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51回国会衆議院1966/03/23

建設委員会 第13号

発言数
82
登壇者
10
会派数
2
開催日
1966/03/23

会議録

田村元自由民主党

○田村委員長 これより会議を開きます。  住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案、日本住宅公団法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 いま委員長の申されました法律案の審議をやる前に、なぜこういう法律案が出されてきたかという経過についてお伺いしたいと思うのです。  宅地開発公団については、四十年の十一月の十二日、閣議了承になっておりますけれども、これが取りやめになって、こういうような法律案に変わっておるわけです。一応質問の順序として、なぜ変わったかという理由と、それから経過についてお伺いいたしたいと思います。

志村清一建設事務官(計画局長)

○志村政府委員 ただいま先生からお話のございました昨年の十一月の閣僚協議会の決定でございますが、この中におきましては、公的な宅地供給を大幅にやるべきである、そのためには機構の整備も必要であるという趣旨の閣僚協議会の決定をいたしたわけでございます。その組織の問題につきましては、宅地開発公団を新設するというふうな案を私ども持っておったわけでございますが、閣僚協議会の決定事項の中においては、必ずしも宅地開発公団を新たに設けるという決定まではいたしてないわけでございます。その後、予算折衝等をいたしました際におきまして、現在のような、公債まで発行して予算を編成するという時期において、組織の新設等いたずらに組織を広げることについては疑問があるということが一点と、宅地開発を推進してまいりますためには、新しい組織をつくりますと、多少タイムラグがございます。それらを防ぐために、さしあたり日本住宅公団の機構を拡充していくという方向で考えたらどうかということになったわけでございます。今回の住宅公団法の一部改正は、さような趣旨で内容が組まれたわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 いまの御答弁の中に、機構を拡充することに疑問があるというお話がありましたが、どういう疑問ですか。

志村清一建設事務官(計画局長)

○志村政府委員 私の申し上げましたのは、公債まで発行する段階において、新しい公団を設立するのは差し控えたほうがいいという趣旨でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それでは大臣にお伺いいたしますが、ああいうような理由で新しい組織機構をつくることについて取りやめになったようでございます。聞くところによると、建設省は今回のこういう決定について非常に不満である、したがって来年度は何としても宅地開発公団を新設するのだという強い決意があるように聞いておるわけでありますが、大臣はどう思っておられるか、建設省としてはどう対処せられるか、その点をお聞きしたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 計画局長からお答えしておったかと思いますが、私どもは、この住宅政策を進めますについて当然にその前提となる宅地をつくるということ、これはもう非常にむずかしいことで、しかも非常に大事な前提でありますから、大量に用地を取得しあるいは開発する、こういう場合に、このむずかしい仕事にはどうしても新しい専属と申しますか専任の機関をつくって、それこそ強力にその仕事を進める必要がある、こういう考え方で、宅地開発公団というようなものをつくる必要がある、かように考えたわけでございまして、それを推進いたしたのであります。先ほど来局長から御説明いたしておりますように、政府といたしましては、いろいろ議論がありますけれども、今年から七千億余の公債を発行して財政をまかなう、そういう一つの借金でありますから、こういう際に、行政機構についていろいろ問題がある際に、新たに部局を増設する、また新たな機構をつくるということは、国民に対する政府の姿勢というものについてもいかがであろうか、これがいろいろ議論されたわけであります。なるほど新時代に適応する部局も必要であるし、またあるいは機関も必要であるかもしれぬが、こういうように国民に公債に対する協力を求めて政治を進めようとする場合に、できるだけそういうものは努力によってまかなうという姿勢が必要ではなかろうか、こういうことで新しい部局、機関の新設というものはこの際しんぼうしよう、こういうことも私は政治として重要な考えだと思います。と同時に、先ほど申し上げましたように、新機構をつくって法律を制定いたしますと、どうしても半年くらいその機構の整備等について時間がかかります。御承知のとおりに今年度は経済の停滞をどうしても早く回復したい、それで早く事業の執行に当たりたい、公共事業を四十一年度の前期に大部分消化したい、こういうこととかみ合わせまして新機構によってやるということは、考え方とすればよろしいけれども、そういう点からいってもかえって今年度は逆効果になるおそれもある。ことしは公団、公庫に、これでは不十分であるかもしれぬが専属の副総裁あるいは理事等を入れて、それによって強化して、まず進めてみよう、ざっくばらんなところ、こういうことであります。したがってこれは、住宅政策は今後相当長期にわたってしかも急ぐ仕事でありますから、新しい機構必ずしも悪いという意味ではない、こういう立場でああいう措置をとりました。今年度はこれで最大の努力をしまして、まだまだ私どもは新機構というものについてこの考えを捨てておるわけではありません、政府全体がそういう機構が不適当である、こういう基本的な考えでこれを新設しなかったということでもないのでありますから、今後やはりさらに検討を加えて努力をしたい、こういうことでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 事情は大臣の御答弁で明快になりましたが、国債発行をしておる今日の状況では建設省の努力によって、また内閣、政府の努力によって現状を維持して、その中で所期の目的を達していきたい、そのためにはこういう方法によって国民に誠意を示したい、こういうことでございますが、なお検討を加えて対処したいというお話でありますけれども、私の質問は、建設省はこの措置について非常に不満である、したがって来年度はどうしてもこれを再度要求するのだという強い決意がある、それをやり切られる、そういう意向があるかどうか、これをお聞きしておるので、その点がぼけてしまったのですが、どうでしょう。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 来年度はさらにこの構想を生かしたい、かように考えております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 わかりました。  宅地の造成が非常に困難で、その取得、開発も非常に困難をきわめておるということが中心でこういうものをつくろうとされておるわけなんですが、さて宅地の需要に対処する量に主眼点を置くならば、こういうような施設も機構も考えられると思うのですけれども、私はやはり猟師が山を見ないというようなそしりもこのやり方の中にあるのではないかということを憂うるものです。しかしその前に、土地需要の見通しをどのように立てておられるか、そのことからひとつお聞きしたいと思うわけであります。長期の計画の需要量は大体一億七千万坪と計算されておりますが、さてどのような計画でこれを実現していこうとされておるか、それを明らかにしていただきたい。

志村清一建設事務官(計画局長)

○志村政府委員 宅地の長期需給の見通しでございますが、住宅五カ年計画では五カ年間で六百七十万戸住宅を建てたい、こう考えておるわけでございます。それらのうちには建てかえの建物もございます。あるいはすでに宅地になっておりまして、空地で残された分もございます。それらを利用いたしますと、新しく宅地を造成する必要のある分は大体二百九十万戸ぐらいではないかと推定されるわけであります。二百九十万戸分の住宅の敷地といたしますと、この五カ年で大約一億四千万坪程度になろうかと存じます。これらの新しい宅地の造成につきましては、従来公団あるいは公共団体等によるいわば公的な宅地開発、それから民間の土地区画整理組合あるいは宅造業者等による民間の宅地開発等が行なわれておりましたが、この五カ年間におきましては、公的色彩の宅地開発をできるだけ伸ばしてまいりまして、この一億四千万坪の大体半分程度を公的な宅地開発、半分程度を民間宅地開発というようなことで進めたい、こう考えておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 開発するのにはいままでの方法では思うようにいかないということで、建設省は宅地開発公団と宅地造成信用保証協会の構想を打ち出しておるわけなんですが、さていままでの方法では思うようにいかないという、このいままでの方法と、こういう構想を立てて思うようにいく方途についてお伺いしたい。

志村清一建設事務官(計画局長)

○志村政府委員 まず民間の宅地造成関係でございますが、従来土地区画整理組合に対しましては、公共団体がつなぎ資金をお貸しする場合に、国が公共団体に対して無利子の金を貸し付けるという方式をとってまいりました。これも漸次拡大をしております。また民間の宅地造成につきましては、宅地造成事業法等によりまして、宅地造成が円滑にいくように指導してまいっているわけでございますが、問題になりますのは、民間の宅造につきましては、優良な資金がなかなか得にくいという問題があります。したがいまして民間宅造業者が優良な資金を得やすいような方法として、先ほど先生御指摘になりました融資保険の制度を拡充するということにきめたわけでございます。すなわち住宅金融公庫に一億円の基金を追加いたしまして、これによりまして民間宅地造成業者が金融機関から資金を借りる場合に八〇%を保証するというふうなことに考えておるわけでございます。こういう制度によりまして、民間宅地造成事業者に優良な資金がまいりますると、宅造業の推進をはかると同時に、優良な宅地の造成が考えられるかと存じます。  また公的の宅地開発関係でございますが、公共団体等が行なう土地区画整理に関しまして、地方債のワクをつくりましてこれを推進しておるわけでございますが、そのほかに、住宅公団におきまして、宅地開発のための仕事を相当大幅にやってまいっております。しかし住宅公団における組織が、理事一名というふうなことでございまして、必ずしも膨大な宅地開発をやるために十分な組織を備えていないのが一つの難点でございます。宅地開発は御存じのようにいろいろな問題がからみ合うむずかしい問題でございますので、この機構を十分整備してまいることによって、宅地開発が大いに推進されるのではないかと考えております。すなわち本法案にございますように、担任の副総裁を置き、また理事二名を追加する、そうして部局を整備するという方向で考えてまいっておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私が本日お伺いしたいところの主眼点というのは、前に建設省が計画されて現状に修正されておるわけですね。さきに立てられた案というものが、はたして宅地開発事業の難事業をうまく切り開いていく要素を持っておるかどうかということで、またそれがそういう要素があるということなれば、私たち社会党といたしましても、こういう公社、公団の増設ということについては反対でありますが、しかしながらこの喫緊の事業をやるためには、それについても考慮しなければならない、検討しなければならないという考えを持っておるわけですから、前の計画といま修正されておる計画と対比しながらお話をいただきたいと思うのです。いまの局長のお話では、たとえば宅地造成事業の最大の悩みは金融である。政府と宅地造成者が折半で出資して、約十億円の基金をつくって、そうしてそれを運転していこう、こういう構想が持たれておるようであります。それが今度は修正されておるわけなのですが、この二つを対比しながらその利害得失というものをお話しいただかなければ、冒頭に私が言いましたことをうかがい知ることができない。すなわち大臣も決意を述べられましたように、来年度は新公団を再度要望するのだ、こういうお考えでありますけれども、そのことが生きてこないと思うので、その辺の事情をもう少し明快にお答えをいただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 まず宅地開発公団の問題ですが、御承知のとおりいまの日本住宅公団は家を建てることが主眼という形になっております。そのほかにもちろん家を建てるのに宅地を取得し、あるいは造成する、家を建てることに応ずる宅地を造成する、そのほかに他に分譲したりあるいは貸したりする住宅団地あるいは工業団地等もやっておりますけれども、しかしもともと住宅を建てることに主眼を置いた組織として日本住宅公団が設置された。ところが先ほど申し上げましたように、何しろ宅地取得というのは非常にむずかしい、造成もむずかしい。しかもこれは大規模にやらなければならない。同時に、従来は平面の住宅地あるいは工業敷地等をつくるだけで、これを道路、交通あるいは上下水道等いわゆる一つの町としてつくるという観念がやや薄かった。そういう点をあわせて一つの町をセットとしてつくる。道路も整備し、あるいは上下水道、公園等も整備して大規模なセット的なものをつくる必要がある。そうでないと、各地に問題が起こっておるような事態は御承知のとおりでありますが、それについてはやはり家を建てるのとそういう大規模な土地造成、いわゆるセットづくりをするのと兼業と言うとこれはちょっとことばが適していないかもしれませんが、そういう考え方じゃだめだ。これはむしろ家を建てることは、土地さえあればやや簡単であるけれども、町づくりのセット的なものをつくるということは片手間ではだめだ。真剣に打ち込んでも容易なことではないのに、そういうことじゃだめだということが、宅地開発公団というものをつくってやろうという考え方の基礎であります。  そこで、先ほど申し上げました事情で、これは四十一年度実現は見送りましたけれども、そういう意味で今度は陣容も、もちろんこれで十分でないかもしれませんが、できるだけのことを補足し、同時にこの法律改正にも出ておりますように、道路、上下水道あるいは関係地域に河川があれば河川あるいは公園等も現在の日本住宅公団でつくり得るという権限といいますか、機能を与える。同時にそれについての予算的裏づけも一方でいたしているわけでございます。これは先ほど申し上げたように、まずこれでやってみようという趣旨でやっております。同時に、民間の宅地造成というものが非常なウエートを持っている。これも大いに活用しなければならない。それについては金融面等について——ただおやりなさいだけでは適当な宅地造成等ができない。いろいろ問題を起こしている。ほかにこれを規制する法律もできておりますけれども、これは実施後日なお浅い、こういう状況でありますから、初年度国から七億五千万、民間もこれに非常な熱意を持ちまして七億五千万出して、十五億くらいのいわゆる融資基金制度をつくって、それに政府が保証する、こういう制度をつくって、民間宅地造成を強力に進める必要がある。この二本立てでいこうというのが宅地造成についての私どもの考えでございます。ところが先ほど申し上げましたように、借金をして財政の大転換をする初年度で、何か機構ばかりふやすということは必ずしも政治の姿勢として国民の皆さんに申しわけない気もする。この問題だけでありますとなんでありますが、ほかにもこういう種類のものがありますから、なべてことしは努力によってやっていけ、こういうことになりまして、財政の都合もありますから、しかも融資保険の制度については、私ども初年度七億五千万くらい必要であるということでありましたが、なお金融公庫に別に従来からやっておりまするものとして三億ありまするから、それと合わせて——一応住宅公団のほうも副総裁をふやし、理事二名を追加して、その方面の担当部局を強化しようということをやったのだから、この際融資基金と申しますか、そういう協会の新設も見送って、住宅金融公庫の今日までやっておるその保険部局に一億の追加をして、それでことしはまかなっていこうじゃないか、こういう違いであります。したがってこれは来年度やるときには両々相まって、公的な宅地造成についても強力な組織をつくる、また制度をつくる、あわせて民間についてもそういう制度をつくる、こういうことが適当である、私どもはかように考えておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 中心的な考え方がかなり明確になってまいりましたが、その中で、いま建設大臣が言われた町を一つのセットとして土地を開拓していく、また宅地も開拓していく、こういうお考えと、それから民間業者の宅地開発事業を促進する意味においてその措置が必要である、このことはよくわかったのです。それなれば私は先行するものが、ここにもあげておられますけれども、首都圏整備法とか、近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律とか、こういう法律も入れ法律がたくさんあります。これらを全部一括して、整理統合して、その目的に見合うような方法が先行しなければ、法律案の改正が先行する、あるいは独立立法をつくるとかいうようなことが先行すべきではないかと思うのです。その点についてはどうお考えになりますか。

志村清一建設事務官(計画局長)

○志村政府委員 先生のおっしゃるとおり首都圏整備法、都市計画法等がいろいろございまして、新しい宅地を開発する場合におきましては、それらの法律にのっとりまして、土地区画整理事業あるいは新住宅市街地開発事業というふうなもので施行しておるわけでございますが、なお基本的には土地全体の利用計画というふうな問題が大きな課題であることはそのとおりだと存じます。これらの点につきましては、現行の首都圏整備法なり、あるいは都市計画法ではまだ足らぬ点もあろうかと存じますので、ただいま宅地審議会におきまして土地利用部会というものを設定いたしまして、十分慎重に審議をし、その結論に応じて新しい法制等も考えてまいりたいと存じている次第でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私がお尋ねしている意味は、主客転倒していないかという意味合いで申し上げておるのです。住宅建設の五カ年計画ができ、それを裏づけする法律がいま出ようとしておるわけなんです。しかし、いまお話にありましたように、その前に土地利用計画法なるものをつくらなければならないのじゃないかと思うのです。それはさっきも申しましたように、地価対策閣僚協議会でその問題も話に出なければならないはずが見送られてしまっているわけです。幾ら住宅の五カ年計画を立ててみても、その立てる足元の土地がどういう計画であるかという、そういう見取り図を立てて、それを裏づけする法律をつくらなければこれはだめじゃないか。その法律をつくるためには、いままでもろもろの関連の法律があると思うのですが、これを全部統合していかなかったら強力な施策は推進できないと思うのです。大臣の言われました町を一つのセットとしていく、私はこの考えはいいと思うのです。非常に賛成なんです。それならそういう法律を手直しするだけではいけないのじゃないか。今度のこのやり方は、目標は非常に大きなところに置かれて、宅地開発公団をつくられておりますけれども、そのやり方は手直し程度に進められておるところに一つの盛り上がりのなかった原因があるのじゃないかと思うのです。その点はどういうぐあいにお考えですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 私、三木さんと全く同感なんです。おっしゃるとおりだと思っております。ところが、土地利用計画を立てて、それからそれに関する法律をつくるということはなかなか各般の検討を要します。これはいま準備を進めております。どうせこれをつくらないと日本の土地政策というのは本物にならない。けれども、何しろ住宅をつくるということは非常に緊急の課題でありますから、私は順序はいまおっしゃったとおりだと思いますが、政府は住宅は従来からやっておりますし、公団等で宅地造成等いろいろやっておるわけでありますから、しかも家を建てるということは一日も早いほうがよろしい、いわゆる一世帯一住宅といわれておりますけれども、この難事業を一日も早く目的を達成することが好ましい、そういう状態でありますので、非常にむずかしい土地政策を検討して、そういうものから順序立てて整備していくということとやや矛盾があり、撞着がありますけれども、それはそれとして時間がややかかります。これをゆうちょうにやっていくというつもりはございませんけれども、しかし、現に家を建てなければならない宅地というものは現在もやっておるわけでありまして、それをもっと一歩前進してやる必要がある、こういうつもりが宅地開発公団の考え方であり、それが変形していま御審議を願っておる法律となっておる。先ほど局長が申し上げましたように、現在の都市計画法は大正八年にできて、その後何回か部分的には改正しております。そのほかこれに類似のたくさんの法律が出ました。けれども、そういうものはもう少し大局的といいますか総合的な立場に立って、このむずかしい日本の土地政策、住宅建設、あるいは町づくり、こういったものをもう一歩前進する意味において整理統合する、土地政策にマッチした制度に切りかえる、こういうやや手おくれの状態でありますけれども、まさにその時代に移っておると思います。そういう点は先般から検討を進めさせておりますが、それができてからこれをやろうじゃないかということについては、あまりに家を建てることを急がなければならない、こういう事情であることをどうかひとつ御理解願いたい。おっしゃることは私も全く同感でございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣の御答弁でわかるような気がするのですけれども、しかし問題は、冒頭に申し上げましたように、今日の緊迫した住宅情勢、それから土地の問題、これが一般庶民には入手が非常に困難な状況になってきておるのですね。これを打開するためにはやはりいろいろな施策をやらなければならぬ。その一つとしてこれを取り上げられたものと私は確信しておるわけです。公団、公社をつくることのよし悪しは別にいたしましょう。にもかかわらずこういうところにおさまってしまった。これなればイージーゴーイングに終わってしまうと私は思うのです。再三申し上げておるように、住宅を建てるということが緊迫しておるならば、それをセットにするところの宅地を開発していくという考え方の上で宅地あるいは土地を開発していく、住宅問題を解決していく、これがうらはらの関係にあるわけですね。そこで、最後に大臣が言われましたように、地価をどういりぐあいに押えるかというその根本策に触れなければならぬと思うのです。この三段がまえでいかなければならぬと思うのですけれども、最終的な目的である住宅を喫緊であるから急ぐのだというとで、足元を置いておくということでは、これは猟師がウサギを追うことに急であって山を見ないというそしりを免れないかと私は思うのです。そういう意味合いでお聞きしておるのです。そういう三つの関連と、それを全部総括するところの法律がいろいろあると思うのです。それをどうかしなければやれないと思うのです。そこでお聞きをしたわけなんです。もう一回その点について簡単に御答弁いただきたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 だから考え方については私は三木さんと全く同じ考えを持っております。ただ、先ほど申し上げましたように、緊急の場合にまずこの程度でもやる必要がある、こういうことでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それでは話を先へ進めまして申し上げたいと思うのですが、先般瀬戸山建設大臣に毎日新聞が質問状を出しておって、それに対する回答がなされております。続いて毎日新聞に社説が出まして、それによりますとやはり瀬戸山建設大臣の御答弁に満足はしておりません。そこで社説を掲げまして、建設相の回答では問題の前途に明るい展望を持てない、こういうぐあいに言っております。その内容をなすものは、建設大臣がよくおっしゃる土地は商品でないという考え方には賛成するけれども、その具体的対策が非常に弱い、こういうように失望をしておるわけなんです。私は土地政策というものが住宅を進めるにしても宅地を開発するにしても最重点の施策ではないかと思うのです。そこでこれについて建設大臣のお考えを明快にお聞きしておきたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 けさの朝日新聞の社説にもありましたが、これは毎日の社説とはやや違った観点で触れております。私は新聞論調で御批判を受けておることは甘受しておるのです。けれども、土地政策というものを考えることはきわめて簡単に、と言うとおかしゅうございますが、考えられるのです。また法律の案を書くこともそれほど難事ではございません。しかし、三木さんも、どなたでも御理解になると思うのでありますが、この土地問題というものは、考えるあるいは文章で書くということはやや簡単でも、実際問題となると非常にむずかしい。したがって、これは国民の御理解を得るということが前提でなければならない。それに微力ながら今日までつとめてきたつもりでございます。と同時に、土地政策あるいは地価対策というものが一刀両断に簡単な施設でできるとも私は思っておりません。やはりこれはやや時間がかかっても次々に、いわゆる総合的な施策をやっていくというかまえでないと、一年で、一国会で全部が解決するとはなかなか考えられない。これは従来から長い間の論議で、ようやくこの段階で——失礼でありますけれども、世間がああいう考え方を納得する段階になってきたという日本の情勢でありますから、この点はひとつ御理解を願いたい。したがって私がお答えしておること、あるいはいまやろうとしておることについて、これは万全でないとおっしゃることは、私自身がこれで万全であると思っていま進めておるわけじゃございませんけれども、これはやはり今後ずっと各方面の御協力を得て進めていかなければならない、こういうように考えておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 理解はするわけなんです。また建設大臣も、新聞論調、さらに世評に対して、こういうことを言ってくれることは非常にいいことだというそのかまえ方もわかるわけです。しかしながら、そうこうしておるうちに、庶民の手の届かないところに地価は上がってしまう。それがはね返って、住宅を建設する持ち家の立場をとってみても、土地の値段が非常に上がってくる。それから公営住宅にしても、東京で調べてみてもあとほどだんだん家賃は上がってくるわけなんです。これは地価というものを算定しなければ家賃が算出できませんから、そういう意味合いで被害を受けているものが次々多くなってき、そしてその額も多くなっていくわけなんですね。そこで、この新五カ年計画を出されますと、やや不況で地価というものが沈滞ぎみになっておったのが、さらにまた高騰を続けるのじゃないだろうかという心配を持つのです。そこで抜本的な地価対策というもの、法律というものをこの際立てなければならぬのじゃないだろうか。それに土地収用法の一部手直し、これもかなり大きなウエートを持っておるようですけれども、一部手直し、それから税制の改革、改正、こういう面だけではやれないと思うので、お聞きしておるわけなんです。そういう点に対するところの瀬戸山大臣の勇断をわれわれは望んでやまないわけなんです。もちろん大臣だけではありません。佐藤内閣の勇断を私たちは求めておるわけですけれども、瀬戸山大臣も、とてもこれは一国会ではやれない大事業であるということを肯定するだけに、この際一大決意を持ってもらわなければならぬと思います。幸い土地は商品でないという公共性を強調し、そのことに市民、国民というものは共鳴を感じておるわけなんですから、いまやっていただかなければならないところのポイントがあると思うのです。そしてそのうちに、これくらい強力に推し進めようとする意欲を持たれた大臣がおやめになってしまったら、また一から積み直さなければならぬようなところも出てくると思うのですね。そこで、緊急にやらなければならぬところのポイントというものをここに明示していただかなかったら、あとにつくっていくところのいろいろな計画、考えというものが絵にかいたもちになってしまう。その点でお聞きしておるのですけれども、御了解願いたいだけではちょっと済まされないし、なおこの法律案を審議いたすにいたしましても、その根本がはっきりしないようでは、この法律案の審議というものも非常に希薄になってくるのでお聞きしておるわけです。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 重ねて同じようなことを申し上げることになるかもしれませんが、私は土地は商品ではないということを申し上げたのです。これは長いこと申し上げませんが、土地収用法を改正して、一定の時点で地価を押える——と言うと語弊がありますが、正当な地価はこういうところにありますということを土地収用法の改正でやりたい。と同時に、これは収用法の適用になる事業に要する土地だけでありますから、その他の土地を野放しにするというわけにはいかない。税制のほうも同時に提案するということでいま準備しておりますから、結局、土地で不当な利益を得るということは実現ができない、こういう制度をつくろうというのがねらいであります。これが万能薬みたいにいくかどうか、これは実施してみなければわかりませんが、土地で利益を得られないという制度をつくることが地価上昇を押える大前提であろう。と同時に、また、いま国民の期待のことをお話しになりましたが、それだけではだめですから、それに応ずる庶民と申しますか、期待される家をよけい建てるということと、期待されるような宅地をできるだけ大量に供給する。一年、二年の問題ではありません。数年たってあわてて高い土地を買いあさる必要はない、苦心する必要はないという期待に応ずる実際をあらわしていきたい、こういうことであります。と同時に、先ほど申し上げたように、制度としては、やはり土地利用制度という土地に対する基本的な制度というか、法律というか、そういうものをできるだけすみやかに策定する必要がある。それによって初めて全部がまとまった土地政策なり地価政策になる、かように考えておるわけであります。もちろん私がいつまでもこういう地位にあるかどうかということは考えておりませんけれども、おるおらないにかかわらず、われわれ政府や国会が中心になって、この問題をすみやかに解決するということが、日本の経済だけでなくて国民全体の利益になる、こういう強い信念を持っておりますから、これは何も私が大臣であろうがなかろうが、皆さんとともに進めていきたい、かように考えておるわけであります。政府自体もそのように考えておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 あとの質問者の都合もありますから、私は一、二点でおきたいと思いますが、いま大臣の言われましたように、国民の期待にこたえるところの土地政策を出してもらって、このためには収用法とか税制の改革というものをどうしてもセットでやってもらわなければならぬと思います。しかしながら、これでは弱いのです。そこで私は新たな提起をいたしますが、この収用法に加えて昭和三十六年に成立した公共用地の取得に関する特別措置法というものがあります。これは公共用地を取得するためにつくった特別法ですが、これの対象というものが高速道路、自動車専用道路等の産業用道路、国鉄重要幹線、空港、大規模な利水施設、発電、送電施設、市外電話施設の中継施設用地、こういうものであって、生活環境整備のための土地は一切含まれておらないように思います。こういうものの整備を急いでいただく中で、最初建設大臣が申されましたように、一つの土地をセットとして考える、こう言われましたが、セットとして考えていただかなかったらこの法律は宙に浮いてしまうと思います。それから現在の土地収用法というものの関連も宙に浮いてしまうと思いますので、こういうものもまた結合しながら考えていただかなければならぬのじゃないかと思います。それでありますのに、ただ目先のことだけ土地収用法で手直ししておるだけでは、そうした大きな期待にこたえる施策にはならないと思います。その点要望しておきます。  それから宅地政策につきましては、さきに社会党から建設大臣に、「当面の宅地対策要綱及び宅地及住宅政策要綱」というものをお渡ししておると思うのです。これはお手に入っておりますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 前にいただいております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 わが党の岡本委員からこれをお渡ししたと思うのですが、私は、やはり今回のこの法律案を審議するにあたっては、社会党のこの考え方というものに対しても、大臣の所見を聞き、そうしてその聞く中で、社会党あるいは政府・自民党といわずに、いいことはいいとして進めていかなければならぬと思いますので、きょうは時間がございませんから後日に譲りまして、一応これで終わらしていただきます。

田村元自由民主党

○田村委員長 これにて両案に対する質疑を終了するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村元自由民主党

○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、両案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

田村元自由民主党

○田村委員長 これより両案をそれぞれ討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、住宅金融公庫法及び産業労働者住宅資金融通法の一部を改正する法律案を採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

田村元自由民主党

○田村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  次に、日本住宅公団法の一部を改正する法律案を採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

田村元自由民主党

○田村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村元自由民主党

○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

田村元自由民主党

○田村委員長 次に、河川に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。湊徹郎君。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 私は、当面する阿賀野川水系の一級河川の指定と、これに関連する尾瀬分水の問題について、お尋ねいたしたいと思います。  新しい河川法に基づきまして、一級河川四十本の指定が四月一日に行なわれる。そのために三月十五日の河川審議会の答申に基づいて明後二十五日閣議決定が行なわれる予定と承っておるのであります。   〔委員長退席、丹羽(喬)委員長代理着席〕 これに対しまして阿賀野川流域県であります福島、新潟の両県からは、阿賀野川水系の一級河川指定に反対をするという趣旨の意見がそれぞれ県議会の議決を得て提出されておると聞いておりますが、時期的にきわめて逼迫しておりますので、この際、当面明らかにしておく必要のある若干の問題点を中心にお尋ねをいたしたいわけであります。  建設大臣にお尋ねをするわけでありますが、まず両県から出されております、前に申しました反対意見を見ますと、将来にわたって地域住民の意向に反して流域変更を伴う水利権の許可及びその行使はしない、こういう点について明白な保証のない現段階では同意できません、こういうふうなきわめてデリケートなニュアンスを含んだ表現になっておるようであります。このことは、全国をあげて望んでおります一級河川の指定に伴う利益を犠牲にしましても、そのあとに起こるいろいろな条件の変化、当然一級河川の指定によって河川の管理権が建設大臣の手に移るというふうなことによって、今後二段三段に予想されるようないろいろな事態を危倶する率直な気持ちのあらわれではないかと思います。したがいまして、まず当面の問題の背景になっております尾瀬沼及び尾瀬ガ原、この水資源、水利用の問題についてお伺いするわけであります。  申し上げるまでもありませんが、この問題の背景は、一方においては今日まで只見川、阿賀野川下流水域の開発が着々と進む、十五の発電所が建設される、さらに今後この流域の農業開発あるいは新潟の新産業都市の建設、それらに伴いまして起こる水の需要を考えますときに、現在でさえも不足がちである水を事実上減少するような措置はとるべきでない。どこまでも本流に沿うた開発方式を今後とも進めてもらいたいというふうな阿賀野川流域各県の主張と、他方においては発展と膨張を続ける首都経済圏の今後ますます増大を予想されるいろいろな水需要を考えますときに、当面は効率の高い利用価値の大きい利根川水系に分水をしたほうが国家的見地から見ても最も有益であろうというふうな利根川流域各県の主張の対立であろうと思います。さらには過密都市対策の急がれております今日、無計画に人口や産業を都市集中をする、こういう傾向をチェックして、未開発地域に工場その他の近代施設を誘導し、地域格差の是正、国土の均衡ある発展をはかること、そういうことこそ今後の課題であるというふうな国土開発あるいは国土政策上の見地を一体どう評価するかというふうな法本問題にもつながると思うわけでありますが、建設大臣の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 阿賀野川の問題についてはいまお話しのように、一級河川として、一級水系として指定する準備を進めております。この阿賀野川は、これは湊さんよく御承知でありますが、わが国の百水系余にわたるいわゆる現在の直轄河川の中で非常に上位に位する大河川の一つであります。したがって、その治水上あるいは防災上あるいは流域の経済上重要な河川として私どもはこの際一級水系としてこれに対する処置をとりたい、かようなことからこれを進めておるわけでございます。これについて福島県及び新潟県の当局等から、水利の問題とあわせていろいろ問題があるので一級水系の指定をこの際延期してくれ、あるいは思いとどまってくれという御意見を承っておりますが、河川行政上御意見は御意見として、やはり一級水系として指定することが適当である、こういう判断をいたしておるわけでございます。  ただ、問題はこの水の利用をどうするか、利水の問題あるいは水利権の問題等は一級水系の指定とは別に考えるべき問題である、私はこういうように考えておるわけでございます。  具体的に申しますと、大正十一年でありますか、以来尾瀬沼付近を地点として現在の東京電力が今日まで水利権の免許を受けてきておる。これが今月中に認可の期限と申しますか、それが切れる。さらにこれを水利権の延長と申しますか、認めてもらいたいという申し出が出ておる。こういうところに問題があると思います。そこで、いまお話しのとおり、非常に変化を来たしております現在の日本の社会経済上この水の利用をどうすべきか、こういう点については、河川法にも規定されておりますように、関係の地元県と申しますか、新潟県あるいは福島県あるいは群馬県等の御意見あるいは計画、そういうものをよく承って、そうしてできるだけそういう関係県の御理解のもとに水利の問題は決定すべきである、私はかような考えでおりますが、まだその段階に至っておりません。   〔丹羽(喬)委員長代理退席、委員長着席〕 現在のところでは三県の河川管理者でいろいろお話し合い願って、できることであれば三県の管理権下にある間にこの水の処理の問題を解決してもらいたい、こういうことを御相談しております。きょうもやっておるかどうか知りませんけれども、二十四日ですか、あしたも三県の知事に集まってもらっていろいろ御相談をしてもらう順序にしておりますが、いかようになるかわかりません。一級水系指定後は建設大臣の直轄管理になりますから、先ほど申し上げましたような考え方で水利の問題については別途に処理をいたしたい、かように考えておるわけでございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 ただいまの建設大臣の御答弁をいただきまして、事柄の内容から見て当然河川指定の問題と水利用の問題は違うと思いますし、私は大体この問題には四つの局面と申しますか、段階があるというふうに理解をいたしております。  第一番目は、もちろん当面する一級河川指定をどういうふうに処理するか、こういうことでございます。この点については、ただいま大臣からお答えをいただいたわけであります。第二番目には、東京電力からすでに申請の出ております、しかも三月三十一日で期限の切れる尾瀬沼と尾瀬が原の水利権行使の問題をどう扱うか。この点についても、ただいま大臣のほうからお話をいただきまして、ならば三県の相談によってきめてほしいものである。いずれにしろ地元の計画なり意見というものは十分尊重していくのだ、こういうお話をいただいたわけでありますが、第三番目としましては、将来水利権を前提として当然起こってまいります工事の実施認可、こういう段階が予想されるわけでありますが、そういう時点になりますと、文化財保護の問題であるとかあるいは観光資源対策の問題というふうないろいろなこと、そういうものを含めてどういうふうに対処していくか。それから四番目には、長期的に見た水資源対策として、あるいは先ほど申しましたように国土開発の上から見て、一体尾瀬沼あるいは尾瀬ガ原の水というものをどういうふうに評価をしていくか、こういうふうな段階があろうかと思うわけであります。  そういう点で考えますと、福島、新潟側が現在言うております当面の主張とそれから実際問題として到達するまでには、いま申しました幾つかの前提条件ないし段階というものが考えられる。関東各県の主張は現在の時点で見る限り次元の違うと申しましょうか、段階の違った問題であって、直ちにこのままかみ合うというふうな事柄であるとは私は思っていないわけであります。特に大臣は最近いわゆる沼田ダム——あとから茜ヶ久保委員のほうからもお話があると思いますが、沼田ダムの建設について積極的な意欲を示されておりますしあるいは霞ヶ浦の開発等、利根水系全体について総合開発的な観点から積極的に水の調査であるとかあるいは利水の調査、こういうものを進めていかれる御意向と承っておりますので、この問題については今後とも慎重の上にも慎重にお取り扱いを願いたいわけでございますが、先ほど申しました四つの段階の後段の点について大臣の御所見を次にお伺いしたいわけであります。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 いま湊さんからお話しのとおりに、これは先ほど申し上げましたが、最初に水利権を認可した時代と、いまの時代は相当に変化をしてきている。しかも、これは飛躍的なことを申し上げて恐縮でありますが、いまやわが国はいわゆる高速道路網の時代に入る、しかも全国の経済社会をどうするか、こういうことを積極的に考える時代になっております。したがってそういうことを十分想定して、考えて、そうしてやはり各県といいますか、各地方の開発等に寄与するような水の利用を考えなければならない、かような観点からいろいろ各方面の意見を聞いて処置をすべきものである、かように考えておるわけでございます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 大臣のお考えはわかったわけでありますが、ただいまの水資源の問題に関連して、経済企画庁のほうに一言お尋ねをいたしたいと思います。  それは現在、水資源開発促進法、これによりまして利根川を水資源開発水系ということで指定をいたしております。   〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 その第四条に基づきまして基本計画を立てているはずでございますが、この基本計画は昭和四十五年度を目標にしているというふうに伺っております。  そこで第一点は、四十五年度を目標にいたしております現在の計画の中で、尾瀬沼及び尾瀬ガ原、これを水源あるいは水源施設ということで予定をされておるのかどうか、またその両地域はこの計画の中に含まれておるのかどうか、その点をお尋ねいたします。

池田迪弘総理府技官(経済企画庁水資源局参事官)

○池田説明員 お答えいたします。  経済企画庁といたしましては、水資源開発促進法に基づきまして、この利根川水系を昭和三十七年の四月に水資源開発水系として指定をいたしております。引き続き現在の水資源開発基本計画を策定したのでございますが、この計画におきましては、昭和四十五年度の水需要といたしまして毎秒百二十トンを見込んでおるのでございます。その供給については、矢木沢ダム、下久保ダムあるいは神戸ダム、利根川河口せき等の施設によりまして、逐次必要な水を生み出す施策を講じております。しかしながら目下のところ阿賀野川水系からの分水は、四十五年度におきます毎秒百二十トンの水源といたしましては具体的に見込んではおりません。今後の長期的な見通しといたしましては、その一応の目標でございます昭和四十五年度の水需要についての百二十トンでは不十分ではないかという意見もあり、また各県からは追加要望もされております。そこで企画庁といたしましては、今後十年程度の長期の水需要の見通しを立て、その供給計画もあわせて立案したいと考えておりまして、現在、各県の水需要についてのヒヤリングを行なっておりますが、これをまとめまして各省と検討に入りたいというふうに考えております。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 経済企画庁については、時間の関係もございますので、そのくらいにいたしまして、次に通産省のほうにお尋ねをいたしたいと思います。  過般の衆議院の予算委員会の分科会で、ここにいらっしゃいます石田宥全分科員の質問に対して藤波説明員は、分水をすれば確かにそれだけ減電はある、電気は減る、しかしそれに相当する電気が利根川において発生するんだから、まあ電気の面から見ればほぼ同様、大差はないんだ、こういうふうな趣旨の御答弁をされておるわけであります。  そこで第一番にお伺いしたいのは、只見川、阿賀野川水系においては現在——将来必要が生じた場合は変更もあり得る、そういうふうな条件はついておりますけれども、現実には東京電力の持っております水利権に属する尾瀬の水を実際には使っております。だからこそ減電という問題も起きるのかと思います。  そこで電気的には同じだ、こういうことだけでは納得ができませんので、次の点についてまずお聞きをするわけでありますが、減電に伴いまして、当然現在の十五の発電所の既存の設備、これが一部遊ぶことになろうと思いますが、その遊休分を一体どうお考えになっておるかということ。その点は、国家的に見れば、少なくとも二重投資になりはせぬかというふうに考えられるわけなのでありますが、その点が一つ。  それから本流沿いに開発をすれば、常識的に考えても減電もないし、新規開発分だけはプラスになる、こういうふうに、私どもしろうとでございますので考えるわけですが、電気的には同じだ、こういうふうな意味をもう一ぺん御説明願いたいと思います。

熊谷典文通商産業事務官(公益事業局長)

○熊谷政府委員 先般の石田委員の質問にお答えしたとおりでございますが、第一点の遊休設備になりはしないかというお話でございますけれども、本川が非常に多最な水でございまして、只見川に流れておる水の相当部分を占めるということになりますと、現在の只見川水系のございます発電所は相当遊ぶという問題になろうかと思いますが、分量的に見ましてそう多くの発電所が遊ぶほどの水の分量ではございません。そういう意味合いにおきまして、先生のおっしゃる水の分量によってこの議論は違うと思いますが、現時点におきましては私どもはそういうように考えています。  さらに、二重投資という問題がございますが、利根のほうに分水いたしまして、その水を下流で利用いたしますためにさらに既存の発電所を増設しなければいかぬというようなことになります場合は、只見川に流した場合は増設しなくてもいい、利根川に流した場合はさらに増設しなければいかぬというような問題になりました場合は、先生の御指摘のとおりの二重投資になろうかと思いますけれども、利根に分水して流しましても既存の設備をさらに増設しなくてはいかぬということにはならない、かように考えております。これはいろいろこまかく言いますと議論の分かれるところでございますが、通産省といたしましては、過剰設備が多くなるあるいは二重投資の弊が生ずるということは、現段階において考えておりません。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 時間の関係上この問題はこれ以上お聞きをしませんが、これに関連して、実は分水をいたしますと年間二億キロワットアワーといわれ、この数字はもちろん計算によっていろいろ問題もございましょうが、減電が当然起きるわけでございます。その減電補償の問題をどう考えるか、こういうことであります。前に申しましたように、将来上流等の開発が進んで条件が変われば変更することもあり得るということが水利権の更新の際に条件としてついておりますが、その条件のついておる分につきましてはその当時の事情を詳しく調べてみませんと、あるいはそういうふうになったときには当然分水の分だけ減電をすることはやむを得ないということで行なわれたのかどうかはっきりわかりませんけれども、ただ同じ十五の発電所の中で条件のついているというやつは、実は電源開発株式会社の分だけなんであります。東北電力の分については条件がついていないわけなんでありますが、そうなりますと当然減電補償の問題というのが起きると思いますけれども、この点はいかがですか。

熊谷典文通商産業事務官(公益事業局長)

○熊谷政府委員 条件につきましては委員御指摘のとおりでございます。そこで条件のついてない面につきまして補償問題が起こるかどうかという問題でございますが、これは水利権の性質の問題、与えたときの時期の問題、いろいろな問題がからむわけでございまして、水利権の問題につきましては建設省のほうでいろいろお考えになっているわけでございます。特に審議会もあるわけでございますので、そういう面の御意向に沿いまして通産省といたしては善処いたしたい、かように考えます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 それではまた建設省のほうに戻りまして、今度は若干こまかい点について、当面の問題に限ってお尋ねをしてみたいと思います。  第一番目は、水利権が大正十一年に設定されましてから四十数年たっておる。その間に実際は行使されていないままにきておるものですから、遊休水利権というふうな問題も起きておるわけでありますが、この点は参議院の村田委員の質疑に対しまして、目下研究をしておる、こういうふうな御答弁がございましたので、時間の関係上あとに残したいと思います。  前に申しましたとおり、東京電力の水利権の期限は、尾瀬沼、尾瀬が原両方とも三月三十一日までに満了することになっておるのでありますが、今回更新申請を出されておる。それに対して群馬、福島、新潟三県知事が処分をすることになるのでありますけれども、この処分の効力についてお尋ねをしてみたいわけであります。先ほど建設大臣がおっしゃられましたように協議がうまくまとまりますとけっこうなんでありますが、もしととのわないような場合、これはいろいろなケースが考えられるわけであります。一つは、三県ともに処分をしないでそのまま放置といいますか放任した場合、それから二つには、一部県が処分をしたのだけれども一部県が処分をしなかった場合、三番目には、一部の県が積極的に許可をしたのだけれども一部の県が不許可処分をした場合、これはいろいろむずかしい問題があろうかと思いますが、その場合に、いま申しましたようなケースについて、実際の処分の効力というものはどういう差があるのか、あるいは同じなのか。水利権はそういう場合に一体継続するのか、あるいは三月三十一日で切れてしまうのか。その辺についての御所見を承りたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 御承知のように尾瀬の分水の水利権につきましては三県の共同申請になっております。したがいまして三県知事の共同処分が期限の切れる前にできれば、これは円満解決ということで非常にけっこうなことになるわけでございますが、そういうことがない場合に、三県とも許可または不許可の意思表示を全然しないという場合も考えられます。また一部の県が許可し、あるいは一部の県が不許可にするという場合も考えられます。先ほど前提で申し上げましたように、三の場合、三月三十一日までに一部の県が許可をして一部の県が不許可に処分をした場合は許可があったと見るか、あるいは不許可処分があったと見るか、または何らの処分もされずに二と同様と見るかの問題がありますけれども、これは前提の三県の共同申請にかかりますので、関係県の意思の合致しない許可でございますので、有効な意思表示がなされたものでないというふうに考えられます。したがいまして第二番目にお話ししましたように、許可または不許可の意思表示をすることなく三月三十一日まで経過したというふうに考えられまして、不作為の状態だというふうに考えられるだろうと思います。したがいまして、二、三につきましては、四月一日以後の、従来の効力がなお存続しておるかどうかという問題にかかわるわけであります。先ほど申し上げましたように、三月三十一日まで意思表示がなければ当然建設大臣の処分も申請がないためにできないわけでありまして、当然四月一日以降にかかわる。四月一日以降は、一級河川になりまして建設大臣の処分にかかわることになるわけであります。これにつきまして存続しておるか、あるいは効力を失っておるかという問題については、存続しておるという説と、あるいは効力を失うという説がございます。ただいま河川審議会の水利調整部会におきまして御意見を求めておるところでございますが、二月二十五日の第一回の水利調整部会において、遊休水利権の一般的問題として、かような問題を取り上げて議論を願っておるわけでございます。その際の議論といたしましては、水利権者が開発の意思がありながら、周囲の状況によりまして開発ができないというような状況にある場合は、存続説をとるべきでないという御意見の発表もありました。なお一部につきましては、水利権が新しい申請になるのだという失効説もございました。ただいまそういう意見をさらにかみ砕いて検討してみたいというふうに考えております。存続説をとりますと、建設大臣は、適当な時期に関係都道府県知事の意見を聞きまして、申請にかかわる期間更新につき、処分を行なう必要があるわけであります。それから失効説になりますと、従来の水利権は全然なくなりまして、新しい、新規の水利権になりまして、新しく水利権の申請をやっていただくということになります。この場合には、新規のために関係河川使用者の同意を要するということになります。あるいは同意を要し、あるいは損失を生じた場合には、損失補償の問題も起こるということになります。またほかの水利権が別に申請されれば競願の問題も起こり得るという状況になります。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 ただいまの問題は学説としても二説あるし、現在水利調整都会でいろいろ御検討いただいておる、こういうことですから、その結論を待つことにいたします。  次に、今回の東京電力の更新申請には、最初の計画によりますと、尾瀬が原の水没ということを前提にした計画を大正十一年に出しておったわけでありますが、今回の更新にあたって、これを大きく変更する具体案、変更計画、これを別記資料という形で出しておるわけであります。第一番目にお伺いしたいのは、水利権というものをどう考えるか、こういうことなんでありますが、単なる一定量の水を使う、その水使用に対する財産権なんだ、そういうふうに考えるべきではなくて、公益的な見地に立って具体的な計画を立てる。その立てた計画に基づいて与えられる水利用の権利なんだ。こういうふうに私は考えておるわけなんでありますが、もしそうだとしますと、計画それ自体が実は水利権の重要な内容であり、要素であると思います。それが著しく変わった場合には、これは当然更新ということではなしに、新規の申請であるというふうに考えるのがむしろ妥当ではないかと思うのでありますが、この点についてはいかがですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 水利権は一定量の水使用に対する財産権だということについての御質疑でございますが、現在の段階では、われわれとしましては水利権の具体的な計画が樹立されて許可していくような方針でもって指導しております。したがいまして、水利権を得ると同時に、工事に着工する可能性が相当あるというようなことで許可を行なっております。ところが大正十一年に水利権だけ付与されまして、開発する意思はありましたが、その後周囲の状況でなかなか開発されなかったということもございまして、あるいは尾瀬沼の天然資源あるいは文化財の保護という問題もからみ合ってなかなか解決しなかったという問題もございまして、今日まで至ったわけでございますが、大きな変更計画は一応別記資料で提出されたやに聞いておりますけれども、これまでの行政実例を見てみますと、この程度の変更におきましては変更計画として処理いたしまして、新規としては現在では取り扱っておらないのが実情でございます。たとえば具体的に申しますと、いろいろ実例がございますが、梓川の東電の水利権、旧水利権は二カ所で、奈川渡と竜島というところで流れ込み式の三万八千キロワットの水利権でございました。ところが新水利権といたしまして安曇、これは貯水池式ですが、六十二万三千、それから水殿、これは貯水池式で二十四万五千、いずれも揚水式の発電もやります。それから新竜島におきまして逆調整池式の三万二千キロワット、そういうようなものは新しい水利権になっておりますが、これは水利使用計画の変更で取扱っております。なお、その他の個所につきまして、水利計画の変更として処理した例が二、三ございますが、省略させていただきます。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 ただいまのお話では、いままでの実例等から見ますと水利使用計画の変更という扱いでやっておるというふうなお話なんでありますが、この点につきましては、これは考え方によりまして河川管理という立場、これを強く考えてみますと当然新規ということになりましょうし、また既得の財産権、水は水として別な使い方でやっていくんだというふうな財産権を中心に考えますと、これは当然変更、こういうふうにもなろうと思いますが、ただいままで実際問題として新規扱いをした実例もかなりあったのではないか。そういう点で建設省のお取り扱いは、ただいまの局長の話は大体首尾一貫したお話のようなんだけれども、実際問題としてはそうでない例もかなりあったんじゃないか、こういうふうに私思うのでありますが、その点新規扱いをされた例と、それからこれから建設省としてはっきりこういうふうにやっていくんだというふうな見解をもう一ぺん承りたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 新規に取り扱うかどうかという問題に関連いたしまして、その実例的な問題についてはよく調査しまして御報告申し上げたいと思いますが、先ほど大臣からも申されましたように、水利権の処分にあたりましては、地方の開発の状況と今後の見通し等も考えまして、十分慎重に検討すべき問題だと思います。なお、われわれとしては、先ほど申し上げましたとおり、水利権の処分にあたりましては具体的な計画を持った、言いかえれば実行できる計画を持った水利権を許可していきたいというふうに考えておることを申し添えたいと思います。

湊徹郎自由民主党

○湊委員 いろいろお尋ねしたいことがあるわけでありますが、最初に申しましたように、いずれこの問題というものは、背景に水資源全体の問題あるいは国土開発の問題、文化、観光の面等いろいろな見地から大臣おっしゃられたように総合判断してきめなければいけない大きな問題でございますだけに、さしあたり当面の若干の問題だけにしぼって取り上げたわけでありますけれども、今後とも、先ほど大臣言われましたように、指定の期限も迫った今日でありますし、あすは何か三県の知事をお呼びいただいていろいろの御意見等をお伺いになった上で処置をされる、こういうお話でもございますので、今後の事態と情勢の推移に応じて、さらにいろいろな点をお尋ねすることにして、以上で質問を終わりたいと思います。

井原岸高自由民主党

○井原委員長代理 茜ヶ久保重光君。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 だいぶ時間がずれてまいりましたので、委員の皆さんも政府委員もかなりお疲れと思いますが、かなり緊急な要素を含んだ問題でありますので、しばらく時間をおかりして質問をしたいと思うのであります。  きょうの質問にあたりまして、田村委員長はじめ与野党の理事諸君の非常な御好意によりまして、この問題について質疑ができることを非常に感謝しております。また今後とも時を見ておじゃましたいと思いますので、ぜひひとつ委員長はじめ理事諸君の御協力をお願いしたいと存じます。  先般の、ちょうど一カ月になりますが、二月二十四日の予算分科会における私の質問に対して、瀬戸山建設大臣から、いわゆる長い間の問題点でありました岩本ダム、通称沼田ダムに対する政府側のはっきりした態度が出てまいりましたことは、これは是非は別として、地元にもかなりのショックを与えたでありましょうが、その後十数年来できるのかできないのか、やるのかやらないのか、とにかくまぼろしのダムといったようなことで地元としても不安、危倶を持っておったのでありますが、これに対して一応建設大臣から、どうしてもやるのだという明確な御答弁があった。もちろんその後一カ月、地元ではかなりの混乱も生じておりますし、いろいろな危倶も出ておりますが、それはそれなりに、いままでのように何らつかみどころのない、ただ不安におびえるというか、憶測というか、そしてまたいろんなデマなりいろんなブローカー的なものが入り組んできましたときよりも、少なくとも政府当局がやりたい、やるんだという御所信を表明せられたことは、同じ混乱、同じ不安を与えるにしても、地元民としては、政府としてはやりたいんだという一つの方針に向かって自分の態度なり自分たちの処置というものを考える基盤ができたと思うのです。その点については、一部には地元の知事や市長が知らぬ間に政府がそういうことを表明したことについていろんな問題もありますけれども、私は私なりに、もちろんそれは地元の責任者に御了承を得られたあとの意思表明が望ましいには違いないと思うけれども、あの時点における大臣の答弁としては、私は当を得た答弁であるし、いままでのように雲をつかむようなことからくる不安よりも、一応政府としてやりたいんだということを表明された上に立っての住民の自分の立場からの是非の判断なり、賛成、反対の態度が明確になっていくんじゃないかと思うのであります。そういうことから、あと少し質問を申し上げたいのであります。  建設大臣は先月二十四日の予算分科会における御意思の表明以後、一方においては総理大臣にそのことについての御相談と申しましょうか、あるいはその後における総理大臣の御意思と申しましょうか、そういったことについて佐藤総理とお話し合いをされたか、あるいは御報告されまして、それに対する総理の何らかの意思表示があったかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 別にそのことで総理に相談したり、総理から意見を聞いたりしたことはございません。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 大臣の御答弁にもありますように、佐藤総理もこの沼田ダムに対する非常な御熱意があるようでありまして、就任当日、沼田ダムについての調査というか、何らかの処置を頼むというおことばもあったようでありますから、当然大臣としては、いわゆる沼田ダムはやりたいんだ、またやるべきだという御意思を御提示になったものと思うのであります。しかも御承知のようにその後一月間、かなり地元でもいろんな意味で問題を起こしておるのでありますから、大臣としてやはり一応総理大臣に報告なさって、総理大臣のそれに対する反応と言っては語弊がありますが、御意思なりお考えをお確かめになる責任とは申しませんけれども、そういうことが妥当ではないかと思うのであります。それに対して御報告もなさっていらっしゃらぬし、御意思もないようですが、その点、佐藤総理と瀬戸山建設大臣との特別な関係からいっても、何か納得がいかないのですが、いかがですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 この前の分科会で茜ヶ久保さんから沼田ダム、いわゆる岩本ダムのことについて、あれをどう考えるか、こういうお話がありましたから、私は、大利根川の治水あるいは利水、将来の地域開発の問題からこれをやりたい、やるべきであると思う地点である、かように申し上げたいのであります。誤解のないようにしてもらわなければいかぬのは、これはしばしば公的な文書でもお答えいたしておりますように、また委員会でも申し上げておりますように、これからしからばどういう——見たところはあの地点が大体よろしい、ダムサイトとして適当と、これはだれしも思うところであります。この点については率直に、茜ヶ久保さんもあそこはなるほどダムサイトとしていいところだと考えておられると思うのです。そういう状況のところでありますから、利根川の本流にダムを築いて治水効果をあげ、あるいはあの利根川の水を太平洋に放流しているのをもっと各種のエネルギーとして使うということは、本来、政治家としては当然考えなければならないことであります。しかも従来あの地点は専門家といえどもいまお話しのように十数年来の検討事項になっている、こういうことで、やりたい、やるべき地点である、しかも将来の日本の社会、経済、産業の発展、また地域開発の面からいうと、それが政治であろう、こういうことを申し上げたのであります。  そこで、ぜひ誤解のないようにしてもらいたいのは、率直に申し上げますが、いまもお話がありましたけれども、群馬県あたりでは、無断であそこにダムを築くというて騒いでおられる、あるいは神経をとがらせているということを私は間接に聞いております。また、反対運動というものも、起こっているのかどうか知りませんけれども、そういう体制をつくっておられる方々があるということを承っております。率直に申して、少しあわてておられるのではないか。これはこの前申し上げたように、まだそういう外形を示しておりますが、一体地質を調査し、地形を調査し、また影響する範囲を調査し、その影響のある場合に、かりにやる場合にそれをどう処理するか、こういう点をつぶさに研究するのに数年かかる。これはまた調べてみなければ、どういうふうになるか率直に言ってわからないことでありますから、それもしないうちから、最初から、いや政府はやると言うた、とんでもない話だとか、あるいはどうなるのだとか、その対策を講じなければならぬ。これは私は率直に言って、おこられるかもしれないけれども、少し軽率ではないかと思っております。私はこの前も申し上げましたように、いよいよ調査を始めたいというときには、事前に県の責任者である知事さんやあるいは地元の代表である市町村長ともよく話し合いをして、こういう点もよく調査して、そうして治水、利水のみならず、関東一円の開発、群馬県のあの地帯の開発というものをどうやったら治水、利水をしながら開発ができるか、地元ではどうお考えなさいますか、こういうことを相談してからやりたいのだということを申し上げている。それが私は事の順序だと思うのです。でありますから、この間申し上げたように、今後のああいう開発計画というものは、ただ水をどっかへ持っていって、引っぱっていって、それを利用すればよろしいというような考え方でやるべきでないというのは、これは今後の政治のあり方であろうし、また私は基本的にさような考えを持っております。この間申し上げたように、ヘリコプターの上から見ますと、失礼でありますけれども、非常に山合いで、あれで一体群馬県というのは永久によろしいのかどうか。あの地点を高速道路が通るとは申し上げませんけれども、先ほども他の問題で申し上げましたように、将来日本国じゅう高速道路網の時代になる、そういう際にやはりああいうかっこうで、これが天国であるとお考えなさっておられるかどうか、そういうこともいろいろ御相談をしたい、こういうことでございます。そういう時勢に対応して、一体あそこにダムをつくればどうなる、ダムをつくって農業その他の問題あるいは前橋から高崎の地域を将来どうするか、赤城山系のあの山ろくをどう開発するか、こういうことは地元の人と相はかって、将来よくする方向はどうであろうか、こういうことを検討して初めてそういう事業をやったほうがいいかやらないほうがいいかということに、これは資金の点もありますが、考えていかなければならないのであって、私は、勢ぞろいをして反対運動をするとか、あるいはけんげんがくがく議論をするというのは、率直に申し上げてちょっと早手回しじゃないかと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 全く大臣の率直な意見でありますが、しかし、ただお考えいただきたいのは、これはやはり日本人の一つの、長い封建的な、特に官尊民卑といったような思想の残っておる点からもございますが、政府のなさることは反対をしても最後にはやられるのだという考え方があるのですね。したがって、瀬戸山大臣としてはいまおっしゃったようなお気持ちでありましょうけれども、たとえば、現に国際空港の問題で富里が非常な問題を起こしておる。あそこも政府がかってにきめたということもございますが、私も実は参りましたけれども、非常に富裕な土地で、農民としては全く手放すにたえない土地だと思うのであります。けれども政府としては、閣議で御決定をなさってやろうという態度をお示しになっておる。特殊な利害関係の諸君以外はほとんどこれに反対である。いまのところ政府は、やはりあれをやろうとしてあらゆる手を尽くしていらっしゃる。私どもは反対の立場でおりますけれども、あれはおそらく最後にはできるかもしれません。過去においてダムの問題にしても基地の問題にしても、政府が一応きめてやろうとした問題でできなかったものは、妙義の軍事基地くらいのものでありまして、ほとんどがやられております。したがって、沼田の人たちもそういう一つの歴史的な存在であるし、また最近のそういう全般的な政府のとられてきた政治の態度からして、建設大臣としてはそのようなお考えがあるとしても、一応やりたいのだという意思表示があった以上は、これはたいへんだ、きっとこれはやられるのだ、それならきまってどうにもならなくなってから反対するのじゃ困るから、これはやはりどうしても早いうちから反対を表明して、何とかして政府に具体的に実施をさせないような状態に持っていきたいというのは当然でございます。私は建設大臣のお気持ちはわかります。わかりますけれども、地元民としてはとてもわかるものじゃありません。おそらくいまおっしゃった少しあわて過ぎじゃないかということばは、必ず地元民を刺激しますよ。これはどういう形でやるのか知りませんが、これを率直に受けるだけの余裕がないのです。現在住んでおる土地をとられ家をとられ、大臣でしたか赤城の南ろくにとおっしゃったが、赤城の南ろくなんか軽石地帯で、農耕地としての適正地じゃないのです。したがって、中曽根君なんかもニュータウン、ニューライフとか言っておりますけれども、それは夢は夢としていいけれども、それは具体的じゃない。  そこで大臣に特に申し上げたいのは、あなたの先ほどからのお気持ちもわかるし、またあなた自身は信頼している。信頼しているから私としてはわかるけれども、地元民に対しては、私はいまの大臣のお話では逆効果はあっても決していい結果は出てこないと思うのです。したがって、私もいますぐお始めになるとは思わぬけれども、いまのそういう大臣の御答弁の中にも、やはりあそこは全日本的な立場からやるべきだ、やるのが正しいのだというお気持ちは変わっていないようでありますし、ただ残った地域をどのように開発をし、どのようにすばらしい地域にするかという、これは具体的になっていない一つの夢でございますね。私どもはダムができたあとにおけるいわゆる残った地域の点についても意見を持っております。これはいま申し上げませんけれども、そういう立場でございますから、大臣ひとつ地元の県知事なり市長に、先般の分科会では四月にでもなったら会って話をしたいということでございましたが、おそらく地元の知事、市長も非常に心配しておりますから、やるやらぬは別としても、一応そういう御意思を表明されたのでありますから、早い機会に地元のそういう責任者とお話しをいただいて、おきめになる前に地元の意見も十分お聞きになる必要があると思うのであります。国会開会中でもありますけれども、あなたがお行きになれば二時間もあれば済む時間でありますし、そういうひとつ意思を——この間は時期は御明示にならなかったけれども、国会でも終わったらということでございましたが、国会開会中でも急いでお会いになることを私は要請するわけでありますが、いかがでございましょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 この前申し上げたように、もう前からその考えでおるのです。御承知のとおり、国会が忙しいと言うとおかしいですが、時間がなかなかとれない。同時に、知事さんも適当な時期ということを前から言っておられるのです。よく誤解や何かで——これは茜ヶ久保さんだから率直に申し上げますが、私はきょうはざっくばらんにものを——いつもそのつもりですけれども、申し上げておる。地元の人がそういうふうな心配をされるということは、私もよく理解できる。そういう場合に、私は非常に多くの場面にぶつかった経験を持っておるのです。と同時に、従来のそういう政府といいますか、全部が全部とは申し上げませんけれども、従来の政治のあり方にも欠陥があるということを私自身も考えておるのです。いま富里のお話が出ましたけれども、なかなか行政のやり方というものはいろいろありまして、あれもまだほんとうのところの政府の考え方、真意、今後の対策、こういうものが御理解を求める機会がない。こういうところに——ほかの話でありますけれども、富里の皆さんにおこられるかもしれませんが、よけいな心配をかけておる点があるのです。私は先ほど国家的なと申し上げましたけれども、そういう場合にそういう地点におられる方に特別な犠牲を払わしてやるということは、政治として間違いだという基本的な考え方を持っておる。なるほど国家経済、国民全体のために大規模の事業をいたしますときには、どこかに地点を求めてやらなければなりません。それでなければ日本の国はよくならない。かといって、そこは狭い国でありますから、アメリカのように砂漠の中へ行ってやるわけにいかない。どこにも人間がおり、そうしていろいろな事業を営んでおるところでやらなければならない。したがって、そういう人々は先祖伝来いろいろやっておられる。ぼくは貧之でもこれでいいのだという人もたくさんいる。そういう人々の理解を得ることが非常にむずかしい。そういう事情よくわかります。理屈と感情、人間の性質というものはいろいろありますが、それでもやらなければならぬ場合がある。それにはそういう人々に大局を認識してもらって、しかも従来より以上にやはり生活の安定を得るという方策を講ずることが今後の政治のあるべき姿である。私は閣議においても、富里の問題ではそういうことを申し上げております。また、政府としてもいまそういう準備を進めつつあるところです。簡単ではありませんけれども、そういう考えで進めております。  沼田の場合でも考えは同じです。しかし、これはいろいろ調べてみなければその段階に至るかどうかわからぬから、よく相談して、技術的にまたいろいろなことを地元の皆さんと研究し、調べてみようじゃありませんか、こういう段階でありますから、ぜひ誤解のないように、率直に申し上げます。けられてもかまわないのです。ほんとうにむだなエネルギーを、地元の忙しいときに、いまの段階でお使いなさらぬようにぜひお願いをしておきたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 河川局長にお伺いをしたいのですが、四十一年度予算の中で、利根川水系の総合開発の調査費の中で、二千万円を沼田ダムの単独調査のために要請された。一時一千五百万程度になったということもありましたが、最終的にはやはり二千万円ということになったのでございましょうか。いかがでございますか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 沼田ダムの調査費、岩本ダムの調査費といたしまして二千万円を一応計上しております。しかし、これはいままでの経過からかんがみまして、実際できるかどうか。具体的には調査の可能性の問題もあると思いますが、一応二千万円で実施したいというふうに考えております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 瀬戸山大臣がやるかやらぬか、やりたいことはこれはきまっておりますけれども、具体的にやれるかどうかということは調査しなければわからぬということでございますが、先般の質問でも申しましたように、三十四年に産業計画会議がああいう計画を発表したときからずっと毎年少額であるが調査費が乗っかってまいっておりますし、特に昭和四十一年度では二千万という調査費が計上されておる。二千万という数字は、四兆三千億の国の予算からすれば微々たるものでございますけれども、少なくとも沼田、利根の人たちから考えると、二千万という数字はこれは夢の数字であります。そのような膨大に考えられる調査費をつけたということは、やはり具体的に政府が沼田ダムをやるという意思を具体化する  一つの手段であることは間違いありません。したがって、先ほど大臣がおっしゃった地元で少し神経をとがらせ過ぎるのじゃないか、先ばしった反対をするのじゃないかとおっしゃるけれども、大臣が、あるいは佐藤総理が沼田ダムはあらゆる見地からやるべきであるしやりたいと思うということと、それを裏づける二千万という四十一年度のこの調査費の決定というものは、住民にとっては、瀬戸山大臣のいまのおことばではなかなかあの心配は解消できぬのではないか。したがって、先般出しました私の三回目の質問書に対する答弁書をいただきまして、私、答弁書に対しては今後かなり国会としては検討しなければならぬと思うのでありますが、どうも官僚の仕事というか不親切というか、全く突っ放すような、無責任とでも言いたいような答弁書が出てくるのでありますけれども、しかしそういう無責任と思われ、突っ放すような答弁書の中にも、なおかつこういう文句がございます。「目下のところ水文資料の収集等の域を出ておらず、地元の了解を得ていないのでダム建設に必要な調査は実施していない現状である。」と書いてある。どこでもここでもやりたいということが出てきておるけれども、地元の了解を得ていないとおっしゃるが、はたして過去においてこの調査をするために地元の協力方を要請された事実があるのかどうか。あるとすればどういう面で要請されたのか。協力要請もしないのに地元の了解が得られないということは非常に僣越であるし、地元を侮辱した言だと思います。答弁書にはっきり出ておる。この答弁書のいわゆる「地元の了解を得ていないのでダム建設に必要な調査は実施していない現状である。」という、この答弁書の根拠はどういうところから書かれたのか、河川局長にお尋ねしたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 これは政府が答弁したのですから私からひとつ申し上げます。  沼田ダムの問題は、茜ヶ久保さん御承知のとおり、十数年来頭の中の構想としていろいろいわれておると思います。したがって、ダムをつくるというときには、もちろん県当局あるいは地元の市町村とよく事前に話し合いをしてやるわけです。それから調査に入る。そして具体的になってここをどうすべきであるとか、ここをこうしてくれとか、こうなさいという話し合いが進むわけであります。ところが、沼田の場合はああいう地点でありますし、相当影響する範囲が大きい。これは調べなくったってどなたもわかっておるものです。大体そういうところだからそう簡単なものではないということはよくわかっておる、そういうことを申し上げておるのです。まだ地元とも話をしておらぬところでありますし、したがって調査もできておりませんから、まだほんとうにここはこうします、ここはこうなっておりますというような計画書とか資料はないのですから、そのことを申し上げておるだけで、これは三べんも申し上げておるのですから、この間重ねて申し上げましたように、決してうそ偽りを申し上げたり隠したりしておるというわけではありません。そういうことを申し上げておるのですから、御了解願いたい、こういうことです。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 それでは河川局長にお尋ねしますが、二千万円の調査費、いま申しますように地元から考えるとかなり膨大なものでございます。したがって、これはかなり進んだ調査がおそらく実施されると思う。二千万円という国費をそうむだにお使いになるはずはありません。また、私はダム調査がどのくらいかかるかいま知りませんが、過去数年間政府も調査していらっしゃる。それに積み重ねての二千万円でありますから、最初の二千万円なら別でありますが、三十四年からずっと毎年毎年その調査費をつけて調査をしていらっしゃる上に乗っけての二千万円でありますから、かなりなものと思います。この二千万円の調査費をどのようにお使いになる予定か、またいつごろから実施をされる予定か、この辺は大体計画があると思う。二千万円の調査費をつけたということは計画があるからでしょう。ただどんぶり勘定でされたものではないと思う。したがって、この四十一年度の二千万円の調査費というのは、いつごろから調査を始めたいと思っていらっしゃるか、しかもそれはどういうふうに調査をされるのか、これはアウトラインでもけっこうですから御説明を願います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 ダムの調査費の二千万円は非常に巨額であるというお話でございますが、この沼田ダムは御承知のとおりに——岩本ダムでごさいますが、日本で一番大きいダムになります。したがいまして、やるとすれば一番大きいダムになります。したがいまして、その調査費の二千万円が妥当であるかどうか、それは非常に巨額な金であるかどうかということは、調査をやってみないとよくわからないわけです。おそらく過去の小さなダムにおきましても、直轄ダムにおきましては約二千万円程度の予備調査費を使っております。それ以上使っております。いままで過去三十四年から使いましたのは、ここに書いてありますとおりに水文調査をやっておるわけであります。水文調査と申しますのは、水位の解析をやるために観測手当とかあるいは出水状況調査とか、痕跡調査とか、あるいは二十二年のカスリン台風のいろいろなデータを集めるとか、いろいろな問題をやっておるわけです。したがいまして、利根川全体の治水、利水計画上どういうぐあいな流量を考えていくべきであるかというものは、これは利根川も過去ずっとやってきております。支川につきましても全体的にそういう問題をやっておるわけです。これは一番利根川に影響を及ぼすのは、御承知のとおり八斗島から上流が一番大きな流量を示しております。したがいまして、支配的なものは、八斗島における流量を支配する利根川本川でございます。そういう利根川本川につきまして、過去三十四年から調査をやってきておりますし、その一環としまして、ダムの予定地点の、たとえば八津場とか、そういうところにつきましても若干ずつ調査を行なっておるような状況であります。  二千万円につきましては、先ほど地元の了解を得てないということは非常に僣越だということでございますけれども、地元の御了解を得られれば、ダム地点の地質調査あるいは地形調査、そういったものを実施したいと思っております。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 そうしますと、地元の調査に対する了解を得なければ調査はしないということですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 この調査を始めるにあたりましては、よく地元とお話ししまして、御了解を得てから実施いたしたいというふうに考えます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 先ほど瀬戸山大臣は、とにかく準備にも数年かかるし、また、必ずやるときめたわけではないのに、地元では先ばしって反対をするとおっしゃいますけれども、いま河川局長の答弁を聞いておりますと、この二千万円というものは、これはダム直接の調査費でございます以上は、地元の了解を得なければならぬということになる。となりますと、結局、地元の人たちがやはり自分のはだで感じるというか、地元の立場からいえば、その危険をはだで感じておる。それはいま言ったように、いままではまぼろしのダムみたいなことで、できるかできぬかわからぬ心配でありましたけれども、今度は政府もやりたいとおっしゃいまして二千万円の調査費をつけたのだから、これは具体的にやるという一つのレールが敷かれた、こういうわけです。したがって、私は、やはり先ほど指摘したように、大臣のおっしゃる先ばしっての心配じゃなしに、現実に岩本ダムができるのだという心配がこれは当然だと思うのですが、いまの河川局長の御答弁をお聞きになっても、瀬戸山大臣は、地元の諸君のかなり血ばしった心配と反対の様子が、まだ杞憂に対する何かこう、富士川の合戦じゃありませんが、水鳥の音に逃げた平家の公達の危倶と同じようなものであるというお考えでございましょうか、いかがでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 まあ、ことばの使い方のよしあしは別にしていただきたいのですが、これはやはり、私が申し上げたことは——たとえばさっきからも産業計画会議が云々と言われます。こまかく、私もひまがないから細部にわたって研究しておりません。また、技術の問題もございますから、私が研究してもわからぬところがございますから、これはよけいなことだと思います。それで、専門家に周密な研究をしてもらわなければ、これはわからない。ただ、産業計画会議が言われておるのは、あの地帯とそう書いてあるかどうか知りませんけれども、たとえばあれほどのダムをかりにつくる場合には、ばく大な経費がかかると思うのです。ダムをつくって水を引いていくだけならそれほどじゃありませんと思いますが、あの構想は、たとえばアメリカのテネシーバレーを開発したように、あの地帯全体を開発してみたいという前提に立っていろいろな構想を立てておられるようです。そういうものは、先ほど赤城山の山ろくというものは、いわゆる軽石地帯である。私も知っておるのですが、あの軽石地帯で、私どものほうが、一体安心しておられるだろうかどうかと思われるくらいに、たとえば伊香保温泉の下あたりは全く掘りくり返して、あれは群馬県でそれでいいのですかと私が言ったことがあるのですけれども、そういう地帯、それで一体農業が成り立つかどうか、かくかくのことを研究しなければならない。したがって、かりに産業計画会議の皆さんがああいうことをおっしゃっておられるが、そういうことで、先ほど来申し上げておるように、地元の皆さんの将来をよくする方法があるかどうか、こういうことをあわせて全部やはり地元の皆さまと相談して、なるほどこれはいまの状態じゃだめだ、このダムをつくって将来かなり——これは日光からさっきの尾瀬ガ原まで入れての計画になっておりますから、そういうことが可能性があるかどうか、こういうことも考えていかなければならない大事業だと思っておる。ただ、ダム地点をボーリングして岩盤がどうなっているとか、群馬だかどこかの何とか先生のほうから見ると地質がどうなっておるということを新聞を見るとおっしゃっておりますが、そんな簡単なものじゃないと私は思う。そういうことを申し上げているのですよ。それにしても、やはり調べてみて、いろいろこまかく調査をして、そこまで調査しますのに私は二千万や三千万で済む仕事じゃないと思っておる。それはボーリングしたり地質だけを調べるのには相当できると思いますが、そういう簡単な仕事にはあすこは考えていないのです。そういうことですから、よく地元の皆さんと相談をしてお互いに研究していきましょう、こういう態度であります。したがって、ただあすこに二千万ついたからそれはたいへんだ、火はついておるじゃないかというようには、率直に言って、お考えくださらぬでけっこうです。そういうことは申し上げておきます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 瀬戸山大臣のおっしゃることはわかるのですがね。私はわかりますが、先ほども指摘したように、二千万という調査費がそう膨大とも考えません。けれども、いわゆる地元の人たちは、自分の現在の生活実態からのことを考えます。そうなりますと、河川局長もおっしゃるように、ダムの建設準備費というものが二千万や三千万じゃ足らぬということもわかるのですよ。さっき申し上げておるように、四兆三千億円の予算の一部ですから、それから見てほんとうにささたるものです。しかし沼田あたりの地域住民の経済生活の立場から考えると、これはまた異例の数字です、二千万円という数字は。その人たちは二千万円というのは、自分たちの考えでは及びもつかないばく大な金とお考えになるのは当然なんです。それほどの金をつぎ込んで調査を始められる以上は、これはもう何といっても、国会でどんな答弁をされようと、私の質問書に対していかなる答弁書をお出しになろうとも、政府の沼田ダムをやろうという御決意と計画は当然進んでおって変わらぬのだということをはだで感じておるわけですよ。そこで、いま大臣はかなり膨大な開発計画をお考えのようですが、しかしこれも残念ながら、過去の日本の政治の実態では、おっしゃるけれども、できた事実じゃないわけですよ。よくおっしゃるんだ、けれども、事実がない。それも地元民はやはり感じておるのです。したがって、たとえばさっきも言ったように、私どもの先輩である中曽根代議士が、ニュータウン方式といったアメリカ式な、かなりはなばなしいことをおっしゃるけれども、やはりこれにも地元民は食いついていかないのですよ、日本の国民は過去の政治にだまされていますから。今度も、したがって私がこう言うのは、一カ月前の二月二十四日の分科会における建設大臣の発言以来、かなり地元がいろんな面を出しておる。それに対して幾らかでも、政府の立場じゃなく私の立場から安心をしてもらい、そして少なくとも自分たちの将来に対してそれなりの一つの設計をお持ちになっていただくようなポイントを出していただきませんと、やるといったが質問をすると変になってくる。それでは、先ほど私が言ったいままでの十数年間はやるかやらないかわからないので心配したけれども、一月前の瀬戸山発言で大体政府側の意思が出てきた。これはおやりになる意思なんだということで、それぞれ地元民は県を中心に考えをまとめていったわけですね。しかし、またその途中でぼかしてみえるとなりますと、地元としてはどうしていいかわからない。そこで、せっかく二千万円という、あなた方の立場からは非常に少ない額であるけれども、地元民が考えると膨大と思うような調査費がついたのであるから、これをまずどういうふうにお使いになって、どういうふうに地元と接触をされるのか、あるいは方法としては知事さんや市長さんとお会いになって調査に対する御協力をお願いすることもありましょう、あるいは私有地であれば、その土地の所有者に対して立ち入りなりボーリングその他の調査をする折衝をされるでしょう、いろいろありましょうが、そういった具体的な折衝をいつごろからお始めになるか。これは二千万円とったのだからやらなければいけないでしょう。やるためにとった金です。そういった具体的なダム調査の行動をいつごろから河川局長はお始めになる予定であるか、それを聞きたい。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 沼田ダムの調査にかかる時期の問題でございますが、これは先ほど大臣からお話がありましたように、早い機会に知事、市長に会いたいというお話もあります。そういう状況をわれわれお聞きしまして、それから具体的に地元の御了解を得て入るようにしたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 順序としては、大臣がまず知事と市長等の現地の責任者にお会いになってお話をされたあとで、具体的な折衝に入りたい、こういうわけですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 さようでございます。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 そうしますと、これは大臣、やはりあなたの態度が一番大事だと思うのです。あなたの先ほどからおっしゃることはそれでけっこうですが、これはもう調査費をお使いになるためにはどうしても具体的なスケジュールに入らないわけにいきません。大臣は国会も忙しいとおっしゃるけれども、先ほど来もおっしゃるように、あなた方の側から見ると、日本の経済発展の立場から非常に重要な一つのポイントでございますが、これはいつごろ知事や市長に、このダムを中心にお会いになりたいという御予定をお立てになっておりますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 たびたび申し上げておりますが、私は実は早い機会にと思っておるのです。早い機会にと思っておるのですが、国会が御承知のとおり、四月は法案その他で一番多忙なときであり、四月中はちょっと無理かと思いますが、できれば五月にでもなったら早い機会にお目にかかって、市長ばかりではなく、ほかの議会の人等や、また地元の皆さんの考えも聞きたい、こう思っております。率直に申し上げまして、決して御心配なさるようなやり方はいたしません。開発を主目的にするという基本的な考えを持っておりますが、それではどういう開発が可能か、ダムをつくるだけならそれほどたいしたことはありませんけれども、あの地帯は私が詳細知っておるわけではありませんから、群馬県の開発計画があるのではないか、また地元も将来そうなれば非常にけっこうだという考え方もあるのじゃないかと思います。そういうことができるものかどうか、それでは資金をどうするか、いろいろ具体的になりますと、そういう構想を立てるだけでも一年や二年はかかるのじゃないかと私は思います。やはりまず地元の皆さんと、永久にあのままでいいのだとおっしゃるのかどうか、しかしそれでは国としては必ずしもいいと思わないがどうだといういろいろなお話し合いをしてみなければいけないと私は思っておる。そういう意味でお目にかかってみたい。おそくとも五月にはぜひお目にかかりたいと思っておる。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 いま御答弁の中に、知事や市長だけでなしに議会関係とか、また進んで——反対同盟等もできておるようでありますが、そういったたくさんの住民の皆さんとも直接お会いになって、いままでここで概括的におっしゃったお気持ちなりお考えを、最末端のところ、全部とは言いませんが、今後水没したり、たんぼや畑を沈ませるといったようなことに直面しておる人たちの代表とも直に会ってお話し合いをするという御意思もお持ちのようでありますから、もう一ぺんその点……。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 もちろん私はそういうところまでいきたいと思っております。こういうことはよく皆さんの御理解を得ることが大前提であろうと思っておりますから、そういう気持ちでおります。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 まだかなり質問を用意したのでありますが、時間も過ぎましたし、この件については冒頭に申しましたように、今後たびたびこの委員会に参りましてお聞きしたいと思うのでございます。この点は御了承願いたいと思うのであります。  最後に、大臣のやりたいというお気持ちも変わっていないようでありますし、それに対してはかなり思い切った処置もしていきたいという気持ち、これは当然のことだと思います。私も大臣にいろいろ質問しておりますが、同郷の先輩であるから言うわけではありませんが、瀬戸山大臣確かに率直な発言は非常に敬服しなければならぬ。しかし問題は、たいへん失礼なんですが、大臣も最近の例で見ますとかなりひんぱんにおかわりになるようでありますから、瀬戸山大臣がこの次もし改造があった場合にそのままお残りになることは望ましいし、そうあってほしいのですが、ぜひ大臣が御在任中にこの問題に対する一つのめどをつけるということは必要だと思うのです。大臣がかわるとこれはまたえらいことになる心配がある。そういう意味で、もし、五月の初めにお会いになるという予定でありますが、できますならば来月中にでも知事とか市長とか議会代表等を東京にお招きになってお会いになってもいいわけですから、国会の時間を調整して——喜んで来ると思うのです。そういうこともできますし、できるならば来月早々にもそういう措置をとって地元との話し合いをまず最初にされることも必要かと思うし、またそれも現在の地元の状態からいうと大切だと思うのです。大臣が向こうにいらっしゃることもむろん大事であるし必要でありますけれども、とりあえず第一段階として東京にお呼びいただいて、そのときにはできれば佐藤総理大臣もお会いいただいて話をされるようなきっかけをおつくりになっていただくことはできないものか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 その方法はいずれでも私はかまわないと思います。ただ私は、そういうものはこちらから出向いていって敬意を表して、そして皆さんの意向を聞くのが道だと思っております。ただ、しかし都合によっては向こうから出向いてくるとおっしゃるならばそれでも決してかまわないという立場でありますから、またいろいろ皆さんと御相談をして、できるだけ早い機会にどちらかにいたしたいと思います。やはり地元の模様というものはある程度聞いておりますから、知事さんの立場、市長さんの立場、地元のその他の代表者の立場というものはあろうと思いますから、ただこちらに来てどうだというような軽率なやり方をしたくないという考え方を持っておりますので、いまお話のこともありますから、そういう点は適当にまた御相談をしたいと思います。  これは余談でありますけれども、ひとつ茜ヶ久保さんに申し上げておきますが、私はこういう問題は非常に過去いろいろなことをやってきておる男です。参考までに申し上げておきますが、私がこういう問題について簡単に考えておらないということを申し上げるために申し上げるのですけれども、私は大淀川上流の都城に大正十二、三年に発電オンリーのダムをつくってあそこの二十万住民が三十年苦しんだ歴史を知っております。そしてそのダムを日本で初めて既設のダムを取り除いて処理した男です。そこまで深刻にものを考えてやっておる男ですから、決して群馬県において仕事をする場合にそういうふうにただあそこに何かつくればいいんだ、そう簡単な考えでこの問題を考えておらない男だということは、ぜひ地元の方に伝えてもらいたい。

茜ケ久保重光日本社会党

○茜ケ久保委員 きょうの質問はこれで終わりますが、最後に資料をお願いしたいのです。  それは、最近十年間に建設されたダムの数、その場所、ダム名、それぞれの建設費、これはダム直接の建設費と補償あるいは発電の別の建設費、それから発電設備があるならば、発電個所、そのダムのどこどこが発電設備を持っているということ、その出力量、それらのダムの計画を発表されてから工事に着手されました間の期間、さらに工事に要した期間、こういった資料を早急に御提出をお願いしたいと思うのであります。この資料を要求いたしましてきょうは一応終わりますが、また重ねて今後質問をしますのでよろしくお願いいたします。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 最近十カ年につくられたダムのいま申された資料につきまして、提出をいたします。

井原岸高自由民主党

○井原委員長代理 次会は来たる二十五日金曜日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十四分散会

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