決算委員会 第5号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/02/22
会議録
○吉川委員長 これより会議を開きます。 昭和三十八年度決算外三件を一括して議題といたします。 労働省所管について審査をいたします。 まず、天野労働政務次官より概要について説明を求めます。
○天野政府委員 労働省所管の昭和三十八年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。歳出予算現額は、七百九十一億九千百七十八万八千円でありまして、支出済み歳出額は、七百六十五億四千六百八万九千円、翌年度繰り越し額は、十二億八千六百五十二万六千円、不用額は、十三億五千九百十七万三千円であります。 歳出予算現額の内訳は、歳出予算額七百七十九億四千七百八十七万六千円、前年度繰り越し額十一億六千五百九十一万二千円、予備費使用額七千八百万円でありまして、前年度繰り越し額は、庁舎等特別取得費、炭鉱離職者援護事業費補助金等であり、予備費使用額は、退官退職手当等に要した経費であります。 支出済み歳出額のおもなものは、失業対策費でありまして、緊急失業対策法に基づく失業対策事業費補助、失業保険法に基づく失業保険費負担金及び炭鉱離職者臨時措置法に基づく炭鉱離職者援護対策費に属する経費であります。失業対策事業費補助の事業実績は、事業主体数一千二百三十一、事業数四千百五十二、失業者の吸収人員、一日平均十八万九千六百八十四人であります。炭鉱離職者援護対策費の実績のうち、炭鉱離職者緊急就労対策事業につきましては、事業主体数六十七、事業数五百四、吸収人員一日平均六千五百七十一人であり、炭鉱離職者職業訓練につきましては、施設数二十二カ所、訓練人員延べ三千百五十一人であり、炭鉱離職者援護事業につきましては、移住資金の支給二万千六百八十六人、雇用奨励金の支給一万四百七十四件、住宅確保奨励金の支給四千七百二件、移動宿舎の建設四百七十一棟、労働者用簡易宿舎の建設二百十九棟、等を実施いたしました。 翌年度繰り越しのおもなものは、中高年齢者就職促進訓練費補助金、庁舎等特別取得費、炭鉱離職者援護事業費補助金及び雇用促進事業団交付金等に属する経費であり、また、不用額のおもなものは、就職促進特別対策費、失業対策事業費補助等に属する経費であります。 次に、労働者災害補償保険特別会計の決算について申し上げます。 歳入予算額は、八百二十三億三千七百二十八万二千円でありまして、収納済み歳入額は八百三十八億五千二百八十九万六千円で、差し引き十五億千五百六十一万四千円の増収となっております。 そのおもな理由は、支払い備金に引き当てるべき前年度末歳入歳出差し引きの剰余の額が多かったので、支払い備金受け入れが増加したこと等によるものであります。 歳出予算現額は、八百二十三億五千百八十六万七千円でありまして、このうち予備費使用額は三十七億一千八百万円でありまして、これは保険金及び保険料精算金に要した経費であります。 支出済み歳出額は、五百十億四千八百八十七万円でありまして、そのおもなものは保険費であります。 昭和三十八年度末における労働者災害補償保険の適用の事業場数は八十八万件、労働者数は一千九百四十八万一千人であり、災害補償の実績は、件数三百三十五万四千件、支給金額四百五十五億五千百六万三千円であり、昭和三十八年度において新しく災害補償費の支給を受けたものは、百四万三千人であります。 翌年度繰り越し額は、五千六百二十一万七千円でありまして、これは庁舎等新営費に属する経費であります。不用額は、三百十二億四千六百七十八万円でありまして、そのおもなものは、予備費を使用しなかったためであります。 次いで、失業保険特別会計の決算について申し上げます。 歳入予算額は、千百四十四億八千六百十五万四千円でありまして、収納済み歳入額は、千百四十五億六千二百四十二万八千円で、差し引き七千六百二十七万四千円の増収となっております。 そのおもな理由は、資金運用部預託金を長期の約定期間に切りかえたことにより、利子収入が増加したこと等のためであります。 歳出予算現額は、千百四十五億五百四十八万五千円でありまして、このうち予備費使用額は、九十五億三千三百四十万円で、これは、失業保険給付件数の増加等に伴う保険給付に要した経費であります。 支出済み歳出額は、千九十五億五千五百十七万六千円でありまして、そのおもなものは、保険給付費であります。 昭和三十八年度末における失業保険適用の事業所数は、四十九万三千件、被保険者数は、一般失業保険一千六百五十三万人、日雇い失業保険四十四万五千人であり、昭和三十七年度に比較して、事業所数では八%、一般失業保険被保険者数では六%の増加であり、日雇い失業保険被保険者数につきましては六%の減少を示しております。保険給付の実績は、平均受給者実人員、一般失業保険六十一万六千人、日雇い失業保険二十二万二千人、支給金額、一般失業保険九百三十三億七千三百五十一万八千円、日雇い失業保険三十六億五千四百五万六千円であります。 翌年度繰り越し額は二億五千六百八十九万五千円でありまして、これは、庁舎等新営費に属する経費であります。不用額は四十六億九千三百四十一万三千円でありまして、そのおもなものは、予備費を使用すること等が少なかったためであります。 以上をもちまして、労働省所管の昭和三十八年度決算の説明を終わります。 なお、昭和三十八年度の決算検査報告において掲記されている事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存ずる次第であります。指摘事項につきましては、鋭意改善につとめるとともに、かかる御指摘を受けることのないよう努力する所存であります。 何とぞ、よろしく御審議のほどお願いいたします。
○吉川委員長 次に、会計検査院当局より、検査の概要について説明を求めます。
○佐藤会計検査院説明員 昭和三十八年度決算の労働省所管についての検査の概要を御説明申し上げます。 昭和三十八年度決算検査報告に、不当事項として掲記いたしましたものは、労働者災害補償保険及び失業保険の各保険事業におきまする保険料等の徴収及び保険給付にかかるものでございます。これを順を追って説明いたしますと、五四三号は労働者災害補償保険、五四四号は失業保険の保険料等の徴収に関するものでございまして、いずれも保険料算定の基礎となる賃金総額が事実と相違しておりますために、保険料等の徴収が不足しておる、そういう事態のものでございます。それからもう一件、五四五号は、失業保険事業におきます保険給付に関するものでございまして、保険金の受給者が再就職して報酬を得ておりますのに、引き続き失業保険金の給付を受けておる、こういう事態でございます。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○吉川委員長 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○吉川委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 最初に、労災保険の特別会計の収支の状態についてお尋ねいたしたいと思います。 労災保険の適用の事業所の数は、三十九年末で八十三万四千、労働者の数が千九百三十五万、これに対して歳入は、三十九年九百六十七億、歳出が六百六億というふうに増加をいたしておるようでありますが、これはベースアップによるものであるでしょうけれども、収支のバランスという点から見ますと、年度末の剰余金が、三十九年末は三百六十一億、それから各年度別剰余金は、三十五年度は三十三億ということで、減少いたしておるようでありますが、いまの状態を見てみますと、この会計はたいへんむずかしい収支の状態になってくるのじゃないだろうかと思うのですが、これに対しまして、どういうふうな原因があり、またそれに対する対策はどういうふうになされておりますか、最初にお尋ねをしておきたいと思います。
○遠藤説明員 ただいまお話がございましたように、労災保険の収支は現在黒字ではございますが、保険料収入に対比いたしまして、保険金給付の支出額が漸次増大してまいっております。これは保険給付のうちで、主として療養補償に相当する部分が、医療費の高騰に伴いまして漸次増額してまいっておりまして、この傾向は三十九年度、それから四十年度に引き続いて漸次高まってまいっております。これに対しまして、保険料の収入面につきましては、先ほど御指摘ございましたように、保険料算定の基礎となります賃金の把握漏れでございますとか、あるいは強制適用事業所の把握につきまして十分でない点、把握漏れでございますとか、そういった点がございますので、そういった適用漏れ、把握漏れのないように十分捕捉いたしますと同時に、保険料算定の基礎となります賃金の計算が十分でないような面を十分把握いたしまして、保険料の徴収に万全を期してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○勝澤委員 次に、失業保険の収支の状況はどういうふうになっておりますか、その点御説明願いたいと思います。
○住説明員 失業保険の収支の状況につきましては、先ほど説明にございましたように、三十九年度におきましては保険料収入が千百六十五億でございまして、年間支出額が千百四十一億、剰余額といたしましては二十四億、こういうような状況になっております。
○勝澤委員 いまの状態で、今後の失業保険は全体的にはどういうふうな傾向になっていくのですか。それについてどういうふうな対策をお考えになっておりますか。
○住説明員 今後の雇用情勢の推移とも関係すると思うのでございますが、御承知のように、最近の景気の後退によりまして、雇用といたしましては全体的に伸び悩みの状態になっております。これを失業保険につきまして見ますと、最近の失業保険の受給実人員について申し上げますと、横ばいないしはやや減少ぎみでございまして、いまのところ、景気の影響は必ずしも失業保険の受給者には直接的にはあらわれていないような数字が見受けられるのでございますが、今後の雇用情勢の変化等に対しましては、不測の事態等も考えられるのでございますけれども、来年度予算等につきましては、大体本年度よりも若干失業情勢が悪化するのではないだろうかというような点も考慮いたしまして、予備費等も計上いたしまして、受給者の失業保険金の支給につきましては、万全を期していきたいと考えております。
○勝澤委員 この保険の悪用ということがときどき問題になるわけでありますが、それと、女子の受給者に対して問題もあると、いろいろ話を聞くのでありますが、そういう点についてはどうなんでしょうか。
○住説明員 失業保険は、御承知のように、言うまでもないことでございますけれども、失業者が再就職するまでの間、失業保険金を支給いたしまして、就職活動を円滑にしていく、こういうことにあるのでございます。そういう意味で、労働の意思がないとかあるいは能力がないにもかかわらず、失業保険をもらうというような事態につきましては、失業保険の本旨にかんがみまして、そういう意味での支給ということは極力避けていかなければならないと考えておるのでございますが、いま御指摘の女子受給者の問題につきましては、大体受給者のうち、四四・五%程度が女子の割合になっております。最近この傾向がちょっと高まってきておりますけれども、いずれにいたしましても、女子受給者であっても、就職の意思あるいは能力があるというものにつきましては、私どもといたしましては、再就職の促進をはかって、一日も早く受給者が再就職できるようにするようなたてまえで、失業保険の支給を考えておる次第でございます。
○勝澤委員 このあなたのほうの資料によりましても、不正行為によるものが最近ふえてきている。三十八年度では一万七千件で、金額にして二億円に達している、こういうような報告がなされておるわけでありますが、これは九割は事業主に雇用されながら、あるいはまた家事に従事をしながら、保険金をもらっているというような状態にある、こういうようにいわれておるわけでありますが、結局こういうものに対して、具体的にはどういう対策があるのでしょうか。またこういう現象が起きてくる原因というのは、一体どういうところにありますか。
○住説明員 御指摘のように、不正受給の件数といたしましては、三十八年度で一万七千件、三十九年度につきましては二万一千五百件というように、年々ふえてきておることは事実でございます。私どもは、先ほど申し上げましたような失業保険の趣旨に基づきまして、労使の、あるいは国の金で支給いたします失業保険の支給につきましては、その本旨に従った支給ができますように常に心がけておるところでございますが、特に最近の、最近と申しますか、過去にありました、就職しながら失業保険金をもらうとか、あるいは家事に従事しながら失業保険をもらう、こういうことがあるのでございまして、そういう点につきましては、安定所の組織といたしまして、給付調査官等の充実をはかりまして、そういう不正を防ぐ一方、実は昨年の四月から失業保険の被保険歴の通算制度ができまして、中央に電子計算機を備えまして、被保険者の保険歴を登録するというような制度もつくりまして、それによりまして、新たに被保険者になった場合は、その届け出が中央にありますカードと照合されて登録されるようになってきておるのでございます。そういう意味で、再就職をしながら失業保険金を受けるというようなやり方は、そういう制度によって今後チェックできるようになるかと思います。 なお、家事に従事して失業保険金を受けるというような問題につきましては、給付調査官等の活用によりまして、そういう弊害のないように期してまいりたいと考えておる次第でございます。
○勝澤委員 ここに、ことしの二月十七日の新聞の投書欄で、不合理な女子の失業保険ということが奈良市の方から出されておるわけでありますが、それは、結局八年ばかり会社につとめたけれども、結婚をして出産のため退職をしたということであります。そこでこれを読んでみますと、やはり女子従業員の失業保険というものについて、本人の自由意思にまかせたらどうだろうかとか、あるいはまた結婚による退職の場合は、準失業と認めて正当の手当の何%とかを支給したらどうだとか、いうようなことが書かれておるわけであります。いまいろいろいわれておるところから考えてみましても、私も現実に、よく失業保険をもらいながら働いておる状態を見ることがありますし、あるいは失業保険をもらいながら洋裁に通ったりなんかしておる話も、ときどき新聞の話題になることも知っておるわけでありますが、これはやはり保険そのものの性格からいって、少し問題があろうと思います。やはりいまの実情のいろいろの問題からいって、ただこういうものを審査するだけでいいのかどうかという点があろうと思いますが、そういう点はどうでございますか。
○住説明員 女子の場合は、男子の場合と違いまして、結婚等のために退職する、もちろんその場合には、結婚後も働くという場合もあるわけでございますが、多くの場合、非労働力になる、家庭に入ってもう労働しなくなる、こういう場合に、従来かけた失業保険料がむだと申しますか、保険が受けられないわけでございますから、かけ捨てになるので、そういう点、何か考えるべき点がないか、こういうような議論があることは承知いたしておるのでございますが、御承知のように、失業保険制度本来の趣旨は、失業に対する保険であるというような観点から、そしてまた私ども世界の諸外国の失業保険制度の立法例等も調べて研究したのでございますが、そういったことは、そもそも本来の社会保険の趣旨に反するという観点から、そういう制度をとっている国はないのでございます。いろいろ、女子の場合についてはそういうことでございますが、男子につきましても、相当長年月勤務されまして、保険を受けることなく労働戦線から引退する、こういう場合についても、女子についてもしそういうことを認めるとすれば、全く同様に考えなければならないというようなこと等もございまして、現在そういう制度を考えていない。失業保険の収支計算からいいましても、非常に問題があるということから、掛け捨てに対する補償的措置というようなことにつきましては、現行の失業保険制度の趣旨から考えまして、適当でないのではないだろうかというように現在考えておる次第でございます。
○勝澤委員 あなたのおっしゃるとおりだと思うのです。とおりだと思うのですけれども、やっぱり何か正直者が損をするというような風潮が出ているわけですね、現実に。ですから、そういう点をも勘案して、法律がこうなっている、現在そうなんだということでなくて、もう一回新たな角度から、そういう問題を考えにやならぬ。それはやっぱり教育のしかただと思うのですね。火災保険なんというのは、これは掛け捨てがあたりまえになっておりますから、別にどうということはないのですけれども、やはり生命保険なんか、かけたものはいつかまた返ってくるというものの考え方をしているわけですね。ですから、こういう保険もかけたら返ってくる。結婚をすぐしたから返ってこない、家事をやっておって、職安に一週間なり十日に一回ずつ顔だけ出せばもらえる、そういう点があるわけですね。ですから、それはそのとおり、そのことが悪いのだということだけでは私は問題が発展をしないし、いわゆるいまの実情からいっても、もう少しそういう点の検討をしてみる必要があると思うのです。不正だから不正だからといって、つかまえて歩くばかりが能ではなくて、いわゆる、そういうものがどうして起きるのだ——起きることはわかっておるわけですから、だれでも機会があれば、合法的にやろうとすればやれるわけでありますから、ですからそこに問題があるのです。その辺をやっぱり考えてやらないと、これはちまたの中でよく私たちが一般の人たちと話をするときに、あの人はお嫁入り支度を失業保険もらいながらやっている、不合理だ、とこういう話を聞くわけです。不合理だとも言えるし、不合理でもないと言えるわけです。ですからそういう点について、いまのような、法律がこうなっているのだ、たてまえがそうなんだからだめなんだというだけでは、ここであなたのお話を聞く価値がないのです。現状がそうなっているのですからという現状の報告では……。現状の中でそういう現象が起こるのを、もう少しやはり教育的な立場、あるいはこの中身の問題で研究しなければならないのじゃないか、私はこう思うのです。答弁は要りませんから、その点はこういうことがあるということを、あなたのほうで実情はわかっているわけですから、わかっておるけれども、法律のたてまえ上、あるいは保険財政のたてまえ上と、こう言っておられるのですから。 それから次に問題が移りますけれども、次は労災それから失業保険の徴収状態というものが、毎年会計検査院から指摘をされている。三十八年度を見てみましても、労災が五十二万五千七百二十九事業所のうち三・四%の一万七千九百四十五事業所を調査して、その結果四・三%の七百八十事業所で千六百九十九万八千百四十三円、批難をされているわけであります。これは三十九年度で見てみますと、やはり三・七%の事業所が行なわれているわけです。今度は失業保険のほうを見てみますと、四十二万一千百十四事業所のうち一万六千五百四十二事業所、三・九%行なって、そのうちの一一・三%の千八百七十九事業所が指摘をされて、金額は四千七百九十二万八千七百四十四円の徴収不足。三十九年度を見てみましても、事業所の一二・五%で六千百二万五千百五十四円、これだけ指摘されているわけです。この労災なり失業保険というもの、かりに会計検査院のほうで一〇〇%調査をしたということになるならば、三十八年度で労災はどれくらい徴収不足があるか、失業保険はどれくらい徴収不足なのか、こういう点についてはおわかりになりますか。当局でもよろしいし会計検査院のほうでも、よろしかったら御提示を願いたいと思います。
○佐藤会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、その調査のしかたが、ある程度主要なところをねらって見ておりますものですから、こいつを簡単に引き伸ばすということですと、そこにやはり間違いの数字が出てくるというようなあれがありますので、ちょっとその点、お答えいたしかねるのでございます。
○勝澤委員 この労災なり失保なりの、全国の対象事業所というのはどれくらいあるのですか。
○遠藤説明員 労災保険の適用事業所は、三十九年度末で約八十一万事業所でございます。
○住説明員 失業保険につきましては、三十九年度末で五十二万一千事業所でございます。
○勝澤委員 いまの八十一万なりあるいは五十二万の事業所の状態と、それから検査の結果の推定を見てみますと、これは相当な未徴収の状態があるというわけであります。これは人件費をかけたほうが得なのか、この程度でやったほうが得なのかわかりませんけれども、これは未徴収の状態がある。そこで未徴収の問題あるいは徴収の不足をしておる問題の、徴収の状況はどうなっておりますか。最近の徴収不足がどれほど徴収されたか、こういう点について、両方の御説明を願いたいと思います。
○佐藤会計検査院説明員 三十八年度の検査報告で指摘いたしましたものについて申し上げますと……。
○勝澤委員 いや、そうじゃなくて、従来のものを含めて、徴収不足を指摘したものの集計です。
○佐藤会計検査院説明員 いまちょっと全部の集計が出ておりませんが、年度別で申し上げますと、三十一年度に指摘いたしましたものが九九・七%まで徴収済みでございます。三十二年度が九四・九%、三十三年度が九八・九%、三十四年度が九六・九%、三十五年度が九九%、三十六年度指摘した分が九三・九%、三十七年度の分が、これは一〇〇%です。それから三十八年度が九四・八%、パーセントで申しますとそういうふうになっております。これが失業保険の本院の指摘した分でございます。 それから、労災保険の本院の指摘したものに対する徴収率は、三十一年度が九二・四%、三十二年度分が九五・九%、三十三年度が九八・一%、三十四年度が九一・二%、三十五年度が九五%、三十六年度が九一・一%、三十七年度が九六%、三十八年度が九二・一%の収納率でございます。
○勝澤委員 そこで、まだ残っている分はどういうふうになっていますか。
○佐藤会計検査院説明員 これは労働省当局で徴収に努力しておるように聞いております。
○住説明員 御指摘の未徴収分につきましては、その徴収の促進に、安定所、監督署が努力しますとともに、再三の督促にもかかわらず徴収ができないという場合には、御承知のように、差し押えその他の手続によりまして、完全な徴収ができるように、努力をいたしておるところでございます。
○勝澤委員 これは制度上の問題もあるでありましょうし、毎年指摘をされておりますので、十分労働省もおわかりになっておると思いますので、ひとつ人の配置の問題なり、あるいはまた取り扱いの問題なりについてさらに検討して、できるだけ早くこういう状態をなくするようにしていただきたいと思うわけであります。 それから、もう一つは、先ほど申し上げました給付の適正化の問題でありますが、これらの問題についても、ただ指摘をしているだけでなくて、やはり問題点を、受給者の立場というか、あるいはまた保険財政の立場というか、あらゆる角度から検討されまして、やはりいまいろいろ世間で言われている問題について、解消するようにひとつしていただきたいということを要望いたしまして、一応労働省関係の質問は終わります。
○吉川委員長 吉田賢一君。
○吉田(賢)委員 職業訓練局長にちょっとお尋ねいたします。 経済情勢の変化に伴いまして、労働の需給関係などに相当異変を呈していることと思うのでありますが、こういうときにあたりまして、かねて施策もありまするが、一そう今後周密な、遺漏のないような行政施策を行なわれることを希望する趣旨において、少しお尋ねしたい、こう思うのであります。 第一点は、中高年齢層の職業訓練の問題でございます。中高年齢層は就職難、低学卒は大体において完全就職、それから大学卒などはやや就職難というのが、大体われわれの常識的な判断でございます。しかし中高年齢層は、家族をかかえた世帯の責任者が多いのでありまするので、この訓練につきましては、相当周密な計画と実行をしなければなるまいと思うのですが、この点につきまして、まず従来やっておりまする施策もしくは実施状況、ほかにたくさん聞きたいことがありますので、簡単に要点だけお聞きしたいと思います。
○和田(勝)政府委員 お答え申し上げます。 中高年の失業者の方々の就職は、若年層に比較して非常にむずかしいということは、先生のいま御指摘のとおりでございます。労働省といたしましては、そういう事情を考えまして、三十八年度に職業安定法と緊急失業対策法を改正をいたしまして、中高年齢層の失業者の方に対しては、特に手厚い就職促進措置を講じたいということで、中高年齢の方が安定所に参られまして、いわゆる就職促進措置を受けられるようになりますと、一般的には就職促進手当を支給をして就職活動をお助けをするということでございます。しかし中高年の方にとって必要なことは、安定した就職につくことでございます。そのためにはやはり手に技術をつけ、技能をつけていただくことが、私どもといたしましては、将来の就職安定上非常に望ましいことであると思いますので この就職促進措置の一環といたしまして、中高年の方のための転職訓練を三十八年度から強力に実施をするということにいたしております。その訓練を受けておられます間には、訓練諸手当を支給をいたしまして、生活保護のごめんどうと、訓練を受けられるためにかかる経費につきましてのごめんどうを、そういうことで見さしていただいておるわけでございます。現在までこれらについて実行しておりますが、予算で見積もりますものよりは、実際の実績は実は多少下回っておりますが、いずれにしましても、訓練を受ける必要な方については、いま申しましたようなことで、ぬかりなく職業訓練をさしていただいておるような状況でございます。
○吉田(賢)委員 これの実施実体はどこなんです。
○和田(勝)政府委員 全体の計画を立てますのは、労働省の責任において実行いたしておりますが、実際の実行をやりますのは二つございます。一つは、一般職業訓練所は都道府県が経営をいたしておりますので、したがいまして、一般職業訓練所で行ないます中高年の転職訓練につきましては、都道府県が実施責任を持ちます。もう一つは、総合職業訓練所というのがございます。これは雇用促進事業団が直営をいたしております訓練所でございまして、ここでやはり中高年失業者のための転職訓練を実施いたしております。したがいまして、この分は、雇用促進事業団が実施責任を担当するわけでございます。
○吉田(賢)委員 基本的に中高年齢層の転職訓練を受ける対象、その対象をどういうふうに把握されておるのであろうか。たとえば、失業しておるからそれを対象にするのか、あるいは社会的に斜陽産業になって、一例をあげれば退職者のごとき、そういう者を対象としてやっておるのか、あるいは百姓のごとき潜在失業的な状態にあって、兼業農家の主人が農閑期を利用するとか、あるいは東北、北陸等の出かせぎ等において、適当な職業訓練をするというようなこと等々、幾多の対象が分類し得ると思うのですが、この辺について、総括的なねらい、目標、これを明らかにしておきませんと、なかなか行き届いた訓練は私は不可能だと思う。たとえば、出てきた現象をつかまえて失業者を訓練するということは、これはいとたやすいですが、もっと社会の底辺の、労働需給関係から、生活、産業の盛衰、そのにらみにおいて、この訓練対象を見つけていくというところで、国の施策として私は成り立つと思うのです。その辺について、目標がはっきりしておるのかどうか。具体的に何か文書をもって出しておられるものがあるかどうか。もしあれば、いま御答弁なくとも、その文書を出しておいてもらえば、また検討さしていただきます。
○和田(勝)政府委員 現在の法律制度でございますと、実は安定所に失業者というかっこうで出てこられまして、熱心に求職活動をされるということが前提になっております。ただ、いま先生のお述べになりましたような実情のありますことは、私どもも十分了承しておるところでございまして、実は、そういうことを考えまして、この国会に、かりの名前で申し上げますと、雇用対策法とでも申します法案を提案をいたしまして、ただいま先生の御指摘になりましたような、産業構造の変革に伴う就業構造の変化に伴って出てくる失業者の方々、将来の展望を含めて、そういう方々に対する訓練が円滑に行くような法律制度を新しくつくりたい、かように考えて、ただいま鋭意その立案をいたしておるわけでございますが、その法案の目ざすところは、まさに先生の御指摘のとおりでございます。
○吉田(賢)委員 三十八年度の決算がきょうは審査対象になっておりまするが、三十八年のものが明らかになればよし、ならなければかまいませんが、たとえば四十一年度におきまして、職業訓練につきまして何ほど経費を国家の予算として計上しておるのであろうか。これは三十八、九、四十、ずっと連年上昇しつつあるのかどうか。この辺、簡単でよろしゅうございます。要点だけ。——調べるなら、お調べの間、ちょっとほかのことを聞きます。結局、実施を雇用促進事業団とかあるいは都道府県などで行なうとするならば、都道府県におきましては、最近の経済財政の諸般の情勢から、だんだんと財源が硬直状態にいきつつあります。したがいまして、補助対象というものは、まるがかえなら別として、次第に萎縮しております。こんな情勢下におきまして、一方、労働行政の観点から相当重要にこれを取り上げて、そして実施に支障のないように拡大し得るような体制が、予算措置、財政措置として、地方財政とにらみ合わせて、とられなければならないのではないか、こういうふうに考えるのですが、いかがでしょう。 この二点、両方一括して答弁してもらいたい。
○和田(勝)政府委員 前段の点についてお答えを申し上げます。四十年度、四十一年度と比較いたしますと、技能労働力の確保対策というものの中身のほとんどが職業訓練でございますが、これを総額について申し上げますと、四十年度が七十七億五千六百万円余りでございます。それに対しまして、四十一年度は八十九億四千百万円余りでございまして、差し引き十一億八千四百万円ばかり、四十年度に比較して四十一年度は予算額は多くなっておりまして、この傾向は、実は三十八年度ころから大体同じような傾向でふえてきておるという点をひとつ御了解をいただきたい。 第二の、地方財政の問題でございます。地方財政は、ただいま先生御指摘のとおりの状況でございますので、本年度におきましては、一般職業訓練所につきまして、地方の超過負担をできるだけ解消しようということで、私どもも大蔵省と折衝をいたしまして、大蔵省側の全面的な協力を得まして、おかげさまで大体所期の目的を達成いたしました。その点を申し上げてみますと、一般職業訓練所の人件費、これは運営費でございますが、人件費につきまして、昭和四十年度は十億二千万円の予算でありましたものが、昭和四十一年度は十四億三百万円、三億八千三百万円の増加でございまして、伸び率が三七・五%、これは従来、地方財政の人件費の単価について、国の補助と実際の食い違いがありましたものを大幅に埋めまして、こういうふうな状態になったわけでございます。
○吉田(賢)委員 この職業訓練の問題は、一つは、たとえば原子とか、電子とか、そういった技術革新に伴いまして、仕事の面に大変化を来たすことは当然であります。したがいまして、どんどんと技術革新ができていくその過程におきまして、離職を余儀なくする、あるいは転職を余儀なくする、こういった者がどんどん続出するのでありますから、これはいまおっしゃるような新立法に盛り込まれているのかどうかは知りませんけれども、相当力を入れてやらなければ、それがやはり次第に社会不安の原因にもなりますし、御承知のとおり、アメリカあたりにおきましても、そういったことは、州なりあるいは団体なり、ずいぶんあちらこちらで経費の持ち寄りでやっておるようでありますので、この辺は新しい立法を企画されつつあるというのでありますから、一応それを見ることにいたします。 そこでもう一つ、今度は中卒の場合であります。中卒の場合に職業訓練を一部やっております。やっておりますが、これは大体文部省関係らしい。何とか学校あるいは学級制度、あるいは何々と申しまして、そうして地域別にやっておるようでありますが、こういうものも、むしろ労働省と文部省で、お互いに総合的に一つ目標に向かって進んでいって施設を充実する、こういうことにいたしまして、たとえば兵庫県あたりにおきましても、ある地域には織物産地がございます。織物産地は、中学を出た者をそこへ定職づけようと思いますと、何らか身につけていかなければ、でなければよそに行ってしまいますから、所長さんやその辺が一生懸命になって、研究やら特殊の教育を行なっておりますが、そういうことではとても追いつきません。これは、国の施策といたしまして、中卒の就職について、職業訓練を積極的にやる、工業高校もしくは定時制というのではなしに、一種の短期間訓練をしまして、そうして一定の資格を与える。これは労働省がむしろ主管庁になる。そうして文部省と行政の総合的一体をなして、この需要に応じていくということにする必要があると私は思う。いまのところ、どうもその辺は文部省所管だけで——文部省所管ですと、一種の社会教育ですから非常に弱いです。したがってまた、実施団体が地方にいきますから、地方となれば、ほんの二階から目薬ほどしか実施ができておりません。これは重要な問題です。この点につきまして、これはひとつ政務次官、やはり文部省との間に総合調整をしながら、より強力に中卒などの職業訓練施設、企画もしくは予算措置等が積極的にとられなければならないじゃないか、こう思うのです。この点、つまり予算の面と行政の所管の総合という点、これは重要であります。ばらばらにやってしまっては、いまのようなことでは効果はありません。これにつきまして、ひとつ省議をそういうふうに向けていくというような、そのかまえがほしいと思うのですが、どうでございましょうね。
○天野政府委員 私、労働省へ参りまして、まだ十分勉強ができておりませんが、ことしの大学を卒業する生徒の就職状態が非常に悪い、おそらく推定人員四万人以上失業するのじゃないか。来年も右同断ではないか。その反対に、技能労働力、いわゆる中卒からすぐ就職される技能労働力が二百万人も不足をしておるという状況を考えまして、いわゆる技能労働力確保対策というものに大いに努力をすべきだ、そういう考え方で、政務次官会議の中に小委員会を設けまして、私が委員長でこの問題の検討をやりました。そこで、大学を出すことよりも、中学校あるいは高等学校を出た者に、すぐ職場のほうに出て働くことに誇りを持たせるということが大切ではないか。そういう形によって、いわゆる学歴偏重制度というものを排して、ほんとうに必要な技能労働力を確保するという面に政府は努力すべきだという考え方で、文部省と連携作戦といいますか、連絡をとりつつこの問題の検討をいたしたのでありますが、なかなか思うようにはまいりませんで、いまのところ完全なお答えはできない状態でございますが、労働省といたしましても、この問題と真剣に取り組みまして、中学校を出て働きながら職業訓練を受けるという形、そしてその職業訓練も、一定期間、大体三年間なら三年間受ければ、高等学校を出た者と同じような処遇を客観的に受けられるような立場をつくってやるということが、そういう方向に子供たちを向ける大きな方向転換の意味で、大切ではないか、こういうような考え方をいたしまして、そこにひとつ検定制度というものの改善をはかって、三年間の訓練所の課程を経た者は、高等学校を出た者と同じ資格を与えよと主張したのですが、文部省当局のほうはどうも普通学科のほうが足りないということで、相当歩み寄りはしておるのでありますが、私たちのほうでは、実科八割、学科二割という形で職業の指導をやりたい——それがいまの産業界から受け入れられる大きな形になっておるものですから、そういう方向に進みたいという主張をしたのですが、文部省のほうは、どうしても三〇%対七〇%くらいまでしか譲歩できないということで、いまこれは折衝中でございます。その訓練期間も、いま一年あるいは二年、六カ月というような形になっておりますが、これをできるだけ三年制度に延ばしまして、人格の養成と相まって、訓練の実科を教えるということで、いわゆる高等学校を出た者と同じような立場の者に仕上げたいという構想のもとに、現在省内では努力しているところでございますので、ひとつ先生方にも御支援をいただきまして、大きな教育の方向転換とでも申しましょうか、そういうかっこうに持っていくように努力を続けたいと考えておる最中でございますから、ただいまの吉田先生の御発言ごもっともでございますので、そのようにひとつ努力を続けるようにいたしたいと思います。
○吉田(賢)委員 私どもは、せっかくの血税の予算の効率的な使用ということを非常に重要に考えております。予算の効率的使用をはばんでいる一つの原因は、各省ばらばらに予算の執行をしておる、各省ばらばらの施策を行なっておる、これをもっと全日本の国民の立場から、内閣として総合的にやってもらいたいということを各省に言いたいのです。ばらばらということは、失礼ですけれども、やはり省内でもややその観があります。これはお互いに仕事熱心なあまりでしょうけれども。ですからいまの中卒の場合でも、一体文部省が主になるのか労働省が主になるのかというようなことは、これはやはり内閣の労働行政の最高の方針として決定してもらわなければいかぬと私は思う。この点がうまくいきませんと、結果的にはこうなるのです。たとえば、地方行政の熱心な自治体の長はやりますよ。けれども金がなければやりません。御承知のように、各省は困難ですからやりません。おそらくまた産業でも、中小企業に就職する者には、それはこういう機会はありませんが、しかし一流の大企業は、御承知のように、工場内に訓練所を持っております。大企業は全部持っております。そしてそれは高校卒業の資格もとれるような設備もいたしております。ですから、めんどくさいことを言わなくても、そこに入りさえすればそれはおのずといけるのだ、こういうことになりますので、中小企業の立場から見ても労働力なし、こういうことになります。だから産業経済のありさまから見ましても、やはり力のあるものはそれを握っていく。これをほんとうに補うのは、私は行政だと思う。やはり労働行政の主管庁は労働省なんですから、労働省がイニシアをとって、この種の問題につきましてもっと積極的に——大きなものをつくるのもよろしいけれども、こまかいところに手が届いて、かゆいところに手が届くような、労働施設は重要な問題としてこれは扱ってもらいたい。これはぜひひとつ御希望を申し上げておきたいと思う。 もう一つは身障者の問題ですが、身障者の就職の問題は、これまた非常に重要でございます。わが国におきまして、身障者は、いまの経済界におきましていれられないのです。私の友人も、実は身障者ばかり集めまして一工場をつくったのですよ。つくりましたけれども、結局、それを株式会社にしなければ、親会社のほうは十分仕事をくれないのです。株式会社にいたしましたら、能率ですよ。能率のあがらない身障者というものはとてもだめなんです。結局成り立たない。特殊法人でいけるかというと、そんなめんどうくさいのは、仕事が余っておるときにやるということです。でありますので、身障者の就職の問題、身障者に対する設備の問題、特に職業訓練の問題は非常に重要じゃないだろうか。これもアメリカなどにおきましては、こっちの手のない人はこっちの手で、足の動かぬ人は手で、手のない人は足だけでするというような職場を与えますよ。ここまで身障者に対して十分な施策の行き届いたものができぬだろうか。これはどの程度やっておるか私はよく調査してないですから、質問しては失礼ですけれども、身障者についてはもっとあらゆる角度から——これは御承知のとおり、厚生省あたりにおきましても、身障者に対するいろいろな保護施設がいま問題になっておりますが、ましてや生きていく職場を与えて適当な収入を得るようにすることは、私はこれは労働省の大きな責任だろうと思うのです。これにつきまして、何かいろいろ御説明いただいても時間をとりますから、それについて伺うことがありましたら、おっしゃってください。
○天野政府委員 身体障害者には、重度の者、最高ひどいのは重度で動けない者、すぐに仕事に携われる者等いろいろ種類が——種類というと語弊がございますがございます。そういう点で、文部省、厚生省、労働省の三つの省にまたがる問題で、これが先ほど吉田先生おっしゃったように、なかなか思うようにいきかねる段階でございまして、この三省の連絡を密にいたしまして、でき得るだけの努力をするというかっこうで、いまやっておるのでございますが、具体的な問題については、局長のほうから答弁させますから、御了解願いたいと思います。
○和田(勝)政府委員 総括的なことは、ただいま政務次官が申し上げたとおりです。 具体的な点で申し上げますと、労働省といたしましては、全国に九カ所、身体障害者職業訓練所を経営いたしております。これは国立の訓練所でございます。所在の都道府県に経営は委託しております。四十一年度は、七十三職種につきまして千四百人の訓練を行なう、予算といたしましては、一億八千三百六十九万九千円の予算でもって運営をいたしたいと思います。 なお、身体障害者の雇用の問題につきましては、先生御存じのように、その雇用促進法もございます。それによりまして、職業安定所において、特別に身体障害者の方々に対する職業相談の係を設けておりますことを付言させていただきます。
○吉田(賢)委員 次官に申し上げますが、やはり労働行政はいろいろな問題があるようでありますけれども、私ども、いまのように保護を要するとか、あるいは十分機会に恵まれないといった面に対する特別な行政施策というものがかなりおくれているのじゃないだろうか、どうもそう思われるのであります。 いまの問題にも関連するのですけれども、たとえば老人につきましても、老人がいたずらに老人ホームでひなたぼっこしておるということは、隣に棺おけを持ってくることと同じことなんです。私は、近ごろ、老人も生きている間は何でもしなさい、そして生きがいを感じるようにしなさい、こういうふうに言っておるのです。ところが、東京あたりでは、東京都は若干の施設をしましたけれども、第一、社会が認識しないのです、受け入れないのです。老人がおったらじゃまになるというようなものです。したがって、そういうことについても、これは身障者じゃございませんけれども、一つの適格性の非常に乏しい人でありますので、この辺はやはり労働とそれから厚生と文部——文部はちょっと入りませんけれども、労働、厚生なんかではもっと強力な大きなものを打ち立てまして、やはり身障者と同じように、これは訓練なり、仕事の機会なり、あるいはまた仕事の機会を持ち得るような社会的な受け入れを宣伝をしてやって、そして国民に協力させるというふうにぜひやっていただきたい、こう思うのです。この辺はひとつ御希望として申し上げておきます。老人問題と身障問題は似た一面があるのです。労働能力の喪失とは言いませんけれども、非常に弱いものですから、その辺について、ひとつ特段の施策を推進せられんことを御希望申し上げておきたいと思います。 それから、職安関係についてちょっと伺いますが、職安の問題につきまして、御承知のように、世界じゅうで日本ほど中小企業の多い国はございません。この中小企業の労働事情というものは実に惨たんたるものでございます。景気が悪くなれば中小企業自体が悪くなる。労働者はもちろん寄りつきもしません。またそんな中小企業に一生を託するようなのんきな労働者はございません。したがいまして、労働の需給関係から考えましても、職安が中小企業に対して手の届かないところ、兵庫県あたりにおきましても、中小企業で、一人の労働者を雇うのに十万円くらいかけて雇うのはほんとうにざらなんですよ。けれども職業の自由ですから、雇ってきましてもじっと定着するかどうか、これはまた別問題です。そういうのが中小企業の立場なんです。そこで、職安のほうはこういう問題について、抜本的なといいますか、全面的に責任を負うというような体制になっておりません。だから職安以外にまた社会の職安があります。職安と称しない職安もあります。それは法違反というのでなくしてですよ。でありますので、大企業は自由自在に労働力を吸収し得る。一時帰休なり何なりの制度をぼんぼんと行ない得る。職業訓練もできる。ところが、中小企業は訓練もできなければ、人集めに一人十万円も要る。そしてまた定着するかどうかわからないし、収入は少ないから逃げていくというのが実情なんです。それでは中小企業は浮かばれません。したがいまして、企業の重要な要素の労働を中小企業の場合に定着させる、安定さすという意味において、もっと積極的な職安機能を発揮するということを大胆にやるべきじゃないか。私はこのことは何回も言っているのです。何回も言うているのですけれども、実際は改善されておりません。近畿地方におきまして、労働者の給源地帯といったら四国、九州、もしくは山陰地方なんです。四国、九州、山陰地方は、大企業は、職業安定所以外に就職の機会をつかみ得る種々のルートがありますよ。どこでもみんな職安にあらざる大職安所がありますよ。たくさんの人が別の名によって常置しております。あらゆる名目によって常置しております。職安活動はそういうところはとても及びもつきません。こういう状態でありますので、何か中小企業に対して労働力が適正に供給されていきますような手を、積極的に職安局としてこの際確立しなければいけないと思うのです。これについて何か進展したことがあるのであろうか、いまの構想はどうなっておるのであろうか、予算措置その他においてどうなんだろうか、従来の実績に顧みて、何か改むべきことがあることをお気づきになっておるかどうか、この点をひとつはっきりとしておいていただきたい。
○住説明員 特に新規労働力の確保という観点から見ますと、中小規模はなかなか新規労働力が得られない、こういうことは御指摘のとおりでございます。それで、私ども労働省といたしましては、まず中小企業につきまして労働環境がやはり大企業と差があるというようなこともございますので、いわゆる雇用促進融資という観点から、福祉施設あるいは労働者用の宿舎等につきまして、中小企業に対して特に利率の安い融資を行なっております。それと同時に、全体としての労務管理の問題につきましては、特に集団的な団地の指定をいたしまして、全体として、労務管理あるいは労働条件が向上するようにということで、労政事務所、監督署、安定所等が中心になって、そういう指導をはかって、そのための補助金等も交付いたしておるのでございます。それと同時に、安定所といたしましては、いまも御指摘のように、非常に新規労働力の定着が悪い。大体、調査によりますと、一年たてば二割ぐらいの人がほかに職場を変える、こういうような事態もあるわけでございます。そこで、まず第一に、就職する場合の職業指導をどのようにするかということが非常に問題になってくるわけでございまして、その点につきましては、特に昨年以来、学校等とも十分な連絡をとりまして、職業指導を十分やる、そうしてほんとうに本人の納得した職場が得られるように、またその職場に対する理解を深めておくという体制をとっております。それからさらに、就職後につきましては、特に六カ月間就職先の事業所を安定所の職員がたずねまして、いろいろな就職者のその後の状況等につきまして指導、援助を行なう、こういう体制をとっていきまして、定着を高めるというような体制をとって、今後とも中小企業の労働力の確保、定着をはかっていくというような対策をとっておる次第でございます。
○吉田(賢)委員 やはり中小企業の場合は、たとえば受け入れ態勢にいたしましても、宿舎が完全でないとか、あるいはまたその他の待遇等においてとかく十分でないものがあるから、そういう面について、労働者はいま何を求めているか、比較すればこれは改めなければいかぬのじゃないだろうか、あるいはまた中高年齢等においては家も必要じゃないか、こういうような面につきましても、進んで労働省の職安局が業界の人々と懇談をいたしまして、学校だとかその他との連絡もわかりますけれども、そのほうを主にするのではなしに、受け入れ態勢の上で、この点が欠けておるから、こういうふうに整備しなければならぬというような指導を十分する、こういうことを地域地域でおやりになることが、いまは必要ではないだろうか。といいますのは、たとえば九州の山の中で、一人十万円を投じて十人ばかり人を頼んできたいと思って借金をしていく。ところが、実は向こうで見ている夢は全く違いますから、そこで何か絵をかいたり写真を持っていってしようとしますけれども、それではおっかないということになりますので、こういう水準から見るならば、あなたのほうは受け入れが適当でない、こういうふうにしなさい、こういうふうにしなければいけませんということならば、同時に、その資金は何によって得られるかという資金調達の方法も、設備改善も、あるいは労働者に対する待遇改善の問題も、いろいろな問題がそれぞれ整備充実していくと思うのであります。そういう方面も合わせて、これはやはり職安行政の高い見地から、当然しなければならぬ。審議会あたりにおいてこれを取り上げて、たとえば地域の特殊産業とか、あるいは府県別とか、何か大きく相談し合って、日本じゅうの——東京だけで考えるだけではなしに、実際の地域の受け入れ態勢がこれでは不備である、もっと整備しなければならぬ、資金が要る、資金はこういうものにしたからどうであろうかという、そういうところまでいくのが、私は職安の任務を全うするゆえんだと思うのですが、それはどうでしょう。
○住説明員 全く先生の御指摘のとおりでございまして、先ほど申し忘れたのでございますが、来年度予算案におきまして、金額は二千万円程度でございますけれども、特に安定所を中心といたしまして、求人者の方々と忌憚のない意見を交換するという観点から、安定所ごとに、いま御指摘のような趣旨での協議会をつくりまして、いろいろ求人の際の条件の問題とか、あるいは受け入れ態勢の問題とか、そういった求人の充足、その後の問題、そういうようなことを忌憚なく話し合いができるようにという趣旨で、安定所ごとに協議会を設けるという意味で、来年度予算等にも措置をいたしております。そういう点につきましては、今後御指摘のような線で態勢を整えてまいりたいと考えております。
○吉田(賢)委員 なお次に申すことは、私は前からも言うておることだが、実行しておるかどうかお尋ねしてみたいと思うのです。そういう場合に、堅実な労働組合を活用して、協力していくということも、私は方法としておもしろいことではないか、こういうふうに思うのですが、やはり官庁行政だけではなしに、雇用者だけではなしに、労働組合も、そういう意味においては協力の余地が十分にあると思うのです。と言いますのは、労働者にしましても、たとえば、この地区には島根県の人がたくさん来ておる、この地区には鹿児島県の人が多い、こういうふうなときには、労働者の集団、組織体との間に緊密な連絡をしながら、次の雇用の手を打っていくということも、職安行政の上からも確かに一歩進んだ方法じゃないかと思うのです。そういうことは職安法にも別に違反することじゃないと思うのですが、どんなものでございましょうね。
○住説明員 来年度の協議会等の発足にあたりまして、御趣旨の線に沿って、実際の運用を検討してまいりたいと思います。
○吉田(賢)委員 終わります。
○吉川委員長 次に、山田長司君。
○山田(長)委員 二、三点伺っておきます。 失業保険の被保険者となる対象は、五人以上の職場となっておるようでありますが、これらの職場は、いわゆる中小企業の場合がほとんどかなりの数になっておると思うのです。そういう少人数で働いている労働者のおられるところに、どういうふうなことで勧誘をされて、保険に入るような努力をされておるのか。
○住説明員 御承知のように、現在、失業保険の適用は、五人未満の零細な事業所は任意適用になっております。そこでできるだけ事業所の規模の大小を問わず保険に加入していただくことは、保険の趣旨から当然でございまして、そのために、実は一軒一軒が入りますと事務的にも相当負担になりますので、そういう事業所が保険のための事務組合をつくっていただきまして、一括組合で加入をする制度を現在実施いたしておりまして、そういう制度を通じて、できるだけ零細な事業所が保険に加入していただくようにいたしております。なおこの場合は、労働者関係の保険といたしまして労災保険もございますが、失業保険と全く同じでございますので、労災保険、失業保険一体となりまして、そういう制度によって、加入を促進しておるような次第でございます。
○山田(長)委員 被保険者の対象として、農業もこの中に入ると思われます。そこで農業の近代化に伴いまして、畜産の仕事あるいは養鶏の仕事あるいは林業、水産の仕事、これらに対して、やはり同じように五人以上の人たちがおられると思いますが、これらはどういう形で、安定所ではやられておられるのですか。前に私が申し上げましたような趣旨にいたしましても、なかなか困難だと思われますけれども、しかし農業が最近近代化してきて、かなり大ぜいの人たちが働いておるやに見受けますけれども、これはどういうふうな形で勧誘の対象にいたしますか。
○増田説明員 農業につきましても、御承知のように、任意包括加入でございまして、強制適用ではないわけでございますが、やはり任意加入のできますところにつきましては、目下現在におきまして相当加入をしております。農業だけの数は、ただいま手持ちはございませんが、農林水産につきましては、任意包括加入で八千七百事業所が現在加入をしておるわけでございます。そのほか農業法人が設立されまして、失業保険の適用をしていただきたいという希望もあるわけでございますが、これらの適用につきましては、いろいろ慎重に考えたいというふうに考えておるわけでございますが、現在約五十程度のものを認可をしておるわけでございます。なお給付でございますが、給付につきましても、いまの農林水産業につきましては、収入が四・一億でございますが、給付は、その約四倍の十五億程度が給付をされておるような状況でございます。
○山田(長)委員 任意加入であって、強制加入でないようでありますが、この点はやはりもっと積極的に、農業の近代化が推進されます以上、かなり養鶏の仕事や、畜産の仕事に大ぜいの人たちが働いておるわけですから、やはり労働者として当然これを対象にして加入をせしめるべきものと私は思います。この点については、事務当局でなく、ひとつ政務次官からお聞きしたい。
○天野政府委員 強制加入でないもの、いわゆる五人未満の事業所に対しましては、任意加入になっておりますが、でき得るだけ行政指導を強くいたしまして、先ほど参事官のほうからお話しいたしましたように、連合体のようなかっこうで組合のような組織をつくりまして、慫慂するといいましょうか、できるだけ多くの理解を求めて、加入をしていただくように努力を続けておるわけでございますから、それをより強化いたしたいと思います。
○山田(長)委員 やはり労働者である以上、当然加入の対象にして、積極的に進めていただきたいと思うのです。 それから、吉田さんがさつき質問されました教育の問題です。これは文部省とどういう形で労働省が職業訓練等されておるのかわかりませんけれども、社会主義のソ連の制度というものを、私一は、学ぶべきものは取り入れたらいいと思うのです。私はあそこで、大学に入るのはどういう制度で入ってくるのかということを質問しましたところが、一応全部、高等学校を終わった者は二カ年間の義務の労働をさせる。その二カ年間の義務の労働の過程の中から、何が向くかということの発見をする。それでその向いた仕事の方向へ進めてやるというようなことを言われましたけれども、これはずいぶんむだのないことだと私は思うのです。日本ではいま盛んに試験が行なわれておりますが、日本の教育の制度を見ますと、一族あるいは親兄弟のために、どうしてもあの学校に入れなければならぬというような、つまらぬメンツのために入れる努力を親がし、あるいは親戚みんながしておるというような事例がたくさんあります。それから、好まざるところに入っているから、出てきてからもさっぱり役に立たない。かろうじて出てきたというようなことで、肩書きだけを重要視するというような事例がたくさんにあるのであって、やはりむだのないように教育するためには、みえのために卒業させるのではなくて、役に立つ人材をつくるための教育でなければならぬと思うのです。いま職業教育を労働省がされておるが、これは出てきてから実際にほんとうに役に立つ教育だと思います。この教育の制度を、文部当局はもっと積極的な取り入れ方をされて——大きな職場では、みんな思い思いの自分のところの教育をしているようでありますけれども、これが労働省と文部省と不離一体の関係になられて、そして意義のある教育をしたならば、もっと有効な人たちが職業の上から生まれてくるだろう。学校の卒業者——訓練所といっても、実際は学校ですよ。学校という名前をつけずにおるので、何となしに、妙な機構の中から職業教育を受けた人が出てくるような印象ですけれども、これは文部当局と労働省とでは、こういう特殊な教育をするときに、どういう形の折衝をされるのですか。ひとつこの点について伺っておきます。
○和田(勝)政府委員 ただいま先生の御指摘のありました学校教育と職業訓練の問題は、最近特に、いま先生のお話しのような観点と合わせまして、技能労働者の従来の給源でありました中学校卒業生には、中学校を卒業してすぐ職場に働くという人がだんだん減ってまいりました。それは非常に進学率が高くなりました関係もございます。このまま推移をいたしますと、実は多少ことばが過ぎるかもしれませんが、ホワイトカラーばかりの労働者ができるということでは、わが国の産業構造全体の上で非常にゆゆしい問題があるだろう、かように私ども考えるわけでございます。そういう観点に立ちまして、それといま先生のお話しのようにむだのない教育をするという二つの観点から、文部省といろいろお話し合いをしておるわけであります。文部省のほうとされましては、学校教育における人格の陶冶、それから、基礎的な人格養成というようなことに重点を注いでおられるやに伺っております。私どものほうは、どちらかと言いますと、それも非常に重要なことでございますが、出られてすぐ職場で役に立つような実物教育をしたい、こういうのが労働省の考え方でございまして、多少スタンド・ポイントが違いますので、その間におきます調整ということがどうしても必要になってまいるわけでございます。特に現在時点において問題のございますのは、いわゆる後期中等教育の段階でございます中学校を卒業して高等学校のときの教育をどうするか。いまはどちらかと言いますと、普通高等学校が多うございまして、大学へ進んでいくというかっこうでございます。そこでもう少し職業教育的な色彩を色濃く取り入れていただいたらどうかというのが、私どもの文部省に対する一つの考えでございます。これにつきましては、教育審議会のほうでただいま御検討のようでございます。教育審議会には私どもも出まして、いろいろ意見を申し上げておるわけでございますが、この教育審議会のほうの答申が出ますのと、また私どものほうに職業訓練審議会というものがございますが、これにつきまして、私どものほうから、職業訓練全般のあり方につきまして御諮問を申し上げております。これも間もなくその姿が出てくると思いますので、この二つの審議会の結論がそれぞれ出ましたところで、さらに私どもといたしましては、文部省の事務当局と十分話し合いをいたしまして、学校教育と職業訓練のむだな重複を避けつつ、しかも労働省から申しますと、それぞれ所要の技能労働者が確保できるようなコースにはめ込んでいきたいということで、今後さらに文部省との接触を続けてまいりたい、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。
○山田(長)委員 これは参考にしていただきたいと思うのですが、労働省の場合、ただいまのように、比較的職業訓練所の教育を受けた人たちが実社会に出て労働に従事されておるわけでありますが、宮崎で、一般教育課程の農業高等学校を卒業した百二、三十人の人たちが、銀行及び商店、会社に行ってしまって、実際に農業に従事した人たちは二名であったという事例がある。せっかく農業に携わる人たちを、そうしてしかもりっぱな金をかけておきながら、卒業した場合には、会社や商店にみんな行ってしまうという事例があるのですから、これはやはり労働省におきましては、いまやっている訓練所はむだではないけれども、何とかそれをもっと高度の魅力のあるものにしていけば、そこを出た人たちが誇りを感じながら実社会に出ていくだろうと思うのです。私がいま申し上げましたように、農業高等学校を卒業した人たちが会社や商店に行ってしまうというのではもったいないと思うのです。これはやはり農業に希望を失わせているから、こういう結果が生まれると思うのですけれども、これは一宮崎県に起こった事例ではなくて、全国的にこういう事例があると思うのです。むだのない教育をするためにも、いまの審議会からいかなる答申が出るかわかりませんけれども、やはり希望を持たせてやれば、喜んで若い人たちが訓練所の課程を経て、実社会に出て働くと思いますから、どうかひとつ労働省におきましては、こういう希望を持った前途ある青少年の進んでいく教育課程をつくり上げるような訓練所——訓練所といっていいかどうか、おそらくこれは訓練所と呼ぶべきでなくて、学校といっていいと思うのです。魅力を出させるために、どうぞその点を文部省と折衝していただきたいと思います。希望ですが、当局に一考をお願いいたしたいと思います。
○天野政府委員 山田先生の考え方と、私同じなんです。それで実は労働省に参りましてから約半年の間、この問題で終始一貫暮らしてきたと申し上げて差しつかえないと思うのですが、やはり根本的に日本の教育の制度というものを改めなければだめだというところで、壁に突き当たってしまったわけでございます。少なくとも、壁に突き当たった現在の教育制度を根本的に改革できないならば、やむを得ないから、労働省所管でやっている職業教育というものに、いま先生のおっしゃるように、魅力を持たせる形にしたい。御案内のように、世界の技能オリンピックで優勝して、金メダルをもらって帰ってきても、その事業所あるいは国から表彰を受けたりしますが、扱い方としては、その職場を終わるまでは、中学校を出た者はマル中じるしというしるしがついて、どんなに技術が優秀でも、高等学校を出た者を追い抜くことができないし、大学を出た者を追い抜くことができないという日本の弊風を打破しない以上、この問題の解決はむずかしいと思います。それで、希望を持たせるにはどうやるかということで、学校ということを考えまして、技能学校、あるいは技能学院でもいいから、そういう制度にして、すぐ一般大衆から乗ってこられるような制度にしたらどうだろうということも目下検討中でございますし、それを出た者を、いわゆる正式の学校卒業というものを単位に、現在客観的に扱っている状態においては、どうしてもそこに問題が残ってまいります。訓練所には二つございます。三年制度のものと、職業訓練大学校というものがございまして、これを両方合わせて一般の高等学校、大学を出たものと同じ形のものに持っていきたいという考え方で、鋭意研究をいたしたのでございますが、現在の制度上では非常に問題がございまして、まだ結論は出ておりません。そこでやむを得ず、これは私の構想でありますが、検定制度を別途考慮をして、訓練所を出た者に国家試験で検定をやる。一級検定、二級検定、三級検定と検定を設けて、その検定を経た者が、昔の普通文官とかあるいは高等文官の試験に該当するような権威を持たせるようなものにして、職業教育に重点を置いたらどうだろうかということで、今年度予算に計上をされまして、調査中でございまして、今年度中に何とかよりよき結論を得たいと思っております。ドイツもイギリスも大学が三十そこそこしかないのに、日本では六百数十、ことし大学の急増対策で約四万近くの増募をするために、おそらく七百をこえる大学になるということは、日本自体としても根本的に考え直しをしなければならないところに来ているのではないかと思います。どうかひとつそういう点につきましては、前向きで私たち一生懸命に努力をいたしますので、先生方にも格別な御協力を願えればたいへんけっこうだと思いますので、よろしくひとつお願いを申し上げます。
○山田(長)委員 政務次官、だいぶ希望を持っておられるようなので、期待を感じますが、この機会に、私は一応参考までに、高等学校の教育のあり方について、こんな事態があるのだという事例を一つ話しましょう。 実は高等学校を卒業する年齢の三年の生徒——学校の名前を言うことはやめますが、実は県立とか私立とかいうのを全部おっこちた学校の生徒を拾い込む学校がある。そこで、その学校の実態を調べてみたところが、出席さえすれば、とにかく高等学校の卒業証書を出すというのです。それで、私は全く信用しなかったのでありますけれども、掛け算と割り算の九々が、高等学校三年生になってもまだできないのがおる。そういうまれに見る高等学校が地方にあるのです。やはり金があったということで、たまたま寄付金をして卒業ができるという、一方にはそういう事態がある。ところが、工業学校を出たってできない旋盤を扱いながら、実際に実務に携わっている訓練所がある。いま、その訓練所の人たちは、そこを出て、かなり重要な役割りを果たしているようですが、いま言われるように、何らかの検定制度があるならば、これらの人たちはほんとうに恵まれて、世の中へ出ていく希望を持っていくだろうと思うのですね。そういう制度がこの工業労働に携わっている、訓練所を出た人にないというのはおかしいですよ。いまあなたが言われるように、そういう制度を設けるという希望もお持ちのようですから、私はこれは非常に期待をします。どうかこれらのことをひとつ推進をして、りっぱな労働者が高等学校、大学を出た者と同じような資格がとれるように、ひとつ進めていっていただきたいと思うのです。これは希望ですけれども、いまのあなたのお話を聞いて、私非常に期待を持ちますから、どうぞひとつ間違いなく実現のできるように御努力願います。
○天野政府委員 検定制度は現任あるにはあるのです。これは二段階にわたってあるのですが、その検定制度自体では、いま申し上げましたような内容のものを扱うのはむずかしいようでございまして、そういう点で新たなる検定制度を設けようということで、調査費を計上した、こういうわけでございますから、その点御了承を願っておきたい。
○吉川委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 さっき吉田委員が触れた、例の身障者の職業訓練ですね。その訓練の結果の就職率、これは自家営業もあるだろうし、就職する者もあると思いますが、どういう状況ですか。
○和田(勝)政府委員 正確な数字は手元にちょっとございませんが、大体、従来、訓練所修了者の九割くらいが就職いたしております。
○中村(重)委員 現在の身障者の数と、それから就職していない者の比率、それはどういうことになっておりますか。
○和田(勝)政府委員 ただいまのは、訓練所を出た者でありますか、身体障害者全体のことですか。
○中村(重)委員 就職していない者です。
○住説明員 現在、安定所で身体障害者として登録しておる者の全体数は五万二千名でございます。特に身体障害者につきましては、就職した後でも、安定所としてはできるだけアフターケアをやる、こういうたてまえをとって、登録をいたしておるのでございますが、その登録者中、就職しております者の数が三万九千名でございます。それから、現在就職できないで、安定所で就職活動をしておる者の数が約一万名でございます。現在、安定所の状況はそのようになっております。
○中村(重)委員 私が調査をしておるのがあるのだけれども、きょうは資料を持ってきていないので、私の調査をしているのと違うのだけれども、また別の機会に説明いたします。安定所のほうに登録をしていない身障者、並びにその就職していない者の数は膨大な数にのぼっております。それで、さっきの答弁では、四十一年度で全国九カ所の職業訓練所ということでありましたが、それと千四百名というのはあまりにも少ないと思います。どういう基準で、千四百名というのを四十一年度で訓練しようとするのか。これは予算要求をやって、大蔵省のほうで、その必要がないということで削られたのか、あなたのほうから、千四百名が適当であるということでお出しになったのか、その点はどうですか。
○和田(勝)政府委員 実は千四百につきましては、かくかくの基礎でどうというほど正確な資料でやっておらないという点について、まことに申しわけないのでございますが、従来からやっておりまして、四十年度には一カ所北海道に新設いたしました。本年度は、既設の訓練所に三職種の増加をする、定員はわずか六十人の増加になりますが、そういうようなことでございまして、ただいま住参事官から申し上げましたような全体の数字から申しまして、非常に微力であることはまことに申しわけないと思います。今後、安定所に出てくる身障者の方々の意向を十分に調査した上で、私のほうとしては、訓練所の拡充に努力してまいりたいと思います。
○中村(重)委員 身障者の問題は、安定所に本人の意思によって登録をしてくる、そういうものだけを扱うという態度ではだめだと思います。もっと積極的な取り組みが必要です。それからせっかく訓練をしたならば、その訓練をしたものを、そのまま一〇〇%生かして就職させる、というような取り組みをされる必要があると思います。身障者の問題について、現在採用する場合に、義務づけられてないということが問題です。義務づけをすべきであるということは、身障者が強く望んでおることだし、また社会保障的な面からいっても、当然政府自体がもっと法改正をやって、必ず身障者というものを何分の一か採用しなければならないという強制規定に変えなければならぬと思います。そういう点について、天野政務次官どうですか。
○天野政府委員 いま中村先生のおっしゃるとおりでございまして、この問題は扱って非常にむずかしいと思うのです。自立自営するという形であるならば、訓練所を経てそのままけっこうだと思うのでありますが、職場に出るということになると、健康な人と同じ職場で同じ仕事をやるということになると、非常に問題があります。そういう点で、私はもうちょっと大きく考えて、身障者を就職せしめる事業場に対しては特段の措置を講ずるというところまでいかなくては、この問題の解決はできないという考え方を持っておりまして、この問題について、日は浅いのですけれども、鋭意努力を続けております。客観的に言えば、非常に努力が足りないのじゃないかというような御意見もあろうかと思いますが、厚生省とのかね合い等もございますし、私たちのほうで独自にやれるものについては、一応安定所に求職をしてくる者の始末すらもまだ満足にできないという段階で、先生のおっしゃる、その他の潜在しておる身体障害者も非常に多いわけですから、それを全部という段階にまではまだ至っておりませんが、福祉国家の看板を掲げている現在のわが国といたしましては、この際やはり十二分に、とにかくやるべきだという考え方のもとに、労働省の内部は一致いたしまして努力を続けておりますので、この点はひとつ格別な御協力を、私のほうからお願いを申し上げておきたいと思います。
○中村(重)委員 政務次官の答弁はそれなりに前向きなんですから、それはいいことだと思います。これは、もちろん全般的な問題は厚生省になるのですね。しかし、これは厚生省だけの問題ではなくて、労働省、厚生省、政府全体が身障者の問題にもっと積極的に、あたたかい気持ちを持って取り組んでいく態度でなければだめだ。身障者というものは、何も慈悲を求めているわけではない。自力更生、とにかく明るい生活をしたいということを望んでいるのだから、そういう点については、もっと積極的な努力を望んでおきます。いずれまた適当な機会にお尋ねいたします。 それから、もう一点お尋ねいたしますが、失対関係、先ほど御説明を受けてわかったのですが、雇用促進事業団の不用額の問題ですね。就職促進特別対策費、それから失業対策事業費補助、こういうものが不用額として先ほど御説明があったわけです。私はこれをふしぎに思っているのですけれども、雇用促進措置を受けたい者が相当多いのです。それから失業者というものも非常に多い。にもかかわらず、この雇用促進の対策費であるとか失業対策事業費が余っているというのは、これはどういうことなんですか。まずこれを説明していただきたい。
○住説明員 御指摘の、失業対策事業費あるいは就職促進特別対策費の不用の問題でございますけれども、御承知のように、就職促進特別対策の関係につきましては、三十八年に法律改正が行なわれまして、私どもといたしましては、その趣旨の普及等につとめておったのでございますが、準備の都合、それから実際の普及の関係、それと同時に、御承知のように、三十八年、三十九年は雇用情勢がきわめて好転をしておった時代でございます。そういうような観点から不用を立てるに至りましたのでございますが、その点につきましてはまことに遺憾でございまして、その後、趣旨の徹底その他をはかっているところでございます。失業対策事業費につきましては、従来も不用に立ったところを、あるいは予備費等で埋めた時代もあったのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、全体として失業情勢が好転をしておった時代でございますので、不用額を立てたような次第でございます。
○中村(重)委員 どうもいまの答弁は事実に相違すると思う。あなたのほうで雇用促進につとめなかったとは、私は言わない。しかし、好転しておった当時であるから、この就職促進措置というものが必要ではなかったのだ、結局不用額が出た、そういうことじゃないのじゃないですか。実際は、あなたのおっしゃるとおり、三十八年に失対二法なるものが改正された。そこでこれは非常に関心を集めた法律案であったわけで、あなたのほうでは相当それに対して気負い込んだという点があるのじゃないかと思うのですが、失対に対して新しい者は入れない、入っておる者は出す、こういう取り組みをしておったということは、私は否定できないと思う。それで、就職促進措置というのは、申し上げるまでもなく、指導コースそれから訓練というものがあるでしょう。それに希望する者がたくさんおるわけです。これを入れたら、雇用促進特別対策費というようなものは当然必要になってくるわけだから、余るようなことはない。そういう希望者があるのに、それを締め出して入れない、そういうことから、実際はこの費用が不用になったのでしょう。どうなんです。
○住説明員 御承知のように、就職促進の措置につきましては、三十五歳以上の失業者ということで、その失業者が誠実かつ熱心な就職活動をする、あるいは所得が一定額以上の場合は、手当の関係でございますが、支給をしない、こういう要件がございまして、その求職者で措置を受けようという希望をなさる方につきましては、その要件に従いまして、措置の対象者にするかどうか、こういうように決定をいたしまして運用をしておることは、御承知のとおりだと思います。
○中村(重)委員 そういったいろいろの条件があるということはよく知っております。ところが、私が指摘しましたように、どうも雇用促進措置の対象にしない、できるだけこれを押えていこうというような取り組みがあるんですよ。具体的な問題として申し上げますけれども、長崎県の江迎でたいへん問題になりました。このことについてあなたは御存じでしょう。それがいまのあなたのお答えのようなことに、実際はなるのかどうか。私がいま指摘したような、締め出すという形になっていないのですか。その点どう思いますか。
○住説明員 先ほども申し上げましたように、国費をもちまして手当てをし、そして念入りな就職指導を行なうわけでありますので、失業者の認定につきましては厳正に行なっておるのであります。御指摘の長崎の例につきましても、いろいろ紆余曲折等もございましたけれども、要件に合致しておられる方につきましては、措置にのせたと記憶いたしております。
○中村(重)委員 お答えはたいへん苦しいのだけれども、私が知っておるから、たいへん苦しいお答えになるだろうと思う。実際あなたは、先ほどああいったような答弁をされたのですけれども、きわめて不安定な職業を——就職ということにもならないと思うんだけれども、何か左官のこどりであるとか、きょうは働いたんだけれども、あすはどうなるかという、そういうきわめて不安定、また請負業者にしても、小さい請負業者、また下請といったような、そういう不安定なところに働いておるそういう人は、当然これは安定した就職を求めたい。だから、雇用促進措置ということを求めて来るのはきわめて当然だ。そういう者を、現実に働いているのだから、これは入れないのだということで締め出したことは、これは否定できないでしょう。だからあなたが言われたように、紆余曲折という形になったのですね。それで、これはあなたのほうでも十分調査をして、指導してもらわなければならぬと私は思うのですが、一たん職安の所長が、これは雇用促進措置の対象にすべきでない、みずからの主観で、そういうことを認定をするということになるのですか。そうすると、あとでいろんな事情を持ち込んできても、そういうことは間違っている、だから当然これは雇用促進措置でもって救済すべきであるというようなことを要求するのだけれども、ともかくなかなかそれに耳をかそうとしないのだ。そういった点は十分指導をして——そしてこういう不用額が出るくらいだから、予算だってあるわけです。役所はえてして、予算がないから何とかしたいなと思っておってもこれはできないと言うことがある。予算まで余しているのですね。だから、そういう窮屈なことを言うのではなくて、この雇用促進措置といわゆる就職指導、訓練コースというものに当然のせて、これは他の安定した職場につけるか、あるいは実情によって失対事業というものに就労させるか、このいずれかにきめていくという取り組みでなければならぬと私は思うのです。そういう点について、遺憾なくやっているようにお思いですか。
○住説明員 御承知のように、就職促進の措置は、まず失業者から措置の対象者にしてほしいという申請がございまして、そして法の要件に合致しているかどうかという認定を行ないます。認定は行政処分でございますので、一つの処分として行なわれるわけでございますが、それに対して不服の場合は、不服審査の方法で救済の手段がとられておるのでございます。安定所長の認定の行政処分がすべてが正しい、こういうようなことは、もちろん場合によっては間違いがあるという場合もあるのでございますが、そういう場合は、認定する際に、こういう道もあるからということは十分求職者に徹底するようにさせております。したがいまして、そういう点にかりに間違いがあった場合の是正措置についても、そういう手段によって救済をする、こういう方法で考えておる次第であります。
○中村(重)委員 それはいまあなたが言われるように、認定にあやまちがないということは言えない。だから他に方法があるのだ、そのとおりです。一応法はそうなっているのですね。ところが現実の問題として、そういうことが可能かということです。なかなかそうはいかない。ましてや、何か二年でも三年でもかかって裁判でもして、そして就職をすればよろしいなんというゆとりはないのです。あすの生活をどうするかという深刻な問題なのです。安定した職場もないのだ。だからせめてこういう失対二法の改正というようなもので——たいへんこれは問題になった。これは失対事業から締め出すものだということであったのだけれども、労働者はそうじゃないのだ、こういうことで安定した職場に働かせようと実は考えておるのだ、だから指導コースだとかあるいは訓練コースというものがあるじゃないか、こういうことをあなたのほうではPRをされたのです。委員会でもそういう説明、答弁に終始されたのです。ところが、この法律が強行採決というような形で結局実施されることになった。なったところが、現実には、私どもが指摘したとおりに扱われてきた、とこういうことなんですね、実際は。そうであってはならぬと私は言うのです。だから、あやまちがあるということは私は当然だと思うのだから、そういう場合にはやはり十分調査をして、そしてできるだけ救済していくということでなければならぬと私は思うのです。そういう点は、労働省自体が、必ずしも窓口に対して冷酷無情に扱えというような指導をしておるとは思わぬけれども、実際にはきわめて融通のきかないような運営をやっているから、そういう点は十分あなたのほうでも指導してもらわなければならぬと私は申し上げておる。だから、せっかくのこういうような制度というものを生かしていく、そしてこういう不用額なんというものは、ほんとうに必要がなくて不用額として出たならばわかるけれども、実際私が指摘したようなことがあるわけなんだから、そしてその不用額があるということは、私は好ましいことではないと思う。政務次官、どうなんですか。
○天野政府委員 御趣旨のとおりだと思います。まあいろいろその現実の問題、私はよく承知しておりませんので、答弁するわけにはまいりませんが、事実間違い等がございましたならば、これを善処するように指導もいたしますし、そういう点で安定局のほうを十二分に督励いたしまして、そういう形へ持っていくように努力いたしたいと思います。
○吉川委員長 華山親義君。
○華山委員 伺いますが、私はちょうどこの昭和三十七・八年ころ地方の庁におりましたけれども、その際に、安定所を新築するというふうな場合に、その所在の市等に対しまして、安定所の建築に対して金を出させている。これはどういうことなのか。国が当然安定所の新築はなすべきものじゃないか。どういうわけでああいう金の負担をさせるのか。そういたしますと、その市では自分のところで負担にたえませんので、町じゅうから寄付を集める。そういうことでも足りない。すると県庁のほうでもある程度の金は出してやる、こういうふうなことが行なわれておるのでございますけれども、こういうふうなことは、地方財政法の違反だ、なぜそういうことが行なわれておるのか、お伺いいたしたい。
○天野政府委員 ただいまの件でございますが、以前はそうしたこともあったかも存じませんが、最近は絶対そういうことのないようにいたしております。この点は誤解のないようにお願いいたしたいと思います。以前のことは私よくわかりませんが、最近の実態は、地方から協力させるというようなことは絶対いたしておりませんので、御了解願いたいと思います。
○華山委員 今後ともしない御方針でございますか。
○天野政府委員 そうです。
○華山委員 ひどい状態だったものですから、御注意申し上げまして、今後改められるならば、それでいいと思うのでございます。 ついでに一つ伺っておきます。私は執念深く出かせぎ者の問題をやっておりますが、その中で一つだけここでお聞きいたしておきますけれども、私のところでは一月十五日の成年式というものはやりません。これは市等においては別でございますけれども、町村等において、あるいは小さな市等においてはやれない。ということは、成年式に出られないで、多くの未成年者が都会に出かせぎに来ているという状況なんです。そしてそれらは何を覚えていくのか。たばこをのむことを覚えていく、そういうふうな状態で帰ってくる。青少年教育などということは、もうそこで全然だめなんですね。そのことにつきまして、前時代的なああいう飯場等に入っているところの、その問題から解決しなければいけないのですが、青少年につきまして、どういうふうな考え方で指導なりあるいは保護なりをしておられるか、お伺いをいたしたい。
○天野政府委員 むずかしい御質問で、私自身、まことに恐縮なんですが、こまかい点まで勉強いたしておりませんので、御期待に沿うような答弁はできかねるかと存じますが、そうした風潮であることは事実のようでございまして、この問題につきまして、働く者がその働く地域で労働されておるうちに、いろいろな形に染まないようなかっこうで、青少年のホームとか、そういうものを労働省といたしましてつくりまして、できるだけそういうものを活用することによって、少しずつでも、悪くなっていく者を防ぐような努力をしておるような状態でございまして、具体的な例でもございますなれば、その問題についてとくと研究をいたしまして、努力してまいりたいと思うので、どうぞよろしくお願いいたします。
○華山委員 具体的な問題じゃないんです。青少年が、とにかくたくさんいなかから出てまいりまして、飯場で働いているわけです。決してそれらの人にいい影響を与えるわけがない。しかも、この間委員会で私はお聞きしたのでございますけれども、大体千の事業場につきまして一人の監督官——こんなものは監督がないみたいなものです。目が全然届かない。それですから、飯場で働く労働者につきましても、私は非常に気の毒だとは思いますけれども、特に青少年について、私はたいへんなことじゃないのかと思うのです。それだから、私は二年前から言っている。とにかく農村において、そういう青少年が働かなければならないような農村に現在なっているんだから、地方において土木事業を大いに興して、そうして冬場はそこに団体として青少年だけでも収容して、そこで仕事をするようにしたらいいじゃないか。あるいは東京においても、大きな仕事場を国の直轄事業として営んで、そしてそこには未成年者だけでも集めて、教育かたがた仕事をさして、ある程度の給料をやってくにに帰すような方策をとったらいいじゃないかということを二、三年前から言っているけれども、少しもやらない。青少年教育などということを、政府が——ことばは過ぎるかもしれませんが、全くことばの上だけでもって、実行は少しもしてないんじゃないか。彼らは東京に来てばくちを覚え——東北には、農村にはばくちなんかありませんから。ばくちを覚え、酒を覚え、たばこを覚えて帰るじゃありませんか。なまいきになって帰る。そういう実態をどうして救うのか、さっぱりじゃないか。考えてもらいたいと思うのですが、いかがでございますか。今度の予算あたりでやれませんか。
○天野政府委員 華山先生の御趣旨、よくわかります。それで前々からそうした御意見を出されておるという点につきまして、いまだ実行の段階に少しも入っていないというお話のようでございますが、事務的にどういう形になっているのか、これから調査をしますから、ひとつその点で御了承願いたいと思います。
○華山委員 それじゃやめますけれども、次官がそういう御答弁をなさるほど、とにかく青少年に対して統一したものの考えが政府にないんですよ。私は反省を求めまして、それじゃ——やらないつもりだというのならしかたがありませんから……。(天野政府委員「やるのだ」と呼ぶ)すぐはやらないのでしょう、ことしは予算がないのだから。
○吉川委員長 華山君の御発言、ごもっともだと思いますから、委員長から、総理府所管のように思いますので、よく申し伝えておきます。
○華山委員 よろしくお願いいたします。
○吉田(賢)委員 ちょっとさっき発言を落としましたので、二、三分、簡単でございますから……。 学生アルバイトの問題は、これは非常に重要なことでございまして、東京都はもちろんでありますし、並びに大学等もさることながら、高等学校あるいは高等学校を卒業した者、こういった学生並びに生徒という範疇に入れ得るようなものに対しまして、学校だけのあっせんとかいうことにまかすのではなく、また町の何々団体というのにまかすのではなくて、労働省が進んで、学生、生徒にあらゆる適職を適時に与えていくということが非常に大事な問題であろうと存じております。外国あたりにおきましては、暑中休暇などは全くアルバイト一本でやっているということをよく聞くのであります。わが国におきましても、アルバイトがだんだんと地についてきたかと思いますけれども、これはひとつ政府として、労働省としまして、積極的に何か大きな施策としてこれに対処し、それぞれの方面と連絡をとりながら、学生、生徒のために、適時、適職を与えていくということに指導あっせんしてはどうかと思うのですが。この点いかがですか。
○住説明員 実は学生の臨時的な就職のアルバイトのあっせんにつきましては、現在安定所も特にそういう簡易職業紹介という組織を設けまして、大都会を中心にしてやっているのでございます。先生御指摘のように、そのほかに学校あるいは財団法人による紹介、いろいろな形態がございます。ただ御指摘のように、そういった正規の団体でないものの行なう紹介につきましては、厳重に規制をしてまいりたいと思っておりますが、いずれにしても、現在の態勢はそういうような態勢で、必ずしも総合的とは申し上げられないような実情でございます。今後、やはりいろいろ中高年齢層の失業者の就職問題等がありますけれども、全般的には、やはり労働力が不足だ、こういうようなこと等も考えられますので、学生のアルバイトをどうするかということはきわめて重要な問題になるかと思います。ただいまのところ、そういう意味での積極的な対策と申しますか、総合的なものは持っておりませんが、御指摘の線に沿いまして、十分考えていきたいと思っております。
○吉田(賢)委員 次官にちょっと御希望を申し上げておきますが、これはやはり優秀もしくは少し訓練すれば優秀になるような年齢層のアルバイトであります。そういうアルバイト、労働力を、どうしても社会のあらゆる産業もしくは職場につけるということは、国家の産業経済の上から考えても重要であります。ぜひひとつ、この点を積極的に、労働省の一施策として取り上げる方向へ持っていっていただくことがきわめて大事な問題であるかと考えます。そういうふうにひとつ御希望申し上げておきたい。
○天野政府委員 吉田先生の御趣旨に沿いまして、省内で意見をとりまとめまして、でき得るだけ前向きで努力したいと思います。
○吉川委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十九分散会