方法は規定をいたしておりませんけれども、その場合には、中身に関与することじゃございませんけれども、世論調査機関をこしらえるためにあらゆる勧奨をいたすことはいたしたいと思っております。しかしそれは法律上の用意をしているわけではございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、法律上の用意がないから、放送世論調査委員会というものがここに一応法律に明定がされた、しかしながら、実際にこの協議がととのわない、そうしてこれができ上がらないという場合には、これに打つ手はいかんともしがたい、結論的に言うと。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私は、そういう場合には、これは極力あっせんをいたしたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、あっせんをするだけであって、幾らあっせんをしてもNHKと民間放送とが協議がととのわないという場合にはいかんともしがたい、こういうことになるわけですね。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 それはおっしゃるとおりなのでございます。ただ、いままでの現行法でも放送事業者というものにある信頼をかけてものが動いているという気持ちがこの放送法の一つの特色だと私は思うのであります。したがいまして、極力進めてはみる、しかし、どうしてもまとまらない、この場合にできないということは法律上考えておかなければいかぬと思うのです。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、全国の民間放送事業者はいま一体幾社ありますか。事務当局でけっこうです。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 五十九社でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この五十九社はラジオ単営それからテレビ単営も含めて五十九社ですか。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 そのとおりでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、この世論調査委員会における協議をする場合に、表決権といいますか権利といいますか、これはどういうふうになりますか。事務当局でけっこうです。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 表決権の問題につきましてはいろいろむずかしい点もあるだろうと思いますけれども、参加いたしましたものが全員で自主的にきめるというのが最終的な方法だと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 その場合に、五十九社と日本放送協会は――それじゃ六十ある、こう考えていいわけですか。これは今後の世論調査委員会の運営について非常に重要です。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 先生の御指摘の点は、おそらく民放が五十九とたくさんある、これがなかなかまとまりにくいんじゃないか、それから、それに対して数字の上で五十九対一というNHKというものがある、そういたしました場合に、その議決権というようなものをどうするか、こういう話し合いをやりましたときのそのウエートというものをどう考えるかということだと思います。このことにつきましては、いまの構想では、民放社というものの一つずつというもののかわりにと申しますか、民放連という現在ありますような全体をくくりましたようなもの、そういうものを考えまして、そうしてそれとNHKというような考え方のほらがよろしいのではないか、一つの方法だと思いますけれども、そういうことも考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 ここに書いてありますのは放送事業者でありますから、民放連というのは何か一つの法律上の規定がありますか。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 ございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、法律上からいきますと、五十九社はあくまでも五十九社である、日本放送協会は全国のネットワークを持って民放に匹敵をする以上の機能と能力を持っておっても法律上は一票しかない、こういうことに――現在の国連みたいなかっこうじゃないですか。NHKに拒否権がありますか。   〔佐藤(洋)委員長代理退席、委員長着席〕

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 この表決の方法に関しましては、いろいろこれから考えなければならぬところがあるかと思いますが、いま御指摘がありましたように、数の上での国連方式というものがそのままサプライされるというふうには考えておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはいずれ放送法の改正のときにやりますけれども、そんな答弁では、とてもじゃないが放送法の改正案における審議は通りませんよ。ただしかし、私が心配いたしておりますのは、ここで放送世論調査委員会というものが設けられる、その場合にNHKの機能というものと五十九社というものとの間における相対的な地位というものをどういうふうに考えるのか、この根本精神がはっきりしないと、やはりNHKの今年度の予算においても関連をしてくるわけなんです。これが明確に答えられないということになりますと、ちょっと予算に関係をしてくるわけでありますので、実際には審議中断ということになりますが、中断をしたら進みませんから先へ進めたいと思いますが、いずれにいたしましてもここはたいへんな点であります。要するに、放送世論調査委員会というものを設置しなければならぬということは法律においてきまっておる、放送事業者の中にはNHKも入っておる、民放のほうは五十九社ある、これを一体どういう構成にして持っていくか。これは大臣、どうお考えですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私、先ほども経費の分担の点ちょっとあいまいに申し上げておりましたが、私自身が個人的な感じで――だけれどもこれはNHKと他の民放を寄せたもの、半分ずつの負担をするというようなことは考えられないだろうか。そしてとにかく協議をするときに、NHKと、それから経費は半分ずつ負担してもらうのだから、それに応じて民放のほうが――先ほど政府委員のほうから民放連ということを申しましたが、何か民放のほうが一つになった形で相談をして、経費の分担なり、それからどうやっていくかということを協議をしろという産婆役は、これはそういう形でしなければいかぬのではないだろうか。しかしむずかしいのは経費の点であります。一体折半といって、残りの半分というのを現在の民放全部でどうやって持つかという問題がございます。したがいまして、私折半ということを先ほど申し上げなかったのでありますけれども、とにかく協議の形はそういうぐあいに半分のウエートはNHK、半分のウエートは民放、そういう形でひとつ民放のほうの代表を出して下相談しろとか、そういう前提でやりなさいという仕組みがこの協議の前に一つあるのだと考えておりますが、これは私の現在の私見としてお許しいただいて、これは電波監理局に注文をつけておる途中でありますから、そういうぐあいにお聞き取りを願います。

森本靖日本社会党

○森本委員 断わっておきますが、法律を審議しておるのでありますから、大臣の私見を言われたのでは困るのであって、あくまでも大臣の発言は内閣の国務大臣としての発言をするわけでありますから、今後私見ということはないようにお願いいたします。  それから放送世論調査委員会については、費用については民放とNHKが折半をするということを大体立案者としては考えておる――前に進んでいかないと審議が進みませんから進むためにやっておるのですが、大体折半をするというふうに考えておるわけですね。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私見とは申しません。そういうことが一番妥当である、こう考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、今度はその費用は大体年間どの程度要るというふうに見ておりますか。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 当初は二、三千万円程度かと考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 二、三千万円といっても、二千万円で一千万円違うと半分違いますからね。法律を立法する場合にはそういう大ざっぱな立案というものはないですよ。しかも予算の審議のときに二、三千万円という大ざっぱな言い方はない。一千万円で十万円くらい違うというならまだ話はわかる。二、三千万円程度というと大体どの程度を考えておるのか。具体的に言うとどういうことですか。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 三千万円と考えていただきたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 三千万円程度ということになると、大体これはどういう機構を考えておるわけですか。  それからさらに私一番大切なのは委員の選任だと思う。委員の選任をしたならば、経費の分担もきめれば、あとは今度は民放もNHKもあまりこれに介入してはならぬというのがこの立法の趣旨なんです。ところがきめるまでがこれはたいへんだろうと思うのです。一体どうやってきめるのだろうか。国連方式の拒否権方式をとるだろうか。たとえば五十九票と一票ですから、六十票の表決にするだろうか。あるいは拒否権方式をとるだろうか。一体どういうぐあいにこれは考えておるだろうか、こう考えておるわけでありまするが、一体そういうような委員の選任等については、大臣これはどうですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私はこの委員の選任はそれの構成をいたしますNHKと民放、これの協議にほんとうにまかせたいと思っております。そのワク、適格というようなことは私は触れないことが正しいと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 その場合NHKと民放が意見が合えばいいんですけれども、合わないときにどうするか。合わないときは最終的には表決でもしなければしょうがないでしょうが。法律できめておるのだからこしらえなければならぬ。どうしてもこしらえなければならぬけれども、意見がどうしても合わぬ、そういうときになればあなた方の言う多数決で最終的にきめなければならぬだろう。そのときに六十票の一票ずつの構成をすることにするのか、NHKは五十九票対一票で対等の地位にするのか、その辺ですよ、はっきり言うと。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 この種の機関では、私は経費の分担の割合に議決権は応ずるべきものだと思います。したがって折半でありますれば一対一というぐあいに考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 折半をしたら一対一で、十五人ということになったわけですが、だから七人と七人はいいけれども、あとの一人はそれならどうするかというところまで考えなければいかぬ。私は実はあなたの答弁がそうなると思って考えてみた。七人はNHKが一応選ぶ、七人は民放が選ぶ、一人はどうするだろうか、大臣が選ぶだろうか、大臣が選ぶわけにいかぬです、この法律からいくと。そこまでやはり立法技術過程においては考えてみなければならぬと思う。その辺どうするか、こういうことです。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私は、議決権はそういうぐあいに経費の分担できめる以外に方法はないと思いますが、そうした形で議決権をきめました場合、どうしても十五人以上でありまするから、そういう場合を考えて十六人にするという方法もありましょう、法律では十五人以上とありますから。しかし私はこういう会議体が偶数であるということはあまり適当じゃないのだと思います。おそらく奇数できまると思います。そういたします場合に、どうしてもいまおっしゃるように、七人ずつきまった、あとの一人はそれをきめるためにひまがかかるかもしれません。かかるかもしれませんが、これを一刀両断できめる方法はないのだ。相談がまとまらなければ相ならぬということになると思います。やってできなければ、そうすると一人増して十六人にしようという話になるかもしれません。私はそうでなくて話し合いをどこまでも尽くしていくのだということがたてまえだと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 だいぶあいまいなところがあるわけであって、十五人以上になっておりますからそれは十六人にすれば八名ずつということで仲よくなる。しかしながら実際に内容はちっともそれじゃきまらぬ、今後の運営が。やはり奇数にしておいた場合に、採決をとるという場合には、この問題が生きてくる。というところで、これよほど頭のいい者が各部課長におりまするからかなり慎重に討議したあとだろうと思いまするけれども、なかなか討議したような形跡がないのだな、いまの答弁では。そこでいずれ放送法の改正のときにこれはやりまするが、NHKにお聞きをいたしまするが、この放送法の第三条の五の放送世論調査委員会というようなものが今回でき上がるということについては、NHKとしてはこれは歓迎すべき事項であると考えるのか、それとも現行の番組審議会で上等であるというふうに考えるのか、あるいは現在の任意団体であります番組向上委員会のようなものがいいというように考えるのか、これはひとつ会長にお願いをしたい、こう思うわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 まずNHKの会長として申し上げたいと思いますが、NHKといたしましては、従来から文化研究所を持っており、そして昨年四月以降は文化研究所の中の世論調査についてはこれを独立強化しまして世論調査所を持っておりますので、NHK自体としては必ずしも必要であるとは考えておりません。ただ放送事業全般から見て客観的に必要だ、ある部分の客観的調査が必要だ、そのためには、NHKがあらゆる放送事業を代表していないというたてまえにおいて、これをもっと普遍化しようというお考えがその底流にあったかと考えます。その意味においては、私自身もNHKの会長でありますけれども、必ずしも反対する意向ではない、このように思っております。  これと関連しまして現在の番組向上委員会がどうであるかという御質問に対しましては、NHKとしては、番組向上委員会は実際上の問題として今回改正法案の中にある世論調査委員会の先駆をなすものではないかと考えております。したがいまして私どもの立場から申しますと、そういう意味では今後実在する番組向上委員会とこの世論調査委員会というものがどのような形で整理されていくか、それからまたただいま御議論にもなっておりましたこの委員会をどの程度の規模のものにすることが妥当であるか。そしてまたこの調査委員会の設置は法的な委員会でございますから、この法に従うことがNHKとしてもあるいは民間放送事業者としても妥当なわけでございますので、そういうたてまえに立ってこの問題を今後は具体的に検討してまいりたい、このように考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 このいわゆる世論調査委員会においていま会長が言われましたように、この日本放送協会の昭和四十一年度の予算案におきましても、いわゆるNHKはNHK自体としての世論調査に関する予算を組んでおると思いますが、その予算は幾ら組んでおりますか。これは会長以外でいいですよ、NHKの。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 約一億五千万円でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 NHK自体で一億五千万円の予算を組んでおる。今回放送法によるところのいわゆる世論調査委員会の予算が三千万円である、といういうことで、一体今回の放送法の改正案における世論調査委員会というものは現実にいいものであるかどうであるか。さらにNHKが一億数千万円も使って世論調査を行なっておる。この上にさらに屋上屋を重ねる形になる。こういうことではたしてこのNHKの考え方と予算と今回のいわゆる法改正というものが結びついておるかどうか、非常に私は金のむだ使いができてくるのではないかというふうな懸念がなきにしもあらずであります。そういう点はどうお考えですか、郵政大臣。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私は、NHKがみずから従来も整った機構を持っておりますから、世論調査をいたすこと、これは正しいことだと思います。そしてにわかに協議によります世論調査機関が多額の金を使っての世論調査をいたすということは、何と申しましても協議によることであり、初めであり、そう金額的に多くを期待することはできませんけれども、NHKと民放とが一緒になって全放送事業者を網羅して世論調査をいたすということ、これは私はそれなりに意味があることと思います。しかしながらその活動はそれほど活発な活動になることを当初から期待することはできないとは思いますけれども、それはそれなりに意味のあること、むしろ必要なことであり、将来の発展性を持っているものじゃないだろうか、こういうぐあいに考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 私が言っておるのは、NHKのいわゆる運営というものは、国民の受信料によってまかなっておるわけでありますから、これを効率的に国民に還元をするという意味において使ってもらわなくてはならぬわけであります。NHKとしては、世論研究調査費として、いま言ったように一億数千万円の予算を組んでおる。さらにその上に、この世論調査委員会に、それでは三千万円とするならば、一千五百万円出さなければならぬ。その一千五百万円の値打ちが一億数千万円の値打ち以上のものがあるかどうか、こういうところまでやはりしさいに検討してみなければならぬ点があるのではないか。そこまで思いをいたしてこの世論調査委員会をつくるときに考えたかどうかという点になりますと、はなはだこの点については疑問があるわけであります。  そこで具体的にNHKに聞いてみたいと思いますが、本年組んでおります一億数千万円という世論調査費用の内訳は、具体的にどうなっておりますか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 御説明申し上げます。  ちょっとこまかくなりますが、全国のテレビ・ラジオ番組聴視状況並びに意向調査といたしまして年四回実施をいたしておりますが、これが約七千二百万円となっております。それから、ラジオ・テレビの視聴率機動調査ということで年に三回郵送法によって行なっておりますが、これが百九十五万円かかっております。それから学校放送の利用状況調査といたしまして、これが百九十六万円かかっております。それから通信高校関係が百九十三万円でございます。それから番組世論調査のための基礎調査といたしましてサンプリングを整備しておく必要がございますので、これが二十万人を対象といたしまして整備をする費用が千七百九十六万円でございます。それからローカル関係の視聴率調査、意向調査といたしまして千三百九十六万円でございます。  以上がおもなものでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 モニター制度については、この世論調査以外にそれでは入っておるわけですね。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 このモニター制度についても、大きくいえばやはり世論調査の部に入るんじゃないですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 モニター制度と申しますものは、大体特定の番組についてその人の意見を賜わるものでございまして、見方によっては、その番組についての一種の世論調査になるかもわかりませんけれども、大体特定の番組について一般の御意見、あるいは専門家の御意見を伺うことが主体でございますので、場合によっては、ちょっと通常の世論調査からははずれるのではないかという感じがいたします。

森本靖日本社会党

○森本委員 しかし大きな意味からいけば、これも一応の世論調査の部には入ると私は思います。さらに先ほど会長が言っておりました受信者とのいわゆる懇談会も、これは前から私は大いに奨励しておるわけでありますが、この経費が一体本年幾らありますか。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 約千二百万円でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはいまの一億何ぼの中に入って  ないんでしょう。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 別でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 大きくいえばそれも具体的には世論調査の中に入ると考えてもいいのではないですか。

浅沼博日本放送協会専務理事

○浅沼参考人 これもやはり世論調査の一種だろうと存じます。

森本靖日本社会党

○森本委員 いずれにしても、私がいま質問をいたしておりましたことは、要するにNHK自体は、この予算の中においてかなりの金額をこの世論調査にすでにさいておる。そこで今回でき上がりまする世論調査委員会が、その四分の一にも足らぬ世論調査委員会で、しかも民放とNHKが一緒になった世論調査委員会だ。さもこれがみごとなできばえであるというふうな宣伝を政府がやっていないことはないというふうな、非常にややこしい関係になっておるわけでありますが、私は、そういう若干欺瞞的な点を、このNHKの予算と比較をしながら、ひとつ大臣によく聞いておいてもらいたい、こら思って出したわけでありまして、いずれこれは放送法の改正の際によく追及をしたいと思います。  それから、現行放送法の第九条、これには大体NHKの目的を全部書いてあるわけでありますが、この二項の十号であります。「前各号に掲げるもののほか、放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務で郵政大臣の認可を受けたもの」、これは郵政省としてありますか。

館野繁郵政事務官(電波監理局放送部長)

○館野政府委員 現行の第十号によりまするものは、学園に対する出資が、認可されたケースでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 それだけですか。

館野繁郵政事務官(電波監理局放送部長)

○館野政府委員 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、今回のこの第九条の改正の中で、NHKとして非常に問題になりまする点は、この投資条項でありますけれども、その前に私はちょっと聞いておきたいと思いますることは、その次の第五項、「協会は、第一項第二号の業務を行うについて、放送に関係を有する者その他学識経験を有する者から意見の申出があった場合において、その内容が放送及びその受信の進歩発達に寄与するものであり、かつ、協会の他の業務の遂行に」ということは現行法律と同様であります。この項に当てはまることが四十年度にどの程度あったか、ひとつ御説明を願いたい。

志賀正信日本放送協会理事

○志賀参考人 特にNHKのほうからいろいろな形で直接間接に吸い上げていると申しますか集めていると申しますか、そういう形のものはございますが、おっしゃるようなものについては特にないかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 第九条五項の「協会は、第一項第二号」というのは、今回の改正法案でもそのままになっておりまするから、そのままになるということは、相当の利用価値があるからそのままにしておいたということになるわけでありますから、具体的に協会としてはどういう例があるのか。なければならぬはずであります、四十年度においても。だから、その具体的な例を示してもらいたい。具体的にそういうことがなければ、これは廃止をしてよろしいわけでありますから……。

三熊文雄日本放送協会専務理事

○三熊参考人 技術面のほうに限って申し上げますと、技術面ではそういうあれはありませんです。

森本靖日本社会党

○森本委員 現行法律の「第一項第二号」というのは、法律解釈としては一体どの項をさしておるのですか、電監局長。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 「放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと。」これでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 「放送及びその受信の進歩発達に必要な調査研究を行うこと。」この項ですね。

上田弘之郵政事務官(電波監理局長)

○上田(弘)政府委員 そうでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この項について、NHKに対して学識経験者から一つもないのですか。なかったら、この項は無意味ですからはずすべきです。これはあるはずなんだ。それならNHKはもう一般の学識経験者から何も援助も助言も受けぬでも、りっぱな技術者も科学者もみんなおるからおれのところは一番えらいのだ、こういうことかね。

三熊文雄日本放送協会専務理事

○三熊参考人 先ほど申し上げましたのは、具体的にこまかいポイントにおいて技術的にわれわれのほうから援助を求めたかという点で、ないと申し上げましたのですが、全般的の技術のポイントにつきましては、放送技術審議会というのがありまして、いろいろな先生方、いわゆる先輩並びに学識経験者の方、約十数名なんですが、それで委員会を構成していまして、いつも御意見は聞いております。

森本靖日本社会党

○森本委員 これをよく読んでもらいたい、の問題ですから。意見を聞くだけであってはいかぬのだ。「寄与するものであり、かつ、協会の他の業務の遂行に支障を生じないものであるときは、これを尊重するものとし、同号の業務による成果は、できる限り一般の利用に供しなければならない。」要するにこれはNHKの独善的な行き方というものに対して、ある程度戒めておるわけなんです。だから相当在野の科学者もおり、その他のいろいろな人もおる。そういう人々がいろいろ放送その他について意見を申し出てきた場合についてはそれを積極的に取り上げて、そうして一般国民の利用に供するようにNHKはやらなければならぬ、こういうことをこの法律の条項にはうたっておるわけであります。今回の放送法の改正にあたっても、これは残っておるわけであります。法律というものを有名無実の法律にしてはいかぬ。だから私は具体的にこの五項についてのものがあるかどうかということを聞いたわけであります。そうするとあなたのほうは、いま技術審議会のことを言いましたけれども、確かに技術審議会というものがいま一番そういう点についてはこの項に当てはまるでありましょう。しかしながら実際問題としては、たとえばどこそこの大学の工学教授なり、どこかの大学の教授なり、そういう人が具体的には会長、副会長、技師長に言ってぐる場合もありましょう。そういうような具体的な事例が幾つかあるだろう、こう思って聞いたわけでありますけれども、唐突に聞いたものだから、おそらく技師長はまごついて、その技術のことだけを言ったのだろうと思うけれども、私は技術以外についても、いろいろ会長、副会長、専務理事あたりに対してこういう意見を具申する者があってしかるべきである、こう考えているわけであります。そういうふうな具体的な例があるからこそ、この条項については残したのではなかろうか、こう私は考えておるわけであって、この条項については今後とも空文にすることなくして、NHKとしては大いにこれを利用してもらいたい、こういうことから私は言っておるわけであって、別に他意はないわけでありますので、ひとつ会長のほうとしてももう一ぺん条文をよく読んで、尊重するようにしてもらいたい、こう思うわけでありますが、会長にちょっと聞いておきたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 御説のとおりでありまして、この点につきましては事務当局、担当当局からの説明は、おそらく御質問の趣旨、多少ポイントを誤っているのではないかと考えております。たとえば今年度におきましても、技術研究所を例にとりましても、基礎科学研究所というものをつくりました。これには各学会の第一人者の御意見をいただくというたてまえで、単に職員のみならず、そのような方の御意見をいただくというたてまえの運営をいたしております。また番組面につきましても、たとえば私ども普通大型番組と言っておりますが、現在放送中の「義経」等につきましても、放送総局では、この問題に関しての専門家の意見を聴取するという態度をとっております。ただこれがこの項に相当するものという予算の編成のしかたが、担当当局から申しますと、自分の管轄ではどうかというようなフィーリングの誤差で、ただいまのような御説明を申し上げたと思いますが、実際上はこれは重要な条項として、私どもは実行いたしております。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは単に技術だけではなくして、その他いろいろの問題があろうと思いますので、大いにこういうふうな条項については活用してもらいたいと思います。  そこで次にきわめて重要な項として入っておりまするのは、第九条の二項に、いわゆるNHKの投資条項というものが入ってきておるわけであります。これは先ほど答弁がありましたように、学園に助成をする際にも、第九条の一体どの項に該当するかということで、当委員会でも論争になったことがあるわけでありまするが、今回これがこういうことでなくして、明白に投資条項として第九条の二に入ってきたわけでありまするが、郵政大臣としてはNHKのどういう方面に投資をするつもりであるか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私、NHKの業務に直接関連するもの、そしてまた業務の運営上必要不可欠のもの、しかも出資によりませんければ、事柄が行ないましても非常に無理のあるようなものというようなものに限定されるべきものだと思います。したがいまして、考えてみますると、協会の番組制作上必要な資材を製造いたしましたり提供いたします事業、こうした大道具、小道具等の資材につきましては、これは出資によりましてやらせましたほうが、むしろ経費も安く済むのではないだろうか。経費の点は別にいたしますが、そのほうが適当ではないだろうか、あるいは協会の放送施設の保守を行ないますような事業、無人中継局のような放送施設でも、これも考え得る事業じゃないだろうか。またあるいは協会がその業務を行ないますために使用する施設と申しまするか、タワーのようなものをこしらえなければならぬ、こういうようなときに、出資というような形でしたほうが筋道が通るというようなものがあるので、これは協会の業務をむしろ重点に集中いたしますために必要なのであろう、こういうぐあいに解しております。

森本靖日本社会党

○森本委員 その大道具、小道具のことはわかりましたが、無人中継所云々と、最後のほうはむにゃむにゃとわからなかったのですが、無人中継所というのはどういう意味ですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私つまびらかにいたしませんが、従来も問題があった場合があるとか聞くのでございますけれども、NHKと民放とで共同にいたしたほうがタワーなど便利じゃないだろうか、そういうような場合に、そうした施設について出資を考えたほうが筋じゃないだろうか、こういう意味でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、いま無人中継所と言ったのは、いわゆる無人中継所の会社というのはないわけであって、いわゆる無人中継所については、これは民放とNHKが合同でやれということはわれわれも進めてきたことであって、一つの山に二本も三本もアンテナが立つのはあまりおもしろくないということを言ってきたわけであって、これは具体的にいままでやっておるところもあればやってないところもあるわけでありますが、たまたま東京タワーのような問題とか、あるいは名古屋の放送塔とかいうふうな問題については、これは確かにNHK、民放が一緒になってやる。その場合に、一つのタワーの会社をこしらえる、それにNHKが出資をする、こういうことである、こう解釈していいわけですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、他の放送事業に対して投資をするということはないわけですね。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私、ちょっと考えられないと思います。ちょっといま想像いたしておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、具体的に申し上げまして、たとえばいま十二チャンネルの問題が再建策をめぐって非常にとやかく言われておりますし、またNHK自体もこれにある程度裏幕で作業しておるのじゃないだろうかといううわさも飛んでおるわけでありますので、この際ひとつ明確にこの点は会長から、今回の十二チャンネルの問題についてはNHKは一切関係はないということであるとするならば、このことを明確に当委員会を通じてしてもらいたい。将来もその問題については関係がないというふうにはっきりしておいてもらいたい、こう思うわけであります。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 十二チャンネルの問題については、巷間いろいろな憶測があるようでありますが、NHKの会長として、NHKを代表してこれに関心を持ち、もしくは口約し、もしくは今後もNHKの会長として十二チャンネルの問題に介入するという意思は毛頭ございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、この投資条項については、大臣の答弁にもありましたように、大体せいぜいでタワーぐらいなものである、あるいは大道具、小道具ぐらいがNHKに関係のある会社であって、放送事業者に対する投資は、これについては含まれていない、こう解釈してこれはいいわけですね、大臣。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 この法律にも書いてございますように、協会の行なう業務と特に密接に関連する業務を行なうことを主たる目的とする事業でございますから、お示しのような場合は、他の事業に関与するというようなことは、私はこの条文からは入ってこないと考えております。

森本靖日本社会党

○森本委員 それからNHK側に聞きますが、この十二チャンネルにNHKから出向的な任務を帯びて行っておった人はおりますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 現在数人残っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 数人残っておるというのは、これは身分的にはどうなっておりますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 身分的には一応NHKを離れたという形になっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、これはNHKを退職をして、十二チャンネルの職員になっており、NHKとは全然関係のない人間である、こう解釈をしていいわけですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 形の上ではそのとおりでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 形の上ではそうであって、実際はどうなんですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 従来NHKとしては定年その他を、出向の要請をされた場合、基準として人選をいたしましたが、その後ひとり十二チャンネルばかりではなしに、やはり放送事業に寄与するためには一番適当な人を出すことが必要であるという考え方で処理しておりますので、その意味では実際上は精神的なつながりは持っているという限度の意味でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、現在十二チャンネルにNHKから行った人は、NHKにおいては定年になったから、それで実際には定年になってから十二チャンネルに入った、こういうことですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 定年にならないうちに入ったということでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、定年にならないうちに十二チャンネルに入った、そこで十二チャンネルがかりにつぶれた、そうするともう一回NHKにもとの身分のままで帰ってこれるということになっておるわけですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 それは先ほど申し上げましたように、一応NHKを退社いたしておりますので、そのまま自動的に戻ってくるものとは考えておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 大体それはどの程度の身分の人が何人程度行っておりますか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 技術局長で行ったのが一名、その下に三名の技術者が行っております。それから番組関係で一名行っておりますが、これはいま十二チャンネルの理事をしております。行っておるのは大体その五名だろうと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 この技術局長というのは、これはNHKの技術局長をやっておった者が向こうに行っておる、こういうことですか。

三熊文雄日本放送協会専務理事

○三熊参考人 当時技術関係の部長をやっておった者であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 それから向こうへ理事になって行っておる人は、これはNHKにおける身分はどういう身分だったのですか。

赤城正武日本放送協会専務理事

○赤城参考人 行く前の身分は、解説室の解説委員でございました。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうするとNHKを完全に退職をして向こうに行っておる、だから向こうからこっちに帰ってくるということはない、こう考えていいのですね。そうでないとするならば、かりにこれが出向的な意向を持って十二チャンネルに入ったとするならば、先ほど会長の言ったように、十二チャンネルには一切関係がない、関与しないとはいいながらも、実際的にはやはりそういう人間が行っておるということになるとするならば、何としてもその五名の背後には、大NHKという、この大世帯を背負って、その意向を背負って入っていったというふうにとらざるを得ないわけであります。しかしこれが現実に退職をして十二チャンネルに入って、帰ってくる、帰ってこないということについては、もはやこれは帰ってこれない。しかし何らかの特別な理由があってそれは戻ってくる場合は別でありますけれども、普通ならばこれは退職をして行った場合にはほとんど帰ってこないのが当然であります。それであるとするならばこれは問題はないわけでありますけれども、向こうに行って、向こうの都合が悪くなったらもとの身分のままでNHKに帰ってこられるとするならば、これは問題があると私は思う。その辺がどうなっておるかということを聞きたい、こういうことであります。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 先ほどお答え申し上げましたように、はっきりとNHKを退社して新たに十二チャンネルの職員となっているというのが実情でございまして、これは十二チャンネルのみならず、いままで数年間にわたって協力した各地域の放送局との関係と全く同じものでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 各地域の放送局に行っておる者については、大体退職をして行って、もう一回NHKに帰ってくるということはほとんどありません。これは現実に私が知っておる範囲内においては、退職の前に行っておるか、あるいは高橋圭三アナウンサーみたいに、向こうに引っぱられて行くか、いずれにしてもそういうふうな関係で行っておるわけでありまして、十二チャンネルの場合には、行っておる者もそういうものと同じような立場に立って言っておるということになるとするならば、問題ありません。しかしながら、これがかりに十二チャンネルのほうが一切パアになったとしたら、もう一回NHKにもとの身分のままで帰ってこれるという条件で向こうへ行っているとするならば、これは出向的なものになってくるわけであります。その辺が表と裏とが――会長さっき表と裏と言いましたが、表も裏も一切ないものである。要するに一度すぱっと退職をして向こうへ行った以上は、NHKはもうあとは知らぬ、こういうことであるとするならば話はわかる。しかし向こうがパアになったらもう一回帰ってくるという黙契があるとするならば、これは非常に問題であります。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 おっしゃるとおりでありまして、はっきりとNHKからは退職しているのでありますから、十二チャンネルがどういうことになりますか、この人たちが退職した場合には直ちに引き取るというような黙契はございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 少しまだちょっとふに落ちぬ点もありますが、いまの会長の答弁をそのまますなおに受け取ってひとつ先へ進んでいきたいと思います。ただ私がここでしつこいように会長に質問をいたしましたのは、この十二チャンネルについては非常にいろいろの問題が飛んでおるわけであります。たとえばNHKは十二チャンネルができ上がるときに、そもそも初めから反対であった。だからあれをつぶすために人を送りこんでおいて、中をでんぐり回してつぶして帰ってきたというふうな、さも見てきたようなうわさも流れておるわけであります。あるいはまたその反対のうわさも流れておるということで、いま十二チャンネルの再建問題をめぐって非常に百鬼夜行のうわさが流れておるわけであります。だから私はそういう裏話を信用するということでなくて、少なくともこういう公開の席上においてはっきりとしておきたい、こういう考え方から、この際会長の答弁を求めたわけでありまして、会長の最後の答弁を一応私はここでは了として、先へ進んでいくことにいたしたい、このように考えるわけであります。  そこで、次に現行法の二十四条でありまするが、これは今回の法律においては改正になっておりませんが、郵政大臣にお聞きしたいと思います。ここの、いわゆる「会長一人、副会長一人、理事七人以上十人以内及び監事三人以内を置く。」というところに、技師長というものを三役としてこの法改正について考えたことはなかったかどうか。これはたとえば電電公社その他と比較をした場合、あるいは国鉄その他の問題と比較した場合に、やはりこの会長、副会長というものは一つの行政的な手腕家である。同時にこういう技術面を背景といたしまするところの企業体としては、技術陣営の総元締というものをやはりひとつ明確に、三役なら三役クラスとして入ったほうがいいのではないかというふうな意見もいままであったわけでありまするが、そういう点については、今回の法律改正については、討議せられたことがあったかなかったか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 これは私の承知しておる限りにおいてはございませんでした。定款にまかせてある現状をもって、かつ技師長の地位はかなり協会の中で高いもののようでありまして、それをもって足れりとしておる前提でございますと思いますが、特に議論はございませんでした。

森本靖日本社会党

○森本委員 国会でもしばしば論議せられておることでありまするが、論議はなかったのですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 私の承知しております限度ではございませんでした。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは私はやっぱり将来の問題として、これだけ大きな企業体において、しかも技術という問題を背景にして動かなければならない問題が非常に多い場合には、行政的な面と、それから技術的な面のオーガニゼーションといいますか、そういうラインが一本上から下まで通るということが企業体においてはある程度必要ではないか。そういうことが、外国においてはよくこれは行なわれておるわけであります。そういう点で、私はこの技師長の地位が、単なるNHKの内部における取りきめでなしに、この法律において明示されることが最も望ましいというふうに考えておったわけでありますけれども、そこまで勉強した人がなく、討論がなかったということでありますれば、これはやむを得ません、いずれ改正案が出たときにまた審議をいたしたいと思います。  そこで、それではこの第二十六条でありますが、この第二十六条についても一応これはそのままになっておるわけであります。この第二十六条の中におきまして、いわゆる会長、副会長それから理事の任務その他について、特にこの改正案ができ上がるまでにおいては討議がなかったかどうか、ひとつこれを聞いておきたい、こう思うわけであります。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 会長、副会長、理事のところについてはございません。監事のところだけ「会長、副会長及び理事の行う業務」について云々とありましたのを「協会の業務」ということに改めましただけで、会長、副会長、理事等についてはございませんでした。

森本靖日本社会党

○森本委員 「協会の業務」と変えただけじゃないのです。「経営委員会の定めるところに従い、」と書いておるわけです。ところが、いままでは「経営委員会の定めるところ」というのはなかったわけであります。現行においては、それではNHKの監事の報告というものはどこできめておるわけでありますか。NHK側に聞きますが、この現行法律の四項についてはどういうやり方をやっておるか。今回の法律では、経営委員会においてそのやり方を定める、こうなっておるわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 現行放送法の規定及び実際の業務の運営から申しますと、経営委員会は、会長を任命すると同時に監事を任命する権限を持っております。監事は、経営委員会の指示に従って事実上は第二十六条第四項の業務を行なうわけであります。したがいまして、監事は経営委員会に対して直接責任を持つわけであり、したがって監事の監査は経営委員会に報告されるというたてまえになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 いや、そのたてまえはそうでありますけれども、そういうことをどこでどういうふうに具体的にきめておるか、こういうことです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 それは、経営委員会の権限の条項に従って、経営委員会がこれを決定いたしております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、この今回の改正案は、現行やっておることをそのまま文章に書いた、こういうことですか、大臣。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 現在の形と変わってまいります点は、やはり監事が経営委員会に出席し、かつ意見を述べることができるように監事の地位がはっきりいたしておりますし、それに伴いまして、経営委員会の定めるところに従って、協会の業務について監査をいたすわけでございます。しかし、その内容がどれだけ変わってまいるかということは、私はそれほどの変わりはないだろうと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、今回の改定は、いままでは「監事は、会長、副会長及び理事の行う業務を監査し、」とあったのを、「協会の業務を監査し、」とあるから、これは同じだ。ところが「監事は、経営委員会の定めるところに従い、」と書いておるのがいままでと大きな違いなんです。ところが、いま聞いたらそれはそのとおりやっておりますということを会長が言っておるので、いままでやっておることをそのまま法文化したのにすぎないのか、こう聞いておるわけです。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 先ほどのNHK側のお話を承りますと、実際の運用、今度の改正法のような形をやっておるかのように私も伺いました。伺いましたが、その背景の実際のやっておられる状態を私つまびらかにいたしておりません。おそらくいまのお話なら改正法のようなやり方をしておられるのだというぐあいに考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは、つまびらかにしておりませんというのは、大臣、失言ですよ、はっきり言って。この放送法の改正案を上程する以上は、そのくらいのことがつまびらかでなかったら、上程する権限はありませんよ。重要な条項でありますから――大臣、あなたはよほど慎重なお人だけれども、ときどき失言をしますので、ひとつそういう点はお願いをしたいと思います。  そこで現行法第二十六条においては、要するに専務理事という名前はどこを見てもないわけでありますけれども、実際問題としてはNHKには専務理事という一つの職名と技師長という職名があるわけでありまするが、そこで会長に、私はいつもいやな質問で、こういう質問はいやだけれども、聞いておかぬと順番がどうなるかわからないから、聞いておきますが、やはり「理事は、会長の定めるところにより、協会を代表し、会長及び副会長を補佐して協会の業務を掌理し、会長及び副会長に事故があるときはその職務を代行」する。だから十人理事がおるわけでありますから一番から十番目まで理事の順番をつけておかないと、これは事故があったときに困るわけであります。二十六条に言う順番は、大体この表に書いてあるとおり、会長、副会長、その次は技師長、専務理事、理事とこうありますが、これが順番ですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはいとも明快になりましたので、ひとつ今後はこの指揮、命令系統をはっきりしていただきたいと思います。  そこで逓信委員会の中で実は一番指揮命令系統が部外者から見てはっきりしないのがNHKなのです。電電公社それから郵政省の指揮命令系統というものははっきりわかるわけでありまするが、あなた方からもらいましたこの資料を見ましても、まだこれでも一体命令系統はどうなっておるだろうかということでなかなかわからないわけでありますが、会長、副会長、技師長、専務理事、理事、こうあるわけでありまするが、本来ならば、たとえば電電公社の専務理事のやり方は、理事が十人おるとするならば、そのうちの一名の理事が二局なり三局の局長を統轄する、そうしてその理事三名なり四名を一名の専務理事が統轄する、そうしてそれが技師長と副総裁、総裁につながっていく、こういう形になっておりまするから、命令系統ははっきりしておるわけであります。そこで、たとえば電電公社の施設局、こういうことになれば、施設局長にものを言うよりか、その上の理事、さらにその上の専務理事へ話をすれば、命令系統がぴしゃっとなっておるわけであります。ところがNHKの場合は、この技術管理局の局長の上の担務理事は一体だれであろうかとさがしてもなかなかわからないわけであります。この辺の指揮命令系統というものは一体どうなっておるのですか。ここではっきりいたしておりますことは、放送総局だけわかっております。放送総局だけは放送総局長がこの全部の局長を統轄する、こういうことはわかっておりまするが、あとの営業局から技術管理局、施設局、職員局、経理局というのは一体どうなっておるか、ひとつこの指揮命令系統をちょっと御説明願いたいと思うのです。これから用事があって電話をかけるときに困るのです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 仰せのとおりでありまして、NHKは電電公社とも異なりますので、したがって指揮命令系統も電電公社と同様にはなっておりません。  ただ御質問の点を具体的に申し上げますと、放送総局については御理解をいただきましたので申し上げません。  技術系統については、最高指揮官は技師長でございます。技術系統のうち研究事項につきましては野村専務の担当でございます。  それから営業局につきましては、これは御承知のとおり、従来の行き方を根本的に変えまして、今年度当初御賛同をいただいて営業局と改めましたので、それと機械化の問題を考えながら、現場の総司令官としては、これに理事を充てました。それが長沢理事でありますが、NHKの全体制作の中で営業局をどうするかという問題については副会長にその担当を委託してあります。  その他この構造の根本的な考え方は、これは従来も当委員会においてたびたび御質問をいただき、かなり明らかになってきているかと私は想像いたしておりましたが、従来日本になかったスタッフ・アンド・ラインの原則をこれに採用いたしておりますので、スタッフ部門につきましては、ある意味では会長に直属するという考え方をとっております。ただスタッフ部門の事務的調整と、会長が指示した基本方針の策定その他につきましては、総合企画室がこれを担当するわけでございますが、この総合企画室にも、本年度当初御審議をいただいた予算編成の結果として、御承知のように今回は担当理事として川上理事を任命いたしております。  機構全体の問題はただいま申し上げたとおりでありますが、将来の問題につきましては、二回にわたる長期計画の最も大事な基本方針の一つとして、御承知のように合理的な事務機構の機械化ということを考えておりますので、これの完成する昭和四十三年三月以降、新たに諸先生の御意見も伺いながら、最終的な組織形態を決定いたしたい、このように考えているわけでございます。

上林山榮吉自由民主党

○上林山委員 関連。ただいまの会長の答弁の中に、見識のある会長でありながら、公開の席上というよりも、国会ですから、あなたのことばの中に総司令官がNHKにおるかのごときことばが速記録に残りますので、それは総指揮者の意味だろうと私は解しておりますが、速記録のつごうがありますので、お取り消しなり訂正なりを願っておきたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 ごもっともでございます。総指揮者と改めたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 確かにこのやり方は日本式でないわけでありまして、特に聞いておきたいのは、考査室と監査室の違いはどういう違いですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 考査室は番組関係の考査でございます。監査室はNHKの事業全体の監査でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この監査室は下部機構がありますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 監査室は下部機構として全国八地区に監査主査を置いております。

森本靖日本社会党

○森本委員 その各主査は中央放送局長の指揮命令系統にはないわけですね。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 業務の指揮命令系統は監査室長であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 八カ所に監査主査をそれぞれ置いておるというわけでありますが、その八カ所というのは各中央放送局単位ですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 そのとおりでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうするとこの監査室は、監査室長合わせて全部で幾らになりますか。

小野吉郎日本放送協会副会長

○小野参考人 約三十五名でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 官房長に聞きますが、郵政省の全職員と監察局の機構の人員はどの程度ですか。

鶴岡寛郵政事務官(大臣官房長)

○鶴岡政府委員 ただいま郵政省の職員は約三十万でございますが、監察官七百名と事務職員三百くらいであったかと記憶します。

森本靖日本社会党

○森本委員 その約千名で、内部監査に充当しておる人は郵政省ではどの程度ですか。

鶴岡寛郵政事務官(大臣官房長)

○鶴岡政府委員 御案内のように、郵政省の監察官はすべて内部監査とお考えいただいてよろしいかと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 郵政省の監査はすべて内部監査ではございません。司法権を持っておるわけでございまして、外部の司法権を持ってその司法権による手続を行なう場合もあるわけでありますので、そういう点について私は聞いたわけでありますけれども、一応NHKの監査室というのが要するに全国で三十人おる。それがいま八カ所に分かれておる。この監査室の室長のNHK内部における地位はどの程度ですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 最右翼の特別職であり、監査室は会長に直属いたしております。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると理事ではないのですね。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 理事ではございません。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは考査室も会長に直結ですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 そのとおりでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 この日本放送協会業務組織図というのは、だれが見てもわかりやすくもう少し指揮命令系統がさっとわかるよう兵実際問題として書けぬものですか。なかなかわからぬのです。私はこれで十二回予算を審議しておりますけれども、それでもこのNHKの機構がくるくる変わるので、指揮命令系統というものはなかなかわかりにくい。そうするとこの法規室、広報室も会長直属ということになるとするならば、これは会長のほうから横から線が出てきてこうこなければならぬはずです。これは非常にわかりにくいのです。そうすると広報室と法規室と考査室と監査室、これは会長の直属ということですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 そのとおりでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、総合企画室と経営情報室との違いはどういうことですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 まず二つに分けて申し上げたいと思いますが、総合企画室と経営情報室は相互に関係を持った機構でございます。これは主として機械化を中心としての関係でございます。総合企画室は、そのまま会長に直属するわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 だれが見たって、この図解が非常におかしいのだ。見てごらんなさい。総合企画室と経営情報室というのは理事会、専務会になっておるのだ。それから一方の考査室と監査室と法規室と広報室は、また違うところにつらなっておる。会長直属じゃないのだ。理事、専務理事、技師長、副会長、会長、こうなっておるのだ、どうもこの図面の書き方を見ると。だれが命令して指揮命令系統がどうなっておるかということをわれわれは知りたいわけですが、わからぬようにしてあるとするならば別でありますけれども、これはわかるようにしたところで別に秘密事項じゃないのだから、なるべくこういうことについては皆さんおわかりになるように、今後この図解をお願いしたいと思うのです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 全くおっしゃるとおりでございまして、一枚の紙に平面的に書きましたので、実はこれは立体的に考えるとわかりやすいかと思いますが、この図の書き方については今後研究させていただきたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで、今回の放送法において一番問題になっておりますのは編集権の問題でありますが、これは放送事業者にあるということになっておりますけれども、具体的にNHKの場合における編集権というものはこの図表においてどういう程度になっておるわけですか。たとえば全国ネットワーク、管内中継それからローカル放送というようにそれぞれの番組があるわけでありますが、その編集権についてはとの程度――むろんこれは会長が全責任を持っておることは当然でありますけれども、しかしこれは会長が常時その問題について目を通しておるというわけにはまいりませんので、分権制度ができてくると思います。そういたしますると、NHKのテレビジョン放送並びにラジオ放送における編集権というものは、NHKという事業体にある、最終的にはやはり経営者のこの理事会にある、こう解釈をするのでありますけれども、具体的にやはりローカル、管中、全国中継、こういうことになってくるわけでありますが、そういう場合のこの編集権という問題は、一体どこに委譲されてくるか。最終的にその責任はだれが負うか。――最終的責任は会長でありますけれども、当面それぞれにおけるこの編集の責任者はだれなのか、これをひとつはっきりしておいてもらいたい、こう思うわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 最終的には私がその編集権の行使をすることになりますが、協会内の機構といたしましては、放送総局長が私にかわって現場運営の面で編集権の総責任者という立場に立つわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうなると、だから私はおかしいというのだ。だから先ほど来これはライン・オーガニゼーションであるかどうかということを聞いておるのだ。この編成からいうと、放送総局の局長はここに書いてある教育局と報道局、解説委員室、それの長なんだ。それを指揮命令をしておるわけだ。ところがこの指揮命令系統が、中央放送局、管内放送局の指揮命令系統は会長のところに直結してできておる。そこで中央放送局においては管中のいわゆるプログラムを編成しておる。さらに管内放送局においてはそれぞれのローカルのプログラムを編成する。それの編集権は一体だれが持っておるのか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 ただいま私が申し上げましたのは、事務的中央機構としての放送総局長の総括的権限について申し上げましたが、中央機構といたしましても、その総局のもとに各制作局がございます。この制作局の局長は、同時に放送総局長の総括的権限のその局に関する限りの編集権の代行をいたす者でございます。したがいましてこの精神と全く同じように、各中央放送局長、さらに各放送局長においてもそれぞれの段階を経て放送総局長の編集権の権限を代行いたすというたてまえになっているわけでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、これはやはり書き直さなければいかぬですね。これでは全然意味をなさない。この図表では、放送総局長は中央放送局並びに管内放送局に対しては全然指揮命令がない形になっておるのですよ。だから私はさっきから指揮命令系統は一体どうなっておるかということを聞いておるわけだ。だから技術部門なら技術部門の指揮命令系統は中央から地方に一本にいっておる。番組面における指揮命令系統は中央から地方に一本にいっておるのだということだとするならばそれでもいいけれども、そうでなしに、すべての問題が中央に直結する。一つの管内放送局を所管をする。それ以外は全部放送総局長が権限をまかされる。その放送総局長が管内のすべての権限を委譲される。こういうことになるとするならば、ここでいうところの放送総局長のいわゆる編集権というものは、全国ネットワーク並びに協会の本部が直属をするところの放送局だけの問題に限られてくる。それ以外のいわゆる管内中継、さらにローカルになってくると、中央放送局長と管内放送局長になってきやせぬか、こう考えておったわけでありますけれども、いまの会長の説明では、それも放送総局長だということになりますと、妙に指揮命令系統がややこしく入り乱れて、兵隊があっちへ行ったりこっちへ行ったりするということになりはしませんか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 さらに少し詳しく補足申し上げたいと思いますが、私どもの権限の委譲というのは、従来の権限の委譲の内容の性格とは別のものでございます。ここがまた先生におしかりをいただくかもしれませんが、従来は会長が局長に権限を委託するという精神での権限の委譲でございました。しかし、この方式でNHKの全国組織に一貫した責任体制をとることはかなり事務的にも繁雑となり、また実際運営上緊急の事態に即しない場合も出てまいります。と申しますのは、地方から中央へ、中央から東京へという一つのフィードアップと申しますか、伺いというようなものが従来あたりまえのこととして行なわれたわけであります。したがいまして、本質的にはただいま御説明申し上げたような権限の委譲の方式をとっておりますが、性格においてはあらかじめ会長が局長に就任することによって会長の権限を分担する。したがって、自己の責任において判断するということをたてまえといたしております。判断のつかなかった場合に、従来どおりの形式をもって伺いを立てるという場合も実際問題としては起こるのでありますが、この方式は六年前にNHKの大衆との結びつきを強化するというたてまえで、現地の局長がすべて会長にかわる責任を持ってこれを処理するという精神的な実は大改革をいたしたわけであります。そういう意味では従来の考え方とは全く異質のものでございますので、いろいろな問題の理解のしかたがかなり困難になっているかと考えますが、お説のとおり指揮命令系統は、系統としては一貫していると思います。ただし、この図表の書き方であるとか、あるいは精神の表現のしかたについては、先ほど申しましたようにわれわれの中でも理解に苦しむような複雑な図表となっておりますが、これは研究の上、一目りょう然図表を見れば全くよくわかるという方向になるべく早く努力いたしたいと考えます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、最終的にこの問題について、私はいろいろ機構についても聞きたいと思いますが、時間の制約がありますので、いわゆる編集権という問題については放送総局長が一応の責任を持っておる。しかしながら、実際問題としては、管内中継、さらにローカルについては中央放送局長、さらにそれぞれの放送局長に権限を委譲した形になっておる、こういうことですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 そのとおりでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 各委員に少しNHKの機構がわかるようにひとつぜひお取り計らいを願いたい、こう思うわけであります。もっともわからぬようにしておいたほうが都合がいいということならば別でありますけれども、そういうことはないと思いますので……。  そこで今回のこの予算案の中には出てまいっておりませんし、実は放送法の改正の中にも出てまいっておりません。出てまいっておりませんけれども、これは相当意見のあったところでありますが、答申案には経営委員の事務局を設ける、さらに各地区の中央放送局単位の地方分野の経営については秘書を設けるというようなことが書いてありましたが、これは一切オミットされておるわけでございます。しかしながら、現実問題として、これは法改正にかかわらず、事務局の問題は別として、ぽこっと経営委員に任命をされた、それに対して、この放送法にありますような問題を全部審議してくれと言ってしろうとの経営委員に持ってきたところで、経営委員がこれをのみ込むことはなかなかできない。そういたしますと、実際問題としては、これは執行部の言うとおりにならざるを得ない。そこで経営委員もかなり国会議員並みに勉強しなければならぬということになるとするならば、これは経営委員にも相当秘書的な者をつけなければならぬということが答申にもあるわけであります。具体的にNHKとしては、この法律改正には載っておりませんけれども、今後の経営委員の勉強のしかたについてはどういうふうに考えておりますか。あんまり経営委員に勉強されていろいろやかましいことを言われたらうるさいから、とにかくもうそんなものはほうっておけということにしておるのか、それとも答申の事務局というものは除かれたけれども、やはりNHKの経営委員については相当勉強してもらって、経営委員会が議決機関としてほんとうの機能を果たす意味において、この経営委員を手助けする者を職員の中から出してもいいというふうに考えているのかどうか、その辺を確かめておきたい、こう思うわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 昭和三十四年の放送法一部改正以前におきましては、私が申し上げるのはいかがかと思いますが、会長は同時に経営委員会の委員でありました。したがいまして、その当時までの行き方としては、いわゆる経営委員会と執行機関というものは名実ともに一体化し得る可能性を持っておりました。三十四年の一部改正によりまして、会長は経常委員でないというたてまえがとられましたが、その当時以来一般的に考えられたことは、経営委員会の事務当局は執行機関であるという考え方でございます。この点につきましては、実際運営上も昭和三十四年以来その方向で今日に至っております。特に経営委員会の実績を高めるために、私どもといたしましては職員の中から特命いたしまして経営委員会付を任命いたしております。御承知のように、現行法制によりますと、経営委員はさらにその選任の基礎として、任命手続として地域性を持っておりますので、地域性の任命手続に従う委員につきましても、各中央放送局にその担当職員を任命いたしております。また実際運営の面から見ますと、東京を居住地とする経営委員のうちの数名の方々は、経営委員会の原則的な会議の開催の中間的形態として、曜日をきめて経常委員会を――私どもはこれを在京委員会と呼んでおりますが、それをお開きになっており、これには必要に応じ会長以下部課長に至るまで、経営委員会の御指名がある場合にはそれに出席さしていただいて詳細にその担当事務を報告することになっております。したがいまして、私どもといたしましては、経営委員会には適当にというような考え方は毛頭持っておらないというのが実情でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そうすると、経営委員が相当勉強ができるように秘書的な役割りを果たす人間はすでに配置をしてある、こういうことですね。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 純粋の秘書はまた別に任命してございます。したがいまして、秘書以上の者も任命しておるということでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで、今回の放送法の第三十八条のNHKの経営委員、それから理事、その次に監事の問題でありますが、今回の第三十八条において「これに監事の監査報告書を添えて」当該事業年度経過後云々、郵政大臣に提出をしなければならないというふうに書いたわけでありますが、この意味と、さらに同項の監査報告書を添えて内閣及び国会に報告しなければならないというふうに書いた、この一項二項を書いた意味を大臣に御説明願いたい、こう思うわけです。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 本日の午前も、NHKの予算の承認についての御論議がございました。監事というものに、責任と申しますか、周到な職責を果たしまして、その報告というものについて御審議をいただくこと、また郵政大臣が見てまいりますためにも、必要な、十分な資料を提供してくれることを期待いたしまして、より慎重な手続をとることが適当と思った次第でございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そういたしますと、監事の任務をより以上重く見たと、こういうことになるわけですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 さようでございます。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで第三十条に入りたいと思いますが、第三十条においては「会長、副会長及び理事は、放送事業に投資してはならない。」この項は、今回の場合においてもこのとおりになっておるわけでありますけれども、少なくとも非常勤の監事は別として、常勤の監事についてはこの会長、副会長、理事に相当するものではないか、こう思うのですが、ちょっと会長にお聞きいたしますが、いまの常勤の監事の俸給は理事と同程度の待遇ですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 先ほど申し上げましたように、監事は会長と同様に経営委員会が任命することになっておりますが、その待遇は経営委員会がこれを決定することになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、その経営委員会が決定をした内容は――俸給の額を聞いておるわけじゃないのです。理事と大体同程度の待遇に常勤監事はなっておりはしないかと、こういうことを聞いておるわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 大体これに準じております。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 ちょっと関連。森本さんと大臣及び会長との熱心な御討議を拝聴しているわけだが、いまその経営委員会と会長との関係等で、ちょっと私お尋ねをいたしたいと思うのですが、前田さんの御説明では、昔は会長は経営委員の一人であった。しかしいまはそうじゃない。こういうことになりますと、経営委員がいま十二名ですかおりまして、あなたはおそらくそれに常時出席されておるのでしょう。会長、副会長、技師長として、どうですか。経営委員の一員であったときといまと、実際の経験としてどっちの都合がいいですか、伺っておきたいと思います。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 実際上から申しますと、昭和三十四年以前においても現行法におきましても、放送法は経営委員会が会長を選任し任命する。したがって、経営委員会が議決決定する方針を実施する能力を持つ者を任命するというたてまえでございますので、私自身の経験から申しますと、法制上の変化にもかかわらず、実務及び経営委員会との関係においては何らの支障を来たしていないというのが実感でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 いまの会長としてはそういう答弁をなさる以外には私は答弁のしようがなかろうと思うのですが、しかし、具体的には十二人の委員は毎年毎年任期がきましょうし、かわっておる。これをずっと読むと、今度の改正案でも経営委員会というものは非常に力を強めてきたような印象を私は持っております。そして皆さんは実施機関、重役会だな、最高重役会。皆さんは重役であるようなないような、NHKの中では会長、副会長というのはそういうことでありましょうが、その上にさらに郵政大臣がおる。それからまた国会がある。これはどうも少し繁雑だ。電電公社は、たしか総裁、副総裁は電電の経営委員会のようなものがあって、その中のメンバーか特別メンバーか何かになっておる。それから警察のほう、これは自治大臣が公安委員会の委員長をやっておる。放送のことでありますから、時の政府の大臣が経営委員会の委員長をやるということについては不偏不党のたてまえからいけないということであろうと思うので、そのことはよくわかりますが、何か少し階段が多過ぎるように思います。率直に言って私は反対です。個人としましては会長、副会長、技師長くらいは十二人の経営委員の中に入ってもらいたい。あなたを任命したのは佐藤総理及び橋本登美三郎君でありまして、決して十二人のなにではない。それはあとでお話があって、新聞に出てしまってから満場一致、これは世間で往々あることで、それをどうこう言うわけではありませんけれども、実質上天下周知の事実であります。そういう意味からいいまして私はむしろ入ったほうがいいと思いますが、これは私の意見で、まだ社会党の意見にはなっておりませんけれども、実際あなたが仕事をおやりになるのにやりいいようにとお伺いしておるわけであります。  もう一つ、それと関連いたしまして、先ほどから森本さんがおわかりにならぬと言うて放送協会の業務組織、いろいろ御質問がありました。私はわりあいにわかると思いながら――もちろん、しかししろうとですから何でございますが、よううまいこと書いてあるなと思って読んでおるのですが、その中で理事会、専務会というのがあって、その下に総合企画室、経営情報室というのがあります。この経営情報室というのは、会長の御説明では、何か技術のどうやらこうやらということでありましたが、これはどういうものですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 経営情報室と申しますのは、実はいまから五年前の第二次六カ年計画を策定した当時から事務の機械化を担当している部分でございます。ただ、この新しい用語ではいわゆる機械化の一番大きな眼目の一つとして、これは政治情報ではなくて、NHKの中の経営数字的情報を中心としてその機械化をするということになっておりますので、その意味での通俗の用語をここに使用したわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 これだけはわかりませんでした。これは名前がちょっとおかしい。経営情報、部内だけの話ですから、部内でわかればいいのかもしれませんけれども、何か少しNHKらしい名前ではない。NHKは国会の情報とか、政府の情報だとか、あるいは特に民放の関係とか、さっきの十二チャンネルの問題とか、世界の情勢とか、そういったもの、それくらいのものはあってもいいわなと実は思って見ておりましたら、いま私が言いましたのはなくて、それはもっぱら秘書室でおやりになっておるのでしょうか。念のために伺っておきたい。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 いま先生がおっしゃるような種類の情報は、総合企画室プロパーの中で収集しなければ、総合企画ができないというたてまえで、この部分の情報はしたがって経営情報、たとえばどの局は何月何日までに、どれだけの受信者の変動があったか、集金状況はどうか、予算の支出状況はどうかというような意味での情報でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 いや私がお尋ねいたしましたのは、先ほど私が少し冗談を交えて申しておりますようなことは、そうすると全部秘書室でおやりになっておるのかどうか、こういうことでございます。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 総合企画室でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 総合企画室というのは何人くらいの職員で編成されておりますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 合計八十名でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 たいへん膨大なものだと思います。わかりました。名前が少し、これは二つともおかしいですね。企画じゃありませんね。名前をつけるときには私に相談してください。しかしながら日本放送協会という大きな機構になりますと、私は必要を否定はしないのですよ。だけれどももっとそれに合った名前をつけてもらいませんと、これは経営情報室のほうにいきます、あるいは秘書室のほうにいく、こういうことになるだろうと思います。  それからもう一点、放送総局と中央放送局とのことはよくわからぬということを御質問になり、私もわかったようなわからぬような状態ですが、これはこの経営委員会のもとに会長と副会長があって、まっすぐ下のところに放送総局を持ってきても都合が悪い。中央放送局長は会長に直結をしておる。こういう意味でちょっと横へ置いた。しかしながら放送総局長と中央放送局長との間には、やはり具体的な日々の仕事は直接、非常な関係がある。ことに報道、解説、芸能、技術、営業というようなところが関係がある。こういうふうに了解しておいてよろしいのですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 編集権を中心として先ほど御質問をいただき、それにお答え申し上げたわけでありますが、中央局長並びに、ここには管内放送局と書いてありますが、中央局以外の局長は、単に編集権の問題のみならず、置局を中心とする、技術、営業を中心とするあらゆる総合的な機構になっておりますので、その意味では、中央局と管内局との関係は、編集権については放送総局と具体的につながるわけでありますが、その他の面については、営業については営業局、技術については技術管理局ないし施設局というものと関係を持ってくるわけでございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 大体わかりました。関連質問ですからもうこれで終わりたいと思いますが、関連をいたしまして参考までにお尋ねいたします。  NHKが海外各地に、特に前田さんが会長になられてから、積極的にブエノスアイレス、ローマ、ボン、ジュネーブと書いてありますが、出ておられることには私は非常に敬意を表します。たいへんけっこうなことだと思う。しかしけさほどお尋ねいたしましたように、皆さんのところはあり余まるほどの金があると判断しておる。それの使途といたしましては、こういうふうにお使いいただくことについてぼくは敬意を表するが、これをさらに積極的に今後とも伸ばしていかれるおつもりであろうと思うが、私もそれを期待するのでありますが、どうであるか。  もう一つは、現在たとえばニューヨークに何人くらいおるか、ボンに何人くらいおるか、そういうことについてひとつ御説明願いたい。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 現在NHKが海外に持っておる総支局の総数は二十三局でございます。この二十三局は、ある意味では現状でもすでに大体のものがカバーできるというたてまえになっておりますので、今後これを増設するにあたりましては、さらに国際情勢並びに日本との結びつきを慎重に検討いたしまして、そうむやみにつくるという考え方は持っておりません。なお現在員につきましては担当者からお答えさしていただきます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 いまのお話は、それじゃ前田さん一応これで第一段階終わり、こういうことですか。海外置局は一応カバーした、そういう御判断ですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 現在主要と思われる、主要地点ではすでに整備ができておる。たとえば現在国交はございませんが北京にもございます。それからアフリカの場合にもカイロとアクラにございます。ラテンアメリカにつきましても、メキシコ、ブラジル、アルゼンチンにございます。今後問題となるのは、これはオーストラリア、ニュージーランドをどう処置すべきかという問題もございます。それからまた情勢の変化が、今後一局でその地域の情報が収集できるかどうか、これは国際政治情勢の発展を待たなければ予断いたしがたい、そういう意味で現在の地点は、およそ現在の情勢の多少の変化があっても、これに対応できる情勢であるという意味で、一応今後の置局について――置局しないという意味ではございませんが、慎重に検討を加えながら考えてまいりたい、こういう意味でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 関連ですからこれで終わります。森本さん来ましだから……。あと一点だけ七午前中佐々木良作君の質問に対する御答弁の中であったと思いますので、重複するようで恐縮なんですがお尋ねいたしますけれども、何か放送衛星のようなものをお考えですか。四十一年度の計画でいかがでございますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 技術研究所で、放送衛星の研究を始めたいという意味での研究所予算として、一部その面の予算を計上しておりますという意味でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 それではそれは四十一年度で上げるというところまでは至っておらないのですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 至っておりません。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 衛星を御研究なすって、いよいよ上げるということにいずれなると思うのですが、しかしそれは放送協会の仕事であるかどうか、この点で私はけさのお話を聞いておりまして、日本国内あまねく電波がわたるように上げるというが、国内用に上げるのか、国内用に上げるといったって、韓国も見えるでしょうし、ナホトカも、上海も、あるいは台北、フィリピンあたりまで向けるということになれば、これはNHKの仕事じゃなくて、むしろ電電公社あるいは国際電信電話の領域ではないか、こういうことをちょっと気づきましたので、その辺のところの関係がどうなっておりますか、郵政大臣にお尋ねをいたします。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 NHKでいろいろ御研究はしておられますが、これが実際に研究の結果、どういうものがどういう時期にはたして打ち上げられるだろうかということは、かなりいろいろほかの要素もございまして、これも午前中政府委員から申し上げたかと思います。したがいまして、ただいまのところ、NHKの研究を進めてもらっているという程度でございます。

中井徳次郎日本社会党

○中井委員 これは日本だけでなくて、アメリカにも非常に関係があるし、そういう会社をつくるという話等も私どもは聞いておりますから、NHKは、先ほどたびたび申しますように、きわめて裕福でありますから御研究をいただくことはけっこうでございますし、積極的に進めていただくこともけっこうでありますけれども、その辺のところはいまのうちから政府として方針をきめておいていただきませんと、これは何か取り合いのような形になって、電電公社の研究所でもやる、NHKでもやる、国際電信電話ではおととしかオリンピックのときに中継しましたが、そういうことを早く方針をきめてもらいますように、私は強く要望しておきます。

森本靖日本社会党

○森本委員 いまの放送衛星の問題についても、これはかなり問題がありますのであとからお聞きいたしますが、先ほどに戻りまして、監事の任務でありますが、今回の放送法の改正によって、監事の任務がかなり重くなってきておる。要するに、常勤監事の待遇も理事と同様の待遇になってきたということになった場合、第三十条の項に常勤の監事を入れるほうが適当であるというふうに私は考えるわけでありますが、この点について大臣どうお考えですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 NHKに常勤監事というものがおりまするけれども、しかし監事の性質からいうと、監事というもの必ずしも常勤であることを必要としない種類のもの、しかしその論は別としまして、NHKの業務の執行に当たっておらないものでございますから、したがいまして執行機関についての禁止の規定は監事になくてよろしいのではないだろうか、私はこのように考えます。執行をいたしております。したがって他を兼職いたす等のことによりまして、協会に損失を与えるというようなことの考えられない種類のもの、やはりこれは業務を執行いたしておるものについて強い制限をしておる規定だ、こういうふうに考えて、監事のほうは入れておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 その理屈はわかりますけれども、現実に「会長、副会長及び理事は営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。」ということと、二項の「会長、副会長及び理事は、放送事業に投資じてはならない。」ということは、NHKというものが相当膨大な機関である、そういうところのいわゆる役員は、他の営利事業に従事してはならぬ、さらに会長、副会長、理事は放送事業については一株といえど投資してはならぬということをうたっておるわけであります。そこで今回はさらにこの監事というものの任務が相当重くなってまいりまして、直接に経営委員会その他に対してこれをやることになってくるわけでありますから、従来のいわゆる監事よりも任務が重くなったと見ても差しつかえないわけであります。そこでその監事の待遇も理事と同様の待遇である。さらに、従来からもそうでありますけれども、今回の放送法の改正においても、NHK全体の執行計画あるいは経営計画その他について大所高所からこの監事というものは経営委員会に報告をする。さらに今回は国会にも報告をする、こういう形になるわけであります。そういたしますと、そういう放送事業あるいは営利事業とかりに関係のあるものがそれを監査するということになった場合には、その監査について手心を加えるということは、現実問題としてはあり得るわけであります。だから、私はそういう観点から、これは普通の会社の監査役とはだいぶ違うと思う。たとえば普通の会社におきましては、社長、副社長、重役と監査役とは別であります。おのずからこれはやはり執行機関と監査役であります。この場合には、普通の営利会社のいわゆる社長についても、兼業、兼職の禁止はありません。ただし、ここにおきます執行機関の会長、副会長、理事は、わざわざここに兼職の禁止ということを書いてあることは、そういう意味で書いてあるわけであります。そういう点からいきますと、今回の放送法の改正によって監事の任務がさらに重くなったということを考えた場合には、やはりこの第三十条の項には監事も入れるべきである、その他の営利事業もしくは放送事業に投資するような人は監事をやってもらいたくない、監事になる以上はすべてをなげうってこの監事に専任をする、こういう者でなければ常勤監事はつとまらぬ、私はこう思うわけであります。その辺の討議はなされたことはありませんか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 監事に重い責任を負わせたと申しますか、国会等への報告等の関係で、監事の担当いたしまする任務の重いことは確かに認めまするけれども、討議に際しましては、執行いたします役員と監事との差と、先ほど申し上げましたような理由で、現行のとおりにおきまして特別の論議はこの点についてはいたしませんでした。

森本靖日本社会党

○森本委員 だから、私はあなた方のあくまでも人を理屈で押しつけようという考え方が気に食わぬ。これははっきり言って、討議するのを忘れておったのだろう。今回の監事の任務の重さを考えた場合については、やはりそれは執行機関と監査機関であるということは、あなたのおっしゃるとおりわかりますよ。しかし、現実に監事の任務がここで重くなってきておるわけであります。これははっきり言いますと、いままでと違って、これに監事の監査報告書を添えて当該事業年度経過後三カ月以内に郵政大臣に提出しなければならないということがありまして、内閣を経てさらに国会に報告をしなければならぬ。そうなってくると、今後は、いまの理事の諸君と同じように、現実問題としては監事をここに呼んで聞くことになるわけであります。これはいままでとかなり変わってくるわけであります。そういう点からいくとするならば、私はやはりいままでの監事とはだいぶこの意味が違ってくるのじゃないかと思う。ここではそういう点を考えた場合に、たとえばいままでの項においては、「郵政大臣は、前項の業務報告書を受理したときは、これに意見を附し、内閣を経て国会に報告しなければならない。」こうあるだけでしょう。それを今度はわざわざ監事の報告書を添えて国会に出さなければならぬとなっておるわけです。そうすると今後は監事も、会長、副会長、理事の諸君と同じように、やはり参考人として出てきてもらって質疑をする場合があり得るわけです。そうなってくると、監事の任務はいままでとはだいぶ違ってくる、そういうことになった場合には、この三十条のいわゆる会長、副会長、理事というものに対しては、営利事業に関与してはならぬ、放送事業に一株も投資してはならぬ、今回は、これと同じような条項を当てはめるだけの価値が監事にはある、こう解釈するわけでありますけれども、おそらく私は、三十条は討議しなかったと思う。いま私が質問をしたものだから、あわてて館野君が、いま言ったような理屈を書いてあなたに渡した。その態度が大体気に食わぬ。すなおに、やはりそういう点についても、これはいろいろ論議をしなければならぬけれども、そんなことを論議する間がなかったならなかった、これでいいと思うんだ。それを無理やりに何とかかんとか理屈をつけて人をねじ伏せようとするから、この審議がだんだんおくれる。これは今後の郵便法、放送法の審議についても十分に考えていかないと逆に逆に目が出てくる、審議の方向が。これは、私はまじめに意見を提起するわけでありますから、それは同感をするなら同感だ、しかし、今回の放送法の改正には間に合わなかった、こういうことならば私は一応先に進めていきますけれども、あくまでも理屈でくるとするならば、私のほうも理論を言ってみよう、こういうことになるわけですよ。どうですか、大臣。これはひとつ、すなおに返事をしてもらいたい。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 これからの御審議をすなおに進めていただきますために……。いま、お話を承りながら、監事というものについての立法例はいろいろあり得るんだ、おっしゃるように、私の理屈のような分け方、あるいは監事も役員として一緒に兼職禁止に入れてしまうような立法のしかた、これはいろいろあります。したがいまして、伺いながらなるほどと、立法のしかたはあり得るし、おそらく実例等もそういうぐあいになっておるはずだと伺いながら聞いておりましたので、ことばの不行き届きの点はどうぞごかんべんを……。

森本靖日本社会党

○森本委員 そこで、いまの問題については、これは大臣が肯定したのか肯定しないのかわかりませんが、ここで論争しておりますとちっとも先に進みませんので、ただここではっきりしておきたいことは、これは当委員会で、私は口をすっぱくするほど毎回言ってきておるわけでありますけれども、監事が二人か三人程度でこの膨大な機構を監査をしてやったって、絶対にできっこない。だから、できるならば、内部監査機構というものをこの監事のもとにくっつけてしまい、そうしてこの内部監査機構のいまの三十名ないし四十名というものは会長の指揮権からはずしてしまい、そうしてこれは監事の指揮権に基づくところの指揮命令系統にしてしまえ、そうして初めて、監事というものが内部監査をすると同時に、大所高所から目を通すだけの材料が得られる。いまの監事の制度では、大所高所から見ようにも手足がないからちっともわからないわけです、はっきり言いますと。そこで内部監査機構というものをとにかく監事にくっつけたらどうかということを毎回指摘しておるけれども、何か都合が悪いことがあるかどうか知らぬが、とにかくどうしてもやらぬ。今回、この点についていち早く私は、これは社会党の基本的な態度として大臣にも要望してあったわけであります。これはすでに前から問題にしておるわけでありまして、監事の問題はやはりそういうふうに有効適切に使っていかなければ、実際問題として有名無実になる。今回の法律改正において監事の任務はかなり重要視されてきておるけれども、その肝心の重要な任務を与えられた監事の手足がない。それでは何にもならぬではないか。これはまた会長は経営委員会に聞いてくれということになると思うが、そうなると経営委員長を呼ばなければならぬが、現行の監事は、一体監事に手足は何人おりますか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 先生のおっしゃるような意味での手足というのはないのがたてまえになっております。

森本靖日本社会党

○森本委員 これは、手足の全然ないものが、この第三十八条の今回の改正のとおりのことは、よほど頭の鋭い、もう大臣の数十倍頭の鋭い人でなければ、私はおそらく現実にできぬと思う。これは実際問題として、私は、この新しい法改正に基づいた監事の任務を遂行しようとするならば、何としても手足を持たさなければならぬ。その手足を新設するということは、これは経費が膨大にかかる。そんなことするよりか、現在の内部監査機構という、ここにある監査室の機構をそのまま会長の指揮命令系統からはずして、経営委員会、監事、それから監査室、この監事が監査室長を兼ねる場合がある、こういう形が内部監査をするのには一番望ましいのではないか、こういうふうに考えておるわけでありますが、これは大臣どうですか。

郡祐一自由民主党郵政大臣

○郡国務大臣 何らかの形で監事が手足を持つということは私は必要なことだと考えます。それらのことが内部において調和を保ってなされますならば一番望ましいことだと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 これはひとつNHK自体でも、いまの大臣の答弁もありましたが――もちろん、放送法のたてまえは、大臣とNHKの意見が違ってもかまわぬことになっておりますので、遠慮なしに言ってもらいたいのですが、しかし、やはり国会側としては、監事に対しては、私は何としても手足を持たしてもらいたい。そうしないと監事が有名無実になる、こう考えるわけです。そこで、この点についてはNHKとしても今度は真剣にこの放送の改正と取り組むなら、この監事の実際のあり方についてはひとつ考えてもらいたい、こう思うのですがどうですか、会長。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 私は先ほど先生がおっしゃるような意味での監事には手足はないと申し上げましたが、実際上の運営といたしましては、すべての理事会に監事の御出席を願っております。それからまた同時に、私はもちろんのことでございますが、私を除くすべての責任者に直接接触されることをお願い申し上げております。したがいまして、その意味においては放送法の規定いかんにかかわらず、私としては全力をあげて御趣旨の方向に監事が行動できるような場をつくりつつある。そしてそれはおおよそ過去一年にわたって実行しておる。したがいまして、私はそういう御要望に対しては十分実際上これにさらにこの考え方を強化してまいりたい、このように考えておりますが、ただ一つ、監査室をそのまま監事につければそれでいいかどうかという問題については実際、運営の面から検討いたしたいと思っております。

森本靖日本社会党

○森本委員 監事はいま会長が言われたようにいろいろの点について参画しておるとは言うけれども、理事その他についてはこれは自分の部下を持っておるわけです。部下を持っておるということは、部下に調査をさせるということができるわけです。ところがその部下のないものに幾ら説明しても、その説明がほんとうかうそかということを調べる能力がその人にはない。ところが指揮命令系統を持っておるものについては、これがやはり調査する権限を持ってくるわけですよ。だから私に言わせますならば、監事がこの事業年度の業務報告書というものが正しいかどうか。それに対して意見を付するという場合には、ある程度の自分のスタッフというものを持たなければ、これはとうていでき得ない、こう考えておるわけであって、これは小さな経営をやっても同じことなんです。だから、これは会長は、妙に監査室を私が言う監事につけるのをきらうような気配が前からするわけでありますが、何か理由があるのか、こう思うけれども、とにかくこの問題については、この放送法の改正にあたって、監事というものの任務が、第三十八条によってかなり重くなってきているということは、一体何を意味しておるのか。そのことを考えた場合に、単に監事の任務を重くするだけでは意味がない。実際的にその重くなった監事がそれではどういうふうに仕事ができるかというところに問題が出てくる。かりにこの法案が、通るか通らぬか知りませんけれども、かりに通ったとしたならば、来年度の決算報告書の場合にはもう監事がここへ来て答弁をしなければならぬことになる。そういうことになるわけでありますから、この監事のことと内部監査の問題については、ひとつ今度の法改正とあわせて十分に検討を願いたい、こう思うわけであります。この法律改正がどういうふうになりましても、その内部監査機構を監査室につけたって、これは法律の問題ではないわけです、運営としてやろうと思えばやれるわけでありますから、現実の問題としてはこれはひとつ十分に考えていってもらいたい、こう思うわけであります。ひとつ会長に検討することをお預けしておきたいと思いますが、どうですか。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 預からせていただきたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 この今回の法律改正に基づくところのNHKの問題は以上で大体終わりまして、本論の予算の審議にいまから入りたいと思います。  そこで、これは今回の予算審議の際の冒頭に問題になりましたように、本年度の総予算が九百二十五億円でありますが、その中における乙料金が七億円程度である。実際の集金手数料を差し引くと四億円である。そこで九百二十五億円の予算のうちで乙料金の実際の収納は四億円である。これは五十円のラジオ聴取料であるわけでありますが、このラジオの料金については、だんだんこれから少なくなっていくということもこの間の説明のとおりであります。そこで本来ならばこの甲と乙というものを廃止をしていわゆるテレビの料金については幾らということにすればはっきりしてくるわけでありますが、そういうふうな考え方に大体将来は立っていかなければならぬのではないか。そこで前もって申し上げておきたいと思いますが、NHKは将来五十円は廃止をする、三百三十円を三百五十円くらいに値上げしていくというような下心があってはならぬ。もはや今日の段階においてはこの三百三十円ということによって将来はやっていくことを考えていかなければならぬ。さらに先ほど来問題になっております放送衛星その他の問題がありますけれども、いずれにいたしましても今後の収入支出というものを考えながら、NHKの置局を考えながら、われわれこの問題を考えてみたわけでありますけれども、もはや私はこの乙料金というものは廃止をする段階にきておるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。ところがNHKとしては、この五十円の乙料金が九百二十五億円のうちの四億円であっても、その四億円をなくするということによって三百三十円の分が三十円がラジオの料金ということによって三百円にひょっとしたら値下げをせられるかもわからぬのでというところでその五十円のラジオの料金をあくまで、四億円でもとにかく公平の負担原則という名目のもとにしがみついておらなければならぬと、こう私は妙に理解をするわけでありますが、その辺ひとつ会長のとうとうたる弁舌を聞いてみたいと思っておるわけでありますが、ひとつ御説明を願いたい、こう思うわけです。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 この問題につきましては、再三当委員会におきましても、また先回の委員会におきましても、先々回の委員会におきましても、問をいただいているわけでございますが、利害得失という点からのみ、あるいはまたそれに要する経費を差し引いた残りがわずかに四億円ではないかという点のみで、私は経営の責任者とし、また経営委員会の委託を受け、また公共放送の執行機関の長として、簡単には御同意申しがたいということを申し上げている次第でございます。利害得失の点から申しましても、NHKは第二次六カ年計画を実施するにあたって、当時当委員会におきましても将来値上げをすることはないであろう、あるいはまた甲乙料金制度のできました場合にもそのような御質問もいただいており、これは前会長をはじめとして少なくとも昭和四十二年度末までは絶対に料金の改定は行なわない、その改定を行なわないという意味は値上げをしない、こういうことを公約してまいってきております。このような点から、利害関係を考えてみましても、私といたしましてはこの際いわゆる料金制度における乙の部分の対象が少なくなったからという意味だけでこの乙料金を廃止するという考え方は持っておりません。

森本靖日本社会党

○森本委員 四十二年まで値上げをいたしませんということは、要するに三百三十円と五十円をきめたときにそういうことになったわけであります。しかしながら、現実問題としては、その当時これだけの収入の中に占めるところの乙料金がこのくらいになることはまだ想定しなかったわけであります。だから、今日九百二十五億円という予算の中における四億円の占め方というものについては、私は、利害得失の関係からいきましても、四十一年を四十二年と比較した場合に、合計七億円程度であろうと思う。そこで、私もやはりこういう予算執行に当たったことはありまするけれども、七億円程度のものであるとするならば、今年と来年の予算の中においてこれを節約することは、やろうと思えばでき得ると私は思う。だから問題は、利害得失という問題、要するに、この乙料金をなくしたならばいわゆるNHKの現在の計画しておる業務が非常に支障を来たすということであるとするならばこれはまた考え方は別でありますけれども、しかしながら乙料金についてはいま廃止をいたしましてもそれほど大局的にはNHKの業務については影響がない、私は、この予算案から見た場合において、こう判断する。そういたしますると、残るものはどういう理由によって乙料金は廃止をできないか、こういうことになる。要するに、今年度四億円でありまするから来年度はもう少し減ってきますから、それを見て大体三億円と見ても合計七億円、これは多く見積もっても八億円、四十一年と四十二年に八億円程度の節約をしようと思えば私はできると思う。そこで実際問題としては、予算を組む際におけるこの必要度というものについてはすでに非常に理由が薄くなってくる。残るは要するにラジオの乙料金を廃止をしたならば、三百三十円というものに、これはラジオ料金が含まれておるから安くせよというふうにかかってきやせぬかという心配で反対するのかどうか。だから私は、予算面におけるところの乙料金を廃止するということについては、もうあまり懸念がない、ないとするならば、それ以外に乙料金を廃止するということについて反対であるという会長の御意見は、その一番の重点はどこにあるか、このことをお聞きしたいわけであります。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 お答えいたします。  第一段の問題、すなわち、いまや大体明年度にあれしても七億円程度のものであり、徴収関係の費用を引けば四億円程度になるではないか、その意味においても実際上は節約によってこれをカバーすることができるであろうというお話でございますが、節約をする限度というものは、NHKが公共機関であり過去四十二年の事業の継続であるという点から申し上げますと、必ずしも理論的に割り切れる程度の問題ではございません。実際上の問題といたしまして明年度予算編成にあたっておおよそ二十億に相当する節約を強行いたしております。これに対して具体的な実例といたしましては、すでに決定された鉄道運賃の値上がり、それからまた近く御審議になる郵便料金の問題、あるいは厚生省関係の健康保険の問題等を勘案いたしまして、これから御審議をいただくことになりますが、その部分のしわ寄せば、昭和四十一年度において六億円ということになっております。このような実情から考えまして、私どもといたしましては、その第一段階におきましても、現在廃止する理由はないというように考えております。  第二段の問題につきましては、やはり私は率直に、そういう正当な理由なくただ経営のためからいってたいした問題ではないでないかというような御印象でこの問題を処理する場合には、今後、料金制度の根本はゆらぐことになってくると思っております。そのゆらぐという問題の中には、これは必然に甲料金、すなわち三百三十円にも必ず影響を及ぼしてくるおそれがあるということを感じております。しかし、これは実情をあけすけに申し上げたのでありますが、大局から見ましても、放送法の精神から申しましても、特に改定案においては、NHKの立場と料金の関係を一そう明確化されて、支払うべしという段階において乙料金を当然取るべきであるにもかかわらず、ただその総額が少なくなっているという点だけでこれを放棄するということは私といたしましては絶対にできないのではないか。ただし先生の御趣旨は私にもよく理解できます。この問題の解決の方法は、あらゆる原則に従いながら、いかに妥当にいかにすみやかにでき得るかという問題に帰着すると思います。この点につきましてきわめて簡単に御説明申し上げると、いわゆるテレビのカバレージがラジオのカバレージと事実上、係数的にあるいは科学的には多少の誤差があるとしても、一般客観的な印象において、ほぼ同等になったという時期がその時期であり、この時期は必ずしも遠くない。したがって私どもは、御審議をいただく建設計画におきましても、このテレビの置局の方針については全力を尽くしたい、このように考えており、また午前中の当委員会の御質問に答えて、第二次六カ年計画のうちの置局の計画については、すでに一年以上繰り上げて最終目標に達し得る段階にあるということを特に申し添えたわけであります。御理解をいただきたいと思います。

森本靖日本社会党

○森本委員 いわゆる会長の意見は、NHKの会長としての意見になってくるわけであって、われわれのほうは、国民を代表する立場に立っておるわけでありますから、なるべく安い料金でいいものが見られることが望ましいわけであります。だからその点についてはわれわれは国民の代表という立場からする場合には、これはやはりはっきり言って安いにこしたことはないわけであります。だからあなたのほうの理論は、それは理路整然としたように見えるけれども、国民的な立場に立って言うとするならば、五十円でも安くなったほうがよろしい。安くできるものなら、それだけなくしたほうがよろしいというのが、われわれ国会議員の立場になってくるわけであります。だからその調和点をいかなるところに求めていくかということが、これは非常にむずかしい問題になってくる。そこでいまあげ足をとるわけではないのですけれども、たとえば公共料金の値上げについてもおたくのほうでは、鉄道料金は二億五千万円、さらに共済保険料については一億八千万円、健康保険については一億六千万円、水道料金については千八百万円、郵便料金については五千万円、この増額の予算が四十一年度にはちゃんと組んである。さらにNHKの税の負担額についても四億四千九百二十万円というものの増額についても、予算には組まれているわけであります。決してこれは節約した予算の組み方ではない。今回の公共料金の値上がりについてはその公共料金の値上がりに匹敵するものとして予算に一応組んでいると思う。だからここでこまかい数字を一つ一つあげてあなたと論争するならば私は必ず勝つと思う。これはなぜかというならば、官公庁の予算の組み方あるいはそれぞれの予算の組み方が、たとえば十億の予算の中において一億程度どうしなければならないということになると、なかなかむずかしい。しかしながら、九百二十五億円の予算の中において三億ないし四億の金を節約するということは予算の組み方によっては案外やりやすい。だから会長はそういう問題にこだわるというよりか、問題はやはり三百三十円というものをきめたときに、三百三十円というものがテレビとラジオを含んだ料金である。五十円はラジオの料金である。だから五十円のラジオ料金を廃止するということになるとするならば、三百三十円の料金を三百円にせよということを一番おそれているのではないか。そこで、もしそれをおそれるとするならば、将来のNHKの計画がどうしてもテレビの置局、難聴の地域その他いろいろの問題からしてどうしても三百三十円というものが必要であるということであるならば、いまの甲と乙の料金のような分け方をせずに、私が言ったような分け方にすればいいわけです。それは、甲と乙というように分けずに、もち一回もとへ戻していわゆるNHKの受信料についてはテレビを持っているものについて三百三十円というふうにすれば、これは一つの行き方としては解決がつくわけであります。その辺が、どこへ一体調和点を求めるかということがなかなかむずかしい問題でありますけれども、結局それでは私に言わせますならば、いま五十円を納めているところ、乙料金を納めている人、たとえばホテルあるいはその他の自動車、こういうところは別でありますけれども、それ以外の乙料金を納めている人々は意外に底辺の所得層である。もはやラジオだけしか持っていないという人は普通の家庭では少ない。ラジオを持っている人は、FM放送を持っている人はほとんどテレビを持っている。だから実際に乙料金を納めているところについては、それはホテルとかその他は別ですよ。これはもう別でありますけれども、実際に各家庭において乙料金だけを納めているという人は案外底辺の所得層の人が多いのではないか。だから、そういうところについてはこれを廃止するということは、国民的な立場に立ってするならば大いに意味がある、こういうことを私は言っているわけであって、この辺の私の言っていることと、会長のNHKの会長としての理路整然としたところと、何とかかみ合わせてこれが前進をする方向にいかなければやはり討議をする価値がないわけであります。私は、ここでこの問題を固執しようとは思いませんけれども、四十一年度の予算についてはこういうふうに出されております。だからこの問題については一応承認、不承認ということになりますから、わが党もこれについては一応作業を要することになろうと思いますけれども、しかしながらこの問題については来年の四十二年度の予算編成については十分にNHKの内部においても討議してもらいたい。でき得べくんばいまの四億円程度の乙料金というものについては廃止する方向が望ましいのではないか。そのかわりテレビの料金についてはきちっとする。そしてNHKの計画が計画どおりに実行されていくということを考えていく。こういうふうに私は四十二年度の予算編成のときにはNHKとしても十分に真剣にこの問題と取り組んでもらいたい、こう考えるわけであります。何らかそこにかみ合いがいかなければ、私は国民の代表として言っているわけであって、あなたはNHKの会長として理路整然と堂々たる論陣を張ってきたわけであります、それじゃ並行線をたどるわけであって、そうでなしに、これがかみ合って何らかの成果を得るという方向にいかなければ、ここで八時、九時までもかかって質問をしても意味がない、こういうことでありますので、ひとつ会長にはっきりした御意見を聞いておきたいと思うわけであります。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 御趣旨の点につきましては、私も完全に理解しているつもりでございます。しかし、繰り返すようでございますが、NHKのたてまえとしては単なる――単なると申し上げては失礼ですが、先生の御意見のとおりの方式をもってこの問題を処理するということをここで確約申し上げることは不可能だと思っております。ただし、私は結論的には、やがて実際上NHKのたてまえをくずさなくても、そういう時期がテレビの置局の促進によって来るであろうということを予想しているわけでございまして、その意味では結論においては同じ方向が、かち合わない方向が出てくる時期がそう遠くはないのじゃないかというのが私の考え方であります。

森本靖日本社会党

○森本委員 しつこいようでありまするけれども、この問題はやはりわれわれが考えておることと会長が考えておることとは一、二年の差があるのではないかという点にあるわけであります。その差を縮めるように私のほうは願いたい。あなたのほうはやはりそれができる限りこの既定計画の方針に従ってやっていきたい。ところがここに出てきた数字が初めに考えてきた数字と違っておりまするから、私が言っておりますることは、初めに言ったことと、そういう問題にとらわれずに新しい観点に立ってひとつ考えてみたらどうか。だから私はこうせよということをあなたにここではっきり約束せよということを迫っておるわけではない。しかしながら私がいま言った理論、あなたが言った理論、そういうものをかみ合わせながら四十二年の予算の編成のときには十分に真剣に討議をしてきてもらいたい、こういうことを言っておるわけであります。

前田義徳日本放送協会会長

○前田参考人 御趣旨の点につきましては、今後慎重な検討を続けたいと思います。

砂原格自由民主党

○砂原委員長 それでは森本委員の残余の質疑は明日に繰り越して、次会は、明十八日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後八時四分散会

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