建設委員会 第16号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/04/06
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 この際、本案審査のため、本日日本道路公団理事藤森謙一君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。 —————————————
○田村委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。森山欽司君。
○森山委員 本日は、建設大臣が御不幸がありましてお見えになりませんので、特に建設大臣からこの際お伺いしておきたいことがございましたので、質疑を予定しておったのでございます。したがって、私の質疑の中で、現在の政府委員の立場からはお答えしにくいような事態がございますれば、建設大臣が御出席の際にあらためて御返事をいただきたいということを、前置きにいたしておきます。 今回の国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案と、私が本日質疑の重点といたしたいと思いましたことは、これに関連いたしまして、すでに基本計画策定済みの、したがって本年度は百九十億円の予算のついております五道の今後の措置というもので、したがって、私の今回の質疑の中心はその最後の五道の当面の措置ということに重点を置きたかったわけでございます。それに関連しまして、国土開発縦貫自動車道建設法の一部を改正する法律案について、前置きとして質疑をするということであったわけでありますが、その点に関しましては、先般井谷委員から相当詳細にいろいろ御質疑がございまして、あるいは重複するような点があろうかと思っております。この点につきまして前置きとして若干御質疑を申し上げるようにいたしたいと思うわけでございます。 そこで、七千六百キロと言われる幹線自動車道の整備を含めまして、現行の道路整備五カ年計画の改定問題というのが現在あるようでございますが、この五カ年計画の改定という問題についての現在の建設省の取り組み方について御説明を願いたいと思います。
○谷垣政府委員 御存じのように、この高速道路に対します投資は相当大きな投資になります。したがいまして、それだけから考えましても、当然にいまの五カ年計画の改定をお願いせなければならぬということになりますが、さらに一般道路の整備に関しましても非常な要望があるわけでございまして、それらの問題に対しまして、五カ年計画の改定を機に整理をして明瞭にいたしたい、こういう考え方でおります。たとえば財源問題につきましても、はたして現在の有料制度でいいかどうかという問題があります。地元の負担の問題もございますし、利用者の問題もございますし、その他のいろいろな運賃関係の問題等もございます。これをプール制にするかどうかという問題も含めまして、当然、この問題を考えなければいけない。それから特定財源の問題、建設公債の問題等いろいろな問題がございますので、これらの問題を十分考慮しながらやっていかなければならぬ、こういう考え方でおります。 五カ年計画そのものの準備につきまして、どの程度のめどでいくかということにつきましては、局長からお答えさせていただきたいと思います。
○尾之内政府委員 五カ年計画の準備につきましては、まだ具体的な数字的な作業はいたしておりません。ただ五カ年計画と申しましても、現行五カ年計画は本年は三年目でございまして、実際はあと二年あるわけでございますが、現行五カ年計画で考えておりましたものは当然その中に吸収される、新たにどういうものを盛り込むべきであるかというようなことで、いろいろ項目について検討しておりますが、ただいま政務次官から申されましたように、まず第一に考えられますのは、高速自動車国道に対する追加投資、規模の拡大あるいは施行方法等についての財源の検討、そういったことが主体になろうかと思いますが、それ以外におきましても、一般公共料金につきましていろいろきめのこまかい仕事をやってまいらなければなりません。そういうようなことで、これから来年の予算要求の時期までにできるだけ作業をまとめまして間に合わせたい、こういう考えであります。
○森山委員 五カ年計画の改定が現実の問題になっておるというふうに理解してよろしいかと思いますが、その内容については、当面審議の対象となっておる法案の問題もございますし、また財源措置の問題等もありますし、なかなかこれについていま数字的に検討の段階に入れるかどうかは問題であろうと思いますけれども、私は道路局長に伺っておきたいのですが、この国会でこの法案が通ったというふうに仮定いたしますと、大体どういうふうな時間的な手順で五カ年計画が改定されるのか、おおよそのめどだけでもひとつ御説明を願いたい。
○尾之内政府委員 例年でございますと、六月、七月に予算要求の準備をいたしますから、この国会終了次第あるいはまたこの法案が成立次第、当然次に来年度の問題として取り上げなければなりませんが、来年度は新しい五カ年の初年度という考え方でございますから、新しい五カ年をどうするかということも詳細にきめなければならぬということで、たとえば全体の投資規模をどのくらいにするかという問題、それからその中における、大きく分けまして一般公共道路、有料道路事業、それから単独事業、こういったものの大きな配分をどう考えるか、その際にはもちろん財源的な検討もあわせいたさなければなりませんけれども、まずそういうような大ワクから始まりまして、一般公共道路ではどういう項目においてどの程度の目標を置いて計画を進めるかということで、総ワク並びに各道路種類ごと、あるいはいろいろ各特定の事業目標ごとに積み上げる、こういうことになろうと思います。 有料道路事業につきましては、これを大きく分けまして、最も新しく入ってまいりますのが高速自動車国道の計画であろうと思いますが、それがかなりのウエートを占めてまいりますから、それの大体の将来の計画というもののもとに、どのくらいのものを次の五カ年に見込むかということをきめてまいらなければならぬかと思います。それから高速自動車国道以外に、道路公団でやっております都市高速自動車道路、これらをどの程度に伸ばしていくかという問題、その他一般有料道路事業をどの程度見込むかというようなことをやっていくわけでございます。 そういうような作業を大体この法案成立後すみやかに行ないまして、七月ごろにはわれわれとして一応の素案を持たなければならぬと思います。そんなぺースで今後進めていきたい、かように考えております。
○森山委員 投資規模をどうするかということは、この法案が成立すれば、国会が終わってから七月ごろまでの間にそれの輪郭をつくっておく、こういうふうに理解をいたしますが、投資規模ということになると、財源の問題も一つあろうと思いますが、いま考えられる財源はどういうような財源を考えておるか伺いたい。
○谷垣政府委員 先ほども申し上げましたように、財源が非常な問題だろうと思います。建設公債あるいは特定財源の問題を含めまして問題があると思います。ことにこの高速自動車道路の問題につきましては、いろいろすでに御論議の中に出ておりますように、現在の有料制をこのまま持続するか、あるいはもう少し考えていくか、おそらくこれなんかの問題はいまのところいろいろ検討いたさねばなりませんが、有料制を考えていかざるを得ぬだろうけれども、しかしながらはたしていまのような有料制でいいかどうか、相当な国費の投入を必要とするのではないかというふうに私たちは考えつつ、検討いたしておるわけであります。またいろいろ問題がございますようなプール制の問題等におきましても、そういうことを十分考えて検討する必要があるというふうに考えておりまして、まだ具体的な財源の規模あるいはその形というものにつきましてははっきりいたしておりません。ただ考え方といたしましては、従来いろいろ御議論になっておりますような点を考えまして、予算要求のときまでに大体の姿をはっきりさせたい、こういう考え方で進めております。
○森山委員 私、財源というのは高速道路だけじゃなくて、五カ年計画改定の際に問題になる財源とは主としてどういうものが考えられるかということを伺っておる。今日財源についてどのくらいの規模で見込んでいくということはなかなかむずかしいと思いますけれども、どういう種類の財源があるということを伺っておるわけです。
○尾之内政府委員 もちろん、今後の問題でございますから、はっきりしたことを申し上げる段階ではございませんが、現在の五カ年計画をかりに増大、拡張していくという前提に立ちました場合に、第一に当然入ってまいりますのは揮発油税等の特定財源でございます。それからそのほかに大きなものとしては、いわゆる公団等がやります借り入れ金、首都あるいは阪神道路公団債というような公団債でございますが、従来の方式でございますと、これから有料道路事業を積極的に進めていくには限度がある。つまり採算制を本位にいたしております現在の有料道路制度で、高速自動車国道等を伸ばしていくということに対しましては、いろいろな点で壁にぶつかるわけであります。そこで、新しくそれらの有料道路の財源として私ども考えなければなりませんことは、かなりの国の負担を必要とするであろうというふうに考えております。現在大体一七%くらい政府が出資しておるということでございますが、私どものいろいろ試算によりますと、それらを四〇%あるいは五〇%くらいまで持ちませんと、全国的に自動車道を有料制で実施していく、かりにプール制を採用いたしましても、全国的に実施していくことはむずかしかろうと思います。したがって、かなりの国の負担がふえるということになりますので、従来の特定財源だけではもちろん足りませんし、何かそこに新たな国の財源を見つけなければならぬということになろうかと思います。それらを一般財源でやるといたしましても、これも限度があろうと思いますので、その辺に、今後国の財源を新しく見つけるということに問題があるわけでございますけれども、いまお話がございました、たとえばそのための公債ということも一つの方法かと思います。いずれにいたしましても、そういう点につきまして、財政当局といろいろ連絡、研究しながら考えてみたい、かように考えております。
○森山委員 一般財源、公債の発行等ということになりますと、大きな財政問題でありますが、その際、これも大きな論議の対象になりましょうけれども、問題点としてそういう問題があるということだけ伺っておくということにいたしまして、特定財源であるガソリン税について先行きをどういうふうにごらんになっておるか、それを伺いたいと思います。だいぶ最近伸びがとまっておるというか、予想より実績が下回る、そういう傾向もあるように伺いますが、その辺のところはどうでしょうか。
○尾之内政府委員 ガソリン税は、いま御指摘のように、現行の五カ年計画ではかなり見積もったといいますか、少し結果的には過大に見積もった感がございまして、大体これは限度にきておるかと思います。たとえば、四十一年度について見ますと、ガソリン税の収入額は二千八百三十三億、伸び率で一一%、こういうことになっておりますが、これらは前々年度の見込みに対して五十六億の収入減がある。つまり、三十九年から四十年に対しては五十六億よけいに見積もったというような事実もございます。それからその前の三十八年から三十九年に対しても、三十八億くらいのやはり収入を見込み過ぎたというような事態もございますので、そういうわけで、実質的にはさらにガソリン税関係は減るわけでございます。そういうようなことでかなり十分見ておったということでございますので、今後これらに対して大きな伸びを期待するということはむずかしかろうと思います。たとえば、その要因としては、LPガスに都市の乗用車の燃料が変わっておるというようなことがございます。LPについては新しく税金がかけられるということになっておりますが、その伸びは必ずしも大きくない、また税率も必ずしも高くないということがありまして、これら特定財源の伸びというものについては、そう大きな期待をかけることはできない。といって、これを値上げするということは、また一般的に非常にむずかしい段階にきておる。諸外国に比べましても日本のガソリン税はかなり高い率になっておりますので、そういう点で、ガソリン税を上げるということも現段階では非常にむずかしい問題がある、かように考えますので、何か別途財源を見つけるというようなくふうをいたしませんと、新しい五カ年計画につきましても、財源を手当てするのに問題があろうと思います。そういう点につきまして、先ほど申しましたように、今後いろいろ財政当局とも相談していきたいと考えておるわけであります。
○森山委員 そういうことになりますと、特定財源だけでは足りないから、一般財源に依存していかなければならぬ、それで公債発行等の大きな問題も伴うということですが、その特定財源にしても伸び率は鈍化の傾向にあり、かつ予想に対して実質が下回っておるという問題がある、特定財源自体にも問題があるということがわかったわけでございますが、それに関連して、先ほど有料制の問題についても今後検討するということでございました。この法律の審議の過程において、これらの問題すべて片がつかなければ、この法律の審議ができぬというほどのこともございませんから、当面はしかし道路整備五カ年計画改定問題と、これは具体的に解決しなければならない問題でございますから、法案成立後はこれらの大問題に取り組んで、せっかくいま私どもの審議しておる法案も単なるビジョンにとどまらないように、大いに御推進をお願いいたしたいと思うわけであります。 そこで、今度のこの道路七千六百キロでございますか、相当大きな規模でございますけれども、これを大体何年間くらいでやろうというおつもりですか。先ほどの財源論もからまりますけれども、建設省の構想としては何年くらいでやっていこうとしておるのか、ちょっとその点を伺いたいと思います。
○尾之内政府委員 私どもはさきに道路計画の長期的な一つの見通しを持っておりまして、それは昭和五十五年までに大体二十四兆くらいの投資をすれば、幹線的な自動車道網においてもかなりの整備ができ、欧州の先進国水準並みとまではいきませんが、それにある程度比べ得るものになるだろう、また一般公共道路におきましても、大体そういった先進国の水準まで整備ができるだろうということで、長期的な構想を持っておったわけでありますが、その五十五年までの二十四兆の中に、幹線道路としても大体七千キロくらいのものは当時から考えておったわけでございます。したがって、今回御提案申し上げております高速道路の延長七千六百キロにつきましても、私どもはそれが全部四車線あるいは六車線で完成できぬかと思いますが、とりあえず二車線で開通し得る区間をも含めまして、おおむね五十五年ころには一応貫通できるという目標のもとにこの計画を提案しておるわけであります。そのためには五兆をこえる建設費が必要かと思いますが、これを実際に当初考えましたとおり建設いたしますと、さらに六兆、あるいは建設利息等を含めますと六兆数千億円になろうかと思います。そういう段階に建設するには六十年くらいまでかかるんではないか、かような大体おおまかなめどで七千六百キロを提案しておる次第でございます。
○森山委員 七千六百キロを五十五年までと見ると十五年間、六十年までと見ると二十年間でございます。十五年と見ると、大体年間建設速度が五百キロ、二十年として見ますと四百キロ近い数字でありますが、欧米名国の高速道路の現況と建設計画は、アメリカは三千八百五十九キロという年間建設速度が出ております。西ドイツは二百五十キロ、イタリアが四百キロ、イギリスが二百十四キロ、フランスが百三十三キロ、こういう諸外国に比べて四百キロとか五百キロといいますと相当なスピードであります。それからまた、いままでは年間六十キロくらいわが国でやってきておる。これからは一けた違ってえらい——ただけたが違うだけじゃなくて、十倍近いスピードでもって高速道路の建設をやらなければならないわけであります。一体これはどうでしょう。だいじょうぶでしょうか。
○尾之内政府委員 ただそういうふうに割ってみますと非常に急激な伸びでございまして、だいじょうぶかとおっしゃられる御質問もごもっともかと思いますが、いまお話にございましたイタリアあたりのスピードというのは、非常にわが国に参考になると思うのです。イタリアというのはやはり戦敗国でございまして、道路事情が非常に悪かった国でございますが、戦後非常に道路に力を入れまして、現在の政府の決意といいますか、そういうものからいきますと、従前のドイツのヒトラーがアウトバーンをつくった当時、それに匹敵する努力をいたしております。私どもも、少なくとも欧米におくれております現段階におきましては、よほど努力をしなければならない、かように考えております。従来のようなやり方で楽にいけるとはもちろん思っておりません。したがいまして、これから各地方、各道ごとに十分な地元の協力を得ました上で——特に時間がかかりますのは用地問題でございます。もちろんその資金があるといたしました上でございますが、やはり用地問題、あるいは設計をする場合の地元との設計協議、それに一番時間がかかります。それを短くすることがすなわち建設速度を早める一番早道である、そういうふうに考えられますので、そういうような国民各方面の協力を得た上でなければできません。したがいまして、特に今後は高速道路の建設につきまして正しい認識をしていただくと同時に、われわれもそういう努力をいたしまして、いまお話しのようなぺースでもっていきたい、かように考えております。決して急激なぺースであるとは考えておらないわけであります。
○森山委員 尾之内局長のたいへん心強いお話でございますが、その七千六百キロのこの法案の大計画でなくても、当面五道関係の高速道路、すでに基本計画の一部ができております。これをやるというのもなかなかたいへんではないかということをいわれておる。その中には、一つは現在道路公団が法律上その仕事に当たるということ、これを道路公団だけでやれるのかという問題があるようでございますし、それから技術者が一体足りるのかというような問題もありますが、そのへんは七千六百キロの大構想の——とにかく目前にすでに基本計画も策定されておる部分についても、これは将来の問題としてよりも目先の問題として、これらの問題についてはどういう措置を考えておられるか、お聞かせを願いたい。
○尾之内政府委員 もちろん、現在の道路公団の手で十分であるとは思いません。名神が終わりまして、ただいま東名並びに中央道に全力を注いでおりますが、引き続いて五道ということになりますと、また新たに五本の建設の線路をつくりまして促進するわけでございます。そこで、一本の道路を手がけるのに、やはり少なくとも千人くらいのメンバーが要ると思いますが、そういうためにこれから技術者を補充し養成していかなければならないと思います。建設省といたしましてもかなり直轄事業を手広くやっております。国道もだんだん整備されてまいりますと、建設省からの人員の活用、応援というようなこともあわせ考え、それからまた他方いろいろ実施いたします場合においても、設計の標準化あるいは工事を出す際の建設力に対する平均化というようなことをやりまして、できるだけ施行の近代化、合理化をはかっていきたいと思います。そういう方法をいろいろかみ合わせた上でなければ、ただ簡単に頭数をふやせばできるものとは考えておりません。それらにつきましても、今後関係方面とも相談しながら、国を全部あげてという気持ちでやっていきたい、そういうふうに考えております。
○森山委員 道路公団から理事さんがお見えのようでありますが、現在道路公団では東名道路、中央道路をやっておりますが、従来基本計画の立っておった部分、千五百キロくらい、そのうち千キロ分くらいは少なくとも年度内に整備計画が出る。来年から手をつけなければならぬ。少なくとも一部はことしから手をつけなければならぬと思います。どうですか。現有勢力でどのくらい消化できますか。道路公団の実務の担当者として御感想をお聞かせ願いたい。
○藤森参考人 藤森でございますが、ただいまの御質問で、本年度九十億のほかに債務負担行為百億をいただきまして、その人数といたしまして約三百五十名の人員を五道関係に展開をする予定になっております。このうち現在展開いたしておりますのは、まだ七調査事務所——一調査事務所は平均十名程度でございますので、新しい優秀な方を建設省からもいただき、新卒をすぐに配置いたしまして、施行命令の出るのを待っておるという段階でございます。施行命令が出てからの問題でございますが、施行命令が出次第、現在の調査事務所一道に一つずつ施行命令が出ましたら、名神高速道路の施行当時のようなものにいたしまして、さっそく関係都道府県の協力を得まして用地買収に取りかかる、その前提としての調査を建設省と一緒に現在やっておるような段階でございます。つきました予算は全部消化することにいたしたいと思います。
○森山委員 ですから、具体的に、年度内に整備計画が出ると、大部分は施行命令も同時に出るのではないかと思います。その辺のところは建設省のほうに伺いたいのですが、そうすると、千キロ整備計画ができて施行命令が出たとすると、道路公団は、だいじょうぶ、やれる、東名道路、中央道路もやって、それから五道について千キロ分の整備計画が出たとすれば、同時にやれるという状態ですか。
○藤森参考人 これは当初は施行命令を四十年度内にいただくということを多少考えておった展開でございますから、これが多少延びますと、私のほうの仕事も延びるのではないかというふうに思っております。なお、千キロについて施行命令が出た場合に、何年までにそういう御命令が含まれるということがはっきりしないと、ここでははっきりした答弁はできませんが、できるだけ努力いたしまして、昭和四十三年には東名、中央道も終わりますので、その人員も投入できて非常にスピードが上がりますので、大いに勉強してまいりたいと思っております。
○森山委員 それじゃ心配ないんですね。
○藤森参考人 ここでは、できるだけ努力してということを申し上げておきます。
○森山委員 大いに努力をしていただきたいという程度のことにとどめておきたいと思いますが、整備計画ができたら施行命令は同時的に出るものでしょうか。お役所のやり方なんですが、順序がどうなるか、ちょっと道路局長のほうから御説明願いたい。
○尾之内政府委員 基本計画ができましたあとにきまりますのは整備計画でございます。整備計画がきまりますと、ほとんど同じ内容のものを道路公団に対して施行命令を出す、こういうことになりますので、時期的にもうそういう手続だけでございます。その間に特別の調査とか、そういうものは入りませんので、ほとんど同時に出せる、こう申し上げて差しつかえないかと思います。
○森山委員 そうなると、これは後ほど私も質疑の対象にいたしたいと思っておりますが、現在千五百キロ分の基本計画、そのうちの千キロ分の整備計画が次に予定されておるわけです。これを一度に出すか、あるいはもうできるところからやっていくという体制をとるかというのは、後の質疑の事項にいたしたいと思いますが、いずれにしても今年度中には整備計画が出ると見なきゃならないので、道路公団としては本格的に取り組まなければならない。そこでだいじょうぶかということを聞いた。大いに努力しますということでございます。それはいろいろ問題もおありになると思いますが、大いに努力して、せっかくこれからやろうとしていることでありますから、所期の目的を果たされるように、私どものほうから強く要望をいたしておきたいと思う次第でございます。 それから、建設省が昨年十月の十八日に国土開発縦貫自動車道建設審議会に提出いたしました縦貫自動車道建設方針の中に、用地等の取得等について特別の措置を講ずるというふうに書いてありますが、具体的にどういう構想ですか。ちょっと伺いたい。
○尾之内政府委員 これは、従来の自動車道路の建設の実態から申しますと、大ざっぱに申しますと、自動車道路が他のことは考えないで突っ走るんだというような感じでできております。結果的には、どういうことかといいますと、他の道路、鉄道、そういったものをまたぎ、あるいはくぐり、主として盛り土あるいは高架で通る、こういう構想になっておるわけであります。したがって、そうなりますと、経過いたします沿線の地元に対しては、ちょうど鉄道が目の前を通るように、ただ通りっぱなしで、自分の土地を斜めに切られ、妙な形に残されるということが多かったのでございますが、国土開発縦貫自動車道は大きな理想を持っておりまして、国土の建設、特に新都市、新農村の建設というような趣旨のことで実行されております。そういう意味におきまして、縦貫自動車道は沿線に対してもそういう効果があるようであります。また逆に、通ることによって地元にあまり迷惑をかけないようにというようなことも配慮いたしまして、できるだけ用地につきましては、あまり多く取らないような方法、またその際土地区画整理あるいはその他の関連事業を行ないまして、高速道路の建設と一体になって進められるように考えておるわけでございます。たとえば、従来高架方式、あるいは盛り土、高盛り土方式でございましたものを、なるべく現在の地表面におろしまして、そうすればそれだけ用地幅は少なくて済むわけでございます。その際あわせていま言いましたような関連事業を行ないますと、そこでおのずから土地の整理ができて、道路用地もある程度生み出すことができるという場合もございます。また、必要なところには高速道路の両側に側道等を設けまして、地域地元の開発のためにも資する。また、そうすることによりまして横断道路を集約して設けることもできると考えておりまして、従来とそういう面において若干変わった方式で、用地の取得をもあわせて円滑にいくようにしたいと考えておるわけでございます。しかし、これはいずれにいたしましても、関係地元の協力あるいは理解がなければできませんので、それらにつきまして、先ほど申しましたように、現地に対して十分高速道路の意義あるいは建設についての協力について要請いたしまして、うまくいくように持っていきたい、こういうようなことを大体考えております。
○森山委員 用地取得についての特別措置というのはいまのようなことですか。何かもっと立法的あるいは行政的にいままでの行き方と違ったような措置というものは考えておらないのですか。
○尾之内政府委員 特にそのための立法措置ということは考えておりません。主として行政的な措置によってやっていけるものと考えておりますが、いま申しましたこと以外に、用地の先行取得ということはもちろん一般的に好ましいことでございますから、私どもも建設資金はできるだけ用地の先行取得ということに向けたいということが一点。それから、かりに建設資金が十分地元の協力に合うだけない場合、地元が特に先行して用地を提供しようということに対しては、どういう方法でやったらいいかというようなことについても、ただいま鋭意検討いたしております。ただ現在の段階で問題が若干ございますので、具体的に申し上げるまでに至っておりませんが、非常に熱心な地元の協力をいかにうまく指導して先行させるか、ということについて考えたいというふうに考えております。
○森山委員 何か用地取得について特別の措置を講ずる、こういうことでしたから、もう少し画期的な措置があるのかと実は思って伺ったわけでありますが、この問題はその程度にとどめまして、取りつけ道路の問題で伺っておきたいと思います。 これは道路の種別で、管理者が普通の公共事業の場合と同じような負担率で建設される。そうなると、県にインターチェンジの数が少ない場合はともかくとして、非常に多い——静岡の場合は十一カ所、私の県、栃木県でも七カ所、そうなると、このアクセス道路建設のための県の負担が大きい。この特別助成措置という事態についてどういう用意をしておられるか、御説明願いたい。
○尾之内政府委員 高速道路等の関連公共事業につきましては、私どもは優先的に考えるということで、その県のたとえば普通の公共事業のワクではできないような場合がございます。そういう際に、それらは特別の追加事業としてめんどうを見るという考え方をとっております。それにももちろん限度がございますので、高速道路の立場で公団として持ち得る限度までもちろん公団に持たせますけれども、やはり公共道路でございますと、その地元あるいはその地方に一般的に利便を与える、そういう道路であろうと思います。そういうものに対しては、従前と同じように、補助事業としてあるいは国の直轄事業としてやるわけでございますが、いま申し上げましたような意味におきまして、県にそれらを一切持たせるというのではなくて、補助事業として優先的に取り上げ、しかもそれの追加事業として考えるぐらいの積極的な考え方をとっております。問題は、そういうふうにして県の負担ができない、せっかく補助してもらったけれども、県の負担ができないというようなことが起こり得るということでございますが、そういう事態が必ずしもないとは一声えません。そういう場合には、道路事業全体を一体といたしまして、県の負担をめんどう見なければならぬという立場があるわけでございます。幸いにして各県とも道路事業につきましては積極的でございまして、道路の裏財源について各県とも十分配慮されているようでございます。私どもの道路整備五カ年計画におきましては、計画当初から裏財源の問題に関しまして、自治省あるいはまた一般的に大蔵省と相談した上で計画を作成いたしておりますので、各年度の道路の県負担につきましても、十分自治省のほうと連絡をとりまして、県の負担がかりにもできないというようなことがないように、連絡をとって配慮いたしております。今後もそういう点特別の配慮を加えなければならぬ、こういうふうに考えております。
○森山委員 自治省のほうと、何か具体的にそういうことで協定とか申し合わせとかあるいは話し合いとか、そういうものがなされておるのじゃないですか。
○尾之内政府委員 この点につきましては、自治省のほうから、こういうような立法をされる場合、他の立法でもそうでございますが、地方財源の過重の負担にならないように常に要望がございまして、私ども事務的に簡単な覚え書きをかわしております。そこで、自治省としては、各年度予算を組む際に、各県ごとに、そういう事情が起こらないようになるべく早く連絡してくれという趣旨のこと、あるいは五カ年計画等計画が改定される機会ごとに、地方の負担が少しでも軽減されるような方向で漸進的に検討してもらう、こういう趣旨の要望が出ております。私どもも、次の五カ年の際に、できればそういうことも検討を加えたい、かように考えております。
○森山委員 アクセス道路をつくるときに、地元負担がありますから、県のほうで金がかかる。そういう際に心配するなというような話がはっきり自治省との間で何かできているのじゃないですか。そういうことではないのですか。
○尾之内政府委員 心配するなというような言い方じゃございません。要するに財源について建設省はできるだけ考えろ、こういう趣旨のことであろうと思います。私どもも取りつけ道路がそういう事情で建設できないということでございますればたいへんでございますから、もちろんそういう点については十分配慮していかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○森山委員 じゃ最後に、今度の幹線自動車網の建設にあたって、すでに公表されておる国土縦貫高速道路十カ年計画に基づく五道の建設、その関係はどうなるのか。それが優先されるのか、あるいはそれ以外のところもこれと並行して加わるところがあるのか、その辺はどうです。
○谷垣政府委員 現在すぐに着工いたしてやろうと思っておるわけであります。五道の建設、これはいまの予定を進めていくわけで、これを建設省のほうとしましては十カ年の見当でやってしまおう、こういうことでかかっておるわけでございます。そういう意味では優先するということになるかと思うのでありますが、しかし、その間におきまして、今度ここで御提案をいたしております。千六百キロの五道以外の部門を手をつけないというわけにはまいらないと思います。もちろんこれもその中の重要度と申しますか、順序がほぼ出てくると思いますが、それを手をつけなければならぬと思っておりますが、しかし、とにかくこの五道は、従来の経緯あるいはそれに対します準備等、先にきております五道全体はとにかく十年間の間になしとげよう、こういう考え方で進んでおりますので、そういう意味におきます優先性は、十分私どもは考えてやってまいりたい、こういうことでございます。
○森山委員 この五道と併行して、たとえば基本計画はできておる、それに整備計画を出す、それから基本計画があるが、整備計画は少しおくれるもの、それからまた基本計画もできていない、こういうふうに五道関係は三つに分かれておるわけですが、これを全体計画から考えてみれば、いまの政務次官のお話では優先するとは言われますが、これと併行して七千六百キロの中で五道に入っていない部分も手をつけるところが出てくる、それはあるわけでございますね。
○谷垣政府委員 そのとおりでございます。
○森山委員 そこで、この五道の問題でございますが、約二千キロのうち千五百キロの基本計画ができておる。そのうち千キロに整備計画を立てるという予定になっておるようであります。これは一体千キロ全部を一度に整備計画を出すのか、あるいはこれは一定の基準がございましょうから、出しやすいところから出していくのか、その着工順位というようなものについての建設省の御所見を承りたい。これはお答えになられればけっこうでございますが、もし状況によっては、きょうは大臣もお見えになりませんから、またあらためて御相談の上でもけっこうでございますが、一応この問題についての御所見を承っておきたい。
○谷垣政府委員 現在ほぼ千五百キロにおきまして基本計画が決定をいたしておるわけでございます。この基本計画の決定いたしておりますものを、全区間一括して整備計画を樹立してやるとなりますと、なかなかこれは手順その他で困難な問題があろうと思います。しかし、五道建設をどうしても促進をしなければならぬという立場から、私たちはいろいろ考えてやっておるわけでございますが、現在のところ整備計画をきめるに必要な調査、インターチェンジの問題でありますとか、通過する町村の問題、それから先ほどお話しのアクセス道路と申しますか、そういうようないろいろな問題についての調査の完了をいたしておりますものが、ほぼ三分の一ほど現在ございます。さらに引き続きまして、その必要な調査を進めておるわけでございますが、いまのところここしばらく、言ってみますと、二、三カ月時間を与えてもらえば、ほぼ千キロ程度のものの調査ができ上がるだろう、そうなりますと、そういう意味の整備計画ができる、こういう順序になると思います。 そういう現在の状況でございますが、しかし、御指摘のように、千五百キロ全部一括してということは、いま私らのところではもっと早く出したいという考え方でおります。それならば千キロまで整備計画を延ばしてやるか、あるいは現在できておる五百キロでいくかというような問題になってくるわけでありますが、どちらにいたしましても、路線として問題のない地点というものがございます。あるいはすでに地元でもそういうようないろいろな受け入れ体制がかなり事前に進んでおるようなところもあるかと思います。そういうようなところを早く整備計画として決定をいたしまして、建設に着手する指令を出していきたい。そのあとでまた整備計画の追加というような形でやっていきたいという方針で現在進んでおります。現在すでに調査の終わっているものだけを先に出せということまで、いまここではっきり申し上げかねますけれども、とにかく形といたしましては、全体一括という形ではなくて、大体問題のない、調査も進んでおるというところの整備計画は早く出していく、あとのやつは追加という形で、建設の促進のできるような態度で進んでまいりたい、こういう考え方で現在進めておるような次第でございます。
○森山委員 そうすると、整備計画の対象区間千キロについては、整備計画はまず分割して出すという一応の方針である、こういうふうに了承してよろしゅうございますね。
○谷垣政府委員 御存じのとおり、必ずしも千キロまで整備計画をきめたあとでというところまではっきりはいたしておりません。大体現在問題のない地帯が千キロになりますか、あるいはもっと千キロより少なくてもそういうふうにいくか、そこらの点いま検討しております。現在の調査のところは大体五百キロでありますが、千キロになるまで待たなくとも、整備計画を決定して、そして建設に着手する方向に行き得るかもしれずという状況で進めてまいりたいという態度でやっております。
○森山委員 いまのことをもう一回確認する前にまず承っておきたいことは、私ども当初整備計画は三月か四月ごろ出るであろうという予想をしておりました。それがいまのところまだ出ておらない、はっきりしためどがわれわれはまだ得られないというような状況であるので、承りたいのでありますが、整備計画ができてからどういう手順で着工にかかるのか、要するに実際の道路建設の工事にかかるのか、その辺のところ、それから完成になる大体の手だてをひとつ御説明願いたい。——私がお伺いしたいのは、整備計画ができますね。そうすると、先ほどのお話で施行命令というのが出るのですか、施行命令が出るといろいろなことをやるでしょう。そしてある程度できてくると、土地の買収か何かをやる。これが済むといよいよ道路の建設工事にかかってくる。そしてその建設工事が終わると完成ということになるのだ。その手順に大体時間的にどのくらいかかるのかということを、道路公団の理事さんがいらっしゃるので、道路公団でもけっこうですが、お伺いいたします。
○藤森参考人 ただいまの東名高速道路、中央高速道路を多少例にとって御説明申し上げます。 東名高速道路、中央高速道路は、三十七年の秋に施行命令をちょうだいいたしまして、それで現地機構を展開しまして、地元との用地折衝、それから設計協議、用地買収、これに大体二年半ばかりかかっております。早いところは三十九年度からもう現実に発注いたしまして、三十九年、四十年、四十一年、ことしあたりは発注の一番のピークになるわけでございますが、大体そういうペースになっております。今度の新縦貫道につきましては、地元の受け入れ態勢が東名、中央道よりさらに進んでいるというふうに期待をいたしますので、この間の区間は少し短くなると思います。したがいまして、大臣から施行命令をいただきますと、待ってましたという場合に、現場の展開をいたしまして、関係の府県と建設省の御協力を得ながら、まず中心線の決定というところに持ってまいります。中心線を決定した場合に、今度は構造をどういうふうにするかということを、地元の方々と設計協議するわけでございます。その場合に、今度は盛り土にしないで、なるべく平面に下げるという場合には、交差する構造物をどうするか、なるべくこれを統合して少なくしてもらうというような問題につきまして、いま知事さんに大いにやってもらうつもりでおりますが、地元と協議をするわけであります。この設計協議が済みますと、幅ぐいを打てるわけであります。幅ぐいが打てますと、今度いよいよ用地の買収にかかる、こういう手だてになるわけでございます。用地の設計協議ができまして、幅ぐいが打てて、用地買収の価格交渉が始まるわけでありますが、これがすっかりきまらなくとも、地元のほうは、値段はあとできめてもいいから着工してよろしいというふうな場合もございます。この時点におきましては、いよいよ建設業者が入って仕事が始まる、こういう手だてになるわけでございます。
○森山委員 私が伺いたいのは、施行命令が出ますね。出てから中心線を決定する。いまお話がありましたが、それから設計協議をやって、幅ぐいを打って、それから用地買収をする。それまで普通一体どのくらいかかるのですか。
○藤森参考人 現在やっております中央道、東名高速道路につきましては、おおむね二年半くらいの時間がかかっております。中には早く解決したところもございますし、まだ解決してないところもございます。
○森山委員 用地買収というのは幅ぐいを打ってからやるのですか、幅ぐいを打つ前にやるのですか、どっちなんですか。
○藤森参考人 具体的には、幅ぐいを打ちまして、一筆測量というものをやりまして、それから価格の折衝ということになるわけでございます。場合によりましては、たとえば国有地であるとか、あるいは地元が町村単位でまとめて事前折衝をやっておりますところは、幅ぐいを打ち次第すぐできるという場合もあるわけでございます。したがって、地元の方々の御協力を得れば、これは幅ぐいを打つ前から、ある程度単価等についても交渉をやっておれば、このスピードが早くなるというわけでございます。
○森山委員 ですから、その事前の折衝はかりにあり得ても、幅ぐいを打たなければ具体的にはいずれにしろ用地買収にはかかれないわけですね。施行命令を受けてから幅ぐいを打つまでどのくらいかかるのですか。
○藤森参考人 いままでは地元との設計協議に一番時間がかかりますので、ちょっと一がいにここでどれくらいということをはっきり申し上げることはできませんが、早いところで一年半ぐらいは見ておく必要があるのじゃないかと思います。
○森山委員 そうすると、その幅ぐいが打てるまで一年半かかるわけですか。それまで用地買収はできないわけですか。
○藤森参考人 今後の問題につきましては、非常に地元の協力体制の熟しておるところがございますので、こういうところは中心線決定と同時に幅ぐいを打ってもよろしい。非常に協力を得ますれば設計協議が早くできますから、その場合には幅ぐいなるものが一年以内に打てるという場合も出てまいります。
○森山委員 ことし五道の関係の予算としましては、債務負担行為と合わせて百九十億ですね。中身の問題は後ほど御説明願うとして、それはいまのお話では、用地買収費というものを大部分予定しておったわけですか。これですと年度内にもう使えないのじゃないですか。どうなんですか。われわれは、整備計画の進行状態によっては、ことしの秋くらいから用地買収費が使える、それだけ仕事も早くなるということで予想しておったのでありますが、いまのお話だとそういうことはできないような感じがしますが、どうですか。
○藤森参考人 具体的な事例になるわけでございますが、具体的な場所で、たとえば大阪の付近の万博の問題であるとか、それから名古屋付近の中央道と東名高速道路の接合点であるとか、こういうところにつきましては、万博の場合には、地元の大阪府のほうで、ある程度建設省と連絡をして相当進めております。なお、中央道との連結点等につきましても、相当事前に調査ができておりますので、こういう場所は施行命令をいただき次第早く買収ができるというふうに考えております。
○森山委員 この間の計画の千二百キロ分の中で、整備計画が出て施行命令が出るところは、早いところはもうことしの秋ぐらいから用地買収にかかれる、全国的に見ればそういう個所が何カ所か出てくるということで、百九十億の予算がついたのじゃないかと思うのですが、道路局長、その辺はどうなっておるのでしょう。
○尾之内政府委員 いま藤森理事から一般的なお話がございましたが、私どもは、従前、東名、中央道の場合には、かなり設計協議に時間がかかったということで、したがって幅ぐいを打つのに非常に時間がかかった、むしろそういう例の立場で言われたと思うのです。先ほど来申し上げておりますように、各道の受け入れ態勢が進んでおりますれば、この設計協議というものは、早ければ三カ月でも六カ月でもできるわけであります。そういうところはできるだけ早く幅ぐいを打ちまして、用地を一刻も早く買えるようにしたい、こういうふうに考えております。これは結局施行命令を出しまして、各道の非常に強力なる態勢ができておるかどうかということに実はかかっておると思うのです。私どもは、そういう地元協力態勢を期待いたしまして、できるだけ早く用地買収を済ませたい、先行取得をしたいという考えでおりますので、いまお話があったよりももう少し進めなければならぬし、また進められるものである、こういうふうに考えておるわけでございます。
○森山委員 先ほど藤森さんのお話を聞いて、どうも年度内には百九十億の予算の大部分は消化できないというような印象を受けるわけであります。ということは、幅ぐいを打つまで二年半、東名道路の例だということでお話がございました。われわれは、四月、五月ごろに整備計画ができて施行命令が出れば、ことしの秋くらいには、全部とはいかないまでも、一部はとにかく用地買収に入れる。したがって、百九十億というような予算になります前、もっと大きな額をわれわれは大蔵省に要求したわけです。それがまあ百九十億ということになったわけですけれども、どうもそこのところ、もう少しはっきりした御返事いただけませんか。
○藤森参考人 先ほど御説明申し上げましたのは、東名高速道路を例にとりましたので、今後のことにつきましては、相当速度をあげることができるというふうに考えております。
○尾之内政府委員 先ほど二年半というお話がありましたけれども、これは幅ぐいを打つのが完了する期間ではございませんので、実際には用地買収、つまり事前に準備段階が終わるのはということです。ですから幅ぐいは当然その前に打たれておるわけであります。もちろん特定の個所で、経過地とか構造等で非常にもめておくれるところも部分的にはございます。しかし、一般的には二年ないし三年で用地買収を終わっておきませんと、先ほど言いましたように、建設期間を含めますと、工期は全体で、中央道は五年、東名は六年になっております。ですから、二年ないし三年で終わっておきませんと、各道についても建設段階に入れません。したがって、当然その前に幅ぐいを打ち、用地を取得しておかなければならぬということでございます。東名、中央道はそれぞれ五年、六年でやりましたが、私どもは、これからやります各道についても、中央道くらいのペースでいきたいと思っております。そのためには、再三申し上げますように、地元のそういう受け入れ態勢についても、かなり期待をしておるということでございます。もちろん私どもの側においてもかなりの努力をいたさなければなりませんが、両者力を合わせまして、一刻も早く、せっかくつきました建設費を消化するように努力すべきである、そういうつもりで今後公団のほうも指導していきたいと思います。
○森山委員 東名道路は、あそこは非常に入り組んだところでございますから、非常にむずかしかったと思いますが、またこれから着手するところにいたしましても、それは容易なところであるとは必ずしも一がいには言えません。しかし、われわれは、四月ごろ整備計画ができれば、もう秋には用地買収に入れる、こういうふうに考えておりましたし、現に関係の府県の中には、もうその態勢ができ上がった、一体いつやるのだということで待っている府県もあるということになっておるわけであります。特に交通事情等の関係で早急に手をつけてもらいたいということです。高速道路というのは地域開発、新しい町づくり、村づくりというものを将来のビジョンとして持っている大構想であって、現在交通が非常に逼迫しているというそのこと自体は、この高速道路に手をつけるかどうかの理由にならないかもしれない。しかし、その反面、現在有料制ということになっておりますから、つくって採算がとれるところというのは、交通が相当逼迫しているというところにもなるわけであります。そういうところの府県では、一日も着工の早からんことを要望しておる。とにかく年内に用地買収に入るのだというので待機しているところがあるわけですが、そういう情勢についてどういうお考えか、承りたいと思います。
○谷垣政府委員 この大計画は、従来の東名あるいは名神等の経験を生かしてやらなければならぬことではございますが、ただ従来のようなやり方では、これだけの大計画というものがなかなかスムーズにはいかない。よほどのスピードをかけねばならぬという考え方であります。したがいまして、従来のやり方による、何と申しますか非常にかたい考え方でない、もう少し推進する立場で、たとえば地元とのいろんな相談にいたしましても、あるいは設計等の問題にいたしましても、進めてまいりたいと考えております。現在ついております百九十億の予算は、どうしても私たちこれを十分に使い切ると言うと語弊がございますが、使っていかなければならぬ、そうでなければこれだけの大計画はなかなか進んでいかない、こういう考え方でおりますので、整備計画等も、先ほど来お話がございますように、問題のない点は早く出していくという形で、あとは追加の整備計画を足していくというかっこうで進めてまいって、いま御指摘のように、今年じゅうにはとにかく用地買収に当然入っていくということで、私たちは進めてまいりたいと考えております。とにかく百九十億の予算が使い切れぬようでは、なかなか前途容易なことではございません。そういう態勢で促進をさせてまいりたい、こういう考え方で進んでまいりたいと思います。
○森山委員 この問題は、道路公団の理事さんのほうで、いままではそういうことだったけれども、今度はだいぶ各関係府県等にも異常な協力態勢をつくってもらってやっておるということから見て、従来の御経験から照らしてみても、早期に整備計画が出れば、年内に用地買収にかかれるというふうにお考えですが、どうですか。
○藤森参考人 森山先生の御質問のように、年内に用地買収にかかれるというふうに確信いたしております。
○森山委員 道路公団の責任ある理事者からそういう御返事を得ましたので、私も安心をしたわけでございますが、昭和四十年度の予算で二十億の予算がついた。あのときはまだ、本腰になってこれに着手するかどうかの最終的な腹づもりができてなかったわけであります。すでに昨年これが審議会にかかって正式にやるということにきめて、今年度百九十億の予算がついた。去年の二十億と今年の百九十億ではわけが違うわけでございまして、せっかく今日いろいろ財政問題があるおりから、これだけ大きな額の予算がついたことでもございますし、手をつけるときめたからには、一日も早くこれが完成を期待すべきである。そういう意味から申しますならば、どうしたってやれるところからやっていくという態勢をやっていかないと、全部足並みそろうまで待っているということになれば、それだけおくれるということになろうと思いますので、そういう観点から、先ほど政務次官からお話がありましたように、これはやれるところから分けて整備計画を出していくのだ、こういうふうな話の筋道で、そういう結論であるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○谷垣政府委員 いま森山委員の言われたように、この問題を促進しなければならぬと思います。したがいまして、御趣旨のように整備計画ができる状況になっておりますものは、早くこれを出していく、あとはまた整備計画の追加をしていっても、最初の整備計画の指定は早くやっていく、こういう形で進めてまいりたいと考えております。
○森山委員 その際の基準でございますが、早くできるところからやるというのは非常に国語体の話でございますが、やはり先に手をつけるというところが出てくるということになれば、早くやれるところというのはどういうところかという一応の基準もあろうかと思いますが、どういうような点をお考えですか。
○尾之内政府委員 私どもがさきに決定いたしました基本計画区間千五百四十キロが当然対象になるわけでございます。その中で、いずれにしても十年内にやろうということでございますから、どこでもいいから早くやろうということになるわけでございます。実際にはいろいろ調査の進んでおるところと、調査のまだ進んでいないところがあるわけでございます。それから、調査は進んでおりますけれども、いろいろ経過地その他構想的にまだ問題があるところがあります。したがって、いずれにしても、そういう整備計画を出す以上は、そういう問題点が解決しておらないと出せませんから、そういういろんな面における調査が終わったところということになろうと思います。したがって、そういう区間をできるだけたくさんとるということで、先ほど来お話がございましたように、大体千キロを目標にして現在まとめつつあるわけでございます。もちろん、ただいまの五カ年計画で実施するわけでございますから、一般的に現在の制度でその区間が採算がとれるという前提に立っておるわけでございますが、そういう意味で、全体を早く出したいが、とりあえず諸調査、諸準備が終わった区間が、先ほど政務次官からお話しございましたように、大体千五百キロの三分の一ではございますが、なるべく早い機会に残りの区間もまとめまして整備計画を出せるようにしたい、こういう順序でございます。
○森山委員 そうすると、調査の終わったところ、それで採算のとれるところというお話がちょっとありました。採算がとれるというのは、非常に交通が——いわば現行制度では有料道路でありますから、採算を無視してはできないと思いますが、そういう点は、裏返しをすれば、うんとお客さんが乗るという道路ということになろうと思います。それだ交通の需要が非常に強いところということになります。関係地区において道路事情が非常に困っておるというところに反面なろうと思いますが、どうですか。
○尾之内政府委員 採算のとれていますのは交通量と建設費の関係でございますから、建設費が交通量に対してある適当な数字であるならば、一応いまの有料道路の計画に乗るということでございます。もちろん交通量が少なくては、幾ら建設費が安くてもだめでございます。一定量の交通量がある、建設費に比べてこれに見合うということが前提になるわけでございます。
○森山委員 そういうことで、どうですか。おおむね現在の調査がめどをつけてみれば——いままでこの程度、大体このくらいのところでという一つのめどというのはないのですか。
○尾之内政府委員 このくらいのめどというのは、先ほど来言っておりますように、千五百キロのうち千キロぐらいでございますから、おおむね三分の二ということでございます。
○森山委員 そうすると千キロやるわけでございますが、整備計画の対象になっておるものをとりあえず一括してやるということでありますか。
○尾之内政府委員 現在大体の準備が完了しておるのは約五百キロ。私どもが今回出したいと思っておりましたのは、全体としては約千キロということを申し上げておるのであります。
○森山委員 全体としての千キロはわかっておるわけです、初めからそういう方針ですから。現在調査しておるのはおおむね五百キロ、それを一応分けてやる、早いところから手をつけようという政務次官の御判断というふうに了解しておるので、そうなればその数字は五百キロということになるかと聞いておる。
○尾之内政府委員 そういう意味では約五百キロであります。
○森山委員 きょうは建設大臣がおられませんけれども、建設省側のおよそのお考え方がわかりました。問題は、非常に画期的な事業を進めていくということでございます。すみやかに着手して、一日も早く完成させるということが国家的な大きな命題でもありますし、また関係地方はそのことを要望しております。できるだけ早く今年度中に手をつけられまして、地方の要望にもおこたえ願いたい。最後にお願いいたしまして質疑を終わります。どうもありがとうございました。 ————◇—————
○田村委員長 次に、河川に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。栗原俊夫君。
○栗原委員 私は、どうも河川敷に執念を持っておりますので、河川敷について少しくお尋ねをしたいと思うのですが、きょうは大臣もおられないようでございます。関係事務当局と質疑応答をかわして、それを聞いてもらって、政務次官から、大臣の責任でひとつ締めくくりのお答えをいただきたい、このように考えます。 最近、というよりも四月一日から、私の地元の群馬県では、河川敷の私的使用を認めないという、河川敷地の利用基準というものを県議会を通じて設定をいたしました。これは単に群馬県ばかりでなくて、おそらく全国一律にこういう方向を打ち出されたと思うのですが、その河川敷の使用基準というか利用基準といいますか、これについては当然建設省のほうから河川敷の利用使用についての基準というものが各都道府県に提示され、そしてこれに基づいて各都道府県においてそれぞれ府県に合った基準というものを設定されたものだ、こう思うわけですが、お尋ねしたいのは、建設省で出された河川敷の利用あるいは使用の基準なるものはどういうものなのか、これをまず御説明を願いたい、このように思います。
○古賀政府委員 河川敷の占用の許可につきましては、従来河川の管理が、二級河川でありましたために、県知事において行なわれたということで、いろいろ多摩川、荒川等において、公共利用の問題と関連しまして問題が起きてきたわけであります。したがいまして、建設省といたしましては、河川審議会に諮問いたしまして、河川敷の占用はいかにあるべきかという基本的な考え方をお聞きしたわけであります。その河川敷の占用はいかにあるべきかということにつきまして、数回にわたりまして河川審議会の審議を経まして、河川敷地の占用の許可の準則というのを定めました。原則として、河川敷地の占用の許可の基本方針としましては、河川は流水が流れるところでございます。したがいまして洪水、低水にわたりまして機能を十分確保できる、そういう意味合いにおいて、河川敷は原則として占用さすべきではないという基本方針でございますが、昨今の社会経済情勢にかんがみまして、そういう基本的な治水、利水上の問題あるいは一般公共の自由使用を妨げないということであれば、社会経済情勢上占用さしても差しつかえないではないかという御意見を承りました。そういう原則に基づきまして、河川占用の許可の準則というのをつくりまして、この準則の趣旨は、河川が公共物であることにかんがみまして、河川敷地の占用が河川本来の供用目的に即応して適正に行なわれるという許可の基準であります。大体におきまして、河川敷と称しますのは、河川法の第六条第一項の河川区域内の土地、この中で「河川管理者以外の者がその権原に基づき管理する土地を除く。」というものに適用していきたい、いわばいわゆる官有河川敷というものにその占用許可基準を適用していきたいというふうに考えております。 それから、先ほどの占用の許可の基本的な大前提に基づきまして、基本方針としまして、当該占用により治水または利水上支障を生じない場合、当該占用により河川の自由使用を妨げない場合、あるいは当該占用により河川敷及びその付近の自然的及び社会的環境をそこなわない場合というようなことによりまして、そういうことに該当する場合は占用さしていこうということでございます。 それから、先般来から起こりました公共性の高い事業が起こる、たとえば河川を横断して橋梁が設置される、そういう高い目的の公共事業が行なわれる場合には、高い事業の目的のために河川敷の占用を取り消しあるいは占用させないというようなことも書いてあります。 それから、一般的に河川の敷地を占用させる場合、治水、利用上あるいは自由使用上非常に困る点がありまして、そういう大体の河川敷地をどこからどう占用さしてもいいか。たとえば堤防から幾らか離さなければいかぬ、それから護岸から幾らか離さなければいかぬ、そういうことで技術的な基準を定めてもあります。 さらに、占用の許可の期限としましては、大体大前提にありました目的に沿いまして、五年以内あるいはものによりましては三年以内ということで、そういう年間内に十分占用の目的が達せられるような工作物なり構造物を持つものというふうに限定をしたわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、五年、三年という占用期限が過ぎれば、補償なしで当然これを返していただくということに考えているわけでございます。 そのほか、都市における河川敷地の占用の特例というのがございまして、これに対しましては、都市の公園緑地が非常に少ない現況でもございまして、唯一の残された緑地である、あるいは大地震等の起きた場合の避難地であるということにかんがみまして、つとめて河川敷地の公共利用を促進するために、公園緑地あるいは運動場、その他一般公衆の用に供するもの以外には、今後貸さないという方針で持っていきたいというふうに考えております。 なお、既存の占用に対する問題といたしまして、いろいろ今後の問題が残るわけでございますが、これは占用者あるいはそれを利用する各地方公共団体と打ち合わせまして、具体的に開放していくようなことにいたしたいとただいま考えております。
○栗原委員 総括的な河川敷占用基準、こういうものでありますから、おそらくただいま御説明されただけではまだ足らぬくらい、こまかくきめてあるのではないか、こう思うのですが、いま説明を聞いて私がぴんと奇異に感じたことは、審議会で大前提の、大基本として河川敷は占用をさせないのが基本なんだ、私はそれはよくわかります。そのことと新河川法が私権を排除しなくなったこととは、これはまるっきり対照的なんですね。そういう立場に立てば、当然私権を排除するという旧法のほうが本来的だと思うのですよ。河川区域に指定しても私権を排除しない、所有権を持たしておいて、占用しないという基本方針とどう調整できるのか。この点は十分論議しましたか。どうも私にはここがわからない。本来的に言えば、河川審議会が言ったことが正しいと私は思っている。それなのに、新河川法では、河川敷をきめていく、河川区域の指定でなくて、今度は認定になったわけだけれども、認定されても、その認定が私有地に及んだときも、それで所有権はそのまま持たしておくというのが今度の河川法のあり方でしょう。所有権を持たしておいて占用はさせないという基本方針とどうマッチするのか。これはマッチせぬ。一体これはどうなんですか。
○古賀政府委員 ただいまの占用の許可の準則と申しますのは、国有地に適用しているわけです。国有河川敷に……。
○栗原委員 それはわかるのですよ。順次そういうところにこまかく及んでいくつもりですが、基本的には、河川審議会の思想は、河川なるものは全部占用を許さないというならば、国有であるべきだという思想なんですね。 〔委員長退席、広瀬委員長代理着席〕 河川の敷地は洪水、低水、そういうために必要な敷地なんだから、したがって河川の敷地は余人に占用さすべきでない、これが大前提であり、根本思想だと思うのです。それなのに、今日までの河川法を改正して、新たに河川敷にこれから指定する、こういう場合には——買えば別ですが、買わずに指定する、こういう場合には当然そこには、河川敷地にはなるけれども、所有権は残るという河川敷ができるというわけでしょう、新河川法による河川区域の認定のときに、買収せずして河川区域の指定をすれば。だから、いま河川局長が、これからの河川区域の指定は必ず買収してから、官地にしてから河川区域を指定します、こう答弁すれば、審議会の基本思想とぴたりとこれは一致するけれども、買うことなしに、民地というものを河川区域に指定していくということが想定できるならば、これは審議会の考えておる基本的大前提とまっ正面から衝突する、こういうことになろうかと思うのですが、この辺はいかがですか。河川局長からひとつ答弁を願っておきたい。
○古賀政府委員 河川敷は国有行政財産でございますが、そういう河川が適正に維持され管理されるために河川敷があるわけです。そういう河川敷が、そういった行政財産がその河川の目的に沿うこともできて、一般大衆の利用を促進できるということになれば、当然占用さしても、利用を促進するという意味でいいのじゃないか。ただこれにつきましては、いままで河川敷の占用は、私企業その他に相当占用されておったという問題と関連いたしまして、公共利用、いわゆる公園緑地とかいった問題を強く取り上げてあるわけでございまして……。
○栗原委員 ちょっと待ってください。私の質問と行き違っている。そういう問題はこれからぼつぼつ触れていこうと思うのだけれども、基本的な問題で、河川敷というものは、本来河川行政の基本的なベースなのだから、他に占用さすべきでない、こういうことを河川審議会は大前提としてきめておる。そのとおりだと思うのです。そのとおりであるのに、新河川法では、河川区域に認定されても、その認定の中に民有地があった場合に、前には河川区域認定とともに私権を排除する、これは無主物だなどという、わけのわからないおばけのQちゃんみたいな説明をしておったけれども、とにかく今回国有にはなった。しかし、今回これから新しい河川法では、買い上げないで河川区域を指定した場合には、民有地は民有地として残ってしまう。所有権を持っている土地なのだから、残った民有地に占用させないとは言えないと思うのです。少なくとも河川管理に支障のない範囲においては、占用はもちろん、所有権さえ与えておるのだから、十分使用させなければならぬ立場なのです。そういうあり方が、河川管理の基本的なあり方と、河川敷地をこれから新たに造成していくというか、拡大していくというか、そういう方向と真正面から衝突するような感じがする。したがって、私が言うとおり、これからの河川区域の指定のときには、民有地のままでは指定しませんよ、当然河川区域の指定に入る土地は、国が買うか県が買うか、どこが買うかは別として、とにかく民有地というものを私人の手から放した姿にしてから指定しますよ、こういう方向が打ち出されれば、これはめでたしめでたしで、すっと筋が通るわけなのです。しかし、そういう方向ではなくて、国、特に建設省には金がない、したがってどうも少し荒れた、また川幅を広げなければならぬ、そのときにそこには民有地がある、民有地があるからこれは河川区域にほうり込む、ほうり込むけれども、今度の新河川法では買わない限りは所有権を没収することはできない、したがってそこには所有権が残っておる、残っておれば、所有権に基づいた占用はもちろんのこと、使用権もある、ただ河川管理上の制限には服するという土地にはなる、こういうことなのだけれども、どうも筋が通らぬように思う。こういう点だけを聞いて、あとはいま少しほかの面で聞いていきますが、この点どうですか。これはひとつ政務次官に聞きましょう。これからの河川区域を広げるときに、そこに民地などがあれば、河川区域の指定の場合に、これは買収してから河川区域の指定をしますよ、こういう方向をとろうとするのかどうなのか、ここを聞いておるわけです。
○古賀政府委員 これは官有地ですか、いわゆる国有河川敷につきまして準則をつくったものでございまして、こういう国有河川敷は当然河川の良好な管理をやるために必要であるということで一応買ったものでございまして……。
○栗原委員 答弁が行き違っていてだめだ。それは国有地になったところだけが河川行政上必要じゃなくて、河川区域に認定したところは、全部必要だから認定しているんですよ。そうでしょう。あらためて新河川法で河川区域を指定した場合でも、そこが民地であっても、河川行政上必要であるから河川区域の指定をするわけでしょう。しかし、買わない限りは、それは民地が残ってしまうということなのだから、どうも新河川法と審議会の言っておる河川管理の大方向とは食い違っているように思う。その食い違いをなくするには、今後新河川法で河川区域を新たに指定する場合には、民地などは指定の中には入れません、そこに民地があれば、買い上げて公地にしてから指定をいたします、こう答弁すれば、新河川法でぴしゃりと軌道に乗るわけですよ。この点どうです。
○谷垣政府委員 新河川法が民有地の河川敷というものを認めておる精神は、これは要するに河川法が、流水の妨げにならない、そういうような一種の公的な力の強い制限をその民有地は当然受けるべきものだ、こういうことで本法のあれがあったと私は考えております。 したがいまして、いまの河川敷の利用と申しますか、河川本来の流水等の妨げにならない場合における民有地というものはあってもいいという形に、新しい河川法はできておる。それが民有のまま置いておいていいか、あるいは買収して国有地という形にはっきりさせていくかということは、これは河川管理の実態に即して行政的にきめるべき問題であろうかと思います。新河川法の立場としましては、民有地であってもそういうものもあり得る、こういうことだと解釈をいたしております。
○栗原委員 これは私が言っていることと裏目が出てきておるわけです。ということは、新河川法の精神は、河川管理上必要な一切の制限に服する限り民地があってもいい、こういうたてまえで私権を排除しなくなったのだということでしょう。そういうことであるならば、官地の河川敷であっても、河川管理上支障がない限りは、占用を許したっていいじゃないですか。河川管理上支障がないという前提に立つならば、なぜ悪いのです。民地ならば、所有権に基づいて占用はもちろんのこと、使用もいい。それは河川管理上支障がないということが前提だ。もちろんそうなんです。それならば、官地になったところでも、河川管理上、一切支障がないという前提に立って、そのワク内であるならば占用させてはならないという議論にはならない、こう考えるのだけれども、この点どうですか。
○古賀政府委員 今回河川審議会に諮問いたしました河川敷の占用はどうあるべきかという問題は、河川敷の利用が私企業に非常に利用されておりまして、そのために占用が放漫になってきたという実態もありました。それが国有財産の管理上非常に問題であるので、かような諮問をいたしたわけでございます。したがいまして、河川敷の民有地を認めるから占用を認めてもいいじゃないかという議論とは、直接つながらないのじゃないかと思います。
○栗原委員 まことに独善的な解釈で、とかく権力者というものはそういう解釈をしがちでございます。私が申し上げておるのは、とにかく河川管理に服する限りは私有権を認めてもいい、こういう新河川法になったのだ。私はもちろん官地の河川敷を私用に優先して占用させようなどとは思っていません。当然これは公共優先でいくべきです。しかし、公共でないから一切これを排除するのだ、こういうものの考え方は少しかたくなに過ぎるのではないか、このように思うわけです。まず河川管理のために河川敷を持つ、したがって河川管理が最優先であり、これには一指も触れさせない、これは当然です。今回新河川法では、私有権を持っておっても、河川管理上支障があれば、その私有権には厳正なる制限を加えるわけですから、これは当然だと思います。しかし、河川管理に服する限りは、そこに私有権も認め、当然したがって占用、使用も認める、こういうことなんだから、官地になった河川敷でも、これは占用さしてもいいではないか。ただし、その場合には、占用させる以上、まず公共を優先して、私的占用というものは順位をあとにすべきだ。しかし私用だからさせないのだ、こういうきめ方はあまりにも土地利用というものについてかたくなに過ぎはしないか、こういう考えを私は述べているわけです。この辺はどうですか。
○古賀政府委員 先ほど申し上げましたのは、一般河川については公共を優先させるということで、必ずしも私の占用を全然排除しているという考え方はございません。ただ都市河川につきましては、これは私の占用は許してはいけないという方針を審議会の答申で得た……。
○栗原委員 一応わかります。ところが、お宅ではそう考えているけれども、群馬県あたりではこういうことなんですよ。見てください。河川敷の私的使用を認めぬ、こういう形で打ち出しているわけです。だから、親の心子知らずというのか、あるいは河川局長は文書ではどのように通達をなされておるのか、ここではそう述べておって、都道府県ではこういう指令を受けておるのか、その辺がわからぬから私も特に聞いたわけなんですが、基本的には、河川管理上必要な河川敷であるのだから、占用すべきものではないのだ、しかし、土地利用のこともあり、河川管理上支障が絶対にないという強い制限のもとで、しかも公共優先的に河川管理上支障がない認められるところについては、厳重な制約で、都市河川以外については、一般使用の占用も認めるのに必ずしもやぶさかではないのだ、こう理解してよろしゅうございますか。
○古賀政府委員 これは必ずしも河川敷の私の占用を全然排除したわけじゃございませんが、ただ河川敷の占用を営利の場とすることにつきましては、強く規制していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○栗原委員 占用するについては、何か目的がなければ占用なんかしませんよ。ばかばかしい。私の占用というものは、必ずそこには何か利益がつきまといます。損をするような占用、プラスマイナスゼロというような占用はほとんどないですね。たとえ幾らかでも占用料を払って占用しようという限りは、それは見方によって営利とも言うでしょう。しかし、何らか利益がなければ、占用料を払ってまで占用する者はないと思うのです。営利営利と言うけれども、営利とは一体何を営利と言うのか。利益を目的とすることがすべて営利なのか。何を営利とするのか。公共であるか私であるかの目的で——私で占用を求める者は、占用料を払ってまで占用するというのですから、ただで貸しているのじゃないのですから、必ず利益を求めておると思うのです。この辺はどうなんですか。
○谷垣政府委員 河川敷の占用の問題につきまして非常に問題が起きてまいりましたのは、これは河川敷がいわば河川本来の目的を阻害するような形において使われ始めておることに対して、これは困るということ、それが一つ。それから、ことに都市周辺がおもなことではございますけれども、緑地とか、あるいは公共の一般の諸君が緑を楽しむと申しますか、そういうような意味の場所が個人的占用に許されておる現状があるから、これは困る。そういう現状に対します一つの強い批判から、原則としては河川敷の公共以外の占用は許さない、こういう言い方の立場に出てきておるわけであります。これは今日の現状から見て御了解を願えることだと思うのでありますが、しかし、これは要するに原則の解釈の問題がなかなか微妙でございまして、それでは個人の占用は許さぬのか、こういう逆の立場からのあれになりますと、そこのところは非常に微妙なものがございまして、原則でありますから認めないのではございますけれども、そういう周辺の経済的な状況とかいろいろな問題で認めるものもあり得るのだ、こういう形になっておるわけであります。ところが、従来のあり方が、公共性が疑われるような形における占用がかなり広く行なわれておったという現状に対しての一種の批判からきております行政方針がこうなっておるわけでございますから、そこのところは、いまの段階におきましては、原則を強く押し出さなければいかぬ一般的条件がある、こういう立場で申し上げておるわけでございます。したがいまして、それじゃ全然それ一点ばりなのかというお話になれば、これはそういうわけではないのでございますけれども、いまの状況から見てそういう方針でやっておるというふうに、ひとつ御了解を願いたいと思うのであります。
○栗原委員 土地利用ができ、河川管理に支障がない限りは河川敷を利用させるということが、現実として私はいい方向ではあろうと思います。たてまえとしては、やはり審議会のたてまえが一番理論的だとは思うのだけれども、現実としては、河川管理に支障がない、これは厳重に守らなければなりません。確かに、仰せのとおり今日まで制限をつけ、いろいろな条件をつけて許されておるにもかかわらず、その条件を踏み破った占用者というものが数多く見えます。やはりこういう者には厳格な立場で臨んでもらわなければならぬと思うわけですが、公共優先、そして河川管理上の制限を厳重に厳格に守らせる。したがって、こういうものを踏みはずした場合には、直ちに撤去でも許可取り消しでもできる、こういうような立場に立って、公共優先、そして公共的な要求がない地域については、河川管理上支障がない限りは、いわゆる私人にも占用させてもいいのだ、やはりこういう行政を現段階ではやってもらうべきではないか。このように思います。 次に、いま話の中にも出てきました都市は違いますよと声を大にしておっしゃっておったが、都市地域における占用制限の特例ですか、これは法律にはそういうものはないように思っておるのですが、これは政令とか省令とか、何かそういう関係で出ておるのですか。
○古賀政府委員 行政運営の問題としまして出してあります。
○栗原委員 都市において特に子供の遊び場がない、あるいは都市住民の緑地帯がない、こういうことで、こういうことはあってしかるべきだと思うのですよ。しかし、これにはやはり一つ問題があると思うのです。先ほど局長は、今回のこの基準は、河川敷の中でも、官有河川敷についてきめた基準でありますと、こう述べておるわけですが、その官有の中に二色あるのですね。ということは、新河川法の施行法第四条によって、旧法によって私権を排除した、いわゆる無主物になっておったものが昨年の四月一日から国有になったが、この官有河川敷と、その他の官有河川敷とは、いささか趣が違うわけなんですよ。御承知のとおり、旧法の施行規程第九条、第十条と救済規定がありましたね。私権を排除した、いわゆる私権を奪ったことに対する救済規定、それは占用優先権の規定、そして占用権を与えられないときには補償しなければならないという規定、世間ではこれを財産権とまでいっている権利、これは今度新しい河川法の施行法の第十九条に受け継がれて、生きておりますよ、有効でありますよと規定しておるわけであります。したがって、もしも都市の河川敷の区域の中にこういう土地があった場合に、ただ単に特例だけによってこれが排除できるかどうかという問題が起こってくるわけです。これは従来は、旧施行規程の第九条については、「荒地ニアラサルモノ」という文言があるために、この解釈がいろいろと議論を呼んで、行政解釈から言えば、畑であったものが畑でなくなったものは荒れ地なんだ、だから優先占用権はないんだ、こう解釈されてきたわけです。しかし、新河川法立法過程において、しかも同時に立法された施行法の制定にあたって、この荒れ地にあらざるものの解釈が幾たびか行なわれました。かく申す私も河野建設大臣とも論議をいたしました。今回の国会におきましても、瀬戸山建設大臣とも、この「荒地ニアラサルモノ」という文言についての解釈の論議をいたしました。大体において二回にわたる解釈は、「荒地ニアラサルモノ」とは、旧所有権者が価値を認めなくなったものだ。価値を認める限りは、土地所有というものについて価値を認めているのだから、それは畑状態から畑にあらざる姿になった姿は、いわゆる俗に言えば、荒れ地だと言えるかもしれぬけれども、本法上の荒れ地として優先占用権を排除すべき原因にはならないんだ、だから、おれはここに占用権というものを要望するんだと言えば、優先的に与えなければならないんだ、こういう解釈になっておると私は思っておる。したがって、都市の特例によって、そういう人たちの優先占用権を排除する、こういうたてまえをとるならば、当然、旧法施行規程第十条によって、禁止あるいはその他の事由によって占用権を許可できない場合には、適当の補償をせねばならない、こういう積極規定がここへ当然生きて動いてくる、こう思うのですが、これらに関する当局の解釈はいかがですか。
○古賀政府委員 旧河川法の第九条によりまして、いわゆる九条地と称しておりますが、それにつきましては、土地の占用に関する優先権が認められております。したがいまして、実際の占用にあたって、四囲の状況とかいろいろなことを考えまして、優先的に旧所有者に対しまして占用さしていきたいということを考慮したいというふうに考えておりますが、もしもその占用を排除する場合におきましては、施行法第十九条ですか、それによりまして、補償の必要を検討しなくちゃいかぬというふうに考えております。
○栗原委員 だいぶ占用権について明らかになってまいりました。 そこで、ただいまのいわゆる九条指定地に関連して、これから少しいやな質問をいたしますから、ひとつ当局はあまりいやがらずに答えていただきたいと思います。 昨年の二月二日付で河川区域認定に対する質問趣意書というものを提出いたしました。これに対して二月九日付で答弁書が出されておるわけでありますが、質問趣意書の第一は、河川法 これは当時まだ旧法の時代でありますから、旧河川法ですね、河川法の第二条による河川区域の指定の行なわれた区域は全国で何区域あるか、こういう質問に対して、それは六百六十である、こう答えておるわけであります。しからば、認定された河川区域のうちで民有地を含む区域は幾つあるか、こういう質問に答えて、それは二百十区域である、こう答えておるわけであります。ここでちょっとこれに関連してお尋ねするわけですが、河川区域の認定を六百六十やって、民有地を含む区域はそのうち二百十であるということは、あとの四百五十は民地が全然ない河川区域を認定したということになるわけですが、それは地番もないような本来的の河川——これはもうきょうおいで願っておる法務省民事局の第三課長さんにも何回も質問して、笑われたりいろいろしながらやっておるわけですが、本来国有の土地には地番というものもなければ、いわゆる不動産登記法によるところの登記等も本来的の国有地にはなされていない、こう言われておるわけなんですが、これはあれですか、この四百五十に及ぶ区域認定というものは、地番もない、本来河川であるという地域だけを、まだ区域認定がしてなかったから区域認定をした、こういうていのものですか、あるいは、区域認定をしたその中にはかつての民地があった、しかし認定の時点においてはすでに買収済みで国のものになっておって、したがって、認定当時には民地そのものがなかった河川区域の認定である、こういうものなんですか、どっちなんですか。
○古賀政府委員 両方含めておると考えております。
○栗原委員 おそらく河川区域を認定するにあたって、本来的なものじゃなくて、かなり旧民地というものが含まれている。その時点において民地でないけれども、旧民地というものがあった、そういうものが含まれておったのだろうと思います。したがって、そういうことになれば、それは当然、当時民地でないのですから、買収して区域に繰り入れたものだ、このように思います。そういうことがあるのに、一方では、認定によって私権を排除するというようなことが二百十区域も行なわれておるのですから、ずいぶんむちゃな行政をやってきたものだなと実は思っておるわけです。 そこで、この民有地を含む区域は二百十である、この区域のうち、民有地の登記の抹消の行なわれていない区域は幾つあるかという問いに対して、九つである、こう答えておるわけなんです。その後、昨年の四月一日から、河川認定によって私権を排除された民有地というものは当然国に帰属すると明定されました。したがって、これが昨年の四月一日からは、それまでは無主物などというややっこしい解釈から、本格的に国有地になったわけであります。そこで、これは——国有財産局からどなたか見えていますね。——昨年の四月一日からいわゆる無主物である河川敷が国有地になる、こういうぐあいに法で明定されて、四月一日から国有になったのですが、四月一日、その時点におけるこの国有地の管理というものはどこで行なうことになりますか。
○塚本説明員 建設省が行なうわけでございます。
○栗原委員 それは河川敷になるから当然建設省の行政財産になる、こういう解釈でございますか。
○塚本説明員 そのとおりでございます。
○栗原委員 もちろんそれぞれ行政財産は行政の目的に従って各官庁の長にその管理が委任されておるようであり、法の明定もされておるようでありますが、総括的にはやはり大蔵省の国有財産局が目を通して見ておるのだろうと思います。まあいろいろな諸報告も受けられる、こういうことで、したがって昨年の四月一日の時点において国有財産というものが明確にふえた、こういうことについて、従来ありきたりな行政財産がそれぞれの所管庁に管理委任がされておる、こういうこととは違って、新たに国の財産というものの増減、こういうものがはっきりしたわけですから、従来持っていたものがかりに各所管庁に分割管理委任されたものであっても、売却したときには売却したという報告が必ず大蔵省になされるようになっておると思います。したがって、ふえた場合はふえた場合で、当然これは建設省で管理はしておるけれども、建設省管理の国有財産、建設省行政財産がこれだけふえたのだ、こういうことが大蔵省の筋へ報告があってしかるべきだし、報告すべきものだ。まだ法文からは何条によってというところまでは読んでおりませんけれども、当然しかるべきだと思うのですが、これはどういうことになっておりますか。
○塚本説明員 御指摘のように、行政財産につきましては大蔵大臣が総括権を持っておるわけでございますが、ただ公共用財産につきましては、その財産の増減とか現在額の報告の規定が適用排除になっておりまして、公共用財産は現在総括大臣が把握をしていない現状でございます。これは国有財産法の三十八条の規定によりまして適用排除になっております。
○栗原委員 それでわかりました。法で明確に排除になっておればそれでよいと思うのですが、そこでこれは行政財産であっても、ときには河川敷廃止というような問題も起こり得るわけでありますから、地番のついた土地はやはり地番地籍というものをつけて国有財産として処理していくべきものであり、廃止になったときの処理はまたそういう地番によって処理すべきものだと私は一応常識的に思うのですが、国有財産になった瞬間、これは行政財産であれば地番等はもう要らないということで、地番等の呼称、そういうものは一切投げ捨てた姿になって、国有財産として処理されていくのですか。この辺はどうなんですか。
○塚本説明員 これは明治以来の土地制度の沿革を見ますと、いわゆる民有地の場合は地券が発行されまして、地券によって地番が付されておったわけでございます。したがって、これに基づきまして土地台帳または現在の不動産登記簿に登載をされておるということになっておるわけなので、国有地は原則といたしまして地番がついていないのが普通でございます。したがいまして、新たに国有地になる場合において、地番がついておる場合には、これを抹消する必要もございませんし、そのまま台帳に登載することもいいわけなのです。地番を抹消しなければならないということにはなっていないと思います。
○栗原委員 いまのお説のとおり、河川敷の中にもいろいろと建設省、以前には内務省等で買収した土地があります。買収した土地は売買という登記時点の原因を記載して、そしてその地番の所有者は内務省であると登記所にちゃんと登記がされておるわけです。したがって、本来的な明治初年にさかのぼることは私もよくわかりませんが、その後一応地番をつけてもらった土地は、やはりそうした呼称によって土地というものの存在を主張する立場ではないか、このように思うわけです。そこで問題は、ただいま申し上げた二百十のうち、登記抹消の行なわれていない区域が九つある。九つあるけれども、そこには当然河川区域の認定によって私権を抹消された土地が含まれておるわけですが、一体昨年の四月一日に国有になるこの時点では、当然抹消されなければならぬはずのものでありますけれども、しかし、まあわれわれが知り得る範囲では、抹消し切れないものもあったことを承知しておるわけです。これらを国有になる、こういう法律の明文に従って処理していくときに、どういう形になるのか。このことについて、これはまず河川局のほうからお伺いしましょう。
○古賀政府委員 旧河川法によって河川区域を認定した場合には、民有地が四月一日国有地になるということになったわけでありますが、旧河川法によりまして河川区域の認定をした場合、抹消の登記手続が行なわれないで、現在の地番のまま河川区域に認定されることがありますが、それらは、その河川区域の認定にあたって、表示の方法によって、いろいろたとえば付図の図面によって認定を一応はっきりする場合と、それからあるいは標柱によってきめるような場合、いろいろな場合がございます。特に標柱による場合には、流失とかいろいろな問題がございまして、なかなか位置の確認という問題がむずかしい点もございますが、それらにつきましては、公示の際に付図をもって示すというのでなくて、そのくい打ちの位置を表示した付図がございまして、そういったもので明確にそういう河川区域の位置を表示できるというように考えております。
○栗原委員 それじゃ局長だめなんだよ、そう言っても。旧河川法でくいを打って認定しますね。そうすると認定された瞬間私権は排除される、こういうたてまえでしょう。そのたてまえは私もわかる。しかし、区域に認定された実態がわからなければ、第九条地ということがきまらぬでしょう。救済規定はどうやって生きますか。救済規定の発動する余地がないじゃないですか。くいを打ちましたよ、くいからこっちがそうですよと言ったって、くいからこっちがどこだかわからぬですよ。くいは確かにここへ打った、そのくいを打ったこっちは地番で言えばこういうものなんだということがわからなければ、私権排除されたことがわからぬですよ。私権排除されたことがわからなければ、救済のための占用優先権の発動ができませんよ。どうするのです。
○粟屋説明員 いま局長が申しましたのは、区域認定にあたりましてのいろいろの方法の問題を御説明をして、かねて権利関係について申したわけでございますけれども、先生が御指摘になっておりますのは、おそらく告示の際にくいのみをたよりにして、それに裏づけとなる図面との関係が明らかでないというような問題も含んでおるのではないかと考えております。告示の際には現実に現地においてくいを打ったわけでございまして、それはその時点において何とも明らかになっておらないわけです。その後それが流失した場合にどうなるかという問題がございますが、告示の中に、告示文の中に、図面との対象関係が明らかになっていない場合においても、認定の際の根拠となるべき資料として、あるいは大臣の認可を得た際の図面であるとか、そういうものが明白に残っており、それとの関係が明白であるものにつきましては、くいについての再現がその図面をたよりにできるのではないかと考えております。 河川法施行規程の九条、十条の援用ができないのではないかという御質問でございますけれども、それは、くいを再現いたしまして、その見通し線をもってすれば、その境界はわかるわけでございまして、その境界の内外によって、官地か民地かという区別はでき、したがって河川法の施行規程九条、十条の救済規定の援用はできるのではないか、かように考えております。
○栗原委員 いよいよ本つぼに触れてきたような気もしますが、それは、公示によって何ら明示してない図面がこっちにある。私はそれは漫画だと言っておるのだ。漫画だ。何べんでもかき直しもできる。ここにも、なぜその抹消ができないか。抹消できた告示文例はどういうのだ。ここに全部出ております。ここに出ておるところによれば、抹消できたものはどういうことかといえば、必ず背後に控えた台帳なりあるいは図面なりというものを供覧に供した図面、供覧に供した文書、こういうことがはっきり公示の中に出ているのですよ。したがって、この公示と、背後にある図面あるいは文書等は、そのまま公示そのものなんだ。ところが公示には何らうたってない。ただくいを打ちました、くいの中が河川区域です、こんなことで、こっちに図面がありますよといったって、それは子供が遊ぶ漫画競争ならそれでいいですが、所有権を奪うのです。所有権を、しかも無償で奪うのですよ。ただ所有権を奪うというものを、陰に隠した漫画なんかでやられてはかないませんよ。とんでもない。そんなものが法治国で通用するはずないですよ。どうですか、政務次官、どう思います。これはなかなか重大な答弁ですから、少し相談しながらやってくださいよ。
○谷垣政府委員 川というのは非常に流れが変わったりいろいろいたしまして、こういうような河川区域の認定をいたします場合に、いろいろ問題が生じるだろうと思います。先ほどお話がございましたように、公示をしたものが所有権抹消の手続をしました場合の例、こういうお話がございまして、これは公示をしたものであれば、その点わりあいはっきりいたしております。しかし、公示はされていないけれども、公の文書その他の中に明らかにされている。これは公示に考えまするとちょっとまだ問題が残りますけれども、一つの証明方法ではあろうと思います。しかし、そのようなやり方では、公示をしていないから不十分ではないかという御議論は、これは起こり得る問題であると思うのでありますが、それによってそのことが無効であるというふうには私たちは考えていないわけです。争いが起こり得る余地はありましょうけれども、しかし、公示をしなかったから、そういうような証明方法が無効であるというふうには考えておりません。
○栗原委員 まあ、行政したほうですから、間違っていましたと言うことは、つらいことはよくわかりますよ。しかし、行政官だって神さまじゃないのだから、間違いはありますよ。一審、二審で死刑になって、最高審で無罪になる案件だってあるのだから、たとえば死刑に処すという判決を下したって、だれだかわからないのは死刑にしようがないでしょう。河川区域は、くいは打って、見通しの線だといったって、そのくいがどこに打ってあるのだかわからないのですから、そんなでたらめなものではどうにもならぬじゃないですか。それは確かにむずかしい。むずかしいことはわかっておるけれども、くいは打ったが、このくいによってどういう土地が私権を排除されるのかということが明らかにならなければならぬでしょう。だから、その地番というものはちゃんと書面で出なければならぬわけだ。その書面によって現場に行ったら、それがどこだかなかなかわかりにくいということは、これはありますよ。くいを打った場所も規定されてない。くいを明定するのならどう明定するかといえば、何回も言っているけれども、もよりの不動の三角点から第一番ぐいの位置をきめて、方向と距離をきめれば、それは何べんでも再現できる一つのくいの位置の決定の方法ですよ、何べん流れたって、河口が変わったって。そうして二番ぐいは、そのきまったくいから何度に振って、何度から何メートル先に二番ぐいを打つ、こうしてくいが打ってある、そうして現地を確定して、この現地の中は地番でいえば何番地である、こういうふうに展開していく方法もありますよ。また逆に地番がきまっておって、その地番の地点はどこなんだと、地番から逆にはかり出す方法もありますよ。ところが、くいの位置もきまらぬ。地番もきまらぬ。何できめるのです。一体、区域を認定しましたといって、その区域を何できめるのです。そういうことだから現地は何もわからない。 〔広瀬委員長代理退席、委員長着席〕 わからないのに、わがもの顔に、あっちの砂利屋に掘らせる、こっちの砂利屋に掘らせる、こういう事件が起こっておる。こういうことではいかぬから、それは争いがあるから、はっきりするまでは砂利取りなんかもやめて、河川管理上の行政だけおやりなさい、その他の行為についてははっきりしてからやらしたらどうですかと申し入れても、馬の耳に念払で、どんどんやっておる。実際こんなでたらめな行政はないですよ。しかも、権利の中でも最高の所有権に関する問題ですから、こういう点については——きょうは一時からこの部屋を明け渡すそうですが、きょうまだとてもこれではわかりましたと言うわけにはまいりません。ひとつ次の機会にあらためて続けてまいりますが、答弁はいまはいただかなくてもけっこうですから、十分ひとつ部内で御研究願って、栗原のやつが執念のように食いついているけれども、単なる執念じゃなくて、こういうことをされいに解決してやらぬと、それは中央にいれば理屈で事が通りますよ。しかし第一線はどうにもならぬ。第一線をがんがん締め上げるわけですから、これはとても第一線はたまったものじゃないです。ですから、どこからでもいらっしゃいという姿勢を整えなければやはりいかぬと思うのですよ。ひとつ次会までに十分研究しておいて、それは誤りがあったってちっとも私はおかしくないと思うのです。無理はやるべきじゃないのです。無理すれば、無理の上に無理がたたってきて、やはりどこかで破裂が出ますよ。やはり無理はしないことであって、しかも新河川法の精神からいえば、河川の区域の中に私有地があってもいい、こういう新しい思想の中に新河川法が生まれておるのだし、旧河川法においても、民間から所有権を奪うことが目的じゃない。河川管理上所有権を奪うほうが河川管理にベターであるという解釈のもとに、私権を排除するという文字は、一たん河川敷になったところへ私権は設定できないと私は読んでいるのだ。したがって、河川区域を認定したから即所有権がなくなるとは私は読んでいないのですよ。だから本来的には、河川区域に認定する場合には、公物にしておいて河川区域に認定する。河川敷になった以上は、幾らあそこをおれがやったらうまいなと思って申請があっても、そのときには私権の対象にはできないと私は読んでいるわけです。しかし、そういう議論はすでに過去の河川法の話ですから、ここであえて議論はしませんけれども、とにかく所有権を持つことが河川管理の目的ではなくて、河川管理が目的なんですから、そういうことに徹して、いままであった行政の間違いとまで言わなくても、寸足らずとか、そういうことをあまり無理をなさらずに、この際姿勢を正すほうが正しい行政ではないか、私はこのように思います。 以上申し上げて、残余は留保して本日の質問は終わります。
○川村委員 委員から要望のありましたものを、私かわりまして、国土開発縦貫自動車道建設法の一部改正に関する資料をお願いしておきます。 それは有料道路の収支状況をぜひ知りたいということです。その資料をお願いしたい。それから日本道路公団あるいは首都高速道路公団、阪神高速道路公団のもとにある有料道路の収支状況もあると思います。それから各県がやっておるようなものといったらたいへんですけれども、それがわかればいいのですが、それがわからないときには、とりあえず建設大臣の管轄にあります一般国道についての有料道路の収支状況、これをひとつ次の機会に資料としてぜひお願いしておきます。
○田村委員長 次会は、明七日木曜日午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二分散会