建設委員会 第33号
- 発言数
- 60 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/06/22
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 予備付託になっております流通業務市街地の整備に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。建設大臣瀬戸山三男君。
○瀬戸山国務大臣 ただいま議題となりました流通業務市街地の整備に関する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 東京、大阪等の大都市においては問屋、倉庫、卸売市場等のいわゆる流通業務施設が都心の区域に過度に集中しておりまして、これがかえって物資の流通機能を著しく低下させるとともに、自動車交通を渋滞させる原因となっております。しかも、これらの流通業務施設に対する需要は、経済の発展と都市の膨張に伴って、今後ますます増加の一途をたどり、このまま放置すれば、ますます都心部の過密化を招き、物資の流通の面においても、道路交通の面においても憂慮すべき事態に立ち至るおそれがあります。 したがって、大都市におけるこれらの事態を打開し、都市の機能の維持及び増進をはかるためには、既成市街地の周辺部等の適地に流通業務市街地を計画的に配置して、その整備を促進することが必要であります。そのためには、これらの大都市における流通業務施設の整備に関して基本方針を定め、それに基づいて、流通業務地区及びその中核としての流通業務団地を都市計画として定め、地区内の建築制限、土地収用等の法的な措置を講じ、その整備を促進する必要があります。 〔委員長退席、小金委員長代理着席〕 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、以下この法律案の、要旨を御説明申し上げます。 第一に、経済企画庁長官、農林大臣、通商産業大臣、運輸大臣及び建設大臣は、協議により、都心の区域に流通業務施設が過度に集中しているため流通機能の低下及び自動車交通の渋滞を来たしている東京都、大阪市その他の大都市について、都市ごとに流通業務施設の整備に関する基本方針を定めることといたしました。 第二に、建設大臣は、この基本方針に基づいて、当該都市の区域のうち幹線道路、鉄道等の整備の状況に照らして流通業務市街地として整備することが適当な地区について、都市計画として流通業務地区を指定し、流通業務市街地としての機能を維持するために必要な建築等の規制を行なうことができることといたしました。 第三に、建設大臣は、流通業務地区内において、その中核として、トラックターミナル、鉄道の貨物駅または中央卸売市場及びこれらと密接な関連を有するその他の流通業務施設を一体的に立地させるため、流通業務団地を都市計画として決定することといたしました。この都市計画においては、団地内に立地することとなる流通業務施設の敷地の配置、関連公共施設の配置等及び建築物の形態等に関する制限について定めることといたしております。 第四に、地方公共団体または日本住宅公団は、流通業務団地造成事業を都市計画事業として施行することができることといたしました。流通業務団地造成事業は、流通業務施設の敷地の造成及びその処分、関連公共施設の整備等をその内容とするものとし、その施行について、土地の収用、先賢い、買い取り請求等について必要な規定を設けることといたしました。 第五に、国は流通業務団地造成事業等に関し、必要な資金の調達、農地転用等について配慮するものといたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
○小金委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○小金委員長代理 次に、首都圏近郊緑地保全法案を議題とし、審査を進めます。 この際、本案につきまして、政府委員から補足説明を聴取することといたします。首都圏整備委員会事務局長鮎川幸雄君。
○鮎川政府委員 ただいま議題になりました首都圏近郊緑地保全法案について、逐条に御説明申し上げます。 この法案は、本則二十二条と附則六項からできております。 第一条は、この法律の目的についての規定であります。 さきに提案理由説明において説明がありましたように、この法律は、首都圏の近郊整備地帯内において良好な自然の環境を有する緑地を保全することが、古都及びその周辺における現在及び将来の住民の健全な生活環境を確保するため、ひいては首都閥の秩序ある発展をはかるため欠くことのできない条件であることにかんがみ、緑地保全に関し、必要な事項を定め、その無秩序な市街地化を防止し、もって古都圏の秩序ある発展に寄与することを目的といたしております。 第二条は、用語の定義についての規定であります。 まず、近郊整備地帯とは、古都圏整備法第二十四条第一項の規定により指定された区域すなわち既成市街地の近郊でその無秩序な市街地化を防止するため、計画的に市街地を整備し、あわせて緑地を保全する区域であります。 次に、近郊緑地とは、近郊整備地帯内にある緑地であること、また、原則として農地ではなく樹林地、水辺地もしくはその状況がこれらに類する土地であること、またこれらが単独でもしくは一体となって良好な自然の環境を形成し、かつ、相当規模の広さを有しておりますことといたしております。 第三条は、近郊緑地保全区域の指定の要件、手続等についての規定であります。 首都圏整備委員会は、近郊緑地のうち、無秩序な市街地化のおそれが大であり、かつ、これを保全することによって得られる首都及びその周辺の地域の住民の健全な心身の保持及び増進の効果が著しいか、またはこれらの地域における公害もしくは災害の防止の効果が著しい土地の区域を近郊緑地保全区域として指定することができることといたしております。この区域の指定の手続といたしましては、委員会は、あらかじめ、関係地方公共団体及び首都圏整備審議会の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議しなければならないことといたしております。 第四条は、近郊緑地保全計画についての規定であります。 委員会は、近郊緑地保全区域の指定をいたしましたときは、当該保全区域について、首都圏整備法の定める手続に従い、同法第二十一条第三項の整備計画として近郊緑地保全計画を決定しなければならないことといたしております。この計画には、保全区域内における行為の規制その他緑地の保全及び緑地の保全に関連して必要とされる施設の整備並びに近郊緑地特別保全地区の指定の基準、土地の買い入れ等に関する事項等を定めることといたしております。 第、五条は、近郊緑地特別保全地区の指定の要件、手続等についての規定であります。 建設大垣は、近郊緑地保全区域内の土地のうち、特に良好な自然の環境を有し、地域住民の健全な心身の保持及び増進または公害もしくは災害の防止の効果が特に著しい、いわば枢要な土地の区域につきまして、都市計画の施設として、近郊緑地特別保全地区を指定することができることといたしております。 また、この地区の指定にあたりましては、広域的な緑地計画等との調整をはかるため、建設大臣は、あらかじめ委員会等の意見を聞かなければならないことといたしております。 第六条は、委員会または建設大臣が保全区域または特別保全地区指定の準備のため他人の占有する土地の立ち入り等について定めた技術的な規定であります。 第七条は、標識の設置等についての規定でありますが、特別保全地区につきましては、行為の規制等を伴います関係上、都県は特別保全地区である旨を表示した標識を設けなければならないこととしており、本条はこの標識の設置等に関する事項を定めた規定であります。 第八条は、保全区域における一定行為の届け出についての規定であります。 保全区域のうち特別保全地区以外の区域内において、建築物その他の工作物の新築、改築または増築、宅地の造成、土地の開懇等の、土地の形質の変更その他近郊緑地の保全に影響を及ぼすおそれのある行為をしようとする者は、あらかじめ都県知事にその旨届け出なければならないことといたしておりますとともに、都県知事は、近郊緑地の保全のため必要があると認めるときは、届け出をした者に対して、必要な助言または勧告をすることができることといたしております。 なお、保全計画に基づいて当然行なうべき行為、通常の管理行為等については、届け出を必要としないことといたしております。 第九条は、特別保全地区における行為の制限についての規定であります。 特別保全地区は、さきに御説明申し上げましたように、保全区域のうちに枢要な土地の区域について指定されるものでありまして、その地区内におきましては、一般の保全区域より特にその保全をはかる必要があります。そこで、前条で御説明申し上げましたような行為につきましては、都県知事の許可を受けなければ、してはならないことといたしておりますとともに、都県知事は、これらの許可の申請があった場合において、これらの行為が近郊緑地の保全上支障があると認めるときは、その許可をしてはならないことといたしております。 なお、通常の管理のための行為等につきましては、前条の場合と同様この規定の適用を除外することといたしております。 第十条は、原状回復命令等についての規定であります。 都県知事は、特別保全地区内において、前条の規定に違反して一定の行為を行なった者等がある場合には、近郊緑地の保全に対する支障を排除するため、必要な限度において、これらの者に対して原状回復等を命ずることができることといたしており、これについて必要な規定を設けたものであります。 第十一条は、損失の補償についての規定であります。 都県は、特別保全地区内において、第九条第一項の許可を受けることができないため損失を受けた者があります場合におきましては、原則としてその者に対して、通常生ずべき損失を補償することといたしております。ただし同一行為について、他の法令により許可その他の処分の申請が却下された場合または社会通念上特別保全地区の指定の趣旨に著しく反すると認められる場合等におきましては、この法律による補償は行なわないことといたしております。 第十二条は、土地の買い入れについての規定であります。 都県は、特別保全地区内の土地で緑地保全上必要があると認めるものにつきまして、その所有者から、第九条第一項の許可を受けることができないため、その土地の利用に著しい支障を来たすこととなりますため、その土地を都県において買い入れてほしい旨の申し出がありました場合には、これを時価で買い入れるものといたしております。 第十三条は、買い入れた土地の管理についての規定であります。 前条の規定により、買い入れた土地は、都県がこの法律の目的に適合するよう管理しなければならないことといたしております。 第十四条は、費用の負担及び補助についての規定であります。 保全区域内の近郊緑地の保全に要する費用は、都県の負担といたしておりますが、国も、第十一条第一項の損失の補償及び第十二条第一項の土地の買い入れに要する費用につきましては、政令で定めるところにより、その一部を補助することといたしております。 第十五条は、第九条の許可にかかる行為についての実施状況の報告、第九条の許可等の処分をするために必要な立ち入り検査等についての規定であります。 第十六条は、大都市の特例についての規定であります。 地方自治法第二百五十三条の十九第一項の指定都市、首都圏におきましては、横浜市がこれに該当いたしますが、これにつきましては、都県または都県知事が行なうこととされている事務を指定都市またはその市長に行なわせることといたしております。 第十七条は、特別保全地区内の近郊緑地の保全のために必要な資金の配慮についての規定であります。 近郊緑地を保全いたしますためには、第十二条の規定による土地の買い入れを行なうことといたしておりますが、このほかに都県が要すれば積極的に土地の買い入れ等を行なうことが望ましいのでありまして、このために必要な資金については、国も資金事情等が許す限り、配慮することといたしております。 第十八条は、第九条第一項の規定による処分に対する不服申し立てについての土地調整委員会との調整に関する規定であります。 第十九条から第二十二条までの四条は、この法律の実施を確保いたしますために必要な罰則についての規定であります。 次いで、附則について御説明申し上げます。 附則第一項は、施行期日の規定でありまして、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 附則第二項から第六項までは、この法律の制定に伴う関係法律の一部改正に関する規定でありまして、第二項は第五条の特別保全地区の指定に伴う都市計画法の一部改正を、第三項から第五項まではこの法律の施行のための所掌事務に関しての、建設省、土地調整委員会及び首都圏整備委員会のそれぞれの設置法等の一部改正を、第六項は首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域の整備に関する法律についての字句修正のための技術的改正であります。 以上、首都圏近郊緑地保全法案につきまして、逐条に御説明いたしました次第であります。
○小金委員長代理 これにて説明は終わりました。 —————————————
○小金委員長代理 質疑の通告がありますので、順次これを許します。井谷正吉君。
○井谷委員 ほかに質問者がありますから、私は本法の基本的な問題三、四点について、質問をいたしたいと思います。 本法の第二条第二項によりますと、「この法律で「近郊緑地」とは、近郊整備地帯内の緑地であって、樹林地、水辺地若しくはその状況がこれらに類する土地が、単独で、若しくは一体となって、又はこれらに隣接している土地が、これらと一体となって、良好な自然の環境を形成し、かつ、相当規模の広さを有しているものをいう。」となっております。また、首都圏整備法の第二十一条を見ますと、「首都圏整備計画は、基本計画、整備計画及び事業計画とする。」とありまして、その三項で、整備計画につきましては、「首都圏の建設とその秩序ある発展を図るため特に必要があると認められるときは、首都圏の地域外にわたり定めることができる。」というふうになっております。 そこで、現在のこの大東京の過密発展の状況を考えますと、当然この緑地の保全区域の拡大が行なわれるであろうということが予想されるのであります。ことに、いま申し上げました「相当規模の広さを有しているものをいう。」ということを考えるならば、政府は、現在あるいはまた将来にわたって、この地域の範囲をどのように考えられておるか。さらにまた、将来、非常に拡大されました場合に、この法律で十分それが完全に保全されるのであるかということをまずお伺いいたしたいと思います。
○鮎川政府委員 ただいまのお尋ねは、近郊緑地の範囲をどの程度に考えておるかという点かと存じますが、その前に、現在の近郊整備地帯、この制度の前にございました近郊地帯、通称グリーンベルトと申しておりましたが、これについて御説明申し上げまして、なおこの法案で考えております近郊緑地はどの程度の規模を考えておるかという点についての御説明を申し上げたいと思います。 首都圏整備法におきましては、従来既成市街地とその周辺に近郊地帯、グリーンベルトという、大規模の集団緑地と申しますか、相当規模の緑地帯を当初予定いたしまして、これを基本計画に掲げ、これの整備をはかっていこうということで進んでまいったわけでございますが、実際は、この地域に対する市街化が非常に激しいこと、その他この地域を整備する具体的手段等がなかったために、このグリーンベルト自体については、十分に当初の計画どおりの維持ができなかったというのが実情でございました。そこで、昨年、この近郊地帯、グリーンベルトの制度が改められまして、この制度を一応廃止いたしまして、首都の周辺五十キロ圏を近郊整備地帯という地域に指定いたしまして、この地域につきましては計画的に市街地を整備する、またあわせて緑地を保全するという法律の改正が昨年行なわれたわけでございます。この法律の趣旨に沿いましてこの近郊整備地帯内においてこの近郊緑地を保全するという考え方に変わっておるわけでございますが、この近郊緑地保全は、この法律の、先ほど御指摘がございました第二条第二項にございますように、樹林地、水辺地またはそういうところに類している地域に限っておるわけでございまして、このほかに、農地等は除外いたしておるわけでございます。この法律の対象といたしております緑地等はこういう限られたところであるわけでございますが、計画としては、さらに、今後そういう農地等を含めた緑地はいかにあるべきか、これはまた緑地だけの問題ではなく、農地等の問題の関係がございますので、計画としては今後いろいろの面で検討されなければならないという面が残っているわけでございますが、この法律におきます緑地におきましては、そういうものを一応除きまして、樹林地、水辺地等で、第三条、第五条に掲げておりますように、その自然の状況が特に良好である、これを保全することがいろいろな意味から緊要である、大都市発展の面からあるいは地域住民の健全な心身の保持等に必要なものに限りましてこれを指定していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 そこで、その区域につきましては、そういう条件を持っているところにつきまして、この法律の条件に従う内容を持っておるところについて指定されるわけでございます。したがって、そういう条件のないところは指定されないわけでございますが、この近郊整備地帯内におきますところにつきましては、そういう条件の備わっておるところは数カ所ございます。これにつきましては、ただいま事務当局において、また関係の地方公共団体と相談いたしましてこの指定をしたいというふうに考えておるわけでございます。
○井谷委員 本法の第四条と第五条に近郊緑地保全計画及びその指定について述べられております。その第四条の二項三号にある、近郊緑地特別保全地区の指定の基準に関する事項、さらに五条におきましては、前条二項三号に規定する基準に従い、都市計画の施設として近郊緑地特別保全地区の指定をすることができる、いまちょっと触れられていたようでありますが、この指定基準というのは、一体どういう点に基準が置かれておるのであるか、これを承りたい。
○鮎川政府委員 この第四条の第二項第三号の、ただいま御指摘のありました指定基準は、近郊緑地の中の特別保全地区についての指定の基準でございます。この特別保全地区が指定されます場合は、第三条で近郊緑地保全地区——簡単に申しますと、一般的な保全地区をまず指定がされまして、その中で、さらに特にこの近郊緑地特別保全地区の指定を行なうわけでございますので、この近郊緑地保全地区内において特別に保全する地区はいろいろ制限も強くなってくるわけでございますが、そういう地区をどういう角度から指定をするかというための基準に関する点でございます。 そこで、この基準の前に、第三条の第一項にもございますように、この近郊緑地は無秩序な市街地化のおそれが大であって、これを保全することによって、心身の健康の保持増進に審与すること、また公害、災害の防止の効果が著しい、また首都圏の秩序ある発展に必要である、こういういろいろな条件が必要なところを近郊緑地保全区域ということによって指定されるわけでございますが、さらに第五条にもございますように、そういう条件の中で、特に第五条一項の第一号、第二号にそれぞれの要件を掲げておりますが、これは法律上抽象的な表税になっておりますので、この第四条の保全計画におきましてはもう少し具体的に「特に良好な自然の環境」とはどういう程度であるか、あるいは「心身の保持及び増進」についてはどういう点を考えるべきであるという点につきまして、それぞれの地区によって若干の差異がございます。そこで、そういう地区の状況等を十分に調査把握いたしまして、それらの地区の実態に却した基準をさらに具体的にきめていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○井谷委員 本法の定義によりますと、先ほど申し上げましたように「「近郊緑地」とは、近郊整備地帯内の緑地であって、樹林地、水辺地若しくはその状況がこれらに類する土地が、単独で、若しくは一体となって、又はこれらに隣接している土地が、これらと一体となって、良好な自然の環境を形成し、」となっておりますが、いまお話がございましたようにこれに農地が含まれておらない。私は当然この計画の中に農地が入ってくると思うのです。それらは、農林省の関係もございましょうけれども、どういうふうな扱い方をせられるのであるかということと、さらにいま一つは樹林地でありますが、樹林地の解釈はどういうふうにお考えになるのか。私の考えによりますと、こうした郊外の樹林地といえば植林地帯の山も入っているのじゃないかと思います。そうなると、また非常に解釈がむずかしくなってくると思いますが、いまあなたのお考えになっておる程度の樹林地、それはどういうものであるかお伺いをしたい。
○鮎川政府委員 まず農地についてでございますが、農地については先ほども申し上げましたように原則としてこの法案の対象から除外いたしておるわけでございます。しかしながらこの第二条二項にもございますように、これに隣接している土地あるいは一体として良好な環境を形成しておる、そういう樹林地あるいは水辺地の周辺で、農地も若干含めて指定しなければ全体の効用が必ずしも確保できない、こういう一団として保持したいという地域につきましては、例外的にこういう周囲の状況によって農地も含まれてくる、こういうように考えておるわけでございます。しかし原則として、農地だけの場合はこの法案の対象からは除外いたしておる、こういうことでございます。 それから樹林地でございますが、この樹林地と申しますのは、結局第三条や第五条において規定がございますようないろいろな効用を持ちあるいは自然の環境を有しておる、こういう地域については、平地としてはこういうことは考えられない。やはり一団の樹木があって、その樹木がある程度まとまっておる、こういうことによって初めてこの自然の良好な環境を保持する、またいろいろな条件に合致してまいるわけでございますので、そういういわゆる平地の農地を除外した一団の樹木のまとまって存するところ、それはいろいろ具体的な事情によって変わってまいると思いますが、そういう具体的な状況については指定の基準等によってさらに固めていきたいというように考えておるわけでございます。
○井谷委員 農地と申しましても、普通一般の役所以外の人が考える農地はたんぼですが、樹林地の周辺には山についておる畑があると思います。その農家は、植林をいたしましても二十年、二十五年にならなければ伐採はできない。一つの投資でその山を経営しておる。これが指定されました場合に、三十年たっても四十年たっても切ることができないということがあるのであって、あるいはまたほかの土地のように買収に応ずるということがありますが、山林の評価というものは非常にむずかしいと思いますし、林野庁におきましてもこの値段はむしろ日々の樹木の成長を見て計算しますからたいへんなことになると思いますが、その辺のお考えを承りたいと思います。
○鮎川政府委員 いま御指摘ございましたように、従来農地あるいは農業経営と関連して山林の経営をやっておられるような場合、この制度との関係をどうするかという点は、十分検討し、考えなければならないことでございまして、原則として私ども考えておる点を申し上げますと、従来の農業経営あるいは山林経営にはこの制度が適用されましても、原則としてそういう方には直接の影響がないように考えたいというふうに考えておる点が第一でございます。 それからもう一つ、山林の伐採の点でございますが、これはいろいろ制限をいたしておりますが、そういう従来の森林経営、そういう立場からではなくて、全然別な目的で宅地の造成、土地の開懇等が大規模に行なわれておるわけでございますが、そういうものについて知事の許可を受けてもらうということにいたしておるわけでございます。ただ森林経営の面から見ますと、かりにある地域を伐採しても、それが全体の景観にも別に支障がない、また計画的にそれを逐次さらに植樹をしていくということになりますと、全体としては影響がないわけでございます。そういう点につきましては制限をいたしまする場合にも、そういう趣旨で、従来の経営には支障を与えない、しかも、一定の自然環境を保持する、こういうふうに考えていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
○井谷委員 私がいまこういうことを申し上げますのは、これが将来非常に拡大された場合にいろいろな問題が起きてくる、こういうことを考えておるのでお尋ねしたわけであります。 さらに、首都圏の整備にあたりましては、まず何よりも土地の利用計画を確立しなければなりません。また前に首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議の中にも、「首都圏内、特に近郊整備地帯、都市開発区域及びその周辺において、適切なる土地利用計画を樹立すること。」こうなっておるのでありますが、こういう御構想の基本になるこうした計画はできておるのでありますか、これを承りたい。
○鮎川政府委員 いろいろな首都周辺の発展した状況を見ますと、土地利用計画をいろいろな角度から検討し、作成しなければならないという点はそのとおりだと思います。しかし、先ほども申し上げましたように、従来の首都及びその周辺の実態は、既成市街地とさらにその周辺を近郊地帯、グリーンベルトということで取り巻いておりまして、そのさらにはずれたところに都市開発区域、従来は市街地開発区域という地域を指定して整備をしておったわけでございますが、そういう基本的な地域の整備の考え方が、先ほど申し上げましたように昨年の法律改正によりまして従来と全く変わってきたわけでございます。そこで私どもといたしましては、そういう土地利用計画の基本となる基盤、これを確立しなければならないということで、まず近郊地帯の廃止に伴いまして近郊整備地帯というものを設けることにいたしたわけでございますが、この近郊整備地帯はいろいろな基準等を諸方面の御意見を伺って定めまして、この六月一日から東京周辺のほぼ五十キロのところに近郊整備地帯という地域を指定いたしたわけでございます。この近郊整備地帯は既成市街地と近郊整備地帯を一体として、いろいろな整備を考えなければならない地域でございますが、その整備の基本は、先ほど申し上げましたように健全な計画的な市街地開発をはかるという点と、もう一つは先ほどの緑地の問題があるわけでございますが、この全体計画は実のところいま私どもは樹立の段階に至っておりません。その場をきめるという段階でございます。今後緑地の保全の方針が確立されますと、その後市街化の方向、さらに農地との関係等を十分検討いたしまして、その地域についての土地利用の基本的な考え方を、またこれは首都圏整備委員会だけではなく、関係各省ともたくさん関係あるところでございますが、そういうところの御意見等徴しながらそういう点の整備をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○井谷委員 次に第十四条の二項に「国は、第十一条第一項の規定による損失の補償及び第十二条第一項の規定による土地の買入れに要する費用については、政令で定めるところにより、その一部を補助する。」とありますが、これはどういうふうな御構想でございますか。一部というのは常識的に申しまして非常に軽少のもののような予感がするのですが、一部という表現はどういう幅があるのか承りたいと思います。
○鮎川政府委員 まずこの補助の規定の前に、この法律と関係ございます予算について申し上げますと、その近郊緑地保全のために四十一年度予算として二億円が計上されておるわけでございますが、これは買い入れをいたしました費用についての国の補助による額でございます。この補助の中身は政令によって確定いたすわけでございますが、ただいまのところここにございますように損失の補償と買い入れの費用について補助することにいたしておりますが、現在のところ、費用の総額の八割を補助するというふうに考えておるわけでありまして、この点は古都保存法などと同様に考えておる次第であります。
○井谷委員 私は、この四十一年度の予算に計上されておる二億円というものは、こうした大きな仕事をせられるいろいろな調査費とかそういうようなものと思っていたのですが、これは補償費ですか。
○鮎川政府委員 これは補償費のみならず、買い入れの申し出があった場合に充てる費用でございます。
○井谷委員 そうすると、わずかに二億円くらいなものでどのくらいのことがいまできますか。
○瀬戸山国務大臣 おっしゃるとおりに、四十一年度予算では二億円を計上いたしております。この法律で想定いたしております面積あるいは一般保全地域並びに特別保全区域として想定されております面積は相当広うございます。そこで二億円ではおかしいじゃないか。全くそのとおりでありまして、これは古都保存法の場合にも御議論があったことでありますが、この法律案にありますように、一般的な緑地を、保全地域をまず指定する。これにはごらんのようにある程度の行為の制限があります。その中に特別に保全をしなければならない地区が相当想定されております。これは相当強力な規制措置が講ぜられます。そういたしますと、そういうことでは困るから買い上げてもらいたい、こういう希望がありました際にはこれを買い上げる。これは古都保存法と同じ形をとっておりますが、初年度はこの法律を御可決願いまして地区を指定し、さらに保全地域を指定する、特別整備保全区域を指定する、こういうことをやりまして、さて一体どのくらい買い入れの希望があるか、そういう点がまだ明確になりませんので、まずさしあたり二億円を想定しておる。これは古都保存法と同じであります。本格的にこの目的を達成するためにはこの程度の金額ではもちろん間に合いませんので、必要に応じてもっと大幅に予算計上をしなければならない、かように考えておるわけでございます。
○井谷委員 次に第十七条でありますが、「国は、都県が特別保全地区内の近郊緑地の保全のために行なう事業に必要な資金については、法令の範囲内において、資金事情及び当該都県の財政状況が許す限り、配慮するものとする。」とございます。この「資金事情及び当該都県の財政状況が許す限り、」というのはどういう意味でありますか、また「配慮する」というのは具体的にどのような構想を持っておられますか、伺いたいと思います。
○鮎川政府委員 まずこの十七条の規定の趣旨でございますが、先ほど申し上げました資金は、国が買い入れ等に関して補助をする金でございますが、この十七条は、国とは関係なく都県が独立して近郊緑地保全のためにいろいろな事業を行なう、たとえば近郊緑地に必要な地域を買収する、さらにそれを保全するということが考えられるわけでございますが、単独でそういう事業をすることを考慮いたしまして、そういう場合におきましては地方債その他によって国もそういう面ではできるだけ援助をしようというのがこの規定の趣旨でございます。ただ、国にいたしましても都県にいたしましても、緑地以外のいろいろな事業を行なっておりますので、そういう全般の財政状況、資金状況、その他の財政状況の許す限りそういう仕事を行ない、またそれの許す限りにおいて国も配慮するということでございますが、この点につきましては自治省も相当積極的に考えるということでございまして、ただいまのところまだ金額まで確定いたしておりませんが、都県がそういうことを積極的にやる場合はできるだけ地方財政計画のほうでも配慮していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○井谷委員 従来地方公共団体というのはいろいろな開発群業、こういうものに積極的な意欲を持って協力をしておりますけれども、しかしこれに規制をするような一つのワクをはめるというと非常に消極的になって、たまにはそこに抵抗が起きるということは従来非常に例の多いことと思うのです。せっかくこれほどの大きな構想が打ち出された以上は、首都圏整備委員会等もかなりの権限を持たしてあるわけだが、これらに対してどういう行政指導をしてそうした理解を求めるということを考えておられるか。ただここできめたことをそのままやっていくというようなお役所式のやり方ではとうていこれはできないと思いますが、その点について伺っておきたい。
○鮎川政府委員 首都圏整備委員会といたしましても、過去のグリーンベルト、いわゆる近郊地帯の制度等の制限もございまして、これは委員会といたしましても、また関係都県、関係省におきましても相当積極的にこれを保全していただくということにしていただかなければ十分の効果が期待できないわけでございます。そこでこの法案におきましていろいろ述べられております条件等がはっきりいたしてまいりますと、この緑地指定の条件に従ったいろいろな地域をまずできるだけ積極的に調査をし、また名府県の公共団体の事情等も考慮してできるだけ早く指定いたし、荒廃を防止いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、これにつきましては関係省並びに関係公共団体ともしばしば会合を重ねてこの保全について話し合いをいたしておる状況でございますが、今後私どもは、この法案が確定いたしましたならば、内応が明確になってまいりますので、できるだけ指定を取り急いでいくようにいたしたい、そういうふうに考えております。
○井谷委員 終わります。
○川村委員 いまの井谷委員の質問に関連してひとつお聞きしますが、これをやっていくには相当の費用というものを考えなければならぬと思うのですが、今度の国会で古都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律というのができたときに、都道府県については起債を見てその利子補給をする、市町村については補助のかさ上げをする、こういうのが内容だと思うのです。これはこの地区に対する保全は適用になりますか、なりませんか。
○鮎川政府委員 財政援助の法律におきましては、明確に対象の規定はいたしておりません。ただいまお話しの財政援助措置につきましては、将来法律以外に政令で定める必要な施設について指定をするようになっております。ただ、政令で定める必要な施設につきましては、現在都市公園などが一応考えられておりますが、いまのところ財政援助措置の内容としては、まだ確定してはおりません。今後私どもも十分検討していきたいというふうに考えております。
○川村委員 こういう大事な法律を出されるときに、一方では特別の財政援助の措置を考えながら、それを初めからちゃんと含めておく、それくらいの高い立場でやられることが必要ではないか。ただあとで何かとやかく言って、政令でどうこうということでは私は困ると思うのです。どうもその点が財政の特別措置についてあいまいであると私ども見ておったわけですが、これはやはり法律事項としてきちっとしておく必要がある。そうしませんと、おそらくこれでは、財政措置のいろいろ今後問題が起こるのではないか。結局あなたたちの計画は壁にぶち当たるというような問題が出てくると思うのです。 そこでちょっとお尋ねをしておきますけれども、いわゆる近郊地帯というのを考えてやってこられた。ところがこれがうまくいかない。グリーンベルト地帯というようなものの設定がついに御破算になった。その御破算になった理由は、一体どこにありましたか。
○鮎川政府委員 グリーンベルトの考え方は、十年前の基本計画において定められたわけでございますが、その考え方としては、大都市の周辺を大規模な緑地等をもって包むというロンドン方式の考え方でございまして、それが実現され、確保されるならば、非常にりっぱな制度であり、また内容であった、こういうふうに考えるのです。法律で近郊地帯というのは政令で指定するということになっておるわけでございますが、今日に至るまで政令の指定ができなかったわけでございます。これは地元等の地域における意見等が必ずしも調整されなかったという点もございまして、政令の指定に至らず、今日に至っておるわけでございますが、その結果現在の近郊地帯は大半があなあけと申しまして、市街地化されておる、こういう状況でございます。この原因としてはいろいろ考えられるのでございますが、やはり一番大きな原因は、その制度を考えられた際の人口、産業の集中の力というもの、その人口、産業に対する見方が少し実態に即応していなかったのではないか。相当の人口がこの地域に集中する、したがってその地域の産業が相当程度発展する、こういうようなことは考えられたわけでございますが、その力が予想を越えたということが、先ほど申し上げました現状になっておるわけでございます。そういう点も今後は十分、この制度においては考慮しながら考えていかなければならぬということになったのでございます。
○川村委員 私、いろいろお尋ねしなければなりませんが、関連ですからくどくはお尋ねしませんが、いまお話にあった人口の点から考えても、五年前の国勢調査では首都圏には全国人口の二四%が集まっておる。ところが昨年の国勢調査によると二六%という膨大な人口の集中である。こういうような問題をどう解決していくかということも、西都圏の一つの大きな——基本計画等でどう考えられるか、どういう構想が出てくるかわかりませんが、そういう問題がある。それといま私がお尋ねしておりますように、この前、いわゆる既成市街地の秩序のない暴走を遮断していく。そして大公園、緑地をひとつ充足しよう。ところがお話のように住民の反対等もだいぶあって、政令施行ができなかったということでつぶれたのであり、そこで今度は少し計画を変えて、総合的な土地利用という立場からやっていこうということで保全地域を考えておられる。いまその保全地域、その中の特別地区、おそらく腹案はあると思うのです。ところが今度住民の賛成を得られるかどうか。反対運動が盛り上がってきやせぬかどうかということを、私は前の経験から心配をしておるわけです。しかも今度の法律を見ると、その指定にあたってはいろいろ規制があります。それに従わない者には罰則もあるのです。ところが指定をされる地域におるところの諸君は、自分たちが持っておる権利というものは一体どうなるかというような問題等もあります。ことばをかえて言うなら、あなたの地域はこの保全地域の指定の中に入りますよ、だからあなたの持っておるいろいろな財産等はこのくらいの規制を受けますよ、だからあなたの財産についてはこれだけの保全料というか、毎年これだけ払いますよというような規定でもあれば、住民だって全東京の一般民衆のためには目をつぶるかもしれぬけれども、そういうような住民に対する何らの手当てというものがなくて、頭から保全地域を指定をして、いろいろな規制が加えられていく。それに違反する者は十九条、二十一条で相当大きな罰則が出てくる。こうなりますとこれはおそらく相当の抵抗も考えなければならぬ。こういうことを私は心配しておる。私の心配が杞憂ならそれでいいですよ。そうなりますと問題は簡単ではない、こう憂慮されるわけです。また今度失敗したらどうしますか。この計画がまた失敗したら首都圏全部の計画に影響することもあり得る。そういう点から考えまして、財政的な各般の問題というものは非常に重要ではないかと思うのです。さっき二億の話が出ましたが、今度の予算の二億は、おそらくはっきりした見当がないからこれくらい予算をつけておけということであったと思うのです。ところがこれは相当な問題があると思うのです。その辺に対してちょっと見解を聞かしておいていただきたい。
○瀬戸山国務大臣 お話のように杞憂と申しますか、懸念がないとは考えておりません。先ほども従来のいわゆるグリーンベルト地帯の考え方が成功しなかった、これはいろいろ事情があるわけでありますが、一番の問題点は、ただ規制を加えようとするだけでそれに対する権利者の立場を保護すると申しますか、見てやるという裏づけがなかった。また、裏づけしようにもあれほどの膨大な地域についてなかなか財政措置ができない。こういういろいろな事情があって成功しなかった、かように思います。そういう意味で、今度は、理想的に大規模なグリーンベルト地帯を設けるということは、いまの社会経済上、また都市集中等の事情から、地形から許されませんから、そういうことは改めまして、この法律、前にも申し上げましたように、部分的にしていくし、また部分的に特別地区をきめていこう。それには、やはり制限すれば制限するだけの裏づけをしなければならぬ。問題はそこであろうと思います。つまり、量が多いとか少ないとかいうことは、先ほど申し上げましたから触れませんが、これはおっしゃることは十分に気をつけなければいけない。ただ大衆のためにこれは必要なんだからがまんせい、これだけじゃ済まない、この覚悟で進みたいと思っておるわけでございます。
○川村委員 終わります。
○小金委員長代理 山下榮二君。
○山下委員 大臣に伺いたいと思うのですが、首都圏整備委員会は御承知のとおり、法律に定められた委員会でございますが、今度提案をされました首都圏近郊緑地保全法という考え方はすでに、首都圏整備法が提案されるときに、この構想が中に織り込められるべきはずのものではなかろうか、こう私は想像するのであります、おそきに失するのじゃなかろうか、いろいろやって、あとから考え出して、法案が出てきた、こういうような感じがするのです。従来、御承知のとおり、都市計画法の中にも、それぞれ人口あるいは地域のバランスの上に立って緑地帯を設けなければならない規定があることはどなたも御承知のとおりだと思うのですが、これを新たにこう思いついて出してこなければならぬということは、その後の首都圏整備法に基づく首都近郊の土地というものが、どういう関係で荒廃をし、あるいは破壊されつつあるかということにかんがみて、出てきた問題であろうと思うのですが、一体その構想を立てられた根本の考え方を大臣に伺ってみたいと思うのであります。
○瀬戸山国務大臣 首都圏整備法、これは十年ばかり前に御承知のとおり制定されました。その当時の構想については、先ほど鮎川事務局長からお答えいたしましたように、人口の想定——いま数字ははっきりしておりませんが、その当時の東京都の計画は、おおむね人口四、五百万と想定して、その外周にいわゆるグリーンベルトといいますか、膨大なレクリエーション地帯を指定していこう。図にかいたときは非常にりっぱでありました。ところが、これはただそこを緑地帯として指定する、建築等の制限をする、これだけでありまして、個人の権利を制限するだけで裏づけがなかったというのが一つであります。と同時に、東京都あるいは関東の地域というものは御承知のとおりに、これは直接例にならぬかもしれませんけれども、関西の大阪、京都あるいは兵庫、こういう地帯のように非常に起伏があって、やや都市の近郊に必ずしも市街地等に利用されない森林地帯とかあるいは丘陵地帯があるというような状況でなくて、だだっ広い、いわゆる関東平野である。どこでも家を建てられ、その他工場地帯に利用されるという地形でありますから、戦後の急激な人口移動あるいはその他の産業の集中、したがって住宅、市街地、こういうものをどうしてもこれはもう法律があるなしにかかわらずやむを得ずつくらなければならない。それが単に指定をしておっただけでグリーンベルトなんていうものは、一番住宅地あるいは工場地帯に自然の状況がつくられる状況になっておる。こういうことであの問題は成功しなかった。これは先ほど来申し上げておるとおりであります。それも、せっかく首都圏整備法をつくって整備をしようということでありますから、正直に言って、その決意が全く十全でありますれば、それを裏づけて、国家なり都なりこの地帯を買い上げて緑地を保全するというだけの決意があれば、これは私はよかったと思うのでありますが、そうでなかった。これはまさに率直に言って政治の貧困であります。しかし現在が御承知のとおりの状況でありますから、全体の構想を いろいろ立てるのもけっこうでありますけれども、まず、これに書いてありますように、現在残っておる自然的な状況のところ、これを早く確保する必要がある。全体の都市計画をするいとまがないというのが率直に言って実情であります。そういう意味でこの際緑地をといいますかこういうところを指定をして、そうしてもし買い上げ要求があればこれを買い上げて、これをどうしても保全する。その他の地域については、もちろんいまやっておりますけれども、これは都市計画によってあるいは町をつくる、あるいはまた、いわゆる都市計画上の公園をつくる、これはまた別の問題でありまして、いま自然に残されておるところをできるだけ確保する。それも、ただまんべんなくということでなしに、必要と思われる、また必ずしも家等がすぐ建つという状況でないところを早く確保していきたい、こういうためにこの法律をお願いし、そうして財政的裏づけをして、個人の権利との調整もはかってこの目的を達したい、こういうことでございます。
○山下委員 いま大臣の言われることはわからぬわけじゃないのですが、それでは、たとえばこの緑地保全法案という法律を出すけれども、まだ首都圏整備法のほうでは、関東平町一円、首都圏整備区域内というものに対するあるいは緑地その他の青写真というのですか、一つの計画が立てられておるのですか、立てられていないのですか。一応こういう法律だけをつくろう、それで規制をしていこうというばく然たる考え方でやっておられるのですか。もうすでに首都圏整備内にこことこことこことはこういうふうに緑地をつくる——最近の人口の都市集中は御承知のとおりであります。十年先には一体どうなるか。十年先にはこの首都圏整備法に基づいてこれこれの緑地をつくる、これこれの水面をつくる、ここにはどうというちゃんと計画プランというものがなければ私はうそだと思うのです。計画プランがあってその上に法律というものを定めていく、こういうことでなければならぬであろうと想像するのですが、この法律に裏づける計画というものがちゃんと進められておるかどうか伺いたい。
○鮎川政府委員 ただいまお話がございましたことで、第一は緑地の全体の計画の問題と、それから、緑地計画の前になる全体の基本計画がどういうふうになっておるかというお尋ねかと思いますが、まず第一の緑地の点から申しますと、首都圏の緑地の問題につきましては近畿圏と若干違ったところがございまして、ただいまこの法案に取り上げられておりますのは、先ほど申し上げました近郊整備地帯内の緑地計画だけであります。首都樹全域にまたがる緑地計画についてば、まだ法制上もそういう点明瞭でない点もございまして、都市計画的な公園緑地以外のいわゆる近県におきます保全地区というものはございません。しかし、今後これは私どもといたしましては大きな問題であり、検討事項として検討いたしたいと考えております。この法案の対象といたしますのは、先ほど申し上げましたように、主として近郊整備地帯内における緑地の計画でございまして、これも前の計画におきます近郊地帯、グリーンベルトが廃止されまして、その廃止に伴いまして近郊整備地帯を設け、その中に緑地を保全するということになっておりますので、その地域地域についての緑地を保全しよう、しかもそれは全部の保全計画というよりも、ここに掲げられておりますような要件を持つものについての緑地を保全をしたいというのが第一の考えでございます。 それから、全体の基本計画の問題につきましては、実は先ほど申し上げましたように、いろいろな諸条件の変化、また人口想定等の見込みについても再検討する要があるということでございまして、昨年の秋以来首都圏における基本的な問題について審議会に諮問をして、ただいま基本計画を検討しておるという状況でございます。
○山下委員 お話を伺いますと、いささか私は心細い感じを抱くのであります。首都圏整備法ができて、もうほとんど十年近くになるであろうと思うのですが、東京は御承知のごとく、かつて大正十二年の大震災という大きな災害にあったこともあります。こういうこと等から考えても、首都圏整備法というものは、いろんなそれらに対処する大計画というのが推し進められてしかるべきである、こう思います。したがって、この緑地保全法という法律が出てくる裏には、いま申し上げるような構想が首都圏整備委員会のほうであってこの法律が出てきたものであろう、こう想像するのですけれども、それとは多少、まあ私は理想どおりにはいっていないということがわかったのであります。 そこで私はもう一つ伺いたいと思いますのは、首都圏整備法に基づいてでき上がっている委員会と、昔からある都市計画法に基づいて行なわれている都市計画委員会というものとのかね合いというのは、どういうかね合いで操作が行なわれているのでありますか。
○鮎川政府委員 まず首都圏整備委員会は、首都圏整備に関します総合的な計画をつくる、いわば地域的な、広域的な計画をつくる機関でございます。そこで首都圏整備委員会では、地域的な総合的な計画をつくりまして、これは関係省とも十分懇談し、審議会等の諮問を経てできるわけでございますが、都市計画の関係で申しますと、その中で、たとえば首都圏整備計画に基づいて工業団地を造成する、俗に申します衛星都市を建設するということをいたしておるわけでありますが、こういう整備計画に基づく都市開発区域を整備いたします場合には、まず首都圏整備委員会で整備計画を樹立いたしまして、その地域につきましてその整備計画に即応してそれぞれの地域の都市計画がなされ、それによって地域整備制度あるいは事業の執行ということが行なわれるわけでございます。
○山下委員 時間も相当たっておるようでありますから多くは申し上げませんが、ただもう一つ伺いたいと思いますのは、八条ですか「都県知事は、……緑地の保全のため必要があると認めるときは、届出をした者に対して、必要な助言又は勧告をすることができる。」こういう規定を設けておられるのですが、もし緑地に指定をされた区域内に住宅がある、その住宅をあるいは除かなければならぬというような場合に、所有者がそれを拒否した場合等に対しては、一体この助言と勧告ということばからしてどういう処置をとられることになるのですか。これは土地収用法に基づくような強制処置が法律上とられるということになるのですか。
○鮎川政府委員 助言と勧告は強制的な手段ではございません。あくまでも助言であり勧告をいたすだけでありまして、強制力は持っていないわけであります。したがいまして、一般保全地区につきましてはそういう強制的な力が働くということはないわけであります。ただ特別保全地区になりました場合に、今後この法案に書いてありますような諸条件に該当するものの建築物の建築をしたり、あるいは宅地を造成するというような場合には、知事の許可を受けなければならぬ、こういうことになっておるわけであります。
○山下委員 それではもう一つ伺います。第二条二項で「この法律で「近郊緑地」とは、」こう定義されておる。大体中身は、相当規模の広さを有するもの、こういうことになっておりますが、その相当な広さを有するものという広さというのは、一体どのくらいのことをお考えになっておるのでしょうか。
○鮎川政府委員 この近郊緑地のほかに、御承知のように土地の内部におきましては都市公園もございます。それから自然公園法に基づく自然公園制度等もあるわけであります。ですから、この対象となっておる地域の状況、いまいろいろの面で調査しておるわけでありますが、あまり狭くてもいけませんし、また広大な自然公園であるというような考え方でもいけないわけであります。ちょうどその中間くらいのものでありまして、大体私ども、いまのところ一番少なくても三十万坪程度になるだろうというふうに考えておるわけでございます。
○山下委員 先ほども申し上げましたように、年々人口が都市集中という趨勢にあるのでありますから、後世に悔いを残さないような、百年の大計の上に立ったお考えをされなければ、またあとでとんでもないことをしたということで後悔しなければならぬ結果を生まないようにお考をいただきたい、こう私は思っておるのであります。 次に、先ほど井谷さんから質問があったようでありますが、私うしろのほうにおって聞き取りにくかったのでありますけれども、この法律案の中には農地をはずしておられるようであります。先ほど建設大臣からは関東平野ということがあったのでありますけれども、昔から関東平野といえばだだっ広い地域であるのは御承知のとおりですから、これは田畑も相当数あるわけですが、東京都内ですらまだ田畑のあるところもあるわけであります。この農地に対して規制の処置も何も法律上うたわれていないというのは一体どういうわけでしょうか。
○鮎川政府委員 従来の近郊地帯は、農地を含めた相当大規模なものであったわけでございます。今後、農地につきましてはもちろんこの法律の対象としては考えておりません。というのは、この制限をする対象としては農地は考えておりませんが、農地そのものについてはこちらの委員会でも検討していただいて、近郊農地というものはいろいろむずかしい要素を含んでおりますので、いろいろな面で検討してもらっておりますが、この農地についてはいろいろな基本的な条件等を勘案しているわけでありまして、この法律の対象とはいたしておりませんが、計画面では今後そういう緑地的な要素を含む農地をいかにやるべきかということについては検討を進めておるわけでございます。この法律におきましてはいろいろ私権の制限を受けることになるわけであります。私権の制限の対象としてはまだ農地についてはいろいろ問題もございますので、これから除外をいたして考えておるわけであります。
○山下委員 農地については今後さらに検討するということですか。
○鮎川政府委員 農地につきましては、この法律以外に計画として、この法律の制限とかその他は別といたしまして、首都圏整備計画の一環として近郊農地のあり方及び緑地的な要素を持っておりますので、これらを含んでいま検討しておる段階でありますが、そういう面で検討を進めてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○山下委員 大臣お急ぎだそうですから、もう大臣のほうはけっこうです。 もう一つ伺いたいと思いますのは、河川等に対する考え方が一つ織り込まれていないと思うのですが、関東地方は水利の関係というのがきわめて重要ではなかろうかと私は思っておるんです。そういう河川等に対する考え方というものは、緑地保全と何ら関係がない、こういうお考えの上に立っておられるのですか。どうお考えになっておりますか、伺いたい。
○鮎川政府委員 河川のただいまの御質問の趣旨があるいは取り違えているかと存じますが、河川のほうは治水の面あるいは利水の面、いろいろあるわけでございますが、緑地との関係についてのこの法案におきましては、この第二条の第二項で水辺地というふうに考えておるわけでございます。そこで、この水辺地においては河川のみならず、湖沼、池等もあるかと思いますが、そういう水辺地において良好な自然の環境を有する場合においてはこれを保全していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山下委員 もう一つわからないのですけれども、河川については、御承知のごとく利水、治水いろいろあるのですが、それは別個にそのほうで考える、こういうわけですか。
○鮎川政府委員 そのとおりでございます。
○山下委員 それじゃ、もう一つ伺いたいと思うのですが、(「大臣がいないからやめてまた今度にしたら」と呼ぶ者あり)それじゃまた次に大臣の見えたときに伺います。きょうは大体これで終わりたいと思いますが、首都圏の整備の区域内というのは相当広範囲に考えておられるようでありますが、日光なんかの観光地、ああいう地区等に対しても何か規制をされる気持ちがあるのですか。それはどうですか。
○鮎川政府委員 首都圏の区域でございますが、いま一部七県でございます。それでいまのお話の日光は栃木県に含まれているわけでございますが、首都圏の整備におきましては、従来はそういう観光あるいはレクリエーション、もっと別な意味の広域緑地等の保全については、首都圏整備計画及び法制上も必ずしも十分ではない面があるわけでございます。従来まではそういう検討はあまり進んでおりません。しかし非常に大事な問題でございますので、私どもといたしましては、今後それは検討いたしたいというふうに考えているわけでございます。
○山下委員 今後検討の範囲に入っているわけですか。
○鮎川政府委員 いまのところはできておりませんが、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○山下委員 それでは、大臣もおらないですから、これできょうは終わって、またいずれ大臣が見えましてから質問をいたしたいと思います。
○小金委員長代理 次会は来たる二十五日土曜日午前十時から理事会、同十時三十分から本委員会を開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会