P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
51回国会衆議院1966/06/23

社会労働委員会 第50号

発言数
49
登壇者
8
会派数
2
開催日
1966/06/23

会議録

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  内閣提出のこどもの国協会法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。伊藤よし子君。

伊藤よし子日本社会党

○伊藤(よ)委員 私は、こどもの国協会法案について御質問を申し上げたいと存じます。  「こどもの国」は、皇太子殿下の御成婚の記念事業の一つとして、児童の健全な遊び場のモデルともいうべきものをつくるために建てたものでございまして、そのこと自体たいへんけっこうだと思うわけでございまして、この法案自体については私も賛成をするわけでございますけれども、少し御質問申し上げたいと思うのであります。  第一に伺いたいのでございますけれども、「こどもの国」の費用は全額国で出資をすることになっておりますが、全体としてどのくらいの費用がかかりますか、それを伺いたいと思います。

竹下精紀厚生事務官(児童家庭局長)

○竹下(精)政府委員 現在「こどもの国」の建設に要しました費用としましては、国費によりまして約二億八千万円、それから寄付金その他によりまして約五億でございまして、合計約七億八千万円の金額を投資いたしまして、建設に当たっている状況であります。

伊藤よし子日本社会党

○伊藤(よ)委員 そういたしますと、いま伺いますと総計七億八千万の非常にたくさんなお金がかかるとすれば、これはモデルとしておつくりになるんだから、神奈川県と東京の間に一カ所だけで、いまの事態においては、今後全国各地につくるということはちょっと不可能でございますね。

竹下精紀厚生事務官(児童家庭局長)

○竹下(精)政府委員 先生から御指摘のございましたように、この施設は児童の健全な遊び場のモデル施設として建設する、こういう趣旨でございまして、これにならいまして各都道府県ごとにできればつくっていただきたい、こういう希望でございます。したがいまして、国といたしましては他のところでつくられるものについて援助していく、こういう考えでございます。

伊藤よし子日本社会党

○伊藤(よ)委員 ちょっとお伺いいたしたいのでございますけれども、最近、非常に交通事故による死亡あるいは傷害が年々ふえております。ことしも昨年より特にふえているようでございますけれども、その中にあっても特に子供の交通事故による傷害、あるいはその他の遊び場がないために池にはまって死ぬとか、そういう事故死などがずいぶん出ておるようでありまして、私はそういう新聞記事が出るたびに非常に胸が痛くなって、しまいまで読めないような気がするのでございますけれども、厚生省といたしまして、そういった事故による子供の死亡の数、それから傷害を受けた子供の数は、最近のものがおわかりになっておりましょうか。

竹下精紀厚生事務官(児童家庭局長)

○竹下(精)政府委員 現在、子供の死亡の中で、不慮の事故というのが死因の第一位を占めております。一番新しい資料としましては、三十九年度の資料でございますが、事故によります死亡が総体としまして七千九百九十でございます。約八千人くらいであります。このうち零歳が千百五十四人、一歳から四歳までが三千五百六十五人、五歳から十四歳までが三千二百七十一人という姿になっております。零歳につきましては、乳をのどにひっかける、そういった窒息による死亡が一番多いのであります。幼児以降になりますと、先生から御指摘のございました溺死というのが高くなっております。その次に交通事故であります。その割合を見てまいりますと、一歳から四歳までの状況としましては、溺死によるものが四七・四%でございまして、それから自動車事故によるものが二五・六%、これが五歳から十四歳になりますと、交通事故がふえまして、自動車事故によるものが三〇・八%、溺死等によるものが四二・五%、年齢が上になるに従いまして交通事故がふえておるということでございます。

伊藤よし子日本社会党

○伊藤(よ)委員 ただいまのお答えによりましても明らかでございますように、事故による幼児の死亡が非常にふえておるということの裏には、私はやはり、子供の遊び場がなくて、特に都市におきましては遊び場がないための事故などが多いのじゃないかと思うのでございます。これは必ずしも都市だけでなくて、このごろのように車も非常に多くなっておりますし、そういう関係でいなかにおきましても子供の事故がたいへん多いのでございます。そこで、先ほどの御答弁にもありましたように、「こどもの国」をつくっていただくこともたいへんけっこうですけれども、非常に膨大な費用もかかりますので、その前に、これは大きい規模でなくてもいいから、できるだけ子供の遊園地とか、そういう遊び場を各所にたくさん——わざわざ電車に乗って遊びに行かなければいけないようなところに「こどもの国」があっても、これはある意味では非常に利用度が低いわけでございますから、できるだけ各市街地各所に小さくても遊び場をつくるということが大切ではないかと考えるわけでございます。  そこで、一昨日御提案の中にもございますように、児童館や児童遊園地などの児童の遊び場を全国に普及整備してまいりましたというくだりがございました。それについて、普及整備の状況でございますけれども、どのような状況でございますか、ちょっと伺いたいと思います。

竹下精紀厚生事務官(児童家庭局長)

○竹下(精)政府委員 児童遊園につきましては、昭和三十三年から補助金をもちまして各地に設置を始めたわけでございます。その補助金は三十九年で終わったわけでございます。その状況は、国庫補助によるものがそれまでに千六十八カ所整備されました。それから国庫補助以外に市町村の単独につくったものがございますが、それらを合わせまして千四百カ所が整備されて、それ以前にありましたものが約一万カ所でございますので、一万一千四百カ所ほどの児童遊園が全国の市町村につくられておる、こういう状況でございます。  この補助金につきましては、児童遊園の上につくりますブランコでありますとか、すべり台、そういった遊具の設備の補助でございまして、一カ所約十七万ほどの補助金でありましたために、少額補助ということで三十九年度限りということになりまして、四十年からは国民年金の融資に切りかえたわけでございます。  この遊園地につきましては、そういう設備費の補助というよりはむしろ土地取得というものが非常にむずかしゅうございますので、年金の融資は必要の場合には土地の融資もできる、こういうようなことで範囲を広げたわけでございます。  昨年の実績としましては、まだ年金融資に切りかえたという事情が十分市町村のほうでわからなかったようでございまして、昨年度申請があったのが七市町村にすぎなかったわけでございますが、金額にいたしますると二千二百八十万円、決定されましたのが、五市町村で一千二百五十万円でございます。本年、四十一年度の申請は十七市町村で二億四千百万円、こういうような申請の状況でございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 一つだけ関連させて質問をしたいのですが、この提案説明の中にきわめて重要なことが書いてあると私は思うのです。一つは、「経済の高度成長によってもたらされた人口の都市集中、農村における生活の都市化等の社会情勢の変化は、児童をとりまく社会環境を悪化させて、児童非行の増加、不慮の事故死」云々と、こういうふうに書いてあります。このことは、現在までの政府の経済政策というものが、いわば国民の生活の面にきわめて悪い影響を与えたということを肯定している。この場合で申し上げまするならば、高度経済成長の結果として、その家庭に、児童に対して、いろいろ悪い影響を与えているということを現実に政府自体が認めたという立場に立ってこの提案がなされている、こういうふうに私はこの文章全体を見ざるを得ない。こういうふうになってまいりますと、政府がいままでの政策というものの反省の上に立って多くの諸政策を進めようとしている、その一つの対策がこれだ、こういうふうに見ざるを得ないと思うのでありますけれども、政府は、現在までのそういった経済成長中心の政策というものについて、反省の上に立っているというふうに理解をしていいのかどうか、これは大臣にお尋ねをしたい。  それからいま一つは、いま議論をされておりますけれども、この「こどもの国」の問題について、こういった児童の健全な育成のための国の施策というものは、私はすでにおそきに失したくらいだろうというふうに考えます。あるいはいま伊藤委員から指摘をしておりまするように、児童館あるいは遊園地、こういったことにつきましても、なお十分な状態に立ち至っているとはとうてい考え得られない。こういう状態の中で政府としては——「こどもの国」は神奈川県にできておるわけでございますけれども、その他の地域については、一体こういう施策を国として進める積極的な意思があるのかどうか。これはなくてはならない問題だというふうに考えますけれども、この点を第二問としてお伺いをしたい。  それから第三番目には、伊藤委員も再三指摘をいたしておりますけれども、特に都市の場合等につきましては、完備した「こどもの国」のような施設も必要でありますけれども、もっと小規模でもいいから遊園地等が数多くなるということが今日最も必要な施策ではないか、こういうふうに思いますので、そういう遊園地なり児童館なりの今後の都市と地方に対する対策は、一体どういうふうに進めようとされるのか、充実していこうとするのか、この三点についてひとつお伺いをしておきたい、こう思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 近年における経済の高度成長、これは国民生活水準の向上、国民所得の増大、これに伴うところの賃金所得その他の雇用の面の改善、いろいろ高度成長の影響によりまして国民生活全般に相当のいい影響を与えておる、また、欧米先進国等の近代国家の方向に日本の経済、社会が前進をした、こういうことがいわれると思うのであります。と同時に、それに伴いまして、御指摘のありましたように都市に対する過密化の傾向、それによるところの交通難あるいは公害の問題、環境衛生面の悪化の傾向、こういうものは必然的にそれに伴って起こってきた現象でございます。私どもは、そういう面につきましては、これを客観的に正確にとらえまして、その改善に必要な施策を並行して実施をしてまいる、こういう努力が政治の面で必要である、こう思うわけでございます。その一環といたしまして、児童の健全育成のための諸施設の整備、児童が健康で、そうして情操豊かな、すこやかな成長ができまするようにそういう諸施設の整備をはかっていきたい、その一環として、今回モデル的に皇太子殿下の御成婚記念の一つといたしましてこの「こどもの国」という児童の総合的な厚生福祉の施設の建設をはかったのでございます。  第二の点でございますが、こういうものを地方にもどんどんつくるべきではないか、こういう御提案でありますが、私どもも、そういう方向で今後、都道府県あるいは市町村等の地方団体がそういうものを計画いたします場合におきましては、国民年金の融資あるいは助成の面等を通じましてできるだけその機運を助長し、全国にこういう施設が普及してまいりまするように努力をいたしたい、このように考えるわけであります。  なお、吉村さん並びに伊藤さんから御指摘がありましたように、大都市等におきましては、そういう大きな総合的な施設のほかに、身近なところで子供が安心して遊べる、そういう児童遊園でありますとか、あるいは児童館の設備ということがぜひ必要である。特に最近の交通事情等から考えましてそういう施設が必要である。また、最近は御婦人方が職場へ出て働く機会も非常に多くなってまいりました。そのために子供さんたちがおかあさんの留守中にそういう施設がぜひ必要であるということ等の事情も考えまして、今後こういう施設の整備につきましては、政府としてさらに一そうの努力をいたしたい、かように考えております。

伊藤よし子日本社会党

○伊藤(よ)委員 ただいまの大臣の御答弁によりまして私が御質問申し上げたいということも大体尽くされたような感もございますけれども、なお私、先ほどの局長の御答弁の中にちょっと気にかかることが一つございました。昨年まで補助金でやっていた遊園地の補助金が融資になったわけでございますね。金額は、先ほどあまり多くなかったとおっしゃいましたけれども、やはり補助金のほうが、たとえ少なくてもそれを多くしていただくようにすべきだと思うのですけれども、それが国民年金の融資になると私は後退じゃないかと思うのですが、その点いかがでございましょう。せっかくいまの大臣の御答弁にあったような御趣旨に従ってできるだけ遊園地を数多くつくるという場合に、やはり補助金によるほうが私はできやすいと思うのですけれども、なぜ融資になすったか、後退じゃないかと思うのですが、いかがですか。

竹下精紀厚生事務官(児童家庭局長)

○竹下(精)政府委員 先ほど申し上げましたように、遊園地の補助金につきましては一カ所あたり十七万というような、いわば零細補助金というものでございましたので、そういう関係で補助金整理に該当してやめざるを得なかったわけでございますが、そのかわり融資という道を開いたわけでございます。融資におきましては、たとえば設備費については百万円を限度とし、また、先ほど申し上げましたように、土地の取得という面についても融資の道を開いたわけでございますので、今後この融資を活用してもらってやっていければ、先ほど申し上げましたような点は解消できるのじゃないか。また、そういった設備につきましては、非常に地域性の強いものでもございますし、また共同募金その他のほうでも、こういった児童遊園地整備につきまして、今後共同募金の二十周年記念事業として整備をしていく、こういうようなこともございますので、民間のそういった活動と一緒になりまして今後整備をしてまいりたい、かように考えております。

伊藤よし子日本社会党

○伊藤(よ)委員 十七万円が少ないとおっしゃれば、その十七万円を多くするような方向の、補助金を多くしていくというようなことと同時に、融資もやっていただくというふうにするのが一番いいのじゃないかと思いますので、ぜひその点は実際に遊園地ができていくような方向に御努力をいただきたいと思います。  この問題はこれで終わりますけれども、いずれにいたしましても児童にとって、このこどもの国協会法案についての御提案の理由の中にも「遊びは教育、栄養とともにその心身の発達に欠くべからざるもので、」とありますが、そのとおりでございまして、最初に申し上げましたように、非常に交通事故なども多くなったり、遊び場がないための、あるいは子供ですから不良ということはございませんけれども、いろいろな事態が起きてくると思いますので、教育と同時に遊び場の遊園地などを数多くつくるということを積極的にやっていただきますように御要望申し上げまして、この法案についてはここで御質問を終わりたいのですけれども、ちょっとこの際、私ついでながら伺っておきたいのでございます。  けさの新聞でしたか、きのうの新聞にも出ておりましたが、長野県の保育所でツベルクリンの注射をした際に、何ですか注射液が間違って、腸パラのワクチン注射をして六人が発熱をしたというような事件がございました。これは御承知だと思いますけれども、せんだって名古屋でも赤ちゃんに注射を間違えて、だいぶ何人か発熱をしたというような事件がございました。こういう事件が相次いで起きますことに対して、これはたいへん重大な問題だと思いますけれども、大臣どのように考えておいでになりますか、御所見を伺いたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 今朝の新聞に出ております長野県の予防接種の間違いの問題につきましては、まだ詳細調査をいたしておりませんが、名古屋で起こりました予防注射の事故につきましては、この取り扱い上ミスがそこにあったという事実が明らかでございます。さっそく名古屋におきましては、その誤りをおかしましたところの医師あるいは看護婦等につきましては適切な行政処分等をいたしまして、今後さような事態が再び起こらないようにという措置を講じたのであります。厚生省におきましてもこれらの事件を重視いたしまして、先般公衆衛生局長、医務局長等の局長通牒をもちまして、各府県に対して、ワクチンその他予防接種にあたりましての取り扱いの適正を期するようと厳重な注意を喚起いたしますと同時に、今後そういう事態が起こらぬようにという取り扱い上の詳細な指導を行なうような通牒を実は出したのであります。今後さらにこの徹底をはかりまして、事故が繰り返されないようにさらに一そうの努力をいたしたい、かように考えております。

伊藤よし子日本社会党

○伊藤(よ)委員 私は、大臣のいまの御答弁にございますように、たいへん取り締まりを厳重になさるということも一つだと思うのですけれども、そういう事件が相次いで起きるということは、やはり人手の不足のために、いろいろそういう手違いも起きてくるのじゃないかという背景もあるのじゃないかと思うのでございます。ですから、一方厳重に監督もしていただきますと同時に、そういう予防注射などのときの人員なんというものの配置とか、そういう点の不備や、過労だとか人が少ないとか、そういうことからも起きてくるのじゃないかと思いますので、ぜひそういう点も加えてこういう事態が起きないように、格段の御注意をいただきますように御監督をいただきますよう御要望申し上げて、まだ詳細がわからないようでございますから、二度とこんな事件が起きて子供を持つ母親の不安を起こさせないようにお願いをいたしたいと存じます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 ちょっと関連。いま審議されておりますこどもの国協会法、この意味は非常によくわかります。けっこうだと思うのですけれども、先ほどからの質疑応答を聞いておりましても、りっぱなものを一つつくるがいいのか、それとも数多くの子供の遊び場を全国至るところにつくっていくほうがいいのかということになりますと、もちろんりっぱなものもつくりたいけれども、しかしながら、できるだけ数を多くして、特に子供の交通事故あるいは郊外における子供の自由な遊び場を与えていくということのほうがいまとしてはより必要ではないか、こういうお話がありました。私もかねがねそういうことを痛感しておる一人であります。そこで私は、直接この法案の内容について具体的にいまお尋ねをする時間もないようでありますからそれは避けたいと思いますが、ただ現実問題として、これは厚生省だけの力では、率直に言って私はどうにもならぬと思います。それぞれ青少年の問題に関係をする各省庁、また地方団体一致協力して、いわばおとな全体の責任として子供に何らかの遊び場を与えることは、最近の社会構造の変化あるいは人口の都市棚密、いろいろな角度から考えまして取り組んでいかなければならぬ重要な問題だ、こう考えておるわけであります。  そこで、一つの具体策として、私は、厚生大臣だけではなく、文部大臣あるいは場合によりましては政府全体に要望いたしたいと思っておるのでありますが、それは、最近の官公私立を問わない学校の施設の活用であります。ということは、あながち子供の遊び場としての活用ということにとどまらず、最近の学校施設の活用については、あげて学校管理者の考えに基づくものであろうと思うけれども、しかし、根本は、やはり国の行政指導に基づく点も相当あるやにわれわれは聞いております。そういう意味において学校施設がきわめて閉鎖的であるということ、特に都会においては、言うまでもなくだんだん住宅が立ち並んでくる、いろいろな公共施設ができる、どこにもかしこにもあき地というものがなくなって、子供はだんだんあっちのあき地からこっちのあき地へ押しまくられ、しまいの果てには比較的交通の少ない道で遊ぶ。それすら、最近の交通事情の非常な複雑な形で困難だ。ましてやそんなところで遊ばしておくわけにはいかないとなれば、結局広い場所を求めて子供が行くとすれば、学校の運動場、それしかないわけであります。ところが、日曜日あるいは放課後といわず、入ればガラスが割れるとか施設がこわされるということで、全部これを閉鎖して使わしておらぬ。一時問題になったこともありますが……。もちろん学校の管理ということは大切な問題でありますし、器物の棄損等についても重大な関心を払わなければいけませんけれども、しかし、いま遊び場がないために子供の生命がそこなわれているというような現況を考えたときに、何らか政府としても、また教育関係者としても、もう少し子供に対するあたたかい思いやりのある管理、運営を考える必要があるのじゃないか。これをもう少しゆるやかな管理、運営ということに何かの方法を考えれば、ささたる遊園地を高い金を出してつくり、それに年月をかけて四苦八苦するという傾向は都会においてはかなり改善をされる、こう私は思うのです。現実に見ております。そういう意味で、もう少し積極的な打開策を多岐にわたって考える必要がある。神奈川県において一つつくる協会法に一生懸命になられることも必要であると思うが、そういう喫緊必要なものについて、方法さえ考えれば解決のつく問題についてもう少し政府としても知恵を働かせ、もう少し積極的な意欲を持ってもらいたい。これは文部省に尋ねると、いま冒頭に申し上げたように、学校管理の必要上無制限に開放するわけにいかないとおっしゃると思う。しかし、厚生省の立場から、ガラス一枚と子供の命とどっちが大切なんだということを考えれば、あげて世論は支持すると思う。こういう閉鎖的な傾向はいけません。昔は、学校というものは、一般のそういうあれにももっと開放されておったものであります。近ごろそれが非常に閉鎖的です。そういうことをひとつ厚生大臣も——あなたは厚生省の所管大臣のみならず、国務大臣の一人としても、政府の機関で積極的に発言をされて方法をお考えください。いま都会において、たとえ五十坪、百坪の土地を児童遊園地に与えるといったって、たいへんなことでしょう。厚生省が十七万や十八万の補助金を出したって、とても追っつかぬ問題です。還元融資といいますが、しかし、児童遊園地などというものは、小さいものになれば所管が非常に不明確なものです。だれとはなしにそういうものを提供して、だれとはなしに使っておるというのが本質的なものなんです。これをある特定の人が企業的にやったらそれ自体問題があるのだし、小さい地方団体でそれだけの土地を確保してやるということになると、都会では公有地というものは少ないから、そういうことは不可能なんです。そうすれば、結局ある施設をできるだけ活用していくという考え方に立たざるを得ない。そういう意味で努力をされたことがありますか、また、そういう点についてどういう点が障害だったかということがあれば、お教えを願いたい。われわれはわれわれなりに努力したい。ひとつ厚生大臣のお考えを承りたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 ただいま辻原さんからお話がありましたように、児童の健全育成をはかりますために厚生福祉の施設、それが一厚生省だけでなしに、文部省あるいはその他の官庁、政府全体が総合的な立場に立って整備、充実をはかるべきではないか、特に学校施設の開放について、活用について特段のくふうと積極的な指導が必要ではないか、こういう御指摘でありますが、全く御指摘のとおり、私どもそのことを痛感いたしておるところであります。厚生省では、児童館でありますとかあるいは児童遊園でありますとか、その整備に努力をいたしておりますことは、先ほど来御説明申し上げておるところでありますが、また、文部省におきましても児童用のプールの建設でありますとか、あるいは建設省におきましては児童公園の設置でありますとか、各省におきましてもいろいろくふうをこらしております。あるいは青年の家、あるいはユースホステルの整備、そういうこと等につきましても政府全体として努力をいたしておるのでありますが、特に最近は、都市等におきましては校庭を子供に開放して安全な遊び場を提供する、こういうことが特に必要になってきておると思うのであります。厚生省におきましても、文部省とも連絡をとりましてそういう方向で指導をし、努力をいたしておるところであります。  今日までの状況を見ますと、小学校におきまして校庭を開放しておりますものが七六%程度、それから中学校におきましては六九・四%、小、中学校両方の平均といたしましては七四・一%、こういうような状況に相なっております。ただ、御指摘がありましたように、大都市におきましては遺憾ながらその開放率が低い、こういう状況にありますので、今後、文部省を通じまして教育委員会等と十分連携をとりましてこの方向に進めるように努力いたしたい、かように考えております。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 いまお話がありましたように、全国的な平均は大体六九%、七〇%程度でありますが、参考に、東京の義務教育の場合、開放率はどの程度になっていますか。

竹下精紀厚生事務官(児童家庭局長)

○竹下(精)政府委員 調査の対象が三十万人以上ということでやっておりますので、特に東京だけというのは出ておりませんが、五十万人以上の場合は六二・八%という数字でございます。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 これは勘でありますけれども、おそらく東京の場合にはもっとはるか低いと思いますね。とても半分まではとうてい開放しておりません。私もずいぶんあちこちの学校等を見ますけれども、義務教育等においては、おそらく私は五〇%を下回っているんじゃないかと思います。ましてや東京の場合、大都市の場合は義務教育だけじゃなくて、各種いろんな学校があるわけです。それは国立あるいは私立を含めて、これと積極的に相談をすべきじゃないか。たとえば私立学校なんかの場合にはそれぞれの機関があるわけですから、それぞれ私立学校の協会等もあるのですから、そういうものととっくり談合をして、そして学校の運営に重大な支障のない限り、少なくともたとえば日曜日あるいは夏、冬、あるいはその他春等の休暇の時期等については、できるだけ子供のために開放する。先ほど大臣がいろいろおっしゃられましたような意味で私はお聞きしておりますけれども、知っております。昔から厚生省においても、公園部当時から国立公園の中で児童遊園地を考えられておりましたが、ところが条件がむずかしくて、とうていそういうものはできませんでしたけれども、私どもはやりましたけれども、また文部省においても社会教育、学校教育のプール、いろいろやっておりますが、そういういろいろ金のかかる施設も高度に進めばけっこうであります。しかし、その以前が問題なんです。要するに、広い場所で伸び伸びと子供の遊ぶという場所がないということなんです。それを解決するためには、いま申し上げましたことが解決の一つの方策である。これを積極的に、全国的に言えば約六〇%程度の開放率を、少なくとも義務教育については六割開放せられておるんだから、その他学校で開放できない理由はないので、これを少なくとも一〇〇%程度に持っていく。特に東京についてはそういう非常に低いあれがあるわけですから、困っている場所が低いということは、これは大きな矛盾です。だから、そういう意味でまず東京あたりからどんどん開放していく、そうして新たなそういう子供の遊園地にも——遊園地という意味じゃなくて、子供の遊び場に提供するということを前提にしての学校管理、学校運営というものを詰めて考えれば、知恵は出ると思う。だから、そういう意味でひとつこれは大いに提唱してやっていただきたい。もうきょうは時間がないようで、委員長もだいぶ苦慮しておるようですから私もあまり言いませんけれども、これは関連質問ですから。しかし、この問題はひとつ真剣に考えて解決してもらいたい。ただ一つや二つの児童遊園地をつくることが、いま今日、重要な国政の解決の道の大筋ではないと思ってすらいるんです。金をかけることだけが能じゃない、金をかけずにやれることがたくさんある、そういうことを十分ひとつ頭の中に入れて、そしてやっていただきたいと思います。決して反対はいたしません。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。      ————◇—————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、臨時医療保険審議会法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。河野正君。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 臨時医療保険審議会の審議に先立ちまして、それらに関連をして一つだけ前もってお尋ねを申し上げたい、かように考えます。  それは、同じく医療保障、社会保障に関連する問題として、政府はさきに総理大臣の諮問機関として国民の健康と医療に関する懇談会の構想について明らかにされた、こういう事実があります。このことは、なるほど説明の中では総理個人の諮問機関だ、こういうことでございましたけれども、当時、同じ総理大臣の諮問機関につきましては社会保障制度審議会があるしということで、そういう審議会との関連というものが一体どうなるのか、あるいはまた、いたずらに屋上屋を重ねる結果になりはせぬか、こういうような議論がございましたことは御承知のとおりでございます。ところが、その後、この国民の健康と医療に関する懇談会がどういうふうになったのか、国会も会期中でございますので、その間の事情をひとつ明らかにしていただきたい、かように思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 国民の健康を守る懇談会の設置につきましては、ただいまその人選等につきまして、内閣の官房長官を通じまして総理その他のお考えも承りながら準備を進めておるところでございます。できるだけ早くこれを設置をいたしたい、かように考えておるわけであります。これは現在、総理の諮問機関でありますところの社会保障制度審議会等もございますが、この懇談会は、随時総理を中心に国民の健康を守る当面の諸問題につきまして隔意ない意見の交換を行ない、これをとるべきものにつきましては政府の施策の上に反映をさせていきたい、もとよりそれを実行に移す場合におきまして、社会保障制度審議会等に正式に諮問すべき事項につきましてはこの審議会に正式におはかりをする、こういうことになるわけでございます。ちょうどケネディ大統領がいろいろな施策を進めます際に、各界の専門家を集めてそれぞれの意見を徴し、これを施策の上に反映せしめたというようなことと軌を一にすることと思うのでありますが、そういう考え方でこの懇談会をできるだけ早く実現をいたしたい、かように考えております。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 この点は、いま議題となりました臨時医療保険審議会と密接な関係があると思うのです。というのは、臨時医療保険審議会を設置しよう、そのねらいというものが、昭和四十二年から医療保険各般の抜本的な改正を実施する、そういうたてまえで臨時医療保険審議会を設置しようという御見解でございますので、そこで私は、たとえば総理の個人的な諮問機関といたしましても、その国民の健康と医療に関する懇談会の審議の中身あるいは意見の中身というものは、この四十二年度の医療保険制度万般の抜本対策と無関係ではないと思うのです。ですから、私は、そういうような発想を次々に発表されるのはけっこうですけれども、やはり具体的に四十二年度から医療保険各制度の抜本対策というものを樹立されようとするならば、やるならやるで、具体的にそういう審議会というもの、懇談会と申しますか、それらの人選等についても早くおやりになる必要があるのではないか、こういうふうに考えざるを得ぬと思うのです。それならば、一体、大体いつごろからこの総理の諮問機関のほうは発足するのか、これの目安を立てないと、そういう目安もなくして無関係に四十二年度から医療保険各制度の抜本対策を樹立するということは、ちょっとつじつまが合わないと思うのです。そういう意味でひとつ御見解をお聞かせいただきたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 ただいま御審議を願っております臨時医療保険審議会、これはわが国の医療保険制度全般について基本的な事項を審議、検討願う、こういう目的でございまして、さきに総理の私的懇談機関として設けますところの国民の健康を守る懇談会、これは医療保険制度だけを扱うのではなしに、公害問題でありますとか、いろいろな国民の健康にかかわる諸問題につきまして、懇談的に隔意ない意見の交換をする、こういう幅広い、議題を限定しないでいろいろ御懇談を願う、そして総理が今後施策を進める上の参考にしたい、こういうことであるわけであります。しかし、全然、河野さんも御指摘がありましたように、この臨時医療保険審議会に関係がないということではございません。政府が審議会に諮問する政府の案を固めてまいります際におきましても、やはり懇談会等で出てまいります有力な御意見等は十分反映をさせることにいたすべきだ、かように考えておるわけであります。さような意味合いからいたしましても、審議会が幸いにして御賛成を得て設立されるに先立ちまして、懇談会のほうは一日も早く発足をさしたい、そういう心組みでただいま準備を急いでおる段階でございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、きょうは、時間の制約等がございますからいろいろ申し上げるわけにまいりませんけれども、しかし会期末の大詰めでございますから、したがって、私は、この臨時医療保険審議会の大筋の点について若干御見解を承っておきたい、かように考えます。  この臨時医療保険審議会の目的、使命というものは、大臣の提案説明の中にも明らかにされておるわけですが、今日医療保険の赤字がだんだん累積をしてくる、したがって、それらの赤字の問題であるとか、あるいは各保険制度間の給付水準の格差の問題であるとか、また負担均衡の問題、こういうような重大な諸問題に対しまして根本的な検討を行なっていこう、そういう意味で臨時医療保険審議会というものが設立をされようといたしておるわけでございます。ところが、この審議会でどのような結論が出てくるのか、この点については関係各団体でも非常に重大な関心を持っておるわけです。そこで、そのような重大な使命を持っております審議会の構想であるだけに、やはり徹底的な審議を行なっていかなければならぬ。そうして抜本対策を行なうにあたりまして万遺憾なきを期していかなければならぬことは、当然なことだと思うのです。ところが、今度の国会の会期はあと数日ということで押し迫ってまいったので、この法案の重要性等を考えてまいります場合に、あと数日残す国会の中でこの問題の処理に当たることはなかなか困難な情勢ではなかろうか、こういう一応の観察が行なわれるわけでございます。  そこで、ここで私はざっくばらんに厚生大臣の御見解を承ってまいりたいと思います点は、このような情勢に対して厚生大臣はどのような腹づもりでいらっしゃるのか、この辺は今後の問題等もございますから、非常に重大な意味を持っておると思うのです。そういう意味で率直な御意見をお出しいただきたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 私は、会期余すところ幾日もございませんけれども、当委員会の皆さんの御理解と御協力を得まして、ぜひこの国会での御承認をいただきたいという気持をいまだに実は捨てておりません。と同時に、この審議を通じまして、野党第一党でありますところの社会党の党としての公式のこれに対する御意見、お考えなども率直に私は拝聴したい。今後の医療保険制度を抜本的に改正いたします私どもが、そういう具体的な措置を講じます際におきまして、野党第一党の社会党の基本的なお考えを伺っておくことは非常に大切なことである、かように私は考えるのであります。  まず第一に、当面のわが国の医療保険制度がもはや今日のような状態ではいけないだろう、制度全体を通じて抜本的な改善策を打ち出すべき時期にきておる、こういう認識におきましては、私は社会党の皆さんもわれわれと考えを同じゅうするものである、こういうぐあいに、先般来の御質問やその他本会議における淡谷さんの御質問等を通じましていつも理解をいたしておるところであります。  それからもう一つの問題は、しからばそういう抜本的な改正を必要とするのであるが、それをやるための土俵は一体どうあるべきか。現在ありますところの社会保障制度審議会なり、あるいは社会保険審議会でこれをやり得るものであるかどうか。私どもは、いろいろな角度から検討いたしました結果、やはり医療保険制度全般を専門的に、かつ総合的に掘り下げて検討をするためには、臨時医療保険審議会を設置することが必要であるということで御提案を申し上げておるのでありますが、これに対しまして野党第一党である責任ある社会党が、一体どういうぐあいにこの審議の場というものを考えておられるかどうか、この点もひとつ率直にお聞かせをいただきたい。  また、今後、この制度の全般にわたっていろいろの給付内容の格差の是正であるとか、あるいは被保険者の負担の均衡であるとか、あるいは必要に応じては各制度の統合あるいは総合調整、長期的にわが国の医療保険制度が安定をし、発展をしていく、皆保険のもとに国民にりっぱな医療給付ができるようにということをわれわれ考えておるのでございますが、しかし、これをやります場合におきまして、被保険者である国民と国庫負担定率化の問題等がどうあるべきか、こういう問題につきましても、私ども、今度の抜本的改正にあたって真剣に取り組んでいきたい。この点は、先般の保険三法の改正にあたりましても、当委員会で各党一致の附帯決議が出ております。そういう問題も、私もぜひ近い機会にこの抜本的改正によって明確にしていきたい、国の負担の定率化等の問題をはっきりさせていきたい、こういう考えを持っておるのであります。こういう国民的な要請と申しますか、そういう問題を早く解決いたしますために、私は、われわれが提案しているものにかわるところの具体的な御提案があれば、これをひとつ建設的に提案として承っておきたいと思うわけでございます。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 赤字の問題、あるいは給付水準格差の問題、あるいはまた負担の均衡の問題、こういうような問題を抜本的に改善をしていく、その点については、大臣御説のとおり私ども異論のないところでございます。しかしながら、要はそれらの改善対策というものがどういう方向で行なわれるかというところに、関係者の間で非常に重大な関心があると思うのです。そこで、実際問題として会期残すところあと数日、しかも衆議院側におきまして、社会労働委員会の定例日というものはきょうで終わり、こういう状況でございますので、そこで私どもも、いま大臣がおっしゃっておられまするように、そういう抜本改善策を打ち出すという点について理解をすることについてはやぶさかでございませんけれども、その背景というものが非常に重大でございますので、なお慎重に私どもは審議をせざるを得ぬ、こういうふうに考えるのでございます。  そこで、この原案によりますると、「審議会は、昭和四十二年三月三十一日まで置かれるものとする。」こういうふうにあるわけです。ところが、いま申し上げまするように、審議時間というものはもうあと残すところ数日に限られる。国会の審議時間というものはそれに制約を受ける。したがって、その中で総合的な、専門的な、抜本的な検討というものを行なうということは、なかなかむずかしい情勢になってきておると思うのです。そういう意味で政府はこのような情勢に立って、やはり大きな変化が生ずる可能性というものが私は非常に多いと思うのです。ですから、議了に期待するというようなことでございますけれども、現実の問題としてなかなかそういうわけにまいらぬ。しかも現法というものは昭和四十二年の三月三十一日までだ、こういう時間的な制限等もございます。ですけれども、いま申し上げまするように、情勢の変化というものが出てまいっておりますから、そういう情勢の変化について、厚生省としては今後どういうふうに対処されるお気持ちであるか。この点は今後の問題として非常に重大でございますので、これもひとつ率直にお聞かせいただきたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 情勢の変化ということを河野さんから強調されたのでありますが、わが国の医療保険制度の現状、こういう抜本的な改正を必要とするという客観的な情勢というものは、私はますますこの法案の成立を必要としておるのではないか、こういうふうに感じておるのであります。先ほど来河野さんの御意見、御質問の形式でお考えが明らかになっておるのでありますが、それを見ましても抜本的な改正を必要とする、また、各制度間のアンバランスの是正をすることが必要である、こういう点等につきましては、われわれと認識を同じゅうしておることが十分明らかになっておるのであります。そこで私は、この法案のどの点が一体社会党とわれわれの意見を異にするのであるか、たとえばこの委員の構成等において具体的にこうあるべきであるとか、そういうような面においてなお慎重に審議をする必要がある、こういう御意見でありますかどうか、そういう点について私は政府としても率直に私どもの考えを申し述べておるのでありますから、これに対しまして御理解をいただきまして、すみやかにこの法案を当委員会において審議を促進し、成立をはかるように御協力を願いたい、こう思うわけであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 基本的な考え方はわかるわけですけれども、しかし、具体的にこの審議会がどう発展していくのか、どこをねらいとしてやっていくのか、そこに非常に大きな問題があると思うのです。そこで、具体的には、そういう関係団体の疑問というものが最近だんだん出てきておると思うのです。それは、たとえば日本医師会側に言わせれば、これはいわゆる赤字の問題、あるいは給付水準の問題、あるいはまた負担の問題、均衡の問題等々を検討される場合に、そのことが結果的には制限治療に進んでくるのじゃないか、あるいは低医療政策に通じてくるのじゃないかというふうな心配もあって、最近日本医師会では、医療費を一三・五%ふやせ、こういうふうな要求も出てきたと思うのです。特に最近物件費が非常に高まってきた、あるいはヨーロッパ並みに技術水準を評価しろというようなことで、一三・五%がいいのかわかりませんけれども、そういう要求が出てまいりました。大阪の医師会のごときは二〇%というふうな要求も出てまいっておるのでございますが、そういう要求が出てきた背景というものは、この審議会の中で低医療政策という方向に進んでいくのじゃないか、こういう心配から私はそういう要求というものが強く浮かび上がってきたと思うのです。それからまた、この負担の均衡の問題、給付水準の問題等々の点から、健保団体のほうでは、ひとつ重病人には厚く、それから軽症患者についてはできるだけ患者に負担させる、そういう考え方に立って、本人、家族平均九割給付というふうに給付水準を下げるというような意見も出てまいっております。それは全部、この臨時医療保険審議会は何をやるかわからぬので、そういう臨時医療保険審議会という機関に向けてそれぞれの動きというものが最近具体的に出てきたと思うのです。ですから、それらの意見というものが医療担当者側、それから支払い団体側、それぞれ意見の食い違いが出てきておるわけですね。そのことは、やはりこの臨時医療保険審議会の将来に対して心配があるから前もってそういう要求というものを出しておこう、こういう私は一つのあらわれだと思うのです。そこで私は、やはりそういう関係者団体が持っておる疑問というものが明らかにされていかぬというと、なかなか、はい、そうですかと言うわけにはまいらぬと思うのです。ですから、私は、厚生省がこの臨時医療保険審議会で早期に審議促進したいというお気持ちが強いといたしますならば、そういうもろもろの周囲を取り巻きまする背景の問題というものに対して、率直な御見解をやはりお聞かせいただかぬと、私どもも、はい、そうですかと言うわけにはまいらぬ、こういうふうに申し上げる以外にないと思うのです。そこで、そういういろいろな心配ごとがたくさんあるわけですから、それらに対して安心するようなおことばがあれば、案外この問題は進捗するかもしれませんよ。私も、この問題をできれば解決することが望ましいでしょうから、そういう意味で建設的にお尋ねしておるわけですから、大臣のほうもひとつ率直に御見解をお聞かせいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 ただいま河野さんから率直なお話を伺ったのであります。そのお話の中で、具体的なお話として、医師会の考え方あるいは健保連の一つの構想、こういうことについてのお話があったのでありますが、医師会の一三・五%の診療報酬の引き上げの問題等は、これはすでに御承知のように、現在中医協におきまして診療報酬体系の適正化という命題を一つの議題に掲げまして、ただいま関係者の間で、その具体的な審議に入るべく、いろいろ話し合いが行なわれておるわけでございます。私は、この診療報酬体系全体を検討いたしてまいりました暁におきまして、一三・五%全体について引き上げるのが適当であるのか、あるいはさらに上回った改善が必要であるのか、そういうことは中医協において診療報酬体系の検討の中において論議され、また、結論が出さるべきものだ、こういうぐあいに考えておるのであります。また、先般発表いたしました医療保険制度につきましての健保連の構想というものは、今後臨時医療保険審議会が設置をされまして、そして制度の抜本的な、基本的な問題が審議、検討されます場合のこれは一つの考え方、参考案として、各委員によって検討される一つの参考案、資料になるものと考えるものでございます。私は、この審議会は国民的な立場で、そしてわが国の医療保険制度というものの基本を検討する問題でございますから、中身がこうなくては賛成しない、ああなくては賛成しないということをいまからそれぞれの団体が提案をいたしまして、内容が自分らの考えのとおりに結論が出るんでなければ、この審議会には応じられない、こういうことでは、今後のこの問題の解決、あるいは審議の成果というものが期待できないのではないか。やはりいろんな各方面の御意見というものを審議会が中心になりまして十分伺い、資料の御提出を求め、そして国民的な立場で、国民世論というものも十分見きわめながら審議会が結論を出していく。いまその内容を、しかも結論的なものを見なければこの審議会に賛成できないとかなんとかいうようなことは、私は前後を転倒しておるような感じがいたすのでございます。そういう意味合いで、私は、私どもの真の意図が、わが国の医療保険制度の根本的な改善をすべき立場、現状にあるということをひとつ御理解を願って、決して一方に片寄ったようなそういうへんぱな方向に持っていくという意図がごうまつもないということにつきまして、私どもの真意を御理解願いたい、こう思うわけであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、私はいろんな疑問点を投げかけて、大臣の率直な御見解をお聞かせいただきたいと思うわけですが、たとえば、いまの日本医師会の医療費を一三・五上げなさいということについては、これは中央医療協議会でいま鋭意検討されておる、こういうふうな御見解でございます。ところが、今度の審議会の委員構成は、今度は学織経験者の中から十二名以内厚生大臣がお選びになる、こういうことです。これはやはり、いまの中医協なら中医協の構成は、それぞれ関係者の団体から出てきておるのでなかなか意見がまとまらぬ、そういう御見解もあって、おそらく今度は、臨時医療保険審議会については学識経験者だけでいこう、こういうことになっておるのではなかろうか、こういうふうに思うわけです。そこで、この医療費問題は、実は私どもも、この低医療政策に結びついていくことは、これはたとえば保険財政の赤字ということが出てくる、そこで、ある程度医療費を押えるというふうな考え方から低医療政策に結びついてまいりますと、必ずしも、いまの日進月歩進んでおります医学に対応するだけのりっぱな医療ということには相ならぬと思うのです。ですから、私どもがやはり国民の福祉を考えてまいりますと、総評のほうではヨーロッパ並みの賃金ということを言っておりますけれども、医師会のほうではヨーロッパ並みの技術水準を認めろ、こういう要求でございますが、この要求というものは、私は必ずしも否定すべき要求でない、もちろん肯定すべきだと思うのです。そこで、そういう点から考えますと、この三者構成がいいか悪いかという点については一つの疑問が出てくると思います。さればといって、今度は臨時医療保険審議会の中で抜本対策がたとえばできた。ところが、実際それを運営するのは支払い側だったり、医療担当者側だったり、そういう関係者が運営するということになりますと、はたして抜本的な対策が樹立された後の運営というものが、一方的に学識経験者だけでやられてうまくいくのかどうか、こういうような一つの疑問が出てくると思うのです。そこで、それには両方の立場の意見があるわけですから、やはりそれらの立場の皆さん方を納得せしめるだけの説得力というか、そういうものが示されぬと、なかなか私はこれはうまくいかぬと思うのですね。  それからもう一つ、自民党が時間がないということでございますからはしょって申し上げますと、現在の社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会、これはもちろん、社会保障制度審議会のほうは社会保障全般ですから、それは幅が広過ぎる、特にこの臨時医療保険審議会というのは、今度は医療制度についての抜本対策ということですから、少し幅が広過ぎる、ところが、社会保険審議会のほうは、日雇いだとか政管だとかいうことから、これは全体の医療保険というわけではない、どうも幅が狭過ぎるというようなことで、帯に短かしたすきに長しというようなかっこうでありますけれども、しかし、やろうと思えば、それらの機構を改善するなり法律を改正するなりすれば、必ずしもできぬことはないと思うのです。そういう立場の人に言わせると屋上屋だ、こういう議論が出ておるのですね。ですから、それらに対するところの解明というものが率直に行なわれる必要がある。  それから今度は、今度の審議会の委員構成が十二名以内、それは厚生大臣がお選びになるということでございますけれども、その学識経験者というものは、ほんとうにいまの医療の実態に通暁した方々が出られるかどうか、単なる学者であって、実際の医療の実態を知らぬということでは困る。ですから、ほんとうに専門的な実態というものについての認識があるかないか、そういう学識経験者というものが、この臨時医療保険審議会の中で出てくるか出てこないかというような問題も、一つの大きな問題だと思う。  私は、そういった問題、いま三つか四つの問題を具体的に取り上げましたが、そういう問題について厚生大臣が率直に解明を行なわれる、そしてできるだけ関係者の納得を得る、こういうことにならぬと、なかなかこの審議会の設定が行なわれるということもいまの国会ではむずかしいし、また設定をされましても、はたしてその後の運用がうまくいくかどうかについては非常に大きな疑点があるだろう、こういうふうに考えます。  そこで、私は大臣が審議の促進を希望される気持ちはわかりますけれども、しかしながら、いま私が取り上げましたような諸問題に対する解明について、厚生省がもっと積極的に努力をされる必要があるんじゃないか、その努力の実が結んで、初めてこの法案についての態度というものがおのずから出てくる、私はこういうふうに考えるわけでございますが、その間の問題について、ひとつ厚生大臣から率直に御意見をお聞かせいただきたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 各方面のお考え、特に診療担当者あるいは支払い側等の考え方を十分反映せしめるようにしなくてはいけないという河野さんの御意見につきましては、全くそのとおりでございまして、したがいまして、この十二名の学識経験者の人選にあたりましては関係団体からの御推薦をいただくとか、十分御納得のいくような話し合いを十分いたしまして、人選等につきましても各方面の御了解ができるように、御納得ができるように、十分そこは民主的に私ども配慮をいたす考えを持っておるのであります。  また、運用にあたりましても、先般健保連あるいは医師会等が御意見を発表しておりますが、ああいう建設的な御意見につきましては、この審議会の運用を通じて十分詳細にお考えを伺って、そして当審議会の答申の中にそれらの御意見が生かされるように、運用の面で十分配慮すべきではなかろうか、こういうことで、人選やこの審議会の運用を通じまして、いま河野さんの、関係方面でいろいろ心配があるのではないか、こういうような点につきましては、私ども十分御心配のないようにやってまいる考えでございます。また、抜本策が国会で御審議を経て改正案が御承認を得た暁におけるところの医療保険制度の運用という面につきましても、運用の面でどうあるべきかということ等も当然審議会が検討すべき問題である、このように思うわけであります。この審議会の答申を待って政府はそれを尊重して国会に提案をし、最終的には、当委員会等が中心になりまして国民的なさらにより高い立場でお決定を願う、こういうことでございますので、決して政府が御用学者だけを集めて、そうして政府の都合のいいような案をつくろうなどということはできるものでもございませんし、また、さような考えはごうまつも持っておりません。私どもは、虚心たんかいに人選の面あるいは運用の面等を通じて民主的に各方面の御意向が十分反映できますようにやってまいりたい、このことは、はっきりここでお約束を申し上げておきたいと思うのであります。

河野正日本社会党

○河野(正)委員 そこで、特に私どもは社会保障の充実、これは八木先生の憲法二十五条の話がしょっちゅう出るわけでございますけれども、そういう点に特に力を注いでおりますし、そういう点から申し上げますと、やはり総理の諮問機関でございます国民の健康と医療に関する懇談会、これは何といってもトップ的な性格を持っておりますので、やはりこれらの人選等もすみやかにお示しになって、その上に立って——いま公正な人事というお話がございましたけれども、それらの人事についてもお考えを願わぬと、何といっても、個人的な諮問機関といっても一番高いレベルで、総理は、これはまあ範囲が広いと言いますけれども、範囲が広くても医療制度についても含まれることは事実でございますから、そういう意味で、私は特にこの総理の健康と医療に関する懇談会の問題等についてもすみやかに国民に構想をお示しになる必要がある、こういうように考えます。それと同時に、いまいろいろ私は建設的な意味で具体的な、国民がいま持っております問題点を取り上げて御指摘を申し上げたわけですけれども、そういう問題点、さらには、私どもが強く八木先生を中心として主張しております憲法二十五条の精神、こういう問題点等について、さらにひとつ厚生大臣から積極的な、前向きの誠意ある態度をお示し願うことを強く要望いたしておきたいと思います。かように考えます。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 私は、わが国の医療保険制度とともに、国民の福祉を向上する上からいたしまして最も基本的な重要な制度である、こう考えております。したがいまして、今回の医療保険制度全般についての改善策を検討いたします際には、憲法二十五条の精神を十分生かすように、その趣旨を体しまして最善の努力をいたしたい、かように考えております。      ————◇—————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、内閣提出の性病予防法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  性病予防法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。      ————◇—————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、内閣提出のこどもの国協会法案を議題といたします。  先ほど本案に対する質疑は終局いたしましたので、本案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  こどもの国協会法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。      ————◇—————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ただいま議決いたしました両案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次に、製菓衛生師法案起草の件について議事を進めます。  小沢辰男君より発言を求められておりますので、これを許します。小沢辰男君。     —————————————

小沢辰男自由民主党

○小沢(辰)委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、民主社会党三党委員の協議に基づく試案がございます。  三党を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げますが、試案はただいま各委員のお手元に配付いたしたいと思います。——すでに配付されたと思いますが、お手元に配付いたしました試案のとおりでございます。  まず第一に、製菓衛生師とは、都道府県知事が行なう製菓衛生師試験に合格し免許を受け、製菓衛生師の名称を用いて菓子製造業に従事する者をいうことであります。  第二に、製菓衛生師試験は、中学卒業者であって、厚生大臣の指定する製菓衛生師養成施設において一年以上製菓衛生師としての必要な知識及び技能を修得したものまたは中学卒業者であって、二年以上菓子製造業に従事したものでなければ受けることができないことであります。  第三に、製菓衛生師でなければ、製菓衛生師またはこれに類似する名称を用いてはならないことといたしたのであります。  第四に、受験資格の特例として、本法の施行の日または施行の日後、菓子製造業の業務に従事した期間が三年をこえた場合は、中学卒業者でなくとも、製菓衛生師試験を受けることができること等であります。  以上、簡単でございますが、試案の概要を申し上げました。  この際、三党を代表しまして、動議を提出いたしたいと思います。  お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。委員各位の御賛同をお願い申し上げます。     —————————————

田中正巳自由民主党

○田中委員長 ただいまの小沢辰男君、河野正君及び本島百合子君提出の動議に対し、発言があればこれを許します。  別に御発言もありませんので、直ちに採決いたします。  小沢辰男君外二名提出の動議のごとく、お手元に配付した草案を成案とし、これを本委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 起立多数。よって、さよう決しました。  なお、法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中正巳自由民主党

○田中委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗