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49回国会参議院1965/08/12

地方行政委員会 閉会後第1号

発言数
46
登壇者
7
会派数
2
開催日
1965/08/12

会議録

天坊裕彦自由民主党

○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  国民健康保険の赤字問題に関する件を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 国民健康保険に入る前に、若干自治体の財政問題で伺いたいのでございますが、大都市の赤字が激増をいたしまして、大阪を例にとりますと、実質収支が三十八年十二億、三十九年四十億、四十年は七十億の赤字が見込まれるといわれておるわけですが、なお四十年の赤字見込みを、六大都市では横浜三十四億、名古屋二十五億、京都三十一億、大阪七十、神戸三十二、北九州十五億と、こういうように資料をつくっておるわけでございますが、若干の数字の狂いはございましても、このように大都市の赤字が激増しているという点は、自治省としてもお認めになりますか。

大西正男自由民主党自治政務次官

○説明員(大西正男君) お答えいたします。さようでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この赤字累増の原因は、主としてどういうことですか。

大西正男自由民主党自治政務次官

○説明員(大西正男君) 事務当局からお答えいたさせます。

及川謙三自治省財政局指導課長

○説明員(及川謙三君) お答え申し上げます。大都市財政におきましては、今日大都市特有の、いわゆる社会開発関係の事業が相当増加しておりまして、これに対する財源としましての税収の面におきまして、最近の経済情勢等の関連もありまして、特に法人税割り等が伸び悩んでおります。こういった歳出面では特殊な大都市の施設あるいは社会開発に伴う事業費の需要が増加する一方に対して、収入が法人税割り等を中心にして伸び悩みにある。もう一点は、やはり人件費の問題が相当量圧になっておりまして、これまた歳入面の財源が追いついていかないというようなところに事情があるものと考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 自治事務次官が各省の事務次官あてに昭和四十年度の地方財政措置についてという文書を出しておりますけれども、この内容の中で、特に財政秩序の確立ということで、地方公共団体に対する国の委託費あるいは委任事務の費用あるいは公共事業等について十二分な財源を与えてくれなければ困るという趣旨が述べられているわけでございますが、この赤字累増の一つの大きな原因に、国の計画をした公共投資といいますか、公共事業といいますか、これの財源補てんを地方自治体がしなければならない、またこの国の事業に伴いまして、地方で付随をして担当しなければならない事務量というものはふえてくるわけでございますね。こういうことは赤字の一つの原因になってはおりませんか。

及川謙三自治省財政局指導課長

○説明員(及川謙三君) ただいま御指摘の問題は、大都市に限らず府県、一般市町村にも共通の問題点でございます。おっしゃるとおり大都市におきましても、述べられた諸点が赤字発生の一つの要因になっていると考えられます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 仕事の量のふえるのに比べて、歳入がこれに伴わないという御説明がございましたが、一般財源の収入の伸びを六大都市で見ますと、三十八年は一四、三十九年は一四、四十年は九、こういうパーセントを示しております。これに対して義務的な経費の伸びだけを見ましても、支出増の伸びは三十八年が一八%、三十九年が一七%、四十年が一四%。比較をいたしますと三十八年は一四対一八、三十九年は一四対一七、四十年は見込みでございますが、九対一四ということになりまして、義務的経費の支出が非常にかさんでいるわりに、これを裏打ちをする一般財源の収入がさっぱりこれに伴って伸びておらない、こういうことが六大都市から訴えられているわけでございますが、この傾向、お認めになりますか。

及川謙三自治省財政局指導課長

○説明員(及川謙三君) 先ほど申し上げましたように、いろいろ社会開発に伴う住宅あるいは学校等の施設、いわゆる建設事業費の財政需要と相並んで、いま御指摘の人件費を中心にした義務的経費の増高も相当収入の増勢を上回ってあるのでございます。おっしゃるとおりそれも大都市の赤字の発生の大きな原因のひ一と考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 そうすると、かりに四十年度を押さえるならば一般財源の伸びが九%しかないという見込みに対して義務的経費の伸びを一四%という前提で予算を組まなければならないことになりますね。財源を補てんするかあるいは義務的経費の支出というものに対しまして、何か特別の財源措置を講ずるかしませんと、このバランスは合わないわけですね。こういうことが重なって、あるいは四十一年、四十二年を見込みますと、ますます大都市の赤字化、あるいは赤字の累増というものを認めなければならない、そういうことにはなりませんか、現状このままの方法で財政計画あるいは国の計画というものを進めてまいりますれば。

及川謙三自治省財政局指導課長

○説明員(及川謙三君) おっしゃるとおり税収を中心にした財源の伸びが非常に窮屈でございますので、その中で公共事業を消化をして、それから義務的経費を支払ってきますと、残るのは単独施策の事業費を圧縮するか、あるいは一般の物件費的まものを極力節約するかしかないわけであります。いまバランス・シートの上では、若干単独事業費の圧縮なり物件費の余裕、余裕といいますか、規模を、ある程度伸びを圧縮することにおいてかろうじて収支を保つような努力ができるのではないかというふうに考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 しかし、下水道とか道路、あるいはその他の公共的ないわゆる環境施設の改善事業というものを、単独事業というワクの中であっても、これを進めていくのが自治体の行政ですからね。特に大都市になりますと、こういった必要性というものは、他の地域よりも市民の感情としても非常に強いし、あるいは行政方面の仕事としてもやっていかなければならない。そういうウェートが置かれますね。そうすると、いなかの町のように単独事業だけを押えてバランスを合わすというわけには大都市ではいきませんね。単独事業みずからを進めなければならない問題になります。下水の問題でも、上水道の問題でも、どこでもたくさん問題になっておりますが、これを進めなければ、これはもう市政を行なっているというわけにはまいりませんからね。そういう大都市の緊急公共の投資計画というものは、非常にまた要望を強くされてきているときでありますから、それをまかなえる財源というものを十二分に考えないと一一般地域と同じように、中だけでバランスを合わせるということでは、財政的には破綻を免れないのじゃないですかね。この点いかがですか。

及川謙三自治省財政局指導課長

○説明員(及川謙三君) おっしゃるとおりに、特に何といいますか、環境衛生施設等については、一時に相当の金額を要するものが単独事業となっておりますので、これらについての財源といいますか、資金的な手当てとしましては、地方債の許可制度がございますが、その地方債のワクを、大都市向けのそういった施設に対する財源としてのワクを、極力拡大して対処していこうというふうな考え方になっておりますが、それにしましても、その年度の一般財源の必要額も相当額にのぼりますので、相当窮屈な状況にありますことはおっしゃるとおりでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 結局、そういう大都市は財政破綻を来たしつつありますときに、問題の国民健康保険事業というものを完全に進めてまいろうといたしますと、この国民健康保険事業というものと財政の赤字化というものがまたからみ合って健保事業そのものを非常に圧迫していくような結果になっておると思うのです。具体的に申しますと、国民健康保険事業そのものの決算状況を見ましても、これは六大都市ということではなく、全市町村を見ましても、三十七年と三十八年と比べると、黒字団体であったものすらも赤字団体になってきておりますね。特に六大都市では、大都市と目せられるものはほとんど黒字はございませんね。三十八年度の決算と三十七年度を比べましても、六大都市では約五十七億という赤字の金額を示しておりますね。で、この傾向は、あとで申し上げますが、三十九年、四十年ますます激しくなってくるわけでありますが、どだい財源がなくなりまして赤字化する。財政的には破綻の状態にある。そういう中に、さらに国民健康保険事業そのものもますます赤字化の傾向にある。そういう事業を六大都市にそのままかぶせておきまして、健保事業というものがうまく進みますからね。これは厚生省では、六大都市に限ってみましても、国民健康保険事業というものが、いまのような財政の中におっぽり放しにしておいてうまくやりくりがつくとお考えですか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 大都市のみならず、市町村一般につきまして、ただいま先生御指摘のような問題があるわけでございます。特に大都市につきましては、ただいま先生からお話のございましたような問題があるわけでございますが、ただ、私どもの見通しなり、見方といたしまして、やはり保険会計と申しますのは、被保険者の保険料負担と、それから一方におきましては国の負担と、この二つを主たる財源として運営さるべきだ、こういう考え方に立っておるわけでございますが、国のほうの問題はもちろんいろいろな問題があることは私ども感じてはおるわけでございますが、一方、市町村側の態勢として、特に大都市において保険料の賦課徴収等についてどれだけの努力が払われているかという点になりますと、率直に申し上げまして、大都市の場合、一般市町村よりもなお保険料その他が安い、低い、こういうような問題があるわけでございまして、これらの問題につきましては、私どもとして、できるだけそれぞれの市町村の実情に合ったような、決して無理な負担を私どもお願いするつもりじゃございませんが、少なくとも均衡のとれた負担をやっていただく、その上で、なお全体の収支がどうなるかというものを見きわめながら、かたがた国の負担の問題といりものを制度的に検討していきたい、こういうような考え方でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この財政調整交付金ですね、これを見ますと、三十七年度は七十八億ですね、構成比が六・五、三十八年度は百六十億で、構成比が一一・三。財政調整交付金を、このようにパーセントからいっても金額からいっても大幅に上げなければならないということは、どういうことですか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 三十七年度、三十八年度と数字が大きく違っておりまするのは、実はこの間に制度に改正があったわけでございます。従来、三十七年度までは、調整交付金の総額と申しますのは、その年度の市町村の療養給付費の総額の見込み額の五%と、こういうことに相なっておったのでございます。ところが、三十八年度から、御承知のように十月から世帯主につきまして七割給付を実施いたしました。その財源の一部を国が援助をする、こういうたてまえにいたしたわけでございます。同時に、所得の非常に低い階層について保険料あるいは保険税の減額措置をいたす、それについても全額国が負担をする、この二つのたてまえをとりました関係上、従来五%でありましたものを、三十八年度はとりあえず八・八%、三十九年度から一〇%と、かような交付率といいますか、その割合を引き上げて、その結果、ただいまお話のように数字が大きく伸びてまいった、かような経緯でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 結局、七割給付という目的を達するためには、調整交付金を上げなければ事業もできないということでございましょう。ということは、保険税だけに頼って、保険税を主にして保険事業というものをやりましても、そこには無理があるということでございましょう。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 先ほど申し上げましたように、国民健康保険の主たる財源は、片方は保険料、片方は国の負担、この二つによって成り立つべきものだ、かような考えのもとに現在の制度が仕組まれておりますが、その意味合いにおきまして、いまお話のように給付改善をいたしますれば、その一部については当然国として負担をする、かような考え方でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 三十七年度に対し、三十八年度の繰り出し金の増は二六%でありますね。三十五、三十六、三十七年の状況はどうなっていますか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 市町村の普通会計からの繰り入れは、三十五年度が三十六億三千三百万円、三十六年度が五十億六千三百万円、三十七年度は五十五億、三十八年度六十五億五千万円、かような数字でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 パーセンテージ………。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) これは金額での上昇率は手元で計算しておりませんが、被保険者一人当たりの金額で比較いたしますと、被保険者数の若干増減がございますので、一番正確かと思いますその数字を手元に持ち合わせておりますので、申し上げたいと思いますが、三十五年の一般会計繰り入れ金は前年度に対しましては若干減っております。指数で申しますと、〇・九七六でございます。それから三十六年は前年に対して一・三三七、三三・七%の増という意味でございます。三十七年度は一・一一七、一一・七%の増それから三十八年度が二一・八%の増、かような状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 この状態は保険財政が不安、定ということにはなりませんか。繰り出し金がいつも二〇%、多いときは三〇%も持ち出されているということは、保険財政そのものから見ればまだ不安定の度合いが強いということにはなりませんか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 全部が全部さような要因というふうには申し上げかねますが、御指摘のような問題が主たるものであるというふうに私ども考えます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 三十四年から四十年の被保険者一人当たりの額の伸びを見ますと、三十四年を基準にいたしますと、三十八年は一七七%、三十九年は一二二%、四十年は三〇一%というようにふえているわけですね。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) おっしゃる状況でございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 これは財政的に健全といわれますか。保険税だけをべらぼうに上げていかなければ保険財政のバランスがとれないというやり方は、これは国民健康保険のあり方からして非常に当を得た健全な方法といわれましょうか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 国民健康保険の事業の一番限月であり、かつその中で一番大きなウエートを占めておりますのは、御承知のように医療の給付でございます。したがって医療の給付に見合うものを保険料という形で被保険者の方に御負担いただく。もちろんこれには国の負担の増加という問題もございますが、たてまえとしてかような考え方でございますが、その場合、医療費の伸びというものが私どもの従来の過去の数字等から検討いたしました結論からいたしますと、大体所得の増に応じて医療がふえていくという、かような相関関係があるわけでございます。したがって医療費が上がり、受益がふえることに伴って保険料の負担がふえるという場合には、おおむね所得に見合ってさような伸びがある、こういうような見方ができるわけでございまして、したがって、医療給付のふえるに伴って、保険料は一応所得に見合った負担をしていただくような形で進んでまいっておると、かような考え方を持ってまいったわけでございます。ただ、最近におきまする医療費の増加傾向を見ますると、先生すでに御承知だと思いますが、かなり伸びが激しい。言ってみれば所得の伸びを上回っておるというところから、この所得の伸びと保険料の負担とのバランスがややくずれつつある、あるいは将来これがもっと大きくくずれるかもしれぬ、かような見通しがあるわけでございまして、そこらあたりに先生御指摘の問題があるのではなかろうか、私どもはさように考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 ほかの税金と違いまして、保険税の場合は、所得に見合って保険税が引き上がるということにならないわけですね。所得の非常に低い者でも控除される額というのはほとんど低いわけです。たとえば所得税と比べますと、所得税を払わない者でも、あるいは住民税の所得割りを払わない者でも保険税は払わなければならない階層がありますね。ところが所得税なり、あるいは事業税なり、あるいはまた住民税なりというものは相当の支払いをする率にある者でも、保険税の場合は頭打ちをされておるわけですね。ですから保険税の一人々々の平均が上がったということは所得の高い者に同じような率で上がるというのじゃなしに、所得の低い者に非常にかかってくるということになるわけですね。そこに保険税の問題があると思うのです。この点は鎌田参事官お認めになりますか。

鎌田要人自治大臣官房参事官

○説明員(鎌田要人君) はい。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 厚生省はいかがですか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) おっしゃるような問題があるわけですが、ただ、医療保険の場合には、やはり完全な所得の再分配ということももちろん考えなければならぬ問題でございますが、あわせて、やはり受益に応じて負担をしていただく、かようなたてまえのものでもあるわけでございます。その点で、いまお話のように、従来から国民健康保険の保険税、保険料の負担につきましては、年額五万円を限度として、府県市町村がさような限度額をきめてやっておりますので、非常な高額者につきましては保険料の負担が年額五万円からずっと上がらない、こういう問題があるのですが、ただ、私どもといたしましても、いま御指摘のような、非常に所得の低い階層が、先ほど私が申し上げました、いわば理論的にそうあるべきだということだけで負担が重くなるという事態は問題でございますので、先ほどもちょっと申し上げましたように、三十八年度から、低所得階層に対する保険料、保険税の減額措置というものをいたしておるわけでございます。したがいまして、三十七年度以前と今日と比べまして、いま御指摘のような、所得の低い世帯の負担が著しくふえている、全体の保険料の伸び程度の負担までそういう階層の被保険者がしておられると、こういう実態にはないわけでございまして、さような政策的な配慮は、他方でいたしているわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 御説明でございますが、保険料、あるいは保険税の上昇率がそのまま保険給付額の上昇率になってはいないわけですね。と申しますのは、厚生省から御発表になりました資料で見ますと、事務費の実支出額が、三十七年、三十八年のそれ以前をも押えまして、この決算を見ますと、国庫負担の確定額の割合というものが、三十四年は、事務費の実支出額に対して国庫負担の確定額が六九・九%、三十七年は五二・八%、三十八年が四九%、だんだん事務費の実支出額に対する国の負担率が落ちているんですね。三十九年、あるいは四十年の見込みはどうなりますか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 三十九年度の、ただいま先生のおっしゃった指数で申しますと、実績が五一・〇三%ということになっております。これはいまお話のように、事務費が非常に低いということが、従来からもちろん問題であったわけでございますが、国民健康保険の場合には、どちらかといいますと、給付内容の改善ということがやや主体になりまして、御指摘のような点が見落とされてきた、こういう経緯のあったために、指数の推移としては、おっしゃるような傾向をたどってまいったわけでございますが、三十九年度はさような点の問題を考えまして、従来よりは若干国庫負担の上がり幅を大きくしたということの結果、おっしゃいました三十八年度指数よりはやや好転した結果が出ておるわけでございます、なお、四十年度につきましては、すでに先生御承知のように、一人当たりの単価を二百円ということに引き上げておりますので、その後ベースアップ等もございまするし、その他の経費の増高という問題もございまするが、おそらく指数としては三十九年度、ただいま申し上げました五一%よりは、やや好転が期待できるのではなかろうか、かような日通しでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 三十四年には六九・九ですから約七〇%負担率があったわけですね。それが六三、五七、五二・八、四九と落ちて、三十九年は五一、今年もややその程度だろうといいますけれども、被保険者の一人当たりの保険料というものが、一十四年に比べて三倍にもなっておりますのに、政府のほうで負担をする額というのは七〇%から約五〇%というように、二〇%も落ちている、こういう関係を是正をしませんと、払ったものが給仕にそのまま返ってくるのではなくて、これは事故費の面まで結局われわれの保険税が持っていかれるということをいなむわけにはいかないのじゃないですか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 事務費の国庫負担だけをとりますと、先生おっしゃるとおりでございます。したがって、言いわけを申し上げるつもりはございませんが、国の支出金全体から見ますると、三十四年当時は被保険者一人当たり五百五十五円でございますが、三十九年度はこれは二千九十六円と約四倍になっておりますので、事務費の面では確かに国の負担というものが御指摘のようなことに相なっておるわけでございまするが、全体の国の支出を見れば、おおむね医療費の増を上回る程度の国の負担はやっておる、こういうようなことも言えるのではないか、これは御参考までに申し上げさせていただくわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 おっしゃるようなことであれば、この事務費を全額国庫負担にしてもらいたいとかあるいは療養給付費の国庫負担金については、二五%の国庫負担に世帯主及び世帯員の給付内容分一五%を含めて四〇%、これにしてもらわなければ困るというような要望は出てこないわけですよ。で、自治省でお出しになりましたが、国が当然その負担をしなければならないもので地方が負担をいたしております超過負担の具体的な例として、保健所の医師の基本給の月額単価というものを自治省でお出しになっておりますね。それを見ますと、国庫補助単価は三万三千四百四十三円、ところが国立病院の医師の予算単価は五万三千九百九十六円、調査実績によれば、その単価は六万一千八百三十九円と、こういう数字になっておりますね。六万一千八百三十九円の単価に対しまして、三万三千四百四十三円という単価で計算されては、これは給付に返るものよりは、事務に使われる費用というものが多くなりまして、給付は満足にいきませんから不満は多く出る。ところがその不満を解消するために給付を十二分にしていくためには、事務費のためにますます地方団体は赤字を重ねなければならない、この現状をいまのような対策で一挙に解決するということはできないのじゃないでしょうかね。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 保健所の問題は所管外でございまするので、お許しを願いたいと思います。  国保の事務費の伸びにつきましては、先生御指摘のようなことを私ども自身も痛感しておりますので、関係の向きでございます特に自治省からさような面についての是正改善ということについていろいろお話を伺っておるわけでございます。したがって、これはこれからの問題になりますので、考え方だけだと、そういう気だけじゃないかとおしかりを受けるかもしれませんが、私ども本年度かなりの事務費単価の引き上げをやったつもりでございますが、なお不十分であると私ども卒直に考えておりますので、来年度予算の要求にあたって、御指摘の点の是正を第一重点に考えてまいりたいと、こういう心組みでおるわけでございます。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 保険税が上がりましても給付額が上がっているんだというお話がありましたが、三十五年ごろは一人当たり保険給付費よりも一人当たりの保険税のほうがふえ方が非常に大きかったわけですね。しかし、このことだけで一般を律することはできませんけれども、三十六年以降は、しかしおっしゃるように給付費の伸びのほうが大きくなっております。三十五年に保険税の伸びのほうが大きくてアンバランスであったわけでございますが、御説明のように三十六年以後保険税の伸びよりも給付費の伸びを大きくしてありますのは、これは財源的に何か特別の方法を講じられてこういう結果になったのですか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) ただいま御指摘の数字が実は私よくわからないわけでございます。と申しますのは、お話のような傾向が、手元にございます三十四年度の、対前年度の指数で見ますと、かような数字が出ておるわけでございますが、これは御承知のように、三十三年に国民健康保険法の全面改正がございました。それ以前は、いわば市町村が任意にやるものにつきまして国が予算的な援助をすると、こういう措置にとどまっておったわけでありますが、三十四年から新しい法律によりまして定率二割五分をきちっと精算する、あるいは調整交付金の制度も設けた、かようなことで、国の援助体制が整ったということが、従前に比してかような数字になってあらわれておると見ております。さようなことから、三十六年以降は医療給付費の伸びのほうが保険税の伸びを上回っておるという結果になってあらわれておると考えております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 保険給付額はだんだん増加をしておりますね。保険税の増はしかしこの増加率を下回っておるわけです。さらに国庫の負担率も年々低下をしておりますね。こういう状態でございますと、保険財政というものにバランスをとらせるためには保険税を上げる以外にバランスをとれないということになりませんか。いま一度申しますと、おっしゃるように給付率はだんだん上がっております。この給付率の上がりに伴って保険税が上がっておりまして、これでバランスを合わせるということでございますが、給付率の上がりの率のようには保険税は上がっておりません。その保険税の足りない部分を国庫負担金か何かでまかなうのかというと、国庫の負担率は下がっております。そうなってまいりますと、高い率の保険給付というものをまかなうためには、国の補助額というものを上げない限り保険税でバランスをとるという方法をとらざるを得ない。すると、いろいろな条件で給付額が上がってまいりますと、これは保険税だけでまかなっていくために保険税を上げてくる、こういう傾向に現状が輝かれているとはいわれませんか。

信沢清厚生省保険局国民健康保険課長

○説明員(信沢清君) 国庫負担の率が低下をしておるというお話でございまするが、事務費の市価につきましては先ほどからお話のございましたように、さような傾向がございますことは卒直にいってその通りだと思います。しかし、国庫支出金全体としてながめました場合には、一応療養給付費の伸びを上回る程度の国庫負担の伸びがあると、このように私どもは考えておるわけでございまして、一応数字を申し上げますと、これは各年度の決算の数字を被保険者一人当たりで割りましたので、お手元の資料と若干食い違いがあるかもしれませんが、まず、療養給付費の伸びを見ますと、三十六年度は前年に対して三一・三%伸びております。これに対して国庫支出金は三七・四%、若干上回っております。それから三十七年度は療養給付費が二〇・九%、国庫支出金が二七・六%、三十八年度は療養給付費が三〇・八%、国庫支出金が三三・五%、かような形で、保険料の伸びが療養給付の伸びをやや下回っておりますが、国庫支出金の伸びは、一応の伸びがあらわれておる。もちろん、これは決算の数字でございますので、結末はいろいろ収支上の問題がございますので、単純にこの数字でもって十分御説明ができたというふうには考えませんが、一応の資料としてこういう数字を持っております。

加瀬完日本社会党

○加瀬完君 その限りにおいてはおっしゃるとおりでしょう。しかし保険財政というものから見ると、事務費というもののかさみが激しいわけですから、国が保険給付に対して負担が増しておるので、保険給付は非常に負担が上がったといいますか、事務費も含めて保険財政はどうなっておるかと申しますと、全市町村で三十七年の黒字団体は二千七百四、赤字団体が七百四十七、実質収支にしますと、黒字が八百十億、赤字が七百十九億、こういうことでございましたね。   〔委員長退席、理事沢田一精君着席〕 これが三十九年になりますと、黒字団体は千二百五十四、赤字団体が二千百五十四、実質収支は、十七億の黒字に対して、百九十二億の赤字になりますね。——ちょっと数字を読み違ったかもしれませんから、もう一度申し上げますが、昭和三十七年の黒字は八十一億、赤字が大体七十二億、それが昭和三十九年は黒字は十七億、赤字は百九十二億、六大都市で申しますと、三十一億であった実質収支の赤字が五十七億になっているわけですね。地方団体における国民健康保険事業そのものの計算からすれば、国の補助が不足かもしれませんけれども、それよりはるかに地方の負担によって、しかも赤字負担によって保険事業がまかなわれておるということ、これははっきりしていますよ。ですから給付に対する国の負担というものは、いろいろくふうをしておられますから、それはそれで認めるにやぶさかではありませんけれども、一体こんなに赤字の原因をつくっている事務費を一体どうするのか、ここに問題があると思う。で、これはあらためてまた伺いたいと思いますが、具体的に、横浜は非常に国民健康保険事業の赤字でやり繰りがつかないで困っているとわれわれ訴えられているわけでございますが、横浜市の国民健康保険財政というものがどういうふうになっておりますか、これは自治省ともども厚生省も資料を整えて私どもにお示しをいただきたいと思います。それであらためて次の委員会に、私は横浜の問題を、ここにも資料ございますが、いただきました資料で、もう少し尋ねてみたいと思います。事務費あるいは運営の費用そのものを地方負担からどう解決をすればいいかということを具体的にくふうしていただきませんと、この国民健康保険の赤字というのは、簡単には私は解決しない。解決をしないのじゃなくて、ますます赤字化というものは激しくなるのでございます。そして保険料だけ上げられますと、保険に参加しない者も出てきますよ。国民健康保険制度そのものが破壊されるおそれがありますので、その点をまた後日承りたいと思います。  きょうは質問をこれでやめます。

沢田一精自由民主党

○理事(沢田一精君) 本件に関する本日の質疑はこの程度にいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十五分散会

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