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51回国会衆議院1966/02/24

社会労働委員会 第4号

発言数
47
登壇者
5
会派数
3
開催日
1966/02/24

会議録

田中正巳自由民主党

○田中委員長 これより会議を開きます。  厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。吉村吉雄君。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 委員会初めての厚生関係の質問ですから、これからたくさん時間もあろうと思いますので、きょうは厚生省の予算の一般的な問題等について、主として厚生大臣の見解、あるいは将来の厚生行政、なかんずく社会保障政策の展望なり計画、こういった事柄について若干質問をしたいと思うのです。  四十一年度の予算の特徴というものをとらえてみますと、何といいましても戦後初めて公債が発行される、公債政策に踏み切ったということが非常に特徴的なものだろうというふうに考えます。この公債発行全体の問題が、どういう影響をわが国の将来あるいは今日の国民生活に与えるかということにつきましては、予算委員会等で相当議論をされておりますので、私はそれ自体についてはあまり深く触れようとは思いません。ただ、私がここで指摘をしておきたいと思うておりますのは、公債政策をとらざるを得なくなったということについては、十分政府みずからも反省をしながら慎重に対処していかなければならぬのではないか、このように考えます。私どもいろいろ見たりあるいは聞いたりしておるものの中で考えさせられますのは、あまり刺激が多いことばでありますけれども、戦争ということあるいは戦時経済的な方向――戦争というような事柄は、いつの時代でも、あるいはだれも戦争をするといって始めた例は私はないと思うのです。問題は、戦争政策をしていかなければならないような経済状態、そういうものがその国に起こってくるということになってきて初めて戦争に入らざるを得ない、こういうような事柄が今日までの世界の歴史ではないかというふうに私は考えます。現在のベトナムにおける戦争の状態一つをとらえてみましてもいろいろの見方があるようでありますが、一説によりますと、いまアメリカの景気は非常に好況を保っておるというふうにいわれますけれども、それはベトナムの戦争というものがあって、初めて景気が保たれているのだという見方もあることは御存じのとおりです。私どもは、そういうようなことを考えてみますと、この公債発行の政策というものが、戦争というところまでいかなくとも、戦時経済的なあるいは対外の資本進出、そういうものをしなければならないような状態、そういう危険な状況に一歩一歩深入りするのではないかということを非常に心配するものでありますけれども、この点はずいぶん予算委員会等で議論をされましたから、深くここで触れようとは考えません。  私がここで申し上げたいと思っておりますのは、その国の国民に対するあたたかい政策の最も中心をなす、あるいはバロメーター的だというように見られますところの社会保障費というものが、本年度の予算の中でどういうように位置づけられ、あるいはどういう性格を持ち、将来に対してどういうような展望のもとに組み立てられておるのかということについて、所管の大臣であるところの厚生大臣から種々お伺いをしたいというように考えます。初めに、いま私が申し上げましたような点につきまして、厚生行政全般の責任者でありますところの大臣は、どのようにお考えになっておられるかをお伺いしておきたいと思うのです。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 昭和四十一年度の予算は、前年度当初に比べまして、御承知のように一七・九%増の四兆三千億台の大型予算でございます。これは、いま吉村さんもお触れになりましたように、財政の積極的な発動によって、停滞しておる景気を回復しよう、不況を克服しようという大きな目的がそこにあると存じます。  そこで、この大型予算の中で重視されます点は、公共投資をはじめ社会資本の充実ということ、それからさらに大幅な減税を行なう。そして企業に蓄積をさせ、また国民にゆとりを与える。そこから有効需要を喚起いたしまして景気の回復に資そう。さらにもう一つの柱は、減税の利益に浴しないところの低所得の階層に重点を置きました社会保障の充実ということにあるのでございます。厚生省予算は五千八百億台になったわけでございますが、一般会計全体の伸びが一七・九%であるのに比しまして、厚生省予算は二〇・四%というぐあいに、社会保障を重点といたしました諸施策に政府が力を入れておるということは、この数字によっても明らかであろう、こう思うわけでございます。  そこで、私は、この厚生省予算の編成にあたりまして、また大蔵大臣との折衝にあたりまして、社会開発の中に占めるところの社会保障の厚生省の予算というものがいかに重要であるかということを強調いたしまして、医療保障あるいは所得保障、あるいは生活保護費その他の社会福祉の諸施策に対しまして、十分とは言いませんけれども、私としては最善の努力を払ったつもりでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 四十一年度の予算の中で、あるいは予算編成過程で、大臣がどういう考え方で予算を組まれ、その中で国民のための生活、すなわち社会保障の充実のために十分努力をしたという趣旨の答弁があったわけでありますが、そこで私がお伺いしたいのは、社会保障関係の諸団体、あるいは政府、厚生省みずからの関係者の発言等によりますると、明年度の社会保障関係の要求予算については、会計課長の言をもってすれば、大臣の努力によって一〇〇%以上までこぎつけたということが、ある報道紙には語られております。あるいはいまの大臣答弁によりましても、不十分ながらも全力を尽くして、とにかく二〇・三%という一般予算の伸び率からすれば、相当高い伸び率を示した、こういう自信のほどの答弁があったわけでありますが、そこでお伺いしたいのは、四十年度の予算編成当時に比べまして、四十一年度の予算編成当時は、一体新規の財源というものは政府全体としてどのくらいあったのかということをお伺いしたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 当初当然増、自然増等をいろいろ考えました場合に、相当大型な予算でありますけれども新規の政策予算というものは、なかなか十分各方面の要望にこたえるように確保することが困難である、こういうことが大蔵大臣から予算編成方針の際に御説明がありまして、新規政策費に充てられるものは千五百億程度ではなかろうかということを当初非常に強く強調をされまして、そして既定経費の節減、そして重点的な予算の配分というものを予算編成にあたって各省に要請された次第でございます。厚生省といたしましても、公債まで発行して、借金までして景気対策のための予算を編成する際でございますから、できるだけこの予算編成方針の趣旨に沿いまして、そして効率的な、また重点的な施策に予算をつけるということに特に本年度は意を用いた次第でございまして、厚生省の予算の増加額は一千億ございますが、その自然増は六割程度でございます。新規は四割、大体そういう配分に相なっておる次第でございます。しかし、先ほど申し上げましたように、四十一年度予算の全貌から見まして、非常に新規の政策予算が少ないという中におきまして、厚生省におきましては四割程度のものを新規の政策費に振り向けることができたということでございまして、私は、先ほど申し上げましたように十分とは申しませんけれども、ガン対策をはじめ、あるいは重症心身障害児対策等、厚生省がぜひ世論にこたえてやらなければならない、こう考えておりましたところの重点政策は柱が立った、私はかように考えておる次第であります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 大臣のいまの答弁は、私の質問の趣旨を厚生省予算の問題だけに限定されたようでございますが、私が質問いたしましたのは、国の一般会計予算の編成の中で、四十年度に比較して四十一年度はどのくらいの新規財源が予想されたのかということをお尋ねしたつもりです。それで、政府で出しておりますところの予算説明を見てまいりますと、たとえば四十年度同様に税法に基づいて租税あるいは印紙収入、こういうものを予定いたしますると、大体租税と印紙収入で三兆四千億の金が予測ができる、こういうことが明瞭でございます。しかし減税を行なっておりますから、したがってこの減税の問題等を考慮いたしますると、大体本年度、四十年度に比較をしまして四十一年度の税収入増というものは二千八十九億円、こういうふうに説明をされております。さらに、先ほども申し上げましたように、本年は七千三百億という公債の発行をいたしておりますから、非常に大ざっぱな議論でありますけれども、四十年度に比較いたしまして、四十一年度の余分に捕捉をし得たところのお金というものは合計して九千三百八十九億円、こういうことにならざるを得ないと思うのです。  そこで私は、佐藤内閣の四十一年度に対する政策全般、その政治の姿勢というものは、この九千三百八十九億、約九千四百億の新規財源というものをどのように、どう充当をするかということによって明らかになってくるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。そこで、この新規財源の充当のしかた、これらを分析いたしてみますると、冒頭に大臣から説明がありましたように、社会保障あるいは公共事業、減税、こういったものに充てたものがあるわけでありますが、この中で社会保障というものがどういう割合を示しているのかということを見れば、新年度に対するところの佐藤内閣の政治姿勢、あるいは社会保障に対するところの熱意の程度、こういうものが明瞭になると考えて実はお聞きしたわけでありますが、厚生省予算の関係で答弁がありましたから、そう深く追及をしません。  ただ、ここでお聞きをしたいと思いまするのは、政府のこの予算編成に対する態度についてでございますが、従来の例から私どもが見聞をいたしておりますると、新しい年度に対する予算編成の作業というものは、大体のところ、大蔵省のほうから各省ともに何%増しの要求を出させる、その場合に五〇%増しの要求という場合もありまするし、あるいは三〇%に押えるということもある、こういうようなことで各省からそれぞれの要求を持ち寄って、最終的に大蔵省の査定、あるいは今度は一番最後には政府としての閣議決定、こういう経緯を経てきておるのですけれども、私は、国のこの政治姿勢の中で政策を担当する者が考えなければならないのは、その年度あるいは翌年度、こういうものについて、どこに重点を置いた施策を行なっていくかということを中心にしてやっていかなければならないだろうと思うのです。  そういうようなことを考えてまいりますと、今日の日本の状態におきましては非常に所得の格差というものが増大をして、一方においては非常に富める者があるかと思いますと、一方においては非常に貧困な者が生まれておる。こういう中では、社会保障というものの全般の政策について、それこそ別ワク的に、文字どおりもっと重点的な施策というものを、予算編成の過程からそういう方針をとっていかなければ、いかに厚生大臣が夢中になってやったとしても、全体としてのワクはそう広がらないのではないか。政府としてまず社会保障というものをどうとらえ、あるいはどのように発展させるかという立場に立つといたしますならば、いま言いましたような三割増しとか五割増しとかいうような要求をさせる、その事態からまず改めていかなければどうにもならぬのではないか、こういうふうに考えるのでありますけれども、いままでの政府の予算編成の作業というものは、遺憾ながら各省ともに同じような割合で要求をさせて、最終的に閣議決定をする、こういうような方向でやっておったのでは、どうも各省のなわ張り競争みたいな結果にだけ終わってしまって重点施策というものがぼけてしまう、こういうきらいなしとしないと私は感じておるのですが、この点について大臣はいかがお考えになっておられますか、お尋ねをしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 いま吉村さんから御指摘がありましたように、昭和四十一年度の予算編成にあたりましては、当初、各省に対しまして、前年度当初予算に対して三〇%増のワクで予算要求をしてほしい、こういうことを閣議で大蔵大臣から要請がございまして、各省は省議によって当初要求を決定いたします際に、おおむねこの大蔵大臣の提案の趣旨を体して予算要求の原案を取りまとめたのでございます。しかしながら、この最後の予算の編成にあたりましては、御承知のように、昨年の暮れに閣議におきまして予算編成方針を決定いたしたのであります。その予算編成方針の柱は、先ほど申し上げましたように、公共事業をはじめとする社会資本の充実、それから大幅な減税、社会保障費の増額、これを予算編成の大きな柱といたしまして、そういう予算編成の方針に基づいて大蔵省が査定を始め、また党及び各省と大蔵省との折衝におきまして、この予算編成方針というものさしによって最後の予算案が決定を見た、こういうことでございます。これはいろいろ批判があろうかと思うのでありますが、全然当初からめどをつけずに各省に要求をさせますと、いろいろ予算編成上支障を来たすおそれがある。また、財政規模ということが非常に大切な問題でもあるわけでございますので、おおむね前年度比これだけの規模の予算にしたいというめどを示しながら、各省からそのワク内で重点的、効率的な予算の要求を求めて、さらに内閣全体として、予算編成方針でさらに重点をしぼって、そうして最終的に予算の決定を見る、こういう順序に運んでおる次第でございます。いろいろこの編成方針につきましては御意見なり御議論があろうかとは思うのでありますけれども、政府としては、そういう方針で四十一年度の予算の編成を行なった、また、その結果、厚生省の予算はおおむね予算編成方針の趣旨に沿って編成されたものであるということをお答えいたしたいのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 経緯については大体新聞等でわかっておるわけです。ただ、私が大臣の所見をお伺いしているのは、そのようなやり方が、一体国の重点施策というものを進めるのにあたっていいかどうかということについての大臣の見解をお聞きしているわけです。どうしてそのことを申し上げるかといいますと、各省ともそれぞれ新規の事業、新規の政策あるいは自然増、こういったものについて予算をふやしていかなければならないというのは、今日の日本の行政機構の中では当然あるだろうと思うのです。ですから、それを同じように三〇%増しの要求をさせて、そしてあとで閣議でもって重点施策というものをきめる、こういうようなやり方よりは、むしろ本年度の重点施策というものは、最終的に四十一年度の場合で申し上げますると、大臣の答弁等からわかるように、大幅な減税あるいは公共事業あるいは社会保障、こういったところに重点を置くとするならば、予算編成の当初の作業の際にそういうことをきめた上で、そして厚生省関係ならば五〇%台の要求をさせる、あるいはその他の関係ならばもっと少なくさせる、そういうことによって初めて重点施策というものは効果をあらわしてくる、こういうふうになるのではないかと思うのです。そうでないと、大臣がやはりそれぞれの行政機構の中で、これもしてもらわなければならない、あれもしてもなわなければならないというのは、これは厚生大臣の立場も、あるいは防衛庁長官の立場も、労働大臣の立場も――この立場というものは全く私は同じだろうと思うのです。そういうことで予算折衝が大蔵大臣とそれぞれの角度で行なわれる、こういうようなことは、私は一つの、行政府のあり方としては非常に遺憾なあり方ではないかという気がしてならない。一つの政府の方針というものが、一つの政府のもとにいろいろの政策を遂行しようとするのですから、それはやはり、本年度の重点の施策はこれだ、こういう目標に向けて全閣僚が協力する、こういう体制をつくり上げなければ、正しい意味での重点施策というものを実現することにはならないのではないか。明年度の場合でも、たとえば世上一般に言われておりますように、これはできたもの、実現したものがどうとかこうとかいうものではありませんが、恩給の増額等についても、全く何の前ぶれもなくこつ然とこれが実現をした。こういうようなことを考えてみますると、どうも予算編成の過程というものが、国が一体どれを中心として政策を進めようとするかについて、国民からほんとうに信頼をされ、国民からほんとうに協賛をされる、そういうようなやり方になっていないではないか、こういうふうに考えられますので、そういう点についての大臣の所見は一体どうなのかということをお尋ねしているわけです。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 吉村さんの御意見は、まず内閣の超重点政策をきめて、それから各省にその線で予算要求をさせる、これが内閣の政策をはっきりと予算の上に具現できる一番いい方法ではないか、こういう御提案でございます。私もその御趣旨には全く異存がないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、四十一年度の予算は、公債政策を採用するという画期的な予算の編成であるわけであります。この公債政策をとります以上は、財政規模のあり方ということが、今後の日本の経済の動向に重大な影響を持つわけであります。公債に財源を求めるのであるから、あまりに安易に流れて、そして予算を総花的、あるいは財政規模をあまりに大きくするというようなこと等になるようになりますと、しばしば社会党の皆さんや何かの御指摘になっておりますように、インフレになりはせぬかというような危険等もあるわけでございます。私は、そういう意味合いからいたしまして、公債政策という画期的な予算編成に踏み切った際における政府の心がまえといたしましては、この財政規模を十分慎重にまず推しはかって、そして四十年度の予算に比べておおむねこの程度の増額にとどめたい、これが適正な財政規模である、こういうめどをつけて、そうしてその上に立ってその中において重点政策を織り込んでいくということが必要である、こう考えるわけでございます。そういう意味合いからいたしまして、いつも前年度比五〇%増程度の予算要求を各省からさせておりましたのに対しまして、四十一年度は、御承知のように三〇%増程度に押えてもらいたい、こういう大蔵大臣からの提案があったわけでございますが、その際におきまして、これは新聞にも出ておりまして吉村さんも御承知であったと思うのでありますが、厚生省のように当然増の非常に多い特殊な省、そういう性格の予算を持っておるところの厚生省に対しては、三〇%というようなワクをはめることはこれは適当でないと考える、だからそういう自然増、当然増の多い特殊な予算については特別に配慮すべきであるということを、私はその際の閣議においても発言をいたしておったところでございます。私はそういう態度で四十一年度の予算の編成に当たりましたし、また大蔵大臣も、厚生省の予算の特殊性、また予算編成にあたって社会保障費を重点的に取り上げるという内閣全体の方針からいたしまして、先ほど申し上げましたように、全体としては前年度比一七・九%であったものが、厚生省については二〇・四%というぐあいに、われわれの考えているものがほんとうに数字の上にもはっきり出ておるということを申し上げておきたいと思うのであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 大臣の答弁を要約いたしますると、やはり超重点の施策について方針をきめてやったほうがいい、こういう考えのようです。それであればこそ、閣議においても、厚生省のごときは特別にという主張をなされたのだと思うのです。私は、そういうような考え方というものを、もっと政府全体の政策として、もう少し明確に具現されるような当初からの予算編成方針というものをとってもらうように、特に今後とも努力をしてもらいたいと思うのです。社会保障の関係だからという問題ではなしに、国全体の予算編成の方針上の問題として重要な点ではないかと思いますから、その点は特に要望をしておきたいと思うのです。  それから、次に、社会保障関係の予算の中身の問題でございますが、政府の予算説明で調査をいたしてみますると、社会保障関係の予算というものについては、四十年度の当初予算に比較をして四十一年度の増加額というものは、大体、先ほど大臣答弁のように千五十億ということになっております。それから補正後の予算と比較をいたしますると、約七百七十六億ということになるようでございます。それで、この七百七十六億のいわば新規財源とでもいいましょうか、そういうものがどう今度は社会保障関係の施策の中に分配をされるかということによって、四十一年度の社会保障関係の政策というもの、これが大体全貌が明らかになってくるだろう、こういうふうに考えまするので、その点について少しくお尋ねをしていきたいと思うのです。これは会計課長、七百七十六億の補正後の予算に対する四十一年度の増加財源というものは、大体生活保護、社会福祉あるいは失対、保健衛生費、社会保険、この政府の社会保障予算編成の項目に従っていえば、どのように増加をされておるのか、明らかにしていただきたい。

戸澤政方厚生事務官(大臣官房会計課長)

○戸澤政府委員 社会保障関係の経費を、予算の説明の中にも示してあると存じますが、おもな内容に分けて書いてございます。生活保護費とかそれ以外の社会福祉費、それから社会保険費、それから失業対策費、保健衛生対策費、そういった大体大きな五つの項目に分けてございますので、その分類に従って申し上げてみますと、この社会保障関係の四十一年度予算についてその構成比を申し上げますと、社会保障関係費四十一年度の全体の予算が六千二百十七億ほどになっておりますが、その構成をいまの分類で申し上げますと、生活保護費が二・九、それからその他の児童関係の社会福祉費が一・二%、それから社会保険関係、医療保険、年金、そういった保険関係の経費が六・一%、失業対策費が一・八%、それから保健衛生対策費が二・四%、そういった構成になっております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 会計課長、私がお尋ねをしておるのは、全体の予算の中における構成割合でなくて、四十年度の補正後の予算とそれから新年度の社会保障関係の予算を比較しますると、大臣が先ほど肯定をされておりまするように、約七百七十六億の新規財源とでもいいましょうか、そういうものがある。この七百七十六億というものは、先ほどの項目別に言えばどのくらいの割合、どのくらいの額ずつ配分されておるかということをお尋ねしておるのです。

戸澤政方厚生事務官(大臣官房会計課長)

○戸澤政府委員 七百三十億の補正後の増加額の分類内訳を大体申し上げますと、生活保護費が百七十二億、それからその他の社会福祉費が七十二億、それから社会保険関係が三百六十二億、失対関係が六十四億、それから保健衛生関係が百六億、そんなふうになっております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 いま初めにあなたは七百三十億と言いましたね。これは七百七十六億の間違いですか。

戸澤政方厚生事務官(大臣官房会計課長)

○戸澤政府委員 失礼いたしました。七百七十六億でございます。いまのを計算しますと七百七十六億になります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 それで、いまの説明でわかりますことは、七百七十六億のうちで社会保険関係費が約半分に近い、そのくらいの額がここに充当されているということになるわけですけれども、一般的に言って、この社会保険費を増額させなければならないという今日的な事情というものはわかります。ただ、社会保障全体の政策を発展させ、充実させるという観点から見て、このような予算の配分というものは一体どうかというふうに私は考えるのですけれども、この点について大臣の所見はどうですか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 医療保障並びに所得保障、これは吉村さんも十分御理解いただいておりますように、何といっても社会保障の大きな柱でございます。政府はそういう観点に立ちまして、国民皆保険のもとに医療保障を充実をしてまいったところであり、また、さらに所得保障の面におきましても、厚生年金は昨年一万円年金に大幅に給付内容を改善いたしました。また今回は、これに見合いまして、国民年金のほうも夫婦で一万円年金というものをぜひ実現したい、こういうように、医療保障と所得保障というものを大きな柱として、今日まで政府はその充実に努力しておるところでございます。  それからもう一つは、吉村さんが御指摘になりましたように、医療保険財政が、近年受診量の上昇あるいは給付内容の改善等々によりまして、急速に悪化をいたしております。私は先ほど予算委員会でも申し上げましたように、保険財政は赤字ではあるけれども、しかし、この医療保障の充実によって国民の健康が保持され、疾病がだんだん早くなおるようになって、そして日本人の寿命が戦後二十年の間に二十歳も延びておる、こういう意味合いからいって、保険財政は赤字ではあるけれども、国民の健康勘定は黒字であるということを申し上げたのでございますが、いずれにいたしましても、この保険財政の悪化に対し、私どもはできるだけ早く財政の立て直しをやるということが、この大切な国民の健康を守る制度を破綻させずに守っていくたてまえからいって必要なわけでございまして、そういう意味合いから、私は、四十一年度の予算編成にあたりまして、政府管掌の健康保険なりあるいは国民健康保険に対する財政対策というものにつきまして、特に意を用いた次第でございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 それから、会計課長にいま一つ聞いておきたいのですが、社会保険費の増額が、先ほどの答弁では三百六十二億と言いましたね。この約三百六十億のもっとこまかい配分ですけれども、医療給付のためにそれぞれの、たとえば失業保険関係だとか、あるいは厚生の健康勘定だとか、あるいは船員保険だとか国保の助成だとか、医療費の値上がりといいますか、そういうものに伴う医療給付に充てられた額は一体幾らで、それといま大臣から答弁がありましたけれども、それぞれの保険に対する国庫補助の増額分、こういうものに充当された分があるはずだと思うのですけれども、この区分けは大体額でどのくらいになっておりますか。

戸澤政方厚生事務官(大臣官房会計課長)

○戸澤政府委員 ラウンドナンバーでございますので若干の食い違いはあろうと思いますが、おもなものを申し上げますと、医療保険の関係で健康保険関係が百五十億、それから日雇い健康保険への繰り入れが八十四億、般員保険の特会のうち疾病保険の関係が四億、それから国民健康保険の助成費としまして四十五億ほどふえております。大体そんなものが、ぴったりと合わないかもしれませんが、おもな医療保険の内容であります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 少し数字が甘いと思うのですが、大体三百六十二億がどのように配分をされているかということについて、いま会計課長からの答弁、ほぼ数字は同じになると思うのですけれども、医療給付関係に充当されていると考えられる額は二百二十億前後だろうというふうに思います。それから、ただいまの各種の健康保険に対する助成、こういうものによって充当される分は残り百四十億くらいになりますか、こういうことになっておるようでありますが、大体そういう理解でよろしいですか。

戸澤政方厚生事務官(大臣官房会計課長)

○戸澤政府委員 大体見当としてはそんなものであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 そこで、大臣にお尋ねをしたいのですけれども、この医療給付に充当される約二百二十億のお金、これは医療費の値上がりに伴うところのやむを得ない措置ということになりましょうか、そういうことでありますから、大体のところ自然増的なものだろう、こういうふうに考えられます。それからいま一つは、各医療保険に対する国庫の補助増額分、こういうものについては、これは赤字になることに対する穴埋め的なものが大半であろうというふうに思います。そうしますると、この医療保険の増額分三百六十二億というものは、新規的な、新しく国民の健康というものを維持し、これを改善していく、こういうような施策に使われるお金というものは非常に少ない。皆無ではないが、こういうふうにすら考えられると思いますけれども、この点は一体どうなります。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 私はさようには考えておらないわけでございます。と申しますことは、社会保険が、被保険者を中心といたしまして自分らの健康を守る医療の制度として、社会保険としてその財政的な負担もやり、そして給付の内容の充実もはかっていく、こういうことであるわけでございますが、しかし、政府といたしましては、やはり急速なこの被保険者等の負担の増というようなものは、これは避けていかなければならない。また給付の内容にしても、たとえば国保の例をとりました場合には、家族に七割給付の実現ということを昭和四十二年度まで計画的に実施いたしておりますことは御承知のとおりでございます。そういうように、制度の内容の充実ということもはかっていかなければならない。そういうような観点に立ちまして、私どもは、その保険関係者の負担の軽減にも資し、また一面給付内容の改善充実もはかる、そういうような観点に立ちまして、今回、政府管掌の健康保険におきましては昭和四十年度に三十億だけ国庫から繰り入れたわけでございますが、四十一年度はその五倍に当たる百五十億を計上した。そして、いま国会に御提案を申し上げておりますところの保険三法の改正を行ないまして、そして当面の保険財政の危機を克服しよう、こういうことでございます。政府がこの負担の軽減、保険料率の値上げをできるだけ最小限度にとどめようという考え方から、そういうぐあいに国庫負担の増額をはかっておるという点も御了察をいただきたいと思うのでありまして、当然増だけの措置ではないというように御了解をいただきたいと思います。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 当然増に充当される分と、それから赤字の対策分に充当される分と、こういう二つのものになるであろう、こういうふうに私は申し上げておるのです。厚生大臣の百五十億の獲得の問題、その努力については、それはそれなりとして私は評価をいたしておりますので、そこで、私がこの問題について特に触れておるのは、いままでの社会保障費の予算の各項目別の推移の状態というものを調べてまいりますと、非常に問題があるというふうに考えられるわけです。それは、昭和三十七年に社会保障制度審議会において答申をし、あるいは勧告をしましたところの内容、この中にも盛られておるのですけれども、大体この社会保険の分野において国民生活を貧困におちいらしめない、こういうような効果というものの限度というのはやはり限られておる、限度がある、こういうような指摘をし、特に今日、日本の社会保障政策の中で重点的にお金を投入しなければならないものは社会福祉費関係である、こういうことを強調されていることは大臣も御存じのとおりかと思うのです。ところが、ここ四、五年来の社会保障費全般の状況というものを見てまいりますと、社会福祉費というようなものは増加をするという傾向にはほとんど至っていない。こういうことで、極端にこの社会保険費だけがどんどんと増額をされている。社会保険費の増額それ自体、私は否定しようという考えはありません。ありませんけれども、社会保険の分野において、国民の健康なりあるいは国民の生活というものを向上せしむる、維持せしむるというものについては限度があるという指摘をし、今日、日本において最も大切なことは、貧困におちいることのないような施策に重点を置くべきである、言いかえると、社会福祉費にもっとお金を使わなければならない、こういう指摘をしておるものと対照しますとこの点は少し問題ではないか、こういうふうに考えますので、先ほど来この点をこまかく掘り下げたわけでありますが、いま私が申し上げたことに対しては一体どう考えますか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 社会保障制度審議会からの御答申につきましては、政府はその趣旨を体しまして、その目標に到達いたしますために、今日まで毎年予算編成にあたって努力をいたしてまいったところでございます。四十一年度の予算にあたりましても、私はその御趣旨に沿うべく、最善の努力を払った次第でございます。  たとえば、一例を申し上げますが、生活保護費の問題であります。私は、減税の恩恵に浴さない低所得階層のための施策の中で、この生活保護費の増額、大幅な引き上げということはどうしてもこれを実現しなければならないということで、大蔵大臣折衝におきましても特に力を入れた次第でございますが、御承知のように、国民一般の消費生活の向上は、経済の見通しによりますと一〇・二%でございます。これに対しまして、御承知のように、四十一年度におきましては生活保護費は一三・五%というぐあいに引き上げを行ないまして、そしてできるだけ格差を縮めていくようにいたした次第でございます。昭和三十六年度を基準にいたしました場合に、昭和四十五年度までに実質三倍に引き上げろという勧告を受けておるのでございますが、大体昭和四十年度までに名目で二倍、実質で一・五二倍というぐあいに改善をしてまいりまして、四十一年度におきましてはただいま申し上げましたように一三・五%というぐあいに、さらに格差を是正するように努力をいたしたような次第でございます。  また、福祉年金等の面におきましても、今回五千円に給付額を引き上げることに相なりましたのから見まして、おおむね社会保障制度審議会の勧告の御趣旨に沿うて前進しておるものである、私はかように考えておるわけでございます。その他いろいろございますが、私はおおむね御趣旨に沿っておるものだと考えるのでございます。  もう少し具体的に申し上げますと、厚生年金におきましては、答申では昭和四十五年には定額部分を六千円程度にすべきである、こういうことでございますが、四十年度の改正で実質五千円まで引き上げることに相なっております。また、国民年金におきましては、昭和四十五年には四十年間の納付者を七千五百円程度にすべきであるというのに対しまして、今回御審議をお願いいたします改正案におきましては八千円ということになるわけでございまして、さらに福祉年金につきましては、勧告時に比べまして大幅な改善がなされておる次第でございます。勧告の当時千円でありましたのが、現行が千三百円になり、さらに、ただいま私が申し上げたように、今回の改正で千五百円に引き上げをするということに相なるわけでございます。  また、医療保険の面におきましては、給付率を、答申ではさしあたって最低七割程度まで引き上げるべきである、こういう答申でございましたが、御承知のように、国保におきましては世帯主七割給付はもとよりでありますが、家族につきましても昭和四十二年度までに七割給付を実施する、こういう目標で計画的にその線に沿うて前進をしておる、こういうことを申し上げることができると思います。  そのほか、社会福祉の面におきましては、重症心身障害者の国立の施設をつくることにいたしまして、今回全国十一カ所、五百二十ベッドをつくるということにいたしておるわけでございますし、私どもは、冒頭に申し上げましたように、社会保障制度審議会の答申の御趣旨を体して、鋭意社会保障の充実に最善の努力を払っているということをお答え申し上げておく次第でございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私がここで申し上げておるのは、いろいろ努力をなさっておるということはわかるのですよ。わかるのですけれども、ただ、社会福祉費の動向一つを見ましても、総予算に占める割合というものは、ここ三、四年来の伸びはほとんどないのです。社会保障費の総予算に占める伸びというものも、これまた大体一四%台に固定してしまっている。昨年は一四・一%ですか、本年は一四・四、その前年は一三・二、少しずつ上がっておりますけれども、これは諸外国等に比較すれば問題にならない。その社会保障関係費の中の各項目が一体どのようになっておるのかということを見てまいりますと、伸びておるのは社会保険費だけであって、生活保護費あるいは保健衛生対策費、あるいは失対費、社会福祉費、こういったものは、全体の予算の中でほとんどここ三年来固定的な割合しか占めていない。これでは、社会保障制度審議会の勧告なり答申が主張いたしておりますように、今日の日本の状態の中では、社会保険もきわめて重要ではあるけれども、もっと重点的に公のお金を投入しなければならないのは社会福祉関係であるという勧告と答申の線に沿わないのではないか、こういうことを申し上げておるのです。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 私がお答えいたしておりますのは、社会保険関係の費用は大きく伸びておりますが、その他の社会福祉関係の予算におきましても、先ほど個別にずっと申し上げましたように、保障制度審議会の答申にありますような目標に向かって、着実に前進を遂げておるということを具体的に申し上げたつもりでございます。  なお、私はこの際申し上げておきたいのでありますが、西欧諸国に比較されて吉村さんのお話がございました。確かに、西欧の国々に比べますと、国民総所得に対比いたしましての社会保障関係の支出というものは、日本はまだまだ比率が非常に低い。西欧諸国では十数%というのに対しまして、わが国におきましては、昭和四十一年度に六・四%程度でございます。もとよりこれは非常に不十分であって、今後政府としても一そう努力をしなければいかぬ、私はかように考えておりますが、ただ、ここで一言申し上げたいことは、西欧諸国におきましては、すでに住宅を見ましても、あるいは道路の面を見ましても、その他の社会資本の充実というものは、これはもう非常に進んでおります。ロンドンその他におきましては、三百年、四百年前の住宅に住まっておるというような状況でございます。したがって、そういう社会資本の充実、公共投資に対するところの国の予算の支出というものは、そう大きな比重を占めておりません。だから、大部分の予算を社会保障費に振り向けることができるという恵まれた条件にあるわけでございます。しかし、わが国におきましては、御承知のように敗戦による廃墟の中から立ち上がって、そうして道路も整備をしなければいけない、住宅も建設をしなければいけない、あるいは港湾の建設もしなければいけないというようなことで、立ちおくれになっておる社会資本の充実のために、予算の相当大きな部分を投入しなければいかぬというようなことであります。そういう事情下におきながら一面社会保障の充実もはかっていかなければならぬということでございまして、そういう意味合いからいたしまして、私どもはできるだけの努力を払っておるということを申し上げておる次第であります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 会計課長、私の理解が間違っておると困るので……。ぼくは、委員会でやりとりをするのがたいして役に立つとはあまり思っていないのですよ。ただ、私ども野党ではありますけれども、社会保障なら社会保障というものを充実発展させるというためには、ものごとの理解だけは統一をしておいて議論をしなければいけないと思いますから、間違っているかどうかお尋ねをいたしておきますけれども、いま私が問題にしているのは社会保障――総予算の中で、あるいは一般会計予算の中でもいいのです、その中で厚生省が項目的に分けておるところの社会福祉費の一般会計予算に占める割合というのは、大体ここ三年来一・二%台である。失業対策費は、大体これも一・八%台である。保健衛生対策費は二・四%台、生活保護費に充当されるものはこれまた二・九%台、社会保障関係全体の予算が占める割合は、四十年度は一四・一%、四十一年度は一四・四%、若干の増加をしておる、こういう状態でございますけれども、このような理解でほぼよろしいでしょうか。

戸澤政方厚生事務官(大臣官房会計課長)

○戸澤政府委員 大体そのとおりでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私が申し上げておるのは、西欧諸国とのことをちょっと言いましたら、大臣はむきになってだいぶ議論をされましたけれども、いま私が問題にしておるのは、社会保障予算というものがそれぞれの項目別に固定化しつつある傾向にあるのではないか。全体の予算の総ワクは、なるほど若干の増加を見ておる。見ておりますけれども、それは保険の赤字に対する充当分なり、あるいはまた医療費の増加分に対する充当分なり、こういうものに充てざるを得ないために、社会保険費というものだけが他の項目と比較をして増加をしておる。他の失対費や環境衛生、あるいはこの社会福祉費、こういったものはこ三二年来固定化している、こういう状態というものは社会保障制度審議会の答申と勧告の精神に沿っていないのではないか、こういうことをお尋ねしておるのです。会計課長がいま答弁をされましたように、項目別に占めるところの割合というものは、固定化しているということは明らかでしょう。明らかだとしまするならば、それは勧告、答申の主張しておりますものは、社会保険というものは重要であるけれども、それにだけお金を充当してはいけない、今日の日本の社会保障の中で考えなければならないのは、貧困におちいることのないような施策としての社会福祉費をもっと十分にしなさい、こういうことを強調されているはずだ。だとするならば、ここ三年来の各項目の固定化傾向というものは一体どうなのかということをお尋ねしておる。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 比率で申しますと、確かに比率そのものはあまり伸びておりません。しかし、御承知のように厚生省の予算も相当伸びておりまして、したがって、その予算の中におきまして、比率的にはあまり伸びておりませんにしても、実質的な予算の額というものにつきましては着実に伸びていっているものである、私はこのように認識をいたしておるわけであります。  それからもう一つ、吉村さんも十分御承知のことですけれども、生活保護なりあるいは生活困窮に落ち込んでまいります原因等をわれわれがよく調べてみました場合に、わが国におきましては病気にかかる、あるいはけがをするという、疾病だとか傷害だとか、そういう理由で生活保護を受けざるを得ないような状態になっておるという者が非常に多いのでございます。私は、これは数字でも明らかになっておる点でございまして、その際に、この皆保険のもとにおいて療養給付等を受けて、そして一日も早く、とにかく生活の困窮におちいることを早く除去してやる、直してやるというようなことが、吉村さんが強調されるところのこの低所得対策の観点から見ても非常に重要だ、生活保護世帯のようなものに転落しないようにという施策としては、病気にかからないように、病気になったら早くなおすようにという、この制度の充実ということが大切である、このように認識をいたしておるわけであります。かというて、私が先ほど申し上げましたように、医療保険制度にだけ力を入れて、その他の社会福祉施設には力を抜いておるということではございません。生活保護費の引き上げの問題にいたしましても、あるいは福祉年金等の引き上げの問題にいたしましても、さらにまた重症心身障害児、あるいはそういうお気の毒な人たちに対するところの施策につきましても、重点政策として四十一年度に取り上げておりますことは御承知のとおりでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私は、今日の日本の社会保障の中で、社会保険費というものを増額せざるを得ないということについての事実は認めるのですよ。しかし、社会保険の充実だけでは、貧困におちいるというその原因排除にはならないのではないか。しかもわが国の社会保険というものは、遺憾ながら国民の負担というものが増大をしておるという状態でしょう。貧困者、低所得階層は、自分の健康を守るための保険料の負担にすら困っているというのが現実の姿だと思うのですよ。社会保障制度審議会が答申をしておる内容というものは、その点を鋭くいっておると私は思うのです。大臣は、歴代の大臣ともに、この制度審議会の答申、勧告の精神を尊重して云々と、こういうふうに言われます。いままた大臣の答弁によりますると、同じような趣旨が語られまして、それに沿って現在の社会保障政策というものを進めておる、こういうふうに言われました。それで、念のために私、ちょっと読み上げてみますけれども、「貧困におちいる個別的な原因に対してはその力が限られるからである。すなわち、保険料を負担できないものは原則として除外され、あるいは防貧として効果のない低い水準で我慢させられやすい。また一般的、普遍的でない貧困原因については対処できない。しかしながら、貧困の原因は多様で、社会保険をもってしてはこの原因のすべてをカバーすることはできないけれども、救貧線以下におちこむ公算の大きい層に対してこそ、防衛手段が必要である。社会福祉は防貧のこの面を担当するものである。この意味において、社会福祉は社会保険を補完するものであるが、そのため第二義的なものではないから、税金による一般財源は、公的扶助についで、この面に優先的に投入されるべきである。」こういうふうに述べられておることは、いまの日本の状態の中では、防貧政策としての福祉費というものにもつと公の金を投入しなければならない、端的にはそういうことをいっておられるのですよ。そういう点から考えてみますると、なるほど、社会保障予算というものは、ふえたふえたといわれる。数字の上では、全体の一般会計予算がふえておるのですから、その構成割合の一つであるところの社会保障予算というものの割合がふえても不自然ではない、ふえるのが当然だと思うのです。ただ、他の費目に比較をすれば、そのふえ方が若干多いということは私も認める。その社会保障費を構成するものの中で問題なことは、社会保険費だけが増大をして、他の費目というものはほとんど固定化傾向にある、こういうことは一体問題ではないかというふうに私は考えておる、この点はひとつ率直に認められたらどうですか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、パーセンテージでまいりますと確かに比率は鈍化をいたしております。鈍化をいたしておりますが、全体の厚生省予算というものが伸びておるわけでございますので、それぞれの社会福祉の面における予算も着実に伸びておる。ただ、その間において、医療保険なり所得保障の面の社会保険のほうが大きく伸びておるということでございますので、確かに見劣りがするというのは御指摘のとおりでございます。しかし、全体の予算が伸びておりますので、数字的には、比率の面では鈍化をしておりますが、額の面では私は着実に伸びておるのではないか、かように考えておるわけでございます。たとえば精神衛生対策費にいたしましても、措置入院とか通院に対する公費負担でありますとか、そういうような公費による負担というものが相当充実をいたしておりますし、また、妊産婦あるいは乳幼児等に対するミルクの支給というような面におきましても意を用いておりますことは御承知のとおりでございまして、決してそういう面をないがしろにしてないということだけは御理解をいただきたい。確かに、御指摘のように、医療保険のほうが大幅に大きな比率を占めておるというこの事実は、私は率直に認めるわけでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 最終的にはそういうことでございますから、これ以上追及する必要はないと思うのですが、大臣ちょっと誤解をされておるのは、私が先ほど来数字をあげて会計課長の説明を求めて議論をした内容というものは、社会保障費の中における各項目の比率ではなく、一般会計予算の中におけるところの社会福祉費あるいは失対費、あるいは生活保護費、これの占める割合は一体どうかということを議論したのです。そうしますと、一般会計予算に占める割合というものは、これはここ三年来、社会福祉費も失対費も生活保護費も固定的に同じ割合しか占めてない、こういうことを私は指摘しておるのです。ただ例外的なものは社会保険費である、こういう実情にあるということを私は申し上げておるのです。額がふえたのだから中身もよくなったのだという、そういう大臣の答弁では私はとても納得できないのです。かつて給料が五十円台で生活した者は、いま四万円か五万円もらっておるはずです。だからといって生活が一体どうなったのかという議論と同じようなことで、額がふえたから中身がよくなったのだというようなことはひとつ言わないでもらいたい。一番問題な事柄は、一般会計予算の中で、どういう状態に国が力点を置いた政策をどう進めているのかということを私は問題にしているのです。その点ではこれ以上申し上げませんけれども、とにかく社会福祉費というものに国がもっとお金を充当すれば、救貧的な生活保護あるいは失対、こういうところに充当すべきお金は漸減していくはずだと私は考えている。貧困におちいる原因というものを排除していく施策、ここにもつと力点を置いた、そういう金の使い方をやってもらわなければいけない、こういうことを申し上げておるわけですから、この点はひとつ最後に、大臣はいま私が申し上げたこと、それから制度審議会の答申の趣旨、こういうものから見て最終的にはどうお考えになりますか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 いろいろ御意見を承り、また私からも率直にお話をしたわけでありますが、吉村さんの御意見と私の考えとは、何も本質的に変わっていないということでございます。救貧よりも防貧、そういうような予算を考えていかなければならぬといういまの御提案、私も全く同感でありまして、そういう意味合いからいっても、いまの、貧困に転落する原因は、わが国の場合には病気になることだ、だから病気を克服することが防貧の一つの有力な手段であると言うことを申し上げておるのでございます。その他の社会福祉の問題につきまして大いに努力せよと、私も社会保障制度審議会の御趣旨に沿うて努力いたしますということでございまして、吉村さんの御意見と私の考えとは、本質的に何らの相違はない。御趣旨を体しまして、今後も一そう努力する考えでございます。

吉川兼光民主社会党

○吉川(兼)委員 関連。この際、厚生大臣から御答弁を伺っておきたいので、関連質問を申し上げたいと思います。  いま吉村委員との間に行なわれているいろいろの応答を聞きながら、大臣のまじめで良心的な御答弁に私は敬意を表するものでございますが、その御答弁の中でたくさん数えられた項目、そのうちに私がひそかに期待いたしましたのに出てこない問題がございます。それは一見小さな問題と考えられやすいのでございますが、実は非常に深刻化している点からいって、決して小さな問題と考えられないので、この機会に大臣の明確な御答弁をわずらわしたいのであります。それは言語障害者に対する政府の治療対策、ないしは治療の施策の現状、さらにはその基本ともいうべき言語障害者の基本調査、つまり国民の中に大体どのくらいの患者がいるかということ等についてでございます。概略でもよろしゅうございますから、まず伺っておきたい。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 吉川さんがただいまお話しになりました言語障害者あるいは聴覚障害者、この問題は非常に私どもも重視いたしておりまして、その対策につきましても、昭和三十二年以来特に努力を払っておるところでございます。ただいままでの調査によりますと、聴覚障害の者が十九万五千人ほど、それから音声言語障害の者が二万七千人ほど、これを合算いたしまして、二十三万一千人ほど昨年八月の調査によりますとおるわけであります。これらの方々に対しまして、昭和三十二年に国立のろうあセンターを設置いたしまして、できるだけこういう方々を収容いたしまして、そして療育に当たっております。また指導に当たっておりますが、そのほか文部省関係といたしまして、ろう学校が全国で百七校、一万九千人を収容をいたしております。民間のほうにはこういう施設が、ほかの心身障害であるとか肢体不自由であるとかいうのに比べまして、比較的おくれておるのでございますが、私ども今後も法律の整備を急ぎまして、こういう面につきましても今後一そう力を入れてまいる考えでございます。

吉川兼光民主社会党

○吉川(兼)委員 私も問い方がまずかったのかもしれませんが、私の伺っておりまするのは、言語障害といいましても、いまの御答弁のようなろう関係のことではありません。端的に申しますと、俗にいうどもりとか、あるいは口蓋裂その他のことをいうのであります。そういう方面の調査でございます。実はこの問題について、私が昨年の十二月に総理大臣あてに質問書を提出いたしましたが、そのときにいただいた答弁書がここにあるのです。これはおそらく厚生省や文部省などで作成した答弁書と思いますが、名前は総理大臣からの答弁となっております。その中で私の言う言語障害に対する調査は、実は現在正確な調査はできておらないと書いてあります。ちょっと読んでみますと、「言語障害者の判定基準を作り、これによつて全国的調査を行なうことのできる段階ではないと考える。」という、はなはだそっけない、無責任にひとしい答弁であります。さらに、それに続きまして一九五一年のアメリカの統計を引用し、「いわゆる白亜館会議におきまして、アメリカにおける言語聴覚学会というところの報告によりますると大体〇・七%と推定しておるから、これを日本にそのまま適用するとすれば七十万人くらいであろう」というのが御答弁でございます。私は日本のことを聞いたので、アメリカの数字を聞いているのではありません。ところが、私がいろいろ調べてみましたところによりますと、たとえばいま全国で、千葉県を重点にして十幾つかの小中学校がこの問題を取り上げて特別教室を設けておりますし、民間にも篤志な施設がありまして、私がそういうところについて実際に問い合わせた調査によりますと、小中学校の児童、生徒の百人の中で二人ないし五人は患者であるというのです。これは実際それらの患者を指導し、または治療に当たっている人々が言っておる数字でありますが、その中で一番低い二人といたしましても、つまり一億に対する二%は二百万という数になるわけであります。もし五%という数字をとるといたしますと、その数は五百万ということになるわけであります。これはひとつ厚生省におきましてその正確な数字を把握するよう、可及的すみやかに努力してもらいたいことをこの際特に大臣に強く要望しておきたいと思うのであります。  申し上げるまでもありませんが、欧米では、この問題につきましてはそれぞれの政府は力を入れております。たとえばオーストリアみたいなところにおきましても、先般世界言語学会の十三回大会というのが昨年の夏に行なわれ、日本からは花沢忠一郎という篤志な民間治療家が出席しているのであります。その方の報告書を読んでみますと、ウイーンのような狭いところでも四カ所もの治療所があるという。それに比べ日本では、治療所というのは国立で一カ所しかありません。民間の治療所としては、それも決して完全とは言えないものが、せいぜい十カ所くらいあるのじゃないかと思うのであります。かりに、先刻の総理大臣の答弁書にある七十万人と私が推定する二百万との中間が患者の実数であるとしましても、何と貧弱な施設ではありませんか。政治は必ずしも少数と多数とを差別すべきではないと信じます。しかも、この問題はきわめて深刻なのであります。たとえば、最近私のところにも、ある中学校の生徒で、十四歳か五歳くらいの者が出した手紙が届けられています。「教室で先生からどもりと言われたというので憤慨して教室を飛び出した、どうしても学校に行く気になれない。自分はあの先生を殺してやろうと思うのだけれども、母一人子一人の身の上を思うとそういうこともできない」と、まことに切実な叫びを手紙に託しているのであります。どもりの患者というのは、このような深刻な立場にあるのであります。つまり、普通人にはとうてい考え及ばない羞恥心が伴うものでありまして、自分がどもりであることをひた隠しに隠すのが常であります。どもりを苦にして自殺をしても、遺書の中にはどもりが理由であると書けない。というくらいです。そういう精神的な苦悶というものが伴っておるのであります。古い話でありますが、昔読んだ書物で、第一次世界大戦のときに、夜戦で誰何された場合に使う合いことばというのがあって、かりに山と川とすれば、山と言えば川と答えれば味方であることがすぐ通じる。それを何回山と言っても答えが出ないから、いよいよ銃殺しようとするとわあんと泣き出したという。よく調べてみると、その人はどもりで、どうしても川という答えが言えなかったのだというのです。これを見るまでもなく、どもりとは、これは人類の永遠の悲劇であると言えましょう。この問題が、政治の面で案外忘れられておるのはどうしたことでしょう。国会で取り上げられたのは、私のこの質問が初めてかもしれませんが、まことに国政の恥部と言っても言い過ぎでありません。アメリカでは、多くの大学で、その医学部にどもり等の患者をなおす言語障害学科が設けられてあり、相当大きな治療施設も行なわれておるのでありますが、わが国では、国立千葉大学の佐藤教授など、二、三の篤学者が細々と研究しているにすぎません。この質問は関連でありますから簡単に申し上げますが、これほどの重大問題が、国政の面で、はなはだしく閑却されているのであります。鈴木厚生大臣は、決しておだてるわけではありませんが、他に比類の少ない良心的な大臣といわれ、私どももひそかに期待をかけている方であります。あなたの時代にこの言語障害、特にどもりの問題等につきまして、思い切った画期的施策を打ち出してもらいたいと思います。この際、大臣から責任のある御答弁を承っておき、なお詳しくは他日の機会にあらためて質問いたしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 ただいまのどもりの矯正の問題につきまして、いろいろ実態をもう少し正確に把握をした上で、それに対する適切な施策を講ずべきであるという御提案でございますが、私もこの問題は非常に大切な問題だと思いますので、調査等につきましても早急にこれを進めまして、実態を把握して必要なる諸施策を進めたい、かように考えます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 先ほど大臣が、西欧諸国の社会保障と日本の国情はだいぶ違うのでございますということを力説されましたので、関連をするあんばいになってしまいましたけれども、やはりわが国の社会保障は、戦後急速に充実をされておるということはよく言われます。しかし、ほんとうに充実をしているのかどうかということについては、これを国民の前に明らかにするためには、国際的には一体どうなのかということを明確にしないと、戦前は、国からお金をもらってそれでお医者さんにかかったり、あるいは生活をしたり、あるいはその老後生活をしたりするということは夢にも考えられなかったのでありますから、このごろは、きわめてスズメの涙みたいな金であってもたいへんありがたいという気持ちでおる方々もおる。しかし、新憲法のもとではそれが当然の権利である、こういうふうにものの考え方を変えなければならない、こう私は考えます。国はまたその国民の生活を保障する義務があるということも明瞭でございまするので、よく池田さん時代に言われましたけれども、わが国は自由諸国の三本柱のうちの一つでございますということをだいぶ強調されました。そのわが国の社会保障、国民の暮らしを保障する制度というもの、あるいは内容というものは、外国に比べてみてどうかということを考えてみますると、幸いにして厚生省は良心的に、三十九年度ですかの厚生白書によって国際比較を相当詳細にわたって行なって、国民の前に明らかにされております。そこで私は、この機会に、先ほど大臣から西欧諸国のお話がありましたので、ちょっと大まかにそれに触れてみたいと思うのです。この厚生白書でも言われておりますけれども、わが国の社会保障給付費、国民所得に対する社会保障の給付費というものは五%台、こういうことを明らかにしております。それで、一九六三年におけるところの国民所得というものは、邦貨に換算をして大体七万円ですか、五百ドルをこえておる。こういうように、一九六三年度における国民一人当たりの所得というのは、五百ドルをこえたということを明瞭にしております。その当時の五百ドル台の国民一人当たりの所得における西欧諸国の社会保障費というものを考えてみると、大体国民所得に対して一〇%台になっておる。ところがわが国は、国民一人当たりの所得が同じ水準の五百ドルになった今日、いまから三年前、こういう時期でも五%台であった、こういうことを言っておるのでありますけれども、このようになってまいりますと、先ほど大臣が述べられました国の事情の違いというものはわかりますけれども、事情の違いを議論するとすれば、イギリスではおそらく物価の値上がりというものは日本の何千分の一のはずです。実は私も昨年向こうのほうに行ってみましたところが、いまから七十年ぐらい前に発行された貨幣が今日流通をしておるということを見て、たいへんびっくりしました。日本では、とてもこれは夢にも考えられないような事態です。なぜ一体そうなるのかということを考えてみると、きわめて簡単な理屈でありますけれども、日本の物価というものは、イギリスに比較をして、大体千何百倍か同じ期間でよけいに上がっておる。ある資料によりますると、明治二十八年からですか、昭和三十七年までの間に千三百十六倍に日本の物価は上がっておる。同じ期間でイギリスではわずかに一・六倍にしかなっていない。こういうようなことが書かれておるのを見まして、なるほどイギリスにおいては、七十年前、八十年前に発行された通貨が今日通用しておっても不自然ではない、こういうふうに見てまいりましたが、それほど日本の物価はきわめて異常に上がっておる。これは戦前からの比較でありますけれども、特に昭和十一年ごろから戦後の今日の状態というものを比較して見ましても、五百倍以上の値上がりをしておる、こういう状態だろうと思うのです。道路が日本と比較して、あるいは家屋の問題についても石造家屋ですから、三百年前、五百年前の家屋に住んでおる西欧諸国と日本は同一視はできません、まさにそのとおりだろうと思いますけれども、全く違う条件として、日本の物価はものすごく上がっておる、物価の値上がりということは、それだけ国民の生活、特に低所得階層の生活を圧迫しておるということは明瞭だろうと思うのです。こういうようなことを考えてみますと、この社会保障費の国際比較の中で、それぞれの国の違いはあっても国民の生活というものは安定をし、ほんとうに安心をして明日に希望を抱きながら働き得るような、そういう状態になっているのかどうかということを考えてみますると、日本の社会保障というものは、とてもとてもお話にならないほどおくれている、こういうふうにいわなければならぬだろうと思います。  そこで、たとえば社会保障におけるところの給付内容というようなものを厚生白書の中から一つとらえてみましても、外国の場合には医療保障に次いで老齢保障、その次は子供のための児童手当、こういうふうに順序が分けられておって、そうして給付がなされておるという実績が明瞭になされております。ところがわが国の場合においては、児童手当は、御存じのように昭和四十一年度から実施というお話でありましたけれども、鈴木厚生大臣が生まれる以前のこれは話ですから、あなたのところを責めてもしようがないのですけれども、これはもう四十五年ごろに延びてしまったらしい、ふっ飛んでしまった。こういうようなことで、子供に対する国の施策というものは、ほとんどと言ってもいいくらい進んでいない。いわゆる正しい意味での児童手当というものは制度化されていない。こういう中でわが国の社会保障の給付の特徴は、医療費に次いで多いのはやはり失業対策、あるいはその生活保護、こういうものであるということが特徴的だと思うのです。これを外国と比較いたしてみますと、外国の場合には防貧的な政策に非常にお金を充当しておる。あるいは将来の国を背負って立つ児童のための保護、あるいは助成、こういうものに社会保障としてこれを実施している。そこに充当されている公費が非常に多い。ところが日本の場合には、先ほど申し上げましたように、貧困におちいってしまってどうにもならない。これを何とかしなければならないというしりぬぐいのためのお金が非常に使われておる。これまた、きわめてきわ立った相違点であろうと私は考えるのでありますが、一がいに比較はできないかもしれません。比較はできないかもしれませんけれども、大臣が先ほど外国の例を言われましたので関連をして申し上げまするならば、事情の違いはそのようにあろうとも、日本の場合には、何といっても外国に比較をして、社会保障に対するところの公費の充当というものはまだまだ非常に少ないということを、この厚生白書も明瞭にしていると私は思うのですけれども、大臣は一体どうお考えですか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 厚生白書にも述べておりますように、わが国におきましても、近年国民所得の上昇に伴いまして社会保障の充実、また救貧よりも防貧というような面につきまして力を入れるようになってきたのでございますが、西欧諸国に比べましてそういう面が非常に立ちおくれておるということは御指摘のとおりであり、また厚生白書で分析をいたしておる点でございます。医療保険の制度につきましては、西欧諸国に比べましても逐次改善を見ております関係から、そう大きな見劣りはいたしておりませんが、所得保障の面、特に老後の保障としての年金保険の制度は、出発もおそかった関係もありまして、その内容がまだまだ不十分でありますことは御指摘のとおりでございます。今後私どもは、厚生年金の制度あるいは国民年金の制度を柱といたしまして、所得保障の面を充実してまいる。そして老後において生活の不安がないように、また先ほど御指摘がありましたが、貨幣価値等の問題についても、スライド制その他についても今後十分検討してまいりまして、そしてこの国民年金なり厚生年金が、老後の生活のささえになる制度として、十分役割りを果たすように充実をはかってまいりたいと考えるわけであります。  また、全般的に、国民総所得の中に占めるところの社会保障給付費の割合は、御指摘のように北欧諸国等は非常に大きなウエートを持っております。日本におきましては、一九六〇年には国民の総所得に対する社会保障給付の割合は五・五%であったわけでありますが、一九六三年には六・四%というぐあいに上昇を示しておりますし、今後も、先ほど申し上げたように社会保障制度審議会等々の御答申の趣旨を体して政府も努力してまいる考えでございますから、この点につきましても逐次改善されるものと私は期待をいたしておるところでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 おもしろい資料がありますから紹介をします。これは貯蓄増強中央委員会というところで発表しているものなんですけれども、二年ほど前に、私もその後の動向はどうかと思ってまた調べてみました。日本人は貯蓄熱が非常に旺盛だというのは世界でも有名です。貯蓄そのものは政府でもたいへん奨励されている。貯蓄されたお金がどう使われているかということについての批判は、私はここではいたしません。いたしませんけれども、なぜ一体日本国民が、世界でも異例なほど貯蓄をするのかということについての世論調査をしたものを見ましたところが、これは社会保障上きわめて重要な事柄がここに包含されているということに気がつきましたので紹介をしておきますが、日本の家庭では、約九割以上が何らかの貯蓄をしておるそうであります。何のために貯蓄をするのかという設問に対しまして、病気と災害に備えるというのが圧倒的に多い。そのことが子供の教育費、これは大体六割五分、六五%を占めておるそうです。そのほか土地、家屋の購入あるいは建設、こういうものが若干ある。さらに、老後の安定のためと答えている者がこれまた非常に多い。こういうことがこの貯蓄増強中央委員会の発表によって明らかでありますが、このことは、日本の国民が今日の社会保障のもとでどういう気持ちで生活をしておるか、今日の日本の政治のもとでどういう考え方を持って生活をしているかということをあらわしておる一つの証左になるのではないかというふうに思うのです。申し上げるまでもありませんけれども、国は国民の生活に対して責任を持っておる。そのためにいろいろな施策というものを講ずる。最低の生活を保障するための施策というものは、主としてこれは厚生省が担当する、こういうことであろうと思うのでありますが、残念ながら日本の国民は、いまの政府の施策というものに対して安心をしていないからこそ、自分のお金を苦しい生活の中から積み立てて老後の生活の安定を考えなければならない。病気になった場合に備えなければならない。あるいは子供の養育、教育を考えなければならない。明らかにこれは、日本の社会保障政策というものがきわめて貧困であるという国民の回答であると私は思うのです。厚生大臣は、この点はどう考えますか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 国民の貯蓄と社会保障の関係でございますが、貯蓄に対する国民性、これは私は社会保障だけでなしに、いろいろ関係はあると思います。私の手元にあります国民の貯蓄率を見てみますと、昭和三十年に所得のうち貯蓄へ回っております分が一三・四%、三十五年に一九・八%、こういうことになっております。これを英米仏等に比べてみますと、アメリカで約六%、フランスで五%、イギリスで四・三%というぐあいになっておるわけでございますが、アメリカは、御承知のように社会保障はそれほど進んでおる国ではございません。ああいう高度の資本主義の国でございますので、国による社会保障の支出というものは比較的少ないのでありますが、この所得に対する貯蓄の割合は、いま申し上げたようなことになっております。ただ、吉村さんが御指摘になりますように、老後の生活の保障の問題につきましては、北欧等のように年金保険制度が非常に早くから行なわれて充実をしておる、老後にはその給付によって生活がささえられていくというような制度にまで発展しておりますと、私は、お説のように非常に安心して生活ができるということはそのとおりだと思います。私どもは、年金保険の制度を将来、国民の負担をも勘案しながら着実にこれを充実してまいりまして、北欧先進国に近づけるように努力をしていきたい、こう存ずるわけであります。  この公費負担の面におきましても、いろいろ国によって違いがあるようであります。西ドイツやわが国のように、保険料を積み立てていって給付の原資に充てるというような形もございますし、あるいはまた、別に特別税を賦課して、それを給付費に充てるという国もあるわけでございます。わが国は、いま申し上げたように保険料を積み立てていって、それでもって給付に充てるという制度をもっております関係から、この国民の負担を急激に重くしていくということは、十分慎重に考えなければならぬのでございますから、国民の所得の上昇とにらみ合わせながらこの制度の充実をはかってまいる、こういう考えでおるわけであります。今回、国民年金の改正を行ないますにあたって、給付を二倍半程度に引き上げるのでございますけれども、保険料は百円増額するという程度にとどめております。こういう点も、そのときそのときの経済情勢あるいは国民の所得の事情、負担力というようなことを勘案しながらこれをやってまいる。また、政府としても、たてまえは保険料でということでございますけれども、一般会計からもできるだけこれを補完をいたしまして、繰り入れまして、そして負担の軽減をはかるように配慮をしていきたい、こう考えております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 国際比較をきわめて厚生白書が良心的に書いていますから、あまり議論したくはないのだけれども、大臣は一生懸命やりますということしか言わないもんですから、いろいろそのことばの端々で、どうしてもまた問題にしなければならない点が次々に出てくるわけです。いまのお話の中でも、国民所得の増大に応じて振替所得というものを増大させていく、こういうお話でありますが、先ほど私が申し上げ、かつ厚生白書がいっておりますものは、一九六三年においてすでにもう五百ドルをこえる国民一人当たりの所得になっておる。そういう状態の中で、当時の西欧諸国の振替所得というものは一体どういう状態であったかというと、一〇%台になっておった。ところが日本の場合には、五・五%台であるということが実は問題だと私は思うのです。これはいわば政策を実施していこうとする、社会保障に対する政府の熱意の問題だと私は思うのです。同じ国民所得がある。これに対して国民のための、国民の生活を保障し、これを向上せしむるためのお金である社会保障にどれだけ充当するかという熱意の度合い、これが外国との差になってあらわれておるということを私は問題にせざるを得ない。ですから、この点は、いろいろ努力されておることはわかりますけれども、そういう比較に立って、そしてもっと飛躍的な予算の獲得というものが実現をしなければ、とても本年度の予算程度のことでは、社会保障は前進をしつつありますということにはならないであろう。言いかえますならば、わが国の国民総所得というのは、大体、御存じのように一九六三年度ですか、世界で五番目くらいになっておるはずですよ。ところが、これを分配所得で見てみますると二十三番目に落ちてしまう。これは、わが国の経済機構というようなものがどういうふうになっておるかということを明瞭に証明をする一つの資料でもあると思うのですけれども、こういうような状態の上に、なおかつ振替所得というものが外国に比べてみて少ないということは、国民は生産の面で搾取されておる。生活の面で国からの補助あるいは援助というものがきわめて少ない。いわば二重の搾取をこうむっているということをこの数字は明瞭に示していると私は考えるのです。こういうふうなことを考えてまいりますと、もっと真剣に政府全体として取り組む姿勢というものを鈴木厚生大臣の時代に確立をしないと、これはちょっとやそっとのことでは、とても西欧の水準に追いつくということにはならないであろう。  いい例が、たとえば所得倍増計画の中では、昭和四十五年までに大体振替所得は六・一%にしますという計画を立てました。中期経済計画の中では、一九六八年まで、明後年ですけれども、それまでの間に七%にするという計画を立てた。その計画自体については、若干これに近寄っているということを私は否定はしません。しかし、問題は、この振替所得の中に占められるところの社会保障費の構成というものについても問題にせざるを得ない点がたくさんある。社会保障費というものは一体何なのか。広義の社会保障費というのはこれこれであります。狭義の社会保障費というのはこれこれであります。広義の社会保障費の中には恩給費まで入っているはずだ。そういうことが一体本来の意味で言うところの社会保障費として見ていいのかどうかという点についても、非常に疑問を感ぜざるを得ないのです。しかし、これは国際的にもまだ定義がなされていない段階ですから、これ以上私は申し上げません。上げませんけれども、この所得倍増計画あるいは中期経済計画、こういうものすら政府はすでに御破算にしておるのです。もうこれは失敗したということが明らかになっておる。そうすると、所得倍増計画の中における社会保障というもの、国民生活はどういうふうにするかというこの計画も、御破算になったと見なければならない。中期経済計画の中でここまでの水準に持っていこうという、この計画もまた御破算になったと見なければならない。しかも厚生行政の長期基本構想なるものがつくられた。つくられましたけれども、今日の段階においてこれが厚生行政の中心になって施策が推進をされているかというならば、そうではないでしょう。言いかえますと、国際水準に近づける、こう言ってみても一歩一歩近づけていこうとするそのものさしがないのです。ものさしをつくっても、これは全部御破算にされてしまう。一体これはどうして御破算にしなければならないのですか。政府が責任を持って所得倍増計画を立てる、中期経済計画を立てる、それに基づいて厚生行政の基本構想なるものを立てたら御破算にしてしまう。どうして御破算にしなければならないのですか。政治の中で一番大切なことは、為政者であるところの政府と国民との間に信頼感がある。この信頼感がなくなった場合に、私は、一番政治は困った事態に逢着をすると思うのですよ。政府の政策というものが鳴りもの入りで宣伝されて、そしてこういう計画でやります、十年後には皆さんの所得は倍になります、こういうことを言うた時代もあった。五年過ぎたらそれは御破算になってしまう。今度は中期経済計画を立てました。これも一年を経ずして御破算になってしまった。国民の生活はその中でどういうふうにするという、これももとより御破算になってしまう。そしてまた、厚生省自体の計画も御破算になってしまう。こういう状態の中で、国民と政府との間に信頼感が生まれるはずはない。政治が信頼されない中でどうして政治が発展をするかということを考えてみると、いままでの政府のやり方というものはきわめて国民の政治不信というものをかもし出す最大の原因をつくっているのが、実は政府自身であると私は考えておるのです。まあ少し話が横道へそれたようなあんばいになって恐縮です。恐縮ですけれども、大臣が先ほど来言われておりますように、国際水準に近づけるということ、そのために努力をしているということであるとするならば、それは政府全体の計画、長期の展望に立った計画の中で一歩一歩進めていく、こういう姿勢がなくてはいけないであろう、こう私は思います。  そこでお尋ねをしますけれども、一体なぜこういった計画というものは御破算になるのですか。

鈴木善幸自由民主党厚生大臣

○鈴木国務大臣 所得倍増計画は、御承知のように、日本の経済発展の上からいたしましても、また国民所得の向上の面からいたしましても、私は画期的な成果をおさめたということをいまでも確信をいたしておるのであります。私は一昨年、内閣官房長官をやっておりました当時、東京で国際通貨基金、世銀の各国の代表と会いましていろいろ意見の交換をしたことがあるのでありますが、その際、戦後、特にこの数年間における日本の経済の目ざましい発展、これは世界各国の金融財政の指導者の人たちがひとしくこれを認めておったところでございます。ただ、それによって構造上のいろいろなアンバランスが出てきた、ひずみが出てきた、そういう点から物価の問題も起こってまいりました。そこで、佐藤内閣になりましてからこの所得倍増計画の手直しということになって、中期経済計画を池田内閣の末期から再検討をいたしましていろいろやったのでありますが、さらに最近になりまして公債政策をとって、そして一面減税をやりますと同時に、景気回復のために、不況克服のために相当大幅な公債を取り入れるといりような段階になり、また、御指摘のとおり、物価等の面におきましても、中期経済計画で考えておりましたものよりも大幅な物価の値上がり等も出てきた、そういうようなところからこの際中期経済計画で経済を指導していく、誘導していくということは適切でない、新しい情勢に基づいてこの際経済計画を立てる必要があるということで、中期経済計画をこの際御破算にして、新たなる観点に立って長期的な見通しの経済計画をつくろう、こういうことで政府は先般そういうことを閣議で決定をいたしたところでございます。そこで、その間における社会保障なり厚生省の政策は全くその日暮らしで、お先まっ暗で、何のよりどころもないじゃないかということを吉村さん御指摘なさろうとしておるのでありますが、決してさようではございません。昭和三十七年に社会保障制度審議会から答申がありまして、私どもは、この答申をわが国における社会保障の前進の一つの道標といたしまして、この答申の趣旨を体し、これを実現するために、そして欧米先進国に近づけるようにということで、そこを目標にいろいろな施策を進めておるということでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 約束した時間になりますから、だいぶまだありますけれども、あとは次の機会に譲ることにしますが、私が申し上げておるのは、厚生白書でも例示されておりますように、厚生省としては、厚生白書を通じて大蔵省をはじめ他の官庁に対してこれを啓蒙しようという意図もあるでしょう。あると思います。非常に良心的に国際比較をなされておる。いまの日本の状態の中で一番重要なことは一体何なのかということを考えた場合に、国民の生活というものを豊かにするということ、豊かでないにしたって明日の生活に希望を与えるという方向、こういうものを確立をしなければならないはずだと私は思うのです。全般的に言っておることは、わが国の政策というものは、経済の問題等についてはなるほど年次計画的なもの、たとえば道路については五カ年計画があり、住宅についても新しい五カ年計画というものがつくられた。そういう経済政策等については、やや長期にわたる計画を国がきめておるという例が多いのですけれども、しかし、この計画も、今日の放任主義的な自由主義経済のもとではそのつど崩壊をするであろう、こういうふうに私は思います。思いますけれども、この議論はいまはしません。先ほど大臣が弁解がましく思いましたけれども、所得倍増計画は効果をおさめましたという確信をいまでも持っておる。しかし、ひずみが出てまいりました。それは明らかにこの所得倍増計画の失敗を意味すると思うのです。国民の生活をよくするために政治がある。経済成長をさせるということが政治の目的ではないと私は思う。ところが、所得倍増計画が失敗したというふうに私どもが考えるのは、なるほど経済の面についての生産その他の点については計画以上に増大をしたかもしれぬ、上昇したかもしれぬけれども、その恩恵を受けるべき国民の生活が、物価高によって苦しまなければならないということは、この計画自体が誤っておったということを意味すると私は思うのです。だから、今日の状態の中で最も大切なことは、所得格差ができた低所得階層に対するところの社会福祉、社会保障政策というものを充実させることでなくてはならない。これを国際水準にまで近づけるためには、やはり国は全力をあげてやらなければならない。そのために計画性というものがどうしても必要になってくる。いま大臣の答弁によりますると、何も指針がないわけではありません、三十七年の社会保障制度審議会の答申と勧告が指標でございます。こういうお話でございます。それ自体、ことば自体は私はけっこうだと思うのです。しかし、これはあくまでも抽象的なものでしょう。ですからこそ厚生省は、厚生行政の長期基本構想なるものをつくって、それによってやっていこうという決意をされた時期があった。ところが、これは今日においてはもう消えてなくなってしまっておる。なぜそうなったかというと、これは厚生省の計画であったからだと私は思うのです。だから、国民の生活を豊かにし、向上せしむる、最低生活を保障する社会保障の政策というものがそれほど重要であるとするならば、他の経済政策のごとく、長期の展望に立った計画というものを閣議決定するなり政府の指針として、もっと具体的なものを確立をしなければ、この抽象的なものだけでこれに沿ってやっていくといっても、具体的には前進をしていないでしょう。先ほど私が指摘をしましたように、社会福祉費にもっと重点を置きなさいと言ったって、ここ三年来全然前進をしていないということがそれを明瞭に示しておるでしょう。だから、もう少し計画性を持ったものを国全体の指針として確立をする。経済政策だけでなしに、国民の生活に密着しておるこういう問題についても、もっと具体的な年次計画的なものを政府全体の方針として確立するということをしなければ、いつまでたっても解決をしていかないであろう、こういうふうに私は考えます。ぜひそういうような線に沿ってひとつ努力をしていただくように、強く要望しておきたいと思うのです。  そのほか、実は先ほども少し大臣からお話がありました老人政策の問題、それから生活保護の問題、これらの中身の問題等をもう少し掘り下げてまいりたいと思いましたけれども、約束の時間でございますからこの程度にして、また次の機会に譲ることにいたします。  終わります。

田中正巳自由民主党

○田中委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることといたし、これにて散会いたします。    午後一時五分散会

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