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51回国会衆議院1966/05/13

大蔵委員会 第41号

発言数
134
登壇者
10
会派数
3
開催日
1966/05/13

会議録

三池信自由民主党

○三池委員長 これより会議を開きます。  租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案及び所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。     —————————————

三池信自由民主党

○三池委員長 政府より提案理由の説明を聴取いたします。藤井大蔵政務次官。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 ただいま議題となりました租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案外一法律案について、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。  初めに、租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  政府は、最近における地価の急激な上昇に対処するため総合的な対策を講ずることとしておりますが、その施策の重要な一環として、土地収用に関しその補償額算定の時期を原則として事業認定の告示のときに改めること等を内容とする土地収用法の一部を改正する法律案をさきに提出いたしました。これに対応して税制上におきましても、社会公共のために行なわれる土地収用に伴う譲渡所得について格段の特例を講じてその円滑化を促進するとともに、収用されない土地に実現した値上がり益に対する課税の合理化をはかる等の措置を行なうため、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして、その大要を申し上げます。  第一は、公共事業にかかる譲渡所得の課税について大幅な特別控除制度を設けていることであります。  すなわち、土地収用法の一部を改正する法律の施行の日以後に収用等により資産を譲渡した場合において、その譲渡が買い取り等の申し出があった日から六月以内にされたときは、その譲渡所得の課税にあたっては、千二百万円の特別控除を行なうこととしております。なお、納税者の選択によっては、この特別控除制度にかえて、収用された資産の取得価額を代替資産の取得価額として引き継ぐこともできることといたしております。  第二は、公共事業の実施の結果一般にもたされる土地の値上がりについてその課税方法の一部を改正することであります。  すなわち、三年をこえて保有していた土地、建物等の譲渡所得に対する所得税の課税にあたっては、現在その所得の二分の一を課税対象としておりますが、土地収用法の一部を改正する法律の施行の日以後に譲渡があった場合には、その譲渡所得のうち、収入金額の五〇%に相当する部分については現行どおり二分の一課税とし、それをこえる部分については全額課税とすることとしております。なお、急激な負担の変動を緩和する趣旨から、この二分の一課税の対象となる部分の割合を、昭和四十二年分にあっては収入金額の九〇%、昭和四十三年分にあっては収入金額の七〇%とする経過措置を講じております。  第三は、右に述べました第二の措置に伴って居住用財産についての譲渡所得の課税方法を改正することであります。  すなわち、現在では居住用財産を譲渡したときは譲渡資産の取得価額を引き継ぐ制度を認めておりますが、昭和四十三年一月一日以後においては、居住用財産を買いかえまたは交換した場合の取得金額の引き継ぎ制度にかえて、居住用財産を譲渡した場合または土地等を居住用財産に買いかえる場合の譲渡所得の課税にあたっては、九百万円の特別控除を行なう制度をとることといたしております。  第四は、通常の譲渡所得に関する控除額が、現在、所得金額に応じて三十万円から十五万円までとなっておりますのを、昭和四十二年一月一日以後の資産の譲渡について、これを一律に三十万円とすることとしております。  次に、所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案につきまして申し上げます。  政府は、さきにドイツ連邦共和国との間の租税協定に署名いたしました。この協定の締結の承認については、別途今国会において御審議を願っているのでありますが、この協定を国内において実施するためには、法律により特別の定めを必要とするものがありますので、これにつき所要の立法措置を講ずるため、ここにこの法律案を提出することとした次第であります。  以下、この法律案のおもな内容について御説明申し上げます。  まず、非居住者または外国法人の取得する配当、利子及び工業所有権等の使用料に対する源泉徴収所得税に関する事項であります。  わが国の所得税法によりますと、非居住者または外国法人の取得する配当、利子及び工業所有権等の使用料につきましては、二〇%の税率により源泉徴収所得税を徴収することになっております。  しかるに、このたびの租税協定によりますと、配当につきましては親子会社間のものを除き一五%、親子会社間の配当、利子及び工業所有権等の使用料につきましては一〇%を、それぞれこえてはならないとされております。  そこで、これらの所得に対する源泉徴収所得税の税率を、それぞれその協定上の最高限度である一五%及び一〇%と定めることとするものであります。  次に、非居住者または外国法人のうち、わが国に支店等を有しているものにつきましては、国内法では、配当、利子及び工業所有権等の使用料にかかる所得と、これら以外の他の所得とを合算して課税するたてまえになっております関係上、配当等につきまして租税協定で定める制限税率をこえて課税されることとなる場合がありますので、その点を考慮して、総合課税の場合の税額につき、租税協定の規定に適合するよう、所要の軽減措置をとることといたしております。  なお、この場合、このたびの租税協定におきましては、住民税及び事業税をも協定の対象とすることとなっておりますので、総合課税の場合の軽減措置を講ずるにあたっては、法人税割りの住民税及び事業税をも含めて制限税率をこえることのないよう、所要の措置を講じております。  その他、このたびの租税協定を実施するにつきまして必要な事務取り扱い等につき所要の規定を設けております。  以上が、租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案外一法律案の提案の理由及びその概要であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。

三池信自由民主党

○三池委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  両案に対する質疑は、後日に譲ります。      ————◇—————

三池信自由民主党

○三池委員長 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、税務署の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。平林剛君。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただいま議題になりました税務署の設置に関し承認を求めるの件で若干お尋ねをいたしたいと思います。  今回提出をされましたのは、新設する税務署として東京の雪谷、福岡の西福岡に税務署を設けようとするものでありますが、その税務署の陣容といいますか、その規模、そういう関係について少し説明をしていただきたいと思います。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 このたび、地方自治法上の承認案件といたしまして、税務署の二署の分割の承認をお願いしておるわけでございますが、これはただいまお話がありましたように、大森税務署から雪谷税務署を分離し、福岡税務署から西福岡税務署を分離することでございます。  大体の内容を申し上げますと、ただいまの大森税務署は職員が二百八十一名おります。徴収決定税額が二百四十二億円でございます。税務署の執務体制といたしましても、やや管理の限界にきておるような感じがいたしますので、これを大森税務署と雪谷税務署の二カ所に分割いたしたいということが内容であります。分割いたしました結果は、雪谷税務署は大体雪谷地区、調布地区が中心になりまして、職員の定数といたしましては、これは御承認をいただいたあとで、設置いたしました後の問題でありますけれども、私ども考えておりますのは、百二十名程度の職員を置きまして、七十億円前後の税収になるのではないかというふうに考えております。  次に、西福岡税務署でございますが、ただいまの福岡税務署は二百二十六名の職員がおりまして、徴収決定税額が百八十三億円でございます。分割後につきましては、残ります福岡税務署は、福岡市のうちで福岡地区の東部を管轄することになりますし、新設されます西福岡税務署は、福岡市のうちの西部並びに糸島郡、早良郡の二郡が含まれることに相なります。職員数といたしましては、大体七十七名から八十名程度、徴収決定税額といたしましては、十八億円程度を大体予想いたしております。  概略申し上げました。

平林剛日本社会党

○平林委員 今回は地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づいて、ただいまの二つの税務署の設置に関して承認を求めておるわけでありますが、私承知しておりますところによると、全国で六カ所か七カ所税務署を廃止するところがあると聞いておるわけでございます。それについては具体的にはどことどこでございましょうか。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 これは実はまだ現在の予定でございますけれども、東京国税局管内の韮崎税務署、大阪国税局管内の篠山税務署、仙台国税局管内の棚倉税務署、名古屋国税局管内の設楽税務署、広島国税局管内の川本税務署、高松国税局管内の牟岐税務署、熊本国税局管内の高千穂税務署、以上の七署につきまして統合を予定いたしております。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、この七カ所の税務署をそれぞれ至近の税務署に統合していくということを予定をしております理由、どういう理由でこういう措置をとられることにしておるのか、その根拠といいますか、考え方につきまして御説明をいただきたいと思います。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 ただいま国税局の職員は五万人程度おるわけでございますが、国税の賦課徴収事務は、経済取引が非常に複雑になってまいりますにつれまして、非常に複雑化してまいっております。しかも、その様相が、大都市を中心といたしまして非常にふくれ上がっておるというような状況でございます。ところが、税務署の設置につきましては、これまでのいろいろな情勢に即応して税務署が設置されてきたわけでございまして、過去の情勢に適応する設置が現在ではなかなか現在の情勢に合わないようなものになってきている部分もございます。したがいまして、国全体から見て、いまのところあまり必要度がないと思われるところにつきまして税務署を廃止いたしまして、そのかわりに現在非常に必要度の高い地区につきまして税務署を設置していきたい、全体としての税務行政の能率を上げてまいりたい、かような考えでやっておる次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこが現状では実情に合わない、あまり必要がないと考えられるというのも、恣意にわたってはならぬわけでありまして、一応の基準を税務署としては考えておられると思います。それを私は伺いたいのです。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 ただいまお尋ねの点は、はなはだ重要な点であろうと思います。実はまだ数字にあらわしますようなはっきりした基準があるわけではございません。ただ、全体の考え方を申し上げてみたいと思いますが、まず、管轄の市町村の数とか、人口あるいは面積等におきまして、過去において農業課税が盛んでありました時代に必要があった、現在は農業課税が、御案内のように非常に少なくなっておりますので、その必要度がなくなったというようなところにつきまして廃止を考えたいということが一つでございます。  第二に、税務署の定員から申しまして、二十名ないし三十名程度の非常に小規模の税務署につきましては、やはり内部の管理事務について相当人員がさかれるわけでありまして、外部の調査事務に人手が回らないというような事情もございます。そういうようなところにつきましては、もう少し大規模な税務署に統合いたしまして全体としての能率を高めたい、かように考えておる次第でございます。  それから、これに関連いたしますけれども、国税の徴収の徴税コストと申しますか、そういうものも一応の参考にいたしております。全体といたしますと、国税の徴税コストは一円八十銭くらいであろうと思いますが、ただいま申し上げました各税務署につきましては、それぞれ十円前後あるいは二十円前後の徴税コストがかかっております。したがいまして、そういうコストの高い税務署につきましては、統合して能率を高めたい、かように考えておる次第でございます。もちろん、その基礎には、徴収決定税額が大いか少ないかというような点が問題になるわけでございますが、大体、先ほど申し上げました税務署におきましては一億円から三億円までの税額の税務署でございまして、この際統合いたしたい、かように考えております。ただし、税務署がいままでございました地区の納税者の方に御迷惑をかけないようにどうしたらうまくいくかという点もあわせ考えながら統合を進めてまいりたい、かように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 ただいまのお話、一応基準にしておると思うのでありますが、そうすると、全国で何百カ所とある税務署の中で、これに近い線とか、あるいは近い将来になお基準を高くして廃止したほうがいいと考えられるような税務署もまだかなりあるのじゃないでしょうか。その点はどうなんですか。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 先ほど申し上げましたのは、今年度税務署を分割するのに伴いまして廃止を予定いたしておる税務署でございますが、来年以降の問題につきましては、実は私どもまだはっきりした方針をただいまのところ持っておりません。しかしながら、先ほど申し上げましたいろいろな基準の点から考えまして、今後も税務署の廃止統合と新しい設置という問題につきましては、そのときどきの経済情勢に合わせて弾力的に考えていくべきものである、要は、納税者に便宜になるように全体としての国税の賦課徴収事務が円滑にいくように、そういう観点から考えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、私は政務次官にちょっとお尋ねしておきたいのですけれども、税務署の設置に関しては、地方自治法第百五十六条第六項の規定で承認を求めなければならぬことになっておりますので国会に提出されるわけであります。ところが、廃止の場合には規定がないのですけれども、なぜこの規定がないのであるか。その根拠はどこにあるのか、ひとつ政務次官からお話をいただきたいと思います。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 お尋ねの問題はいろいろ議論もあろうかと思うのでありますが、いわゆる住民自治のたてまえから国の出先機関が地方に設置される、こういう場合は、いわゆる住民の自治体の中に国の施設がふえるわけでございますから、住民自治の侵害という意味ではないけれども、一応国民の代表としての国会の承認を経る、ところが、廃止する場合は、むしろ住民自治の見地からいえば、何ら問題が起こらないという見地から、廃止の場合には国会の承認案件ではない、このように理解すべきではないだろうか、こういうように思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 それじゃこの点実はちょっと疑問に感ずるのです。たとえば、今度の税務署が廃止される場合、熊本の高千穂の例をとりますか。ここに何人税務署の職員がおったか、私はこまかいことは知りません。先ほどのお話ではおそらく二十名前後でしょう。そして、その徴税額もおおよそ一億円ないし三億円の範囲内にあったに違いないのです。ここで税務署が廃止になりますと、ここの納税者は、源泉徴収の場合は別ですけれども、申告納税の場合、あるいは税務署にいろいろ相談しなければならぬ場合は、汽車でも相当時間をかけて、たぶん延岡あたりまで行かねばならぬことになるわけでございます。他の地域でも、韮崎にしても、篠山にしても、川本にしても、設楽にしても、大体同様のことがあろうかと思うのです。いま政務次官がお話のように、地方自治という立場から考えると、御説のとおり解釈できないことはないのですけれども、地域住民という立場から考えますと、このために不便を感ずる人もないわけではない。いまも次長から御説明があったように、地域には御迷惑をかけないように考えながら廃止統合していく、こうおっしゃっておるのでございますが、国民の利便という点から考えると、むしろ廃止されるということのほうが困ったことだと感ぜられる人もあるわけです。気分的に税務署なんかないほうがいいと考える人もあるかもしれませんけれども、そういう考えを持つ人も私は納税者の中にかなりあると思う。廃止のほうは承認を求めなくてもいいというようなことは、現状に適しているのかどうかという点で疑問を感ずるわけでございますが、その点はいかがですか。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 確かに、お話のような一つの疑問点もあろうかと思うのであります。やめるのとつくるのとは裏表でありますから、表のほうだけ法律をつくって、裏のほうの面は立法事項でないというこの問題、ただ、やはり地方自治体の中に国の出先が入り込んで、国民の法律的な権利義務、こういう関係にはっきりしたかまえをつくり上げるというこの点は、住民自治という制度の精神からいって、一応承認を当然求めなければならぬ。ところが、片一方はやはりそういう自治から外へ遠のくわけですから、住民のいわゆる利便を考える配慮は行政措置上考えていい問題である。そのためには、先ほど次長からいろいろ答弁いたしましたが、分室その他、申告納税者に対しては従来より何ら不便を増さないという配慮をしたい、行政措置上の点で事が足りるのではないか、こういう理解のしかたで、片一方が法律で国会の承認を求め、片一方は承認を求めなくて行政措置でやれる、こういうふうになっておると解釈すべきではないだろうか、こういうふうに思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 現在の制度のもとでは税務署は因果な立場にあると思うのです。税務署を設置するということになると、ある部面からは税務署なんか持ってきてもらっては困るという反対の運動も起きるでしょうし、税務署を廃止するとなれば、不便をこうむる人たちはもう少し置いてくれということになるし、あまり置いておいて、やたら調べられると因るという人もなきにしもあらずで、税務署というのは因果な商売です。私はそういう点は御同情を申し上げます。これは国の政治が悪いからでございまして、税務署のあることが喜ばれるようにならなければならぬ。しかし、現状は必ずしもそうではない。  私、ちょっと問題になるのは、いま政務次官がお答えになりましたけれども、税務署を七カ所廃止をされたあと、分室を設けるというような構想があるのですか。実際上、住民に不便をかけないように廃止するというのは、具体的にはどんなことなんでしょう。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 先ほど政務次官から御答弁申し上げたとおりでございますが、いままで税務署がありましたところに分室を置きまして、たとえば、確定申告期の納税相談を受け付けますとか、その他酒類行政上のそれぞれの仕事をそこでいたしますとかいうようなことで、なるべく納税者の皆さんに御迷惑をかけないようにいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 そうすると、確定申告の時期に納税相談とか、あるいは具体的に申告する場合には至近の税務署から廃止された地域のところへ出張していって、そして相談を受ける、こういうお考えですね。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 分室の運営につきましてはいろいろ法力があると思いますが、最初は若干名をあるいは常駐させて納税者のサービスをはかりたいというふうに考えておりますが、仰せのように、そのうち出張したりというようなこともあわせて考えていきたい、かように思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 そこで、今度職員の問題について少しお尋ねしておきたいと思うのであります。これは予定でございますけれども、大体の方向がきまれば、いつごろ廃止統合というような計画になるのでございましょうか。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 御審議を願って決定いたしますと、可及的すみやかにという考えでございますが、おおむね七月を目途に準備を進めたい、こういうように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 七カ所の税務署にはかなりの職員が勤務しておったことと思います。それがそれぞれの統合廃止によりまして転勤という問題が起きてくるわけでございます。通常の定期異動は税務署には非常に多いことは、この間も議論になりましたけれども、今度の場合は少しく性格が違うのではないか。私思うのは、七カ所の税務署全部に私行ったことはございませんけれども、高千穂あたりは一度たずねたことがございます。勤務者もかなりその地域の人たちがおられまして、かりに延岡あたりに転勤になるというようなことになりますと、通勤距離は非常に長くなります。この場合にどうも生活上の問題が起きてくるのではないだろうかと考えられるわけであります。高千穂だけでなくて、牟岐においても、川本においても、あるいは篠山においても同じ条件がたぶんあるに違いないと思うのであります。そうすると、これはもちろん納税者あるいは税務行政の合理化という点も考えねばなりませんけれども、職員の生活の問題も十分配慮をしなければならぬ問題でございます。いまの政務次官のお話ですと、七月を目標にできるだけすみやかにその方向に向かいたいという御希望でございましたけれども、職員の側の問題点はないのでございましょうか。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 仰せのように、当該税務署に配置されております職員にとりましては、これはたいへんな勤務条件上の変化になるわけでございます。そこで、いまお話がございましたように、その土地に住んでおりまして、それから統合される税務署まで通うということになりますと、たとえば高千穂税務署におきましては、延岡との間が五十八キロばかりございまして、バスの急行で一時間半ぐらいかかるわけでございます。したがいまして、そのままですと非常に職員にとっては不便になるわけでございます。しかしながら、全体として申しますと、やはり僻遠の地から都市署への配置がえがされるわけでございますので、大体、大部分の職員にとりましては、むしろ生活上便宜を得るのではないか、かように考えておる次第でございますが、しかし、受け入れ署のほうの事務の要請もございますし、また御本人の希望、身上の問題もございます。したがいまして、その辺を正確に把握いたしまして、不利にならないように、できるだけ有利に職員を配置してまいりたい、かように考えております。

平林剛日本社会党

○平林委員 確かに、一面、若い人にとっては、僻地から都市署への配置がえでございますから、中には希望する向きもないわけではないと思います。しかし、年配の人となるとなかなかそうはいかないので、そこの辺は、住宅問題であるとか、あるいは分署を置く場合には考慮するとか、いろいろな情においても職員の立場を十分配慮してやる措置を私はこの際希望しておきたいと思うのであります。つきましては、廃止、統合の問題はもちろん労使関係において団体交渉に付すべき性質のものではないかもしれませんけれども、事は生活の根底に関する問題でございますので、私は、その点は、職員の団体との間においても十分話し合いをして、一面、管理者としては実情に抜かりのないような配慮をしなければならぬ問題だと考えるわけでありますが、そうしたことにつきましては、私から注意を受けるまでもなくおやりになっていると思いますが、いかがでございましょうか。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 御趣旨の点、全くごもっともでございまして、その点は万遺憾なきを期すべく、目下これを手配をいたしておるわけでございます。十二分に御趣旨の点を生かしていきたい、こう思います。

平林剛日本社会党

○平林委員 政務次官から適切なお答えをいただきまして、私はこれで満足であります。なお、それぞれの箇所で私縁のある場所もございますから、もし政務次官のお答えに反するようなことがございましたら、ひとつ私からも申し上げますので、御善処をいただきたいと考えます。  それでは、この問題につきましては一応終わることにいたしまして、次に、ちょっと注文をかねて申し上げたいのですけれども、農業用ガソリンの問題についてお尋ねをしたいと思うのです。  私、二十日ばかり前に大蔵省の主税局のほうに、農業用ガソリンの問題について調査をして、その全容がわかるような文書を提出してもらいたいと希望しておったのでございますが、いかがになったのでしょう。おくれた理由をひとつお聞かせ願いたい。

武藤謙二郎大蔵事務官(主計局次長)

○武藤政府委員 御要求の資料は、実は用意できておりましたのですが、お届けするのがおくれてたいへん申しわけございません。

平林剛日本社会党

○平林委員 その資料がいただければ、私は質問することはなかったのでございますけれども、一向に資料をいただけなかったものですから、ここでその全容につきまして少しお話をいただいて、またあとで資料を受け取って、こまかく調べたいと思います。農業用ガソリン税の最近の状況について、ひとつこの機会にお話をいただきたいと思います。

武藤謙二郎大蔵事務官(主計局次長)

○武藤政府委員 これはいろいろ経緯がございますので、経緯から申し上げますと、農林漁業用の揮発油税について、三十四年のころからいろいろ議論がございまして、農林省から免税の要望がございました。そこで、その後いろいろ議論がございまして、大蔵大臣から、農林漁業用ガソリンの課税問題については、四十年度以降減免につき考慮したいという答弁を三十九年にいたしております。そこで、その趣旨に沿いまして、減免の方向について研究いたしましたが、何しろ減免の対象が非常に数が多いのと、それから関係の業者も非常に多いので手続が繁雑になる等、いろいろ問題がございますので、減免は困難である、そういう結論に達しました。税制調査会も、そういう事情で、政府で慎重に検討の上他の適切な措置を講ずべきであるという答申をいたしております。そこで、四十年度予算におきましては、以上のような経緯を考えまして、農林漁業用揮発油税身がわれ事業というものを起こしまして、特別な財源をつける、その財源として五十億円を計上いたす、その後国会で再び免税の問題が出ましたけれども、一応四十年度はそれで結着を見ました。  四十一年度でございますが、四十一年度の予算に際しましては、四十年度と同じような計算をいたしますと、四十年度は五十億円でございますけれども、消費量が伸びますので六十億円歳出に計上しなければいけないという計算になるのでございますが、しかし、それだけでは足りないという要望もありまして、いろいろな点を考えまして、その計算で出てくる六十億円にさらに二十五億円を追加しまして、八十五億円を計上いたしました。それから、五十億円のときに、その中に入っておりましたスーパー林道というものをこの八十五億円のときははずしておりますので、この関係が四億五千万円、合わせますと、五十億円が約九十億円という形になりまして、こういうことで四十一年度予算ができているわけでございます。

平林剛日本社会党

○平林委員 それでは、こまかい問題については、文書をいただきまして、なおこの問題については、農業用ガソリン税の小委員会がございますから、またその際にお尋ねをすることにいたします。  きょうは私はこれで質問を終わります。

三池信自由民主党

○三池委員長 永末英一君。

永末英一民主社会党

○永末委員 今回の法案に関連いたしまして、いま、平林委員から廃止される税務署の話が出ましたが、廃止される税務署は当然統合される、そのそれぞれの距離はどれくらいありますか。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 お尋ねの点を申し上げます。  東京国税局管内の韮崎税務署につきましては甲府税務署に統合するわけでございますが、甲府までの距離が十二キロ、三十五分、これは中央線の沿線でございますので非常に早うございます。それから篠山税務署、これは柏原税務署に統合する予定でございますけれども、距離が二十七キロ、国鉄及びバスで一時間くらいの距離でございます。それから福島県の棚倉税務署でございますが、これは白河税務署に統合いたします。距離は三十八キロございまして、国鉄及びバスで四十分でございます。名古屋国税局管内の設楽税務署は新城税務署に統合する予定でございますが、距離が三十四キロで、私鉄及び国鉄を使いまして一時間五十分の距離でございます。広島国税局管内の川本税務署は浜田税務署に統合の予定でございますが、距離が五十一キロ、国鉄及びバスを使用いたしまして一時間四十五分でございます。高松国税局管内の牟岐税務署は阿南税務署に統合の予定でございますが、この間の距離が四十三キロで、国鉄で一時間二十分という距離でございます。熊本国税局管内の高千穂税務署につきましては、先ほどお答え申し上げましたが、五十八キロでございまして、バスで一時間半の距離でございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 先ほど廃止される税務署に分室を置いて、というお話でございますが、この中で分室が置かれるのはどれだけですか。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 まだ具体的な結論には到達いたしておりません。いろいろこの距離、それから納税対象、納税戸数、こういうことを勘案して目下検討中ということでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 検討中ですけれども、いまお話を伺ったところでは、一番大きなもので百十分かかる、百五分、九十分、八十分という相当長い距離——これはスムーズに乗り継いでいっての計算であって、待ち時間を加えますと、はなはだしきは二時間半もかかり得る場合がある。往復しなくちゃならぬといいますと、一ぺん税務署へ行くのに一日かかることになりますね。そうしますと、おのずから分室を置かなくちゃならぬところが出てくるのじゃないか。一体、税務署に一日がかりで行かなくちゃならないようなところを廃止するというのは、政務次官どう思われますか。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 実は、大部分はいまもおっしゃったような遠距離、納税者の不便を非常に増すというようなところは分室の線でいく、したがって、分室をつくらないでも済ませる地域がどの程度かということで、いまその点を検討しておる、原則的には分室を設ける、こういうことで御了承願いたいと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 それぞれの地域の地方自治体はこれらの税務署の廃止が話題にのぼりましてからどういう態度をとっておりますか、お答え願います。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 先ほどもお話が出ているように、考えようによっては、税務署と警察署というものはかえって近くにないほうがいいような面も実際問題として設置のときには起こり得るわけでございますけれども、いよいよ今度は廃止するという場合には、ほとんど、ひとつ存置してもらいたい、町の盛衰にもかかわる、こういうことで自治体の関係者から熱心な存置の陳情がわれわれのほうにも来ております。

永末英一民主社会党

○永末委員 税務署も警察署も消防署もそれぞれの事由によってそれぞれの署の設置をきめておる。ところが、実際の地方自治体というよりは、その地方の地域社会、その地域社会の住民が官公署を利用する場合には、望むらくは同じところにあるということが一番いいのであって、税務署のために一日さくというよりは、そのときには何かいろいろな用事も果たしたい、これが地方住民の偽らざる要望であろうと思います。したがって、そういう観点からいたしますと、役場に呼ばれる場合と税務署に呼ばれる場合と行く先が違う、しかもきわめて離れておる、こういうことになりますと、はなはだ不便を感ずるのは住民である。そういう点で、先ほどの御説明では、農業課税という時点においてこういう税務署の設置をやったのであるけれども、納税の形が変わってきたからやめるのだ、こういう話でありますが、しかし、当該それぞれの税務署を住民のほうは利用はいたしませんが、利用させられるほうだけれども、これをとつつかなければならぬ。出てこいという命令を受けるのは住民、納税者のほうであります。その場合に、いまのようにアンバランス、つまり、官署が一カ所にないという、大きく言えば地域経済に背反する状態が起こるということはきわめて不便だと思うわけであります。その辺の大蔵省の方針、統廃合というよりは、そういう方針は基準がないようなお話でございましたけれども、何か方針があっていろいろきめられる、無方針できめられるわけではないと思いますが、この辺の考え方を伺っておきたいと思います。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 具体的な方針は次長からまた追加補足してもらいたいと思いますが、永末議員御案内のごとく、最近日本の国内の経済構造というものが急激な変化を経済成長とともに遂げておるわけです。税務署の機能は、企業並びに個人の納税者を対象にこれが職責を全うする、こういうたてまえでございますので、そのような変化に応じ、しかも大体五万人という人間のワクの中で最小の経費で能率をあげていこう、徴税コストもあまり多くしないでいこう、しかも納税者の利便も傷つけないように配慮しよう、これが分室の形で遠隔地は残していく、こういうことでございますので、ただ納税者の利便から考えれば、これはもう各町村単位に税務署ができればそれが一番いいでしょうけれども、そうもいきませず、そこら辺を勘案して、時代の経済成長に沿う、社会構造の変化に沿うた改正、こういう一つの基本的な考えは御理解いただけると思うのでありまして、これに対して今度の場合、具体的に、たとえば納税者に一ぺんに不便を与えないために一国税局管内で一カ所以内、こういう一つの考えも堅持しておりますし、そのほか、距離あるいはまた非常に心ない定員、こういったところを統合する、こういう考えで検討した結論が七カ所に相なっておる、このように御理解いただきたいと思うのであります。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 ちょっと補足して御答弁申し上げます。  税務署の廃止、統合の基準はないのではないかというようなお話でございますが、私ども、基準と申しますか、一つの判断のよりどころは持っておるわけでございます。その要素を一応申し上げますと、納税者の数がどうであるか、第二に、徴収税額はどうなっておるか、第三に、職員の配置数はどうであるか、第四に、徴税コストはどのくらいであるか、最後に、納税者に対する影響、便、不便の問題を含めまして、納税者に対する影響はいかがであるか、かような点を総合勘案いたしまして廃止署を選定していきたい、かように考えております。

永末英一民主社会党

○永末委員 次官の御説明によりますと、一局一カ所くらい今度やったんだ、こういう話でありますが、いま次長のほうで五点くらい基準らしきものを申されましたが、本庁で見ておりますと、結局、納税コストといいますか、その辺を勘案されるのが一番大きな理由になっておるのではないか。この七つの税務署を廃止して何ぼ安くなりますか。いま幾らくらいかかって、どれくらい安くなるというのですか。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 実は、徴税コストのことをたびたび申し上げておるわけでありますが、この数字は、結局平均的な徴税コストから、こういう税務署がどのくらい離れておるというようなことで判断をいたしておるわけでありまして、この七署を統合することによります直接の経費の節約という点は、実は算出をいたしておりません。たとえば人件費につきましては、これはもちろん近接署へ統合するわけでございますので、節約になるわけではございません。物件費につきましても、それぞれ国有財産をどういうふうに処分するかというような問題にからみますので、いまのところ直接の節約額というものは算定いたしておりません。申し上げたいのは、全体として効率のある課税並びに税の公平な実施という面から見まして、非常にはなはだしく徴税コストの高いところは統合したほうが、全体のためによろしいんではないだろうか、かように考えて、おる次第でございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 納税コストというのは、会社でございますと、生産コストは別途計算できるわけだけれども、納税の場合に大蔵省側で納税コストが下がれば納税者のほうの納税コストが上がる、こういうことになりませんか。たとえば、税務署から呼び出しを食らって遠いところへ行く、いままでなら歩いて行けるところが、先ほどのお話のように、国鉄、私鉄、バス等を利用して行かなくてはならぬ。一体その交通費はだれが払ってくれるのかといえば、税務署が払ってくれるということはございませんね。そうしますと、大蔵省側から見ますと納税コストが下がるんだが、その分だけ納税者が払うんだ。こういたしますと、われわれ納税者のほうからいいますと、納税コストが上がる、そういう考えですか。上げてもいいという考えですか。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 確かに、永末委員も仰せのように、税務官庁は、これは収益事業ではございませんので、全体としての収益がどうかというような問題には関連いたしません。ただし、税務官庁も一つの組織体でございますので、これを最も能率よく運営していきたいという点は他と変わらない、かように考えております。申し上げたい点は、大都市等で非常に課税物件、納税人員がふえておる状態に対して、地方では、あるいは僻遠の地では、そういう点が地方経済の実情に合わせまして課税物件が減っておるというような状況でございます。これをならしたいということを徴税コストというようなことばで申し上げたのでありまして、事業体の場合とは異なることは仰せのとおりでございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 確かに、人口の集中しているところで納税者がふえてくるというのは当然のことだと思うのです。ただ問題は、今回の措置をされるについて国税庁側で考えられるいろいろなものがあろうと思いますが、同時にまた、その地域の住民の意思、あるいはまたそこで働いている職員の意向というものは、また同時に考えなくちゃならない。先ほどの次長があげられた五点の中にも、職員の配偶等の問題もあり、また納税者の利便の問題も考えたとおっしゃるのだけれども、手続として、国税庁としては、頭から国税庁の事由によって候補地をきめて、それから発足して、トラブルが起こっても押し切ってやる、こういう御方針なのか、事前にこれらのことを相談をしながらきめていく、こういう御方針なのか、これを伺いたい。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 たてまえは、廃止する場合には国税庁が判断をして、その判断に基づいて実施する、こういうことになるわけでございます。ただ、やはりお互い社会の一つの重要な事柄ですから、関係方面と円満な話し合いをして事をスムーズに運んでいくという心がまえはあくまで持ち、最善の努力は関係当局をして払ってもらっておるというふうに理解いたしております。

永末英一民主社会党

○永末委員 上からきめますと、職員は、分室に残る者は別として、配置転換を受けなくちゃならない。ところが、僻遠の地であればあるほどいろいろな事情があるとぼくは思うのです。この件について、廃止される税務署について首切りをやる、こういうことはございませんね。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 廃止、統合による人員整理、首切り、そんなことは毛頭考えておりません。同時に、十二分に一身上の希望も聞いて善処をする、こういう考え方を持っておるのであります。

永末英一民主社会党

○永末委員 いままでは十分で税務署に行けた、いよいよ配置転換の命令が下って通勤しようと思うと、二時間もゆられなければ行けない、それならばもうやめだ、こういう職員が出てくるかもしれません。その場合に、国税庁側から見ておりますと、本人の自発的自由に基づいて退職をした、こういうことになるわけです。しかし、客観的に見れば、通勤不可能になったからやめたい、こう言ったのである。そういう場合には、その人はいままでどおり分室に残す、こういうことも考えられるし、あるいは宿舎をちゃんとつくってそこに住まわせる、こういうことが考えられなければ配置転換はスムーズにいきませんね。こういう御配慮があるかどうか。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 今度廃止を予定いたしております各税務署は、大体二十名前後の職員でございます。中にはその地元の人がある程度おると思いますけれども、大部分の職員はそれぞれ郷里はもちろん離れておりますし、勤務地を、いわば転勤によりまして常時動いておる職員であろうと思います。したがいまして、僻遠の地に勤務しておる、これがまた何年かそこで勤務いたしますとほかの税務署に配置がえされるということでございまして、それがそのままの姿でございましても統合される税務署のほうへ移るわけでございます。もちろん、統合される税務署へ配置がえされるばかりとは考えられませんので、その他の税務署へ配置がえされる人もあろうと思いますが、その事情につきましては、先ほど政務次官から御答弁申し上げましたように、本人の身上を十分把握いたしまして、希望も聞き、満足のいくようにしてまいりたい、かように考えておる次第であります。

永末英一民主社会党

○永末委員 先ほど、いよいよ統廃合をやろうという場合には、国税庁側で案を立てられてから発足するかのごとき趣でございましたが、特に地元の納税者の意見もこれは重要でございましょうし、集約的にそこの自治体がこれを取り上げていろいろ持ってくると思うのです。しかし、そこの職員にとってはまさしくこれは職場のかわる問題である。そこで、今後そういうことをやろうとする場合には、あらかじめこれを職員団体との間で相談をする、こういう御用意があるかどうかを伺いたい。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 税務署の新設あるいは統廃合というような問題は、これはやはり税務行政上の問題でございまして、これを職員団体とその是否につきまして協議をするという筋合いではないと存じます。ただし、廃止、統合、新設等に伴いましていろいろそれに付随いたしまして職員の配置がえが起こります。この配置がえが起こる段階におきましては、それは勤務条件の重大な変更に該当するわけでございますので、そういう問題につきましては、先ほど申し上げましたように十分協議をし、遺憾のないようにしてまいりたいというふうに考えます。

永末英一民主社会党

○永末委員 一般の私企業においても、その会社がつぶれるかどうかというのは、経営者にとっても重大問題でありますが、そこに働いておる労働者にとってもはなはだ重大問題で、そこで経営を全部廃止するか縮小してやるか、これらはそれぞれの経営者と労働者あるいは労働組合側との間で話が行なわれてやっておる。これが一方的に行なわれますと、擬装閉鎖であるとか労働者に対する不利益処分ということで、ちゃんと法律上労働者の権利を守る法制が現在もできておるわけであります。確かに税務署の統廃合というものは行政事項であるから、ここに働いている職員とは関係がないのだという、いままでの感覚ではそうかもしれない。しかし、ILO八七号条約の精神に従えば、自分の職場がなくなるかなくならないかは、きめられてからわかったというのではどうかと思いますが、その辺の考えをもう一ぺん伺いたい。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 この職場のどこどこという具体的な位置は変わるけれども、税務署そのものがなくなるわけではないのですから、私はその点は別に永末委員御心配されているような問題はない。ただ、具体的に各職員に引き起こされる不便、いろいろ問題点、家庭生活その他に及ぼす関係も十二分に本人の側の事情を聴取して善処をする、こういうことで解決すべき性質のものである、こういうふうに思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 先ほど、ことしはこうやって二カ所増設、七カ所廃止、こういうことで進んでおられるという話であった。しかし、経済状態はますますいわゆる都市集中ということで、税務行政の内容も変わってくるといたしますと、この流れは変わることはないと思うわけです。そういたしますと、来年度も再来年度も同じような現象が起こる、起こるたびにトラブルが起こるということでは、職員側あるいは税務行政全体にとっても望ましくない状態だと思うわけであります。したがって、先ほど大体こういう基準で税務署の各配置を考えていくのだというお話がございましたが、来年度以降もそういう基準に合わせながらやっていく、こういう御方針でかまえておられるかどうか、お伺いします。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 ただいまのところ、来年以後どういうふうな廃止、統合をするか、あるいは新設をお願いするか、考えておりません。ただし、全体の流れは永末委員仰せのとおりでございますので、今後とも新設あるいは廃止、統合は十分あり得る、かように考えておる次第でございます。

永末英一民主社会党

○永末委員 これで質問を終わりますが、現在の法制上、増設は議会にはかって、廃止は勝手にやるのだというのは、いかにも片手落ちでして、増設の場合は国の予算をその意味いではふやすわけでありますから、それは国会の議決事項になっておる意味合いもわかります。しかし、行政全体で見れば、増設も廃止もそれぞれやはり重要な事項であって、その事項をやはりスムーズに運営をしていこうとするならば、一つにはこのいまできております職員団体というものの意向を十分にくみ上げる形、さらにまた、その地域住民の意向を十分くみ上げる形で、行政上の決定だから行なわなくてはならぬというかたくな態度で貫かれていけばいろいろなトラブルが起こってくる。したがって、そういう配慮、すなわち、廃止が国会の承認事項でないという法律上のたてまえが続く限りにおいては、行政上そういう配慮を二面にわたって特にしてもらわなければならぬと思いまして、この点に対する御決意のほどを政務次官から伺っておきたいと思います。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 この問題は確かにいろいろ御意見が実際問題としてあること、御意見の点も十分了解できると思うのであります。ただ、設置する場合には、ただ単に予算措置を要するということのみならず、地方自治体の中へ国の施設が増設される、設置されるという、こういうかまえになりますから、その地方自治体の自治権に対して、ある程度施設がふえ、人が増す、こういうことでやはり地方自治体の権利、自主性を尊重するという民主主義の精神から国会において御承認を経る、ところが、そういう国の関係の機関、国民の権利義務にいろいろ関係の深い施設というものが自治体から外に出ていく、なくなっていくという性質のものは行政措置で処理していくということで、たてまえ上私は差しつかえないんじゃないか。ただ、現実の運び方は、一度できた施設に対しては、地方住民の利便をそこなわないように配慮していくという、こういうことは必要だというふうに解釈いたしたいと思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 終ろうと思いましたが、次官少々奇妙なことを言われるので申し上げるが、なるほど、いまの地方自治法上はそうなっております。しかし、それは何も国の施設、機関を地方自治体の範囲に設けることが地方自治権の侵害に類することであるから、法律事項で国会の議決を求め、それを廃止することは、何かこう地方自治体の自治権の拡大に通ずるがごとき雰囲気だから、これは別に国会の議決事項でなくていいんだというのは、私は、地方自治法の精神ではないと思う。別の話だと思うのです。したがって、私がいま申し上げたのは、ともかく、増設の場合には法律事項に実定法上なっている、廃止のほうはなっていない、なっていないのが現状でございますから、その点については、行政府のほうで十分各般の考慮を願わなくちゃならない、考慮をする決意かどうか、この点だけを聞いているのであって、ほかのことを聞いているのじゃないのです。そこだけをもう一ぺん言ってください。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 後段だけを答えよという御注文ですから、その点は十分円滑に事が運ぶように、最善の配慮をすべきである、このように思います。

永末英一民主社会党

○永末委員 終わります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと資料要求をいたします。私どもずっとこの税務行政を見ておりますと、一年じゅうの中で税務署の汚職事件がなかったということが一ぺんもないように思うのです。そこで、過去十年間について、直税、法人税、資産税というふうに、まず項目別に分けて、そして捜査の行なわれたもの、起訴されたもの、結審があったもの、結審については一番至近の結審でよろしい。こういう形で、過去十年間における国税庁の収賄事件について、ひとつ報告を求めたいと思います。

中嶋晴雄国税庁次長

○中嶋説明員 ただいまの堀委員の資料要求のお話でございますが、この中で、いわゆる捜査を受けたものというものの正確な数字がつかめるかどうか、私非常に疑問に思っておりますので、その点は留保させていただきたいと思います。起訴あるいは判決があったものにつきましては、これはできれば、堀委員のお手元へ差し上げたいというふうに考えますが、それでひとつ御了承を願います。      ────◇─────

三池信自由民主党

○三池委員長 昭和四十年度における旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の規定による年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十年度における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 私は、特に共済組合法関係並びに共済組合の長期給付に関する施行法の一部改正と、さらに、これに付随した昨年六月一日から改正になった職員に準ずる者の通算期間の問題、さらに、外地勤務者における戦時加算の取り扱いの問題、組合連合会運営の民主化問題等々、多岐にわたる質問をいたしたいと思っておりますが、きょうは、まず冒頭に、今回の改正の大きな柱でありますスライド制の問題からお尋ねをいたしたいと思います。  今回の改正法案の中で、特に私たち国会議員が再三スライド制を主張してきた結果誕生したと思われる条文が挿入されております。具体的には、国家公務員共済組合法の一部改正、第七条の中に「第一条の次に次の一条を加える。」すなわち、第一条の二の中に「年金額の改定」と見出しをつけて、ちょっと読んでみますと、「この法律による年金たる給付の額については、国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるものとする。」こういうスライドの規定が設けられたわけであります。これに付随して施行法あるいは特別措置法、これらの法案の中にもただいま読み上げた条項が規定されたわけであります。まさにこれは画期的な規定であると、私たちはその趣旨については大いに賛成をし、敬意を表するものであります。  そこで、この規定が一体具体的にどう生かされるのか、私はここに大きな問題点があろうと思います。まず、共済組合関係を担当する大蔵省としては、この規定について具体的に今後どういう作業を進めるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。

武藤謙二郎大蔵事務官(主計局次長)

○武藤政府委員 いま御指摘の規定の運用でございますが、御承知のように、この規定と同じ規定が恩給のほうにもございます。そこで、この規定をどういうふうに運用するかということは、これからいろいろ検討しなければならないと思っておりますが、恩給のほうでも恩給審議会ができまして、そこでも検討する、そういう動きも勘案して、具体的にこれをどういうふうに動かしていくかということをこれから研究したいと思っています。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 いまの答弁では、恩給のほうでこういう規定を設けたので、共済のほうとしては、自主的に独自の判断で、この規定を当面共済組合法改正に基づいて大蔵省としてどう取り扱うか、そういう前向きな姿勢で検討をなされた後に条文ができたとわれわれは解釈するのですが、そういう努力は全然まだなされていないのでありますか。

武藤謙二郎大蔵事務官(主計局次長)

○武藤政府委員 先ほどお話がございましたように、年金を受けている者が、物価が上がる、あるいは生活水準が上がったときに非常に困る、それを救済しようということでこの規定ができたわけでございますが、恩給にも同じような規定がございまして、実際の運用はバランスがとれて動かなければいかぬと思います。そこで、そちらのほうのことも考えながら、バランスのとれた動かし方をする、それではどういうふうにやるんだというところはこれから勉強いたしたい、そう思っております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 しかし、これから勉強するだけでは、次長、答えにならぬですよ。具体的に、たとえば恩給のほうは恩給審議会を新たにつくって、新居善太郎さんを一応会長にして、人選が済んで、一昨日第一回会合を開いた。ここで共済関係の年金も全部検討してもらうのか、それとも恩給審議会は恩給関連者だけの問題を取り扱ってやるのか、その辺はどうなんですか。

武藤謙二郎大蔵事務官(主計局次長)

○武藤政府委員 恩給審議会は、お話しのように恩給の関係だけでございます。しかし、同じ規定がありまして、そして実質的にもバランスのとれた措置でなければいけないと思いますので、恩給のほうの動きもよく考えながら、こちらのほうでもどういうふうに進めるか、そういうことをきめなければならない、そう考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大蔵省のほうでは、恩給のほうの審議会の動きを見てこれから勉強する、そんなゆうちょうなことを考えておれぬ。恩給のほうは、この規定を設けると同時にさっそく審議会をつくったのですよ。大蔵省のほうは、既存の何らかの審議会で、ここのところにこれを担当させて検討するんだ、あるいは新たなものをつくるんだ、それとも、何もつくらずに大蔵省の役人が検討するんだ、この三つの方法がありますね。どれをとろうとするのですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 補足してお答え申し上げます。  現在の新しい共済組合制度は、社会保障制度の一環といたしまして、保険数理に基づいた制度ではございますけれども、経過的に見ますと、御承知のように、昔、官吏に対して適用されておりました恩給と、それから雇用人に対して適用されておりました旧共済組合制度とを統合したという経緯がございます。そして、現在の共済年金の計算におきましても、恩給公務員時代の計算はすべて恩給と同様の方法でやるという取り扱いになっております。また、新しい年金制度が発足いたしましたのは三十四年でございますので、まだそれから日も浅うございます。そこで、現在におきましては、年金額のうちに、恩給公務員期問に相当する額の占める割合が大部分でございます。そういうような事情もございますし、また、恩給と新しい共済年金とは、ただいま申し上げましたように、性格は若干異なるのでございますけれども、同じように退職した公務員に対する処遇という面で共通した面もございます。そういうことを考えまして、従来から、御承知のように、恩給と共済年金とのベースアップは歩調をそろえてやってまいった経緯がございます。そこで今回も、ただいま次長からお答え申し上げましたように、恩給につきましては恩給審議会等で検討されることになっております。また、私どもの関係としては共済組合審議会もございますので、そういうようなところで十分御審議をいただきまして、恩給あるいはまた他の公的年金制度その他と十分権衡をとりまして処置いたしたい、かように考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると、共済組合審議会にこの調整規定の検討についてはやらせる、こう受け取っていいのですか。

武藤謙二郎大蔵事務官(主計局次長)

○武藤政府委員 お話しのとおりでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 いま辻さんは、恩給のほうがきまったから、まだ恩給の部分で年金を計算する適用者が多いから恩給がどうしても先行するんだ、こういう意味のことを言われたのでありますが、過般の総理府社会保障制度審議会は二月十四日、さらに国家公務員共済組合審議会は二月八日、それぞれ大蔵大臣に答申書を出しております。御存じですね。その答申書を読んでみると、はなはだ遺憾だという意味が述べられておる。どういう点が遺憾かというと、「恩給法の独走的改正については、しばしば意見を述べておいたところであるが、ほとんど顧みられないことは遺憾である。」こうい趣旨の答申がされておるわけですね。そうなると、恩給がいつも先行するから、右へならえで共済を変えればいいんだという考え方には、当事者は不満なんじゃないですか、どうですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 先ほど申し上げましたように、もちろん、共済年金として独自の方式を考えたらいいのじゃないかという御指摘もございます。ただ、もちろん私どもとしても、共済年金自身の問題としていろいろと検討を怠っているわけではございませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、現在の新しい年金制度が、恩給、旧共済組合制度を統合して、まだ大部分の年金の計算につきましては恩給の計算部分が多いというような関係がございますし、そのほか、恩給と十分バランスをとることが必要であるということで、従来からそうしてまいったわけでございます。今後も恩給との均衡を考えながら、また共済年金とのあり方等も勘案いたしまして検討いたしてまいりたい、かように考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 しかし、昭和四十四年になると新法だけの退職者が出てくるわけです。旧法を入れると、昭和二十三年からですから、ことしは四十一年で、間もなく二十年になる。だから、そういういまの時点から考えると、恩給法の改正を待って共済の検討をして右へならえするということは、少々自主性がなさ過ぎると思うのです。これじゃ現職の公務員は不安に思う。一体、共済組合連合会なり大蔵省というのは、現職の、これから退職しようとする者に対する配慮というものをするんだろうか、これは非常な不満を持つのはあたりまえであります。だから、適切にも、今井一男さんの名前や大内兵衛さんの名前でこういう答申が出ていると思う。こういう答申の趣旨はやはり十分生かす立場で大蔵省は長期給付の問題については検討しなければいかぬと思うのです。共済年金関係と恩給関係の調整を円滑にやらなければいけない、そういうことを答申の中に書いておりますが、あなたがいまおっしゃったように、このスライド規定は組合審議会でやる、恩給のほうは恩給審議会でやる、これは全くばらばらな機関でこの条項を検討する、あるいは実態関係を調査する。これでは円滑な連携、提携はないじゃないですか。そこはどういうパイプで結ぶわけですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 その点につきましては、各種年金の共通の問題について調整をはかりますために、従来から総理府に公務員年金制度連絡協議会が置かれています。恩給局、私ども、地方公務員共済組合を担当しております自治省、公企体共済のほうの三公社あるいは厚生省の年金局、その他の事務担当者が集まりまして検討いたしております。したがいまして、御指摘の問題につきましては、そういう協議会その他の場におきまして十分調整をとって検討してまいりたいと考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 しかし、年金制度連絡協議会なるものは法律的な権限は何らないのです。法律上何も規定がないじゃありませんか。ありますか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 法律上の規定はございません。事実上の機関でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 スライド制を検討するのは、法的な内閣設置法に基づいてできた審議会、さらに共済組合のほうは組合審議会がやる。その両者の調整は、単なる担当官が行って話し合って、この程度でいいだろう、恩給のほうが圧力が強ければ恩給のほうへ右へならえする。これじゃ自主的な共済組合運営についての判断は出てこない。私は、年金制度連絡協議会がもし調整の役割りを果たすならば、これは当然法律に基づいた正式な権限を持った機関にすべきだと思うのですが、そこら辺はいかがですか。

武藤謙二郎大蔵事務官(主計局次長)

○武藤政府委員 お話の点、どうやったら機構的にうまくいくかということはなかなかむずかしい問題だと思います。お話のように、二つ審議会があって、もう一つ、もっと強力なものをつくるのがいいか、二つすでにあるんだから、実行上の機関でもって調整をはかっていくのがいいか、これは根本的にたいへん議論があるところだと思うわけです。しかし、現在のところ、実行上の機関で連絡をよくして、ばらばらにならないようにするということで弊害がないようにやれるだろうと思っております。  先ほどからおしかりをいただいているのは、恩給のほうがきまって、それにあとからついていくという心がけじゃよくないじゃないか、それから、恩給関係の人は、すでに退職した人、いま勤務している公務員がそれでは非常に不安じゃないかというお話でございましたが。そういうことのないように私ども極力配慮していきたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そこで、この第一条の二に入るスライド規定「国民の生活水準、公家公務員の職員の給与、物価その他の請事情に著しい変動が生じた場合」、この規定は、一体何を基準にどの程度をめどにするのか。国際的水準と比較するのか、公務員の生活実態を基準にするのか。大蔵省としてはこれだけの規定を入れるからには、当然いろいろな場合を想定して条文はできておると思うのです。あるいは、著しい物価の変動と一口に言うけれども、著しい物価の変動とは、どの程度のことをめどとして、これ以上の場合は実質貨幣価値が下がる、あるいは実質生活水準が下がった場合にはどうしても手直ししなければいかぬ、「講ずるものとする。」という状況は、現段階では一体どういう状況を想像しておるわけですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 ただいま御指摘の調整規定につきましては、御承知のように、厚生年金におきましては「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」という規定がございます。国民年金につきましても大体同趣旨の規定が入っております。そこで、今回、他の法的年金制度の調整規定を一つのよりどころといたしまして、なおまた公務員の特殊性に基づきまして、表現その他に特殊性を加味いたしまして規定を盛り込んだわけでございます。  そこで、物価がどのくらい上がったならば著しい変動になるかという点は、なかなかむずかしい問題でございまして、ただいまのところ、具体的にどのくらい上がったらそうなるかというような基準はまだ持っておりません。要するに、そういう給与なり物価なり、国民生活の水準その他が変わった場合には、文字どおり諸事情を総合勘案して改善措置をとるという趣旨でございます。具体的にどのように運用してまいるかにつきましては、先ほど次長からお答え申し上げましたように、今後十分検討してまいりたいと考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 この条項に基づいて、組合審議会にいつごろからひとつ検討をしてくれといという諮問をするのですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 ただいまのところ、まだ具体的なものは考えておりませんが、恩給審議会の状況等をにらみ合わせまして検討いたしたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 恩給審議会ができた目的は何でございますか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 実は、恩給審議会の設置を考えてまいりました趣旨は、御承知のように、恩給制度は非常に古い歴史の中で積み上げられてまいりまして、その後たびたび改善措置が加えられてまいったわけでございますが、この恩給制度についてのいろいろな問題点の審議をお願いした調査会が昭和三十三年に設けられまして、その後かれこれ十年ばかり経過いたしております。したがって、恩給についてのものの見方をここらでもう一度見直してみることも必要ではないだろうか、片や、実は恩給についての関係の向きからのいろいろな要望なり陳情が出ておりまして、そういうことも兼ねて、こういう審議会という民主的な機関によってそれらの問題点の検討をお願いし、そしてそこの調査審議のもとに恩給制度についての将来の考え方をきめてまいりたい、かようなところから審議会を設置されたわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そういたしますと、このスライド規定を諮問するのはいつごろから――もうすでに諮問したのですか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 恩給に関する調整規定を今回法改正の中で提出いたしておりまして、すでに衆議院を通過したわけでございますが、実は、この審議会を考えますときに、直接的に調整規定の内容を直ちに審議に付していただくということよりも、基本的に恩給制度全般をながめ直し、同時に、いろいろな問題点の指摘もございますので、さような点についての御審議をいただくということで、実は総理府設置法の改正の中では、恩給制度に関する重要問題について調査、審議するために審議会を設置する、かように、規定には相なっております。したがって、この調整規定については、恩給制度の中の一つの課題として御審議の対象になろうかと考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 ただいまの調整規定の問題については、恩給局関係で、来年度予算にはおそらく間に合うように答申を求めていると思うのです。そこで、現在の二万二千四百円ベースですか、これではとても実情に合わない、実貿生活水準から見てもちょっと低過ぎる、そういう声も非常に強いのでありますが、いつごろまでにその答申を求めようとしておるわけですか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 調整規定について、いつごろまでにということは、現在のところでは、実は審議会でこれからいろいろな制度全体について理解をいただきました上で、どういう問題を審議会で審議の対象にするかということは、その中から問題を抽出していただくというふうに、やはりできるだけ審議会の自主的な活動を期待するというのがわれわれの立場ではなかろうかと考えております。したがって、調整規定についていつまでにということは、ただいまのところ、私たちのほうでは審議会にさような趣旨において諮間をいたしておるという段階ではございません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 恩給局のほうでは、これは共済と違って、当面直ちに着手しなければならない非常に緊要な問題であります。そこで、恩給局のほうでは「国民の生活水準、国家公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動」というこの「著しい変動」というのは、大体どの程度をめどにして著しい変動と考えるか。恩給局の考えている著しい変動とはどういうことですか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 「著しい変動」という用語を使用いたしておりますが、確かに、この用語については、どういう内容であるのかということは、関係の向きとしても関心の深いところであり、われわれとしてもどういうふうにこれを運用していくかという点については重要な課題であることはもちろんでございますが、御承知のように、恩給についての給与改善のしかたというものは、これまで実はいろいろな条件を考え合わせておりますけれども、やはりその中の重要な要素は、物価あるいは国民の生活水準、あるいは公務員給与の動き、かようなことが一つの条件になってこれまで給与改善が行なわれてきておるわけでございます。したがって、その著しい変動というものをどのように期待するかということは、おのずから一つの社会常識上の問題かと考えますけれども、本件につきましていかなる内容にするかという点については、たとえば、公務員給与については、給与改善の基準として五%というふうな一つの数字があげられておりますし、その他におきましても、数字のあげられた分もないではございませんが、恩給についての調整規定のしかたとしてそれを明確に数字をもって規定するということを――実はこの基本のよりどころが、先ほどちょっと御説明のございましたように、厚生年金のそれによろうとする一つの方針をきめましたところから、明確な数字をあらわさず、むしろ、それらの運用については、新たに恩給審議会も設けられることでもございますので、一つの考え方をこういう審議会の中で一つの今後のあり方としてできるだけ方向づけをしてもらえれば適切ではなかろうかということもかね合わされまして数字を明確にいたさなかったわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そこで、法律の中には、何%の物価の変動とか、あるいは公務員給与ベースが何%移動した場合とか、そういうことは明記しないにしても、恩給局は長くこういう問題を取り扱い、本年も改正案を出してきたのでありますから、現状からいってこの程度、この二つの指数に変動がある場合には当然年金額を改定しなければならぬという、その辺のことはやはり感触があると思うのです。そういう場合、一応どの程度を目安にしたらいいかということは、議論としては持っておると思うのですが、恩給局はそれも全然したことはないですか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 私たちの立場からこの恩給問題を考えますときに、そういった恩給の改善の申身をいかようにするかということは、やはり背後の社会的、経済的条件というものの支配が大きゅうございます。そこで、そういった問題を考えるときに、これまで実は恩給額の年額改定は、諸般の事情をいろいろ考慮しながら、その中で一つの線を出してまいりましたので、一応基準的なものとしてどういうものを持つかということは必ずしも明確にしておりませんでした。したがって、そのときの条件を総合勘案するという立場が今回の調整規定の中身として出てまいりましたので、明確に、どれだけという数字的なことを申し上げることができないような状況でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 その審議会をつくるときに配慮したと思うのであります。共済関係とのからみ合いが非常に強いのでありますから、当然共済に明るい人、共済関係にかなり関係のある人を審議会委員に任命しなければならぬと思いますが、審議委員の任命状況は、どんな職種の人、どういう経歴の人か、名前と経歴をちょっと発表してみてください。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 十名の委員を実は御委嘱申し上げたわけでございます。順次申し上げてまいりますと、財団法人母子愛育会理事長であられる新居善太郎さん、朝日新聞東京本社論説委員をしておられます江幡清さん、読売新聞社の副社長であられる小林与三次さん、関西学院大学の教授の近藤文二さん、日経連の社会保障部長でおられる佐々木大さん、恩給審査会の現在の会長でありますところの高木三郎さん、十條製紙の専務であられる田中慎一郎さん、東京都済生会中央病院副院長で現在恩給審査会の委員をしておられます鍋島康麿さん、名古屋精糖の副社長であられる村上一さん、それから社会保障研究所の所長であられる山田雄三さん、以上の十人の方でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 いま人選を聞くと、どうも共済関係との調整をしよう、あるいは関連を深めていこうという配慮は全くなされていない。会社の社長さん、中立的な新聞社の重役さん、こういう人選では、大蔵省が担当しておる共済との関係を調整する意見というのはあまり出てこない。これは恩給受給者が年々陳情し、圧力を加えてくる防波堤にしようという意図のほうが強く出てきて、ほんとうに前向きの姿勢で年金関係を処理しようという、そういう人たちの人選ではないような気がいたすわけであります。いまの人選を見ると、これはたいへん不満であります、しかし、せっかく選んだばかりでありますから、これからこの審議会がどういう動きをし、どういう検討をするかをわれわれは十分監視をしていきたいとは思いますが、いずれにしても、大蔵省関係が担当している共済との関係というものがますます強くなってくるわけでありますから、これをひとり十分意思疎通がはかれるような審議をしていかなければいけないのではないだろうか、私はこういう感じがいたしますので、恩給局としてもその点はひとつ十分配慮を願いたいと思います。  それから、給与課長の姿勢の問題でありますが、課長は過般の二月八日の組合審議会の席上において、この規定は精神的、訓示的規定である、こういう表現を使っておるのでありますが、精神的、訓示的規定と、法律で言うはっきり講じなければならないという規定とどう違うのか、あなたの考えている精神的、訓示的規定であるという意味ですね。こういう姿勢で、せっかくつくられたこの調整規定というものが前向きで検討されずに停滞をしてしまうというおそれをあなたの感覚から私は受け取るのでありますが、一体どういう意図でこういう発言をされておるのか、伺いたい。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 私、その席上で、いま御指摘のとおりの表現で申したかどうか、実はちょっと記憶がないのでございますけれども、先ほど来申し上げましたように、今回の調整規定は、既裁定の年金の実質価値の維持保全を目的といたしまして、これからの調整の考え方の基準を示したわけでございます。したがいまして、非常に純理論的に申しますならば、表現として若干適当でございませんけれども。訓示的、精神的というようなことにも相なるかと思いますけれども、単にそう言い切りますことは、これまた誤解を招く問題でございまして、要するに、そういう考え方のよりどころなり姿勢と申しますか、かまえ方を示した規定でございます。したがって、法律的に申しますと、この規定があるからといって、直ちにベースアップが具体化するという問題ではございません。その点は、諸般の事情を総合的に勘案いたしまして、また別途法律案その他の形でもって御審議をいただくことになるわけでございます。表現としてそのとおりの表現で申し上げたか、ちょっと記憶がないのでございますが、私の気持ちとしてはそういう意味で申し上げたわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そうすると、給与課長の考えでは、物価がある程度変動した場合とか、公務員給与が何%変動した場合、その場合には年金額を次のように改定しなけれぱならないというようなことで、法律上なり施行法の上にきちっとそういうものが規定された場合はスライド制と呼べるが、しかし、今回のように、ただ大幅な変動があった場合程度のこういう表現では、これはスライドではなくて、ただ精神的にそういう方向でひとつ今後事に処していこうという目安をきめたものであって、スライドとは基本的に違うのだ、こういうことを言いあらわそうとした発言ですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 御承知のように、他の年金制度を見てまいりますと、労災保険におきましては、二〇%毎月勤労統計の額が上がったりあるいは下がったりいたしました場合には、額を変えるという規定がございます。そういういわゆる、何と申しますか、ことばが若干適当でないかもしれませんが、機械的なスライド制とは今回の共済年金なりあるいは恩給の調整規定は異なるわけでございます。それは、先ほども申し上げました厚生年金なり国民年金なりの調整規定と同趣旨でございます。そういう意図と思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 このスライド規定の問題は、非常に基本的な柱になる問題点でありまするから、来週また引き続いてひとつ論理的な検討をしていきたいと思います。  第二の問題は、恩給局にお尋ねいたしますが、今回恩給法の改正に基づいて旧令共済関係も改正されるのでありますが、その中で低額年金額の引き上げをいたしたわけであります。それによりますと、六万円と三万円ということでありますが、この六万円と三万円にきめた根拠でございます。退職年金を受ける場合には、最低年限を満たした者、すなわち二十年に達した者だけに限られて六万円を最低額とする、遺族年金のほうは三万円を最低とする。この六万円と三万円という額は、一体何を基準に出してきたのか。おそらく厚生年金との見合いで出したのか知りませんが、具体的にこういう計算になるのだという根拠をひとつ数字で明らかにお示し願いたいと思います。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 恩給年額というもののは、御承知のように、公務員の退職当時の条件に応じて決定されるわけでございますが、長年勤務した古い退職者の恩給年額計算の基礎俸給というものは、御承知のように、古い退職者につきましては、額としてもかなり低いものが出てまいります。したがって、この点について、実はかねがね私たちのほうでもそういった恩給年額の非常に低いものについて何らかの配慮を必要とするではないか、関係の方々の要望も非常に強いことでもございましたので、そこで今回長期在職者の低額保障というものを考える措置として、いわゆる他の公的年金制度との比較の中で考えましたときに、いま先生御指摘の、厚生年金できめられている老齢、遺族年金の六万円を一応基準として恩給についても低額保障をしていくことが適切である、かように一つの法の先例によりながら考えた一つの保障の額でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 恩給のほうはそういう形できめられたのでありますが、共済のほうは、退職年金のほりは別としても、遺族年金の場合十年でありますから、すでに共済法の適用者で遺族年金をもらう場合があり得るわけですね。そりなりますと、遺族年金も恩給と同じ三万円という限度で最低保障をする、こういうことは、どうも共済組合の立場からいくと、私は少し額が低いのではないか。恩給が六万円、三万円だから、ただそのまま自動的に右へならえじゃなくて、共済のほうは共済として、現在職公務員について規定されている最低保障額と今回の改正とを同一にしてもいいのではないだろうか、こういう感じがいたすのでありますが、現行の公務員共済法では退職年金の最高は八万四千円、廃疾年金は一級が十万三千二百円、二級で八万四千円ですね。そういう点から見ると、遺族年金についても現行は六万七千二百円、それが三万円でくぎづけされておる。半額ですね。こういう改正を共済のほうでやるというのは、どうも私は共済組合法という現在の制度から見てバランスがとれないのではないだろうか、こういう感じがするのでありますが、いかがでございますか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 現在の共済年金の制度におきましては、ただいまお示しがございましたように、退職年金につきましては八万四千円、遺族年金につきましては六万七千二百円という最低保障の規定がございます。これはやはり厚生年金と均衡をとったわけでございます。たとえば、八万四千円でございますと、定額分の一六万円に報酬比例分の最低標準報酬がいま厚生年金の場合は七千円になっておりまして、それで二十年の分を計算いたしまして、六万円と合わせますと七万八千八百円になるわけでございます。それに七千二百円の加給を足しまして八万四千円、こういうように、厚生年金とバランスをとって最低保障の額をきめているわけでございます。ただ、この額は先般厚生年金の改正がございましたときに引き上げたわけでございまして、四十年の五月一日以降に給付事由の生じた年金について適用されるわけでございます。それ以前に給付事由の生じたものにつきましては、その当時の厚生年金と均衡をとりまして、退職年金につきましては三万五千五百二十円、遺族年金につきましては二万一千三百六十円ということになっておったわけでございます。今回は、先ほど御説明のありましたように、恩給のほうが六万円と三万円というように低額年金の改善措置がなされましたので、あちらのほうもそれと歩調を合わせたわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 だから、ただ単に歩調を合わせただけではどうも不合理ではないか。恩給のほうは十七年でしょう。年金のほうは在職期間二十年、基本的に制度自体が違うのでありますから、やはり制度自体が違う共済組合法については恩給に右へならえでなくてもいいんではないか。当然この六万円、三万円は時期的に共済組合関係の現職の人たちとにらみ合わせて、もっとこれは引き上げてしかるべきではないか、私はこういう質問をしているわけです。なぜ恩給に右へならえをしたのか、なぜ独自の立揚からそういう改正ができないのか、何か阻害する理由があるのか、こういうことです。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 恩給との関係につきましては、先ほど申し上げたことの繰り返しになって恐縮でございますけれども、やはり性格としては違いますけれども、退職者の処遇という点につきましては共通の面がございますことはもちろんでございます。それから、恩給法を統合したという関係上、現在の計算は、恩給公務員期間につきましては恩給と同様な計算をいたしているという点がございます。制度発足後まだ日が浅いものでございますから、九〇%以上は恩給と同様の計算をいたしておるというような経緯になっております。それからまた、従来もベースアップその他につきましては、恩給とバランスをとりまして措置してまいった経緯もございます。そういうようなところから考えまして、今回の長期在職者の低額年金の改善措置につきましても、現段階におきましては恩給と均衡をとって措置するのが妥当ではなかろうか、このように考えたわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 恩給局長、その最低保障するというねらいは、やはり老後の生活を保障しようということ、あるいは、遺族あるいは廃疾者の生活を維持できる程度保障してやろう、こういうねらいから設けられたものだと思うのでありますが、そうじゃないのでありますか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 低額保障という趣旨からいたしますと、確かに先生の御指摘のような趣旨は法律の根っこになるかと考えますが、実は、基本的に恩給の性格というものをどう考えるかという点が一つ恩給制度の中ではございまして、この点についてはいろいろな意見があるわけでございますが、先生御指摘のような、いわゆる生活保障的な意味合いにおいてこれを考えるか、あるいは、いわゆる特殊な権利義務を持った公務員というものに対する一つの国の保障的意味合いを持って考えるか、現在のところでは、私たちは経済的な取得能力の損耗に基づくいわゆる国の保障というような考え方を一応とっておりまして、しかしながら、さようなことを考える場合におきましても、この恩給制度の社会的に持つ意義というものも考えなければなりませんので、そこで今回こういったいわゆる長期在職者の低額保障という一つの制度をいたしたわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 だといたしますと、一体、六万円、三万円という額が今日の生活を維持し得る金額であるかどうか、これは私は非常に不満な額なんでございます。生活保護基準は、昭和三十九年度でも四十年度でもけっこうでありますが、二級地、地方の小都市を例にとつた場合、一体生活保護基準の支給額は幾らになりますか。恩給局長おわかりですか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 二級地で一応出されている数字を見ますと、月額にして六千六百円から六千八百円ぐらいのところでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 したがって、年間六万六千円から六万九千円、まあ七万円というところですね。これは生活保護ですよ。これは国家に何も貢献をしなくとも、生活ができないから、あるいは何らかの理由で働き手を失ったとか、あるいは何らかの原因で失業したとか病気にかかったとか、そういう者を国家の社会保障的政策によって救済しようという額がそれでございます。それを、国家公務員で、恩給として適用される者が六万円、遺族に至っては三万円、三万円といったらーカ月二千五百円ですよ。こんな低いところで押えて、国家のために働いたから、公務のために勤務したからということで恩恵的に国が施す保障として事足れりといえるかどうか、恩給局長いかがですか。

矢倉一郎総理府事務官(恩給局長)

○矢倉政府委員 確かに、恩給だけで生活するという面をお考えになりますと、そういったことで生活ができるかという一つの問題点があらわれてこようかと存じますが、ただ、一応低額保障をいたす場合にも、旧来のいわゆる恩給受給額の非常に低額であった人たちを引き上げるのに一体どこまでを限度として考えるのが、まず現在の立場で適切であろうか、そこでそういう場合に、一つの基準的なものとして、社会保障的な面で出されている六万円、三万円というそれによりどころを求めて、そうして、ひとまず恩給についての低額の保障というものをそこで考える。御承知のように、恩給については、生活の困難な場合にはいわゆる生活保護との調整関係がございますので、さような点も含みといたしまして、六万円、三万円というふうに一応決定をいたしわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そういう生活保護基準にも劣るような最低保障額をつくったのでは、これは過去にあった恩給法の精神にも反するし、現在の共済法の趣旨にも反する。ましてや、近代国家、福祉国家を目ざす日本の今日の風土から見ても額が適切でない、こう私はきめつけて過言でないと思うのであります。しかし、それはそれとして、恩給局のただいまの説明は納得いたしませんが、そういう点は十分今後、たとえ恩給だけで食っていることでないにしても、老後の保障なりあるいは廃疾者の保障、労働力を喪失してほかに働くことができない人ですよ。そういう人も六万円ですから、これは完全にそれで食っていかなければ、いいせがれでもいないことには、せがれが食わしていけなかったら自殺する以外に手がないわけであります。だから厚生大臣に直訴するような手紙を養老院で書いて死ななければならない人が出てくる。そういう酷な、低い額に最低保障額をしたのでは、保障の名に値しない、こう感ずるのであります。しかし、これは議論でありますから、今後の検討に待ちたいと思います。  第三に、遺族年金は、十年以上組合員であった者の遺族と、あるいは二十年の期間を満了した人たちの遺族と、これは遺族年金に差をつけておりますね。その差がやはりかなりあるのではないかと思うのですが、その点いかがですか。共済組合のほうの担当の方でけっこうです。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 今回六万円と三万円に低額年金の改善をいたしました趣旨は、恩給にならいまして、実在職した組合員期間の年数が最短所要年限以上の者、つまり、長期の在職者について、その限りにおいて優遇した措置でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 したがって、二十年以下の遺族の問題については最低保障がない、こういうことですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 今回の措置の対象にはならないわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 私はそこがおかしいと思って実は聞いておるわけなんであります。遺族の場合は、おとうさんが二十年つとめなくとも、途中で死亡された場合には働き手を失うのでありますから、当然その遺族に対しては、二十年以上のものであっても二十年以下のものであっても、そう差をつけるべきでないというのが私の持論なんであります。私の見解は間違いでありましょうか。間違いではないが、予算上できないのだという理由なんでありますか。何かそういう理論的根拠がございましたらお示し願いたい。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 その問題につきましてはいろいろ御議論のあるところであろうかと思いますが、再三申し上げて恐縮でございますが、今回の措置は恩給にならって同様な措置を講じたわけでございまして、恩給のほうも、実在職した組合員期間の年数が最短所要年限以上のもの、つまり、長期の在職者に限っての措置でございますので、こちらもそれにならって措置したわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 しかし、恩給のほうは、これからやめていかれる方で、恩給というのはないわけですね。漏れているのは拾い上げる以外にないわけです。あるいは通算を加算するとか、あるいは非常勤を加算するとか、そういう方法をとっても、恩給のほうはもうすでにきまっちゃっているわけですね。現在在職してないのですから。しかし、共済のほうはそうじゃない。これはこれから問題が一ぱい出てくるわけです。したがって、二十年以上つとめた人の遺族とつとめなかった人たちの遺族との問題は、私は共済として独自の検討をしてしかるべきだと思うのでありますが、給与課長、いかがでございますか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 先ほど御説明申し上げましたように、現在の新しい制度、つまり、今後やめられる方の遺族について今後給付事由が発生します遺族年金につきましては、六万七千二百円の最低保障が働くわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 現在共済組合法のほうで適用されているそういう遺族、二十年に満たない、十年でなくなったとか、五年でなくなったとか、そういう人があると思うのです。そういうものが最低保障によって救われるか救われないかの問題が出てくる。そういう問題についてはどうなんですか。それは全部いまの金額よりも多い金額できめられているのですか。

辻敬一大蔵事務官(主計局給与課長)

○辻説明員 四十年の五月一日以後に給付事由が生じた年金につきましては六万七千二百円の額が保障されるわけでございます。これは先ほど御説明申し上げましたように、厚生年金と平仄をとってきめた額でございます。ただ、これは厚生年金の額が改正になりました際にそれと均衡をとって引き上げましたので、四十年の五月一日より前に給付事由の生じました遺族年金については、その当時の厚生年金とバランスをとった額二万一千三百六十円の保障額ということになっておるわけであります。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 したがって、いまの四十年五月一日以前にやめた遺族の二万一千円では少な過ぎる。バランスがとれない。恩給法についても、したがって、そういう問題についてはすみやかに検討すべきだと思うのでありますが、政務次官、いかがでございますか。

藤井勝志自由民主党大蔵政務次官

○藤井(勝)政府委員 御趣旨はごもっともだと思うのでありまして、この年金制度全体、単に公務員だけでなくて、それに準ずるような仕事に従事している人たちの年金制度、こういうものを全部一括して均衡を保つような検討をーペんすべきではないかというふうに私自身個人としても考えておりますので、御趣旨の点、十分検討いたします。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 きょうは一時までという時間の制約があるのでありまして、実は、これから私が特に皆さんに強く要望したいと思った昨年六月一日から改正された職員に準ずるものの期間の算入の問題については、特に火曜日にそれを中心にお尋ねいたしますから、用意をしていただきたいと思いますのは、施行令附則第十条の二項の問題、さらに施行令附則第十条の二に関連する施行法第四十九条の二の問題、これらの問題は非常に不合理な問題点をはらんでおりますので、これについてひとつ十分じっくり大蔵省側の見解をただしたいと思ってきょうは用意をしたのでありますが、委員会の都合で一時という約束でありますので、残念でありますが、来週に持ち越してお尋ねをしたいと思いますので、ひとつ資料を十分整えて、答弁できるような準備を願いたいと思います。  きょうは一応これで終わります。

三池信自由民主党

○三池委員長 次会は、来たる十七日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時五十六分散会

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