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51回国会衆議院1966/06/10

災害対策特別委員会 第7号

発言数
32
登壇者
9
会派数
2
開催日
1966/06/10

会議録

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件につきまして調査を進めます。  まず、長野県松代町周辺の地震による災害対策の実情調査のため長野県に派遣されました委員から報告を聴取することにいたします。渡辺栄一君。

渡辺栄一自由民主党

○渡辺(栄)委員 長野県松代町周辺の地震による災害対策の実情につきまして、派遣委員を代表して、調査の概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、日野吉夫委員長、森下元晴君、井谷正吉君、稲富稜人君、それに私、渡辺栄一の五名であり、ほかに地元選出議員の方々の御参加を得て、六月一日から二日間、長野市、若穂町、松代町の地震による被害の実情、地震観測の実態及び災害対策の実施状況等につきまして、つぶさに調査をいたし、現地の要望を聴取してまいったのであります。  まず、群発地震の現況について申し上げます。  昨年八月三日松代地方に地震が発生いたしましてより、日を追って地震回数が増加し、昨年十一月に一つのピークを見た後、今年に入り一月二十三日及び二月七日に震度五の強震が発生したのであります。その後落ちつきを見せてきたかに見えました地震活動は、三月十六日から、それまで一日に七百回から八百回でありました総回数が、一日一千回以上の日が連続するようになり、四月一日と五日には震度五が、さらに四月十七日には震度五が三回、震度四が四回を含む一日の総回数六千七百八十回、そのう有感地震の回数は六百六十一回を記録して、これまでの最高を示したのであります。五月に入りましてからも、震度四が一日に二回、四日、六日、十八日、二十日、二十二日、二十四日に各一回、二十人目には震度五の発生を見たのであります。五月二十九日現在における地震の総回数は三十六万八千七十三回、うち有感地震の回数は三万六千七百八十八回にのぼっているのでありまして、このうち、震度五が七回、震度四が三十四回、震度三が三百七回、震度二に至っては実に三千百七十九回を記録いたしております。  次に、長野県当局におきまして本地震に対処してとられました諸般の措置につきましては、先般来の本委員会の調査ですでに概要御承知のところであり、県の詳細かつ膨大な「松代地震対策計画」の第三次改訂版が資料として委員長のお手元に提出されておりますので、これを御参照いただくこととし、さらに、目下県における松代地震対策事業推進状況につきましても、広範にわたりますので朗読を省略させていただき、本報告の末尾に参照として掲載していただくことをお願いいたしておきます。  次に、私ども調査団の調査日程に従いまして、現地の実情及び要望事項につきまして御報告を申し上げます。  六月一日午後一時に、長野県庁におきまして、知事をはじめ関係の方々から説明を聴取し、懇談をいたしたのでありますが、これを要約いたしますと、まず、知事から、国会、政府をあげて、松代地震の対策に関して、十分なる理解のもとに各般にわたる異例の措置をとられてきたことに対し深く感謝のことばが述べられた後、県をあげて、地域住民の民生安定のため、予防及び応急対策に万全を期しているが、地震の予想以上の長期化かつ激化に伴って、累積被害による各種施設及び住宅の耐震性の低下、商工業者の営業不振、観光客の激減等の二次的被害により、生活の基盤が侵される等のもろもろの問題が起こりつつあることにかんがみて、一つ一つの問題についてきめこまかく対処していくための信念が述べられますとともに、これらに対する事後の措置について十分なる国の配慮が要請されたのであります。  具体的な要望事項といたしましては、その一は、有線放送施設が有事の際きわめて重要な役割りを果たすことにかんがみて、有線放送施設の補強及び緊急時に備えての発電機の設置に対し、特別の財政措置を講じてもらいたいこと。その二は、地方財政に関して、地方税の減免に対する財源補てん、及び個人住宅の補強に対する補助、消防用ホースの購入、養蚕保温用施設その他震災対策に要した諸経費等、地方財政全般にわたって財源の不足する部分について特別の財政援助を講ぜられたいこと。その三は、国税に関し、地震のために建物の補強または補修に要した経費を全額必要経費として算入できるように特別の措置を講ぜられたいことの三点であります。  さらに、これに関連する問題点といたしましては、建物に関して、補強か改造かのむずかしい問題が出てきており、また、これに要する経費を必要経費として落とす問題、公共施設等につきましては災害並みの援助も期待できるとしても、個人住宅は対象外でありますので、その補強、復旧等につきまして何らかの形で援助措置が必要であること、その他、最近に至りかなりの解決をみたとのことではありますが、善光寺平における田植え労務者の確保の問題、水源の確保、石がきの補強等、技術的にも困難な問題が数多く出てきていることにつきまして、当面の解決は、知事の責任でできるだけきめのこまかい取り組み方をしていきたいが、その事後処理については国の格段の配慮が強く要請せられていたのであります。  また、農業共済団体の代表者からは、地震保険指定要請として、農災法が実施している建物共済の対象事故は、火災、風水害、雪害等の総合保険方式で、地震のみが対象外となっていることにつきまして、この指定措置を早急に講ぜられたいとの要望がなされました。  これらのほか、懇談の際に提起されました問題といたしましては、まず、林野庁の国有林材の払い下げに関しまして、実施面においてなお徹底を要するとの印象を受けたのであります。特に、個人住宅の補強につきましては、困窮者に対して県で購入して半額で払い下げる際に、あまり厳格なワクをはめることなく、ボーダーラインのものは全部対象として取り上げること、さらに、松代町等においては、今回の国の措置が決定する以前においてすでに実施しているものもかなりありますので、これらについても公平を欠くことのないよう措置することが要望されました。また、ガスが破壊された場合における応急復旧するまでの措置につきましては、結局、各家庭においてそれぞれ対処するほかはないということで指導されているようでありました。  次に、中小企業金融の問題のうち、市町村長の証明等の手続につきましては、繁雑な点について検討しましたが、簡素化についても一応の了解が得られているようでありました。市中銀行からの既借り入れ分の肩がわりにつきましては、東京通産局としては、一応筋を通した措置を行なう立場をとっておりますが、現地においては、スムーズに解決できるものとの見解に立っているようでありました。また、旅館組合におきましては、観光客の激減に伴い、借り入れ金の返済が困難なため、返済期間の延長、運転資金の借り入れについて特段の配慮が望まれていたのであります。世帯更生資金十万円を五万円で打ち切っているのではないかとの問題につきましては、その事実はないとのことであり、石切り場の問題につきましても、本県にとって大きな産業の一つであり、休業は建築工事遅延の誘因となりますので、一日休業したのみで、現在は、安全に十分の配慮を払いつつ就業しているとのことでありました。  有線放送の問題につきましては、農協関係の分は一応の解決をみているのでありますが、さらに、災害復旧の場合の高率適用が望まれるとともに、市町村分、法人分の補強、復旧の問題、除外区域の問題等について早急なる解決が切に要望されました。  以上で懇談を閉じ、直ちに若穂町の被災現場に向かったのであります。  若穂町温湯部落におきましては、随所に地すべりによる断層が見られ、ある住家の床下を見たのでありますが、三ないし四十センチ幅の亀裂が不気味な口をあけて走っている状況は、地震の激しさを物語って余りあるものがあり、この亀裂の中は二メートル余の棒がまっすぐに入る実情でありました。また、石がきに突っかい棒が施してあるすぐ下に、建具が動かなくなった住家が軒を接している状況は、まことに危険であると感じた次第であります。雨の中を同部落の御婦人たちが総出で私ども調査団を迎えられ、応急仮設住宅の供与をはじめ、もろもろの対策に対し、口々に感謝の気持ちを述べられるとともに、さらに今後の対策について種々希望が述べられたのでありますが、これらの方々の悲痛ともいうべき素朴な訴えは、まことに胸迫るものがあり、心から同情を禁じ得ないものがあったのであります。応急仮設住宅につきましては、当初は五坪のものが限度でありましたが、現在では八坪まで可能となり、五坪のものに建て増しもできるとのことでありますので、地震の長期化に伴い、家族数も勘案して、実情に即した配慮が必要であると感じた次第であります。また、温湯部落をはじめとして、山新田、清水等の部落にはきわめて石がきが多く、たび重なる地震により石がきがゆるみ、大きな危険が予想されるとのことでありまして、人命にかかわる問題でありますので、特段の配慮が必要であると痛感しました。  午後三時、若穂町役場におきまして、町長から説明を聴取しましたが、同町は、四月五日午後六時前、同町東北部が震源となった震度五の強震によって、全町にわたり屋根がわらや壁が落ち、特に、温湯、清水、大柳、春山及び山新田の各地区で被害が大きく、住家が傾き、建具が動かなくなったものや、道路、宅地の石がきの崩壊が続出したようであります。  同町の要望事項といたしましては、その一は、有線放送施設の災害復旧についても国庫補助の対象とすること。その二は、道路、橋梁の災害復旧応急資材費についても国庫補助の対象とされたい。その三は、農繁期労務者の確保の問題、若穂町保科温泉の観光客激減による資金繰りの問題など、地震による第二次災害に関しても何らかの措置をすること。その四は、個人被災者の補償についても何らかの形で措置されたいとの四点であります。  個人災害の補償につきましては、いつの災害でも常に問題となるところでありますが、現行法規のもとにおいては、直接的には、保険制度の活用等によるほかはないのでありますが、間接的に、県あるいは市町村によるプレハブ住宅の供与、被災者に対する低利融資、補強用木材の半額払い下げ等によって実効をあげることが、残された唯一の道であることからして、これらの措置に対する特別交付税等による地方財政援助が緊要であると存じます。  同町は地盤が軟弱な上に、これから梅雨期を迎えるにあたり、山くずれが懸念され、また、石がきの崩壊は、積み直してもまたすぐにくずれるといったありさまで、突っかい棒でしのいではおりますが、この種の災害は前例がなく、個人災害では対策がありませんが、道路との関連上一部配慮するほか、何とか全部を補助の対象として見てもらいたいとの強い要望が出されており、知事も、この問題については最も頭を痛めているとのことでありました。また、同町はリンゴの産地でありますことから、収穫時の減収についても配慮が望まれておりました。  かくて、午後四時、松代町加賀井地区におもむき、震源地松代における被害の実態につきまして、雨の中を克明に見て回ったのであります。  まず、地すべりによる断層でありますが、私どもが見て回りました際には、最初から断層があったものとしか思えないような状況でありましたが、四十センチをこえると思われる断層は、当時の地震の激しさを物語って余りあるものがあったのであります。また、この断層が走っておりますところに、建ててから三年しかたっていない新築同様のりっぱな住家がありましたが、コンクリートで固めた床下がばっくりと大きく割れており、家の中央から半分に割ったように中央の部分が盛り上がり、このために各部屋や廊下は傾き、接合部分が随所に口をあけて、建具はねじ曲げられたように当時のままで動かなくなっており、地震の激しさと住んでいる方々の当時の恐怖は想像に余りあるものがありまして、心から同情の念を禁じ得ないものがありました。  また、同地方は土蔵が多いところでありますが、随所に亀裂が入っており、一応外見はしっかりしているように見えるものでも、中はひどくいためつけられているとのことでありまして、土蔵が地震にはきわめて弱いということが実証されました。  次いで、皆神山のふもと、大日堂の科学技術庁防災科学技術センターが実施しているボーリング現場を視察しましたが、説明によりますと、二百メートル掘る予定のところ、すでに百七メートルに達しており、切り取られたアズキ色の美しい岩盤が、切削の月日に従って箱に納めてあり、いままでのところ作業は順調に運んでおり、所期の目的を達しているとのことでありました。  次いで、旧真田藩の文武学校のあとと、これに隣接する松代小学校を訪れ、プレハブ校舎を視察しましたが、プレハブ校舎に一歩足を踏み入れてまず感じましたことは、安全性もさることながら、いかにも文字どおり応急仮設で、ベニヤの床がきしむ音を聞きながら、長期化する地震の中で、子供たちが安んじて勉強できるように、一そうあたたかい思いやりのある対策の樹立を痛感した次第であります。この校舎は、地震の中ですでに一冬を過ごし、見かけより冬は寒くないとのことでありますが、これから夏を迎えるにあたって、すでに三十四度を記録したとのことであり、暑さは想像以上で、屋根に散水することによって温度を下げ、窓をあける等により勉強できるようにする予定であると報告されました。さらに今後心のこもったあたたかい配慮が切に望まれる次第であります。また、校長の説明によりますと、プレハブ校舎は、地震の際よくゆれるとのことでありまして、天井や壁面を斜めに走っているターンバックルがゆるむので、震度五の後では、毎回締め直す必要があるとのことであり、地震の際の子供たちの誘導は、まず、瞬間、机の高さよりからだを低くさせること、次いで、最初の十秒が勝負であるため、その後の様子を見て、外に出るなり、適宜の判断を下すということでありました。  次いで、旧陸軍の「まぼろしの大本営」あとに設けられております松代地震観測所を訪れたのでありますが、山合いに全長二キロ半に及ぶといわれる碁盤の目のような坑道を有するその環境は、まことに地震観測にふさわしい施設であるというべきでありまして、あたかも松代地震のために設けられたとの感を深くしたのでありますが、これらの施設がいま少し早く完成していれば、今回の松代群発地震に際して、なお一そうその威力を発揮したであろうということであります。この地震により住民の不安と恐怖を一掃するために、一日も早い研究の成果が期待されるところでありまして、このため十分なる国の施策と配慮を強く要望することで意見が一致しました。  坑道の中にT字型に置かれているひずみ地震計は、世界最大のものであるといわれ、水管傾斜計、十万倍の地震計等とともに、多角的に研究が行なわれておりましたが、わが国における地震研究につきましては、それぞれの研究機関が十分な連携のもとに有機的に一本化されることが強く望まれております。  午後六時、松代町役場におきまして、町長、町議会議長その他関係者からこもごも説明を聴取しましたが、町当局の要望事項といたしましては、その一は、固定資産税の減免に対する財源補てんについてであり、その二は、これに関連して、四十一年度国民健康保険料についても調整交付金等により財政措置について配慮されたいこと。その三は、財源不足分について特別交付税を交付されたいこと。その四は、地震が終わった後の一般個人住宅の復旧及び使用禁止校舎の復元等に対する融資及び財政措置について配慮されたいこと。その五は、当町に地震科学研究センターの設置を考慮されたいことの五項目であります。  なお、同町の現在までの被害見積もり額は、建物、教育施設、公共土木、農林、商工の各分野を合わせて、二億一千六百万円と報告されております。  懇談に際して提起されました問題といたしましては、地震保険の問題、特に、農業共済の中で、建物は任意共済でありますが、適用に関して、他の保険と同様に取り扱ってもらいたいとの要望がなされ、さらに、保険金額の引き上げ、適用に際しては、部分的損害もぜひ考慮してもらいたいとの強い要望がなされたのでありまして、特に、部分的損害につきましては、同日視察いたしました加賀井地区の新築同様の家を例にとってみましても、外見上家屋は倒れてはいないけれども、復旧するには新築同様の費用を必要とすると思われるのでありまして、このような点は、各般の援助措置の適用にあたって、十分現実に即した配慮が必要であると痛感いたした次第であります。  また、使用禁止の小学校の校舎につきましても、かってにこわしては、全壊と認められず、さりとて、狭隘な運動場に危険校舎を放置しておくことは忍びがたいという立場から、建て直しについて災害並みに認めるよう、関係当局間においてすみやかに検討してもらいたいとの熱心な要請がなされました。  以上で同日の視察の日程を終え、午後七時、同町の国民宿舎松代荘に一泊しましたが、同宿舎において、県会議員の方々をはじめとして地元の方々から多項目にわたる具体的な陳情がなされましたが、重複を避けて、一、二申し上げますと、老朽化した季節保育園が開園できない実情にあるので、プレハブを建ててもらいたいこと、プレハブ校舎のためのスプリンクラー設置、老朽校舎の補修基準を実情に即したものにしてもらいたいことなどであります。  翌二日は、宿舎の庭におきまして、有事の際最も肝要であると考えられる緊急時の飲用水の確保のためのろ水機の活動の実演を見ましたが、性能はおおむね満足すべきものと思われます。  以上で全日程を終了し、県庁において記者会見を行なった後、帰京した次第でありますが、今回の私ども調査団の調査の眼目は、中央、すなわちトップにおいて決定した対策が、末端においてどのように実施されているか、どこに隘路があるか、言いかえれば、パイプが詰まっているところがあれば、これを十分調査の上、パイプを通すように努めたいということでありましたが、中央、地方を通じて、おおむね災害対策は着実にきめこまかく実施に移されていると感ぜられました。これは、政府におかれて、地震対策連絡協議会を設けられ、瀬戸山本部長はじめ関係各省の方々が、各般にわたって、異例ともいうべき適切なる措置をとられたこととともに、長野県をはじめ関係市町村の御当局の方々の日夜を分かたぬ御努力のたまものと、深く敬意を表する次第であります。なお、この地震がいまだ終わっていないというこの現実を十分認識して、残された問題につきましては、真にあたたかい思いやりを持ってきめこまかく対処していかなければならないことを痛感いたしたのであります。  現地における要望事項及び問題点は、いままで申し述べてまいりましたとおりでありますが、特に、いまだ解決をみていない有線放送施設設備の問題と、各般の問題について県、市町村が臨機に適切な措置をとる際に、安心して事業が遂行できるように、財源の不足する分については、特別交付税によって一括して財政措置を講ずるという国の明確なる保障を強く求める訴えが述べられていたことでありまして、これらの点につきましては、困難な面もありましょうが、何らかの形において方針が明示されることを強く要望するものであります。  なお、最後に申し添えておきたいことは、どこに参りましても耳にいたしましたのは、さきの瀬戸山国務大臣を団長とする政府調査団、さらに、佐藤総理大臣の現地視察、また今回の私ども衆議院の調査団の視察等について深く感謝いたしておるとともに、すべて滞在中一度も大きな地震、なまなましい地震の実態を身をもって感じてもらえなかったということへの遺憾の声でございまして、一部には、気象庁当局と打ち合わせの上、地震の起こらない日を選んで視察日程を組んでいるのではないかとさえ、意外なる声も聞かれたほどでありまして、いかに現地の方々の不安と苦悩が深刻なものであるかということを身をもって感じてまいったのであり、帰途、上野駅において深刻に観光客を勧誘しているビラ配布に、本地震のもたらす結果の深刻さを痛感いたしますとともに、さらに民心の安定のために国の行き届いた対策が強く要望されておりますことを重ねて申し述べまして、御報告といたす次第でございます。(拍手)

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 これにて派遣委員の報告聴取は終わりました。  派遣委員の各位にはまことに御苦労さまでございました。      ————◇—————

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 この際、去る六日、七日の関東地方を中心といたしました降ひょうによる被害状況につきまして、農林省当局から説明を聴取いたします。農林省来正官房参事官。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 お手元に資料を差し上げてございますので、それを見ながら御説明いたしたいと思います。  最近、六日と七日に降ひょうがございまして、七日のほうが関東近辺でかなり大きな被害を出しております。最初に七日のほうを申し上げますと、右のほうの備考欄に書いてございますが、茨城から千葉まで降ひょうが七日の日にございました。そのほかに福島と東京で若干ございましたが、まだ報告が来ておりません。いまお手元に差し上げてございます資料は県の報告によるものでございまして、大体、七日の降ひょうの被害は四十四億五千万円程度の被害が報告になっております。そのうち、おもなものは、麦類、それから野菜、果樹、たばこになっておりますが、野菜の中では、キュウリ、トマトのようなものが特に被害を受けております。それから果樹では、ナシ、ブドウが被害を受けておるようであります。それから園芸作物では、たばこがかなり被害を受けておるようでございます。それから、一番被害の大きいのは埼玉県でありまして、三十四億四千万円という報告に一応なっております。  それから六日の降ひょうのほうは、青森と鳥取と岐阜でございます。岐阜のほうはまだ報告がございませんが、これはそれほどたいした被害ではなかったようでございますが、青森はリンゴでございまして、鳥取は主としてナシということになっております。  合計いたしますと、四十六億程度の被害になっております。それから特に大きなものといたしましては、野菜が二十七億というふうな数字になっております。これは現在農林省のほうでも被害の調査をいたしておりまして、まだ二十日くらいかかるかと思いますが、その上でまた必要な御報告を申し上げたいと思います。  以上、御報告申し上げます。     —————————————

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。白浜仁吉君。

白浜仁吉自由民主党

○白浜委員 農林省にちょっとお尋ねとお願いがあるわけでございますが、最近、御承知のとおり、九州各県には四十一年産麦の被害が非常に多いということで、私の地元の長崎県などでは半作以下のところまで出てきておるというようなことでございますが、それに対する調査ができておるのかどうか。あるいは対策は、従来すでに前例もあることでございますが、そういうようなものについてのいろいろなお考えを、この際、報告とあわせて御答弁願いたいと思います。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 それでは、麦の関係について御報告申し上げたいと思います。  麦の被害は、五月下旬ころから、北九州を中心といたしまして、小麦、裸麦は黄さび病、黒さび病の発生が急激に出ております。特に収穫期に入っておりますために、最終被害は刈り取り終了後でないとまだ判明いたしませんが、現在鋭意調査中でございます。これも調査が大体二十日程度かかっているのが通常でございますが、最善の努力を払ってまいりたいと思います。  県の報告で、概況的に報告してきておりますのは、小麦が大体三十億程度、それから裸麦が十二億程度、あと若干他の麦に被害がございまして、全体といたしましては四十五億くらいの被害が一応報告になっております。このうち主たるものは、熊本、長崎、佐賀というふうになっておりますが、これは過去の例を申し上げますと、三十八年には被害は五百四十四億という実害を受けた例もございますが、いずれにしても、いま申し上げましたような農林省の調査を待ちました上で、それぞれの対策を講ずることになろうと思います。

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 次に、川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 私もちょっと麦の被害についてお尋ねをしておきます。  大体いまあなたのほうからお話しになったような被害状況を私もお聞きしているわけでありますが、今度の九州全体の麦の被害の原因はわかっておりますか。どうも雨というわけではないようですね。非常に黄さび病、黒さび病が多いようでありますが、その原因がわかっておりましたら、ちょっと説明をしていただきたいと思います。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 この被害は、支那の黄じんがこの時期は飛んでくる時期なんだそうでございますが、この黄じんの中に病菌が入っておるという説が一応通説になっておりまして、これはどうも天候その他の関係で、何とも防ぎようがないようでございます。そういうことに一応なっております。

川村継義日本社会党

○川村委員 では、あなたのほうでまだその原因をしっかり調べなさったわけではありませんね。私などが聞いておる原因は、やはりいまお話しのように、一つは、四月から五月にかけて非常に温度が落ちた、低温が続いた、それも一つの原因ではないか。それから、いまお話しのように、支那からの黄じんが降ったことがある、それが原因ではないかと聞いておるのですが、いまのお話では、どうもあなたもうわさ程度の答弁でございまして、まだ調査なさっていないのですか。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 専門家が来ておりますので、専門家の植物防疫課長のほうから答弁いたします。

安尾俊農林技官(農政局植物防疫課長)

○安尾説明員 先生の御質問にお答えいたします。  ことしの麦は、発芽期がおくれていたことと、それから冬にやや多雨多湿であったこと、それに加えまして、五月上旬が低温に過ぎましたので、麦作の末期になりまして特にさび病が発生いたしました。  いま先生のお話のございました黄砂の関係でございますが、これはまだ学問的にははっきりとわかっておりませんが、一応、黄さび病は高温のために日本で越夏できないので、おそらく大陸のほうに発生したさび病菌が黄砂にまじって内地のほうへ来て発生するであろう、こういう説がございます。確かに、ことしは黄砂が八回に及んでおりまして、そういうことも原因の一つではなかろうかというふうに考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 いままでも支那から砂じんがよく降ったことがあるのですが、いままでそういうものがあってこういう病気を引き起こしたということはありませんでしたか。

安尾俊農林技官(農政局植物防疫課長)

○安尾説明員 黄砂との関係は、一応、麦の黄さび病が出る年に黄砂の回数が多いという関連性から、そういう説が立てられておりまして、もう一説は、北海道の北部におきまして涼しいところでは、日本の内地でもこの黄さぴ病がマロングラスというある雑草で夏を越すということがわかっておりまして、現在のところ、はたして支那大陸から飛んでくるものか、あるいは内地の中のどこか涼しいところで夏を越して発生するか、まだはっきりいたしておりません。しかしながら、先生のおっしゃられますように、黄砂とは非常にいまのデータからは関係が深いということで、そういう説が立てられております。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうしますと、これはもう専門の皆さんですから、ひとついち早くこういう機会に専門的立場で原因を学問的に究明してもらう必要があるのではないか。これはひとつぜひ手を打っていただくように、研究を進めていただくようにお願いをしなければなりません。先ほどお話がございましたように、私たちがお聞きしておる被害総額は、現在県が中間集計をしただけでも四十五億をこえておるわけです。しかし、それは大分県の集計が、まだ調査中であって、できていない、そういうことでございますから、おそらく、このままの集計を出しても五十億程度あるいはそれ以上になるのではないかといって心配をしております。毎年毎年麦の被害が次から次に出る。あるいは長雨、こういう被害があったことは、皆さん方も御承知のとおりであります。私が申し上げるまでもないことですけれども、大体、九州の水田地帯では、もうほとんど近ごろは麦に見切りをつけるというか、統計的な数字は私の手元にいまありませんけれども、麦作が非常に減反をしておる。ほとんど見切りをつけて、農家が全然熱意がない。これは、やはり大きな立場から考えると、問題であると私は思っておるわけです。ただし、畑作地帯になりますと、そうしたわけにいかぬ。やはり麦を一生懸命つくっておる。その麦をつくっておるのがこういう被害にやられるということは、これは一農民だけの立場でなくて、やはり国全体の食糧という立場からも考えなければならぬということをわれわれは痛感しておるわけです。  そこで、いろいろこれから調査をなさると思うのでありますけれども、九州の農政局あたりは、いまどういう手を打っておりますか。何か本省のほうからこれらの対策あるいは調査について指示をなさっておられますか。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 ただいま麦の被害に対する対策につきましては、もちろん、共済の支払いという問題もございますが、そのほかに、現実にどれだけの被害があるかということを調査すると同時に、今後植えつけ転換その他につきまして、農政局のほうでは、各県と打ち合わせをしながら努力をしておるところでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 これは調査が十分済んで、皆さん方がどのような対策を立ててくださるか、それらに基づいてさらにいろいろと論議をしなければならぬと思いますが、ぜひひとつ調査を急いでもらうということ、それから、麦の被害については、これまでもいろいろと御苦労をかけたことが多いわけでして、大体やるべきことはあるわけですからね、共済の概算払いをするとか、あるいは等外麦を買い上げるような措置をするとか、いろいろ費用の負担、あるいは種麦の対策とか、これはもういろいろ今日までなされたことで大体の大筋はわかっているわけですから、早急にひとつ手を打ってもらって、こういう被害農民の諸君が安心をしていくようにしてもらいたい。麦の値段は今月末には審議会できまる、こういう時期でもございますし、ぜひひとつ強く要望しておきたいと思います。  きょうは時間をたくさんいただくわけにはまいりませんから、それだけひとつお願いをして終わっておきます。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 仰せのとおり努力いたします。

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 茜ケ久保重光君。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 実は私、七日のひょう害の点について、きのう現地に行って調査をしたのでございますが、非常にひどいですね。特に群馬県側のここにあります伊勢崎市と左波郡、これは埼玉県に境している土地でして、特に佐波郡の境町という地区は、利根川をはさんで相接しており、特に境町の島村というところは、これは完全に埼玉県に続いているところなんです。そこをずっと調査してまいりましたが、これはもう激甚というか、全滅状況ですね。私もずいぶんひょう害の調査に参りましたが、これほど激しいのは初めて見ました。ここに写真がありますから、後ほど見てもらいますが、もう壊滅になっておるのですね。ところが問題は、いまこの表を見ますと、埼玉県は、かなり広範囲に、金額も三十億をこしておりますが、群馬県の場合は、地域も狭く、三億程度。問題は三億でありますが、群馬県全体で見た三億と、群馬県の一部に限った三億、その個人個人の受けた被害はまことに大きいわけですね。ところが、現在の災害救助法なんかによりますと、地域の限定がありますし、金額も限定があります。したがって、こういう状態では災害救助法の適用にならぬという問題があるのですね。きのう現地の諸君の話を聞くと、何とか埼玉県と一緒にひっくるめてできないかという要望が非常に強いのでありますが、これは現在の法律ではできないという点もありましょうが、埼玉県と地続きでありますし、これは要望みたいになりますが、こういう地続きで、ただ単に行政区画上分かれているだけであって、実際の被害は群馬県側のほうがもっと大きいという場合、これは法の運用面でひとつある程度の御考慮を願いたいという点と、もう一つは、いわゆる地域からいって、あるいは総額の金額からいって、災害救助法の適用を受けないというのはわかりますが、これは災害対策委員の各位にお願いするわけですが、非常に激しく、壊滅、全滅といったようなところは、金額は少ないにしても、地域は狭いにしても、受けた被害者は決定的なものですから、たくさんの被害の中の一部であろうと、特殊な地域がやられようと、受けるのは同じなんですが、現在の法律では地域と金額に限定がありますから、個人だけでは被害が非常に大きくても、地域の広くないところ、総金額が少ない場合には、これは適用を受けられないという矛盾があります。これはやむを得ないと思うが、災害対策特別委員会という委員会もあるのですから、こういう点をぜひ御協議願って、そういう調査をすればわかるのですから、一年間の営々としてつくった農作物が一朝にして壊滅状態になったという場合には、特別な措置をするというような、あたたかい御考慮を願いたいと思うのであります。  現地農民はそういうことを非常に要望しておるのですが、前段の適用の件、これはあるいはこういうところで正式に質問しないほうがいいかもしれないけれども、しかし、それは法の運用の妙ですから、当局としても、そういう法の運用において、あたたかい思いやりのある運用をしてもらえないかということと、後段は、委員長に、ぜひこの災害対策委員会で問題にしていただいて、地域が狭いこと、金額が少ないということがあっても、非常に激甚な被害が出た場合には、何らか特別な措置のできるような御決定をひとつ願って、その実施方をお願いしたいと思います。

来正秀雄農林事務官(大臣官房参事官)

○来正説明員 大体天災融資法の適用の問題になると思うのですが、災害は全体としてつかまえることになっておりまして、必ずしも被害が少ない県が除外されることはございません。むしろ市町村単位が問題でございますから、おっしゃるような、ある単位で大きな被害を受けました場合は、これは当然天災融資は平等に扱われることになるわけです。

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 そういう要望がありましたので、まだ災害の実情が逐次増加してくるので報告が十分でないと思いますし、そこらを十分調査をして、いまの御趣旨に沿うように努力いたします。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 それからもう一つ。ぜひこれは早急にきょうでも理事会を開いていただいて、委員を派遣していただいて、災害対策委員会で御調査されて被害を見てもらえば、わかりもいいと思うのです。ぜひ、きょうじゅうに理事会を開いて御決定願って、あしたにでもさっそく現地の御調査方をお願いしたいと思います。あしたできなければ、ひとつ早急に御調査方をお願いしたいと思います。

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 懇談のあとまた会議を開きますから、理事会で相談をいたしまして、御趣旨に沿うように努力いたします。

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 次に、松代町周辺の地震による災害対策につきまして質疑の申し出がありますので、これを許します。中澤茂一君。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 いろいろ災害対策特別委員会で御調査願って、いま渡辺委員から御報告があったのですが、各役所の皆さんもおいでですから、問題点はどこにあるかということは、いまの御報告を聞いていただいて大体おわかりだと思うのです。瀬戸山本部長はじめ細田副長官非常に御努力を願いまして、調査班も調査をしていただいて、国のやった施策は大体八〇%くらいは合格ではないかと思います。ただ、末端にいきまして、中間でいろいろパイプの詰まっておる面があって、御努力を願ったのが末端にそのまま直接浸透していない。ここにやはり問題が一つあるわけでございます。災害救助法を発動しないでなおここまでの対策をやっていただいたということは、私、実は地元の議員として非常にありがたく感謝しておるわけであります。しかし問題は、まだいろいろ県、町当局、先ほど渡辺委員の御報告のものを集約すると、まだ二十項目にわたる問題は、いま一塁掘り下げていただかなければならないものがあるわけです。特にその中で、各役所ともやっていただいておりますが、一、二の役所がまだ非常に事態の重大性を認識しないで、一定のワクで押えておるという役所があることは、これははなはだ遺憾であります。これはまた後ほど懇談会でいろいろ申し上げたいと思っておるわけであります。  そこで、地方財政として御承知のように一番問題なのは、現在知事に決議によっていろいろな権限を委譲いたしましたけれども、地方財政の中でどうにもならないという事態がこの地帯には出ておるわけであります。これについては、どうしても自治省並びに大蔵省、これは委員長への要望事項でございますが、次の委員会にはどうしても自治大臣と大蔵大臣の御出席を願って明確にしておかなければ、地方財政としてはやりようがないという問題が財政上多々出ておるわけであります。そこで委員長に御要望申し上げておくのは、次の委員会にはどうしても自治大臣と大蔵大臣の御出席を願って委員会で正式に御確認を願っておきたい点が、特に地方財政の問題で、あるわけであります。そういうことで、その点を委員長のお取り計らいを願いたい。  自余の問題は、各官庁においで願っておりますから、懇談会でひとついろいろ御懇談申し上げていきたい、このように考えておるわけであります。  以上、御礼を申し上げたり、委員長に要望しておきます。

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 ただいまの中澤君の申し出は、次会に自治大臣、大蔵大臣の御出席を願って審査を進める、こういうことに努力いたすことにいたしますから、どうぞ……。  これでよろしいですか。

中澤茂一日本社会党

○中澤委員 よろしゅうございます。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 当災害委員会で、松代地震地帯の状況をつぶさに御視察いただきまして、いろいろ対策の浸透状況等を御調査を願って御報告いただきましたことを厚くお礼を申し上げます。  報告書にありましたようなことは、さらに政府各部局で検討いたしまして、落ちがありますれば、善処したいと思います。なお、いまお話しのように、注意はいたしておるつもりでありますけれども、やはり末端にいきますと必ずしもそのとおりに運ばれておらないこともあると思います。そういう点はひとつよく御相談を願って善処いたしたいと思います。

日野吉夫日本社会党

○日野委員長 それでは、この際暫時懇談いたしたいと思いますので、休憩いたします。    午後二時二十二分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕

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