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51回国会衆議院1966/04/15

運輸委員会 第26号

発言数
61
登壇者
7
会派数
2
開催日
1966/04/15

会議録

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 これより会議を開きます。  自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題とし審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。久保君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 先日の委員会で要求してありましたところの、自賠法の保険料率の算出基礎、そういう資料が出ておりますが、この内容について一応説明を求めたいと思います。

田辺博通大蔵事務官(銀行局保険部保険第二課長)

○田辺説明員 配付してあります資料について御説明申し上げます。  御注文は、保険金額引き上げが営業保険料据え置きのままやる、その算出の基礎を示ぜというようなことでございました。これはデータといたしましては非常に膨大な資料がございますが、ここに書きましたのは、昨年の十二月自賠責保険審議会に提出いたしました資料をまとめて簡単にしたものでございます。  順を追って御説明いたしますが、第一に、まず三十九年二月に引き上げました現行の保険料、これを検討いたしました。これは三十八年度契約分以降の成績、これは実はまだ未確定要素が非常に多い。と申しますのは、前々から御説明しておりますように、支払いが四、五年たって確定するという特定の性格がございますので、したがいまして、保険収支の現況から三十九年二月に改定しました後の現在の純保険料率の再検討をすることはまず不可能であるわけであります。したがいまして、むしろ現行料率の計算の基礎として用いました、これは三十五年度契約でございますが、その基礎にさかのぼりましてその後の事故率、それから物価等の推移を加味して検討いたしたわけでございます。  まず第一に、現行の三十九年二月に改定しました料率は、三十五年度に締結されました契約、これに基づいて支払われた実績をもとといたしております。そこで、三十五年度契約の保険事故率をもととしているのでありますけれども、警察庁の統計はいわゆる一般的な交通事故率の統計がございます。これはその後の事故率が判明いたしております。三十九年の事故率を見ますと、その後死亡は三十六年に対しまして六五・八%、傷害は七九・五%というぐあいに交通事故率は低下している。そこで保険の成績はわかりませんけれども、交通事故率、警察庁発表の統計の傾向値はおそらく保険の成績、保険の事故率にもパラレルにあらわれるであろう、こういう仮定を一ついたしました。それが事故率の減少要素でございます。  第二は支払い保険金の単価といいますか、死亡、傷害一件当たりの平均金額の推定でございます。現行料率の基礎となりました一件当たり支払い保険金、これは死亡百二万一千八百円、傷害十五万二千六百円としてはじいておるわけであります。ここに新契約といいますのは、三十九年二月に改定されました後の契約のことでございますが、これによる支払いの実績、これはごくわずかでございますけれども、すでにその実績があらわれておるわけであります。それから治療費、休業補償費というものが変動していく。所得も今後上昇いたしますので、休業補償費の単価も上昇せざるを得ない、医療費の単価も上昇せざるを得ない、こういったことを加味して推計いたしますと、四十一年度契約についての支払いの金額、これは死亡につきましては百一万二千五百七十八円、傷害につきましては十六万三千七百八十三円、こういう数字がはじき出されました。  そこで、一の事故率の減少と二の支払い単価の修正、この両方をかけ合わせまして、現行料率の計算の基礎をそれにはめかえたわけであります。そうして再検討いたしますると、四十一年度に契約された分につきましては、現在の純保険料率を七七・三五%にすることができる、つまりその逆数だけは余裕があるのではないか、こういう数字となったわけであります。  それから第二に、付加保険料の改定を行ないたい。現行の付加保険料は三十七年八月に改定されて以来据え置きとなっております。したがいまして人件費、物価のその後の上昇に比しまして、実情をいかにも無視した形でございますので、改正の必要があると考えたわけであります。そのうち社費につきましては、保険会社の自賠責関係経費について、人件費につきましては四十年度給与改定後の公務員ベースに引き直す、物件費につきましては諸物価の上昇等を加味して四十一年度ベースに修正する、こういう作業をいたしました。ただし、ここに能率化の要素というものを織り込みまして、結論といたしましては、全車種平均一件当たり五百三十二円という数字を得たわけでございます。もっとも各車種によりましてこれは多少違いがございますが、平均いたしますと五百三十二円となります。これを現行で見ますと四百五十三円でございますから、そのアップ率は一七・四%に相当する、こういうことに相なります。  それから、第二は代理店手数料でございます。代理店手数料につきましても、同様に人件費、物件費の修正を行ない、また新たに減価償却等の要素を勘案いたしました結果、これは各車種一律でございますが、一件当たり二百円とするということで審議会の議を経たわけであります。ちなみに代理店手数料の現行の手数料は百七円でございますので、アップ率は八六・九%と相なる。こういうことでございます。  それから第三番目に、保険金額の引き上げを検討したわけでございますが、付加保険料率を上記のように改定いたしまして、営業保険料を据え置くという前提にいたしますると、付加保険料の引き上げが純保険料に食い込むことになりますので、一に書きました純保険料率の修正値七七・三五%という数字が七八・九〇%となるわけでございます。つまり一・五%分だけ差が出てきたわけであります。七八・九〇%の逆数であります二丁一%、これが余裕分になるわけであります。この余裕分の処理につきましては、社会的な要請を考慮いたしまして、保険料をこの際引き下げるというよりも、むしろ保険金額の引き上げ等の給付内容の改善に振り向けることが望ましい、こういうことで、別途御説明のありましたような保険金額、死亡は百万円から百五十万円、傷害は三十万円の限度を五十万円に引き上げる、また後遺障害の金額につきましても、それぞれこれに応じまして引き上げるといったような内容で計算をいたしますると、この改定後の損害率、これは保険用語で損害率と申しておりますが、純保険料収入で支払い保険金を割ったものでありますが、それの見込みは、四十一年度契約分につきまして一〇四・四六%となるわけであります。本来はこれが一〇〇%というのがいわゆるノーロス・ノーペイであります。ただし、現行保険料率中には純保険料の、純粋のもののほかに既契約の赤字償却分、これが純保険料の二・五%分ほど積み増されていたわけでございます。しかしすでに赤字は償却し、四十年度契約分までには若干の黒字も生ずるというぐあいに見込めますので、この四・四六%出ている損害超過分はこれで吸収することができる、こういうぐあいに考えたわけでございます。  以上でございます。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 久保君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ただいまの御説明で一応筋道としてはわかったのでありますが、この計算の中には、前回申し上げたように、滞留金というか、そういうものの利子は全然計算されていない。前回の答弁では、それは保険企業の中でその他の保険と一緒になっているというような御説明でありましたが、それはすべての保険について同様なのか。この自賠責だけがそういうふうになっているのか。いわゆる短期の保険は、先般御説明のようになっているのか、長期にわたるものはそうでなく計算されるのか、その辺のことはどうですか。

田辺博通大蔵事務官(銀行局保険部保険第二課長)

○田辺説明員 損害保険の現在のやり方、これは国際的にも昔からそういうことになっておるようでございまするが、各種目ごとの保険収支の計算は区分経理をきちんといたしておりますが、保険料の収入によります、あるいはその後の実績でいままで積み上げられまして保有しておりますところの資金がございます、この資金はいろいろなものに変形して運用されておるわけでございますが、その資金部分は各種の保険種目に分離して運用いたしておりません。一本で運用されておる。これが実情でございます。  それから損害保険の中にも、きわめてまれでございますが、長期のものがございます。これは、たとえば保険期間が満了いたしまして無事であったならば払った分だけは戻す、つまりその分だけは預け金と申しますか、それに相当する分だけよけい保険料に積み込まれて払い込まれておるわけでありますが、そういった特殊の保険につきましては長期のものがございます。これは分離して計算しております。そういった金利面を考えております。それから、なお補足して御説明いたしますが、二年以上の保険契約、まあ二年以上と申しましても二年契約、三年契約がまれにあるわけでございます。一般に原則としては一年契約でございますが、二年以上の契約につきましては、最初に保険料を払い込みまして二年間保険期間があるという場合には、一年ものに比較しまして第二年目の分の金利を保険料計算について割り引いている、こういう実情でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 どうも先般からその辺のところがよくわからぬのでありますが……。  もう一つは、いまの資料の説明ではなくて前回まで二、三回お尋ねしている問題として、新しく責任保険というか強制保険の対象になる原付自転車については再保険しないという自動車局長の理由もちょっとわからぬ。ましてや、きょうは銀行局長お見えでありますが、あなたのほうの保険部長のお話はもっとわからぬのであります。これは率直にお答えをいただきたいのでありますが、なぜ原付だけ再保険をしないのかということです。しないにはしないだけのきちっとした理由があるはずだと思うのです。だから、いまの御説明にも関係してくるのではなかろうかと思うのですが、原付は再保険しない、それと、再保険するという立場に立ってこの料率計算というか、そういうものをしたのかどうか。これは全然再保険しないということじゃなくて、いままでのあれとしてこれを計算したと思うのです。この法案の改正によって新たに入る原付については、これは計算の中には入っていないと思うのですが、どうですか。

田辺博通大蔵事務官(銀行局保険部保険第二課長)

○田辺説明員 いま配付いたしましたのは現行保険料率の検討、それから保険金額の引き上げに関連するものでございますが、別途原付を新たに入れますに際しましては、原付固有の事故率を計算いたしまして、原付の保険料率を出したわけでございます。これは審議会にはかって了承を得ておりますが、その際には再保険をしない部分によりますところの事務取り扱い、いわゆる社費の節減部分、これを計算いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それは、この資料の提出が非常に不親切だ。不親切というよりは、政府並びに国会の職員を含めて、法案を提案されるときにはそれに関連するあらゆる資料は整えてくるべきであって、ましてや、ぼくが要求したことについてはいままでの計算であって、この法案の改正によるところの原付については別個にありますという話だが、これくらい人を食った話はない。よって早急にこの資料を出してほしい。よろしゅうございますか。出して審議を求めるのがほんとうじゃないですか。久保委員、あなたはこんなことを言っているが、原付はこういう計算ですと進んで出すのがほんとうだ。人手が足りないわけはないだろう。出すつもりがなかったので、いまお尋ねしたから言っただけのものなんです。そういうことでやると、どうもこの法案は少しどうかと思うという気持ちに、人間の感情としてはなるわけです。そこで、これは出してもらう。  それから、銀行局長にお尋ねしますが、なぜ原付だけは再保険しないのか、理由をお述べいただきたい。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 先般も久保委員の御質問に対してお答え申し上げておいたわけでございますけれども、要するに再保険、つまり国が再保険をやる必要のある場合、つまりどういうときに再保険を必要とするかということでございますが、保険所期の目的を達成するのに、国の再保険によらざればその効果を期しがたいといったような場合、しかも、その保険は国策としてやらなきゃならぬというような場合には、再保険がどうしても出動してくるわけでございます。そこでただいまの原付の自転車を考えますと、これにつきましては、国の再保険を用いずしても自賠責制度本来の目的を十分に達し得る、こういうことでございまして、これは私ども大蔵省が判断しておるのみではございません。運輸省当局におかれましても、そういう判断をされる。すなわち一言にして尽くせば、国の再保険を用いずして所期の目的を達し得るという判断、そういう判断に基づいて実は再保険を出動させなかったということでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 まさにこれはそういう判断です。なぜそういう判断をしたのかをぼくは聞いているのですよ。それから運輸当局で云々というのは、これはおっかぶせの話でありまして、別にほかのことは言わぬほうがいいです。しかし、再保険をしないという判断をしたと言うが、それならばいままでの分はなぜ再保険にそのまましておくのか。再保険しないといままでの分はやっていけない、これから入る分は再保険しなくてもやっていけるというような判断だと思うのでありますが、これは銀行局長と自動車局長にお尋ねしたいのですけれども、この種保険というか、これは強制保険ですね。しかも保険からのがれたいわゆるひき逃げというような問題については、国家で補償するということですね。言うならばこれは国家の権力によって全部保険をつけさす、被害者については国家の責任において救済するというような思想の二つが固まった法律でありまして、これは保険法ではないのだ、報償だ。だからとの種保険というのは、いまの保険業というか、そういう企業でやらせることが適当であるかどうかについては、これは多少疑問が出てくる。疑問が出てくるというのは、営利事業としての企業でやっていいのかどうかということです。そういう話はいままで聞いたことはないのでしょうね。ありますか。私はそう思う。だから再保険の必要がないというふうになってきたとするならば、むしろ運輸省がいまやっている態勢で、じかに国が強制保険をやる、保険の国営論を叶えるほうが筋じゃなかろうか。原付は再保険しないのだという判断になったとするならば、この法律的な体系、仕組みからいっても、むしろ国が直接これを担当するということが筋じゃないかと私は思うのです。これは佐竹局長としてどう思うか。これは自動車局長に先に答弁してもらったほうがいいな、どうですか。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 再保険の問題につきましては、立法当時いろいろと論議があったと思うのでございますが、そのおもな論議は、やはりいま久保先生が言われましたように、これは強制保険である、被害者保護のために国家権力をもって強制するものである、したがいましてまた、受けるほうの保険会社に引き受け義務を課しており、またそれはそういった性格から営利事業であってはならない、営利性を持ってはならないというようなことから、そういった営利の目的を介入させないという立法措置を講じておるわけでございます。その上になお国もこの保険について、何らかの保険運営の適正化という意味から介入することが適当であるというふうに判断されたようでございます。そういった趣旨からいきますと、原付についても同じようなことが言われるわけでございますけれども、今回これを強制保険にする場合に、われわれいろいろ総合判断しまして、現在自動車で再保険を行なって適正運営が行なわれておるのであるが、それらを十分しんしゃくすれば、原付については再保険なくしても適正化が行なわれるという判断に到達したわけでございます。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 先ほど来久保先生からいろいろ御指摘をいただいたわけでございますけれども、まず一つは強制保険つまり強制加入ということが再保険ということに直結する問題かどうかという点でございます。この点は、加入が強制されるからといってそれが直ちに国の再保険が必要であるというふうには実はならない。つまり原子力災害の保険のごときも、これは御承知のように実は強制保険でございますけれども、国の再保険にはかけておりません。そういうことでございまして、じゃ一体どういう場合に国の再保険が必要になるのか、これはどうも久保先生よく御存じなので、ちょっと釈迦に説法のような感があってまことに申しわけございませんが、つまり新しい種類の保険が出てくる、そしてそれは長期の経験値に基づく事故率等の長期観察が不十分である、そうするとその料率計算その他につきましていろいろ不安があるということになると、保険事業として成り立つかどうかという不安を抱く場合もあり得るかと思います。しかし一方において、そういう保険というものが国策としてどうしても必要である、どうしてもやらなければいかぬといったような環境にあった場合に、どういうことにするか。そういう場合にはやはり、そのリスクというものをある程度カバーするという体制を整えなくてはならぬ、だから国策としてやるからには国の再保険という形で国がうしろに控えていましょう、こういうことになると思うのでございます。たとえば一番早い話が、例の農業災害補償制度というのがございますが、米、麦その他の農作物がいわゆる自然災害でもって被害を受ける、こういうものをカバーしてまいります場合に、農業共済組合あるいは連合会限りでは十分その危険がカバーできない、異常な危険もございましょうし、農業の場合に超異常というようなことばもございますくらいで、そういう場合にはどうしても国が再保険しなければならぬということで、農業災害の特別会計を設けて昔から実はやっておるわけであります。そういうことで、やはり国の再保険が出動すべき条件と申しますか、そういうものはいま申し上げたようなリスクというものがやはり大きな要素じゃないか。しかも一方において国策としてそれをやらなければならない。そこで問題は、自動車賠償責任においてこれは制度発足当時、御承知のようなことで再保険制度が取り入れられました。それはよく考えてみますと、わが国においてはまだ初めての経験でもある、そこでおそらくいろいろ不安があったのだろうと私は思うのです。しかし一方、国としてはやらなければならぬということで再保険がついた。ところが、先般自動車局長の御説明にもございましたように、だんだん今日まで制度が進んでまいりまして、いろいろなデータも相当整ってきた、経験も深まってきたということになってまいりましたので、そういう自動車保険に対する扱いというものが発足当時とは非常に変わってきたことは私は事実だと思います。そこで、ここへ新しく原付を加えるという問題が出てまいりました。その場合に、さて原付についてどうするか、従来どおりやはり国の再保をつけないと制度の目的を達し得ないかどうかということを実は真剣に検討をいたしたわけであります。その結果、これは再保をつけなくても十分目的を達し得るのだということでございましたので、これははずれたわけでございます。それでは自動車はどうするんだ、そんなに自動車のほうも進歩してきたのならこれを再保にしておくのはおかしいじゃないかという、おそらく久保先生の御指摘かと思うのでございますが、その点はまことにごもっともだと思います。したがって自動車につきましても、十分軌道に乗ってきて、再保制度を国がとらなくても自賠責法律の精神、趣旨というものが完全に実現できていく、その制度が理想的に運営されていくということになってくれば、国としては再保険を設けておく必要はないわけでございますから、その段階になりましたならば、やはり再保険制度を廃止するということが筋でございましょう。先生はまさにその点を前回おつきになりまして、相当もう進んできたならいまからでもはずしてもいいのじゃないかというお感じ、片方では原付にはずれておって自動車がついておる、そうすると、ついておるのとはずれておるのが併存しておるというのはおかしな姿で、論理的に矛盾するのじゃないかという御指摘をいただきました。まことにもっともだと思います。その点は私どもとしては過渡期の一つの現象と考えておりまして、いずれ将来においては自動車の再保険というものもだんだんにやがて廃止される方向で進んでいくもの、かように実は考えておるわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 肥田委員がそれぞれ御質問を用意されておりますから、私はこれだけ申し上げておきたいのですが、さっき申し上げたように原付を入れるについてのいろいろ算定資料、これは即刻出してもらいたい。  それから先刻、両局長からお話がありましたが、何べん聞いてもわからぬというのはこの話じゃないかと私は思っているのです。何べん聞いてもわからぬ。理屈が立っているようなんですが、肝心の中身の、そうしなきゃいけないのだという理屈は出てこない。そうするべきだという理屈が出てこぬように思うわけでございます。私は、この保険は国営にすべきだということと再保険の問題は、別口にお話をしているのです。別です。再保険が必要でなくなったならば国営でやったらいいじゃないか、こういうことじゃないのです。いろいろあなたがおっしゃり、銀行局長のおっしゃるように発足当時から比べればだいぶ事情も変わってきた大きな変わり方は、いま提案されておるように、いまの保険料率によって保険金の引き上げが可能だというふうになってきたのは、大きい変わり方だと私は思う。そうでしょう。それ以外の変わり方というのは実際ないのです。だからますますわからなくなってくる。原付だけでは全く再保険しない。いうならば、これはなしくずしにもう再保険というが、そういうものはやめていこうという前提に立っているのではないか。そうだとすれば、この保険財政というか、保険経理というか知りませんが、全体について検討した結果として方向をきめなければならぬと思うのです。ところがこれは今日ただいまでは、大蔵省と運輸省との妥協の産物として、中身はお互いにある程度わかっていても、表へは出さぬで、紳士のつきあいだから、ゼントルマンだから、原付は保険会社に置いておきましょうや、やむを得ませんな、こういう話が出てきてきょうの結論になっていると思う。しかしこれは、私どこは何べんお話を聞いてもわからぬ一つの問題だと私は思うのです。これはもう少し時間があればゆっくり最初から尋ねなければいかぬのでありますが、時間もありませんから、この程度に本日はしておきます。そういうものが全部洗いざらい一ぺん審議をして直さなきゃならぬのではなかろうかとさえ思うわけです。そういうこともよくお考えいただいてやってほしい。時間もありませんし、この辺でやめますが、私がわからないのは、原付だけは再保険をやめるということ、だからこれはあとで、保険第二課長からお話があったように、原付の計算は別にしてあるというが、この計算の中身を見て、さらにお話を申し上げたいと思うのです。その程度にして、きょうはやめておきます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 関連して。いま保険第二課長と銀行局長の話を聞いておりますと、原動機付自転車に再保険をしないということについては、従来の自動車保険の経過からかんがみまして、この原動機付には再保険をしなくても十分保険会社としても運営がつく、こういう見通しのもとに再保険をしないんだ、だから将来は、原動機付以外の普通自動車についても、この再保険の制度を順次はずしていく方向に考えたい、こういうような意味の話がございました。ところが私は、前回、銀行局長に、なぜ自動車の保険を農協に共済制度でさせないんだ、こういう質問のときに、これは非常に公共性のあるものである、それから被害者保護の立場に立ってやる保険であるから、被害者に対して損害をこうむらせないような、できるだけ内容の充実したところにこれをやらせるべきだ。したがって政府においては、これについては再保険という制度をやっているのだ、こういうような答弁をして、要するに共済にその制度をやらせることについての歯どめを盛んに弁解をしておった。ところがきょう聞いておりますと、原動機付自転車の再保険をしないということの答弁と、それから「保険金額引上げに関する保険料率の算出資料」の内容を見ておりますと、どうしてもこの付加保険料というものは、非常に経費がかかって社費、代理店手数料等が上がるので付加保険料を上げざるを得ない。だから百五十万円に保険金はきまるけれども、今度は、保険料は近い将来に上げなければならぬ、こういう意味の答弁を前回しておりますし、きょうもその説明を暗に漏らしております。そこで私の聞きたいことは、一体原動機付自転車をなぜ再保険をしないか、こういう裏には、これは私の推定でございます、要するに純保険料というものの中に再保険というものをさせられると、政府に純保険料のうちの六割というものを押えられる。それをはずしていきたい、はずして純保険料というものをフルに保険会社が使いたいのだ。保険会社がこれをフルに使えば、滞留保険金というものが大いに運用できる。それによって大いに利潤をあげていこう。ところがこの強制保険においては、先般の説明によれば滞留保険金額というものはどこに保有してあるのだと言うたら、それは計算をしておりません。要するに、強制保険のワク内で滞留保険金というものを持っておらない。ほかのものへ投資している。利潤を生んでいる。こういうものの幅を、原動機付自転車を再保険しないことによって純保険料の幅をさらに広げていこう、そうして自分のところで大いに利用していこうという考え方、これは私は保険会社が考えている一つの構想だと思う。それをそのまま受け売りして、保険第二課長がどうしても付加保険料は上がらざるを得ない、だから将来、百五十万円の保険金額にはなったけれども、保険料は上げていくのですという意味のことを表現していることは、まことに私は、これが被害者保護の立場に立った制度である、要するに公共性があると言いながら、少しも被害者保護の立場でものを考えていない。私に言わせれば、現在の制度でいっても二百万の保険金がかかれる、保険料は訂正しなくても。それにもかかわらず、百五十万円に上げたら近い将来には代理店手数料や社費が上がるから、どうしてもこれは純保険料に食い込んでしまう。したががって保険料を上げざるを得ないということを、前回保険部長は言っている。ですから私どもの言う、あなた方が言う公共性、そうしてまた被害者保護という立場は、口では正しいような表現をなさるけれども、裏において少しも被害者保護になっておらない。その点を私は銀行局長に明確に御答弁願いたい。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 私、たしか久保先生から二回か三回前の委員会だったかと思いますが、原付をなぜ再保にしないかという御質問をいただいたことがございます。そのときには実はきょうと同じ趣旨のことを私お答えしたと思っております。つまり自動車についてこれが再保険を必要としないような事態になってくれば、おのずからそういうものは廃止される方向であろうということをそのときには私は申しました。そこで問題は、農協の問題もからめていま先生は再保険の問題を御指摘になりましたけれども、そのときに私が申し上げましたのは、要するに被害者保護ということで他の一般の保険よりも一段と強い公共性を要求されるものだけに、その料率の計算なりその給付の監督なりについてはよほど厳重にやらなくちゃいかぬ。そこで大蔵大臣が保険業法というものに基づいて厳重に監督をいたしておるということを申したわけです。  もう一つは、料率計算その他につきましても、いわゆる営利目的の介入を排するということが法律でもってうたわれております。決してこれでもうけてもいけない、しかし損をしてまでやるということは申しておらない、損得なしでやるということでございますので、この点はただいま先生から、いわゆる再保がなくなると保険会社が非常にもうかるんじゃないかというようなお話がございましたけれども、そこは料率の算定にあたって、もうかるような料率というものは設けるべきではないわけでありますから、もしもうかるような状況なら当然に料率を引き下げるなり、あるいは給付を増額するなりして、いずれにしてもこれは加入者なり被害者なりには当然その利益を還元すべきである、そういう趣旨でございますので、再保険の問題といまの保険会社の損益の問題とは必ずしも実は直結をいたさない。いわゆる営利目的の排除という原則に立って料率が算定されてまいります限り、そういうところからもうけが出てくるということは本来おかしな話でありまして、そういうものがあれば当然料率を直すべきだ、こういうふうに思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 銀行局長は二、三回御出席をなさらないから、いままでの答弁の内容というものをよくお知りにならない。あなたのほうから出しておる資料の2の十五ページに「年度別付加保険料の収支実績」というのがあります。ここで三十九年度は七億の赤字がある。これは埋めてある。どこから埋めたのだということになると、滞留保険金から埋めてある。そこでその計算は一体どこでどういう計算がしてあるのか、要するに強制保険のワクの中でやってあるのか、一般保険と込みになっておるのかと聞いたら、一般保険と込みにして計算をしてあるのです、強制保険の部分だけをとっては計算してございません、こういう話をしておるのです。ということは、たとえばこういう赤字が出たと仮定する。いまの資料の十五ページの収支付加保険料と支払事業費、その差し引きで七億の赤字がある。それを埋めておるとすると、埋める金というものはどこにあるのだといえば、全体の中でバランスをとってやっておるのだ。ところが強制保険というものは別個の計算にして、経理を明確にしておかなければならぬことになっておる。それにもかかわらず、それが不明確になっておる。そうして先ほどから、料率それから給付というものは非常に厳重な監督のもとにやっておられると言うけれども、過去この委員会で数人の委員が質問をして、いかに料率が不安定なもので、たとえばこの査定事務所というものの内容はまことにずさんである、その監督庁である大蔵省の監督もまことに不完全である。それでいて口を開けば被害者保護、それからまた公共性と言われるが、われわれの質問に対して少しも正確な答弁が出ておりません。こういう意味で私は、あなた方の監督はまことに不十分だと思う。そういうものにまかしておいたら、保険会社がますます増長してくる。だからこういう料率の問題、純保険料の問題等を、将来再保険しないという制度に変わったときに、これを完全に把握して、これが適正なる純保険料である、これが適正なる付加保険料であるということの判定が銀行局にはできないんじゃないか、そういう点を非常に心配しておるわけでございます。  そこで私は銀行局長に伺いたいが、こういうものを保険審議会だけでどんどん上げていくということでなくて、もっと別に——国鉄の運賃や電電公社の電話、郵便というようなものを上げていくのは、すべて国会の審議を経てやる。そういう制度にして広い場所へ出して再検討するという考え方のほうが、より国民のためであり、より被害者保護の立場に立っていいんじゃないかという感じがするのですが、いかがですか。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 最後の点にお答えします前に若干補足させていただきますと、いまのいわゆる付加保険料の問題は、確かに田邉先生からこの点について御質問があって、私が御答弁を申し上げたのをよく覚えております。それで、七億の赤が出ておるがこれは一体どうやって埋めたんだというお話が確かにありまして、これは決していわゆる純保険料の入ってきたお金でもって埋めておるわけではないということも、そのときに私申し上げたはずでございます。純保険料というものは事故に備えて積み立てられるわけでございますから、もしもその年度に支払いがなければ当然次年度以降に繰り越して持っていかれるべきもので、経費のためにこういうものに手をつけるということは保険経理では許されておりません。  そこで問題は、要するにこういう自動車保険の付加保険料でなぜ赤が出たかというと、先ほど二課長からも申し上げましたように、例の付加保険料の算定基準でも、発足当初かなりいろいろ無理な査定もあった。経費の見方が相当きびしい点もありまして、そういう点で赤字が出てきた。そこで、三十七年八月以来据え置かれたものを今回適正なものに是正しようということで考えておりますということであったわけでございます。したがって、決して純保険料というものを食っているというものではございませんので、その点御了解をいただきたいと思います。  最後に、いわゆる国鉄の運賃等のごとく、あるいはたばこの販売価格といったもののように、国会においてその料金等を決定すべきではないか、いわゆる財政法第三条の趣旨に沿って処理すべきではないかというお尋ねかと思います。この点は先生もよく御承知のように、実は財政法第三条で定めておりますのは国の定める業務、国の定めるものでございます。国みずからが徴収する専売のたばこにいたしましても、国鉄料金またしかりということでございます。一方この保険料というものは何かと申しますと、これは実は国が徴収しているわけではない。それは再保険という形ではもちろん国は関係しておりますけれども、申し上げるまでもなく、純保険料計算というものは事故率によって実はきまってくるわけでございまして、事故率を離れて料率というものはあり得ないわけでございます。したがってその事故率というものは、長期観察に基づいて、いわゆる収支バランスするという点にこれをおさめていくということから、大数法則の原則に基づきまして数学として出てくるわけでございますが、そういう性質のものであるだけに、これはいわゆる国鉄の運賃とかたばこの値段というものとは、おのずからその性格を異にいたしておると思います。  なお戦時中におきましても、戦争災害に備えた海上保険の場合、国が再保険いたしておったことがございます。これは御承知のように予算外契約でやっておりましたが、その場合におきましても、末端の保険料率というものは事故率に基づいて算定されておりまして、これは国会の議決とかなんとかいう対象のものとは当時においても考えておらなかったし、今日においてもその事の性質上そうは思っておりません。また現に農業災害補償法、一番国と密接な関係にあります、国が巨額な金をつぎ込んでおります農業災害補償保険の特別会計、これも掛け金率をどうきめるかということは、今日、先生御承知のように、国会の議決事項ではございません。あるいは家畜共済にいたしましても、これが国が相当巨額な金をつぎ込んでおります。そういう再保険でやっておりますものをずっと並べてみましても、それはやはり保険というもの、共済というものの本質から見まして、いわゆる料金法定主義というものには実はなじまない、そういう性格のものだと私は思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 銀行局長に伺いますが、なぜ米麦や家畜が国のほうで料金の算定をしない、きめないか、これは農協という制度は共済制度であって利益を目的としない、そういうたてまえをとっておる。ですから保険会社のように利益を目的とするところと性格を異にしておるから、その議論が出てきておると私は思う。今回の強制保険は、営利を目的とする保険会社がやっておる。この強制保険をするスタートのときには、この強制保障は別個のものでやるというたてまえで進んできた。ところが大蔵省が、これは非常にたいへんなことだ、これは保険会社にやらしてもらいたいということで、非常な論争のあったいきさつをあなたは御存じでしょう。そういう強制保険というものは国がやるべき性質のものだ、この自動車保険は。それだけに被害者の立場に立てば、料率をやたら上げられるということは、現在日本全国で八百万、原動機つきを入れたらおそらくその倍になるでしょう。そういう数の大衆の足に保険をかける、その料率というものは国民生活に密接な関係がある、そういうものを一保険会社の料率算定——保険審議会といっても、実質的には保険会社の出身者が多い。また、大蔵省の保険局を出ていく人が将来みんな審議会の委員になるでしょう。そういう内輪の話でできた保険料率というものがほんとうの国民の立場に立ってものを決定しているかということになると、われわれ国民の立場から言えば、まことにふかしぎな料率算定をしておる。だからこういうものは国鉄の運賃と同じように、こういう委員会で審議をして、この料率算定は正しいかどらかという結論を出すことのほうがより公平であり、被害者保護の原則にかなっておる、私はこういうことを言っておる。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 先生のおっしゃること、よくわかるのでございます。要は料率が適正に定められるべきであるということだと思います。その場合に大蔵大臣がやはり認可する。いわゆる公益代表としての大蔵大臣が認可をいたしております。大蔵大臣が目を光らしておる。運輸大臣も非常に目を光らしておるわけであります。そういうことでございますので、これは決していいかげんなものじゃございませんのでどらか御了承いただきたいと思います。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 肥田次郎君。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 ただいままでのきょうの論議は、あとにまだ久保委員から資料を要求しておりますので、それに継続して出てくると思いますし、あと時間もあまりないようですから、私はきょうはこの法の運営についてお伺いをしておきたいと思います。  そこで、運営の質問をする前に、ちょうど銀行局長と自動車局長と二人おそろいですからお伺いしておきたいのは、本来この自動車保険というものが、現在施行されておることは間違いないのですが、どうして運輸省で扱わなければならないのか、このことについてひとつお二人からお答えをいただきたいと思います。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 自動車事故による被害者の救済というのが本法の目的でございまして、そういった意味で自動車に関する仕事をやっておる運輸省で扱っておるわけでございます。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 実はこの自動車損害賠償責任保険、つまり保険事業については御承知のように大蔵大臣が監督いたしております。したがって、いま自動車局長が申しましたように、自動車行政と申しますか、車両行政というものを運輸省が持っておられます。それにからんで保険が出てまいりますが、保険の面は大蔵大臣が持っております。そこで、これは大蔵大臣と運輸大臣の実は共管になっておるわけでございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 保険事業を大蔵大臣が管理するということはそのとおりだと思います。運輸省が車両管理とそれから運輸行政上のいわゆる交通事故、その中の人の死傷問題まで管理をする、こういうことになるわけですが、それは本来そういうやり方でこれからも十分やれるとお思いになっていますか、そこからひとつ聞かしてください。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 これは自動車による被害者でございますので、自動車の所有者に対する義務といいますか、この法律では保有者ということでやっておりますけれども、そういった関係で自動車を押えている運輸省が扱っておるということであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そうすると、その管理の責任を十分果たそうということになると、自動車局としては相当な体制というものがなくちゃいかぬのですが、それは現在どういう状態ですか。あなたのほうは保険事業に関することとあわせて管理するのでしょう。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 自動車保険に対する体制といいますか、この法律によって自動車使用者あるいは保有者は保険の義務を課せられ、保険契約を保険会社と結ぶ、そういったことでございまして、われわれは直接この保険契約そのものにはタッチいたしませんで、国家としては引き逃げとか無保険者に対する保障事業をこれにあわせて行なっておりますので、自動車局としては保障事業として体制を整えていくということであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そうすると、自動車局で分担をしておる保障問題についての人員配置といいますか、これはどういうふうにやっておられますか。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 定員といたしましては本省に百三十名、そのうち保障関係の仕事に三十五人、再保険関係で九十五人おります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 これはいつでも聞けることですからあとにしますが、この自動車保険事業に関しては大蔵省とそれから運輸省と共同管理をやっておられますね。いままでの問題はともかくとして、今度新たに原動機付のものまで強制加入をさすということについてのいわゆる法の精神としては、原動機付がたくさんふえておる、そうして原動機付の事故がたくさんある、だからこれも責任保険に入れなければいかぬ、こういう趣旨なんですが、そうすると、私が遠回しじゃなくてずばりお聞きしたいことは、そういうものの管理が十分できるかどうかということ、法の精神であるところの被害者に対する補償が十分できるかどうかということ、こういうことについて聞いておるわけです。ですから、あとでもう少し詳しく聞きたいと思いますが、その点について率直なところをあなたのほうで言ってもらえればいいわけです。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 最近原動機付自転車の性能が向上いたしまして、人身事故が相当多くなっておるということで強制保険の対象にしようというのが、今回の改正の趣旨でございますが、御承知のように、原動機付自転車は本来は自転車でありまして、それに原動機がついておるというものでありましたので、現段階においては道路運送車両法では車検も登録もいたしておりません。そういった関係で車両関係として十分把握している段階ではございませんが、被害者の救済ということに踏み切ったわけであります。したがいまして、これによって付保を強制し、できるだけ被害者の救済をはかるわけでございますが、なお無保険、引き逃げというような事態が考えられるわけでございます。こういったものについては、自動車と同じように保障事業で同じ内容をになう、そういうたてまえになるわけであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そこで、これは先ほどの久保委員のほうからの資料要求の中に入っておったかどうか、私も欠席しておった関係でよくわからぬところがあるのですが、新たに強制加入をさせようとする原動機付の事故ですね。これの内容というのはわかっているのですか。すでに発表されておったら、いいです。たとえば事故が幾らあった、そのうちの死者あるいは傷害というようなもの、そういうものは出ておりますか。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 原動機付自転車の死傷者数でございますが、三十九年度で申し上げますと、死者が二千六百八十二名、傷害が九万一千七百六十三名、合計九万四千四百四十五であります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そこで、私がきょう主として聞いておるのは、運営面での問題点を聞いておるわけですから、そういうことでお答えをいただきたいのですが、結局これの実際の扱いは主として警察と、それから直接手続をしている保険会社、監督をしているのは大蔵省、こういうことですね。そこで、実際に表立ってのこの問題の扱いの場所といえば、これは警察とそれ以外にどこがありますか。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 これは警察は直接にタッチしておりませんで、原動機付自転車につきましては、地方税の関係で市町村が関係しておりますので、この協力を得まして円満な遂行をはかりたいと思っておりますが、この法律の保護の向上のためには保険会社自身が努力していただく、そういう形になるわけであります。  それからその保険会社に対する監督は、先ほど銀行局長からお話がありましたように、大蔵大臣が行ない、強制措置そのものの問題、あるいはそれに伴う補償とか、そういった問題につきましては運輸省が行なうことになるわけであります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 いや、あなたの言っておられるのは、これの加入やその他のものを地方自治体にたよろうということなんでしょう。起こった交通事故その他の処理は警察がほとんどやっておるわけでしょう。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 交通事故そのものは警察の所管であります。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 加入の処理だとかそういうことはまたあらためて聞きますが、きょうお伺いしたいのは、もっと要点を詰めると、はたしてこれによって被害者が救済されるかどうかということを聞きたいのです。銀行局長のほうにこれはお答えをいただきたいのですが、いろいろな団体がありまして、この保険の請求だとか、それからまた賠償の相談といいますか、こういうものをやっていますが、そのうちに保険金なんかの詐取、それから賠償金までネコババをするというようなものもあるようですが、そんなものの管理監督は一体どこでこれをおやりになりますか、運輸省がやりますか、大蔵省がやりますか、どちらでおやりになりますか。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 保険金の詐取とかそういったような事例は実はあまり耳にしておりませんけれども、かりに先生のおっしゃるような事例がもし起こったといたしますと、これはむしろ刑事事件の問題でございまして、やはり司法当局ということになろうかと考えます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そうすると、この保険金を詐取するという団体があったりすると、警察が発見する以外には事務処理のほうではわからないということになりますか。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 その点は、支払い元は保険会社でございますから、保険会社としてやはり善良なる管理者の注意を怠ってはならぬ、これは申すまでもないことであります。十分善良なる管理者の注意をやっておって、しかもそれから先起こってくる、保険会社の手元を離れてからあと、それが関係者の間でどういう司法上の関係が起こってくるかは、保険会社としてはトレースしにくい問題かと思います。問題は、私どもとしては、保険会社がそういう保険金の支払いにあたって善良なる管理者の注意を怠っておったかどうか、ここは大蔵大臣として監督しなければならぬと思います。そこが十分守られておるということでございますと、それから先はどうも警察当局にお願いする以外にないのじゃないかという感じでございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そうすると、もっとわかりやすく言うと、書類上の形式さえ整ったものが出れば、その使途というものは、それから先のことは、これは銀行も保険会社もわからないだろうし、大蔵省もそこのところはわからない、あとは警察がうまくそれをつかまえて、そして詐取しておるような事態がわかれば明らかになるけれどもと、そういうことですか。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 ちょっといまの点、保険二課長からお答えしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

田辺博通大蔵事務官(銀行局保険部保険第二課長)

○田辺説明員 保険金詐取の事例は全然聞かないわけではございませんが、一つの態様は、事故がなかったにもかかわらず、お互いに人身事故があったということを証明し合いまして、そしてそれぞれが保険金を請求する、こういう型——型と申しますか、例があったように思います。その場合には、もちろん保険会社といたしましては、請求書類、それからそれにいろいろ付随して要求されます添付書類がございますが、その内容を審査すべきでございます。しかしその審査能力といいますか、また具体的に事故現場を見たわけではございませんので、そこは善良なる管理者の注意をもって審査をすべきでございますけれども、たまたま詐取されたといいますか、事故がないにもかかわらず支払ったという事例を、一件私は覚えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 その詐取の問題ですが、ここですからそうあけすけなものは言えないかもわかりませんが、実際あるとしたら、想像できる点はどういうふうに考えておられますか。というのは、車体保険の詐取というのは、これは強制保険じゃなく任意ですから、警察が来ようと来まいと、直接業者がお互いに気をつけ合えばいいことですね。これはちょうど火事と一緒です。火災保険に入っておって、そして巧妙に放火というか、巧妙に失火をして、そして保険金を取るというやり方もあります。車体保険のほうは任意ですから、いろんな形があるでしょう。ところが強制保険のほうでそういう事実が至るところで起きているのじゃないですか。

田辺博通大蔵事務官(銀行局保険部保険第二課長)

○田辺説明員 保険金を請求いたします場合に、人身事故でございますと、この自賠責でございますと、必ず警察署の事故証明書、それから医師の診断書であるとか、あるいは死亡事故でございますともちろん死体検案書あるいは死亡診断書、戸籍謄本、印鑑証明とか、そういったいろんな書類を要求しておりますが、そういった書類がきちっと整っております場合は、現場を確認しない限りはちょっと発見することは不可能ではないかと思います。こういう事例が非常に多いのではないかという御質問でございますが、私はそういうことがそう多いとは考えておりません。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 それは監督しておられるあなたのほうはそう言う以外にないでしょうが、これは議論になるから、これくらいでやめましょう。しかし、そういう保険金の詐取事件というものが相当ひんぱんに起こっているということだけは御存じでしょうね。ですから、片一方のほうでは、書類が整えばこれを拒否することは不可能だ、そうしたら、現実にその調査をしてやっているかというたら、そこまで手を尽くしていない。何かこう事件屋というたらおかしいけれども、その事務処理をやる専門の連中がおって、こういう連中がいろいろやっておるという事実は至るところで見られるわけですから。そうすると片一方では、書類上の手続というものが不備なために、何だかんだ言って保険のもらえないという、今度は反対現象が出てきますね。こういう点はどういう範囲だというふうにお考えになっておりますか。

田辺博通大蔵事務官(銀行局保険部保険第二課長)

○田辺説明員 被害者保護のためにも、自賠責保険金の支払いを迅速にするということを私ども念願にしております。したがいまして、その提出書類が、いま申し上げましたのはごく一部でございますが、いろいろ要求されておる。これを簡素化する道はないかということは、一つの課題として研究しておるのでありますが、一方においてそういった不正を防ぐというために、どうしても必要であるというものもございますので、それは猜疑心を持って、一件一件くまなく厳密に審査をいたしますと、どうしてもふえる。非常にそこは、何といいますか、苦しいところでございますけれども、一方においてそういった事故をつかまえるということと、請求者の申請をよく確認するということは、結局は人間の常識といいますか、そういうことで処理されていくのが望ましいのではないかと考えております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 扱い上においていろいろ改良の余地があるということは考えておられるわけですね。

田辺博通大蔵事務官(銀行局保険部保険第二課長)

○田辺説明員 検討いたしております。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 そこで、これもひとつ銀行局長の保険問題についての御高見をお聞きしたいのですが、結局この保険というものはあくまで箇囲が限定されておるものであって、特に交通事故のような場合には、片一方で強制保険で最低の補償をするもの以外に、今度は民事によるところの賠償という問題がありますね。そうすると、この強制保険による保険金というものは最低のものであって、その上に必ず上積みして解決するということになっておる。こういうやり方、いわゆる併用したやり方ですね。このやり方については、あなたはどういうふうにお考えなんでしょうか。いわゆる交通事故を処理するという立場、それから実際にこういう問題を円滑に被害者の立場から考えて、これをもっといい方向へ前向きで進めるというような点について、その手段について、このたびはただ単に原動機付が追加され、それから額が引き上げられた、こういうことなんですが、根本的な問題は残っておるように思うのです。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 確かにその御指摘の点はまことにごもっともな問題点だと思います。これは御承知のように、やはりもともと支払い能力のある者であれば、これはいいわけです。しかし、事故を起こす人は必ずしも支払い能力があるとは限りません。そこでやはりそういう支払い能力のない、あるいは足りない人が事故を起こした場合、これが被害者のためにきちっと一定額の賠償金が払われるということが、やはり自賠責制度の一番大きなねらいかと思います。そういう意味において自賠責保険における問題は、支払い金額の水準をどう考えるかという問題になってくると思います。そういう意味で現在では、先生御承知のように、実は先般まで百万円でございます。そうすると、やはり百万円じゃ足りない。一方において、それじゃ任意保険にかかっておいて、そこから五十万円なら五十万円、合わせて百五十万円払って解決するという事例もおっしゃるようにあるわけでありますが、その点は一つの見方としては、いまの自賠責の金額限度が低過ぎるのだ、これをもっと引き上げれば任意保険の必要がなくなってきて、自賠責一本で片づくのではないか、こういう考え方も私確かにあると思います。ですから、おそらくは自賠責制度というものを一番理想的に持って、いくということになれば、そういう意味で、いわゆる賠償金額というものを実際の民事上の処理金額に合わしたととろまで持っていけるというのが、私も一番望ましいかと思います。ただこれは先生御承知のように、だんだん人命というものは年を追って高くなってまいります。人命が高くなってまいりますと、これに対する支払いを引き上げてまいりますからには、やはりそれだけ保険料も上げぬとカバーできないという問題も実はございます。そこは、やはり保険料負担と支払い保険金額とのいわばかね合いの問題になってこようかと思います。したがって、確かにわれわれとしましては、先生御指摘のようないまの二本立ての制度は、必ずしも好ましいものとは思われません。むしろ一本化すべきものであろうという感じがいたしますけれども、いま申し上げたような保険料負担のようなことも考えますと、一方においてそれが強制されておるということも考えますと、そこのかね合いは慎重に見きわめながらまいらなければならぬ、かように実は思っておるわけでございます。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 アメリカあたりでは、交通事故を処理する場合は、非常に高額の補償を責任づけられるというのでなしに、補償金をとられる。結局へたに事故を起こすと、それで一生を棒に振ってしまう。これは一つの方法だと思うのです。しかし日本のような場合には、そういうことは不可能だと思うのです。実際に取り立てようにも生活水準、所得水準が低いですから、不可能なことがたくさんある。そうすると一つの方法としては、その補償については国は責任を持つ。したがって、保険金は高くなりますね、国が補償するのですから。そして、すべては国がこの問題を処理するというやり方、補償の場合も取り立ての場合も、これの処理は、現在やっているのをもう少し強くした、そういう形のものに一本にしぼってしまう、そういうことになれば、今日の複雑さというものがはるかに減少するんじゃないかと思うのです。今日の交通事故に対するあと始末の複雑さというものが、きわめていろいろな問題を生んできていると私は思うのです。たとえば、先般大阪府からこういうものを送ってきました。「交通事故被害者のために」というもので、これには示談の方法、それから示談と和解というものの調書のつくり方、それと調停——いわゆる民訴にして調停をしてもらう、それから裁判のやり方とか仮処分の申請方法、賠償金というものは一体どれくらいとれるのか、そして最後に、ちょっぴり自賠責任の問題に触れておる。そうすると、これを見ると、自動車事故というものは、実は国からくれるというのは、これはほんとうは横に別なワクがあって、交通事故を起こした加害者から取り立てるというたてまえのような、そういうパンフレットになっている。これが誤りだと言うのじゃないですよ。こういうふうにしなければ交通事故が処理できないということになると、よほど今日の保険制度というものの内容を考えないと、これはたいへんなロスになるのですね。これは本質問題ですから、両局長にお伺いをしたいと思うのです。こういう複雑なものを府警本部から出して、そしてこれが交通事故が起きた場合の手引きだとういものを出さなければいけない。  それから、これも具体的な例で一つ申し上げておきたいのですが、実は交通事故を起こして、そしてそのために自殺をした奥さんがある。これを警察で調べたところ、結局、この自殺した奥さんは自分の友だちと、車を借りてドライブに行った。そうして名神高速道路で車がエンコしたものだから、それを修繕しておったところが、うしろから来たトラックがそれにぶち当たって重傷を負った。その治療の金をどうしても相手のトラックのほうが十分に出してくれない。これはいま言ったように、保険金の問題じゃないのですね。保険金の賠償の問題もあるけれども、それ以前に、治療その他の問題の処理が明確でないから、そのためにその支払いに困って、その人は自殺をしておる。名前は甲野京子という人なんですが、自殺をしておる。こういう問題が起こっても、実際に相手に対して何の制裁も加えられない。制裁というのか、監督上の強制事項はない、こういうことになる。ですから、要は、もっと交通事故が起こらないようにすることも大切であるけれども、それと同時に、交通事故が起こった場合の処理という問題が、もう少し簡易にできるような方法というものが講ぜられておったならば、私はむだが省けて、こうした事故が起こったあとの問題というものがはるかに減少してくるのではないかと思う。自動車局のほうのいわゆる交通事故の相談センターがことしは没になった、こういわれておる。あのやり方そのものがいいとは言わないけれども、少なくとも、交通事故が起こった場合にこれがもっと適確に処理できるような、そういう機関というものが必要じゃないか、こう思うのです。これはたまたま自動車局ではその準備もされておった。それが没になったという関係もあったので、お考えがあるようですからお聞きしておきたいと思います。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 交通事故に対しましては加害者が被害者に対して民事上の賠償責任を負うわけでございますが、その場合に加害者が賠償能力がなかったり、あるいは能力が足りないという場合に非常に被害者の保護に欠けるので、現在自賠法によりまして強制保険に付して、その保険金額でその賠償能力を担保する、そういうたてまえになっております。無保険者なりあるいはひき逃げといいったようなものにつきましては、国の保障事業で保険と同じ額を補う、そういったような仕組みになっております。したがいまして、根本的には加害者の民事責任あるいは刑事責任において処理されるべきものを、国の制度としてはそれを賠償能力を確保することの手段から、強制保険の制度を設けておるわけであります。ただいまお話にありましたように、そういった場合の事後処理の問題として、あるいは示談屋がはびこったり、紛争が起こったりする事例が非常に多いように聞いておりますが、こういった意味合いから事後処理の問題としてもっと公的な機関というものが社会的に望ましい。われわれとしてはそういった被害者の保護のための公的な機関を、関係方面ともいろいろと相談して計画しておったわけです。そういったものについて、いまいろいろとあることはあるのでございますが、もっとしっかりしたものを設けてほしいという要望がありますので、そういう要望には十分こたえていきたい、さように思っておるわけでございます。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 ただいま自動車局長がお答え申し上げましたとおりだと私も思います。ただ、若干補足さしていただきますと、先ほどたしか先生のお尋ねの中で、そういういわゆる国が保障している部分、これはもう国がむしろ直接補償しろ。現在補償制度はございますけれども、これは、その財源はどこから出ているかといえば、加入者から保険料を納めてもらうときに賦課金としていただいて、それで払っている。それをむしろ切り離して国の税金でやったらいいんじゃないかということかと思ったのでございますが……。(肥田委員「そうでないのです。」と呼ぶ)そうでございませんですか。つまり、その点は従来……。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 ちょっと補足しますが、私が言っておるのはこういうことなんです。この補償の財政的な負担を全部国の税金の中から補えというのじゃない。とにかく、自動車を持っておるということが国の産業に寄与しておるということは認めるけれども、しかし事故を起こすという問題とは別問題であるから、したがって加入の保険金は高くなるだろう、これは共済制度ですからしかたがない。しかしあとの処理の問題としては、国が補償するというたてまえの上に立って、その保険金の中からと、それから加入者から取り立てる、その手段まで国がおやりなさい、こういう方法が考えられないか。そうすると事故処理というものが一本化して、いわゆる保険というものはほんの一部分であって、あとは相手が損害賠償という手段によって得るものがすべてだというふうな、こういう繁雑が省けるじゃないか、だからそういう方向に持っていけないか、こういうことを銀行局長に、保険行政上の立場と両方の面から考えて、あなたに考えていただけないか、こういうことです。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 どうも失礼いたしました。その点でございますと、さっき自動車局長が申し上げましたように、これは結局、自動車事故というのは民事上の問題でございます。その民事も実は無数の事件がある。これを国が責任を持ってすっかり最後まで見届けるということになると、非常にたいへんなことになりますし、やはり当事者間の話し合いでもって、ここは幾らにしておこう、ここまでくれば満足だといったような話し合いがむしろ中心になるわけでございましょう。先般も、たしか警察庁の交通局長が参って申しておりましたけれども、つまり、警察もあまりそこに深入りし過ぎると弁護士の仕事にぶつかるということもあって、今日の警察は民事不介入という原則を基本にいたしております。そういうことから申して、ただいまおっしゃられますような形は、非常にとりにくいのじゃないかと思います。ですから問題は、事が起こりましたときのそういう損害賠償金の支払い財源、これを、要するに保険でもってカバーしていく。つまり事故が起こったときに支払える、不時のそういう支払いに備えて用意するというのは、これはまさに保険の制度でございますから、そういった意味でやはり自動車責任保険というものにかかって、そして保険として払っていくというのが、やはり一番合理的な形だと思います。これは先生御承知のように、世界各国、先進諸国におきましてみんなこういう形がとられて、ヨーロッパなんかごらんになりますと、再保険を国がやっているところはどこもありません。全部民営保険の段階だけでやっておる、それぐらいのことでございますので、国がとことんまで入りますのは、個人間のそういう民事問題に国が入って、かえっていろいろやっかいな問題が起こるおそれもございますので、その点はやはりむずかしいかと思います。

肥田次郎日本社会党

○肥田委員 これでやめますが、確かにそういう意見もあると思うのです。ただ、私はこの際、日本の国柄という立場でものを言っておる。アメリカや西欧諸国の場合と同一でなければならぬと考えていないし、それよりいいものがあったっていいという考えを持っていますがね。ですから、少なくとも現在のような、いわゆる強制保険に加入して、国が補償するという最低限の上に上積みしたものが問題の解決点であるというふうなものの考え方は、いよいよこれはこういう交通事故の処理を困難なものにするだろう、こういうたてまえで私は言っておることなんです。だから、もしこれの比重というものが、いま私が言ったような極端なものでなくても、この比重がもっと変わってくれば、この範囲のものは加害者が負担をしなければならないぞ、こういうものが示されれば、はるかに解決はしやすくなる。こういうものの処理のしかたというものは、これはきわめて困難だと思うのです。しかし、少なくともこの交通事故というような、防げば防ぎ得るような性質の問題を最小限押えるという立場になれば、比重を変えていって、逐次交通事故が減少するような、また交通事故が起きた場合に、加害者と被害者の紛争をすみやかに処理ができる、こういう方法をやらなければ、問題解決というのは、幾ら保険をつくってみても、年々ベースアップと同じように、物価上昇と同じように、保険額を引き上げていく、保険料も引き上げていく、こういうことにならなければならぬことになるわけです。そういう点の改良というものが考えられなければならぬ。  それからもう一つは、自動車局長、私は自動車事故の相談センター、これはあのままでいいとは思いませんけれども、少なくともここに大阪本部から出しておるような、しかも協議をした団体というのは大阪地方裁判所、簡易裁判所、それから弁護士会、日本損害保険協会、あるいは警察本部、それから自家用自動車連合協会、交通安全協会、こういうたくさんの名前でいろいろ協議をして出された、そしてこういうものしかできないのです。こういうものがたくさんあります。最後には、いずれかの手段を選ばなければ交通事故というものは解決をしない、こういうものですから、こういうものがもっと権威ある機関で指導できるようなものができるということは、これは望ましいことだと私は思う。こういう点について、ひとつ考え方を聞いておきたいと思います。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 自動車事故被害は非常に多く起こっておりますので、法律上むだなこともありましたし、あるいは手続がいろいろ繁瑣なために、そこに示談屋というものがばっこしまして、被害者の完全な救済が行なわれないというような事態も起こっておりますので、運輸省といたしましても、そういった被害者のためにむろんPRはしておりますけれども、さらに積極的な方向で相談機関といいますか、そういったものを関係の方面と連絡をとって推進していきたい、かように思っております。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 次会は来たる十九日火曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時十八分散会

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