運輸委員会 第40号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/06/07
会議録
○田澤委員長代理 これより会議を開きます。 古川委員長本日所用のため出席できませんので、その指名によりまして私が委員長の職を行ないます。 海上保安に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保三郎君。
○久保委員 前会に引き続いて漁船関係でお尋ねをするわけでありますが、前会は、漁船の載貨基準、いわゆる乾舷マークについてお尋ねをしたわけでありますが、その際、船舶局長から一応お答えがあったと思うのです。そのお答えの中身には、漁船の特殊的な条件として、しけの場合もあるし云々という答弁もあったと思うのですが、受け取った感じとしては、何か特殊な条件というか、そういうものを基準にして考えるというと、載貨基準、いわゆる乾舷というものはいま直ちにつけさせるというか、そういうことはできないような意味にとれたわけなんであります。たいへん恐縮でありますが、重ねて漁船の載貨基準あるいは乾舷については、もはやいままでのような形での実施でなくて、法的に規制をするということで、安全法なりあるいは漁船法ですか、そういうものの中に取り入れ、制定をすべきだとわれわれは考えておる。この考えについていかように思っておられるか。これをお尋ねしたいのであります。 それから海上保安庁にこれに関連してお尋ねしたいのは、従来海難の原因の中でもかなり多くの事例のあるものは、いわゆるトップヘビーである。そういうものがかなりあった。あるいはトップヘビーでなくても、全体的に荷物あるいは漁獲物の積載量が多いために浸水沈没というか、そういう遭難にあうということがあったと思うのであります。そういう事例について最近はどういうことであるか。あるいは減少したのか、あるいはそういうものは全くなくなっているのか、そういうことも、保安庁として出港検査というか、そういうときも検査すると思うのですが、出港検査はたしか船舶局の管轄かもしれませんが、そういう検査の結果として状況はどうなのか、あわせてお尋ねをするわけであります。
○芥川政府委員 漁船に対しまして満載喫水線の標示をどうするか、こういう問題についての御質問であると存じますので、その点お答え申し上げます。 この前申し上げましたとおり、載貨基準につきまして技術的にどういうふうな数値を与えるかという点につきましては、水産庁と協議をいたしまして、一案できておるところでございます。そこでこれを安全法にどう取り入れるかという問題でございますが、この点につきましては、五月の三十一日に造船技術審議会の安全部会を開きまして、そこで漁船の載貨基準を安全法上どういうふうに取り入れるかという問題につきまして、これを正式に議題とすることにいたしました。それで今後はただいま申し上げた点について技術的検討を至急進めてまいるつもりでございます。 なお、この前に申し上げましたが、喫水線標示をどう取り扱うかという問題につきまして、第一に安全法によります従来の満載喫水線マークと同じように取り扱うかどうかは、今後水産庁のほうとお打ち合わせを残しておる問題があると存じます。なぜかと申しますと、安全法によります満載喫水線マークをこえて航行いたしますと、直ちに一つの安全法による罰則がございまして、それを適用するという形になっております。漁船の場合にはたしてそうすることが実情に適するかどうか。ことに快晴であって安全に港に帰れるという場合には、若干載貨基準をオーバーしてもいいというふうなことも起きるのじゃないかというふうに私見を申し上げた程度でございます。今後この取り扱いにつきましては十分造船技術審議会で審議をしたい、そう存じておる次第でございます。
○猪口説明員 先生のお尋ねの転覆の趨勢でございますが、漁船の転覆による海難の状況は、私たちの調査によりますと、大体漁船海難の五%内外のものが毎年転覆によって海難に遭遇いたしております。その趨勢といたしましては、おおむね毎年横ばい程度の状況でございまして、必ずしもふえておるという傾向でもございません。さりとて顕著な減少を示しておるということでもございませんで、おおむね五%内外の転覆遭難の事例があるということが、調査の上で判明しておる次第でございます。
○久保委員 船舶局長の御答弁は、五月の三十一日に諮問というか議題に供してある。それでこの載貨基準というか、乾舷マークについての取り扱いを諮問したというが、取り扱いというものは技術的なものでなくて、一応技術的なものは水産庁との間に合意に達したものがある。これを私の質問のように、安全法に取り入れるべきか、あるいは漁船の特殊規定というか、そういうところに入れるべきか、そういうものについて諮問をしているのか、もう一ぺんお答えをいただきたいのです。
○芥川政府委員 御質問のとおりでございます。安全法の中に水産庁との協議の結果をどう取り入れるかということであります。おそらく漁船特殊規定の改正という形で取り入れることになると思いますが、最終の形はちょっとここで申し上げる自信はございません。
○久保委員 水産庁生産部長にいまのことをお尋ねするわけでありますが、いままでに載貨基準等については、運輸省との間に、いわゆる載貨基準としては現行のものが適当であるという了解に達していると思うのでありますが、芥川船舶局長のただいま御答弁のように、これをしかるべき部会にかけて船舶安全法に入れるか入れないかの諮問をしているなら、これについても水産庁としては同意しているのかどうか、いかがでしょう。
○亀長説明員 先ほど運輸省のほうからお答えになりましたのと同じ考え方で、協力しながら進めております。
○久保委員 船舶局長にお尋ねしますが、五月三十一日に諮問されたものは、およそ時間的に制約があるのかないのか、まあ考えれば、ことしの秋口までに結論が出れば、来たるべき次の通常国会にかけるというようなことになるのか、それとも中身としては法律事項ではなくて、それより落とした省令というか政令にまかせていくのか、その辺はどうでしょう。
○芥川政府委員 審議の見通しでございますが、この前申し上げましたように、来年の八月に漁業の許可の一斉更新という一つの大きな行政措置がございます。それの条件としてこの種のものを取り上げるほうがいいと存じますので、安全法に取り入れまして、その安全行政上の効果が漁船の一斉更新に効果があるようなことを第一義と考えまして、審議をなるべく早く進めるように努力をしておるわけでございます。 なお、これを法律改正の形で持ち出す必要があるか、あるいは政令の程度でおさまるか、これは今後の研究問題でございます。
○久保委員 それでは次にまいります。 これはこの前お尋ねをしなかったことだと思うのでありますが、搭載母船式漁業、その中でも搭載さるべき漁艇の問題、これは前にも一ぺん取り上げてそれぞれお答えをいただいたのでありますが、その後も何らこれは改善されておらないというふうにわれわれは見ているわけであります。どのくらいたつか、それもあまり遠い過去じゃなくて、五月か四月のころに、たしかこれは日本テレビで映されたと思うのであります。御列席の政府委員の皆さんの中には、どなたかごらんになったと思うのであります。私不幸にしてこれを見なかったのでありますが、このテレビに映し出された漁艇の姿は、水産庁あるいは運輸省で、あるいは海上保安庁で想像していたようなものではなくして、私が前に取り上げた実態と何ら変わりはないというふうにある人から聞かされました。この聞かされたというのは、言うなれば搭載式漁艇、これは二十トン未満でありますから、船舶安全法による検査もないことだと思うし、自力航行はもちろんできないし、あるいはこれは人間の住むというか、そういう設備になっておらないのでありますけれども、実際には漁艇を、操業中ばかりでなくて、それ以外のときも曳航をしている。それからもう一つは、その中に乗り組んでいる漁船船員は、その漁艇の中で休息をとっている。本船に乗り移らぬというか、本船に収容はしておらないというふうに考えているわけなんです。ついては、そういう実態であると私は考えざるを得ないんだが、水産庁としてはどういうふうに見ておられるか。どうでしょうか。
○亀長説明員 搭載母船式漁業の搭載漁船の安全ということにつきましては、行く行くの問題としましては、これについてもやはり載貨基準というものを適用してまいりたいと、かように考えております。それからその他の性能につきましても、救命施設あるいは通信施設というものは、内地の沿岸におきます大体同程度の大きさの船と同じ設備をつけさせるというふうに検討を進めてまいりたいと思います。 それから労働環境というような問題もございますが、本来これはそこで寝泊まりはしない、単に魚をとる、あるいは運ぶというだけのものと考えておるのでありまして、私どもとしましても、そこへ寝泊まりすることはしないようにというふうにいたしておるわけであります。むしろわれわれとしては、率直に申しまして、船員諸君に自覚を求めたいというような気持ちでおるわけでございまして、将来この船を大きくしてそこに居住をするというようなことは、私ども将来ともやりたくない、あくまで居住はしないということで指導をしていきたい。
○久保委員 生産部長に重ねてお伺いしますが、この搭載式母船というか、この方式でやる漁業というのは、そういう漁艇がなくては絶対に操業はできないのか、あるいはそういう漁艇をはずした場合には母船だけになると思うのでありますが、そういう場合には操業が不可能なのかどうか。
○亀長説明員 二種類ございまして、母船自体も操業をするというのと、母船は全然操業しないというのがございます。後者の場合ですと、これは漁艇がないとカツオ・マグロ漁業が成り立たない、魚がとれない、こういうことになります。
○久保委員 漁艇がないとできない。しかし、漁艇にかわるものは今日ただいまでは考えられないのですか。いわゆる搭載式でなくてできるものはないのですか。
○亀長説明員 搭載式でなく、いわゆる母船式のもの、要するにキャッチャーを大ぜい連れていくもので、少なくとも百トンくらいの船の独航船式の母船式漁業というものはございます。
○久保委員 この搭載母船式という方式による漁労のやり方は、歴史的なものとか魚のとりぐあいとかは私は存じませんが、あまりにも問題が多過ぎて、昔のごとく舟板一枚下は地獄である、そういうようなことが的確に当てはまるようなやり方だと思います。だからこういうものは、なるほどそれでなくちゃ魚はとれないかもしれないが、魚をとりに行く前に、人間の命の問題がもっと大事だとするならば、一斉更新には、こういう搭載式母船方式というものはやらせないようにしたらいかがかと思うのでありますが、その点はどうですか。
○亀長説明員 現在のところ、搭載母船式並びに私が先ほど申しました母船式は、大体単船操業に比べて経済的に採算が悪くなっておると思います。こういうものがふえていくということはおそらくないであろう、むしろ逐次単船に変わっていくであろうと思います。しかし、一挙にこれを整理してしまうということもむずかしいと思います。従来かなりの経済投資も伴っておりますし、また漁艇の運航に無理をしないということであれば、必ずしも事故があるとは断定できないと私ども思うのでありまして、非常に無理をして操業するとか、あるいは無理をした漁艇の操業のしかたをするというところに問題があろうかと思います。いずれにいたしましても、一挙に整理するということは困難でありますけれども、もちろん役所から積極的にふやすという考えは毛頭ございません。できるだけ、単船操業を希望する際には、そういう方向に転換を認めるようなことで一斉更新のときには検討いたしたいと思っております。
○久保委員 全然この方式をやめさせるわけにはまいらぬというのが御答弁の趣旨かと思うのでありますが、今日ただいまこれによって企業として仕事をしていくのでありますから、搭載式をやめさせるということになると全然漁業ができない。あるいは他の漁獲方法に比較して非常に採算が悪いということになりますれば、なるほど実態からすればこれも無理からぬことであろうと思いますけれども、少なくとも来年八月の一斉更新には現在のワクを多少なりとも縮めていくという努力はすべきであろうし、そのために転換の必要なものがあれば他の業種に転換させる、それだけの余裕を水産庁として持っておって処理すべきだと思っておりますが、そういうことは考えておりませんか。
○亀長説明員 他の方面と申しましても、結局やはりカツオ・マグロに変わる以外に変わる場所がございませんので、本来この船は、単船を整理してこの船をつくったといういきさつもありますので、やはりもとに返る以外に、ほかの漁業に変わって出るというわけにもまいりませんので、もし考えるとすればそういう方向であろうかと思います。
○久保委員 なかなか実際問題として、搭載式母船方式というか、そういうものの縮小も、何かいまの御答弁だとできないようでありますが、やはりふやさないということは自滅を待つということですね。ふやさぬというのはどういう意味ですか。水産庁は、いつかも言った承継の制度がありますが、承継もなかなかむずかしいようでありますから、むずかしいというか解釈はいろいろあるようでありますから、いまのあなたの答弁だというと、もうふやさぬようにしていくということは、それはずっとその数を存続さしていくということか、それとも自然に淘汰されていくのを待っているというのか、これはどっちなんですか。
○亀長説明員 現在の制度では、このマグロ搭載母船式を単船にそのまま振りかえるということは認めておらないので、現在の制度を踏襲いたしますと、要するに先生がいま御指摘のありましたような、自然に休業するか、そういう形を待つということになると思います。それではいろいろ問題だという御意見も各方面にございますので、一斉更新の際に何らか、他の形態のカツオ・マグロ漁業、いわば単船のほうに希望者があれば転換できる制度も必要でないか、かように私どもとして考えておりますので、目下その点を検討中でございますということを先ほどお答えしたわけでございます。
○久保委員 船舶局長に漁艇についてお伺いしたいのでありますが、漁艇は二十トン未満だというと船舶安全法の適用外ですか。
○芥川政府委員 安全法の附則の三十二条によりまして、総トン数二十トン未満の漁船につきましては、第二条第一項の規定につきましては当分の間適用しない、そういうことになっております。
○久保委員 それはたしか、当分というのはずいぶん昔からの当分だと思うのですが、いつでしたか、当分ができたのは。
○芥川政府委員 法律が成立しましたときだろうと思います。昭和八年三月十五日法律第十一号、安全法ができたときからでございます。
○久保委員 だいぶ時間も経過しているわけでありまして、その当時の当分の間、これは船舶安全法の適用から除くというのはいかなる理由でやったかという問題でありますが、これはその当時のことを的確に御存じであればお答えをいただきたいのですが、どうですか。
○芥川政府委員 申しわけないのでありますが、ちょっと勉強不足で、どういういきさつでこれが除外になっておるか、的確にお答え申し上げることは私はできないのでございます。
○久保委員 私は推測するに、やはり船の安全の問題と水産業という事業の経営の問題とのかね合いで、安全のサイドが多少いまのただし書きのようにへっこまされていたのだ、こういうふうに理解するわけなんでありますが、それ以外の理由としては私はないのじゃなかろうかと思います。生産部長はどういう見方をされておりますか。この法律制定の当初、当分の間二十トン未満の漁船は安全法から適用除外するということをきめてあることについて、生産部長としてはいかなる理由でこれは除外したのだろうかということを御存じあるかどうか、あるいは当時のことは御存じないにしても、どういうふうにいまお考えであるか、私の見解はただいま申し述べたとおりでありますが、大体そういうところと私は思うのだが、いかがですか。
○亀長説明員 二十トン以下の船になりますと、主としてもちろん内地でございまして、大体日帰り程度の船あるいはせいぜい一泊程度の船ということで、特に一定の基準を設けて強制的に安全性を確保するということでなくても、いわゆる常識的に考えられる船舶構造上必然的に確保される安全性の程度で十分であろうという、当時のことで、適用しないというような考えであったのでなかろうかと私想像いたしております。
○久保委員 それでは船舶局長と生産部長にあらためて同じことをお二人にお尋ねするわけでありますが、船舶局長は勉強不足だからわかりませんという、生産部長はいまお話があったとおりなんでありますが、いまの時点で、こういう当分の間適用除外というのは妥当であろうかどうか。いま私が問題にしているのは、安全の問題でありますが、この点はいかがでしょう。
○芥川政府委員 ただいま法律のことを申し上げたわけでございますが、行政の方向といたしましては、先ほど申し上げました五月三十一日の安全部会におきまして、二十トン未満の部分も含めて漁船の載貨基準の点を検討するように取り計らっておるわけでございます。
○亀長説明員 いま運輸省のほうからお話ありましたように、目下検討中の段階でございます。ただ、御承知のように、これが適用になりますと、船舶検査という問題が出てきますし、沿岸のほんとうに小さい船までそういう煩瑣なことをやるべきかどうか、これは常識的に考えられる安全性ということはもうだれでも考えておるので、それ以上に行政庁が関与して安全性を確保するかどうかという問題が残るわけでございます。いずれにしましても、先ほど運輸省から御答弁がありましたように、目下検討中であります。
○久保委員 船舶局長からお答えがありましたのは、何かこれを漁艇についても適当な乾舷マークということについて諮問しているというのです。私はむしろそれ以前の問題で、漁艇全体の安全性について、船舶安全法で当分の間除外されているのだから、除外条項はやめるべきじゃないか、こういうふうな主張を裏に持ってのお尋ねをしているわけでありまして、決して乾舷マークの続きの話ではないのであります。 それから生産部長からお話のように、二十トン未満の漁船というのは搭載される漁艇以外にもございます。そのとおりなんです。私は百歩譲るというか、安全のサイドから見れば、全部二十トン未満の漁船も、これは的確に安全性を確保できる措置を講ずべきだと思ってはおりますが、いま申し上げたように、百歩譲って、少なくとも搭載されるところの漁艇、そういうものについては、当分の間ははずしたらどうか、こう思うのですが、船舶局長はいかがですか。
○芥川政府委員 先ほど申し上げました造船技術審議会で取り上げましたのも、単なる研究でなくて、その結論によりまして何らかの行政指導をしたいというふうな方向でございます。 そこで行政指導の形としましては、これは安全法をいきなり改正するということもいいのでありますけれども、そこまでやるかどうか、やはりいろいろ問題もございますので、水産庁のほうと打ち合わせまして、適当な基準ができた場合に、これをどういう形で行政指導に移していくか、これは法律の改正をしなくても、相当の効果の期待できるような行政措置がとれるのではないかと思っておる次第でございます。
○久保委員 安全部会において諮問しておられるというが、それじゃさっきの乾舷マークと同じように、そういうものをどう取り扱うか、まだこれは審議の過程でありますからわかりませんが、しかしどう取り扱うにしても、さっきの答弁のように、来年八月の一斉更新の前までに一応きめるという考えでございますか。
○亀長説明員 二十トン未満の小型漁船を一般的に安全法の対象外にするか、内に入れるかという問題と、この搭載母船式マグロの漁艇の問題とは、一応私は分離して考えていいのではないかと思います。二十トン未満の漁船一般となりますと、各種沿岸漁業のような小型漁船の問題もございますので、関連はありますけれども、一応分離して考えていいのではないか。そこで私どもとしましては、安全法にこの漁艇を該当させるかどうかという問題も一つございますが、それとは別にやはり搭載母船に付属する漁艇の問題を解決していきたい、かように考えております。先ほどの救命、通信等の施設もつけさせるとか、あるいはそこで寝泊りをしないような指導をするとか、あるいは海況によってそれぞれ時宜に適した指導をしていくというふうなこともそういうことでございまして、一応一般の問題とは分離して考えてまいりたいと思います。 それから一斉更新のときのお話が出ましたけれども、一斉更新のときに、でき得るならば、強制するわけにはまいりませんけれども、ほかの漁業にこの際母船だけで操業するとかいうふうなものが出てくるというふうになってきました場合には、これはできるだけこの形に転換させるようなことも考えてまいりたいと思います。
○久保委員 それじゃ次にいきましょう。 それからもう一つは、操業の海域についてでありますが、南北十五度内、そこが一番危険だ、こう言われておるわけでありますが、これの操業を禁止するというか、そういう海域については操業はさせないのだというようなことをきちっときめることが、やはり一つの海難防止のためでもあろうかと思う。もちろんこれをきめたにいたしましても、そんなに的確に行なわれるかどうかという心配は当然あるわけでありますが、一応ものの考え方としてそういう必要がありはしないか、こう思うのですが、水産庁としてはどんなふうに考えていますか。
○亀長説明員 操業区域の制限を設けるという点につきましては、たとえば片一方の三十九・九九トンのマグロ漁船のような零細経営者というのではございません、あるいは船長その他においても技能的にもそれほど高級な方ではないということではないのでありまして、この母船なりを持っておられる方はかなりな資本も有される方であり、母船も相当な規模を有しております。一番小さいのでも五百トン、大きいのは三千トンのものでありまして、そういう船長なり経営者においても、そういう人が船の安全のために政府から航行区域を規定してもらわなければならぬという理由はないのでありまして、むしろ各自の判断でやるべきことであると思っております。
○久保委員 それは生産部長のようなりっぱな経営者がずっと粒ぞろいでおられれば問題はないわけなんで、いままで質問したことはみんなきれいに片づいておるわけなんです。だけれども、そういうのがいないので、それじゃ乗っている人はどうしたかといえば、乗っている船員が、それじゃ不安だからと、そこで骨っぽく抵抗すれば、そんな危険な区域で操業するはずはない、これも実際そのとおりなんです。しかしなかなかそういかないのが現実でございまして、だからせめて文句がつけられるような一つの基準でも、お上というか——大体この場合はお上だが、政府において基準を示すならば、それをよりどころにして、ささやかながら抵抗もして、そこへは行ってはいけないことになっておる、こういうことなんです。ところがそれがあっても、言うならば、今日ただいまでは、魚の影を見ればとりたくなるというのが漁船に乗っている人の習癖といったらおかしいが、これはつとめですから、危険をおかしてもとろうという気持ちにならざるを得ないと思うのです。だからそういう気持ちにブレーキをかけるのは、やはりここはどうしてもまずいというところがあるならば、ここで操業すべからずというような一応の訓示規定みたいになるが、設定することも無意味ではないだろう、こういうふうに私は考えているわけなんであります。あなたはりっぱな方だからそういうことを思いつかないかもしれないが、あなたのような方ばかりがいるわけではないということを前提に考えたらいかがですか。私のような考えにはなりませんか。
○亀長説明員 搭載母船式は、漁艇はなるほど小そうございますけれども、先ほど申しましたように、母船は相当な規模のものでありまして、別にその程度の規模の漁船がどこへ行けば危険だということは少なくともないわけであります。私どもとしまして、危険だから操業を禁止するという意味だろうと思いますが、これは漁業法の関係からいきましても別に資源法とも何も関係がないことでありまして、私どもとしてこれはやはり経営者なり乗り組み員の方の自覚でやっていただくべきことであろうと思っております。
○久保委員 それはあなたがおっしゃるとおりなんです。魚族保存の関係などはちっとも関係がないわけだし、といって、それは公海上の問題であるから海上保安庁としても別にそこまで取り締まる必要がない。国籍は日本人だし、船も日本の国籍だが、いるところが違うというようなことですな、あなたのお答えは。これはりっぱな御意見ですよ、意見としては。しかし、現実にはそういう問題があるということです。だからそれならば少なくとも搭載式母船、いわゆる漁艇、これを曳航してそういう地域を歩けばどうなるか、危険千万でありますから、いけない。せめてそれじゃ漁艇について、先ほど来のお話を繰り返すようになりますが、きちっとものを考え、処理せられれば問題はそこで解決つくと思います。何も操業区域をきめる必要もない。むしろ漁艇についての規制をきちっとできるなら、問題はないと思うのですよ。しかし、いままでの答弁ではどうもきちっとできそうもないので、あらゆる方法を便って身の安全を守っていったらどうかというようなことでお尋ねをしているわけであります。だからそうおっしゃるなら、漁艇のほうは、漁艇方式はもうやめるといったってだめだという御答弁がありましたが、外洋に出て曳航していくのであります。曳航は禁ぜられておるわけであります。禁ぜられておることをしょっちゅうやっておるし、乗っている人も発言力が弱いから引っ張られたまま黙ってついていく。しけにあえば一ころでいくかもわからぬというような形がとられると思うのでありまして、それじゃ文句は別にして、かかる危険な操業をいかにしてやめさせるか、どういうようにしたらきちっとできるのでしょうか。あらためて、ぼくの質問からじゃなくて、あなたとしてはどういうふうにしたら一番安全に操業ができると考えるか、それをお聞かせいただきたい。
○亀長説明員 もちろん私どもとしまして、漁艇の要件をもう少しきつくしまして、救命、通信等の施設をさせるとかいう問題も当然織り込んで、これから行政指導をしてまいりたいと思います。と同時に、すでに現在私どもで課しております制限を厳格に守っていただけば、大部分の危険は避けられると思うのであります。すなわち船内寝泊りを禁止しておるにかかわらず、船員の方が船内寝泊りをする、それから乗ったまま曳航するということも禁止しておるにかかわらず、乗ったまま曳航したりする。そういう命じてあることを行なわないために起きておるわけでありまして、むしろ私どもとしては、そういう事実が明らかになれば、しかるべく現在の法規に照らして処分等をする、そういうことによって相当な危険は防げるのではないか。将来さらに漁艇の安全施設等の要件を加味してやってまいりたいと思います。
○久保委員 これはいまの御答弁のような結論だと思うのですけれども、その結論に到達する前に、やっちゃいけないことをやっている、その現場をつかむ者がだれもいない、それが問題の一つになっておるのです。水産庁にしてもたまには指導船が出ていきますが、指導船が出ていくところではおそらくやらぬだろうと思うのです。船舶安全をつかさどるところの船舶局でも、そんな外洋まで行って違反しているかどうか調べるわけにもまいらぬ、海上保安庁もしかりということになりますと、これはお話はお話として承るけれども、実効は何らあがらないということもあるわけであります。 それからもう一つは、船舶職員法に違反して船を運航していた事例がいままでもたくさんございますね、それで海上保安庁が摘発というか、これをつかまえて、水産庁にも御連絡をいたすわけだと思うのでありますが、そういうものの取り扱い一つとってみても、水産庁として行政処罰その他を加えているという事例については、いまだ聞いていないのです。結局、船員法か船舶職員法か知りませんが、そういうものに対して事業主には最高二十万円の罰金を科する、その罰金は科しているのかもしれませんが、これも寡聞にして知らない。もっとも科したところで、二十万でありますから、二十万の罰金を払うよりは魚をうんととったほうが、多少しかられても得だというようなことがある今日では、浜の真砂と同じようになかなかあとを断たぬ、こういうふうにわれわれは考えておるのであります。だからあらためて質問しますが、船舶職員法違反の問題も海上保安庁等から通報があったと思うのでありますが、これに関して水産庁は、いわゆるあなたのほうの権限として行政処分があるはずだと思うのでありますが、そういうものはやっておられるかどうか、あるいは当然のごとくこれは水産庁がやるのがいいのか、あるいは海上保安庁がやるのかどうか知りませんが、法律違反によるところの告発というか訴訟というのかわかりませんが、そういう手続をとったためしがあるのかないのか、これは順次お答えをいただきたい。
○栃内政府委員 漁船の船舶職員法違反につきましては行政処分の対象となっておりますので、違反事件につきましては、その主務官庁である運輸省と協議いたしまして、違反の内容等を船員局のほうに通報するという制度を昭和四十年からとっております。
○亀長説明員 水産庁といたしましては、もちろん保安庁なり運輸省のほうから船舶職員法違反というようなことがあれば、これは記録にとどめて、一斉更新等の際に資料として考えております。もちろんそれをどの程度扱うかということは、法律の問題もあり、先般お答えしたとおりでございます。その際に直ちに漁業法に基づいて、さらに船舶職員法なりの法律の違反の制裁に加えて、個々の制裁を課し得るかどうかという問題になりますと、現在そういうことはいたしておりませんし、法規上の根拠もございませんので、実施はいたしておりません。
○久保委員 いまのお答えだと、一斉更新の際の一つの更新の基準としてそういうものを考えているということでありまして、いままでは別に具体的にどういう手段も講じてはおらないと見受けられるのでありますが、海上保安庁としては悪質なものは当然検挙して、告発といいますか、それの手続をやっていると思うのであります。いまの保安庁の長官のお答えでは、水産庁に通報しているというだけでありますが、あなたのほうでは、たとえば船舶職員法で、船長が乗らぬで船が出ておった、そして事故を起こしたとか起こさぬとかいうような事例がありますね、こういうものについてはどういう手続をおとりになったのですか。
○栃内政府委員 ただいまの御質問が他の行政官庁との関係の御質問というふうに理解しましてお答えしたわけでございまして、船舶職員法違反の事件についての通報は船員局のほうにしておりますが、むしろ海上保安庁として本質的な問題としましては、検察庁のほうとの関係でございます。この点につきましては、検察庁のほうに送致をいたします。検察庁のほうで状況によって判断をしまして、起訴をする、あるいは起訴猶予をするというふうになっておりますが、私どものほうで検察当局から伺っておるところにつきましては、たとえば東京、横浜の地検におきましては、船舶職員法違反事件のうち起訴率はそれぞれ八三%、七一%ということになっておるわけでございます。
○久保委員 時間もありませんから、次に参ります。 これは前回お尋ねしたかと思うのでありますが、ILOの五十回の総会で漁船の船員設備に関する条約という問題が出てきているわけでありますが、これに対しては国内の受け入れ体制はどうなっているのか。
○深草政府委員 漁船の船員設備の基準を定める問題でございますが、先般もお答え申したと思いますが、船員設備全般の問題といたしまして、まず五千トン以上の大きい商船から審議を進めておりまして、それは終わりまして、現在五百トンから五千トンまでの商船に関する審議を行なっております。引き続いて漁船に関する審議に入るという段取りになっております。 これまでの規制のやり方でございますが、昭和三十七年に水産庁との共同通達で漁船船員の労働環境改善のための措置要綱というものをやって行政指導いたしておりますが、それを省令化したいということで作業を始めておりましたが、先ほど先生からお尋ねのILOの五十回総会が本年の六月から現在行なわれておるわけでございまして、その中に漁船船員設備に関する条約というものが審議されることになっております。したがいまして、その条約が採択されましたならば、その条約の内容をよく検討いたしまして、できるだけそれを取り入れた基準を設定いたしまして省令化をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○久保委員 それでは次に、海外の基地漁業というか、そういうものを承認する際には、いろいろこういうふうにしたらいいだろう、ああいうふうにしたらいいだろうというような指導はされていると思うのでありますが、その中で、特に中継基地を含めて、漁船船員の福利厚生の施設が必ずしも十分ではない。これに対して言うならば先行するのが、いわゆる基地で操業するというか、そういうものがさしあたりはやられて、船員の福利厚生施設はどうしてもあと回しになるために、いろいろなトラブルが海外で起きる場合もあるわけでありますが、まずこれに対しては水産庁としてどんなふうに考えているか。いかがでしょう。
○亀長説明員 海外基地につきましては、従来も船員の福祉厚生ということも十分に考えながら、われわれとして指導してきたつもりでございます。ただ、性格的に行政指導の域を出ておりませんので、十分徹底が期しがたいというようなうらみもございますけれども、われわれとしては今後厚生省、運輸省ともそれぞれ御連絡をとりまして、また予算等で御援助もいただいて、できるだけ中継基地の福祉施設というものも拡充してまいりたい、かように考えております。実際問題といたしまして、現在ある基地以上に、いまの趨勢といたしましてふえる傾向ではございません。むしろ、ある分におきましては廃止といいますか、利用しなくなるという場所もございますので、新たなところというよりも、従来非常に多く利用されておる、利用度の高い地帯、たとえばサモアであるとかラスパルマスというふうなところを、重点的に拡充をしてまいりたいと思います。
○久保委員 これは船員局の所管でもあろうが、いまのお尋ねは海外の問題でありましたが、国内においてもまだ、これら漁船船員の福祉厚生施設というか、こういうものは十分でないように見ているわけでありますが、これの整備というか、そういうものの方針はどういうようになっているのか。たしか昨年までは厚生省との間に資金的な関係があって、かなりスムーズというか、そういうことで行ったと思うのでありますが、最近聞くところによれば、そういう制度自体についてもう取りやめというか、やらなくなったと聞いておりますが、その辺を取りまぜてお聞きをいたしたい。
○深草政府委員 お尋ねの国内の船員厚生施設でありますが、御案内のように、四十年度で五カ年計画は一応終わりまして、その間相当な補助金も出してまいったわけでございますが、なお必ずしも十分ではございませんし、また老朽施設も多数かかえておるわけでございます。今後計画的に整備をしていかなければならぬと考えております。ただ、新しい整備計画を推進いたすためには、先ほどお話にございました、船員保険の特別会計の福祉施設費から金を出すということがぜひ必要であると私ども思いまして、かねがね厚生省と折衝を重ねておるわけでございますが、残念ながら四十一年度の予算の場合にもその趣旨が貫徹できませんで、現在もその折衝を重ねておる段階でございます。問題点は、船員保険法の改正をどのようにやるかというような事務的な問題が主だと考えておるわけでございます。
○久保委員 厚生省医療保険部長がおいででありますから、いまの問題をお聞きするのでありますが、運輸省の答弁は歯切れが悪い。もちろんそうだと思うのでしかたがないのだが、あなたのほうでは、たしかいままでやったのを打ち切った——打ち切ったというか、これは四十年で終わりですよ、あとはありません、こういうことで、実は今年度もそういうものの予算は見てない、こう思うのだが、それはそのとおりでありますか。もしもそうだとするならば、いまの運輸省の官房長がおっしゃるようだとするならば、どういう点が隘路というか問題になって、運輸省船員局というか、そういうものが要求しているものに応じられないのか、その辺どうなんですか。
○加藤政府委員 船員関係の福祉施設につきましては、船員保険法の福祉施設といたしまして毎年六、七億の予算を組んで、保養所にいたしましても現在五十所カぐらい設置いたしております。ただいまお尋ねの件につきましては、私が承知いたしております限り、運輸省のほうに船員保険特別会計からそういう金を出しているという話は承知いたしておらないのでございます。ただ私が聞いておりますのは、昨年度船員災害の防止事業関係といいますか、そういうことのために運輸省が中心になって団体をおつくりになり、そしてそこに金を船員保険特別会計自体から出してくれぬかというお話があったことを承知いたしております。それはしかしその法律が大蔵省との話し合いその他でできなかったということで、私のほうも、金の流用で一応話し合いがつきますれば、特会から若干のお金を出すということも検討しておったのでございますが、そういうことでさたやみになったということを承知いたしております。本年度並びに来年度におきまして、船員のそういった福祉施設あるいは災害防止ということは、やはり運輸省関係と厚生省が連絡を密にしてやっていくべき筋合いだというぐあいに考えておりますので、そういうけっこうな案ができましたならば、われわれといたしましても、財政面でできるだけ御協力をしていきたいというぐあいに考えております。
○久保委員 運輸省官房長にお尋ねしますが、医療保険部長の話のようだと、私も記憶があるのですが、これは端的に言うと、大蔵省から問題がといういまの保険部長のお話ですね、あなたの見通しは。大蔵省でまずいと言われたので、どうも出すわけにいかないのでできなかった、いまのお話は、そういうお話ですか。
○加藤政府委員 大蔵省が強硬に反対したということでもないかもしれませんが、ただ法案をつくりますのについて、結局大蔵省の同意もなかったので、運輸省のほうであきらめたというような話をちらっと聞いたということでございます。
○久保委員 むしろ保険部長のところで判を押さなかったのじゃないかと思うのだが、それはどうなんですか。あなたのほうが、厚生省が所管をおれのところへ全部持ってくればというようなことは、みんな紳士だから言わないだろう。だけれども、そういう点でデッドロックに乗り上げたのじゃなかろうかと私は見ておるのですが、違うのですか。
○加藤政府委員 まあ私のほうも正面から絶対反対ということじゃございませんで、やはりよく話し合いをいたしまして、そうして納得がいきますれば御協力をしたい、こういう態勢であったわけでございます。今後もそういう態勢でいきたいと思います。
○久保委員 それはやはりあなたも紳士だ、政府の高官だから、局長になるとわけのわからぬ答弁になるのだが、いまのお話はまことに率直でよろしい。そのとおりなんです。だけれども、運輸省では、多少前進のつもりで、おれのところへ予算を回せと、こうはできないと思う。だから何かわけのわからぬと言ってはおかしいが、厚生省でも一株買えるようなところを出そう、こういうふうに持っていったのだろうと思うのです。厚生省はもう少しどうだということで判を押さないで、大蔵省へ持っていったら、こんなわけのわからぬものをつくって、何だ、こう一喝されてすっと引っ込んだのじゃなかろうか、こう私は見ておるのです。交渉の場面は全然知りません。しかしそういうふうに映る。それから水産庁のほうは、できればいいのだから、どっちでもいいのだということで、水産庁はでかい判こをばたんと押した。ところが業界から銭を取るということが運輸省構想の中にあるかもしれない、そうなると水産庁も一株おれにもきちっと出せるようにしなければだめだということで、言うならば三すくみの形で、この問題はだめになった。しわ寄せを食ったのは、哀れにも漁船船員であるというふうになったと思うのであります。そこで、きょうは幸いに三人のそれぞれ直接の関係者がいらっしゃるから、私から要望しておきます。これは質問のやりとりをしたって片がつくものではありませんから、大蔵省は別として、きょう集まった三者は、ほんとうにやらなければいけないと考えているなら、それだけ答弁してください。やらなければいけない、こういうふうに感じているのか、そういうふうなものは大体いいから、あとは業者まかせにしろというのか、これはどうなんですか。まず運輸省、それからその次に厚生省、その次に水産庁、順々に、簡単でいいです。
○深草政府委員 この問題が出ましたもとは、政府関係の厚生福祉施設が非常に多岐にわたっておるというような問題から、これを何とかして統合しよう、統合するためにはある団体をつくりまして、そこへやはり補助金のような形で国から金も出そう、その出し方の問題がいまのお尋ねの筋だと思います。その前提となる統合問題というのは、いろいろ漁船員からの要望がございますし、これはぜひやらなければならぬ。そのためには、これを統合を達成するためにも、先ほどの特別会計からの補助というものをぜひ必要とするというような考え方で今後も推進したい、かように考えております。
○加藤政府委員 いまの先生のお話で、一つはいま運輸省の官房長のほうからお話になりました福祉施設の統合の問題という問題と、それからもう一つは災害の防止の問題、二つあると思うのでございます。 福祉施設統合の問題が問題になりましたのは、やはりたとえば利用する場合の値段が違う、厚生保険のほうでは比較的安い、しかし運輸省関係のそういう宿泊施設等は割り高であるというようなこと等が、一つのそういう統合論になっていると思うのでございます。こういう点はやはり両方でよく話し合いまして、そういった利用する場合の値段の統一というようなことをまず考えていったらどうかというような感じがするわけであります。 もう一つは、災害防止のための団体をつくるという問題でございます。これはやはり船員保険といたしましてももちろん、たとえば漁船等が水難が非常に多い、非常に事故が多いということは、これは人命も非常に大切でございますと同時に、船員保険の会計といたしましても、できるだけそういう事故を防止するということが会計上からも必要でございます。したがいまして、そういった災害防止のために、推進するために非常に強力なものであるということであれば、われわれも喜んで御協力申し上げたいというぐあいに考えております。
○亀長説明員 水産庁としましても、もちろん船員の方の福利厚生等につきましては、できるだけの努力をしたいと考えております。ただ、所管の問題もございますので、実際上の措置についてはあくまで各省にお願いなり、十分協議をした上で進めてまいりたいと考えております。
○久保委員 いままでの御答弁では、これはなかなかむずかしいですな。医療保険部長は値段の統一の問題を出してきたし、それから運輸省は団体みたいな話をしてきたし、水産部長の答弁だけが当たらずさわらずでよさそうな答弁で、これはまあ二人にひとつやってくれということに尽きると思うのです。これでは来年も決着がつかぬと思うのです。漁船船員にすれば、どこの省でやろうが、そんなことはどうでもいいのです。たとえば運輸省でやっても政府というし、厚生省でやっても政府というし、水産庁でやっても政府なんですよ。できて、安くて、しかもうまく利用ができるというものなら、文句がないわけなんです。しかし、金はある。いま皆さんのお話を総合すると、金の問題については一言半句も言わない。これは珍しいですよ。たいてい予算がありませんがというのが先に出るのですが、この問題だけは一言半句も金がないということは言わない。金を持っていながら酢だのゴボウだのという表現は非常に下俗でございますが、けんか一歩手前の話です。だからきょうはこれを討議してやりなさいとかなんとかいうことは言いません、言うだけ損だから。ことしはこれはもうできない。できる可能性はない。だから来年の予算編成の時期までに目鼻がつかなければ、私はあらためて三者に来てもらって論議をしたい。しかし忘れてはいないということ。今度の運輸委員会で話があったが、当分休みだからまあいいわと休んでいられるとちょっと困るので、忘れてはいないのです。忘れてはいませんということを最後に三者に申し上げます。 そこで、たいへん時間が長くなって恐縮でございますが、医療保険部長にお伺いするのであります。これは前に質問して御解明があって、制度上できないものだと思っておりますが、すなわちそれは漁船船員保険では失業保険、いわゆる陸上における失業保険というか、それと同じ適用じゃないということですね。そうですな。船員保険は総合保険ですね。総合した保険です。その中におけるいわゆるおかのほうでいう失業保険、こういう失業保険と比べた場合に、船員保険はやや違った制度である。そうですね。その違ったことについて、たしか前回はこれを是正するように努力してほしいという要望を私がしたと思うのです。これも忘れてはいないのです。何年か前です。二年くらい前かしれません、去年はやらなかったから。だから、それはその後どうなったか。これは船員局の関係もあるわけだが、船員局のほうでは厚生省医療保険部、そういうところに接触をしているのかどうか。これはどうなんですか、部長さんから先に……。
○加藤政府委員 先般の運輸委員会で久保先生から御指摘がありましたのは、私のほうから課長が出て御答弁申し上げたと思うのでございますが、一つは失業保険が、船員保険の失業保険と陸上の失業保険と違うところがあるのかどうかという御質問に対しまして、たいした違いはないけれども、一つは、たとえば失業保険の給付の条件といたしまして、船員保険におきましては、離職前一年間に六カ月間働いておる被保険者であるという場合に受給資格ができまして、その給付は、それから先一カ年間に六カ月分の給付手当が出る。それが陸のほうでは、何か三カ月の場合と六カ月の場合と九カ月の場合と、三通りその失業手当が出るようでございます。そういう点が食い違っておるということを御返事申し上げておると思うのです。その点につきましては、一応私どもといたしましては、船員保険の被保険者の雇用期間がひんぴんと変わりますし、陸上とそういう点におきましても若干違っている面があるというようなことで、一応そのときの御答弁といたしましては、直ちにそれを変える、陸に合わせるというようなことをお約束はしていなかったというぐあいに考えておるのでございます。
○久保委員 それは約束はしていませんよ。しかしこれは何とかならぬか、その研究はどうだろうかということなんですよ。それはもうそういう相違があるのは当然であってやむを得ないのだということで、いま落ちついているようなお話なんですが、それはそのとおりなんですが、何か改善すべきではないかというのがわれわれの主張なんですよ。改善することが非常に不可能なのか、その点はどうですか。
○加藤政府委員 これは絶対にいかぬというほどの理由はないと存じます。
○久保委員 そうだとするならば、ほかと同じような基準に引き直すことが当然ではなかろうかという気持ちを持っておるわけなんだが、そういうことについてあまり関心は持っていないということですかりそれはそんな必要もないんだというふうにお感じになっておるのかどうか。
○加藤政府委員 必ずしもそうでもございません。はなはだおくれて申しわけございませんけれども、社会保険審議会の船員保険部会が現在失業保険問題を討議いたしておりますので、そこで十分検討して、こちらから議題として出しまして、労使の意見を十分聞いてみたいと思います。
○田澤委員長代理 内海清君。
○内海(清)委員 だいぶ時間が経過しておりますので、若干質問して次の機会に引き続いて質問いたしたいと思います。 さきに海上保安庁から、海上保安の現況についての発表がありました。それによって見ましても、漁船の海難が全海難の四一%を占めておる。しかもその漁船の海難に特徴的な問題としては、全損がその二一%を占めておるということであります。先般来久保委員から大体来年の八月に指定漁業の一斉更新が行なわれるということに関連しましていろいろと質問があったわけでありますが、私はこの問題にはできるだけ触れないで、主として北洋の海難の問題についてお尋ねしてみたいと思うのであります。そこできょうは時間もございませんから、これらに関連して二、三の問題について質問申し上げ、なおかつ郵政省の電波監理関係、外務省関係もおいでいただいており、私の質問に入らぬでたびたび委員会に御足労願っておるので、できればそういう方面もきょう触れてみたい、かように思っておるわけであります。 それで第一番にお尋ねいたしたいと思いますのは、これは一つの事例によりまして問題点を抜き出してみたいと思う。と申し上げますのは、本年の二月十二日でありますが、そのときに御承知のような第八惣宝丸の全損事故があったわけであります。基地は八戸でございましょうか、二十五名の船員が全員死亡したという事故であります。その当時私はこれを取り上げるつもりでおりましたけれども、委員会のいろいろの都合で一般質問がなかなか許されないということで時期を失した感がございますけれども、今後に問題を残しておると思いますので、これらについてお尋ねいたしたいと思うのであります。 大体のことを申し上げてみますと、本年の二月十二日の十八時三十分の通信連絡を最後として第八惣宝丸が中部千島で消息を断った、こういうことであります。そこで保安庁は直ちに巡視船の「宗谷」を出した。越えて十五日になりまして、その家族と船主から要請がありまして、飛行機によって捜索してもらいたいということであったのであります。御承知のように、時たまたま全日空の727の事故がございまして、これは航空史上最大の事故ということで、いわば国をあげてこれに対処しておった時期でございます。そこで保安庁のほうに連絡して、保安庁に十五日から十六日にかけて飛行機による洋上捜索をお願いしましたけれども、これに使用する大型機がないということで、防衛庁の航空自衛隊に要請して、一応八戸の基地から飛ぶことにきまった。ところが防衛庁関係では、大体ソ連の領空を侵すことはないであろうけれども、天候等の関係では不時着が必要になるかもしれない。そこでソ連の飛行場の不時着使用の許可を求めてほしいということであったのであります。おそらくこれは外務省に通ぜられまして、外務省からソ連のほうへ交渉があったことと思うのであります。ところが保安庁が中心になって、私も当時長官にも御連絡いたしてお願いもいたしましたが、いろいろやっていただきましたけれども、なかなかそれがうまくいかない。さらに海運組合からは水産庁なりあるいは海上保安庁等にもいろいろお願いをいたしたのでありますが、ソ連は——これは推定ですが、おそらく自衛隊の飛行機というものは軍のものだということだと思うのでありますが、許可が与えられなかったということであります。そこで、それではソ連の飛行機で捜索してもらったらどうかということで、ソ連はそれを大体承諾いたしましたけれども、十七日になりましてソ連から、飛行機は飛ばすけれども、その費用をひとつ日本側で負担してもらいたいという回答があった、こういうことを承っておるのであります。ところがその費用の問題につきまして問題が起きたわけであります。船主はそうたいした財力のある者ではございません。まして家族の者にはそういう資力はございません。したがって、ソ連の飛行機で捜索してもらえばどのくらいな費用が必要なのだろうか、おおよそでもわからぬかということで、国内のそれぞれの関係にいろいろ尋ねましたけれども、結局的確な回答がない。一方、海運組合におきましても、八戸の支部から船主に話をされまして、人命の問題だから費用はさておいて、とにかく全力をあげて捜索することが第一ではないかというふうなことで船主にも話をいたしますし、一方、中央におきましても水産庁と、もし費用がかさんだ場合の処置をどうするかということでいろいろ折衝いたしましたけれども、結局結論が出なかった、こういうことであります。そういうふうにしておりますうちに、すでに遭難から六日あるいは一週間もたつものでありますから、船主がその負担にたえられないということと、日にちがたったということで、遠くの北洋でありますから、こう日にちがたってはすでに望みが薄いであろうということで、結局これは取りやめになった。こういう事態があるのであります。この船は「宗谷」とか「えりも」とか保安庁の巡視船が全力をあげて捜索いたしましたけれども、結局船体の一部と思われます木片を拾得したということで終わっておるのであります。 この問題は、先ほど申しましたように、たまたま全日空のあの事故があった当時でございます。国民のすべての目はこれに注がれており、運輸当局といたしましても、政府といたしましてもこれが捜索に全力をあげておったときであるということでありますが、したがってこれはほとんど多くの人からは顧みられないで過ぎたということであります。そこに私は一つの非常に矛盾を感じるのであります。全日空の捜索は、もちろんこれは国の全力をあげてできるだけの捜索をすることはまことにけっこうで、そうなければならぬと思います。これによって国民の多くの人々もある程度の納得はいたしたと思うのであります。ところがその陰にかような二十五名という人命が失なわれておること、これに対して国がはたしてどこまで真剣になって対処したかということを考えざるを得ないのであります。 そこで私がお尋ねしたいと思いますのは、外務省は、自衛隊の八戸基地から飛んだ場合に、もし不時着の必要があるならばソ連の飛行場に不時着を許可してもらいたいという交渉があったと思うが、その間の経過であります。同時に、ソ連では不時着は認めるわけにいかないが、もし費用を出すならばソ連の飛行機を飛ばしてもいい、ただし費用は日本側持ちであるという回答があったということでありますが、これはこういう緊急の場合で外交上、国際慣例上その辺がどうなっておるのかどうか、この点をまず外務省にお伺いいたしたい。
○岡田説明員 ただいまの御質問でございますが、正式に外務省に対して関係省から、飛行機を飛ばしたいとか、不時着の場合にはソ連の飛行場を使用したい、だがらソ連政府と交渉してもらいたいという申し入れを受けたことは当時ございません。それで私どもといたしましては、そういうようなことがあったということは、船主側がそういうことを言っておるということは聞いておりますけれども、正式に外交交渉としてそういうことをやってもらいたいという要請を受けておらないわけであります。現実の問題としては、海難救助協定というものが日ソ間にあるわけでございまして、この海難救助協定の中に日本とソ連との地点間において無線電信で連絡をする規定がございますので、その無線電信の連絡によって双方でそういうような話し合いが行なわれたのではないかと思うのでございますが、通常の場合は、その結果話し合いがつかない場合に国内官庁から外務省に対して、ソ連政府に正式の外交交渉をするように、そういう要請があって初めて外務省は動くわけでございまして、その段階にはまだ立ち至ってなかったように考えられるわけでございます。 その次の問題点といたしまして、もしソ連側が飛行機を出して捜査する場合に費用を日本側が負うかどうかという問題でございますが、今日までのところ、海難救助協定その他の協定によってソ連側が日本の難船を救助する場合に、たとえば船を出したりそういう場合に、救助のための費用をソ連側から要求されたということは前例はございません。ただ、ソ連側に逮捕というか拿捕された船舶に乗っておった船員の、ソ連側につかまっておった間の食費を払え、そういうようなことをソ連側から言われたことはごごいますけれども、捜査のための費用それ自体を日本政府に要求したというケースはございません。
○内海(清)委員 その辺の折衝は主として保安庁を通じてやったと思いますが、私も長官に電話連絡したこともございますが、その辺の事態について保安庁のほうからひとつお答えいただきたいと思います。
○猪口説明員 ただいま岡田参事官からお話がありましたように、通常の北洋方面におきます海難救助につきましては、日ソ海難救助協定に基づきまして一管本部とウラジオとの間に、協定できめられました通信要領がございますが、それによりましてただいま先生のおっしゃいましたような順序で、おっしゃいました内容のことが一管本部とソビエト側におきまして、協定の要領に基づきまして行なわれたのでございます。その結果、先ほど参事官からお話がありましたように、正式に外交ルートで交渉する段階以前に、先ほど先生のおっしゃいましたように船主側のほうで、そういうことであればこれは断念せざるを得ないと申しますか、打ち切りたいというような話があったということを承りまして、それで外務省のほうの正式な外交折衝に乗らなかったというように私は記憶している次第でございます。
○内海(清)委員 私は、いまの答弁ははなはだ不満であります。と申し上げますのは、そういうことで一管本部とソ連側で折衝して、その折衝の段階ではどうにもならぬということになれば、先ほどの参事官のお話のように、当然外交交渉に持ち込むべきではないか。そのことをなぜ保安庁は見のがされたかということであります。その点いかがですか。
○猪口説明員 私たちそういう心がまえでありましたが、現地のほうからそういう連絡がございまして、船主と現地のほうでそういう話し合いになったからということでございましたので、先ほど申しましたように、強くその件について正式な申し入れを外務省のほうにお願いするという手段をとらなかったわけでございます。ただし、日ソ海難救助協定の問題につきましては、過去に幾多もそういうソビエト側に対する私たちの不満な事例がたくさんございますので、それらにつきましては、あらためまして外務省を通じて強くいろいろ要望あるいは抗議しなければならないというので、現在それらの資料を整えまして外務省にお願いしておるというような段階でございます。
○内海(清)委員 あなた方が、保安庁関係で外務省に正式の外交交渉でやってもらいたいという意向があるならば、かりに船主側なり家族のほうから、費用の点もわからず、どのくらい要るかわからぬ、こういうふうなことがあっても、いまの外務省の参事官の話であるならば、そういう緊急の場合に費用を請求されたことはないということでありますので、それであるならば船主側に、こういうことであるから外交交渉に移そうと思うがどうかという意見くらいは聴取されてしかるべきじゃないかと私は思うのです。外交交渉の問題はなかなかむずかしい問題で、しろうとにはなかなかわかりません。でありますから、保安庁にそれだけの配慮があってしかるべきだと思う。ただ、船主のほうで、費用が幾らかかるかわからぬからとても負担できないということがありましても、それは当然行政官庁としてはやるべきではないか、こう思うのですが、これに対する長官の御意見を伺いたい。
○栃内政府委員 ただいまの海難事件につきましてでございますが、ただいま外務省のほうからも御答弁があり、また重ねて内海委員からも御質問がありまして、当時の実態を救難部長から御説明がございました。なおその際に、関連いたしまして、たとえ船主のほうからいろいろな点で打ち切ってもいいというような話があっても、さらに一押しするということをむしろ積極的に言うべきではないかというお話でございますが、これはまことに、行政官庁としてはそこまでやるのがやはり親切ではないかと私は考えております。ただいまの警備救難部長の説明によりますと、さらにその点の念も押したということでございますので、どこまで念を押すかという問題はございましょうが、なお相当念を押して、もうこの辺で打ち切ってけっこうであるというような話だったというふうに報告を受けております。
○内海(清)委員 その点は念を押したということでありますが、実は、私その点は十分聞いておりません。だからその点につきましては、いずれ十分なる調査をしまして重ねてお尋ねする機会があるかもしれませんが、当然そこまでやられるべきである、こういうふうに私は考えるのであります。 保安庁としても、もちろん、当時全日空の事故がございましたので、そちらに全力をあげておられたということもあると思いますが、今後はこういうことが決してあってはならぬと私は思うのであります。これは、全日空の事故によりまする人命も、この中部千島におきまする二十五名の人命も、何ら違いはないはずである。これは人道上の問題だと私は思うのであります。今後そういう事態があったら、運輸当局はどう考えられるか。この点はひとつはっきり承っておきたいと思うのであります。次官の御答弁を願います。
○福井政府委員 当時の状況については、内海委員の御指摘のとおり、航空事故が相次いださなかでございましたが、いまの北洋の問題についても、運輸省当局としては十分尽くせるだけは尽くしたという考えを今日までも持っておりますが、なお、御注意のとおり、今後そういうようなことがあった際は最善を尽くさなければならないと考えておる次第でございます。
○内海(清)委員 いまの次官の御答弁で、運輸当局は十分手を尽くしたということでありますが、先ほど申しましたように、なおそれらの点について詳細に調査して、その後でないといまの次官の御答弁は私は承服できにくい、かように考えるのであります。しかし、今後は、こういう問題については誠意を持って対処していただきたい、こう思うのであります。この点はひとつ強く要望しておきたいと思います。 それから、外務省に重ねてお伺いしておきますが、こういう緊急の場合には、たとえソ連の飛行機を飛ばしたとしても、その費用は日本側に、こちら側に請求されることはない、こういうことでございますか。その点をひとつはっきりお伺いしておきたい。
○岡田説明員 こういう緊急の場合に飛行機を飛ばしたという前例がまだないことが、第一点でございます。それから、たとえば船舶等によって緊急に救難に当たってもらった場合に、その経費を要求されたという前例がないということが第二点。したがいましてこれから類推すると、将来もないのではないかと思いますが、相手のあることでございますから、日本政府がやるわけではございませんから、ないというぐあいにはっきり申し上げることはできないと思いますが、前例はございません。
○内海(清)委員 それらの点は、日ソ間の海難救助協定、これにはどういうふうになっておりますか。
○岡田説明員 日ソの海難救助協定には、費用の点に関しましては何ら規定はいたしておりません。
○内海(清)委員 こういう問題については、はっきりしていないために、あるいは救われたであろう人命が失われるということもあるわけであります。近くソ連のイシコフ漁業相あるいはグロムイコ外相も来日するようであります。こういう点については、今後外交折衝ではっきりと規定していただきたいと思いますが、その点いかがですか。
○岡田説明員 ただいま御指摘のございました今後の問題でございますが、先ほど警備救難部長からも御説明がございましたように、海難救助協定自身につきましても、最近いろいろ検討いたしてみますと、たっとい人命救助について必ずしも十全の措置がとられておらなかったのではないかと感ぜられる節もございますので、海上保安庁と十分な連絡をとりまして、今度参りますイシコフ漁業相ないしはグロムイコ外務大臣等に対して、もし必要な場合には条約改定も含めて、人命が救助されることに十分遺憾なきよう、何らかわれわれとしては交渉するつもりでございます。
○内海(清)委員 その点は、ひとつ外務当局におきまして十分配慮されまして強硬な交渉によって、安心して操業ができるというふうに対処していただきたい。 それと、外務省にもう一つお尋ねしておきますが、こういう場合、一般の国際間の慣例ではどういうふうになっておりますか。
○岡田説明員 国際協定に関しましては、日ソ漁業協定の第六条にも規定いたしておりますが、それは一九一〇年九月二十三日にブリュッセルで署名された、海難ニ於ケル救援救助ニ付テノ規定ノ統一二関スル条約、それから一九六〇年ロンドンで署名された、海上における人命の安全のための国際条約というようなことで、多数国間の国際条約があるわけでございますが、一般に言われております海難、公海たとえば太平洋のまん中とか大西洋のまん中とかという場合に、そういう海難が起きた場合の緊急救助、緊急に救助のためにおもむくための双方の国際間の義務規定を書いたものでございますが、日ソ間におきましては、このほかに、北西太平洋に特別な漁業問題がございますので、いろんな中小の船舶その他が出漁いたしておりますので、このほかに日ソ間の海難救助条約というものが締結されておるわけでございます。
○内海(清)委員 次に水産庁にちょっとお尋ねいたしますが、この場合、費用の点につきまして水産庁にもいろいろ御相談申し上げましたけれども、まあ結論が出なかったということであります。これについての水産庁の御意向をお伺いいたしたいと思います。
○山中説明員 この問題に関しましては、先ほど海上保安庁あるいは外務省からもお話ございましたように、種々検討いたしまして費用の点について考えたのでございますが、私どものほうといたしましては、一つの例で、アグリガン島の付近でマグロの漁船が一挙に七隻遭難いたしました。そのようなときに、あとではいろいろと措置を講じたわけでございますけれども、この救助のために出動する費用の問題という点、この点は現在の行政的な方法といたしましては適切な方法がないために、今後さらに漁船保険の余剰金の特別交付金の果実等の活用という点も考えられるわけでございますが、ただ、飛行機を飛ばすというようなことは全然いままでも行なわれなかったし、アメリカ軍が自発的に出てくれた例はございますが、ソビエト関係はなかったために、若干日をいたずらに過ごして、その人たちに適切な手が打てなかったという点は遺憾に存じます。
○内海(清)委員 ソ連との間には前例がない、それで処置できなかったということでありますが、これは外国の飛行機等によりまする捜索の費用という、今後の問題になると思う。おそらく全日空の捜索の場合にはすべて国があげて捜索した、こう考えるのですが、これはいかがですか。
○栃内政府委員 いまお尋ねの全日空の捜索につきましては、費用の負担関係につきまして概略申し上げますと、海上保安庁なり自衛隊なりその他公の機関が行動しました費用、これはもちろん全額国の負担でございます。ただ、漁船が出まして遺体の捜索等をいたしましたが、この漁船が出ました遺体の捜索の費用、これにつきましては国としてはこれを見ておらない。具体的に申しますれば、全日空の負担ということになっておるわけでございます。
○内海(清)委員 もちろん海難の場合におきましても、その付近におります民間の船が自発的捜索をするという場合には、これはまあそれの負担において、あとで若干の手当てはいろいろな形でされる場合が多いようであります。そういうことでしょう。しかし、こういう場合に国で、ことに保安庁では北洋まで飛んで捜索する大型機はないという。先ほど申しましたような十分の外交折衝を行なわれないで、ソ連側にも頼めなかった、こういう場合においては、すべて船主が負担せねばならぬのかどうか。この問題は今後大きい問題になってくると思います。そうすればこの弱小船主、そういう費用を負担する能力のない船主の船員というものは、いつも見殺しにされるという形になる。これは非常な問題だと思うのですが、そういう点に対しますお考えをひとつ承りたい。
○栃内政府委員 いろいろな問題があると思いますが、たとえば先般のアグリガン島における漁船の集団海難、これに際しまして、僚船が救助に当たったわけでございますが、これらの費用の問題につきましては、先ほど水産庁からもお触れになりましたが、いろいろな問題があると思います。それから先ほど申しましたように、海上保安庁なりあるいは自衛隊というような国の機関、あるいは地方公共団体の経費負担においてやり得るというようなものに関しましては、これは問題はないわけでございます。それ以上の救助活動を民間が自発的にやる、これにつきましては、これもあるいは問題もあるかとも思いますが、一応いまのたてまえとしましては費用の負担はその救助に従事した船がやる、あとのいろいろな処理の問題はいろいろなやり方があると思います。というようなわけでございまして、それ以上に手を尽くす、たとえば民間機をチャーターしてやるというような問題になりますと、この点は実際問題として、現在これを国が負担するというような制度にはなっておらないわけでございます。問題のある点は私も承知しておりますが、しからば今後どういうふうにやるかというような問題は、相当これは慎重に考えなければならない、かように考えております。
○内海(清)委員 まあ役所でありますから、規定がないとできぬ。それでいいかということ。ですね。そこでもしこの場合、保安庁の飛行機、自衛隊の飛行機が飛べたら無料である、こういうことなんです。そうすると、もしソ連の飛行機が、費用を出せば飛んでやろう、こういう場合にはこれは肩がわりするものじゃないですか。でありますから当然国が負担すべきじゃないか、こう考える、これはひとつ次官に御答弁願いたい。
○福井政府委員 その問題につきましては、各省庁にわたるなかなかむずかしい問題でございますので、十分ひとつ検討さしていただきたいと思います。
○内海(清)委員 運輸省としてはどう考えられるのですか。ただ検討だけでは困ると思うのです。こういう方向で検討する、責任をもってこういう方向に検討するということがなければいかぬ。
○福井政府委員 御質問の御趣旨を十分体して検討したいと思っております。
○内海(清)委員 きょうは大臣もおられませんで、はなはだ遺憾でありますけれども、私は当然——保安庁や自衛隊の船でやったら無料である、それがたまたま飛べないためにということで、かりにソ連機でなくても、民間機を使っても私は同様だと思うのです。これは保安庁がそういう飛行機を持たないということ、少なくとも国民の生命財産を保護する国が、しかも、その機関がそれを持たないということは、国の責任じゃないですか。でありますから、これは肩がわりしただけのことだと私は思う。当然国が負担すべきだと思う。その方向について今後十分御検討願いたい。強く要望しておきます。 それから、これに付随しまして一つお尋ねいたしたいと思うのです。陸上ではいろいろな災害が起きておるのに対して、災害救助法があるわけです。ところが、海上の災害救助法というものは今日ないわけです。この陸上の災害救助法というものを拡大して海上にまで適用することができるかどうか、きょうは大臣がおられませんが、大臣がおられれば、国務大臣として当然これは御答弁願わなければいかぬと思いますが、この点について次官はどうお考えになりますか。
○福井政府委員 御指摘のとおり非常に重要な項目でございますので、よく大臣に御報告いたしまして、あらためて御回答申し上げたいと存じております。
○内海(清)委員 それから、先ほど水産庁からちょっとお話を承りましたが、漁船保険がありますね。これをこういう場合に、何かこういう方面に適用することができればたいへんけっこうじゃないか。たとえば、不成功に終わりましても、あるいは保険の金額を越えても、これは当然措置しなければならぬ問題だと思うのです。そういう場合に、この救助費を漁船保険のほうで負担できるようにしようというお考えがあるかないか、この点を伺いたい。
○山中説明員 ただいまの漁船保険制度におきましては、救助に向かいました救助の費用——その船体を助けにまいりました場合に、その船体を無事に引っぱってきて助けた、そういったような場合には、あらかじめその船主が救助費という点で、保険に入っておれば保険で払うことができます。しかしながら、最初に一隻来てうまく助けた船だけがもらえるわけで、その後いわば応援にかけつけた船は一切あずかることができぬというかっこうになっております。それで、それではどうも救助意欲が少し弱まるのじゃないかということで、保険制度としてではなくて、保険の特別給付金で四十一年度から出ますそれの果実で若干活用したいということです。その方向でいま研究しております。
○内海(清)委員 この問題もひとつ水産庁のほうで十分御研究されて、いまお話のありましたようなことについて、海難救助についても十分漁船保険の活用できるような方向に進めていただきたいと思います。 時間がありませんから急ぎますが、外務省にもう一つお聞きしておきたいと思うのは、これは外交折衝が正式に行なわれたのでないからはっきりせぬと思いますが、ソ連側が自衛隊の飛行機は断わったというのでありますが、もしこれが保安庁の飛行機であったならばソ連は不時着を認めたのであろうかどうか、こういうことです。どうお考えですか。
○岡田説明員 この問題は、保安庁の飛行機であれ、自衛隊の飛行機であれ、まず第一に問題となりますのは領海の問題が起きると思います。ソ連の領土の近所で遭難をいたし、おそらく中部千島といういまお話でございましょうが、領海上の領空を侵して飛行機が飛ぶわけでございますから、まずソ連側と折衝する、それでその島から何海里、たとえば、ソ連側は十二海里といい、日本政府は三海里といっておりますが、その上を飛ぶということに対して先方との間に合意を遂げなければならないという問題があるわけであります。 それから不時着の問題に関しましては、過般来私日ソ航空協定の交渉をやったわけでございますが、日本とソ連とは共同運航をいたしまして、やります飛行機の不時着するところの飛行場の設定ということにつきましても、非常ないろいろな問題がございまして、御承知の暫定運航二カ年間というぐあいに限りましたのも、地上からの種々の連絡の施設がないということのほかに、やはり不時着をする場合の飛行場の設備を十分にやらなければならないというようなことがございましたので、急にやってもなかなか問題が解決するものでもないかとも思います。ただ、自衛隊の飛行機と海上保安庁の飛行機というケースをおあげになられたわけでありますが、もし海上保安庁が飛行機をお持ちになっておられて、そのことだけのためで領海及び領空を飛ぶということであれば、交渉いかんによっては必ずしも不時着は不可能ではないかとも思います。その不時着をする場所が特定の軍事施設のある場所、たとえば国後とか択捉とか、そういうところの場合は相当困難ではないかというぐあいに考えられます。
○内海(清)委員 それらにつきましても、今後の日ソ間における外交交渉の過程で、できるだけはっきりしていただきたいと思うのであります。そのことをひとつ強く要望しておきます。 時間がありませんで何ですが、ただ一つ、ここで先ほど次官も御答弁いただいた、非常に重要な災害救助法の問題です。もし海上の災害救助法というものができますと、ここで問題になると思いますが、もしこういうものができれば、その発動は国が決定することになるわけです。陸上の場合を見ますと、そのときの事態によっていろいろ救助費が違ってくるわけです。ところが、海上の場合は、どんな小さな船を救助するのにも同じ程度の費用がかかるということも、十分頭に入れてやっていただかぬとまたそこに問題が起きると思います。これは小さな海難にいたしましても、大きな海難にいたしましても海上の場合は、捜索するといえば大体船と飛行機です。そうすれば、海難の大小によってその捜索費用というものはあまり違ってこないと思う。先ほど次官は、それらについては十分検討するということでありましたが、この検討の場合にあたっては、こういう点もひとつ十分頭に入れて検討していただきたい。これはひとつ早急に運輸当局において手をつけていただきたい。この点も強く要請しておきたいと思います。 次に、北洋の海難問題でありますが、これに入りますと時間もかなりたちますし、先ほど申ました外務省のまだ残りました問題もあり、それから電波監理関係も実はちょっと質問に入れませんでたいへん恐縮ですけれども、この次の一般質問の時期に譲りたいと思いますので、それぞれ要求申し上げます官庁のほうは必ず出ていただきたい。このことを要望しまして、きょうはこれで質問を打ち切ります。
○田澤委員長代理 次会は明八日水曜日、午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十分散会