産業公害対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 3 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1966/03/16
会議録
○井手委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 重油使用に伴って生ずる亜硫酸ガスの除去に関し、科学技術庁から説明を聴取いたします。科学技術庁橘資源局長。
○橘政府委員 科学技術庁資源調査会報告第三十六号、昭和四十一年二月二十二日、「重油の低いおう化に関する調査報告」について御説明申し上げます。資料はお手元にございます。何ぶんにも非常に専門的なものでございますので、要点だけをできるだけ簡単に御説明したいと思います。 この報告を出しました趣旨は、いろいろ脱硫問題が論議されておりまして、それにいろいろなやり方がある。その中で、重油から石油精製の工場において脱硫をする方法についていろいろ資源調査会で調査したわけでございますけれども、現在、C重油のたとえば三十九年の販売実績を見ましても、おおよそその三分の一は火力発電、残りの三分の二は、量としては三分の二でございますが、あまり大口がなくて、みずからは脱硫設備をできないであろうと思われる数多くの工場が使っている。そうなれば、やはりそういう工場がある場所に集まって、少しながらも数多く重油を使った場合には、やはりSO2の量がばかにできないので、そういう向きに対しては、いずれにしろ重油から取るということが必要であろう。そういうような見解で、重油から取る方法についてよく調査しておこう、調査した結果、水素化脱硫の方法が比較的有望と思えたので、それについて特にどのくらいでできそうであろうかという試算をしたわけでございます。動機、いきさつはそういうことでございます。 その試算にあたりましては、実は方法としてアメリカのガルフ・リサーチ・アンド・デベロプメントという会社、これが小規模の設備を実際につくったということ、それからハイドロカーボン・リサーチ会社、それからもう一つはユニバーサル・オイル・プロダクツ、こういう三つのアメリカの会社に直接照会し、最後の一社だけは、先方の人が日本に来ましたときに、技術提携をしている会社を通じていろいろデーターをとって、その三つをもとに総合判断しまして、水素化脱硫の費用というものが残油キロリットル当たりおよそ五百円くらいであろう、そういう報告を出したわけであります。したがって、この五百円そのものにぴたり到達するこまかい原価の内訳というものがこの報告には載っていないのでありまして、さっき申し上げましたガルフ・リサーチ、ハイドロカーボン、ユニバーサル・オイル・プロダクツ、それぞれに見積もりをさせました一つの試算表は、お手元の資料の、ガルフ・リサーチにつきましては八九ページ−九〇ページという表がございます。はさみ込みで八九−九〇というところであります。そこは横に開いておいていただきまして、さらにその次のハイドロカーボン・リサーチにつきましては、九九−一〇〇という、少しその先でございますが、これも引っぱり出しておいていただきまして、その次にユニバーサル・オイル・プロダクツ社の方法は一〇五−一〇六ページという表でございます。 その三つの表で、この見積もりをやりましたときの前提は、クウェートの残油でサルファが三・八%あるものを一%まで落とす、つまり差し引き二・八%の硫黄を脱硫する、そういうような見積もりのときの条件がございます。その次に、そのいわゆる脱硫処理能力、そういうものはどれくらいか。これは一日に二万五千バーレルで三千九百キロリットルになるわけです。そういう処理能力を持ったもの。それから稼働日数は一年間に三百二十八日という仮定。それから重油収率等も、原油から八割くらい収率をする。できるだけ多くということでございます。それから、当然のことながら硫黄が回収されますので、その硫黄は工場渡しでトン一万三千円に売る。これは副産収入になります。それからいろいろ設備でございますが、設備の償却は一一・九%、残存価額は一割、それから特許料とか最初の触媒代とか、そういうものは五年間で均等償却してしまう。それから金利は、この場合は年利一〇%としております。それから修理費は一年間にその設備の三%。それから固定資産税等が一年間に二%。人件費は、平均年七十万ということで、大体四、五十人の人が計算されております。そういうことであります。通常入れるべき敷地の費用、そういうものはわざと取ってございます。これは別途加算されるべき性質のものでございます・それから、いわゆる一般管理費的なもの、工場の一般経費、本社の一般管理費と工場が負担するもの、そういうようなものもあえて除いております。 そういうことで、この表につきましては、たとえば八九−九〇ページのガルフ・リサーチの方法で、ちょっといまの復習をかねまして概略申しますと、設備は、結局水素化脱硫をする設備と、そのために要る水素、水素を必要としますから、水素をつくる設備、それから硫黄そのものを回収する設備、設備は大きく三つに分かれます。そこに書いてありますように、一日三千九百キロリットル、水素は五十五万六千立方メートル、硫黄は一日九十九トンというようなことで計算いたします。 〔委員長退席、中井委員長代理着席〕 そうしますと、一日の固定費と用役費というのが左側のところに書いてございますが、結局固定費としましては、その三つの設備で一日三百七万ぐらいに当たります。それから燃料費とか、水蒸気とか、電力とかいうランニングコストに当たるものが用役費という名前であがっておりますが、三百三十八万円、そういうものを合計しますと六百四十五万円、右の合計欄の下のほうにございます。 それに対して、できます硫黄が九十九トンとしますと、一万三千円ではじきまして百二十八万くらいの一日当たり副産収入がございますので、差し引き一日五百十六万くらいでできるだろう。これはキロリットル当たり千三百円何がし、それから硫黄を二・八%落としたわけでございますから、硫黄一%当たり、残油キロリットル当たり四百六十五円、こういうことでございます。 それからあとの二つのほうも、それぞれ設備の大きさ等で数字の出入りはございますが、九九−一〇〇ページにありますH−OIL法、これはハイドロカーボン・リサーチ社のものでございますが、いまの硫黄一%当たり、残油キロリットル当たり三百四円、これは非常に少なく出ております。それから一〇五−一〇六ページの縦書きの表でございますが、そちらのほうではいまの数字が硫黄一%当たり、残油キロリットル当たり四百四十三円。 この三つの見積もり資料をもとにいたしまして、資源調査会の各専門委員がいろいろ検討した結果、いま言った仮定をもとにして、硫黄一%当たり、残油キロリットル当たりおよそ五百円程度でやれそうだからということになりまして、ここでこれにぴたりと当たる内訳は、さっきも申し上げましたようにございませんので、実際の場合には、今度これをもとに本格的な試算等をやっていかなければならぬということでございます。 説明を終わります。
○中井委員長代理 御質問はございませんか。—それでは、次会は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午前十時五十五分散会