農林水産委員会 閉会後第2号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/10/04
会議録
○委員長(仲原善一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査中、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。 先般、三班の委員派遣を行ないました。それぞれの班から順次御報告を願います。 まず、第一班の報告を願います。
○任田新治君 第一班、静岡県、愛知県の調査報告をいたします。 派遣委員武内理事、八木委員と私任田の三名で、九月七日から十一日まで五日間、主として農業構造改善事業、漁港、農業用水、水産養殖についてその実情調査にあたってまいりました。 まず、静岡県について申し上げます。 最初に農業構造改善事業関係であります。この関係で私どもが視察したのは、まず志太郡岡部町であります。岡部町における農業構造改善事業は、昭和三十七年度実施に入り、昭和四十年三月末日に完了しているのでありますが、土地基盤整備事業関係では、当初六十一ヘクタールの水田を転換して、ミカンを植える予定だったのが、冷害の影響等もあって、結局二十四ヘクタールだけ水田転換を実施したにとどまりました。農地の集団化も必ずしも期待どおりの進捗をみておりません。これに対して近代化施設の面では、定置配管による共同防除施設が著しく省力効果を発揮し、現地農民の間では、第二次地域の指定を受けたら共同防除施設だけはぜひやりたいとの戸が強いということであります。 なお、ここで本県ミカン栽培についての問題点を申し上げます。 まず、静岡県のミカン畑は急傾斜地が多く、採取防除に多くの労働力を要するため、この負担の軽減をはかるべく、農道あるいは索道の整備拡充が必要であります。また市場対策としては、酸味が強く、したがって貯蔵性が強いという本県産ミカンの特性をいかし、西南暖地産のミカンとの競合を避けつつ、計画出荷を行なうために貯蔵庫の設置が必要であります。 以上、二点について国の助成を望むという要望がきわめて強いことを御報告いたします。次に、小笠郡の大浜町であります。 大浜町ではすでに昭和三十七年に第一次の指定を受け、同町大阪地区で二十七ヘクタール、千浜地区で九十三ヘクタールの水田を三十アール圃場に区画整理し、水稲の集団栽培を行なったところ、収量は従来の十アール当たり五俵から一躍七俵をこえる増収となり、水田協業をやり、余力でミカンや温室を伸ばそうという声が強くなりました。かくして全町あげての農業構造改善という全国で初めての構想が、昭和四十年度から第二次地域として五カ年計画で実施される運びとなりました。本計画によりますと、 (一)土地改良は町営一本とし、地区を三つに分け、四十から四十一年度で菊川左岸の千浜区の水田百四十八ヘクタールを大型化、畑九十六ヘクタールを区画整理し、トラクター、コンバイン等の施設を入れる。四十二から四十四年度で菊川右岸の大阪地区について、水田二百三十四ヘクタール、畑百七十八ヘクタールについて同様の基盤整備と施設導入を行なう。 (二)町の条例により、農業管理センターをつくり、農地の売買あっせん、集団化、労働調整、賃金協定、有線放送による指揮等にあたらせる。 (三)転業農家は二百六十戸を見込み、このため工場誘致を進めている。町では農業団地と他産業用地の区分を明確にする方針で、二級国道静岡、浜松線の両側を工場及び住宅用地帯としている。 (四)北部山沿い地帯では現在計画中の国営小笠山パイロット事業による規模拡大を見込み、傾斜地水田基盤整備と機械化、茶園地帯の農道整備を実施する。 (五)南部海岸地帯を蔬菜地帯とし、大井川右岸用水の導入による畑灌漑施設と交換分合及び大圃場化整備をはかる等となっております。 なお、ここで制度金融について融資を受ける上での手続が煩瑣に過ぎ、融資ワクが補助金同様に制限されておることについての不満が表明されておりました。 次に、小笠郡菊川町の県茶業試験場では製茶工程の高能率化、自動化、省力化を目的とした機械の研究開発の現況を視察いたしました。 本県茶業の問題点は、 (一)経済樹齢五十年を過ぎた老朽茶園がおよそ三〇%あり、しかもその大部分が在来種であって、生産力と品質の低下を来たしていること。 (二)ほとんどの茶園が無計画栽培で農道などの基盤整備及び防除などの施設がなされていない。 (三)製茶工場の規模が零細で生産性が低い。また茶の取引機構が複雑で前近代的な取引慣習が行なわれておる。 (四)茶の内需が強く、茶の値段が暴騰し、北アフリカ市場で中共及び台湾茶との競争がむずかしい等であります。 以上四点のうち、特に一、二については早急に茶園の改植、集団化、奨励品質の導入をはかる必要があり、これらの土地基盤整備事業の実施が動力茶つみ機等を導入する前提要件なのでありますが、新しく改値した茶樹による収入があるまでのつなぎ資金の調達が大きな問題であります。また、茶のような永年作物の構造改善事業は三、四年間に完了することは困難であるから、実施期間をもっと延長するなどの対象基幹作目の特性に応じたきめのこまかい対策が必要だとの意見が出されました。 次に、水産養殖関係であります。本県における視察個所は、まず特定第三種漁港である焼津港及び第三種漁港の小川港であります。焼津港はいうまでもなくわが国遠洋マグロ漁業最大の基地でありまして、昭和三十七年を頂点としてわが国マグロ漁業は釣獲率の低下を見せておるのでありますが、にもかかわらず、昭和三十九年度における焼津魚市場の水揚げ高は約一億五千万キロ、金額にいたしまして百五十三億円という開設以来の最高額を計上いたしました。なお焼津、小川両港とも昭和三十八年度改定の第三次漁港整備計画に入っており、それぞれの修築事業計画につき現場を視察し、県当局から説明を聴収いたしました。 次いで、舞坂の県水産試験場浜名湖分場において、浜名湖及びその周辺における養殖漁業の実態、特にウナギ養殖についての研究開発の状況を調査いたしました。浜名湖周辺のウナギ養殖経営体は二百八十三、養殖地面積は七百ヘクタール、昭和三十九年度において三千五百トン、十七億円の生産を上げております。 ウナギ養殖についての問題点を申し上げますと、まず第一は種苗すなわちシラスウナギ確保の困難であります。種苗となるシラスウナギは体長五・五から六センチメートル、体重約〇・二グラムのもので、十一月下旬から三月末までに浜名湖に遡上してくるのを捕獲するのでありますが、豊凶の差がはなはだしく、最近は台湾方面からの輸入に頼っておるのでありますが、それでも一貫目あたり十三万円から低い場合は三千円という変動の実例を示しております。したがって、本試験場ではウナギの人工ふ化を目標に試験研究を行なっておりますが、この研究がほとんど静岡県のみにまかされておるという点に問題があります。なおそのほかウナギ養殖については飼料対策、ヒレアカ病、ワタカムリ病の防除、輸出市場の開拓等が大きな問題であります。 なお、本県漁業について一つの問題点を申し上げます。愛知県との漁業調整上の問題なのでありますが、静岡、愛知両県は、昭和二十五年以降協定を結び、愛知県の小型底びき二十一隻の天竜川以西海面への入漁、静岡県のシラス船びき網漁船五十統の渥美外海一円入漁をそれぞれ認めることとして、相互入り会い調整をはかってきているのでありますが、愛知県小型底びき漁船による違反がかなり多く、漁業秩序の維持に困難を来たしているとのことであります。このような漁業調整上のトラブルは、現在全国各地で起こっておる問題でありまして、国による根本的な施策が要請されるところであろうと考えます。 次に、愛知県における調査の結果を御報告いたします。 まず、鶴橋市役所において県当局から愛知県農林漁業の概況説明を聞いた後、豊川用水の二川サイフォン、三ツ口池と東部幹線水路施設の状況を見、次いで、上水道と工業用水両方の供給源となっている上野浄水場及び佐布利池、それから東郷調整池を視察し、またその間、蒲郡柑橘農協と常滑市の鬼崎漁業協同組合の視察を行なったのでありますが、まず、豊川用水の工事進捗状況から御報告申し上げます。 豊川用水事業は、豊橋市をはじめとする東三河一帯及び静岡県湖西町を含む地域の農業用水、上水道及び工業用水を確保し、この地域の総合開発をはかろうとするもので、農業用水については受益面積三万一千ヘクタールをかんがいし、上水道及び工業用水については豊橋市、蒲郡市、静岡県湖西町及びその周辺地域に給水事業を実施しようとするものであります。この目的のため、豊川上流の宇連川にコンクリートダムによる貯水池を築造し、この貯水池に自己流域の水のみならず、天竜水系の水をも流域変更により導入し、また佐久間ダムからも導水隧道をつくって年間五百万立方メートル以内の水を豊川上流、三輪川に導入して取水しようとするものでありまして、これらの水は三輪川下流の大野頭首工から導水路に導入し、日吉地点で東西二幹線に分流、さらに地区内支線水路にそれぞれ配水をはかっているのであります。この計画のうち、宇連ダム、大野頭首工及びこの頭首工から幹線水路の東西分水工までの大野導水路は、農林省による国営事業として完成し、東部幹線水路工事の一部を実施中、昭和三十六年九月に公団事業として引き継がれたのであります。公団引き継ぎ後の工事の進捗状況を見ますと、まず、(一)水源工事では、佐久間導水路の一号から四号までのトンネル、延長計一万三千七百メートルについては三十九年度末までに全部着工、流域変更工事では振草トンネル延長六千四十メートルを三十九年度に着工、大入トンネル延長二千四百三十二メートル及び二つの頭首工は四十一年度着工予定であります。 (二)幹線水路工事では、東部幹線水路については全面的に着工、三十九年度末までに全体の六三%の進捗をみ、そのうち東西分水工から下流約二十七キロメートルの二川サイフォンまでの間は、幹支線とも本年六月末に完成し、千二百ヘクタールの耕地をかんがいするため暫定通水を行なっております。西部幹線水路については三十九年度から着工に入ったため、同年度末まで約二%の進捗となっております。 (三)支線水路工事の公団直轄分につきましては、三十九年度までに四支線着工、四十年度は二支線、残り四支線を四十一年度以降に着工する予定であります。 このほか大部分の支線工事は、愛知県及び静岡県に委託されており、三十九年度までにその二四%を終わっております。補助ため池工事、開墾工事については省略いたします。 以上豊川用水工事の進捗状況について御報告申し上げました。 なお豊川用水事業の完成を二年後に控えての公団職員の身分のことについてでありますが、愛知用水公団が昭和三十六年に豊川用水事業を引き継いだ際に、八百人中三百五十人の職員が退職を余儀なくされておったといういきさつもあり、将来への危惧の念から過去二年余の間に五十人もの中堅職員の転出を数えておるとのことであります。水資源開発の事業において高度の技術体系を持つ組織体が、さらに一体となって国家社会のために貢献し得るよう何らかの方途を講じられたいとの要望が公団当局及び職員の代表からありましたことを報告し、政府当局が早急に確固とした方途々示されることを切望いたします。またここで豊川用水事業についての県当局からの要望をも報告いたします。 「豊川用水事業の一部計画変更に伴い、事業費の大幅な増額となり、農民負担も急激な上昇が予想されるので、これが軽減については、国においても負担金償還金利の大幅な引き下げ及び償還年限の延長について配慮せられたい」以上であります。 次に、愛知用水管理事業について御報告申し上げます。愛知用水は、言うまでもなく岐阜県から愛知県の尾張東部知多半島を含む地域の耕地に対して農業用水を供給することを目的とし、あわせてこの地域内の上水道及び工業用水の供給、木曽川筋の発電力増強に資するために計画され、総額四百二十三億円の巨費を投じて昭和三十六年末に完成したもので、農業部門の受益面積は、用水補給田一万、五千九百ヘクタール、畑七千八百ヘクタールとなっております。この施設を維持管理するために、愛知用水公団は施設管理規程、牧尾ダム操作規程等をつくって管理の原則を定め、愛知用水管理事業所を設置してダム、取水口、幹線水路等の基幹施設を直接管理するとともに、支線水路等については、関係土地改良区と委託契約を結んで管理を委託し、また発電事業者たる関西電力及び水道事業者たる愛知県とは建設費及び管理費の負担及び水の使用について協定を結んで円滑な運営をはかっているのであります。ところで、愛知用水の管理上近来大きな問題となっているのは、大規模宅地造成等による用水の自然環境の変化が著しくなり、用水が都市公害等の影響を次第に受けていることであります。公徳心の欠除に基づく行為、たとえばじんかいを開水路に投棄する等の事例は近来非常に多くなっているとのことであります。 なお、ここで愛知県嵐水道事業について申し上げます。県営上水道事業は尾張東部及び知多半島一円の市町、すなわち東西三十五キロメートル、南北七十キロメートルに及ぶ広い範囲の六市十町に対し旭、上野、久米、大谷の四浄水場により、完全処理を施した水道用水を卸売しているのでありまして、昭和三十八年度には約千百万立方メートル、三十九年度には千二百万立方メートルを上回る需要が見込まれております。給水人口には三十九年三月三十一日現在で約二十四万六千人であります。料金は原則として一方メートル当たり二十一円の従量制であります。 ところで、県営水道の財務でありますが、昭和三十八年度では七千六十九万円の営業利益を出しているのでありますが、営業外収支を加えると同年度において九千四百五万円の損失、営業開始以来四億三千万円の未処理欠損金を出しております。この原因は主として支払い利息に基づくものであり、これが処理のために長期低利資金の融資につき配慮を願いたい旨の要望がありました。 県営業工用水道事業は、名古屋市南部工業地帯の需要工場に対し、上野浄水場で処理した工業用水を直接供給するもので、料金は基本水量分については実際の使用量にかかわらず、一立方メートル当たり四円、基本水量超過分については一立方メートル当たり八円とするシステムをとっております。上水道事業における大幅赤字に対して、工業用水道事業のほうは若干の黒字となっておりますが、これはまだ償却を始めていない第二期事業の施設を利用して、オーバーロードをかけているためでありまして、第二期工事の完成により、これらの経費負担がフルにかかってくれば、上水道を上回る大幅赤字が出るものと予想されております。 次に、蒲郡の柑橘農協について御報告いたします。これは柑橘のみの専門農協でありまして、区域は蒲郡市、御津町、豊川市の一部、昭和四十年の九月一日現在で組合員数八百四十六名、栽培面積三百六十八ヘクタール、生産量五千九百トンとなっております。この農協には農業構造改善事業の経営近代化施設である集荷所がありますが、実施予算六千二百七十万円、うち国庫補助二千八百万円、市補助七百二十四万円、自己負担二千七百四十六万円であります。十年後には作付面積八百ヘクタール、生産量一万八千五百トンまでもっていく計画で、傾斜地水田と山地は全部ミカン畑にし、組合員一戸当たり平均一・五ヘクタールの経営規模にしたいとのことでありました。 次に、常滑市の鬼崎漁業協同組合のかん水蓄養施設であります。この施設は沿岸漁業構造改善事業として昭和三十八年度に実施されたものでありますが、漁船漁業者の漁獲物を蓄養し、価格の向上と漁価の維持をはかっているのであります。対象魚種は車えび、がざみ、かれい等であります。 なお、同漁業協同組合では漁船漁業者のノリ養殖業への転換を推進するため、昭和三十七年度事業として、地先漁場の沖合に鋼管パイルを四百七十一本打ち込み、ノリ漁場の沖出しを可能にし、漁船漁業者四十九名をノリ養殖業に転換させております。 なお、ここで愛知県漁業協同組合、愛知県外海底びき組合からの陳情について御報告申し上げます。 陳情の趣旨は、渥美外海においては、網目開口板をつけた、いわゆる板びき漁法を許可してほしいというものであります。この漁法は、一本釣り等の他の沿岸漁業者の利益を害し、資源を枯渇させるという理由で禁止されているのでありますが、陳情書は、同海域は競合する他種漁業者も少なく、漁船の投入隻数を制限すれば資源の枯渇は防げるものと主張しております。昭和三十年十二月愛知県連合海区漁業調整委員会は同海域における本漁法の合法化を支持する旨の決定をいたしておるとのことでございますが、隣接の静岡、三重両県からは、静岡県の項で述べましたような愛知県小型底びき漁船の従来の実態もあり、賛成しがたい旨の意見が表明されております。 ところで、愛知県では名古屋、衣浦港の臨海工業地帯の造成による埋め立て及び高潮防波堤の築造による漁場喪失が二千百四十三ヘクタールに及び、今後も三河港整備計画による漁場埋め立て計画等によって漁民の生活圏は次第に狭められております。これら漁民の生きる道をどこに求めるか。政府においても抜本的かつ適正な対策を早急に講ぜられることを切望する次第であります。 なお今回の派遣に際しまして、愛知県常滑市等から陳情書が提出されておりますが、これを第一班の報告の末尾に掲載されるようお取り計らい願いたいと存じます。 以上をもって第一班の報告を終わります。
○委員長(仲原善一君) ありがとうございました。 次に第二班の報告を願います。田村君。
○田村賢作君 第二班の調査結果について簡単に御報告申し上げます。 第二班は、中村委員、北條委員と私の三名で、九月五日から九日までの五日間にわたりまして、福島県及び山形県の農業、特に養蚕、果樹農業、畜産業の現状並びに農業構造改善事業、農事組合法人の実態等を中心として調査をいたしてまいりました。以下日程を追いまして、福島県から順次御報告申し上げます。 まず、福島市近郊の飯坂町にありまする湯野農業協同組合につきまして、その大規模共同選果場の運営状況を視察いたしますとともに、湯野地区の果樹農業の当面する問題について説明を聴取いたしました。 本地区の耕地は、平坦部、山間部それぞれ折半した形で分布しておりまして、耕地中の畑地はそのほとんどが果樹園でございまして三百四十ヘクタール、水田は百三十ヘクタールであります。果樹園は桜桃、プラム、カキ、梅などもございまするが、大部分はリンゴと桃でありまして、その反別もおおよそ半々くらいの割合で栽培されております。果実の農協取り扱いは全生産量の九〇%をこしておりまして、組合員は正組合員数四百四十名、準組合員数九十名、合計五百三十名を擁しております。共同選果場は千二百坪の敷地の中に二百九十六坪の作業場、九十六坪の搬入場等を持っておりまして、総処理量はリンゴにおいて百二十万キログラム、桃が百十万キログラムの実績を有しております。選果機につきましては、重量式の最新型機械二台のほか合計六台が設置されております。湯野農協では、スピードスプレーヤーによる防除、あるいは重量選果機等の機械力の高度利用、荷づくり様式の改善、計画出荷等の大量処理方式の五大原則を掲げまして生産性の向上、労力の節減、販路の拡大等をはかっておりまするが、さらに昭和三十七年三月に、地区的農業の振興十カ年計画を立てまして、経営規模の拡大による自立農家の育成、果樹を主体とする構造改善事業、共同経営の確立による企業的経営の確立に向かって努力が進められております。本地区の果樹面積は現在一戸当たり五反歩前後であって、これを十年後には一・五ないし二・五ヘクタールぐらいにまで引き上げる計画でありまするが、そのためには現存する水田百三十ヘクタールのうち三十ヘクタールを果樹園に転換いたしますとともに、百ヘクタール以上の土地を新たに造成し、将来果樹園を四百ヘクタールにまで拡大する計画が進められております。なお、懇談の際明らかにされたことでございまするが、将来経営規模の拡大をはかるための一つの方法として、国有林野の利用によることが望ましいという声が強く、組合長も、現在当局に払い下げを要請しておるが、認可されるまでには相当長期間を要するので、振興計画を円滑に進めるためにも一刻も早くこれを実現されたいという旨を強調しておりました。 次に、県内産果樹を中心とした加工工場の現状を見ますために、伊達町にありまする清水食品株式会社の福島工場を訪問いたしました。この工場は昭和二十八年に、県内産の桃の加工を主体として、農業協同組合との協力のもとに設立されたものでありまして、その存在は農家にとって、安定的拡大生産を続けていく上に非常に有意義であります。ただ、企業にとってみますると、リンゴ、桃等の加工だけでは年間操業が不可能でありまするために、これら中心となる果実の出回り期までのつなぎとして、農家との契約栽培によってアスパラガス、イチゴ、洋ナシ、ナメコなど数多くの種類を組み合わせることによってこれを可能にしている点が注目をされました。 第三には、桑折町にありまする福島県蚕糸販売農協連の製糸工場を視察いたしますとともに、製糸業の実情について説明を聴取いたしました。 この工場は出資金が九千四百五十九万一千円、そのうち養蚕農協がその大部分でありまするが、九千二百三十九万一千円を出資しておりまするほか、伊達蚕種協同組合、県養蚕連等がそれぞれ若干出資しております。会員は百五十七組合で、平市を除いた福島県一円をその地域とし、二万二千戸の養蚕農家が会員になっております。この工場は、会員の生産する繭及び生糸その他副産物の加工販売をその事業としておりまして、昭和四十年度の事業計画によりますると、会員からの原料繭仕入れ分として百六十五万キログラム、生糸製造数量にして四千六百俵が予定されておりまして、この数字は福島県における繭生産数量のおよそ五分の一程度に相当するものであります。 第四に、川俣町の繊維貿易会館を訪問いたしまして、現地の絹織物業界の実情について説明をお聞きしますとともに、現在は数少なくなっておりまするが、本田氏の経営する羽二重等を中心とした絹織物の工場を見学いたしました。 本地方における織物の生産数量は、最近増加の一途をたどっておりまするが、原糸の消費状況を見ますると、生糸及び玉糸の占める割合は次第に減少し、合繊糸の消費は反面著しく増大いたしておりまして、それが織物生産の総量を増加させている原因にもなっているのであります。 業者との懇談会の席におきましても、川俣町における登録されておりまする織物機のうち八〇%は合・化繊維に転換をいたしております。絹織物はわずか二〇%が残っているだけであるというようなことで、その著しい衰退ぶりを示しております。また、昨四十九臨時国会に提案され、衆議院で継続審査になっておりまする蚕糸二法案につきましては、養蚕団体、製糸、絹織物業者から、その成立方について要望がございました。 第五は、吾妻地区の大規模草地改良事業を視察いたしました。 この地域は、いわゆる吾妻磐梯国立公園のスカイ・ライン高湯口から近いところの吾妻町にございまして、福島市並びに吾妻町等の所有にかかる広大な原野、樹林地を開発いたしまして、近代的な放牧地や採草地として整備し、畜産の一大生産基盤を造成しようとするものであります。 本事業につきましては、基本工事は県営、利用施設整備事業、関連事業は吾妻高原牧場組合の団体営として施行されまして、完成後はこの組合が運営にあたることになっております。 事業内容を申し上げますと、実施期間は昭和四十年度から四十三年度までの四カ年継続事業でありまして、総面積が五百七十四・八ヘクタール、総事業費が二億一千四百三十五万一千円であります。 この事業を完成した後におきましては、福島市のほか二カ村の公共用の牧野として、管内約七百五十戸程度の農家の申請に応じまして受託放牧を行ないますほか、管理主体みずからが乳牛の買い取り、育成を行ないまして、余剰乾草とともにこれを管内農家に安く配付する予定になっておるわけであります。経営が安定するのは昭和四十八年ごろと予定されておりますが、その時点での経営目標は、受託放牧として乳牛七百頭、肉牛二百頭、綿羊百頭が予定され、買い取り育成販売では乳牛百頭が、また乾草の販売数壁は八百トンが予定されております。 本事業の完了後の管内における乳牛の飼養頭数は、現在のおよそ千七百頭が約二・五倍となりまするほか、集団的放牧の展示的効果は、停滞ぎみにありますところの県内外の肉牛、綿羊の飼育方式に一指針を提示することになると思われます。 次に、山形県について御報告申し上げます。 まず、米津市役所におきまして一般概況の説明をお聞きいたしました後に、市のはずれに設けられております米澤食肉センターを視察いたしました。 米澤市を中心とする置賜地方は、明治の初めからすでに和牛の肥育を行なっておりまして、米澤牛の名前で、松坂、神戸牛とともに、その肉質のよさは全国に響いているのであります。現在でも飯豊町、川西町等を中心としまして、熱心な飼育者によってその伝統が受け継がれ、肉牛の肥育が行なわれておるのでありまするが、最近の著しく増大する需要に対応するだけの生産が行なえず、大消費地への継続的な供給が困難でありまするために、米澤牛は単に東北地方のみの名柄にとどまっておる傾向が強いのであります。 この米澤食肉センターは、昨年七月に総工費一億二千万円をもって建設されたのでありますが、特色があると思われまする点は、運営にあたって地域全体が活用し、しかも公正な取引が行なわれるようにという配慮から、株式会社置賜畜産公社に業務を委託しておることでありまして、生産者団体がおもな出資者になることによって、生産者が有利に販売できる体制が確立されたことでありましょう。現在公社は、牛及び豚の屠殺、解体、枝肉、精肉並びに剛産物の冷蔵、保管、豚の預託事業等を行なっておりますが、将来は家畜の増殖と有畜農家の安定をはかりまするために、飼料のあっせん、生産牛、肥育牛の貸し付けなどの事業を実施し、地域全体における畜産業発展の中心的な役割りを果たしていくことになっております。 懇談の際話題となりました問題点として、まず、本センターの設置された目的が枝肉出荷にあるにもかかわらず、中央卸売り市場の体制が確守されていないために、個人業者との取引にならざるを得ないということが指摘され、また、豚の預託事業を円滑に行なうためには、枝肉価格の安定が必要不可欠の条件であること、現在のような子牛の供給不足を解消するために、公的機関によるその安定的供給が必要であるというようなことが指摘をされたのであります。 次に、米沢から国道を北上いたしまして、赤湯地方のブドウ園を視察をいたしました。 赤湯地方のブドウ栽培の状況は、面積において県内の二・二%にあたる二百三十一ヘクタール、生産量が県内生産量の一三・四%にあたっておりまして、二千四百三十三トンであります。大地域の特徴は、山梨県等に見られるように、二十度前後の急斜面に栽培されていること、また、近隣に存在する観光地を利用した観光ブドウ園的汗色彩が強いことであります。品種はデラウエアが大部分を占めておりまするし、品質も糖度が十九度前後ですぐれているのでありまするが、立地条件からしてスピードスプレヤー等の機械力の導入を困難にしておりまして、生産性の向上の阻害の条件となっているように思われました。 第三に、新庄市の北に位置しておりまする昭和開拓地を訪れまして、ライスセンター等の近代的な設備を見学いたしまするとともに、現在の営農概況について説明を聴取いたしました。 本開拓地は、開拓の例として非常に成功した一例でございまするが、入植以来今日まで、はかり知れない努力の結果築き上げられたものであります。本開拓地は、水田を主とした昭和地区及び畑作を主とした塩野地区の二つに分かれておりまして、ともに現在農業構造改善事業が進められておりまするが、一月当たりの水田及び普通畑の面積は、新庄市が平均一・五ヘクタールぐらいなのに比較して、現在でも二ヘクタールをこえております。さらに、果樹園、桑園、飼料畑をも加えますと、昭和三十九年末における両開拓地区の一戸当たり耕地面積は、なんと約四・七ヘクタールに及び、今後の目標では、これを約六・五ヘクタールにまで拡大しようというような状況であります。 生産物につきましては、その大部分が米で、現在約千トン以上を生産しておりまして、将来はこれを三千トン以上に増産する予定が立てられております。このほか、牛乳については現在約五百八十トンを生産しておりまするが、さらに百四十ヘクタールに及ぶところの飼料畑と、約三十八ヘクタールの原野からの採草による自給粗飼料の供給を中心とした飼育方法によりまして、約千二百トンの生産が見込まれておるのであります。 以上申し述べてまいりましたように、非常に大きな経営形態にマッチさせるために、約三億五千万円の経費をもって、昭和四十年度から四十二年度の三カ年計画で、近代化施設整備計画が立てられておりまして、本年はその初年度として実行に移されつつあるのであります。 第四に、最上川下流右岸の農業水利事業を視察いたしました。 この事業は、最上川下流右岸の飽海平野の大部分を占めておりまする酒田市ほか三町にわたる七千五百三十・五ヘクタールの広大な水田地帯に対しまして、用排水の改良を行なうことによりまして、水利用の根本的な改善をはかろうとするものであります。従来、この地域は最上川、日向川等の自然河川を水源といたしまして、全耕地の約八八%に相当する六千六百ヘクタールのかんがいを行なっておりまするが、そのほかは、ため池及び地区内排水に依存していたのであります。しかし、最上川は明治初年以来、年々河床の低下を来たしまして、特に近年における河川改修の進展につれてその傾向がはなはだしく、最上川に設けられている五カ所の揚水機と一カ所の自然取水施設は、年とともに機能の低下を来たし、さらに揚水機の老朽化による機能の低下は、施設当時のおよそ二〇%に低下している実情であります。このような状況にかんがみまして、水量の豊富な最上川の水源を求め、その上流の最上郡戸沢村草薙温泉の対岸に取水口を設けまして、自然取水を行ない、幹線水路の新設、改修を行なうことによりまして、受益地域に導水かんがいし、用水改良を行ないますとともに、排水路についても改良を行ない、もって農業用水の効果的利用と耕作の便をはかり、また、一部地域には客土をあわせ行なうことによりまして地力を増進させ、生産基盤である土地と水の根本的改善をはかろうとするものであります。この事業は、国営のほか県営、団体営事業も並行されておりまして、事業費は総額約八十三億、五千万円にのぼるものであります。 本事業の効用につきましては、水稲の反収は三千トン程度の増収を見込まれているほか、営農労力、維持管理費の節約等によりまして、純益額は約四億九千万円にのぼると予想されております。なお、工事事務所での説明会の際、受益地の農民により組織されております最上川下流右岸土地改良区連合会の代表者から、国営農業水利事業の地元負担金を軽減してもらいたいという旨の陳情がございました。 第五に、酒田市にまいりまして、法人組織による協業経営の現状について、関係者と懇談の機会を持ちました。 山形県における農事組合法人は、昭和四十年八月現在で七十八法人でございますが、水稲の部門協業が圧倒的に多く、五十一の経営体を数えております。懇談会は、遊佐町蕨岡地区内の農事組合法人について行なわれたのでございますが、この地域は、純然たる米の単作地帯であります。従来からこの地域の農民は進歩的な考えを持っておりまして、個別経営における労力の行き詰まり、またはその打開のための機械化による過剰投資を予測しまして、作業の共同化、事業規模等について検討が進められてきた、いわば企業的農業の先進地ともいえる地域であります。共同化に踏み切った端緒は、四年前に行なわれました田植えの共同作業でありまして、この経験の中から共同化の有利なことをお互いに確認し、法人組織の設立にまで発展したとのことでございました。 本地区における農事組合法人は、現在六法人が設立されておりまして、そのうち五法人までが米作のみの部門協業でありますが、将来の方向としては、経営が軌道に乗るに従い、畜産部門をもとり入れ、順次経営を拡大してゆく方針が立てられております。各法人の事務所は農協に置かれ、運転資金はすべて農協から融資されております等、農協がこれら法人の経営育成指導にあたっておりまして、このことが法人経営をスムーズに運んでいる原動力の一つになっているように感ぜられました。 協業経営については、耕地か無償貸与となっておりますため、その規模に見合った配当を行なうことが法的に制約されている、また管理手当等を報酬とみるというようなことは、法人の運営上支障を来たす等が問題点として指摘をされたのであります。 最後に、酒田港を諮問し、農林水産物の貿易に関する問題について説明をお聞きをしますとともに、港の設備を視察いたしました。 酒田港における貨物の取り扱い数量は、年々増加の一途をたどっているのでありますが、農林水産物の中では特に木材の輸入量の増加が著るしいのでありまして、昭和三十三年当時は八千二百十九立方メートルにすぎませんでしたが、三十九年には約十二万五千立方メートルに及んでおります。さらに四十年には十八万七千五百立方メートルが見込まれておるのでありまして、受け入れ施設も年々その拡張がはかられている状況であります。 しかしながら、酒田港の植物防疫業務というものについては、貿易量の増大に伴い検疫実績がウナギのぼりに上昇しているのにもかかわらず、植物防疫所が設置されておりません。外材が輸入されるつど、新潟から担当官が出張して検疫業務にあたっているというようなことでございました。実際、最近では、膨大な輸入量のために検疫が円滑に行なわれず、したがって、港湾機能上著しい障害になっていることがうかがえたのであり化す。この問題に関しましては、県及び酒田市当日から昭和四十一年度中にぜひ酒田港にも植物防疫出張所を設置してもらいたいという切実な要望がございました。 以上をもちまして、第三班の調査結果の報告も終わりまするが、なお、福島県養蚕連等から陳情をいただきましたが、これを会議録にとどめたいと存じますので、御了承をお願いしたいと思います。
○委員長(仲原善一君) ありがとうございました。 次に、第三班の報告を願います。渡辺君。
○渡辺勘吉君 第三班の調査結果を報告いたします。 第三班は、仲原委員長、青田委員及び私の三名をもって編成され、それに星野調査員が同行し、八月十七日から同二十二日まで六日間にわたりまして、左記の調査目的をもって、鳥取及び兵庫の順で両県へ行ってまいりました。すなわち、農林漁業の実情、特に酪農、肉牛、養鶏並びに鳥取県における果樹農業と兵庫県における都市近郊農業その他についてであります。 鳥取県における日程は、境港市、県営大山放牧場、県立種畜場、東伯郡赤碕町安田地区と八頭群河原町の構造改善事業、赤碕町果実協同組合と東郷町果実協同組合の共同選果場、東伯町伯耆酪農協同組合、北条町砂丘畑地と湖山砂丘畑地のかんがい事業及び鳥取大学砂丘利用研究施設等について調査をいたしました。 まず、境港市において、本児の漁業について要望を聞きましたが、すでに本委員会に対する陳情等で御承知でありますから、ここでは省略いたします。 次いで、県営大山放牧場については、ここの主目的は和牛の予約飼育でありますが、特に優良和牛の確保、牛の繁殖障害対策、牧草の肥培管理等についてもきわめて熱心に研究されております。しかし、わずか九名の人員で、しかも広い地域にわたる管理等、運営はまことに容易ではなく、和牛の振興上種々の問題を提起しております。 すなわち、国の基本的和牛対策の確立を急ぐ必要がある。 県の和牛センターとしての性格にかんがみ、簡易放牧施設等に対しても国は補助する必要があろう。 産肉能力の検定機構を整備する必要がある。 和牛は経済性が低いから、国は大規模草地の維持管理、畜舎、人員の拡充等に対する県及び地元負担分を軽減する必要がある。 和牛の取引の厳正化と成畜の共同出荷の指導と、その流通対策の確立等でありまして、種畜場の場合においても同様であります。 赤碕町安田地区の改善事業は水田、畑百六十六町で、酪農と米を基幹作目としております。施設はライスセンター一棟、コンバイン二台、トラクター六台という一連の体系を確立して、稲作、飼料作の省力化及び労力配分の適正化をはかろうとするものであります。 また、河原町の改善事業については、カキを基幹作目として植栽面積は約三十八町、参加戸数は同地域の小倉果樹生産組合、その他の計三十三戸であります。現況は正しく開拓方式とおぼしきほどに山の中腹に農道をつくり、等高線に沿い、カキの苗木を植栽してありまして、今後、立地的にも注目すべき事業であると思います。 両地区での要望及び問題点として、前者の基盤整備事業については、総事業量のうち、構造改善事業と一般土地改良事業とにおいて、それぞれ補助率が異なるが、この点今後検討すること。 事業実施中、飼料作の水田裏作は不可能であるから、乳牛飼育に支障をきたす。水田酪農地帯では一年間の事業計画を検討する要がある。 それから近代化施設事業についてでありますが、基盤整備事業と近代化事業との同時実施は当面必要としない投資をすることとなり、二重の負担である。実施期間の三年間は検討の要がある。 外国産コンバインは実情にそわず、使用していない。したがって、これと一連の機能を持つ乾燥機も十分に活用されず、宝の持ちぐされとなっている。コンバインは日本の稲作に適用する能力的なものの実用化が望ましい。 ライスセンターのような一貫作業体系はよいとしても、農家がすでに購入している耕うん機、自動脱穀機の処理をどうするか。 この事業を促進するにあたり、部門協業経営を組織せねばならないが、用地の取りまとめ、管理等組織単位について指導が望ましい。 また、後者の河原町の構造改善事業については、カキの経済効果を上げるまで数年を要するが、事業実施とともに、防除施設も同町に完了せねばならず、現時点では余分の投資となる。 植栽したカキの苗木は約二万五千本植栽したといわれるが、一本二百円もしたものもあり、今後、苗木価格安定について指導が望ましい。 立地的に肥培管理上、生産資材の搬入施設の設置、土壊流出防止対策等につき、国は特段の配慮が必要ではないか、等であります。 次に、赤碕町果実協同組合の共同選果場は、最近、約六千万円の経費で設立されたもので、選果機三セットを主軸に運営されております。選果能力は、以前は一人当り一日八ケースで総員六百名を要したが、今日では、一日二十ケース、総員四百名でこと足りるといわれております。労力不足の今日、この施設の完成により所期の目的は十分達せられております。ここでは、工事費六千万円のうち四五%の補助率を五〇%にしてもらいたいとの強い要望がありました。 東郷町果実協同組合の共同選果場については、昭和三十五年に約二千六百万円で共選場を設置し、同三十九年に約二千百万円で機械施設を増設したもので、能力は前記赤碕の共選場とほとんど同一といわれておりますが、施設は東洋一を誇り、県内化産のナシの一〇%を取り扱っております。 ここで特に申し上げたいことは、二十世紀の一個当たりの生産者価格は約十円、このうち必要経費は五円であるという。したがって、生産者の純所得は五円である。これが一般小売価格は五十円で売られるが、生産者にも消費者にも納得のいく流通及び価格対策の確立が望ましいということであります。 この組合では、市況発表後、清算をすみやかにすることに努力している。そこで、こうした一連のシステムを確立するための試験的措置として、国は電子計算機等を貸与するか、あるいは購入にあたっては助成してもよいのではないか、等であります。 伯耆者酪農協同組合は、資本金二億一千万円、会員千九百名で総数約四千五百頭の生産乳を取り扱っております。乳価は本年六月から一升当り七十一円で、乳価取引は良好であり、かつ、組合の経営もまたきわめて安定しておるようであります。 この組合からは、乳質検査は原則として国でやるべきであって、実務は県に委託してはどうか。 購入飼料の流通については、取り扱い全国団体は実情をよく研究する要がある。 酪農組合のような専門農協にも信用事業ができるようにすること。 いわゆる乳牛育成牧場の設置規準を地方の実情に則するようにしてもらいたい。 原料乳不足払法成立の際の当委員会の附帯決議の趣旨を法の運用面に生かされるようにしてもらいたい、等の要望がありました。 続いて、北条町砂丘畑地と湖山砂丘畑地のかんがい事業について申し上げます。 鳥取県における砂丘地帯の農業は、かつては水の不足から過重の労力を強いられ、「嫁殺し」の異名までつけられたほど恵まれないものでしたが、海岸砂地地帯農業臨時措置法制定前後に、砂丘地帯にかんがい中業実施の気運が醸成され、北条町砂丘畑地かんがい事業は、この法律施行一年前に着手されたものであります。この地区は、北条、大栄二町にまたがり、砂丘地六百十五町のうち、上流部三百三十四町はホースかんがい、下流部二百八十一町はスプリンクラーによる仕組みであります。用水は天神川河口から延長九千メートルの大幹線用水路等によって送水されております。 今後解決すべき問題点として、本年のような長雨のあったときは砂地でも排水が悪く、改良の要がある。 ブドウ畑の地力の増進対策を立てることと、今日の労力不足と、たばこの大幅な増反の傾向にかんがみ、小規模なブドウ作の経済効果は検討する要がある等があげられます。 湖山砂丘畑地かんがい事業は、法律制定後最初のものであって、昭和二十八年着工、同三十五年完成、総額一億五千万円、管理者は湖東大浜土地改良区で、受益面積は二百二十六町、参加人員は六百六十名となっております。 問題点と要望は、工事完了後五年になるが、まだ区画整理ができていない。 移動式スプリンクラーまたはホースを固定管にかえているが、今後の計画には、最末端まで定置配管とし、かつこれを補助対象とすること。 非補助事業の貸し付け条件のうち、利率五分を三分五厘に、償還期間十五年を三十五年にすること。 県有の施設は、償還次第改良区のものにしてもらいたい等であります。 最後に、鳥取大学砂丘利用研究施設は、今日では、不毛地、乾燥地、砂地地帯の開発研究の拠点として有名であって、今後の抱負の一端として、砂地地帯の研究が進み、沿岸漁民の生活設計に役立てたい。日本のチューリップなどの品種改良をして、米との裏作で構造改善事業をしてはどうか等が述べられました。 なお、この間、県庁を訪れました際、同県知事から、農林水産業生産基盤の整備対策等についての要望を受けました。この詳細については、別途会議録にとどめたいと存じますから、何とぞ御了承いただきます。 以上で鳥取県における日程を終わりました。 次に、兵庫県における日程を申し上げます。 豊岡市のいもち病等による被害状況、山東町柴田、正雄氏経営の若齢牛肥育所、兵庫県立種畜場、姫路市にある石見観光牧場、加西町桑原田地区の県単独事業による近代化パイロットファーム、稲美町の赤松農園と明石市藤江の勝野農園の都市近郊農業等を調査いたしました。 まず、豊岡市のいもち病の被害は千町に及び、農薬の空中散布は六日間でヘリコプター十機をチャーターするなど、これらの防除には、事前事後にわたり万全の策を実施していました。県の対策本部では、防除のみが最良の方策であるとの一大方針のもとに、農薬の購入については早期に約三億五千万円を支出し、すでに切除を完了した面積も、平時予定の一万五千ヘクタールを上回り、二万九千ヘクタールに達しているのであります。この事実から見て、豊岡市はもちろんのこと、兵庫県における稲作の病虫害対策費は相当な額に達しています。国においては、災害対策の見地から十分な助成措置をとられますようお願いいたします。 次に、前記柴田氏経営の若齢牛肥育所、県立種畜場及び石見観光牧場等における調査の結果を申し上げます。 この若齢牛肥育所の施設は、いわゆる円形牛舎が二棟あり、一棟当たり、飼料の給与箱を中心に約十頭の肥育牛が肥育され、管理はきわめて合理的と思われます。経営は、生後五−六カ月の子牛を一年間肥育し、その間一日当たりの体重増は平均六百六十三グラムであるといわれ、三十九年に約二十万円の純益をあげています。 次に、県立種畜場では、その主要業務は、種畜等の改良繁殖、畜産に関する試験研究及び能力検査等を行なうこととなっているのでありますが、限られた人員、施設、種畜頭数をもってこの業務の完遂を期することはなかなか容易なことではなく、特に和牛の振興が強く叫ばれている今日、これらの施設等をもって和牛の改良増殖などは思いも及ばないのではないかと憂うるのであります。さきの鳥取県における状況ともあわせ考えて、要望その他として、国は、和牛の根本対策をすみやかに確立することが先決である。 山陰、但馬方面の和牛の伝統を生かす意味からも、国は和牛の優良種の確保、品種の改良などのため、試験研究機関を拡充強化し、余裕ある種畜頭数を確保できる体制にする等思い切った財政的措置を講ずること。 和牛等の流通機構の整備と成畜及び子牛の取引価格対策の早期確立。 食肉の公正な取引と食肉センター早期設置。 地域性等を考慮に入れて、新分野を開拓するため、各種畜場に独自の意欲的斬新的計画性を持たせ、これが実施にあたり十分なる援助をすること。 和牛登録機関の拡充強化と能率化をはかるための国の援助等であります。 石見観光牧場においては、文字どおり立地的に酪農を主とし、観光を兼ねております。規模は面積七十町、成畜は乳牛九十頭を主とし、コイ、フナ等の養魚地をも併置し、従業員十四名をもって経営されております。雇用の人的関係から、飼料畑の土地改良を行ない、自給飼料の生産性を高める必要がある。 乳牛の泌乳能力と観光客の与える騒音などとの関係。 ここで生産される牛乳の脂肪率は三%であるといわれる。これを三・二%まで上げることは容易ではない。要するところ、乳牛の個体別の能力の把握の仕方に従業員の感情的要素が入るのではないか等経営上の問題があるように思われます。 続いて、桑原田地区の近代化パイロットファームについては、これは昭和三十六年度に兵庫県の重要施策の一つとしての単独事業であります。その構想も桑原田の自然的、経済的、社会的条件に合うように修正され、農家七十五戸で三つの農事組合を組織しています。規模は水田五十町、畑五町、ブドウ十七町、飼料畑二十六町、乳牛百十五頭、畜舎三棟、果樹の防除施設、トラクター等農業用機械類とその倉庫一棟等であります。ここでは、経営上特に目のつくのは、今後の労力不足に対処して米づくりを主とし、最近、直播方式を取り入れ、好成績をあげているが、酪農と果樹との労働力配分に特に意を用いているようであります。ここでの問題点及び要望は、現在、大型機械があるが、現状に沿わない。 事業費のうち自己負担分の取りきめは容易でなかったようであるから、今後の協業方式には十分なる指導が必要である。 大事業であったから、結実までの期間中生活の保障の一部として、国からの金融等援助がほしい等であります。 最後に、都市近郊農業について申し上げます。 赤松農園は、フレームによる温室栽培で、作目はカーネーション、バラ、観賞用植物などで、植えつけ面積は計二千百坪であって、施設はかなり近代化されております。経営は、付近に好適な市場があるためか、花卉の販売は農協に委託して即金入手という経営はきわめて良好であります。今後、組合員三十名をもって花卉組合をつくり、昭和四十年から同四十二年にわたり、規模八千坪で構造改善事業を始めたいとの意図を持っております。 勝野農園は、規模三百坪のフレーム式による主としてトマトの礫耕栽培をしており、年三作で粗収入約六十万円で、必要経費は一作につき五万円であるから純益は四十五万円となるわけであります。 以上、花卉栽培については、立地的に市場に恵まれているが、労力不足に困っている。 花卉の新需要を開拓するため農業試験場と提携して研究しているが、経費は不足で十分な成果は得られない。品種の改良についても同じである。 礫耕栽培については、管理上疫病の発生に十分な注意が必要で、高度な技術を要する。 この施設は近代化資金の融資を受けているが、利子の引き下げ等改善すべき点及び要望がありました。 以上をもって両県の調査報告を終わります。関係機関から提出された陳情等は速記録にとどめるように取り扱いをお願いして、報告を終わります。
○委員長(仲原善一君) ありがとうございました。 なお、関係当局から提出されました陳情書の内容を会議録に掲載するようにという各班からの要望がございましたが、これを会議録の末尾に掲載することについて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 以上をもちまして、第四十九国会閉会中における委員派遣の報告は全部終了いたしました。 —————————————
○委員長(仲原善一君) 次に、農業災害等に関する件を議題といたします。 まず、農林当局から、被害状況の報告をお願いいたします。
○説明員(大口駿一君) 今般の二十三、二十四、二十五号台風と連続して日本に来襲をしてまいりまして、農林省といたしましては、統計調査部におきまして、台風二十三号来襲直後に被害調査等に着手をいたしておったのでありまするが、その後、調査の完了前に次々と台風が米襲いたしましたために、現在の段階におきましては、これらすべての台風のそれぞれの被害を台風別に区別することが非常に困難な地域がほとんど大部分であるということでございまするので、結果的にはこれらの台風の主として農作物に対する被害並びに施設に対する被害につきましても、一括をした形で調査を目下進めておる段階でございます。もちろん今回の台風が、きわめてその規模並びに被害の程度等が非常に大きいことにかんがみまして、速急に種々の災害対策を講ずる必要がある、なかんづく天災融資法の発動でありまするとか、激甚法の指定等につきましては、すべて被害調査の結果によって一定の基準に当てはめて指定をするというのが従来の例になっておりまするので、この意味からも、被害調査の早急なる取りまとめが要請されておるわけでありまするが、ただいま申し上げましたような実情にございまするので、目下鋭意末端の調査を督励中でございまして、大体今月のおそくとも十日以前には全般的な被害の確定数字がまとまる見通しを現在持っておりまするので、その結果を待ちまして、いろいろな被害調査の確定後に取り得る措置というものは発動をいたしたい。もちろんこれらの調査の結果を待つまでもなく、今回の災害につきましては、とりあえず食糧その他の応急措置を講じますとともに、内閣に設けられました災害対策本部と密接な連絡をとりまして、それぞれ被害地に対する視察団の派遣あるいは担当官の派遣による実情調査等に目下つとめておる最中でございます。 数字その他がまだまとまっておりませんので、ごく抽象的な御報告にとどまらざるを得ないわけでございまするが、目下今次の災害に対して農林省としてとっておりまする措置の概要につきまして御報告を申し上げる次第でございます。
○委員長(仲原善一君) それでは質疑に入ります。 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○渡辺勘吉君 十日までに調査結果が出るということでありますが、おそらくこの報告が出る間にまた被害がこないともわからない。私、きょう伺うのは、いままでで一応確認された経過的な実態というものはどういうものか。本委員会もこれは農業災害には至大な関係のある委員会でありますから、もう少し具体的なデータをもって報告をしてもらいたい。
○説明員(大口駿一君) 農林省の調査がまとまる時期等につきまして、ただいま申し上げたとおりでございまするが、各被害を受けました都道府県から報告のありました被害額というものは取りまとめておりまするので、それについて、おもなる項目について御説明を申し上げたいと思います。 これはただいま申し上げましたように、県におきましても二十三号、二十四号とは区別をされておらないところが多いのでありまするので、そのような事情から両者を一括をして申し上げることにさせていただきたいと思います。 まず、農業の施設関係でございます。この内訳は、もし必要があれば後ほど申し上げるつもりでございまするが、まず、一括をいたしまして、施設関係の被害額が、県から報告がありました金額が二百五十五億四千十三万五千円という金額になっております。 それから次に農産物——農林水産物を一括をいたしておりまするが、農産物の被害額が、金額にいたしまして八百二十億八百十七万七千円、こういうふうになっておるのでございます。 これらの被害の報告のありました道府県はほとんど全国の諸県にわたっておるわけでありまして、特に台風の進路にあたりました諸県においては、当然その被害の程度が激しいわけでありまするが、二十三号、三十四母、それぞれ台風の進路が違っておりまするので、結果的にはほとんどの、日本の全国の都道府県が大なり小なりの被害を受けたという報告があったのでありまして、ただいま申し上げました数字は、これらの都道府県の報告の数字を一応全部集計をいたした数字でございます。
○渡辺勘吉君 いまの施設のさらに大きいワクの内訳と、それから各県から報告したものですから、農林水産物の大きい作物別の内訳をちょっと関連して説明していただきたい。
○説明員(大口駿一君) 施設関係を順を迫って内訳を申し上げたいと思います。順序は必ずしも金額の大小の順序になっておりませんので、その点御了承いただきたいと思いますが、まず、漁港関係十七億八千八百万円、治山施設一億六千九百万円、海岸五億九千六百万円、これらを合わせまして小計として二十五億五千四百万円、農地二十七億五千九百万円、農業用施設六十九億五千九百万円、林道十二億五百万円、これら農地、農業用施設、林道、合わせまして百九億二千四百万円、端数が違いますので合計があるいは合わないかもしれませんが、百万円以下を切って申し上げております。共同利用施設四億四千万円、開拓者施設一億九千万円、水産動植物の養殖施設二億九千二百万円、それから漁船二億二千四百万円、漁具二億八千三百万円、崩壊林地六十億五千二百万円、林産施設七千五百万円、非共同利用施設三十一億四千百万円、果樹だな七千二百万円、国有林十二億八千七百万円、それらを全部通計をいたしまして、先ほど申し上げました二百五十五億四千万円。 それから次に農林水産物の作物別の内訳を申し上げますと、水陸稲四百七十九億三百万円、野菜九十一億六千二百万円、果樹百五十億四千九百万円、その他七十四億、五千二百万円、これが農作物でありまして、次が家畜等六億七千二百万円、林産物八億三千二百万円、造林三千四百万円、水産物九億百万円、そういう内訳でございます。
○渡辺勘吉君 これらはいつの時点での集計ですか。
○説明員(大口駿一君) 九月二十日現在であります。
○渡辺勘吉君 いずれ本院の災害対策委員会からも現地調査をして、まだ結果が判明しない関係もありますから、私は、ここで最終的な数字は出ないことは当然であり、そういう過程でもいろいろ問題をお尋ねをいたしたいのでありますが、単に今回の二十三号、四号等の台風被害ばかりではなくて、ことしは春先から異常気象に見舞われて、さらにこういう台風被害が累積をしておるということでありまして、非常にこれは重大な被害が農林関係だけでもあることは、ただいま中間報告にも出ておるとおりだと思うのであります。それで、この被害に対して政府では先月十七日に対策本部も設置をされて、強力に対策を推進しておると思うのですが、この対策本部が十七日に発足をして、建設大臣が委員長となって、それから今日までどういう暫定的な措置がとられたか、これをひとつ伺います。
○説明員(大口駿一君) 本年の異常気象に備えまして、農林省といたしましては、本年の春にいち早く災害対策本部を設けたのでありますが、今回の台風二十三、二十四、二十五号に対する対策につきましては、先ほど申し上げました総理府に災害対策本部が設けられまして、応急な措置を講じておるわけでございます。もちろん農林省といたしましても今回の台風に対する対策といたしましては、総理府の災害対策本部と連携をとりつつ、種々の農林関係の対策を講じておる次第でございまするが、とりあえず農林関係について、従来とりました対策を御説明をいたしたいと思います。 まず第一には、応急食料の補給といたしまして、特に災害の激甚でありました兵庫、福井、岐阜、奈良その他四国、近畿の各諸県に対しまして、精米並びに乾パンの応急食料の補給をとりましたのが第一点でございます。 次に、第二点といたしましては、とりあえず災害農家の復旧作業に早期着手をするという見地から、各金融機関に対しましてつなぎ融資を出すように指示をいたしますとともに、従前すでに金融を受けておりまする農業者が再び災害を受けました場合には、それらの償還に非常に配慮を加える必要がありますので、冬金融機関に対しまして農林経済局長名をもって通達を出しまして、償還についての条件緩和に適切な措置を講ずるようにという措置を講じたのでございます。 次は、第三点といたしましては、被害の農作物に対する農業共済の概算払いでございまするが、これは従来とも災害のつど行なっておるわけでありまするが、今回も従来の例にならいまして、被害の激しかった地方に対しまして共済金の仮渡し並びに再保険金の概算払い等についての指導通達を出して末端の措置に遺憾のないような措置を講じた次第でございます。 次に、第四点といたしまして、米に関する措置といたしまして、今回の災害に伴いまして、米の品質が例年よりも被害地においては低いことが予想されまするので、事前売り渡し申し込み制度によって、すでに申し込みの予約をしておりまする数量を、品位の低い米でも充当できるということのために、等外上の玄米並びに規格外の玄米の政府買い入れの措置を告示をもって示したのでありまして、等外上玄米につきましては九月十一日付、規格外玄米につきましては九月三十四日付に、それぞれ農林大臣の告示をもって全国的にお示しをいたしたのでございます。 それから、災害対策とは必ずしも直接の関連があるいは薄いかとも思いますが、今回の災害の前後、ことに災害後においての雨天等によりまして、災害地並びにその他の地域において、米の出荷時期に災害し、乾燥、調整にひまどっておるということを考慮いたしまして、端境期の操作のためにつけております時期別格差の第一期の期限を三日間延長の措置を一部の県についてとったのでございます。 次は、漁船関係でありまするが、漁船保険金の早期支払いにつきましても、組合が手持ち資金によって被災の水産業者に保険金の概算払いができるように特に指導をいたした次第でございます。 これらが主として現在までに応急にとりました措置でございまするが、先ほど申し上げましたように、施設災害等につきましては、早急に被害の査定等を進める必要がありまするので、各地方農政局を督励をいたしまして、早期の査定の開始というものを指導いたしまするとともに、中央からも査定官の派遣等の措置を講じまして、これらの措置に遺憾のないようにしておる次第でございます。
○渡辺勘吉君 時間が十分ありませんので、これらの応急措置についても、もう少し具体的にいまの報告については伺いたいのでありますが、いずれこれは、あらためて、大臣の御出席を得て、この中にも触れたいと思いますので、いまはいろいろさしあたりのことを伺いたいのであります。 第一は、こういうほとんどかつてなかったような災害であり、しかも一昨日、昨日はさらにまた北海道等においては霜の害等が発生しておる容易ならざる事態で、農民は不安の中におののいておる実態であります。したがって、たとえばそれらの被害が刻々と累増する時点において、さらに全体を配慮することはもとよりでありますが、何としても、たとえば現行法でやれる、災害激甚法の指定とか、そういうものはもうすぐ発動してしかるべきものだと思うのですが、そういう点は一体いつごろ指定をされる見込みなのか。
○説明員(大口駿一君) 天災融資法の発動並びに激甚法の各条文の災害指定につきましては、まず、今次の台風そのものが激甚法の対象になる台風であるということは、これは当然だと思いまするが、個々の地域を指定をいたしまする形で発動いたしまする条文につきましては、先ほど申し上げました農作物につきましては、大体おそくとも十日に集計がまとまりまする統計調査部の被害額の確定を待ちました上で、直ちに政令をもって措置がとられる予定でございます。
○渡辺勘吉君 大体いつごろになりますか。
○説明員(大口駿一君) 災害対策本部といたしましても、今回の災害の規模、程度等にかんがみまして、早期指定というたてまえで進んでおりまするので、私は被害の確定後きわめて短い期間をもって手続がとり進められるものというふうに期待をいたしておりますし、われわれもまたそのように努力をいたしたいと考えております。
○渡辺勘吉君 こまかい話に入りましたが、その前に私、政務次官に一言伺いたいのは、これらの災害に対して、これは明らかに補正予算を組まなきゃならない大きな問題だと思うのですが、補正予算はいつごろ国会へ提出されるお見込みなのか、その点を伺っておきたい。
○説明員(後藤義隆君) 補正予算はいつごろ提出するかということでありますが、さしあたりは予備費でまかなってまいりまして、補正予算を提出する期日とかいうようなものはまだはっきり申し上げかねますが、
○渡辺勘吉君 それではそのことは後ほどにしまして、先ほど施設について現地に査定官を派遣して査定をしておるということですが、これはいつごろまでに全体の査定が終わりますか。
○説明員(大口駿一君) 農作物の被害は統計調査部でやっておりまして、先ほど申し上げましたような期日でまとまると思いまするが、施設の査定の完了というのは、これは今回の災害の規模並びに程度からいたしまして、もちろん督励もし、急いでやらしてはおりまするが、私の率直な感じは、相当な期間がかかるのではないか。一例を申し上げますと、この間私も大臣のお供で兵庫県に行ってまいりましたときに、ため池の数だけでも数万あるということで、その中で被害を受けたため池の数だけでも相当な数になっておりまするので、これらの査定を全部完了するということを考えましただけでも相当な激甚地においては査定が全部済むのは町間がかかるのではないか。したがって、やはり査定にあたりましては、特に急ぐものと急がないものというと、ことばがあるいは適当ではないかもしれませんが、やはりできるだけ緩急順序を考えて能率的にやってまいらざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○渡辺勘吉君 災害の施設の復旧で急ぐものと、急がないものなんというものは、これはほとんどないと思うのですが、それで、とにかくこれは急速にやらぬと、再びもう災害が同じ地域に次々と来ておるのですね。こういうものを根本的にやはり復旧していくためには早期に手を打たなければならぬ。しかもこれは単に原形復旧の災害復旧じゃいかぬので、これは従来もわれわれは常に国会で政府に要望しておることですが、これは改良復旧でなきやならぬ。そういう点についても、これはこの際抜本的にやはり従来の姿勢を改めて——まあ改良復旧であるとは言いますけれども、従来の答弁も、実態は原形復旧主義を固執しておる。あくまでもこれは改良復旧ということで、この機会に従来の懸案を解決する。そして、なかなか時間がかかるといういま官房長の答弁でありますけれども、現地はそんなゆうちょうなことは待っておられぬような焦燥感があるわけですね。これはまあ大きな政治の姿勢でもあると思うのです。この不安におののく国民というものを、一日も早く安定感に持っていくというのはわれわれの責任でなければならぬ。この点は、もう少し政府でも総力をあげてこれに当たるという姿勢が、ぼくはどうも現地におっても欠けておるのではないかという感じがしますが、このかまえ方は、私が先ほど伺いましたように、たとえば、あすから召集される臨時国会でも、この重大な災害というものに対してすみやかに補正予算を提出して、その措置を迅速果敢にとるという措置が要ると思うのですが、そういう点については積極的に取っ組んでおるということには見受けられない。その点はどうなんです。
○説明員(大口駿一君) 災害がいつごろ完了するかという御質問に対しまして、私が少し正直に申し上げ過ぎたので、どうも必ずしも今回の災害に対する姿勢なり熱意が十分じゃないんではないかという御注意をいただいたような次第でございまするが、急ぐものと急がないものというのは、ことばが必ずしも適当でなかったと思いまするが、早くやらないと、そのすぐ次に災害がきたときに、また同じようなことが繰り返されるようなところというのを、たとえて申しますれば非常に急ぐところというような炭坑で私は申し上げたつもりでございます。もちろん、政府といたしましても、また農林省といたしましても、明日からの臨時国会におきまして、最も大きな問題の一つとしてこの災害対策を考えておるような次第でございまして、また災害の早期完了の努力につきましても、各県におきましても、たとえば被害のそれほど大きくなかった県から否定官を被害の大きかった県に応援に派遣をいたしておるとか、そういうようなお話し合いについては、各農林省の地方農政局あたりが間に立っていろいろお世話しておるというふうな実態も各地に見られておりますような状況でございまして、総力をあげて早期査定完了ということについてはもちろん努力をいたしておるつもりでございます。
○渡辺勘吉君 どうも抽象論ではぴったりきませんから、私は一つの具体的な事例を申し上げますが、実は三十八年の水害で、私は当時の災害特別委員会で、ここにおられる北條先生と一緒に北海道へ行ったのですが、そのときに、石狩川の支流の千歳川に通ずる排水路が数本ありますけれども、一たん大雨があればこの千歳川が逆流をして、あの沿岸地帯は瞬時にして水没をしてしまう、水田が。そういうことで、すみやかにこの排水事業を促進しなければならないということは、現地におけるこれは調査の課題であったわけであります。ところが、ことしは、この排水事業についても、農林省としては六千万の予算はついているけれども、肝心な今度は河川法の施行令等がまだ出ていないためにこの事業が宙に浮いている、こういう事態があって、当時その調査をした関係で、私のところにもそういう陳情がきておる例もあるわけであります。長沼町のごときはもう水田が全部陥没をしておるというような事態があちらこちらにあるんじゃないかと思うのです。そういう点からいっても、従来のそういう問題すら解決できないのに、今度の大きなこういう農業関係の施設が水害で被害を受けた場合には、よほどこの点については積極的な施策を講じていかぬとたいへんな事態に放置されるということが問題になると思うのであります。で、いずれこれは災害対策委員会でももっと基本的に取り上げてお尋ねをすることにいたしまして、私は当面の問題に関連をして伺いたいのでありますが、いま官房長が言いましたように、激甚災害法もなかなか早急には指定にならないようだ。また天災融資法も同様であるというけれども、この天災融資法というレディメードの法律がどれだけ一体被害農家に対してプラスになるのかということを、ひとつこの機会に政府の考え方をお尋ねをしたいのであります。いままで累次の災害を受けた農家にとっては、この天災融資法の対象になったところで、何らこれは救済の手段になっていないという実態のわけです。融資条件もあまり魅力がない。あるいは金利なり、あるいは融資期限なり限度額なり、二十万円のワクであるいはその期限がわずか六年でというようなことでは、とてもこの災害の農家に対応する施策とは言えない。しかしながら、いまこの災害を政府に認知してもらう手段の一つとして、天災融資法の指定を受ければ、関連する税の軽減免等その他の施策も地方自給体からとれるから、それで判こ押したように天災融資法の指定を早く受けてくれというのが実態でありますけれども、被害農家としては、いまのような天災融資法の条件では魅力にも何にもならない。作物が被害を受けたその被害農家にいかなる条件であってもこれを融資をするということは、これは根本からして災害の基本的な姿勢ではないと思う。そういう基本的な問題は別としましても、いまあるこういう天災融資法をもう少し十分に活用できるような内容に、この機会に政府にもこれを考えてもらう必要があると思う。これは単に私個人の意見ではなしに、この点については全国町村会長も決議をして、われわれ国会議員にも陳情しておる。私はあたりまえな常識を政府に尋ねるわけです。そういう意図が一体あるのかないのか。たとえば、いまこういうような天災融資法の対象を受ければ、一応自作農維持資金等のワクが多少拡大して配分になるというような関連で、まあとにもかくにも天災融資法を、あるいは災害激甚法というものをにしきの御旗にして、早く指定してもらいたいという要望が実際にはあるわけでありますけれども、なかなかこの自作農維持資金にしても、農家は比較してこのほうがより有利な条件だからこれに飛びついてくるものの、ほんとうにこういう災害農家に対する融資としてはこれでも条件がきびしすぎると思うのです。この点についてはもう少し、せめて天災融資法の融資条件というものを自作農維持資金ぐらいの条件に直すことは、これはやってやれないことはないと思うのです。そういう一つの前向きな方向で、今度の災害を機に、今度の臨時国会なり次の通常国会に法律の改正を政府が出すというような措置があってしかるべきだと思うのですが、そうでないと、実際これらは、現実にこれらの指定を受けても農家が借りられないというのが、従来も借金で首が回らなかったのに、こういう天災融資法による資金の融資は受けかねて消化が完全にできないという実態にある。ですから、こういう見せかけの実態というものを考えますと、私は少なくともこれらの条件というものを実情に合うように改正してしかるべきものだと思うのです。これに関連して災害激甚法の条件も同様であります。そういう措置については、政府は一体いかようにお考えになっておるか。これはいずれ私は農業共済のところでも伺うのでありますが、三十八年の六月に、この委員会で私が当時の大谷農林政務次官にお尋ねした中に、農業基本法の趣旨に体してもその必要があれば天災融資法についても考えるということを言うておるし、また、斎藤大藤政務次官も去年の三月の災害対策特別委員会において、私の質問に対して政務次官は、天災融資法についても財政的な措置からこれを検討するにやぶさかではないというような答弁をしておる。すでに災害が起きてからいままでの間に、何らそれらの発動もない。これは改正以前の問題でありますが、迅速果敢にこれらの措置をとるということが必要なのに、いつも従来の例からいえば、災害が発生してからかなりの口数が経過しなければこれらの措置が出ない、こういうものはやはりタイムリーに措置をしないと、その効果というものが半減もするし、非常にその機能を喪失するものであります。それらを合わせてひとつ政府の態度というものを伺っておきたい。
○説明員(大口駿一君) 現在、農林水産業に関する災害につきまして天災融資法、あるいは暫定法、あるいは激甚法、いろいろな法律制度が災害の経験を経まして逐次立法化されて、金融の面並びに助成の面で現在の制度ができ上がっておることはすでに先生も御承知のとおりでございまして、初めから全部の制度がそろっておったわけではないわけでありまして、やはり災害のつど、いろいろな従来の制度だけでは対処し切れない矛盾点その他を発見をしては、そのつど手直しをして、現在の制度ができ上がっておるものと私は理解をいたしておるのでございます。もちろん、天災融資法に対する一般農民の期待がどういうものであるかということにつきまして、あるいは一部にただいま渡辺先生のおっしゃいましたような目方が成り立つことも否定はいたさないのでありまして、現在の天災融資法等にきめられてありまする災害金融というものが必ずしも十分でない点が多いのではないかという御指摘につきましては、われわれ事務的にも、たとえど災害の施設復旧瀞の限度額がわずか二十万円であるというようなものは、あるいは実情に即さないという御指摘を受ける一つの実例ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。そこで過去におきましても、特に規模、程度等がきわめて大きかったといわれまする三十四年の伊勢湾台風、あるいは三十六年の第二室戸台風、あるいは昨年の北海道の冷害というようなきわめて規模その他が例年の例を見ないまでに大きかった災害については、いろいろな部面でもって特例的な措置が講ぜられたのが例でございまして、本年の相次ぐ台風の被害というものが被害額等からいたしましてもこれらの特例措置がとられました、単一の台風で特例措置がとられました当時の被害額とあるいは匹敵をするようなことになるのではなかろうかというふうな気がいたしておりまするので、現在の天災融資法等において被害農業者にとって必ずしも実情に即さない部面がもしありとすれば、そのような機会にできるだけ少しずつでも手直しをしてまいりたいというふうに事務的には現在研究をいたしている段階でございます。現在の制度が災害の対策にとりまして、完全かつ十分な制度であるというふうには考えておりませんので、必要なつど実情に即するような形での手直しをしてまいるには、われわれとしても絶えず研究を進めておるつもりでございます。
○渡辺勘吉君 研究したところで、実際それを現実に行政の上に反映するような法律改正なりその他がなければ、絶えず検討検討で日を暮したんでは、こういう矛盾点の合理化が出てこないので、これはすみやかにそういう方向に向かって善処をしてもらいたい、これは要望いたしておきます。 さしあたりの問題の幾つかを私はお尋ねをしますが、食糧庁長官もお見えのようでありますから、食糧庁長官でもけっこうでありますが、先ほどの暫定措置の中で、この時期別格差を多少の県に対して延長したという報告があったんですが、これは第一期である九月末を三日間延長した。しかも、その対象県は北陸四県と関東の三県に限られておる、こういう内容のはずであります。それで、私はお伺いしたいのでありますが、ことしの作付当時からの異常気象というもの、ことしはさらに収穫期における異常天候が収穫にわざわいして、非常に収穫がおくれておる、全体に対して。今度の台風の被害が、比較的軽微な地域の例をとって申し上げれば、その被害をもろに受けた地域というものがいかにひどいかということがわかると思うので、私は一つ、二つの県の実例をもって申し上げます。 水稲について出穂期が、これは若手県の試験場の報告であります、品種によって違いますが、たとえばフジミノリについては去年の出穂期が八月六日であったのに、ことしは八月十三日。七日間おくれておる。こういうデータが出ておる。あるいは県北分場ではヤマセシラズが、これは前五カ年平均でありますが、前五カ年平均の出穂期が八月一日であるのに、ことしは八月十九日に出穂をしておる。九日間おくれておる。こういう事態がまずあるわけであります。時間の関係上、その他のこまかいことは、一県の一地域の具体的なことはこれ以上申し上げません。大体品種別に、これらの品種の差はありますけれども、あるいは地域の差がありますけれども、岩手県で見ても、六日ないし九日の出穂が前年に比べておくれておる、こういう事態がまず一つあるわけです。 それから、成熟期を迎えたときの天候でありますが、九月十一日から九月十五日までの日照時間というものは、去年に比べてことしは日照時間が大体半分の時間である。数字等はこれは省略をします。逆に、降水量が大体三倍程度の降水量を受けておる、こういう事態であります。でありますから、こういう大事な時期に日照が半減し、降水量が二倍ないし三倍になっておる。出だしが大体一週間前後おくれて出穂しておるという事態から見れば、従来のマンネリズムのように、団体の諸君が陳情その他押しかけてきて、そして去年なんかも、第三期を三日延期してお茶を濁しておりますが、去年の三日延期した根拠は一体どこにあるのか。去年よりもさらに一週間おくれておるから、これは明らかに各期とも十日間を延長するのが当然なデータがあるわけであります。そういう措置をその時期別格差の締め切り期間の期限ぎりぎりに発表するということでは、これは効果が少ないので、事前にそういう措置をとるということが、とにもかくにもこれからの収穫にあたっての、これは政府に対して要請をしなきゃならない問題の一つだと思うのですが、この点は、第一期はもう過ぎてしまいましたので、第二期、第三期のこの時期別格差の扱いについて、いかような態度でおられるのかを、この際承っておきたいと思います。
○説明員(武田誠三君) ことしの稲作につきましては、ただいま渡辺先生からお話しございましたように、地方によりまして出穂期の遅延、あるいはそれに関連をいたしまして、登熟時期の遅延というようなことがあらわれておることは私どもも承知をいたしております。で、第二期、第三期の期限の延長の問題につきましては、今後の実際の出荷状況というものを十分考え、またこれには、現在の天候下におきます脱穀調製の進捗ぐあいも、例年よりは天候のよろしいところでは登熟等のおくれを一部取り戻しておるような状況のところもございますので、これらの今後の推移を見まして、必要な地方についてはケース・バイ・ケースで考えてまいりたいというように思っております。
○渡辺勘吉君 参考までに伺いますが、去年とことしの九月末の全国トータルでいいですが、供米の受付の割合は何%になっておりますか。
○説明員(武田誠三君) いま私どもの手元に入っておりますものでは、昨年の九月末日現在の買い入れ数量は百十万九千トンでございます。それに対しまして本年の買い入れ数量は百十五万八千トンで、パーセンテージにいたしますと、一〇四・五という数字に相なっております。
○渡辺勘吉君 それでは、各地域の実態をすみやかに調査してこの扱いを配慮するということでありますが、第三期、三期については具体的にはいつごろまでにその具体的な措置を講ずるめどと考えているのでしょうか。
○説明員(武田誠三君) やはりこれからの出荷の状況をできるだけ把握をいたさねばなりませんし、また、農家におきます脱穀調製の作業の進みぐあいというものも検討いたさねばなりませんので、やはり例年のように期末の数日前というようなことでないと、やはり最終的決定はいたしかねるというように考えております。
○渡辺勘吉君 その最終的決定はいつごろですかを伺っているわけです。
○説明員(武田誠三君) 本年の第一期につきましては二十九日に決定をいたしたわけでございますが、二期、三期等につきましても、したがいまして、十月の八日、九日前後あるいは十八、九日前後ということに相なろうかというように考えております。
○渡辺勘吉君 作業の内容にもよるでしょうけれども、私はそういうぎりぎりの一両日前ということではなしに、もう少し能力を上げて、少なくとも、まあ四、五日前というぐらいにそれらの措置を講じて、その効果が適切に行なわれるように配慮をしていただきたい。これは要望であります。 それから、先ほど私は兵庫県の調査報告も申し上げたのでありますけれども、たとえば豊岡市あるいは兵庫県全体でも、今回のいもちの予防に対してばく大な費用を投下しているわけです。これは例年に比較して全くどうも想像以上の費用が払われておる。その結果、とにもかくにもその予防がかなり効果があらわれて、その後の生育が順調であるということになっておるわけであります。そういう農薬の投下した費用というものは、ことしは例年に別して農家の負担が大きいわけであります。まあ、岩手のことばかり申し上げるとなんですから、山形の農業団体からもらった資料で申し上げますと、内容は一価省略いたしますが、昨年と比べて、ことしの異常冷害気象に基づいて支出した経費というもの、農薬を中心として支出した経費というものは総体で七億幾らになっておる。それで、これをことしの米の生産量にかけますと一俵出たりが八十五円五十銭というものが昨年に比較してこれらの農薬を中心とし、労力その他を換算したものが出ておるわけであります。このデータを政府としても検討してもらう必要があると思います。あると思うが、そう違ったものが政府の査定でも出てこないと思う。そういう表にあらわれない従来の費用というものがことしの異常気象のために、農家の特別な負担となって出ておるわけであります。米価審議会でも申し上げたのでありますが、生産費の中に占める農薬の割合というものは、いま決定した米価の中ではきわめて微々たるものであります。そういう点から比べると、さらにこの費用のいうものが大きなものになるわけであります。この農薬の費用というものに対しては噴霧機等の施設の補助も含めて、政府ではどういうふうに対処されようといま考えておられるのか。そしてそれがいつごろ一体補助金として出されるのか、そういう点をお伺いをいたしたいのであります。三十八年度にもいもちの災害対策に対して政府は補金を交付しております。そういうものをもちろん参考にして出されることだと思うのでありますが、ことしのこういう措置に対してはどういうふうに一体考えて、それがいつごろ措置されるかということをもう少し具体的にお伺いをいたしたい。
○説明員(河原卯太郎君) ただいまの御質問にお答えいたします。 ことしは先生御指摘のとおり、最初から異常気象でございましたので、農薬の手配あるいは防除資材の手配につきましてはいち早く指導しておったわけでございます。したがいまして、既存の防除機二百五十台のほか、予備費から二百五十台配置いたしまして、これは実際にことしの防除に役立たせたわけでございます。そのほか病害虫の防除指導の徹底ということで、従来の冷害の十八県に対しまして防除員の活動費、そういったようなものもすでに追加して助成をいたしまして、ことしの実際の防除に役立てております。それから農薬の、このいもち病の異常発生につきまして、たとえばヘリコプターで一斉防除をやりますような場合、従来にもヘリコプターのチャーター料に対しまして助成をしたというような例もございますので、従来の基準に照らしまして助成を検討したい。 それから農薬につきましては、ただいま実は手元に集計した正確な数字をわれわれ持っておりませんので、九月三十日現在で防除いたしました農薬の総使用量を集計いたしましたものを十月十日までに各県から御報告願うことになっております。特に異常発生部分によって、いま御指摘のように非常に従来通常防除以上に使ったというような場面につきましては、その数字がまとまりました結果を見まして検討したいというふうに考えております。
○渡辺勘吉君 これもまあ今月の十日ということでありますから、もうきょうは四日ですから幾ばくも日数がないから、その十日までにできるだけ報告を全部完了して、直ちにそのデータによって措置が講ぜられるように、これはぜひ配慮してもらいたいと思います。いろいろ問題がありますが、基本的な問題はさておきまして、さしあたりの一、二の点を伺ったわけです。 私はこの機会に、果樹の災害に対して伺うのですが、特に果樹の共済問題につきましては、従来からしばしばこれは国会で取り上げられておる問題であります。それを私は最近の記録を調べてみたのですが、三十四年の九月八日に、衆議院の農林水産委員会において福田農林大臣に、すみやかに果樹の共済を政府としては共済の対象にせよという問題を取り上げておる。二年おいた三十六年の三月十七日には、参議院のこの農林水産委員会において森委員が果樹振興法案審議のときに、当時の斉藤振興局長に質問をして、この早期取り入れを質問をしておる。三十八年の五月十六日には、衆議院の農林水産委員会において農災法改正案で、重政農林大臣に、この早期取り入れをただしておる。同じ三十八年の六月二十一日に、この参議院の農林水産委員会で私が同じく大谷農林政務次官に、その件を速急に実現するようにお尋ねをしておる。また三十九年の三月十三日には、参議院の災害対策特別委員会で私が斎藤大蔵政務次官に、この早期実現をお尋ねをしております。また同じ年の五月十三日に、この委員会で同僚議員がこれを取り上げておる。昨年の六月三日に、この委員会でまた松野農林政務次官に質問しておる。こういう繰り返しを逐次やっておるわけであります。今回この台風被害で、先ほどの農作物の被害のうちで、リンゴの被害というものが報告をされておる。何らこれらの災害の対象になっていない、そういう果実生産農家というものは非常にこれは踏んだりけったりの実態に置かれておる。詳しい内容は私はもうこの機会では伺いませんが、一体、これらの、衆参両院を通じて絶えず現行農災法の中にこのくだものの対象を入れろということを強く指摘し、それぞれの大臣なり、あるいは次官なり、それは大蔵次官も含めてであります。そういう必要があれば財政当局としては十分検討するにやぶさかではないという答弁をはっきりといたしております。そういう一つの中に、再びこれが共済の対象にならないうちに、リンゴの被害が百億以上突破しておる、特に被害のはなはだしいのは、県別でいえば青森であり、長野であり、岩手であり、北海道である。こういう数年も懸案になっていることが何ら具体化しないためにこうむる災害というものは非常に大きいものがあるわけです。選択的拡大ということばが泣くわけです。この機会に、私は事務的な感覚を離れて、すみやかにできるだけ近い機会にこの農業共済の法律を政府は改正して、果実をその対象にするという措置をとるべきだと思う。その責任がもはや追及されてしかるべき段階にきていると思う。そういう心がまえは一体どうなっているのですか、政府として。
○説明員(岩下龍一君) 果樹共済につきましては、いま御指摘のように、従来からこれを実施せよという要望が強うございました。最近におきましては、前赤城農林大臣もこれに対して早期実施したいというようにお答えしてまいられたのでございます。私どもといたしましては、ただいま三十八年度から果樹の試験調査を実施しておりまして、この調査が四十年度をもって、すなわち本年度をもって終わることになっております。したがいまして、その調査の結果を整理いたしまして、実施に関する問題点を検討いたしました後に、昭和四十一年度すなわち来年度におきまして果樹共済の制度化を実施することについて結論を出すし、またそうしたいと努力しております。
○渡辺勘吉君 ことしでその調査が完了するということでありますから、四十一年度にそれを実施するかどうするかという結論を出すという答弁でありますが、これは賢明な政務次官にお尋ねいたしますが、そこまでの作業をさらに私は早めろとか、そういう無理なことは申しません。今年度にそれらの共済を実施するに備えての基礎調査ができるわけでありますから、政府としては四十一年度にはそれらを対象にする法律改正をするんだという、ひとつこの際、次官の御答弁をいただければけっこうだと思います。
○説明員(後藤義隆君) これは、ただいま申しましたように、本年度すなわち昭和四十年度において調査が完了するわけでありますから、調査の完了を待って来年度に実施するかどうかということを確定したいと思っておりまして、必ず来年度から果樹共済を実施するということ、いまお約束はちょっとできかねますから、御了承願います。
○渡辺勘吉君 それではどうも政務次官の立場は事務官と同じようなことです。せっかく国会から代表してそういう枢職に立たれているわけですから、もうちょっと大所高所に立って部下を督励して、四十年度にまとまった事態に基づいて四十一年度にはこれは実施するというぐらいな返事をいただかないと、どうもいかぬと思うのですがね。
○説明員(後藤義隆君) 四十一年度から必ず実施するというお約束は確約はできませんが、大体その方向に向かって善処したいと思っておりますから御了承願いたいと思います。
○渡辺勘吉君 それでは最後に、林業の災害についてちょっとした時間をお尋ねをいたしたいと思います。 私たちは昨年の通常国会で、林業に関する基本法を制定した責任があるわけでございますが、この第十一条には、第二項に次のようにうたってあるわけです。「国は、災害によって林業の再生産が阻害されることを防止するとともに、林業経営の安定を図るため、災害による損失の合理的な補てん等必要な施策を講ずるものとする。」こういう基本法が災害に対してうたっておるわけであります。したがって、政府も御承知のように、この林家というものの実態は私から申し上げるまでもなく、きわめて零細な所有形態によって現状が置かれている。大体五ヘクタール未満の林家が全体の約九割を占めておる。こういう林家の森林の災害によってこうむる被害というもの、これをやはり農業なり漁業も、やっと漁業災害補償法が成立をしておる今日でありますから、林業についても私はこの基本法を踏まえて林業の災害補償法とでも称すべきものが当然実体法として政府で考えられてしかるべきものだと思うのであります。もちろん政府としては、現行のたとえば森林保険、森林の国営保険の存在もある、あるいは自主的な森林組合系統による共済制度というものも融資の対象に限ってあるということで、これらの林業に及ぶ補償法というものはあまり熱意を持っておられないかもしれませんけれども、これらの法律の実体というものは明らかに農業の災害補償法なり漁業の災害補償法のように、その産業に従事する者の再生産を確保し、その発展を期するという前向きのものではない。いまの保険法は明らかに単に保険をするというだけの相互的な関係を規制して、前向きなものではない。少なくともこれらの零細林家の将来の発展というものを考えていけば、基本的に私は農業、漁業におくれて、おくればせながら林業にも抜本的なこれらの既存の法律を統廃合して林業の災害について基本的な考え方をお示し願える段階ではないかと思うのであります。この点について政府のお考えはどうなのか、今回の台風被害についても、私は岩手と長野の実態を見てまいりました。数字で見たものと違って、はだで感じた林業の被害というものは非常に甚大であります。しかし、この地帯は、おおむね国有林の保有率の高い地方でありますが、今回の台風被害をまともに受けた地帯は、もっぱらこれは民有林が多くを占めておる地帯であります。こういう地帯にやはり林業に取り組む意欲を持って、そうして農業とあわせてそれらの生産を振興していくには、私はこの機会にやはり林業に対する災害の基本的な施策というものが取り上げられていいのではないかというふうに考えるのでありますが、政府の御見解はどういうふうになっておるのでしょうか。
○説明員(田中重五君) 確かにお説のとおりに、この林業基本法の趣旨からいきましても、林業生産の非常な長期性という意味からいいまして、その間に気象的な災害あるいは火災、その他のもろもろの災害を受ける機会が非常に多いという産業でございます。そのために災害で再生産が阻害されないようにこれを措置していく必要がありますので、林業生産の安定を確保しなければならないということで検討をいたしておりますが、まあ現在のこれに対する道といたしましては、お説のとおりの森林国営保険法によるところの制度があるだけでございます。で、いまお話の共済制度といいますか、ことに農業あるいは漁業におけるような共済保険によっては、この林業の場合には必ずしもそれに乗りにくい面がございまして、現在の考え方といたしましては、この森林国営保険法をできるだけ林業経営者が利用していけるように、できるだけ利用しやすいような方向へ持ってまいることによって、災害の補てん、経営の安定性を確保いたしたい、こういう考え方でございます。それで当面、この森林国営保険におきましては、一齢級以下のわずかな林齢のものしかこの保険に加入していないという実態がございます。で、これはこの国営保険の制度の普及の徹底をはかると同時に、いま申しましたように、利用しやすいものに持ってまいるようにいたしたい。制度といたしましては、人工林である限り、林齢の大小を問わず加入ができるようになっておりますけれども、その場合の保険料率を、入りやすいようにもっと引き下げていきたい。そうしてできるだけ利用者がふえるようにいたしたいというようなことでありますとか、あるいはこの保険金を支払う際の、この保険金額の価格を引き上げていくということで、被保険者の有利になるように持ってまいる、そういうようなことで、この森林国営保険制度の改善ということで、当面この林業基本法の趣旨にこたえてまいりたいということと同町に、この保険の対象といたしまして、現在は造林地、しかもそれが火災と気象でございますが、苗畑、つまり林業生産の基盤である苗木生産の苗畑生産について、この保険制度に乗るかどうか、つまり苗畑災害を保険の対象にし得るかどうかということについて検討をいたしておるわけでございます。なお、この火災あるいは気象災のほかに、病虫等についてこの保険の対象になり得るかどうかについての検討を進めているということでございます。
○渡辺勘吉君 いまの森林国営保険をさらに加入しやすいように、受益者のプラスになるような手直しをするというようなことでありますが、そういう過渡的な措置はもとより必要でありましょうけれども、私がこの際お尋ねをしたいのは、そういうことをやってもいまのこの国営保険というシステムは、これは森林所有者みずからの掛け金で保険の支払いをしておるのはもとよりでありますが、そのほかにこれを処理する事務費あるいは人件費とか、あるいは防火対策費用等一切をみずからの費用で負担をしておる。ところが、一方、農業共済の例をとってみても明らかなように、純掛け金に対しても政府がある一定の割合の補助をしている。事務費、人件費に対しても補助をしている。防災事業費に対しても補助をしている。そういうことが林家に対してなぜ差別待遇をしなければならぬかということであります。したがって、明らかにこういうような従来のそういう法律をひとつこの際思い切って乗り越えた農業、漁業もまだ農業ほどではございませんけれども、農業共済に準ずる林業共済というものが政府のそれらの当然負担する費用を伴って、この災害が共済制度によってその拡大再生産が保障されるような措置こそが、私は基本法の第十一条にこたえるこれは解釈じゃないかというふうに、法律制定の際は時間もなくて、政府に協力する意味で一時間もスピードアップしてこれを成立させた責任もあって、そういう点こそが実体法として必要ではないかと思うのです。その点重ねてお伺いしで、私のきょうの質問は終わりたいと思います。
○説明員(田中重五君) いまのお説につきましては、十分に私どもも検討に価する御意見であるというふうに考えておりますが、先ほども申し上げましたように農業あるいは漁業が、この農漁民の社会保障と言いますか、そういう意味での国の助成として制度があるのに比べますと、現在のところ山林所有者に対する森林の持つ機能としての公共性はあるにしても、社会保障的な意味での林業経営としての国の助成へ理屈を進めてまいるのにまだ相当な検討の期間が必要かと存じます。で、そういう趣旨に対応しまして十分に今後検討を進めてまいりたい。こう考えております。
○青田源太郎君 ちょっと渡辺君の質問に関連して、二、三簡単に事務的にお尋ねいたしたいと思うのです。今度の災害は御承知のとおり公共事業よりむしろ個人災害が非常に大きいと思うのであります。それは要するところ、二十三号台風は農村のいわゆる農家の厄日という二百二十日にちょうど今度の二十三号が本土に来襲した日であるので、農作物の被害が非常に大きいのであります。しかしながら、遺憾ながら現在の天災融資法であるとか、激甚地の助成にいたしましても、個人の補償というのが非常に私は薄いんでなかろうかという点から二、三お尋ねしたいのであります。ただいま質問がありました災露地による米の出荷奨励金の延長の問題であります。ただいま三日間延長した、その第一期の内容の府県がどういう府県であるかということをお尋ねいたしたいのであります。 その次に、第二番目には、施設の問題でありますが、この施設については農業倉庫であるとか、あるいは有線放送というような施設は災害の補助対象になるわけでありますが、個人の、最近農業近代化のために政府が非常に奨励しておる礫耕栽培であるとか、あるいはビニール栽培、温室栽培、特に養鶏あるいは酪農、果樹、園芸等に相当な大きな資金を投入しておるわけであります。兵庫県の場合でありますけれども、今回、鶏が大体二十五万羽も斃死したというようなこと、あるいは果樹園あるいはビニールハウス等がほとんど全滅しておる、こういう個人の被害に対してどういうような処置をとる考えでおられるかということをお尋ねしたい。 第三番目には、農業基本法による農業の近代化のために構造改善の指定であるとか、あるいはパイロットファームというようなものを実施しておるのでありますが、今回の災害によってこういうものが根底から災害にあって全滅しておる。兵庫県の、先般委員長にも見てもろうたパイロットファームはブドウ園が十数町、酪農も、乳牛が二十三頭一つの厩舎におったのでありますが、これが全部死んだというようなことであります。これはいまの天災融資法の対象の貸し付け限度というようなことではどうにもならない。また借り入れできても、こういうような全滅したというようなものは借り入れしても立ち直ることができないと思うのであります。目下調査中であるので、また調査ができてからいろいろお尋ねしたいのでありますが、こういう三点について当局はどういうお脅えを持っておられるか、お尋ねいたしたい、かように思います。
○説明員(武田誠三君) 最初のお尋ねでございます第一期の期別の延長いたしました県は、関東で茨城、栃木、千葉の三県、それから北陸の新潟、富山、石川、福井の四県、合計七県でございます。
○青田源太郎君 それではお伺いしますが、この出荷奨励金の延長地域は関東、北陸の七県ということですが、この出荷延期はどういう根拠によっておるのでありますか。たとえば私は具体的に申しますと、災害で激甚であって農家が出荷のいとまがなかったということによってそういう延期ができておるのか、そうでなしに、災害が激甚であっても、そういうことはかまわない、気象の異変というようなことで延ばさなくてはならないというお考えか、このどっちかをひとつお伺いいたしたいと思います。
○説明員(武田誠三君) 第一期の延長いたしましたのは、災害の激甚地というような限定ではございませんで、早場米の主要な生産県につきまして、過去の平年時に比べまして、特に本年の出荷がおくれておるという県を中心にして考えておるわけでございます。で、例年主要生産県というものを前提にして考えておりまして、本年もまた、そういう観点から、第一期の期別の延長を、先ほど申し上げました生産県でございます七県について実施をいたしたわけでございます。
○青田源太郎君 それでは、今度の出荷奨励金の延期は、災害に対しては何ら考えていないというお話ですね。
○説明員(武田誠三君) 災害の激甚であるかどうかということとは直接的には結びつけてはおりませんが、災害によりまして著しく農作業がおくれ、平年に比べまして出荷が著しくおくれました生産県について考えたわけでございます。
○青田源太郎君 それでは小さい話ですけれども、兵庫県は著しく災害がなかったというようなお考えですか。(笑声)
○説明員(武田誠三君) 兵庫県につきまして、淡路その他非常な災害がありましたことにつきましては承知をいたしております。
○説明員(大口駿一君) 先ほどのお尋ねの第二点、第三点に関連をしてお答えをいたしたいと思います。 現在の天災融資法におきましては、農業協同組合の所有いたしまする共同利用施設に対しまする金融措置と、それからそれ以外の個人あるいは協業組織になっておりますものが所有いたしております施設に対する融資措置との間に必ずしも均衡がとれていないという、ことばが適当であるかどうかしりませんが、あまりにもその懸隔がはなはだしいという御意見は、従来からしばしば伺っておるところでありまして、個人の利用施設や個人の所有の施設でありましても、たとえば主務大臣の指定施設につきましては、金融の道が開かれてございますが、共同利用施設とそれ以外のものとについての差がはなはだし過ぎるという点につきましては、私どもも若干そういう気がしないわけでもないわけでございまして、ことに協業を大いに奨励いたしておるということからいたしましても、また構造改善事業のごとく、政府が助成金まで出してやっておる施設について被害を受けたときに、それが農協の所有物でないというだけの理由で金融の道が開かれておらないという点につきましては、まさに現在の制度上検討を要する点ではなかろうかというふうに現在考えております。 そこで、今回の災害を機会に、少なくとも従来の構造改善事業等で政府の助成の対象になった施設でどのぐらいの被害を受けておるかということについては、いままでの災害の調査のやり方がそのような観点での仕分けをしておらないために、的確に私どもでわからないという不備な点がございましたので、現在農林省において、そのような観点での調査をして、その実態に即した措置を、今後可能かどうかということについて研究をいたしたいというふうに現在考えておりまするので、その研究の結果を待ちまして、ただいま申されたようなについては、しかるべき措置が講ぜられるよう努力をいたしたいというふうに考えております。
○青田源太郎君 私は研究していただくというのでなしに、現在に養鶏家が養鶏を二十五万羽も殺したとか、あるいは酪農家の一厩舎の二十頭の牛が全部死んだとかというような問題についてどういうふうな緊急的な処置をとるお考えであるのか、こういう点をお尋ねしたいと思います。
○説明員(大口駿一君) 今回の災害で、果樹、野菜等の簡単なビニールハウスでありますとか、あるいは鶏舎で被害を受けた農業者が非常にたくさんあることは承知をいたしております。 そこで、これらの施設の中で、ことにただいま御指摘のありました個人所有というのか、農協所有でないものについての措置が、現在の制度で必ずしも十分ではないという点がございまするので、できるだけ現在の制度の運用によって、いま御指摘のような災害被災農家に対する措置をできるだけやってまいりたい。たとえて申しますれば、個人の施設についてはこれを、あるいは施設ということではなくて、経営資金ということで解釈をしてめんどうをみるとか、あるいは主務大臣指定施設ということでめんどうをみるかということになるわけでありまするが、現在の施設災害復旧資金についての借り入れ限度額がきわめて低いということが支障になる点については、これは今次の災害が過去においての特例措置を講じた災害に匹敵をするような災害ではなかろうかという措置で、これが限度額の引き上げについて目下検討中、と申しましても、関係方面に折衝をいたすというようなことで、あらゆる努力を目下講じておる次第であります。
○青田源太郎君 もう一つ質問でありますが、構造改善指定地に対する施設が全部罹災をこうむったという場合には、これは再補助の対象になるんですか。それともこれはどういうような、ただ融資だけでやられるお考えか、こういった面をひとつ。
○説明員(大口駿一君) 構造改善事業の助成の対象になった施設が全部災害のためになくなったために、ただ自動的に同じ補助を再び繰り返すということにはなかなかなりかねる点があろうかと思いまするが、先ほど私どもが、若干共同利用施設との差がはなはだし過ぎるということを申し上げました中には、金融の道が開かれておる、開かれておらないという問題、それから融資条付その他に非常に差があるということのほかに、助成の道が全く開かれておらないという点についても若干の差があり過ぎるということを含めて申し上げたつもりでございます。したがいまして、いまここで断定的なことを申し上げられませんが、少なくとも、従来構造改善事業で政府が直接助成の対象になったものの中で、今回の災害のために被害を受けたものを早速に調査をすると申し上げましたのは、その調査の結果を待った上で、何らかの対策をもって善処いたしたいというふうに考えておるわけでございまして、少なくとも、再び構造改善事業の助成を、自動的にその対象になるんだということには、あるいはなりかねると思いますけれども、これらの、政府が直接指導し、実施をした構造改善事業というものは、少なくとも政府が相当な責任を持って災害対策を講ずべきであるという見地で、月下検討いたしておる次第でございます。
○青田源太郎君 私は、もう時間がきておりますので、調査がまだ十分できておりませんので、質問を保留しますけれども、ただ一言申し上げたいのは、この米の出荷に対する奨励金の延長は、あくまでもやはり農家が出荷をしたいという気があるけれども、災害のために出荷ができなんだということを第一の考慮に入れて第一期の延長の内容を考慮していただきたい。私はこれは承服できないと思うんです。なお、緊急でありますから、こういった個人災害に対する、もっと早く具体的な対策を講じていただきたい。ただ考慮中でなしに、現在罹災者は非常にその日を案じて、政府がどういう対策を具体的にやってくれるかということを待っているのでありますので、農林省としてはこういう点について一日もすみやかにひとつ対策を具体化していただきたいということを申し入れまして、私の質問を終わります。
○梶原茂嘉君 ちょっといまの青田委員の質問に関連して、簡単にお伺いしたいのでありますが、時期別格差の時期の延長の問題であります。 渡辺委員も御質問された問題ですが、ただいまの御説明によりますると、大体従来行なわれてきた延長のやり方で今回も行なわれたようであります。直接災害関係をその原因とせずにおやりになって、北陸四県、関東の三県、合計七県について、第一期三日間の延長が行なわれたのでありますのが、やはり今回のような大きな異常な災害の場合は、その災害の実態というものを直接対象にして、延長するか、しないか、延長するとすればどうかということが当然私検討されてしかるべきじゃなかろうかと思うのであります。また、本来大きな生産県に重点が置かれてこの問題が考えられているのも当然のことでありますけれども、しかし、県によりましては、大きな生産県じゃないけれども、その県内においては大きな生産地帯を持っておりまして、県内の需給の実態からいいますと、やはり十分考慮されてしかるべき地帯が県としてはあるのであります。第一期はもう過ぎたので、いまさら論じても始まりませんけれども、今回の措置は、ややこの異常な災害に対する政府の措置としては遺憾であった感じが私にはするのであります。ぜひ、やはりこの異常な災害に対する、被害農家に対する対策の一つとして、この問題は積極的に考えられるべき筋合いのものだ、かように私は思うのであります。ぜひ第二期にあたりましては、そういう趣旨を加味して検討をして、災害の実態に応じてやはり必要があれば延ばすという措置をおとりを願いたいと思います。特に、申すまでもなく券以来異常天候に苦しみまして、それらの地帯における生産農家は非常な苦労をして栽培をやってまいりました。最後の収穫の段階で異常な災害に襲われたわけであります。勢いそういう地帯は第一期が間に合わない、若干のずれが出るということは当然であります。そうだとすれば、その実態に即して時期を延ばしてやるということは、これは私農林省としては当然考えらるべき筋合いのものだと、こう思うのであります。ひとつ第二期においては、第一期のようなことでなしに、考え方を広くお持ちになって善処せられんことを希望いたします。
○宮崎正義君 時間の関係もございますので一言だけ申し上げておきたいと思います。 先ほど説明がありましたように、九月二十日現在で被害報告、金額も大体発表になられておりますけれども、渡辺議員、青田議員の、るるこの被害の問題につきましては質疑がありましたとおりで、私のお伺いしたいことは、農林中央金庫あるいは農協等が、この処置について、災害のつなぎ融資は融資をしている、こういうふうなお話を承っていると思うのですが、この災害つなぎ融資がどの程度まで九月二十日現在で調査がされてあるのか。その後十日だって、この間にどういうふうにそういう補助に対してあたたかくつなぎ融資ができているが。この点、具体的に伺いたいと思います。それがまた一覧表にでもできれば、それを示していただけば時間簿の関係でよろしいと思うのでございますが、以上この点についてお伺いいたします。
○説明員(大口駿一君) 先ほど私が渡辺委員に対するお答えといたしまして、つなぎ融資に対する指示をいたしましたということを申し上げましたが、その実績等についても、私は数字をいま手元に持っておりませんので、できるだけ早く数字を見やすい表にまとめまして提出をいたしたいと思います。
○宮崎正義君 できるだけ早くといって、十日の日には全貌が大体わかるということのようでありますし、できるだけ早くの期日を今明日中あたりで、できれば皆さんの手元に渡していただきたいと思うのであります。
○説明員(大口駿一君) その何日まで現在ということを、あまり最近のほうを望みますと時間がかかると思いますから、むしろ提出時期を早くすると、こういう点で取りまとめて御要望に沿いたいと思います。
○委員長(仲原善一君) 本件については、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(仲原善一君) 次に、バレイショでん粉価格等に関する件を議題といたします。 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○川村清一君 私はバレイショでん粉の価格の問題につきまして食糧庁長官にお尋ねしたいと思います。 時間がたいへんおそくなりましたので、大事なところだけをはしょってお尋ねをしますので、ぜひひとつ明確に御答弁を願いたいと思います。 まず第一にお尋ね申し上げたいことは、バレイショでん粉の買い入れ基準価格あるいは原料基準価格につきましては、農安法並びに施行令に掲げるところによりまして、政府は十月三十一日には決定し、これを公表するということになっておりますが、聞くところによりますと、例年大体十月十日ごろには決定して発表されておるということを聞いておるわけでありますが、本年もやはり十月十日ごろには決定されて発表されることになるのかどうか。その点をお尋ねしたいと思います。
○説明員(武田誠三君) 本年のカンショ、バレイショ並びにそのでん粉につきましての基準価格等は、お話しのように今月の十日までに決定をいたしたいということで作業を鋭意取り進めるというつもりでおります。
○川村清一君 それで、そうしますと、十日ごろといいますと、もうわずか一週間後でございますので、鋭意進められ、価格を検討されておると存じますが、その価格決定についてもう成案が出ておるのかどうかということを二つの問題点としてお尋ねをするわけでありますが、私もいろいろ資料を集めまして検討いたしましたところ、バレイショのでん粉の価格並びに原料価格につきましては、昭和二十九年——三十九年といいますと農安法ができた次の年でありますが、この年から昨年昭和三十九年まで十一年問ありますが、この十一年間の年度の価格をずっと調べてみますというと、これは常識ではとうてい考えられない。どうしてこういう価格が形成されるのか、非常に疑問に思うわけでありますが、全然価格が上がっておらないわけであります。全く横ばいというよりも、むしろはっきり申し上げますならば、昭和二十九年よりも三十九年の価格が下がっておるわけであります。指数でいうならば、たとえば昭和二十九年の価格を一〇〇とするならば、昭和三十九年は九一・二であります。バレイショ、でん粉価格は昭和二十九年が一千三百五円、これが三十三年には一千百九十二円と下がっております。それから原料バレイショにつきましても、二十九年が三十七・五キログラム二百三十五円、それが二百三十円と下がっております。あらゆる種々の物価が上がり、労働賃金が上がり、運賃が上がり、価格がすべて上がっておるにもかかわらず、原料バレイショの価格は上がらない。でん粉の価格がちっとも上がらない。むしろ下がっておる。ほかの農産物に比べてもこんなことはとうていあり得ないわけであります。米価のほうも決してわれわれのほうは、生産者価格は満足する価格ではございませんが、それにしてもずっと上がっておる。米価が上がるような指数をもってこれを押さえるならば、これははるかに上がっておらなければならないわけでありますが、これはちっとも上がっておらない。そこで、政府当局も御承知のとおり、毎年毎年農民団体がぜひ価格を上げてもらいたい、いわゆる生産費と所得を補償する、再生産が可能になるための価格にこれを形成してもらいたいということを陳情されておるわけであります。われわれのほうにも先日から多数の農民の方々が押しかけてまいりまして、陳情してまいっておるのでありますが、われわれは農民の方々の話を聞いて全くもっともだと思うわけです。そこで、ただいま食糧庁長官は、まあいろいろ検討し、鋭意作業を進めておられるという御答弁であったわけでありますから、こういったような不合理な価格をこの際是正するために、そういう目標をもって鋭意作業を進められておるかどうかという、この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
○説明員(武田誠三君) 私どもといたしましては、農安法並びにそれに基づきます政令等に基づきまして、でん粉あるいはそれの原料になりますカンショ、バレイショの基準価格というものをきめてまいりたい、こういうように考えております。したがいまして、農安法の企図しておりますところは、市場の実勢価格——想定されます実勢価格、それの下ざさえということを基準価格等できめていくという考え方であると、こう承知をいたしておりまして、このような考え方に即しまして、今年のカンショ並びにバレイショそれからこれらを原料とするでん粉の価格をきめてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○川村清一君 この価格形成につきましては、この施行令の付録にあるこういう算式によって算定されておるということは承知しておるわけであります。数字の式が非常にむずかしいので、これは完全な理解はできませんけれども、しかし、そういたしますと、非常は不合理な価格である。その不合理な価格を生み出したもとはこの付録の算式にあるとするならば、私はこの付録の算式そのものに不合理があるんじゃないか、この算式に矛盾があるんじゃないかと、こう思われますが、これは一体矛盾はないのですか。
○説明員(武田誠三君) 農生物価格安定法での価格につきましては、いま先生からお話しのございましたように、この政令の算式によりまして一つの基準が考えられてくるわけでありますが、これらに生産費あるいは需給事情その他の経済事情といったものを考えまして、これらの算式というものが出ておりますが、いずれにいたしましても、市場におきます自由なる取引ということを前提にいたしまして、そこで形成されます価格の下ざさえという意味合いを持っておりますので、そういう観点からいたしますならば、現在の政令算式というものに著しい不合理というものがあるというふうには考えておりません。
○川村清一君 この算式に基づいてこの基準価格があって、それにいろいろ経済事情を勘案してのいろいろな事情が加味されて形成されるということは承知しておるわけでありますが、実にむずかしい算式でございますが、専門家の食糧庁長官でございまするので、この算式を全部御説明できると思うわけでありますが、たとえばP1、P0、I1、I0、Q1、Q0とか、Rとか、こういう語が出てくるわけでありますが、そこで、このものの中身は当然いまお話しされたような、こういった経済事情とか、そこからいろいろなものが出てくるわけでありますが、この基本になるP1、P0——P1=P0カI0分のI1とこうあるわけでありますが、そのP0という価格は、これは幾らになっておるのですか。このP0という価格は。値段は。
○説明員(武田誠三君) これは過去三カ年におきますカンショあるいはバレイショの取引価格というものが前提になっておるわけでございます。
○川村清一君 そこで、その取引価格は幾らなんですか。
○説明員(武田誠三君) 手元に昨年調べましたときの三カ年のデータをちょっと持ってきておりませんので、後ほど御説明を申し上げたいと思いますが、ちょっと時間の御猶予をいただきたいと思います。
○川村清一君 それかわからぬと私も質問は続けられぬわけでございますが、ただいま長官は、P0というのは、それはまあ取引価格だということをおっしゃいましたが、この付録によりますというと、生席者価格の三ヵ年の、平均値ということになっておりますが、生産者価格というのと取引価格というのと、これは同じなんですか。
○説明員(武田誠三君) これは農家が現実に取引をいたしましたいわゆる生産者価格、生産者の、取引価格ということでございます。
○川村清一君 そうすると、農家の取引した価格をこれを生産者価格と、こういうふうに長官は言われておりますが、われわれは、取引価格というものと生産者価格というものはこれは概念がちょっと違うような気がするわけでございますが、それはそれで、まあ今後また質問するといたしまして、それじゃこの資料がないとちょっと都合が悪いですが、一体いまおっしゃる価格は、政府が昭和三十九年産バレイショ、三十七・五キログラム二百三十円とこう押えられておる。これにはいろいろなものがまた加わりますが、一応二百三十円と押えられておる。この二百三十円を、下がってはいないだろうと思うのですが、この点はどうですか。
○説明員(武田誠三君) ちょっと資料見つかりましたので申し上げますが、昨年の原料バレイショの価格をきめますときの三カ年のそれぞれの生産者価格は、三十六年が十貫当たり百八十三円、それから三十七年が二百二十三円、三十八年が二百四十六円ということでございます。
○渡辺勘吉君 関連して。 先ほどの長官の答弁のP0ですかね、このP0は、「価格を定めようとする年の三年前の年の出廻初期から価格決定年の農林大臣の定める月までにおける甘しよ、馬鈴しよ、なたね又は大豆の生産者価格の平均値」とありますから、当然これは生産者価格である。その生産者価格を使うのに、市場価格を使ったというような答弁に聞き取れたのですが、生産者の販売価格ということは、要するに一つのマーケットプライスでしょう。そういうことに置きかえたとなれば、これは非常に大きな問題である。まあデータはひとつすぐ取り寄せてください。そうしてその数字をまたさらに中心として、これは私も関連して伺いますが、少なくとも生産者価格は、現況からいえば、従来の出血販売をした価格ではない。これだけははっきり言うておかなければいけない。これは労賃をただにして、なお出血販売をしておる。そういう一つの価格指示になっているのです。投下された生産費の労働賃金をどう評価されておるか、それらもあわせて価格のデータの中での内容をひとつお示しを願いたい。これは繰り返しますが、P0が生産者価格であることを、生産者の販売価格にそれを置きかえたということであれば、これは非常に基本的な大きな問題である。抽象的にはそういうふうに私は思うのですが、それは間違いじゃないですか。
○説明員(武田誠三君) このP0につきましては、農家の手取り価格ということで生産者価格ということに相なっておるわけでございます。いま渡辺先生からのお話のものは、むしろ農家の生産費であろうかというふうに存じます。
○渡辺勘吉君 手取り価格は生産者価格であるというその解釈ですね。そうじゃなくて、その手取り価格というのは、現実には生産費を償えない価格のわけですよ、実態は。ここが私は政府の計算と大きく分かれる問題点だと思う。まあしかし、大体昭和二十九年から三十九年の十一年間の指数をとっても、とにかく生産性を向上したとしても、こんなに指数が低下するはずはないわけですね。それだけ生産性が向上したというバックデータがあるならそれもお示し願いたい。生産性が向上して、昭和二十九年よりも三十九年のほうが、その政府の補償価格のほうが安くていいのだということを示すに足る生産性の向上が、一体データとしてはどういうものがあるか。そういうものがない限りは、このP0というものは、生産者価格というものの解釈は、少なくともそういう市場価格ではなしに、生産者のやはり納得のいく生産費を内容とするものに、これはP0としては置きかえなければならぬじゃないか、こういうふうに思うのですがどうですか。
○説明員(武田誠三君) 農産物価格安定法というもののたてまえが、私先ほど申し上げましたように、想定される市場実勢価格というものの下ざさえというものを企図しておると思っております。したがいまして、生産者が毎年どの程度の手取り価格であったかということがこれが市場の実勢の動きでございますので、それを前提にいたしましての片というものの算定は決して不合理ではないというように考えております。
○渡辺勘吉君 関連ですから、これ以上私は伺いませんが、それでは、そういう一つのマーケットプライス、実取引というものをP0として置きかえた場合には、この方程式の中に欠けておるものは、大体生産者の生産する農産物の価格を算出して、これは農家経済の安定なり、農業生産の向上に資することが目的とあるわけですから、基本は生産費をどう見るかということですね。それがこの方程式になければ、この施行令というものは基本的にこの安定法の第一条の目的を逸脱するような施行令でこれは運用されておるということになるわけです。そういう切実な生産費をこれらの方程式の内容に入れないで、マイナス要素だけがいろいろこの方程式の中に盛り込まれておるというところに、生産者農民の大きな問題点があるわけであります。この点はいかようにお考えになってこられたのですか。
○説明員(武田誠三君) 農安法の第五条の一項一号にございますように、政令によります価格につきましては、先ほどからお話がございましたとおりでございますが、別途、生産費につきましては、生産費調査をいたしまして、その生産費として幾らかかっているかということを参酌事項として十分見合って考えて毎年きておるわけでございます。
○渡辺勘吉君 関連ですからやめようと思ったのですが、それでは第五条にうたっておるところの「農業パリティ指数に基き算出した価格、生産費及び需給事情その他の経済事情を参しゃくして」云々とある。その第五条にうたうしんしゃくする、一番われわれとすれば重点的に理解する生産費というものは、この施行令の「付録」ではどこにうたってあるのですか。
○説明員(武田誠三君) 生産費につきましては、この政令算式で出てまいりました価格以外に、もう一つの要素として生産費というものを参酌要素にいたしておるわけでございます。
○渡辺勘吉君 私は、そういう法律を曲解することが、こういうように問題点をいつも混乱させている基本であると思う。法律の条文で、生産費をしんしゃくせよとうたっておる。パリティ指数をしんしゃくせよといっておる。その他の経済事情をしんしゃくせよといっておる。政府は、これは大豆についてもなたねについても同様であります、法律は別でありますけれども。この法律の解釈の中で出ておる生産費というものを経視して、そうして経済事情その他の需給事情等をしんしゃくすることに重点を置いて算出をされておる。これがなたね、大豆においても同様であります。したがって、ここにむずかしい方程式を使って、付録にうたっておる中に生産費は入れてないんだ。それはこの方程式の外に、プラス要素としてこれを計算の外に出しておるということ、一体法律をどういうふうにあなた方運用されようとしておるのか。法律に、はっきり第五条に、生産費を考慮しろといっているのですよ。おそらく先輩がこの法律を審議するときには、その生産費というようなものについてかなりのやっぱり意見が出たはずです。そういうものがこの施行令にはこつ然として消えて、マイナス要素だけがいろいろ高等数字的にここに羅列されて出てくるから、結局農民の期待するような価格が出てこない。これが実態であります。方程式になぜ入れないのですか。第五条にうたっている「生産費」という法律の趣旨をなぜ施行令に除外しているのですか。外に出したら一体どういう扱いをするのですか。
○説明員(武田誠三君) 第五条に基づきまして、政令の第二条で政令算式によりまして算定されます価格、それから毎年農林大臣の行ないます生産費調査の結果によります生産費並びに経済事情を参酌して定めるものとするというように規定してございまして、この政令算式のほかに、農林大臣の行ないます生産費調査の結果というものを独立の一つの要素として考えるようにというふうに政令でも規定してございまして、そのような考え方で今日まで運用をいたしてまいっておるわけでございます。
○渡辺勘吉君 私は最近よく考えるんですが、法律の審議のときには、一生懸命努力をして駄馬にむち打って審議をまじめにやっておるつもりでありますが、ところが法律に基づく政令なり省令なりいろいろなものについては、従来私たちは取っ組み方が不勉強であったという反省を私はいたしております、個人的に。したがって、この法律をまともに解釈すれば、こういう施行令なり政令なり省令というものは、私は非常に歪曲されたものに実際は運用されておるという意見を持つわけであります。これは愚見であります。関連ですから私はこれで終わります。
○川村清一君 渡辺委員からいろいろ「付録」の問題について御質疑があったわけでありますが、私は先ほど長官の御答弁を、具体的な数字をもとにして若干まだ不明確な点がございますので、お尋ねしたいと思いますが、この「付録」の算式によるP0というものは三年間のいわゆる生産者価格の平均値、こういうことでございます。そこで、三十九年の原料バレイショの二百三十円という価格を決定したその基礎になるいわゆる算式のP0は三年間、三十六年は百八十三円、三十七年は二百二十三円、三十八年は二百四十六円、こういう御答弁でありましたが、そこで、私も非常にわからない点がありますので、この点を明らかにしていただきたいと思うわけでありますが、三十六年における政府の決定した基準価格というものは二百十円であります。ところが、ただいまのお話では生産費百八十三円、そうすると結局二百十円でございまますから、二十七円というものは高くなっている。三十七年は政府の決定した基準価格は二百二十円であります。ところが、この算式に用いた数字は二百二十三円でございますから、三円安くなってきている。三十八年は政府の基準価格は三十九年と同じように二百三十円であります。ところが、算式に用いた価格は二百四十六円というふうになってきて、十六円結局高くなっておる。この三カ年の生産費、その平均値をとるわけでありますが、どういうわけでこの三ヵ年の算式の基礎になる数字というものが政府の決定した数字とこういうふうに違ってくるのであるか、ここがちょっとわからないのでありますが、私は少なくとも政府が決定した二百三十円より安かったらこれはおかしい話であります。ですから三十六年はこれは非常におかしいわけであります。三十八年の二百四十六円というのは二百三十円より十六円高いわけであります。これは何がかわって二百四十六円になったのですか。
○説明員(武田誠三君) これは先ほどから申し上げておりますように、実取引の結果の農家の手取り価格というものに基づいておりますので、政府が示しました基準価格よりも多少高い年もあり、安い年も出てくるということでございまして、これは市価の実勢に基づくものであるというように考えております。
○川村清一君 そこで、私は渡辺委員と同じような問題が起きてくるわけであります。渡辺委員がいま言われたように、いわゆる市価というものは結局生産農民にするというと出血販売でやっておるわけであります。そこで二百三十円というもの、これは三十七・五キログラムでございますから、これを一俵六十キログラムにすると三百六十八円であります。政府で決定した価格でと言うならば、一俵三百六十八円でこれが売れれば結局いわゆる妥当な数字と言いますか、これは政府が、安いけれどもこういうふうに認めているのですから、基準価格よりも下回ってないわけです。ところが実際は、現在北海道等におきましては三百六十八円でなくて、三百三十円から三百五十円くらいで売られているわけです。なぜこうなるのか、ここに問題がないかということなんです。こういったような問題を是正していくことがいわゆる農安法の第一条にきめられておるところの「米麦に次いで重要な農産物の価格が正常な水準から低落することを防止し、もって農業生産及び農家経済の安定に資することを目的とする。」この農安法の目的がやはり達成されるようなすべての行政措置がなされていかなければならないと思うわけでありますが、実際問題としてはなっていないわけですね。こういう数字を基礎にしてまた新しい年の価格を決定していくことは一体矛盾でないかと、この点はどうなんですか。
○説明員(武田誠三君) 政令によりますこの算定方式というものが、たとえば生産費調査の結果というようなものと比較をいたしまして、これを下回るというような場合には、むしろ生産費調査の結果というものを尊重しなければなるまいというように考えておりまして、それらの三つの要素というものについての勘案はできるだけ適正に行なってきておると思いますし、また今後もそのようにいたしてまいりたいというふうに考えております。
○川村清一君 どうもわからないのですが、現在毎年二十九年から三十九年まで十年間の価格が実際安くて少しも所得を補償しておらないということで、農民から強い要求があるわけです。それは政府の決定した価格であってさえ安くてもどうもならないというのです。ところが、その政府で決定した価格よりもっと、安く売られておる、これがいわゆる市場価格である、これは一体矛盾でないのか、こういうことが実際に行なわれておったならば、それを是正するのがやはりこれは行政でないかと思うのですが、この点はどうなんでしょうか。
○説明員(武田誠三君) 御承知のように農安法におきましてはカンショ、バレイショからできましたでん粉の価格が政府できめました下ざさえ価格よりも著しく低落したというような場合に、これを一定の数量の範囲で買い入れる、そのことによりましてでん粉の価格をささえまして、その結果としてカンショ、バレイショの当該でん粉の原料になっておりますカンショ、バレイショの価格を維持していこうということにあるわけでございます。したがいまして、その前提として生産者段階におきまする調整販売等の措置がもちろんございますが、これらを十分やっていただきますことによって、でん粉の価格並びにそれに関連をいたします原料カンショ、原料バレイショの価格を維持し、それでも十分でないという場合に政府が買い入れていくという二段がまえでこの安定法ができておりますこと、御承知のとおりでございまして、いわばやや間接的な方法によって原料カンショあるろは原料バレイショの価格を維持していくという姿に相なっております。その結果といたしまして、現実の生産者の手取り価格というものが、この政府の示しております原料基準価格よりも上回る場合も出てまいりまするし、また、ややこれを下回るという場合も出てまいりますが、私どもといたしましては、行政指導という観点からいたしますならば、できるだけこの販売調整等の生産者段階におきまする措置において、この基準価格というものが、少なくとも下ざさえ価格として実現してまいるように努力をいたしたいというように考えております。
○川村清一君 原料バレイショの価格が、いわゆる基準価格よりも下回るといったような原因については、ただいまお話がございましたように、要するにバレイショでん粉の価格が低落するので、それが影響していっておるのである、われわれもそう承知しておるわけでありますが、それだと、バレイショでん粉の価格が低落するのはどこに原因があるのか、これはやはり需給関係、いわゆる市場のそういう問題が原因になっておると、こういうふうに理解しておりますが、そこでバレイショでん粉の需要をもっと上げる方法がないのか、バレイショでん粉の供給過剰がでん粉価格を低落し、そして、それはひいてはその原料を生産するいわゆる農民に対して大きな影響を与えておること、損害を与えておるといったようなことになってくるわけであります。そこで、バレイショでん粉の、一方需要が少ない、供給が過剰である、こういうような中において、それをさらに拍車をかけるようにコンスターチの輸入が毎年毎年ふえていっておる、これは一体どういうことなのか、少なくともいま長官からお話がございましたように、バレイショ価格が基準価格より下回らないためには、やはりバレイショでん粉の価格を下げないようにしなければならない、下げないようにするためには、このでん粉需要をふやさなければならない、これがやはり行政の筋かと思うのでありますか、これを一方バレイショでん粉の需要を低下させるような、いわゆるコンスターチの輸入が年々増加してきておるということは、確かに私は行政的に矛盾している、政府の施策が矛盾しているのではないかと思うのでありますが、この点はいかがでございましょうか。
○説明員(武田誠三君) コンスターチの問題でございますが、バレイショでん粉、カンシヨでん粉あるいは小麦でん粉、さらにトウモロコシを原料といたしますコンスターチ、これらにつきましてはそれぞれこういう用途といったような面をそれぞれのでん粉の性質の相違等によりまして持っておるわけでございます。特にコンスターチにおきましては、御承知のように、日本でコンスターチの生産が戦後ずっと行なわれてきておりますが、 コンスターチの持っております特性に基づきまして、各種の化学工業その他の面におきまする需要が漸次拡大をされてきた、それに応じてこれの生産もふえてまいったわけでございますが、昨年来、コンスターチの生産設備等の拡充等もございまして、一部水あめ、その他の原料としてのカンショでん粉あるいはバレイショでん粉との間の競合、特にカンショでん粉との競合という問題か出てまいりまして、コンスターチの生産ということについて、ある程度のコントロールを加える必要があるということから、本年の四月以来十八万トンということを目途にいたしまして、いわゆる関税割り当ての制度をとりまして、これの原料である輸入の規正にあたってきておるわけでございます。
○川村清一君 ただいまのお話によりますと、コンスターチと馬でんとはあまり別途において競合しないといったようなお話、むしろカンでんと競合するので、そこでコンスターチの輸入規制をする意味において、これは結局課税をやっておるほうの規制処置をされたことも知っておるわけでございますが、しかし、私の得た資料によりますと、むしろコンスターチはカンでんと用途上競合するのではなくして、馬でんと競合しておる、こういうような資料がきておるわけでありますが、たとえば水あめ、ブドウ糖においてこれはカンでんが大体八五%、馬でんが一五%、コンスターチが一八%。それから繊維、雑工業等におきましては馬でんのほうは三〇%、コンスターチは四六%というふうにこれは競合しておるわけです。それから食料その他において馬でんが二三%、コンスターチが一三%、大体競合しておる。したがって、いろいろ規制措置をとられていることは承知しておりますが、コンスターチはたとえば三十五年にはわずか二万一千トンしか輸入されておらなかったものが、三十九年には二十七万トン輸入されておる。一方馬でんのほうの生産でございますが、三十五年には百六十三万トン、これが三十九年に百八十二万トンと、とにかく馬でんの生産増とコンスターチの生産増というものは格段の相違があるということ。結局三十九年にはコンスターチのほうが二十七万トン、馬でんのほうは十八万二千トン、コンスターチのほうがむしろ多い。このことは明らかに、いかに御説明されましても、馬でんの需要をこれは押えておる、かように私は理解せざるを得ないわけでありますが、結局もっとこれを規制されるならば、馬でんのほうの需要は伸びてくるのではないか。馬でんの需要が伸びれば、そうすれば馬でんの価格というものが安定するのではないか。そうすれば原料であるバレイショ価格というものも安定してくるということで農民は喜ぶのではないか、こういうふうに考えるのですが、これはあまり三段論法的でありますが、こういうふうに考えるわけですが、この点いかがですか。
○説明員(岡田覚夫君) コンスターチと、馬でんとの用途の関係でございますけれども、たとえば昭和三十九年度見てみますと、需要の中でコンスターチが一番多いのは繊維、製紙、段ボールという面でございます。この面が一番多いわけでございますが、この面につきましては、馬でんの供給というものはございますけれども、量的に見ますとコンスターチのほうが非常に多い。先ほど長官から申し上げましたように、同じでん粉でございますから、でん粉として共通に使える面というものはもちろんあるわけです。これは価格関係いかんによって使える道があるわけでございますけれども、本来の用途といたしましては、馬でんのでん粉としての性質、コンスターチ、小麦、でん粉の性質というものはおのずから相違がございます。したがいまして、その相違に応じまして用途というものがきまってくる。したがいまして、それが直ちにほかのでん粉で代替するということには必ずしもならないという状態にあるわけでございます。そういうでん粉の性質の違いによりましてコンスターチというものが伸びてきたわけでございますけれども、いまの設備をもっていたしますと、固有用途に対しましてはかなり供給過剰になってくる。したがいまして、それが三十八イモ年度を中心といたしまして、主として糖化製品、つまり水あめ等に流れてまいりまして、その結果カンショでん粉の価格に非常な影響を与えておるというふうなこともございまして、したがいまして、糖化製品に流れるということを主としてチェックするという観点から、本年の四月から関税割り当て制度がとられたわけでございます。したがいまして、関税割り当て制度の基礎になっておりますコンスターチの十八万トンというものにつきましては、原則として糖化製品には使わないというたてまえでこれは割り当てをいたしておるわけであります。コンスターチがそれほど生産がふえない当時におきまして、固有用途に使われております当時におきましては、それほど馬でん、カンでんについてもコンスターチの影響というものはなかったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、三十八イモ年度から非常に問題になってまいったわけでございます。
○川村清一君 このコンスターチの輸入の総体というものが、馬でんの価格形成に重大な影響を与えておるということは、政府御当局としてもこれは否定できないことだと思うわけでありす。 そこでいまのお話によりますというと、それぞれのでん粉の用途が違う、その点は私も承知しておるわけであります。そこで先ほど申し上げましたように、たとえば糖化成分として、水あめ、ブドウ糖の原料としてはこれはカンでんが一番使われておるわけであります。そこでカンでんは全量を百とすれば糖化のほうには八五%使われておる。それからコンスターチの十八万トンの全量を百とすれば、その中の四六%というものは繊維品それからいわゆる雑工業なり段ボール、そういうものに使われておる。同じように馬でんのほうも全生産量を百とすればその中の三〇%はやはり繊維とか雑工業のほうに使われておる。同じ馬でんもコンスターチも繊維、雑工業に使われておるという点、この需要に向けられておるという点においては、用途がこれは競合しておるのではないかということを私は申し上げておるわけであります。 それから食料その他においても、馬でんのほうは全量の二三%、コンスターチのほうは一三%使われておる。こういうような点、それから糖化成分にいたしましても、馬でんのほうは全量の一五%、コンスターチ一八%、こういうふうにやはり競合しておる。この資料が間違っておるならばひとつ農林省としてはつまり調べられたその用途の資料を提出していただきたいと思いますが、私の得た資料ではそういうことなんです。 そこでこの資料を見ますというと、コンスターチのほうの需要と馬でんの需要が非常に競合しておるから、こちらのほうを減らす、減らすという措置をされておるのは知っていますよ、知っていますけれども、もっと行政措置によって減らされて馬でんの用途をふやされるような、そういう措置を、対策を立てられないものかどうかということを私は申し上げておるわけです。これはいかがです。
○説明員(岡田覚夫君) バレイショでん粉なりカンショでん粉と、それからコンスターチの用途でございますが、まあ、先ほど申し上げましたように、同じ繊維、製紙、段ボールというふうな産業分野に使われるということでございますけれども、性質が違うものでございますから使い方が同じ産業の中でも部面が違うというふうに私は理解しておるわけでございます。たとえばのりのごときものに一例をとってみますと、小麦でん粉の場合は非常にのりの持続性があるというふうなことから、のりには現実には小麦でん粉なりコンスターチが使われる。しかし、バレイショでん粉は比較的のりの強さはございますけれども持続性がないというふうな点からのりには使わないというふうな、同じ産業で使われます場合でも使い方の相違がございまして、したがって、その特性特性を生かした形でないとでん粉の用途というものはないということにおのずからなってくると思う。もちろんその中間的なものももちろんございましょうから、したがいまして、価格関係いかんによりましては中間的なものに使われるということもあるいはあるかもしれないと思うのでございますけれども、まあ、私たちが聞いております範囲では、そういうふうに、でん粉の性質の違いによりまして、同じ産業の中でも使途が違うというふうに実は理解しておるわけであります。 そこで馬でんの需要をいかに拡大するかということにかかってくると思うのでございますけれども、従来の形では、主として水産、のり製品だとか、加工でん粉だとか、それから繊維製品その他食料等が中心になって、水あめ、ブドウ糖についてはこれはカンショでん粉が中心になっておりまして、バレイショでん粉が占める比率というのは非常に少ないわけでございます。同じでん粉といたしますと、糖化製品につきましては、これは高級なでん粉という必要もないわけでございまして、そういう意味では、バレイショでもカンショでもコンスターチでも、いろいろなものが糖化製品としては使われる可能性があるというふうなことになると思うのでございます。そういうふうな形が現実にはまあ価格関係その他の関係から主としてカンでんが使われて馬でんが使われておらないというふうな実態でございます。今後といたしましてどのような需要の開拓が可能かということになりますとこれはなかなかむずかしい状態で、カンショでん粉につきましては御承知のようにブドウ糖という形でその用途がかなり開拓されてまいっているわけでございますけれども、バレイショにつきましては現在のところまだいろいろな関係からそこまでは需要が開拓されていないという点がございます。今後どういうふうに開拓していくかということは、われわれも頭を悩ましているわけでございますが、なお研究していかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
○川村清一君 時間がございませんので簡単にやめたいと思いますが、ただいまのお話で、同じ繊維といっても用途は違うのだ、そういう工業工程の中で用途が違うのだという御説明でございますし、専門家でございませんのでその点わかりませんが、いずれにいたしましても、私どもとしましてはもっと馬でんの需要を拡大する方途をぜひ講じて、そうして価格の安定に努力していただきたいということを要望するわけであります。 そこで最後に、政務次官にお尋ねしたいと思うわけでありますが、実はバレイショでん粉の主産地というのは御承知のように北海道でございます。その原料のバレイショというものは北海道の農業における主要作物の一つになっております。この積雪寒冷地の北海道、これは寒地農業の確立ということが北海道農業振興の最大の重点目標になっております。四年に一回は必ず冷害を受けておるというような地帯でございます。そこでバレイショ作物というもの、バレイショ耕作というものを北海道の農業全体の上にどういう位置づけをさせるのか、農林省、政府としてはどういう考えで指導されるのか。北海道の道庁の知事の行政方針といたしましては、やはりバレイショの耕作面積の拡大とかバレイショの生産増大とか拡大というものに相当努力しておる。そこで、政府としては北海道の寒地農業、こういうものの確立振興の上からバレイショ耕作というもの、バレイショ作物をどういうふうに位置づけ、そして指導されるお考えか、非常に基本的な問題でございますが、これは責任者の大臣がおられませんので、政務次官からお答えをいただきたい。
○説明員(後藤義隆君) バレイショが寒冷地である北海道に非常に適しておるということと、それからまた北海道はバレイショ農業というものがぜひ必要である、そういうふうな両面から考えまして、私どもは北海道におけるバレイショ農業というものは相当保護せなければいかない、将来そういう方面に向かってやはり十分検討しなければいかないと、こういうようなふうに考えております。
○川村清一君 御承知かと存じますが、北海道の第二次総合開発計画、これはすでに閣議決定されておるわけであります。これによりますというと、昭和四十五年の計画の完成年度におきますバレイショの生産目標というものは二百二万九千トンという数字を出しております。これは相当北海道としては重視しておる作物であります。そこで、ただいま政務次官の御答弁によりますというと、これは大事な作物である、ですから、北海道におけるバレイショ作物については、政府としては保護していかなければならぬ、こういうお考えであります。その基本的なお考えに対しましては、われわれは敬意を表するわけであります。そこで保護していこうとする基本的な政策、それをもっと具体化した政策としてはどういうことをなされるか、それをお尋ねしたい。
○説明員(後藤義隆君) どういう方策をとるかということは、いま直ちにお答えができませんけれども、そういう方面に向かって検討いたしまして、十分な保護をやっていきたいと、こういうようなふうに考えております。
○川村清一君 そのことは先ほどからるる申し上げましたように、要すれば原料バレイショの価格形成、それからバレイショでん粉の価格、これはバレイショでん粉の価格が上がれば、必然的に原料バレイショの価格が上がってくるわけであります。で、大体政府が基準価格を決定して、実際市場価格はそれを下回って売られておる。まさに農民は出血販売をしておる。こういうことは一体許されて、それが容認されて、北海道のいわゆるバレイショ農業の振興合わせ北海道の寒地農業の確立なんというものは、これはまさに絵にかいたぼたもちのようなもので、夢のような話である、こう思うわけです。ぜひひとつそういう意味におきまして、ただいま政務次官が保護される、保護されるという基本政策の上に立って具体的な政策をお立てになるわけであります。したがって、この十月十日に決定され、公表されるところのバレイショ並びにバレイショでん粉価格の形成につきましては、十分こういう点を考慮されてそういう要素を十分取り入れられて、そうして農民が喜んで農業に従事できるように、そういう価格を決定されることを心から御期待申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(仲原善一君) 本件については、本日はこの程度にとどめたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲原善一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時十七分散会 —————・—————