産業公害対策特別委員会 第7号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/03/30
会議録
○井手委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 この際、油による海水汚濁防止条約の批准見通し、並びにこれに関する国内法の整備について、前回の委員会において各委員から強い促進の要望がございましたので、この際、各省の責任者から責任ある御答弁をいただきたいと思います。最初に福井運輸政務次官。
○福井政府委員 海水の汚濁防止対策に関しまして、運輸省の今後のスケジュールをよく説明せよというお話でございますので、お答えすることにいたします。 当運輸省といたしましては、次のとおり進めたいと考えております。 油の廃棄規制と必要な処理施設等の整備促進のため、国内法の要綱を八月ごろまでに作成いたします。その際、所要経費を推計いたしまして、予算措置を必要といたしますときには、あわせて予算要求をいたしたいと存じております。第三は、引き続いて、次の通常国会に提出することを目途といたしまして、関係省庁と調整をはかりまして、その上で法律案を作成するということにいたしたいと存じております。
○井手委員長 次に進藤通商産業政務次官。
○進藤政府委員 通産省といたしまして、油による海水汚濁の防止条約の批准は促進すべきものと考えておる次第でございます。これがため、条約批准のための規制法案を本年末の通常国会に提出する目標で、政府部内の準備を進めていきたいと考えております。
○井手委員長 次に仮谷農林政務次官。
○仮谷政府委員 海水汚濁防止につきましては、特に水産関係では重要な関心を持っておりまして、一日も早くこの防止条約が批准されますことを念願いたしておるわけでございまして、ただいま運輸、通産両政務次官からもお答えを申し上げましたように、各省十分連絡をとりまして早急に実現するように取り計らってまいりたいと存じます。
○井手委員長 正示外務政務次官。
○正示政府委員 ただいま運輸、通産、農林各省政務次官からお答えがございました。外務省といたしましては、御承知のように昭和二十九年すでに署名をいたしておりますこの条約でございますが、条約の第七条、第八条、これがいわば国内の整備の問題になっております。先ほど運輸省、通産省からお話しのごとく、本年の八月ごろまでに準備を終えられまして、来たるべき通常国会にこれに関する一切の条件を整備しようということでございますれば、外務省も当然喜んでこの条約の批准をお願いいたしたい、かように考えております。
○井手委員長 大蔵省荒巻主計官。
○荒巻説明員 海水汚濁の問題につきまして、関係各省におきまして今後検討を進められますので、これに伴います予算要求等が四十二年度予算の要求として出てまいります場合には、関係各省と協議いたしまして、十分慎重に検討いたしたいと考えております。
○井手委員長 質疑の通告がありますのでこれを許します。丹羽兵助君。
○丹羽(兵)委員 ただいま各省の責任者から、いろいろとこの批准及び国内法との関係について、役所内の御方針を御説明いただきましたが、一度に数名の方から、しかも非常に急いで御説明いただきましたので、聞き違いがあったかと思います。もしそうでしたら、ひとつ御訂正を願って、私の質問にお答えをちょうだいいたしたい、こう思っております。 まず私は、いま運輸省、通産省、農林省、外務省、大蔵省、それぞれから御答弁を承りました。農林省がこの批准を希望しておられることは、被害者の立場から、漁民を守り海を守る立場からも当然なことであろうと思います。前々からこの批准のなされることを農林省は非常に期待をし、要請をしておられましたし、仮谷政務次官の御発言は、私ども十分理解でき、同意をするものであります。 そこで、いまその他の政務次官から、また大蔵省の主計官から聞いておりまして、私が非常に奇異に感じましたことは、いままで世間では、とかくこの批准は通産省側がいろいろの事情があって批准をちゅうちょしておられるかのように私どもは聞いておったわけです。しかし、いま進藤政務次官から通産省側の考えを聞いてみまするときに、通産省がそうした考えを持っておるやに聞いておったのはわれわれ誤解しておったのだ、こういうくらいはっきりしておる。それと申しますのは、国内法の問題については詳しくはお触れにならなかったが、批准のほうは、次の国会にひとつできるだけ批准にもっていくように努力をしたい、批准というものをもうすでに前へ出して、それを次の国会にと、こういうようなお話がございました。もちろん、それには国内法の整備等という問題も含まれておるとは思います。国内法の整備ということも十分考えての御発言ではございましょうが、ここに私どもの期待しておる、海をよごさないように、そしてまたきれいな海を漁師並びに国民に返してほしい、こういう痛切な願いからこれを言っておるわけでありまして、何度も言いますけれども、国内法の問題は当然考えていらっしゃるでしょうが、まず批准をというこの姿勢、次の国会までに何とかひとつこぎつけるように努力したい、そういうような言い方でございますから、私は、いままで世間で言われておりますように、通産省がじゃまをしておるとか、いろいろと反対の意見を強く押し出しておるためにできないのだ、批准にまで触み切れないのだという、こういうような考え方、受けておった感じとは違っておった、こう思うのです。そこで非常に力強い思いをするのでありますが、そういう言い方を私がいたしますると、今度は逆に、福井政務次官のおことば——私は同じ県の御出身の福井さんに言うのは悪いのですけれども、これは役所を代表せられるあなたとして聞いていただかなくちゃならないし、お答えを願わなくちゃならない。いまあなたのきわめてこまかい御説明がございました。なお先回、運輸大臣の言っておるのと、それから中野審議官ですか、これらの方々の御答弁とだいぶ食い違っておるから、最後まで私ががんばって、大臣の考え、姿勢に合わせるような行政がなされなければならない、ポーズも姿勢も全部官僚によってつくられるものではない。すなわち、政治の方向、姿勢というものは、責任ある大臣が示して、役所というものはそれに合うような行政をやっていくことが政党政治の本意であるというたてまえから、それに同調していただいて、それだということで役所側も理解せられたのであります。いまあなたのお話を聞いておっても、なるほど国内法は八月ごろまでに整備したい、そして予算も要求したい。それから、それができたら通常国会、というような言い方でございますが、次の通常国会というと来年になるじゃないか、そんなことで私どもは承知できない。だから、いつまでたっても国内法の整備ということの前提に立って運輸省がおるということは、世間が考えておる、通産省がじゃましておるというのとはだいぶ違うのですよ。逆なんです。だから、これは運輸省自身が、こういうことをあくまでやるんだという大臣の姿勢に合わしていっていただかなくちゃ話にならぬ、こう思う。そうでないと、また大臣の御出席をいただいて、前にこの委員会でお述べになったことを訂正していただかくちゃならぬことになるのです。だから、私があえて重ねての御答弁を要求するのは、国内法は八月ごろを目途としているのだ、予算は要求するのだ、それらがぐあいよくいけば次の通常国会に、なんというような考え方で運輸省がこの批准を阻止している、こう私どもは考えざるを得ない。いままでよその役所を利用して言うておったのが、今度は馬脚をあらわすというのですか、てんでこれは問題にならぬことになるのですが、あるいは私の聞き違いかもしれませんが、その点をはっきりともう一ぺん運輸省の考えをただしておきますから、お答えを願いたいと思うのであります。 それから外務省も、国内法を整備することを待ってというような言い方ですが、国内法は、いつまでたったってこんなものはなかなか完成するものじゃないのです。だからやはり国際的に当然あなたのところが、当時調印をせよといってなさった。その他の記録も持っているのですよ。ちゃんと政府の訓令を受けて——各省との話し合いをして、そうして一九六二年ですか、そのときにイギリス大使は政府の訓令を受けて、訓令を受ける前にはちゃんと話し合っている。そうしてこれをやっているのですからね。何も外務省独走だとは私は考えていない。内閣の責任においておやりになっている。国際的な信義にも関係することですから、国内法のことは他の役所に促進をさして、外務省としては批准の姿勢を進めていくことが国際信義を重んずることになると私は思うのです。これはちょっと外務政務次官から重ねてお答えを願いたい。 私は、大蔵省の御意見については、そういうぐあいに法律をつくって国内法の整備をしていこう、規制を加えるような法をつくろうということについて、予算の要求があれば十分ひとつ関係方面と相談をし交渉して、変えるように努力をするというお答えはもっともだと思う。大蔵省それ自身が、国際的な批准を考え、あるいはまた、それによるところの国内法の整備というものも大切だ、それには金も必要だという立場をよく御理解いただいておりますことを、私は心から感謝するわけです。 あなた方、非常に急いで御説明をいただいたので、私の聞き違えがあったかと思いますが、どうぞひとつそういう点があったら御訂正をいただいて、なお質問の点についてそれぞれひとつ重ねての御答弁を願いたいと思います。
○福井政府委員 お答え申し上げます。丹羽先生のきわめて御丁寧な、聞き違いであったかもしれぬとおっしゃっていらっしゃるその御発言については、私が言いそこなったかもしれぬということばで、なお御説明申し上げたいと存じます。 私ども運輸省といたしましては、国内法が整備できますれば、できるだけ早く、できる限り早くということに御了解が願いたいと思いますし、そのつもりでおります。すでに大臣もこの前この席で申し上げたと存じますが、その趣旨はそのとおりでございまして、その後閣議においても、運輸大臣はその方向において強く発言をしておるということを御報告申し上げたいと存じます。できる限り早く国内法の整備に合わせて促進したいということに御了解をお願いいたしたいと存じます。
○正示政府委員 私の先ほどのお答えに対して多少つけ加えて申し上げますが、ただいま丹羽委員のおっしゃいますように、本条約に署名をいたします際は、いわゆる内閣において責任を持って決定をいたしておりますから、これは一外務省の独走ではございません。内閣全体、つまり日本政府全体を拘束しておる。この署名はそういう形で行なおれておることはもとよりでございます。 そこで、先ほど運輸省なり通産省なりの御答弁によって、今回われわれの待望しておりました国内のいろいろの条件が整い、批准に向かうということをたいへん喜んで答弁をいたしたような次第であります。そこで、申し上げるまでもございませんが、国内の諸条件が整うことが非常に大事でございまして、条約が発効いたしましてから、条約上の義務を履行できないようなことでは、それはまたたいへん困るのでございます。したがって、条約が発効いたしますまでに十分それらの点についてわれわれは各省と連絡をとりまして、いま大蔵省からも答弁がありましたような意気込みを持ちまして条件を整える、発効に踏み切りたい、こういう考えを申し上げたわけであります。
○丹羽(兵)委員 だいぶん各省の御誠意ある姿勢というものはわかってきたのです。最も積極的に通産省も考えておっていただけるし、運輸省のほうは、ただいま福井政務次官からきわめてよくわかるように御説明いただいたのですが、そこで私はもっと突っ込んでお尋ねしたいのは、どうもあなた方のおっしゃることは、外務省では、政府の責任において——政府が拘束されるという、そして外務省独走ではなくして政府の名において調印したんだ、こう言う。これは当然なことであり、その責任をとって、この批准ができるようにしていただかなくちゃならないと思うのです。だから私は、外務省の立場を考えるわけではありませんし、農林省側の考えのみを推奨するわけではありませんが、これはどうしたってやらねばならない批准でしょう。 そこで、その批准を進めるために、このままのきょうの質問でおくと、いままでのように、国内法を整備しなければ、国内法が整備できなければ批准に踏み切れない、批准の段取りが、国会に批准を求めるわけにはいかないというようなことでその国内法なるものが、ある役所はできるだけ早く、ある役所は通常国会に間に合うように、こういうことなんですが、先回、運輸大臣のお考え等聞いておりますと、もちろん国内法を軽視したり無視したりしているわけではない。あくまで国内法というものは十分配慮しておられますが、しかし、そういうことをまた言っておると、これは卵が先か鶏が先かということになって、また一年や半年おくれてしまうのです。その間に海は荒らされてしまう、魚はおらぬようになる。私は魚というような問題ではなくして、このまま一年、二年ほっておけば、いまに必ず国民全体としての声が起きてくる。それはなぜかと申しますと、いまはまだ桜を見て国民は気をまぎらわしております。そういう時期ですけれども、もうすぐに今度は暑くなってくるでしょう。そうすれば都市の人間が凉を求めて海に出る。もう都市近郊の海というものは海水浴なんか全然できない。これは観光という小さな意味ではなくて、国民保健という上からいっても、都市近郊の、いままで海水浴のできたようなところの海は、やはり海水浴のできるようにして返してやる。これ以上荒らされると、国民感情からいってもこれは許されるべきものではない。 そういう意味からお尋ねするのですが、いまのように、皆さんは非常に早く批准をやらなければならぬということは認めていただいた。そのために国内法を整備していかなければならぬ、同じようなことを言っておると、これはいつまでたっても進まない。だから国内法は運輸省はいつごろまでに——これが先回の運輸大臣の意見でいけば、批准をして、それに合わせるように国内法を追っかけていくのだ、こういうふうにとった。これは取り違えかもしれませんけれども、批准というものは国際信義の上から必要だから、早く国会で承認願えるように努力する、こう言われる。それに合わせるように国内法は追っかけていこう。こういう話がございましたが、きょうは私が百歩譲って、これを整備しつつ——整備を前提とか条件とかいうことでなくて、不離一体のものとして考えていって、でないと国会に批准が求められない。とするならば、批准は必要だということなんで、このブレーキになっており、支障になっておるのは国内法なんですから、この国内法を一体各省は——大蔵省はそう言っておられる、これができて予算要求すればひとつ何とか相談に乗りましょう、大蔵省としてはそれに合わせるような予算の努力はする。こう言っておられますから、もう予算の心配はないでしょう。ただ港の管理組合ですか、港の管理者等の関係もあるし、あるいは港湾荷役の関係、石油業者との関係、船舶の関係もありましょうが、これは簡単にはいかぬでしょうけれども、一体国内法というものをいつごろまでを目途として——運輸省は八月半ば過ぎだと言っておられる、通産省は次の国会だと言う、外務省のほうは何とも言わぬけれども、できたらひとつ合わせていこうと言っておられる。一体どうですか、外務省も責任を持って、あなたのところは判を押した代表選手ですから、いつまでもほっておけぬでしょう。三年も四年も五年もほっておけぬから、あなたのほうも督励しなければならぬ。だから一体どうですか、いつごろまでにこの国内法ができるのですか。整備できる予定ですか。もしお答えできたら、ひとつ予定だけでもけっこうですから、目途としてでもけっこうですから、お答え願いたい。
○福井政府委員 丹羽委員からのおことばまことにごもっともでありまして、とにかく急がなくちゃならない。日本の都会に接触したところの海岸の状況については私も全く同感でございます。今日までこの委員会で、総合的にいろいろ丹羽委員から指導的な、また促進方の御発言については十分私たちもわかりますので、積極的に各省、つまり通産省、農林省、外務省、大蔵省等の関係省庁と、一刻も早く、従来よりもなお早くやるという方針に、私は積極的、前向きに進みたいと思っております。 運輸省で定めました先ほどの方針というのは、早期批准を目途に所要の対策を緊急に強力に進めたいということを形の上で表現したわけでございます。したがって、いつごろということになりますれば、いま申しました各省庁の同じような積極的な御協力を得て、次の国会にできれば提出をしなければならない、こう思っておる現段階でございます。
○進藤政府委員 通産省といたしましても、国内法の整備を一日も早くやりたい、海水汚濁の問題が国民生活に非常な御迷惑をかけておるので、一日も早くそうしたいと思っておりますが、各省との関連がありますので、そういう問題を十分各省と連絡とりまして検討いたしまして、通常国会までにはおそくとも間に合わしたい、かように思っております。
○正示政府委員 私のほうは、いま丹羽委員のおっしゃいましたように署名をいたしました条約でございますから、できるだけ早く発効してほしい、批准をお願いしたい、これは当然そう思っております。つきましては、ただ受けて立つばかりではございません。条約の主管省として各省にも極力、いま丹羽委員がおっしゃいました趣旨と同じ趣旨でお願いをしまして、ぜひ早期批准に持っていきたいというかたい決意でございます。
○仮谷政府委員 私のほうは、どっちかといえば被害者の側であります。一日も早くやってもらいたいということは、もうたびたび要求をいたしておったわけであります。したがって、三政務次官からいま答弁がありましたように、おそくとも明年度の通常国会にはぜひ提案してもらって、この問願の処理に当たってもらいたいという考え方で臨んでいきたいと思っております。
○丹羽(兵)委員 それぞれのお立場、またそれぞれの役所を代表して御答弁があったのですが、やはり姿勢だけ示され、態度だけ示され、お考えだけをお示しになっている。これ以上具体的にお尋ねすることは私としては無理かと思いまするので——外務省もあのように言っておられます。これはただ外務省という一つの役所の問題じゃなくして、やはり国際的な信義の問題にもなるし、あるいは国内的には、ただ農林政務次官の言われました被害者、漁業の被害者だけじゃない、国民全部が被害を受けるし、国民全体の保健の上からいっても非常に大切なことでございますから、できるだけ早くと言っておられますし、さきほど運輸政務次官は、国内法だけは少なくとも八月末ころには原案らしいものまでつくり上げていきたい、そうして通常国会なり、できるだけ早い機会にそれを国会に出したい、こう言っておられるほどでございますから、そうした態度、そうした姿勢、そうした国民を思う気持ちから、これはものによっては金もかかることでしょうし、難儀な問題もありましょうけれども、これくらいはひとつやるべきだ、こう思いますので、各省それぞれお帰りいただきまして、国会において御答弁いただき、述べられましたことを、ひとつ役所の内部に責任を持って流して、これを進められるようにしていただきたい。それはこの国会を通して国民にお約束願ったのですから、国民に話していただいた責任だと私は思いますから、先回も言いましたが、丹羽と各省の政務次官なり大蔵省の主計官と話し合ったというのではなくて、この場を通して国民にこうするという、わが党内閣の考えをお約束していただいたわけでございますから、どうか事務当局にもやらせるように御指示をちょうだいいたしたい。 この問題についてのスケジュールですか、委員長からお話のありました各省の考え、経過の予定表、これについての質問は一応私は終わらしていただきたいと思います。 最後に、通産政務次官にお尋ねしたいのですが、これは必ずしも通産政務次官からお答えを願わなくても、他に適当な御答弁いただける方があれば、その方でけっこうであります。 先回の委員会のときに尋ねたことなのですが、これほどに全般的に海を荒らしてはならない、海を再び漁師に返せ、きれいな海を国民に返してください。こういうことで国際的には調印をし、批准までし、そうしてそのためには国内法まで整備していこうとしておっていただけるのですが、こういうときに、逆に陸上における油の施設等によって海が片っ端から荒らされておることは、あらゆる努力はしておってくださるけれども、事実なんですね。しかもまた、今後できる施設からも荒らされていくのです。特に電力会社なんか、できるだけ消費地に近いところに、あるいは港に近いところに発電所をつくっておる。これは経済的に考えても当然のことでしょう。私の選挙区ですけれども、あるところの発電所、これは石炭で発電をいたします、決して重油なんかを使って海をよごしたり、荒らしたり、また不愉快な空気の荒れるようなことはしませんから、こういうことであなたのほうの認可をもらった。ところが、その認可どおりにやればいいのですけれども、そうじゃなくして、すでに試運転のときには重油を使って海を荒らした。だから、そうした交渉をした責任者にしても、また住民にしても、これは承知ならぬ。許可をもらうときだけ、そういうぐあいに海を荒らさないと言っておいて、さあ施設ができたから立ちのきはできないという、途中でやめられないような既成の事実をつくり上げてしまって、今度は国民に大きな迷惑を与えるような燃料に切りかえていくおそれはないか、こういうことでお尋ねしたのです。ところが、よくわからなかったのですが、その後、私は説明を受ける必要がないと思ったけれども、やはり知っておく必要があると思いまして、関係者においでいただいたのですから、説明を聞いたのです。聞いたら、一部は納得できるのですけれども、こういうことが連続的になされたりなんかしては、海は荒れていってしまう。武豊というところですが、武豊の火力発電所は、会社自身も燃料は石炭だ、こう言っておる。また、ここにもらっている。パンフレットからいっても、石炭の許可をとっておる。ただ火をつけるとき、火をつける最初だけは重油を使わしていただきたいというようなことを言っておりましたが、一体そういう関係はどうなっておるのか。あるいは点火のときと火を消すときには重油も使うんだ、その他は使わない、これはあくまで火力発電所であって、それは石炭だ、こう言っておるわけです。私もそうだろうと思うのですが、この点、現実と実際とは少々食い違っているんですから、一ぺんよく御存じの方に——一発電所の例をとって私は言っただけですが、みんな困るから石炭でやる、石炭ならそう文句言わないから石炭でやって、次は重油と切りかえていくんだという悪いたくらみを持ってやられたらかなわぬです。片一方は、条約までつくって批准してやる。そのためには国内法までつくって海を守ってやろうというのに、片一方では、そういうインチキ的なことをやられてはたまったものじゃない。その点をここで明らかにしていただきたい、こう思うのです。
○進藤政府委員 いまの問題は公益事業局の所管でございますので、公益事業局から御答弁いたします。
○藤波説明員 御説明申し上げます。いま先生から武豊火力発電所を例にあげられまして、電力会社の火力発電所の燃料問題につきまして御指摘があったわけでありますが、武豊発電所は石炭消費対策の一環といたしましてつくられつつある発電所でございまして、したがいまして、完成の暁におきましては石炭をたきまして発電をいたすという計画になっております。ただ、先生のいまお話しの中にございましたように、一般のいわゆる石炭火力発電所におきましても、若干の重油をまぜて使うことができるような施設を持っておるのが通例でございます。武豊発電所についても同様でございます。しかしながら、この目的は、いまお話にもありましたように、発電所をスタートさせるときとか、あるいは深夜等におきまして、その発電を相当小さく、出力をしぼって運転を続けるといったような場合には、ボイラーの中の燃焼が非常に不安定になりますので、重油を助燃的にまぜて使うということが技術的に必要なために設けられておるものでございます。ただいまお話がありました、現在試運転に重油を使っておりますのも、目下八月の営業運転開始を前にいたしまして、安全弁の試験等をやっておりますが、それらの際の運転はきわめて断続的不安定のものでございますので、重油を主として使っておる。こういうことでございますが、でき上がりましたならば、当然石炭だきということで運転するということになっております。その意味におきまして、前回私どものほうから先生のほうへ提出いたしました資料の中に、発電所の一覧表の中の燃料という欄に、武豊の燃料として石炭、重油というぐあいに併記してございますのは、むしろ表現が不適切であったと思います。その意味におきまして不適切であったということをおわび申し上げますとともに、さような意味であるということを御了解願いたいと思います。 さらに海へ排出される廃水等につきましては、これはできるだけ無害なものにいたしました上で排水するような設備を設けますとか、あるいは石炭だきでございますので、当然灰が出てまいるわけでございますが、その灰の処理にいたしましても、灰捨て地の整備を完全にいたしまして、海の中へ被害が及ばないようにということに留意いたさせておる次第でございます。完成して運転に入りましても、われわれといたしましては、いままで申し上げましたような基本線にはずれることのないように十分監督いたしていきたいと思っております。
○丹羽(兵)委員 これは同僚の委員各位にたいへん御迷惑なことなんです。私は、こういう特定な一つの発電所の問題を取り上げて言うことは、皆さんに迷惑なこととは承知しておるのですが、しかし、こういうことがどっかでなされたら全般に影響するということですから、ひとつ同僚各位のお許しを願いたい。 いまあなたの御説明を聞いて、私は理解しかねる点があるのです。それは、私は技術屋でないからわかりませんが、こういうような発電所ができますときには、当然付近住民は、空気のことも心配しますし、ましてやこれは名古屋近郊の唯一の海水浴場になっておる。だから海を荒らされるのではないかということは、どんな者も考える。そこで会社自身がどういうことでわれわれに納得させたかというと、あなたがおっしゃったように、「当火力発電所は、政府の石炭政策に協力して石炭専焼火力として建設され、」と、ずっと書いてあるのですよ。そして公害防止についても、石炭から出てくることだけを心配して書いてあって、重油の問題については全然触れていない。触れる必要はないのです。なぜかと申しますならば、先刻あなたもおっしゃいましたように、あくまで政府の石炭政策に協力して、石炭の発電所だ、専焼と書いてある。そこにあなたのおっしゃるように、速記録を見ていただけばわかるのですが、どこでもそういうときには施設の上において重油も使えるようにあわせてやるようなことが例だと、こう言われる。会社側はそう言っていないのですよ。あくまで私のほうは石炭でやります、こう言っている。そしてこの間ちょっと使ったのは、いわゆる点火試験的に使っただけで、将来は絶対に使いませんと言っている。いまでも言っておる。あなたに言わせると、専焼ということを抜きにしてしまって、併用のような形のことを言われる。会社はそう言ってやって、通産省の出すところの書類は、これを国会に出しているじゃありませんか。「許認可済発電設備一覧表」の中に、いま申しましたように、これは石炭と重油とある。最初は、こういうものを出してわれわれをだまそうとかかったのでしょう。私が言い出したから、これはきっと言われると思ってあわててこれを御訂正になったに違いない。こうやって出しておいて、私ら知らずにおれば、いまあなたおっしゃるように、石炭だ石炭だと、会社はこういうりっぱなパンフレットを配ってみなをだまして、政府には石炭と重油の許可をもらっておりますということでやろうとしておる。片一方では、船に大きな金をかけて制限をして、海を荒らさないようにして、一企業に対してはこういうだましやすい仕事をやらせて、これでいいと思いますか。これはわれわれをだまそうとしてこういう書類を出していらっしゃる。石炭と重油と書いてある。すでにそのとおりにやっているじゃありませんか。私はそんな説明を受けなくてもいい。会社は、あのとき火つけだけだ、こういうごまかしをやる。これが石炭として出ておれば、なるほどこれは会社の言うとおりに、そのように政府は監督なさっていらっしゃるだろうと思うが、これはミスプリントかもしれません。ミスプリントと言われるでしょうが、そういうものではない。通産省独特の、こまかし仕事です。こういうごまかし仕事でわれわれをだまして、しかも試験的だとか、時と場合によれば併用することのあるのが例だ、それは普通だと言われる。併用であれば、これは必ずこういうことでやられればやっていきますよ。あなたのほうが石炭専焼だと言って、われわれはそう思っておる。しかし、その中には重油もあわせて——規模が大きいか小さいか私は知りませんが、そういうものもいつでも使えるものがある。国の許可は石炭と重油だということになれば、企業は、そっちの安いほう、採算の成り立つようにやることはさまっておりますよ。もう一ぺんこの点、はっきり間違いなら間違いであって、石炭以外は使わせない——許可するときは一体これはどういう許可になっているのですか。そういう点を、私はしろうとですから、よくわかるように御説明を願いたいと思います。
○藤波説明員 この表は、特に他意あってこういう書き方をしたわけでございませんで、先ほど申し上げますように、たいへん不適切な点があったことをお許し願いたいと思いますが、先ほど石炭火力でも若干の混焼ができる、重油バーナーがついておると申し上げましたのは、そのとおりでございまして、北海道とか九州におきます石炭火力発電所につきましても、先ほど申し上げましたような目的で、スタートのときに若干まぜて使うための重油施設というものはついておるわけでございます。そういうものを持ったものでもいわゆる石炭だきということで、われわれ通常石炭専焼火力と称しておるわけでございます。そういう意味におきましては、武豊も同じであるわけであります。したがいまして、ここで前に出しました資料の中に、武豊は石炭と重油というふうに併記してあるために、実は実質的併用であるように受け取られてもしかたがない資料になってしまったわけでございまして、その点ははっきりそうではない、ほかの石炭専焼火力と同じであるというぐあいに御理解を願いたいと思います。なお、許可のときにはどういう条件になっておるかというお尋ねでございますけれども、許可の直接対象内容には燃料は入っておらないわけでございまして、それが直接の条件にはなり得ないわけでありますけれども、設備の認可とか検査という場合には、燃焼設備というものははっきり対象になっておりまして、審査もし、検査もいたしておりますので、燃料のたき方によって公害防止上支障がないようにチェックし、あるいは監督することができるようになっております。
○丹羽(兵)委員 本件については、委員長からも、何か次の機会になおお尋ねしたいような御連絡がありましたので、私はきょうはこれ以上はやめておきますが、ガスストーブをつけるときだって、やはりマッチをするとか、電気で火をつけることもある。石炭に火をつけるときには、相当重油をぶっかけて火をつけなければ石炭が燃えつかないということもわかるのです。そこで、火力を下げるときに、いまあなたがおっしゃいましたように、ある時間は重油をまぜて使うのだというのですが、その火力を下げるときとか、あるいは相当期間下げることを連続していくときの規則というものはあるのか、それを監督するような制度というものはあるのか。私はなぜ心配するかというと、あなたは不適切なということを言われるが、これは不適切じゃないのですよ。石炭と重油と書いて不適切だなんて、これは大問題なんだ、わしらに言わせてみれば。不適切どころじゃない。石炭を使うか、重油を使うか、まぜて使うかということは、われわれ住民がこの発電所を承知するかしないかということを決定する大きなポイントなんです。これをあなたのような説明でいけば何も心配しません。けれども、片一方で併記してあるということになれば、両方使えるということになれば、しかもそれをやりつつあるということになれば、不適切どころか、不穏当なだまかし仕事としか考えようがない。不適切な書き方というよりも、いまあなたの御説明にあったように、石炭専焼であって、そのやり方についてはいまのような方法もありましょうが、これはあくまで石炭の専焼発電所であって、重油と書いたのが誤りであったというふうに言われますか、言われなかったら、ぼくはまた質問を続けていきたいですが、いまのような説明でいけば、不適切ではなくて誤りであった、こう解釈する、こういうふうに思うのですが、この資料を御訂正になりますか。
○藤波説明員 「石炭・重油」と併記いたしました「重油」というのを削るように訂正いたしたいと思います。
○井手委員長 この問題は後刻なお審議を進めることにいたしまして、引き続き、海水汚濁に関する条約批准並びに国内法整備について審議を進めます。中井君。
○中井委員 丹羽さんからいろいろお話がありました。特に最後のお話は中部電力だけではございません。東京電力あたりでも、何か最近亜硫酸ガスの排除の対策について、通産省あたりと共同研究されておるようでありますが、きょうはそのことについても触れたかったのですが、だいぶ問題が大きいですから、委員長も言われるように、海水汚濁の条約についてのみ簡単にお尋ねいたします。 この問題は、一月ほど前に私が衆議院の予算委員会分科会におきまして厚生大臣に尋ねてから急に火がついたことであります。私自身海岸の生まれでありません。したがいまして、ややしろうとみたいなものでございましたが、調べてみまして、まことに驚き入ったわけであります。きょうまでこの委員会で、それこそ与野党一致の形で政府に質問してまいったのでありますが、大体プログラムが出たといったところまでいったのですが、とにかく私は、サインをしてから批准まで十数年もほっておいたということについては、これは歴代の保守党内閣の非常な怠慢であるということをはっきりとまず申しておかなければならぬというふうに思います。済んだことだからしようがないといえばそれまででありますが、あまりに怠慢である。特に私は、運輸省の事務当局の諸君が、事務に藉口いたしまして、なかなかやりにくいとか、その施設をだれが負担するのか、負担区分がむずかしいとかいうのをまじめに考え過ぎたといえば考え過ぎたのでありますが、いたずらに遷延をされてきたこと、それから農林省が、これだけ被害を受けておりながら何をぼやぼややっておるかということを非常に痛切に感じます。 以上二、三点を冒頭に申し上げまして、先ほどから皆さんの御意思の御発表がありましたが、通産省、外務省、農林省、これは当然の御回答であろうと思いますし、特に通産省におかれましては、本年末に条約を批准する、そうしてそれを次の通常国会に必ず出しますという進藤さんの御回答は一番はっきり承ったわけでありますが、主管庁であります運輸省は、何かできるだけとか、せいぜいとかいうことばをまだ使っておる。この点、もう一度念を押しておきたいように思うのであります。といいますのは、きょうの新聞を見ますると——この前の委員会において、私は中村運輸大臣にどうするんだと言ったら、もうこれは拙速でもいいから大臣としてはやる、国内法ができなくてもまず条約を批准をして、国内法をそれから整備して、つけていく、期限をつけてもいいというくらいの返事があったし、そのときに、閣議でこのことが問題になったかといったら、厚生大臣から、ほかの機会にこの話は聞きましたというふうなことでありましたが、きょうの新聞を見ますと、二十九日でありますから、きのうでありますが、きのうの閣議で、三木通産大臣が運輸大臣にはっきりと、この油による海水汚濁防止条約の批准に通産省は同意をする、こう正式に返事をしたと載っております。したがいまして、いまの国会においても批准されるかもしれぬ、こう書いている。「同条約は早ければ今国会中にも批准される見通しとなった。」こういうふうにはっきりと書いてあるのに、それを受けて立つ運輸省が、何か、できるだけというようなことは、私はどうもその点納得いかない。この点は、はなはだどうも福井政務次官には申しわけないと思うけれども、しかし運輸省としてはやはりはっきりと返事をしてもらいたい、さらに念を押しておきたいと思います。
○福井政府委員 中井委員からも、丹羽委員同様の促進方の御趣旨の御発言、ごもっともでございまして、私が大臣から聞いております範囲では、私は同様の新聞を拝見しておりませんが、閣議の前後において確かに大臣は発言いたしまして、促進するように申しておるようでございます。この国会の間にということはまだ聞いておりませんが、丹羽委員に申し上げましたとおり、この状態を、特に促進方をなお一そうやらなくてはならぬということも私は痛感しますので、大臣にとくと中井委員の御趣旨も伝えて、遺憾なきを期したいと存じております。
○進藤政府委員 ただいま中井委員のおことばの中に、三木通産大臣が今国会に出すというようなお話であったというおことばでございましたが、私が大臣から聞いておりますところでは、今国会とは言ってないようでございます。
○中井委員 福井さんの御答弁、また冒頭にみな御返事があって、次の通常国会、こういうことであります。それは私もわからぬわけではない。しかしながら、そういう記事が出ておりましたから、この記事も、いま進藤さんも言われたように、いまの国会で批准と三木さんが返事したわけじゃない。三木さんが中村運輸大臣に、批准に賛成である、こういう返事をしたから、この国会で批准されるだろうというのが、新聞の推測であります。それほどみんなが待望しておるということです。手続なんということをあまり問題にしておらぬ。これは切迫しておる、こういうことでありますから、ぜひともひとつ、私ども野党の立場としては、当然いまの国会でもという主張をするのが当然である、こう思います。そういうことで御了承願わなければいかぬ。 それで、これに関連をして、運輸省としては、八月ごろまでに法案をきちっとつくって、予算を要求する、こういうことだが一体予算額はどれくらいになるか。 それから、船につけるものについては船の所有者がつける義務があると思いますし、港の施設についてはどういうことになるか。港湾の管理者がやるのか、国が直接やるという形になるのか。あるいはまた、石油コンビナート等が専用の港を持っています。そういうところは、その業者がもちろんやるだろうと私は思うのですが、その辺のところ、さらに一歩進んで、どういうことになっておるか、運輸省の見解をひとつ披瀝をしてもらいたい。
○中野説明員 先ほど政務次官から、運輸省といたしましてのスケジュールを申し上げましたが、八月末までに要綱を一応整備いたしたいというふうに考えております。その要綱を整備いたしますのは、八月末に各省が大蔵省に概算要求をする必要がございますので、その概算要求に間に合うように内容を固めていきたい、こういうふうに思っております。したがいまして、その問におきまして、いまのいろいろ問題がございました点を、各省とよく打ち合わせをいたしまして、それで総額どれくらいの経費が要るとか、あるいはどれについてはどこが担当するとかいったようなことをも、いまの要綱を固める際に十分打ち合わせをいたしまして、そうして概算要求を推計いたしたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○中井委員 いまの中野君の返事は、何というか、聞いたって何にもならぬ。君らはいま計画はあるでしょう。運輸省としてはこう思っております、こういう港とこういう港はやる、東京湾なり大阪湾なりはやらなければならぬ、あるいは有明海はどうするか、案がなければならぬ。これから要綱をつくって、そんなことを言っているから、十一年かかっても何もしておらぬ。どうですか。
○中野説明員 概算要求をつくります際には、詳細な計画も立てなければならぬわけでございますので、一応案としまして、この前も中井先生の御質問に、たとえば油の基地がありますところとか、石油ターミナルのありますところとか、あるいは造船所のあるところとか、いろいろな点を考えられまして、その場所はどこだというお話がございましたので、北の室蘭あたりからずっとコンビナートのある場所を申し上げたわけでございますけれども、これは、これから一応全体計画を立てまして、その中でとりあえずどういうふうに進めていくかということについて、関係省と十分打ち合わせをやっていく、こういうふうに思っておる次第であります。
○中井委員 福井さん、あんな返事をぼくらにしていただいても、さっぱりどうも……。大体運輸省としては、初年度五十億なら五十億、百億なら百億、内訳はこういうことを考えておるということでないと、大蔵省の諸君も聞いておりますが、この委員会において、そういうことについて大きな数字だけでも話し合っておかないことには、予算要求を出してもちっとも通りゃせんよ。私は援護射撃のつもりで質問しているんだが、一体どうなんですか。これから計画しまして、それからどうですというようなことでは、これはなかなかできぬ。政務次官の皆さんが熱心にわれわれの意見に同意なさって、大臣もみなそうです。これはやらなければいかぬ。千葉のノリは全滅しおった、魚を釣りに行ったって、釣ってきた魚はくさくて食えない。ことしの夏も、さっき丹羽さんからもお話があったが、逗子の海岸や鎌倉の海岸は、油が流れてきて二、三日は大騒動である。そういうことをみな感じているのに、肝心の事務の推進をいたしまする中野さんが慎重過ぎると申しまするか、そういうことでは、私はなかなか進みにくいと思うのです。いま、まだ全然案がないのですか、運輸省としては案がないのですか。この国内法をつくって通すためにはどれくらい予算が要るか。ないのですか、あるでしょう。いかがです。
○中野説明員 まだお話し申し上げるまでの段階の案というものはございません。ただ、この前申し上げましたように、処理施設としましては一基大体二億くらいかかるわけでございまして、これは用地を含んでおりませんので、もし用地を入れますと三億くらいかかるんじゃないかというふうに思っております。したがいまして、その処理施設がもし三十基となれば九十億、百億要ることになるわけでございますが、いまの先生のお尋ねのように、どこに何基というような具体的な計画まではまだ進んでおりませんので、先ほど政務次官からお話がございましたように、スケジュールに沿いましてこれから至急に検討を進めてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○中井委員 これはお話にならぬわけだが、しかし、これから八月までにやろうというのですから、ぼくは福井さんの説を信頼いたす以外に手はないわけですが、大蔵省からはどなたがお見えですか。
○井手委員長 荒巻主計官です。
○中井委員 主計官にお尋ねいたしますが、いまのようなことで五十億とか百億とかいうことになりますると、初年度からオーケーといってみんな認めるというふうなことは、よほど大きな政治的な問題がありませんことには、これまでは通りにくかったと私は記憶いたしておるのですが、そういうことの扱いについてはどうでございますか。
○荒巻説明員 この問題は、やはり運輸省のほうで全体計画を立てられまして、それの初年度をどうするかというお考えをお出しいただいた上で、具体的に考える問題だと思っております。一般的に申しまして、こういう公害と申しますか、皆さんに迷惑をかけることになりますと、原因者負担ということも当然考えなければなりませんので、国が一般の税金でどれだけその責任をしょっていくかという点、この辺の責任の分担範囲というものを検討するのが一番先決問題じゃないかと思っております。
○中井委員 それに関連してさらに伺うが、船舶については、諸外国はこの条約をずっと前から批准しておるのだから、大きな船は全部つけておると思う。日本だけはあまりつけなかったという乱暴なことだったのですが、これは大体船の大きさにもよるでしょうけれども、船につけますのにどれくらいかかるものですか。
○中野説明員 先日もお話し申し上げましたように、現在ございます油水分離器をつけるわけでございますが、前に百五十万円ほどというふうに聞いております。ただしかし、この百五十万円というのは相当大型船につける油水分離器でございますので、なお各船舶の船型に適合するような分離器を試作、実験、研究するために各研究会で研究もいたしてございまして、大体五十万くらいでできるようなものもいまぼつぼつできてまいっておりますけれども、なお小型化、軽量化につきまして、今後とも研究を進めなければならないという段階にございます。
○中井委員 伺いますると、船舶につける油水分離器の値段そのものでも、先般伺いましたのと、いまとだいぶ違う。したがって、これはこれからなかなか問題が多いし、しかも実際は中野君一人が自分で考えて自分で苦労をしておるというふうな印象を私は受けるのですが、これは福井さん、ひとつ運輸省各機関をあげて徹底的に早急にやるように、最後に私は強く、要望して一いずれにしましても運輸省が主管省でありますから、それを強く要望して、この問題に関する質問は終わります。
○井手委員長 この際、委員長から運輸、外務両省にお尋ねをいたします。 各委員からの強い海水汚濁防止条約批准の要望について、国内法については、八月までに整備して次期通常国会に提案するという言明でございますから、委員各位は多分御了承になったと思っておりますが、批准の見通しについては、あれほど強い促進の要望に対して御答弁が十分でなかったと思われます。国内法と条約の批准案がどうして一緒に提案できないのか、できないならば、どこにそれの障害があるのか。また、国内法を整備して条約批准までの期間はどのくらい必要であるか。その点を明らかにしていただかぬと、委員各位も不満であろうと存じますので、この際、ただいま申しました以上三点について、皆さんの御了解が得られるような御答弁をいただきたいと存じます。最初に主管省の福井運輸政務次官。
○福井政府委員 委員長のお尋ねに先立ちまして、不言中井委員にお答え申し上げておきたいと思います。つけ加えさしていただきたいと思いますので御了承願います。 運輸省といたしましては、一部局だけではなくて、この問題は非常に緊急かつ重要な問題でございますので、運輸省あげてこの問題の処理、早期の目的達成のために邁進したいと思いますので、また大臣にも、本日の状況については正確にとくと伝えておきたいと存じております。 なお、委員長のお尋ねにつきましては、三項目お尋ねがありましたが、通常国会を目途に批准を期待するということは、外務政務次官もほぼそのようなふうに発言されておったようでありますが、私もそれを期待しておるのでございます。 国内法の整備を批准できるように、この点は特に検討を早く促進したいと思っております。 第三は、問題点がこのことで残らないように各省——運輸省だけではとても、主務官庁という御指示がございましたが、本日特に御列席の各省庁の御協力を得なければ、十分な促進方はできぬのでございますから、各省庁にもお願いして促進方をはかり、また打ち合わせを十分にいたしたいと存じております。
○正示政府委員 ただいま委員長からの御質疑でございますが、これは国内法を先にして批准をあとにするという考えでは実はないのでありまして、条約を御批准をいただく場合には、並行して国内法の制定をお願いするのが従来の慣例でございます。そこで、先ほども丹羽委員にお答えを申し上げましたように、われわれとしては一日も早くそういう条件を整備してもらいまして、通常国会に国内法の整備が出されますれば、並行して条約の批准もお願いする、こういう決意でございまするから、その点は御了解をいただきたいと存じます。
○井手委員長 それでは、先刻保留しておりました丹羽委員の火力発電の石炭専焼あるいは混焼の問題についての審議を進めたいと思います。 武豊火力発電所に関して、国会提出資料の訂正がございましたが、丹羽委員のお話しになった地元の不安については依然として残るようでございますので、この際さらに審議を進めたいと考えております。 ついては、石炭専焼である場合はどういう指導監督をするのか。将来経済状態が変わった場合に、通産省の了解だけで重油に切りかえられること、この不安がございますので、その際の保障などについても明らかにしておきたいと思います。それらについて通産当局から責任ある御答弁をいただきたいと思います。
○藤波説明員 石炭専焼の場合の公害対策につきましては、公害のもとになりますのは粉じん並びに灰捨ての問題になるわけでございます。粉じんの煙突から出る量を減らすということがまず第一になりますが、それにつきましては集じん装置をつけるということでございまして、最近におきましては、機械的、電気的両方式が、いずれも相当技術的に進歩しておりますので、その両施設をつけることによりまして煙突から出ます粉じんを除く、こういうことをやっております。さらに、わずかに出ます粉じんをできるだけ拡散をするという効果をねらいまして、煙突をできるだけ高くするということを計画いたしております。 それから、ボイラーの下のほうから出てまいります燃えかすのほうの灰の処理でございますが、これにつきましては、そのまま海へ流しますと海の汚濁ということになりますので、灰捨て地を設けまして、その拡散防止につとめる、こういうことにつとめておるわけでございます。
○丹羽(兵)委員 このいただいております資料を見ますと、武豊については御訂正いただいたので、これは石炭ということですけれども、石炭から重油に切りかえるようなことはもう許さない、こういうことまではいただいておりませんが、とにかく現在の申請時において、あの施設をつくったのは石炭専焼のかまである、重油に切りかえる考えはない、また重油は使わせない、こういうことなのですが、いまお話がありましたように、石炭によるところの公害の賠償とか、また被害のないように、施設については十分の御指導をいただけるでしょうけれども、かりに今度重油に切りかえたときのそれによるところの被害というものは、地方の人に納得させたときの想像できる被害の模様とまた形が変わって、相当性格が違うわけなのです。だから、そういう切りかえをするときには——私は、あんな大きなものをつける必要はないと思うのです。石炭であるのに、石炭では金がかかるから、施設をつくってしまって、そこに重油の施設をつくっておいて、やがて切りかえよう、そのときには、もうやってきてしまったのだから、これで政府に認めさせようという、既成の事実をつくり上げていこうという、そういう考え方はないと思いますけれども、これは想像しなくちゃなりませんが、そういうときには、通産省はかってに許可なさるのですか、よほど慎重に考えて許可なさるのですか、あるいは許可の条件というものはちゃんとあるわけですか、武豊の発電所は石炭でいくか、あるいは重油でいくか、あるいは重油を混焼するかというようなきちんとした許可の条件というものはあるのですか、ないのですか。そういう点と、切りかえというものはあり得るかどうかということをお尋ねしたい。
○藤波説明員 電気事業者が発電所をつくります場合の許可という段階におきましては一許可の対象内容になっておりますのは、出力でありますとか、位置でありますとかいうような、きわめて基本的なことだけでございまして、燃料につきましては直接の内容にはなっておりませんけれども、当然その発電所の計画の基礎になる考え方につきましては、説明書によりまして調べるわけでございまして、武豊のような場合には、石炭火力というような前提で審査され、許可されておる。こういうことになろうと思いますので、それを重油専焼火力に切りかえるという場合には、施設の計画の認可という段階におきまして、あらためてその設備のやりかえをいたさなければならぬというステップもございますので、その段階でとらえることができますので、この際あらためて諸条件を考慮して支障のないようにやるということになろうかと思います。現在そういう考え方は出ておりませんが、法令的に言いますと、そういうことになろうと思います。
○丹羽(兵)委員 せっかくですが、私、しろうとだからわからぬかもしれませんけれども、あなたが最初おっしゃった——せっかく御親切にお話し願っておるのですが、最初言っていただいたことばと、いまのあなたのことばと、どうも合わぬですね。こういう燃料というものが何であろうが、それは許可条件の内容ではない。ただ、そういう計画の中には、こういうものを使うとか、ああいうものを使うとかということはあるのだが、必ずしも許可条件ではない。しかし今度、それでは途中で変えなければならぬときに、それがかりに大きな一これは主観的なものですから、客観的にはどう言い得るかわかりませんけれども、石炭より重油のほうが被害が多い。われわれの面から見ればそういうような被害が多い。あなたのほうから見ればどう思うか知りませんけれども、そういうときには、やはり変えるときにはよく考えて許可するのだということをおっしゃると、やはりこれは燃料というものが大きな許可の条件になっているのじゃないですか。そういう点をお尋ねします。
○藤波説明員 ことばが足りませんでしたが、先ほど申し上げましたのは、重油専焼火力に変えます場合には当然設備の変更ということを要しますので、その場合には施設計画の認可ということが必要になってくる。したがいまして、政府が知らない間に電力会社が重油専焼火力に切りかえるということはあり得ないわけでありまして、その間に必ず政府がチェックできる場がありますので、十分行政指導ができるというぐあいに申し上げたつもりであります。
○丹羽(兵)委員 どうもそういう点がほんとうにわからぬですが、なるほど許可の条件ではないけれども、施設をいろいろと役所にお願いをする、施設の内容、こういうことを認めて許可する。そのときは石炭なら石炭で認める。そして今度重油に変えるときには、その施設を直すという施設の変更ですから、当然これは許可条件じゃないですか、許可の条件になると思う。ましてや燃料は生命ですよ。まきをたいて走るか、石炭をたいて走るか、これは最も大きな一番の条件になるのじゃないですか。その食べ物というのですか、極端なことを申しますと、発電の一番の力になるんですよ。これを途中でどう変えてもいいとか、許可の条件の内容にならないとか、法律はそんなふうになっておるのですか。だから、そういう点を私が言うんですよ。つくってしまって、住民にはそうやって石炭で納得させて、移転もできない、何ともならないようにしておいてから、さあ今度は重油に切りかえる、そうすると通産省は許可するということなら、これはだまし討ちではないか。もう絶対に変えないとあなた方はおっしゃっていただけますか。そうすれば私の質問は下げますが、許可の条件でなくても、条件以前のものだと私は思うのです。その発電所が石炭をたくのか、重油をたくのかということは、ほんとうに一番中心になるものだと思います。それが条件でもない、途中で変わるときは、また周囲の事情を考えて変えていきますというように、住民にそんな不安な許可のしかたをしていたのでは、私ども地元におる者として、しかも片方においては、海に流すことはやかましく言っておるし、海が荒らされることはわかり切っておる。だからそういう点を私は強調するのですが、この点お尋ねをいたします。
○井手委員長 大事な問題ですから、進藤通産政務次官、打ち合わせて御答弁ください。
○進藤政府委員 ただいまの技術長の答弁は、許認可を含めての場合はそういう変更ができるということを申しておりますが、許可した場合どういう条件であったか、まだ私よく聞いておりませんので、少し調べてみたいと思っております。
○藤波説明員 私先ほど来申し上げておりますのは、電気事業法の許可という処分と認可という処分を使い分けて申し上げておるために複雑になって申しわけないと思いますけれども、許可と認可を含めて私申しておりますが、そういった行政処分は一連のものでございますので、そういう意味におきまして、電気事業法の発電設備に対する許認可という一連の行政行為におきましては、重油燃料の問題も対象になっており、燃料に対する施設も対象になっておるということは言えますので、心配のないように監督できる、こう考えます。
○丹羽(兵)委員 心配ないようにとおっしゃいますけれども、こういう点は非常に人道上の問題なんですよ。また、行政に対する不信の問題にもなってくる。だから、これは私も勉強が足りませんから、これで納得しましたというわけにはいかないし、また、あなたのほうももう少し勉強していただいて、私どもに納得のいく御説明を願わなければならぬ。だから、本問題については、私は後日もう少し聞くことにして、おそれ入りますが、きょうはまだ保留にさせていただきたい。あとの質問は保留させていただいて、中井先生の御発言があるようですから、そういうことにさせていただきたいと思います。
○中井委員 これに関連をするわけでございますが、実はいま丹羽先生がお尋ねになったような件につきましても、私は機会がありましたので業者にちょっと聞いてみたことがあります。そういたしますと、石炭をたく、たき始めのときに油を注ぐと非常に火力が強くなるし、また、たきやすくなるから、初めの添加物として重油を使います、こういうようなじょうずな回答でございました。なるほど、ごもっともなことでありまするが、そういうふうな技術的なことになりますと、私は、やはり通産省の係官の藤波君から聞いているだけではどうもよくわかりません。 ついでをもちまして、例の亜硫酸ガスのSO2の問題ですね。煙からこれを排除する施設をして、それから硫黄分を取り、あるいは硫安を取るというようなことについて、いま中部電力が大きな施設をいたしまして、これを研究中である。千キロのものが済んだら今度五万キロのものをやってみるというので、この点は、工業技術院の馬場院長から一月ほど前にこの委員会が話を伺ったのであります。ところが、それとまた方式は多少変わるようでございますが、東電のほうで、東京電力が日立製作所と一緒になりまして、これまた国のほうから相当の予算を出して、そうして同じような研究をなすっておるということも私は伺ったのであります。 そこで、いまの丹羽さんの質問と関連をいたしまして、最も近い機会に——私どもこの委員会としましては、油による海水汚濁防止に関する条約をああいうふうに詰めまして、委員会としての一応の成果をあげておると思いますが、この次に取り上げるものとしましては、例の自動車の排気ガスの問題と、それから亜硫酸ガスの問題、重油精製の問題、あるいは火力発電の問題であろうと思いまするので、最も近い機会に、私は業者の東京電力並びに中部電力の各担当の人を参考人としてひとつ呼んでいただきたい。そうして一緒にここで丹羽さんから直接尋ねて、中部電力の関係の者から答弁をもらうということになれば、この問題はさらにはっきりしていくのじゃないか、こう思いますので、これは私、思いつきではございません。機会があればここで提案しようと思っておりましたが、ちょうどいい御質問等がございましたので、それと関連をいたしまして、私、委員長に要望いたしたい、こう思う次第でございます。
○井手委員長 中井君御提案の参考人招致については、あとで理事会で御相談を申し上げたいと考えております。 ただいまの火力発電については、燃料の問題、公害の問題、きわめて重要な問題でございますが、通産省に申し上げておきたいことは、各委員から強い要望もありますので、明確な御答弁ができますように、この燃料については、地元との約束がございますから、議院としてはやはりある程度はっきりした確約がほしいと思います。許可の条件であるとか、その際の政府の心がまえなどについて、各委員の納得が得られるような御答弁を次の委員会までに御用意をしていただきたいと存じます。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会