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51回国会衆議院1966/02/25

外務委員会 第4号

発言数
40
登壇者
6
会派数
2
開催日
1966/02/25

会議録

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 これより会議を開きます。  委員長は本日所用のための御出席されませんので、委員長の指名により、理事である私が委員長の職務を行ないます。  千九百六十二年の国際小麦協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。戸叶里子君。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 ただいま議題となりました一九六二年の国際小麦協定の有効期間を一年延長するという議定書について、二、三の質問をしたいと思います。  この協定は、ことしの七月三十一日までの一年の延期でありますが、この協定の内容を変更することなくこの協定を一年間延ばす、そういうことでこの議定書が採択されたわけでございますが、去年の三月二十二日から四月二十三日までの間に協定の締約国の署名のためにこの協定が開放されたということが説明書に書いてあるわけでございます。日本の国としてはこの協定に加盟しているのですから、当然昨年のうちにでもこの協定を国会に出して批准を求めてもいいのではなかったかと思いますが、ことしの七月三十一日という非常に迫った今日、これを出されました理由、去年出さなかった理由はどういうところにあるのか、伺いたいと思います。

正示啓次郎自由民主党外務政務次官

○正示政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘のような関係になっておりましたが、わが国といたしましては、昨年四月二十一日に署名をいたしたのであります。発効日たる昨年七月十六日までに正式に協定上の手続を完了することができなかったので、この協定議定書の第三条(3)で認められておるいわゆる暫定適用のための通告を行なった次第であります。その結果わが国は本年七月十五日までは暫定的に締約国とみなされ、協定は暫定的にわが国について適用される、こういうことになったのでありまして、それまでに国会の承認を得て受諾書を寄託すればよい、こういう関係になっております。したがいまして、今回の国会にこれを提出いたしまして、御承認を求めている次第であります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私が伺っているのはそういうことでなくて、昨年のうちに十分時間があったのにもかかわらず国会へお出しにならないで、この国会にお出しになったのはどういうわけですかということを伺っているわけです。

正示啓次郎自由民主党外務政務次官

○正示政府委員 ただいまお答えを申し上げましたように、特別のいわゆる暫定適用の規定がございましたものですから、われわれはわが国のいろいろの情勢を判断をいたしまして、これは時間的にもこの国会で承認を得れば一向差しつかえないという判断のもとにこの国会に提出をいたした、こういうことであります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 暫定適用であるから諸般の情勢を顧みてこの国会でいいと思ったとおっしゃるのですけれども、去年も国会は開かれていたのですよ。そしてしかも日本は去年の三月から四月の二十三日までのうちに署名をされたと思うのです。開放されたその当時も国会は開かれていましたし、秋も国会があったのですけれども、そのときにわざわざお出しにならなかったのはどういうわけですかということを伺っているわけです。

正示啓次郎自由民主党外務政務次官

○正示政府委員 先ほどお答えしましたように、署名したのは四月二十一日、それから御承知のような臨時国会等ございましたものですから、いま申し上げましたように、第三条(3)で暫定適用という規定がございまして、その規定の適用を受けました国は、わが国以外にもたくさんあるわけでございます。こういう一つの特別規定がございましたので、昨年じゅうに国会にお出しいたしましても、またこの国会にお出しいたしましても、これは五十歩百歩と申しましょうか、いずれにいたしましても国会の承認をもって発効するということではなくて、暫定的な規定によって発効しておるわけでございます。したがって、本年の七月十五日までの暫定的締約国、こういうことになっておる期間中に、国会にお出しをいたしまして、御承認をいただけば、国内法的に全然問題はない、こういう判断のもとに今回の国会に出したような次第であります。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 暫定というところにたいへんこだわっていらっしゃるようですけれども、いままでの例ですと、たいていぎりぎりにはお出しになっていない。署名されるとわりあいにすぐに次の国会に承認を求めるために出されているわけです。七月といえばもうすぐなんですね。なぜ五カ月ぐらいしかないのに、しかも去年十分ゆとりがあったのに、それを国会に出さないでいられたというところに、ちょっと私たちは疑問を抱くわけです。何にも意図はない、これはたいした問題じゃないから、あとにしてもいいという程度のものなんですね。

正示啓次郎自由民主党外務政務次官

○正示政府委員 大体そういうふうに御了解をいただいてけっこうかと思います。要するに、暫定適用の期間内に国会にお出しをいたしまして、本来の国会承認の手続をとる、こういうことでありましたので、この国会でも時間的に間に合う、こういう判断でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 何となく割り切れない気がしますけれども、先に進みますが、七月三十一日にはもうこの議定書は切れてしまうわけですね。そうしますと、また議定書を締結されるわけですか。それともまた小麦協定というものは新しく締結し直すのですか。どういうことになるのですか。

大和田渉外務事務官(条約局外務参事官)

○大和田説明員 この議定書をさらに一年延長するという新しい草案が昨年の十一月の理事会で採択されまして、それでその議定書は、この二月十五日までに全面的に改正するかどうかということについての提案がない限りは、その草案のままで四月の四日から二十九日まで署名のために開放されることになっております。したがいまして、いまのままでまいりますれば、四月四日から二十九日までの間、再延長の議定書が署名のために開放される。再延長の議定書は同じものを一年延ばすというだけの内容のようになっております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 いま伺いますと、もうあと一年延長するという内容のものが大体見通しとしてあるということでございますね。そうなりますと、七月十五日は、しかも延期は去年から一年間ですね。二年延期しても議定書は別に変わりないわけですね。それをわざわざ一年、一年に切っていくというのはどういうわけなんでしょうか。

大和田渉外務事務官(条約局外務参事官)

○大和田説明員 実はこの議定書を一年間延長するという問題が理事会で議せられましたときに、延長期間を一年にするかあるいは二年にするかということが、実は論議されたわけでございます。その当時、現在引き続いておりますが、ガットの穀物取りきめの交渉が行なわれておりまして、その帰趨によってはこの議定書を部分的に改正する必要があるいは起こるかもしれないということを考慮しまして、とりあえず一年間というふうにきめたわけでございます。  なお、二年にするか一年にするかという問題の際に、もし二年延長にいたしますと、その当時の話でございますが、六七年の七月末までの延長になります。その当時、実はアメリカに食糧農業法というのがございまして、これが国内の小麦生産価格の支持その他のことをやっておりますが、現在の六五年アメリカ食糧農業法というのは、そのときまだ成立しておりませんでした。成立していなかったために、もし二年間延長いたしますと、一九六六年、ことしでございますが、六六年の八月一日から来年の七月末までの間、アメリカはこの協定の義務を履行できないおそれがあるという実情にございましたので、とりあえず一年ということにしまして、その後アメリカの国内法も成立しましたので、さらに一年というふうに合意いたしたわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、理事会か何かでは、そういう一年にするか、二年にするかということも論議に出たけれども、アメリカの国内法ということから考えて、一年にしたということですね。そうすると、この理事会での発言権というものは、やはりアメリカがずっとリードしちゃうわけですね。

大和田渉外務事務官(条約局外務参事官)

○大和田説明員 理事国といたしましては、みんな平等に発言権は持っておるのでございますが、本協定の付表のB、Cにございますとおり、投票ということになりますと、投票権の数がきまっておりますが、アメリカの場合、二千分の二百九十票であります。日本は百五十一票でございます。ただ発言権と申します場合には、平等に発言権は持っておるわけでございます。ただ実態といたしまして、アメリカの国際小麦市場におけるウエートが非常に大きいものでございますから、やはりアメリカの国内事情も考慮に入れざるを得なかったというふうに考えてよろしいのではないかと思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 私どもが常識的に考えましても、一年間延期して、短い間ですから、そして同じものが翌年にまた延期されるということになれば、手続においても、いろいろな面において複雑ですから、やはりそういう場合にアメリカの国内法によってこういうふうな一年延期ということになったということですけれども、ほかの国にとってみれば、少し迷惑なことだと思うのです。一年延期して、また一年延期する。しかも同じものですから、初めから二年延期しておけばいいのですから、そういう面でもっと日本なんか、あるいはほかの国がそういうことにこだわらずに、どうせ延長するならば二年間初めからこの議定書の有効期間を延ばしておくべきだという意見のほうが強くなかったですか。やはり相当弱かったのですか。出られた方の空気と言いますか、そのときの様子を伺いたいのです。

宮崎弘道外務事務官(経済局国際機関第一課長)

○宮崎説明員 理事会の席上では、実は二つ問題がありまして、先ほど御説明申し上げましたように、内容を変えるか変えないかという問題につきましては、ガットの穀物協定の交渉が進捗中であるので、この際は内容を変えるとすれば、そちらのほうにゆだねて、延長するということになったわけでございます。ところが延長をいたしますと、国連の法律専門家等の意見によりまして、そのまま延長するのは二年が限度だ。そこで二年か一年かということにつきましては、非常に論議が戦わされたわけでございますが、わが国はもちろん二年延長を主張いたしました。他の国も二年延長を主張した国もございました。ただ、もしアメリカが国内法上の理由で二年延長であれば参加できないことになりますと、アメリカの輸出量が非常に大きいわけであります。アメリカが参加しない協定は、協定としての意味が非常に薄らいでくるわけでございますので、当時理事会に出席しておりましたソビエトのほうもその事情を了承いたしまして、それでは一年延長にしようということに合意を見た次第でございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この議定書のように有効期間が短いということになりますと、場合によっては、その国の政変とかいろいろな問題が起きた場合に、批准書が寄託できないような場合も起こり得ると思うのですけれども、そういうふうな場合に、寄託できなかった国の法的地位というものはどういうことになるのでしょうか。

大和田渉外務事務官(条約局外務参事官)

○大和田説明員 先ほど正示政務次官から御説明がございました暫定適用の道がございまして、暫定適用を受けるという通告をこの議定書三条三項に従ってやっております国は、暫定適用されたままのステータスでございます。ただ暫定適用を受けます場合に、いつまでに正式受諾をしろということを理事会できめて、申してまいるのでございます。したがいまして、日本の場合はことしの七月十五日まででございますが、それまでに正式受諾が行なわれないという事態になりますれば、協定の締約国でなくなるということははっきり言えると思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 そうすると、暫定適用を受けるという通告をされさえすれば、分担金も払わなくちゃならないし、すべてのステータスは入っている国と同じである、こういうことになるわけですね。

大和田渉外務事務官(条約局外務参事官)

○大和田説明員 御説のとおりでございます。つまり暫定適用をされるし、また締結国とみなされるという規定でございまして、事実上権利義務は協定に規定しておりますとおりに受け継がれております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 実際問題として国内の政変だけでなくて、何かいろいろな問題上、締約国でありながら暫定適用の申し入れもしておらないような国というものはないですか。しかもこの協定に加盟しているというような、そういうケースは全然ないですか。

大和田渉外務事務官(条約局外務参事官)

○大和田説明員 理論上は考えられますが、実際上は現在ございません。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 この協定に加盟いたしましたときに、たしか一九五九年ごろでしたか、たいへん国会でも日本の農業を圧迫するということで質問があったと思うのです。そのときに、それほどの農業を圧迫しないというようなことでこの協定が通ったわけですけれども、その当時と今日と比べてみまして、日本の農業に対しての品質なりあるいはまた量においての圧迫というような、何かそういうような結果があらわれていはしないかということを私は心配をいたします。というのは、ここでいただきました資料を見ましても、作付面積というものはだいぶ減ってきているわけでございますので、そういう面から見て、そういうことに対する対策はどんなことをお考えになっていたか、今後においてもそういう問題が起きてくると思いますけれども、それはどういうふうにお考えになるか、伺いたいと思います。

武田誠三食糧庁長官

○武田(誠)政府委員 現在の国内におきます、これは主として小麦の問題になるわけでございますが、海外からの小麦の輸入と、国内におきます小麦の生産との関係でございますけれども、これは御承知のように、食糧庁が外国から輸入いたします小麦は一括買い付けをいたしております。それから、同時に国外の小麦が圧迫するかどうかということにつきましては、一つの問題は価格の問題であると思います。価格の点につきましては、国内の小麦の消費者への売り渡し価格というものは食管法に基づきまして基準をきめまして、それをベースにいたしまして輸入されました小麦の価格をきめておるわけでございます。したがいまして、海外の小麦価格というものと、国内におきます小麦の価格というものとの間は、一応食管制度によりまして遮断をいたしておる形に相なっております。  同時にまた、国内におきます麦の生産者価格につきましては、これも食管法に基づきまして、農業パリティによりまして算出されました生産者価格を下らない線できめるということになっておりまして、現在の国内の小麦の価格は、生産者価格と政府が売り渡しております価格の間に非常に大きな差がございます。たとえば小麦につきまして、標準になるものについて申し上げますと、二千七百円ぐらいが政府の買い入れ価格に相なっております。これに対応いたします政府の売り渡し価格は千九百七十円程度でございまして、小麦の価格の関係で、海外の相場が生産者に影響を及ぼすということは現在全くない。むしろ非常に高い値段で国内の麦は政府で買い上げをしておるという姿であると思います。  先生からお話しの作付面積は最近年々減ってきております。これは海外からの輸入の圧迫とかそういうことよりも、むしろ国内におきます現在の農村の労働力の流出でございますとか、あるいはまた三十八年に非常な雨害がございましたわけですが、そういった気象的な問題を契機にしまして、同時にまた労働力の不足、あるいは日本の小麦生産は御承知のように非常に集約的な小麦の生産、労働強化をやってきておりますが、それに対応いたします省力多収栽培というものが経営規模の点、あるいは機械化技術がまだまだ不十分であるというようなこともございまして、現在のような小麦の作付状況ということに相なっております。特にまた御承知のように日本の麦は裏作でございますが、水稲の生産関係が台風被害を逃げるというようなこと、あるいは最近の技術の進歩によりまして、非常に早植え栽培がふえてまいっております。その関係から、麦の収穫期と稲の作付期というものがぶつかり合うというようなことがございまして、稲作を安定的に農家としては持っていくというような関係から、裏作であります小麦あるいは大裸麦の作付を放棄すると申しますか、転換をするというような姿が出てまいっております。同時に、裏作麦にかわりまして、相当数のものが不作付地に相なっておりますが、蔬菜生産あるいはイチゴその他の単年作の果実の生産と申しますか、そういった方向に一部急速に転換をしておるというようなことが現状であると思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 これは農林政策の全般的な問題になることだと思うのですけれども、それを私はここで議論しようとは思いませんが、ただ統計なんかを見ておりますと、やはり年々作付面積が減ってきているし、労力が少ないといいましても、外へ出なければ食べていかれないから出ていく、ほんとうはそういうことなんです。そしてしかも自給自足しなければいけないといいましても、安い小麦がどんどん入ってきて、農村でだんだんつくらなくなれば、どんどん転換していくという結果にもなるので、そういう面で相当の影響を与えているのではないかということを懸念して伺ったわけです。  そこで、いま日本ではいろいろな国から小麦を買っているんでしょうけれども、最高価格が高い国と安い国とありますね。——最高価格は押えてあるんですけれども、小麦の値段が高い国と安い国とあるわけですね、同じ品質でも。そういう場合に、日本としてはどういうことを標準にして買っていらっしゃるんでしょうか。たとえばカナダの場合には相当高いと思うのですけれども、カナダからは少なくするとか、それともカナダからもたくさん買うとか、国内の需要に応じて小麦の割り当てをしているわけですか、小麦を買い入れているんでしょうか、その辺のところを伺いたい。

武田誠三食糧庁長官

○武田(誠)政府委員 御承知のように小麦につきましては、パン用の小麦あるいはビスケットその他に使いますような種類の小麦、あるいはめん用に適している小麦というように、いろいろ種類がございます。いまお話がございましたカナダ小麦は全部硬質系の小麦で、パン用になるものでございます。これにつきましては、カナダのパン用小麦に準ずるような品質のもので、アメリカのダークノーザンスプリングという品質のものが出ております。これらにつきましては、日本としては両者品質が同じようなものであれば、できるだけ価格の安いほうということを考えておりまして、最近ではアメリカのダークノーザンスプリングを相当量買い入れるということもやっておりまして、世界的に見まして、品質、品位が同等でございますれば、一番安いものを買い付けるという方向で考えております。ただ小麦の相場がいろいろと変動いたしますので、それらの動き、かつまた日本で買い付けております数量は相当大量に上りますので、数量確保という面も当然あわせて考えなければならないというようにも思っております。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 こういうことばを使われるかどうかわかりませんけれども、この協定内で扱っていくといいますか、動いている小麦のトン数というものがある程度きまっているわけですね。そうすると、それをこの年にはある国はたくさん買うかもしれない、しかしある年にはその国は買わないかもしれないというようなことになりますと、相当その中での混乱といいますか、その中での問題が起きてくると思うのです。そういう場合に前から通告するという義務はないわけですね。ことしは幾ら買いますと言うような義務はないわけですね。そうするとそのときに、ある国がいままで非常に買っていたのに今度買わないほうに回ったというときには、問題が起きてきやしないかと思うのですが、そういうことは全然ないかどうか。それから、そういうものを調整するにはどうしたらいいかということをちょっと疑問に思うのですけれども、この点について説明していただきたい。

宮崎弘道外務事務官(経済局国際機関第一課長)

○宮崎説明員 小麦協定の中に、大体の所要量の見積もりを通告するという規定がございまして、小麦協定加盟国に関しましては、そういう見積もりとそれから他方輸出可能量という見積もりとを論議されまして、御指摘のようなことがないように現在運用されております。日本が買い付けております小麦は主としてカナダ、アメリカ、豪州、あるいは場合によりましてはアルゼンチン、現在まですべて小麦協定加盟国から現実問題として買っておりまして、それ以外の国の輸出量はほとんどございませんし、また、価格、品質の面でもこういうほうが輸入国として有利なオファーをしてまいりますので、現実問題としては小麦協定加盟の輸出国から買っております。ただ御指摘のように、小麦協定の非加盟国でございます中共が買い付けますと問題が生ずるおそれがございますが、大体いままでの買い付け量は年五百万トン程度でございまして、それが非常に撹乱をする要因にはなっておりません。むしろ小麦協定の加盟国でございますソビエトの買い付けが、ある年には一千万トンをこえ、ある年には百万トンしか買わないというような問題がございまして、若干撹乱要因になるわけでございますけれども、幸いにしまして、その分は従来の在庫その他の問題もございますし、御案内のように実際問題として小麦の価格は小麦協定の価格帯、つまり最高価格と最低価格の範囲内で動いておりますので、いろいろの商品協定のうちで最も円滑に運営がなされている状態かと思います。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 最高価格、最低価格をきめて、その中での運用をしているのが小麦協定の特徴としてあるわけですから、私どもそれは認めていますけれども、いまお話のあった中共とかソ連とかいうような特定の国だけでなくて、たとえばそれに加盟しておる国においても、ある年には非常に、天災が起きたために、うんと買わなくちゃならない、輸出国であっても輸入国にならなければならないというような場合も起きてくると思うのです。そういうときに、小麦の需要が多くて足りないとか、そういったような問題が起きやしないかということを私は心配するわけです。たとえば一年前に大体の買う量というものを通告するということはさまっておりましても、それに義務規定というものはないのじゃないかと思うのです。そうすると、混乱が起きるような場合が起きるのじゃないか。いままではなかったかもしれませんけれども、これからもないとは限らない。そうすれば、国際協定なり国際条約というものに加盟しておる国として、いろいろな問題を検討しながら、どういうふうな問題が起きたときにはどうするべきだということを常に考えておいて発言する必要があるのじゃないか、こういうふうに思いますので、その懸念を一言申し上げたわけです。

宮崎弘道外務事務官(経済局国際機関第一課長)

○宮崎説明員 現在の政府の在庫は、小麦につきましては三千万トン程度ございまして、ある程度の需要供給の変動に応じ得るようなかっこうになっておりますし、かつ四大輸出国が圧倒的な輸出のシェアを占めておりますので、実際問題として、御指摘のような点は起こっておりません。  なお、法律的に見ますと、輸入国の義務は、条約に書かれておりますとおり、日本の場合でございますと買い付け量の八五%、日本が要る量の八五%を、最低価格を割るような事態になりましたときに価格帯内で加盟国から買えばよろしいということになっております。他方、権利のほうは四年間の平均の輸入量を非加盟国に優先して最高価格以下で買い得るという規定になっておりますので、どちらかと申しますと、この協定は輸入国に有利な協定であるという声が起こっておるわけでございます。そこで、法律的には、かりに小麦価格が非常に暴騰するというような事態になりましたときに、日本は約三百万トンを最高価格以下で非加盟国に優先して買い付け得るという権利が生じてくるわけであります。他方義務のほうは、先ほど申し上げましたように、幾ら買わなければならないという義務はございません。買い付けました量の八五%を加盟国から買えばよろしいということになっておるわけでございます。かつ、申し上げましたように、現在日本は一〇〇%加盟輸出国から買っているわけでございますので、実際の義務はたいして大きくなく、権利のほうは、いま申し上げましたように、最高価格内で、かつ優先的に確保できるという権利があるわけでございます。

戸叶里子日本社会党

○戸叶委員 日本の立場でお答えになればそうかもしれませんが、ただ国際的といいますか、世界的に食糧の不足ということが今後においては問題になってくると思います。そういう中で、この協定に入っているからそれだけで十分であるというようなことも言えないときがくるんじゃないか、そういうふうなことを考えましたときに、やはりそういう問題も含めて、いろいろと日本の政府としても考えておくべきじゃないかということを私は提案しておくわけです。  それから、次に協定上の問題で一つだけ伺っておきたいことは、この三条の(1)の(a)と(b)なんですけれども、(a)で「協定第一部及び第三部から第七部までについては千九百六十五年七月十六日」、(b)では「協定第二部については千九百六十五年八月一日」というふうに期限が分かれております。効力の発生日が分かれておりますけれども、これはどういうことなんでしょうか。

大和田渉外務事務官(条約局外務参事官)

○大和田説明員 協定第二部というのは、御存じのとおりこの加盟国の権利義務についての規定がございます。一部、それから三部から七部までの規定は、この権利義務を執行する、あるいは規制するという面の理事会の任務であるとか、組織であるとか、職務であるとかいう、いわば事務的手続的な規定がされております。したがいまして六二年協定を一年延長するというその切れ目のところなのでございますが、権利義務は六十二年協定が昨年の七月三十一日まで有効でございましたから、権利義務は一日から始まってよろしい。ただ一年間延長するに際して、やはり理事会の設置の問題あるいは手続的な規定というものが、具体的に申しますればこの議定書に関係する予算の問題なんかもあると思いますが、そういう理事会の職務とかいうことは八月一日から権利義務が生ずる前に、いわば準備的なこととして法的に設置されていなくちゃおかしいじゃないかという関係で、二部は八月一日から、そのほかの規定は七月十六日から、こういうふうに規定されたわけでございます。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 本件に対する質疑は、これにて終了いたしました。     —————————————

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 御異議なしと認めます。よって、本件は承認すべきものと決しました。  おはかりいたします。ただいま議決いたしました本件に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 御異議なしと認めます。よってそのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 次に、海外移住事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。正示政務次官。     —————————————     —————————————

正示啓次郎自由民主党外務政務次官

○正示政府委員 海外移住事業団法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。  この法律案におきましては、移住者に対する渡航費の貸し付けについての規定を改正いたしますとともに、海外移住事業団の監事の権限、役員の欠格条項及び余裕金の運用についての規定を改正することといたしております。  渡航費貸し付けに関する改正は、移住者に対する渡航費の貸し付けを昭和四十一年度以降支給に改め、直接には移住者の定着を容易ならしめるとともに、間接には今後の移住をますます振興することを目的とするものでありますが、従来、移住者に対する渡航費の貸し付けは、政府より海外移住事業団に貸し付け、同事業団より移住者に貸し付ける形で行なわれてまいりましたので、今般これを支給に改めるためには、海外移住事業団法の一部に所要の改正を加える必要がある次第であります。  なお、以上の措置に伴いまして、海外移住事業団に対する移住者渡航費貸付条件に関する法律を廃止し、海外移住事業団に対する政府の既往の貸し付けにかかる債権を免除いたしたいと存ずるのであります。  次に、監事の外務大臣に対する直接の意見提出を可能とし、役員の欠格条項から国会議員及び地方公共団体の議会の議員を削り、また、余裕金の運用方法に金銭信託を加えることといたした次第であります。  以上がこの法律案の提出理由及びその概要でございます。  何とぞ慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いいたします。

永田亮一自由民主党

○永田委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時三十八分散会

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