運輸委員会 第5号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1966/02/05
会議録
○古川委員長 これより会議を開きます。 航空に関する件について調査を進めます。 すでに委員各位も御承知のとおり、昨夜全日本空輸機の事故が発生し、そのため百三十三名の方々が遭難せられました。これらの方々に対し深く哀悼の意を表し、委員会としてなくなられた方々の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じます。全員御起立を願います。黙祷をお願いいたします。 〔総員起立、黙祷〕
○古川委員長 黙祷を終わります。御着席願います。 この際、全日空機遭難事故について、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中村運輸大臣。
○中村(寅)国務大臣 昨夜東京湾内におきまして起こりました全日空機の事故により多数のとうとい人命を失いましたことは、まことに痛恨の至りでありまして、ここにつつしんで哀悼の意を表しつつ、いままで判明いたしました事故の概要並びに政府のとりました措置につきまして御報告申し上げます。 全日本空輸株式会社所属ボーイング727型機は、同社の千歳−東京便として、機長高橋正樹ほか六名が乗り組み、乗客百二十六名を乗せて、二月四日十七時五十五分千歳飛行場を離陸し、東京国際空港に向けて出発いたしました。 同機は十八時四十八分大子ビーコン、十八時五十六分東京VOR上空を通過し、十八時五十九分千葉市上空において東京国際空港管制塔から進入許可を受けました。十九時三十秒管制塔からの呼びかけに応答いたしましたが、その三十秒後の十九時一分、管制塔から着陸灯点灯の指示をしたところ応答がなく、自後管制塔は繰り返し呼び出しを行ないましたが、同機からは何らの応答もありませんでした。 かねてから常置されてあります航空機救難調整本部は、直ちに下総及び木更津飛行場に対し、同機の不時着の有無を照会しましたが、該当機がない旨の連絡がありましたので、同機の遭難を予想し、捜索救難活動を開始することとし、直ちに警察、海上保安庁及び自衛隊の救難機関に出動を要請しました。 二十三時五十五分、捜索機が木更津北方七海里付近において、ANAの標示のある翼の一部を発見し、機体の内張りの一部及び乗客の衣類を収容しました。 零時五分、捜索船は羽田灯標東南東六・四海里で最初の遺体二体を収容しました。 五日一時四十四分、捜索船が千葉灯標の西南西七海里付近において、全日空と標示のある胴体を発見しました。 一時五十五分、同本部は海上自衛隊水中処分隊の出動を要請しました。 その後相次いで遺体の収容が行なわれ、五日十五時現在、二十九体を収容いたしました。 この間、政府といたしましては、事故発生後直ちに関係者を参集せしめ、総理府に運輸大臣を本部長とする全日空機事故応急対策本部を設置し、当面の対策を協議するとともに、米軍に対し、外務省を通じ、捜索のための出動を要請しました。 運輸大臣はこれよりさき、直ちに羽田に急行して救難調整本部から情報を聴取するとともに、捜索救難に全力をあげるよう指示をしました。 航空局は五日四時三十分、係官を遭難現場に派遣し、事故の現場調査を開始しました。 運輸大臣は対策本部の会合終了後、再び羽田の救難調整本部におもむき、現地で指揮をとるとともに、本朝日の出を待って海上保安庁長官、航空局長、官房長とともにヘリコプターで遭難現場におもむき、現地指揮をとりました。 以上が現在までの事故の概要並びに措置でありますが、当面の緊急対策につきましては、直ちに対策本部におきまして真剣に検討実施してまいりたいと存じておる所存であります。 以上をもって報告を終わります。 —————————————
○古川委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。關谷勝利君。
○關谷委員 まず、遭難をせられました百三十三名の方々の御冥福をお祈り申し上げ、御遺族に対しましては哀悼の誠をささげたいと存じます。なお、遭難せられた方々の遺体が一刻も早く完全に収容されまするようお祈りをしてやまないものであります。 なお、全日空に対しましては、遺家族に対しましては、精神的にも物質的にも、慰謝の万全を期するように要望いたしますとともに、運輸省当局といたしましては、原因を究明をいたしまして、再びかくのごとき大惨事の惹起せざるよう適切なる方途を講ぜられるように要望する次第であります。 新聞の報ずるところによりますと、遭難いたしましたボーイング727は、この事故を含めまして六カ月間にすでに四回の事故を起こしておると報ぜられておるのであります。米政府の民間航空委員会が一月の二十日連邦航空局に送った報告書の中で、新聞によりますと、予備調査の結果、ユナイテッド航空のボーイング727の内装は現在まだ航空機製作に使用されていない新材料に比べると、ずっと多くの煙を出し、燃え上がるのも早いようだと述べ、特にボーイング727のようにリアエンジンを持つジェット機の燃料系統の改造を勧告しておる、こういうことを言っておるのであります。なおまた、他の新聞は、米国の民間航空局の調査では、着陸態勢に入ってから落ちておる、墜落時に火を吹いておる、飛行開始後あまり使用していない期間で遭難をしておる、墜落時刻が夕刻どきであるという、この条件をみんな兼ね備えておるといわれておるのでありまするが、運輸省の航空局としてはこの事実を知っておるのかどうか、それに対しては何らかの措置をとっておるのかどうか、この点をまず承っておきたいと思います。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のボーイング727のアメリカにおける例でございますが、三件あることは航空局も承知いたしております。ただ、われわれの調査したところによりますと、一九六五年八月十六日にユナイテッド・エアラインズにおける事故が一件、十一月八日にアメリカン・エアラインズにおける事故が一件、十一月十二日にユナイテッド・エアラインズにおける事故が一件でありますが、このうちで十一月八日と十一月十二日における事件は、着陸における技術操作の関係、つまりパイロットの操作上の関係というようにわれわれは承知しておるわけでございます。なお、八月十六日における事件は全機が災上いたしまして、まだその原因が明らかにされておらないという状態のようでございます。ただ、この場合におきましてもアメリカのCABは調査をいたしておりますけれども、これについて特に使用を停止するというような措置を講じておりませんし、すでに本機につきましては型式証明その他で安全性が確かめられておりましたので、わがほうとしてはこれを承知していながらも、これに対して特に特段の措置をとらなかったということであります。
○關谷委員 何んらの措置も講じておらないということであります。すでに三回そういうふうな事故が起こっておるということになりますと、ことにアメリカでもこれを勧告をしておるというのでありますが、そういうふうな事態で、この727、これがいずれも着陸直前に墜落をしておる、そしてそれが燃料系統の欠陥であるというふうに指摘をせられておるのでありまするが、そういうふうな場合に、燃料系統がどのようになっておるという構造上の欠陥その他を調査をして、安全性について検討する必要をお考えになりましたか。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のように、今回非常に悲惨な例が日本においてあったのでございますので、今回の例にかんがみまして、われわれとしては、あらゆる点について詳細な調査を進めていかなければならぬというように考えておる次第でございます。
○關谷委員 私は、航空局がもう少し安全性ということにつきまして深い関心を持つべきだと思います。日航、全日空、国内航空が幹線輸送用の機材を統一して727を使用するということに、これは航空局のほうでおきめになったのであろうと思います。もちろんその三社が航空局に相談をせられたのであろうと思いまするが、この幹線輸送用として機材を統一したほどのものが、すでに三回もそのような事故があったという場合に、アメリカでも別にこれの停止を命じておらないのだから何も考えなかったというのでは、あまりにも無責任なような気がいたしますが、そういうふうなことをお考えになりませんか。 なお、利用者は、今日あたりの新聞を見ますと、この727に対しては非常な不安を持つということになっておると思います。これを変更する意思があるのかどうか。やはりこれは幹線輸送用の機材として統一したのだから、将来もこれを重要視するというお考えなのか。そうしてそれまでに一応これが安全であってもう欠陥のないものだという証明がとれないでも、そのまま運航を継続するのかどうか、この点を伺ってみておきたいと思います。
○佐藤(光)政府委員 今回このような悲惨な事故が生じましたので、この事故の原因を十分に探求して、これに対して手を打つ所存でございますが、さしあたって、この事故を発しました同型機につきましては、昨晩十分に整備状況を点検することを命じております。これによりまして、われわれといたしましては、この運航に支障がないものと考えて、現在運航を認めておるわけでございますが、今回の事故にかんがみまして、この事故の原因については慎重に十分に調査をして、この原因を明らかにしたいというふうに考えておる次第でございます。
○關谷委員 きょうの新聞にも、運輸大臣が語ったところによりますると、この運航を停止する考えはない、十二分に整備点検を行なって運航をさせる、こういうことが書いてあるのでありまするが、これは構造上の欠陥であって、整備点検の不完全だというふうに簡単に考えたのでは、私はたいへんな結果が再び起こるのではないかというような気がするのでありまするが、その点はどのようにして究明せられまするのか。ただアメリカがこれをいろいろ調査をして、その結果がくるのを待つのか、航空局としてはこれに対しましては独自の立場でこれを検討するというのか。 なお、そういうふうなことをして、利用者大衆がボーイング727に対する不安の念を持っておるのをどうして一掃しようとするか。その二点について伺ってみたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 ただいま關谷委員の御心配になっておる点は、私らも同様に心配しておる点でございます。対策本部といたしましては、直ちに全日空機事故技術調査団を編成しまして、第三者等の学識経験者をも動員しまして、直ちに事故の原因その他を究明いたしまして、再びこういうことのないように万全の措置をいたすつもりで、そういう調査団の編成をきょう対策本部で決定したわけでございます。
○關谷委員 以前に日本で使っておりました航空機で事故を起こした——会社の名前を申し上げますとやはり当たりさわりがあるかと思いますので、発表はいたしませんが、その航空機製造会社の機種が一番事故が多かったということで、今から十五、六年前であったかと思いますが、その際に、その機種はなるべく使わないように、その後使用しないようにしたという例もあります。私は、もしこれが検討をして、そうして多少でも疑点があるというようなことであった場合には、そこらが解明せられるまでは、そういうものは今後新しい機材として使うというようなことは遠慮すべきではないかという気持ちもいたします。今回の事故は、これは操縦士の誤りでもないと思います。また整備点検の不完全でもないと思います。機材の構造上の欠陥と見る向きが非常に多いようであります。きょう私たち各方面の人と会って話をいたしまするのに、みんなそれらの人々のことばは、これには構造上の欠陥があるんだということを指摘をいたしておるようでありまして、この点に特に重点を置いて調査検討をせられまして、再びこのような惨事の起こらないように万全の措置をとられまするように、私は重ねて要望いたしまして、私の質問を打ち切ります。
○古川委員長 田邉國男君。
○田邉委員 私ども運輸委員会の委員は、委員長を先頭に約十五名遭難現場に参りまして、現地の模様を見ましたところが、非常に風の強い、しかも土色の海の水面をみて、私ども昨夜のあの大事故を思い浮かべまして、一同黙祷をいたしますと同時に、この大悲劇がまことに痛恨のきわみと胸に迫ったわけでございます。 私どもも、かかる事故が再び起こらないようにするにはどうしたらいいかということにつきまして、当局にお願いをするわけですが、ただいま關谷議員から核心に触れた御質問がございました。私はそれと重複することは避けますが、ただ、私ども考えなければならないことは、かつて英国のコメット機が、やはり数年前に世界で連続して事故を起こした経過がございます。その際、英国のコメット機製造会社は、世界のコメット機全部に対しまして飛行を中止した。構造上の欠陥を調査するということで、そのコメット機の使用を一時中止した、そういう事態もございました。今回のボーイングの場合でございますが、やはりアメリカにおいていま、問題点が構造上にあるのではないかということで、結論は出ておりませんが、世界の航空技術関係の意見というものは、そういうところに集約されておるように思います。そこで、ただいま關谷委員から質問がございましたように、私ども、いまボーイング727機が日本にある数は七機と聞いております。全日空が五機、日航が二機と聞いておりますが、この問題についてはさらに慎重に御検討をしていただいて、将来この機材について慎重な配慮をしていただきたい、かように考えるわけでございます。 なお、こういう事故が、実は日本におきましては昭和二十七年から四十年までの間にすでに十三件たしか起きておるわけでございます。そういう際に、私ども、航空行政から考えまして、日本の航空政策として、一体航空局は、日本の航空会社というものが将来どういう形で整備していくことが、安全性また機材の統一、機種の統一、またさらに合理的な、しかも安全度を高めた経営ができるか、こういうようなことを一つの課題として考えておられると思うのでありますが、こういう事故がこの数年順次ふえていく現象の際に、私どもは、運輸省がやはり思い切った考え方に立って航空政策の国内態勢というものを整える必要があるのではないか、かように考えるわけでございます。そういう意味におきまして、運輸大臣いかに考えておられるか、航空局長いかに考えておられるか、御意見を伺いたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 たいへん大きな事故を起こしまして何とも申し上げようもないことでございますが、いま田邉委員も仰せられましたように、将来の事故を完全になくするためには、あらゆる点についての検討が必要だろうと思うのであります。航空企業の堅実な運営状態を確立する、あるいは保安対策等に万全を期する、諸問題が含まれておると思いますが、そういう問題も含めますし、さらに日本の将来の航空企業のあり方等まで一切を含めまして、航空審議会等の御意見を尊重しながら、確実な足取りで日本の航空政策が進むように万全の措置をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のように、今回事故を起こしましたと同型のボーイング727は、昭和三十七年五月に、航空審議会の国内幹線の運営にあたっての日航、全日空の提携というような考え方からの機種の統一という考え方が導入されまして、日航、全日空両社共同研究の結果採用した機種でありますけれども、御指摘のように現有、日本航空二機、全日空は事故機を入れまして五機という状況であるわけであります。しかし、やはり御指摘のように、今回こういうような重大な事故を生じたわけでございまして、その原因を十分に探究いたしまして、われわれとしても安全な輸送のための将来とるべき方策を十分検討いたしまして、わが国の航空事業の機種統一あるいは機材のあり方等についての検討の指針といたしたい、こういうように考えております。
○田邉委員 私は、いまの国内幹線にジェット機を使っておる、各社とも国内幹線にこぞってジェット機を投入しておる現状を見ておりまして、一体この狭い日本でジェット機を各社が入れて相当無理な競争をしておる姿が正しいかどうかということについては、やはり運輸省は再検討する必要があるんではないか。これは私の前からの持論でございます。この際こういう事故が、しかも単独の飛行としては世界最大の事故といわれるこういう事故の時点において、やはり日本の航空政策のあり方、また国内航空をどういう形で運営するかということにつきまして、私はひとつ航空局長も、一そう真剣にこの問題に取り組んでもらいたい。また大臣においても、この機会に、再びかような事故がないためには、ぜひ国内航空事業の問題について真剣に取り組んでいただきたい。 先般、航空審議会の答申がございました。私どもは、ああいう答申の出し方そのものにも問題があると思いますけれども、しかし、あの答申の結論を見ておりますと、はたしてこういう事故が起こらない答申になり得るかということになりますと、私は非常な疑問があります。そういう意味で、正しい、大局に立った航空国内政策というものを樹立していただくことをこの際強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○古川委員長 山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私も、社会党を代表して、遭難されました百三十三名の方々の御遺族に対して、心から弔意を表したいと思います。 いろいろ航空事業に対する根本的な問題につきましては後日に譲ることといたしまして、当面起きました事故に関してのみ二、三御質問を申し上げたいと思います。 まず、私は、いま全日空並びに日航が使用しておりますボーイング727並びに707型両航空機でありますが、これにつきましてはさきに關谷委員の質問にもありましたように、特に727機種につきましては、アメリカ航空局で指摘しております具体的なものとして、昨年ユナイテッド社に勧告をしております中には、いわゆる第二エンジン、中央の第二エンジン系統に、燃料送油に欠陥がある、こういうことを指摘いたしまして、改良を必要とするということを言っておるのであります。私は、これは日航にいたしましても、全日空にいたしましても、あるいは航空局にいたしましても、そういった欠陥のあることを、やはりそれを事実として把握されておって当然ではないかと思うのですけれども、これはききの答弁によりますと、何らの処置、研究、指導もしていないというのでありますが、これは私はあまりにも無関心な答弁ではないか。別に私は責任を追及しようとは思いませんけれども、しかし、それではこれを利用するところの旅客、広く国民の不安を解消することはできないのみならず、私はこういった重大な事故を起こす遠因をそこに求めることができるのではないかと思われます。したがって、ほんとうに何らの処置もとられなかったのかどうか、この点をひとつこの際明確にしておいていただきたいと思います。
○佐藤(光)政府委員 米国の事例につきましては、先ほども若干触れましたが、御指摘の点は、CABの調査の結果まだ若干ペンディングになっている面の問題でありまして、たとえば燃料パイプの位置をセンターに移すというような問題についてCABから勧告が出たけれども、FAAでまだ必ずしもこの勧告を受け入れる態度を示しておらないというようないきさつが、実はあるようでございます。いずれにいたしましても、これが非常に致命的な安全性の問題ということであれば、一応その機種の使用を停止をするというような処分も考えられるのでございますが、そういうことが現実に行なわれておらない状態であるというふうにわれわれは承知しておるわけでございます。 その他、実際の使用上の場合の若干改造をしたほうがいいというような点についての話が進んでおるものもあるように聞いておりますけれども、それはこの際、その安全の特に致命的な部分ではないというふうにわれわれは承知しておるわけでございます。しかし、何と申しましても、先ほど来申し上げておりますように、わが国の全日空が使用いたしております727にこういうような重大な事例が出ておりますので、われわれとしては、この原因についてはあらゆる面から検討を進めまして、その原因の除去に万全の措置を講ずる必要があると考え、先ほど大臣が申し上げましたように、広く部外の方も入っていただきまして、この検討を早急に進める処置をとるということにいたしておる次第でございます。
○山口(丈)委員 後悔先に立たずといいますけれども、私はそれを一つの経験として、将来に再びこういうことがないようにするためには、そしていま直ちにこういう不安をなくしていくためには、もっと責任ある指導をすべきではないかと思う。 そこでお尋ねをしますが、こういう航空機、アメリカでも勧告されておるのですから、それならば日本でも独自に、購入した航空機に対しての安全性についてもっと研究をして、欠陥を指摘できるような能力があるのかないのか。 それからまた、ああいうリアエンジン航空機というのは私は最近にできたものと思うのでありまして、ジェットになりましても、プロペラ機でありましても、従来の飛行機は、すべてこれは主翼に動力源を求めておる。いまはリアエンジンにこれを求めておりますが、そうなりますと、操縦性におきましても、私は飛行士の特殊訓練を必要とすると思うのです。これらについて、その乗員の対応策は一体どういうふうにしておられるか、お聞かせ願いたい。
○佐藤(光)政府委員 御指摘のように、航空機自体がいろいろその形態を変えておるわけでございまして、その形態に応じた操縦について、われわれとしてはそれぞれの教育課程を経て教育を充実するように措置をし、またそれぞれの資格を厳重に定めまして、それに対して試験をすることによって、これに対して操縦する資格が十分あるということを確認してまいっておるわけでございます。今後ともこういう点について、さらに今回の事故にかんがみましてなお改善を要する点があるかどうか、そういうような点について慎重に検討を進めてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○山口(丈)委員 それからもう一つ、これはあすからのことでありますからお伺いをしておきますが、私は昨年列国議会同盟会議に派遣をされまして、初めて世界一周の航空機の経験をしたわけです。各社の飛行機に乗って、その各国のとっております航空管制その他の面について、乏しい知識ではありますが、研究してきました。ところが日本では、ちょうどハワイから帰ってまいりましたのが九月十日、二十三号台風のまっ最中でありました。乗務員は、われわれに対して、その気象状況等について、一切何もわからない。何ぼ尋ねてもわからない。そして、その風速三十メートルもこすような台風のまっただ中に、無謀にも着陸しようと何回も試みたのであります。こういうことは事故のもとになる。そうして、ついに着陸できぬで板付へ行きました。ところが板付ではその受け入れ態勢がありませんので、非常な混乱を来たしたのであります。私は、やはり航空機というようなものは、陸上とは違って、まかり間違えば今回のような大惨事を引き起こすのでありますから、したがって、もっと人命尊重の点からいきましても、ああいうように台風時など、異常気象に基づいて着陸不能というようなことがわかっているのなら、地上の管制員は、あるいは空港長の権限において航空機の他の飛行場への早期退避をなぜ指示しないのか。ああいう危険なことをさしてそのままほうっておくのは、私は言語道断じゃないかとまで言いたい。そういうことが大きな事故のもとになる。一体ああいうものの平常の指導をどうしておられるか、非常に不満に思うのですが、これについてひとつ御所見を承りたい。
○佐藤(光)政府委員 山口委員が実際お乗りになった飛行機の運航のしかた並びに代替飛行場に到着したあとのお客さんの取り扱い方について非常に遺憾な点がございましたようでございまして、今後そういうことはないようにわれわれとしても十分指導してまいる必要があると思うわけでございます。御承知のように乗務員は気象状況等につきましては、必要があれば、通常羽田より当然入手できるわけでございますから、それを十分承知の上で運航をするはずでございまして、それをあえておかした運航をする、悪天候の中を運航するというような、判断を誤まらないように今後とも具体的に十分指導をしてまいりたい。 なお代替飛行場に着いた場合の税関、検疫等の取り扱いに非常に遺憾な点があったようでございますので、これらにつきましても今後十分具体的に注意してまいりたいと考えている次第でございます。
○山口(丈)委員 これにつきましては、時間がありませんから、またあとで十分やりますが、あすからの不安をいま取り除くために質問をいたしておるのであります。 そこでこの事故について事後の処置についてでありますが、きょう現場を視察いたしまして痛切に感じますことは、いま水面の捜査は艦艇あるいは保安庁の各船あるいは漁船あるいは航空機等、あらゆるものを動員されておりまして、その捜査体制につきましては、私は敬意を表しているわけでありますけれども、現場の実情から見まして、水面捜査はもうこれ以上進展しないのじゃないか。一刻も早く水中捜査に切りかえる必要があるのではないか。そのためには一刻も早く機体の的確な水没位置を確かめること、並びにそれに基づいて、いま言いましたように水中捜査を早急に実施することが遺族に対する最大の義務ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 次に、ついででありますから、もう一つお伺いをいたしますが、これはいつものことでありますけれども、遺族の補償その他につきましても、当局としてはいち早く何らかの措置を、これは見解なりを発表されるべきだと思います。いままでのところ公式発表は何もないように聞いておるのでありますが、これに対しましては、先例はあるということだけではおさまりません。したがって、どういう処置をされようとしておられますか、これらにつきまして、以上二点を明確にひとつ御答弁願いたい。
○栃内政府委員 きょう委員長、委員の各位に現場を御視察いただいたわけでありますが、ただいま御指摘の今後の捜査の方法につきまして御意見がございました。私といたしましても、まことに同感でございまして、昨日の夜以来主として水面を捜索いたしまして、遺体の発見につとめておったわけでございますが、現在におきまして水面に遺体があるということは、きょう一日の捜索によりましてほとんどないのではないか、いま御指摘のように、遺体は水中または水底にあるのではないか、かように考えております。 したがいまして、今後の捜索の主体は、水中、水底ということに重点を置くということで、けさからその方面の配慮をいたしまして、現在実行に移しております。 具体的に申しますと、これは昨日の夜からやっているわけでございますが、海上保安庁水路部の測量船を動員いたしまして、これは平生は海底の深さをはかる船でございますが、この能力を利用いたしまして、探信儀によって墜落位置とおぼしき付近を捜索して機体の発見につとめております。 また、海上自衛隊は水中処分隊を出動いたしまして、この水中処分隊は機雷を探知する任務を持っている部隊ということでございますが、この船はソーナーを持っておりまして、水中あるいは水底の金属のものを探知する能力を持っております。これもいま次第に捜索海面をしぼって行動中でございます。 それから別途、底びき網による捜索を実施に移しております。現在水産庁また千葉県の協力を得まして漁船の出動を要請しまして、現在三十隻が用船されまして現場付近の底びきに着手しております。これは今夜、夜を徹してやるわけでございますが、これによりまして何らかの手がかりが得られるのではないか、かように期待しております。 また、水路部の船、あるいは海上自衛隊の船、あるいは底びきによりまして何らかの手がかりが得られました場合には、直ちに潜水作業を行ないまして、また、状況によりまして機体のつり上げということも予想されますので、クレーン船を現場付近に配備いたしまして、何らかの手がかりに応じてあらゆる方法を講ずるというようなことで、現在実施中でございます。まことに御指摘のとおり、今後は水中あるいは水底の捜索に重点を置くべきものと考えております。
○中村(寅)国務大臣 被災者の遺家族等に対する処置の問題でございますが、これは基本的には全日空が責任を持ってやるべきことでありますが、私からは、全日空の社長にも、できるだけの手厚い処置をするようにということを強く申し伝えております。さらに残された家族等の中には、たとえて申し上げますと、両親がなくなって子供だけ残っておるというような方に対しましては、直ちに厚生省のほうで地元の県あるいは町村と連絡しまして、引き取り手があるのかどうか、ない場合には、政府におきまして、非常処置としてあたたかい手を差し伸べるようにということで、それぞれいま手を打っておりますので、責任の所在というようなことでなく、今回の遺家族の処置に対しましては、万全を期してやっていきつつあるという実情でございます。
○山口(丈)委員 いま大臣からの答弁がありましたので、事後の処置につきましては、ひとつ答弁のとおり実施をお願いしたいと思います。 なおこれは根本的な問題として、非常に多くの問題を含んでおると私は思うので、それにつきましては次にまた質問をすることにいたしまして、本日はこれで質問を終わります。
○古川委員長 なお、質疑の通告者がありますが、この際暫時休憩いたします。 午後五時三分休憩 ————◇————— 午後五時四分開議
○古川委員長 会議を再会いたします。 引き続き質疑を続行いたします。 質疑の通告がありますから、発言を許します。玉置一徳君。
○玉置委員 今回の全日空の航空事故につきまして、御遭難されました方々並びに御遺族の方々に、党を代表いたしまして、私は心から弔慰を表したいと思います。 そこで、簡単にこの際、わが国の航空行政につきまして、中村運輸大臣並びに政府当局に御質問をしておきたいと思います。 ただいま原因調査を徹底的にしまして、この種事故の再発を防止してもらいたいということを同僚の委員諸君から御質疑がありましたが、そこで一点、これからこの事故原因が究明されるまでの間は少なくとも発注を差し控えるというふうに、行政的な指導をなさる用意があるかどうか。
○佐藤(光)政府委員 この安全性の点から申し上げますと、先ほど来お答え申し上げておりますように、ボーイング727自体は十分に、一応いままでの基準その他から申し上げまして、安全性があるということを考えているわけでございます。したがいまして、現用機につきましては、先ほど来申し上げているような措置を講じているわけでございますが、しかし、まずわれわれといたしましては、いま御指摘がありましたように、新規発注云云の問題の前に、できるだけ急いで、今回の事故機についての調査を進めるというふうにいたしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○玉置委員 先般航空審議会のほうから、国内、国外の航空路線につきまして答申がございましたことは御承知のとおりでございますが、この種人命を預かります航空の経営に当たるものが、私企業だけでは非常に無理じゃないだろうか。どうしても国の資本参加、経営参加というもの、ある部分、たとえば二分の一とか三分の一とかいうような参加をすることによって、いろいろな労務管理その他の整備の状況、行き届いた航空行政ができ得るのじゃないだろうか。たとえば、あとで御質問いたしますが、御遺族に対する補償というような措置につきましても、その経営能力、金融能力によりましては、したくてもできない場合があり得ると思います。政府が何らかの措置、配慮を講じなければならないような場合があり得るのじゃないか。私企業ではやりにくいことがあり得るのじゃないか。いずれにいたしましても、こうした大事故を発生し、将来とも航空の需要というものはどんどん伸びるわけでありますので、この際そういった国の経営参加、資本参加というものをある程度必要とするのじゃないかというふうに感じるわけでありますが、運輸大臣はどうお思いになって、将来どういうような方向にその検討をなされようと思われるか、お答えをいただきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私は、現在の民間航空企業のあり方につきましては、いろいろ問題点はあると思いますけれども、やはりこれは民間企業としての形を整えていくことは可能である、かように考えております。これは企業の集約化とか、あるいは路線の整備等を推進いたしまして、そうして企業の堅実な経営が成り立つようなくふうをしていけば可能であると考えております。ただ、非常にへんぴなところで、どう考えてみましても採算が合わない、しかし、路線は絶対に地方の生活のために、社会開発等の意味から考えましても必要だというような特殊路線に関しましては、あるいは国の補助、助成というようなことが考えられていく必要がある点もあると思いますが、そういう点をあわせ考えながら、民間企業の堅実な成長につとめていくことが可能である、かように考えておる次第でございます。
○玉置委員 私は、日本の現状では、民間航空だけでは、純然たる民間経営だけでは非常に困難だと思いますが、これはこの際置いておきたいと思います。 そこで、先般の航空審議会におきまして答申がございましたが、その点につきまして、今度の事件を契機にもう一度考え直すような点がありはしないかどうか、経営の安定という点から考えまして、先般の航空審議会の答申について再検討を要するようなところがあるかどうか、中村運輸大臣からお答えいただきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 私は日本の当面しております航空企業のあり方につきましては、いろいろの問題点が含まれておると思います。航空審議会の答申等もできるだけ尊重いたしまして、そうして先ほども申し上げますように、企業の集約化あるいは路線の配分等にも配慮をしながら、日本の航空企業の健全な成長につとめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○玉置委員 一昨年だったと思いますが、大分空港におけるフレンドシップの事故がございまして、その際経営の確立ということを国会でも非常にやかましく言いましたと思います。そういうことを受けて、今度の航空審議会の答申がございましたわけでありますが、今回またこういう大事故にあいまして、その必要さを痛感するわけであります。二年も三年もかかるようなことでは、また、大事故が起こったからというようなことではいけないと思うのです。どういうようにすみやかに答申を実行に移すようにされるか、大体いつごろまでにやられる御意思があるのか、当局からひとつ御答弁いただきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 今回の大事故が起こりましたのを契機といたしまして、できるだけすみやかに、将来事故の再び起こらないようないろいろのくふうをしながら、航空企業の整備といいますか、そういう方向に進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○玉置委員 こういう事故の再発を絶対なくするためには、今度の問題になっておる機種の事故原因の究明も必要でありますけれども、そのほかに、労務管理とか、乗員の養成とか、整備の強化とか、経営の安定というように、いろいろな問題があると思います。そういう点につきましても、総合的にこの際航空行政をひとつ見直していただきたいと思います。 そこで一点。政府の航空大学を拡充するというような条件で、全日空には三、四年前、日航には今年度から乗員養成の補助金を打ち切られたわけでありますが、それがためには、航空大学の整備拡充というものがいままでのような速度ではとても間に合わぬのじゃないか、そういう点を考えてもう少し思い切った予算措置その他を講じなければならないと思うのですが、どういう御意見でありますか。
○中村(寅)国務大臣 搭乗員の養成の体制は、仰せられますように、非常に進んでいきます航空事業に比較しますと、おくれておるのはお説のとおりであると思います。私は、ことしは宮崎の航空大学をできるだけ整備いたしまして、将来これをだんだん強化いたしまして、国の力で搭乗員の養成等をできるだけ進めてまいりたい。ことしの四十一年度予算で宮崎航空大学にはYS11を二機整備することにいたしておりますが、これはやはり搭乗員を宮崎大学でやっておりますが、いままではYS11等がございませんので、卒業してすぐ企業の中に入りましても間に合わないということ等がございますので、学校を卒業してすぐ企業の中に入れば一通り技術が習得されておるというようなところまで持っていきたい、かように考えておるわけでございます。この搭乗員の養成を民間企業にしょわせるということは、御意見のように非常に無理だと思いますので、できるだけ国の力でそういう点はカバーしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○玉置委員 海上保安庁の長官にお伺いしたいのですが、遺体の引き揚げられることを遺族の方々は一日もすみやかにと思ってお待ちになっておると思います。幸いと申しますか、潮流の関係で、湾から外に出ておるようなことはないというお話でございますが、一体も残さずに、徹底的に、遺族の方のことを思えば収容してあげなければならないと思いますが、決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
○中村(寅)国務大臣 それは私からお答えいたしますが、この遺体の引き揚げは全責任をもって政府がやらなければならないつとめでございますので、昼夜を分かたず、あらゆる力をつぎ込みまして、一日でも一時間でも早く引き揚げたいという気持ちで努力することをお誓い申し上げる次第でございます。
○玉置委員 最後に遺族の援護でありますが、先ほど大臣からもお答えがありましたが、弔慰金のほかに相当な賠償額というようなものを会社も支払うのだろうと思いますけれども、この点、この問題だけじゃなしに、こういう事故の起きた場合に、先ほど申しました私企業でありますので、この程度は支払わなければ申しわけないと思いながら、金融能力がない場合があり得ると思うのであります。そういう場合に、政府は何らかの配慮、措置をする用意があるかどうか、これを最後にお伺いしたいと思います。
○佐藤(光)政府委員 御遺族の援護につきましては、先ほど大臣が申し上げておりますように、会社に万全の策をとってもらうということでお話をしておりますし、われわれもその実施の状況をよく見てまいりたいと思います。従来はなはだ残念ながらございました事故につきましては、大体賠償が会社の手によって行なわれておるわけでありますので、われわれもそういう期待をしておるわけでありますが、今後これの実施の状況につきましては、御指摘もございますので、なおよく見てまいりまして、かりに金融等の措置を要する場合には十分それらの点についてわれわれとしても検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
○玉置委員 質疑を終わります。
○古川委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後五時十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕