運輸委員会 第29号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1966/04/27
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 港湾運送事業法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
○砂田委員 港湾運送事業法改正、大筋は大体私も理解ができておりますが、改正案中の十六条の関連事業のことで政府のお考え方をただしておきたいところがございます。 港湾局長にまず伺いたいと思いますのは、六大港の第一種、いままで分業的な作業で港湾運送の秩序を保ちつつ今日まできた、それを今度の法改正で一貫的な作業へ、相当革命的な考えを運輸省は持っておられるようですが、その中で第一種、いわゆる元請と称する業種にある量を限って限定されて、最低限は運輸省できめられて、二種から五種までの、いままで直接元請がやっていなかった業種をみずから行なわなければならない。したがって、元請業者というものが非常に重要な任務をこれから帯びてくると思う。それだけに第一種の業者というものについて、運輸省の持っておられる第一種に対する認識について少し伺っておきたい。 その第一種のいわゆる一般港湾運送事業者、これは六大港といってもたいへんなことですから、代表的な横浜、神戸に大体何社ぐらいずつあるのですか。——時間がかかりますから、私のほうから申し上げましょう。 横浜で四十四社、神戸港が九十八社、大体五十社ないし百社ぐらいが横浜、神戸にあるのですが、これは港湾局長からちょっとお答えをいただきたいのですが、六大港の中でも代表的な横浜、神戸の二港の一般港湾運送事業者の数はそういうことですが、この企業規模、大きな企業もあれば小さな企業もあると思うのですが、中小企業基本法に定義されている中小企業の元請業者は一体何社ぐらいありますか。中小企業基本法で定義されている中小企業以外、大企業の元請業者というのは何社ぐらいありますか。
○佐藤(肇)政府委員 大体八割が中小企業の業者と考えていいと思います。
○砂田委員 そういたしますと、今度の法改正では、いままで分業的な作業をしておりましたものを、先ほど申し上げましたとおりに、いわゆる元請業者が二種から五種までの、いままで元請の仕事と考えられていなかったそれぞれの段階の事業をみずから行なわなければいけない。そういうことになりますと、二種から五種までの事業量というものは、一種の業者が二種から五種までの仕事をみずから行なわなければならないのですから、二種から五種までの事業者の事業量、取り扱い量というものは、一種がみずから二種から五種までのものを行なう分だけ減ると考えなければいけないのですか。
○佐藤(肇)政府委員 この法改正の趣旨は、御承知のように、答申にございます、港湾運送事業が一貫作業として行なわれるようにという趣旨からきているわけです。いまお話がございましたように、しからば、全部元請がやったら、ほかの事業者がやることがなくなるのではないかというお話でございますが、港湾運送事業の、たとえば一番大きな作業の主体をなすものは労働者でございますが、労働者というものは、現在港にいる者以外に求めることはできないと思うのであります。したがいまして、今回の改正も責任体制を明確にして一貫作業の責任をとらすということでございまして、例外的に、現在の下請でやっておったものを特別な場合においてはこれを直営とみなすということで、責任体制を確立したいという趣旨でございます。
○砂田委員 特別な場合にはというのは、この法律には一つだけ書いてあるわけです。二分の一以上の株を持ってその企業を支配するという、一つだけそういった例外的な規定が法律にはうたってあって、その他これに準ずる運輸省令で定める一ほかにも幾つかの、みずから行なったものとみなす例外の場合を規定されることと思いますけれども、責任体制をとるという非常に抽象的な御説明だったのですが、元請業者が荷主なり船会社からなりその荷役を注文をとったときに、責任体制を確立すればするほど、二種から五種までの事業をいわゆる一種がみずから行なうという、そういう気持ちに当然なってくるだろうと思う。港湾局長は責任体制をとるという抽象的な御説明があったのですが、そういう一種が責任感を持てば持つほど、二種から五種までの仕事を一種が行なうようになってくるのじゃないか。そうすると、先ほど私が御質問したように、船内、はしけ、沿岸というふうな二種から五種までの業種というものは、いままで自分が行なったやつを一種がみずから行なうので、少なくとも一種が行なうものは、二種から五種までの分というものは事業量が減るとお考えになりませんか。
○佐藤(肇)政府委員 従来の一種、一般港湾運送事業者につきましても、直営率を高めるということで、大体七〇%程度を直営に持っていくように考えております。この問題は、従来でも日雇い労働者その他によってやっておった問題でございますから、決してそれによってほかの業種が圧迫されるということは考えなくてもいいじゃないかと思います。 それからもう一つは、従来下請でやっておった者が事業量が減るのではないかということでございますが、従来も一応、船舶運航事業者と元請、下請というのはある系列を持っておったのが例でございますが、それが必ずしも系列によらないいろいろな結びつきというものができてきまして、円滑に一貫体制の作業ができにくいというのが現状ではないかと思います。そういう意味におきまして、このいまある運送事業者に作業をやってもらう以外に、それ以外の運送をやる能力があるものはないわけでございますから、これを系列に組みかえていきたいという趣旨でございまして、先ほど御指摘がございましたように、法律には、二分の一以上の株を保有して下請事業を支配するに足るということだけが例示してございますが、そのほかに、四分の一以上の株を持って重役を送っておるということ、または、長期の下請契約によって経済的援助を与えておること、さらにはその逆の場合、下請が元請の株を同じような比率で持っておる場合も入れておるわけでございまして、そういうような一つの系列の中に秩序を立てていくという趣旨でございまして、決して従来ございました分業的な下請の仕事を元請が奪うという趣旨ではないわけであります。
○砂田委員 私は、港湾局長とちょっと違う感じを持つのです。それは、一番私の気持に引っかかりがあるのは、いま港湾局長が言われたように、法律には、二分の一以上の株を保有してその企業を支配するものというふうに書いてある、それだけだけれども、あとそのほかに、省令に幾つか同じようなことを書く。ところが、ここにこういうことが書いてあるのですよ。「二分の一をこえる株式を保有することによりその事業活動を支配するものその他当該一般港湾運送事業者とこれに準ずる運輸省令で定める密接な関係を有するものに限る。」この「これに準ずる」ということばが「その事業活動を支配するもの」というものに該当しておるわけです。「これに準ずる」ということは、省令で書かれるその他のことをどういうところを考えておられるか。伺いますけれども、その省令に書こうとされることが、この法律の本文にあるところの企業を支配してしまう、これに準ずるというふうに省令に書くことも考えなくちゃならないのかどうか。それが一つと、それから、元請業者というのは、各月中に引き受けた港湾運送については、二種から五種までの行為の種別ごとに、「少なくとも、当該月中に引き受けた港湾運送のうち当該種別のものに係る貨物量に運輸省令で定める率を乗じて得た貨物量の貨物に係る当該種別の行為を自ら行なわなければならない。」こういうふうに、運輸省令で量をきめていかれるようなんですが、この量をどれくらいに考えておられるか。それから、一応その量がこうやってうたってあるのですから、みずから行なったものとみなすという幾つかの項目があるにしても、やはりある程度ほんとうにみずからが行なう。みなされるだけでなくして、みずから行なう努力をおそらく私は今度はやると思うので、少なくともその分だけはどうしても二種から五種までの事業量というものが減るんじゃないかという気持ちを、いま港湾局長の御説明を伺ってもなお、私は不安が実は去らない。この点をひとつあわせて伺っておきたい。
○佐藤(肇)政府委員 この現状のままということでないのでございまして、三・三答申の趣旨というものを貫くためには、どうしても一貫作業の責任体制というものに近づけていくことが必要だと思います。そのためには、いまおっしゃられましたように、この直営率がふえていけば、その分は下請からはずされるかもしれません。しかしそのことが直ちに仕事が減るということではないと私は思います。と申しますのは、最近港湾の貨物量というのは相当の伸びを示しておるわけでございまして、絶対量的には決して下請が直ちに困るという問題ではないと思います。むしろこういうような秩序というものを積極的に保っていくべきではないかと思うわけでございます。しかしそういうことを強制いたしましても、現実に元請が全部やるということは不可能でございます。したがいまして、下請との関係というものも一つの系列の中にあるように持っていきたいという、こういう趣旨がこの法律を改正する考えでございます。 それで、先ほどおっしゃられましたように、二分の一以上の株を保有するという例示以外に、省令に盛られるものは何かということでございますが、これは私どもが考えておりますのは、先ほど申し上げましたように、四分の一以上の株を保有しておりまして重役を送っておるもの、また、長期にわたって下請契約を結んでおって、それによって元請が施設その他について経済的援助を与えておるもの、こういうものを一つの系列として考えていきたい。最初申し上げました二分の一以上というものも、これからつくっていくというよりも、すでにそういうものがあるわけでございます。そういうものをまず、一番責任体制、一貫作業に近いから最初にあげたわけでございまして、おのおの現実に合わせて責任体制に逐次持っていこうという趣旨でございまして、全部といいますか、二分の一以上の株を持つのが理想である、そういう趣旨ではないわけでございます。
○砂田委員 どうもこれは私が心配するのかもしれませんが、いままですでに、元請が下請の二分の一以上の株を保有して企業を支配しているものもあるのである。そういうものを育成していこう。そういう形のものをより多くしていこう。そういう一貫体制をとっていくという趣旨であるという御説明だったと思うのですが、そうなると、やはりこれは二種から五種までの間の仕事がある程度減ってくる、また、減ってくるおそれがある、そういう気持ちがするだけに、ひとつここで港湾局長にただしておきたいと思いますことは、中小企業団体の組織に関する法律という法律があるのを御承知だろうと思う。これは中小企業者がそのほとんどというか、一応八割ぐらいに見ているんでしょうが、中小企業者で占めている業種、業界に別の大企業がそこへ事業進出をしてきて非常に競争が激しくなった場合、なるおそれのある場合、その中小企業者で組織された商工組合というものは、その事業進出をしてきた大企業、事業進出をしてこようとしている大企業に対して団体交渉を申し入れる権利を、中小企業団体の組織に関する法律によって持つ。その団体交渉を申し入れられた大企業のほうは、その団体交渉を受けて立たなければならない義務を負わされる。そこでその団体交渉をやった結果、特殊な契約を結ぶことができる。団体交渉を双方でやってみて答えが出なかった場合には、通産大臣がこれを裁定するということになっている。通産大臣が裁定した上でそういう特殊な契約を結ぶことができるように、中小企業団体の組織に関する法律ではなっている。この法律と今度の港湾運送事業法改正というものは、ちょっとぶつかり合うような懸念を実は私は持つ。たとえば、二種なり三種なり四種なり五種なりの業種の、元請の株の保有による企業支配、その元請業者の中には二割ぐらいの大企業があるという先ほどの御答弁だった。たとえば大きな倉庫会社、三菱倉庫、三井倉庫、住友倉庫というところが、また新たに二種から五種までの各業種の株を二分の一以上保有して企業支配をしていく。そういうことになった場合に、今度は保有される側の二種から五種までの間の各業種が、そういった大企業が自分たちの商売に進出してきた場合に、中小企業団体の組織に関する法律で団体交渉を大手に申し入れる。大手はこれを受けて立たなければならない義務を中小企業団体の組織に関する法律できめられている。そういった事態にならないという確信を港湾局長としてはお持ちになれますか。
○佐藤(肇)政府委員 先ほどお話がございましたように、大部分が中小企業でございまして、資本金で申しますと五千万円未満というのが九〇%ということでございます。したがいまして、新しく大きな企業が港湾運送事業に今後進出してくるということも考えられませんし、私どもは現在ある事業を、下請と申しますか二種以下の仕事も含めまして、全体として健全な発達をきせていきたいというのが趣旨でございまして、決して私はこういう改正をしたからといって、大百貨店のようなものが港に出てきて中小企業者が圧迫されるというものではないと思います。
○砂田委員 そんな、三越が港湾運送事業に出てきたりなんかすることをお尋ねしているのではなくて、港湾事業というのは一種から五種まであるわけですから、その港湾運送事業の現に一種の事業をやっている大企業が、二種から五種までの仕事をみずから行なうという形で、自分たちの仕事をある程度、あるいは相当量とられるのではないかというおそれを、二種から五種までの業種が持つのではないか。新たによそから来てやるのじゃないのです。港湾運送事業の業種の中に、独立した分野を占めている大手業者というものがある。大手業者はいまの御答弁ではわずかに一割ぐらいしかない。その一割ぐらいの大企業が進出してくるのではないかということを、二種から五種までの業者が心配している。中小企業団体の組織に関する法律で、二種から五種までの業者が一種の中の大手業者に団体交渉を申し入れるような、そういう港湾秩序を破壊するようなおそれ——たとえそれが一時的なものであったにしろ、港湾の機能がとまるということは大問題です。そういうおそれを持つ必要がないということを、港湾局長としては確信を持っておられるが、その確信はどこからよってきたのか、それを伺っているのです。
○佐藤(肇)政府委員 御指摘のような点がございますので当初——全国で言うと千八百店社くらいございます。六大港だけでも千をこえるような多数の店社がある。これを全国一丸としての日本港運協会という団体一本になってもらったわけであります。これは沿岸部会とか船内部会とか、そういう部会を持っておりまして、全体の総意として私どもの法改正の趣旨というものを説明いたしまして、向こうの意見を聞いてまとめたのが今回の法改正の趣旨でございます。そのまとめる過程を通じまして、やはり港湾運送事業の将来というものは、答申の趣旨に沿うような運営をしていかなければならないのだという自覚が、業界に出ておるわけでございます。したがいまして、私はこの法律改正によって、業界は答申の趣旨の具現のために努力するでありましょうし、いまおっしゃられましたような心配というものは出てこないというように確信するわけでございます。
○砂田委員 港湾局長は、各港湾の実態をよく調べておられると思います。それから港湾局長は、業界が今度の法改正については協力するのに非常に意欲的だ、こういう御答弁をいただいたので、私の心配も少々それでなくなりました。ただ先ほど港湾局長のお話にも出ました、法律には「株式の総数の二分の一をこえる株式を保有することによりその事業活動を支配するものその他当該一般港湾運送事業者とこれに準ずる運輸省令で定める密接な関係を有するもの」その「密接な関係を有する」というものを省令でおきめになるのですか。それはどういった場合を考えておられるか、それを承っておきたい。
○佐藤(肇)政府委員 先ほど来申し上げておるのでございますが、一つは元請業者が下請業者の株式の四分の一以上を保有し、かつ役員を派遣している。二番目は、元請業者と下請業者との間に長期、大体これは五年以上を考えていますが、長期の下請契約が締結されておりまして、かつ元請業者が下請業者に対し、その事業活動を支配するに足る資金、事業施設その他経済上の利益を提供しておる者。ただし当該下請業者が二つ以上の元請業者と下請関係がある場合には、その下請業者の種類について、作業能力が免許基準で想定している当該事業の種類についての規模を越えておる。さらに、その下請業者が元請業者の一社の引き受けた当該事業の種類にかかる運送事業のすべてを下請しても、なおその能力に余裕がある場合に、こういうように二社以上の下請をさしてもいいのではないか。 三番目といたしましては、下請業者が逆に元請業者の株を二分の一以上持っている。または、下請業者が元請業者の株の四分の一以上を保有し、かつ役員を派遣しているという逆の場合、こういう場合を想定して省令に盛り込みたいと考えております。
○砂田委員 それでは法律に例示規定的にうたわれている「二分の一をこえる株式を保有することによりその事業活動を支配するもの」、それからそのほか四項目ばかり言われたのですが、その省令で定められる四項目というものは、この法律の本文に書いてある「事業活動を支配するもの」というものに準じたものではないわけですね。ここに書いてあるのは、「事業活動を支配するものその他当該一般港湾運送事業者とこれに準ずる運輸省令で定める」とある「これに準ずる」ということは、いま港湾局長が言われたのは、下請業者のほうが元請業者の株式を持って、逆に下請業者が元請業者を株で支配する、そういう項目もいま港湾局長のお話にあったのですが、そうなると、この法律に書いてあります「これに準ずる」ということは、元請が下請を過半数の株を持つことによって支配してしまう。それに準ずるという意味ではないわけですね。
○佐藤(肇)政府委員 法律にも書いてございまするように、「これに準ずる運輸省令で定める密接な関係」と、こういうことでございまして、関係の密接さを言っておるわけでございます。
○砂田委員 それじゃ「これに準ずる」ということばは、関係の密接さの表現であって、元請が下請を過半数の株を持って支配する、そういった省令ではない。そうすると、私は先ほどの港湾局長のお話で、港湾の各業種はみな一体になった。港運協会というものは、今度の法改正に協力的で、また意欲的であるという御答弁があったのですが、どういうか、元請に下請が支配をされてしまう、事業支配をされてしまう、そういう心配を若干持っているやに私は聞きもするし、またそういうことはもっともだと考えるのですが、いま港湾局長の言われた省令のほうを考えてみれば、その心配も私はそんなに深く心配する必要がないのじゃないかという気持がするのですが、一項目だけ、その株式を二分の一以上持ってしまって、事業を完全に支配してしまうということだけは法律にうたわれていて、その他の、あまり心配しなくてもいいのじゃないかという項目は、全部省令のほうにゆだねられている。法律というものはここへ持ってこなければ変わらないけれども、省令のほうはかってに変えることができる。そういうふうに法律に書いてあることが例外の一つであるとするならば、省令に書いてある例外が二から五項まである。これは当然同じウエートで考えるべきだと思う。ただ、おそらく法律の書き方として、例示規定的に、この株を保有して企業を支配するという一項目だけが法律の上に浮かんできていると思うのですが、その点について、法律に書いてあるこの項目と、省令できめていこうとされることと、そこに軽重をつけておられるのか。
○佐藤(肇)政府委員 いまおっしゃられましたことは、法律技術的な問題が非常に多うございまして、私ども法制局と再三この法律の提案までに接触いたしまして、その過程においていまのような表現になったわけでございます。密接の度合いが一番大きいものが例示としてあがるのは当然だと思いますが、このために運用にあたってウエートをつける、こういう趣旨ではないわけでございます。
○砂田委員 それじゃ、軽重の差がないのでありましたならば、何かそこのところをもう少し港湾局長はっきり言明していただかないと、この二分の一以上の株を持って企業を支配してしまうということだけが法律にあがっている。これは法律ですから、ここへ持ってきてもらわなければ、運輸省でかってに変えるわけにいかないけれども、ほかの例外規定というものは、必ずしも元請業者が下請を支配してしまうのでない、そういうことがきめてある省令のほうは、佐藤港湾局長は軽重はつけない、これは同じウエートで考えているのだと考えておられても、港湾局長がかわって、ほかの港湾局長がきて、その港湾局長の考えが変わったら、省令のほうはかってに運輸省で変えられる、そのとおりですか。
○佐藤(肇)政府委員 私どもはこの港湾運送事業の正常な発達というものが、今後の日本の港湾の発展のために必要であるという見地に立っているわけでございます。したがいまして、いたずらに港湾に混乱を起こすというようなことは考えておらないわけでございまして、私どもは港湾運送事業者のために考えているものでございますから、いまおっしゃられましたような心配は、だれが港湾局長になるとか、そういう責任の地位になるとかいうことは問題の外であると思いますし、日本港運協会とも密接な連絡をとって省令その他についても成案を得つつあるわけでございますから、そういう心配はないと思います。
○關谷委員 関連して少し……。 三・三答申は一貫作業体制を強化していこうという、現状打破が三・三答申となってあらわれています。ところが業界は、港湾運送の実態というものは組み合わせによってできておるのだ、この現状を維持することが最も望ましいという現状維持の態度に出ておるのでありまして、この相反するものをどこで調和をとっていくかということについて、ずいぶん港湾当局としては苦労をせられた結果が、この法律案としてあらわれておるのであります。私、ずっとこれを読んでみまして、まことにじょうずにかみ合わして、御苦心のほどに対しましては私は敬意を表するものでありますが、これがもし現在の港湾運送事業を混乱におとしいれるというようなことがあっては相ならぬ。それだけを私は心配をいたしております。 そこでたまたま砂田委員からいろいろお尋ねをいたしまして、決して心配は要らないのだと局長が御答弁になっております。心配が要らないという、そのおことばを、これは業界は信用すべきものであると思いまするが、佐藤局長がいつまでも局長でおられるのではないのでありまして、そのお気持ちは法制定のときはそうであっても、やがてかわった人がこれを解釈する場合に、文字のとおり解釈をする、そこから混乱が起きることのないようにはっきりとしておきたいと思うのが、私の老婆心といいますか、杞憂であればしあわせであると思うのでありますが、いまお尋ねをいたしておりましたのが一番重要な点であります。ここに書いてあります第十六条の二であります。「当該一般港湾運送事業者が発行済株式の総数の二分の一をこえる株式を保有することによりその事業活動を支配するものその他」こう書いてあるのでありまするが、「その他」が出てきますのは、これは省令で出てまいります。この「支配するもの」までは、この法律が存する限り法律として残ってまいります。省令と法律とを比較いたしまして、法律のほうが強いことは、これは論をまたないのでありますが、そういうことになってまいりますと、おいおいこれに近づけるための省令改正が行なわれることがあるのではなかろうかということを業界が非常に心配をいたしております。これは安心を願いたいということばだけで、業界がすなおにこれを信用することができるであろうか。かりに私が事業をやっておったとしても、もう少し何とかはっきりとしたものを握りたいというのが、業界の希望であろうと思います。何かこれに対して、ここの御答弁だけでなくして、文字の上で業界に、港湾運送業界あるいは全港振というふうなものの間に、安心のできるような何らかの方法がとり得られるであろうかどうか。もしそういうことができるものなら、そういうふうなことを実現をして、そうして安心さしてやりたい。そうして日々の仕事にいそしんで能率をあげてもらいたいというのが私の念願なのでありまするが、何かそのような方法はお考えになったことがございましょうか。
○佐藤(肇)政府委員 私どもこの省令案並びにこの法律に例示的にあがっておる表現につきましては、私どもの考えを日本港運協会にただしまして、日本港運協会はすべての港湾運送事業者の団体でございますが、これが機関にかけてはかった結果として意見を出しているわけでございますが、その意見がすべて盛られておるわけでございます。したがいまして私といたしましては、いまおっしゃられましたような御心配はないのではないか、私どもは業界の意見をすべていれて法律並びに省令として盛り込むことを予定しているわけでございますから、そう信ずるわけです。
○關谷委員 盛り入れる内容については双方が話し合いをしておられる、それでけっこうなんでありますが、将来これを変更することがないという保証が得られるであろうかどうか。私がこれを読んでみましても、私は公平な立場で読んでおりますが、この二分の一の株式を保有することによってその事業活動を支配するという、ここに強く引きつけられる何かが頭の中にこびりついて離れぬというのが、これは私だけではなく、砂田委員もその点を非常に心配しておるのでありますが、「その他当該一般港湾運送事業者とこれに準ずる運輸省令で定める密接な関係を有するものに限る。」この省令というものが、閣議決定その他において変更することができる。法律は国会にかけなければできない。そうすると、いつ変えられるかもわからないという心配がある。これを杞憂に終わらせるために、安心をせしめるために何らか方法をとっていただけるかどうか、これなんです。内容については、両方が話し合った内容でいまできておりますので、それは何の心配も要りません。みんな納得をして、私たちもその説明を聞いたことがあるのですから、それで両方納得すればけっこうです。ただこれが変わらないという保証、その点だけなんです。その一点をどのような方法で解決をしていただけるか、それが業界が聞きたい重点であろうと思いますので、その点をひとつ業界の安心のできる御説明を願えませんか。こういう方法をとってやるのだ、これなら業界は心配要らないという方法をとっていただけるかどうか。この内容そのものについては業界も納得し、私たちもずいぶん苦心をして、よくこれだけにかみ合わしたものだと思う。これは反対論と賛成論をかみ合わしたのです。局長、参事官あたりの頭のいいところでこれをやった。そういう御苦労はよくわかるのです。そして業界もそれを認めておるのです。これが変えられることがある。変えられる場合には、二分の一以上を持って支配する形に変えてこられるという、この一点なんです。この省令の部分が変えられないという保証を、何らかの形で安心のいくようにしていただきたい。何か方法ありませんか。
○佐藤(肇)政府委員 私どもこの法案の作成過程におきまして、先ほどから申し上げておるように、業界の意見を聞いてつくったのでございますが、これがまたこのままで将来いくかどうかということは、時勢の進展とともに変わり得ることもあるわけでございますが、変わる場合につきましても、同じようにやはりこれは業界の意見を聞いて変えていかなければならぬと思っております。したがいまして、業界も私どもといままで接触した限りにおいては、今後これを変える場合においても当然業界の意見を聞いて変えるということはもう理解しておると思います。したがいまして、実際一部の人が私どもが考えないような御心配をしている向きも聞いておるわけでございますが、業界とわれわれとが一体になって港湾運送事業というものを健全に発達させていくという立場が確保されている限りにおいては、その心配は私はないのではないかと実は思うわけでございます。
○關谷委員 今度のような方法がとってもらえるということなら、ないのです。それを、こういうふうにしてやればおまえたちが安心がいけるだろうという手っとり早い方法が何かとれませんか。今度の内容そのものについて、この法案に反対するものでも何でもないのです。ただ心配があるから、心配のないようにしてやりたい、その一点だけなんです。だから、それについてはどういうような方法で、昔でいえば何らかのお墨つきのようなものが業界その他に、審議会か何かで、こういうものを渡しておいたら安心するだろうからというようなことで、港湾運送審議会というようなもので決議をして、そしてその一札を業界にやるというような方法でもとれば、情勢は固定したものではないので、おいおい進展してまいります。港湾労働法その他もできておるのですから、おいおい変わってまいりましょう。変わった場合も、業界が納得するような方法でやってやるのだから安心をしろ、そのためにはこれをやるぞよというような、何かそういう方法がとれないものであろうか、こういうことなんです。
○佐藤(肇)政府委員 従来も日本港運協会の合理化委員会と相談してまいったわけでございまして、いまの御意見につきましては、合理化委員会の意見もよく聞いて善処いたしたいと思います。
○關谷委員 これ以上押し問答もどうかと思いますが、私たちはこの法案を通過成立せしめます場合には、附帯決議をちょっとつけておきたいと思うような気持ちもいたしておりますが、附帯決議はややともすれば踏みにじられることがありますので、それ以外の方法で何か業界を安心させて、そうして心配は要らぬのだ、自分たちがいまやっておる仕事をおいおい充実さして、そうして一生懸命港湾運送の能率をあげればいいのだということにしてやる方便なんです。その方便を考えていただいて、それもここの御答弁だけより、もうひとつ業界が安心のいくような方法をとっていただきたいということなんです。これは善処とか適当なという政治的な用語でなくて、ここに何か形のあらわれたものでやっていただきたい、こういうことなんです。よく御相談をせられまして、次の委員会のときまでに、こういうことをするんだ、おまえが聞いたことについては、こうしてやるから業界も納得するだろうと思うが、これでどうかというような、いまお考えがあれば御答弁願えればけっこうですし、いまこれという具体案がないので、局議でもしてこういうことをするからというようなことがありましたならば、それは次の委員会でもけっこうでございますが、御答弁を願いたい。
○砂田委員 もう時間が時間ですから……。ただ、いまの関谷委員のお話は、これはまた私の一番不安な点で、そのほかにも二種から五種までの免許基準の引き上げも考えられておられるし、七月から実施される港湾労働法とのかみ合わせの問題、そういったことで、港湾局長が港運の秩序が乱れるようなことはないという太鼓判を押されもしましたし、港運協会も全面的に賛成しておるという話もありました。協会で賛成しておられても、私自身は若干不安が残る。ただきょうは時間がございませんから、また次回に時間をいただいてもう少し詰めていきたいと思いますが、一つだけきょう触れておきたいと思いますことは、今度の法改正では、港湾運送関連事業というものを届け出制に改正されようとしておる。その港湾運送関連事業というのは「港湾においてする、船舶に積み込まれた貨物の位置の固定若しくは積載場所の区画又は船積貨物の荷造り若しくは荷直し」それにウオッチマンのことをここにあげておられますけれども、私は大事な事業を一つ忘れておられると思う。それは船内清掃です。この法案に書かれた事業は、いずれも港湾労働法の対象の事業になっておると思うのですが、港湾労働法に規定をされた事業の中で、船内清掃だけが落とされてしまっておる。しかも今後の政府の改正案できめられた荷物の位置の固定とか、あるいは区画、荷づくり、荷直し、ウオッチマン、こういった事業よりは、むしろ船内清掃というものが一番たくさんの労働者を使っていくのじゃないか。事業者も、船内清掃という企業が一番多いのじゃないかと思う。ちょっと調べてみましたけれども、ラッシング、シャーリングの業者が三十一業者で、これも兼務しておりますけれども、荷づくり、荷直しが十、そこへ船内清掃関係は七十社も事業をやっておる。しかもほかの、今度の改正案に港湾運送関連事業とはこういうものだといって規定されている事業のどの事業よりも、労働者はたくさんの数を使っていかなければならぬ。しかし港湾運送事業の中で、船内清掃のない船積みあるいは船からのおろしというのはちょっと考えられない。ほとんどの場合、荷物を一ぺんおろせばその次の船積みまで船内の清掃をやるわけでありますから、その船内清掃をここに入れるべきだと思うのですが、落としておられるのは何かはっきりした理由があることですか。
○佐藤(肇)政府委員 おっしゃられるとおり、船内の清掃というものは非常に重要な仕事でございますし、多数の労働者を使うということで、港湾労働法の政令指定事業にもなっておるわけでございます。ただ、その事業が必ず運送事業に密接な関連のあるものであるのか、また船舶の運航上必要なものであるのかということに多分の疑点がございます。したがいまして、法制局その他ともいろいろ打ち合わせをいたしました結果、港湾運送関連事業とはみなしがたいと申しますか、そこにあげておりますものとはだいぶ性格的に違いがあるのではないかということで落としたわけでございまして、検討は十分いたしております。
○砂田委員 私はいまの港湾局長の御答弁とちょっと違う見解を持っております。港内で荷役をするのに、船内清掃のない荷役なんというものはほとんどない。船舶航行のための必要ではなくて、やはり貨物を船へ積み込む前に、その前に積んできている貨物のいろいろな残骸や何かを清掃しなければ船積みができない。したがってこれは当然港湾運送事業に関連した事業である、こういうふうに私は解釈しているのです。どうも港湾局長の解釈と少し違うのですけれども、きょうは時間がありませんから、位置の固定だとか区画だとか、それから船積み貨物の荷直し、これとちっとも変わることのない港湾運送の関連事業だと解釈すべきだ、これはどうしても入れるべきだ、私はそう考えるのです。
○關谷委員 関連して。私も砂田委員と全く同一意見であります。もし港湾運送につながりが薄いというのでありましたならば、これより検数、鑑定、検量というものはなおつながりが薄いのであります。それはむしろ別の法律にすべきものが、六、七、八でございましたか、専門業種として港湾運送事業法の中に含まれておる。それから言いますならば、私は、この船倉の清掃というものは当然港湾運送事業法のあの九、十というようなところへ入れて、そしてすべての法律を同じように適用するのがいいのではないかと思います。すでにでき上がっておりますが、私たちはこの港湾運送関連事業という中へそれは最小限含めなければならないと思いますので、それに対しまする修正案はすでに私たち用意をいたしております。修正の案をいずれ適当な機会に出しますので、出るということを前提としての御検討を願っておきたいと思います。
○砂田委員 若干まだ私は不安があるのですが、次回にまたお時間をいただけましたら質問させていただくことにして、きょうはこれで終わります。
○古川委員長 次会は明二十八日木曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会