建設委員会 第14号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/03/25
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 昨二十四日、本委員会に付託になりました住宅建設計画法案を議題といたします。
○田村委員長 まず、提案理由の説明を聴取いたします。瀬戸山建設大臣。
○瀬戸山国務大臣 ただいま議題になりました住宅建設計画法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 およそ住宅は、国民生活の基盤をなすものでありまして、住生活の安定なくしては、円満な家庭生活はもちろん、十分な社会活動を行なうことも望めませんが、近年著しく改善された衣や食に比べ、住宅事情は、はなはだしい立ちおくれを示していることは御承知のとおりであります。 もとより、政府は、従来から、住宅問題の解決に真剣に取り組んでまいったのでありますが、著しい人口の都市集中、世帯の細分化等により、住宅需要は増大の一途をたどり、依然として住宅難が解消されるに至っていないのが現状であります。 このような現状にかんがみ、政府としましては、住宅対策を今後一段と拡充強化し、国民の要望にこたえるため、昭和四十五年度までに国民の待望する一世帯一住宅の実現をはかるとともに、さらにその後においても、国民の住生活の改善向上をはかるため五年ごとを区切って総合的な計画を樹立し、この計画に基づいて国、地方公共団体及び国民が相協力して、住宅建設の適切な実施をはかる必要があると考え、この法律案を提出することといたした次第であります。 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。 まず第一に、国及び地方公共団体は、住宅の需要及び供給に関する長期見通しに即し、かつ、住宅事情の実態に応じて、住宅に関する施策を講ずるようにつとめなければならないとの国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、住宅の建設を計画的に推進するため、国、地方を通じ、住宅の建設に関する、長期計画を策定することといたしました。 第二に、国全体の長期計画として、建設大臣は、昭和四十一年度以降の毎五カ年を各一期とする住宅建設五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を経ることといたしました。 この住宅建設五カ年計画には、五カ年間における住宅の建設の目標を定めることとし、あわせて、公的資金による住宅の建設の事業の量を明らかにすることといたしました。 第三に、それぞれ地方の住宅事情の実態に即応した住宅対策を推進するため、国全体の長期計画に即して、地方における長期計画を策定することとし、建設大臣が地方ごとの住宅建設五カ年計画を、都道府県が都道府県ごとの住宅建設五カ年計画を策定することといたしました。 第四に、これらの五カ年計画の実施を確実にするため、国及び地方公共団体の講ずべき措置について規定いたしました。 なお、五カ年計画の制度の新設に伴い、現行の公営住宅三カ年計画の制度を廃止することとし、公営住宅法に関し、所要の改正を行なうことといたしました。 以上が、この法律案を提案する理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
○田村委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。 ————◇—————
○田村委員長 次に、九州・四国間フェリボート計画に関する実情調査のため、去る十九日から四日間にわたり委員を派遣いたしましたが、この際、派遣委員より報告を聴取することにいたします。松澤雄蔵君。
○松澤委員 九州・四国間フェリボート計画に関する実情調査の報告を申し上げます。 私たちは、去る三月十九日より四日間の日程で九州・四国間フェリボート計画に関しまして実情調査をいたしてまいりましたので、調査委員を代表して私からその概要につきまして御報告を申し上げます。 本計画は、一般国道一九七号線のうち、大分県佐賀関町と愛媛県三崎町の間、すなわち豊予海峡で隔離されておる二四・一キロメートルを将来有料道路としましてフェリボートを就航させようとするものであります。 本計画につきまして、日本道路公団では昭和三十五年度より主として採算制等につきましての調査を進めており、昭和三十九年度五千万円、昭和四十年度二億九千七百万円の事業費を計上したのでありますが、実施計画についていまだ地元との協議が十分整わないため、進展を見ることなく現在に至ったものであります。 本調査団は、本計画のすみやかな実施の必要性から、協議が整わない理由等について地元の代表者並びに関係者から実情をつぶさに聴取したのであります。 すなわち愛媛県側においては、当初より政府を信頼し、ただ一日も早くフェリボートを就航させ、地域経済の促進をはかりたい旨の意見の開陳がありました。 一方、大分県側においても、さきに示された調停案の、航路権は日本道路公団が持ち、運営は民間に委託するという内容に賛成でありますから、すみやかに本計画を実施に移してほしい、ただ要望として、民営に際し会社選定等にあたって地元にも相談していただければ幸いであるという意見の開陳がありました。 このような意見に関連しまして相当深く、かつ詳細な質疑応答がありましたが、そのおもなるものをあげますと、下平委員より、調停案というが、われわれは白紙で臨んでいる、いつだれが調停案を出したのか、またその調停案に賛成だというが、日本道路公団の協議書に対して、昭和四十年六月二十八日付の書簡で反対の回答をしている、それらの反対理由等は調停案で調整され解消されるものと解釈しての賛成であるかとの質疑に対し、木下大分県知事は、そのとおりである、日本道路公団が航路権を持ち、かつ運営の委託者であるという点から、責任の所在が明確となり、二段方式の責任体制が確立したと思うとの答弁でありました。また、松澤委員より、右調停案を内容とする協議書が日本道路公団より県当局に送付された場合、県は直ちに賛成の回答書を出せるか、また、日本道路公団は右調停案を承知しているかとの質疑に対し、木下大分県知事は、直ちに賛成の回答書を出すと答弁し、佐藤日本道路公団副総裁は、承知しているとの答弁でありました。 しかして、これらの質疑を通じての結果、地元の本実施計画に対する要望が次の二点にあることが明確になったのであります。 第一は、本路線は関門、青函に匹敵する重要路線の一つに予定されるので、その公共性はきわめて強大であります。したがいまして、一朝有事の際、賠償能力等も十分と認められる日本道路公団が航路権を持つべきであるということであります。 第二は、就航の運営に当たる会社は、本事業の公共性と重要性に十分にこたえることのできる内容を持つ会社であるべきだということであります。 以上が、本実情調査の概要であります。 なお、特に愛媛県側からは、本フェリボート実施にあたっての準備として、すみやかに半島までに至る道路等の整備を強く要請しておったことをつけ加えておきます。 本調査日程は連休中を利用して組まれたのでありますが、それにもかかわらず、地元の本調査団に対する御協力、また本計画の早期実現への熱意には、敬服感謝いたした次第であります。 以上をもって報告にかえます。 ————◇—————
○田村委員長 次に、住宅に関する件について調査を進めます。 この際、本件調査のため、本日、日本住宅公団総裁林敬三君、理事水野岑君、理事関盛吉雄君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、参考人からの意見聴取は質疑応答の形式で行ないたいと存じますので、御了承願います。 質疑の通告がありますので、これを許します。岡本隆一君。
○岡本委員 昨日、住宅建設計画法案の上程に際して、本会議で大臣は、住宅公団法の改正によって副総裁を特に一名設けたことは、これは来年度は宅地開発公団をつくる準備である、こういうふうなことでありました。したがって、これは来年度一応宅地開発公団が出発して、土地の大量供給に乗り出されることと私たちは承知をいたしますが、しかしながらいままでの例を見ておりますと、公共用地の取得が地価をどんどんつり上げているという傾向がございます。たとえば新幹線にいたしましても、名神の道路にいたしましても、京都、大阪方面の地価を非常につり上げました。さらにまた、大団地ができてまいりますと、その周辺の地価がどんどん上がります。その一番適切な例は、例の筑波の学園都市問題だと思います。したがって、宅地開発公団をつくって大最供給をやるのだというだけでは地価対策にならない。だから政府のほうでも土地収用法を改正して、一応事業認定のときの価格でもって用地取得したいというふうな画期的な土地収用法の改正というものの提案を用意しておられる模様でございますが、まだ一向顔を出してまいっておりません。しかし私はこの構想だけが瀬戸山構想の全部であるとは思っておりません。しかしながら瀬戸山構想の柱の一本であるとは思っております。その柱の一本すら出てきておらないというので、一体昨年大臣就任当時に大きく打ち出された瀬戸山構想というものがはたして今国会で日の目を見てくるのかどうかということに非常な危惧を持っておるのでございますが、その瀬戸山構想をどうして生かすのかということについて、この際ひとつ明確にしていただきたいと思います。
○瀬戸山国務大臣 おっしゃるとおり、土地政策、なお地価対策と申しますか、地価の不当な——ことばがいいかどうか知りませんけれども、私は不当だということばを使いますが、不当な地価の高騰を抑制するということはなかなかそう単純なものでございません。やはり総合的にやらなければならないという考え方は皆さんも同じであろうと思います。私どももさように考えております。 そこで昨年の閣僚協議会においても、基本的な考え方は、総合的にやるべき考え方の方針だけを示して具体案の検討に入っておるわけでございます。昨日も本会議でお答えいたしましたように、急と申しますと、早く間に合うものと、やや時間がかかるものとありますから、理論的にはやや前後撞着するところがありますけれども、それはやむを得ないという考えを持っております。そこで、急に間に合わして、しかも早く効果をあらわしたいという面を早くやりたい、こういうことでありますが、その中の一つであります、いまお話しになりました土地収用法の改正、これがややおくれておることを実は申しわけなく思っております。地価のいわゆる騰貴であるとか、あるいは宅地の需要であるとか、そういうことによって、一般経済原則に似たようなことで上がっておることをまずチェックする必要がある、これが土地収用法を改正する一つの大きなねらいであります。そういう意味で、公共事業、あるいは住宅にいたしますと住宅団地として、ここにこういう計画を進める事業の認定をいたしましたときの時価が補償の基準になる、こういうことで、裁決時ということを事業認定時、こう改めるという構想で、いませっかく法案を作成中であります。 その基本線については、現在は政府部内に全然異論はございません。ただやってみますると、御承知のとおりに、土地収用法は各種の権利関係がありますから、その細部の点の整理、こまかく入っていきますと、いろいろな民法上の権利が、実際にはなくても、あり得る場合がある。借地権であるとか地上権であるとか、あるいは抵当権であるとか、そういう各種の既存の法律との関連、法律技術的な調整になかなか手間がかかる、その点でややおくれております。いま法務省、内閣法制局を督励して、懸命にそういう細部の点の案文の作成にかかって、ややおくれておりますけれども、必ず今国会で審議をお願いし得る期間に御提案申し上げて御審議を願って、これだけはぜひ成立さしてもらいたい、こういうことに準備を進めておるわけでございます。
○岡本委員 今度住宅建設計画法案が出てまいりまして、五年先にはどうしても一世帯一住宅を実現したいという政府の気持ちはわかります。しかしながら地価問題を解決しないでは、これの成功すらあやぶまれますし、同時にまた、今日国民が一番困っておるのは住宅問題である。しかもその住宅問題の一番大きな根幹をなしているものは土地政策であるというふうなことで、この土地政策はもう何をおいても解決しなければならない。だから瀬戸山さんが大臣に就任されましたときに、私は野党だが、しかしながら幾らでも縁の下の力持ちになって協力しようということはお約束いたしました。またそれだけの誠意と情熱は持っております。だからぜひとも今国会で、単に土地収用法だけでなしに、もう少し幅広い地価対策を追加して、瀬戸山建設大臣時代に、日本の地価問題は解決したんだ、こういうことが言えるだけの構想を持って、ぜひもう一度練り直して持ち出していただくように、この際お願いしておきたい。なお地価問題については、土地収用法が出てまいりましたときに、これはあなたも、地価問題解決の一番の柱だというふうな気持ちで出しておられると思いますが、私はこれが一番だとは思っておりません。もっともっとほかにしなければならぬことがあります。そういう問題については、その機会に論議いたしたいと思いますが、ぜひ今国会で地価問題を解決するという意欲を示して、そういう姿勢になっていただくようにお願いをいたしておきたいと思います。 きょうは、一昨日の委員会で可決されました住宅関係の諸法案に関連して、もう少し追加して私はお尋ねいたしておきたいと思うのです。 最初に住宅公団の総裁にお尋ねをいたそうと思いますが、公団住宅ができてからもう十年の歴史を持つようになりました。したがって、公団住宅に入居した人たちは、十カ年の経緯の中から、身辺にいろいろな変化が起こってまいっております。まず第一番に大きな問題は、家族構成が大きくなっておるということであります。その次には勤務の状況が変わってきておるということであります。ところが家族構成が大きくなりましても、まだ住宅公団の住宅には入っておるが、自分で一戸建てて出ていくこともできない。そこまで経済的には恵まれておらない。だから2DKの狭い住宅に、数名の家族が窮屈な思いをしながら暮らしておるという状況が出てまいっております。しかしながらこれはやはりできるだけ何らかの方法をもって、家族構成が大きくなったのでありますから、もう少し広い住居の中に移してやる、そして従来住んでおった小さいほうは家族構成の少ない新婚の人たちに回すべきじゃないか。そういうふうな住宅の転換というものがこの際行なわれなければ——十カ年の経過の中で家庭の状況にいろいろ変化が起こった人たちに対してはそういう配慮が行なわれるべきであると思うのでございますが、公団はそれについて何らかの対処の道を考えておられますか、おられませんか。その辺をまず承りたいと思います。
○林参考人 住宅公団の総裁を昨年拝命いたしました林でございます。 ただいまの御質問でございますが、きわめてごもっともだと存じます。まさに十年も歳月を経過してまいりまして、その間入居者の家族構成、勤務状態、それぞれずいぶん変化があるわけでございます。それに基づいて公団でなし得る範囲内でも極力住宅を適正に配分するという、すなわち住居転換というものを認める方向を開いていかなければならないということは仰せのとおりでございます。 そこで昨年ちょうど私が参りましたころから、それまでは、それを認めますとまた別の方面でのいろいろな問題が出ておりましたりしたものでそこまで至らなかったのでございますが、ちょうど参りましたころから、やはり仰せのようにこれを打破して適正にしていかなければいけないという方針にいたしまして、すなわち御承知かと存じますが、職場と住居とが府県を異にするような者、すなわち通勤が非常に不便であって気の毒な状態に現在なってしまった者、また通勤に二時間以上かかるというような状態のもとにある者、あるいは福岡から東京へ転任になる、あるいは大阪から東京へ転任になる、こういうような転勤のありました人、また、ひとり者であったのが仰せのように結婚をいたしました場合、あるいは初めは夫婦だけで小家族に住んでいた、一人子供ができた、そのくらいまではがまんしてもらっておりましたが、二人目の子供ができたというような者、あるいは子供の中の一人が学齢に達してきたというような者、それから神経痛が出てどうも遠いところではぐあいが悪いとか、からだの状態によるやむを得ざる者、これらについてはあき家が出たとぎに優先的に入居させるという方針に切りかえたわけでございます。 しかしながら旧東京区内あるいはそれに隣接した繁華なところというものはきわめてあき家の発生率も少のうございます。またこれにも入れるとなりますと、もう他から入る余地が全くないという状態になりますので、そこを除いたところであれば無条件で優先で入れるということにいたしました。それからそのほかに特別に優遇する、無条件ではないが抽せんで変更を認めるというのを、これより少し度の低い変更事情というものが出てきた人に適用することにしております。すなわち扶養義務のある親族、父とか母とかが年をとっていなかで一人になったので都会にいる若夫婦のところに一緒に住む、それを扶養しなければならない、こういうような状態、あるいは二番目の子供なり三番目、四番目というものが生まれてきたときの、ある基準がありまして、その基準を越えるような者、こういう人たちには年四回申し込みを受け付けまして、抽せんによってお入り願うというようにしております。これによりますと、一般では四十倍、五十倍という抽せん率でありますが、この場合は三倍くらいというような抽せん率になりますが、そういうことでいたしております。 なお、大阪府近あるいは名古屋、福岡となりますと東京ほどのひどい状態ではありませんが、しかし京阪神というのはややこれに準ずる状態にありますので、いま申し上げました基準は東京及びその周辺ということでやっておりますが、大阪方面におきましてもこれに準ずる措置をとるように指示をいたして実行いたしております。 しかし、こうやっていろいろとしぼりまして、また妥当でない人は適正にしようということで努力をいたしますが、やはり社会状態というものがどんどん変化してまいりまして、どうしてもこれにまた該当させなければいけないというような事例が刻々出てまいるような状態、これは引き続き検討いたします。 仰せのように、すでに入っている人が、家族が多くなったら公団の中の大きいほうへ移ってもらう、そこへ小家族の人に入ってもらうということはたいへんもっともでございます。しかし同時に、それに徹底するかということになりますと、入れない人から見ると、公団に入っているというのはたいへんな優遇措置だ、それをもう一つ優遇して、自分たちのほうはその次に甘んじなければいけないか、こういうような一般の声もございます。そこいらの調和をはかりながら適正な配置ということで、仰せのような方向で今後一そう努力したいと存じます。
○岡本委員 いろいろな事情で転居を希望している人は相当多いと思います。ところが現実には、いま仰せのように、たとえていえば通勤時間は二時間以上、しかしながら一日二時間の通勤時間ということは、往復四時間でありますから、しかも交通事情が今日のように交通戦争といわれるような状況の中での通勤二時間でありますから、これは非常な労働であります。だからそういう意味ではもっと通勤時間が緩和される、そうしていまあき家ができたときに転居させておるという仰せでございます。しかしながら、かりに公団居住者同士が広告を出し合うとかいうふうなことで、自主的に交換を話し合うというふうなことがあった場合、その交換を認めてやったらどうか。たとえば京都に住んで大阪へつとめている者、大阪の団地に住んで京都につとめている者、そういうふうなものが、このごろは団地新聞とかいろいろなものがございます。そういうところで、たとえば大阪団地と交換を求むといって京都の人が出すとする、そうするとオーケー、ひとつかわりましょうか、条件が大体同じなら振りかわったところで、それらの人自身の手数の問題だけであって、公団としては実質的に何らの支障もないと私は思うのです。だから話し合った結果公団のほうへ申し出た場合には、公団はそれを許可するというふうな措置が講ぜられるべきではないか、こういうふうに思うのでございますが、公団の御意向はいかがでしょうか。
○林参考人 交通の遠いところで非常に苦労するというお話はごもっともと存じます。さっき申しましたように、二時間以上のところは優先的にこの措置を講ずるということにいたしました。しかし一時間半でも相当なものだと思いますし、それと住居の配分その他とのあり方やなにかを考えまして、なおできるだけ交錯輸送にならないような、人間がお互い同士むだな輸送にならないような、そうして労力のロスにならないような方法というものを、これは交通当局ともよく相談をいたしまして、今後とも検討いたしたいと思います。 それから居住者同士の分でございますが、これは私参りましてまだ半年ほどでありますが、その声はなかなかあるのでございます。それで担当者に聞いてみますと、以前一時ある程度のワクを設けてそういうことをやったことがあるそうでございます。ところがこれはいい面と、また非常に弊害と乱用が出たそうでございまして、いまのところそれを非常にかたくいっておるのでございます。私どもしろうとが考えまして、いいじゃないかなと思うような場合があります。たとえば、姉と妹が結婚しておりまして、そして姉が四階におって子供が三人おり、あぶなくてしようがない。下は妹だけれども、これは子供がいない。そこで一階と四階とを、姉と妹だから取りかえたっていいじゃないか。これなどは私は取りかえていいと思うのでありますが、そのケースはそれでいいようでございます。しかしながら、それを認めればこれ、これを認めればこれとずっとなってまいりましたときに、その中に、この前弊害があったというのは、権利をとりましたり、いろいろそういうことをして利権化してしまったことがあるということでございます。そこいらがむずかしいわけであります。これもまた、御指摘もございますし、よく検討いたしてまいりたいと存じますが、現在のところはそんなようなことで、むしろかたいほうをとっておるわけであります。かたいほうをとると、一つの例を見るともっともだ、なぜこんなかたくという場合が出るし、それをまた認めますと、何でこんなことまで黙っていたかということになる。そこいらが二十万と家を持っておりますときに非常に苦心をするところでございますが、今後検討いたしたいと思います。
○岡本委員 利権化すると困るということでございましたが、たとえば、あき家が十戸なら十戸京都にできたり、あるいは大阪にできたり、そういうふうな場合には順繰りにあき家あき家へ入れていってどんどん振りかえていく。そうすると、家が多少は遊びますが、しかしながら、次々入れかえていけば、相当居住者のいま言った大きな通勤での犠牲、あるいはまた、その他転居したりいろいろな理由があると思うのですが、そういうことに非常に役立つのではないか、こう思うのですが、その場合いかがでしょう。
○林参考人 一つの意味のあるお話だと思うのでございまして、これはよく検討いたしまして、ほかの弊害の部分とにらみ合わせまして、そしてやり得るようでしたらやり得る方向で検討したいと思っておりますが、いまどうにもむずかしい。いろいろまたほかの弊害が出ます。ある程度の弊害は目をつぶらなければいけないと思いますが、そこらはよく検討させていただきます。
○岡本委員 私は最近、医者で通勤時間二時間に十分足りない一時間五十分というところに住んでおったために、なかなか転居できなくて困っておった話を聞きましたが、夜中に緊急に呼び出されるというふうな場合にはどうにもならないわけです。だから外科でありますと緊急の手術、婦人科であればお産、内科の医者であれば狭心症であるとか、そういう重大なあれが入院してまいりました場合には、医療機関のその部門の責任者であれば緊急に備えなければならぬ。しかも、その事情を具して公団のほうに申し出ても、公団のほうでは通勤時間一時間五十分なら、それはとても二時間にならぬからいかぬ、こういうことで公団の出先では相手にされなかったという話がございまして、幸いそれは、近くに供給公社の住宅ができまして、そこへ抽せんで当たって入りましたから、その問題は解決したというものの、そういうふうな職業上の理由によっても、非常に遠い通勤距離というものが社会的な使命を十分に果たし得ないというような事情も出てくると思うのです。だからもっと通勤距離を縮めてやるような、そのことによってそれらの人がそれぞれ十分な自分の社会的な活動ができるような利便をはかってやるという配慮が公団としてあるべきではないか。だから十年後なり二十年後なり、そういうふうな交換用の住宅というものをつくっては絶えずそれに対する転居希望者を募っては抽せんして入れていく。それは事務的には煩瑣かもしれません。しかし、事務的には煩瑣であっても、おさまっていればそれでいいじゃないか、少々のことは泣き寝入りしてしんぼうしておれ、そういうふうなことでなく、居住者に対してもっと親切な配慮が行なわれるべきではないか。またさらに、公団住宅に入居している者は入居していない者に比べたらたいへんな恩恵を受けているじゃないか、その上近いところにかわりたいなどというのはぜいたくだと言わんばかりの先ほどの総裁のお答えでございましたが、住宅公団の仕事というものは国民に対する公的サービスなんです。だからそのサービスというものは至れり尽くせりであるほどいいわけです。おまえたち住宅難で困っているのを公団で助けてやっているのだというような気持ちでなしに、それらに住んでおる人たちができるだけ諸般の生活上の利便が得られるような配慮をするようにもっと積極的に取り組んでいただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがでしょう。
○林参考人 その初めのお医者さんの例でございますが、こういうのは当然取り扱うべきだと存じます。窓口で非常にしゃくし定木でありましたならば、これは私どもの指導の至らないところでございまして、十分の違いでありましても、規則の精神ということから言えば当然お取り扱いをすべきだと思いますし、今後もそういうことについては周知徹底をはかりたいと思います。また、社会的使命を持った職業の緊急性というものも、こういう指導方針の中にというか取り扱い方針の中にもっと織り込んでいくというようにいたして、今後遺憾なきを期したいと存じます。 それから、私のことばが至らなくて恐縮でございましたけれども、居住者を入れてやっているという感じを持ってはいけないということは、常日ごろ戒めているところでございます。それで、さっき申しましたのも、一般からそういう私に対する非難の声があるという一般の声を申したわけで、公団の私以下の職員がいやしくもさような気持ちを持ってはいけないということでやっておりまして、一番初め就任いたしましたときも、何があなたの方針ですかということですから、居住者の身になってものを考えるということを申したような次第で、御指摘をまつまでもなく、親切にということをモットーとしてまいりたいと存じます。 そこにもう一つ、今度は居住者及び居住をしたい人たちの気持ちになって考えるという点が私の任務にはかかっているという点を御了承いただきたいと思います。
○岡本委員 最近公団は、住宅建設の方針として主として三DK以上を建てる、こういうふうな御方針のようでございますが、これは居住水準の向上でありますからまことにけっこうなことなんです。ところがいままで二DKに入っておる人の中には、家族構成が大きくなった、また十年間の経緯の中で、自分で住宅を建てることはできないが、ある程度貯蓄もできておる、こういう人がいると思うのです。そういう人たちに対して、国の住宅建設に、また公団の建設にある程度の協力をさしてもいいのではないか。これは河野さんが建設大臣時代に、同じような構想から、住宅債券、宅地債券の制度をつくったらどうだということを委員会で私が提唱しまして、それはおもしろい、検討しましょうということから実を結んでまいりました。だから一つの考え方として、たとえば夫婦だけ、あるいは夫婦に子供一人くらいで二DKに入ります。それから五年、七年の間にその人は経済的にも少しずつ向上していきます。同時にまた家族構成も大きくなります。だから大きい三DKへ移りたいという希望は当然出てまいります。その場合に、いまの制度のままでありますと、それらの人は二DKに入っているのだから、先ほどのいろいろな条件を満たさない限り、なかなか三DKに入れない。一たん二DKに入ってしまった人は、ずっと二DKでいかなければならぬという宿命を負わされているというような形になるわけであります。しかしながら、私は、それらの人にもう一室建てる分の資金を特別の住宅債券として買わせる、電話公債と同じ考え方ですね。そのことによって、一室分建て増すだけの資金を積み立てたら、新たに建設された三DKに移ることができるという、何万戸か建てられるうちの一部分、五千戸とか一万戸とかそういうふうなものは、家族構成が大きくなった人たち、しかも自分で自分の住水準を向上したいという意欲を持って努力をした人に入居させて、そのあいたところへ家族構成の少ない者を入れていくということにすれば、公団は住宅建設資金というものを一部公団居住者の協力にまつことができるのではないか。その資金分だけまた住宅がたくさん建つでしょう。その金がまた使えますから、だから公団に入居したら、その人たちはもう私は公団にうまく入ったのだ、これでずっといくというよりも、努力をすることによって、自分の住水準を向上できるという希望を与えるということが一つと、一面には建設資金の相当の足しになる。もしそれを何年かのうちに返済しなければならぬというのなら、入居している間はその資金を敷金のようにずっと寝かせる義務を負わせてもいいじゃないですか。そういうことによって、多少なりとも住宅建設戸数もふやすこともできますし、二つの面で利益がある、こういうふうに思うのでございますが、これは建設大臣から御答弁いただいたほうがいいかもしれません。そういうふうな制度を設けてはどうかということを私は日ごろ考えておるのでございますが、大臣の御所見いかがでしょう。
○瀬戸山国務大臣 率直に申し上げて、いま承ってまことにおもしろい考え方です。住宅増加分について住宅債券を出すかどうか、これはまた技術的な問題がありまして、かえってややこしくなる場合も考えられる。敷金の問題はどうか、これもおもしろい考えです。 それからもう一つは、それと違いますけれども、今度新たに一つ新しい試みとしてやってみる、賃貸分譲住宅五千戸を四十一年度で予定しております。最初は借りておって、あとは何年間か借りておるうちに少し家賃を高くして自分のものになりますという制度を今度はやってみるということで五千戸分やる。こういう考え方と総合して検討してみたいと思います。そうしますと希望が持てるし、しかも質の向上が漸次、所得あるいは家族構成の増強に従っていい家に住める希望も持てるし、場合によっては自分のうちになるところへいかれるということで、あわせて検討してみたいと思います。
○岡本委員 その次に、公団住宅の集会所の問題です。最近集会所について、公団と居住者との間にいろいろな話し合いが持たれているように聞いておりますが、この集会所というものをどう理解するかということが一つの問題だと思うのです。小さな、居住面積の少ない家がたくさんあるというふうなところでは、その地域の人たちが集まるのになかなか適切な場所がない。公団住宅でありますと三人や五人、数名の者は集まることはできましても、もう二、三十名というと、とても個人の住宅では集まれません。しかしながら、地域の人たちはいろいろな意思の疎通をはかったり親睦をはかるために集まる必要があると思います。そのためには公民館が必要だ。その公民館に相当するものが集会所です。こういうふうに理解しておるのでございますが、公団のほうもそういう理解に立っておられるのではないかと思うのですが、いかがですか。
○林参考人 集会所については仰せのとおりでございます。親睦をはかる、あるいは居住者がお互いに教養の向上をはかる、その他営利以外の目的でいろいろ勉強をする、編みものの講習とか、彫刻を習いましたり、いろいろな目的でありますが、お話のとおり、やはり公団住宅は狭うございますから、それでああいう社会生活をやる上においても、川住生活の一部としてこれが共同的に営まれるということは大切なものであると存じます。
○岡本委員 ところがその管理の問題をめぐって意見が分かれておるように聞いております。公団のほうでは、これは公団の施設だからおれのほうで管理をするのだということになります。しかしながら、居住者のほうは、自分たちにつくられた公民館なんだから自分たちでひとつ管理させてもらいたい、こういうことなんです。それで市町村の場合、市町村の費用で建てております。しかしながら、その公民館の管理はその地域の自治会でやっております。たとえば市町村がやっておるところの公民館は、各区になっておりますから区長がやっております。それは行政区の区長という意味ではありませんよ。いなかの数十戸が寄って区をつくっておりますが、その区長が大体管理しております。だから借りる場合でも、区長の承認を得てそこで座談会をやったり、いろいろなことがやれます。だからそういう意味では、その住民のためにつくってやった施設なら住民に管理させてもよいのじゃないか。最終的な管理は公団が責任を負わなければなりませんが、一応使用の許可とか、そういうことについては、その地域の住民のつくっておるところの自治会にまかせてはどうかと思うのでありますが、いかがですか。
○林参考人 これの使用の意味というものはお話しのとおりでございます。それでそこに住んでおる人、使う人、この人たちが一番しあわせになるように、一番便利であるように、一番役に立つように、こういうことを目的といたすわけであります。そこでこれは、形の上では公団のものになっておりますから、それでこちらで管理をいたしますけれども、しかしながら、事前にその運用についてはその居住者の意見を聞くということを必ずいたしまして、そうしてその納得の上でこれを使用するというふうにいたしております。事実、各地のを見て回りましたが、きわめて有効に使われておりますし、またフルによく使われておると思うのであります。
○岡本委員 そのように運営されておればよいのでありますが、最近われわれのところには、今度はそこの管理事務所が管理の衝に当たって、いままで自治会のほうで管理しておったのを、完全にそれをなくするのだということになってきた、これは非常に官僚的な態度だと言って不満を持ち込んでおるわけでありますが、そういう事実はございませんか。
○林参考人 これはやはり二十万戸からございますと、いろいろと意見がこの運用についても出てまいります。それで当初つくりましたときには、すぐに修繕をしたりということは何も必要なかったわけでございます。そこで、各地方地方にまかせまして、使い方の基準をつくっておらず、また使用料というようなものもそれぞれで随意にということでやっておったわけです。当初はそれでずっと済んでおったのですが、さっき申しましたように、十年もたってまいりますと非常に痛んでまいります。光熱水道費と備品の買いかえという維持費だけは使用料として徴収することになっておりますが、これがまかせ過ぎましてたいへんアンバランスになりました。大阪あたりと東京あたりと比べますと、大阪あたりのほうが倍くらいというような状態、そして備品も痛んできて、直そうと思うととった使用料ではとても足りないというような状態から、これを一応の水準にそろえようじゃないかということを昨年からやり出してきておる。しかしながら各自治会の事情もありますから、各居住者の方々の意見も聞いておると、いろいろな意見が出るわけでございます。しかし一般から見ますと、これは何ももうけをねらっておりませんから、非常な低い値段のものでございます。それを一時間十円というのを二十円に上げようかとか、あるいは十五円というのを四十円に上げようかとか、こういうようなことをそろって提案をしまして、そして、そのかわり修理やなにかも平等に十分に行き届いてやりたい、こういうのがいま話し合いの最中でございます。それについては、いや高いとか安いとか、あるいはこんなあれじゃ困るとか、いろいろ御意見がありますが、大体のところ、これをそろえていきたいということが、ちょうど十年たったもので、そういう足並みをそろえる意味で出てきたものです。それを会の自由にまかせておったのにというようなことを言われる方があるわけでありますが、管理の適正、公正という大所高所から理解していただいて、大体その方向に、おおむね御納得いただける方向で進んでおるのじゃないか、こういうふうに見ておるわけです。
○岡本委員 私が申しておるのは料金の問題じゃないのです。料金の問題はあとでまた別に承りますが、いままでは一応集会所の使用は、自治会があり、その自治会の会長の承認が要るということになっておったのが、自治会の会長の承認なしにでもどんどん管理事務所のほうで貸せる。さらにまた、事務所のほうで何でも気に入らぬものなら断われるというふうな条件の中に置こうというふうな方針が出てきたので、自治会のほうでは住民の意思を全く無視したやり方ではないかということで議論が出ておるように聞いておるのですが、そういうことはないか聞いておるわけです。
○林参考人 もし居住者の方にそういうような影響、感じを与えるということであれば、まことに遺憾なことでありまして、今後戒めていかなければならないと思いますが、万々そんなつもりで、何でもこっちでやるというつもりでやっておるのではないのでございます。たてまえはこちらが管理するというたてまえになっておりますから、それはやらしていただかなければなりませんが、しかし実際はきわめて少数の職員でやっておりますし、むしろそういう声が出たというわけは、やはり職員もおりませんし、それで、居住者の中の方に、あなた頼みますというようなことでお願いをしておったところもあったのじゃないかと思いますが、いままででも形は自治会で運営さしたということはないのでございます。ただ団地の大きいのと小さいのとございますが、小さいところあたり、十円、二十円とるのをまとめて頼みますと言うて一週間に一ぺん来ていただいていくということであったと存じます。しかし今後もやはりそういうような御協力はお願いしなければならないとは思っているのでござます。そうこちらが何でも権利があるからどうのこうのということでなく、これは住んでいらっしゃる方のためになるように運用していきたい、こう思います。いろいろと居住者の方の中で相互に問題の起きることもありまして、そういうときにこっちが入りまして、それなら今後それはこういう取り扱いにしようというようなことで行動するという場合もあると存じますが、気持ちはそういうことで今後も一そう運営してまいりたいと思います。
○岡本委員 最終的な管理の責任は公団側にあることはもちろんでありますが、一応その集会所の使用のしかた、そういうものについては、自治会があれば自治会を相談しながらやっていく、こういうふうに承ってようございますね。
○林参考人 気持ちの上では、実際また運用としましても、居住者の方々の意見をくんで、あるいは意見を聞いていたします。ただ、自治会のありますところと——ほとんどありますが、それがごく少数が入っていらっしゃるところと、それからいろいろな形の自治会的なもののありますところと、それから自治会の役割りも、広いところ、狭いところ、いろいろございますが、それらはそれに即応して、とにかく居住している人の意見を聞きながらこの運営はやっていくということにはいたしてまいる所存でございます。
○岡本委員 この集会所の使用をめぐって、特にこういうものには使わせないというような規定なり方針なりが何かございますか。
○水野参考人 集会所の使用につきましては、従来から宗教的な活動あるいは政党的な活動のために集会所を使うということはとにかく問題がありますので、そういうものには使用しない、それからまた、営利業務を第三者がやるために集会所を使う、こういうのも、親睦を目的とする入居者のほうが優先でございますから、入居者のそういうほうを最優先しまして、余裕のある場合にだけそういう第三者が使う、こういうようなことをきめまして、それぞれ各支所に通達をいたしているのでございますが、先般来、入居者の方々といろいろ使用料の問題をめぐりまして相談している際、それもやはりもっと詳細な運営要領をぜひひとつつくってもらいたい、またあわせて入居の方の意向も十分参考にしてもらいたいということで、新たな統一的な集会所の運営要領というようなものをつくりたいということで、自治会と申しますか、入居者側の意向を十分参酌して目下作成中でございます。
○岡本委員 居住者の自主的な会合が優先するということは、これはもうよくわかります。しかしながら、宗教的な会合、政治的な会合というふうにいま水野さん仰せでございましたが、宗教的なものについては私は特別の意見はございません。しかしながら、政治的な会合、政治的な意味を持つ会合というふうなことについて貸さないというふうなことであると、私は問題があると思うのです。公団住宅というような非常に大きな団地でありながら、そこに公会堂がない、公民館もない、その代行を集会所がしているのだということになってまいりますと、やはり公民館的性格として、これをある場合には政治的な会合にも使わせてもらわねばならぬ。私ども農村地帯に参りますと、座談会なんか持つ場合にはいつも公民館を使っております。だから、団地へ行けば当然集会所がそれに相当するはずだと思うのです。また、国民に対する政治教育をだれがやっていくのか、これは政党がやっているのです。政府がやるわけにいかないのですね。今日の日本のなにですからね。これは政党がそれぞれの立場において自分の意見を訴えていくということが、国民に対する政治教育なんです。だから、そういう意味においては、政治団体に貸さないというふうなことは、これは政治というものに対するところの非常に片寄った考え方ではないかと私は思います。私は、日本の国民の傾向の中の一番憂うるべきものは、政治をべつ視することであると思います。政治家なんというようなものは、くだらぬやつがやっているのだと言わんばかりのことを新聞は書きます。いわゆる政治家なんかのダーク・サイドをことさらにおもしろおかしく書き立てて読みものにするというふうなことのために、国民は政治家と政治行動というものを一部べっ視するような偏見が出てまいっております。しかしながら、人類社会が発展していくのには、政治が一番大切なんです。また、今日人類の文明が高度に発展しているということは、りっぱな政治を持っているということの結果として出てくるのです。だから、公的な公団というような機関が、政治をべっ視したり、一党一派にはとても貸せないのだ、こういうふうな偏見を持たれるということは、私は非常に残念であると思います。私は、そういう態度は是正していただいて、だからその条項の中から政治的会合には貸せないというふうなことだけは抜いていただきたいと思うのでございますが、総裁いかがでしょう。
○林参考人 政治が非常に大事なものである、最高のものであるということは仰せのとおりと存じます。ただここは、さっき公会堂というお話がございましたけれども、実は公会堂的な面もございますけれども、しかし各居住者の家賃の中から、回り回って計算しますと、これを一部分出してつくっておる。大ぜいの居住者の居住の延長というような性格のものでございます。そこで公会堂とはそこが少し違うわけでございます。自分の座敷が二DKで二間しかない。お客も来れない。みんなで会合したり勉強もできないというようなときの延長のようなところになるわけでありますから、そういうような、ある意味では私的なといいますか、居住者だけのものというところになるわけであります。そこでは親睦をはかり、教養を高める、交際をする、そういう目的にこれを使うことになっておるわけでございます。したがって、政治は大事でありますけれども、これがまた個々に政治的に使われますときに、大事な問題ではありますけれども、今度またそこにいろいろと問題が起きて、共同社会の団地の中でもいろいろと問題になるということもまたいかがかと存ぜられますものですから、現在はこれをもってやらしていただいておる次第でございまして、御了承願いたいと思います。
○岡本委員 居住者が使われるのが優先しておるということはわかっております。しかし、あいているときには使ってもいいんでしょう。だから政治的目的の会合には貸さないということは当たらないと思うのです。 その次には、団地の中のいろいろな問題を解決するということも一つの政治的課題なんです。だから政党がそこへ行って団地の居住者の中にあるところのいろいろな不平であるとか希望であるとかいうふうなものを聞き、そして問題解決のために当たっていくというふうなことは、これは団地の居住者の福祉につながることなんです。同時にまた、国の政策のあり方、住宅政策のあり方、あるいはまた物価政策のあり方、そんなものを団地の居住者に知らして政治への目を開かせるということも、これは一つの大きな福祉につながることなんです。 また、団地の居住者は棄権が非常に多いということがいわれております。それはやはり、そういうふうな集まる機会を持たない、政治問題について話し合う機会を持たない、そのことが、自分たちが持っておるところの唯一の、一番大切な政治へのつながりである投票権の放棄、選挙権の放棄ということにつながってきているわけです。だから、団地の居住者が、小さな自分たちの日常住活のワクの中に閉じこもって、小さなしあわせだけを守っていくということ以外に、もっと大きな全国民的な立場に目を開いて、それで豊かな日本をつくる、そういうふうな方向に、自分に与えられた参政権を行使するということも、これは非常に重要なことなんです。だから、そういう意味においては、私は、いま総裁の言われた、公共のものではない、これは居住の延長なんだからというおことばは、当たらないように思います。だから、それだけはひとつ貸せないという条件の中から抜いていただかなければならぬということが一つ。 その次には、団地の居住者は、団地というところは比較的従来の町から離れたところに建てられております。したがって、投票に行く場合に非常に遠いのです。だから私は、少し大きな団地であれば、やはり投票所を集会所に設けるべきである、こういうふうに思うのでございますが、それは単にあなたのほうだけの御意向できまることではございません。これは各地域の自治体の選挙管理委員会がきめるところでございます。しかしながら、快く提供する用意があるかないか、これだけは公団として方針をきめていただかなければならぬと思いますが、公団のお考えを承りたい。
○林参考人 選挙の投票所のことでございますが、これはさようにぜひしたいということで、こちらは申し入れをいたしております。 それから、前段のほうでございますが、これは御意見としてよく承ります。この集会所というものが、やはり居住者の共通の福祉及び教養を高める、そして親睦をはかるということを主体としているものでございますから、現在はそこのところを慎重にしているという状態でございます。いい面のほうからいいますと、いろいろとおっしゃる面またあるわけでございましょうけれども、それに伴うまたいろいろの反作用と内部のいろいろな、静かさというものの問題があるものでございますから、慎重にひとつ考えさせていただきたいと思います。
○岡本委員 教養を高めるとおっしゃいますが、政治的に目を開くということが教養上一番必要であると私は思うのです。政治的に盲目に置いておきたいと言わんばかりのいまのおことばでは、私は承服できません。
○林参考人 その政治的にも教養を高めること、大事なことでございますが、ですから一般的に代議政治とはいかなるものであるか、民主政治とはいかなるものであるか、あるいは選挙粛正、公明選挙とはいかなるものであるか、こういうことであれば差しつかえないと存じます。ただ、そこに、もう一歩具体的になりました場合、やはり居住者の大ぜいの人たちの共通の部屋の延長というようなところでございますから、そこでそういう全体の共通の最大公約数的な運用方法ということを考えていかなければなりません点が頭にありますものですから、かようなことをやっております次第でございます。
○岡本委員 各党の政策を聞くことは、これは各党それぞれから住民が聞いて判断すればいいことですから、これはやはり非常に必要なことだと私は思うのです。また、教育の場である小学校すら、いろいろな政治的な会合にどんどん使わせているのです。それを公団の居住地域の中にある集会所が使えないというふうなことは、これは少し偏見が過ぎやしないかと思います。これはぜひ訂正してください。
○林参考人 いろいろと積極的な御意見とくと承りますが、やはりいまのところはまだ現状でいかないと、この団地というものが平和に伸びていかない——政治が平和でないという意味ではありませんけれども、やはり小学校とまたちょっと建物としての立場が違う点がありますので、とくと承りまして……。
○岡本委員 団地に住んでいる人はインテリが多いのです。だからあなたが心配しておられるような、平和をかき乱すような政治行動をその中に持ち込もうとしても、団地の人たちはなかなかそう簡単には共鳴してきません。だからそんなことについては御心配要らないと思うのです。これはしかしだいぶあなたのほうもいまかたくなな気持ちでおられるようでありますから、機会をあらためてもう一ぺんまた議論をさせていただこうと思います。 それから次は、先ほどお話しの使用料の問題であります。使用料を今度上げたい——その使用料の値上げの模様を見ますと、かなり大幅な引き上げの模様です。物価が上がった、所得倍増やということでございますが、これは数倍以上になっております。あえてこんなに上げなければやっていけないのかということです。あなたのほうのなには、先ほど二つの矛盾したことを言っておられます。一つは、管理するのに器物を補修しなければならぬから、それに金がかかるから少し上げさせてもらいたい、こういうことでございます。同時に一方では、先ほど、これは地域の住民の人の出した家賃の中からこの管理費が出ておるのだから、居住の延長なんだ、だからこれは共益費の中に含まれておるというように受け取れるようなお話がございました。だから、共益費のほうから一部出ておるのなら、必ずしも使用料というものはそうめっぽう上げなくてもいいのではないか。ただし小幅な引き上げならわかります。しかしこの値上げの表を見ますと、なかなかどうしてそんな小幅なものではございません。ことに冬少し大きな部屋を使いますと、三百円から五百円はかかります。そういうふうな値上げになっております。だからこれは少し高過ぎるのじゃないか。ことに幼児教室の使用なんかでも、これは地域の奥さん方が地域の子供さんのお守をしてやろうというような、自主的な保育施設をやろうというふうななにで、当然保育所が設けられるべきものが設けられない、その代行をやろうというような幼児教室に対して、それを時間制にして、しかも時間を切ってメートルが上がるような、まるでガスのメーターがぽんぽん上がっていくような形で使用料をとっていくというようなことは、少し考え方を改められるべきではないかと思いますが、これはいつから実施されますか。それとも、こういうふうな方針は十分居住者との間に話し合いをつけてから実施されるおつもりでございますか、その辺承りたいと思います。
○林参考人 先ほど申し上げたのは少しことばが足りなかったと存じますが、これをつくる費用、いわゆる部屋を建造する費用は、結局回り回って各人の家賃なり割賦金から入るということでございます。それからこれを運営するといいますか、光熱水料を払い、いす、テーブル、カーテンを直す、掃除をする、これなどはいまの使用料から払う、こういうことになっているわけでございます。しかし、いずれにしても居住者がつくった居住者のためのものでございます。 それから使用料の高さの問題でございますが、大阪は据え置いて、大阪付近はそのままということでまいる予定でございます。その他は大阪まではるかにいきませんで、ところによると半値以下のところがございますので、そういうところを上げていこう、こういうことです。しかし公団は毛頭——これは実はもうける必要はないし、もうけてはならないものでございますから、これは入りましても、カーテンの修理になり、いすの修理になり、光熱水料になりして全部還元していくわけでございます。それで計算しますと、いままでわりあい修繕費はかかりませんでしたので、何とかしてまいりましたけれども、どうしてもこのままでは赤字になるということで、その赤字を、バランスを補正することによって補っていきたいということで、そんなに高くぐっとやるという意味ではないわけでございます。 それから幼児保育については、これはお話しの点もありまして、特別に少し割り安にすべきでないかということで、特別料金を設ける予定でございます。 そして、いつからやるかということは、いままだ未定でございます。話し合いを円満につけて実行していきたい、かように考えております。しかしなるべく早くにやっていきたいというふうに考えております。
○岡本委員 幼児保育は、この新料金表を見ましても、一般の使用料とちっとも変わらないです。少しも安くなっておりません。これはあなたのほうで新料金表の話し合いのときに、もっと配慮したものを提示されるべきだと思います。また同時に、いま十分話し合った上できめていきたいという御意向でございましたが、私も、十分話し合った上でおきめになるということであれば、それで了承いたしたいと思います。居住者とよく円満にこの問題を解決されるようにお願いいたしておきたいと思います。 それからもう一つ、その後の経過について承っておきたいのでございますが、団地電話です。三年ほど前でございましたか、団地電話の問題について、これは河野さんの時代でございましたが、電電公社の総裁を何べんか予算委員会や建設委員会に来ていただいて、ずいぶん激論をした末に、団地電話を開発しましょうということで、今日の自動的な、自動電話としての団地電話がつくようになりました。ところが私どもの地元の団地を見ておりましても、全部の団地にまだ完全に行き渡っておらないのです。それはどういうことなのか。たとえば、私のほうの地元のことを申しますと、観月橋団地については団地電話がつきました。ところがもう一つの与五郎団地には、何か今年中にはつくであろうというふうな話は聞いておるのですが、まだついておらないというのが実情でございます。これは電電公社が、その順番があって、申し込みの順につけるためにおくれておるのか、あるいは現地のほうで希望を申し出られるのがおそかったのか。私の承知している範囲では、一昨年すでに与五郎団地から希望が出ておったと思います。さらにまた電電公社に私が参りましたときには、とにかく要望があればすぐつけます、半年内には必ずつけますというのが電電公社の営業局長のお話でございました。だからすべての団地にさっと団地電話が行き渡るもの、このように私は心得ておりましたのに、かなりそれの速度がおそいのではないか。さらにまた、従来団地の中に一般のケーブルも引けておるところ、たとえば枚方の団地であります香理団地でございますとか、ああいうところについては団地電話は開発されておらない模様でございます。しかしながら従来ケーブルが入っても団地電話ができて安く電話つくようになれば、どんどん申し込まれるようになると思うのです。だからそういうところでも団地電話をつけるようにして、居住者の利便をはかるべきじゃないか、こういうふうに思うのでございますが、公団は団地電話の架設ということについてどういう方針を持って進んでおられますのか。いままでの、団地電話制度ができましてからと、その後の開発状況についてお伺いいたしたいと思います。
○水野参考人 まず第一に幼児教室の使用料でございますが、これにつきましては、御承知のように第一分類、第二分類、第三分類、三段階に分けまして使用料をきめておるのでございますが、幼児教室の使用料につきましては新しい分類をひとつ設けまして、特別に安い分類をして、ひとつこれでどうだろうかということで、入居者の方と相談をしておるわけでございます。 それから第二の集団電話の問題でございますが、集団電話、団地自動電話でございますが、団地自動電話、これはわれわれ公団といたしましても一日も早く普及されることが望ましいと思っております。私ども公団側といたしましても、入居者へのPRでありますとか、あるいは自動電話を設置する場所の提供、そういうものを喜んで電信電話公社の御要望どおりにいたしますということを申し入れて、すみやかに自動電話ができるだけ多く普及するように、電信電話公社のほうにお願いをしておるところでございます。ただ電信電話公社といたしましては、実は早くつくる団地がございますが、いまもお話しのように、なかなか時間がかかるのでございます。この機械の製作が何かおくれておるというようなことをちょっと耳にしたことがございますが、まあいずれにせよ、自動電話がおくれておりますのは全く電信電話公社側の理由でございまして、われわれ公団側といたしましてはできるだけ普及するように最大限の協力をする、こういうことを申し入れをしておる次第でございます。 それからなお、従来、集団電話をやっておりまして、これを自動電話に切りかえたほうが私ども望ましいと思います。御案内のとおり、電話交換手の問題もございますし、自動電話に切りかえたいという要望も入居者のほうからなかなか強いのでありますけれども、一面、せっかく入れました集団電話の機械の耐用年数がまいりませんともったいないという事態がございまして、なかなかおくれておる団地もあるようでございます。われわれといたしましては、できるだけすみやかに自動電話が普及いたしますように、今後とも最大限の努力をするつもりでございます。
○岡本委員 団地電話の制度ができました当時、電電公社の営業局長との話し合いでは、いま申請の出ているものの大部分は、一年くらいの間には十分消化できるというふうなことであった。ところがあれから二年になると思う。まだ設置されないというところがあって、しかもそれが電電公社側の理由だ。機械の生産がおくれておるということでは、私のそのときに聞いた返事とはだいぶ話が違うのです。その当時の申し込みの数、しっかり覚えておりませんが、一体現在そのうち何割くらいが消化されておるのでしょうか。お手元に資料ございませんか。
○水野参考人 いまちょっと資料を持っておりませんが……。
○岡本委員 それではその問題はあとで資料としていただきます。もしあまり進捗がおそいようなら、一ぺん電電公社にこっちに来ていただいて、その理由を承って早急に解決するようにいたしたいと思います。 公団にお尋ねいたしたいのは以上でございます。総裁、御苦労でございました。 次に、産労住宅の問題についてお尋ねいたしたいと思います。 昨日の本会議で労働大臣は、ILOの労働者住宅に関する勧告は尊重していきたい、こういうようなことでございましたが、建設大臣はいかがお考えでございますか。
○瀬戸山国務大臣 ILOの条約はもちろん尊重していきたいと思います。
○岡本委員 しからば、ILOの労働者住宅に関する勧告の中の最も重要な柱は、何と何であると理解しておられますか。
○瀬戸山国務大臣 住宅に関するILOの勧告、私いま手元に勧告書を持っておりませんから詳細にはあるいは知識が足らないかもしれませんけれども、できるだけ使用者側のやっかいにならないような住宅政策をやるべきだ、自分で家を建てるようにすることが望ましい。何かぶら下がっておるようなかっこうの住宅政策はできるだけとらないように、こういう趣旨に私は解釈しております。
○岡本委員 そういう観点に立ちますと、今度の産労住宅法の改正案は、従来は企業が住宅を建ててそれを労働者に賃貸ししていく、こういうことでございました。今度は企業が住宅を建ててそれを分譲するということです。だからいままでは家そのものを貸すという形でつながっておりました。今度は金銭の貸借関係で、しかも相当まとまった金額の貸借関係というもので労働者とつながるということで、結局企業が住宅提供に大きく介入していくということにおいてはちっとも変わらないと思う。だからこれはやはりILOの勧告の精神に反したものだと思うのでございますが、いかがでしょう。
○瀬戸山国務大臣 ものの考え方だと思います。これを完全に建ち切れるように——公営住宅が簡単に建つということになると私はそれで解決すると思いますが、なかなかそうばかりも実際上まいらない。いろいろ財政といいますか、国力といいますか、そういう事態がありますので。そこで従来はいわゆる使用者側に金を貸してそして家を建てて、それを勤労者に賃貸する、こういう制度だけにしておきましたが、それは全く従属ということばを使えば従属関係が強過ぎる。これは少しでも緩和する方向にいきたい。と同時に、政府資金、国家財政ばかりでは通りませんから、民間と申しますか、起業者側の資金をできるだけ住宅に振り向ける。いわゆる民間の資金を住宅資金にできるだけ振り向けることに努力することが、やはり住宅政策の解決の前進になる。そういう意味においては将来は勤労者の家になるということをやったほうが一歩前進ではないか。いつまでも家を借りておるのじゃなくて、やがて家は自分たちのものになるのだという制度を付加する。話がちょっと別になりますけれども、公団住宅でも賃貸分譲住宅といいまして、いつまでも借りているのじゃない、自分たちのものになるという制度をひとつ試みてみよう、そういうことでございまして、私は一歩前進だという考えを持っておるわけであります。
○岡本委員 従属関係が強過ぎるから、これのほうが一歩前進だというお考えでありますが、これの出てきた根拠というのはもう少し違ったところにあるのじゃないかと思います。企業が住宅を建てて社宅を提供するということは高くつき過ぎる。実際建設費に見合ったところの家賃、その利息にも家賃は相当しない。だから企業の負担が重過ぎるから、企業の負担を軽減をするのには、労働者が住宅を持ちたいという夢を利用して、それでもってうまく労働者の負担に肩がわりしようというようなところに、このねらいがあったわけなんです。だから、そういう意味においては、住宅建設の資金を金融公庫から経営者に渡し、経営者が分譲をやるというふうなことでなしに、もっと直接的な形で労働者に渡せばそれでいいと思うのです。結局労働者の場合には、勤労者では信用がおけない、だから企業という信用を通じて労働者に分譲住宅を建てていく、こういうようなことに実質的にはなっておるわけです。しかしながら、従属関係は家から金銭に変わったというだけで長く残ります。その返済は五年や十年では返せませんから、二十年や三十年にわたっての返済期間があるわけでありますから、長く従属関係が続くということです。 その次に、この社宅制度の悪いことは、企業住宅を通じて企業に労働者が従属するということが一つと、もう一つは、どうしても集団住宅になります。しかもその企業だけの従業員が集団住宅を持っておりますと、職場におけるところの上下の関係、あるいは同僚同士のいろいろな関係、それがまた居住の中にまで持ち込まれる。だから昔の武家屋敷と一緒で、足軽の子、さむらいの子というふうな関係が子供の生活の上にまで及んでいくことから好ましくないということも、その中の理由の一つなんです。だから、そういう意味におきましては、こういう制度はとるべきではない制度である。したがって、こういう制度をとるなら、むしろ勤労者に住宅協同組合をつくらせる。大ぜいの勤労者の全体の責任において住宅協同組合をつくって、そこへ資金を受け入れる、それでもって分譲住宅を建てていく、こういう形にすれば、産労住宅でやる資金を住宅協同組合に流すことによって、勤労者の持ち家住宅の制度というものを推進することができるわけなんです。だからむしろ住宅協同組合という形によるのがもっといい制度ではないか、こう思うのでございますが、大臣のお考えを伺いたい。
○瀬戸山国務大臣 私どもは先ほどの問題については、それはものの考え方によって、岡本さんのような考え方もできると思います。しかし民間も、これはいわゆる使用者側といいますか、これもできるだけ家を建てることに努力をしなさい、これは私はいまの日本の現状では必要だ、こういう考え方で申し上げておるわけであります。とにかく何でもいいから家をよけいつくるというのがいまの日本の現状だと思っております。これが飽和状態になりますと、いろいろまた戦前みたいに自由に移動もできる、それをつくりたいというのがいまの日本の住宅政策の一番の眼目じゃないか。もっと数をふやす、とにかく家を建てることに努力しようじゃないか、こういう意味ですから、いまの岡本さんのような御意見の出ることも、必ずしもおかしいとは私は思わないのです。 それからもう一つは、労働者の住宅組合にいたしたらどうかということですが、それも私あながちおかしな議論とは思っておりません。しばしば従来からも大いに議論されておるところでありますが、そういうふうな時代に早くなりたいと思っております。いまは御承知のように勤労者の住宅協会ですか、そういうところに金融公庫その他の金を出してやっておるのでありますが、これを一歩前進して勤労者の組合等にも貸してそれを運営するという事態に進むことを私どもは望んでおります。そういう点は今後検討してみたいと思っております。ただ、これはよいところも悪いところもあると思いますが、全部がそこまでうまくいくかどうかということでまだ——おまえたちはまだそこまで進歩が足りないとおっしゃられればそれまででありますが、まだそこまで完全に割り切れないという事態であるので、それは検討していきたいというのがいまの態度でございます。決してお考えが根本的に間違っておるとは思っていないのです。
○岡本委員 すでにヨーロッパ諸国では住宅協同組合が非常に発展をして、それがまた国の住宅政策に大きく役立っておることは御承知のとおりでございます。ところが日本においては、住宅政策というものはまだ法的にも日の目を見ていない。またいま大臣は、そういう時代に早くなりたいとそれを望んでおられる、しかしまだどうもそこまでいかないのだということでございますが、その理由が私たちにはのみ込めない。勤労者が住宅組合をつくり、連帯責任において住宅建設資金を借りる、担保物件もある、そうしてまた企業がもし協力するなら、住宅協同組合を通じて家を建設する場合に、直接金を貸さなくとも、事業主が保証人になってやる道もあると思います。また労働組合自体相当大きな資金的なものを持っておりますから、労働組合もまた保証するでしょう。だから今日のように勤労者の間に労働組合を通じたところの連帯意識というものが発展し、そうしてそれらが自分たちの手でもって、政府がやってくれるだけではどうも少ない、幸い労働金庫もあり、おれたちの家を建てたいといって積んでおる金がある、それが他の金融機関にいけば、それらが高度経済成長のための設備投資に投入されて物価値上がりの原因になったりする、それよりもむしろ、やはり勤労者がお互いにみんなの家を建てたいという形で資金を積んでいって、そのことによって自分たちの住問題を解決したいという意欲が、住宅協同組合をつくらせてもらいたいという大きな要望になっておるときに、どうも政府与党は乗り気でないんですよ。与党が乗り気でないだけに、政府自体、局長すら、どうもいつもこの協同組合の話を出しますと首を横に振っておるんですよ。これは政府与党の顔色ばかり見ておるのかもしれませんが、そういうことではいけないですよ。ビューローというものは中立でなければいけないと思います。ほんとうに正しい行き方というものについては積極的に協力するような意欲、態度を示してもらいたいと思います。だからそういう意味で私には反対される理由がわからないのです。大臣は、それは望んでおる、早くそうなりたいが、もう一つわれわれに割り切れないものがあると言われますが、それがどう割り切れないのか、それを承りたいと思います。これは大臣でなければ、局長ではだめですよ。
○尚政府委員 お話がございましたように、労働者が自主的な組合等をつくってこれに資金を援助して建設するということは、あながち否定すべき問題ではないわけでございますが、しかしながら、現状として考えますと、やはり多くの人に非常に大きな財産を供給し、また債務及び債権の関係になります以上、これらの団体は非常に経営管理能力があり、そうして債務弁済等につきましても責任体制が非常に強くなければいけないということが問題でございます。たとえば、加入、脱退が自由ということになりますと、債務があるのにかかわらず脱退をされてしまうと、残った組合員がその債務を全部負うというような問題も多くありまして、私ども普通の住宅組合という制度自身も終戦後しばらく使ってみたのでございますが、事故が非常に多くて、住宅金融公庫もついに貸すことをあきらめているのが現状でございます。そこで、私どもといたしましては、しかしながらこれらの要件が満たされる状態のものということも考えまして、御承知のとおり労働金庫が出捐金を出しまして、各おもなる労働組合が組織しておりますいわゆる労働者住宅協会というところは、これは労働金庫が資金的にもバックアップしているというような状態で、現に四十年度あたりは年に三千戸程度公庫から貸しているのでございます。これらこの協会が市部にある場合には組合を利用されたりして供給をしているわけでございます。私どもとしては、そのような組織がさらに活用されるなら、一応この道も伸びるというふうに考えているわけでございます。それからそれぞれの労働組合というふうになりますと、実は住宅の供給にいたしましても、でき得るならば組合員に限定されないで、できるだけ一般の方全体に潤うように国の資金を流したいということでございます。そういうこともございまして、たとえば昨年住宅供給公社というような組織で、これはどなたも積み立てて分譲住宅が得られるというような制度にしたわけでございます。それからなお、一つの理由としてまことに残念な点もあるのでございますが、まだ国家資金が十分でない状態におきましては、供給組織ばかりが非常に多くできて、それに小さく分散されるということよりも、やはり地方公共団体あるいは供給公社というような、土地収用権等も持ったところが、町づくりもしながら、団的に、合理的に環境のいい住宅をつくっていくほうの資金に十分流すということ、それすらまだ十分に行なわれていない事態でございます。 以上、それらの問題を勘案いたしまして、今日としては現状ある機構を、あるいは現状ある住宅供給の主体をより強く伸ばしていくことのほうにもつばらの主眼を置いてまいりたいというふうに考えておるのが実情でございます。
○岡本委員 現実においては、労働者の住宅協会があってそれに資金を流しておる。昨年は三千戸くらい建てた。事実、京都でも労働者住宅対策協議会というのがあって、住宅供給公社が宅地開発をやったその隣に同じような規模の宅地開発をやり、住宅を提供いたしております。しかしながら、それはやはり完全な法的な資格を持っておりません。だから仕事の上でいろいろ不便がある。だから、やはりはっきりした法的な資格を持って、もっと広範な活動をやりたいという意欲を持ってきておるわけなんです。だから、そういうような国の住宅政策に自分たちの金を出し合って大いにやっていこうという意欲を持っているその芽をつむような行動は許されないと思うのです。幸い、いまわれわれのほうでも、せっかく与党との間で住宅協同組合法の成立を何とか実を結ばせたいということで話し合いをしている最中でありますが、これはぜひ建設大臣、もっと積極的にそれを運営するというふうな姿勢になっていただかぬと、労働組合にそんなことをやらせるのはいやだというふうな、何か労働組合に対するところの偏見がいまそれをはばんでいるような感じが私にはいたします。私は非常に残念だと思うのです。だからその点ひとつ政府のほうでも少し態度を変えていただきたいと思うのです。 いま住宅組合のお話が出ましたが、あれはいろいろ貸し付けについての事故が起こったので、現在では資金をあまり流さないようにしているということでございます。私は、去年のがなかったので、三十八年度の住宅金融公庫の貸し付けの状況を見たのですが、三千二百七十三億の貸し付けの中で五〇%が個人住宅、千六百三十七億が個人住宅に貸されている。そうして産労住宅には三百八十二億貸し付けられている。ところが、住宅組合はわずかに十億なんです。住宅組合法という法律がりっぱにありながら、国民が自主的にやろうとするところの住宅組合を全然育成しようとしないこの態度は、非常に間違いだと思うのです。ヨーロッパでは住宅協同組合があのように発展してどんどん勤労者が自主的に、自分たちの共同の責任において、共同の信用において、家を建てるという形でもって住宅建設が推し進められているのに、なぜ日本はそれができないか、それをやらせようと指導しないのか、外国でできることが日本でできないはずはないのです。やろうとしないからなんです。これはぜひその態度を改めて、住宅組合法というのが非常に不備な法律のようでございますから、これをもっとりっぱな住宅協同組合法に仕上げ直して、それでもって勤労者が自主的に自分たちの手で国の援助を受けつつ、自分たちの家を建てる、それでもってILOの精神に沿った住建設をやろうという意欲を、国のほうが大いに助成するようにひとつ努力していただきたいと思います。 これで私の質問を終わります。 ————◇—————
○田村委員長 この際、去る二十三日に議決いたしました住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表して、岡本隆一君外二名から附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。岡本隆一君。
○岡本委員 一昨日本委員会において可決されました住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付すべしとの動議を提出いたします。 まず、案文を朗読いたします。 「住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当り、左記について特に配慮すべきである。 記 「使用者がその労働者に直接住宅を提供することは、公正な労使関係を妨げる。」という趣旨のI・L・Oの労働者住宅に関する一般的勧告は、労使関係の近代化にとって重要な意義を持つものである。 しかし乍らその趣旨を充分に生かすには同勧告にいう住宅協同組合の発達していないわが国の現状では、遺憾ながらかかる改正も止むを得ないものである。 よって政府は、勤労者の持家住宅建設を促進するためには、可及的速かに適切なる措置を講ずべきである。 右決議する。 以上が案文でございます。 理由を申し上げます。 労働者住宅に関するILO勧告は、まず第一には、労働者によるところの持ち家を奨励すべきであって、それは国の政策として取り上げるべきであるということ。その次には、公共基金による賃貸し住宅の供給に重点を置かなければならぬ。同時にまた協同組合によるところの住宅の供給をも大いに促進しなければならぬ、こういうことをうたっておるのであります。さらにまた、その勧告では、使用者の提供するところの住宅というものは、これは好ましくない、その会社と関係のない公共機関が住宅供給に当たるべきである。使用者が労働者に住宅を供給するということは、これは健全な労使関係を阻害するものである、こういうふうなことを勧告では言っておるのであります。 ところが、政府の今度の産労住宅の改正法というものは、まず従来の産労住宅、これは使用者が住宅を建設して労働者に貸し付けるというものでございましたが、今度は使用者が金融公庫から金を借りてそれを労働者に分譲しようというものでありますから、住宅そのものにつながるかあるいは資金的につがなるかということにおいては、やはり同じように使用者の恩恵というふうな形をとるだけに、これはまさにこのILO勧告に逆行するものであります。 また、地方住宅供給公社におきましても、住宅というものは分譲が主体になっておりまして、賃貸しを大幅に取り入れる必要があると私は思うのでございますが、この問題はさておきまして、住宅組合法というものはすでに早くからありながら、全然政府はこれを無視して、育成しようとすることをいたしておりません。同時にまた、住宅協同組合がヨーロッパ諸国では非常に発展しておりながら、しかも日本の国では一向発展していかないというのは、これを育成しようという努力を政府が全然欠いておるというところに私は原因しておると思うのであります。したがって今日日本の勤労者の中から住宅協同組合をつくりたい、そうして自分たちでもって自主的に、共同の責任において家を建てたいというところの声があがっておるのにかかわらず、政府並びに与党が非常にこれに非協力であるというのははなはだ私は残念に思うのでございますが、この際私は、この産労住宅がILOの精神にもとっておるということを十分認識していただいて、住宅協同組合法の成立に積極的に協力されるように心から皆さん方にお願いしたいと思うのであります。 私がこの附帯決議を提案する理由は以上であります。皆さん方御賛成あらんことをお願いいたします。
○田村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議について別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田村委員長 起立総員。本動議は可決されました。よって、岡本隆一君外二名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決定いたしました。 この際、瀬戸山建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣瀬戸山三男君。
○瀬戸山国務大臣 ただいまの御決議を尊重して、私ども十分検討してまいりたいと思います。
○田村委員長 次会は来たる四月一日金曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十四分散会