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51回国会衆議院1966/04/22

商工委員会 第30号

発言数
117
登壇者
12
会派数
3
開催日
1966/04/22

会議録

天野公義自由民主党

○天野委員長 これより会議を開きます。  通商産業の基本施策に関する件について調査を進めます。質疑の申し出がありますので、これを許します。沢田政治君。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 御案内のように、いま物価が非常に異常に高騰しておるおりでもあるし、それぞれの産業において、労使間で労働条件において若干の紛争の徴候が見えておるわけでございます。私ども非常にこれを憂慮しておるものでありますが、何せ物価高と不況、こういう間から非常に問題が発生する要因というものがたくさんあるわけでございます。ここで労働条件がどうかこうかという議論をあえてしようと思いません。しかしながら、その原因になるものを一つ一つ解明していくということも、反面においては必要じゃないか、こういう前提に立ってお伺いをいたすわけでございます。私のほかにまだ四、五人の質問者があるようでございますので、私は、限られた産業の角度から若干お伺いしたい、このように考えるわけです。  特に多くの産業が労使間において労働条件の紛争状態にあるわけですが、特に私は基礎産業の中の石油ガス、金属工業、こういう角度からお聞きしたいわけでありますが、これが非常に長期のストライキになった場合には、どういう影響と結果を関連産業並びに国民に与えるか、こういうことであります。特に銅の場合には、過般の金属鉱物探鉱促進事業団の場合にもお触れいたしましたけれども、非常に需給が逼迫しておる。もうすでに原料倒産さえ出ておる。しかも、原料が手に入らないで、労働組合にまで何とか原料が入らぬか、こういうのが非常に出ておるそうであります。そういう一面を見ましても、非常に深刻であることは御承知のとおりであるわけであります。しかも、これが長期のストライキになった場合には、銅そのものばかりでなく、硫化鉱から出てくるところの硫酸、これも需給というものが非常に楽じゃありません。そういう及ぼす影響が非常に大きいと思うわけです。石油、特に、天然ガスにつきましても、新潟から東京までのパイプラインをとめる、こういうことになると、これは量の多寡は別としても、多くの関連産業に影響するところはまことに大であるというように考えるわけでございまして、したがって、これに対する対策をどう考えるかということであります。そういう不測の事態になった場合、どういう対策を考えるのかということが第一点。  もう一つは、通産省はものをつくる指導をしておればいい、だから労使間の問題には別に関心を持つ必要はない、こういう向きもあるかと思いますけれども、何といっても産業の中心、生産をするという中心は、資本、労働、技術、この三つの要素のうち、一つが欠けても生産が停滞、ストップするということは自明の理であります。したがって、通産省といえども、そういう労使間の問題に介入はできないにしても、これを解決さしてやるという一つの側面的な努力というものがやはり当然なされなければならぬし、ある意味では義務ではないか、こういうように考えますので、その点についてまず第一にお伺いして、私の聞かんとする方向に入りたいと思います。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 ただいまの御質問でございますが、その及ぼす影響は非常に大きなものがあると思います。特に中小企業方面に及ぼす、そういう原料難で非常な困難を生ずるであろうと心配いたすのでありますが、それに対しましては輸入あるいはその他の方法をもちまして、国民生活に何とか少しでも影響が少ないように努力いたしたいと考えておる次第でございます。  それと、労使関係につきましては、私どもは産業の開発発展のためには非常な注意をいたしておるのでありまして、そのためには労使関係そのものにつきましては、直接ではございませんが十分注意をいたして、そういう問題が少しでも円滑に進むように努力をいたしておるのでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 通産省という立場からは、労使問題に介入するということはでき得ないし、あるべきはずはないわけでありますが、他産業に及ぼす影響が多いし、しかもこれが長期にわたると、妥結した時点で生産の軌道に乗らぬことは御承知のとおりなわけです。したがってやはりそういう不測の事態によらないように、通産省として意向をも——やはりどういう産業でもある程度の公共性はあるのだから、そういう面から、不測の事態に至らぬように、通産省としての見解というものも述べる必要があるのではないか、こういうふうに考えます。この点については答弁の必要はありません。  そこで、特に石油、ガスの場合には、需要と国内の供給の占める地位というものは、供給の場合は非常に少ない。原油でとらえるならば一%。こういうことで、産業需要といいますか、需要供給上における地位というものが非常に少ないので、常に雇用や労働条件の不安定におびえておる。こういうこともやはり労使関係に関係があると思いますので、そういう前提に立ってお伺いするわけです。  第一にお聞きしたいのは、政府がたしか昭和三十年に第一次石油開発五カ年計画を決定したわけでありますが、その後実際に実施する機関として政府の三分の一の出資の国策会社つまりSKが設立されたことは御案内のとおりであります。これを中心にして探鉱活動を行なったことによって、昭和三十三年から生産が若干上昇してきたわけであります。ところが昭和三十九年度から再び減産の一途をたどっておるわけでございます。これにはいろいろな理由があると思いますけれども、私なりに考えてみますと、昭和三十七年度からSKへの政府出資を打ち切った、こういうこともあると思うのですが、並びにもう一つのSKじゃない、民間会社であるところの帝石が、資金難のために非常に探鉱の手を抜いてきた、こういうことが生産面、減産にあらわれてきたのではないか、こういうように考えられるわけであります。  そこで、昭和四十年八月に石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会が第三次石油並びに天然ガス資源の開発計画について答申したことは御承知のとおりであります。その中に、要約するとこういうことが述べられておるわけであります。石油不足にある国内の原油についても、その確認埋蔵量の不足は単に生産の減退にとどまらず、石油鉱業そのものの存在をあやうくしている、こういうようにお述べになっておるわけであります。そのために第二次五カ年計画が、昭和三十七年から四十一年になっておるわけでありますが、その期間が四十一年度に終了するのを待たずに、新たに四十一年度を初年度とする第三次五カ年計画を策定し、そして答申があった次第であるわけです。これに対して私お聞きしたいのは、通産省はその答申をどのように実施するつもりなのか、またその実施については現在通産省の省議として決定を行なっているのかどうか、こういう点をまずお伺いしたい。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 第三次石油及び可燃性天然ガスの五カ年計画の答申をいただいておる次第でございますが、当然当省といたしましてはその答申をできる限り尊重いたしたいと考えております。一例を申し上げますと、すでに探鉱補助金の大幅増額でございますとか、あるいは鉱区税の軽減といったような、答申に盛られました内容につきましては、四十一年度からさっそく実施に移したいと考えております。また全般的に、現在御承知のようにエネルギー調査会におきまして、総合エネルギーの立場から国際エネルギー資源の今後の開発方向といったようなものについて議論が行なわれておりますので、その論議の進行をも見ました上で今後の施策を強力に展開してまいりたいと考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 まあ、実際に計画に合うように、大幅に補助金があるかないか、これは議論のあるところでありますけれども、先を急ぎますので言いっぱなし、聞きっばなしで、ひまなときにもう一回お聞きしたいと思います。  そういう問題があったとしても、たとえば答申では、国内石油資源の賦存地域の大部分が探鉱なされないままに放置されている、こういうことも述べ、かつ警告しておるのであります。ところが、一方その探鉱活動の基本をなすところの資金調達、これには非常に消極的ではないかと思うのです。片一方においてはまだ未探鉱地域がたくさんあるという警鐘を乱打しておると同時に、今度は資金面では非常に消極的な態度なわけです、私の見方によりますと……。どうしてこういうような本末転倒するような、片一方に必要を強調しながら片一方には必要なための手段というものは何ら講じておらない、むしろ逃げ腰であり、企業の自己努力という方向に逃げ込んでおるじゃないか、こういうように考えられるわけであります。したがって、これはどういう意味でこうなっておるのか、通産省のほうで、これは圧力ということばは悪いかもしれませんけれども、私はちょっと疑問を感ぜざるを得ないわけなんです。その付近の事情というものを明らかにしてほしいと思うのです。いまの帝石やSKの能力からいって、これはとても自己能力はない、しかも膨大な地域が残されておる、それを開発しなくちゃならぬという企業努力というのは、これは物理的に考えてみて私は不可能じゃないか、こういうように考えますけれども、その付近をちょっと明らかにしてほしい。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 御指摘のとおり探鉱を積極的に今後進めてまいりまするためには、その資金的な裏づけを強力にとってまいるということが必要であろうかと存じます。その場合、石油資源開発にいたしましても帝国石油にいたしましても、それぞれ自己資金とさらには財政資金もしくは開発銀行等の資金を活用いたしまして探鉱を進めてまいることになろうかと思いますが、無理のない範囲におきましては企業は当然自己資金をもってその大半を調達することにならざるを得ないと思います。さような意味におきまして、五カ年計画で一応想定しておりまする探鉱投資額のうちで企業の負担いたしまする分は、私どもとしては無理のない数字を勘案したと考えておりますが、なおこれに対応いたしまして不足いたしまする分につきましては財政資金の積極的活用等、今後とも極力努力いたしたいと考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 たとえば一歩下がってこの答申どおり計画を実施する、まあ実施に移す、したがってそうなったとしても、私どもの考えでは五年間で、この計画どおりやるとなりますと約二百七十八億円程度の探鉱資金が必要とされるのではないか、こういうように考えざるを得ないわけです。そのうち政府が負担するのは、天然ガス探鉱補助金として約五十二億円、あとの二百二十五億、これは企業調達ということになるわけであります。国内石油鉱業のおもな企業は、先ほど申し上げましたように帝石あるいはまたSKなわけでございますが、この帝石という会社もあまり、何というか資金能力はないわけですね。一時は企業整理までしたところなわけです。したがって、この余っておる、五十二億のほかの二百二十五億、これを自己能力でしかもリスクの多い探鉱資金というものを調達できるかどうか。銀行でまともに貸しませんよ、こういうものは。どうですか、この付近は。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 現在の条件におきましては、五カ年計画で策定いたしました企業の探鉱投資の自己調達見込みという数字は無理のない数字であると考えておりますが、一つの前提といたしましては原油の売り渡し価格の上昇ということを前提にいたしておりますので、今日の事態よりは資金調達がそれだけ余裕があるというような事情も織り込んでのことでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 これは売り渡し価格、国産原油の価格を上げるということですか。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 将来適正な原油価格基準というものについての検討を前提として計算をいたしておると思います。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 いまでも国産原油はたしかキロリットル六千円、それと、質によっても違いますけれども、外国産の原油は、私の記憶によれば四千五百円くらいですか、それで千五百円程度の差があるわけです。したがって、これを上げる余地は、製油産業のほうがはたしてこれを許容するかどうか、これはどうですか、その付近は。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 現在の国産原油の価格水準、キロリットル六千円というものが、現在採油コストの面から見まして、必ずしも妥当な価格ではないのではないかという意見も、石油鉱業界の側にはあるわけでございますが、他方、御指摘のように、精製業界のほうでは必ずしもその値上げを安易に認めるわけにもいかない事情もございまして、その辺の価格問題につきましては、十分慎重に検討いたしてまいりたいと考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 たとえば、先ほど申し上げているように、多くの矛盾、特に資金調達能力、こういう面から非常に制約されてまいっておりますので、計画によると、探鉱の有望地域が非常に偏狭化されておる結果になっておるわけです。たとえば新潟地域に七〇%の比重というものをかけておるわけです。特に問題になりますのは、天然ガス不足のために非常に問題を起こしておる秋田県です。さらには、国産原油の供給不足から、昭和石油の平沢製油所などは工場閉鎖まで考慮している。こういうところも非常に問題になっているわけでありますけれども、秋田あるいは山形県下にも組織的な探鉱を行なう必要があると思うが、こっちのほうまで手が伸びないと思うのです。ですから、この点について現実に問題を起こしているわけですから、天然ガスは不足だ、平沢製油所はもう閉鎖されるのではないか。もう問題が起こっておるので、こういう現在起こりつつある問題をどうするか、これに対する対策があったらお聞きしたいと思う。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 天然ガス及び原油の国内開発地点につきましては、第三次五カ年計画におきましても慎重に審議をしていただきまして、わが国におきまするこれら資源の賦存の可能性、または今日までの実績等々について慎重検討の結果、今後の探鉱の重点地域は秋田県、山形県及び新潟県の各平野部を中心といたしまして、これら地帯の深層部の探鉱を重点的に行なう、さらに、これら地域に隣接する大陸だなの探鉱を行なうというような方針が打ち出されておる次第であります。したがって、御指摘の秋田及び山形につきましても、有望な地域につきましては今後とも積極的に探鉱を進めてまいる方針でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 私の理解と、こまかい点についてちょっと理解が違う面があるわけです。理解というか、現実の施策の食い違いがあるわけですが、時間がないので先を急ぎます。  それで、この計画の根幹をなしておるものは、過去の探鉱の不足から石油、天然ガスともに生産量と埋蔵量の対比、つまりそういうことからアンバランスを生じておる、こういうことになっておるわけでありますが、そういう関係、生産量と埋蔵量の対比、こういうもののアンバランスが出ておるわけです。それで、こういう観点から見ますならば、計画終了の四十六年を目ざしてずっと計画を組まれているわけです。しかし、炭化水素の性質からいって、少なくとも十年程度なければ安定的とは言えないのではないか。これは私は専門家じゃありませんからよくわかりませんけれども、大体十年なければ安定的とは言えない、こういうふうに聞いておるけれども、この点はどうですか。先ほども私指摘しましたように、たとえばこの前の法改正の際、参議院でもそうでありますけれども、附帯決議が出されておるわけであります。これを尊重するということになっておるわけでありますけれども、第三次計画を実行に移す段階としても探鉱計画、こういう規模を大きくして、そして十年程度にこの目安を置く、こういうような非常に長期展望に立った計画に練り直す必要があるのじゃないか、こういうように考えておるけれども、どうですか。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 ただいま御指摘のございましたとおり、RPの値は石油ないしは天然ガスの開発を進めていきます場合の一つの目安でございまして、これをできるだけ適正な水準に高めていく必要があるということは、わが国の場合特に御指摘のあったとおりでございます。その場合、現在このRPはわが国の場合五・四ということで、必ずしも満足すべき数字ではございませんが、これを一挙に引き上げることはなかなかむずかしい問題もございますので、今後毎年〇・一程度の上昇をはかりまして、五カ年計画の最終年次では、これを御指摘のありました六・〇に引き上げたい、かような計画になっておるわけでございます。  なお、より長期に、十年程度の見通しというお話でございますが、かような上昇率の延長において今後ともRPの適正な水準を維持していくことが必要であろうかと考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 国内のほうについても聞きたいわけでありますが、国内石油資源について最後に私一点だけお伺いいたしておきたいのは、科学技術庁の資源調査会から大陸だな鉱物資源開発の現状、こういう表題の報告がまとめて一月二十五日に上原科学技術庁長官に提出されておるわけであります。私はこれをちょっと見たわけでありますが、この中に、海底油田、ガス田の現状に触れて、安定供給をはかるため、海外石油会社と協調し、国内資源の探査を積極的に進めるとともに、新鋭掘さく装置を国家的配慮により早急に増強をする必要がある、こういうように非常に魅力的な目新しい文章が入っておったわけでありますが、これは単なる作文にすぎないのか、これは可能性があるのか、やろうとしておるのか、通産省側としてはどう考えていますか。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 日本海大陸だなの石油もしくは天然ガスの資源の開発は相当有望であるという前提のもとに、今後とも積極的な開発努力が行なわれると承知しておりますが、現在、海洋掘さくバージはわが国の保有は一隻でございまして、その採掘深度は二十五メートルにすぎない次第でございます。したがいまして、より水深の深い大陸だな地域の開発を促進いたすためには、今後もっと高性能な海洋掘さくバージが必要になるわけでございまして、現在その建造を促進すべく具体的な計画を検討中でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 これは努力していただきたいと思うのです。たとえば白竜号ですが、これは秋田でやっておったのが新潟のほうに出かせぎにいっておるのですが、新潟も秋田も出かせぎの国でありますからたいしたことはないとしても、こういう海洋掘さくという面では非常におくれておると思うので、国土の非常に狭隘な日本においては当然このほうに力を入れるべきじゃないか、こういうように考えています。  次は海外の問題ですが、政府の今度の昭和四十一年度の予算においては約二十億円をSKに出資する見込みになっておる。現実にそうなっておるわけであります。したがって、二十億円が多い少ないの問題は別としても、その使途、内容、どの方面にどう有効的にこの資金を使うのか、効果をあげるのか、この点についてちょっとお伺いしたいと思います。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 四十一年度の石油資源開発株式会社に対します出資は御案内のとおり二十億円でございまするが、さらに四十年度からの繰り越しの五億円を加えまして、事業規模といたしましては二十五億という計画を立てておる次第でございます。これら二十五億の資金につきましての事業計画は、四十年度から継続の事業といたしまして、北スマトラ沖の採掘、マレーシア連邦のサバ地区、ニューギニア地区に加えまして新たにブニュー及び西部カナダの地域を進出の対象に取り上げる予定でございます。今後これらの地域における具体的な計画内容を石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会にはかりまして、いろいろ御意見を伺ってまいりますが、ただいま一応の決定を見ておりまする内容は次のとおりでございます。  すなわち、北スマトラ沖地区につきましては、大体七億三千万円をもちまして利権料の支払いとともに地震探鉱を行ないたい。サバ地区につきましては約三億円の資金をもちまして構造試錐を中心に行ないたい。ニューギニア地区につきましては調査に一千万円を投じたい。ブニュー地区につきましては約二億四千万円程度の投資を見込んでおります。さらに西部カナダ地区につきましては、七億五千万円をもちまして鉱区の取得をはかりますとともに物理探鉱を進める予定でございます。  大体以上が二十五億円の事業計画の四十一年度におきまする予定事業でございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 去年の通常国会でSK法、石油資源開発株式会社法の一部改正があったわけです。したがって従来は国内だけの開発というのが海外の開発もできるようになったのは御案内のとおりです。その際にも私この委員会で申し上げましたように、SK法の目的規定からいっても、立法の当時の背景からいっても、国内の資源を開発する、こういうところに法律そのものの大きな眼目があったわけです。したがって、国内のものを開発するのを怠って、海外に多くの魅力を持ってどんどん——国内資源の開発を怠慢して逃避するということになると、本来の立法の精神に反するのじゃないか、こういうように私指摘したわけです。その場合、そうじゃないということで、参考人がえらいいきまいておりましたけれども、どうもそういう印象と疑問を、私、いまなお現在でも持っておるわけでございます。したがって、たとえばSKの規模は大体従業員が千三百名程度ですか、若干の増減があったと思いますけれども、こういう人員、機構、能力、こういうことからいって、はたして総花的に、国内もやり海外も満足にやるという機構になっておるのかどうか、いささか疑問を感ぜざるを得ないわけです。したがって私はやはり行政指導、特にこれは国策会社でありますから、民間会社と違って、通産省としては大いにこれは直接の責任があると思うのです。したがって私はやはり——海外をやるなというわけじゃないのですよ。本来の立法の目的であるところの国内資源の開発あるいは技術の温存、向上、こういう点は片時も忘れるべきではない、こういうように考えますが、御見解いかがですか。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 御指摘のとおり、石油資源開発会社によります国内石油及び天然ガス資源の開発は、きわめて重要な役割りを持っておりまして、特に裏日本地域の経済的な振興に寄与いたしますとともに、ただいま御指摘のように、採掘技術の維持向上に役立ちますし、また何といっても国産原油の開発ということは外貨の節約にもつながるという意味からいたしましても、石油開発資源会社によりまする国内での探鉱開発事業活動というものは、今後とも十分積極的に努力をしていただくことを期待したいと思っております。かような意味で、石油資源開発会社の四十一年度以降の事業計画につきましては、第三次五カ年計画に対応する事業計画を持っておる次第でございまして、その内容はきわめて積極的なものでありまして、海外の探鉱活動のために国内の事業活動が圧迫をされておるといったような事態はないと考えております。  なお、人員につきましては、今日の人員が将来国内及び海外での活動に対応して不足するようなことがありますと、もちろんこれを増強することに努力すべきであろうかと考えております。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 一部の経済新聞あるいは企業新聞等を見ますると、帝国石油ではマレーシアあるいはサバ地区、北樺太、こういうような開発に乗り出すようなことが盛んに報道されておるわけです。ところが、一方SKではSKで、新しい海外地域を開発する。先ほど局長から説明があったような二十五億ですか、こういう資金をもって海外開発をする、こうなりますと、二つの会社がそれぞれ別々にやる、こういう可能性も出てくるわけであります。私は本来このSK法の制定された場合に、国内資源というものを特に中心に当時は考えたわけです。帝石はおもにガス、そうしてSKは石油、こういうように非常に両者が共存して、いい意味で連帯して国内資源を開発する、こういうことが中心であったわけでありますけれども、最近においては、極端じゃないにしても、国内においてもガス開発の競合を演じておる、こういう矛盾が出てきておるのに対して、さらにその矛盾に輪をかけて、今度は国内だけではなく、土俵を外国にまで持っていって、両方が共存するということになると、非常におかしいかっこうになるんじゃないか、こういうように考えておりますので、何とかこれを一元的に両方が共存してやるのか、区域をきめるのか。北のほうはSKならSK、南のほうは帝石なら帝石というように、一元的に、あるいは協調的な一つの方法がとられてしかるべきではないか。野放ししておくと、やはりどうしても採算というもの、そうして利潤を生み出したいという本能もあり機能もあるのだから、両者が国内だけでなく国外においても共存、競合というものを演ずる可能性があるので、その付近に対してどういう指導を考えておるのか、御見解をお伺いしたいと思います。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 原油の海外開発につきましては、現在石油資源開発会社が主として担当をいたしておりまするが、別途帝国石油会社も海外の進出をはかっておりますることは御指摘のとおりでございます。その場合、海外におきまする原油の開発の体制というものがいかにあるべきかというような点につきましては、その開発の長期的な目標、開発に必要な資金調達の問題等も含めまして現在総合エネルギー調査会において鋭意検討を願っておりまするので、その結論を待ちまして慎重に配慮いたしたいと考えます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 先ほども若干触れましたけれども、北樺太の天然ガスの開発は、新聞等で見る限りにおいては約二十億立方メートルの日本への持ち込み、輸入というものが可能になる、こう言われておるわけです。現在国内で生産されているものは、今度の第三次五カ年計画でもおおよそ十三億立方メートル、あるいはまた十五億立方メートルであるわけであります。したがって、それとの競合関係をどのように調整していくお考えを具体的に持っておるのかということが私の聞きたい点です。少なくとも、海外からの持ち込みを計画する場合には、これは根本になるわけでありますけれども、国内資源の不足な部分を補う、こういうたてまえと前提をとらなければならぬというように考えるわけです。したがって、国内資源が探鉱によって増産がはかられるとすれば、当然国内資源を保護し、優先的にこれを取り扱う、こういう方針である程度の弾力性を持って、そして総合調整といいますか、総合計画といいますか、そういうものを持っておらなければ、二十億立方メートル北樺太から入ってきたわ、そのために日本のガス供給業者あるいは産油業者がつぶれるということになったのでは、これは事、志と違う結果になるので、その点についてどう考えますか。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 御指摘のございましたように、天然ガスの供給につきましては、もとより、国内の天然ガス資源の供給体制というものを第一に考えまして、それの不足する分につきまして輸入のガスによる供給を考えるというたてまえをとることは当然でございますが、昨今の情勢から判断いたしますと、新潟地区におきまする天然ガスの供給量というものは必ずしも、需要の全部を満足するに足るだけのものがございません実態でございまして、これを不足分を補うという意味並びに将来における需要の増大分についての供給を確保するという意味から、北樺太の天然ガスの輸入の問題は興味のある問題として現在検討いたしておるということでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 海外の石油開発は従来しばしば言われてきておるように、ナショナルインタレストを守る、こういったエネルギー政策の政策的な観点からも、広く国民的、経済的立場から見ても、意義を有することはすでに多言を要しないわけです。それだけに、長期計画、少なくとも十年計画を、先ほども触れましたように立てて、それによって有効な資金の投入をはかる、その資金の有効的な運用をはかる、こういうことが必要だと思うわけです。そういう意味で、四十一年度の予算折衝の際、通産省が掲げておって、これは実現しなかったわけでありますけれども、原油公団ですね。原油公団の構想は実現できなかったわけであります。したがって、この原油公団という構想を今年実現できなかったんだから、来年これを放棄するのかどうか。これは非常に今後のエネルギー政策全般の中で大きな意味を持つと思うのです。したがって、そういうこととも関連があるので、ここに明快なその点に関する、非常に重要なかなめになりますので、御見解をお聞きしておきたいと思うのです。

両角良彦通商産業事務官(鉱山局長)

○両角政府委員 石油の開発を国内及び海外におきまして計画的に進めてまいる、また、効率的に進めてまいるという点につきましては、御指摘の点まことに同感でございまして、このような見地からする石油開発の計画的、長期的な推進という点につきましては、各調査会、審議会等においてもいろいろ意見を伺って現在努力をいたしておる次第でございますが、原油公団につきましても、四十一年度においてはその実現を見ませんでしたが、そのかわり、石油資源開発に対する出資を大幅に増額をいたした次第でございまして、そのような考え方は今後もこれを採用していくかどうかという点につきましては、現在総合エネルギー調査会におきまして十分検討を願っておるところでございます。

沢田政治日本社会党

○沢田委員 時間も一時間まいったようで終わりますが、最後に、私、さらに重ねて強調しておきたいことは、最近の労働条件をめぐる石油産業あるいは金属産業の労使の紛争、この問題について非常に憂慮すべき事態だと思うのです。したがって、これが非常に長期になる場合には、国民経済、関連産業にも非常に、特に銅等については需給が逼迫しておる。ガスについても、占める地位は少ないとしても、新潟からとるところのパイプラインを完全にとめることによって、これまた相当深刻に関連産業に影響を与えることが大きいと思うのでございまして、先ほど局長あるいは次官のほうから、そういう不測の状態になったならば、特に銅の場合と言ったと思いますけれども、緊急輸入とかそういうものを考えると言っておられましたが、その方法もこれは一つの次善策でしょう。しかしながら、なかなか急にそう入るものじゃないと思うのですね。きょう足りないといってあす持ってこれるわけのものじゃないですから、少なくとも太平洋を船舶で持ってくるということになると、相当の時日を要すると思う。その間に関連産業や国民に大きな影響をもたらすということは必然でありますので、したがって、次善策としてはわかるけれども、とるべき態度は、直接介入はできないとしても、国民に非常に大きな迷惑をかける、こういう前提に立って、やはり円満に解決するように、それぞれの立場から御努力願うことを特に私、要望して、私の質問を終わります。

天野公義自由民主党

○天野委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

天野公義自由民主党

○天野委員長 速記を始めてください。  石野久男君。

石野久男日本社会党

○石野委員 私は日韓条約の締結後における日本と韓国との貿易問題等についてちょっとお尋ねしたいと思います。  現在第三回の日韓貿易会談が行なわれているようでございますが、実はきょう牛場審議官においでいただいて、いろいろこまかいことをお聞きしたかったのですが、おいでいただけなかったので、経済局長から、いままで二回ほど貿易会談が行なわれておりますが、その間の経緯、特にその中で問題になったことはどういうことがあったのか、これを先にひとつお聞かせを願いたい。現在第三回の会談では主としてどういうことを問題として論議しているのか、そこらのところをお聞かせ願いたい。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 お答えいたします。  日韓貿易会談におきましては、第一回から現在やっております第三回まで、ほとんど同じ議題でやっております。第一は、日韓の貿易のインバランス是正という見地からとにかく日本が韓国の一次産品の輸入を促進するという問題でございます。主としてこれは韓国の水産物の輸入促進の話が焦点になっております。  第二の問題は、韓国の輸出増進を助けるために、とりあえず先方ですぐ手がつけられるような、わりあい軽工業的なものの保税加工に関する協力の問題でございます。  それから、第三が一次産品と申しましても、現在買い得る額は非常に限られておりまして、とても一億ドルにのほるようなインバランスを是正するのに役立つだけのものは買い得ない。したがって、日本が韓国から一次産品をさらによけい買えるように、有望な一次産品について開発を考えていく、いわゆる開発輸入について協力しましょうという問題でございます。  その他こまごまとした問題といたしまして、御承知のような現在日本の韓国におきます商社の出先が、正式な商活動というものを認めておられなかったという問題がございますので、商社のステータスの問題。  それから、これは今度の会議で初めて正式に議題として取り上げられることでございますが、工業所有権の保護の問題。  その次が、日韓の海運協定を改定いたしまして、先ほどできました貿易協定と並んで海運に関する日韓両国の取りきめについて話し合いをしようという問題。  それから、先方としましては、密貿易問題に関する日本側の協力要請に関する問題。  これが大体におきまして、第一回、第二回、第三回を通じまして共通の議題ということが言えると思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 去る三月六日に、韓国の国会では、九千五百九十三万ドルからなる請求権資金初年度実施計画案というものを通しておりますが、これは請求権の分割払い、十年間に割り当てて払う額のうちの約二年度分以上になりますけれども、こういう額は正式にはどの程度に両国の間で話し合いがまとまって本年度韓国向け支払いをしておるのでございますか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 請求権関係は、実は経済局の主管でございませんで、経済協力局の主管でございますので、ちょうど経済協力部長が通産省のほうから見えておりますので……。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 お答えいたします。  ただいまお尋ねの有償、無償の初年度の実施計画につきましては、このたび開かれました日韓合同委員会で合意に達しました。これはしかし政府に対する勧告でございますので、その確定いたしますまでには、両国政府の国内手続が必要でございます。その国内手続は日本側で来週早々に取りきめる予定でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 両国の間でそういう問題についての取りかわしをやるということについて、まだ正式取りきめはできていない、来週ですか。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 来週でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 来週その正式取り扱いをきめるということだそうですか、しかし韓国ではすでに与党が単独の国会採決をして、九千五百九十三万ドルというものを一応取りきめしておりますことは、これは韓国の議事録ではっきり出ておりますから、この額には間違いないですね。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 金額は大体その程度でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 これは三木大臣にお尋ねいたしますが、ただいま申し述べた九千五百九十三万ドルという金は、日本と韓国との間における請求権問題に関連しての金額、十年に割賦払いをするという額からいたしますると、たいへん大きい額になってまいると思います。御承知のように請求権の中では、無償の中から四千七百五十万ドルというものは先取りすることになっているわけですから、無償の金とそれから有償とを合わせまして、十年間の日本から韓国への支払い額は締めて四千五百四十万ドルくらいが通常の約束による支払いであります。ところが九千五百万ドルをこえますると、これは二年分以上になるわけでございまして、大体この額を出すにあたりましては、締めて五億ドルという有償、無償の金の支払い方については、日本と韓国との間のおよその取りきめ、話し合いというものがきめられているだろうと思うのです。考え方としてはどういうような考え方でこの額をおきめになったのでありましょうか。その点ひとつ大臣からお聞かせ願いたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 これはこういう一つの契約がありましても、支払いはきめられたとおりでございます。その間の事情は政府委員から答えさせます。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 お答えいたします。  協定できめられておりますのは、有償分二億ドルを十年間、それから無償三億ドルを十年間で均分に支払うことになっておりますので、初年度におきましても無償三千万ドル、それから有償二千万ドルという支払いベースで実行いたすことになります。先ほど先生のおっしゃられました約九千五百万ドルというのは、これは約束といいますか、契約ベースの数字でございますので、実際にそれだけの契約をいたしましても、支払いの行なわれますのは、両方合わせて五千万ドルということでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 そういたしますと、それは日本の側では、約束だから支払い額は十年均分で払うということになるのであって、韓国の国会できめた請求権資金初年度実施計画というものは、これはただ韓国ではそういう計画をするのである、こういうことなんですね。実際に韓国へはこれだけの金は初年度はいかない、いまのお話のようなことでいきますると、韓国では実質的に金が入るのは十年均分の五千万ドル、そのうち四千七百五十万ドルの十分の一ですから四百七十五万ドルを差し引いた額だけしかいかない。このことは、韓国では結局継続支出という形の計画になる、こういう意味でございますか。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 これは日本から物あるいは役務で向こうへ出すわけでございます。その額が、支払いベースでいま申し上げましたように初年度合計五千万ドルでございます。なお、いままでの清算勘定の残高の十分の一というものを差し引いた額が先方へ供与される、こういうことになります。

石野久男日本社会党

○石野委員 お話はよくわかりました。  もう一度確かめておきますが、これはやはり日本の側が金を払うのですから、そういうことでぴちっときめておったら、それで日本のほうは問題がありませんけれども、しかし韓国のほうでは年次別計画をしていくと思うのです。金の入らない仕事を計画するわけですから、韓国にとってはたいへんなことになるだろうと思うのでございます。約倍以上の金は計画だけであって、日本から金がいかないということになりますれば、計画倒れになってしまうだろうと思いますから、これはたいへんなことだと私は思うので、いま一度確かめておきますが、韓国ではこういう計画があってもそれは韓国の計画だ、日本から金がいくのは当初条約上約束してある十年均分の有償、無償合わせて五千万ドル、そのうちのいわゆる清算勘定残というものを差し引いた額だけしかいかない、こういうように承ってよろしいわけですね。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 そのとおりでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 先ほど加藤経済局長さんからのお話によりますと、今度の日韓貿易での一番大きい問題はバランスがとれてない、これを是正することだ、こういうようなお話でございましたが、このバランスが現在どんなふうな状態になっておるのだろうか、この数年来の事情をひとつお聞かせ願いたいと思います。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 一九六〇年からの輸出入の動向で御説明いたしますと、六〇年の輸出が約一億、輸入が千八百万、一九六一年に輸出が一億二千五百万に対しまして輸入が二千二百万、六二年には輸出が一億三千八百万に対しまして輸入が二千八百万、六三年には一億五千九百万の輸出に対しまして二千六百万、六四年が一億の輸出に対しまして四千百万、六五年が非常に輸出が伸びまして一億八千万に対しまして輸入が四千百万というふうに、六〇年以降大体一億ドル以上の出超になっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 韓国との貿易が非常に大きな出超になっておりますが、これを受け取り勘定、支払い勘定の面でいきまして、実質的にはそれはどういう状態の受け取り残、あるいはまた未収入の額がどういうようになっておるか、その間の事情をひとつ聞かしていただきたい。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 ただいま私が申し上げましたのは通関統計でございますが、為替統計で申しますと、一九六五年の輸出の受け取りが一億六千万に対しまして、輸入の支払いが約四千万というぐあいになっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 それは総計でございますか。いままでの日韓との間の全体の最終の計でござざいますか、年間の計ですか、どちらですか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 六五年の一月から十二月でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 六二年からでもよろしゅうございますが、大体年間のそれぞれの何があると思いますが、それを年次別にひとつ示していただきたい。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 六二年の輸出の受け取りが一億一千五百万、支払いが二千四百万、六三年が一億三千二百万、支払いが二千四百万、六四年が一億二百万に対しまして支払い三千百万、六五年がただいま申し上げました約一億六千万に対しまして三千九百万近くございます。総通関統計と為替統計との間は開きはございません。ただ延べ払いの輸出がございますので、多少その辺に食い違いがあるということでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 こういったような非常に大きな輸出残といいますか、輸出超過の残額があって、そうして実質的には日本としては受け取り勘定がずいぶん残っているということになりますが、さきに清算勘定を行なっておる時期においてもこういう事情があって、その後の帳じりを調整するためにずいぶん長いこと両国の間に折衝が行なわれた。今度の条約締結ということによって、請求権の中から四千七百五十万ドルというものを差し引き勘定するということまでしたわけでございます。私は、この際これは通産大臣にお聞きしたいのですが、一方では請求権の金の支払いをいたしていきますが、通常貿易の上で出るところのこういう受け取り勘定の残というのが非常に大きなものになってまいります。これはこのままで放置できないと思うのです。先ほどの経済局長の話によると、日韓貿易の交渉を行なっておる今日の段階で一番そのことが大きい問題だといわれておるのですが、通産大臣はこの帳じりを消していくための考え方として、通商政策としてどういうふうにしていったらいいというお考えをお持ちなんでしょうか。そのことを現在の日韓貿易会談の中でどのように主張なされておるのか、そういう点をひとつお聞かせ願いたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 韓国ばかりでなしに、低開発国といわれておる国々の関係は、大なり小なり似たものがあるわけであります。このためには貿易の会談でも——私は行っておりませんでしたけれども、政府委員から答弁があったと思うのですが、第一次産品の買い入れをふやしてもらいたいという要求もあったに違いない。また軽工業、どうしても産業発展の過程として軽工業が興ってくるわけです。それと日本の工業との競合、これに対して日本はそういう産業構造を高度化していって、発展段階のおくれておる国々の軽工業が興ることに対して、競合しないように日本はやってもらいたい、こういうことが基本にあると思うのです。これを一ぺんに貿易のアンバランスを解消するということはなかなか難問題ですけれども、これをいま言った第一次産品なども、いろいろこれは日本でむずかしい問題があるけれども、買い入れに対してやはり拡大する方向で考えるべきほかないのですからね。そんなに貿易のバランスを合わせるような材料はない。それを軽工業の面においては、将来たとえば繊維産業についても、通産省でも構造改革、構造改善をやろうとしておりますから、できるだけ日本が高度な産業構造になっていって、そして韓国などにそういう産業が興っていくための芽をつみ取らないような配慮が要るのではないか。だから、一ぺんにアンバランスを解消するために何かやることがあるかというと、そういう正常な形においてはやっぱり相当時間が私はかかると思う。一ぺんにはなかなかむずかしい。しかしいま言ったようなことでできる限りこのアンバランスを是正していこうということより、正常貿易の形においてはいま申し上げたような方法を時間をかけてやるというよりほかにはないということだと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 貿易の面で一次産品をなるべく大量に買い付けるということをしていきたいということとちょうど符合するようなふうにも受け取れるのですが、去る三月四日付の日本経済新聞の記事の中に、韓国の側で日本に対して約六万三千トンの米を輸出するということがいわれており、その中では、これは外貨をかせぐための文字どおりの飢餓輸出であるということまで報道されておりました。しかしまあ日本で一次産品を買うということになればこういうことよりほかないのだろうかと思いますが、そういう問題は現実にいま課題として出ておるかどうか、ひとつ……。   〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 ただいま先生の御指摘になりました六万三千トンの米の輸入は、昨年の貿易会議におきましてきめられた数量でございます。したがって昨年の十月からのクロップについて日本が六万三千トン輸入するという問題でございます。したがいまして本年の分につきましてはやはり韓国の作柄が判明いたします時期に具体的に話が始まるということになると思います。ただいま貿易会議では、具体的に幾らという本年分の米の買い付けとしては話が出ておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 この場合に、本年度分がどの程度になるかまだわかりませんとしても、韓国から入れる米は相対的に日本の米価との間に相当な、やはり格安なものになるのだろうが、あまり格安でなければ、これは入れてもおそらくやはり商売上うまくいかないだろうと思いますが、相当程度格安のものになるのでしょうか。また昨年度はどのようになっておったのですか、そこらをひとつ……。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 韓国から入っております米は、御承知のように準内地米で、ちょうど日本の米と同じ性質の米であります。この米はただいま中共、台湾を主要な市場として入っております。そのほかアメリカのカルフォルニア米等、これが準内地米に属する米でございますが、大体私の承知いたしておりますところでは、準内地米の国際価格に基準してきめられておりまして、韓国から入ってくる米が、台湾米、中共米あるいはアメリカ米に比べて特に安い、特に高いということはないというふうに了解いたしております。

石野久男日本社会党

○石野委員 大体私の聞き及んでいるところでは、トン当たりで約四万四千円くらいは安いのじゃないかというようなふうに、私の調べはそうなっておるのですが、どうですか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 円貨に換算いたしまして、はっきりと私、どのくらいの準内地米の米価と開きがあるか承知いたしませんが、もちろん安いことは確かなんでございます。しかしこれは韓国に限らず、先ほど申しましたように台湾米も中共米もアメリカ米もみんな大体同じくらいの格差で入ってきておるという状況であると了解いたします。

石野久男日本社会党

○石野委員 私は、これは韓国との関係で、第一次産品を輸入する場合にそれを輸入する価格が、商売ですから利益の出るように取引するのはあたりまえだと思いますけれども、特に韓国の場合は過去の歴史的な諸関係があったりするから、ことさらに安い価格になってしまったり、あるいはまた現地におけるところの出血輸出だというようなことが顕著に出るということになりますと、これはただ商行為という問題のほかに、別な意味での政治的な問題が出てくるだろうと思う。したがってそういうことがあってはならない、こういうように私は考えておりますが、政府の側ではこういう取引の契約のときに、そういう精神での指導ということを特にお考えになっておられるだろうかどうだろうか、この際ひとつ聞かしておいてもらいたい。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 交渉は食糧庁と先方の組合との間に行なわれるわけでございますが、私の聞き及んでおるところによりますと、食糧庁といたしましては準内地米の安定輸入ソースといたしましてはやはり中共あるいは米国等を考えておりまして、韓国では先生御指摘のように非常に全体的に食糧が不足しておりますので、先方が特に売ることを希望した場合にのみ買い付けるという態度で従来も臨んでいる次第でございます。したがいまして韓国としましても、米の値段が韓国の経済の基準になるほどに物価に影響いたしますので、一たび大量輸出というような形になりますと、たちまち米価が上がるというようなことで、韓国側でも従来しばしば輸出の希望を表明しながら国内物価へのはね返りを十分に注意しながら輸出をしているということでございます。それからもちろん全体的に食糧が足りているわけでございませんので、仕組みといたしましては米を日本に出して、その外貨でもって小麦を入れる、小麦のほうが安いものですから、大体二倍近くの量が入るということで、出血輸出と申しましても高い米を出して安い小麦を買うという食糧政策をやっているように聞いております。

石野久男日本社会党

○石野委員 一次産品の買い入れ額が少ないのでそれを多くしようとするために有望な開発を韓国でやりたいというお話がございましたが、いまそういう有望一次産品というものの開発のおも立ったものは大体どういうものでありましょうか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 これは実は昨年、民間の日韓経済協力委員会というのがございまして、そこの一つの部会が編成いたしまして韓国の一次産品の開発に関する調査団を派遣いたしました。それに政府の役人も二、三入りまして調査いたしました結果として、概略の印象といたしましては、どうもやはりこの鉱産物のほうはなかなか開発に有望なところが見つからない、しかし農産物のほうはたとえばアスパラガスとかそういった野菜のようなものだとかあるいは米なんかも指導よろしきを得ればもう少し増産ができるというふうに結論してきているように私聞いております。

石野久男日本社会党

○石野委員 そういうようなアスパラガスだとかあるいは米の増産のための積極的な協力ということになりますと、それは資本援助ですか、それともあるいは技術協力ですか、主としてどういうところでやられておるのですか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 一次産品の開発につきまして、具体的に先方とはっきりした話がきまったというふうには、私はまだ聞いておりませんが、われわれがいま考えておりますのは、技術協力のほうでございます。資本協力のほうは全然考えておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 現在のところは、第一次産品の買い付け拡大というものは、主として農業の部門であって、鉱業部門ではないというふうに理解してよろしいわけですね。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 いままでの調査の結果といたしましては、大体そういうふうにお考え願ってけっこうと思いますが、将来またどういう鉱産物関係の有望なところが見つかるか、これまた将来の問題であるかと思います。

石野久男日本社会党

○石野委員 非常に重要な問題として、保税加工貿易の問題を、先ほどお話になりましたが、現在、保税加工貿易というのは、どの程度に両国の間で進められておるのですか。収支の計算ですね。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 ただいまはっきりした数字の持ち合せがございませんが、保税加工貿易というものが始まりましたのはわりあい最近でございまして、一昨年くらいまでは韓国の保税加工で加工されたものが輸出される先は、日本じゃなくて、むしろ東南アジア、アメリカ、カナダ等であったわけでございます。正確な数字はございませんが、昨年は全体の保税加工輸出が一千九百万ドル、その中で日本向けに出ましたのは、わずか百三十万ドル、残余が米国、カナダ、東南アジア等というふうになっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 現在、韓国で保税加工をやっておりますのは日本との間だけでしょうか、それともまだ他の国々もたくさんあるのでしょうか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 保税加工に関する協力は、ほとんど日本と韓国の間だけであります。ただ先ほど申しましたように、保税加工の結果出る先は、日本でなくて外である。協力の形態としましては、大体保税加工に適したような原材料等を日本から持っていきまして、保税加工工場でそれを製品にする。それに関する技術的な協力、あるいは材料等の提供というかっこうで行なわれておるわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 今度の貿易会談の中で問題になっておる保税加工についての問題点というのは幾つかあるようでございますが、その中で、いま一番大きい問題となっておるところはどういうところでしょうか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 一番大きな問題と申しますか、先方が強くわがほうに要求いたしております点は、先ほど申しましたように、日本から保税加工用の原材料を持っていきまして、先方の保税工場で製品にして、それを日本に持ってこようといたしますと、製品全体に関税がかかる状態になっております。そこで先方は、向こうでの付加価値分に対してのみ関税をかければいいじゃないか。原材料についての関税は免除してほしいという要求が、保税加工の問題の焦点になっております。そのほか、たとえば保税加工用の機械の貸与を認めろとか、あるいは保税加工の原材料を出します場合に、通常のLC取引でなくて、DP、DAで支払いを認めてくれとか問題がございますが、一番大きな問題はやはり関税の問題でございます。関税の問題につきましては、関税法上の解釈から言いまして相当いろいろな問題がございます。日本でできないものを、日本が原材料を出して外国でつくる場合には、原材料分についての関税免除がございますが、法解釈の問題としまして、はっきりとその部分が免除できるかどうかという点に問題がありますので、従来は、その場合場合によって、その辺のところを検討したいということで、はっきりとした結論はついていないわけでございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 関税の問題はいろいろそういう論点をお互いにきわめなくてはいけないだろうと思いますが、私どもの立場から、日本の立場からすれば、やはり貿易は貿易なんだから、取るべきものは取らなければいかぬ、こういうふうに考えられるわけです。  そこでもう一つの問題は、たとえば代金回収にあたって、DA、DPで何をやれという要請が向こうはあるわけです。これらの問題なんかについても、特に貿易収支の関係で、なお依然として輸出超過が続く、まだ代金回収が行なわれていないというときに、むやみやたらに有利な条件だけを与えるべきではないと私は思う。それは日本の外貨事情なんかの関係からしてもそのことを考えませんとよくないし、それからまたそこらの点を十分考えませんと、保税加工貿易というものが、日本の中小企業に対する、政府の政策とのからみ合いも出てくるだろうと思っております。この点は非常に重要じゃないかと思っております。そこで、DA、DPの扱いの問題などについても、外務省はいまどういう考え方をなさっておりますか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 DA、DPにつきましては、これは大蔵省、通産省のお考えで、特定の地域におきましてはもちろん信用状取引というものが全然認められない地域がございます。たとえばラ米などはDA、DPを認めておるわけでございますが、韓国には原則としてDA、DPを認めないという政府の方針でございまして、ただ保税加工の場合に、それを例外的に、ケース・バイ・ケースで認めていこうという方針はあるわけでございます。ただその際一番問題になりますのは、もちろん御承知のようにDA、DP取引でございますと、相手方の信用というものが非常に重要な要素になってまいりますので、その辺は、こちら側の業者と先方の関係業者と十分にその支払い保証についての見通し等がはっきりした場合のみに認めていくというやり方をやっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 両国の商社間の関係だけの信用状の確認ということでそれをやるのですか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 もちろん両者間でDA、DPの話ができまして、それはやはり標準外決済になりますので、これが通産省、大蔵省等に持ち込まれた場合に、相手側にそういう支払い能力、信用が十分にあるかどうかということは、官庁において十分にチェックすることになっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 その場合に、いままで累積してきております貿易上の全体としての未収金があるわけです。それとの関連性は考慮するんでしょうね。どういうふうになるのですか。

加藤匡夫外務事務官(経済局長)

○加藤(匡)政府委員 貿易上の未収金とおっしゃいましたが、先ほどから申し上げております日韓の貿易の数字、これは未収金でなくて現実に支払われた額を申し上げておりますので、いわゆる債権残高というようなものは、貿易につきましては起こってないわけでございます。したがいまして、全体の貿易の未収金との関係ということはこういう場合に考える必要ないわけで、その場、その場の契約に従ってチェックするということでやっております。

石野久男日本社会党

○石野委員 大臣が一時に出られる前にまた他の同僚からの御質問もあるようでありますので、私はこの際大臣に、保税加工貿易の問題について伺いたい。これが日本の商工業者、中小企業者に圧力がかかるような形になってきてはよくないだろう、こう思っております。日本と韓国との関係は、非常に至近地にあるという関係と、それから今度の条約の内容からいきましても、どちらかといえば、第三国というような扱いじゃなくて、むしろ国内の扱いのような、そういう非常にゆるやかな体制での扱いをしている、そういうことも見受けられるわけですから、保税加工貿易が日本の中小企業に著しく圧力をかけないようにするということの配慮は非常に大事だと思います。そういう点で、大臣が保税加工貿易について通産大臣として考えておられる重要な点はどういうところにあるのだろうか、この際ひとつ……。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 問題はやはり逆委託加工ですね。こっちに返ってくる場合、金額としても五十二万ドル、これは非常に少ないのですが、しかしこの点は業者同士の話し合いになる場合が多いわけです。しかし政府としては、逆委託加工といいますか、こういうふうなものが非常に大量にふえてきて、そのことがやはり中小企業に影響が多いということになれば、これはいろいろ考えざるを得ないのですが、いまのところでは金額も小さいし、そう影響があるとは見ていないのでございます。やはり今後これがどのように推移していくかということで慎重に対処していかなければならぬと思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 いま逆委託を受けている業種というのは、おもにどういうものがありますか。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 大部分が繊維品のしぼり加工でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 日本の韓国に対する経済協力の中で主として繊維関係の協力というのは相当に大きい部分を占めているように見受けられるのですが、現在までそういう経済協力の体制として出ている実績というものはどの程度に及んでおりましょう。

高橋淑郎通商産業事務官(貿易振興局経済協力部長)

○高橋説明員 経済協力の案件を延べ払いの実績で見ますと、現在までに出ましたおもなものは、輸出許可を与えましたものは塩ビのプラント、セメントのプラント、あるいは発電用機材あるいは合成繊維のプラント、こういうものがございます。  それからそのほかに、韓国に対しまして二千万ドルの緊急借款をやりまして、その対象は主として機械類でございますが、そのうち約千百万ドル程度のものが繊維機械でございます。これは現実に物が出たということではなくて、物を出す約束が大体できた金額でございます。

石野久男日本社会党

○石野委員 この二千万ドルの緊急援助をして、千百万ドルのものがほとんど繊維関係になっている。これが実行されていきましたときに韓国におけるところの繊維産業が、先ほど通産大臣はなるべく逆委託加工を受けないようにということを言っておられましたがそういう事情が出てくると、むしろやはりそういう面から逆委託加工というものが出てくる可能性が大きいのじゃないかというように私は考えるのですが、そういう点はいかがでございましょうか。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 繊維はやはり韓国の経済貿易上でも、日本ばかりじゃなしにどうしてもアンバランスですね。そうなってくれば、ある程度の工業化を行なって、外国から輸入物資というものを少なくしていくよりほかにない、どうしても工業化というものは一つの発展段階としてやらなければならぬ段階にきた。だから長い目で見ればそういうようになってきて、日本も韓国の発展していく工業過程とにらみ合わして、あまり競合しないようにするということでないと、経済協力というのはできないのですから。しかし今度、私が言った、逆委託加工も、いま日本自身においてもまだ体質改善の最中ですから、一つの過渡期といえば言えるでしょう。それに一ぱい逆委託加工のほうが入ってくると急激な打撃を与えるので、そういう場合には業界の指導を通じて、日本の産業と調整をしなければならぬ。しかしこれは、一つの日本の過渡期の状態で、将来は何かで産業を興さなければならぬ。緊急援助の中で半分くらいが繊維関係だということはやむを得ないのではないか、いきなり重化学工業といきませんからね。そういう形はやはり一つの発展段階としてはとらざるを得ない。そこで、ある期間調整しながら、日本が繊維産業においてそれを高度化していく、なるべく競合しないようにするというよりほかにないのではないか、こう考えております。

石野久男日本社会党

○石野委員 大臣への質問がほかにもありますから、もう一つだけ聞いておきますが、私はいまの大臣のお話から、こういうことを大臣は一応考えておるのだろうかと考えているのです。先ほど日本の経済の組織を高度化する中で、韓国の工業の高度化の芽をつまないようにしていきたい、そういう意味での競合がないようにしたい、こういうことをおっしゃられたわけです。たとえばいま一番大きい問題は、繊維産業が一番手っ取り早い話になるだろうと思いますが、日本の繊維産業関係の高度化と、それから韓国における繊維産業の発達ということを考えた場合の競合が行なわれませんようにということについて、日本のその部門の中小企業の位置と、それから韓国の新しく発達してくる繊維産業部門とがどういうふうに結合し、競合を避けさせるようにしたらいいのかということは非常に微妙でもあるし、またきわめて重大な問題だと私ども思っておるわけです。これは一つの例でありますけれども、繊維部門だけでございますが、その部門について大臣の考え方をこの際もう一度聞かしていただきたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 いま石野さんの御指摘のように中小企業の面では、これはかなりやはり時間をかけざるを得ないでしょう。だけれども、中小企業の部門に至るまで韓国の繊維産業と競合しないということは、なかなか容易でないと思います。しかし心がまえとしてはそういうことでなければ低開発国と日本との経済提携といってもうまくいかないじゃないかということを申し上げたのでありまして、実際中小企業の場合においては高度化といっても時間がかかるでしょうから、急にはうまくどこで結びつくのかということはなかなか容易でないと思います。しかし日本も大企業はもとより、中小企業に至っても体質を改善して、質的にも産業の上において生産性を非常に高めていこう、国際競争力もつけていこうという努力をしておりますから、この努力を通じて、将来において完全とはいかないまでもそういうところで結びつきを考えていく、現実にはそういうことよりほかにはないと思っております。

石野久男日本社会党

○石野委員 過渡期におけるところの日本の産業の体制への調整というものが行なわれているときに、韓国とこういう関係でお互いに助け合っていくのだというものの考え方をした場合の韓国産業の育成というものは、相当程度日本の産業構造との関係を考えないでは進まないと私は思うのです。しかもいまの時点では、不況の深刻化というやつが中小企業に一番打撃を与えておる。こういう問題は過渡期とはいうけれども、ここ一、二年はやはり続くだろうと思う。  それから一面において、韓国におけるところの産業育成という問題を協力体制で考えれば、やはりこの時点でものを育てなくてはならぬということになってまいりますから、ただ単に過渡期の問題ということだけでなしに、現実の問題として日本の中小企業に対する対策と韓国との経済協力の問題とは競合すると思うのです。これらの問題について政府として一つの方針を持たないでおりますと、日本の中小企業としては安閑としておれないという問題が出てくると思います。非常に脅威を感ずることでありますし、したがって、日本の政府の施策としては中小企業に対して、まずそれらのものに対する明確な処置といいますか、方策というものを持っていなければいけないのじゃないか、こういうふうに私は思う。もしそれを行なわずしてやるとするならば、これは完全に政府の政策は日本の中小企業を抹消するというような形になるといっても過言ではない、こういうふうに私は思うわけです。だからそういう意味で政府としては、やはりこの日韓経済協力という問題と日本の中小企業の体制というものは、少なくとも保税加工などというものに重点を合わせながらバランスをとっていこうとする場合には、どうしても明示しておいてもらわなければいけない、こういうふうに私は考えます。そういうような意味で大臣に政府の政策として、それらの問題をどういう面で明確に出していくか、このことを私はやはりもう一度聞いておかなければいけないと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 日本の中小企業が韓国における工業化の発展の過程で非常な打撃を受けないように、やはり国内の中小企業を保護しながら、しかしやがては工業化というものも韓国においてやはり進んでいくのですから、そういうことで日本の中小企業の体質を改善をしていくよりほかにはないのではないか、私はそんなに日本の中小企業がこのことによって非常な壊滅的打撃を受けるほど韓国の工業化が進んでいくとは思わない。ただしかし労働条件なども違います。そういうことですから、やはり日本の中小企業の体質の改善というものができて、ほんとうに国際競争力を中小企業が身につけるまでの過渡的処置というものは、中小企業を保護するという立場に立ちながら、韓国の工業化もできるだけ協力をしていくということで、両方それを——これは実際問題としてはなかなかここで具体的に申し上げることはむずかしいけれども、そういう心がまえで今後日韓の経済協力というものを進めるよりほかにないだろう、こういうふうに考えます。

石野久男日本社会党

○石野委員 問題は、その中小企業の体質改善のための方策としていろいろなことを考えていると言うけれども、それが予算的措置でどの程度に強力なものが出てくるかどうかということが一つあると思います。  それからいま一つは、先ほど大臣からもお話があったように、韓国における労働条件の問題が日本との間に非常に相違がございます。また資本の側からすれば非常にかっこうの場でございますから、そこに対して興味を抱くという面が出てくると思います。おそらく第三回の貿易会談の中で問題になっておるのは、保税加工工場の操業率をいかにして高めるか、こういう点で双方とも頭をひねっているだろう、こう思うのです。私は韓国における保税加工貿易工場の操業率を高めるという問題が、やがて日本の中小企業に対して圧力をかけてくるだろう、こういうふうに私は思う。  そこでだいぶ委員長が気にしておりますから一つだけにしぼりますが、労働条件の問題で、労働条件が非常に違うということから、日本の資本が韓国の保税加工の操業率を高めさせるために相当の力を入れるといたしまするならば、やはり日本の中小企業は当然手薄になってこざるを得ないであろう。資本の投下率やあるいは意欲の低下というもの、その辺をどういうふうに調整するかということが一つ。  それからもう一つは、韓国の労働力を日本に入れるという問題について、いまどういうふうな考え方をしているかということ、この二点について、大臣からひとつお聞きしておきたいと思います。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 第一点については、これはやはり行政指導の面が多いと思います。これはもうかるからといって、日本経済に非常に急激な変化を与えるようなもうけ方というものに対しては、これはやはり自粛してもらわなければならぬ。これは行政指導によって自粛を促していく。  第二は、韓国の労働力を直接に入れようという考えは全然ありません。いまのところ、そういう考えは持っておりません。

石野久男日本社会党

○石野委員 私はまだいろいろ質問があるのですけれども、他に栗山さんの御質疑がありますから、ここで一応済ませます。

浦野幸男自由民主党

○浦野委員長代理 栗山礼行君。

栗山礼行民主社会党

○栗山委員 きょうは、三木通産大臣、一時にここをお出ましになるのですね。たいへん短い時間で、実はきょうは通産大臣に政府の今後の鉄鋼産業政策について四点ばかりお伺いを申し上げたい、こういうことでございましたが、限られました時間で、一点くらいでおそらくラウンドになるのじゃないかと思いますが、以下政務次官及び担当事務局の関係方面に質疑をいたしまして、後日よくひとつ御配慮をいただく、こういうことで御了承をいただきたいと思います。  最近の新聞によりますと、八幡、富士等鉄鋼三社は、株式の配当を一割から八分に減配をいたしておる事実を伝えております。また、この十八日には、大手の鉄鋼の五社の賃上げ率が平均で六・二四の回答をいたしております。たしか昨年は六・五であったかと思うのでありますが、やや下回る回答をいたしておる。申し上げるまでもなく、ことしは公共料金及び消費者物価の上昇傾向というような中において、たいへん生活に下降的な条件を与える方向を示しておろうか、私はこのように考えておるのであります。こういうような一面をとらえましたときにも、決して鉄鋼大手というものの経営基盤及び経営内容というものが好転できる状況を持っておらないという一面を示しておる証左であろうかとも考えておるわけですが、御承知のとおり、最近の新聞に盛んに報道されております鉄鋼業界の大手業界におきます苛烈な設備投資競争状態、こういうことを特筆大書いたしまして、書かれております。たしかこの十二日の板川委員の質問であったと承知をいたしておるのでありますが、そのときに重工業局長の御答弁の中に、現在の生産力はおよそ五千万トン程度の内容を持っておる、したがって一千万トン程度のものは、いまの供給能力が上回っておる状態と承知をする、こういうふうな御答弁がなされておるわけであります。加えまして、局長は、そういう供給が上回る中に、各大手はどんどん生産の拡張に取り組み、すでにもはやそれに着手をいたしておる、こういうふうなことが示されておる、こういうふうな状態であろうかと思うのであります。そこで今後旧式の設備を改廃したといたしましても、あるいはまた輸出の伸びをどう高めてまいるかというながめをいたしましても、あるいはまた、公共事業の需給関係の大幅な伸び等々を考えましても、結局需給関係の供給能力が上回ってまいる、こういうような考え方の上に立ってながめて見ることが最も適した現状分析の見解でなかろうか、こういうふうに考えるのであります。  そこでいまさら富士製鉄の永野社長さんのお話を待つまでもなく、結局、現在の設備投資競争の様相に対しまして、業界の完全な自主調整というものが行なわれない、こういう状態に逢着いたしますならば、やはりすみやかに鉄鋼業法をつくる、こういうような一つのレールを敷いて取り組んでまいらなくちゃならぬ、私どもはこのような見解に立つわけであります。   〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕  最近また新聞では、鉄鋼の大手十社のほうから設備調整研究委員会というものが発足をいたしまして、それによりますと、四十一年度の需要見通しを粗鋼ベースで四千三百九十万トン、こういうふうな目標を定められておりますが、昭和四十五年度までには粗鋼ベースで六千万トン、こういうふうな需要関係を想定いたしまして、これに基づいて今後の設備調整のあり方を研究する、こういうふうな研究の内容を示しておろうかと思うのですが、現状の鉄鋼の諸条件を勘案いたしまして、いま研究会で自主的に取り組んでおられるようなそういうスローの形において、業界の自主調整というかっこうでこれをながめてまいるという通産省のお考えなのか。またこれについて大臣はどう今後の鉄鋼行政の方向づけを示していかれるのであるか、こういうふうな御見解と通産行政のあるべき方向について前向きに端的にひとつお伺いをいたしたい。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 御承知のように、いま御指摘になったのは、昭和四十一年一年だけの鉄鋼設備調整研究委員会というテンポラリーのものです。これはいま栗山さんも御指摘のように、とにかくこれから鉄鋼の需要の伸びというものをどのくらいに考えるか。いま七、八百万トン、一千万トン近くキャパシティーと比べて余っておるわけですね。需給関係にそのくらいの差がある。しかし今後の伸びというものは、貿易も十三億五千万ドルという相当な数字ですから、これがまた急激に伸びていくというふうな想定もなかなかやりにくい。国内ではいろいろ住宅その他公共投資を通じて鉄鋼の需要は伸びるでしょうが、しかし三、四百万トンくらいの伸びしか考えられないのではないか。こうなってまいりますと、現在各社が新しい設備をやろうとしておるこの設備が、実際に動いてくると、今日でも一千万トンくらいキャパシティーからすれば余るわけで、たいへんなことになる。その場合に鉄鋼のような基礎産業というものをおっぱなしていいのだろうかということになってくると、われわれの考えも栗山さんの考えもおそらくノーである。おっぱなしていいというわけじゃない。それならばどこで押えるかというと、結局設備だと思います。設備をつくらせるだけつくらせておいて、そうして生産で調整しようということには、やはり非常にむずかしさがあるものですから、それならば設備の調整というものを一体どういう形式においてやることが好ましいか。われわれ全体の通産省の基本的な姿勢としては、やはり産業政策全般として自主的な調整がよいという考えです。しかしその自主調整の能力というものが必ずしも十分でない場合もあるわけですから、そうなってくると、これはやはりいろいろな事業法的なものも考えざるを得ないということに結論がいく場合もある。しかしこれは重大な問題でありますので、通産省の判断だけでもこれはいかぬ。そういうことで、この十五日に鉄鋼の基本問題小委員会というのができまして、ここでわれわれもひとつ小委員会をつくって——それに責任転嫁ということではなくて、これは大問題ですから、通産省の行政の中においても鉄鋼のウエートは大きいですから、われわれも検討するし、またそういう学識経験者といいますか、そういう人の意見も聞いて、鉄鋼に対する、今後どのようにして鉄鋼の設備調整というものをやっていくかということの検討を至急に加えたいということで、ついせんだって初めて発足をしたわけで、私も出席して私の意図も申し上げて協力を願ったのでございます。こういうことで半年、できればもっと早いほうを希望するのですが、このくらいの期間をかけて通産省も、あるいは基本問題小委員会においても鉄鋼はいかにあるべきかという結論を出したい。こういうことで現在のところなかなか通産省の方針はどうだということで右左こういうことでございますということを申し上げるのは、ちょっとまだ、われわれの検討もしなければならぬ点もありますし、そういう小委員会も発足したばかりでありますから、適当ではないと思いますが、いまのような考え方で真剣な検討を始めたというのが実情でございます。

栗山礼行民主社会党

○栗山委員 私はいまの基本姿勢について、通産大臣の心がまえがいかなるところに置かれておるかということに一番ウエートを置いておったのでありますが、たいへん考え方のくみ取りとしては、現状から将来のほうと国の政策的な方法としてこれに対処していきたい、こういうふうなおことばのように承知をいたすわけであります。以下三、四点申し上げますと大臣の時間を取りますから、重工業局の次長にかわりまして二、三の問題を御指摘をしてまいりたいと思いますが、いまお示しになりましたような欠点、いま設備拡充が、業界調整が完全にパンクいたしまして、突っ走っておるこういう姿をどうとらえるかというような非常に目前的様相の問題等も、これは否定すべからざる問題であることは御承知のとおりでありますが、これらを含めましてひとつ十分な対処を願う、こういうことを特に大臣に希望申し上げまして、大臣に御退席をいただいてけっこうであります。

三木武夫自由民主党通商産業大臣・運輸大臣臨時代理

○三木国務大臣 栗山さん退席してもよろしいというお話であります。いま御指摘になったように、これは大問題ですから、真剣に取り組んで、妥当な結論を出したい、こう考えます。

栗山礼行民主社会党

○栗山委員 次長、いま大臣の基本姿勢、やや抽象的でありますけれども、言外の言等もございますことを御了承いただきまして、単に事務的、行政的分野でなくして、ひとつ大臣にお尋ね申し上げるような考え方でお尋ね申し上げたい。おっつけ政務次官もお越しになるということでございますので、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。  鉄鋼十社の組織いたしております設備調整研究委員会ですか、これはまあ生産と設備調整というものはやはりどうしても切り離せない、こうふうな考え方の上に立ちながらも現在の目先の問題というものは供給過剰、こういうことからくる値下がりをどうしても食いとめたいというような考え方が、やはり減産という体制を行政勧告の形においてこれを実施していこう、こういうようなことで粗鋼の一割減産を実施するということになって今日に至っておりますことと、さらにこの事柄は六月期と申しますか、四月から六月までこれを継続するということになっておる、こういうふうに承知いたしておりますが、もとよりこれは通産省それ自体の責任においてなされるべき実施の方向である、こういうことに承知をいたしております。そこで私はお伺いいたしたいのでありますが、昨年の七月十二日鉄鋼大手の社長会議で粗鋼一割減産の自主調整の話し合いの際に三つのただし書きがついておった。こういうことで、当時の朝日新聞の七月十三日の朝刊でこれを報道いたしておる。その内容を申し上げますと、第一に「四十三年度までの鉄鋼需要の見通しを現在の業界の設備能力にあてはめると、製品圧延設備は現有能力で十分であり、したがって四十、四十一両年度は圧延設備の新増設を自粛する」これが一点であると報道されておる。第二点は、旧式設備のリプレースによる合理化は認めますが、生産調整によって増産にならないように規制をしていくこと、それから第三点は、直接に製品と結びつかない高炉及び転炉、分塊圧延設備などの新設は原則としてこれを自由にする、こういうような三点であったかと承知をいたします。これは新聞報道でございます。そこでこのような申し合わせが事実であるといたしますと、設備投資の自主調整ができないはずはない、こういうふうにきわめて常識、通念から考えるのでありますが、いまの通産大臣の御答弁をいただいた中にはもちろんこの社長会の三項の申し合わせ自体というものを十分御存じで御答弁をいただいたのかどうか、これは大臣の基本的姿勢の中には、私は存知いたしません、こういうことになりますか、あなたがいま大臣の御答弁をお聞きになってこれとの関連はどういうふうに理解をいたしたらよろしいのか、こういう点が一点であります。  それから新聞の伝えるところでありますから、もし願えますなれば当時のただし書き三条項の写しとでも申しますか、そういうものが後日御提示をいただけるかどうか。こういう二点について承りたいと思うのであります。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 ただいまお話のありました昨年におきますところの鉄鋼設備の調整でありまするが、文章は若干違っておりまするが内容につきましては先生お話しのとおりでございます。全く違う点はございません。  そこで先ほど大臣が御答弁申し上げました点でございまするが、昨年のいわゆる自主調整に対しましては、もちろん通産省から四十年度、昨年度の設備計画につきまして、各社において十分研究の上通産省に報告をしてもらいたい、こういう諮問をいたしました。その諮問に対する答申という形でこれが出てきたわけであります。その際つくりましたのがただいまもちょっと話に出ておりました鉄鋼の設備調整研究委員会、こういうことでございます。この研究委員会で一応の結論が出ましたので、昨年は通産大臣あてにいまお話のような内容を持ちました報告が出た。これを通常、十社の社長の自主調整の結論、こういうふうに呼んでおるわけであります。調整の内容はいまお話しのとおりでございまして、調整の内容は四十年度だけではなくて、ただいまお話しのように圧延設備につきましては四十年度と四十一年度、両年をこれはカバーをいたしております。そういう前提のもとに実は四十一年度の設備計画というものが各社から提出をされておるわけであります。今回提出されました内容を見てまいりますと、各社の提出内容は四十年度、昨年度の七月十二日の報告に基づいて各社は提出しておるというふうに一応説明をいたしておりまするが、その内容についていろいろと疑義があると申しますか、問題点があるわけでございます。たとえば、ただいまお話がありましたように、旧設備のリプレースは差しつかえがない、こういうふうに昨年度の結論はなっておりますが、そのリプレースの概念はどういうものをリプレースと考えればいいのか、たとえば現状では四、五十万トン程度の旧設備がある、これを最新鋭のものに取りかえますと、二百万トン前後の設備になる。これはリプレースとも申せますけれども、ある意味では全く新設と同じような結果をもたらす増設ではないかということも考えられるわけであります。つまりリプレースというものの概念規定が必ずしも当時はそういう意味ではっきりいたしておりません。そういった点、まだ数点にわたりまして各社の設備計画につきまして問題がございますので、本年度四十一年度の設備計画につきましても、通産省といたしましては、昨年に引き続きまして設備調整研究委員会に対しまして、問題点をあげまして、この問題について答申を求めております。これが現状でございます。したがいまして、いま大臣からちょっとお話がございましたように、この設備調整研究委員会は、当面出ております四十一年度の各社提出の設備について、いかなる調整が好ましいか、しかもその前提となるのは昨年度の答申の結論である、こういうたてまえから研究を始めてもらっておる、こういう段階でございます。一方、基本問題小委員会のほうは、四十一年度とかそういう問題ではございませんで、大臣も申し上げましたように設備あるいは生産、需給、価格、こういった全般の問題についてどういう形に今後日本の鉄鋼業があるべきか、特に国際的な環境において、アメリカもヨーロッパも相当大規模な近代化投資をしようとしておりますので、こういったものに対抗して、今後長期にわたって日本の鉄鋼業はいかにあるべきかということを基本に検討をしていただく、こういう関係だと考えております。

栗山礼行民主社会党

○栗山委員 若干詳しくお聞かせをいただいたのでありますが、私の受け取り方と相当並行線のところも理解の上においてあるわけであります。それをただしてまいりたいと思うのですが、あと同僚議員がおりまして、時間もございませんので、突っ走ってまいります。  結論的に申し上げますと、この業界の自主調整及び三つのただし書きの意図するものは、何としても現状をどのように混乱からあるべき生産体制に取り組んでまいるかということを中心とする業界の話し合いということに中心が置かれたと私は思うのであります。それに尽きると思うのでありますけれども、永野発言が示されておりますことをながめる限りにおきましては、やはり自主調整の限界にきてこれが守られないというところに今日のああいう発言の要旨があるんだ、私はこのように理解をして対処するということが最も基本姿勢じゃなかろうか、こういうふうに考えておるのであります。この一点だけお答えをいただきたいと思うのであります。  それから二点目は、いまお説もございましたように、本年度の設備投資によります着工というものは五月の中旬に開かれる通産省の産業構造審議会の産業資金部会ですか、いわゆる堀越委員会とも言われておるのでありますが、これにかけられる。この堀越委員会の決定をもちろん十分尊重される、それまで待機するんだ、こういう考え方に理解を寄せるのか、あるいはもっと、私は今日の現状から見て堀越委員会に何を求めていくか、それをやはり今日の状態から考えて明らかにして取り組んでまいらなければならぬ、こういうふうに考えるのでありますが、いわゆる通産省の設備投資調整についての見解を明らかにしつつ、この堀越委員会の成果というものとにらみ合っていく、こういうふうなかっこうが望ましい、こう思うのでありますが、これについての御見解をひとつ承っておきたい。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 永野発言の問題が出ましたが、私当時の席上におりましたので、その気持ちも気分もよくわかるような気がいたします。その後永野さんがいろいろな方面に、記者会見あるいは新聞記事等を通じて論文を発表しておりますが、やはり本年度各社から提出されました設備投資について、永野社長の発言は、昨年のいわゆる申し合わせと申しますか、決定に必ずしも基づいていないということを感じとられた上でああいう新たな提案がされたものと私は思っております。この点は、その後の永野さんの各方面にわたる御見解の発表等でもそういうふうに承っております。そこで、私どもといたしましては、この際通産省が独自の立場でこの各社から出ました設備投資の調整をして、そうして先ほどお示しの産業資金部会というものに通産省としての考えを提案するということも一つのやり方ではございますが、たまたま昨年出ましたそういう結論がございますので、その結論をベースにおいて、再度四十一年度問題については業界内部でまず話をしてもらう、研究をしてもらう、その結論を見て、通産省としては行政上必要な結論を出して、産業資金部会に報告をするというほうが適当ではないか、かような考えのもとに、今回も四十一年度分につきましてこの研究委員会に諮問をしているわけであります。先般二回ばかりこの研究委員会がございまして、担当者が出ていっておりますが、この研究委員会の議論の進め方も、まず需給の動向、これから入っていこうという考えで一そうしてことしから二、三年にわたって、たとえば設備は、四十一年度に着工いたしましても、でき上がりますのに二、三年かかるわけでありますから、やはり需給動向というものは、四十一年度だけではなくて四十三年度ぐらいまでの需給動向をにらみまして業界の意識を統一するということが大切であろうかと思います。そういうことから始めておりますが、先生も御指摘がございましたように、非常に困難な問題を含んでおろうかと思います。あるいは必ずしも予定されております五月中旬の資金部会までに、通産省としてのある程度の結論を得て、これに報告ができるかどうか、私ども若干危惧の念を持っているということを正直に申し上げたいと思います。

栗山礼行民主社会党

○栗山委員 ちょうど政務次官おいでになりまして、とっぴなようでありますが、あと同僚委員の質問等も控えておりますので、私も簡略にお尋ね申し上げて、通産政務次官の確たるお答えをいただければけっこうだ、こう考えております。  いま通産大臣に重要な鉄鋼産業政策についての方向についてお尋ねをいたしてまいったのであります。所用がございまして座をはずされましたが、あとはひとつ重工業次長から若干お聞き取りいただきまして、それに対処しつつお答えをいただいたらけっこうだと思います。  いま鉄鋼業界の自主調整に依存するか、あるいはこれを放置できざる状態として適切な鉄鋼業法の制定をもってこれをひとつ正しくレールに進めて、わが国の大きな基幹産業の、鉄鋼産業の発展的基盤の方向に取り組んでいくか、こういうふうな基本論でお尋ねを申し上げておったのであります。  政務次官にお伺いをいたします点は、鋼管の福山、それから富士の鶴崎、これなどでもうすでに設備投資が進んでまいっておる、こういう状態であろうかと思います。一日一日いわゆる設備過剰の工事がどんどん進んでおるといったような状態の中に、これは膨大な経費を要することは、言うまでもございません。したがって、土建にいたしても、機械にいたしても、それに関連いたします各産業に大きな発注が行なわれまして、これに基づいた多数の雇用関係としての勤労動員も行なわれる、こういうふうに考えるわけですが、こういうような実態を放置するという形が取り組めないのか、あるいはまた通産省がこれにストップをかけてまいる、こういうふうな一つの処置の方向をとってまいる、工事を進行させるか、あるいはこういう現状の工事をどのようにひとつ転換せしめる方向を、行政指導といいますか方向づけといいますか、なかなか通産省からまいりますと、新規投資に臨む基本姿勢という問題と切り離せない基本的な態度であろうか、こう考えておるのでありますが、この点について御所見を承っておきたい。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 ただいまの御質問の、現在進行中のものは需要が織り込み済みのものでありますので、今後そういう問題が起きました場合には、事前に十分に私どもで検討いたしまして、指導するようにいたしたいと思います。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 ただいまお話がございました点で、政務次官のお答えに補足的に説明をさせていただきますが、いまお話のございました中で、日本鋼管の福山、それから川崎製鉄の水島、この両工場はすでに建設中でございまして、日本鋼管の福山に例をとりますと、ことしの秋にはすでに建設着工中の溶鉱炉が一本完成するわけでございます。火入れをするわけでございます。では、そういったような現在着工中のものを織り込んでどうなるか、こういう問題でございます。この高炉、転炉あるいは圧延設備等を織り込んで考えてみますと、これはいずれも昨年の自主調整の過程におきましても、すでに承認済みというものでございまして、それを織り込んで私どもで考えてまいりますと、昭和四十三年度におきますところの転炉、平炉、電炉を含めました全体の粗鋼生産量は、現在進行中のものを織り込んで考えまして五千八百万トン程度であろう、こういうふうに考えます。しからば四十一年度におきます鉄鋼需要はどうか、こういうことでございますが、中期経済計画では一応これは五千万トン、それから鉄鋼連盟がはじきました業界の積み上げ方式による作業では五千三百万トン、若干違っておりますが、こういうふうに見ております。いずれにいたしましても、五千万ないし五千三百万トン程度であろうと存じます。  鉄鋼業は、先ほどから先生も何度も御指摘のように、わが国の基礎産業でございますので、やはりいろいろの景気の波その他によって需要の面で波動がございますから、基礎産業としてはある程度余裕を持った設備を常に持っておくということが最も重要なことでございます。それがなければ安定した量と価格での供給ができない、こういうことになるわけであります。その意味合いで、現在進行中のものは、私どもいまさらこれをとめるとかあるいはスローダウンするとかということはなかなか困難でもございまするし、企業といたしましても膨大な投資をいたしておりまするので、一日も早くこれは稼働することが企業経営の面からも非常に重要なことだと思います。  なお鶴崎というお話がございましたが、これは現在土地の埋め立てがほぼでき上がっておるということでございまして、鉄鋼設備につきましてはまだ着工いたしておりません。

栗山礼行民主社会党

○栗山委員 いまお話を伺ったとおりと理解いたしておりますが、鶴崎のものも、私から言うとどんどん突っ走りつつある、こういうものをとらえて何か規制する意思がないかどうか、こういう私はお尋ねを申し上げたのでありまして、これも時間がございませんから取りやめます。  要は、私の申し上げたいことは、やはり自由経済でございましても、申し上げましたように、鉄鋼というものは重要な日本の基幹産業である、基礎産業であるという認識の上に立ちまして、少なくとも新しい工場の建設というものが、粗鋼年産が五百万トンというものが最低単位だということがいろいろ論評されております。私の理解は別といたしまして、年産一千万トンの工場がおそらく今後の工場建設の基準にならなくちゃならないだろう、こういうふうなことが言われておるのです。こういうことでないと今後の国際競争に対処するということについても非常に至難でないか、こういうふうな論評が盛んに行なわれておるわけです。私はそういうふうな点から申し上げますと、何と申し上げましても、今日のような企業利益本位の投資競争というようなものを、国民経済的な立場からこれを是正するということが大きな日本の産業の将来の方向づけをする考え方の基調になってまいらなくちゃならぬ、こう考えておるわけなんです。  そこで私は、本来申し上げますと、自主調整のみに依存をされてまいりまするところに混乱があり、なお設備競争の突っ走りという傾向が出てまいっておるということでありますから、やはり行政指導の面におきましても、通産省の設置法に基づきまして、もっと強力な権限をひとつ持ってこれを大胆に改正して行政指導するというふうな方向も取り組んでまいらなくちゃならないのではないか。私自身の考え方としては、そういう見解を持っておるのでありますが、できましたら、そういう見解についていかなる御理解をされておるかということについてお尋ねをいたしたいと思います。  事業法の制定はやはり一部に統制に通ずるというような意見が新聞で反対の論点としてされておるようでありますけれども、やはり鉄鋼業法を定めてまいるという基礎というものは、そういうような考え方じゃなくて、日本の重要基礎産業というものの正しい発展と取り組んでいくというレールをしくのだ、こういう理解の上に立ってまいらなくちゃならぬ、こう考えるのでありまして、私は結論的に申し上げますと、すみやかに重要産業の、基幹産業の拡充強化の一環として、日本経済の前回きの方向として、これに対処する鉄鋼業法の制定の方向に取り組んでまいらなくちゃならないではないか。もとより私どももいま検討いたしております。伺いますと、社会党も勝間田先生を中心とする委員会において検討されておるということでございます。やはり今後の日本の重要産業でございますから、これは堂々と政策論議をいたしまして、日本の重要産業というものの今日の弊害を除去して明日の日本産業をになう方向に取り組んでまいるという姿が最も望ましいのでないか、こういう意見を申し述べて、若干の所見を伺って私の質問を終わりたいと思います。

赤澤璋一通商産業事務官(重工業局次長)

○赤澤政府委員 先般第一回のこの基本問題小委員会を開催いたして、大臣も御出席いただいたわけでありますが、この席上でもいろいろな方面の権威者の方がお集まりになって、鉄鋼の問題について何らかの形の調整が要るということは、今日日本の産業界においてだれも疑っていない事実であろう、そこをベースにしてまずこの委員会も検討を加えようじゃないかというような趣旨の発言が異口同音にございました。私どもといたしましても、この鉄の問題につきましては、今後長期にわたる鉄鋼の需給と、また反面国際競争に勝ち得るだけの鉄鋼設備の合理化という問題はどうしてもやっていかなければならぬ問題だというふうに考えております。  この両方の観点からいたしまして現状を見てまいりますると、設備につきましては昨年来先ほど申し上げましたようないわゆる自主調整というものに基盤を置いた指導を行なっております。生産の面では、これは不況対策という点が主たる要因でございますけれども、御承知のように勧告操短というかっこうで相当強力な行政指導のもとに現在生産の調整を行なっている。販売、流通、価格の面では公開販売制度というものをとりまして、この面でも通産省の指導のもとに流通あるいは価格面等の調整が行なわれておる。輸出の面でも輸出入取引法によりまするところの価格協定、さらに近い機会に数量協定もこれに追加をしたいということで、この面でも調整が行なわれるということでございまして、現在でも鉄鋼の面につきましてはいろいろな角度からの調整が現に行なわれておるわけであります。  ただ先ほど来御質問もいただき、また私も申し上げましたように、今後の日本の鉄鋼業というものがいかにあるべきかという点につきましては、一方では需要の伸びがそう大きく伸びるとも考えられないし、また長期に見ますると、やはり内需五千万トンというところが一つの屈折点だとも言われております。一方で合理化投資ということになりますと、規模の利益、設備を大規模化していくということがどうしても必要になってまいりますので、これは個々の企業にとってもそうであり、同時にわれわれ行政をいたしております者から見ましても、日本の鉄鋼業としてはどうしてもそれが必要だというふうに考えておるわけでございます。  そこで、いま業法の問題を御提出になったわけでございまするが、設備の面だけでこの事業調整をするという狭い観点ではなくて、設備、生産、流通、価格、こういった全般にわたる鉄鋼業の調整問題として、しからばどこに力点を置き、また各部面においてはどういう方法でこの調整をしたらいいか、それぞれの組み合わせをどう考えるかという点が非常にむずかしい問題であろうかと思います。そういう意味合いから、先ほども大臣が御答弁を申し上げましたように、大臣は設備の問題に限って言われたようでありますが、設備については自主調整がいいと思うけれども、非常に困難な局面に直面をしておる、したがっていまの鉄鋼基本問題小委員会において十分検討したいという御答弁がございましたが、さらにそれをふえんして申しますれば、私ども設備の問題のみならず、鉄鋼業全般の流れについて、ただいまイギリスなりフランスなりアメリカなりその他の諸外国でやっておりますような例も十分研究をいたしまして、全体的な結論を得た上で通産省としてもこの問題に取り組んでいくというのが私どもの現在における考え方でございます。

栗山礼行民主社会党

○栗山委員 以上で質問を終わります。

天野公義自由民主党

○天野委員長 大村邦夫君。

大村邦夫日本社会党

○大村委員 私は不況下の物価高という経済情勢のきわめてきびしい中で、いま日本の労働者が安保以上の規模で団結、結集をして、しかもストライキをもって対決しようとしておる春闘問題について、政府の産業政策あるいは不況対策、さらには物価対策との関連において政府の見解等をただしたかったのですが、この春闘問題については関係の労働省が来ておられぬそうでございますから、やむを得ず私は質問をとりやめます。保留いたします。  そこで委員長にお願いですが、この春闘問題はきわめて重要な要素を含んでおりますので、適当な時期に発言の機会を与えていただきたい。このことを要望して、きょうは議事運営に協力をする意味から質問は保留いたします。

天野公義自由民主党

○天野委員長 次会は来たる二十六日火曜日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十五分散会

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