文教委員会 第3号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/08/10
会議録
○委員長(山下春江君) ただいまより文教委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 昨九日、北條雋八君が辞任され、その補欠として柏原ヤス君が選任されました。また本日、近藤鶴代君が辞任され、その補欠として柳田桃太郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(山下春江君) 継続調査要求についておはかりいたします。 教育、文化及び学術に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(山下春江君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。 教育、文化及び学術に関する調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、本院規則第百八十条の二によって議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(山下春江君) これより請願の審査を行ないます。 本委員会に付託になっております第一八号、「公立高等学校の設置、適切配置及び教職員定数の標準等に関する法律」の一部改正に関する請願外十九件を議題といたします。 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(山下春江君) では速記を起こして。 それでは、ただいまの御審査の結果、採択すべきものとされました請願の件名を専門員より報告いたさせます。
○専門員(渡辺猛君) 採択すべきものと決定されましたのは、三の義務教育管理下における児童生徒の学業災害補償に関する請願、二六号。それから四の小中学校事務職員設置わくの拡大に関する請願、二七号。それから五の「公立高等学校の設置、適正配置及び教職員正数の標準等に関する法律」の一部改正に関する請願、一八号。それから八の新潟大学農学部畜産学科設置に関する請願、一二九号。最後に九の千葉市加曾利貝塚の保存に関する請願、一一七号外十一件。 以上でございます。
○委員長(山下春江君) ただいま専門員より報告のありました十六件の請願は、議院の会議に付するを要するものとして内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
○委員長(山下春江君) 教育、文化及び学術に関する調査中、学力テストに関する件を議題といたします。 御質疑のある方は順次発言願います。 なお、政府側より中村文部大臣、中野文部政務次官、齋藤初等中等教育局長、西田調査局審議官が出席しております。
○鈴木力君 この学力テストの問題について、特に福岡県の学力テストに対する文部省の勧告についてちょっと伺いたいのでありますが、これは、この前の委員会でも概要を伺っておりまして、その結果に基づいてもう少し具体的にお伺いいたしたいと思います。文部大臣にお伺いいたしたいと思います。 第一は、この前にもちょっとお伺いしたのでありますけれども、この学力テストの実施の態度についてであります。それは、この前、勧告書の中にも、たとえば、純粋に教育的な配慮という名のもとに調査の全面中止の方向に行政指導を行ないという形で、文部省は福岡の中止を見ておるわけであります。しかし私どもは、どうしてもこの学力テストの問題はどこまでも純粋な教育的な配慮を加えないことには、これは非常にいまの教育制度そのものにも問題があると考えておるのでありまして、したがって、文部省がこの学力テストを行ないます場合に、教育的な立場から行なったのか、事務的な立場から行なったのか、この辺の関係についてはっきりしていただきたいというのが第一でございます。普通言っております行政事務ということばをよく使っておりますけれども、その立場をはっきりしてもらいたいということであります。したがいまして、いまの立場からいいまして、私どもの考え方では、学力テストということを法の五十四条二項によってやっておるというふうに文部省の各記録その他について出ておりますけれども、教育的な見地からいたしますと、どうしてもこの種のテスト、調査につきましては、これは教育の内容に踏み込むことが絶対に避けられないことでありますから、そういう意味では、この五十四条二項の適用をするということが無理ではないかと考えますけれども、これについてのひとつ所見をお願いいたしたいと思います。なお、ついでに申し上げます。この勧告についての根拠をひとつ承りたいのでありますが、勧告文は命によりとなっておりますが、おそらくこれは文部大臣の命によるということをさしておると思います。したがって、文部大臣がこの勧告を命令いたします場合に適用されました法律が、何法によって命じられましたか、その点についてひとつ承りたいと思います。
○政府委員(齋藤正君) 御質問の第一点は、地方教育行政法の組織及び運営に関する法律の五十四条にございます。教育に関する事務ということばの範囲が、教育の内容に関する事柄を含むかどうかという御質問でございますが、これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律の各所に出ております事務ということばで、教育委員会の権限、あるいは文部大臣の権限、あるいは都道府県教育委員会の市町村教育委員会に対する指導助言、この事務と申しますのは、いわゆる先ほどお話のありました庶務、会計というような事務という狭い意味でなくて、これは教育に関する仕事ということを権限としてみんな含んでいるということでございます。と申しますのは、これは地方自治法等で使っております事務あるいは文部省設置法あるいは国家行政組織法で行政事務、こう使っておりますのは、その機関の仕事、平たくいいますれば仕事という意味でございまするので、これを単に普通事務職員が事務をつかさどるという意味のようなふうにはいろいろな法律の条文を使っておりませんので、教育の内容に関することも含まれるものと私は解釈いたしております。 第二点の、今回、福岡県の学力調査に関しまして、実情を調査した上で七月八日に出しました次官からの通達というものの法律的な根拠は何かという御質問でございますが、これは同じく地方行政の組織及び運営に関する法律の第四十八条でございます。これは文部大臣が地方公共団体ないし地方公共団体の教育をつかさどる機関に対しまして、また、都道府県の教育委員会が同様に市町村に対しまして指導助言をするという権限、その四十八条に基づいたものでございまするし、また、別に組織法といたしましては、文部省設置法に定めがあるわけでございます。
○鈴木力君 さきの教育に関する事務ということは、教育の内容に触れることもあると、そういう意味だと承りましたけれども、まあ教育の内容に触れることもあるということが、教育の内容そのものを調査の対象とすることもあるという意味なのか、一つの調査の目的があるために教育の内容を変更させることもできるという意味なのか、どっちなのか。ちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(齋藤正君) 五十四条に書いてありますのは、「教育に関する事務に関し、必要な調査、統計その他の資料又は報告の提出を求めることができる。」ということでございまするから、この五十四条でいっておるものは、調査、統計、資料、報告でございまして、それは何かといいますと、教育に関する事務のすべてに関して権限がある。その教育に関する事務というのは、これはこの法律の各所に出ておりますし、あるいはこれに関連あります地方自治法等にあります事務ということばの他の条項、内容と同じで、単にいわゆる普通の意味でいうところの事務とか内容とかという分けたものではなくて、教育に関する仕事のすべてを含んでいるものだと、かようにお答えしたわけであります。
○鈴木力君 どうもわかったようでわからないのですが、教育に関するすべてのものということを、もう少し具体的に伺いたいのです。つまり、一つの調査の目的を持っているものが調査をするためには、そこで行なわれておる教育の内容を規制をしたり、あるいはその内容を変更させたり、そういうことまでこの法律は権限を含んでおるのかいないのか、そのことをお伺いしたい。
○政府委員(齋藤正君) まだ的確に私御質問の意味が……。
○鈴木力君 ああでもない、こうでもないというふうにいわなくてもいいですから、そうだという答弁をしてもらえばいい。
○政府委員(齋藤正君) この条文にありますことは、地方公共団体で行なっておりますところの教育の仕事のすべてに関することであります。
○委員長(山下春江君) おはかりいたします……。
○鈴木力君 委員長ちょっと、いまのところ、わからないのですが。
○委員長(山下春江君) わからない……。鈴木委員。
○鈴木力君 教育に関するすべてのことといいますが、学校で授業していることも教育に関するすべてのことでしょう。その授業も、授業の行為そのものも、この五十四条二項によっては支配できるかできないかということを聞いておる。
○政府委員(齋藤正君) 御質問が、支配できるかできないかというところが、私御質問でとりにくい点でありますけれども、要するに、市町村の設置いたしますところの公立学校で授業を行なっておる、その授業を行なっておることに関することはこの調査をできるし、その報告を求めることができるということでございます。
○鈴木力君 そこで、具体的に学力テストについて伺いたい。そういたしますと、一斉にいつの幾日に学力テストをやるということをいたしますと、各学校では授業時間割から指導計画を変更しなければならないわけですね。そういたしますと、この五十四条二項というのは、そういう授業時間割とか、指導計画の変更を命ずることができると解釈しているのかどうかということを、もう少し念を押しておく意味で伺いたい。
○政府委員(齋藤正君) 学力調査は文部省が教育課程の改善、あるいは学習指導の改善、あるいは教育の諸条件の整備をするために必要な資料として求めるものでございます。ですから、その目的のために必要な限度におきまして、一定の時期に一定の形において調査をする必要性があるという前提に立ちますので、その場合に、その必要な授業の計画を変更してやってもらうということはこの権限の中にあります。ただ、おっしゃるように、何の必要性もないのに教育委員会や学校のきめられておりますものを、ただ、きょうはああやれ、きょうのこの授業をやめろというようなふうの問題ではなくて、その学力調査の目的、それから内容というものがそういう必要性のあるということで、これは教育委員会におきましては全国一斉にこういう様式でやっていただくことによって成果を得るという意味で、教育委員会はその行為を実施していただく義務がある、かように考えております。
○鈴木力君 ますますおかしくなっていると思うのですが、必要であるという判断は、教育委員会が判断をした場合、つまり行政が判断をした場合には、教育の責任者である教師の計画を変更せしめることができるという解釈に立っているわけですね、いまの説明を要約いたしますと。そういたしますと、教育基本法の十条に、教育は何ものにも支配されないという趣旨のことがはっきり書いてある。つまりこれは行政といえども、その教育方法なり中身については、これを支配することができないと書いてあるわけです。しかも、それが行政的に必要な調査をしよう、こういう場合には事業計画も変更させることができる、こうなってまいりますと、授業と行政事務というのがどこでどうなっているのか、混同してしまうわけです。現に現場ではこの学力テストを施行した時間は、教授時数の中に入っているわけです。授業時間数に計算をされているわけです。そうすると、一つの授業をした、こういう教育という行為そのものが行政機関によってこれが左右をされたということになっていると思いますけれども、これについての見解をひとつ伺いたい。 それから時間がおそらくないと思いますので、私一人で続けてやると皆さんに御迷惑がかかると思いますから、続けて大臣に伺いたいのです。いまのような御見解で、教育という行為そのものと、一つは行政の都合という、行政側の判断が教育の現場を拘束するということについては、私がいま伺った限りにおいては、どうも教育基本法の十条にもこれは相当の疑わしき、抵触しはしまいかというような疑問もあるのですけれども、これは日本の文部省として、文部行政の基本的な態度としての行政と教育行為そのものとの関係を今後どう持っていかれるかということをひとつお伺いいたしたいと思います。 それからなお、勧告の根拠については、全部が同じだという趣旨にいっておられますけれども、少なくとも文部省の設置法には、法律違反の疑いがある場合には二項を適用するのが正しいのじゃないか。法律違反の疑いがある場合、あるいははなはだしく不適当だと思われる場合には、二項を適用する処置を要求するということが文部省設置法にもあるわけです。それから地方教育行政法の、そちらのほうをみましても、地方自治法をみますと、特に技術的な指導助言ということばに非常にウエートがかかっているようにも思われる。そういたしますと、福岡県に対する学力調査に対するこれらの勧告というものの根拠が、どうも私どもからいたしますとあやしげになってくるわけです。私がいま申し上げうと思いますことは、それを伺った上に、さらに福岡県の教育委員会が主体性を失っているという言い方で、この勧告は責めているわけですけれども、私がいま申し上げましたような趣旨から申しますと、むしろ純粋な教育に対する配慮という立場から、しかもまた、法律の解釈論もいろいろあり、この前にもまあ大臣の御答弁もいただきましたけれども、福岡県における高裁、地裁の判決も出ている。そういたしまして、それを否定できない立場のものもあるわけですから、そういうところから総合判断をして、福岡県の教育委員会が実施をしないということは主体性がないといってしまうのは、先ほど申し上げましたように、文部省が一つの意図をもって現場の教育計画を変更させ得るという行政を教育行為の上においておるところからきているあやまちではないかと、こう考えますけれども、この三つについての大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 先ほど齋藤局長からお答え申し上げましたように、何にも目的なしに教育の時間の変更を求めるとか、内容を変更させるということは、これは何人もできないことで、してはならないことと思いますが、本件の場合は、学力調査の必要性を認めまして調査をするものでございますから、調査の結果を出すために学力調査をいたします当日、結果的に授業時間の変更が、時間の変更といいますか、内容の変更が行なわれるということはやむを得ないことであり、妥当なことであると、私はさように感じておるわけでございます。 それから勧告の根拠が、むしろ二項の処置の要求の条項によるべきじゃないかという御指摘がございましたが、まだ処置の要求というよりはその前の指導助言の立場でございまして、指示とか、あるいは要求とかいう程度に達しないものであると、かように考えておる次第でございます。
○松永忠二君 関連。いまお話の出ました「純粋に教育的な配慮という名のもとに」という表現をしてあるわけですね。この「世界」の九月号にはこういうことが書いてあるわけですね。「福岡市教委だけは、警官を導入しても強行するという態度をとり、市教委自身は市教組との交渉を意図的に拒否したまま、電話連絡で各校長に実施指示をあたえていた。」、こういうふうなことであるので、「混乱が予想されてきたので、県教委は、市教委に対し、報告は求めないという中止の行政指導をおこない、」、こういうわけです。こういうふうな配慮のしかたも、「純粋に教育的な配慮という名のもとに」ということばに適当するものだと大臣お考えになりますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 警官の導入を要請云々というのは私初めて実は伺うのでございますが、さような状況は、福岡市と指摘されたようですが、福岡市にはなかったように承知いたしております。
○松永忠二君 私が申し上げているのは、後刻また実際の現地のことを承知される方が御質問あるかと思うのですけれども、市の教育委員会が警官を導入しても強行するのだと、そして市の教育委員会は市教組との交渉もあえて意図的に拒否しているという、こういう状況の中で行なわれるということは、混乱が予想されるので、県の教育委員会が市教委」に対して報告を求めないという中止の行政指導を行なったとすれば、これをもこの「純粋に教育的な配慮という名のもとに」ということばに該当するかどうかという御判断を聞いているわけなのでありまして、その御判断を大臣にお聞きしたいわけです。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいまお読み上げになりました雑誌はどこからそういう資料を得ておるか知りませんが、私ども聞いておるところは、福岡市は平穏に実施できる状況にあったにもかかわらず、県教育委員会のほうから、調査の結果は報告を求めないと、こういう通達をしたように聞いておりますが、あるいは実態の把握について若干食い違いがあるかもしれません、十分私ども注意してなお調査したいと思います。
○松永忠二君 もっと、そういうことじゃなしに、そういう事実があったとすれば、私はこういうことを、混乱を避けようというのは純粋な教育的配慮であると思うのです。そう思うのですが、この意見について大臣はそう思わないとおっしゃるのか、そういうことも名目的な、いわゆる「教育的な配慮」ということばに該当するのか、そのことをお聞きしている。私はこの事実について、後ほどまたお話があると思うのでありますが、こういう警官を導入する、しかも市の教組とは話を意図的に拒否しているといこういう中で学テが行なわれるということについては、混乱が予想されるから、県の教育委員会が市教委に対してある行政的なことを要請していくというこのやり方は、教育的な純粋な配慮だと思うのですが、この私の意見について大臣はどうお思いになりますか、それを聞いているのです、端的にその点について。
○国務大臣(中村梅吉君) 警官を導入してやらねばならないような事態であったら、一体それは、それを中止させることは教育的配慮と言えるのかどうか、こういうお尋ねのように思いますが、実情はそういうことがなかったように承知いたしておりますので、実際にそういうもし険悪な、緊迫した状態があれば、別途そういうときには良識ある考慮をしなければならぬと思いますが、ただいまのお説で言いますと、一つの仮定でありまして、今回の福岡市の場合において、さような実情は全然なかったように私ども承知いたしております。
○松永忠二君 そうすると、わかりました。こういう事実があるという中でこれを避けていくということについては、純粋な教育的配慮ということにも該当すると、こういうふうなお話であって事実はそういう事実がないと大臣は承知していると、こういうようにはっきりしたわけです。これに関連して、まだ実情のお話があると思いますので……。
○小野明君 前回の委員会でいろいろお尋ねをしておったのですけれども、私どもの見解といたしましては、この勧告書というものが現地の実情と著しくそごをしておる、事実と相異なっておると、こういった観点からいろいろとお尋ねをいたしましたが、満足すべき御回答をもらっておらないのであります。で、そういった立場から五点ばかりお尋ねをしたいと思うのですが、第一に、この勧告というのは、やはり学テ調査ということに名をかりて、県の主体性をもって教育行政をやらなければならぬ教育委員会行政に対して、県教委に対して介入をした、学テに名をかりて一般行政に対する調査をも行なっておる、そうしてそれについて違法な、越権な勧告文をつくり上げたという見方を持っておるのですが、大臣の談話の中にこういう一文があります。「県当局者が、教育の現場で孤立しようとしている校長の強いささえとなるために、みずから姿勢を正し、行政秩序の確立をはかる勇気を持つかどうか」、非常に叱咤激励といいますか、先ほど大臣が言われた指導助言とはほど遠いことばなのでありますが、「教育の現場で孤立しようとしている校長の強いささえとなる」、こういった表現が談話の中にあるのであります。これは一体いかなる事実に基づいてこういった表現をなされているのか、これは大臣談話でありますから、大臣も的確にその事実を把握されておると思うのでありますが、この点について御答弁をお願いしたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 要するに、県のほうの態度が業務命令を出してはいかぬとか、あるいは他の人の協力を得てはいかぬというような趣旨を言うておるようでございまして、こういうようなことでは学校によっては、全部とは言えないでしょうが学校によっては校長は孤立して実施をしたくもできないような状況になるわけでありますから、県教育委員会としては、できるだけ校長が実施したい意向のあるときには教育委員会みずからがむしろそのささえになって、そうして行政秩序が確立されるようにしてほしいという趣旨を述べたものでございまして、格別越権の発言じゃない、こういうように考えております。
○小野明君 きわめて抽象的、一般的な答弁で不満でありますが、その前文のほうもずっと大臣お読みいただきたいと思うんです。教育行政全般が非常に不正常だ、こういった事態も県民全体に知ってもらわなければならぬと、こういうふうにたたいておいて、教育の現場で校長が孤立しようとしている、こういった表現があるわけであります。こういった表現をする以上は、現場で校長が孤立している、こういった実例、実情の上に立って表現をしなければならぬのです。ですから、どういう事実の上に立ってこの表現をされたのか、この点を明確に答えてもらいたいと思うのです。なぜこういった表現をしたのか、事実をあげてもらいたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 事実関係は調査団が帰京しまして、その調査報告の報告会を開きまして 私も参画をしましたが、各関係官も出席をしまして検討した結果、こういう談話を大臣談話で出そう、こういうことになった次第でございますから、むしろその基礎的事実につきましては、調査団の団長として現地に直接その任に当たりました西田審議官からお聞き取りいただくことにいたします。
○小野明君 ほかのことなら私も言わないのです。ほかのことなら私も言いませんが、少なくとも大臣談話の中に入れてあるのですね。このことは、校長が孤立しようとしている、こういった談話の中に入れてあることについては、調査に行った者の云々、こういうことではなくして、大臣がその事実をしっかり握って、そしてその上でこの文書を入れられるなら入れられておるものと私は考えておったのです。そうすると、大臣はこの大臣談話については何も知らぬということですね、事実関係については何も知らぬと。
○国務大臣(中村梅吉君) 知らぬということではありません。こまかいことは直接の担当官からお聞き取りいただきたいと申し上げた次第で、総括的に申しますというと、福岡県の教育委員会が学力調査の中止を指示したといいますか、事実上実施できないような最終的な指示をしたのが、もう調査当日の差し迫った時間にしておるわけで、ここに至りますについては、県教組とかなり長い間接触を続けてきたようです。この学力調査を求められて以来、そういう差し迫った時間まで県教組のほうでは極力学力調査の阻止を目的として動いて努力をし県教育委員会に対してもその要請を活発に続けてきたようでございます。したがって、そういう状態から見て、事実私は、全体とは申し上げられないかもしれませんが、一部のところでは校長は孤立の状態にある。非常に困難をする、その困難した場合に、校長の処置としては、自分の学校の教職員に対して業務命令を出すという方法と、業務命令を出しても協力しない場合には、他の助力を得て実施するという方法があるわけでありますが、それまで禁止をしたということは、孤立した校長が出た場合に、むしろ県教育委員会はその校長のやり得るようなことにささえになってあげてもらうのがしかるべきであるのに、そうでない、それもしてはならぬという、ちょうど手足を縛ってかけ足をしろというような、端的に申しますと、結果であったわけでありますから、そういう状況をここに短いことばで表現したわけで、非常にことばはできるだけ詰めたほうがいいというわけで、短くしましたから、理解のいかたい点もあるかもしれませんが、要旨はそういう趣旨でこの字句はできたものと思います。
○小野明君 わかりました。それで希望的な文書であるということがわかったのですが、私はこの大臣談話の表現については、実は勧告書の四項にあるところで、「ひとたび同組合の指令が出ると、学校の管理事務の遂行について校長は孤立状態におちいる場合が少なくない。」、こういう事実の上に立って、そうして大臣談話はつくられたもの、だからこの事実関係を私はお尋ねをしておったのですが、その辺をすっかり大臣がまだ握られておらぬということがはっきりいたしましたので、次に移りたいと思うのですが、こういうふうに、いま私が読みました四項ですが、「校長は孤立状態におちいる場合が少なくない。」とか、非常にあいまいな表現が多いのです。次は第三項に戻っていきますが、この点は市町村教育委員会の問題ですが、この前の委員会でもお尋ねをしたのですけれども、実際に調査に行かれた方の答弁を聞きましても、明確にどこどこの地教委が要望したということがはっきりしなかったのですが、この三項でありますが、「市町村教育委員会は、県内の総一的な行動を期待し、県教育委員会が県教職員組合と折衝して明確な実施方針を指示することを要望したが、」、こういうふうに表現があります。「実施方針を指示することを要望したが、」、こういうとかうに表現をしてあるのですが、この表現を見ますというと、県下の全部の地教委が実施方針を指示することを要望したが、こういうふうに受け取れるわけです。どこどこが、一体どういった地教委が要望をしたのか。これに関連をして先ほどの松永委員の問題もあるんですけれども、とりあえず、どういった地教委が要望をされたのか、どういう事実調査に立っているのか、この辺をお尋ねをしたいと思います。——私は大臣に尋ねておるんですよ。あなたを指名しておるんじゃないんですよ。大臣に指名しておるんです。
○国務大臣(中村梅吉君) それは関係方面の調査をし、数多くの人に調査団が面接をしまして聞き取った結果得た結論でございます。したがって、そこに至りますまでの直接のその衝に当たった西田審議官から詳細お答え申し上げます。
○松永忠二君 議事進行。いま小柳委員の問題について委員会にはかっていただいて、そうして発言をとりはからっていただきたい。
○北畠教真君 議事進行。いまのあれに関連しておりますか。一般的な話だったらあとからやってもらいたい。
○委員長(山下春江君) 関連しておりますか。
○委員以外の議員(小柳勇君) 全部しておりますよ。
○北畠教真君 全部じゃなくて一部分だったら、細部にわたって答弁してから……。
○委員以外の議員(小柳勇君) その問題を聞く前に聞かなければならない大事な問題がたくさんあるわけです。
○北畠教真君 この問題について審議をしておるんですから。
○松永忠二君 不正規発言をしているのか。速記録に載っておるじゃないか。
○北畠教真君 議事進行をやっておるのですから、その決定をやったらいいんでしょうどうですか。議事進行がもつれてくると困りますよ。やっている最中ですからね。細部の問題を、大臣は要するに細部について正式なことは知らないと思うから、調査に行った人がどういうことでこうしたということがはっきりして、そうして質疑応答が一応小部分で終わりましたら小柳さんの発言を許すというふうにしたらどうだと思いますが。
○委員長(山下春江君) 北畠理事から議事進行の発言のとおり運営したいと思いますが、どうですか。
○松永忠二君 それはいま西田さんからお話があることばけっこうですよ。そのことについて関連して質問したければ、やはりそれをやっておかないとできないですよ。だから私のほうはそういうことに関連して質問があるので、とにかく発言できる条件だけつくっておいていただければ、何も別に西田さんの答弁を聞かぬと言っておるのじゃない。ここで一度はかって、直ちに答弁がされれば、それに関連することもできるからそれをやっていただきたい。
○委員長(山下春江君) いま北畠理事からの議事進行の発言がございましたので、それに基づいて西田審議官から一応答弁をしてもらいまして、そこで小柳議員の委員外発言を許すことにしたいと思いますので、御了承願います。
○説明員(西田亀久夫君) 地教委が県教委に「明確な実施方針を指示することを要望した」ということを報告書に書きました根拠は、県教育委員会が私どもに提出されました資料の中に、学力調査問題について地教委と県教委とが打ち合わせ会を五月の十四日から十八日にわたってブロック別にやったときの記録がございます。その中で地教委がどういう意見を述べておるか。それが全体で記録されたものが三十ほどございます。その中で最も数の多いものが、たとえば具体的に申し上げますと、椎田町というところの教育長が、学テの実施については信念を持って徹底するのであればよいが、中途半端なことはやらぬでほしいという発言をしております。宗像町が、本年度の実施についての姿勢はどうか、どうしてもやるのか。その辺をはっきりしてほしい。それから前原町が、学テについては慎重に取り扱ってほしい。最終の責任が地教委にくるようなことでは困る。郡市一体になって進退するように配慮されたい。さらに吉井町が、実施すると決定したら業務命令を出してやれ。どうでもいいなら地教委の判断にまかせてほしい。それから三輪村が、学テについては県教委の段階ではっきりと態度を決定し指示されたい。田主丸町が、業務命令を出せば完全に実施できる。それから苅田町が、裁判の段階で実施をしたのは地教委だとしていためつけられるのは困る。県教委で態度をはっきりしてもらいたい。それから芦屋町が、やるという前提で意見を出して協議せよ。川崎町が、県教委の段階で教組と十分話し合ってもらいたい。水巻町が、了解事項の解釈をめぐって押し問答は困る。これは昨年度の了解事項についてもめたことを言っております。それから宗像町が、明確で疑義を残さないように組合と交渉してもらいたい。それから大牟田市が、昨年混乱の原因は教組反対と県教委実施の線を双方ともくずさないままにあいまいな了解事項をつくったことに原因がある。そういうことを繰り返さないでほしい。このようなことが各所に述べられております。したがって、私どもはこの材料から、地教委は県教委が明確な実施方針を指示することを要望したと、かように認定いたしました。
○委員長(山下春江君) おはかりいたします。委員外議員小柳勇君より発言を求められております。小柳君の発言を許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山下春江君) 御異議ないものと認めます。小柳議員。
○委員以外の議員(小柳勇君) 私はこの前もこの委員会で傍聴いたしまして、審議の概要については了承いたしております。けさも冒頭からの質問応答を聞いておりますが、部分的には非常に大事でありますけれども、私どもがいま問題にしておりますのは、その部分をもって発展いたしましたこの勧告、勧告が出ましたために福岡の県教委、県議会あるいは県の行政というものが混乱をいたしておる。したがって、前向きにこの混乱をどういうふうに収拾するかということがいま一番大きな問題であります。したがって、そういう点で私は大臣にもう少し去年までの実態について若干お話しして、それから今度発生いたしました、ただいま西田審議官が答弁いたしましたように、地教委が非常に混乱をいたしまして県教委に態度を求めたわけです。昨年は県教委は地教委にまかした、最後まで。初めは教組とも非常に熱心に交渉しておりましたけれども、最後の実施の三日前には県教委が泣きまして地教委に一切まかした。そのために十六の市のうちの三市のみ実施した。その三市では校長が自分で講堂に集めて実施しておる。したがって、ことしは校長会でも父母会でも、あるいは教委協議会の連絡協議会のほうからも、ただいま西田君が言ったように、県教委がもっと最後まで責任を持ってくれ。やるのかやらぬのか。どちらでもいいようなことならやるな。また昨年のように混乱の情勢ではやってもらっちゃ困る。そういうのがただいま西田君が言った県教委と地教委とのやりとりであります。そういうような昨年までの背景をずっととらえまして、そうしてことしその段階になってきた。したがって、県教委は責任をもしとらないとするならば地教委にまかしてよかったわけです。地教委にまかして、各自でおやりなさい、やるところはおやりなさい、二〇%抽出であるから。それを交渉していいわけです。ところが、それは地教委は困る。各ばらばらで交渉して去年のようなああいうぶざまなことはやりたくないから、県教委は最後まで責任をとれということで最後まで県教委がやった。このことを大臣は把握してもらいたい。県教委がもしずるく考えるなら最後まで責任をとることはなかった。その点をまず認識してもらいたい。 それから県教委員長外五人おられるけれども、決してこれは政党人じゃないんです。決して革新政党の政党人じゃない。そのことをまず認識してもらいたい。それから地教委も、ここにたくさん資料持っておりますけれども、決して社会党とか、自由党とか、共産党とか、そういう政党人じゃない。やはり教育委員となった人は県の教育行政なり、あるいは地方の教育行政をどうするかということを真剣に考えておる。そういう人が最後の段階まで一生懸命協議したということも大臣に把握してもらいたい。 そこで、この勧告が出ました場合の第一の背景は、全面中止になりました翌日の新聞でございましたでしょうか、初中局長の考えとして、ああいうふうな事態であるから、どこをつかみようもないから、不問に付するよりしようがないという発表をされた。それから約十日ばかりいたしまして文部省が急拠調査団の派遣をきめた。そのときはちょうど参議院の選挙の最中です。参議院の選挙の最中でありまして、地方のほうではその問題で立ち会い演説会で論争された事実がある。したがって、私が推察するところによると、文部省としては初めは根拠がないから、これは不問にしようと考えた。来年はまた別途の角度で指導しようと考えておった。ところが、地方のほうから、いわゆる政党が政治的に文部省に圧力をかけて、黙っておったらおれたちはこの選挙はどうなるかという圧力がかかったものと私は判断する。そこで文部大臣に第一に質問しなければならないのは、普通の調査団ならば文部省の役人だけを調査団に出さない。学識経験者、第三者を調査団に入れて公平に調査をして、文部大臣がはっきり回答をとった上でどうするかということを属官にはかって、それから対策を立てるのが、今日までの各省の正しい処理であったと思う。ところが、選挙のさなかに下部から突き上げられて、あなたの直属の文部省の審議官西田君を団長にして調査に派遣した。しかも教組に会っていない。ほかのほうだけやって、しかも飛行場で記者会見をしている。大臣の配下である審議官が現地に調査に行って、大臣に報告しない前に記者会見をして見解を発表している。普通の学術調査団とか、第三瀞の調査団ならいざ知らず、そういうことを文部大臣は許しておられたのかどうか。 次に、この勧告の冒頭に書いてある県教委は学力テストをやる熱意がなかった。また県教委は教組から学力テストについて圧力がかかったと書いてある。ところが西田君がさっき報告したように実施するために地教委とも一生懸命連絡するし、教組とも一生懸命団体交渉した。昨年のようなぶざまなことをしたくないというので、責任を最後にとろうというので、学力テストを実施するための努力をしたのです。実施しない努力じゃない。できるならば二〇%抽出の学力テストをやろう。それが県の教育行政であると考えてやったと、私は理解する。この点を大臣はどうとっているのか。個人の見解は知りません。教育委員会の中には、あるいは反対の人もあったかもしれません。ただ、そのときに問題になったのは、高裁の判決と地裁の判決が出ておる。それが地教委では非常な頭痛の種であって、こういう判決が出ておるから、県教委で態度をきめてくれなければ、われわれとしては混乱するから、県教委できめてくれと言った。そういうことに対する大臣の認識はどうか。 それから、部分的に教育委員個人個人が交渉していると、ここに書いてある。われわれが調査したところでは、五人の県教育委員に聞いたところが、そんな事実はないと言っている。個人ばらばらで教組が地教委と交渉をすることはないと言っている。ところが交渉したと書いてある。 もう一つ、人事の介入というのは飯塚の地教委がたった一件。先般皆さんの配慮によってきまりました。充て指導主事の問題です。この配置がきまったから、これを現場に置くのか、出張所に置くのか。このことで初め出張所に置こうときまったけれども、教組としては現場に置いてもらわなければ困る、責任の所在がない。いま差し迫った問題として非行少年の問題があります。出張所によって現場教員を指導するような指導主事では困る、ちゃんと非行少年を教導する人が学校の現場にほしいということで主張した。ぼくは正しいことだと思います、現地をよく知っている者なら。ところが、それがきまりかかっておったのに教組があまり反対するので一応待てと言った。そのことを教組の言いなりになった、いつも人事を支配されると書いてある。ところが、飯塚の地教委は直接文部省に話し合いをして、教組が人事に介入して困ると言ったらしい。そのことを人事の介入というふうに大きく取り上げているのです。いままで述べたように、一つの小部分のことをもって全体的な認識とすることを一体どう思うか。しかも、うそが書いてある。それを二体、大臣、どう思うか。 以上、まだありますが、四点だけ私の申し上げたことに答弁をしてください。
○国務大臣(中村梅吉君) だいぶお話が固まりましたので……。四点と結論的に御指摘になりましたが、どうも四点にしほれるかどうかわかりませんが、伺っておりましたことについて大局的にお答えをいたしたいと思います。 調査団の構成について御議論がありましたが、これは学術の調査とかほかの調査であれば、学識経験者等第三者に委託するのが通常であるかもしれませんが、本件の場合は、文部省の行政事務の一つである学力調査について、しかも全国的に他の府県は事なく実施ができているのに、福岡県だけ全面的実施ができなかったというようなことでありますから、そこで、どういう事情で実施ができなかったのか、その実情は文部省が調査をすべき事項で、さような意味で西田審議官を中心とした調査団を構成したような次第でございます。 それから調査団を派遣したことについて、何か政治的な意図があったのじゃないかという御質疑でございますが、さようなことは毛頭ございません。 それから充て指導主事のお話もございましたが、私はそういうこまかいことについてはよく存じないわけですけれども、報告を聞いた中で非常に遺憾に思いましたことは、その指導主事の発令が行なわれて辞令も渡してしまった。とにかく発効してしまった。その後に地教組等から激しい反対が出た。この話し合いを県教育委員会、市の教育委員会に出張して話し合いをされたそうですが、話し合いの席上に県教組の委員長か剛委員長を同伴して行って、教組と教育委員が一緒にその市のほうの当局者と話し合いをされた。ここらはちょっと私は筋が違うのじゃないか、なるほど県教組の言い分でも、正しいことは聞いたらけっこうなんですが、そういう当局者同士の話し合いをする席に教組の、そういう委員長か副委員長を同伴して、同席させて、そこで話をするということは……それを私は聞いて、どうも福岡県の教育委員会は何か非常に自主性に欠けておるという感じがいたしました。その他お話の点で漏れている点が多々あるかもしれませんが、他の関係官からお答えをさせることにいたします。
○説明員(西田亀久夫君) 先ほど私が地教委と県教委との当初の打ち合わせの段階のことを御説明申し上げました場合に、一応、県教委の態度を明確にしてもらいたいということの要望が出たということを御紹介申し上げましたが、その中で特に説明をはしょりまして、昨年度非常に混乱が起きたということも、県教委がまぎわまで組合との交渉をやるという態勢でいきながら、ごくまぎわになりまして、これを地教委でやってくれということで、まかせた。それが時間的に切迫しておったということが一つと、それからもう一つは、その場合、県教委と県教組とが一つの了解事項というものをつくったわけです。ところが、その中身について、県教委側と県教組側とがつくった了解事項についての解釈がまるっきり違っておって末端にいった場合には、県教委の実施のしかたについていろいろな相談をするけれども、実施するという前提で話し合いがついたと、県教委はこう言っておる。ところが県教組は、末端にいってこれをやるかやらぬかどうかをきめて、これから末端で相談するということになったということで、まかされた。地元のほうが、中央での話し合いの了解事項に食い違いがあったために非常に混乱を起こした。こういう了解事項は二度とやらぬでくれということで、県教委の態度をはっきりせよということでやられた。これがポイントの一番大きいことでございます。 それから、さらに地教委とのブロック別代表との会合等をやっております。たとえば六月八日等の段階では、地教委のほうから、明るい見通しがないならば、結局は地教委が折れてくるんだ、時期を失しないように地教委に話し合いをしてほしいというようなことも要望しております。何が何でも県教委で最後まで締めくくってもらいたいというのが、すべての場合の最終的な態度であったというふうには私どもは受け取れないわけです。 それからもう一つは、県教委が県教組と混乱が起きないように熱心に話し合いをしたと言われましたが、私ども県の教育委員会からいただきました県教組との交渉の経過に関する資料を見ますと、そのような事実がとうてい見られないわけです。組合側からいろいろ質問されたことについて、逐一、県教委のほうがそれに答弁しているかっこうであります。その中に、たとえば、「地教行法第五十四条第二項にも議論はいろいろとあるが、行政ルートに従わざるを得ない。中止せよとの要求だが、県教委としては中止をしようにもきめ手がない。」、こういう答弁をしております。それから、「混乱を起こしてまでやる要はないとの意味か」という質問に対して、業務命令を出してでも指定校を確保するという強硬方針で臨むというような指導をするという意味ではないと、組合からいわれてそのような答弁をしております。さらに、「希望参加については、希望校を実施するなということは、指定校実施の方針と矛盾することになる」といいながら、暫時休憩いたしまして、県教育委員会として、その折衝の席上で組合側に回答という形でやっております。その中身は、「県教委は希望参加については実施を期待しない。」、このようなことを組合に六月の八日にすでに約束をいたしております。そのようなことを地教委で相談もなく、このような段階で組合の要求するままに一々回答したり態度を弁明したりしているものが熱心な協議をしたというようにはとうてい考えられないわけであります。 次に、先ほど団長が飛行場で結果を発表したと言われましたけれども、私どもは通常の新聞記者の会見の慣例にならいまして、団長として飛行場を去るにあたって感想を述べろといわれました。私は事実についての報告は一切できない。団長としての感想なら述べよう、そのために述べるべき感想をメモに書きまして現在持っております。そのことの可否については東京に連絡をいたしまして、事務次官の御了解を得まして、その感想の発表をいたしたわけで、事実関係についての説明は飛行場では一切いたしておりません。 それから先ほどばらばらの交渉というものを教育委員がやっておるという御指摘がございましたが、これは私どもの報告書の中で言っております、県教育委員が五人そろった中で教組の方と徹夜の交渉をし、主として委員長が話をされるにしても、話し合いの段階では各委員が必要に応じて発言をされるというような交渉のしかたというものは、合議体である教育委員会の交渉の態度としては正しいルールではあるまいということを申したわけであります。 最後に、人事問題は飯塚のことが一件であるということを言われましたが、報告書の第二項にございますように、県の教組がこの人事問題の介入という問題を飯塚において具体的に引用しておるわけでございますが、それ以外に小学校長会、中学校長会の代表者がおよそその地教委における教頭、校長の選考の際に組合側の意見を聞くという慣行が福岡県では相当広い範囲に行なわれておる。私が、それはどの範囲ですかと聞きましたら、中学校長は、私の知っている限り一〇〇%だと言って差しつかえないと、このように言明されております。その中学校長会の代表の方が述べられたことを私ども信頼すべきものだとすれば、これはきわめて広範に人事介入が行なわれているというふうなことを判断したわけでございまして、飯塚は、先ほど大臣がお答えになりましたように、その最も顕著な具体的な例の一つとして述べたにすぎないわけでございます。
○委員以外の議員(小柳勇君) いま西田君は、その五日間にわたって自分の調査したことをあたかも全部を、福岡県行政全部を見たようなことでここに述べられておるが、大臣もその報告書を見てそういうふうにお取りになってこの勧告を書かれたんですか、その点をまず率直に御答弁願いましょう。
○国務大臣(中村梅吉君) もちろん五日間の調査でございますから、関係者全部にあたって聴取することは不可能であるとは存じておりますが、大体、県の教育委員会を中心に教育委員の人たちに対しても個々に会って事情を聞き、あるいはその他の関係方面からも聞いてきたようで、五日間という役所の作業としては短からざる日教をかけて、そして関係方面の意見次開き、実情を報告してきたんでありますから、われわれとしてもこの報告を信頼するのが上司として当然である、かように考えております。
○委員以外の議員(小柳勇君) 私の時間がないのではしょって質問いたしますので、十分の答弁を得られないようでありますが、問題は学テ自体にも問題がある。それからこの勧告を出した命によってという法律的基礎も、さっき鈴木委員の質問によって十分明快でない、しかも、その書いてある内容は見解の相違ですよ。いま聞いてもおわかりでしょう。私もここにたくさん資料を持っている。しかも、同じことを出すなら地教委全部出しませんか。地教委が熱意があったということは一言も書いてない。全部、県教委の責任としてある。一言も書いてないでしょう。地教委も混乱しておった。それを収拾するために県教委では相当苦労したろうが、一片の愛情もないですよ、この書類には。ただ頭から言ってだな、反対派のたとえば政党政治からすれば、われわれが言うならば、たとえば自民党のやったところに社会党がいって調査すると、徹底的にやっつけると、そういうようなものだね。それで文部省の役人というのがいいかということを私は聞いている。われわれは政治家だから、ある場合にはそれは政党のワクに拘束される場面もあろう。しかし、さっき大臣が言ったように、公正な指導をする立場で調査団を出したとするならば、どこかに、そのあたたかい、文部省としてみてしかもこうだという、そういうものが文書のどこかにあるはずなんだ。ちっともないだろう、ここには。君はさっき個々ばらばらのことを書いてないというが、ここにはっきり書いてある。教育委員個々ばらばらに交渉することは妥当でないと書いてある。文章を直しなさい、はっきりここで。大臣どうでしょう。文章ちょっと読んでください、ありますから。もしこれがいま西田審議官の言うことが正しいとするならば、この文章を直しなさい。私が言いたいのは、直すことよりも、そういう根拠薄弱なものをここで勧告を出して県議会を混乱せしめるよりも、もし大臣がほんとうに文部大臣ならば、前向きにこの問題をどう処理するかということを考えなければならないと思う。大臣、前向きに一体この問題をどう処理されようとするか、その大臣の決意を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 私どもは調査団が調査をいたし報告をいたしたことは妥当であると信頼をいたしております。特に私ども実は大局的に遺憾に思いましたことは、福岡市のごときはぜひ実施をしたい意向であったようです。と申しますのは、ちょうど実施期日よりしばらく前、福岡の市長その他がほかのことで上京してこられまして、私を訪ねて、ぜひひとつ今度の学力調査は完全実施を自分の市としてはやりたい。教育委員会のほうもさように言っておる。ですから県教育委員会のほうでいろいろ教組との話し合いもしているようだが、ぜひ実施できるようにひとつ御尽力を願いたい、こういう希望まで述べられました。これはおせじではなく私は言ったことではないかと思うのです。したがって、福岡県全体からみれば福岡市というのは非常に重要な部分でありますが、ここなどはまさに実施する態勢でおったものが、最終日になって、かりに調査をしても報告は求めませんよと、こういう通知をされたんですから、報告の必要が封鎖された調査をしてもしかたがないということで急拠取りやめたように承知をいたしております。これらは、こまかい個々の点の議論は別として、私ども大臣としての立場で大局的にものを考えますときに、非常にこの県教育委員会のあり方は遺憾の点があったと、こういう感じを実は抱いておるわけでございます。
○小野明君 いま大臣が福岡市だけを引き抜かれて言ったんですけれども、この勧告文、報告書というのは、少なくとも県の教育行政に触れるならば公平に見てもらいたいと思う。公平な見方を失しておる。たとえば、人事にしましても飯塚の一例をあげられた。しかし、この前私が申し上げましたように、県下には三万の教職員がおります。飯塚の問題も私は事実をあとで特定をしてもらいたい。何月何日にどこでどうだったかということを特定をしてもらいたいと思うんですけれども、そういったたった一つの事例をもって、こういった表現をとっておるのです。県教委は校長や市町村教育委員会の意見を尊重し、そして人事を行なえ、こういうふうに全体が市町村教育委員会の意見を尊重していない、あるいは校長の意見を尊重していない、こういうふうに断定をされておる。少なくともこれは公平に県の教育行政を見ていないという事例です。 次には、いま小柳議員も言われたのですけれども、県の「教育委員会の委員の個々人が交渉の衝に当たることは、」——いつ交渉の衝に当たったのか、意見を聞くことはあるでしょう、それはあなた方でもあるでしょう、陳情を聞くことはあるでしょう。意見を聞く、そういったことばを「交渉の衝に当たる」と、こういうふうにきめつけておる。これは指導助言の域を脱するのもやはりはなはだしい。さらにまた、先ほどお尋ねをした、どういった教育委員会が実施を要望しているのか、四つか五つかあげられたようですけれども、私は希望しておるのは、十六市なり地教委があります。幾つ希望したか、数をぴたっと明確に答えてもらいたい。それを希望しておる。十三市七郡がもうやめておる、それにもかかわらず、全体が強い実施を希望した、こういう全体をもってそういう表現を使っておられる。さらにまた、先ほど大臣に冒頭に質問したのですけれども、「学校の管理事務の遂行について校長は孤立状態におちいる場合が少なくない。」、これは何を言われておるのかわからぬけれども、少なくとも大臣が答えられた範囲では、私は客観的に見ればそういった事実はないとしか見ることができない。こういった不公平な、一つの事実をもって全体がそうであるという偏見を与えるような勧告、これは親切な指導助言ということは言えない。しかも、これに法的な、拘束を持たして報告を求めておる、報告をしなさいと、これは拘束力はないのでしょう、指導助言という以上は、この勧告というのは拘束はないのでしょう。しかもこの表現を見ると、拘束をするように書かれておるのです。これは非常にきびしい勧告で、しかも事実に立脚していない、こういった立場で、私はこの勧告文の撤回をを求めたいと思う。 さらにまた、先ほど大臣が特に言われた問題ですけれども、福岡市を初め県内の地教委全部、県教組と県教育委員会との交渉を望んでおる、学力テストの問題に対して交渉してもらいたい、これは全地教委がその要望をあげておる、私は先ほど西田君の言った資料も持っておる、その後にあげた資料も私は持っておる、全地教委が交渉を望んでおるのです。これはたとえば大臣の立場でも四十六都道府県の県教委の意向を聞かないで教育行政を進めるということはできないでしょう。福岡県教委も同様であります。県下の全地教委の要望意見を聞かないで県教育行政をやるということはできない。それに主体性がないというたたき方をしておる。もし、これが一つの事実をもって全体を律しておるということを、これは誤まりというなら、何月何日に、飯塚の問題ですけれども、どこで、だれとだれがどこの場所でどうだということを特定をしてもらいたいと思う。 その前に、この勧告文は非常に行き過ぎですよ。行き過ぎだから、少なくとも教育行政の指導助言じゃないのです。指揮、監督、命令というのはないのでしょう。ですから、この勧告文について、全体が事実に反する、あるいは公平な見方に立っていない、不公平な見方に立っている。ですから、この勧告文の撤回を求めているのですから、それについて大臣の見解をまず伺いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 回答を求めておりますが、これは指導助言をいたしました以上は、指導助言に対して、それはこういう事情であるという事情なり、あるいはもっともだから、この点についてはこういう今後処置をとるとか、この点についてはこうするとか、できないとかという意見はやはり求めなければ、せっかく助言したことは単に空に向かって言いたいことを言っただけのことになりますから、そういうことのないように回答を求めているような次第で、決して脅迫がましい強要のような意味は毛頭ないものと思います。 それから下部の教育委員会が県教委のほうで何とか話をつけてくれという要望が、先ほどの西田審議官が読み上げました記録等によりましてもございますが、これは前回とのつながりでございまして、前回には県教委は投げてしまって地教委で話し合えというように、地教委に押しつけたといいますか、まかせたといいますか、そういう結果になった。しかも、その協定書がどっちにもとれるようであったのか、あるいは言いがかりであったのか知りませんが、実施することをたてまえに、実施方法について協議しろと地教委のほうは受け取っておる。地教組のほうでは実施するかどうかも含めて協議しろというのだからという、まるで出発点の違う話から起こりまして、去年の学力調査のときには非常に現場は混乱をしておる、だから、そういうことのないように中央で交渉してくれということでありますが、私は非常に遺憾に思っておりますことは、先ほど西田審議官からも申し上げましたように、校長とか、教頭の人事にまで県教組が県教委に対して、働きかけて、話し合った上でなければやらせぬような動きがある、これは非常に遺憾に思うのです。教職員組合は勤務条件について県教育委員会と話し合うのは、それは当然の権利もあるでしょうし、けっこうなことでございますが、人事はあくまでこれは県教育委員会が厳正な立場に立って、そうして資料をどこに求めるか、それは自主的な判断でございましょうが、やることで、そういうような傾向にあるということは、全面的にそうであるかどうかは別にしても、たとえ少ない部分であって、もしそういうことがあったら私は非常に遺憾にたえない、こういう姿は是正してもらわなければならぬと、かように大局的なものの考え方としてはいたしておる次第でございます。いずれにしましても、個々の問題については議論の余地はあるかもしれませんが、私どもとしましては、西田君を団長とする調査団が五日間をかけまして、その日数の間、可能な限り奔走努力をしてでき上がりました報告を役所として受けて、そうして文部省の関係官が一堂に会して報告を受ける報告会を開いて、その報告の結果を検討して出した勧告でございますから、この勧告は撤回する意思は全然ございません。
○説明員(西田亀久夫君) 飯塚市の具体的な日時、場所、関係者について、御説明いたしましたこの報告書の中で、県教育委員会が教員の問題についてしばしば県教組の代表と同席の上で指導を与えたという具体的な事例が二つございます。第一点は、本年の四月二十七一に、この充て指導主事の問題について、市の教育長と校長を県教育委員会に来てほしい、県の教育長が会いたいというお電話がありましたので、飯塚市の教育委員長、教育長らが四人行かれました。ところが県の教育長のお部屋には教育長はおられないで、県教組の書記長、それから飯塚市の教組の幹部がこられ、あとの四人分の席をあけて待っておられた。それで、教育長はおられませんので、その席で組合側から、なぜ組合の言うような人事交渉を妥結しないのかという抗議を受けたということで、飯塚市の教育長は憤慨をして帰ったわけであります。その翌日に、市の教育長は県教育長に対して、昨日は呼ばれて行ったら組合の人がおったのはたいへんおかしいではないかということを抗議したら、県の教育長は、自分は会う必要もないということを言われた。さらに、五月の八日でございますが、県の教育次長が重ねて市の教育長に来てほしいというので出かけていかれたわけであります。そこで、行きましたところ、同じく教育次長のところに県教組の執行委員長がおられたので、教育長としては県教組の立ち会いで話をするのは困るから、私が別席に席を設けるから、教育次長だけ来てくださいと言って退席をされて、町の中の別なところへ教育次長をお招きをしたそうでであります。そうしたら、そこへ次長が重ねて教組の委員長を連れてやってこられた。そして両方が、充て指導主事の人事について組合側の意見を聞いたらどうだというような話をしたということを飯塚市の教育長が言っております。そして六月の七日に、市のほうはたびたび内申の決裁を早くしてもらいたいということを言っておりましたところ、県の管理主事のほうから、決裁書類というものが、やっとこれで教育長まで決裁が済んだという文書を見せられて、本日は事務の係がおらぬから同意露を渡すことができないけれども、後日送るからこれは発令してけっこうです。こういうふうに決裁文書まで見て帰ったわけです。そこで、直ちに市の教育長は校長に話をし、本人に辞令を交付して、その先生はその学校で充て指導主事になったことを全教員に披露して、全部めでたく落着だと思っておりましたが、すぐ電話が、平嶋主事から発令を保留してくれという話が六月八日の午後四時三十分にかかってまいりました。市のほうとしては、すでに発令したのは取り消しはできないと言っておりましたところ、その後わかったことは、六月の二十一日に県教委の次長と福教組の委員長とが、飯塚市に対する充て指導主事の定員の配置を取り消すという組合との覚え書を交換していることがわかりました。さらに、飯塚市に対しましては、県の教育長の名前で、組合が下記のような闘争指令を持っているから、この行為は適当でないとしても、円満解決するまで同意を保留するという公文書を出しております。そしてその闘争指令の中に、六月何日に組合がこういう要求をする、こういう宿日直拒否をするということを、県の教育長が市の教育長に公文書でこれを通知している。このようなことが具体的な例として、私ども一つでございますが、県が県教組に対して、県の責任で実施すべき職員の人事について、いかに組合の言いなりに引きずり回されているかということを知るには十分な材料であると考えます。
○柳田桃太郎君 私は柳田でございますが、出身県の福岡県の教育行政について、かような問題を国会の場において討論をいただくことは、まことに遺憾に存ずるのでございますが、福岡県の大部分は、いや全国の大部分が、ほとんど全部が学力テストの合法性を認めて、これを完全実施している時点において、福岡県だけがどうして学力テストを停止しなければならぬかという問題でございますが、これについて大臣の所見をお伺いしたのは、教育の場において、合法的に生まれたところの法による学力テストを実施する場合に、混乱が起きるならばこれはやめなければならないというような言辞が、ちょっと聞こえたように思いますが、これはまことに法秩序を維持する上において遺憾でございますので、そうでなかったと思いますけれども、議会の場において、国会においてきまった法律を実施する上において、現場の一部の者がこれを妨げればやめていくというようなことが許されていいものかどうかということを、大臣にひとつお伺いしたいことが一つであります。 それから地方教育委員会も、県教育委員会もこの学力テストを実施することに異議はなく、努力をしようという姿は見えておったのでございますが、途中におきまして、諸般の事情からやめなければならなくなったことは、いま報告のとおりであります。しからば、だれが一体これに反対し、だれの責任においてこれをやめたか。かりに県教育職員の団体がこれに当たったならば、県教育職員の団体は、こういった教育行政の問題について団体交渉をする権限はもちろんないと思われますが、そういうものとの交渉によって、法をまげ、実施をしないというようなことが今後とも許されていくということならば、わが国の法秩序は無視されていきますが、大臣はどう考えておられますか。 第三番目には、本日出されましたこの勧告文の内容について、非常に調査官はよくお調べになっていると思いますけれども、この場におきまして議論をいたしましても、もちろんこれは文部省当局のお調べでございますから、いろいろな御質疑があることは当然でございますので、当然、国会において十分なる調査をすればその本質は明らかになることでございますので、私はそういった方面にもっと積極的に調査を進められることを希望するものでございます。以上三点をお伺いいたします。
○国務大臣(中村梅吉君) 最後の点は、国会でおきめになることでございますから、私どもは意見を差しひかえておきたいと思います。 先ほど私がお答えした中に、警察官の導入とか、混乱を起こすような場合はいざ知らずと申しましたが、それは、そういうような混乱を私どもはできるだけ避けたいと思います。しかし、今回の場合は、混乱が予想されなかった地区までやらせないような結論になったということは、まことに遺憾でございます。かりに混乱がございましても、そういうような混乱の事態には、校長なり、あるいは市町村の教育委員会なりが現場で実情を判断して、法秩序は守りたいし、あるいは文部省の希望する学力テストは実施したいが、どうもこの事態では、これを無理して、あるいはけが人を出すとか、児童に影響あるようなことまでしてやりたくないという場合には、やはりあくまで現場でこれを判断して処置すべきで、私は文部省の立場としては、せっかく学力テストの結果、いろいろな貴重な資料を得まして、これによって教育課程審議会に、いまの昭和三十三年にできました教育課程が、もう年数もたちましたし、再検討の時期がきておりますから、このテストの結果を資料を提供しまして、教育課程の再検討もしていただきたいし、あるいは教育の水準にはかなり格差がございますので、都市といわず農村といわず、県内は県内、全国は全国で、できるだけ教育水準を一定にして高めていきたい、あるいは学習指導要領などをつくる場合にも、テストの結果あらわれた資料に基づいて、もう少し学習指導をこういうふうに改善したらもっといいのじゃないかということもありましょうから、せっかく軌道に乗ってまいりました学力調査は、できるだけ全国円満に一体的に遂行してまいりたい、かように考えている次第でございます。 法秩序の点につきましては、これは法治国家であります以上は、秩序というものは正しいので、お互い言い分はあるでしょう。しかし、言い分があるからといって、秩序を乱していいということになれば社会は混乱いたしますから、やはり法秩序はあくまで守ることが国民全体の責任である、かように存じております。
○松永忠二君 議事進行。だいぶ午前中の時間も過ぎておりますし、また、西田審議官や文部大臣の発言について問題の点が非常にある。これはひとつ午後の時間に譲っていただいて、直ちに休憩をして、午後にひとつ譲っていただいて、直ちに休憩をして、午後ひとつ再開をしていまの答弁の問題についてなお審議を進めたいと思います。そういうふうにしていただきたいと思いますので、おはかり願いたいと思います。
○委員長(山下春江君) 松永委員の御意見に……。
○北畠教真君 それはかまわないのですけれども、理事会の話し合いもありまするので、問題の三点が浮かび上がっているので、あとほど理事会で時間の制限と申しますか、そういうようなものも理事会で打ち合わせて、大体、時間を見つめながら進行させていただきたいと思うんです。無制限にやるよりか、あとで理事会をちょっと開いていただけませんか。
○委員長(山下春江君) それでは午前中の委員会はこの程度にして、一時半から再開いたします。これにて休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 —————・————— 午後一時四十三分開会
○委員長(山下春江君) これより文教委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。本日、柏原ヤス君が辞任され、その補欠として白木義一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(山下春江君) 教育、文化及び学術に関する調査中、学力テストに関する件を議題といたします。 御質疑のある方は順次御発言を願います。なお、政府側からは中村文部大臣、齋藤初中局、西田審議官が出席しております。
○松永忠二君 大臣にお尋ねいたしますが、いままでの質問を通じて私たちとして理解しているのは、県の教育委員会が学力調査の実施について全然熱意を持っていないというのではなくて、非常に努力をしてきた。で、努力の最終の段階まで、方法について意見の相違はあるとしても、やはり燃意を持って実施に当たってきたということを私たちは認めたいと思うわけであります。特に、そういう中で純粋な教育的な立場から、できるだけ混乱を避けていきたいというような、そういう意味で、教育委員会がそういう中で主体性をできるだけ持っていきたいという気持を持ってきているとも私たちは判断をしているわけです。ただ、この報告書の中にも、根本の原因というところに、重要な教育行政事務の遂行について主体性を喪失しておって、今回の学力調査不実施はその一つのあらわれに過ぎない、行政秩序の乱れはさらに重大な結果を招来するおそれがある、こういうまあ断定的なことばを使われているわけなんです。そこで大臣にお聞きしたいのは、福岡県の教育委員会が、教育の行政をあげるために、自主的に非常にいろいろな面で努力をしている実績があるというふうに私たちは思っているわけなんですけれども、県の教育委員会のやっていることは、重要な教育業務の行政事務の遂行について主体性を全部喪失をしているという断定のしかたができ得るというふうに大臣は考えておられるのか、こういう点については、もしあるとするならばどういう事実をもってそういうことを言われておるのか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思うのです。
○国務大臣(中村梅吉君) 私の感じている大局的なことだけ申し上げたいと思いますが、総じてこのような行政につきましては、教職員組合の団体交渉の、ような対象ではないと思うのです。したがって、そういうことについて交渉的な話をしているということ自体も、私どもの感じからいえば好ましくありませんが、かりに組合側の意見を聞くとしましても、意見を一応聞いたら適当の段階で、熱意があるとするならば、自主的に自分らは自分らで判断をすべき性質のものではないかと思います。それを時間切れになるまで交渉的な話し合いをしておったということが、私はものは見方によるかもしれませんが、自主性がなかったことと、それから実施をさせようという熱意に欠けておった、こう認めざるを得ない次第で、特に実施を期待し、また、実施の熱意を持っていた市町村にまで実施の余地なからしめたということは、そういう点を総合いたしまして、熱意に欠けておった、こうわれわれは実は判断をいたしている次第でございます。立場がかわってみればそうでない議論もできるのかもしれませんが、私らはいま申し上げたような見地から、そういうような判断をいたしている次第であります。
○松永忠二君 まず、私の聞いたのは、その次の点になりますけれども、まず最初に、熱意の問題について、前から話が出ております地裁とか、高裁の判決というものが、特殊な条件のある、こういうこと、従来の慣例もあるという、従来の実施の経過等から考えてみて、直ちにこれを熱意がないというふうな断定のしかたをするということも私は異議があると思うのです。どういうわけで一体こういうふうな報告書の中に、そういう地裁、高裁の判決という特殊な事情のあることについても、どういうわけで言及をしないのか、こういうことを言及をするということが、より私たちは公平な立場に立っているというふうに考えるのですが、この点はどうなんですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 判決がまちまちでございますが、まちまちにせよ、そういう判決の事例をなぜ報告書に指摘しないのか、こういう御趣旨のように承りますが、これら裁判の結果の出ました事件は、いずれも学力調査の妨害行為あるいは刑事犯として該当するような事件を中心に刑事事件として起こった事案でございまして、したがって、判例とか、そういう趣旨からいえば、このような刑事事件についての判決が行政を束縛するものじゃないというのが通例の考え方でございます。裁判所はおのおの裁判のその個々の刑事事件について、これを有罪にすべきかすべからざるかということで判断をするわけでございますから、そのほうに重点を置いて判断をなさるわけです。判決の結果は、御承知のとおり四カ所の裁判所は有罪の判決を言い渡し、学力テストは適法のものである、こういう判断をしておりますし、二カ所の裁判所は異った裁判をしているわけでございますので、かような結論を出すについての報告書等に裁判のことまで引用する必要はない、かように考えております。
○松永忠二君 いまの答弁の中には相違しているところがある。単なる刑事事件としてその問題について裁判所が判決をしているのじゃないんです。これはもう御承知のように、ここに判決の中にも「文部省の企画のもとにもっぱらその指導により行なわれる調査のごときは、同法第五十四条二項に基づく調査にあたらないと解する。調査は客観的、端的な事実資料の把握を目的とするものであるのに、学テはこの性質を越えて、まさに行政権力たる文部省の不当に教育内容に介入したものというほかはない。」、こういうふうな断定をしている。これは事件そのものが刑事罰にあたるかあたらないかということじゃなくて、学テそのものについての判決をしているわけです。これは大臣の言ったこととは違う、相違している。しかも、あなたはそういうことはほかのところではそういう判決が出ているというお話ですけれども、福岡県の中で二つの権威ある地裁、高裁がそういう判決をしているという、こういう特殊な事情があるということに対して何らの配慮も示さない。一体こういうふうなものが、さっき小柳議員も指摘されたように、真にいわゆる教育行政を正しく行なっていこうというような考え方を持っているとするならば、こういう事情の中で特殊な事情にあるということに言及していくということは当然なことである。しかも、福岡県における学テでもって福岡の地裁、高裁がいずれも学テそのものをよくないと断定をしている中で、これに何ら触れないで、しかも、そういう中で熱意を持って何とか処理していこうとしている教育委員会の努力を、学力調査の実施について熱意を有してない、最後まで交渉していたから熱意を有していなかったという、こういうことを一方的に言われるということは、これはやはり私は妥当な考え方をあらわしたものではないというふうに私は判断をするのであります。だから、あなたのおっしゃっていることは違っているのです。刑事事件そのものの判決じゃない、学テそのものの判決を二つの地裁、高裁がしているわけです。そんなことは県の教育委員会は考えなくてもいいのであって、そんなことは考慮する余地はないとあなたは判断しているのか、どうなんですか、文部大臣。
○国務大臣(中村梅吉君) なるほど判決理由にはいまお読みのような福岡の裁判所では判決理由を持っているようでありますが、この種の刑事事件による判決がどうあろうと、それは行政を束縛するものではないというのが解釈でございます。したがって、私どもとしましては、全国的に平穏に行なわれておる学力調査が福岡県だけ行なわれないということは、裁判の問題もありますけれども、遺憾にたえないところでございます。同時に、先ほども申し上げましたように、教育委員会が教組の意見を聞くこと自体が私どもおかしいと思うんですが、聞くとしても……。
○松永忠二君 質問した事柄について答えてください。
○国務大臣(中村梅吉君) 聞くとしても、やはりそれには限界がございますから、限界を越えて時間切れになるまで交渉しておったということは私は納得ができないわけです。もし、聞くならば聞いても、自主的に判断をして自主的な判断を下す時期というのがもっと一週間なり、あるいはごく迫ったにしても五日間なり、ある程度措置のできる時間上の間隔がなければならないはずじゃないか、こう思っております。まあ、福岡の裁判所の事例だからこれを尊重するというか、まあこういうものの判断を配慮に入れるのがあたりまえじゃないか、こういう御意見でございましたが、私どもは、たとえ刑事事件でどういう裁判が下級裁判所でされましても、五十四条によって学力調査は適法のものである、かような終始一貫変わらざる見解のもとに全国的に実施いたしておりますので、そういう基本の上に立っての結論でございます。
○松永忠二君 私の申し上げているのはそういうことじゃありません。端的にお聞きしたいのは、地方教育委員会も学テを実施する法的な根拠そういうものの提示を求めているわけです。そういう地教委員会は相当ある。大臣は、そんなことは考慮する余地はない、高裁、地裁の判決なんというものは考える必要はないということなんですか、それとも、そういうことは考えるということが、いわゆる教育行政の運営の上における教育的な配慮かどうかということを聞いているのです。そんなことは考える必要はないか、それともそのことを考えていくということ、条件を考えていくということが教育的な配慮なのかどうかということをお聞きしておる。いま言っているような、何もそんなことは考える必要はないのだ——あなたが実施する、こういう根拠を聞いているのじゃなくて、地裁、高裁が学テそのものについての判決をしている、しかも地方教委はそういう法的な提示を求めている、そういうことをいろいろ考えていく、こういう県教育委員会の考え方は知る必要はないと考えるのか、それともそういうことを考えていくことはやむを得ないことだというふうに考えておられるのか、そこをお聞きしたい。考える必要はないならない、必要があるならある。
○国務大臣(中村梅吉君) 調査団が福岡にまいりまして、県教育委員の方々の御意見は別室で一人一人聴取したそうです。その際に、あなたは一体学テは行なうべきものと考えているかどうかということの聞きただしをいたしましたところが、教育委員の人たちは全員、文部省の学力調査に基づくテストはやるべきものと考えているという見解であったそうです。ですから、そういう点から見て、県教育委員の方々もテストは行なうべきものであるという前提にものの考えの出発点はあった、こう思います。したがって、報告書を作成し、あるいは役所で結末を処理する場合に、裁判所のこういう判決があったということを引用して情状酌量といいますか、配慮をする必要性はなかった、こう思います。まあ、裁判の場合に最高裁判所で判断が最終的にきまれば、これはもう行政機関といえどもそれを尊重すべきでありますが、下級裁判所の場合には、いろんな事案についてまちまちな判決が至るところに出ますので、まあ行政官庁としては、行政官庁の判断で法律解釈をいたしまして、その法律解釈に基づいて行政の執行をするということがたてまえでありますから、それと、いま申し上げたように、調査団が基本的な問題を聞いたのに対して、みな意見は一致しておる、こういう前提に立っておりますから、あらためて判決の問題について配慮云々を記載をする必要はなかったように思うのであります。
○松永忠二君 私はいまの大臣の答弁は矛盾していることがあると思う。各県の教育委員会が個々に初めからやるということを考えているということであれば、実施に熱意があるということになるわけです。それからまたもう一点としては、たいへん言い回しはいろいろでありますけれども、こういうふうな判決が、教員あるいはまた教員組合といってもいいし、また地教に非常に影響を与えているということに配意をしているということについては、教育的ないわゆる配慮であると私は思う。この点について明確な答弁がなされていないということは、まことに遺憾でありますけれども、この問題は、なお引き続いていろいろ行われることでありますので、後刻こういう問題については、ひとつはっきりさしていただきたいと思うのです。 そこで、もう一つの点は、そういう意味で、私はいま言っている熱意がないということについては、非常な言い過ぎだ、あるいはまたそういうふうな配意に非常に乏しい文章であるというような点を特に指摘したい。それから特にその次、「主体性を喪失して」いるという問題でありますけれども、私はこういうことばを県の教育委員会に対して投げかける、そういうことばを表現をするということ、これは重大な、いわゆる県教育委員会に対する指導助言どころの騒ぎじゃないと思う。介入とまで言わなければいけない性質のものだと思う。しかし、時によれば、あるいはこういうふうな字句、表現をなさる場合もあると思うのでありますけれども、非常に短かい調査期間であるということと、特に私は県教育委員会は単に学テそのことをやっているばかりじゃないんだ、石炭の非常な不況の中で離職者の問題も努力をし、あるいはまた学校給食についての実施について非常な行政の努力をしている。あるいはまた教育内容の向上に対して県の教育委員会が非常な努力をされている実績も、私ども聞いているわけなんです。こういうふうな事実があるにかかわらず、この「重要な教育行政事務の遂行について主体性を喪失しており、今回の学力調査不実施は、その一つの現われにすぎず、行政秩序の乱れはさらに重大な結果を招来するおそれがある」、こういう断定的なことばを、指導助言だといって、こういうことばを使うということは、私は不穏当だと思う、これは。そしてこういうふうなことに対する、さっきの話じゃないが、どこまでも県の教育委員会の行政というものを、ひとつ正常に行うために文部省も協力をしていこうじゃないか、そういうような配意というものは、この中のどこに一体あらわれているんでありますか。私はそういうふうな点について、大臣がこの表現に満足をされておられるのか、それともやはりそういう点については、十分、県教育委員会の努力を買っているという事実を考えておられるのか、どうなのか、この点をひとつ、まず私は大臣の口からはっきり聞かしていただきたいと思うのであります。
○国務大臣(中村梅吉君) これは、本件の学力調査の問題についてもそうでありますが、それ以前の県教組と県教育委員会との間柄も、先ほどの御質疑の際にも、充て指導主事の任命辞令の発行後、それは変更することも人間のやったことですから、時と場合によってはいたしかたございませんが、市の教育当局と教育委員会とが話し合いをする場合に、その場の席上に教組の委員長とか、あるいは書記長を立ち会わして、そして同列で話をしておるという姿は、私は確かに非常な失当である、そういうふうな要望なり意見なりがあったら聞くのもけっこうでしょうが、聞いても、やり判断はあくまで県教育委員会としては自主的に万事行なうべきで、その大事な話をする席上に、関係者のそういう人を同席さして、同列で話をするという姿は根本的に誤っておる、こういう姿勢は正してもらわなければ困るのじゃないか、こう私は思っております。そこで問題は、県教育委員会に対して文部省は今後どう考えるかという御趣旨であったと思うのでありますが、したがって、姿勢を正すべき点は正し、あるいはこういうふうに今後は自主的にやりたい、ついては文部省で大いにバックしてもらいたいということがあれば、それは大いに姿勢を正して、今後、教育の諸問題を政治的に扱おうとする御意見があれば、その意見なり何なりを支持することは当然でありまして、われわれはできるだけ正しい行政措置に対しては、できる力は御協力申し上げるのが文部省の立場だと思いますから、基本的にはさようなように考えております。
○松永忠二君 私の言っていることは、そういうことを言っているのじゃないのです。あなたは一つの人事の問題で、同席をしたとか何とか言って、例だけをとられておるようですが私は県の教育委員会がその教育の行政にあたって非常な努力をしている、またそういう実績もあげているという事実を、あなたは認識をされておられるかどうか、そういうふうなことを、ただ単に今度の学テの問題で、しかも、大臣がつとめて言われているそのこと自体だけをとって、こういう断定的な表現をするということは妥当かどうかということなんです。そういう点を私は聞いているのです。あなたが妥当だとお思いになる、あるいは、いやそんな効果が、教育委員会がそういう教育的な努力とか、そういうことはたいしたことはないんだというなら、たいしたことなくても御判断になってけっこうですけれども、こういうふうに私たちはいま申しましたような、いわゆる教育行政の実績をあげている事実もある、そういう中で、一つの今度の学テの問題、しかも、学テの問題についても、さっき言ったような特殊の事情もあったという、しかも、大臣は、なおかつ個々の校長が、そうやろうということを初めから言っていたと言っておる、熱意を持っておるにもかかわらず、これをこういう表現でするということは、はなはだ当を欠いているということを私は申し上げているので、この点についてはまたひとつ御意見を聞かしていただきたい。 もう一つ、あなたよく同席をして話をしてけしからぬというお話でありますけれども、特にこの勧告の中の一番の問題でありますか、教育行政事務の執行についてと、さっきのお話にも少しありましたけれども、教育委員会は合議制なんであって、合議できまったものを教育委員長が発言をすればいいんだというようなことでありますけれども、一体、各県教育委員会は、そういう形で教育委員会は執行されているのですか。私たちの判断では、教育委員会は問題によってはある一人の教育委員に権限を委任をして、そして十分に個々に折衝し、話し合いをしていくというのが実は実態なんです。そういう実態があるということは、あなたは御存じありませんか。この二つの点について——これはあれですよ、大臣に聞いているのですよ——その二つの点をお聞かせをいただいて、だいぶ時間をとりますので、なおもう一点お聞きして、私は終わりたいと思うのですが。
○国務大臣(中村梅吉君) 各教育委員会がどういうふうに運営しておるか、そういう一般的な事例につきましては、私もまだ経験が乏しいものですから、実情をよく承知しております政府委員からお答えをさせます。
○松永忠二君 その前の問題をひとつ。福岡県教育委員会の教育行政に対する努力、実績というものをどう考えておられるか。
○国務大臣(中村梅吉君) これは私は、なるほど教育委員会として県内の教育行政をつかさどっている上においては、いろいろな苦労もあるし、実績もあるし、功績もあると思います。事情はよく知りませんが、功績の部分もある、悪い点だけを指摘するわけにいかないと思いますが、ただ問題は、この学力調査についての案件でございまして、この点に関する限り非常に遺憾であった、かように私は考えております。
○鈴木力君 関連して。一つだけ伺いますが、いまの大臣の答弁の中に、人事管理について、教育委員会と何か教組の委員長かがおったとかおらないとか、そういう形の上から何か教育委員会が主体性を失ったという判断を下していると思うのですけれども、この大臣の本会議での答弁にもありましたように、人事の問題あるいは勤務条件の問題等については、これは県が責任を持つのだということもこれははっきりしておるわけです。そういたしますと、責任を持つ県とすると、その県の実情なりあるいは慣例なり、そういう県の事情によってその県がいろいろの方法をとるということはあり得ると思うのですね。そういうことに、形の上から、委員長が顔を出した出さぬということで、教育委員会が主体性を失っておる、これは直ちに改めるべきだという、そういうものの言い方は少し言い過ぎではないかと思うのですが、そのことについてひとつ伺いたいと思うのです。
○国務大臣(中村梅吉君) 教職員の勤務条件についてならば、これは県教育委員会と県教組との間に、あるいは地区の組合との間に話し合いをされることはけっこうでございまが、いやしくも人事に関しては、教育委員会が自主的にこれはやるべきで、場合によれば意見を言ってくれば聞くのもけっこうかもしれませんが、判断はあくまで自主的にすべきである、少なくとも人事の問題まで団体交渉の材料になるようなことであっては、私は正常な教育はできないと思う。この点は福岡県教育委員会の従来の様子がまことに遺憾にたえない、こう思っております。
○鈴木力君 ぼくが聞いたのは、団体交渉の対象になるかならぬかという議論をいましようと思って聞いたのじゃなくて、そこにだれかがおったから、おったということが、教育委員会が自分で判断をしなかったという言い方がおかしいということを言ってるわけです。それはだれかおったかもしれません、だれか話をしたかもしれません、しかし、やっぱり人事管理の責任は福岡県の人事管理の責任で、福岡県の教育委員会が責任を持っておるわけであります。権限を持っておるわけであります。であるから、判断をする過程についてはいろいろな形があったかもしれないけれども、判断をした本人は教育委員会であると、こう認めるのが正しいと思うのですけれども、それが大臣の答弁では、教育委員会が主体的な判断をしていないので、だれか、はっきり言えば教員組合の委員長の言うままになっておったと、こういうことだと思うのです。だけれども、そうじゃなしに、あるいは教員組合の委員長も何か言ったかもしれません。しかし、教育委員会が責任を持って判断したことと合致したということから、そのことが主体性がないということはおかしいじゃないかと、こう言っておるのです。
○国務大臣(中村梅吉君) これは御説のとおり、偶然居合わせたということならば——それは全然どこの人か知らない人とは違って、顔知り合いの人が居合わせるということもあり得ると思います。しかし、西田審議官を中心に調べてきたところの報告によりますと、市の、すでに発令をしてしまって辞令まで出してしまって、辞令を受けた人は学校の関係者にまで発表してしまったあとで、待ったがかかり、そうして市の教育責任者を県の教育委員会まで出頭方を命じて呼んでおきながら、教育長は消えてしまって、そうしてそこには教組の何人かの人がおってというようなことにしましても、あるいは市のほうに出向いて行った場合にいたしましても、偶然おったのじゃなくて、教組の人たちを同伴して行っておるというところに私は問題があると思うのです。行ってみたけれども、その部屋にその人たちがいた、退席してもらって話をすればよかったけれども、まあそう四角ばらぬでというところで話したというなら、これは私はしいてかれこれ疑心暗鬼をしたり、あるいは考える必要はないかもしれませんが、どうも本件の場合はそうでなかったように私ども承知をいたしております。
○玉置和郎君 私は委員長にまずお聞きするのですが、これは社会党の先生方に私どもから質問してよろしいでしょうか。
○委員長(山下春江君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(山下春江君) 速記を起こして。
○玉置和郎君 福岡県教委が、松永先生のお話、また先生方のお話を聞いておると、主体性はあくまで守ったのだというこの見解のようでございますが、日本の場合は四十六都道府県あるのですが、四十五のほかの都道府県におきまして、文部省のいろいろ指示がありました、このことに従ってまじめに学力テストをやった、こういう県教委は文部大臣いかがお考えになるのですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 文部省の方針に協力をしていただいた県教育委員会に対しては感謝をしております。
○松永忠二君 ひとつ最後にお尋ねをしたいのですが、この勧告のというか、出されたのは、福岡県の教育委員会が教育的な混乱のないように、そうしてまた正常な教育行政が行なわれるようにというような意図をもってお出しなされたのであって、これによっていろいろな混乱を起こすというような気持ちで出されたものではないと、こういうふうに私どもも思うわけでありますが、こういう点について大臣の御見解を聞いておきたいわけであります。
○国務大臣(中村梅吉君) 学力調査を中止する指示を県教育委員会が出したその理由に、混乱を避けるためにと言われておりますが、どうも私どもはそれは中止する一つの口実であって、それはなるほど一部のところで混乱は避けがたい状況にあったのかどうかは、それは県教育委員会の判断によるところでわかりませんが、全体が混乱の起こる可能性を予想する状況にはなかった。したがって、ほんとうに熱意があるならば、やれるところはやらせるような指示をしていただくのが当然じゃなかったろうか。それを全県通じて、最終的に、もう時間がなくなった時間切れにやれないようなことにしたところは、どうも熱意の欠除をわれわれは認めざるを得ないというか、こちらの側としては力説せざるを得ない、こういう感じがいたします。
○松永忠二君 大臣、私の聞いていることをひとつ言ってください。この勧告を出されて、これからのことじゃないのですよ。まあ、とにかく福岡県の教育行政が正常に、しかも平常に行なわれるということを期待して出されたことであって、つまり改善の勧告といいますか、それによって福岡県の教育行政が混乱するというようなことについては、原因をつくるなどということを全然文部大臣としては考えているわけではないと私は思うのですが、この点についての御見解を伺いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) もちろん県内でいまいろいろ議論をされているということを聞きまして、これは民主主義の時代ですから、人の意見はさまざまであり、どうするわけにもいきませんが、私どもは、このような勧告は、文部省が世間に訴えるとか、あるいは県民に訴えたわけじゃなし、県教育委員会に善処を促したというわけでございますから、いま県内でいろいろ議論をされたり、あるいはこの間もお話があったように、県議会の混乱というか、混乱でもないでしょうが、議論があるようですが、そういったような事態は全然予想していなかったわけでございます。何とかこの勧告によって福岡県の教育委員会の御善処を願って、できるだけ文部省の期待しているような正常化された教育状態が築かれることを望んでやったまでで、ねらいはそこにあっただけで、それ以外のことは実は想像もしておりませんでした。
○小野明君 私も大臣にお願いをしたいのは、調査に行かれた西田君あたりの意見はよく聞かれるけれども、私どもの意見はあまり聞かれてない、そういった印象を受けるわけです。率直に申し上げますと。だから公平にやはり意見を受け入れ、大臣の見解を述べるという態度であってほしいと思うのです。 最初にこう申し上げて、第一に飯塚の問題なんですが、西田君の言っているのは、飯塚の地教委のだれかの意見だけを聞いておる。もしこれが公平に大臣がその事実を知りたいと思うならば、地教委の意見よりも、まず当事者である県教委の委員長か、あるいは教育長か、少なくとも教育長の意見を聞く、あるいはそのときに同席しておったという県教組の人の意見——どういった経過でそこにいたのか、さらにまた、現場の発令をして、現場に全部知らされというその一教諭の意見ですね。そういった県教委なり県教組、教育長あるいは現場の教員、こういったすべての人の意見を聞いて初めてこの西田君のことが事実であるかどうかということを私は判定すべきだと思うのです。ですから、私は西田君が報告したことについてはやはり信用できない。しかも、一地教委の意見を尊重し、県教委の、当事者である県教委の意見を何ら聞いていない。裁判ならばそういうことはないはずです。一方的に過ぎる。しかも、この勧告文全体は、やはりそういった考え方あるいは表現で貫かれている。先ほども松永委員が質問をされたように、一つの小さな事実をもって全体が不正常だとこういう。群盲象をなでるということばがありますけれども、わずか五日間の調査で県教育全体を判断していく、こういう不公平に満ちたのがこの勧告文だと、こう指摘をせざるを得ない。しかも指導助言の域を越えている。非常に手きびしい。私はこういう勧告であるならば、たとえば専売公社の今度の選挙違反の事件、小林章議員の問題ですがね。これは高級公務員の組織的な選挙違反の事件、専売公社はいま百五十六名ですか、逮捕されて運営不能になっているのだと、こういった事件だとか、あるいは東京都議会の汚職だとか、こういった事件であればこういった表現でもいいと思うのです。こういった表現でいい。しかし、事は法的にも非常に疑義がある。しかも地元の高裁あるいは地裁が、これは刑事事件だけではなくて、学テそのものに当を失する、あるいは違法だ、教育行政の限界を越えているのだと、こういうふうに意見を述べておる段階で県教委の処置というものはこれは正しいと思うのですけれども、とにかくこの勧告文のあり方あるいは表現というものはあまりにも手きびし過ぎる、行き過ぎだという印象を受けておる。それで私は先ほども撤回を求めたのですけれども、はたして大臣は、学力テストはやれなかった、こういった事態に、こういった勧告文、これで妥当なものかどうか。行き過ぎではないかと私は思うのです。その辺をひとつ、県教育行政を混乱をさせない、やっぱり混乱をさせないという意図だ、こういうふうに言われておるのですけれども、県政全般に混乱が来ておるときに、こういった勧告文にしたため生じた疑惑、混乱、こういものを眺めながら、この勧告についての大臣の意見をお尋ねをしたいと思うのです。
○国務大臣(中村梅吉君) 最初の問題の、お話しのありました飯塚の事例、変更後の事件のごとき、実は調査団もそれぞれの責任者から聞いてきたようで、その報告でございますから、私どもとしては、それだけの責任者の意見を聞いて、また実情を聞いて、報告があればまあこれを信頼する以外には方法がありませんので、さらにもっと綿密にもう一ぺんよく行った人たちがはたしてどういう心境で行ったか、もっと範囲広く調べてそれから判断をすべきじゃないかという御意見がございましたが、もしそういうことになれば、調査団をせっかく出しても、さらに調査団がやってきたことはうそかほんとうかもう一ぺん調査を願う、その調査団を信用できなければもう一ぺん調査団を出すというようなことになって調査団の調査団を出さなければ結論が出ないようなことになるわけで、私どもとしては、役所の信頼すべき担当官が行って調べてまいりました報告にはうそがないと、かような点からいいますと、先ほど申し上げたような結論に達せざるを得ない次第でございます。 そこで、勧告文がどうも手きびし過ぎるじゃないか、こういう御意見がございました。なるほど相当にそう思われるような表現をいたしておりますが、これは勧告でございまして、善処を求めているわけでございますから、善処を求めるのには、こちらがこう見ておるんだということを、ある程度こちらの見方を言ってやらなければ善処を求める勧告にはならない。その結果、先方様で、いやそれはこの点はこうおっしゃいますけれども、実はこうであったんだという弁明が必要ならば、先方から弁明を言っていらっしゃるべきで、あるいはその点はこうなんだ、あるいはその点については今後はこういたしますから御了解願いたいとか、あるいは文部省としても大いに御支援を願いたいとかいうような、これに対する考え方をわれわれいただきたい次第でございますから、その考え方をいただくについては、こちらとしてはこう思っておるという思い方だけはやはり表明しなきゃならない、これは決して、マスコミにわれわれがこういうことを発表するなら悪うございますが、そうじゃない、責任者同士のこれは通達といいますか、勧告をし、善処を求める文通でございますから、やはりこちらの見方なり考え方も表明しなきゃならないという必要性から起こっておる次第でございますので、この点は御了承いただきたいと思います。
○中村喜四郎君 私は初めて当選したので、委員会等の様子がわからないから、あるいは的をはずれたことになるかと思いますが、その点は前もって御了承いただきたいと思うのです。 私、先般来から学力テストの問題についての繰り返されている質問の内容等をじっと耳を傾けておりますのですが、問題は、先ほど小柳議員から言われたように、この問題を前向きでどう解決していくか、どう日本の教育を持っていくか、福岡県に起きたこの問題をどう対処するかというのが、私はこの委員会における問題点だと、かように考えるわけでございます。しかも、全国各県でスムーズに行なわれた学力テストが福岡県だけなぜスムーズに行なわれなかったのか、この原因も十分に探索する必要があるし、さらには先ほど西田審議官の調査の内容を見ておりますと、まことに教育行政から事重大であると私は考えるわけです。たとえば人事異動の問題につきましても、一々県教委が教組と話し合って行なわれなければならないような事態におきましては、完全な教育運営が行なわれないであろうということも当然想像できるわけでございます。このような観点からいたしますと、私は大臣が出されました今度の勧告がどのように県は受け取り、その後の事態はどうなっているか、このようなことについても、私はその後の情報等も文部大臣あるいは審議官等のほうでもキャッチしておることと思いますので、これらのことについてもできるならお聞きしたいことと、さらには私は委員長にお願いしたいが、西田審議官を団長として権威ある調査をしてきた、しかも先ほどの社会党の各委員からの質問のやりとりを見てみると私には納得できない、社会党の議員さんの質問が幾つかあるわけです。しかも、それはしかしそれらのことを繰り返してもしょうがないわけでございますが、これが妥当であるかどうか、そしてこの勧告がどう生かされるか、そして県教委はどのような態度をとっているか、また県教組の実態はどうであるか、これらの問題については委員会としても十分調査して、この勧告の目的、趣旨が大きく生かされ、そしてまた今後の——先ほど小柳さんが言うように、前向きの姿勢の中で解決されるにはどうすべきか、これらの調査を進める必要が私はあろうと思うのでございますが、その調査の手続等につきましては、私、新人でわかりませんですから、理事さんその他で十分御協議の上、国会の権威のもとにおいてこの問題が十分調査されるよう、しかも趣旨が大きく生かされるようお願いできるかと思うのでございます。
○国務大臣(中村梅吉君) 私どもがいま問題に、議論の対象になっております本件の勧告をいたしましたのも他意はございませんで、要は福岡県の教育行政がどうも他の府県と違って正常を欠いているというように思われますので、これを前向きにいかにして正常化すかということについて努力するこれは一つのあらわれでございます。何とか県教育委員のほうでもお考えをいただき、教育の正常化に全力を尽くしていただきたい、かように考えておる次第でございます。まだ勧告に対する何らの回答なり正規の意見が出てきておりますことを私聞いておりません。出てきていないと思います。そういう状況でございますから、できるだけ早い時間に県教育委員の立場なりお考えなり、あるいは今後の善処なりについて御意見の出てまいりますることを期待しておるような次第でございます。
○鈴木力君 いままでの議論で学力テストの問題はこれで済んだとは思いませんけれども、ちょっと大臣に要望を申し上げて私の発言はきょうの分はおしまいにしたいと思います。 それは、どうも教育行政を進めていく場合の態度が少し一方的過ぎるじゃないか。教育の現場がどんな態度で、どういう気持ちで取り組んでいるかということについては、どうも少し目が届かなさ過ぎるんじゃないかという感じがするのです。たとえば私の午前中の質疑に対するお答えにしても、これはまあ非常に重要な問題を含んでいると思いますけれども、教育行政の調査権が、五十四条二項の解釈なんですけれども、行政側が目的を持っておれば、現場の教育の計画なり内容なり方法なりも変えさせることができるという立場をとっていらっしゃる。それが先ほどの答弁でもそういうことがほぼ明らかになりました。これは、いまの教育行政あるいは教育そのものに対する法律——教育基本法ですね、こういう今日の民主的な体系からすると、きわめて行政が一方的に権力的に法律を解釈していると思うのです。やはり行政の立ち入る限界と、教育の専門家である免許状を持たなければならない教師の立場、その守備範囲とはおのずから限界があるはずなんです。その限界を越えて、行政側が目的を持っておればどんな方法も変えさせることができるという解釈に立って行政をしているところに、この福岡の問題なんかについてもこういう問題を起こしている原因がありはしないか、こういう感じがするのです。なお、それから全国的にはスムーズに行なわれたと言っていらっしゃる。このスムーズに行なわれたと言っていらっしゃることも、どうも外からしか見ていらっしゃらないんじゃないかと思う。行政側のほうは、やれと言ったことがそのままやられておると、これはスムーズにやっていらっしゃる、やっているという判断をなさると思うのです。しかし私は、やはり学力テストというこの問題自体は、いま教育学界でも非常に大きな問題になっている。それから法律学界でもいまのような法解釈についてはいろいろやはり問題があるわけですから、ただ、これは現場の場合には、実際は処分をおそれるからしようがないからやろうというような空気が非常に強く流れておる。こういうことについても、教育行政の責任にある文部大臣は相当に勘案してものを見てもらわなければいけない、こういうふうに考えるわけです。教育の正常化ということば自体については、だれでも考えていることなんですけれども、ほんとうにいまの教育基本法なり学校教育法なり、そういう教育を進めるという条件がどこにあるかということと、行政の立場から見るいわゆる行政法なり調査権なりというものとを、その正しい位置においてものを考えるということをぜひこれはお願いをしたいと思うのです。そういう立場から、なおいろいろ今後の教育の問題なんかについても検討する機会があろうと思いますけれども、そういう点の配慮は十分お願いしたいと、こう思うわけです。
○政府委員(齋藤正君) 午前中の御質問に私あるいはことばが足らなかったのではないかと思います。
○鈴木力君 足らなかったのではなく、ことばが過ぎたのだ。
○政府委員(齋藤正君) 文部省は直接学校にいろいろの教育計画の変更を求められるということを申したわけではございません。これは教育委員会は地方教育行政の組織及び運営に関する、今回の学力調査で申しますれば五十四条の二項の規定によりまして、都道府県の教育委員会に、それから都道府県の教育委員会がさらに市町村の教育委員会に報告の提出を求めまして、それによりまして学校を管理しております地方教育委員会といたしましては、学校の責任者であります校長に対して、あらかじめこの調査すべきことを依頼し、それによって調査が行なわれて、また逆の順序で報告がまいってくるわけであります。私が申しますのは、教育の行政が無制限にということを申しているわけではなくて、それは基本的なルールというものは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律あるいは学校教育法等のそれぞれの規定に基づく限度において権限を行使するという意味でございます。なお、学力調査の実施というものが突然に出てくるわけではございませんで、四十年度の調査でありますれば、三十九年度のうちにすでに計画を発表し、指導をいたしているわけでございますから、教育委員会におかれても、その管下の学校に対しまして、これが実施できるように、あらかじめ学校に教育の時間の変更等を伝達してあるわけであります。そういう意味で私申し上げたのであります。
○鈴木力君 いまぼくは齋藤さんの答弁を求めていなかったけれども、またこういう答弁をされるとちょっとものを言わなければいけないわけで、ぼくは宿題にしようと思ったのですがね。いまの齋藤さんの答弁が、都合が悪くなるとまた別のところにものを持っていって法律解釈をするからいろいろ混乱をしてくるので、そういうことをぼくは言っているのじゃない。行政側というのは、県の教育委員会も地方の教育委員会も行政側ですね、前もって言っておけば、学校はこれに従わなければいけないという言い方が、さっきのように調査権というものが学校の教育計画を変更させることができるという立場に立っているから、そういう言い方が成り立つのであって、これは私どもは教育計画というのは学校側が立てるのでありますから、早かろうが遅かろうが、その間においては同意ということがなければならないわけです。同意ということがなければならないから、福岡県のような場合には教師が反対をしておれば、教師の団体と話し合うということは必然的に出てくるわけです。それが時間をとるかとらないかということは、いま齋藤さんの法解釈からいうと、話し合いが当然です。これは時間がないようですから、蒸し返すと何日かかるかわかりませんから言いませんが、そういう問題が発展をしてくるわけです。だから法律の解釈というのはよほど慎重にしてもらわないと、ことばが足りなかった、あとで直せばいいということで、適当な法律解釈でそっちにいっては押しつけてやる、こっちにきてはことばをつけ加えてやる、そういう態度で混乱をさせておるということについては反省を願いたいと思う。
○委員長(山下春江君) 先ほど中村委員からの委員長への御要望は、次の理事会にはかりまして、御趣旨に沿うべく善処いたしたいと思います。 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(山下春江君) 次に、教育、文化及び学術に関する調査中、教員の地位に関する勧告草案に関する件を議題といたします。 質疑のある方は順次御発言を願います。なお、政府側よりは中村文部大臣、中野文部政務次官、齋藤初中局長が出席しております。
○松永忠二君 私、自民党のほうの理事の方からもお話がありますし、大臣の出席の場所もあるようでありますから、大臣がいるときに一つだけお聞かせをいただきたいと思うのですが、ILOとユネスコの教師の地位に関する勧告にあたって、ILOの事務総長とユネスコの事務総長のほうから外務大臣宛ての書簡があって、その中にこういうことが書かれているわけです。貴国の政府がそれぞれのサービス機関や国内の教育団体等と協議した上で、必要と思われるところの所見もしくは批評を準備することができるように送付してあります。こういうことが書かれてあるわけですが、一体これを実行されたのかどうか、こういう点について御質問をして、もし実行されないということであれば、どういう理由で実行されないのか、この点を大臣の口からお聞かせをいただきたいのであります。
○国務大臣(中村梅吉君) 実はいまお話しの点は、ユネスコとILOの事務総長から外務大臣宛てに勧告の草案——草案の草案くらいのものらしいのですが、勧告草案と称するものを送付してまいりました。送り状にそういうことが書いてあったようです。そこで、文部省としては、貴国の意見を聞きたいということですから、どういうふうにして意見を出すかということを検討したわけですが、結果的には、教育庁協議会を開きまして、その協議会にこの勧告草案を示しまして、そして御意見のあるところを伺って、そして日本政府のこれが意見であるということを一応返事を出したわけでございます。なぜ教員団体などの意見を逐一聞かなかったかという、こういう御意見かと思いますが、実はパリで開かれましたこのユネスコとILOの専門家会議というのは、政府側は呼び出されてもおりませんし、したがって、だれも専門家の委員は出ておらないので、草案のできた経過を確かめましたところ、日本からは教員団体の代表といいますか、はたして代表といえるのかどうかわかりませんが、日教組の人が委員として出席をして、この起草に参加しておられるということでございますから、そちら側の意見は一応織り込まれておるものと、したがって、政府側の意見をこれは求めておるんだという見解で、実は教育長協議会の意見を聞きまして、政府側の考え方を申し送ったわけでございます。その専門家会議の事例を聞きますと、日本のように教職員の組合員が出た国もあれば、それから政府の代表者が出た国もあるんだそうです。両方まじってこの専門家会議をやったので、したがって、政府の代表が出た国にも、それから政府の代表が出ていないで教職員の代表だけが出た国にも同じ文章で送り状を出しておるらしいので、そうだとすれば、政府だけ出て組合側の出ていないほうに対する、主としていま御指摘の文句は回答をするので、日本の場合は一方は出ていて一方は出ていない、使用者側というか、政府側のほうの見解は織り込まれていないのですから、まずこちらの御意見を送付しよう。しかし、これは急に結論が出てしまうというのではありませんで、来年の一月にもう一回専門家会議があって、十一月ごろから政府の機関の会議があって、そうしてだんだん結論をしぼっていこう。そういうまだ先の長いことでありますから、一応そういうような手続をとったわけであります。この意見を申し出るのを、期限としては、七月十五日までと限られたわけで、七月十五日までに出しましても、来年の一月にもそういう会議がありますし、来年の十一月にも会議がありますから、それまでに必要があれば、教職員団体の意見をどういう形で聞くかわかりませんが、今後検討したいというつもりで現在のところは考えております。
○松永忠二君 いま大臣の話を聞きまして、何か知らないが、専門家や政府が集まってこの専門家会議を開いて、ILOやユネスコでやられたようなお話でありますが、これはユネスコの十三回の総会と、それからILOの理事会の第百五十八回の会議で採択決定され、それに基づいてユネスコも、ILOも専門家会議を持たれたのであって、そういう権威のあるものの中でこの専門家会議が開かれておるということをまずひとつお考えをいただきたいと思うのです。そうして、しかも、ここには特に「サービス機関」ということばもあるのです。で、サービス機関ということは、国内のユネスコの委員会であるとか、ILOの東京支局であるとかというものも入っておる。それから、国内の「教員団体」というこの中には、明らかに職員団体と職能団体を含んでいるわけであります。しかも、その職員団体というのはもう出ているから、これはいいんだというようなことではなしに、特に念を入れて協議した上で必要と思われる所見をということが書かれておるわけです。で、まあすでにそういうふうに送られたのであって、私たちはこの手続についてはもっと書簡どおりに実施をしていってもらいたいという気持ちを持っているわけなんですが、今後また機会をみて、ここに言われているような問題について、やはり教員団体、職員団体と意見を協議する、こういうような用意があるのかどうか、こういう点についてなおひとつお聞かせいただきたい。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいまの結論の差については今後検討いたしたいと思います。まあもう一ぺん話が逆戻りしますが、いままでのユネスコやILOの会議には日本の政府側は何ら案内も受けておりませんし、呼びかけも受けておりませんので、だれも出席していなかったわけです。先ほども申し上げたように、政府側が出て教職員側が出ていない国とか、いろいろあるものですが、一斉に同じ文書でそれら各国に送ったらしいので、日本としては、とにかくさしあたり政府側の考え方を一応申し送っております。しかし、教育長協議会ならば、急いで開いてやればそう日数もかけず、また、専門家ですから、一応意見が出てくるという見解で、教育長協議会の見解だけは聞いてやったわけでありますから、今後の措置につきましては検討いたしたいと思います。
○委員長(山下春江君) では、大臣はご退席願ってけっこうです。
○松永忠二君 政務次官がおられますので、もう一つお聞きをしたいのは、この一月後半に勧告草案の採択に関する専門家会議が開催される予定になっている、こういうことでありますが、これについては日本は出席するという用意を持っているのかどうか、この点はいかがです。
○政府委員(齋藤正君) 日本は専門家を送るというふうに——送りたいと、こう思っております。
○松永忠二君 この勧告の草案にある教員団体というのは、職能団体と職員団体という両方のもうを考えているというふうに私たちは思うのですが、その点についてはそれで誤りがないのかどうか、これはいかがですか。
○政府委員(齋藤正君) 勧告にあります教員の団体には、御指摘のように、いわゆる教員団体とそれから職能的な団体と両方含んでいると思います。
○松永忠二君 そういうふうなことになると、いま福岡の学テの問題にもいろいろ出てきた問題でありますが、この草案の中にある十六ページの九十項に、「教員団体は、教員の供給ないし教職への加入に関係する政策の決定および諸基準の作成に参加する資格があるものとする。」、あるいは九十三項であるとか、いろいろ「教員団体」というようなことばで言われている問題は非常にあるわけなんです。で、私たちの考え方からいうと、国際的な水準からいえば、職員団体とそれから職能団体とを含めて、この勧告の考え方というものは、そういうふうなものをどういうふうに要望をし、また考えているというふうに私たちは考えているわけなんですが、この考え方は間違いはないと思うのですが、どうでしょうか。
○政府委員(齋藤正君) 実は私自身まだ詳しくこの内容を検討する時間がございませんけれども、各条項に「教員団体」というふうに出ている事柄は、いま御指摘のように両者を含んでいるものというふうに、この勧告自体のさす内容はそんなふうに考えるわけでございます。
○松永忠二君 わかりました。したがって、ここにいう「教員団体」というものは、この勧告では職能団体も職員団体もこういうふうなことに関係していき、またこういうふうなことに関して関与していく必要があるという勧告であるという、こういう内容の理解をされているというお話で、この点はそのとおりわかったわけでありますが、そこで、まだ論議の機会があると思うのでありますが、文部省の意見書について、非常にこの意見書は消極的に制限を、規制をするというようなことばかりを意見書として出されているようでありますけれども、積極的にこの勧告に非常に賛成をしている、こういうふうな積極的な意志が非常に乏しいわけなんですけれども、この勧告の中に、やはり積極的に文部省自身が、やはりこの勧告の中に全く同調している点が非常に多い点もあると思うのですが、こういう問題について政府の意見が触れておられないということは、文部省としてはどういうふうなお考えを持っておられるのでしょうか。
○政府委員(齋藤正君) 個々の勧告の条項について詳しく申し上げるだけの準備が私自身にございませんのは、はなはだ恐縮でございますが、全般を通じまして教員の地位あるいは福祉というようなことで、事柄として、文部省といたしましても賛成すべきものもあり、あるいは世界の各国の情勢から見れば、すでに勤務条件等、その他かなり日本においては高い水準を持っておる部分もあるわけでありまして、今回出しました草案の意見の概要では、特に次回の専門家会議、あるいは次に行なわれるべき外交官会議等におきまして修正をいたしたい。修正をしてもらうような点あるいは意味が不明確であるというような点、あるいはそもそも画一的に、国立私立を問わず画一的に定めるべき事柄でないこと、あるいは各国間におきましても教育制度にはそれぞれ伝統と歴史とがあって制度化されるものでありますから、できるだけそういう立場を尊重して、画一的な実施を求めるべきでないという考え方で意見を出したわけであります。先ほどの御指摘のありました、たとえば教員団体というふうに書いてありますのも、草案の各項がすべて私が申しましたように、起案者が職能団体、いわゆる職員団体がすべて入っているのか、入ってないのかということにつきましても、なお明確にする必要があろうかと思いますが、とにかく私どもが読んだ範囲では、特に一方に限定してこれを書いてあるというふうには読めないので、先ほどのような御答弁をしたわけであります。
○松永忠二君 何か、前言をひるがえすようなことを言わないで、さっき最終的に言われたようなもの、両方を否んでいるものであると。そこで、この勧告自身は、教員がその役割に見合った地位を享受することを確保することに関心を持って出された勧告でありますから、文部省としては非常にそういう意味では歓迎をする点もあるわけです。こういうふうな点について、積極的な支持する意見が何ら述べられてないというような点については非常に不満だというふうに私たちは思っているわけです。これについては、なお私は後ほどやりたいと思うのですが、そこで、最後に、勧告の予備草案はここに出ているわけですが、それへの手引きとなる報告書を否んでいるわけです。その手引きの報告書ですね、それと、それからもう一つは意見書の全文というのは七月十五日にユネスコなりILOに到着するようになっているので、これは何というのですか、到着しているはずだから出してもいいはずでありますけれども、意見書の全文はなかなか出せない。まだ出す打ち合わせ、到着の期間についても問題があるから出せないというお話でありましたけれども、もうすでにそういう時期も過ぎているので、私はここに送られてきている手引きになる報告書、それと、いわゆる意見書の全文を提示をしていただきたい。それに基づいて、なお今後のこの問題について私たちは質問をしたいと思っております。
○政府委員(齋藤正君) 教員の地位に関する勧告草案への手引きとしての報告、これは事柄自体も文部省の仮訳だと思いますが、この報告書につきましては、いま御要求がございましたのでお出ししたいと思います。それから第二点は、政府意見そのものを資料としてというお話でございますが、実はこの点につきましては、いまだ両機関に到達するという段階にはなっておりませんので、この点については資料を提出することを差し控えさしていただいて、すでに新聞等に発表いたしました概要を提出したわけでございます。
○松永忠二君 そうすると、到着するのはいつごろになるのか。もう一つ、事務的にお聞きしたいのですが、さっき全国教育長協議会の意見を聞いたと、これはいつの会合にこれをかけたのか。この二つの点をお答えを願いたい。
○政府委員(齋藤正君) 意見を、教育長協議会等各種のものがございますから、それに聞きましたのは、六月十日に意見を求めまして、その後、数日で幹事会を開いたというふうに承知しております。
○松永忠二君 そのあともう一つ幹事会が意見を出したのですね。それとそのあとの到着の日……。
○政府委員(齋藤正君) 六月十日に意見を求めたのでありまして、おそらく一週間以内に意見が入ったと思います。意見は口頭によりまして、二、三日後に参っておるというふうに承知いたしております。
○松永忠二君 ちょっとはっきり言ってください。こういう事実はないですか。自民党の政調会と全国教育長協議会の幹事長の意見を聞いておるということは伝えられているわけなんですが、そこで、いまお話によりますと、教育長協議会の六月十日の会議にかけて、幹事会から口頭でその意見を聞いているというお話ですが、その点をしっかり確かめることと、もう一つは、意見書の到着するのはいつごろなのか、そこを聞きたい。
○政府委員(齋藤正君) 六月十日にその意見を求めたということで、六月十日に教育長の総会が開かれたということではございません。取り急ぎまして教育長の協議会としては、日をどうも正確に承知しておらないのでございますが数日、二、三日後に幹事会を開いて口頭で意見をもらったということでございます。それから、この政府見解がいつ到着するかということでございますが、私まだいつ到着するかという事情を聞いておりません。おそらくまだ到着もしてないし、十分に準備ができてないのじゃないかと思います。と申しますのは、これは直接には、送付、その他の問題は外務省のほうの仕事でございますので、その辺をまだ私確かめておりません。
○松永忠二君 じゃあその要請をしておきますことは、意見書が到着しないから出せないというお話であるが、意見書の到着と同時に政府の意見書の全文を出していただく。それから直ちに手引きとなる報告書というものを提出してもらう。なお、幹事会の口頭での問題については、また後ほど御質問したいと思うのです。その点をひとつ要請をしておきます。それでこの問題は打ち切ります。
○委員長(山下春江君) 他に御発言がなければ、本件に関する本日の質疑はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(山下春江君) 教育、文化及び学術に関する調査中、地方公共団体の施設費超過負担に関する件を議題といたします。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。なお、政府側より中野文部政務次官、齋藤初等中等教育局長、天城管理局長が出席しております。
○松永忠二君 まことに再三のことでありますけれども、ひとつお聞かせをいただきたいと思うのでありますが、いま公立文教施設、つまり義務制の学校と高等学校について、特に、御承知のとおり補助事業について地方の超過負担が非常にあるということで、何とかこれを解消していきたいというような自治省あたりの積極的な動きもあるわけです。それに呼応して、やはり文部省としてもこの際ひとつ国庫負担事業に対する地方団体の超過負担を解消していくように努力をしてもらいたい、そういうふうに両目的で私は御質問したいと思うのでありますけれども、いま公立文教施設の義務制の学校の工事の実施をする決算額というものと、それから補助の基本額、それから超過の率というものを、義務制の学校、それから高等学校の場合には、現在は工業学校と危険校舎と定時制の建物について考える補助事業としてやられているのでありますが、この二つの項目について、一番近いときのいわゆる決算額、補助基本額超過率というものを示していただきたいと思います。
○政府委員(天城勲君) 直近ということで、三十九年度の実情を申し上げたいと思います。私の資料の関係で最初に義務教育関係の小中学校の措置について申し上げますが、三十九年度予算額は百五十四億二千四百万でございます。それに対しまして、われわれのほうで補助資格までの所要額と考えられておりますものが百八十八億五千七百万円でございますから、その差は三十四億三千二百万でございます。したがいまして、三十九年度で申し上げますと、予算額は八一.八%ということになると思います。高等学校につきましてはちょっといま数字が手元にございませんが、大体比率で申し上げますと同じくらいの比率じゃないかと思います。
○松永忠二君 これはいまお話しの点で言うと、補助基本額に対して認められた補助の基準坪数とか、そういうものに基づき決算額をおっしゃっているわけなんです。しかし、そうじゃなくて、実際に補助した補助事業に対して、一体幾ら現実に決算が総額として使われているか、これが結局超過負担という問題なんで、あなたのあげているような一九%程度の超過率だというようなことは、現に自治省が出している資料なんかに基づくと、そんな低い数字は出ていないわけなんです。ですから、やはりこの点についてはそういうことでなしに、そういうものはないのかどうなのか、あるとすれば、本来それはどういうふうになっておるのか。これは自治省が今度超過負担についての解消をしていこうというようなことで出てきている。公共施設あたりでも超過負担が四〇.五%という数字を出している。これについて、いま義務制の話だけ出ていますけれども、これは決算額、いま言うほんとうの意味の決算額というのは調べてないのですか。あるいは数字があるのかどうか。
○政府委員(天城勲君) これは御存じのとおり、実際施行実施した額と比較いたしますれば、先ほど申し上げました百五十四億二千四百万円に対しまして実施いたしました工事の総額は五百四十三億でございますから、補助所要額二百二十二億との差でいきますと六十八億くらいの超過になっております。
○松永忠二君 まあちょっと数字がおかしいのですが、さっきのお話しでいくと補助基本額が百五十四億二千四百万円で、決算額は百八十八億五千七百万円だという、こういうお話ですが、いまのお話でいくと、決算額は五百四十三億……。
○政府委員(天城勲君) 全施行実施額でございます。
○松永忠二君 そうすると、五百四十三億に対して補助基本額は百五十四億二千四百万円になるのですか。
○政府委員(天城勲君) 要するに、実施した金額というものが補助対象以外のものもみな入った金額でございますから、予算の関係で申しますと、補助対象のワク内で申し上げるのではなく、先ほど申し上げたとおりでございますし、全体、公共団体で実施した工事費ということになりますれば五百四十三億ということになりますが、これは対象外の補助も全部含めているわけでございますので、そういう開きが出てくるわけでございます。
○松永忠二君 そうすると、別に市町村の単独事業として行なわれている義務制の公立文教施設の工事の事業額ですね、この額は幾らになっていますか。
○政府委員(天城勲君) いま単独事業だけの分というと、計算はちょっと私どものほうでしかねるのでございますが、これは御存じのとおり補助金に対しましては補助率に従って地方負担分について起債が認められております。それから補助の資格坪数の中では補助金以外にも単独起債が認められておりますから、結局、補助対象のいわば資格坪数の中で補助金が幾らかということでございまして、それ以外にいろいろと市町村がプラスして工事をなさったりする分については、その分だけ計算するというと、そういう資料がちょっといまございません。
○松永忠二君 これはひとつまた資料を出していただきたいと思うのですが、私の言っているのは、義務制と高等学校について補助基本額とそれから実際に施行した決算額、つまり基準坪数について補助をしたから、その建築の額を言うのじゃなくて、実際に補助をそれだけもらっておきながら、事実上はもっとたくさん事業をやっているのが決算額について出てくると思うわけです。それからもう一つは、全然補助がつかないで、その市町村で単独に義務制の場合新築して工事をやっている場合があると思うんですね。だから、ほんとうの意味の超過負担というものについては二つを見なければできないと思うんですよ。だから、補助事業について一体決算額がどうなっているのか、それから補助はされないけれども、その年度において義務制の学校でどういう工事のいわゆる費用を使ったか、こういうことが二つ重なって、はじめてその年度における義務制の学校のいわゆる工事、事業の額がわかってくると思うんです。これについて高等学校については、補助の事業については高校とか、工業高等学校とか、危険校舎とか、あるいは定時制の建物というように限界されているけれども、単独事業でやる場合には、これは普通高等学校について単独にやっているわけです。補助をもらわんでもやっているわけです。だから、この二つのものについてつまり数字を出していただけば、われわれとしてはやはり地方がこれだけの事業をやっていて、現実にはその中で補助基本額は幾らになっているかということがわかるわけなんです。そこで、あなたのほうで概括して超過負担の率として考えているのは一体義務制の場合にはどのくらい超過負担の率があるのか、それから高等学校の場合には大体どのくらい超過負担の率があるのかという率について、さっきの話のとおり、義務制の場合には補助事業については二〇%程度しか超過率がないと見ておられるのか。高等学校についてはどうなのか、そこのところの概括だけひとつ聞かしていただきたい。
○政府委員(天城勲君) 超過負担ということばでございますけれども、私たち超過負担ということばは、要するに補助資格に対しまして現実の補助金がどれだけいっているか、その関係で普通超過負担という問題は理解いたしておるものでございますから、公共団体が単独に補助資格以外施工いたしました工事まで含めて補助金を比較することは、ちょっと比較する基準が違うのじゃないかと思っておりますので、前者について先ほど申し上げたわけでございます。先ほど申し上げましたように、義務教育関係につきましては、このいま申し上げましたような意味で超過負担を見てまいりますと、三十九年度で補助金の率が八一.八%でございますから、いわゆる超過負担を考えておりますのは二〇%弱になると思います。
○松永忠二君 私の言っているのは、あなたのおっしゃるように補助事業に対して超過負担ということはわかっているわけです。ただしかしわれわれの考えていることは各市町村の財政、府県の財政を圧迫しているのは、単に補助事業に対する超過率が多いから、その負担で非常に市町村財政を圧迫しているというのではなくて、事実上は建築をし、補助をもらわなくても単独事業をやっている事業量も非常にある。そういうことがまた地方財政にとっては補助の超過率もある上に単独事業としての金額も非常に多くなってきて、結果的に市町村なり府県の財政を圧迫している。特に高等学校については、普通高等学校には補助がないわけなんですから、全部単独でやってもらうということになるわけです。したがって、そういう意味で別に超過負担だけを示せということではないのであって、要するに、補助事業に対する超過負担の率と、それから現実に単独事業で行なわれている金額というものが一体どうなのかということの実態を知りたい、こういうような意味なんです。そこで、その点をひとつなお資料を出してもらいたいということと、一番超過負担率の多い一体補助事業は義務制の場合には何になっているかということをお聞きしたい。
○政府委員(天城勲君) 先ほどの御要望のうちの市町村の施行いたしました全事業量と補助金との関係、後ほど資料を用意してお答えしたいと思います。それから市町村の負担した補助金との関係でどこが多いかということでございますが、これは次に資料のときまでに詳しく数字的に用意いたしますが、一般的には統合ですとか、危険校舎の改築、こういうものに対する要望が非常に多いということから、地方の県の補助金が地方団体の要望に十分にこたえ切れないということは言えるのじゃないかと思います。
○松永忠二君 その点もう少しやはり実際を把握していただきたいと思うのですが、担当資料は出ているわけですよ。結局、屋内体操場であるとか、あるいは校舎の改築が超過負担率が担当多く出てきているという事実はいろいろな方面に出てきているわけです。そこで一体こういうふうになっている原因というものはどこにあるのか、この点について、ひとつこういう点はどういうふうに考えておられるかということをお聞きしたい。一般的にいうと、教育白書なんかに出ているように、教育予算が国民所得に対して五%程度で足踏みだということが一つある。同時に、一つは非常に産業基盤を強化するような公共事業費がふえていくわけだけれども、わりあいその中で学校施設の費用の公共事業の増加率は非常に少なくなってきているのじゃないか、こういうことが一般的にも指摘をされているわけですけれども、こういう点について、そういうふうな考え方は文部省としては持っておらぬのかどうか、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(天城勲君) ただいまのお話は、予算額全体の問題として文教予算が不十分かどうかというお話にもなろうかと思いますけれども、当面私たち施設関係の補助金の面から考えた場合に、先ほど申し上げましたような意味での超過負担を問題にいたしました場合には、幾つかのやはり原因があると思っておりますし、それの除去に努力しなければならぬと思っております。たとえば実際に公共団体が学校をつくる場合の建築坪数というものが、国庫補助金の算定の基礎となっている施設の基準坪数よりも上回る場合がどうしてもあるということ、それから実際の建築単価とか、あるいは鉄筋、鉄骨、木造の構造比率でございますが、これが予算単価やそういう構造比率を上回っている場合が相当あるのじゃないか。別の面で申しますと、実際要望より予算の措置ができていなかった場合がある、こういうようなことが国庫補助事業にかかる国庫負担が要る場合には増加負担が出てくるのじゃないかと思います。
○松永忠二君 いまお話しのあったのは、すでにいろいろなところで出しているように、単価とか、数量差とか、対象差いうものの中で超過負担が出てくるということは御指摘のとおりでございます。また、用地の買収などについて、これが起債の対象に一部なっている場合もあるが、単独にはなっていない点なんかもあるということは事実上数字も出ているわけです。しかし、私はここでやはり文部省にお願いしたいのは、一体公共事業、導路の関係の公共事業であるとか、あるいはまた一般の公共事業の増加の割合に文教施設の増加の率というのは、ここ数年一体どういうふうなパーセントになってきているのか。むしろ私はここに一つの大きな問題があると思うんです。こういう点については、ひとつまた私たちもその資料についてはなお努力をいたしますけれども、こういう資料をひとつ出していただいて、単に単価とか、数量とか、基準坪数とか、あるいは対象を増加していけばいいという問題でなくて、基本的にそういうふうな問題も相当そこに伏在していると思うんです。そこで、こういう点についてはなおひとつ資料をでき得るものならばわれわれに御提示願いたいと思うんです。そこで私は、超過負担の負担のしかたというものですね、これは超過負担を調べてみればいろいろな超過負担があることは事実であります。しかし、その超過負担のしかたというものは、私は教育の公立文教施設における超過の負担のしかたと、たとえばそのほかで出てきている保育所であるとか、し尿処理の施設に伴う超過負担というものとは負担のしかたが違っている。つまり、端的に言うならば、教育の超過負担の支出は住民に寄付という形でこれを負担させている点が非常に多い。これは予算面においては一つの予算的な手続をとって、寄付金であるとか、分担金とかいう名前をとっているけれども、現実には超過負担の支出のしかたが非常にほかの超過負担とは差があるというふうに私たちは把握をしているわけです。で、こういうふうな点について超過負担の支出のしかたというようなものについて。一体、管理局にはどういうふうな調査ができているのかをお尋ねしたいわけです。
○政府委員(天城勲君) いまおっしゃる御質問の意味は、端的に言うと、PTA負担というようなことが施設の面にどのくらいあるかという御質問じゃないかと思っておりますけれども、これにつきましては、全体の調査の最近のものがちょっといま手元にございませんので、数字的なお答えはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが。
○松永忠二君 質問していること、検討が違っているというお話、そんなことありませんよ。私が言っているのは、いいですか、保育所であるとか、し尿処理施設のような場合には、市町村や県がちゃんと超過負担分を予算化してみずからの支出で出していくわけですね。ところが義務教育の関係にはこの超過負担の予算化を行なわないで、それでいわゆる住民負担にしている。この点は具体的なものをここに数字を持っておりますけれども、これはあれじゃありませんよ、学校施設じゃありませんけれども、プールについて考えてみると、ひとつここに端的に言うと、国の補助が七十五万、それから市の助成が五十万、個人の支出は七百六十万、PTA補助金が四十一万、特殊寄付が一万五千、こういうふうなことになっているわけですね。これはまあプールのことですけれども、これが学校の校舎の場合、屋内体操場なんかでもこういう例というものは非常にたくさんあるわけです。ところが、し尿処理とか、保育所というようなことについて、こんなことをしようとするならば、それこそたいへんな住民から反対が起こってくるわけなんですね。ところが超過負担の支出のしかたというものが、教育費については非常に他と違っているという実態であるわけなんです。したがって、私が申し上げているのは、そういうふうな義務制の場合には、一体、超過負担の中で県、市町村が予算として出しているものと、そうして予算でなしに住民が負担をしているものとは区分けがつくわけですね。こういうことを調べていく努力をしていく中で、こういうことの一体教育の場合における超過負担の解消のしかたというものは、ほかのものとは違った努力というものがなされなければいけないわけなんですね。そういうことも私は申し上げているのであって、やはりこういうことについて明確な調査を持っていないわけなんですね。これは私はやはり超過負担の解消というものは、単に自治省が言っているような程度の意欲じゃなくて、教育については超過負担についてよほどの熱意を持っていかなければできぬというふうに私たちは思うのですが、この超過負担の支出のしかたというものについては、超過負担が正しく市町村、府県において予算化されている部面と、予算化されていない部面、それからさっき申しましたように義務制と高等学校において単独事業ではなされていて、これが現実に予算化されているものと、その住民負担で出されているものというのが明確になってくると、単なる補助事業だけではなくして、単独事業の中にもいわゆる超過負担に類する負担というものがあるわけなんです。こういう数字をはっきりやはり持っていないと、一つ一つの事象についてわれわれは言えるわけなんですけれども、こういう数字をわれわれはほしいわけなんです。この点について数字は後ほど整理をしていただくとして、とにかく管理局長としては、また私は政務次官にもあとから聞きたいのでありますけれども、教育の施設における超過負担というものの支出のしかたは他のいわゆるこれはいろいろなものがあります。単なる施設だけではなくて、いろいろな職員の負担金とか、そういうようなもので出ているのと違う負担のしかたをしているという実態をお認めになりますか。それともやはり以たようなものだとお考えになりますか。この点は、管理局長、どうでしょうか。
○政府委員(天城勲君) 超過負担ということ、ちょっとことばは、私、別だと思いますけれども、市町村が教育施設に対して相当の予算外の努力もされたり、あるいは住民が何らかの意味で教育施設の建設に努力をされている実情を私も、数字的には別といたしまして、存じておりますし、おそらく他の施設よりも教育関係のほうがそういうケースが多いのではないかということを私も考えております。
○松永忠二君 ケースが多いと言うが、私はいまあなたのおっしゃっていること、私がまあ範囲を広げているから少しまざって御理解されていると思うのですが、補助事業に対する超過負担に限ってけっこうです。その支出のしかたが他の類似のものの超過負担の支出のしかたとは非常にしかたが違っているという事実を認めるか認めないかと言うことですね。
○政府委員(天城勲君) 事実に即してお答えするには私ちょっと資料を持っておりませんので、お答えを差し控えさしていただきたいと思いますけれども、ただ、国庫補助事業に関しましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、最近も負担率をだんだん是正するように努力いたしまして、三十九年度八割一分以上というところまでまいったわけでございますが、これも数年の傾向を見ますると、まだ不十分とはいいながらも、かなり国庫補助の率が上がってきておりますが、なおこの部面で努力を続けていきたいと考えております。ただこまかい数字的に、国庫補助以外の地方負担分が、少なくとも国庫補助事業についてどうなっているかということにつきましては、なお数字を検討した上で、御返事を留保さしていただきたいと思います。
○松永忠二君 補助事業に対して超過負担がなされている。その超過負担の支出が、他の保健所であるとか、し尿処理の施設と違って——し尿処理とかあるいは保育所の場合には予算化が行なわれてやっている。しかし教育の事業については、私たちはむしろ住民の負担という形でもって、それを予算の上にあらわして、そうしてその負担をさせているという点が非常に多いというふうに私たちは思っているわけなんです。これは私は事実だと思うのです。で、この点をやはりきちっとしておかないと、その次の問題にいかぬわけなんですけれども、この点はなお十分にひとつ御調査をいただきたいと思うのであります。そこで、特に自治省あたりも超過負担の解消ということについて努力をしていきたいという考え方を持っておるわけなんですけれども、特に明年度予算をつくるにあたって、この超過負担の解消という面について積極的に一体いまどういうことを考えておられるのか。たとえば、その対象の範囲というものについて、すでに御存知のとおり、算定基準による基準坪数の二〇%というものを補助対象の交付金から除外をしている。そういうものをどういうふうにしていくのかとか、あるいは単価の問題、あるいは校地の取得費の問題とかいろいろあると思うのであります。あるいはいまお話のあった、地方財政法を改めてこの政令の中に禁止条項を増加をしていくという問題もあると思うのですが、この中で、いま具体的に、この点について十分に来年度の予算をもって何とかひとつ解消していきたいというような考え方を具体的に検討している項目があるのかないのか、この点をひとつお聞かせをいただきたい。
○政府委員(天城勲君) 先ほどちょっと申し上げました国庫補助事業の算定基礎になりますような基準の問題でございますが、基準につきましても、実情に合わせ、なお教育の運営上から改定をして、少しでも基準の向上につとめたいと考えておる点が一つでございます。それから、建築の単価につきましても、これは逐年、改善努力をしてきているわけでございますけれども、明年度につきましても、実績あるいは物価の動向等、十分考えまして、実情に即した単価を組んでいきたい。それから公共団体側で非常に御要望の強い構造比率の改善の問題でございますけれども、こういう点につきましても、努力をいたしたい、こういうふうに考えまして、現在、明年度の予算編成の事業をいたしておるわけでございます。
○松永忠二君 もう少しですから、お聞きを願いたいのですが、そうすると、具体的に言うと、算定基準による資格坪数の二〇%を、補助の交付対象から除いているということを是正をしていこうという問題については、どういうふうに考えておられるのか。それからもう一つは、その地方財政法の中の、これはここの所管の問題でありませんけれど、政令をふやして、そうしてその負担の、住民負担の軽減をはかっていくという、この問題について具体的に考えている点があるのかどうか。それから、もう一つの点は、いま学校施設の国庫負担の予算を、一〇%を保留をしておるわけですけれども、この解除について、どういうふうな考え方をもっておるのか。この三つの点について、具体的にひとつお聞きをしたい。
○政府委員(天城勲君) 来年度の予算に関する、改善しようと思っております点はいろいろございますけれども、いま、幾つか例示申し上げましたけれども、具体的にお話のございました点でございますけれども、補助資格坪数と補助金との対象の問題、最初に御質問でございますが、これは一応、予算上は三十九年度から始まっておりますいまの整備計画では、従来の七割というものを八割に引き上げて計画を進めておるわけでございまして、従来からいろいろ問題のございました点で、八割まで、まあ努力をしてまいったわけでございます。この点につきましては、実際の運用上のことがいろいろございますので、なお、できるだけ改善の方法を、いま考えたいとは思っております。それからさっきの、政令の制限基準ということでございますけれども、これは施設に関しては、現在、規定がございまして、御質問の趣旨は、施設以外にという御質問かと思っておりますけれども、私の所管の限り、文部省全体の問題でございますので、私からして全体のことをお答えしかねるのでございますが、施設の面につきましては、御存じのような状態でございますが、全体といたしまして、いわゆる教材費、その他を含めて、父兄の負担をふやさないようにする、軽減をはかっていくというためのいろんな努力は、関係の局でそれぞれいたしておるわけでございますが、包括的にどうするかということは、いま私からだけではお答えしかねるような次第でございます。それから、公立文教施設の補助金の一割留保解除に関してどうするかというお話でございますが、これは御質問の意味が、一般的のように私は受け取ったわけでございますけれども、各府県から非常に御要望が出ておりますので、この事情を十分勘案して、決定いたしたいと思っているわけでございます。
○松永忠二君 最後にお願いし、検討をしていただきたいという点は、いわゆる土地の価格が非常に上がってきた。したがって、校地の取得費というようなものについての、起債の問題についてですね、これはよほど積極的な善処をしてもらいたいというような点が一つあるわけなんです。それからまたもう一つの点は、いま都市に人口が集中してきたために、都市に非常に大きな、過大な学校ができてきておるわけです。これを適正に分離をしていくというような問題、こういうふうなものについて、いわゆる学校の統合と同じような負担金とか、あるいは起債の対象としていくとかというような問題についてですね、やはり考えて置いていただかないと、非常にむずかしい。あるいはまた、小中学校、かつては併設したところにあるけれども、中学校を分離したい、小学校を分離していきたい、こういうものに対しては現状はほとんど補助金とか起債の対象になっていかないという状態にあるわけなんです。こういうふうな問題について、やはり特に積極的なひとつ考え方を検討していただきたいということをお願いをするわけです。 同時に、最後に政務次官に御答弁をいただきたいことは、私はいまいろいろな問題に触れましたけれども、特にいま補助事業に伴う超過負担というものは非常に多い。同時にまた、補助事業ではなしに、各市町村、府県が実施をしているいわゆる文教施設の事業も非常に多いわけであります。したがって、これが地方財政というものを非常に圧迫をしていることは事実です。その上に、私らがさっきから強調していることは、ほかの公共事業に対する負担の場合には、市町村なり府県が予算的に措置をしているけれども、そうでないもの、教育に関しては、わりあいに市町村なり府県が財政措置をしないで、その財政を住民に肩がわりをしていくという状態が非常に強く出てきておる。こういうために、私たちは、ほとんど現在では文教施設についての住民負担はもう限界にきておるというような感じを強く持っているわけです。こういうふうな点から、特に明年度のこうした問題についての解消というものについて具体的にやはり対策を立ててもらいたい。実は、文部大臣おりませんけれども、大臣の最初のあいさつの中にもこういう問題については何も触れていないわけです。しかし、せっかくこうして世論がそういう問題について非常にきびしく取り上げておる現段階において、やはり文部省あたりが積極的に、明年度こうした問題について取り組んで、具体的に非常な前進をするという点が出てきてもいいのではないかというふうに、こういう点を私たちは強く感じているわけなんです。こういう点について政務次官も政務次官としての努力もしていただきたいし、また後日、私は文部大臣にこの問題についても文部大臣としての意見もお聞かせいただきたいと思うのでありますけれども、こうした点について政務次官の考え方をひとつ最後に聞かせていただきたいと思います。先にひとつ局長のほうから。
○政府委員(天城勲君) 先ほどのお話しの中にございました最近の都市周辺の過密と申しますか、それに伴う学校施設の整備、この問題は私たちも非常に緊急な問題だと考えております。これにつきましては、公団の施策を通じて行ないますもののほか、現在の国庫負担法の範囲内で最優先的にこの問題を取り上げているのが実情でございますし、なお、今後もこの都市部の社会増というものが非常に顕著な現象になっていくという見込みのもとにこの面の努力をいたしたいと考えております。特にお話しのございました過大学校の問題ですとか、あるいは学校分離等につきましても、実情に即して、できる限り地方公共団体の実情に即した援助をいたしたいと、かように考えているわけでございます。
○国務大臣(中野文門君) 松永委員の熱心ないろいろの御発言を実は傾聴いたしておったのでございますが、とりわけお話にありました公共文教施設、さらにその中で義務教育、小学校、中学校等だけを考えてみましても、いわゆるそうした補助事業で予算が足らずに、結果において相当大幅な超過負担が行なわれて完成しておる、その超過負担が一体どこからその財源が出るかということになってきますと、お説のように、これはいろいろな態様があろうと思いますが、現実にその学校をめぐる校下の父兄その他から募財と申しますか、献金と申しますか、そうしたものが相当に集められて解決しているという例を私どもの住んでいる地元にもよく見聞することでございまして、お話しにありましたように、まあいろいろと、その自分のかわいい子供が学校に行っているということに基本の精神があります関係上、学校をめぐるいろいろな父兄の負担というものが現実にございますし、その中でとりわけその学校の増改築等を中心とする、いまおっしゃられるその超過負担は、これは根本的にそれぞれ責任の場において、これは私ども文部省は文部省としてできる限りのくふうをこらし、皆さま方の御要望にこたえなければならぬと思いますが、まあ補助事業におきましては補助金の増額、年々これが増額ということで役所も努力しておるようでございますが、結局、義務教育だけを考えてみた場合に、これはどうしても、特にこれは大都市なんか、新興都市なんかにおきましては、ぐんぐんと公団住宅その他が建って、それに伴うところの義務教育の小学校、中学校を建てていくことにもう追われて、そのために自分の関係する県なら県にそうした住宅が建つことをまことにいやがっている実例も東京近郊にもあるようでございますが、いろいろそうした点を考えてみますときに、これはもう義務教育の設備の充実、しかもそれが超過負担をはなはだしく伴わないように努力するということは、これは文部省といたしましても積極的に前向きに何とか善処しなければならぬことは当然でございます。したがって、松永先生の御意見も、この席に大臣おられませんが、大臣にもよくお伝えし、われわれ御趣旨に沿うように前向きにひとつ、まあ善処といえば言いのがれになりますが、善処いたしたいと、かように思います。
○松永忠二君 最後に管理局のほうへお願いしたいことは、きょう私が質問いたしましたことに関連をして、こうした一連の資料をひとつ、まあ整備できる限界で整備をして、そうして提出をしていただきたい。それに基づいてまた具体的に要請もしたり、あるいは質問したいと思いますので、きょう質問いたしました超過負担だけでなしに、いま言いましたような地方財政を圧迫するというような形の中における特に義務教育と高等学校について、関係する施設の予算あるいは決算の実態というものが明確になるような関連の資料を整備してひとつ出していただきたいということを要求しておきます。
○委員長(山下春江君) 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十九分散会 —————・—————