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51回国会衆議院1966/05/25

社会労働委員会 第37号

発言数
252
登壇者
9
会派数
2
開催日
1966/05/25

会議録

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  内閣提出の国民年金法の一部を改正する法律案、児童扶養手当法の一部を改正する法律案及び重度精神薄弱児扶養手当法の一部を改正する法律案の各案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 外務省に特に来ていただいておりますので、外務省に一番先にやらしていただきます。  実は御存じのとおり、諸外国では社会保障制度というのが非常に早くから発達をして、ほとんど完成の時期に来ておるわけです。ところが日本においては、明治以来の日本の資本主義は主としてインフレをてこにして発展をしてきておるわけです。そこで、短期のものはとにかくとして、長期のものについては、厚生年金でも昭和十七年くらいに初めて施行されたものであって、国民的な支持というか、深く国民の中に制度自体が浸透をしていないわけです。したがって、日本でこういう制度を将来確立していくためには、スライド制等の問題についても諸外国のものは非常に参考になるわけです。もちろん、諸外国のものそのものが、ずばり歴史的発展過程を異にする日本において当てはまるとは考えておりません。しかし、相当重要な参考資料になることは確実でございます。   〔委員長退席、竹内委員長代理着席〕 したがって、たとえばヨーロッパのEEC諸国とか、あるいは古い社会保障の歴史を持っているイギリスとか、新興国のアメリカとか、あるいはいま激動の中にある東南アジアとか、あるいは将来日本が国際連合で重要な役割りを演じようとするならば国連と、こういうようなところで少なくとも諸外国の社会保障の現状を十分見、あるいは日本の制度をそれらの国々に理解せしめ、そして同時に、日本にそれらの人が帰って国内でよりよき制度への推進力となるというような、そういう立場の若い人をつくる必要があるわけです。そこで、いま大体各省から在外公館等に駐在員としてどういうふうに出ておるのか、何人ぐらい出ておるのか、それをひとつ御説明を願いたいと思うのです。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 お答え申し上げます。  現在、在外公館には、各省から大体定員といたしましては百六十五名、現在実員は百五十五名、本年度はそれが全部一ぱいになる予定であります。通産、大蔵、農林、労働、運輸等、ほとんど各省から全部出ておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 まず、各省から派遣されている各省別の駐在員を、ごめんどうですが、ちょっと読んでみてくれませんか。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 通産が四十八名、大蔵が三十三名、農林が十九名、労働が五名、運輸が十一名、郵政が二名、文部が二名、法務が三名、建設が四名、防衛が十六、警察が八、国鉄が一、科学技術庁が八、経済企画庁が三、厚生省が一、自治省が一というのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大砲かバターかということがいわれますが、防衛庁が十六人で厚生省が一なんですね。どうですか官房長さん、少し厚生省のようなものを、外務省としてはこれから——佐藤総理が国内で人間尊重ということを非常に強調されておるわけです。すでに諸外国では人間尊重の政治が行なわれておるわけですね。いまベトナムの戦争をやっているアメリカにおいてさえも、偉大なる社会の建設ということが、国内における非常に大きな命題になっておる。ただ、いま偉大なる社会を建設するということと、ベトナム戦争とが一体両立するかどうかということの批判が、ケネディさんの弟のエリオット・ケネディ等を中心として、新しい勢力がいまジョンソンの批判勢力として出てこようとしているわけですが、偉大なる社会の建設とベトナム戦争が矛盾をするという状態がアメリカでも出てきておるということは、やはり民生安定の問題というのを非常に強く考えておるということだと思う。そうしますと、駐在員が厚生省は一人だということについては、これは非常に問題があると思うんですが、外務省としてどうお考えになっていますか。将来これをおふやしになるおつもりがあるのかどうか、わずか一人だということは。どうでしょうか。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 御指摘のとおり、毎年各省からいろいろ在外に駐在の御要望がございまして、外務省といたしましては、各省とよく御相談して、しかる後行政管理庁及び大蔵省と交渉する次第でございます。しかし、毎年定員がふえるのが非常にむずかしゅうございまして、各省と折衝が難航し、大蔵省と難航するわけでございまして、厚生省が、御指摘のとおり一名でございますが、今後日本の社会保障制度を確立する上に、外国の事情を検討するということは必要かと存じます。その場合に出張がいいか駐在員がいいか、具体的にどういうふうに調べるかということは、今後厚生省とも御相談して検討していきたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 厚生省一名というのは、これは駐在員ですね。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 さようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、いま通産省四十八名以下自治省一名まで御説明いただきましたものは、全部駐在員ですね。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 さようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、他の省に、このほかに出張の者が何人かありますか。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 各省の事情に応じまして、出張といいますか、視察並びに出張している方がもちろんあります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それは外務省の予算で行くことになるのですか、厚生省なら厚生省、通産省なら通産省の予算で行くことになるのですか、そして同時に、たとえば四十年度においては、一体各省でどの程度の——これは総ワクでいいです、どの程度の出張がありましたか。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 各省の出張は各省の予算で参ります。  それから出張は、国際会議で一月ないしは三カ月、ないしはちょっと視察するというので一週間、十日というのがございまして、的確な数は、私のほうでは、現在ここには資料がございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、厚生省にちょっとお尋ねしますが、厚生省は昭和四十年にどの程度の海外出張をやらせましたか。

梅本純正厚生事務官(大臣官房長)

○梅本政府委員 厚生省の海外出張の予算でございますが、ただいま資料を持っておりませんのではっきりいたしませんが、三百万程度の予算をとりまして、大体におきましてWHO関係を中心にして必要な視察あるいは会議出席、そういうことに使っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、三百万程度ならせいぜい三人かそこらですね。

梅本純正厚生事務官(大臣官房長)

○梅本政府委員 大体数名程度でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 三名も数名もたいして変わらぬと思うのです。私はどうしてこういうことを言うかというと、厚生省と労働省というのは、昔はきょうだいみたいなものだった。これは同じ腹から出てきているので、きょうだいかいとこくらい非常に親しい。きょうだいでいいです。それが労働省は五人でしょう。一方厚生省は一です。なるほど労働問題も非常に重要です。ところが、厚生省が一だということはどういうことを意味するかというと、大砲かバターといわれるバターのほうが非常に低く見られているということです。このことは一体何を意味するかというと、人材が厚生省に集まらぬということです。これは非常にわかりやすい具体的な形で、私は厚生省に人材が集まらぬという証拠を示そうとしておるわけです。それはどうしてかというと、上級の公務員試験を通って、厚生省と労働省とどっちかに行きなさいと言われた場合に、その人が優秀な人材でどちらからも引っぱりだこだといった場合に、労働省が一まさかそんなことで人間は動かぬとも思いますけれども、君、厚生省より労働省がいいぞ、二、三年したらすぐ一年間アメリカにやるぞ、西ドイツにやるぞ、こうなると、人間どうもちょっとよろめくところが出てくる。こういうことは簡単なことのようにいわれるけれども、それが三年、五年と累積すれば、労働省には雲のごとく人材がおって、厚生省には暁の星のようにしかいなかった、こういうことになりかねない。こういうことは一事が万事です。こんな年金なんというものは一朝にしてなるものじゃない。ローマは一日にしてならずです。百円とか百五十円の金をこつこつ積んで、はるかかなたの四十年先、そして五年据え置いて四十五年先に一万円年金をもらおうという制度なんですから、そういう制度をじみちに研究してやるというのは、やはりよほど何かいいことでも時にはなければ、情熱を持ってやれません。そういうことなんです。それを言いたいのです。だから、少なくとも労働省並みの海外駐在員というものをとるくらいは当面の目標にする必要がある。そして、その若い人たちが情熱を持って諸外国の制度を検討し、そして日本の資本主義の発展の実情を考えて、日本にマッチするような長期の所得保障を考えるという情熱をわかす、その人たちが厚生省の主柱になっていく、こういう、簡単なようだけれども非常に大事なことが忘れられておる。この点どうですか、大臣。残念ながら、一番びりは厚生省と自治省だという証拠が出てきた。通産省や大蔵省は四十八名とか三十三名持っている。経済官庁は非常にたくさんなものを持っておるけれども、民生安定の方面は持たなかった。この問題は、私はあとで今度は金の面から触れていきます。こういう形ですよ。これでは厚生省が、大蔵省もおりますが、大蔵省やら通産省に頭が上がらぬことになる。こういうところにも格差が出ておる。格差を解消するというのが社会保障なんです。ところが、みずから格差に甘んじておっては格差の解消はできない。どうですか、大臣。これは外務省の力だけではいかんともしがとうございますと官房長はおっしゃっておるんだから、少なくとも海外駐在員を来年度においては五名くらい置くという、これはきわめてささやかな野党としての要求ですよ。大蔵省並みに三十三名置くとか、通産省並みに四十八名置くとか言っておるのではない。少なくとも防衛庁の三分の一くらいは、佐藤内閣が人間尊重であり、しかも社会保障を三本柱の一つに掲げようとするなら、当然やるべきじゃないかということなんです。どうですか、これは鈴木善幸先生の政治力を発揮するまず第一のチャンスが出てきておると思うのです。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 ただいま外務省のほうから御説明がありましたように、確かに、各省に比べまして、厚生省の海外駐在員の数は少ないのであります。私は、この海外の駐在員が少ないことが、必ずしも厚生省に人材が集まらないという直接の原因にはならないと思います。現に厚生省には相当優秀な人材がたくさん集まっておるのであります。ただ、別な意味におきまして、滝井さんのおっしゃることにつきまして私も同感であります。と申しますことは、ILOの関係等からいたしましても、ただに労働問題、労働条件等の国際的な条約あるいは国際的な協調、こういうことだけでなしに、社会保障、人類の福祉に関する問題等の非常に重要な問題がILOで討議をされ、また、世界的にそういう連絡と協調がなされて、人類全体の幸福のためにそういうことが国際的になされておるのであります。そういう観点からいたしまして、私もぜひ、ILOの関係等におきましては、この海外駐在員の数を数名程度は確保いたしたい。また、北欧その他欧米先進国の社会保障制度につきまして、今後わが国が社会保障制度の長期的な発展を考えていく観点からいたしまして、ぜひそういう国にも駐在員等を置きまして、そして十分これらの制度の調査あるいは研究をする必要がある、こう考えておるわけでありまして、さような意味合いからいたしまして、ぜひ今後は数名程度の海外駐在員を設置するように私も努力をいたしたい、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これは、ここで言われたからには、来年度にはぜひ実現をしていただきたいと思うのです。特に私は、労働省は何人おるか調べもしないで御質問申し上げたのですが、偶然労働省は五人おられるということです。そうしますと、いま一名おりますから、あと四名確保すると五名になるわけですね。EECが一、英国が一、米国が一、東南アジア一、国連はほんとうは二、三人おればいいと思いますが、そうもぜいたくは言えぬでしょうから、国連にたとえば一なら一というくらいの網は厚生省として張って、そして日本の社会保障の現状というものをヨーロッパ諸国にもPRする、あるいは世界にPRしていく。同時に、社会保障制度審議会が、数年前に、十年したらヨーロッパ並みの水準に社会保障を持っていくのだ、こういうようなことまで言って、やはりヨーロッパというものを相当の比較の対象にしている。それから、総評等でも賃金はヨーロッパ並みの賃金水準ということを言っているわけですから、そういう点ではやはり早急にひとつ海外駐在員を置いて、そして十分諸外国の資料も集めるし、日本の状況もPRする。同時に、厚生省内部にも希望が持てる状態が出てくる、人材も集まるというなら、一石三鳥、四鳥、五鳥くらいの価値はある。わずかの金でそれだけの価値があるということは非常にいいことだと思いますので、ぜひ外務省の官房長も、人間尊重の佐藤政治の公約を実現する一つの支柱として御協力を願いたいと思いますし、大臣もひとつぜひ公約を実現していただきたいと思います。最後にもう一ぺん確認をしていただいて、次に入ります。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 先ほど申し上げましたように、私もその点不十分である、かように考えておりますので、ぜひこれが実現いたしますように努力をいたしたいと思います。

高野藤吉外務事務官(大臣官房長)

○高野政府委員 御趣旨よくわかりましたので、厚生省とも連絡いたしまして、十分検討して前向きの姿で努力いたしたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これで来年ごろから海外駐在員が数名できそうな情勢ができたので、ひとつ来年度予算にはぜひがんばっていただきたいと思います。  次は、国民年金の本論に入っていくわけですが、逐条審議まで入れると相当時間がかかるのですが、できるだけ時間を省略して、前の質問者に重複しないように質問をしたいと思います。  まず、一番わかりやすいところから質問するわけですが、今回、拠出制の国民年金も福祉年金の給付額の引き上げも、ともに改正をせられることになったのですが、昭和三十四年なり三十六年に年金が発足した当時の状況と、今回の改正、特に拠出制の年金と福祉年金とを比べてみますと、非常に格差が拡大をしたということなんです。時間を省略するために具体的に私のほうから問題を提起しますが、老齢年金は、御存じのとおり、二十五年完納いたしますと六十五歳から支給が開始されて、年間二万四千円ですね。それから今度の改正で、拠出はこれが六万円になるわけですね。そうすると、老齢福祉年金は七十歳から支給が開始されて年間一万二千円、制度発足の当時一万二千円ですね。今度老齢福祉年金は一万八千円になりますね。そうすると、制度発足の当時は、老齢年金と老齢福祉年金との比較は、二万四千円対一万二千円ですから五割ですね。ところが、今度は、拠出は六万円になって福祉年金が一万八千円ですから三割なんですね。こういうように、同じ法律の中で、制度が同時的に発足したにもかかわらず、格差をなぜつけなければならないのか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 ただいま滝井先生御指摘のように、発足当初と比較いたしますと、現改正案によりますいわゆる福祉年金と拠出制の年金額との格差は開いておるのでございます。ただ、福祉年金は、この五年の間におきましてもすでに二回にわたる引き上げを実施いたしておるのでございますが、拠出制年金の大幅な改正はおおむね再計算時に行なわれることになっておりますので、それらの点も御勘案をいただきまして今後とも改善の努力をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私は制度発足のときと比べておるのです、途中のことは抜きにして。そうして今度は、物価その他の上昇によって、あなた方が改正をともに行なっておるわけですね。今度の法律改正で、拠出についても無拠出についても同時に行なっておるわけです。だから、制度発足のときには半分であったものが、今度の改正で三割になったのはなぜですか、こう言っているのです。それは少しくおかしいじゃないか。そうすると、これから五年間のうちには五割になるようにいたしますということなんですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 福祉年金と拠出制年金の関係につきましては、国民年金審議会でも長時間にわたり御審議をいただいたのでございます。国民年金審議会の御意見といたしましては、福祉年金の持つ福祉的な、経過的な性格からして、拠出制年金と関連をつけて考える必要はない、福祉年金は福祉年金としての改善をはかっていくべきであるというような御意見であったのでございます。また、福祉年金が全額一般会計の負担でございまして、一般会計の中におけるいろいろな項目の、いわばバランスといったような問題も出てくるかと思うのでありますが、一方拠出年金のほうは、保険料を引き上げまして、保険料を従前より大きく負担をしていただくことによって、拠出することによりまして給付もふやそうということでございますので、福祉年金と拠出制年金との相互の関連につきまして、理論上これは同一でなければならぬというぐあいには考えていないわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 理論上同一でなければならぬということは考えていないとおっしゃるけれども、それならば、その理論でいけば、いまの御老人はどうでもいいんだ、たいして老後を安定させる必要はない、これから三十年、四十年先のわれわれ若い者だけが、いい、日の当たる年金制度を受けたらいいということなんですか、そのことは。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 滝井先生も先ほど御指摘のございましたように、年金制度は比較的若い社会保障制度でございます。労働者に対する年金制度も昭和十七年の発足でございますし、自営業者に対する年金制度につきましては、いまだ五年の歴史であるわけでございます。拠出制年金の発足がおくれました関係上、拠出制としての年金制度が広く行なわれるようになるには、なお若干の時間を要する点は御指摘のとおりでございますが、一方、この間にありましても、現在の老齢者に対する福祉を向上させていただくために、福祉年金の支給あるいは老人福祉法の制定、その他老人福祉対策の充実をはかっておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 他の制度の充実をはかっているのはわかります。それは日本では非常に老齢人口がふえておるし、現在の自民党の政権の基礎をなすものは、各新聞の選挙における投票の具体的な調査を見ても、比較的中年以下の若い層が社会党を支持しておるし、中年以上の人は保守党支持が多いわけでありまして、いわば現在保守党政権の基礎をなしておるわけですよ。そういう人たちですから、もう少し私たちはこういう人たちを優遇する必要があると思うのですよ。これは優遇しないと、だんだん社会党に来ちまうのですよ。一九七〇年には社会党の政権が——年金を伊部さんがやらなかったために社会党に政権がきたなんて、痛くもない腹をさぐられることはいやでしょう。だから、とにかくこういう格差をつくるということはよくないことですよ。こればかりじゃないでしょう。障害の一級が、制度の発足の当時は三万ですね。ところが、今度は七万二千円になるでしょう。そうすると、障害の福祉のほうはどうなるかというと一万八千円ですね。これは六割です。ところが、今度は、障害年金が七万二千円になって、障害福祉年金は二万六千円ですから、三割八分に低下しているわけです。これは母子も同じです。拠出制の母子年金は、妻と子一人の場合一万九千二百円であった。母子福祉年金は一万二千円でしょう。これは六割。そうして今度はどうなったかというと、一万九千二百円のほうが五万五千二百円になったわけでしょう。そうして母子福祉年金のほうは二万四百円で三割八分。だから、あなた方は、これはやはり数字だけは合わしてきているんですよ。二万四百円なんという数字が出るということは、やはり幾ぶん考えているわけでしょう。全然考えずにこんな数字は出てこないはずなんです。したがって、こういうように格差をつけるということがけしからぬことなんです。伊部さん、いろいろ言われるけれども、拠出制の年金というものは、御存じのとおりに根本的な改革が行なわれてきておるわけです。福祉年金は、制度の基盤を底上げするような改正が行なわれていないでしょう。初め千円であったのが、なるほどいま千五百円に発展してきました。けれども、昭和三十四年十一月から昭和四十一年の四月の現段階まで、新年度予算の始まる四月の現段階まで考えてみたならば、消費者物価は五割上がっておるんだから、五割しか上げていないというのは、制度の土台の千円というものはちっとも変わっていない。同じ千円ですよ。三十四年十一月の千円といまの千五百円と同じです。だから、制度の根底はちっとも変わっていない。片っ方は変わってきているわけですね。物価上昇より、はるかに上がったものをやる形になっているわけです。なるほど、老齢年金はいますぐ発足しませんよ。しかし、障害年金、母子年金はそのベースでもらえることになるから、制度は動いたことになる。そうすると、これは格差を非常に拡大をしておるわけです。これは内閣の公約違反ですよ。佐藤さんが政権を取ったときに何と言ったか。池田さんがガンで倒れてそのあとに政権を取ったときに、池田の政策というものは高度成長政策のひずみをつくる政策であった、佐藤の政治はこのひずみを直して、人間中心の政治をやるんだ、ここが池田と佐藤の違いだ、こう言ったのです。これは生き証人の鈴木さんもそこにおられる。それが格差を拡大しておるじゃないか。貧乏人の中で格差を拡大している。そうでしょう。一番ひずみを受けた農民、中小企業者に適用するのが国民年金ですよ。その国民年金の中における最も弱いところに——最も弱いところでしょう、母と子は。母と子のための政治をやるとよく自民党はおっしゃるけれども、母と子でしょう。身体障害者でしょう。こういうところの人の格差をつけるんですから、だからこれはけしからぬと言うんですよ。公約違反ですよ。佐藤内閣の公約違反ですよ。だから私は、これは直さなければならぬということなんです。こういう公約違反をやっておって、平然として、年金は大幅に上げました、夫婦一万円年金になりますと言って、いいことは宣伝しているけれども、この格差を開いているということはちっとも宣伝しておらない。羊頭を掲げて狗肉を売るとはこのことですよ。国民をだますのもいいところです。鈴木さん、そうでしょう。いま御指摘をしましたとおり、格差を拡大するということはけしからぬことです。あなたの主人公であった池田さん——あなた、女房役だったから。それを批判して人間尊重を打ち出した佐藤内閣が、今度はあなたがそれを執行しなければならぬというのは、何という運命の皮肉でしょうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 福祉年金の制度は、拠出制の年金制度の補完的な、また、福祉的な制度として発足をいたしたわけであります。   〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕 したがいまして、この年金保険を積み立てて自分の老後なりあるいは不時の障害なり、それに備えるという拠出制の年金制度と福祉年金は、私は必ずしも、端的に給付の額等を比較するということは適当ではないのではないか、かように考えるのであります。ただ、滝井さんもおっしゃるように、生活水準が向上するとかあるいは物価が上がってくるとか、そういうような事情に即応するように、福祉年金の給付額等につきましても、毎年経済情勢等を勘案しながら、政府としても改善に努力をしてまいったところであります。予算の面からいたしましても、発足当時の福祉年金のための国の予算額と今日の予算額とでは、ほとんど倍にふえてきておる、こういうようなことで、私どもも今後とも、福祉年金につきましても、国の財政事情ともにらみ合わせまして、できるだけの改善をはかっていきたい、こう考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 制度的には補完的なものだということはわかるんです。しかし、個人個人にとってはこれは補完的なものじゃないのですよ。滝井義高は、もはや七十歳になったら拠出年金の恩典というものには何も浴さないのです。だから本人にとっては、七十歳の滝井義高にとっては、もはやこの老齢年金は唯一のものなんです。だから制度でものを論議するわけにはいかぬのです。個人個人は、福祉年金をもらったら、拠出制の年金を適用できる筋合いのものじゃないのです。だから、こういう点については、われわれとしてはどうしても納得がいかない。格差を縮めますという佐藤内閣が、みずからその格差をつくるということは、結局池田さんと同じことを佐藤内閣はむしろ悪質な形でやっておるということになる。佐藤内閣のほうが池田さんより悪質だったということになる。しかもその下請を、池田さんの政治をやった鈴木さんがやるなんというのは、何という運命の皮肉であろうか、こう言わざるを得ないですね。  それから、予算が倍になったと言うけれども、これは国民所得が三十四年当時に比べたら倍程度になりつつあるわけですから、その心配は要らぬわけです。問題は、物価が上がっただけ上がっただけで、千円のものを千五百円にしたら、五割だけ物価が上がっておるのだから、制度そのものは前進していない。この制度を前進させようとすれば、少なくとも千八百円とか二千円にしておれば、五割の物価高に対してさらに五割の前進があったということが言えるけれども、それはしていないんですよ。ところが片一方では、拠出のほうは制度が前進したのです。だから、無拠出の年金については、政府が、一般会計から相当の財源が要るというので、非常に冷淡であるということを、これは証明せざるを得ない。もっと典型的なのは重度精神薄弱児扶養手当のほうです。これはことし前進しましたか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 重度の精薄児に対する手当でありますが、これは、額は昭和四十年度と変わっておりません。ただ、今回の改正は、従来重度の精薄児だけに限られておりましたものを、重度の肢体不自由児、さらにまた重症心身障害児等にこの制度を広げていった、拡大をした、その範囲を広げたということと、それから所得制限の緩和をはかった、そういう点を今回改善をいたしたいということで御審議をお願い申し上げておるのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これは鈴木さんが官房長官の時代に、水上勉さんが「拝啓池田内閣総理大臣殿」をお書きになって、「池田さん、私はかぼそいこの手で小説を書いている男です。池田さん、あなたは私から一年間三千万円の税金を取っております。私は夜を日に継いで小説を書いて、あなたに三千万円の税金を納めたいと思います。しかし、さて池田さん、あなたは一体私のこのかわいい重度の精神薄弱児の直子に何をしてくれておりますか。あなたは税金を取ることは非常に熱心だけれども、私のこの子供には何もしてくれていないじゃないですか。」こう開き直られた。当時小林さんが厚生大臣だった。池田さんに呼びつけられて、一体小林君何かしているか、いや何もしておりません、大蔵省が予算をくれぬものだから手も足も出ませんということで、あの文章はあなたが書いたか黒金さんが書いたか知らぬけれども、中央公論に出たはずです。そのときに千二百円ですよ。一ぺん二百円くらい改正したかもしれませんが、そういう歴史的な故事来歴のあるものを、今度の改正をやるときに、あの重度の障害を有する児童に対しても拡大をした、こうおっしゃるけれども、これはもう、普通のおとなでも内部疾患が拡大したのですから同じことなんです。所得制限も同じことです。そうすると、この法律については額の引き上げはないわけですよ。一番困って、三千万円も所得税を納めている水上さんさえもお手あげの形のものに対して、給付をふやさぬというのはおかしい。なるほど、ことし五百二十ベッドくらいのベッドをふやしたということはあります。これは当然のことですよ。しかし、それのほかに、やはりお金をふやすべきだと思うのです。なぜ私がそういう主張をするかというと、当時私はここでこういう主張をしたのです。当時小林さんに、小林さん、二十歳以下の重度精神薄弱の人は一体何人いますかと言ったら、それは三万人だ、こうおっしゃった。それで、三万人の方に手当をお出しになるのはよろしい、それならば今度は、二十歳以上の重度精神薄弱児の方は何人おりますか、四万人です。そうすると、当時はともあれ千円だったんですね。この月千円をお出しになるのに、四億もあったらこの二十歳以下全部やれる。二十歳以上をおやりになったって、これは五億あればいい。そうすると、二十歳以上、二十歳以下合わせて七万人の方に月千円やったって、十億あったらいいじゃないか。当時自民党の総裁選挙がありよりまして、十億使ったというのが出ておった。自民党の総裁選挙一回やるだけのお金があったら、七万人の重度精神薄弱児の諸君が救われるじゃないですか、どうですか、二十歳以上をおやりになったらと、ずいぶんここでがんばったのです。どうしてもできません、大蔵省が認めません。あれだけ水上さんが池田さんに訴えて、池田さんも情熱を示したのだが、大蔵省の壁が厚くてだめです、こうおっしゃった。そうですかと、泣く子と地頭には勝てぬと私は引き下がった。ところが、その後私が調べてみたら、東京都で重度精神薄弱児の届け出をする人が非常に少ないということがわかった。それでここで一回やったことがある。ところが現在はどうなっておるかというと、当時三万人だと言ったのが一万人ですよ。三分の一しか届け出がないんですよ。それならば千二百円、これを母子年金その他と同じように上げてもいいわけなんでしょう。当時三万人の予算をとったのですよ。ところが、それが現実に一万人しかいないんですからね。だから、こういう点からいっても、当時二十歳以上の者についても大臣は情熱を示したのだが、金がありません、こういうことです。これも鈴木さん、あなたが官房長官のときで、やはりまいた種はだれかが刈らなければならぬという運命の皮肉ですよ。あなたが刈らなければならぬことになってきた。ところがその制度を、今度法律改正をやるときに去年と同じ千二百円のままでは、これはもういつも言うように、地下の池田さんは眠れませんよ。これは当然かの母子福祉年金と同じように、私は二万四百円にしなければいかぬと思うのですよ。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 水上勉氏が当時池田内閣総理大臣に公開質問状を出された、この点につきましては、総合的な重症心身障害児等に対する施策を強化してほしい、こういう御意見であったわけであります。私は、当時もこの提言に対し、これはごもっともな御意見である、国として従来その点欠くるところが非常にあった、早急に対策を立てねばいかぬ、こういうことを考えており、また、今回厚生省に参りましてからも、重症心身障害児に対する対策につきましては、私は私なりに最善の努力を払ったつもりでございます。その結果が、年次計画の第一年度といたしまして全国で十一カ所、五百二十ベッドの収容施設をつくる、今後これをさらに拡大をしてまいりまして、五年計画でもって全体の三分の一程度、五千人程度の重症心身障害児の収容ができるように、これを第一期の計画の目標としてただいま進めておるわけであります。  それから手当の問題でありますが、この手当は介護料という性質のものでございます。福祉年金でありますとか、そういう所得保障的な性格のものでなしに、これは介護料である、収容施設に入りました者の特別介護費、これに相当するものを在宅の者に支給をしよう、こういう考え方であるわけでありまして、今回は、重度の精薄児にのみ支給をされて、それが重症心身障害児なりあるいは肢体不自由児に支給されないということはいかにも不均衡である、不公平である、アンバランスである、こういう考え方から、まずこの支給範囲を広げるということに重点を置いた次第であります。私は、介護料が、現在の経済事情のもとにおきまして、月額千二百円では御指摘のとおり少ないということは十分承知をいたしておりますが、これは今後において努力すべき点である、一ぺんに額も上げ、支給範囲も広げる、そうまいりますれば理想的であるわけでありますが、漸次改善を加えていきたい、こういう趣旨でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 この額がばく大なものであれば、ぼくらそういう主張をしない。当時政府は、三万人おりますと、こう言ったのですよ。ところが、現実は三分の一に減ったのですから、一万人でしょう。予算は、去年は三万人分の予算をとっていたはずですよ。ところが、実際にやってみたら一万人しかいないのです。「精神の発達が遅滞しているため、日常生活において常時の介護を必要とする程度の状態にある者」なんですから、この法律の趣旨は、あなたのおっしゃるように介護料ではなかったのです。介護料という説明はしなかった。非常に理想を掲げて、当時、小林さんがここで説明したのですよ。そんな介護料みたいな低いベースのものではないということだったのです。これは大臣、ちょっとはき違えておりますよ。この法律の目的にも、福祉を増進すると書いてある、また重度の精神薄弱児の生活の向上に寄与するとあり、介護料なんて書いていない。介護を必要とする子供にはやるのだけれども、それはそういう高いものであるという形なんです。介護手当を出すなんという低いベースのものではなかったのです。これは文士として有名な水上勉さんが書いたことを受けてこの法律をつくったわけですから、非常にヒューマニズムにあふれたものとして出てきたわけですよ。単なる介護料くらいだったら、実費支給したらいい。こういう法律をつくらぬでも、実費でいいです。予算措置でできますよ。ところがこれはそうじゃないのだ。そんな低いベースのものでないということで、この法律が出てきたのです。これは介護料だったら補助金でできるのです。ところがそうじゃない。こういうものはこの年金制度に合わして高度のものにしていこう、こういうことなんですよ。その点は大臣が、少し年金局長の補佐が悪くて、非常に低いベースでものを考えているけれども、この法律の立法の趣旨はそうでなかった。だから、もう少しそこらあたりをひとつ考え直してもらいたい。三万と見ておる者が一万しかいないのですから、しかも健康な母と子のほうにはやるのですからね、今度子一人についてやるのですから。だから私は、やはり他のものと同じように今回二百円上げるなら二百円上げて——一体幾らかかりますか、これは一万人しかいないのですよ。こういうところに、じょうずの手から水が漏れる、いわゆる衣の下によろいが見える、自由民主党の社会保障の本質見たりと、こう言われますよ。ぼくらはこれで演説会をやったら当選ですよ。いかに自民党政府が社会保障を口にしようとも、その衣の下に、よろいはこういうところに見えておりますよと言ったら、これだけで拍手かっさいですよ。しかし、お互いにこうして民主的なルールのもとで、国会で共存をしてやっている党のあげ足をとって票なんかもらいたくない。お互いにヒューマニズムを持っておる政治家として見て言っておるわけですから、やはりこういうところは直すべきだと思うのです。どうですか、与党さんもひとつこれは大きな気持ちで、この法律だけは二百円引き上げる。わずかですよ。二百円引き上げて幾ら予算が要りますか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 滝井さんは、まず国民年金のほうの御質問があるということでございまして、そこでいま児童局長等を呼んでおりますから、数字的なことはお答えをさせるわけでありますが、滝井さんのおっしゃることもよくわかるのであります。わかるのでありますが、額も上げ、また支給の範囲も重度の肢体不自由児やあるいは重症心身障害児まで広げていく、こういう両方の改善を一ぺんにやるということが、財政の面その他から困難な事情がございまして、今回は支給範囲を広げる、そしてさらに所得制限の緩和をはかる、こういう点に重点を置き、さらに一方におきましては、今後四十一年度を出発点として長期の年次計画で収容施設の整備拡充をはかっていく。私は、重症心身障害児や重度の精薄児等は、お子さんの対策ばかりでなしに、そういう子供さんを持つところの家庭の方々の精神的、肉体的な負担を軽くしてあげるためには、どうしてもやはり収容施設をつくって、一人でも多くこれを収容してあげる、これが本筋だと思います。そういう面につきましては、先ほど来申し上げますように、いままで確かにおくれておりましたが、今年度を出発点として政府もこれに重点を置いた施策をやっていくことになっておるわけでありまして、その手当の額の面だけをとらえますと、いま滝井さんからおしかりをこうむるようなことでありますけれども、全体として総合的な施策を進めておるということを御理解願いたいのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 総合的な施策を進めておるということはわかるのですが、大臣は、額も上げる、支給範囲も拡大をする、所得制限も緩和する、そんなに一ぺんにできぬと言うのですけれども、片一方の無拠出の年金のほうは、額も引き上げるし、所得制限も緩和するし、内臓疾患すべて適用することになっておる。児童扶養手当にしても、額も引き上げたし、所得制限も緩和した、これは範囲は拡大のしょうがないから。ところが、こっちだけは、一番大事な額の引き上げをやらないのは画竜点睛を欠いていますよということです。竜はかいても眼を入れてくださいよ、こういうことです。しかもその竜は、モグラモチのように小さくてもいいから、眼だけはどこかへ入れてもらわなければ話にならぬのですよ。しかも一万人として、二百円ふやしたって二千四、五百万円あったらできるでしょう。七千三百億円の国債を発行しておるのですよ、五千三百億円の交際費に税金は一割しかとっておらないのですよ、佐藤内閣は。そういうところは抜けておって、わずかに二千四百万円の金が出せないということはないじゃないですか。こういうところぐらいは寛大な気持ちで、よろしい、私、大蔵大臣に折衝して、滝井さん、のみましょう、ぐらいのことを言わなかったら大臣の資格はないですよ。こんなヒューマニズムのない政治なんというものはありはせぬ。当然やるべきですよ。これをやって、日本の四兆三千億の予算がひっくり返るというなら別ですよ。ヨサンデイイヨニナルといって一生懸命ごろ合わせをしておったくせに、一番大事なところが落ちているじゃありませんか。ちっともこの人たちはいいようにならぬ。みんなが二百円ずつ上がるときには、少なくとも重度精神薄弱児の皆さん方には、介護料として——あなたの立場に立って介護料でもいいですよ、介護料二百円差し上げましょうと言うくらいのヒューマニズムがあっていいですよ。だから、この点は非常に格差がある。しかも一方では、こういう一番重要なポイントについては、そのままほおかぶりでいこうとしておる。ほおかぶりしていたって、なるほど両方のほおはかぶることはできるかもしれないが、前のおでこと、うしろのおでこはあいておる、そういう姿です。それではいけない。そこで一体、大臣、あなたとしては、この拠出制年金とそれから福祉年金との間に非常に大きな格差をつくったということについて、あなたは平然として、それは福祉年金は補完的な制度であるので、自分としてはこのままいかざるを得ないということで押し通すつもりなのか、それとも、これはひとっここ二、三年のうちに、制度発足当時と同じように五割、拠出年金、ことに老齢福祉年金が五割、あるいは障害年金、あるいは母子が六割、こういう程度にまで引き上げていくという意思があるのかどうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 その点につきましては、先ほどもお答えをいたしましたように、国民生活水準の向上あるいは物価その他経済的な動向等を十分考えまして、そして福祉年金が、老人なりあるいは障害を受けた人たち、そういう人たちの真に福祉になりまするように、これを改善するように努力をいたしたいと思うわけであります。この拠出制のほうは、五年ごとの再計算期の際に制度の根本的な検討をすることになるわけでありますが、福祉年金のほうは、いま申し上げたように、毎年経済事情等を十分考えながら給付が実質的に低下をしないように、また、さらに改善が加えられるように、そういうことで今後も毎年引き続き検討をしてまいりたいと存ずるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その場合に問題なのは、福祉年金、特に一番典型的に代表する老齢福祉年金については、三十四年十一月に発足したときから見ると、なるほど物価にスライドした改定というものは千五百円で行なわれておるわけです。いまあなたの言われたように、制度自体の改善というものは行なわれていないわけです。これはやはりやらないと話にならぬわけですよ。一体やる意思があるかどうか。福祉年金というのは拠出年金の補完的な制度であるので、これは物価が上がったら単にそれに見合った改善だけやればいい、本質的ないわゆる千円というもとを、五百円物価が上がったら千五百円にして、さらにその上に二百円、三百円、五百円というように制度的な前進をさせるということまで一体今後やる意思があるのかどうかということなんです。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 私は、発足当時千円であったからそのベースは変えない、そうして物価その他のスライドだけでやっていくのだ、そういう考え方を持っておるのではございません。先ほど来申し上げまするように、国民生活水準等も考えまして、この福祉年金がほんとうに老齢者その他の福祉になりまするように、内容の改善も財政事情等を勘案しながら改善を加えてまいりたい、このことを申し上げておるわけであります。ただ、年金審議会等におきましても、拠出制年金と福祉年金は、必ずしもこれは同じベースでやらなくちゃいけない、そういうたてまえはとるべきでない、別個の角度で福祉年金はどうあるべきか、こういう検討を加えていくべきであるというのが審議会の御意見でもあるわけであります。したがいまして、私は、今後福祉年金は福祉年金として、滝井さんの御意見等も十分私ども参考にいたしまして、改善につきましては努力をしていきたいと考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 御存じのとおり昭和三十四年の十一月に制度が発足をして、四十一年の現在まで足かけ八年の年月が流れておるわけです。これは生まれた子供が小学校に行くような状態になってきた。その間にベースの改定というものは行なわれなかったのですからね。そこで頭を振っておるけれども、実質は行なわれていない。それならば、いまの千五百円の中にベースの改定分が幾らありますか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 昨年二百円引き上げを実施いたしておりまして、本年二百円引き上げを実施する。したがいまして、本年度と前年度と二年間にわたりまして四百円の引き上げということでございます。なお、百円、三十八年の九月に引き上げております。そのほか内容的には、先ほど先生から御指摘がございました障害福祉年金につきましては、発足当初は外科的な疾患に限られておりましたのを、結核、精神を加え、今回はすべての内科疾患を加える等の改善も行なわれておるわけです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その範囲の拡大は、あったということは知っておるわけです。ベースは一体どうなのかということです。その中に一体ベース改定分が幾ら入っておるかということです。それはいまあなたの言ったように、三十八年の九月が百円、去年二百円、ことし二百円。しかし、それは三十四年十一月から現在までの消費者物価の上昇を見たら五割の上昇、総理府統計からいっても一四九くらいになっておるのですから、実態は、現実に千五百円で物を買ってごらんなさいよ、八年前の千円以下のものしか買えないのだから。そのことを私は言っておるのです。だから、これからあなた方がここで説明をするときには、今回の二百円の中にはベース改定分が五十円入っております。物価上昇に見合う分が大体百五十円くらい、こういう分析ができるくらいの説明をする必要があるですよ。それは一つのPRですよ、年金に対する。ところが、そういうことは何もない。だから、ここでわれわれがこの前から論争するように、消費者物価の上昇分だけしか見ていない、制度的なベースの改定はないという見解をとるわけです。何かあなたのほうで、いや、五百円引き上げたのは、ベース改定はこれだけ入っておるという具体的な証拠があれば出してもらいたい。いま出なければあとでもいいです、資料でもいいですから、一ぺん出していただきたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 まあ、その点につきましては、滝井さんも御承知のように、昭和四十年度に比べまして、昭和四十一年度の一般生活水準の上昇は一〇・二%程度が見込まれておるわけであります。これは物価の関係等をも織り込んだ見通しでございますが、それに比べまして今回の二百円というのは、物価その他生活水準等だけをスライドをするということであれば、百円、百五十円程度の改定でそれが十分見合っておる、こう思うのでありますが、そういうこととは離れまして、私ども 今回の拠出制年金等との関係も総合的に勘案をいたしまして、そして千五百円、こういうことに改定をいたそうとするものでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 三十四年の四月から現在までとすると、なるほどことしは、大臣の言われるように一〇・二%ぐらいしか生活水準が上がっていないから、それに見合うもの、あるいはそれ以上のものを出しているということは当てはまるかもしれません。しかし、三十四年から現在までのものを通算してみますと一これは受け取るほうは通算する必要があるのです。なぜならば、その通算した物価の上に、積算した積み上げの物価の上に生活してきているわけですから、そういう点でこれからやはり額を引き上げるときには、二百円なら二百円引き上げます、そのうちベース改定のものは三十円入っています、あとの百七十円なら百七十円は、これは物価上昇分に見合うものですと言うぐらいの親切なひとつ説明をしてください。そうすればこういう議論は省けることになる。  次は、保険料の問題に入ります。  来年の一月から百円、三十五歳以下と三十五歳以上についてそれぞれ保険料を引き上げることになったわけですね。この場合に、給付の水準というのは十年で二千円、それから二十五年で五千円、四十年で八千円、こういう給付水準を基礎にしているのですね。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 御質問の意味を取り違えておるかもしれませんが、保険給付と保険料と見合っておるということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 保険料と保険金が見合っているのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 改正法案による保険給付を見込んで保険料を定めておるということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 改正の保険金に見合って保険料をほんとうに定めておるかどうかということをいまから聞くわけです。だから、もし十年で二千円、二十五年で五千円、四十年で八千円やるための平準保険料は、一体正確に計算したら幾らになりますか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 今回の保険給付の改善は相当大幅な改善でございますが、それに伴いまして所要の財源も相当の額にのぼるわけでございます。したがいまして、この平準保険料で考えますと約四百円の見込みでございます。しかしながら、所得の伸びその他国民生活の状況を考慮いたしまして、一挙にその平準を現状まで上げることをやめまして、おおむね今後の新規加入者の数理的保険料に見合うものを保険料として考えていくという考え方を今回の改正案ではとっておるのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、その平準保険料が四百円だということは、百円の保険料の人は百円上げますから二百円ですね。その二百円が四百円でなければならぬ、こういうことなんですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 そのとおりでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、これは御存じのとおり、百五十円の人も百円上げて二百五十円になるわけですね。だから、それは通算すると平準保険料は幾らになります。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 全部通算をいたしまして約四百円でございます。そのほかに国庫負担が二分の一あると考えまして、一人当たりの費用といたしましては、平準保険料は約六百円強でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、整理資源としては幾ら不足になりますか、何円不足になるか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 平準保険料は、正確に申し上げますと六百七円七十八銭でございます。それから将来の新規加入者の数理的保険料が四百二十一円十銭でございます。したがいまして、この差が整理資源ということになるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、百八十六円六十八銭の不足になるわけですね。そうすると、これは六百七円七十八銭の場合には、給付における三分の一の国庫負担、すなわち保険料の二分の一の国庫負担も入れて六百七円七十八銭になるわけですね。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 そのとおりでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、百八十六円六十八銭の不足、一人についてこれだけ不足しますね。そうすると、もう一つ、過去の拠出制年金において過去に給付の改善をやりましたね。このために、一体いままでの百円、百五十円の保険料でずっときておるわけですから、過去と言ったって、まだ三十六、三十七、三十八、三十九、四十、四十一年と足かけ六年ですから、これで給付の改正と、それからもう一つ非常に問題になるのは、被保険者の数が当初の見込みよりかぐっと少なくなってきているのですね。制度発足のとき、当初の見込み、被保険者の数は幾らだったですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 発足当初の見込みは二千七百万程度でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ぼくは二千八百万と説明を受けておったのだけれども、まあいいや、百万違いだから二千七百万円。現在幾らですか。ことしの、昭和四十一年度の予算の基礎は幾らですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 年間平均二千二十八万人を予定しております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣、いまお聞きのとおりです。制度発足の当時は二千七百万くらい被保険者があるものと見ておったわけです。それで数理計算が行なわれたわけです。ぼくは二千八百万と小山君から説明を聞いておったのだけれども、まあ、きょうは二千七百万を正しいものとして進めていきます。そうすると、二千二十八万になったのですから、ラウンドナンバーでいえば七百万減ってきたわけです。そこで給付の改善と被保険者数の予想外の減少によって、一体整理資源に幾らの不足が出てきたか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 国民年金は二千万にのぼる非常に大きな数でございますので、保険財政に及ぼす影響としましては、この数そのものよりも被保険者のそれが年齢構成に及ぼす影響が大きな影響となってあらわれてくるわけでございます。この点は、九円七十銭程度が年齢構成が老齢化したということによりまして不足額が生じておる。さらに、五年間に行なわれました拠出制に関しての改善によりまして、四円九十四銭程度の不足額が生じておるという状況でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、六年間で一人につき十五円六十四銭の整理資源の不足が出てきたわけです。そして今回の改正によって百八十六円六十八銭の不足が出た。これを合わせますと二百円、現在納める一人の保険料と同じものが出てきたわけでしょう、そうでしょう。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 ただいま申し上げました九円七十四銭と四円九十四銭は、先ほど申し上げました平準保険料と将来の新規加入者の数理的保険料の差額に組み込まれているわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、百八十六円六十八銭整理資源の中に組み込まれておったにしても、これはとにかく三十五歳以下の一人分の保険料に匹敵するだけの不足が出てきているわけです。したがって、そのことは何を意味するかというと、一人で約二百円近くの不足ということは、すなわちこれを拡大してマクロで見れば、二千万人の不足が年々出てきておるということです。これはたいへんなことですよ。だからこういう——きょうは私は、きわめてわかりやすく問題を拡大して出してきたわけです。これは大臣も十分御存じだと思いますけれども、私がなぜこういうことを出すかというと、明治以来日本の資本主義の発展というものはインフレを基礎にして発展をしてきているわけです。そこで国は国庫負担は半分しか出さぬ、われわれのほうだけからは金を取り上げていく、その金がはるかかなた霧のかなたの四十年の後に、ほんとうに一万円になって返ってくるかどうかという心配があるわけです。それならば、やはりわれわれは国家と運命をともにするんだから、われわれの出した保険料と同じ額だけは国も出しておいてもらわぬとちょっと信用ができなくなる、年金に対する魅力が薄くなるのです。その実証を私はきわめてわかりやすくやる。  私が学生のとき、昭和十二、三年はもう大学だったのです。しかし、高等学校のときは、三十円もらったらとにかく寮費が払えて、そして東京で豪遊ができておったわけです、牛なべが十銭だったんだから豪遊ができておった。これは笑いごとだけれども、ここは重要なところなんですよ。昭和十二、三年ごろの日本の一銭銅貨を見てごらんなさい。いまの十円よりか大きかったですよ、こんな大きかった、一銭ですよ、こんなのよりか大きかったですよ。竹内さんなんか生まれていないから。大臣、一円じゃない、一銭ですよ。ところがいま十円でしょう。そうしますと、これはいまの十円と昭和十二、三年ごろの一銭とは質も形も大体同じです。そうしますと、どういうことになるかというと、貨幣価値の水準というものは千倍になった、千倍ですよ。だから三十年で千倍になってしまった。そうすると、あなた方がいまかねや太鼓で一万円年金だと言っておるけれども、一体いまのわれわれの払う百円とか二百円のものが、ほんとうに一万円の価値が先になってあるのかないのかということは、もはや歴史が示しておる。なるほど、それは途中で戦争がありました。戦争があったけれども、いまの日本のように高度の経済成長をやって、一割もその上も経済が成長していくということになるとこうなる。それでは、今度アメリカに行ってごらんなさい。いまから三十年前のお金といまのアメリカのドル貨とを比較してみたら、これはセントでも変わっていない。ここですよ。これが政治の姿をあらわしておるわけですよ。だからドルは世界の通貨になり得たのかもしれませんけれども、三十年前の姿がこれから三十年先にいくのですから、いまの姿がそのままいく。そうすると、千倍にならなくても五百倍になってもたいへんでしょう。それならば、そういう激しい変動の中で国はうまいところ逃げて、そして保険料の半分だけ出す、そしておまえたちは保険料を上げるぞ、こういうことではこれは通らぬですよ。いまの一円のアルミニウム貨を見てごらんなさい。ほんとうに情けないことだけれども、落ちておっても子供が拾わない。一円ですよ、情けないことです。だからアルミの一円を集めようという運動を起こしましょうということで、奥さま方が買いものに行って、一円のおつりがあったらそれを貯金箱に入れようじゃありませんか、そういう運動がなければ一円に対する認識がない。昔だったら一円を笑う者は一円に泣く、これは資本主義のことばから知らぬけれども、そういうように教えられておった。ところが、いまはそんなことばはない、子供に言ってもわからない。アルミの一円というものはめんこにもしない。だから、こうなると問題は、年金は一円から始まるわけですから、私はこれからもう少し国庫負担のあれを展開していきますが、一体大臣は、よくこの法律をそういう意味では出せたと私は思うのです。二百円近くの整理資源の不足があって、当然国が同額の保険料を出さなければならぬものを半分にちびって、そして零細なひずみを受けている農民と中小企業者にはほとんど二倍近くの保険料の引き上げをやるが、国は現状のままだ。率においては現状のままだ。総体においては上がります。それは保険料の半分ですから、保険料の百円が二百円になれば、国は今度その上がった分についての半分を負担しなければならぬわけですから、当然七十五円になるのですが、五十円が七十五円になるのは当然ですよ。それでは制度的な、いま言ったように不足の整理資源の拡大というようなものに目をつぶったと同じことになってしまう。だから、ここを一体どうおやりになるつもりなのかということですね。このまま、整理資源を二百円も不足したままで知らぬ顔の半兵衛をしていくつもりなのかどうかということですね。いいかげんに国民もだまされないときがきますよ。こういう形でだましていって、その金を財政投融資に持っていって大きな顔をして国が使っていく。しかし、はるかかなた四十年になってみたら、千円は一銭の価値しかなかったということでは、もうそのときになって泣いても泣けませんよ、もう追いつけない。光陰は矢のごとく過ぎて、鬢髪いたずらに白きを加えて、昔の盛年は返ってこない。だから、これは大臣、一人について二百円ということは、マクロで見れば二千万人の被保険者のいままでの分が不足することになる、それはすぐわかる。淡谷さんも質問しておりましたが、昭和九十年がいわゆるピーク、そのピークのときに四千三百八十六億円しか給付がない、そのときに積み立て金は五兆円もあるから心配は要りませんと言えばそれまでだけれども、これは積み立て方式を変更したことになるのですね。これはそういう制度の根本的な転換にいま踏み切ったことになるのかどうかということですよ。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 ただいま滝井先生御指摘の年金額の実質価値維持ということは、非常に重要な問題でございます。この点、関係審議会におきましても御審議をいただいておるのでございますが、現行法におきましても、その精神は第四条にすでにあらわれておるわけでございます。  そこで、たとえば従来の厚生年金保険ではどういうことが行なわれたかという点について申し上げますと、昭和十七年発足当時の厚生年金の標準報酬は約七十円でございます。当時の老齢年金額は二五%でございますので、十七、八円になるわけでございます。これに対しまして昨年御審議いただきました厚生年金法の改正によりまして、いわゆる一万円年金でございますので、相当の実質的な改善が厚生年金の場合においては行なわれておる。また、国民年金におきましても、既裁定年金につきましては、今回は母子年金がたとえば二万四千円から六万円に引き上げ実施をいたしておりますので、国民年金の五年間の改正案の実績は物価のスライドを上回っておると言ってよいかと思うのでございます。  そこで、これに伴う整理資源の問題があるわけでございますが、この改正案におきましては、整理資源は引き続き問題として残っておるわけでございます。年金制度は長期の制度でございますので、これは整理資源を解決する時点におきまして被保険者の保険料の負担能力その他を総合的に勘案して妥当な結論を出し、国会の御審議を仰ぐということになろうかと思うのでございます。  なお、年金の経理方式につきましては、国民年金の発足当時におきましても、将来とも完全積み立て方式を維持するという前提があったわけではないのでございますが、発足当時におきましては、御案内のとおり、完全積み立て方式を基礎として保険料が積み立てられておるのでございます。しかしながら、今回の改正法案におきましては、厚生年金その他の年金制度におきます考え方、つまり将来の標準的な加入者の数理的保険料をとるということで保険料を定められておりますので、したがいまして、修正積み立て方式に考え方が変わっておるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、完全積み立て方式はもう崩壊した。そこで今後は修正積み立て方式に踏み切ってしまう、こういう理解をして差しつかえないですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 将来の問題は流動的に変わる性質のものだと考えますが、方向といたしましては、修正積み立て方式を基本として、逐次そのときの財政状況、被保険者の負担能力等を勘案しつつ、整理資源の問題を解決すべき時点において解決をしていくというようなことになろうかと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 結局完全積み立て方式は、給付の改定をやったりあるいは被保険者数の減少というようなこと、同時に、いま一つは、被保険者の負担能力等から考えて、改正しただけの高額の保険料を一挙に取り得ない。だから、これは完全積み立て方式を放棄して修正積み立てにいかざるを得ない。もう一つ大きな原因は、国が財政上の理由から金を出さぬ、保険料と同額だけを出すということを念願したのだが出さない、こういうことも大きな原因ですね。一体百八十六円六十八銭の中に、もし国側が同額に積み立てたらこの中から幾ら引けますか。百八十八円六十八銭の中から幾らマイナスになりますか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 約四十円くらいでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、百四十六円六十八銭程度に国が出してもらえばなる、こういうことなんですね。そうすると、確認をしておきますが、もはや国も金を出さないし、負担能力も限界だから、したがって修正積み立て方式になっていく、こういうことが大体はっきりしてきました。そうしますと、今度の法律を見ますと、四十四年一月からさらに五十円引き上げますね。この五十円の算定の基礎というものは一体どういうところから出てきたんですか。いま言ったように、不足は、国側の四十円出していただいたにしてもなお百四十六円六十八銭不足しますね。そうすると、五十円では追いつかぬことになるのですね。この五十円の基礎というのは、四十四年一月からさらに五十円保険料を引き上げるという、その算定の根拠というのはどこから出てきたのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 実は四十四年一月一日からの五十円引き上げを含む保険料額が、今後の標準的加入者の数理的な保険料にほぼ見合うわけであります。そこで、百五十円の引き上げを現時点において実施するのは、国民の負担能力あるいは引き上げ幅の大きさ等から考えまして、これを二年間は百円にとどめて、その後五十円を引き上げたい、こういう考え方をとった次第であります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、平準保険料は六百七円七十八銭必要だが、四百二十一円十銭しか総合的に勘案して取れない。この四百二十一円十銭の中には四十四年一月からの五十円も入っている、こういうことですね。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 そうです。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。それが入っているとすればますます重大です。そうしますと、とにかく二百円ずついままで納めた同額の保険料が大きな穴になってあいてくるというならば、あきついでに国側も四十円納める必要はないということにはならぬわけですよ、これは。こうなると、私たちはこの法案を通すためには、国から四十円もらわなければいかぬわけです。これを取っておかなければたいへんなことです。私は四十四年一月からの五十円は別だと思っていたが、それも入っておる、こんなばかな政策をよくも自民党はのんだと思うのですよ。いいですか。中小企業や農民というのは自民党政権の基盤ですよ。その基盤の人たちの老後を保障するのに——現在の日本の資本主義を築いた貢献人じゃないですか。現在の政権のいわば恩人じゃないですか。その人たちの老後を保障するのにこんなものを——二百円近くの財源の不足があるのは明らかであるのに、国が四十円入れないなんというばかなことはないですよ。それだったら、そういうことをやるならあれも引き下げてください。どうせ先になってたくさんだまるというなら、どうせ先になってうんと整理資源を必要とするというなら、そのとき上げてくれたらいい。これは四十円だけ引いてください。百円上げるのを六十円にしてください。そうでしょう。どうせ先になってうんと赤字が出るというのなら、二百円も二百四十円も同じですよ。それはこういう大事な制度を、国家みずからが責任を持ってやらずして、被保険者だけでやらせるなんというのはうそです。あとで私はだんだんあれしていきますが、もういまの社会保険というのは、昔のいわゆる私的保険とは違ってきておりますよ。特にこういう長期の所得保障の年金という考えからすれば、違ってきているのです。これは私たちは、四十円入れるか四十円減らさなければ簡単に通されません。こういう深いからくりのところは、質問しなければ全然わからないわけですよ。ぼくは、四十四年一月からの五十円というものは、この上にまた上積みされるものだと思っておったけれども、その中に入ってすでに計算済みのものなら、これはたいへんなことですよ。枯れ尾花と思っていたところが、ほんとうの幽霊だ、正体見たり……。  そうしますと、わかりました。とにかく積み立て方式は、完全積み立て方式が崩壊をして、いまや修正積み立て方式に変わった。そして、しかもそこには整理資源として一人当たり百八十六円六十八銭の不足がある。四十四年一月の五十円も加えてそうだ。国は一人について四十円の金をほんとうは出すべきであるけれども、出していない、こういうことがはっきりした。  そうすると、もう一つ、今後もあなた方は、百円とか百五十円、それに今度百円ずつ引き上げて二百円、二百五十円、さらに五十円引き上げれば二百五十円、三百円、四十四年以降にはそうなるわけですが、そういう定額制をずっと変えずに維持していく方針なのかどうか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 修正積み立て方式は、先ほど申し上げましたように、厚生年金あるいはその他の年金制度におきましても現在採用しておる方式でございます。たとえば厚生年金におきましても、平準保険料千分の七十に対して五十五といったようなことになっておりますので、その基本的な考え方といたしましては、今度の国民年金も相違はないと考えておるのでございます。  なお、定額保険料、定額給付を維持するかどうかという点でございますが、この点につきましては、自営業者という対象者の所得の把握が非常にむずかしい、かつ、現在把握されております所得の状況でまいりますと、報酬比例制を採用いたしましても、きわめて少ない数の方が報酬比例で上のほうに入ることになるのでございまして、一割にも満たない計算に見込まれるので、この点から、やはり基本の制度といたしましては定額給付、定額保険料を維持してまいりたい、かように考えておるものでございます。  なお、国民年金法第百条に付加保険料、付加年金の制度が法律としてはございまして、別に法律をもってこれを定むという規定がございます。この付加年金制度につきましては、今回の改正法案では、保険給付の改善あるいは保険料の引き上げ等が実施をされますので、今回は見送ったのでございますが、今後の大きな宿題として考えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、定額給付、定額保険料を維持していく。所得比例方式というか、報酬比例制というのは、これは非常に高額所得が少ないので、ほとんど制度的には意味がない。だから定額保険料、定額給付方式をとる。その場合に、私の尋ねようとしたことを先にあなたが言ってくれたんだが、現行法百条の関係ですね。この百条は、いま御指摘のとおり別に法律で定めることになっているわけです。そうしますと、政府としては、いまのようなインフレ的な日本経済の現状から考えて、もうこれはちょうちょう論議するまでもなく、先になったら実質価値はがたっと下がってくる可能性が十分あるわけですよ。その場合に、やはりいまの夫婦一万円の年金では少ないという層が相当あるわけです。だから年金に魅力がない。だから、日本人というものは中国人的な要素があるのですが、国の制度を相手にせずにみずから貯蓄をしていく。だから、貯蓄は、ヨーロッパ諸国に比べてはるかに貯蓄率は高いです。それは社会保障が充実していないし、国の制度に信頼が置けないからです。ところが、やはりそういう国民性を徐々に直していくためには、百条の活用が非常に重要になってくるわけです。そういう高いものの考え方からだけでなくて、現実の政策的な見地からも、たとえば炭鉱離職者の問題に関連をして、坑内夫を一体どうするか。それから農民がどんどん離村をしていく。この農民に対していまのような低い年金で一体農民が満足するか。しない。そうすると、農業そのものに従事しない農協の職員については、農林漁業団体職員共済組合で比較的前進をしている。しかし、現実の日本農業の、いわば池田さんじゃないけれども民族の苗しろといわれる農民については低い年金で甘んじよというわけにいかぬとなれば、ここにやはり付加方式、付加年金というものが出てこなければならぬわけですね。これは百条だと思う。すでにその農民の問題で、赤城さんが農林大臣のときに、農民年金をつくりたいと言ったときがある。それから最近は炭鉱の問題で、すでに通産省に、炭鉱労働者のための特別年金制度をつくりたいというために予算に調査費を計上しておる。こういう現実の問題があるわけでしょう。そうすると、政府としては、別に法律の定めるところにより、この法律による保険料にあわせて付加保険料を払い込むことができるようにする。それで当然今度は付加給付が出てくるわけです。こういうものを一体いつごろになったらやるつもりなのかということです。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 現時点におきまして、いつ実施をするというプログラムを申し上げることはできないわけでございますが、ただいまお話しございましたように、大体農民に関しましては、農林省あるいは農協方面におきましてこの付加年金制度を活用してほしいという非公式なお話を承っておるのでございます。また、環境衛生関係団体等におきましては、自主的に、たとえば理容業等におきまして年金制度を実施いたしておるというような例もあるのでございます。そこで、この問題の取っ組み方につきましては、われわれの事務当局といたしましても真剣な姿勢で前向きに取り組んでまいりたい、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 次の通常国会に、当然これはある程度付加を望みたい、付加給付を受けたいというのは任意的なものになると思うのですが、ただ炭鉱や何かの場合は、これは任意ではぐあいが悪いことになると思うのです。その場合には、厚生年金における調整年金がわれわれに一つの方式を教えてくれていると思うのですが、たとえば報酬比例部分については企業年金と調整をして、そうして保険料の負担は労使折半とかあるいは事業主がよけいに持つことになるけれども、炭鉱あたりは労働者の負担を非常に少なくして事業主の負担をうんとするとか、あるいは国がある程度見てやるとかいうようなことで、わりあいこれは強制的なニュアンスを持った制度として発足することは可能だと思うけれども、一般的に言えば、やはりこれは任意的な方式に基づいてやることになるのでしょう。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 これらのただいま御指摘のような点が一番大きな問題点だと考えております。ただ、付加年金制度にいたしましても、一つの国の制度としてつくって、国の立場としてこの分野において適用するのが妥当であるというような考え方をとるといたしますと、一人一人が完全に自分が入る、入らぬということを、いわば簡易保険のような考え方できめるのが妥当かどうかという点につきましては、なお慎重に検討を要する問題点であろうかと考えております。   〔委員長退席、齋藤委員長代理着席〕  なお、石炭年金の問題につきましては、抗内夫の問題につきましてはただいま石炭審議会におきましていろいろ御審議をいただいておるのでございまして、厚生といたしましても、技術的な面で十分御協力を申し上げておる段階でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 時間がないので、まだ積み立て金のところまでなかなかちょっといかないのですが、理財局長は午前中しかいないそうですか、もう少し国庫負担のところをやりたいのですがね。もし理財局長は昼からどうしても来れなければ、資金課長だけでもかまわぬのですがね、それと政務次官も来てもらえば。  この定額を維持していくということが、大体はっきりしてきました。そこで、積み立て方式というものは大きく変更するけれども、定額制はあくまで維持していく、こういうことが明白になりましたので、少しはしょりまして、国庫負担のものの考え方を少し突っ込んでいってみたいと思うのです。  国民年金は、年金を受けるときには六割というものは自分の出した保険料で受けるわけですよ、三分の一ですからね。まあ六割ちょっとになるのですが、ところが、他の厚生年金その他はどうなるのですか。厚生年金その他は、年金を受けるときには自分の保険料はどの程度入ることになるのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 厚生年金は二割の国庫負担でございますので、二割が国庫、四割が事業主、四割が被保険者という負担関係になります。なお、国民年金に対する国庫負担は三分の一でございますが、これは、六割は被保険者が負担するというのは、制度全体を長期的に観察した場合にはそのとおりでございますが、国民年金につきましては、経過的な制度が相当多数設けられておりまして、当面発生する受給者につきましては、個々に考えてみますと保険料の占める割合はさほど高くはないわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 厚生年金は被保険者四割ですね。こちらは六割。だんだん所得が低くて貧しいところが、ものはよけいに負担しなければならぬという証明を少しずつしていって、問題の核心に入っていけばいいのですから……。  そうしますと、今度は被保険者一人当たりの平均国庫負担は、共済組合と厚生年金と国民年金と三つ、ちょっと言ってみてください。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 これは厚生省試算でございますが、国民年金におきましては、改正法案によります国庫負担額は一人当たり二百三円でございます。厚生年金はそれに対しまして四百八十円、国公共済は五百五十三円、地方公務員共済が五百四円の見込みでございます。なお、厚生年金あるいは国家公務員共済組合等と比較をいたします場合におきましては、先ほど来御指摘のありましたように、国民年金は定額保険料で定額給付である。これに対して厚生年金は、定額給付のほか報酬比例を含んでおるのでございます。また、国公共済につきましては、昨年御審議いただきましたいわば調整年金的な要素も含んでおると見られるのでございまして、これらの点をも総合勘案して、両者の国庫負担を比較する必要がある。しかしながら、基本的には、一人当たりの国庫負担額というものは、年金制度を考えていく上におきまして重要な要素である、かように考えておるものでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 一人当たりの年金給付を受ける場合の保険料の負担は六割と四割だ。今度は一人当たりの国庫負担を見ると、国民年金が二百三円で厚生年金が四百八十円、共済は五百五十三円、非常に違いがある。これが保守党支持者に対する保守党の政策かなと、ちょっと疑いたくなるところなんですね。こういう現実があるということを保守党の皆さんも知っていただくし、それから、大いに新聞その他でもPRをしていただかなければいかぬところだ、こういうことなんです。  そこで、御存じのとおり、事業主というものが国民年金にはないわけです。事業主にかわるものは一体だれがかわるかということです。だれかがかわる以外にないのです。だれがかわるかというと、国がかわる以外にないですよ。そうしますと、私がなぜ厚生年金を引き合いに出すかというと、あなた方が、厚生年金が今度は一万円年金になったのだから、わがほうも一万円年金に調子を合わせなければいかぬというて頭のほうは調子を合わしたのですから、今度は、おなかなり足のほうも調子を合わしてもらわぬと、頭だけでは調子が合わぬですよ。だから、ひとつ足のほうもおなかのほうも調子を合わしてくださいよ、こういうことになるわけです。そうでしょう。PRは、厚生年金が今度は一万円年金になったのだから、わがほうも今度は夫婦一万円にしますぞ、こう国民に言うたのです。だから今度は、ひとつ足場のところも一万円年金に合わしてもらわなければいかぬ。そうすると、問題は事業主にかわるものは一体だれがなるのか、こういうことなんです。国以外にないでしょう。そうすると、二割の国庫負担を厚生年金で出したら、残りの八割を折半原則でいくとすれば、国と事業主で六割を持つのだから、厚生年金に国と事業主が六割を持つならば、国民年金について国が六割を持ってもらわなければ不可能なんです。なぜ不可能かというと、御存じのとおり、これは伊部さんには関係ないけれども、国民健康保険のときにここで議論をした。国民健康保険の総給付費から自己負担を引いたものの七割五分を保険料で取りなさい、こういうことだけれども、それを取っておるところは二割しかないのですね。取れないのですよ。そういう実態でしょう。いますぐの命にかかわる病気の場合にさえ、保険料は全国一律に総給付費から自己負担を引いたものの七割五分を取りなさいといっても、取れるところは二割しかないのです。二割以下です。一割八分か九分です。二割そこそこしかないのです。七割五分取りなさいというのを五割しか取れていないところが四割近くあるのです。半分近くあるのですから、その上に今度は、長期の四十五年先の給付をもらうためにここにばく大な保険料を負担することができないことは、すでに完全積み立て方式をくずして修正積み立て方式に持っていった現実がそれを証明しているわけです。そうすると、国民年金制度をあなた方が、ほんとうに老後を保障する制度として一貫をしてこれを推進しようとするならば、最小限の整理資源にしなければいかぬ。そのためには国が同額を負担しなければならぬ。少なくとも事業主負担分の四割を国が持つ、こういう態勢にならなければいかぬわけでしょう。そうしないと、制度として成り立たぬですよ。まだ制度として成り立たない客観的な情勢をだんだん説明していきますが、制度として成り立たない。当初あなた方が私たちを引っぱってきたときは、二千七、八百万の人がこれに入りますということであって、私は、そうはいかぬぞ、いまの日本の農業革命の状態からいくと、がたっと減ってくるということだった。そのときには、あなた方は、その辺は言を左右してあいまいにしておった。しかし、制度発足以来ここ五、六年のうちに、すでに七百万も計算を間違った。計算に違いがなければ、情勢が変化してきた。だから、そうなれば、ますます国がこの制度にてこ入れをしないと、残るのはじいちゃん、ばあちゃん、かあちゃんだけになってしまうのだから、被保険者は老齢化し、女性化してくる、負担能力はないのです。したがって、いまのような実態ですから、ほんとうに同額の国庫負担を入れていく覚悟を固めるかどうかです。これは伊部さんじゃなくて、ひとつ大臣に御答弁をいただきたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 この国民年金制度は、長期にわたって保険料を積み立て、また、これに政府が助成をいたしましてやっていく所得保障の制度であるわけでありますから、給付時におきまして、実質的に現在の夫婦合わせて一万円の実質給付が確保されなければならないのであります。これにつきましては、政府が全責任を負うてこれを国民にはっきりとお約束を申し上げ、またその責任に任じなければならない、このように私どもも考えておるわけであります。そこで、先ほど来いろいろ物価の関係であるとか、あるいは生活水準の問題であるとか、あるいは賃金の問題でありますとか、いろいろな諸条件が変わっていくわけでありますが、そこで国民年金制度におきましては五年目ごとに再計算をいたしまして、いま申し上げたような経済的な諸要素に十分検討を加え、そして実質的な給付が確保されるように制度を運用していかなければならない。また、さようにしていく方針でおるわけであります。  積み立て方式にいたしましても、完全積み立て方式は、現在の経済事情からいたしまして、一ぺんに四百円程度の保険料を納めていただくということは困難でございますので、修正積み立て方式をとる。しかし、修正積み立て方式をとりますけれども、これは今後五年目ごとに、再計算の時期に負担能力その他の事情を勘案しながら、長期的にこの制度が、実質給付が確保されるように運用してまいるのであります。  ただいま滝井さんから、保険料に対する同額の国庫負担をすべきであるという御提案があったのでありますが、厚生年金等におきましては使用者の負担というのがあるが、国民年金の場合には使用者の立場は国である、こういう御指摘でありますが、政府におきましても、国としてもこれに対するできるだけの助成をやるというたてまえで、現在ありますところの各年金制度の中では、一番高率の補助をいたしておりますことは御承知のとおりであります。私どもは、現在の三分の一補助また保険料の半額負担ということが、これが最善であるということを申し上げるのではありませんけれども、現在の段階におきましては、他の制度に比べて、国民年金に対しましては国としても一番高率の補助を出して、そしてこの制度の確立をはかってまいる、こういう立場でやっておるわけであります。  今後さらに五年目ごとに、いろいろな経済事情等が変わってまいるわけでありますから、再計算期の際に、さらに国庫負担の問題等につきましても十分検討を加えて、そして先ほど申し上げました最終の給付時において実質的な給付が確保されるように、政府としても最善の努力を払う所存でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いま大臣からなかなか懇切丁寧に御説明いただいたけれども、説得力がないわけです。それは、給付のときに実質的な夫婦一万円年金を確保する、こうおっしゃるならば、百八十六円六十八銭という整理資源の不足をいまから埋めていっておかなければならぬ。五年たてば、この百八十六円六十八銭はもっと大きくなるわけです。そこで、できるだけいまの一人当たりの整理資源の百八十六円六十八銭を少なくする。少なくする道は、いまたった一つしか残っていない。それは四十円を国からとりあえず入れておいてもらうこと、この次になったら、今度は国が同額を入れるほかに、この百八十六円六十八銭そのものを何ぼかくずしてもらうということにならないと、説得力がないわけです。だから、そういう意味で私は、五年先のことはまたそのときにやったらいい。いま国が責任を果たすだけのものは果たしておいていただかなければならぬ、こういう主張をしておるわけです。そこで、さいぜん海外駐在員を置いてくれという必要性を言ったんですが、これはこういうところから必要性が出てくるわけです。  いま世界的に言って、こういう年金の国庫負担の問題について、どういう基本的なものの考え方でいくかという考え方が、世界的に二つ出ているわけです。一つは、ILOの百二号の考え方です。一つは、世界労連の国際社会保障会議で採択された社会保障綱領です。この二つの考え方が世界の労働者の中に広がってきている。  その一つの考え方、すなわち一九五三年の世界労連の国際社会保障会議で採択された社会保障綱領ではどういうように言っているかというと、社会保障の費用は、国または雇い主あるいはその両者の負担にさせるべきものであって、被保険者からの拠出を一切認めない、こうなっておる。これは世界労連におけるものの考え方です。これは世界の労働者の中にずっと広がってきている。そう何もかも国はいかぬというのが自民党さんのおはこです、大蔵省のおはこですが、そういう考え方が一つあるということです。そのためにはかわいい子には旅をさせろということで、将来厚生省を背負う人が行って、そういう世界の空気になれてくるということが必要だから、私はさいぜん言ったわけです。そういうものの考え方が一つあるわけです。  もう一つのものの考え方は、ILO百二号条約です。これは社会保障の最低基準に関する条約で、私がここで申し上げるまでもなく大臣御承知のとおりです。これは「保護を受ける被用者が負担する保険きよ出金の総額は、被用者並びにその妻及び子の保護に割り当てられる財源の総額の五十%をこえてはならない。」こうなっておる。なるほど農民、中小企業者の皆さんは被用者ではない。しかし、これは、これに準じて一万円年金をおつくりになったんですから、保険料が拠出の六割を占めるということは、ILO条約百二号の問題からいっても疑義がある。そうしますと、もし国庫負担を同額入れてくれると、これはいまの六割が半分近くになってくるから、こういう点について、世界的にそういう二つのものの考え方があるわけです。片一方はほとんど金を出さないがいいというし、片一方はぎりぎり半分だ、こういうことでしょう。そういうものの考え方がある。  しかも第二次大戦前は、被用者保険における労使折半の原則というのは普遍的だったのですよ。しかし、第二次大戦以後は、平等拠出という概念が世界的に消えつつあるわけですよ。平等拠出を、いま日経連を中心に厚生省、労働省が一緒になって非常に強くがんばるというのは、日本的な傾向です。今日では使用者が被用者の二倍を支弁するというのが普通になっている。ILOの事務局に行って調べてごらんなさい、そうなっておる。そうなんですよ。こういう世界の大勢を知るためには、厚生省の若手の優秀な人たちを海外に出して、やはりかわいい子には旅をさせてくる必要があるのですよ。日経連と自民党さんと、それから頭のかたい高級のお役人の皆さんのもとで圧迫されたような形で勉強しておると、いつも五割しか出さぬのじゃないか、それが世界の大勢じゃないかというて井戸の中のカエルになってしまう。やはり若いところから伊部さんあたりを突き上げて、局長、あなたそんな頭のかたいことじゃだめだ。そうすれば局長が大臣に話をする、こういう形になってくる。そういう保守的な考え方では、もう労働者の票はとれませんよ。こういう形にならなければいけませんよ。永久政権でもおとりになろうとするならば、そのくらいのことをやらなければ永久政権はだめですよ。もうやがて社会党にくる。国庫負担のものの考え方は、そういうことになるということですよ。そればかりじゃないのです。あなた方の諮問機関の社会保障制度審議会の最近のものの考え方を見てごらんなさい。国庫負担に関する有力な原則論としての社会保障制度審議会の考え方、昭和三十七年八月二十二日の勧告です。これは、国庫負担のところをちょっと読んでみてください。どうなっておるか、大きい声で読んでみてください。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 三十七年八月の勧告におきましては、国庫負担に関する全体的な考え方は救貧制度——それでは、三二ページの各論の「費用の負担」というところを読み上げてみたいと思います。「一般所得階層に対する施策は、社会保険を中心として進めてゆかなければならないことはさきに述べたとおりである。したがって他の階層に対する施策のように公費を財源とするよりも保険料を主な財源としなければならない。国庫負担の導入されるべき場合もあるが、それには後述のように合理的な理由を必要とする。この場合、保険料負担の軽重は、各制度ごとにその給付との関係において考えられるだけでなく、社会保険全般として総合的に判断すべきである。」

滝井義高日本社会党

○滝井委員 一番大事な国庫負担のところを忘れておる。そういう打てば響くところがないから、大蔵省にやられてしまうのです。国庫負担のところを読んでみると、「国庫負担を社会保険に導入する場合を考えなおすについては、まず各制度における国庫負担に対する既得権的な考えを一掃し、」ここなんですよ。既得権的な考え方をまず一掃しなければならぬ。あなた方は過去の陋習にとらわれているのです。いま日本の国民年金は明治維新ですよ。旧来の陋習を破らなければならぬ。「既得権的な考えを一掃し、つぎのような原則をたてるべきであろう。国庫負担は、最低生活水準を確保するために絶対的に必要とされる給付に対して一定水準の保険料が受益者の負担能力をこえるような場合、」これが一つ。「あるいはインフレーション、による積立金の不足のように国以外に責任をもつものがない場合に行なわれるべきである。」これが二。「また、事業主の負担のある被用者よりもこれがない自営業者に、」これが三。それから「個人的責任の度の濃い事故よりも薄い事故に対して、それぞれ国庫負担を厚くすべきである。」これが四、こうなっておる。そうすると、いまインフレぎみですよ。あるいは制度の改善もやってみたり、客観的に見て、農民、中小企業者が百八十六円六十八銭の不足資源を保険料でまかなえる情勢では、いまないですよ。ないでしょう。インフレ的な情勢がある、事業主がいない、しかもその対象が低所得階層とすれば、国以外にないじゃないですか。いみじくも昭和三十七年八月二十二日の勧告、これは総合調整の勧告です。今度あなた方がやろうとする国民年金の改正は、一万円の厚生年金と総合的に見合って調整しながら考えよう。これは通算年金の形があるから調整しなければいかぬわけですよ。そういう総合調整の観点から今度の改正は行なわれてきておるわけでしょう。ここにちゃんと書いてある。外国の例ばかりではなくて、外国にもそういう客観情勢がある。だからそれをおやりなさい、こういうことです。私がこの主張をするのはなぜかというと、今日この百八十六円六十八銭というものを一歩でも二歩でも縮めておかないと、先になったらたいへんなことになりますよということを言いたいのです。これは夫婦の仲と同じです。深山幽谷から発するせせらぎの左岸と右岸とは、深山幽谷から発するときは左岸と右岸は手が届くように近いですよ。ところがこれが野を越え、山を越え、そうして大海に注ぐときになれば、左岸と右岸は呼べども答えない状態になる。これは夫婦の間のみぞが初めは小さいけれども、末にいったら大きくなって離婚をしなければならぬ。そういう離婚の状態が日本のこの国民年金に出るということですよ。   〔齋藤委員長代理退席、委員長着席〕 整理資源が不足してばく大になれば、給付の改善ができないですよ。給付の改善ができないから、国民から見放される、国民から離縁される。国民から離縁されるということは、これは伊部さんや鈴木厚生大臣が不信任を受けることと同じことになるでしょう。だから、いまからこの国庫負担の問題というものを真剣に考えなければいかぬ、こういうことなんですよ。しかも、この国民年金なんというものは圧力団体がないのですね。何か小さな、厚生省が後援をしておるのか知らぬけれども、年金何とかいうのができておりますよ。しかし、それは、一年に一回か二回はがきをちょこちょこと社会党の代議士にくれるくらいなもので、圧力団体ではない。そういう圧力団体のないところにこそ政治がまじめに前途を見詰めて、国民に希望としあわせを与えるためにがんばらなければならぬと思うのですよ。それを、たとえば共済組合も一割から一割五分に国庫負担を上げた。厚生年金も、われわれの強い要求で泣く泣く上げたのか知らぬけれども、一割五分を二割に上げた。それから農林漁業団体の職員共済組合法、私立学校職員共済組合法等も、これは大蔵省の主計局、泣く泣くでございましたけれども、十五から十六に上げた。他のものを全部上げておるのですよ。他のものは全部上げて、最もひずみを受けた層だけを上げないなんということはないですよ。これが自然格差をだんだんつくったということ、重度精神薄弱児扶養手当については前進しなかったということ、しかも農民と中小企業者二千万の、いわば保守党の基盤をなす、ここを保守党が見捨てるような政策をやってはいかぬのじゃないか。これはやはり国庫負担を出すべきだ。きわめて理路整然ですよ。大臣のいままでの答弁は説得力がないです。私、大臣の説明ではちっとも心を動かされなかった。私は涙もろい男なんだけれども、一つとして心を動かされなかった。それでは悪い政治ですよ。いい政治ではない。少なくとも前進する政治ではない。鈴木さんの好きな前向きの政治ではない。うしろ向きとは言わないが、停滞をしている。停滞は退歩の始まりなんです。それは百八十六円六十八銭も整理資源が積み重なったら、年金の改善は将来できないですよ。だから、どうしても鈴木さん、清水の舞台から飛びおりるつもりで、この法案が通るまでは大蔵省と折衝してもらって、八木さんもこの前声を大にして言われておりましたが、やはり一人について四十円を確保するということですよ。それは、場合によっては、国債をもうちょっと発行してもらっても確保するということです。これは道路をつくり、あるいは港をつくり、住宅を建てるために七千三百億の金が出るんですから、日本の二千万人の被保険者の老後を安定させるために、少しは国債を発行してもいいのではないか。七千三百億の国債を押し切られてしまったから、社会党はほんとうは反対だが、事ここへきて年金のために持っていくなら、住宅のほうから少し回してもらっても、道路のほうから少し回してもらってもいい。そんなに大きな額はかからないからです。この点については、いろいろくどくど述べましたけれども、世界的な情勢から見ても、あるいは国内の社会保障制度審議会の勧告の状態から見ても、どうしてもこれは四十円だけをひとつ返してもらいたい。もし四十円返してもらえぬというならば、百円を六十円にしてもらいたい。どっちかにしないとこれはバランスがとれない。バランスがとれないということで午前中は質疑をやめまして、午後にさせてもらいます。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 午後二時まで休憩いたします。    午後零時三十二分休憩      ————◇—————    午後二時十三分開議

田中正巳自由民主党

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 午前中の質疑で、結局、今度の改正で完全積み立て方式がくずれた、しかし、政府は定額の保険料と定額の給付という定額方式を維持していく、こういうことがはっきりしたわけです。しかし、改正保険料を維持していく限りにおいては、百八十六円六十八銭の整理資源を必要とする。それだけ財源不足になる。その場合に、保険料の二分の一の国庫負担を同額にした場合には、百八十六円六十八銭の整理資源は一体幾ら縮少できるか、こういうことで、同額にした場合は四十円だという御答弁があったように私は聞いたのですが、そうでなくて、保険料と同額の国庫負担をやると、整理資源として必要とする額は、すなわち財源の不足額は四十円になるんだ、こういうように理解してほしいというお話があとであったのですが、そう確認してよろしいかどうか、もう一回政府のほうで御答弁を願いたい。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 保険料と同額の国庫負担を実施した場合におきましては、整理資源が四十円になる、こういうことでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、これは前の理解とずいぶん違っておるわけですから、ますます同額の国庫負担をしていただくことが、保険財政を確実に安定させることになるわけです。いままで給付の改善を、拠出制の年金が発足してから幾ぶんやってまいりました。しかし、一方においては、被保険者の数が当初の見込みより約七百万も減少するというようなことで、整理資源十五円六十四銭程度を必要とすることになったのですが、今度の改正でもし同額の保険料を政府が出すとすれば、今回の整理資源はしたがって二十五円そこそこになるわけです。前回が十五円、今回が二十五円、こうするとそれで約四十円近くになる。だから、これはますます、四十円くらいの整理資源ならば、修正積み立て方式でも、その方式は完全積み立てに近いものになるわけです。したがって、これは初心忘るべからずということが昔からあるように、当初の精神というものをやはり忘れないほうがいいわけです。それのほうが制度としては確実なものになる。そういう意味で、少なくともわれわれ社会党は、ますます、これは同額の国庫負担を必要とするという気持ちを強くしたわけです。  そこで結論的に言うと、今度の改正においては、少なくとも保険料と国庫負担の関連から考えて、まず第一に、国庫負担を同額程度にするというのは至上命令である。それからいま一つは、国民年金法百条の任意的な付加保険料拠出による付加給付の実現というものが、やはり当面少なくとも客観的に見て必要だという、こういう二点については、政府の答弁その他を総合的に判断して、やはり実現をしなければならぬだろう。しかし、この百条の問題についてはなお法律を必要とするので、いますぐには間に合わぬ。しかし、これは近い機会に、少なくとも次の通常国会くらいまでには政府は努力をして、その実現に邁進する必要がある、こう思うのですが、その点どうですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 前回も申し上げましたとおり、この問題につきましてはいまだ確実な時間を申し上げる段階ではないと思いますが、前向きな姿勢で真剣に取り組む課題と考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 国庫負担がそういうように私らは結論が出ましたので、現在の国民年金における盲点になっておる問題をここでちょっと質問しておきたいと思うのです。  その一つは、五人未満の事業所の諸君に対する社会保険の適用問題についてでございます。これは三十九年に、厚生省と労働省との間に五人未満の事業所の適用問題協議会が設置をされておるはずです。これは何も厚生年金だけでなくて、健康保険等の問題もあります。この問題の処理のしかたによって、国民年金の問題は相当の変化を来たすことは明らかなんです。これはいまどういうように進捗をしているのか。もう三十九、四十、四十一年と二年程度になるわけです。この五人未満の事業所の適用問題協議会は継続的に討議をされておると思うが、現状は一体どういうことになっておるか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 五人未満の事業所に従事しております人々に対する厚生年金保険の適用の問題、この問題につきましては、ただいま申されましたような協議会においても十分論議を進めておりますし、私どもの手元におきましてもいろいろ問題点を出して検討を進めておる最中でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 健康保険の適用問題、厚生年金の適用問題というのは、再三ここで論議をされて、政府もその方向で努力しますと、歴代の大臣はみな言っておるわけです。当然これは、今回の厚生年金の改正にあたっては、すみやかに処理をしなければならない問題点だと私は思うのです。じんぜん国民年金に入れてずっと続けてきよると、なるほど通算の問題はできます。しかし、これは雇用労働者ですから、何か早く運命を決定してやる必要があるわけです。そこで、三十九年にこういうものをつくってやります、すみやかに結論を出しますと、こういうことだったはずです。ところが、もう二年もたってやっておると、また大臣がかわってしまうわけです。鈴木さんがきょう、滝井君の御説ごもっともです、やりたいと言ったって、またいつの間にか忘れちゃう。もう私も大かた忘れようとしておった。また記憶をよみがえらして調べてみたら、なるほどあれは三十九年だったわいと、いま持ち出しなわけでしょう。だから、これは船員保険だったら、二十トン未満の船に乗る船員は被用者保険に入れないですね。労災は五トン未満というようにまちまちなんです。五トン未満の者は、国民年金と国民健康保険に入らなければならぬことになるわけです。五トン未満は労災には入れない。だから、この問題を一体どうするかということです。御存じのとおり、最近は、政府は四十一年度予算においては七割を少なくとも上半期契約ベースに持っていく、四割くらいは上半期に実施したい、こういうことです。すると、それは一番どこが予算を実施されることになるかというと、公共事業でしょう。公共事業は何かというと土建業でしょう。その建設に働く従業員というのは、約二百八十九万くらいおるでしょう。三百万近くおりますよ。この中で一体厚生年金が適用されておる人、国民年金が適用されておる人はどうなっていますか。こういう土建に働く労働者諸君です。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 ただいまの御質問でございますが、土建業だけにつきましての資料は実はございませんので、必要があればあとから届けたいと思いますが、総理府統計局による事業所統計調査によりますと、五人未満の事業所に常に雇用されておる従業員の数は、昭和三十八年において二百十八万人ということになっておるわけであります。これらのうち厚生年金保険が適用されない業種を除いた数が百七十万であり、厚生年金保険の任意包括適用を受けておる者が、そのうち六十四万人というような数を持っておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると私の数字と少し違いますが、あなたの昭和三十八年の総理府の事業所の調査で二百十八万人、これは建設労働ですか、一般の五人未満の労働者ですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 五人未満の従業員です。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 五人未満の従業員でいいですが、二百十八万、その中で六十四万人が任意適用ですから三分の一ですね。すると三分の二は国民健康保険、国民年金に加入しておることになるわけですが、実際はしてないのじゃないですか。この残りの者は、国民年金に加入することになってはいるが、していないのじゃないですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 これらの方々は、当然国民年金の強制被保険者でございますので、私どもといたしましては、市町村を督励いたしまして適用されるように努力をいたしておる次第であります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 適用されるように努力はわかったけれども、五人未満の二百十八万のうち六十四万人が加入しておれば、約百五十万の人は国民年金に加入しておりますか、こう聞いておるのです。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 当然加入しておると考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そこらの証拠がはっきりしないから、しておると言えばしておる、していないと言えばしてないのかもしれませんが、少なくともあなた方は、昭和三十九年に五人未満事業所の適用問題協議会をおつくりになってやっておるのですから、そこらあたりのもう少し正確なものをやはりきちっと出す必要があるのですね。そうすると、厚生省としては、五人未満の事業所を、いつごろ、どういう具体的な年次計画で国民年金から厚生年金に移すつもりなんですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 ただいまのところ、どのような形で五人未満の従業員を厚生年金に適用するかという問題について検討しておる次第でございまして、たとえば段階的にこれを実施するようにするか、あるいは任意加入をさらに強化するというようにするか、あるいは五人未満の事業所の捕捉をどのようにするか、いろいろ多くの問題点がございますので、そういう問題点等につきまして鋭意検討を進めておる。したがって、そういうめどがつかないと、いまおっしゃったような何年にどの程度の適用をするというようなことは、はっきり申し上げることができない、こういう段階でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 御存じのとおり、国民年金というのは、一人一人の個人を把握しなければ加入がむずかしいです。ところが、厚生年金は事業所単位で把握するので、いま六十万くらいの事業所を把握すればいいのです。片一方は二千万人をつかまなければいかぬわけですよ。把握の困難さは個人個人のほうがむずかしいのですよ。建設労働者のごときは飯場を動いて回るのだから、ジプシー生活をやるわけですから、むずかしいのですよ。そうすると、五人未満の事業所は幾らむずかしいといったって、これをつかんでいったほうがやさしいでしょう。いまのように、五人未満が二百十八万人といえば、事業所は二百十八万はないわけだから、それよりやさしいでしょう。そうすると、やさしいほうをやったほうが本来の筋にいくわけでしょう。だからいまのような答弁では、三十九年に五人未満の事業所の適用問題協議会をおつくりになると言って、結局われわれをその場でうまくごまかして逃げただけであって、実態は進んでいなかった。二年たったのですけれども、待てば海路の何とかにならなかった。それじゃいかぬです。やはり約束したら一年か二年のうちには結論を出すという行政の熱意というものが必要じゃないですか。あれだけここで五人未満の問題を取り上げた人がみんな声を大にして言えば、私たちにこうやっております。ああやっております。こうしますとうまいことを言うけれども、結論はちっとも出ておらぬ。百年河清を待つに等しいというのじゃ困るのですよ。だからどうですか、五人未満の適用問題協議会の結論というのはいつ出るのです。どうしよう、こうしようと言ったってしょうがない。この結論はいつ出るのですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 私どもといたしましてはできるだけ早い機会に結論を出したい、こういう方向で努力をいたしたいと考えております。  ちょっと私が説明したことにつきまして、事業所の捕捉が非常にむずかしいということを申し上げたわけでございますが、若干説明不足の点がありまして、国民年金の場合におきましては定額で取るということで、保険料徴収の面からいいますとやや機械的な面でやさしくなる。ところが厚生年金に適用いたした場合には、厚生年金の例からいいますと標準報酬というものを決定し、それをもとにして取らなければいかぬ。そういう面から単純に五人未満の事業所の従業員を厚生年金に適用した場合、非常に複雑な事務がふえる。こういう問題はそのような形でいくか、定額でいくか、さらには厚生年金の場合でありますと被保険者であれば当然給付が行なわれるという形になっておりますが、なかなか保険料が取りにくいという問題もございますので、たとえば国民年金と同じように保険料を納めたその実績において給付を行なうというようにするか、多々検討しなければならぬ問題が実はあるので、鋭意、できるだけ早い機会にそういう問題が解決され、実現できるような方向で努力いたしたいというふうに考えております。   〔委員長退席、竹内委員長代理着席〕

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 ただいまの五人未満の適用問題につきましては、この前、法案を通していただく際に二年後の通常国会に提案をすべし、こういう附帯決議をいただいておるわけでございます。そういたしますと、次の通常国会、こういうことに相なるわけでありますが、私ども医療保険の問題につきましても、ぜひ抜本的な改正案を次の通常国会に出したい。また、この厚生年金の問題もいまのような決議の次第もございますので、事務当局から御説明申し上げましたように、鋭意検討を進めておりまして、できるだけ次期通常国会にはこの問題の解決をいたしたい、かように考えておる次第であります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 次の通常国会には五人未満の法律の提案をすると言明されたんだから、いまの言明をぜひ忘れぬようにしておいてもらいたいと思います。  雇用審議会の専門委員会は、失業保険の五人未満の事業所への適用阻害事項として九つあげておるのです。事業所の変動が激しいこと、労働者の異動率が高いこと、賃金把握に困難さがあること、事業所の事務処理能力の欠除、労働者の関心の希薄さ、雇用の範囲の不明確なこと、保険コスト著増、事業主の経済的負担能力、零細企業の近代性の欠除、これだけあげておる。こういう点は定額であっても国民年金においても同じように問題がある。資金コストなんか、いまの事務費の状態から見たら非常に高いのです。しかし、それはいま国庫が事務費を出しておるから何とかやっていけるけれども、あれを保険料の中から出してやってごらんなさい全然成り立たぬ。いまでも百円かそこら集めるために非常な手がかかるので、地方の昔の町内会とか部落会とか、婦人会とかいうものを使っておるからこそ安あがりにいくけれども、あれを自治体の職員を置いてやらしてごらんなさい、たいへんな資金コストでやっていけない。保険料だけは事務費にみな食われてしまう。実際言うとそうなっちゃう。そういう点では失業保険の問題で雇用審議会で言明しておるわけですが、そういうことを社会保障は乗り越えなければいかぬわけです、外国はやっておるんだから。だから乗り越えてもらって雇用労働者はすみやかにやるということ。いま大臣に次の通常国会に法案を出しますという言明をいただいたからこの問題はこれ以上あれしません。いまの言明で満幅の信頼を持って次の通常国会を待つ、こういうことに時間がないからします。  もう一つ。まず一つの日の当たらない谷間に日の当たる可能性ができた。これが次の十二月になって雲が破れれば太陽は五人未満に輝くということになるわけです。そこでもう一つ被用者年令において男女別の残存率はどういうようになっておりますか。

坂中善治厚生技官(年金局数理課長)

○坂中説明員 正確な数字をいま持っておりませんが、二十年経過したときの男は大体七四%、女子は一四%だと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣お聞きのとおり、男は二十年たった場合に七割四分残るけれども、女子は一四%しか残らぬのです。こういう状態です。これは失業保険でも同じことが出てきておるわけです。労働省は長年つとめた会社をやめて結婚をしたら、働く意思と能力をなくした、こういうことで失業保険を切ろうとしておるわけです。季節労務者と女子を目当てにしておるわけです。厚生年金においても掛けていって二十年して資格を得る者は暁の星のごとき状態である、こういう形。女子が被用者をやめるときは一体いつやめるかというと、結婚という条件が一番多いわけです。そうすると、結婚をした場合に二とおり出てくるわけです。一つは、結婚した主人が労働者、被用者である場合には、その妻は会社をやめて奥さんになったから厚生年金には入れないから国民年金の任意加入者になっちゃうのです。ところがおむこさんが農家であり商売人であれば、その者は、主人が国民年金に入っておるから、強制的に国民年金になるわけです。そうすると、一体労働者の妻になった任意加入の奥さんというものは、加入しなかったら、夫が死んだ場合に遺族年金の恩典を受ける。しかし大けがをして傷害になったときには、年金の対象にならぬのです。そうでしょう。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 ただいま先生御指摘の問題は、いわゆる年金制度における妻の座の確立という問題でございます。これは年金審議会等におきましても御審議いただいて、引き続き御審議いただきたいと考えておる問題でございますが、現状におきましては、勤労者の妻が国民年金に任意加入をされれば、傷害あるいは夫の死亡、あるいは老齢に対して保障があるわけでございますが、任意加入されない場合におきましては、傷害の給付はございません。しかしながら通算の制度がございますので、脱退手当金を受け取っていない限り、通算制度の上におきまして、任意加入されなくとも夫の保険に基づく一つの資格を得ることになるのでございまして、決して厚生年金の期間がむだになるわけではございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 通算はわずかしか出てないので、被用者でなければ、非常に少しの額しかもらえない。一定の資格が要るわけですから。それで実際は傷害年金については、任意加入しなかった場合、妻は見放されておるわけです。これは非常に大きな欠陥なのです。  そこでいま労働者の妻というのは、二千二十八万人のうちに一体どの程度入っていますか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 女子のうち若年の任意加入をしております数が、四十年度末で百六十八万人ということになっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大体国民年金に任意加入の資格のある二十歳以上五十歳未満——五十歳から五十五歳は任意加入をしていいのですが、大体任意加入をしていいところまでひっくるめて、労働者の妻というのはどの程度ですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 被用者保険に入っております本人の妻がどれだけおるかという点については、確かな数字をちょっと持ってきておりませんが、概算で言いますと、いま申し上げました百六十八万の女子は、大体全体の妻の三分の一ぐらいになるのじゃないかと考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、あと残りが三百万か、三百二、三十万人、こうなる。もうちょっと多いのじゃないかという感じがする。というのは、最近における雇用労働者というか、これは三千万少しおりますね。それを二十五歳以下を除いていくと、それから以上は結婚しているはずだから、もうちょっと多いんじゃないか。五、六百万ぐらいになるのじゃないか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 概算で申し上げまして、確かな点はよくわかりませんが、三分の一か四分の一ではないだろうかという見当でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 四分の一だとすると、やはり残りは四、五百万になるわけです。私が言いたいのは、そこなのです。主人はなるほど厚生年金の恩典に浴する。しかし奥さんは任意加入のために、四、五百万の労働者の妻というものが、妻の座の確立ができずに、近代的な福祉国家における年金の制度というものの恩典を受けないというところに問題があるわけです。  そこで、五人未満の問題を解決するときには、もう一つの谷間における日の当たらない妻の座の確立というのが当面緊急の問題になってこないのかということです。その場合に五人未満の問題、保険料の納め方、その他の問題があるように、妻の問題についてもこれはあるかもしれません。しかしこれは通算の問題あるいは五人未満の問題をいろいろ労働省と協議会をやるんだから、たとえば源泉徴収の問題でもやれるでしょう。主人の保険料と一緒に事業所で引いて、社会保険出張所に納める。社会保険出張所は同時に国民年金も取り扱っているんだから、その事業所に向かって、奥さんのおる人は奥さんについて定額を引いてもらえばできる。これは事務費はあまり要らないでしょう。それをやれば私はできると思うのです。婦人会その他の組織を使うよりも、このほうがもっと安易にできる。そこらあたりはもう少しやる必要があるんですよ。いつまでも妻を夫の付属物として妻の座を確立せずに、じんぜん日を過ごすことはいけない。三十六年から六年もたっている。だからこういう点は、伊部さんがフェミニストであり、ヒューマニストであるならば、あなたの時代に解決しなければうそですよ。ぼくはこれで妻の座については三回くらいやりました。年金局長は最高の女性嵩拝者のような顔をして、御無理ごもっともと言うけれども、一向やらない。だから今度は次の通常国会に五人未満のものを法律化しますと大臣が言明されたんですが、もう一つの暗い谷間にある妻の座を確立して、未適用の妻についてこの際強制でやったらどうですか。どうして強制にできないか。主人も強制、それから中小企業、農民の諸君も強制だとするならば、その主人と一体である妻に強制ができないはずはないと私は思うんだが、何かそこに立法上の支障があるんですか。これはどうしても法律化できないというならば、いま言ったように、源泉徴収でやったらいい。そうでしょう。その点次の通常国会に一緒にやられるかどうか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 国民年金で男女それぞれ独立の地位において加入し、さらに労働者の妻につきましても任意加入を認めたわけでございまして、この点はいわば年金制度において妻の座の確立のために一歩進んだわけでございます。しかしながら御指摘のように、任意適用でございますので、なお未適用の任意加入されておらない妻も相当数おるわけでございます。この強制適用をするかどうかという問題につきましては、先生の御意見もございましたので、十分検討させていただきたい、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣どうですか。いまの四、五百万の労働者の奥さんたちは、老後の保障に対する道が全くない。主人が死んだときに初めて遺族年金をもらえる。そんな冷酷無情なことはない。それなら夫が死ななければ年金はもらえない。夫の死を願わなければ年金をもらえないなんというばかなことはない。偕老同穴、夫婦相和すというのは昔からちゃんと日本のことわざにあるわけだから、これは次の通常国会で五人未満をおやりになるときに、同時に妻の座の確立、すなわち妻についても老後を保障する国民年金が適用できる状態にするという御言明がいただけるかどうか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 年金制度のもとにおける妻の座の確立の問題につきましては、かねがね政府におきましても、この問題をぜひ早く解決したいということで審議会等の御意見も伺い、任意適用の道を開きまして、今日まで努力をしてきたところでありますが、さらにこれを強制適用にするかどうかという問題につきましても、前向きでひとつ検討を急がせたい、こう考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 少し歯切れが悪かったけれども、ぜひひとつ五人未満の問題と一緒にやっていただくように要望いたしておきます。  そこで今度は、いままでどの委員も取り上げていない前納です。三十六年に制度が発足をするときに、厚生省は、ひとつ皆さん、金のある人は老後を安定するために保険料を前納してください、前納していただければ保険料は相当まけてあげますよ、このほうが得ですよ、こういうことだった。滝井義高正直者だから、前納をした、どういう方式で前納したかというと、こういう方式で前納したのです。それは銀行が来まして、滝井先生、定額の貯金をしなさい、そこで五万円なら五万円の定額の貯金をしますと、その利子が五分五厘ですから、その利子で全部銀行が毎年前払いをしてくれる。そこで年金局も事務的には非常に助かるわけだ。銀行にわずかな手数料をやればそうむずかしくない。銀行が全部かわって一括納入してくれる。そうむずかしくとって回る必要もないわけです。これを年金定額預金とかなんとか言いますよ。かねや太鼓で銀行がふれ回ってやらしたわけです。われわれもそれに乗っちゃった。こういう前納の形式も一つある。もう一つは印紙による前納があるわけです。これは非常に長期にわたって前納するわけにはいかぬわけです。印紙の場合は数カ月か、短期間の保険料の前納です。それからもう一つは現金による前納です。いまのように銀行に貯金をするということじゃなくて、現金による前納です。これは二年以上の長期にわたる保険料の前納です。これは九十三条か何かにあるんですよ。そしてそのときには当然利子相当額の割引をたぶんしてくれているのです。ところがこういう前納の方式というものは、国民年金制度がまだ十分国民大衆の中に浸透していないときにおいては、制度普及に非常に役立ったわけです。そこでまた国民も正直ですから、政府さんのおっしゃることなら協力をしようかと、きわめて政府に協力的な国民大衆も相当あったわけです。そこで御協力を申し上げた。一体その人数はどの程度あるか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 国民年金の保険料を前納した方につきまして申し上げますと、全期間前納の方が今日五万九千人、それから全期間前納ではなくて、一年とかあるいは二年、さらに五年、十年というように、その他の前納の者が合わせまして四十万、したがって計四十六万ということになっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると問題は、今度保険料を百円お上げになるわけですね。その場合にこの人たちはどういう処置をすればいいのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 現行法におきます前納者に対して保障いたしておりますのは、現行法による年金額でございます。この現行法による年金額は当然保障されておるわけでございますが、今度の改正に際しましては、前納者につきましても過去五年の期間につきましては新法による期間に換算をする、したがいましてその分だけ給付が引き上げられるわけでございます。完全に新法による保険料を追納していただく方につきましては、もちろん新法による給付を保障するわけでございます。したがいまして、追納がない場合におきましても、現行法によりますと四十年で三千五百円でございますが、これを四千六十二円に引き上げられるという仕組みでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、昭和三十六年から改正の時点までのこの過去の分については原資が不足していますね。それは納めなくてもいいのですか、さかのぼって納めることになるのですか、どっちですか。前納しておる人は、もう過去の分については納めなくてもよろしいということになるのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 過去の分につきましては納めなくてもよろしい、将来のものにつきましても、納めない場合においても過去の五年分は引き上げるということでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 過去の分は納めなくてもよろしい、わかりました。そうすると、これから将来の分、たとえばはるかかなた四十年分を一ぺんに納めたという人が五万九千人いらっしゃるわけだ。そして四十年分を納めたわけですから、そこでこれから五年ごとに改定をされるたびにこれは追納しなければならぬわけですよ。そうすると、一番わかりやすく言うと、追納する場合としない場合が出てくるわけです。追納をする場合は、これは問題ないわけです。しかしこの人はやはり気持ちがよくないわけです。われわれに四十年分納めたらもうだいじょうぶと言っておったくせに、自分でインフレ政策をやっておって、そして通貨価値の不安定な状態をつくって、またおれに金を出させる、けしからぬな、しかしまあ政府の言うことだから、前に四十年分も納めて協力しておったのだから、もう一ぺん協力いたしましょうかと言って、滝井義高のような少し甘いのはするかもしれない。しかし少しへその曲ったのは、けしからぬ、おれは四十年分を納めておるのだから、もう納めぬ。こういう納めなかった分についてはどうなりますか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 追加納付をしなくても、年金受給の資格要件を見る場合には、すべてを保険料納付済み期間として取り扱いますとともに、年金額を計算する場合は、追加納付しなくても保険料額改定の期間分についても新ベースの年金額計算をし、追加納付しなかった期間分については旧ベースの年金額計算を行なう、こういう仕組みでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 あまり文章で読むからわからぬが、納めればこれは夫婦一万円をもらえるのは当然です。納めなかったときには、四十年分を納めておるから、期間だけは四十年で計算してあげます、しかし年金額はもとの三千五百円ですよ、こういうことですか、それとも、三千五百円じゃない、制度が変わったのだから少しプラスアルファがつくのか、つくなら幾らつくかというのです。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 過去五年分につきましては新ベースで計算をいたしますので、四千六十二円になるわけでございます。したがいまして、三千五百円に比較いたしますと五百六十二円の増額ということになるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 まあ四千六十二円で五百六十二円ふえるというだけでは、なかなかありがたいとも思わぬと思いますね。そこでこういうはるかかなたの四十年分まで前納させる制度というのはよくないわけですよ。非常に期待を持ってやった者については、頭から水をぶっかけられたと同じですよ。   〔竹内委員長代理退席、委員長着席〕 そこで前納というものは、やはり五年五年で制度の改正が行なわれるんだから、やはりどんなに早くたって五年が限界じゃないか、できれば私は一年の前納にすべきじゃないかと思うのですよ、どうですか。そういう点をもう少しはっきりしておかないと、初めは何もかにもうまいことづくしだったのだけれども、だんだん日にちがたってみたら、あそこはいけなかった、ここはいけなかったということではいかぬと思うのでよ。やはり政治は正直でなければいかぬ。誠実でなければいかぬ。こういう長期の年金でその誠実さが欠けるということは、零細な人たちが納めておるだけに非常にいけないと思うのです、その点どうです九ね。依然としてまだ長期の前納をやらせるつもりなのか、それとも一年に限るか、少なくとも最高五年くらいにするのか、そこらの政府の方針はどうですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 この前納者の問題につきましては、第一線の年金課長も非常に心配をいたした問題でございまして、今度の改正案を、前納された方々にそれぞれ御説明いたしまして、おおむね御了承いただいたように承っておるのでございますが、なお今後の取り扱いといたしましては、やはり五年ごとに再計算が行なわれるのでございますので、五年程度をめどに考えていきたい。なおそれらの場合におきましても、それ以上前納され方いという方があるわけでございますが、そういう方につきましては、基本的には今後の改定期に若いて新規保険料の差額を追加納付しなければ、再計算後の保険給付を受けられないのだという点は十分御了解いただけるように努力いたしたいと考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 だからしたがって、これはあまり遣いかなたまでの前納をやらせずに、せいぜい一年か最大限五年くらいにきちっと態度をひとつしていただきたいと思うのです。  それからもう一つ疑問に思っておる点は、四十年間納めちゃった、ところが滝井義高がぽっこりあした死んじゃった、こういう場合に遺族は四十年分納めておるから、三千五百円の三分の一の遺族年金ですかはもらえる、こう思うのだ。ところがそうじゃないでしょう、これは。これはもうぽっこりいま死ねば、たとえば加入してから五年しか納めていなかったら五年分で計算するわけでしょう。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 母子年金は法律の規定どおり出まして、余分に納めていただいている分については還付する、こういう形をとることになっております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると今度の改正で、四十年納めておっても、あした滝井義高がぽっこり死んでも、今度の改正の母子年金五万五千二百円はいただける、そしてしかも三十五年よけいに納めておった分の保険料は返してくれる、これは確認してよろしいですね。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 さようでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そこはいいところでありますね。  それからそれに関連をして、今度はいまの三十五年を返してくれるという還付金の問題が出てくるわけです、前納を還付する。ところで最近の傾向を見てみますと、まず金を返す、納めた保険料を返すというのは、保険料を前納した者が前納期間の経過前に被保険者の資格を喪失したという場合が一つあるわけですね。いま一つは、被保険者が本来納付すべき保険料の額をこえて納め過ぎをやったときに、納め過ぎた分を返します、こういう場合がある。それから被保険者でなかった者が間違えて保険料を納めたという場合だってある。大体こういう場合がありますよ。最近還付が非常にふえておるでしょう。ここ二、三年分でいいですが、大体何件ぐらい還付して、その額はどのぐらいになっておりますか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 還付金につきましては、昭和三十八年度におきまして件数で十九万件でございまして、金額で一億七千万、三十九年度で若干ふえまして二十三万件で、金額にいたしまして二億四千万、四十年度十二月末現在では件数で十八万件、金額で二億二千万円でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、とにかく二十万件をこえるものが、四十年は十二月で十八万件ですから、三月までいくともっとふえますね、二億をこえる金を返している、こういうことですよ。この事務的な経費というものはなかなかたいへんなことですよ。非常にややこしい、取った金をまた返すのですから。これは被保険者がどこにいるか、かねや太鼓でさがしてもらわなければわからないですよ。これは返すわけでしょう。一体いま保険料の収入はどの程度毎年伸びておりますか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 保険料収入につきましては、現金収入と印紙売りさばき収入がございますが、両方合わせまして三十八年度が二百二十六億、三十九年度が二百三十五億、四十年度は途中でございまして、十月末で百二十五億というような状況で、漸次ふえておる、こういう状況でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 三十八年度が二百二十六億、三十九年度が二百三十五億で、保険料の伸び率というものは非常に少ないですね。還付金は十九万件が二十三万件になり、二十三万件が十八万件——年度途中で十八万件ですが、金額は一億七千万が二億四千万、すでに十二月末において二億二千万にふえているわけですよ。問題はこういうように保険料収入は伸びないけれども返すのはどんどん多くなっておる。この原因は一体どこにあるのですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 滝井先生が保険料の還付の原因についていろいろ申されたわけでございますが、私どもは実は還付金の大部分の原因が、国民年金の被保険者であり途中で公的年金に移行したもの、こういうものの還付金が大部分であろう、こう考えておるわけであります。なぜこのような還付金が多いのかということになりますが、その点につきましては、実は国民年金の被保険者であって他の公的年金制度に移った場合には、当然被保険者の資格はなくなるわけでございますが、手続上は本人が資格喪失届けを市町村長に出さなければ市町村長としてはなかなか把握しにくい。本人が他の公的年金に移って、しばらくたってから実は資格喪失届けを出してきておる、こういうような状況で還付金を資格喪失時にさかのぼって還付いたす、こういうことで金額はふえておるのじゃないか、こう考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そこに問題があるわけです。国民年金から厚生年金に移行する人が非常にふえてきているということは一体何を意味するかというと、雇用構造が次第に近代化してきたことをある意味では意味するわけです。近代化ということばが悪ければ雇用構造が非常な勢いで変化しつつあるということです。そのことは、厚生年金に力のある人が移って、国民年金ではだんだん力のある人が少なくなりつつあるということを意味するわけですよ。そうでしょう。そこにすでに危機の徴候があらわれておるわけですよ。名医はやはり早期徴候のあらわれているうちにその対策を講じなければいかぬわけです。これは徴候ですよ。しかも、そのことは同時に何を意味するかというと、事務的にいうと、第一線においていわゆる検認率というか、適用率というか、そういうものの確認がやはり不明確に行なわれているというか、不的確に行なわれておるというか、それはなるほど国民年金から公的年金に移っていくという、公的年金への移行による資格喪失が一番多いということは、やはり確認事務というのが非常にうまくいっていないということです。これは各県別に調べてごらんなさい。確認事務が非常にうまくいっているところは還付率が少ないですよ。私ちょっと調べて見たが、少ないですよ。だから、こういうところをひとつする必要がある。そこで四十年を見ると、景気が悪くなったから雇用が少なくなっている。これは農業から雇用労働者になる数というのがぐっと鈍化しております。そして、最近は農業から移る人が少なくなって、新規の学卒者だけになっていますよ。少なくなっている。新規の学卒者だったら国民年金は直接関係ないですからね、二十歳未満が多いから。中学、高等学校の卒業生がせいぜいだから二十歳未満、そうすると農業のあと継ぎとか世帯主という現実に農業に働いていて移動する人が四十年は少なくなっているのです。   〔委員長退席、藏内委員長代理着席〕 だから、この公的年金への移行というものにも小なくなってきている。四十年度を調べてごらんなさい。そうなると、還付の金額は鈍化してきますよ。したがって四十年度以降は下がると見ています。下がると見ているけれども、これはやはり還付金がだんだん多くなっているということは国民年金の質的な脆弱化が見えざるうちに進行しつつあることを私たちはやはり注目しておかなければならぬ点だと思うのですよ。だから、こういう点についてはよほどあなた方にも注意をしておいてもらう必要があるのではないかということを感ずるわけです。  あとに長谷川先生がおるから少しやめてくれということでございますが、もう一、二点……。ちょっと少し飛びますが、時間を省略しなければいかぬのでおもな点だけいきますが、この福祉年金における扶養義務者というのは、これはどういうものをいうのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 最多収入者を考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 扶養義務者というのは一番収入の多い人。それから法律的には……。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 民法上の扶養義務者ということになるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、その世帯の中で一番所得が多くて、民法上の扶養義務を持っておるものだ、こういうことになるわけですね。そうしますと、むすこが所得が多ければ、むすこは民法上の扶養義務者になるのだから、これでむすこが一定限度の、たとえば今度でいえば、八十二万円以上の所得があれば福祉年金はもらえぬ、こういう形になるわけです。その場合に滝井義高という七十歳の老人が滝井義高の娘の婿のうちに同居しておったというときに、娘の婿が五十万の所得しかなかったというときには、七十歳の所得のない滝井義高は福祉年金はもらえますね。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 滝井先生の娘さんがお嫁に行かれた御主人が民法にいう扶養義務者ではないわけでございます。したがって、おっしゃるとおりであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 もらえるわけです。そこでもらえるが、そうすると、今度は、これはほんとうは保険局がおればいいのだが、保険局がいないから常識だからあなた方に聞くが、私はその娘の婿の健康保険の被扶養者として登録して健康保険の恩典を受けることができますね。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 できると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 できるのですね。そうすると、その場合にその娘の婿の所得が高くたってかまわぬのですか。娘の婿は百万の所得を取っておっても、私は福祉年金は受けられますね。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 かまわないと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣、いまのとおりです。お聞きになっていなかったかもしれぬけれども、福祉年金は滝井義高のむすこのところに滝井義高が行ったときには、これは八十万の所得でもあるともらえません。しかし娘のほうに行きますと、娘のほうの健康保険は被扶養者として登録されますよ。娘のほうは百万、百五十万とったって滝井義高は福祉年金をもらえるのですよ。そうして、しかもここでは所得のことを、所得税法上のことは書いておるけれども、それは適用されないのです。こういう矛盾があるのです。御存じのとおり最近の日本では家族制度というものが崩壊をして、核家族になりつつあるわけですね。これは厚生白書が書いておるとおりです。最近のおじいちゃん、おばあちゃんはなかなか近代化してきた。御存じのとおりアパート住まいになりまして、二DK、三DKですから、そこで夫婦と子供しかいないわけです。長くおじいちゃん、おばあちゃんを置くわけにはいかぬ。おじいちゃん、おばあちゃんは適当に娘のところやむすこのところに行くわけですね。娘のところに行って居ごこちがよければそこに長くおろうということになれば、そこの健康保険の扶養家族にしてしまうのです。そうして年金をもらえるのです。そうすると、むすこのほうがだめで、これからは娘のほうがよくなっちゃうのです、だからこういう矛盾をしたことを平然としておやりになっておるわけですよ。そうでしょう。同じ厚生省の中で、片や健康保険は娘でも扶養家族にいたします。そこは幾ら税法を適用するといいながらも、幾ら金をもうけたってよろしい。それが娘のところである限りにおいては民法上の扶養義務者でないからよろしいですというけれども、健康保険はけっこう扶養義務者にはくれているわけですよ。こういう矛盾がいまの福祉年金にはあるのです。そこで、福祉年金で一番問題が出てくるのはどこかというと、むすこのうちにそのおじいちゃんがおったときに問題が出るのです。どうしてかというと、いま一割とか一割五分のベースアップがあるわけです。だから去年まではむすこは安くはないが、七十万の給料だった。そこでむすこのうちにおったところが一割のベースアップがあって八十万近くになってきた。そうすると、これはだめです、こうなる。去年までもらい続けておった年金がむすこのうちにおったがために、一割五分もベースアップがあったために八十万をこえてもらえなくなった、こういう制度があるのです。そこでこれが一番不服に出てくるのです。労働者の家族であるおじいちゃん、おばあちゃん、すなわちおとうさん、おかあさんから不平が出てくるわけです。労働者から一番出てくるのです。そうでしょう。いま一番不服が出てくるのは労働者のはずです。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 はっきりした数字をつかんでおりませんが、大体そうだろうと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 扶養義務者の所得制限というのは、いまのように一番出てくるのです。だから今度は知恵の多い人は娘にかわればいいわけです。いま日本は核家族ですから、おばあちゃんが娘のところに長くおるわけにいかぬです。だから今度は孫のお守りだということで娘のうちに行けばいいのですよ、同じようなアパートの二DK、三DKの生活様式だから。こうなると、むすこが少なくて娘が多いということがいいということなる、そういう論理になるわけです。だからやはりこういう年金制度というのは機微なところがあるから、あまり手かせ足かせをはめなくて、おおらかであるけれども、ワクを大きくして厳重に適用していく、こういう制度のとり方をしなければいけない。こういう、私はユーモラスな中にも一つの暗示を与えているわけです。だから、こういうことがかゆいところに手が届く政治だというのですよ。それを忘れたらいかぬ。鈴木大先生にそういう政治の講義をしておってもしょうがないけれども、役所の皆さんもそういうことをひとつ考えてくださいよ、こういうことなんです。それは健康保険が適用しなければいいですけれども、健康保険が適用してくれるわけですからね。しかも先は所得税法でいっておるくせに、片一方が幾ら所得があったって娘の婿ならば無条件でもらえるということはおかしいでしょう。  それからもう一つおかしいところがありますよ。今度は本人の所得制限が二十二万から二十四万に上がりましたね。そうしますと、この恩給等の公的年金を二万四千円以上もらっておったら受けられないわけですね。ところが、たとえば三万なら三万の恩給だけしか所得がないという人はもらえないのですよ。ところが、片一方は二十四万までは所得があってももらえるわけでしょう。これは矛盾なんですよ。だから今度恩給だけもらって他の所得のないおじいちゃんは何と言うかというと、隣のおじいちゃんは二十二万円の所得がある上に、今度はまた福祉年金の千五百円をもらう、これはおれと比べたら向こうのほうがはるかにいいじゃないか、すでに二十二万の所得がある、わがほうは三万円しかないのに。それに七十歳になって、同じように隣同士で交際しているのに、隣はもらえるけれども、うちはもらえぬ、こういう不平が出てきている。こういうことは何か高い世界で見れば非常にくだらぬようなことだけれども、やはり向こう三軒両隣の中では大問題ですよ。これは床屋の八ちゃんといちろべえさんとのあれではたいへんな論争ですよ。だからこういう点も少しやはり注意をしておく必要がある。  まあそのくらいにして、これはいますぐ直せといったってなかなかできぬと言われるでしょうから、しかしそういう問題があるということだけをひとつ指摘をいたして、今度はことしの予算関係から積み立て金にだんだん入っていきます。  そこで、ことしの予算は保険料収入が三百十大億ですね。昨年が二百六十四億。それで印紙の収入が二百九十三億。現金収入が二十三億。四十一年度の印紙収入二百九十三億は四十年度二百三十七億に比べて約五十五億円の増加ですね。そうすると四十二年の一月から保険料の引き上げがありますから、当然その分の増加もこの中に入っておるわけです。そうしますと、この場合にさいぜんからちょっと問題にしておりましたが、この三百十六億の保険料収入の基礎をなす被保険者の総数は二千二十八万三千人ですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 四十一年度予算における被保除者の年間平均の数は、ただいま先生がおっしゃいました二千二十八万人でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、今後この制度が堅実に伸びていくかどうかということは、二千二十八万人がどういう職種に所属をしておるかということと、この年齢構成がどうなっておるかということが非常に重要なんですね。そこで、まず国民健康保険で言えば、四割以上の者は農民ですよ。そこで、この国民年金においては二千二十八万というものを——これは世帯にすればずっと少なくなるわけですが、世帯別に見た場合に、農民とか中小企業とかいうような分類は一体どういう職種の構成とパーセンテージの比率になっておるかということが一つ。  いま一つは、年齢の構成です。こまかい年齢構成はいいです、保険料が三十五歳未満と三十五歳以上とに分けられておるのだから。これは当初あなた方は制度発足のときにはフィフティ・フィフティに見ておったわけですね。その五分五分の見方が、人口構造の変化、雇用構造の変化で一体どのように変わってきつつあるのか、ことしの予算編成でなどう変わったのか、その二点を御説明願いたい。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 被保険者の産業別の構成につきましては、実は資料が若干古いのでございますが、昭和三十七年十一月の国民年金基本調査の結果を見ますと、農林水産業が三八%ということになっております。それから無職が二七・四%、あとはおもなものを拾いますと、建設業が五・七%、製造業が八・三%、卸、小売り業が一〇・六%、サービス業が九・一%、その他というような状況になっております。  それから次の御質問でございますが、被保険者の年齢構成がどのようになっておるか。三十六年度におきましては予算要求のときに、年齢構成は強制被保険者につきましては三十五歳以下が六〇で、以上が四〇、六〇対四〇ということで予算が構成されておったわけであります。その後、先生おっしゃったように、四十年度におきましては五〇対五〇ということにしておりまして、四十一年度におきましては、それを四〇対六〇というような構成で予算が組まれております。なぜこのような構成をとったかといいますと、実績といたしまして、昭和三十六年の年度末におきましては、大体五五対四五、三十八年が四九対五一、三十九年度が四六対五四、四十年の末が四四対五六というような、三十五歳以上の年齢層が漸次ふえておる、そういうことを考えまして、四十一年度予算はそのトレンドを延ばして、四〇対六〇というような予算構成になっておるわけでございます。   〔藏内委員長代理退席、委員長着席〕

滝井義高日本社会党

○滝井委員 したがって、三十五歳以下の若年層がだんだん少なくなって、三十五歳以上の中高年齢層というのがふえつつあるということですよ。このことは、質的に見ると、年金自身がだんだん老齢化傾向が出てきているということです。そのことは、年寄りが年金に多いということは、質的には脆弱になりつつあることを意味するわけです。よけいに金を支払わなければならぬ人がふえてきた。保険料を長く納める人が急角度に減りつつあるわけです。それで、御存じのとおり、いま農村に、中学、高校、大学を卒業して残る人は六、七万しかいないですよ。だからこのカーブは、非常に早く今度は三対七になっていきますよ。大体あなた方の見通しでは、そういう三対七の状態になるのは、どのくらいしたらなります。もう二年、この次の五年のときには、もっと悪くなっておるのじゃないですか。次の五カ年の計算のときには、どういう形になりますか。この三十五歳以下と以上との比率は、次の五年のときにはどうなりますか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 御指摘のように、年齢構成いかんは年金財政に大きな影響を及ぼすわけでございますが、今後若年層と高齢者の割合が一対二になると見込んでおりますのは、四十六年でございます。その後はこの姿で安定をするものと考えておるものでございます。と申しますのは、実は国民年金制度発足の際に、相当高年齢の方が入っておられるわけでありますが、この高年齢層のいわば財政的な負担が、先ほど問題になりました整理資源の一つであるわけでございますが、今後入ってくる方は、やはり農業におきましても若年の、若いあと継ぎの農業従事者が入ってこられるわけであります。また第二次産業の発達とともに三次産業、サービス業もまた急速に発達をしてくるのでありまして、これらの点を考えますとともに、また今後の推計にあたりましては過去五年間の数字の実績を基礎として考えておるわけでございますが、過去五年間は御指摘のように非常に雇用構造に大きな変動があった五年間でございます。したがいまして、これらの点でこれを基礎にする限り将来の見通しとしておおむね安全度を見込んだ推定である、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 昭和四十六年、安保の翌年には一対二になるということです。そうすると現在二千二十八万の被保険者がそのときになったらどの程度に減少しますか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 約二千二百万でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 ふえる……。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 はい。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうするとその増加する要素というのはどこからくるのですか。御存じのとおり日本の農業の就業人口というのは千二、三百万になりますね。いまでも千二、三百万、これがずっと減りますよ。そうしますと、ふえてくるというのはどういうところでふえてきますか。ふえてくる要素がありますか。いまの二千二十八万が二千二百万と約百七、八十万近くふえてくる要素というのはどういうところから出てくるのですか。被保険者の増加要素というのは……。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 戦後の社会出生率によります増加人口が漸次二十歳の新しい被保険者資格を獲得してくる、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それは主として農業ではなくて一いま言われました三割八分を農林水産業が占めている。無職は二割七分ですよ。製造業その他五人未満を来年から厚生年金に入れるということになれば、それだけでも二百万近く、百六十万程度という説明がありましたが、それがだめになるわけでしょう。だから増加する要素というのはないのじゃないかね。それが二千二百万にふえるというのは一体どういう勘定からそうなるのか。国民健康保険のごときは百万ずつ被保険者が減っていくのですよ。国民健康保険で百万被保険者が減るのに、同じ層を対象とする国民年金はこれが増加をしていくのはどうも算術が合わない。どういう要素からふえてくるのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 説明が不十分でございましたが、農業におきましてもやはり新たに農業の後継者として、農業に残られる方は二十歳になられれば国民年金の資格を得られるわけでございますし、さらに発足当時は五十歳から五十五歳が任意適用で五十五歳以上は適用していないわけでございます。ところがその後の方につきましては、これらの年齢層が増加してくるわけでございますので、つまり六十歳まで被保険者として保険料を払っていただくことになりますので、そういった点の増加が見込まれる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 農業の後継者というけれども、六、七万しかいまふえてないのですよ。四十年度の農林省からの統計を見てごらんなさい。そんなに何十万とふえてないですよ。この四、五年の間に十万ふえたって五十万しかふえないです。それからサービス業その他のものは、雇用労働者になっちゃうのですよ。無職が二割七分もおるでしょう。二千万のうち二割七分もおるのですからね。この人たちは保険料が払えないわけですよ。そうして国はその三分の一しか見ないでしょう。ここにも整理資源ががたっと穴があくわけです。だからどうもふえる見通しというのが一体どこにどれだけふえて二千二百万になるのか。これはあとでいいですからちょっと増加の資料を出してください。どういう層にどういう異変が起こって約二百万もの数がふえてくるのか出してもらいたいと思うのです。こういう二百万も間違いを起こしますと、この保険料というのはばく大ですからね。だからそこらあたりよく間違えぬようにしておかぬと、八十万の間違いを起こしてかつての保険局長というのはやめたことがあるのだから……。  それで、あとこれから積み立て金に入ります。いまのような保険料がだんだん三百十六億も集まってまいりますが、まだ給付は四十一年度で九万九千百七十九人で二十六億ですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 四十年度十一月末で給付の実績は、件数で六万件、金額で十四億八千万円というような状況になっております。死亡一時金は除いてあります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 四十年度はわかりましたが、四十一年度の予算はどの程度見積もっていますか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 四十一年度予算におきましては、対象人員が九万九千人でございまして、支給金額が二十五億八千万、こういうことにしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それでは私が言ったのと同じですね。そうしますと、約二十六億程度給付して、保険料が三百十六億も入ってくる、それから運用利子もあるわけですから、剰余金は幾らになりますか。四十一年度の剰余金は一体幾らできるか、それからここ二、三年の積み立て金の累積額、できれば三十九年、四十年、四十一年の積み立て金の累積額を、国民年金と厚生年金と並べて言ってください。三十九年、国民年金幾ら、厚生年金幾ら、そう言ってください。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 四十一年度予算における積み立て金予定額は五百九十六億円でございます。それから厚生年金保険の積み立て金と国民年金の積み立て金の年次別の比較数字を説明しろということでございますが、厚生年金の積み立て金につきましては、最近の数字を申し上げますと、昭和三十七年度は、その年度の積み立て金が千四百九十三億円、三十八年度が千七百五十三億円、三十九年度が二千九十一億円、それから四十年度は推定でございますが、三千三百七十三億円、四十一年度も同様でございますが、四千百二十八億円、したがって四十一年度末における推定累積積み立て金は一兆八千四百九十七億円、それから国民年金につきましては、昭和三十七年度における積み立て金は三百四十億円、三十八年度が三百九十九億円、三十九年度が四百三十一億円、それから四十年度以降は推計になるわけでございますが、四十年度が五百一億円、四十一年度が五百九十六億円、国民年金だけの四十一年度末における推定の累積積み立て金が二千五百七十二億、したがって厚生年金と国民年金を合計いたしますと、四十一年度末におきましては累計二兆一千六十九億円というように推定しております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 四十一年の厚生年金の積み立て金の単年度分の推計は四千百二十八億円となっておるが、この予算の説明では四千五十二億円となっています。この違いは六、七十億違うのだが、これは大きいです。これはどうしてですか。それから国民年金は、予算の説明は五百八十五億、いまは五百九十六億、だからここでも十一億違う。合わせて八十億も違うというのは大きいですよ。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 特別会計の財政収支は決算額の見込みとして考えるわけでございますが、財政投融資の関係におきましては、三月三十一日までに現に入った金を原資として考える。したがいましてその差額が出てくるわけでございますが、その差額は翌年度の財政投融資の原資として見込まれる、こういうことでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いや、原資がどうあろうと、いま推計を四千百二十八億と御説明があったのだが、こっちの予算の説明では、厚生年金は四千五十二億しか入っていない。こういう七十億もの違いというのはおかしいじゃないですかというのです。この大蔵省から出ておる未定稿の四十一年度予算の説明の七十六ページをごらんになると、資金運用部資金、うち厚生年金四千五十二億、こうなっておる。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 財投の原資として見込まれておる厚生年金の額と、それから特別会計予算として見込まれておる歳入の食い違いは何か、こういう御質問でございましょうか。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうです。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 その点はただいま御説明申し上げましたように、財投関係は三月三十一日をもって見る。現に歳入として入った金を財投の原資として見込むということでございますが、特別会計の経理といたしましては出納閉鎖期までの歳入が前年度の歳入に入る、その差でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それにしても、七十億、八十億というのはあまり大き過ぎはせぬですか。予算の推計を四千五十二億と見ているわけでしょう。いま五月で予算が通って一カ月少ししかならないのに七十億も八十億も違うというのなら、それだけの金が違うのなら、いま言ったように半額出してもらっていい。保険料率を同額にしてもらっていい、七十億も八十億も違うのだから。あとでお聞きしょうと思ったのだけれども、同額出したら、あと百十億あればいいでしょう。二百億ちょっと金があればいいのだから……。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 厚生年金で私が説明いたしました数字と、財投関係の原資になっている数字の食い違い、これは年金局長が説明したとおりでございますが、実情といたしましては、保険料の徴収、特に滞納された保険料の徴収については四月に相当努力をいたしまして金を集めておるわけであります。したがってそのくらいの数字は出てまいるのではないか、こう思われます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、その後の努力によってそれだけ金が七、八十億もよけいに集まった、こういうことなんですか。

網野智厚生事務官(社会保険庁年金保険部長)

○網野政府委員 そのように私、推定しておるわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。少し努力をすると百億の金が出るんですから、もうちょっと努力して、ひとつ二百億にしていただきたいと思いますね。  そこで問題の核心に入るわけです。昭和三十五年の三月の予算委員会であったか、あるいは当社会労働委員会であったか、記憶がさだかでないですが、たぶんこの委員会であったと思います。当時内閣総理大臣は岸信介さんだったが、来てもらいまして、この国民の膏血である国民年金なり厚生年金の積み立て金の運用については、岸さんも戦争中に責任があるんだが、すべてわれわれ国民の零細な老後を保障する積み立て金を軍備調達に用いた、まさか今後は軍備調達に用いることはないでしょうな、これを国民の福祉の方向に向かって、安全確実に有利に使ってもらわなければならぬがどうだと言ったら、そのとおりだ、もはや二度とこの金を軍備調達に使うようなことはございません、この際国民年金の積み立て金を直接国民の福祉の向上のために一段と額をふやして使いたい、こういう答弁が三十五年の三月に、たぶん当委員会であったと思いますが、あったわけです。そしてそれを契機にして、資金運用部資金運用審議会、国民年金審議会、社会保障制度審議会というようなもので討議をされて、現在の二割五分になったわけです。二割五分になってから、すでに足かけ六、七年以上になる。あれから前進をしていないわけです。いろいろ紆余曲折はありましたけれども、結論的に申し上げますと、郵便貯金やら簡保資金と、国民年金、厚生年金の金は違う。郵便貯金なんというものは、自分で預けようと思って預けたものである。ところが厚生年金や国民年金は半強制的な長期の貯蓄である。したがって、その運用というものはよほど注意をしなければいかぬ、こういうことがいわれてきた。そして古井厚生大臣の時代以来、非常な情熱を持って、その資金を明確に運用していく、使途を明らかにする必要がある、こういう主張がなされてきたわけです。そして国民年金審議会等は、特別の勘定を設けなさい、こういうことになってきた。ところが、なかなかこれが実現しないわけです。一体どういう理由から実現しないのかということですね。その実現しない隘路はどこにあるのかをまず御説明願いたい。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 年金資金の積み立て金は、ただいま先生御指摘のように、強制徴収をされております零細な金を集めた資金でございます。これはたてまえとして、将来の年金給付のために積み立てられておるのでございまして、財政投融資の財源をつくるために積み立てられておるわけではないのでございます。現在、運用といたしまして、資金運用部資金に回されでおるのでございますが、これにつきましては、関係審議会等におきまして、自主運用または少なくとも特別勘定を設けるべきであるという御議論が相当強いのでございます。この点、資金運用審議会におきまして、基本的な諸問題をここしばらく御検討いただいておるのでございますが、現在までのところ、まだ結論を得る段階に至っておらないのでございまして、この資金運用関係の御意見といたしましては、政府関係の資金はすべて統合運用することが非常に効率的で望ましいのだという御議論が一方においては強いのでございますが、しかしながら、年金資金の性格にかんがみまして、現在におきましても使途別分類表によりましてその使途を明確にし、かつ二五%の還元融資が行なわれておるわけでございますが、各種審議会の御意見もございますので、引き続き検討し、努力をしたいと考えておる問題でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いや、どうして特別勘定ができないのですか、そのネックはどこにありますかと言っている。これを簡単にやってもらえばいい。どういう理由でできないんだということをはっきりしてもらえばいい。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 特別勘定を設ける場合における事務が非常に大きくなる、それによっていわば運用のコストが上がるということが、強い反対と申しますか、困難な問題点の一つにあげられておるように承っておるのでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、特別勘定をつくると、その事務がめんどうになる、運用の資金コストが上がる、その二点だけですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 特別勘定という考え方につきまして、私ども大蔵省の事務当局といたしましては、どういう目的で特別勘定を主張されるのか。一つは運用利回りの向上ということを考えていらっしゃるのであるといたしますと、現在政府資金に対する資金需要が非常に強いわけでありまして、政府資金はいずれも社会的、公共的な投資を中心としているわけでございます。したがって、そういうものについて、現在やっております以上の新しい、より有利な運用に回すという余地はほとんどないのではないか。それから特別勘定を設けますと、資金の中に一つのワクを設けるわけで、預託と運用とのズレを生じまして、どうしても短期の運用しかできない。そうすると、低利の利率しか生まれないわけでありまして、したがって利回りの向上という目的からは背馳することになろう。それからもう一つは、先ほど伊部さんの言われた事務処理が非常に複雑、膨大になる。たとえば帳簿組織でございますが、これはいずれも現在一つの帳簿でやっておりますのを、この特別勘定のための帳簿、特別勘定以下のものの帳簿、それの合計というように、典型的にいえば、そういうかっこうで三倍になってくる。そうしますと、人員も非常に大きな人員を要するようなことになる。そういうむだな負担になるというようなことがございます。そういうことで、かえって利回りの低下を来たしはしないかというのがわれわれのほうの考えでございます。もう一つは、この政府資金というものは福祉運用に回さなければならないという目的があるわけでございます。そういう意味で、現在還元融資という制度があるわけでございますけれども、そういう目的からしますと、これは利回りの向上ということをはかることはできないわけでございまして、やはり現在のようなやり方のほうがベターじゃないかと考えるわけであります。  そんなようなことを考えますと、有利運用とともに、また国民の福祉にも同時に役に立つようにという両方の目的を追うためには、結局、資金運用部におきまして、ほかの資金と総合的に運用する。そうして比較的有利な運用でプールすることによりまして国全体としての利回りの向上をはかり得る、そういうふうに考えるわけでございます。そういった意味で大蔵省事務当局といたしましては、この件については反対をしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 まあ運用利回りをよくするという見地に結局要約すると結論づけられるわけです。大蔵省がやっておるほうが運用利回りはよくなる、だから厚生省より大蔵省がいいのだ、それで付随的なこととして事務処理が複雑になるとか短期資金に多く回るようになるとかいろいろ理屈はあるが、結局集約すると利回りだけということになるわけです。私はこの利回りだけの問題だったら、少しは利回りが低くなったって——いまの資金運用部に預けてもらう金は幾らですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 六分五厘でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いまのように国家の資金需要が相当あるときには、六分五厘くらいだったらへたな金貸しでも回し得ますよ。森脇将光みたいな者に頼めばなおうまくいくでしょうが、それもできぬでしょうから、伊部さんでも六分五厘には回し切るでしょうね。問題は根本的な精神ですよ。昭和三十五年十月十二日に社会保障制度審議会が「公的年金積立金の運用についての要望」というのを出しているんですよ。「そもそも、社会保障制度の総合調整の見地からすれば、社会保険の積立金は、将来、それが国民年金や厚生年金保険の積立金であると、また失業保険のような短期保険の積立金であるとを問わず、その一切をあげてこれを総合的な基本制度のもとに管理運用することが本来の行き方である。」という基本的な原則をまずきちっと示しております。「これらの積立金は、国の資金として財政投融資の原資にするとしても、直ちに、資金運用部資金にくり入れなければならないということにはならない。しかし、この際の措置としては、暫定的に、資金運用部資金にくり入れるとしても、特別勘定として、他の資金とは厳密に区別して、社会保障の目的を十分に達するように管理運用することを法律によって保障することが肝要である。」こうなっておる。だから暫定的に資金運用部に持っていってもよろしいということはあなた方の意見と同調している。しかし入れるとしても特別勘定として他の資金と区別をしなさい、ここが大事なところなんです。ここがみそなんです。「かくすることによって、郵便貯金などの全く性質の異った資金とプールして運用されるようなことを、何としても避ける必要がある。また、そのことによって社会保険の積立金が財政投融資計画の名のもとに、社会保障の目的に反する使途に使用されることをあくまでも防止すべきである。元来、国民年金制度は、社会保障の充実・前進のために創設されたものであって、財政投融資資金としての国家資金が必要であるために創設されたものではない。」ここが大事なんです。「財政投融資資金としての国家資金が必要であるために創設されたものではない。」ということは、単に利回りだけを考えてやるのじゃないということなんですよ。「積立金の運用については、国民の理解と納得を得ることによって、始めて国民年金制度の前進が期待できる。」これは社会保障制度審議会が三十五年十月六日に内閣総理大臣あてに要望書として出したものです。実現されていない。きわめてシビアーな態度で要望しているのですよ。われわれは何も利回りだけの問題じゃないわけですよ。そこでそれならば大蔵省にぼくがお尋ねしたいのは、まず第一に、一体国家公務員の共済組合の積み立て金その他は全部資金運用部に入れて運用されておるのかどうか、自主運用は、あるならばどの程度のものがあるのか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 共済組合の資金の三分の一が資金運用部のほうに繰り入れられております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、一体共済組合の積み立て金の累計は、国家公務員の共済だけでいまどの程度ありますか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 ちょっと担当でございませんのでお答えできませんが……。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それじゃ、時間がありませんから、調べて途中で答弁してください。いま国家公務員の共済組合のほうは三分の一の資金運用部の預託で、三分の二は自主運用をしている、こういうことなんですね。  それから、失業保険はことしは千五百億くらいの金がたまっておると思いますが、失業保険は一体どの程度資金運用部に入れて運用しておりますか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 全額でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それから中小企業退職金共済事業団もだんだん金がたまってきました。これは国庫もある程度出すのですが、これは運用はどういうことになっておるのですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 百分の十でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうするとこれは一割ですな。地方公務員の共済組合はどうなっていますか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 三分の一を地方債の消化等、財投に協力するという形でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 あとの三分の二は自主運用ですね。そうすると、わが国民年金と厚生年金は二割五分は自主運用であると解釈していいですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 自主運用ではないと考えます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それじゃ二割五分は何ですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 自主運用ということばでございますが、保険者が自主的に管理をしてそれを運用しておるという意味に解釈いたしますと、自主運用ではないと思います。しかしながら、この二五%は厚生省が中心となりまして関係の自治、大蔵両省と協議をいたしまして各種の福祉施設に融資をいたしておるのでございまして、その機能としては被保険者の福祉に還元をしておる、かように考えておる次第でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これは資金運用部から年金福祉事業団なら年金福祉事業団に金が来てそしてやっているわけで、すべて資金運用部というトンネルを通っているのですね。だから自主運用でもないし、それから資金運用部に全部まかせたわけでもないというきわめて中途はんぱ的な立場のものですね。そういう待遇を受けておるわけです。そうしますと、簡保資金は全部自主運用ですか、それとも資金運用部ですか、どっちですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 これは資金運用部ではございません。簡保自体で運用しております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると郵便貯金は全部資金運用部ですね。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 全部資金運用部でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣、いまお聞きのとおりですよ。他の長期の資金というのは、共済組合は三分の二自主運用、失保は全部これは入れておるらしい。ところが、これがまた、全部資金運用部に入れておるが、そこから八十億ぐらい利子が上がってくるのです。それを全部事務費に入れている。全部事務費に使っている。こんなけしからぬことはないので、この前だいぶやかましく言ったのですが、全部やっておる。ですからこれらも非常に問題のところです。これは、来年は変えることに約束ができました。それから中小企業退職金、これはだんだんこれから金がたまっていきます。まだ急速にはいきませんが、中小企業のおやじさん、雇用主が労働者のために出してやる、退職金を積み立ててやるわけですが、これはしかしいま一割ですね。一割を資金運用部にやっている。りょうりょうたるものです。地方職員共済組合は、これは地方債で協力するということでしょう。そうすると、これも別に資金運用部に金を入れたというわけではないわけですね。簡保資金は自主独立、郵政省はこれは年金と違いますから、郵便貯金はこれは貯金ですから、いま言ったように、この年金の総理に対する社会保障制度審議会の要望でも、郵便貯金などの全く性質の異なった資金とプールして云々とこう書いているが、全く異質のものなんです。そうしますと、わが国民年金、厚生年金だけまま子扱いにされることはない、同じ国民ですから。だからここらあたりをやはり制度というものは私は筋を通さなければいかぬと思うのです。そこを私たちはいままで三十五年以来幾度か厚生年金、国民年金法が改正をされるたびごとに問題にしてきたわけです。問題にするたびごとに、歴代の大臣は何とかしなければならぬと言ったのです。一番情熱を持ったのは古井さん。鈴木さんもおそらく古井さんに負けない情熱をお持ちだと思います。そこで特別勘定をつくりなさいということが言われて、三十五年以来この問題についてどういう措置が一体講じられたのかということ、特別勘定ができるまでの過渡的な処置としてどういうことが一体やられたのかということです。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 三十六年におきまして、積み立て金の運用方針が大蔵省、厚生省両省申し合わせをいたしまして、たとえば特別還元融資あるいは特別融資の問題、あるいは残りの七五%につきましても国民生活の向上に重点を指向するといったような申し合わせをしたのでございます。また利子につきましても、従前は年六分でございましたのを六分五厘に引き上げる。その他あるいは資金運用審議会の組織を改めるといったような措置が講じられたのでございますが、その後この問題の検討のため資金運用審議会におきまして特別委員会を設けまして御検討いただいておるという状況でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その資金運用審議会の組織を改める、すなわちいままで役人中心の委員が学識経験者等で入れかわりましたね。そして特別委員会というのはいつからできたのですか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 三十九年五月以来でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 もう足かけ三年になるわけですね。この前五人未満のものについてはようやく同じく三十九年にできて、足かけ三年目に次の国会には五人未満の法律という結論が出たわけです。一体特別委員会でどんなことをどういう方向で討議しようとしているのかということは音さたも聞かないわけだ、風のたよりにも聞かない。さっぱりわからぬわけです。そこで結局三十五年以来われわれががんがん文句を言った結果、出たのは私は二つだと言いたい。一つは、資金運用審議会の委員が変わったということですね。これは表面に出てきた。それからいま一つは、ていよく厚生省は大蔵省からまるめられたというか、ごまかされたというか、使途別分類表が出たということです。この予算書の七八ページについておる使途別分類表が出た、これだけですよ。われわれの目についたのはこれだけです。あとは何もない。三十五年に特別勘定をつくれといってあれだけ情熱を持ってみんながやったのに、出たのはその二つで、実態は何も変わっていないじゃないか、こういうことになる。だから私はそこらあたりをもう少し明らかにきちっとしてもらわなければいかぬと思うのです。  そこで、少し実態を明らかにするために、この四十一年度の財政投融資の使途別分類表の中において、厚生年金と国民年金の積み立て金の使用額、一体どういうところでそれが使われておるのか。これだけじゃわからないですよ。これだけじゃよくわからない。一体それがどういう機関で使われておるのか、やはりこの際明らかにしてもらわなければいかぬわけです一さいぜんの御説明で累計が一兆八千四百九十七億円あるわけです。この一兆八千四百九十七億円というものが一体財政投融資の使途別の住宅なら住宅というもので、住宅だって住宅金融公庫もあれば日本住宅公団もあれば年金福祉事業団もあるし雇用促進事業団もあるし地方公共団体もあるわけです。国民年金なり厚生年金の金が住宅公団に、一体一兆八千億ばかりの中でどの程度使われておるのかということが明らかにならぬと、金には区別がないんですね。これは年金の金だと、耳のところに厚年と書き耳のところに国年と書いておるわけではないから、国民の福祉のために使ったといえば使ったし、使ってないといえば使っておらぬことになるわけです。これが明らかにならなければいかぬ。使途別分類というのはそういうものなんです。これで厚生省はごまかされてしまっておる。使途別分類というのでいかにも使途が分類されるものだと思った。私たちもそう思った。ところが出てきたものは、予算書をごらんになってみなさいよ。こんなものはしろうとには全くわからない。たとえば「住宅、四十一年度、年金資金等、九百一億」——その四十一年度に年金資金等が九百一億入っておるのだが、これは一体国民年金が幾らで厚生年金が幾らかさっぱりわからない。この九百一億はあるいは他のものからきておるかもわからない。「年金資金等」となっている。「等」になっているのですから何が入っているかわからない。いっか「等」というのがあって何だろうと思っておったら、それは国の機関である国立病院に金を貸すのが「等」の中へ入っておった。そういう前例があるのですから、これを財政投融資の使途別に分類をして、そしてそのそれぞれの機関に幾ら国民年金が入っておるのか、厚生年金が幾ら入っておるのか、これを私は明らかにしてもらわなければいかぬと思うのですが、どうですか大蔵省。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 先ほど御説明がまだ十分でなかったかもしれませんが、資金の効率的な運用ということを目的といたしまして、資金運用部ができておるわけでございます。したがって、資金運用部というのは、結局郵便貯金そのほか政府の特別会計の積み立て金、余裕金等すべてこの資金運用部に預託していただいて、そして総合して運用していくというたてまえでできておるわけであります。個々の資金をばらしてしまったのでは、資金運用部をつくった意味をなさないわけであります。そういった意味で、国民年金やあるいは厚生年金の積み立て金もこれに統合して運用することによって、資金の効率的な運用がはかられるわけであります。それが財政投融資というかっこうになっておるわけでございます。したがって、それの一つ一つが、国民年金がどこに幾ら、厚生年金がどこに幾ら、失業保険がどこに幾らという形にはならないわけでございます。本来そういう性質のものではないわけでございます。  そこで、その「年金資金等」というのは、何と申しますか、おっしゃるような区分を明らかにするためには、どうしても別勘定にするほかはないわけでございます。それができないために、こういうようなかっこうにしたわけでございまして、いわば語弊がございますけれども、妥協と申しますか、調整した制度でございます。そこでこの「年金資金等」には国民年金と厚生年金と、それから先ほど申しました共済組合の運用部への預託等が合わさっておりまして、それらの区分はできてないわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、妥協した結果こういうものができた。しかしその中には「等」と書いておるので、国民年金、厚生年金が幾ら入っておるかわかりませんというのなら、使途別分類表といって、うまくごまかされただけじゃないかと私は言うのです。それを避けるには特別勘定をつくらざるを得ない。特別勘定をつくったらいい。つくって特別勘定から住宅なら住宅に持っていったらどうですか。これは大蔵省の理財局聞いてくださいよ。住宅で四十一年度に資金運用部資金として、年金資金等九百一億というのがあるわけです。そうでしょう。そうすると、この「年金資金等」の中には何と何が入っていますか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 年金資金等合計で四千八百八十二億ございます。その内訳は厚生年金が四千五十二億、国民年金が五百八十五億、船員保険が六十四億、国家公務員共済組合が百八十一億でございます。その合計でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、この「年金資金等」の中には厚生年金と国民年金と船員と国家公務員の共済とが入っておるということがはっきりしてきた。それならば、その中で住宅の九百一億——昨年、四十年度は七百八十二億、そうすると、今年度の九百一億の中には、この厚生年金から幾ら住宅に出すかということがきまらないはずはないわけです。きまるはずですよ。そうでしょう。住宅というと金を出すところは五つしかないわけです。それは住宅金融公庫と日本住宅公団と年金福祉事業団と雇用促進事業団と地方公共団体とこれだけしかないでしょう。ほかに何かありますか、住宅に。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 おっしゃったとおりでございます。それだけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それならばたとえば厚生年金、国民年金その他から九百一億のうち、国民年金から住宅金融公庫に五十億なら五十億持っていきます、厚生年金から百億持っていきますということは可能じゃないですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 それは理論としてはできることかもしれませんけれども、資金の統一的、効率的運用という見地から、そういうことをすべきでないということでできておるのが資金運用部の制度でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 それなら、始めから使途別分類表なんて言わなかったらいい。何のために使途別分類表をつくったのですか。使途を明らかにするために使途別分類表というのをつくったはずですよ。ここで当時の大臣は、今度はこういう使途別分類表ができました、だから心配は要らぬ、こういって説明したのですよ。そこで私は当時の記憶をたどって、それならばひとつ今度は使途別分類表を明らかにしよう、いままでは大臣いばって言っておったのだけれども、どうも調べてみても明らかにならぬ。だから、明らかにするから資料を出せと言ったら、資料を持ってきました。持ってきたけれども、使途別分類はやっておるけれども、金額は書いてない。金額は私のほうはわかりませんというのです。大蔵省に聞いてもらわなければ厚生省はわからぬというのです。そうすると、本家本元の厚生省がわからぬ紙切れ一枚くれて、機関の名前を書いてくれても、意味ないのです。使途別分類でも何でもない。住宅は、九百一億はいま言った四つのものが入っておりますということだけしかわからないのです。それは四つのものの中で船員保険や共済組合がなければいいですが、船員保険や共済組合が入っておるのです。だから、耳に船員とか共済ということがついておらぬから、結局プールして使っておる。何ということはない、使途別分類というのは、ただ住宅とかなんとかいうことを分けただけであって、内容はさっぱりわからぬ。暗中模索、かいもくわからぬ、こういうことなんです。それならば、こんな予算の使途別分類、やめてください。そうでしょう、使途別分類というものをちゃんと書いて、額を出して、しかもそれは年金資金等というものはいまの四つのものであると限定したら、その中でこれはこのぐらい、これはこのぐらいと、比例配分で入れてもらってもいいですよ。何かそれは明らかにする必要があるですよ。そうしないと、国民の福祉の方向に持っていきます、国民生活向上の方向に持っていきますといったって、その金が大企業の事業主の社宅の方向の住宅にいってしまったら、話にならぬわけですよ。その使途というものは本来の目的と違うことになるわけです。だから、そこらあたりをこれはやはり明らかにしてもらわぬと、いっか「等」でごまかされちゃった。「病院等」と書いてあるから、「等」の中にはまさか国立病院なんか入っていないと思っておったら、いつの間にか国立病院がぽこっと「等」の中に入っておる。国が国の機関のために労働者の血と汗の結晶である年金を貸すなんということ、こういうナンセンスなことが「等」の中に入っておった。それを私が見つけ出して、やかましく聞いた。田中大蔵大臣は、よくなかった、来年からやめますといって、来年からやめた。そして、田中大蔵大臣がやめたとたんに、その次の年にはまた出てきている。こういうことを繰り返しているのでしょう。だから、こういうものは内容を明らかにしなければだめだ。使途別分類表といったからといって、厚生省もだまされたらいかぬ。ちっとも明らかでない。厚生省が出した資料を見ると、金額は白紙です。機関の名前だけを書いている。だから、住宅金融公庫には一体幾らの金が少なくとも年金から入っておる——それは国年と厚年と分けなくても、これは年金から幾らいっているということを明らかにする必要があるのです。そういうことを明らかにできないならば、他の共済組合や何かと同じように、ひとつ三分の一にしてください。三分の二は自主運用してもらう。年金というものはわれわれの金なんだから、預けておるだけなんだから、私も国民年金の被保険者の一人だ、それは大蔵省が権限を持ってかってにやれる金じゃない。厚生省で法律に基づいてやれるものなんですよ。それを力の強い大蔵省がかってに国の財政資金を理由にして持っていくために厚生年金、国民年金をつくったものじゃないということは、明らかにここに書いてあるじゃないですか。その年金を推進した審議会の委員の諸先生も、きちんと明言しておる。それを、泣く子と地頭には勝てぬといって、黙って厚生省が泣き寝入りする必要はない。だから、こういうことはやはり明らかにしなければならぬ。そんなものを大企業のためにのみ金を持っていく必要はない。少しは利子が安くたって、四十年も五十年も先にどうなるかわからぬ、幾らかでもわれわれの福祉のために使えば、先になって少しは価値が下がっても、満足するのです。日本の資本主義というのはそういう仕組みです。だから私は岸さんに言ったのです。あなたはかつてそれを使った、そしてああいう目にあわしたのだ、どうなんだと言ったら、岸さんは、自粛自戒して謙虚な気持ちで国民のために使うといって、二割五分にした。あれからどの総理も、岸さん以外は、前進をさせないでしょう。だから、いまの大蔵省の利回りや何かだったら、それはたいした問題じゃないですよ。だから、当然これは明らかにすべきです。こんなもの、白紙をくれても意味ない。使途別分類表はやめてくださいよ。意味ないですよ、こんなもの。あたかもこれは、(1)から(6)までのものは国民生活の向上に直接役立つもの、それから、(7)から(10)まではその他国民生活の向上に役立つものといって、いかにも国民生活にうんと恩典を与えるようなぐあいに書いておるけれども、実態はそうじやない。みんな大企業のために使ってしまっている。あるいは国の金を使わなければならぬところに金がなくて、二兆円に余る財政投融資の中の有力な原資であるこの年金の金をそういうところに持っていっている。そして予算の肩がわりをし、おおばんぶるまいをやっているだけのことでしょう。大企業優先のおおばんぶるまいをやっているだけだ。だからわれわれはこれは納得できないわけです。われわれにこれを返せということです。少なくともあなた方自身が所属している国家公務員と同じ程度の三分の一ならよろしい。三分の二はひとつわれわれの自主的な運用にまかせよ。損をしたらもとのもくあみだが、自分の金だからやむを得ない。それが筋でしょう。他のものもみんなそういうことにしておればいいけれども、他のものはしていないのですからね。だから、厚生大臣、いまのとおりです。あなたのほうからもらった資料は、住宅は住宅と書いておるけれども、機関名だけを書いてその金額は何もわからない。それは金額はわかりません、そう言っている。そうすると、こんなものはたくさんあって、何の金がいったかさっぱりわからぬということになってしまうのです。住宅には御存じのとおり何もこんな金だけじゃない。住宅にいく金は、郵便貯金資金等もいくのです。こういうものもいくのです。だから、あなたの代になったら、ほんとうに国民年金、厚生年金を前進させようとすれば、当然この運用というものが非常に重要になってくるわけです。運用のやりぐあいによって、七分に運用すれば、何兆という金ですから、さいぜんから問題にしている原資なんというものは一挙に出てくるのです。頭を縦に振りよる。そのとおりなんです。それをあなたのほうが大事な自分のとらの子の貯金は大蔵省に握られる。零細な諸君の集めたわずかな保険料と同額のものをもらおうとすれば、大蔵省の門を暮夜ひそかにたたいて、三拝九拝、七重のひざを八重に折って予算をもらっておる。こんなばかなことはない。一兆八千億の金を預けておいてこんなばかなことはない。これを七分に回したら、そんな金は昼寝をしておっても出てきます。だから、そういう矛盾をこのまま放置するわけにいかない。だから、私は二者択一を鈴木厚生大臣に迫ります。直ちに特別勘定をやるか、そうでなかったら特別勘定をやることはことしはひとつがまんをする、そのかわりに保険料と同額の国庫負担を出しなさい、二者択一、どちらを選ぶか、これをひとつ迫ってください。これが一番大事なところですよ。こういうばかげた政治というものはないですよ。私はけさからばかげた政治、いわゆる衣の下によろいが見えるという政治の姿、ヒューマニズムを口に唱えながら、そこには一片のヒューマニズムもないという姿の実例を幾多あげてきた。これはそのきわまれるところです。そのヒューマニズムの欠如のきわまれるところです。しかもいいかげんにわれわれ代議士と国民を使途別分類表という名のもとにたぶらかした一番いい例です。だから、これは鈴木さんどうですか、特別勘定をことしからつくるという言明をなさるか、そうでなかったら保険料と同額の国庫負担を入れなさいということです。あなたがきょう言明できなければ、次会は総理と大蔵大臣にここへ来てもらいます。私が総理と大蔵大臣を要求しても、委員長は一回も呼んでくれないけれども、今度は絶対に呼んでもらいますよ。こういう大問題ですからね。ぜひひとつ呼んでいただきたいと思うのです。鈴木さん、ひとつ答えてください。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 年金積み立て金の運用につきましては、私はおおむね滝井さんの所説に賛成でございます。これは政府の財政投融資資金を造成するために厚生年金制度だとか国民年金制度がつくられておるのではございません。私どもは、所得保障としての重要なこの制度をやってまいる、これはその給付のための資金にもなる大切な資金であります。そこでこの運用にあたりましては、まず絶対に安全、確実な運用をしなければいけない。また利回りはできるだけ有利にこれを運用いたしたい。さらにその運用にあたりましては、国民の福祉に寄与するようにこれを運用する、こういう大きな一つの柱がここにあるわけでありますから、私どもはそういう趣旨に沿うた運用をやっておるのであります。  ただ、そこで、今日まで大蔵省が資金運用部で郵便貯金等と一緒にいたしましてこの運用に当たっておるわけでありますが、厚生省といたしましては、社会保障制度審議会等の御意見の趣旨も体しまして、大蔵当局と今日までいろいろ話し合いをいたしまして、逐次この趣旨に沿うような改善をはかるためにいろいろな話し合いが行なわれてきたのですありますが、ただいまのところは資金運用審議会の中に特別委員会を設けまして、そして特別勘定を設けるという案を中心にいろいろこの特別委員会で御審議を願っておるという段階でございます。これには委員の中にもいろいろな意見がありまして、まだ一つのまとまった方向は出ておりませんけれども、いまの特別勘定を設けるという問題を中心にいたしまして、ただいませっかく御審議を願っておるところであります。私どもは、その答申を待ちまして、政府全体としてその方針を決定をいたしたい、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その資金運用審議会の中に特別委員会を設けておやりになっておると言うけれども、実は私は資金運用審議会の委員の中にやはり労働者の代表を一名入れみという主張をしたわけです一これは少なくとも労働者が自分の給料から、あるいは中小企業の皆さんが自分のなけなしのさいふの中から納めた金です。その金の使途を審議ずる中枢の機関は、使途別分類表その他をつくるのは資金運用審議会の委員ですよ。ところがこの委員をごらんなさい。一体労働者の代表が入っておりますか。

伊部英男厚生事務官(年金局長)

○伊部政府委員 学識経験者をもって構成されております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 労働者の中でも学識経験的な人がいるわけです。何も学識経験者として任命したらいい。こういうところが、今度の鈴木さんの臨時医療保険審議会にしても、それからこの大蔵省の資金運用審議会にしてもあまり独善的ですよ。われわれのなけなしのさいふから取り上げておって、そして学識経験者というけれども、この名前を見てごらんなさい。工藤昭四郎、それから岩佐凱実、植村甲午郎、高橋雄豺、それと末高さん、今井さん、鈴木さん、こういうところです。こういう人たちは、鈴木さん以外は、今井さんは国家公務員共済組合、末高さんは、これはもう社会保障のまあまあとにかくベテランです。そうしますと、この中に一体農民代表とか労働者代表をどうして入れられないのかと言うのです。そうでしょう。そのくらいの雅量があっていいのですよ。ところが日本の金融の牙城には絶対に農民や労働者は入れさせぬぞという気持ちがあるのです。この名前をごらんになっても——これを改組するときに言ったのですよ。佐藤総理にも言ったのです。がんとして応じない。だからこういうところをもう少し、それこそ寛容と調和を保たなければいかぬ。これは調和になっていないですよ。都民銀行とか富士銀行とか、財界のチャンピオンとかというような人たちばかり、おもに入れている。そういう人たちが入るなら——そういう人たちは何にも金を出しておるわけじゃない。郵便貯金なんかしておるわけじゃない。それは富士銀行に植村さんが貯金をしておるかもしれぬけれども、金を出していない人たちですよ。無縁の人たちを入れてやらせるというところが問題なんですよ。こういうところが政治のセンスが全然だめですよ。政治のセンスがない。こういうところをもう少し厚生省は文句を言う。改組するときには鈴木さんも——今井さんとか末高さんとか、今井さんは大蔵省出身だから前からおられますけれども、おそらく末高さんと鈴木さんでしょう。その二人を入れるならば、そのうちの一人くらいは、農民か労働者の代表を入れるくらいの感覚が必要なんですよ。こういうところが厚生省は情熱がないということです。そうでしょう。どうですか、ここらあたりにもひとつ委員を入れる。そういう委員を一人でも入れれば、特別委員会の審議を待ってくれと言われれば待ちますよ。ところが、そういう意向すら何も反映されていない。どうですか。これは鈴木さんがやったんじゃないですから、鈴木さんに文句を言ったってしょうがないのですが。あなたの前任者がやっておるんですよ。だから、こういう点が、やはりほんとうにいい政治をやろうとするならば、民意をくんだ民主政治をやろうとするならば、入れなければいかぬ。そのろ過機関も、非常に綿密なろ過紙でこすならいいけれども、ドジョウすくいのざるみたいなろ過じゃ困るわけですよ。だから、こういう点ひとつ鈴木さんに十分反省していただいて、いまの特別委員会の目的達成に邁進してもらいたいと思うのです。この資金運用審議会の委員は任期はあるのですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 二年でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、今度はいっ任期明けですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 昨年の七月に改選しております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうすると、あと一年ありますな。この次に改選するときには、どうですか鈴木さん、一人ぐらいはそういう人を入れる必要がある。たとえば、あなたが臨時医療保険審議会をやろうとしたって、われわれの賛成を得られなければ、これは国会を通らぬですよ。そういうように、いまや野党の力というものが強くなってきておるわけです。野党が連合したら東京都の都政が動かぬようになってきておるわけですから、やはり七人おったら、その中の一人くらいは野党を中に入れるというのが、これはエチケットですよ。池田さんはエケチットと言ったそうですか、エチケットでしょう。それをわきまえなければいかぬと思いますが、どうですか。ここにひとつそういう労働界を代表する人を学識経験者としてお入れになる意思がありますか。これはあなたに先に聞いておいて、いずれこの次に福田さんと佐藤さんに来てもらって、少し責めたてなければいかぬと思いますがね。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 これは滝井さんも十分御承知のことだと思いますが、資金運用審議会の所管は大蔵省並びに総理が諮問をされる機関でありますから、近く当委員会に総理と大蔵大臣が御出席の予定でございますから、その所管大臣のほうへ、滝井さんの御意見を率直にお伝えを願いたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いまや無責任時代だというけれども、やはり厚生年金、国民年金の主管大臣のあなたが熱意を示さなければ、滝井義高だけの情熱ではなかなかうまくいかないところがあるのですね。そういうことでは鈴木さん、これはもう話にならぬわけですよ。まああなたがそう言ってぼくに全権を一任するなら、ぼくもこの次、総理と大蔵大臣が来たら、鈴木厚生大臣からひとつ滝井君しっかりやってくれと言って頼まれましたということでやります。  私はもうこれで終わりますが、「郵便貯金資金等」というこの「等」は何ですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 この「郵貯資金等」の「等」は非常にたくさんございまして、先ほどの「年金資金等」のほうは合わせて四つでございましたけれども、そのほかのすべてということになりますので、国家資金はいま全部資金運用部で統一運用しておるわけですから、そのほかの特別会計の積み立て金、余裕金一切ここに入っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうしますと、ここに回収金が入っておりますか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 入っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その回収金は幾らくらい入っておりますか。ことしの四十一年度七千四百七十九億円のうち幾らくらい入っておりますか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 二千七百億ぐらいあります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 その二千七百億のうち、国民年金とか厚生年金の金がどのくらい入っておるかわからぬわけですか。

広瀬駿二大蔵事務官(理財局次長)

○広瀬説明員 それはわかりません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 こういうようにさっぱりわからぬ。いいですか、われわれの金は一兆八千億ありますよ。この金は、今度は労働者に老後保障をしてやらなければならぬ金ですよ。ところが、一挙に障害者ができたというときには金が出ない場合が出てくる可能性が出てきますよ、用心しないと。われわれの持っている積み立て金は、一体どこにどういうように回収されて使われるかもわからないのです。さっぱりわからない。使途別分類表だけはつくってくれたんだが、その金の運命というものはわれわれにはさっぱりわからないのです。取り立てられて使われているだけです。こういうばかげたことはないわけですよ。これを運用するところには、われわれの代表は一人も入れてもらえない。学識経験者の名のもとに、社会党的なことばで言えば、いわば独占資本に奉仕する人たちばかりが——失礼な言い分だが、入って、かってなことをおやりになる。われわれにはその内輪の片りんをのぞくこともできない。しかも、その金は一兆八千億も累積しておる。これはそのうちどんどんたまって、四兆、五兆とウナギ登りに登っていく、こういうことでしょう。しかも、それはいまや資金運用、特に財政投融資の大宗をなそうとしているんですよ。だから、こういうように国家資金の中に占める比重が非常に高くなろうとしているときに、亭主は何にも知らなかったという、こんなばかげた政治はないですよ。だから、ひとつ鈴木さん、さいぜん、おおむね滝井君と同感であると言われましたので、そのおおむね同感のところでひとつがんばってやってもらいたいと思うのです。それから大蔵省も、あまり利回りのことその他御心配いりません。われわれは、大蔵省ができることは厚生省もできるという信頼感を持っておりますから。そこでひとつやってもらう。こういうように金融を握れば——私は冒頭に言いました。金融を握れば、何も大蔵大臣に頭を下げなくたって、とにかく多額の保険料を国庫が出してくれぬということになるならば、ひとつ半分はこの運用から出しましょうということができるんですよ。そうでしょう、できる。重度精神薄弱児千二百円ももう二百円上げたい。二千四百万円の金が足りない。よしあれから出そう、こういうようにできるのです。金さえ握っておれば、何も大蔵省に三拝九拝しなくても、対等にものが言えるのです。場合によっては、大蔵省が頭を下げて、ひとつ起債の金がないから、鈴木厚生大臣貸してくれませんか、そのくらいのあれを持っていいんですよ。他のところがやりおらぬならばそんなことは言わぬけれども、他はやっておる。見てごらんなさい。今井君のところは、このころどんどん土地を買うて、そうしてはなはだしきは汚職をやるという、こういうところまで出てきている世の中でしょう。それは大蔵省に三分の二回収されているのですから、大蔵省の所管ですよ。いまの平井さんが課長のときの監督の責にあるんです。今井さんがそういうことをやっているのですからね。そういうときには、そういうことを大蔵省にきちっと言うて奪回するチャンスにしなければいかぬですよ。たたけよ、しからば開かれん、求めよ、しからば与えられん。これはやはりたたかなければいかぬですよ。だから、ぜひひとつこれは次回には、いまの鈴木さんではとても——資金運用審議会の委員の問題についても私に全権一任されたようですから、これはやりますが、そのいずれを選ぶか。すなわち、資金運用部の委員の問題とは別に、運用の少なくとも三分の二の全権を確立するか、そうでなければ、保険料と同額の国庫負担をとるか、この二者択一の問題については、ひとつぜひ静かに考えていただいて、勇往邁進していただきたいと思います。  最後に、ひとつ鈴木さんの御答弁をいただいて終わります。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 この年金、積み立て金の運用につきましては、先ほどもお答えをいたしましたように、社会保障制度審議会、また国会の決議等の御趣旨も十分承知をいたしておりますので、今後も引き続き努力を続けてまいりたい、かように考えております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 どうもありがとうございました。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 次会は、明二十六日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十一分散会

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