産業公害対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/02/16
会議録
○井手委員長 これより会議を開きます。 産業公害対策に関する件について調査を進めます。 この際、産業公害対策に関し、進藤通商政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。進藤政務次官。
○進藤政府委員 通商産業省の産業公害対策について御説明申し上げます。 政府といたしましては、健康で文化的な生活を通じ、人間性豊かな社会をつくり出すことを目標として、社会開発施策の推進につとめておりますが、わが国経済の高度成長過程で生じたひずみの一つとして、公害が顕著となり、その早急な解決が求められているところであります。 私は、今日このように公害問題が大きな社会問題となってきた背景には、狭隘な国土という自然条件のほか、産業活動の発展に比し、従来、都市計画の整備、公害関係の公共投資、関係技術の開発等の立ちおくれがあると考えております。 通商産業省は、産業活動の指導官庁として、昭和三十三年ごろから工場排水及び工場ばい煙について規制及び指導を行なってまいりましたが、公害の防止にあたっては、企業、国、地方公共団体等関係者が一体となってなすべきものであると考えております。 通商産業省といたしましては、明年度の施策の重点の一つとして、適正立地環境の整備につとめてまいることといたしておりますが、その一つとして、産業公害対策につきましては、生活環境の保全と産業の健全な発展との調和を求める立場から、特に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 すなわち、昭和四十一年度におきましては、産業公害防止の基本となる技術開発の促進に最重点を置き、亜硫酸ガス、自動車排気ガスの処理技術等の防止技術の開発につとめるとともに、公害防止施設の設置の助成については、特に公害防止事業団の活動を強化し、さらに新産業都市等新規の工場地帯への工場立地に際しては、いやしくも産業公害の起こることのないよう指導するため、総合事前調査を拡充強化することにしております。 これらの施策を通じて、産業公害の発生防止に努力してまいりますが、今後とも一そうの御協力をお願いする次第であります。 ――――◇―――――
○井手委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。 産業公害対策に関する件について、本日参考人として公害防止事業団理事長原文兵衛君から意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井手委員長 異議なしと認め、さよう決しました。 ――――◇―――――
○井手委員長 昭和四十一年度産業公害対策関係予算について、厚生省及び通商産業省からそれぞれ説明を聴取いたします。厚生省舘林環境衛生局長。
○舘林政府委員 お配り申し上げてございます「公害防止対策資料 厚生省環境衛生局公害課」という資料に沿いまして御説明申し上げます。 この資料の十二ページをお開き願いたいと思います。 第一は、ばい煙規制法施行費関係の予算でございます。これは内容は三つに分かれておりまして、ばい煙規制法に基づく指定地域の基礎調査の費用、それから特定有害物質の調査、ばい煙の影響の調査、この三種類でございます。 そのばい煙規制法に基づきます指定の明年度の予定は四地区でございまして、一八ページをお開きいただきますと、一八ページから一九ページにかけまして、いままで調査をした地域、並びに調査の結果、ばい煙規制法に基づいて指定をした地域の一覧表がございますが、四十一年度はそこにございますように福島県、茨城県、岡山県、広島県、この四県に対して調査をいたしたい。調査の結果指定をするわけでございますが、それは前年に指定したものも含んで指定をしてまいるわけでございます。 次に特定有害物質の調査、これは二〇ページから二一ページにかけて記載してございます。いままでにこのような特定の有害物質に関して調査をしてまいったわけでございまして、昭和四十一年度は三塩化燐、五塩化燐、黄燐、ホルマリン、クロールスルホン酸、これらにつきまして微量なこれらの物質の調査方法並びにこれらの物質によって起こった事件、公害を引き起こした事例、こういうものの調査をしてまいります。 次がばい煙の影響の調査でございまして、本年度は大阪及び四日市のばい煙が人体にどのような影響があるかという調査をいたしておりますが、明年度は、ここに書いてございます四日市、茨城、大阪等のばい煙の影響の調査をいたしたいということでございます。 次が自動車の排気ガスの人体への影響の調査でございます。本年東京において実施をいだしたわけでございますが、明年度も引き続きとの調査を継続いたしたい、かように思っております。 次が大気汚染測定網調査、大気汚染の状況を、ほとんど自動的な記録装置によりまして、測候所のようなステーションを各地に設置いたしまして、刻々と大気汚染の状況を知る、記録にとるというようなことをいたす予定で、終局的には、主要な地域当面二十カ所にこのようなものを設置いたしたいということで計画を進めておりますが、本年度は、そこに書いてございます東京、大阪、尼崎、三カ所にあるのでございますが、明年度川崎及び北九州に設置いたしたい、かように予定をいたしております。 次が産業開発地域の事前調査、予備調査といいますか、各種産業の施設がここへ設置される前にいろいろの調査をいたしまして、公害が起こらないように予防的な計画を立てたい、かようなことで予備調査を進めておりますが、それは、対象といたしまして福島、大阪、兵庫、徳島、愛知、このような地域に対して調査を予定いたしております。 最後が公害調査研究の委託費でございまして、公害に関する各種の調査を大学、試験研究機関等に委託をして調査をいたしたいということでございます。 以上、総括いたしまして、前年度に比べまして五%増であります。 このほかに厚生省関係の予算として、公害防止事業団関係の予算が組まれておりまして、本年度は約三千七百万円程度でございました事務費が、明年度は約一億一千万円、一億七百四十万円ということに大幅にふやしてございます。これは事務費でございますが、その事業の内容としまして、一三ページにありますように、財政投融資が総額で六十億、本年度は二十億でございましたものを六十億、ただし、このうち十五億は本年度の繰り越し分でございます。詳細は事業団のほうから御説明があるかと思いますが、本年度と違いますのは、本年度は共同施設に対して融資を行なったわけでございますが、これを個別の企業に対しても融資ができるということにいたしました点と、利率を五厘引き下げました。ただし、貸し付けの当初の三年間だけ五厘引き下げました。大企業に対しては七分五厘を七分、中小企業に対しましては七分を六分五厘、かようにいたしたわけでございます。 以上、概略御説明申し上げました。
○井手委員長 この際、佐々木厚生政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。
○佐々木(義)政府委員 大臣が予算委員会へ出席しておりますから、かわりまして所信表明をいたしたいと思います。 第五十一回国会における産業公害対策特別委員会の御審議に先立ち、公害防止対策に関し、所信の一端を申し述べたいと思います。 近年における諸産業の発展に伴い、人口の都市集中、交通機関の発達は顕著なものがありますが、その反面、これに伴って大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭等の公害も日を追って顕著となり、一部には深刻な社会問題を惹起するに至っております。政府といたしましても、これら公害の防止に対しては格段の努力を払う必要を認め、数年来その施策の充実をはかってまいったところであります。 厚生省における昭和四十一年度の公害対策といたしましては、公害関係法による規制の強化、環境基準の設定及び排出基準の改訂等に必要な諸調査、大気汚染測定網の設置、公害を未然に防止するための開発整備地域の調査及び指導、自動車排ガスに関する調査等を行なうとともに、公害に関する研究の推進をはかることとしております。 また公害防止対策の推進には、発生源である企業等に対する規制を強化するとともに、それらの行なう防止措置に対し助成措置を講ずることがその実行を促進する上に必要でありますが、昭和四十一年度においては、右の目的のため、昨年十月発足した公害防止事業団の事業の飛躍的拡大をはかることといたしております。すなわち、資金額の大幅な拡大をはかるとともに、従来は公害防止のための共同施設に限って認めておりました融資を、個別企業に対しても行なうことといたしましたほか、当初三年に限り貸し付け利率を五厘引き下げることといたしております。 なお、公害防止に対しましては、その責任の区分、規制の基準に対する基本的考え方の確立、法規制の整備その他公害対策を行なうための基礎的諸要目を明らかにする必要があると考えますので、これらについて公害審議会に諮問をしておりますが、その答申に基づいて公害対策の抜本的確立をはかってまいりたいと考えております。 私は、以上の公害対策の諸問題解決のため誠意をもって十分努力する所存でありますが、ここにあらためて各位におかれましても、なお一そうの御協力と御支援を賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。
○井手委員長 引き続いて、昭和四十一年度産業公害対策関係予算について通商産業省から説明を聴取いたします。中川産業立地部長。
○中川説明員 お手元に「昭和四十一年度産業公害対策について」という縦で書きました印刷をした資料と、それから横に予算の数字を入れました資料と二つをお配りしておるはずでございます。最初の「四十一年度産業公害対策について」という資料に即しまして若干御説明をいたします。 第一ページでごらんいただきますように、私どものほうの通産省といたしましては、国民経済の発展と生活環境の保全の調和という立場から、産業公害対策の強化を産業立地政策の不可欠の要素として、積極的に推進し、適正立地環境の整備をはかることにいたしております。そこで、従来やっております公害対策に関しまして、特に四十一年度におきまして考えました事項を分類して申し上げますと、第一ページにございますように、公害問題というのが急速に起こってまいりまして、対症的に処理をいたしましたために、基本的な調査が間に合わなかった状況がございますために、四十一年度の予算におきましては、産業関係につきましての資金需要の調査、公害防止施設にどれくらいの資金が要るかという調査、もしくはその防止施設をつけ加えましたために産業側のコストがどれくらい上がり、国際競争力等の関係においてどのような状態が起こるかという原単位調査的なものを含めまして、公害問題を大きく把握していきます上に、産業政策上必要な基本対策についての調査をいたしたいというのが一つでございます。予算額といたしましては、さしたる額ではございませんが、これを使いましていろいろな考え方が出てまいるかと存ずるわけでございます。 それから、過密地域における公害対策といたしましては、公害防止事業団の拡充強化、これは、ただいま厚生省側から御説明ございましたように、六十億円の事業規模によりまして、従来なかった個別融資、金利の引き下げ等を含めまして、大幅な拡充強化をいたすつもりでおります。 それから、公害関係法令の運用の強化は、排水、大気ともに今後とも積極的に進めなければいけないことでございますので、この関係の監督上必要な経費を十分に計上いたしたわけでございます。 ばい煙規制の対象となる指定地域といたしましては、四十一年度においては、室蘭、富山-高岡等五地域、水質規制の対象となる指定水域といたしまして四口市、多摩川等約十水域をそれぞれ指定して、規制範囲を拡充することを予定しておるわけでございます。 それから、新産業都市、工特地域等の新規工業地帯におきます公害の未然防止策としての事前調査につきましては、従来大気関係の事前調査と河川関係の調査とをやっておりましたのでございますが、今回、大気につきましては四カ所ということで数をふやしますと同時に、海域につきましても調査に新しく加えることにいたしまして、工業地帯を埋め立て造成等によって行ないます場合の事前予防の計画を適確に樹立することを企図しておるわけであります。 それから、四十一年度におきまして通産省が予算額その他におきまして最も力を入れましたのは、公害の技術開発の促進でございます。御承知のように、大気問題における亜硫酸ガスの問題等につきましては、問題ははっきり提示されておるわけでございますけれども、これを技術的に解決することをいたしませんと解決策が出てこないわけでございますので、通産省の工業技術院傘下の各試験研究機関におきまする諸研究を飛躍的に大きくいたしますと同時に、民間の技術をも動員するということで、大型プロジェクトの一つといたしまして、大気に関係のございます排気ガスからの脱硫につきまして大きく経費を計上いたすことといたしわけでございます。 それから、従来の開銀関係等の融資につきましては、これは従来どおり強化いたすことといたしておるわけでございます。その結果、四十一年度予算といたしましては、二ページにございますように、一般会計の行政費におきましては、三五%増額の七千四百九十五万円ということを考えておりますし、研究費におきましては二億七千百十七万円ということで、約三〇%増の研究費を計上いたしますほか、先ほど申し上げました大型プロジェクトの研究開発費として十億円程度のものを計上いたしておるわけでございます。財投の数字といたしましては七十五億円でございます。 非常に大づかみに申しますと、以上申しましたことがポイントでございまして、三ページ以降の事柄につきましては、これらの項目につきましてそれぞれ内容を概括的に表現しておるわけでございます。 特に新しいこととしてお話ししておかなければならないと思いますのは、七ページの四日市における産業公害対策でございまして、これは形の上では工業技術院の研究費ということでつけておりますが、特別研究費といたしまして四日市工業地帯の数地区にカイツーン、これは係留気球でございますが、これを上げまして、当該地区の風向、風速、温度勾配等を測定いたしまして、工場排気拡散条件を把握して、事前に産業公害を防止するということを今回新しく考えておるわけでございます。 工技院傘下の各試験研究機関における公害関係の特別研究につきましては、八ページにございますように、最近問題になっております自動車排気処理技術等を含めまして、ばい煙関係、水の関係といったものにつきまして、総合的にそれぞれのところで十分研究を進め得るように配慮しておるものでございます。 簡単でございますが、四十一年度の通産省の産業公害対策の概要につきまして御説明申し上げました。
○井手委員長 水質保全行政について、経済企画庁鈴木水資源局長から説明を聴取いたします。
○鈴木(喜)政府委員 経済企画庁の水資源局長でございます。どうぞよろしく。 お手元に「水質保全行政について」という横に書いたパンフレットがございます。これに基づきまして、私のほうは予算は非常に簡単でございますので、予算の背景になる事柄について若干御説明したいと思います。 三ページに、現存の水質保全法の運用の仕組みが書いてございますが、現在のところ、水質保全関係の法律としましては、河川法その他無数にございますが、その中で一定の基準をつくりまして法的な規制を加えるというのは、この保全法の関係の一連の法律でございます。その中で水質保全法は、水域を指定しまして水質基準を設定する、これを中心にしましたいわば基本法的なものでございまして、これに基づきまして、この基準を実施いたしますのが工場、事業場等の排水規制法その他下水道法等で、名関係の省でやっておられるわけでございます。それを図示しましたのが三ページでございます。 続きまして、四ページに来年度以降われわれとしてやや新しい角度から水質問題に取り組もうということで、若干の内容が書いてございます。一番目は、いままで水質保全法が三十四年に施行になりまして以来約七カ年でございますが、いままでの調査の方式で、ただいままでのところ五十一水域の調査が済んでおりますが、三十六年にできました調査基本計画では百二十一水域をやることになっておりますので、なお七十水域の調査が残っておるわけでございます。そのほか最近の状況によりまして、各県からまた五十数本の水域についての調査の要望が出ております。これらの事態に対処いたしまして、四十一年度以降約五カ年で調査を促進するということで、従来の調査方式をやや変えましてこれを促進したい、こういう内容になっております。 調査方法としましては、五ページに書いてございますが、このうち(b)の水質基準の設定に関する調査、これが従来やっておりました大体一年間通年の調査をいたしまして、それを分析して水質基準設定の資料を得る、こういうかっこうでございますが、これは非常に時間もかかりますし、水質基準の設定に至らなくても問題の解決する分もございますし、そういうようなことで、今後は(a)の調査でございますが、これは水域を指定する前に概括的な調査を行なう、こういうことで調査の促進をはかろうとしております。それから六ページの(c)でございますが、ここでただいまの水質汚濁問題にはパルプ、でん粉その他のわりあい共通的な問題がございますので、こういう問題につきまして、四十一年度は、さしあたりパルプ、でん粉でありますが、共通的な問題を横から調査していこう、こういうのが特殊問題に関する調査でございます。こういうことで、今後五カ年の間に相当なスピードで調査の促進をはかっていきたい、こういう考えで予算を提案している次第でございます。 それから、これは内容に入りますが、六ページの(ロ)でございます。従来は比較的特定の産業間の水利用に関する利害衝突のケースが中心になっておったわけでございますが、最近大都市の過密化に伴いまして、都市河川につきましては、もうこれ以上汚濁してはどうしようもないという事態に立ち至っておりますので、水質審議会の中に総合部会を設けまして、現在都市河川方式というようなことを検討しておりまして、すでに多摩川、大和川等についてはこの方式に準じたことで水質基準の答申を得ております。これは従来の、ただいま申しましたように特定産業間の利害衝突という形から、ほかの大気汚染その他と同じように、不特定多数の公害の被害という一般公害に進むのに即応した方式を考えておるわけでございます。特にこの場合には、新増設についてはきびしい基準をつくることにしております。 それから八ページでございますが、われわれのやっております水質保全に関します総合調整の仕事は、基準をつくっただけではなかなか問題が解決いたしません。むしろ関連行政に負うところが多いわけでございますが、特に下水道の整備その他につきましては、根本的な解決はそれに負うといっても過言でないわけでございますので、昨年、企画庁長官から関係大臣に対しまして、特に指定水域にかかわる下水道につきましての勧告を行ないまして、下水道の予算の中身につきましては、すでに四十年度においてある程度追加の措置をとっていただき、四十一年度におきましても、相当大幅な増加の案になって、現在国会において審議を願っておるわけでございます。 十ページの予算のところでございますが、御承知のように私どものほうは事務官庁でございますので、水質保全関係の経費といたしましては、前年度三千二十三方に対しまして三千七百七十六万でございまして、内容のおもなものは三番目の水質調査費でございます。約三割程度の増加になっておりますが、内容といたしましては、ただいま御説明しましたような調査の促進、五カ年計画に基づきまして、従来は、この新規のところの備考欄にございますように、水質基準調査という一年かかります綿密な調査、これだけを三十四年からはやっておったわけでございますが、これで毎年七水域程度やってまいったわけでございますが、今後大幅に促進するという意味で、次の水域指定調査、これが先ほど御説明しました概括的な調査でございます。それから特殊問題調査、これは四十一年度としましてはパルプ、でん粉でありますが、これらによりまして相当調査の水域を広げていこう、こういうことでございます。 十一ページに、いままでの水質保全法の実施状況を書いてございますが、水質調査につきましては、ただいま御説明しましたように、三十四年度から四十年度までに五十一水域についての調査を終わっております。四十一年度としましては、ただいまの予算に予定しておりますように、再調査を含めまして三十二水域の調査を予定しております。内訳は次に書いてあるとおりでございます。それから、現在までに水域の指定を終わり水質基準の設定を見たもの、この中にはまだ告示の済んでいないものもございますが、十三水城ございます。十二ページをごらんいただきますように、比較的問題の多い河川について従来やってきたわけでございます。隅田川、淀川その他でございますが、このうち多摩川と四日市海域につきましては、水質審議会が終わりまして、ただいま告示の準備中でございます。そのほか現に水質審議会に部会をつくりまして、審議中のものが七水域ございます。遠賀川以下の七水域でございます。 その他水質保全法では、大気汚染と同様でございますが、紛争につきましては和解仲介の制度が法律上規定されておりますが、その事案につきましては、ここにございますように、現在までのところ、申し立て件数は三十件で、そのうち二十五件が解決済み、もちろんこの法律によらない和解仲介はこのほかに無数にあるわけでございます。 以上簡単でございますが、大要を御説明申し上げました。
○井手委員長 自動車の排気ガス対策について、運輸省坪井自動車局長から説明を聴取します。
○坪井政府委員 自動車の排気ガスの現状と対策につきまして申し上げます。 第一に研究体制等についてでございます。 大気汚染の原因としては、発電所の排煙、ビル、工場等の煙突から排出される煙、自動車の排気ガス等があげられますが、これらが各種気象条件と相まって重なり合いつつ大気を汚し、あるいはスモッグを発生しているのでありますが、当省といたしましては、このうちの自動車の排気ガスによる大気汚染の防止対策を推進するために、総理府に設けられている公害対策推進連絡会議及び科学技術庁に設けられている大気汚染防止研究合同推進連絡会議を通じまして、各省の担当部局及び研究機関との連絡を密にしながら、さらにまた天然資源の開発利用に関する日米会議大気汚染専門部会において、米国政府と技術知識及び情報の交換を行ないつつ、自動車排気有害ガス防止対策長期計画を策定いたしまして、防止対策の樹立と実施とに必要な事項について調査、研究、開発を促進しております。この長期計画につきましては、別冊の終わりのほうに別紙として掲げてございます。 大気汚染防止対策、特に自動車排気ガス対策は、その歴史がきわめて浅く、技術的に全く新しい分野でありますため、自動車排気ガスと大気汚染との関連、排気有害ガス防止技術、その他調査研究を要する未知の要素が非常に多く、このため適切な規制方法を策定するためには強力な研究の推進が必要でありますので、三十八年以来、当省の研究担当機関である船舶技術研究所交通技術部の研究体制の強化をはかってまいりました。すなわち、三十八年度末には、科学技術庁の特別研究調整費により本邦初めての測定装置を設備し、三十九年度には、本測定装置を使用して研究準備を整えるとともに実用的な計測装置の開発に着手し、四十年度には、研究室内で現車による走行状態を実現して、各種の走行状態における排気ガスの排出状況の研究ができる装置を設置して研究体制の確立につとめてまいりました。この間、研究人員の増強にもつとめたのでありますが、各種の制約により実現を見ておりませんことはまことに遺憾であります。 第二に排気ガスによる大気汚染の現状でございます。 自動車から排出されるガスでありますが、排気ガスの中の有害ガスとしては、現状では一酸化炭素及び炭化水素が問題とされております。これらについて、東京都内の主要地点における汚染状況の調査を見ますと、現在排気ガス規制を実施しているロスアンゼルス市に比較して、東京都においては、まだ現状としてはかなり下回っていますが、自動車の増加傾向を勘案すると看過できない問題であると考えております。 第三に防止方法について申し上げます。 排気有害ガスを防止する方法としては、次のような方法があります。 一、エンジンの整備、エンジンの整備状況が不良であると有害ガスの排出は極端に増加するものであり、定期点検整備を励行し、整備状態を良好に保つことにより有害ガスは大幅に減少させられるので、三十八年度に車両法の改正を行ない、エンジン関係の定期点検整備を強化しております。 二、円滑な走行、また、有害ガスは、急加速、急減速時に多量に排出されるから、適正な運転操作を実施し、円滑な走行を行なうようにつとめるとともに、交通関係諸施設を改善して交通の流れの円滑化をはかる必要があると考えております。 三、使用燃料の改善、燃料の成分によっては、有害ガスの排出量やスモッグのできやすさや鉛化合物等の排出量が異なるので、燃料組成についても検討する必要があります。 四、エンジン設計の改善、エンジンの設計は、有害ガスの排出量にきわめて大きな影響を及ぼしますので、今後設計にあたっては、くふうをこらし、燃焼を良好にして排気ガスを清浄化するようにつとめる必要があり、自動車メーカーに対してもその方向で強力に行政指導を行なっております。 五、補助装置の取りつけ、自動車から排出されるガスには、エンジンから直接大気中に発散されるガスと自動車後部の排気管から排出されるガスの二種類がありまして、それぞれ特別な防止装置が考えられておりますが、技術的に解決を要する問題が多く、ある車に適したものがそのまま他の車に適合するというわけにはまいらないようでありまして、特に後者につきましては、信頼性、実用性の面で問題が多く、アメリカにおきましても、むしろ先ほど申し上げましたエンジン自体で処理する方向に進んでおります。 第四に規制法令でございます。 規制法令としては、道路運送車両法に基づき、省令で有害ガスの発散を規制しており、また、先ほど述べた定期点検整備の義務づけを行なっており、粗暴な運転の取り締まりについては、道路交通法に基づく取り締まりに期待しておるわけであります。 第五に今後の方針でございます。 初めに研究体制のところで申しましたように、研究に必要な基礎測定装置も、二年ほど前に私どもの研究所に初めて設置され、さらに昨年末ようやく国産の測定装置が完成され、本年中には、各自動車メーカーでこれらの研究設備を整えられる段階にあり、また整備工場等で使用できる実用的な簡便な測定装置もようやく完成を見る段階にまで到達した状況であります。 したがいまして、今後は、運輸省としては、まず船舶技術研究所交通技術部の研究能力の充実強化につとめて、各自動車メーカーを指導し、技術開発を促進し、技術的に可能な段階においての対策を講じさせ、少しでも排気ガスのきれいな車が生産供給されるようにすることをはかり、また、現実に走行している車につきましては、先ほどの実用的な測定装置の完成を待って、四十一年度予算により約千五行台について実態調査を行ない、規制基準をさらに大気汚染防止上有効適切なものとするよう措置する等、関係法令の整備をはかり、積極的に対策を推進してまいる所存であります。 なお、来たる五月には、大気汚染防止に関する第二回の日米両国政府の技術会議が開かれ、前回以後の技術研究、開発状況、並びに米合衆国政府の今後の規制に対する考え方等について説明が行なわれる予定でありますので、担当官を派遣して、今後の大気汚染防止行政の強化をはかる方針でございます。 以上でございます。
○井手委員長 この際、公害防止事業団の事業概要について原理事長から説明を聴取いたします。
○原参考人 公害防止事業団の理事長の原でございます。事業団の事業概要について申し上げます。 本事業団は、昨年の十月一日に公害防止事業団法に基づきまして設置されました。設置の目的は、産業が集中しており、大気の汚染や水質の汚濁などの公害が著しく、または著しくなるおそれがある地域における産業公害の防止に必要な業務を行ない、もって生活環境の維持改善と産業の健全な発展に資するというのが目的でございます。 業務の内容は、事業団法第十八条に載っておりますが、直接造成する事業と融資する事業と、この二つの事業を持っております。直接の造成事業といたしましては、第一に、共同利用の産業公害防止施設の設置、譲渡、二番目に、共同利用建物の設置、譲渡、三番目に、移転用工場敷地の造成、譲渡、四番目に、公害防止のための緩衝用施設、共同福利施設の設置、譲渡となっております。融資事業は、共同利用の産業公害防止施設等の設置資金の融資でございます。このような内容をもちまして昨年十月一日発足いたしました。 そのときの本年度の予算は、事務費は一般会計の交付金でもって三千三百八十九万七千円、事業費は財政投融資からまかなわれまして、二十億となっております。ところが、十月一日発足いたしましたけれども、われわれ一生懸命努力しておりますが、何ぶんにも発足当初でありまして、まだこの予算必ずしも十分に消化できておりません。そこで、四十一年度の予算といたしましては、事務費等の一般会計からの予算が一億七百万、財政投融資でまかなわれる事業費が四十五億でございますが、事実上は四十五億に、本年度の二十億から約十億ぐらいずり込んでまいりまして、事業規模としては約六十億ぐらいの予算になろうというふうに考えております。 事業の計画でございますが、四十年度におきましては、阪神、京浜地区に工場アパート約九億円、千葉県市原市に福利施設約五億円を予定して、目下それぞれの地方公共団体並びに業者と企業家と話し合い中でございます。阪神の工場アパートと申しますのは、神戸地区にゴムぐつ製造業の中小工場が非常に密集している地域がございます。神戸市としまして、そこをだんだん近代化していく、同時に公害の発生を予防しようというようなことで工場アパートを計価しております。それに当事業団として工場アパートの造成を進めていくということでございます。千葉県市原市の共同福利施設と申しますのは、御承知の千葉県のいわゆる埋め立て工業地帯、広大な埋め立てによる土地造成をしたところに大きな企業が進出してございます。それと市原市のうち旧五井と申しますか、あの従来からの住宅商業地域、工場と住宅とが混在することによって公害が非常に大きな問題になってくるわけでございます。千葉県といたしましては、その工場地帯と住宅地帯との問に約八十万坪くらいの土地、大気汚染の有害ガスとかばい煙が特に多く下におりてくるような地域、これを指定いたしまして、これは建築基準法に基づきまして、特別工業地域整備に関する県の条例でもって指定して、新しく住宅等を建てさせないというような計画をしております。したがって、そこにはいわゆるグリーンベルトその他のものを造成する、そのうちの一部分につきまして、当事業団でもって工場従業員と付近の住民とがともに利用できる、共同して利用できる運動公園等の共同福祉施設を受け持って造成し、譲渡しよう、こういうことでございます。これは四十年度から計画をして、数年間の継続事業としてやっていく予定でございます。 四十一年度の事業といたしましては、ただいま申し上げました市原市の事業のほかに、阪神地区にさらに工場アパートをふやしていくということ、それから阪神地区に工業用の用地の造成でございます。これは騒音、振動等でその付近に非常に公害を及ぼしておるところの鉄鋼の鍛造業等を一つの工業団地といいますか、用地を造成いたしまして、そこに集めるという計画でございます。これが計画されております。そのほかに四日市の、先ほど経済企画庁のほうから御説明がありました四日市、鈴鹿海域が非常によごれておりまして、水質保全法によって指定地域になるわけでございます。そのよごれを少しでも食いとめるというために、工場排水等をそのまま川から海域に流さないための共同処理施設を四日市につくる。これらの事業が四十一年度として計画されております。 なお、先ほど厚生、通産両省から御説明がありましたように、設立当初は、当事業団としては融資は共同施設にしかできなかったわけでございますが、大気汚染のもととなる煙につきましては、共同施設というものは事実上無理な話でありまして、その後いろいろ各方面の御理解と御支援によりまして、四十一年度からは個別の施設、個別の企業にも融資ができるということになりましたことと。いま一つ、金利が四十年度は、設立の初めは中小企業七分、それ以外は七分五厘でございましたのが、四十一年度からは、当初三年間中小企業六分五厘、それ以外七分と、それぞれ五厘ずつ引き下げていただくようになったのでございます。 現在、そのような計画をもって、これから私ども、いま問題となっております公害防止につきまして、その一翼をになうべく、組織は現在は私以下四十人、四十一年度でもって技術職員八名の増員を認められまして、四十八名になる予定でございます。小さな規模でございますが、全力を尽くして公害防止のために努力してまいりたいと思います。 きわめて簡単でございますが、事業団の概要を御説明申し上げました。
○井手委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十九分散会