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51回国会衆議院1966/03/04

建設委員会 第8号

発言数
104
登壇者
14
会派数
3
開催日
1966/03/04

会議録

田村元自由民主党

○田村委員長 これより会議を開きます。  海岸法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。川村継義君。

川村継義日本社会党

○川村委員 前の委員会で、私、予算額のことについてお尋ねをしておいたのですが、お調べを願うことになっておりました。そこで、まず、そのほうからひとつお教えいただきたい。  第一点は、海岸事業の建設省の予算額の問題でございまして、それから第二点は、海岸事業に対する各省の予算額、第三番目は、治水特別会計のダム勘定の前年度剰余金の受け入れの金額の相違、それから第四番目には、災害復旧関係の予算額の違い、そういう点をお聞きしたのでありまして、そのお答えをお願いいたします。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 最初、海岸事業関係の予算額の相違について申し上げます。建設省所管としましては、四十一億八千百三十万となっております。そのほかに北海道開発庁計上の分が二億八千六百二十万、企画庁計上が一億五千百四十万、労働省所管の特失が三千八百万ございまして、総体の海岸事業としましては、四十六億五千六百九十万になっております。建設省所管で計上してありますのは四十一億八千百三十万と、労働省の特失関係の三千八百万を計上いたしまして、四十二億一千九百三十万となっておるわけでございます。以上、海岸事業の関係はさようでございます。  それから各省の海岸事業費について申し上げます。移しがえを全部やった場合の全体額を先に申し上げます。   〔委員長退席、井原委員長代理着席〕 建設省四十六億五千六百九十万、農林省の農地局関係でございますが、十五億九千四百九十万、水産庁関係十九億四千百四十万、運輸省五十五億八千七百二十万となっております。合計百三十七億八千四十万。そのうち北海道開発庁計上分につきましては、建設省関係は先ほど申し上げましたように二億八千六百二十万、それから農林省農地局関係で一億一千百九十万、水産庁関係で一億三千三百七十万、運輸省関係で五千三百七十万。経済企画庁の離島関係といたしまして、建設省関係が一億五千百四十万、農林省農地局関係が一億六千六百万、水産庁関係が二億三千九百二十万、運輸省関係が一億八千八百八十万。そのほか労働省の特失関係としまして、建設省が先ほど申し上げました三千八百万、それから水産庁関係におきまして千九百万、運輸省において千五百万。そのほかそれぞれの建設省、農林省、運輸省に計上されております分が、内地関係といたしまして四十一億八千百三十万、農林省の農地局関係といたしまして十三億一千七百万、水産庁関係として十五億四千九百五十万、運輸省関係としまして五十三億二千九百七十万となっております。以上、各省関係の事業につきまして申し上げました。  それからダムの剰余金で、建設省で御説明しましたものと大蔵省との違いの問題でございますが、これは建設省で剰余金が五千百万となっております。大蔵省におきましては一千百万と計上されております。これは実は利根川上流の川俣ダムにおきまして、残存物件の精算勘定で返す金を一応考えておったわけでございますが、四十年度でそれができなくて工事が延びましたので、四十一年度精算、完工する予定にしております。したがいましてその金が四千万でございまして、これは予算に関係なく、残存物件をその年度で返していきますので、大蔵省では千百万と計上されておりまして、私のほうは特別会計に入れまして、それからまた返していくという手続をとりましたためにかような数字となったわけであります。  それから海岸、河川の災害復旧の予算額の差異についてでございますが、これは、私が災害対策特別委員会で御説明申し上げました災害合計額は五百八十四億七千四百万となっております。しかし、建設省の説明によりますと、五百七十四億七千四百万となって、約十億の差がございます。これは災害復興住宅の融資をその中に含めましたので、さような数字になったわけでございます。  以上、御説明申し上げます。

川村継義日本社会党

○川村委員 第一点の海岸事業の予算の中で、治水会計に繰り入れる費用が一億七千万あるはずですが、それはどこから出ていくのですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 これは四十一億八千百三十万の、先ほど申し上げました建設省の予算計上額のうちから、一億七千万工事事務費分として治水特会に繰り入れます。したがいまして、工事事務費を除いた海岸事業費は四十億一千百三十万となります。

川村継義日本社会党

○川村委員 わかりました。  それでは、海岸法の一部改正の法律案関係について、ごく簡単に、気づいたところをお尋ねいたしておきます。  今度の海岸法の一部改正法律案で、政令で定める地域の海岸保全の費用が三分の一から三分の二になりまして、その実施される地域は、直轄が七カ所、補助地域が九カ所、合計十六カ所となっておるようであります。その指定地域はどこどこを考えておられるのか。腹案があると思いますから、それをお示しいただきたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 今回海岸法の改正におきまして、従来の負担率から三分の二の負担率に引き上げる海岸につきましては、ただいまのところ陸奥湾沿岸、それから富山沿岸、加越沿岸、駿河湾沿岸、遠州灘沿岸、大阪湾沿岸・播麿沿岸、それから有明海沿岸という七海岸につきまして、建設省関係の直轄として考えております。そのほか、農地海岸としまして、これは有明沿岸に入りますが有明沿岸、それから同様に有海沿岸に入ります諌早関係、それから鹿児島湾沿岸というぐあいに考えております。それから、なお補助事業につきましては、東京湾沿岸、周防沿岸につきまして、それぞれ関係する海岸個所につきまして負担率を引き上げるようなことを考えております。ただ、補助の海岸につきましては、大体の個所はきまっておりますけれども、まだ協議が——残された分が若干ありますので、今後も協議を行なっていきたいと思っております。

川村継義日本社会党

○川村委員 いまお話を聞いておりますと、直轄海岸というのが七つでない数字を私聞いたのでありますが、予算説明の説明資料によりますと、「重要海岸について国庫負担率の引上げを行ない、2/3とする(現在予定の重要海岸は、直轄七海岸、補助九海岸、計十六海岸である)。」こう書いてある。そこで、海岸事業というのは非常に入り組んでおりますから、こう聞いただけではよくわかりませんので、直轄のところ七海岸はどことどことどこ、補助の九海岸がどことどことどこ、大体予定されておるところをもう一ぺん明らかに示していただきたい。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 ただいま申し上げましたのは、政令で定める特定海岸を含む沿岸名につきまして申し上げたわけでございます。したがいまして、直轄で事業をやるべき個所は、その中の含まれる海岸として指定されるわけでございます。したがいまして、いま申し上げたのは沿岸を申し上げましたので若干御了解がいかなかったと思いますが、陸奥湾沿岸では青森海岸、それから富山沿岸につきましては下新川海岸、それから加越沿岸に対しましては、松任・美川海岸、それから駿河湾沿岸につきましては駿河海岸、それから遠州灘沿岸につきましては遠州海岸、それから大阪湾沿岸と播磨沿岸につきましては東播海岸——この二カ所の沿岸をくくりまして、その中の東播海岸を直轄工事する、それから有明沿岸の有明海岸ということになります。これが七海岸でございます。それから農林省関係で有明海沿岸の三名海岸、それから同じく有明海沿岸の諌早海岸、それから鹿児島湾沿岸の国府海岸、以上でございますが、補助事業につきましては、さきに述べました九沿岸のほかに、先ほど申し上げました東京湾沿岸それから周防沿岸に属する海岸につきまして、これは先ほど申し上げたとおり大蔵省と協議の上に決定したいと思っております。  以上でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 その指定について、「政令で定める地域」と書いてありますが、大体いまお話しになったように腹案を持っておられるようでありますが、その指定の基準というものはどこに置いてお考えになったのか、それを聞かせておいていただきたいと思う。  それからいま一つは、その政令で指定されるものは、ただ単に地域だけであるのか、あるいはその指定すべき基準を政令に定められる用意があるのかどうか、その辺のところを聞かせていただきたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 今回の政令で指定しまする海洋につきましては、地域を政令で指定するわけでございますが、この地域の指定といたしまして考えておりますのは、気象、海象を同じくする一連の海岸を単位としまして、そこにおいて行なわれます直轄、補助、それらの事業量あるいは事業効果等を合わして、その大きいものを選定するということで、当該海岸におけるところの施行区域を政令で定める考えでございます。  なお、海岸事業は非常に複雑でございまして、各省で入り乱れております。したがいまして、具体的な基準を政令で定めていくということは非常にむずかしいのではないかというふうに考えられます。したがいまして、運用の基準として、あるいは採択基準とかそういったものによって今後処理していきたいと考えております。

川村継義日本社会党

○川村委員 実は私たちは、そこにちょっとふに落ちないと申しますか、納得しがたいものを感ずるわけです。大臣の提案理由の説明書の中に、「海岸保全施設に関する工事のうち、事業量、事業効果ともに著しく大きい一連の海岸にかかわるものに要する費用についての国の負担率を引き上げる」と、こう書いてあります。なるほど一応は考え方がわからぬではありませんけれども、事業量、事業効果といって、ただばくとしておりますから、やはりそういう指定地域を定められるときには、そこに、いま局長からお話がありましたけれども、一つのきちっとした基準というものをつくる必要があるのではないか、こう考えるわけです。建設省やあるいは運輸省関係の役所のほうでの事業量が大きいという、ただそれだけできめていかれるということには問題があるのではないか。私たちは海岸保全というものは相当重要視しなければならぬと考えておる。申し上げるまでもなく、日本の国土は、これは過去のいろいろの災害等を見ても、また国民の財産、生命を守るという立場からいたしましても、道路も大事でありますけれども、海岸というものはより多く重点的に考えていくべきではないか、こう考えております。そういう意味からいたしますと、ただ役所の裁量だけで指定をするということには何か割り切れないものを感じます。そこで、指定をされるならば、やはりそこには政府としての一つの基準というものがあってしかるべきではないか、このように考えておりますから、その基準はどう考えておられるのか、あるいはそれを政令で定めるという一つの考え方があるのかどうか、それをお聞きしたわけです。そこでいま一度もう少し詳しくお考えを聞かせていただきたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 ただいまおおむね考えておりますことは、河川局長から一応御説明申し上げたわけであります。  そこで、いま川村委員からお話しのとおりに、海岸はわが国にとっては、特に海岸の保全ということは非常に重要なことであります、ところが、残念ながらこの問題が比較的軽く扱われている。いわゆる海岸法ができてからまだ年数も短いという状況は、御承知のとおりであります。そこで、従来二分の一の国庫負担あるいは補助ということになっておりましたが、これは適当でない。これも数年来の主張でありまして、ようやく四十一年度から三分の二に引き上げるという方針を今度きめたわけであります。ただ、海岸事業には大中小いろいろありますから、これを一挙に三分の二ということにもなかなか困難でありましたので、先ほどおおむね申し上げましたように、海岸の気象あるいは海岸の状況等、効果あるいは工事の規模、こういうものを考えまして、総体でおおむね二十億ぐらいの事業量のある海岸、これは補助事業のところも含めましてでありますが、そういうことを基準にして、さしあたり三分の二の引き上げをしよう。将来はもっと検討を続けまして、本来ならば差別をつけるべきものではないと私は思いますけれども、御承知のとおり非常に大中小、またいろいろ所管もありまして複雑になっておりますから、この段階ではこの程度にしておきますが、先ほど概略御説明申し上げましたようなことで今回試みていこう。これが現状でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 その地域指定をいま考えておられる個所については、建設省だけで考えられたものではないと私は考えます。おそらく運輸省や農林省、関係の各省と御相談の上に一応の地域を定められたものだと思います。  大臣、一つお尋ねをいたしますけれども、いま大臣のお話しのように、やはり差がつくということは、これは非常に大きな問題を私は残していると思います。これは将来の問題として当然考えていただかなければなりませんが、そこで、このような地域を指定なさるときに、関係の省だけの打ち合わせの結果でなくて、いま、御承知のとおり、地方には地方行政連絡会議というものがございます。この連絡会議等の意見をお聞きになる御用意があるかどうか。また、法律で定めた地方行政連絡会議等の意見を聞いて、その地域を限定し、指定をするということが大事ではないかと私は思うのでありますが、大臣の所見はどうでございましょう。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 先ほど申し上げたような考え方で進めておりますが、将来はやはり国の負担割合というものは同列に取り扱うように漸次進めていくべきものであるという考え方をしていることが一点であります。  それから、次にお話に出ました、海岸は相当広域にわたるのであるから、地方行政連絡会議と地元の意見等を徴していきたい、そのように考えているわけであります。

川村継義日本社会党

○川村委員 大臣も一つの海岸事業として御決意はあるようでありますけれども、少なくとも国が直轄でやっている事業はいま何カ所ありますか。幾つの海岸があるか。それはひとつあとでお聞かせいただきますけれども、せっかくこうしてすべて三分の二の補助でやろう、負担を定めてやろうということでありますから、私はやはり全部に適用することが非常に大事ではないかと考えております。七カ所ということでありますけれども、おそらくもっとほかにたくさん個所があるのではないかと思います。たとえば、あなたのほうの説明によりましても、継続して事業をやっておられるところが九海岸あって、本年もそれを実施するということになっている。そうすると、該当しない、やはり直轄の事業をやっておる海岸があると思うのです。そういう差別がつくということは、せっかくのこの法案に対して何かしらん心もとないものを私は感じます。  そこで、そいつはぜひひとつ努力をいただかなければなりませんが、現在直轄でやっておられる海岸が何カ所あるか、その数字等をひとつここに示していただきたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 建設省所管の直轄工事は、九カ所やっております。農林省所管三カ所。これが全体でございます。おっしゃるとおり、その中で建設省所管のところが七カ所という三分の二の地帯にいま考えておりますが、その他は現状の直轄工事より規模が比較的小さいところでございます。しかし、それは全体を見て、将来海岸全体の防災という問題をもう一ぺん検討して、相当広域にわたるときには、やはりこれも次年度等から検討しなければならない、かような考えでありますが、基本的にはやはりそう差をつけるべきものではない、かようなことで将来は検討していきたい、こういうことでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 補助事業については、本年度合計の百六十一海岸について仕事をなさるように予算が考えられておるようであります。継続の百十六海岸、新規に四十五海岸を考えて仕事を進めていかれるようであります。そのうちの、先ほどの予算の説明書によりますと、三分の二の対象となる海岸は九カ所ほど考えてある。この補助事業の、しかも三分の二の適用される中身は高潮対策、それから浸食によるところの海洋保全というようなものが中心になって、局部改良は除かれておるようでありますが、ここにも考えなければならぬ問題があると思いますけれども、この補助事業について三分の二を適用される法的な考え方、根拠、それをどこによっておられるのか、お聞きをしたいのであります。というのは、今度の改正法によりますと、「第二十六条第一項に次のただし書を加える。」こうなっております。二十六条は、申し上げるまでもなく、主務大臣の直轄工事に要する費用だけであります。法律改正で主務大臣の直轄工事に要する費用だけを三分の二にしておいて、補助事業については明記してない。ところが予算の上では補助事業についても三分の二を適用するところが考えられておる。これは一体法律的にどう解釈をしたらよいか、これをお聞かせいただきたい。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 補助事業につきましても、これは二十七条におきまして、負担率につきまして政令で委任するような条項が定められております。したがいまして、直轄の場合と同基準で国庫負担率を三分の二に引き上げるつもりでございますが、現行の海岸法の体系においては、補助工については国の負担割合は政令で委任している、先ほど申し上げているようになっておりますので、政令の改正によりまして措置したいというふうに考えております。   〔井原委員長代理退席、委員長着席〕

川村継義日本社会党

○川村委員 お話しのように第二十七条には、「海岸管理者が管理する海岸保全施設の新設又は改良に要する費用の一部負担」と書いてある。そこで、これは政令できめればお話しのようにやれるだろうと思いますけれども、こういうように負担が明らかになった分については、せっかくですから、政令の委任事項にしないで、法律で、これこれの事業量、これこれの対策については三分の二を負担すると二十七条に明記をしておかれたほうがいいのではないか、こう思うのですが、それは二十七条の根拠からして少し重荷になりますか、その辺はどうでございましょう。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 補助事業にはいろいろございまして、たとえば先ほど申された局部改良とかあるいは高潮対策事業とかあるいは浸食対策事業とかいうものがございます。そのうち、高潮対策事業とか浸食対策事業は一定の計画に基づいてやっているわけでございますが、局部改良事業は事業量も小さく、局部的な工事でございまして、法律で全部それを補助事業について三分の二を書くというよりも、むしろ政令において具体的に明示していったほうがいいのじゃないかというふうに考えて、さような政令改正に委任しておるわけでございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 二十七条の負担の区分の改正でなくて、政令によったほうが行政的に弾力的な運用がやりやすい、こういう趣旨かと思いますけれども、この点をやはり今後の課題として、私たちも研究いたしますけれども、ひとつ御検討願いたいと思います。  その次に、いま一つお聞きいたしておかなければなりませんが、これは少し実際の問題をよく承知しないでおいてお聞きすることはどうかと思いますけれども、たとえば今度指定をされる地域、それから建設省がやっておられる九つの海岸地域については、それぞれの事業計画があると思います。たとえばAの海岸の保全工事については、何年から始めてどれだけの仕事を何年でやるというような、そういう計画、青写真がちゃんとできておると思います。そこで、これを全部の海岸についてきょうお聞きするわけにはいきませんから、どれか適当な海岸について一カ所でいいですから、その事業計画の青写真をひとつ例示していただきたい。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 海岸事業には、それぞれの直轄海岸につきましては計画を固めております。たとえば有明海岸におきましては大体——すべてそうでございますが、海岸事業七カ年計画としまして、三十九年から四十五年までの計画をもちまして、その規模は概略三十七億、四十年までの実施済みは六億六千万ほど実施いたしております。四十一年度以降は約三十億の残事業があるわけでございます。これらの七カ年計画につきましては、各海岸につきましてまとめてありまして、その計画に従いまして、いま逐次仕事を鋭意進めているところでございます。  なお、海岸法の今回の政令に定められました特定海岸につきましては補助事業も含みますので、今後補助については相当整備を要する点もございますので、今後の検討事項になるかと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 非常に複雑な事業計画になるだろうと思いますが、できましたらひとつ関係の直轄海岸事業について年度別の計画資料を、いずれかの機会に、一応現在持っておられるものでいいですからお示しをいただいたらたいへん参考になると思いますので、この際当局にお願いしておくわけであります。欲を申し上げますと、他の関係省、運輸であるとか農林であるとかのそういうところの事業計画というものも知りたいのでございますけれども、できましたらそういう資料もひとつお示しを願いたいと思うのであります。  いまお話を聞きますと、有明の海岸についても残事業が大体三十億ぐらい四十五年度までの中に考えられておるということでありますし、今度の法律改正によりますものは、四十年度以前のものは該当しない、新しい四十一年度からの事業に該当するように附則で示しておるようでございます。  そこで、急いでお尋ねをいたしますが、今度いわゆる三分の二に引き上げられました場合の予算の金額のアップ額、増加額というものはどれくらいになるのでありますか。もうちょっと私の気持ちを具体的に申し上げますと、三分の二に引き上げなかったとしたならば、前年度に比べて大体本年度はこれくらいの予算でいったということになります。ところが今度三分の二に引き上げられましたからそれだけ増額を考えてあるはずだと思いますが、その金額は大体どれくらいなのか、こういうことであります。というのは、もっと申し上げますと、三分の二に引き上げられましたので一般のものはたいへん負担が軽くなった、あるいはたいへんありがたいというか、それだけの仕事ができるのではないかと期待をいたしておるわけであります。はたして金額的にそうなのか、どうなのか、この辺を明らかにしたいと思いまして、いまの点をお尋ねいたします。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 第一点の資料につきましては、私のほうは資料をすぐ提出できますが、各省の関係につきましては、各省と打ち合わせまして、できるだけ取るようにして、資料を提出いたしたいと思います。  それから第二点の、今回の引き上げによりまして、負担率の引き上げの差額と申しますか、あるいは地方負担の軽減ということばで申しますか、そういうことで申しますと、直轄事業——これは建設省と農林省とありますが、直轄事業についてはほぼきまっております。これは、建設省で二億六千七百万、それから農地局関係の問題で一億八百九十万、約三億七千六百万という金が国庫負担率の引き上げのために要した額でございます。それから、補助事業につきましては、これは先ほど申し上げましたように未調整の部分がありますので、確たる数字ではございません。したがいましてそのことを御了承になってお聞き願いたいのでございますが、建設省として約四千五百万、それから農地局として三千二百万程度、それから水産庁として七千八百万程度、運輸省として二億五千六百万程度、合計四億一千二百万程度の国庫負担率の引き上げのために要した増加になっております。

川村継義日本社会党

○川村委員 そうしますと、いまの点でもうちょっとお聞きしておきますが、今度予算の内訳を見てまいりますと、地方公共団体の負担額でありますけれども、直轄の場合が地方負担が五億三千九百万、これだけあるようでございます。それから地方負担額として補助事業の場合には二十八億八千万、合計三十四億一千九百万だけ予算書の中に示してある。その五億三千九百万というものは、海岸事業の四十三億六千六百万の国費支出の中に含めて、これは予算の中には考えられておるようであります。つまり四十三億六千六百万の建設省関係の事業を国費としておやりになる場合には、そこに五億三千九百万という地方負担を実は含めてある。そこで、実際は真に国の金が出ていくのは三十八億二千七百万ではないか、こう計算をされるわけであります。地方負担が補助関係に二十八億八千万ありますから、いまお話しになっておりますように、今度のアップによって建設省関係では三億七千万程度見ておるということでございますけれども、これは一体地方負担の軽減にどれくらい効果があるかということになりますと、ちょっと疑問になるわけでありますが、その辺のところをもう一ぺん予算額の点から説明いただきたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 直轄事業は、従来から地方負担額を含めて歳出予算といたします。したがいまして、お話しのように地方負担額が、いわゆる直轄で実施しても負担率を上げない海岸、具体的に申し上げますと鳥取海岸と岡山海岸でございますが、これらは二分の一の負担率で実施するわけでございます。したがいまして、現在の負担率のアップによりまして建設省といたしましては、直轄事業としては二億六千七百万程度の国費負担がありまして、これは従来からの二分の一に比較すれば約一割程度負担が軽減されたということに、直轄についてはなります。補助事業については、先ほど申し上げましたように、具体的にまだ内容を詰めておりませんので、未調整でありまして、確たることを申し上げられませんが、建設省としてはこれは四千五百万円程度の国費負担になりますので、ほとんど一、二%程度の負担軽減という程度と思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 昨年は建設省の海岸事業のチリ地震津波の対策事業も含めて三十九億二千二百万程度だったと思います。昨年の場合は地方が実際に負担した額は幾らになっておりますか。ことしは、先ほども申し上げましたように、合計すると建設省関係で三十四億の負担、そのようになってまいります。昨年は地方は、直轄の分担金あるいは補助事業の負担金合わせて、一体どれくらい負担をしておりましたか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 建設省関係の海岸事業で四十年度の地方負担額は、直轄におきまして六億七千九百万。小さい数字、百万以下は略します。それから補助におきまして二十三億二千五百万、合計三十億五百万程度となっております。四十一年度につきましては、これはまだ未調整の点がありますので、概算になりますが、直轄につきまして五億三千九百万、それから補助につきまして二十六億九千八百万、合計三十二億三千七百万程度の負担の増になります。これを倍率で申しますと、負担率の伸びは、直轄につきましては〇・七九%、従来よりも減っております。それから補助につきましては一・六%増になっております。合計しますと、地方負担の伸び率は一・〇八%となっております。

川村継義日本社会党

○川村委員 ただいま御説明いただきましたように、本年度補助海岸において四十五の新規事業も行なわれる。それから直轄においても全部が三分の二の適用を受けるわけではない。そこで確かに三億程度の負担軽減であろうということは考えられますけれども、総体的に見ると補助事業の負担等がやはりそれだけ伸びていますから、地方公共団体の海岸事業に対する総体的の負担というものはそう軽くなっておるとは考えられないのであります。  そこで、最初にも申し上げましたように、大臣の御決意にもありましたように、国の責任において海岸事業を進めていく立場から、少なくとも直轄の事業については全部三分の二の適用が受けられるようにぜひひとつ配慮願うということと同時に、政令で定める補助事業に対する三分の二の適用範囲もひとつ十分御検討をいただきたいものだ。私がここでくどくど申し上げる必要はありませんけれども、大臣の趣旨説明によりましても、「わが国は四面海に囲まれ、気候風土はもちろん」云々と、たいへんりっぱな所信が述べられております。そのとおりであります。この海岸はやはり前々から十全なる対策を立てて保全の道を講じておきませんと、津波であるとか台風であるとか、こういうものが参った場合におそるべき被害を受けて、財産、人命に影響を与えるものが多うございます。道路も大事でありますけれども、道路というものは必ずしも台風や津波によって海岸ほどおそるべき状態におちいることはないわけでありますから、海岸の仕事については、大臣のこの提案理由の説明にもお述べになっておりますように、もっともっとひとつ前向きに進めていただくことをこの際特に要望を申し上げておきたいと思います。  あとに質問者もございますから、最後に一言お尋ねをいたしておきます。  海岸の中で海岸を埋め立てて農地にしておる地域がございます。この農地の地域の堤防について、農林省が所管をしておる堤防があるかと思うと、建設省のほうで所管をしておられる堤防がある。その区別は一体いつごろからどうしてできてきたのか、また建設省が所管をしておられる海岸干拓の地域は全国で何カ所ぐらいお持ちであるか、それをちょっと聞かせてくれませんか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 御趣旨のように海岸につきましては、農地の保全を主とした海岸、あるいは農地造成のための海岸、あるいは一般海岸、これは主として建設海岸でございますが、あるいは港湾を守るための海岸というぐあいに、それぞれ所管省によって行政目的に応じて海岸保全区域が定められておるわけでございます。これは昭和三十一年にきめられたわけでございまして、ただいまそういう三十一年にきめられた打ち合わせによりまして、その海岸をそれぞれの主管省においてやっておるわけでございます。  海岸の干拓の堤防につきましては、海岸の干拓事業をするための堤防でございまして、これは農地造成事業の堤防として取り扱われるわけでございますが、その後海岸保全上一般海岸として特に必要な堤防につきましては、建設省が海岸付属物として引き受けまして海岸保全を行なっている。たとえば有明の海岸等につきましては、従来からの農地でやりました干拓、農地と申しますか、明治以前から行なわれてきた堤防につきましては、必要なものにつきましては建設省で処理している。それから特に新しく造成する事業とか、あるいはまだ引き継ぎができない、そういった干拓の堤防につきましては、農林省で所管しておるということになっております。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 川村さんのお話しの点、実は非常に難渋しておるわけです、率直に申しまして。いま十年ばかり前と申し上げましたが、御承知のとおり、日本の行政機構は分割されておりまして、同じ土地を防災するときに、やれ運輸省だとか、あるいは農林省、建設省、いろいろ行政機構の関係で、国民の側からいいますと、なかなか納得できないような場合もしばしば起こっておる。こういうことで、一応調整いたしたときの基本的な考え方は、港湾区域は御承知のとおりおおむねきまっておりますから、港湾区域とされておるようなところは運輸省がやろう。それから主として農地を守る、あるいは防風林地帯を守るのは、農林省の仕事が多いものですから、そういう海岸地帯あるいは漁港区域については農林省が所管する。その他一般、特別に何の目的ということでなしに、国土の保全上海岸を防災する必要がある、こういうところは、これは広いわけでありますが、建設省が所管する。そういうことで基本的な考え方をきめて割り振りをしておる。こまかい点についてはこまかくまた協定をしていく、これが実情でございます。

川村継義日本社会党

○川村委員 いま局長がお話しになったように、造成をされた年代の古い海岸の干拓、いわゆる農地を囲んでおるこの堤防については建設省が大体所管をしておられると私、見ております。わりあい年代の新しい農地干拓堤防は、農林省が所管をしておられると思います。これは歴史的な一つの所管といういきさつによったのでありましょうけれども、われわれは、海岸法ができるときに、干拓の堤防については農林省が全部所管をする、あるいは堤防という役目からして建設省が全部所管をするというふうに、何か統一すべきではないかという考え方があったわけです。ところが、それがそうでなくて、現在ともにそういう形になっておる。ところがこの堤防が年々高潮等でこわれるので、やはり修築をしていかねばなりません。しかし実際問題として、建設省のほうの堤防のほうが予算的にもよくめんどうを見てもらえると喜ぶ地帯があるかと思うと、いや農林省の所管のほうがいいんだ、こういうような話も実はございます。それらが隣同士に同じ干拓、特に、御承知のとおりに九州の有明、不知火というのは、わりあいそういう干拓地が多いのですが、そういう形が実はあらわれてきているのです。でき得べくんばこういうものはそれぞれの所管の、セクトと言っては語弊があるかもしれぬけれども、こういうものは統一をして、特に農地を守っておる干拓堤防については、統一をされることが必要ではないかということを感じておるわけです。これについていまここでとやかく御返事をいただこうと思いませんけれども、一つの検討事項としてやっていただきたい。  それからいま一つ申し上げねばなりませんことは、このような四角な海岸に農村干拓ができておる。この堤防は建設省の所管である。ところが直正面に海に向いたところを担当しておられる海岸課と申しますか、この課と、こっち側の同じます目に走っておる堤防と、それぞれの担当の課が違っておる。こういうのもこれは建設省内部でやれることですから、同じ農地を囲んでおる堤防であったならば、同じ課で所管をなさるということがいいのではないかという感じがするわけです。こういう点もひとつ十分御検討いただいて、先ほどもちょっと申し上げましたように、この海岸堤防というものは、実に重要な役目を持つ仕事でございますから、そのようにひとつ御検討をいただきたい。このように考えるわけです。御意見ございましたら聞かしてください。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 おっしゃるような弊害が従来もしばしばありまして、特に、よけいなことかもしれませんけれども、御承知のとおり伊勢湾台風の災害の際に、非常にこういう問題で現実に困ったといいますか、弊害が顕著にあらわれております。同じ海岸でありますから、一カ所こわれると全部に影響がある。こういう事態が起こった実例がございます。そういうことで同じ海岸でありますから、農林省あるいは運輸省、建設省とやります工事の施行を統一すると同時に、つなぎ目がはずれておるというような事態が相当あって災害を大きくした、こういう実例もありますので、施工方法を統一する。それからいまお話しのようなことも、従来よりもずっと改善しておりますが、今後とも気をつけてまいりたいと思います。

川村継義日本社会党

○川村委員 これで終わらしていただきますが、海岸の保全事業については思い切って国としても責任を持って予算計上等に努力を願うし、十年以上もかかって海岸堤防の補強というようなことでは間に合わぬということも現実問題として考えられるわが国の実情でございますから、ひとつ思い切って海岸の事業についての予算等を拡大してもらう。それから三分の二の、法案に出ておりますような負担についても、直轄事業等についてはもちろんのこと、全部適用されるように考えてもらう。補助事業等についても、できるだけその範囲を広げて、国の責任を果たしてもらいたい。こういうことを強く考えておりますから、それを申し上げて私の質問を終わります。

田村元自由民主党

○田村委員長 石田宥全君。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 私は、海岸法の一部改正にあたりまして、新潟市周辺における地盤沈下の問題についてお伺いしたいと思うのであります。  御承知のように、昭和三十九年の六月に大地震が起こったのでありますが、当時、新潟市を中心といたしまして、ゼロメートル地帯が六百二十七万平方メートルに及んだといわれておるのであります。当時は地盤沈下が一応停滞しておるように発表が行なわれておりました。私どももそのように考えておったのでありますが、どうも実態は必ずしもそうではないような感じを持っていたのであります。ところが地震の後に、調査をされたところによると、実は一、二等の水準点が下がっておったので、ほかのほうの沈下の状況があらわれなかったのだということであったわけであります。きょうはそういう問題をあらゆる角度からお聞かせを願いたいと思うのでありますが、鉱山保安局長が何かほかの委員会に呼ばれておって時間がないということでありまするから、これは順序を変えて、ひとつ鉱山保安局長にお伺いをしたいと思います。  新潟ガス田における昭和三十九年、四十年度のガスの採掘量がどういう状況になっておるか、この点一つと、それから、局長さん去年の秋新潟をおたずねになりました際に、新潟市周辺における水溶性ガスの規制を強化する必要があると考えるので、それについて十分検討したいということを新聞記者会見で発表されておるのでありますが、ガスの規制に対してこれを強化するということについての御検討が行なわれておりましたならば、どういうお考えをお持ちであるかを承りたいと思います。

森五郎通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○森政府委員 お答えいたします。  三十九年、四十年のガスの採掘量、ちょっと手元に詳細な資料を持っておりませんので、かわりに、規制区域における排水量について、パー・デーの立米でございますが、これを申し上げますと、四十年では総計が三十二万三千立米パー・デーになっております。そのうち、いわゆる鉱業権を持って天然ガスを掘っておる、鉱業権を持っております井戸から出ますものが十八万七千立米パー・デー、それから自家用井戸——自家用と申しまして鉱業権なしで天然ガスを採掘いたしてこれを自家燃料等に使っておるものがございますが、そういうものが、これは大ざっぱな数字で推定も入るわけでありますが、約十三万六千立米パー・デー程度になっております。そういう状況でございます。  いまの第二点のお尋ねの、私が昨年新潟に参りまして、記者会見等で申し上げたことでございますが、実は去年経済企画庁からの建議書によりますと、新潟の地盤沈下につきましては、現在先生御承知のように、三十五年時代から見ますとだいぶ減ってきておるという事実があるわけでございます。これはいわゆる大量、急速な水のくみ上げによるものであるという結論が出ておりまして、その後経済企画庁で、これは現在の状況から考えまして、新潟地盤沈下の原因につきましては総合的な手を打つべきじゃないかということが示されておるわけでございます。すなわち、いま私御説明申しましたように、鉱業権を持っておる天然ガスのくみ上げのみをいままで規制の対象にしてまいったわけでございますが、それで確かに地盤沈下は非常に低下してまいったということは、先生よく御存じの点であろうかと思います。ところが、現段階にまいりますと、鉱業権を持って天然ガスを採掘しておるというもの以外の水のくみ上げというものがございます。すなわち、先ほど御説明申し上げました自家用のものであるとか、あるいは雑用水のくみ上げであるとか、ビル用水あるいは工事用水等のくみ上げというものがある。こういうものも全部総合的に考えて対策を考えるべきじゃないか。その結果、なおかつ、鉱業権を持った天然ガスの採掘を規制すべきであるということになれば、その次の手を考えるべきであるというふうに私は申し上げたわけでございます。さようひとつ御承知おきいただきたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 もう一度伺いたいのですが、大体排水の量でいまお示しになりましたけれども、それが三十八年、三十九年、四十年度とのその趨勢をちょっと伺いたいのです。それから、自家用水のくみ上げは推定があるとおっしゃるからその点はいいとしても、白根市などでは市が中心になりましてかなり規制をいたしておりますので、これ以上なかなか問題ではないかということも考えられまするし、どうも自家用ガス井戸の採掘の量というものはきわめて不確定なものではないかと思うのですが、どうでしょうか。

森五郎通商産業鉱務監督官(鉱山保安局長)

○森政府委員 お答え申します。  ただいまの三十九年の数字がございますが、三十九年十二月では合計六十七万三千立米パー・デーになっております。現在四十年の一月の数字がございますが、これは六十万五千立米パー・デーであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 そこで、国土地理院の方に伺いたいのでありますが、測地部長さんですか、先ほど申し上げましたように、六百二十七万平米もがゼロメートル地帯というのが、最近のような沈下状況でまいりますと、十年ぐらいたつというとゼロメートル地帯が一千万平米ぐらいになるのではないか。マイナスメートルが相当出るのではないかという観察が行なわれておるようであります。そこで、昨年の九月一日を基準といたしまして国土地理院で測量が行なわれたようでありますが、その結果の概要を承りたいと思います。

原田美道建設技官(国土地理院測地部長)

○原田説明員 昨年九月に国土地理院で、七月から十月でございますが、実施いたしまして、その結果水準測量をやりまして、その結果とその前年三十九年の八月から十月の間に一等水準点、二等水準点を実施したその差から、最近の規制の行なわれました三十四年ですか、その効果がどのくらいあるかということと、それから三十九年の六月のときの新潟地震による地盤沈下、それのあとどういうふうに経過があるかという二つの目的で、こういう資料をつくったわけでございます。  これによりますと、ざっと申し上げますと、規制する以前は年間新潟市中心で五十センチ、一日に一・四ミリメートルという非常に激しい変動であったものが、この今回の測量を見ますと、約五分の一、年間平均しまして十センチぐらいにおさまってきておる。この一等水準点は新潟市近傍で大体約四百六十キロメートル、一等水準点が明治の当初に設置されました水準点の間隔はおおむね二キロメートルごとにございますから、点数にしますと二百三十点、そのほかに国土地理院並びに新潟県、それから市でもって設置されました二等水準点というのがございます。これを今回も約四百キロメートルほど測量をいたしました。二等水準点は大体石の間隔が平均一キロメートル以内で一等水準点よりもこまかく設置されております。そのほかに、農林省が干拓その他の目的で三百点近く設置してございますが、これは農林省の立場で測量を実施しております。局部的に申し上げますと、規制地域からちょっとはずれていると思いますが、これはちょっと大きいところもございまして、一年間に十二センチというところもございますが、あるいは特殊な地盤の不同沈下等とも思います。阿賀ノ川、信濃川河口付近では年間六センチから八センチ、かなり減少されておるということでございます。一方、新潟地震によるであろう地盤沈下あるいは隆起、これは最近測量の結果が重複して、どれが地震によるのか、どれがいわゆる軟弱地盤によるのかということは分離して議論することが非常にむずかしいわけでございますが、新潟近傍とか朝日村その他かなり沈下したところも、現在規模は少ないと思いますが、なお沈下の傾向は続いておるであろうと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 いまこの坂井輪付近では十二センチとおっしゃいましたが、私ども聞いたところでは、坂井輪、青山、内野付近では十四センチくらい沈下したという結果が出たということですが、何か間違いではありませんか。どっちが間違いなんですか。

原田美道建設技官(国土地理院測地部長)

○原田説明員 失礼いたしました。青山、内野地区で十四センチございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 そこで、規制地区の中では、いま御説明がありましたように、ある程度緩和するというか、停滞をいたしておるようでありますけれども、規制地区以外では必ずしもなかなか停滞をしないような面が見えるわけです。これはあとでいろいろ関係の方から承りたいと思うのでありますけれども、防災科学技術センターの和達さんに伺いたいのであります。あるいはその他の方がいいのかもわかりませんけれども、水溶性ガスの排水をやる地点と、それからその及ぼす影響というものが一体どのくらいあるだろうか。たとえば、いまA、B地区などの規制が行なわれますと、そこからは相当離れたところの白根地方の沈下がだんだんと緩和してきた。白根まで行きますと、十八キロから二十キロぐらい離れておる。二十キロぐらい離れたところまでも、下の沈下する層がはたして変動するものであろうかどうかということがだいぶ長い間議論が行なわれまして、そんな遠くまで影響は及ぶはずがないんじゃないかといわれておったのが、新潟市のA地区B地区の規制を行ないましたところが、二十キロも離れたところの白根地区の沈下が緩和しておる、こういうことを見ると、相当広範にその影響が及ぶのではないかと考えられるのでありますが、科学的にごらんになっていかがですか。

和達清夫総理府技官(国立防災科学技術センター所長)

○和達説明員 お尋ねは、地盤沈下と地下水をくみ上げることの地域的の関係であると存じます。申すまでもなく、地盤沈下はそこの地盤の状態から起こるものでありますから、そこの場所の状態が、他の場所において水をたくさん使うとか、あるいは水を還元するとかいうことでどういう影響が及ぶかということであります。言いかえますと、地層の中の帯水層における地下水の流動というものが大きな原因をなしておる。また一方、土質の状態に関係すると思います。私の聞いておる範囲においては、地下水の流動というものを目下非常に努力して調べておりますが、まだ完全に把握したとは申しかねるのでありまして、影響があるということは察せられますけれども、数字を示して、どのくらい離れてどういうふうになるかということは、場所ごとにも違うこともありますし、残念ながら数量的にもお答えできません。以上であります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 ほぼ明らかになっておると思うのですが、立場上慎重な御答弁かとも思いますが、和達さん、せっかくあなた大事な立場におられるのですから、早急に——及ぶ範囲、影響というものが、一般論でなしに、新潟市の場合と白根市であるとか内野町であるとか黒崎村であるとか、そういうところは信濃川流域というような関連があって一つのつながった層があるのではないか。これは長い間われわれしろうとで考えてまいったのですが、新潟市の規制をいたしますと白根市の沈下がとまる。これは厳然たる事実なんで、しかし専門的にごらんになればあるいはその他の要因があったかもわからない。ですからもう地震の前から絶えず御検討になっていらっしゃるのですから、もう少し積極的に取り組んでいただきたいと思うのです。要望として申し上げておきます。  次に、地盤沈下対策審議会に小委員会を設けてやられたようでありますが、昨年の四月、経済企画庁にいわゆる安芸勧告といわれる意見書が提出されておるはずであります。これについて、経企庁の鹿野総合開発局長からここで明らかにしていただきたいと思います。

鹿野義夫総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○鹿野政府委員 地盤沈下対策審議会が経済企画庁に置かれておりまして、現在二回目の審議会を開催したわけでございます。毎回ある程度の地盤沈下対策についての勧告がなされておりますが、昨年審議会会長から、地盤沈下に対しまして意見書が出されております。  その意見書の内容は、ごく簡単に申し上げますと、東京、大阪等の現在なお地盤沈下を起こしておる地域については必要な調査を実施するということ。それからさらに今後地下水等に依存しておる部分については、観測施設を充実して、事前に沈下を起こす状況をできるだけ早く把握していくようにするということ。第三点は、新潟地区の点につきまして、水溶性ガス等に依存している企業及び自家用井で水溶性ガスを利用している農家等に対しまして、国土保全という観点から、関係機関が地盤沈下防止のために適切な措置をはかることというような点につきまして、勧告といいますか、意見書が出されております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 それから次に、これは科学技術庁の橘資源局長、どちらでもいいんですけれども、ただいまもお話がありましたように、昭和三十四年の二月以来、数次にわたって、四回ぐらいだと思うのでありますが、ガスの採掘に対する規制勧告が行なわれておりまして、A、B、Cと、三地区を段階的に採掘規制をいたしてまいりました。この根拠は、ほぼいままでの答弁の中で明らかになったようでありますけれども、必ずしもはっきりいたしておるとは言いがたいのでありまして、その勧告の根拠をここでお示しを願いたいと思います。

橘恭一総理府技官(科学技術庁資源局長)

○橘政府委員 勧告の根拠でございますが、技術的には、資源調査会の出しました沈下原因、沈下の主原因でございますが、それを基礎として通産省の勧告が行なわれたわけであります。  それからA地区、B地区、C地区の設定につきましては、その内容が示すような判断に基づいて策定されたと解しております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 そこで次に伺いたいのでありますが、新潟市における新潟地盤沈下対策被害事業者連盟というのがございますね。この連盟は、いずれも非常な被害を受けておる人たちでつくった団体でありますが、昨年の四月にB地区は浅層、深層ともに排水をやめてもらいたい、C地区は新規の坑井を認めない、同時に現在の坑井も排水を禁止する、さらに規制の具体的の措置は四十年十二月末日までに確定をして、水溶性ガス採取企業者に対して発表してもらいたいということを要求をしておるのでありますが、ここで先ほど来御答弁にありましたように、まだ相当な沈下が続いておるわけでありますので、こういう被害事業者連盟の要請というものをどのように受けとめておられますか。これは経済企画庁それから科学技術庁、それぞれの立場で御所見を伺いたいと思います。

鹿野義夫総理府事務官(経済企画庁総合開発局長)

○鹿野政府委員 御陳情のあったことは存じております。経済企画庁といたしましては、実はこの三月の半ばにも地盤沈下対策審議会をまた開きまして、各省とも相談をして、また学識経験者の方々、この方々の中にはいまの被害者の関係の方も入っておられるわけですが、そういう方々の御意見を中心にお伺いいたしまして、対策を総合的に私どものところで取りまとめといいますか、皆さんと協議をして進めていくということで、いまの御陳情の趣旨をできるだけ生かすような方向で努力いたしたいと考えておるわけでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 次に、最近ようやくその体制が整ったようでありますけれども、地下分離法ですね。これはどなたがいいですか、適当な方にひとつ御答弁願いたいのでありますが、地下分離法がはたして完全に行なわれるであろうかどうであろうか。大量のガスの排水があるから沈下が起こるのであって、ガスと水とを地下で分離をして排水をしないということになったならばある程度の効果があるのではないかというようなことは、アメリカあたりの実情に徴して議論は行なわれておるのでありますけれども、まだどうも確信を持ってこれならばどの程度の効果があがるというようなお話を承っておらないわけですが、これに対する技術的な見地での所見を伺いたい。

橘恭一総理府技官(科学技術庁資源局長)

○橘政府委員 その件につきましては、いま石田先生がおっしゃいましたような方法が研究されつつあると聞いております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 どうもはなはだたよりのない答弁で、外国にも事例があり、国内でももうそれを手がけているということであるけれども、まだ自信がないということで、ほんとうに、試験的な段階で、それ以上は出ないというふうに理解せざるを得ないのですか。

橘恭一総理府技官(科学技術庁資源局長)

○橘政府委員 そのように解せざるを得ないかと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 どうも担当している方がまだ自信をお持ちでないそうでありますので、はなはだ心細い限りでありますが、時間の関係もございますから、先を急ぎます。  そこで、建設省のほうに伺いたいのでありますが、新潟では防潮堤や防波堤や、都市計画上から、この地盤沈下をどのように理解しておられるのか。沈下は沈下にまかしておいて、沈下しただけ防潮堤のかさ上げをする、防波堤のかさ上げをする。年がら年じゅう何十年でも同じようなことを繰り返しているというようなことでは、はなはだ不見識のそしりを免れないと思うのでありますが、それに対してはどういうお考えをお持ちなのか、承りたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 技術的なことは、それぞれ御説明をいたします。  地盤沈下の問題は、いま各省庁の専門家からお答えがありましたように、これはなかなか原因の究明、対策が非常にむずかしいことは御承知のとおりであります。そこで、審議会等によって専門的にその原因の究明やあるいは対策というようなことを進めているわけでありますが、これは総合的にやらないと効果があがらない、そういうことでやっているわけであります。  その中で、建設省といたしましては、いまお話しのように、原因の究明ができて、できるだけその原因の発生を阻止する、あるいはいまお話しの地下ガスの採取はできるだけ規制する、あるいは地下水のくみ上げは今日国民生活の向上に従って非常にありますので、それをできるだけ規制して、ほかのほうから水を取る、こういうことも通産省その他で検討されて対策を講じておられる。私ども建設省としては、現に起こりつつある地盤沈下の害を防ぐということが重点でありますので、いまお話に出ましたように、やはり防潮堤、海岸保全あるいは河川改修あるいは下水道の整理あるいは内水排除、こういうことをやっているわけでありますが、やはり原因を突きとめて根本をためるということでないと根本解決にはならないであろう、かように考えておるわけであります。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 補足して説明させていただきます。  新潟周辺における地盤沈下は三十五年から考えてみますと、年間十五センチとか十七センチという相当大きな数量を示しております。その後、三十六年の十一月一日に地下水採取規制区域が設定されました後は、若干沈下がおさまっておるところもございます。しかしまた新しく沈下がはなはだしくなっているところもございます。規制地域では、私のほうのいろいろな調査によりますと、平均的に八センチ程度になっているところがございます。しかしながら、こういう規制によって減少はしておりますけれども、沈下は継続して起こっているわけでございます。したがいまして、私らのほうの所管の事業につきましては、たとえば海岸の浸食対策につきましては、護岸工及び消波工は将来の沈下に耐え得るような工法にしたいというふうに考えております。それから三十九年の六月に新潟地震が起こりましたが、その新潟地震とも兼ね合わせまして、おおむね将来の沈下を見越して施工高をきめてやっていく予定でございます。さらに下流地域におきましては将来の新潟市の河川の内水という問題も考慮いたしまして、関屋分水事業に本格的に取りかかる考えでございます。それから、なお中の口川周辺につきましても相当沈下が起きておりますが、それぞれ現状に応じまして対策を逐次講じつつありまして、将来を見込んで考えて実施していきたいと思います。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 実際は、現状においては毎年々々沈下しただけかさ上げをするというようなことなんです。私ははなはだ不見識きわまるものだと思うのです。建設大臣のいまの御答弁を承っておりますと、原因の調査がたいへんむずかしくて、というお話なんです。実は昭和三十四年以来四回にも五回にもわたって勧告が出され、もうガスの採掘に伴う大量の水のくみ上げが主要な原因であるということだけは明確なんです。しかしなぜそれが行なわれないかというと、通産省はやはり地下資源の開発によって産業を盛んにしようとする。県はまた工場誘致等の関係で、ここには天然ガスがありますよと言ってそれを売りものとしようとする。そこに原因がわかりながらこれを規制することのできない主要な原因があるのです。一体海岸の保全、国土の保全という重大な責任を持っておられる建設大臣がひとつ勇気を持って——すでに七百二十六万平米も毎月ゼロメートル地帯です。やがて一千万平方メートルに及ぶであろうといわれている。やがてその中にはマイナス地帯がどんどんできてくる。一朝津波などがきたときの被害を考えてみますと、これは重大ですよ。それをお互いにわずかな産業を保護するために、あるいは来るか来ないかわからないけれども、工場を誘致するためにガスをとめることができないというようなことは、その所管である建設大臣の答弁としては受け取れないのです。国土保全の責任を持つ者が、海岸保全の責任を持つ大臣としては、もっとき然たる態度を持って、それが沈下しただけかさ上げをしますなどということは子供の話です。もっと権威ある態度で、権威ある答弁をされてはどうですか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 子供の話と言われてまことに恐縮でありますが、先ほど申し上げましたように多くの原因が、水溶ガスの引き揚げにあるというようなことが出ておるわけであります。それを全面的にストップすることが、新潟のためになるのかならぬのかということも、別な意味で議論をされておる、こういうことであります。したがいまして、それができるだけ規制がされて、その規制も相当進んで、ある程度の効果が出ているということは石田さん御承知のとおりです。だからそれはそれとして、私どものほうとしては現に危険があるから、それに対する備えはこういうふうにしています、こういうことを申し上げているので、規制のほうは知りませんということではないのであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 農林省の建設部長に伺いますが、農林省も新潟では地盤沈下の調査所をお持ちでありまして、ずっと調査をしておられる。最近のような沈下の趨勢でまいりますと、十年から十五年後には、あの付近の農地が一メートル近くさらに沈下するのではないか。それを予定し予想して、基盤整備事業を行ないたい。その工事費はおよそ百六十億程度になるということで、大蔵省に予算要求をされた。ところが大蔵省ではどこまで沈下するかわからないのに、十年後には一メートルぐらいさらに沈下するであろうからという想定のもとに、百六十億の予算措置はできない、こうこれを押えておると伝えられておるのでありますが、その真相はどういうことなんですか、お伺いをしたい。

小川泰恵農林技官(農地局建設部長)

○小川説明員 農林省におきましては、昭和三十四年以来新潟の地盤沈下の調査をやっておりますが、総体といたしまして、年間に五十ミリ以上沈下する面積を年々統計をとって調査をいたしまして見てまいりますと、三十四年から三十五年にかけて実に二万八千ヘクタールばかりが五十ミリ以上沈下しておったわけでございます。その後だんだん減ってまいりまして、三十五年から四十年にかけては約四千六百ヘクタールのものが五十ミリ以上の沈下をしております。さらにこれを地方別に見ますと、大体亀田郷、北蒲原郷、新津郷においては沈下がおさまったといいますか、非常に少なくなったように見られるわけでございます。ところが白根及び西蒲原におきましては、いまだに沈下が相当ひどい。ことに内野及び黒埼付近においては、沈下が増大する傾向も見られる、こういうことでございます。したがいまして、いま御指摘ございましたように沈下がどんどん進んでいって、将来の予測がはっきりつかないところに恒久的な手当てをすることは困難でございますが、現在すでに起こった沈下のために、農業施設の機能が著しく悪くなっているというものは、応急的に手当てをしなければならない。そういうものに対して、すでに三十四年度から総額約五十二億円で対策をやってまいったわけでありますが、さらに四十一年度には総額約三十億円という範囲で対策を行なっていく、こういうつもりでございます。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 大蔵省との折衝過程というのは、実際はどういうことなのですか。

小川泰恵農林技官(農地局建設部長)

○小川説明員 いま申し上げましたように、沈下がいまだに進行していて、将来はっきりどこどこがどういう形になるかということがわからないものに対しましては、いま直ちに恒久対策を立てることは困難であるということで、とりあえず、先ほど申し上げましたように、機能障害が非常にひどくなっているものに対しては応急的な対策をしたらよかろう、それからほぼ沈下が終わったと目されるものに対しては恒久対策を立てたらよかろう、そういうものを拾い上げますと、さしあたりやらなければならないものが約三十億ばかりございますので、それだけは四十一年度にとりあえず認めましょう、こういうことであります。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 大臣にお伺いしたいのですが、いまお聞きのような状況です。ガス会社は利益をあげています。それからガスを原料とする日本瓦斯化学なども相当大幅な利益をあげております。しかし一面において、宅地が沈下をしたり、この前の地震のように一カ月も水と戦いをしなければならないような状況の中にあった。農民は相当広範に地盤沈下のために基盤整備事業を行なって——これはこの前の地震のときには特別な法律の適用がありましたから、農民の負担はそれほどではございません。しかしそのようにいたしまして、一般市民や農民が非常な被害を受けておる。被害のみではありません。被害のみではなくて、いま農林省の説明でもおわかりのように、三十四年以来すでに五十億も投下をしておる。国の立場から見ても、県の立場から見ても、農民や小市民を犠牲にして、ほんの一部のガス資本業者に利益を与えなければならない、そうして国土を損壊せしめるような事態について、被害者である農民、あるいはまたいまマイナス地帯に沈下しつつあるところの小市民は、一体だれに訴えればいいのですか、だれにその対策を要求すればいいのですか。私は、もちろん県にもあるかもしれないし、あるいは各省庁にもあるかもしれないと思う。しかしそのガスの採掘によって利益を得るものがあり、一面において犠牲者が出ておる。こういう状況をそのままに——もうすでに被害者が立ち上がってから十年になりますけれども、いまだにわずかに沈下速度が変わったという程度で、西蒲原郡の一部のごときは最近もっとひどくなりつつある。これはしろうとが見てもわかるのです。それでも何ら手を打とうとしていない。こういうことが今日の政治の上で一体許されるものかどうか。被害者は一体どこへ訴えればいいのか、だれがその責任を負ってくれるのか。私はその点、やはり建設大臣が大局的な見地に立って、もっと早急に規制すべきは規制をし、そしてその被害者の被害の額を少なくする、あるいはなくする、そういう姿勢をとるべきであると思うのでありますが、建設大臣の所見はいかがでございますか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 基本的な考え方については、私も石田さんと同じ考えを持っております。ただ問題は、さっきもちょっと触れましたように、産業とそういうものとの調和をどこにとるかということだと思うのです。もしこれが全面的に水溶ガスだけのことであれば、わりあいにいいのですけれども、多くはそれであろうということでありますが、そしてある程度の規制をしておる、その規制のやり方がなまぬるい、あるいは不足である、こういう問題もありはしないか。これは石炭鉱業の地盤沈下とやや似たものがありはせぬか。いま聞いてみますと、そういう企業者にはそれに対する負担がいまのところないそうであります。私は、やはりそれによって利益を受け、一面において反射的に損害を受けるというところに、企業の利益と損害との調和をはかるのが正当じゃないかという気がして、いまやっておるかと聞いたわけですが、やっておらない。その他については先ほど来申し上げて、また御承知のとおりに政府が相当対策を講じておりますが、率直に言って、企業者の責任が何もないというのは私は承服できないのです。こういう点は検討していきたいと思っております。

石田宥全日本社会党

○石田(宥)委員 だれが聞いてもやはりそういう見解でなければならないと思うのです。ただ原因が、ガスのくみ上げが主要な原因であるというすっきりしたものが出ないものでありますから、その損害を業者が補償するということにならないでおるのです。ヘビのなま殺しのようなもので、ガスの採取即こういう被害だということになれば、ガス業者がそれを補償するという場合が端的に出てくるわけです。もちろんそれはその他の原因があるかもしれないけれども、ほとんどとるに足らないものであることはきわめて明瞭なのです。それだからこそ四回も五回も規制の勧告も行なわれておるわけなのです。そこに被害者たちの立場というものが全然無視される。これはやはり行政庁である政府が何らかの措置をとるべきものではないか。一部の業者は非常な利益をあげておるのですから——これは名前は申し上げませんけれども、ある調査をした人の話によると、約二百億の利益を業界はあげておるということなのです。ところがそれに見合うほどの額が、国と県と市町村と農民でやはり二百億程度のものを負担しておるわけです。こういうふうに一方に二百億の利益はあるけれども、また一方に二百億の負担がかかってくるという場合に、一体これをこのままにしておいていいのだろうかどうだろうか。これは政府としてはもっと真剣に取り組まなければならない問題であろうと私は考えるのです。その数字の点はいろいろのとり方で違うでしょう。昭和三十年から三十九まで、あるいは四十年まで、それから公共投資にしても、いま農林省の関係では昭和三十四年から昨年まで五十億程度も投下しておられる。そういうことになると利害の関係がはっきりしてくるのです。ですから私は、この問題はいろいろな官庁にまたがっておるけれども、どこかでしぼって、やはりこれは一本にして、その被害者を救済する措置というものが立てらるべきであり、建設大臣が中心としてはっきりした態度を閣議等で持ち出して、明確な方針を樹立していただきたいと思うのであります。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 これは今日始まったことではなくて、各種いろいろ検討しておりますが、各省にまたがることであります。なお産業政策にも関係があるようでありまするから、十分に検討したいと思います。

田村元自由民主党

○田村委員長 山下榮二君。

山下榮二民主社会党

○山下委員 私が伺いたいと思いますのは、すでにずいぶんお話がございましたが、集約して二、三の点にしぼってお伺いしたいと思うのであります。  この改正案そのものは、御承知のとおり現行の二分の一の負担から三分の二に引き上げようというのでありますから、きわめて時宜を得た改正であると考えなければならぬのであります。しかし国土保全という関係から、四面海に囲まれた日本の現状に照らして、海岸保全というものは国土保全という立場から考えるならば、その万全を期するという立場に立つならば、私はこれは国が全額持って行なうべきである、こう考えるべきじゃないかと思うのであります。ことに最近の地方財政というものがきわめて困難な実情にあることは、大臣も御承知のとおりであります。したがいまして、国土保全という立場から、海岸の保全ということについては国が全額負担をして各海岸地域を守るべきである、こういう考え方を持つのですが、一体大臣はいかようにお考えでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 基本的には全く同じ考え方を持っております。

山下榮二民主社会党

○山下委員 そうだとするならば、いまここに三分の二というふうに持ってこられたのをなぜ全額というところにまで踏み切ることができぬのかという問題、さらに次に伺いたいと思うのは、これほど重要なものだと大臣もお考えになっておるにもかかわらず、その重要な指定の場所を、政令で定めると書いてある。なぜこれを法律で規定されないのであるか。なぜ政令で定めなければならないのであるか。政令で定めるには、御承知のとおり、二十六条の第一項に第六条の四つの項目のことが書いてあります。そういたしますと、それ以外のものは二分の一で、三分の二の補助ができない、こういう非常に片手落ちな姿ができてくるのじゃないか、こういうことも考えられるのでありますが、こういうことに対して、一体いかようにお考えになっておるでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 基本的には私は領土というものは国が守るものである、そういう意味で海岸の保全について、領土が侵食され狭くなるということは、これは国民的な損害でありますから、やはり国が全額負担してこれを守るというのは、私はそうだと思うのです。ところが歴史的に見ましても、まあ過去は知らないのですけれども、従来川については、長い間川を守り、あるいは災害を防ぐということについては全力を尽くしてきておるのであります。まだまだたくさんやるべきことがありますが、本来の国の広さというものを守ることについては残念ながら無関心というと言い過ぎでありますけれども、関心が国民的にも比較的薄かった。そういうことが政治にも反映して、海岸を守ろうということはここ十年前後のことで、海岸法ができましてから十年そこそここういう状態でありまして、ようやく今日相当大規模にそういう仕事が各地に行なわれるという段階になってきておる。したがって従来もいかにもおかしな状態でありますが、この仕事の国費の負担が二分の一、こういう状態で、仕事がだんだん大きくなってまいりますと、その地域を管轄しております都道府県は財政的にもきわめて困る。もちろん地元の人たちも利益を受けるわけでありますけれども、国からいいますと、これは民族の資産でありますから、さっきお話しのようにほんとうは全額やるべきであると思いますが、それが二分の一でいままできておる。ここ数年来何とかこれを河川と同じように三分の二——川のほうは直轄は四分の三というふうになっておるのですから、同列に扱うべきでないかということが、ここ数年来強く議論され、主張されてきております。そこで私どもは、今年度はどうしてもそれをある程度実現したい、少なくとも三分の二の国費を投入するということは、これは最低限の要求ではないかということで、まあ微力ながら努力いたしました。しかもそれを全部というわけには行政のいろいろな関係がありましてむずかしいものですから、ことしは比較的大規模なところ、したがってその管轄の地方公共団体が大きな財政負担になるところ、そういうところだけでも、まずざっくばらんに橋頭堡を築くという意味で、この程度でがまんしようというので、ようやく今日まできたのであります。こまかい点は必要があれば河川局長からでも御説明いたしますが、そういう意味で相当大規模な効果のあるところ、また海岸気象上大規模に海岸保全をしなければならないところ、そういうところをまずこの範疇の中に入れようというのが、今度の法律改正であります。これでとどまろうとは思いません。やはりこれも筋を通せば、大であろうが小であろうが三分の二にするというのが、これは理論的には正しいと思います。ただ、政治の現実として、ことしはこのくらいでがまんをして、今後それを本格的に理論に従ってやっていこうというのが私どものかまえでありますから、そういう実情をくみ取って御理解をいただきたい。ざっくばらんに申し上げておきます。

山下榮二民主社会党

○山下委員 大臣の御答弁で、それじゃ漸次拡大して将来三分の二ないしは全額国庫負担で行なっていくという方向に行きたいという事情だけはわかりました。  次に伺いたいと思いますのは、先ほど問題になっておりました地盤沈下の問題であります。これはひとり新潟の天然ガスくみ上げだけでなくて、各地方の海岸沿いに属する工業地帯というのはほとんど地盤沈下で非常な災害を受けておるのであります。したがいまして、海岸の護岸施設等いろいろな工事が行なわれているのですが、これもやはりいまの指定の中に入るのですか、入らないのですか。きのう建設省の課長さんにおいでいただいて私は聞いたのですが、私の考えと非常に食い違っているようであります。重要に指定をされる場合、他府県にまたがるような場合は少々工事がこまかく規制される、しかしながら一府県だけの場合は、もし高潮とかいろいろな関係で被害を受けるときには、他の府県に被害を及ぼさなければならぬという場合には、他府県同士で協議して受益者負担をとらしめるというような方向になっておるようであります。私は、そういうところにこそ国が思い切った財政措置を行なうのが当然ではないか、こう思うのですが、そういうのが政令で指定されにくい情勢にあるということ。そこで私は、当初にお伺いいたしましたように、政令というこのことばが少しあいまいである、もっと明確に法律で規定すべきではないか、こう思うのですが、そういう場合には一体いかようにお考えになりますか。国は負担をせずに受益者に負担をせしめる、こういうような考え方というものは、ひいては他の方面に及ぼす影響も大きいだろう、こう思うのですが、いかがですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 二府県にまたがるような海岸工事につきましては、これは直轄で採択する一つの大きな要件でございます。したがいまして、できるだけ直轄に採択していくというような方向で進んでおります。  その地元負担金の問題でございますが、それは二県と協議しまして、それぞれ度合いに応じまして負担せしめることができるようになっております。  それから政令で定めることにいたしましたのですが、これは具体的な区域の指定でございまして、その区域が将来変わるということもしょっちゅう考えられるわけでございます。したがいまして、その区域が変わるたびに法律改正をしていかなければならぬということになりますので、たとえば河川法における一級河川の指定につきましても、これは政令に委任されております。そういう他法令の関連もございまして、法律に規定していかずに、政令で指定するようにしたわけでございます。そういう事情で、政令で区域を指定するということで御審議を願っておるわけであります。

山下榮二民主社会党

○山下委員 ちょっと私が申し上げたのと考え方が、御答弁が違うようですけれども、他府県にまたがる場合は、御承知のごとく指定をされて、保全上特に重要なということに指定をされるわけですが、一府県だけに、たとえば兵庫県なら兵庫県だけの場合に行なう工事、この場合は重要な指定を受けないから二分の一ということになる。しかし、そこが一たび被害を受けますと、隣の大阪府というところに甚大な被害を与えなければならぬ、こういうような場所が少なくない、私はこう想像いたすのであります。したがって、そういう場所は、なぜこの法律にうたわれている条項の中の「保全上特に重要なもの」ということに当てはまらないのかどうか、これを伺っておるのであります。その場合は他府県と協議の上で、復旧、復興その他の関係について、受益者負担として被害を受ける区域の負担が想定されておるようであります。その辺が少しあいまいではないか、また少し無理ではないか、そういうところにこそ国が負担をして行なうべきではないか、こういう考え方を持っておるのですが、いかがでしょう。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 その海岸工事によりまして重大な影響を他府県に与えるというものは、先ほど申し上げましたように、直轄でできるだけ取り上げるようにしておるわけでございますが、ただ、従来から東京、大阪の地盤沈下に関連した事業につきましては、それぞれこれは河川、港湾、いろいろな事業がからみ合っております。それで従来からの出発点が地盤沈下対策事業として行なわれてきたわけでございます。したがいまして、今回の区域の採択としまして、事業量、事業効果というのをうたっておりますが、それにもかかわらず東京、大阪等につきましては、従来の例にならってやつていくようにしているわけでございます。

山下榮二民主社会党

○山下委員 その東京、大阪、いわゆる高潮関係、地盤沈下の関係、それは従来の例にならうということにしているのは一体どういうわけですか。私はむしろこういうところにこそ重要指定を行なうべきではないかと思うのですが、いかようにお考えでしょうか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 先ほど申し上げましたとおりに、実態的にいままで河川、海岸等につきまして十分の三でやってきたわけでございますが、四十一年度からは都市海岸につきましては十分の四に考えております。

山下榮二民主社会党

○山下委員 どうもはっきりいたしませんけれども、もう一つほかの問題を伺いたいと思うのです。  この提案の理由によりますと、災害復旧の場合に、原形復旧の場合は、御承知のように、重要指定を受けているところについては三分の二の補助が行なわれる。しかし、改良復旧の場合は、改良の部分については従前どおり二分の一、こういうことに規定をされておるようでありますが、すでに建設省関係で御承知のごとく、河川にいたしましても、あるいは海岸にいたしましても、災害を受けて、そうして原形復旧をやられる。その次に台風が来たときには、原形復旧をやられた工事のところだけは残ってその次がごそっとこわれている、こういう例が少なくないのであります。もう少しその復旧工事を延ばしておけばこれがやられずに済んだ、こういう例等は河川においても、あるいは海岸においても同じことだと思うのですが、私はこういう場合には改良復旧といえどもやはり同じ率で行なわれるということが、国土保全という立場に立って考えるならば当然ではないかと思うのですが、なぜこういう分け隔てを考えておられるのですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 現行の公共土木施設災害復旧事業(国庫費)負担法におきましては、原形復旧をたてまえといたしております。しかしながら、現実の場合は、実地につきますと相当原形復旧が困難な場合が多いわけでございます。あるいはある程度延ばせば完全に助かるじゃないか、あるいは高さを若干上げれば助かるじゃないか、いろいろな問題がございます。そういったわずかの程度のものであれば、あるいはそうすること以外に手がない場合は、災害復旧事業費で改良復旧をやれることになっております。やるようにつとめております。なお、非常に大規模で相当長距離にわたるというような場合で、災害復旧のみにては不十分な場合は、災害助成費というものを入れまして、これは国庫負担率が二分の一でございますが、そういったもので一定計画に基づく改良を現在行なっております。

山下榮二民主社会党

○山下委員 それをなぜ二分の一を三分の二に上げられないのか、こういうことを私は伺っておるのであります。  もう時間も一時になったようでありますから、最後に私伺いたいと思うのは、この法律の附則を見ますと、附則の中に、御承知のごとく四十年度以前、四十年度までの継続工事についてはやはり従来と同じ二分の一、こういうことになっておるようでございますが、これは四十一年度に事業がかかった場合は新しい法律を適用して三分の二、こういうことに切りかえていくというのが法律の趣旨ではないか、こう思うのですが、継続事業であるからということで従来の二分の一、こういうことで行なっていくということは、私は少し納得いきにくいと思うのですが、どういうわけで附則でこういうふうに書かれたのですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 昭和四十年度の予算にかかる工事で四十一年度に繰り越したものは、実質的には四十年度の予算でございます。したがいまして、その負担率等は従前の例によるということにしたものでございまして、河川法の施行令、その他の法令も同趣旨のことが書いてありまして、四十年度にかかる、前年度にかかる繰り越しの分については前年の負担率によるということで附則を書いたわけでございます。

山下榮二民主社会党

○山下委員 繰り越しの事業といって、少し残っている事業ならいざ知らず、これは実際はやはり継続事業として何年間の継続事業等があるわけなんです。そういう場合に、それは二分の一であって、従来からの法令そのままで運営されて、四十一年度から新たに行なうものでなければこの法律を適用しない、こういうことに少し矛盾があるのじゃないですか。いかに継続事業といえども、四十一年以降にわたる工事に対しては、やはり補助率を同じようにしていく、こういうたてまえに立つべきじゃないかというのが私の考え方なんですが、そういうことに考えられないのですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 現在の予算は単年度制度でございまして、継続予算ではございませんので、来年度行なう予算は、全部、負担率が上がれば三分の二となり、ことしにかかわる繰り越しの予算だけが従来の二分の一になるわけであります、ただ、海岸におきましては、繰り越しの金額は現在のところ全然ない見込みでございます。

山下榮二民主社会党

○山下委員 それじゃもう全然繰り越し工事の見込みはない、こういうことなんですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 いまのところ特別な事由が生じない限り、繰り越して使用するという予定はございません。

山下榮二民主社会党

○山下委員 わかりました。時間が一時を回ったようでありますから、これで質問を終わります。

田村元自由民主党

○田村委員長 佐野憲治君。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 経済企画庁から、局長さんは帰られたけれども、参事官来ておられますか。——経済企画庁のほうにまずお尋ねしたかったのですけれども、おいでがないので、河川局長にお聞きしておきたいと思うのです。と申し上げますのは、現在の海岸の延長は二万七千キロくらいになっておると思うのですけれども、その延長線の中で、いわゆる海岸保全区域として指定されておる地帯は一体幾らくらいか、比率は一体どうなっているか、全海岸線に対する海岸保全指定区域、これの比率をちょっと教えていただきたいと思います。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 わが国の海岸線の総延長は、御質問のように、二万七千九十四キロメートルになっております。そのうち海岸保全区域に指定を行なう必要がある区域、たとえば海岸保全施設をやらなければいかぬとか、いろいろな管理をやっていかなければならぬという区域を、現在の段階で想定されたものは一万二千五百五十二キロメートルになっております。このうちすでに海岸保全区域として指定されたものは九千三百九十八キロメートルとなっておりまして、先ほど申し上げました指定の必要のある海岸線延長の七四・九%になっており、全海岸の二万七千に対しまして約三十数%になっております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ただいまのお話の中から、まだまだ海岸保全施設を充実しなくちゃならない、こういう地域が多いだろうと思うのです。そこで、お尋ねしたいのはそういう点です。ただいま海岸法によりますと、建設大臣の所管あるいは建設と農林大臣の共管、あるいは水産庁あるいは農林大臣、運輸大臣、こういう形に所管が分かれておるわけですけれども、しかしながら、これは海岸法が制定されましたときに明らかにされておりますように、海岸保全は国の事務だ、この規定をなしておるわけですが、と同時に、県知事には機関としての管理を委任をしておる、こういう海岸法の立法上の性格が明らかになっておるわけですが、そういたしますと、海岸保全に対する国土保全の立場から、これらを総合して一体どういう現況にあるか、あるいはまた、問題点としてはどういう点があるか、こういうものを明らかにした現況報告というものは一体どこの役所がなしておるわけですか。

古賀雷四郎建設技官(河川局長)

○古賀政府委員 現在海岸は、建設、農林、運輸と三省にまたがっておりまして、港湾区域にかかるものは運輸省、漁港区域にかかるものは水産庁、農地保全に関するものは農林省、その他は建設省ということで運営されております。これらは港湾行政やら漁港行政との調整を考慮されたものでありまして、実際の事業の実施にあたっては計画あるいは規模、そういったことについて調整をはかっております。なお、この三省では常に連絡協議会を開いておりまして、行政運営の統一をはかっておるわけでございますが、特に海岸統計としまして建設省が中心となって毎年報告を出しております。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 建設省から出ている「国土建設の現況」、昭和四十年版、これを拾ってみますと、河川なり道路なり住宅、それぞれ詳しい現況と問題点を明らかにしつつ、将来の方向をも非常に意欲的に記録されておるわけですが、海岸の場合になってまいりますと、共管だということもあるでしょう、建設省の所管でないということもあるでしょうけれども、全く簡単に建設省の事務的予算の分析だけで終わってしまっている。一体、海岸の保全という問題に対して——経済企画庁もおいでになっておりますが、国土総合開発法のたてまえからいわゆる国土の保全、特に海岸の保全ということが重要な課題になっておる。これに対しまして全国計画なり、いま皆さんが取り扱っている府県計画なり地方計画、特定地域計画、四つの計画、それから特別法によるいろいろな地域開発の計画があるわけですね。そういうものを総合して一体国土の現況は、海岸の保全という見地からどういう現況になっているのか、問題点はどこに共通的に提起されてきているか、こういう問題を明らかにした報告書か何かありますか。その点をひとつ伺いたい。

小西是夫総理府事務官(経済企画庁総合開発局参事官)

○小西説明員 全国開発計画におきましては国土保全計画といたしまして、海岸の保全事業につきましてはかなり詳細な計画ができておるわけであります。なおまた、これに基づきまして各地域、たとえば東北、北陸、中国、四国、九州、そういう地域につきましては、またその地域別の個々の計画が設定されるわけでございます。たとえば、たまたまここに「北陸地方開発促進計画」がございますので、この中で「海岸保全」の条項を御紹介申し上げますと、たとえば「越波、汀線の後退等による被害に対処するため、下新川海岸、伏木、富山海岸、松任、美川海岸などの侵食対策を重点とした海岸保全事業を推進するものとする。」ということで、内容は先ほど御説明いたしましたように、建設省所管もございますし、あるいは運輸省あるいは農林省所管もございますけれども、われわれの段階ではこの計画を策定いたしまして、毎年度これについての実施計画というものを、各省と相談いたしまして、予算要求する段階につきましては各省との調整をとりながらやってまいっております。また、個々の食い違いにつきましては、できるだけ調整等をやるようにいたしておるわけであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 私も地域開発の審議会の委員をやっておりまして、よく存じておるのですが、ただ、これは私いつも審議会で指摘いたしておりますけれども、各省の予算を集めてきて、それで政策というものが——経済企画庁の立場ではやむを得ないでしょう。その程度なんで、一体全国的に現況はどうなっておるのか。保全区域は一体これでいいのかどうか。わが国における地理的条件なり気象環境から見て非常に危険な状態の中にあるということは、いろいろな意味で大臣も先ほどから指摘をしておられるわけですけれども、一体現況はどうなんだ、問題点はどこにあるのか、こういうことを明らかにして、今後の国土保全計画がほとんどできていないのじゃないかということを非常に遺憾とするのですが、時間もありませんので、また別の機会にいろいろお尋ねしたいと思います。  ただ私は、大臣もおいでになりますので、立法論の立場から大臣の所見をただしておきたいと思いますが、先ほど来大臣が国土保全という立場から海岸保全というものの重大性を非常に強調しておられる。しかしながら、また一方のことばで、従来の沿革あるいは立法成立過程における事情等を勘案するならば、従来まで軽視されてまいった、こういう二つの——重大性を強調される半面に、軽視されてまいったが、これには軽視されるだけの沿革があるので、実はやむを得ないのだというため息を漏らしておられるわけですけれども、ここで私はやはり海岸基本法という立場に立って、もう一度再検討すべき時期にきているのではないか、こういう点を痛感するので、その意味から二、三大臣の所見を伺っておきたいと思うのです。  申すまでもなく、現行海岸法によりますならば、海岸保全指定区域内における事務は国の事務だ、こう明確に規定して、それぞれの管理者が担当するけれども、これは国の機関としての委任事務を行なわせるものである、こういう形で一応明確になっておるわけです。ですから自治法によりましても、別表第三として、府県の固有事務ではなくて、国の機関としての事務を府県かあるいは市町村が預かるのだということも、自治法の別表第三においても明らかにいたしておるわけであります。といたしまするならば、もっと国の責任性を明らかにする必要があるのではないか。私が非常に不愉快に思いますのは、皆さんの説明を聞いておりましても、補助事業がどうだという。ただ国の機関として、府県知事が管理者として委任行為をやっておるのだ、これに補助とは何ですか。国が当然の仕事を自治体に委任しておるのですから、これは負担率、こう言うべきものを、何か自治体が固有の事務をやるのに国が助成的な意味で補助するのだ、補助率がどうだ——ある説明書を見ますと、正直に負担率と書いてあるのもありますけれども、先ほどからの大臣の話を聞いておると、恩着せがましく補助してやるのだと言う、こういう考え方が出てきているところに問題があるのではないかと思います。と申し上げますのは、大臣も御存じのとおりだと思いますが、地方行政委員会に大臣がおられたときに御出席になっていたのでよく御承知だと思いますが、国の機関の委任の事務に対しては、自治法上どういう地位が与えられているかということを考えますと、いわゆる国の機関事務に対しては、予算の減額、増額ができ得ないということで、いわゆる議会に対するところの一つの拘束を与えているわけです。ところでこの執行に対しましては、監査委員は監査することができ得ない、こういう規定になっているわけですが、入札その他の行為に関しましても、自治法上におけるところの契約その他は適用されない。しかも監査委員は監査することができ得ない。もしその機関の長が国の指示に従わない場合においては、これを罷免することができる。場合によっては大臣は代執行をすることができる、こういうきびしい規定の中で国の事務だということを明らかにしておるわけです。そういう意味におきまして、私はそれほどのきびしい立法論をとりながら、これらは国の仕事じゃないのだという形で、補助とかなんとかいうことばを口にされ、軽視されてまいったのだということからも出てきておるでしょうけれども、この点に対して、もう少しやはり慎重に考えていただきたい。特に議会の場合においては、たとえば十億円の仕事とするならば、議会は、単独事業の場合におきましては、非常にきびしい条件の中で仕事をしている。ところが国の機関の委任事務の仕事は十億円であろうと、これはほとんど審議されない形になってきておるわけです。そういう意味におきまして、やはりもう少し明確に地方の固有事務に渡すべきものは固有事務に渡す。国が責任を持ってやる仕事は国がやるんだ、こういうことを立法上も明確に規定しなければ、非常に混乱が起きてくるのではないか。重要な場合には、直轄事業の条件が四つか示されておりますけれども、これは国がやるんだという方針を明確にすることが、混乱を避ける一つの問題点じゃないか、このことに対して一応お聞きしたい。  もう一つ関連いたしまして、やはりお聞きしておきたいと思うのですが、河川法なりいろいろな法律等の均衡の問題がなります。特に、機関委任事務でありながら、四つかの主務大臣を置いている。しかもそれは相互調整をしているのだ、一体どこで調整をしているのか、法律的規定もない。これも立法上からおかしいのではないか。府県知事に機関を委任して、府県知事が指定する。これに対して主務大臣が認可を与える。しかも四つ、あるいは共管しておるやつもある。そういう場合にやはりいろいろ国の立法を見ましても、経済企画庁が調整を担当する、あるいは総理府の中で総理大臣がこの調整に当たる、こういうような立法がたくさんあると思うのです。海岸法の場合はこれもない。国の事務ですよ。国の事務でありながら、監視者であり地域を統括するところの県知事なり市町村長が指定をする、主務大臣にそれの了承を求める、総合的に海岸保全というものはやらなくてはならないのに、しかも国の事務である、こう明確に立法上規定しながら、国が一体どこで責任をとっておるのだ。どこで調整しておるのだ。ですから、府県知事が指定しようとすれば、総理大臣にこれを申請する、総理大臣は行政大臣なり主務大臣を通じて意見を聴取してこれを決定する、こういうことが立法のたてまえじゃないか。それがいかにも何か恩恵的に取り上げられたような、立法上もおかしいような形で、何かというと府県知事なり市町村長の責任だかのごとき印象を与える。軽視されてきておると大臣みずから言われる根源というものも、ここらあたりにあるのじゃないかという点を考えるわけですけれども、立法論というこの二つの点に対して大臣の所見を伺っておきたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 地方の事務と国の事務との錯綜あるいはふつり合いと申しますか、そういうことは海岸法のみならずほかにもたくさんあるわけでございます。これは行政のあり方、事務配分あるいは財源の調整、大問題でありますから、そういうものとかね合って、やはり今後検討していくべき問題だと思っております。特にこの海岸法は御承知のとおりまだ施行されて十年前後でございますが、なかなか、こういう法律の実情を申し上げますと、御承知のとおり農林省、運輸省、建設省、しかも率直に言ってなわ張りの一番強いところでございます。ようやくこういう法律ができた。あるいは最近は、こういうものはお話のとおりに経済企画庁あるいは総理府ということもありますけれども、その当時の立法としてはこういう成り立ちになっております。仕事自体が先ほど来御説明あるいは御議論がありましたように、農地あるいは保安林等の地域、漁港は農林省、港湾の仕事は伝統的に運輸省、これは職務柄そうなっておる。その他一般が建設省、こういうぐあいでようやくこの調整ができて、割り振りができて、法律ができておる。こういういきさつがあるものですから、いまおっしゃるように、理論的にはなかなか割り切れないところがあるわけでございます。国全体の海岸についての認識というものが非常におくれておる。ようやくこの程度の法律ができた。おっしゃるとおりにやはり日本の領土でありますから、海岸についてのもっと根本的な法律ができて、海岸保全を計画的にやるというくらいのかまえをとるべきであろうし、こういう点は今後十分検討していかなければならぬ課題であろうと思っておるわけであります。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 ぜひ検討していただきたいと思うのですが、それは地方の固有事務でありながらも、国としては無関心であり得ない、こういう形でずいぶん関与しておるのが立法上たくさんあると思います。ところが、国の機関であり国の事務であるこれを機関として委任をしておきながら、一体この地方自治体にまかしてしまったような形というのは、そもそもおかしいのではないかという点から、たとえば保全地域の指定にいたしましても、保全審議会があって、その議を経て決定をするという国としての責任をやはり明らかにする必要があるのではないか。河川局長あたりは、同じ局であって、河川法と海岸法を比較すると、一体こんな矛盾だらけの法律はないんじゃないかという感じを持たれるであろうと思います。各省に主務大臣があって競合しておる。しかも国の事務だ。だから国が規制をするという措置をとるべきではないか。こういう点はひとつ根本的に検討していただきたいと思います。  それから、そういう意味では、これは法律技術になって恐縮なんですけれども、軽視されておると思うのですね。たとえば三十一年にこれはできた。それまでは予算上の措置、昭和二十五年ですか、私も県会議員をしておりまして、海岸台帳をつくって、やっさもっさ建設省へ来て、一体どこの所管かわからないという形で、いまはなき当時の土木部長と海岸台帳をつくって、あっちこっちうろつき回ったことも考えますと、二十五年にやっと予算上の措置がとられ、それから三十一年に立法措置ができたという沿革もわかるわけです。しかしながら、法律上においても非常に軽視された。たとえば、この二十八条ですか、二十八条におきまして、受益の限度において県は町村に負担という規定がある。これは、おそらく立法の過程におきまして、地方財政法の二十七条と対比して、二十七条にその規定がありましたから、それを挿入したものだろうと思う。ところが、三十五年に至りまして、いわゆる海岸保全工事に対して県が地元市町村に受益負担の名において負担金をとるということは一応はできるけれども、しかし無制限にこれをやると地元町村の財政が破綻するというので、私たちは立法措置として二十七条の二を加えまして、大規模な海岸保全工事の場合におきましては、県は地元市町村から負担金をとってはならない、こういう強い希望を挿入して、地方交付税等財政措置を講ずると同時に、一カ年の余裕を見て施行に踏み切った。ところが同じ問題にもかかわらず、海岸法にはこれがないわけですね。財政法の二十七条を海岸法の二十八条に適用してきておる。これは立法過程における均衡だ。片方に、大規模な場合はとってはならないという規定が地財法に挿入されてまいったから、これは三十六年から施行ですから、三十六年で当然改正されなければならない点だと思う。ところが、一向これはやられていない。そのまま現在の二分の一を三分の二にするという一つの均衡是正はなされておりますから、立法上にそういう地方財政の問題に対するいろいろな措置がなされておるのに、大事な海岸法にそれがない。だから、地方自治体の皆さんに、何だ、地方財政法と海岸法と二つあるが、どっちなんだというような混乱を与えているのです。これは一つの例ですが、そういう立法技術論としても、非常にまずい点がたくさんあちこちに散見されるわけです。  もう一つは、今度の地方財政の問題で、いままで海岸保全に対する経費というものは財政需要基準額の中で明らかにされて、投資経費として確保されておった。ところが、ことしは地方財政の逼迫で、地方交付税の税率を引き上げてもなお追いつかない。公債発行による公共事業に追いつかない。それで現在その他からの財源補てんとして、特別事業債というものが新しく妥協としてできてまいった。それはそれとして、だから公債によって公共事業を消化するという意図はわかりますけれども、ただ自治省が作業をするのを見ておりますと、いままで財政需要基準額として当然の経費として交付税上保障しておるのを、ことしは切り離してしまう。財政需要の中の五百億を落としてしまう。その場合に、海岸保全費、河川費を含めるということになってまいりますと、今度は起債にこれを依存しなければならない。千二百億円の財源補てん地方債の中で、五百億円しか国は政府資金を持たない。七百億円は縁故債である。どこか市中から借りてこい。公募債でもないこういう縁故債で、海岸保全の仕事をやりくりしようとする。これに八分の利息がついて回る。だから私たちは利子付交付税だといって皮肉を言っておるのですが、この金利負担が出てまいるわけですね。そういう状態の中で、海岸保全事業が非常に大きな問題を投げかけておるわけですが、これらに対しまして、一体建設大臣として、いわゆる国土保全の中で海岸保全というものが、日本の地理条件なり気象環境から見て、重大な災害を引き起こすかもしれない。河川と比較して整備はおくれておる。そういう場合に、こういう措置がとられていることに対して、一体どういうぐあいに自治大臣と折衝しておられるか。その経緯を、ありましたら、この機会にお尋ねしたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 私もその点は率直に言ってつまびらかにいたしておりませんが、この前公共事業全般について、いまのお話のありました点については、自治省の財政局長の御説明を聞いておりますと、ことしは特例で財政基準の問題は解決いたしたい、こういう説明があったことだけ聞いております。詳細なことはそちらのほうで確かめてみたいと思います。

佐野憲治日本社会党

○佐野委員 時間も長くなりまして恐縮です。もう終わりたいと思うのですけれども、私はそういう点を取り上げても、これはもし河川の場合だったら重大な問題になると思いますがね。河川法の改正のときも、いまはなき河野さんがそこで非常に抱負を述べておられたことを想起するわけですけれども、そういう中で、やはり河川法の場合におきましても、旧河川法の四分の三を新河川法によって三分の二にする。しかしながら、緊急措置によって昭和四十四年までは四分の三を続けるということが保障されておるという形と比較いたしてみますと、海岸保全の場合は国の事務だといいながら、わずか二分の一を今度三分の二に引き上げる。あまりにも海岸の置かれておる——同じく国土保全という立場におきましても、河川の場合は利水という問題もありましょう。そういうものは今日の産業基盤の要請からそういう特例が出てまいったのだろうと思いますけれども、しかしながら、やはり海岸保全という問題も、大臣がしばしば指摘をされるように重大な意義を持っておる。そういう意味において、法律的にも立法的にも、もう少し権威のある海洋基本法という形を持ったもので、しかも各省に非常に競合しておるという意味からも、もう少し国の責任というものを明らかにする立法をひとつやっていただきたい。と同時に、これは経済企画庁——ただ単に予算の集約だけをして、実は北陸総合開発はこうでございます、ああでございますと言うだけではなくて、もっと全体的なものを集約して、やはりいわゆる現況と問題点を経済企画庁あたりが発表してはいかがですか。私たちほとんどこれは知ることができない。たとえば河川の場合でも、道路の場合を見ましても、道路の場合国道——先ほどもございました資料によりますと、ちゃんと舗装、橋梁、この場合におきましての国道あるいはまた主要府県道あるいは府県道、こういう形に明確に分けて、しかも国道建設の現況に当たりましても、なかなか詳しい。単独事業までも明確にしておられる。皆さんは道路整備五カ年計画をおつくりになる。おつくりになったところで——私も地方行政で皆さんにけちをつけたほうなんですけれども、ちゃんと六千億円の単独事業を予定しておったら、予算が足らなかったから、地方に八千億という形で道路整備五カ年計画をつくる。その安易さに憤慨したのですけれども、そういう現況を見てまいりますと、年間の単独事業が一体幾らとなされているか。これは明らかに主要地方道なり何なりに区別して詳細に説明しておるわけですね。ところが、海岸の場合になってまいりますと、これはブランクにしてしまって、自分のところの予算だけ計上してほってしまっている。一体保全区域に指定されていない海岸線はどうなっているのか。こういうことなんかもほとんど明確化されていない。私はしかたがないものだから、自治省で出しておりますところの「地方財政の状況」、昭和四十年ですか、これを見てまいりますと、決算の概況が明らかにされて、しかも昭和三十八年度のやつが去年ようやく集約されて発表になっている。これを見てまいりますと、二百八億円ですか、これが府県市町村に分けて普通建設費の中における海岸に要した経費だというぐあいに説明されておる。中身はほとんど簡単になされてしまっている。ですから、私たちは、自治省の決算報告を中心にして、一体府県なり市町村にどの程度の海岸保全費のための経費が出されているかということを、逆算的に調べてまいらなければ、どこへいってもわからない。こういうようにばかげたことがあっていいだろうか。大臣、ひとつそういう点も考えて、やはり大臣が中心になって、全体の海岸保全の計画なり現況なり明らかにされるような——ただ整備計画を府県知事が立てなくちゃならない、海岸台帳をつくらなければならない、主務大臣にこれを提出するのだ、報告するのだと言うだけで、ばく大な経費を使って海岸台帳をつくらせて、これが総合的に生かされていない、こういう現況をも、やはりひとつ根本的な海岸基本法作成というかまえで、あらゆる問題に対する検討をやっていただきたい。時間がありませんので、一応希望を申し述べて、私の質疑を終わらせていただきます。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 重要な問題について貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。今後検討していきたいと思います。

田村元自由民主党

○田村委員長 以上で本案に対する質疑を終局するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田村元自由民主党

○田村委員長 御異議なしと認めます。本案に対する質疑は終局いたしました。  次会は来たる九日水曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十七分散会

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