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51回国会衆議院1966/03/30

運輸委員会 第21号

発言数
56
登壇者
9
会派数
2
開催日
1966/03/30

会議録

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 これより会議を開きます。  自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。田邉國男君。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 前回の委員会におきまして、運輸省と大蔵省に自動車損害賠償保障法の一部改正につきまして、関係資料の提出を求めておりますが、本日の委員会にその資料が出ております。つきましては、まずこの資料の説明をしていただきたい、かように考えます。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 再保険課長から御説明申し上げさせます。

池辺仁太郎運輸事務官(自動車局再保険課長)

○池辺説明員 資料について御説明申し上げます。  資料の「その一」をごらんいただきたいと思います。  一ページの「年度別車種別付保率の推移」でございますが、これはまず各年度の末現在の総自動車両数を算出いたしまして、その中から適用除外車両数と自家保障車の車両数を除外いたしまして、残りの保険に加入を要する車両数を算出いたしました。次に保険契約車両数を各年度ごとに算出いたしまして、これは私どものほうでやっております再保険関係の契約通知明細書に基づきまして契約車両数を調べまして、その契約車両数を全体の車両数で除したものでございます。これで見ますと、かりに昭和三十九年度を見ますと、この年度におきます付保率は八八・九%という数字となっております。  ちなみに三十九年度の車両数を申し上げますと、全部で総車両数が六百九十八万四千八百六十四万両、これに対しまして、この中から適用除外をいたしました車両数が二十三万四千六百一両、したがいまして、保険の対象となります車両数が六百七十五万二百六十三両でございます。  これに対しまして保険契約をいたしております車両数が六百万三千九百両、したがいまして、加入率が八八・九%となったわけでございます。これが一ページでございます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 車両数はどこに入っておるのですか。

池辺仁太郎運輸事務官(自動車局再保険課長)

○池辺説明員 これは付保率のみを計上いたしました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 あなたはこの資料を見てしゃべっているのか。

池辺仁太郎運輸事務官(自動車局再保険課長)

○池辺説明員 この資料の一ページにつきまして御説明しております。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 自動車の数はどこに書いてあるのか。

池辺仁太郎運輸事務官(自動車局再保険課長)

○池辺説明員 自動車の実数はここに書いてございません。ただ付保率のみを計上いたしました。  その次に二ページをごらんいただきたいと思います。2は、「三十九年度都道府県別車種別付保率」でございます。これは一ページの資料と関連いたしますが、その中の三十九年度の分につきまして、都道府県別に車種別ごとに算出調査いたしまして、計上いたしました。  これによりますと、大体車検を要します車両につきましては、ごらんのとおり、おおむね九九%以上の付保率を示しておりますが、軽につきましては、ごらんのとおり七二・九%、一番最下段の数字でございますが、このような付保率を示しております。四十年度の付保率につきまして調査いたしましたが、これはまだ現在年度途中でございますので、最近年度といたしまして三十九年度の分を計上いたしました。  次に、三ページをごらんいただきたいと思います。三ページは、三十九年度の営業用乗用自動車の保険料区分地域別付保率でございます。これはやはり前ページにございました中のいわゆる営業用乗用車の部分につきまして抽出いたしまして、これを都道府県ごとに分けまして、さらにこの(注)の欄にABCDEの説明がございますが、これごとに、保険料区分地域別ごとに付保率を調査いたしまして計上いたしました。  次に四ページをごらんいただきたいと思います。四ページは都道府県別の自賠責代理店数及び同従事職員数でございます。  次に、五ページをごらんいただきたいと思います。五ページは、事故発生率及び損害率の推移でございます。これは昭和三十一年から昭和三十七年までの分につきまして計上いたしました。三十八年度以降の分につきましては、いまだ最終的に損害率並びに事故発生率が確定しておりませんので、おおむね九五%確定いたしております昭和三十七年度までの分につきまして計上いたしました。この事故発生率と申しますのは、当該契約年度に支払われました保険金支払い件数を保険の契約件数で除したものでございます。昭和三十七年度分につきまして見ますると、死亡につきましては平均〇・二、傷害につきましては平均二・二、合計二・四というパーセンテージを示しております。  次に、六ページをごらんいただきたいと思います。これは各年度別の車種別ごとの損害率の推移でございまして、事業開始以来、すなわち昭和三十一年度から三十七年度までの分を計上いたしました。この調査につきましては先ほど来の資料と同様に、私どものほうで扱っております保険契約の通知明細書あるいは保険契約の変更通知明細書等に基づきまして確認いたしました。また保険の損失金につきましても、同様の方法で、各通知明細書ごとに調査いたしまして確認をいたしました。この六ページの表の中でごらんいただきます中に、昭和三十六年度分につきまして、その大体中央部あたりに農耕作業用軽自動車の欄がございます。これが四〇九・五という非常に高い損害率を示しておりますが、これは支払った保険金は十四万九千七百六十円、これに対します保険の純財源は三万六千五百七十一円という数字でございまして、件数といたしましては重傷二件があったのでございますが、率といたしましてはこのように高い率となってあらわれたわけでございます。  次に七ページをごらんいただきたいと思います。三十七年度契約事故発生率及び損害率の表でございます。まずこの一枚目は、この中の、三十七年度契約分の都道府県別車種別事故発生率でございます。これは五ページにございました事故発生率及び損害率の推移の表と同様の方法で調査いたしまして集計いたしました明細でございます。  それから、次に八ページでございます。八ページは三十七年度契約都道府県別車種別損害率でございます。これまた六ページにございました損害率の中の細目でございます。一番下の合計の欄にございます。パーセンテージは、これは単純な平均ではございません。それぞれの加重平均をしたものでございます。  それから九ページにまいります。九ページは三十七年度契約営業用乗用自動車の保険料区分地域別事故発生率及び損害率でございます。これはやはりそれぞれ七ページ、八ページに掲げております表の中のいわゆるタクシーの部分、営業用乗用自動車の部分でございます。  以上で説明を終わります。

上林英男大蔵事務官(銀行局保険部長)

○上林政府委員 それでは資料のその二のほうにつきまして、大蔵省といたしまして御説明をきせていただきます。  一ページでございますが、八番と書いてございます、現行車種別純保険料の算出基礎資料、これは三十九年二月に改定をいたしましたものでございますけれども、この最初の保険金額引き上げによる純保険料、これは三十五年度契約に基づきまする事故実績を計算の基礎といたしまして、具体的には次のページにいろいろ算出式が書いてございますが、一つには過去の事故率を再検討いたしましたこと、同時に、それまでは死亡五十万円でございました保険金額を百万円に増加し、あるいは傷害の場合でございますと、重傷十万円、軽傷三万円でございましたのを三十万円に引き上げるとか、あるいは傷害の場合の補償費等の査定基準を上げるというようなことを加味いたしまして、あらためて保険金引き上げ等による純保険料を算出いたしました。それが一番左の欄に書いてある数字でございます。  さらにその次の欄は、この自賠責保険は発足当時は赤字がございましたので、その赤字を——もっとも車種によって赤字、黒字がございました。それを実績に応じまして調整をすることといたしたわけでございます。五年間にわたってその赤字を償却するというような計算をいたしました数字で、マイナスが立っておりますのはむしろ減らすということでございます。そういう調整をいたしまして、小計のところが純保険料でございます。それにひき逃げ無保険者のための財源といたしまして万分の二二五というものをプラスいたしますので、一番右の欄にございますように九七・七五分の一〇〇で割り返す、これが純保険料になるわけでございます。したがいまして、営業保険料につきましては、たとえば乗合自動車で申しますと純保険料が二万九千五百七十円でございますが、三ページの社費の一覧表のところに、乗合自動車が千七十円とございますので、それを加え、さらに四ページをめくっていただきますと、代理店手数料の乗合自動車百三十円というのがございますから一この三つを合わせますと、乗合自動車の営業保険料は三万七百七十円ということになるわけでございます。  次のこまかい算式につきましては、ごたごたしておりますので省略させていただきます。  その次に、九の車種別付加保険料でございますが、これは現行の社費は、ここに書いてございますように三十七年八月に改定されたものでございまして、その計算方法が次に書いてあるわけでございます。すなわち、三十五年四月から三十六年三月までの三十五年度におきまする社費総額は十四億二千七百万円でございますが、これを、人件費につきましては公務員給与並みの変更を行なったわけでございます。その他につきましては、ここに書いてございますようないろいろの物価指数等によりまして修正をいたしまして十三億六千五百万円というふうに算定をいたしました。  それで、社費のうち新契約費につきましては、全車種一律に、維持費につきましては純保険料割合、純保険料が多いことは事故率が多いということで、算定その他に手数がかかるわけでございますので、そういう割合で案分をいたしまして、ここに書いてございますような各車種に配分をいたしたわけでございます。  その次に、代理店手数料でございますが、四ページでごらんいただきますと、代理店の実態調査の結果に基づきまして人件費、物件費につき、社費の修正計算の方法に準じて算出いたしました。その結果は、ここにありますように百二円三十銭という数字でございますけれども、農耕用小型トラクターにつきましては非常に事故率も小さいということで、これにつきましては従来のままに据え置きましたが、百五円に満たないものは百五円ということに引き上げた、そのほかのものは据え置くことにいたしたわけでございます。その後三十九年二月に百五円という五円の修正を行ないまして、いろいろのことを勘案しながら百十円と百円に改定をした、こういう数字でございます。  それからその次の表は、収入純保険料と支払保険金の収支実績を年度別に計上してございます。注にございますように、支払保険金には未払保険金を含んでおります。各年度別にできておるわけでございます。たとえば昭和三十年度におきましては、トータルといたしましては三億三千万円の赤であったわけでございます。これがずっと各年度別に出ておりますが、年度を通じての表が九ページにあるわけでございます。これは書き落としておりますが、四十年三月三十一日現在の実績でございます。  御存じと思いますが、自動車保険の支払いにつきましては、これは各契約をいたしました年度別の契約に基づく収支実績でございまして、年度に基づきまして契約をいたしましたものを払ってまいりますときに、たとえば四十年度に契約をいたしましたその契約についての担保します事故の期間と申しますのは、たとえば一番最後に契約をいたしましたのが、四十一年の三月に契約をしたものは担保期間は四十二年の三月まであるわけでございます。その期間に事故が起こったものが、さらにその後請求があり、あるいは場合によっては延引をいたしておりますと、支払い期間はさらにおくれる、こういうような特質を持っておりますので、その契約をいたしました保険金を支払うのが、一番長いのは五年間にわたって支払われるという実績がございます。そういうようなことで、三十七年度の契約のものは四十年三月三十一日末の実績でございますので、三カ年に支払われました実績でございます。もっとも、三カ年間には約九五%程度支払われるということになっております。したがいまして、そういうようなことで、先ほど運輸省からも御説明がありましたように、三十八、三十九年度につきましては、まだ完全な収支の実績が判明いたしておらないわけでございます。これをごらんいただきますと、発足当初は三十五年まではずっと赤字でありました。この間の赤字が五十九億にのぼるのであります。三十六年、三十七年ころからだんだん……(田邉委員「いま赤字が幾らと言ったが、三十七年まで幾らになるのですか」と呼ぶ)三十五年までの累積額が五十九億であります。  それから次へまいりまして、これは年度別の車種別付加保険料収入の実績でございます。先ほど御説明をいたしましたような付加保険料を、おのおのの車種別の契約件数に乗じましたものでございます。それがずっと年度別に計上されておるわけでございます。一番最後の一五ページをごらんいただきますと、いまのしりが、要するに収入付加保険料として年度別にずっと書いてございます。それに対します支払事業費が右の欄に書いてあるわけでございます。これはごらんのように当初は若干の黒字が出ておりますが、三十三年度以降は、先ほど御説明いたしましたように、人件費につきましては公務員ベース並みに査定をいたしておりますような関係もありまして、実質的には赤字が立っておるという状況でございます。  それから、次の十二番の査定事務所の従業員数でございますけれども、四十一年三月二十五日現在におきます査定事務所の従業員数は四百六十三名でございます。うち男が三百七十三名、女子が九十名、そのうち二百五十九名が過去に保険会社に勤務していた者でございます。この査定事務は相当の経験が要することでもございますので、当初損保会社から——もちろん損保会社をやめましてこの査定事務所に行ったものが多かったわけでございます。  その次の十三番は、具体的に査定事務に当たっております自動車保険率算定会におきます査定経費の三十九年度収支でございます。人件費、物件費、本部、査定事務所に分けて計上してありますが、若干の赤字が立っておりますのは主として人件費でございまして、事故の件数が多くなりましたので、人員増加をいたしました関係上、当初の予算を若干超過しております。これは御存じのように、算定会の経費は各損害保険会社から会費として支出することになっております。この赤字は四十年度で調整をする、こういうことになっておるわけでございます。  以上、御説明申し上げました。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 いま大蔵省の説明を伺いましたが、この資料の九ページの、年度別収入純保険料と支払保険金の収支実績、これを見ますと、三十五年までに累積赤字は五十九億だ。そしてこの保険契約というものは、契約をしてから支払いまでに約四年間かかる。だから三十七年以降は出ないのだ、こういうお話なんですが、契約年度でこれを表現するからそういうことなんですが、私が資料をお願いしておる筋というものは、これを一年一年区切って、その期に掛けた保険料と支払った保険金額、こういうものははっきり年度別に私は出せると思います。それは銀行局のほうで、皆さんのお手元に資料もあると思いますが、三十八年、三十九年、四十年、これをひとつ説明していただきたいと思います。

上林英男大蔵事務官(銀行局保険部長)

○上林政府委員 いま田邉先生が御質問なさいましたのは、ただその年度に保険料収入が入り、その年度に保険金が支払われた、こういういわゆるリトンベースの数字であろうかと思います。それはもちろんございます。ただ、これは保険実績を判定するにつきまして意味がないと申しますか一と申しますのは自動車の台数がどんどんふえて、保険契約がふえておりますので、その年度に入った収入は必ずしもその年度の保険金に見合っておりませんわけでございます。必ずそういう保険契約がふえておりますときには黒字が出るのはあたりまえのことでございます。したがって、保険成績をはっきりいたします意味の収支実績と申しますのは、その年度に契約した収入保険料に対し、それをカバーした支払い保険金が幾ら出たか、こういうのがほんとうの収支実績をあらわすものでございまして、それがここに出ました年度別の収支実績というわけでございます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 銀行局長に伺いますが、大蔵省はそういう統計の出し方をして、四年後でなければ精算ができない。私のほうの見方は、毎年毎年の収支計算、すなわち保険料と払った保険金額というものの毎年の差を見ていけば、これは必ずわかることなんです。ですから、私の要求していることはそういうことであって、いま保険部長は、四年たたなければわからないのだから、一年だけの収支をとってもそれは実績にはならないのだ、こういう説明をされております。これも私は一つの重要な説明の資料だと思う。しかしそれでは、契約年度ではどうしてもわからない。だから私の資料要求は、純粋に年度別に純保険料と支払い保険金がどうなっておるか、それを教えていただきたい、こういうことなんです。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 いまおっしゃった点よくわかります。すぐ数字を申し上げるようにいたしたいと思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 私の調査によりますど、これは運輸省からも出ておりますけれども、現在の収支というものは相当の黒字を出しておると私は思う。ところが、きょうの資料は非常に赤字であるということを強調した資料だけが出ておるわけです。その点について私は非常に不満である。と申しますのは、去る三十九年の二月ですか、改定をいたしまして、保険料が引き上げられた。最近では、大体保険料の七七%くらいで保険金が支払われている。ですから銀行局は以前から、われわれとの話し合いの過程においては、もう口を開けばノーロス・ノーペイ、そうなんだ、こういって、被害者保護の立場から損保は非常に誠心誠意やっておるのだ、こういう話をきれておるのですが、私の見るところでは、これだけで相当の黒字が出ておるはずだ。だから、それをこの委員会に謙虚に、すなおに実態を出していただきたい。きょうのこの契約年度の表では、累積赤字が、三十五年までには五十九億あって、そして三十七年においてもまだ三十六億の赤字だと、収支の残に出ております。しかし、その後、三十九年の二月から保険料が引き上げられてから、私は相当の黒字になっておると思う。私どもは運輸省に強く要請して、今回も保険料の引き下げということよりも、むしろ保険金額の引き上げをすべきである。そして百五十万の保険金額にすべきだということで今回そういう方向に、この法案が通ればやるということになっておるわけであります。それから考えても、非常に赤字が出ておるのだという一面の統計の数字だけを出して、そして委員会で、かくのごとく赤字でございますというような、われわれに錯覚を起こさせるような資料が出るようなことは遺憾であります。私は、最近の、現実に百五十万に保険金額を引き上げるというその裏には、七七%の保険料で保険金額は支払えるんだという現実をつかんで、百五十万円に保険金額を引き上げたという現実を考えて、その点を銀行局長からもう少し誠意ある返事をしていただきたい。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 どうも、たいへんおしかりを受けまして恐縮でございます。これはこれで、いま保険部長から申し上げましたように、つまり保険料率引き上げ前の姿でございますので、現実に赤字であったことは間違いない。この赤字であるがゆえに三十九年の二月、いま先生御指摘のように保険料の引き上げが実は行なわれたわけでございます。その後はどうか。これは、その数字が出ておらぬのは、はなはだ申しわけないわけでございます。これは公表して少しも差しつかえないものでございますから、いつでも申し上げますが、ただこの点、年々の収入支出のバランスだけをごらんになりましても、ほんとうの意味の保険の実態を必ずしもあらわきないという保険部長の説明は、一応御了承いただきたいと思います。保険というものはそういうものでございますので、そういうことを頭においていただきまして——料率引き上げ後において、確かに黒字は出ておりました。出ておったからこそ、この際保険金額の引き上げもやれる。ただこれは、じゃどうしてそんなずさんなことをやっておったのかということかと思うのでございます。要するに、引き上げ過ぎたんじゃないかということかと思います。ただこれは、御承知のように、まだわが国の自動車損害事故の統計が、必ずしもそういう長期観測のデータが十分ない。そこにやはり問題があろうと思います。欧米諸国のように相当長期にわたってこういう統計が立っておりますと、長期バランスに基づく事故率計算もかなり正確に出る。ですから、ある程度、日本の場合にはまだトライアル・アンド・エラーといいますか、遠弾を打って、次に近弾を打って、その次に命中するというようなことをやらざるを得ない。したがって、実績を常にトレースしながら、もし余裕があればすぐに調整する、料率の引き下げを行なうなり、あるいは保険金の金額を上げるなりやっていかなければならないし、逆にいえば、もし上げ方が足りない場合はまた調整して上げていかなければならぬ、そういう意味では実は未熟でございますので、その点は御了承いただきたいと思います。  そこで、いまの数字の点は、保険部長から御説明いたきせます。

上林英男大蔵事務官(銀行局保険部長)

○上林政府委員 ちょっとおしかりを受けましたのでお断わり申しますが、この収支実績は、運輸省の先ほどの事故率と統計を一にいたすようなつもりで、同じ考え方で実はつくったわけでございます。運輸省から出ておりましたのは率で出ておりますが、こちらは金額の実績で出ております。そこで、先ほど申し上げましたような事情から、三十八、三十九年につきましては、事故が全部出切っておりませんので、完全な事故率があらわれておらないということで、実は平氏を合わせましたためにこういうかっこうになったわけでございます。したがいまして、三十八、三十九年度契約につきましても、四十年三月三十一日現在において幾ら支払われたかという数字はございます。  その数字をここで申し上げますと二二十八年におきましては、収支残のところだけ申し上げますと、五十七億ほど黒になっております。また、三十九年度においては百四十八億ほど。九ページのところの収支残のところに書き加えていただけばいいと思います。三十八年度はプラス五十七億でございます。それから、三十九年度は百四十八億でございます。したがいまして、ずっと当初から集計をいたしますと、この合計額が三百三十六億になっておりまして、逆に百六十九億の黒になっております。ただし、先ほど申しましたように、三十八、三十九年度は、この支払い保険金額は、四十年三月三十一日までに支払われた、あるいは未払いということが確定いたしましたものだけを計上いたしておりますので、なおその後に支払い保険金という金額が加わるべきものでございますので、いまの黒がそのまま黒になるとは限らないのでございますが、それにいたしましても、先ほどから田邉先生がおっしゃっておられますように、私どものいろいろな推算の結果では、現行の保険料率では事故率が大体七七%くらいであろうということでございますので、これの処理をどうするかということにつきましては、運輸省とも御相談をいたし、保険審議会にもおはかりいたしまして、保険料は据え置くまま保険金額を現在の百万から百五十万に上げる、この法案の御審議をいただきました後お通しいただければ、そういうことをいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 いま保険部長のお話しのように、三十八年と三十九年で五十七億と百四十八億の利益が出る。そして三十年から先の累積赤字等を相殺すると、百六十九億の黒字が出ておる。私は、こういうものをすなおに出していただきたい。この統計資料は、非常に赤字の資料だけを出すというのはおかしいじゃないか。だから、そういうものをやはりすなおに出していただきたい。  そこでもう一つ、これに関連をいたしましてお尋ねをいたしますが、保険料算定にあたっては運用収益を見込んでいるかどうか、この点を銀行局長に伺いたい。

上林英男大蔵事務官(銀行局保険部長)

○上林政府委員 自動車保険の一年契約以下のものにつきましては、これは世界的にもそういう短期保険については金利の概念を導入して保険料を計算いたしておりません。したがいまして、この自賠責につきましても、金利の概念を導入しておらないわけでございます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 それでは、毎年度ごとの運用収益というものは幾らであるか。また、その処分はどういうふうにしておるのか、その点を説明していただきたい。

上林英男大蔵事務官(銀行局保険部長)

○上林政府委員 確かに御議論のような点はあるわけでございます。ただ、先ほども申しましたように、この自賠責保険につきましては、金利の概念は導入いたしておりませんが、したがって、そういうものを加味し、きちんと経理をすべきではないかという議論があることもよく承知をいたしております。ただ、先ほどから申し上げておりますように、この保険のたとえば社費などの計算におきましては、人件費等につきましても公務員ベースに査定をし直して計算をし、非常に付加保険料を圧縮いたしております。たとえば普通の民営の自動車保険でございますと、三七%が付加保険料でございますが、自賠責保険では、現在の料率に対する付加保険料の比率は五・六%、六%ぐらいだったと思います。その程度に圧縮もいたしております。そういうことでございまするし、これを保険会社で行ないまするときに、手数料も払っておらないということでございまして、そういう面も一つございます。さらにまた、たとえばこの制度の発足当初におきましては、先ほどから申し上げていますように、約五十九億にのぼる赤があったわけでございますが、その補てんも、別にその金利の概念はその中からも考えておらないわけでございます。そういうようないろいろな状態、それを考えまして、現在の段階におきましては、御指摘のように、金利の概念を計算した保険料にはなっておらないわけでございます。  なお、この点につきましては、いろいろと議論もあることでございまして、いろいろ研究もいたしておりまするけれども、こういう制度の特質からいいまして、特にいつも黒字になるというわけでもないわけでございます。赤字になる場合もあるわけでございます。そういうことを一体どう調整したらいいか、こういう問題は非常にむずかしい問題でございます。いつも検討はいたしておりまするが、不足のままこういうかっこうで運営をきれておるということでございます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 資料のその2の十五ページの年度別付加保険料の収支実績、これを見ましても、三十九年は収入付加保険料が約三十四億、それで、支払い事業費が四十一億、そうしますと、赤字が七億六千万ですか、こういう数字が出ております。そうしますと、三十年以来三十三年以降三十九年まで、非常な赤字の増大の傾向をたどっておる。それで、事業費が純保険料に食い込んでおる。これは私は非常に矛盾しておるのじゃないか。すなわち、保険会社の経営が非常に散漫である。私は、本来ならば、この付加保険料の中で事業費を払うべき性質のものだと思う。ところが、逆に、この事業費のほうがふくれておる。私は、大体損保が、いつも銀行局長が言っておられるように、保険会社は被害者保護の立場に立ってものをやるんだ、こう言っておきながら、実際には保険料よりも事業費のほうが多くなっておる、こういう現実がここに表の上で出ておる。私は、こういうものを見たときに、やはり銀行局というものがもう少しこの保険会社に対する、損保に対する監督指導というものを厳重にする必要があるのじゃないか。この点はどうですか、銀行局長。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 お答え申し上げます。これは実はいまの先生のお話ですと、付加保険料部分の赤字が出たところを純保険料を食っておるのじゃないかというお話でございますが、さようなことはございません。純保険料というものはあくまで純保険料というものとして積み立てて繰り越していくわけでございますから、そういうものに手をつけるということはもう厳に禁止されておるところでございます。それじゃこの赤字はどうしたのだということでございますが、これは一つには、先ほど来話が出ておりますけれども、つまり付加保険料の算定に当たって、これはまだ発足後日が浅いために十分練れてない。ですからある程度トライアル・アンド・エラー的なところでやっておる、つまり付加保険料の査定というものを相当きつ目にやっておる。さっきのお話のように、公務員給与ベースだ、こういう話でございます。現実に保険会社の給料というものはそれよりずっと高いわけでございますから、そこも非常に不公平なことではないかという御指摘もあるかと思うのですが、そういうふうに非常に渋い線で押えてきておる、そういうことがやっぱり赤字を生ずる一つの原因であろう。したがって、そういうものは実績をだんだん積み上げていきまして、そして適正な線にだんだん直していかなくてはならない。したがって、今回もそういう付加保険料の調整ということをやることにしておるわけでございます。現実には保険会社全体としてのいわゆる収支計算と申しますか、損益状態が、それじゃ毎年そんなに赤字を出しているのかということになりますと、それはそういうわけではない。保険会社全体としては決して赤字という経営ではございません。つまり言ってみればほかのところの、自分のかせいだ身銭を切って自動車のほうへつぎ込んだという見方もできぬわけじゃないと思います。しかし、そういうことはほんとうはよくない。損得なしでいかなくてはなりませんから、そういう意味で、これはできるだけ実績をよく調べて適正な線に是正していかなくてはならない。ただおっしゃるように、一たびきまったこのワクの中で全部まかなうべきだという御説、これはごもっともだと思うのでございますけれども、もし査定が非常にきつ過ぎますと、十分な活動もできない。そのために本来お客に対するサービスにこと欠くということであってもならぬじゃないかと私は思います。これは決していい姿とは思いません。ですから極力直していくということかと思います。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 私は銀行局長の説明は非常に公式的な説明だと思います。と申しますのは、年々自動車は何十万台とふえておるのです。それに伴って保険手数料というものは非常にふえてくるわけですね。そして銀行局も査定をして、これだけの事業費のために取る手数料というものは大体これだけの金額でいいんだという査定のもとに、これはできた付加保険料なんです。それにもかかわらず実際の支払い事業費というものはそれよりも多い。現状維持なり、車がむしろ減少するならば、私は銀行局長のお話はすなおに伺えます。ところが毎年非常にふえていくのですから、そのふえていくについてはそれだけの財源というものは出ておるわけです。だからそれに対してむしろ事業費のほうが純保険の中へ食い込んでいくような形の経営というものは、私はどうも損保のこの強制保険に対する扱いというものが公正を欠いておるのじゃないか。そういう点について銀行局長としてもう少し監督をなさると同時に、適正でないのであればこれを一体どういうふうに直していくか、こういう問題も私は当然あると思うのです。その点について局長の御所見を伺いたい。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 田邉先生の御指摘、まことにごもっともと思うのです。あくまで適正な査定をし、適正な事業にしていくということでなくちゃいかぬ。この点はさっき申し上げておりますように、まだ制度が発足して日が浅いために十分熟してないということは、再三申し上げてあるのであります。今回、実はこれを調整しよう——いわゆる社費ということばがあるのでございますが、いわゆる事業費でございますね、その事業費の適正な線をここで是正してまいるということを実は考えまして、先般も自動車損害賠償責任保険審議会でございますか、その自賠責の審議会にもおはかりをいたしまして御了承を得ておるわけでございます。

田邉國男自由民主党

○田邉委員 それでは私の質問はこの程度で終わりますが、資料の追加提出の要求をしたいと思います。  運輸省にお願いしたいのですが、再保険特別会計の収支実績をひとつ出していただきたい。昭和三十年から三十九年まで。  それからもう一つは、再保険特別会計を通じ、被害者保護の立場から見た各損保の成績、すなわち支払いがおくれているもの、規定どおり保険金が支払われているもの、そういうものをひとつ出していただきたい。この二つの資料の提出をお願いいたします。  以上をもって私の質問を終わります。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 久保君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 答弁者の都合もあるようでありますから、銀行局にこの前お願いした、保険制度というか保険の概要というか、これについての説明は後ほどお願いしたいと思います。  それで、警察庁から交通局長が見えておりますからそのほうから先にしたいと思うのですが、お尋ねの第一は、現在における交通事故、その中でも死傷事故の傾向は、もちろん概念的には多くなっていると思うのでございますが、そういう傾向についてどういうふうに見ておられるか。  それからもう一つは、死んだ場合はもちろん賠償となれば、民法による賠償の請求あるいはいま審議している自賠責による保険金の給付、こういうことでやっているのでありますが、交通局長にお尋ねしたい第二点は、その死亡事故の自後の処理の問題とは別に、いわゆる負傷した場合の処理でありますが、これはどこまで警察庁としては見ておられるのか。これは権限その他もありましょうからわかりませんが、一応身辺に処理されるのは警察関係だと思うので、この負傷事故に対する問題をお聞きしたいのであります。特にその中でも、次会に厚生省に来てもらいますが、頭を打ったり頭をけがした事故、こういうものと、救急病院というかそういうものの指定、こういうものはどんなふうになっているか。  さらに第三点としては、交通事故による罰則の処理は別として——これは罰則なり裁判というか処分の問題は別として、いま当委員会で取り上げている損害賠償のその後の実態というか、その後の成り行きというか、取り扱いですね、こういうものは警察でも、もちろん自分の権限ではないと思うのですが、成り行きについて相当関心を持って見ておられると思うので、これらについておおよそお話をいただきたい、かように思うわけです。  なお死傷事故の傾向についてのできるだけこまかい統計、ありますれば次会までに出していただきたい。

内海倫警視監(警察庁交通局長)

○内海政府委員 お答え申し上げますが、ただ御質問の中で、私どものほうで、お話しのように実態には触れておりますけれども、実際上権限の問題、あるいは民事問題等の関係もございまして、ここで数字をもって申し上げるというふうな資料のないものもございますので、その点につきましては、あらかじめ御了承を得たいと思います。  そこで、まず交通事故の状況でございますけれども、昭和四十年度におきます交通事故の発生いたしました件数が五十五万七千五百十九件、こういうふうな交通事故の中で、死亡者が一万二千四百七十九人、その中にはひき逃げというふうな形で死亡いたしました五百六十二名を含んでおります。それから、負傷者が四十一万一千二名、こういうふうな数字になっております。これを傾向的に考えみてますと、その前年の昭和三十九年に比較いたしますと、死亡事故だけは減少いたしまして、八百三十九人減少し、パーセンテージで申しますれば、六・三%の減少。しかしながら、事故件数の総数におきましては三百三十六件の増、また負傷者におきましては、約一万人、九千八百八十五人の増を示しておるわけであります。昭和三十六年から見てみますと、昭和三十六年の件数を一〇〇の指数でとってみますと、昭和四十年が一一三になっております。死亡者につきましては九七、負傷者につきましては一三三、こういうことであります。ここ数年間を見ましても、増高の傾向を示しております。  くどくなりますが、さらに若干傾向を申し上げますと、こういう交通事故の発生は、大都市を持つ都道府県においてやや減少の傾向が見られますが、反面、山陰、北陸、あるいは南九州というふうな、在来事故の比較的少なかった地方におきまして増加の傾向がある、こういうふうに考えられます。  また、原因について見ますと、いずれもめいてい運転、あるいはわき見運転、あるいは追い越し不適当、あるいはスピードの出し過ぎというふうな場合が目立ちますが、一昨年の昭和三十九年に比較いたしますと、若干めいてい運転、スピードの出し過ぎというふうなことを原因とする事故は減少しておるようであります。  事故を起こしました車種別と申しますか、そういうふうなものについて、昭和四十年度のもので死亡事故だけについてのある程度の分析をした結果を申し上げてみますと、死亡事故で一番多いものを、起こった状態で見てみますと、自動車運転中というものが全体の一二%、それから自動車に同乗しておるというふうなものが約一〇%、おもなものだけ申しますと、原動機付自転車を自分で運転しておるとき、あるいは原付のうしろに一緒に乗っておるというふうなもの、これが二二%、自転車に乗っておるときが一四%、こういうふうなものが目立つものです。  また原因になった車の種別から申しますと、一番多いのは自家用貨物の三五%余というふうなものが目立っている。原付について言いますと、一九%ということで相当高い。以上が事故のおもな傾向と概要でございます。  それから、死んだ場合におきます損害賠償の問題等でございますけれども、これにつきましては、私どものほうも交通相談所等を通じて、できるだけ被害者保護の立場、あるいは加害者側におきましても、これが言い分がある場合におきましては、それらの相談というふうなものに乗って、極力公正な損害賠償が行なわれるようなサゼストをいたしているわけでございますが、これにつきましては、御存じのように、深入りをし過ぎますと、弁護士法に抵触する場合もございますし、また、警察という立場からあまり民事問題に深入りすることも適当でございませんので、警察という行政機関においてそういう問題に関与する範囲は非常に狭いわけです。そういう事柄の中で私どもの承知いたしておりますものを申し上げてみますと、これは数字等は全くございませんので、計数的に申し上げることは困難でございますが、全国的に見まして、死亡事故数の場合は、大体損害賠償額というものは、現在の自動車損害賠償保障法の百万円にざらに五十万ない七百万を上積みした程度の額から、特異なものにありましては六百万ないし八百万というふうな額を支払っている例もございますが、大体は、先ほど申しました、賠償保障法の百万円の上に五十万ないし百万、さらに二百万程度を上積みしたものが損害賠償額の通例になっているように、私どもは各県からの報告を聞いております。これに対しまして、最近におきます被害者側からの請求というものは、相当高額なものを請求しているようであります。多くの場合、八百万から千二、三百万円ぐらいまでは請求しているようであります。したがいまして、そういうふうな支払う側の額と要求する額との非常な食い違いと申しますか、格差から、これを近づけるのに相当の日数がかかっており、一年かかってもなお妥結していないという例もあるようでございます。ただ、それがどういうふうな損害賠償額になっているか、あるいは件数がどうなっているかということにつきましては、私どもは資料を持っておりませんので、ここで御説明申し上げかねます。  次に、負傷の処理でございますが、お話のように、最近の交通事故は多くの場合頭をけがする、いわゆるお医者さんの言う頭部外傷というものが相当多いわけでございます。したがいまして、救急措置の上でも、脳神経外科あるいはかなり整備した救急病院というものがあって、これの医者にかかる、あるいはこういう病院に行くことが最も望ましいのでありますけれども、大都市におきましてもそういう点が必ずしも十分でない。まして地方におきましては、そういう点が、医者も不足し、とりわけ脳神経外科の専門医というふうなものは非常に少ないわけでございます。したがいまして、そういうものの手当てが十分にできない結果、後遺症を残しておるというふうな例もかなり見受けられるようであります。  大体以上のような状況であります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 大体わかりましたが、いまお話の中で交通相談所というお話がありましたが、これはどんな性格のものであるか。  もう一つは、救急病院というか、そういうものの指定が、これは厚生省かどこかで、もちろん警察庁には直接関係ないと思うのですが、これは自動車局長に聞いたほうがいいですかな。救急病院というか、そういうものの指定は、どこの権限で、だれがやっておるのか。  それから内海局長には、いまお話がありました交通相談所の機能。それから、安全協会というものが何か中に入って相談に応ずるということもやっているというふうに聞いているのだが、これはそのとおりか。そのとおりだとするならば、そういうことはいまの制度の中で間違いはないかどうか、そういう点ひとつお答えいただきたい。

内海倫警視監(警察庁交通局長)

○内海政府委員 交通相談の問題に関しましてお答え申し上げますが、いま全国各警察署のうち相当数が交通相談所というものを警察署内に置いておりますが、これは、先ほども申し上げましたように、警察という行政機関において行なう交通相談は、たとえばこういう問題は弁護士に相談なさるべきである、あるいはこういう問題については損害賠償保障法という法律があってというふうなこと、あるいは交通事故に伴います損害賠償の請求をする場合の方法というふうなことの、いわゆる法律で定められてあるような知識を非常に知らない人が多いものでございますから、そういうふうなことについて知らせるということが、警察という行政機関における交通相談の内容でございます。いわゆる損害賠償の内容に立ち入る、あるいはそれのあっせんに入るというふうなことは、一切いたしておりません。また、いたすべきでもございません。  それから、交通安全協会の中に交通相談所を設けております。こそは全国全部というわけではございませんが、相当の大都市におきましては交通相談所を設けておりますが、これはいずれも弁護士を委嘱いたしまして、弁護士によって交通相談が行なわれでおります。これは当然弁護士法に基づく弁護士の行為。ただ、その弁護士を補佐いたしまして、先ほど言いましたような、交通事故の状況というふうなものを、弁護士の補佐として、交通安全協会のそういうことに専従しておる人たちが補佐をしてやっておりますが、かりにも民事事件に入る、あるいは弁護士法に規定する内容に入るという場合には、必ず弁護士によって行なわれておるわけであります。  それから、救急病院の問題につきましては、私からお答えしておきますが、この指定は厚生省が行なうことになっており、具体的には、都道府県におきましては都道府県知事がこれを行なっておる。現在全国で、私どもの承知いたしておりますところでは、二千五百の病院が救急病院として指定されておる状況でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまお話のように、この交通相談所について、用心深い運用というか、そういうことになっているようでありますが、私は、これが警察の系統にあったほうがいいのか、あるいはその他のほうにあったのがいいのか、いずれにしてもこれは非常に大事な点だと思うのです。いま交通事故にあった者の悩みというのは、正当な補償を早くもらいたいということだと思うのです。しかしこれは、自賠責によるものは、今日では死んだ者は最高百万、これはいま内海局長は、その上に上乗せ五十万ないし百万、こういうものがかなり多いということでありますが、われわれの聞いている話では、上乗せはほとんどないのが通例というふうに考えております。百万の、いわゆる保険金の給付を受けることにさえなかなか手間取ることが多いと思うのです。言うならば示談が成立しなければ、法律はそうでないようでありますが、一般の場合は示談の成立がつかぬ場合はなかなかこの規定の百万円ももらえない。ましてや、長い病気ということで病院に入った場合には、これはたいへんに長くかかって、支払いにも困るというのが多いと思うのです。こういう欠陥を直すのには、どうしても一つの相談をきちっと最後まで見届けてやれるような機関が、私は必要だと思うのです。これは、お話があったように、弁護士のやる仕事の範疇にまで仕事が入り込むという心配は多少あるのでありますが、弁護士という制度は、われわれもよく知っておりますが、一般の者となれば、弁護士に相談するということはやはりたいへんな勇気が必要だと思うのです。弁護士に相談できるような人は、百万円の保険金などは、きょう請求したらあしたもらえるような身分の人だ、回りくどい話ですが、ところが、そういうりっぱなというか、頭のいい人はわりあいに交通事故にはかからない。もっとも、前の交通局長は交通事故にあったようでありますが、これは例外だろうと思うのです。今度の内海さんは若いからそういうことはないと思うのですが、いずれにしても、一般庶民といわれる人が多いですね。そうなると、やはりいまの制度の中だけでものを判断していくには、非常にこの問題はなじまないものがあると思う。ついては、新しくそういう示談を進める機関、あるいはそこまでいかぬでも、ほんとうに最後までめんどうを見られるような機関、そういうものを置くべきではなかろうかと思うのです。もちろん運輸省では、何か仄聞するところによると、自賠責の金を利用するかどうかは別として、これの関連で最近はやりの事業団をつくって相談をしていったらという構想がいままでにあったそうであります。今度の大臣になってからあったのかどうかわかりませんが、構想があったとすれば、この構想はいまどうなっているのか、これは運輸大臣からお答えいただいたほうがいいかもしれません。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 自動車局長からお答えいたさせます。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 運輸省といたしまして、四十一年度の計画といたしまして、現在特別会計の中の保障勘定を中心にいたしまして、この保障勘定と申しますのは、ひき逃げとか、無保険者にひかれた被害者を救済するための制度でございますので、そういった社会保障的な仕事を営んでいる事業でございますので、これを拡張しまして、被害者救済のためにいろいろと相談業務あるいは立てかえ金とかいったような事業を行なわせようということで予算要求をしたのでありますが、四十一年度は新設の事業団、公団、そういったものは一切認めないという方針によりまして今回は認められませんでした。われわれとしてはなお事故防止あるいは被害者救済という観点から、さらに今後も検討していきたい、さように存じております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまお話しのように、新しい事業団をつくることについては、政府の方針としていけないから来年度はやめた。事業団で運営するかどうかは別として、これは関係の局長さんにお伺いするのですが、交通局長はそういう構想、事業団ということにとらわれる必要はないと私は思うのです。だが、もっと一歩前進した、被害者の立場に立った相談機関を充実していくということは、言うまでもなく必要だと思うのです。そのためには新しいくふうをしなければならぬ、そう思うのですが、警察庁としてはどういうふうに考えられておるか。  それからもう一つは、大蔵省の銀行局長は、いや、私のほうは金の出し入れでということではないと思うのです。これは保険を扱うのでありますから、当然これに関連してそういうものが円滑に給付も支払われるということが一番理想的で、そうでなければ効用はないと思うのです。ついてはいま私からお尋ねしたいのは、交通局長に対するのと同様に、そういう被害者の立場に立った一つの機関というものが必要だと思うのです。どう思うか答えをいただきたい。

内海倫警視監(警察庁交通局長)

○内海政府委員 私どもとしましては、先ほども申しましたように、被害者の救済というふうなことは非常に重視いたしておりますので、先ほど説明申し上げましたような意味合いで、警察もそのワクを出ない範囲において極力交通相談に臨む、あるいは交通安全協会の機関によりまして、弁護士をも委嘱して無料で相談をする、こういう範囲をできるだけ広げるような措置をいまとっておりますが、もとより私どもとしましては、交通災害にかかった人々が一刻も早く賠償の責任を果たしてもらえるというふうな観点から、そういう示談の成立が円滑に、しかも早くいけるようになるということは非常に望ましいことでございますから、それがどういう方法で、あるいはどういう形で行なわれるのがいいかということについては、私どももいろいろ論議の余地はあると思いますが、そういう事柄が円滑に、かつ早急に処理されていくということは必要であろう、かように考えております。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 ただいま交通局長から答弁がございました点、私どもも全く同感でございます。保険金の支払いがおくれるということは被害者にとって非常に困るわけでございますし、それも、すっかり当事者間で話がつくまでは金が出ないということでもいかぬと思います。その点かねがねいろいろ保険のほうも検討してきて、必ずしも最終的な金額が確定しなくてもある程度内払いでいくとか、そういう便宜の措置をはかるようなくふうも現に行なわれつつあるようでありますが、結局、何と申しましても、いま交通局長のお話のように、当事者間における話が円満に早くつく、これがやはり基本でございましょうから、そういうものを促進する、円滑に持っていくということのための何かしかけというものが要るのじゃないか。それには先ほど運輸省からお答えがあったような事業団構想というものがはたしていいのかどうか、これは相当問題のあるところだと思います。したがって、どういう方式がいいのかはやはり警察当局なり、運輸省なり、あるいは大蔵省なりといったような関係者がそこに十分知恵を持ち寄りまして、一番いい方法を考えていかなければならぬと思いまして、先生の御指摘非常にごもっともだと思って、前からわれわれも心がけておりますが、今後とも一そうこの円滑化をはかるように努力をいたしてまいりたい、かように思っております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話は、どなたも御異論がないし、積極的なお話でありますから、そこで国務大臣として、国務大臣なら大蔵省のほうも発言権があるでしょうし、警察についてもそうでしょうから、中村運輸大臣から答弁いただきたいのです。というのは、自賠責の改正で原付自転車を入れるということ、あるいは政令事項でありますが、いまの最高百万を百五十万にするということ、これはもちろん大事な点でありますが、そういう制度があっても十分に活用できなければ何にもならぬのであります。ついては先ほど来お話があったように、そういう機関を事業団にこだわることはないと私は思うのです。  そこで、あまり立ち入ったことをお尋ねすることはいかがかと思うのでありますが、事業団構想というのは、政府でもって新しい事業団は来年度はもう一切つくってはいかぬということだけでペケになったのか、それとも関係各省庁間の協議がととのわないためにペケになったのか、どっちなんです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 政府の方針として公団等の新設はやるまいということで、そういうことになったのであります。  この問題は、自動車等の事故によって被害を受けた人に対する補償がきわめて円滑に進むということが非常に重要なことでございまして、これについて運輸省でも検討しておったのでございますが、私は運輸省に入る前に、自分でもこの問題を非常に重要視しまして検討をしたことがありますが、いよいよ具体的に被害者の損害を補償する世話をすることになりますと、弁護士の職域との関連が一つあると思うのでございます。これは私が代議士のとき計画を立てたときにその問題にぶち当たったのですが、運輸省でこれをやろうとしましてもやはりそういう点があると思いますので、これは関係各省庁と連絡をとりながら、できるだけ被害者に親切な処置がスムーズに行なえるような措置をするということも、これは運輸行政の一つの内容である、私はかように考えますので、今後関係各省庁と緊密な連携をとって、ひとつ適当な方法を考えて推進していきたい。これは久保委員も仰せられるように、私は何も公団とか、そういう名称にとらわれる必要はない、実質的に被害者の救済措置がスムーズに行なわれるようなことができさえすれば、それで目的が達すると思いますので、公団そのものの名称にこだわる考えはございません。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで大臣に重ねて、これは要請でありますが、いまお話のとおり御意見としても必要であるということだし、御自分でもいろいろ考えておられるということでありますから、   〔委員長退席、田沢委員長代理着席〕 せっかくこの自賠責の法案をいま審議中でありますので、私どもはこの法案を慎重審議せねばならぬと同時に、関連していま申し上げたような点をもう少し充実させるときであろうと思うので、せっかくのお話でありますから、できるならばこの会期中、五月中旬までございますが、会期中といってたいへん長いのでのんびりした話ですが、無理があってはいかぬから会期中、少なくとも関係各省庁の間でそういうものの討議に入る、およそこの国会が終わるころには、続いての実際のプログラム、たとえば六月以降来年の三月までどうやっていくというようなことでも、ひとつお考えをいただきたいと思うのです。もちろんその中には、いまおいでになっている警察庁、大蔵省、運輸省、そのほかにあるいは厚生省も入らなければいかぬかもしれませんが、いずれにしても、そういうものをやってほしいと思うのです。これは当然閣議か何かでもって大臣から御発言いただいて、関係大臣の了承を得れば、あとは事務当局として話は進められるものと私は考えていますので、そういう労をとってもらいたい、こういうふうにひとつ注文をするわけであります。  それから引き続いてでありますが、交通安全国民会議というのが、佐藤内閣になってから二回ほどやられたように新聞では拝見しているのですが、これは大体選挙対策、アドバルーンじゃないか。私はそう見ていないが、世間ではそう言っているのです。私は政治家の一人として、まあみんなまじめにものごとは考えていると思うのでありますが、国民会議というのでたくさんな関係者を呼んで、それぞれ演説にも何か制限をして——そうでなければ、百何十人ぐらいでしょうか、たいへんなものになるので、発言について制限時間なり、制限した人数でおやりになったという。これは運輸大臣の所管ではなくて、総理府の所管だそうでありますが、出できた意見というのはたいへん貴重な意見が数多いように漏れ承っているわけであります。中身については私はわかりません。  そこで運輸大臣にお尋ねしたいのは、交通安全国民会議というものから新しい示唆があって百万円から百五十万円にしたのか。それくらいで、あとは何もないのか。意地の悪い質問かもしれませんが、聞きたい。もっとも、そうじゃない、君の言うようなことじゃなくて、たくさんな貴重な意見が吐かれたというなら、貴重な意見は何と何があったかお答えをいただき、続いて、この意見については政府はこう対処した、こう取り上げたというようなことをお示しいただきたいと思うのですが、いかがでしょう。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 この会議は、久保委員が仰せられるような、選挙対策というようないいかげんなものじゃございません。これはやはり各関係の方々にお集まり願って、それぞれの立場から交通安全の対策を検討する会議でございまして、そのあらゆる角度から出てまいりました意見というものを、あらゆる関係の省庁で取り上げまして、そして事故等の撃滅に努力をしておるわけでございます。具体的にどういう意見がどう取り上げられたかということは、私いま資料を持ちませんが、それぞれあらゆる面にこれは取り上げていっていると思います。政府だけじゃなくて民間団体等でも、その場に出てきた意見等でそれが直ちに実施に移されておるというようなことも多々あると思いますが、いま詳細な資料は私持ち合わせませんので、これは担当省とも打ち合わせまして、いつかの機会に御報告申したいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまのお話でありますが、それじゃ次会に関係の方を呼んでいただきたい、と同時に第一回、第二回の国民議会の結論について、当委員会に報告書を出してもらいたい。こう思います。本日のところは交通局長さんはこの程度でけっこうです。次にまたおいでをいただくかわかりませんが、できればさっき申し上げたこの数字は、大体お述べになったのでありますが、もっとこまかい数字がありはしないかと思うので、資料として出していただきたい、こう思うのです。  それで今度は、さしあたり二、三お尋ねしたいのでありますが、今度の原付自転車というか、これは再保険にしないようになっておるようだが、何がゆえに再保険にかけないのか。これは自動車局長ですか、お答えは。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 原動機付自転車の車両数は約六百七十万両ございまして、自動車の数とほぼ匹敵しております。したがいまして、これを再保険にしますと事務量としても相当膨大なものになりますし、かたがた、自動車について現在再保険を実施いたしておりますので、これによって再保険を通じまして支払い状況が、あるいは査定が適正かどうか、そういったような点についての実態を十分会社別に把握しているということから、原動機付自転車についてはこれらを類推しまして再保険を行なわないでできる、そういう見通しによって再保険をしないことになったわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 結局、その原付をこれから対象にすると、一々数の多い原動機付をチェックするというか、調べるというか、そういうことがたいへんでできかねるから再保険はやめた、こういうふうにとってよろしいですか、いかがですか。いまの御答弁はそのように聞こえるのだが、そういうことですか。

坪井為次運輸事務官(自動車局長)

○坪井政府委員 現在自動車について再保険が行なわれておりますので、そういったものに基づいて大体実態が把握できているということから適正な運営は行なわれるので、原付については再保険をしないことにした、そういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いまやっている、実際に保険の対象になっているものはすべて再保険になっているから、新たに原付を保険の対象にして再保険せぬでも、いわゆる実態の把握はできる。これはわからぬですね。いまやっているものは再保険でやっているから実態はつかめる、原付は新しく出てきても、これらが前のものがあるから実態の把握にこと欠かないというのは、日本語で解釈する限り、これはちょっとわからぬ。これはわれわれがいろいろなところから話を聞いた結果として、そのほうが真実だと思うが、その真実について申し上げますれば、いわゆる最近の自賠責保険というか、これはきつき田邉委員と銀行局長がそれぞれ意見をお述べになりましたが、まあ結論として、今日では、簡単なことばで言うと、保険は黒字である、ところが黒字であって六割を再保険にしたゆえんのものは、強制保険だからという理屈は別として、危険が非常に多いというので、六割を再保険に回す。再保険というのは大体そうなんですよ。私はしろうとでよくわからぬが、そういうことです。保険会社単独での保険では、非常に危険が多い。だから六割を結局国で再保険してもらって安全にしていこうということが、再保険だと思うんですね。大体再保険というか再共済というか、そんなものがたくさんございますが、おおむねそういうことでございまして、国の責任を明確にするために六割を再保険にしたわけじゃないのです。理屈は強制保険だからということです。結局は六割再保険にして残り手元は四割なんだから、それでもまあ黒字になるのです。黒字になるということは、もうかるということなんです。もうかるなら、この際ついでに数も多いし、表面的な理屈はきつき自動車局長が言うようなことで一応つくから、保険会社培養のために再保険はしない、私はいろいろな人から話を聞いてそういうふうにいま考えているのですが、大きな誤りがございますか。銀行局長、どうです。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 この点につきましては、自動車局長から先ほどお答えがございましたが、それを若干補足して申し上げますと、まきに先生ただいま御指摘のように、つまり国が再保険をやるかやらないかということをきめるときの一つの基準というものがあると思うのです。こういう場合に初めて国が出動する、その基準というのは一体何だろうかということに立ち戻って考えてみなければいかぬということでございますが、これはたまたまいま強制保険ということばがございました。しかし、強制保険ということは必ずしも再保険とイコールではございません。現に原子力損害保険のごときは、強制保険でございますけれども、これは再保をやっておりません。それから世界各国の例、これは久保先生非常にお詳しいと思うのでございますが、ヨーロッパ諸国等をごらんになりましても、一国として再保険制度をとっておるところはございません。これはもちろん保険でございますから、いわゆる再保険ということで、たとえばイギリスのロイズに売るとか、そういうことはございましょうけれども、国が出ていって再保険制度をとっているというところは、日本だけでございます。これはどうしてこういうことになったのか、いろいろ考えてみますと、当時昭和の二十何年でございましたか、日本で自賠責制度を導入して発足しました当座は、被害者の立場からいけば何としてもやっていかなければならぬ、国策としてもやらなければならぬ。しかし何ぶんにもまだ未知の世界であって、そのままに放置しておきますと、保険会社のベースとしてうまくいかぬかもしれぬという不安が当時の為政者にあったと思います。これはそういう国策としてぜひやらなければいかぬ、しかも非常な未知の世界であって、リスクなんかもよくわからない。保険会社の自由にまかしておいたのじゃ国策が遂行できないおそれがあるというような懸念から、やはり制度が軌道に乗るまではプッシュしなければいかぬ、私はこういう配慮だったと思うのです。したがって、そういう意味で、今日原付が新たに加えられるということを考えました場合に、御承知のように、自動車保険もおかげさまでかなり軌道に乗ってまいりました。自動車賠償責任保険法の趣旨、法に定める趣旨というものを確実にきちっと実現できる、つまり保険会社の経営にゆだねておいても法の精神は完全に実現できるという見通しを運輸省としてもお立てになったと思いますし、私どももそれについて同感でございます。したがって、そういう場合には、国の再保険制度というものが出動する必要が実はない。必要がないからこそおとりにならなかった、こういうふうに思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 やはり銀行局長ともなればうまい答弁をする。感心した。ところがこれは考えてみれば、そういうことをおっしゃるなら、いまある再保険をみなやめたらどうです。何ら支障はない。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 そういうようなお考え方もあろうかと思いますけれども、先ほど申しましたように、これは軌道に乗ったとは申しますが、何ぶんにもまだ成立後日なお浅いといううらみ、十分に熟していない。たとえば先ほどの料率計算のお話、田邉先生からいろいろ御指摘がありましたような、未熟なところがまだどうしても残っておる。ですからこれはもう少しやっていって、将来、おっしゃるように何もそういう不安がないということになればおのずから国が手を引いていくものじゃないかと思います。しかし、いまはまだどうもその時期にはきていない、こういうことでございますので御了承願います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 制度として時期がきていないなら、原付も再保険すべきが当然ですよ。だから、別にオール・オア・ナッシングというような日本人的精神から申し上げているのじゃなくて、理屈から申し上げればそういうことになりはしませんか。一まつの不安があるというならば、やはり原付についても同様再保険にすべきだ。一まつの不安はあるが大体だいじょうぶだろうからという、何かそこで原付だけ入れないというのはおかしい。それだったらみんなとっぱずして、最悪の場合、何かできたときはどうするか別な手段を講ずるのが当然だと私は思うのです。これは私が考えてみたらそうなったことなんでありまして、それで保険の制度そのものが狂ってきませんかということです。原付は何がゆえに制度上再保険しないか。自賠責という保険の制度からいって、そういう再保険という制度がある、そこへ入れないということは、その保険制度に変革がきておるわけです。そうでしょう。それには自動車局長のお話とあなたのお話だけでは理解しがたいものがたくさん残る。だから、自賠責そのものは再保険があるとするならば、完全に必要なくなったというような論拠が立つなら別ですが、いままでの答弁ではまだそこまでいかぬ。手っとり早くいえば、いままでのはそのままにして再保険生かしていきましょうや、新しくやる原付はめんどうだし、しかも保険のほうも大体順調に運んでいくから、まあ六割再保険せぬでも、保険業者としてはそのほうが有利である、こう解釈したほうがよく通るのじゃないか。通りがいいでしょう。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 論理を貫きますとほんとうに久保先生のおっしゃるとおりなんで、私の申しておることは非常に矛盾しておると思います。ただ、これは私もおっしゃるとおりだと思うのですけれども、いまおっしゃったように、ちょうど一つの変革の時期にきておるのじゃないかという御指摘、これはそういうことかと思うのです。言ってみれば、いまの段階がつまりそういう一種の移り変わっていく過渡期の段階ではないかと思うのです。ですから、おっしゃるように、もう要らなくなったから自動車も何も全部きれにしたらいいじゃないか、これは正論だと思いますけれども、こういう制度というものはなかなか一朝一夕になにできない、ある程度の時間をかけていく、ちょうどいまはその移り変わりの時期で、両者併存のような形ではないかと思うのであります。ですから、これから先これがどういうふうになっていくか、これは今後の保険事業の実態の動きというものをよく見きわめて考えていかなければいかぬじゃないかと思いますけれども、どうも論理的に多少割り切れない点があるのはおっしゃるとおりであると思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 もっとも、リスクの問題がはっきりまだわからぬということが一つの要素になっているならば、六割再保険というものをもっと下げるということ、それなら六割でなく、フィフティ・フィフティにするとか、あるいは逆に四分六にするとか、そういう方向で再保険の制度を残すなら、これは全く理屈としても制度としてもわかるわけです。ところが原付だけ新しく入れますが、こいつはやめましょうというのは、制度上からいっても制度に穴があく。だれもこれは理解しがたい。だから、どうしても簡明直截に保険業者救済の道か、原付の責任保険というものを利用して保険会社に肥やしをもっとくれようというのか、そういうふうに解釈されてもしかたがないでしょう。どうですか。

佐竹浩大蔵事務官(銀行局長)

○佐竹政府委員 おっしゃるような方向でやはり考えていかなければならぬのじゃないかと思います。ただ先生、これは御承知のように、理外の理が非常にございまして、実際の場合としてこれは取り扱いがむずかしい問題でございます。詳しく申し上げることもないと思うのでございますが、それだけに、私どもとしては自賠責法に定められた制度というものが摩擦なく円滑に動いていってくれるということ、これのみを実は念願をいたしておるわけでございまして、それに即してものを考えますと、あるいは場合によっては中途はんぱな、なまぬるいといったようなこともある程度あるかもしれませんけれども、しかし要は、そういう大目的を円滑に果たすところにあると思います。しかし方向としてはおっしゃるような点、十分研究をしてまいりたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 これから研究されることはけっこうなんだが、いま法案を出しておりますから、われわれとしてはやはり現実の、出てきた問題として処理せねばならぬ。その場合に、いままでの二人の御答弁では、われわれとしてはどうも納得しがたいということなんです。これはもっと改良すべき点はたくさんあると思うのです。実際問題として、いまの原付を入れた場合、仕事が非常に繁雑になってやりきれないというふうな意味を言いたいのかもしれませんが、それだったら、再保険そのものもやはりもう一ぺんメスを加える、そういう仕事、実務についてメスを加えるということが私は必要だと思います。   〔田沢委員長代理退席、委員長着席〕 そういうことは出さないで、さっき申し上げたように、処理の手続として非常に繁雑でかなわぬということをもし言うとするならば、これは全くもって不届き千万な言い分だと私は思うのです。もう少し時間もありますから、われわれのようなしろうとに対しても、制度上の問題として原付を再保険にしないのは当然であるということが納得されるように答弁をしていただきたいと思うのです。前回も申し上げたように、保険については私は全くのしろうとであります。いろいろ本を読んだり聞いたりしても、これはなかなかむずかしいですね。むずかしいからまだよく理解してない。理解してないけれども、法案を処理しなければならぬ立場にありますから、もっとわかるような説明をぜひしてほしいし、自動車局長もあれで答弁が終ったような顔をしていてはいけません。ちっともあなたの答弁は終わっておらぬ。  きょうは時間も時間だからこの辺にして次会ということにしたいと思うのですが、これから聞くことを順序立てて申し上げておきます。ここへ来てからお考えになってもすぐできることだと思うのですが、中一日ありますしするので、審議を円滑にするために一通り申し上げておきます。  一つは、いまの問題、原付は再保険にかけない理由は何か。かけない場合には、どういう結果、利点が出てくるか、それを説明せよ。これが第一問です。  第二問は、いわゆる保険と共済はいかなる点で違うか。共済の最近の仕事は保険の仕事にだんだん似かよってきたが、この共済の仕事については制度的にも検討すべき時期にあるが、銀行局並びに農林省はどう考えているか。  それから保険料の原価、さっき田邉委員から質問があって、資料によって答えられたが、その資料ではちょっとしろうとにはわかりかねる面があるから、この料率の基礎を、一つの例でいいから、何と何が入って幾らになり、そのほかにもうけはどの程度あるのか。もうけも入れて、いわゆる公正妥当なマージンというのがあるだろうから、そのマージンというものはどの程度か、そのほかに、この保険を扱わぬことについて保険業者の利点は何かあるはずだから、その利点は何であろうかということであります。それは現金の場合もあるし、何かそうでない場合もあるはずです。  それから非常にこまかいことでありますが、離島にも自動車など交通機関がある。それは外へは絶対に出ない。最近はフェリボートができたからあるいは出るものもあるが、出ないという島、そういうものをこの一般の料率で同じに取っているのは矛盾はないのか。  それから農村におけるティラー、自動耕うん機といいますか、これはどうして入れたのかその理由。さっきの資料の説明であると、ばかでっかい数字が出たから何かと思ったら、それは計算上そう出ましたという説明でわかったのだが、ああいうのを出されて、もしも説明がなければやはりティラーもこれはたいへんだということになるのだが、ティラーでは人が死ぬことはあまりないだろうというのがみんなの常識になっている。なぜこれを入れたのか。言うならば、この改正にあたっては、耕うん機は自家保障というか、持っている人の民法上の保障に戻したらどうか、こういう考えであります。  それからこれは厚生省になるか、ほかに自動車局、銀行局というか大蔵省の関係になるかと思うのでありますが、救急センターというものを、特にきつきお話があったように、脳神経外科を中心にした救急センターの設置を考えているかどうか。  それから、そういうものをつくるためには、言うならば、いまの自賠責の保険財政の中で、ランニングストックみたいなことで何だかわからないがまあ金があるのだね。これは全部使い道は財投のほうに回しているという話だが、それはほんとうか。もっともうそは言わぬだろうが、しかしそれはその前に、交通事故の被害者、さらには進んでは交通事故を起きぬような、いわゆる交通事故対策というか、そういうものにもつと前向きで使うべきではないか、そういう構想はいままでないかということ。  それからこの新しい制度の中で、農協の共済でぜひやらせてくれという話が各方面からきているが、これに対して銀行局長はこの前答弁があったと思うのだがはっきりせぬ。立場上もちろん反対だろうと思うのだが、理屈としてはいわゆる保険と共済の違いにくると思う。だからそういう問題だけなのか、それとも別にあるのかどうか。  それから農林省に対しては、共済というのは銀行局が言うような非常に小さい、脆弱なものであるのかないのか。大体資力、信用があるのかないのか。それからその場合には、さっき申し上げたように、共済というものの性格が変わりつつあるが、農林省としてはどういうふうに考えているか。  大体その辺を申し上げて、あとは当日それぞれ申し上げますが、その辺のことはいまでも答弁できるのだろうが、時間でありますから、きょうの質問はこの程度で次会に回していただきたいと思います。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 次会は明後四月一日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十九分散会

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