産業公害対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1966/03/09
会議録
○井手委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 この際、重油使用に伴って生ずる亜硫酸ガスの除去に関し、通商産業省から説明を聴取いたします。通商産業省中川産業立地部長。
○中川説明員 お手元に「重油使用に伴って生じる亜硫酸ガスの除去に関する検討」という資料をお配りしてあるわけであります。これに即しまして若干の御説明をいたしたいと思います。 この資料をつくりましたのは、一つには、前回の当委員会で、資源調査会がまとめました「重油の低硫黄化に関する調査報告」というものを通産省側がどう考えているかという御質問がございまして、概要は、その際かいつまんで要点をお話ししたわけでございますけれども、さらに資源調査会の調査報告なるものの中身とそれに対する通産省の評価、これを少し分析したものとして御説明いたしたいということが第一点、あわせまして、亜硫酸ガス問題に関しまして通産省が考えております技術開発の方向及びその考え方というものを御説明いたしたい、こういうことが趣旨でございます。 そこで、資料に即しまして若干御説明いたします。 一ページから三ページの終わりごろまでに書いてございますのは、これは資源調査会の調査報告をできるだけ客観的に要点をまとめたものでございます。御承知のように、重油それ自身から硫黄分を除去するということは、私どもも、もしこれが技術的に確立した技術として開発され、かつ経済的に見ても非常に合理性のあるものであれば、この方法は十分に検討し開発するに値することだと考えております。ただ、後ほどお話をいたしますように、これらのことも含めて検討いたしました結果、通産省としましては、当面排気ガスからの脱硫ということを重点的にやるべきだという考え方をとっております。それはあとで御説明いたしますが、資源調査会の調査報告も、そのようないろいろな亜硫酸ガス問題に対するアプローチのしかたをそれぞれ比較秤量したという角度ではございませんで、重油の低硫黄化に対する技術開発、あるいは技術の状況というものを客観的に調べたものであるということでございます。 そこで、一ページから二ページの前半にわたりましては、重油の低硫黄化の方法として、一ページの最初にございますような、低硫黄油混合、低硫黄原油輸入、低硫黄重油輸入、重油からの金属酸化物による脱硫、重油からのバクテリア利用による脱硫、重油の水素化脱硫、といった方法でいたしまして、それぞれの技術並びに現状というものを述べております。 二ページにまいりまして、重油を低硫黄化する方法としての水素化脱硫法の概要を二ページのところで述べておるわけでございます。 そして結語といたしまして、この水素化脱硫法というものは、技術的に実施できる段階に到達しているという判断をしておるわけでございます。そしてその場合の低硫黄重油を得るために、脱硫される硫黄分一%当たりにつきまして、キロリットル当たり五百円程度の処理費が必要だということを調べておるわけでございます。私どものほうも、従来この程度のことは概括的には承知をしております。 この報告書に対する通産省の評価でございますが、資源調査会の調査報告も、実はアメリカの三社、これは二ページのまん中のどころにございますが、ガルフ・リサーチ、ハイドロカーボン・リサーチ、ユニバーサル・オイル・プロダクツの各社から提供された資料以外には、現在のところ参考資料がないわけでございます。実験規模以外の重油の脱硫設備の実績といたしましては、シティール・サービス石油会社の一日当たり二千五百バーレルというものによってやったというのが一つあるだけでございます。現在の企業規模といたしましては、国際競争力を身につけるような石油精製設備といたしまして、私どもの鉱山局の意見によりますと、二十万バーレルぐらいのものがほしい、少なくとも十万バーレル以下というようなものは問題にならないという考え方でおるようでございまして、そのような大規模な設備による操業の場合に、資料どおりの結果が得られるかどうかということには、かなり慎重な検討が必要であろうと考えておるわけでございます。 それから調査報告にございます重油一%当たりの脱硫費約五百円、キロリットル当たりというものにつきましては、たとえば建設費がアメリカどおりにいくかどうかというような検討、あるいは設備稼働率を一〇〇%に見ておること、それから土地代の金利、本社費が含まれていないこと、水素費がかなり低目に見られていること等々、これは詳細に掘り下げておりませんけれども、一見して目につくものもございまして、少し詰めてみませんと、この五百円、一%というものができるかどうかということには、多分の疑問があると考えております。それよりも基本的には、この実験規模で大規模設備による適用というととがスムーズにいくかどうかということには、なお中間規模ぐらいの実績がないと確定的なことは言えないのじゃなかろうか。これは後ほど申し上げますように、排気ガスからの脱硫につきまして、通産省が考えておりますのは二段階、次の段階では五万キロワットぐらいのところでやってみよう、その上で確信を持ちたいという考え方と比較しての問題でございます。ただ、前にもこの委員会でお話ししたかと思いますが、排気ガスからの脱硫というのは日本の技術であるということで、相当めどがついておるということ、それから経済的にも、これは結論としてあとで申しますが、いまの一%当たり五百円というものよりも経済的にやれるということで、これに努力を集中しようとしておるわけでございますが、しかしこれは発電所等の大きな設備の場合に、初めて排気ガスからの脱硫ということが可能になってくるわけであります。基本的には、重油そのものを低硫黄分のものにするという技術が望ましいことは当然でございます。したがって、いまここで私が申しましたことは、まだ未確定な技術であるのではなかろうかということにすぎないわけでございまして、この方式の検討そのものというもの、これの将来の技術開発というものの意義は大きい。これはやはり通産省としても考えるべきだ、かように考えております。 それから第二、五ページ以降のところは、むしろ工業技術院の院長から御説明願ったほうがよろしいかと思っておりますので、私は簡単に申しますが、ここでは「わが国における排ガス脱硫技術の状況」といたしまして、五ページに酸化マンガン法、それから六ページに活性炭法、それから八ページにまいりまして石灰の吹き込み法、一〇ページにバクテリアによる脱硫技術、これだけのものを現在通産省として関心を持ち、それぞれのテンポで進めておる方法というものを列挙したわけでございます。 前々から申しておりますように、この中で最初にございます酸化マンガン法と、その次にございます活性炭法の二つにつきまして、これを大型プロジェクトというものの一つといたしまして重点的に進めようと考えておるわけでございます。その理由は、一〇ページの「大型プロジェクトに排煙からの脱硫を選んだ理由」というところで要旨としております。簡単でございますので読み上げます。「(1)重油脱硫技術は、まだ技術的にも多々不明確な点があるのに比し、排ガス脱硫は、経済的にも、技術的にもより早期に実用化される可能性が大きいこと。(排ガス脱硫の場合の試算では重質油キロリットル当たり、五百円前後の処理費になる見込みであるのに対して、重油脱硫の場合では、重質油キロリットル当たり千五百円程度の処理費となることが予想される。)(2)排ガス脱硫研究は、わが国が世界的にみても進んでおり、国産技術開発の観点からも同技術の開発が望ましいのに対し、重油脱硫研究は外国において研究がある程度進んでおり、基本的には外国の特許の使用または技術導入にたよる必要があり、国産技術開発の観点からは、問題があること。」ということでございます。ここに書いておりますように、私どもの試算によりますと、排気からの脱硫技術によりますと、五百円前後の処理費でやれるという見通しのもとにこれを進めようとしておるわけでございます。そのことにつきましての詳細は一一ページ以降のところでしるしてあるわけでございます。 なお、一三ページには、「資源調査会の報告に基づく脱硫技術水準における経済性の検討」ということで、ごく荒っぽい試算を火力開発研究会が過去において行なったことがございますので、これによる試算結果を参考までに掲げたのでございます。これは、当該脱硫いたしました重油を使います重油火力発電所、二十五万キロワット四台のモデル火力発電所における電力コストが、あの試算によって幾らになるかということを調べたものでございます。ただ、これは全くの試算でございまして、昭和三十七年度ぐらいの諸数値で試算をしておりますために、現状におきまして直ちにこのような数字になるかどうかはかなり疑問があるというのが、公益事業局に照会した結果でございます。これは御参考という意味合いで見ていただけばよろしいかと思います。 繰り返して申し上げるようでございますが、そのような判断に立ちまして、今後、四日市における実験等を、千キロワットでの研究を終えておりますので、次に五万キロワットの規模で開発していきたいというのが、私どものいま重点を置いておる考え方でございます。技術的なことは私よくわかりませんので、院長がいらっしゃいますので、もしつけ加える必要があれば工業技術院長から説明をいたしたいと思います。
○井手委員長 質疑の通告がありますのでこれを許します。中井徳次郎君。
○中井委員 ただいまの説明及び前回私は予算委員会の分科会におきまして、公害関係のことを一、二お尋ねいたしました関係もありまして、それとの関連で、含めてお尋ねをいたしたいと思います。 第一点は、運輸省の中野さんに伺うのでありますが、油による海水汚濁防止に関する条約でございますが、その条約が実は大正の初めから問題になっておって、わが国といたしましても陸海軍がある時代からでありまして、山本五十六氏などは第一回の国際会議に出ておられる。そういう歴史的なもので、戦後さらに英米の主唱で一、二度会議が持たれ、日本もこれに参加をして、調印が済んでおる。しかしながら、どうしたことか批准がない。そこで、東京湾はごらんのとおり、千葉のごときはもうノリの生産ができないという。大阪湾、伊勢湾等いろいろ問題が起こって、毎年漁業の人の大問題になっておるわけです。どうしてそういう条約の批准がおくれておるのか、世界では二十九カ国ですか、批准をしましてもう発効しておる。そういう問題について、この間実は厚生大臣に伺いました。厚生大臣の鈴木善幸氏は、ただいまのところ厚生大臣ではありますが、彼は実は漁業のほうが御専門で、水産学校を出て、選挙区も宮古であります。どうしたのだと言いましたら、いや閣議で話をしてさっそく批准をするように、農林大臣とも連絡をして強力にいたします、こういう返事がありました。承ると、厚生省はもとよりそういう気持ちでございましょうし、農林省もそうだ、運輸省のほうも、これは大いに推進をするという基本的な立場でおられたところが、通産省のほうから何か異議が出たとかなんとかいうことで、批准が非常におくれておる、こういう程度のことは私は聞いております。 これは国家的に見まして非常に重大なことでもありますし、また一つの盲点でもあったわけではないかと思います。私は、こういうことを気がつきましたのは、陳情もございましたけれども、実は一月ほど前に、瀬戸内でもって油送船が油を付近の漁船その他に売るとか、あるいはまた、私の聞いておる話でございますが、油送船が原油を運んだり重油を運んだりいたしますときに、どうしても多少余ったり足りなくなったりするそうでございます。初め三万トンなら三万トン買ってくる。実際タンクに入れると三万トン以上あったとかなんとか、それをまた持って帰るわけにもいかぬし、海中へ投棄をしたり、あるいは売ったりする事実があるらしい。売るのはけしからぬといわれるが、乗っておる船員にとってみると、どうせ海の中へ投げるんだ、捨ててしまうんだ、売ったっていいじゃないかというふうなことを言っておる人もあることを聞きました。これは事実であるかどうかは私も確かめておりません。第一、私は海に関係がない。ですから、そういうことを伺いましたからには、世界における有数な海運国の日本でありますから、これはひとつ秩序をきちっと立てて整備をしなければいかぬ。きちっとして姿勢を正さなければいかぬ。そのことが同時にまた国民のためにきわめて重要なことです。どこにそういうことを批准をしない点があるのか、われわれの気づかないきわめて重要な要素でもあるのかどうか、その辺のところを御説明願いたいと思います。
○中野説明員 油のための海水汚濁の防止の条約といたしまして、一九五四年条約と一九六二年条約の二つございます。初めのほうの五四年条約につきましては、いま先生がおっしゃいましたように二十九カ国が批准をいたしまして、五八年に発効いたしてございます。いま先生のお話がございましたように、日本といたしましても、署名はいたしたわけでございますが、まだ批准に至っておりません。そこで批准に至らない理由というわけでございますが、もちろん、いま先生のお話がございましたように、国際信義の観点から、あるいはまた水産資源の保護、また公衆衛生、こういった公害防止の観点から、これは早急に批准しなければならないというふうに私ども思って、作業を進めておるわけでございます。ただ、この際に問題点として考えられますのは、船舶から廃油を投棄する、それの規制措置の問題、それから船舶に油水分離器を設置しなければならない問題、また陸上に廃油を受け入れましてそれを処理する施設の問題、こういった問題点がございまして、いままでその問題点について関係の向きと十分協議を進めておるわけでございますが、なおこの点の国内体制を十分整備いたしました上で、こちらの批准の方向に進んでまいりたいというふうに、いまの問題点の検討に当たっておるわけでございます。
○中井委員 いま伺いますと、廃油投棄、その規制ということは、おそらく太平洋のまん中にでも行って流せとか、いろいろあるのでしょう。それから特に廃油処理の施設を港々にやらなければいかぬ。そいつがない。これは一体国がやるべきものか、その船を持っておる船会社がやるべきものか、あるいはそういうものを買いますところの各石油会社のコンビナートを持っているところがやるのか、その辺のところはいかがですか。
○中野説明員 船舶からの投棄の問題でございますが、条約を批准いたしますと、距岸五十海里以内に投棄してはならないということになるわけでございます。ただいま、先生も御承知のように、港則法の二十四条で、港内または港の境界外一万メートルには、石炭がらあるいは油性水、そういうごみを捨ててはならないということになってはございますが、今度距岸五十海里以内に捨ててはならないということになりますと、油を運ぶ油送船といたしましては、平水あるいは沿岸に航行区域を持っておる船といたしましては、沿岸区域を航行できます範囲は距岸二十海里以内でございます。したがいまして、こういった船舶が五十海里まで及ぶというようなわけにまいりませんので、その船に対してどういうふうに処理するかという問題がございます。また、油の投棄される内容にいたしましても、バラスト水、それから機関室に自然にたまります機械の燃料油、潤滑油のビルジ、こういった油がございますので、これを捨てないように、船の中に油水分離器を設けたり、あるいは受けざらのようなものでもいいと思いますが、こういったものの装置をする必要がございます。こういった分離器なり受けざらの技術の開発をやはりこれから進めませんと、大型船よりはむしろ内航の小型船に問題があろうというふうに考えられるわけでございます。 それからもう一つの、だれがその責任を負うのかというお話がございました。この点も、いまのように小型船が大いに問題点がございまして、もし原因者負担ということになりますと、そういうものを装置しなければならぬ。そのためには余分に船舶のスペースをとらなければならないとなりますと、経済上の負担の問題が船舶所有者に出てまいりますし、また、いまお話にございましたように、石油会社が負担するのがいいのか、あるいは港湾地帯におきますそういう整備を担当している港湾管理者というものがあるいは考えなければならないのか、こういった点についても検討すべき問題がございますので、それらについてもスムーズに国内体制が整備できるように検討してまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○中井委員 そういたしますと、たとえば日本の船は、ロンドンなりニューヨークなりに参りますときには、この五十海里以内では油を投棄しない、日本へ帰ってくると、十キロ離れたらやる、こういうことですか。
○中野説明員 大型タンカー、これは外航船でございますが、外航船の場合は、石油の積み取り地までの間に、距岸五十海里を離れまして大洋を航行いたしますものでございますので、積み地近く五十海里以上離れました間にそのバラスト水というものは処理できるということができるわけでございます。したがいまして、いまの二十海里とか十海里という問題でございませんで、大型船はそういうぐあいに大洋の中で投棄できて問題はないわけでございます。
○中井委員 先ほどあなたのお話では、五十海里以内で投棄してはいけないというふうに条約はなっておる、こういうことでございますね。これは大型船なら投棄してもいいのですか、そうじゃないでしょう。大型船ならもうちゃんと施設はあるのですか。その辺のところを……。
○中野説明員 大型船でございますと、五十海里を離れまして航海いたします。そして積み地に向かうわけでございますので、五十海里以外に投棄することが可能でございます。条約上、批准いたしますと、距岸五十海里以内に投棄してはならないということになってございますので、公海に行きますときになれば、その間にそういうことも、投棄しても別に条約との関係は差しつかえございませんし、またいま先生お尋ねのように、大型船でございますと、池水分離器を装置しておる船もございまして、その装置しておる船は、その間におきまして油と水とを分離いたしまして、そして廃油を処理するというような処理も可能でございます。
○中井委員 何かよくわからないな。たとえば出光なら出光の船が、この条約を締結しておる――タイは締結しておるかしておらぬか知りませんが、インドならインドへ行く、ボンベイならボンベイへ行く。そのときは港へ入る五十海里以内には廃棄してはいけない。その船が日本へ来た場合には三十海里ぐらいで廃棄してもかまわぬ。できるとかできぬということを言っているのじゃない。それはできるにきまっている。かまわぬのですね。そうすると乗り組み員は、外国へ行ったときには気をつけろ、帰ったらかまわぬ、こういうことですか。私は事実を聞いているので、あなた方の責任を聞いているのじゃないですよ。
○中野説明員 いまの私の説明があるいは不十分だった点もあるかと思いますが、積み地から日本へ向かいますときには、タンクに油を満載してまいるわけでございます。したがいまして、船の安定性も十分保って日本に入ってまいりまして、それでその揚げ地におきまして油を揚げるわけでございます。したがいまして、日本の港の近辺に来ますときにはそういう廃油の投棄という問題は起こらないわけでございます。廃油の投棄が起こる問題は、今度から船で積み地に参りますときに、船の安定性を保ちますために油のかわりにタンクに水を一ぱい張りまして、そして積み地に向かうわけでございます。そして積み地の近辺に参りますと、その油を積む、ために一ぱいに張りました水を投棄しなければならないわけでございますが、その水の中に油がまざっておるわけでございまして、それが問題を起こすわけでございます。したがいまして、日本に大型タンカーが入りますときには、そういうから船でバラスト水を張ってくるということはあり得ませんので、大型船からの投棄はないというわけでございまして、今度積み地のほうに参りますときには、その五十海里までの間にそのバラスト水を、向こうの港に着きましてすぐ油を積めるようにバラスト水を処理いたします。そしてもう港に近いわけでございますから、大洋を航行するように船の安定もそれほど必要でございませんので、から船で入りまして、そして油を積んで帰ってまいるということでございますので、大型タンカーにつきましては、いまのような問題はあまり起こらないというふうに私ども考えております。
○中井委員 あまり起こらないということでございますが、たとえば海水を中へ入れていったが、ちょっと入れ過ぎたかということは幾らもありますね。それから向こうへ着く前にも、やはりこの条約を締結しておれば五十海里以前で海水を投棄しなければいけないんですね。そういうことでしょう。だから日本だけが十海里以内でいいということ非常におかしいことですね。船に乗っておる人にとりましても、外航船の場合は、日本へ来たからかまやせぬ、ほかへ行ったら外国のそれに従わなければならぬ。したがって、一流の外航船は装置もできておることでしょう。だから私はなぜ日本がこれを批准しないのか。あなたのおっしゃるように、小さな油送船その他内国向けの船が非常に困るという場合には、それに対する設備がどれくらいかかってどうなるのか、国がこれを批准した場合にはどれくらいの助成金が要るのか、そういうものをはっきり前向きでやってもらわないと、こんなものは金がかかるから、社会党の代議士がつついたら中小企業が困るという返事をしておけというようなことでは私は困ると思う。これは私は通産省から何か横やりが入ったように思う。全国の漁船が大きな数字でも出してきたんでしょう。そうじゃないかと思うのですがどうですか。こんなものをいまだにほっておくということはどうなんですか。運輸省としては大いに推進をしたいと考えておるというふうに私は承っておるのだが、どうなんですか。
○中野説明員 冒頭に申し上げましたように、水産資源の保護なり、公衆衛生といったような、公害防止の観点からぜひ批准してまいりたい、こういうふうには思っておるわけでございます。そこで、いまの受け入れ処理施設でございますが、大体一基約二億円くらい要するだろうというふうに考えられます。それとともに、船舶からの投棄のための処理施設でございますので、港湾に近いところにそれを設けなければならない。したがいまして、それのための用地が必要でございまして、危険を伴うものでございますので相当広い用地を必要とするわけでございます。大体約二千坪から三千坪くらい必要であろうというふうに私ども思っておりますが、それを含めますと、約三億円くらい一基につきまして要るわけでございまして、これを東京湾、伊勢湾、大阪湾あるいは瀬戸内、こういった方向にどんどん整備をしていかなければならぬとは思っているわけでございますが、いまのように用地の確保の問題あるいは費用のそういった問題等について、国としてもどれだけそれの奨励のための措置が講じられるかどうかというようなこともあわせて検討してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。先生の先ほどお話がございましたように、通産省から横やりがあってできないということではございませんで、先日産業公害防止事業団ができましたときにもいろいろお話し申し上げまして、船舶も利用できる場合には利用さしていただくというようなことも実はお願い申し上げて協力していただいておるわけでございまして、いまのようないろいろな問題点がございますので、運輸省としてはもちろん前向きに推進してまいりたいというふうに思っております。いまのような問題を、国内体制を整備しましてからこの問題を処理してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○中井委員 全国にどれくらい、いまあなたがおっしゃるような施設をすれば一応いいのですか。
○中野説明員 こまかくまだ計算はいたしてございませんが、おもな石油受け入れ港でございます。したがいまして、北海道から申しますと、室蘭港とかあるいは東京、川崎、横浜、名古屋、四日市、瀬戸内、大分、こういったところにそういった施設が必要であろうというふうに私ども思っております。
○中井委員 大体いまあなたが数えたので八つだね、十くらいあればいい。二億円とか三億円とか、それはいろいろ場所によって違うでしょう。うんと高くかかるところもあるし、あれだけれども、たいしたことないじゃないですか。これはやはり公害に対する認識の問題だと思うのですが、これは早急にこんなことをやって、そうして推進をしてもらいたいと思います。与党といえども、四兆数千億の予算を組もうといって、大いに建設公債を発行して積極的にやろうといっているのですから、これこそ私は日本の海岸を守る重大な一つのポイントだと思います。 それから群小の漁船、その他中小企業的な国内航路の問題なんかについて、一つの船でどの程度のものが要るか、そういうことについて、いまのばく然とした数字でもいいですけれども、大体どのくらいあればいいのか、一基どれくらいかかるか、参考のために、それをちょっと出してください。
○中野説明員 現在大型船で使っております油水分離器は、大体百五十万円というふうに聞いております。ただ、この油水分離器をそのままいまの小型船に使えるかということについては、これはスペースの問題その他で問題がございまして、そういうところにも使えるような分離器を開発しなければいけないという問題が残っております。 それからもう一つ、経済上の問題といたしまして、これは当然のことでございますが、やはり処理するための船待ちといったような問題が運航上あらわれてまいりますので、小型船については、そういった点の経済上の問題も考慮しなければならないというふうに私ども考えております。
○中井委員 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、いま伺いましたような程度では、たいした金額でもございませんから、これはひとつ運輸省のほうでぜひ取り上げていただいて、閣議でもきめるということでありますから、閣議は先にきまって、予算がそれに伴ってついたりするのが最近の傾向で、大いにこれは積極的にやってもらいたい。 いずれもう少し詳しく私伺いたいと思いますが、きょうは時間もありませんから、また日をあらためまして、運輸大臣中村君に来てもらいまして、お尋ねをいたしたいと思います。わざわざお出かけいただいてありがとうございました。 次に、通産省の中川君に伺いますが、先ほどるる御説明があったが、政府としては、現在の段階では、重油そのものからSO2を取るというよりも、一応排気ガスの中から取るのに重点を置いておるというお話でございまして、それは現実の動きとしては、そういうことでございましょうし、私は、そういうことがいいとか悪いとか言うだけの科学的自信も何もないわけでありまするから、とにかく早急な問題ですから、できるところから積極的にやっていただくという意味において、この間馬場院長さんから伺いましたようなこと、よくわかるのですが、きょうは、いずれこの委員会におきましては、小委員会等をつくりまして、さらに具体的に検討するということになっておりますので、その節に譲りまするけれども、一点だけ、直接重油から硫黄分を取るという水素を使う脱硫法ですか、この原価計算があまり自信がないんだということでございました。一%五百円でございますか、一キロリットル二・八%の硫黄分でありますと、千五百円ほどかかる。この内訳を――どうしてそうかかるのか、アメリカでかかったものを、ドルを円に換算しましたという程度のものなのか、もう少し、建設費がどれくらいかかってどういうものであるか、これを御説明願いたい。私は、一トン千五百円というものを、今後努力によって、たとえばそれは千円にできる、七百五十円にできる、大量にやればどうなる。施設をすれば、あとは施設の減価償却その他もありますけれども、水素の値段だとかなんとかということになってきまして、経常費でもって長期的な観点でやれば、五年もてるものか十年もてるものか、あるいは二、三十年もてるものか知りませんが、きょうは、そのことであまり自信がなかったら、御答弁いただかなくていいが、ただ、そういうことで簡単にそのまま書いて、それは千五百円でだめだぞ、いま六千円のものが七千五百円になるからだめだぞというのでは、ぼくたちとしては――私自身は技術屋でありませんが、経済のほうはやや専門でありますから、こういうものは絶えず流動するものですから、いまは排気ガスから取るほうが三分の一くらいの経費だというのでありますが、将来はどうなるのか。これは三分の一くらいになれば、そのほうがいいわけでありまするが、この辺のところをもう少し詳細なデータを、建設費はどれだけかかって、水素がどれだけ要って、売れる硫黄はどれだけで――この硫黄は、大量にできたら値段が下がりましょう、そうしたらどうなるか。そういうこと等について、はっきりいえば、電力会社その他経営者側の諸君が見て、これはあかぬこれはあかぬで、ひとつ反対運動をせいというふうなことじゃないかと私は思うのですが、その数字は、やはり専門家で討論をして、あかぬというのは、ここ二、三年あかぬというのか、五年、十年あかぬというのかということに実はなってこようと思うので、値段は永久にいまの値段というわけではない。これはずいぶん上がり下がりしております。一時は三分の一くらい下がりました。六千円のものが四千円になったら、たちまちそれをやって五千五百円というのが出ますし、その辺の経済性のデータのしっかりしたものをひとつ出していただきたい、こう思います。 きょうはこれだけお尋ねします。
○中川説明員 ただいま私のお配りした資料が非常に簡単に過ぎましたので、御納得のいかなかったところがあろうかと思います。実は資源調査会の調査報告でも、私どものほうで調べたものによりましても、いま先生のおっしゃいました建設費、さらに言いますと、減価償却を含めましての固定費、用役費についてのこまかい数字がございます。それから、同じく御指摘のありました硫黄をどれくらいに評価しているかというような数字もございますので、後ほど各先生方にお配りできるような資料として提供したいと思います。 それから、本方法がだめだということを私は申しておるのではございませんで、冒頭に先生のおっしゃいましたように、現時点の問題としてのウエートの置き方について申したのであります。私のほうできょうお配りしました資料の中でも、たとえば一二ページに触媒の開発とか、水素使用量の減少問題とか、処理工程の研究等の研究を進めておる。こういうものがうんと進みますと、冒頭に私が申しましたように、重油自身から硫黄分を消すというのがオーソドックスの、しかもきわめて一般に普及しやすい方法であることは確かでございます。この技術開発の必要性を否定しておるのではございません。ただ、それには技術上かなり問題があるということを申し上げたわけでございます。 御要望の資料は、後ほどなるべくわかりやすい資料にいたしまして、かつ詳細なものとして御提出したいと思います。
○中井委員 こういう問題は小委員会の問題であると思いまするから、小委員会ができましたら、詳細に御説明を願いたいし、できれば一緒に研究もしたいと思いますが、念のために、いま御答弁の中にありましたが、いわゆる排気ガスから取るというのは日本的な研究であるということで、工業技術院で熱心に御研さんになっておるようでありますが、このことを私ども決して否定はいたしません。大いにそれをやっていただきたい。同時にまた、そちらの方面にも、両方のかまえで積極的にやっていく、こういう意味でありますから、どうぞ誤解のないように願いたい。私の気持ちを率直に、申し上げておきます。そして直接抜き出す方法が、やはり国産というふうな形からいえば、山下太郎さんの会社ですか、いまクエートから運んでおりまする原油が一番これが多いようですから、そういう意味において、特になお私は脱硫ということを言っておるわけですから、どうぞそういう面もわかってもらいたいと思います。それでいまの数字をどうぞひとつこの次までに出していただきたい。できれば、これはこうなりはせぬか、これはこうなりはせぬかというふうな見解も――ただいまのところ、たとえばこの装置に二十億かかりますといったって、それが二十年持てるものであれば、一年一億ですから、そういうことは、いま日本の状況は小さなインフレみたいな形できておりますから、二十年たてば一年一億くらいの金は問題にならぬというふうなことです。いまの日本の長期的な消費資材といいますか、テレビだとか電気洗たく機だとか、話は飛びますけれども、こういうものはなぜ値が上がらぬかといったら、これは減価償却の立て方が安全に安全にと見て、もういまのやつは何ぼでも下げられるのですよ。あんなものはみんな機械の償却は済んでおるのです。あとは経常費だけで、原料費と人件費だけでいま動いているのですから。そういう意味もありますから、私は、初めの案の立て方が、もっと長期的観点から放胆に考えていけば、いろいろとやり方があるのじゃないかと思いまするのでお尋ねした次第でございます。 以上で私の質問を終わります。
○井手委員長 運輸省の中野審議官に申し上げますが、次の委員会において、油による海水汚濁防止条約の批准に関係して審議を進めたいと思います。きょうの御説明では、国内体制の整備が必要であるという御答弁でございましたが、日本がこの条約の草案に署名してからすでに十数年たっておりますから、十数年たった今日までどういう努力をなさったのか、どこに障害があるのか、審議を促進する必要上明確な御答弁が必要だろうと思っておりますので、次の機会には十分用意をして御出席をいただきたいと思っております。 それでは次に進みます。肥田次郎君。
○肥田委員 私がまずお伺いしたいのは、この資料の中身について具体的にお伺いする前に、大体亜硫酸ガスの被害が起こった発端は、一応重油を使用する火力発電所だ、こういうことに理解をされておると思うのです。そこで現在重油使用の火力発電所の発電量、キロワットアワーでいいですが、これはどれくらいあるのか。それから施設計画は大体何千万キロぐらいの計画になっておるのか。それはわかりませんか。
○中川説明員 ただいま私手元に数字を持っておりませんので、後ほど取り寄せましてお届けいたしたいと思います。 ただ、大ざっぱに申し上げますと、私、前に電気をやったことがございますので、まず水火力の比重というのが、前の状況では七、三ぐらいの状態で水力にウエートがあったわけでございますが、戦後の経済成長で大幅に火力のウエートが高くなってきております。その中でも石炭のウエートといいますものは、ほっとけばなくなる状況でございまして、むしろ国内資源の有効利用という意味合いにおきまして、山元発電もしくは揚げ地発電ということで、かなり人為的な手を加えまして石炭火力のある程度のウエートを維持しておるというのが現状でございまして、これからの発電所の新増設されますものが重油になるという大勢は変わらないわけでございます。ただ、より長期的に申しますと、おそらく原子力が相当大きく入ってくる、これが趨勢だと思っております。数字につきましては後ほど取り寄せましてお届けいたします。
○肥田委員 私は別に資料がないからといって文句を言うわけじゃないのですが、大体重油を中心に亜硫酸ガスの議論をする場合には、今日重油を使用する火力発電所というものが、根源になっておると私は思うのです。そういうことで、常識的にどれくらいだということは御承知だと思って聞いたのです。おそらく私が聞いた記憶に間違いがなければ、確かにいまおっしゃったように、水力というものは寿命がありますから、それから水力の発電容量というものはおのずから制限があるので、水力発電所の寿命は大体五十年くらいと見て、水力発電所に対する設備投資というものは漸次手控えになっておる。それからエネルギー革命ということを前提に置いて、いわゆる重油火力の発電ということが変わってきたことは事実です。通産省あたりでは大体二千万キロワットアワーくらいと考えておるでしょう。そういう状態ですから私はお聞きしたわけです。 そこで一三ページの表にありますが、この一三ページの表には、専門家じゃないので詳しくはわからぬというふうにおっしゃっておりましたが、一応ここに書いてあるところの資料によると、電力コストは一キロワットアワー当たりが二円三十九銭だ。これを一%程度まで重油脱硫をやりますと、一二・六%コストアップになる、これは約三十銭ほどですね。これは電力料キロワットアワー当たりの影響力というものはどういうふうにお考えになっていますか。
○中川説明員 これも所管の公益事業局から御答弁申し上げるのが筋だろうと思っておりますが、電力は、先生御承知のように一つは産業活動の基幹になるものでございます。もう一つは、電灯という形、家庭用電気という形で一般市民の生活に不可欠なものでございます。それだけに公共料金の一種といたしまして、電力料金というものは可能な限り低位に押える必要があるわけでございます。御承知のように、国会等でよく問題になります電気料金の値上げ問題といいます場合でも、私ども承知しておりますのは、戦後のインフレ状況のときは別といたしまして、昨今問題になっておる電力料金の改定という問題は、大ざっぱに見て一割前後の値上げの可否が議論されておるわけでございます。したがいまして、この試算はもとより自信のある数字ではございませんし、かなり古い数字でございますので、ここの一、二をとらえて言うのはいささか問題でございますけれども、一〇%前後の電力のコストの上昇ということは、国際競争力を問題にしております産業の立場からも、あるいは物価問題を念頭に置きました場合にも、かなり大きな数字であると、私はそう考えております。
○肥田委員 たいして専門家じゃないのに、私が答えるべきじゃないのにということで、与える影響は大きいというふうな答えを聞くと、ちょっと議論したくなるのですが、電力料金というもののいわゆる販売価格は、これは問題があるのですからね。いまの電力料金というものが、これで妥当かどうかということは問題があるのですよ。たとえば何年間も電力料金を値上げしなくても、依然として高配当を続けておるという現状から見れば、これは議論にならない。私はそういう意味で実は聞いたんじゃないのですよ。ここでいうところの一二・六%くらいのコスト上昇というものが資料にこうして出ていますから、したがって、重油から脱硫をする、一%まで脱硫するのにこの程度のコスト局になるのなら、現在の電力料金に影響なしにやれると思っておるのです。そういうことを前提にして、いわゆる火力発電というものが今日重油使用の大きなウエートを占めておるのですから、そういう立場から亜硫酸ガスの被害を防ぐという前提で私は質問をしておるのです。先日も、たまたまこの重油の使用に対する税金という問題で、あなたがあなたらしい意見を言ったのですが、それはまたあとでなにするとして、ここでもう一つ、一〇ページの終わりにあるところの、重油の脱硫研究は外国において研究が進んでおるので、基本的には外国の特許を使うか、また技術導入をしなければ、いわゆる国産技術の開発ということはむずかしいんじゃないか、こういうふうに書いてあるのですが、これはこう書かれておるだけで私もよくわかりませんから、ひとつ資料的な面で委員長、お願いしたいものがあるのです。それは、真に技術的にわが国で開発することがむずかしいというのは、特許の範囲内で、もうそれ以外に道がないというふうな考え方の上に立ってこういうふうな文章になっておるのか、あるいはまた、わが国の開発能力というものはないんだというふうなことなのか、その点についての資料といいますか、将来のわれわれの研究の材料として資料をお願いしたいと思います。 それから、先ほどお尋ねしたところの現在の重油使用の火力発電所の設備容量、それから将来計画する容量、こういうものについてひとつ、これは通産省ではわかっているはずですから、資料を出していただきたいと思います。 それから先ほど言いました、これは当然通産省としてはどういうものが出てくるかということは想像はできますけれども、およそ一二・六%のコスト高というのは、これは実質的には二円三十九銭に対して約三十銭強になる。この程度のものがどの程度の影響を及ぼすものなのか、これはひとつ多角的な検討をした上での資料をいただきたいと思います。 私は、この資料を要求するのは、そういう上に立って、現在問題の根源になっておるところの重油使用の火力発電所の脱硫装置をもっと積極的にやらすべきだという考え方を持っておりますから、ひとつ資料を提供していただきたいと思います。現に堺では二百万キロワットアワーの発電所設備が行なわれておる。それから新たに各地域で続々と火力発電の設備が計画されておるのです。ですから、水力発電というものは、これは事実もう――いわゆる昔は水力が主であって、火力発電所はピークカットするのに利用された。ところが、今日ではそうではなくて、夜も昼も火力発電をやって、いわゆる常時七〇%くらいな運転をやって、非常にむだが多い。夜になると電力は余り切っておる。したがって、コンビナートあるいは工場集団というものの中で電力を消費しよう、こういう形に変わってきておるのですから、これには私は大いに疑問があるところなんですが、しかし、とりあえず通産省で計画されておるところの重油使用の火力発電所の計画容量、それから地域、こういうものについての資料をひとつ提供願いたいと思います。
○井手委員長 資料はよろしゅうございますか。
○中川説明員 よろしゅうございます。
○井手委員長 (Ⅲ)の資料の経済性の問題ですが、少しこれには政治性が加わり過ぎておるようですから、もう少し内容の経済性、いろいろな説明があると思いますから、どのくらいこの脱硫によって費用が高まるかというところまでで、それによって電力の販売価格まで影響することは、これはほかの問題であろうと思います。そのようなことで、もしほかに資料ができればあわせて出していただきたいと思います。 それでは、次に野間千代三君。
○野間委員 時間もあれですから、簡単に二つばかり勉強したいのですが、一つは、いま脱硫方式がだんだん湿式よりも乾式のほうに移っていると考えられるのですが、神奈川県の工業試験所で苛性ソーダを使って、そうして煙道の構造を多少変えて、そうして硫黄を亜硫酸ソーダに変えるという研究をしているようですが、これの評価といいますか、馬場さん、工業技術院長としてこれはどういう評価をしたらいいのか、研究の成果なり、そういう点についてちょっと勉強したいのです。 それからもう一つは、これもやっぱり勉強なんですけれども、いま言われるように、肥田先生の御質問から一そうはっきりしましたように、重油による発電が非常に多くなっている。今後も趨勢としては増加をするというふうに考えられるのです。したがって、公害が非常に多くなるという問題です。そこで、これは多少直観の話なんですが、その公害が起きる原因ですね、つまり発電方式でもってもっとそういうものが起きないというような方法はないのか。何かMHD発電というのですか、これは重油を直接やるのですか、そういうことで研究が行なわれている。政府のほうも多少の予算を出しておるように伺ったのですが、この方法で熱効力がよくなり、料金も安くなり、重油の使用量も非常に減るというふうにちょっと読んだことがあるのですが、そういう面について、ぼくの言いたいのは、この公害が起きる前の、起きない方法はないのかということなんですが、そういう方面の研究の状況があったらちょっと聞きたいのです。
○馬場政府委員 御説明いたします。 神奈川県の試験所で開発されました方法につきましては、現在さらに研究を続けておられるように伺っております。確かにアルカリ性と申しますか――御承知のとおり亜硫酸ガスは酸性のガスでございますので、アルカリ性の各種の液体で吸収することが当然できるわけでございます。これは液体でございますので、煙道のガスがまいりますと、そのために蒸発をいたしましたりいろいろなことがございますし、同時に煙道の廃ガスの温度が低下いたすわけでございます。もちろん、低下いたしましてもガスの中の亜硫酸ガスを全部取り切れればいいのでございますが、かりに全部取り切れませんと、そういたしますと、煙突から出ましたものの温度が低うございますので、これが空気より重いものでござますから、すぐ下がってくるわけなんでございます。下がるのは冷たいから下がってくるのでございます。けれども、ある距離離れまして下がりますと、空気の中にいわゆる拡散が起こりまして、さらに薄くなって接地、地面に到達いたします。したがいまして、そういうことから考えますと、御指摘のように湿式の場合には、そういう意味ではよく取れるのでございますけれども、今度は廃ガスの温度が下がりますために薄まらないうちに接地してくる。人体なりあるいはその他のものに対する影響のほとんどなくなるまで薄まらないうちに接地する、こういう欠点が湿式にはございます。 それからもう一つは、装置のほうの問題でございますが、煙突から逃がすための抵抗が、流れていきますための抵抗が装置の関係で多くなってまいります。そのために燃焼その他にいろいろな問題を起こしてまいりまして、今度はそのために不完全燃焼を起こすとか、その他の別の被害が出てまいります。したがいまして、湿式の場合には、特殊な場合に現在でも使われておるわけでございます。特殊な場合と申しますのは、こういうものではなく、もっと亜硫酸ガスが多いとか、燃焼によりまして非常に濃くなっておる、しかし排出するガスの量は比較的少ない、そういうような場合には、すでに湿式のものをいろいろな工場なんかでは適用しておるわけでございます。 それからもっと違った発電方式はないかというお尋ねでありますが、御指摘のMHDというようなものは、現在私ども研究いたしております。そういう点でMHDを考えてみますと、MHDは、従来の発電所の燃料の持っておりますエネルギーが電気にかわります効率でございますが、その効率が現在の最高のものでも四〇%程度でございます。したがいまして、このMHDの場合を考えますと、大体六〇%ぐらいになるであろうという想定をされておるわけでございます。六〇%以上ということを期待いたしておりますが、まずまず六〇%ぐらい。そうしますと、同じ電力を発生いたしますのに三分の二の燃料でいいわけでございますから、かりに全く同一の燃料を使いましたとすれば、その亜硫酸ガスの排出量が三分の二になる、こういう計算になるわけでございます。それにしましても、やはりかりに燃料の中に硫黄分が含まれておりますと、亜硫酸ガスが出ることはそれだけでは解決しない問題でございます。そういった点の研究から申しますと、その場合に燃料の転換をするということが、つまり硫黄分のない燃料を使う、あるいは亜硫酸ガスその他を発生しないような燃料を使うというようなことが、これはMHDだけではございません、すべての場合に当然最も根本的な問題であると考えております。
○井手委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会