商工委員会 第7号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/02/23
会議録
○天野委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許可いたします。板川正吾君。
○板川委員 過日の当委員会において、通産大臣、経済企画庁長官、公取委員長から、所信の表明があったわけでありますが、それに関連をいたしまして若干質問をいたしたいと思います。 まず通産大臣に伺いたいのでありますが、最近、産業界には、体制問題に関して一つの混乱があると思います。その原因はどこにあるのかというと、一つは、通産省が官民協調の方式といって、いわゆる通産省カルテルという形式で産業体制を指導しようとしている方向、もう一つは、経済秩序の基本法である独禁法に基づいて、公正な競争を通じて産業体制の強化をはかれ、こういう基本的な原則を支持する者、この二つがぶつかりあって一つの混乱をもたらしておるのじゃないか、こう思うのであります。通産省の官民協調方式というのは、御承知のように法律によりません、行政指導によってこれを行なうという方式をとっておる。しかし、後者は、独禁法という法律に基づいております。そういう点で、行政指導というものが、ごく弱い指導なり勧告なりということであれば問題はないのでありますが、最近はその行政指導が非常に強く打ち出されるために、独禁法の産業秩序を支持する者からいえば、そこに不安と、自分たちの考え方を押し通そうとする通産省の行政指導とぶつかる、こういうことのために混乱があるだろう、こう思うのであります。その端的なあらわれが、いわゆる住金問題、鉄鋼のカルテル問題だと思います。 そこで大臣に伺いたいのでありますが、通産省は官民協調の方式をとって行政指導を基本としておるのですが、この行政指導の方向というのが明らかじゃない。一体協調してどうするのだ。調整ということの場合にも、何を基準にして調整するのか。そういう点が明らかでないために、混乱の原因があるだろうと思うのです。一体官民協調の方式の基本的な方向というものは、どういう構想、どういう考え方に基づいておるのでしょうか。どういう方向に指導していかれるということでありますか、その点をお伺いしたいと思います。
○三木国務大臣 先日も予算委員会で田中委員とこの問題について質問応答があったわけですが、一つには世界経済の開放体制に向かっておるときに、やはり日本はそれに対応して国際競争力をつけていかなければならない。また一方においては中小企業、いろいろな脆弱な企業体をかかえておる。これが弱肉強食のような形で共倒れになるという事態は健全な経済の発展の姿ではない。そうなってくると、どうしても各業界はミクロ的な利益を追求しがちですが、通産省は国家経済という一つのマクロ的な立場というものがあり得ると思うのです。そういう意味において、これを行政指導といいますか、官民協調方式というのは、通産省もそれの相談相手になるということでしょうが、そういうことでとにかく強い者は生き残り、弱い者は倒れたらいい、こういうことではなかなか日本の均衡のとれた経済の発展はできない。そういうことで、構造上問題の起こらない企業はいいですよ。しかしそうじゃなくして、過当競争で、そして生産の原価を割るような競争が行なわれておるのは、それはもう土俵としては土俵を割っておるわけですから、そういうことでいろいろとそういう業界が協調して、ともに共存共栄していけるような行政指導というのは、通産省という役所のある限り、これは通産省の任務であって、その任務は、形から言えば官民協調の方式と言っていいと私は思う。これは強制力を伴っていませんから、いやだと言えば、これを強制する力はない。強制する力を持つためには法律によらなければならない。やはり行政指導というのは、日本経済の健全な発展をはかろうという通産省の任務の上からそういうことをやっておるのであって、それはやはり今後もやらなければいかぬ。やはり業界だけということになると、どうしても一企業の利益ということを当然中心に考えますが、その利益がその業界全体あるいは国の経済と必ずしも一致しないような場合、これを調整していくという任務は、通産省として本来の任務だと考えておるわけであります。しかしそれは法律によらないのでありますから、権力を背景にして通産省が圧力を加えるような形は行き過ぎであり、慎まなければならぬと考えておる次第であります。
○板川委員 通産省の官民協調方式という形の行政カルテル、指導されている行政カルテルというものは、新聞等に報道されたいろいろな問題を見ると、結局問題がありそうだから、通産省が中へ入って、ほんとうから言えば不況カルテルなり合理化カルテルなどでやるべきだが、それはやりづらいだろう、通産省が入って個々に指導するということであれば、独禁法には触れないのだ、そういうわけでいわゆる行政カルテル的な指導をされておる。これは実質的には業界がある程度の申し合わせなり打ち合わせなりしたものを、通産省が指導という形でやられる。確かに大臣の言うように一時的現象とすれば、設備の過剰があり、生産の過剰があって、不況的な現象を示しております。確かにそうですか、ちょっと不況らしいということになると、すぐ通産省が入っていって生産を調整する、あるいは生産を調整することによって価格をつり上げる、こういう方式をとっておられる。それがはたして大臣の言うように、産業体制として国際競争力をつけることになるだろうか。通産省のそういうカルテルを結んで価格を維持する、あるいはつり上げる、そういう方式が自由経済、自由貿易のもとで、はたして産業体制として国際競争力がつくことになるだろうか。ですから通産省の指導なり、あるいはそういう行政的なカルテルというのは、ごく短期間であるべきじゃないか。それを貿易自由化における産業体制のごとく考えておるところに問題があるのじゃないかと思うのです。 それで、大企業が倒産し、中小企業が関連倒産するとたいへんだから、大企業を救おうというところに問題があると私ども見ている。実際は中小企業を救うということでなくて、大企業、独占の利益を守ろうとする観点から行政カルテルをやっているのじゃないかとわれわれは考える。そういう節がある。ほんとうに中小企業のためなら、昨年六千件も中小企業が倒産しておるのですから、それじゃこの中小企業の倒産に通産省が実質的にどれだけの救済策をとったかというと、ほとんどないじゃないですか。だから中小企業が関連倒産するのはたいへんだからという名分を立てて、実は大企業をカルテルによって擁護しよう、こういう通産省の指導の基本的方向があるのじゃないか。それは貿易自由化における国際競争力の強化にはならぬだろう。国内だけでカルテルで物価をつり上げて、もうけを多くしておれば それは高い価格となって、外国から安い品物が入るという形になりますから、国際競争力の強化にならぬと思う。そういう点の矛盾があるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○三木国務大臣 板川さんは独占と言われますが、日本の場合は独占というような企業の体制ではないですね。やはり非常な過当競争、これは鉄鋼の例をとっても、鉄鋼の高炉メーカーというものは数が多いとは言えないわけです。それでもやはりああいう住金問題のようなものが起こるわけです。だから日本の場合は、独占によって価格をつり上げるというよりは、むしろ過当競争によって生産費を割るような競争が行なわれる。価格のつり上げという、つるというのは、一定のノーマルな価格の上をつり上げるので、日本の場合はつり上げるところまでいってないのですね。日本の企業の体質の中にあるのは、いまは生産費を割っておいても、そういうことでつぶれるものはつぶれてもシェアをふやしたいというようにしかとれないような競争も行なわれる。むしろ独占体制というよりかは、過当競争からくる非常な経済上の浪費ということが日本の特徴になっておるので、つり上げるというような、つるところまでいってないのが私は現状だと思う。もしつり上げるというようなことになれば、われわれの行政指導といったって、そういうことは通産省といえども、結局においては消費者あるいは需要者に奉仕することが通産行政の最終の目的ですから、そういうことで公取委としても、非常なつり上げるようなことを話し合いでやっておるというならばじっとして置くわけじゃないし、われわれもそういう行政指導をするわけはないのであって、むしろ日本の企業の実態というものはそういう実態でないのではないでしょうか。そういうふうにわれわれは考えておる。しかし、つり上げるというような、価格を一定の適正な価格以上につり上げるということはみな、通産省としても慎しまなければならぬ方向であることは、板川さんのおっしゃるとおりだと思います。
○板川委員 最近新聞をにぎわしておる佐橋次官のいろいろな発言、たくさんな新聞に佐橋次官説が流れておるのですが、これがいわゆる官民協調方式のまあ震源地ですから、震源地からそういう思想が出ているのですが、新聞等を見ますると、どうも、大臣もいま同じような趣旨を言われたのですが、過当競争の弊害というものをあまり強調し過ぎるのじゃないか。過当競争、これは確かにないとは私も言いません。部分的にはあります。それはそれとして、その弊害を強調して競争の利益というものをどうも軽視している傾向に問題がある。過当競争の弊害を重視して競争の利益をどうも過小評価している。こういうところに通産省の行政指導の基本的な方向として私は問題がある、こう思うのです。確かに過当競争をして行き過ぎがあったから行政指導によってそれを調整しよう、こういうことでしょう。しかしほんとうに調整をするならば——一体調整するにしても、混乱が起きる原因は、なぜいま過剰なのか。ある者は過剰とは思わない、ある者は過剰と思っている。そこに混乱がある。それを通産省が、ある説をとって、これは過剰だから調整する。過剰と思わない人からいえばそれはおかしいという。だから、調整するならば、これはやはりその産業の需給計画というものをつくって、需要に対して供給がこれこれである、供給施設がこれこれである、だから過剰なんだから、この程度、この時期、この期間、調整を必要とする、こういうような思想に基づいて調整をしようというなら、ある程度わかるのですよ。しかしそのためには、ある種の計画経済的な方向をとらなくちゃいけない。しかしいまの通産省が計画経済というような方向に大きく踏み切る可能性はまずないでしょう。そうすると需給計画という基本的な線が頭にないから、通産省が調整に入れば調整は必要ないじゃないか、こういうことになるんですね。だからその辺で私は、通産省が調整をするとすればちゃんと一定の計画に基づいた行為を行なうべきじゃないだろうか、それを基づかないで調整をやろうとすれば、それはごく小さな勧告程度のものでなくちゃならぬだろう。こう思うのですよ。 そこで、時間もありませんから私は先に進みたいんですが、この間の予算委員会で田中委員から質問がありました。その点を私も若干補足してみたいと思うのです。それは通産省が行政指導をする法的根拠はというと、設置法の第三条の調整だ、こう言われております。設置法第四条では、通産省が行政権を行使する場合には法によるということになる。しかし大臣の答弁は、行政権の行使としての調整じゃないのだ、通産省の任務に基づいたいわゆる調整であって、これは法律的な根拠を必要としないのだ、そのかわり強制権はございません、こういう話です。あのとき言われていることからいってこういう話ですが、その場合通産省が——私もまあ通産大臣の答弁の説を一応とるといたします、その場合に、行政指導を行なう場合の要件というというのはどういう要件ですか。法律によらない行為をやるんですから。第四条で権限を行使する場合には法律によることになっていますから。これは一応さておいて、第三条で調整をしょう、法律によらないという場合に、いかなる場合でも通産省が出るわけじゃないんですよ。どういう条件のもとで、要件のもとで、通産省が調整行為を行政指導として行なうんでしょうか。その三条の調整行為を行なう場合の要件といいましょうか、それをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○三木国務大臣 この一番端的な例は住金の場合であります。これはやはり勧告という形をとったんですね、勧告操短。このことは第三条と第四条との——まあ田中さんの質問にも答えたのは、第三条には通産省の任務を書いてある。第四条にはやはり権限なんです。第三条の行政指導によるときには強制力を伴わない。だから住金の場合でも、住金が同意いたしませんといったらしかたないのです。これは強制力はないのです。そういう権限ではない。それならばそういう場合、なぜああいう勧告操短をしたかというと、御承知のように鉄鋼の市況というものはやはり生産費を割って、そのまま置いておけば平炉メーカーなんかバタバタ倒れていったでしょう。そういう事態になっている。これはやはり法律によらなければそういう調整は通産省はできないということで、倒れても倒れればしかたないというふうには、私は近代の行政を考えてない。ケネディでもジョンソンでも、あんなに鉄鋼の価格に対して——あれは法律によっていません。しかし鉄鋼の価格を上げたりしたら政府関係の鉄鋼は買わないぞというんだから、相当これは権限にまぎらわしいような勧告を行なっておる。しかしアメリカの世論はこれを容認しておる。やはり近代における一つの行政というものはそれだけの責任というものを持っておるというふうに考えて、任務というものを、やはり世界的にもそういう場合においてはそういう勧告をするようなことが容認をされておるようなわけであります。ジョンソンやケネディのすることに比べますると通産省のやっておることは非常に穏やかなことをやっておるわけでございます。
○板川委員 大臣直接答弁はしなかったのですが、では私がひとつ申し上げてみましょう。法律に基づかないで、法律に基づいた権限行使でなくて、任務としての通産省として行為を行なう場合には、私は次のような要件が必要だと思うのですね。それは第一は緊急であること、それから第二として、放置すれば社会的、経済的に重大な影響ありと思われること、第三として、手段、方法が根本的には法令に反しないこと。行政指導で独禁法をひっくり返すような行動はできません。だから法令に反しないこと。したがって第四は強制力がないこと。これはこうやったほうが好ましいぞという形であるべきだ。だからこの場合には行政訴訟の対象とならない。もしその措置が恒常的に必要であれば、これは法律をつくって法令に従うようにする、それまでのつなぎ。こういうような要件があるときに任務に従って通産省は行政措置として行動ができ得る、こう思うのです。これどうでしょう。
○三木国務大臣 非常に整理された一つの要件であって、私は同感でございます。
○板川委員 そうしますと、最近の通産省の任務に基づく勧告、指導というのは、どらも若干強制力を持たないから、なかなか言うことをきかない。言うことをきかないから、言うことをきかせるために手段、方法を選ばないという手をとりつつあるのではないか。そこにどうも産業界に混乱をもたらす原因があるだろう。その一例を申し上げますと、これは新聞報道ですから真偽のほどはわかりませんが、多分あり得るだろうと思うのですが、インドネシアの綿布の輸出について、紡績業界が不況カルテルを結ばなければ延べ払い輸出はさせないぞと言って、不況カルテルを結ばせるような働きかけをした。これは佐橋次官説がひとつ新聞報道にある。それから住友金属が通産省の指示どおり出産しない場合には、原料炭の割り当てを減すという通産省の言明がここにあります。次官及び重工業局長の名においてそういう声明が出されたことを新聞で承知しております。また公正取引委員会が、セメント業界にカルテルがありと認めて手入れしました。ところが通産省では、せっかく行政指導をいま行なってうまく建て直りつつあるのに、公取委が物価対策などと称して介入、手入れをしたのはまことにけしからぬ、公取委と一戦交えるという通産省の高官の言明がありました。これは真偽のほどはわかりません。どこまで言うたかどうかわかりません。その他たくさんの通産省の態度が新聞報道でありますが、こういうような一連の態度は、どらも行政指導では言うことを聞かないから何らかの方法でそれを強制しようというあせりが見える。これが今日産業界を混乱さしておる一つの原因じゃないだろうか。大臣の言うように、強制力を持たないのだというならそれはそれで私はわかりますが、どらも強制力を持たないんじゃ通産省の権威にかかわるから、強制力を持つためには、それと全く関係のない法律を適用して、そしてそれの圧力によって強制力を持たせるという行政勧告のあり方というものは、私は法の趣旨からいって逸脱をしておるのではないかと思うのですが、大臣のお考え方はどうでしょう。
○三木国務大臣 新聞紙で一々御指摘になったようなこと、私は読んでおりませんが、もしそういう発言があったら真意ではないと私は思います。やはり通産省の行政指導にはおのずから限界があるわけであります。その限界を越えるときには、法律の規定によるべきである、行政指導にはおのずから限界がある、こういうことで通産行政のあとをごらんくだされば、住金問題についても、そのけじめというものはちゃんとつけてあるつもりでございます。したがって何らかの強制力を持って、そして法律によって権限ではないのですから、権限ではない任務でやっておるのですから、その範囲というものは、厳格に通産行政の中にその限界というものは、はっきりと認識しなければならぬと考えております。そういう指導も私は行なっておるわけでございます。
○板川委員 話がもとへ戻りますが、今度の行政指導による粗鉱操短カルテルですが、私はこれのほんとうのねらいは、結局住金が三十七年以降急激に進出してきたから、この際住金が野放しに伸びたのでは困るから、住金の野望をこの際芽をつんでおこう、こういうようないわゆる既存メーカーの一致した考え方によって、その作戦に通産省が乗っかかって、住金にある程度不利な割り当てをしたということに大きな原因があったんじゃないかと思う。たとえば八幡なり富士なりという会社の生産シェアを見ますと、品質によって違いますが、普通鋼圧延用鋼塊生産推移というので見ますと、住金が三十六年に七・九%の生産シェアを持っていた。それが四十年には一三・四となっておる。非常に急進出をしておる。この間に八幡が三〇・一%から二六・二%に減り、鋼管が一五・六%から一四・五%に減っておる。こういうようなことから、既存メーカーが住金の進出を抑えよう、そのために自分たちでこれを強制するというわけにいかないから、通産省というにしきのみ旗を立てて、その圧力によって押えようという作戦に出ておる。それに通産省は乗っかかったんじゃないかという見方があります。この鉄鋼の生産調整については、昭和三十七年にも大臣勧告で一回行なわれた。そのときにも住金が進出をし始めた時期ですから、業界で混乱があってなかなかまとまらなかった。それ以来ずっとその根が残っておった。今度同じような操短指示をすれば、住金が不利をこうむるのはあたりまえ、こういう条件のもとに、今度の指示数量が計算されたように私どもは思う。これは私がそういう感じを持っておるのですが、そこに住金側が反発した大きな原因があったと思う。先を急ぎますが、一体鉄鋼の勧告操短を四十一年度四月一日以降もさらに継続するつもりですか。
○三木国務大臣 通産省は、企業に対して非常に感情を差しはさんでおるものではない。そういう行政をやるべきでもないし、やっておることではありません。この点は非常に強く通産省の名誉のために申し上げておきたいと思います。それは富士でも八幡でもあれにはみな不満なんです。通産省の原案に対してだれも満足したものはない。しかしこれはある時期ですから、永久にこういう勧告操短でそういうふうな通産行政をやろうという考えはないので、いまでも御承知のように、鉄鋼の市況というものはあまりよくならない。しかもアメリカからはいろいろ問題が起こって、そして急激な鉄鋼の伸びと価格などからしていろいろダンピングだというような話が出て、国際的にも問題が起こっておる。こういう一つの正常な状態に返れば、こういう勧告操短のごときものは、これは不況カルテルの場合でもこれは緊急避難的なものだ、こう板川さんも原則として第一の原則にあげられた。私もそう思う。永久に一企業を押えるというようなことはできるものでもないし、すべきものでもないので、ただ、こういう異常な状態に対しての処置でございますから、住友金属に対して通産省が何かこれを押えようという考えなどは毛頭あるものでもありません。ただしかし、その場合野放しにして、みながけっこうですといって操短しておるのに、住友金属だけができるだけ自分の能力に応じてつくって、そして生産の制限も何もしないで、能力、設備に相応してつくって、それは少し、やはりそういう状態では経済の秩序に反するというふうな考えは持っておりましたが、住友金属自体としてもそういうことも反省されたのでしょう、やりましょうということで、この問題は解決したわけで、われわれは、住友金属に対して特別な何らの感情を持っておるようなことは毛頭ありません。 また、四月からも粗鋼の減産というものはやらなければなるまいという考え方で、いま鉄鋼業界とも、通産省を交えて、やる場合の方式——住友自体がいろいろと、この間円満に解決する場合に、もし四月から四十一年度の第一・四半期もやるということならば、いろいろ自分たちも注文を持っているということで、そういうこともいろいろ勘案して、やる場合の案を考えようということになっていますから、そういうことで、いま通産省を交えて相談をしておるわけで、どうもやはりこの市況の状態から見え、来年度の第一・四半期というものはこれを継続せざるを得ないのではないかという考えであります。
○田中(武)委員 どうも大臣の答弁、つかみどころのない答弁をされるので、この間も私もなんだが、あなたのペースに巻き込まれたようなことで、いつもの私のなにが出なかったのですがね。しかしどうも大臣の答弁を聞いておって、緊急避難的な行為として粗鋼操短の勧告をした。緊急避難というものはそう長く存在するものじゃないのですよ。私は、あのとき大臣も言われたが、やはり法によるのがノーマルであるということは認められておると思うのです。ところが、鉄鋼業界は多種多様であって、急を要するのに、カルテルといったいわゆる不況カルテルに持っていくのに時間がかかる。ほっておくとたいへんなことになる。そこで、緊急避難的にやったということならば、七月からですからね。それからもう半年以上たっているわけですね。その間に、緊急避難的であるならば、そういう状態を普通に戻そうという努力があってしかるべきだと思うのです。しかも、まだそろいう状態があるというなら、私は、今度こそは不況カルテルに乗せるべきではないか。いつまでも緊急避難であるところの——不況カルテル等も一つの緊急避難です。それよりももっと狭い意味の緊急避難に基づくところの行政指導、これはすみやかに法に乗っかるように努力すべきだ。ところが、どうも通産省は、その後の粗鋼の問題についてそういう努力があったようにも思われぬわけです。そうしていま板川委員の四月以降、どうだという質問に対しても、まだ続けられるような御発言があったということは遺憾なんですがね。大臣はどうもなれておられるのでつかみどころのない答弁をせられるから、われわれもちょっと焦点を見失って困るのですが、はっきり言ってください。もうあまり長い答弁はだめです、ごまかされますから。
○三木国務大臣 それはお説のとおりだと思います。不況カルテルが結成できれば、そのほうが好ましいと思っております。しかしできない場合の措置として、放置しておいたらいいかどうかということの行政判断はあるけれども、原則としてはあなたの言うことに私は異存はございません。
○田中(武)委員 いや、だから、そんなら四月からはもう勧告によるああいう措置をとらずに、なお必要であるならば、不況カルテルに移行さすように指導する、そういうように受け取っていいのでしょうか。 それから、これはいまここで大臣と議論をしようとは思いませんが、これは官房長のほうでもけっこうですけれども、任務と所掌事務と権限、これをひとつ法律的にかっちりと分けてください。どうもこの間から私の質問あるいはいまの板川質問で、設置法の三条、四条が問題になっていますが、任務と所掌事務と権限というものがどうも明確に区別できていないところに問題があるように思いますから、これはいまここで議論しようと思いませんが、あらためてなにしますから……。
○三木国務大臣 不況カルテルの問題、できれば私は好ましいと思うのですが、御承知のように、業界がやはり百ぐらいあるわけですね、約百近く、なかなか話が、不況カルテルの場合はやはりみなが一致しなければできませんからね。したがって、われわれとしては、好んで勧告操短なんかしておるのじゃないのですよ。それは不況カルテルのほうが一番、そういうことで、われわれが政策目的が達成できるならばそのほうがわれわれの手数もかからないから好ましいことです。しかし、必ず不況カルテルということはお約束できない。どうしてもやはりできなくて、そのときの鉄鋼界の状態というものはそのまま放置できぬというときには、やはり勧告操短のようなものを継続せざるを得ない。だから、原則的には異存はありません。あなたのおっしゃるとおりだ。しかし、その原則がどうしても実行できないような場合においては、やはり勧告操短のような形を続けざるを得ないということで、どうもこれはまだ進行中です。業界自身の話し合いもしておるから、四月からのことをここでこういたしますとは言い切れない。それは通産省の方針だけでないのですから、業界全体のまとまりがどうかという前提条件がありますから、これは断定的に言えなくて御満足がいきかねると思うけれども、現在の段階においてはこういう答弁でごかんべん願いたい。
○田中(武)委員 いまの大臣の御答弁、これははっきりとここで言えないということですが、私が言っているのは、去年の七月から始めておるのですから、その中にあって、やはりノーマルな状態に持っていくようにそれこそ指導すべきではないかと思うのです。ところが、そういうことがあまり行なわれていなかった。ということは、勧告に対してそれを従わすような努力はしたか知らぬが、そうでなくて、勧告で緊急避難として一応やったが、それをなお法によるもの、あるいはそれをしなくてもいいようなところに努力するということをお互い、すなわち指導側も指導せられる業界も、この勧告操短という安易な上に立って私はサボッておったんじゃないかと思うのです。さらに、北島公取委員長は、好ましくない、こういうことをはっきりこの間もおっしゃったのですが、そうするなら、好ましくないといって、公取委として犬の遠ぼえのようなことを言っておらずに、どうもここで大臣と並んで答弁はしにくいと思うけれども、あなたも同じ認証官です。しかも、政府から独立をした半司法的な立場にあるわけなんで、もしそういったずるずると行政指導という名のもとに、なお独禁法上疑問があり、公取委としても望ましくない状態が続くならば、どういう処置をとろうと考えておられますか。
○北島政府委員 行政指導による勧告操短を必要とするような事態があるならば、それは独禁法上の不況カルテルにできるだけよるべきだというのが、公取委の昔からの意見でございまして、常にそういう方針で主務官庁に要請をしてまいりまして、行政指導による勧告操短がなくなったところにもってきてのこの粗鋼の勧告操短でございます。やはり、原則といたしまして、こういうような事態はできるだけ早く解消をして、もし必要とするならば、独占禁止法上の不況カルテルによっていただきたい、こういうのがあくまでも公正取引委員会の貫いた意見でございます。
○田中(武)委員 そういうことを通産省へ正式に申し入れられたことはありますか。
○北島政府委員 書面等で正式に申し上げたことはございません。しかし、通産省から、あるいは中小企業団体法に基づく調整規程の認可の御協議がありましたおりにおきましても、常に口頭でできるだけそういうカルテルは長引かないようにということをお願いしております。こういった行政指導による勧告操短につきましても同じような気持ちでおりますので、通産省はそういう気持ちをよくおくみ取っていただけるものと思っております。
○田中(武)委員 公取委としては、独禁法の運営上の責任から疑問がありあるいはどうかと思うというときならば、勇敢に公式に通産省へ公取委の意見を申し込んでもらいたいと思うのです。そうして、それを今度は通産省は受けて、どういう措置をとられるか、それは後日教えていただく、こういうことにしておきます。
○板川委員 私の言わんとしたところは田中委員から言いましたから、その間省きますが、私も緊急避難的に短期間やるならいいが、長期にやる場合にはこの独禁法の不況カルテルによるべきだ、こういう意見を申し上げておきます。ただ私は、その独禁法なり不況カルテルなりというものは別としましても、鉄鋼のような基幹産業に対して、国が経済的な影響力を考慮して干渉することは、それ自体は、重要産業ですから私は悪いことじゃないと思います。基幹産業です。社会党の場合には国家管理をしようという思想もありますから、国が干渉すること自体悪いことじゃない。しかし、先ほど言いましたように、法律に基づかないで行政指導ということであまり干渉をし、しかもそれに強制力を持たせようということになりますと混乱が起きるんじゃないか。だから、干渉しようというならば、干渉するためにはやはり鉄鋼業法なり国がこういう場合に干渉するのだという干渉の条件、権限、行使の限界、方法、そういったものを明らかにして、基幹産業である鉄鋼に調整を加えるということ自体は私どもは非難しようとは思わない。ただ、法律によらないで通産省は任務だと称して強制力を伴わない行為を、妙な法律を持ってきて強制力を持たせようとして、そしてやろうとするところに混乱がある。だから鉄鋼業法なりそういうちゃんと法的な根拠をもって規制をする、調整をするということなら、われわれはあえて反対するものではない。どうでしょう、鉄鋼業法でもつくる御意思はありますか、大臣。
○三木国務大臣 板川さんの御意見、傾聴すべき御意見であるとして承っておきます。
○板川委員 通産省の行政指導をめぐっての産業界の混乱というのは粗鋼勧告操短だけではないようであります。勧告操短はしないが行政指導という面も相当ある、その辺に産業体制を念頭に置いて一つの混乱なりがあるように思われるので、もっとすっきりした指導体制をとるならとるような立法措置を講じた上でやられることを希望します。 時間がありませんから次の問題に移りますが、次は繊維関係で、繊維不況カルテルの問題で若干伺いますが、繊維不況カルテルが三月末で切れますが、その後この不況カルテルをめぐってとかくの論があります。一体通産省、公取はこの問題に目下どういう立場をとっておられるか、簡単に説明をいただきたい。
○乙竹政府委員 綿糸関係の不況カルテルが十月から結ばれまして、三月末で一応終わりになるわけでございます。この不況カルテルは綿糸を中心にいたします非常な繊維不況、これを何とか立て直そうということで業界が努力をいたしたにもかかわりませず、どうにもならないというふうなことで、必要やむを得ざるものとしてカルテルが結ばれたことは御承知のとおりでございます。必要やむを得ざるものという市況でございまするが、御承知のとおり綿糸四〇につきまして昨年は百五十円を割ったというような事態もあり、大体われわれの計算では、綿糸四〇の採算点は、できれば百七十五円、少なくとも百七十円はほしいというふうに考えておったわけでございまするが、不況カルテル結成を契機に、幸い市況も立ち直りまして、これはインドネシアに対する十万コリの契約がおおむねできるということもあったわけで百七十円をこえたという事態もあったのでありますが、その後不幸にもインドネシアの十万コリの綿糸輸出は現在のところ非常にむずかしいという状態に相なり、綿糸の市況はその後惨落いたしまして、現在のところ百六十円をまだ割っておるという状態でございます。こういう状態でございますので、当初の予定では、この半年間に何とか市況の立て直しをはかり、半年をもってカルテルは終了いたしたいということで、業界、政府一致努力いたしたのでございまするけれども、現在の状況では三月末をもちましてカルテルが廃止されました場合においては、相当なひどい状況になるのではないかということが憂慮されております。こういう状況を前提にいたしまして、業界においてはいま先生のお話のようにいろいろの努力が重ねられまして、大体多数の綿紡業界の意向では、四月以降この綿糸の不況カルテルを単純に延長いたしたいという状況でございますけれども、若干この不況カルテル延長には異議のある向きもございまして、御承知のとおり不況カルテルでございますので、業界の意見がまとまらぬことにはこれはどうにもならぬというわけでございます。せっかく業界でいままとめる努力をしておられるのが現状でございます。
○板川委員 公取はどうです。
○北島政府委員 目下綿紡の不況カルテルは継続中でございまして、当初の経緯から申しますと、一応私どもといたしましては、三月末で、それ以後は延長される見込みはないというつもりでおったのでございますが、ただいまお話しのように、業界で大部分の方は延長を希望されておる模様でございますが、私どもといたしましては、これは認可申請がございまして、そこで初めてはたして独禁法上の不況カルテルの要件に合うであろうかどうかということを慎重に検討すべき段階でございまして、いまここでとやかく私のほうで申し上げる段階ではないと存じますので、御了承願いたいと思います。 〔委員長退席、小川(平)委員長代理着席〕
○板川委員 新聞等によると、日清紡が不参加を決定しておる。日清紡を説得するのはもうカルテル勧誘省の通産省が担当するほかはない。だから通産省頼みという状況だというような新聞もありますが、それはきょうは時間がないから、またあとで議論をしてもいいんですが、最近の報道の中に繊維産業界の体制問題とからんで、繊維新法を全く改正をして、旧繊維法、すなわち凍結によって生産調整をするんだ、こういうふうないわゆる鐘紡武藤試案というのが出されておって、通産省がこの繊維新法を改正し、旧法のような規制方法に返るような報道が一部されておりますが、そういう考えが通産省に今日あるんですか。この点ひとつ……。
○乙竹政府委員 現在の不況カルテル延長問題及び綿糸業界の構造問題をどういうふうに前向きで考えたらいいかということで、業界の方々、非常な苦心をしておられるのは御承知のとおり。この苦心の一つのあらわれが鐘紡武藤社長試案ということであると思うわけでございます。武藤社長試案は、これは十分傾聴に値するお考えであるというふうに、白紙で考えた場合には思うわけでございますけれども、しかし、繊維新法は二年にも及びます審議の結果成立したわけでございまして、現在のところ施行後まだ一年半という事態で、われわれはこの繊維新法の精神、法律を尊重しつつと申しますか、これに従って行政をやっておる段階でございます。ただ、現在の繊維産業は、国内におきます労務事情も変化いたしまして、それから複合繊維化もどんどん進んでおる。消費のパターンも大きく変わっておる。また、国際的には低開発国が発展してまいりまして、日本に対する有力なコンペティター、競争者になっております。さらに、先進国の市場がいろいろ狭隘化しているのも御承知のとおりでございます。こういうことでございますので、真剣に繊維産業、特に綿紡織を中心にいたします繊維産業の構造改善に取っ組む必要があるということでございまして、昨年の群れに産業構造審議会と繊維工業審議会の合同の小委員会を設けて目下鋭意この体制問題と取っ組んでおるという事態でございます。この小委員会に対しましては、業界及び学識経験者、また各般の世論というものは十分にこれを反映するというふうにわれわれ考えるものでございまして、この小委員会に反映されました各方面の真剣な御意見、これを前提にし、小委員会において真剣に構造問題と取っ組んでまいりたいというふうに考える次第でございます。
○板川委員 大臣、ひとつこの間の事情を承知してもらいたいのですが、繊維新法というのが三十九年の十月から出た。その繊維新法——繊維関係の法律ですね。それが制定されたのですが、それができる二年ほど前から学識経験者を動員して自由貿易下における日本繊維産業のあり方はどうあるべきかということの答申をしてもらい、そうして繊維新法の原案ができ、各業界の了承を得て、通産省が新しい自由貿易下における繊維産業のあり方として繊維新法というものをつくったのです。実際まだ一年半です。これは四年、一年据え置いて五年目から自由化をしていこうという方向——その新法をつくるときの精神は——従来の繊維関係の規制法というのは錘数を三分の一ぐらい凍結しておくのです。それで価格をつり上げておったという形です。しかし、それでは外国から、たとえば韓国などから、あるいは最近、まだたくさん入っておりませんが、香港なんか日本の強敵ですよ。安いのがどんどん自由化になって入ってくると、幾ら国内で価格をつり上げておったって、これはちっとも業者自体の利益ではない。産業自体の利益ではない。競争力を失ってくるじゃないか。だから、自由化して、そうして外国に競争できるような体制をとるべきじゃないか、こういう方針で繊維新法をつくったのですね。われわれもそれに賛成してでき上がった。そうして一年半、まだ経過期間中に、すでに新法を改正して、また古い構想によって繊維産業のあり方を規制しようというのは、これは私は問題だと思うのですね。これは通産省だってメンツにかかわる問題です。よほどの事情変更でもない限り——この間の固定資産税じゃないけれども、三年間は値上げしないといって二年目に出すようなもんで、これからやりますぞといって、そして三十九年十月の新法施行のときには、繊維局長通達として、もう再び過去のような規制する措置には返らないのだ、だから業者も業界もひとつこのことを考えて、繊維新法の方向で産業の立て直しをしてほしい、こういうことを通達まで出しておって、そうしてまるっきり逆の方向に戻す、逆戻りするような方向がもし考えられるとすれば、私はそんな法律はそう簡単に国会を通るもんじゃない、こういうことだけひとつ申し上げておきたいと思うのです。 それから、今度の予算に余剰紡機買上協会というのが若干予算計上されて、そういうのが運営されることになっておりますが、この余剰紡機買上協会の事業計画は、一体資金量は全部でどの程度になるのか、買い上げ量、買い上げ方法とか、あるいは将来これをどういうふうに考えておられるのか、これでどんどん買い上げていくということになれば、これはある意味では繊維新法の方向と逆行することになりますね。しかし緊急的な措置としてある部分やむを得ないというなら、それはそれであるかもしれませんが、一体紡機の買上協会というのはどういう事業計画を持っておりますか。簡単に……。
○乙竹政府委員 簡単に御説明いたします。 予算に計上されたのは五億でございます。民間側が買い上げ計画を持っている場合に、その民間側の買い上げ計画に同額をもって補助をするということでございます。したがいまして、買い上げられる総数量は十億円ということでございまして、買い上げられる対象の設備でございますが、これはまだ実は確定いたしておりません。 それで、この買上協会といま先生お話ございましたが、一応繊維産業の整備促進協会、こういう仮称をしておりますけれども、繊維関連業界が近く、いま申し上げましたような公益法人をつくることをわれわれ期待をするわけでございます。かりにこの協会が関係業界によって設立されました場合に、業界でおそらく協議が行なわれるというふうに思うわけでございますけれども、われわれは一応買い上げ対象としては、さしあたり綿紡績それから綿機、それから絹機、合繊機等がおそらく対象になるのではないかというふうに考えておる次第でございます。 なお、この買い上げを大量にやれば、繊維新法の考え方と少しそごをしてくるのじゃないかというお話、これはまことにごもっともでございまして、私たちは予算に計上、お願いいたしておるわれわれとしては、これでもってしゃにむに設備を買い上げて設備を減らそうということを考えておるわけではございません。ただ非常に急ぎますのは、現在業界の構造変革が急速に進むわけでございまして、構造変革が進む場合に、転廃業をしたいという繊維業者が出ることは十分考えられるわけであります。大企業者の転廃業はこれは自力で行なわれると思ろのでございますけれども、中小業者が転廃業をしようという場合に、何らかの措置を講じてあげるということは、これは片や転廃業、構造変革をスムーズに進めるゆえんでもございましょうし、またいままで日本経済に非常に貢献のあった繊維業者の転廃業に対して社会政策的な意味で考慮するのもけっこうなことではないだろうかというふうに思うわけでございます。 結論といたしましては、中小業者の転廃業者が希望された場合に限りまして、非常に緊急の急ぐ措置として買い上げをいたしたい、こういうことで予算を計上した次第でございます。
○板川委員 では、繊維問題は打ち切りまして、電力関係について御質問いたします。 北陸電力が近く値上げを申請しよう、こういう報道がありますが、北陸電力の値上げ申請というのは、その後どういうことになりましたか。申請されたのですか。その後の事情。報道されている状況等について、若干伺います。簡単でけっこうです。
○熊谷政府委員 簡単に御説明申し上げます。 実は、昨年の秋ごろから、会社のほうからは収支が非常に苦しくなったから値上げしたいという申し出があったわけでございますが、不況時代でもございますので、現在まで御遠慮を願っているという状況でございます。最近の下期の状況を推定してみますと、さらに悪化する状況でございまして、そう長くはがまんができないのではなかろうか、したがって、早晩提出があるのではなかろうか、かように考えております。
○板川委員 まだ申請が出ていないようですが、この問題にからんで、若干電力行政について伺いたいのです。 大臣、ひとつ聞いていただきたいのですが、昭和三十九年の九月三日の新聞報道でこういう記事が出ているのです。それは中国電力の機内社長が九月二日に「東京・日比谷の帝国ホテルで記者会見を行ない「最近経営も順調なので、利益を需要家に還元するための具体的計画をつくりたい。利益還元の方法にはいろいろあろうが、明年三月」すなわち四十年三月「期決算ごろに実施したい。そのまえにこの計画を織り込んだ長期計画をつくり、関係方面と折衝したい」と語った。この発言は中国電力が明年料金引き下げを実施する意向であることを明らかにしたもの。」である。これが三十九年の九月二日の日に社長が発表されたことばです。それから四十年の四月十五日、来年春と言った、その去年の四月に、村田という副社長がこういうことを言っておりますね。「現在の中国電力の料金は電灯の場合十一円八十五銭で、全国平均の十二円二十四銭よりかなり低く、安い方から三番目だが、電力の場合、平均の四円六十三銭に比べ、五円十五銭と高くなっている。」だからこの料金を、いまの計画では来年の十月を目標に料金の改定をしたい、こういうことですね。社長、副社長が料金引き下げをしてもいい、こう言っておるのですね。これには中国電力では電力料金が比較的高くて、あの地方では自家発電をどんどんするようになってきておる。このまま高い電力料金を出しておったのでは、自家発電がふえて、電力業者としての使命を果たせない。だからもうかっておることだし、この際値下げしたいと言っておるのですね。この電力料金を値下げしたいとこの社長、副社長が言っているのに、今日値下げが行なわれないのはどういう原因でしょうか。これをひとつ明らかにしてもらいたい。
○三木国務大臣 通産省が押えているのではないかという、板川さんの伏線があるのかもしれないですが、押えているような事実はございません。われわれも歓迎すべきことで、この年内に中国電力の電力料金の値下げが実現することを期待しているわけです。これは最近は多少こういう不況の影響を受けて需要の低滞などもありますが、いま御指摘のように料金は割り高ですから、中国電力が値下げをするということは非常に好ましいことであります。われわれはできるだけ早くそれの実現を期待しておるということでございます。
○板川委員 年内というと四十一年内ですか。暦年で……。三十九年の九月ごろから値下げしたいという意思表示があって、半年後にはやるだろう、去年の四月ごろやるだろうと思ったがやらない。そうしてさらに一年半を置いて、ことしの暮れまでに値下げする——発言してから二年間も値下げしない。それはいま聞くと大臣は歓迎すると言っているのです。中国電力では値下げしたいと言う、通産省では歓迎すると言うが、実際値下げが行なわれないのはどういうことでしょうか。これを解明してくれませんか。どういう理由ですか。
○熊谷政府委員 社長がお話しになってから相当期間がたっておるのではないかという御質問でございますが、先ほど大臣からもお答えがございましたように、われわれ事務当局といたしましても、これを押えるつもりはございません。むしろできるだけ早くやっていただくように指導しておるわけでございます。ただ御承知のように、最近の経済界の不況によりまして、相当需用が落ちまして、各電力会社とも減収になっております。特に中国地区につきましては、全国の中でも一番その度合いがひどいわけでございます。電力料金を上げる場合にいたしましても、下げる場合にいたしましても、やはり長期的な見通しに立って行ないませんと、簡単に途中でいじれる問題ではございません。そういうことで、中国電力では将来の見通し自体を現在真剣に検討している段階でございます。そういうことで情勢が悪化いたしましたのでおくれておりますが、先ほど大臣が申されましたように、年内にはこれが多少無理があっても実現できるように指導してまいりたい、かように考えております。
○板川委員 これも新聞報道ですから、そうじゃないといえばそうかもしれませんが、実際は通産省でいろいろ得意の行政指導で、値下げをさせないような因縁をつけておったのじゃないですか。たとえば中国電力が値下げをすると、関西電力でも値下げせざるを得なくなるだろう。だから関西電力としては、どうもそれは困るというような希望も、新聞には出ております。それから通産省では、あそこだけ値下げすると、また将来値上げせざるを得なくなるのじゃないか。だから値下げしたり値上げしたりめんどろくさいから、値下げしないでそのままいろ、こういうような指導もされたというふうに新聞にも報道されておる。おそらく私はそれは大体間違いのない指摘だろうと思うのです。値上げするところは必要があるからといって値上げをして、社長も値下げしたいといっているところを、また五年後に値上げするのじゃめんどうだから値下げしないでいろ、これはおかしいじゃないですか。だからいま通産大臣がおっしゃるように、望むところというなら、何で公益事業局は早急に値下げするような指導をしないのですか。この前の宮本公益事業局長も、いまの熊谷局長と同じようなことを言っていましたよ。一たん値下げしても、また値上げするようなことになってはぐあいが悪いから、よく慎重に検討しろ、一%か二%しか値下げしないのじゃあれだから、もっとできるのじゃないかと思うから詳細に検討しろ、なるほどうまいことを言っております。しかし検討しっぱなしで、まごまごすると二年間もたつのじゃないですか。三十九年からだから、約一年半ですね。値下げできるものは早急に、善は急げといろことばがあるのだから、早急に値下げさせて、万が一見通しが誤って、三年か五年後にどうしても若干の値上げをしなければならぬという状態であれば、それはそのとき値上げというものを考慮したらいいのじゃないですか。何年か後にまた値上げをするかもしれぬから、この際値下げはよしておきなさいという行政指導はおかしいじゃないですか。
○熊谷政府委員 第一点の中国が値下げした場合に他社にも波及するというようなことで消極的じゃないかというお話がございましたが、これは業界自体は多少そういう心理があるかもしれないことは、私ども否定いたしませんが、役所自体といたしましては、そういう問題は考えておりません。先ほども中国の問題について申し上げましたように、中国は料金が他社に比べて、特に二段料金は高いわけであります。これをやはり是正します、あるいはさせるということは、やはり電力経営の健全な発展の上から見ましても、好ましいことだと思います。したがって過去において多少いろいろな誤解もあったようでありますが、私の現在の気持ちといたしましては、可能な限り早く指導して、不合理な点は是正させたい、かように考えております。
○板川委員 ひとつ早急に——年内なら五月でも六月でも年内ですから、早急にひとつ値下げを見現してください。向こうの社長もやりたいと言っているし、理由もあるのですから……。余ってしようがないんですよ。有税償却はするし、積立金は多いし、こんたもうかってもうかってしようがない会社があるのに、なぜ値下げさせないか。 話をもとへ戻しますが、北陸電力の問題、行政指導によって、もうかっているところともうかっていないところをうまく広域運営を強化して——強制力は持たないが、しかるべく強制力を持たせて、この料金値上げをしないで済む方法は考えられませんか。二十九年に電力業界が再編成をされました。そのときにおのおの電源地域を分割したのですが、北陸地域に関西電力の水力発電がずいぶんあるのです。この地図等を見ますると、ずいぶんあります。ですから、関西電力の経常内容が非常にいいのですから、こういうところの水力発電設備をある程度安く譲渡するなりして、北陸電力の値上げをやめさせるような行政指導はできないものだろうか。そのために関西電力の経営がたいへんになるということなら別です。それまでしてはできないでしょう。しかし関西電力は今日中国電力と並んで経常内容の非常にいいところですから……。 どうも電力会社が九分割をして、ある地域のもうかっているところは値下げしない、ある地域は赤字だから値上げをする、こういう運営自体に問題がある。だから関西、中国なりを北陸と一本化すれば、私は値上げをしなくても済むだろうと思うのです。社会党は全電力企業を一本化しろという考え方をとっておりますが、私はそれをいまここで要求しているのじゃありません。いまの九分割のままであっても、そういう一部のいいところ——そのいいか悪いかというのは、二十九年の分割したときの条件であったのです。関西は水力がない、北陸は水力がたくさんあるから、その水力をとる、あるいは石炭火力中心でやりなさいということで、そういう意味では電気料金は高いところから出発しておる。その後重油に切りかわったために安くなっておるということもあります。あるいは山の中の水力発電よりも港近くの大容量発電のほうがコストが安いということにもなってきておる。ですから、そういう北陸地域内にある発電施設を北陸電力に安く譲渡するような方法を講じて、北陸電力の値上げを中止させるような行政指導もあっていいのじゃないかと思いますが、通産大臣はどうお考えですか。
○三木国務大臣 北陸電力の事情は、いま政府委員から御説明したように、三十二年でしたか、当時非常に低廉な水力電気を基礎にして料金がきめられておったわけです。 〔小川(平)委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、これは電力料金の値上げ申請があるのではないかと思っております。そういう場合に、その料金の値上げが需用家にできるだけ負担が増加しないように——御指摘のように関西電力、なかなか経理状態はいいわけであります。むろんそれにはいろいろ会社自体の努力もあるわけでありますが、しかし電気事業法の広域運営の精神に沿って、これは関西電力にも御協力を願って、できるだけ値上げをする場合においてもその幅を狭めたい、関西電力の協力、その他の電力会社も協力をしてもらうような行政指導を強力にいたしたい考えでございます。
○板川委員 では、時間がありませんから、その点はひとつ要望いたします。 次に、電力関係で尾瀬分水の問題で伺いたいのですが、群馬、福島、新潟三県の境にある尾瀬沼ですね、尾瀬盆地の水利用をめぐって、これを利根川に落として発電をするという水利権、これが東京電力へ許可がされておって、四十年ほど十年ごとに切りかえになってきて、ことしの三月三十一日でその期限が切れる、東京電力では再申請をしてさらに許可をもらおうということになっておるそうであります。この問題については昨年当商工委員会に、継続して与えることに反対だという請願があった。その請願は、通産省は関係省とひとつ検討しろという要望をして、留保したことがあります。その後この問題はどういうような状況であるか伺いたいのであります。新聞等によると、福島、新潟側では許可の再延長をしないんだ、この尾瀬沼の水は只見川を通じて福島、新潟側にやって後進地域の開発に使わしてくれ、もうだめだ、利根川に流すのは反対だ、こういうような趣旨で反対を唱えておる。しかし群馬県側は矢木沢ダムをつくって一部をすでに利根川に流しておる。天然記念物ですか、あそこの植物を水没さしてはいけないというので、水没をさせないで水を利用しようという計画に切りかえて今日に至っておる、こういうふうになっておるそうであります。この水利許可は一体この場合——二県は反対だ、群馬県側はもちろん賛成だ、二対一で意見がまとまらない、多数決じゃないでしょうから、この場合どこでこの問題を調整することになりますか。
○熊谷政府委員 河川法に基づく許可でございますので、あるいは建設省のほうからお答えしたほうがより的確かと思いますが、御承知のようにこれは二級河川になっております。そういう意味で県知事がやるということになりますが、御指摘のように知事間の話がまとまらないということになりますると、場合によっては建設大臣が中に入っていく、こういうことになろうか、かように存じます。
○板川委員 建設省来ておりますか。——この問題はその後どういうような動きですか、わかる段階でひとつ説明してほしいのです。
○青木説明員 ただいま先生からお話のございましたような経過を実はたどっておるわけでございます。この水利権の地域が三県にまたがりますので、群馬県と福島、新潟の考え方が正反対だという状況でございます。したがいまして建設省といたしましては現在のところ関係の県の担当者の会合を持ちまして、いろいろ事務的な調整を行なっておる段階でございます。しかし事務的にはなかなか調整はむずかしい問題もございますけれども、近いうちに、河川審議会に水利調整部会という部会がございますが、そこにも相談をいたしまして、三月末までには結論を出したい、なおこれについては政府関係省とも十分協議いたしまして善処いたしたいというふうに考えております。
○板川委員 これは調整をするということになるとどこの法律——河川法ですか、それとも地方自治法ですか、どちらによるのですか。
○青木説明員 河川法でございます。
○板川議員 新しく水利を許可するかしないかという紛争の場合には、これは河川法の三十八条から四十条にわたって建設大臣が審議会の意見を聞いて調整をするのだということだそうですか、しかしこのように過去にすでに許可をしておって継続をめぐっての紛争については、これは地方自治法二百五十一条による調停だ、こういう説があるのですが、それはどっちですか。
○青木説明員 私どもの考えておりますのは、新規の水利使用の許可はもちろんのことすでに許可された水利権の継続使用の許可につきましても、当然水利使用の中に入るというふうに考えております。したがいまして全部の関係について河川法の問題として処理いたしたいというふうに考えております。
○板川委員 管轄の問題はそれでいいのですが、もうすでに三回にわたって、四十年近い間、反対された新潟、福島県側も賛成をされて今日に至っておって、そしてその段階で開発が若干おくれているにせよ、そういう約束ごとできておって、これを急にここでひっくり返すということにはなかなかいかぬだろう、こう思うのです。いずれにしてもこれは常識的な円満な解決方法があるだろうと思うので、ひとつそういう解決の方法をとってもらいたいということを要望いたします。 時間がありませんから次に移りますが、次はアラビア石油の外資提携問題について伺います。 その前に標準価格の撤廃、この問題について伺います。二月十五日から標準価格を撤廃されました。この撤廃をされた後値上がりをするのじゃないかという心配をされる方も一時あったのですが、撤廃された後の市況の状況はどうだろうか、値上がり等のことは絶対に心配ないだろうと思うが、その点を伺いたい。
○大慈彌政府委員 標準価格は、ただいま御指摘いただきましたように二月の十五日付で廃止いたしました。これは石油業法に基づきまして、御承知のとおり三十七年に告示を見たものでございますが、価格が高騰または下落のおそれがある場合に標準価格を定める、こういうことになっております。今度廃止しましたのはそういうおそれはなくなった、こういうふうに判断をして廃止をしたわけでありますが、御指摘いただきましたように、逆に上がるのではないか、それからまた、業者によりましては非常に下がるのではないか、両方の意見がございましたが、いまのところは、十五日に廃止したばかりでございますが、安定した動きを示しております。需給計画を適正に組む、それから業界の協調体制がくずれないといいますか、なお続けていくということであれば心配は要らない、こういうふうに考えております。
○板川委員 この問題は昨年八月二日の私の質問で、もう石油業法により著しく高騰するあるいは著しく下落するおそれはなくなったのだし、市況も安定したから取りはずすべきだ、こういう発言に基づいて撤廃されたと思うのでありますが、その後一応大きな変化がなければこれは一つの役割りは果たした、こう思います。 そこで次に石油の販売関係で伺いたいのですが、石油販売店がいわゆる正札販売をいたしておりますね。この正札販売というのは正札をつけて品物を売る、定価を書いて表示しておいて定価どおり品物を売る、こういうのがいわゆる正札販売だろうと思うのです。これはデパートの販売方法と同じであって、販売秩序としては正札販売の方法自体は何ら非難すべきものはないのじゃないか。ただ正札販売にかこつけて裏面に価格協定が、ある地域にあるとか全国的にあるとかいうことであれば問題でありますが、この正札販売についての公取の現在までの見解というものをこの際明らかにしていただきたい。
○北島政府委員 ただいまお話がございましたように、正札販売自体は掛け値なしに物を売るということでございますから、別に独禁法上問題ないわけでありますが、えてしてそれが価格統一の手段あるいは引き上げの手段にされるおそれもございます。そこで物によりましてやはり警戒しなければならないことがあると思うのであります。たとえば石油製品のような大体品質が同じようなもの、規格が同じようなものについて正札を守りましょうやということが、えてしてやはり価格協定の具に供せられるおそれもございますので、そういう点は十分注意しなければいかぬと思っております。石油関係につきましては各地区でそういう問題もございます。それからまた、県の商業組合の調整規程で正札販売を守ろうやという規定をつくりたい、こういう御希望がございますが、公正取引委員会といたしましてはこういう製品については適当じゃないのじゃないかということでいままでお断わりをいたしております。
○板川委員 ではアラビア問題に移りますが、アラビア石油と米国系のシティー・サービスとの提携が伝えられております。これはわれわれとしては日本の石油政策のある意味では重大な転換だろう、こう思うのです。この点は私ども非常に重要視いたしておりますが、このアラビア石油とシティー・サービスとの契約内容、これについての政府の態度について、どういうふうにお考えになっておられるか、ひとつ伺っておきたい。
○大慈彌政府委員 アラビア石油とシティー・サービスとの契約の内容を最初に申し上げます。 契約の相手方はアメリカのシティー・サービス、それからコンチネンタル・オイル、二つの会社でございます。この両者は独立系の石油会社でございまして、大体大きさからいいますと九番目か十番目か、そのあたりにある会社でございますが、しかし、日本の会社と比較いたしますと、九番、十番といいましても非常に大きな会社でございます。契約の期間は十七年間ということになっております。それから原油の販売量でございますが、アラビア石油の原油生産量の二八・二五%、端数がついておりますが、一六・二五%をシティー・グループというのですか、シティーのほうに渡す、こういうことでございます。そのためにシティーのグループはアラビア石油に対しましてすでに投資をした金額の残存価額のうち一六・二五%を支払う。それから今後の投資及び操業に必要な経費の一六・二五%を前払いする。結局かかったお金の一六・二五%をシティーが払う、こういうことでございます。それに対しましてアラビア石油のほうは、お金をいわば前金で受ける。そのかわりに油も一六・二五%で向こうに渡す、こういう内容でございます。 こういうふうな契約を認めるかどうかということでございますが、現在詳細なデータを向こうからもらいまして鋭意検討中でございます。契約は四月の一日から実施をしたいということになっておりますので、早急に結論を出す必要があるわけでございますが、いずれにしましても四月には間に合うように態度をはっきりする必要があろうかと思います。問題は、こういうふうな契約を認めます場合に、従来の国内の引き取りに悪影響があるかどうか、それから値段は非常に安くなっているが、不利になっているようなおそれはないかどうか、あるいはアラビア石油の経営権の自主性といいますか、そういうところに影響があるかどうか、こういう点を十分検討する必要があろうかと思います。と同時に、その一六・二五%が、日本に引き取ることが可能な量の上積みになるかどうか、それによって生産規模の拡大あるいは開発の促進、それから日本の国内におけるサルファ問題との関連、そういう点はどういうことになるか、その辺を慎重に検討した上で結論を出したい、こう考えております。
○板川委員 アラビア石油がシティー。サービス等と提携をするに至った理由というのはどこにあるんでしょう。アラビア石油も前からいろいろの関係でシティー・サービスと話があったことを承知しています。この前は二五%のあれですが、そのときはわれわれも反対をいたし、幸いにしてサウジアラビアが反対したために、あれはこの前は一応つぶれた。今度はサウジアラビアの分はのけてクウェートの分だけらしいのですが、アラビア石油がこういう外資と提携せざるを得ないようになった理由はどこにあるのですか。
○大慈彌政府委員 アラビア石油がシティーと話を始めましたのはたしか三十九年だったと思います。その間、話がうまくいっているかと思いますとこわれる、また話を蒸し返す、こういうことできたと思います。アラビア石油自身としましては埋蔵量が非常に多い。それから潜在的な供給力というものが非常にたくさんあるわけでございます。これも先生御承知のとおりでございますが、現在カフジでとっておりますのは八億キロリッターといっておりますが、毎年二千万キロリッターずつとりましても四十年かかる、こういうことになるわけでありますが、その東の地区にまた新しい、非常に有望な——試錐といいますか、穴はまだ掘っておりませんが、従来の地質調査等によりますとカフジ層に十分匹敵する、あるいはそれ以上の場所が見つかりそうだ、こういうデータがいろいろ出てきているわけでございます。そういう点で、それを全部日本に持ち込んでくれるとよろしいわけでございますが、御承知のとおり、硫黄分が非常に高いということで、公害問題との関連があるわけであります。この硫黄分が早く片づくとよろしいわけでございますが、現在まだそういう動きといいますか、いろいろな勉強がされておりますが、客観的に見まして、いまの引き取り量倍増なり非常に多くするということは非常にむずかしいのじゃないか。したがいまして、アラビア石油としましては、海外にも安定した市場というのを持つということをかねがねから希望しておったわけでございます。それが一番大きな原因だと思いますが、それ以外に、生産量を増加することによってコストの引き下げに役立つ、あるいは資金が何ぶんにもたくさん要るために、資金の回収が早くできるというような要素がいろいろ重なっているかと思います。そういうことでこの話を進めてきたものであるというふうに考えております。
○板川委員 大臣、アラビア石油がシティー・サービスと提携せざるを得ないというのは、これは日本に石油政策がないというところに原因があったのだろうと私は思うのです。日本の企業が掘り出したものを輸出するのです。理屈は簡単なようですが、四十一年度の原油の輸入童は、需給計画によると約九千二百万キロリットルですね。そのうちの千三百万キロリットルか千四百万キロリットルか、引き取りに対していろいろクレームがついてむずかしいからということもあったのでしょう。それから、八億キロリットルもあり、まだたくさん掘れる能力があるのに、開発資金がないということもそうでしょう。一番われわれが弱い点は、硫黄分が多いという点が弱いのです。確かに、日本は公害に対する世論の批判というのが非常に強くなりまして、石油精製会社がくるとその地方が全部死の灰で埋まってしまうような考え方を持つ人もあるのです。しかしこの硫黄分も、これまたわれわれの情報ですが、神奈川の試験所では脱硫装置の開発ができるとか、あるいは出光が米国から脱硫技術を導入するとか、あるいはアメリカでは完全に脱硫装置が開発されているのだ、こういうことを言っておりますね。ですから、このアラビア石油が外資と提携せざるを得なくなったのは、開発資金の不足というのが一つでしょう。それから国内の販売数量について、一々これまた問題があって、引き取りについていろいろ苦情が出るので、いや気がさしたというのも一つでしょう。それから硫黄分が多いので、あまり強制的に割り当てすることもできそうもないということも一つでしょう。しかしこういった問題は、私はそう解決できない問題じゃないと思うのです。いま局長が言ったように、たとえばシティー・サービスの条件である過去の開発資金に対して一六・二五%の資金をシティー・サービスが提供するというのです。六百億の一六・二五というと約百億弱ですよ。そうしてこの百億円の金をシティー・サービスがアラビア石油によこすのだ、その返済は何かというと一六・二五%の原油を売り渡す価格から差し引くというのでしょう。売り渡す額から差し引くという説明を聞いています。前払い的なものである、そしてそれは返済しなくてもいいのだ、原油で返せばいいのだ、差し引かれるというんですね。その計算をしましたら、千三百万キロリットルの一六・二五%は約二百十万キロリットルですね。この二百十万キロリットルの原油の値段がFOBの計算で十ドルするかな、三千六百万円、十ドルとすると、二百十万キロリットルならば七十四、五億円になりますね。二百万キロリットルにして七十二億円ですが、一年数カ月分を原油で払う気になれば百億円近くの金というのは品物で払えるんですね。だから、その程度の開発資金が今日、日本の産業界から集まらないはずはないと私は思うんですよ。すでにアラビア石油が開発されてどんどん石油が出ているのですから、これから掘るところじゃあぶないから金を貸さぬというかもしれぬけれども、そうじゃない、出ておるんですから。私は、その百億や二百億の金が日本の産業界から調達できないはずはない、できると思うのです。だから、一六・二五%の過去の投資分の金をもらうから非常に有利のように考えるけれども、私はそうじゃないと思う。たいした利益じゃないと思う。それが一つです。それから販売の問題でも、四十一年度は九千二百万キロリットル、九千二百万トンという表現をしてもいいとして、そのうちの千三百万や千五百万キロリットルを、日本の技術で、日本人が中心になって開発したものを日本の国内に引き取れないという理屈はないと私は思うんですね。これが、日本国内の需要がもっと少なくてアラビア石油の供給がもっと多いならそれはわかります。また、いろいろな関係でアラビア石油だけで日本の石油を全部まかなうというわけにいかないから、その意味では多少輸出されることもわかりますが、九千二百万キロリットルのうち千三百万や千四百万キロリットル日本に入る、それを輸出しなくちゃならぬという理由が私はわからぬと思うんです。それと、サルファ分が多い、これは確かに多いのです。多いけれども、技術開発も大体九分通りきておるのじゃないですか。この脱硫装置の技術開発、これは真偽のほどはわかりませんけれども、新聞報道によりますと、シティー・サービスがこう言っておりますね。カフジの油はサルファが多い、こういうことがあるけれども、アメリカでは脱硫装置が開発されているから別にその点は心配ないと言っているという記事がありました。アメリカで脱硫装置が開発されておる。出光もそれかどれか知らぬけれども、アメリカの脱硫技術を輸入すると言っておる。神奈川の工業試験所では開発をされたとこの間報道されておる。問題点は大体解決するものじゃないか、その解決されるものを解決せずにアラビア石油が外資と提携するのを許可して、そしてあたかも一六・二五%の過去の投資分の金を前払いでもらうことがたいへん有利なような考え方、ここに私は石油政策の貧困というのがあるのじゃないかと思うのです。大臣、承知かどうか知りませんが、石油の開発については昭和四十年でもフランスで二百億円、西ドイツで百二十億円という金を出しておって、石油の原油の開発といろものに力を入れておるのです。そういう点からいうと、わずか百億くらいの金が非常なえさになってエビになって、それに飛びついていくというのはどうかと思うのです。日本の政府の石油に対する政策の貧困と言う以外にないのじゃないか、こう思うのです。この石油が九千二百万キロリットル輸入されると、日本のエネルギーの中に占める石油の比率というのは何%になりますか。六〇何%か七〇%近くになるのじゃないですか。石炭と水力しかほかはないのですから……。ちょっと答えてください。
○大慈彌政府委員 ちょっと計算をいま、しておりませんが、大体六〇から六〇ちょっとぐらいじゃないかという感じです。
○板川委員 とにかく産業の血液といわれるエネルギーが国内で調達できるのは水力発電と石炭でしょう。その分野はだんだん少なくなってきて、大部分、六割からを現状は石油にたよっておる。やがてこれは七割になり、七割五分、しまいには八割という状態になるでしょう。そのころから原子力発電に変わってくるかもしれませんが、とにかく六割をこえておる。もし原油の輸入が一カ月とまれば、大体一カ月ぐらいしか貯蔵がないのですから、一カ月とまれば日本産業の六割はエネルギーを失ってとまるということになるのですね。計算からいうと……。この石油の安定供給なり、安く買うという考え方というのは、私は産業政策の上から重要だ、こう思うのです。日本政府の石油政策の中で一番大きいのはアラビア石油じゃないですか。このアラビア石油がわずかな開発資金がないからということで外資提携していくのは、これはやむなし、こう見るのは私はどうかと思うのです。この点について通産大臣のお考えを伺いたい。
○三木国務大臣 一番問題なのは、やはりサルファの問題だと思うのです。これがいろいろ脱硫の技術が開発されたとの板川さんのお話ですけれども、まだ経済ベースに乗った開発はされてないというように私は承知しておるわけです。そこで、その間に、もしサルファが非常に少ないということであれば、そういうことをする必要がない。することは邪道だと思うのです。そういうことで相当な時間がかかるのではないか。大型プロジェクトの技術開発にも特に取り上げて、この問題を今度研究しようということですから、したがって現在のところでは、相当アラビア石油も生産規模を拡大していく傾向にありますから、そのことによって日本のエネルギーの需給関係に大きな障害は与えないと思います。しかし将来のことも考えて、これを許すかどうかということについては、慎重な検討をしなければならぬと思っております。ただ、御指摘の中に私も同感なことが多いので、日本のエネルギー政策というものに対しては、いままで力の入れ方が少なかったということを感じます。今年度も海外の原油開発に対しては、いままでに比べると相当な予算、二十億ですが、その全額それ自体が大きくはない。いままでがあまりにも少な過ぎたわけであります。そういう点でエネルギー政策というものを全般的に練り直しをしなければならぬ時期に来ておる。いままではどうもそういう点が弱体であった事実は認めざるを得ない。アラビア石油の問題は将来の需給関係あるいはまた脱硫装置の開発の見通し、こういうことも頭に入れて慎重にこれに対しては検討すべき問題であるということについては、私もさように考えております。
○板川委員 時間がないからはしょりますが、原油公団が実際つくられて、開発に対するある程度の政府の積極的な意欲があれば、私はアラビア石油もシティー・サービスとの提携はしなかったと思うのです。原油公団の構想がつぶれたということになってから、それまで下話をしておったのが積極的に進んだ。原油公団は、通産省としては、今度の公団を新設しないという方針に従ってできなかったのですが、原油公団の構想はどうなんですか。放棄したことになるのですか。今後ともこれを貫いていく方針ですか。
○三木国務大臣 原油公団の構想は、政府がああいう基本方針をきめたわけでありますから、その大方針であったわけですから、予算編成の大方針というので除外例を認めるということは、この方針をくずすことになりまして好ましくないということで、政府の方針に従った。ただしかし、アラビア石油の場合は、原油公団の話ができる前からそういう話はあったわけで、これが右から左というふうには考えていないけれども、関連性がないとは私は言えないと思います。したがって原油公団というものは将来もこれを放棄して、これはあきらめてしまうというのではなしに、この問題はやはり何らか海外の油田の開発、あるいはまた引き取りの円滑化、こういうものについては何かこういうものが要るのではないかという考え方は放棄していないということを申し上げておきたいと思います。
○板川委員 それからもしシティー・サービスとの提携がなった場合に、それだけ数量が減るわけですね。一五%ばかり減るわけです。しかしこれは過去の実績よりも減らないということを局長は先ほど言われておりましたが、過去の実績より減らないだろうと思うのです。局長がこの前私に、アラビア石油の引き取り体制というものをある程度制度化したい、毎年毎年、ことしは幾ら引き取ってくれ、来年になったら、またことしは引き取ってくれというのじゃめんどうだから、たとえばこの総需要量の一五%なら一五%をひとつアラビア石油は引き取るのだとか、引き取り体制を軌道に乗せて、安定的なアラビア石油の国内引き取り体制をつくりたい、こういっておったのですが、今度の場合にそれが実現をするかどうかということですね。 それからもう一つは、私が直接聞いたのですが、シェルの本社に行ったときに、アラビア石油の原油をぜひ買いたいと言っておるのです。何も日本国内に無理に押しつけなくたっていいじゃないですか。法律にない方法で……。さっきの行政措置でいっておるのだけれども……。もし何だったら、シェルはアラビア石油と提携をして、原油をわれわれも買ってもいいんだ、提携をしたいんだと言っておる。シティー・サービスと同じ条件かあるいはそれ以上の条件、いい条件でアラビア石油の原油を買いたい、こういう話がもし持ち込まれたとしたらどうなりますか。なるほどそれはけっこうだからといって許可をしていく方針ですか、どうですか。
○大慈彌政府委員 最初に引き取りの基準でございますが、毎年幾らの数量を引き取るということでがたがたするよりは、ものさしを一度つくってしまうと非常にいいのではないかという御指摘を前にいただきまして、私もぜひそういうことでやりたいということを申し上げた記憶がございます。今年度にできればそこまでいきたいと思いますが、従来の数字を見ますと、毎年国内の引き取りのパーセンテージが上がっているわけでございます。総輸入量とアラビア石油の引き取り量との比というのはだんだん上がっておりまして、あまり低いところで固定するのはどうだろうか、上げ得るものならまだ上げていきたいという気持ちが、昨年もございましたし、それからこれはまた逆のほうでございますが、比率が同じでも使用量自体がふえますと費用の問題が非常にきつくなるということで、引き取り側から反対の意見があったりしまして、去年は具体的な、何%というような基準のないままにきたわけでございます。それで、四十一年度でございますが、シティーの話がどちらにきまりましても、国内の引き取り量はそれとは関連なしに、前年よりふやしていくということは、ぜひいたしたいと思います。現在アラビア石油と精製各社とすでに話し合いに入っておりますが、できれば今後三年のパーセンテージを固定したらどうだろうかというような案もアラビアのほうから一応軽く打診はしております。しかしその点は、シティーの話がどうなるかということもありまして、いますぐ固定してしまうというのが得策といいますか、その辺も考えながら、できれば毎年がたがたのないようにということにしたいと思います。どうもはっきりした回答になっておりませんですが、できれば、がたがたしないように三年を固定したい、しかしシティーの問題もございますので、あるいは四十二年度、四十三年度というのは、値段の問題なりいろいろな状況を見て、その上で絶対きめるかあるいは見送るかという態度をきめたい、こういうことでございます。 それからシェルの本社に先生がおいでになりましたときに、ぜひ売ってほしい、提携もしたいという話があったということでございますが、まずシティーとのいまの話は、資本の提携とかその点はございません。前金で金を受けまして油で払う、こういうことでございます。 それから先ほどちょっと先生がおっしゃいました、百億前金を受けまして、その百億の金くらいは初年度かそこらで全部返してしまってえらい損ではないかというお話がございましたが、これは先ほど私がシティーの中身を説明したときの舌足らずでございまして、今後の投下量、それから今度の操業費ということに対しても一六・二五%出していく、こういうことでございまして、結局この一六・二五%先方が負担する金といいますのは、原価といいますか、大体コストになると思います。油を売る場合にはコスト・プラス・アルファということで、計算はそれ以上の金をもらう、こういうことになっておりますが、それが有利かどうか、非常に不利かというのは、先ほど申し上げましたように、今後検討する、現在非常に検討しているという段階でございます。それで、この社以外に非常に申し出があった場合に認めるかどうかというのは、どうもケース・、ハイ・ケースと申し上げますと回答にならないのでございますが、国内の引き取りはこういうことにおかまいなしに十分な量を確保したい、先ほどから基準を固定したらどうかという御示唆もございますが、そういう点を考慮しながら、国内には影響のないようにしたい、それから現地のほうの今後の開発状況といいますか、非常にたくさん出るかどうか、こういう開発状況いかんにもよる、それから提携が非常に不利かどうかということにもよると思います。その辺を、実際に話が出てくる、あるいは話を進めたいというときには検討しながら態度をきめていくしかないのではないかと思います。現在話がございますのは、クウェートの国営石油会社と話が進んでおります。しかしこれは対抗馬といいますか、フランスの石油であるとか、イギリスの会社であるとか、ほかのところも相当な激しい売り込みをしているというふうに聞いておりますので、どういうことになるかはわかりませんが、いま問題になりますとすればクウェートとの関係であろうかと思います。しかし、比率的にいいますと、それほど多い比率だとは考えません。
○板川委員 クウェート国営石油精製会社が一〇%、シティー・サービスと同じ条件で売ってほしいと言ってきておるそうであります。クウェート国営石油会社というと、クウェートの地内でやっているのですから——まあもっともあそこはいわゆる国営だろうと思うのですが、国、地元の関係で、これは同じ条件で売らぬというわけにはいくまいと思うのです。片一方やったとすれば応じなければいけないだろう、こう思うのです。そうすると、二割六分が輸出されることになる。それでも国内のアラビア石油の持ち込み量というのは減りませんね。
○大慈彌政府委員 減らないと思いますし、ふやすようにしたいと思います。
○板川委員 まあひとつシティー・サービス提携問題は軽々にタッチしないとか、いろいろの問題がありますが、しかし大臣、慎重に審議をした結果結論を出していただきたいということを要望いたします。 そこで、この石油問題が出たついでに、海外開発問題で、ことし二十億円予算が取れました。最近なかなか意欲的に海外開発の種をあちこちちょっぴりちょっぴりまいて歩くようであります。樺太における天然ガスの開発、あるいは日ソ貿易協定によるシベリアの石油開発、カナダの石油開発、ニューギニアの石油開発、アラスカもあるそうでありますが、こういう各地の石油開発をめぐって、国内の石油資源開発株式会社と帝国石油株式会社、この二つが国内の鉱区をめぐっても同じような仕事をし、国内の営業をめぐっても同じ仕事をしておるのです。海外開発をする場合には、実は特殊法人としての石油会社でいったほうがいいのか、民間会社の帝国石油でいったほうがいいのか、相手によって両方使い分けたほうがいいという考え方もあると思うのです。しかし、どうも国内に関する限り、特殊法人である石油資源が、帝石と全く同じ仕事をしているというのもどうか。石油資源開発株式会社が最初できたときには、主としてリスクの多い探鉱部門を政府の資金のもとに石油開発をして、帝国石油というのは掘り当てたものを開発するようなこと、それから従来手がけておったガス、こういった問題を主として担当するということで、実は分けられて出発したのですね。ところがその後法律改正があって、石油資源開発株式会社というのはガスもやるし、営業もやるということになって、帝国石油と同じような仕事をやっておる、こういう点で私は、ある意味じゃむだなものが多いと思うのです。同じ機械でも帝石も持っている、石油資源も持っているというようなこと、あるいはそれが一つの会社ならばどっちか一つで間に合うという場合もあるだろうと思う。いずれにしても、この海外石油開発が非常に多角的になってきておる今日、国内の石油資源開発と帝石問題というのも再検討すべきじゃないか、私はこう思うのですが、この問題、ヒントだけ私は提起いたしておきます。どうです。
○大慈彌政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、当初は石油資源開発株式会社は原油を中心にしまして、帝国石油はガスを中心にするということでスタートしたわけでございますが、水溶性のガスが採取制限になったとか、いろいろな事情でただいま御指摘のありましたように、だいぶ両者の仕事が入りまじっているようになっているということは確かでありますが、しかし根本的には別であります。たてまえはあくまで一方は原油、一方はガスということで進んでおりますが、将来合併したらどうか、あるいは両方の仕事の分野をもう一度整理したらどうかという、いろいろの問題があると思います。現在では、まだ若干時期尚早ではないかと思いますが、貴重な御示唆として、そういうときはいつごろが適当かということもあわせて検討さしていただきます。
○板川委員 問題を提起して示唆しておくにとどめます。 公取おりますか。公取に伺いますが、映画界が非常に衰退をしてきて、どうして日本映画が立ち直れるか、こういうことが関係者の間で大きな話題になっておる。その中で関係者の意見等を見ると、五社協定がある意味では非常に俳優を拘束して、いい映画をつくらないために——五社協定が実は映画の大きな衰退を促進してきたというか、障害になっておるという趣旨のことがあるのであります。この五社協定については、かつて公取が調査をしたことがありますね。調査をしたところがこういっておるのですね。「昭和三十八年二月十一日、前記協定中違反被疑条項を削除し、その後このような行為を繰返しておらず、本件違反被疑行為は消滅したものと認められたので、昭和三十八年三月本件は不問に付した。」といって、五社協定の問題は公取が不問に付したのですね。だから五社協定はまあ悪いところは注意したから、もう拘束性はないのだ、心配はないのだということで不問に付したのですが、ところが関係者の発言を見ると、ほとんどがやはり五社協定に触れていますね。だからこれは実際は五社協定はないようだけれども、事実として五社協定の精神は生かされているのじゃないですか。この点は公取はどう考えていますか。
○竹中(喜)政府委員 お説のとおり昭和三十二年に五社協定を私のほうで問題にいたしました。それを問題にいたしましたのは、これも御承知と思いますが、独立プロという映画製作所があって一「異母兄弟」という映画をつくりました。それに出演した俳優が、契約が切れておらないにもかかわらずほかの会社と契約をした。こういう俳優を使った映画は五社の系統には流さないということで、その上映ができなかったわけでございます。その後話し合いがついて上映は一応できております。それで私のほうでは、これを独禁法違反ではないかということで問題にいたしました。それでただいま板川委員お説のとおり五社協定の中からその条項を削除いたしまして、その後その問題が起こっておりませんので、一応不問に付したわけでございますけれども、最近週刊誌その他にそういう記事があるようでございます。私もそれとなく各方面にその後五社協定がどうなっておるか尋ねておるのですが、はっきりしたことはわかりません。そこでそういうことが依然として行なわれておるということでありますれば、これは私どものほうで違反事件として審査する必要があると思いますので、今後その点十分監視したいと存じております。
○板川委員 資料も持っておると思いますから、具体的に言いませんが、この関係者の意見等を見ると、事実として五社協定は生きている。ということになれば公取で不問に付したということは、これは問題だと思うので、ひとつ再調査をしてもらいたいと思う。事実があれば適切な指導なり処置なりをしてもらいたいということを要望いたします。 もう一つ、最後ですが、日産とプリンスの合併、昨年自動車の自由化を前にして日産とプリンスが合併しましたが——合併するということをきめて、ことしの末までに正式に合併しようということになっておると思うのです。その後の日産、プリンスの合併の促進状況というものはどういう状況ですか。
○川出政府委員 昨年の五月の末に、日産、プリンス両社が合併の基本方針を発表いたしまして、その基本方針に基づきまして、両社の間で合併委員会というものを設けまして、両社から代表が出て、合併の準備段階でいろいろな話をしておるわけでございます。その内容につきましては報告がございませんので、私どもも詳細はわからないわけでございますけれども、両社の方針は発表のときと同様でございまして、四十一年中には合併を実施したいということで現在運んでおるようでございます。
○板川委員 通産省は、これは大臣も盛んに規模の利益というのを強調しておられて、日産とプリンスが合併することは、大いに規模の利益があるものとして関心を持っておったと思うのです。ところが、その後報告もないし、通産省もあまり合併の状況に関心を持たないというのは——どうも種をまいて宣伝しっぱなしで、関心を持っていないというのはおかしいのじゃないですか。
○川出政府委員 関心を持たないわけではございませんが、経営の内容の問題ですから、こちらから特に詳細についていろいろ勧告したりする必要はないわけでございます。現在販売店の問題とか、あるいは下請の問題とか、そういうことを具体的に検討しておるという一般的の報告は聞いておりますけれども、どういう内容になっておるかということは知らないわけであります。
○板川委員 順調に進んでいますか。
○川出政府委員 いろいろ具体的には困難な問題が相当あるようでございますけれども、合併の時期等の見通しについて、それを変更するようなことはないという報告を受けております。
○板川委員 具体的に困難な点があるというのはどういう点です。
○川出政府委員 たとえば両社の下請、それぞれ下請企業を持っておるわけですけれども、これが合併になりますと、従来両社の持っておった下請業者をどういうふうに系列化していくかというような問題、これは方向はいろいろあると思いますけれども、現実の個々の問題になりますると、これをどういうふうに調整していくかというようなことでございます。
○板川委員 そのほか労働問題がありますね。これは私も戦時中国策会社におって、合併会社をずいぶんあっちこっち回ったのですが、普通合併される場合には、被合併会社の従業員というものは、たとえば企業が大きくなって雇用が安定したとか、待遇がよくなるとかということで、労働条件がよくなるというので大体喜ぶのですね。ところが今度の合併を見ると、プリンスのほうが労働条件がいいんですね。被合併会社のほうが条件がいい。合併会社のほうが条件が悪いから、それを統一しろというところにごたごたの原因があるようですね。私が言いたいのは、合併合併と通産省が盛んに指導するが、そういういろいろな条件も考慮せずに、ただ合併すればいいということ、それだけじゃ規模の利益は生まれませんぞ、ほんとうに両方が好きで一緒になるという形でないと、いやいやのものをおっつけたところでそうはうまくいきませんぞ、こういうことを言いたいためであります。 ついでですかう、もう一点取り上げたいのですが、公取委に、砂糖のカルテル、やはり三月に終わりますね。この砂糖カルテル、三月に終わるのですが、公取としては、この問題をどういうふうに考えておりますか。
○竹中(喜)政府委員 砂糖の不況カルテルは、いま板川委員三月とおっしゃいましたけれども、これは五月に終わるわけでございます。昨年の十二月にこれを延長する際、価格の問題でいろいろ問題がありまして、一応もう打ち切ったうどうだというような話もございましたけれども、平均生産費を割りかかっているということで認可しているわけであります。しかし御承知のように、単に不況カルテルをやるだけで、この砂糖業界が不況を脱することは非常にむずかしいと思いますので、その他体質改善、整理統合なども必要だと思います。そういう点について大いに努力していただきたいということを言ったわけでございまして、五月まで情勢を見まして、そのときの経済情勢もございましょうけれども、いろいろ勘案した結果、認可するか不認可にするかをきめたいと考えております。
○板川委員 大臣、ひとつ考えてもういたいのですがね。砂糖の消費量というのは、ここ十年間大体輸入が百万トンちょいから百五十万トンくらい、まあ一割ぐらいずつふえてきましたが、自由化になっても二倍も砂糖が入るということじゃないのです。大体輸入が百万トンから、最近は百五十万トンくらいですか、決して急増はしていないのです。この砂糖の不況カルテルの原因を見ると、設備があまりにも過剰になり過ぎたというのです。そして一カ月のうちにいま十日働けばいいといっておるのです。自由化になったら設備が二倍になったのです。この間三十九年ですか、砂糖が自由化になりました。あわてて業界が設備投資をした。二倍になった。しかし砂糖の需要というのは、自由化になったところで急にふえてないのですね。そして自由化になったから、それ、設備というのでふやして、二倍にもして、今度は設備が過剰だ、不況だ、不況カルテルだ。これは需要の測定が困難で、もっとふえると思ったら、意外に需要が伸びなかったというならわかるのですが、過去の実績をずっと見ても、砂糖というのは自由化になったからといってそうふえないし、大体安定した消費量を保っている。消費量は、人口がふえるに従って若干ふえたという程度のものであって、そうふえない。それを承知で二倍にも設備をふやしてしまった。私は、法律によらないで設備投資の調整をしようというなら、こういう問題こそ通産省で事前に調整したらよかったんじゃないですかな。そういう問題については通産省はもう知らぬ顔をしておって、そうして設備が二倍にもなる。二倍にもなって今度は、コストを割ったかう不況カルテルだということで、不況カルテルにたよる。これはどうも私は業界がおかしいと思うのですよ。この業界は、昭和三十三年から三十五、六年ですか、この時期の収支を見てもらえばわかりますが、多いところは四割からの配当をしておりました。悪くても二割五分ですよ。二割五分から四割の配当をしておる。割り当て制度で甘い汁を吸って、世界一高い砂糖を国民になめさして、そうして甘い汁を吸い通しでやっておって、自由化になったからというので急に設備を拡張した。不景気だからといってカルテルで救済してくれ。どうも私は、この砂糖業界というのはどうかしているのじゃないか、こういうところに通産省が指導する任務があるんだかう、私は、そんなばかげた設備過剰投資をしないように指導したらよかったんだろうと思うのですが、こういう点は通産省はあまり発言をしないで、鉄鋼なんかばかりにやるというのはちょっとおかしいじゃないかな、こう思ったものだから取り上げてみたんですが、どうですか。
○三木国務大臣 精糖業のほうは農林省の所管になっていますかう、よその役所まで手を出すのはいかがかと思います。しかし、言われることはごもっともだと思いますね。やはり設備のところで押えておかないと、設備はできるだけつくらして、あとは、操業度が一カ月に十日間ぐらいということは、なかなか筋道、説明がつきにくい。だから、御説はごもっともですが、管轄が違って、まあ手を延ばしてないので……。
○板川委員 じゃ、まあそういう点も考慮して、ただ安易に不況カルテルにすがるというような業界にはひとつ——いま不況カルテルでやっても、おそらく設備の二倍になっておるこの精糖業界が改善される見込みはないのですね。だから、ある意味じゃ、ばかな見通しを持ったやつはばかを見るような方法をやってもしかたがないと思う。そうでないと、そういう経営者というのは目がさめないと思うのです。不況カルテルの認可についてはきびしい態度をとってもらいたいということを公取に要望して、きょうの質疑を終わります。
○天野委員長 次会は明後二十五日金曜日午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十八分散会