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51回国会衆議院1966/05/25

産業公害対策特別委員会 第16号

発言数
46
登壇者
9
会派数
2
開催日
1966/05/25

会議録

井手以誠日本社会党

○井手委員長 これより会議を開きます。  産業公害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。野間千代三君。

野間千代三日本社会党

○野間委員 この前の委員会で、厚生大臣にも御出席をいただいて、公害基本法を次の国会に提案をする、そういう準備を進めていただくようにきまりました。その際に、今日まで国の公害に関する法令では、臭気と騒音の問題は、まだそこまで手が届いていなかったわけですね。したがって、それを公害として法律の体系でもきちんと認定をして、それを排除をする法律について考えていきたい、こういうふうになっておりました。したがって、私がお願いをいたします臭気、騒音の問題については、その際には規制が明らかになってくるというふうになるわけですから、いまよりもだいぶ進歩をいたしましていいというふうに考えるのですが、ただ問題は、その基本法ができるまでのうち、現在すでに悪臭で相当困っているとこがある。したがって、とりあえずそれはどうすべきか、どうしたらいいかという問題があるわけですね。  御承知と思いますが、たとえば私の選出地である神奈川県では、公害防止条例というものをつくりまして、そうしてその中には臭気、騒音等も公害として認定をするようにしてあります。そうして放っている悪臭は公害と認定をして、規制をしなければならぬが、それは審査委員会で認定をすれば、条例の定める手続によってそれを規制をする、あるいはそういう工場について操業を停止をする、そういう勧告ができる。それに応じなかった場合には、第十条によって処罰をするというところまでつくられております。まず、こういう公害の問題で条例がつくられ、その中に臭気、騒音等も含まれている自治体は、まだそう多くないのじゃないかというふうに考えるのですが、これは厚生省の担当になるのでしょうか、どこの担当になるのでしょうか、大体どこの県でもそういう条例がつくられておるのかどうかということが一つ。もし調査がありましたらお尋ねをしたい。  次に問題は、たしか五月の初旬、六日に相模湾の北部、それから東京湾の西部、この辺に——新聞でも報じておりますが、実は私は地元なのでこれは経験したのです。いわばタマネギが腐ったようなにおいがたいへん多く出まして、近くのところでは目まいがしたり、吐きけをした模様であります。これが大騒ぎになって、ガス漏れではないかという騒ぎになって、一一〇番のところへ一時間に百十回電話があったという笑い話があったのですけれども、それがその後、石油精製工場の廃棄物を海上に投下したらしいというふうに突きとめてきて、結局その廃棄した工場が申し出たわけですね。自首をして原因は突きとめられました。したがって、まず第一に石油精製によって生じてくる廃棄物が非常に大きな悪臭を放つ、したがってそれはどういうふうに処理をさしたらいいのか。これが一つですね。  それから、これはたしか海上五万メートルか何かの先に投じたものだから、港則法では一万メートルまでは投下してはならぬというふうになっておったと思いますが、そうすると五万メートルですと港則法では差しつかえがない。そうすると港則法を改正をしてこういうことをなくすという方法も一つある。そういう廃棄物の処理の方法からまず考える。よく中川さんの言う原因から先になくしてしまうという論法からいけば、廃棄物の処理のときにすでに規制をするという方法が一つある。それができればそれでいいのですが、もう一つは、大体が海に捨てたりするようです。そうすると港則法を改正したらいいのか。しかし、港則法でも現在一万メートルになっておって、これを五万メートルというふうにしていくと、たとえば悪臭を放たないようなものなどの投棄があるとすると、それはどうなるかという問題も起きると思うのです。そういう関係で海へ捨てる場合の規制はどういうふうにしたらいいのか、こういう問題がまず第一に起きてくるんじゃないかというふうに思います。  以上二点についてとりあえず御回答をいただきたいと思います。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 ただいま野間先生からお話のございました川崎の悪臭問題は、前回の委員会でもお話がございまして、その後、この問題の調査をいたしております神奈川県側と関連の石油精製会社の両面につきまして実情の調査をいたしました。ただいままでに私どもの承知しておりますところでは、当日の悪臭について関係のあるような石油精製工場における廃油の海上投棄の業者がございまして、五月六日当日の投棄業者の廃棄船の状態はどうであったか、その船の行動はどうであったか、何を持っていったのか、どこへ捨てたのかというようなことを調べております。投棄物質はダイサルファイト二・七キロリットル及び廃ソーダ二十一キロリットルということでございまして、これはガソリン洗浄後の廃液のようでございます。そして投棄時間は二十時二十分、投棄場所は大島の波浮の港の東方沖一万メートル以上のところ、こう申しております。それから同じ廃油投棄業者の他の船でございますが、廃油を百キロリットル、これは違った石油精製会社の廃油でございますが、二十一時五十分くらいに大島の岡田港の北方沖一万メートル以上のところに投棄した、これがにおったのであろうということのようでございます。ただ、におい方その他からいたしますと、神奈川県側等の意見によりますと、業者が捨てたと申しておる場所よりはよほど相模湾寄りに投棄したのでないと、それくらいのにおいにはならないのではないかという見方をしておりまして、いま、まだ調査を進めておりますが、そのようなおそれはかなりあるんじゃないか、当日の風速、におった時間その他から見まして、さようなこともあり得るのではなかろうか、こう私個人も考えております。県はこの業者を集めまして注意をいたしておるようでございます。  もとへさかのぼりまして、野間先生の御質問にもありましたように、石油精製工場で悪臭を放つどんな物質が処理不能のものとして出てくるのか、それに対してどういう措置をとっておるのか、かようなお尋ねでございますが、石油精製の事業場におきましては、悪臭を放つ物質といたしましては硫化水素、アンモニア、それからメルカプタン、有機窒素の化合物、ガソリン等の製品の廃油といったようなものが出てくるのでございますが、硫化水素とアンモニアは苛性ソーダ及び水による洗浄で大体工場内で処理ができる状況でございますし、実際に処理をしておる。ただメルカプタンを苛性ソーダ液、硫酸液で洗浄した有機窒素化合物の処理につきましては、敷地内処理の技術的な方法というものがどうしてもない。しかもメルカプタン等はたいへん悪臭の激しいものだそうでございます。こういう状況でございますが、実は石油精製以外のほかの産業にも、どうしても工場内で処理できないものがございまして、ものによりましては工場敷地内に処理槽をつくりましてその中へ埋めてしまう。これはある程度集積しますと、また一ぱいになってしまうわけでございますが、そういうことで処理をしておるところもあるようではございますけれども、この処理不可能な廃液等につきましては、大部分は問題にならないところ、つまりただいまのお話のように沿岸の住民に悪臭が届くということであったり、あるいは投棄海面が漁区であったりするというところを避けた無害なところへ、これらの製造業者が輸送業者と契約いたしまして、この処理業者に処理をさせているというのが実態のようでございます。そしてこれらの廃棄業者に処理をさせますときには、もちろん契約上は問題の起こらないような地点に持っていって捨てさせる、それに必要な距離を計算した運賃で契約をしておるようでございますけれども、かような事件に前にも類似のものがあったように聞いておりますが、これは陸上の炭がら等を捨てるときも問題が起こるわけでございます。問題のあるところへ持っていって経費を浮かすという趣旨でございましょうか、契約本来の場所でない近くのところへ捨てて帰ってきて、所定のところへ捨てたと言っておるようなケースが間々あり得るわけでございまして、またさようなことであったかもしれないという感じがするわけでございます。この辺はもう少し調査を進めますと同時に、私どもはすぐ石油精製の関係の工場に対しまして、輸送業者にまかせたということではなくして、それが指示のとおりのところへ問題のないような形で捨ててきておるかどうか、これを厳重に履行させるように先日警告を発しておいたわけでございます。  基本的な問題といたしましては、ただいま私申し上げましたように、どうしても工場内で処理することが不可能だ、これはそのものの性質上技術的に不可能な場合と量的に不可能な場合と両方あり、かつそれがからみ合っておるのだと思います。これにつきましては、現状どうもいまのような処理をする以外にはない。そうなりますと、よほど廃棄業者の自覚を促すような形で、故意にそういうようなことをすることがないように厳重に監督する必要があろうと思います。より基本的には、おそらくいまの契約関係を見ますと、野間先生おっしゃったとおり港則法上の要件にはいずれも合致しておる。ただ、それだけで実効があがるかどうかということには問題があるわけでございますが、これに対して何らかの改善措置を考えていくということになりますと、これもまだ検討してみないとわかりませんが、いま私の頭の中にある程度のことでございますけれども、当委員会で問題になりました例の海の汚濁防止条約の批准のために必要な国内法規というものを、批准のためにも整備しなければいけない、それはいたしましょうということで運輸大臣も当委員会で御答弁になっておりますあの法規と同じ性質、目的を持ったものでございますので、あの中にこういう問題も織り込めるように検討するのが今後の問題ではなかろうか、私はかように考えております。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 先ほど先生の御質問の中で、地方条例でどれだけ悪臭を対象にしておるかというお話でございますが、非常に恐縮でございますが、公害防止条例という形で事業所公害防止条例というものも中にはございまして、十の都府県がやっております。その中で悪臭を入れているのは幾つかということにつきましては、私正確な数字をいま持っておりませんが、明らかに悪臭を頭に置いて対策を考えているのは宮城県でございます。宮城県は特に悪臭の問題につきまして、県独自の立場で大学の協力を得ながらにおいの程度を定めておるということをやっております。そのほか条例にはなっておりませんが、北海道の函館市が市の規則ですかによりましてこの悪臭対策の要項をつくってやっているということもございます。  今回の神奈川県のように悪臭の問題で措置命令まで至ったということは、私どもといたしましては初めてこういう形まで聞いたという問題でございます。ただ非常に各地に悪臭の問題が多いということは事実でございます。御承知のように大工場の問題は別といたしまして、零細な企業でございまして、本件の日本油化につきましても、聞きますと、資本金が五百万円で従業員が二十人の小さな工場でございます。本件の工場が一体国の法律にかかるかどうかということで、最もそれに近いと私どもまず考えましたのがへい獣処理場の法律でございます。へい獣処理場の法律では、ここにございますように、すでにあぶらとなってしまったもので飼料をつくっていくというものはへい獣処理場の法律にはかかりません。と申しますのは、へい獣処理場の法律では密殺、屠殺を押えるということが本来のねらいとなっておるものでございまして、製品になってしまったものからさらに第二次的な加工をやっていくものをその対象の中に入れておりませんので、へい獣処理場の法律の対象ではございませんでした。そういうことで神奈川県の条例で処理されておりますが、問題の本質は三十七年の五月からこの問題が起こっておりまして、すでに県が指示をいたしましたり、警告書を送付いたしましたり、あるいは勧告をいたしましたりしまして、四十年の一月にこの公害認定の申請があり、四十一年の一月にこの県条例第二条によって公害と認定されたという経過をとっております。四十年の六月に川崎市長から県条例九条に基づく改善措置命令の発動の要請がございまして、この脱臭装置等につきましての計画書が提出されましたが、これでは不十分であるというようなこともございまして、四十一年の二月に臭突、においを抜く煙突でございますが、それから出ます白い廃ガスを再燃装置に回すような改造をしたそうでございます。現実にいままで約八百万円の経費をその企業は使ったという事実はあるそうでございますが、なかなかそれだけでは問題が完全に片づきませんで、四十一年の三月の公害審査委員会で条例第九条に基づく改善命令を出し、猶予期間百二十日ということになったそうでございます。もちろんそのような措置のほかに、工場の大掃除をさすということも、これは非常に原始的なことでございますが必要な事項でございまして、このことにつきましてはすでに企業もかなりのことをやったということを聞いておりますが、この百二十日の猶予期間に完全になし得るかどうかということは、まだいろいろの問題が残っているようでございます。聞きましたところ、公害を認定したようなケースは、従来は神奈川県でも多うございますが、措置命令を出したのは今回が初めてであるということでございます。そういうことで国の法律には現在かからずに 条例の措置命令で、神奈川県としては初めての適用のケースでございます。  私ども、まだ技術的な角度から十分施設を見ておりませんから何とも申しませんが、悪臭の問題は、鼻のほうが非常に鋭敏でございまして、鼻にひっかかるものでも計器にはなかなかひっかかってまいりません。それを取り除くということはきわめてむずかしい点がございますことと、当初問題の地区のまわりに住居ができて市街地形成が起こったというような点もございまして 悪臭対策ということにつきましては、前会大臣も悪臭を公害の問題として扱うよう検討を進めるというお話もされまして、私どももその指示を現在受けておりますが、この悪臭の問題は、現在調査の委託費を出しまして、四十年度から本格的に取り組み出したというのが正直なところ厚生省の実情でございます。対象が非常にこまかくて技術的にも困難なことで、外国の法制でも悪臭の問題で基準を設けて押えているというケースはまだございませんで、その辺を今後どういうぐあいに検討していくかということで関係省庁ともよく連絡をとり、私どもの中でもできるだけ検討を進めて対処いたしたいと思います。

野間千代三日本社会党

○野間委員 この前厚生省の橋本さんに日本油化の御検討をいただいておいたのですが、経過としてはよくわかりました。  それで前に戻りますが、まず、いま中川さん言われるように、たとえば石油精製過程から生まれてくるこの問題は、地上で処分をするというのはむずかしいと思いますね。埋蔵するといっても限度がありますしなどするので、なかなかむずかしい。そうなってくると、どうしても海上に捨てるという以外にはないというふうになろうと思います。そこで海上に捨てるとなると、もちろん汚濁の条約の問題もありますけれども、もっとこれは接近しているわけですね。それが大企業でも、輸送するほうはそう大企業じゃない。したがって、きわめて至近距離に投棄をするということになると思います。そこでまずいま警告をされておるわけですが、投棄をする場合に——これはいまの話で運送業者がサボったりあるいはごまかしたりしてしまえばそれまでですが、それはそれとして、いまの問題は毎年あるのです。この五月、六月のころになると、ちょうど風向きの関係、気候の関係などであろうと思いますが、これは毎年あるようなケースですね。毎年いまごろになると神奈川県付近では問題にしているもので、私がこの前の委員会で申しました羽田飛行場の管制官が目まいをしたというような例も過去にあるわけですね。そういう関係で、これはにおいということで無視していい問題ではないのです。そこでこの問題を規制をする場合に、これはいまの神奈川の条例で規制ができる問題ではないように、条例の構造を見るとそんなふうに感ずるのですね。したがって、どうしても県から上の段階で規制をしなければならぬ、こうなってきはしないかというふうに思うのです。そういう意味で現在ではこういうものを規制する法律はもちろんないわけですね。いま中川さんの言われたように警告をする程度になってしまうわけですが、これは警告をしただけではやはりそう簡単に、一万メートル以内は別にして、それ以上のいわばこういうにおいが発生をすることが全くないということにまで強制をする力というものはなかなかなさそうに見受けますが、そうすると、通産省としては警告をする以外、ほかにもう少し強力な方法によって再びこういうことがないようにするということはできないものでしょうか、どうでしょう。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 先ほどお答えいたしましたとおり、私どもの行政指導でやり得ますことは、投棄、廃棄を依頼する石油精製会社に対しまして、廃棄業者に廃棄を依頼する場合は、捨てる場所について通産省の指導に従って問題の起こらないような地点に捨てさせるように契約をしなさいということまでは、私どもできるだけ責任を持ってやりたいと思いますが、あとの廃棄業者のほうになりますと、これは輸送業の業者になるわけでございまして、私どもの責任と権限で直接指導するというわけにはまいらないわけでございます。したがって、先ほど卑見として申し上げましたような、海をきれいにするという観点からの法律の中で、こういう問題も含めて解決をしていくか、あるいは輸送業者に対する業務上の監督その他の観点でそういうものを考えていただくか、あるいは先生がおっしゃったように港則法の分野で考えるかとか、いろいろ考え方があるんだろうと思います。先生自身おっしゃいましたように、おそらく港則法その他は法律の目的からして必ずしもふさわしいものではなかろうという感じがいたしますし、運送業者に対しての一般的な業務監督というような面で処理をするには、いわば公害的な面から出た必要性でございますので、これは必ずしもふさわしくはないんじゃなかろうか、私はそういう感じがするわけです。運輸省のほうでどうお考えになるかは別でございます。そうなると、一番近いのは、海上投棄について、これは船自身が持っておる廃棄物を捨てることを念頭に置いた条約でございますけれども、そこらを少し拡充して、いま御指摘になったような問題も含めて検討し考えてみるということも一案にはなり得るのではないか、かような趣旨で私はお答えしたわけでございます。現在の法制をもってしましては、道義的には別にいたしまして、法律的にどうこうというわけにいかぬ問題であろうかと思う次第であります。

野間千代三日本社会党

○野間委員 もちろん、いまの法律の中ではこれは方法はない。そこに問題があるから基本法の問題にまでなったわけなんです。それから、海上汚濁の条約のことでやっていっても、いま中川さんの言うように、そのものずばりではないのです。海上輸送あるいは港湾運送にしても、運輸省のほうの関係ですから、運輸省のほうで取り締まる場合に、運輸省のほうではにおいは取り締まらないわけです。運送するもの、そうなると、においがあろうとなかろうと取り締まらなければならぬ、こうなってくるわけです。そうなってくると、どうも処置がないということになってくるので、運輸省のほうでこういう問題を運輸行政の上で規制するなりあるいはチェックするなり、そういう方法が運輸省が所管をしているいまの業務の中で何かあるかどうか、これはどうなんですか。

原田昇左右運輸事務官(大臣官房開発課長)

○原田説明員 運輸行政の面で、こういった悪臭を放つ、公衆に害のあるものの運搬を規制する方法があるかという御質問だと思いますが、一般的に、先生御承知のように爆発物とか危険物につきましての規制はある程度あるわけでございますが、しかしながら、臭気を伴うものの運送契約についていろいろ規制するとか、あるいはその船舶の構造を規制するというような手だてを持っておりません。したがって、われわれとしては、そういう面からこれを規制するのは若干問題があるのじゃないか。むしろ原因発生者を規制していくというのが筋ではないか、こう考えております。

野間千代三日本社会党

○野間委員 大体一回り回ったのだけれども、回ってみたらどこにもない。これは結局は、この前大臣が臭気を公害にする、そう答えられた。これは非常に常識的な答えです。その答えにけちをつけるのじゃない、これはそのとおりでいいのですけれども、問題は臭気を公害として扱うという基本そのものが実は非常にむずかしいということなんだろうと思うのです。しかし、実際問題として、臭気そのものがすでに公害として扱われなければならぬほど問題になっている、そういう時代です。そこで、せっかく公害基本法に取り上げよう、事実国よりも先行してちゃんと取り上げておる県もある。実際それをやっておるということです。したがって、国のどこか基本になって担当をするところで、まず第一に、それじゃ臭気とは何かということになると思うのです。いま回答があったように、だれかにおいに強い人を厚生省に置いて、それではかるというわけにはいかない。何か機械的な、きちっとあらわれてくる計器類によって測定をするというふうになるわけです。ちょっと不勉強なんですが、たとえば神奈川県などは臭気を認定する際にはどういう計数で認定をしておるか、審議会なんかでは……。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 いまの御質問は、神奈川県の認定基準の場合に、委員会がどの基準によっておるかということは、臭気につきましては私どもとしてまだ明確に承知いたしておりません。ただ臭気の対策の問題で、卑見ではございますが、発生源としまして、一つは工場から出てくるという問題がございます。それにつきましては、通産省の企業局次長のおっしゃった考え方が適用できるのではないかと思いますが、もう一つ厚生省としては、人に文句を言うだけでなしに、私ども厚生省自身の関係しております清掃施設の不備によりまして起こっておる臭気の問題があります。これはごみ処理工場等を近代化して、焼却炉内の温度を変えることによって完全に解決できる問題でございます。またダンピングすることをやめてすべて焼却処分にするという、現在の整備計画を完全に実施することによって処理できる問題でございます。もう一つは、農林水産関係の非常に零細な企業関係で、へい獣処理場の法律の問題と関係してくる問題と、関係してない問題がありまして、その施設をどう押えるかという問題があろうかと思います。そういうものを扱う業者を取り締まるものが何かあるかというお話でございますけれども、現行法規ではございませんが、きわめて似通ったような法律上の扱いをしておりますのは、清掃法によりまして、投棄の基準あるいは清掃業者の認可の基準がありまして、清掃法では投棄の禁止は地先海面二百メートルまでとなっておりますから、これを押えることはできませんが、押える態様としては、清掃法の中にそれに似通った態様のものがあるということでございます。ただし、臭気の基準云々という点につきましては、先ほど申し上げましたように、宮城県の場合も、食塩水に何倍に溶かしたらそのにおいを感じなくなるかというやり方でございます。これは隅田川の水質基準を設定します場合のBOD一〇、DO一ということをきめた場合にも、かなり似通ったやり方をしております。ただその場合に、においの程度が計数化されるかという問題につきましては、非常に進歩したサンフランシスコの場合もエキスパート、人間が最後の段階をきめるというようなことでございまして、最後はどうも人間のほうになってしまうというようなことで、基準を設定してこれを押えることは非常に至難であって、これを早急に検討いたしまして、それをやりますとは、ちょっといまの段階ではお約束のできないものじゃないかと思います。ただ、構造基準といたしまして、現在へい獣処理場法の中では、構造基準の中でかなり臭気に関係した考慮も払っておりますが、そのようなものが排出基準を設定しないでできるかどうかというところに大きな問題がまたあろうかと思いますので、その点は関係省庁との連絡、われわれの検討で少し時間をかけませんと、これはすぐさま規制にいこうということはやり得ないような形でございまして、自治体の条例と国の法律との関係をどういうぐあいに処理していくかといったような観点からやっていく。それから、先ほど申し上げました工業、公共、農林水産、これに分けて対策を考えていくということ以外は、早急な対策はなかなかむずかしいのではないかということが、この問題につきましての率直な感想でございます。

野間千代三日本社会党

○野間委員 それでは、本格的に臭気公害を排除をし、規制をしていくという政府全体の体系なり、対策の担当ですね、あるいは法律に規制をする方法なり、そういう本格的な問題については、それぞれ政府のほうで担当をきめてもらってつくりあげていただくということでは、いまのお答えでいいと思うのですが、それはそれでそういうふうにしておいていただいて、とりあえず現状では、神奈川県もそうだと思いますが、住民の陳情なり請願なり、そういうものがあって、その事実そのものについてどうするかというふうになると思うのですね。したがって、処理の方法としてはそういうことになる。これはまあそれでいいと思うのです。しかし、いまのような場合、いまの政府の状態では、どこへ行ってもぐるぐる回っちまうわけですね。それでよりどころがないというふうになりますから、とりあえずこの臭気公害問題の対策をするそこの窓口なり、あるいは直接担当をするところなり、そういうところはきちっときめてもらわなければならぬ。まずそこをきめていただいて、そうして関連をするのが通産省であるのか、あるいは農林省であるのかというふうに、発生の産業の形態によって出てくるというふうになると思うのであります。ですから、まず最初に直接窓口なり、担当をする官庁は、これは厚生省というふうになるのでしょうか、いずれにしてもまずきめてもらって、そこが中心になってそれをする。これは県条例があるところはとりあえずまず県条例でやっていますけれども、いま申しましたように、そうないですし、罰金は県条例の場合はそう高くとれない。そうすると、罰金を払ってしまえば、とりあえずはいいというような結果にならぬとは限らぬのです。ですから、まず最初に、いま私が言った担当をする省庁をきめていただいて、そこでまず対策を立案をしてもらって、そうして関係ある省と折衝をして、規制をする。そういうぐあいにしなければならぬのじゃないかという、これはやや妥協的な意見、ぼくらの意見は、ほんとうはもっと早くきちっと法律をつくってということであるべきなんですが、それが無理であれば、いま私が言ったぐらいのことはしてもらわなければならぬというふうに思うのですが、これはどうなんでしょうか。どなたか中心になるべき方にひとつ御回答を願いたい。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 公害基本法が検討されます段階におきまして、各省と十分連絡いたしまして、その担当の省をきめていくようにしたいと思います。

野間千代三日本社会党

○野間委員 それでは、これは産業公害委員会の考えとして、当面臭気の問題を規制するために、あるいは起きた問題を処理するための直接政府が担当をする機関を、いま進藤次官が答えられたように、内閣で相談をしていただいてきめてもらう。そこが中心になって事態を検討をし、調査をし、したがって対策を立てる。その対策の中で関係各省が協議に参加をして、そうしてすみやかに対処をするというふうにしてもらったらいかがなんでしょうか。そういうふうにしていただければ、とりあえずは何とか処理ができるんじゃないかというふうに思いますので、これはひとつそういうふうに要望していただきたい、これは委員長にお願いをいたします。  次に、日本油化の問題なんですが、これはひとつ具体的に問題にしたいのですが、確かに零細な企業なんですね。それが八百万円ばかり、県の補助をもらいながら脱臭設備をつくったのでありますけれども、これは農林省の関係になりますか、畜産のほうですね、鶏のえさなんですね。これは精製の過程でどうしても出てくるものらしいのですけれども、これはいつも問題になりますところの原因のところから排除するという以外にはないんじゃないかというふうに思うので、その方法について検討していらっしゃるのかどうか。それともう一つは、県の条例でいけば、ことしの七月十二日までにできなければ運転を停止するというふうになっておるわけですが、現在すでに五月半ば過ぎですが、なかなかそういっていないだろうという状況なんです。これは農林省なり通産省、そういう方面では、この問題は当然上がってくるというふうに思いますが、その場合のことを想定をしながら対策を検討されておるのかどうか、お伺いします。

太田康二農林事務官(畜産局参事官)

○太田説明員 ただいま先生お尋ねの日本油化の問題になっておりますえさの問題でございますが、これは配合飼料の原料になりますところのフイッシュソリュブルの吸着飼料をつくっている会社でございます。この会社は、フィッシュソリュブルそのものにつきましては実は他のメーカーから買いまして、ふすまあるいは脱脂ぬか等にこのフィッシュソリュブルを吸着さす、こういう形態で、いわば配合飼料の原料になりますところの中間資材をつくっている飼料メーカー、こういうことに相なるわけでございます。  そこで、製造工程を申し上げますと、液状のソリュブルを入れるタンクと、それから吸着いたします資材でございますところのふすま、ぬかを入れるサイロと、これをそれぞれ別の入れものに入れまして、それからミキサーでソリュブルを注入いたしまして、これにふすま、ぬかを合わせまして撹拌いたしまして、さらに固形化の装置でペレット状にこれを固めまして、最後の段階で乾燥装置で乾燥をして仕上げるわけでございますが、この乾燥の段階におきまして悪臭の蒸気が発生する。こういうことになるわけでございまして、この最後の乾燥装置の段階で水分が蒸発しますところの蒸気の悪臭をいかに除去するか、こういう問題が基本になるわけでございます。  そこでこの会社といたしましても、昭和三十六年の当初から排気筒を設置いたしまして、排出蒸気にシャワーをかけまして、水で悪臭を消すというような努力もいたしましたし、その後さらに悪臭があるというようなことで、三十八年には、この前に設置いたしました排気筒を改善いたしまして、アルカリ性の溶液を用いて悪臭を抜くような努力もいたしたようでございます。それからさらに四十年六月には脱臭の乾燥装置、これは排出蒸気を七百度のところを通せるようにいたしまして、やはり悪臭を抜く装置でございますが、これを四十年の九月から着工いたしまして十二月に完成したということで、これでほほ悪臭がなくなったというような段階まできたというふうに、業者それ自体は考えていたようでございますが、その後さらに四十一年の一月下旬に、検討した結果改善を必要とするということで、さらに改善にも着手したようでございます。しかし、この改善作業と並行して、先ほど申し上げましたフィッシュソリュブルの吸着飼料というものをつくりましたので、まあ改善をいたしたということになっておるわけでございますが、悪臭が発生した。そこで中間に川崎市の勧告もあるわけですが、先ほど先生のおっしゃいましたように、神奈川県から三月十一日付で、条例九条の規定に基づきまして設備の改善命令が出ておるということに相なっておるわけでございます。そこで、実はわれわれも直ちにここの責任者の方を呼びまして、いろいろ事情も聞いたわけでございますが、会社自体としても、先ほど申し上げましたような経過を経ましてかなり努力をいたしておるわけでございますが、なかなか悪臭を抜く適確な方法がないというようなことでございまして、先ほど厚生省の方もおっしゃいましたが、改善命令の内容といたしまして、工場内の清掃等に特に気をつけろという点につきましては、最近神奈川県に口頭で、そういったことは厳重にやっておりますというような申し出があったようでございますが、設備の改善が不十分である、さらに改善しなさいというような点の命令につきましては、まだ最終的に回答が出ていないようでございまして、その点につきましては、近々文書で出せということをさらに促したようでございます。  そこでわれわれといたしましても、こういった問題が出てまいりますと、非常に付近の住民の方に迷惑もかけるわけでございますので、さらに会社等も呼びまして、その後どうなっているかというような点の追及をいたしたいと思っておりますが、なお現在、業界の代表者、要するにフイッシュソリュブルを製造いたしております関係団体の代表者の方も呼びまして、こういった問題があなたの業界には起こっているので、実際業界としてどう対処するつもりだというふうに、私のほうも話を持ちかけております。それで業界といたしましては、現在、たまたま武蔵工大の鳥山教授という方が、高圧電気でこの蒸気を水滴にいたしまして悪臭を抜くというような方法も研究されているようでございまして、これを実際に工業化した場合にもあまり設備費等もかからないというようなことも言っておりますので、この研究の成果を待ちまして、もしこういった研究が実際実りまして、これが実用化できるというものでありますれば、こういうものを取り入れてまいるというふうに業界を指導してまいりたい。なお、具体的なこの会社につきましては、関係者等も呼びまして、さらに改善方の内容につきまして積極的にこれを進めるというふうに慫慂いたしたい、かように考えておる次第でございます。

野間千代三日本社会党

○野間委員 あとの質問の方もいらっしゃいますので大体終わりますが、それでは前段の問題、つまり担当と内閣のほうの体制をどうするかという点については委員長さんのほうでひとつ考えていただきたい。いまの日本油化のほうは、いま御答弁の方法が強化されていけば一つの方法じゃないかというふうにも考えられますので、ぜひ県のほうにひとつ援助をしていただいて、農林省のほうでも何とかして、七月の十二日までには何とかしないと業者のほうもちょっと気の毒なような気がするので、ぜひ援助をしていだだいて善処を願いたいというふうに希望しておきます。  以上で終わります。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 中川企業局次長に一言お伺いいたします。  こういう悪臭を放つ工場に対して厳重な指令を発したという程度しかできないのか、産業立地については、いわゆる公害というのは公益上という文字がよく使われておりますが、公益上必要がある場合は、改善命令から、進んで工場の設置の効力の問題に至るまでの規制ができるとも考えられますが、その点はどうなっておりますか。単に指令を出しただけでは効果は薄いように考えられますし、せっかくの質問がそれだけでは審議としては不十分のように考えられます。通産省としてはかなりの権限が、もしその通達に従わない場合、公益上必要がある場合はもっと厳重な規制ができると私は考えますが、その点についてどうお考えでございますか。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 いまの委員長の御趣旨、私もちょっと理解ができないところもあるわけでございまして、御承知のように石油精製業等につきましては石油業法という業法もございます。ただ悪臭を放つ物質であって、これを何らかの処分をしなければいけないのだけれども、技術的に手がなくて海上投棄せざるを得ないというのは、特に石油精製がただいま問題になっておりますけれども、ほかのものにもあるわけでございます。石油精製業自身には、法律上の根拠は別にいたしましても、事実上相当強力なる指導監督というものはできるわけでございますので、これは励行させるつもりでおりますし、会社自身も住民に迷惑をかけるようなところへ捨ててこいと言ったつもりはごうもないということで、これは私ども調べました範囲でも、かなりの距離の計算をしてやっておるようでございます。問題は、その契約どおりに履行してなかった場合が起こった場合にどうするかという問題でございまして、あまり適当な輸送業者でなければ業者をかえるとか等々の努力は、私どもの注意に従いまして会社もできるだけのことはやるだろうと思いますけれども、これは極端なことを申しますと、法律があったって破る者があるというくらいのことになってまいりますと、委員長のおっしゃる、私どものやり方として具体的にどういうことをやるべきだというふうにお考えになっているのか、多少具体的にお示し願えればまたそれに沿って考えてみたいと思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 重ねてお伺いしますが、たとえばその業者と運搬業者との間に一応適正な契約が結ばれておるとしても、その契約に基づいて海上に投棄されたとしても、それが数万人、数十万人の日常生活に支障を来たす、悪臭によって困るという事態であるならば、これは公益上支障がある工場だということにも考えられるわけです。そういう場合に通産省はもっと強い措置がとれないのか、こういう意味の質問をしておるわけです。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 たとえばこの範囲のところに捨てろといった場合に、可能性として沿岸住民ににおいが届くおそれがあるといった場合に、より適当な、もっと遠いところへ持っていけという契約にするように指導すること等につきましては、これは投棄場所の指示が適切であるかどうかという問題につきましては、十分指導できると思います。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 それでは審議を進めまして、次に肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 私は、先般からきょうで四回にわたって発電所の亜硫酸ガスの排出問題についていろいろと質問を続けてまいりました。先般要求しました資料に対する答えをいただきましたが、この中でまず藤波さんのほうにお伺いしたいのですが、いわゆる集合煙突と単独煙突の場合の拡散の効率の差異というものは、一応資料によってわかりました。そういう状態が大体わかっておる。ところが、亜硫酸ガス問題が四日市あたりで問題になって、その後に建設にかかったところの堺の発電所の例を一つとってみますると、ここは単独煙突で百五十メートル、こういうことになっておるのであります。したがって、こういう施設を認可する際に、この時期的な関係は一体どういう状態になっておったのか、この点についてお答えいただきたいと思います。

藤波恒雄通商産業技官(公益事業局技術長)

○藤波説明員 御質問の煙突の様式の問題でございますが、御承知のように、公害防止上煙突を高くすること、あるいは集合煙突にいたしまして煙の上昇効果をねらうといったようないろいろな方法があるわけでございまして、時代とともに研究並びに建設経験等を積み重ねまして、新しい方式の開拓につとめてきておるわけでございまして、具体的な発電所の建設計画にあたりましては、その土地の条件あるいは発電所の規模、燃料の種類等とも関連いたしまして、その土地に合います最も効果的なる設計内容にいたしておる、こういうことでございます。堺の発電所につきましても、一号機から四号機までにつきましては百五十メートルの単独煙突の計画でございますが、五号、六号機につきましては集合煙突で百八十メートル、こういったぐあいになっておるわけでございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 先般、私はちょっとこの問題について話をしたと思うのですが、昨年の夏産業公害で調査に行った際に、堺発電所の責任者は百五十メートルだ、こう言ったのです。ところが、たまたま列席しておった、その前にわれわれに説明した——あれは開発局の堺の事務所長ですかは、百八十メートルにいたしました、こう言うのです。そのことがたまたま発電所の説明の際に問題になって、そうして、いや百八十メートルにいたしますと、こう言ったのです。ところが事実は百五十メートルということです。  それからこれは、いわゆる議事録の関係で確認をする意味で、先般あなたがお見えになったときに説明をしておりましたが、関西電力から出しておる資料の中には、やはり百五十メートルだというふうに書いてある。これがもし間違いなら、ただこのパンフレットだけの間違いということになるわけですが、しかし、実際に計画者がそういう計画でおるということになると、これは問題なんですが、あなたのほうからこの点についての確認をしてもらえますか。ここに書いてあるように「1、2号機五〇万KWが運転中、5月には3号機二五万KWが運転を開始し、引続き4−6号機の建設も進む、」四はもうできておるのです、写真には四本の煙突が立っておるのですから。そうして「煙突は高さ一五〇メートル、やがては総出力二〇〇万KWの世界最大級マンモス火力となる計画、」こういうふうに書いてあるのです。ですから、これがもし誤りだったとするのなら、あなたのほうの認可と計画書と相違があるということなら、これははっきりしてもらわなければいかぬ。

藤波恒雄通商産業技官(公益事業局技術長)

○藤波説明員 ただいま先生お話しのとおり、一号機から四号機は百五十メートルでできております。現場御視察の際に百八十メートルにいたしますという説明があったとすれば、それはおそらく一号ないし四号は百五十メートルでございますが、その後の五号機、六号機につきましては百八十メートルにいたします、こういうことを説明したのではないかと想像するのであります。お手元の関西電力のパンフレットに全部が百五十メートルであるかのごとく記載されてあるとすれば、それは説明不足か、あるいは、ミスであると思います。私のほうでは、通産省といたしましては五、六号機につきましては、はっきりと百八十メートルということで認可いたしております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 これはそういうことじゃなしに、私が言っておるのは、これはこれでいいのです。ただ、こういうふうに出てしまって、双方で考え方の相違があるということになると問題ですから、これはあなたのほうで確認される必要があるのではないか、こういうことを言っておるのです。

藤波恒雄通商産業技官(公益事業局技術長)

○藤波説明員 電力会社のほうの責任者とは相違はないと思っております。そのようにさらに確認をいたしたいと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そこで、これは私が結論を最終的に取りまとめることについてどうしても必要なので、むだのようですけれども、もう少し議論を進めていきたいと思うのです。  要するに通産省あたりで考えておられる、あるいは電力会社あたりで考えておるところの発電所の施設というものは、認可と現実の施設というものとの関係はさておいて、たとえばこの資料にあるように四十五年度を目標にしたところの計画はこうだ、こういうふうになっておるわけですね。そうすると、これはいわゆる将来の拡大される産業に対する見込み施設ということになりますね。そういう面では、これはいま実害はないじゃないかという議論になるのですが、しかし、私はそうばかりはいかないと思う点が二つあると思うのです。  その一つは、一カ所に大容量の発電施設をつくるということ、これはなるほどコスト安という面の説明を受けました。しかし、コスト安ということだけではなしに、事故という問題を一つ考えてみると、一カ所にたくさん発電施設が集中しておるほど事故という問題は多く起きる可能性がある。ですから、これによって事故が少なくなるということは、私はやはり逆論じゃないかというような気がする。ニューヨークの事故の問題がちょっと先般も話に出ましたが、発電所の事故というものは、発電所の機械による事故がある、送電線による事故がある。それから、あなた方どう考えておられるか知らないけれども、いわゆる今日の政府の外交方針のように、アメリカ側の陣営に立ってものごとを進められるという段になると、中立政策ではないのですから、昔と同じように戦争状態におちいったときのことも考えなければならぬ。これを無視してものを考えておるということは私はないと思う。戦争がないからというふうに考えておるのは、業者の中にはあるかもしれないけれども、政府のほうはそんなこと考えてないですよ。いつだって戦争は起こるだろうという状態のもとに自衛隊を強化し、そういうことをやっておる。ですから、かりにそういうことをちょっとわれわれが想像しただけでも、一カ所に大容量の発電所が集中しておるということは、これは何らかのもののはずみで、少しでも先ほど言ったような送電線の事故あるいは発電所自身の爆発事故、その他のいわゆる他の力によるところの爆発の事故、こういうふうなことになってくれば、その機能そのものが一カ所で麻痺してしまうのではないか。結局、分散をするということが一番好ましい状態である。だから私が言っておるのは、無制限、野方図に分散しろというのじゃなしに、いま業者が考えておるような一カ所に三百万キロワットアワーというような、そういう大容量の施設のものじゃなしに、少なくとも百五十万キロワットアワーくらいにとどめたらどうか。それでも現実に不自由はないじゃないか、こういうことを私は言っておるわけなんです。  それから、もう一つ重大な問題はやはり公害問題です。この公害という問題があるから当然こういう問題が起きる。公害がなかったら一カ所で一千万キロの施設をつくったって、これは問題はかかろうということになる。ですから、そういう点から考えると、どう考えてみても通産省の許可方針というものは適切なものじゃないという結論か私は持っておるのです。そこで公害の面で私は一つ問題を提起したいのですが、先般これもいただいたところの資料で、これを厚生省のほうで計算をしてもらいました。その資料によると、重油一万トンの燃焼から生ずる亜硫酸ガスは五百四十トンである、こういう数字です。そうすると、今日重油発電所が約二千百万キロワットアワーの計画で、おそらく三千万あるいは四千万くらいに将来必ず私はなると思っているのですが、そうすると、かりに四千万という今後六、七年後の日本の全重油発電施設というものを計算をした場合に、これがフル運転をやれば、大体能率も変わってくるでしょうけれども、いわゆる約という数字で申し上げると、一日の重油燃焼というものは、これは三十二万トンくらいになる。したがって一日の亜硫酸ガスの排ガスは一万八千トン弱となる。これだけのものがいわゆる都心を中心にしてまき散らされるわけなのです。こういうものを公害対策上将来の問題だということで放置していくということは、これは今日公害問題を議論しておる価値がないと私は思っておるのです。この関係については、ひとつ厚生省と通産省のあなたのほうからもう少し得心できるような説明をしていただきたいと私は思うのです。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 技術の問題ばかりじゃございませんので、企業局の立場から御答弁願いましょうか。中川企業局次長。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 ただいまの、何と申しますか、平常時じゃない状態の問題というものは、残念ながら、私どもはいろいろなものを考えますときに、原材料等についての供給上の保障というものには多少の考え方はそれぞれの業種について考えておるとは思いますけれども、国内の施設について特段にそのような観点で配慮しているとは私は承知しておりません。したがって、いまの第一の問題点については、残念ながら御答弁申し上げるだけの材料を持っておらないと申し上げるよりほかないと思います。  第二の公害上の問題でございますが、先生がおっしゃいました総量での問題ということでは、あるいはさような計算が成り立つかとも思いますけれども、前々から申しておりますように、公害防止ということについては可能な限りこれに積極的に対処する。したがって、発電所の立地につきまして、その場所ごとに、どこまでの留意をしなければいけないかということについては場所に即して十分に配慮をするつもりでおります。また、前にもお話いたしましたように、そういう考え方で考えてまいりますと、特定の場所における特定の業種の産業というものの立地そのものというものを考えていかなければならない事態に現在はきておるのではないか、こう申し上げましたように、立地の調整というようなことは今後の問題として十分に検討してまいりたい、こう考えております。それから非常に先の話でございますならば、その間に、これもまた前々からお話しておりますように、亜硫酸ガスの除去という技術の開発につきましては、当委員会から決議もいただいておりまして、あの決議の目標どおりに最大の努力を払いたいと思っておるわけでございますので、ずいぶん先のときの亜硫酸ガスの量というものは、技術問題が解決していけば、これはいまの技術を前提にした計算どおりにはいかない。ただ、前々から申しておりますように、この技術開発の問題はたいへんむずかしい問題でございますので、必ずそうなるというふうに申し上げるわけにはいかないことはまことに残念でございますけれども、できるだけ亜硫酸ガス除去の技術開発というものは進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。したがって、企業局といたしましては、公害問題に対処する基本的な考え方といたしましては、未然に公害を防止するという観点に立ちまして、現在の技術をより前進させること。それから立地的に予防的な観点を取り入れる。第三に、現在のいろいろな諸法規というものを改善する必要があればこれを改善し、規制監督を強化すべきものがあればこれを強化していく、そうして企業がこれに対応できるような必要な助成を加えていく、以上のことに尽きるのではないか、かように考えておるわけでございます。具体的にどこの発電所がどのくらいの大きさであればよろしいかということにつきましては、それぞれの個所において考えるべきことでございますので、公害上の問題さえなければ、かねて公益事業局から説明しておりますように、エネルギーのコストというものをできるだけ安くするという意味合いにおいての大型化という要請が片方にあり、片方では、その場所でそんな大きいものをつくっては問題があるのではなかろうかという公害上の問題があれば、その問題を十分配慮した上で調節をはかっていく、こうなるべきものではないかと考えておるわけでございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 中川さん、一番あとのことで私はもう少し聞いておきたいのですが、公害という問題についての認識のしかた、これは通産省では、公害の発生は産業の副産物ということで考えておるのですね。われわれは公害というものは同列のものだと考えておる。今日まで公害というものが公害として実際に害を与えないときの状態の場合にはそれでよかった、けれども今日ではもう公害というものを考えないで生産手段は考えられないような、そういう状態になってきておるということをわれわれは議論しておるわけなんです。ですから通産省が依然として、公害は産業上当然起こってくる副産物だからこれは事後に処置したらよろしい、まず生産が第一手段だ、そういう考え方があなた方の頭の中から抜けないような気がする。一つの例を申し上げると、たとえば、この水の中には、人間が死にやしないけれどもこの程度のばい菌は入っているよと言われる水と、これはきれいな水だと言われる場合に、どちらを選びますか、必ず人間はきれいな水を選ぶ。どうしても水に不自由をして、ない場合には、まあ死なないならこの水でもがまんしようかということになる。空気の場合でも、私はこれと変わりはないと思っている。ただ、水と空気という関係は、人間の生活環境において簡単に解決できない問題だ。ここは空気が悪いからよそへひとつ移住しようか、ここの水はどうも悪いからよそへ移住しようか、こういうことがそう簡単にはいかない。結局水と空気ということの二つの関係は、国が責任を持って対策を立てざるを得ないということになる。初めからこの中に毒がまじっておるとしたら、水を飲む者はいない。この大気の中には亜硫酸ガスが、人間の致死量ではないけれども、とにかく危険な状態に近づきつつあるということはわかっておるということ、これが今日議論の対象になっておる。ですから、この産業の立地条件というものは、そういうものを前提にしたところの計画というものでなければいかぬというふうに私は考えておる。その点は、あなたと私の考え方が違いますか。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 どうも肥田先生のお話を聞いておりますと、私の申し上げ方が不十分であったためにあるいは御理解を得ていないかという感じがするわけですが、産業立地という問題を考えるときに、公害ということを念頭に置いて、公害ということを大きな要素として考えなければならぬということを私は申し上げておりますので、その意味におきましては先生のお考えと違ったところはないと思います。従来、通産省が産業活動を推進する立場にある役所であって、産業活動から出てくる公害現象というものの解決は二の次であるというふうな印象を、先生方に残念なことであるけれどもお与えしておったのかもしれませんが、それは私もこの委員会へ出てまいりましてかれこれ一年近く相なるわけでございますけれども、さようなことで申し上げたつもりは毛頭ないわけでございます。むしろ、産業活動が思ったようにやれるということと、公害上問題が起こらぬということは、非常にむずかしいことであるけれども両立させていくのが私どもの義務である、かように考えておるわけでありまして、公害防止のために産業活動をストップさせろということでは通産省は賛成いたしません。しかし、産業活動をするために公害があってもかまわぬという思想は絶対にとりません。非常にむずかしいことであるけれども、これは両立させるということを考えております。しかし、公害上大きな問題があって、多少産業側ががまんしなければいかぬということがありますならば、これは当然がまんすべきである、ゆゆしき公害上の問題であるということであればがまんすべきことである。こう考えておる点におきましては、先生のおっしゃったことと私のいままで申し上げたことは特別に変わったことはないかと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 これは気持ちの上ですから、了承したことにしておきましょう。  それから、これはことのついでということで藤波さんにお伺いしたいのですが、これは技術上の問題ですが、最近の発電機の大型化によるところの技術提携の関係ですが、たとえば従来からも芝浦はGE、あるいは三菱はウェスチング、富士はシーメンスと、こういうふうにいろいろ技術提携をやっておりましたね。今日もその点では変わりはないと思うのですが、技術提携とそれから大型発電機の導入と、さらに導入後の日本の大型発電機の生産と外資との関係、こういう関係は大ざっぱにいってどういうことになっていますか。いわゆる純粋の技術提携ということで、日本の技術員が一つのサンプルをもらえば、そのモデルを中心にして生産が行なわれておる、こういうことなのか、それともそうではなしに、ある程度の部品というものはすべて技術提携の条件のもとに一緒に入ってきて、そしてそこで生産されておるのか。この点どうなんでしょうか、簡単でいいから…。

藤波恒雄通商産業技官(公益事業局技術長)

○藤波説明員 御質問の点でございますが、火力発電所の単機容量は逐年大きくなってまいっておりまして、最近におきましては一台で六十万キロワットというところまで最大のものはまいってきております。それに至るまでの各段階におきまして、一番最初のものにつきましては外国から輸入をいたしておるのが通例でございます。二号機からは、同類の同じ規模のものにつきましては国内メーカー、技術提携をした上でございますが、国内のメーカーがつくっております。したがいまして、現在の段階におきまして輸入を考えておりますのは、五十万キロワットとか六十万キロワットとかいうクラスのものでございまして、それ以下の、たとえば三十五万キロワット級以下のものにつきましてはすべて国産されておるというのが現状でございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 私がお伺いしたのは、いわゆる技術提携ということと新しい技術の導入ということと関連をして、その発電機の大型化というものをことさらに特定の地域にやらなければならぬような、そういう追い込まれた状態にあるのじゃないかという話をちょいちょい聞くもんですから、参考のために伺いました。  そこで、私はひとつ最終的な問題としてお伺いしておきたいのですが、堺の発電所の施設の関係は、大体間もなく百万キロは発電するようになりますね。これはとりあえず百五十万キロで一時ストップということになりますか。それともう一つ、隣接してゼネラル石油というのが製油開始を去年の秋でしたか春ごろでしたかやりましたが、このゼネラル石油の施設の容量というものはどういうふうになりますか。それをひとつ前提にして最終的にお伺いしたいことがあるのですが、まずそれだけお答えいただきたいと思います。

藤波恒雄通商産業技官(公益事業局技術長)

○藤波説明員 とりあえず堺発電所の規模につきましてお答えいたしますが、お話しのとおり、現在きまっております計画ができました場合におきましては大体百五十万キロでございまして、四十五年末まではそこどまりと考えております。それからさらに数年先の問題になりますが、もう一台計画するという可能性がございまして、そうなりますと二百万キロになりますが、ここ十年間の見通しといたしましては大体そこどまりではないか。百五十万キロと申し上げましたのは、五年先の四十五年度時点までで百五十万キロ、この前資料で御説明したとおりでございます。  隣につくられます石油工場の規模等につきましては、ただいま私、御答弁申し上げるだけの資料を持ち合わせておりません。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 これは藤波さんと畑が違いますが、これはどなたに尋ねたらいいのですか。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 実は私どもも資料を用意しておりませんので、鉱山局から取り寄せて後刻また申し上げます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そこで先般、四月十二日に各参考人が見えていろいろ公述をされた中で、三重県の特殊な事情にあることは私も肯定いたしますが、三重県立大学の吉田教授が話をされた中で、簡単に集約すると、こういうことが載っておるのです。これは確かにお医者さん、いわゆる学者は学者の立場、こういうことで言われたと思うのですが、「今日産業公害の中心問題になっております亜硫酸ガスの問題は、すでに数年前われわれが石炭から石油へのいわゆるエネルギー転換を行なうときにある意味では予期されておった問題でございます。さらにもう一つは、このような石油の大量使用ということは、効率の高い近代的な大容量施設で行なわれる場合が多いので、したがってそういうような施設では結局一つの施設から十数トンに及ぶ亜硫酸ガスを排出する、こういうことになります。現実に四日市市で昨年の一日の亜硫酸ガスの総排出量が約四百三十トン、年間にいたしますと実に十四万トンに及んでおります。これは卑近な例をとりますと、浅間山の亜硫酸ガスの排出量は年間約百トン程度でございますから、結局約千四百個程度の浅間山を集めて噴火さしたと同じ量だということになります。」こういうふうに書いてあるわけなんです。さらにずっとこの記録には、非常にわれわれが参考に値する各地域の問題も出ております。  そこで要するに、大量の亜硫酸ガスが近代施設の中からは予想されるということを前提にして、私は先ほどゼネラル石油の製油能力というものもお聞きした。それから堺発電所の将来の施設が二百万キロワットアワーになる。現在はもう間もなく百万キロ、こういうことになりまして、したがってこれを前提にして私はお伺いするのですが、たとえば堺の地勢というものを見てみますると、いわゆる堺の東部というのは、これは大体生駒山系です。これはあまり高くないのですが、六百から四百五十メートル程度の山系がある。それから少し南に振ると、今度は金剛山系があります。この金剛山系はだいぶ高くなって、金剛山の一番高いところは千百二十メートル、葛城山は九百六十メートルくらい。それからずっと今度は南に走っておる和泉山脈、この壁はごく普通の低い山脈のように見えるけれども、実際には大体八百から九百メートル近いところの山々がずっと続いている。この一つの壁というものを考えてみれと、東からずっと南へこれが大体二十キロから二十五キロの範囲で大きな壁ができておるのですね。この壁を中心にしてどれだけの人が住んでおるかというと、大阪府の人口の大体六割、こういうことになります。たとえばこのひざ元の堺市は四十万ですから、この四十万というのはすべてこれは、山間部の特殊な部分は除いて全部十キロくらいなワクの中にすぽっと入ってしまう。大体この影響する範囲というものを二十キロの範囲の中で考えてみると、これは四百三十万程度の人々がこの半径二十キロのワクの中に入ってしまう、こういうことになります。半分は大阪湾ですから問題ないわけなんです、これは海ですからね。いわゆる陸に面したところの方面、これだけで半径二十キロで四百三十万くらいの人が、大阪市それから堺市の亜硫酸ガスの被害をこうむる、こういうことになるわけです。簡単に私はいまこういうふうに申し上げましたが、大阪市の人口というもののこれまた約六割の二百五十万くらいな人、この範囲というのは大阪市の住吉、東住吉、阿倍野、生野、西成、天王寺、南、東、西、大正、浪速、この大体各区がみんなすぽっとこの中に入ってしまうわけですしそして生駒山を壁にして大阪市から排出されるところの亜硫酸ガスその他のばいじん、それから堺市の発電所それからゼネラル石油、こういうものからずっとこの地域にいわゆる亜硫酸ガスの滞留状態ができてくる。こういうことを考えると、私は、いままで公害が出なかったけれども、しかし堺発電所というものが百万キロかりにフルに運転したときの状態はどうなるだろうということを私は非常に心配しておる。そういうことから、私はまず当面の対策として、結論的にお答えをいただきたいことがあるんですが、たとえば一つの例を堺発電所にまずしぼってみますと、現在は百五十メートル、これから五本目からできるのは百八十メートルになるかもしれないけれども、こういうことに結論的になるわけですから、現在の四本の百五十メートルというこの単基の単独煙突、これを私は百八十メートルにしなければならぬだろう、こう思うのですが、この点について技術的なひとつ検討をしてもらいたい。  それから今後の百万キロワットアワー以上については、先ほど御説明願ったように当面五十万キロワットこのあとふえてその四十五年目標程度、それからそれ以後十年間くらいに二百万キロになるだろう。こういうことですから、これはわれわれが決議をしたところのいわゆる脱硫装置の問題もありますから、これはひとつ預けておくことにいたしましょう。しかし、当面この単独煙突の百五十メートルというのは、これは何らかの検討の余地が私は必ず生じてくると思う。これは公害が起こってこの問題を議論するというのは、私はきわめて無責任に感じるので、このことを皆さん方に申し上げているわけなんです。  それからもう一つ、これは全般的な問題として、私は当面、いま質問申し上げたところの半径二十キロあるいは二十五キロというこのワクの中に入っているところの大阪府の大体六割の人口、そしてそのうしろには金剛山脈あるいは和泉山脈という千メートル近い壁があるということ、こういうことを条件にすると、当然この地域に対して、これは地方の自治体に依存するのではなしに、国としてこれに対するいわゆる亜硫酸ガス測定の施設というものをすみやかにつくる必要があるのではないか。これは同時に、私は地元の問題を問題にしておるのじゃなしに、全体的な問題として東京都あるいは大都市の周辺においても、これらの測定施設というものはすみやかに政府の手でつくる必要があるのではないか。とりあえず私は問題点をこの二点にしぼって、ここでひとつお答えをいただきたいと思うのであります。このことについては、私はいやおうは実は言われないと思うのです。先ごろ決議をした際に通産大臣が言われておりますこの中には、抽象的で幅は広いけれども、私は当然この問題について大臣は触れられていると思う。そういうことを前提にしてお答えをいただきたいと思います。

中川理一郎通商産業事務官(企業局次長)

○中川説明員 いま先生のおっしゃいました二百万キロ、残りの五十万キロ、これは先の話でございますので、先ほど私がお答えいたしましたように、予防的観点でものを考えていくということになりますと、その間における工場新設というのけどれくらいになったか。いまその全体のエアリアについて先生のおっしゃったようなところでございますので、その時点での情勢を見きわめ、その時点での技術開発の状況を考えて、藤波君が先ほど二百万の計画がありますと言ったのは、ほかに支障がなければということでございまして、その時点で、それは法律上の根拠もあるわけでございますので、あらためて十分にチェックしてみるということで、先の話でございますのでひとつ御了解していただきたい、こう思うのが第一点。  それから堺地区、あの辺の地区は、先ほど地形的に先生おっしゃいましたようにいろいろ問題のあるところであり、かつ、今後工場の増加ということも考えられる地域でございまして、これはあるいは私説明を落としておったかもしれませんが、私のほうでやっております総合事前調査というのを毎年数カ地でやっておるわけでございます。ここではヘリコプター、飛行機を飛ばしまして、発煙筒をたいて、そこに工場を置いた場合にどういう状況になるかということを非常に精密に調査をいたすと同時に、これをまた持ち帰りまして風洞実験によってテストをするということで、その地域において望ましい立地というものはどういうものであるかということを確認することをやっておるわけでございます。この対象地域に本年度内に考えております。この点も、私どもが予防的観点で十分配慮しておるということについて御認識を得たいという気持ちで、この際お答えしておきます。

藤波恒雄通商産業技官(公益事業局技術長)

○藤波説明員 堺発電所の煙突の点でございますが、この発電所を計画するにつきましては、非常に慎重に公害防止上の検討をいたしまして、実験等をまじえまして顧慮いたしておるわけでございまして、先ほど申し上げました中の最初の四つの煙突、百五十メートルにつきましても、これは百五十メートルと申しましても、普通の煙突から見ると非常に高い煙突になっておるわけでございまして、これの拡散効果を申しますと、PPMの単位にいたしまして、地上の最大濃度の地点におきまして百分の一以下のオーダーになっておるわけで、さらにあとから追加されます百八十メートルの集合煙突につきましては、二かんでPPM単位で申しまして千分台のけたのものになるわけでございまして、これらを総合いたしました場合でもなおかつ非常に濃度が薄い、こういうことを確認をいたして計画がきめられておるわけであります。  なお、それから先の追加分は、いま中川次長からもお答え申し上げましたように、さらに新しい技術の活用もできるだろうと思いますので、先生おっしゃるとおりに、その時点で最も効果的な方法をとっていく、それを確認した上で許認可等もいたす、こういう態度でいきたいと思っております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 もう一つ答えが残っておるのです。これは厚生省でも——私、表現は政府という表現ですから、これは進藤次官にでもお願いしたいと思うのですが、先ほどの堺の発電所の百五十メートル煙突というこのことは、私も現地の説明を少し聞き違えておったかという気がするのです。聞き違えておったとすれば、これは実はなお問題があるし、私は責任も感じるのです。あの当時まだ二基、たしか五十万キロ、去年の夏でしたか、できたかできないかの時分だった。これは百八十メートルだ、こういうふうに言ったものだから、百八十メートルだということになれば、いわゆる二百メートルの逆転層を突き抜けて、とにかくその程度ならば相当希薄になるだろう、拡散されるだろう、こういうふうに理解の前提があったわけです。このことが誤った誤らないということはさておいて、百五十メートルを百八十メートルにさすような技術的な配慮というものは、困難だからできないのか。せっかく百五十メートルでつくったのだからその後を見ようというのか。もし後者の場合なら、私は堺の場合にはひとつ測定装置もつくってもらいたい、こういうことなんです。  それから全域的な問題としては、測定装置というものは、そのときそのときに地方自治体だとか何かの保健所あたりがやるようなちゃちな測定施設ではなくして、国が金を出して測定を委嘱するとか、あるいはもっと権威のある機関で測定をするとか、こういうことをやってもらいたい。これは将来の公害対策のいわゆる基礎的な資料になるのではないか。こういうことから二つの問題点を私は出したわけです。これはひとつ進藤次官にお答えいただければと思いますが、厚生省もともに責任があると思いますし、それから公害課長も見えておるのですから、あなたのほうからもこれに対する計画があるなら聞かせてもらいたい。それから藤波さんの煙突の関係は、そういうことで私はあなたに聞いておるのです。

進藤一馬自由民主党通商産業政務次官

○進藤政府委員 事前に測定することは非常に重要だと思います。厚生省のほうでやっておられるように聞いておりますが、通産省のほうではやっておりません。

橋本道夫厚生技官(環境衛生局公害課長)

○橋本説明員 いまお話のありました環境測定網でございますが、ばい煙規制法によりまして、常時監視の規定というものが都道府県知事の義務になっております。政令で定めた市につきましては政令で定めた市がこれを行なうということになっております。現在の法体系におきましては、やはり自治体が中心になるという立場をとっております。  それから、保健所あるいは衛生当局のやるのは非常にちゃちではないかというようなお話でございましたが、現在大阪府堺市が持っております測定計器の体系というのは決してそう劣勢なものではございません。ただ、全国の大気汚染測定網のような形を張れというように先生の御指示があったように思いますので、この点は広域の公害対策に対して現在厚生省は体系を持っておりません。各都道府県、市だけにまかせておいてよいかどうかという問題がございますので、そういう観点から検討いたしたいというような考えで臨んでおります。  発電所の問題につきましては、私ども、やはり大臣、局長が従来申しておりましたように、環境基準というようなものを明らかにいたすということが一番必要だと思っておりますが、現在のところは、ばい煙規制法の第二十一条の緊急時の措置に該当する条件がどれほどあらわれてくるかということが最も具体的な法律上の根拠のある問題であるというように考えております。厚生省としましては、ばい煙規制法の関係では、発電所はばい煙発生施設としての指定を受け、あるいはばい煙規制法にきめられました排出基準の順守義務を負わされておりますが、その届け出や立ち入り検査等はすべて通産大臣の所管になっておりますので、その点は厚生省は関係しておりません。電源開発調整審議会の中の幹事会として各省ベースでこれに参加いたしておりますので、そのときにおきまして、私どもは、第二十一条の基準に合った状態がどれほど出現するリスクがあるか、あるいは将来検討する環境基準を確保する手段がはたしてだいじょうぶであるかどうかという点について非常に慎重な態度で臨んでいきたい、そういうように思っております。

藤波恒雄通商産業技官(公益事業局技術長)

○藤波説明員 煙突の問題につきまして補足的に御説明申し上げますが、百八十メートルの単独煙突の場合におきましても、煙突の有効高さは三百メートルをややこえるような数字になるわけでございまして、先般先生に御説明申し上げましたように、実験等におきましても逆転層を突き抜けておるということを確認もいたしておるわけでございます。さように御了解をお願いしたいと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 一応これで私も質問を終わりますが、橋本さん、私が測定装置という単純な表現をしたのは、あなたがあとで言われたように、都道府県知事に実施さすということだけでは、予算化の問題があって、至るところでこの問題が生じておるようだから、したがって、このところと場所、そういうものを指定して、直接やれるような施設をやってもらう必要があるのじゃないか、こういうことを含めて私は言ったつもりで、私の表現も不十分でしたが、したがって、いまそういう点について不十分な点があるのなら、あとでまた私も研究をして、それを具体化すような意見を出してみたいと思います。  発電所の問題は一応そういうことで、とりあえず四十三年までに脱硫あるいは亜硫酸ガスの排除装置というものが検討されるということになっていますから、ここしばらく現地の実情をよく見ながら、この問題は私もひとつお預けにしておきたいと思います。  質問を終わります。

井手以誠日本社会党

○井手委員長 次会は、来たる六月一日水曜日午後一時から理事会、午後一時三十分から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十四分散会

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