商工委員会 第10号
- 発言数
- 72 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/03/02
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。中村重光君。
○中村(重)委員 きょうは日中貿易を中心にして貿易問題の質問をいたしたいと思っておりますが、事務当局が見えておらないようですから、金融問題に対して大臣の考え方をひとつお聞かせを願いたいと思います。 御承知のとおりに、中小企業の金融というのは、何と言ったらいいのか、対策を何ぼ立ててみてもこれで十分だというような状態にない。倒産も最近また非常に激増してきたという状態にあるようでありますが、大臣もこの中小企業の問題に対して非常に真剣に取り組んでおられるということはよく承知いたしております。ですけれども、せっかく大臣のそうした積極的なかまえというものが、実績の上にあらわれてきているというようには私は思えないと思うのです。四十一年度の予算を見ましても中小企業対策、なかんずく政府関係の金融機関に対しての財政措置といったようなものが非常に貧弱なように感じる。全体財政措置それから財投その他からの融資、それを見ましても、三十九年度と四十年度を比較した伸びと四十年度と四十一年度を比較した伸び率は同じなんです。これは大臣としても非常に関心を持って、特にこの中小企業の金融というものに取り組まなければならないんだというようなことだっただろうと思うのですけれども、どうも金額としての絶対量の伸びは、若干予算総額がふえたのでありますからこれは当然といたしましても、伸び率というものは変わらない。なかんずく、そうした量の面だけではなくて、私は内容的に問題があると思うのですよ。やはり中小企業が金利負担というものが非常に大きいわけですね。だからやはり金利を軽減していくという形、できるだけ低くしていくということでなければならないんじゃないか。そうなってまいりますと、政府資金というものをできるだけ投入していくということでなければならぬと私は思う。ところが、その点がどうも中小企業金融公庫にいたしましても公庫債というのが昨年の四十年度の三百億に対して四十一年度は三百六十億になっているのですね。それから商工中金においてもしかり、あとで申し上げますが、国民金融公庫に至って私は環衛公庫がなくなったことと関連をいたしまして、非常に問題が出てきているように思います。だからそこいらの点に対して大臣はどういったかまえでお取り組みになったのか、その点に対して一応伺ってみたいと思います。
○三木国務大臣 中村委員御指摘のように、伸び率はパーセンテージの上からいったならば御指摘のとおりですけれども、今年度の中小企業の資金需要などから考えてやはり支障ないと考えておるわけであります。これが中小企業の金融で資金のワクを拡大する必要が起こってくれば、これはわれわれとしても適当な処置をいたす考えでございます。毎年年末などにおいてやっておることは御承知のとおりであります。特にこの点について努力を多としてもらいたいのは、金利の点であります。九月にやはりおおむね三厘金利を下げたわけであります。これは、実際は大蔵省はいやがったのです。引き続いてですから。しかしどうしても中小企業の金利は下げていかなければ非常に条件が——たとえば相互銀行であるとか信用金庫とかそういうものの金利は市中銀行に比べて高いですから、そういうことでせめて政府の金融機関の金利は下げなければいかぬというので、通産省の予算折衝で最後までこれは残った問題でございます。そういう点でわれわれの主張を貫いたわけであって、金融の面からの努力というものはわれわれとしても来年度、四十一年度の予算編成については特に気を配った点である。理想的に考えればいろいろ御批判もありましょうけれども、これは相当に努力をした点であるということはお認めを願いたいと思うのでございます。
○中村(重)委員 私は決して大臣の御答弁のあげ足とりをしようとは思いませんけれども、ただ大臣が、必要があれば資金ワクを拡大をするんだ、年末なんかには年末融資等それぞれの措置をやっているんだ、こうおっしゃる。そこに私は大臣の認識というものが現下の中小企業の置かれている立場というものをまあ若干楽観的に見ておられるような傾向があるような気がいたします。年末融資にいたしましても、中小企業がほんとうに融資を求めておるその額の何%が事実上充足されておるのか、その点に対してもう少し現実をつかんでいただきたいと思いますね。年末だけでなくて、その金を借りたいけれども借りないんですよ。国民金融公庫なんかは申し込みをいたしますと、大体半分くらいで切ってしまうのです。申し込みをやって一〇〇%あるいは八〇%という貸し出しを受けている企業というのは例外です。それにはいろいろの要素もあるでしょう。融資規模が非常に弱いという面からきている点が一つ、もう一つは、国民金融公庫にいたしましても、あるいはさらにまた中小企業金融公庫にしてもそうでございますが、人手不足なんです。審査員なんかが非常に足りないのですね。ですから一人の審査員でもって一日に四件から五件こなしているのです。大臣お考えになっておわかりでしょうが、金融機関が金を貸すときに審査をするということはたいへんむずかしい仕事なんですね。それは公庫を訪れた人たちに書類を持ってこさせて一応審査することもある。しかしほとんど出向くわけです。また、出向かなければほんとうの調査になりません。直接債務者だけの意見を聞いてみたり、あるいは帳簿の調査をやるだけじゃございません。いろいろまわりに行って事情等も聞くわけですね。非常に慎重を期しておるわけです。それに一日に四件、五件というものを消化をするということなんかはたいへん無理なんです。だからもう形式調査になってしまう。それで審査員などが自分が審査をいたしまして、申し込みに対してはこういうことでございますというので、その具申をしなければならない。それによって金が貸し出されてもし焦げついたということになってくると、君の調査は非常に粗漏であったということであとでおしかりを受けてはいかぬということから非常にきびしくならざるを得ない。そこで半分ぐらいが適当でございましょうなどというような、こういう具申をやってしまう。そこいらもある。いろいろあるのでございますが、いずれにいたしましても、大臣がいまお答えになりました、必要があればということは、どうも中小企業の置かれておる現実からいたしまして少し楽観的に見ておられる。全く不足している。だからやはりこの予算折衝等においてもっと中小企業の置かれている深刻な状態を十分踏まえて、もっと大幅な伸び率を獲得されることが必要であろう。金利の面におきましては、大臣のおっしゃるとおり、私は大蔵省は相当これに難色を示しただろうと思います。三厘という下げ幅をここに実現をされたということに対しまして、当然ではございますが、大臣の努力を多としたいと思うわけです。ですが、いま私の指摘いたしました点に対してまた大臣の考え方もございましょうから、その点をまず伺ってみたいと思います。
○三木国務大臣 これは政府の金融機関はやはり政府の金融機関としての役割りがあるのですから、できる限り、いま言った、向こうの申し込みに対してそれを頭から半額にするんだとかそういうことはいたさないような指導をいたします。ただ中村さん御承知のように、特別小口制度の保険もこれは実際やっかいな仕事です。そういうものを設けたり無担保の保険制度を設けたり、そんなにめんどうくさいからというようなことで中小企業に対する金融をなおざりにしておったのではない。ずいぶん小さく気を配って中小企業の金融の円滑化ということをはかっておるという努力のあともお認めを願わなければ、悪い面ばかり御指摘されるのも片手落ちで、ずいぶんこまかい点に気を配っておる点もやはりお認めを願いたいと思うのでございます。しかし国民金融公庫にしても、そういう御指摘のようなことがあるとするならば、国民金融公庫としてのあり方としてそれは問題でございますから、今後必要な指導をいたすことにいたします。
○中村(重)委員 信用補完制度のことを大臣お触れになったのですが、私どもはいいことをおやりになったことに対しては大いに敬意を表します。またそれは当然やらなければならないわけですね。私ども国会の立場から国民がどういう状態にあるかということについて、政府のやっている施策に対して批判をすべきところは批判をする、反省を促すべきところは反省を促す、さらに大いに激励するということは私どもがやらなければならぬことでございますから、私ども当然の使命としてやっておりますから、その点は、私どもの主張はやはり国民の声として十分大臣も耳を傾けていく、こういうことでやってほしいと思います。 信用補完の制度、これも無担保、無保証の額が、特別小口保険というものが三十万から五十万になった。そこで私どもは、来年度はこれを百万程度に広げろという要求をいたしまして、大臣もその趣旨を尊重してこれを実現するというお約束をなさいましたから、院議を尊重して必ずや来年度は百万まで引き上げられるであろうということを確信を持って実は期待をいたしております。もちろん私ども社会党は、百万でも足りないから二百万まで特別小口保険制度を拡充すべしということが私どもの方針でございますから、その点もあわせて申し上げておきますから、来年は百万という附帯決議でございますけれども、願わくばひとつ社会党の主張である二百万まで、百尺竿頭そういう実現を期していただきたいということを強く希望いたしておきます。 そこでいまの特別小口保険制度あるいはこの無担保保険の制度あるいはその他一種であるとか二種であるとかいうことでいろいろあるわけです。そこで問題となるのですが、この保険をつけた保証協会がそれに伴って保証するということになってまいりますと、弱い企業でも銀行側からいたしますと優良企業に変わるわけです、そうですね。したがってそういう優良企業、信用力の非常に強い企業に対しましては、やはり銀行側としても金利をまけていく態度がなければならぬと私は思う。そうしなければ、保証協会の保証をつけてもらうような企業は非常に経営も苦しいのです。その上に保証料がついてまいりますと非常に高金利になってまいります。銀行としても危険負担というものが非常になくなったわけでございますから金利を下げていくということでなければならない。大蔵省に対しまして中小企業庁も金利を下げてもらいたいということを、強くそういう指導をしてもらいたいということを要求しておるようであります。ところが大蔵省がなかなかそういう指導をしておるような実績のあとが見受けられない。私は予算委員会の大蔵関係の分科会におきましてもこの点を指摘いたしました。ところが大蔵大臣は大いに成果が上がっているのだという御答弁をなさるのでございますが、実際に私どもが調べております範囲におきましては、そういう点がまだ見受けられません。そこでどういう御方針なのか、きょうは大蔵省から塚本中小金融課長さんお見えでございますね——ですからこの点は通産大臣としては当然そうすべきであるということで異論はなかろうと思います。さらに今後の取り組みについて大臣にもお答えをいただきましょうし、指導する側である塚本中小金融課長さんの取り組み方、ひとつその点についてのお答えを続いてお願いをいたしたいと思います。
○三木国務大臣 われわれの立場は、しょっちゅう大蔵省に向かって、保証のついておる金融の金利はもっと下げなければいかぬ、高過ぎるということで、大蔵省を通じて地方銀行を指導してもらうようなことを強く要請をいたしておる立場でございます。
○塚本説明員 お答えいたします。 保証つきの融資につきまして、金利をもっと下げたらどうかという点は、いま先生の御指摘のとおりで、全く同感でございます。その方向で従来しばしば種々金融機関に対しまして指導、通知を発しておるのでございます。先般も、十月と記憶しておりますが、金融機関あてに通知を出しまして、現在のところはおおむね保証料が約日歩四厘足らずになっておりますけれども、それを願わくは全部まけて、債務者の金利負担が、金利のほかに保証料プラスとならぬように自主的に保証料分は金利が全部まかるように、それは非常に望ましいことだと思うのですが、そういう方向で努力するようにということで、金融機関あてには通知してございます。 現在の調査によりますと、大体四厘の半分ぐらいはまかっているというふうな状況でございますが、さらに一そうそれを下げていく、保証料をまけていくように、そういうような指導もいたしておりますので、その方向でより一そう強く今後も指導してまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 塚本さん、四厘程度、その半分ぐらい、そういう指導をされてはだめだと私は思う。大企業の金利、これは大企業の信用力が非常に大きい、また貸し出す金額も非常に大きいから、したがってコストが安くなるといったようないろいろな面もあろうと思う。しかし中小企業に対する金融、ましてや社会政策的な立場を多分に含んでおる信用補完制度、そういった点は、銀行はやはり公的機関でございますから、そうした社会政策的な立場を十分銀行としては考慮に置かなければならぬ。それを置かせることが、大蔵省にある中小金融課のあなたのほうの非常に大切な仕事であろうと思うのです。大企業は非常に金利が安い。保証協会が保証をつけて、そして保険がついているのですから、銀行の危険負担はほとんどなくなっておるわけです。だからその企業が非常に弱い企業であっても、優良企業に質的に変わっている。そうですね。だから社会政策的な点を加味するならば、やはりそういう企業を強くしていくということでなければなりません。ならば、半分というのでなくて、その保証料は全部まけていくというような強い指導をあなたのほうではなさらなければ——半分ぐらいというあなた方のほうで指導をされると、半分じゃなくて一厘くらいしかまけないなんというようなことになりがちです。その点はもっと強い態度でなければなりませんが、どうです。
○塚本説明員 いま私が申し上げましたのが、はっきりいたしかねたので恐縮でございますが、半分くらいというのは、現在までの実態を調べましたところが、大体半分くらいまかっているのが多いという状況を申し上げたのでございまして、それをもって十分だとは決して考えておりません。願わくは保証料分の全部金利がまかることが私どもの目標、念願でございます。その辺につきましては先生と全く同感でおるわけでございます。その方向で指導しておるわけでございます。
○中村(重)委員 そうすると、もうことしからきちっと実行させますね。どうです。
○塚本説明員 そういう方向で金融機関に対しては極力保証料の分は金利をまけるように、そういうふうな通知を出しております。したがってその方向でいくことを強く期待しておるわけでございます。御了承願いたいと思います。
○中村(重)委員 これは私企業だからというようなことで、あなたのほうとしても期待というようなおことばをお使いになると思うのです。しかし金融機関というものは、保証協会の保証ということは国家資金を利用してみずからの危険負担というものから免れる、いわゆる安全な貸し付けという道が開かれてきたのだから、保証料をまけていくということは銀行自体としても義務なんです。だから御答弁としては、こういう公式の委員会等では期待というような御答弁になるのかもしれませんけれども、もっと強い態度で指導してこれを実行させるというかまえでなければならないわけですから、そういうことでひとつ取り組んでいただきたいと思います。 まだいろいろずっと関連をして御質問をしてみたいのですが、塚本さんも時間の関係もあるのだろうと思いますから、あなたのほうに関連をすることをあわせてひとつお尋ねをしてみたい。 四十一年度は銀行の支店を認めない。こういったような御方針のようでありまして、このことも私は分科会でお尋ねをいたしておりますけれども、何しろ三十分に限られた分科会では具体的な質問ができないわけです。あなたのほうでは、事務的な形にはなるわけでございますけれども、直接取り組んでおられるわけですから、あの原則ということになっていますから具体的な点はあなたのほうがよく御承知であられるであろうが、離島等はこれから開発していかなければならないわけですね。そして離島振興法等によって建設計画というものが立っておる。そして高率補助をもってどんどん進めておるわけです。ですけれども本土と比較すると離島の人たちの所得水準は半分か三分の一程度ということです、いまは若干上がりつつあるが。どうしてかということになりますと、経済計画が伴っていないということです。だから建設計画と並行して経済計画を強力に推し進めていくということでなければなりません。経済計画を強力に推し進めていくということになってまいりますと、その裏づけとなる金融というものがどうしても必要になってくるわけです。ところが現実に政府がそうした経済計画、その裏づけとなる金融というような問題にどう取り組んでおるかといいますと、残念ながら非常に弱い。私は離島の関係をいろいろ調べておりますけれども、特に具体的な例として申し上げると、私の出身県である長崎県の例を出すことが一番的確に出るわけでございますが、四五%といわれる長崎県、そうした離島に対して政府金融機関の出張所というものがほとんどない。私のほうの四五%といわれる離島には、五島という人口七、八万というところがある。対馬しかり。こういうところに出張所一つない。ましてや対馬等には国民金融公庫の直接貸し付けというのはここ二、三年前までは一件もなかった。地域独占である普通銀行、いわゆる地方銀行の代理貸しだけであった。どうしたのだといって国民金融公庫に、私がそういう結果になることをただしてみましたところ、たいした関心を持っておいでにならない。ああそうですかという程度なんですよ。それじゃいかぬというので、当委員会におきまして私は大蔵省にもあるいは国民金融公庫の総裁にも出てもらいまして、出張所をつくるべしということを主張した。ところが実績がないということであった。実績というものは取り組まなくてできるものじゃございません。それば通産大臣もお認めになると思う。民間の金融機関であるならば、これは採算第一主義ということになってまいりますから、そろばんを置いてはなかなかできません。しかし通産大臣先ほどお答えのとおり、政府金融機関の持つべき使命というものがある。やはり政府関係金融機関というものは、そういったようなこれから開発をしなければならないというとき、民間の金融機関というものが、そのベースに合わないというところから進出ができないようなところを開拓していくというような取り組みでなければならない。実績はみずからつくっていくということでなければならないんだということを主張いたしましたが、その後具体的には出張することになりまして、そしてここ二年ぐらいの間に一億円以上の直貸しがなされましたが、成績は本土よりもよろしいわけです。償還率なんというものは非常によろしい。ところが、民間の金融機関でございますれば、預金をそこから吸収して貸すのでございますから、貸し出しそのものがその地域の経済発展にそのまま結びつくわけではございませんけれども、政府関係の金融機関ということになってまいりますと、そこへ金を投入していくわけでございます。商工中金と違って、預金を吸収するわけでございません。だからして離島の経済開発というものには非常に役立つわけです。そういったような点からいたしまして、私は、民間の金融機関の支店というようなものも原則的にはことしは認めない、量的な面よりも質的に十分改善するよう指導していきたいというような御方針のようでございますが、それはそれなりにわかるような気もいたしますけれども、そういった僻地であるとか、離島といったような点は特別な配慮がなされなければならない。まず民間の金融機関の支店、出張所をお認めになる。政府関係の金融機関の支店といかないまでも、出張所はこれを進んで開設をしていくということでなければならぬと思うわけです。この点はひとつ通産大臣の御所見も伺いましょうし、具体的な取り組みをしておられる塚本中小金融課長のお答えも願いたいと思います。
○三木国務大臣 中村さんの御指摘のような離島に対して、出張所などは必要なところに増設することになっておりますが、今後ともそういう点も配慮いたすことにいたしたいと思います。
○塚本説明員 来年度の民間の金融機関の店舗に対する行政方針をお尋ねあったのでございますが、一切ストップだということを現在のところまだきめているわけではございません。現在までのところでは、先生もよく御承知のとおり金融機関として何が一番大事なことかと申しますと、貸し出し金利を下げて中小企業のためになるような貸し出しをしなければならぬ。したがって貸し出し金利を下げるためには、大いに合理化をいたしまして、それで資金コストも下げる。それによって貸し出し金利を下げるような余地が出るわけでございます。それが現在金融機関行政の一番大事なポイントだと思うのでございます。したがって、増設いたしまして店舗を出しますと、どうしてもそこで不動産投資がなされなければならない、あるいはよけいな人員を採用してそれを定着させるというようなことになりまして、貸し出し金利の引き下げにつながらぬじゃないか、そういう点が第一点であるわけでございます。 それから、現在の金融機関の店舗はおおむね行き渡っておるんじゃないかというような感触がございます。一般の方にそれほど不便を与えている点はないんじゃないだろうか。そういたしますと、店舗につきましてもいままでのような増設ということはしばらく一休みしたほうがよいのではないだろうかということが、実は私どもの現在の考えなんでございます。これはまだ固まったわけではございませんで、もうしばらく経済情勢の推移等を見まして、金融情勢の展開等を見まして、四十一年度の方針はきめる必要がある、いまきめるのは少し早いのではないだろうかというふうに事務的には私どもは考えております。 いま申し上げましたのは一般的な店舗の方針でございますが、いま御指摘のございましたような特別の場合、たとえば団地ができてそこに人口がかなり集中してきた、そこで預金者の便をはかってやる必要があるのではないか、あるいは中小企業の密集地ができた、そこに店舗を開設する必要がある、そういう個別的なケースにつきましては、これも一切いかぬというのは少し早いのではないだろうか。また合理化といいましても、不動産の投資をそう大きな投資をしないで、簡素な店舗で開設することになれば、いまの一般的な合理化というような方針に逆行することもないのじゃないか、そういうような点は確かに考えられております。いま事務的な段階では、一般的に全部が全部休みだというのは少し早いのではないだろうかというような感じが私はしておるわけでございます。したがいまして、いま先生御指摘のような点は、個別的な問題として解決していくべき問題ではないかと存じておるわけでございます。それにいたしましても、民間の金融機関は政府の金融機関と違いまして、採算ということを考えざるを得ないわけでございます。金融ベースといいますか、商業ベースといいますか、そういう点で店舗の開設をやるわけで、政府のほうで、おまえ出せということを命令する権限はないわけなんでございまして、その辺はちょっと御了承願いたいと思います。 それから政府の金融機関の店舗につきましては、通産大臣からお答えいたしたようなわけでございます。
○中村(重)委員 通産大臣に続いてお尋ねいたしますが、国債がいろいろ議論されておりますが、発行されることになっておる。そこで、この国債発行というものは、政府からいいますと正統派的なもの、そうなってまいりますと、従来の政府保証債というものは縮小していくということでなければならぬというのが私の考え方なんです。特にその中でも中小企業金融公庫が公庫債を出しているわけですね。これも私は縮小していくべきだと思うのです。端的に言えばやめるべきです。直接政府の出資にすべきである。そうしてできるだけ金利を下げていくということでなければならぬという考え方です。同時に商工中金の商工債というものも、中小企業金融公庫の公庫債が出たことによって影響を受けるわけです。ましてや、今度は国債が発行されるということになってまいりますと、中小企業金融公庫債にいたしましても、特に商工中金の商工債というものが大きな影響を受けてくるということになる。そうなってまいりますと、勢い商工中金が開銀に対してこの商工債というものを引き受けてもらわなければならないという形に追い込まれてまいります。そのことが中小企業の金融というものにどう影響してくるか。実質的な金利負担というものが下がっていく方向でなくて、むしろ高くなっていくというような形になってまいりますから、金融の圧迫と同時に、金利負担の過重を受けるということになってまいります。これは重要な問題点となると思いますから、通産大臣としましては、この私が指摘いたしました政保債、なかんずく中小企業金融機関等が発行する公庫債等は、これをやめていくというような方向でなければならないと私は考えるのでございますが、その点はいかがでございましょうか。
○三木国務大臣 中小企業金融公庫の公庫債あるいは商工中金の中金債などについては、やはり公債も発行することでございますから、資金の状態を見て、そうして商工債とか中金債のようなものが発行が非常に困難であるというときには、これはむろんそういう計画があってもその発行は縮小していったり、あるいはやめる場合もあるでしょう。それは金融の状態をにらみ合わして、そして無理のないような処置をすることは当然であると考えております。
○中村(重)委員 通産大臣、あなたのいまの御答弁は、一つの常識的な考え方としてはそうだ、こういうことですが、そういった抽象的なお答えじゃなくて、私も具体的に申し上げたわけです。だからして、この際、もう中小企業金融公庫のいわゆる公庫債というものはやめなければならない。確かに弊害が出てきているわけです。商工中金でもしかりです。商工債の消化というものに対する圧力となってきておることは事実ですから、だからして具体的な問題としてこれをどう処理するかということについての答えが私は聞きたい。
○三木国務大臣 これは、そういう圧力が出てくるようなことになれば、こういう発行の計画なども当然変更しなければならぬと思いますが、現在のところ、われわれはさようなふうには考えていないのですが、しかし、そういうふうな御指摘のような事態になればその発行というものは変更することは当然でございます。
○中村(重)委員 私が指摘しておるようなそういう事態があれば、こうおっしゃるのですが、大臣としては現実に公庫債を出すことを認めておられる。だからして悪いとはわかりながらそれを認めたということになってくると、大臣としての責任がありますよ。やはり政府の立場からはそういう御答弁でなければならぬでしょう。ですけれども、少なくともリベラルな政治家、特に政府の中における実力閣僚、重要閣僚である通産大臣とされては、私はやはり自分の所管の中でも重要な中小企業問題に真剣に取り組むという立場から、この点に対してはやはりメスを入れていくということでなければならぬと思います。ですけれども、きょうはそれじゃそうしようという御確答をあなたに期待することも無理でございましょうから、真剣にひとつこの問題については取り組んでいただきたいということを強く要請をいたしておきたいと思います。 あわせてお尋ねしたいことは、相互銀行とかそれから信用金庫とか中小企業の民間の専門金融機関、これが国債引き受けのシンジケート団に入っている。政府のほうで要請されたのか、シェア拡大という立場から進んでこれに入ったのか、私はその点はつまびらかではございません。ですけれども、私は資金コストが非常に高い相互銀行、信用金庫等が国債を引き受けるということになってまいりますと、国債の利回りから相銀、信用金庫等のいわゆる資金コストでは逆ざやになる。あえて逆ざやになりながらもこれを引き受けておるところに問題がある。それはそういう金融機関自体の利益が阻害をされてくるというようなことだけにとどまりますとよろしいわけでございますけれども、どうしてもせっかく金利を引き下げていこうというような政策に対する大きな圧力になってくることは間違いございません。下げようとしても赤字まで出して下げるわけにはまいらない、だからしてどうしてもある程度で下げどまるということになってまいります。だから中小企業に対する金利をできるだけ安くしていく、引き下げていくという立場からこの国債を引き受けるというようなことは検討を要するのではないか、こう思いますが、大臣の考え方はいかがでしょうか。
○三木国務大臣 相互銀行あるいは信用金庫でも、やはり経営の合理化というものは今後徹底してやらなければならぬと思うのです。したがって、ただ現在の資金コストだけで金利の計算をするというのでなくして、みずからも合理化の努力をしなければならぬと思いますが、この公債の消化のことが中小企業の金融に悪い影響を与えるというととは、われわれも重大な関心を持たざるを得ないのでございます。その点は今後の推移をわれわれは十分に関心を持ちながら、どういう推移をたどるかということは常にこれを厳重に見守っていきたいという考えでございます。この点については大蔵省の中小金融課長のほうが、詳細な、いまの影響などについては知識を持っておると思いますので、補足して答えてもらうことにいたします。
○塚本説明員 相互銀行、信用金庫の資金コストがおおむね国債の引き受けの利回りよりも高いという点で逆ざやになるということは事実でございます。したがいまして、それが貸し出しの金利にどう響いてくるかということが心配になるわけでございますが、問題はその国債の引き受けの程度といいますか量といいますか、それが問題だと思います。そもそも国債を相互銀行とか信用金庫が持つということは、これは現在相互銀行法にもはっきりと規定しておりますように、一定の支払い準備として、預金の払い戻しにいつでも応じられるようにという趣旨からして支払い準備を持つ、それが法律できめられておるわけでございます。全く金利を生まない現金あるいは預け金、そういうものとかあるいは金融機関貸し出し、 コールローンでございますね。そういうもの、さらには国債あるいは地方債、政府保証債、それから社債というような収益性の資産に至るまで、しかしこれも流動化の道はある。そういう流動性も備えておる、収益性もある、そういうものを全体として一定のボリュームとして持つべきであるということは相互銀行法にもはっきり明記しておるわけであります。そこに国債ということもはっきり明記されておるわけであります。問題は、したがって一定の範囲において国債を保有することは、これは金融機関としては預金の払い戻しにいつでも応じられるというような健全な経営をしていく上におきまして当然なことでございます。問題は、ですからその国債がはなはだしいボリュームになる、こういうことになりますと、これは確かに問題があるわけでございますが、現在、先生御承知のとおり全体の国債発行量のうちから相互銀行では三%強、信用金庫におきましても約三%、その程度のものでありますれば、私どもといたしましてはこれが貸し出し金利の方に響いて好ましくないということは言い切れないけれども、いま通産大臣からお答え申し上げましたように、その程度の国債を持ってもなおかつ全体として十分収益が上げられて、それで貸し出し金利に響かない、そういう意味で大いに合理化をしなければならぬ。合理化をして資金コスト全体を下げていくというふうなことで指導をいたしておるわけでございます。かような点を補足させていただきたいと思います。
○中村(重)委員 問題はあなたの考え方ですよ。なるほど四十年度は赤字公債の発行に対して六・六%大体割り当てをやったわけですね。しかし、これでは非常に逆ざやになるから負担が重い。だから四十一年度は三・三%くらいに下げてもらいたいという要求が正式に出ているのか、あるいはそういう動きを示しているのか、ともかく全国銀行協会の中で論議されていることは、それだけ国債引き受けというものの負担というものが非常に大きくなっていることは間違いないわけです。銀行自体がそういったような状態にある。ましてやあなたのほうで考えていただかなければならないことは、おっしゃるとおりに私は合理化していくというようなことはそれなりに必要であろうと思います。思いますけれども、資金量がこの程度あるのだから国債を引き受けさしてもたいしたことにはならないのだ。まあ信金が三%、相銀が三%か三・三%でたいしたことはないじゃないか、そういうような角度からとらえるのではなくて、どうしたならば中小企業金融に対して現在の高い金利を安く下げさせることになるのか。そこに重点を置いて取り組んでもらわなければならないと思う。あなたのほうで国債を引き受けさせていこう、あるいは政保債等も引き受けさせてみたところでたいしたことはないのだ。コールにいままで金を出しておったのが、コールが非常に下がって、そして資金が遊んでいるのだから。こういうような角度から私はとらえるべきではないと思う。金は遊んでおるけれども、選別融資は非常に強くなってきた。そこで金を借りたくても借りることのできないような中小企業、零細企業というのは深刻な状態の中に置かれてきた。そういうものに対して、どうしたならば円滑に貸し付けが行なわれ、さらにはまた金利を引き下げることになるのか。少なくとも私は重点はそこに置かなければならぬと思うのです。そういう点については積極的な取り組みが不足しておる。そうして資金量がこうあるのだからこの程度の国債はいいのだとか、あるいは政保債を引き受けさせていいのだというような点から問題を処理していこうという考え方には、どうしても納得いかな、だから、そういう基本的な考え方というものを改めてもらわなければならぬ、こう考えておるわけです。ですからこの点に対しては通産大臣が積極的な取り組みをしていただかなければなりませんから、この際、どういう態度でこのことに取り組んでいかれるのか、その点についてお答えを聞かせていただきたいと思います。
○三木国務大臣 やはり今後の相互銀行あるいはまた信用金庫などの経営の合理化も当然しなければなりませんが、そのことが将来非常に中小企業の金融あるいは金利コストに対してどういう影響を与えるかということに対しては、われわれも重大な関心を持ちながら取り組んでまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 お答えとしてはまことに不満足でございますけれども、抽象的なお答えでございますが、具体化していただきたいのです。それをひとつ要請いたしておきます。 続いて、歩積み、両建ての問題がずいぶん議論されておりますし、私もこの予算委員会の分科会で大蔵大臣に見解を伺ってみたのですが、金融問題であるが、やはり中小企業金融の立場から通産大臣には特に関心を持っていただかなければならないことでございますから、あなたにあらためて見解を伺っておきますが、いま中小企業、なかんずく下請企業の人たちが一番頭を悩ましておる問題は、手形割引の問題です。金融機関が、優良手形ということになってまいりますと、自分のほうで割り引いてくれ、自分のほうで割り引いてくれ、と言うのです。よく調べたもので、あっちこっちの銀行から、当該手形を受け取った中小企業に対して盛んに運動というのか、勧誘してくるわけですね。そこで手形割引は円滑に行なわれるわけです。行なわれるのですけれども、そこで歩積みというのか、私はあえて預貸率ということで言っておるのでございますが、二五%程度が限界のようでございます。二五%程度に預貸率がなりますと、今度は定期預金等を前からずっと積ましておるのですが、その定期預金をふやせということを要求してくるわけです。ところが通産大臣、これはたいへんなんですよ。単名貸し付けというような場合は一〇%、そこで歩積みという形式になるわけでございましょうが、それをやらせるというのは債権保全という立場で企業に預金させていく。これは拘束するのではなくて、その実情によって運転資金等にも使わせていかなければならないといったような配慮等もいろいろあろうと思いますが、ある程度はこれはやむを得ないということになろうかと思います。いま問題となっておる三〇%とか、そういうようなことでなければね。ところが手形の場合はこれは別だ。手形自体を担保にとる。大体下請企業というものは、そんなに甘いものじゃないのです。親企業もそんなにもうけさせてはくれないのです。二〇%も三〇%も利益を与えやしません。にもかかわらず現金で代金をもらうのではなくて手形でもらう。そうしてその手形を割り引きずるにあたって二〇%も二五%も三〇%も歩積みをさせられて、定期預金を求められるということになってまいりますと、中小企業はどういうことになるか。経営はできやしません。だから中小企業としては自転車操業ということよりも、もう資金が回らなくなってしまって、結局黒字倒産という形が出てくるわけです。これは重大な問題だと思う。だから、私は、そうした手形割引にあたっては、歩積みをさせるべきではない、いわゆる預貸率の中にこれを含めるべきではないというのが私の主張なんです。ですから、この点に対してどうあなたはお考えになるのか。特に予算委員会の中では、竹中事務局長からお答えを願ったのですが、そのときどういった御答弁であったか、よく聞きとれなかったのですが、きょうは北島さんもおいででしょうか——あなただけですか。じゃ重ねてあなたからも、私は手形の割引に対しては歩積みをさせるべきではないというのが私の考え方なんです。だからこの点に対しては、あなたのほうで、いわゆる単名貸し付けと手形割引というものをいままで区別して取り組んでこられた。そこらのところを公取の立場からひとつ見解を伺っておきたい。その前に大臣から……。
○三木国務大臣 私は中村さんと全く同意見です。手形などに対して歩積み、両建て、こういうことで中小企業が非常に負担を加重しておるわけでありますから、これは廃止せなければいけない。このことできようも経済閣僚懇談会があったときにこういう問題を私も持ち出して、そうして大蔵大臣とも協力して、ぜひともこれは全廃をさせたい。名前が変わったいろんな形でやはり事実行なわれておるというような傾向があって、財務局などにこういう苦情の相談所を一応設けたりしておるようですが、まだ必ずしも成績があがっていない。これは今後とも強力に指導していきたいと考えております。
○竹中(喜)政府委員 歩積みの問題につきましては、私のほうでもいろいろ検討しております。それで実情としては手形割引のつど大体三%、累積一割、大蔵省はそういう点で大体考えておるようでございますけれども、手形割引にあたりましては、当然物的担保もとっておりまするし、場合によっては根抵当預金もとっておるわけであります。したがいまして、すべての手形の割引について三%の歩積みをとらなければならないという理由はないと思うので、優良手形については歩積みは必要はないとわれわれは考えております。われわれが中小企業を対象にしまして従来歩積み、両建ての調査をしたところでは、歩積みを全然とられない場合も往々見られております。
○中村(重)委員 いま優良手形の問題が議論されたのですが、銀行はどういうやり方をしておるのですか。歩積み、両建てがやかましくなってきた。そこで今度は定期預金というのを大きく活用して、そのつど定期預金をそのときつくらせるのじゃない。もう取引をやったときに前もって定期預金というものを銀行はちゃんとさせるわけです。そしてそれが二五%程度になったときに、支店の場合は本店に禀議をする関係上どうもやはり定期預金をふやしてもらわなければなりません、こうです。もう一つ言うのは、税務署がにらみますと言う。どうもこんなに預貸率を無視した形で金を貸し付けているのは何か裏預金があるのだ、銀行もそれを知っているのだ。それで税務署がにらんでやかましく言いますから、やはり税務署からにらまれぬ程度にはしてもらわなければなりません、まず第一にこれを言うのです。その次に言うのが、本店に対して禀議をする関係上困りますから定期預金をふやしてください、こう言うのです。そういうやり方でもって二五%程度の預貸率というものはいつも押えている。これが一つのいまのやり方、歩積み、両建てという形で盛んに議論されている。定期預金というようなものもこれは同じなんだけれども、定期預金は何か別のような形になっている。だから問題はこういうところにある。それから通産大臣がいま経済閣僚会議で強くその点は要求して、とまことに積極的な御意見でございますから、私は非常にけっこうだと思いますが、何しろ、企業間信用というものがこういうふうに発展をしてくる、そうなってまいりますと、手形割引は全面的に展開をしているわけでしょう。だからして親企業と下請関係というものはもう現金取引じゃない、全部手形取引だ、こういう形になる。優良企業の場合は、ただいま私が申しましたような形が行なわれておるようでございますが、これが優良でないというように銀行が考える場合はどうするか。結局これは割らない。割らないからどうすることもできないから、いわゆる手形割引の専門機関である日証の窓口に求めるわけですね。そうすると五銭から五銭五厘なんですよ。五銭から五銭五厘の手形割引料を支払いをしたのでは、中小企業は絶対に立っていけません。そういったような実情、それから優良手形の割引の場合だって、手形の期間というのは五カ月から六カ月でございましょう。百八十日程度。ところが銀行の割引は九十日しか割引をいたしません。九十日間で割引をする。それはあとはどうするのだ。あとは優良手形の場合はそれを担保にして貸し付けをやる。ところが手形が優良でないというように認める場合はそういったようなこともやらない。ましてや割引をする中小企業というものの信用度合いというようなもの等々から考えて、銀行が適当に判断をして、そうしてなかなかその手形の割引をしないということになってまいりますから、いま言ったようにどうしても日証その他の非常に高利でもって割引をする、民間の金融機関というものによって高い割引料をとられて非常に経営が苦しい状態になるということが実情であろうと思います。だからそういう点についてはひとつ格段の配慮をされてそうした弊害を除去するように、そのことも積極的に取り組んでいただきたいと思います。 なお、この際通産大臣に責任をもってこれだけは必ず実行させるということで明確なお答えを願いたいことは、政府金融機関の代理貸しをやっておる、これも予算委員会の金融懇談会で問題となりまして、好ましいことではないがそれをやっているようだというので舟山総裁もこれを認めておりました。金融機関もこれを否定いたしておりませんが、政府資金の代理貸しをやる場合、歩積み、両建てをやらす、この問題は前からあったことでございますから、私は予算委員会でも当時の田中大蔵大臣に質問をいたしました。これはけしからぬことだ、絶対そういうことをやらせないときっぱりとお答えを願っておるわけです。ですけれどもこれがそのとおり実行されておりません。少なくとも政府資金を代理貸しでやる場合は手数料を取っておるわけです。また代理貸しをするということで銀行の信用力もつく、箔もつくわけです。これを利用して両建てをやらせるとか歩積みをやらせることは私はもってのほかだと思う。だからこれだけは絶対にやらさないということをこの際ひとつきっぱりと大臣からお答え願いたい。
○三木国務大臣 これは絶対にやらさないということをここで申し上げておきたいと思います。
○中村(重)委員 明確なお答え、けっこうです。 金融問題もいろいろあるのですが、きょうは時間の関係がありまして、私の時間はもう大体きてしまったようでございますが、団地の問題が非常に深刻になってまいりました。団地の倒産というものも大臣御承知でございましょうが、相当ふえておるわけです。私も内容をいろいろ調べてみましたところ初めに無理があるのですね。自己資金が非常に少ないわけです。ですから近代化資金を借りて、続いて商工中金とか中小企業金融公庫から借りる、その他助成金等もある、あるいは民間の金融機関からも借りる。ところが何しろ相当な規模で設備をいたしておりますから、不況になってまいりますと受注者が減ってくる、単価も非常に切り下げられる。こういうので四苦八苦の状態。先般近代化資金も七年に延びた、今度十年になったわけです。ところがそういう延期する法律が施行される前に借りたものは、期限がきたものはこれを支払いしなければならぬということになりまして、たいへん団地も苦しいのであります。無利子の近代化資金を——今度は民間の金融機関から借りますと高い利子を払わなければならぬということでますます苦しくなるという状態にあるようです。だからこれに対する対策等も伺いたいのでありますが、私はこういった団地には利子補給をすべきであるという考え方なんです。その点に対して大臣はどうお考えになるか、まず伺ってみたいと思います。
○三木国務大臣 いま団地で九十四の中で二つ倒産があったわけです。これは客観情勢も、この不況で、団地をつくったときよりも経済の状態が非常に悪化したことも原因でしょうが、これについては高度化という面から、団地によって高度化を促進していくというのが政策の重要な柱でもありますから、これをどういうふうにするかという——いま利子補給ということは考えておりませんが、何らかの再建策を立てなければならぬということで検討を加えておる次第でございます。
○中村(重)委員 私が初め無理があったと言うのは、いま新たに団地の諸設備をやるための無理もあったわけですが、自己資金が少ないという点は旧設備、これは建物にしても土地にしてもなかなか右から左へ売却できるものではない。無理して売却をしようということになると買いたたかれる、こういうことで買いたたかれていく人たちがある、あるいはそんなに安くは売れないというのでそのままそれを処分しないで持っておる。したがって新しい団地に対してこれを現金にかえてつぎ込むことができないでおる。ところが団地政策というものは国の大方針によってやっておる政策なんです。これに協力をしておる中小企業なんです。だからそういうものに対しましては、古い設備をそのまま処分しないでおるものに対してはどうするかということをやはり一つの問題点として考えていかなければならない。ましてや政府の経済政策の失敗からいま非常に不況となり、そのあおりを食っておる、全体の中小企業者もそうでございますが、なかんずくそのまま政府の方針に沿ったこういう団地の中小企業に対しましては、利子補給を含めた格段の配慮がなされなければならない。固定資産税の問題も、合理化機械というものが中心になっておりますが、古い設備を持ち込んだ者に対しましては、当初は固定資産税の軽減が考えられておったのだけれども、法律改正によってこの軽減措置はいまなくなっている。それで地方自治体、県に対し、あるいは固定資産税は市町村税になるわけでございますから、市町村に特別な配慮をしてもらいたい。こういうような運動とか陳情を盛んにやっているようでございますけれども、何としても市町村の財政も非常に弱いからそうばまいらないということがある。そうなってくると、国の法律を改正をして、そういった古い設備も対象にしてもらうということになるならば、それは交付税の対象になるからやりやすいのだけれども、法律改正をしてもらわなければ基準財政需要額の中に認めてもらえないのだからどうにもならないのだということで、財政力の弱いという立場から地方自治体も特別の軽減措置を講ずることができないでおるというような深刻な状態があるようであります。ですから、総合的に団地の問題については取り組んでいただいて、各般の施策を講じてもらいたいと思います。もう一度大臣の答弁を願いたい。
○三木国務大臣 私も、やはりこれは重要な中小企業対策の柱をなすものでありますから、この状態等も十分に検討をして、再建策を真剣に講じたいと考えております。
○中村(重)委員 最後に大臣にお答えを願いたいのは、企業間信用というのが非常に大きくなっている。いま大体どの程度あるのか。これは事務当局からお答え願いますが、この取りくずしについて経済閣僚会議の中におきましても相当検討さるべきものであると思いますから、まずその点について伺いたい。 それから中小企業の金融というような問題について、緩和をはかりますとそれが中小企業の金融緩和には役立たない。中小企業金融緩和の面が大企業の金融緩和になっておるという事実、ということは、中小企業の金融が緩和されると、大企業はどういう態度をとるか。若干緩和したようであるからといって、現金で払ったものが手形にかわる。短い手形期間が長い手形期間になる。そういうことになって、中小企業に与えられたものが手形割引料という負担のみが要求されておるといったような現状にあるようでございます。だからして、中小企業に対する金融緩和が、大企業の金融対策という形にならないように、悪用されないようなほんとうの中小企業金融対策でなければならぬと私は思います。だからして、現実の問題として私は申し上げておるのでございますから、そういった点についても格段の配慮がなされなければならぬと思います。まずこの二つについてお答えを願いたい。
○三木国務大臣 二十三兆くらいあるといわれておる企業間信用、これは大問題で、一気にはいかない。しかしたとえば中小企業なんかに対しては、その下請代金などいろいろ銀行のほうでめんどうを見て、そしてなるべくそういうことで中小企業対策にもなるし、信用の膨張もできるだけ縮めていけるような対策は講じておりますが、これはやはり大問題であって、日銀、大蔵省、通産省がこのことで検討を加えておるのだと申し上げることが正直なお答えだと思う。 第二の点は、金融の緩和が中小企業よりも大企業の金融緩和になるのではないか。われわれはさようには考えないので、やはり金融の緩和というものは中小企業もその影響は当然に受けるので、もしそういうように金融緩和の恩恵といいますか、影響が大企業だけに偏するというような事態については、われわれとしてもこれを是正していかなければならぬと思っております。
○中村(重)委員 それは暮れにあなたが大阪だとか北九州あるいは東北の人たちとテレビ対談をおやりになりましたね。そのときも、私がいま申し上げたことは現実の深刻な問題として取り上げられた。あなたはそれに対して、そういうことがあってはならないのだということをお答えになった御記憶があると思う。だから私は、中小企業に対する金融の緩和がそのままほんとうの意味の中小企業金融緩和という形になっておる面もありましょうけれども、大企業が逆にこれを悪用して、与えられたものは手形割引等の割引料の負担という形に変わってくる可能性があるのだから、そういう点については十分配慮するようにしてもらいたいということを申し上げたわけです。だからして大臣はその点に対する異論はなかろうと私は思います。 きょうは貿易の問題日中貿易、北朝鮮との貿易、あるいは日韓貿易というものを中心に質問をしたい予定だったのでございますけれども、時間がございませんから保留をいたしまして、これで私の質問を終わります。
○田中(武)委員 ちょっといまの問題に関連して。いまの中村委員の質問に対する大臣の答弁ですが、金融緩和は大企業のものであって、中小企業のものではない、こういうような趣旨の質問に対して、必ずしもそうではない、こう言われたのですが、昨年三回にわたって公定歩合の引き下げが行なわれましたね。いままでは、公定歩合が引き下げられる、すなわち金融緩和の場合は、倒産は減っておった。ところが昨年は三回にわたって引き下げられたにかかわらず、倒産が史上最大といいますか、六千二百件近くも出たということ、これは私必ずしも大臣のおっしゃったような金融緩和は中小企業に直接潤うのだということにはならないということの証拠になるのではなかろうかと思う。その辺のことはどういうように理解しておられますか。
○三木国務大臣 中小企業の倒産は金融の面もあるでしょうが、しかし原因はやはりほかにいろいろな要素が重なったので、金融の面だけとも断定できないものがあるのではないか。たとえば端的にあらわれるものは受注量の減少ですね。そういう点で、金融の緩和というようなことが中小企業には何も行き渡らないで、それが倒産の原因になった、こう断定することは少し断定し過ぎるのではないか。ほかのいろいろな要素が組み合わされて倒産という事態になった、こういうふうに考えております。
○田中(武)委員 常識としては公定歩合が引き下げられれば倒産者が減るのです。ところがそうでない事態が起こっているということを十分認識していただいて、今日の企業倒産の原因がいろいろ根深いととろにあるということだけをひとつ認識をして、中小企業庁のほうでは多角的にその原因を調査する、そして積極的な倒産防衛対策を立てていく、そういう方向に努力してもらいたいことを要望します。
○天野委員長 栗山礼行君。
○栗山委員 許されました時間内で進めてまいりませんと、皆さんの人権じゅうりんでおしかりを受けるということも配慮いたしまして、できるだけ能率的に、しかも私のねらいの若干の効果のあるような考え方で質問をいたしたいと思うのであります。 いままでこの委員会で論じられました問題の重複はこれを避けてまいりたいと思います。同時にまた法律として提案されております問題については、それを中心とする質疑の論点の中で、お許しをいただいて質問をさしていただくということにいたしまして、私は主として今日的な日本の大きな課題でございます中小企業問題の三、四の問題について、時間がございませんから、きわめて走り——マラソン競争のようなかっこうでお尋ねを申し上げたいと思うのであります。 その一つは、論じられておると思いますけれども、中身を省略いたしまして、やはり何といたしましても今日の日本経済と日本産業の現状の姿からながめてみて、多くの中小企業者の熱意と要望のございます中小企業の専門対策としての中小企業省の問題ということがかなり論じられ、深刻に要望がございますことは、これは大臣も御承知の問題であろうかと思いますし、第二番目には、そろそろ今日の大きな、一兆数千億円に上ります官公需の問題、これをどうとらえてまいることが望ましいのか、こういうことも問題の一つでなかろうかと思うのであります。第三番目には、今日の不況下におきます関連倒産からくる諸般の問題に応急、恒久にわたります対策の施策をどういう方向で進めてまいることが望ましいのか、こういうこともございます。第四番目には、私は、これまた多く国会で論議されたのでありますけれども、特に今日の中小企業問題をながめます場合において、やはり大企業と中小企業との産業分野の明確な確保の問題、それが日本の産業、経済、商業の連動の中の特色を生かしつつ、今日この問題をどう体系的に分野の明確化をしていくか、こういうことがやはり一つの課題に相なろうかと思うのであります。いま一つ、静かな流れでありますけれども、近く本委員会において——一九七〇年に行なわれんといたします人類の進歩と調和をテーマとする万国博覧会が日本で開催される。これらの事柄につきましては、法律の関連でございますけれども、私はごく基本的な一つの問題をただして遺憾なきを期してまいる、こういうことが望ましいのではないか、こういった点でちょうど時間になるかどうかということでありますが、できるだけそういう点を整理いたしましてお尋ねを申し上げたい、こう思うのであります。 中小企業省設置の問題は、いろいろな角度から論じ尽くされておりまして、私が中小企業基本法の前文及び条文をここに示して御説明申し上げて御理解を得るというほど、この問題は新しいものではございませんし、かえって失礼に当たるかと思います。あるいはまた通産省の役割りと中小企業庁の置かれておる位置づけの問題が、今日の中小企業問題と日本の産業経済の振興を進めてまいる上において適当な行政的機構運営のあり方であるか、こういうことはやはりもう一般的良識の問題である。要は日本の産業経済、流通機構を通じてほんとうに日本的な意味におきまする経済、国民の福祉を確保する立場においてどう中小企業の行政的分野をひとつ明確な能率的な方向に位置づけるか、こういうことが焦点になろうかと思うのであります。そういう観点から、私は本来申し上げますと、総理大臣に予算委員会で質問をされまして、答弁を伺っておったのでありますが、まことに失望を感じた御答弁でございます。これはまたこの委員会の機会がございますなれば、ひとつ総理大臣の御参加を求めて、ひとつ頭を整理してもらって、佐藤施政の方向として御検討いただくということで御答弁をいただきたいと思いますが、きょうは保留いたします。 何と申しましても佐藤内閣の経済閣僚の大黒柱であります、トップバッターの三木通産大臣に、あるいはまた直接担当されております中小企業長官が、中小企業省の設置の問題を端的にどう理解され、これはどう取り組むべき問題であるか、こういうことについてお尋ねを申し上げたい。
○三木国務大臣 中小企業庁を省にするという声が強いことは承知いたしております。しかし通産省として大企業、中小企業と申しましても、これは非常に関連性がある。だから今後庁を省にしたからといって、中小企業対策というものが、そのことで、行政機構改革によって解決できるとは私は思わない。むしろ中小企業基本法などを忠実に履行するということになれば、通産省の機能の中でこれは主力を注がなければならぬことだと私は思う。 〔委員長退席、小川(平)委員長代理着席〕 だから現在の機構のままにおいても、中小企業の対策といいますか、中小企業行政の位置づけあるいはウエートの置き方、これはやはり通産行政の中の中心課題であるという心がけで、そういうふうな陣容もあるいは行政に対する取り組み方も、そういう考え方で私は今後中小企業対策を進めていきたい。現在のところ、省に中小企業庁を昇格させていくという考え方は持っていないのでございます。
○山本(重)政府委員 中小企業省の設置問題につきましては、ただいま大臣から御答弁申し上げたことに全く私も同意見でございます。実際に中小企業行政を担当しております立場で考えますことは、一方におきまして、実際にやってみますと、中小企業問題というのは予想以上にむずかしい。また困難の多い問題がございますので、やはり人員なり予算なりの点につきましては、今後ますますその充実をはかっていく必要があろうかと存ずるのでございます。しかし同時に他面、はたして通産省から切り離して別の省になるということが、実際にそこで仕事をする立場にとってみますと、プラスの面とマイナスの面とどういうふうに出てくるか、いろいろ問題が多いように思われまして、ほんとうにそうすることが中小企業行政をより強力に推進することにはたしてなるかどうか、いろいろ検討を要する点が実は多いように思うのでございます。しかも方々から御要望も多い問題でございますので、平素、はたして、じゃつくるとしたらどういうプラスがあるか、マイナスがあるか、いろいろ検討しておるのでございますが、現在までの検討ではどうも相当にマイナスの面もあるという感じでございまして、どうもそこを踏み切ってやるだけの段階にないという心境でございます。
○栗山委員 私の尊敬いたします三木通産大臣の公式的な立場における態度といたしましては、これは一つ得点をちょうだいするということは無理でございましょう。いろいろな立場において、公式的な表明をされてこられたのでありますから、この限りにおいて、ただ引き下がったということではなくて、この問題はそういう中小企業の位置づけの問題、それから行政分野における効率的効果によってこの問題に対処するという一つの政策問題じゃなくて、もっと基本的な行政機構の中における行政施策の方向の問題をどうとらえてまいるか、こういうところに、私の書生論でございますけれども、中心を置いて考えていただかなければならぬと思います。いま中小企業庁長官からお話がありましたように、中小企業問題は、やはり日本の経済問題、日本の産業問題、日本の底辺の社会問題でありまして、これはもう日本の経済を見てみますと、結局前に進みましてまた前に返る、こういうような内容を持つほど、この問題を、さらに中小企業問題として、日本の特殊事情としてこれを考えてみなければならぬ問題であろうと思いますが、端的に申し上げますと、私は設置法の条文を拝見をいたしておるのでありますけれども、今日の通商産業省の役割りというものは、私は縦割りの一つの機関だと承知をいたしております。したがって、中小企業庁の役割りというものはその中の従属機関としての横の面の一つの行政でございまして、私は何らチェックするところのものや中小企業の方向づけを、通産行政の中からこれを推進するというようなことはこれはなし得ない一つの組織上の中におるものなりという考え方を持っておるのでありますが、まあいろいろな意味におきまして、この問題は大きな勇断と英知とそしてひとつ方向づけをせねば、この問題は解決しない問題であろうかと思うのであります。すみやかに私どもと相並んで考えを同じくする方向で御検討を強くいただくということで、この問題はひとつおあずけをいたしておきましょう。何か御意見ございますか。
○三木国務大臣 われわれも中小企業の問題というものは、農林漁業と並んで大問題である。この問題を解決せなければ日本経済というものは均衡のとれた発展をすることは望めない。だから行政機構の改革によってそのことで目的を達成できるものならばいとうものではありません。行政機構の改革は、しかしいま言ったように非常に、中小企業といっても各産業部門との関連がありまして、通産省の行政と切り離すことが中小企業の対策としていいものか悪いものかということは非常に検討を要しますので、今後この問題は検討いたすということは、これはいとうものではございません。
○栗山委員 次に官公需の問題でございますが、私の大ざっぱな理解におきますと、関係各庁及び公社、公団、地方団体等を含めまして官公需のキャパシティが大体一兆四千億程度に相なろうかと思いますが、もし間違っておりましたらお教えをいただいて考えを新たにすることはやぶさかでございません。官公需の現時点におけるあり方と、それから今日の不況克服をいたしまして中小企業の基盤強化をして健全な育成をはかってまいるという本来的な役割りから申し上げまして、官公需の問題というものは非常に大きくとらえて考えてみるべき問題の要点じゃなかろうか、こういう考え方でございますが、私は勉強が足らないのでありますけれども、中小企業庁はこの問題についてはできるだけ中小企業の分野に発注を望ましいといういわゆる希望的要望条件の役割りより持っておらないやに承知をするのであります。アメリカにおきましてはスモール・ビジネス・アドミニストレーションの小企業庁の役割りというものは、もちろんアメリカ方式でありますけれども、非常に大きな権限を持って、官公需の発注については小企業庁と協議をいたしまして、そうしてその独自の大きな権限によって官公需の発注をする、こういうようなシステムにおいて運用をされ保護されておると承知をいたしておるのでありますが、私は通産大臣に、官公需の問題は日本の今日的な課題としてどうあるべきか、特に中小企業向けについてこれをどういうとらえ方をして進めてまいるかということについての御見解と、もし施策の方向をお聞かせいただけるということであればお聞かせをいただきたい、こう思うのであります。
○三木国務大臣 私も官公需要に対して中小企業の分野をもっと明白に確保したいと考えております。だから単に要望するだけではなしに、一歩進めたいという見解のもとに、これを何か方法はないかということで、これはいま検討を加えて近いうちに結論を出したいと思っております。どうしてもそういう中小企業のために分野を確保しなければならぬということで、これを義務づけるような方向において検討を加えております。
○栗山委員 いままでこの問題を具体的に前向きに施策の方向として推進をしていただかなかったということで、少しもやもやする感じもあるわけであります。そのことはやはり基本法の条文におきましても、受注機会の増大をはかるために必要な施策を講ずるということに明確に規定いたしておることから考えまして、官公需の中小企業における一つの方向づけが、いまのお話を伺いますと、胸を張ってかくのとおりだということを聞けないということが非常に残念でございますが、重ねてこの問題について、やはり私は勇気をふるってこの問題と取り組むという決意を新たに大臣は願いたいと思うのであります。 次にお尋ね申し上げますことは、中小企業庁は三十八年、三十九年度の官公需の発注実態調査で各官庁、公社、公団、地方公共団体の関係者と幾回かにわたりまして会議を持たれた、こういうようなお話を承っておるのでありますが、その実態調査の結果、あるいはこれを中心としてどういう一つの処置を今後これからとって臨んでまいるか、こういうふうな御見解を私は中小企業庁長官から直接お伺いをいたしたい。
○山本(重)政府委員 三十八年度の実績につきまして、官公需の大企業、中小企業向けの実態調査をいたしたのであります。ただいま各調達官庁では必ずしも中小企業という範囲に限定した分類の調査を平素しておりませんので、これには実はたいへんな手数を要したのでございまして、あらかじめその調査の要領をよく打ち合わせまして、かなりの時間と手数をかけて調査をいたした次第であります。その三十八年度の調査によりますと、官公需の総額が一兆二千三百億でございまして、そのうち中小企業向けのものが五千三百八十億円でございまして、全体のうちに占める割合が四三・八%という数字になりました。各官庁別に見てみますと、その注文の性質その他によりまして、ある官庁では中小企業向けのものが六割から七割を占めておるというようなところもありますと同時に、また中には、性質上どうしても大企業でないと間に合わないということから、中小企業向けのものが非常に低くて、二割とか、中には一割ぐらいのようなところもあるような実情でございます。私どもといたしましては、機会あるごとに相当者に集まっていただいたり、個別の連絡をいたしまして、できるだけ中小企業向けの発注を促進するようにということを依頼しておる次第であります。ただいま申し上げましたように、各官庁での事務処理が中小企業という分類での処理をいたしておりませんために、三十八年度に相当手数をかけて調査をいたしましたが、その後の調査をまだしていないというのが実情でございます。 それからなお今後の進め方につきましては、実は大臣からも再三この問題の推進について強い御指示をいただいておりますので、何とかしてひとつこの際はっきりした線を打ち出したい、かように考えていま検討を進めておる段階であります。
○栗山委員 ちょっといまのお話を伺っておりまして、中小企業庁が発表されました三十八年度、三十九年度の官公需の発注状況を書類で拝見いたしますと、随意契約が全体の六三・四%というような圧倒的な数字であります。これを金額的に見ますと、指名が五七・八%であります。随意契約がそのうちで三九・六%となっております。会計法上でいうところの第二十九条の三でございますか、指名、随意契約条項からこの数をながめてみますと、非常に過大過ぎる数の内容が明らかになっておると思うのであります。昭和三十六年十月二十四日に、衆議院大蔵委員会におきまする会計法の一部改正にあたりまして附帯決議がつけられました。その附帯決議の性格から考えまして、大企業と中小企業に対する発注割合、これは指名で四六%対五三%、随意で六五%対二〇%というように、これは明確にあなたのほうの数字で発表されておりますが、この数字を見ますと、きわめて不合理な、あるいは今日の時点で納得のいかざる実態の中にある。こういうような考えを深めるのでありますが、これをあなたのほうで発表されておるのでありますから、ひとつこれは大臣と中小企業庁長官からもう一ぺん明らかに御答弁をお願い申し上げたい。
○山本(重)政府委員 契約の方法についてのお尋ねでございます。三十八年度の調査をいたしましたときにも、契約方法別の調達状況の調査をいたしました。各省庁あるいは公社、公団までそのときには調査いたしましたが、各発注官庁別のそうした契約方法ごとの金額比率等も調査をいたしてございます。各官庁によってその割合その他が非常に違っておりますので、全体についての状況はちょっとただいま申し上げられませんが、かなり詳しい調査を一応いたしております。
○栗山委員 現在の入札制度の問題について、私は結論的に申し上げますと、是正をいたすべき内容を持つのではないか、こういう前提に立つのでありますが、確かに大企業と中小企業というものについての格差の内容が歴然といたしております。もちろん契約内容について等級別等の内容がありますけれども、御案内のように大きなものが下の単位の契約を行なう、工事を行なうということは認めておるわけでありますが、下のクラスの単位のものが上位のものを入札するということは認められておらない、こういうようなことで、大きな一つの基盤の上にのみ、同じ土俵で、しかもその相いれざる、許されざる条件のもとにおいてこの入札制度が並行して進んでおる、こういうふうに私は理解をいたしておるのでありますが、こういう入札制度の問題について、現状の姿に何らかの改善を加えなくちゃならないという一つの観点に立つ御意見がおありであるかどうかということを伺いたいと思います。
○三木国務大臣 この機会に、私、いままでのような、なるべく中小企業の分野を確保するために官公庁に対して要望するというようなものから、一歩やはりもっと強い分野確保の処置を講じたいということで、中小企業庁長官にも指示してあるわけです。そういう機会にこの入札制度も一応検討してみたいと思います。要は官公需要に対して中小企業の分野を確保したい、そういうことが目的でありますので、いろいろな点で全般的に検討を加えたいと考えております。
○栗山委員 最近私の確聞いたしましたところによりますと、建設省が公共工事の発注について、小型化するように、分類して発注せい、こういうような配慮のある方向へ次官通達を出すとか、あるいはその案がまとまっておるとかいったようなことが私の耳に入るのでありますが、この点は中小企業庁長官が御存じであるかどうかということが第一点であります。 大臣にお伺いをいたします点は、これは単に建設省にとどまらず、官公需の一つの発注の方式、それから現時点における中小企業の分野の確保の一つの立場において、その能力と性能と、中小企業はりっぱにそういう官公需の体制に応じられるような姿勢をもってこれに取り組ましていくというような一つの閣議決定ぐらいに持っていってもらって、当面する官公需の中小食業の確保の問題と不合理の是正に大臣の勇断を求められるかどうか、こういうことをお尋ね申し上げたい。
○三木国務大臣 私もそういうことをやりたいと思います。政府がいろいろな点で需要喚起策を講じておるのですから、そういう場合に中小企業にもそういう政府の積極的な態度が反映するように、これは何らかの形で各官庁の協力を得るために閣議決定などもやりたいと考えております。
○山本(重)政府委員 ただいまお尋ねの建設省の発注方法についての通達のことでございますが、これは一ころ新聞にも出まして、私のほうでも直接建設省のほうに連絡をとって事情を調査いたしておりますが、趣旨は、必ずしも小口化して中小企業が受けやすいようにするというのではなくて、むしろ種類によって専門化する、そして専門家に発注していくようにしよう、こういう趣旨のものでございます。従来建設省とは再三中小企業向け発注の問題について話し合いをいたしておりますが、この際、今後さらにそういう方向での話を進めたい、かように考えております。
○栗山委員 いまの官公需の発注の形態なり入札の形態なりについて、私から御説明申し上げるということは釈迦に説法でありますけれども、いま発注について専門化してその適正をはかっていくような方向で取り組んでまいりたい、こういうふうにまことにうれしい御意見をちょうだいいたしたのであります。付言いたしまして要望いたしますと、いまの官公需の入札や諸制度の実態についてもっと把握をしていただきたい。中小企業の分野においてりっぱにその役割りを果たしておりながらも、そういう格差的条件において、非常に不利な条件においてこれが行なわれておるということであります。同時にまた、大企業、大メーカーという一つの看板のもとにおいて、事実は、それは総合的な請負でありまして、その中身の問題については、それぞれの専門的な分野なり自分の知能と勤労と高い技術を誇って、その分野で取り組んでおる、こういうのがいまの仕事の実態でございます。そういたしますと、やはり一つのトンネル会社なりあるいはボス企業になりまして、入札及び受注を受けることによってあぐらをかいて安全なマージンだけをとってまいる、こういう形に相なってまいりますことについては論をまちません。これは非常に深刻な問題でありまして、国の行なう施策、しかも国民の税金において行政を進めていくという中における政治の、行政の姿勢の問題じゃなかろうかと思うのでありまして、私は中小企業庁長官がもっとはだで感ずる、そうして実態把握をするということに、あまりに何か数字的な観念、頭の中の展開において中小企業の行政という分野をながめておるというところに、いまなおこういうふうな弊風の打開できぬ内容なしとしないという、たいへん失礼なことを申し上げるようでありますけれども、私はこれは実感であります。私はあなたよりもっと汗をかいて中小企業で苦労してまいった一人でありまして、私も全身にみなぎっておる中小企業の苦しみ、悩み、そのあり方というものを承知いたしておりますので、たいへん大言壮語するようでありますけれども、いい施策のために現状を把握して前進する体制としてのお取り組みを特に要望を申し上げておきたい、こう考えます。
○山本(重)政府委員 私は中小企業問題を担当するようになりましてから約八カ月になるわけでございますが、就任当時、特に大臣からも非常な激励をいただきまして、私も真剣になって実は取り組んでおる次第でございます。問題がなかなか広範囲で、複雑多岐でございますので、必ずしも十分にというところまでまいりませんけれども、一歩一歩着実に前進をいたしたいと思います。私もできる限りいろいろ方々に出かけまして直接実情や話を聞きましたり、それからまた、中には、あるときなどは、夜中に全然見も知らない人から電話がかかってきたりしますが、そういう話も真剣になってよく聞きまして、その解決策を一緒になって考えてやっていく、こんな気持ちでおりますので、どうか今後とも何ぶんの御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
○栗山委員 次に、下請の関連倒産問題というものは、三十九年秋以降、長期的な未曾有の構造的な欠陥によります不況の問題として深刻な問題を投げかけておりますことは、これはもう論をまちませんし、一々例をあげて申し上げる必要はない現実の問題であろうかと思うのでありますが、最近の傾向を見ますと、東京商工興信所などの倒産実態調査がいろいろ明らかにされておるのでありますけれども、やはりだんだん小口化の方向に入ってくるという傾向が跡著であります。結論を申し上げますと、やはり不況カルテルの問題あるいは今日の過剰生産及び構造的欠陥による不況としましては、やはりそのしわ寄せが減産の一つの形になってまいりまして、上で一割の減産をいたしますことが下へ下がりますと三割から四割の減産というようなことで苦しい状態に追いやられるというようなことは、これまた御承知のとおりでございます。こういうふうな今日の関連倒産の応急、恒久の措置をどうするかということが、やはり今日的な課題であろうかと思うのでありますが、一、二事務上の問題についてお尋ねを申し上げたいのであります。 会社更生法というものは両刃の性格を持ち、これの使い分けによりまして、会社更生法の持つ精神から、みずからの更生を意図して、これに関連するものについて、それには迷惑のかけっぱなし、相手には何ら責任を感じないという、相互の共存と関連性というものを否定する動きによって会社更生法の適用を受けておるということは、御承知のことであろうかと思うのでありますが、そういう立場で会社更生法にもう一ぺん新たな検討を加えてながめてみる必要があるのではないかということが問題の第一点であります。同時に、この中でいろいろ論議されておりますけれども、共益債権の問題といたしまして、やはり自分のところの系列及び直接の下請関係の給与関係もしくは退職金に関する問題については共益債権として直ちにこれを保護するという処置をとらなければならぬという問題も、ずいぶん世上の問題としてこの声があがってまいりましたことは、御承知のとおりであります。あるいはまた親会社の給与は共益債権になっておりますけれども、退職金の問題が共益債権に挿入されておらないというような点において、まことに会社更生法というものは、小さいもの、あるいは関連業者泣かせであって、みずからの不正によって会社の経営を新しい角度において再建するというのが、会社更生法の実際的な戦術的な使い方であるとの酷評までされております。この会社更生法が私の指摘いたします内容等におきまして特に重点的な問題及び会社更生法全般について、これは検討を要すべき問題であろうかと存ずるものでありますが、三木通産大臣の御所見を承っておきたいと思うのです。
○三木国務大臣 私も栗山さんと同じような考え方で、弊害がある。これはどういう点に弊害があるかというと、これを乱用することによってやはり企業の自己責任というものに対する感じが薄くなる。 〔小川(平)委員長代理退席、委員長着席〕 第二には下請あるいはその下請企業に働いておる労務者、これの利益を確保しがたい場合がある、こういうものに対しての債権というものを優先的に確保する道を講じなければいかぬ。第三点には、裁判所がこれを決定するわけですが、その場合に経済官庁との連絡というものが十分でなければ、純然たる裁判の課題だけではないということで、会社更正法を至急に改正をしたい。いま法務省が中心になってこれが検討を加えておるさなかでございます。できる限り早く成案を得て国会にも出したいと考えております。
○栗山委員 世相の一面を端的にあらわして、今日の企業の整理、回生の具に供しておるということ——これは三木大臣も把握の上でそういうなにがあります。やはりゴネ得は許しません。そして切り捨ては許すべからず、こういうき然たる態度をとりまして、この問題については私はりっぱにひとついい会社更正法の新しい方向づけを強くお願いを申し上げておきたいと思います。 これに関連いたしますのは、下請代金遅延防止法の問題におきましても、いろいろ不備のございますことは、私、資料も持ってまいっておりますけれども、時間がありませんからこれを省略いたしますけれども、特に下請代金というものがやはり対等の形において行なうということでなくて、もうすがり得るものと命令を受けるもの、あるいは依存度の強いという、こういう関連から申し上げまして、なかなかこの問題の諸条件が解決しない。たとえば利息の問題におきましても、手形サイトの問題におきましても、検収の問題につきましても、あるいはキャンセルの問題におきましても、全く一方的な計画面だけでやられて、それが一つの蹉跌を来たしますと、一切パーで、そのことについては責任を感じない、こういう形において中小企業が泣くに泣けずにきりきり舞いをいたしておるというのも、これまた現状の姿であろうかと思うのでありまして、私はやはり中小企業の保護を、ひとつの権威と責任を持ってその分野を占めていく、こういうような関係のもとにおいてこの問題のあり方についてもひとつ御所見をお伺いいたしたいと思いますし、また方向づけを願えるような御意見を聞かしていただければけっこうだ、こう考えております。
○三木国務大臣 下請代金支払遅延防止法があるが、やや、ざる法の感があるわけです。これはやはり厳重にこの法律を施行いたしますとともに、これに対してわれわれが考えてどうも遅延防止法に対して違反しておるというような場合には立ち入り検査などもいたしまして、できる限りのことはやっておるわけでありますが、しかし根本においては法律だけではこの問題が解決できない。やはりその親企業も下請企業にしわ寄せをして大企業の発展はできないのだから、そういう点でお互いにその一つの企業のモラルの上からいっても、弱い中小企業にしわ寄せをして大企業の安泰をはかるという、そういうことがやはり企業家の一つのモラルとしてもよくないのだということで、遅延防止法の欠陥はそういう点で企業家のモラルの面からこれを目張りをしていかなければならぬ問題もあると思います。今後とも、この問題は、どうも法律があってうまくいっていますという御報告はしにくい。これはなかなか問題があると考えております。
○栗山委員 それに重ねて、ひとつおしかりを受けるようなふえんをするということはいかがなものかと思うのでありますが、これはもう御指摘のとおりでありまして、ひとつ企業に対する——企業モラルがない、経営モラルがないということについて私も全くその感がするのでありますが、やはり何といたしましても行政指導、監督の立場における政治モラル、その指導というものともこれが相まって推進するということの方向がなければ相ならないものだということは、論をまたないと思うのでありまして、どうかそういった角度で、こういう放任、ゴネ得、無制限といったような内容から、光ある秩序の回復への方向づけをひとつお願いを申し上げたいと思います。 それから、私、公取の方に御足労を願いましたが、実はいろいろここで論議されたのでありまして、あまり言及することは時間の関係と、重複するということで避けたいと思ってまいっておるのであります。ただ、一つ伺ってまいりますことは、不況カルテルが十七だと私は承知をいたしております。中小企業関係の団体法及び協同組合法によりますものが八百七十四件か八百四十七件だと私の頭で記憶いたしておるのでありますが、不況カルテルによって下請関係、系列関係というものがずいぶん余波を受けておることはもう御承知のとおりなんであります。これはこれなりに、私はやはり公取の役割りあるいは不況カルテル自身の意味するものがあると思うのであります。ただ、不況カルテルの性格と、いわゆる中小企業の行なっておりますカルテルの問題との本質的な、あるいは客観的条件のもとにおける一つの相違点があろうかと思うのでありますが、そういったような事柄についての見解、認識及びどういう一つの方向でこれをながめていらっしゃるかということだけお伺い申し上げたい。 二点といたしまして、最近段ボールの材料メーカーのカルテルというものが一つの問題を提起をいたしておりますが、結局原料高になりましてこの困難な中において中小企業がこのカルテルを強い形において反対をいたしておりますことは、これは御承知のことであろうかと思うのであります。これをお認めになった理由、それからどういう把握をされてこれをお認めになったのか、こういう点を端的にお聞かせをいただきたいと思います。要点でけっこうです。
○竹中(喜)政府委員 仰せのとおり独占禁止法に基づきますところの不況カルテルは、ただいま十七ございます。この不況カルテルを認めております趣旨は、要するに需給のバランスがくずれまして価格が平均生産費を下がるというような状況になった場合に初めて認められるものでございますが、その趣旨は、そういう状態のときに競争をさせて、将来需要が出てきたとき有効な競争が行なわれなくなる場合があり得る。要するに設備その他が荒廃して、将来需要が出たときに有効な競争が行なわれない。そういうことは困るので、この際一時休戦させたらどうだろうかというような考え方、そのほか国民経済上いろいろ問題が彫るとか、いろいろありますけれども、大体そういう趣旨で初めは昭和二十八年に改正されたものでございます。中小企業団体法、その他の不況カルテルというものは——中小企業団体法なども同じような考えではございますけれども、中小企業につきましては万年不況というようなことがいわれておりまして、御承知のように団体法に基づきますところの不況カルテルは、長いものは十年以上も続いておるというような状況でございます。これをどうするかという問題もございますけれども、それにまた環衛法のカルテルもございますが、これは環境衛生の立場からのカルテルでございまして、それぞれ考え方は違っておったと思います。 それから第二点のダンボールの問題でございますが、これは認可申請当時非常にもめまして、それで私のほうで両者の意見をいろいろ聞きましたけれども、なかなかその話がまとまりませんでした。しかし両者でいろいろ話し合った結果、話がまとまりまして、私のほうで不況カルテルとして原紙については認可したわけです。箱自体につきましては、私うろ覚えでございますけれども、中小企業団体法によるカルテルがあるのではないかと考えております。
○栗山委員 この問題は、時間もございませんし、いろいろ論じ尽くされた問題でありまして、少し時間をとらなければもう少しあなたの御意見を伺うことができないと思うのでありまして、不日の機会に重ねてお聞きすることにいたします。これは本来申し上げますと、これまた大臣と中小企業庁長官にかかる現状の問題をどうながめ、どう対処されるかというようなことについて一言なかるべからずではございますけれども、これも時間がございませんので、十分心の中の御答弁としてひとつ御理解をいただきたいと思います。 産業分野の問題について、時間がございませんから、大企業が中小企業の分野にまで発展をいたしてまいりまして、そうしてそれが中小企業のあるべき姿を阻害するということについて、この問題が大きく論じられておりますことはいまに始まったことではございませんが、特に大きな問題であろうかと思います。やはり中小企業は中小企業の歴史的な基盤もありますし、社会的に置かれた条件の上に立ち、あるいは改善すべき多くの問題を残しておりますけれども、またそれの特質、特徴というものが日本経済及び日本産業に大きな貢献をいたしておりますことは、これは御承知のとおりであります。日本の輸出を見ましても、あるいは生産を見ましても、あるいは経済の動きをながめましても、全く中小企業というもののウエートを否定いたしまして日本の産業、経済問題を論ずることはできぬということを前段に申し上げたのでありまして、深い理解の上にこの問題をながめてまいらなくちゃならぬ。要は、私は先ほど申し上げましたように、日本の中小企業問題というものが自由化に対処し、日本の国民経済と国民福祉に奉仕する組織及び体系、その姿をどこに求めるかということが大きな中心の問題でなかろうかと思うのでありますが、こういう立場から、私どもの立場におきましては、少なくとも大企業と中小企業の分野において明確な位置づけをする、そうして安心して中小企業の分野においてみずからの能力と特徴面で貢献するという方向を定めなくちゃならぬ、こういうような考え方において中小企業と大企業の産業分野の確保というようなことについていろいろ訴えてまいったのでありますけれども、特にこの時点で重要な感を深くいたしますので、大臣のひとつ、できれば御親切な抱負をお聞かせをいただきたい。
○三木国務大臣 栗山さん御承知のように、三十九年に中小企業に対して団体交渉のできる権限を与え、また主務大臣があっせん調停することもできることになっておりまして、これはかなりこれを背景にして効果をあらわしておる一つの立法だと私は考えております。こういうこと、さらに小売り商などに対しては百貨店法などにおける制限もあって、今後はこういう点で大企業は中小企業の分野まで進出をするということになれば、非常に条件としては中小企業よりもいい場合が多いでしょうからね。資本力もあるいは技術水準も高いし、だからどうしても強力な行政指導で、大企業のこういう立法的な背景もありますので、大企業がむやみに中小企業の分野にまで進出をしていかないような産業の秩序確立に対して、今後も強力な行政指導を行ないたいと考えております。
○栗山委員 重ねていま中小企業団体法のいわゆる団体交渉と申しますか、中小企業の分野に入ってまいりますことを一定の期間これを話し合いによって阻止する、こういうふうな法律の効率的な効果的な一面を大臣お述べになったのでありますが、私もとよりこの事柄が一つのにらみをきかしておるかということであれば、中小企業の分野への進出というものはかなり鈍化してまいるとか後退してまいるとか停滞してまいるという一つの現象面に入ってまいらなければならないのでありますけれども、やはりいまの現実はそういうことでなくて、もう、もうかることなら何でもやるんだ、こういうことで看板と資本と人力を動員いたしまして、その分野に進出をいたしておることは、これは御承知のとおりなんであります。三菱が工具の分野に進んでまいろうとし、住友金属というような名門さんがスチールの家具にまで進出するというような方向は、これは枚挙にいとまがございません。私はいろいろ資料を持っておるのでありますけれども、こういう方向があるということと、それからこの法律もざる法でございまして、大臣御承知のとおりでありまして、中小企業団体法に規制するこういう契約条項についての処置は、いまだ私の知る限りにおいて一件も扱っておらないという事実を見ますときにおいて、これが現状の経済及び経済行為というものの中にこれを生かされるという法律的内容のない姿をあらわしておるという一面が、すべてそれだけではございませんけれども介在するんじゃないか、これまた三木通産大臣に、私からざる法でございますよということで返上申し上げなければならないような内容であろうかと思うのであります。以上申し上げましたようなことをながめまして、これまた今日における大企業のそういう中小企業への進出についての分野あるいは中小企業を擁護、発展、健全化するという方向において、どういう施策の方向が望ましいかという点について、十分な前向きの施策の推進をいただきたい、こういうことを要望申し上げまして、この問題をなにしておきたいと思います。 あまりおしかりを受けますから、次の万国博の法案が出てまいりますときにお許しをいただきまして質問をいたしたいと思いますが、最後の万国博の問題でございます。実は、私は御案内のように大阪でございまして、この運動の経緯というものについて比較的私なりにその経過をながめてまいった一人でございまして、ここで一つの勝負をするなら一ぺん三木さんと勝負をする、一つの例を経過的にここで一問一答の形でということもございますが、要はそういうようなとらえ方で大阪人がもの申すと、こういうことになりますと、何だかセクト的な感がございますので、私は過般衆参両院が超党派でこの問題で政府にもの申したい、あるいは政府のお手伝いをしたい、万国博のあるべき姿についてお手伝い申し上げて、議員たる使命にかんがみてこの世紀の事業の一役を果たそうじゃないか、こういうふうな運動が展開されまして、この間各党の世話人会が集まり、あるいは明日正式に各党のそういう選ばれました世話人会というものを発足いたしまして、そうしていろいろ論議をいたしましたり考究いたしましたり、もの申す一つの内容等もあろうかと思いまして、そういうようなことを通じましてもいろいろ進めてまいりたいと思います。私のなには、やはり日本の万国博のとらえ方というものについて、まだ統一した理想とわれわれの英知の方向を持つ万国博のとらえ方をいたしておらない、こういうことに尽きるのではないかと思います。経過の一面からながめますと、あまりにもそういうふうな思想統一ができない、遠大な抱負よりも当面の立場において取り組んでくるという経過も、これまたいなめない内容であったかと思います。今日全国民が、こういう目標でアジアの動乱及び世界のこういう環境の中において、日本が新しい人類の進歩と調和という大きな大前提を掲げてこの事業を行なう、こういう国民的な誇りと理想を掲げていくということについて、私はやはり大きな国家事業として政府の施策の重要な柱にならなければならないというように考えております。その運営につきましては、少なくとも国家がそういう自負心と誇りを持って、この歴史的偉業を達成する、今日の時点におきましては、それは単に大臣その他の機構の問題もあるのでありますけれども、何と言ってもことしが大きな中心的な勝負年だと私は考えております。基礎なくしてやはり建設はできません。黙々としてそういうふうな不変の土壌をひとつ確立するというところに高層ビルが立つのでありまして、そういう面から見ますと、むしろ私は期間的に見ますとおそい感がいたすのであります。しかも一九七〇年という世上言われておる左右の激突、日本の大きな政治的な転換を論議される中にあって、こういうような大前提の御旗を立ててまいるというようなことについては、これこそ渾身の国家行事と国民的な方向を転ずるというくらいの大前提と大旗を掲げて前進をしていただく、そういう立場に立ちますなれば、国のおのずから持つべき役割り及び協会の持つべき任務及び地方の団体がいかなる角度でこれをながめて、相協力してこの偉業の一翼を担当するかということについて、おのずから出てまいるということに相なるのではないか、こう私は考えるのでありますが、多少いろいろ低迷をいたしておる感が私の脳裏にございますが、もしあるといたしますなれば、そういう経過の中に、いわゆる一つの方向を明確に示して取り組んでいくという中の問題の欠如が、そういうような原因をもたらした、こういうふうに理解をいたしまして、すべからく今日は大臣の責任なり国の責任で、ひとつ万般の方向の遺憾なきを期していくというぐらいの、大臣の責任と抱負とを、ひとつここで明らかにしてもらうということによって、おのずから明るい方向に転ずるのでないか、こういうことの意見を持っておりますが、端的にひとつお伺いいたして、でき得ますならば栗山君と同感なりという所信の表明をいただきたいと思うのでございます。
○三木国務大臣 非常に御熱心な、地元大阪の出身である上に、博覧会という歴史的ないろいろな経過等も栗山さんの頭の中にお持ちになって、発言になったと思うのであります。これは見本市とは違うわけであります。博覧会の条約によって政府が責任を持っておるものでございます。したがって政府は、これに対してこれを指導して成功せしめるという大きな責任を負わされておるわけであります。これを主催する団体は、いままでの歴史から見ても、国が直接やる場合もありますし、公に認められた団体、国が承認をした団体がやる場合があって、いままでの例で、公に認められた団体が主催者になる場合の例が多いのです。しかしながらこれは、政府が全面的に協力をするということが、国家的な行事でありますから、前提になる。ただしかし、政府政府と言って、何もかも政府政府と、こう言うくせも多少ある傾向がありますので、どうしてもこれを成功さすためには、政府だけの力ではいけないわけでありますから、地元の協力も要るあるいは全民間、全国民と言ったらよいでしょうか、そういう協力もあって、みなで——これはたいへんな仕事である。おそらくわれわれの生存中にもう一ぺんくることはないし、アジアでもこの主催国になれる国はありませんから、世紀の大事業であるということで、政府も地元もあるいは国民も、一体になってこれを成功に導いて、そうすればこれは博覧会条約によっているのですから、各国が陳列館を持つわけです。こんな多種多様な人数の生活の中にあって、目ざすものはやはりそういう理解、調和、こういうものを通じての世界の平和ということでしょうか、世界の平和、人類の福祉、しかも多様性の中にあって目ざすものは一つである。博覧会というものはこういう大きな理想を持ったものでありますから、こういうものがアジアにおいて開かれるということになれば、これは目に見えない、人類の歴史の上においても一つのエポックを築くだけのことになるわけでありますから、われわれとしても全力を傾けてこれを成功に導きたい。 ただ速度の点は私も心配しておるのですが、何分にもきまったのは去年です。だからきまったらすぐに計画ができるかというと、これはやはりいろいろ検討しなければなりませんので、ことしの秋にマスタープランというものができれば、これからもう速度をかけてやらなければ、もうこれはきめられたので待ったがないのでありますから、そういうことで今年の秋とわれわれが予定しておるマスタープラン、これに対しては慎重を期して、計画ができたならば全力をあげてこれに取り組んで、一九七〇年には非常に盛大な効果的な博覧会が開催できるように、われわれも全力を傾けたいという覚悟であります。いまはやはり計画中ですから、あまり行動に移す時期じゃない。計画ができたら行動に移すのですから、いまのところは少し何をしておるのだという御批判があるかもしれぬが、計画は行動とは違いますから、やはり時間をかさなければならぬと考えております。
○栗山委員 たいへん恐縮でありますが、もう一、二で終わるようにいたします。 分科会における野原議員への御答弁、それから大臣はこういうことを言いなさるのでないかと思ったら、案にたがわず、ぴしゃっと、ますの中にはめたようなお話であります。そうしますとこれは少しく開き直って、私自身も記憶の悪い頭の悪い男でありますけれども、私なりにここにえんま帳を持ってまいりましたし、頭の中にも入れた問題があるわけでありますが、私はオブラートで包んでいきたい。ただ重要な点は、行政あって政治なしという一つの姿の中にこの問題を没してはならぬ。三木通産大臣がおる。この自負心とこの責任の所在というものがあれば、おのずからそれは位置づけと役割りの分担がそれぞれなし得るのだ、こういう一つの、私式なことばで、むしろほめて差し上げるような立場でものを申し上げたい、こう考えておったのでありますが、これは非常に重要なことです。秋とおっしゃいますけれども、やはり五月十一日にBIEに一般規定をお出しにならなければいかぬ。少なくとも基本要項を示してその承認を求めなければいかぬ。その作業がいまやられておると思います。このやり方、中身、それからこれの責任というような問題等にも私は実は意見を持っておるのでありますが、一番大臣と違う点は、国が直接行なうものと、それから国が認めた一つの特定団体が行なうものというその性格論争について、私もそれを承知をいたしております。ただ、しかしどこまでもお考えを願わなければならないのは、国が認めた公のものは運営の権能であります。運営機関のそのワク内における権能であります。それから開催の権能、いわゆる主催権と申しますか、これの問題はその団体じゃなくして国でなくちゃならぬというのが、私式にまとめました、一つの基本的な法理念であります。あるいは法解釈であります。こういう点からいわゆる一つの協会との関係をどうするか、国の所在をどうするか、単なる補助事業や、あるいはその団体に依存する姿のものではございません。そうしてバックアップするのだということよりも、やはり誇りと一切の権能を、責任を持って、それぞれの分野においてその機能を大いに発揚してその任務を達成せしめる、こういうような中身の問題に入ってまいらなくてはならぬ。こういう立場における国のあり方、国の責任、そしてその協会との位置づけをどうするか、こういうことをしなければ、地方も混迷いたします。 これは率直に申し上げまして、大阪についてもいろいろな意見がございます。あれだけの偉業が大阪で行なわれるということについて、大阪の誇りと大阪の役割りをどこに求めるかという、やはり府民的な感情や理想も出てまいらなければならぬし、近畿圏においてまたしかりだと思いますが、これまた国民的な一つのとらえ方といたしましても、この問題は国家事業であり、国民的事業としてこれをどうとらえるかというような方向に持っていかなければならぬのでありまして、単に協会のPRや地域の、こうも周辺がよくなるとか、こういう一つの聖業をこういう聖地でやらしてもらってというようなマスターベーションに終わるべき問題じゃない。こういうふうな考え方を持っております。私は、法律論はそういう普遍の原則を申し上げ、大臣のすべからく政治的責任において、国家事業を完遂するという用意あり、こういうことを何というても言うてもらいたい、これが私の基本的態度なのであります。これがどうしてもできない、平行線だというなら、きょうはよしまして、法案のときにこれはもうしかたがない、おしかりを受けても、二、三時間解決のつくまで私は論点を明らかにしておかなければならぬということを付言いたしまして、もう一度御答弁をいただきたい。
○三木国務大臣 私は、原則的には、いま栗山さんの言われるとおりです。これは政府が責任がある。単なる見本市でなしに、国際条約によってやるわけですから。ただ私が言いたいのは、これは非常な競争があったわけです。どこの県においても、自分のところでやりたい。東京でも、千葉なんかにおいてもやりたいという希望がありましたし、近畿においてもこれの選定には非常に苦心したわけです。大阪はぜひ、東京に次ぐ都市であるし、これに対して全面的に協力をする、そういうことで、非常な熱意が——それはいろいろなほかにも条件はあったけれども、これを誘致したものは大阪の熱意である。その熱意の背景をなしたものは、地元も全面的に協力するからということであったので、そのことは政府の責任を回避しようというために私は言うのでないですよ。しかし地元もやはり応分の協力をして、政府と地元も一体になってやろうという精神が大阪にもなければ、これは博覧会条約によっておるので、全部政府の責任だ、そういうふうに考えるとうまくいかぬ。地元もやはり無理なことはできますまい。しかし、最大限度の協力はするのだ、政府も、これは政府の責任として、全力をあげてこれを成功さすようにするのだ、こういう両方の協力関係が要るという点で、いままでの経緯もここに簡単に申し上げたわけでございまして、あなたの言われる精神は、私はそのとおりに考えております。ただしかし、つけ加えたいのは、やっぱり地元もできるだけの協力は惜しまない、この精神がないと、大阪でやるのですからね、地元のほうが政府だ政府だ、こういっても困りますから、そういう点もどうか大阪選出の栗山さん、代議士でもおありになるから、これはむしろ大阪では地元がやっぱりしっかり協力しなければという、そういう気分も、どうか大阪からも盛り上げていただきたい。政府は、全面的な責任を持って、この博覧会を成功さすように努力をする、そういう責任があるという栗山さんのお説に対しては、私は異存はございません。
○栗山委員 それでは、最後に、いろいろ御所見を伺いまして、私と完全一致の面もございますし、異なったものも、なおかつ平行で進んでまいっておることも、承知をいたすわけであります。ただ、大臣、申し上げておきますが、ああいう一つの事業を開催するということについて、熱意のあるもの、その立地条件のあるもの、こういう経過をながめると、私は、日本で行なうということを定め、そして、あの地を選ぶというあなたの決定、政府の決定に至りますことについては、よき陰の協力者であり、建設者であるというふうなことでありまして、この偉業が完成いたしますと、あなたとともに世界的な文化賞的要素を持つものなり、こう考えておるのでありまして、興行師でもうかるからここもやりたい、あるいは得するからこうやりたいというような、そういうけちなものでこれは取り組んではならぬということも承知しておりますし、また、地元も、そういうふうなセクトや偏狭なかっこうでこれをながめてはならぬということは、これはお説のとおりでありまして、全力をあげて協力するということでありますけれども、ただ、申し上げたように、何というても今日こういうふうなことになったことは、大きな事業でありますから、やはり百家争鳴の議論や問題点が出てまいるということについては、私は大きく理解をいたしております。ただし、これは放置できません。いまの段階でいわゆるあなたのすぐれた政治能力と政治性をもって、これの蹉跌を来たさないいい姿の方向づけを、ひとつ大臣がいまこそおやりになっていただかなくちゃならぬ。必ず地元はこれにこたえるであろうということの確信を私は持ちまして、私の質問を終わることにいたします。ありがとうございました。
○天野委員長 次会は明後四日金曜日、午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十七分散会