決算委員会国有財産に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/08/09
会議録
○委員長(相澤重明君) ただいまから決算委員会国有財産に関する小委員会を開会いたします。 本日は、本小委員会の今後の運営に対しまして御協議いたしたいと存じます。速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(相澤重明君) 速記を起こして。 それでは虎の門公園地に関する件を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言をいただきます。
○二宮文造君 いま委員長からお話がありました虎の門公園の問題地につきまして、若干質問したいと思うんですが、質問に入ります前に、一般論として特にお伺いしておきたいと思うんですが、それは国有財産法の第二十九条に、用途指定の売り払いの条項がございます。一定の用途に供させる目的をもって「普通財産の売払をする場合は、当該財産を所管する各省各庁の長は、その買受人に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなければならない。」、こういう規定がありますが、その規定の趣旨をお伺いしたいと思います。
○説明員(立川宗正君) 本規定は、普通財産というものが国民の財産でございますから、それを売り払う場合にはその売り払いの目的に適切に使われるということを担保させるために設けられたものでございまして、やはり普通財産というものを売り払う以上、一つの行政目的に従ってなされるというふうに考えられます。その行政目的が予定どおり達せられるように、また、売り払いまして、その売り払った財産があまりに長く用途に供せられなければ、やはりその行政目的に沿わないわけでございますので、一定の時期をまず定めまして、それからその期間をきめまして、そして普通財産を売却した趣旨が達成できるように一応設けられた規定でございます。
○二宮文造君 さらに一般論ですが、国有財産の払い下げを受けましたときに、手続的に合法的であっても、その実態があとでどう考えてみても不正である、しかも国に大きな損害を与えた、こういう事実があります場合は、政治の姿勢を正すという意味で、国も何らかの措置をとらなければならないかと思うのですが、そういう場合に、裁判でそれに対抗するというふうな考え方はあるかどうか、それを伺っておきたい。
○説明員(立川宗正君) 普通財産の売り払いに従って、その自後の売り払いというものが合法的に一応適法な手続をもってやられている以上、こちらとしていたしかたない、このように考えます。
○二宮文造君 さらに、国有財産の払い下げの場合に、しばしば延納という問題がありますが、債権確保の意味からも、あるいはまた、支払い能力があるかどうか、こういうことを判定する上からも、延納の場合、あるいはまたその金額が非常に膨大な場合には、当然資金計画書を出さして、それが妥当であるかどうか判断をなさると思うのですが、そういう措置をとられたことがありますか。また、通常とられるようになっておりますか、その点お伺いしたい。
○説明員(立川宗正君) 通常の場合は、相手方に対していろいろ資金計画等出させるのは、われわれとして当然やるべきことでございまして、そのような方法でやっております。
○二宮文造君 さらにその場合に、法人の場合は、法人としての資金計画書、並びにその役員、あるいは代表役員、そういうものの資産内容も含んだ上で資金計画書を判定されますか、その点はどうですか。
○説明員(立川宗正君) そういった点も、通常の場合は十分考慮いたしましてやります。
○二宮文造君 さらに、本論に入りたいと思いますが、前回も質問いたしました、さらに五月にも質問をいたしましたが、それは主として和議が成立して後の問題を私のほうからお伺いしました。やはり問題は、虎の門公園事件は、この参議院におきましても決議もあったぐらいですから、和議に至ります経緯というものについても了解をしなければ判断がつかないと思います。そういう意味で、和議に至りますまでの問題地の経緯につきまして、年代順に整理をした上で答弁願いたいのです。
○政府委員(松永勇君) あらましを申し上げます。この土地は、当初虎の門公園として、いわゆる行政財産として東京都に無償貸し付けしておったものでございます。ところが、ニューエンパイヤモーターという会社がこの土地について使用許可の申請を東京都に提出してきたのであります。その時期は二十三年の二月でございます。で、東京都知事は二十三年の三月に東京市公園使用条例第二条に基づいてこれを都議会に提出し、同年四月相手方会社に対する使用を可決したのでございます。その後東京都は、駐留軍からのいろんな問題もございまして、この土地の接収解除——当時この土地は接収になっておりましたものですから、接収解除について手続をとり、二十三年の十二月十六日付で接収解除になっております。そうして、この状況を東京都は建設省に報告し、公園の使用許可という点で建設省の承認を得ようとしたのでございますが、建設省はその使用条件につきまして若干の条件を付してこれを承認いたしました。その時期は二十四年の二月の一日でございます。その当時の条件は、使用面積六百五十坪、使用期間は二十八年一月三十一日まで、そのほか使用料等につきまして、あるいは仮設による建物を認めるというような点を指示いたしております。東京都はその建設省承認があった同日付で相手方に使用を許可したのでございます。ところが、相手方がつくりましたものは仮設物ではなくて鉄骨の建物であった、使用面積も六百五十坪ではなくて実際の土地全部に及んでおるというような状況で、実際上公園としての機能は停止しておるという状況になっておりましたので、関東財務局は二十四年の九月にこの事実を知り、東京都に対する貸し付け目的に違反しているということから、その土地の返還を要求したのでございます。その後、本件については、返還は要求いたしましたが、実際の返還はなかなか行なわれがたい状況でございまして、二十五年以降会計検査院の指摘を受け、正式に二十六年会計検査院から文書をもって指摘を受けたわけであります。この会計検査院の指摘を受けましてから、財務局としては、この土地が公園の実情に沿わないということで、これを返還せしめる方針を決定いたしまして、自来東京都及び建設省に対してこの返還を請求してまいったのでございます。次に、東京都知事は、建設大臣、省と協議をした結果、この虎の門の公園を廃止するということをきめまして、二十八年に建設大臣あて廃止について上申し、建設大臣がこれを都市計画東京地方審議会に付議し、その議決を経た結果、これを廃止するという告示が二十八年の四月ごろに出ております。二十八年の六月に関東地方財務局長がこの引き継ぎを受けまして、その結果、財務局としましては、本件の土地が普通財産となりました関係で、相手方のニューエンパイヤモーター会社に対しては、国との関係は普通財産の貸し付け契約ではないということで、これの立ちのきを迫ったわけでございますが、相手方がそれに応じないということで、二十九年の四月に建物収去、土地明け渡し請求の訴訟を提起したのでございます。自来この訴訟の継続しております間に、裁判官から三十六年四月和解の勧告があったのでございます。この和解をするかどうかという点につきましては、種々当時問題になったようでございますが、参議院の決算委員会における三十七年三月十四日の決議、それから同様の趣旨のことが衆議院の決算委員会においては委員長から政府に対する要望というような形で出ておりまして、そういう点も考慮し、当時の情勢から和解をすることが妥当であろうということで、三十八年の七月二十日和解が成立、三十八年十月一日売り払い契約をした、こういう事情になっております。
○二宮文造君 当時ニューエンパイヤモーター株式会社の会社の目的は何になっておりますか、また事実その当該地は何に使われておりましたか。代表者の名前、さらにもう一歩取締役の名前を追加して……。
○説明員(立川宗正君) ニューエンパイヤモーター株式会社の事業内容といたしましては、自動車の販売、修理、これを中心にして、このほか部品の販売、そういうものをやっておるわけであります。それから代表取締役の名前は、吉岡照義という人の名前であります。
○二宮文造君 取締役の名前は……。
○委員長(相澤重明君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(相澤重明君) 速記起こして。
○二宮文造君 さらに、売買契約の当時のその会社の資本金並びに払い込みの資本金は幾らになっておりますか。
○委員長(相澤重明君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(相澤重明君) 速記起こして。
○政府委員(松永勇君) いま、ただいまの資料調べておりますので、資本金の額は後ほどお答えいたします。ニューエンパイヤの代表取締役は吉岡照義ということでございます。
○二宮文造君 私のほうから言っておきます。創立当時の取締役は、住所は略しますが、大局頼光、鈴木剛、吉岡照義、大竹善三、柳田武彦、上島三男人、有働正身、村上義一、そして代表取締役に吉岡照義となっております。この件はよく覚えておいていただきたいと思います。 それからさらにその次に、資本金は六千万円——三十八年の契約当時六千万円、払い込みも六千万円の会社に対して、五年間の延納とはいいながら、十一億何がしの国有財産を売り払うその契約をした、これも問題になろうかと思いますが、あとで問題を出します。 さらに私は質問したいのですが、和解条項のその三に、すなわち国とニューエンパイヤモーターとの和解条項のその三に、「被告は引き続きその土地を所有し、かつ利用するものとする」、こういう和解条項のその三があったと記憶しますが、それはどうでしょうか。
○説明員(立川宗正君) その規定はございます。
○二宮文造君 法務省の方にお伺いしたいのですが、これは長く国とニューエンパイヤモーターとの間に、返還要求をめぐりまして係争になりまして、そのときのニューエンパイヤモーター株式会社は、先ほど答弁がありましたように、自動車の部分品、あるいは自動車の売買、さらにはまた修理工場、こういうものを主体とした営業をやっておりましたし、定款目的もそうなっております。さらに、その訴訟の過程におきまして、ニューエンパイヤモーター株式会社から法廷に提出された書類の中に、これは「建物収去及び明け渡し等請求事件」、「本件につき、被告は、裁判所の職権による和解御勧告に応じ、添付別紙記載のとおり被告の希望する和解条項の案を作成し提出いたします。ついては、左記の事項御考慮賜わり、よろしくお取り計らいのほど願い上げます。」御参考として、「和解解決の方法として建物を収去し他に移転することは、会社の破産を意味することであり、役職、従業員及びその家族を含め約二千名の生活の重大危機を意味することになります。」、こういう文言があります。 さらに、そういう経緯がありまして和解が成立したわけですが、その和解のその三に、いま申しましたように、「被告は引き続き所有し、それを利用するものとする」、こういう和解の条件があったとしますと、法務省の当局としては、この建物でどういう営業が行なわれ、どういう意味で、引き続き所有し、利用をするという判断をされ、この和解条項が示されたか、これに対する判断をお伺いしたい。
○説明員(関根達夫君) 私どもといたしましては、当時、会社が引き続きそれを所有いたしまして、会社の事業目的のために引き続き当該土地を利用するものと、かように考えておりました。
○二宮文造君 会社の当該目的と申しますと、いま申し上げましたように、会社の定款目的には、自動車部分品、付属品、機械工具並びにガス燃料の輸出入、販売をなすこと、計量器の販売、中古自動車の売買、損害保険代理業、右事項に付帯する一切の業務をこのまま引き続き所有され、利用される、こういうふうに解釈される、これでよろしいわけですか。
○説明員(関根達夫君) 一応そのとおりに考えておりました。ただし、会社が引き続き所有し、それを会社の事業目的に利用するということでございましたので、その後状況の変化等によりまして最初の事業目的を変更し、かつその変更することが合理的でありまするならば、その程度までは許されるのじゃないか、かように考えます。
○二宮文造君 先ほども申しましたように、これは普通の並みたいていの事件じゃないわけです。GHQのあと押しがありまして、フォードの自動車を引き取る、そういう意味で、どうしてもここに作業場を置かなければならぬ、そういう当時の特殊の関係で自動車工場が設けられ、いまも参考としてニューエンパイヤモーターから裁判所に提出された書類でも明らかなように、その場所から移転をするということは困難である、会社の破産を意味する従業員は家族を含めて二千名いる、したがって、国からの要求はもっともであろうかもしれぬが、私のほうとしては建物を収去することはできぬ、したがって、そういう生活権の問題も加わってくるから、払い下げてもらいたい、これが和解に至る大きな要素であった、これは御承知のとおりだと思う。その要素に基づいて和解が成立したのですから、所有し、利用するというのは、それはその従業員もやはりそのままそこに作業をする、撤去はとうてい考えられない、こういう条件が多分に働いていたのじゃないかと思います。その問題について、もう一度法務省の考え方を明らかにしていただきたい。
○説明員(関根達夫君) この契約条項の趣旨につきましては、ただいまお話のありましたとおりだと存じます。したがいまして、特別の事情のない限り、ニューエンパイヤモーターといたしましては、従来どおりの経営をやるべきたてまえのもとにこの和解が成立したと考えております。
○二宮文造君 さらに法務省の方にお伺いしますが、この会社は、昭和三十八年十月一日に、総額十一億何がしかの金額でもって当該物件の国との売買契約が成立しました。成立したと同時に、十日たちまして、この会社はニューエンパイヤ興業株式会社と商号を変更しました。同時に、前の会社の代表取締役であるところのニューエンパイヤモーター株式会社代表取締役吉岡照義という方は、ニューエンパイヤモーター株式会社がニューエンパイヤ興業と商号変更するその日に、別個にニューエンパイヤモーター株式会社を設立しております。私考えるのですが、従来ニューエンパイヤモーター株式会社と取引をしておる取引者であるならば、現にその場所に、きのうまではニューエンパイヤモーター株式会社であった、きょうはニューエンパイヤ興業株式会社と商号を変更された。しかし、同じ建物にニューエンパイヤモーター株式会社と、従前と同じ名前の会社があるといたしますと、新しい会社が従来のニューエンパイヤモーター株式会社と思って取引をします。だれも、ニューエンパイヤモーター株式会社がニューエンパイヤ興業株式会社になって、新たにニューエンパイヤモーター株式会社ができた、そんなことは考えません。これは商法上の規定にも反するのじゃないかと思いますし、そうされることが事業の発展である、またそういうことを契約をなさるときに、法務省としては、事前にそういうふうな変転が行なわれるという空気がありましたか。
○説明員(関根達夫君) そのようなことは当時承知しておりません。また、その後の経緯につきましても、私は詳しく承知しておりません。
○二宮文造君 国と契約をしたニューエンパイヤモーター株式会社は、十日後の十月十日にニューエンパイヤ興業株式会社となりました。そして十月の三十一日には定款を変更しました。その際に、土地売買のあっせん業という事業目的を加えました。さらに、吉岡照義という方は代表取締役を引いております。そして、先ほど、創業のときにいた取締役と申しました、名前を覚えておいてほしいと申し上げましたが、その方々は全員十月三十一日に退社をしました。従前にニューエンパイヤモーター株式会社に関係をしていた、いわゆる国と売買契約する以前にニューエンパイヤモーター株式会社の役員となっていた人は、昭和三十六年に就任をしました小島忠という方と坪井準二という方です。昭和三十六年と申しますと、まさにそのときはこのニューエンパイヤモーター株式会社と国との間に土地明け渡しをめぐって裁判の最中でした。係争中に取締役に就任したこの二人の方だけを残して、創業以来の取締役、監査役は全部退社をしました。先ほど、十月十日にニューエンパイヤモーター株式会社なるものが設立され、従前のニューエンパイヤモーター株式会社の事業内容は全部そこへ行ってしまっておりまして、さらに今度は十月の三十一日に至りましては従前の役員も全部退社をしております。すなわち、名前が残っただけで、国と売買契約をする権利を持つセミのぬけがらのようなニューエンパイヤモーター株式会社の引き継ぎのニューエンパイヤ興業が残っただけで、会社の実質は新しいニューエンパイヤモーター株式会社に移っております。これではたして、商法上適法な事業の発展であると、こう確認することができるかどうか。私は、もしも国がそういうふうなことを言うのであれば、こういう経緯に至ったのは国もぐるではないか。だれかのさしがねで合法的に脱法行為をやり、国もそれを認め、暗黙の了解の中に行なわれなければ、こういうことが絶対行なわれないと勘ぐらざるを得ないわけです。そうして、私はいま一度ここでお伺いしておきたいのは、小畠忠という方はどういう方ですか。この方は十月の三十一日に代表取締役になっております。さらに坪井準二という方はどういう方ですか。これは大蔵省がわかりませんということでは私は済まないと思います。なぜかと申しますと、十何億もそういう取引をして、五年間の延納ですから、五年間の延納をしておるその会社の代表取締役がどういう人であるかということを知らないわけにはいかないと思います。おわかりでしたら答弁願いたい。
○政府委員(松永勇君) 代表取締役の小鳥忠というのは、国際興業の社長でもあるというふうに聞いておりますが、いずれにしろ、この新しく商号変更いたしましたニューエンパイヤ興業株式会社の代表取締役であるということで承知しております。坪井さんという方は私としては存じておりません。
○二宮文造君 さらに、これは何度も申し上げたことですが、このニューエンパイヤ興業株式会社がさらに年を明けて五月の十三日に、問題の朝日土地興業株式会社に合併をしております。そうして役目が全部終わりました。この十月の三十一日に就任をされたいわば終戦処理の役員だと思うのですが、小佐野栄、長沢良、小佐野定彦、石田昇、上原秀作、田中豊雄、竹沢脩、間宮保治、この監査役の方は全部退任をしまして、朝日土地興業株式会社は代表取締役が丹沢善利、その取締役には望月郷良、清水富雄、丹沢章治、菊池寛美、千葉三郎、山根春衛、江戸英雄、川崎千春、津村亀吉、菊池仁、南景樹、谷野登喜夫、南保夫、丹羽利晃、亀山甚、佐野友二、田土部勝徳、こういう方々が取締役になっております。私の記憶が正しいかどうか、誤まっておればあとで訂正したいと思うのですが、ただ記憶をたどっての話ですから御了解願いたいのですが、この丹沢善利氏、菊池寛美氏、さらに佐野友二氏、この方々は武州鉄道事件で何か問題があった方ではないかと——住所がありませんので、その辺はよく了解願いたいのですが、こういうふうな会社になっております。で、私が問題にしたいのは、確かにこの土地の払い下げを受けたいというかつてのニューエンパイヤモーター株式会社の吉岡照義氏は切実な願いであったと思います。また、従業員もそれを応援したと思います。ただ、事件が非常にこんとんとしてきまして問題が非常に複雑になってきたので、何か政治的な力をかりなければこの問題は解決しない、そういうときに及んで、新たな取締役が二名参加して、いわば作戦の指揮をとった。その作戦のとおりに国と和解成立して、その建物が、その土地がニューエンパイヤモーター株式会社に払い下げになった。しかも、準借地権として三〇%の控除は認められますし、さらにその土地価格の積算につきましても、不動産研究所からの鑑定書によりますと、あの辺一帯は呼び値三百万円ですから、その呼び値三百万円をそのまま取り上げますと、今日三十三億円になります。それが、準借地権の控除だとか、あるいは価格の積算の便宜、そういう恩典を受けまして、十一億何がしで国と契約をした。それで吉岡照義氏の役は終わったわけです。ですから、彼は何がしかの報償金でもいただいたのではないかと、こうも推測したのですが、そしてその金をもって目黒に新しい工場を建てた。現に目黒でニューエンパイヤ株式会社として盛業中です。そして問題の物件は、当初の作戦のとおり、半年を出でずして朝日土地興業株式会社の土地になった、こう私は推測せざるを得ない。商法上の適法な合併であるとか、事業の進展であるとか、いくら政府が詭弁を弄してみましても、もしも国のそういう言い分と、私がいまここで申し上げる言い分と、国民の皆さんの前にそのままぶっつけたら、国民は一体どちらをとるか。おかしい、こういう一言に尽きると思います。さらに私はもっと申し上げたいことは、この土地には、撤去不可能な半永久的な建物と称されておりました工場が建っておりました。土地の売買が延納を認められておりますから、国としても当然その建物も延納が終わるまでと称して抵当物件としてとっております。その抵当物件を、何らの国に対する相談もなく、建物は現存撤去されております。これは明らかに売買契約の違反であります。まずこの建物の撤去について、それが大蔵省にどれほどの了解があってやったか、許したか許さないか、相談があったかどうか、これをお伺いしたい。
○政府委員(松永勇君) 撤去につきましては、当方にそういう申し出があって、それは承認をしたということになっているようでございます。国有の担保になっております建物を撤去いたしましても、土地がさら地となって、十分担保価値を保有し得るという観点のもとに許可をいたしたわけでございます。
○二宮文造君 それは公文書でなされましたか。そして、あなたはその回答は公文書でもって撤去のあれをしておりますか。
○政府委員(松永勇君) 公文書で許可をしたかどうか、後ほど財務局の契約担当官のほうで取り調べて御返答いたします。
○二宮文造君 前回私が村田課長に質問をいたしましたときには、そういうふうな経緯についてはお話はありませんでした。むしろ撤去されたことについて驚いておったような印象が私はあるわけですが、もしもここに公文書がなければどうなりますか。往復文書、公文書がなければ、どういうことになりますか、お伺いしたい。
○政府委員(松永勇君) 公文書があるかどうかもう一度確かめてみたいと思いますが、通常は、二宮先生のおっしゃるとおり、担保の目的物となっているものをかってにこわすということは許されない。ただ、この場合、国がそれによって実損を受けるかどうかということが実質上の論議になるわけでございます。そういう点で、国としては、さら地になった土地で十分担保価値を保有し得るという観点のもとに特に異議を申し出なかったということになろうかと思います。
○委員長(相澤重明君) 局長、ちょっといまの局長の答弁は、これは大蔵省を代表しての答弁と受け取れるが、そういうことですか。いま担保物件に入っているのに、公文書もなくて担保物件を抹殺をされたということを了解をしたということですか。そういうふうに受け取っていいんですか。
○政府委員(松永勇君) 了解をしたということではなくて、かりにいまのように、担保物件がかってにこわされたということは、通常はあり得ないはずでございます。それでは、そういう事実がかりに起きたという場合に、国としていかなる措置をとるかという場合に、それを理由に契約解除というようなことも一つの案として考えられましようし、それから国の所期の目的である延納の担保としてとっている価値は、それによって建物はなくなるが、今後は土地の価格がむしろさら地となって上がる。そういうことで、担保価値の点では、債権確保の上では支障がないことになります。全体として担保価値の十分ある場合に、これを訴訟として提起するかどうか、そのときの経緯の問題として、必ずそういう場合には訴訟を提起するということになるかどうか問題である、こういう趣旨で申し上げたわけです。
○委員長(相澤重明君) いま一度委員長からお尋ねしておきますが、いまの抵当物件としてきまっている建物が撤去されたというのは、いつ大蔵省が確認をしたのですか。
○二宮文造君 ここに撤去途中の写真があります。
○政府委員(松永勇君) 撤去されたのは——現在は撤去されておりまして、私も現場を見ておりますが、撤去されたのを確認した日は、比較的最近のときのようでございます。
○二宮文造君 重大な問題ですから、比較的最近というのはいつですか。
○政府委員(松永勇君) 本件について私が確認したのは、つい二、三日前でございます。
○二宮文造君 法務省にお伺いしますが、売買契約書に担保の提供——第九条を読みますが、「乙は、売買物件の延納代金及び延納利息の担保として、甲のために別紙第一」——建物全部列挙されております。「第一に掲げる財産について本契約締結後三十日以内に抵当権を設定するとともに、その設定登記について甲に協力するものとする。」、こういう担保の提供が売買契約書に厳然と示されております。その売買契約に基づいて担保をとった。その担保物件であるところの別表第一に掲げられたこの建物をもしも撤去したいというときには、契約書に掲げられてあるわけですから、あらかじめ国に対してこう撤去したいという申し出もなければいけませんでしょうし、国のほうから許可がなければ撤去できない。もし許可なくして撤去した場合、これは刑法二百六十二条ですか、そういうものに該当する問題になろうかと思いますが、いかがですか。
○説明員(伊藤栄樹君) 刑事上の問題に関して私からお答え申し上げます。 一般的に、抵当権の設定をされております不動産をその所有者がかってにこわすというような行為は、刑事上の問題でありますので、犯意とか、いろいろな問題が必要になってまいると思いますけれども、一般論として言えば、刑法の背任罪等に当たる場合が相当多いのじゃないかというふうに考えられます。
○二宮文造君 大事な問題申し落としておきましたが、この売買契約書に担保の提供がきめられているわけです。それを取りこわすときには、やはりそれを承知するという公文書が、文書による許可がなければいけないと私思うのですが、この点はどうですか。
○高山恒雄君 関連。いまの公文書があるないよりも、抵当物件の書きかえがなされなければならぬと思うのです。従来入っておったものを取りこわして、あなた価値があると言われますけれどもその価値よりも、文書によってそうしたものが入っておるのかどうか、ここに問題があろうと思います。
○政府委員(松永勇君) この建物を売り払いました契約当時には、その別紙として担保権の設定をする不動産に、土地、建物、それぞれついております。契約当時がそういうことであったのでございますが、現在これがそのままになっておるか、あるいは契約の変更によってその建物を落としておるかどうか、これはちょっと財務局のほうで確認いたしたいと思っております。
○二宮文造君 さらに、この物件に対しまして、三十九年の十二月の一日に丸紅は所有権移転の仮登記をしております。さらに十億円の抵当権の設定をしておりますが、この抵当権の設定にあたって、大蔵省に前もって話がありましたか。売買契約書の第十一条によりますと、「乙は、担保物について担保価値に変動を及ぼすと認められる事実上又は法律上の行為をしようとするときは、あらかじめその内容を甲に通知しなければならない。」となっておりますが、この点はどうですか。
○政府委員(松永勇君) 本件の売買予約の登記をする際には、相手方は大蔵省に通知はなかったようでございます。
○二宮文造君 いや、「なかったようでございます」と言ってお他人さまのように言われてくれちゃ、私困ると思います。重要な問題にしなくていいのですか。
○政府委員(松永勇君) 本件は、まあ通常そういうときには私のほうとの間はまだ延納契約が続いておるわけでありますから、諸般の事情はいろいろ通知してもらうのが信義誠実から妥当だろうと思いますが、それが正式の通知とかいうようなことがなかったことは遺憾とは思いますが、第十一条では、「担保物について担保価値に変動を及ぼすと認められる事実上又は法律上の行為をしようとするときは、」というのでございまして、本件につきましては、第一抵当というものは、当然国のほうの第一抵当がどこまでもついて回ります。そういう関係で、これを事実上、法律上どの程度の影響があるというふうに見るかという問題であろうかと思いますが、慎重に検討してみたいと思います。
○二宮文造君 私、非常に不満なんです。合併については、法律上の要件ばっかりを、体裁ばっかりを取り上げて、法律上からいいますと適法である、適法である、こういうように言ってこられたあなたが、いざ今度は物件に関する問題につきましては、事実は担保価値に変動がない。法律できめられた、あるいは契約できめられた条項をとっていくならば、今度は抵当物件をこわすということについても法律の条項を使わなければなりませんし、あるいはこの契約にきめられたことを違反しようとするときにも法律上の解釈をしていただかなきゃならぬ。買い受け人の都合のいいときにはあなたは法律上の解釈をする。買い受け人が問題になる部面については事実上の解釈をしようとする。どういうわけでこう論点を移動されるのですか。なぜ首尾一貫して——あなたが法律解釈でもってくるから、私は法律解釈でお伺いするのです。この辺については、私ほんとうに憤慨です。いま一度この十一条の解釈、公文書で抵当物件をこわしますという許可がない場合はどうするか。さらに、丸紅と十億の抵当権を設定する、それに対して大蔵省に何らの話し合いもない。その問題について、この朝日土地興業株式会社にどういう手を打つ、これについて具体的に、明快に答弁願いたい。
○政府委員(松永勇君) これは前回にもお答えしたと思いますが、会社の合併ということを、あるいは商号変更ということは、法律上適法な手続によって行なわれておる。私たちとしてはそれは当初こういう事態に商号変更その他が行なわれるとは予想してなかったことではございますが、そういうことがその後においてとられたということについては、適法な法律上の措置によって行なわれているのに対してはいかんともなしがたいということでございます。
○二宮文造君 ちょっと途中ですが、いかんともなしがたい——いかんともなしがたいと言われたいまの局長さんの、あるいは国の考え方の中には、明らかにこれは契約に対する違反ではあるけれども、法律要件を備えてきているのでいかんともしがたく、こういう意味のいかんともしがたいのですか。それとも、妥当な、これはもう当然なことである、どこへ出しても恥ずかしくないことである、あたりまえのことである、こういう意味でのいかんともしがたいのですか。途中ですが、ずっと先へ続いておりますと答弁が変わってきますので、間で口をはさみました。
○政府委員(松永勇君) いかんと申しましたのは、契約に違反しているということまでは私たちは認めがたい。契約に違反しているということであれば、もちろん契約解除ということができるわけでございますが、契約書の文言には違反してない。ただ、私たちが売った当初の状態では予想しなかったことである。その点は遺憾である。遺憾であるが、契約に違反するということを理由としてこれを解除云々するということはできない、そういうふうに考えております。 次に、朝日土地が丸紅飯田に対する売買予約の関係は、前回にも申しましたように、消費貸借の抵当権設定をすると同時に、その抵当権の担保を確実にするという目的のため、通常商慣習として行なわれているという状況でありまして、これが他に真に売買をするという目的のもとではないというふうに私たちは解しております。現に、すでに二カ月分の延納というか、消費貸借の延納分、分割払い分は支払われております。今後消費貸借の返済が行なわれるであろうというふうに考えております。
○委員長(相澤重明君) ちょっと委員長から関根第一課長にお尋ねしておきたいのですが、先ほど二宮委員の質問に、伊藤刑事課長の答弁がございましたが、いま松永局長の二宮委員に対する答弁の中で、担保物件の問題が説明をされたが、その契約条項の中の担保の中には土地建物とある。しかし、その土地建物の中の建物がなくなった、こういう場合に、無契約でそれがいいのか、話がなくていいのか、こういう質問があったのでありますが、法務省としての見解を聞いておきたい。
○説明員(関根達夫君) 担保を負担しておる物件を棄滅いたしますと、担保が消滅することになります。これは民事的に申しまして、不法行為に該当すると存じます。
○二宮文造君 さらに私、局長にお伺いしたいのですが、また先ほどの答弁がすりかわったわけです。私はあくまでも契約書に基づいて、あらかじめ甲に通知しなければならない、通知を期待するんじゃないんです。通知をしなければならない、こういう一項があるにもかかわらず、もし通知しないでやった場合に、この解釈はどうなりますか。あなたは事実問題として消費貸借であるとか、現に二回払われているとか、そういう事実、ここで事実問題を出してくるわけです。ここで事実問題の論争をするんなら、前の段階で、会社の合併の段階での事実問題の論争もしようじゃないですか。現に一緒にいて妙じゃありませんか。従来のニューエンパイヤモーター株式会社の取引先は今日目黒に行っております。なぜ、会社が合併のとき、あるいは商号変更のときには、法律的な要件をとらえて、この担保物件をかってにこわしたり、あるいは消費貸借と称して売買予約の仮登記をしたり、抵当権を設定したりするのに、この条項に違反していて、その問題をどう解釈しますか、こう答弁を求めているにもかかわらず、あなたの答弁は、事実問題の答弁しかしない。この契約書の解釈はなさらない。この点はどうですか。くどいようですけれども、もう一度聞いておきます。
○政府委員(松永勇君) 先ほどお答えしたように、私たちは法律上、会社が合併になる、これは売り払いの相手方は、なるほどそれの役員はかわってきておる。しかし、売り払いの相手方としての法人格というものは一体性として続いているんだ。その問題で法人格の執行者である人がかわっても、法人格は続いているんだというたてまえで、ものごとを処理してまいっていると思います。本件の場合には、中身の人は、先ほど二宮先生のおっしゃるように、ほとんどかわってしまったという事態、しかし、法人格は、商号変更、合併によってやはり続いているのだということで考えざるを得ないのではなかろうかというふうに考えております。
○委員長(相澤重明君) ちょっと委員長から局長に言っておきますが、いまの答弁は、二宮委員の質問に十分答えておらないんじゃないかな。いま一度、二宮委員、わかるように教えてやってください。
○二宮文造君 私は担保物の問題をいま問題にしているわけです。担保として提供されたのは、先ほども法務省の方の解釈があったように、明らかに不法行為に類するような——不法行為と言われましたけれども、それと解釈されるような行為をやっております。さらに十億円という金額を、抵当権を設定しているのに、何ら国に対して通知していない。それは第十一条の違反ではないか、こういうことを私は聞いているわけです。あくまでもこの契約書、国と売買契約者の相手との論争は契約書に基づかなければならぬと思いますが、この契約書に忠実に解釈をしていただきたいと思うのです。「あらかじめその内容を甲に通知しなければならない。」、これをどう解釈されるか。
○政府委員(松永勇君) 担保物件を甲に通知しないで棄損するということは、これは十一条に違反するというふうに考えられます。本件について事実上の通知をしたかどうかという点については、後ほど確かめてみたいと思います。
○二宮文造君 前々回ですか、五月七日に私この点について質問をした村田課長の答弁があります。この丸紅飯田の問題につきましては聞いて驚いたというのです。「実はこういう席上で申し上げるのは、まことに恐縮なんですが、私どもとしましても、これを公の形で実は聞いたのではございませんで、ある方からのうわさということで聞きまして、事実、これはたいへんな問題であるということで調査いたしまして、登記簿謄本、その他によりましてわかったというものでございまして、時期といたしましては、今年の三月ごろじゃなかったかと、このように考えております。」、これが村田課長の答弁です。問題は十二月の一日に起こっていて、しかも、ここでは「あらかじめ」となっております。もしもこの十一条に違反していた場合には、どういう措置をとられますか。違反でしょう。
○政府委員(松永勇君) 違反であるかどうかという点は、もう二度念を入れて確かめてみたいと思います。もし違反であった場合に、この違反を事由としていかなる措置をとるかという点につきましては、十分慎重に検討したいと思っております。
○二宮文造君 私は、また答弁が変わったわけです。違反であるかどうかということではなくて、あらかじめ通知があったかどうか。しなければならないとなっていることであれば、通知をしなきゃならないと思うのです。あったかどうか。
○政府委員(松永勇君) 通知があったかどうかという事実は、いま財務局に確かめております。その返事を待って御答弁いたしたいと思います。
○二宮文造君 さらに、資金計画の問題でお伺いしたいと思いますが、何しろ、六千万の払い込みの資本金の会社に対して、五年間の延納とは言いながら、十一億円の物件を売るわけです。したがって、当然、先ほど一般論としてお伺いしたように、資金計画書は出てあったと思うのですが、もしもその資金計画書が正当であるなら、あとでこの土地の代金か何かについて、十億円も丸紅から借りなければ国に対する納付ができないとか、そういう問題は出てこないと思うのです。その当初、資金計画書をとっていらっしゃるならば、その資料をいただきたいと、この前申し上げてあったのですが、まだ届きませんが……。
○政府委員(松永勇君) 資金計画書はとっていないかと思って調べたのでございますが、本件については、資金計画はとっていないようでございます。通常こういう場合には資金計画を一応とって、それを参考にするということでございますが、本件はこういう裁判上の和解という特殊なケースでもございましたので、その点、そういう資料をとって十分検討していなかったようでございます。
○二宮文造君 おかしいじゃありませんか。通常とっている。本件に限りとらない。これは何かそういうふうな、本人を、資金計画をとらなくても、信用できるような具体的な条件があったのですか。本人をもう——買い受け人が絶対この債務は弁済する、それだけの客観的な要件があったのですか。通常とる資金計画書、それをとらなかった理由についてお伺いしたい。ただ単に、それが裁判上の和解であるからということでは、ちょっと通用しないと思うのです。
○政府委員(松永勇君) いま二宮先生のおっしゃるとおり、通常売り払う場合に、それが確実に払えるというようなものにつきまして、資金上の見通しというようなものをとるのを通常といたしております。しかし、私のほうとしまして、資金上のそういう計画を出させてみるのも、これが唯一の方法ではございませんで、いろいろの角度から、確実に支払いをするであろうというような点を心証を得て売り払うということをいたしております。本件につきましては、なるほど資金上の見込みというものはとってはおりませんが、当時これに携わった担当官としては、そういう点十分売り払いの代金を回収できるであろう。なお、先ほど申しましたように、本件が和解という特殊な事例になるというものである、それからなお、売り払いの土地そのものは担保に供させるというような点、諸般の情勢を顧慮いたしまして、十分国としての債権は確保できるであろうという判定のもとに売ったものと考えています。
○二宮文造君 ずいぶん苦しい御答弁——気持ちの上ではわかるのですが、しかし、国民としては、それは納得できぬと思うのです。問題が金でありますし、心証だけでこの金が具体的に払われる……。常識で考えてみましても、資本金六千万円の会社、しかも、その土地を取り上げられてよそへ移転したのでは従業員が路頭に迷う、こういう陳情もするくらいの経理内容の会社——吉岡照義という方が、あるいはその取締役がもしも膨大な財産を持っているなら、そういうふうな陳情めいたことも入らなかったと思います。私の予想としては、もうよそへ移ったのでは全然事業はできない、資金的な余裕はない、こういう事態で売買契約がなされたと思います。資金計画書を出されなかったけれども、十分他の条件も勘案して、支払いがなさせられるという心証を得て、資金計画書をとらなかった。これでは怠慢と言わざるを得ないと思うのです。通常商取引の場合に、手形を発行いたしましても、不渡りになるような、したがって、必ずそれには支払い保証をとる。民間の仕事であっても、商取引であっても、最近の手形の取引につきましては、支払い保証ないしは個人保証、そういうものをとっております。国民の血税でまかなう国が、資金的にゆとりのないと思える会社、しかも、それに資本金をこえること二〇倍、十一億何がしの取引をするのに、心証だけで確実に支払いがなされると見たならば、確実に支払いがなされると、そういう心証を持ったその条件をお知らせ願いたい。これだから、こういう会社だから、こういう資本金で、こういう個人的に財産を持ち、こういう方だからと、そういう条件があってこそ初めて心証は動くと思います。ただその人を見ただけで、口頭で話をしただけで心証は動かない、裏づけがなければならない、その裏づけの調査をなさったかどうか、あるいはそういう心証を持つに至った具体的な要件についてお伺いしたい。
○政府委員(松永勇君) 非常にむずかしい御質問でございます。国有財産の売り払いをする際に、そういう点の支払い資金の見通し等については、資料としてそういうものをとり、だいじょうぶであろうというようなことでやっているわけでございます。しかし、その支払い計画を見て、支払い計画にある机上の数字のみを信用するということもできないわけでございますが、私たちのかつてやってきた実務の中から出たいろいろな経験というものから判断しまして、なお、それに対して担保をとるという措置によって、その債権の確保という点を確実にしていこうというのが、私たちのつとめでございます。本件についても——まあ本件については、そういう裁判所の和解という特殊なケースであった関係上、資金計画の書面はとってないようでございますけれども、売り払うについては、そういう点も考慮して、当時の契約担当官が決定したことと思っております。
○高山恒雄君 関連。二宮氏の質問に対して非常にばらばらな答弁だと私は思うのです。先ほどは、和解に至ったから、資金計画もとらないで、ある程度土地を抵当に置けばいいだろう、こういう考えでやったのだろう、こうも言っておられるのですけれども、政府の金は、払い下げた代金を徴収するにしても、あるいはまた、資金を融資するにしても、一個の個人が住宅金融公庫から金を借りる場合には、何ぼの収益があって、毎月どのくらいの払い込みができるからといって、これは住宅金融公庫も金を貸すということになっているわけですよ。しかも、十二億近くという金を、その営業成績も見ないで、支払い能力があるかないかも見ないで、土地だけを契約して抵当にしておけばいいというような、そういう大ざっぱな契約が一体政府ができるのかどうかです。私はあなたの答弁を聞いていると、まことに驚くべき事態ではないか。過去にもこういう慣例があるというような表現を使っておられるのですが、そういう勘でものごとをされるということなら、個々の個人の住宅金融公庫に対してわずかな金を借りるのに、五十万か六十万の金を借りるのに、いわゆる支払い能力を見るというのが、今日の政府の取り扱いではありませんか。どうもそういう点は、もっとはっきり私は答弁されることが正しい。どうも聞いていると、あまりにもあやふやじゃないかと、私はこう思うのです。したがって、質問しますが、資金計画がない限りにおいては、とってない限りにおいては、一体、その会社が営業はどのくらいの成績をあげておるのか、それもわかっていないのですか。営業成績というものはどういう事態か、ここが問題だと思うのです。あれば発表してください。
○政府委員(松永勇君) 先ほど、私の答弁が、非常にいいかげんな売り払いをやっているというようなお感じを与えたとすれば、私、非常に反省いたします。私たちとしては、できる限りの努力をして、国が国有財産を所期の目的に活用するように売り払うと同時に、その売り払った代金については、確実に回収ができるようにということを念願としてやっておるわけでございます。いろいろな関係の資料その他から見、あるいは、その人間のかつての経済活動等も見まして、そうして最後は、そういうもろもろの資料の上に、本件は確実に債権は回収できるであろうという心証を得て払い下げるというのが通常だということを申し上げましたので、ただ、いいかげんに、払うであろう、担保さえとっておけばよろしいというような安易な気持ちでやっておるわけじゃございません。
○高山恒雄君 いまの説明で、あなたはそうでないとおっしゃるのですけれども、簡単に申し上げますならば、こういうことを言っておられるのです。あるいはその会社の内容はわからないけれども、どう人材がそこにそろっておるとか、あるいは人相がいいとか悪いとかいうことも入っているのじゃないかと私は思うのです。そのほか、一体何を主体的に考えていくかというと、取引がどういう会社とあるかとか、こういうことでしょう。こういうことを総合的に判断されたとおっしゃるのですけれども、一体、その総合的な判断の中には、もう一つ抜けているじゃないか。というのは、営業成績というものは、一体どうなっておったのか。しかも、取引というものは、どのくらいの取引をしているのかということが中心にならないで、私が先ほどたとえを申しましたように、個々の個人に政府の金を貸す場合でも、相当の資格審査、あるいは月収というものを考えなければ金は貸さないじゃありませんか。その裏づけを調査をしないで、これだけの十一億の契約をして払い込ませるというのはむちゃくちゃじゃないですか。私はそのことを言っている。あなたは弁解されますけれども、あなたの答弁はむちゃくちゃなんです。もっとはっきり言ってください。これとこれはぜひ必要なんです。それがために法律にはこう規制されておる。この法律に規制されておる限りにおいては、これとこれが抜けておったからこの点は失敗であったかもしれません、ここまで明らかにしなければ、国会の答弁になりませんよ。どの議員もそう思っておられると思うのです。
○政府委員(松永勇君) 当時の売り払い契約をいたしました関東財務局長でございますが、もちろん、この事業の経済的背景というものは十分調査いたして契約をいたしております。この過去三期にわたる営業状況を一応とりまして、その状況から調べて、先ほどのような売り払い……
○二宮文造君 その剰余利益は幾らありますか。
○政府委員(松永勇君) 三十四年の十月から、三十五年の九月までの損益計算書では、当期の純利益千六百万ということになっております。もう一つ前の三十三年から三十四年のところでは、やはり当期の利益が、それが千六百万でございます。それから次の三十五年から三十六年の利益金上は三千百万円、それから三十六年から三十七年のところでは、二千三百万ということになっております。
○二宮文造君 一年間の利益が約二千万から三千万。それで売買契約書によりますと、第一回の延納では、納付金が延納利息も加えて一億五千万円になっております。第二回目は、昭和四十年九月一日ですか、一億四千万円となっております。あるいは四十一年九月一日も約一億三千七百万、この営業成績から見れば、絶対にこの金が払えるという営業成績ではありませんね。営業成績を見て確実に支払いができると、こう判断をされたという御答弁ですが、一年間に二千万円ぐらいしか収益があがらないならば、固定資産に一億三千万円も、五千万円もの金が支払われる、どっかから資金的なバック、それはやがて転売という内容を含んだそういう工作がなければ、絶対これは支払えません。明らかに、こういうことを見ていっても、どのように答弁されようとも、契約のそのとき、その時点において、この物件は当然転売される運命にあった。それが合法的に会社が発展した、そういう擬装は、カモフラージュをやってみても、丸紅との契約が出てき、その以前に朝日土地興業株式会社が出てき、この朝日土地興業株式会社につきましては、私は本日資料を要求したいと思います。現に会社は違いますが、千葉県で全日本観光開発株式会社というのが創立されておりますが、手賀沼の公有水面の埋め立てに関連をいたしまして、またこれが問題があろうかと思います。これは会社名は違いますけれども、同じく社長並びに取締役の構成メンバーは、朝日土地興業株式会社と大同小異です。私は時間がございませんので、問題を次に残したいと思いますが、ただここで申し上げておきたいことは、ニューエンパイヤモーター株式会社代表取締役吉岡照義氏なるものの支配にかるる当時のニューエンパイヤモーター株式会社は、十数億円にわたるこの物件に対する支払い能力はなかった。それが証拠に、彼は十月の一日に別会社をつくって、ニューエンパイヤモーター株式会社の事業内容を継承しておりますし、十月の三十一日には退任をしております。同時に、従来の役員も全部退任をしております。そうして土地売買あっせん業という定款目的の変更をしております。そうして、その線に沿って、五月に朝日土地興業株式会社と合併して目的を果たした。結果から判断しますならば、これは明らかに詐欺的な行為である。国民は十億になりますか、十五億になりますかわかりませんが、こういう事件によりまして、明らかに国損をこうむっておる。さらにその中には、刑事事件と目されるような担保物の無断撤去の問題もある。あるいは消費貸借と称して契約書に違反するような抵当権の設定の行為がある。さらに丸紅が地下二階、地上八階の建築申請を出している。消費貸借とは言いましても、前回の答弁では、五カ月払いと局長仰せになった。なれば、その五カ月払いの契約の日はいつか。二カ月分払っておりますと言いますが、当然そういう消費貸借をするのであれば、消費貸借を同時に契約をするはずだ。いつが支払いの開始年月日であり、その十億の消費貸借の支払い完済の年月日はいつか。ここにも私は非常に疑問がある。もしも支払いができない場合は、代物弁済という形があります。そうなると、国と丸紅との間で当然またここに訴訟問題が起きてまいります。そして契約書を見ますと、随意契約の場合には、やはり何としても用途指定がなければならない。その用途指定についても、解釈がどのようにでもできるような用途指定の名目をつけている。乙は引き続き五年間これを所有し、これを利用するものとする——どのようにでも解釈できるような文言を配置している。賢明な大蔵官僚としては、ほんとうに理解できないような、どちらにでも抜けられるような契約書をつくっている。しかも、その契約書の解釈自体についても、しなければならないと上要求している契約書、それに違反しても、相手を責めようとしない。こういうふうな事実を列挙してまいりますと、私は憤慨にたえません。もしも国有財産がこのように安易に一部の権力者の暗躍によってかって気ままに処分されるとしますと、国民は政治を信頼しません。現に私は、よく内容はまだつかんでおりませんが、相当な政治的な工作もこの中にはあります。当時の大蔵大臣は、現在の自民党の幹事長である田中角榮氏だと思いますが、その個人的な交友の範囲については私は云々いたしません。しかし、少なくとも、いま私が申し上げたような疑問点を考えていくならば、当時の大蔵大臣としては当然責任がある。また、それを継承される局長にしても、事態がここまで明らかになったとしますと、この売買契約が正当である、正当に契約書のとおり推移してきたのである、こう言い切れるものはないと思うのです。明らかに、ここで違約金を追徴するなり、あるいは準借地権の三〇%の控除を廃止するなり、道義的な責任というものは当然残ってくる。もしもそれもしないというのであれば、もうこの世の中は暗やみです。法律は要りません。無警察状態です。そういうことが法治国家の日本には許されない。るる申し述べましたけれども、以上私の疑問とするところを本日は列挙しまして、大蔵省の、ただ善処するとか、あるいは、この問題を調査するとか、そういう安易な段階ではありません。早急にこの問題を解釈するための方策を考えていただきたい。 さらに法務省には、私が先ほど申し上げましたような問題は、これは国民の告発となくても、国有財産の売買にからむあいまいな問題については、当然捜査をすべきである。現に契約書の事項に違反をする、そのおそれのある状況も出てきております。先ほどの御答弁の中にも、不法行為であるとか、あるいは云々といういろいろな問題も出てまいりました。告発の有無にかかわらず、政治の姿勢を正すということも、法務省当局の私は責任であろうかと思います。 以上、問題を次に残しますが、私の申し上げましたことについて、次回、明確にお答えをいただきたいと思います。本日はこれで質問を終わりにしておきます。
○委員長(相澤重明君) 松永局長、よろしいですか。
○政府委員(松永勇君) 御指摘を受けました点については、十分調査し、ものによっては検討したいと思います。
○二宮文造君 資料をちょっと、相当あるのですが、まず最初に、千葉県の手賀沼の公有水面の埋め立ての問題で、これはあとでまた委員部のほうで適当に処理していただきたいと思いますが、公有水面埋め立ての議決書、それから許可の書類、これは県だと思います。それから、その条件と経費分担等の証明をする書類、さらに、それに関連して、農地転用の許可の問題が出ておりますが、農地転用許可の書類、農地売買契約書、農地補償契約書、我孫子町が一万二千坪引き受けました、その議案と議決、その議事録、さらに、五千万円の経費負担を引き受けておりますが、その議案と議決書、その議事録、我孫子町との契約または念書、これは全日本観光株式会社との契約です。あるいは県開発公社であったかもわかりません。さらに、全日本観光株式会社の内容、役員と出資額と定款、その全日本観光株式会社は続いて全日本観光開発株式会社と変わっておりますが、その内容、役員と出資額と定款、全日本観光株式会社から全日本観光開発株式会社へ変化していった理由、これは定款をとっていただければわかると思います。さらに、全日本観光開発株式会社がドリームランドをつくるという計画であったのが宅地売買に変更いたしましたその理由、それらにからんで、県開発公社がとった措置と関係書類、沼南町三万坪の農地転用の許可と条件、これら手賀沼に関する資料を要求いたします。 さらにその次に、大蔵省ですが、東京都内にあります物納などによって土地建物を官公吏、政府機関職員に随意契約で売った例がございますが、その問題につきまして、所在地、土地建物数量、買い受け人住所氏名、当時と現在の職名、金額、これは非常に多いと思いますので、できれば四十年度から逆算して、四十年度、三十九年度、三十八年度、三十七年度と、こうさかのぼって提出していただきたい。 次に、各省次官、局長などの公邸に国有財産を使用して、その人の退職にあたって明け渡すことがなく、引き続き使用し、もしくは当該職員に売り渡したようなことがあれば、その内容を、前に申し上げました所在地、土地建物、そういう内容によって具体的に報告をいただきたい。 さらに、平田前国税庁長官に対する国有財産の売り払い後転売した利益に対する課税状況をお伺いしたい。 次に、日銀にいま保管しております接収解除のダイヤモンドについて、この保管中の日銀の金庫に入りましてこのダイヤモンドの調査をした大蔵省の職員の職名、氏名。さらに、この金庫に入って、六個のダイヤモンドの封印を切って——ダイヤモンドが入っている箱です。箱の封印を切って調査した年月日、時間を、日銀に照会して御報告、御提出願いたい。この理由は、六個の箱の中にあります十六万一千カラットのダイヤモンドが、巷間うわさされておりますことですが、良質なものから低質なものにすりかえられた、あるいはガラスにすりかえられたという巷間のうわさがあります。箱は日銀が預かっておりまして、中にはいれますのは大蔵省の役人で、しかも、その大蔵省の方がただ一人でその中に入ったというふうなうわさも出ておりますので、この際、以上のような資料をお願いしたい。 さらに、接収が解除になりましたダイヤモンド十六万一千カラットが再鑑定、再分類されております。当時は十何種類に進駐軍によって分類されておりましたのが、八種類に分けられました。そのおりの鑑定人の職名、氏名、経歴、及び立ち会った政府職員の職名、氏名、鑑定した日時、場所、方法、警察官が立ち会った場合は、その職種、氏名。 たいへん繁雑な資料でございますが、以上をお願いしたいと思います。
○委員長(相澤重明君) これはたいへん膨大な資料で、たいへんだろうと思うのですが、できるだけすみやかに作成をして提出をするように。よろしゅうございますか、松永局長。
○政府委員(松永勇君) 御説明の資料、できるだけ早く調査して提出するように努力いたしたいと思います。
○委員長(相澤重明君) それでは、委員長からこの際お尋ねしておきたいのは、保川会計検査院第一局長にお尋ねしておきたいのですが、先ほど二宮委員や高山委員から国有財産の管理、処分等の問題で話がありましたが、たまたま虎の門の問題は私が決算委員長のときにこの大方針をきめて、国損のないようにということで、衆議院の決算委員長とも私が会って話をして進めた、一番大きな長い間の懸案事項だ。そこで、十分私からも検査院にそのことを通告をしておったわけでありますが、会計検査院はこの内容について御承知ですか。
○説明員(保川遜君) 先般来の御審議を通じまして内容を承知いたしております。
○委員長(相澤重明君) 内容を十分承知しておると……。三十八年度の決算は現在提出中でありますが、その中にはどういうふうになっておりますか。
○説明員(保川遜君) 三十八年度の決算の当時は、私、内容を存じておりません。先々回でございましたか、二宮委員からの御指摘によりまして、私も内容を実は承知いたした次第でございます。
○委員長(相澤重明君) それでは、なお当委員へとしての大事な問題でありますから、会計検査院もよく検査されて報告書ができるように、これは処置をしてもらいたい。 それから、先ほどの二宮委員の質問に対して松永局長の御答弁の中で、財務局長にお尋ねをしなければならぬという問題もあるやに承っております。これは次回の当委員会に、十分関係者と連絡をとって、先ほどの資料ももちろんでありますが、今度は答弁ができるように、ひとつ準備をしておいていただきたい、そのことをお願いをしておきます。 他に御発言ございませんか。——それでは、本件に関する調査は、本日のところ、この程度にとどめておきます。 別に御発言がなければ、これにて散会いたしますが、次回は十二日の午後一時。 以上にて散会をいたします。 午後三時七分散会 —————・—————