運輸委員会 第32号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/05/13
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 港湾運送事業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私は、ただいま議題となった港湾運送事業法の一部を改正する法律案に関連をいたしまして、主として港湾事業及びその港湾の秩序の現状についてお伺いをいたしたいと思います。 今回の港湾運送事業法の改正案によりますと、港湾業務の秩序を維持することを主といたしまして、事業の統合、合併、それに伴います登録制から許可制への転移等が主たるものと思うのでありますが、従来からこの港湾事業の許可につきましては、その事業の事業主の性格及び常備労働者の状態、基準等が政令もしくは省令等において定められました基準に合っているかどうかということが許可条件の最たるものであったと思うのであります。ところが、現在はその状況は一体どういうことになっておるか、いわゆる常備労働者もしくは臨時の労働者等の関連において、従来から手配師その他の、いわゆる公機関の承認しないものの介在による港湾労働の提供等がなされ、港湾秩序を著しく混乱せしめ、かつまた労働条件につきましても非常な悪条件をしいるなど、およそ港の労働条件につきましても憂うべき現象があったのでありますが、これにつきましては当局において非常に努力をされまして改善のあとが見られるのでありますけれども、なお今日におきましても、巷間伝えられるような不祥事を伴うようなことがないとはいえないのであります。一体これらの総合的な施策につきましてどういう見解で臨まれておるか、あわせてひとつその見解を明らかにしていただきたいと思います。
○佐藤(肇)政府委員 港湾運送事業法によりまして港湾運送事業の免許を与えます場合は、第六条に免許基準がございます。これによりますと、「当該事業の開始により港湾運送供給量が港湾運送需要量に対し著しく過剰にならないこと。」「当該事業を適確に遂行するに足る労働者及び施設を有するものであること。」三番目としまして「当該事業を営む者の責任の範囲が明確であるような経営形態であること。」四番目は「当該事業の経理的基礎が確実性を有すること。」こういうことになっておるわけでありまして、私どもは、昭和三十四年の改正で届け出制が免許制に切りかえられまして、この基準に基づく内規をつくりまして、施設及び労働者というものの数を港の種類に応じてきめまして、免許制に切りかえてまいったわけでございますが、いま御指摘のように、港湾における労働問題はいろいろ問題がございまして、それで内閣に港湾労働等対策審議会というものが設置されるに至りました。その審議会の答申が昭和三十九年三月三日に出されまして、これに基づきまして、昨年港湾労働法が成立したわけでございます。この港湾労働法に基づく港湾労働者の登録制度というものが確立いたしまして、それがこの七月から全面的に実施されることに相なりました。 もう一つは、この労働者を確保し、または常用化をはかっていくという上には、港湾事業というものを近代化させなければならないということが答申においても指摘されておりまして、これに基づきまして今回港湾運送事業法の改正案を提案しているわけでございまして、この案におきましては従来よりも事業の規模というものを安定させるという意味で、免許の施設及び労働者についての基準を上げるということが一点と、先ほどお話がございましたように、全部下請というものを禁止するということによって、事業を系列化していくということで秩序を立てていきたいということと、再下請を禁止するということによって、いままでのように自分の力以上に仕事を引き受けて、労働者の雇用についてもいろいろ問題を生じたということを少なくしていきたい、かように考えておるわけでございます。 なお、この事業の近代化を進めていく上には、別途港湾審議会の中に港湾運送部会というものを設けまして、ここに各界の代表者を集めて、その意見に基づいて近代化を進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 そこで運輸大臣にお伺いをいたしますが、ただいまの答弁によりますと、従来からの下請の悪弊をこの際排除して、元請、中請あるいは下請、こういったような従来の業態のあり方を変更する重要な政治的施策の一つとして今回の法案を策定されたものと思いますし、私もその点につきましては賛成であります。しかしその系列化には、私はただ一片の法規を――必要とすることはもちろんでありますけれども、それだけをもって私はこれを近代化していくのはあまりにも機械的であると思う。したがって、これの実現には高度なやはり政治性というものを持たなくてはならないと思いますが、運輸大臣の所見を承りたい。 第二には、運輸大臣は十二時に出られるようでありますから申し上げますが、その場合におきましては、今日の港の運送業者の中には巷間伝えられるような、いわゆる社会に相いれないような業者の存在しておりますことは、これはどなたも認められるところであると思います。当局のいままでの非常な努力にもかかわらず、いまなお港の暴力はあとを断ちません。しかもその暴力こそは、この港湾運送事業の近代化あるいはそれに伴う重要な要素である下請、中請もしくは元請の一貫系列化の促進のために努力されているにもかかわらず、港の暴力組織というものは当局の施策に先行して全国に広がり、かつこれが港の秩序に重大な支障を来たしておることは、自他ともに認められるところであると思うのであります。これが根絶こそは、今日の港の近代化になくてはならぬ重要な施策であると思うし、そのためには、政策的にもその衝に当たる運輸大臣として異常な決意を持たなければこれは実現しないと思うのでありますが、御決意のほどをひとつ承りたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 港湾運送事業の持っております一つの特殊性と申しますか、これは事業の性格から、やはりいろいろ長年の伝統といいますか因襲といいますか、そういう点に改めなければならない点が幾多あることは山口委員の御指摘のとおりであります。特に運送事業の持つ性格から、相当強力な体力も要するし、あるいはそういう関係から、いわゆる暴力というものに結ばっておるというような伝統が今日まで世評にのぼってきておることは、私もそのとおりだと思いますが、これをやはり改めまして、系統的な体制をつくり上げて、そうして所得の安定あるいは労働環境を整備する、そういうことを整えまして、労働者の生活の向上をはかり、品性の陶冶をいたしまして、そしていわゆる世間にいわれるような暴力的な行為等が起こらないように、そういうことに政策の方向を強く進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○山口(丈)委員 大臣の答弁の中にもありましたが、港湾運送事業、それに従事いたします従業者等は、港湾の施設の近代化にもかかわらず、特殊の状態にあること、しこうして肉体的にも体力的にも非常に忍耐の要ることであり、かつ労力を要しますことは他の産業に見られない特殊なものであることも認めます。だからといって、およそその業に携わる業者そのものが非近代的な存在であってよいということは許されないことである。しかも、その張っております根といいますか、これは全国的に根を張った異常な組織を持った強力なものであります。したがって、事務当局がいかほどこの事業法の法規の示すところに従がって審査をし、免許をするといたしましても、ただ通り一ぺんの事務的処置では解決できないきわめて重大なものを含んでおるのであります。したがいまして、これらに対するわれわれ政治に携わる者としての責任は、きわめて重大であると私は思います。したがって、容易な決意をもってしてはほんとうに港の近代化、あるいは港の平和を維持し、近代労働による港の秩序を維持することは困難だと私は思う。その根を断ち切るという方法は、これは何といってもわれわれの責任でなければならぬと思うのです。したがって、この点について運輸大臣に異常な決意を迫っておるわけであります。いかがでしょうか。
○中村(寅)国務大臣 私は、現在の港湾荷役そのものが、全国的に全部が全部そういう好ましくない体制であるとは考えられないと思うのであります。しかし、いま山口委員が指摘をされるような弊害が多分にあるということも現実でございます。しかしながら、この荷役の性格から考えまして、現実の実態を押えながら、この立場にある人たちも必ずしもみずから好んでそういう暴力行為というようなものをやるわけではございませんので、そういうことのないように労働環境等を整備しながら、さらに業者を選択するというときも特別にそういう点に配慮いたしまして、そして港湾荷役の中が正常な姿で、正常な労働のあり方に変わってまいるように力強く指導していかなければならぬ。同時に、組織等の点もいろいろ心を配りまして、そして労働者の生活の安定をはかるということが、やはり私は労働者が正常化していく一つの大きな要素である、かように考えますので、そういう方向で力強く指導してまいりたい。あるいは、心配せられるような弊害につきましては、これは運輸省だけでなく、政府自体が各関係各省と連携を保ちまして、港湾等の中に暴力行為等が起こることがないようにあらゆる処置を力強く実施してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 運輸大臣も私も同意見でありまして、大臣のおっしゃるように、必ずしも港湾業者が不当な行為をやる者ばかりというのでは決してないのであります。ごく一部の者でありますけれども、その一部の者が存在するがゆえに、正常な、すなおな、正直な、いわば善良な業者までがその影響を受けて、心ならずも社会の批判を買うというようなことが往々にして起こっておるのであります。現に起っておる。したがいまして、その根を断つということが、ひとり港湾の秩序を維持するという重要な役割りを果たすだけでなくて、港湾事業者の信用を社会に問う大きな問題である。したがって、それらの善良な人々を保護するためにも、この際そういった世の指弾を受けるような人たちに対しては異常な決意をもって行政に当たらなくては、私は正常化することはできないと考える。この港湾事業者の正常化のためには――もう私が関係をして以来でもすでに十年をこえるのであります。いまにしてそれがまだ正常化されないということは、きわめて遺憾であります。と同時に、ただ遺憾ということでは済まされない私は大きな政治的責任を痛感するのであります。したがって、港の善良な人々に対して悪影響を及ぼすことのないような処置をとるよう、この際き然とした態度をもって対処しなければならない、これが強く要請されておる今日の姿であると思いますから、大臣に決意を促したのであります。そういう点につきまして、くどいようでありますけれども、もう一度決意を伺いたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 港湾荷役の世界から暴力的な行為あるいは暴力的な行為のあるような雰囲気を除くためには、勇気を持って対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○山口(丈)委員 そこで、大臣の行政的な決意については了承いたしましたが、これは港始まって以来のいわゆる深い根を持ったものであります。したがって、さきに指摘をいたしましたように、今後とも善良な業者の信用を回復し、かつその地位を向上せしめるためにも、ひとつ非常な努力を私は要請いたしたいと思います。 次に、お伺いをいたしますが、そういう現状に立って、今日の港の秩序の問題であります。警備当局においても非常な努力を払われていることを、私はよく知っております。しかしそれにもかかわらず、なおかつそういった行政官庁の責任をまつこうから否定するといっては語弊があるかもわかりませんが、挑戦するかのような言動をあえてなし、港の秩序に対して重大な支障を来たしつつあること、業者の信頼を失墜しつつあること、とれまた事実であります。これに対しまして、警備当局はどういう処置をとられつつあるか。また、これらの組織は全国的に根を張っておるのであります。当局の異常な決意によりまして、だんだんと暴力組織は解散もしくは解体をざれつつありますことは、私も認めるところでありますけれども、しかしそれがなお表面的な擬装にすぎない面も多々ありますし、またその根本は解散あるいは解消したといたしましても、その周辺に群がっておるものは、いまなお社会に非常な害悪を残す暴力行為をあえていたしておるのであります。これらの根源の排除について、警備当局としてはいかなる処置をとっておられるか、また今後どういうような決意を持って臨まれるか、ひとつお伺いをいたしたいと思います。
○日原政府委員 一昨年から暴力団取り締まりを特に刑事警察の中心の議題として強力に進めてまいってきたわけでございます。いまお話しのとおり、一部解散をしたものもございますが、しかし依然として中には擬装のものも見られますし、また大多数のものは依然として組織を温存しておるわけでございます。そういう意味で、やはり暴力団取り締まりということは粘り強く根気よくやっていかなければならないというつもりで、現在暴力団の活動は多少低調になってきてはおりますが、潜在化、知能化しておる面もございますので、そういう面で強力な取り締まりを今後も続けてまいりたいという覚悟でおります。 直接問題になっております港湾における暴力という問題も、これも前から申し上げておるわけでございますが、私どもとして港湾労働というものが特殊な形態であるだけに、そこにまた暴力団が巣食う原因もあるわけでございまして、あるいは労務者を相手に、あるいは手配師に対して、あるいは自身手配師となって、あるいは荷役の関係に食い込んで、そうして暴力行為をしておるというものに対しては、徹底的な取り締まりをやっていくように指示してまいっておるわけであります。 最近の事態といたしましては、山口組幹部の岡ほか二名を昭和四十年の二十三号台風の流入物による補償金――メーカーに恐喝をいたしました事犯を検挙いたしております。その後、神戸港における山口組の関係業者が山口組から脱退をしておるというようなことも、新聞で御承知のとおりでございます。ただ、私ども徹底的に取り締まってまいるつもりでございますが、何分にもやはり違法行為というものの立証がなければ、私どもとして手を出す機会がないわけでございまするので、労務者その他あらゆる被害にかかった面から積極的に届け出をするという風潮ができることによって、初めて港湾関係の暴力の追放ができるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、その点の国民各層の協力はいただかねばならないと思いますが、私どもとしては、そういう御協力さえいただければ、徹底的な取り締まりをやっていきたいという覚悟であります。
○山口(丈)委員 そこで私は伺いますが、いま答弁のありましたように、神戸地区におきましては、これはどういうふうなことになっておるか知りませんけれども、山口組というのがあって、田岡というのがその主をなしておる。しかも、これは港湾運送業者であります。あれだけ新聞紙上をにぎわし、何か暴力ざたがあるとすると、横浜に起きても、あるいはまた大阪に起きても、必ずこの山口組田岡というような名前が出ないときはほとんどないほどであります。私が異常な決意を迫ったのはそこにある。歴然たるそういう違法行為をあたえてなしておるにもかかわらず、重大な港湾の業者の信用を失墜するような存在であるにもかかわらず、こういった者にその業務を許しておくということは、これは行政上怠慢じゃないかと私は思う。いかほど警察のほうから、警備のほうからその努力をされても、厳然とした、こういう全国的組織を温存しておるものを保護しておいて、一方で表面に出たものだけを取り締まろうとしたって、これはできないでしょう、根源を断つという意味はそこにあると思うのですが、いかがですか。運輸大臣の御答弁をいただきたい。
○佐藤(肇)政府委員 山口組の存在も、田岡氏がやっておることも知っており、港湾運送事業をやっておることもそのとおりでございますが、この港湾運送事業法に関する限りにおいては違反事項がないわけでございまして、陰でやっていることは、このほうは別でございますけれども、運送事業という一つの法律に基づいて事業をやっておる限りにおいては、適正にやっておるものと考えます。
○山口(丈)委員 私はそこが重大なところだと思うのですよ。こういうことをやっておる限りにおいては、この運送事業法にいう正常な業務じゃないじゃないですか。暴力によって人をおどし、暴力によって労働をさせ、そしてその自己の業務を遂行するのが何が正常なんですか。そういう社会的指弾を買うような業者に対しては断固たる処置をとるのが、これが行政じゃありませんか。そういうような機械的なものでは、事務当局ではだめなんですよ。政治的に、いかなる決意を持っているかと尋ねたのは、そこにある。だから私は運輸大臣の答弁を求めておる。事務当局の答弁を求めようとはしていない。運輸大臣の御答弁を求めたい。
○中村(寅)国務大臣 現在の港湾荷役をやっている機構そのもの、荷役そのものについては、いま港湾局長が言いますように、荷役の使命を果たしておる。ただ、やっておる――その団体がいろいろの面で世間からも非難を受け、あるいは暴力的な行為等があるということでございますので、こういうことが荷役事業そのものに影響をすることのないように、やはり常時気をつけて、あらゆる面で行政的な指導をしていかなければならぬ。山口委員も御承知のように、いままで長年の一つの伝統といいますか、過程がありまして、簡単に一挙にこれを切りかえてしまうというようなこともなかなかむずかしいことでございますので、やはり正常な道をたどらせていくような方向に行政指導もやっていくし、あるいは暴力行為等に対しましては、そういう現象が起こった際には、関係省庁と連絡をとって厳重に処置をして、港湾荷役の世界に暴力行為等が入り込む余地のないような体制をつくり上げていくことが必要である、かように考えて、その方向であらゆる指導、行政をやっておるわけでございます。
○山口(丈)委員 この事業を行なう者は、事業そのものにいま言うように違法行為がない。しかし社会的には、それではその事業そのものに関係がなければ、いかなる暴力をやろうと、いかなることをやっても社会の指弾を買わない、そういうものではないと私は思う。しかもその事業の主たる責任者が社会の非難を買うようなことを、その事業の組織を通じてやっているんですよ。そうすると、単に事務的機械的な面からばかりこれを論じて許しておくということはできないんじゃないか。その根源を断つというのは、およそそういうような社会の非難を買うようなものに対しては、少なくともこういった重要な業務を担当させないぞという、一つの基準があってしかるべきだと思う。それでなければ警察がいかほどに取り締まりをいたしましても、これはめしの上のハエを追うようなものです。しかもこれを全国の業者に組織化をしてやるということは、言わず語らず、それに従事する労務者が港の近代化の労働をしようとしても、これはできないんですよ。何をもってこういうような暴力的組織が必要であるかといえば――それは集まってくる労働者を正常な姿において労働させようとはしないんですよ。およそ港の近代化のために努力をするという人ではないんです、こういう人は。ですから私は、こういうような業者に対しては断固たる免許取り消し等の処置をも考慮すべきだと思うのです。手ぬるいことでは、これはおさまらないんですよ。これがいかに港の秩序を破壊し、いかに運送業者の信用を社会的に失墜させておるかわかりませんよ。そういう点を考えて十分の処置をしなければ、この法案を通して、そうして先に申されたように元請から下請までを系列化していくということになれば、いわゆる暴力の系列化と相通じてしまう、そういう結果にもなりかねないですよ。全国にその系列化をしていくということになったら、一体どうなるのです。だから、これは系列化していく場合においても、その主宰者の性格なり、従来とってきた実績等を考慮して、再編成をやる場合にもしかるべき処置を考えていくのかどうか、これについていかがですか。
○中村(寅)国務大臣 正常な荷役制度の系列化をはかっていくのでありまして、それに支障を生ずるような組織とか、あるいは行為等があった場合には、認可制度の中にちゃんとありますような制裁の規定を適用して、そういう不正な組織が荷役制度の中に入らないように厳重に処置してまいりたい、かように考えます。
○山口(丈)委員 いまの答弁どおりひとつ取り運んでもらいたいと思います。 それから、刑事局長に一つお伺いいたしますが、今日の港の暴力組織といいますか、こういうものがやはりその使われている労働者に対しても非常なにらみをきかしている。いわば脅迫的存在としての業務をやっているといっても過言ではない。必死の努力で当局はこれに対して万全の警備やら取り締まりをしておられるのであります。しかし、そうしてせっかく検挙されましても、何だかんだとまたすぐ出てしまう。あるいは保釈金等を積んですぐ一般社会に出る。一向に当局の威圧、取り締まりというものはこたえないことになる。これでは私はどうにも警備の目的を達することができないと思う。したがって、こういうものに対しては峻厳な態度をとっていかなければならぬと思うのですけれども、保釈等につきましては、これは裁判所の所管でありまして、警察や検察当局は切歯扼腕いたしてもどうにもならない。これは一体現在どういうことになっているのですか。ひとつその現状を御説明願いたいと思います。
○日原政府委員 お話のように、暴力団全体といたしまして年間約五万人を検挙いたしているわけでございますが、その大部分は軽い処罰ですぐまた社会に戻るというのが現状でございます。そういう面もございますが、最近やはり暴力追放の世論の影響もあったことと思われますが、だんだんに保釈の条件あるいは科刑というものが重くなってきつつある傾向がございます。さらにこれを進めていってもらわなければならぬ。そういう点を進めていってもらうためには、私どものほうも、その被疑者の悪性というものをできるだけほかの面から立証をしてつけ加えて、裁判官に認識してもらうということが必要だということで、私ども、検挙いたしましてからはできるだけその被疑者の悪性を立証することに重点を置いております。その悪性の立証といたしましても、やはり被害者がおって、犯罪が何件も出てまいりますと非常に楽でございます。それ以外の面ですと、なかなか私どもも苦労しているわけでございます。そういうことで、だんだんよくはなってきつつありますが、もちろんまだ私どもの満足する状態ではございません。毎年相当たくさんの人員を検挙しながら、やはり大部分のものがすぐに戻ってくる。先ほどハエを追うようなものだというお話もございましたけれども、私どものほうは、ハエを追う状態でもしかたがない。とにかく入れて、また出てくる、また入れるという覚悟でやるよりしかたがないということ、もう一つは、幹部級の検挙ということによって打撃を与える。いま一つは、資金源をだんだん封鎖していくという面で、これが甘い汁を吸えないような状態にしていかなければなくなっていかない。いま一つは、この機会に凶器をうんと取り上げていこうという意味で、捜索の範囲をできるだけ広げて、一人でも検挙した機会に凶器を取り上げていく手段を講じていく。こういう三つの手段を併用していくことによって、それ以外の面では現在科刑が低ければハエを追うような状態になっても、とにかくこれをやっていかなければならない。そして、これをだんだん追い詰めていく以外に道はないという覚悟でやっておるわけでございます。
○山口(丈)委員 これは私も現地の警備の苦労等をつぶさに見まして、実際には気の毒なんです。せっかく意気込んでやっても、さっぱりその実効はあがらない。これではもう、山口先生、どうもわしらは手をつけられませんとまで言ってくる人もある。だからといって私は何も人を厳罰に処することだけが能ではないと思うので、少なくともそういうような人々を改俊させて善良な人間にする、いえば警察官や検察官というのはドクターの役目を果たすものであって、刑務所や拘置所というものは、これはそういう精神異常者を入れる、まあいえば病院のようなものだ。したがって、ここへ入れて、ほんとうに正常な人間にする。あなた方はそのドクターの役を果たしているのだからといって励ましているのですけれども、しかしながら、今日のような現状ではどうにもならないというのが、それらの衝に当たっている人の偽らざる考えです。そこで思うのですけれども、もちろんその検挙されるような人々は、これはいえばもう小ものである。ほんとうに大きな大ものは、あとに控えていて巧妙にその網をのがれておるのが現状である。したがって、むしろ何々組とかあるいはそういった組織にあって秩序を乱しておる者、その背後関係というものをやはりついていくということが、いま言われたように重大であると思うのですけれども、それがうまくいっていない。今後の警備方針として秘密にする必要はごうもない。いわゆる交通の公開取り締まりのごとく、大っぴらにその所信を社会に示して、検挙前に反省を求める、こういう強い態度がこういう特殊の場合特に必要ではないかと私は思うのでありますけれども、いかがでしょうか。そういう現状についてはどういう処置をしておりましょうか。
○日原政府委員 やはり暴力取り締まりという事柄でありますと、組織を根絶するということが中心でなければならないわけでございます。そういう意味で、首領、幹部級の検挙ということに特に重点を置いておるわけであります。だんだん首領、幹部級の検挙がふえてまいりまして、従来は百人のうち八人ぐらいが首領、幹部級であったものが、最近では一割二分くらいのところまで首領、幹部級の検挙が伸びた。ただ、御承知のように、刑事責任はやはり個人の責任でございます。したがって、内部的にどういう事情にあれ、その犯罪そのものについて教唆その他の共犯関係がなければ検挙できないというのが実情でございまして、その面で首領、幹部級が直接手を下していない事件については、なかなかに検挙しにくい。末端の者ばかり検挙できてしまって、それを使っておる者は検挙できない、こういう悩みがあったわけでございまして、これをどうして打開していくかという点については、結局、私どもの情報内偵の強化ということをそのために特に取り上げて、暴力団の内部をできるだけ十分な内偵をして検挙する、こういう方策を特にとっておるわけでございます。しかし、こういう犯罪行為ということになりますと、なかなかこれ云うかみにくいのでございますが、今後ともそういう面で努力をしていって、組織の根底からくつがえすという形をとっていかなければならないと考えております。 いま一つの面は、組織をつぶすというためには、正業につくという問題もございましたけれども、これは関係各機関がなるべく正業につけるように努力していっていただかなければ、私どもの手では何ともできないわけでございます。しかしまた、そうかといって、大量にそれがすぐに正業につくようなこともなかなか不可能なようでございます。そういう意味で、正業につけるということは非常にむずかしいのでございますが、とにかく私どもの仕事としては、組織が資金繰りの面から締めつけられるという形をとっていくことによって、だんだん組織が縮小していき、最後にそれぞれ正業につかざるを得ないような状況に持っていくという意味から申しますと、やはり資金源をできるだけつぶしていかなければならないわけでございます。ところが、その資金源になっております者が、個々の人にとってみればまあこれだけの金ならばということで暴力団に渡しておりますと、これはいつまでだってもその組織は温存されるわけでございます。そういう面で、資金源になっておるような人たちがそれを拒否していく形をとらないと、私どもの検挙だけではなかなかむずかしい。拒否していくことによってまた犯罪が起これば私どものほうで検挙できる、こういうことで、そのほか税金とかいろいろな面がございますけれども、資金源というものと組織の内偵の強化、この二つの面で対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 これは私は非常な努力をされておることに感謝をしておるわけでございまして、今後ともひとつ、運輸省あるいは関係各省一体になって、こういう港の正常化に努力をするということでなくては、法律によってだんだんと規模が系列化し大きくなっていく、それに従って、さきに申したように、そういう暴力組織もだんだんとまた大規模化する、しまいには手がつけられないというようなことになってはたいへんである。したがって、いまのうちに、この法案を成立されるこの機会にこそ、そういうことの起こらないような、そうして、そういう人々にも深い反省を求めるような行政措置をしなくてはならぬと思いますので、あえて質問をいたしました。刑事局長、御苦労さまでした。 それから一つ局長にお尋ねをいたします。これもいやな話でありますが、暴力行為等に関連をいたしまして、港運協会等があるわけでございます。その港運協会等は、今後ますますあらゆる面に重要な役割りを果たしていくようになると私は思う。その主要なる役員の性格というものを、これはまた直接介入できないで非常にむずかしいのじゃないかと思われるのですけれども、何らかの方法でそういった好しからざる人が介入するということを防ぐような処置をしなければならない、あるいはまた審議会の中にそういう人々が入っていたということは、これはどうも運輸省当局の行政措置について不信の念を持たれるようになっておるのです。これはまことに遺憾なことでありまして、いま警察のほうで一生懸命やっておられるのに、政府の認める半公機関的な機関にそういう人々が幹部として存在をする、こういう矛盾は容易ならざるものであると私は思う。いままでいかなる処置をとっておられましたのか。非常に私は残念に思います。その経過についてひとつ御説明を願いたい。ついでに、今後これらについてどういう処置をされますか。私がいままで言ったのは、ただそういう個々の人々が悪いといって責めておるわけじゃないのです。むしろそういう人々が反省をして正しい社会人として、正しい経営者として、港湾業者の社会的な信用を回復するためにぜひとも必要であると思うから言っておるのです。したがって、当局もその気になって協力をしてもらいたい。そういう意味において、これは一体どうなっておるかお聞きしたいと思います。
○佐藤(肇)政府委員 ただいまお話がございましたのは社団法人日本港運協会のことではないかと思いますが、この港運協会は昨年の六月できたものでございます。その以前におきましては法人格を持っておりませんでしたが、日本港運協会という大体元請を中心にする団体がございまして、そのほかに全国の荷役を中心とする全国港湾荷役振興会、いわゆる全港振と呼ばれるもの、それから全国沿岸荷役協会、こういうようなものがばらばらにあったわけでございます。で、先生がさっきおっしゃられました山口組の田岡氏がこの全国港湾荷役振興会、全港振の副会長をしておりました。しかし私どもは、先ほど来先生からいろいろ御指摘がございましたように、内閣に港湾労働等対策審議会が置かれましたのも、やはり前近代的な労使関係というようなことに端を発しているわけでございまして、港湾を近代化しなければならないということで、答申が港湾労働の問題、港湾荷役、運送事業の問題、港湾管理の問題について改善案を提出ざれたわけでございます。これを具現するためには従来のようなばらばらな、専業者だけの協会ではやり得ないのではないかということで、われわれが昨年業界にお願いいたしまして、全国が一本になって体質改善、近代化をやっていただくという母体として日本港運協会というものを社団法人として設立していただいたわけでございます。この会長は東京港運協会の会長をやっておりました小川鹿三氏でございまして、現在その社団法人の中には田岡氏の名前も役員としてはござ、ませんし、したがいまして私どもとしてはこの答申を受けまして以来というものは、先ほど来先生がおっしゃいましたことの是正のためにつとめておるわけでございまして、今後もこの方針で業界を指導していきたい、かように考えておるわけでございます。
○山口(丈)委員 いまお話を聞きまして安心をいたしましたが、たしか三月ごろでしたか神戸で事件がありまして、そういう人々の名前が新聞に出ておる、それで現地では、半分政府の管掌する機関じゃないか、そういうものにこういうのを容認するというのでは、運輸行政なんというものは信用できないとまで極言する人があるのです。そうして業者の中にも、これだからわれわれとしても正常化したくても、あの人ががばっと来てのしかかられると、どうしても断わるわけにいかない、したがってこういう信用のないことでは困る、こういう話が痛切にわれわれのほうにやってくるのです。いま刑事局長が言われたように、これでは警察のほうじゃ一生懸命やっておるのに、片一方の行政措置はこれを容認して、しかも役職につけていばらしておる。こんなちぐはぐな行政をされたら、一体国の一貫行政というものはなってないじゃないかという非難を受けて、むしろわれわれとしては政治面から非常な責任を感ずるわけです。いわんやその周辺から出ておる代議士なんというものは、率直に言うとくそみそに言われておる。何をしておるのだ。一般の人は、これは代議士が悪いというようなことを言う人もある。なぜこれを正してくれないかという痛切な叫びがある。ひいては、これは政治的信用を失墜する非常なもとになる。そこで私はお伺いをしておるわけなんです。一体港の関係するものには、政府の干渉する団体もありましょうし、またそうでない純然たる民間団体もありましょう。しかし、それらはすべてやはり港湾行政に協力をするという根本精神がたてまえであり、港の近代化とその秩序を維持し、かつ往々にして認められる前時代的な存在を改めていこうという熱意によってできたものでなくてはならぬと私は思う。これらの団体について今後指導するためには、届け出制度ぐらいはとるべきではないか。野放しの、適切な名称の団体をつくらせて君臨をするということ自体が、私はそこに間違いがある、そういうふうに考えるわけであります。団体の規制をしようというのじゃありませんけれども、少なくともその適否をその行政当局が指導するくらいなことはやはり必要だと私は思うのですけれども、いかがですか。
○佐藤(肇)政府委員 先ほど先生がお話ございましたのは、これは先ほど刑事局長からお話がございました神戸の台風のときの恐喝でございますか、それで検挙された岡という人が、職業安定法の施行規則に基づく地区職業安定審議会の委員になっておった、これが新聞に出ておりました。すぐ辞任をさせたはずでございますが、そのことではないかと思います。私ども当然これは、公益法人の役員である者は懲役以上の刑罰に処せられた者は排除されるわけでございますが、先ほど来申し上げましたように日本港運協会というものは、そういうことがなくなるように全体の意思でもって近代化をはかっていこうということでつくっていただきましたから、現在われわれも個々の業者と話すというのじゃなくて、この日本港運協会を、われわれの考えている、たとえばこの法律の改正にいたしましても、われわれの案をこの協会にはかって、協会の意見でいれ得るものはいれる、いれられないものは十分議を尽くしてわれわれの言うことを聞いていただくということで、十分意思を疎通し合うようにやってまいりました。これは私自身の感じでございますが、昨年この協会ができて以降というものは、そういう意味において私が当初予想したよりも業界自身のほうが先を見て、この際近代化をしなければならないのだという強い決意に燃えているように感ぜられまして、私はその点非常に頼もしく思っておるのが現状でございます。
○山口(丈)委員 私はこれで質問を終わりますが、いま指摘をいたしてまいりました諸事項につきましては、いま申しますように、その業者の不法行為を糾弾するということはもちろん当然でありましょうけれども、同時に私は、ごく一部の人々が存在するために、大多数の港湾運送事業者がやはりそういった一部の人々と同じような目で見られ、著しく社会的信用を落としつつある。これに対してはあくまでもやはり一般業者、業界のために私は強くそれらの人々に対して反省を求めるとともに、一そうこれが正常化のために当局にたゆまぬ努力をしていただきたいことを特に希望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○古川委員長 内海清君。
○内海(清)委員 大臣がおられませんが、また出席されましたらそのときに御答弁願いたいと思います。 一応お尋ねしておきたいと思いますのは、御承知のような港湾に関しますいろいろな問題、その解決がわが国では非常におくれておるということはいなめない事実だと思うのです。特に港湾そのもののあり方につきましても、これは港湾運送事業の近代的な育成ということ、それから港湾施設の計画的な拡充、さらには港湾労働力の確保、労働条件の向上、それらがこの港湾の近代化、港湾の近代的秩序の確立の基本になると思います。ところが政府では昨年、港湾整備五カ年計画をきめられまして、これにすぐ着手されておる。さらにまた、問題の港湾労働については港湾労働法が成立を見た。こういうことで確かにかなり前進の形をとっておることは、まことにけっこうであると思うのであります。そこで今度は今回の港湾運送事業の一部改正、この法律を出されまして、昨年成立した二つの施策、これを含めて総合的な港湾対策というものをここで確立しようというふうな意図であると思うのでありますが、昨年成立いたしましたこの二つの施策、それにさらに今回のも含めまして、基本的な三つの問題が大体出そろうと思うのでありますが、港湾対策、港湾の未来像といいますか、前二つの施策を含めて、そういう点についてどういうふうに総合的に考えておられるか。これは大臣にお伺いしたほうがいいかもしれませんが、一応御説明願いたい。
○佐藤(肇)政府委員 御指摘のように、昨年五カ年計画が成立いたしまして、その全体の事業費は五千五百億円でございますが、そのうち地方単独事業がございますので、これを除きまして、四千八百五十億円でございます。これに対しまして、四十年度には六百六十五億円の事業をいたしまして、四十一年は七百六十八億円の事業をいたすわけでございまして、四十一年度末における進捗率は大体三〇%ということになるわけでございます。私どもこの五カ年計画によりまして施設の整備をはかっていくということは、今後の港湾の発展というものにマッチし得るものではないかということで非常に喜んでおるわけでございます。 これと、御指摘のように、これを運営する港湾運送のあり方と申しますか、それと、さらに港湾運送によって使われる労働者の問題というものが、やはりうらはらの問題としてあるわけでございます。 もう一つつけ加えますと、港湾の管理の問題というものがあると思います。答申におきましては、管理と施設の建設というものを一本にして、管理の中に含めて話しておるわけでございますが、この管理の問題につきましては、港湾審議会の中の管理部会におきまして、財政の確立ということと、効率的運営ということについて中間的な答申をいただきました。さらにこれをなお発展させまして、広域的な港湾として今後どうあるべきかということを現在検討していただいておるわけでございまして、この問題もやはり重要な問題と思っております。今回提案いたしました港湾運送事業法の改正は、三・三答申を受けたものでございまして、あそこにございますように、港湾運送事業の近代化というものは、一貫体制の強化ということと、集約ということに主としては尽きるのじゃないかと思いまして、それを現実に現状に合うように前進さしていきたい、こういう趣旨でこの法案を提案したわけでございます。 なお、これを提案いたしましたのは、先ほど御指摘ございましたように、港湾労働法がこの七月から全面的に施行になるわけでございまして、やはりこの港湾運送事業の近代化というものも急がれる問題だということで今回提案をした、こういう次第でございます。
○内海(清)委員 もちろんいま局長がお述べになりましたような管理体制の確立、これは当然のことであると思いますが、これはまだ最終的な段階に至っておりません。これが出てまいりますと、港湾行政としては一応ていさいが整う。要はその後、その内容がほんとうに意図するように確立されるかどうかということになってくると思うのであります。この管理体制につきましても、できるだけ早く成文を得て、ほんとうに港湾秩序が確立されるように願いたい、こう思います。 それで、次にお尋ねしたいと思いますのは、今度の改正案を見ますと、港湾運送事業者は一定率以上の直営をやらなければならぬ、こういうことですね。これが一つの改正のあれになると思いますが、これが義務づけられておる。ところが今日は、先ほど港湾労働の近代化について山口委員からいろいろ御質問があったとおり、この港湾労働というようなものはなかなかなお前近代的なものも残っておるという実情なんですが、そこでお尋ねいたしたいのは、今日、六大港を見まして、港湾事業を行なっておる業者の数は一体どのくらいあるのか。
○佐藤(肇)政府委員 これは京浜、名古屋、大阪、神戸、関門の五大港についてでございますが、免許の数で申しますと、無限定のものが千二十一、限定免許のものが七百九十八、こうなっておるわけでございます。
○内海(清)委員 五大港で限定免許を受けておるものが七百九十八、無限定が千二十一ということでございますが、それではお尋ねしたいのですが、これの中で、大体今度意図するような形態、それに近いようなもの、そういういわば直営を現に行なっておるといいますか、そういうものがどの程度ございますか。
○佐藤(肇)政府委員 私の申し上げた免許の数は一般、船内、はしけ、沿岸それからいかだというものを全部含めておるわけでありますが、大体これらを全部含めましたところでは、一般につきましては、これは元請でございまして、いずれか一つについてその一部を直営すればいいことになっておるわけでございます。その他のものについてはほとんど直営とみなすことができるわけでございます。大体一般についてその一部をみずからやるものにつきましては、直営しておるものが六割程度ではないかと思うわけであります。
○内海(清)委員 それは現行の制度においてですね。いま私がお尋ねしたのは、今度の改正の大体七〇%程度が直営という、これが出てきておるわけです。それに近いものがどの程度あるかということです。
○佐藤(肇)政府委員 ただいま申し上げましたのは、今回七割程度義務づけようと思っておるものが、大体平均して申し上げますと、六割程度を直営しておる。一般運送事業者の場合でございます。
○内海(清)委員 そうすると、これはかなりの数になっておると思うのでありますが、これはこういうことになると、今度意図されておるものもある程度現状から考えても進んでくるのじゃないかということが考えられるわけです。 それでは、次にお尋ねしたいのは、いま運輸省で考えておられる港湾運送事業者の適正規模並びに適正事業者数、これをどの程度に考えておられるかということです。特にこれは港湾の五カ年計画、これから五カ年計画が完成してくるわけでありますから、これとのにらみ合わせで、五カ年計画の見通しに立ってのひとつ御答弁をいただけたらけっこうだと思います。
○佐藤(肇)政府委員 最初に適正な事業者の数でございますが、これは非常にむずかしい問題だと思います。と申しますのが、先ほどは免許の数で申し上げましたが、五大港については、事業者の数で申し上げますと千九十三でございます。これを港別に申し上げますと、京浜で三百三十四、それから名古屋が七十七、大阪が三百二十七、神戸が二百四十二、関門が百十三になっておるわけでございまして、相当多数の業者がおるわけでございます。これは単数ということはもちろんないわけでございますが、やはり全体として見て、事業者の数は非常に多いのではないかと思うわけであります。 しかしこれを一朝一夕にこの数の問題というものを解決するということは非常にむずかしいわけでございまして、港、それから先ほど御指摘ございました今後の港湾の伸びる趨勢、それから貨物の特性、こういうものによりまして、一つの責任を持った一貫体制をとれるにはどれくらいの規模の事業であるかということから事業者の数がきまってくるのだと思いますけれども、それは別途、港湾審議会の中に設けられます港湾運送部会におきまして、関係委員の意見に基づく答申を参考にして、われわれとしてはそういう集約を進めていくべきじゃないかと思っております。 今回のこの法案に提案しておりますところの規模の問題でございますが、これは従来の免許を受けた事業者じゃなくて、新しく免許を申請してくる事業者に対して免許を許可する基準になるわけでございますが、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、事業者の数というのは相当現在において多いわけでございますから、なるべく適正な規模というものをいまよりも高いものに求めたい、こういうことで、大体現在の基準の一・五ないし三倍を考えておるわけでございます。これをもっと具体的に申し上げますと、一種港におきましては、その一種港の現在の一店社当たりの年間の取り扱い量の平均というものがございますが、それをもって基準といたしたい、それを最小限にして新しい免許をやっていきたい、こういう考えでございます。
○内海(清)委員 その問題は、いま私が言うように今後の問題になると思いますけれども、この点が私は非常に今後の港湾運送事業の重要な点になる。ことに、五カ年計画が終止符を打たれた暁におきまして、各港でもちろん違ってくるわけだが、どの程度のものがその港において適正規模であるか。現状のように非常に数が多いところに非常な問題が今日までもあり、港湾秩序の確立ということも非常な困難な状態になっておる一つの大きい原因だと思います。したがって、それによって事業者の数というものもおのずから限定されてくるだろう、こういうふうに思うのです。これはいま、今度は審議会の中に運送部会等ができましてということでありますが、しかし今後の五カ年計画の遂行の見通しも大体御見当はついておるだろうし、なお、今度のこの立案においても一応そういうことはお考えになっておると思うのですが、いまはさらにそういうものは考えないで、審議会の答申の結果を待つという御態度でございますが、やはりそれまでに運輸省としては、この法案が通りますと直ちに行政指導的な面には手をつけなければならぬと私は思うのですが、その点いかがですか。
○佐藤(肇)政府委員 この法律の改正の骨子は、新しい免許に対する基準を上げるということと、もう一つは十六条の改正によりまして、一貫作業の責任体制を確立していきたい、この二つでございます。この一貫作業の責任体制の確立ということは、二年の猶予を置いていただいているわけでございますが、この二年というものと、審議会に置かれます港湾運送部会の設置の期限とは合っておるわけでございまして、私どもといたしましては、先ほどお話がございましたような港の規模、その性格においてどれぐらいの数がいいのかということをこの港湾運送部会で審議をしていただいて、それに合うような集約というものを進めていくべきじゃないか、かように考えておるわけでございます。
○内海(清)委員 もちろん実際はそういうことになるでしょう。しかし、ここに二年の猶予がございます。その間に一定の方向をきめて行政指導をしていかぬと、現状そのままで二年でいくとは限らないんです。ですから監督官庁である運輸省としては、やはり一定の方向をきめて、いまから二年先に対処して行政指導の必要があるだろうと私は思う。その点いかがですか。
○佐藤(肇)政府委員 私どももちろんこの審議会にはかるにいたしましても、原案はつくらなければならないわけであります。また、このことは私どもが一方的に審議会にはかるというよりも、先ほど申し上げました日本港運協会というものも、その中に部会を持ちまして、みずからがこの集約化の問題、近代化の問題をどういうように考えるかということについて私どももうすでに意見を聞いておる、こういう段階でございまして、作業は緒についておるわけでございますが、いまここで大体どれぐらいがいいかということを申し上げるところまではまだまだいっていない、こういうことでございます。
○内海(清)委員 もちろん現在の業者があるわけでございますから、一応こういうものができました場合、業者自身も二年先を見越して自主的に考えていかなければならぬ問題だと思うのであります。しかし、先ほど来いろいろなお話がありましたように、港湾の事業というものは、現状から見れば、率直に言って非常に複雑多岐である。でありますから、業者としてはやはりこれの二年先を見越すといたしましても、なかなか現状から脱却しにくいというのは事実でございますから、それらに対する当局の強い行政指導はこの間においてぜひ必要であろう、こういうふうに思っております。この点はもちろんそういうふうにやられると思います。これはひとつ強力にやっていただかなければ、はたして二年先になったおりに、今日運輸当局が意図しておるようなりっぱなものが生まれてくるかどうかということに私は一つの危倶を持つ。その点についてはいかがですか。
○佐藤(肇)政府委員 まことに御指摘のとおりだと思います。私どもこの法案を通していただきました暁には、一番大きな問題はやはりいまお話のございました問題だと思いますので、私どもも今後の作業の重点というものをそこに置いて、すみやかに成案を得る、かようにいたしたいと思います。
○内海(清)委員 その点はひとつ、いま局長の御答弁のように、今後強力にその方向に進めていただきたい、こう思います。それにつきまして、いまもちょっと申しましたが、やはりこれは相当な業者が必要になってくる。しかし現状からいえば、先ほどの御答弁では、かなり今日意図しているものに近い作業のできる業者もあるようでありますから、それは私はある程度いくと思いますけれども、現在のこの港湾運送事業の、ことに労働力の面につきましてはいろいろ問題がございますから、よほど強力にやらないと意図されるものが育成されていかぬだろう、こういうことでございますので、この点もひとつ十分お考えいただきたいと思うのであります。 それから下請の問題ですが、今度は下請に対する非常な規制が出てきた。しかし、既存のものについては二年のあれがございますので、との二年後にこれがはっきりと義務づけられてくるわけですが、実際に本法が意図しているような下請の問題が現状を見て出てくるとお考えになっているかどうか、その点をわれわれ非常に心配いたしますので、この点ひとつお考えを伺いたいと思います。現在の実態については、先ほどありまして重複いたしますから申しませんが、その点を私は非常に心配しております。せっかく法案をつくって、二年の猶予期間でこれをはっきり規制していこうということであるが、はたしてそのときになってできるかどうかというふうに考えるわけであります。その点についてのはっきりしたお考えをお伺いしておきたい。
○佐藤(肇)政府委員 この十六条の改正にありますような下請関係の規制の省令にゆだねられたものにつきましては、省令案をお手元に差し上げてあると思いますが、現状を申し上げますと、これも先ほど申し上げました五大港についてでございますが、元請業者が下請業者の株の二分の一以上を持っている、こういうものは三十六ございます。それからまた、五〇%ないし一〇%の株を持っておって役員を派遣している、こういうようなものは三十二ございます。実際にそういうような形で運営されているものが多いわけでございまして、二カ年の猶予があれば、私はこの省令案に基づくような系列化ができる、かように考えるわけでございます。
○内海(清)委員 いま十六条の問題で御答弁になりましたが、実は私はこの十六条の問題について疑問を持っているわけです。これは私の考え方が間違っているのか知りませんけれども、間違っておったら御訂正願いたいのですが、この十六条、特に二項ですが、いまお話しになりましたようないろいろな問題があるわけです。いわゆる通常に考える親会社と子会社の関係、これがこの二項によりますと、直営とみなされるということなんですね。われわれが普通に考える親会社、子会社という関係が出てくると思うのです。それが直営とみなされる。こういうものを直営として見ていくのであれば、これは現在ありますような港湾運送事業というのは、すべて一すべてと言うと強いかもしれませんが、大部分は形の上では法に準じたものになる。ところが実際上は現状とあまり変わらぬものが出てくるのではなかろうか、この点を私は心配いたすのであります。そういう点から考えると、この十六条の二項の問題、これがあることによって、むしろ今度のこの法案が骨抜きになるのではなかろうかという心配がある。その点いかがです。
○佐藤(肇)政府委員 理想といたしましては、ただいま先生がお話しになりましたように、二分の一以上の株を持って支配するに足るという形が一番いいわけでございますが、先ほど来お話し申し上げましたように、五大港においても千百近い業者がすでにある。こういうような実態の中で、いかにして一貫作業の責任体制というものをとらすか、これによって利用者の便宜をはかっていくか、こういうことになりますと、やはり私はここにあるような、元請が下請に対して責任をとれる、こういうような形の系列をつくっていく、これが一番現実的に答申の趣旨を果たし得るのではないかと考えるわけでございます。こういうやり方がやがて、先生が言われたような理想に近づいていく、そういうようにやはり指導していくべきではないかと思うわけでございます。
○内海(清)委員 私の心配いたしますのは、今度せっかく一定率以上の直営ということをここにはっきり規定しながら、こういう形で親会社、子会社的な関係のものもこれを認めていく、これを直営と認めるということ、ここに私は非常に問題があると思います。それはその中にいろいろ規制もあります。ここにありますようないろいろな規制が出ておりますけれども、これは実際やる分には、こういういろいろ規制がありますが、実際問題としてはこれが名目的になる非常な危険がある。そして実態は従来と変わらない。こういうものが私は出てくると思う。その点を私は一番心配するのですが、それらについてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○佐藤(肇)政府委員 どのように法律をつくっても、もぐり方といいますか、そういうことで、のがれるということを完全に防ぐということはむずかしいことだと思いますが、現在業界におきましても、いまのような形では将来の企業の健全性というものがないのだ、やはりこういうような一つの資本的な結びつき、人的な結びつきで、系列化した作業形態をとっていかなければならない、そういう集約の方法をやるべきだという意見を持っているわけでございまして、私どもは現実にこの答申に書いておるような一貫責任体制の具現というのは、これ以外にないし、これによって十分果たし得る、かように思うわけでございます。
○内海(清)委員 そういう考えも生まれてくると思うのですが、結局、法できめましても、それが現実に行なわれなければ意味がないということなんですね。先ほど来私も申しましたけれども、現在の港湾運送事業というものは非常に複雑多岐である。いわば前近代的なものが残っておる。そういう際に、これがはたしてうまくいくかということです。形の上ではいくと思う。ところが実際問題として、そこまで十分指導監督してやれるかどうか。ことに港湾労働等の審議会のあれを見ましても、これはこの港湾運送事業の集約化の方向として、系列ごとの集約を求めておるのでありますが、系列による従属ということは戒めておると思うのです。これはそういう従属化という形が生まれてくるのではないか、実際問題として。その点は私はよほど真剣に考えぬと、せっかくこうやったけれども法案そのものは骨抜きになってしまう、実質的には従来とあまり変わらぬじゃないか、こういうことを心配いたすのです。これは他のすでに市場の十分確立された業界であるならば、私はそれほど心配いたしません。ことに港湾運送であるだけに、私はその点心配いたすのです。それらにつきましてもう少しお伺いいいたします。
○佐藤(肇)政府委員 先生のおっしゃられますのは、この省令できめておる条項というものは、一つの形としてはいいが、これは実際にいまの港湾運送事業の現状よりして、そのとおりいくかどうかという点の御心配だと思いますが、私どもは、それを担保すると申しますか、それを確実に行なうものとして、一つは日本港運協会というものが、技術的に責任を持って自分たちが近代化をやっていこうという気がまえであります。もう一つは、港湾審議会に設けられる港湾運送部会におきましては、具体的に、当事者だけでなくて、関係業界、労働組合等も入って、どういう集約の方法がいいかということを検討するわけでございますから、そういう情勢の中で、やはり業界としても前向きでこの省令案の趣旨どおりのものをつくっていかざるを得なくなる、そういうところに担保があるのではないかと考えております。
○内海(清)委員 そういう御答弁でございますが、これはさっき言った答申の趣旨からいっても、系列ごとの集約を求めるけれども従属しては相ならぬという、その従属の姿が残る、その点で答申の趣旨にも私は反するのではないかと思うのです。この十六条二項の問題は、私一人の疑問でないと思う。これは形の上でできたって従来どおりじゃ何にもならぬのであって、骨抜きになってしまうということであります。その点はこれ以上は水かけ論になりましょうが、私は十分そこは注意を喚起して――これはもちろん港運協会でもやりましょうが、港運協会そのものが従来の港運業者の人が大部分だろうと思うのです。これはいろいろな因縁情実があり、従来のやり来たりがある。だから、こういう抜本的な改正の場合には、もちろんそういう業者が自主的に法の精神に従って十分やらなければならぬことでありますけれども、どうしたってこういう場合には、監督官庁である運輸省の最も強力な行政指導がないと、なかなか私はいかないと思う。だから単に、港運協会も自主的にやっていくから、運輸省としてはこういうものに対しては十分この法の趣旨に沿うようにやらせるというだけでは、なかなかこれは、私は、従来のいろいろな問題から考えて、信用が十分置けぬ面があるのではないか、こう心配いたすわけであります。でありますから、これは今後、これはあとでも出てまいりますけれども、こういう法の改正をすれば、運輸省の作業量もふえるであろうし、したがって人員の問題も起きるであろう。そういうところの管理監督については運輸省がほんとうに責任を持つ、この体制までいかなければなかなか安心ならぬと私は思っております。それらの点についてもう一度御答弁をお願いいたします。
○佐藤(肇)政府委員 確かにそのとおりでございまして、私ども審議会の港湾運送部会の意見も十分反映いたしまして、いまおっしゃられましたように、この業の監督の分野の組織というものを強化いたしまして、私どもといたしましても当然、この法律がわれわれの考えた趣旨どおりに施行されるように強力に行政指導すべきだと思います。
○内海(清)委員 それでは次へまいります。 六条関係で、これは六条の一項になるかとも思いますけれども、ちょっとお伺いしておきたいことは、免許基準につきましては当該事業の免許と港湾の運送量、この関係で一定の規制が行なわれるということになるのだと思うのですが、今日運輸省が五大港ですか六大港ですか、これで荷動きと港湾運送事業の相関関係から割り出してみて、どの程度を過剰と考えるか、あるいは過小と見るのか、そういう基準があればひとつお示しをいただきたい。
○佐藤(肇)政府委員 一般的な基準というものを持っておりませんが、現在の実情から見まして、六大港におきましては年間の船内荷役量というものが四十万トン、これが大体平均の一種港の荷役量でございまして、この程度が最小限の適正量ではないか、かように考えるわけでございます。
○内海(清)委員 いまお話しのあったのは一種港でございますね。その他の港湾については別にこういう基準というものはお考えになりませんか。
○佐藤(肇)政府委員 二種港におきましては、同じような考えに基づきまして、大体年間の港湾運送貨物量が二十五万トン、これが最低の基準ではないかと思うわけでございます。それから三種以下につきましては、港の性格がだんだん小規模になってまいりますので、それに準じて考えてまいりますと、三種港は十七万トン、四種港は八万トン程度、かようになるわけでございます。
○内海(清)委員 そうしますと、これの基準というものは一種港で大体四十万トン、二種港で二十五万トン、三種港以下につきましては、いろいろ港湾によって違ってまいりましょうが、そういうものによってこれはお考えになる、こういうことですね。 それから、この六条の一項の二号の問題でありますが、ここで「運輸省令で定める施設及び労働者を有するものであること。」この「施設及び労働者」の内容についてひとつお示し願いたいと思います。
○佐藤(肇)政府委員 これは、先ほど申し上げました年間の船内荷役取り扱い量というものが四十万トン、こういうことになりますと、それを直営で扱うために必要な労務者の数、それから施設の量ということになるわけでございまして、一種港で申し上げますと、上屋または野積み場につきましては、土屋が千四百八十五平方メートル、それから野積み場二千九百七十平方メートル。それから現場職員が十六名。船内といたしましては、現場監督が三名、基幹労働者が三十二名、一般労働者が八十八名、さらに通船二隻を有する。それからはしけにつきましては、現場監督一名、はしけは四千トン以上、引き船は三隻。沿岸で申し上げますと、現場監督が二名、労働者は六十五名、荷役機械十五台、こういうようになるわけであります。
○内海(清)委員 それでは大体一応これで終わりますが、せっかく大臣がおいでになりますので、大臣にちょっとお伺いしておきたいと思います。 実は最初に局長にお尋ねしたのですが、この港湾問題が今日まで一番おくれておるということで、それに対処して昨年、港湾の整備五カ年計画でありましたか、あるいは港湾労働法が成立した。こういうことでだんだんと緒についておるのでありますが、今回この港湾運送事業法の一部改正、こういうことでこれが近代的に育成されていかなければいかぬだろう。さらにいま一つは、管理部門の整備拡充といいますか、これがいかなければ港湾行政はうまくいかぬだろうということであります。ことにこの港湾の管理の問題につきましては、答申にもあるわけでありますが、今回多少改正とかその他について出ておりますけれども、これは抜本的な港湾管理に対する施策ではまだない、足りないと私は考える。これについてはひとつ早急に――ここまでやってきたのでありますから、運輸省においてこの面を考慮されて、至急この港湾における管理体制が確立するようにお考えいただかなければならぬ、こう思うのでありますが、その点についての大臣の御所見を一ぺんお伺いいたしたい。
○中村(寅)国務大臣 審議会の意見等も十分聞きまして、内海委員の仰せられるような方向で検討してまいり、万全を期してまいりたいと思っております。
○内海(清)委員 審議会の意見を十分聞いてということでありますけれども、審議会の答申にもすでに一部あるわけです。その部分については今回少し手をつけられたようであるけれども、もっとこの面における抜本的なことが考えられなければならぬと思うのですが、それが今回行なわれなかった。これは港湾行政の中で、港湾秩序の確立という面からいえば、まだ一つ足らない面が出てきておるということだと思うのです。それを今回お考えにならなかったということは、どういうことでしょう。
○中村(寅)国務大臣 港湾管理の点につきましては、内海委員の言われるように、いろいろ抜本的に改革しなければならぬ点が多々あることは事実でございます。いろいろいままでのいきさつ等があって、困難さのあることも御了承していただけることと思います。政府といたしましては、逐次勇気を持って万全を期して対処していきたい、かように考えておる次第でありまして、いま言われるような方向でだんだん進んでまいる所存でございます。
○内海(清)委員 もうやめますが、この点については運輸省としてもひとつ積極的に審議会の答申を求めてできるだけ早くやらなければ、これは私はいわば港湾行政に対する画竜点睛を欠くと思うのです。なぜそれだけがいま残されたかということについても、私は非常にふしぎに思うのです。審議会に答申を求められるならば、そういう面もあわせて当然行なわれるべきであると思うのでありますが、この点はひとつ早急にこれが実現を見るように要望したい、こう思います。 それでは、きょうはこれで一応終わります。
○古川委員長 次会は来たる十七日火曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十三分散会