運輸委員会 第36号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/05/27
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 港湾運送事業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。野間千代三君。
○野間委員 前回の委員会で、今度の法改正によって港湾運送事業を系列化して、強化していくという趣旨であることがはっきりしております。ただ問題は、その反面から見た場合に、現在の港湾運送業者の中で、まじめにきちんとした企業でありながら、集約、近代化の過程でこぼれる心配がありそうだという観点から質疑をしたわけです。 そこでまず一つは、系列化する際にあまり強い条件でしておくと、たとえば株の二分の一であるとか、あるいは四分の一、役員の派遣であるとか、そういうものだけでやったんでは、そういう体系化は困難である。したがってもっとほかに、現在の実情に合う条件が必要であるというふうに考える。それで、法改正の十六条第二項の規定に基づいて定めようとする省令がある。その省令でその辺は考ようということになっている。その省令案の中で「密接な関係」というものを規定しているわけです。そこで救おうというふうになっている。それも私は認める。ただ問題は、その省令案のロ項の長期下請契約の際にそれも考えようというふうになっているわけです。問題は、いま申しました長期契約の中においても、契約だけではなくて、その背景として設備、資金その他の経済上の利益を提供しているというものがなければならないというふうになっているわけです。そうすると施設、資金その他経済上の利益というものはどういうものであるかという問題になったわけです。この前の局長の答弁では、たとえば負債、そういうものを担保をするという方法もあるということまで問答がいったわけです。 そこでまず一つの問題として、下請企業の中でわりあいに脆弱なものは、経済上の利益を提供してもらうことによって、下請契約を結んで系列の中に入っていくということもあるわけです。ところが、それはそれでいいわけですけれども、今度は、別段経済上の利益を提供してもらわなければならないという必要はない、そういう業者がある。そういうものはどうするのかということになってきたわけです。そこで、ここで二つあるわけです。一つは元請単独事業として残り得る。ただ、ぼくは、元請単独事業として残り得るから、これはちゃんと荷主から仕事をもらっていけば、企業として存立し得るというふうに考えますが、一つの問題としては、これは単独としていくんですから、一貫していないから、仕事がこなくなる危険性はないか、そういう心配がなしとしないという問題が一つ。もう一つは、元請単独事業として残っているならば、これは答申が示しているように、あるいは法律改正の趣旨である、一貫作業にしていこうという理論に背反しやしないかという問題が二つ目にある。 三番目に、そういう意味からいえば、系列化をしていきたいと考えているんだけれども、経済上のそういうきちんとしたものがないと系列化ができないということでは、せっかくの系列化ができない。したがって経済上の利益ということをもう少しゆるめてもらったほうがいい。これは善意の意見ですね。この大体三つに分かれるんじゃないかというふうに思うんです。 そこでまずぼくのほうでは、最初に、一番最後の問題のほうに移りますけれども、この場合に、たとえば免許をもらう際に事業計画を出しますね。その事業計画の中には通船であるとか、運送の自動車、そういうものが含まれていますね。そういう事業計画に含まれている、つまり免許の背景になっている施設ですね。わりあいにこまかいものもある。そういうものをお互いに提供し合う。貸すこともある、借りることもある。具体的に言うと、船内の人がはしけ業者の船に作業員を乗せて船内に運んでもらうということが間々あり得ると思う。そうすると、これは提供ですね。そういうものもこの経済上の利益の提供であるというふうに考えるならば、これは利害の交換であって、別段支配ではない。あるいは負債ではない。平等の立場です。そういうことが契約の内容であれば、これはこのロ項の長期契約による経済上の利益を提供し合うことの条文に当てはまるのかどうか、これをまず聞きたい。
○佐藤(肇)政府委員 ただいまのお話でございますが、下請が非常に大きいというときに、このロ項にいうような経済上の利益の提供、こういうものができるかどうか、それをもっと幅広く考えるためには、逆に通船その他の施設を提供してもらうことも経済的利益の供与に入るかと、こういうようなお話だと思いますが、そういうものも、もちろん施設の提供ということがあるわけでございますから、当然入り得ると思います。
○野間委員 いまの私が考えられる範囲では、運輸省側の方針に基づいて考えられるものとしては、それが一つ考えられるかもしれない。それがいいとすれば、第三番目にあるぼくの心配をしている部分については、やや系列化に入っていけるんじゃないか。しかも自立をしながら系列化に入るということが可能じゃないかというふうに思います。ですから三番目の問題については、できればなお省令を制定するまでの間に検討をしていただいて、つまり相互に利害を融通し合うという部面をできるだけ幅広く考えていただくということができれば、一応この問題は解決できるんではないかというふうに思います。その部分について御回答をいただきたい。
○佐藤(肇)政府委員 この省令できめたいということは、共通の利害に結びつくということで、一体となって責任を負い得る体制をつくっていきたいという趣旨でございますから、経済上の利益を提供するということにつきましては、いま御指摘のようなこともございますし、さらに具体的に密接な関係、責任を負い合う、分け合う、利益を共通にするという点を考えまして、十分その内容については幅広く検討していきたいと思います。
○野間委員 その問題についての御回答は、それで了解をいたします。 第二番目に、元請単独事業者として存在をし得るということは、ぼくの趣旨の、こぼさないようにするという意味では私はいいと思うのですが、これは一貫体制をとっていくという趣旨からくると、その辺は考え方として、ちょっと強いことばでいえば、背反するというふうになりはしないかと考えるのですが、この辺はどうですか。
○佐藤(肇)政府委員 この問題は、いまのこぼれるものを救うために二種以下の業種について単独元請ということがあるわけではないわけでございまして、仕事の種類によりまして、たとえば鉄工所の鉱石を荷役させる、この場合には荷主としての鉄工所は船内と沿岸だけあればいいわけでございまして、こういうような仕事の種類によって単独元請というものが生まれてくるわけでございます。したがいまして、これでもってこぼれるものを救うということではなくて、やはり一般港湾運送事業の中の体系としては、私どもは具体的な事例にあたっては、犠牲者が出ないように十分配慮して行政指導をしていく、こういうやり方でいくべきだと思っております。
○野間委員 第二番目の問題は、いわば観念の問題でございます。そういうお答えでけっこうです。 それから第一番目の、体系に入るものは、体系に組み入れられていく業者は、法十六条の改正によって支配の関係に入るというふうに規定されているわけですね。事業活動を支配するということになるわけですね。これはぼくの心配をするこぼれるという問題では一応救われているというか、残ってはいるのだけれども、この間例を引いた自分の企業が持っていない、たとえば船内なら船内、そこと系列を組むために連携をするわけです。体系化になるわけです。それが株の支配、そういう条項でなった場合に、自分の持っている仕事そのものもやはり支配の中に入る、事業活動支配の中に入るということになるわけですね。それはせっかく事業活動をしている企業者の自主的なものを奪うことになりはしないかという心配があるわけです。これはどうなんでしょう。
○佐藤(肇)政府委員 この前お話がございました、一般運送事業免許は受けておらないが、二種、三種、四種という免許を受けているというような事例は、実際はないと思っております。と申しますのは、二、三、四というようなものを自分でやれるだけの力を持っているものは、当然一般運送事業の免許も受けているわけでございます。大体実情は船内と沿岸というものをやっているもの、もしくははしけを基盤にして一般運送事業をやっているもの、こういうものが多いわけでございまして、その場合に、元請とこの十六条でいっております系列で申します場合には、一つが犠牲になるということはあり得ないと思います。と申しますのは、系列の中にあるものに船内を頼んだら、沿岸も一緒にやってもらえばいいわけでございますし、一方が犠牲になるということではないと思っております。
○野間委員 この間例を引いたのは二種、三種、四種を持っている例で、これはちょっとそういう実態は確かにないはずですね。ただ、はしけは持っている。そうして、一貫元請を持っている。いまありますね。これは十分にある。それは船内なり沿岸なりと一緒に組む、体系化をするというふうにしなければならぬということは出てきますね。そういう場合、第二番目のものと違うやつ、そうなってきます。そうなれば、これはいまぼくの心配した、たとえば船内なら船内を支配されることによって、自分のはしけも支配されるということになるのじゃないですか。これはそうなるのじゃないか。
○佐藤(肇)政府委員 ちょっと実情、例を引いて申し上げたいと思いますが、横浜の例で申し上げますと、一般港湾運送事業の免許を受けているものは九十二でございます。それから船内が五十、それからはしけが百八、沿岸が九十でございます。船内が五十でございますが、この一般の中にはいわゆる乙仲と称されるものと、船底まで貨物を運ぶだけのものがあるわけでございます。これが約半分ございますから、そうしますと、大体一般と船内というものが数が合ってまいります。それから一貫作業をやるという点から申しますと、一般とはしけと沿岸というものと大体数が合っておりまして、具体的に横浜を例にとって考えますと、いまおっしゃられたような落ちこぼれ、もしくは一つを持っているために一つが犠牲になる、その余分な分まで系列下に入ったために支配される、こういうことは起こり得ないのじゃないか。ただ問題になるのは、やはりここにある乙仲のような場合でございまして、むしろ第十六条の改正は、元請と称するものがほとんど直営をしないで、全部切り投げをしている。これを責任ある体制で一貫作業できるようにしようという趣旨からでございまして、そういう趣旨からいえば、乙仲である場合は、いまお話がございましたはしけというようなものは、これはあるいは乙仲同士が集約してはしけも一緒にするというような集約の体制をとらない限りは、直営率を上げることはできなくなるわけでございまして、現実において、簡単に言えば、去年もよく言われたわけですけれども、電話一本机一つ、そういうような形というものは是正していくべきであっても、実際において先ほどお話がございましたような、自分で力を持って事業をやっている、こういう二種以下の免許を持っている方がこのために犠牲になる、こういうことは考えられないと思います。
○野間委員 そうですね。局長の言われるような実態であれば、組み合わせを指導する際に十分に配慮をすればいいわけですね。もしまたぼくの言うようなそういう心配があれば、三番目の部分で連係をとることもできる、そうですね。したがって大体いままでの質疑で、前回の委員会で心配した部分については大体氷解をすると思いますね。 それでは前回の委員会で私が心配した部分については、以上の質疑の中で明らかになったことを、実際に行政指導する際に十分に考えながら指導していただきたいということをお願いをしたい。ただ法律並びに省令の書き方は、やはり一貫ということを趣旨にしてあるから、表現として強いですね。ですからこれはあとで党の方々、皆さん、あるいは運輸省とも相談をして、今回の質疑で明らかになった点が十分に将来にわたって——これからの問題ですから、この二年の間の猶予なりそういう期間に十分に配慮されるようにひとつ担保したいというふうに思いますから、これはそういうふうにいたします。 その次に、船積み陸揚げ代理店業、通称エージェントというのですか、そういうのがありますね。この問題についてお尋ねをしたいのですが、今回の法改正で、このエージェント業というのは、いままでと変わる部分があるのかどうか。取り扱いとして変わっているのかどうか。
○河毛説明員 結論的に申し上げますと、エージェント業は現在も一種の業種でございます。したがって、もちろん十六条その他の関係については一種として必要な措置をとる必要がございますが、変わりはございません。
○野間委員 変わりがないとすると、いままでどおりエージェントの免許をもらい、船内荷役の免許をプラスしてもらうというふうになるのですか。
○河毛説明員 大体そのとおりでございます。
○野間委員 そうすると今度の第六条の別表の、単独の船内荷役事業としての内容を持たなければならぬのかどうかです。
○河毛説明員 そのとおりでございます。
○野間委員 そうすると、エージェントは企業の態様として法の第二条に書いてある作業ですね、一貫作業というのですか、それと同じ仕事をしている、それがエージェントですね。そのエージェントがまたプラスして船内の別の免許を持たなければならぬのか、いまの御答弁によると、そうじゃないですか。
○河毛説明員 これらのエージェントは現在全部船内の免許を持っております。その事業につきましてはあらためて船内免許も必要であるということには相ならないと思います。
○野間委員 それはそうなんです。だからぼくの聞いているのは、まず最初に、エージェントはちゃんと第二条に規定した仕事をしているわけです。ところがそういう仕事をしていながら、いままでもそうだが、船内業者の免許を別にもらわなければならぬという取り扱いがされていたわけですね。まず最初、それはどういうわけかということです。
○河毛説明員 エージェントは単独で船内の免許を持っておりまして、フォアマンを保有しておると同時に、大部分のケースはそれをさらに船内業者に下請さしておるというのが実情でございます。
○野間委員 それは、下請におろしているかどうかというのは、それは実情であって、ぼくは免許の問題とは関係ないと思う。運輸省の免許として一貫して仕事をするようになっている。そういう事業を営んでいる。その中の一つの船内事業について、実際の作業は下請におろしているかもしれないが、仕事は一貫してやっておるわけですね。そういう免許をやっていながら、もう一つ船内荷役事業の免許をもらわなければならぬ、プラスしなければならぬというのは、それはなぜか。
○河毛説明員 これはいままでの実際のエージェントの実態を見ると、別に船内免許を持っておったということでございますが、今後新たにエージェントが必ず船内免許を持たなければできないのだということには相ならぬと思います。
○野間委員 そうすると次の問題で、エージェントはいままで免許を持っておったが、今度の法改正からは船内の免許は要らない、免許は特別にもらう必要はないということなんですか。
○河毛説明員 はしけあるいは沿岸の基盤を持っておれば、必ずしも船内は必要でございません。
○野間委員 それは第六条の別表のどれに当たるわけですか。
○河毛説明員 第六条の私どもが出しました別表の中の作業の免許基準は、全く同じでございます。ただエージェントとしての免許を受ける場合に、その基盤である作業について、船内を選ぶか、沿岸を選ぶか、はしけを選ぶかということが違ってくるわけでございます。あとの部分は、自分で船内を直営する場合はもちろんそれでけっこうでございますが、たとえば船内が直営できないという場合には、ただいま御審議願いしまた省令の例外規定で何らかの関係をつけていただく、こういうことに相なると思います。
○野間委員 ぼくの聞いているのは、これからはエージェントはあらためて船内の免許をもらう必要はない、いままでのようなことは要らない、これは確認ができた。そうなってくると、いままでの免許の区分ではエージェントの免許、一貫元請の免許、そういうように四段階に分かれておりましたね。今度は、エージェントの免許というものは一貫元請の免許と同じ性格になるということなんですか。
○河毛説明員 従来はそういう区分をいたしておりましたが、改正法が施行されましたあとは、エージェントも含めまして新しい法律の趣旨は従いまして、たとえば必要最小限度の要件としては、エージェントの場合でありましても、はしけならはしけ、沿岸なら沿岸というものを直営できる体制をとっておる、あとの船内なり沿岸につきましては、相当部分を省令の規定に定める例外規定によりまして行ない得る体制が整っておれば免許する、こういうことでございます。
○野間委員 わかりました。そうすると、そういう点では今度の法改正でエージェントに関する限り変わったわけだな。つまり、いままでは補助者というようなふうに考えていたわけでしょう。だから船内は別に免許を持たなければならぬというふうにしていたわけだな。今度は、一般港湾運送事業者であるというふうに見るわけだね。そう思っていいですね。
○河毛説明員 そういうふうに考えていただいてけっこうであります。
○野間委員 そうすると、三十六年の何月かに出したフォアマンによる認可、その通達は要らなくなるのですか。
○河毛説明員 船内を基盤としない限り不必要であると思います。
○野間委員 そうすると、エージェントについては申請をする際に新しい申請の方式、手続、そういうものは必要ですね。
○河毛説明員 今後エージェントを新しく免許申請しようという方につきましては、新しい考え方によってやっていただきたい、こういうふうに考えます。
○野間委員 それは運輸省の中で規則、そういうものの立案はできておるのですか。
○河毛説明員 まだ具体的な通牒あるいはその他の段階には至っておりませんが、ただいま御答弁いたしましたような方向で今後事務手続を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○野間委員 そうすると、エージェントの業者がたくさんありますね。それが今後は、ぼくが心配をした十六条改正の、核問題じゃないが、かさに入るということになりますね。十六条改正の範疇に入ってくる、そうですね。
○河毛説明員 そのとおりでございます。
○野間委員 そうすると、エージェント問題もさっきの一般のものと同じような取り扱いをするというふうにしてきて、今日まで論議をした内容を適用してくる、そうですね。それはどうなんですか。エージェントをやっておる業種は、今度の法改正のどこでそれを見るのですか。今度は、極端に言えば一つの変化ですからね。どこでおれたちはそういうふうに変化したということがはっきりするのですか。
○河毛説明員 エージェントの作業内容といたしましては、船内も必要でございますし、はしけも必要でございますし、沿岸も必要な場合があります。それからまた、そのうち二つしか必要がない場合もあるわけでございます。あるいは一つの場合も、非常に極端な場合はあると思うのでございます。そのそれぞれについて直営体制ができておれば問題はございません。ただ、それ以外の点について直営体制ができていない場合には、今度の改正法の十六条の趣旨に従って、作業能力を系列化によって高くしていくということは必要でございまして、これは業界はその点ははっきり了解いたしておる、こういうふうに私どもは考えております。
○野間委員 業界というのは別段、業者の集まりには違いないが、法律はこうであるということを強制したり何かする必要はないのですよ。運輸省が法律を出したり省令を出したりする際に、おまえたちはこうなるぞということがどこかにはっきりしてなければ——十六条の改正や省令ではそれがはっきりしていないと思うのです。はっきりしていないのだ。だからエージェントの連中は、おれたちはどっちにいくのか。いままでどおり補助者であれば、今度はこの法律改正によってどうしなければならぬかということになってくる。別の問題が出てくる。今度変わって、おれたちは一般運送業者になったということになれば、これはどうなっていかなければならぬということを考えなければならぬ。それがここに示されていないですよ。それを何か示す方法をとらなければ、法案の中なり省令の中に示さなければはっきりしないのじゃないですか。 それから、これから新しくエージェントをつくろうとしている人もいます。いままでは両方の免許をもらおうとしたわけです。今度はそれが要らなくなってくるのだから、変わってきますね。そういうことがはっきりしなければならぬのじゃないですか。
○河毛説明員 エージェントの問題につきましては、確かに御指摘のように、非常にわかりにくい点がございますが、私どものほうの考えといたしましては、現在十六条なり、提出いたしました省令案をしっかり読めば、そういった、先ほどから御説明いたしましたような点がわかり得る、こういうふうに考えておりますが、御指摘のとおり、業界は必ずしも法律その他の専門家ではございませんし、誤解の点が多々ある、こういうふうに考えますので、私どもといたしましては、通牒によりまして、ただいまお答えいたしましたような線を、誤解のないようにいたしたいと思いますのでよろしく。
○野間委員 そうすると、いままでのエージェントは免許をもらってあるわけだから、免許はそのままでいいわけですね。そうして十六条の法改正の体系に乗るように企業を考えればいい、こういうわけなんですね。それから新しく免許を取ろうとするものは、いままでの手続ではだめ。そうすると新しい形の免許申請手続、そういうものがなければならぬのです。それはあるのですか、ないのですか。
○河毛説明員 それは当然私どものほうで、今後そういったものをつくっていくということになります。
○野間委員 いま参事官が、これを眼光紙背に徹するように見ればわかるはずだ、こう言っているのだから、これと一緒に手続がついていなければならぬのじゃないですか。
○河毛説明員 実際これは申請の手続の問題、あるいは申請手続の指導方針の内容になりますので、おつけすればよかったわけでございますが、実はそこまで私どものほうといたしましてやっておりませんので、まことに申しわけございません。そういったことの誤解のないように、今後省令を出す場合に一緒につけるということをお約束いたします。
○野間委員 あやまられてはしようがない。しかし、これはものの考え方として、エージェントというのは全国に相当の数があるわけでしょう。役所としては、親切に出すならば、やはり申請手続もつけるというふうにすべきです。そういうふうにきちっとしてほしいと思います。 もう一つは、今度のエージェントは、これからは第六条の別表のどれに当てはまることになるのか。これは勉強なんだけれども、どれに当てはまりますか。
○河毛説明員 第六条の別表の普通一般港湾運送事業という項に該当いたします。
○野間委員 そうすると、一般港湾運送事業という業種の中の態様としては、どれをとってもいいわけですね。
○河毛説明員 業種としてはこの別表の普通一般港湾運送事業の基準が当てはまるわけでございますが、このうち船内、はしけ、沿岸それぞれについて基準が示されております。したがって自分が直営する作業部分につきましては、ここに書いてございます要件が必要でございます。その他の部分につきましては、省令の例外規定で系列化を行なっていくということを認める、こういうことでございます。
○野間委員 わかりました。次にエージェントというのが、免許の関係ではいま参事官が答えたような免許をもらうというふうになって、そうするといままでの船積み陸揚げ代理店業という免許は要らなくなるのですか、免許の関係では。
○河毛説明員 これはそういう区分は必要がなくなるのではなかろうか。ただその場合に一つ問題になりますのは、依頼者がだれであるか。荷主であるか、船会社であるかということによって、従来限定をやっておりますそういったものは残り得る、こういうふうに考えております。
○野間委員 エージェントの特性は船会社ですね。船会社と契約をしておるということですね。そうすると限定だね。
○河毛説明員 限定でございます。
○野間委員 限定の、いま参事官の言った船内かはしけか、そういうものの免許というふうになるのですか。
○河毛説明員 そういうことでございますが、免許の内容は、ただいま御説明いたしました六条の基準によってやる、こういうことでございます。
○野間委員 そうなると、仕事の内容そのものは限定なんだが、免許そのものは第六条の免許なんだということですね。
○河毛説明員 そういうことになると思います。
○野間委員 そうすると免許の上では特定の船会社の仕事でなくて、ほかの仕事もできるというふうになりますね。
○河毛説明員 これは主として需給関係その他の要素も考えまして免許をおろしますので、免許の上では限定がついた以上は、それは限定範囲に限られる、こういうことでございます。
○野間委員 いまの答えはちょっと入れ違いがある。
○河毛説明員 いまの点ちょっと補足いたしますが、限定免許で、たとえば船会社から依頼を受けたものに限るというのはございますが、さらにそれをこまかく分けまして、たとえば日本郵船からとかそういう限定はいたしておりません。
○野間委員 ただ限定ということでの船内荷役事業という免許があるという意味ですね、いまのお答えは。そうするといままでのものは、エージェントは日本郵船なら日本郵船とつながるということなんだから、それが別段記載がされない。いままでの船積み陸揚げ代理店業の免許はそれがあったわけでしょう。
○河毛説明員 これは実際問題といたしまして具体的なエージェントは具体的な船会社と結びついておりますが、限定免許、そういったものをさらに限定するという措置は、いままでのところやっておりません。
○野間委員 そうすると限定という意味は、荷主は除かれる、船会社だけだということははっきりするのですか。
○河毛説明員 それは明瞭でございます。
○野間委員 それは免許ではっきりしておるのですね。そうすれば、ほかの船会社とは幾ら協定してもいい、日本郵船以外に…。
○河毛説明員 それはやり得るということでございますが、実際は、いろいろ商習慣もございますし、船会社との関係もございますので、さらに業務を拡張していくということは、技術上相当むずかしい問題を惹起いたします。
○野間委員 わかりました。ただものの考え方としてはぼくが言ったようなこともいいわけですね。
○河毛説明員 そのとおりでございます。
○野間委員 わかりました。エージェントの問題は大体それでいいわけですね。いままで免許の区分がありましたね。なかなかそらんじてはいませんけれども、船積み陸揚げ代理店業が一つ、それから一貫元請というのが一つ、それから海運貨物取り扱い業というのが一つ、それからいかだ運送というのが一つ、こういう四つの区分の免許をおろしておったわけですね。そうすると、さっきのお話のいろいろな手続、そういうものからくると、この免許区分は変わりますね。
○河毛説明員 この免許区分は再検討を必要とする、こういうふうに思います。
○野間委員 わかりました。それでエージェントの問題は大体一貫されると思います。これはたいへん長い間、補助者であるとか一般運送であるとかいうようなことで見解が分かれておったり何かして、混乱しておったわけです。今度の法改正を機会にこの問題はすっきりとするというふうに考えていいわけですね。それじゃ、それはそれで終わります。 次に、大体いままでの質疑で、現在港湾にあるいろいろな事業者の、法改正による変動に対して、運輸省はどう指導することが事業の安定と港湾の近代化になっていくか。しかもそれが現在一生懸命にやっている業者を十分に育成をしながら一貫体制に持っていくということが、大体明らかになったと思います。したがって、いままでのお答えのとおりにぜひ実施をしていただけるようにしなければならぬと思うので、これは運輸大臣、いかがですか。 前回と今回までの質疑の過程によって、いま港湾局長あるいは河毛参事官がお答えになったとおりに行政指導をし、省令を制定するというふうになれば、しかもそれが現地そのものに手が届くように、いわば非常にきめこまかく指導をされれば、近代化を目的としている法改正が、港湾事業者あるいは港湾労働者に不安を与えないで円滑に近代化、集約化、一貫体制がとれるというふうに思います。 そこで、最後に大臣として、この質疑の過程で運輸省が答弁をされた方向に基づいて慎重に配慮をしながら——二年間の猶予期間なんだけれども、これは港全体を見ると、たとえば免許の問題だけでも、新しい免許制度に切りかえるのに相当かかりましたね。あれだけでもそうです。ですから、実際に今度は個々の企業を統廃合をし、しかもさっきの話で、単独として残るだけの値打ちのある状態にしなければならぬということになりますから、二年の猶予期間では非常に困難じゃないかというふうにも思います。したがって、この二年間という期間にとらわれないで、十分な手だてを尽くしていただきたいというふうに存じます。そういう意味で、そういう趣旨の大臣の御決意なりがいただければ、私の質問はこの部分については終わりたいというふうに思います。
○中村(寅)国務大臣 港湾荷役事業に携わっておる人たちのその面における体制を近代化し、合理化いたしまして、その使命が有効適切に行なわれていくように行政指導を続けてまいりたい、かように考えておる次第であります。
○野間委員 大臣の言明をいただきましたので、その問題については、以上で打ち切ります。 次に別の問題ですけれども、日本港運協会というのがあります。これはたしか四十年五月二十一日に再編成を行なって社団法人になって、社団法人日本港運協会ということになっておりますね。そこで実はこの法律改正が、もちろん答申に基づいて出てきたと思うのですけれども、どういう経過で法律の改正案が考えられ、それから省令が考えられたのかという経過を少し調べてみたのですが、それで参りますと、四十年の七月に運輸省のほうから、港湾運送の近代化ということについて、港政第六百九十六号というのが、この社団法人日本港運協会に諮問をされております。この諮問の内容は、一つが港湾運送事業法の改正について、それから埠頭運送事業団法の制定について、それから港湾運送合理化審議会の設置について、という三項目について諮問をされておる。 第二番目に、その諮問に対して四十年の九月二十二日に、港運協会会長の名前で港湾局長あてに公式の文書で、これは港運協会の四十・第八十二号というのが四十年九月二十二日に、港湾運送事業の近代化についてということで、港政第六百九十六号の照会に対しての答えが出ている。 第三番目に、四十年十月十五日に港湾局港政課長さんが、日本港運協会の合理化委員会で、今度の法改正の問題について御説明をされている。第二回合理化委員会における港政課長の説明ということで、これは速記録ができていますね。最後に、これは十一月ごろまでに御意見をまとめていただきたいということで港政課長さんは説明をしておる。これが四十年十二月二十四日に、日本港運協会会長の名前で港湾局長あてに回答がされている。これは港湾運送事業法の一部改正についてということで、社団法人日本港運協会会長小川乕三さんの名前で出ているわけですね。ここで港湾局が諮問をされた内容、それの四十・第八十二号の回答の中身として審議をして回答をしている、これが経過ですね。まず、ぼくの言っていることが間違いないかどうか、ひとつ……。
○佐藤(肇)政府委員 ただいまお話のございましたとおりでございます。
○野間委員 そうすると、これはいままでの質疑で明らかなとおりに、事業者が株の支配を受けるとか、あるいは事業者の事業活動をどうするとか、あるいは事業者の数が減るとかふえるとか、つまり事業者の数を制限をするとか、そういうことを日本港運協会が審議をした、論議をしたということなんですね。それはどうですか。
○佐藤(肇)政府委員 日本港運協会が昨年六月に発足いたしました経緯は、それまで先ほど来のお話のございましたいわゆるエージェントを中心にした元請関係の、これは社団法人その他の法人格を持ったものでございませんが、任意団体としての日本港運協会というのがございました。そのほかに船内を中心とする全港振とか、また沿岸を中心とする全沿岸とかいうようなおのおのの協会があったわけでございますが、答申を受けまして、その答申を実現するためには、そのようなばらばらなものではなくて、日本の港湾運送事業者全体の総意が反映されるようなものをつくってほしいというわれわれの要望で、業界が社団法人日本港運協会というものをつくったわけでございます。その法人の協会の中には沿岸部会であるとか船内部会であるとかいうおのおのの部会を持ちまして、答申を受けての今後の業界自体の近代化というものについて研究を重ねるようになったわけでございます。したがいまして、私どもは、この港湾運送事業法の改正につきまして、この日本港運協会にわれわれの考えを述べて意見を聞いた、こういう経過でございます。
○野間委員 わかりました。それはそれでけっこうです。 公取委の方、日本港運協会というのは、いわゆる独占禁止法の第二条第二項にいう事業者団体の社団法人であるのかどうか、お尋ねします。
○竹中(喜)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○野間委員 そうすると、独禁法第二条第二項の事業者団体であるということになると、その事業者団体が、いま私の質問でお答えになったように、将来の事業者数を制限したり、あるいは構成事業者の機能や活動に対して制限になるというふうなことを論議をしたことになるわけですね。そうするとそういう行為は独禁法第八条の事業者団体がしてはならないという条項に違反をすることになるのじゃないですか。
○竹中(喜)政府委員 おっしゃるように事業者団体は、現在または将来の事業者の数を制限すること、あるいは構成事業者の機能、活動を制限することは禁止されております。しかし、いまお話を伺っておりますところによりますと、運輸省の諮問にこたえてどういう方策がよろしいかということを決定し、結局それは法律に基づいてそういうことになるのでございますので、事業者団体が現在または将来の事業者の数を制限する、あるいは構成事業者の機能、活動を制限するということはできないのじゃないかと思います。
○野間委員 いや、あれですよ、いま私が申し上げましたような経過で、これはまだ法律を制定されてないのですよ。したがって、それは港湾局が諮問を聞いたにはしても、事業者団体みずからがその構成員の活動や数を制限をするという内容について討議をしてきめて、しかも運輸省で諮問している問題とは別に法律の内容、省令の内容、希望条項というふうに自分の意思をきめているのです。きめるという行為をしているわけですね。そういう行為をするということを、独禁法の第八条は禁止しているのじゃないですか。
○竹中(喜)政府委員 独占禁止法第八条は、あくまでも現実に事業者の数を制限する、あるいは機能、活動を制限するということでございまして、港湾運送事業者がいかにあるべきかということを検討する、それを答申する、その段階で独占禁止法違反としてこれを問擬することはできないと思います。
○野間委員 これは独禁法の八条を正確にそのまま考えれば、それはもちろん港運協会自身が、いまあなたの言うように制限をしてしまったり、現実に減らしてしまったりすることではありません。ありませんが、それは実際に自分で制限をしたり数を減らしたりしなくても、将来はこういうふうに制限をするということを審議をすること自体、そういう審議という行為そのことが、第八条違反になるのじゃないですか。
○竹中(喜)政府委員 お話のような審議をするというようなことは、独占禁止法八条の違反と言うことはできないと思います。
○野間委員 そうすると、実際にその審議によって数が減る、制限をしたという実効が出てこなければ、八条違反にならないのですか。
○竹中(喜)政府委員 あくまでも八条は、現実にそういう結果が出るということで初めて問題になると思います。
○野間委員 独禁法の第八条は「事業者団体は、左の各号の一に該当する行為をしてはならない。」ということで、第三号が「一定の事業分野における現在又は将来の事業者の数を制限すること。」となっているわけですね。そうすると、一番これに該当すると考えられるのは、第三号で「将来の事業者の数を制限すること。」というふうになっておる。この場合、現在を制限してないが、将来の数を制限をするということを審議をしたわけです。それは結果的には法律が施行されて、その法律によって制限をされるという手続になるのだけれども、その将来の数を制限をするということを審議をした行為、そのことはこの八条違反にはならないのですか。
○竹中(喜)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、その段階では八条違反として問擬することはできません。
○野間委員 そうすると、たとえば法律の問題を抜きにして、第三号で言う将来の数を制限をするという審議をしただけでは八条違反にはならないのですか。
○竹中(喜)政府委員 重ねて申し上げますが、審議の段階だけでは八条違反にはなりません。
○野間委員 そうすると、四十年何月にそういう審議をした、それが四十一年何月何日に実際に制限が行なわれたということにならないと——それはそのときに初めて八条違反になるのですか。
○竹中(喜)政府委員 そのとおりでございます。
○野間委員 そこで、条文はちょっと忘れましたが、予備行為というのがありましたね。
○竹中(喜)政府委員 ございません。
○野間委員 それでは予備行為のほうはちょっと不勉強で調べてありませんでしたが、法改正に直接関係はないですから、また調べてから別の機会にもう一回質疑をしたいと思います。 以上で、私の質問を終わります。
○古川委員長 久保君。
○久保委員 簡単に二、三お尋ねをいたします。 大事な点で、いまの問題で公取の話は大体わかった。いまの答弁を聞いていて港湾局長はどう思いますかということになるのだが、ちょっと待て。というのは、そういうことになると、そうでなくてもやはり力の強い者が残って、しかもそれが役員とか何かになるというのが当然です。そこで、そういうことになりますと、いままでの審議の中で整備されつつある、二年の間に集約合併といったのはいいと思うのですが、そういう方向をとる。そういう場合に、われわれとしてはもちろん適正規模にすることがねらいである。これには異存がございませんし、またそうすべきだと思うのです。ところが発言権がないばかりに、あるいはそういうものから不当に排除されるということがあってはいかぬという気持ちが強いのであります。そのために港運協会というか、そういうものが、いままでは方針について諮問があり答申をしたという段階だから、公取の説明どおりでまあいいと思います。しかしこれからこの法案が通って、実際の作業に入るわけですね。そうなった場合に港運協会と政府というか、そういうものとの関係は、この法律にいう具体的な措置について、特定の港湾の問題について、特定の事業者の問題について、港運協会との間にいままでのような仕組みというか、諮問した、答申したというようなことが予想されるのかどうか。予想されるとすれば、これは明らかに独禁法違反ということで、うまくないとわれわれは思う。それはどういうふうな作業をしますか。
○佐藤(肇)政府委員 日本港運協会が審議いたしました内容というのは、三・三答申に盛られておる集約一貫作業体制ということについてやったわけでございまして、別に事業者の数を制限するということではないわけでございます。 それから今後の具体的な、十六条を中心とする集約合併もしくは系列化という問題につきましては、港湾審議会の中に設けられます港湾運送部会の意見を聞いて行政指導をしていきたいと考えておるわけでございます。この港湾運送部会の構成は、もちろん港湾運送事業者も入りますが、これは一種、二種、三種、四種というような各部門の専業者の代表を入れますし、その他荷主、船主の代表もしくは貿易業者、学識経験者、それから労働組合の代表も入れます。こういうものを委員といたしました審議会の審議に基づいて、具体的な十六条の施行の方針をきめて、それに基づいて行政指導をするようにいたしたいと考えております。
○久保委員 そうしますと、港運協会というものはそこに介在する余地は、これからはないというふうにとってよろしいのかどうか。介在といってはおかしいが、運輸省として、港湾運送協会なるものに具体的な集約合併というか、そういう方向なり具体的な手続、作業の進め方、そういうものについて全然さわらぬ。いまあなたがお述べになったような港湾審議会の中の部会というところだけで作業するものであるのか。
○佐藤(肇)政府委員 私どもはそのように考えております。
○久保委員 それではあまり心配せぬでいいかと思うのでありますが、ただ心配なのは、独禁法違反になるかどうかは別にしましても、先ほど来申し上げたように、この業界の実態からいうと、やはりどこの業界でも同じでありましょうが、特にこの港湾運送業界には、大小さまざまな、しかも零細なものも御案内のとおりあるわけです。零細なものは、仕事の量も小さいかわりに、発言権はほとんどないという場合も予想される。そうなった場合には、この事業者として、いうなれば正当に扱ってもらえない場合が予想されるわけでありますから、その辺もやはり十分考えていく必要はあると思うのです。 そこでもう一つお尋ねしたいのは、検数の制度であります。この検数の制度は、御案内のとおり検数人の集まりじゃなくて、検数協会とかなんとかいって二つぐらいあるそうでありますが、その協会と検数人との関係はどうなっているのか。 それからもう一つは、ダブル検数は大体日常茶飯事のごとくやっている。いわゆるシップサイドと岸壁との間、本来ならば両方のサイドにそれぞれ検数人がいて初めて、正しい検数ということが証明されると思うのでありますが、そうでなくてダブル検数といって、一人の者がそれぞれ兼務をしてやっているというようなものがあるそうであります。これは本来の検数制度からいって正しくないのではないか、こういうふうに思うのだが、どうですか。
○佐藤(肇)政府委員 検数につきましては、日本貨物検数協会というのと、全日本検数協会というのがございます。前者のほうは主としてシップサイドの検数を行なっております。それから後者は大体ドックサイドの検数を行なっておるわけでございます。ダブル検数というように言われておるものは、このシップサイドとドックサイドを一人の人がやるというときに言われておるようでございますが、実際は検数につきましてシップサイド、ドックサイドというようなものが取り扱われておるのは、日本の特有の事情のようでございます。ただ船込み等の場合に、本来荷主側または船主側からおのおの委託されたにもかかわらず一人でやるということは適当でないわけでございまして、こういうものにつきましては正しく依頼者から受けたとおりに検数するようにという行政指導をやっております。
○久保委員 これは今日ただいまどうしようったってなかなかむずかしいだろうと思うのでありますが、私どもの考えを申し上げますれば、検数制度というのは一ぺん検討し直してみたらどうか、こういうふうに一つは考えます。というのは、いまの協会というものがありますが、実際の検数人に対する資格というものは、運輸省自身が一人々々の検数人の資格を認定しているわけですね。検数協会というものは全然そういう能力はないはずであります。だから、その個人だれだれが検数人の資格を持っていて、これが検数のいわゆるオーソライズできる者だと思うのです。これに似通ったものにはパイロットのシステムがあります。パイロットも協会というか組合というものがありますけれども、これは別にいまの検数協会のようなことはしていない。だからできるならば、検数人そのものはやはり運輸省で認定するとするならば、検数人組合というかそういうものに置きかえて、それぞれの責任は検数人そのものが直接負う仕組みにしたらいかがか。その場合は、別に両サイドに一人ずつの検数人は置かぬで済むのではないだろうかとさえ考えるのです。しかしこれは非常にむずかしいことでありますが、少なくとも検数人というものの実態——私ははっきり申し上げてよくわかりませんけれども、現行の制度の中においては、やはりダブル検数というようなものはこのたてまえをくずすものであり、うまくないと思う。いまの御答弁で、実はそれぞれ間違いないように指導しているというのでありますが、それぞれの協会に対しては具体的にやはりあなたのほうで監督をして、いまのようなおかしなかっこうでのダブル検数というのは取りやめるようにきちっと指導してほしい、こういうふうに思います。これは要望であります。 それからもう一つは、いままでそれぞれの向きから改正のポイントでありますところの集約合併というものについて審議がなされましたが、言うならば、この港湾運送事業者というものの中には二つ種類があると思うのです。一つの種類は、先ほど来お話がありましたようなエージェントあるいは乙仲あるいは一貫元請、そういうのは純然たる港湾運送事業のほかに、これに付随する事務的な手続、あるいはそういうものの宰領、こういうものをそれぞれが扱うわけですね。港の機能と運送の実態からいうならば、そういう業態はこれまた必要だと思うのです。そのほかに港湾運送事業者としてはもう一つ、純然たるはしけ、あるいは船内、こういうものだけをやっている——おそらくそういうものを単独でやっておるというのは数少ないのじゃなかろうかと私は思うのでありますが、もしそういうふうな区別で、エージェント、乙仲、そういうものと、それ以外の港湾運送事業者というものが今日ただいまはっきりあるとするなら、この法案が通ったあと二年間に集約、系列化というか適正規模に置きかえるという場合には、いま申し上げた一貫元請とかあるいはエージェント、乙仲、そういうものの事業というか中身というものは変わらぬという前提に立って集約合併をするのか、あるいはそれは全部御破算だ、港湾運送事業という面でとらえて、全部いままで説明があったような方式でやられるのか、その辺はどうなんですか。
○佐藤(肇)政府委員 結論を申し上げれば、ただいまお話が出ました後者でございまして、私どもはあくまでも答申に沿った集約合併もしくは一貫作業体制の確立というものを現実の姿に合わしてやっていきたい、こういう趣旨でございまして、十六条はそういう意味におきまして、いまお話がございましたような一般元請港湾運送事業者、その中の乙仲のような場合、先ほど申し上げましたが非常に数が多い。そういうことで、過当競争また労務者の管理についても適正を欠くというような問題があるわけでございまして、そういうものをやはり、全体として港湾運送事業というものが合理的に、かつ責任を持って仕事ができる、そういう体制に持っていきたいという趣旨でございます。
○久保委員 最後に、これは要望も交えてでありますが、この前も申し上げたと思うのでありますが、この法案が通って二年の間に、それぞれいままでのお話のとおりに集約していくわけですね。そこで問題は、あるいは近代化あるいは集約、合理化といっても、当たりがくるのは御承知のように、そこに働く労働者が一つございます。これは先般一つの例として申し上げたように、たとえば今日ただいま横浜と名古屋で、それぞれ港湾運送事業をやっている。そこでどうもこっちがぐあいが悪いから向こうだけにしようということで、早いところ横浜のほうは店じまいにして、名古屋のほうを大きくやる、こういうやり方も一つの例として出てきておるようであります。その場合、当然のごとくそこに雇用されるところの港湾労働者、こういうものの始末も何も考えずにこういうことを進めていかれるとするならば、これはたいへん問題だと思う。ついてはこの法案による方針が具体化される段階においては、そこに働く労働者の立場というか、そういうものに対して特別な配慮は当然すべきだと思うのだが、具体的にはどういうふうに考えられておるのか御説明いただきたい。
○佐藤(肇)政府委員 この三・三答申そのものの趣旨は、港湾荷役の面におきまして非常に業者の数が多いが、労働者は不足しておるということが一番根本ではないかと思います。そこで、この集約合併していくのも、やはり企業というものが強くなって、労働者なかんずく常用労働者の確保というものがはかられなければならないという趣旨でありますので、私どもは港湾運送部会の委員の中にも労働者の代表を入れまして、十分審議を尽くした上で今後の方針をきめて、それに基づいて行政指導をしていきたい、かように考えます。
○久保委員 もう一つ最後に、だめ押しというよりも、計画を聞きたいのですが、間もなくこの法案は会期中には少なくとも参議院に回って、それぞれ議決されるだろうと私は思っておりますが、そうしますと、法案が成立後は二年間という期限はございますが、主としてどういう準備をしてこれをやっていくのか荒筋をお話しいただきたい、かように思います。
○佐藤(肇)政府委員 今回の設置法の改正によりまして、審議会に港湾運送部会を置くことが認められました。したがいまして、私どもが各港の実態を調査した上で、このような案で集約合併もしくは系列化による一貫作業というものをやっていきたいというものをつくりまして、この案を運送部会にかけて、そこで十分審議をしていただく。なお、この運送部会の置かれる期間は二年間の臨時のものでございます。したがいまして、その中でなるべく早く結論を出していただきまして、それに基づいて具体的に港ごとに指導して、この法律改正の趣旨を具現していきたい、かように考えるわけであります。
○古川委員長 野間君。
○野間委員 独禁法の問題ですが、さっきちょっと勉強が不足していたので、休憩時間中に勉強さしてもらったのだが、第八条第一項の「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること。」、そういう行為は八条違反になる。これは法律ではっきりしているわけですね。しかし、先ほどの公取委の方の御説明では、それが実行の段階に入らないと実際の独禁法違反にはならないということであったと思うのですが、それはそうですね。
○竹中(喜)政府委員 そのとおりでございます。
○野間委員 そうすると、この法改正十六条の問題は、法律で数を制限をしたりすることをねらっているわけですね。したがって、法律が施行になって初めて、協会が論議したことが法律の効力によって実行されていく。この限りにおいては明らかに私も独禁法違反にはならないというふうに思います。ただ問題は、法律が施行される、そうして猶予期間がある、その猶予期間において、運輸省の指導によって実施の段階に入っていくわけだが、先ほどの久保先生の御質問なり、あるいは私が質問をした経過の状況を見ていくと、実施の段階で港運協会がその実施を手伝う、あるいは実施していくようにしていくという、そういう実行段階があり得るというふうに思うのです。そうすると、そのときにその協会が、法律はそうであるには違いないけれども、協会としてその法律に当てはまるように具体的に強制をしたり何かすると、これは独禁法違反に当てはまるのじゃないかというふうに思うのですが、それはどうなのですか。
○竹中(喜)政府委員 先ほど港湾局長のお答えでは、港運協会をお使いにならぬというようなことでございましたけれども、ただいまの御質問のように、港運協会が実行の段階において、何らか経済上の利益を与えるというようなことをもって事業者の合併なり何なりを強制するということになれば、独禁法上問題になる場合もあるのではなかろうかと思います。
○野間委員 わかりました。それでけっこうです。 それからもう一つ。これは別の問題ですが、答申では、国が、集約あるいは体系づける、そういう際に資金の援助などをして、誘導方式を持ってやりなさいというふうに書いてあるのです。今度、十六条改正で実質的にやってもらうのだけれども、この答申でいっているようなことが必要になってくるということは、これは想定ができます。したがって、そういう準備をしておかなければならぬのじゃないかということは、前回の質問のときにもしたのですが、そういう準備はどういうことをしてあるのですか。
○佐藤(肇)政府委員 港湾運送事業は、中小企業近代化促進法の指定の業種になりまして、したがいまして、港湾運送事業の実態は現在調査中でございまして、この十六条によっていろいろ集約合併をしていくというようなことも出てまいりました場合には、中小企業近代化促進法の対象として、税制上の優遇であるとか、そういうような財政的援助などとかいうような利益を受けさすようにしていきたい。なお、共同で機械化をやっていくというような場合は、従来もやっておりましたが、特定船舶整備公団によって機械を貸与していくとか、さらには日本開発銀行の融資によって機械を設備していくとか、そういうようなことで援助していきたい、かように考えております。
○野間委員 それはちょっと問題があるのです。中小企業近代化促進法では、中小企業が設備を拡張したり、そういうことで近代化をしていくという場合に、その設備資金を貸す、融通をするということですね。今度の十六条改正では、設備の問題では、もしそういう必要があれば借りなさい、そうして一貫体系にしなさい、こういっているわけですからね。だから、むしろそうではなくて、運営資金というか、労働者を雇うとか、そういう運営資金的なもので借りなければならぬとか、そういうふうに、近代化促進法に規定していない部分で必要になってくるということのほうが多いのじゃないか。ぼくはそれを心配しているのです。そういう体制は何であるかということなんです。それがないのですよ。
○佐藤(肇)政府委員 中小企業近代化促進法の対象で援助し得るものは相当あると思いますが、そのほかに、いまお話しがございましたような運営のための資金というものは、ほかの中小企業におきましても特別の措置はないわけでございますが、集約する、合併するということによって規模が大きくなれば、銀行その他から融資を受けるということについても、おのずから力が出てくるわけでございますし、われわれとしてできる限りの陰の、要するに法律に基づかない援助は十分やっていきたい、かように考えるわけであります。
○野間委員 そういうことででかくなれば、それはいいです。自力でできるのだから問題はないのです。そうでないことを心配しているのが、先刻からの問題なんです。だから、いますぐ起きるのではないのだから、それはいいですよ。もう少しそれぞれの分野で相談をしていただいて、必ずそういう要素が起きてくるのだから、そういうことの体制がとれるような検討をしておいてもらいたい。そう思います。 以上で終わります。
○古川委員長 本案に対する質疑はございませんか。——ほかに質疑もないようでありますので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○古川委員長 本案に対しましては、すでに、砂田重民君外二名より、自由民主党、日本社会党及び民主社会党三派共同提案による修正案が提出されております。 これより、原案及び修正案を一括して討論に入りますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 まず、砂田重民君外二名提出の修正案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、砂田重民君外二名提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決いたしました修正案の修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、修正部分を除いて、原案は可決いたしました。したがって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○古川委員長 ただいま議決いたしました港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対して、砂田重民君外二名より、自由民主党、日本社会党及び民主社会党三派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。砂田重民君。
○砂田委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議決されました港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付することを提案いたします。 案文を朗読いたします。 港湾運送事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 一、政府は、港湾運送事業法に基づき、港湾運送の新秩序を確立するに当つては、真にその合理的、能率的運営を期し得るよう、各港の実情にそつて、専業者の企業規模を適正化し、これを育成して、その能力の活用を図るべきである。 二、省令の制定に当つて、事業者間の「経済上の利益の提供」の内容については幅広い考慮を払うべきである。 三、港湾運送事業法第二条第三項第一号に掲げる港湾運送関連事業は、同法第三条第二号及び第四号に掲げる事業と密接不可分にして、その作業の実体がそれ等の事業と何等差異なきことに鑑み、出来得る限り、近い将来これを本来の港湾運送事業として規制を強化すべきである。 右決議する。 以上でありますので、御賛同あらんことをお願いいたします。
○古川委員長 以上をもちまして趣旨説明を終わりました。 これより採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○古川委員長 起立総員。よって、本案は附帯決議を付することに決しました。 この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。中村運輸大臣。
○中村(寅)国務大臣 ただいま決議をなされました附帯決議につきましては、政府といたしましてはその趣旨を尊重いたしまして、十分決議の趣旨の実現に向かって努力してまいりたいと存じます。 —————————————
○古川委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認め、よってさよう決しました。 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○古川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 小型船造船業法案について参考人より意見を聴取することとし、参考人の人選、意見を聴取する日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 次回は来たる三十一日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十四分散会