建設委員会 第32号
- 発言数
- 59 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/06/10
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 首都圏近郊緑地保全法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。首都圏整備委員長瀬戸山三男君。
○瀬戸山国務大臣 ただいま議題になりました首都圏近郊緑地保全法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 御高承のとおり、首都及びその周辺地域への人口と産業の集中は、最近ますますその激しさを加えておりますが、これに伴いまして首都の近郊においては、無秩序な市街地化が進み、緑地等は日に日に荒廃の一途をたどり、地域住民の生活環境を著しく悪化させております。 また、昨年首都圏整備法が改正され、従来の近郊地帯いわゆるグリーンベルトを改め、既成市街地の近郊でその無秩序な市街地化を防止するため、市街地の整備とあわせて緑地を保全する必要がある区域を近郊整備地帯として指定することとされたのであります。 このような制度の改正に伴い、従来の近郊地帯については、一方においてはその計画的な市街地化をはかるとともに、新たな見地に立って緑地を保全することが必要となってまいったのであります。 また、緑地を保全する制度につきましては、従来は都市公園法による公園緑地の整備、または自然公園法による自然の風景地の保護等がございますが、特に大都市の周辺において地域住民の良好な生活環境を確保し、無秩序な市街地化を防止するための広域的な見地からする緑地を保全する制度につきましては、今日まで必ずしも十分な措置がとられてきたとは申し上げることができないのであります。 しかるに、前申し述べましたように首都近郊における緑地の荒廃の趨勢はまことにはなはだしく、このまま放置すれば再び創造することができない緑の自然環境は、数年を待たずして壊滅に瀕する状況にあります。 このような情勢から、この際首都圏の近郊整備地帯内における緑地については、緊急に法制上及び財政上の特別の措置を講じて、その荒廃を防止してこれを保全する制度を樹立し、もって首都圏の秩序ある発展に寄与することが緊要となってまいりました。これがこの法律案を提案する理由であります。 次に、この法案の要旨を御説明申し上げます。 まず第一に、この法律で保全しようとする近郊緑地は、原則として農地を除外し、首都圏の近郊整備地帯内において良好な自然の環境を有する樹林地、水辺地等で相当規模の広さを有しているものといたしております。そこで首都圏整備委員会は、無秩序な市街地化のおそれが大であり、かつ、これを保全することによって地域住民の健全な心身の保持及び増進に役立ち、または公害や災害の防止の効果が著しい近郊緑地の土地の区域を、あらかじめ関係地方公共団体の意見等を聞いて近郊緑地保全区域として指定いたすことといたしました。 次に、委員会は、近郊緑地保全区域の指定をしたときは、当該区域内における行為の規制、近郊緑地特別保全地区の指定の基準等について、首都圏整備計画の一環として近郊緑地保全計画を定めることといたしております。 第三に、近郊緑地保全区域内におきましては、建築物の新築、宅地の造成等土地の現状を著しく変更するものにつきましては、都県知事に対して届け出をしなければならないことといたしております。 なお、都県知事は、緑地保全のため必要があると認めるときは、届け出をした者に対して必要な助言または勧告をすることができることといたしております。 第四は、近郊緑地特別保全地区についてであります。 近郊緑地保全区域のうちで、特に良好な自然の環境を有し、地域住民の健全な心身の保持、増進または公害、災害の防止の効果が特に著しい地区につきましては、これを近郊緑地特別保全地区として、建設大臣が都市計画法の定める手続によって都市計画の施設として指定することといたしております。 この地区内におきましては、建築物の新築、宅地の造成等の土地の現状を著しく変更する行為につきましては、原則として都県知事の許可を受けなければならないことといたしております。 このような規制を行なう反面、この許可を受けることができなかったために損失を受けた者に対しましては、通常生ずる損失を補償することといたしております。 また、土地所有者から都県知事の許可を受けることができないため、その土地の利用に著しい支障を来たすことにより当該土地を買い入れるべき旨の申し出があった場合には、その土地を買い入れることとするための所要の規定を設けております。 第五は、この法律の実施機関と費用の負担等についてであります。 近郊緑地保全地域内の行為の規制等は都県知事が、また、土地の買い入れ等は都県が行なうことといたし、損失の補償及び土地の買い入れに要する費用につきましては、国がその一部を補助することといたしております。 第六は、特別保全地区内の近郊緑地保全のために必要な資金に対する配慮についてであります。 都県が以上の措置によるほか単独で特別保全地区内の近郊緑地の保全のために事業を行なう場合に必要な資金につきましては、国は法令の範囲内において、資金事情等が許す限りできるだけの配慮をいたすことといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○田村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。 ————◇—————
○田村委員長 河川に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。茜ケ久保重光君。
○茜ケ久保委員 前にも幾度かお尋ねをしたいわゆる沼田ダムの件についてでございますが、最初に、建設委員会の田村委員長ほか各理事、委員諸君の非常な御協力により、たびたび質問許可をいただきましたことに対しまして、ありがとうございますと深甚の敬意を表します。 国会もいよいよ会期末になりましたし、国会が終わりますと、政府のそのときどきの問題点について直接お尋ねしたり、あるいは御注意を勧告したりする機会もなくなりますし、また近く内閣改造等もあるやに仄聞いたします関係で、瀬戸山大臣が御在任中に一応のこちらとしてはめどをつけたいと思っております。さらにまた、政治の要請はもちろん経済的に国民の生活を安定させ、安心感を持たせることが重要であるとともに、精神的な苦痛を与えることは非常に遺憾でありまして、私、その後、数回現地に参りまして座談会あるいは地元民の意向等をお伺いをしてまいりまして、やはりこのままでは放置できないという感を強くいたしましたので、この際特に質問をいたしまして、政府のその後の御所信なり、また事務当局の具体的な計画の遂行等についてお尋ねしたいと思うのであります。 先般の委員会で、昭和三十五年度から四十年度までのいわゆる利根川総合開発に関する沼田ダムを中心とした調査費につきまして、資料の提出を求めたのでありますが、その資料は届きましたけれども、非常に簡単と申しますか、たとえば昭和三十五年度の三百万円に水文観測という調査、三十六年度は水文観測と利用現況調査、流出解析、三十七年、八年も同じであります。三十九年が水文観測、流出解析、はんらん調査、利用現況調査、四十年が水文観測、洪水解析、低水解析、利水計画等となっておりまして、私どもがちょっと見ましても、字はわかるけれども、調査の内容ははっきりしないわけであります。 この資料によりますと、昭和三十五年の三百万円を最初といたしまして、四十年度までに合計五千二百万円の費用でいま言ったような調査をしていらっしゃるようであります。この調査をした結果が——少なくとも六年の歳月と五千二百万に達する費用をお使いになって調査をされたのですから、何らか具体的に調査の結果の結論が出ておると思うのです。調査した事実はこれに明記してありますけれども、調査によって得られた結果は全然出ておりません。いわゆる三十五年から四十年まで調査されました結果について具体的な御説明をお願いしたいと思います。 〔委員長退席、井原委員長代理着席〕
○古賀政府委員 三十五年度からお話のとおりに五千二百万円、四十年度までで使っております。その内容は、先ほど先生がおっしゃいましたように水文観測、利用現況調査、流水解析、はんらん調査あるいは利水計画、低水解析というぐあいになっております。この調査の具体的な結果につきましては非常に資料が膨大になりますが、やっている事柄自体を簡単に御説明したいと思います。 まず、水文観測と申しますのは、各点につきまして流量観測所あるいは水位観測所というのがたくさんあるわけでございます。あるいは雨量観測所もございます。そういった観測を河川につきましては毎年やっているわけでございます。その継続的な水文観測を続けていく。ことしは洪水が何べん出て、水位がどこまできた。低水においてはどのくらい出て、平均がどのくらいになるというような数字が出てくるわけであります。それは河川については継続的に各河川ともやっております。したがいまして、この水文観測というのは平常的な観測でありまして、その観測を毎年毎年観測資料として報告をいたしております。 それから流出解析と申すのでございますが、これは洪水が流出するときどういう機構で流出してくるか、実際の水文観測の結果からそれを解析しまして、たとえば本川と支川の合流の関係はどうなっているとか、いろいろなことをして最終的に八斗島にどのくらい水がこの雨では出るだろうという、そういった解析をやっておるわけでございます。 それからはんらん調査というのは、これは字のとおりでございまして、従来の洪水におけるはんらんはどのくらいであっただろう、そのはんらんの区域を調査しまして、洪水がそこで遅滞されるということで、その遅滞をなくしたらどういうことになるか、そういうところまでの調査をするためにはんらん調査を具体的にやっていくわけでございます。 それから利用の現況の調査というのは、おことばのとおりでございます。 洪水解析と申しますのは、流出解析を含めまして、洪水の一般的な、利根川におけるところの洪水解析をやるわけでございますが、これらの一つ一つにつきましては、洪水は洪水のたびごとに洪水速報というもので当初やりまして、後に大洪水については解析をやるというふうにいたしております。 これは毎年報告されるわけでございます。したがいまして、手元には資料がございませんが、いわゆる河川の今後の基本的な方針をきめるのにどうやっていけばいいかということをきめるための基礎的な資料を得るための調査でございまして、それによってあるいはこの川は非常に流量が出る川である、したがいまして、何らかの措置を講じなくちゃいかぬというようなことを考えていく一つの基本的な資料でございます。 調査の具体的な資料につきましては、ただいま手元に持ち合わせがありませんので、ここで申し上げるわけにはいきませんけれども、必要とあれば水文観測の資料、あるいは流出解析の資料、洪水解析の資料というのはお手元に届けることができると思います。 それから昭和四十年度の洪水解析の中で、特に従来の、たとえば二十二年の洪水がどういうぐあいになっているかというようなことを考えまして、いろいろ解析をやっております。その解析によりますと、これはまだ結論が出ておりませんが、合流関係とかあるいは従来のはんらん調査によるはんらん量が幾らであるという想定が非常にむずかしい。ああいう二十二年のような大災害におきましては、その際に、洪水のあとすぐはかるということができればいいのですが、なかなかはかれない。したがって若干期日がおくれてはかられるということで、なかなかその実態をつかむことができませんが、大体調査いたしまして、そういったことを考慮に入れながら洪水解析をやっていくわけでございますが、ただいま私どものところに一応の解析の試算みたいなものはまいっておりますけれども、それによりますと、利根川の洪水流量は相当大規模なものになるだろう、従来の一万七千トンというものは、かなりそれより上回ってくるだろうということが一応想定されております。そういうところまで現在の段階では進んでおりますことを御報告申し上げます。
○茜ケ久保委員 私がお尋ねしたのは、この六カ年間かかって、いま局長が御説明になったような調査をされましたその結果ですね。どういう具体的な結果が出ているのか、たとえば水文観測はこれはずっとやっていらっしゃるのですね。利用現況調査の結果がどうか、あるいは流出解析も四年続けてやっていらっしゃる、この結果はどうなっているのか。それといわゆる調査しただけでは——調査することは結局その結論を得て、それに対処する対策が必要になるわけでしょう。したがって数年間調査をせられて、いろいろむずかしい問題もありましょうけれども、当然そのときどき調査した結果が出てきたと思うのですよ。その結果がどうなっているか、その結果が、たとえば沼田ダムという一つの構想に対して、こういうウエートを持っているとか、何かそこに目的があって調査をされたのですから、その調査の結果をお聞きしておるわけですが、その結果はまだおわかりにならないのですか。
○古賀政府委員 一つ一つの結果につきましては、先ほどの水文観測にしましても、流出解析にしましても、毎年毎年報告書が出ておりまして、これによって詳細に知ることができます。利用現況調査でもできます。そういった解析とかあるいは水文観測の結果を具体的な資料といたしまして、洪水解析をやったりあるいは低水解析をやったりするわけであります。四十年は洪水解析と低水解析をやったわけであります。 そこで、ここで解析という文字が出ておるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、洪水解析につきましてはある程度といいますか、まだ途中の段階でございますが、先ほど申し上げたような利根川の洪水流量は従来のそういった観測の結果に基づけば相当大規模な、大規模と申しますか、従来の一万七千トンをこえる流量になる可能性があるという想定が出ております。これは解析の途中でございますので、まだ具体的に幾らにしなくちゃいかぬというような結果は出ておりません。
○茜ケ久保委員 そこで特別な一つの基礎資料のないままに一万七千トンの洪水量がさらに上回るということをおっしゃっても、これは基礎数字がないわけですから——あなたはおっしゃるのだけれども、この調査した結果資料がありませんから、一万七千トンを上回るということはお聞きするだけであって、信頼度はないわけですね。いつになったら、いつまで調査したらはっきりした結論が出るか、こういう原因が起こってこのような結果であるからという的確な結果はいつわかる予定ですか。
○古賀政府委員 河川の実態問題といたしまして、洪水の解析を明確にいたしていくということは非常に必要であります。しかしながら実態的に申しまして、従来から利根川でも、ごらんのとおりに洪水というものはしょっちゅう改定をしてきておる。利根川におきましても四回ほど改定をしてきておる。そういうのがやはり河川の実態ではないかと思うわけであります。したがいましてわれわれがいまやっている洪水解析は、二十二年のカザリン台風の結果に基づきまして、それ以後の、たとえば七号台風等も参照いたしまして、どういう流出をやってきたかというようなこと。それから二十二年の台風によりましてはんらんした水がどのくらいあったか、そういうはんらんを実際に河道の中に戻したらどうであろうかというようなことで洪水解析をやっておるわけでございます。 さらに今後この流量につきましては、流域の開発状態が進むにつれまして、たとえば東京都の市内河川におきましては従来から〇・六五とか七とかいう流出率、雨の降った——たとえば百ミリ降れば七十ミリ出るというような、洪水になってあらわれるという、雨量の洪水に対する影響が、すでに東京等におきましては一に近い数字になってきておる。そういう開発が進めばさらに流量がふえてくるだろう、こういうような問題もあります。 したがいまして現在の段階で洪水解析をやっておりますのは、現在の開発状態、それから従来の二十二年のはんらんの問題、それからそのときの流出の状況、あるいは七号台風における流出の問題等、いろいろ加味しまして、全体的に利根川はこれくらいの水が将来出るということを洪水解析をやっておるわけでございます。ただいまのところ、申し上げましたようにそれらの基礎資料をもととしましてやったところによりますと、従来の一万七千トンというのは何らかの改定を必要とするというようなある程度の資料は出ております。そういう段階であることを御報告申し上げます。
○茜ケ久保委員 普通の河川の状態でありましたならば局長の御説明で納得できると思います。ただ、いま私が問題を提起しているのは、いわゆる先般来いわれております沼田ダムというのは、一応政府当局では総理大臣をはじめ建設したいという御意向のようでありますから、そうなりますといまの答弁はやはりそのこととからんでまいります。ただ沼田ダムということがなければ、私は、まあその調査を何年かかっておやりになろうとも、あるいはまたその結果がいま出ませんでも、問題にしませんけれども、沼田ダムという地区の設定は——具体的な計画はまだないとおっしゃっているけれども、一応総理大臣をはじめ建設大臣ないしは地元から出ております福田大蔵大臣など、やるのだということをおっしゃっている以上は、やはり地元では沼田ダムができるものというように一応考えられております。そうしますとやっぱりそういったあなた方がなさっている調査というものは大きな比重を持っているわけですね。そこでお聞きしているわけなんです。まあそれはそれとして、いま局長のおっしゃる一万七千トンというものをかなり上回って、これは調整する必要があるという結論が出ているようにおっしゃるのでありますが、その具体的な数字なりその他またあらためて資料をいただいてわれわれも検討します。 そこで、これは建設大臣にお伺いするのですが、実は私きょう福田大蔵大臣にここへ出席を求めたのですが、と申しますのは、群馬県出身である福田大蔵大臣がたびたび沼田ダムについて発言をしております。彼の発言は非常に積極論であります。しかもその基礎が、日本の経済発展に非常に大きなウエートがある、福田大蔵大臣は、沼田ダムの建設は日本の経済発展上実に大きな影響があるものであるから、幾らかの犠牲は払っても建設すべきである、もちろん地元の了解を得ることが前提であるということは断わっておりますけれども、とにかく経済発展上欠くべからざる重要なダムであるからやりたいということをおっしゃっている。そこで私は福田君に、どういう基礎的な数字で経済発展に大きな力を持っているかということをお聞きしたいと思ったのですが、大蔵委員会と一緒のために見えませんけれども、建設省では先般来私の三回行なった質問書に対して、常に、洪水調節上いわゆる治水上沼田ダムが必要だとおっしゃるけれども、とにかく治水上かなり大がかりなダムの建設が必要だとおっしゃっている。利水上ということは一つもおっしゃってない。ところが瀬戸山建設大臣も佐藤内閣の重い立場にいらつしゃるけれども大蔵大臣である福田君が、佐藤内閣の一方の柱としております福田君が、経済発展のために必要だということになりますと、これはもう完全に利水でございますね、治水でなくて。一方では治水ということを大きく主張され、片方では利水の面から主張される。どうも私どもは従来主張してまいりました沼田ダムは治水ということは、洪水調節なりその他の治水は表看板であって、実際はやはりこれは独占資本に奉仕する工業用水その他のこれはもう利水が重点ではないかということを言っておったのでありますが、語るに落ちると申しましょうか、福田大蔵大臣がたびたび群馬に参りましてそのたびに主張しておりますこの談話なりあるいは新聞記者との会見における発言等を見ますと、いま申しましたように経済発展ということを非常に強調されている。この点に対して建設大臣は、建設の当面の責任者として、福田大蔵大臣のこういう主張は建設省が主張される治水からくる必要性というものと矛盾すると思うのですが、いかにお考えか、所信を伺いたいと思います。
○瀬戸山国務大臣 その前に、先ほど来河川局長が御説明いたしましたように、建設省といたしましては利根川のみならず重要な大河川については、常に、先ほど専門的なことばで言っておりますように、水文調査その他をやっておるわけであります。御存じのとおり、河川の状況というものは固定したものではございません。これは自然の雨の降り方もありますし、あるいは河川流域の変更、それから各地の開発その他の状況から常に変遷、変転しておるものでありますから、これに対する治水あるいは防災上の見地からも常にそういう問題を検討しておるわけであります。何年検討すればそれでもうこれで今後おしまいだということはないわけであります。検討を続け、その間ある程度の結論が出れば、それに対応する措置を講ずる、こういうことをやっておるのだということをぜひ御理解願っておきたいと存じます。 それからもう一つ、大蔵大臣がどういう発言をされたか直接私はわかりませんけれども、いまおっしゃったようなことを申し述べておるであろうと思います。私どもが、この利根川ばかりじゃありませんけれども、川を考えます場合には、もちろん治水と防災、これは第一に考えております。それからもう一つは、言うまでもなく、水の利用、利水であります。御承知のとおりに、わが国は非常に資源に乏しい国でありますが、水というものは飲み水その他エネエルギー源、こういうものとしてはこれはばく大な資源でありますから、これをむだにするということは国民経済上、国民生活からいってもきわめて不適切でありますから、これは年々歳々天から降ってまいります雨をどう利用するか、どう国民経済に寄与するようにこれを活用するかということは、これは当然の責務であります。利水だけ考えるというわけにはまいりません。治水と防災をして、なおかつその水を有効適切に使うということが国家として当然のことであります。 〔井原委員長代理退席、委員長着席〕 そういう意味で福田大蔵大臣がどういうことを具体的に言ったか知りませんけれども、国民経済上重要な問題である、あるいは経済発展上重要なことである、こういうことを言うたといたしましても、これはちっともふしぎではございません。ことばを返すようで恐縮でありますが、茜ケ久保さんはそういうおつもりでないと思いますけれども、独占資本に寄与するなどという考えは全然ありません。これは水をどう利用しあるいは飲料水あるいは工業用水あるいは発電用水、その他農業用水等に最高度に水のエネルギー資源を利用するということは、わが国にとって最大限の資源でありますから、これを利用して経済を発展させるということは、これは独占資本とかなんということとは全然別なものであって、こういうことによって国民の利益をはかるということは当然のことではないかという考えを持っておるのであります。建設省といたしましては、重ねて申し上げて恐縮でありますが、まず川については治水、防災、これを完備して、その水はできるだけ一滴でも有効に使いたい、これがたてまえでございます。 ————◇—————
○田村委員長 茜ケ久保君の質疑中でありますが、この際、都合により日本勤労者住宅協会法案を議題といたします。 —————————————
○田村委員長 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。井原岸高君。
○井原議員 ただいま議題になりました自由民主党、日本社会党、民主社会党提案にかかります日本勤労者住宅協会提案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 近年著しく改善された衣や食に比べ、国民生活の最も基盤となる住宅事情がはなはだしく立ちおくれていることは、御承知のとおりであります。 このため、政府においても、社会開発の一環として住宅対策を重視し、国民の居住水準の向上をはかり、少なくとも昭和四十五年度までに一世帯一住宅の実現を期することとし、今国会に住宅建設計画法案を提案し、これに基づき昭和四十一年度以降毎五年ごとに住宅建設五カ年計画を策定することとしておりますが、今後の計画においては、公営住宅、公団住宅などの住宅建設の拡充をはかるとともに、民間資金を活用して、一般の民間住宅の建設についてもその促進をはかる必要があります。 住宅の供給機関としては、昨年六月の地方住宅供給公社法の制定等により公的な供給機関はほぼその整備を終えたのでありますが、住宅建設の大宗を占める民間住宅の建設についての機関はまだ十分であるとはいえず、今後その整備が必要であるというのが現状であります。 この法律案は、以上の観点から、今後一般民間住宅の建設の促進をはかるため、勤労者の自主的組織によって良好な住宅が勤労者に供給されるよう日本勤労者住宅協会を設立することとしたのであります。 次に、その要旨を御説明申し上げます。 まず第一に、勤労者に対し住宅供給を行なう民間の自主的組織として設立される本協会の性格にかんがみ、出資者の範囲を労働金庫及びその連合会、消費生活協同組合及びその連合会、その他勤労者のための福利共済活動などを目的とする団体に限定することにいたしました。 第二に、本協会の行なう事業としましては、勤労者の蓄積した資金を他の資金とあわせて活用して、勤労者のための住宅の建設、賃貸その他の管理及び譲渡並びに宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡等を行なわせることとしております。業務の適正をはかるため、建設大臣が定める基準等に基づいて住宅の建設を行なうことといたしました。 第三に、本協会は、建設大臣が監督することとし、定款の作成及び変更、役員の選任または任命、業務方法書の作成及び変更、事業計画及び資金計画の作成及び変更につきまして、事業の公益性を確保し、経営の健全化をはかるため、建設大臣の認可を受けさせることといたしました。 なお、事業計画、資金計画の認可にあたっては、建設大臣は厚生大臣及び労働大臣に協議することといたしております。 第四に、本協会の組織として、出資者の意思を反映するとともに、業務執行の適正を確保するため、出資者の代表及び学識経験者からなる評議員会を設置し、定款の変更、業務方法書の作成及び変更、事業計画及び資金計画の作成及び変更等の重要事項の議決機関といたしております。 第五に、本協会による住宅の建設及び宅地の供給が円滑に行なわれるよう国税、地方税を通ずる税制上の優遇措置及び宅地建物取引業法の適用の特例措置を講ずるとともに、住宅金融公庫及び年金福祉事業団が、本協会に対し必要な資金の貸し付けについて、配慮しなければならないことといたしました。 なお、協会の設立に伴い、現在の財団法人日本労働者住宅協会の権利及び義務を、本協会が承継することができることといたしました。 以上がこの法律案を提案する理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
○田村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○田村委員長 これより質疑に入るのでありますが、別に質疑の通告もございませんので、この際、内閣に意見があれば、これを許します。建設大臣瀬戸山三男君。
○瀬戸山国務大臣 住宅建設がわが国現下のきわめて緊急な、また重要な問題であることは申し上げるまでもございません。政府といたしましても、御存じのとおりに住宅建設計画法等御審議を願い、なお五カ年計画等を策定して、この住宅建設の推進をはかることに全力をあげておりますが、これは国民各界各層の資金的その他の御協力を得なければ、なかなか簡単に目的を達成することはできないと思っております。 そういう際に、勤労者等の資金も動員してこの住宅建設計画を推進しよう、こういう趣旨の立法でありますが、私はきわめて時宜に適した委員各位の御提案であろうと思います。さように考えて、私は賛成の意思を表したいと思います。(拍手) —————————————
○田村委員長 これより本案を討論に付すのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 日本勤労者住宅協会法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。(拍手) おはかりいたします。ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。さよう決定いたしました。 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○田村委員長 再び河川に関する件について質疑を続行いたします。茜ケ久保重光君。
○茜ケ久保委員 四十年度までには以上お聞きしたようなことを調査されたのでありますが、四十一年度におきましても重ねて二千万円の調査費が計上されて今日に至っております。先般の委員会でこれについてお尋ねしたのでありますが、現在地元の事情等で調査のめどがついていないという御答弁でございました。今日もうすでに四十一年度も四月、五月と過ぎまして、六月も半ばを迎えようとしております。 〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 幾ら地元の関係がございましても、この調査の内容なり、ないしは具体的な調査の計画等もすでにできておると思うのでございますが、四十一年度の二千万円の調査費はどのような調査をされるのか、そしていつごろから始める予定でおられるのか、この点をお尋ねいたします。
○古賀政府委員 岩本ダムは非常に大きなダムでございまして、この調査は非常に綿密でしかも周到でなければいかぬと思います。したがいまして相当額の調査費が要るだろうと想定されます。四十一年度分につきましては、この前の委員会でも御報告申し上げましたとおり、一応二千万円を計上しております。 その二千万円の内訳は、大体地形、地質に相当額を使う、それから従来の水文観測を相当額続けていく。そのほかに、ああいうダムでございますので、関連開発的な調査を予備的にやりたい、その他合わせまして二千万円ということでございますが、この額は、特に関連開発調査についてはまだ相当額必要ではないかと考えますし、具体的に立ち入りもできない状況でございますので、相当上回るのでございますが、これは今後具体的に検討していきたいというふうに考えます。
○茜ケ久保委員 事務当局は、先般の質問書を提出する段階においては、沼田ダムの建設に対しては何ら考えていないということであったのでありますが、ただいまの局長の御答弁を聞いておりますと、この二千万円の沼田ダム調査費が計上されましたし、さらに沼田ダムはあのように重大なダムであるから、建設費も調査費もかなり多額を要するであろうし、時日もかなりかかるだろうという御答弁でございますが、そうしますと、先般の瀬戸山建設大臣の沼田ダムを建設したいという御意向、さらに総理大臣もそういう御希望であるということ、あわせていまの二千万円の四十一年度の沼田ダム調査費、さらにいま重ねて河川局長の、沼田ダムはかような重大なダムであるからということを総合しますと、すでに事務当局も沼田ダムの建設に向かっていわゆる準備なり前進をしているというふうに理解していいと思うのですが、間違いないでしょうね。
○古賀政府委員 ダムの調査をするのにはいろいろ段階がございます。第一段階としまして予備調査をやるわけでございます。予備調査というのは、このダムはできるのかできないのか、地形、地質的にどうなのか、そういった調査を具体的に進める。これは岩本ダムにつきましてはあくまで予備調査でございます。したがいまして、地形、地質を調査いたしまして、かりにダムをつくるとしましてもどの程度の高さが適切であるか、あるいは高さがどの程度にまでこの岩盤ではつくれるか、それからまた、水文調査の結果によりまして、水量を幾らためたほうが一番経済的であるか、いろいろな問題があるわけでございます。それから別途、利水上の要請でさらに確保しなければならぬ利水容量も当然考えられます。そういったものももろもろ考えながら、予備調査をやっていくわけでございます。この予備調査の段階で、この調査を進めていって、岩本ダムを必ずというような具体的な結論が出るものというふうにわれわれは考えます。
○茜ケ久保委員 もちろん調査でありますから、調査の結果でつくるつくらぬは決定するのだろうと思うのです。しかしいままでは、事務当局では沼田ダムというものは計画もないし、考えてもおらぬということであったのが、一応沼田ダムというのは——これはほんとうの名前は岩本ダムとおっしゃっているのですが、通称沼田ダムと言っているのです。いわゆる予備調査にしろ、一応これは調査の結果、あらゆる条件が整えば、当然これはやるということでありますから、いままでは沼田ダムは全然考えてないということだったのであるが、今度は、沼田ダムというものは、調査の結果によってはつくるのだということになったわけですね。それははっきりしたわけです。その点を先ほどお尋ねしたので、事務当局も先般よりも数歩前進したと思うのであります。 これはそれで理解いたしますが、いま具体的に調査をまだお始めになりませんが、しかしこれは少なくとも調査費も出ているのでありますし、過去六年間の調査の上積みでありますから当然なさるのでしょうが、こういう調査は、沼田ダムのような、非常に問題もありますし、膨大な調査でありますが、これは建設省が独自の立場でおやりになるのかどうか、あるいはまただれかに委託してやられるのか、また県なり市なりに委託してやられるのか、この調査の具体的な施行はどういうふうなことでおやりになるのですか。
○古賀政府委員 従来からの建設省でやります多目的ダムにつきましては、建設省が主管してやります。ものによってはあるいは地元に委託調査をやってもらったこともございます。そういう状況でただいままで多目的ダムを進めてまいってきております。
○茜ケ久保委員 沼田の場合はいかようにお考えですか。沼田ダムの調査の場合にはそのいずれの方法をおとりになる予定でありますか。
○古賀政府委員 岩本ダムの場合には、現地の立ち入りもできませんし、ただいまのところこれをどういうぐあいに推進していくか、今後の問題として検討いたしたいと思っております。
○茜ケ久保委員 現地に立ち入りできないとおっしゃっていますが、何か具体的に現地にこのような調査をしたいから協力方を頼むというような御連絡なり、そういった意思表示をなさったことはあるのですか。
○古賀政府委員 実はそういう調査をやりたいと思ったのですが、地元のお騒ぎが非常に大きくなりましたので、われわれとしましてはなかなかそういう調査ができぬということでございます。
○茜ケ久保委員 具体的に何ら意思表示をしないで、ただ地元が騒ぐということはどういうことか知りませんが、別段地元では反対大会をやったりなんかは全然ないわけです。実に地元の人は純朴でありますから、ただおびえておるわけです。瀬戸山建設大臣の顔が鬼のように見える、そういう気持ちでいらっしゃるのですから、おびえていらっしゃるだけです。先ほど言ったように不安を持っていらっしゃる。騒いだりなんかしているわけじゃないのです。やはり建設省としては、もう二カ年も過ぎたのですから、何ら地元にそういうお手当てをなさらずにただいるのでは責任がないと思うのです。これは当然何らかの意思表示をされなければならぬと思うのですが、これについて、まだいまのところ、地元の様子を見て静観されておるのですか。いかがですか。
○瀬戸山国務大臣 河川局長が申し上げたことは、お騒ぎになっているという表現は、結局これは長い間の問題であります。しかもかりに沼田ダムというものを建設する技術上の可能性がある、こういうことになりますと、率直に言って、水没地帯その他関係するものがたくさんありますから、いろいろ地元としては問題があろうと思います。そういう意味でそう簡単にいかないのだ、こういう観念をいま申し上げておると思います。 そこで、従来も何回か申し上げておりますように、これは今日に始まった問題でございませんから、また県なり、沼田市、いわゆるほんとうの地元、こういう皆さんと一応事前にこの問題について話し合いをした後に、調査すべきものは調査したい、いわゆる調査に御協力願いたい、こういう段取りでやりたいというのが私どもの立場であります。まだその段階にきておらない。この前予算委員会等においても申し上げましたように、早い機会にそれをやりたいと私自身今日思っております。けれども、国会がこういう状態でありますから、まだその時期でない、こういうことでありまして、これは別に火がついたように騒ぎ立ててどうこうしようという問題ではございませんから、十分地元の皆さんともこの問題の性質、かりにやるとすればどういう影響があるか、どうすべきか、地元の皆さんはどうあるべきか、こういうことについていろいろ意見交換をして、それで具体的に可能性があるものかどうか調査に入る、こういうことでありますから、まだその段階に至っておらない。したがって、簡単にこれからポールを持っていきますよ、こういうものとは違いますということを申し上げておるわけでございます。
○茜ケ久保委員 後ほどお聞きしようと思ったのですが、ちょうど大臣が御発言なさったので、この際お尋ねいたしますが、これは瀬戸山建設大臣、長い懸案を、その結論——結論と申しますか、おっしゃったことがどうあったとしても、初めて瀬戸山建設大臣が沼田ダムをやりたいという意思表示をなさった。それはそれとして私どもは評価したいと思います。これは政治常識でありますから端的に申し上げますが、国会の終了後いつの機会か内閣改造があるようであります。幸いにして建設大臣が御留任いただけば問題はございませんが、通例大体更迭されていることが多いので、それで心配するのでありますが、瀬戸山建設大臣がやりたいということをおっしゃっていただいたのでありますから、たとえば調査に対する了解なりあるいは地元の知事、市長に対する話し合いなりは、私にすれば瀬戸山建設大臣がやっていただくことが一番望ましいと思います。また責任もあろうかと思うのです。先般の委員会では、国会が延長にならなければ六月には行ってということでございましたが、延長になったので時期は延びました。私、ここで何月何日とは申しませんが、瀬戸山建設相が御在任中に、早い機会にこのことをやっていただくことが望ましいし、また地元でもそういうことになればおそらくそれを望むと思うのですが、そのような御意思がおありかどうか、伺っておきたい。
○瀬戸山国務大臣 私は建設大臣いつまでか知りませんけれども、私は現在やめようなどと考えておりません。やめるからどうでもいいというようなそう無責任なことを考えておりませんから、ぜひそうしたい、こういうものは真剣にお互いに話し合って地元の皆さんの将来を考える、そういうことでないとできるものでありませんから、そのつもりでおるわけでございます。
○茜ケ久保委員 少し観点を変えてお尋ねしたいのですが、実は先般群馬県知事が、この問題に対して公式に五つの条件をあげて反対の意思表示をしました。これはやはり大事だと思います。これは建設大臣にかどうか知りませんが、一応新聞が発表したので、知事からももちろん意思表示がありましょうけれども、私、この新聞によりまして知事の五つの反対の理由について申し上げて、これに対する大臣の御所見をお伺いしたいと思います。 その第一点は、「洪水調整の基本計画に対する反論」といたしまして「利根川水系の洪水調整は八斗島地点で一万七千トン、上流ダム群で三千トン調節することによって下流の河道配分量を一万四千トンで解決することになっている。上流においてはすでに藤原、相俣、薗原ダムが完成し、近く矢木沢が完成するので三千トンのカットは可能になる。しかし、八斗島下流の一万四千トンの河道配分流量計画は、当初の江戸川五千トン、利根運河五百トン、鬼怒川の流入量を調節する稲戸井、田中遊水池の改修、利根導水路の三千トンカットなど見通しが立ってない。治水対策の完ぺきを期するというならこれらの治水事業の完成を急ぎ、そのあとに沼田ダム建設が論議されるべきである。」とありますが、この点はおかしい、こういっておるのですが、この第一点は具体的な問題ですから河川局長にお伺いいたします。
○瀬戸山国務大臣 私から……。先ほど河川局長から申し上げましたように、現在までの利根川の整理の問題ではそういう計画で進めておるわけであります。けれども、先ほど申し上げましたように、河川というのは年々歳々非常な変化がある。そういうために水文調査その他をやっておるということを御説明いたしました。そういうことで、固定したものじゃないのであります。しかも、先ほど申し上げましたように、治水あるいは防災だけで川を考えておる時代はもう過去のものであります。その水をいかに利用するか。日本第一の利根川の水がきわめて少量しか利用されておらないということは、政治の貧困であります。そういう意味でやはりこの水をどう利用できるかということは政治家が責任者として当然考えることであります。そういう事実がないとは申し上げませんが、やはりそれはもちろんやらなければならぬ。やらなければなりませんけれども、かりにお話し合い等ができて岩本ダムを建設するといたしましても、二、三年でできる仕事じゃありませんから、やはり将来を見通して、水資源の利用、そういうものを考えて今日の段階から調査を始めるということは決して不合理でもなければ国民の利益に反するものでもない、私はかように申し上げておきたいと思います。
○茜ケ久保委員 第二点、第三点、第四点、第五点を簡単ですから一緒に申し上げます。 「反論の第二点は、遊水池事業に対し見解をのべている。利根川、鬼怒川合流点の稲戸井、田中遊水池の改修で二千トンがカットされ、渡良瀬川は赤麻遊水池で四千五百トンがカットされ、計六千五百トンの調節で利根川の治水は可能である。このような遊水池の利用をじゅうぶん検討すれば、大きな犠牲を前提とする沼田ダムの建設は必要でなくなる。」 「第三点は、水源開発計画に反論している。昭和四十五年度の水の用途、需要見通し目標は、上水道五十トン、工業用水三十トン、かんがい用水四十トンが基本計画で定められている。これを供給するためには、印幡沼、河口ぜきの事業が計画されており、約七十五トンが確保されている。さらに霞ケ浦、荒川、利根導水路事業の開発に着手すれば、水の利用は充足される。」 「第四点は、人口増加、経済開発の進展にともなう将来の水需用の問題に対する反論。長期展望に立った水の供給計画がなく沼田ダムの建設にこれが求められているが、利根川の余剰水の活用をもっと検討し、各行政区域内に大規模な貯水池を建設して導水する方法を考えるべきである。」 「最後に第五点の反論として、政府は首都圏内の人口過密化にともなう水対策として沼田ダム建設を正当化しようとしているが、ダム建設を考える以前に人口過密化防止の行政措置を考えるべきである。」 これらのことを言っている。これは私がいつも指摘している。建設大臣は首都圏整備委員会の委員長でもあるし、首都圏整備委員会のほうの責任を持っているのですが、こういうことを知事のほうで反論されているわけです。これはただ単に新聞によってでありますが、知事としては精一ぱいの気持で言っておられる。これは私たちの立場と違ってやはり行政の長でありますし、選挙もされた方であります。政府とすればこれに対する反論はもちろんお持ちでしょう。お持ちでしょうが、こういうふうにやはり県の知事が堂々と——特に自民党の公認の知事であります。自民党公認の知事が堂々とこれだけのことを言うのにはこれだけの理由があると思う、ここに出ました以外に。こう申し上げれば建設大臣としての反論のことばもありましょうが、一応こういうことに対する御所見を伺いたい。
○瀬戸山国務大臣 そういう五項目にわたる反論といいますか、意見というものは、正式にはまだ建設省には何も連絡がございません。いま初めてお伺いするわけであります。知事さんがいろいろお考えなさる事情もよくわかります。わからぬわけじゃない。わからぬわけじゃないから、知事さん等と事前によくお話をして、向こうの考え方も、またこちらの考え方もよく意見を交換して、それから進めたいというのが私どものしばしば申し上げておる立場であります。いまここでどうだこうだということは言わぬほうがいいのではないかと思います。原則論としては先ほど申し上げたとおりで、第一の点はこれも同じでありますからいろいろ申し上げませんが、あまり言われますと、たとえば群馬県の知事が例の尾瀬沼の水はこっちへよこせ、ほかのほうはどうでもいいんだ、局地局地で開発したらどうかというような意見はあまりおっしゃらぬほうがいいだろうと思うのであります。これだけ申し上げておきます。
○茜ケ久保委員 尾瀬の水のことをおっしゃると、私はかまわぬけれども、知事あたりはだいぶ痛いと思いますが、それはそれとして、私は知事の立場はひとつ十分に理解してもらわなければ困る。 そこで経企庁の水資源局長は見えておりますか。——いままでお聞きしたようなわけでございますが、経済企画庁ではかつて沼田ダムについて調査をし、あるいは何か計画したことがありますか。この点お伺いいたします。
○鈴木(喜)政府委員 企画庁単独で具体的に考えたことはございません。
○茜ケ久保委員 首都圏整備委員会があなたの管轄している水資源公団に、これは公式か非公式かわかりませんが、沼田ダムのダム建設に対する計画の策定を依頼した事実があるのでございますが、このことも御承知でございますか。
○鈴木(喜)政府委員 企画庁から公団にお願いしたことはございません。
○茜ケ久保委員 実は先般水資源公団の当事者にお聞きしたのでございますが、首都圏ということで発言されたので首都圏整備委員会だと思うのでありますが、依頼されて、ある技術者が沼田ダムについての計画を志向した事実がある。これは百十二メートル、五億五千万トンの貯水量を持ったダム、これは一つのペーパープランとしてそれをつくっておられる事実がある。こうなりますと、これは首都圏がどういうことで依頼されたか知りませんが、これははっきりしているわけです。現に事実があるのです。こうなりますと、沼田ダムはどう建設省で言われましても、これは松永さんじゃありませんけれども、これをおいてほかに日本にはダムらしきダムはない。これがまあ史上最高のダムだし、日本では最後のダムだとおっしゃる。その上にいろいろと批評されておる。と同時に、最近私がダムの権威者にお伺いしたところによりますと、治水の面だけでしたら、いわゆる洪水調節の面あるいはその他の面だけでしたら、沼田ダムをつくらなくとも利根川の上流その他に分散してダムをつくることによって沼田ダムをつくったと同様に効果があるということをおっしゃっている。これは時期がきたら名前を申し上げてもいいのですが、いまは保留しますけれども、日本におけるダムのかなりの権威者ですが、よく聞いたら、いわゆる沼田ダムはつくらぬでも、治水の面だけならば、これは利根川の上流なりその他に分散ダムをつくればできる。それから利水ということになると、沼田ダムに匹敵するものはない。利水の面からすれば沼田はどうしてもつくらなければならぬということをおっしゃっている。これは私どももそう思うのですが、先ほど来これはもう何べん言っても、建設大臣とは意見が違ってきますから何ともはや申上げませんが、そういういわゆる治水という立場からならば沼田ダムをつくらぬでもという専門家の意見がある。それから地元の知事がこれに反対をしておる。それから私は先般来、何回か水没地域に行って座談会を開きましたが、非常に反対が強いのです。これはおそらく大臣は富里の空港のことを御存じだと思いますが、私も空港に参りましたが、空港も反対が非常に強いのです。これは悲壮な気持ちです。それからこれは建設省の案じゃありませんが、産業経済会議の案に従って地図に線を引いてみました。最高水位三百七十何メートルですか、線を引いてみましたら、これは驚くなかれ最初の予定では水没個所は二千数百戸と思っておりましたが、この地図に三百七十五メートルの線を引いてみますと、現在の密集地帯ではこれは水没個所がおそらく五千戸を上回ります。そうしますと、沼田市の約半分近いものが水没する。それから、国鉄の駅が三つ沈みます。このように非常に広範囲に水がたまりますので、利根沼田というのは経済的存立ができなくなる。沼田市の繁華街であるところは完全に水に囲まれまして一方しか出口がない。そして利根郡といういわゆる消費者の住んでる地域と完全に遮断されますから、これはもう消費都市としての意味はなくなります。いわゆる観光施設なり何なりをつくるとおっしゃっても、この五千戸に達する水没者と三千町歩以上に達する水没農地、それから残った地域のほうがむしろ被害が大きいというこのダムの状態等、いろいろな観点から考えてまいりますと、私はせっかく佐藤総理はじめ瀬戸山建設大臣が沼田ダムをつくりたいというお気持ちはわからぬでもございませんけれども、この際むしろ調査等はおやめになって、私は先ほど建設大臣にいつ地元とお会いになるかということを聞きましたけれども、もうお会いになる前にこのことはひとつぜひこの際あきらめて、沼田ダムはもうつくらぬというお気持ちになって、これはむしろあなたが佐藤総理に進言されて、あれはせっかく計画を始めたけれども、確かにダムとしてはまことに史上最大の、しかも最優秀のダムだけれども、五千戸に達する水没者、三千何百町歩という水没農地、しかも利根沼田という一つの地域を経済的に成立し得ないような状態におとしいれることは、いかにダムがいま指摘されるようにいろいろな観点から重要視されても、いわゆる治水の点だけならば他に幾らでも方法があるのでありますから、この際むしろ端的に政府はこの沼田ダムの建設をひとつこの辺で中止することのほうが妥当である、これはまた責任ある政治家としては当然そうあるべきであると思うのであります。建設大臣は、いまさら反対の強い現地に行って御了解を得る努力をされるよりも、むしろこの際そういう見地から断然このダムの建設は中止するということのほうが、政治的にもいろいろな意味においても数等まさっていると思うのです。ひとつ大臣、はっきりここで沼田ダムはそういう観点ならやらない、心配するなという御言明をなさってはいかがでしょう。
○瀬戸山国務大臣 せっかくの御意見でありますけれども、中止するとかしないとか、まだ始める具体性ができておらないんですから、茜ケ久保さんが図面に線を引いておられますけれども、それは産業計画会議が六億トンとか八億トンとかためるとかなんとか、いろいろあるようでありますが、建設省はそれがいいものかどうかまだ実地に調べたこともありません。またそういうものをでかして、そして代地まで考えることができるものかどうか、可能性があるのかどうか、利水もさることながら、それで一体経済効果がいいのかどうか、こういうことがまだ検討に入っておらないんです。ですから最初からやめますと言うわけにはまいらない。そういうものであるかどうかということをまず調べてみなければわからぬというところでありますから、せっかくでありますけれども、ここでもうやめますと養うわけにはまいらないのであります。
○茜ケ久保委員 せっかくの武士の情けによる忠告をお聞きにならぬのは、これはやむを得ません。まあそれは既定方針によってお進めになってけっこうでしょう。そうなりますと、私どもは先ほどから申しますような観点から、ただ単に党とかあるいは個人というようなことではなくて、やはり政治は民生安定を、あるいは安住の地を与えることが要諦で、これは地元民の要望にこたえて地元民に協力せざるを得ない。したがってそうなるなら、やるかやらぬかわからぬとおっしゃったけれども、やりたいから調査される。それならば地元民は、政府がやりたいということで調査するならば当然心配します。したがって私どもは、こういういろいろな例をあげて、必要性ももちろんあるけれども、それは他に方法がある。絶対にそこにつくらなければ日本全体の発展がいかぬということならまた別であります。そうではないと思うのですね。したがって私はここではっきり申し上げますが、ひとつこの次の国会でさらに瀬戸山建設大臣と相まみえることがあれば、これはまたいろいろと申しますが、私としてはそういう立場で、ただ単に私の地元ということではなく、これは反対せざるを得ない。したがってこれはへたすれば調査すらできない状態に追い込まざるを得ない。私はやはり政治家として必ずしも政府のやることに一々御協力できない点もあるのですから、これはやはり地元民の立場、日本全体の政治の姿勢の立場から、どうしても強力に反対を推進せざるを得ない。したがってその点は、ひとつ大臣も御了承の上適当な処置をされるように期待し、私も一応きょうの質問はこういうことを申し上げて終わりといたします。
○井原委員長代理 栗原俊夫君。
○栗原委員 ただいま同僚茜ケ久保君から、利根川水系のダム問題についていろいろと質疑が行なわれたわけですが、この中で大臣は、下流の洪水によるところの災害を防ぐいわゆる防災の立場に立つところの洪水調節、一方には、せっかくある水をただ単に流してしまうということの愚を避けて、これを貯水することによって大いに水を利用する、こういう観点に立って沼田ダムをつくりたい、こういうお話であります。むろん川は治めなければならぬし、治める以上はその水を利用せねばならぬ。このことについては私も同感なんであります。問題は、そういう施設が関連した人たちの全面的な協力によってできる、こういうことならばこれは問題はありません。そこで問題が二つに分かれると思うのです。どうも地元の人たちは、話はわかるけれども、われわれが犠牲になるのはいやだという場面が出てくる、このときどうするか、ここがやはり問題だと思うのです。したがって大臣が沼田ダムをつくりたい、そのことが防災にも利水にもなるのだ、このことはわかるのですが、その必要度ですね。上で洪水時の水を貯水することが洪水を調節することに役立つことは、これは間違いないし、また、ためた水が使えることは間違いないのだが、どうしても上で水を洪水時にカットしなければならないかどうか。上で貯水するほうがいいのだということはわかるけれども、いいということと、ねばならないということとはおのずから違いがあると思うのです。そのことによってねばならないものが、関係の人たちの一応反対があっても、法によってあるいは土地収用法なりさらには公用土地に関する特例法なりを発動するという場面も出てくる、こういうことになってこようかと思うのですが、大臣のお考えは、関係者がもろ手をあげて賛成する、公用土地の収用に関する特例法とか、土地収用法などは発動することなしに、できるならばつくりたい、こういうのか。そうではなくて、かりに関係者の人たちが反対であっても、どうしてもつくるのだ、こういうのか、この辺をひとつ明らかにしてもらいたい、このように思います。
○瀬戸山国務大臣 公共事業等をやります場合に、ものによっては反対があってもやらなければならないものがあると思うのです。しかしそれはまあ、まれなることであろうと思うのであります。具体的にいえば沼田ダムのことを申し上げておきますが、あらましの方々は、そういうことであればしかたなかろうといいますか、やむを得ないといいますか、賛成だといいますか、そういう状態でなければこういう事業は一片の法律で解決するものじゃありませんから、そういうことは私は考えておりません。問題は、先ほど来申し上げておりますように、治水、防災、それから水の利用、こういう点と、それは非常に広い意味の関東地域といいますか、日本経済に寄与する。しかしそこに直接関係がある皆さんは、そんなよけいなことをしてもらわぬでもよろしい。よくわかるのです。でありますから、地元のほうから言わせると、そういうよけいなことをした場合に、やはりしたほうが地元のためになる方法があるかどうか。そこまで考えていかなければ、私どもはこういう大事業はできないという原則的な考えを持っております。したがって、一体そういう方法があるものかどうか。あの地域あるいはあの周辺で、どういう改革をするとどのくらいかかるか知りませんけれども、想像しただけでもばく大な金がかかるわけであります。そういうばく大な金をかけて、広い意味の経済、国民の利益をはかる場合に、地元の皆さんも従来より以上によくなる方法があるか。少なくとも従来よりよくなる方法を講じなければ、こういう仕事はできないし、やるべきではないという基本的な考えを持っております。そういうところを研究しませんと、この問題は解決しない。そこまでいかなければ、おおよそ大部分の人々の御理解を得ることは、私はできないと思います。そういう立場でございます。
○栗原委員 実は先般も決算委員会の場で、少しく河川局長とこの問題についてやりとりをやったわけなんですが、一般には建設省でやる仕事は公共の仕事なんだ。公共の仕事は反対をしても、土地収用法なり特例法の発動があるのだ、こういうぐあいに受けとめるわけです。そういうことが発動できないような仕事を企画するはずがないとは思っておるのですが、しかしただ単に多目的ダムをつくるのだということだけでは、法によって強行する要件を備えているとは私は思いません。したがって、ここに大きなダムをつくれば、洪水時の水が貯水できるのだ、さすればないよりいいのだ、こういうことだけでは、これはかりに関係住民なり関係土地所有者が反対した場合に、その反対意思を押し切ってまでやる要件にはなっておらぬと思うのです。どうしてもいま八斗島流量をこれだけカットしなければならぬ。この絶対的な必要性を前提としなければ、やはり洪水調節という立場に立った土地収用権あるいは公用土地の特例法を発動する根拠にはならないと思うのです。もちろん多目的ダムですから、他の公共性を持ったいろいろな工業用水とか農用水とかあるいは飲用水とかいろいろありましょう。ありましょうが、工業用水は工業用水なりに必要性を持つということ、この評価、農業用水は農業用水で、強行してもやらねばならない公共性の評価、それぞれの評価が相寄って、多目的ダムは強行してでもやらなければならぬ、こういう事業認定という姿が出てくるのだと思うのです。ところがどうもいままで聞いてみますと、必ずしも八斗島におけるところの流量を調整するために、沼田ダムでなくてはならないという答えが出てこない、こういうようなぐあいに思います。 さらに沼田ダムは、いまいろいろ研究中だと言いますが、いま一つ支川である吾妻川に八ツ場ダム、これは夢まぼろしではなくて、四十三年にはやろうかというような具体策が進んでおるようなんですが、こういう点はもっとはっきりとやるときめたら——やるときめたことになぞらえて必要性をつくり出すのではなくて、必要性があって、どこへつくるかという発想になっていかぬと、これはどうもものの持ち運び方が逆である、こんなぐあいに考えられます。これはおそらく河川局長が答えるだろうと思うのは、それはそう言うけれども、八ツ場ダムは分散ダムでやってきたけれども、まだ洪水時のカット量が足りないのだ、だから必要なんだ、こう答えるにきまっている。しかしそのことがもしほんとうに必要ならば、できるかできぬかわからぬような沼田ダムなどでやっておいて、そしてそういう危険な状態を放置することは、これは建設行政の怠慢だと私は思う。それは一日も早く八斗島でもって上流のカットは調整しなければならぬ、即刻やらなければならぬ、このように思うのです。だからその辺の調子が、まあまあ大体いいのだけれども、こういうものができたほうがベターなんだというような必要性しか考えられぬような気持ちがしてならぬのですが、これは局長でなくて、ひとつ大臣からいま一度お答えを願いたいと思います。
○古賀政府委員 実は利根川三千トンを上流ダムでカットいたしまして、下流の八斗島で二万四千トン。先ほど茜ケ久保先生からお話がありましたように、薗原とか相俣だとか下久保とか矢木沢等において、二千トン以上のカットができる。そこであとの残量をまだカットしなければならぬということになってまいります。その一環としまして、矢木沢、八ツ場それから現在論議されております沼田とかいろいろな問題があるわけです。それで下流におきましては、先ほど遊水池の問題もありましたが、渡良瀬川につきましては、渡良瀬川の水等を全部渡良瀬遊水池でためて、大洪水のときには本川に合流させないという計画でございます。したがいまして、下流の関係も遊水池等を最大限まで生かしまして、その残りのものをダムに預けるというような状況でございます。 ところが一方におきまして、二十二年の洪水というものは、戦後の非常な混乱時に起きた洪水でございます。流域の開発もまだ進んでおりませんし、最近のように開発してきますと、流出の係数が非常に大きくなっていくということもございます。また二十二年の洪水で、はんらんの問題が十分調査できていないというようなところもございまして、そういうはんらんを起こしたらどういうことになるかということを、いま洪水解析をいたしておるわけでございます。それが先ほど申し上げましたように一万七千トンを相当上回るであろうということを、いま洪水解析の途中でありますけれども、そういうことになっております。したがいまして、河川というものは、流域の開発が進むにつれまして、計画洪水流量が大きくなるのは、先ほど東京都の例を申し上げておきましたが、さようなことで、だんだん計画洪水流量増大の要因が各河川ともあるわけでございます。われわれは、そういう前提に立ちまして、逐次予備調査を進めておく必要がある。そして必要な時期にやはり対策を講じなくちゃいかぬというふうに考えておりまして、全国の河川につきましても、そういう観点でやっております。淀川等におきましても、最近の洪水の流出を見てみますと、おそらく相当確率が低いだろう。十年に一回以下じゃないかと私らは想像しております。さらに、いま上流で青蓮寺ダム、高山ダムというものをつくっておりますが、岡本先生もいろいろ御心配願いました桂川の上流におきましても、ダムをつくるように、岡本先生みずからごあっせん願うというようなことで、非常に反対があったところで、なかなかその調査ができなかったのでありますが、われわれ、おかげさまで、調査ができるようになって、下流の水害対策を行なえるようになりました。 河川というのはそういう状況であることを特に御認識願いたいと思うわけでございます。
○栗原委員 それはお話でなかなかうまく説明するから、うっかり聞くとそうかいなと思うわけなんですが、私たちもダムをつくることに何も反対するわけじゃないのですよ。ただ問題は、ここが都合がいいからということで、現にそこに長く居住した人たちを水没までさして、そうして墳墓の地まで全部水没させる、そういうことまでやらなければならぬか、こういう点で問題を提起しているわけです。したがって、そういう居住地などでなくて、あまり反対もない——岡本君のところでどういう発言をしたかわかりませんけれども、それは、ここへつくってもいいし、そのほうがいいというところもありますよ。おそらくあるだろうと思うのです。ただ、そのことが、そろばんをもって見て、工業用水を使うのにそれだけ金をかけていいかどうかという問題から、いろいろ問題も起こってくるのだろうと思います。 そこで、これはひとつ大臣にお聞きしたいのですが、いわゆる工業用水とかなんとかいうものは、これはためておかなければどうにもならぬものなので、ためなければならぬ。そういうものは、住民のところを水没させるとか、あまりそういうことでなしに、何とか水をためるという方法を考えていく。どうしても洪水調節をやるということが——これは雨か降りそうなときにはあけておかなければならぬわけなんですから、貯水して流しちゃったというのでは、これは用水にはならぬわけですからね。したがって、工業用水、そういうものは、これはもう洪水時の調節には使えないボリュームになると思うのですよ。 そこで、これは少しく飛躍するような意見かもしれませんが、先般もちょっと吐いてみたんですが、発電用の貯水を土地収用の事業認定の中に入れておる、そういうような事業をさらに公共事業が収用するというのは——なかなか、これは飛躍の考え方なんですけれども、発電の手段方法がだんだん移り変わってきた。火力発電が起こる、さらには原子力発電が具体化する。こういう方向にあるときに、今日まで既設された多目的ダムの中の発電のための貯水部分、このボリュームを洪水調節に開放することができないかどうかという問題なんです。したがって、いまある住民を追っぱらって、反対を押し切ってまで追っぱらって、洪水調節をするほうがいいのか。すでに発電のためにできておる発電用の貯水ボリュームを洪水調節に開放さして、そうして発電は火力発電なりさらには原子力発電に移行してもらう、こういう方法を考えられる時点にきておるのではないか。こう考えるのですが、長い展望を持って大計画を立てる建設大臣でございますから、おそらくそうだと言ってくれると思うのですが、いかがでございましょう。
○瀬戸山国務大臣 いまのお話のようなことが私は考えられないとは思いません。将来そういう時代があるいはあるかもしれません。ただ、私は、現時点で、なかなかそういうことが、ここ数十年のうちにくるであろうとは考えませんが、そういう時代になれば非常にけっこうだと思います。けれども反面、原子力発電なんということは私はよくわかりませんが、一体、原子力発電、原子力発電ということをいまいわれております。原子力の問題では、これも余分なことを申し上げて恐縮でありますが、非常に危険なものであることは皆さん御認識をされて、原子力発電を日本国じゅうあっちこっちにつくって、何かの場合にそれで一体日本民族——よそのことを言いませんけれども、それで一体安全なのであろうかということを私は実はひそかに考えておるのです。水は天から降ってくるものであって、原子力以上に全くこれは永遠のエネルギーである、私はそう思います。日本の場合は特にそうであります。でありますから、それはダムをつくるについていろいろ支障はありますけれども、私は、原子力発電を日本国じゅうつくって、万一の場合の危険性を感じながら——これは相当なコストがかかると思います。将来安くなるかどうかわかりませんけれども。もちろんダムというものは砂利とかがたまって幾らか浅くなりますが、浅くなって困るようになればまた掘り返す方法もあります。水というものは未来永遠、宇宙が続く間あるのですから、私は原子力発電よりもこのほうが安全であって、しかも人間に効果があって、一ぺんつくったら無尽蔵であります。私は科学文明が発達することはけっこうでありますが、非常に個人的な見解で恐縮でありますが、今日、科学文明が発達して、人類が非常に心配する世の中になっていくのが一体いいものだろうかどうだろうか。人類が科学文明、人間の知恵が発明しました科学技術に追い回されて、その日を全く息せき切って逃げ回って歩くような状態が、ほんとうに人類としていいものであるかどうかということを私は考えておるのであります。いま将来のおもしろいお話、私はそういうことが可能性がないとは言いませんが、でありますから逆に私はそういうことを実は心配しておるというのが本心でございます。
○栗原委員 まあ、この議論はここでもって短時間で結論が出るわけでもなく、見解についてはいろいろと分かれると思いますが、私も、川の水を最高度に利用する、このことについては異議はないわけなんです。ただ問題は、そのことのために、現にそこに居住しておる者を犠牲にする、こういうことではならない。したがってそういう点には十分配慮されて、心ならずもその土地を動くけれども、その人たちにも幸福なんだ、こういう配慮のもとにやるのだと大臣がおっしゃっておる、その方向は非常に私は正しいと思うのですよ。そうなると、もしもやるならば、それほど大事なものならば、たとえば具体的にいえば、ある地点を動いてもらう場合に、こっちへニュータウンをつくるのだよ、これは話だけではなしに具体的につくっておいて、さあどうぞ、こういうくらいまでやってやらなければ、あっちのほうへ町ができて、あっちへ移してやるのだよというような夢のようなお話ではだめなので、ひとつそこまで心を配った行政を、特に河川行政を推し進めるというならば、やはり具体的にニュータウンならニュータウンを建設しておいて、さあどうぞと、大臣先頭に立ってその移住式でもやるようなぐあいなところまでやはり手を回してやるべきではないか、こんなぐあいに思います。いずれにしても私は、必要があってやるとはいいながら、住民がほんとうに心から賛成できないものを、そのほうがよりいいのだというような程度で法によって強行するようなことのないような配慮を、ひとつ十分とっていただきたい。とかく、役所でやる仕事は公共事業だ、公共事業は強制執行できるのだ、こういうことでこじれておるわけですから、そういうことがないのだ、十分納得がいった上でなければやらないのだ、こういう点を少なくともよくわからして調査なりあるいは具体的な工事なりを推し進めていただきたい、こういうことを強く要望して本日の質問を終わります。
○瀬戸山国務大臣 しばしば繰り返しておることでありますが、私はかりに限定してお話し申し上げて、沼田ダム岩本地区の皆さんが心配しておられるのはよくわかるのです。でありますからさっき申し上げましたように、ただ法律一片でこれがやれるなどとは考えておりません。またやるべきものでない。いまおっしゃったように、それをやったほうが皆さんのためによくなる方法があるのかどうか、やる以上はそうでなければならない。あの地域でそういうことができるものであるかどうか、そういうことを検討して、そういうものをあわせ実現して、そしてなるほどみんなよかったというような計画が立たなければこの大問題はできないものである、こういう前提に立ってものを考えておるわけでありますから、それはそこにおるのはけしからぬとか、そんな墳墓の地なんていうのはおかしいじゃないか、そういう考え全然ございませんから、よく御理解を願いたいと思います。
○茜ケ久保委員 先ほどの三十五年からの調査した資料、ひとつぜひお願いしたいと思います。
○古賀政府委員 これは大規模な資料になりますけれども、概略でよろしゅうございますか。——それではそういうことで提出いたします。
○井原委員長代理 次会は来たる十五日水曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十二分散会