運輸委員会 第35号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1966/05/25
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 港湾運送事業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。野間千代三君。
○野間委員 だいぶ時間が過ぎましたが、港湾運送事業法の改正について質問を申し上げます。 その前に、二、三関連する問題についてお尋ねをしたいと思います。一つは、自家荷役の問題なんです。私は鶴見が地元でありますが、日本鋼管という会社がございます。そこでプッシャーはしけというはしけを改造して、それに自社船を接続をして、鉱石原材料を貯蔵した場所から運ぶというのがいま行なわれておるわけです。この問題について若干質問をしますが、一つは、私も試航をするときに乗船をしてみたのでありますが、運航の安全性については、引き船と比較をしてはたして安全性について問題がないのかどうか。私が乗った経験では、積み荷を満載をして、喫水線といいますか、その辺までずっと沈んでこれを押しておる場合には比較的安定をしておる。回る場合においてもやや引き船よりも小回りがきくのじゃないかというふうには見たのでありますが、から船の場合には、プッシャーの押し船よりも非常に高くなっている。それをうしろから押すわけでありますから、回転をする場合に、波の関係であるとか、あるいは風の関係だとか、そういう関係ではやや不安定——ややといいますか相当不安定な感じを受けました。しかもあの辺は御承知の京浜運河という、非常に船の運航の激しいところでございます。そこでああいうやや不安定な船が——これはピストン輸送でありますから、一日に相当数多く運航が行なわれると思います。そういうことから考えてくると、まず第一にプッシャーはしけをああいう京浜運河というような込んでおるところで使用することは、安定性から考えてみて問題がありはしないかということが一つ言えるのでありますが、その点についておたくのほうで調べたことがあれば御回答願いたいと思います。
○佐藤(肇)政府委員 自家運送、自家荷役につきましては、これは港湾運送事業法の対象外であろうと思います。ただ、プッシャー方式につきましては、アメリカまたは欧州では相当使われておる方式でございますが、日本においてはごく最近の新しい方式でございます。しかしいずれにいたしましても、船としての安全性なり、運航としての安全性というものを、これは私のほうの所管ではございませんで、船舶局その他が調べておることと思いますが、確かに御指摘のように、空船の場合には満載した場合よりも操船上望ましい形ではないように思われますけれども、現在まで、これが危険であるということについては聞いておりません。
○野間委員 担当が違うわけですね。港湾局ではないわけですね。それで実は、海上保安庁なり、あるいは関東海運局なり、港長なりにもこれは相談をしてみたのでありますが、いま局長の言うように、直接プッシャーはしけがきわめて危険であるとかいうことにはなかなかならないという回答ではあったのでありますが、ただ皆さんが認めておるのは、確かにから船の場合の回送については多少の問題点がありそうだということで、たしか実施をする際には四カ条くらいの制限規定を会社のほうに通知をして、その中に、いまぼくが申し上げた京浜運河の船込みの状況が、午前と午後二回いわばラッシュがあるわけですが、そのラッシュは避けるということ、そういうふうにやや安全性を考えながら運航させようというふうにはとっておるようですが、また別の機会に、その安全性の問題については船舶局にも、あるいは保安庁からも来ていただいて質問したいと思いますから、これはそれで一応終わっておきます。 問題は自家荷役の問題なんですが、いま局長さんがちょっと触れましたように、確かに自家荷役のほうは港湾運送事業法とは関係がないので、会社でやっておるわけですね。いま私が申しました、日本鋼管で行なっているプッシャーはしけのために、それまでたしか六社の業者が担当しておりましたのが、この実施のために仕事がなくなったわけです。それを担当しておった業者は、その分だけ仕事がなくなるというふうになりました。したがって、そこに働いている労働者が、それぞれ各会社とも相当な人員がもとの会社に帰ったわけですけれども、それはそのまま冗員になるわけです。そういう関係で、その企業が受けておる影響は相当大きいのです。これは現在の法律から見ると、それをどうこうすることはできないわけですね。できないですけれども、ほかの会社などでも自家荷役がどんどん行なわれてくると、港湾運送事業者が受ける影響は相当大きい。したがって、自家荷役をする場合に、たとえばその工場のある周囲であるとか、何かそういうふうに制限規定といいますか、制限をするなりしないと、港湾運送事業者に将来大きな影響を与えて、つまり存立の問題になる危険性があるんじゃないかというふうには想像できるわけです。それは現在の法体系ではやむを得ないといえばそれまでですが、それは港湾運送事業、しかも港湾という中での運送そのものを担当している港湾運送事業者にやらせるということを主にして考えれば、自家荷役を野方図に放任することには問題がありはしないかというふうに考えるのですが、その辺はどうなんですか。
○佐藤(肇)政府委員 日本鋼管の場合はおっしゃられましたように、いままで港湾運送事業者がやっていたものを、はだか用船いたしましてプッシャー方式に変えたわけであります。したがいまして、船腹が余ったわけであります。これはおのおの各社において配置転換をいたしておるように聞いております。 このように自家荷役というものがどんどんふえていったら港湾運送事業というものは圧迫されないかということでございますが、元来この運送事業というものは一つの分業方式でございまして、本来ならば自分で荷役をやらなくても、そういう分業の専業者にやらすほうが経済的に有利であるというのが普通であると思います。これが日本鋼管の場合には、自分でもってプッシャー方式というものをつくり出しまして、いままで運送事業者にやらせておったものを自家荷役に切りかえたわけでありますが、こういうことになることのもとというのは、やはり港湾運送事業者自身が新しい、たとえば鉱石なら鉱石のああいう場合の輸送につきまして、自分で近代化した方式というものを持って企業努力をする、そのことによって分業の強みというものが出てくれば、自家荷役というものはおのずから防げていくのではないかと思いますが、そういう意味からいたしましても、現在の港湾運送事業のあり方そのものについては、まだまだ近代化そのものがおくれている面があるわけでございまして、一つは経営の基礎としての規模その他についても、小さいから近代化ができないという面もございますし、やはり三・三答申に盛られているような趣旨で、港湾運送事業というものの基盤を強化して、しかもみずからの努力で近代化をやっていく、こういうように持っていく以外には自家荷役を防ぐことはできないのではないか。また港湾運送事業者については、そのように近代化を進め得る基盤をつくるように、われわれとしては行政指導していくべきではないか、かように考えております。
○野間委員 それは話の筋としてはそういうことであろうと思います。私もそれは否定をしません。ただ、港湾運送事業者の持っている資力なり経済的な能力、企業基盤、それは近代化をしていって強化をするのでありますけれども、一方、たとえば日本鋼管にしても大企業です。その大企業が、自分の企業能力、財政的な能力によって、港湾運送事業者にはない能力で自家荷役を強化していくということになるわけです。これはいま局長の言うスピードの面でいけば、それは近代化をされてからのスピードではとても間に合わないということです。したがって、その過程において、局長の言う近代化が強化される過程において、すでに自家荷役でどんどんやられてしまうということになるわけです。そこに問題があると思うのです。ですから、もちろんそれぞれの企業がそれぞれの努力によってコストを下げる。そのために輸送機関を低廉にする。それがいまあらわれている問題ですけれども、そういうふうなことにはなるのだが、それはやはり野方図に放任した場合には倒産する企業がふえてくる、こういう犠牲があるわけです。その犠牲を、多少は何らかの方法によって倒産するのを防ぐとか、あるいは、できれば自家荷役にある程度の規制を加えて、大企業がそういうことをやることによって受ける小中、零細企業の影響というものを保護していくということが必要じゃないかというふうに思われるのです。自家荷役を法律的に規制をすることがいいかどうか、これは確かに問題があると思うのです。しかし問題があるにしても、多少その辺を考えておかないと、大きな社会問題になる危険があるというふうに思うのです。そういう意味でひとつその辺は、いままで検討したことがあるのでしょうけれども、何らかの方法を検討する必要がないのかどうかということはちょっと考えてみたいと思うのです。それはどうでしょう。
○佐藤(肇)政府委員 港湾運送事業者の立場を守る、こういうことから自家荷役を制限するというのは、この港湾運送事業法のもちろん対象外である。現在このような自家荷役が行なわれているのは日本鋼管の例、もう一つは八幡にあるように聞いておりますが、こういう鉄鋼自体の問題も多いようでございます。しかし鉄鋼会社といえども、全部自家荷役にしているわけではございませんので、大体おのおの港湾運送事業者に限定免許というものを与えて、これが鉄鋼関係の荷役をやっているのが通例でございまして、やはり近代化というものに時間はかかるにしても、企業自体が輸送、荷役という面に協力するということで、やはり専業者のほうがそういうことに気を配るのが一番新しい方式を生み出すのに適当ではないかと思いますので、私どもとしてはやはりこの港湾運送事業そのものが基盤も強化され、輸送の近代化、合理化ということに目を注ぎ得るような形に持っていくのが一番いい道ではないか、かように考えるわけであります。
○野間委員 この問題はこれをたとえば法律の体系であらわすとかということはなかなかむずかしい問題だろうと思います。したがっていま局長の言うように、港湾運送事業者を強化することがまず前提じゃなかろうかということもわかります。ただ私の心配は、いま言いましたように、それまでの過程のうちに、過程のうちにというよりも、あるいは近代化——どうしても大企業との争いですから、それはなかなか近代化をしても大企業には追いつかない、最後まで追いつかないということのほうが見通しとしては大きいわけです。したがって局長の言われたことだけで進んでいくのならば、いまは鉄鉱石の問題だけだけれども、将来いろいろな問題が起きてくる可能性があると考えれば、いま直ちにどうこうすることはむずかしいと思いますが、何かやはり検討をしていく必要がありはしないかというふうにも思います。しかしこれはまあ現状では平行線のようですから、一応そういう希望だけを申し上げておいて、できれば何かの機会に検討を始めてもらいたいというふうに思います。これはそれでは一応要望だけにきょうはとどめておきます。 それからその次にもう一点、法改正の問題に入る前の問題として、これは今度の法改正の問題にも直接関連をするのですが、木造船のはしけを鋼船にかえますね。そして、それが内航業になる。これを今度はそのものをはしけ運送業者にするわけですね。これは実例として名古屋の港湾にあった例なんです。いままで木造船のはしけに乗っておった従業員を鋼船にかえて、その場合に、いわばその会社の命令どおりというか、つまり組合との関係ですけれども、労働組合に加入しない者あるいは脱退した者だけを鋼船のほうに乗せる、こうなってきたものですから、木造船に乗っておったはしけの労働者はそのために失業をするというふうになったわけです。こういう争いがあった。これが名古屋の港湾であったことは、おそらく御承知だと思います。そのあと労使の間で、それは変則であるということで協定をいたしました。その協定は、組合としては現在まであったことについてはやむを得ない、認めよう、そしてその鋼船が正常な運航をすることは妨げないという前提を置いて、ただしこれから鋼船のふえる分については、組合に加入非加入の問題は別にして、どの従業員であろうともちゃんと乗せるというふうに協定をしたわけです。昨年の七月十七日に協定されました。ところがその協定をそのまま守らないで、組合を脱退すること、あるいは組合に入らないということ、そういうことを条件にして鋼船のほうには乗せる、そしてなるべく木造船のほうも修繕をして、使える部分は使っていくということだったのにもかかわらず、それもどんどんスクラップにしちゃって鋼船にかえていく、こういうことがいまだに行なわれている実例があるのです。今度それが港湾運送事業法でいう港湾運送事業になってまいりますと、一そうそれは強化されてきはしないか、あるいは新しくそういう問題が起こる可能性がありはしないかというように考えられるのですね。これは労働問題といえばもちろん港湾局の担当でありませんけれども、労働問題だけで始末のつく問題ではなさそうだというように考えるのです。それからいまの名古屋の例ですが、その後組合側で提訴をして、裁判所の命令では、それはやはり不当である、したがって組合員であろうとも他の者と平等に扱うべきだ、したがって、八人か十人解雇になったのですが、その解雇は撤回すべきだという判決が出て、一応撤回にはなりましたけれども、給料は払っておるが、その鋼船のほうには、あるいは木船のほうにもその首になった者を乗せない。給料を払って、帰ったのだけれども、乗せないという事例が行なわれておる。私が心配するのは、こういう例を見ると、今度の法改正によってそういうことが行なわれる危険性がありはしないかというふうに考えられる。そういう問題について、もし名古屋の問題で多少皆さんのほうで御調査があればその結果なり、またこういう問題に関する将来の取り扱いなり、そういう問題をちょっとお答えを願いたい。
○佐藤(肇)政府委員 今回の法改正で百トン以上の鋼船につきましても、現実に港湾運送事業をやっておる者についてはこの法律の対象にすることを明確にしたものでございますが、これは港湾運送事業者として免許を受けた者が使う船の種類の問題でございまして、従来から当然対象となるべきところが抜けておったのを改正したわけでございます。ただ、いま御指摘のように、たまたま名古屋におきましては労使の間の紛争が、鋼船というものへの切りかえを一つの理由にして行なわれたというようなことでございまして、今回の改正とこの問題とは全然関係がないと思います。御指摘のように、名古屋において労使の間にトラブルがあったことは聞いております。私どもが聞いておりますのは、昨年の七月に円満に妥結したということでございまして、その後いまお話がございましたようなことにつきましては全然聞いておりませんし、また調査もしておりませんので、即刻調べたい、かように思うわけでございます。
○野間委員 昨年の七月十七日に一応これは協定をしたわけです。ですからその時点では局長の言うように解決をしたのですが、その後のほうがかえって問題が多い。これはいまだに解決をしてない問題ですから、あらためてひとつ調査をしていただいて、また別の機会に一般の質問のときにでも御質問を申し上げますから、ぜひ正確に調べていただいて、できれば何かの方法で解決をして名古屋港湾の問題が正常化されるように、私どもも努力したいというように存じますから、もし調査がしてないのであればやむを得ませんので、ぜひ調査を願って、あらためて別な機会に問題にしたいと思います。これはそういうふうにお願いをいたします。 次に法改正の問題ですが、いろいろありますけれども、簡単なやつから申し上げますと、今度関連事業というのを届け出制にするというふうになるわけですね。これは私どもも賛成なんですが、ただ清掃業が原案では入っていなかったのです。清掃業のほうも関連事業に加えるというふうにしてもらいたいということで、これはたしか共同修正案が出ていると思いますが、そういう関係なんですけれども、この関連事業が届け出制になった場合に、これは届け出をするだけで、そのあと、たとえば料金の問題であるとかそういう面についてはどういう取り扱いになるのですか。
○佐藤(肇)政府委員 港湾運送関連事業につきまして届け出制を法改正の中に盛り込んだわけでございますが、これは答申にもありますように、港湾運送の関連する事業についても規制、指導するようにということが提案されております。この趣旨に基づいたものでございまして、関連事業そのものの重要性はわかっているわけでございますが、実態につきましてわれわれは知るところが少ないものでございますから、届け出によって実態をまず把握して、その上で料金その他についても規制をすることが必要であれば次回にその改正をいたしたい、こういう趣旨であったわけでございます。これにつきまして、この前の委員会のときに修正案の御意見を拝聴いたしております。
○野間委員 この関連事業が御承知のように、いままで放任されておったわけですね。やたらにやられておったわけですが、そういう関係で、したがって料金の問題にしても、あるいは労働条件の問題にしても、非常に乱雑の状態だと言ってもいいと思います。そういう関係がありますから、届け出によって実態を把握されたならば、ぜひ早急に料金問題、労働条件問題等について資料をつくっていただいて、何とか整備をしていくというふうに指導していただいたほうがいいと思いますが、それではその届け出制によっての調査の結果によってまた御報告いだだくというふうに願いたいと思います。 それからもう一つは、船積み貨物の位置の固定をしたり、荷づくりをしたり、荷直しをしたりという事業が関連作業としてあります。これと、梱包業者というのがありますね。この梱包業者というのは、まず一つは、関連事業に入るのかどうか。それから入った場合に、位置の固定あるいは荷づくり、荷直し等との関係はどうなのか。つまり一緒のものなのか、あるいは別に考えるかということです。
○佐藤(肇)政府委員 梱包業者がこの関連事業の対象になるかどうかということでございますが、港湾において荷役に伴って行なわれるところの梱包につきましては、荷づくり、荷直しという中で読める、かように考えているわけでございます。
○野間委員 そうすると、梱包業者のうち——梱包業者もたくさんあるのですね。すでに船に積む前に梱包をしてきて、それから積むという業者と、それから船の中で梱包するという、いま局長の言う業者と、それから陸で梱包を多少しておいて、それから船に積んで本格的に梱包するという業者もあるわけです。これはそれぞれ協同組合をつくってやっておるのですが、そうすると、いま局長の言われた、船の中だけで梱包をする者が梱包業者で関連事業になる。もう一つ、陸だけで、これは埠頭などで用地がある場合にはやっておったりしますが、そういうところで梱包をしている業者はどうなんですか。大体同じ梱包業者がその三つを関連をしながらやっているという場合があるのですね。そういう関係があるのですが、これは何か区切りをするのですか、どうなんですか。
○佐藤(肇)政府委員 私が先ほど申し上げましたのは、港湾においてということでございまして、船の中だけではございません。したがいまして陸上で、上屋の中もしくは上屋の外で行なう荷づくりそれから船の中で行なうもの、両方とも含まれているわけでございます。
○野間委員 大体わかりました。 そうすると今度届け出をするのは、大体船に積み込む品物の梱包をしている業者は一応やはりみんな届け出るということならいいのです。それからはたしてその業者が関連事業に該当するかどうかは、またおたくのほうで調べる、こういうことになるのですか。
○佐藤(肇)政府委員 御指摘のとおりに、作業の実態について届け出をしてもらいまして、それによって該当するかどうかということをきめていけばいいと思うのです。
○野間委員 わかりました。 それから次の問題は、今度は免許基準の改正が行なわれた。免許基準が、それぞれの割合によって引き上げられたのですね。一種港等、港の別によって割合が違うというふうなことで、免許基準の改正が行なわれたわけですが、たしかことしの三月に港湾調整審議会のほうから定数の答申がありました。あれに基づいてまず第一に定数がそれぞれ港別に定められたわけですね。そうするとこの定数とそれから今度の免許基準の改正等の中には関連はつけられておるのですか、どうなんですか。これをひとつお尋ねします。
○佐藤(肇)政府委員 この間港湾調整審議会できめました定数と、今回の基準というものとは直接関係がないわけでございますが、私ども今回の施設、労働者に対する基準をきめるにあたりましては、規模というものをきめます場合に、四分の三というものが常用である、四分の一が日雇いであるという答申の線を守って基準をきめたい、かように考えておるわけでございます。
○野間委員 これは概念的ですけれども、免許基準によってそれぞれの労働者の数が出てくるわけですね。そうすると、その数がきめられた定数とちゃんと関連をしていないと、余る場合と足らない場合が出てくるというふうになると思いますね。したがって定数が妥当であるという前提に立てば、それが常用の定数に満てるだけの企業の基準がなければならないと思うのです。それはやはりそういうふうに関連をつけて基準をきめ——基準そのものは今度は企業の内容の問題ですから、それはそれとして独立した問題ですね。したがって必ずしも関連をしなければならぬことではないのでありますけれども、しかし三・三答申によってちゃんと定数をきめて、それはそれぞれの企業が常用は常用で確保するということが一つの趣旨になっていますね。したがって免許基準と定数との間にそういう関連がちゃんとつかなければならぬというふうに、答申の趣旨からすると考えられると思います。やはりそういうふうなことになっていかなければならないのじゃないですか。それはどうなんでしょうか。
○佐藤(肇)政府委員 今回免許基準の引き上げの法律改正をいたしましたのは、新しく免許をしようというものについては、従来よりも高い基準で免許をしていきたいという趣旨でございます。その場合に、労働者につきましては常用が七五%になるように考えたわけでございますが、いまお話がありました港ごとの定数につきましては、これは貨物量と現在登録される常用労働者、その足らず前を日雇い労働者でもって確保していくという現実の問題を取り扱っているわけでございまして、今回の基準の改正と定数のきめ方とは、直接は関係がないわけでございます。むしろ今後新しく免許をしていく場合におきましては、いま御指摘がございました定数というものとの関係で、それ以上に免許をすべきであるかどうかという需給の問題として考えるべきではないかと思います。
○野間委員 今度の免許基準の改正は、これから認可をする場合に使うわけですね。したがって、旧来免許をしてあるものは、これは今度の改正によって認可したものだというふうになっているわけですね。しかしその意味では、ぼくが言うのは、定数が大体きまってきた、これはその程度までの常用とその程度までの日雇いはなければならぬ、それでないとこの港の仕事はついていかないぞということですね。ですから、まず第一に定数がいいかどうか、これは検討の余地があると思うが、一応これを是認した場合に、いまの話で免許基準が改正になったのだけれども、ぼくは改正をしたときは、それはこの定数に関連がなければならぬと思いますね。そうでないと、免許はした、ところがその免許の基準でいけば定数は足らない、常用も足らないというふうになってくると、そこにちょっと問題があると思うのです。したがって、その分だけ日雇いが多くなっていく。日雇いの定数よりも多い日雇いが入ってくるという危険性が、基準が低いと出てくると思いますよ。今度の基準の改正は、そういう意味では定数に近づいて企業は強化されたのだけれども、旧来の免許をしてあるものは旧来のままなんですからね。そうすると、きめられた定数よりも企業というものはなるべく少ない人数でやりたがるから、きめられた定数よりも低い常用の人によってやられてくるという危険性——旧来の免許はそのままだということはそういう危険性が起きてきやしないかという気がするのですけれども、それはどうなんでしょう。
○佐藤(肇)政府委員 この答申に盛られてあります常用化の促進という問題は、今回の法律改正だけで片づく問題ではないと思います。したがいまして、この間答申されました定数につきましても、とにかくこういう数でやってみて、実情にそぐわなければ改定したいということでございます。私ども、これは数回重ねていかなければ妥当な数字は出ないと思います。むしろこの法律でねらっておりますのは、新しい免許につきましては、先ほども申し上げましたように、企業の安定性ということから基準を高めていく、また常用率を高めたもので免許をしていきたいということでございますが、従来のものは基準はそのままでございますけれども、別に再下請の禁止という規定を設けておりますし、十六条の改正で系列化ということで直営率を高めるようにいたしておりますから、そういうように、業界の再編成というものを通じて直営率を高めていくような集約という行政指導を行なうことによって、ただいまお話がございましたような定数と常用率をさらに高めていくということが解決されていくのではないかと考えております。
○野間委員 わかりました。そうですね。ただ、十六条の問題は実はあとで問題になるのですが、十六条の問題でいま局長さんが言われたようなことになっていくのだけれども、これはやや時間がかかるのではないかと思うのです。したがって、定数の問題だけをとらえて考えてみれば、新しい基準によってもう一回旧来免許してあるものをさらってみる。そうしてそれが新しい基準に到達しない、その幅が大きいものは引き上げるということを考える。何かそういう方向でやらないと、定数と業者との間に相当大きな開きが残ったままになっていく。これでは労働法の定数は全然関係しないことになってしまうわけですから、できるだけこの定数の問題は早くしなければならぬ問題ですね。そういうことですから、いま局長の答弁されたことではどうも不十分ではないかというふうに思いますので、もう少し定数の問題とそれぞれの企業の実態との関連の検討のしかたを強化したほうがいいのじゃないかというふうに思います。これは希望になると思いますが、この法改正の機会に、定数との関係についてもう一回ひとつ検討願いたいというふうに思います。
○佐藤(肇)政府委員 新しい免許にだけこの基準を上げるのを適用いたしまして、従来の免許はそのままにしたわけでございますが、これは集約ということ、近代化ということにつきまして、別途港湾運送部会というものを港湾審議会に設けて、そこで検討していただくわけでございまして、この場合には当然いまおっしゃられましたように実態というものを調べて、港湾運送事業のあり方というものをその実態の上で原則をつくって、そうして具体的な集約もしくは系列化というものを進めていく資料にしなければならないと思います。
○野間委員 大体そういうふうにやっていただきたいと思います。 それからもう一つ。木造船を廃船にして鋼船をつくっていくということをやっていますね。ところが実際にはその木造船を、名目は廃船になったのだけれども、第三者に売っちゃって、それをまた業者に貸すということが行なわれているようなんです。したがって、その廃船になった木造船をまた業者に使われることによって、しかもそれがダンピングといいますか、そういうことに使われてくるということになるわけですね。こういう実例がだいぶあるように聞いておるのですが、これは何かそういうことのないようなふうにはならぬのですか。
○佐藤(肇)政府委員 特定船舶整備公団によるはしけの建造の場合でございますが、この廃棄すべきはしけにつきましては、焼却するとか、もしくはキールを切断するということを確認してやっておるわけでございます。したがいましていま御指摘のようなことはないのではないかと思います。
○野間委員 これは私も伺ったことですから、正確にはもちろんぼく自身調べてないのですが、局長の言われることが筋なんですね。そういうふうにしなければならぬことになっておるのだけれども、実態は廃棄すべき木造船が第三者に売られている形跡がある。それをまた業者が、足らない場合に借りてくるということが行なわれておるというように伺っておるのです。ですからぼく自身直接には調べておりませんけれども、もしそういうことがあれば、鋼船にかえる趣旨としてはきわめて不当といいますか、不法なことです。これはもう少しぼくは調べなければならぬと思うのですが、これは容易に調べられるはずですから、一回調査をしてくれませんか。ひとつこれは調査をするようにお願いをしたいと思います。 もう一つは、今度は少し原則的な問題なんですが、港湾運送事業者のほうは公示料金を守るというふうになっているわけですね。これは当然の措置です。ところが荷主のほうは、もちろんそれをそのとおり払うべきが当然なんですけれども、必ずしも実態としてはそうでない。それは業者も悪いのですよ。業者のほうが悪いからそうなってくるのでしょうが、しかしそれは必ずしも業者が悪いとも言い切れないですね、実態の問題は。たとえば、最初申し上げた日本鋼管の例なども、第二段階ではピストン輸送というのをやっておる。その際にだいぶ問題があって、値段を下げられておる。下げたものですから追及をした結果、またもとへ返したということがあるのです。これは一つの例ですけれども、そういうことがおそらくほとんど行なわれているというふうに思いますね。しかしこれは、その場合には、能動的に荷主のほうから行なわれた場合でも、公示料金を守らなかったというのでやられるほうは、問題にされるほうは業者のほうですね、実際問題として、結果としては。そこで何か荷主のほうでもやはり料金を守れというか、守る義務がある。これは当然でしょうけれども、しかしそれは法律上はないですね。ですから、そういう意味では片手落ちじゃないかというふうに思うのですが、まずその辺はどうなんでしょう。
○佐藤(肇)政府委員 おっしゃられるとおりに、この法律は港湾運送事業者が違反した場合にこれを取り締まるわけでございまして、荷主のほうまで及ばないわけでございます。しかし秩序を守るということは、荷主と港湾運送事業者と両方にとって必要なことでございまして、私ども昨年監査いたしましたところでも、料金が守られていないという例はあったわけでございまして、これについて私どもが強く指摘をいたしまして、現在自主的に港湾運送料金というものを確実に収受するための方法につきまして、日本港運協会が特に委員会をつくって検討しておるということで、そういう秩序は保たれていると思います。 それからもう一つ、先ほど日本鋼管のお話がございましたが、あれにつきましても、特殊な荷役の方式でございますから、特別な料金というものは当然あるわけでありまして、そういうものについて認可をとればよかったのではないか、ただ画一的に公示料金をまけていたのじゃないか、こういうような指摘はしてないようでございますが、そういう点の取り扱いについても今後さらに指導する必要があるのではないかと思います。
○野間委員 これは港湾運送事業をやっている企業の人たちの自主的な体制によって、いま局長の言うように、公示料金を守っていくということではあるんだけれども——それは当然なんです。ただ問題は、片方は全然法律上義務がないものですから、しかも荷物を受けるほう、運ぶ業者のほうは弱いですよ、それで商売が成り立っていくわけですから。したがって、弱いほうの者が、協会の申し合わせなり自主的な力によって守っていくということだけでは、何かささえになるもの——いまのささえは、守らないとおまえを罰するぞというささえ方ですね。そうではなくて、荷主のほうでもこういうものがある、こういう規制がある、したがって、うちのほうで守っていい、そして向こうからまけろというふうに言われた場合には、それはうちのほうで自主的に守っていくということになれば、これはやや平等ですね。完全平等はできないでしょうけれども、何かやはり運送業者のほうにも相手に対してよりどころがある、そういう関係がないと、これはなかなか実際としては——いままでずっと問題があったのですからね、何十年となく。これがようやく協会ができて、協会の体制が強くなってきたから、いま局長の言うようなことができるのだが、しかしこれはなかなか協会の自主的な能力だけでは、まだやはり問題が出てくる。今度は協会内では、表面上は問題がない、ところが内容はそうではないというのが実態ですから、そこまでなかなか、いかに協会であってもできにくいのじゃないかというふうに想像できますね。したがって、ぼくは荷主のほうでもやはり、罰則まではどうかと思いますけれども、何らかの法律的に義務があるというふうにしてあげるべきじゃないかというふうに思うのですが、それはどうなんでしょうかね。
○佐藤(肇)政府委員 法律的には非常にむずかしい問題と思いますが、荷主関係につきましては農林、通産等関係十四団体があるわけでございます。この団体につきまして料金の決定のときにもいろいろと意見を聞いているわけでございまして、こういう団体に強く料金の順守というものについて協力を要請しております。私ども考えますのに、やはり根本的に料金が守られにくいと申しますか、港湾運送事業者が弱いという先ほどのお話のもとというのは、過当競争ではないかと思います。したがいまして、答申にもいっているような一定規模以上に集約して力を強めていくということで過当競争を少なくするというのが、やはり根本的な解決策ではないかと思います。
○野間委員 もちろんこの料金の問題は過当競争からきていることは明らかです。そのために答申もそういう意味で出ておるわけです。したがって、局長の言っていることは理解がつくのですが、そうかといって、なかなかこれは港運業だけ過当競争が全くないということにはなりませんね。また答申でもやはり公正な、自由な競争と、こうなっておるのですから、競争がなくなるということは、自民党の政府である以上はないといえますね。したがって、そうなって、しかも値段をきめるときには、いま局長の言うように、荷主のほうの協会とも相談はあるのだが、その相談は、荷主のほうは下げろ下げろという相談ですね。公示料金を安くしろという相談ですね。ですから、それよりももっと下がってくるということが実際の仕事の中で起きてきたら、これはなかなかいま局長の言ったようなことだけでは解決がつかないですよ。ですから、それはもちろん運輸省だけの問題ではありません。多くの関連する官庁があるわけです。これはあるいはわれわれも別の機会に問題にしなければならぬとは思いますけれども、まず港湾運送事業を担当している港湾局長あるいは運輸省、そういうところでそういうことについて、つまり港湾運送事業者という弱い立場の者を幾らかでも保護する、そうして公示料金というせっかく認可をする料金が、両者の協力によって守られるというふうにしなければならぬです。そういう責任が運輸省にはあると思う。しかしそれがそれぞれの自主的な体制では守られていないというのが、今日までの歴史なんです。これはやはり荷主のほうを何らかの方法で義務づけるということをすること以外にはないのじゃないかというふうに思いますが、そういう意味での検討をすることは非常に価値のある検討じゃないかと思います。そういう検討をするということは、たとえば運輸省のどこかで荷主の協会との話し合いをするとか、あるいは法律として問題にするとかいうようなことは運輸省でやっていいのでしょう。どうなんですか、それは。
○佐藤(肇)政府委員 荷主、船主との関係につきましては、料金改定のつど、先ほど申し上げましたように、話し合いをしておるわけでございまして、これらの団体に私どもとしては料金の順守ということを強く呼びかけて協力を求めておるわけでございます。しかし一つは、いまおっしゃられましたように、競争というものがございますが、この競争というものは、やはり料金というものが公示確定料金であるという立場の上に立ってサービスを競争することも一つだと思います。もう一つは、料金の内容についてよく利用者にのみ込んでもらうということ。これにつきましては現在の料金制度、料金の立て方そのものがいいとは思っておりません。したがいまして、今度港湾審議会に設けられます港湾運送部会で審議していただく事項の一つといたしまして、この料金の立て方について検討していただくわけでございます。この中には利用者、船主ももちろん入っておるわけでございまして、こういう中でやはり合理的な料金体系というものをきめて、守られやすくしていくという努力もやっていく、そういうことでこの料金制度というものが港湾運送事業者を保護し、また荷主に対してもいい影響を与えるものにしていくべきじゃないかと思います。
○野間委員 なかなかむずかしい問題ですから、きょう直ちに局長から結論はもらえないかもしれません。ただいま言うように荷主に対してサービスをするのじゃないのです。内容によってサービスをするべきです。それが運送事業が持っている仕事の内容でサービスをするよりも、一番手っ取り早いのが料金だというのが実態ですから、そういうこともなかなか将来にわたって解決するのはむずかしいと思います。したがって、せっかく運送部会などで料金の体系、内容等について検討がされるのならば、その機会にただ単に業界に呼びかけるんではなくて、荷主、船主等に対して、料金をまけさせるような圧力、そういうものを幾分でも解消をするという措置は、やはり検討するに値するものだというふうに思います。したがってせっかくそういう検討の機会があるのならば、いまぼくが言ったようなことも検討の一つの素材としてのぼせていくという点についてはお答えがいただけると思いますが、どうでしょう。
○佐藤(肇)政府委員 港湾審議会に設けられます港湾運送部会におきまして料金制度について検討していただきますときには、御趣旨を十分入れまして荷主、船主が順守し得るものということを一つの要素として加えて審議していただきたい、かように思います。
○野間委員 では、それはそういうふうにぜひお願いをします。 それでは十六条の問題なんですが、これはいままで当委員会で質疑をされている問題に多少関連をするのですが、私はこういう立場で聞いてみたいのです。三・三答申で、一つは港湾運送事業者を系列化、体系づけで強化をしたい、それから港湾を整備したい、それから労働力を確保しておきたい、大体そういうことで答申が出て、港湾労働法がつくられ、今度の事業法の改正が行なわれておる。そういう意味では、私も労働法の制定と今度の法改正については、三・三答申の趣旨に基づいて進んでいるという点については別に異議はないのです。むしろ賛成をして、これで進んでいってもらいたいという立場でおるのですが、今度の十六条の改正によって体系づけ、集約をしていって、そうしていわば企業として存立が不可能であるべきはずのもの、あるいは労働力を確保するに足りないもの、そういう不安定な企業はできるだけ集約をしていって強化をしていく、そういう趣旨なんですね。そういう意味で私も別に異議はありません。ただ問題は、それはそうなんだけれども、その反面、それではどういう企業がこれから集約をされるのであろうか、あるいはどういう企業は集約をされないでこぼれてしまうのであろうかという面が出てくるわけですね。したがって私は、せっかく今日まで数十年間営々として港湾運送事業をやってきたものの中で、いま運輸省が考えておるようなぐあいに進んでいけない、したがってこぼれてしまうというものがあるとすると、その業者は気の毒だと思うのです。ですから、そういうこぼれる業者がやはり出ないようにしなければならぬ。ただそのために、いわゆる合理化なり集約化なり体系づけが行なわれないということでは困ると思いますけれども、そこに非常にむずかしい関連性があると思いますが、私は一ぺん、今度の法改正の内容でこぼれてしまう企業がありはしないかという面から検討をしてみて、その面から見詰めて、そうしてそれはどういうふうに救っていくのかという点をひとつ運輸省のほうの指導方針を聞きたいという立場で伺っていきたいのですが、そういう意味でひとつお聞きをいただきたいと思います。 それでまず第一に、通常一種から四種までの免許をもらっておって、二種、三種、四種の実際の仕事を持っている。船内、はしけ、沿岸の労働者を持ち、設備を持っているという企業は、これは完全に問題なく存在をしていく。そうですね。これは間違いないと思います。その次に、一種の免許は持っている、しかし二種は持っていない。船内は持っていない。しかし、はしけは持っている。今度は四種も持っていないという企業がありますね。そういう企業は、いまは船内と沿岸は下請に出している。一種を持っているのです。下請に出している。そうですね。そうしてはしけはやっておるという企業があるわけです。これは私の選出の横浜では相当たくさんあるのです。これは二種ということをいま例にとりましたが、四種を持っておってほかはない、あるいは二種を持っておってほかはないと同じつもりで聞いてもらいたいのです。そういう業種はたくさんございます。たくさんというか、ほとんど大多数だと思います。これは一番先に言ったやつはあまり多くない。いわゆる大企業というやつですね。そこで問題になるのは第二番目の業者なんですが、これが存在をしていくためには、二種と四種は下請に出しているという場合には、まず自家営業してしまえば完全ですね。自分でその体制をつくってしまえば、最初のやっと同じですからこれは完全存立になりますね。しかしそれは実際にはできない。企業能力からいって自家営業ということはできない。したがって、いままでどおり下請をしていきたいというふうになってきた場合に、この法律でいくと大体五つくらいの方法がありますね。存立していく方法としては五つくらいの方法があると思います。一つは株で支配するということですね。株の支配の関係に置くのですね。これが一つです。こうすれば存在できるわけですね。一つ一つ言ってみますと、株の支配の関係によって存在をしていく方法がある。ただこれは現在の状況では、あるいは将来にわたって株の売り買いをするわけですから、実際にはこれは無理ですよ。したがってその方法ではできないというふうに私はまず考える。第二番目に、今度はまあ半分の株ではたいへんだけれども、四分の一の株を売り買いをして、そうして役員を交換をするという方法ではどうかということですね。それが第二番目。これも役員の交換等、あるいは株を買うとかという手続が必要なわけです。これもやはり二分の一の株と大体同じようなことでないか。したがって、そういう意味でこれは今後存立をしていくということはまず無理だというふうに考えていいのじゃないかというふうに思います。そうすると第二番目はだめですね。第三番目としては、長期の契約を結ぶ。これはいわば前のが両方あるわけですから第五番目ですね。長期の契約を結ぶということで、あり得る。これだけが残された唯一の道だろうと思うのです。それ以外にありますか。
○佐藤(肇)政府委員 お話がございましたような株支配、二分の一以上を持って、役員を派遣する、これは相互にあるわけでございます。そのほかに、長期の契約を結ぶというのが第五番目というようなお話がございましたが、それ以外のものは考えておりません。
○野間委員 わかりました。したがって、私の考えでいくと、長期の契約を結ぶ、つまり法改正でいう密接な関係を持つという条項、そう言っては悪いが、その条項を使って残るという以外にないと思うのです。そこで、この前の委員会で、省令の中身についていただいたわけですが、それでまいりますと、四のロに該当するわけでございます。 ここでちょっとお尋ねしておきたいのですが、「長期(五年程度)の下請契約が結ばれており、」ですから、まず、長期契約が結ばれているだけではだめなのですね。それはどうですか。
○佐藤(肇)政府委員 そのとおりでございます。
○野間委員 したがって、結ばれておって、かつ元請業者と下請業者との間に「施設、資金その他の経済上の利益を提供していること。」、これは元請業者が下請業者に提供していなければならないのですから、これは前の例と同じように、その逆もあり得るのですか。どうなのですか。
○佐藤(肇)政府委員 この逆は考えておりません。
○野間委員 そうすると、いま私の言った例の企業者は、元請のほうからその分をもらうというわけですね。ところが、ぼくの言ったものが小さい企業だった場合に、もらうことはできるわけです。ですから、何か経済上の利益をもらって、長期契約を結んで、それがはっきりしておるということになれば、これは残り得るということになりますね。しかし、この施設、資金等については、これはあとでまた問題になるのですが、隷属になるものですから、これは答申のほうでも、隷属しちゃならぬ、こうなっておりますね。したがって企業としては、せっかく存在しておるのですから、隷属はしたくないという気持ちは当然ございます。そうなってきた場合に、そうすると「施設、資金」ではだめなので、「その他」とこうなっているのです。「その他」と書いてあります。そうすると、「その他」というのは何ですか。
○佐藤(肇)政府委員 たとえば債務を保証してもらう、こういうような場合を考えております。
○野間委員 債務保証ですね。借金がない場合もありますね。これは少しこまかいからよしましょう。しかし、「その他」というのは、ぼくは常識で考えてそうないと思うのです。したがって、施設と資金なのだというふうに考えられるわけです。 ただ、ぼくはここで、ないと思うと断言しておりますけれども、いまうまいぐあいに債務というふうに考えられたわけでありますが、小さい業者が元請から経済上の利益をもらうということは、実際には非常にむずかしいことなんです。ですから、そういうことで存在をするということはまず非常にむずかしい。しかし、何としてもやはりこれは存在をすべきものですから、「その他」という条項の中で、いま言われた債務であるとか、あるいは企業の実態を調べていくとまだあるのじゃないかというふうに思いますから、まずそれはきょうのところは、ひとつ検討するというふうにしておいていただきたいと思います。 それから次に、今度はこの逆の、小さい会社が大きい会社へ下請をしている場合があるのですね。たとえば船内なんという会社は大きいのですが、そこでたとえば私が下請しているという場合がございます。この場合には完全に経済上の利益を提供するということはありません。これは相手は受けませんよ。そうすると、最初言った小さい企業がまた小さい企業に下請をおろしている場合、あるいは大きい企業から下請をもらっている企業は、これは極端に言えば、恥を忍べば、系列下に入るということで、あるいは経済上の利益を受けることで存在はできます。いま検討してもらった「その他」ということでも存在はできる。ですから、これは私も存在できると思います。しかし、大きい企業に下請をおろしていることがあり得るのですね。そうなってくると、そこだけでやっている企業は在在ができないのじゃないですか。一つの方法としては、単独の免許を持つ、単独業者になるということでは、あり得るのだけれども、これは別にしましょう。まず、大きい企業に対して下請を出しているという、いま私の言った例は、その限りにおいては、そのまま現状のとおりに会社が存在するということはできないのじゃないのか。これはどうですか。
○佐藤(肇)政府委員 いまの場合は、下請のほうが大きくて、元請が小さい、こういう場合でございますね。
○野間委員 そうです。
○佐藤(肇)政府委員 そういう場合も考えられるわけでございまして、この後段にあるように、二つ以上の元請の仕事ができるというようにもなっているわけでございます。もう一つは、元請自身が現在のままでいいということにはならないわけでございます。元請自身も集約合併していくということが考えられるわけでございます。
○野間委員 いまの局長の答弁でははっきりしないのですよ。ぼくがささやいて、はっきりしないほうがいいというようなことを言ったものだからかもしれませんが、実はこういうことなんです。ぼくのところに例としてきているのですが、「私は二種三種四種の三つの免許をもってゐますが、二種の船内の下請をしてみるために」——それがまず系列化をされる、その業種が支配をされる、二種が支配をされる、そのために三種、四種の仕事は、実際は経営権を持っているのだけれども、船内の元請業者の系列下に入るものだから、それも支配をされる関係になる、この人はこう言っているのです。これはそうなんです。だから、せっかく三種と四種を一生懸命やっておって、関連事業だから、二種の仕事は元請からもらうけれども、やはり元請の人に下請をさせなければならぬ。それを維持するためには系列下に入らなければならぬ。経営権的なものまで向こうは支配することに当然なります。そうなってくると、先祖伝来やってきた三種、四種の仕事も一緒に系列下に入ってしまう、したがって支配の関係になるということになるのですね。そういう例がありますね。ぼくが言っていることはそういうことなんです。つまり、そのものとして存在できない。そのものとして存在し得る条件としては、このロの項の長期契約がありますね。しかも、長期契約も、いま局長が答弁されるように、実際には非常にむずかしい。そうなってくると、この企業は、自分の意地を張っている以上は存在ができないという結果になる危険性がある。そこで、こういうふうに、私の企業は営々辛苦してやってきた会社なんだけれども根底から経営を奪われる。したがって、それを考えてみると、本案の成立に非常な不安を感じる。これは答申では、業者あるいは労働者に不安を与えてはならないと、こう書いてある。ところがこれは不安を感じる。そこで、成立するような社会ならば共産党に入ったほうがいいと言っている。これはぼくが特に読むのは、關谷さんや田澤さんに聞いてもらいたいからなんだ。いま港湾業者の中で、自民党さんの一番きらいな共産党に入らなければならないと憤慨をしている者が、全国津々浦々におるのであります。ただそれは元請業者から毎日仕事をもらっているから、表立って反対の意思表示がしにくいのです。そういう人世の機微も御洞察願いたいと、こう書いてある。これをぼくは言っているのです。この法案が出たときに、実は私ども検討しましたときに、反面から見詰めていった場合にはこういうことがあらわれてきはしないかという心配があったから、実は關谷先生が質問されておることについて非常に関心を持った。そして一そう調べておるうちにこういうものが出てきた、これはなるほど実態としてあり得るということになった。ですから、それは容易じゃない。いろいろ考えてみますと、いまぼくの言うような心配が、答申のほうではやっちゃいかぬというふうにちゃんと書いてある、それを運輸省のほうでは考えながらつくられたのでしょうから、ぼくがいま心配するようなことについて相当お考えになって、その中和点というか折衷点はどこであろうかということで相当御苦労されたと思います。その御苦労の結果が、さっき言われたロの項の長期契約ということにあらわれてきたのではないか。その御労苦は多とするのですが、その反面、さっき言いましたように、この条項でいっても、なおかつせっかくやってきた企業が、しかもそれはりっぱな企業なんですよ、いまの港湾事業から見詰めてみればそう小さくはないのです、そういう企業が、企業として残っていようという意欲があるのに残れないという矛盾が生まれてきやしないかとぼくは思うのです。だからこれはどうしろというふうにはなかなかいかない。それを突き詰めていけば、それじゃ港湾をいまのままにして、合理化強化、集約はしないのかというふうに反問されますね、それはぼくは避けたい、そうではない。 そこで、実はこの法案はきょうこの委員会で自民党さんのほうで上げたいという御希望のようだけれども、ぼくはまだ上げるのはむずかしいと思うのです。いまの問題以外に、同じような形がこの業態を調べてみるとあるのです。ここに「横浜港」という資料があるのですが、この内容は、一種が普通一般運送事業が四十五、それから限定が四十二、これは一貫元請を持っている。それから同じく限定で六十七、これは乙仲なんですね。二種は、普通が六十、限定が十五、計七十五です。三種が、普通が百六十二、限定が五、計百六十七、四種が、普通が九十二、限定が九十六、計百八十八、五種が十六、これは限定はありませんが、総計すると相当な数ですね。これが横浜港の実態です。しかもこの実態をこの表によってつぶさに調べてみると、いま私が申し上げましたような業種がほとんどです。まず九八%はそうだというふうに言っていいと思います。したがって、第一項で残り得る業者が大体十二くらい。いま私が申し上げたこの五百幾つかある業種の中で、今度の法改正によって、ちゃんと自信を持って残れる業者はまず第一に十二だ。これは完全に残る。あとの業者は、たとえば株主支配を受けるとか、いろいろな苦労をしながら残れるかもしれない。しかし五百以上の業者の中で、いま私が申し上げた例のほうが圧倒的に多いことは明らかです。この資料を見せるまでもなく、もうこれは港湾局だって知っていると思うのです。これが港の実態です。そうなってまいりますと、せっかく港湾運送事業を強化してあげようという趣旨が、この法改正では実は残念ながらこぼれていく企業のほうが多いというふうになってくると思うのです。したがって、それを救うためには、運輸省なりあるいはわれわれ政党なりが直接、港の一つ一つの業者について、一つの業者と一つの業者とを組み合わせる、マージャンじゃないが、すべて組み合わしていくというふうにして、はたして残れるのかどうかという、これは非常にたいへんな事業です。これが二年の期限の中でできるかどうかというと、非常に疑問です。そういう問題があります。したがって、これはきょう直ちに港湾局長からどうしますというようなことはなかなか答えられないとぼくは思うのです。答えるとすれば、二年間のうちに何とかします、指導しますと言う以外にないと思う。それでは答弁になりませんよ。したがって、もしこれをやるのならば、ちゃんと答申にあるように——答申は、国で融資をすべき資金もちゃんと持ち、援助をする資金も持ちなさいといっていますね。いまそういうものをちゃんと持ってないでしょう。こういう場合には中小企業近代化促進法だって適用されませんね。したがって、そういうものをちゃんと持って、この例について金が足りないならこうしましょうという体制までちゃんとつくってやらなければ、この十六条の改正のとおりにはできない。もしできるとすれば、つぶれていく企業が非常に多いという結果になるのです。ですから、きょうは長時間になりましたからこれは答弁はもらいませんが、ひとつ検討しておいていただいて、この次のときにもう一回論議をしたいと思います。 第二番目は、その次の、二以上の元請業者との間に余力があった場合に、それは存在し得るというふうになっています。これは答えてもらいましょう。その余力というのは、たとえばAの会社が、B、C、D、Eといまやっておる、そのうちの一番大きいものと比較するわけですね。相手のB、C、D、Eのうち、Bが一番大きかった。そうするとAとBを考えた場合には余力がある。その余力はちょうどBの会社の分と同じだということになれば、これはこの条文でいけばAの会社はBとは連携を保てるということになりますね。そうするとC、D、Eはどうなるか。それとのいままでの仕事の関係は保っていけるのか、これはどうなんですか。
○佐藤(肇)政府委員 いまの問題は、今度の法改正で申しますと、たとえばはしけ基盤の元請でございますと、はしけの能力で七〇%は直営をしなければならぬことになるわけでございますから、そういう元請の能力は十万トンであったといたします。二十万トンを持った船内業者がある。その場合には十万トンの元請と契約いたしましても、あと十万トンの能力が余るわけであります。これについてはほかの業者と契約をしてもいい、別な系列に入っていい、こういうことを書いてあるわけであります。
○野間委員 そうすると、つまり余力一ぱいのものは契約を結んでいいわけですね。いままではそれ以外のものとも契約を結んでやっておりましたね。それはできなくなってしまうということになるのですか。となると、これはまた前の問題と同じに、いま二つの業者とは契約が結べる、それ以外とは契約が結べないという趣旨でこれが書いてあるということになると、企業にとってはたいへんな問題になる可能性があるのです。そうではなくて、多少余裕があって、その程度のAという企業であるならばB、C、D、Eとも、いままでどおり契約を結んでもいいだけの力を持っておるなら、結んでもいいということであれば、それはぼくはそう問題はないと思うのですが、そうではないということだと問題があると思うのですが、その点はどうですか。
○佐藤(肇)政府委員 先ほど申し上げましたように、系列化というのは、やはりそういうおのおのの能力で、再下請が禁止されておるからには、自分の能力でもって一社以上に能力があれば二社と系列に入ってやってもいい、こういうことになるわけでございます。ただ、いまお話のございました、さらに大きな能力のあった場合に、その関係をどうするかということにつきましては、先ほどお話がありましたこととあわせてもう一ぺん検討いたします。
○野間委員 それでは、きょうはこの程度で終わります。
○古川委員長 次会は、来たる二十七日金曜日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会