運輸委員会 第7号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1966/02/10
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
○關谷委員 大臣にお尋ねしようと思って出席を要求をいたしておったのでありますが、大臣は出席がないそうでありますので、政務次官に、かわって御答弁を願いたいと思います。 まず第一番にお尋ねをいたしたいのは、国鉄といたしましては、独立採算ということを看板に掲げておるのでありますが、独立採算という条件にいまの国鉄の状況はかなっておるかどうか、これについて検討を加えなければならぬと私たちは考えておるのでありますが、政府の御所見はどうでありましょうか。政務次官でも鉄道監督局長でも、どちらでも御答弁のしやすいほうからひとつお願いしたいと思います。
○福井政府委員 私のほうといたしましても、そのように考えております。
○關谷委員 そのようにと、まことに円転滑脱な御答弁でありますが、その内容について、どういうふうな方向に進めていこうと考えておられるのか、その点、鉄道監督局長からひとつ伺っておきたいと思います。
○堀政府委員 国鉄は非常に大きな公共的な使命をになっておるわけでありまして、この公共的な使命を達成をいたすためには、いろいろの設備投資等、非常に大きな経費がだんだん要ることになってきておるわけですが、一方国鉄自体といたしましては、独立採算制という原則のもとに事業を進めていくというたてまえになっておるわけであります。そこに非常に国鉄としては悩みが深いわけでありまして、一方特に公共負担等の問題もございまして、非常に台所が苦しいという状況になってまいるわけでございます。公共負担等がだんだんかさんでいくことにつきましては、これはわれわれとしては、必ずしも国鉄の財政状況から見て好ましいことではないと思いますので、できるだけ過重な公共負担については、漸次それを軽減していくような方向でものごとを考えていきたいと思います。国鉄の財政が苦しくなるに従って、国が何とか補助なり出資なりをやるべきではないかという議論が当然あるわけでございます。 それも、できるならばそういう方向で今後は検討をさるべきであるとは存じますが、いまのところ、少なくとも来年度等におきましては、現在の財政状態から見ますと、とてもそういうふうに、補助とか出資とかいうものを、現在予算で組んでおる以上にやることは非常に困難な状態になろうかと思います。今後国がどの程度まで国鉄を援助するかというのは、今後の問題として検討をされなければならないと思っております。
○關谷委員 局長の御答弁によりますと、いまのままでどうするかというふうなことで、国鉄というものを基本的にどうしたらいいのかということの問題、核心には触れておられないのでありまして、公共性と独立採算制というものは相反するものであるということは、これはすでによくわかって、論議をせられておるのであります。現状での上に立っていろいろ議論をいたしておりまするが、この現状をどう打破していくべきかということについては、いまの御答弁によりますと、少しも考えておられないようであります。私はこの際、国鉄というものについて根本的に考えを変えなければならぬのではないかということを考えておりまするが、これはきょうは大臣もお見えになっておりませんので、この論議はあまりこれ以上したくないと思います。 いま国鉄の独立採算ということを言っておりまするが、それは独立採算と言い得られるかどうか、これについての局長の御意見を伺ってみたいと思います。これなら御答弁ができるはずでございます。
○堀政府委員 質問の御趣旨がまだちょっとのみ込めないのでありますが、現在の国鉄のやり方が独立採算という原則にかなっておるかどうか、こういうことだと思います。独立採算制ということをどの程度厳密に考えるかによりましていろいろ異なってくるかと思いますけれども、要するに独立採算と申しますのは、経費を自分のあげた収入の範囲でまかなっていくということであるというふうに思うわけです。そういう観点から考えますと、おおむね独立採算というたてまえで国鉄はいま経営を行なっておるというふうに解してもいいのじゃないかと思います。
○關谷委員 まことに単純な考え方をしておられるのでありまするが、それなら独立採算の定義は何か。それからいま局長が言われたようなことですと、別途会計で、特別会計とそれがどう変わるのか御説明願いたいと思います。
○堀政府委員 独立採算のたてまえと申しますのは、利益があったときはそれを積み立てておきまして、後年度の歳入不足というものに充てる、それでできるだけその支出を自己の収入の範囲内でまかなっていく、そういうたてまえであると思うのでありますが、特別会計の場合は、大体経理としてはそういうふうに行ないますけれども、どうしても次年度において赤字が消せないという場合は、一般会計からもこれを出す場合もあり得るということでございまして、独立採算の場合は非常な企業努力でもってそれをやっていく、いうなれば一つの企業のごとく、できるだけ能率的経営によってその採算をはかっていくというのがたてまえでないかと思うのであります。
○關谷委員 もう少し突っ込んでお尋ねをしたいのでありますが、前もって御連絡でもしておきませんと、ちょっとむずかしい問題ですから、いずれ次の機会にこの問答はすることにいたしましょう。 独立採算という名のもとに国鉄はいま運営をいたしておるのでありますが、独立採算を強制しておりまするのに、資金調達の自由もない、運賃決定の自由もない。これが独立採算と言い得られるかどうか。その御答弁ならできると思いますので、これが独立採算と言い得られるかどらかについての御答弁を願います。
○堀政府委員 運賃の決定権もないところに独立採算ということが成り立つかどうかという御質疑であるかと存じますが、なるほど非常に不自由と申しますか、いわゆる普通の民間企業のような、そういう意味の独立採算経営というような形とは違うわけでありますけれども、運賃を一定の手続をとりまして上げるということは可能であるわけであります。そういう意味においては、そういう拘束のもとにおける独立採算制ということになるかと思います。経営者の創造力、独創性といいますか、そういうものを十分に発揮して独立採算を維持するというような形にはなかなか遠いかと存じますが、とにかくそういう法律的な規制のもとにおける独立採算という意味において、特殊な独立採算とも言えるかと思います。
○關谷委員 独立採算の中に、運賃の決定権もなければ資金調達の自由もない独立採算というようなことはあり得ないので、この姿というものは長続きするものではないのであります。私は、この国鉄の根本的な問題について政府がもう少し誠意のある取り組み方をしておく必要がなかろうかと思いまして、担当局長でありまする堀局長にお尋ねをしましたならば、その片りんでも出るかと思いましたが、一向その片りんもない。いまのままで、ただ安易な気持ちで過ごしていけばいいのだ、国鉄はこれでいいのだというふうなお考えではないかと思うのであります。私はもうそろそろ独立採算というものがどんなものか、そして国鉄をこのまま置いておっていいものかどうかということについて、政府が真剣に考えなければならない時期がきておるのではないか、このように考えますが、これから先、そういうふうな方向に運輸省内で御検討になるお気持ちがありますかどうか、伺ってみたいと思います。
○堀政府委員 従来からもいろいろな基本的な問題が議論をされております。いま先生がおっしゃったような基本的問題というものは、今後当然前向きの姿勢で検討をしていく必要があると思います。
○關谷委員 前向きの姿勢で検討することになると思うというお話でありますが、前向きに検討する場合に何を一番先に前向きに御検討になりますか。
○堀政府委員 すでに運賃の決定方法に関して、いろいろな調査会とかあるいは審議会におきましても議論をされております。それから、臨時行政調査会におきましても、運賃の決定方法についての答申があるわけであります。こういうような問題が一番先に検討されることになるのではないかと存じております。
○關谷委員 お説のとおりだと思います。運賃の決定権が国会にある、審議権が国会にあるということから、正常であるべき運賃のきめ方がいろいろとゆがめられてきめられるというふうな事態もないとも限りません。そういうふうなことで、私はこの運賃の決定権というものを国会からはずすべきだということを考えております。それについて私は、運輸省がこれから先どれだけの熱意を持っておられるのか、あらゆる方途を講じてそのほうに向かっていこうという御決意があるのかないのか、この点、政務次官にひとつ伺っておきます。
○福井政府委員 そういう現在の時点においての国鉄のあり方をよく検討されて、また現況を拝見しますと、そういう議論が当然出てくるものと私どもも思っておりますので、よく御趣旨のほどを大臣にお伝えすることにいたします。
○關谷委員 もともと運賃の決定を国会にゆだねておるということ自体がおかしな制度なのでありまして、私はこれは早急に国会審議の対象からはずすべきだということを考えております。将来その方向に向かって私たちも努力をいたしたいと思います。 世界各国の例に見ましても、国会が運賃の決定権を持っておるというところは一つもないのであります。その点につきまして、ひとつ副総裁から、世界各国の運賃の決定がどのようなことになっておるのか、これを国民に委員会を通じて知ってもらうために、詳細に御説明を願いたいと思います。
○磯崎説明員 鉄道運賃の決定権につきましては、世界各国非常にさまざまでございます。日本の現在の国鉄運賃法は、御承知のとおり、昭和二十三年の財政法第三条の特例に関する法律が基礎になりまして——財政法第三条には、御承知のとおり主として国の独占に属する事業の運賃、料金は法律できめるのだとあって、法律できめなければならないのはこういうものであるということが、財政法第三条の特例に関する法律ということでもってきまっております。それを受けまして国有鉄道運賃法ができておるわけでございます。 当時は、御承知のとおり、たいへんインフレの高進のはなはだしいときでございまして、物価問題あるいは賃金問題と国鉄の運賃とが非常に密接不可分な関係にあり、さらに終戦直後でございまして、国鉄以外には輸送機関がほとんどなかったときでございます。たとえば船舶にいたしましても、また自動車にいたしましても、トラック、バスを問わず、ほとんど交通機関がなく、むしろ戦争以前よりも国鉄の独占性が非常に強かったときでございます。したがいまして、財政法第三条によりまして、国鉄の運賃を法律によることをきめたわけでございますが、その後御承知のとおり、日本の復興に伴いまして、船舶の輸送量がふえてくる、また道路の整備によりまして自動車の発達が非常に進んできた。ことにバスあるいはトラックの非常に急激な発達並びに航空機の異常な進歩によりまして、陸上交通における、あるいは日本の交通業界における国鉄の独占性がほとんど失われてしまったと言っても過言ではないと思います。 実は諸外国におきましては、そういった事態がすでに戦争前に来ておりましたために、ちょうど現在の国鉄と同じような時点が約二十年から三十年ほど前に来ておったと思うのであります。そのときから運賃問題についていろいろ議論がされておったわけであります。 鉄道が約一世紀前にできましてあと、ほとんど陸上交通機関を鉄道が独占しておった。その独占しておった時分には、どこの国におきましてもやはり法律あるいは法律に近い手続でもって鉄道運賃というものがきめられておったのは事実でございます。しかしながら、いま申し上げましたとおり、鉄道の独占性の薄れるに従いまして、国会と申しますか、法律的事項からだんだん許認可的事項あるいは自由運賃制度に変わりつつあったわけでございます。 現在におきます私どものほうで調べました主要諸国の例をごく簡単に申し上げますと、まずイギリスでございますが、イギリスにおきましては、御承知のとおり、これはアメリカの次ぐらいに鉄道の独占性の薄れておった国でございます。しかも鉄道自体の進歩、改良が非常におくれまして、御承知のとおり、ほとんどまだ蒸気鉄道である、あるいは自動連結機もない、こういう非常におくれた鉄道でございますので、非常に経営難におちいりまして、すでにこれは約十年以前から全く自由運賃と申しますか、国有鉄道が自主的に運賃をきめる、大臣の認可も要らないような運賃、非常に自由な運賃になっておるわけでございます。 これはことに貨物におきましては、全く対荷主の特約運賃と申しますか、世界では非常に進んだ、と言っては語弊があるかもしれませんが、非常に自由奔放な運賃のきめ方ができるようなたてまえになっております。手続といたしましても、国有鉄道が自主的に決定するという形でございます。 それから西ドイツにおきましては、昔はもちろん国会の承認事項であったわけでございますが、これもやはりすでに十数年前から交通大臣の認可ということになっております。そして、これは次に申し上げますフランスと多少似ている点でございますが、政府がもし運賃値上げを拒否する、あるいはこれを引き下げるという場合には、その分につきましては政府が補償せなければいかぬ、これは一九六一年からでございますが、そういう形に相なっております。これは運賃全般でございますが、貨物運賃につきましては、御承知のとおり、西ドイツは道路が非常に整備されておりますので、トラックから受ける脅威が非常に大きいわけでございまして、法律によりまして、たとえばトラックは百キロ以上は荷物を運んではいかぬとか、いろいろむずかしい制限を自動車のほうにつけておるわけでございます。したがいまして鉄道運賃につきましては、イギリスほど自由ではございませんが、大臣の認可によってある一定の定額の賃率を公示すればよろしいということでありまして、その範囲内でやはり各荷主と相対の運賃をきめるということで、これはドイツにおきましては、先ほど申しましたように、ことに貨物輸送におけるトラック輸送との競合、あるいはトラック輸送に鉄道があまり痛めつけられてしまったのでは困るという意味で、鉄道を保護すると申しますか、トラック輸送を制限すると申しますか、こういう形で立法ができているように聞いております。 次にフランスでございますが、現在のフランス国有鉄道は、昔の幹線私設鉄道が合体したものでございまして、やはり経営状態は非常によろしくない、技術的には非常に進んだ国でございますが、経営状態がよろしくない。したがって現在フランス国鉄は、いわゆる閑散線区の撤去と申しますか、閑散線区をはがして、バスなりトラックにするという思い切った措置を一方で打ちながら、しかも運賃につきましては、やはりこれを国会からはずしまして、極力国有鉄道は自由な企業ができるというような形になっております。 運賃につきましては、公共事業大臣の認可ということになっております。これも先ほどドイツで申し上げましたように、政府がもし運賃値上げを拒否いたします、あるいは国鉄が申請いたしました運賃値上げ率を引き下げるという場合には、一九三八年からでございますが、これを全額補償しているという形になっております。 また貨物運賃につきましては、これは多少違いますが、ある一定の品目につきまして、最高と最低と申しますか、上と下の限度をきめまして、その限度の範囲内で自由に荷主と特約の運賃をきめることができる、こういう形になっておりまして、最高と最低は大臣の認可で押えております。個々の荷主との運賃は、対人契約と申しますか、自由特約運賃ということになっているというふうに聞いております。 さらに、いま世界的に見ますと、一番経営状態のいいのがオランダの国鉄でございます。オランダにおきましては、わりあいに自動車との競争がない、と申しますより、法的に自動車との競争が非常に制約されておりまして、しかも鉄道会社自身がほとんどバス、トラックを経営——直営ないし資本投下しているということによりまして、陸上交通における鉄道の地位が非常に安泰の唯一の国でございます。このオランダにおきましても、運賃はやはり交通大臣の認可ということになっております。 また、特に貨物運賃につきましては、これは最低をきめておりませず、最高賃率だけを公示いたしまして、その限度内で自由に特約賃率を定める、こういうことに相なっているわけでございます。 このほか、アメリカでございますが、アメリカにつきましてはもう御承知のとおり、非常に制限はございますが、州際交通委員会その他の認可ということで、日本的に申しますれば主務大臣の認可という形でもってきめられておるわけでございます。 現在私どもの調査で、純粋に国会で国鉄運賃を直接きめております国は、世界ではセイロン——インドのそばのセイロンでございます。ノルウエーが最近までやっておったようでございますが、ノルウェーはごく最近国会から離れたように聞いております。したがいまして、現在世界的に見ますと、日本とセイロンだけだというふうに聞いておるわけでございます。ただ、これは最近の調査でございませんので、その後またいろいろ変わっているかと思いますが、世界の主たる国の運賃決定の事情は以上のとおりでございます。
○關谷委員 いま副総裁から御説明がありましたが、世界では日本とセイロンだけでありまして、したがいまして、これから運輸省当局といたしましては、私は、この運賃を国会の審議対象からはずして、そうして大臣の認可等の措置によることの方向に強力に推し進めていただきたいと思います。なお、その際にいろいろ変動がありますので、私はこのようなことを考えておるのでありまするが、認可制その他にする場合におきましては、認可制と申しますか、それよりは、もちろん認可制には違いないのでありまするが、運賃の決定は、米価のように毎年一回これを決定をして、そうして毎年定期的にこれを検討する。人件費も上がってまいりましょう。その他いろいろな要因もできてまいります。また不況なときあたりで物価の下がることもあると思いまするが、米価等を決定いたしまするように、年に一回定期的にあらゆるものと比較検討をして、そしてこれを決定するというふうなことにきめていただくのが進むべき方向ではなかろうか。先走ったようなことでありまするが、まだ国会審議の対象になっておるこの際に、そういうことはいささか行き過ぎた議論かもわかりませんが、その方向に向かって検討をしていただきたいとお願いをしておきたいのでありまするが、その意思がありますかどうか、伺っておきたいと思います。
○堀政府委員 運賃の検討を毎年定期的に行なって、必要ある場合には毎年でも上げたらどうか、こういうような御質問かと思います。この運賃の問題は非常に重要な問題でございまして、国鉄という企業の側から見れば、必要があれば毎年でも上げてもらいたいというのは、これは当然の話だと思います。一方利用者と申しますか、そういう消費者の面から申しますと、これまた非常に重大関心のある問題でございます。審議会、調査会等で重大な問題であるだけにいろいろと議論がかわされております。これについていますぐ来年からそういたしますというようなことを申し上げるにはあまりにも重要な問題でありますので、もう少し時間をかしていただいて、どういう方向に進むかということを十分検討させていただきたいと存じます。
○關谷委員 それから今度は国鉄のほうにお尋ねをいたしたいのでありますが、国鉄では、最近PRをいたしまするために冊子を出しておられるようでありまするが、これだけで事足れりというふうに考えておられるのか。どうも国鉄のPRは一向徹底をしない。きわめて小範囲だけに行なわれておるので、もう少し国民に徹底するような方法を私は考えてもらいたい。 方法について考えてもらいたいのと同時に、その内容につきましても、もう少し国民にわかりやすいPRをしてもらいたい。たとえば、今度運賃を値上げするということが新聞に出ますと、値上げ値上げというふうなことで、この倍率がいままでは旅客運賃では百六十一倍、貨物では二百十七倍であったのだ、これは安いのだというふうなことは、そこまではことばは出しますけれども、それ以上の説明をしていない。ただ安いのだ、それだから今度の値上げは、値上げでなくして是正だ。まことに言うことは正しいのでありまするが、もう少し国民の頭にぴんとくるような説明のしかたがないものか。たとえば、運賃をほかの物価と同じように昭和十一年の物価指数に合わして、大体消費者物価あたりは三百五、六十倍というところになっておる。そのように運賃を改定したならばこのくらいの価格になりますぞ。それをいま百六十一倍から二百倍足らずのところになるということで、しきりに国会では論議をいたしておりますぞ。これが安いか高いかすでに皆さん一目瞭然わかりましょうが、というふうに、ほかの物価と比較して、郵便物はこうなっておる、そのとおりに比較したらこういうふうなことになってくる。新聞料金の六百十一倍に比較したらこうなってくるのだ。そのほかの物資に比較してみたならばこれだけになりますぞという数字を一ぺん出してみたならば、国民の頭にはぴんときて、なるほど国鉄の運賃は安かった。この間副総裁はライスカレーの例を出しておられたようでありまするが、ライスカレーのあの例だけでなくして、もう少しこの倍率を、物価指数をその当時のものにかけたならばこうなるぞ、何と比較したらこうなるぞという数字をつけて出して並べてみたらば、国民はなるほどそうかと納得してくれる。そのくらいのPRはもう少し国鉄の、広報部というのか何か知りませんが、そういうふうなところには法学士だけ置かないで、頭のいい文学士でも置いて一度やったならば、私は国民が納得すると思います。納得のいく広報をしてもらいたいと思います。 それからもう一つ。それはこの七カ年計画で二兆九千七百二十億、大体三兆円近い投資であります。いまの状態では貨物がこれだけ積み残りがあります。旅客もこの程度の積み残りがあります。そうして貨物は、これを今度の投資計画を全部いたしますと、この程度になってまいります。そうすると、この流通が円滑にいくために、これが物価に対してはこのような影響があります。これは物価に対していい影響はあるけれども、悪い影響はないのでございます。少々の値上げはごしんぼう願いますということが、そのことばをつけ加えないでもわかるように私はなると思うのであります。いまの状態とそれから投資計画をやって後の状態とはこういうふうな差があるのだ、いまの状態のままでいったならば、いまの荷物の量がいまのままであったならば、この程度になります、まあ荷物がふえますから、それはそれほどに流通が円滑にいまの状態で考えるようなことにはいきませんけれども、こういうふうなかっこうになりますと、ぴんとくるようなPRのしかたをやってはどうであろうかと思いまするが、もう少しこのPRの方法——雑誌「R」というのを出して、そうしてそれで事足れりでは、私はもの足りないのではないかと思う。方法及びその内容についてこれから検討せられる御用意があるかどうか伺ってみたいと思います。
○石田説明員 ただいまの關谷さんの申されることはきわめてごもっともであります。ただ御承知のとおり、運賃の決定権というものは、先ほどからのお話のとおり議会が持っておるのであります。われわれがまずもってPRしなければならぬのは議会であります。その意味におきまして、今度の七年計画を推進するにつきましてつくりました例の基本問題懇談会等におきましては、ただいま關谷さんの申されたようなことを事詳細に説明いたしまして、御了解を得ました上で、運賃の値上げ三割というのはきわめて至当であるというような結論を得てあるわけであります。 民間に対するPRの足らぬことは、どうも国鉄というものは御承知のとおり役所から出てきまして、要するに商売げがない、企業性というものがはなはだ薄弱である。これは私は監査委員長時代から始終言っておるのであります。裏に日の丸の旗が立って不沈艦というような頭がある。これではいかぬからして、国鉄の合理化をやる場合には、経費の節減とともに企業性を発揮して投資効果を上げるということを大いに考えなければいかぬ。その投資効果を上げるということの一端は、つまり民間に対するPRということに私は通ずると思うのでありますが、これは今後ともひとつ御趣旨を体しまして、十分議会に対し——これがやはり根本であるから、議会に対し、議員諸公の御了解を得るために、十分国鉄の考えをお話し申し上げるということと、いろいろと民間にPRして世論を大いに喚起する、こういう両面の作戦を大いにやりたいと思います。
○南條委員 関連質問で……。ひとつその問題で海運局へ資料の要求をしたいのは、船運賃と国鉄運賃との値上がりの格差が戦後非常に大きいのです。これが国鉄の滞貨その他に影響するものが非常に多い。かねがね私はこれを主張しているが、海運局に戦後の運賃値上がりの状況を報告してもらいたい。そうすると、国鉄運賃との違いがどういうふうなものであるかということがわかる。運輸省の海運局として統合したということは、陸海輸送を統一するという意味で、昔逓信省にあった管船局が、一応海運局になった。だから運輸省は海陸の運賃の調整ということは責任がある仕事だと思う。ところが、海運の運賃のほうはかってに独立採算で値上げしておるが、国鉄運賃だけが押えられておる、こういう状況なんです。これはぼくは政府の方針がまことに矛盾しておることだと思う。そこで資料を、海運局から戦後の運賃の値上がりの状況というものを、明日までに出してもらいたい。それによって、この委員会を通して一般に、船運賃と鉄道運賃との違いというものはこういうものだということを知らしてもらいたい。それは同時に、これから政府の施策として今後どうあるべきかということの示唆になると思う。私は国鉄の基本問題懇談会等においても、こういうことは大きな問題と考えておる。この資料の要求が一つ。 それからもう一つは、これは重大なことですから、運輸大臣に明日、午前でも午後でもよろしい、政府の都合を聞いて、予算委員会の都合を聞いて、ぜひこの席に来てもらってこの問題を聞く。關谷君も要求しておるんだから、これをひとつ委員長にお願いしておきます。
○關谷委員 いま南條委員からお話のありましたことの中にも、海陸運賃の調整ということができてない。できてないということは、海運は普通の上がり方をしておるんだ——北海道を例にとってでありますよ。内航、瀬戸内の海運は別でありまするが、北海道あたりのは海運は普通の上がり方をしておる。国鉄の運賃の上がり方が少ないために、そこにアンバランスができて、国鉄にまかしておけば安く運んでくれるんだ、いつまでも、多少おくれても置いておけば、いつかは運んでくれる、そのほうが安いんだということで、国鉄へ集中していく。このような運賃体系を保っていくならば、どんなに国鉄が北海道へ三本や四本トンネルを抜いたって、なかなか追いつくものじゃありません。そこらが考えなければならぬところであろうと思います。そこで私も、いまも南條委員の言われております資料提出には賛成いたしまするので、ぜひ提出してもらいたいと思います。 それから、これは世間では国鉄の運賃値上げをやるのは——私は是正ということばを使いたいのですが、普通値上げといっておりまするからそのように使いますが、国鉄の運賃値上げと申しまするのは、あの七カ年計画の投資計画をやるための値上げなんだというふうな解釈をして、値上げの額によってすべてこの投資計画が実現せられるのだというふうに解釈をいたしておるのであります。とんでもない話でありまするが、しかし国民がみんなこのように、今度の運賃値上げというものは設備投資計画を完全にやるための値上げなんだと言うております。しかしながら、そうではないのでありまして、これは資金を調達するためには経営が成り立つものでなければならない、世界銀行あたりで金を借りようといたしましても、毎年赤字を出す国鉄へ金は貸さないのじゃないかということになりますし、大蔵省あたりといたしましても、引き合わないものには財投の金はつぎ込まないという、これが原則なのでありまして、経営を成り立つようにして、そして資金を調達するのを容易ならしめるためのものである、そうしてあの投資計画というものは、これは調達した資金でやるのであって、この運賃値上げでやるのではないのだ、運賃値上げでやるだけの幅というものはきわめてささいなんだということの説明を徹底いたしませんと、非常に誤解を招く。私はおそらく国会の内部においても、そのような解釈をしておられる人が多いのであろうと思います。そこで、そうではないのだ、かりに七カ年計画をやる間の経営費が四兆一千億要るのだ、そうしてそれについてはこの運賃値上げの部分からやれるものはこれだけなんだ、そうしてあとはみんな借金なんだということの説明が十分徹底してない。これをこの委員会を通じて徹底をせしめまするために、副総裁から納得のいくような詳細な御説明を願いたいと思います。
○磯崎説明員 ただいまの先生の御質問にお答えするのには、実は数字的な資料があるといいのでございますが、第一回の当委員会のときにお配りいたしました資料の中に、ただいまの七カ年間の資金計画を入れてございますので、後ほどごらん願うことにいたしまして、宙で数字を羅列しまして、たいへん恐縮でございますが、御説明申し上げたいと思います。 昭和四十年度から始まりましたこの七カ年計画、これは何と申しましても、昨日御説明申し上げましたように、日本の経済発展に伴いまして、まず輸送の安全を確保する、次に非常に急激にふえてまいりました通勤輸送を多少なりとも緩和する、三番目に地方との格差是正のために幹線の輸送力を増強する、この三つに主眼を置いて今度の計画を立てたわけでございます。それに所要する資金が全体で、先ほど申し上げましたように二兆九千七百二十億でございます。現在昭和四十年度末におきまして国鉄が負っておりまする長期の負債、長期の借入金が一兆一千百十一億、一が五つ並んでおりまして、たまたまこういう数字になりましたが、一兆一千億以上の長期借入金を現在持っております。これは日本の最大の借金でございます。この一兆一千億に対しまして、さらに借金を積み重ねてまいるわけでございますが、その全体の所要資金の二兆九千億のほかに、この一兆一千億でそろそろ期限のくるものがございます。たとえば利用債、縁故債等一般の政保債のように借りかえのきくものと借りかえのきかないものとがございます。したがいましてこの一兆一千億がだんだんふえてまいりまするうちに、やはり相当程度を返さなければならないということに相なるわけでございまして、この借入金の返還がちょうど七年間で一兆ございます。したがいまして、七年間の所要資金は二兆九千億と申します工事をするための金と、それから一兆という借金の返還と合計いたしまして三兆九千七百四十六億、約四兆の金が国鉄の資金として要るわけでございます。もしこの所要資金を全部かりに借金でやる、全額借金でやったらどうなるかという計算も実はしてみておるわけでございますが、もしこの所要資金の四兆の全部を借金でいたしますとしますと、ちょうど昭和四十六年度末の借金の合計が三兆をこすわけでございます。この所要資金全部を借金でまかなうという計算を試算いたしでみたわけでございますが、そういたしますと、昭和四十六年度末におきます長期の借り入れ金が四兆四千億、年間のその年だけの利子でも二千八百億、約三千億の利子を払わなければならないということになりまして、経営上の収支のアンバランスが約二千億という、非常に破局的なと申しますか、破産以上の姿に相なるわけでございます。これではとても経営がやってまいれませんし、この分を国家から補助すると申しましても非常にばく大な金でございます。私どもといたしましては、この全部借金ということは計算上はやってみましたが、とてもこれはもう企業採算として成り立ち得るものではないということでもって、このうちのある一部分を自己資金でもってやるべきじゃないかということを考えなければならない段階にまいったわけであります。 運賃につきましては、運賃法の第一条に、運賃は原価を償うものであるということがございます。その原価とは何かということにつきましては、運賃法制定以来非常に議論のあった問題でございまして、学者によりましていろいろ説がございますが、ただ最小限度といたしまして、所要の経費と利子、それから減価償却費、この三つだけはもう絶対に運賃の原価である。そのほかに多少の保安対策費その他に要する金を運賃に入れるべきかどうかということにつきましては議論がございましたが、減価償却費だけは運賃でまるまる見るのはこれはもう当然であるというのが通説であります。したがいまして、昭和四十六年度までの収支の経費をいろいろ計算いたしますと、最小限減価償却費だけでも約一兆の所要資金が要ります。そういったことから逆算いたしまして、現在の運賃のベースその他を勘案いたしました結果、昨日申し上げましたように、全体の所要資金のうちの約二割だけは運賃から、自己資金からまかなう、すなわち利子のつかない金でもってやらせていただく。八割は利子のつく金でやむを得ない、こういうことに考えたわけでございます。利子のつく金のほうは、これは借金でございますが、利子のつかない金、これはもう自己資金以外にないということによりまして、七年間で約一兆二千億の運賃の是正による増収をはかりたいということでございます。しかし、この一兆二千億がそのまま工事費に回るのではございませんで、このうちから工事費に回りますものは八千五百億でございます。したがいまして、その残りの約三千二、三百億というものは、これは当然経費に回るわけでございまして、この中で職員のベースアップもいたしますし、また燃料その他の物件費の増加にも充てるということに相なるわけでございます。したがいまして、全体の所要経費四兆のうちの二一%が運賃、自己資金である。残りの七九%は全部借金である、こういうことになるわけでございます。したがいまして、今回運賃を是正していただきましても、昭和四十六年度末におきましては長期の借り入れ金が二兆九千何がし、約三兆になります。したがいまして、四十六年度における利払いは、七分といたしましても、二千億の利払いを年間にするということになりまして、その四十六年度時点における収入はちょうど一兆一千億をちょっとこしますが、収入の約五分の一は利子で飛んでしまうということでございます。そのほかにさらに元本の償還が入りますので、昭和四十六年度時点における利子と元本の償還を合計いたしますと、年間で約四千百億でございます。一日十数億のものが全く国鉄の手を通らないで、右から左に利子と元本の償還に充てられる、こういう実情になるわけでございまして、現在の自己資金の不足ということは、国鉄にとりましては、将来の問題としては非常に重大問題でございまして、ある時期になりますと、結局利子を払うために借金をするという事態が出てくる形になるわけでございます。これは、企業の経営としては非常に不健全なと申しますか、ちゃんとした経営でないというふうにも思われますが、いずれにいたしましても、七年間における所要総資金四兆のうちのわずか二一%だけは自己資金、七九%は借金によらざるを得ない。したがって、四十六年度末の長期の負債が三兆というばく大な金額にのぼって、利払いと元本の償還だけでも一日十数億になる、こういう形になるわけでございます。 しかしながら、私どもといたしましては、今回運賃の是正をしていただきましたならば、極力収入の増加をはかり、また経費の節減をはかりまして、できるだけいま申し上げました数字を最低として、これ以上どこまで経営状態をよくできるかということは、まさしく私どもの義務だというふうに思っておりますので、これを最低のベースとして企業努力を続けまして、少しでもいい経営状態に戻すのが私どもの義務だ、こういうふうに考えております。
○關谷委員 大体いまの御説明で、設備投資の分からいうと、わずかに二〇%のみが運賃値上げといいますか自己資金で、八〇%近くのものが借金であるということで、よくわかったのでありますが、久保君が別に提出をいたしておりますあの法律案の要綱の中にも見られるのでありますが、社会党あたりでは、国鉄は利潤の得られる投資のみをやっておるということが中に触れてあるのであります。これは決してそうではないということをこれまた委員会からPRをしなければなりませんので、その御説明を願いたいのでありますが、計画の中に、投資をやって経済的な効果のあるものがどれだけあるのか、また、経済的効果のあるものとそれ以外のものとの資金の振り分け状態がどういうふうなことになっておるのかということをよくわかるようにひとつ御説明を願いたいと思います。
○磯崎説明員 今回七カ年計画で国鉄が実施いたします工事の種類は非常にたくさんございますが、私どもはこれをごく概括的に分けまして、ただいま關谷先生の御質問のとおり、当然理論上自己資金でやるべきものと、当然外部資金でやるべきものと、この二つに分けて考えております。 自己資金でやるべき工事といたしましては、まず第一に参りますのが、減価償却の対象と相なります取りかえでございます。老朽の車両を取りかえる、あるいは老朽した橋梁を取りかえる、あるいはトンネルをつくり直す、こういったいわゆる老朽取りかえの金、これは当然自己資金でやるべきものであることは言うをまたないところでありますが、この取りかえ費のほかに、私どもといたしましては、保安対策費、ことに踏切の整備、あるいはその他全般的な保安対策費につきましては、これは利子を払ってやる金でやるべき性格のものではない。あくまでも利子のつかない自己資金ないしこれに近いものでやるべきものであるという考えを持っております。これは理論上から申しますれば、保安工事をいたしますればそれだけ事故が減る。事故が減ればそれだけ経営状態はよくなるということには理論上は相なりますが、それによって出てきます利益というものはもうほとんどないので、公共事業として当然保安度を高める、そして国民に安心して乗っていただけるという意味の保安対策費は、当然これは利子のつかない自己資金でやるべきものであるというふうに私どもは考えております。しかしながら、保安対策費の中でも、それによって非常に輸送力がふえるというふうなものにつきましては、これは借金の利子のつく金でも十分やっていける。たとえば同じ保安対策費の中でも、自動信号というものがございますが、自動信号にいたしますれば、駅の職員の操作の誤りによる信号の間違いがなくなる。と同時に、輸送力がふえてまいる。すなわちいままでよりもよほど列車がよけい入るということになりますれば、そういった同じ保安対策費でも自動信号のようなものは、これは利子を払う金でやるべきだというふうなことも考えております。 一方、当然外部資金の対象で、外からの借金でやるべき工事、すなわち利子の払える工事の一番典型的なものは電化工事でございます。これは電化工事をいたしますれば、当然動力費が減ってまいりますし、当然また人件費も減ってまいります。また旅客列車、貨物列車の速度が大体そろいますので、非常にダイヤが入りやすくなる。こういった非常な経営上のメリットがございますので、電化工事は、当然これは外部資金でやるべきものであるというふうに考えております。また車両の増備、車をふやすことでございますが、車両の増備の中でもいわゆる老朽車両の取りかえば、これは減価償却費でやるけれども、新しく車両をふやす、これは当然お客さまが乗ってくれる、荷物があるということになりますので、車両の増備は、これは全部外部資金でやるというふうな考えを持つのは当然でございます。その他ディーゼル化の問題、あるいは基地をつくる問題、こういったことは何らかの形で経営上利益を生む、そうすれば利子が払えるということになりますので、それらを外部資金の対象工事というふうにいたしております。 これらの二種類の工事、すなわち自己資金対象工事と外部資金の対象工事と二つに分けますと、ごく概算的に申し上げますと、自己資金でやるべき工事というものは全体のうちの一兆一千三百二十四億、それから当然外部資金で、利子を払った金でやるべきものは一兆八千三百九十六億でございます。これをもって二兆九千七百二十億になりますが、結局全体のうちの、約三兆のうちの六〇%は当然利子がつく金でよろしい。四〇%は利子のつかない金でやりたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、自己資金の率がわずか二一%でございます。したがいまして、四〇%に当たるべき、当然自己資金でやるべき工事のうちから、約三千億程度のものは結局、利子を払える仕事ではないけれども借金でやらざるを得ない仕事だ、こういうことに相なるわけでございまして、全体から申しますと、本来ならばこの自己資金対象工事につきましては、実は全部自己資金でやるべきだというふうに考えておりますが、ただいま申し上げたとおり、全体の割合から申しまして、自己資金対象工事が全体の四割、資金的に見れば二割ということになりますので、結局踏切の整備とか、あるいはその他の保安対策工事は、利子のつく金でやらなければならないということになるのであります。
○關谷委員 次にお尋ねをいたしたいのは、きょうは二月の十日でありますが、この運賃改定の法律案の実施期日が二月十五日ということになっております。残すところ四日でありますので、そういたしますと、期日的に考えましても、この時期を延期せざるを得ないと思いますが、もし多少なりとも延期をいたしました場合に、現在出ております機第3号の補正予算並びに四十一年度の特別会計予算、政府機関予算というようなものに狂いが生じてくるのでありますが、これらに対しましてどのようにして善処せられようとするのか。これは法案が何日に通過するということが大体見当がついて後でなければこの議論はまだするべきではないかとも思いますけれども、もう現在の状態では二月十五日の実施は困難だと私たちは想像いたします。そういたしますと、延びた場合にどうなるか、仮定のことに対しての御質問ということは御答弁は非常にむずかしいと思いますが、こういう場合にはこんなことになる、こういう場合にはこういうことになる、また資金の調達方法は短期の場合にはこうなるのだ、長期の場合にはこうなるのだ、いろいろもう国鉄としてはお考えになっておるであろうと思いますが、それについて概略の説明でいいですから、ひとつわかりやすく説明を願いたいと思います。
○磯崎説明員 ただいまの御質問は、実は政府御当局の御答弁が正当と思いますが、ただ、まだ政府としてもはっきりとした態度をおきめになっておられないと思いますので、私のほうの解釈なり計算だけを申し上げさせていただいて、あるいは御答弁にならないかとも存じますが、お許し願いたいと思います。 現在予算委員会で審議されております機の第3号、これは昨年の暮れに機の第2号と二つに分けまして、御承知のとおり機の第2号は支出権だけを国鉄に付与され、機の第3号はそれの収入をこれで確保する、こういう形になっておったわけであります。機の第3号は、御承知かと存じますが、国鉄のことしの予算が約四百五十億くらい収入減になるということが大体明瞭になっておりますので、この四百五十億強の収入減のうち、百九十億前後のものを二月十五日からの運賃の是正で補い、残りの二百六十億強のものを国鉄の特別債によって借金でもって補う、こういう形の予算でございます。したがいまして、私ども現時点におきましては、この予算には何らゆとりはございませんので、もし二月十五日で計算いたしましたこの計算が予定どおりまいりませんときには、私どもといたしましては別途予算を、補正予算のさらに補正をやっていただくか、あるいはその他特別な借り入れ金等をお認め願うか、これらにつきましてはまだ仮定のことでございますので、明確には申し上げられませんが、何らかの措置をしていただかなければならないかと存じております。ただし、この予算を作成いたしましたのは昨年の秋から暮れにかけてでございますので、現時点とは多少の——たとえば天候の違いあるいは雪害等の模様の予定の違い等がございますので、二月十五日以後につきましても私どもとしましてはあくまでも企業努力は続けなければならないというふうに考えておりますが、大綱的に申しますれば、ぎりぎりの予算を組みました以上、これが食い違いますと非常に大きなそごを来たすということになるわけであります。ただ、その場合の補てん方法その他につきましては、まだ十分政府と御連絡いたしておりませんので、私どもだけの意見を申し上げることは差し控えまして、ただ数字だけを申し上げさせていただきました。
○關谷委員 副総裁の御答弁を了承いたします。仮定のことに対してお尋ねを申し上げたほうがかえって悪かったのではないかと思いますので、それはそのような事態が起こりました際にあらためて具体的に御質問を申し上げたいと存じます。 次に、いろいろ国鉄の大きな問題その他についてお伺いをしたいのですが、そういうふうなことには時間がありませんので、一、二小さいこともつけ加えて御質問申し上げて、あとは明日に持ち越したいと思いますけれども、この国鉄の七カ年計画は二兆九千七百二十億というものが確定をいたしておるのでありますが、国鉄の予算と並行いたしまして計画を立てなければならない。鉄道新線建設公団の年次計画というものは非常に不明確となっております。創立以来まだ年が浅いという関係もありますが、この鉄道新線建設公団の予算を大幅に増額をいたしますためには、どうしても国鉄の力によらなければならないというように私は考えます。昨年の三十九年度は国鉄出資が七十五億であり、今年四十年度が七十五億ということになっておりますが、私は、ことしの公団予算は昨年の予算に比べますと、——昨年とことしと言いますのは、四十年度と四十一年度の比較を申し上げておるのでありますが、四十年度が二百五十四億であったのが、ことしは三百七十五億ということになってまいりますと、国鉄の出資というものもふやしてやる必要がある。ふえてこないというのが現状であろうと思います。促進するためには国鉄の出資をふやしてやって、そうして地方開発のために貢献さすということにしなければならないと思いますので、これはいま、国鉄の予算が苦しいという説明を聞きながらこの要求をするのは無理かとも思いますが、政府の出資を促進し、そうして公団活動を容易ならしめる、そのためには、国鉄出資をふやしてやらなければならぬ、こういうふうに考えますが、こういうことについては国鉄としてはどのようにお考えになっておりますか。いまの予算面におきましては、大体七十億ないし百億というところをコンスタントに出していくというようなことが予算面では想像がせられるのでありますが、それではせっかくつくりました公団というものが、これから大きく伸びる可能性がなくなってくる。そのためにはどうしても国鉄が積極的に出資を増額してもらうことにしなければならぬ、このように考えますが、いまここで答弁しろということが無理かどうかわかりませんが、もし相談の上でなければ御答弁ができないということなら、あらためて御相談の結果、御答弁を願ってもいいのでありますが、考え方についてひとつ御答弁を伺ってみたいと思います。
○堀政府委員 建設公団の事業を円滑に行なうには、国鉄の出資をふやしたほうがいいというお考えのようでございますが、国鉄自体は非常に経営がむずかしい状態になっております。そのために運賃値上げの問題が起こっておるわけであります。いつも運賃値上げのときには、新線建設の問題に対して非常に批判があるわけであります。一方、行政管理庁その他の監査の意見としては、国鉄の出資に対して政府の出資が少な過ぎるではないかという御批判がいつもあるわけであります。こういうことを考えますと、それは公団の事業をやる立場から見ますと、国鉄も大いに出資してもらい、国も大いに出資してもらったほうが、それにこしたことはないのでありますけれども、いろいろなこのような批判があることを考えますと、国鉄の出資をふやすより先に、国の出資をまずふやすように努力をいたすべきではないか。そのために来年度予算においては三十五億出資、いつもは十億でありましたが、それが非常に飛躍的に伸びたということは、その考え方の一つのあらわれというふうに考えておりまして、この方向をさらに進めていきたいと考えます。
○關谷委員 大蔵省というところは、局長御存じのように、なかなかさいふのひもを締めて出さないところであります。出さない役人が有能な役人といわれておるようなところでありますので、なかなか出しません。それを出さす方法をあの手この手でやらなければならぬ。局長の言うように、政府が出資をふやすのが先だというのは、これは筋から言いますとそのとおりでありまするが、私たちの体験あるいは局長の長らくの予算折衝の体験からいって、それでは大蔵省というものはなかなかうんと言わない。そこで変則なことではあるけれども、苦しい中から国鉄がこれだけ出資をふやしておるんだということになれば、どんなに無慈悲な大蔵省の役人でも、しかたがないからこれだけの金を出そうかということの促進剤の意味で、私はそうすることが現実的な方法であるということを申し上げておるので、そのためには国鉄に御迷惑がいくけれども忍んでいただきたい。そして出してもらいたいという気持ちを私ども持っておりますのでお尋ねをいたしましたので、これは何といいますか、局長の言われるのは純理論、私の言うのは現実論、現実のほうが優先すると私は思いますが、そういうふうなことに努力をしていただきたい。このことは局長だけではない、総裁からもひとつ伺ってみたいと思います。まず局長の答弁、そして総裁に御答弁を願いたい。
○堀政府委員 御説ごもりともだと思いますが、先ほども申し上げましたように、われわれといたしましては政府出資のほうに力を入れたい、そういう考えで進めます。先生方の御尽力によりまして、このような方法がさらに一段と進みますよう、ひとつ御協力をお願いいたしたいと思います。
○石田説明員 關谷さんのおっしゃることは、財界にいた私から考えると、確かに実際的手段方法であると考えまするが、御承知のとおり、国鉄の台所にはいま火がついております。独立採算制を維持するという点からいけば、どうも出したいけれどもはなはだ困難だ、まず独立採算制を維持した上で余裕があったら出すということでおりますので、これは出すには出したいが、どうもないそでは振れない、こういうわけで、どうぞ御了承願いたいと思います。
○關谷委員 これは国鉄にきょうすぐ御答弁を願おうとは思いませんが、トラック業界がいま非常に経営状態が悪くて困っておる。その一番大きな原因は、国鉄のコンテナ輸送というものが非常に安い。国鉄に何もかもさらわれてしまって、そうしてトラック業界のほうはいま四苦八苦になっておるのであります。国鉄のコンテナ輸送と、このトラック輸送の原価とがあまりにも違い過ぎる、かけ離れ過ぎておるというので、トラック業界のほうからは非常にやかましい陳情があるのでありますが、ある地点を想定してでもけっこうでありまするが、具体的に、その間をコンテナ輸送で国鉄がやる場合の経費がどれだけ、トラックでやった場合にはどれだけ要るのだ、それに対してはどういうふうなことで将来調整をしていけばいいかという、一つの自動車と鉄道との運賃調整といいますか、コンテナの面だけでそうであります。これは国鉄が非常に安過ぎる、そのためにトラック業界が非常な影響を受けておる。さきに北海道あたりからお話のあった、海運と国鉄の関係とほぼ似たようなものでありますが、これは実情を調査して、そして、あすでもけっこうでありまするので、委員会で、具体的にこんなことになるのだ、それについては将来どういうふうにしていこうという一つ考え方を出して、御答弁をお願いしたいと思います。 いろいろとまだお尋ねを申し上げたいのは、国鉄の基本問題、あるいは大臣のこれに対しまする御決意等を伺いたいのでありまするが、きょうは大臣が見えておりませんので、明日もある程度の時間をいただきまして、御質問を申し上げたいと思います。きょうは、この程度で私の質問を打ち切りたいと思います。
○古川委員長 次会は明十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会