産業公害対策特別委員会 第20号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/06/25
会議録
○井手委員長 これより会議を開きます。 本日の請願日程の隅田川及びその支流浄化促進に関する請願及び塩化ビニール電線の廃線処理施設設置に関する請願を議題とし、審査に入ります。 両請願につきましては、先刻の理事会において御検討願いましたので、紹介説明、質疑、政府の所見聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。 日程第一の請願は、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○井手委員長 なお、本委員会に参考のため送付されました陳情書は四件でございます。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○井手委員長 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 立地規制による産業公害対策に関し質疑の通告がありますので、これを許します。中井徳次郎君。
○中井委員 本委員会は、この国会中新しくできました特別委員会としまして、私どもかなり活発な討論の上、相当な成果があがったと自負いたしておるのでありますが、そうしてまた、その間に重要な案件につきまして、重油から亜硫酸ガス、硫黄分その他を排除する件について、あるいはまた自動車の排気ガスの規制について、あるいは油による海水汚濁防止に関する条約の批准について等々、相当な効果もあり、決議もいたしたのでありますが、きょうはおそらくこれは最終の委員会になると思いまするので、そういう意味も含めまして、いろいろこの長い国会の中で討論をいたしました結果のものといたしまして、公害を起こしまする各種の産業についてのその立地条件等について、少し政府当局にお伺いをいたしておきたいと思うのであります。 この討論の中で感じましたことは、非常に人口稠密、国土狭隘のわが国におきまして、特にまた近代産業が戦後急速に起こりました関係、あるいはまた、それに対する為政者及び国民の公害に対する意識が低いといいますよりも、むしろ予期し得なかったというふうな事情等々が加わりまして、各地でいろいろな事件が起こっておるわけであります。したがいまして、今後は工場の設立その他について公害的見地からこれを規制をしていくというふうなことにつきまして、たとえば過去におきましてはどういう形のものがあったか、おそらく何もなかったようにも私どもは思うのであります。ただ現に公害が発生をいたしましたならばそれを規制をする、発生をいたしましたならばその発生源に注意を喚起をする、いわゆる水質汚濁だとか、大気汚染だとか、いろいろな法によって規制をする。しかし、最初のそのもとを正すということにつきましては、憲法上の問題、営業自由の権利だとか何だとかいういろいろな基本的な私法との関係等もありまして、非常にむずかしいようにも聞いておるし、現にほとんどそういうのはないようにも聞いておるわけでありまするが、私の認識があるいは不足であるかもしれませんから、一つの例といたしまして、たとえば石油業法というのがございまするが、そういうものの中には、そういう産業公害という見地からの規制というふうなものは具体的にあるものであるかどうか、これをちょっと通産省関係の政府当局にお尋ねをいたしたいと思うのであります。
○中川説明員 石油業法は、わが国におきまする石油業の健全なる発達をはかりますために、業界が過剰設備になって混乱をするということのないようにという見地から制定された法律でございますので、その趣旨での許可の制度にはなっておりますけれども、石油業法自身は、公害的な観点からの立地についての調整を加えるという趣旨でこれの許可をいたすという形には相なっておらないわけでございます。ただ、本委員会でしばしば御議論がなされ、また御指示がございましたように、現行の公害の規制についての諸制度におきましては、一定地域におきます全体の公害量というものについての配慮といった観点におきましては、確かにかなり不備なものがございます。そこで私どもは、法律的な権限によるということではございませんで、電気、石油双方とも設備の許可の形をとっておりますので、設備許可の際に、その目的は先ほど申しましたようなことで公害目的とは相異なるわけでございますけれども、この際に実際上の行政指導といたしまして、地域内の社会的な環境というものをひどく悪い形にならないような点に留意いたしまして、数値的なチェックをいたしました上でこれを許可をしておる、こういうことでございます。したがって、実際上やっております運用と、法律そのものの性格とは違った形で行なわれておるわけでございます。
○中井委員 いまの話を伺うと、大体私が予想しておったとおりであります。そこで次の段階ですが、そういう業界に対しては何らかの立地規制をする必要があると思うのだが、その場合に、さきにこの国会におきまして中村運輸大臣、鈴木厚生大臣、最後に三木通産大臣、各大臣が異口同音に公害基本法というものを政府におきましても考えて、できるだけすみやかに次の通常国会に出したいというふうな答弁があったわけでありまするが、その場合に、私が先ほどから申しておりますような立地規制を公害基本法の中にまとめて出すほうが法体系としていいか、あるいはまた立地規制に関する単独法的なものを公害基本法との関連において出したほうがいいか、さらにまた、いま御答弁があったが、電気事業法とか石油業法とかのいまあります法律の中に、それを改正をいたしまして規制の条文を組んでいったほうがいいか、私はいまここでお尋ねをしながら、その辺についてどちらがいいかということについて私自身としまして少し判断がつきかねるというふうに考えるわけでありますが、政府としては、現状においてはどういうふうな判断をいたしておるか、それを参考までに私は伺っておきたいと思います。国会におきましても、あるいは私の所属しております社会党におきましても、そういう問題をどう取り上げていくかということであります。私どもは、基本法としては、抽象的ないわゆる公害憲法的なものをすでに国会に出しておりますが、それとの関連、いわば手足になるものをどういう形にするかという問題でありますが、現状において、政府としてはどういう形が一番いいとお考えであるか、率直に伺っておきたいと思います。
○中川説明員 たいへん重要でかつむずかしい御質問でございます。私どものほうは、前にもお答えいたしましたように、これはいろいろな考え方が成り立ち得る事柄でございますので、産業構造審議会の立地部会と公害部会において同じような問題をやや異なった角度から議論していただくということでいま審議を進めておるわけでございます。したがって、以下申し上げますことは、若干私の個人的な見解に属するということで御承知おき願いたいのでございますが、現行の公害規制の諸法規の欠陥を、環境的なものを取り入れることによって全体的な解決をはかっていくということが必要である。それは、たとえば公害防止技術といった問題から必ずしも解決がつくという見通しがないという前提に立ちますと、おのずと全体の汚染量というものを一定の地区内において一定の範囲内にとどめるということを考えますと、私どもの考えといたしましては、土地の有効利用あるいは工場の生産活動というものを考えますと、工場はつくらせるけれども環境のいかんによって活動を制限しなければいかぬというふうなことをやらせるということはまことにむだなことだと考えておりますので、そういう点を考えあわせますと、立地的に問題を解決していくのが一番よろしいのじゃなかろうか、それは公害面から推しましてもさように考えるわけでございます。ただ、立地という角度でこの問題を考えていきますと、国民経済の健全なる成長と社会的な環境の確保というものを両立させますためには、産業が十分な活動ができる場というものをほかのところに用意をしてやる必要があろうと思います。これはまた逆に、たとえば地域格差の是正という一つの政策的な課題もあるわけでございますので、こういうものにこたえ得る道でもあるわけでございます。そうなりますと、公害面では、所定の場所における立地の規制をはかればよろしいという単純な答えに相なるかと思いますが、そのほかに私どもは、やはりある場所に工場を建設することが不適当であると考えても、その工場がどこに行ったらいいのかということに対してはやはりこたえてやらなきゃいけない、かように考えております。そうなりますと、立地全体を考えました特別の法制というものが必要になってくるのではなかろうか。これをごく簡単に申しますと、必要に応じて思い切った規制をすると同時に、相当徹底した助成も他の場所において講ずる必要があるのではないか、こう考えておるわけでございます。これはもとより土地利用計画というようなこととも関連いたしてまいりますので、通産省のみならず、建設省その他各省とも関係のあることでございますので、政府部内におきましてどういう考え方を、それぞれの省がどのような責任を果たすことによって行なっていくかという分担の問題にも相なりますので、私どもの意見だけできめるという筋合いのものではございませんけれども、そういうことで考えていかなければいけないのではなかろうか、ただいまのところ私どもはそう考えております。したがいまして、私のほうでは、いま公害と国土の有効利用ということと双方を考えあわせ、かつ産業の健全なる成長をはかるという角度での産業立地というものについての一つのまとまった体系が考え得るのではないか、かように考えております。
○中井委員 そうすると、通産省の考えは、単独に石油業法とか電気事業法というものを改正するのではなくて、さらにはまた公害基本法の中に含めるというのではなくて、単独の立地規制に関する法案を出したい、端的に言えばそういうことですか。その場合に、産業振興というたてまえと公害というたてまえをいかに調節していくか、こういう点に非常に問題があろうと思うのですが、その辺のところの考えを——私がいまお尋ねしているのは、通産省がどうだ、厚生省がどうだ、建設省がどうだというそんなけちなことでやっておるのではありません。公害を防ぎながら日本の産業の振興をはかるという高い見地から申し上げておるのでありまするが、どうぞひとつその辺のところを、その調和をどこに求めていくかという点について、もうわかり切ったことではあるが、念のために私は政府のいまの方針を伺っておきたいと思います。
○中川説明員 中井先生のいまの御指摘には問題が二つございまして、業法的なもので考えていくということは考えておらないかということでございます。これにつきましては、やはり立地という角度でものを考えていきましても、かねがね当委員会でも問題になっておりますように、常識的にきわめて公害を起こしやすい業種というものと、そうでない業種というものがあるわけでございます。立地についての調整を考えていきます上にも、業種の概念というものは十分にその制度の中に取り入れていかなければならないものだと考えます。そう考えますと、立地ということに重点を置いて業種の実態、それから地域の特性というものを両方勘案した考え方というものは、先ほどお答えしましたような石油業法とか、電気事業法とかという単独のところで措置するのではなくして、これらの業種を含めた考え方で、場合によっては業種指定を考えながら立地を考えていくということが必要ではないかと考えておるわけでございます。 それから、第二番目の公害基本法の問題は、これはおのずと別個の問題でございまして、基本的な方向を示すという、いわゆる基本法として公害基本法を考えていきます場合に、もし立地規制といったようなものが公害の基本的な問題として、原則なり考え方なりを基本法の中に述べるべき性質のものであるということであれば、それはおのずと別のことになるのではなかろうか。それが、片方に法律があるから絶対に要らないのだというようなことを申す筋合いのものではなかろうかと考えております。ただ、先ほど繰り返して申しましたように、立地は公害の面に十分配慮をして考えていくという構想ではございますけれども、反面また、産業の将来の発展に対しまして、活動の地域的な場所を十分に提供してやるということを他の一つの重要な課題として解決をしたいと考えておりますので、公害だけについての基本法等につきましては、そのようないわば立地政策の方向に関することは、範囲としてカバーできない部面が残ろうかと思います。したがいまして、基本法の中で公害を念頭に置いた立地の原則をおうたいになるというようなことはあっても、これは一向差しつかえない事柄ではあろうと思いますけれども、それだけでは私どもの考えている立地全体の調整ということについてのお答えにならない、かように考えておるわけであります。
○中井委員 いまの答弁の前半はわかったが、後半はどうも少し問題がある。 公害基本法というものをつくると、その基本法に基づいて産業立地法というものをつくっていく。産業規制法、立地を規制する法律は名前はどうなるかわからぬが、もちろん産業振興の面もありましょうけれども、同時に、半ば公害排除という目的がある。したがって、基本法と立地規制法との間にはやはり親子の関係がなければならぬ。あるいは少なくともきょうだい関係——きょうだいよりもやはりもっと親子的な関係がなければならぬ。まま母とまま子であるかもしれぬが、何かなければならぬというふうなことでありませんことには、なかなかもって将来の日本の公害——これは、私はいつも申し上げておりまするように、世界でも、こういう欄密で国土狭隘でありまするから、もっと進歩的なものでなければいかぬと思う。そういうたてまえからいって、そういう有機的な法の体系でありませんことには、どうも最近の日本の法制は、実際、毎国会百何十の法律が出て、その間もう非常にちゃらんばらんの関係がありまして、よく調べてみると重複したり何かしたり、それからまた、新しい法律が出たから、他の関連法の修正をしなくちゃならぬのを怠っておったり、いろいろなことがありますが、今度は、この産業公害関係は初めてつくる一つの土俵でありますから、その土俵内における関連というものを考えてもらわなければいかぬ。そういう意味で、あなたの言ういわゆる産業立地規制法といいまするか、そういうものがなるべく公害基本法との関係を排除するような印象を受けるような答弁では私は納得できないというふうに思うのですが、その辺のところはどうですか。これは同時に厚生省の見解も私は聞いておきたいと思います。
○中川説明員 多少ことばが不十分で御理解を得られなかったかもしれませんが、公害面での要請を受けて立地の調整という考え方を非常に重要な要素として起こしておるということはそのとおりでございますので、その部面に関する限り、かりに基本法というような、公害についての全体の方向についての基本的な考え方を定める法律ができますならば、立地調整で考える法律の中のその分野のものが、基本法的なものの方向ないし考え方というものと対立したりあるいは矛盾したりするものであってはならないことは確かに先生のおっしゃるとおりでございます。その意味では、その部面については親子の関係になると私は考えております。ただし、立地調整で考えますほうでは、公害のみならず、たとえば広い意味での災害というようなことも、立地の調整をやるということを考えます場合には必要なことでございます。反面、公害がそこまで言及しなくてもいい産業活動の活動の場所についての配慮というものは、基本法に言及されていようとされていまいと、われわれが考えなければならない、産業立地の分野におきましては十分考えなければならないことである。その意味におきまして、立地という角度で考えてまいりましたときに、範囲は公害よりも広いものとして考えなければならないことになるのではないか、こう考えておるということを申したわけでございまして、公害の分野において親子の関係に立つべきであるという御意見に対しては何ら私のほうは疑問を持っておりません。
○佐々木(義)政府委員 産業公害防止というものから少し逸脱するかもしれませんが、ただいま中井先生からのお話をちょうだいしておりまして私ども考えておりますのは、最近の産業革命と申しますか、第二次、第三次というものを迎えておりますけれども、人類のいまだ経験しなかったようないろんな新しい科学が進歩いたしまして、石油工学をやりますと亜硫酸ガス、自動車が発達しますと一酸化炭素、農薬が発達しますと水銀剤、ジェット機が発達しますと騒音の問題が起こる、あるいは原子力産業を興そうとすると放射線がございますというふうに、プラスの面が非常に多いのでございますが、反面マイナスの面も出てまいりまして、そのマイナスの面は、いずれかと申しますと、先ほど御指摘がありましたように、あとからそれがわかってくるというようなかっこうで、たいへんまずいのでありますが、そういう大きい観点から今後日本の産業、交通その他を発展させるためには、どうしてもマイナスの面の壁を突き破っていきませんと、振興のみ考えていきますと人類自体に害を及ぼすわけでございますから、もう少し大きい視野から基本法というものを考えていくべきじゃなかろうかというふうに実は私は考えております。したがいまして、基本法の大きい柱といたしましては、公害の経緯、環境の条件あるいは都市計画との関連をどうするか、受けた被害に対する裁定なり補償の問題をどうするかとか、各分野における責任の所在をどうするかとか、おそらくはいままで見られなかったような無過失補償というような問題も含まれてくるかもしれません。そういう意味で法的にも非常に新しい問題も含まれておりますし、たいへんむずかしい問題でありますけれども、しかし、この問題はあくまでも解決に立ち向かっていかぬと、日本の将来の発展のためによくないのではなかろうかという感じがいたしますので、そういう大きい視野から問題を取り上げていくのが基本法としては一番いいのじゃなかろうか。その際、それじゃ産業立地の問題はどう考えるのかという問題でございますが、これは、ただいま通産省のほうからお話がございましたように、その中に織り込んでいくのが至当なのか、あるいはその別法として、特に大きい問題でもございますので、単独法で出すのがよろしいのか、これはこれからの検討によってきめたい、そういうふうに考えたほうがよろしいのではないか、このように考えております。
○中井委員 通産省の事務当局の考え並びに厚生省の考え、大体わかりましたが、公害基本法を制定されるに際しましては、いずれにしても非常に膨大な範囲の行政でありますから、別に法律をもって定めるとか、あるいはこの辺のところは政令でいくとか、いろいろなことをどうしてもやっていかなければならぬことになろうと思います。少なくとも社会党の案ではそういうことになっています。その場合に、別に法律をもって定むるというよりも、むしろ産業立地の規制については産業立地法によるとか、あるいは水については水質汚濁規制法によるとか、何か具体的に書かれたほうがいい。本国会における質疑の中で、私はそういうふうな感じを持つものですから、最後にひとつ、政府が基本法をおつくりになるとして、私はそういう点を意見として申し上げておきたいと思います。 それから自治省はだれか来ておりますか。——岡田君ですか。あなたではおわかりにならぬかとも思うが、おわかりになっておりましたら率直にお答えをいただきたいのだが、この公害対策基本法をつくるということを、先ほど申し上げたように、厚生大臣、通産大臣その他が言明をされて二週間ほどたちましてから、自治省において公害対策基本法をつくる、こういう自治大臣か何かの発表があって、一部の新聞でありますが、大きく取り上げられておりました。それは一体どういうことであるのか、自治省のお考えはどういう意味でそういうことを言われたのか、ちょっと伺っておきたい。それは全部地方自治に関係があるから、自治省がそれはみんなやっておるので、おれらのほうだという考えなのかどうか、それをちょっと伺っておきたいと思うのです。
○岡田説明員 公害の問題は、個々の企業の責任問題でありますとともに、その累積という観点から、やはり地域問題であるというふうに考えております。地方自治団体におろした場合に行政区画等ございますけれども、これは広域行政と申しますか、地域問題として行政区画にかかわらず、より広域的な問題である。要するに地域的に判断しなければならぬということで、いまお話にありました立地の規制の問題等、やはり真剣に考えなければならぬ問題じゃないかといったようなことを自治省としても考えております。いま御指摘の一部の新聞云々ということにつきましては、私の知っております限りでは、部内で、かりに自治省において地域問題、すなわち住民福祉を守るという見地から考えた場合にどういうふうなものができるかということを研究いたしております。したがいまして、各党から提案されておりますことも存じておりますし、かりに自治省内においてそういう地域問題や住民福祉という観点から判断して考えてみたらどういうふうなものができるかということを研究してみたものが、何と申しますか、観念的に新聞に出たというふうに了解いたしております。
○中井委員 それじゃ正式な発表ではなくて、税金の関係もあるし、あるいは都市計画の関係もあるし、そういう面からひとつ研究をしておる、それがたまたま大きく取り上げられた、そういうふうに了解してよろしいですか。
○岡田説明員 そのとおりでございます。
○中井委員 それから、先ほどお尋ねしたこととはちょっと違った具体的なことでありますが、またもとへ戻って通産省に伺いたいのだけれども、公害関係で業者が公害防止の施設をする、そういう場合には融資だとか補助とかいうふうなものを考えていきたいというので、去年あたりから融資の計画ワクもとってやっておられる。こういうことであるが、去年の実績等どんなふうでございますか、伺っておきたい。
○中川説明員 御承知のように、公害防止施設につきます融資につきましては、大企業については開発銀行、中小企業につきましては中小企業金融公庫に——本年度からは中小企業金融公庫にも別ワクをつくりまして進めておるわけでございます。なお、今年四月からは公害防止事業団におきましても、特定の地域における公害防止についての融資事業を行なうということに制度を改めたわけでございます。いま手元に数字を持っておりませんが、昨年の開銀のワクに対しましては、大体そのワクに満つる需要がありまして、実際上の融資も行なわれているはずでございます。実績数字をいま手元に持っておりませんが、三月ごろ私がめどとして承知しておりましたときには、大体ワクに近いところまで現実に融資が行なわれているという状況でございます。ただ、中小企業金融公庫につきましては、昨年度はワクを持っておりませんで、ことし初めて十億のワクを計上したわけでございますけれども、これの実績は非常に微々たるものであるという状況でございます。
○中井委員 そういうもので施設をしたものにつきましては、税金の関係はどうですか。免税その他の措置は行なわれておりますか。
○中川説明員 これは施設を指定いたしまして減税措置をいたしております。
○中井委員 それで、融資を受ける手続はどういう形になっていますか。すぐに開銀に行けばいいのか、それとも通産省の産業公害課を経由してとか、厚生省を経由してとか、その関係はどうなっていますか。
○中川説明員 開銀につきましては全般的に役所の推薦制度をとっております。私どものほうから推薦をして融資いたしております。
○中井委員 それは通産省だけですか。厚生省も合議しておるのですか。
○橋本説明員 厚生省は関係いたしておりません。
○中井委員 そうすると、中川君のところが悪いわけだな。私は一業者から聞きました。これは相当な公害施設をやっておる業界です。金額を言えばあまりに大きいから大体わかると思うのだけれども、融資を受けようと思ったら、具体的に率直に言いますと、リヤカー一ぱいの書類が要った。先生あたりは融資ワクがあるなんて言ってぼくらに説明してくれるけれども、とってもかなわぬ。もう断わる。それで私のほうは二回目からやめます、そう言っておるのだ。それでぼくは、まあそう言うな、初めてだから、役所というところは初めてのことは資料がほしいのだ。それを出したり入れたり、上へ持っていったり下へ流したりして楽しんでいるのだから、ひとつかんべんしてやれといって帰しはしましたけれども、昔、これは郵政局の関係でありますが、特定郵便局というのがあります。特定郵便局はたいてい五人か六人の人間がおるわけです。多いところで二、三十人ですが、その特定郵便局が人事に関する帳簿を何と二十一冊持っておった。一番こっけいなのは、特定郵便局というのは、御主人と奥さんと両方とも職員でありまして、御主人がちょっと買いものに出て、あとは頼むよというときには、奥さんとの間にかぎ授受簿というのがありまして、おまえにかぎを渡した、受け取ったというので判を押す、そういう帳面がありました。これはほんとうの話です。これは十年ほど前の話です。それでやかましく言いましたら、二十一の帳簿が十くらいには減ったが、まだ十あります。どうも私は、リヤカー一ぱいの開銀融資要求に対する資料なんということは形容詞で、多少話が大きいとも思いまするが、せっかく免税だ、融資だ何だといいましても、たとえば中小企業の十億も、この間から——それじゃ私は実例を一つ申しましょう。新しい国道ができましたので、毎日その国道を一万台とか一万五千台の車がぶんぶん飛ぶものだから、国道沿いの旅館は、これまで白砂青松の海岸にありました旅館でありますが、一年半全然お客がなくなった。それで建設省にこれの賠償を要求したところが、騒音などでそんな賠償したことはないという、けんもほろろの返事が建設次官名できました。そこで私は建設次官に電話をかけて、何ということをするのだと言ったら、建設次官も地方建設局長も恐縮して、それじゃ、現在の法制でいけば騒音だけでは実際できませんし、工事の途中でしたらまだまだですけれども、もう済んじゃったことでもありまするので、何ともできませんので、できるだけ融資のお世話でもひとつさしてもらいたい。それで証明をしますというので、私は先ほど言った中小企業金融公庫にお世話をしたんです。お世話しましたら、三カ月たちまするけれども、一向その話がちっとも煮詰まらぬ。いま聞きますると、十億もあってほとんど使われてない。その人の要求は一千万くらいのことでございますが、手続がめんどうで、私のところにその人が一週間に二回くらい電話をかけてきますが、しまいには私もかんが立って、そういう話をするのもいやになった。といいまするのは、中小企業金融公庫はやはり扱う業種があるんでして、旅館などには貸せないとかなんとかいうふうないろんなことがありまして、なかなかこれはめんどうだというふうなことであります。それで具体的にお尋ねしますが、開銀の融資を求めるためにあなた方が推薦をする資料として、どれくらいのものを業者に要求をしておられるのか、これをひとつ伺っておきたい。
○中川説明員 私のほうで公害融資を推薦いたします場合にとっております資料は、ごくわずかなものでございまして、先生のお話とはたいへん違うのでございます。ただ金融機関、銀行の側が融資決定に際しまして、融資を希望しております企業に対して提供を求めます資料というものは、お話のような量であるかどうかは別といたしまして、役所側がとるものよりも相当多いものを希望しておることは確かだろうと思います。これは御承知かと思いますけれども、一つの設備金融でございますので、かなりその会社全体の信用力、担保力というものを検討する上におきまして、公害施設だけにとどまらない、企業全体の信用力をチェックする意味でのいろいろな資料をとっておるはずでございます。実際上も私ども公害融資をあっせんいたします場合に、一番困りますのは、公害的な角度で必要な防止施設でございましても、その企業が金融機関側から見て融資することに不安心な企業である、具体的に言いますと、提供する担保が十分でないというケースが多いわけでございます。そういう場合には、一般の金融のルール、考え方から申しますと、都市銀行等は手形割引等におきまして経常的な取引をいたしておりますために、企業の実態というものを非常によく知っておるわけでございます。ところが、設備金融をいたします開銀とか中小公庫とかいうものは、その企業のあらゆる取引を常時フォローしておるという形の結びつきではございませんで、一つの設備需要が出てまいりましたときに、初めてその企業の信用力その他を全体として把握するということをやらなければいけないという、いわばたいへん宿命的な関係にございます。そういった趣旨からいたしまして、いろいろな信用力調査、担保力調査あるいは返済についての見通しといった角度でのいろいろな資料を要求するということは十分考えられるところでございます。この辺のところは、私ども自身具体的なケースにおきましても、融資をさせてやりたいと思いながら、なかなか金融機関との話がつかぬという実例にもしばしば遭遇しておるわけでございます。決して金融機関の側の弁護をいたすわけでもございませんけれども、融資という制度で事を行ないます限りにおきましては、その点は銀行側の考えておることもかなりの程度もっともな点がございますので、その辺のところはできるだけ御趣旨を体しまして、簡略に、実際的に具体的な判断ができればいいというふうに考えていただけるようにお話をしようと思います。
○中井委員 前段の言いわけはもう伺わぬことにするが、一番最後のところですね。私が尋ねました会社は、公害を排除するためにこれだけ仕事をしておる。別ワクで片づけたかったらしいのですがね。信用は大いにあるのだから、電話一本でほかのものはみな借りられる、うるさいからやめました、こう言っていました。ですからそれは真実のことであります。金額も相当な金額です。ですからこれは開銀なら開銀、あるいは中小企業金融公庫は初めてのケースだから、銀行が自分たちも勉強するために、そうむやみやたらに資料を徴収するというようなくせをやめるように、あなた方からもやかましく言ってもらいたい、こういうふうに思います。 それから建設省にお尋ねいたしますが、いま議論になっております産業立地の規制につきまして、工場移転とか、あるいは緑地帯をつくるとかいうふうな問題、それから工場のほうが非常に多くなったので、今度は一般の住宅を移転する、具体的に全国で一、二起こっておりますが、こういう場合における国の助成、それから府県の負担、それから地元住民の負担あるいは企業の負担、そういうことについて都市計画の見地といいますか、建設省の見地から、現在のところどういうふうに御判断をしていただいておるか。または、それに対して必要ならば公害基本法の子供の法案として、立地規制の中に入れてもいいのですが、また別の法律でもいいと思いますが、特別法的なものをおつくりになって、それによって一定の分担率をきめていくというふうなことをやられる意思があるかどうか、その辺のところを伺っておきたい。ちょっと重要な問題でありますから、きょう御出席の都市計画課長さんではというふうなことがあれば、その点率直に申されてもけっこうでありますが、現在のところの建設省のそういう面に関する見解を伺っておきたいと思います。
○大塩説明員 建設省としましては、公害対策の問題、大きく分けまして二つの類型があると考えております。一つは、すでに公害が発生しておりまして、緊急にその対策をしなければならないというような類型に属するものでございます。もう一つは、国の地域計画あるいは国土計画的な立場からいいましても、そこに当然工場をもってこなければならないというふうな立地上すぐれた要件があるような場所につきましては、まだ住宅その他の被害を受ける人口等が集まっていない間に、予防的にこういう公害をなくする、あるいは少なくするような措置をとるべき場所、こういう二つに分けることができるかと思うのでございます。 第一の類型に属する大都市の周辺部における工業地域に多く例が見られます地域につきましては、四日市であるとか、千葉の五井あたり等につきましては、すでに住宅が現存して、被害というものが出ておりますので、いまおっしゃいましたように、われわれといたしましては、企業の側におけるその公害の発生源の対策ということの技術的な開発を期待するものでございますけれども、現実にそういった被害が起こっておるという事態に対処いたしましては、やはり都市計画というのは一つの都市の間取りの計画でございますので、その間取りの改定をいたさなければならない。そこで土地利用上の地域、地区制の改定、あるいはそこで現実に学校あるいは住宅地が密集いたしまして被害の度が強いものにつきましては、住宅の移転を対策として取り上げなければなりませんので、いわゆる一種の都市改造という形における事業を現にそれらのところでやろうとしており、またすでに着手しかけておるわけでございます。これが一つでございます。その場合に、住宅等が移転しましても、その移転する先の宅地造成なり、あるいは住宅の融資、あるいは賃貸住宅の供給という、住宅対策の面における公害問題と関連したてこ入れが一つ必要でございます。この面におきましては、金融公庫の融資であるとか、あるいは公営住宅であるとか、あるいは住宅造成における諸種の金融措置等、現在ございますものをフルに総合的に活用するという手だてがございます。ただ、移転しましたあと地を、今度は公害のない形に利用することが必要でございまして、できるだけそこは夜間人口の少ないような用途に切りかえていく。できれば工場にそういう厚生施設なり、あるいは公害を起こさないような工場の用途に使わせる、あるいは緑地を入れていくというふうな計画を、その地形その他によって一がいに言えませんが、そういう対策を講じておるのが一つでございます。さらに下水道等の整備をはかることによって水質の汚濁等の公害を除去するというような方策とあわせて、そういう第一のグループにおける公害対策につきましては、一種の総合的な都市改造という形でもって市民の側の移転ということを考えざるを得ない状況にございます。 ところが、そういう町におきましては、一挙にそれだけの大きな事業を起こすことにつきまして、財政上のかなりの負担を伴いますので、これにつきましては、できるだけ現行法の総合的な活用によってできるところまでは行ない得ましても、どうしても負担力が伴わないという面につきましては、何らかの緊急の特別措置法というような法律の制定によりまして、たとえば補助金のアップであるとか、あるいは特別の財政上のてこ入れというふうな面がとられなければ、そういう緊急対策に応じ得ないという面がかなりございますので、この点につきまして目下事務当局において検討いたしておるような状況でございます。 それから、第二のグループにおけるやや予防的な面の公害対策につきましては、これはその工場の立地計画等も比較的明らかでございますし、それから、すでに発生しておる第一のグループの前者の例もございますので、地方公共団体等と連絡調整いたしまして、土地利用の面における規制を、たとえば工業地域におきましても、特別工業地域という特別用途地域の制度を条例によってつくらせて、煙の発生しやすいもののグループ、あるいはここは住宅に接近しておるから公害の発生しないようなグループを入れる場所というような、特別な用途規制を指導して、できるだけ住宅地、それからそういう公害発生源を風向きその他によってそういう配慮をいたしておる次第でございます。 —————————————
○井手委員長 この際、奥野誠亮君から、立地規制による産業公害防止に関する件について発言を求められておりますので、これを許します。奥野誠亮君。
○奥野委員 私は、自由民主党、日本共産党及び民主社会党を代表いたしまして、立地規制による産業公害防止に関する件を本委員会の決議とされたいとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 立地規制による産業公害防止に関する件(案) 最近産業公害を発生する工場が無秩序に建設され、しかも過密地帯に集中されているため、住民福祉に重大な障害を与えている。 よって政府は速かに土地利用計画を確立して産業の再配置を行なうとともに、当面、左記立地規制の立法、行政措置によって公害予防に萬全を期すべきである。 一、公害を発生するおそれの強い事業については、過密地域においては、一定の環境基準内に制限する等その立地を規制する措置を講ずること。 二、過密地域からの工場移転分散については、抜本的助成措置を講じ、また、公害による住民の移転については、責任の所在と費用の負担を明らかにして促進すること。 次に、その趣旨について申し上げます。 今日、大気汚染、水質汚濁、悪臭、騒音等いろいろの公害が発生して、国民の健康や生活、さらには産業活動にも少なからぬ影響を与えていることは、いまさら申すまでもありませんが、これは、これまでの都市計画なり産業立地計画なりが、公害というものを念頭に置かずに計画実施されたのも一因であると思われます。現行のばい煙規制法、水質汚濁法等、個々の発生源を規制するだけではもはや不徹底であり、集合体としてある一定の地域全体についての排出量の総量が保健衛生上どうかという環境基準を問題にすべき時期に至っております。 政府は、次期通常国会に公害対策基本法を提出するとのことであり、また産業立地については、産業構造審議会の立地部会において目下検討中であるとのことですが、工場立地についての規制措置を講ずるという問題は、ひとり公害対策だけでなく、今後の産業立地政策全体の上からもたいへん重要な問題であります。 政府においては、土地の利用計画とも並行して、公害発生のおそれのある特定業種については、その立地を公の立場から判断して、総量としての公害問題も起こらないように必要な措置を講ずるという根本的な見地から、立地等の規制による産業公害防止をはかり、第二、第三の四日市をつくらぬよう公害予防に万全を期されたいというのがその趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○井手委員長 ただいまの奥野誠亮君の動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認めます。よって、立地規制による産業公害防止に関する件は、本委員会の決議とすることに決しました。 ただいまの決議に対し、進藤通商産業政務次官、佐々木厚生政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。進藤通商産業政務次官。
○進藤政府委員 ただいま御決議いただきました決議の趣旨に沿いまして、通産省といたしまして積極的に努力する所存でございます。
○井手委員長 佐々木厚生政務次官。
○佐々木(義)政府委員 厚生省といたしましても、ただいまの御決議はまことにもっともなことでございますので、できる限りの努力を払いたいと存じます。
○井手委員長 なお、本決議の参考送付等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○井手委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。 中井徳次郎君外二十二名提出の公害対策基本法案、吉川兼光君外一名提出の公害対策基本法案及び産業公害対策に関する件、以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。 閉会中審査案件が本委員会に付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間及び承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 次に、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。 閉会中審査にあたり、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合には、その期日、人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 御異議なしと認め、さように決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十三分散会