P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
51回国会衆議院1966/02/14

運輸委員会 第9号

発言数
193
登壇者
11
会派数
2
開催日
1966/02/14

会議録

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 これより会議を開きます。  国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。泊谷裕夫君。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 先週与党の議員の皆さんの質問を拝聴いたしまして一般的に感じたことは、行政がありますけれども、政治というものについて何か忘れ去られているような気がいたしまして、この点を中心に私はきょうお尋ねをしてみたいと思うのであります。  まず最初に、所得倍増計画に従って、池田内閣は三十六年公共料金の値上げを見込んで、消費者物価の上昇を年間一・一%にとどめる目標を設定したことは御承知のとおりでありますが、実績は驚くなかれ六・二%を示すに至りました。三十七年、三十八年は、それぞれ二・八%の目標に対し、六・七%と七・六%の上昇を示してしまったわけであります。公共料金ストップの影響で、昭和三十九年は小康を得たと見られたのでありますが、これもつかの間で、四十年度には四・五%の目標に対し、七・六%という、朝鮮動乱当時に次ぐ高騰を示すに至りました。本年は、内閣として消費者物価の上昇率を五・五%に抑えたいと言っておりますが、物価の動きはどうかということで、身近な東京都の消費者物価指数を一月でながめますと、前年の同月に対しまして八・六九%も上がっておりまして、二月にはそれを上回ることがいまから予想されると言われております。  こういうことでありますから、本年の主要目標であります不況打開と消費者物価を抑制するというかけ声を中心に国会審議がなされておりますその足元で、なだれを打つように物価の高騰が押し寄せておるのでありますけれども、本五十一国会に提案されました予算内容を見ましても、物価抑制策に対する政府の措置は、一般会計でわずか〇・四%に満たない。至って不安を強くする内容のものであります。  まず閣僚の一人として運輸大臣に、国民が最も聞きたい、数字の羅列ではなくして、いかにしてとめどなく上がる物価を食いとめようとするのか、その具体的な方策についてまず明らかにしていただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 物価の抑制策は、佐藤内閣の今年度の基本方針でございまして、予算の編成その他政府がとっております施策の中心は、この問題と取り組んでおる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 中村運輸大臣に注文があります。国民の立場に立ってお答えをいただきたいと思うのであります。具体的にどうして物価の上昇を抑制しようとするのか、その具体的なものをこの際明らかにしてほしいということであります。   〔「予算委員会でやっている」と呼ぶ者あり〕

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私は、私が所管しております運輸行政の範囲の中で物価抑制に力を尽くしておるわけでございまして、その他の問題につきましては、他の機会に、ひとつ予算委員会等で聞いていただくことにして、私の所管しております行政のワクの中でお願いしたいと思います。私は所管のワクの中で物価抑制に力をささげておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、恐縮でありますけれども、もう少々回答のボリュームを高めていただきたいと思います。よく返事が聞き取れませんので、あらかじめそれをお願いしておきたいと思います。  委員の席からやじとして出るならば了解できるのでありますが、大臣の口から物価問題について予算委員会の討議をという話であります。私は、前段で申し上げたように、運賃法の審議にあたりまして、国会議員として何をやるかということになれば、それを利用する大衆の立場、それを世話する国鉄の企業の立場、そこに働いておる人の問題、これらを検討し、私ども国政に参画する者はいかなる施策を立ててこの苦悩を打開するかということを審議しなければならぬものと思います。物価問題をとらえて予算委員会で審議をわずらわすなどということに至っては、私は大臣として不見識だと思います。まずこの点を改めていただかなければならぬことを申し添えておきます。  次に、国鉄運賃は昭和三十二年一三%値上げしたことは御承知のとおりでありますが、このことは、その前年、前々年と、せっかく安定しておりました消費者物価指数も、総理府統計から調べましても東京都の部で四%、日銀調査の卸売り物価も急に四%上昇しておるのであります。昭和三十六年の運賃値上げは一五%でありました。これも卸売り物価が四%上昇を見ております。今回の値上げは、従前に例を見ない二五%という大幅のものであります。しかも、国鉄運賃の値上げは、すでに値上げを決定しました私鉄、トラック、ハイタクなど、関連産業の運賃値上げ、料金改定など、メジロ押しに認可申請が出されておることは、大臣御承知のところだと思うのでありますが、さらに、国民の立場に立って考えますと、配給米、国民健康保険、郵便代など、軒並み値上げがされようとしておりまして、物価安定どころか、またぞろ便乗値上げが大きく正面に出てくることは論をまたないところと思うのであります。こういう時期でありますだけに、真に物価を抑制するということが、内閣の、そしていまの与党の本年の政治課題だとするならば、政治的に直接手の届く公共料金をとめることによって、物価抑制の即効的な一面を生み出す措置がとられてしかるべきだと思うのでありますが、なぜ政府みずからが公共料金の値上げを許容する態度をとったのか、この点をお答えいただきたいと思うのであります。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 物価を抑制していきますたてまえをとりますときに、公共料金等を値上げしないということは一つの必要なことでございますが、現在置かれております経済の動きの姿からみまして、国鉄運賃とか、あるいは私鉄とか、そのほかこういうものの経営の実態と、国民が要求しております交通需要等を勘案いたしますと、現在の段階ではどうしても利用者の負担によって輸送力の増強等をはからなければ、交通の安全を確保する等から考えましてもどうにもならぬというような状態に立ち至っておりますので、政府といたしましては、できるだけ料金を上げる率を低くして国民の御協力を仰ぐという態勢をとったわけでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 イギリスでは、パン一個、牛乳一本の値動きだけで時の内閣の死命を制するといわれておることは、大臣御承知でございましょう。再開国会の政府演説で総理は、不況克服と物価安定を最優先とすると語り、大蔵大臣は決意を新たに物価問題と真剣に取り組むと訴え、さらに経済企画庁長官は、三年以内に消費者物価の上昇率を三%に落ちつかせると胸を張っているのであります。だとするならば、閣僚の一人として、政府が今回見込んでおります本年度の消費者物価五・五%を上回った場合、いかなる政治責任をとろうとするのか、この点を明らかにしてほしいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 政府はあらゆる努力を尽くしまして五・五%の目標を達成することにつとめていくという決意をもってやっておる次第であります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それができなかった場合はどういう態度をとられるかということをお尋ねしておるのであります。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 政府といたしましては、あらゆる努力をいたしまして、五・五%の目標を達し得るという確信のもとに、努力を続けておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 きょうから私ども野党の質問が始まりましたので、きょうこの問題をこれ以上深追いして尋ねようと思いませんけれども、あらかじめお断わりしておきます。いまの内閣の答弁は、運賃の再値上げについても三年間はやらないとか、あるいは一斉に公共料金を引き上げておいて、今後三年はやらないとかいうことばづかいをいたします。それを新聞を通して、テレビを通して、いま上げるにいいものを全部上げておいて、今後三年やらないなどという話を聞いておるのではありません。国民自体のいま当面する問題をどう解決してくれるかということの悩みに率直に答える義務があなた方にはあるはずであります。尋ねた内容について、すなおな答えを特にお願いしたいと思うのであります。  それでは、具体的な問題として、今次の運賃値上げの直接的な問題に入ってまいりたいと思うのでありますが、運輸大臣として、国鉄の第三次長期計画の特徴点はどういうふうに理解をされておるのか、これは国鉄が考えております線増その他の問題でありますが、性格上の問題として特徴点があるはずであります。この点を明らかにしてほしいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 現在の輸送事情を見ますと、特に大都市近郊の過密状態、殺人的な交通事情等、第一義的にこれの緩和に全力を尽くす、さらに日本の国内全体の輸送需要と輸送施設との間に大きな開きが生じておりまして、国民の期待するような輸送力というものが実現いたしておりませんので、そういう点を、今度の第三次の長期計画でできるだけ緩和したいという方向で計画されておるものでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 中村運輸大臣、あらかじめお断わりしてあるのですから、その点を忘れないでお聞き取りいただきたいのですが、線増計画とか電化計画とか混雑緩和というような問題については、国鉄の総裁に私のほうでお尋ねします。運輸大臣中村寅太さんに尋ねるものは、あなたの直接関与する問題について尋ねておるのであります。  言い方をかえて尋ねてみますと、国鉄問題懇談会の座長に脇村義太郎さんを要請した事実があるはずであります。これは昭和三十九年六月から八月ごろのできごとでありますけれども、その際政府とこの会長との間に、この会の性格について話し合いがあったはずでありましょう。脇村座長は、運賃問題の公聴会でこのくだりを明らかにしておるのでありますが、その点についてあなたはどういう責任を感じておるか、明らかにしてほしいということであります。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 いままでの計画は、大体国鉄自体の計画として進められておりましたのでございますが、今次の計画は、国がその計画の責任に当たっていくという形をとったというふうに了承しております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いま大臣がお答えになりましたように、この長期計画の特徴的なものは、第一次、第二次と違うところは、政府自身の計画であるというところに今回の大きな特徴を見出さなければならないと思うのでありますけれども、いまお答えがあったように、その点は間違いございませんね。——それでは、そういう立場で逐次お尋ねをしてまいりたいと思うのでありますが、公聴会における脇村座長の説明によりますと、国鉄基本問題懇談会で民間などの大幅に値上げしようという意見の方々も、大体三二%をさらに二六%まで引き下げることに同調をしてくれたのであるが、農林省、通産省関係は、必ずしも当初賛成をいたしませんでした、こういうことを述べられておるのでありますが、なぜこれらの役所がこの二六%に引き下げるのに反対をされたのか、その事情を明らかにしてほしいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 各関係、たとえていえば農林省等、国民生活に直接影響のあるような物資の値上げをできるだけ安くしてもらいたいという考え方の上に立って、そういう意向が述べられたものと考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 きょうは運輸省以外の省が見えておりませんから、これらの問題については、後ほど私かもしくは先輩議員のほうから、さらにお尋ねを申し上げることにいたします。  しかし、運賃問題の主管大臣であります大臣が、ただ、国民生活を考慮してこの値上げに反対をするとするならば、当然当該運輸大臣としてもその立場を考慮されて、この意見に同調されなければならぬと思うのでありますが、何ゆえに同調されなかったのか、その点を明らかにしてほしいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 最初国鉄当局が期待いたしましたのは三〇%の値上げでございましたが、政府といたしましてはこれを二五%に押えましたのも、そういう一つの配慮からでございます。さらに国民生活に非常に関係の深い生鮮食料品とか、その他諸種の品物につきましても、特別の処置をとるというようなことをいたしましたし、あるいは通勤通学の方々の負担をできるだけ押えるというような処置をとっておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 このお尋ねは、昨年の十二月二十八日の本会議でもやりましたし、先日予算委員会において楯兼次郎議員からもお尋ねをしたところでありますけれども、もう一度大臣から明らかにしていただきたいと思うことがあります。脇村座長は公聴会で、現計画どおり四十年の四月一日から値上げを実施しない場合には、さらに大幅の値上げを後日必要とするという計算になっておるのでございますと述べておるし、三十九年十二月二十五日の経済閣僚懇談会で、政府は、国鉄第三次長期計画を四十年から七カ年実施を確認しながらも、資金計画について了解が得られず、大蔵省側からは、運賃値上げは四十一年一月から実施し、その後さらに財源が必要なら四十三年度に再び値上げしてもよいという主張が行なわれたと伝えられております。さらに政府は、新年早くも、公共料金は三年値上げをしないと宣伝しておりますけれども、この計画は御承知のとおり七カ年であります。一体第三次長期計画完了年まで再び運賃の値上げをするのかしないのか、向こう七カ年のこの長期計画が実施されるまでに運賃の再改定をするのかしないのか、その点を間違いなく御説明をいただきたいと思うのです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 経済の動き等に特別の変化がない限り、運賃の改定をいまのところ考えておりません。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 特別の変化とはどんなものが予想されるのでありますか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 たとえていいますと、賃金ベース等に非常に大きな上昇状態が出たとか、あるいは物価等に、経済全体に大きな変化が起こったとか、そういう現象のために経営がどうにもならなくなるというようなことがあった場合はやむを得ないと思いますが、私がいま申しますように、経済その他の情勢に特別の変化がない限り、運賃改定をやる意思は持っておらぬということでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 私の考えておるのと大臣の考えておるのとだいぶ開きがあるようでありますが、先日与党の關谷議員のお尋ねに答えて、磯崎副総裁は、この第三次長期計画の試算について説明をされました。その中においては、いま指摘されましたペース改定の問題、これについては一応の試算をし、これは組んである、石炭を除く一般資材については、現状の価格で設定をしておるところに大きな悩みがあると説明をされておりました。大臣、総裁、御承知ないんじゃないですか。第三次計画の最大の悩みは、いま政府は五・五%で押えるという消費者物価もありますし、この価格変動に伴うところの資材その他の値上がり分の見込みが得られないというところに、国鉄企業としては最大の悩みがあると思うのでありますけれども、いまあなたの話であれば、賃金ベースあるいは消費者物価の移動ということが特殊な問題ですね。それ以外は特殊問題としては考慮されないということでいいんですね。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私が申し上げておるのは、現在の長期計画の中に、大体七カ年間を見通して計画を立てておるのでございますが、その中にはやはりべースアップ等もある程度見込んでおるはずであります。しかしながら、この長期計画と全然違うような経済状態等の変化があった場合ということを申し上げておるのでありまして、さよう御了承願います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それでは、第三次長期計画の七カ年、運賃の再改定はしないと、こういうふうに私は受け取ったんですが、それでよろしゅうございますね。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 特別の変化のない限り、事情が起こらない限り改定をしないということでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 どうしても私、新しいせいか、政治家というのはそういう答弁を使うのがいいのかもしれませんけれども、尋ねていることになかなかすとんと話をしてくれないで、たくさんあることばを調子よく使われるところに妙味があるようでありますけれども、いまの場合は、運賃問題がこれだけ世論の対象になっておるときには、国民が知りたい、それにわかるように答えていただくことが私は必要でないかと思います。この問題についてはさらに後ほどに譲ることにいたしますが、先ほど説明のありました今回の計画が政府の計画であるという立場に立ってお考えだというのであれば、次の問題についてはどう解釈されるのか、お尋ねをしたいと思います。  公聴会における早稲田大学教授の高橋秀雄さんは、国の援助に批判的な意見を述べられた方であります。しかしながら、この人でさえ——ということは、おおよその方が同じようなことを主張しておるのでありますが、運賃水準決定に際し考慮すべきは、鉄道企業の不経済線の社会的費用負担については少なくとも国の補償が必要であろうと述べられております。これは大臣、御承知のところと思うのでありますが、国鉄基本問題懇談会意見書では、「いわゆる閑散線区については、自動車による代行輸送の実施、営業の廃止等、諸外国における例などを参考として」と記載されておりますが、イギリスのように、過去における営業欠損補てんの債務国庫引き受け約四千七百七十八億、操業資金負債の封鎖約七千億、今後五年間四千五百三十六億以内の欠損補てん、閑散線区五千マイルの閉鎖、もしくはフランスのように、鉄道の維持建設の費用は国家、公共団体負担援助方式で、施設の復旧、電化、ディーゼル化など、復旧費は全額政府負担の額二千八百七十二億、不採算線の廃止、こういうことは、ほかにオランダにもその例が顕著にあらわれておりますが、意見書に指摘されておりますこのくだりについて、不経済線についていかなる助成をとろうとするのか、助成をとらなければ、この特に言われておる赤字路線というものは全面的に廃止をする方向をとられようとしておるのか、この点についてまず大臣のお考えを明らかにしてほしいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 国鉄は、御承知のように、独立採算制でやっていっておりますので、政府といたしましてもできるだけの援助、財政措置等によって援助はしておるのでありますが、やはり国家財政等の現在の状態からは、なかなか思うように援助ができないのでございまして、国鉄の独立採算制のたてまえから、現在は営業を続けておるわけでございます。ただ新線建設等の非常に国鉄の採算を悪くしていくような条件につきましては、公団をつくりまして、これによってできるだけ国鉄の負担を軽くしていくような方向をとっておるような次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、二度も三度も恐縮ですが、やっぱり私の尋ねておることが大臣おわかりいただけないのか、——私の話しているのは新線計画を言っているのではありません。これは鉄道公団法ができまして、あなたにお答えいただかなくともわかっております。採算の合わない路線ですよ。地域開発でしょう、社会開発でしょう、佐藤内閣の殺し文句は。僻地であっても鉄道を入れて、地域の産業を開発するために、国鉄はどんなに採算が合わなくても足を延ばさなければならぬのでしょう。その運営をしなければならぬのでしょう。ところが、その回答に独立採算制ということばがどうしてつくのですか。独立採算制であれば、独立採算制として収支の償うように考えればいいことであります。あなたは運輸大臣ですよ。国鉄総裁じゃないのです。運輸大臣としてその衝に当たる人が、国家的な要請を当該国鉄企業に強く求めておりながら、それによって起きる欠損を国の力で補てんすべきだということを、政府自体の計画であると言われました第三次計画で指摘したのです。政府自体の計画で指摘をされたのに対して、あなたはそれにどう答えようとされるのかということを聞いているのです。新線開発を聞いているのではありません。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 閑散区等につきましては、できるだけ貨物あるいは客を誘致するような処置をとりながら、経営の合理化あるいは経営の近代化等をはかってこれに対処している次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いまお話を伺いますと、赤字線区については、できるだけ旅客、貨物を誘致してというのでありますけれども、大臣、そういうお話をされるのならば、ここに昭和三十九年三月二十七日交通基本問題調査会の答申が出ております。池田前総理に出したものです。総合的な交通政策であります。先日から全日空の問題でずいぶん大きな話題を呼んでおりますけれども、トラック、バス、国鉄、航空企業など総合的な交通政策を確立して、長期の、しかも原材料の料金が総じて安くなっている貨物の運賃体系の中で、貨物の移動が長距離にわたり、日本の産業の弊害になっております問題なども含めまして、根本的に検討を加えなければならぬ問題だと私は思うのです。そのくだりが出されないで、いま大臣の言われましたこの採算の合わない線区に客と荷物をどうして集めようとするのですか。競合するトラックにいたしましても、これは採算の合うベースで国鉄と競争してくるでありましょうか。採算の合わないところにどうして競争の路線が発展し、また国鉄に客や荷物が集まってくるのですか、その理屈を説明願いたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 不経済線の整理あるいは自動車輸送への切りかえ等につきましては、国鉄全体としては黒字線も大いにございますので、全体として考えるべき問題としておるのでございます。将来やはり自動車あるいは貨物自動車等への輸送に切りかえていくというようなことにつきましては、諸種の情勢等を考えまして、国鉄全体の問題としてこれに対処しているような状況にあります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 中村運輸大臣とお話ししていると、残念ながら私のほうが疲れてしまうんですね。運輸大臣であれば、いまの国鉄の線区別のどこが採算が合って、どこが採算が合わないか、どれほど欠損金が出ているかくらいは、毎年出ている「国鉄」をごらんくださればおわかりになるでしょう。八割方はほとんど採算が合わないんですよ。そうしてあなた方の計画で運賃の水準をきめるときに、この問題についてはどうしても国で助成しなければならぬ、それがいやだというのならば、この採算の合わない線区はバスにかえるか、線路をはずしてしまいなさい、こう言っているんですよ。あなたは政府の閣僚として、それはできないことでしょう。はずすことはできないでしょう。できなければ、それに対する助成について、いまは国会の関係でできない、できないなら、いつごろこういうことでやるという話があってしかるべきでありましょう。それを尋ねているのですよ。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 不採算線区の場合は、全体の総括的な原価でその運賃を設定することによりまして、これを大体カバーしておるような事情でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、国鉄の金庫をどうしてつじつまを合わしているかを——これは大臣に尋ねることは無理でしょう。ぼくのほうが二十六年十カ月国鉄にやっかいになってきたのですから。ぼくは、閣僚として、政治家としての姿勢を聞いているのです。あなた方みずから責任を持つという第三次長期計画をきめて、その中に書いてあるんでしょうというのです。書いてあるやつを、いま実施できなければできないでいいのですよ。だが、これは今後こうして解消したいということがなければならぬでしょう。それを尋ねているのですよ。この意見書はお持ちでしょう。これはよくごらんになったでしょう。意見書は次官が集まってきめたものです。このわずか二十ページ足らずの紙の中に、きちっと書いてあるのです。そのことについて、あなたは主管大臣としてどう処理をされるのか、こう私は尋ねているのです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 政府委員から答えさせます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いや、これは行政担当者が返事できる問題でないでしょう。それはちょっとおかしいね。

堀武夫運輸事務官(鉄道監督局長)

○堀政府委員 国鉄が経営しておる線区の中には、黒字線もあれば赤字線もあります。それで、赤字線の占める線区は非常に多いわけでございます。原価的には、赤字線も黒字線も込めて、総括原価ということで計算をして、運賃をはじいておる。その意見書の中には、不採算の線が非常にへんぴなととろにある、そういうものは、線路をはずしてバスに切りかえたらどうか、できるだけそういうような措置によって合理的に経営をすべきじゃないか、こういう意見が書いてあるわけであります。非常にもっともであると思うのであります。ところが不採算線であるからといって、それをいざはずすという段階になりますと、いろいろな問題が起こってきます。地元においても。不採算であってもこれははずしてもらっては困る、民生の安定上、多少の不採算はがまんをして国鉄は経常すべきではないか、こういう議論もいろいろ出ます。いろいろな地元関係の問題もございますので、この問題は非常に慎重にやらなければいかぬというふうに扱っておるわけです。もちろんその方針としては、この意見書のとおり、われわれとしても尊重していかなければならぬし、またそういうふうに合理的経営という観点から、そういうふうな方向で考えるべきものと考えておりますが、いざ実施という段階になりますと、いろいろ地元関係の民生安定の問題にからまってきますので、慎重な考慮をしていかなければならぬ、かように存じておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 私は不採算線区をはずせという主張をしておるのではありません。ここだけは佐藤内閣に協力します、社会開発といううたい文句に。でありますが、それを押しつけておいて、全部込みの原価計算だということを、国鉄出身の私に言われるとすれば、これからたいへん大きな議論があると思います。その議論を発展させるならば、通学通勤の割引率を公共負担の対象とすることには問題が出てきませんか。通勤通学の割引率が相当高額だということを、公共料金としてにしきの御旗にしておりますが、この通勤通学の最も多い山手線などは、営業係数は三〇〇なり五〇〇の数字を示さなければならぬはずです。実態は百五十人なり二百人の定員に三百五十人乗っておる。立ちんぼしておる客によって、この原価はまかなわれておるのでありましょう。今度混雑緩和をしてその乗車率が低下してくると、いかに運輸大臣が先ほどああいう答弁をしようとも、運賃は再改定しなければ算術が合わないじゃありませんか。私は、だから行政担当官のあなたから話をしてもらいたくないというのは、いかなる政策をもって、国民も納得し、国鉄企業も満足し、働いておる人も満足し、そして国民の生活を守る政治家の集まりの私どもがいかなる政策を打ち出すかというところに、この運輸委員会の審議の焦点がなければならぬと思うのです。一切のものを国鉄企業とその利用者に押しつけておいて、利用者負担増によってまかなおうということが、今回の運賃値上げの最も大きな問題点であるだけに、一面、国鉄の石田総裁は、苦悩する国鉄のいままでの経験にかんがみて、今度は政府自身の計画にしてもらうように、この第三次長期計画に粘り抜いたのでしょう。それに政府は同意を与えて、今日まで懇談会を続けてきたのでありましょう。でありますれば、そこで出た答えに対して、まず第一に、だれが一番先にその責めを負わなければならぬかというと、政治の衝に当たる、特に監督官庁の主管大臣であります運輸大臣が、この問題に意欲的姿勢を示すことがまず第一の仕事でなければならぬ。その点について、採算の合わない線区について、公聴会でもすべての人々が取り上げておる問題について、何らかの打開策を政策上打ち出してくるという必要が私はあるのじゃないか、こういうのであります。数字だけ羅列するならば、いま国鉄は赤字線が二百二十七線もありますよ。黒字線はわずか十五線です。こういうことで国鉄の経営をさしておるのです。それを、どんぶり勘定だから赤字でないという論拠を立てるに至っては、私は暴論だと思うのでありますけれども、もう一度運輸大臣から、この点について、はっきりした回答をいただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 赤字線に対しましては、やはり赤字線といえども、地方の開発等の観点から必要があって、そういう線をつくるのでございますから、できるだけ赤字が少なくなるように、貨物とか客を誘致する、そうしてさらに企業の合理化と近代化とを組み合わせまして、赤字をできるだけ小さくする、そうして出た赤字につきましては、黒字線のほうからのカバーによってこれを運営していく、という方向でいきたいと考えておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣のお答えは、前の大臣、松浦周太郎さんも、昨年の二月二十七日の予算委員会の分科会では、これが助成にこん身の努力を払ってみますという答弁をなされておるのでありますが、せめてあなたからその答えくらい出るかと思いましたが、あくまでも国鉄企業自体でまかなえという話であります。しかし、これは世界の通例を見ても、フランスでもそうでしょう。助成するのはして、どうしても採算の合わないものはレールをはずしてバスに切りかえるなど、立法措置をとって採算を合わせようとしたのでありましょう。あなたの話は、政府の責任を持つ部分について、何度お尋ねしても、どうしようという話が出ないで、あくまでも国鉄の企業自体で始末をせいというふうに受け取るのでありますが、違いますか。あなたとして、何か責任を果たそうということばが、いま回答された中に含まれておるのですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 いま泊谷委員の仰せられるのは、おそらく赤字路線に対しては、政府のほうでできるだけの助成等を考えろということと思うのであります。政府としても、そういうことが好ましいことであると考えますけれども、努力もいろいろやっておるのでございますが、現在の財政事情等から勘案いたしまして、赤字線に対して、直ちにその赤字額について補償するわけにまいりませんので、国鉄全体の経営に国ができるだけ力をつぎ込みまして、その線から、赤字線に対しては黒字の方向からカバーしていくというような道行きをとっておるということでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 現状まで努力してだめだったということはわかりました。今後どうされようとしますか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 今後はやはりいま泊谷委員が言われるように、できるだけ国のほうで援助するという方向を、ひとつ今後の問題として検討してまいりたいと考えておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 そのことは、中村さんが運輸大臣担当中に何とかこなしたいということで、努力をいただけることですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 できるだけ努力はいたすつもりでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 その程度の御返事いただくのにもだいぶ時間がかかるので、きょうは少し時間をいただかなければならぬと思うのでありますけれども、日本国有鉄道発行の、先ほどお見せいたしましたこの「数字で見る国鉄」で見ますと、昭和四十年度版でありますけれども、昭和三十九年度における鉄道部門の営業係数は一〇四となっておりまして、いま申し上げたような数字にはなっております。全体でそういう数字が出て、わずか四の利潤があるということはわかっておりますけれども、この地域開発、社会開発のために千十三億出ておることも、この際大臣に、忙しくて本をごらんいただけないでしょうから、私のほうから申し上げておきます。千十三億の赤字が出ておるということが指摘されております。この点、特に胸にたたみ込んで、今後の努力をいただきたいと思います。  いま早稲田大学の高橋教授の話を出しましたけれども、次に懇談会の意見書に入りまして、公共政策に基づく貨物運賃暫定割引は、国鉄経営を圧迫しているので、運賃改定の際是正すべきであるとなっておりますけれども、その内容はどんなものであるか、またこれにあわせて、従来たいへん話題となっておりました特別等級割引の必要性とその内容を明らかにしていただきたいと思います。これは、部分的な内容については、国鉄当局のほうから説明をいただいてもけっこうであります。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 政府委員からお答えいたさせます。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 事務的な問題につきまして、私から御答弁申し上げます。  ただいま泊谷先生の御指摘の国鉄基本問題懇談会意見書の中の二ページに、公共負担の是正の問題がございますけれども、その中に、貨物運賃の点につきましては、二つの点において触れております。御承知のとおり、ただいま御指摘の暫定割引の問題と、それから貨物運賃制度そのものの問題と、この二点に触れております。  暫定割引につきましては、実は私どものほうといたしまして、年間約二十億でございます。そしてすでに昭和三十一年度から始まっておりまして、累計百億をこす暫定割引になっておる。この暫定割引と申しますのは、実は現在とっております運賃等級制度を離れまして、まあ純粋なと申しますか、一品一品につきましての、等級制度を離れた割引をしているわけでございまして、実は等級理論から申しますと、また、運賃理論から申しましても、若干異質なものでございます。私どもといたしましては、常にこの暫定割引の廃止をお願いしておるのでございますが、やはり同じ国会におきましても、農林水産委員会あるいは通産委員会等におきましては、これを制度化して残せ、こういう実は強い御意見もございます。ところが、いま申しましたように、制度化するにはあまりにも個別的であって、制度になっていないというふうな非常に沿革的なものでございますので、一律な制度にできませんので、私どもといたしましては、数年前に一ぺん企画庁が中心になりまして、この問題を根本的に討議しようというところまで、国会の御意向がまとまったのでございますが、やはり一品一品になりますと、これを整理すること、あるいは逆に国家からこの分の運賃負担をめんどう見るというようなことにつきましては、実現が非常にむずかしくて、今日までに至っておるわけでございます。私どもといたしましては、今回の運賃改定につきましても、暫定割引につきましては、極力これを廃止する方向で持ってまいりたいというふうに思っておりますが、やはり種々な関係で、一応現状どおり残せという強い御意向もございますので、今回の運賃改正には、そのまま暫定割引を残すという考えにいたしております。  また特別等級と申しますのは、先生御承知のとおり、国鉄の貨物運賃制度の中で、特殊なものにつきまして、これを特別等級という、平均いたしますと、本来の二割ないし三割引きの運賃をきめております。たとえば、米で申しますれば、米は本来ならば四級でございます。ところがそれを一番安い二十四級というふうに下げております。この下げ分が約三割くらいになっておりますが、この特別等級につきましても、本来ならば、国鉄の財政状態がこれほど悪いというときには、何とか特別特級もある程度整理したいという気持ちも持っておりましたが、やはり急激な運賃負担を避けるという意味で、今回は多少この形を変えましたけれども、ある程度形が残って、基準運賃を多少下げました率でもって、特別等級のものが残っております。品目につきましても、大体現在特別等級に編入されておりますものはそのまま残ったかっこうになっておりますが、もし御質問がございますれば、こまかい数字についても後ほど申し上げます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣にお答えいただく前に、磯崎副総裁にもう一度お尋ねしますが、特別等級割引は三十九年度で百九億円ですね。それから暫定割引は過去十カ年くらい、大体年間二十億ですね。運賃改定をしまして、この数字はどういうふうに変わりますか。改定されたという立場でも、この数字はおおよそ動かないと見てよろしいのですか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 暫定割引につきましては、基礎運賃が上がりますので、その分を計算いたしますれば、二十億が二十二億くらいになるわけでございます。一応現時点では、先ほど申しましたとおり、品目の整理をしないということになっておりますので、大体暫定割引が、輸送量が減らない限り、一割くらいふえまして、二十二億くらいという計算をいたしております。また特別等級につきましては、御承知のとおり、いま二十一級から二十四級までございますが、これらにつきましては、あるものは基準等級に戻し、あるものはやはり割引のまま残すということになりますので、現在の百九億が、大体半分くらいに減る見込みでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 国鉄の企業論としては問題がありますけれども、国会議員の一人として、米の本来等級四等が、今度の改定で、特別等級の二等というような保護策をとってもらうということは、一般利用者の立場から、従前の制度を留保していただきたいという気持ちが強いということは申し上げられると思うのでありますが、しかしこれは国自体が政策上最低必要な条件であると私は思うのです。本来この欠損を、独立採算制をしいられておる国鉄企業で、その始末をしなければならぬというところに、不可解な感じが私はするのでありますけれども、大臣にこの特別等級割引、暫定割引を今後もするか、するとすれば、その補てんは内閣としてどうするのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 この点は、国鉄の持っております公共性と企業の独立採算制との間の一つの微妙な関係でございまして、国鉄の経営のたてまえから言えば、そういうものはやはり廃止していくということのほうが、ただいま副総裁も言っておられたように、筋が通ると思いますが、泊谷委員もおっしゃるように、これは一つの政策の問題との関連がございますので、現在では調整をとりながらやっておるという事情でございます。私は将来こういうことをなくしていくということが方向としてはいいと思いますが、いま言いますような特殊な事情もございますので、将来の問題としてこれは検討してまいりたいと考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、国鉄の事情もわかった、泊谷の言うのもわかったというのですが、肝心なあなたのやることを言ってくれないのですよ。国鉄企業として、米を安くすれば、それは運べば運ぶだけ赤字になるのですよ。あなたは公共性と独立採算制というむずかしい関連があると言うけれども、それは後ほど整理をさせてもらいますが、とにかく公共性という看板を与えておるけれども、独立採算でしょう。であれば、運んだものに対しては、原価に見合うというのは、国鉄がノーマルにきめていいはずです。国会で運賃を審議の対象にすることは、国民生活を考えて、政治的な介入が出てくるのでありましょう。政治的な介入をしたら、石田総裁が先日も話しておったように、国会で値切るだけ値切って、あとは国鉄で始末せいと言われたんじゃたまらぬ、このことばほど正しいものはないですよ。政策上必要で値切ったものについて、政治的にどう補てんするかというのが、あなたの仕事なんですよ。そのくだりを説明してくださいと私は言っているのです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 この制度を恒久化するという考えは持っておりません。さらに経済が安定いたしました際には、この制度はやめるようにしていきたい、かように考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いま磯崎副総裁のお話にもありましたように、従前大体百三十億でしょう。過去十年、暫定割引にしぼってみても、二百億ですよ。きょう唐突に出たのではありません。国鉄の百年の歴史を見ても、ほとんどこれをささえてきておるわけです。これを累計すると相当な額であります。まずその問題について、政治家としてどう始末するかということを先におっしゃった上で、今後は独立採算制で、みんなのふところぐあいがよくなったら、原価に合うような運賃にしようじゃないかという話ならいただけます。現状の始末の問題について、あなたはどう政治的に努力されようとするのか、そのくだりを聞かしてほしいということです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 現在の段階では、この問題は、一つはやはり国鉄経営の実態と、それから国民生活の実情等から考えまして、やはりこの暫定割引の制度というものは、どうしてもなくし得ないということで、いろいろ調整をとったわけでございますが、いま申し上げましたように、将来経済の安定ができました暁には、国鉄の経営を中心にこの制度は廃止していくようにつとめたいと考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 中村さん、だめですよ。あなたもぼくの尋ねていることはわかっているんだ。わかっているんだけれども、あなたは意識的に西を向いて話をしているのです。今後景気がよくなったら暫定割引を廃止したいというあなたの話は、総合交通政策でも立案できて、飛行機の分野、 ハイヤー、トラック、バスの分野を規制し、運賃、料金の問題をどうするか、その貨物の流れをどうするか、旅客の流れをどうするかというような一貫した中で、政府が手を染めるものは染めて、そして一般利用者に負担を願わなければならぬものは負担をしてもらうし、不便を理解して協力してもらわなければならぬものは、してもらわなければならないのです。だから、交通政策も何も出さないで、そういう抽象的な話をされてもいただけません。いま言うのは、私ども国会議員のやることは、最も国民の必要な米、鮮魚、野菜などについては安く運んで、生計を安定せしめるということが最大の義務です。そのために努力をするのでしょう。だが、一面、国鉄の企業は、それによって運べば運ぶだけ赤字をしょい込んでいくということについて、私どもがそれを始末しなければならぬ義務があるでしょうと言うのです。これもないのですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 国鉄自体がいままでずっと歩いてきました一つの経路が、国営時代から非常に公共性が強い。そういう行きがかりといいますか、歩いてきた道がありまして、それが現在の企業体の独立採算制をとりました場合も、そこに調和を要する点があると思います。いま仰せられるような問題が起こっておるものと思います。そういう点につきましては、私は、先ほど申しましたように、経済の安定情勢とにらみ合わせながら、漸次これの解消に努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 このくだりは三時間でも四時間でもお尋ねしても同じですか。やはり国民生活を安定せしめるために、私ども政治に携わる者が、それは現状において、国鉄の企業に直接的であれ間接的であれ、要請をしなければならぬものでしょうと言うのです。であれば、それによって採算の合わないものについて、具体的な補てん策——助成策なんというものではありません。補てん策について、政治家らしく具体的な政策を出す必要があるのではないかと聞いておるのです。その点は必要ないですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私は、そういうことは国の力でやったほうがいい、かように考えますけれども、いまの国家財政の状況から考えまして、いま言いますような措置をとらざるを得ないという実情であります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、そう言われると話がわかるのです。これはわしのほうで国鉄に無理を言っている、しかしうちの金庫が苦しくて、いまどうも手が打てないというならば、現状を吐露して、国鉄に何とか泣いてくれという話も、それはわかるのです。今後お尋ねする問題も、私が大臣に指定してお尋ねしているのはそういうことでありますから、そういうことでお答えをいただきたいと思います。  ちょっと話題を変えまして、国鉄副総裁にお尋ねをしますが、国鉄で、事業用、雑用、家庭用含めまして、石炭を相当量買っていると思うのです。この資料では事業用をちょうだいしておりますけれども、一体購入量の総トン数はどのくらいになるだろうか。これに関連して、購入価格は、電力、鉄鋼企業などに比べて安く入っているかどうか。この二点についてまずお答えをいただきたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 石炭につきましては——ちょっとトン数の前に購入価格を先に申し上げます。購入の総予算は、昭和四十年度におきましては二百四十一億でございます。これはいま先生のおっしゃったいわゆる機関車用、工場用、その他雑用全部入れまして二百四十一億、電力料が百八十七億、その他ディーゼルカー等に使います流動燃料が八十二億で、全体で五百十億でございましたが、四十一年度の予算、ただいま御審議願っております予算の中には、石炭が二百二十八億、電力が二百二十億、流動燃料が八十五億、合計五百三十三億でございます。したがって、石炭におきましては、総購入価格から申しますと十三億減っておりますが、電化の完成に伴いまして使用トン数が減っておりますので、実際には単価は三百円上がっております。この単価の値上がりによりまして——実は御承知のとおり、石炭合理化審議会、これは通産省の機関でございますが、政府、学識経験者、それから鉄鋼、ガス、私どものような使用者並びに炭労その他の労働組合、政府、労使一体になりました石炭合理化審議会がございまして、私も実はその一人のメンバーとして出ておりますが、その石炭合理化審議会の過般の第二次の石炭調査団の調査の結果、どうしても昭和四十年度から炭価を三百円上げてやれ、こういう御結論が出たわけでございます。これに対しまして、御承知かと存じますが、電力用炭と製鉄用炭につきましては、重油の輸入税の見返りでもって相当程度カバーしてもらっておるというふうに承っておりますが、私どものほうにつきましては、実は全く裏づけがない値上がりでございます。昭和四十年度におきまして約十六億の値上がりをいたし、昭和四十一年度におきましても、もしこの炭価の値上がりがなければ、先ほど申しました二百二十八億よりは約十四億くらい減ってしかるべきものだというふうに考えております。したがいまして、私どもといたしましては、石炭政策の立場から国がおきめになりました三百円アップには、何と申しますか、昨年の四月一日にさかのぼりまして、実は無条件でこれをお引き受けした形になっておるわけでございますが、その他の重要産業につきましては、いま申しましたとおり、重油の輸入税の見返り等でもって、ある程度のカバーをなすっておられるやに承っております。したがいまして、来年度予算におきましては、この炭価の値上がりが、石炭の消費量の減少にかわわらず、石炭の総購入価格の上におきまして響いているというふうに御了承願いたいと存じます。  それから、電力につきましては、これは大体大口需用者といたしまして電力供給業者、九電力と協議いたしまして、ことに私のほうは自家用発電を持っておりますので、自家用発電の価格で牽制をいたしながら、九電力との間でおおむね適正な価格で購入している、こういうふうに申し上げられると考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 副総裁、細部で恐縮ですが、自家発電のコストは事業用炭よりも安いですか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 ちょっと詳細になりますので、担当の常務から説明させていただくことをお許し願いたいと思います。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 自家発電と購入電力の単価でございますか、どちらが安いかという。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 機関車用炭と自家発電の電力料金……。

遠藤鉄二日本国有鉄道常務理事

○遠藤説明員 自家発電の電力料金は、動力費といたしましては最も安いわけでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 わかりました。  私の知りたいのはこういうことなんです。鉄道で年間の資材購入は約二千億近くいっているのですね。いかに国鉄企業として企業意識を発揮して品物の購入に気を配ろうとしても、いま運輸大臣も委員長もお聞きのようなことでありまして、石炭は全国生産量が五千七十七万トンです。そうしますと、いま国鉄が事業用、雑用、家庭用含めまして購入しておる石炭の量は、およそ一三%近く占めるでしょう。一般の人々が常識的に考えると、一軒の店から一割五分近い品物を一人が買ったのですから、二百円で売っているものは百八十円か百五十円にしてくれるという常識を持っていますね。だが、一面では、いま言った赤字線区の問題、暫定割引の問題、特別保護の問題などをしいられる国鉄が、この石炭の購入価格などについて、鉄鋼や電力よりも実態として上回ったコストでなければ手に入らない仕組みになっておることについて、大臣はどうお考えですか。理不尽だと思いませんか。理不尽だとお考えになったら、この問題について世間並みのコストで国鉄に入れるように行政指導があってしかるべきだと思うのでありますが、いかがなもんでしょう。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 これは経済ベースで考えましたときには、やはり泊谷議員が仰せられるような考え方もあると思いますが、いま日本の石炭事業そのものが非常に重大な危機に当面いたしております。石炭政策の一環としてそういう無理な姿が出ておるものだと考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 私は運輸委員会に所属しておりますけれども、石炭企業を守らなければならぬということについては、これは商工にいる人と変わらないと思うのです。その限りではあなたも同じでいいと思うのですが、あなたの場合、運輸大臣ですよ。石炭企業を守るための措置はわかりました。だがそれを何で国鉄という企業にその始末の一端をしょわせるのか。みんな日本国民であれば、同じ平等の条件で石炭産業を保護するという立場に立って協力するというのが筋でありましょう。なぜ鉄鋼と電力と鉄道とがコストの違った炭を購入しなければならぬかということについて、主管大臣としてのお答えとしては十分でないと思うのです。もう一度その点にしぼってお答えをいただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 国鉄が使用する石炭も、一般の商業ベースで納入することのできるように努力はいたしておりまするが、先ほど申しますような石炭事業等の重大性等の圧力によりまして、石炭を国鉄が買う場合にいまのような実情になっておるものでございます。そういう点で私らの力がやはり弱かったということが言えると思いますが、努力はいたしたのでございますが、そういう事情でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 おかしいけれども、私の力が弱かったと言われればせんないことです。今後もひとつ努力をいただかなければなりませんが、それと関連して、運輸省指示で石炭の運賃の延納規則を国鉄をして出さしめておりますね。これが出されておりますけれども、その理由はいまと大筋似てくると思うのでありますが、その理由と、その未回収金は幾らか、この点を明らかにしてほしいと思います。額は国鉄側から、前段のほうは大臣から……。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 今度の運賃改定にあたりまして、石炭の運賃の値上がり分を一カ年延納するということにつきましては、私としては、やはり石炭だけに特別の措置をするということは無理であるということで努力いたしましたけれども、政府の方針として石炭の基本的な対策を立てつつあるので、それが確立すれば支払いの方法等は考えるのだということを前提として、関係閣僚会議におきまして一カ年たな上げということが決定いたしたのでございます。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 ただいまの御質問の石炭未収金でございますが、四十年度末でもって二十一億二千万円でございます。これは三十六年度以降の当時の運賃の上がりました分の半分だけは延納を認める、こういう閣議決定によりまして、初め三年間というお約束であったものが延びまして、この支払いは昭和四十三年度から返していただく、こういう一応約束になって、現在措置が延びたままになっておるわけであります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 これは日にちを正確に覚えておりませんけれども、今度中村さんが運輸大臣になった閣僚懇談会で、今度の国鉄の運賃改定に際しても、石炭の運賃については特別延納措置をとられると閣議できまったと新聞でちらっと見たのですが、事実ですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 十二月八日、関係閣僚におきまして協議をいたして、そういう方策をとることに意見が一致したわけでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それが事実とすれば、磯崎さん、大体推定見込み額は幾らになりますか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 現在の資料で年間、昭和四十一年の見込みで約二十五億というふうに考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、先ほども申し上げましたが、石炭を買うのに、石炭企業を守るために三百円上げてくれと言われれば、国鉄はそれに協力をしなければならない。運賃のほうは、石炭産業を守るという筋で、いま聞いた話だけで四十六億二千万円でしょう。これを未払いでやれという。関係閣僚というのはどこどこかわかりませんが、通産大臣なり運輸大臣なりが集まって、これはあなた方がかってにきめちゃうんだな。きめてしまって、その始末は新聞を通して、あたかも石炭産業はいまの内閣でめんどうを見ているかのように訴えまして、その始末を独立採算の国鉄にやらせるというのはどういう精神なんですか。これをひとつ聞かしてください。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 今回の値上がり分は、石炭対策の基本的な対策が決定いたしました際に、支払いをする方法を考えるということで、一カ年の延納をきめたわけでございまして、国のほうとしては、この石炭の対策がきまってから、これの支払いをする方策はきめるということでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、できるだけお互いに数字だけは正確にお話をしたいと思って私は気をつけているんですよ。石炭の延納措置について運輸省から国鉄に要請があって指示を出したのは三十六年ですよ。四十三年ということになれば六年ないし七カ年でしょう。石炭産業の態勢が整うまで待ってくれ、これが五年も六年もということになったら、それまで国鉄に泣いてがまんせい、がまんせいというのですか。炭の値段の上がったやつは高い値で取ってくれ、運賃は上がった分は先送りだというのは、どうしたっておかしいじゃないですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私がいま一カ年と申し上げたのは、今回の国鉄運賃値上げの計画の場合に、石炭の値上げ額の一カ年延納を認める、こういうことで言うたのでございまして、前回のものと通算して言うたものではありません。その点、一カ年と申し上げたのは、そういう理由に基づくものでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 一カ年延びた話はわかりました。  では、それをいつ始末をする、運輸大臣として——閣議決定がありますから佐藤内閣としてこういうふうにするとは約束できないとしても、運輸大臣としてこの始末をいつまでつけるというお考えなのか、この点を明らかにしてもらいたい。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 これを認めますときの約束は、基本的な石炭対策が決定した際に、この一カ年間たな上げした運賃の支払いについては方法を考えるということによって、私としては了承いたしたのでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いまのお話のやりとりの中で、大臣、筋は理解していただけたと思うのですが、公共性と独算制という話がちょいちょい出ますけれども、ぼくはストレートで、話のニュアンスは違わないと思うのですよ。公共性ということはいまの場合実態ですよ、学説的にどうあろうと。本来政策的に保護しなければならぬものを、国鉄の企業にみな押しつけるために公共性という呼び方をしているのじゃないかと思うのです。具体的に政策として国鉄に何らかの助成を与えたでしょうか。石田総裁がNHKの座談会でも話しておりましたが、私も国鉄に二十六年いた者として、そう思うのです。明治三年以降国鉄のやってきた、先輩の築いてきたのは、全部自まかないでやってきています。一銭の助成も国からはありません。むしろ戦時中は、国鉄から政府につぎ込んだ金さえあれ、徹底的に戦争に協力して、疲弊し切った線路、施設というものは、ほかの国だって全部戦災復興で助成してますね。ところが、それまでは国鉄の経理内容の収支のバランスもうまくいっておったものを、最も悪くなった時期に公共企業体に切りかえたわけですよ。今回もそうでしょう。農産物の暫定割引、特別等級の設定にいたしましても、あるいは新聞を見ますと勤労学徒の割引というものが強く出てますね、国鉄にその実施を迫っているということが書かれているのでありますが、私も、最高の学府を出なかっただけに、勤労学徒の割引が、できるものならやってほしいという気はあります。だが、あなた方閣僚は、そういう調子のいいことばかり言って、それによって出た赤字は何の保護策もしない。石炭のために、炭は高く買え、運賃は先き行き七年か八年引き延ばす、これが政治家のやることなんですか。文部省を中心にして主張しておりますこの勤労学徒の割引についても、運輸大臣としてはどう対処するのか。もしそれを実施しようとするならば、その補てんについても当然考えられなければならぬと思うのですが、いかがなものですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 勤労学徒の運賃割引の問題は、これはいま泊谷議員も言われますように、現在、一般の通勤者あるいは通学の人たちに割引をいたしておりますが、勤労青少年の立場を考えまして、これにもやはり割引の特典を与えるのがいいという考え方に立って検討さしておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 歯切れのよい返事はいただけないのじゃないかと思いますけれども、この際大臣によく事情を承知してもらう。そうでなければ困ります。そういう意味においても申し上げておかなければならぬと思うのですけれども、政府の委嘱した脇村座長が公聴会で発言した内容くらいは、ぼくは読んでほしいと思います。読んでいるが都合悪くておとぼけになっているのかもしれませんけれども、公聴会で、文教関係の負担を国鉄に負担させることは、国鉄の経営の安定ということを考えると非常に限界がある、こういうふうに脇村さんは主張しております。その場合に必ず話が出てくるのは、この通勤割引、通学割引の話であります。国鉄当局が割引率は法定限界を越えているということを強く主張することは当然であります。だが、運輸大臣、あなたがそれに乗ってそのラッパを鳴らすということになれば、私は問題があると思うのです。国際鉄道連合会の調べによりますと、西ドイツ、フランス、イタリア、スイスなどでも、国有鉄道の一カ月通勤通学二十五往復、これが八〇%ないし九二%の割引率です。ベルギーの国有鉄道の一週間の通学、労務者公務員定期六往復、これは九三%の割引率、さらにこの国有鉄道で配付しております外国の交通調査資料、これを見ますと、西ドイツでは通学学徒に対しては無賃輸送です。国鉄の企業としては採算が合わなくてどうにもならぬことなんですが、これらの青少年を養成するために必要な措置をとられたものについて、政策的補てんについて緘して語らないということは、一体政府は責任を持つ気があるのかないのか。何でもかんでもごみためのように国鉄の企業に押しつけてしまって事足れりといういまの姿勢に私は激しい憤りを感ずるのですけれども、主管大臣としていかがなものでしょう。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 国鉄経営の合理性から考えますと、私はやはり公共負担というものはできるだけこれを国家の力でカバーしていくということが、方向としては正しいと考えております。今後はそういう方向で努力を続けてまいりたい、かように考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 いままでは特に大きな問題を取り上げましたけれども、もう一つ大臣に、これは本会議でも尋ねましたけれども、事情があってかお答えいただけませんでした。国鉄がともあれ貨物収入の赤字を旅客収入で補っておることは、大臣御承知でしょうね。これは国鉄百年の歴史で実績が雄弁に物語っておるわけでありますが、その殺し文句は物価を安定せしめるということにあります。しかし、この貨物の価格体系をながめてみた場合に、はたしてそういうことになっておるのだろうか。従前貨物の等級は十四等級ありました、特別等級もありますけれども。国鉄の総裁以下四十五万の職員がまっ黒になって働いて、原価の償えるものは五等級以上であります。六等級以下は全部原価割れといわれておるわけです。ところが六等級以下は全部原材料、鉄鉱とか石灰石、こういうものが多いのであります。  具体的な問題を、わかりやすく承知してもらうために申し上げますと、昭和三十八年の実績で鉄鉱トン平均運賃は五百二十四円四十八銭です。石灰石は二百九十二円四十七銭です。米軍の物資は六百五十六円二十二銭です。無煙粉炭は四百円四十五銭。ところが同じ一トンの品物で木炭は千三百九十九円二十五銭、木工製材は千七百九円三銭、それから私ども最も必要とする肉類は二千四百八円七十四銭、ミカンは二千八百四十五円三十一銭、ミカンと鉄鉱同じ一トン運ぶのに、ミカンのほうは五倍の運賃を払わなければならないのです。うたい文句は国民の生活安定のためにといいながら、この価格体系は何のことはない、大企業向けの原材料にはべらぼうに安い価格を設定して、一般大衆の利用するものはその五倍の運賃をおさめておるのが実態なんです。これは運輸省の出した年間統計から拾った数字でありまして、私の調査した数字ではありません。今回四等級に圧縮をされましたけれども、いろいろ出入りがありましょう。損するところも得するところも出てきますが、総じて軍需物資、時計、真空管、銅、アルミニウム、工作機械、鋼管、鉄管、あるいは普通鋼材、機械油などは有利になっておりますが、特別措置を従前どおりしたとしても、野菜、鮮魚の値上げ率は従前よりも強く響いておるわけであります。これはこういう体系を組んだ国鉄だけが悪いときめつけるわけにはまいりません。なぜかならば、水道料金にしても同じ傾向を示しておりまして、昭和三十八年の実績は、工業用水トン当たり四円五十銭に対して、一般家庭向けはその四倍の二十円です。それから電力にしても、大口特約電力料金一キロワット時三円三銭に対して、一般家庭の従量電灯十アンペア月一キロワット時十二円二十六銭、こういう仕組みになっております。いかにあなた方が口を開いてきれいなことをおっしゃられても、おやりになっております価格体系は、特定の企業に利便を供するために、公共負担を含めまして一般大衆にその穴埋めをしいておるという形態になっておるわけです。理不尽ではありませんか。深刻化してきた国鉄の経営をながめる場合、この意見書にも取り上げておりますけれども、貨物運賃は、「平均的運送費用に対応した単一の賃率を設け、」こういうふうに指摘をしております。公平な負担を利用者に願うというのであれば、当然こういう価格体系は即刻解除されなければならぬと思うのでありますけれども、大臣いかがなものですか。  具体的な問題について、鉄監局長としても、この貨物運賃の等級上のあり方について修正の時期にきておると思うのです。事務的にながめても、公平の原則からいって修正を必要とする段階にきた。しかもこのことは、最も助成の厚い海運の中で最も刺激をこうむっております内航海運が強く国鉄運賃とのかね合いを主張しておる問題にも触れてくるものであり、このままでやる限り、北海道でできた石炭はどうしても大阪周辺まで持ってきて発電をしなければならぬ。九州もしかりであります。貨物の流れは、等級の低いものには長距離輸送をしいて、そのことが国の産業発展にも大きな障害になってくることは、西ドイツの鉄道経営の再建策でも、フランスの再建策でも強く指摘されておるところであって、交通の総合政策上からも抜本的な検討が加えられなければならぬと思うのでありますが、いかがなものでしょう。

堀武夫運輸事務官(鉄道監督局長)

○堀政府委員 貨物運賃の等級制度の改正につきまして、現在の等級制度は大企業あるいは独占企業に非常に有利なあり方になっているのではないかというような御意見かと思いますが、いままでの貨物等級は負担力主義と申しますか、いわゆる従価等級制度という考え方に立ってできておるわけであります。これは言うなれば国鉄が非常な独占体制であった時代の制度でありまして、新しいその後の輸送の情勢にマッチしないものでありますので、合理的な等級制度に改正するという考え方で、従来の十幾つあった等級制度を合理的な輸送コストに合うような単一の等級制度に持っていくのが最も好ましいのでありますが、一挙にその幾つかの幅のあったものを一つにまとめることは非常に影響が多いので、とりあえず四等級にいたしまして、将来は均一の、原価に見合うような等級に持っていく、そういう方針で今後検討をしていくということにいたしております。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 貨物運賃が旅客運賃によってカバーされておるというようなことはないのでございまして、貨物運賃のほうがいままで旅客運賃よりも高い率が含まれておりましたので、今度の運賃改定では、貨物運賃の引き上げ率よりも旅客運賃の引き上げ率のほうが高くなったというような形があらわれておると思うのであります。さらに、貨物運賃のほろは、国鉄の輸送機関以外に、貨物自動車その他の輸送機関との関連等がございますので、そういうものとの調整等がありまして、現在の引き上げ率がきめられておるものでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、考え違いでありませんか。いままでの国鉄の歴史上、貨物運賃は全部赤字ですよ。全部というと語弊がありますが、総体収支を合わせるのに旅客運賃で合わしておる。そういう理解の相違があっては困ります。私の聞いているのは、そこには間違いはないのですが、貨物運賃は総じて物価抑制策として、強い制限を国鉄に加えてきておるのですけれども、それは何のことはない、大きな企業には、運べば運ぶだけ赤字がかさんで、同じ貨物運賃の中でも、一般大衆の利用するものについては——今度の一等級もそうでしょう。新しい一等級でも、これは等級指数=二五というのですから、百円の原価をかけて百三十五円もらうということです。これが一等級です。二等級は一一五、三等が一〇〇、四等が九〇です。こういう基礎的なことも、大臣、違っておるのでは話になりませぬ。  ともあれ、お疲れのようですから昼休みをやってもらいます。私のほうの資料もいま間違ったところは明らかに訂正しまして——私が特に休憩後大臣からお答えをいただきたいのは、物価抑制策、物価抑制といって貨物の賃率を低目に押えるけれども、ほんとうに大衆が欲しておるものについてそうしておるならば、国鉄も泣き泣き歯を食いしばってでもいくでしょう。しかし、大きな企業のものは、運べば運ぶだけ赤字で、しかも大企業から買う石炭の値段は、きめられた高い値段で引き取り、運賃は延納という措置がとられておる。何からかにまで国鉄の企業の中でやれというのですから、いまのように、石田さんは国鉄の総裁を引き受けてくれておるけれども、四十五万の職員がいかに仕事をしようとも、今後は総裁になってくれる方はないのではないかと私は心配しておるのです。政治家は政治家らしく、国の政策として必要なものについて、こうだから市民に負担をしてもらいたいというならば、公平の原則に立って負担を要請すべきでありましょうし、国の政策上必要だということで企業にその注文をつけるならば、つけた分について具体的な方策が必要でなければならない、こう先ほどから訴えておる。だから、一番かんじんなところは——話が流れては困るから、かんじんなところは、鉄鋼は五百二十四円四十八銭で運んでおるのに、ミカンは五倍以上の運賃であります二千八百四十五円三十一銭、これだけ負担をしなければならないという、これはどうしても改善してもらわなければならないと思う。国鉄では、いまできないと思うのです。ほかの関係もあって、運輸大臣として、これは公平な価格体系を設定するということにこの際ほぞを固めて閣内の意見をまとめるように努力するといろこのことばさえいただけないのか、こう思うのです。——お答は休憩後でもけっこうです。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      ————◇—————    午後一時二十三分開議

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。泊谷裕夫君。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 休憩前に貨物運賃のことを申し上げましたが、これは資料のとり方でいろいろ見方もあるそうでありますから、今後大筋の問題として検討いただくことにいたしまして、次の問題に移りたいと思います。  それで大臣にお尋ねをしたいのでありますけれども、この意見書によれば、市村町納付金の減免を取り上げております。聞くところによると、国鉄自体、地方の税の支払いについて延納しなければならない事態に立ち至っておるやに聞くのでありますけれども、ともあれ意見書では、国鉄の納付金は年々増加し、経営上の大きな負担となっているので、その負担の軽減を指摘しておるのでありますが、このことはすでに西ドイツにおいても、一九六一年、政府は鉄道に五千九百四十五億円の補助金を与えて、自己資金の増加をせしめたのは御承知のことと思うのであります。なお、これとあわせて、一九五三年以来猶予の運送税千八百七十億円のたな上げを実施しております。国鉄は昭和三十九年、百三億七千八百十四万六千円の税金を支払っているのでありますけれども、政府は意見書に基づいてこの問題をどう処理しようとされておるのか。  特にほかとの均衡上も問題があろうと思いますのは、ガソリン税一億五千万、あるいは軽油引取税二億六千万、自動車税一億一千万など、この種税金はその八割五分までが道路整備財源に引き当てられておることは、大臣も御承知のところと思うのでありますが、これらの均衡上からも、早急にこれは国鉄に還元されてしかるべきでないかと私は思うのであります。特に通行税は、昨年二十七億納めておりますけれども、西ドイツの例にもならいまして、これまた当然早急に還元されてよいと思うのでありますけれども、大臣の考えはどんなものか明らかにしていただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 現在国鉄は固定資産税のかわりとして八十八億地方公共団体に納付しておるのであります。これは国鉄自身としては、その公共性等から考えますと必ずしも適切ではないと考えるのでございますが、現在国鉄の資産のあります場所等では、地方公共団体にいろいろお世話になっておる面もあるのでございます。たとえば消防の関係等、そういう事情もございますので、一応固定資産税の半額に見合う程度のものを納付することになっておるのでございますが、国鉄の持っております公共性等から考えますと、さらに長期計画が実現していきますとともにその納付金の額が上昇していく傾向にもございますので、自治省と相談をしまして、できるだけ現在よりもふえないように、さらに将来はだんだん減らしていくという方向でひとつ考慮してもらうように、自治省に強く要請しておる事情でございます。  それから通行税の問題は、現在一等客にこれを課しておるわけでございますが、これも現在の事情から考えまして、当然廃止していく方向で進めていくべきものとして努力を続けていく考えでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 通行税は一等客ばかりでないと思いますが、まあそれはいいとして、これは大体廃止の方向をとりたいということですね。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 そうです。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それから、その他の市町村の納付金の問題については、いまお話のありましたように、漸減の措置をとっていくというふうに聞いたんですが、よろしゅうございますか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 できるだけその方向で進めてまいりたい、自治省のほうにもそういう方向で交渉を進めておるということでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 細部をほじくり返すようで恐縮ですが、自動車税、ガソリン税など一連の税の関係はどういう関係でしょうか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 これは国鉄の自動車もやはりガソリンを現在使っておりますような事情ですから、一般のガソリン税と同じような形で考えておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 公平論で見ますと、確かに国鉄バスが一般路線を使用する、それは承知するのですけれども、公共性を強く要請する限りにおいては、一番道路をいためる自衛隊の車両などは免税になっているのです。ですから、当然これだけの問題をかかえている国鉄などはやはり考慮されてしかるべきでないかと思いますので、この点は今後の問題として大臣にもひとつ検討を願いたいということにしておきたいと思います。  いままでの質問のおおむねは、利用する側、それから企業を担当する国鉄の問題を中心に話をしてまいりました。残る問題は国鉄の従業員の問題が一つありますけれども、脇村座長が公聴会で次のような発言をされておるわけです。ちょっと長くなりますけれども申し上げてみたいと思います。脇村座長は公聴会で、国鉄原案の三二%値上げ案を下げるため、まず一つの線を出した、こういうふうに述べております。それは定員不増の条件で、定員をふやさないことによって、二六%くらいまで値上げ幅を低下させてもこの計画は実施できる、こういうような計算を出しまして、これで懇談会の意見を取りまとめるということにいたしましたと説明しております。そのことは意見書の中でも、「今回の第三次長期計画の実施にあたっては、健全経営の建前からはあくまでも要員の増加を抑制すべきであり」とあり、その次は、問題でありますが、当時としてはやむを得なかったと思うのでありますが、「また労働力需給の状態を考慮すれば、新規の労働力を確保することは一層困難となることが予想される」と書かれております。「ことし」という文字があればたいへんしあわせな話でありますが、大学卒の五〇%くらいしか就職ができないという、たいへんな騒ぎになっておるときに、この主張はいささか問題があると思いますけれども、もとより同意見書の中でも、国鉄職員一人当たりの生産性が著しく上昇したことは認めております。これはちなみに国鉄当局発行の一九六四年の数字で見ると、国鉄でも昭和三十年の職員数、業務量を一〇〇として昭和三十八年には職員数は一〇二%とわずかに二%しか伸びておりません。業務量は驚くなかれ、一五四%ということで、五割以上もふえているわけであります。この数字が示すように、また過日の運輸委員会で石田総裁が話されましたように、フランスの国鉄経営者に語ったように、国鉄の職員はよく働いておる、こう思うと認められておりました。この不増の条件については本委員会においても、石田総裁からしばしば要員不増の条件は責任を持てないということが言明されておるのでありますけれども、さらに事務の近代化、貨物の輸送業務の集中など、労使の紛争を伴いながらも、この意見書に書かれております問題は、国鉄労使の双方で最大限の、これを受け入れる体制をとってきております。  こうしてみますと、ひとり国だけがこの運賃値上げという問題をめぐりまして、関係する国鉄企業、従業員、それを利用する大衆、この人々が意見書に盛られたものを最大限に許容しながら、政府だけが何らこの意見書に取り上げられたものについて、具体的な手を差し伸べてないように思われるのです。  それで大臣からこの際、政府として今回の運賃値上げといいますか、国鉄の第三次長期計画の実施にあたりまして、いかなる政策をおとりになり、これに側面から政策上の支援体制をつくられたのか。この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 政府といたしましては、国鉄の経営の健全化に協力するといいますか、力を注ぐ意味において、できるだけ長期で、しかも低利な金をつぎ込むようなことをやりますし、さらに要員を増加しない点につきましては、労働過重等にならないように、できるだけ企業の近代化あるいは合理化、新しい機械等を注入するというようなことによってその点をカバーしていくような方向で施策を進めておるつもりでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣の言われるように、長期の低利の金ということは財投を意味すると思うのですが、これは十二月二十八日の本会議でも大蔵大臣も声高らかに放送されました。だけれども、私はどうしてもわからないので具体的にお尋ねをしてみたいと思うのですが、政府の皆さんがそうおっしゃるようなしかけになっているのだろうか。それほど、政府の皆さんが口を開けば財投を強く押し出されるとするならば、どうしてもわからないことがあります。これは中期経済計画の中で国鉄の第三次長期計画二兆九千七百二十億は許容されたものでありますけれども、昭和三十九年から四十三年度の公共事業投資計画額十七兆八千億、このうち国鉄など鉄道建設公団を含めまして一兆八千二百億で全体の一〇・二%であります。過去五年間の実績より額は確かにふえております。しかし率は〇・五逆に下がっておるのであります。これに比べ道路投資計画は四兆一千億で二三%、過去の実績に比べまして五・一%の増となっております。数字を使わないで、ことばだけでは政府は何か財投をもって国鉄の長期計画に力を入れたかのごとくに宣伝をされるのでありますけれども、しかしそれならばこの中期経済計画における国鉄に対する財投の率が下がった理由は、一体何なんでしょうか。あなた方がたった一つのよりどころとして宣伝をされます財投も、このありざまであります。この率の下がった事情について主管大臣としてのお答えをいただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 鉄監局長からお答えいたさせます。

堀武夫運輸事務官(鉄道監督局長)

○堀政府委員 投資額全体の中に占める率が下がっておるではないかということでございますが、全体の中に占める率そのものはなるほど下がっておりますが、絶対額は上がっておることは事実でございます。しかし全体の中に占める率というものは非常に相対的な問題でございまして、国としてほかにもまた重点的な施策があればそちらにも回さざるを得ないということで、われわれとしては従来のシェアというものをできるだけ国鉄に確保しようということで努力をいたしたのでありますけれども、その後の国としての住宅とかあるいは道路とか、そういうような重点項目もまたふえてきておりますので、そういうような関係で、相対的な関係といたしましてそのような率の低下を来たしているのはほんとうに残念であります。今後ともこの率が減らないで、むしろふえるように推進いたしていきたい、かように存ずる次第であります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 鉄監局長から話がありましたけれども、やはり国の施策として何を一それは数多い注文がありますけれども、何を重点的にやるというものは、額でなくて率で判定されるのが常識的な基礎でありましょう。私はそう思います。私は国会に出てからまだ二年半足らずでありますけれども、私の経験では、これは野党ばかりが主張いたしません、与党の關谷委員も、あるいはここにおられます先生方も一昨年は衆議院の運輸委員会として、国鉄問題に集中的にこの整備に取り組み、昨年の春先には中小私鉄の整備にかかり、そして航空と、およそ体系づけてここで審議がなされてきておると思うのです。それだけ国会筋の議論もそれにライトを浴びせて集中的に議論をされてきたものが、何はともあれ率が下がったということについては、釈然としないじゃないですか。片面では財投で国鉄の長期計画にてこ入れをするすると主張しながら、現実には、道路をとめろとは言いません、道路をとめろとは言いませんけれども、ものの根本的な考え方の発想が間違っていないか。国の財政が苦しいなら苦しいなりに、まずどこから手を染めて整備にかかるかという手順があってしかるべきではないかと私は思います。でありますから、この率が下がったということについては、単なることばで財投で協力をしておるということと、実際やっておるということとは私は違うような気がします。この点やはり鉄監局長としては、局長の立場から関係する大蔵省その他の折衝の事情を話されるということになりましょうけれども、閣僚としては、この点についてやはり閣内における抜本的な政策上の問題としてこの事情を明らかにしていただく必要がある、こう思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 運輸当局といたしましては、国家が持つ資金が多いことが国鉄の経営が楽になっていきますので、健全にもなっていきますので、できるだけ努力をいたしまして——しかしいま鉄監局長も言いますように、いろいろの国の重点的な政策等との関連もありますし、現段階では国鉄の長期計画に支障を来たさない線での投融資ということで、一応話を今度の予算の折衝過程においてはつけたわけでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 新聞を通じて見るところによりますと、中期経済計画は修正されるというふうに書かれておりますけれども、それは事実でありますか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 中期経済計画は一応廃止しまして、新しい観点に立っていま検討中でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 その場合、いま国鉄の問題を取り上げましたけれども、すでに先ほども断片的に話をいたしました交通企業の基本的な問題について、お尋ねをしておきたいと思います。  先日、与党の議員から、東海道新幹線ができたことによって、航空企業は市場争いから過当競争に入ったという主張をされました。いまのままであれば、国鉄を中心とする関連産業でありますバス、トラックは採算性の高いところにのみ集中いたしまして、採算性の悪いところには競争、競合するということではなしに、国鉄だけがその人の輸送を国の名においてしょい込まなければならぬという悩みもあります。したがって、短距離の輸送はバス、トラックにゆだねるとか、中距離は国鉄とか、長距離は航空企業とか、体系づけた交通政策の立案というものが基礎になってこなければならぬと思うのでありますが、私の感じでは、港湾に六千五百億、道路に四兆一千億とか、部分的な処理で、総合的な体系づくりに運輸省の腰が十分入ってないような感じがします。これは私は運輸省を責めようとは思いません。日本の政治機構の中で、権力争いが激しいあまり、総理府でこれを総合調整をやるようになっておるのでありますから、運輸大臣にお尋ねするのは恐縮でありますけれども、運輸大臣としてはこの際、路面交通における、あるいは海上、航空も含めまして、一切の交通機関は運輸省の掌中におきめて、総合的な交通政策の立案と、これに対する新しく設定される経済計画とのマッチを考えなければならぬと思うのでありますが、いかがなものでしょうか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 運輸省といたしましては、運輸交通全般にわたりまして調整をとりながら全体的な交通政策というものを早急に検討しながら、新しく立案される長期計画の中にこれをぜひ織り込んでいく方向で努力を続けていきたいと考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 唐突で恐縮ですが、大臣、池田総理大臣から交通基本問題調査会会長の島田孝一さんに諮問をしました交通基本問題調査会答申があるのです。この答申が出ましたのは三十九年三月二十七日なんです。もう二年たつわけです。これについて、やはりこの問題を先にけじめをつけるということの必要があると思うのでありますが、いまのお答えにあわせまして、大体大臣の目安としては、いつごろまでにこれをとことんまで議論を起こしてみよう、まとめてみようというお気持ちであるか。もしお答えできるならばお答えをいただきたいと思うのです。

深草克巳運輸事務官(大臣官房長)

○深草政府委員 私からお答え申し上げますが、ただいまの運輸省関係で掌握いたしております各輸送部門ごとの将来の需要見込み、それからそれに対応して供給力はどういうふうになるかということを、現在約十年後の輸送需要の変化、こういったものを見通しまして現在作業を進めまして、ほぼ完了に近い段階にきております。  それから、ついででございますが、私どもがただいまとっております交通政策でございますが、この基本問題調査会での答申の骨子は、各輸送機関が共通の競争条件に立って、スタートラインを一緒にして、あるべき姿を求めようということになっておりますが、私ども当面の問題といたしましては、輸送力が各輸送機関ごとに若干の差はございますが、輸送需要全体として不足しておる、したがって運輸省といたしましては、各輸送機関の個々の問題はまだございますけれども、全体として輸送機関の調整という段階になる前に、輸送需要に対して輸送力をつけるということが各輸送機関ごとに当面の問題じゃないかということで、輸送需要に見合う、おくれておる社会資本の充実というような方向で努力をいたしておる現状でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 この項はこれでおしまいにします。しかし大臣に、私の希望でありますけれども、大臣は先ほど、不採算線区に旅客と貨物を数多く利用するようにしてこれをカバーしたいというお話でありましたけれども、総合調整のない限り、そのおことばはいただくわけにまいらないわけであります。昭和三十七年の国の公共投資は十九兆になっておりますけれども、造船企業、海運、鉄鋼企業あるいは自動車産業などについて見るべき施策はありますけれども、特に路面交通、航空政策については何ら顧みられてないというのが実態であると私は思うのです。そこで、単に採算性の高いところだけに路線が競合し、それは海上の内航海運ともどもにたたき合うという現象を呈しておると思うのです。でありますから、この総合政策の確立、しかる後に国としていかなる政策を確立し、企業の改善を求めて、そして利用者の要望にこたえるかという体系をつくっていただくのが、私は好ましいのではないかと思います。特にこの点要望いたしまして、大臣の今後の検討をひとつお願いしたいと思いますし、きょう限りの話にしないで、具体的に第一次案でもできましたら、当委員会でも審議をさしていただくように手配をしていただきたいと思うのですが、いかがなものでしょうか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 そういう方向で進めてまいります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 国鉄総裁にお尋ねをしたいと思います。  私が国鉄で世話になったときのできごとですから、現状はどうかよく承知いたしませんが、全国から旅客運賃なり貨物収入、まとめられたものが翌日銀行に渡されますけれども、従前この利子のつく日数について一定期間あるということで、職場の私どもとしてはどうしても割り切れない気持ちが強かったのであります。何か一定額利子がつかない措置がされておるやに聞くのでありますが、その内容とそれに対する国鉄の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄が全国で売り上げる金というのは、一たんは銀行に預けることになるのであります。銀行の手をわずらわすわけです。銀行の手をわずらわす以上は、やはり銀行に損のないようにしなければならぬ。こういうことで一週間は銀行の手に預けまして、一週間後には必ず預託金のほうに繰り込んでいく、こういうことにしておるのでありまして、その間日歩六厘の利息を取っておるという状態でありまして、三十九年度においては、それによって約二億三千万円の利子をあげておる、こういうことであります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 銀行に損をさせないようにという話はわかりますけれども、駅から集められた金は銀行の手元に入ったときから利子はつきますか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 つきます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 一定額つかないのもあるのじゃないですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 それはその日から、日歩六厘の利息をいただいておる。決してただということはないのです。私の説明が少し足らぬと思いますから説明しますが、一週間銀行の手元に置きまして、そうして官庁と同じように、その金は預託金へ繰り込んでもらう、こういうことであります。それで預託金においては四十億までは無利子である。四十億を超過したものに対しては、昔は六厘だけの利息をちょうだいした、こういうことなんです。これはだいぶ昔から問題になっておったのですが、国鉄がいやしくも公共企業体である以上は、預託金なんという制度はきわめて不適当だ、企業体的のものにする必要がある、なぜ一体銀行に預けないで預託金というもので頂けるのか、こういうことをみんなやったのであります。御承知か知らないが、預託金においては四十億までは金利はただであります。四十億を超過した場合においては、わずかに六厘しかちょうだいできない。これははなはだ不合理である。それで私が監査委員長の時分にこの点を指摘いたしまして、これはひとつ企業体制に沿うた制度にしなければならぬ。だから預託金なんという官庁性のものにしないで、銀行に預けることをしたらいいじゃないか、こういうことを監査委員長として主張いたしまして、これは国鉄から大蔵省に強硬に談判して直したらいいだろう、こういうことを申したのですが、どうも国鉄というのは大蔵省に対して弱いのですよ。そこでそれじゃひとつ私が談判してやろうということで、時の理財局長であった正示君、いま代議士になっておりますが、あの人に談判して、この制度を改正したらどうかということで、その結果折り合いがつきまして、四十億はただにする、それを超過したものに対しては金六厘なりという利息を短期国債の一銭六厘五毛に直す、こういうようなことにコンプロマイズした。これは昭和三十六年であります。それで三十三年から三十九年というのは、国鉄はだいぶ金を余しておった。平均二百三十四億余しておった。そのうち四十億はただであります。けれども六厘しかちょうだいしていないということで、三十六年に四十億円を超過したものに対しては一銭六厘五毛ちょうだいした結果、ある年には十二億円の増収を来たしたわけであります。こういうようなことになっておったのであります。  ただ、それだけのことを申しますと、いかにも大蔵省がみみっちく感じますが、実は国鉄としては預託金でもって大いにプラスになっておったところがあった。ということは、国鉄が短期資金において不足の時分にはこの預託金を借りることができる、多いときには四百億ぐらい借りる、その金利は八厘できわめて安いが、ただいかにも短期なんです。それだからして、全体から見るとこれは非常にありがたいことではあるが、そのありがたみというものはそうたいしたものじゃない。それだからして、この預託金制度というものは今後考究する必要があるのじゃないか。ということは、とにかく企業性にふさわしくあるとかないとかということは別といたしまして、国鉄というものはこれから七カ年計画を実行する上においてだいぶ借金をしなければならぬ。それもいまの財投に一体どのくらいまでわれわれはたよることができるか、こういうことは大蔵省の頭によってきまるわけであります。これはどうもある場合にはたよりにならないかもしれない。現に四十一年度においては、はなはだどうも割り当てが少なかった。どうしてもこれはやはり市中の銀行にたよって金を集めなければならぬ。こういうことがある以上は、銀行に対してはギブ・アンド・テーク、やはりわれわれがやっかいになる以上は、与えるものをやらなければならない。ちょうど魚をつるのにえさをやらなければならないようなもので、これはやはり預託金制度なんというものはやめて、そうして普通の企業性にふさわしい制度にするのがほんとうじゃないか。しかしこれは今後慎重に考究をしてかかるべき問題でありまして、いまここに直ちにこうやらなければならないという結論を出すだけの勇気は私はない。今後検討したいと思っております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 大臣、いまちょうど不在のところで国鉄総裁に尋ねたのですが、国鉄職員の感情としては、一生懸命働いて駅の助役に渡した金は、翌日銀行の皆さんの手によって集められたときから当然利子がつくもので、利子がつかないということはどうしても割り切れないという気持ちが強いわけです。いま説明がありまして、およそ一週間後、一応従前の六厘を総裁が折衝されまして、一銭六厘五毛ですか、ということに折衝をされたそうでありますけれども、まだ四十億は無利子の措置を受けている。しかし、国鉄総裁としては、今後長期計画を進めるために一般市中銀行にも世話にならなければならぬために、この問題についてはあまり強く要請をする気持ちはないようであります。ないようでありますが、後刻申し上げますけれども、私ども、国鉄の経営はたいへんな事態に立ち至っておると想定をしておるわけです。しかも、政府並びに与党の皆さんが考えておる第三次長期計画はどうしてもやってもらわなければ困る、こういう立場に立ちまして、汗みどろになってかせいだお金は、一般常識のようにやはり利子はつけてもらわなければかなうものではないという気持ちは消すことができないのです。国鉄総裁と十分調整をとって、この問題の打開にお骨折りをいただきたいと思うのですが、大臣ひとつ骨折っていただけるかどうかお答えをいただきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私は金融機関は正当なる金利は払うべきだと考えますので、国鉄と金融機関との間にも正当なる金利を金融機関が支払うように、その方向でひとつできるだけ努力をしてまいりたいと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 それでは、ひとつ御努力をいただくことにいたしまして、次は最大の悩みでありますが、当委員会に提出されました国有鉄道資金収入計画案によりますと、第三次長期計画の終了年の昭和四十六年には、長期債務残高三兆円をこえます。昭和四十六年の借り入れ金など、返済金は二千百三十億で、支払い利子は二千十九億ということで、合わせまして四千百四十九億ということになります。これを三百六十五日、一年間フルで働いております国鉄の企業で割り出してみますと、単純に割り出しますと、毎日十一億三千七百万円というものを、借金と利子で銀行に支払わなければならぬことになります。その四十六年の運輸収入の見積もりはこの資金計画にも出ておりますが、この十一億四千万を払うとしますと、運輸収入の三割七分とい5計算になります。毎日毎日働いた金の三割七分が、右から左に銀行に支払わなければならぬということになっては、いかに気骨のあるという石田総裁のもとといえども、国鉄の経営は破綻の寸前にあると見なければならないのじゃないかと私は思うのです。こういう事態は日本ばかりじゃなくて、各国にもあらわれてきた事象でありますけれども、イギリスの一九六二年国庫借り入れ金の封鎖七千六十五億、オランダの債務肩がわり一九三七年九百五十億というのがあります。その他助成策はたくさんありますけれども、二つだけ取り上げてみてもそうであります。  それから、政府が責任を持ちました今度の懇談会の前の、足立商工会議所会頭や唐島基智三さんや御手洗辰雄さんが入って構成しております日本国有鉄道諮問委員会の、これは昭和三十八年五月の中間答申でありますが、当面の応急措置として、とりあえず、目下の国鉄の借り入れ金のうち政府がその債権者たる三千数百億円について、これを政府出資とすることと指摘されておるのです。この委員会には労働組合なんか入っておるのではなくて、商工会議所会頭や、今度の運賃値上げでもたいへん意欲的な御手洗さんも入って答申をしたものなんです。この答申に基づいて、中村運輸大臣としてはこの問題についてどう対処されようとするのか、この点をひとつ明らかにしていただきたい。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 最近における国鉄の金利負担というものが非常に大きな額にのぼってきておりますので、これが国鉄運営の一つの大きなガンというようなところまでいく可能性もございますので、できるだけ政府としては、長期でしかも低利な金をつぎ込む、あるいは国鉄財政に対する利子補給等も考えまして、国鉄の大きな支払いである金利の問題については十分今後そういう方向で検討を続けてまいりたい、かように考えております。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 そうしますといまのお話は、かいつまんで言うと、利子補給について大臣として努力をしていただけるというふうに理解したのですが、よろしいですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 そういう方向で、できるだけ国鉄の金利負担の面を国の力でカバーしていくような方向で検討を続けてまいりたい、努力もしてまいりたい、かように考える次第であります。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 これは前の松浦運輸大臣からも昨年の二月二十七日の予算第五分科会でお答えをいただいたところでありまして、先任者のこなし得なかったところでありますが、特に大臣に努力をいただきたいと思います。  この種問題の最後的な問題としまして、昭和三十九年十一月二十六日でありますけれども、佐藤総理が新宿駅を視察されました。この新聞の切り抜きを持っておりますけれども、一口に言ってこういうことであります。佐藤総理は、まず見ること、見て知ったら直ちに対策を立てて実行すること、こういうことを新聞記者に語っております。ところが、私は先ほどから大臣を中心にお尋ねしてまいりました。企画庁のことも、あるいは農林省のことも大臣にお答えいただきましてたいへん御迷惑をかけたと思いますけれども、しかし今度政府が責任を持ちました第三次長期計画、この懇談会の意見書、この中で、関係する国鉄企業、従業員、鉄道を利用する大衆は、この意見書に書かれておるものを大幅に取り入れて協力態勢をとっておるのです。しかし、国会で討議を私どもがしておるのですけれども、政治家として、また内閣として自分がみずからやらなければならぬものを何一つやらずに、これら国鉄企業とそこに働く従業員、関係利用大衆だけにその始末を負わせておることについて、私は国会議員の一人としてどうしても割り切れない気持ちがあるわけです。そうして閣僚の皆さんが、社会開発だ、あるいは地域格差の解消だ、物価抑制だ、こういうことを数多く乱発されるのでありますけれども、今回の四十一年度の予算書を見ましても、道路公団に政府出資金が四百五十億なされておりますね。それから首都高速道路に六十六億五千万ですよ。これは地方公共団体も同額負担をいたしますから、百三十三億になりましょう。ちょっと性格を異にしますけれども、住宅公団、これには七百四十七億三千万の出資を行なっております。国鉄に四十億の出資があるということを言われるのでありますけれども、先ほどの石炭代の延納だけで四十億をもう上回っておりますし、暫定割引だ、特別等級の割引だ、それに通勤通学などを入れますと、てんで比べものにならない話でありますが、なぜ国鉄だけに——道路公団に四百五十億の出資がなされ、そして首都高速道路に百三十三億の出資がなされるのに、国鉄だけ出資の対象にならないのでしょうか。どうしても割り切れないので、この点大臣からこの間の解明を願いたいと思うのです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 国鉄に対して国が投資をたくさんすることが望ましいことは泊谷委員の言われるとおりでありますが、国家の財政事情等から考えまして、現在の段階では、いま政府がとっておりますような処置によって国鉄の運営を進めていくということでございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 現状、答弁のしにくいことは承知しております。だけれども、前任者を引き合いに出して恐縮なんですけれども、松浦運輸大臣は、やはり二月二十七日の予算分科会でこういうふうに答弁されているのです。「三千二百億を全部持てということは、その数字については、はっきり言うことはできません。しかし四十一億ではあまりにも少ないと思います。だから今後まだ六回交渉があるから、そのつど多少ずつでも国家資金を投下させるように努力すべきである。かように思います。」こう答えて、私のほうから、閣僚の一員であるから、内閣できまらない限り断定的なことばは使えないだろうけれども、主管大臣として何とか意欲的なところを見せてほしいという筋の話をしましたら、何とか精根を傾けて「がんばります。」こう答えているのですよ。松浦運輸大臣もこう答えているのですが、中村運輸大臣いかがですか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 それが私はやはり正しい一つの行き方だと思いますが、現在の国家財政等の事情から、国鉄に対する投資をふやすという段階に至らず、現在の予算措置の事情になったということを御了解願いたいと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 実態としてはむつかしいということも理解しているのです。だが野党に所属する議員としては、決して、大臣にお願いをして要請をして頼み込もうなどとは考えておりません。本来日本の国有鉄道ばかりではなくて、世界の歴史を見ましても、運賃変動に伴いまして、必ずその国の施策というものが前面に押し出されてきております。それは何も社会主義の国を言うのではありません。アメリカに、イギリスに、オランダに——これはすでに国鉄当局からも出されております助成策の一覧表です。これを見てもらっただけでも明らかでありましょう。当然私どもは、国として大きなことばかり言うけれども、自分たちは何も手を出さないで、あの貨物は割り引きせい、この貨物は割り引きせい、石炭は石炭を守らなければならぬから値段は高く買え、運賃はあと回し、こんな政治ってありますか。全部の始末を特定の企業に持たせておいて、自分たちは地方に行って新聞記者を集めて大きなことばかり言っている。こんな政治のあり方というものは根本的に誤りだ。財政も、ないことはないことで承知をいたします。だが、ものには順序があると思うのです。やろうとすれば幾らだって始末の方式がありましょうし、段階をつけて順位を調整することも可能だと思うのであります。この点私は強く運輸大臣並びにいまの内閣の姿勢のあり方について検討を加えていただかなければならぬと思うのですが、私の主張に誤りありますか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私はやはりできるだけ国の力で国鉄の運営の面につきましても力をつぎ込んで、そうして利用者といいますか、国民の負担を軽くするような方向につとめていくべきであるという考え方には、同感でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 現状においてはそれ以上の答弁は出ないかもしれません。しかしまたあす火曜日は閣議がありますね。私どもの質問はあさっても続けさせていただくことになっております。きょうのところは中村運輸大臣の答弁はそれでわかりますけれども、当然閣議の話題として、私どもの質問が終わるまでには幾らか前向きの姿勢を政府側としてもとることを、強く私は要請しておきたいと思います。でなければ今回の長期計画の一切のしわ寄せは、本来考えなければならぬあなた方は一切手を染めずに、いい子にだけなっておって、あと始末を関係者だけに押しつけておると見られても、私はやむを得ないと思います。特に先ほど提起をいたしました金利の問題とか石炭の延納措置などについては、そう大きな問題でもないでありましょうから、あわせて御討議をいただくように注文をつけておきたいと思います。  次に、国鉄当局に具体的なことを、三次計画の推進で私非常に心配を持っておりますからお尋ねをしたいのでありますけれども、東海道新幹線は昭和三十二年に千七百二十五億で計画を組まれました。三十八年、結果的に三千八百億でこれをまとめ上げたのでありますけれども、今回この三次長期計画の中で新幹線を岡山まで延長するというような話が強く要請されたということが意見書に載っております。何か一つの条件のようにも受け取れるのでありますが、そうでもないようにも見受けられますけれども、この新幹線を急ぐということになりますと、全体の資金ワクから考えて、ほかの安全確保に対する手をゆるめなければならぬという事態に至るのではないかと思いまして、地元の皆さんには恐縮でありますが、ここは岡山までの延長は後段に持ち越されるべきではないかと私は考えるのですけれども、国鉄当局の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 国鉄が新幹線を現在東京−大阪間でやっておりますのを岡山まで延長するということは、要するに大阪−岡山間の輸送力というものがいまやもうせっちん詰めの状態になっている。どうしたってこれを増強しなければならぬ。増強する以上は、いまの線にはりつけ線でいくか、要するに新幹線と同じようにスタンダード・ゲージでいくか、こういう問題なんでありますが、これは当然私は東京−大阪間の新幹線延長でいくべきものであるということで、新幹線を岡山まで延長するということに決定したわけでありまして、それはこの三次計画の中にはちゃんとそのつもりで予算を組んでおるのでありまして、これをするがために現在の過密ダイヤの緩和、それから通勤交通地獄の緩和というものがおくれるということは全然ないのでありますから、その点はどうぞひとつ御安心願いたいと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 石田総裁が胸をたたかれればそれ以上どうもなりませんけれども、具体的なことでこっちが心配するのはよけいなことかもしれませんが、角本さんの書いた「東海道新幹線」という本を読みますと、この新幹線に手を染める場合、最大の悩みは、用地の取得、土地の取得、これも当初百四十六億の予算でやったものが五百九十八億とべらぼうな値を占めている。これは買収される側も先々代から続いてきた土地を鉄道を敷くために狭められると嘆くでありましょうし、それから用地買収にかかっている仲間は、これまたクリスマスだ何だといっても子供には会えないということでねばり抜く。やっとそれが終わると、今度はその仕事がなくなって配置転換で心配する、こういう一番苦悩した場面を想定されるわけでありますけれども、この用地取得に対して、土地収用法がありますけれども、国鉄として何らかの措置をとらなければ、いま考えている価格とその工事実施とに大きな差異が出るのではないかという、取り越し苦労かもしれませんが心配をするのです。この点いかがなものですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 東京−大阪間の新幹線につきまして一番苦労した一つは、土地の買収であります。これは、実際その局に当たった人間が、人間と生まれて再び土地の買収なんてやるものじゃないと言うほどに、苦労に苦労したものです。それでその結果ようやく土地の買収というものができましたが、価格の上において非常なよけいな金を払わにゃならぬ。こういうような苦しい経験を経ていますが、今度のものにつきましては、その経験を十分に頭に置きまして、そして予算を立てておるのであります。どうせこれはしかしその地方地方の協力を経なかったらうまくいかぬ。ですが、現在の段階におきましては、地方の当局者も十分に協力してくれるような態度でおりますので、あなたが御心配になるようなことはまずないということに私は考えております。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 この際、ただいまの泊谷君の質問に関連いたしまして、総裁にお尋ねしたいと思います。  ただいま東京−大阪間の新幹線の延長として岡山まで延ばすということを申されました。その点につきまして、それは性格といたしまして、私は、国鉄の改良事業としてやられるのではなくして、これは完全に新線建設としてやられるべきものである、こう考えておるのであります。さかのぼってみますると、東京から大阪までの、いわゆる現在の新幹線も、これは国鉄の旧東海道線の改良工事ではなくして、新線建設であると私は理解しておったのでございます。しかしながら、この新幹線の建設に対しましては、建設審議会の議にもかけておられません。また、今度大阪から岡山まで延長をせられますことにつきましても、これは改良ではない。線路の幅にいたしましても、現在の鉄道は狭軌である。新幹線は広軌である。性格が全然違っておるのでございます。前回の東京−大阪間におけるところの新幹線というものは、まだ鉄道建設公団というものができておりませなんだので、国鉄みずから着工されたのでございますが、しかしながら、その後新線建設につきましては、あらゆる面において予定線として大体二百ぐらいある。あるいは調査線、着工線というものが四十数カ所ございます。これを完成するためにはばく大なるところの予算というものを支出しなければならない。それで鉄道建設公団というものが新しくできまして、そうして旧国鉄の改良事業として、あるいは新線建設として一年間に出資されておりました金は八十億ないし八十五億ぐらいの程度であったのでございます。しかしながら当時の着工線、予定線だけを完成するのに対しても五千億、六千億という金が要る。これを国鉄みずからの手で完成していこうとするならば、八十億が百億になっても、五千億の予算の要る新線を建設していくためには五十年という月日が必要である。そういうところから、田中大蔵大臣になられる前に、鉄道建設審議会の委員会において、小委員長として、その抱負を約四十分ぐらいにわたりましてるる述べられまして、鉄道の建設というものは別個の立場において建設すべきである、そしてその予算というものは、国鉄のこの困難な財政の中で八十億、百億を捻出するということも困難であるから、新しい公団を立てて、そうして新しい鉄道を建設していくという目標のもとに鉄道建設公団が発足したのでございます。現在の東京−大阪間の新幹線というものは国鉄時代で、公団も発足しておりませんでしたけれども、今日においては公団も発足いたしまして陣容も整えてやっておるのでございます。先日の關谷さんの質問に対して総裁は述べられました。鉄道建設公団と国鉄とは表裏一体のきょうだい関係のような状態にあるのだということを言われておったのでございます。そうしたときにおいて、今日国鉄が運賃を上げなければならぬような財政的にも窮迫しておるようなときに、この新線を、国鉄がかかえずに、公団ができた趣旨に沿って公団にまかせれば、三千五百億要るといわれているこの工事に対しましても、政府は相当考慮すべき問題であると考えておるのでございます。私もここ数年間鉄道建設審議会の委員をやっておりまして、また明日の本会議においても四回にわたりまして任命されることになっておりますので、審議会におきましても私はこの問題について十分意見を述べたいと考えておりまするが、またこの委員会におきましても後刻いろいろの問題について御質問を申し上げますので、この点一点に対して、総裁はどういうお考えを持っておられるか。あるいは運輸大臣は、この公団のできた趣旨に沿うて国鉄がやるのが正しいのか公団がやるのが正しいのかという立場に立って、政府の見解というものをはっきりと述べていただきたいと思うのでございます。私は、この一点につきまして、泊谷君の質問に関連いたしましてお伺いをする次第でございます。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 大阪−岡山間を国鉄でやるのは間違っている、新線建設は公団にやらせるべきものじゃないか、こういうことでありまするが、これは中立的の立場にある運輸省としてひとつ答弁をしてもらいたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 新幹線は、政府といたしましては、線増の工事というようなことに考えておりまして、新線というふうな解釈をとっておりませんので、国鉄にやらせることにいたしたのであります。

矢尾喜三郎日本社会党

○矢尾委員 後日の参考のためにお聞きしたのでございまするが、これは新線と認めないというようなお考えでございます。しかし、新線でないかあるかは、さきに申し上げましたように、レールの幅でも狭軌と広軌と違います。そしてそれをやめてこっちができるというのならばこれは改良事業としてやられるというようなこともございますけれども、政府みずからが進んで公団をつくられたのです。そうしてその公団にやらさずしてやられるということが、これが新線ではないという考えであるということはどうもおかしいと思うのでございまするが、後日質問をいたしますときにおいて、十分深く掘り下げて私の意見も述べ、また政府の意見も聞かしていただきたいと思う次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 一人であまり時間をいただくとよくないから、これでこの運賃問題に対しての最終的な意見にいたしたいと思うのですけれども、冒頭、私としてはきざだと思いませんでしたが、政治に携わる者の心がまえとして、けさほど申し上げました。イギリスでは、パン一個、牛乳一本の値段を動かすことによって時の内閣の命が取られるというほど、真剣に物価問題というものは考慮を払われなければならぬものだ。できるだけこのイギリスの政治家にも近づきたいという気持ちで話をしたつもりでありますけれども、今回特に国鉄の第三次長期計画が政府自体の計画であるという特徴を持ちながら、先ほどから数多く尋ねてまいりましたけれども、結果的にはこの一冊に書かれておるものの中で、国鉄の企業は、先ほどから申しましたように、大量に仕入れれば本来安くなるはずの石炭が、鉄鋼やらあるいは電力よりも高い値段で買わなければならない。運賃は後払いになる。あるいは、民生安定のために生鮮魚介類、野菜などには特別等級をつげて、との料金をダウンしなければならない。運べば運ぶだけ赤字になり、そして内閣の地域開発、社会開発に基づいて採算を度外視した閑散線区をさらに延ばさなければならぬ。従業員は、三人分の仕事を二人で担当し、利用者はかつて例を見ない二五%という大幅な値上げの負担をしいられておる。ひとり政府だけが、本来みずからの責任で立案をいたしましたこの意見書に何をやったかというと、財投で考慮しますという。しかもその財投は、従来過去五年間の実績から見れば、率は〇・五%も引き下げられておる。こういうことでは、本来的に今回の運賃改定について数多い国民がだれ一人として納得するものではないと思うのであります。きょう、農林省も通産省も経済企画庁も出てもらいませんでした。後刻またその関係官庁に対する質問を留保する、もしくは先輩議員のほうから補足をしてもらいますが、運輸大臣に最終的に私は率直に言わしてもらうと、先日の關谷委員の質問に答えて、磯崎副総裁が答弁をしておりましたけれども、この三次長期計画の計算基礎は、人件費と石炭代はある程度の上昇率を見たけれども、それから銀行支払いの利子は計算したけれども、一切の鉄材その他の資材は現状横ばいという形において計算をしておりますと説明をされております。であるならば、昭和十一年程度に混雑を幾らか緩和して、その態勢にいったとするならば、運賃収入も減りますし、資材の騰貴によって、大臣は、七年間特殊の事情がない限り運賃を値上げしないと話をしておりますけれども、手品師でない限り、これはだれが聞いてもなるほどと思うものではありません。フランスの戦災復興費二千八百七十二億、イギリスの七千億、そしてアメリカの最近における都市交通緩和のための千三百五十億などのこの助成に見られるように、いまこそ、いまの内閣は、あすの閣議でこの問題を提起して、今後のあるべき姿というものを明らかにする必要が私はあると思うのです。あさって先輩議員のほうからお尋ねがあると思うのでありますが、そのときにはきょうお答えになった内容よりもさらに前進した内容をこの委員会を通して明らかにしていただきたいと思うのでありますが、その点お約束をお願いできますか。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 国鉄に対する政府の援助が不足しておるというようなことをお聞きいたしたのでございますが、私も政府の国鉄に対する援助が必ずしも十分であったとは考えませんけれども、やはり政府が援助しますと申しましても、これは国民の税金によってやる以外にないのでございますので、現在の段階では、やはり利用者負担という線を一つのポイントとして、国鉄に対する政府の態度がきめられておるものでございます。いま、あすの閣議でということでございますが、あしたの閣議でこういう問題を取り上げるというようなことは、そのときの閣議の性格、課題というようなものが、現在国会にかげられております予算の内容を動かすようなことは考えられるものではございませんので、現在の段階ではあしたの閣議で前進した方向にいくというようなことはむずかしいと私は考えておる次第でございます。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 最後と断わってまた発言するのは恐縮でありますけれども、大臣のことばじりをとらえるわけではありませんが、松浦さん時代も議論がありました。しょせん税金で始末をすることになるというようなことで、あなた方大臣はそれしかことばを知らないのですか。そういうお話であれば、なぜ海運に助成をされるのです。造船企業になぜ助成をされるのです。農地報償に一千五百億、今度の韓国のもので二千八百八十億、台湾五十億、これはみんな一連、税金でありましょう。税金で負担しなければならぬという、国鉄の問題だけに税金論を引き合いに出すというに至っては、それは小学校の生徒に言ってください。政策を中心に議論をするという国会で、そういうことばでものごとを始末しようというところに本質的な誤りがあります。国民からいただいた税金で、国は順序を立てて、どれから助成の手を差し伸べるかというのが、税金徴収の目的でありましょう。その順位の設定であります。私は山一の問題まで発展させようとは思いませんが、政治家の姿勢であります。あなた方、何か小学校の生徒にでも説教するような話でありますから、自分たちだけはいいラッパを鳴らして、一切の始末を大衆に押しつけようということであり、大きな企業だけ保護されればいいという線から一歩も出ないではありませんか。いろいろ事情はありましょうけれども、一応あすの閣議で話題として提起をしてもらうように私は強く要請しておいて、質問を終わりたいと思います。  委員長に特にお願いがありますけれども、運賃とは直接関係はありませんが、最近特に安全問題がうるさくなっておりますので、一件だけ尋ねることを許していただきたいと思います。  交通新聞を見ますと、境線で、これは米子鉄道管理局でありますが、自衛隊の飛行機が超低空飛行をいたしまして、いままで列車との衝突の危険のあること七回あったと指摘をされ、緊急手配をしてディーゼルをとめた運転士を国鉄では表彰をしております。本来駅の信号機は普通四・五メートルなければならぬものをわざわざ一・七メートルまで下げて、自衛隊に協力をしておるというのですが、本線からこの自衛隊の使う飛行場までわずか三十メートルしかない。こんな危険きわまりないことを許容しておくことはとんでもない話だと思うのであります。国鉄側から強く自衛隊に要請をしたと新聞は報じておるのでありますけれども、その始末と、全国的にもこういう事情があると思いますが、すみやかに運輸大臣は自衛隊側に申し入れをして、この危険飛行をとめるべきだと思うのでありますが、いかがなものでしょう。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私はその事情を詳細に存じませんので、よく検討いたしまして、いずれ防衛庁のほうとも安全を守る方向で検討を進めたいと思います。

泊谷裕夫日本社会党

○泊谷委員 では、ただいまの件はたいへん気になるところでありますから、いますぐとは言いません。あす、あさって先輩議員のほうからも委員会でお尋ねをしますから、その機会に大臣からその結果を報告していただくことにいたしまして、私の質問は終わらしていただきたいと思います。どうも失礼いたしました。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、主として運賃問題に関係した国鉄の経営について御質問をいたします。  まず運輸大臣に質問を申し上げますが、私は運賃問題にからみまして、国鉄といわず、私企業である私鉄といわず、あるいはバス事業といわず、海上運送も含めまして、およそ全体的な交通政策のあり方について考えますると、海上輸送につきましては、これは日本の外貨獲得という一つの至上命令と、二つには日本の経済を伸展させるための貿易政策の重要なにない手としての海上輸送、こういう面から見まして、戦争中に失われました船腹の増強、あるいは海運の助成等につきましては、政府は格別の努力をいたしまして、今日の海運の基礎を築いたことは御承知のとおりであります。しからば陸上におきましても、やはりその貿易等の基礎をなしまする社会構造上のむしろ一番基礎となるべき陸上運送におきまして、海上のいわゆる助成策と陸上交通の助成策とを考えてみますると、あまりにもアンバランスである。しかも国鉄などにいたしましても、今日の状態に追い込みましたのは、むしろ私は政策のアンバランスにある、いわば政策の根本的な貧困に由来をしておると考える。  これを具体的に申しますならば、先ほどからもありましたが、まず第一に、企業に対して一番大きな傷を与えておるのは、いわゆる社会文化政策から発しました通勤あるいは学割等の不当な割引であります。第二には、国鉄等の借り入れ金に対しまする重圧であります。第三には、さきに総裁も答弁をなさいましたけれども、あまりにも金融資本等に対しまして、国鉄の収益からいたしますところの預託制度等によります重圧であります。この三つは、根本的に、私企業といわず、国鉄といわず改めなければ、これは特定の利用者にのみ幾ら負担をかけましても、決してこれらの企業は正常な運営を行なうことができない、そしてこれらの負担の重圧から免れることができない。なぜひとり陸上交通だけがこういった犠牲を政策的に負担しなければならぬのか。私はその理由を見出すことが困難だと思うのであります。したがって、これらの根本的な政策につきまして、私は総理にも後日質問をいたしまして、政府の総轄者としての所信をただしたいと思うのでありますけれども、本日は請求がしてありませんから、運輸大臣からこの点について所管大臣としての基本的な考えをお示し願いたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 通勤、通学等の非常な高額な割引政策が国鉄の運営に大きな圧迫をしておるということは、私もそれはそのとおりだと思います。しかしこれは早急に一気にこれを国の負担等でカバーしていくということにも、国家財政等で非常にむずかしさがございます。これはいままでの国有鉄道時代の一つの考え方というものがそのまま残っておりまして、公共企業体としての国鉄の重圧になっておるということだろうと思います。しかしいまこれを一気にこの問題を解決するということは非常にむずかしいのでございまして、できるだけ国鉄の負担をこの線からは何らかの処置でカバーしていくということを考えていかなければならぬと、この点は考えておるところでございます。  第二番目の金利の点でございますが、これも最近の国鉄がになっております金利負担というものが、非常に大きなものになってまいっておることも事実でございますし、さらに第三次の長期計画を実施するようなことになってきますと、金利負担というものがますます増加の一途をたどっていく、これも重大な課題でございまして、政府といたしましてもできるだけ金利の安い金、しかも長期の金をつぎ込むようにいたしまして、国鉄経営の中から金利負担による圧迫をなくすことにつとめていかなければならないと考えておるのでございます。  その他、金融機関等の関連からくる一つの国鉄に対する隘路等につきましては、先ほど泊谷委員のときにも申したのでございますが、正常な金融制度というものを確立させて、できるだけ国鉄の経営をスムーズに、目的を達して、国民の期待に沿うような方向に努力してまいりたいと考えておる次第でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 前回の運賃改定の際にも私はこの点を強く主張をしておいたのであります。これは前総裁である十河氏も認められたところでありますし、現におられる磯崎副総裁もその妥当性については肯定をされたと私は思っておるのです。ところが、いつまでたってもそれに対しての改善が加えられないというのは、そうして事あるごとに運賃を改定いたしまして、そうして利用者にのみ大きな負担をさせるということは、これはまさに政治の不信を買うばかりだと私は思うのです。学生の割引を廃止せよというのではありません。あるいは通勤定期の割引を廃止せよというのでは決してないのです。それだけの割引をする理由があるわけです。あるわけでありますから、したがってそれが国の政策として絶対に必要であるとお認めになっているのならば、その何割かは——全部とは申しませんが、できる範囲においてその何割かは政策的に政府はそれらの企業に対して負担を軽減するための措置をとるというのは当然だと私は思う。それをしないでおいて、そうして経営が行き詰まれば、いきなり運賃へ運賃へとしわ寄せをして、何ら政治的にそれらの問題について責任をとらぬというのでは、あまりにも私は無策じゃないかと思うのです。この点はいかがです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 理論的には全くそのとおりでございますが、実際問題としまして、通勤、通学の割引からくる国鉄の負担をどういうふうにして軽くするかということは、利用者に持たせるか、国が持つかということ以外にないと思うのでございますが、その間の調整がなかなかむずかしいのでございまして、できるだけ、方向といたしましては、利用者負担をふやすことなくして、国の力をつぎ込むことによってこの点の国鉄の負担を軽くしていくという方向で、今後の問題として検討してまいりたい、かように考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 そこが中村大臣、あなたは、過去の思想から考えれば、どうもそういうことは前の大臣よりもあと向きになっているんじゃないかと私は思うのですよ。そういうことでは、この前の値上げのときとははるかに考え方が後退していると私は思う。そういう考え方が、全部普通切符を買う者に社会負担までもさせているという結果になるじゃありませんか。通勤定期を買って工場へ働きにいって生産を上げるということは、それだけ日本の経済基盤をつちかうための努力をしているんじゃありませんか。そうなれば、定期を買って通っている人々のみが利益を受けるものじゃありませんよ。それによって生産されるものは国民すべてがこれ利益を受けることになるじゃありませんか。学生定期を割り引くということは、それ自体日本の文化水準を高めていくための一つの社会政策として行なわれているものなんです。その責任を全部企業に負わせるというのはまことにもって不合理千万、そう思いませんか。当然だと思いますか。それを普通切符を買う者にのみ負わせる。社会負担を、私が切符を一枚買えば、その切符に全部負わせるということ、そんなむちゃなことがどこにあります。そんなことをして幾ら企業を健全化しようとしたって企業は追いつきませんよ。それではどれだけ有能な企業責任者を呼んできたってやれるわけがないじゃありませんか。いわゆる政治による負債を負わされているんですよ。そんなむちゃな政治をやっているということになれば、巷間伝えられるように、この交通政策を通じて日本のいわゆる社会万般に対して憂慮すべき事態をも云々する人があります。私はまさにそのとおりだと思う。今日の政治家がそういう無責任なことでは断じて許されない。私はそう思う。この際せめて運輸大臣だけでも、もう少しそういう点に力点を置いて運輸行政をなさる考えはないか、さらに私はお考えをただしておきたいと思います。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私は、考え方としては山口委員のお考え方と同じような気持ちを持っておりますが、国家財政等との関連もございますので、なかなか一気に思うとおりにはならないのでございまして、今後の方向としてそういう方向で検討を続けてまいりたい、かように考えておる次第であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいまの答弁をそのまま受け取って、前向きにひとつ検討してもらいたい。特に今日の経済事情からいいますならば、いわゆる産業設備投資の過剰であること、所得倍増政策によりまして——それも私は、むやみに何も責任を云々も攻撃もいたしません。しかしながら今日、日本の産業が設備過剰にあることは、どなたもが認められておるところである。それが今日の経済不況の原因をなしていること、またどなたが見られても明白な事実であります。政府もみんな認められているんじゃありませんか。それならば、いま財政上云々と言われましたけれども、この機会にこそ、立ちおくれておるところの日本の社会投資というものを充実すべきである。それならば、二兆円にも及ぶ産業投資をやるというのなら、一気に、極端なことをいうならば、一兆円国鉄にやりなさい。投資をしなさい。貸して国鉄企業というものにさらにその負債の負担を大きくしたならば、三年ないし四年後にはまたまた運賃を上げなければならぬというところに必ずまいります。この報告書にもあるじゃありませんか。十年後には二兆何千億円の借金ができるということを言っている。それではたして国鉄の企業が正常な運営をし得ると考えられますか。だれがやったって、このままで企業の健全化ができるというようなことは考えられないことです。根本的に、大体いまの閣僚どもの頭なんというものは間違っていますよ。ただ金もうけを、きょう百円投資をやったら、あすは百五十円もうかるんだというような、手近な、向こう先の見えないことばかりをやっている。だから国民に大きな迷惑をかげるということになる。私は、この本年度の予算を見ましても、遺憾しごくである。根本的な考え方が間違っている。そしていたずらに弱い国民のほうにせんぐりしわ寄せして、自分はその国民の負担に対してはっきりとした政治的責任を明確にしようとはちっともしない。この予算の答弁を見ておりましても、新聞が指摘しておりますように、つべこべとそのときの責任のがればかり言っておる。何も具体的な示唆を与えておらぬ。こういう点について、石田総裁はいかようにお考えになりますか。私はさっきまで運輸大臣に質問したが、あなたのお考えはどうです。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 山口さんに私もきわめて端的な意見を申し上げます。  大体、今日の国鉄の現状というものはどうして起こったんだ、こういうことなんですが、これは結局、過去における過小投資の累積と、そうして運賃を安く押えられてきた。その根本においては、要するに国鉄の重要性というものに対する認識が国民の一部に正しく持たれなかったということだと思うのです。進駐軍というものは、御承知のとおりアメリカ式の頭でもって、鉄道というものはもう将来はたいした見込みはない、また一般の国民はこれからは自動車の時代であって、鉄道の時代ではない、こういうようなことによって結局投資というものが過小になってきた。そこへ持ってきて運賃を安く押えつけてきた。国は鉄道、国鉄というものを自分の子供のように考えるのはいいですが、これにろくすっぽ飯も食わせないで、しりっぺたをたたいて酷使してきたのが今日の実情なんです。また国鉄自身も非常に責任があった。国鉄が弱かったんですね。それが今日のこの状態で、どうしてもこのままで置いてはいかぬということで、政府にお願いして打ち立てたのが運輸大臣の御協力によってできました第三次計画、要するに国鉄自体の計画によらないで、国の計画として認めてもらう、同時にこれに対してはちゃんと財政的な裏づけをしてやる、こういうことでできたものです。  それで、山口さん御承知のとおり、国鉄の直面している問題はいま三つあると思う。第一は通勤、通学の交通地獄の問題、第二は幹線の過密ダイヤの問題、第三はこの過密ダイヤに処して輸送の安全を確保するにはどうしたらいいか、こういうことなんです。そのうちで通勤、通学というものは第一次計画、第二次計画とありましても、ろくすっぽたいしたことはやっておらぬ。しかも今日の状態を見れば思い切ったことをやらなければいかぬということで、第二次計画あたりでは全体でもって七百七十億くらいの計画、それもろくすっぽやってはせぬ。それを今度の第三次計画では思い切ってひとつ五千二百億もかけてやろう、こういうようなことになってきたのであります。そのほかに輸送安全装置の問題がある。過密ダイヤに処して事故なからしめるためには、何どかして思い切った輸送安全装置をやらなければならぬ。つまりそういう交通地獄の緩和というものと、通勤、通学の緩和というものと、輸送過密ダイヤに処する安全装置というもので、要するに資本金額というものは一兆以上になる。こういうものに利息のついた金をもってしてはとてもペイできぬ。それを借金でやることにおいては、国鉄は借金の重圧によってにっちもさっちもいかなくなって、とうとうしまいにはまとめて国から補助金をちょうだいしなければならぬことになる。ここにおいて、そこに至る前に、そんな不面目なことをしないでやるにはどうしたらいいか。ということは、自己資金をつくることになる。自己資金をつくるにはどうしたらいいかということになると、やはり運賃の是正をすることになる。運賃の値上げというものに対しては社会党各位は不賛成のようでありまするが、私はこれは正当だと思います。ということは、今日の旅客運賃なんというものはめちゃくちゃに安いんですよ。物価は三百五十倍だとか、それからまた電電公社なんぞは、もうすでに昭和二十九年において昭和十一年に比べて二百三十三倍にもなっているのに、国鉄は二十九年以来二回の値上げをやったにかかわらず、旅客運賃なんというものはわずかに百六十一倍だ。これはもう問題にならぬ。これは今度旅客運賃において三割一分上げることによって、結局百六十一倍が二百五十倍になるくらいで、そう何も驚くことはない。これは要するに運賃の値上げにあらずして、運賃があまり安過ぎるから、その是正策だ。これを値上げなんと言うから非常にかどが立つんだ。是正といえばなるほどということになる。そういうことで、いろいろ理屈はありましょうが、ぜひひとつ社会党各位も御賛成を願いたい。  それからまた、私が申し上げたいと思うことは、さっきから問題になっておる公共投資の問題です。三十二年から三十九年までに国鉄が政府の政策のために佐倉宗五郎になっておる金額は幾らあるかというと、五千二百億。四十年度においては九百億ですよ。これを是正しなければいかぬ。だから、今度の運賃是正とともに、われわれがやらんと欲することは、この公共負担の是正である。その一部として、最も大きくして、最もあったかくしやすい通勤の問題に手をつけた、こういう次第です。これはぜひ御了承願いたいと私は思うのです。そういうことで、山口さんが御心配のような、いま国鉄が直面しておる三つの大きな問題を思い切ってひとつ断行しようというのが、われわれの決心でございます。どうぞ御協力願いたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 いま総裁から、運賃値上げの問題の正当性を筋を通そうとして一生懸命やっておると言われるが、私がさっき指摘したそれを度外視してやられるなら、正当性はあるのです。しかし、私は総裁のいまの答弁は非常に遺憾に思う。それは何かというと、いわゆるその運賃値上げなら運賃値上げの前提条件となるべき処置が一つもされていないじゃないか。なぜ鉄道だけが政策的に要請されるところの——政治責任において解決さるべき公共負担に対して何らの措置もとられないで、そうしていま言ったように、国鉄の経営が行き詰まったから運賃値上げを要請するんだ、こういうことは理屈が通らないじゃないか。  第二には、それだけ線路の増備あるいは補強が必要になってくる。そしてその輸送力の増強をしなければならない。それをやれば当然やはりただではできないのでありますから、したがって、これは投資という性格を持つべきものだ。投資という責任を持つものだ。ところがそれは、純然たる利益企業としては国の経済、社会に貢献することができないゆえに、前は国鉄であり、いまもやはりそれを単なる私企業として利潤追求の道具としては存在することを許されないがゆえに、公営企業体、公共企業体として国鉄は字在しておるのである。したがって、その企業に対して、資本主義的な普通の産業と同じように、言いかえたならば、利潤追求の道具としての社会構成上の一機構としての国有鉄道という性格において論ぜられるといういまの総裁の説には、私は遺憾ながら賛成することができない。国鉄の当路者はそういったような前提条件を幾らかなりとも前進させるように努力をした後に、どうしてもこれではいけないからというならば、運賃値上げも国民はある程度容認するでしょうけれども、そういう今日のような状態において、ただ運賃値上げだけを要請されても国民は納得しない。これは単に社会党が反対しておるのじゃないですよ。国民に聞いてみなさい。みなそれは反対していますよ。しかも、一日おくれれば五億円も収入が損だ損だと言っておる。私のほうにも言いたいことがある。言いかえたならば、一億の国民があると仮定したら、一日五円ずつ国民が負担していることになるのですよ。とんでもない。それでもあなた何とも思わぬのですか。考え方が古いというか、時代に即応しないというか、どうも私には納得できないのです。これはいかがです。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 山口さんの言われることは、私は一部はごもっともだと思います。私は、国鉄の今度の基本問題懇談会におきまして、過去における公共負担というものが非常に莫大な全額になっておる、これは全く政府の政策というものが国鉄の犠牲においてやられたものであるがゆえに、ひとつ政府が投資したらいい、約三千億円くらい投資したらどうかということを主張したのであります。ということは、結局、今度の値上げの計画のうちでもって、通勤通学の問題であるとか、あるいは輸送の安全だとかには、利息のつく金でもってはとてもこれはペイせぬ。国鉄は結局借金の重圧に追われて、にっちもさっちもいかなくなってしまう。これは結局政府の投資でやるか、運賃値上げでやるか、いずれにしても自己資金でやらざるを得ぬ。こういうことで再三懇談会で三千億ないし二千億はぜひ政府で出資してくれ、こういうことをお願いしたのでありますが、なかなか政府は首を縦に振らぬ。これはむしろ私は、社会党なり自由民主党が政府に首を振ら迂るということでなければ、われわれの力ではできぬですよ。それではそのほかに自己資金をつくるにはどうするかということになると、要するに公共負担の是正であり、そうして運賃の値上げである。旅客運賃なんというものは安過ぎるのだ。天下に一体こんな安いものはありはせぬ。これを是正する。是正であり、かつ収入増という一挙両得です。そういうことでやっておるわけなんで、決して打つべき手を打たないでいきなり運賃の値上げ、是正というふうに持っていったわけではない。これはひとつ十分にわれわれの立場を御了察願いたいと思います。政府の出資なんということは、これはここに運輸大臣もおられますからして、これからも大いにお願いしなければならぬが、社会党も大いに馬力をかけてやってもらいたいと思います。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、さっき質問したのは、石田総裁、あなたが監査委員をやっておられて、その報告書の中にあなた自身が報告されているのです。それに基づいて言っておるのです。あなたが総裁になられる前に監査委員をやっておられた。そうしてその監査報告書の中に、あなた自身が認められて、われわれ国会にもちゃんと報告書を出しておる。いわゆる公共負担の点についてはあなた自身が言っておられる。なぜ国鉄が学割や通勤の割引について全額負担をしなければならないのか、普通切符を買った人にしわ寄せをなぜしなければならないのか、それはおかしい、したがって、この点は十分に考えて政府は是正すべきだということをあなたは報告しておられるのですよ。それが、総裁になると、何かどこか違うところから来られたのかどうか知らぬけれども、いまの言い方は実に私は奇怪千万だと思います。野にあれば言いたいことが言えるが、総裁になればそうはいかぬと言われるかもしれぬけれども、それじゃあの報告書というのはまことにもって権威のないものということになるじゃないですか。だから私はお尋ねしたわけです。一部肯定されたのだから、私は何も無理やりにその説を再確認せいとも何とも言いませんけれども、しかし、これは、石田総裁という人はたいへん進んだ考え方を持っておる。これは社会党が主張するとか、自民党が主張するとかいう問題じゃない。国民全体がやはり恩恵をこうむるために主張しておる問題だ。これをいみじくもあなたは報告書に報告されたのだ。こうわれわれは受け取った。ところが、さっきから聞いてみると、それを全面的に是認するのじゃなくて、一部くらいのことになってしまう。私はそういうふうなことではならぬので、やはりもっと国鉄に対して政府が姿勢を正すべきだ。ほんとうに政治姿勢を正さなければ、こんなものは、安い安いとおっしゃるけれども、今日そんなことを言えば、これはまた各国の勤労者の賃金から国民の生産、収入、それらをすべて総合しなければ、これは問題は解決しないのですから、そうなれば全部、経済企画庁も来てもらわなければならぬし、もちろん総理大臣も来てもらわなければならぬ。経済閣僚は全部来てもらわなければならぬ。その席でなければそんなことは根本的には私は言えないと思う。しかし、安い安いとおっしゃるけれども、今日その運賃が低廉に置かれているというのは、それだけにやはり政治的理由もあると私は思う。日本の国民の生活水準の面から見ましても、やはりその妥当性というものを是認していれば、だれもが運賃値上げをされては困る、高くされては困るとは言いません。それを言うというのは、それに対応するに恐怖を持っているから言うのですよ。そうじゃないですか。何ぼ上げられても十分にそれに対応できる、国民全体がそれだけの水準を持っておれば、いわゆる負担能力を持っておれば、そうそう私は運賃値上げに反対をしないと思う。むしろ進んで当然だと言うでしょう。しかし今日はそういうことが言えない。反対の立場に国民全体が置かれるということは、それだけ対応性というものに乏しいということを表面に出しておるものだ、私はそう思うのだが、いかがです。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 お答えいたします。  大体公共負担の是正の問題でありまするが、今度はつまり運賃是正とともに、一番公共負担で国鉄の負担が多い通勤通学、これは三十九年度は六百十六億、総額で約九百億円になる。このうち今回の是正で四分の一程度を減らす予定であります。それで、理想からいえば、この通勤通学問題は一挙に是正するということがほんとうで、これは山口さんあたりは、こういうことは非常に御賛成かもしれぬが、これは歴史的になかなか根を張っているんです。これを一ぺんにやるということは、これは実際問題として少し常識に欠けていると思う。やはりだんだんにふくれてきたのだから、だんだんに減らしていく、こういうことが私は常識的の問題じゃないかと思う。国鉄としては、今度の運賃是正、これは運賃値上げか知りませんが、それをやるときには必ず公共負担の是正というものをやると同時に、これは運輸大臣にお願いをして、平時においてでもこの公共負担の是正というものは私はやっていただきたいと思う。そういうぐあいに、決して私は監査委員長の主張を総裁になったからといってひん曲げるというような、そんなひきょうな男ではない。  それからもう一つ、運賃の値上げの問題ですが、世をあげてすべて反対になるなんということを考えていらっしゃる山口さんとは、私はその点で必ずしも意見を同じにしておりません。大部分は賛成していますよ。これはごもっともだというふうに言っていると私は思う。どうせ世の中の、いまのような、ことに物価値上げだとかいうようなことで何でもかでも上がるというときに、運賃を上げるということに対しては、表から賛成だと言う勇気のある人は私は少ないと思う。心中、なるほど国鉄の事情を聞いてみれば、いまの運賃というのは安過ぎる、これは是正は当然だというような、ほんとうに公平な頭の所有者というものも私は相当にあると思います。これはひとつ、ただ水平線上にあらわれた声だけを聞かないで、水平線下の静かなる、しかも強い声を聞いていただきたいと思います。これはひとつ山口さんも水平線上の声だけ聞かないで、もう少し静かなる声を聞いていただきたい。これはなるほどもっともだという説が相当にありますよ。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは私は議論しようとは思いませんけれども、ただより安いものはないのだから、それではそんなことを言うなら、みんなただでおくれと言いますよ。みんな賛成だと言いますよ。一銭でも出すということは、これは反対するにきまっている。だから私は、そんな不当な声までも吸い上げて、ここで何もあなたと論議しようなんて考えは毛頭ないですよ。そんなものはありませんよ。正当な、これならば納得のいくという政治的処置がとられた後にならば、これはもっと三五%上がったって得心するでしょう。しかし、あまりにも今日、政治的に見て、少しもそういったようないわゆる責任が明確になっていない。だから、むしろ私は国鉄なり何なりに同情して言っている。およそ私は政治に携わっている者ですから、何も——社会党やからどうのこうのとたびたび総裁は言われるけれども、それは私は社会党員です。間違いありませんよ。そんなことを念を押してもらわなくてもわかっているけれども、それで言うておるんじゃありませんよ。そうじゃないんですよ。連帯責任ですよ、これは。企業にばかり責任を持たして、そうして政治的に政府が処理してやらなければならないものまでもそのままにしておいて、全部を企業の負担に持っていって、そして運賃値上げで非難を受けるようなことは、これはあまりにも無策である、無責任である、こう考えるから私はそう言っている。これは運輸大臣、どうです。この点は私は原則的にはお認めになると思うんだが、いかがです。一気にそれを何もかもやれと、そんな不合理なことを言っているんじゃありませんよ。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 私も、先ほどから言いますように、原則的には認めるのでございますが、やはり国家財政等との関連もございますし、さらに通勤通学等の非常な大きな割引率を制定して、しかもそれを国鉄だけの負担にしておりますというのは、これは国有鉄道時代からの一つのしきたりといいますか、型といいますか、そういうものがあって、その国有鉄道時代のあり方と、公共企業体になって独立採算制というような形に変わりましたその間の一つの変遷といいますか、移り変わりの過程においていろいろむずかしさがございまして、そういうことがやはりいま言いますような形で、石田総裁がいつも言われるように、国が国鉄におんぶしてしもうておるというような結論になっておると思うのでございます。しかし、これはやはり国鉄という公共企業体の合理性から考えましても、できるだけ早い機会に逐次——一気にはいま山口委員も言ったように解決できぬことは、これは御承知のことと思いますが、できる限り早い機会にそういう正常な姿に持っていくように、政府としても努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 いまの答弁で、いままでの主張に対しては、私はぜひそれを実行に移してもらうようにお願いしたいと思います。  そこで今度は国鉄の経営についてひとつお伺いをいたしますが、こういうように国鉄としては非常に経営のむずかしい段階にきて、そして運賃の、何というだって、ことばでは是正かどうか知らぬが、上げられることには間違いないんです。ですから国民としては重大な関心を持っておる。これは当然のことであると私は思う。  そこで、まず生活局のほうに先に質問をいたしますが、今度政府の計画をしておりますのは、いま問題になっておる国鉄——すでに私鉄の運賃及びバスの一部の運賃については引き上げられている。そこで、国鉄の運賃は平均をすれば二五%——旅客で一三・二%、貨物で一七・五%、これを平均すると二五%だという。ところがこれは、その積算基礎の取り方によっては、これが平均三〇%になるとも、的確なことは私は言えないと思うのですね。しかし、一応その国鉄からお出しになった資料に基づいて考えますれば、二五%の値上げであるという。そうすると、いま言ったように、交通関係のみで私鉄、バスの運賃が一体どのくらい上がっておりますか。これは運輸省でわかりますか。生活局でわかりますか。

堀武夫運輸事務官(鉄道監督局長)

○堀政府委員 私鉄につきましては、大手私鉄は先般一月の十一日に認可いたしましたが、大手私鉄につきましては、増収率で申しますと二四・七%、値上げ率と申しますか、それで申しますと二〇・二%でございます。バスにつきましてはわかりません。

深草克巳運輸事務官(大臣官房長)

○深草政府委員 手元にございます資料は三十七年から四十年までのすべてでございますが、一番低いのは一八%、一番高いのは三二%で認可している。個々の分は手元に持っておりません。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 米を一月から上げましたね。これは幾らの割りになりますか。

中西一郎総理府事務官(経済企画庁国民生活局長)

○中西政府委員 米全体で八・六%の値上げ率です。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは平均ですか。実質数字ですか。生活全体から見た数字はどういうことになりますか。

中西一郎総理府事務官(経済企画庁国民生活局長)

○中西政府委員 これは計算の技術的な問題があるのですけれども、配給計画に基づく各等級のウエートをもとにしまして、それぞれの配給米の値上げ率をかけて出したものです。CPIのほうでは、せんだって内閣統計局で発表しておりましたが、大体CPIの影響は〇・七%ぐらいではないか、こう言っておりますが、そのときのもとの数字は八・六と違いまして、八・六というのは全体の配給米です。内閣統計局が取りましたのは、統計の約束で、一−四等米で計算して、先ほど申し上げたような発表を内閣統計局はいたしております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これは、いま答弁がありましたが、単に単純に配給米だけの価格を基礎にして考えられているようでありますけれども、そういうもんじゃありませんな、実際問題は。今日では準配給米的な操作によって売買されている米もありまして、それがむしろ今日の主力になっているように思われる。少なくとも半分以上はそれである。したがって、配給米の価格の引き上げというものは、それらの米の値段を刺激いたしまして、いまあなたの答弁されたような低廉なものでは決してないと私は思う。しかしながら、それは議論になりますから後日に譲ることにいたします。いま言われましたように、私鉄の運賃は名目的には二〇・二%であるけれども、収入実績から申しますならば二四・七%である。バスについては一八%ないし三二%の値上げになる。そこへ今度は郵便料金の値上げがあり、電力料金の値上げも予定される。こういうことになりますと、これは私は藤山経済企画庁長官に来ていただいて、一応政府の国民生活に及ぼす影響についてただしておきたいと思うのですけれども、こういった考え方は、今日の段階において国民の生活、少なくとも中流以下の国民大多数に与える影響というものは、一体どういうふうに考えられておるか。ありましたらひとつ御答弁願いたい。

中西一郎総理府事務官(経済企画庁国民生活局長)

○中西政府委員 いまお話しの点いろいろ試算をいたしておりますが、的確な計算は非常にむずかしいのですけれども、米価をはじめとして最近予想される値上げと家計の実態、家計の中でそれぞれの品目にどのくらい支出しておるかというウエートがございます。値上げ率と支出のウエートをかけ合わせまして、家計へ及ぼす影響というものを計算しておりますけれども、少なくとも家計全体の平均の一%は下らないと思われます。一・何%になりますか、とりようによっていろいろな計算になるのですけれども、一・五%をこえることもないと思うのですけれども、一%を下ることはない、そういう感触でおります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それはちょっと甘いと思うのです。国鉄の運賃は、前に上げたときだけでも、それに付随して上がるところの、たとえば物資なんかに対する影響力その他を考えれば、国鉄の運賃をいらうだけで、大体生活水準から見た影響は二%である。この前の運賃値上げのときにはそういう説明を国鉄当局からもしておられる。前回よりもさらに大きな値上げ案をもって改定されるのでありますが、前回はこれだけ広範な公共料金の改定はなかったわけであります。私鉄の運賃などは、前回国鉄の運賃が上がりましてから、たしか一年半ぐらいは据え置きのままになっていたと思う。国鉄の運賃だけを計算してもそれだけであったのに、今日では米が上がり私鉄、バス上がり、国鉄上がり、郵便料金上がり、電力料も上がる。何もかも、すべてが引き上げのムードになっておるのです。そうなると、いまあなたがおっしゃったように、一・一%というような、国民生活に対する影響がそんな低廉なものとは私は考えないのです。ですから、これは至急にひとつ調査機関を総動員して、どれだけの影響力があるか。これはやはり国民に対して私どもは説明もしなければならぬ。資料にしてすぐ出してもらいたい。お願いしておきます。まだ質問はたくさん生活局にもありますけれども、その資料を提出してもらって、その上で経済企画庁等も来てもらい、総理にも来てもらって、基本的なものについて私は質問をいたしたいと思いますから、後日に譲ります。  そこで、ひとつ国鉄の経営の合理化という考え方から質問をしておきたいのです。先刻もらいました関連産業に対するリストであります。これは提出をしてもらったけれども、これだけではないと私は思うのです。私が言ったのは、それと同時に研究所その他に対しても、補助金というのですか、研究費というのですか、委託費というのですか、そういうようなものも相当の支出をしておられると私は思うのです。したがって、それらのリストを合わせ、ひとつ提出してもらいたいと思うのです。この間提出されました資料だけをとってみましても、国鉄が支出をしております負担金増というのは四百三十二億九千四百九十八万六千円、こういう計算が私はできると思うのですが、提出されたリストというのはこれで全部ですか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 前回先生から御要求のありました資料は全部であります。ただこの中には御承知のとおり、建設公団に対する現物出資が百七十億入っておりますから、現金出資ではございません。この中には現物出資が入っておりますから、その点だけを……。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 百幾らですか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 第一ページの資料の国鉄出資額二百七十一億五千三百万円の中に、概算で百七十一億の建設公団設立当時の、何と申しますか、着工いたしましたその途中の工事を全部土地並びに構造物を評価いたしまして、現物出資いたしました。これは法律できまっておりますので、その現物出資が百七十億入っております。それを含めましてのことでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 そこでこれは運輸大臣にひとつ、根本的なことでありますから、考えをただしておきたいと思うのです。  まず、これはやはり類似の法律の成立によりまして、それを根拠にしてこの投資が行なわれているのですね。しかし、これは言いかえましたら、約五百億に近い金が他の外郭団体に投資をされたわけですね。そうでなくても国鉄は苦しい経理の中に置かれているのです。そうして孤立無援なんですね。社会負担をしいられながらも、政治的にも何ら手を染めない。そうしてまたおまけに、その苦しい経理の中から四百五十億もあっちゃこっちへ出せというのは、これまたあまりにも理論に合わぬじゃないかと思うのですけれども、これをしもさらに通過させる御所存か。他にもまだいろいろあるようでありますが、つくってでもどんどん投資をさせる御所存か、それともこういったものに対しては合理的なピリオドを打って、国鉄の負担を外郭投資に向けさせないように、もっと政府が責任を持ってピリオドを打たすような方向に考えないのか、どっちなんです。

中村寅太自由民主党運輸大臣

○中村(寅)国務大臣 国鉄が投資をしておりますのは、国鉄と非常に関係の深い、密接不可分といいますか、国鉄のために投資をしてそこを強化することが有利なようなものに、しかも法律の範囲内で投資しておるのでございますが、今後はやはり法律の範囲内からはなるべくそういう線が大きくなっていかないように、国鉄は国鉄の本来の仕事に全力をあげることができるような方向で、ひとつやっていきたいと考えております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 これはいま答弁がありましたが、公団をつくる場合におきましても、あるいはその他の法案が提出されるときの理由にも、必ず国鉄本来の使命を全うさせるために、こういう注釈づきで私たちは法案の審議をさせられたわけです。そうして反対であると賛成であると、とにかくわれわれの意見は別にしても、多数で、責任政治ということで、与党の賛成を得てこういうものができているのですよ。私どもは当初からこういうものはやらすべきでない、そういう考え方です。それは、いま言ったように、そうでなくても苦しい国鉄なんですよ。それに何ぼ関連的な、たとえば大阪の梅田の国鉄の倉庫のごとき、必要でしょう。必要ではありましても、それは何も苦しまぎれに民間の資本も入れて、そうして国鉄がそこへ投資して、得るものは何かといえば、荷役の円滑化によるところの貨車の回送による、いわゆる効率化という利益だけしかないのですよ。ですから、こういうものは、私は結果的にはそういう利点はあるにしても、今度は国鉄の経理面から言うならば、ますますその負担を重くするだけである。したがって、こういうものについては、どうしても必要ならいわゆる民間資本なり何なり別のものでやらすべきであって、何も国鉄が直接にこれに投資すべきじゃない、やらすべきじゃないのだ、こういう主張を私どもは——私は運輸委員を十年やっているのですが、ずっと主張してきておるのです。今日国鉄がほんとうに行き詰まっておる。そうして一日に五億円、運賃値上げができなかったら、五億円の資金繰りができぬと言って、泣いて回っている。こういうときに何百億というような金を外部へどんどん出していくというのじゃ、これも一つ理屈に合わぬじゃありませんか。こういうものは国鉄に負担させるのではなくて、もっとすっきりした形において、民間資本なり何なりにやらすとかして、そしてもっと負担を軽減してやるべきじゃないかと思うのですけれども、これはいかがです。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 これは私から答弁しておきたいと思います。  第一に、国鉄の外郭団体の問題であります。これはさっきちょっとお触れになったと思いますので、ついでですから申し上げておきます。  国鉄の外郭団体というものに対しては、私がまだ国鉄総裁になる前、前総裁の時分に、だいぶやかましく言われたわけです。それで、三十二年に外郭団体整理委員会というものをつくって、工藤昭四郎氏が委員長になって、多年にわたって片っ端から整理いたしまして、現在における外郭団体というのは、きわめてわずかなものであります。それに対する国鉄の出費というものは問題にならぬ。  それから、いまお話しになりましたそのほかに対する問題ですが、これはさっき運輸大臣から申し上げたように、国鉄が業務を執行する上においてぜひとも必要である、国鉄のためになるというものだけに限定したのでありまして、決してそれ以上のものは出しておらぬのであります。  それから、さっき倉庫の問題に触れましたが、これはひとつ御了解を十分得ておかなければならぬ。  まず第一に、これは私の監査委員長の時代に起こった問題は、汐留における倉庫の建設問題です。これに対しては、だいぶ民間から反対がありました。しかしこれはぜひともやらなければならぬということで、最近具体化してきたのは、例の大阪の梅田の問題であります。まず東京の汐留に倉庫をつくるということでありますが、御承知かしらんが、汐留に荷物が着いて荷さばきされる荷物の約一割五分というものは、つまり汐留から需要者のところに直接いかないで、一たん市中の倉庫に入る。それは約一割五分です。その一割五分という数字は、年々変わらぬ。問題は、汐留をできるだけ能率化して、あそこに到着貨車を多くするために、一割五分は一割五分であっても、荷さばきされる荷物の数量というものは多くなってくる。それは市中の倉庫に入るわけです。それから市中の倉庫がそれだけにつまり容量がふえてくれば問題ないのですが、現在の地価をもってして、現在の建築費をもってして、市中に年々歳々一割五分の新しい倉庫をつくるということは不可能です。結局その結果はどういうことになるかというと、汐留からの荷さばきはそれだけ遅滞される。つまりあそこに荷物が滞って、結局到着貨物の荷おろしができなくなる。そこにおいてわれわれが考えついたのは、あそこに倉庫をつくって、荷さばきのおくれるやつをあそこに一たん保管して、そうして到着貨物をできるだけふやし、同時に荷さばきをよくしよう、こういうことなんで、これは国鉄の輸送貨物の増加に対処する道としては当然やらなければならぬ。ただそれを一般の倉庫協会なんぞは初めは非常に反対したのでありますが、だんだん理を説いて話してみると、なるほどもっともだ、こういうことで、しかもそれを国鉄が自分だけでやるということになると、世間からは変な目をもって見られるということであるし、まあ国鉄はできるだけ民間の資本を利用するということも、これはけっこうなことだ、こういうことで、梅田に対しましては、国鉄だけの資本に加うるに民間の資本を加えて、そうして倉庫をつくるということでやったわけであります。  こういうことをお話し申し上げれば、山口さんとしてはごもっともだと私は考えられると思います。そういうわけで、決して国鉄ではむだに金を使っているというわけじゃありません。そんな金は現在国鉄にはありはしませんよ。どうぞひとつ御了解をいただきたいと思います。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 ただいまの総裁の申し上げましたことをちょっと補足いたしますと、提出いたしました資料をごらんくださいましたとおり、何といっても全体のうちの一番大きなものは、前回も問題になりました建設公団に対する出資でございます。これは先ほど申し上げました百七十億の現物出資のほかに、毎年七十五億の出資をいたしております。これはもちろん当委員会では、出資は少ない、もっと建設公団に出資をしろ、こういう御意見が先般来あったように承っております。それから次は、東京の地下鉄でございますが、これはここにございます国鉄の出資が九十五億でございますが、これは戦争前からの出資でございまして、とのうち五十一億が再評価したものでございます。したがいまして実際出資いたしましたのは約四十億でございます。これを出資いたしますと、東京の地下鉄は交通債券というものを約十倍発行できることになっております。したがいまして国鉄が五億出資いたしますと、それが五十億の金になって設備に戻るわけでございます。そのお金で今度やっと、中野から竹橋まででございますが、国鉄の中央線と地下鉄の五号線とが相互に乗り入れまして、そうして通勤輸送を相当大幅に改善できるということでございまして、これが毎年五億ないし十億の出資をいたしております。差額は再評価の益金でございます。五十億は再評価したものでございます。  その他のこまかいものは、ただいま総裁が申し上げた倉庫の問題並びに最近つくっておりますのは臨海鉄道でございます。これはこの付近の京葉を——京葉につきましては、三年ほど前に当委員会の先生方に全部現地をごらん願った記憶がございますが、あれと同じようなものが名古屋あるいは川崎にできまして、これを私設鉄道でやったのではとてもペイしない、かといって、国鉄だけでやるのではとても金が足りないということで、国鉄と、あそこに進出いたしました各業者、それから、できれば地元の都道府県、ことに京葉におきましては千葉県、名古屋におきましては名古屋の港湾管理組合、川崎におきましては神奈川県、川崎市、こういった公共自治団体に入ってもらいまして、そして、地方自治体と、国鉄と、進出の業者と、この三つが一体になりまして地方鉄道をつくりまして、そして今後運営していくということ。これはどちらかと申し上げますれば、本来は国鉄の自己資金で臨海鉄道をつくらなければならない問題ではございますが、とてもそこまで金が回りませんので、…分の一なり四分の一なりを出資いたしまして、大部分をいま申し上げましたとおり地方から集めて、そして現に相当な貨物輸送をやっておるわけでございます。  一つ、性格が違いますが、日本交通公社でございます。これも、ここに書きましたとおり、国内旅客あっせん業をやっておりますが、国鉄の営業増進という意味で——交通公社がかってに自分のところだけの主義方針でやられても困る、あくまでも国鉄の販路拡張と申しますか、営業増進と申しますか、そういう角度から仕事をしてもらいたい、こういった意味で資本のつながりを持って、仕事をよく連絡協調してやっていこう、こういう趣旨で出資いたしたものでございまして、国鉄法の第六条をごらんのとおり、非常に厳格な制限がついておりまして、もちろん大臣の承認が要りますとともに、第六条にありますとおりに、直通運輸とかあるいは国鉄の運送事業と密接に関連する、しかも運輸に関する事業でなければいかぬ、しかもその範囲は政令で定めるというふうに、非常に限定的に列挙されておりまして、私どもといたしましても、過般先生のおっしゃったとおり、決して国鉄の力をもって民営を圧迫するとか、そういう気持ちでやっておるのではなしに、ごくわずかの金を出資することによって大きな形でそれが返ってくる、こういう意味で出資しているわけでございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 いまのことばじりをつかまえて私は言うのではありませんけれども、民営を圧迫するとかしないとか、そんなちゃちなことを言っておるのではないのです。それだけはひとつ誤解のないようにしていただきたい。  もう一つは、さきに社会負担の点で定期券の問題を取り上げましたけれども、何も割引率を引き下げて、定期券を上げるとか上げないとか、そんなことを言っているのではない。むしろもっと引き下げてやってもいいと思う。むしろ、政府にそれだけのなにがあるなら、何も企業にだけ全部責任を負わせるのではなくて、やはりそれだけ国家社会が政治的に要求しておるのだから、政治的にやはり政府も責任を負うべきだ、こういうことを言っているのです。それに対して運輸大臣はそれを認められたのですから、また、監査委員をしておられたときの現総裁がそれを監査報告の中で要求されておるのですから、私は決して根拠のないことを言っておるのではない。そういう点誤解のないようにしてもらわないと困りますから、あらかじめ言っておきます。  そこで、いま副総裁から説明がありましたが、この中には広島バスセッターでありますとか、草津温泉バスセンター等もある。これらはどういう性格のものですか、ちょっと私にはわかりかねるのですが……。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 この中にバスセンターが三カ所ございます。広島と福岡と草津でございます。これは、御承知のとおり、広島には十数社のバスが市内に入っておりまして、その間各バス会社が全部市内に小さい自分のターミナルを持っておったのであります。それが非常に金がかかりますので、当時の国有財産のほうにいろいろ御協力を願いまして、広島の市内の一番いいところ、しかもそれは実は国鉄バスの営業所のすぐそばでございます。それらをバス会社でひとつ共同に使おうじゃないか、それによって、利用者がいままでばらばらに各会社のターミナルに行かなければ乗れなかったものが、全部一カ所に集まりましたので、そのターミナルに行きさえすればどこ行きのバスにも乗れる、しかも共通の切符も売る、こういうことにいたしまして、昭和三十年、ちょうど十年前になりますが、各バス会社並びに広島市に出資を求めましてつくったものでございます。これはしかも配当をいたしておりまして、業務成績がいい。しかも非常に市民から喜ばれておりまして、バスの共通切符を発売いたしておりますのは、全国的にたぶんここだけだというふうに思っております。いままではばらばらのターミナルに行かなければならなかったものが、一カ所でどこにでも行けるというような便益を受けております。  それから、福岡でございます。これは御承知かと思いますが、私どもは博多でございますが、博多の駅が前の駅から六百メートルぐらいずっと下がりました。下がりました際に、福岡市並びに西日本鉄道その他のバス会社と相談いたしまして、やはり北九州も和音中距離バスがいま盛んになっております。これも各会社がばらばらにターミナルを持ったのでは非常に不経済だということで、福岡市に土地の提供を求めまして、国鉄バス並びにこういった地元のバス会社とともにターミナルをつくったわけでございます。  草津のほうは、これは非常に規模の小さいものではございますが、各関係会社の利害関係が非常に錯綜しているところでございます。草津町といたしましても、今後草津の観光開発その他の関係上、ぜひバスのターミナルをつくりたいということで、これも町有の土地の提供を受けまして、国鉄をはじめといたしまして、あそこにございます地元の四社のバス会社が相互に乗り入れまして、このターミナルに参ればどこのバスでも乗れるという形にしておるわけでございます。  ことに草津は、実はほとんど主力が国鉄バスでございまして、広島も主力が大体国鉄バス、博多だけは大体西日本鉄道が主力でございますが、いずれにいたしましても、国鉄バスが相当利用すると申しますか、乗り入れの回数の多いところだけをこういう形でやってまいりたいと考えまして、土地をなるべく市内の便利な、しかも乗客がなるべく同じ切符でどのバスにでも乗れるということにするためには、どうしてもターミナルを一カ所にいたしませんと、各会社の利害関係がなかなかふくそういたしておりますから、こういうターミナルをつくることによりまして、多少なりとも今後自動車が国民の便利な足になるように御協力したいというふうな考えを持っております。  いまのところ、これ以外に話の出ているところはさしあたりはちょっとございませんが、各地方によりましては、ぼつぼつこういう話が出ているところもございます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 すべてこういうように投資されている事業体の将来について——これは全部民間資本との合資によるもので、むしろ今日の国鉄の業務の遂行上必要なものについて、議会に対しても政府に対しても要請をされて決定をざれたものであって、私はそれを一がいに否定するものではありませんが、将来こういうものが発展をしていった場合に、国鉄としては、利益の配当とか配分とか、そういうようなものをどういうふうにされるのか、また、それが一本立ちをしていくことが可能である、そうして民間でもペイできるのだというような場合には、これは民間にでも渡すつもりなのか、それとも国鉄で全部引き受ける、それが一番合理的だと思うのでありますけれども、どういう方針か、将来の方針をちょっと聞かしていただきたい。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 ただいまの御質問でございますが、実はこの出資会社によりましては、おのおの性格が相当違うと思います。鉄道建設公団とか東京の地下鉄は一応別問題といたしまして、その他につきましても、たとえばバスセンターのようなものは、とても自分でつくったのでは金がかかってしようがないということで、むしろ民間と協力して便利なものをつくろうという形でございますので、これはやはり将来もこういう形のまま進んでいって、そして売店収入その他で利益が出れば、その利益に均てんしたい、わずかながらでも配当金をもらって利子の補てんにいたしたい、こういうふうに思っておりますし、また臨海鉄道の中でも、たとえば京葉臨海鉄道のようなところになりますと、建設予定線をこれで先行している形になっております。その際に、もし建設線が進みましたときには、あるいは国鉄が直営するというような形になるかもしれません。これもまだ将来のことでございますし、また名古屋とか、塩浜のように神奈川県になりますと、私は、いまのところ国鉄が直営するという時期はそう参りませんし、かと申しまして、県、市が直営することも非常にむずかしいというようなことで、もうしばらく模様を見たい、現時点でどれをどうするということを申し上げるところの段階にまだなっておりませんが、それだけ各会社別に違った考えを持っていることも必要かというふうに存じております。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 それで一つ関連をして、外郭団体のほうは、ただいまの答弁で、一応規模としては後者で述べられました答弁のように、ただ国鉄がこの無形的な、いわゆる操作とかそういうもので便益、利益を得ておるというのみならず、やはり実益が報告できるようなそういう運営のしかたに、ひとつぜひやっていただきたいと思います。  それからもう一つ、さきの泊谷委員の質問で、これも合理化の一端として資金を合理的に運用するという面で考えなければならぬので、もう一つ私は了解ができないのでお尋ねいたしますが、先ほど総裁の答弁にありました四十億までの金は、いわゆる預託金制度によって銀行がかってに運用していいんだ、しかし国鉄には何ら利子など入らないんだ、そのかわりに一面においては、これは前の、何年でしたか、国会で問題に供されまして、一応その預託金の中からのいわゆる運用については、これができ得るような処置にたしかしたと私は思っているのです。ところが、それに対しては、当然やはり規定の利息を——まあ普通の利息とはたしか幾らか安いんじゃないかと思うんですが、これはどういうようになっておるか、御答弁願いたいと思うのです。ところが、その便益があるからというために、預託制度がそのまま置かれるというのは、私はやっぱり改善の余地があるのではないか。場合によると、これは非常に誤解を止むおそれもある。のみならず、実質的には、これは経営の問題として非常に不利な面もある。これは副総裁どうですか、改善される御意思はありませんか。

磯崎叡日本国有鉄道副総裁

○磯崎説明員 実は先ほど総裁が泊谷先年に御答弁申し上げましたのを、ちょっと先生に誤解を受けたと思うのでございますが、その点私から補足させていただきます。  たとえば駅で、きょうならきょう現金が収入されますと、それをすぐ銀行へ持ってまいります。これは銀行から取りに参ります。たとえば東京駅では、現に銀行の派出所がございまして、全部銀行が勘定しまして、銀行にそれを持ってまいります。そしてそれを一週間銀行に置きますが、この間は利子がついているわけでございます。預託金と申しますのは、一週間たちまして、銀行が大蔵省の、政府の金庫に入れるわけでございます。政府の金庫に入れますと、四十億までは利子がつかないということでございます。先ほど総裁が申し上げましたのは、何か銀行預金のうちでも四十億までは利子がつかないというふうにあるいはお聞き取りになったかと思いますが、そうではございませんで、銀行預金のうちはもちろん利子がつきますが、銀行預金が終わりますと、最長一週間たちますと、これが国庫金に変わります。いわゆる大蔵省の管理している国庫の預託金でございます。この大蔵省の預託金、いわゆる政府の預託金でございますが、政府の預託金になりますと、四十億までが無利子で、四十億以上になりますと、いま先生がおっしゃいますとおり、これは四、五年前の当委員会で御修正になりました国鉄法の四十二条の第三項で資金の運用ができる、これは国債を買ってもよろしい、あるいは資金運用部へ預託してもよろしい、大体一銭六厘強の利子がつく、こういうことでございますが、先ほど総裁が申しましたのは、その政府に行った場合の根っ子の四十億についても、やはりある程度のめんどうを見てほしい、こういう点を申し上げたわけでございまして、銀行の中にあるうちは、もちろん全部利子を取っているわけでございます。その点多少御説明があるいは先生の誤解を招いたかとも思いますので、少し補足させていただきます。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいまの答弁で了解しましたけれども、これは誤解だったかどうか知りませんが、私はその過程がおかしい。それじゃ困るじゃないか。改善される前のそのままの状態がまだ続いているのではないか。それではこの前にわれわれが議題に供して、議決したことと違っていると思いましたので、お尋ねしたわけです。私はやはりその預託制度の、政府の金にかわって預託される預託金についても、もう少し国鉄が直接運用できるような、もっと狭い期間において直ちに運用できるような柔軟性のあることにしないと、こんなものは、むしろ政府が国鉄自身の金で国鉄にそれだけ損害を与えているようなことになる。こういうことは、やはりもっと積極的に改善をやるべきであると思いますが、いかがですか。

石田禮助日本国有鉄道総裁

○石田説明員 山口さんに申し上げますが、つまり四十億を国庫に入れる、それは無利子だ、それで四十億をこえた場合には、以前には日歩六厘しかくれなかった、それを交渉した結果、それを短期公債なり何なりに流用して、事実一銭六厘五毛をちょうだいすることができた、それは一つの進歩だと思います。そこで、こう言うと、大蔵省がいかにもみみっちいようですが、一面におきまして、大蔵省は国鉄が短期資金が必要な場合には——短期ですよ。長期はいかぬ——四、五百億くらい金を貸してくれるんですよ。これが八厘の安い利息なんです。その利益の面は国鉄に大蔵省が非常に寛大であるということは、同時に申しておかなければならぬ。ただ、いままでの例を見ますと、そういうぐあいに大蔵省の金を使ったというのは非常に少ないんですよ。そして四十億及びそれ以上を預けておった期間が非常に長かった。三十九年まで。けれども、国鉄のこれからの金融というのは、そう楽にはいかぬ。もう一つ、さっき申し上げましたように、国鉄としてのこれからの大きな問題というのは、借金をしていかなければならぬ。この借金も財投による借金というものは、あまり多くは期待することはできないかもしれない。その場合には国鉄債というものを発行して、市中の銀行にやっかいにならなければならぬ。そういうぐあいに銀行というものにたよらなければならぬ以上には、銀行に対してやはりある程度の与うるところがなければいかぬ。やはりさっき申し上げましたギブ・アンド・テイク、そういう意味において企業体にふさわしい金融制度にしてもらうということのために、預託金というものをやめて、普通の企業体がやっているように銀行というものに預けて、そうして金利ももうけ、かつまた国債をさばくのにひとつ便利な地位に立ちたい、こういうことで、そういう意味で国鉄のいまの預託金制度というものをやめて、企業性にふさわしいものにするということをひとつ考えねばならぬと思う、こういうことを申し上げた次第であります。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 私は、もう時間がだいぶたちましたから、本日はこの程度で、あすに質問をさらに留保しておきたいと思いますけれども、とにかく「日本国有鉄道基本問題懇談会意見書」、これは三十九年の十一月二十七日に提出をされたものですが、この中にも先ほど私どもが質問しました基本はみな書いてある。ただ政府が実行しておらぬだけなんです。ですから、これはやはり実行してもらわなければ困るのです。ただ意見書を聞き置く程度では困る。ですから、これらの問題については、これは国鉄の根本に触れる問題ばかりですよ。特に「政府出資」の意見などでは、「日本国有鉄道法第五条第二項によれば、政府は必要があると認めるときは、国鉄に追加して出資することができると定められている。当面国鉄の希望するような出資は困難であるとしても、今後の問題として出資またはこれに代る負担金等について検討することが必要である。」と言い切っているのですよ。ですから私どもはさっきから言っておるのですよ。これは運輸大臣は非常に前向きの答弁をなさった。しかし、私はさらにこれは総理にも出席を願って、やはり政府の首班のほうから——何も運輸大臣を軽視するわけじゃない。重視しておるが、しかし、その運輸大臣のことばをさらに裏づけするようにしなければ、閣議の問題にもなりませんよ。ですから、そういう意味でひとつ総理の出席も委員長から要求してもらいたい。そのときに私はあらためてこういった基本の問題についてさらにお伺いをいたしますから、質問は保留して、本日はこれで一応中止をいたします。

古川丈吉自由民主党

○古川委員長 次会は明十五日午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十三分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗