社会労働委員会 第33号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/05/11
会議録
○齋藤委員長代理 これより会議を開きます。 内閣提出の国民年金法の一部を改正する法律案、児童扶養手当法の一部を改正する法律案及び重度精神薄弱児扶養手当法の一部を改正する法律案の各案を議題として、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。伊藤よし子君。
○伊藤(よ)委員 私、重度精薄の扶養手当法の一部改正について、まず御質問申し上げたいと思います。 この法案は、第一、三十九年に国会へ出されましたときも私は御質問申し上げ、先日も、本会議に上程されましたときにも御質問を申し上げているところでございますけれども、今度の一部改正の内容についてこれから逐次御質問申し上げたいと思いますが、その前に、大体重度の精薄について扶養手当が出ますときにも申し上げたことでもあり、またあのとき、社会保障制度審議会の答申にもありましたけれども、従来顧みられなかった重度の精薄児の問題が取り上げられたということでは一歩前進ではございますけれども、あのときにも問題になりましたように、精薄だけではなくて、重度の心身に障害を受けている子供さんの問題を同時に取り上げるべきだと私たちは申し上げたんですけれども、今回、精薄児だけではなくて、身体に障害を受けた子供さんにも同時にこの扶養手当を出すということになるようでございまして、その点は私どももたいへんいい、前進だと考えるのです。しかし、この問題は、私は、こうしたごくささいな扶養手当を出せば済むという問題ではなくて、重度心身障害児の問題は、先般来私たちが申し上げているように、これはいまはもう社会的な、総理大臣もおっしゃったように、政治的な問題にまで発展してきていると思うのです。そこで、まず大臣にお伺いしたいのでございますけれども、せんだって本会議でも申し上げましたように、これは単に重度の心身に障害を受けて生まれてきた子供の不幸、あるいは生まれてからでございますけれども、子供さんの不幸ということだけにとどまらないで、そういう子供さんをお持ちになった家庭の非常に問題でもあるわけでございまして、私たちが考えますには、何よりもこうした重度の心身障害児というものは、やはり収容施設をできるだけ多くつくって、まず収容するということが第一ではないかと思うのでございますが、一度にできませんでも、まず収容施設を十分につくっていくということが、私は第一ではないかと思うのでございます。 そこで、最初にちょっと伺いたいのでございますけれども、いろいろお調べがしにくい点もありましょうけれども、現在全体といたしまして、厚生省のお見積もりで、全国的に重度の心身障害児で収容を必要とされるような、望む子供が何人くらいございますか、その点、ちょっと最初に伺いたいと思います。
○竹下(精)政府委員 精神薄弱児につきまして申し上げますと、施設へ収容を要するという児童が約四万八千でございます。それからまた、昨年行ないました身体障害児の調査によりますると、子供だけについて見ますると、施設へ入れる必要があるという重症の心身障害児が約一万四千五百でございまして、そのほかに重症心身障害者、おとなの方が二千でございますので、重症心身障害者につきましては約一万六千五百というのが収容を要する数でございます。
○伊藤(よ)委員 ただいまお話がございましたように、重度の心身障害児だけでも、収容を希望している向きが一万四千五百あるわけでございます。こういうように非常にたくさんの子供さんが収容施設へ入りたいということを希望しているわけでございますけれども、なかなか現状は、厚生省のお調べによりましても、現在この収容施設というのは全国で民営の施設がほんの三カ所ですか、収容定員は三百四人にすぎないわけでございますね。国立のは一カ所です。それで、私は、ただいま申し上げましたように、重症心身障害児というものは、一ぺんにできませんまでも、これも年次計画などを立てて、順次収容していくような御計画が必要ではないかと思うのでございます。この点は本会議のときにも申し上げたわけでございますけれども、ことしは、政府のほうでも重点施策の一つとして、重度の心身障害児の問題をお取り上げになっておるようでございますので、その点からもぜひ年次計画でも立てておやりになるようなお考えがないかということが一つと、もう少し総合的にやはり収容する、そうしてまた、こういう不幸な子供の発生をしないように、そういう原因の追及というのですか、そういうこともやっていかなければいけないと思うのですけれども、いずれにいたしましても重症の心身障害児、障害者に対する総合的な計画というようなものをお考えになっているかどうか、まずその点についてひとつ大臣の御答弁をお願いいたしたいと思います。
○鈴木国務大臣 重症心身障害児あるいは重度の精薄児、また重度の肢体不自由児、こういう気の毒なお子さん方の療育の問題、これはただにその子供さんだけの問題ではなしに、そういうお子さんを持つ御家庭をそういう療育の重荷からできるだけ解放してあげる、そういう意味合いでこの問題がきわめて重要な社会問題でもある、こういう伊藤さんの御意見は全くそのとおりでございます。私どももそういう認識に立ちまして、この重症心身障害児はじめ精薄児なり肢体不自由児なりの収容施設をできるだけ整備する、こういう考えでおるわけでございます。 昭和四十一年度に重症心身障害児の収容施設を全国で十一カ所、五百二十ベッドを国立で整備するということは、今後の年次計画のいわば第一歩である第一年度の計画として、予算措置を講じた次第でございます。私どもは、重症心身障害児の少なくとも三分の一、五千人程度が収容できるところの施設を第一期の計画といたしまして早急に国の手で整備をしたい、このように考えておる次第であります。
○伊藤(よ)委員 たいへん心強い大臣のおことばで、その点は私も喜ぶ次第ですけれども、ただ、現実の問題として、年次計画の第一年度としてことし十一カ所の国立の収容所をつくって、そうしてそれに収容されるのが、ふえるのが全部で五百二十ベッドですね。それではあまりに少ないと考えるわけでございますけれども、そこで十一ヵ所の国立の新しくおつくりになるのは新設でございますか、それとも従来あるいろいろな施設を利用しておやりになるのか、その具体的なことをちょっと伺いたいと思います。
○鈴木国務大臣 国立療養所等がございます場所につくるのでありますが、実質的にはこれは新設でございます。大体一ベッド百万円くらいの予算でこれを建設する、こういう計画で進めておるわけであります。この国立療養所のあります場所を選んだということにつきましては、やはりお医者さんの問題であるとか、あるいは看護要員の確保、そういうような点等を考慮いたしましてそういう場所を選ぶわけでありますけれども、実質的にはこれは新しい施設として建設をする、こういう方針に立っておるわけであります。ただ、先ほど伊藤さんがおっしゃったように、今年度五百二十ベッドでははなはだ心細いのではないかというお話がございましたが、こういう特別な療育介護を要する子供さんたちにつきましては、お医者さんにいたしましても、あるいは物理療法等をやります人につきましても、あるいは介護に当たる看護要員にいたしましても相当の人手を要するのであります。四ベッドを大体一単位に考えておるのでありますが、それに要する看護要員は四十名のお子さんに少なくとも三十名必要である、こういうことを考えました場合に、私どもは、まず第一年度としてそういう十一カ所に施設をつくりますと同時に、そういうところで今後必要な看護要員等の養成、訓練、研修というものをやりながら、そして長期の年次計画を実現してまいる、そういう考えでおるわけであります。
○伊藤(よ)委員 いまの、わずかでございますけれども五百二十ベッド、十一カ所新設されるのは、ぜひ完全に四十一年度に実現するように御努力をいただきたいと私は思うのでございますが、ただ、一般に療養所のあるところへおつくりになるという点で、従来の結核療養所なんかに結核が多いわけでございましょうから、心身に障害を受けた弱い子供さんが、結核療養所のあとなり要らなくなった施設を改善することには、何か不安を感じている向きもございますけれども、そういう点ではいかがでございましょうか。全然心配のないようにおつくりいただけるのか。 それからもう一つは、いま大臣がおっしゃいましたように、それに要するいろいろ必要なる職員が確保できるお見通しが確実にあるのかどうか、そういう点もあわせて伺っておきたいと思います。
○鈴木国務大臣 前段の、国立の療養所のあるところにそういうものを設置するということで、結核等に感染するおそれはないかということでありますが、国立療養所内の敷地等を活用いたすことにはなりますけれども、全然従来の施設とは別に新設をいたすのでございますから、そういうような心配は絶対にないように私ども措置してまいる考えでございます。 なおまた、今年度十一カ所にこれを開設いたします場合に、看護要員等十分確保できるかというお尋ねでございますが、この点につきまして、私どもも一番この問題が大切な問題であると考えておりまして、厚生省の中の児童家庭局、社会局、それから医務局等から関係者が出ましてこの開設準備のための準備委員会をつくりまして、万全の措置を講じてまいる考えであります。
○伊藤(よ)委員 私が特にその点をくどく申し上げますのは、ことしの一月でございましたか、例の有名なびわこ学園がまた増築でございますか、新設されて、そとが、せっかく建物ができましたのに看護婦さんがいなくて、新しい収容児はゼロで開所をせざるを得ないというような状況が新聞に伝わっておりました。また、これは必ずしも重症の心身障害児の問題ではございませんが、世田谷の子供病院の場合も、看護婦さんが不足のためにベッドがたいへんあいているというようなことも伝えられておりますので、その後の状況は、びわこ学園あるいはいまの子供病院など充足されておりますか。御努力の目標はわかりますけれども、現実の問題としてたいへんその点不安に思いますので、御答弁をいただきたいと思います。
○竹下(精)政府委員 ちょうどびわこ学園にいたしましても、あるいは国立子供病院にいたしましても、看護婦さんの卒業する時期が大体三月末ということになっておりますので、いわば一番むずかしいときに開園をしたわけでございます。そういう関係で開設当初につきましては問題があったようでございますが、四月一日現在私どものほうで調べたところでは、たとえばびわこ学園の場合は定員百六十名でありますが、現員は、まだ子供は九十名しか入っておりません。しかしながら、看護婦につきましては四十一名、看護助手は二十七名、そのほか保母十名、大体七十八名程度の職員を充足して、むしろ職員のほうがいまのところは児童よりもオーバーしておる、こういう状況でございまして、やはり職員を入れましてすぐ子供を入れるというわけにはなかなかまいりませんで、ある程度の訓練が必要でございますので、児童のほうも逐次入っていくもの、かように考えます。
○伊藤(よ)委員 大臣がほかの関係でどうしてもお席をお立ちになるそうでございますので、私はこれから法案についても順次御質問申し上げたいと思うのでございます。 この一昨年できました、そして今度一部改正されるわけでございますが、重度の心身障害児に対する扶養手当というものの額は問題になりませんけれども、私はこういうものを出すことによって、ぜひ収容しなければならない人たちを、家庭に閉じ込めるということではございませんが、在宅させて家庭に責任を負わせて、それで何か責任のがれのような結果になりはしないかということも一つは心配するわけでございまして、何としても、最初に申し上げましたように、重症の心身障害児というものはぜひ収容をして、子供さんのためにも、そうした子供さんを持つ家庭の福祉のためにも施設を充実強化して、そして最初に申し上げましたように年次計画を立てて、こういう人を収容してやっていくということがたいへん大切なことでございます。そして、それに伴って、ただいま申し上げましたように、何としてもこの収容施設の場合には、普通の場合でもそういう看護婦さんなんか不足のところへ、こうした重症の心身障害児、保護を要する児童などの施設の職員というものは特殊な教育や訓練も必要でございますし、普通の場合と違った、普通の子供さんなら親でもやらないようなことを世話していかなければなりませんので、職員の待遇の問題が非常に重要な点になってくるのではないかと思うのでございます。そういう人を養成する問題、そして待遇を改善し、確保する問題、そしていま一つは、私が先ほどちょっと触れましたように、何といたしましてもこうした子供さんを発生しないように、原因を追及していく点も、これは両立してやってまいりませんといけないと思うのでございますけれども、そういう点について、総合的な対策として大臣の御決意のほどをもう一度伺っておきたいと思います。
○鈴木国務大臣 まず第一点、今回の法律の改正によりまして、重度の精薄児だけでなしに、重度肢体不自由児あるいは重症心身障害児までに特別扶養手当を出すということは、収容施設へ入れないで家庭にこれを置かせるための一つの措置というか、そういうことではないかという御質問があったのでありますが、これは、さような考えは私ども全然持っておりません。基本的には、先ほど申し上げましたように、そういうお子さん方のため、またその家族を、養育に伴う非常な精神的、肉体的、また物質的な重荷から解放してあげねばいかぬ、こういう気持ちを持っておるのでありまして、できるだけ年次計画をもって収容施設を整備していく、国立のものを整備する、同時に、あるいは都道府県、市町村、あるいは民間のそういう収容施設をおつくりになる場合には、できるだけ国として助成の措置を講じて、収容施設を全国的に整備をはかる、これが基本的な方針であるわけであります。ただ、そう申しましても、一ぺんに全部の方々を収容するような施設をつくるということは、看護要員その他の問題等もございまして、これはなかなか困難な問題でございます。そこで、そういう施設を整備するという基本的な考え方と並行いたしまして、在宅のお子さん方に対しましても看護費の一部に充ててもらいたい、こういうことで今回の改正をいたした次第でございます。 それから第二の問題でありますが、そういう収容施設で働いてくださる看護要員、これは非常に御苦労の要る困難な仕事でございます。そういうようなことでございますので、ただいま人事院と、特にこの問題につきましては話し合いをいたしておるのであります。調整号俸の問題あるいは特別手当の問題、いろいろ人事院とも折衝いたしておるのでありますが、来たるべき公務員の給与改定の際には、この問題につきましても特別な配慮をしてもらいたい。また、そういうことになるように私どもも最善を尽くす方針でございます。国立の施設でそういう改善がなされますれば、それに準じて、今度は公立あるいは民間のそういう収容施設でお働きになる看護要員に対しましても、運営費の補助等におきましてはそれに準じた措置をとってまいりたい、かように考えておるのであります。 第三の、そういう気の毒な子供さんが生まれないように根本的な研究をやるべきではないかということは、全くそのとおりでございまして、今後、母子保健法の実施も見たわけでありますから、妊産婦等の健康管理等につきましては万全を期し、また、医学的にもそういう原因の探求ということに今後十分意を用いて、総合的な施策をやってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○伊藤(よ)委員 もう一つだけでけっこうでございますが、先日私が本会議で御質問を申し上げましたときに、世のおかあさま方がたいへん希望しておいでになる心身障害児に対するコロニーの問題でございますけれども、あの際に、大臣は、コロニーの建設について、国立でとりあえず一カ所設置することを計画している、それで年度内に、三月中にその候補地を決定いたしたいというような御答弁がありましたが、その点、いまどういうことになっておりますか。
○鈴木国務大臣 コロニーの設置場所につきましては、先般、群馬県の高崎市郊外観音山付近の国有林野約六十万坪をこれに充てることに決定をいたしまして、林野庁等とも十分その点話し合いがついております。今後、これに対しまして五十億ないし六十億ぐらいの建設費をもちまして総合的な施設を整備いたしたい、こういう考えでございます。
○齋藤委員長代理 暫時休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ————◇————— 午後一時十五分開議
○齋藤委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続けます。伊藤よし子君。
○伊藤(よ)委員 引き続いて法案に入りたいと思うのでございますが、この重度精薄児扶養手当法が制定されまして以来の予算のその後の消化率というのですか、三十九年に制定されましてからどういう状況でございますか。
○竹下(精)政府委員 予算の数字につきましては、あとでまた調べて御報告申し上げますが、三十九年度予算におきましては、対象を約三万余り見込んでおったわけでございますけれども、実際に支給した件数は、四十年三月末で七千六百四十二件という件数でございまして、見込みよりも大幅に減ったということでございます。
○伊藤(よ)委員 どうしてそんなに、当初三万の見込みだったのが——もうちょっとこまかくわかりませんか。その三十九年度がどの程度で、四十年度末で七千六百四十二件しか支給しておいでにならないわけですが、予算の内容はどういうことになっておりますか、大まかでけっこうですけれども……。
○竹下(精)政府委員 四十年度の当初予算は二億七千三百六万三千円でございまして、対象が二万一千五百五十九件であったわけでございますが、四十一年の一月末現在におきましては、支給件数が一万五百九十四件ということでございます。この当初に予定いたしました件数が、実際にはそれだけの数が出なかったということにつきましては、基本的には、その対象者の数が非常に把握しにくいという問題があるわけでございまして、私どものほうでは、三十四年に行ないました精神薄弱児の調査を基礎にして三万件という数字を当初考えたわけでございますが、その後は実際に件数がなかなか出ないという問題についてもいろいろ検討いたしました。また、四十一年度の予算の編成にあたりましては、四十年に実施いたしました身体障害者調査がございますが、それに関連して精神薄弱児、午前中問題になりました重症心身障害児、こういうものを合わせて調査いたしましたので、それを基礎にしてさらに検討を加えたわけでございます。その結果といたしましては、四十一年度の対象件数といたしましては、精神薄弱児、これは重症心身を含めまして一万三千百九、それから身体障害児、今度新たに入れる分でありますが、六千二百四十六、合計いたしまして一万九千三百五十五というのが、今度の予算の支給対象になっておるわけでございます。 どうしてそういうふうに少なかったかということにつきましては、第一には、先ほど申し上げましたように基礎調査が十分でないという点がございます。それから第二は、所得制限の問題があるわけであります。それから第三は、本制度についての十分な理解が得られなかったということ、あるいはむしろ家庭のほうでこういう子供がおるということを知られたくない、そういうような点がおもな原因だと考えておるわけであります。
○伊藤(よ)委員 せっかくの法律ができましても、ただいまお話しのように、非常に対象者が当初の予定より少なかった。確かにそれは、対象者の数が的確につかめなかったということもあると思いますけれども、私は、やはりいま局長がおっしゃったように、非常に所得制限がきびしかったということじゃないかと思うのです。これから法案に入っていくわけですけれども、一番この点が大きかったのじゃないかと思うのと、それから重症の精神薄弱児に対する認定、そういうものも非常に複雑な事務手続があったのじゃないかと思うのですけれども、そういう点も含めて、いままでの状況をもう少し詳しく御検討になっていないと、これから、はたして今度の対象が全部——四十一年度の今度は一万三千百幾らですか、それに今度加わります障害児、それが六千幾ら、これは大体予定どおりいくお見通しか、その点どうですか。いまの支給の条件、今度は多少改正になったらその条件で、はたしていくかどうか、そこら辺のお見通しはどうでございますか。それから、認定がたいへん事務的にむずかしかったのじゃないか。そういう点もあるのじゃございませんか。
○竹下(精)政府委員 第一に、認定の問題につきましては、児童相談所あるいは精神衛生相談所、そういう施設の先生の診断を得て行なうということを原則といたしておるわけでございますが、そういう専門の先生の利用ができないという場合には、とりあえず地元のお医者さんの診断をつけて出していただく、こういうようなことをとっておるわけでございます。そういう面でめんどうと申しますか、大体精神薄弱児自体を診断する、あるいは判定をするということ自体が若干めんどうなことは、手続上やむを得ないめんどうさでございまして、たとえばIQ三五ということになりますとある程度のテストも必要になりますので、その点は、できるだけ私のほうでも事務の簡素化その他にはつとめておりますけれども、一定の手続はやはり受けてもらう必要があるのじゃないか。そういう面で今後改善をはかるべきものは、十分改善をはかりたいと考えております。 それから、数字につきましては先ほど申し上げましたようなことで、今回は昨年の調査を基礎にいたしておりますので、この数字につきましては、今年度は相当支給件数が上がるものというふうに考えておる次第でございます。
○伊藤(よ)委員 大体こういうものは、本来からいって、所得制限をするということに私は問題があると思うのです。最初に申し上げましたように、重症なる心身障害児を収容施設に収容することが第一なんですけれども、そういう収容施設があまりに少なくて、やむを得ず家庭にいる人たちでございますから、家庭にそういう子供を持っておりますと、両親が働くことも困難なような特別なる手間がかかるわけなんです。ある程度収入があっても、普通の子供と違った養護費というか、介護の費用が日常かかるわけでございます。こういう点について、制度審議会などでも言われていたと思うのですけれども、所得制限を母子福祉年金などと同じようにするということ自体がたいへんおかしいことだと思うのでございますが、この点について特に大臣はどういうふうにお考えでございますか。
○鈴木国務大臣 所得制限の問題につきましては、特別扶養手当が介護のための手当、ちょうど施設に収容いたしました際における特別介護費、これに相当する意味合いのものでございますから、伊藤さんが御指摘になりましたように、所得保障とかそういう性格のものではない。この点からいたしまして、私も、できるだけ所得制限等は将来撤廃するようにしたい、こういう考え方で今後この特別扶養手当につきましてはよく各方面の理解を得るように、そういう方向に進めてまいりたい、こう考えております。
○伊藤(よ)委員 ぜひそういう方向に御努力願いたいと思うのでございます。 そこで、もう一度局長のほうにお伺いしたいのですけれども、いまの認定の問題などでも、現在の手続がかなり複雑でめんどうであるというととが、せっかくの障害児があがってこない原因にもなるかと思いますので、そういう点はできるだけ簡略にして、せっかくの法案の趣旨が生かされるようにひとつ御努力を願いたいと思います。ついでですけれども、生活保護の家庭にこの扶養手当が支給される場合には、生活保護費から差し引かれるのでございますか。
○竹下(精)政府委員 他の福祉年金と同様に、加算の手続をもって収入認定されないということでございます。
○伊藤(よ)委員 そういたしますと、公的年金との併給はできないわけですね。その範囲は——母子福祉年金などとは、併給されるようにこの前修正か何かあったと思いますけれども、そこらの点、公的年金のどういうものと併給ができないのか、具体的にお出しになっていただきたい。
○竹下(精)政府委員 公的年金との併給という意味でございますけれども、私どもで考えております併給という場合には、公的年金、たとえば厚生年金なら子供一人について四百円という加算がございます。そういう加算があった上に障害児である場合には、この金額もあわせてやるということを併給と考えているのでございますが、そういう意味の併給は、現在の制度ではないわけでございます。
○伊藤(よ)委員 私にはちょっとよくわかりませんのでお聞きするのですけれども、母子福祉年金をもらっている家庭の子供が重度の心身障害児であった場合には、母子福祉年金にプラスいまの千何百円ですか、それがもらえるのですか。
○竹下(精)政府委員 それはもらえません。
○伊藤(よ)委員 そういたしますと、併給はされないわけですか。あれは修正はされなかったのですか。
○竹下(精)政府委員 いま先生が御指摘のような場合には併給されないということでございまして、修正になりましたのは、児童扶養手当をもらっている母子家庭がございまして、たとえば二人子供がおりまして、一人は正常な子供である、一人は重度精神薄弱児、そういう場合に児童扶養手当が、修正前は両方に児童扶養手当が支給されるということでございます。そういたしますと、重度の精神薄弱児の扶養手当をつけても意味がないじゃないか、こういう話がございまして、そういう場合には、重度精神薄弱児の子供のほうにはこちらのほうの金を出しますという修正がされたわけであります。だから、それは併給と言うよりは、その子供自体には重精手当だけしか上げないわけであります。そういう修正があったわけであります。
○伊藤(よ)委員 そういたしますと、一般の年金、公的年金とはもちろん併給はされないし、それから加算というのですか、重度の者にやる今度の扶養手当は渡らないわけなんですね。公的年金をもらっている家庭の子供がもし障害児であった場合には、全然何の恩恵もないということになるのでございますか。
○竹下(精)政府委員 現在のたてまえでは先生のおっしゃるとおりでございます。
○鈴木国務大臣 先ほど私が申し上げましたように、この特別扶養手当は介護料ともいうべき性格のものでございますから、一般の所得保障の意味合いを持つ児童扶養手当でありますとかあるいは福祉年金等、そういうものと併給できる、そういう方向で将来これはどうしても改正をされなければならない、こう私考えておるのでありまして、そういう方向で努力をいたしたい、こう思っております。
○伊藤(よ)委員 いまの話からもわかりますように、大臣がおっしゃったように所得制限があるべきではございませんし、特に、いまの公的年金あるいは福祉年金などとの併給がないということは非常に問題だと思いますので、まずこの点から、ひとつ介護的なものであるという点で、ぜひ近い将来にできるだけ早くそういう制限を取って、重度の心身障害児——家庭にある場合には、収容できないで家庭にあるのでございますから、この場合にはせめてこれくらいの扶養手当はすべて渡りますように、こういう法改正をできるだけ早くやっていただきますように、この点は強く御要望申し上げたいと思います。 次に、支給の金額についてでございますけれども、いまの介護のために支給するわけです。介護に要する費用の一部を出すわけでございますが、それにつきましても私伺いたいのは、先ほど竹内さんのほうからも、ちょっと関連で質問したいと言っていらっしゃいましたけれども、現在収容いたしますと、一人当たりどのくらい重度の心身障害児の場合にはかかっておりますか。
○竹下(精)政府委員 四十一年度予算によりますと、月額約四万円でございます。
○伊藤(よ)委員 それに対して今回は、範囲は広くなるようですけれども、相変わらず一ヵ月千二百円でございますね。ずいぶん収容を希望していても、同じような条件の中においても収容施設が少ないために入れない人が、先ほどの局長の御答弁の中でもわかりますように、まだ一万数千人というような人が残っているわけでございまして、外にいる人のほうが軽いとは必ずしも言われないので、ずいぶん重い人でも入れない人がありますし、そして、いま言うように非常にきびしい所得制限がある中において、今度のこの手当の金額というのはあまりにも少なきに失すると思うのでございます。一ぺんにできないとはおっしゃいましても、少なくとも、現在のほかの女子福祉年金とかその他のいろいろな児童扶養手当にいたしましても大体毎年改正されて、今度もされるようですけれども、この重度の心身障害児に対してだけは、前の改正と同じ千二百円にとどめておかれるということは、たいへん私は納得がいきません。この点は、制度審議会でも少なくとも同じにしろという答申だったと思いますけれども、どうして千二百円でとどめておおきになったのか、その点……。
○鈴木国務大臣 この特別扶養手当は、先ほど申し上げましたように、介護料という性格をまずはっきりさせる必要がある、そういう意味合いから、この制度を改善いたします場合に私ども重点をどこに置いたらいいかという問題になるのでありますが、一つは、やはりその性格からいって所得制限を撤廃するということ、母子福祉年金だとかあるいは児童扶養手当であるとか、そういう所得保障的な制度と併給をさせる、こういう改正に一番重点を置いてぜひやりたい、私どもはこう考えておるのであります。 〔齋藤委員長代理退席、竹内委員長代理着席〕 金額につきましては、これは多いに越したことはないわけでございますけれども、ます制度として介護料的な性格をはっきりさせて、そしてそういう観点に立てば、所得制限を撤廃するとかあるいは併給の道を認めるとか、そういう点に重点を置いた改正をしたい。また、金額につきましても、私は決して千二百円が十分だとは思っておりませんので、この引き上げにつきましても妥当な改善ができますように今後努力いたしますけれども、順序からいたしますならば、いま私が申し上げたような心がまえでいきたい、こう考えております。
○伊藤(よ)委員 大臣のお話はわからなくはございませんけれども、それにいたしましても千二百円という金額はたいへん少ないと思うのです。今度の国年の障害年金ですか、これも今度は二千二百円になるようでございますね。この額自体も多いとはもちろん思っておりませんけれども、せめて私は、母子福祉年金なんかと同じ率くらいに上げるべきだと思うのです。大臣のおっしゃることは、御趣旨はわかりますけれども、いま非常に物価が高くなっておりますので、介護の一部に充てるといたしましても、前と同じ金額の千二百円では——大体ほかのものが多少でも上げられるときに、少なくとも児童扶養手当と同じくらい、あるいは障害年金と同じくらいの程度までにお上げにならないことはおかしいと私は思うのでございます。金額の多少ということではなくて、あまりに少ないし、ほかとの見合いからいっても、せめて、たくさん上げられなくても福祉年金程度にまでは上げるべきだと思うのですが、この点もう一度御所見を伺いたいわけです。あるいはいまからでも改正していただきたいと私は思うのですけれども……。
○鈴木国務大臣 今回、重度精神薄弱児から重度の肢体不自由児あるいは重度心身障害児というぐあいに範囲を広げる、こういうところに重点を置きました改正であったわけであります。昭和四十二年度の予算編成の際には、先ほど申し上げました私の考え方と、それからいまの支給金額の改善という面につきましては、さらに努力をいたす考えでおります。
○伊藤(よ)委員 その点は、どうもそのまま私は納得するわけにはいかないのでございます。この重度心身障害児の、今度名前を変えまして特別児童扶養手当、そういうものは、けさから申し上げておりますように、いずれにしてもいま社会的な、政治的な問題にまで進んでまいっておりまして、非常に不幸な子供さんを持った家庭の福祉にも関係してくる問題でございます。総合的な全体としての医療、あるいはその子供さんの保健、育児、家庭の福祉というようなすべての問題について今後とも一そう御研究されて、そうして在宅の人たちに対しても、指導と援護の手を十分に強めていっていただきたいと思います。 もう一つ、これは児童扶養手当にも関係してくることでございますが、所得の制限の問題で、今度の改正で受給資格者が二十二万円から二十四万円になるわけでございますね。そこで、それの額もたいへん問題でございますけれども、全体として、五人家族の場合に、所得の制限の限度が、一世帯年額八十一万七千五百円に今度は上げられるわけですね。ちょっと私よくわからないのでございますけれども、受給資格者が二十四万で、そしてその家庭の全体の収入が八十一万七千五百円というと、月額が六万八千円になるわけで、一応かなりいいような感じがいたしますけれども、現実には、家族全体の収入が、たとえば姉とか兄とかあるいはおかあさん、そういうものを含めて六万八千円になった場合にはもらえないわけなんですね。その前に、それだけにならないまでも、いまの受給資格者が二十四万をこえればもらえないわけですか。
○竹下(精)政府委員 今回の改正は、母子福祉年金等の福祉年金と同様の改正を児童扶養手当でもやったわけでございまして、御指摘のように受給者本人、つまりおかあさんが二十四万以下の収入の場合には手当が支給されるわけでございます。それから、おかあさん自体がそういう収入がなくても、おかあさんのおとうさん、つまり子供から見ればおじいさんが扶養しているというような場合が、こういった扶養親族の場合の例になるかと思いますけれども、扶養親族五人の場合が、御指摘のように七十一万六千四百円から八十一万七千五百円に上がった、こういうことでございます。
○伊藤(よ)委員 それはいまの特別児童手当も全部同じでございますね。
○竹下(精)政府委員 さようでございます。
○伊藤(よ)委員 先ほど申し上げましたように、扶養家族が五人といたしましてその収入がそれだけにならなくても、もし受給資格者と申しますか、扶養義務を持っている資格者が二十四万以上になれば、もらえないわけですね。家族全体の収入が月額六万八千円にならないまでも、受給者が二万円をこえた場合にはもうもらえないわけでしょう。
○竹下(精)政府委員 さようでございます。
○伊藤(よ)委員 ですから、そこが、この法案だけを拝見いたしますと、いかにも月額六万八千円までの家庭にもらえるような錯覚を起こすわけなんです。これを非常に強く前面に出しておいでになると、ちょっと六万八千円の収入のところまではもらえるのだという錯覚を起こすわけですけれども、それは父あるいは母親、そして兄弟の収入が合わせて六万八千円まではもらえる、しかも受給資格者が二万円以下であるということなんですね。
○竹下(精)政府委員 さようでございます。
○伊藤(よ)委員 ですから、たとえばおとうさんが二万ちょっとで、娘やむすこが働きに出ていて、しかもそこの家に重度の心身障害児がいるという場合でございますね。この場合も、もしおやじさんが二万一千円なり二万五千円取っている場合なら、もうもらえなくなってしまうわけですから、六万八千円に至らなくてももらえなくなるわけで、最初所得制限のときにも申し上げましたように、そういう点非常にきびしいと思うのです。ですから、こういう受給資格者の二万円の制限というのは、特に特別児童手当などの場合には少なくともこの点だけでももう少し改正をなさらないと、先ほど来大臣にも申し上げて、大臣もできるだけそういう制限を撤廃したいと言っていらっしゃいますけれども、いまのこと自体だけでも、私は法案だけ見ると、いかにも八十一万円までの収入のうちにはもらえるような錯覚を起こすわけなんです。その点……。
○鈴木国務大臣 特別児童手当につきましては、先ほど私申し上げたように、介護料という性格から言って所得制限は撤廃する方向で今後さらに努力をしたい、こういうことを申し上げたのですが、児童扶養手当の場合におきましては、いわば一つの所得保障の施策という意味合いになってくるのでありますが、この二十二万円から二十四万円に変わりましたのは、今回地方税法の改正が行なわれまして、市町村におきまして、非課税限度所得額が従来二十二万円であったものが二十四万円になったわけであります。これはそれに平仄を合わした改正ということであります。すべてが、この市町村民税の非課税の限度所得というものでいろいろな制度が運用されておる、こういうことでございますので、この児童扶養手当におきましてもそういうことに相なったわけでございます。
○伊藤(よ)委員 それはよくわかりましたけれども、私はやはり、全体の福祉年金あるいは児童扶養手当の所得制限の問題でも、それでも決して十分ではない、非常に少ないと思います。所得をもう少し高いところまでやらなければいけないと思いますが、特に私がいまここで申し上げたいのは、特別児童手当の場合には一そうその点が問題になると思います。少なくとも受給資格者の所得制限というものが、今度の御改正によって二十二万から二十四万に上がったというのだって、これは問題にならないと思うのです。せめてその点だけでも、ほかの、いまの介護料だという意味で福祉年金なんかと同じなんですから。特にいま御指摘申し上げたように、八十二万になると対外的にいかにもいいようですけれども、実質的には、受給権者が二十何万円をこせば、もらえなくなってしまうことになるんですから、いまこの際においても、少なくともこの特別児童扶養手当の場合には、私は、もう少し所得の制限というものを緩和しなければいけないということを特に要望したいわけなんです。 [竹内委員長代理退席、委員長着席〕 そこで、この児童扶養手当なんですけれども、これも今度の御改正で——もともとこの児童扶養手当というのは、私の記憶によれば、母子福祉年金で漏れていた生別の母子世帯に対して、その子供に対する手当だと思うのでございます。これはやはり、制度審議会の答申にも、当然母子福祉年金などと同じにすべきだということがございましたけれども、どうしてその答申どおりに、御改正のこの際に御一緒におやりにならなかったか。千二百円が千四百円ですか、それが今度の福祉年金のほうはもう少し多くなって、千五百円のが千七百円になるわけでございますが、せっかく御改正でございましたら、答申どおりこの際同じ千七百円に——母と子の世帯であることには違いないと思いますが、どうしてそこを御区別になっておるのか、伺いたいと思います。
○竹下(精)政府委員 児童扶養手当制度は、生別母子世帯のみならず、父が行くえ不明でありますとか、あるいは父から遺棄された世帯、そうした世帯を含めまして、できるだけ広範囲に児童の福祉という観点から支給しているわけでございまして、母子福祉年金が母と子の生活保障を目的として支給されるというのと若干ニュアンスが違いますのと、やはりスタートで両方が食い違っておった関係もございまして、現在まだ子供が一人の場合には若干の差があるわけでございますが、第二子以降につきましては、御案内のように同額になっているわけでございまして、手当額の引き上げにつきましては、答申の意見を尊重いたしまして十分検討してまいりたい、かように考えております。
○伊藤(よ)委員 片一方の母子福祉年金のほうは、母と子の所得保障のためであり、児童扶養手当のほうは、いま父親がいなくなったりした、そういう児童に対して広い意味で支給するのだとおっしゃるのですが、現実問題としては同じだと思います。しかも今度の御改正によると、二人以上の場合には母子福祉年金と同じです、逆に言えば。そういう考え方に立てば、それでは母子福祉年金のほうであれば、もう少しおかあさんに対する福祉年金がふえていかなければいけないのに、二人以上の子供の場合には、児童扶養手当と同じになってくるんですね。少しそこが混乱していろと思います。一貫性がないと思います。ですから、現実の姿としてはどういう状態であるにしても、おかあさんと子供の家庭であることには変わりはないし、そうして所得の制限があるわけですから、低所得で、しかもそういうような母親や子供の家庭ですから、そこで区別をしていく根拠がいまやないと思うのです。もしおかあさんに対するものも含まれているとすれば、母子福祉年金のほうを多くしなければいけないということになるのです、あとの二人でも三人でも。この点は今回の改正からでもぜひひとつ同じようにやっていっていただきたいと思うのですが、この点、大臣はどういうふうにお考えでございますか。
○鈴木国務大臣 今回は、前のやっておりましたものに対しまして二百円これを加算する、こういうようなことで法律の改正と予算の措置をいたしたのであります。確かに第一子だけの母子家庭につきまして母子福祉年金と違う、こういう点につきましては、私ども、いまのままでいい、こう決して思っておりません。この点は、私どもも、御意見のとおり近い機会に改定をいたしたい、こう考えております。
○伊藤(よ)委員 ただいま申し上げた点を強く要望して、私はそれで納得しているわけではございませんので、ぜひ今回でも改正していただきたいということを強く要望して、次に進みたいと思います。 この際、多少法案からそれますけれども、児童の問題が出ましたので、ちょっとお尋ねしておきたいのでございますけれども、神田前厚生大臣の時分に、できるだけ早く児童手当制度というものを創設したいという御意向が出ておりました。 〔委員長退席、齋藤委員長代理着席〕 ますますその必要性が高まっていると思うのでございます。三十九年度の厚生白書のお調べによりましても、月収手取り一万七千円ないし二万円の勤労者世帯の義務教育終了までの児童平均養育費というのが、三十七年度のお調べによっても五千八百十八円、そうして中学生の場合などには七千円以上でございます。それが二万円から四万円になりますと、月額平均して、二万円から四万円の勤労者世帯の平均養育費月額は八千三百七十四円で、中学生の場合なんかは、男が一万二千四十八円で女は一万二千四百四十一円とございますけれども、これは三十七年度のお調べですから、現在は、私はもっと高くなっているのじゃないかと思うのでございますが、この点最近のお調べがございますか。同じような御調査で最近幾らくらいになっておりますか。
○加藤説明員 先生のお尋ねのは、三十七年以降実施をしておりませんので、おっしゃるように生活水準の向上に従って上昇しているとは推定しておりますが、的確な数字は持ち合わせておりません。
○伊藤(よ)委員 私はこれを読んでたいへん驚いたのです。子供がございませんので、つい実感が薄かったのですけれども、いまのお答えにもあるように、三十七年度におきましても、とにかく二万や三万前後のような勤労者の家庭で、平均八千円あるいは一万円小中学生に要るといたしましたならば、小学生と中学生と二人子供をかかえている場合などには、両親の生活費というものはほんとうにわずかになって、特に物価高でございますから、ますます、子供を持った勤労者の家庭というものは非常に養育費がかかって困るわけだと思うのです。ですから、そういう点からも、ますます児童手当の制度というものが一日も早く実現することを私は強く要望するわけです。神田さんの時代に、もう一、二年あとには制度が発足するようなお話もあったのですけれども、現在どういうふうになっておりますか、いままでの状況をちょっと承りたいと思います。
○鈴木国務大臣 児童手当につきましては、私ども厚生省といたしましてもぜひ一日も早くこれを実現をしたい、こういう考えを持っておりますことは、神田厚生大臣と同じ考えを持っておるのであります。ただ、この制度を実施いたします場合におきまして、いろいろさらに掘り下げて検討を要する点が多々あるわけであります。一つには、かりに義務教育を受けております中学生以下の子供に対して、一人当たり月額千円手当を支給するといたしましても約三千億円の原資が要るわけであります。厚生省の昭和四十一年度の全体の予算は五千七百億円、こういうことでございまして、そこに非常に大きな原資が必要である。そこで支給いたします場合に、一律に千円ずつ支給したほうがいいのか、あるいはまた、所得の低い御家庭から逐次年次計画に従って広げていく、こういうやり方がいいのか、さらにまた、第二子とか第三子とかいうようなところから始めて、逐次全体に広げていくほうがいいのか、また、現在給与所得で生活をしている方々には家族手当という制度がございまして、その家族手当の中には、子供さんの養育あるいは教育に対する意味合いの手当というようなものも含んでおるわけでありますが、そういう現在ありますところの制度との関係をどう一体扱っていくか、いろいろ検討を要する問題がございますので、ただいま鋭意検討を進めておる段階でございます。しかし、先般も当委員会で申し上げましたように、新しい長期経済計画に見合った長期の社会保障計画というものを策定いたすべく準備を進めておるわけでありますが、この新経済計画に即応する長期の社会保障計画の中には、ぜひ児童手当という制度を織り込んだ計画にいたしたい、こう考えておるわけでありまして、できれば——まだはっきりした実施につきましてのタイムテーブルはきまっておりませんが、四十三年ころから実施に移せるような目途で鋭意準備を進めておる段階でございます。
○伊藤(よ)委員 ただいまお話が大臣からございましたように、確かに財政の問題もございましょうし、いろいろ関連する問題がたんさんございます。しかし、いま申し上げますようにますますその必要性が高まっておりますので、私がいまさら申し上げるまでもないことなんですけれども、児童手当制度は、年金の給付とか医療費の給付とか失業手当の給付、各制度と並んでの社会保障の一番大きな支柱でございますから、日本の国ではいろいろな社会保障の制度が一応形だけでも整いかけている中で一番足らないものの一つでございますから、いま大臣のおことばにございましたように、おそくとも昭和四十三年、あるいはできましたら一日も早くこの制度が実現いたしますように、一段の御努力を要望する次第でございます。 私は、次に、実は午前中という最初の予定であったものですから、拠出年金のほうについてはまたあらためて御質問申し上げることにして、きょうは福祉年金にだけ触れて御質問申し上げたいと思います。特にその中で老齢年金の問題を取り上げて御質問申し上げたいのでございますけれども、いまの年金制度の中で日ごろ私非常に感じておりますのは、老齢の福祉年金は、私どもが地域に帰ってみますと非常に喜ばれているものの一つで、額は非常に少ないのですけれども、積み立てをしないで現在老人が幾らかでももらえるということで、たいへん喜ばれているわけなのでございます。それにつけましても、老齢福祉年金の年齢の制限でございますけれども、今度の御改正によっても相変わらず七十歳以上の老人でございますね、この点は変わりはございませんか。
○伊部政府委員 今回の改正によりましても、御質問のとおり支給開始年限は七十歳でございます。
○伊藤(よ)委員 先ほどちょっと申し上げましたように、福祉年金の場合の支給の限度なんですけれども、非常に制限がある上に年齢が七十歳、低所得の人に対するものでございますから、いろいろ苦労をしてやってこられた方は、どちらかといえば早死にが多いわけでございます。もう六十歳以上になると、たいへん生活状態のいい方から比べればからだも弱ってくる。これは他の拠出年金あるいは公的年金等と比べましても、この際改正にあたって、少なくとも年齢を六十五歳ぐらいには引き下げらるべきだと存じますが、この点大臣はどういうようにお考えになっておりますか。せっかく喜ばれている福祉年金であるのに、七十歳にならないでこれをもらえないまま死んでいく人が多数その対象になる人たちの中にあると思いますが、今度の改正では、私はこの年齢の引き下げをやるべきだったと思うのですが、この点どのようにお考えになっておるか、伺いたいと思います。
○鈴木国務大臣 老齢福祉年金の開始年限を七十歳から六十五歳に引き下げたらどうかというお尋ねでございますが、拠出制の老齢年金の給付が六十五歳から実施されておるわけであります。それを無拠出の者につきまして六十五歳にするというようなことは、拠出をやっておられる方々に対しまして均衡上いかがかと、こう私は思うのであります。 〔齋藤委員長代理退席、委員長着席〕 一方、社会保障、社会福祉という趣旨は、これは私どももあくまで十分生かしていかなければならぬとは思っておりますけれども、拠出しておられる方も無拠出の方も同じような年齢で給付が開始されるということにつきましては、いまの段階ではどうも均衡上適当でない、私はこう考えておるのであります。しかし、今後におきまして、一挙に六十五ということでなしに、逐次これを近づけていくというようなこと等につきましては、審議会等の御意見を伺いながら政府としても検討を進めてまいりたい、かように考えます。
○伊藤(よ)委員 私は、その点大臣のお考えには賛成できないのです。なぜというと、福祉年金を支給される対象とそが、一番こうした年金を支給しなければならない対象なんでございまして、拠出をしている人との間に区別をつけなければいけないという考え方自体が、私はたいへん問題があると思います。一番社会保障を受けなければならない階層の人で、特に今後立ち直ってまたあらためて働くというようなことがもうできない老人で、そしてお金が拠出できない人に渡るわけなんです。そういう点については、特に一番最初に社会保障の対象として引き上げていかなければいけない階層なんでございますから、拠出しているから、いないからという、多少でもそこに区別する考え方が大臣におありになるようないまのおことばでございますと、私はその点非常に不満なんでございますが、これはもう何としても私は六十五歳からに年齢を引き下げてやるべきだと思うのです。拠出しているから、いないからという区別は、私はどうしてもいまの大臣の御答弁では納得できないのですが、その点もう一度お考えを承りたいし、私は、今回この改正にあたって年齢の引き下げをやるべきいま時期だと思うのですけれども、いかがでございましょう。
○鈴木国務大臣 老人福祉年金対策は、この年金の制度だけでなく、総合的にいろいろな面で老人福祉対策を進めねばいかぬ、こう考えておるわけでございますが、この老齢福祉年金につきまして拠出制の老齢年金とどうしても開始年限を同じくせねばいかぬ、いま直ちにそれをせねばいかぬというような考えは、私いまのところ持っておりません。先ほども申し上げましたように、一挙に六十五ということでなしに、逐次それに近づけるという意味合いで、今後におきまして審議会等の御意見も伺いながら、また具体的な年次計画等を検討しながら、その改善につきましては十分考えていきたい、こう思います。
○伊藤(よ)委員 くどいようでございますけれども、私はただいまの大臣の御答弁でもどうも納得できません。ともかく母子年金も、もちろん子供が将来育っていく上にたいへん大切なものでございますけれども、将来のない老人に対して、そしていまも所得の制限が非常にきびしいのでございますから、物価高にあえぎ、せっかくのこういう福祉年金制度があるのに恩恵を受けられないで早死にしていく人たちに対しまして、私はぜひ、せめてほかの公的年金と同じような六十五歳から支給すべきだと思います。この点は、私はただいまの御答弁にどうも満足できません。 もう一つ、特に申し上げたいのは所得の制限の問題でございます。先ほど来と同じような条件になってくると思うのでございますけれども、今度所得制限も、老人自体が月二万円、二十二万から二十四万に同様引き上げられるようでございますけれども、この老人自体収入がない場合、あるいはある場合でもそうでございますが、家族が五人、その老人も入れて六人でございますか、その場合に、月額六万八千円に今度御改正になるわけですね。それは、老人自体が二万円ですか受給者自体の制限と同時に、扶養義務を持っているその家庭の収入が六万八千円ということでございますか、その点……。
○伊部政府委員 扶養義務者の所得制限限度額は、今回の改正法案によりまして、標準世帯の場合、七十一万六千四百円から八十一万七千五百円に引き上げられております。
○伊藤(よ)委員 その点でございますけれども、いま五人、六人の場合に、大体六人ならば夫婦と老人がおりまして、そして子供がおるとすれば二人なり三人おるわけですね、それで年間百万ぐらい。今度の御改正は、月収ではなくて所得一切で八十一万円でございますね。そうすると、ボーナスやいろいろなものもみんな入っての全所得が、その家庭においては八十一万円が制限限度である、そういうことでございますね。
○伊部政府委員 ボーナスその他を含んでおるわけでございます。
○伊藤(よ)委員 そうしますと、大体四、五万ぐらいの収入の家庭の老人のことになるわけですけれども、今度の御改正で、幾らか引き上げられていいのでございますけれども、私たち身近にいろいろ実例を知っておりますが、なかなか世帯主の所得が少なくて、その上に物価など値上がりのために、おかみさんなりが内職をちょっといたしますと、そうすると従来もらっておったのが次の年からはもらえなくなったというような人が、たいへん訴えられておるわけです。まあ多少の引き上げは今度されていくわけですけれども、四、五万の収入で子供が二人なり三人なりある家庭では、先ほど来申し上げるように子供の養育費というものがたいへん高くなってきておりますし、大学までいってないにしても、もし高等学校の場合などですと、子供の学費等で非常にかかるわけです。したがって、そういう家庭では、なかなかおじいさん、おばあさんにまで小づかいが渡らないのです。これはもう実際の実情としてそういうことがあります。いまのように、ちょっと内職でもやって、収入が三万円あるいは四万円年間にふえたということになりますと直ちに差しとめになってと、私が敬老会で一緒になった老人が非常に嘆いておりました。嫁が内職をするようになったら、さっそくとめられたというようなことを言っておりましたけれども、これは多少上げられても全体の物価が高くなっていますから、名目所得は上がっても内容は同じだと思うのです。そこで、この老齢福祉年金の場合には、もちろん大きいところの全体の所得の制限はある程度やむを得ないと思うのですが、少なくとも老人自体に収入がない場合には、家族全体の収入があっても、この老齢年金はいまの場合七十歳ですけれども、それぐらいは渡るように、少なくともいままでもらっておって、家庭でわずかの収入が上がったからすぐもらえなくなるというような、むしろ悲惨なような状況が出ないように、そういうきめのこまかい配慮をしていかなければいけないと思うのですけれども、こういう点についていかがでございましょうか。
○伊部政府委員 ただいま伊藤先生から御指摘がございましたように、福祉年金の支給を受けておる方が、子供の所得が上がったために翌年は受けられないというようなことがないようにということをめどといたしまして、今回約七十二万から約八十二万へ一四%引き上げたわけでございます。なお、この扶養義務者の所得の計算にあたりましては、世帯の中の最多収入者で計算をいたしております。合算はいたしません。
○伊藤(よ)委員 その点は幾らかあれでございますけれども、ぜひ私はきめのこまかい——いま申しましたように何人もの人からそういうことを訴えられておりまして、わずかばかり嫁が内職するようになったらとめられた、それもほんとうに一万か二万ぐらいの額のようですけれども、規則どおりやられるとよくそういう例が方々に起きているようで、こらは二つも三つも耳にいたしておりますから、そういうみじめな状態にしないように、繰り返し申しますけれども、そういう家庭ではなかなか老人にまで小づかいは渡りませんので、老人自体が収入がないという場合にはできるだけその制限を撤廃して、現状においては百万くらいの世帯でしたらなかなかそういうところに手が回らないというような状態ですから、きめのこまかい施策をやっていただきますように、これは御要望をしておきます。 もう一つは、たいへんこまかいことなのですけれども、七十歳からでないと福祉年金は渡らないそうですから、それまではないわけですね。それで、六十五歳くらいで身寄りがなくて養老院に入っている人がいて、からだも悪い。ひどく悪ければそれは医療保護ですかになるかもしれませんが、そういうところに入っている、そういう人たちに小づかいがない。非常にみじめで、せめてその半額でも早く支給してもらうというようなことは——先ほど来申し上げましたように、低所得で身寄りもなくて、もう六十五歳くらいで、たいへんからだが悪くなっているのです。ところが、同じ施設の中に入っている七十歳からの人は、千円でも千二百円でももらえますから小づかいがあるわけですけれども、その人たちにはないので、これはたいへん方々で訴えられることなのですが、そういうところに入っている人に対しては、法の改正というよりも特別に何かできないものでしょうか、少し早目に支給するというようなことは。
○伊部政府委員 ただいま御指摘のようなことは、老人ホームに伺いました際にはよく伺っておる問題でございますが、ただ年金制度は、一定の年齢をきめましていわば標準的な給付をいたす関係上、年金制度のワク内では、ただいまお話しのようなことはなかなか困難ではないかと思うのでございますが、先ほど大臣の御答弁がございましたように、この問題につきましては引き続き検討してまいりたい、かように考えております。
○伊藤(よ)委員 いま私は特に老人の問題だけにしぼったのですけれども、これはいずれあらためて全体の問題も御質問申し上げたいと思っているのですが、大体、長い年月積み立てをして、そうして今度の御改正によっても二十年なり二十五年あとに五千円とかいうことになりますと、いまのような非常に貨幣価値が変わっていきつつあるような状態の中で、全体として積み立てという問題は私は問題があると思うのです。やはり働けるときに税金の形でその時代の人が出して、そしてそのときの老人にはすべて年金がもらえるというような制度にしていく必要があるのじゃないか、そういう方向へ向かってやっていくのがいいのじゃないかと考えるのですけれども、特にこの福祉年金の場合には、現在相当な老齢になって積み立てもできない人たちなんですから、特に所得の制限などをできるだけ緩和すると同時に、その額もできるだけ多くして——今度の御改正によっては、いままでの老齢福祉年金の場合には幾らになるわけですか。
○伊部政府委員 月千三百円が千五百円に、二百円の引き上げでございます。
○伊藤(よ)委員 そのまま千五百円に引き上げられましても、もちろんこれは生活の保障になるものではございませんが、こういう額をそれでももらえる人は喜んでいるわけですから、私は、特に老齢年金の場合など、できるだけ年金額を引き上げていくと同時に、支給の制限を緩和することと、そして年齢を絶対六十五歳にせめて現状において引き下げる、そういうことをできるだけ早く実現するように、この点を重ねて御要望をして、一応きょうの私の質問を終わりたいと思います。あらためてまた年金について申し上げたいと思いますけれども、最後に、私の希望に対してもう一ぺん大臣のお考えを聞かせていただいて、質問を終わりたいと思います。
○鈴木国務大臣 福祉年金の給付の改善、また老齢福祉年金の給付開始の年限を引き下げるという問題につきましては、私どもも、十分今後の検討の課題として前向きで研究を進めたいと思います。
○田中委員長 次会は明十二日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十三分散会