決算委員会 第16号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/04/05
会議録
○吉川委員長 これより会議を開きます。 昭和三十九年度決算外二件を議題といたします。 本日は、総理府所管中、北海道開発庁及び政府関係機関である北海道東北開発公庫決算について審査を行ないます。 まず、北海道開発庁長官より、概要説明を求めます。福田北海道開発庁長官。
○福田(篤)国務大臣 昭和三十九年度の北海道開発庁経費の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 北海道開発庁に計上されている予算は、治山治水対策、道路整備、農業基盤整備等の開発に必要な事業費のほか、これらの事業を実施するため必要な工事事務費、及び付帯事務費、並びに開発計画の調査に必要な開発計画費、及び一般行政に必要な経費であります。 昭和三十九年度の当初歳出予算額は、八百九億八千五百三十五万九千円でありましたが、昭和三十九年九月以降政府職員の給与を改善するため、四億三千百六十七万八千円の予算補正追加額、及び七億三千百八十七万七千円の予算補正修正減少額があり、また、国立機関原子力試験研究費として、科学技術庁から百八十六万千円の移しかえを受けまして、これに、総理本府から移用した額二百五十四万五千円、予備費使用額千八百八十三万八千円を加えますと、総額は、八百七億八百四十万四千円となります。この額から、関係各省へ移しかえた額二百二十五億六千五百八十三万五千円を差し引きますと、昭和三十九年度歳出予算現額は、五百八十一億四千一百五十六万九千円となったのであります。 これに対し、支出済み歳出額は、五百八十一億三千八百六十六万四千円でありまして、この差額、三百九十万五千円は不用額であります。 北海道開発庁の予算のうち、主要なものは、北海道開発計画に伴う開発事業費でありますが、開発の総合的かつ効果的推進を期するため、その予算を一括して当庁に計上し、使用に当たっては、関係各省所管の一般会計へ移しかえまたは特別会計へ繰り入れの措置を講じ、直轄事業については北海道開発局が、補助事業については、道、市町村等が実施に当たっているものでありまして、各省所管別に移しかえ及び繰り入れの状況を申し上げますと、移しかえでは、厚生省所管の厚生本省へ移し替えた額一億千八百三十万円、農林省所管の農林本省へ移しかえた額百五十九億百九十三万七千円、農林省所管の林野庁へ移しかえた額十億七千六十万円、農林省所管の水産庁へ移しかえた額二十三億八千百十九万五千円、運輸省所管の運輸本省へ移しかえた額五億千六百十万円、建設省所管の建設本省へ移しかえた額二十五億七千七百七十万七千円、合計二百二十五億六千五百八十三万五千円であります。また、特別会計への繰り入れとして支出した額は、建設省所管の治水特別会計へ九十二億七千五万八千円、建設省所管の道路整備特別会計へ三百五十六億七千八百七十二万六千円、農林省所管の国有林野事業特別会計へ八億三千二百二十八万千円、運輸省所管の港湾整備特別会計へ三十八億二千八百八十五万円、合計四百九十六億九百九十一万五千円であります。 次に、その他の経費の予算に定める項別の支出につきましては、北海道開発事業工事事務費で六十一億九千八百四十七万七千円、北海道開発事業付帯事務費で二億三千五百七十七万八千円、北海道開発計画費で一億二千七百七十八万七千円、北海道開発庁で十九億六千四百八十四万五千円、国立機関原子力試験研究費で百八十六万千円であります。 最後に、不用額につきまして、その主要な項と理由を申し上げます。北海道開発事業工事事務費で百六十九万六千円、北海道開発庁で二百九万千円でありますが、この不用額を生じました理由は、職員俸給等の人件費を要することが少なかったためであります。 以上、昭和三十九年度北海道開発庁の決算概要を御説明申し上げましたが、何とぞ、よろしく御審議のほどをお願いいたします。
○吉川委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要説明を求めます。佐藤会計検査院第三局長。
○佐藤会計検査院説明員 北海道開発庁の昭和三十九年度決算検査につきましては、書面検査と並行いたしまして、実地検査を施行いたしましたが、検査報告に、不当事項として掲記したものはございません。 なお、検査報告の一三九ページから一四三ページにわたりまして、立体交差化工事等の改善意見を、建設大臣あて、表示したものが掲記されておるのでございます。すなわち、国鉄と道路との交差を立体化する工事が、全般的におくれておりまして、せっかく道路ができましても、国鉄をまたぐ、いわゆる跨線橋ができないために、前後の取りつけ道路が未供用のままとなっている事態などが多いので、この工事の促進方を意見表示したものでありますが、北海道開発局も、これが実施部局として関係があるものでございます。 以上、簡単ですが、決算検査の概要の説明を終わります。
○吉川委員長 次に、北海道東北開発公庫当局から、資金計画、事業計画等について説明を求めます。酒井北海道東北開発公庫総裁。
○酒井説明員 それでは、私から、昭和三十九年度の決算につきまして、お手元にこの青い業務報告書というのをお配りしてあると思いますが、それによりまして、簡単に御報告申し上げます。 当公庫の昭和三十九年度当初における事業計画は、この報告書の三ページの中ごろからでありますが、出資三億円、融資二百八十七億円、合計二百九十億円で、その原資は、政府出資金十億円、債券発行二百四十億円及び自己資金四十億円を充てる予定でありましたが、その後、昭和三十九年六月に新潟地震が発生いたしましたことから、これが災害復旧資金の需要に応ずるため、昭和三十九年度補正予算をもちまして、債券発行による四十億円の資金追加が認められました。その結果、三十九年度の事業計画は、総額三百三十億円を予定いたしました。 これに対して、実績は、その五ページの上のほうにございますが、北海道に対しましては百六十七件、百四十五億円、うち出資は一件、三千八百万円でございます。東北関係におきましては百六十九件、百八十五億、うち出資は一件、三千五百万円、合計いたしまして三百三十六件、総額で三百三十億円、うち出資は東北、北海道合わせて二件、七千三百万円となり、原資の調達は予定どおり行なわれました。 年度中の出融資状況を業種別に見ますと、お手元の業務報告書の六ページでありますが、北海道では森林資源利用工業、これは紙・パルプ工業でありますが、産業基盤整備事業、海運、地方鉄道、道路運送事業等であります。及び地下鉱物資源の開発利用工業、窯業、土石製品製造業、セメント等であります。東北におきましては、地下鉱物資源の開発利用工業、これは金属鉱物の採掘製練業、窯業、土石製品製造業、それから化学工業、これには化学工業、ガス化学工業を含んでおります。及び森林資源利用工業、先ほど申しました紙・パルプ工業、これらが中心となっております。 また、東北に対する融資のうち三十九件、四十四億三千万円は新潟震災復旧資金として、新潟市を中心に被災した産業諸設備の復旧のため融資したものでございます。 この年度の決算は、貸し付け金利息収入等の益金総額が九十億六千二百万円となり、これに対し、支払い利息、事務費等の損金総額は八十一億八千八百万円で、差し引き諸償却引き当て金繰り入れ前で八億七千四百万円の利益をあげております。これらの点につきましては、お手元の報告書の十一ページ以降に出ております。 かように、三十九年度は、八億七千四百万円の利益を生じたのでございますが、三十九年度におきまして、国庫納付に関する政令に基づく大蔵大臣通達によりまして、滞貸償却引き当て金の繰り入れ限度額は、従来百分の三でしたのを、期末貸し付け金残高の百分の四・五までと定められましたので、前述の引き当て金繰り入れ前利益のうち、固定資産減価償却引き当て金一千三百万の繰り入れを行うこととし、残額八億六千万円の全額を滞貸償却引き当て金に繰り入れました。したがって、この年度におきましては、国庫に納付すべき純利益金は発生しませんでした。 かくいたしまして、三十九年度末における資産負債の状況は、貸し付け金残高千七十五億二千九百万円、出資金残高が八億七千二百万円となり、これに対応し、政府出資金が四十五億円、政府借り入れ金残高が百五十九億九百万円、債券発行残高八百五十二億八千八百万円、滞貸償却引き当て金残高が三十五億五千九百万円となりました。 なお、出融資残高の地域別の内訳でございますが、これは、この表で申しますと、北海道につきましては九ページでありますが、北海道が七百六十二件、五百五十二億七千二百万円、そのうち出資が十四件で七億四千万円、東北関係が六百八十六件で五百三十一億三千万円、うち出資が五件で一億三千二百万円、こういうふうになったのでございます。 以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。
○吉川委員長 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○吉川委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 北海道開発庁にまずお尋ねいたしますが、この北海道の開発計画は、二十七年から三十一年それから三十三年から三十七年と、第一期の北海道総合開発計画が行なわれておるわけであります。いまこの産業基盤の整備に重点を置いた第二期の計画を見てみますと、産業基盤の整備の不十分な点を補てんするとともに、これに対する開発ということに重点を置いておるようでありますが、その計画の進行の状態を見てみますと、三十八年から四十一年までの状態は、ほぼ四カ年間で四九・一%ということで、おおむね良好な進捗率を示しておるようでありますが、特にその中で、社会生活基盤の整備の達成率というものが三二・九%ということで社会生活環境という項目が全体的におくれておるようであります。最近の物価の上昇等を考えてみますと、この基盤整備とそれから環境整備ということの関連で、今後の見通しというものはどういうふうになってまいりますか、御説明を願いたいと思うのです。
○小熊政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のように、北海道の総合開発は、昭和二十七年度から三十七年度までの第一次、第二次、これをひっくるめて、第一期の総合開発計画というものを終わりまして、三十八年度から四十五年度まで八カ年間の計画期間で、ただいま第二期の総合開発計画を遂行しているわけであります。第二期計画の進捗状況につきましては、ただいま御指摘のように、開発事業費の全体といたしましては四カ年間で四九%ということでございますが、これを産業基盤整備とそれから農業基盤整備、さらに社会生活基盤の整備というふうに大まかに分けてみますると、産業基盤整備は四七・八、それから農業基盤整備は、林業、水産業を含めまして、五六・八というふうに、いずれも相当進捗しているように考えておりますが、社会生活基盤整備につきましては、これらの産業基盤整備等に比べまして三二・九%というふうにおくれているわけでございます。言うまでもなく、開発計画を遂行してまいりますのには、産業基盤整備、あるいは国土保安施設といったようなものを整備することによって、産業の振興をする、それによって道民の所得を上げる、北海道内の経済構成を高めていく、こういうことがありますが、究極の目的は、やはり道民の福祉といいますか、生活の向上ということが大きなねらいになるわけでございます。したがいまして、おっしゃいますように、社会生活基盤のおくれておるというのは、まことにそういう意味からは、なお不十分だというふうに反省しておるわけでございますが、私どもの実際の仕事の進め方といたしましては、当面八カ年間の前半期四カ年間、これはやはり産業振興の一番先行的な投資ということを心がけまして、道路でありますとか、港湾あるいは農業基盤といったようなものに、ある程度の力を注いできました。したがいまして今後、後半の四カ年間、四十一年度から始まります四カ年間では、もちろん産業基盤整備も引き続き行なうわけでございますが、むしろ生活基盤整備のほうに今後は重点を相当持っていって、前半期のおくれを後半期においてぜひ取り返すという所存で、四十一年度以降の計画の遂行をやってまいりたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、特に社会生活基盤の中の大きなものは住宅でございます。住宅につきましては、当面四十一年度予算においては、予算の増額、戸数の増加というものを極力はかっていきたい、かように考えておるわけでございます。
○勝澤委員 二期計画の中で最も重点策として考えられております鉱工業の積極的開発振興でありますが、特にその中で、苫小牧工業地帯の整備の状況について御説明願いたいと同時に、二番目には、農林水産業の近代化でありますが、これは生産性の向上と、所得の増大というものをどういうふうに考えていくか。三番目としては、拠点開発の推進でありますが、道内の地域開発の中核となる拠点都市というものをどういう構想で発展させるのか、この三つの問題についてお答え願いたいと思います。
○小熊政府委員 三つの問題について、順々に申し上げたいと思います。 第一の、鉱工業の開発、特に苫小牧地区の整備状況はどうなっておるか、こういうお尋ねでございます。御承知のとおり、開発計画のねらいの大きなものが北海道の産業構造の高度化、したがって二次産業、特に重化学工業を進めていくことが大きなねらいになっております。北海道の中を見渡しまして、やはりその場合、道央地区、特に臨海部の室蘭、苫小牧というものが工業立地の適地として浮かび上がってくるわけです。室蘭のほうは、大体御承知のように、相当整備も進んでおります。したがいまして、御指摘の苫小牧、これが一番のポイントになるわけであります。開発計画の実施面、遂行面におきましては、苫小牧に新しく掘り込みの港湾をつくり、商港の港湾と、工業関係の港湾というふうに両方ございますが、掘り込み港湾をつくるということで、十数年やっております。そのうち商港区につきましては、大むねでき上がりまして、石炭は約三百万トンくらい扱っております。その他雑貨等につきましても逐次進展を見せておりますが、問題の工業関係のほうの堀り込み、これは実は四十年度の予算から初めて認められまして、四十年度から堀り込みが始まったわけでございます。海岸線と平行いたしまして、幅二百五十メートルくらい、深さは九メートルから十四メートルくらいの水深で、三千メートルくらいの距離を掘り込んでいこう、こういうことでございます。四十年度それから四十一年度予算では、相当の予算を認めていただきまして、四十一年度中に大体三分の一くらいまでの距離を掘り込むことができようかと思っております。ただ完成後の幅員は二百五十メートルでございますが、当面早く掘ろうということで、百五十メートルの付近で掘っております。したがいまして、工業港区の掘り込みのほうも、今後の見通しとしては、非常に進展を見せるというふうに考えております。これに伴って、眼目の工業立地、新規工業の誘致といったようなものも、いろいろ検討を進め、実現のために努力をしておるわけでございます。 それから第二の、農業の近代化あるいは生産性の向上、所得の増大についてはどうか、こういうお尋ねでございますが、北海道におきましては、農業を中心とする第一次産業が、なお非常に大きなウエートを占めておるということはいなめない事実でございます。しかも北海道の気候的あるいは地質的な特徴というものから、本州のそれとは違った型の農業を育てていくということが、計画面ではうたわれておるわけでございます。それで、北海道の非常に広大な土地の面積というもの、あるいは特に畜産を中心とする畑作あるいは草地の造成といったような面から、北海道農業の近代化、ひいては生産性の向上、所得の増大という余地は相当大きいというふうに見られておるわけでございまして、またその余地に応じて、生産性を向上し、所得を増大するという必要施策が進められなければならないと思うわけであります。それで開発庁といたしましては、特に農業関係では、土地改良、それから農用地の造成、草地の造成といったようなものを心がけておるわけでございますが、農業の生産所得の数字をちょっと申し上げてみますと、三十五年には八百五十七億円という農業全体の生産所得でございましたが、これが三十八年度には千九十三億円というふうに、八百五十億円が四年間で千百億円ばかりに上がっておるわけでございます。もちろん、これは名目の数字でございますので、必ずしもこれだけが実質的な上昇とは申せませんけれども、いずれにしても、生産所得が増加傾向を見せておる。今後ますます土地改良その他を進めまして、おっしゃるような所得の増大ということに努力をしたいと思っております。 それから、三番目の拠点開発の問題でございます。開発計画におきましては、これまた御承知のように、道内に幾つかの拠点を設けて、道南のほうでは函館を中心とする地区、道央では札幌、小樽地区、それから先ほどの室蘭、苫小牧を中心とする地区、それから東のほうに参りまして帯広を中心とした地区、それから釧路を中心とした地区、北見、網走を中心とした地区、それから北のほうに参りまして、旭川を中心とした地区、かような地区を拠点として選びまして、それぞれの拠点を中心として、その都市及び都市周辺の農山村というようなものの有機的な連関性と申しましょうか、そういったものをにらみながら、都市機能を充実さしていくということを考えておるわけでございます。これに対して、いわばそういう拠点を中心とした開発というものを持っていくことによって、北海道全体の平均的な向上、一カ所に偏しない経済規模の拡大というようなものを持っていきたいというふうにやっておるわけでございます。かような拠点に対する開発事業費も、北海道全体の半分近くをこれにつぎ込もう、こういうことで着々とやっておるわけでございます。
○勝澤委員 次に、この予算の取り扱いでありますが、予算関係で見てみますと、経済企画庁と似たようなことで、移しかえとかあるいは特別会計の繰り入れという点が多いわけでありますね。特に三十九年度の歳出予算を見てみますと、八百九億八千五百三十五万円のうち、農林、運輸、建設、厚生の各省庁に移しかえた額は二百二十五億六千五百八十三万円、建設、農林、運輸各省所管にかかわる特別会計の繰り入れ支出額は四百九十六億九百九十一万円となっておる。移しかえ、繰り入れ額の合計は七百二十一億七千五百七十四万円ということで、全体の支出予算額の八九・四%に当たるものが他省所管の事業に支出されておる、こういう取り扱いがなされているわけです。北海道開発庁のできた経過からいいまして、いろいろと経過があるわけでありまして、財政法の上からは問題がないといたしましても、北海道開発庁といたしまして、これらの移しかえた予算がどういうふうに使われているのか。建設工事一つとってみても、どういうふうになっているのかという点について、把握がされていないように私は思うのですけれども、こういう点で、やはり総合的な開発計画をやっているという立場から言うならば、移しかえた予算というものはどういうふうに使われているのか、そしてそれが目的どおりやられているのかどうかという点についての実績といいますか、こういうものについての責任体制といいますか、こういうものが欠けておるのじゃないだろうかというふうに思いますが、こういう点についてはいかがでしょうか。
○小熊政府委員 北海道開発庁に計上されました予算のほとんど大部分が、各省に移しかえまたは繰り入れられて、各省で予算が執行されるということは御指摘のとおりでございます。一般の官庁予算の執行という観点からいたしますと、多少奇異な感じを受けるわけでございます。北海道開発庁の予算がなぜそういうふうに移しかえあるいは繰り入れされておるかという点は、これは開発庁の、企画調整官庁ということの特殊性に基づくものというふうに考えておるわけでございますが、それでは移しかえないしは繰り入れをした予算、それはそのまま移しかえしっぱなしないしは繰り入れしっぱなしになっているのではないか、こういう御指摘かと思うのでございます。開発庁で予算を計上いたしまして、そのまま各省に移しかえをするというわけでは必ずしもないわけでございまして、予算に基づいて実際の詳しい実行計画と申しますか、実施計画というものを各工事別に立てるわけでございます。これは、本来は各省大臣の執行の分野でございますが、やはり実際面におきましては、むしろ開発庁が主体になって、関係各省と御相談をしながら、こまかい実行計画を立てるわけでございます。したがいまして、いわば開発庁の調整を経た実行計画に基づいて、各省が予算を執行するということになります。また、実際の予算の実施の個々の面につきましては、開発庁の下部機構といたしまして、北海道開発局というものがございます。建設省、運輸省、農林省関係の国の直轄事業につきましては、すべて北海道開発局が一元的に施行する、こういう組織になっておるわけでございます。したがいまして、この三省の直轄工事に関します限りは、当庁の下部機関が執行しておるわけでございますので、個々の工事の施行ないしはその過程における設計変更その他につきましても、当庁に十分の連絡が参る。もちろん当庁としては、関係各省と施行面についても事実上の連絡はいろいろしているわけでございます。かような関係でございまして、実際面といたしましては、各省に執行いただいているということによって、開発計画の遂行に非常に大きな支障があるというふうには、実は考えておらないわけでございますけれども、御指摘のように、これを法律的に見た場合には、やはり各省に移しかえしっぱなし、繰り入れしっぱなしといったようなかっこうになっているわけでございます。したがいまして、これを単に、事実上うまくやっているということだけではなくて、もう少し形式の面でも、あるいは法律の面でも、この執行における開発計画の実行の確保ということを、今後の問題としてひとつ考えてみなければならぬではないか、というふうに思っておるわけでございます。ただいまのところでは、特に支障はないというふうに考えております。
○勝澤委員 私は、北海道開発庁という存在自体について、少し疑義を持っております。これは経済企画庁と似たような存在になっておる。一体、この起きてきた原因が政治的なものでありますから、あなたにお尋ねしても無理だと思いますけれども、そういう点で、予算を取る官庁である。そしてあとは分け与える。こういう官庁の必要性が一体あるのかないのかという点については、少し疑問があるわけであります。 その疑問は、また別の機会にもう少し深く掘り下げて伺うといたしまして、もう一つ最後に、北海道総合開発計画を行なっている、それと、今度は各省庁がまちまちに港湾なら港湾、林野なら林野、道路なら道路と、計画をやっている、それとの調整は、一体具体的にどういうふうになされているのですか。
○小熊政府委員 北海道の総合開発計画は、現在の第二期計画は、実は三十八年度から進行しているわけであります。そこで関係各省の事業、たとえば道路なら道路の長期計画というものが、現在の長期計画は三十九年度からと思いますが、立てられて進行しているわけであります。また港湾は港湾で、四十年度から同じような長期計画が立てられている、こういったようなかっこうになっています。そのことを御指摘かと思いまして、その面についてお答え申し上げますが、かような、建設省で道路の長期計画を立てる、あるいは運輸省で港湾の長期計画を立てるという場合には、もちろん事前に開発庁のほうと十分協議をいたしまして、政府の部内で、開発計画に支障を来たさないということを、十分開発庁と関係各省の間で調整を行なった上で、各省がそれぞれ長期計画というものを決定してまいるというふうに、ただいま、事実上の問題としては、そういうふうになっています。したがいまして、各省で個々別々にいろいろな長期計画を立てていくことによって、北海道の開発計画がゆがめられる、ないしは支障を来たすということは、ただいまのところはないというふうに考えておるわけであります。
○勝澤委員 基本的な問題は、また別の機会に、大臣が都合のいいときに来ていただいて、開発庁のあり方あるいは予算の執行の状態というものについて、お聞きするといたします。 次に、北海道東北開発公庫にお尋ねいたしますが、三十九年度の収支状態を見てみますと、特にその中で、三十九年度末において、弁済期間を六カ月以上経過した現金延滞額は十億五千七百八十四万余円、うち一年以上延滞のものが三億六千七百七十万余円ある、前年に比べて四億四千七百二十六万余円の増加を来たしておる、こういう報告が出されておるわけでありますが、この概況について、もう少し詳しく御説明願いたいと思います。
○酒井説明員 延滞につきまして、若干ふえておりますことは御指摘のとおりでございまして、これは私どもはなはだ遺憾に存じております。ただ貸し付け件数がだんだんふえてまいります。その場合に、私どもといたしましては、できるだけそういう間違いを起こすような事業には貸さぬようにしておりますけれども、しかし政府金融機関といたしましては、あるいは新規事業でございますとか、地方開発のために特に役立つというふうなことで、多少の危険はあっても、まあこれが成り立てば非常に開発に役立つというようなものに貸しております。そういう件数が若干ふえますと、そういうものがふえてくると同時に、三十九年度は、御承知のようにやや景気が下降状態になりまして、企業の採算が非常に悪くなった、そういう関係で延滞がふえてくる、まことに残念な傾向でございますが、そういうことでございまして、私どもは、それに対しまして、なるべく事前にそういうことが起こらぬように、管理体制につきましては、特別に管理を担当する課を設けましてやっておるわけであります。個々にどういう会社がどの程度延滞しておるかということにつきましては、これは政府金融機関でございますが、金融機関といたしまして、速記に載せて名前を上げるというようなことは、お許しがあれば、控えさしていただきたいというふうに思うわけでございます。
○勝澤委員 この延納の六カ月以上経過した元金延滞額十億五千七百八十四万余円、それから一年以上延滞しているもの三億六千七百七十万余円、これの現状について、具体的に申し上げると、どういう会社が幾ら延滞しているという表をつくって、これは委員会に出すということは困難でしょうから、これは開発銀行も前に取り扱ったことがありますから、委員長の手元まで、一通でけっこうですから、ひとつ資料としてお出し願いたいと思います。全員に出すということはけっこうですから、委員長に保管していただいて、私見せていただいて参考に資したい、こういう取り扱いで、ひとつ資料をお出し願いたいと思いますが、これはよろしゅうございますか。
○酒井説明員 それでは、さような措置をとらせていただくようにいたしたいと思います。
○勝澤委員 次に、貸し付け金利の問題でありますけれども、貸し付け金利は、この北海道東北開発公庫とその他の中小企業金融あるいは開銀融資、こういう関係と、金利を比べた場合に、どういうふうになっておりますか。
○酒井説明員 当公庫ができました初めには金利が九分でございましたのが、三十六年の一月以降八分七厘に引き下げられまして、さらに本年、昭和四十一年の四月一日から、八分四厘に引き下げられております。 ほかの公庫との関係でございますが、たとえば中小公庫、国民公庫等につきましては、これも当初は九分でございましたが、いやもっと高かったのでございますが、昨年の秋に八分七厘に下がり、さらに四月一日から八分四厘ということで、現在は、中小公庫国民公庫とも、金利の差は全くございません。なお開銀につきましては、同じ地域開発、これは四国、九州、中国その他も取り扱っておるわけでございますが、この地域開発の金利はやはり八分四厘で、私どもと変わっておりません。ただ開銀につきましては、石炭でございますとか、船舶でございますとか、特定機械とか電力とか、これは国策的に優遇するものがございまして、そういうものの金利は、若干低いものがあるということでございます。その他の一般の金利につきましては、まあ中小公庫、開銀、われわれ、みな同じでございます。ただ、御承知のように、同じ公庫でも、住宅関係でございますとか、農林漁業公庫でございますとか、こういうところは、われわれより金利は低くなっております。 概要、そういうようなことでございます。
○勝澤委員 そうしますと、金利があまり違いがない、同じだということになると、北海道東北公庫の特異性というものはどういうものなんでしょうか。
○酒井説明員 東北北海道の開発に資する会社に出融資をするわけでございますが、われわれが出しておりますものは——中小公庫は資本金が三千万、従業員三百人という限定がございます。その資本金がこえた、従業員がこえたというような場合には、中小公庫で出せなくなります。そういう場合に、私どもはやっておる。それから、市中にまかせたらいいじゃないかという御意見があろうかと思いますが、市中のほうといたしましては、われわれのような十年以内というような長い金融というものは行なわれておりません。また金利につきましても、たとえば長期信用銀行その他をとりましても、これは非常に優秀な会社に対する優遇レートは別といたしまして、金利は約九分ちょっとになります。そういう意味におきまして、東北北海道における地域開発に資する産業に融資するというものは、金利の面からも、そういう優遇措置が必要でありますと同時に、質的に長期である、それからまた市中銀行のポジションからいいまして、一企業に非常に多くの金をつぎ込むということは不可能であります。したがって、われわれが五割なり六割なりというものを出しますと、あとは市中がついてきてくれまして、それによって企業がうまくいくというような状況もございますので、まあ政府金融機関として、法律に書いてございますように、民間金融機関の金融を補完し奨励するという役割りを持っているということでございます。中小公庫のあれがあればいいじゃないかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、中小公庫で扱えない範囲、こえたものがあるという場合に、私どものほうにまいるわけでございます。
○勝澤委員 それから次に、この公庫の変わった業務の一つである出資についてでありますが、この出資をした企業の状態、あるいはどういうところがこの出資を申し込んでくるのか、こういう状態について御説明を願いたいと思います。
○酒井説明員 出資につきましては、これは私どもは、全然新技術で、なかなか見込みがありそうだというものと、同時に、多少とも公共性がある、これは県の施策である、国の施策であるという会社であって、しかもそれが十年という、長期ではありますが、十年くらいの金ではなかなかベースに乗らないというものがありました場合に、出資をするわけでございます。ただいま出資をしております会社は、北海道だけについて申し上げますと、北海道PSコンクリートという会社がございます。これは業績が非常に順調でございまして、配当もいただいております。二億五千万ばかり出資をいたしております。それから北海道機械開発、これなどは建設機械を貸したり工事を請け負いするわけでございます。これは北海道開発につきまして、非常に土木工事が多い。しかしこれだけの大きな機械を自分で持って動かしていくというには非常に危険があるというので、道のほうでお考えいただいて、機械開発株式会社というものをおつくりになりまして、そういうものに、私どもが、当公庫として出資をしているわけでございます。それから小樽開発の埠頭でございます。これは上屋倉庫で、これも先ほど小熊監理官からお話がございましたように、拠点開発のところでございます。非常に公共性がある上屋でございます。それから稚内港湾の施設、これも倉庫、船舶修理というようなことで、道としては力を入れている地区でございます。それから苫小牧開発、これは苫小牧の堀り込み港に関連しまして、その背後における工業用水の増設、工業用水を確保するための用水事業、それから石炭荷役の機械をつくるというようなことで、非常に開発上の意義が公共性を持っておる。それから室蘭開発——ちょっと長くなりましたが……。
○勝澤委員 総裁、ちょっと長いようですから……。十九件出ているわけですね、これが、いま総裁言われたように、公共的なものである、それから企業の見通しもこうなんだというようなものをつけて、これもひとつ資料としてお出し願いたいと思います。
○酒井説明員 これは、先ほどと同じように、書類にして、委員長のお手元までお届けすることにいたします。
○勝澤委員 それから、この融資会社の経営指導の関係でありますが、運営協議会という毛のがあるようでありますが、これはどんなふうにやられておるわけですか。
○酒井説明員 これは当公庫法ができましたときに、東北開発公底と一緒になりまして、三十四年に、国会の附帯決議によりまして、できましたものでございまして、私ども当開発公庫の運営につきまして、いろいろお知恵を拝借しアドバイスしていただくという、総裁の付属機関でございます。これが具体的に出資会社を指導するとか、そういう式にはなっておりません。当開発公庫の運営についての諮問機関でございます。
○吉川委員長 壽原君。
○壽原委員 まず、北海道開発庁にちょっとお伺いするのだが、昨年、私はこの委員会で札樽新港の問題を取り上げて、いろいろお話をしたのですが、その後、私の調査によると、小樽の港湾というものが現在非常に手狭になっておる。その手狭な一つの理由として、しけになってくると、防波堤を越えた波が多くて、船舶の係留にも困難だというようなことになっておるのです。その防波堤のかさ上げ状況をひとつ御説明願って、そのほか、今度、埠頭問題ですが、現在第三埠頭の工事にかかっておるのだが、これが一体いつまでに完成できるか。この次にくる小樽の計画として、第四埠頭計画というものがある。この第四埠頭計画について、開発庁当局はどのような考えになっておるのか、それをお知らせ願いたい。
○小熊政府委員 小樽港が港内手狭で、ことに波浪が高いということでございまして、これに対して防波堤の整備をまず早急にやらなければならないということで、四十一年度におきましては、北防波堤のかさ上げ、これは前年度から継続でやっておりますが、これを四十一年度中に必要分の全部を完了したい。
○壽原委員 何メートル……。
○小熊政府委員 約千メートルかと思います。四十年度に六百五十メートルばかりやりまして、四十一年度には残りの三百四十七メートルを予定しておるわけであります。それから、北防波堤の副堤というのが先から海のほうに出ておりますが、それについてもかさ上げを、四十一年度ではやることになっております。さらに中防波堤についてもかさ上げに着工したい、かように考えております。 それから、今度は埠頭の関係でございますが、三号埠頭は逐年工事を進めてまいりましたが、四十一年度におきましては岸壁の埋め立てを完了、またしゅんせつ等も終わりまして、埠頭工事としては、しゅんせつの一部あるいは鉄道等を残してほとんど終わる、こういうつもりでおります。引き続いて、御指摘の四号埠頭の問題は、さらに三号埠頭完了後の問題として考えてまいりたいと考えております。
○壽原委員 私が昨年取り上げた札樽新港は、いわゆる小樽港が整備の終わった後に、この計画を立てるということを言うておいたのです。最近行ってみますると、小樽には三十八年に材木の貯木場ができた。現在材木がどのくらい入っておるかわからぬが、始終港に散乱しておって、船舶の入ってくる余地もないような状態になっておることは、あの港が手狭だということを物語っておるそこで、札樽新港というものをつくらなければならないという、いわゆる札樽経済振興会というものが中心になって、小樽市長並びに札幌市長等がいろいろ相談の上、当局に、これを陳情その他を行なっておるはずだが、当局はこの札樽新港というものが絶対に必要と認めるかどうかという問題も一つ。それから、四十一年度について多少の調査費がついておるはずだが、その調査の状況、いままでも行なってきた調査の経緯もあるだろうから、その点について御説明を願いたい。
○小熊政府委員 小樽の港が行く行くは非常に狭くなる。特に木材あるいはセメントといったようなばら荷については、小樽港だけでは取り扱いができなくなって、別に日本海側にもう一ついわゆる札樽新港というものをつくらなければならなくなるのではないか、こういう点につきましては、開発庁のほうも、もちろん、当面は小樽港の整備という点が一番の緊要事でございます。これを進めていくことに変わりはございませんが、行く行くの問題として、さようなことも想定の中に入れておるわけでございます。そういたしまして、先生御指摘のように、四十一年度から調査費をもって、調査をやろうということを考えておるわけでございますが、従来石狩川の河口の石狩港が石狩川のどろ土で埋まってくるわけであります。これを埋まらないようにするための防潮堤等の施設と、これに関する調査といったものを継続しておるわけでございますが、ただいまお話の出ましたいわゆる札樽新港というものにつきましては、単に石狩河口ということだけではなくて、石狩湾沿岸と申しますか、銭函付近から石狩河口付近までというくらいの地域に、広く新しい港の適地を求めるというようなことで、その規模等について基本的な調査をやっていこうということで、四十一年度は調査費もわずかでございますが、さようなつもりで、どこというふうに限定しないで、一番合理的な地点を行く行くは選定したい、というふうに考えているわけでございます。
○壽原委員 将来の計画ではあろうが、現在すでに小樽港は、港内に入っておるいわゆる漁船、底引き船五十何隻がもういられないような状態で、今度高島というところに漁港をつくることになっておる。小樽の港を見ると、最近は荷の入荷が非常に多くなっておる。そしてあれを完全に雑貨港にしなければならぬだろうというふろにわれわれも見ており、また材木貯木場としては、現在の小樽の貯木場だけでは、いわゆる札幌だけで使用する木材の貯木場にもまだ役に立たぬような状態に見受けられるが、札樽新港というものの必要性を私は新たに痛感してきた。そこで一刻も早く、調査の完了を待って、その計画に着手するという構想には、あなた方のほうは間違いないかどうか、この点をはっきり念を押しておきたいと思います。
○小熊政府委員 おっしゃるように、鋭意調査を進めてまいりたいと思います。
○壽原委員 いま一つ、この石狩川の問題ですが、石狩の河口に防潮堤を出す。あれは川の流れを変えるような状態にやるのでしょうか。どうも河口が浅瀬でもって、大きな船が入れない。一体これをどう処理するかという問題は、地元並びにわれわれも非常に研究をしなければならぬ状態だと思っておるのです。そこで石狩開発の一環として、あそこに材木の工業地帯というか、材木の会社というか、ああいうものができ上がっておるようだが、あれらは完全に、現在の防潮堤を出したならば、木材も支障なしにあの川へ牽引できるか、この点の見通しはどうですか。
○小熊政府委員 先生御承知のように、石狩河口は砂に埋まって、河口部がだんだん移動していくといったようなところでございまして、この漂砂ないしは石狩川の流砂の処理が、技術的に非常にむずかしいというふうに聞いております。開発局としては、今後も鋭意防潮堤等の計画を施工いたしまして、その浅さを一定の深さに保つというふうにやっておるわけでございます。できれば四・五メートルくらいの深さを維持したいと考えておるところでございます。したがいまして、御指摘の木材の貯木場に、具体的には石狩川の廃川部分でございますが、これを使うという計画があるようでございますが、これについては、いま申し上げました川の深さのマイナス四・五メートルくらいの維持ということを想定いたしまして、その範囲のものは川から貯木場まで持っていける、それ以上のことになりますると、やはり小樽のほうから陸送ということになろうかというふうに考えております。
○壽原委員 石狩川が四・五メートルを維持するということは、私はなかなかめんどうだと思う。そこで、こういう問題が現地で起き上がっておるのは、札樽新港の開発と同時に、札樽新港並びに石狩川をつなぐ運河の掘さく等も考えられておるというふうに私は聞いておるのだが、開発当局では、そういう点を考えておるかどうか、その点をひとつ伺いたい。
○小熊政府委員 先ほどのいわゆる札樽新港、石狩湾内に新しい港をつくるという計画は、プランとしてはいろいろなことが想定にのぼるわけでございます。まずその港の適地、位置によりまして、いろいろな案が出てくるわけでございます。また港の位置がきまっても、それと石狩川との関連とか、あるいは札樽との関係というようなことで、いろいろ具体的な青写真はできてくると思いますが、御指摘のような石狩川と新しい港を結ぶということも、港の位置いかんによっては、必ずしも全然問題にならぬということではない、当然一つの構想の中には入り得るというふうに考えております。ただ、何ぶんにも四十一年度から調査に着手するという段階でございますので、それらも含めて、調査の一連の問題ということで、今後進めてまいりたいと思います。
○壽原委員 これは必ずやらなければならぬ重大事業ですから、私も地元へ帰って、なおあなたのほうの出先機関ともよく相談しまして、議論ばかりしておってもしようがないから、実施に移すような計画をぜひ立ててもらいたいことを要求しておきます。 いま一つ、札樽バイパスの問題であるが、現在国土縦貫自動車道路というものが政府において計画されておる。その中の一環に、この札樽バイパスというものがつながるのかどうか、この点を御説明願いたい。
○小熊政府委員 現在、国土幹線自動車道というものを新しく、従来の国土縦貫自動車道路にかえて立案いたしまして、ただいま国会のほうにたしか案として御提出しているかと思います。その国土幹線自動車道の中にも、御指摘のいわゆる札樽バイパスというものは、北海道の幹線横断道路の起点が小樽になっておりまして、小樽から札幌までは、その新しい幹線道路の中に含まれるわけでございます。
○壽原委員 あれが含まれるということになって、現在小樽が最終点になっておる。そこで、この間、建設省案というものを見たのですが、建設省案では、稚内から室蘭、苫小牧を通って函館へ抜けるようになっておる。それからいま一つは、札幌の厚別付近を通って、定山渓を抜け、中山峠の辺を通って函館に抜ける線がある。そこで、私この間、会議に出まして、一応検討した結果、道路をつけるということは、いわゆる地域開発に大いに役立つところを選んで、道路というものを整備しなければならぬだろうと私は思うのであります。あなた方の計画を見ると、全然地域開発に役に立たぬような山の中ばかり通そうというようなかっこうになっておるのだが、あれはどういうことで室蘭を通って函館へ行くという線を選んだか。それから、なぜ小樽が最終であり、また起点であるというならば、小樽から長万部を通って函館へ抜けるという道路を考えなかったか、この点をお伺いしたい。
○小熊政府委員 北海道内の幹線道路、これは有料が想定されていると思いますが、幹線の自動車道というものを考えまする場合に、どういう線を選定するかという点が一番問題になるわけでございます。それで、御指摘の点だけに限ってお答え申し上げますと、函館から札幌を結ぶ場合に、長万部から室蘭を経由して札幌に行く線と、それから長万部から北のほうを回りまして、札幌に結ぶ場合、あるいは小樽に結ぶ、かような線が考えられるわけでございます。いずれをとるかという点について、これは北海道開発庁だけではございません、建設省のほうでも十分御検討いただいたわけでございます。両線の得失と申しますか、その点を十分考慮の上に、室蘭経由の線を、とりあえず五十五年度までの計画としては計上をしたということでございます。その、なぜ室蘭回りの線をとるかという点につきましては、一々こまかくなりますけれども、やはり工事の難易性でありますとか、あるいは完成後の道路の維持の問題でありまするとか、あるいは投資に対する効果の問題でありますとかといったような点が、考慮に入ったのかというふうに考えます。もちろん、御指摘のように、地域開発という点、特に後進地域の開発という点を考慮に入れる必要は十分あるわけでありますが、いま申し上げましたような経緯で、室蘭経由にきまったわけでございます。まあ開発庁といたしましては、北海道の道路整備を従来からやっておるわけでございますが、ただいま申し上げました有料の自動車専用の高速道路ほそれといたしまして、むしろ従来からやっておりまする一般の公共道路というものを、今後ますます整備しなければならぬと実は考えておるわけでございます。有料道路に結ぶための公共道路はもちろんでありますが、それ以外にも、国道ないしは道道といったようなものを、地方道の整備というものについて、さらに推進をしていくということで、北海道全体の道路網をむらなく仕上げていきたい、かように考えておるわけでございます。
○壽原委員 私は、いまの東京の過密都市化、それから北海道でいうと札幌が過密になっておる。だんだんマンモス化してくる。要するに地方分散というものをしなければならぬ現在の各都市の集中過密化というものは、政府自体がそれを奨励しておるにもかかわらず、道路は全然方向を転換して、そういう問題は何ら考慮に入れない。いわゆる厚別から定山渓を通って、そして中山峠を通っていくというような道路構想のようだが、あれを開発するよりも、小樽を最終起点とするならば、小樽からいわゆる余市を通って長方部に行く線は、地域開発のためにはどれほど役立つかということも考えなければならぬ一つの重大な問題であろうと思う。同時に、北海道に新産都市が指定された。この室蘭からいわゆる小樽、余市まで、これがベルト地帯として指定されておる。そういう重要な地帯を全然考慮の中に入れないで、そしてわれわれからいうと、あなたはいまどんどん公共事業を進めていっている、そして道路の整備をしようということになっているらしいが、ああいう有料道路であろうとも、何であろうとも、ないならばいっそ一つもなければ問題は起きない。わざわざ距離の遠い室蘭経由で函館に行くということは、これはどういう政治的な理由があるかどうか知らぬが、われわれの意見を一つも入れないで、いわゆる役人行政というか、そういう行政の名のもとにおいて、君らの考えどおりにこれを推進しようということで、まことに結果的にまずい。もう一ぺん建設省と開発庁が話し合う必要を私は認めるんだが、話し合う余地があるのかないのか。これできまりましたから、このとおり施行いたしますということであるのかどうか。この辺はどうなっておるでしょう。
○小熊政府委員 函館から札幌に行く路線について、現在、室蘭経由ということで政府案をきめまして、そして法案として国会に御提出になっておるわけでございまして、その点については、政府部内ですでに決定したというふうに、私ども考えております。ただ、さらに長い将来の構想というものをまた別に考えるということも聞いておりますので、その点については、どういう線を選ぶかという点、開発庁としての考え方というものを、また建設省のほうにもいろいろお話をして、将来の調整をはかっていくということはあろうかと思います。
○壽原委員 鉄道でも、いまから三十年も三十五年も四十年も前に、ここへ建設するのだという、いわゆる赤線を引っぱったり、青線引っぱったり、いろいろと点々を引いてみたり、そしていろいろな角度から、新線建設というものがなされて今日に至っておる。道路でも、地域住民にやはり多少の希望を持たせなければいかぬ。第一期計画がこうであったならば、第二期計画はこういうふうにしますというふうな、多少の希望を持たして、そしていわゆる大過密化した都市を地方に分散するような政策も、この道路網の一つにかかっているだろうと思う。また建設省とあなた方のほうで、第二次、第三次計画、これは何年になるかわかりませんよ。わからぬけれども、そういうような話し合う余地があると解釈していいかどうか。
○小熊政府委員 御指摘のような第二次、第三次、今後の道路網の将来構想という点については、おっしゃることも十分念頭に置きながら、さらに建設省と話し合っていきたいと考えております。
○壽原委員 人間は、そこを自分の将来の土地にしようというふうに考えて、住まいを建てたり何かする。英国の道路の分散した例を見るというと、ニュータウン都市というものをこしらえて、そして政府がみずから道路をつけて、住宅地その他を非常に整備して、現在ロンドンの過密都市を防ごうというような形をとって、非常にそれが成功しておる。そういうふうに、あなた方が役所で起案するのにも、東京、あるいは北海道でいうと札幌というようなところの過密化を防ぐためにも、ぜひともそういう構想に基づいてやってもらいたい。これだけを私はあなたに希望しておきます。それと同時に、将来こういう問題については、いろいろとまた皆さんと相談の上、地域住民とも相談の上、ここに道路をつけたならば一体どういうふうな状態になるかということもよく勘案の上に、計画を立ててもらいたいということを希望しておきます。 それから開発公庫にちょっとお伺いします。現在、あなたのほうでは、北海道並びに東北に限って金融をしておる。この中で、一つ例にとってお聞きいたしますが、交通に関する関連ある業態、いわばトラックであろうと、バスであろうと、整備工場であろうと、タイヤの販売であろうと、ハイヤー、タクシーであろうとも、これらの範囲はどこまでに限られて貸すことになっておるか。 〔委員長退席、押谷委員長代理着席〕
○酒井説明員 ただいまの交通に関する範囲でございますが、これは私どもで見ますのは、海上運送と、それから地方鉄道、索道事業、それからトラック運送事業、そういうふうなものでございまして、ただいまおっしゃったうちで、運送会社がトラックを持つ、あるいは旅客運送でバスを運行する、そのパスを持つ、あるいは整備工場を持つ、そういうことの範囲が、できるわけであります。ただ、タイヤ販売というような販売業につきましては、公庫としては、業種問題で、扱えないことになっております。地方開発に役立つならば、われわれは解釈できる限り広げていっておりますけれども、販売業につきましては、ちょっと私どもの対象になりがたい、かような現状でございます。
○壽原委員 そこで、いま各地で困っておるのが車庫の問題、車庫というといわゆる車の駐車場、この駐車場について、実は先般私が札幌へ参ったときに、札幌の道路は、皆さん御案内のとおり非常に手狭です。特に雪が降ると、路上に放置してある車のために通行が困難になる。警察当局では、とりあえず路上駐車というものを禁止しようとかかっても、なかなか禁止が徹底しないというのが北海道の現状のように見受けられる。そこで札幌市あるいは民間その他で、駐車場会社というものを建設して、初めて札幌に大駐車場を設けて、公共の利便に供しようというような計画を持っておるやに私は聞いておった。これについて、あなたのほうに借り入れ金の申し入れをしようというふうな話を聞いておりますが、これは可能であるかどうか。私は、公共の施設に供する問題であるから可能であると思うが、現在のあなたのほうの解釈上の問題はどういうふうになっておるか。
○酒井説明員 ただいまお話のありました札幌の地下駐車場でございますが、これについては、私ども話を聞いております。一番むずかしいボーダーライン・ケース。これをどう解釈するか、車を預かっておる倉庫であるというふうに解釈するのか、交通量の渋滞を防ぐためのものと解釈するのか、その辺の解釈がなかなか微妙でありまして、これは札幌の実情からいえば、ああいうものもあってもいいのじゃないか。もちろん、採算がとれるかとれないかということが中心でございますけれども、あってもいいのじゃないかとは思いますが、業種問題として、入るかどうかということは、さらに監督官庁のほうと相談して、取り扱いをきめたいと思っております。はなはだボーダーラインのところにあるというふうにお考え願いたいと思います。
○壽原委員 先ほどあなたの御意見を聞いていると、もうかるもうからぬは第二として、公共の利便に供するものであれば、おおむねこれに貸し付けるというふうに私は聞いておったのだが、こういう公共の利便に大いに役立つ問題に対しては、監督官庁というと大蔵省でしょうけれども、大蔵省といろいろ御相談願い、また北海道開発庁ともよく御相談願って、そしてこれらの問題については、交通の円滑化をはかるために、ぜひともこれの施行ができるように取り計らってもらいたいことを希望しておきます。 それと、いま一つ。先ほどトラック、バス、整備工場という話が出ておりましたが、これらは指定になっておるかどうかわからぬが、あなたのほうで金を貸し付けることができる、これは設備費ですね。そこで、同じ運送事業の中で一つ取り残されておるのがハイヤー、タクシーの部門だ。これらに対しては、現在貸し付けるような状態になっておらぬようだが、その点どういうことになっておるか。
○酒井説明員 ハイヤー、タクシーにつきましては、お話のありましたように、ただいまのところ貸し付けておりません。この点につきましては、何と申しますか、一般不特定の人の用に供するという意味において、タクシーなどもある程度入るかもしれませんけれども、資金との関係もございますし、資金量全体がもう少しふえれば別でございますが、業種的に見ましても、むしろバスというようなものが優先するのじゃないかというようなことで、ハイヤー、タクシーには貸し付けておりませんし、さしあたり、貸し付けるというような計画も持っておりません。
○壽原委員 あなた方はどうお考えになっておるか知らぬが、いま日本の輸送力の中で一番活躍しているのがハイヤー、タクシーだろうと私は思う。そこで政府では、ハイヤー、タクシーに対する料金というものは公共料金として、いわゆる公営事業の中の一つに入れておる。一方政府資金を取り扱っておるあなた方が、これらの会社に金を貸せないという理由は、私はないだろうと思うのです。いわゆる公共事業であるという政府の見解に基づいて、これらを打開する道があるかどうか、この辺の見解はどうですか。
○酒井説明員 ハイヤー、タクシーにつきまして、一応業種問題につきましては、北海道開発庁、それから大蔵省、間接には経済企画庁、三省の監督官庁でございますけれども、そこで業種問題をどうするかということを御相談してきめるわけでございます。ただいまのところは、そういうものは入れないという方針になっておりますので、その点につきましては、もう一度検討いたしてみます。ただ、現在はハイヤー、タクシーは扱っていないというのが実情でございます。
○壽原委員 この中に企画庁も入るということになっておるが、この料金の取りきめは、先ほども言うとおり、公共料金ということになって、企画庁も参画しておるのですよ。その業種に対して……。これは北海道開発に役に立たぬ場合はそれまでのことであるけれども、立たぬという立証はできないでしょう。大いに役立っているだろうと思う。北海道の観光の面についても、いろいろな部門について、これが大活躍しておるというのが現状ではなかろうかと思うので、これの打開策を、あなたが今後近いうちに、関係各省と相談してくだされるのですか、どうですか。
○酒井説明員 業種問題につきましては、公共性ということも一面にございます。それから開発上いろいろな役に立つ問題であって、まだ業種に入っていないものもあります。たとえば流通機構の整備とかいうようなものもまだ若干ございます。そういう点につきまして、私どもとしては、そういうものがなるべく入れられるように検討いたしまして、その上で監督官庁と御相談したい、かように思って、実は内々作業はいたしております。残念ながら、現実のところは、ハイヤー、タクシーの扱いはいたしておりません、こういうふうに申し上げたのでございます。将来やらぬかということでございますが、それは先ほど申し上げましたように、私どもとしては十分検討いたしております。
○壽原委員 検討いたしておるというのだから、近くイエスかノーかという返事ができるだろうと思うが、こういう地方開発のために役立つところに、あなた方が御協力くださるという、この開発公庫の意義は非常に重大だと思う。 そこで私は最後によく言うておきますが、いわゆる公共料金として取り扱われておるものは公益事業と見なければならないことは、あなたもよく御存じのとおりですから、これは強く推し進めて、そして将来、政府の資金も借りて、安易に設備ができるように、また公共の役に十分立てるような状態にしていただくことを希望しておきます。
○押谷委員長代理 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 開発庁にお尋ねしたいのですが、北海道の総合開発計画は、第二期の計画が進められまして、今日まで来ておるようでありますが、その成果と今後の見通し、道央地区の新産都市計画との関連におきまして少し聞いておきたいと思います。 〔押谷委員長代理退席、委員長着席〕 大体目標とせられたところは、近代的な鉱工業を誘致して、これを中心に北海道開発を進めるというのが主であるのであろうか、あるいはそうではないのか。その辺を、基本的に聞いてみたいと思います。時間の関係上、簡潔に願います。
○小熊政府委員 現在進めております北海道の総合開発は三十八年度から第二期の総合開発計画を進めております。現在の開発計画としては、御承知のように、北海道の産業構成を高めまして、二次産業のウエートを相当強くする。特に二次産業の中でも重化学工業というもののウエートを高める、かようなための施策を進めるということが一つの柱でございます。と同時に、農林水産業、これにつきましても、北海道は相当なウエートを持っておりますので、その近代化ということを進める。これまた一つの大きな柱になっております。それから先ほど勝澤先生の御質問にもございましたが、社会生活基盤を整備していくということも大きな柱になっておるわけでございます。 新産関係のお尋ねに対して、ちょっと御答弁を漏らしましたが、新産業都市では、北海道ではいわゆる道央地区、札幌、小樽から室蘭、苫小牧を含みます地区が、新産都市の地区に指定されております。開発計画でも、いわゆる拠点開発という構想を持っておりまして、これが新産都市の構想と軌を一にしておるかと存じております。新産都市に指定されました道央地区については、相当重点的な投資を行なってまいっております。
○吉田(賢)委員 新産都市建設の基本的な目標として、特に重化学工業の基地を開発するということがかなり大きな目標になっておったということは、あなたのほうも、すでにずっと以前からも言っておられたように聞いておるのですが、そこで、これはいろいろな角度から考えて、少し非現実的でなかったであろうか。あるいは計画性が乏しかったのではなかろうか。こういう点が逐次指摘されるような段階に来たように思うのですが、はたして当初予期したような、たとえば重化学工業の基地の開発の進行がしつつあるのか。何を一体重化学工業と称しておるのか。はたして投資はどう行なわれておるか。その辺、要点だけでよろしゅうございますから……。そして何を重化学工業とするかについては、それが誘致される条件と、計画でも進められておるかどうか。その辺が目標であったけれども、うまくいかなかったという面があるのではないか。その辺を率直に述べてもらいたい。
○小熊政府委員 現在の開発計画で、重化学工業の促進ということが大きなねらいになっておることは御指摘のとおりでございます。その重化学工業につきましては、たとえば室蘭、これは既設の富士製鉄でありますとかあるいは日本石油といった、いわゆる基幹産業というものが相当ございます。これらを伸ばしていくことによる増産と同時に、御承知の苫小牧、これに新しく工業港を堀り込みでつくりまして、一つの臨海工業地帯をつくろう、こういう構想があるわけでございます。ただ御指摘のように、苫小牧臨海工業地帯というものはまだ現実のものにはなっておりません。実は商港区のほうは相当進みましたが、工業港区、いわゆる臨海工業地帯のかなめになる工業港区のほうは、四十年度から堀り込みに着手したような次第でございまして、今後数年間、堀り込みにまだかかるという見通しでございます。かような工業港区ができ上がりまして、その周辺接岸地帯を中心に、いわゆる重化学工業、基幹工業といったものが誘致されるという構想でございます。これについては、まだ今後の問題ということで残されておるわけでございます。
○吉田(賢)委員 ところが、重化学工業の基盤となるべき臨海工業地帯において、最近、たとえば工場用地であったところにぺんぺん草が生えておるとか、あるいは重要な、たとえば鉄鋼とか石油の企業の進出が停とん、とんざしておるとか、そういううわさが出ております。私も、現地を見ておりませんので、よく知らぬのでございますが、その辺は、当初のねらいとしておったところがとんざしておるのじゃないだろうか。これを聞くゆえんは、日本全体に計画挫折、計画倒れ、先行投資がむだになっておる、ということを感じますので、そこに現実的でなかった計画があったのでなかったかということを思うのであります。これは、一面は、やはり住民の負担が相当あるはずでありますので、政府の資金、予算だけでやれるのではありませんから、かなり大きな犠牲を払いながら計画がとんざすれば、これは行政の責任としてはたいへんだろうと思います。そういう角度から伺っておりますので、うまくいっておらなければ、いっておらない。なぜ、どこに原因があったか。たとえば経済の変調とか、不況の襲来とか、あるいは過剰投資の抑制であるとか、そういったようなしわ寄せがきたのであるなら、ある。それはどっちでもいいのですよ。どっちでもいいのだけれども、いずれにしても、当初の目標をさらに堅持してがむしゃらにいこうとすると、これは予算はめちゃくちゃになる危険がある、そう思いますので、その点をひとつ、どういうことになっておるか。それから、すでに投資したものはどのくらいあるか。それから、別の角度ですが、人口増加も相当見込んでおりますが、その人口増加は、一体成績が上がりつつあるのであろうかどうか。見通しはどうか。そこらを一括して述べておいてください。
○小熊政府委員 重化学工業の大きな要素として、苫小牧に基幹工業を誘致するという計画は、まだ現実にはそこまでいっておらないということを申し上げたわけですが、その原因は、ただいま先生のおっしゃいましたようなことがあるいは主でなかろうか。第二期計画は三十八年度からスタートしたわけでございますが、三十八年度、三十九年度、おそらく四十年度まで、景気の下降の時期、底のほうの時期、いわゆる設備投資の抑制の時期に当たっておったと思います。したがいまして、たまたまそういう経済情勢が悪かったという点もございまして、新しい工場の誘致ということがなかなか進んでおらないということは、私ども率直に認めるわけであります。ただ、今後の問題といたしまして、やはり苫蘭地域に一つの臨海工業地帯というものをつくり上げていくという構想は、なおこれを必ずしもいますぐ捨てるということはどんなものであろうか。ただ、誘致する工業の種類でありますとか、あるいはその誘致の時期という点について、弾力的に検討していく。それで、お話が出ました鉄鋼につきましては、確かに現在大手各社で持っておりまする設備投資計画だけでも、相当先までまかなえる計画がすでにございます。したがって、苫小牧に対して鉄鋼を誘致するということは、そのまた先になろうかというふうにも考えます。近い将来に誘致可能なあるいは開発可能な工業というものについて、現在鋭意検討を重ねているわけでございます。必ずしも、当初の計画の内容そのものをそっくり固執して、そのため計画がとんざしているということではない。むしろ計画の内容を、実情に即するように検討してまいる。ただ、臨海工業地帯というものも、やはり日本の長い将来を考えます場合には、北海道におきまする苫蘭地域というものは必要ではないか、かような考えで、現在港湾の整備をやっているわけであります。
○吉田(賢)委員 投資はどのくらいですか。
○小熊政府委員 それから、苫小牧の港湾に対する投資額でありますが、四十一年度予算まで含めまして、約百三億円を投資しております。
○吉田(賢)委員 もっとだんだん聞くことがあるのですけれども、時間もありませんので、ちょっと最後に伺っておきますが、そこで、やはり第二期計画にいたしましても、経済の客観情勢が大きに変わってまいったこと、それから国の施策が、社会開発、社会資本の充実ということにかなり重点を置くようになってきたこと、それから世界経済の動き、こういった面からも、いろいろな角度から考えて、単に手直しじゃなしに、私は、やはり相当思い切って、現実に即して、そうして長い将来を見詰めながら、むだを少なくしていくというふうにしていくべきではないだろうか。これは抽象的になりましたけれども、そういう角度から、やはりいままでの投資された資本、あるいはその他の進められた計画については、絶えず反省、再検討をしつつ進んでいくというふうに、ぜひしてもらいたいと思います。もう第二期計画を進められる上におきましても、もしくは国の施策としてできました例の新産都市の計画内容につきましても、これはやはりいま問題にすべき点がずいぶんとあろうと思います。こういう点はひとつできるだけ慎重に、現実に即して再検討するように希望を申し上げておきます。
○小熊政府委員 おっしゃるように、計画の遂行にあたっては、実情に即するように常に反省を重ねていきたい、かように思います。
○吉川委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ————◇————— 午後一時五分開議
○吉川委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件について、調査を行ないます。 本日は、参考人として、日本銀行より、総裁宇佐美洵君、理事鎌田正美君の御出席を願っております。 参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。 これより質疑に入ります。栗原俊夫君。
○栗原委員 本日、日銀の総裁、並びに、大蔵省からは銀行局長、証券局長等、御出席を願って、お尋ねしようと思うのですが、それは世間で言っておる山一特別融資の問題についてであります。これは、決算委員だから、何かどぎついことを言うのだろうと思っておるかもしれませんが、決してそうじゃありません。予算委員会等、あちらこちらで、この問題には触れられておりまして、その片りんはわかっておるわけなんですけれども、世間では、やはり実態というものがわからない。世間では、ああいう事態のときに、山一証券に、無制限に、無担保で、無利子で、無期限で貸しておると——実態はこれから明らかになるわけですが、そういうような受けとめ方をしておる。中小企業がばたばた倒れておるさなかに、なぜ山一証券がそういう取り扱いを受けるのだろう、こういうかなりの批判、不平不満が出ました。それがまだ片がつかない間に、この時点で、新しい山一証券が発足しそうだ、一体どうなっているのだ、こういうようないろいろな憶測も行なわれ、批判も行なわれるわけです。そこで、決算委員会のこの場で、実態はこうなんだということをひとつ御説明願って、異例なことですから、少しはそのことに批判があるかもしれませんけれども、そうだったのかというような形になれば、目的が達成できる、私はこう考えておるわけなんです。したがいまして、時間もございませんから、まず事実問題を明らかにする、こういう形で、できるだけ、あらかじめもらった資料は、こちらから読み上げて確認をいただく、こういう形で進めてまいりたい、こんなぐあいに存じます。 まず第一にお尋ねすることは、日銀特別融資といっておりますが、その間に、取引銀行、とりわけ幹事銀行というようなものがはさまっておるように見えて、ほんとうに借りておるのが山一であることはわかっておるけれども、貸しておるのは、銀行なのか日本銀行なのか、一体どこなんだ。このことが、わかっておるようで、ほんとうに間違いなく日銀なんだと、どんぴしゃりとわかっておりません。私は日本銀行だと思うのですが、これは、やはり借り手は山一証券、債権者は、すなわち融資しておるのは日本銀行だ、このように理解してよろしゅうございますか。
○宇佐美参考人 きょうお呼び出しを承りました総裁の宇佐美でございます。 ただいまの御質問でございますが、どういう状態でああいうことをやったかということは、もう御承知だと思いますので、私どもがやむを得ずあの特別融資をしたということについて、簡単に御説明申し上げたいと思います。
○栗原委員 そういう問題については、後ほど弁解なり説明なりしていただく場所をつくりますから、初めは、事実問題だけをずっと積み上げていって、あとで、ある時点でやっていただく、こういうぐあいに……。
○宇佐美参考人 それでは、当面そのほうを取り扱いました鎌田理事から、事実を申し上げます。
○鎌田参考人 日本銀行理事の鎌田でございます。どうぞよろしく。ただいまの御質問につきまして、お答えをいたします。 山一に対する融資は、昨四十年六月七日、第一回四十五億円を実行いたしました。以来八回にわたりまして、総額二百八十二億円を実施したわけでございます。それで、この融資は、ただいま御質問がございましたが、形といたしましては、まず、山一証券が、三行に対してそれぞれ手形を入れております。たとえば四十五億円の融資を実行した場合におきましては、三行それぞれ案分をいたしまして、具体的に申しますと、十五億ずつ、富士、三菱、興銀の三行に、手形を入れておるという形になっております。三行と山一証券との間は、ただいま申しましたような関係でございますが、今度、三行と日本銀行との間につきまして御説明を申しますと、三行はそれぞれ山一から受け取りました手形を担保手形といたしまして、別に各銀行から日本銀行あての手形を振り出しまして、私どもはこれを本手形と申しておりますが、その本手形に、先ほど申しました、山一証券が三行あてに振り出した手形を担保手形としてつけまして、日本銀行に持ち込んでおります。その場合に、山一証券が振り出しました手形は、私どもとしては、並み手形の担保として扱っておるわけでございます。したがって、この並み手形につきましては、市中の一般の慣行がそうでありますように、ある程度の掛け目がついておりますが、私どもとしては、これに対しては八掛けでもって融資をするというやり方に相なっております。したがって、かりに十億の手形を出したといたしましても、それに対しては八億しか、日本銀行としては融資をしないというのがたて事えでございます。したがって、山一証券が十億の資金が必要であるという場合には、どうしても残りの二掛けに相当する部分の担保を提供しなければならないわけでございます。ところが、御承知のように、山一証券といたしましては、あの当時におきまして、十分な提供すべき担保を保有いたしておりませんでしたので、やむを得ず、その残りの二割の部分につきましては、経由銀行である三行が、それぞれ保有いたしております債券を提供いたしまして、日本銀行に、別途二割相当分の本手形を出しまして、それに債券を担保としてつけまして、そして相当額をこれに融資した、という形に相なっております。 それで、さらに多少御説明をつけ加えますと、この並み手形担保で日本銀行が貸し出しております部分につきましては、公定歩合が一銭七厘となっておりますので、これに対しては、一銭七厘の金利を三行から徴求をいたしておりまして、三行はまた、山一証券から相当の金利を徴求するということになっております。 それからなお、やや詳細にわたるかと思いますが、債券を担保として振り出された本手形につきましては、御承知のように、公定歩合は一銭六厘でございますので、これに対しては、一銭六厘でもって、日本銀行は三行に融資をいたしております。したがいまして、総体といたしましては、平均して一銭六厘八毛ばかりになるかと思いますが、それだけの相当の金利を、三行は山一証券から徴求しておるという形に相なっております。 融資の実際の態様は、ただいま御説明申し上げましたようなことでございます。
○栗原委員 いま聞いておると、私はしろうとだからわかりませんけれども、日銀が山一に特別融資をしたといっているから、日本銀行が山一に直接貸したのだというように受け取るわけなのですが、いまの説明だと、日本銀行は三行に貸して、三行の責任によって、山一に融資しているのですか、ここはどうなのですか。
○鎌田参考人 三行の責任において、という点は、多少感じが違うのでございますが、三行を経由いたしまして、山一証券に融資をいたしておるというのが実態でございます。
○栗原委員 ということは、三行を経由して、山一の手形に貸し付けておるからそうなるのだ、こういうことでございますか。
○鎌田参考人 山一の手形を担保として、貸し付けておるということでございます。
○栗原委員 先ほど御説明の中にもありましたが、いただいた資料によりますと、四十年六月七日、四十五億円、九日、六十億、十二日、十五億、二十一日、四十五億、二十四日、四十五億、二十八日、二十四億、こえて七月二十二日に三十億、二十八日に十八億、合計二百八十二億円、こういうことになっておりますが、そのとおりでございますか。
○鎌田参考人 このとおりでございます。
○栗原委員 そこで、世間でいろいろ議論になるところは、日本銀行は、山一というような民間企業に金が貸せるのだろうか。いろいろ議論があったわけですが、今年の予算委員会で、総理、総裁から、これは日本銀行法の第二十五条によるところの特別措置なんだ、こういうように説明されておりましたが、それでよろしいのでございましょうか。
○宇佐美参考人 よろしゅうございます。
○栗原委員 そこでお尋ねするのですが、第二十五条による申請はどのような申請であったか、これは銀行局長のほうから、ひとつお答え願いたいと思います。
○佐竹政府委員 これは、栗原先生御要求の資料で、お手元に差し上げてあると思いますが、日本銀行から大蔵大臣に対しまして、「山一証券が運用預り有価証券の払戻しに応ずるなどのために必要となる資金を、富士銀行ほか二行を通じ、長期にわたり、かつ、担保適格性を欠く山一証券振出手形を担保として融資することにつき、日本銀行法第二十五条に基づいて認可申請する。」こういう申し出が、昨年の五月二十九日に行なわれたわけでございます。
○栗原委員 この申請は、文書でなされたのですか。
○佐竹政府委員 そのとおりでございます。
○栗原委員 文章は、ここに資料としてもらったとおりの文面でございますか。
○佐竹政府委員 全文は、これ以外に若干ございますが、骨子、要点はここに抜粋しましたとおりでございます。
○栗原委員 これはなかなか重大な異例な問題でありますから、その申請書の全文写しを、参考資料として提出願いたいと思いますが、できますか。
○佐竹政府委員 この点は、実は先生先刻御承知かと思うのでございますが、先般、春日一幸委員から質問趣意書の提出がございまして、その中に、この日銀特融に関する資料の要求があったわけでございます。それに対しまして、私どもといたしましては、日銀総裁から大蔵大臣に出されましたところの文書の全文を公表するということは、いろいろな関係がございまして、適当でないということでございますので、このうちの、御審議に必要な要点、中心的部分について差し上げまして、御了解をいただくということで、実は政府からの正式答弁書におきましても、これと同じ形のものを、国会に御提出申しておるわけでございます。何とぞ、御了承いただきたいと思います。
○栗原委員 私には了承できません。とにかく、こうした異例なことなんですから、やはり異例なことを国民に納得させるような段取りというものがなければならぬですよ。しかも、一般の経済界が平穏にいっておるときならば格別でありますけれども、とにかく中小企業等が月に四百、五百と倒れておるときに、とりわけこういう措置を日本銀行がとったんですから、こういうものをなぜとったかということを、国民に納得させる責任があります。 このことについて、政府では、とりあえず春日君の要求に対して、一応意思統一をして、お見せできないというような方向であったらしいのですが、会計検査院にお尋ねします。そういうことで、会計検査院は、よろしいとお考えですか。われわれは決算委員として、やはり日本銀行が政府に対して、日本銀行法第二十五条によって申請した全文を見なければ、こうした審議は完全にできない、こう思っておるのだけれども、会計検査院はどのように考えますか。
○斉藤会計検査院説明員 会計検査院といたしましては、一応検査をいたしておりますが、大蔵省側がお答えになったことに対して、ただいまどうこう言うわけではございませんが、私のほうで調べましたものにつきましては、お答えすることができると思っております。
○勝澤委員 関連して。日本銀行法二十五条を適用した例というのは、いままであるのですか。
○鎌田参考人 ございます。 それでは、ただいままでに、日本銀行法二十五条によりまして、大蔵大臣の認可を受けております業務につきまして申し上げます。現在、日本銀行が、日本銀行法第二十五条によって認可を受けて現に執行いたしております業務は、一つは、為替交換決済制度でございます。これは各銀行間の為替の集中決済を現在いたしております。これは、昭和十八年四月十九日に最初に大蔵大臣の認可を受けてやっておる制度でございます。その次に、短資取引担保登録国債代用証書という制度がございます。これは短資会社の取引に使っております担保を、国債につきましては、取引の円滑を期するために、代用証書でかえておるという制度でございまして、これにつきましては、昭和十九年の十一月十一日に、大蔵大臣の認可を受けて現在やっております。ただ、御承知のように、最近はほとんど、国債がコール取引の担保になるという例がございませんので、実際問題といたしましては、実用にはなっておりませんけれども、かつてはこういうような制度がございます。現在も生きてはおります。それから過去に、日本銀行が、日本銀行法第二十五条によって認可を受けまして行ないました業務を申し上げますと、まず第一には、戦争中でございますが、十八年の四月から十九年の十二月まで、庶民金庫に対する低利融資という前例がございます。これは、その当時、不良無尽会社がかなりございまして、その不良無尽会社を整理しますために、日本銀行としては、直接そういった無尽会社に融資をいたしませんで、当時庶民金庫というのがございましたので、庶民金庫に資金を貸し出しまして、無尽会社のほうは、その庶民金庫のほうから資金を借りまして、そしてその資金によって再建をはかる、というようなことが考えられたわけでございまして、当時にこういった例が一つございます。 それからその次に……。
○勝澤委員 鎌田さん、いま山一に特融をしたわけですね。これと同じような例が、過去にあるかどうかということです。
○鎌田参考人 それでありますならば、ただいま申しました庶民金庫に対する低利融資と申しますのは、ややこれに似ておるか、かように考えます。
○勝澤委員 山一以外にまだあるでしょう。山一と似たような特融の状態が過去にあるか、いまあるのか。
○鎌田参考人 それはございません。ただいまの、融資に関連しまして二十五条の認可を得ました前例というのは、この庶民金庫を通ずる不良無尽会社の整理資金だけでございます。
○勝澤委員 もう一つ、いま何か証券会社があるのじゃないですか。
○鎌田参考人 それは大井証券に対しては、山一証券とほぼ同時ごろから実行いたしております。
○勝澤委員 そうすると、山一と大井証券以外にはいままで例がない、ということを伺ったわけですね。結局、それについてはほかに例がないわけですね。こういう取り扱いについていろいろ批判があるわけです。ですから、いま栗原委員が申し上げましたように、一体この融資というものが、日銀からどういう形で認可申請が出たのかという点を、私たちはやはり解明をしなければならぬと思うのです。いまの銀行局長のこの程度の説明ですと、いまだかつてないことを行なったわけでありますから、多くの疑問が持たれておるわけでありますから、認可申請書について資料が出せないということは、ますます疑問を深めることだと思うのです。これはやはり会計検査院が検査をする場合においては、その原本を見てするのでしょう。しかし、二十五条で認可申請するかしないかということはあなたのほうの権限ですが、そのことがよかったかどうかということは、われわれが国民の立場から、特に決算委員としては、一体その行為がよかったのか悪かったのかということを判断する材料を与えてもらわなければならぬ。その判断する材料を与えないということになれば、これは私は重大な問題だと思うのです。どこに一体国家機密があるのですか。国民に見せて悪いということがあるのですか。現実に出しておることはわかっているわけです。その点疑問があるのですが、どうですか。
○佐竹政府委員 私は、決してそういうことを申しておるわけではございませんので、つまり二十五条の特融というものをなぜやらなければならないか、つまり認可申請の事由でございますね。それに対して、大蔵大臣がその認可をすべきかいなかを判断すべき事由というものは、これは明らかにしなければならぬわけでございます。その点は、先ほど私が読み上げましたとおりに、この文章の中にきちっとその事由が出されておるわけであります。したがって、これは全文そのものをお目にかけると申しますか、公表するということは、これは適当でないということを申しておりますけれども、その中の、いま先生がまさに御指摘になっていらっしゃいます。国民の疑惑にこたえる、国会の御審議の最も中心対象であるところの、申請に及んだ事由という点がここで明らかに出ておるわけでございますので、御了承いただきたいと思います。
○勝澤委員 これが必要である、この程度でよろしいだろうという判断を、私たちがするのならいいですよ。それをあなたのほうがしているわけです。あなたのほうでは、この程度でわかる、私のほうでは、この程度ではわからぬと言っておるのです。判断を私のほうがして、この程度は国民に公表すべきでないというならいいけれども、大蔵省銀行局が、この程度でわかるだろうと言っておる。だからそこで、認可申請の写しを出しなさいと言うわけです。これは午前中話したのですけれども、開発銀行なんかで、延滞になっておる延滞名簿を出せ、会社の名前から何まで出せといわれると、なかなか渋って出さないわけです。しかし、過去において開発銀行において延滞になっておるものを出しなさい、世間に公表することはいけないから、われわれも公表しない、決算委員長のもとへ出しなさい、われわれは決算委員長のもとで、どういうことになっているか見せてもらいましょう。先ほど北海道東北開発公庫の問題についても、延滞一年以上のものについて資料を出しなさい、出しましょう、しかし全部の者に配って、それを公表するというのは、われわれ自体としてもはばかるだろうと思うから、ひとつ決算委員長の手元まで出してください、それに基づいて、われわれもその資料を見て、必要な部分についてはひとつ質問しましょう。疑問を解明しましょうと言っている。こういう取り扱いを過去にいたしておるわけであります。そういう手続はいかがでしょう。
○佐竹政府委員 まことにごもっともなお話でございます。私ども決して隠すとかなんとか、そういう意味で申しているわけじゃございませんので、ありのままにごらんいただくということは当然のことと思うのでございますが、まさに先生おっしゃるように、どうも、天下に公表するという形が、いろいろな点で、実は適当でないということを申しておりますので、先般の春日一幸委員の御質問趣意書をいただきましたときも、そういう点で、答弁書というのは、天下に公表をいたす答弁書の文章としては、ちょうど栗原先生に差し上げてありますと同文の文章を差し上げておるわけでございます。
○栗原委員 まあ実は、はっきり言うと、はたして文章であるのかどうかというところに疑いを持っているのですよ。だから、資料として出すのがぐあいが悪かったら、証拠として現物をひとつ持っていらっしゃい。これならできるでしょう。その現物をわれわれに見せる。リコピーしなくてもいいです。現物を出して見せればいい。
○佐竹政府委員 わかりました。要するに、そういう文書が存在するかいなかについて、先生御疑問を持っていらっしゃる……(栗原委員「持っています」と呼ぶ)それは、私も実は全くそういうところに気がつきませんで、非常に失礼いたしましたが、もうその点でございましたら、まさに文書がございますので、御安心いただきたいと思います。これは日銀総裁から大蔵大臣に対して出たもので、決して私ども、ないものをあると言うような、そういうことは、責任を持っていたしません。
○栗原委員 それでは、あるというのだから、それをリコピーしていろいろ散らかるということのないように、持ってきて見せてもらう、こういう手配を要求してください。
○吉川委員長 ただいまの資料は、委員長に提出をしていただく。
○佐竹政府委員 わかりました。
○栗原委員 そこで、日銀にお尋ねしますが、こういう二十五条の申請をする、これにはもちろん、いきなり総裁が思いつきでやるようなものじゃなくて、十分討議をして、特に異例であり、おそらく、これをやったら相当世間から反撃もあるだろう、というくらいのことは想定しただろうと思う。そういう中で、なおかつこういうことを敢行なさったのですから、十分あらゆる角度から検討し、調査をし、また審議、協議もしただろうと思うのですが、こういうものは、本来的には政策委員会にかかる案件なんですか。それとも政策委員会とは別個に、認可を得ているから、許可を得たから、本行の業務になるんだからといって、その後政策委員会のほうへかけるのですか。この辺の関係はどうなっているのですか。
○宇佐美参考人 日本銀行はいろいろの仕事をいたしておりますが、通常業務という、あらかじめもうきまっているものがございます。しかし、そのうちでも重要なるものは、そのつど政策委員会、御承知のように毎週二回ずつ開いておりますので、そこで審議いたしております。今度のこの特別融資は、お話のとおり、非常に異例のものでもございますし、重要なる問題でもございますので、政策委員会にはかりまして、そうしてその全員の承認を得て、大蔵大臣に申請したような次第でございます。
○栗原委員 申請をしたのは五月の二十九日になっておるわけですが、二十九日に、いきなり招集をして御相談なさったのではあるまいと思うわけです。まあ全般的にいって、証券界が非常に不況になっている、ダウも千円を割るだろうというような危険な見通しの中で、いろいろと、証券信用制度というものをどうやって保持するかということに御苦労なさったことは私もよくわかります。そこで、二十九日に、特に山一証券という具体的な企業をあげて申請をなさる。——実は私は、おそらく二十五条の申請はもっと広い意味で、証券界がこうだから、証券信用制度を維持するために、本来の業務でない特別な業務を、というような申請がされておったんだろうと思っておったわけなんです。あなたが出された資料によれば、これは本物を出してもらえばぴしゃっとわかるんですから、それをここでどうだというような議論は必要ありません。しかし、少なくとも出されておる、公表してもいいという資料の中には、具体的に山一証券というものがうたわれておる。山一証券というものを特にうたった理由というものはどういうことなんですか。この辺を世間では非常に、なぜ山一に特別と、こういうことなんです。ここのところはたいへん時間をかけてもいいですから、国民が、そうなのか、それなら話はわかったと言うような、御解明というか、御説明をしていただきたいと思います。
○鎌田参考人 やや事務的な面もございますので、私から御答弁申し上げます。 ただいまの点は、二十五条によりまして大蔵省に申請をいたします場合には、いわゆる通常業務というわけにはまいりませんので、この点は、先ごろ来国会においてもいろいろ御説明申し上げておりますように、いわば何と申しますか、確実性のない手形を担保として融資するということになっておりますので、したがって二十五条というようになったわけでございますが、そういう関係から、どこへ出すかということは、やはり二十五条の申請の中にこれをうたいまして、認可を申請いたしませんと、ただばく然と、金融不安の除去のために、というふうなことでは、事務的にも取り運びかねますので、相手方を特定するという必要は、事務的にもございました、ということを申し上げます。
○栗原委員 特に山一を特定するというような、具体的な事実があったわけでございますか。
○鎌田参考人 当時の証券界は、御承知と思いますが、ああいうふうな沈滞裏にありまして、各証券会社について、それぞれ資金的な面でもいろいろ問題点はあったと思いますけれども、なかんずく山一証券について、いろいろと当時問題が出てまいっておりまして、それは五月の初めごろから、同社の再建計画をめぐりまして、新聞等にも報道されるというような状況で、とかく山一証券に対して運用預かりの払い戻し等の請求が重なってくる、というふうな現象があったわけでございます。したがって、当時といたしましては、やはり山一証券に対して、まず必要な融資を行なうということが判断をされたわけでございます。
○栗原委員 いろいろ聞きたいことがたくさんあるから、どれから聞いていいか迷うのですけれども、いまの御発言の中にあった、当時の状況は、いろいろと証券界が下落の一途をたどる、そういうような中から、いろいろ証券会社にも困難な場面が出てくる。一番早く出てきたのが投資信託の買い戻しの請求であり、続いて出てきたのが運用預かり証券の返戻要求、こういうことのようです。数字はあげませんが、そういうことがことのほか激しく出てきた、こういうことで、ということになっておるようでありますが、運用預かりの証券というものは、証券会社が預かった証券をそのまま抱いているわけじゃなくて、何かしているのでしょう。これは証券局長、どうなんですか。
○松井政府委員 お答え申し上げます。 投資家が買い付けました株を預かる、これは単純寄託でございます。これを保護預かりと言っております。それから運用預かりと申しますのは、借り受けます証券業者が担保に使うということを了承いたしまして、投資家が預けるものでございまして、法律的には消費寄託契約と申します。ほかに品借り料として日歩一厘を支払っております。それで、運用預かりができます証券業者、これは証券業務の中で兼業でございまして、どれもこれもできるというものではないわけでありまして、現在たしか十九社だと思うのですが、兼業承認を与えております。それは担保に提供してよろしいが、売却してはいかぬ。消費寄託契約ですから、売却しても、同じ種類のものを買い戻してお返しすればいい、民法上はそうなっておりますが、証券監督行政上は、売却はいけないということと、それから、いつでも現品引き出し要求があるのに対応するために、支払い準備として、運用預かりで預かったものの二割以上は現物の形で持っていらっしゃい、という二つの制約がある制度でございます。
○栗原委員 問題になる時点、すなわち五月二十九日、山一では運用預かりをどのくらい持っておりましたか。つまり二十五条申請が出た日ですね。もしその日がそのままなければ、その付近で、出ておる数字でけっこうです。
○松井政府委員 申し上げます。 山一を中心として不安が起こってまいります前月、結局四月末は五百七十五億、それから五月末で四百五十一億、そこで非常に大きな引き出しがあったわけです。それから六月にもなお不安が続きまして、これが三百六十九億というふうに落ちておりまして、この間で二百億以上の引き出しが起こってきた。毎日十億とか二十億とか、大量のものが行なわれたわけであります。
○栗原委員 こうした、山一証券の寄託を受けておる運用預かりの証券類は、どこで金融をしておったわけですか。大部分は取引十数行ある中の幹事三行が中心で金融しているのですか、あるいは東証というような、そういうほうでやるわけですか。
○鎌田参考人 ただいまの御質問にお答えをいたします。 山一証券が、運用預かりによって預かっておりました債券の担保としての利用の相手は、銀行、それからコール業者、コールマネーの担保、それから一般の証券金融会社に対する担保、それから場合によっては、ほかの一般借り入れ金の担保、こういうふうなものに使われておりました。
○栗原委員 私が聞こうとするのは、四月末に五百七十五億の運用預かりを持っておった。その中で、取引銀行の中の幹事銀行である三行にはどのくらい、その運用証券を担保に金融を受けておったか、このことをひとつ御説明願いたい。
○鎌田参考人 ただいまその数字は手元に持っておりませんけれども、三行からの受けております融資額は、全体でたしか九十億ばかりだったと思いますが、その中で、おそらく富士、三菱の両行は、明らかに債券が入っておると思われますので、三十億入っておりますか、四十億入っておりますか、その辺ははっきりいたしませんけれども、おおよそその見当のものが入っておったのではなかろうかと思います。
○栗原委員 日本銀行が、山一証券を具体的に名前をあげて二十五条申請をやる、こういうことについては、当然山一証券の実態というものについて、ただ困っているから救ってやる、こういうものじゃなかろうと思うのですよ。二十五条で申請して特別措置を講ずる対象としては適格性がある、経済的には非常にピンチに襲われているけれども、これは日銀が特別融資をして救ってやる値打ちのある企業である、こういう見込みがなければ、ただ単に、証券会社山一証券が非常に経済的にピンチに追い込まれたのだから、まあ証券信用制度を救うために山一に特融するのだ、こうストレートでつないだだけでは、これは国民的にはなかなか納得がいきません。そこで当時の山一証券のピンチの実態、こういうことだから、日銀が救済出動しなければならぬのだ、こういう、国民の納得できるような例をあげて、そして二十五条に踏み切った当時の決意、こういうものをひとつ御解明願いたい、このように思います。
○鎌田参考人 当時の山一証券の状態につきましては、もちろん御指摘のように、そのころ急激に悪化したというわけではございませんので、さかのぼりますと、むしろ三十九年ごろから、これが資金繰り等につきましては、私どもも注視してまいったところでございます。たまたま、先ほど来申し上げますような状況下におきまして、特融実施に踏み切らざるを得ない段階になってまいりましたけれども、当時の見通しといたしましては、非常な証券不況のさなかでございまして、山一証券の前途が、こういった緊急融資の後におきまして、はたしてどういうふうな経過をたどるかということにつきましては、もちろん的確な見通しはつき得なかったわけでございますが、何しろ従来の顧客関係等から考えまして、また、おそらく証券界としましても、そういつまでも沈滞期にあるということでもないと思われますし、漸次体力を回復いたしまして、将来いつの日か再建のめどが立つまでというふうな考え方をもって、こういった問題の処理をしたということが実情でございます。
○栗原委員 どうも、そうですがと、とてもまだいまの説明では割り切れません。 そこで、内容的に幾つか聞いていくわけですが、これは、日本銀行が、日本の金融界あるいは証券取引の総本山として、上からぐっとながめておって、どうもたいへん情勢がよくない、こういう中から、日本銀行が自発的な立場に立って、二十五条申請に踏み切ったのか。あるいは、非常に苦労をしながらがんばっておる山一証券が、とてもこれはやりきれぬということで、幹事銀行に泣きついた。幹事銀行に泣きついたところが、幹事銀行では、これはとてもやりきれぬということで、日本銀行へ泣きついた。そういうことの中から、二十五条申請というものが発意されたのか、あるいはまた、これは私の飛躍した憶測になるかもしれませんが、こんなことではとてもやりきれぬということで、山一証券が大蔵大臣に泣きついて、何とかうまい方法はないかということの中から、二十五条というような異例の措置が発案されたのか、この辺が明らかでありません。一体、どの時点で、だれが発意して、こういう行動が起こったのか。この点はほんとうに明らかにしてもらわないと、この辺がこの問題の大きな一つの山になっておりますから、そこを、そうかということがわかるように、納得がいくように御説明を願いたい、こう思います。
○宇佐美参考人 私から御説明申し上げます。 三十九年あたりから、山一の情勢につきましては、関係銀行でもいろいろ心配いたしまして、御承知のように、社長の更迭等も行なわれたような状態でございます。その後、山一といたしましては、あるいは店舗の整理とか、また人員の整理、それからまた合理化、経費の節約というようなことを進めてまいったのでありますが、なかなかそれでは追っつかないというような状態に、これは市況一般がだんだん悪くなってきまして、商売も減ってくるということで、ただいま申し上げたような普通のいわゆる整理では追っつかないということで、山一は主力幹事銀行、あるいはさらにそのほかの一般取引銀行に対しても、金利のたな上げ等を要求したわけでございます。そういういろいろの努力をいたしましたところが、ちょうど五月の、日にちははっきりしませんが、二十日ごろだったと思うのですが、新聞にも出まして、そして山一に対する不安、ほかの一般証券界に対する不安も相当出ておりましたけれども、特に山一については、そういう問題が起きてきておったわけでございます。そういうわけで、政府も非常に心配されておったのでありますが、われわれも、その後の情勢を見ておりますと、だんだんその不安が拡大していくというようなことになりまして、私どもが毎日店頭その他の情勢を見ておりますと、一般の大衆の方の不安がだんだん拡大していく。さらに山一だけでなくて、程度の差はむろん非常にございましたけれども、そのほかの証券会社も、運用預かり等についての不安が起こってきておる。その情勢を私どもは日々見て、そうして一方、主力銀行の頭取とも相談をいたしまして、普通の整理ではなかなかいかない。すでに担保も非常に少なくなってきておりますのと、もう一つ私どもが心配したのは、とにかく先ほどお話のございましたとおり、運用預かりだけでも五百億という金額がございますので、そのうち一体幾らくるだろうか、またほかの証券会社全体で、当時三千億近くあったと思うのでありますが、そういう状態で、どれくらいあるかわからないというようなことで、とうていこれはいわゆる普通の企業の整理ではむしろ不安が拡大する、こういうことを見まして、私どもとしては、非常に異例なことだということを心配しながらも、この方法以外にはない、こういうふうにして、大蔵大臣に申請したような次第でございます。
○栗原委員 申請書の内容は、くどいようですが、後ほど見せてもらうわけですが、それでもやはり、そこに幾らか触れぬと話が続きませんので、その申請の中には、あらかじめどのくらいの金額というものが必要なのかとか、そういうようなことなどは、具体的に山一というものをうたう以上は、山一を異例な救済をしなければならぬという事情がはっきり分析されておるのですから、当然、必要な金額の限度というものもある程度想定できると思うのですが、具体的には八回、二百八十二億でとまっておりますけれども、その他の点、期限あるいは金利の面は先ほどお話がありましたが、当初そういう問題等についても詳しく、二十五条申請の中に配慮されてあったのでございましょうか。その辺はどうでございますか。
○宇佐美参考人 ただいま申し上げましたとおり、われわれとしては、当時何とか早く食いとめて、少ない金額で済まさないと’今後これが全部出るようになったらたいへんでございます。これは単に証券の問題とか何かで済みませんので、むろんいろいろ計算はしていたのでございますけれども、これで十分だということは、将来のことでございますし、そして五百億余りという残高があるわけでございます。したがって、申請書の中で幾らということは申しておらないわけでございます。
○栗原委員 二時に本会議が始まるので、とてもお尋ねが尽きません。聞けば、本日本会議後かあるいはあらためて続けるそうでありますので、この際、会計検査院に一言だけお尋ねをしておきます。 会計検査院は、たまたま年度は違いますけれども、これだけ世間をわかした問題だから、一応取り上げて、仮検査というようなことなどはやっておるのではないかと思いますが、このことについて、会計検査院として、日本銀行を通じての調査、こういうものを行なったことがございますか。
○斉藤会計検査院説明員 お答えいたします。 特別に、この問題について仮検査ということはしておりませんが、検査をいたしました際に、毎年やります検査の際に、調べております。しかし、山一証券そのものにつきまして、山一証券に立ち入って検査をするということは、権限上できません。これは、日銀がこれだけ貸しておるということについて、一般経理に関して検査をしておるという状況でございます。
○栗原委員 それでは、時間になりますから、きょうはあと保留して、この辺でとどめておきたいと思います。
○宇佐美参考人 ただいま、申請の中に金額はうたってないと申し上げましたが、付記いたしまして、一応二百四十億の範囲内ということにしておりましたが、それで、さらに情勢によって、そのつど申請して、現在、お話のように二百八十二億ということになって、一応そういうめどをつけて申請をいたしておるわけであります。訂正しておきます。
○吉川委員長 参考人には、お忙しいところ調査に御協力いただき、ありがとうございました。なお、後日あらためて御協力いただくことになろうかと思いますが、あらかじめお含みおきを願います。 本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十八分散会