社会労働委員会 第36号
- 発言数
- 100 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/05/24
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の雇用対策法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。吉村吉雄君。
○吉村委員 この雇用対策法の政府の提案説明、こういうものから考えまして、政府が雇用問題についてやや積極的な姿勢をもって将来の雇用問題に対処をしようとしておるというそのこと自体については賛意を表するものでありますが、もちろんその中身等については、雇用問題だけ切り離して議論することのできないそういう問題がたいへん関連をいたしますので、そういった問題についての政府としてのものの考え方、こういうものをただしていきたいと思いまするし、同時に、将来に向けての雇用対策に政府として積極的に取り組んでいくその前に、今日の日本の雇用問題の中で特に問題になっている諸点、こういう事柄についてどうこれらに対処していこうとするのか。今日的な問題の処理のしかた、こういうことについても政府の考え方をただしていきたいと思います。 この雇用対策法を政府が提案をするに至りました理由の説明の中でいわれておりまするのは、将来労働力というものが非常に少なくなっていく、特に若年労働力が急激に減少をしていく、こういうことにどう対処するかという考え方が一つあるようであります。さらにこれと関連をいたしますけれども、わが国の平均寿命の延び、この中で雇用問題としてこれらを考える場合には、労働人口それ自体が高齢化していく、こういう事態の中で必要な技能労働力その他の労働力というものをどう確保していくか、そのためにどうしなければならないのかということからこの雇用対策法を必要とする、こういうことを述べておるようであります。 〔委員長退席、澁谷委員長代理着席〕 さらに技術革新に伴うところの技能労働力が今日非常に不足をしておる。将来この補充というものについて国としてどう対処するのかということから、どうしても総合的な見地に立って雇用問題というものを考えなければならない、こういうような分析のしかたに立ってこの雇用対策法を提案をしているのでありますけれども、客観的に見れば、この政府の分析というものはやはり正しいというふうに私は思います。どうにかしなければならないという事態に逢着をしているということは明らかであると思います。しかし、先ほど申し上げましたような幾つかの予測される問題の中で、若年労働力というものが非常に不足をするであろう、あるいは労働力全体が高齢化していくであろう、こういうような事柄は人為的にはどうにもなし得ない問題と見なければならぬと思う。 そこで、この予測し得るところの将来の雇用の問題に対して、どう対処をするかということの中で、根本的に重要な事柄は、希少価値化していく労働力を、その根源である労働者保護の見地に立って雇用の問題を扱っていく、そういう姿勢に立つか、それともまた、経済の発展、特に今日までのわれわれの理解によりますと、資本の恣意のままに日本の経済がこういう状態になってきておる、資本に奉仕をしていくという結果を招来するようなことを顧みないで、雇用の問題を考えていくか、この二つの考え方がこれからの雇用問題についての非常に重要な分かれ目に立つだろうと私は考えます。そこで、もし後者の行き方、言いかえますると、資本の利潤追求、そういうような方向に合致せしむるためにこの雇用問題を国家的な総合的な見地から検討するということに結果づけられるとしまするならば、これは非常に大きな問題になる。言いかえると、労働力を国家が統制をして、資本にこれを従属せしむる、こういう結果を招来しかねない。こういうふうになったとするならば、これは完全雇用どころか大きな問題をはらんだ——雇用というものがかりに成り立っていくにしましても、内容的には非常に大きな問題を包含するということを結果づけるのではないかというふうに私は考えます。そこで、私どもの理解では、今日までの日本の雇用問題に対する考え方というものは、政府全体としてきわめてこれを軽視しておったきらいあり、今日までの状態の中ではそういう風潮、そういうような考え方が、意識してあろうとなかろうと肯定をされておったと思います。将来のことを考えてまいりますると、いままでのような考え方では、とうてい対処することはでき得ない。それだけ労働力が従来は豊富であったわけですけれども、この豊富な労働力、そして低廉な労働賃金、こういうものにたよって今日までの日本の経済が発展をしてきたと一般にいわれる、私どもはそういうふうに考えておる。しかし将来はそういうような考え方は許されない。労働力が希少な価値、そういうものになりつつある。ですから、今度の雇用対策法の中で、特に政府の根本的なものの考え方として、労働力というものを大事にし、その根源であるところの労働者保護の兄地に立ってこの雇用対策というものを考えようとするのか、あるいは従来見られますように、経済政策に従属する、そういう状態の中で、国が希少価値化してくるところの労働力というものを資本の要請に基づいて提供をしていく、そういう考え方に立ってやっていくとするならば、これは重大な問題であるといわなければならないと思いますので、根本的なものの考え方についてひとつ明確な態度を示してもらいたいと思うのです。
○小平国務大臣 今後の雇用対策の進め方についての心がまえという点だと思いますが、先生のお話の中にもありましたように、政府といたしましては、もちろんこの労働者の立場、それの保護、それの社会的な経済的な地位の向上、こういうことを目ざしておりまして、本法がねらいとしておりますところもいま申しますとおりでございます。このことは、この法案の第一条におきましても、明らか冒頭にうたっておるところでございまして、先生のお話の中にありました労働が資本のいわば従属的な立場である、そういったような考えは毛頭ないわけでございます。このことは、さらに申しますならば、今日の労働市場の状況なり、あるいは予見される事情なり、そればかりではありませんで、政治の基本的な姿勢として労働者の立場というものを十分保護し、またこれが向上するようにしてまいるということは当然のつとめだ、かように考えております。 〔澁谷委員長代理退席、委員長着席〕
○吉村委員 この法律の構成の中では、いま大臣が答弁をされたような趣旨に基づいて、これからの雇用問題というものを考えていこうとする、そういうふうに感じられるものも多いのですけれども、問題は、いままでの政府の雇用問題に対する対処のしかたというものは、必ずしもいま大臣が答弁をされたような考え方に立って対処をしてきたというふうには私には感じられない。これから幾つか事例をあげて明らかにしていきたいと思いますけれども、そういう状態の中で完全雇用というものを目標にしながらこの雇用対策法というものを提案をしていく、こういうことになりますと、当然にして現在問題になっているところの多くの不安定雇用の問題、あるいは賃金の問題、失対事業にからまる諸問題、こういった問題を前向きにこれを解消し、その対策を確立をしていく、そういう対策が積極的に行なわれて初めていまの大臣の答弁は生きてくるというふうに思うのです。ところが現在までのところでは、そういうことはこの法案の中では考えられない。単に労働力人口というものが不足をしてくることに対して、国が見方によっては労働力を権力統制的に必要な個所に配置していこうとする、そういう意図だけが先行しているように考えられるのでありますけれども、これではとうてい雇用の問題は正しい方向に進んでいくというふうには思えないわけです。したがって、いまの大臣の答弁をさらに私は再確認をしたいと思いますけれども、従来のような雇用問題に対する対処策でなくして、あるいは従来の雇用問題に対する各方面からの批判というものを解消をして、労働者保護、完全雇用、こういう形に立ってそういう方針に沿って、これからの雇用政策というものを考えていくのだ、経済政策や、言いかえると資本に従属をするというような形をとるようなことはしない、こういうことをひとつ明確にしていただきたい、こう思うのですけれども、いかがですか。
○小平国務大臣 私どもの考えておりますところも先生のお考えと全く同じなのでありまして、さきにも申しましたとおり、確かに労働市場の現状なりあるいは将来の予見される姿等からいたしまして、これに対処する方策を総合的に行なう必要があるということはもちろんでございますが、しかし、さらにさかのぼれば、何と申しましても、労働者の持てる能力というものを十分に発揮してもらい、またそれの経済的、社会的な地位を向上させる、こういうことができるような環境をあるいは条件を極力つくっていこう、こういうことがねらいなわけでございまして、お話の中にありましたように、労働力を何か強権で必要なところに配置していくのだといったようなそういう考え方は全然ないことは、これをずっと御一読願えますならば、おかわりいただけるだろうと思うのです。要するに、いま申しましたように労働者が十分その能力を発揮できるような、そういう環境、条件というものを極力総合的な施策によってつくっていこう。またお話しのとおり、従来はややもすれば、この雇用政策というものは経済政策などのいわば従属と申しますか、あるいは少なくとも副次的に考えられた面も私は全然ないとは申しかねると思うのでありますが、今後はこの法案にもうたっておりますとおり、雇用対策の基本計画というようなものと、あるいは経済計画というようなものとはお互いに相調和していくべきものであります。こういうことも明確にいたしておるわけであります。そういう点で雇用政策全体に対する政府の一体としての施策、こういうものを今後はやっていこう、こういうことですから、雇用政策自体のいわば政治あるいは行政の面における位置というものもいままでよりは非常にレベルアップされていく。これは当然なことでありますが、そういうことも今度の法案で明確にできる、こういうふうに私は考えているわけであります。
○吉村委員 それでお尋ねをしたいのですけれども、労働大臣の官房労働統計調査部で発行しておりますところの「労働経済指標」百二十六号によりますと、現在の労働経済の状況が数字の上で相当詳細に分析をされておるわけです。ここで明らかにされておりますのは満十五歳以上の労働人口は四十一年の一月現在で七千三百七十一万、このうちに労働人口として把握されているのが四千六百八万、うち就業者人口は四千五百五十五万、完全失業者五十三万、こういうふうになっております。一方、失業保険の受給人員の項を見てまいりますと、七十一万四千人の受給実人員が同じ四十一年の一月現在でおる、こういうことになっているのでありますが、この完全失業者という問題とそれから失業保険の受給実人員はどういう関連を持っているのか、こういうふうに私としては疑問を持たざるを得ない。ここで言うところの完全失業者というものは、失業保険の受給実人員一般の七十一万四千人の中に包含をされている人数なのかどうかということについて、ひとつ事務当局のほうから明らかにしていただきたい。
○有馬政府委員 冒頭に御指摘の、完全失業者の数の中に失業保険の受給者を包含しているかどうかという御質問だったと思いますが、それは包含しているものもある。ただ、この完全失業者の定義が、御承知のように、月末一週間における期間に一時間以上就業したことがない、なおかつ就業の意思がある、こういうふうに完全失業者の定義が下されておりますので、包含はしますが、必ずしも失業保険の受給者と範囲が一致しない、こういう関係に相なると思います。
○吉村委員 その次にお尋ねをしたいのは、日雇い失保の受給実人員が同じ本年の一月で二十七万五千人、こういうことになっております。この二十七万五千人と完全失業者の五十三万人は前と同じような説明と理解していいのですか。
○有馬政府委員 これも先ほどの関係と同じでございまして、月末一週間における一時間の就業の有無ということで完全失業者かどうかということがきまるわけでございますが、たまたま日雇い雇用の形態をとっておるものの中でそういう定義に該当するものが出ればこの完全失業者の中へダブって計算されるわけでございます。
○吉村委員 ただ明確な事柄は、失業保険の受給実人員の中で一般の失保受給者七十一万四千人と日雇い失保の受給者実人員二十七万五千人の両者がダブるということはないはずですね。
○有馬政府委員 これは一般と日雇いと別建てになっておりますのでダブる関係にはなりません。
○吉村委員 そこでお尋ねをしたいのは、失業保険受給者は一般、日雇いを問わずこれは失業者と認定をされているわけですから、いわゆる失業者という理解に立ってよろしいですか。
○有馬政府委員 失業者ではございますが、先ほど申し上げました完全失業者ではない、必ずしも完全失業者にはならない、こういう関係でございます。
○吉村委員 労働省の厳格な認定を得た上でそれで現在職業がない、就職の希望はあってもあるいは健康であっても就職の機会が与えられていない、こういう意味合いにおきましては、完全失業者の定義のしかたは日本政府は独得の定義のしかたをしておりますから、完全失業者ではないとしましても失業者であることには変わりはない、こういうふうに一般的に理解できると思うのですが、それでよろしいですか。
○有馬政府委員 そのとおりでございます。
○吉村委員 わが国の雇用の状況がどういうふうになっているのかということをこの労働経済指標は数字で相当詳細に分析しておるのですけれども、ここで私が問題にしたいと思いますのは、失業率というものが日本の場合には非常に少ない。これは先進諸国の失業率というものと対比をしまして日本の場合にはきわめて低いというふうに考えられますけれども、外国の場合は一体どのくらいの数字になっているか、二、三例をあげて示していただきたい。
○有馬政府委員 日本の場合は御承知のように四十年度は平均で〇・八%の失業率でございますが、アメリカはこれに対しまして同じ四十年で失業率が四・六%でございます。ごく最近は御承知のように三・八%程度に下がっておる月もございますが、年間を平均いたしますと四十年で四・六%、それから西ドイツ、これはちょっと時点がずれますが、四十年六月時点で〇・四%、これは非常に低い失業率でございます。イタリアが、同じく四十年の七月でございますが三・五%で非常に高い失業率でございます。さらにイギリスは、四十年の七月でございますが一・三%という失業率でございます。
○吉村委員 西独を除きましてわが国の失業率というものは非常に低い、こういうことになるのでありますが、日本の労働者が、あるいは日本の国民が今日の日本の雇用の状況を考えてみて、諸外国よりも失業率が低いというふうに一般的に認識をしている人は私は非常に少ないだろうと思うのであります。これはファクターのとり方によって異なってくる問題ですから、当然完全失業者というものの把握のしかた、定義のしかたというものに関連をしてくると思います。しかし私はここで少なくとも常識的に受け入られる事柄というのは、日雇い、一般を問わず失業保険の受給者というものは当然にしてこれは失業者でなくてはならない、失業者と考えるしかないのではないか。この失業者と労働人口との関係の中で失業率を出すということが一般的に普遍的に妥当性を持つのではないかというふうに考えられますけれども、特に完全失業者と労働人口との関連の中だけでこの失業率をはじき出しているという根拠は一体何なのかを明らかにしてもらいたい。
○有馬政府委員 完全失業者の定義はこれは国際的に確立いたしておりますので、私どもわが国の失業情勢を見る場合には必ずしも完全失業者の失業率でもって失業情勢の判断を下すつもりはないのでございます。これも大きな判断資料ではございまするが、御指摘のように失業保険の受給率というものも失業情勢を判断する一つの大きな指標というふうに私どもは考えて、必ずしも厳格な意味の完全失業者の失業率のみで情勢を判断するということはしないつもりでございます。
○吉村委員 おそらく国際労働機構すなわちILOに対しまして日本の雇用の状況というものは報告をしておるだろうと思うのです。そういう観点から考えますると、国際的に見まするならば、この資料がこのまま報告になっている、それを国際労働機構のほうでは日本の失業率というものはきわめて低い、こういう認識に立っているだろうと思うのでありますけれども、この点はどういう報告をなされておるのか、これをひとつ明らかにしてもらいたい。
○有馬政府委員 ILO等の国際機関には完全失業者の失業率とそれから失業保険の受給率と両方報告いたしております。
○吉村委員 今後の雇用対策を議論し、あるいはその中から正しい方策を見つけ出していくためには、日本の雇用状況あるいは就業の内容というものを国民的な立場から全体を把握するということが一番大切だろうと思うのです。ことさらに数字の上で失業率がきわめて低いというだけを発表しておって必ずしも正しい対策が立つものではない。いま明らかにされましたように、日本の失業率というものは諸外国と比較をしましても非常に低い状態にある。それが一体日本の国民あるいは心ある人たちの間で、そういう状態にあるのかどうかということに対して疑問を持っておる。いま労働省当局ですらも、完全失業者を対象とするところの失業率の問題については、必ずしも妥当性を持っているとは考えない、こういう趣旨の答弁がありましたけれども、そういうような事柄につきましては、もっと国民が今日の日本の雇用状態というものを正しく把握できるように、わかるように統計等も収録をされる必要があるのではないか、こう私は思うのです。失業保険の受給者が、合計いたしますると、約百万になる。日雇いと一般失保のほうで九十八万、大体百万になります。これらの人たちは、何と強弁をされましょうとも、失業者として認定し、失業者として国民が理解をするのは当然だろうと私は思うのです。ですから、失業率を出す場合につきましても、この失保の受給者という数字をもとにするということくらいはぜひともしてもらわなければいけないのではないか。それを、失業率の出し方については完全失業者を対象として出す、それから失業保険の受給者は受給者として別な角度からとらえて発表している。こういうことでは私は問題の本質をそらさせる、そういう意図がないとしてもあるように考えられてもしようがない、こういう点についてはもっと理解し得る、納得し得る統計というものを出してもらうように要望しておきたいと思いますけれども、この点は一体将来そのようになされますかどうか、明らかにしてもらいたい。
○有馬政府委員 いま御指摘の点は、私どももそのとおりと考えておりますので、この指標におきましても完全失業者の失業率を掲示するとともに、失業保険の受給率も掲示しておりますので、両方総体的に考えて雇用、失業の情勢を判断したいというふうにしておりますし、世間一般もそういうふうに受け取って取っておると思います。
○吉村委員 その次にお尋ねをしたいのは、この「労働経済指標」によりますると、従業上の地位別就業者数、この分布状態が出ておるわけですけれども、この中で、どういうふうに分布されているかということが、四十一年の一月では、農林の自営業主が三百五十九万、同じく農林業の家族の従業者数が四百七十八万、農林業の雇用者数三十三万、非農林業の自営業主五百四十九万、家族の従業者三百十四万、雇用者のうちで常時雇用が二千五百二十三万、臨時が百六十八万、日雇い百二十七万、こういうふうに出ております。この農林と非農林の就業者人口というものの合計が四千五百五十一万人、こういうふうになりまして、労働力人口の四千五百五十五万人とほぼ見合う数字のようでございますけれども、ここで労働省の見解をお尋ねしておきたいのは、このように農林、非農林に分布されているところのそれぞれの従業者、これらの合計数の四千五百五十五万人というのは安定した就業者、そういう人たちというふうに把握をされているのか、そういうふうに考えられているのかどうか、その理解のしかたをひとつお尋ねをしておきたいと思う。
○有馬政府委員 この指標に出ておりますいま御指摘の数字は、合計いたしますと四千五百五十五万ということで、これに完全失業者を五十三万加えますと四千六百八万という労働力人口の総数になるわけでありますが、この就業状態にあります四千五百五十五万が必ずしも満足すべき条件で就業しておるというふうには言えないのじゃないかと思います。この中に先生が絶えず御指摘になりまする不完全就業者の問題が含まれておるわけであります。したがって、先ほど失業率の問題あるいは受給率の問題、いろいろ御議論がありましたけれども、さらにこの就業状態にあります四千五百万が必ずしも満足すべき状態で就業しておるかどうか、ここにもう一つさらに問題があるのじゃないかと思います。
○吉村委員 そういたしますと、いまの局長の答弁は、この四千五百五十五万人の中には問題になるところの潜在失業者が包含されている、こういうふうに理解せざるを得ないという趣旨の答弁でありますけれども、さらに引き続いてお尋ねしたいのは、この経済指標の中で「非労働力人口」という欄がございます。同じ四十一年一月現在で、その数は二千七百五十九万人、こういうふうになっておりますが、この二千七百五十九万人の構成といいますか、この中には年齢的に在学中の者もあるでしょうし、いろいろ分布をしておると思いますけれども、この二千七百五十九万人のうち雇用対策の対象になる人数は、労働省としては一体どのくらい把握をされておるのか、明らかにしてもらいたい。
○有馬政府委員 この非労働力人口の二千七百五十九万人というのは、御指摘のように家庭の主婦あるいは学生あるいは年齢その他で、労働戦線から引退された方々、これが込みになって入っておるわけでありまして、これをいま内訳別にお示しすることはちょっとできかねます。この非労働力人口のうち就業希望者という欄が次にございますが、ここに四十六万とか四十万とかいう数字がございます。この数字がさしあたり私どもとしましては、就職といいますか、雇用対策の対象に当面考えなければならないものとしてあがってくる数字でございます。
○吉村委員 そうしますと、この二千七百五十九万人の構成は、いま局長言われたように種々たくさんの要素が入っておる方々だということは理解できます。そのうちの雇用対策上の対象として当面考えている数字というのは四十六万人ということでありますけれども、そういう少ない数字で間違いはないですか。
○有馬政府委員 いまの四十六万人というのは、この非労働力人口のうちという限定があるわけでありますが、そのほかに先ほど御指摘の完全失業者の問題あるいはは失業保険受給中の問題、さらに不完全就業の問題、いろいろあるわけでございます。これだけの数字を対象にして考えているわけではもちろんございません。
○吉村委員 ですから、この非労働力人口のうちの非求職の就業希望者四十六万人を対象とする、こういう意味でしょう。私の質問いたしておりますのは、二千七百五十九万人の非労働力人口があり、これらの人口構成は非常に多岐にわたっているということについては同じ理解に立つことができるわけですよ。それは、家庭内の主婦あるいは学生等々、たくさんおるだろうと思いますから、これを全部その雇用対策上の対象人数というわけにはもちろんいかないことはわかります。わかりますけれども、その中の四十六万人という数字だけでは非常に少ない数字ではございませんかということをお尋ねしておるわけです。間違いないですか、これは。
○有馬政府委員 先ほどの非労働力人口の内訳が出ておりますので、二千七百五十九万人の内訳としまして、家事が千三百十八万人、通学が八百二十七万人、老齢、病気四百七十六万人、その他百三十八万人、こういう数字がございます。このうちに、本人が就業を希望しておる者が四十六万人という数字があります。ただ、これは非求職ということで、安定所にあがってきておりませんけれども、もちろんこれは広い意味の雇用対策の対象に考えなければならない当面の数字でございますが、この四十六万人という数字だけではなくて、先ほどの不完全就業の問題も、完全失業の問題も、失業保険の受給中の問題も、いろいろございますので、これだけが対策の対象になる数字ではないということを申し上げたわけでございます。
○吉村委員 それならば大体わかりました。その、家事というふうに分析されている数字の中でも、もちろんこれは就職の機会があれば、職場があれば働きたいという人たちが非常に数多くいるはずだと私は思います。ただそういう希望がかなえられそうにない今日の経済情勢、政治情勢なので、やむを得ず家事に閉じこもっておる御婦人も数多くいるだろうと思いますから、そういうようなところももっと詳細に分析をした上で雇用対策を樹立していかないと、片はんぱなものになってしまう、こういうふうに私は考えましたので、この点はさらにこの内容の分析あるいは当事者の意向等について詳細な分析をされた上で、この雇用対策を樹立する対象人数の中に包含する人数を把握するようにしてもらいたい、こう思います。 そこで、お尋ねをしたいのは、この非労働力人口二千七百五十九万人の中には、いわゆる潜在失業者も包含されているというふうに理解していいかどうか。
○有馬政府委員 この中には入っておりません。
○吉村委員 そうしますと、潜在失業者は二千七百五十九万人の非労働力人口の中には含まれておらない、先ほどの四千六百八万人から完全失業者を引いた四千五百五十五万人、この中に潜在失業者が含まれておる、こういうことでございますけれども、この潜在失業者の問題については、長いこと当委員会あるいは関係の審議会あるいは学会、こういうところでずいぶん議論をされておるのでありますが、現在のわが国の潜在失業者というものの労働省で把握している数字は一体どのくらいなのか。
○有馬政府委員 これは先生とも当委員会においていろいろと議論をした経緯がございますが、私どもといたしましては、不完全就業者の定義につきまして、意識面から見た不完全就業者を把握いたしております。これは御承知のように昭和三十一年から三年おきに就業構造基本調査によりまして把握をいたしておりますが、三十一年七月には二百七十八万人ありましたものが、昨年の四十年七月には百八十四万人に減っております。この減り方を見ましても就業状態が経済成長と相まって相当改善されてきているという傾向は理解できると思います。
○吉村委員 この潜在失業者の数をどうとらえるかということによって雇用政策というものは根本的に変わってくるだろうと私は思います。 そこで、いまの答弁によりますと、雇用状況が好転をして、四十年現在の潜在失業者の把握は百八十四万人というふうに減ってきたということでございますけれども、この百八十四万人というの一は、労働省が従来からやっておるところの意識調査を重点にした数字、こういうことになるだろうと思います。 そこで、昭和三十四年に雇用審議会のほうの完全雇用に関する答申、この中でとらえられているところの潜在失業者の把握の仕方、これは最低生活というものを維持し得るに足る収入、こういうものを基礎にしてとらえられた数字だろうと思いますけれども、当時から労働省の把握した数字と比較をしますと、あまりにも数字に差があるということを私は再三にわたって指摘をしてまいりました。その後、大橋労働大臣の当時でありましたけれども、この潜在失業者の定義といいますか、把握の仕方について見解の統一をしていきたい、そのために実質的に両者の見解を統一し得るようなそういう機関をつくりたい、そういう趣旨の答弁がありましたけれども、その後のこの大臣の言明によったところの作業、これらはどうなっているのかお尋ねをしたい。
○有馬政府委員 大橋大臣の答弁の趣旨に従いまして、私どもは総理府の雇用審議会でこの問題を御審議いただきましたが、審議会におきましては、特別の部会を持ちまして不完全就業者の検討をいたしたのでございますが、計測の方法につきまして、意識面から見た不完全就業者の把握の仕方は三十一年以来確立いたしておりますが、所得面その他から見る不完全就業者の計測につきましては、雇用審議会としましては時系列的に一定の所得水準を定めることは、現状においてなかなか困難であるというふうな結論を出されました。御指摘のように、三十四年当時におきましては、所得面から推定把握をした数字が六百八十七万という膨大な数字が出ておりますが、これを今日の時点に当てはめまして一定の推測基準を設けて測定をするということは非常に困難だということで、審議会としても決定的な結論が出ていないのでございます。私どもとしましては、できるだけ御指摘のような側面から推計をするように審議会の先生方にもお願いをしたのでございますが、こういう結論に相なりましたので、私どもとしましては、先ほど申しました意識面からする調査資料をもとにいたしながら、さらに比較的所得の低い階層の動きについて十分関心を払いながら雇用対策を展開していこう、こういうふうな考え方で今後進めてまいりたいと思うわけでございます。
○吉村委員 そうしますると、この当時の大橋労働大臣の言明というものは、いまだにその統一的な見解というものは出ない、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
○有馬政府委員 雇用審議会では先ほど申しましたような結論で、当面この統一的な見解が結論が出なかったわけでございますが、私どもとしましては、さらに引き続いて低所得層対策としまして十分関心を持っていきたい、しかし統一ある解釈を確立するということは、今日の段階で非常にむずかしいという結論でございます。
○吉村委員 そういたしますると、現在の潜在失業者の数字というものは、労働省の労働力調査によるところの百八十四万人、こういうものを対象にして、それで今後の雇用対策というものを進めていこう、こういうふうに考えているというふうに理解してよろしいですね。
○有馬政府委員 先ほど申しました意識面からする不完全就業者の実態が四十年において百八十四万、こういう数字に相なっておりますので、この実態を基礎にしながら、さらに比較的所得の低い階層の動きというものを十分考慮に入れながら雇用対策を展開していく、こういうふうに理解していただきたいと思います。
○吉村委員 これは大臣からお答えをいただきたいのですが、潜在失業者が一体どのくらいの数字にわたって存在するのかということによって、今後のわが国の雇用対策というものは根本的に左右されてくるというふうに私は考えるのです。昭和三十四年当時の雇用審議会の潜在失業者のとらえ方によりますると、当時において大体七百万人という潜在失業者がおる。その当時、労働省の見解からいたしますると、きっと三百万前後であったかと私は記憶をいたしております。両者の間には大体倍以上の開きがある。こういうことでございましたので、このままではわが国の雇用対策というものは方向がない、どれを対象にするかという正しい対策が生まれてこない、こういう点でだいぶ議論をいたしまして、雇用審議会の考え方に立ったところの潜在失業者の把握のしかたが正しいのか、あるいは労働省が従来やっている、現在やっているような意識面を中心とするところの把握のしかたが正しいのか、この点については、両者の見解を統一をして事に対処をしていきたいというのが、大橋元労働大臣の言明であったわけです。このことが明らかにされ、このことについての見解の統一、その統一された見解に基づいての潜在失業者の数の把握、こういうものがなされないままで正しい雇用対策は確立され得ない、私はこういうふうに考えざるを得ないのでありますけれども、この点は一体、雇用対策をこれから国の政策として総合的にやっていこうといって、いま雇用対策法を提案されておるその責任者である労働大臣として、この潜在失業者の問題についてどういうふうに把握をしながら対処をしていこうとするのか。あるいは今日までの大橋元労働大臣の言明、その後の作業の進捗の状況、こういうものから見て、私は政府の誠意というものをきわめて疑わざるを得ない。そればかりではなしに、今後正しい意味での雇用対策というものを樹立し得ないのではないか、こういうふうに考えますけれども、大臣の所見のほどをひとつお伺いをしておきたい。
○小平国務大臣 大橋労働大臣の当時、雇用審議会で不完全就業あるいは潜在失業者の定義というようなものをきめてもらおうといたしたわけでありますが、それが審議会においても結論が出なかった、こういう状況は先ほど局長からお話申し上げたとおりであります。 そこで、一般的に不完全就業であるとか、潜在失業であるとか、こう申されますが、どういうことを基準にしてそれをとらえるかという問題が当然あるわけであります。したがって、そのとらえ方によってはその数も非常に違ってくる、こういう実情だと思いますが、私はそのどちらが正しいのだ、こういうふうに一方的にきめるということが、それがまた正しいかどうかという、率直に申して実は疑問も持つわけであります。こういう基準でとらえればかくかくになる、こういう基準でとらえればかくかくになると、私は必要に応じてと申しますか、その基準が二つなり三つなりあっても、別段そのこと自体は差しつかえないのじゃないか、ただ要するに、意識面にせよ、あるいは生活面にせよ、いずれにしても本人が満足をしない状況に置かれておる、こういうことであろうと思いますから。もちろん労働省がとらえておる意識面という上からとらえるにいたしましても、それだけを対象にして雇用対策を考えるということはいかがか。本人は満足をいたしておるかもしらぬが、あるいは生活面ではこれは不十分だという場合もありましょうし、そういうものはもちろん重点的に対策の対象として考えていかなければならぬでしょう。ですから全般的に、意識面からもあるいは生活面からもどちらから考えても不満だ、不満を持っているというような人は当然にこれは雇用対策の対象になるべきものだろう、かように私は考えております。
○吉村委員 きわめて抽象的で難のない答弁のしかたですけれども、そういうことで雇用対策というものができるなら私はいいと思います。できるならば。ところが潜在失業者がどのくらいの数にわたって日本に存在するのかということについての明確な把握がなくて、正しい意味での完全雇用政策というものは樹立しようがないであろう、対象とするところの人数がなくしてどうして一体雇用対策というものが生まれ出ることになりますか。もっと、その点は大橋元労働大臣の当時の見解によりますと、政策を樹立するのにあたっては、目標となるものが明確にならなければならない。潜在失業者が今日何万人おるということでたいへん議論の焦点になっておる。そういうものについて雇用審議会のほうも、あるいは政府の労働省のほうも、こういう見解に立って日本の潜在失業者については把握をする。その把握をした結果はこれこれの人数である。これこれの人数を完全な意味での正しい就業状態にしていかなければならない、それが雇用政策の一環でしょう。そのほかにもちろん不完全な就業の状態もあるでありましょうけれども、この潜在失業者の問題というのは、雇用政策の立案、あるいは策定にあたってきわめて重要なファクターになることだけは明らかだと思うのです。本人が満足をしていないものはすべて雇用対策の対象になります。そういうことだけで一体正しいほんとうの具体的な雇用対策が確立されるともし労働大臣が考えているとするならば、これはあまりにも甘過ぎる、こういうふうに言わざるを得ないのですが、もっと具体的にこの政策を樹立し、これを実施していこうとするのですから、抽象的な事柄で事が済む問題ではないと思う。もう少しその点は、責任ある態度を明らかにしてもらわなければ、雇用対策法そのものは、単に文字のみに終わってしまう、こういうことになりかねないと思いますから、その点はひとつ考え直した上で明確な態度を明らかにしてもらいたい、こう思います。
○有馬政府委員 先ほど、審議会では、計測の方法について結論を出すのが困難であるという結論に相なったわけでございますが、私どもは、この雇用対策法で、三条に明記してありますように、不安定な雇用状態の是正のための施策を講ずる、こういうことに相なっておりますので、われわれとしては、さらにこの問題を今後追求していかなければならぬ、こういうことに相なっていますので、雇用審議会に対しましても、さらに計測の方法等について検討を続けていただくようにお願いをしたいと思います。私どもの見解も雇用審議会等に積極的に開陳をしながら、この問題は積極的に解決していきたい、かように考えております。
○吉村委員 大臣の答弁と局長の答弁、聞いた範囲においては少しく違うのでありますけれども、これは局長の答弁が責任ある答弁と理解していいのですか。
○小平国務大臣 雇用対策を立てるについても、私は、やはりそのとき、そのときによって対象というものも動いてくる点があると思うのです。ですから、まず、当面どういうものを対象にして雇用対策を打ち立てるか、その際において不完全就業者あるいは潜在失業者というものはどういう基準でとらえるか、こういう問題がもちろん問題になるわけですから、それについては雇用審議会で、いままで結論が出ませんでしたが、さらに今後御検討願って、まず、当面ということばが適当かどうか知りませんが、この法案ができた上で雇用対策を立てるという場合に、どういう基準でとらえた潜在失業者幾らを、当然基準ができれば数量もきまってきましょうから、それを対象にしてやるべきだということについての審議会の御検討を願って、その上でこの対策を立てたい、かように考えております。
○吉村委員 私は、雇用対策法というものを政府がこの国会に重要法案として提案をしてきているというそのねらい自体については賛成だということを冒頭に申し上げております。ただ運用の問題、中身の問題等について非常に問題があることは、これから指摘をしていかなければなりませんけれども、とにかく雇用問題というものを国家的な見地に立って政府全体として取り組んでいこうという、そういう姿勢そのものについては私は賛成をしている。ですから、その立場に立って考える場合に、この雇用対策法は一体何を対象にしていかなければならないのかというならば、今日の日本の状態の中で最も問題になるのは、従来から議論をされておるところの潜在失業者というものを一体どう把握をし、どう解消し、完全な意味での就業者にしていくか、安定雇用に転化せしめていくかということが雇用対策の一つの重点施策でなくてはならない。だとしますならば、潜在失業者というものはいまの日本にどの程度存在するのかというその数字の把握を、これは五万、十万なら私はそう問題にしないと思います。労働省の調査によっても、現在少なくなったとはいいながら、いまだに百八十四万人おる。意識面の調査だけでこれだけおるのです。もし算術計算的な、雇用審議会が三十四年当時のあの答申の中で述べられている潜在失業者の把握のしかたに立ってとらえていくとしますならば、おそらくこの数字は四百万以上になっているだろう。しかしこれは経済の変移なりあるいは国民生活の変動、こういうものもあるから正確には申し上げられません。しかし、とらえる方向が違うわけですから、数字は相当異なって出てくる、こういうふうに考えられるわけです。したがって、わが国の雇用対策を樹立していくにあたって、最も大きな役割を果たすであろうところの労働省という行政官庁及び政府の諮問機関であるところの雇用審議会、この二つがそれぞれ異なった把握のしかたをする、それを放置しておいたのではほんとうの意味での雇用対策というものは生まれてこないはずだ、だからこの点は十分討議をした上で、わが国の潜在失業者というものはこういうものだという理解に立つのだという見解統一だけはしてもらわなければ、それは雇用対策というものが樹立されない、こういうことになってくるだろうと思いますから、私は再三この点は強調をしてまいりました。 ところが、これは私が言い出した問題ではなくて、実は、古くは昭和二十七年ごろからだいぶ問題になって、そして三十四年の例の完全雇用に関する答申の中で詳細に雇用審議会のほうからこの問題が述べられたという経緯を持っておる。それからだけでももうすでに約七年になろうとしているにもかかわらず、問題が複雑であり困難であるということで、これが放置されたままに雇用対策法なるものを出すということは、私はどうも誠意があるというふうには考えられない、あるいはこの雇用問題をほんとうに労働者保護の見地からやっていく、そういう対策というふうには考えられない、こういうふうに言わざるを得ないと思います。しかも国会の中では多くの問題はありますけれども、両者の見解の統一をするようにします。こういう言明がなされてからすでに二年を過ぎているわけです。そこでまだその統一ができないという状態のままで、しかも雇用対策法を出すということについては私はどうも納得しがたい、どうですか、これは。
○有馬政府委員 二年間かかって雇用審議会で十分検討をされたのでございますが、この段階においては、残念ながら結論が出なかった。しかし私どもは、この雇用対策法が成立いたしますならば、この法律にも書いてありますように、不安定雇用状態の是正ということが大きな施策の内容になっておりますので、再度われわれとしましては、この問題について雇用審議会で——どうせこれは諮問いたしますので、ぜひ審議会としての明確な見解を確立していただきたい、かように考えるわけでございます。
○吉村委員 何回かにわたってこの問題の検討をしていただいたというお話でありますけれども、では、潜在失業者の問題について雇用審議会で議論をされたというのは何回くらいありますか。労働省のほうではどういう諮問をいたしましたか。——ですから局長、私が申し上げたいのは、そういうことで、委員会のつどあるいは言いのがれができるかもしれませんよ。しかし、私の知る限りでは、雇用対策法というものを今回政府が提案をするのにあたって、雇用審議会のほうでは第二部会というものを特に設置をして、それで潜在失業者の問題を取り扱ったという経緯は私は承知をしております。しかし、その中で一体、いままで問題になっておりましたところの潜在失業者の把握についての労働省の見解と雇用審議会の見解の統一という方向への努力、そのための検討というものがなされたかどうかということについては、私は疑問なしとしない。これは、国会における大臣の答弁というものが生かされていないということを問題にせざるを得ないのです。いま答申として出されているこの第二部会の内容を読んでみましても、単に潜在失業者の把握というものについては非常に問題がある、非常に困難だということだけに大体とどまっておるわけです。重要な問題であるけれどもその把握は非常に困難だということになっておる。私は、これではいつまでたってもほんとうの意味での雇用対策を樹立する対象というものが浮き彫りにされないのではないかということを言っているのです。ですから、雇用対策法を提案をするのにあたりましては、まず、いまの日本で雇用上問題になっておる潜在失業者の問題とか、これから触れていきたいと思っております不安定の雇用状態の問題とか、こういうものを解決するために政府はどういう努力をしているのか。そして、この誠意の上に立って将来の展望というものを初めて明らかにすることができる。あるいはそのことを初めて信用することができるようになる。ところが、問題をそのままにしておいて、そしてこれも、将来同じ努力を払ってやっていこうという答弁だけでは、どうも政府の態度というものはそのつど式であって、雇用問題についての一貫性といいますか、ほんとうの意味での誠意ある対策を立てようとする意欲というものが感じられないということを私は問題にしているのです。そうじゃありませんか。
○有馬政府委員 先生御指摘の所得面からする不完全就業の実態把握については、審議会でも結論が得られなかった非常に困難な問題でございますけれども、私どもは意識面からする実態の把握は過去十年にわたって相当詳細に行なっておりますので、これをもとにしながら、御指摘のような所得面からする不完全就業の状態をさらに審議会の場を通じて追及をしながら、この不安定雇用の是正につとめていく、こういう考え方で対策法の運営をやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○吉村委員 そこで私は、執拗に申し上げておるようですけれども、今後の雇用対策を確立する上にあたって根本的な問題になる、この問題についての解明と意思の統一がなされなければ、いつまでも議論の繰り返しをするようになるであろう。私は常に申し上げておりますけれども、与党、野党の見解の違い、政策上の意見の違いがあってもよろしい。しかし、政策対象となるものについてはこれは一つにしておかなければならない。その政策対象を右に向けるか左に向けるかという、政策の相違というものは生まれてくることがある。しかし、対象となるものは一つだという、そこだけはやはり明確にしておく必要があるだろうと思うのです。ですから、このことについて再三にわたって強調しておるのでありますが、遺憾ながら今日まだその点が明らかにされていない。しかも、雇用対策法をこの国会で通過せしめようとしておる。だとしまするならば、潜在失業者の問題はこの法案の中でも今後解消しなければならない、こういうのが政策対象になっておるのでありますから、少なくとも雇用審議会と政府の考え方というものはどのくらいの数字という程度、ここらは把握をしてしかるべきであろう、こういうふうに私は思います。ですから、今度この雇用対策法が施行されるまでの間に、いま再三にわたって局長が答弁されておるところのこの見解の統一、あるいは定義の統一とでもいいますか、そういうものについて意思の統一というものがなされた上で初めて雇用対策法というものが施行に移されていく、それまでの間に何らかの結論を出してもらわなければいけない、こういうふうに私は思いますけれども、この点は大臣はいかがですか。
○小平国務大臣 先生の御主張は私にもよく理解できますから、御趣旨のほども十分審議会のほうにも伝えまして、本法が施行になるまでにぜひ統一的な見解ができますように労働省側から審議会のほうに十分またお願いをしてみたいと思います。
○吉村委員 それでは、このことは一応いまの大臣の答弁を了としたいと思います。 つけ加えて申し上げるまでもないと思いますけれども、問題の所在は、実は雇用審議会の三十四年の第二号答申の中で潜在失業者の把握のしかたというものがごく詳細に説明されておる。これと労働省が今日まで行なってきた意識面を重点とするところの潜在失業者の把握のしかたとの間に当時において大体倍以上の開きがあった、こういうことから私は問題にしてきたところでございますから、この両者の見解の統一といいますか、潜在失業者というものはどういうものであるかということについて見解の統一を、この雇用対策法が施行されるまでの間に出すように努力するという、そういう答弁については、いままでの経緯を十分考慮をされた上でひとつ統一見解というものを出してもらうようにこの際は要望しておきたいと思うのです。 その次にお尋ねをしたい事柄は、同じく政府の政治姿勢の問題でございますが、雇用審議会で第二号答申を出した。この第二号答申は、わが国の雇用政策上非常に多くの教訓、示唆、そういうものを与えている答申だというふうに私は思います。今日においてもこのことについては変わりはないというふうに私は理解しておるのでありますが、この中で指摘をされている幾つかの問題の中で、たとえば労働時間の短縮の問題、あるいは雇用形態の改善の問題、あるいは最低労働基準の確保の問題、そしてまた正しい意味での最低賃金制の制定、実施、こういった問題、さらにいま私が問題にしました潜在失業者の問題、こういうことについては当時審議会の二号答申として、これこれの問題を解消していかなければ完全雇用というものは実現されないということが述べられている。ところがその後七年の日月を経過をしておるのでありますが、遺憾ながらこの審議会の答申の趣旨というものは生かされていない、こういう状態ではなかろうかと私は思います。ですからこういうことについては、どうも完全雇用というものを満たしていくために必要な施策として答申をされている事柄が何か軽視されて、そして実施に移されていない。その状態のままでまた雇用対策法というものになってきている。ここに実は現在労働者が政府の雇用対策法に対する不信、不満、こういうものを持つ最大の原因があると考えざるを得ないし、私もまたそのように考えておるわけです。ですから、雇用対策法は雇用問題を根本的にやっていくという中で前提条件として解決されなければならない問題がたくさんある。そういうものについてもっと誠意ある態度というものを、すでにおそいのでありますけれども、早急にその対策を立ててもらう必要があるのであります。これらの点についての大臣の考え方は一体どうですか。
○有馬政府委員 今回の雇用対策法を立案するにあたりましては、御承知のように昨年の暮れに出ました審議会からの答申を尊重して法案の作成にあたったわけでございますが、昨年暮れの審議会の答申は、この答申にもうたってありますように、三十四年の答申の目標といたしておりまするいわゆる完全雇用目標の実現を期するという第二号答申を第七号答申は受けて指摘してあるのでございます。したがいまして私どもとしましては、この第二号答申の完全雇用答申をいわば出発点として、今回の第七号答申を受けて雇用対策法を立案した、両方を含めて答申の趣旨を盛りながら対策法を立案した、こういう過程になっております。したがいまして、いろいろと具体的な対策面では不十分なところも御指摘のようにあるかと思いますが、考え方としましては、この二号答申と七号答申両方を受けてこの対策法を立案した、こういう考え方でございます。
○吉村委員 この雇用問題の中で、当面正確に問題を把握して解決をしていかなければならない問題は数多い。しかも、いま局長の答弁のように、第二号答申の中で幾つかの問題点を指摘しておる。今回の雇用対策法は二号答申を受けた七号答申を基礎にしてやっていくということでございますから、本来でありまするならば、あの二号答申の当時に指摘した問題は相当程度改善され、あるいは問題を解消した上でこの雇用対策法というものが提案をされるというのが本筋であったろうと思うのです。ところがそういう事柄が遺憾ながらそのままになっておって、そうして雇用対策法というものが出されているということについては、私はきわめて残念に考えるのですけれども、しかし今後その二号答申が指摘した問題についても、これは前段の施策として強力に、前向きに実施していく、こういうような考え方のようでありますから、それはそれなりに理解をしていきたいというふうに思います。 そこで、この雇用対策の安定、潜在失業問題のほかに、特に解決をしていかなければならない問題は、雇用されているとはいうものの、きわめて不安定な状態にある労働者がたくさんおる。こういう事柄をどう把握し、どうこれを安定雇用に持っていくかということが、やはり施策の前段的なものとして考えられなければならぬだろうと思いますので、実はその不安定雇用の代表的なものといっても過言ではないと考えられます国有林の産業労働者、この人たちがいまどういう状態になっているのかということについて、私は林野庁の見解並びに雇用問題を扱っており、これから雇用対策を総合的にやっていこうとする労働省の見解、こういうものをお尋ねしていきたいというふうに考えます。 林野庁にお尋ねをしたいのですが、国有林の労働者、林野庁に雇用される労働者の雇用状態というものはきわめて変則的な状態にあると私は考えます。明らかにしていただきたいことは、現在の林野庁で、林野産業に働いている労働者の身分的な種類といいますか、そういうものはどうなっておって、どういう状態にこれらの人たちがなっているのか、ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○田中(重)政府委員 国有林野事業に従事しております定員外作業員の雇用状態について申し上げますと、定員外作業員といたしましては、これは、雇用区分別に申し上げますと、常用作業員というのがございます。これが昭和四十年の七月現在で申し上げますと一万一千人。常用作業員と申しますものは、年間継続して雇用されることになっておる作業員でございます。それから定期作業員というのがございます。定期作業員と申しますのは、現在三万三千人、これは年間の雇用の期間が六カ月以上ということでございます。それからそのほか月雇い、これが約七千、それから日雇い作業員が八万六千人ということになっておりまして、それぞれ人事院規則の非常勤職員の国家公務員という形で雇用されているわけでございます。そうしてこの定員外作業員の労働条件は、申すまでもなく団体交渉できめられまして、協約でそれぞれその労働条件が決定されておるということでございます。この労働条件を賃金の面でとらえてみますと、この定員外作業員については、それぞれ地域ぐとの地場賃金等がもとになる関係もございまして、営林局別、地域別、職種別に、それぞれ賃金が日給制あるいは出来高制できめられている、こういうことでございます。
○吉村委員 そうしますと定員内の常勤の作業員、職員とそうでない職員とに分かれるということでございますが、この定員外といわれますところの中での定期作業員というのが、年間六カ月とかあるいは四カ月とか八カ月とかいうことで雇用されておって、いわば常勤の職員と非常に差別的な待遇の中で仕事をしているということになるだろうと思うのですけれども、一年間を通じて安定雇用にできない理由は一体何なのかということが一つ。それから、一般的に言うて、常勤作業員、いわゆる定員内の人たちに対して、定期は、その収入状態はどのくらいの割合になっているのかということ。もっとこまかく申し上げますと、定期、臨時、あるいはその臨時の中にも月雇いと日雇いというふうにあるらしいですから、これらの労働条件の実情というものを明らかにしてもらいたいと思うのです。
○田中(重)政府委員 あとのほうの御質問の、定員外作業員のうちの、定期、月雇い、日雇い、各作業員の日額を申し上げますと、昭和四十年の四月−九月の平均日額は、定期作業員が千四百七十九円、月雇いが九百円、日雇いが七百二十八円ということになっております。これは、それぞれ、この格づけ賃金のほかに支給されるその年の一切の手当を含んだものでございます。 それから、初めの御質問の、定期作業員等をなぜ年間雇用できないのかということでございますが、これは申すまでもないことでございますけれども、林業経営の必要とする労働者は、主として農家の農閑期における労働力を充てることとして沿革的に続けられてまいったということでございまして、そこで、田植えなりあるいは田の草取りなり収穫なりそういう時期以外の農村の労働力、さらに、あわせて、漁業に従事する人たちの漁業の閑期における労働力等が林業の労働力として充当されてまいった。そういう実態があるということは、半面、また、この林業経営が植物を相手に農業と同じく行なわれておるという実態がございまして、そこで、木を植える、あるいは植えた木の下刈りをする、それが季節に支配されるという実態がございます。それから、一方、切って出すというような場合に、たとえば出水期の流水を利用して出すとか、あるいはまた、冬の雪の上をすべらして運搬するとかといった、やはり季節に支配された仕事としてそれが続けられてきておるという実態がございます。そこで雇用の形がこのように年間を通じて継続していない。つまり、仕事が続いていない、一方、雇用される人たちの農閑期の労働力であるというような実態とのからみ合わせで継続していないということでございます。ところが、その中で先ほど申し上げました常用作業員等につきましてこれが発生してまいりましたのは、そういうような季節性を克服して、できる限り植物の生育期間における適期作業の期間の拡大、そういうものを技術的に改善してまいりたい。あるいは機械化によって特に伐木、運材等の事業の改善をはかるということで、経営の立場からいいましてもできる限り季節性に左右されない形の安定した仕事に持っていく。一方、雇用される人たちが希望するならばその人たちの雇用の安定にも資するわけでございますから、そこでできる限り仕事の通年化をはかる、それはあわせてまた雇用の安定になるという形で現在改善を進めているわけでございます。また、実態的にも、特に南のほうの地域で、たとえば高知とかあるいは九州の熊本の両営林局におきます作業の実態等につきましては、年間を通じて雇用される作業員が多いという形になっておりますが、北海道あるいは東北地方の積雪地帯においては、その作業の通年化がなお困難な実態にあるということがございます。しかし、いずれにいたしましても、雇用の安定という面から考えましても、また事業の実態から考えましても、できる限り仕事の通年化をはかって、それに雇用される人たちの雇用の安定をはかってまいりたいという考え方で進めているわけでございます。
○吉村委員 その次にもっと具体的に端的にお尋ねしたいのは、定員内の職員と定員外といわれる定期の作業員の賃金の格差というのは一体どのくらいになっていますか。平均でいいです。
○森説明員 定員内と定員外と申しますと、これは職種が非常に違いますので一がいに比較するということは困難なわけでございます。似たような職種で見ますと、作業員のほうが技能給と申しますか職能給といいますかそういう形になっております。片方、定員内のほうは年齢、勤続年数別の賃金になっておりますので、当初初任給のほうでは比較的作業員が高い。年齢、勤続年数に従って月給制のほうが高いということになっております。
○吉村委員 もう少し端的に要領よく答弁してもらいたいのです。たくさんの雇用の形態がありますから一がいには言えないかもしれませんが、いま私が質問しているのは、いわゆる定員内職員の賃金平均と定員外である定期の作業員の賃金平均との差は一体どのくらいになっているのかということについて、あなたのほうでは調べられておるはずだから、それをひとつ端的に答弁してくだい。
○森説明員 大体定期の作業員は、これは月当たりに直しますと、基準内外を込めますと、三万四千十七円でございます。月給制のほうは、ちょっと職務の比較ができませんので端的に申し上げられませんけれども、全作業員、全職員の基準内が、現在記憶をいたしておりますところでは三万二千円、それは一般職が大部分でございますが、三万二千円くらいになっております。
○吉村委員 基準内ですか。
○森説明員 はい。基準内です。
○吉村委員 そうしますと、先ほどの長官の答弁によりますと、月雇いの賃金というのは九百円、日雇い七百二十八円、これは諸手当を含む、こういう答弁であったわけですね。いまのあなたの答弁は、基準内賃金、こういうことで三万二千円と言いましたか、そうなりますか、月雇いで。
○森説明員 いま申し上げましたのは、定員内の全体の、これは事務系もすべて含んだ賃金の基準内が三万二千円程度になっている、定期のほうの基準内外込めたものが三万四千十七円、こういうふうに申し上げました。
○吉村委員 そうすると、先ほどの三万四千十七円というのは定員内の常勤作業員の平均賃金ではないのですか。私の質問しているのは、いわゆる六カ月とか四カ月で定期に雇用され、それでまた離職をしていくという人がおたくのほうにおるでしょう。そういう方々の平均賃金と、それから一年間といいますか、通年雇用されている定員内の職員との賃金の差というものを端的に知らせてくれ、こういうことを言っているのですから、あまり問題をふくそうさせないでひとつ言ってくれませんか——。林野庁、きょう私はいろいろ質問することは前もって通告をしておいたはずですよ。賃金の問題、雇用の形態、それから幾つかにわたって私は前もってあなたのほうに通告をしておいたはずだ。ところが、故意かどうかわからぬけれども、そういうことに対してどうも完全な意味での答弁をしようとしないのでは話にならぬ。だから、それじゃ別な問題をお尋ねしますから、その間にひとつ明快にしてください、私の知りたい事柄はいま一度申し上げますから……。 あなたのほうの作業員というものは定員内と定員外に区別をされているようだ。したがって、定員内職員の平均賃金は一体幾らぐらいになっているか。定員外と称されているところのその中でも、定期とか常用とかいろいろある。特に私がいま申し上げたのは、定期作業員の平均賃金はどのくらいになっているか、これをひとつ両者が比較検討できるように答弁をしてもらいたいのです。片方は基準内外を含み、片方は基準内だけでは比較にならぬのですから、そういう点は事柄をあからさまにしなければ問題の解決にはならないのですから、隠す必要はないので、そこはひとつ明確に調べた上であとで答弁してください。 あとで答弁をしてもらいますから、その間にお尋ねをしておきたいのですが、定期雇用員、正しくは定期作業員というのですか、定期作業員の身分関係は、雇用されている期間は公務員である、こういうお話でございます。これは公労法のたてまえから申し上げますと、労働条件その他の問題については公労法の規制によるということになるでありましょう。そこでこの方々の社会保険関係は一体どうなっておるか。あなたのほうでわかりにくいようですから、もっと私のほうで説明をしながらお尋ねをしますけれども、たとえば林野庁の職員の場合には、国家公務員であるならば共済組合で短期、長期の掛け金をし、それぞれの給付を受けるというふうになっているだろうと思います。ところが、この定期作業員の場合には、そういう医療保障あるいは所得保障の関係は一体どういうふうに扱われているのか。それから非常に災害発生率が多い作業だと思いますから、災害発生等については労働災害補償保険、この適用を受けるようになっているのかどうか。あるいはまた失業をするという場合、これは六カ月とか四カ月、こういう答弁でございますから、その人たちが離職をした場合の生活保護の状態は一体どういうふうになっているのか。この社会保険関係はどうなっているのかをひとつ具体的に明らかにしてもらいたい。
○森説明員 まず共済組合の関係でございますが、これは常用作業員までが共済組合に入っております。それで定期作業員は任意包括加入の健康保険になっております。その関係でわれわれのほうとしては健康保険にできるだけ多く包括加入させますように努力いたしまして、現在は六〇%くらいがこの健康保険に入っておるわけであります。それから長期給付の関係では、これは厚生年金関係の任意包括加入になっておりまして、これもできるだけ加入するようにつとめておりまして、五〇%程度入っております。それから労災関係でございますが、これは国家公務員災害補償法の関係を全部受けております。それから失業保険の関係でございますが、失業保険は強制加入になっておりまして、片方国家公務員退職手当法の関係によりまして、国家公務員退職手当法の資格が完了した時点におきまして——これは勤務二十一日が六カ月続くということでございますが、それが達成しました時期におきまして、退職手当の支給対象になりますので、そこで失業保険を打ち切るという処置をいたしておるわけでございます。
○吉村委員 そういたしますと、長期給付関係は厚生年金、それから短期給付は任意包括の健康保険、それから労災関係は公務員労災、それから失業保険については強制適用で、六カ月以上の者については公務員退職手当法の適用、こういうことになりますね。厚生年金の適用というのは、実際にこれは国民年金との関係から見て、雇用期間中は厚生年金保険に入っておる、それから離職した場合は国民年金にまた再加入する、こういう繰り返しをやっておるという理解でよろしいのですか。
○森説明員 別の事業につきました場合には、厚生年金を受けられる場合もあると思います。また、国民年金のほうにいかれる場合もあると思います。
○吉村委員 私の申し上げておるのは、最初明らかにしてもらっておるのですけれども、あなたの答弁は、この定期作業員の所得保障の関係については、雇用期間中は厚生年金でございますという答弁でございましたから、そうすれば、離職をすればそれは当然に国年ということになるでありましょう。そう考えざるを得ない。だから、その繰り返しをやっておるというふうに考えざるを得ないのですけれども、そういうふうに言えば、どうも両方に入っている人がおると思いますというのでは、どちらなのかわからないことになるのです。だから、当初の答弁どおりに理解すれば、厚年と国年の繰り返しを年じゅうやっているということでいいのですかということです。
○森説明員 そういうことになると思います。
○吉村委員 この点はたいへん問題だと思います。私の知る限りでは、厚生年金に加入している人よりも、国民年金加入者のままで、定期作業員として働いている人が相当数ある、こういうふうに私は実情調査の結果把握をしております。この点については、あなたの答弁は厚年と国年の繰り返しということでございますから、だいぶ私の理解していることとと食い違っておりますので、あとで問題にしなければならぬと思います。いまの答弁のままだといたしましても、実は厚年と国年の繰り返しをずっとしていくというような事柄については、たいへんこれは問題が多いと思いますから、近い機会に厚生省当局を呼んで、そういうような適用のしかたが一体妥当性を持つのかどうか、この点についてはそのときに明らかにしていきたい、そう思います。 それから、健康保険の関係につきましては、どういう名前の健康保険ですか。
○森説明員 一般の健康保険法による健康保険であります。
○吉村委員 一般の健康保険法によるところの健康保険というのは一体何ですか。どうもこれは林野庁、ひとつこういうでたらめな雇用をやっていながら、一つもそういうことについて明らかにできないようでは話にならぬと思うのですよ、こんな状態では。先ほどは賃金の問題についても、故意に避けておるのかどうかわからぬけれども、ぼくは現在の雇用対策法がいま問題になっておるその中で、国の雇用者であるところの林野庁に働いておる労働者が、非常に不自然な状態になっている、こういう問題を解決しなければ、正しい意味での雇用政策というものが生まれてこないと思うから、実はあなた方に来てもらって事態を明らかにしようと考えているわけですよ。それをどうも答弁が一つも満足に——わざとしないのかどうかわかりませんけれども、そういう状態では審議が進まないといってもいいと思うのですよ。ですから、もう少し責任の持てる態度をもって答弁に当たってもらわなければいけないというふうに私は思うのです。健保、健保といっても、健保にもたくさんの種類があるのですよ。これはあなたが担当者であるならば、それはこういうものでございますぐらいのことは、政府の行政の衝に当たっている者として、そんなことがわからないという理屈はないでしょう。そういうことがわからなくて一体職員の管理、労働管理ができますか。
○森説明員 政府管掌の健康保険でございます。
○吉村委員 この点も、国民健康保険に入って、国民健康保険と政管健保の繰り返しということになると思いますが、それで間違いないですか。
○森説明員 先ほどの厚生年金関係でございますが、これは私は五〇%と申し上げましたが、四〇・一%、これが任意包括加入で厚生年金に入っておる。それから、ただいま申しました健康保険の関係におきましては、六〇%の方が政府管掌の健康保険に入っておる、こういうことでございまして、その方々は、退職した場合には国民健康保険のほうに入る、こういうことになるわけであります。
○吉村委員 そうしますと、定期作業員の中で、たとえば長期の所得保障の関係については、先ほどのあなたの答弁からすると、厚年に入っているというふうに私は聞いたのですけれども、厚年に入っている者も国年に入っている者もある、その割合は厚年に入っている者が四〇%、残り六〇%は国民年金である、六〇%の方々は、繰り返しをしないでずっと国年で通してきている、こういうことになりますね。それから、四〇%の方々は厚年、国年、厚年、国年という繰り返しをやっている、こういうことになりますね。それから、健康保険関係、短期給付の関係については、六〇%の方々は政府管掌健康保険に入っておって、離職をした場合には国民健康保険に移る、四〇%の方々は、これは全部国民健康保険で一貫して通しておる、こういうことですね。こういう雇用の状態というものは、一体長官、これは同じ国家公務員としての資格を雇用期間中は持っておる。この公務員としての資格を持っている者が、社会保険関係についてそれぞればらばらの状態になっている、それでいいのですか。
○田中(重)政府委員 先ほども申し上げましたように、国有林野事業の経営が定員外作業員によって行なわれる場合に、その仕事の実態からいいまして、定期作業員という形での雇用が存在する。そこで、これは現在といたしましては、一定の期間を限った雇用の状態である限りは、解雇された後におきますその身分関係については、これはやはり一般の社会保障の制度が適用されざるを得ない、こういうふうには考えております。しかしながら、先ほど申し上げましたように、事業のしかたをできる限り季節性等を克服することによって通年化して持ってまいることによって、それに雇用される作業員の方々の雇用の安定をはかって、そして社会保障の制度等についても、できる限り改善された形で享受できるように持ってまいりたい、そういう考え方で努力をしているわけでございます。
○吉村委員 非常に問題がありますが、きょうは時間の制約があって全部を明らかにすることはできないので、機会を改めましてやりたいと思いますけれども、なお、もう少し実態をお尋ねをしておきたいのですが、そうすると、失業をするという場合、離職をするという場合には、人によっては国家公務員等退職手当法の適用、人によっては失業保険法の適用、こういう状態が生まれるということになりますか。
○田中(重)政府委員 それはただいまも職員部長からお答えを申し上げましたが、定期作業員として雇用された場合に、国家公務員等退職手当法による退職手当の受給資格を満たさないでやめていった場合には、これは失業保険の適用になる。それから、その要件を満たした場合にはいまの退職手当法が適用される、こういうことになります。
○吉村委員 もっと具体的に言いますと、退職手当法の適用というのは、これは退職手当法の立法の精神からしますると、このような短期間でやめるという人にもちろん適用をしてはならないという理屈は私はないと思うのです。しかし、立法の趣旨そのものは、公務員として長期間雇用され、国家の仕事に従事をしていた人が退職をされる場合に、生活の安定等をはかるという、そういう長期雇用ということをたてまえとしてこの退職手当法というものは制定をされているというふうに見るのが妥当であろうと思うのです。しかし、その中でも一年なり二年なりで、家庭の事情、その他本人の都合によってやめなければならないという人がある。そういう人たちに対して、やはり雇用主としての国は幾ばくかの謝礼的な、あるいは生活安定というものを考慮したものを出さなければならないということで、六カ月以上一年未満のものについては、一年未満のものとしての退職金の規定というものが設けられているはずだと思います。この規定の適用は、あなたのほうの職員のごとく、何十年——何十年というのは少し語弊があるかもしらぬけれども、もう離職することがわかっている。また、来年の何月かには同一人が就職する、こういうことを反復している人たちに対して、この退職手当法というものを適用するというのは、立法の趣旨からするならば私はたいへん問題だというふうに思うのですけれども、その点はどういう理解に立っておりますか。
○田中(重)政府委員 現在の国家公務員等退職手当法の適用によって、それは合法的に支給をされておるのでありますから、その点は問題はないかと思います。ただ、いま先生のお話しのように、毎年繰り返して雇用されている、そういう雇用の形態としてはおかしいじゃないかという御意見は、そういう御意見としてあろうかと思います。繰り返しの雇用の形というものは、やはり一応の考え方としては、結果としてそういう繰り返し雇用というものが行なわれる。雇用契約の面からいいますと、やはりその年における採用の契約があり、そうしてその契約の条件として何カ月という雇用の期間がございますが、そこで、その期間が満了した場合には、その契約に基づいて解雇されるというふうに理解をいたしているわけでございます。
○吉村委員 先ほどの長官の答弁によりますと、定期作業員は強制的に失業保険の被保険者となる。そうすると、保険料は納めることになりますね。保険料は納める、しかし六カ月以上過ぎたものについては退職手当法の適用を受ける、こういうことになるわけです。そうすると、失業保険料というものはかけっぱなしということになりますか。
○田中(重)政府委員 この国家公務員等退職手当法による退職手当を受ける定期作業員がこの失業保険の受給者でもあるわけですから、両方を比較いたしまして額の高いほうで支給するということにはなっておりますけれども、この退職手当でもらいます場合には、これはかけ捨てということにはなるかと思います。しかしながら、それは、雇用の開始の時期においては、やはりその失業ということが担保されているわけでございますから、結果としてはそういうふうになりましても、しかし、保険の契約者となった場合には、やはりそれは被保険者として十分に意義を持つ、こう考えております。
○吉村委員 国家公務員の退職手当法によって、一年未満ぐらいで退職をされる一般の公務員の場合を想定しますと、これは失業保険の適用者ではないのですよ。国家公務員は失業保険の適用者ではないのですよ。その人が退職する場合には、退職手当法によって同じ退職手当金をもらえることになります。ところが、いまの林野庁の例で言いますと、定期作業員は失業保険の強制適用者として失業保険料を納めるということになります。しかし、六カ月以上過ぎると、今度は公務員の退職手当法の規定によって退職手当の支給を受けるということになります。採用当時同じ公務員であってもそれだけの差ができるということはお認めになるでしょう。なられませんか。
○森説明員 失業保険法の規定に、国家公務員が失業保険よりもよけいの退職金を得られるような公務員については、これは失業保険をかけなくてもいいということになっておりますので、その面で、定員内の職員についてはこれはかけないということになっております。それで、定期作業員につきましては、これは非常勤職員でございますので、その規定の運用におきましては、初めからそういう保障のないものとして失業保険をかけていく。しかし、二十一日の勤務期間が六カ月続きますれば、これは国家公務員の退職手当を得られるわけでございますから、その時点におきまして失業保険を打ち切る、こういうことになっておるわけでございます。その場合に、先ほどの長官の御説明をさらにふえんいたしますと、失業保険のほうは、一年の間に、十一日稼働の日が六カ月以上あればいいということになっております。その期間、条件整備は退職手当法のほうが高いわけでございまして、失業保険の受給資格はあるけれども、国家公務員の退職手当法の受給資格は得られないという方もあるわけでございます。それで、六カ月なり七カ月なりという短期間でやめました場合に、その退職金は、これがもし失業保険の見合いよりも少ない場合におきましては、その失業保険と同等以上のものを払うことになるわけでございますので、普通の六カ月、七カ月のただ単なる退職手当よりも、それに失業保険の分も加えれば、もっと高額のものになる、こういうわけでございます。
○吉村委員 私の言っているのは、長官、冒頭に答弁がありましたように、雇用期間中は、定期作業員といえども国家公務員法の適用を受けるのでしょう。受けるということを、あなたが説明されました。それから労働関係については、公共企業体等労働関係法によって、その規制の中にあるということも明らかになっておる。退職をする場合については、一般の公務員の場合には失業保険の強制適用ということにはなっていない。なぜなっていないのかといえば、それはいまあなたが説明をされましたように、失業保険金よりも上回る退職手当を支給し得る規定がある場合には、失業保険の強制加入としなくてもよろしい、こういう条項があるから、公務員の退職手当法というものは失業保険金よりも上回っているから、したがって失業保険の対象にしないわけですよ。そうでしょう。だとしますると、一般公務員の場合には、そういうことで失業保険料というものを支払わないでいいという状態で、そして一年なり二年なりでやめるという場合には退職手当法の適用を受けるということになるわけです。ところが林野庁の場合には、どのくらい雇用されるかわからないということもあるでしょうけれども、いずれにしても失業保険の強制適用者になる。強制適用者である以上は失業保険料を労使ともに納めるということになるでしょう。そして、今度やめる場合には退職手当法の適用を受けるわけですから、失業保険金というものは受けないということになるわけです。そうでしょう。そうなった場合には、失業保険料というものはかけ損、かけっぱなしということになるということは、これは自明の理でしょう。私はそのことをどうこうとは考えてない。そうしない以上は、あなた方のほうの六カ月雇用とか八カ月雇用とかいうことをやり得ないから、現在の法規の中ではそうせざるを得ないということだと思うのです。しかし、それはきわめて不自然であるということも、私は強調したいわけです。そういう状態というものはきわめて不自然である。なぜならば、失業保険というものはそういうために設けられたものでもないし、あるいは失業保険の適用を受けない、退職手当の適用を受けるということは、退職手当法というものもまた、いまのような状態に適用するために設けられた制度でもない。そのあいのこみたいなやり方を実際の雇用の面であなた方がやっているから、どうにも方法ないという状態なんですよ。苦肉の策として退職手当法の適用をしている。失業保険料というものはかけ捨てということになっておる。こういう状態は、何らかの形で解消していかなければならぬと思うのです。私は、その解消の根本的な対策というものは、雇用という立場から見まするならば、先ほど長官が答弁をされましたように、こういう不自然な雇用状態というものを解消するためには、通年雇用にするという以外には道はない。そうして雇用の安定というものをはかっていく。これから政府全体として完全雇用というものを実現していこうという雇用対策法のねらいというものは、またそういうところを解消していくということになくてはならない。国の雇用者であるところの国有林の労働者がきわめて不自然な社会保険関係の適用、あるいは失業保険の状態、こういうようなことをそのまま放置しておいて、一体正しい意味での雇用対策ができるのかと私は言いたいのです。だからそういう点で私は事柄を明瞭にしたいと思っておるわけです。 そこで、先ほどの賃金の比較の問題をちょっとお尋ねをしたいことと、いま一つは、この定期作業員が作業員として同一人が何カ月か雇用され、また離職し、そうして退職手当をもらった、同一人がこういう繰り返しをしているというのは、長い人で一体どのくらいになっているのですか。
○森説明員 結果的には二十年にも及ぶ方がございますけれども、三十四年にわれわれが調査をいたしました結果によりますと、国有林における定期作業員の方々の平均の勤務年数というのは一・九カ月という数字が一応出ております。
○吉村委員 そのあとの数字は私の質問からはずれているので問題にする必要もないのですけれども、とにかく同一人が就職した、離職した、そうして退職手当をもらった、それでまた就職した、また退職手当もらった、こういうことを長い人で二十年と言いましたね、二十年間もそういうことを、国の機関で働いている者が繰り返しているという状態を、林野庁はそのまま放任していたというのは一体どういうわけなのでしょうか。こういう人が、国が雇用する人の中でしかも何万人とおる、こういう状態を放置したままで一体完全雇用を生み出すところの雇用対策が樹立できるのかどうか。大臣がいないからあれだけれども、安定局長これどう思いますか。何とかしなければならぬと考えませんか。
○有馬政府委員 私どもの立場からいたしますならば、通年雇用によって労働者の職業の安定、地位の向上をはかるというのがこの対策法の目標でございますので、できるだけそういった雇用形態に改めてもらいたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉村委員 いろいろの事情できょうはこの程度にしなければならぬのをきわめて遺憾とするのですが、私は林野庁を責めようとするつもりはありません。しかしこういう状態のままで何十年ときた、こなければならない状態に置かれたというところにいままでの日本の政治の姿勢がある。これをこの問題に極限して言えば、雇用に対する政府の熱の足りなさがある。労働者をどう考えているかというそういう姿勢が明瞭に浮かんできている。だからこれは林野庁だけの問題でなくて政府全体の問題だというふうに理解せざるを得ない。しかし林野庁としては、その政府の姿勢の中でそういう不自然な状態を二十年間も黙ってきたということは、これまた責任追及されてもやむを得ないと思うのです。したがって、あなた方にこれから残された道は、この不自然な状態を、雇用対策法というものと政府が本気になって取り組んでいこうというこの機会に解決をするために全力をあげるという以外にないのです。そうすることによって初めて罪滅ぼしはできると思うのです。私は先ほどの社会保険関係の問題、賃金の問題、幾つかの問題がある、これからまだいろいろやらなければならない問題があります。あなた方答弁にまだ困るような状態なのですよ。しかしそれを言いわけがましく言わなければならないという、まあ宮仕えはつらいものだということになるでしょうけれども、しかし上意下達だけでは日本の政治あるいは行政官の正しい姿勢ではないと思うのです。こういう状態はこうしなければならないということを言って初めて政治というものは正しい前進をしていく、こう私は思うのです。それがほんとうの意味での行政者のあり方だと私は思うのです。ですから、いま政府が政府全体の立場に立って雇用問題をこれから本気に取り組んでいこうというこの中で、まず解決をしなければならないのは、この国有林労働者の雇用の問題、劣悪な状態にある賃金の問題、私は、例をあげてまだこれから言いますよ。きょうはやめますけれども、これからまだ言います。あなた方がなかなか答弁できない状態もわかりますよ。まだこのあとに言いますけれども、とにかく次の委員会、次のあなた方がここに出席をされる機会までに、根本的にこの問題についてはこうしたいという責任ある態度を明らかにしてもらわなければ困る。これはすでに参議院の農林水産委員会で農林大臣も答弁をされている例もあります。私は、きょう時間がないので残念だけれども、あなた方が、中央森林審議会とかいう審議会の中で意見らしいものを提示しておった時代がある。それは通年雇用反対の意見をあなた方が出したということを私は聞いておって、きわめて残念でならない。そういう状態のままでは、とても正しい雇用というものは、あるいは使用主としてほんとうに労働者というものを考えた、そういう態度ではない、こう思っておったのですけれども、その後、何か農林大臣が参議院の農林水産委員会で、通年雇用に向けて努力をする、こういう言明をされて以降だいぶあなた方の姿勢も変わったということを聞いておりますから、ここではそのことについては強く触れませんけれども、いま幾つか提示をした問題、二十年もの間、本来の普通のあなた方のやり方のいかんによっては、二十年勤続すれば二百万くらいの退職金をもらって老後の生活ができるのですよ。ところがそういうことをやらないために、失業保険金くらいの退職金をもらって、そうして毎年毎年不安定な状態の中で生活をしてきた国民が何十万——何十万ではちょっと誇張があるかもしれぬけれども、何万もおる。そういう状態をあなた方の責任で解消せずして、だれが解決するのですか。この機会は、私は絶好の機会だと思いますから、次のこの委員会のときまでに、こういったものを根本的に解消して、ほんとうの安定雇用、そして労働者が林野産業に挺身して働き得るような労働条件、こういうものをつくり上げるために私どもはこうしたい、こういう態度を明らかにし、そういう考え方で対処をしてもらいたいと思いますが、どうでしょう。
○田中(重)政府委員 国有林野事業の定員外作業員の雇用のしかたにつきましては、いまもお話がございましたように、農林大臣としてその姿勢を明らかにいたしております。また、この雇用対策法案が成立を見ました場合には、この法律の趣旨に沿って仕事を進めるという責任もあると思いますので、その雇用の安定についての改善について、積極的に努力をしてまいりたいと考えております。 ただ先ほども申し上げましたように、やはり林業経営というものの特殊性がこのような雇用形態の状態においてあるということもございますので、そこで事業の経営自体の改善について、さらに努力をしなければならないというふうに考えております。なお、この点につきましては、先ほども申し上げました経営の状態でございますから、いろいろ改善の努力をいたしておりますけれども、この次の委員会に間に合わせろというお話に対しましてはできるだけ努力をいたしておりますし、四十二年度の予算にも備えていろいろ検討はいたしている次第でございます。その辺、御了承いただきたいと思います。
○吉村委員 時間の関係で、あとの問題は保留して質問は一応終わることにしますが、最後に、労働大臣いないので局長に責任ある答弁をしてもらいたいのですが、いま長官のお話によりますと、来週のこの委員会までには非常にむずかしい、そういう意味にとれる答弁がありましたが、少なくとも雇用対策法は、審議の過程であなた方が不安定雇用、しかもきわめて劣悪な労働条件、こういう状態を解消するための誠意ある態度の表明だけは、私は来週できなければその次にでも責任ある態度の表明だけは求めておきたい、こういうふうに思いますので、その点を再度お伺いしたい。 労働省のほうにも、こういう不安定な雇用状態をそのままにしておっては、雇用対策というものは全くこれは文字だけに終わってしまうだろう、したがって林野庁の問題ではあるかもしれませんけれども、雇用問題を扱う労働省としてもこの問題については責任がないとは言えないはずだと思う。国の労働省として責任がないとは言えないはずだ。ですからどういうふうにしてこの不安定な雇用、劣悪な労働条件を改善するかについても、この法案の審議の過程の中で責任ある態度を明らかにしてもらいたいと思いますが、最終的に両者の見解を求めて、きょうはあとの質問を留保して終わりにしたいと思います。
○田中委員長 委員長から申し上げますが、ただいまの御質問はきわめて重要な点でありますので、次会、それぞれ大臣が御出席の節に御答弁を願ったほうがけっこうかと思いますが、いかがでございますか。
○吉村委員 それは、委員長のおとりなしでありますから、そういうふうにしてもけっこうです。とするならば、来たるべきそのときの委員会には責件あるところの長官あるいは農林大臣、そういう方々の御出席を、特に欠席などのないように、きょうも農林大臣、私の要求に応じることができなかったわけですから、そこのところは委員長のほうで取り計らってもらうことを条件にして了承しておきます。
○滝井委員 いまの問題とも関連があるのですが、数年前に一応要求してもらったことがあるのですが、政府関係機関並びに各省それから地方自治体における臨時職員の各省別の状況を出してもらいたいと思うのです。前に私が質問したときには、一番長い臨時職員は十五年も臨時にあった例があったわけです。そこでそういう年限の一番長い者はどういうところにあるか、それもあわせてひとつ各省、 それから政府関係機関、地方自治体、これだけの臨時職員の状況を出してもらいたいと思います。
○田中委員長 次会は、明二十五日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十九分散会