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49回国会参議院1965/10/01

決算委員会 閉会後第7号

発言数
159
登壇者
27
会派数
3
開催日
1965/10/01

会議録

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  これより昭和三十八年度決算外三件を議題といたし、農林省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行ないます。  この際おはかりいたします。当委員会に提出されております農林漁業金融公庫の決算について、口頭報告を省略し、これを会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、八会計検査院の検査報告についても説明を省略し、後日文書をもって提出願うことといたし、これらの報告につきましても会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) では、御異議ないと認め、さよう決定いたします。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 私は、この機会に、農林漁業金融公庫の総裁並びに農林省の経済局長、最後に政務次官にお伺いを申し上げたいと思うのであります。  この公庫のように長期、低利の資金を融通する機関は、原資構成上、政府からの出資金を増して原資資金の原価を改善する必要があると常々思っているのでありますが、これに対して総裁はどうお考えでございますか、まずその点を伺いたいのであります。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) ただいまの御質問の点でございますが、私どもは政府機関の中でも特に低利で農林漁業関係者に融資をいたしております機関でございますので、私どもも金融機関の内部事情を健全にしていただくということが最も望ましいことだということで、本決算委員におきましても、従来におきましてもそういう意味における御質問がございまして、私どももお答え申し上げた記憶があるのでございます。常々私どもとしましては、なるべく借り入れ金によることを少なくいたしまして、でき得るならば出資金を多量にいただきたいということを念願をいたしておったのでございます。実績によりますと、大体三十七年あたりが、全体の合計に対する出資金の割合が少なくて約三七・九%でございましたが、三十八年度におきましては三九・一%、三十九年度におきましては四〇・八%というふうに、出資金と借り入れ金の合計に対する出資金の割合が四〇・八%まで上がってまいっているわけでございます。むろん私どものほうの政府機関といたしましては膨大な貸し付けワクがございますので、その貸し付けワクの資金となりますものは、第一に返還金でございます。貸しております金の返還がありますから、それが第一の融資をする資金のワクになります。残った足りない分が、政府からの借り入れと政府からの出資に仰いでいるということになるわけでございます。借り入れ金は、御承知のように、預金部資金及び簡保資金等から拝借いたしますわけで、六分五厘の利子を支払わなければならないのであります。したがいまして、私ども最低三分五厘、最高七分五厘という長期の金を貸し付けいたしております関係上、六分五厘でまいりますというと非常に逆ざやになるわけでございますが、その逆ざやになる分を出資金で補っていくということになって常々推移をいたしていっているわけでごいざます。したがいまして、以上のような貸し付け条件でございますので、私ども公庫の立場からいたしますれば、できるだけ出資金のほうをよけいにしていただきたいということで、常々そういうことで政府側にもその趣旨を認めていただきまして、予算編成の際にあたりましては、農林省も非常にその点を努力していただいておるわけでございます。最後的には、ただいま申し上げましたように、三十九年度においては四〇・八%になっておるということでございまして、私どもの公庫のただいまの資金繰りといたしましては問題はございません。しかし、ただ将来の長い目で見ますと、できるだけ資金構成を健全にするという意味合いにおいて、出資金をよけいいただいたほうがよいのではないかということは、私どもの公庫側の立場から申し上げるとそういうことになるわけでございます。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 総裁のお考え方はわかりましたが、そのお考え方と背反するような事実が今後展開されてくるのじゃなかろうかという心配を私は持っておるのであります。  それで、まずもって伺いたいことは、三十八年、三十九年、四十年の貸す計画の数字だけをひとつあらかじめお示しを願いたいと思うのであります。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 三十八年度の私どもの公庫の貸し付けの計画は、三十八年度が八百七十億でございます。その中に予備費が三十億加わっておりますので、予備費三十億を加えまして八百七十億が三十八年度の貸し付け計画の数字でございます。それから三十九年度は貸し付けの計画が千七十億でございます。その中に予備費が四十億入ってございます。それから四十年度になりますというと、これは本年度ただいま貸し付けを実行いたしております最中でございますが、貸し付け計画額が千二百四十億でございまして、その中には予備費が五十億入っております。  以上が貸し付け計画の数字でございます。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 政府の出資が減ってきておる、資金構成の内容を調べますと。私は、政府の出資というものがだんだんたくさんになって、そうして借り入れ金なんというものが少なくなることが、これが系統金融として最も望ましい姿だ、かように考えておるのでありますが、政府の産投会計を調べてみますというと、むしろ減ってきておる。この点は私は遺憾に考えておるのでございますが、特に私の仄聞するところによりまするというと、四十年度の政府出資の百五十何億ですか、その程度の金、それを相当額大蔵省では減らしまして、そのかわり借り入れ金をなさい、あとで補給金として始末をしてやる、だから運営には支障がないじゃないか、こういう態度で臨むらしく私は仄聞をいたしております。こういう方針を大蔵省がとって、そうして公庫の総裁がそれに一も二もなく同意されるということでありまするというと、先ほどの望ましい姿とおっしゃいましたことが逆に相なってくる、こういうことにならざるを得ないと思うのですが、そういうような事実はございませんかどうですか。これはむしろ関連いたしまして農林省の経済局長に伺っておきたいと思います。

森本修農林省農林経済局長

○説明員(森本修君) 三十八年、三十九年の原資構成につきましては、先ほど公庫の総裁からお答えがあったとおりでございまして、当該年度におきます所要の貸し付け計画に対しまして必要な出資金はほぼ確保されて、公庫の業務の運営についてもまずまず支障がないというふうに推移をしておったわけでございますが、大体の傾向といたしましては農林漁業金融公庫の貸し付けワクも年々増加をいたしておりまして、それからまた、ここ二、三年来数次にわたります条件の緩和といいますか、そういうことがございまして、両々相まちまして原資の量並びにそれに伴いまして出資金の必要額というのも漸次増加をいたしてきております。それに引きかえまして、昨年あるいは本年といったようなことで国のほうの財政もきわめて苦しくなってくると、こういう状況になっておりまして、本年あるいは来年にかけまして公庫のほうで必要とする出資額をそのまま確保するということにつきましては、全体の財政事情から見まして、ざっくばらんに言いますと、かなり困難があるのではないか、相当多大の努力を払わないとなかなか確保がむずかしいのではないかというふうな感じがいたしております。そういうことでございますので、公庫出資の確保につきましては、われわれとしてもできるだけ努力をしたいと考えておりますが、また一面財政当局からもできるだけ御協力と御理解をいただかないとむずかしい状況になってきている、ざっくばらんに言いますとそういう事情にだんだん相なってきております。  御指摘の四十年度のことにつきましては、全般の歳出の削減といいますか、そういうふうな関連もございまして、公庫の出資金についても当初の計画どおり実施するかどうかということについて目下財政当局でも検討をされておるようでございまして、われわれのほうでもできるだけ公庫の出資を確保するといったようなことで努力をしていかなければならない、こういうふな段階でございます。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 ざっくばらんに申し上げますがということばでございますが、ざっくばらんじゃない。これは大蔵省の方は、前例によりまして、質疑の内容等に関してやはり聞いておっていただきたいというふうに委員長のほうで配慮されておりますか……、いつの委員会でも慣例によりまして大蔵省からはお一人だけは必ず控えておられるようにということに相なっておるのでありますが、もっとも私は大蔵省の属僚に今日質問しようとは考えていないのですけれども、ただ聞いておいていただきたい。私はこの問題はきわめて重大に、委員長、考えておりますので、いずれ福田君とは懇談いたさなければならぬ問題と考えておるのでありますが、ただおいでかおいででないかちょっとお調べを願いたい。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 来ているはずでしたが……。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 そうですか。じゃあ質問を続け大していただきます。私が聞き及んでおるのでありますから、経済局長は御存じないはずはない。ざっくばらんにおっしゃるならば、百五十六億というものが、四十年度の先ほど総裁のお示しにかりました貸し付け計画、すなわち一千二百四十億の中に含まれているはずなんです。その百五十六億を四十億程度に切り下げまして、しかし事業の遂行に支障を生じては困るから、大蔵省としては、それは借り入れ金に求めなさい、いずれそのあとで十分内容を拝見しまして、そうして補給金として出してあげましよう。したがって、補給金として出してくださる場合には相当検討が行なわれるのみならず、補給金としてその部分へ相当額が出されまするというと、今度は農林省所管の全般の問題にも影響してくるということもまたおそれなければならぬのでございます。したがって、私は、農林省並びに公用が一体となって、そうした考え方にはできる限り抵抗をなさらなければならぬ問題だ、かように考えて、いま質問のポイントをそこに向けたのでございます。そういう御決意はおありであるかどうか。もちろん国の財政事情もございましょう。私もよく知っております。本年度の予算の欠陥も私は承知をいたしております。そういうような事情はわかっておりますけれども、この産投会計をずっと調べてみますというと、この問題などは非常に数字が大きい。他の項目はたくさんございますけれども、きわめて少額なんです。したがって、俗ないなかことばをもって申しますならば、個々の金額が大きいのだから、ここでばっさりなたを振るってかさを上げようということでは、この系統金融はめちゃめちゃにされてしまう。冒頭におっしゃった総裁の考え方というものがはなはだしく抹殺される、こういうことになる。これはきわめて重大に考えざるを得ない。経済局長からもう一ぺん答弁願います。

森本修農林省農林経済局長

○説明員(森本修君) 四十年度の公庫の出資金につきましては、先ほど御指摘のような財政当局の考え方が全然ないわけではございません。ただ、最終的にまだきまっているという段階ではないわけでありますが、四十年度の当初予算におきましても実は同様な問題がございまして、先ほど御指摘になりましたように、出資の全額といいますか、従来方式によって計算をいたしました出資額というのはなかなかそのまま確保するのはむずかしいということで、一部補給金を公庫に出資するということで、出資金の補てんといいますか、そういう考え方で補給金が計上されておるわけであります。そういうこともございまして、われわれとしましても、一般の財政事情と公庫の出資金の確保とどういうふうにして調整していくかということについて、当然現在及び将来の段階におきまして相当検討しなければならないというふうに考えております。ただ、先ほど公庫の総裁のお話もございましたし、それからまた御指摘のようなこともございますので、できるだけ、苦しい財政事情ではございますけれども、大蔵省当局とよく折衝いたしまして、必要額について確保するように努力をいたしてまいりたい、こういうふうに思っております。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 私はなぜ執拗にこういうことを申し上げるかと申しますと、私ども決算委員会の一つの任務は、新年度予算に反映をせしめたいということが運営の方針をきめましたときの一つのポイントに相なっております。したがって、私はきつく申し上げざるを得ない。どうかひとつ、新年度予算もさることながら、本年度予算にあなた方の考えと違った大なたが振るわれようとしている。これは政務次官、大臣の耳に入れられて、十分善処されなければならぬ筋合いのものである。したがって、新年度の予算の折衝につきましても、やはりこのことを頭に入れられて、大蔵当局、しかも大臣折衝等のときにおきましては十分心して当たっていただかなければならぬのであります。  なお、総裁に伺いたいのでございますが、毎年毎年貸し付け計画を立てていますが、それが大体その計画どおりに行なわれておりますかどうか。私どもは政府出資金の増大をはかることを念願するのでございますが、かりに最初お立てになった貸し付け計画というものが、事志と反して、そうしてむしろ計画よりも下回るというようなことは過去においてあったのか、そういうことはないのか。また、本年度の見通しはどうか。すでに昨日ちょうど第二四半期が終わったわけです。したがって、本年度のはまだ無理かと思いますけれども、しかし明敏なる総裁でありますから、私どもがいなかの町村長をいたしておりましたときでも、予算につきましては、決算を待たずして、歳計現計表を一枚つくれば正しい見通しはつくわけである。それと同じようなお心組みで、第一、第二四半期――節二四半期はきのうで終わったわけであります。そうすると、四十年度の最初計画されました貸し付け計画というものが何かの理由によってどうもそれを下回るというようなおそれはないのか、従来はどうであったか、四十年度に対するこれは予想でけっこうでありますが、お話を承りたいと思います。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 貸し付けの計画と貸し付けの実績との関係でございますが、初めに三十八年度の資料をちょっと持っておりますので申し上げますが、三十八年度は、先ほど申し上げましたとおり、予備費三十億を加えて八百七十億でございますので、予備費を除きますというと八百四十億というような実際上の貸し付けワクでございましたが、実際上貸し付けましたのは八百二十五億でございます。若干貸し付け額より下回っておるわけでございます。三十九年度も、お手元の資料によって計算をいたしてみますというと、やはりごく若干下回っておりまして、千七十億のワクで予備費が四十億でございます。三十九年度の実際上の貸し付けワクは千三十億でございますが、実績は千十三億ということでございます。したがいまして、三十八年度では約二十億近い程度のもの、三十九年度では十六億程度のものが、ワクより満たない貸し付け計画になっております。もっとも、二十億と申しましても、全体の八百七十億の二十億でございます。三十九年度は全体が千七十億の中の十六億ということでございますから、率にいたしますというと、やむを得ないものかと思いますが、少し分析してみますというと、三十八年におきましてはやはり農業構造改善事業が相当の貸し付けのワクとして計上されまして、一度農業構造改善事業に対しまして、三十八年度は八百七十億のうち三百億が貸し付けワクであったのでありますが、ところが、農業構造改善制度のいわゆる公庫融資が始まりましたのは昭和三十八年度でございますから、公庫の融資の始まりました初年度でございます。したがいまして、申し上げるまでもなく、相当構造改善資金の公庫の貸し付けの制度が、中央政府から県、県から市町村というふうに末端までおりて、その趣旨が十分個人農家まで徹底するのにやや時間がかかったということは、避け得られない事情かと思うのであります。したがって、それに伴う公庫の融資の細目等かなり時間を費やしておりますので、本格的に融資が始まりましたのはだいぶおくれてまいりました。これが三十八年度の二十億近い貸し付けの残りが残りましたものの大きな原因かと思うのでございます。したがいまして、この三十八年度が構造改善資金の設立当初のことだったのでございますが、三十九年度の農業構造改善はどうなっておるかと申しますと、三十九年度の構造改善の数字は三百六十億を実は決定いたしております。三十八年度が二百三十三億でございまして、三十九年度が三百六十億ということで、三十九年度の構造改善の決定額が三十八年度の決定額よりも約百三十億ばかりふえておるわけでございます。計画との差もぐっと縮まっておるということでございますので、やはり農業構造改善制度が設立されました三十八年度当初は若干残ったけれども、三十九年度になりますと、二年目になりますので、やや制度が軌道に乗りまして、前年度よりも好成績を出しておるということに数字が立証いたしておるわけでございます。そういうことでございまするけれども、構造改善の中には、申し上げるまでもなく、果樹園とか、畜産とか、農地とか、未墾地、こういったようなものの取得資金というのがいるいろ入っておるのであります。全体が含まれてのことでございます。われわれといたしましては、今後構造改善のこの事業計画がさらに推進されますというと、なお一そう努力いたしまして構造改善の関係の金額を消化するように努力していかなければならないかと思っております。昭和四十年度――本年度でございますが、本年度は構造改善事業全体が四百二十六億というワクでございます。そこで貸し付けの状況でございますが、ただいまちょっと数字は持っておりませんが、大体前年度と同じようなスピードで貸し付けいたしております。この金額は、前年度よりもずっと多い金額を貸し付けいたしておるのであります。申し上げるまでもなく、私どものほうの公庫の貸し付けというのはほとんど第三、第四四半期に集中いたします。特に第四四半期に半分近い貸し付けをするのが例でございます。これは、申し上げるまでもなく、すべての政策が、やはり土地改良を中心といたしまして農閑期に仕事をしておる関係もございますので、これに補助金を必要とするが、この補助金がいよいよ出なくなれば、じゃあ融資でも受けようかということに実際問題としてなるわけでございますが、はなはだ残念でございますが、私どもの年間の貸し付けのうちの半分近いものが十二月から一月、二月にかけて殺到するというような状況になっておりまして、そういうことでは相ならぬと思いまして、できるだけそういう年度に関係のないものは、あるいは季節に関係のないものは、なるべく早く融資を受けていただくように実はいたしておりますけれども、なかなか実績が上がらないので、はなはだ申しわけないと思います。しかし、本年度のただいままでのを集計いたしますと、昨年度よりもワクは、金額をずっと多く貸し付けいたしておりますが、ずっとそのままその貸し付けワクどおりいくかどうかわかりませんが、大体ほぼ貸し付けワク程度のものは貸し付け得るのではなかろうかという一応の見通しを立てております。しかし、何せこれは半分近いものが今後以降に出てまいりますので、はっきりしたことは申し上げられませんけれども、残るにいたしましてもごくわずかで、大体貸し付けワク程度のものはいくんではないかといういまのところ一応見通しを立てております。と申しますのは、どういうことかといいますと、ただいま御指摘の農業構造改善事業の中で特に最近公庫の融資がふえてまいりましたのが、農地収得、未墾地取得の資金でございます。これが最近非常に需要がふえてまいりましたので、当初の私どもの計画いたしましたワクをこえて需要が上がっておるわけでございます。そういった場合は、ほかの資金で、多少余っているもので年度の終わりに資金のワクを調整いたしますとか、そういったことによりまして相当需要が上がってまいりまして、ことしあたりは農業構造改善の四百二十六億というワクはこういったような非常に需要の多いものが入っておりますから、そういう面をとらえて自後貸し付けワクの調整をいたしてまいりますれば、大体の貸し付けワクどおりには処理がつくのじゃなかろうかという予想をいたしております。何にいたしましても、年度にせっかくの貸し付けのワクをいただいても消化し切れぬということは申しわけないことであります。その原因といたしましては、いま申し上げたような貸し付けに対する申し込みが年度の終わりに殺到するということで、どうしても審査し切れないで四月に持ち越すことがある。そういうことが、二十億、三十億とあるわけであります。これは四月以降に貸し付けてまいりますれば、借り入れるほうの申し込み者には御迷惑はおかけいたしませんが、三月三十一日で切りますと、そういうふうに残ることがございますので、その点は、私どもといたしましても、できるだけひとつ早く申し込み者に対して融資してあげるように、これは努力しなければならぬ点でございますので、今後とも努力をしていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 お話を承っておりますというと、あなたのほうの貸し付けに関連いたしまして、農業構造改善事業、この問題が大きく考えられなければならない大きな比重を持っているわけであります。そこで、私は経済局長に伺っておかなければならぬのでありますが、三十八年度の初年度、これが着手がおそくなりましたから、これはやむを得ないといたしましても、しかし、それらを勘案されまして、その次の年度からは相当堅実な計算のもとに公庫と御相談になっておるものと思うのでありますが、構造改善のうち重要な問題――全部重要かもしれませんけれども、ところがどれもこれも所期の目的を達することができないで、私どもが重要だと考えております畜産とかその他いろいろな問題については、むしろあっちこっちから返上論さえ聞いており、また農林省におきましては、私の聞き及んでおることを申しますというと、非補助の金のごときは年末調整で土地取得のほうに回してやる、こういうことがあります。そういうような不実さえも私どもは知っております。といたしますというと、この際、私は、農林省とされましては、特に経済局長とされましては、いまの農業構造改善事業の再検討をされて、抜本的に再検討をされて、そうして出直せとは申しませんけれども、改善を決意される時期に来ておるのじゃなかろうか、私はかように痛感するのでございます。と申しますことは、最後は政務次官からお答え願いたいのでありますが、こうした構造改善事業というものは今日において非常にウエートが大きくなってきておる。ただ単に農業基本法の問題だけではございません。農業基本法の精神にのっとっても、これは熱意を傾けなければならぬ問題であるとともに、御承知のように、高度経済成長が相当続きましたでしょう。――これは政務次官よく聞いておってください。相当年数をかけた、そうして一面においては日本の経済というものが非常に飛躍をした。ほかの国の例にも見ますように、かような大きな経済発展をいたしますときには、えてして農業関係あるいは中小商工業関係というものが十分の施策の恩恵を受けない。そこへひずみも出てくれば、でこぼこも出てくる。これはやむを得ないことといたしましても、ところが日本はいまやすでに高度成長経済から安定成長の経済に移行している。このときこそですよ、農林省とされましては、農業基本法の精神にものっとり、この時運に乗って、そうして農業の画期的の飛躍をはからなければならぬ時期に際会をいたしておるのです。私は、佐藤内閣の使命はまさにそこにあるとすら、任務がそこにあるとすら切言をいたしたいのです。こういうときに、農業構造改善事業に対して返上が行なわれたり、返上をいたさなければならぬという声を聞いたり、そうしてまた年末調整で土地取得のほうへだけぐっとやりくりをされなければならぬというような不実がありといたしまするならば、この際こそいま申し上げました線に沿うてひとつ画期的な考え方で対処されるべきと思うのでありますが、まず私は最初の部分は経済局長に、最後のこの問題に対する締めくくりとしてひとつ政務次官からお答えを願いたいと思います。

森本修農林省農林経済局長

○説明員(森本修君) 公庫資金の構造改善に対する貸し付けの実績といいますか、進捗の状況でございますが、当初三十八年、三十九年――三十八年は先ほど御指摘がございましたように制度の発足の当初でございますので、趣旨の徹底とかあるいは事業計画、実施等についての進捗の度合い等も計画をいたしましたようには進まなかったといったような事情が当然あったわけでございますが、三十九年度におきましても、御指摘のように、当初構造改善事業に予定されておりましたワクに対しまして実績の貸し出し額が相当下回っておることは事実でございます。特に、補助の部分と非補助の部分がございますが、補助の部分はまあまあいっておるわけですが、非補助の部分は当初の計画いたしました融資の予定額に対して実績がかなり下回っておる。三十九年度におきましてもそういう実情でございます。これは当初のワクのつくり方にも一つ問題があるといったような感じがいたします。また事実、事業の実施過程におきまして補助の部分よりも非補助の部分がおくれておるといったようなこともあるいは実情としてあるのではないか、こういうふうな感じがいたしております。  土地取得等に回しておるではないかという御指摘でございますが、確かに、そういうふうなことで年間ずっとやってまいりまして、年度末に最終的にどうも当初の予定額よりは実績がいかないといったような場合に、年度末におきまして資金需要の多い項目のほうに融資のワクを回していくといったようなことはときどきやっておるわけでございますが、構造改善事業を無理に削ってほかの資金のほうに回すといったようなことでは事実ございません。融資の状況につきましては、そういう実情でございます。

後藤義隆自由民主党農林政務次官

○説明員(後藤義隆君) 先ほどからいろいろ御質疑があったのでありますが、この生産性の低い農林漁業に対しましては、十分な資金を確保することが必要だというようなふうに私も存じておりまして、その方向に進んでいきたいと思います。  それから、ただいま御質問のこの構造改善事業の資金についてでありますが、これは従来行なわれました実績を検討いたしまして、そして改めるべきものがあれば改めることにいたしたいと思っております。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 十分ひとつ再検討されて、そして改革をいたすべきものはいたしていただきたいと思います。  次に第二点に移りたいと思います。  ただいまの制度金融の徹底に熱意を持ってくださることは必定だと私想像いたしまするけれども、これに関連いたしまして、公庫資金の円滑な融通のためには、現在の取引金融機関では私は十分だとは申しかねる。したがって、相互銀行でありまするとか、それから信用金庫でありまするとか、こういうものをも加えらるる必要があるのではなかろうか。これは制度金融の徹底をはかるということにも貢献することであり、また需要者の選択の自由ということにかんがみましても当然だと思うのでございます、特に私は、最近普通の――もとは普通銀行といったのでありますが、そうしたものよりは、むしろ信用金庫でありまするとか相互銀行のほうが庶民金融その他こうした問題につきましては熱意を傾けておる。一番われわれ遺憾に思うのは、東京都とかにおける大銀行、その支店が各地に散在をいたしておる。これは大体預金をその地元から吸収しているだけなんです。さっぱり地元関係というものが完璧を尽くしていない。そういう点から申しましても、相互銀行とか、それから信用金庫というものは、その点においては非常に満足すべき状況にある。だから、この制度金融の徹底ということ、それから需要者のためをお考えくださるならば、必然総裁とされましては、相互銀行とか、それから信用金庫を加えてしかるべきだと思うのでございますが、それについて私は、一体今日までそうした窓口金融をやっておりまするものは、中央金庫とかあるいはそうした特殊のものは別にいたしまして、たしか一般の銀行が五十以上あると思います。また各県にございまする県信連、これもまた相当数――四十以上あると思うのでありますが、そこへこれを加えれば非常に完璧を期するのではなかろうか。こういうわかり切ったことを総裁はどうして断固おやりにならぬのか。これは大蔵省の圧迫があるのか、あるいはこうした県信連関係、そういうようなほうから、あるいは普通銀行のほうからの陳情があるのか、またそれに対して農林省が弱虫なのか。こういうようことを考えますと、正しいことは、いかなる陳情がありましても――陳情には誠意を持っておこたえくださることはけっこうでございますが、それに左右される必要はない。これはやはりき然としてやるべきことはやるという態度でお進み願わぬというと、これは非常に重要な問題ですから、これらの点については総裁はどうお考えでございますか、御意見を伺わさしていただきたいと思います。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 私どもの公庫の資金の委託をしていただく金融機関の問題についての御質問でございますが、ちょっと経過を申し上げさしていただきたいと思いますが、私どもの農林漁業金融公庫が設立されましたのは昭和二十八年でございます。そのときは全部委託だったのでございます。そして農林漁業金融公庫では全然貸し付けをいたしてなかった。ところが、そういうことであっては相ならぬことですし、また貸し付けしたあとの債権の管理等もございますので、昭和三十三年に至りまして、公庫がやはり直接貸し付けする必要がありということで、そのときの委託金融機関とも相談いたしまして、大体土地改良事業のうちの市町村の区域における大規模の土地改良でありますとか、あるいは林道でありますとか、漁港でありますとかといったような、つまり公共性の強いものにつきましては公庫が直接自分で貸すということできめたわけでございます。そこで、大体その線に沿うて私ども貸し付けをいたしてまいったのでございますが、現在までのところを見ますというと、大体年々年々の貸し付けのうち公庫が直接に貸し付けをいたしておる割合というものをちょっと御説明いたしますというと、三十七年度は全体の一六%が公庫の直接貸し付けでございます。三十八年度は一三・六%が公庫の直接の貸し付けでございます。三十九年度は一二・二%でございます。公庫が直接貸し付けしております割合がだんだんと下がってまいってきておるわけであります。これはどういうことかと申しますというと、現在委託金融機関にお願いいたしておりますものは、農林中央金庫、それから各県の信用農業協同組合連合会――これは四十六ございます。それから漁業信用組合連合会、漁信連と普通言っておりますが、漁業関係の信連でございます。これが十五。それから地方銀行が五十二でございます。それから公有林造林については、公営企業金融公庫に委託しております。こういうことで、全部でただいま百十五の金融機関に委託をいたしておるわけでございます。そして、ただいま申し上げたような大きな土地改良事業であるとか、漁港、林道のようなわりあいに公共的色彩の強いものは公庫が面接貸し付けをする。そして、その他のものは全部委託するということで、貸し付けをいたしておるわけでございます。ところが、先ほど来先生御指摘になりました農業構造改善事業というものが最近出てまいりました。そういうものは、全部これは県の系統ないし信連の系統の事業でございます。農業関係の事業でございますので、これは全部委託でございます。ほとんど直接貸し付けしているものはございません。新しくふえてまいります事業はほとんど委託になります。したがいまして、先ほども申しましたように、全体の貸し付けの中の公庫の直扱いの貸し付けというものはだんだん割合が減ってきているという状況でございます。こういうような状況でただいまいたしておるわけでございますが、ところが私どものところは、非常に貸し付けの種類がだんだんふえてまいりますし、ことしのごときは千二百四十億円の貸し付けをいたしますし、また貸し付けの金額が非常に少ない金額でございます。十数万円というものを毎年度貸し付けいたしておるわけでございますので、一件当たりにしてもごくわずかでございます。しかし、貸し付けの坪数に従いまして、山村の奥へ行ったり、漁村の奥へ行ったりと、非常に僻地と称せられるところにも貸し付けをしなければならぬということになりますので、実態の把握であるとか、貸し付けの審査であるとか、あるいは貸し付け後どうなっておるかという実情の把握というものは、ただいまの公庫だけではとてもできないわけであります、実際問題としては。そこで、ただいまのような委託金融機関にお願いいたしまして、委託金融機関が貸し付けの審査をいたすと同時に、貸し付けしたあとの管理をやっていただくということで、お互いに助け合いをしてやっていくというのが現状になっております。ところが、いま申し上げたように、金額もふえる、貸し付け事業もふえる、件数もふえるということになりますので、やはり末端ではなるべく近いところに委託金融機関があったほうがいいということが借り入れ希望者の声となってあらわれてきております。そこで、信農連なり漁信連なり地方銀行がありますけれども、むしろ借り入れする農林漁業者のほうとしては、地方銀行はあるけれども、われわれが普通取引している機関は、それよりも、系統金融機関を除いては、むしろ相互銀行、信用金庫を利用しているから、そのほうへむしろ委託してもらったほうがわれわれとしては借りやすいということが数年来あったわけであります。  そこで私どもは、できるならそういうものを委託金融機関にしたほうが借り入れ者に便利じゃないかという感じを持ってまいったのであります。そういうことで、信用金庫とかあるいは相互銀行あたりの協会が地方で取り上げてまいりまして、私どものほうに非常に熱心に委託金融機関に新たに加えてもらいたいという御希望が実はあるのでございます。ところが、私ども、いま申し上げたようなことでありますし、何とかなるべくならば御希望に沿いたいということで考えておるわけでございますが、ただ同じ相互銀行なり信用金庫と申しましても、全然農林漁業に関係のない都市のものに委託する必要はないのでございまして、農林漁業に対して貸し付けした実績のあるものにやはり貸し付けを委託しなくちゃおかしいということでございますので、やはり幾ら申し込みがありましても――かりにわれわれが委託するにいたしましても、限られたごく少数の、いままで農林漁業に対して貸し付けの実績のある、そういうところに支店があり、そういうところに関心があるもの、ごくわずかなものに限られるのじゃないかということで、ただいま検討いたしております。そこで、いろいろ私ども内部で実は相談いたしておる最中でございますが、ほかの国民金融公庫とか中小企業金融公庫あたりも相当膨大な委託金融機関を持っておるわけでありますので、私ども、せっかくそういう機関があるなら、別に委託金融機関をふやすことも必要ないのじゃないかということを考えております。また、先般近代化資金が決定になっておりますが、あれもつまり相互銀行なり信用金庫が委託金融機関になっておるわけであります。現実にそういうことが発足しておるわけでありますから、われわれとしてもこれをやっていいのじゃないかということで、いま関係の人からいろいろ伺って研究いたしておるのでありますが、実はまだ結論に達していないのであります。しかし方向としては、できるだけ、いま申し上げたようなことで、御希望のあるうちから資格のあるものに限って委託する方向へ持っていきたいというふうに考えておりますが、まだ最終的な事務的打ち合わせが終了しておりませんので、ここでいついつからやるということまではっきり申し上げられないのは残念でございますけれども、できるだけは努力いたしまして、そういったことを実現していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

佐藤芳男自由民主党

○佐藤芳男君 方向としては御賛成のようでございますので、これを多とするのでございますが、これを従来取り扱っておるものは、近ごろ金融に携わるものは大体王者の立場をとる。だから、これに刺激を与えるというためから申しましても、やはりときどき少しずつでもつけ加えていくということでも、これは一般企業者が満足をするゆえんである。私ども大学で勉強いたしました当時は、金融というものは産業に奉仕する役割りだと習った。ところが、だんだんと世の中が変わってきて、産業のほうが金融に奉仕する姿になってきておる。きわめて本末転倒なんです。しかも、ずっと取り扱っておりますというと、やはりそれに独善性もできてまいります。そこに刺激を与えるためにも、やはりある程度逐次ふやしていく、理屈に合う以上はふやしていくということも私は必要だと、かように考えざるを得ない。ただいま総裁のおことばの中に、土地改良等に実績のあるもの、これもきわめてけっこうなことではございましょう。それだけにこだわりますと、実績というものは、これは最初から実績のあるものは一つだってないのであります。これらも、あまりしゃくし定木に、これは土地改良に金を出した実績がないからといってむげにそれを考慮されないということでなしに、やはりある程度はその銀行のやり口なり信用なりあるいは資本金なり資本の構成なりというようなものもお考えになって、もちろん大筋は土地改良等に金を出した実績ということは必要ではございましょうが、それだけにのみこだわるということになさることはいかがか。これは御研究を賜わりたいということを申し上げておきたいと思います。重ねて申しますが、いつまでたっても窓口金融はこれだけだと、こうなりますると、どうしてもそこに独善性がえてして生ずる。そうするというと、結局、廃業に金融が奉仕すべき立場のものが、金融に廃業が奉仕する、大衆が銀行に奉仕いたすというふうな逆の姿に相なりまするので、これらの点も、社会開発というような根本にも思いをいたされまして、御善処を賜わりたいと思うのでございます。  私の質問はこれだけで、ただいまのことに対しましては答弁は必要ございません。これで私の質疑は終わります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 各般にわたって質問があると思います。  まず最初に、政府が農業経営面積拡大のために、農地法等を改正して、保有制限の緩和や農協への農地信託制度等を行なったのでありますが、現実に三十八年度のいま決算を行なっておるわけでありますが、三十八年を境にして、三十八年以前と、それから今次四十年に向かっている今日の事態とはどうなっているか、その実績をひとつ御報告をいただきたい。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) ただいまの御質問は、三十八年以前と以降とで個々の農家の平均の経営規模が大きくなるという傾向があるかどうかという趣旨のお尋ねではなかったかと存ずるのでありまするが、いま手元にこまかい数字を持っておりませんが、私ども農政の今後の基本的な方向といたしまして、農業をもって自立し得る農家というものをできるだけ多く育てたいということを農政の基本といたしておるわけでございます。しかしながら、農業基本法制定以来、そのような傾向が顕著にあらわれているかということになりますと、遺憾ながらまだ十分そのような傾向が顕著にあらわれているとは申しがたい状況であるわけでございまするが、今後さらにこのような基本的な方向を展開をいたしまするために、いろいろな施策を講ずべきであろうかというふうに考えておるわけでありまして、先国会に提出をいたしまして遺憾ながら成立を見なかった農地管理事業団法案というのも、このような基本的な方向をねらった一つの施策として私どもは考えておった次第であります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それでは資料をひとつ求めたいと思うんでありますが、三十五年度以降経営面積拡大についての実績、三十五年から三十八年度の今日の決算、それから三十八年度の決算以降の今日までの事情をひとつ資料として御提出をいただきたい。  そこで、いま官房長が答弁された、遺憾ながらそういう当初の計画にまだ沿っておらぬというのは、どういうところに問題があるのか、なぜそういうふうに進んでいかないのか、この理由をひとつ明らかにしてもらいたい。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) ただいま私が申し上げましたことは、一定の計画があって、その計画と実績と照らして進んでおらないという趣旨の、そういうような計画に基づいて私どもはっきりとした計画を持ってやっているわけではないわけでありまするが、逐次個々の農家の平均経営規模が大きくなっているという傾向はございまするが、遺憾ながら顕著にはそのような傾向が進んでおらないという趣旨のお答えをいたしたのでございます。  そこで、この理由は何かというお尋ねでございますが、これは実は非常になかなかお答えしにくい問題でございまするけれども、やはり日本のみならず、農家の土地に対する執着というものが非常に強いということが、端的に言って、この経営規模の拡大にとっては、なかなか克服しがたい一つの大きな障害ではなかろうかと思っておりまするが、最近における他の産業が異常な速度で成長いたしまして、農業の労働力が他の産業に相当な報いで流出している傾向がありますることは、すでに御案内のとおりだと思いますが、そのような傾向があらわれておりましても、なおかつ通勤形態その他による流出はございましても、農家戸数そのものが同じような傾向で減っているということが見えないのは、やはりいま申しましたような先祖伝来の土地に対する農民の愛着というものが非常に強いということが一つの要因となっているのではなかろうかというふうに考えております。もちろん、私どもの目ざしておりまする政策目標を実現をいたしまするために打ちました手そのものが、必ずしも十分でなかったという御批判もあろうかと思いますが、経営面積を拡大をするという一点にしぼってものを見ますると、いま私が申し上げましたようなことが一つの要因ではなかろうかというふうに考えられるのでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 いまの答弁を聞いていると、農民が農地に愛着を持っている、これはもう当然な話だ。しかし、政府が今日まで国会で説明をして、そうしてこの農業規模の拡大をはかる方針をとってきた面からいくと、私は単にそれだけの問題ではないと思う。農民自身が、いわゆる兼農といわれる、零細農といわれる人が、どうしたならそれじゃ自分はいまの政府の方針に協力をするかということになると、やはり政府の根本的な離農対策というものができているのかどうかという問題が私は大事なことじゃないか。ただ単にかけ声だけを幾らやってみたところで、私はそういう政府の方針に、なかなかこれはベースに乗るものではないと思う。実際に、だれでも生活をしなければならぬし、生活の安定を求めていくには、それだけの対策というものが立たなければ、これは私はできない。政府は一体離農対策というものはどういう形で進めてきたのか、御説明をひとついただきたい。

和田正明農林省農政局長

○説明員(和田正明君) ただいま、農業基本法以来の農業行政で、自立経営の育成と申しますか、経営規模の拡大にいろいろな阻害要因があるについて、離農対策が十分とられていなかったのではないか、またそれについていままでどういうことを考えてきたかというお尋ねでございましたのですが、経営規模の拡大、あるいは兼業農家が農業を離れて、経営戸数と申しますか、農家の戸数が減ることが、第一に残ります農業の経営規模が広がりますために必要でありますことは、申し上げるまでもないわけでございますけれども、率直に申し上げますれば、第一に、兼業農家が農業以外の産業に就業をいたしまして、そこから所得を得てまいります場合に、現在の日本の経済事情、社会の中では、必ずしも安定した就業先ということもなかなか言いかねますとか、場合によっては最悪のケースとして、もう一度最後のよりどころとしての農地というものに帰らなければいけないという危険に対する本人自身の期待もございましょうし、それからまた各種の社会保障制度が必ずしも万全でないとか、いろいろの点がございますので、離農促進をいたします意味で、離農者に対して何らかの形で助成なり年金のような制度を考える必要があるのではないかということは、かねがね農政について論ずる方々から共通の意見として出されておるわけでございます。そこで、離農の促進をいたしますための対策ということをどのように具体的に打ち出すかということについては、いままでもいろいろな案を検討してまいりましたわけでございますが、私どもとしては、とりあえず、諸外国の先例等もございますし、また国内におきます対策としても、拙速をとうとびますよりは、むしろ問題の所在をさらに究明をいたしまして、適確な対策をとることが適当だというふうに考えますので、現在もいろいろな資料の分析を進めておりますが、来年度予算につきましても、そのような対策のきめ手を見出しますための実態調査等の予算等を計上いたしまして、今後少しじみちに緻密な対策が立てられるような方向づけを検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 いま官房長なり農政局長の答弁を聞いておると、実際は、政府は打つ手がなかったと、こういうことに私は尽きると思うんです。そこで、私はもちろん、だからといって、それじゃあこの貧農を切り捨てよとか、零細農を切り捨てよとか、あるいはいわゆる中以下の農民を離農させろということを言ってるんじゃない。政府がそういうふうなことを話をしてきたんだから、一体その対策はどうなってるのかということを聞いている。その経過は、具体的に成果はどういうふうになったかということを聞いたわけでありますが、現実にはあまり進んでいない。そこで、今度は私は逆に、日本の国の場合は、やはり食糧確保ということは重大な問題、これは日本農民に課せられた私は大事なことだと思う。また、国民の、消費者の立場からいけば、農民の皆さんの御努力というものを私どもは利く評価していいと思う。したがって、やはり農家の生活の安定ということは第一の問題だと思うのでありますが、そこで、農家のそうした農地を取得する、あるいはそういう農地をつくってやる、こういうことについて、先ほども、公庫のいわゆる金融の面から佐藤理事も質問になりましたが、私は一つの例を申し上げて政府の基本的な考え方を聞きたいのでありますが、政府も、農民に対する、農地を大きくするために干拓等の事業を行なっておるのであります。まあ今年も、いま八郎潟の干拓事業も盛んに進められておるのでありますが、この農地をつくった場合に、その農地をどういうふうに効果的にいわゆる国の目的に沿うようにしていくかということについては、これは農地造成の上からいっても、また農民対策からいっても、大事なことだと思う。そこで、私は山陰の現地を視察したときに、たまたま岡山県の水島工業団地を見ました。この水鳥工業団地を視察したときに、せっかく干拓農地ができたのに、農家が入ったばかりですでにその農地を売り渡さなければならぬ、あるいは、農地を造成中にもかかわらず、すでにこれを工業団地にしなければならぬ、こういういわゆる政府の方針の一貫性を欠いたことについては、私は相当の問題があろうと思う。目的は農地をつくった。農地をつくったけれども、その農地がろくに使われないうちに、あるいは農地がまだようやく造成されつつあるうちに、すでに農地の用はしない。こういうことになると、これは私はやはり、農地問題についての重要な役割りを果たす農林省としての基本的の態度というものは一体どうなのか。私は、水島工業団地の造成がいい悪いということじゃなくて、一体そういう、農地を造成する場合の政府の基本的、考え方というものは一体どうなのか、こういう点についてひとつお答えをいただきたいと思うのです。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) 農業の生産性を向上いたしまするために、土地基盤整備、あるいは干拓等、いろいろな農用地の造成の工事をやってまいっており、また現在も続けているわけでありまするが、ただいま御指摘の問題等につきましては、ただいま農地局長が衆議院の決算委員会に参っておりまして、向こうの答弁の済みましてから、こちらへ参ることになっておりまするので、ただいまの農地局長からのお答えは、しばし御猶予をいただきたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私は、農林省がいわゆる農民の保護政策をとらなければ、とるところはないわけだ。したがって、選択的拡大にせよ、あるいは農地の改良にせよ、いろんなことを項目を幾らお題目を並べても、実際に農民のためになる施策を講じなければ、これは役に立たぬわけですね。それでいまの一つの例を取り上げたわけでありますが、そこで、今年、いま四十一年度の予算を目標に、政府がこの農地事業についてどういうふうにやろうとしているのか、構想がおありだったらばひとつ御発表をいただきたいと思う。これは、いま言った、ただ単に一局長が、農政局長が担当だから、農政局長がいなければ答えができないということでは私はないと思う。省議としてお互いに協議をされていることだと思う。したがって、そういう点については、政務次官がお答えになるなり、あるいは大臣がお答えになるなりということが普通でありますけれども、私は、出席している皆さんが相談をされないで、ただそれは農政局長の所管だから、農政局長が答弁しなければわからぬ、こういうことであっては、私はほんとうの農民の保護の立場に立つ農林省の立場ではない、こう考える。この点についてはいかがですか。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) ただいまのお尋ねの、明年度予算編成に際しましての、土地基盤整備並びに農地の、先ほど来お尋ねになっておりまする、農政の基本でありまする経営規模の拡大をどう具現していくかということにつきましてお答えをいたしますると、土地改良事業につきましては、先国会に成立をいたしました土地改良法の一部改正の法律に基づきまして、今後土地改良十カ年計画というものを策定をいたしまして、それに基づきまして今後の土地改良事業の長期的な計画の第一年度としての予算編成をいたすべく、目下事務的に詰めている段階でございます。この土地改良十カ年計画は、目下その作成を急いでいる段階でございまして、まだ最終的にでき上がっておりません。本年の末もしくは明年早々を目標に、現在担当部局で検討をいたしておるわけでございます。それから農地管理事業団法案――先国会において審議未了になった経過につきましては、すでに諸先生方御案内のとおりでございまするが、私どもといたしましては、やはり農地管理事業団法案を提出をいたします気持ちになりましたような農政の基本的な方向を引き続き具現をいたしまするために、なるべく早い機会に同様な構想を再度御審議をいただくことを考えておりまするが、ただ先国会におきましての御審議の経過によりまして、若干改むべきことは改め、内容についても検討を加えた上で、いずれ成案を得ました上で、来たるベき通常国会を目途に法案の提出をいたしたいというふうに考えておるのでございます。したがいまして、ただいま大蔵省に提出をいたしておりまする予算要求も、このような心がまえのもとに予算の編成をいたしておるような事情でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 まあ官房長の答弁を聞くと、たとえば明年度予算要求の中で十カ年計画なるものはまだ最終的にコンクリート化していない、こういう答弁のようだったのですがね。新聞では、まことにはなばなしく発表されておるわけですね。そうしますというと、国会では一体法律上あるいは制度上、予算上の問題はいま三十八年度なら三十八年度決算の中では、いま私の申し上げたような指摘ができるわけですね。けれどもそれでは一つ農地の問題を取り上げて、いま政府の言うところの今後十カ年計画というものをどうやるかということについては、そのプランさえ国会には述べられないということになると、一体国会というものはあってなきがごとし。しかも実際の経過から見れば、政府の発表された施策そのものが実際にはあまり前進をしておらぬじゃないか。こういうことが言われるというと、全く行政というものが独走をしておるというふうに思われるわけだ、こういう点について十カ年計画なるものは、あなたのほうでは発表するときに、これはまあ予算を取るための手段として発表したのか、それともいやそういう考え方を打って、とにかく大体対大蔵省とも話し合いがついて、そして四十一年度予算としてこれは実現も緒についたんだ、こういう考え方でおったのか、いまの官房長の話を聞いておると、これはあくまでもまだコンクリート化しているわけじゃなくて、そういう一つの考え方というもので十カ年計画というものは述べられておるのですが、その点はいずれなんですか。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) 土地改良十カ年計画は、別に予算を獲得する手段として立案をする性格のものであるとは考えておりません。しかしながら、この土地改良十カ年計画というものを策定をし、かつ実施をする場合におきましては、予算と重大な関係があることでございますので、いずれ四十一年度予算案を国会で御審議をしていただきまする際には、当然その基礎前提となっておりまする土地改良十カ年計画につきましても、国会でいろいろ御意見、御審議を賜わるものと私は考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これは官房長のそういう答弁だけでは、なかなか私どもを納得させることはできない。ということは、いわゆる国会というものは、すでに政府の予算執行のあとを決算委員会は審査をしているのでありますから、その審査の結果から見れば、先ほど申し上げました経営規模の問題にいたしましても、実際に一農家当たりの保有面恥はどうなったか、こういうことを考えてみると、政府のいままで国会で説明をしてきたことから見ると、私はたいへん隔たりがあるのではないかというふうに考えているわけです。それに対して、今年度のいわゆる四十一年度以降の土地改良の計画なるものが、国会では具体的に四十一年度の予算と一緒に、合わせて政府から説明をしようということでありますが、すでにそういうことが報道されておると、一体国会というものは現実の決算をしてみた結果から出し上げて、そうして新年度の予算にできるだけプラスをしていくということはもちろんでありますけれども、その内容は全然国会にはわかっていない。こういうことについては、先ほど冒頭に申し上げたように、政府のアドバルーンというものが、あまりにも過ぎはしないか、つまり一方においては、目隠しされたような国会になってしまって、一方では行政が独走をしていくというようなことに私はなりはしないかというおそれを持つわけです。そういう点については、これは問題の発表のしかたにもあろうかと思うのでありますが、むしろ私どもは農民の農地保有ということが、いわゆる農民の生活安定につながる問題でありますから、そういう点で政府が具体的な施策をどう進めていくかということを、むしろこういう機会にこそ、具体的な説明があってしかるべきだ。そういうことがないというと、それは一つのアドバルーンにすぎない、あるいは予算獲得の方向で、そういう発表をしたにすぎない、こう言われてもやむを得ないのではないか、だから官房長が別に予算獲得のためじゃないと言うなら、十カ年計画をどういうふうにしてやるということを省議で御相談をされたなら、ひとつ御説明いただきたい。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) 土地改良十カ年計画につきましては、目下作業を農地局のほうでいたしております。大体今年末、もしくは明年早々を目途に、計画の成案を得るということで、現在進んでいると私は、承知をいたしているのでございます。新聞報道等につきましては、あるいはそのような前国会に成立をいたしました土地改良法の一部改正法の成立に伴いまして、土地改良十カ年計画というものが策定をすべきことに相なったということに伴いまして、種々の報道がなされておるものと思いまするが、まだ農林省部内におきましても、最終的な結論に到達をいたしておらない段階でございますので、いずれその成案に到達いたしましたあとで、しかるべき場で御審議をいただいて、御批判を仰ぎたいというふうに、農林省としては考えておった次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それは先ほど申し上げたのは、いわゆる国会と行政との関係について、若干の私は批判を申し上げたのでありますが、今後やはり農民の所得が増大され、さらに農地が確保されることについてむしろ希望するのでありますから、そういう点についてとくと御検討いただきたいと思います。  三十八年の一月に園芸局を政府は設置をしたのでありますが、その結果はどうなりましたか、どういう具体的な作業が進んでおりますか、ひとつ具体的な御説明を願いたい。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) 三十八年の一月に園芸局を創設をいたしました趣旨は、今後の農業の方向といたしまして、農業基本法に基づきまして、いわゆる今後の生産性の向上の見込みが非常に高い部門についての農業生産を大いに伸ばしていこうということで、その一環といたしまして、酪農、畜産並びに果樹、蔬菜等の部門について、従来これらの部門について行政を何らやっておらなかったということでは、もちろんないわけでございますが、一段と力を加えてまいりたいという趣旨で園芸局を創設をいたしたのでございます。またこれらの部門の農業生産は、その発展の歴史からいたしますると、他の米麦等の部門に比較をいたしますると、将来非常に生産性の向上が期待できる部門ではありまするが、現在のところでは、まだまだ非常な保護を要する段階でございますので、この園芸局の創設によりまして、これらの部門に対する保護助成、技術指導、あるいはできました生産物の流通、消費の面にまで一貫をした行政を行ないたいということでやってまいっておるわけでございます。最近の国際貿易情勢からいたしますると、逐次農産物につきましての自由化と申しまするか、貿易の拡大ということも、非常に世界的な規模で議論をされておることは御案内のとおりでありまするが、この園芸局の直接所管をいたしておりまする物資につきましては、ただいま私が御説明をいたしましたように、まだまだほんの成長過程にある部門でありまするので、先ほど申しましたような、各段階の行政と並行いたしまして、これらの成長途上にありまする部門につきましての貿易問題につきましても、十分な配慮を加えるような行政をやって今日に至っておるのでございます。今後とも園芸局の業務内容につきましては、まだまだ発足日なお浅いわけでありまするので、ただいま申しましたような観点なり対象につきまして、さらに一段と力を添えてまいりたいというふうに考えております。また予算の面につきましても、設立当初からいたしますると、逐次行政上の要請なり、また農民からのいろいろな強い御要望等もありまして、予算の規模の面から見ましても、毎年園芸局関係の予算は、逐次強化充実をはかってまいっておる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 ひとつそこで農林省に聞いておきたいんだが、いわゆる果樹等の自由化の問題に、レモンの自由化輸入というものが昨年行なわれておる。これは九州をはじめ本土の南端各県にとっては、きわめて重大な農民の問題なんです。昨年私は当委員会でも、通産省のこのレモン輸入の自由化の問題について、通産省は、なるほどレモンが足りないからできるだけ輸入をしようという方針をとったことは、全然わからぬわけではないけれども、農民の保護の立場にある農林省は、一体何をやったのか。農林省としては、一体どういうふうにこの農民の立場でレモンの自由化に対抗してきたのか。今日は一体このレモン栽培の農家に対してどういうふうな措置をとっておるのか。また価格安定というものはどうなっているのか。これについてひとつ御説明をいただきたい。私はもう昨年このことについては、いかにこの自由化という命題があろうとも、やはり日本農民のいわゆるこの営農意識を失わせるようなことがあっては絶対にならぬ、農民の保護政策をとるのが農林省である。こういう面からこのレモンの自由化等の問題に、昨年は私はきつい注文を政府につけておいたわけだ。今日はどうなっておるか。そしてまた、農民のこれらレモン栽培を行なっておる人たちに対する保護政策はどうなっておるのか、ひとつ御説明をいただきたい。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) レモンの自由化に際しましては、農林省といたしましては、国内のレモン栽培農家に深刻なる影響をつとめて回避をするという見地で種々検討を行ないまして、その後品種の改良でありまするとか、生産の合理化等の施策を打ちまして、レモンの自由化に伴いまする影響というものを、最小限度に食いとめる努力をしてまいったのであります。また、くだものの輸入の自由化等をいたしまする際には、単に同一品目のみならず、他のくだものに対しましても影響が及ぶということも考えられまするので、日本の果樹産業全体につきまして、十分なる保護措置を講ずる必要がある点もあるわけでありまするが、先ほど来御説明いたしておりまするように、園芸局創設以来――またその以前もそうでありまするが、以来、特に果樹、蔬菜を中心といたしまして、予算の充実によりましてこれらの点の施策を講じてまいっておるわけでございます。  ただいまお尋ねのレモンの自由化に伴いましてのその後の状況の詳細につきましては、ただいま園芸局長もおっつけ衆議院のほうから回ってまいると思いまするので、詳細なる御説明は、担当の局長から直接お答えをいたしたほうが、あるいは適当であろうかと思いまするので、一般的な基本的な考え方についてお答えをいたすことにとどめさせていただきたいと思います。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 速記を起こして。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 次に、私は農民の所得増大ということは、きわめて大事なことだと思うのでありますが、そこで、経済局にせよ、農政局にせよ、関係のところの皆さんは御苦労なされておると思うのでありますが、いま品種により業種によりましては、いわゆる契約栽培というのが相当進められておると思うのです。この契約栽培のよいところあるいは悪いところ、そういうようなものが政府によっていままで調査をされて、あるいはまた契約裁培というものが好ましいものであるのかどうか。いいとするならばどういう措置をこれからとろうとするのかという点について、ひとつ御説明をいただきたい。

和田正明農林省農政局長

○説明員(和田正明君) いま契約裁培のことについてお尋ねがございましたが、私の所管をしております米麦関係で例をとって申し上げますと、ビール麦、ビールの醸造用の麦が契約裁培の方向を指導をして、今日までまいっておるわけでございます。で、御承知のように、国内の生産だけでは醸造用がなお若干不足をいたしておりますので、一部毎年輸入をいたしておるわけでございますが、私どもとしては、少なくともそれの国内自給度をさらに向上をさせますために、各種の生産対策と合わせて、契約裁培の促進ということを心がけまして、先般も酒造組合あるいは大蔵省の関係者等とも相寄りまして、来年度以降の契約裁培の方式等について、ものの考え方を処理をしたわけでございます。ビール麦の場合で申し上げますと、実は最近の労働力不足にから見まして、なるべくわせの品種を裁培をいたしますことが、稲との作業の結果として適当であるということで、わせの品種の裁培の奨励をしておるわけでございますが、醸造業者側は、わせ品種がビールの麦として必ずしも適当でないとかいうようなことを申しまして、必ずしもわせ品種の裁培の推進が契約裁培とマッチしないというようなことが従前問題になっておったのでございます。  それからもう一つは、契約をいたしました生産数量が、その後の作柄の変化に対応して、減りました場合は特別問題ございませんけれども、より多くふえました場合に、予定外であるから買い入れをしないというような問題がございましたので、それらの点について詰めまして、本年の作付以後につきましては、わせ品種についても醸造団体側としても奨励品種としてこれを認めますとか、それから、作柄が予定いたしました契約数量よりオーバーをいたしましても、その分量は必ず買い取りまして輸入分量を減らしますとかいうようなことについて話し合いをつけまして、今後とも安定した作付、安定した経営ができますように、内面指導を進めておる実情でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 いまのたとえば不作になった場合の助成の考え方、あるいは多過ぎてあまりにも豊作になって、いわゆる買い取りが十分できるかどうか、こういうような場合の話も、いまあなたが触れられたと思うのですが、この契約裁培が好ましい姿、これからも進めていこうという御答弁のように聞かれたと思うのですが、そういうことですね。その場合に、いわゆる、公庫の総裁もおりますが、資金的な問題についてはどういう措置をとっていますか。これはいわゆる契約裁培であるから相手の事業場、会社等からいわゆる手付金をもらうとか、あるいはでき上がったときにいわゆる一括精算をするとか、いろいろあると思うね。その契約のしかたですから。これはあなたがいまビール麦の話をされた、あるいはトマトケチャップの問題もあるでしょう、いろいろある。あるいは今度は家畜等の場合もある。そういう点について今度は農民のふところぐあいというものは、必ずしも常にお金がたくさんあるわけではないわけです。そういうことになるというと、やはりこれらの契約裁培あるいは契約家畜等の場合に、その資金運用というものはどう考えているのか。たとえばそれが公庫の場合には、いままでどういう実績があったのか、またそういう点はなかったのか、こういう点についても、あわせて公庫のほうからひとつ御説明をいただきたい。政府側と両方から。

和田正明農林省農政局長

○説明員(和田正明君) ただいまお尋ねの点は、契約裁培等をいたします場合に、それの経営に要する経費等を、一種の運転資金的なものをどのように処理をしておるかという趣旨のお尋ねかと思います。ビール麦につきましては、そういう形はとりませんで、麦価が食管法によって決定をされておるいきさつ等もございますので、金の面の精算は、収穫が終わりまして取り引きが済んでから処理をいたしておりますので、特別運転資金等について処理はいたしておらない実情でございます。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) ただいま契約裁培について、特に麦についての政府側の答弁について御質問がございましたが、私どもといたしましては、申すまでもなく設備資金しか貸し付けをいたしていないのであります。したがいまして、麦の裁培でありますれば、土地改良資金とか、そういったものしか貸し付けをいたしておりません。したがいまして、具体的に契約裁培の相手方であるから貸し付けをするということは、ちょっといままで私記憶をいたしておりません。普通の農家の設備資金需要といたしまして、そういったものに該当する農家に、いわゆる土地改良のような設備資金を貸したことがあるかもしれませんけれども、特段にこれは契約裁培農家であるからこうするという特別措置は、私どものほうとしてはいたしておらない実情でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 契約裁培が好ましいという先ほどのお話であったと思うのですが、好ましいという指導性の問題、つまり個人で契約をする、団体で契約をする、あるいはいわゆる農業協同組合とかいろいろあると思う。そういう場合に、どういうふうに政府としての指導性を持っているのか、この点もひとつあわせて、好ましいなら好ましい方向についての指導性をひとつ御説明いただきたい。

和田正明農林省農政局長

○説明員(和田正明君) ただいまのお尋ねにお答えを申し上げます前に、先ほどのことにつきまして、ちょっと補足をさせていただきます。先ほどのお尋ねの経営資金ないしは運転資金の問題については、契約の相手方でございます、ビール麦の場合でございますと、醸造関係の組合あるいはビール会社ということになりますが、その関係での経営資金の貸借ということはございませんけれども、一般の米麦作の問題でございますから、当然に地元の農協が肥料代とかその他についてはめんどうを見ているという意味において、いわゆる系統金融の形で処理されていることになっておりますので、つけ加えさせていただきます。  それからただいまお尋ねの指導の方向につきましては、ビール麦につきましては、やはり農家の生産物の販売ということにつながりますので、私どもとしては、全国団体では全販連、それから各関係の経済連、単協等を使いまして――ビール麦について、もう少し詳細に申し上げますと、醸造会社側の希望する原料麦の数量の総括把握をいたしまして、その数字の範囲の中で、各県及び各県のいま申しましたような関係団体で、どの程度ずつ生産が可能であるかということを下から積み上げまして、そしてその数量に見合うものをそれぞれの地域で生産をしてもらう。それにまだ不足がございますれば、その分については輸入という対策を講じて、ビール麦の確保をはかるというような形で、下から積み上げて生産数量の積み上げを各系統団体を通してやりまして、把握をしているような実情でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 園芸局長が見えたようですが、先ほどの官房長から概括的な答弁はいただいたのですが、昨年貿易自由化に伴うレモンの輸入という問題が通産省から提案をされて、当委員会で私からきつく注文をしておいたのでありますが、私は、このレモンの栽培は、決して一部だからほうっておいていいということではないと、こう思う。これは九州にせよ、本土のほうの静岡まで含んで、相当農民にとっては大事なことだと思う。そこで、レモンの自由化反対という農民の声があがったことは、政府では御承知のとおりなんです。ただその際に、あまりにも全体的な国の方針としての貿易自由化という名による通産省の声が強過ぎたということが、私は当時指摘されたと思う。その際に、なぜ農林省は農民の保護政策というたてまえで、もっとレモンの自由化に対する対策というものが十分検討されなかったか、こういう点を、私は政府に当時質問をしておいたのでありますが、その後の情勢はどうなっているのか、つまりアメリカから輸入するところのレモンというものが大量に入って、そして値段が安くて、一般消費者向けには非常によろしい。日本の農民の栽培するレモンというものはあまり購入するものはない、こういうふうなことなのか、それとも日本の農民のいわゆるレモン栽培というものも、政府としては保護をし、そしてこれをやはり農家のいわゆる所得に重要な関係のある保護政策というものをとっているのかどうか。こういう点について、昨年当委員会で私から質問をしておったことでありますから、ひとつ局長から御答弁を願いたいと思います。現状はどうなっているのか。

小林誠一農林省園芸局長

○説明員(小林誠一君) お答え申し上げます。昨年レモンの自由化が行なわれました関係上、その価格が相当大幅に低落いたしたことは、事実でございます。ところが、三十九年産の国産レモンの出回り期がちょうど十月――十二月ころでございますが、そこへ輸入レモンが出ましたので問題があったのでございますけれども、四十年に入りますと、レモンの輸入量がこれは少なくなりまして、これに伴いまして四十年産のレモンの販売も可能ということになりまして、販売量を消化することが可能となったのであります。またこのレモンの問題でございますが、これにつきましては、やはり現在国内でも生産されておりますので、それにつきましては、やはり試験研究ということを十分やる必要があるということで、優良品種の選別でございますとか、あるいは色を出させます彩色の方法につきまして、主産地にいろいろ調査試験を実施させ、これに助成を与えたわけでございます。また、レモンの主産地に対しましては、いわゆる色をつけます施設設置をいたしまして、国産レモンの品質向上をはかるということで、またその出荷の共同化をはかるというような方向で、その経過を把握しまして対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 いまの説明で、まあ農民の保護政策を講じておる。したがって、その第一は品種の改良等を行なって、とにかく輸入ものにも対抗していけるように助成措置を講じていっているのだという説明だと思う。しからば、この国内の農民でレモン栽培しておる人たちの所得、今日の農家の二月当たりの所得というものはどのくらいになっておるのか、わが国のレモンの栽培の数量、それと輸入数量、あなたは輸入はだんだん下火になってきた、こういう話でありますが、輸入数量と国内の生産数量ですね、それと日本の農家の所得、これはどういうふうになっておりますか。

小林誠一農林省園芸局長

○説明員(小林誠一君) いま手元に持ち合わしておりませんので、あとからお答えいたしたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 昨年あれほど日本の国内でレモン栽培の非常な反響を呼んだ農民のことについて、まだそれでわからないのか。やはりそういうところに、私は農林省の態度というものが、ほんとうの農民の保護政策をとっておらぬ、こう思うんです。まあ、しかし手元にないといえばこれはやむを得ないから、あとで資料で提出してもらう以外にないんだけれども、やはり少なくとも九州から静岡までのあれだけの多くの農民がこのレモン自由化に対して反対の運動を続けて政府に陳情があったでしょう。農林水産委員会でもあるいは私ども決算委員会でも指摘をされたことが、具体的に農家の所得がどのくらいになっているかがわからないで、あるいは輸入数量がわからないで、下回ってきましたという答弁ぐらいでは、これは具体性が一つもない。ひとつあとで、そういう点についてはきつく申し上げておきますから、資料を御提出願いたい。  それから、せっかく園芸局ができて、先ほど官房長から説明をされたけれども、あなたは責任者だから、園芸局として、農家の所得はどのように向上してまいりましたか、ひとつ具体的に説明してください。

小林誠一農林省園芸局長

○説明員(小林誠一君) 農家の所得がどのように向上してきたかということでございますが、まあこの問題なかなかつかみにくいのでございますが、園芸局所管の農産物の生産額と農業総生産額との関係で、その占める位置を御説明申し上げたいと思うわけでございます。三十七年度は園芸関係の農産物としまして豆類、イモ類、野菜、くだもの、工芸作物、これが園芸局の所管でございますが、六千三百四十四億になっておりまして、総生産額の中で占めます割合が二七・四%でございます。その後三十九年度の数字がございませんので、正確なものがございませんので、概算をいたしますと七千四百二十五億円で二七・六%ということで、全体の中で占めますウエートは、若干上がっているということでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 ひとつこれはまあ具体的にそういうことができるかどうかというのを、政府全体に考えてもらいたいのでありますが、ひとつ提案をしてみたいと思う。せっかく三十八年一月から園芸局が設置されたのですから。いまの話では若干でも農民の所得が増大している、まことにけっこうだと思う。そこでまあ、私は神奈川県選出でありますから、横浜市の上瀬谷というところに米軍の通信基地がある。これは三十七年の日米合同委員会で、この九十万坪に及ぶ膨大な土地の農耕地の問題が非常に重要な問題としてとらえられた。というのは、通信基地のそばにある農地を耕作する農民が自動車を使う、機械を使うというと、これが電波障害になるということで使用させられなかった。したがって、これに対する農民の強い不満もあって、一応これらの農民に対する補償を行なうことになった。これは三十七年から日米合同委員会の決定によって政府の努力が実ったわけです。ところが、農民にすればやはり農地として最大に活用したいというのが、これはもう当然のことだと思う。そこで上のほうのものは、なるほどそういう支障があるかもしれぬ。特に農地を宅地等に転用ということは許可されない。昨日も私は建設省のほうで、これもひとつたとえばAゾーン、Bゾーンという一つの区域というものを設定をされておりますが、この最も基地に近いところはやむを得ないにしても、そうでないところはできるだけ解除して、土地の所有者に利益が与えられるように考えてやるべきじゃないか。これはひとつ建設省は住宅政策の一環として、そういうものもひとついま一度日米合同委員会の中に持ち出したらどうか、こういう話をしておきました。そこで、私はきょうは農林省にはせっかく園芸局ができたから、そういうトラクターを使うことはいけないとか、あるいは自動車を使うことはいけないとするならば、そういうことをしないでいわゆる農業経営というものができるものはないのか、そして農家の所得というものを得るようなことは、具体的に指導ができるのかできないのか、こういう面を私は検討してみてもいいのではないか。まあその一つの例として、大体上のほうのものについては、どうしてもそういう米軍側の強い規制というものがありますから、なかなかうまくできない。そこで地下を堀ってというわけでもあるまいが、とにかくたとえばウドの栽培のようなああいう地の中のものならば、機械なんか使うこともないんじゃないか。たとえば園芸局がせっかくできたのだから、そういうようなこと、これは一つの例だけれども、そういうふうにその地域の条件によって、あるいは適地によって、そういうものが具体的に農家の所得が増大するようなことが、制限をされたものについてのいわゆる適正な具体的な指導というものはないだろうか、こういう点を考えるわけです。で私としてはできるならばそういう点も政府がひとつ検討してみたらどうか。ただ単に米軍の通信基地があるから、いわゆる電波障害が起こるから、すべてもう物をつくってはいけないということには私は当たらぬと思う。そういう面でやはりきめのこまかい指導というものを、私は実は欲するわけです。そういう点についてもし――これは突然の私の提案でありますから、いままでそういう例があったかどうかわかりませんけれども、もしあったとするならば、あるいはまた検討する価値があるならば、ひとつ御回答をいただきたいと思う。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) ただいまの神奈川県の上瀬谷の問題につきまして、私も詳細には存じませんが、ただいま相澤先生が御指摘になりましたように、基地問題につきましては、単に農林関係だけではなくて、いろいろな問題が派生をしておるわけでございまして、現在内閣におきましても、関係の各省次官で基地問題についての相談を定期的に行なう機関がございます。もちろん私のほうの農林省からも次官が会員になって出席をいたしておりまして、いろいろな問題を論議する場があるわけであります。ただ、いま先生がここで御提案になりましたような問題につきましては、まだ私どもも不勉強でございまして、十分そのような角度でものを見直したことがなかったのでありまするので、今後そのような場で議論をすべき問題かどうかは知りませんけれども、農林省としてもいまの御提案につきましては、十分検討さしていただきたいと、かように考えております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 その次に、先ほど農地の問題についてのお話をしましたが、ひとつこういう点について政府の基本的な考えを聞いておきたいのでありますが、最近京阪神あるいは首都圏というところで宅地造成というものがだいぶ行なわれておるわけであります。この宅地造成、山林等についてはなるほどすぐ手に入るでしょう。したがって宅地造成は容易に行なわれるでしょう。しかし、その中に農地が含まれておる。合法的に農地をいわゆる宅地造成の中に取り入れていくということが、かなり私は多く行なわれておるんじゃないかと、こう思うんです。ところが、農民は農地がなければ農業経営はできない。そこで、そういう宅地造成等をする場合に、一体農地というものはどうしてつくってやるのか。農民は一体どうしたらいいのか、こういうことが問題になると思う。で、一つの例で私申し上げますと、建設省のほうでやはり横浜の洋光台という団地造成のときに話があった。これはまあ農家でいえば一つのパイロット式ないわゆる農業経営をしておる人たちでありますが、それが第一次の構想は六十二万坪の宅地造成が行なわれる。その中にはかなりの農民がおるわけです。第二次計画では、発表されますというと、これは八十万坪さらに行なわれる。それにもやはり農地がある。こういう人たちに対して、実は住宅公団が農民に対して、これはもう一団地造成であるから、山林を私のほうでは買収しましたから、農地は当然この中に計画の中に入っておるから、とにかく一般のものと同じように処分をするんだと、こういう形で当初おった。私も実はこの話を聞いて、あまりにも農民に対するいわゆる思いやりがないということで、この委員会にその農民の陳情書を私はここで指摘をしたことがある。これは住宅公団に対して言ったわけです。なぜ農民に対してもっとあたたかい手を差し伸べないのかと。そこで基本的な問題として、そういう住宅団地等をつくる場合に農地が取りつぶされることについては、一体どういうふうにしたらいいのか。これはもうしかたがないんだと、住宅がつくられるんだから、農地をつぶされたってあたりまえだと、だからそういう者は金をもらって農民をやめたらいいと、こういうことになってしまったら、これは実もふたもないと思うのだ。だからそういう場合には、原則として農地はなるべくその中に入れないようにしていくとか、あるいはどうしても入れなけりゃならぬものならばかえ地をやるとか、そういう指導性というものが、農林省になくてはいかぬと私は思うのです。そういう点について、宅地造成というものは都市近郷において非常に多いのでありますから、こういう場合の農林省の指導方針というものをひとつお答えを願っておきたい。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) 都市周辺で宅地造成をいたしまする場合に、農地が宅地に転用されまする場合は、まず原則としては、個々の農家がはたしてそれを希望しておるかどうかということによって、希望して宅地に転用され、他の職業につくという場合は、これは本人の意思でありまするが、大規模な宅地造成の場合に、個々の農家の希望ということが必ずしも十分に取り入れられずに宅地造成が行なわれておる例が、ままあるようでございまするが、まず農林省といたしましては、そのような計画につきましては、相談を受けまして農地として転用することが望ましくないという場合は、転用についてのいろいろな規制の制度があるわけでありまするが、どうしても農業を続けていきたいという農家に対しては、他に代替の土地を見つけて、そこで大規模な宅地造成事業が行なわれるというような例もあるように聞いておりまするが、まことに申しわけございませんが、私も直接の担当の局長でございませんので、その程度のことしか目下存じておりませんが、やはり都市周辺の農地が逐次宅地造成等によりまして、年々若干ずつ壊廃をいたしておることは、数字の上で出あらわれておるようでございます。農業生産を確保するという見地から農地の確保につとめるというのが、農林省の基本的な方針でございまして、都市周辺で年々若干ずつの農地の壊廃が行なわれておりまするが、さらにそれ以外に新しい土地を開発をして、日本全体における農業生産の確保につとめておるわけでございまするが、いま御指摘のような具体的な問題について、さらにこまかい点につきましては、私も直接担当者じゃございませんので、その程度のお答えしかできないのでございますが、まことに申しわけないと思っております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 これはひとつ、どなたがお答えになるのかね、経済局かね。農協等の預金というものは現在どのくらいありますか。これは全国の統計ありますね。どのくらいありますかな。

森本修農林省農林経済局長

○説明員(森本修君) 大まかに申し上げますと、現在約二兆円ということになっております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 その二兆円の中で都市近郷におけるこの農協の預金の内訳ですね。農家所得、あるいは土地売り渡しによる所得、こういうものの分析をしたことがございますか。

森本修農林省農林経済局長

○説明員(森本修君) まあどういう所得源から出た預金が幾らあるかという点につきましては、実は正確な調査はございませんが、ただ地域別にこう類型を分けまして、都市近郷あるいは普通の地帯、農山村といったようなことで類型を地域別に分けまして、その類型に属する農協の預金はどういう状況になっておるかといったような調査は、不完全ではございますが調査したものはございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 あなたのいまの御答弁あとのほうよくわからなかった。私のいま質問しておるのはなぜかというと、都市近郷における、先ほど申し上げたように、農地の取りつぶされというものはきわめて多い。宅地転用が多い。工場転用が多い。それは農地が実際に金にかわっていっておるわけです。ですから、都市近郷の農協預金というものは、むしろこの農地を売った金の預金というものが多いと、こう私は見ておる。おそらくこの大都市近郷における農協のいわゆる農業委員会そのものが、むしろ農地を転用することに重点の仕事があるのじゃないか。農業本来の仕事をするよりは、もうとにかく工場誘致、宅地誘致、そういうことに対して農業委員会が判を押していくというようなことが、実は仕事の大部分ではないか。そのために金は確かに農協にはたくさんある。それはもう農地を取りつぶした金だ、こういうふうに見ても差しつかえないほどの今日の現状ではないかというふうに思うわけです。で、私はやはり日本農民のいわゆる生産性の問題やら、国民のいわゆる生活部門を担当する農民の立場からいけば、やはり農地がなくてはいかぬ。農地の保護ということは、これはもう一番大事なことだ、こう思うわけです。しかし都市の発展する状況やら、あるいは高度経済成長の影響によって、そういう社会的なもう必然性に伴って農地というものはつぶされていっておる、こういうことはいなめない事実なんです。ですから、私はこの都市近郷における農業委員会の任務そのものも、私は今日は再検討しなければならぬ段階ではないか。あまりにも農地をつぶすことによって、農地を売り渡すことによって仕事が忙殺されておる、あるいは農協の預金というものは維持されておる、こういうふうに見ても過言ではないような気がするわけだ。ですから、先ほど農地の取得の問題について官房長から説明を受けたけれども、どうも私はそういう点についてまだまだほんとうに農林省の指導性というものが、まあ農村地帯にいけばいいと思うのでありますが、近郷都市におけるいわゆる農民指導というものについては、どうも実情を把握していないのじゃないか、こういう気がする――これは私の気ですよ、気がするわけです。そこで、ひとつ都市近郷における農民の指導性の問題を一度これは再検討してもらいたい。いま答弁してもらえばけっこうでありますが、私は農業委員会そのものが、いまのような形ではいけないのじゃないか、こういう気がするわけです。そこでそういう点についての御検討をいただくと同時に、先ほど申し上げた、一団地造成の名のもとに農地がつぶされていってしまう。それも官房長から説明されたように、本人が、私もこの農地を転用してけっこうでございますと、こう言うならいいけれども、大勢としてこれはもう政府関係機関の日本住宅公団がやるのだから、農地はこれはしかたがないのだ、こういうようなことであっては、農民はやり切れたものじゃないと思う。現に横浜の洋光台の問題については、農民からそういう強い反対の陳情があったわけです。幸いにパイロット的な比較的耕作反別を多く持っている四農家についてはまだよかったようでありますけれども、小さい農家はこれは大きな団地造成の中につぶされようとしているわけです。ですから、私はむしろそういう点については、ひとつ農業委員会なりあるいは県、市とよく御相談をいただいて、官房長の言うように、やはり農民が自分が農家を続けていきたいという人であるならば、どうしても一団地造成の中で抜けることができないならば、他にやはりかえ地をやる、このくらいのことを公団にやらせるということでなければ、農民の保護政策には私はならぬと思うのです。そういう点をひとつ政府に御努力いただくことにしたいわけなんですが、これは答弁できますか。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) 農林省の政策が、農村地帯にばかり向けられているというような気がしておられるというお話でございましたが、農林省といたしましては、もちろんそのようなことで行政をやるべきではないので、やはりその農家がたまたま都市周辺にあろうと、農村地帯にあろうと、農家そのもののための行政をやっていくわれわれは一つの職務があると思っております。したがいまして、ただいまのような角度でさらにきめのこまかい農林行政が必要ではないかという御意見に対しまして、私どもも今後そのような見地でいろいろ検討を進めてまいりたいと思っております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 午後の時間の関係もありますから、あと一つ二つでもう簡単に私も質問しますから御答弁いただいて終わりたいと思うのです。  一つは、食糧会計についてでありますが、三十八年度の決算の状況から見ますと、米の買い上げ予定数量、これが現実には少なかったのじゃないかという気がするわけです。結果はどうなったか。それから国内生産の数量がたとえば少なかったことが、輸入食糧を大きくしたのか。それとも、いわゆる国民の需要が多かったから輸入食糧が多くなったのか。その中で、きのうも岡委員からいろいろ質問が出ましたが、いわゆる特選米なり準内地米といいますか、そういうようなものは非常に消費者としては議論になるわけですね、議論になる。米価の問題について、いろいろないまの消費者としては割り切れない点がずいぶんあるということを、きのうも指摘をされたわけです。そこで、その輸入食糧の中で一体数量はどのくらい予定よりも現実に三十八年度はふえたのか。そのふえた中で、準内地米というのはどのくらいだったのかという点もわかったら、その数量をひとつ御発表いただきたい。

田中勉食糧庁総務部長

○説明員(田中勉君) まず、三十八会計年度の米の需給のお尋ねでございますが、この米の需給の中で、やはり基幹になるものの内地米の生産及び買い入れがどうなるかということでございます。御指摘のように、三十八会計年度におきましては、政府の買い入れ米を六百九十万トンに見ておったわけでございますが、これが現実には六百八十六万トン、約四万トンの政府買い入れ減となったわけでございます。これは、三十八会計年度は三十八年産米が買い入れの主体になるわけでございますので、三十八年産米の買い入れは、生産では千二百八十万トンで、前年に比べて約二十万トン減少をしたわけであります。予算を立てます場合には、翌年の生産見込みというものを、たとえば過去の前年あるいは前々年というような傾向値から、その大体生産を見ておるわけでございますが、やはり三十八年産米は、当時見込んでおりました実態よりは、不作によりまして前年に比べて二十万トン減った、こういう現実が出てきておりまして、政府買い入れを見込んでおりましたものよりも四万トン減ったわけでございます。それから需要のほうにおきましては、これはふえたわけでございます。非常にふえまして、前年に比べて玄米のトン数で約三十四、五万トンくらいふえたということになっておるわけでございます。これは需要が一体米についてふえたのかどうか、あるいは人口増加に基づくものかどうか、その辺は、見込みの違いがどうなのかというような一つの見方が出てくるわけでございますが、前年に比べまして約二十万トンの生産の減が出てきておったわけでございます。にもかかわらず、政府の買い入れ量は前年の買い入れ量よりもむしろ約十万トンくらい上回ったということになっておるわけでございます。そういたしますると、前年の生産、政府買い入れの数量に比べまして差し引き三十万トンくらいが、実際の流通面において影響してきているということでございまして、その結果、政府の配給量というものが結局ふえてきたということが、実際は出てきておるわけでございます。生産は前年に比べて約二十万トン減った。しかしながら、政府が買い上げた数量は、むしろ逆に前年より十万トンふえた。こういうことから今度は配給面の受配量がそこにふえてきておるということが出てきておりまして、需要量が増加しておるわけでございます。そういうことからいたしまして、輸入量もこの三十八年度におきましては当初米で十一万五千トン見ておったのでございまするけれども、これを実際には三十一万六千トン、約十万トンの輸入増加になったわけでございます。このうちで大体準内地米というものは当初は約一万五千トンくらい見ておりまして、あとは例の砕米とか工業用の原料ということで、当初の十一万五千トン総量を見ておったわけでございますが、結局二十一万トンに、約十万トンふえましたものは、これは主として準内地米で増加をしたという結果になっておるわけでございます。以上でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 今年の輸入の目標は、どのくらいですか。今年はどのくらい輸入をするつもりですか。

田中勉食糧庁総務部長

○説明員(田中勉君) 今会計年度の現在の予算に組んでおりますものは、これは準内地米、それから普通外米、砕米を寄せまして、大体四十八万トンということで当初の計画を組んでおったわけでございます。その際に、ことしの生産見込みが、やはり予算編成当時、この四十年産米の生産がどうあるかということが、その当時見込んでおったものと、最近の情勢が、だいぶ変わってきておるわけでございまして、もう一つには、この会計年度に影響します米は、ことしの、いま取れております米と、それから昨年取れた米と、この二つの要素がからんで、ことしの会計年度に対しての影響が出るわけでございます。そこでいま予算計画では、四十八万トンの輸入計画を持っておるわけでございますが、これは、現実には、いま買い付けをさらに上回って、これを進行しておるわけでございまして、大体九十万トン近くの輸入量になるというようなことで、年度途中でもございますが、これは、当然補正予算とか、こういう問題にも関連して、いま補正予算の検討をいたしておる次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 まあ、時間がないので、ほんとうに質問も中途はんぱになってしまったんですが、その輸入を地域別、国別に見て、たとえば、韓国であるとか台湾であるとか、ビルマであるとかインドであるとか、こういう地帯で、その九十万トンの輸入のおもなる国は、どこなんですか。

田中勉食糧庁総務部長

○説明員(田中勉君) 約九十万トン近く現実にはなるだろうということで、いま、予想を立てておるわけでございますが、このうちで約七十万トンが、先ほど御指摘ございました準内地米ということになるのでございまして、あとが大体、普通外米、それから砕米でございます、工業用の原料になるところのものでございますが、まず後段の普通の外米と、それから砕米の地域は、タイ、ビルマ、これが主体でございます。ほかからは、大体、輸入いたしておりません。ただ、カンボジアから若干のものはございますが、そういうことでございます。それから、準内地米の七十万トンの大体の内訳を申し上げますると、台湾が約三十万トン弱、それから中共の米が十六万トンぐらいというわけでございます。それから、アメリカの加州米、南部米、これが約二十万トン弱、それから、その他スペイン、こういうことになっておりまして、韓国米は、昨年の十月から十一月に約一万四千トン入れた、それらが大体七十万トンぐらいの内一訳になるわけでございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 韓国には、日本からお米を出したことはございませんか。向こうに逆にやったことはございませんか。

田中勉食糧庁総務部長

○説明員(田中勉君) 韓国におきましては、三十七年のときに非常な大不作がございまして、食糧飢饉がございまして、当時、政府におきまして、やはり緊急援助をするというような方針がきまりまして、総額におきまして、食糧といたしまして約二十億の予備費を、対韓のそういう飢饉援助というようなことで実施されまして、そのときに、どういう措置を食糧庁の食糧関係の部面においてとりましたかということを申し上げますると、国内にある内地米、それから、国内で輸入した米、これは援助の輸出はいたしておりません。ただ、六千トンばかり国内で生産された小麦粉を、その援助資金の中でこれを輸出したことはございます。それから、台湾から日本が買い付け予定をしておって、日本がまだ国へ持ってこないものを振りかえて、韓国へ持っていったようなこともございます。それから、アメリカから輸入いたしまするあの玄麦の小麦、これが約一万五、六千トンだったと思うのですが、これも、政府が買い付けしてこちらに持ってきておりませんので、これを振りかえて、その資金のワクの中に入れて、韓国飢饉援助の措置をとったというような事実はございます。国内から米を輸出したことはございません。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 その総額は、四万トンだったのですか、どのくらいだったのですか、それは。

田中勉食糧庁総務部長

○説明員(田中勉君) 台湾米の振りかえは、ちょっとはっきりした数字は……、あとでまた、正確な数字は申し上げますが、振りかえ分が約二万トン、それから、アメリカの小麦、玄麦の振りかえ分が約一万六千トン、それから小麦粉で六千トンくらいかというぐあいに記憶いたしております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 あとでその数字を資料で御提出ください。  それから、最後に、インドとの交流の問題もありますが、インドでは化学肥料がたいへん不足をしておるように思うのであります。インド政府としては、アメリカなり日本から足りない肥料を輸入をしたい、こういうような意向が私は出ておると思うのです。で、日本の化学肥料をどの程度、つまり協力として輸出ができるか、こういう点について、農林省としてお考えになったことがあるのかどうか。インドでは、大体二十二万トンくらいの需要量と聞いておりますが、九万トンくらいは不足をしておるというような話であります。それをいま申し上げたアメリカとか日本等から輸入をしたいというようなことでありますが、その気持ちに日本の立場で沿えるような状況にあるのか。もちろんわれわれとしては、できるだけやはり日本の経済をよくするために、輸出をすることは望ましいことでありますが、そういう状況というものは、一体農林省として検討されておるのかどうか。また、そういう態勢があるのかどうか。この点をひとつお答えをいただきたいことと、それから、もう時間がありませんから、資料を提出していただきたいのですが、今度、いよいよ十月五日から日韓批准の国会が召集をされるわけであります。新聞等に報ぜられておるところを見ると、漁業専管水域は、沿岸十二海里というのをとっておるようであります。もちろん、われわれ李ラインの十二海里の問題については、ずいぶん議論のあったところでありますが、農林省として、日本の漁民保護の立場で、いまの十二海里という線を強く押していかれるのかどうか。また、外務省なりそういうところと、政府は御相談をされて、そうして今回、この十二海里説というものを進めていこうとされるのかどうか。これは、農民の問題と同時に、漁民の問題は、私どもにとっても、きわめて大事なことであります。私は、あの山陰地方の現地調査をしたときに、不幸にして山口県の漁民の諸君が多く拿捕されたことを聞きまして、まことに残念だと思うのです。そういう中に、まだ帰還をしておらない人もあります。帰還をしても、実際に生活が非常に困難におちいった人もあります。そういうことからいうと、沿岸漁業の専管水域というものを決定することは、きわめて大事なことだと思う。そこで、そういう点で、政府が今回提案をするのかどうか、これは農林省の立場でひとつお答えをいただきたいと思うのです。  それからいま一つの点は、農家のいゆる所得増大の問題と減税の問題ということを含んで、農業の共同化、協業化、こういう問題を進めて法人組織ということが、今日まで私は奨励をされてきたと思うのです。そこで、この法人組織のほうが、いわゆる青色申告、白色申告もあるでしょうが、いずれにしても、そういう法人組織化というものが政府で進められた経過はどうなったのか。で、その税金を払う農民の立場にとっては、どっちが一体よかったのか。これをひとつ、できれば資料で御提出をいただきたい。これは私は、三十五年というのは、とてもそこまで指導性がなかったと思うから、三十八年から三十九年ぐらい、その二年くらいをとって見れば、比較的新しい数字が出るのではないかと思うのですが、資料が私としては御提出をいただきたい、こういうことで、本日の質問を終わっておきたいと思うのです。

森本修農林省農林経済局長

○説明員(森本修君) 肥料に関しますことについて、お答えを申し上げます。肥料の需給、あるいは輸出につきましては、御承知のように法律に基づきまして、ア系肥料については、需給見通しを立てて、したがって農林省としましては、需給の見通しに基づきまして、内需に支障がない限り輸出の承認について通産省に同意を与えていく、こういうようなたてまえで、実は現在まで運用をいたしてきておるわけでございます。したがいまして、われわれとしまして、具体的にインドはどういうふうに考えるかということでございますけれども、第一次的には内需に支障のない限り、全体の輸出ワクについては同意をいたしましていく、こういうことでございます。どこどこにどういう肥料を出すことになるかということにつきましては、そういう範囲内におきまして、主として純然たる商業ベースによって商社が契約をして出しておると、こういうことになるわけでございます。最近のインドに対します輸出の見込みについての状況でございますが、四十年の一月から四十一年の六月までの契約の状況によりますと、尿素約十五万トンばかり成約ができておるようでございます。それに基づきまして漸次輸出がなされていく、こういうふうに考えております。

大口駿一農林大臣官房長

○説明員(大口駿一君) 漁業専管水域の設定のお尋ねでございまするが、去る六月二十二日に調印をされました日韓漁業協定には、その第一条に、日韓双方とも自国の漁民に対しての漁業専管区域、管轄区域を設けるということができるということになっておりまして、今度の臨時国会でこの条約を含めて御審議をいただくわけでありまするが、この条約の実行の問題といたしまして、日本側におきましても、この専管水域の設定に関する法律案を御提案をして御審議をいただく腹づもりでおります。この法律は具体的な地域の設定は政令に譲りまして、そういうことができるということの根拠法律でございまするので、内容はきわめて簡単なものになろうかと思います。  なお、この法律に基づきまして専管水域を設けます場合、主として韓国人を対象としての法律になるかと思いまするが、日本の沿岸全域にわたって漁業専管水域を設けるということは、必ずしも目下のところ考えておりませんで、特に韓国の漁船と日本の漁船とがともどもに操業をすることが予想されまする対島周辺を考えて、現在準備を進めておる段階でございます。

和田正明農林省農政局長

○説明員(和田正明君) ただいま協業経営、農業法人の問題について資料御提出の御要望がございました。ただ、先生御要望のお話しの中で税金との関係ということにお触れになりましたわけですが、なるほど過去におきまして所得税の課税の問題にからんで個人所得税と法人税、法人である場合との差というようなことが、問題を世間へ打ち出すための動機になりましたという事実はございますけれども、私どもとしては、現在所得税対策とかいうようなことではなくて、労力不足の問題でございますとか、先ほどお話も出ましたような協業化に伴う問題でございますとか、そういう主として生産面でなりあるいは生産の合理化なりという立場で協業の問題の指導をいたしておりますので、所得税が幾らであるか法人税が幾らであるかという実は分析はいたしておらないのでございます。ただそういうことを御了解をいただきまして、最近までの法人協業経営の現状の動き等については、後ほどお手元に資料をお届けいたします。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) それでは資料の要求が四件出ておりますので、これ、間違いなし、なるべく至急に御提出願います。  それでは午前中の審査はこの程度にとどめたいと存じます。  午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十五分休憩      ―――――・―――――    午後二時二十分開会

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  まず、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  先般当委員会が行ないました昭和三十八年度決算外三件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のための委員派遣につきまして、それぞれの班より報告を求めます。  まず、北陸班の報告をお願いいたします。谷口君。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 北陸班は、昭和四十年九月九日より七日間、二宮文造委員、矢山有作委員と私が参加いたしまして、新潟、富山、石川、及び福井の四県下に派遣されました。  調査の対象となりましたのは、これら四県の県財政の問題、新潟地震の災害復旧状況、富山・高岡地区の新産都市の計画と建設状況、邑知潟の国営干拓の状況、小松基地の基地対策事業、農業構造改善事業の実情及び九頭市川の開発状況などであります。また、農林、建設両省所管の災害復旧事業につきまして、は、事前の査定検査の結果、是正させた事項及び農林施設災害復旧事業の国庫補助金の不当経理等も調査いたしました。これらの個々の問題についての報告は、時間の関係で省略さしていただいて、二、三の要点について御報告申し上げます。  第一点は、地方財政の状況についてであります。この四県とも共通することは、人件費等の構成比は三割五分程度で、予算の弾力性を弱め、また、不景気を反映して法人事業税の伸びも鈍化し、道路等の社会資本の充実のための公共投資の圧迫も加わり、県財政の実質収支は昭和三十九年度で赤字となっていることであります。昭和四十年度は、特に経済の、不況の影響が県税収入にも大きく出てくると同時に、地方交付税の伸びも期待薄とあって、人事院勧告に基づく給与引き上げの財源措置については、深刻な困難に突き当たっている状況であります。  次は、右のような地方財政の状況下にありまして、国庫補助金の基準単価が実績単価を下回っているために、国庫補助事業に精を出せば出すほど、その超過負担の重みをひしひしと感じており、たとえば国の群業の職業安定所の新築の坪単価は十二万円となっているのに、国庫補助事業で建てる警察署の補助の単価は七万九千円であるのはどうしても納得できないという真剣な説明も聞いてまいったのであります。また、このような地方財政の現況を反映して、国の直轄事業の地方団体負担金のあり方につきましても、全廃ないし軽減の必要が強く要望されたのであります。  次に、この北陸方面は、太平洋岸のいわゆるベルト地帯などとは比較にならないほど社会資本の投資がおくれていることは、言をまたないのであります。私たちは新潟港を中心とする公共施設の整備状況や、富山・高岡地区の新産都市の整備状況や、鳥屋野潟の排水事業、邑知潟の干拓事業を実地に見、また、琵琶湖から岐阜、福井を結び、太平洋と日本海を結ぶ大運河開設計画などにも触れたのであります。しかし、これらのいずれの計画も、また事業も、いずれもいわゆる所得倍増計画の高度経済成長ムードの中で構想され若手されたものであり、中には完成しつつあるものもあります。  ところで、今後、日本経済の成長と国及び地方の財政の伸びがこのような事業なり計画なりをカバーできて投資効果を十分あげることができるかどうかをひそかに憂えたのであります。  これらの各県としても、本年度以降、どのような見通しのもとに、社会資本の充実問題と取り組むかについて、真剣な検討がなされている状況でありますが、何と申しましても、投資の効率化は現下の急務でありますので、重点的に、短期間に役立つような事業を選定して、だらだら長く、まんべんなく総花的に投資する安易なやり方は改善せざるを得まいと思うのであります。  調査事項の個々の問題については、それぞれ問題とすべきものも多々ありますので、今後、本委員会の各省審議の際に活用反映さしてまいるのが妥当かと存じますので、今日のところ、この程度にとどめ、北陸班の報告といたしたいと存じます。  なお、最後になりましたが、本班の派遣中、佐藤理事には、格別の御配慮を賜わりましたことをお礼を申し上げます。  以上でございます。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 次に、山陰、中国班の報告をお願いいたします。相澤君。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 第一班は、去る八月二十日から八月二十六日までの間、高山恒雄君と私相澤重明の二名で、岡山県、島根県、山口県、萩市及び防府市の財政事情、岡山県では、特に水島工業地帯の実情と山陽新幹線の現状、島根県では、特に災害の実情、山口県では、特に拿捕漁船の実情に重点を置いて調査を行なってまいりました。  以下、その概要を御報告いたします。  一、岡山県、高根県及び山口県の財政の現状。  昭和四十年度の岡山県の財政の規模は一般会計で四百三十一億円、島根県では三百十三億円、山口県では四百八億円で、地方財政の収入の大宗をなす県税について見ると、本年度は岡山県では八十五億円、島根県では二十五億円、山口県では百十八億円が計上されており、地方交付税は、岡山県は百七億円、島根県は百二億円、山口県は八十億円がそれぞれ計上されております。  地方財政は景気変動の波を受けやすいのが常であり、昨今の経済界の不況の影響で、岡山県、高根県、山口県の三県とも、いずれも現在までのところ、税収の伸びが悪く、この分で進めば、県税は予算額の維持が困難ではなかろうかと思われ、地方交付税もおそらく予定額を割るのではなかろうかと思われる状況であり、地方交付税の交付率を引き上げるよう、三県当局から強い要望が表明せられました。  このように一般財源が不足することが予測されるような状況でありますので、三県とも物件費、事務費の消滅を行なうとともに、事業費も縮小する等、経費の節減につとめている実情であります。  このようにきわめて苦しい地方財政にとり、頭を痛めている問題は、今回人事院から勧告された国家公務員の給与改定であります。この勧告に伴いまして、地方公務員の給与も改定されることになりますが、これが五月実施されたと仮定いたしました場合、岡山県では九億円、島根県では四億五千万円、山口県では八億円を要することになりますので、この財源をどこに求めるか、これが三県の共通の悩みとなっております。  萩市及び防府市の財政も、県の財政と同様に苦しい実情であります。すなわち、萩市の昭和三十九年度の決算額を見ますと、収入は九億八千万円で、歳出のおもなものは、人件費の三億二千万円で、これは歳入の実に三割に相当する額であって、特に注目される点であります。防府市の昭和三十九年度の決算額は十六億円であります。両市とも本年度は、予定の目標額の収入を確保することがきわめて困難な状況でありますので、県当局と同様に、両市の当局も、地方交付税の交付率の引き上げを強く要望せられておる実情であります。  また、防府市当局からは、学校校舎の建築基準単価の引き上げと、文化財の管理に対する国庫補助率の引き上げ、萩市当局からは、萩港の整備について、事業費の地元負担(三割)は、地方財政にとっては重圧であるから、国の補助率を現行の四割を五割に引き上げること、萩市を観光都市として発展せしめるために、東萩駅を急行停車駅(現在特急は停車している)とすること等について要望が行なわれた。  なお、山口県美東町当局から、この地区のバスは独占企業であり、ストライキの際には、学童をはじめ、町民が非常に迷惑をこうむっている実情で、ストライキが長期化した場合は、社会問題であるから、他にも免許を与え、町民の交通を確保されたいとの陳情を受けた次第であります。  二、水島臨海工業地帯の現状。  水島臨海工業地帯は、倉敷市、玉島市、児島市にまたがり、岡梁川の河口に形成された三角州と沿岸一帯の遠浅海面を埋め立てて造成した地域及び将来造成する広大な地域をさすものであります。本地域は新産業都市建設促進法に基づき、昭和三十八年七月十二日、閣議決定を経て、昭和三十九年一月三十日、総理府告示第三号をもって正式に新産業都市として指定を受け、本格的に建設が進められ、今日に至ったものであります。  本工業用地の現状について申し上げますと、本地域の土地造成のうち、昭和二十八年から始められておりました県施行の埋め立て面積は百二十一万坪に及んでおります。また、岡山県開発公社が開発した高梁川福田西干拓及び目下転用を促進中の福田東干拓を合わせると、その面積は二百十二万坪となり、企業自身で施行中のものを含めると、実に六百九十一万坪という広大なものが造成されることになります。  しこうして現在ここに三菱重工業(株)、水島自動車製作所をはじめ、三菱石油(株)、日本鉱業(株)等の石油精製工場等の二十四の企業がすでに操業しており、また建設中のものに川崎製鉄(株)等があります。同社はここに粗鋼年一千万トンの生産計画を有しておりますので、この計画が完成されたときは、これが世界的規模の製鉄所となることは疑う余地のないところであります。現在のところ三菱石油(株)は、日産五万バーレル、日本鉱業(株)は、日産九万バレールが稼働しておりますが、両社とも将来は一日二十万バーレルの生産計画を有しており、この計画が達成されたときは、この地域が西日本で最大の石油精製基地となるものと思われます。このように本地域は工業開発の中核となる状況でありますので、岡山県においてはさらに工業用地の需要に備えて、海岸埋め立て予定地として三百九十四万坪の造成が計画されております。  このような工場進出に相呼応し、水島港も、特定港湾整備特別措置法に基づき整備が行なわれ、現在は水深十四メートルまでしゅんせつが完了しておりますが、十万トン級船舶の出入を可能にするために、水深を十六メートルにする計画が現在進められております。工業用水については、高梁川の開発により、一日百万トンをこえる工業用水が確保されますので、本地域は、石油精製、石油化学及び鉄鋼等の基幹産業の中心地として将来の発展がますます期待されております。  なお、本工業地域には農林省の福田東干拓工事及び高梁川干拓工事で造成された農地も含まれております。すなわち福田干拓工事は、十年の年月をかけ、昭和三十六年二月完成し、二億三千万円の費用を注いで二十八万坪の農地が造成されたのであります。このうち、十九万坪が百六十戸の農家に配分され、(第一次配分、昭和三十四年三月、十五万坪、対象百三十七戸、第二次配分、昭和三十六年二月、四万坪、対象二十三戸)これらの土地について昭和三十六年四月、関係会社から農地転用について事前審査申し出書が提出されているが、これらと一体をなしている約九万坪の土地改良財産、開拓財産(導水路等)の払い下げ価格について、目下岡山県当局と農林省の間で折衝が行なわれている実情であります。  また、高梁川干拓工事は、十四年の年月を要し、総工費七億四千万円で、昭和三十六年三月、百二十八万坪の農地が造成されましたが、そのうち約二十四万坪が、昭和三十四年三月、六十四戸に払い下げられ、これを昭和三十六年三月、県開発公社が買収したものであります。このように県開発公社は昭和三十六年度に干拓農地を農家から買収し、これを工業用地に転用しましたが、その買収費は反当たり七十五万円であります。しかしながら、農家が農林省から払い下げを受けた金額は、わずか反当たり、二万五千円程度ということで、新産都市の建設も容易なものではないと痛感させられた次第であります。  本地域における今後の問題は公害対策であろうと思われます。現在までのところ、特記すべき現象は生じておりませんが、昨年、石油化学工業の操業に伴う排水処理について地元住民の間から将来に対する不安の声が出されたとのことで、県当局におかれては、県公害対策審議会を設け、今後公害に対する基本調査を行なっているところであります。  三、山陽新幹線建設計画の現状。  日本国有鉄道から八月十八日、運輸大臣に対し、新大阪-岡山間百六十キロの工事認可申請(九月九日認可)が行なわれましたので、その計画について、岡山県当局も同席して、日本国有鉄道大阪支社当局から説明を聴取した次第であります。本計画の概要でありますが、本年度は地形、地質等の調査を行ない、本年中に経過地の選定を終了し、工事費は約千七百億円で、着工は来年度になる見込みであります。岡山県当局から万国博覧会までに完成せられたい旨、要望せられましたが、関西支社当局は、本計画は昭和四十六年末までに完成を目途としており、これを一年繰り上げることは、試運転期間も六カ月を要するので、なかなか困難である旨述べられ、また、工事に際し、騒音、振動等について基準を設けてほしい旨の要望が表明せられました。なお、岡山県当局から、岡山県としては、新幹線の開通に全面的に協力するにつき、神戸地区のルートを早急に解決し、工事を促進せられたい旨、強調せられた次第であります。  四、島根県の災害の実情。  島根県は、昭和三十八年一月下旬から三月上旬にかけて、全県下豪雪に見舞われて、四十六億円の被害、昭和三十九年は七月中旬の豪雨で、加茂町を中心として、山腹崩壊、地すべり等一万カ所、河川決壊等で、その被害二百八十九億円、本年も七月中旬の全県下の豪雨で、被害額百四十億に及んだのであります。このように本県は三カ年連続して災害を受けたわけであります。  本年の豪雨の概要を申し上げますと、本年の豪雨は、七月十二日から十三日にかけて、県下に八十ミリから百三十ミリの大雨で、益田市において家屋、公共施設等に多大の被害を生じたのであります。さらに七月十六日から十七日にかけ、県西部山間部と、七月十九日から二十日にかけて県東部で大雨で各所に被害が相次いでいるところに、二十一日から二十三日にかけ、全県下にわたった大雨で、松江市で五百五十四ミリ、川本町で四百九十四ミリ、益田市で五百四十七ミリ等、記録的な数字が示され、江川、斐伊川、益田川及び宍道湖をはじめ、県下の各河川が一斉に増水はんらんした次第であります。  このため、平田市、松江市等において、山くずれによる家屋の倒壊、埋没が続出したほか、平田市においては河川の決壊、はんらんによる家屋の浸水二千五百戸、松江市では宍道湖、大橋川のはんらんによる家屋の浸水三千戸以上を数えるに至りました。ことに江川の増水で、川本町、桜江町、邑智町、大和村、江津市のほか、流域一帯は全戸浸水し、江川の橋梁が至るところで流失したので、江川流域はほとんど壊滅状態に立ち至ったのであります。  さらに、山陰本線、木次線、三江北線等において、六十カ所切断され、国道、県道も同様に随所で寸断されたので、県下の交通、通信は一時麻痺状態におちいったのであります。すなわち、河川の決壊千九百カ所、道路、橋梁の破損一万一千二百カ所にのぼる大被害をこうむることになったのであります。  このような非常事態に対処するため、県は直ちに災害対策本部を設け、その復旧に全力を注いでいる現状であります。すなわち、災害復旧事業費として本年度四十七億円が計上されておりますが、これは全予算の実に一五・四%に相当しており、いかに島根県の災害が大きかったかが知ることができるとともに、県財政がいかに苦しいか、容易に想像し得るところであります。  本年の災害については、去る八月十七日の閣議で、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律が適用されることになりましたが、島根県当局から要望のありました事項のうち、おもなものをあげますと次のとおりであります。  一、公共土木施設及び農林水産施設等の災害復旧は、原形復旧が原則であるが、今後の災害査定にあたっては、徹底的な改良復旧の採択をはかられたい。  二、斐伊川、江川を一級河川に指定され、抜本的な治水対策を行なわれたい。  三、山陰本線、木次線及び三江北線の復旧をすみやかに行なわれたい。  以上でありますが、ことに三江北線のかすぶち鉄橋は現在流失したままで、十一月でなければ架設できないとの説明を県当局から受けた次第であまりす。  われわれ調査団は、この鉄橋の流失で、木材の出荷ができずに住民が困っているとの県当局の説明を聞き、さっそくその場で米子鉄道管理局長に電話で連絡をとりたるところ、鉄橋に要する資材を特別に発注した関係で、その資材ができるのが十月半ばごろの見込みであるとの事情が判明した次第であります。  なお、調査団は、時間の関係で、宍道湖干拓の現地を実地視察かたがた昨年の災害の激甚地区の加茂町の復旧事業の実情を調査いたしました。  五、山口県の拿捕漁船の実情。  昭和二十七年一月いわゆる李ラインが設定されて以来、韓国の警備艇による日本漁船の拿捕が始まり、現在までにその数は全国で三百二十七隻、そのうち、山口県の漁船は百十四隻の多数にのぼっております。しこうして、いまなお、未帰還船は全国で百八十五隻であります。川口県の未帰還漁船は五十七隻で、その損害はおおよそ次のとおりであります。一、拿捕漁船の船体、機関及び装備九億四千万円、二、積載物三億四千万円、三、事件に伴う出費十二億四千万円、以上が直接の損害額でありますが、さらに稼働想定による推定収益額七億二千万円を加えますと、損害の総計は実に三十二億五千万円にのぼり、これは全国の拿捕漁船の損害額の三六%に相当するものであります。  拿捕船が多く出ましたのは、昭和二十八年から昭和三十一年ごろまでが多く、それ以後は、李ライン地区を避けて他の漁場に出漁するようになった関係もあってか、最近はごく少なく、昭和三十八年は三隻拿捕され、そのうち二隻が帰還、一隻が未帰還、昭和三十九年は一隻拿捕されましたが、帰還が許されている実情であります。  なお、萩市における拿捕船の状況を申し上げますと、越ケ浜で十五隻、そのうち二隻が帰還、玉江では五隻が拿捕され、そのうち二隻が帰還、小畑では一隻拿捕されたが帰還している状況であります。萩市の拿捕事件は、そのほとんどが昭和二十八年に発生したものでいずれも十九トンぐらいまでの漁船であります。  これらの拿捕船に対しては、県当局も融資を行なうなど再建につとめておりますが、この拿捕のため、ついに倒産したと思われる業者も、山口県下で二十を数える状況であります。  山口県当局から水産関係について提出された要望は次のとおりであります。  一、日韓両国の国交正常化の節は、共同規制水  域での円滑かつ安全な操業の体制を確立せら  れたい。  二、韓国水産物の輸入窓口の一本化と漁価調整  のための冷蔵施設等の措置と沼津漁業の基盤  強化のための対策を確立せられたい。  三、拿捕船等に対し適正な漁業補償措置を講ぜ  られたい。  以上が水産関係についての山口県当局の要望であります。  六、昭和三十八年度決算検査報告。  検査報告五五一、五五二の件でありますが、本件は昭和三十八年九月、岡山県上道町と岡山県境並びに倉敷市と福山市の間の三百六キロについて、二月分の一の航空撮影を行なったものであります。会計検査院で実地検査の結果、国土地理院において国土基本図事業を実施中であって、本航空写真撮影は、昭和三十六年、三十七年の両年度で一万分の一の縮尺撮影を完了しているもので、これを活用することができたものと認められるとの指摘を受けたものであり、新山陽道の航空写真図化工事についても、不経済な工事を実施したことについて指摘されたものであり、本事件については当時の責任者に対し、文書によりそれぞれ厳重注意が行なわれた次第であります。  次に、検査報告五四八の件でありますが、これは国道九号線のうち、山口県阿東町と山口市との境界山口市杖坂より山口市宮野町に至る五千三百五十四メートルの道路改良工事で、この工事の中の一部にモルタル吹きつけを行なったもので、昭和三十六年に着手、昭和三十八年完成したものであります。検査も、モルタル容積とそのときに使用したポソラセメントや砂の数量を照合し、使用数量の確認を行ない、モルタル吹きつけは、平均の厚さが五センチあるものと検収したものであります。会計検査院で実施検証の結果、吹きつけの厚さの不足が指摘され、その後、その個所について請負人の負担で補修を行なったものもあります。本件については、当時の責任者に対し、文書または口頭により厳重注意が行なわれました。また、業者に対しては、競争参加資格三カ月間停止の処分が行なわれました。  この種の工事については、その設計は言うに及ばず、現場における工事の監督、請負業者に対する指導並びに検収について十分配慮することが望まれる次第であります。  以上で報告を終わりますが、山口県下の調査に際しては、江藤智議員が特に参加されましたことを報告いたします。  なお、岡山県、島根県及び山口県の当局をはじめ、本調査に御協力をいただきました方々に対しお礼を申し上げ、また、提出された資料は当委員会に保管をいたしております。  以上、簡単ながら報告を終わります。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 以上で報告を終了いたします。  なお、北海道班の報告につきましては、都合により、後日にこれを聴取することにいたしたいと存じます。     ―――――――――――――

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、矢山有作君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。     ―――――――――――――

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) それでは、本件に関し質疑のある方は、順次御発言をお願いいたします。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 会計検査院で災害復旧事業の事前査定をやっていただいていることはけっこうだと思います。ただ、私ども現地でちょっとどうだろうかと考えた点がございますのでお尋ね申し上げますが、あなたの第四局内に、かような災害復旧事業の査定をなさる専門の技術員は、何名おりますか。

小沢定司会計検査院事務総局第四局長

○説明員(小沢定司君) ただいまのお尋ねが、純然たるいわゆる技術系統の学校を出てまいりました技術者ということでございますると、そうした調査をいたしております者の中には特にございませんけれども、私どものほうで検査をいたしております者は、もう二十八年以来、いま申されました査定検査というものを本院で実施いたしておりまして、いま申されました厳密な意味の技術者ということではございませんけれども、災害復旧に関しまする法律の趣旨なり、あるいは、それに基づきまする政令、あるいは、それに基づいて出ております査定方針というような基本的なものについての考え方、それから、それに対応いたしまする現地の否定がはたしてそういった法律の趣旨に沿っているかどうかというような点についての目と申しますか、能力と申しますか、そういうものは十分に持っているものと私は思います。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 たとえて言えば、地方の財務局、それから農林省の出先の地方農政局の技術者、それから都道府県の技術者、市町村の技術者、この四者でいろいろと災害復旧の計画を立てるのでしょうね。それに対して、ここが悪い、ここはもっと差し控えなさいとか、そういうことの指摘が非常に多いということを聞くのです。だから、いまお伺いしているのは、そういう専門の技術者以上によく目の見える技術者をお持ちかどうかということに対しての疑問を私は持ったからなんです。あくまでも自信を持ってのことでございますか。

小沢定司会計検査院事務総局第四局長

○説明員(小沢定司君) ただいま申し上げましたように、純然たるいわゆる専門の土木技術を修得し、あるいは土木技術の現場で働き、あるいは、そういうことの設計をしたというような意味におきまする技術者というものが、いま申しました検査に行っているわけではありません。ただ、私のほうで指摘いたしておりますのは、災害復旧工事としておのずから法律のたてまえがございまするが、そうした法律のたてまえから見まして、これを非常に逸脱していると考えられるものについて指摘をいたしておる次第でございます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 一度御調査いただきたいと思いますがね。と申しますのは、もしあの際に会計検査院のほうで、この程度でいいとおっしゃったために、ことばをかえて言えば、余儀なくと言っちゃ失礼かもしれませんけれども、出先が一番こわがるのは検査院ですよ。検査院の方々がおっしゃれば、まあしょうがねえやというような気持ちに私はなりがちだと思います。ところが、ある災害があって、当初の設計どおり、ここまで、もしあのとき検査院の方々がお認めいただいていたら再び――たとえて申せば、五十メートルでいいじゃないかとおっしゃるものが、計画で七十メートルこの際やっておいたほうがよかろうというような場合に、その二十メートルを検査院のほうからおっしゃったために、それをば、おっしゃるとおりにやったので、次にまた累次の災害があった場合に、あのときこうしておけばよかったのにと思うようなケースがあるというのですよ。そういうことについて、事前の検査はけっこうですけれども、自分たちがこういうふうに勧告し、指摘したことが最後まで正しかったということについての、これは私は再度の御検討はなさるべきものだと思うのですが、どうですか。

小沢定司会計検査院事務総局第四局長

○説明員(小沢定司君) 先生のお目にとまりましたのはどういう程度のものでございましたか、私つまびらかにいたしませんけれども、私どものほうで実地検査に行ってまいりましてから、その後、農林省に対しまして照会を発しております。農林省のほうとも十分に論議を重ねました結果、私どものほうの見た目が正しいということに落ちつきましたものについてだけ、検査報告に掲記しておるわけでございまして、したがいまして、照会及び回答の段階におきまして、当局のほうで異議のあるものにつきましては、私どものほうでは検査報告には掲記いたしておりません。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 農地局長に伺うのですが、これは全国には私がいま心配するようなケースはあると思うのです。なぜこういうことを私、検査院に申し上げておるのかというと、検査院は法律に基づいてとおっしゃいますけれども、国費が正当に妥当に使われているかということを調査なさるのがあなた方のお仕事だと思う。ところが、あの際、きたないことばで言えば値切ったために、より以上の復旧の経費を使ったという結果が出れば、もし出たと仮定すれば、これは私は検査院の行き過ぎだと思う。ですから、農地局長に、そういう事例があったら、勇気を持ってここでお答え願いたい。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) ただいまの御指摘でございますけれども、災害復旧事業と申しますのは、御承知のとおり、現地の要望といたしましては、できるだけ早く応急措置をしてもらいたい、そうして、さらに被害が生ずることを防ぎたい、それからさらに、その復旧事業を早く進めて、一作でも早く作物をつくりたい、ないしは、もう一度災害によって物がこわれないように、できるだけ改良いたしたいという、そういう要望を持っておるわけでございます。したがって、私どもも現地の要望で査定を早くいたしますことと、できるだけ、いま申し上げましたような現地の要望にこたえるようにいたしておるわけで、この災害復旧事業は査定の件数で、全国で、最近の数字で申し上げますと、大体二万件をこえるぐらいの大きなものでございますから、それを査定官が一々責任を持って査定しているわけで、なかなか、まあしゃくし定木にと申しますと語弊がありますけれども、しゃくし定木にいかない場合があるだろうと思います。したがいまして、会計検査院からもときどき御指摘を受けるわけでございますけれども、私のほうも、いま申し上げました災害復旧事業の性格をよく申し上げ、一件一件について会計検査院とも、よく私のほうからも主張を率直に申し上げて、話が詰まったところでは、いま先生が御心配になっているような事案はないものと考えています。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 私は、なぜ災害が起きたかということなら、現地で調査してみれば、原形復旧が是か、この際は改良復旧でなければならないというような、いろいろと見方、考え方が出ると思うのですよ。完全な防災が、事業が完ぺきなところはそういう災害は起きない、かように仮定するならば、前の施設、そういうものが不完備であったがゆえ、かような災害が起きたのであろうというような、さような親心というものは出ないだろうかということを考えます。なぜこの災害は防止できなかったのであろうかというところまで究明の上、原形よりもこの際は改良にしておいたほうが、長い期間、非常に助かりやしないかというようなところまでお考えにならないと、いまの農地局長の答弁を聞けば、幸い、ないとおっしゃいます。私のほうで調査してあげますよ。それは会計検査院の前だからおっしゃるのかもしれませんけれども、かりにあの際、あと三十万金をかけておけば、今度はこういうことは起きなかったかもしれないというものは、私はないとは言えないと思う。そうして三十万かけておけばよかったというものが、かけなかったためにその三倍も四倍もまた復旧に金がかかるようなことになるということがあれば、それは会計検査院のほうも少し行き過ぎじゃございませんか、こういうふうに私は申し上げておる。ですから、私が非常に奇異に感じましたのは、財務局なんというのはどうせ大蔵省の出先だから一番けちなはずなんだけれども、そのけちであるべきはずの人たちが立ち会って、そして、まあこの程度はということで、たまたま話し合ったことまで乗り込んで行って、ああでもない、こうでもないとおっしゃることは、おのずから限界があるような気がいたしました。ですから、非常にありがたいことをこの問題は――事前検査しなさいというのは、伊勢湾台風の際にでたらめにやったことから、委員会で会計検査院のほうに強くこれは要望した経過がある。ですから、やっていただくことは非常にけっこうなんですけれども、ただ、それが自分たちが一番偉いのだ、しかも、専門の技術員でなくて、長い間の経験から自分たちが言うのだとおっしゃるけれども、ほんとうに技術陣とあなた方の検査院の目と合致するかしないかということが私はこれは問題だと思う。さればと言って、会計検査院に相当な技術陣を養いなさいとは申し上げませんけれども、やはり、ある場合は、ある程度は、何と申しますか、悪く言えば、おしかりを受けるかしれませんけれども、疑ぐりの目を持ってごらんになるのと、愛情の目でごらんになるのは、おのずから相違があるような気がいたします。現地へ行って一つ一つ聞いてみると、会計検査院にいわれたものですから、これが最後の逃げことばでございました。ですから、特にお願い申し上げておきます。私はもう答弁を求めません。お願い申し上げておきますけれども、まだこれからもたくさんの災害が出てきます。十分事前検査してください。しかしながら、やっぱり、なぜ現地のあの連中はあんなにもこだわり、あるいは抵抗して検査院の方々にお願い申し上げるかということがもしあるなら、一歩退いて、やっぱり一応それを聞いてやる気持ちになっていただきたいと思います。それが私は国損を来たさない大きなやはり要因になるような気がいたします。これはお願いですから、別に答弁を求めません。  それと農地局長も、もしそれだったら、私が出先の農政局に行ってさがしてあげましょうか、あるんだから、あるから申し上げておる。しかし、これは答弁要りません。  それから、この邑知潟の干拓事業は、これは一体何年に着工したんですか、石川県の。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) いま調べましてお答え申し上げます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 大体昭和二十三年か四年だったと聞きましたが、私は現地で冗談言ったんだ。曽我兄弟は十八年目にかたきを討ったけれども、十八年かかっても完成しないような、この経済の成長の段階において長くかかるような計画をなぜされたんだ。そういう例がまだほかにもたくさんありゃしませんか。いまから七、八年前には非常に農地がほしくて、みんなが干拓事業やってください、やってくださいと哀訴嘆願して、国営なり県営の干拓事業が始まった。ところが、月日がたっていく間に、賃金が上がり、今度は人は少なくなり、農業から離れていく人たちも出て、もう、やる意欲も失っているような者が、邑知潟は別にしても相当あるように聞いております。ですから、私ども、検査の際に指摘申し上げましたとおり、これはもう農林省のほうでも、あっちこっちから言われれば、あれもこれもということに、やはりしてあげなければならないところに追い詰められる気持ちはわかります。しかしながら、私は、もっと短い期間に完成して、そうして、その計画に基づいて次のことをおやりにならないと――まあ邑知潟みたいなものはほかにないと思いますよ、十八年以上もかかったというものは。ですから、あまり期間がかかりますと、激しい経済の変動の中で地元もついていけないようなことが相当あると思いますよ。これはもう干拓事業ごめんでございますというのは全国に相当あるように私は聞いております。そうしますと、会計検査院のほうでも聞いておいていただきたいんですけれども、いままで投下したものが、むだということは失礼ですけれども、当初の干拓の目的に沿わなくなって、だれか拾ってくれるものはないだろうかというような都道府県も相当あるように私は聞いておる。ですから、やはりこういうことは――これは大蔵省出ているかどうか、やっぱり農林省なんか、早くやってやりたいと思うけれども、財政の面からも相当きつく言われて、余儀なくやっぱりばらまかなければならなくなったかもしれぬけれども、今後はやはりはっきりした年次計画を立てて、それでおやりになっても、やっぱりそれから――八郎潟みたいな、あんな膨大なものを五年でやれなんということは言えないけれども、小さいものはせいぜい五年以内ぐらいで完工するように、何かそういうふうに頭を変えていかれないとついていけなくなると思いますよ。局長どうですか、そういうこと。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) 御指摘のように、干拓地で相当な年限を要して、まだ完成に至らないものがございます。また同時に、いまお触れになりました八郎潟の干拓事業みたいに、三十二年に事業を始めまして、もうすでに干陸して来年は入植者を募集するという段取りのところもございます。現在、干拓のやり方といたしましては、国営のものは全部特定土地改良工事特別会計で工事をいたしまして、着工後おおむね九年ぐらいの間に完成いたすぺースで進んでおります。非常に長い間かかっておりますものは、ただ事業費だけの問題ではございませんで、いろいろ地元の関心その他個別に困難な問題があるわけでございます。で、私ども土地改良特別会計でやっておりますものは九年ということでございますから、特別会計法ができます前に、国が直轄なり、あるいは代行等々で始めましたものも、できるだけ早期に完成いたすように努力はいたしておるわけでございます。

谷口慶吉自由民主党

○谷口慶吉君 やはり補助事業になります干拓ですね、たとえば県が引き受けてやります干拓、こんなのは、やはりあなた方の特別会計でおやりになるよりも、時期的に相当な期間が超過しているのが相当あるのでしょう。あんなのなんか、また改めて大蔵省には私から言いますけれども、この際拾い上げて、なるべく工事を急がして早期完工の方法をおとりにならないと、米がやみ一升三百円したときと五、六十円になったときとのこともお考えいただけばおわかりになるのですから、食糧事情なんかの変転なんかもにらみ合わせつつ、干拓事業はどういうふうにやればいいかというような抜本的なこともお考えいただいたほうが私はいいと思うのです。たとえば、ほかの問題でも、国有財産の払い下げも、十年前は千円台で払い下げたものがいま百万円もするのですから、この時代のこれを見れば、あきれて話にならないくらいです。ですから、短い期間に解決しておけば、そういうトラブルは起きないと思います。これは農林省にこういうことをきつく申し上げるよりも、むしろ、これは大蔵省の場合に私どものほうから言います。何とかしないとこれはだめですよ。これも答弁要りません。  これで終わります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私も会計検査院にひとつお尋ねしたいわけなのですが、検査報告の五四八号の山口県のこの事案でありますが、これは工事の一部に、モルタル吹きつけが十分でなかった、検査の結果、そういうふうに出ているわけです。ところが、現地で私たちがいろいろ聞いてみるというと、査定に必要なものについては決してうそではなかった。しかも、材料そのものは全部適正に使用されておった。たまたま、この一部の検査をしたところ、検査官の指摘をされた五センチの厚さが足りなかったというところがあったと、こういうのでありますが、どうもこの検査のやり方が、いま谷口委員の言うような面が検査官にうかがわれる。  いま一つは、この工事をやる場合に、できるだけ、遠くの者が来るよりは、近くの者を使用するというのが、やはり効率的な面にも通ずるということでありますが、そういう点のいろいろ説明を受けてみると、実際に指定をされたものを全部使って、それでやってみたのだけれども、検査院で検査の結果が、不十分であるというのは、一体それでは査定の段階でむしろ足りなかったのではないか、こういうことが指摘をされるという面も、私どもから見ると言えると思うのです。こういう点について会計検査院の検査のしかた、こういうものと査定の段階におけるそういう点が十分であったのかどうかということを、この五四八号について説明を求めたい。

宇ノ沢智雄会計検査院事務総局次長

○説明員(宇ノ沢智雄君) 実は言いわけを申し上げるわけではありませんが、私、担当局長ではございませんので、事態がどういうふうになっているか、詳しいことをちょっと存じませんので、実は、きょう先生からそういう御質問があるということでございましたならば、十分調査してまいるのでございましたが、何かもっと一般的な御質問でもあるのかということを予想してまいったようなわけでございますので、ちょっと本件について具体的に御説明申し上げることができないのがはなはだ残念でございますが、一般的に申し上げまして、やはり検査を施工個所全部にわたってやるということは、ちょっといまの段階では不可能と存じます。したがいまして、こういったような施設の検査にあたりましては、何カ所か抜き検査をやるということでございまして、たまたまその抜き検査をやった個所が、そういう偶然モルタルその他の吹きつけが少なかったというようなこともございますかもしれませんけれども、そういう事態がありました場合には、施行の事業主体なり、あるいは監督官庁からの立ち会い官、あるいは場合によっては、請負業者というような者にも来てもらっておりますが、十分こちらの考え方なり何なりをそこで質問をいたしまして、なお納得のいかない場合には、さらに帰りましていろいろ質問その他をいたしまして、当局の回答なり、あるいは事業主体からの説明などを聴取いたしまして、最終的に確定いたすということでやっております。まあ、なかなかむずかしい面もございますが、その点ひとつ御了承願いたいと思います。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 私は会計検査院には定員をふやせと、こういうことで、検査をすることについては、これはもう厳格にやらなければならない。しかし、それが角をためたがために牛を殺してしまっては何にもならない。つまり、いわゆるしゅうと根性で、ただいじめてやればいいということであっては、これは会計検査院の検査ではない。そういうことで、そこの事情というものを十分調べてみて、私は先ほど報告に申し上げましたように、この種の工事について、その設計はもちろんあるけれども、現場の実情というものを十分把握して、これがほんとうに資材を横流しをしたものか、資材を十分に使わなかったものなのか、どういうことなのかということを把握しないと、私は検査というものは妥当でないと思う。私がいろいろ現地でもってそういう点を詳細に報告を受けてきたところによると、これはむしろ、そういうことであるならば、査定の段階で必ずしも適正でなかったのではないか、検査の結果ばかりを文句を言ってもこれは始まらぬ。むしろ、そういう点も全部使用したその状況というものを見ると、どうもそういうふうなことが考えられる。したがって、会計検査院には、私はもう全部はとてもできない段階なのだから、一部だけでもやって、不正があればもちろんそれはやるが、しかし、そうでない、全体のそういう現状を見てやった場合に、性別に意地悪というか、重箱のすみを突つくというようなことであっては、私は本来の趣旨から反する、こういうふうに思いますので、昨年は御承知のように、定員増をいたしましたので、幾ぶんかは定員もついているから、ひとつそういう点で、ある程度状況というものをよく判断をして検査をされたい。そして、その工事そのものがやはり普通に行なわれておれば私は別に差しつかえない、こういう判断を持つわけです。そういう点で、いまあなたのほうにこれは要請をしておきます。あとでよくお聞きを願いたいと思うのです。  それから、その次には、私は報告書に基づいて関係各者に御答弁をいただきたい。  最初からいきます。まず、岡山県、島根県及び山口県の財政の現状で、地方交付税が非常に窮屈だ、交付税率を引き上げてもらいたい、こういう各県当局の要望がございました。これに対して、自治省としてはどう考えておるか、これをひとつ御説明をいただきたい。

鎌田要人自治大臣官房参事官

○説明員(鎌田要人君) 岡山県、島根県、山口県だけでございませんで、各県、各市町村いずれも、ここに実は書いてございますような実情にございます。本年災害を受けた島根県、岡山県、こういったところは、さらにそういった特殊な事情が加重されるわけでございますが、まず財政収支の均衡を保持するのに困っているという実情は、これは全県共通しての問題でございます。そういった意味合いにおきまして、私ども、今年度の当面の問題といたしまして、給与改定をどうするかという問題、それから国税におきまして、伝えられるところによりますと、二千億をこえる減収が出てまいる。この減収がございますというと、交付税の当然減、それから国税におきまして、税収減に働きます作用は、地方税においても同様でございますので、地方税自身の税収減、こういった問題をひっくるめまして、財政運営を府県や市町村から粗漏なくやってまいりますように措置をしてまいりたい、こういうことを考えている次第であります。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 抽象的なんだけれども、具体的にそれでは二九・五%を三〇%にするとか、三一%にするとか、そういうようなことは、自治省としてはまだ相談はないのですか。ただ一般的にいう、税収が少ないから困っているだろう、これは全国都道府県も市町村も同じだ、こういうことでは、私はやはり実際の把握した私どもの立場からいうと、やはり政府のほんとうの温情というものはないのじゃないか。だから、それよりは一%上げるとか、〇・五%上げるとか、そういうものは、私はあなたのほうで、きょう私が質問することになっておったわけであるから、準備をされてきたと田ふうのですが、いかがですか。

鎌田要人自治大臣官房参事官

○説明員(鎌田要人君) 問題は、たとえばここにあがっております岡山、島根、山口、こういったところにつきまして、たとえば、ことしの交付税の問題でありますというと、八月一ぱいで実はすでに決定をいたしたわけであります。私ども、府県、市町村、大体財政を見ておりまして、やはりことし当面一番困っております問題は、給与改定の問題であります。で、率直に申しまして、この給与改定さえなければ、どうやらことしの府県や市町村の財政はとんとんでバランスはとれる、こういう実情ではないかと思っておる次第でございます。そこへもってまいりまして、先ほど申しました国税、地方税の減という問題が一つ加わってまいるものでありますから、これをどのようにしてことしの給与改定の財源を確保するか、それから交付税の当然減というものをどのようにして食いとめるか、こういうことを現在検討いたしているわけでございます。その検討の前提になる問題といたしまして、九月の法人決算によりまして、国税、地方税がどのようにきまるかという前提も一つございます。それから給与改定の実施の時期、方法、内容という問題も現在まだ固まっておらない状況でございますので、いろいろの試算はいたしておるわけでございますけれども、現在、交付税率をすぐ、たとえば何%上げるとか、こういったような問題にまでは現在のところは作業は進んでおりません。と申しますのは、交付税の当然減なり、あるいは地方税の考えられる自然減収なり、あるいは給与改定、こういったものを全部詰めてまいりますというと、現在の段階でいろいろな試算があるわけですけれども、非常に大きな額の穴があくということになりまして、実は、ちょっとこまかくなりますけれども、税で、たとえば交付税で五百億、地方税で六百億以上、それに五月から給与改定をやるということになりますと、一般財源で七百四十億。千八百億から千九百億くらいの措置をしなければならない。こういう段階になりますと、実は交付税率を一%上げまして、二百四十億であります。ちょっと数字が食い合わないものでありますから、そういった交付税率の引き上げを含むいろいろな措置を、私どもといたしまして、現在検討中である、こういう実情でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 自治大臣はすでに地方自治体の非常な財源の不足で苦労しておることを承知して、何とか地方自治体に対する財源の増を考えていきたい。それから国としての交付税率の引き上げも考えていきたい、こういうことをすでに私は発表されていると思う。また、そういうことでいま検討を進めるというのは、そういう面を含んでの検討だと私は思う。そういう意味で、もちろん、きょういまここでそのものずばりということは、あなた自身の立場では言えないと思うけれども、少なくとも、私どもが現地調査をした三県並びに萩市、防府市等の、そういう県や市の立場や実情というものを十分把握して、すみやかに善処されることを私は希望しておきます。大臣によく伝えてほしいと思う。それで、でき得る限り早目にそういう点はひとつ措置をとるように望んでおきます。  それから今度はその次に、防府市からは、文部省等に対して、学校校舎の建築基準単価の引き上げ、あるいは文化財の管理に関する国庫補助率の引き上げという点が出ました。これはどういうふうにお考えになっておるか。また同時に、農林省は漁港の整備等について国の補助率を現行の四割を五割に引き上げよ、事業費の地元負担の三割は少し重過ぎる、こういうようなことがそれぞれ言われました。  それからさらに、防府市の場合は、国鉄に対して、東萩駅に現在特急がとまっておるけれども、急行をとめてくれ、こういうようなそれぞれ要望がございましたので、これらに対してひとつ御答弁をそれぞれいただきたい。

岩田俊一文部省管理局助成課長

○説明員(岩田俊一君) まず公立学校の建物補助単価のことについてお答え申し上げます。  学校建物の建築の補助単価につきまして、毎年改善をはかってきておりますけれども、なお資材、労務賃等を含めまして、実績が例年これを上回ってきておるといろ状況でございます。そこで、四十年度予算におきましては、特に単価の改善に力を注ぎまして、平均八%、鉄筋で申しますと八・七%の引き上げを行ないました。で、その結果、鉄筋構造につきましては、三十九年度の実績がいま出ておりまするが、それと比較いたしまして、ほとんどひとしくなっておりますが、しかし、これは鉄筋構造につきましての話でございまして、木造等につきましては、なお実態を下回っております。で、これは今後その改善をはからなければならぬと考えておりまして、私どももこれにつきましては、来年度以降の予算におきまして大いに努力をいたしたいと、さように考えております。しかしながら、木造の単価のこともさりながらでございまするが、今後の学校建築におきましては、できるだけ鉄筋構造に持っていくように、そのように方向を向けたいと、さように考えておりますので御了承をお願いいたします。

平間修文化財保護委員会事務局次長

○説明員(平間修君) 文化財の管理費に対する補助率の問題のようでございまするが、この文化財と申しまするのは、史跡周防国衛あとの買い上げに対する国庫補助率の問題かと了解いたします。その点について申し上げますと、もちろん、国衛あとと申しますのは、全国に約六十カ所置かれた国府の官衛のあとの遺跡でございまして、現在指定されておるものといたしましては、唯一のもので、たいへん価値の高いものだと私たちは考えております。これが最近、宅地造成等のために、その管理あるいは維持保存ということに困難を来たしておるというような事情にございましたので、その国衛の中心部分を買収して、公有化して、環境整備してこれを保存していきたいという計画を立てまして、昨年度からその買収計画に取りかかったわけでございます。こういう場合の国庫補助率は、原則といたしまして五〇%でやってまいったわけでございます。ただ、総事業費の多寡、つまり買い上げ額の多少とか、あるいは県がこれに対して支出してくださるかどうか、それから一番重要なことは、その町村等の財政事情というものを勘案しまして、五〇%をこえて補助してきたものがときどきあるのでございます。で、最近になりまして、この国衛あとの買収につきまして、いろいろ事情を訴えまして、五〇%をこえて、なるべく高率の補助をしてもらいたいという要望を承りましたので、私たちとしましては、いままで、いま申し上げたようなことを総合的にいろいろ判断いたしまして、少し研究さしてもらいたいと、こういういま段階にあるわけでございます。

岡部保運輸省港湾局計画課長

○説明員(岡部保君) 最初にお断わり申し上げますが、佐藤港湾局長はちょっと所用がございますので、港湾局の計画課長でございますが御答弁申し上げます。  ただいま先生から御指摘のございました萩港の整備の補助率の問題でございますが、二点ございまして、事業費の地元負担の問題、それから国の補助率という二つの問題が指摘されているわけでございますが、事業費の――御承知のように、港湾の事業をいたします際に、港湾法によりまして重要港湾と地方港湾と、大きく分けまして二種類になっておりまして、重要港湾は国が五割負担をする、それから地方港湾につきましては、事業費の四割を国が補助するという仕組みになっているわけでございます。それで、この萩港の場合でございますと、地方港湾でございますので、四割補助であるという現状でございますが、現実に地方財政上の問題から非常に国庫の補助率というものをもう少し上げてもらいたいという御要望が、各地方から御要望として出てきていることは確かでございます。ただ、港湾事業の全体の問題といたしまして、現在、重要港湾が五割であって、地方港湾が四割である、この差と申しますのは、いうなれば、重要港湾のほうがさらに国の関係が深いということで一割の差がついておる。したがって、地方港湾を五割にするということになると、はたして重要港湾をどう考えたらいいかという問題もございますので、その点、全面的な問題として現在検討中でございます。したがって、現在具体的にどういうふうにするということを運輸省として申し上げる段階でないことを、残念でございますが申し上げなければならぬかと思います。  それから次に、事業費の地元負担の問題でございますが、事業費の地元負担と申しますのは、結局、国の補助を出しました残りの、地方港湾で申しますれば、六割のうちを港湾管理者であります山口県と地元の市であります萩市がどれだけ持ち合うかという問題でございまして、これは実際上、現行このようになっておるわけでございますが、この点につきましては、法律の規制もございませんし、結局、それぞれの県によって、県の実情において処置されておる問題でございます。したがいまして、県と市との財政上の一つのバランスというもので、たとえば国の補助率をこのままといたしましても、何らか地元の市町村のほうが弱い、県のほうが強いんだということになれば、もう少し下げたらどうかというような問題になりまして、これは実はまことに申しわけございませんが、われわれとして、そういう問題、具体的に聞いておりませんでしたものでございますので、現在まだ検討いたしておりませんが、もしも、そそういう非常にはっきりした問題があれば、今後そういう指導はしていきたいと考えております。

今村義夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(今村義夫君) 東萩駅に急行を停車させろという話でございますが、改正前は特急が一本で準急が三本だけございまして、したがって、これは急行列車を走らせて、その急行列車を東萩駅に停車させろということだろうと思いますが、今度の時刻改正におきましては、特急一本、急行二本、準急二本、計五本を走らせることにいたしまして、その全部を停車させることにしております。したがって、本日、時刻改正でございますので、本日からは御要望のとおりに停車させることになっております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 それはまことにけっこうなことです。そこで、いまの運輸省の港の整備の問題については、県と市の負担の割合ということはもちろん、自治体同士でできるが、要は、やはり国が少なくとも半分からは持ってほしい、こういうことについては、これは県も市も希望しているところである。それ以外の、そのほかの問題については、県と市の調整の問題である。もちろん、山口県の県の補助の考えと他の県の補助の場合とは違いますから、私の出身地の神奈川県の場合はもっといいわけでありますから、その点からいうと、若干山口県が少し足らない点がある。こういうことは十分私も承知しておりますが、要は、国の補助率を大きく引き上げるということは、県も市も希望しているわけでありますから、これはいま答えられないようであるが、もちろん、あなたの立場で言えば、ここで言うわけにいかないだろうが、帰ったら、そのことは十分伝えて努力してもらいたいと思う。けっこうです、その点については。  その次に、同じく運輸省の自動車局がおると思うのですが、美東町では、一会社がバス路線を持っているわけです。そこで、非常に組合と経営者の話し合いがうまくいかないときにはストライキをやると、通勤通学に困る。中には、学校でバスを買って、やむを得ずバス輸送をしている。こういうのがあるので、むしろ、こういうところには、二会社以上路線を認可したらいいじゃないかというような話も出ておりました。しかし、これはいわゆる県議会あるいは業者、こういう関係者が積極的にそういう問題解決のためにつとめなければならぬだろうという話は、この陳情のあった際に十分説明しておりました。説明はしておりましたが、こういうともすると、独占といわれる一社のいわゆる路線の認可の問題については、どこの地域でもそういうことが起こるのではないかという点も考えられるのでありまして、こういう点について、運輸省自動車局はどう考えておるのか。また、この地区に対する陳情というものがあったのかどうか、この点をひとつ伺っておきたいと思うのです。

黒住忠行運輸省自動車局業務部長

○説明員(黒住忠行君) 当該地域に関するバス輸送の陳情は、運輸省に対してもございました。要点は、既存の事業者の運営が不十分であるということと、運営が不十分であるがゆえに、国鉄バスを導入すべきであるという二点でございまして、前者につきましては、いろいろ調査をいたしましたが、当該地域全般としては輸送力は必ずしも不足はしていないけれども、個々の運営の面につきましては、不十分な点が見受けられるところでございます。当該事業者につきましては、三十八年の秋に監査を実施いたしまして、その後の改善措置につきまして逐一報告を聴取し、指導をしているところでございますが、今後におきましても、具体的に改善の措置につきましては、十分な指導を続けていきたいと思っております。  なお、国鉄バスの問題につきましては、本日のところでは、まだ申請が提出されておりませんので、将来申請がありました場合におきましては、運輸省といたしましても、慎重に検討をいたしたいと思っております。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 次に、水島工業地帯の問題であります。最初に――農政局長だったかな、答弁の保留になったのは。農地局長の午前中の答弁に、基本的な問題が一つある。それは農地造成ということはきわめて大事なことであるが、先ほど谷口委員からも指摘をされたように、干拓地、こういう場合に、せっかく農地をつくっても、その農地が十分使われないままに他に転用されてしまう、こういうことは基本的な問題として農林省はどう考えておるのかというのが一つあります。これを御答弁いただくと同時に、具体的には、この水島工業地帯で農林省が農地をつくったわけでありますが、当時農家に農林省が払い下げた金額は、反当たり三万五千円程度。しかし、今度は県開発公社が干拓農地を農民から買収したのは、工業用用地に転用するために買収したのは、反当たり七十五万円、こういうことが言われておって、これじゃ、なるほどたいへんだなという気もするが、他面、農民の人たちからいえば、自分の農地というものはなくなってしまうわけでありますから、こういう点についてのやはり基本的な考えというものを考えておかなければいかぬじゃないか。  それからいま一つは、この約九万坪に及ぶ土地改良財産、開拓財産の払い下げ価格について、いま岡山県とあなたのほうで相談をされておるというのだが、これはいつごろになったら一体その結論というものは出し得るのかという点を、これは農林省のほうから伺っておきたいと思うのであります。  次に、運輸省に対しては、水島工業地帯というものは非常に膨大なものでありまして、報告いたしましたように、おそらく日本でも有数な地域になるわけであります。この地帯をわれわれ現地調査しますというと、一たん事故が起こったら一体どうなるだろうか。川を挟んで町方にいわゆる石油コンビナートがありますから、これにもし火がついたら一体どうなるだろうかという心配があるわけであります。そういう場合に、北海道の事故や、あるいは京浜の事故等を考えて、私どもとしては、やはり非常の際の消火艇というものが必要じゃないか。これはすでにいままでの事故の経験にかんがみて、私ども当時運輸委員会等で、これらについては運輸省に、現状では不十分であるから、少なくとも新年度は、そういう重要地帯には消火艇を購入をして配備すべきである。あるいは海上におけるところの事故をなくするように、海難の面も十分海上保安庁は計画をすべきであるという点を、私どもは指摘をしておいたのでありますが、海上保安庁の消火艇等の問題についてはどうなっているか。  公害対策について――厚生省きょういないかな――公害対策を県も進めておるが、国もこれはコンビナートの問題として、進めなければいけない。そういう点についてひとつ関係者から御説明いただきたいと思う。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) まず開拓についての私どもの基本的な考え方を申し上げます。干拓は、実はなかなか金のかかる仕事でございますけれども、最近ようやく完成いたしました八郎潟のごときは、農地二万三千町歩で、そこに相当大規模な機械化農業をいま創設しようとして努力をしておるわけであります。したがって、八郎潟のように大きな事業というのは、もうなかなか望めないわけでございますけれども、今後も農業的な立場ばかりでなく、国民経済的にと申しますか、その意味は、事業費がかかり過ぎないものという意味でございますけれども、いい立地の地点につきましては、干拓もどんどん進めてまいりたいというふうに考えております。これは既存の農村における構造改善と申しますか、経営規模の拡大と申しますか、新しい農業を樹立することはなかなかむずかしい条件がございますから、干拓地において新しい農業の芽を育てていこうということがあるわけでございます。ただ日本経済の動きが非常に目まぐるしいものでございますから、当初は農業に適当なところだとして干拓いたしましたものも、その後その地帯における工業等が急速に発展いたしまして、どうしても農地として維持しがたく、工業用地等にすることがどういう立場から見てもやむを得ないというものが出てくるわけでございます。そういう場合につきまして、問題は、国が相当な金をかけて事業をいたしましたその農地を、農家といいますか、取得者が非常に安く買って高く売って、そこに不当利得というと言い過ぎでございますけれども、そういう問題が起こることをどういうふうにして防ぐかということでございます。その方法といたしましては、私ども二つただいま考えておるわけで、一つは、昨年土地改良法を改正いたしまして、国から農地の譲り渡しを受けた者が――干拓地でございます。開拓地の護り渡しを受けた者が他の用途に転用する場合は、国は農地の代金以外に、国の事業費の一部を徴収するという規定を土地改良法を直してつけ加えたわけでございます。  それからもう一つは、農家に国が譲り渡すということでなく、もういきなり工業用地として売り渡さざるを得ないような事態もあるわけでございますから、そういう場合は、特価等も考えることはもちろんでありますが、国損にならないように、農地の価格の評価については十分慎重にいたしておるわけでございます。いま具体的な問題としてお示しになりました福田干拓の東地区でございますが、開拓財産なり土地改良財産なりが現在九万坪ほどございます。農地としてすでに相当面積を農家に相当安い値段で売り渡しておりまして、その価格と事業費と比べますと、国の費用がまだ回収いたしておらないわけでございます。したがいまして、現在岡山の農政局長が、自分の責任として、県と開拓財産あるいは土地改良財産の評価について折衝いたしております。鑑定人等の依頼もいたしましたし、いまいつまでというふうに日を切ってお答えするわけにはいきませんけれども、中国四国の農政局長が自分の責任として一生懸命やっておるから、もうしばらく待ってくれということでございますから、私のほうもせっかく努力をしておるときでございますから、できるだけ早くやってくれということで、いま指導をいたしておるわけでございます。

中川理一郎通商産業省企業局産業立地部長

○説明員(中川理一郎君) ただいま御意見のございました水島地区の将来の公害予防の問題につきまして、若干通産省がいまやっておりますことを御説明いたしておきたいと思います。  先ほど先生からお話がございましたように、新産、工特の中でも水島地区は、臨海性の装置産業が定着する場所としては非常に有力なところであると考えております。また、ほかの新産、工特と比べまして、企業の進出もそれだけに相当早いピッチで進むんじゃないか、かように考えております。現在のところ、先ほどお話しのありましたような工場がありますと同時に、埋め立てが終わりまして工場をつくる状態になっているところと、これからさらに埋め立てをやって広くしようというところとございます。既設の工業地帯の公害問題の解決につきましては、いろいろやっておるんでございますけれども、たいへんむずかしいことがございまして、努力の割りには効果があがらないのでございますが、このような新しい工業地帯におきますところの公害の明前に予防をするというための科学的な調査をきちっとやって、公害が起こらないようにするということは、かなり技術的に可能なことでございます。そこで私どものほうといたしましては、今年度の七月に、岡山県の御協力も得まして、あそこで臨海性の工業地帯で一番問題になります大気汚染関係が、将来工場がそこに定着することによってどうなるかということの事前調査をやったわけでございます。これは時間の都合もございますので簡略に申し上げますと、工場が置かれるべき場所あるいは置かれると考えられる場所に、地上において発炎筒をたきます。それから排気の問題は煙突から出ますので、煙突の高度をいろいろ想定いたしまして、ある高さで同じくヘリコプターから発炎筒をたきます。その上を飛行機が飛びまして、ある場所から流れる煙がどこへどんなふうに流れていくか、途中でどれくらい拡散していくか、これを調べるわけでございます。片方それと同じようなものを、今度は風洞実験で模型でやりまして、これによりまして将来のあの地帯における工場のレイアウト、それから煙突の高さ、煙突の場所、こういうものをきめたい。場所によりましては、うしろのほうの住宅地にどうしても風が流れていくということでありますと、ここには、たとえば亜硫酸ガスの問題を起こさないような工場でなければならぬといった観点のことを事前に調べ尽くしておこう、こういうことで去る七月にやったわけでございます。  もう一つは、工場排水の問題がございます。これはことに今後埋め立てが行なわれますと、その埋め立てによりまして海域の水の流れ、それから拡散、希釈の状況が変わってまいりますので、これも同様、プールにおきます模型、埋め立て前の状態の模型と埋め立て後の状態の模型で実験を行ないますと同時に、現地におきましてこれの実際を調べまして、模型数値に当てはめて、埋め立て後の状態の答えが出るようなことを考えておりまして、これは来年度――四十一年度の予算要求事項といたしまして、海域の事前調査をやりたい。蛇足でございますが、今年度やりましたのは、大分、鶴崎と水島でございまして、この秋に鹿島をやろう、その三カ所を来年度予算をもちまして、同じ場所につきまして海域の調査をやろう、かように考えております。おっしゃいましたような公害問題はたいへんな問題でございますので、できるだけ将来に禍根を残さないような形で、徹底的な科学的な調査をやって指導を行ないたいと考えております。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 関連。いまの公害の問題の関連ですがね、すでに岡山の水島市を中心とする産業開発土地ですね、そこで昨年のイグサがある程度災害を受けたのじゃないか、これは確実ではないけれども、受けたんではないか、こういうことを私たちは調査で聞いたわけですが、イグサなるものは、そうした公害に非常に弱いものかと推察されます。したがって、農林省としてはそういう公害に対して、四日前を中心とします――イグサは四日市にはありませんが、そういう問題の研究をされておるのかどうか、まず被害があってから研究されるのか、どういうふうにお考えになっておるか、ひとつその点お聞かせを願いたい。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) 所管の農政局長が参っておりませんので、あとで調査をいたしまして御報告いたします。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) よろしゅうございますか

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 よろしいです。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) では、岡田海上保安庁次長。

岡田京四郎海上保安庁次長

○説明員(岡田京四郎君) タンカー火災の予防措置につきまして御説明申し上げたいと思います。  相澤委員の御指摘のように、最近大きなタンカーの火災事故が室蘭港において発生したのであります。それまでもときおり小型タンカー等の事故があったわけでございます。特に、いま申し上げましたような室蘭港におきますところの事故がありましたので、当庁としましても、直ちにまず予防措置としてのタンカーの入港に際してのいろいろな注意、あるいは荷役中のタンカーの付近の火気の取り締まりといったような、その他いろいろ予防措置について、あらためて港長を通じて警告を発しております。万一、不幸にしてこういった火災事故が起こりました際に対応するための消防設施につきましては、遺憾ながら、従来当庁におきまして見るべきものがなかったわけでございます。そこで、昨年来この必要を感じまして、四十年度予算でも一部化学消防艇の要求をいたしておりましたが、それはまだ現在のところ実現に至っておりません。しかし、現状にかんがみまして、四十一年度以降におきましては、強くこの実現をいたしたいということで、当庁としまして、全国の主要港全体をにらみまして、とりあえず予算の関係もございますので、二カ年計画をもって、全一国的な主要なタンカー入港につきまして、その整備をはかるというふうな計画を立てて、現在その実現方につきまして強く予算折衝中でございます。それが実現しました暁には、水島港につきましても当然配置をいたしたいというふうに考えている次第でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 次に、国鉄の山陽新幹線の建設について、特に岡山県当局からたいへんな強い要請がありました。もちろんこれは、いわゆる大阪における博覧会の問題にも関連をするわけでありますが、結局、大阪、兵庫、岡山三府県の努力がなければいかぬわけでありますが、国鉄自身がこの四十六年末までに完成をしたいという考え方を明らかにしたのでありますけれども、少なくともこの府県は、せっかくのいわゆる万国博覧会と申し上げますか、国際博覧会が持たれる、この時期までに完成をしなければ、それが終わってから新幹線ができたって意味がないじゃないか、こういうことなんであります。特に隘路になっておるのは、神戸地区のルートを早くきめることがやはりこの工事を促進することになるであろう、こういうことでありますが、この山陽新幹線についての国鉄の説明を願いたい。  あわせて、国鉄はこの災害問題として、島根県の災害の実情報告をいたしておりましたが、特に米子管理局管内における三江北線のかすぶち鉄橋が流失をしておる、これが十一月ごろでなければとても復旧をしない、こういうようなことを説明されたのでありますが、この地帯の唯一の交通網、唯一の産業に必要な鉄道ということになると、その鉄道の鉄橋が落ちておっては、これはもう実際に山間地帯では非常に生活にも困っておる。特にそのために島根県では、農林省、林野庁に要請をして、そして伐木によりこの山間地における生活をささえていこうということまではからざるを得なかったというような窮状が実は説明をされたわけでございます。したがって、国鉄は、この七月の豪雨から今日までの間に相当の期間があるわけでありますから、当然そのくらいの手当てをしてもよさそうなものである、こういう地域感情が県当局並びに関係の市町村から出ておるわけであります。通賃値上げばかりを急いでみても、そういう問題が出なければこれはもう何の役にも私は立たぬと思う。そういう意味で、もっと地方の開発のために真剣に国鉄当局は考えるべきじゃないか。どうして七月に落ちたものが十一月過ぎなければ開通させることができないのか。たとえば特殊な橋げたであっても、発注をしても、それが何もそんなに二カ月も三カ月もかかるはずがない、また落ちた鉄橋を、これを切り取ってそれで復旧するのに、そんなにかかるはずがない、こういうことが地域住民の感情として出ておるわけです。この点については、国鉄の猛省を促したいし、ひとつ納得のいく説明を私はしてもらいたいと思う。以上二点について国鉄からしてもらいたいと思うのであります。  それから島根県の当局から、災害の際における要望がありました。それは、農林省あるいは建設省、それぞれありますけれども、第一は、公共土木施設及び農林水産施設等の災害復旧は、原形復旧が原則であるかもしらぬが、災害査定にあたって徹底的な改良復旧をやってくれ、こういうことであります。二つ目は、斐伊川、江川を一級河川に指定してもらいたいという要望が出ておるわけでありますが、建設省はどう考えておるか。以上のような点についてそれぞれ関係者から御説明をいただきたいと思います。

今村義夫日本国有鉄道常務理事

○説明員(今村義夫君) 第一点の山陽新幹線の問題でございますが、山陽新幹線は、運輸省から認可を受けたばかりでございまして、まだこれから地形、地質等の調査を行なってルートをきめるわけであります。したがいまして、まだどういうルートをとるかということも決定いたしません段階におきまして、地元の要望である、博覧会までにつけるという御要望はわかるのでございますけれども、いままだ、そういう技術的な問題あるいは財政的な問題、いろいろございますので、ここで四十五年に繰り上げるというようなことについては申し上げかねる次第でございます。ただ、そういう御要望が強いということだけは十分念頭に置いてやりたいと思います。  第二点の、江川の鉄橋の流失の問題、その復旧の問題でございますが、お話しのとおりに、七月の二十三日にこれが流失いたしたのでございますが、現在は、旅客輸送は、不通区間につきましては、国鉄でバスを借り入れて輸送をやっておりますし、それから貨物輸送につきましては、石見大田なりあるいは川本という駅が手前にございますが、ここまでトラック輸送でやっていただいて、それから鉄道輸送に乗せているという状況でございまして、この流失いたしました橋げたが十一月の半ばでなければ通れないということについての、きついおしかりを受けたわけでございますけれども、この橋げたは支間が三十六・四メーターの特殊設計のけたでございまして、私ども、流失いたしましたけたがすぐ使えないかということで潜水夫を使って調べたのでございますが、とうてい使える状態にはないということがわかりましたために、それでは新しいけたをつくらなければならない、これは特殊のけたでございますので、新しいけたをつくろうということで直ちに発注をいたしまして――大体こういう特殊のけたの製作には普通は、まあ普通の状態で仕事を進めていきますと六カ月くらいかかるわけでございますけれども、この橋げたにつきましては、特別にメーカーのほうにも当たりまして優先的にやってもらうということで目下製作中でございまして、これが現地に搬入されますのが十月の十三日の予定でございます。それで十月十三日に現場に到着いたしますれば、そこで組み立て架設――これは部品で持っていきますのでこれを組み立てたり架設をしたりするということになるわけでございますが、現在ピアもこわれているようでございますけれども、そういった修理も、これが届けば直ちにかけられるように準備態勢を整えておりまして、まあ突貫工事をやりまして十一月の中旬には完成するという計画で進めているわけでございます。もちろん私ども、お話しのように、こういう山間地帯にありましては鉄道が非常な大きな役割りを果たすことは十分心得ておりまして、できるだけ急いで、その急いだ結果がいま申し上げたとおりでございますので御了承を得たいと思うわけでございます。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) かんがい用水施設その他の農業施設等の災害復旧にあたりましては、効用の回復が災害復旧事業の原則でございますけれども、こわれた地点だけを直したのでは、再び災害が来た場合に非常に困るという事態がございますれば、それに関連したところを含めて、それは災害関連事業ということでできるだけ採択をいたすようにいたしております。

青木義雄建設省河川局次長

○説明員(青木義雄君) 建設省関係の公共土木施設の災害につきまして、島根県分としまして、本日現在で五千八百七カ所、全額にしまして四十八億四千二百万円ばかりになっております。この災害をなるべく早く査定をいたしますことが、早期に復旧をはかることともつながりますので、いままでに三百十五カ所につきまして緊急査定を実施したわけでございます。ことしは、御案内のごとく全国的に災害が多く、いま私どものほうで現地の査定を全国的に進めておりますが、積雪地帯等を早くやりませんと困りますので、そういうところから始めまして、島根県につきましても、十月の下旬から本査定を至急行ないまして、なるべく早く復旧をはかるようにいたしたいというふうに考えております。  それから、その方法につきましては、先ほど農林省のほうから御説明がありましたように、私どものほうも、同じ考え方で再度災害を来たさないように極力改良復旧の方針でまいりたいというふうに考えております。  第二の、斐伊川、江川につきましては、ともに二府県以上にわたる重要河川でございまして、私どもは一級河川の資格があるものと考えております。これは国土保全上または国民経済上重要な河川で政令で指定するというたてまえになっておりまして、目下関係当局と打ち合わせをしておる段階でございまして、私どもはできるだけ努力いたしたいというふうに考えております。  なお、両河川につきまして今度のような災害がございましたので、洪水調節ダムも含めまして抜本的な治水対策を現在検討しておる段階でございます。  以上でございます。

相澤重明日本社会党

○相澤重明君 国鉄のかすぶち鉄橋の復旧工事について、先ほどピア等が破損をしておるところもある、こういうことでありますが、橋げたを発注したのはわかっておるわけでありますから、それを載せるものはいまからでも工事はできるわけであります。要は、そういう手順というものを早くしておけば、できた橋げたを持ってくればそれを載せることができる、開通は一日でも二日でも早くなる、そういう努力をすることが、私は誠意がある災害復旧に対する努力だと思う。そういう点で、ひとつお帰りになったならば関係各省ともよく連絡をとって、たとえ一日でも二日でも、やはりその地帯の人たちに、この災害復旧に対する協力をしてやる、そういう態度をとってほしいと思います。これは要望ですからお答えは要りません。  次に、最後に、高山先生の時間がたいへんおそくなって恐縮でありましたが、山口県の漁船拿捕の状況の報告を申し上げましたが、これらについては、未帰還の船についてはできるだけこれは早く返してもらうように相手の国と折衝してもらう。同時に、拿捕された結果によって業者の人が、倒産をした人も二十幾つもあるということであります。したがって、こういう者に対して漁業補償等の措置を講じて倒産のないように、せっかくの事業を苦労してやっておった人たちが、そういうような、泣くようなことのないように政府としては努力してやってほしいと思うのであります。先ほど漁業についての専管水域の問題についても御説明がありましたから、私はやはりそういう点についてはひとつ、ともかく漁民の保護をする立場にある農林省が積極的な態度をとってほしいと思う。  それからいま一つは、韓国から輸入するノリですね、この水産物の輸入窓口の一本化ということと、無価調整のための冷蔵施設等の措置、こういうようなことについて、やはり政府は地元山口県当局あるいは業界と十分相談をし合ってほしい、こういうことが強い要望となっておりますので、これについて御回答いただいて私の質問を終わります。

山中義一水産庁漁政部長

○説明員(山中義一君) ただいまの韓国の拿捕漁船の問題につきましては、その拿捕されましたつど、韓国側に対しまして損害賠償の請求権を留保してまいってきたわけでございます。しかしながら、日韓交渉の経過におきまして、請求権が大局的見地から双方ともこれを主張しないということとなりましたので、その一環といたしまして、漁船に対する損害賠償の請求権も、韓国に対しては主張しないということに相なりました。しかしながら、損害をこうむりました船主や乗り組み員の問題につきましては、日韓交渉の妥結に伴いまする国内問題といたしまして、ただいま御指摘の山口県、長崎県その他の被害を受けられた船主、乗り組み員の方々の御要望等も十分参酌いたしまして、現在関係各省との間で鋭意その措置を検討いたしておるところでございます。  それからもう一つの、韓国ノリの一本化につきましては、今年度の暫定措置といたしまして、ノリ流通協議会というものを先般設けまして、そこで今年度の輸入の数量、時期その他につきまして一応の意見を出したわけでございますけれども、現在値段の点につきましてまだ折り合いがつかないというふうになっております。それから山口県その他でこの輸入に関して、輸入に伴います冷蔵庫その他の点も考慮してくれというような御要望につきましては、これはまた別途水産物の流通その他の面におきまして、産地冷蔵庫等の現在助成措置の問題もございますので、それらの中の一環として検討してまいりたいというふうに考えております。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 政務次官から農林省の御決意を伺います。

後藤義隆自由民主党農林政務次官

○説明員(後藤義隆君) ただいま答弁いたしましたような状態でありまして、韓国に対しますところの漁船の拿捕に対しましては、さらにかわるべきものとして、政府のほうでもって鋭意ただいま考究中でございますから、御承知置き願いたいと思います。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 他に御発言がなければ、本件に関する審議は本日のところ、この程度にとどめたいと存じます。     ―――――――――――――

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 次に、午前に引き続き、昭和三十八年度決算外三件を議題といたし、農林省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 農地局長お忙しいようですから先にお聞きしますが、   〔委員長退席、理事相澤重明君着席〕 先ほど相澤委員の答弁にお話がありましたように、農地の総合的な計画になろうかと思うのですが、八郎潟の干拓のような事態は今後望めないにしても、いろいろ計画をお立てになっておると思うのです。ところが、その大きな干拓ということでなくて、実際問題としてこの農地に対する基本的な考え方で、たとえて申しまするならば、天水を利用するこのため池の状態、さらに、それを高度化して農地用水の改革をやるならば、そういうものがある県においてはかなり大きいと思うのです。徳島の例をとっても一万数千あるのではないかというような例を言っておりましたが、こういう事態が今日の農業の自立営農を育成しようという考え方に入っているのかどうか、しかも、十カ年計画を立てて、再度事業団法を次の国会に出したい、こういう政府は考え方を持っておられるわけですね。単に買い上げ機関だけをつくって自立営農を育成するというだけでなくて、そういう地域は用水の改革によって大きな土地の収得ができるのではないか、こういう考え方をぼくらは考えるわけです。そういう点は一体計画の中に考えておられるのか、ひとつ基本的な考え方を……。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) 私ども、単に干拓ばかりでなしに、農地の造成ということをきわめて重要なことと考えております。それは最近における農地の壊廃の実情を見ますと、大体四万町歩ぐらいつぶれておるわけでございますが、この二、三年のつぶれ方が異常であるといたしましても、今後十年くらいの先を見通しますと、毎年平均三万五千町歩――全国十年間にいたしますと、三十五万町歩もつぶれるのではないかというふうに実は憂慮いたしておるわけであります。したがいまして、農地の造成はなかなか金のかかることで、干拓について申し上げますれば、現在新しく手をつけて干拓しようという計画を持っております国営の干拓地は、大体事業費反当五十万円前後でございます。したがって経済的には、はなはだ不経済というご意見もあって、干拓なんかやめてしまったらどうかという意見も実は各方面にあるわけでございまして、私が先ほど申し上げましたように、土地を造成することに意味があるばかりでなしに、そこで新しい農業の芽を育てる今後の農政を進める上に非常に大切であるというふうに考えております。いま先生の御指摘のため池の問題でも、たとえば今後大きな事業として八郎潟と同じ考えで国営の用排水事業で香川用水というのがございましたが、御承知のことと思いますが、吉野川の水を分水して香川県の農地の大部分に水をかける計画でございます。これは用水権をめぐってなかなかむずかしい問題がございますが、すぐそう着手できるというわけでもございませんが、それをやりますと、いままでのため池の相当部分がもうため池が不要になって農地にかわる。そこで、香川みたいに零細規模の典型的なところでございますが、しかも、生産量も相当高いそういうところに用水事業を進めることによって農地の造成が幾ぶん進むのではないか。したがって、私ども今後の農業を考える場合に、何としても農地の造成を含めて相当重く見て農政を再検討しておるのであります。   〔理事相澤重明君退席、委員長着席〕

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 大体基本はわかりますが、お忙しければこれでけっこうです。  私は、農政局長にお尋ねしたいのですけれども、この農閑期の出かせぎ労働者ですね、これが池田内閣の高度成長によるひずみの大きな問題として今日出ておりますが、この問題に対して大体政府としては、そうした格差の是正については何ら手が打たれてないというような私らは感じを受けるわけです。したがって、一体現状においてどのくらい農閑期を利用して出かせぎに出ておるのか、こういう点を調査されて、しかも、その具体的なそれに対する対策というものがあるのかないのか、この点ひとつお聞きしたい。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) 農政局長がおりませんので、農地局長はなはだしろうとでございますけれども、もしよろしかったら簡単に私から御説明申し上げますが……。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 見えなければ、いいです、どうぞ。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) 高山先生、衆議院で農水をやっておるものですから、午前中から見えないわけです。済みません。農地局長でもよろしゅうございますか。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 けっこうです。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) では、どうぞ……。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) 農林省では、出かせぎを含めて農業労働力がどういうふうに変わるかということを年々調査いたしております。農業就労度調査――それによりますと、三十八年は二十何万人という出かせぎでございます。これは調査の約束からいたしまして、一月ないし六カ月間家を去っている者でございますが、通常の意味で出かせぎと申しますと、八カ月の者もありますし、一年の者もありますから、通常の意味の出かせぎに比べれば、農林省の調査といたしは少ない数字が出ているだろうと思います。そのかわり六カ月をこえる者については、離農あるいは離村の形で農林省の統計では出ておるわけであります。  そこで私ども、出かせぎの問題は、一つは、農家において農業だけで十分の生活水準が営めないということから起こることで、出かせぎによる現金の取得によって農家が生活水準を高めているという面があるわけでございますから、いきなりすべての出かせぎが悪いというふうには考えておりません。ただ、しかるべく職業安定所等の正規のルートを通じない出かせぎは、現場において賃金がもらえない、その他いろいろな不都合なことがございますので、農林省としては、出かせぎと農閑期に都会に出て現金収入を得たいという者に対して、十分職業安定所等と連絡をして、また農業委員会等の機構も使いまして、一つは情報の提供、それからもう一つは、できるだけ正規のルートを通じて出かせぎをして、個人的なトラブルがあって金がもらえないとかというようなことのないように指導をいたしておるわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 それは、私も大体その数字はわかっておるのですが、現在、その対策として減るような方向に進めておられるのかどうか。たとえて申しますならば、もうすでに見られたと思いますけれども、労働省が出しております失業保険の利用者ですね、これは御承知のように、農村の疲弊に伴ういわゆる高度経済成長からくる格差のあらわれだと私は思うのですよ。したがって、最近は労働省はそれを不正だという言い方をしているのですね。失業保険を適用されるというのは不正じゃないかと、こういうような言い方をしているのですが、それは青森、北海道、秋田、山形と御承知のようにこういうふうに出ておるのですよ。九州も南九州を中心にして……。こういうふうにいわゆる適切な端境期における出かせぎ労働者としてはよかろうという考え方が私は間違いじゃないか。なぜかなれば、どうしても現金収入がないから生活ができないというそのはめにおちいってやむを得ず出る人だと私は思うのです。農閑期は、だからそうして働きに出るのがあたりまえだ、こういうことでは私はこの格差の是正はできないと思うのです。いまの局長のお話を聞いておると、やむを得ない処置でむしろ奨励しておられるような気味に私はとれるのだが、それは大きな間違いではないか。むしろそれをいかにして減らすか、これに焦点がなければならぬと考えるのですが、局長、どうですか、その点。

大和田啓気農林省農地局長

○説明員(大和田啓気君) 私は、別に出かせぎを奨励したり、あるいはその増加を望むということではございません。農業に専念して、農業所得によって相当な生活水準が得られる農業というものが一番望ましいわけでございますから、私どもいろいろむずかしいことは承知しながら、片方で自立経営農家の育成を申し上げておりまするのは、出かせぎをしなくても農業所得でちゃんと生活ができるような農家が望ましいので、それをできるだけたくさんつくられるようにということでございます。ただ、出かせぎをかりに望ましくないとしても、出かせぎをする人あるいは出かせぎを希望する人を押えるというわけにもまいりませんので、出かせぎせざるを得ないような人に対しては、できるだけ正規なルートを通じて雇用先の雇用条件の安定するように努力をしようということでございます。これは出かせぎを奨励するということではございません。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 むろん、奨励しておられないということですけれども、どうしても本人が希望するということでなくて、やむを得ず現金収入がなくて出ざるを得ないというこの事態が私は一番重大だと思うのですよ。特に、御承知のように、失業保険を適用しておる事実が出ておる。しかも、労働省はこれを不正だと最近は言いかけてきておるわけですよ。これを不正とするならば、一体農林省としてはどういうふうな対策を立てようとされるのか。私は、そういう対策がない限り、この問題の解決はつかないと思うのです。したがって、基本的な問題が何にも農林省に出ていない。政府はいままでに二・五ヘクタールを中心とする自立心農を育成すると言いながら、しからば北海道において一体、昨年のようなああいう寒冷被害があった場合に、何か一番歩どまりのいいものがあるかというと、これはいろいろあると思うのです。そういう研究をして、寒害に侵されない作物を指導するとか、そういう点は私は具体的にやはり考えて、そうして出かせぎに出られないでもいいような方法が講じられていないということであれば、これは政府はやはり、依然としてそれを妥当だと称して今日まで放任されておる、こう考えても間違いないと私は思うのですよ。  そこで私は、もう一つお聞きしたいのですが、蚕糸局長にお伺いしたいのですが、実は熊本県の菊池地域における養蚕業です、これが農薬のヘリコプターでの散布に基づく大きな災害を受けておるということを聞いたのですが、一体、この農薬の被害というものは、いつごろから大体蚕糸局としては調査し、かつまた、この対策を立てておられるのか、この点ひとつお聞きしたい。

丸山文雄農林省蚕糸局長

○説明員(丸山文雄君) 農薬と養蚕との関係と申しますか、被害につきましては、年次的に申しますと、大体、農薬が一般的に普及してまいりました二十八年ころからそういう問題があるようでございます。結論的に申しますと、農薬の被害という場合には、水田にかけた場合に、近辺の桑が被害を受けるという場合もありますし、また今度は逆に、特に最近、集団桑園の造成等を行なっておりますので、桑の害虫を防除するために、養蚕自体でやはり共同防除をするという二つの面があるわけでございます。いろいろ虫を防除する方法といたしましては、労力も省けますし、非常に進歩した方法でやるわけでございますので、これに伴います弊害につきましても、かねがねから検討いたしておるわけでございます。たとえば具体的に申しますと、農薬がかかった桑が何日たてばいわゆるその薬がなくなるか、残効期間と申しておりますが、そういうこと、それはいろいろ使います農薬によって違いまして、ものによっては大体三週間ぐらいでなくなる。また、ものによっては一日でなくなるものもございます。そういうことについての相当研究が進んでおりますので、そういう使う薬によります残効期間を周知徹底いたしまして、それに合わせて水田の防除であるとか、あるいはまた、先ほど申しましたように桑自体の害虫の防除であるとか、そういうことを防除計画に十分織り込んでやっておるわけでございます。たとえばヘリコプターによる空中散布などの場合は、まず当該県において、いろいろ県が中心になりまして、その関係の農業団体、養蚕団体、そういうことでいま申しましたような基本的な方針を立て、さらに実施の地域におろしました場合に、その地域でさらにまた具体的な関係農家、そういうところが集まりまして、いま申しましたような日数、その他周囲の状況、そういったことを考慮して、できるだけ被害がないように、そういう形で進めております。それにいたしましても、地域によります点は若干残る場合があります。そういう場合に、たとえば自分が桑園を持っており、かつ、水田を持っておるという場合には、自分の経営の中の問題でございますけれども、当然しかしながらいま申しましたような計画に基づいて行なっておりますし、それから、たとえば他の隣の村で実施したために、参加者でない別の村に被害があったという場合には、たとえば村同士の話し合いでやるとか、そういうことで事後の救済ということになりますが、いろいろ相談をして解決しておるのが実情でございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 蚕糸局長、私はおそろしい話を聞くのだが、あなたは蚕糸局長をしておられて、一体晩秋を例にとりましょうか。しかも、もう一番この重要な時期というのは一週間ぐらいですよ。そのときにうんと桑をやらなくちゃいかぬでしょう。その場合、農薬の被害があって、しかも三日待ったら蚕にやることができるなんていう、そんな余裕のあるわけが養蚕業でできるのでしょうか。そんなゆうちょうなことで一体これを防止することができるのですか。養蚕業というのはそんなものじゃないと思うのですよ。最初の間なら多少の私は余裕があると思うのです。いまは桑のつみだめもできるでしょう。格納もできるでしょう。ところが、一体もうこれは最後の一週間が大事だ。いま一番たくさんやらなくちゃいかぬという事態に、かりに晩秋蚕をやっておった場合に、農薬を散布して三日目じゃないと食べさせられないという状態が、一体養蚕業でそんな気楽なことができるのか。驚くね、そんなことを聞くのは。どうお考えになっているのですか。そういう点は研究だけじゃないですよ、実際問題としてどう考えるか。

丸山文雄農林省蚕糸局長

○説明員(丸山文雄君) お説のような問題もあろうかと思います。そういうことがありますので、つまり掃き立て時期に合わせまして農薬の散布の日にちをきめるということ、そういうことでやっておるわけでございます。また、これは若干こまかくなりますが、お話しのように、たとえば掃き立て後の数日、三齢と申しますか、そういう場合には比較的特別な桑を食わせるわけでございます。そういうものがかりに隔離と申しますか、ある地域とは別のところでとれるような場合には、そのあとについては別の桑をやることになりますので、そういう蚕が成長していきます過程に合わせるような仕組みもだんだん発達してきておりますので、それと合わせて、何と申しましても、やはりしょっぱなの掃き立て時期との関係でいろいろ調節をいたしておるわけでございます。でございますから、お話しのようなことはないように、掃き立て計画の当初においては調整する措置をやってはおるわけでございます。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 それは春蚕をやる場合には、あなたのおっしゃる方法で私は可能性があるかというような気がします。しかし、晩秋をやる場合は、蚕と稲作は非常にいまその害虫を駆除せなければならぬという場合に、晩秋はすでにもうこの一週間前で、相当の量の飼料をやらなくちゃいかぬという時期ですね、そういう時期が、掃き立ての場合から日にちを組んで、稲作もその時期を失ってはいかぬ、こういう事態が出ると思うのですよ、もう三日おくれたらだめだという事態が。それを皆さん研究はしておるとおっしゃるけれども、私は研究だけじゃそれは可能なものではない。春蚕ではあなたの言われる点もわからぬことはないです。しかし、晩秋をやっておる場合は、稲作と蚕の状態というものと、ほとんど同時の時期が、その稲作に対する害虫駆除が行なわれる時期ではないか。そういう場合には、何百メートルの範囲内は、桑園の地域においてはそうした散布をやるべきじゃないとか、これは規格をつくって私は蚕糸局としてやるべきだと思うのですよ。しかも一方では、これはきょうは農政局長が見えないから、農地局長のお話を聞いても無理かと私は思いますけれども、片や農村のそうした一体収入というものはどこに求めるかということですよ。皆さんは選択的拡大でやらなくちゃいかぬ――それは養蚕もその一つじゃありませんか。入っていないですか、入っているでしょう。その一つに養蚕が入っておりながら、みすみす農薬のために被害をこうむった実例が三十八年から起こっておるという事実を知りながら、しかも、昨年の晩秋で相当の被害を受けておる、これに対する何の手も打ってない、こういうことが一体農政上許されるのかどうかということを私は考えるのです。皆さん方は、少なくとも農業の育成強化のためには、年収六十万円を中心として何とか育成しよう、これには選択的拡大も必要だ、大いにやりなさい、こういうふうに言っておきながら、一方においては被害をどんどんつくって、それに対する調査もしなければ何ら被害対策も行なわれていない。補償も行なわれていない。一体農民はどこで腰をすえていくのです。これは次官、どうお考えになりますか、ひとつ。

後藤義隆自由民主党農林政務次官

○説明員(後藤義隆君) お説のとおりでありまして、桑園のすぐ付近において農薬を散布することについては、よほど慎重に検討する必要があると思いますから、よく検討いたします。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 私は次官、検討どころじゃないですよ、現実に被害をこうむっておるのですよ。そうして政府の言うことを聞いておったらとんでもない、冷や水で頭を割るようなものだ、こう言っているのですよ。農業政策の指導を受けてもだめだ、養蚕がいい、養蚕がいいといって一生懸命やって――たとえば阿蘇の開墾地を中心としてやられたでしょう。そういう地域を一生懸命やっておると、一方農薬の散布によって蚕が繭をかけなかった。これは皆さん反収大体五万円なり八万円なり、あるいはいいところになれば、桑園のいかんにかかわりますけれども、十万円近くもとれるところがあるでしょう。そういう副業的なことをやらせておきながら、みすみすその被害をまた同じ同士がやっておるというようなこと、それに対する対策が、いまの蚕糸局長が言われたように、掃き立てからその蚕が飼料を多量にいまとらなければいかぬという時期をにらみ合わせてやっておるのだと、こうおっしゃるけれども、そんなことはたいした問題じゃないのじゃないですか。何百メートルから以内は入っちゃいかない、こういう区別をして、蚕糸にあなた被害のないような方法は、私は簡単にできると思うのですね。もしそれがあやまってそういうことを、この風向きで相当三百メートルから四百メートル向こうでやったのだけれども、それでも被害があったということであればこれはまだしも、私は、風の都合によってある程度いかなかったということも申しわけが立つかもしれないけれども、そういうことを一つも考慮に入れないで、その被害を起こして、あとは知らぬ顔をしておるというようなことであったら、ますますこの高度成長による、農村の方たちは私は政府の指導の誤りからますますその格差をつくっていって、もう蚕をやる人もない、こういうことすらわれわれは聞くわけです。もっと根本的な次官の考え方ですね、私は大臣に伝えてもらいたい、このことは。そうして対策を立ててもらいたい。そうして一体その地域の被害がどういうふうになっておるのか、地域の状態ですね。さらにまた、これから受けておる損害、そうしてどういう処置をとられたのか、私資料として出してもらいたいと思うんです。

後藤義隆自由民主党農林政務次官

○説明員(後藤義隆君) ただいまの御要求の資料につきましても、なるべく早くひとつ提出いたします。  また、ただいまお話しのとおり、対策につきまして万全を期するために至急に検討いたします。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 もう一つ。それじゃ蚕糸局のほうはそれで終わりますが、これは検査院の方にちょっとお聞きいたしますが、この五三ページですね、いま問題になっております国有財産の問題についてはいろいろな大きな問題が出ていますけれども、これは非常に金額にしては零細なものと考えます、私は。しかし、適切を欠いているというものがたくさん出ておりますね。しかも、こういうふうに受け取っていいんですか、昭和三十三年から三十五年、三十六年、三十七年に改善の要求をした、ところが、それが三十九年においてある程度是正された。しかしまだ残っておるものが、千六百二十三件のうち八百八十一件是正した、あと残りは今後一段と管理体制の強化をはからなくちゃいかぬ、こういうことが書いてあるんですよ。したがって、これはまあ三十三年度は別として三十五年、三十六年の皆さんの検査の結果ですね、いろいろ政府に対して是正方を善処する方法を要求されたと思うんです。ところが、現在千六百二十三件のうち八百八十一件は是正したけれども、まだ残っておると、こういわれる。これはまあ次官、大臣がおられれば大臣に聞きたいところですけれども、次官、こういうことが三十五年から三十六年の間にこれだけ要求して、検査院が――検査院、いまの間違いないですね、私が言ったことは間違いないですね、そういうことですね。まずそれから聞きましょう。時間がないと思って私は……。

小沢定司会計検査院事務総局第四局長

○説明員(小沢定司君) ここに書いておりますのは、三十三年度、それから三十五年度及び三十六年度の検査報告に掲記をいたしましたものと、それから、それとは別に三十七年六月に是正改善の処置を要求いたしておるもの、その是正改善処置の要求と申しますのは、これは農林大臣あてに会計検査院長から是正改善の処置要求というものを出しておるわけであります。それに引き続きまして、さらに三十七年度の検査報告にも不当事項を掲記いたしております。それらについての是正状況が千六百二十三件のうち八百八十一件だということはお説のとおりです。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 それで政府にお聞きしたいんですが、このことは、非常に私は問題はこまかい問題だと思うんですよ。各都道府県がやるにいたしましても、何かまあいろいろの隘路のある問題かと思いますけれども、しかし、事大体五年もたってこの問題の処理ができないというのはどういうところに隘路があるのか、こういう問題の基本的な政府の考え方というものが出てないから、大きないま国有財産の問題でこの決算委員会がやらなくちゃならない。こういう小さい問題すらできてないというところに政府のやり方に欠陥があると。したがって、一体これはどういうふうに今後されようとするのか、いつまでにこういうものはなくしてやっていこうとお考えになっているのか。これはまあ次官に聞いても確実な御答弁はできないでしょうけれども、非常に大事な問題です。こういう小さい問題ができないようじゃ、大きな国有財産の問題の処理なんてできやしませんよ。一応次官のほうからひとつ御答弁願いたい。

後藤義隆自由民主党農林政務次官

○説明員(後藤義隆君) 国有財産の管理の適切でないという御指摘を受けましたので、その後世理体制の強化につとめてまいっておりますが、まことに申しわけないのでありますが、まだ今日まで不十分な点がたくさんあってまことに申しわけありません。そこで、今後鋭意この改善について努力をいたします。また、大臣にもよくこのことを申し上げて善処をいたしたいと思っております。

高山恒雄民主社会党

○高山恒雄君 最後に、検査院のほうに要望申し上げておくんですがね、せっかくこうしてやられて、三十万年、三十六年の是正で八百八十一件というものは是正したが、残りは今後追及してぜひやろうと、こういうひとつ気がまえを持って、私はこの問題については、これ以外にもたくさんあるんですよ――そういう問題の整理こそ大事であって、検査院のほうでも、特に国有財産の問題については入念な検査をしていただく、そうしてもっと表に出していただく、このことを私は要望いたしておきす。

小沢定司会計検査院事務総局第四局長

○説明員(小沢定司君) ただいま高山先生のおっしゃいました御趣旨に従いまして、私どものほうにおきましても鋭意努力をいたします。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) たいへんおそくなって恐縮ですけれども、私、高山委員の御質問に関連して、農薬のことでちょっと一、二点伺いたいのですが、農薬の被害は非常に大きな問題になっているんですがね、毒性のあることが明らかだと、使用する人に。あるいは自殺だとか他殺にさえこれ使われているんですよ。ところがこの農薬が、外国、アメリカあたりではくだものの皮をむいてもその中へさらに浸透しているのじゃないかというようなことで、もう三百数十名余のスタッフでこの被害についての検討がなされている。ある国ではこの農薬の危険度に応じて禁止している国もある。ところが日本では、農薬が非常に野放しのように使用されているように思うんですがね。この農薬の使用についての指導、こういうものはどういうふうになされているか。毒性の強いものについては、これはきっと改正の方向へ動いているのじゃないかと思うんですね。その対策等について、もしやっておいでになるならばお聞かせを願いたい。いま家庭の主婦たちは、活性洗剤の危険を言われて、肝臓にこわいとか思いながらもなお農薬の危険のためには活性洗剤を使わざるを得ないという悩みを持っている。この前社会労働委員会でこの問題を指摘したときに、アメリカのほうの研究に対して日本でも農林省では若干そういう方向へ進んでいるというような御答弁があったんでございますが、その後どういうふうに動いておられるか、この点についてちょっとお聞かせ願いたいと思います。

安尾俊農林省農政局植物防疫課長

○説明員(安尾俊君) 植物防疫課長でございます。局長にかわりまして御答弁申し上げます。  農薬の事故につきましては、厚生省の報告に上りますと、保官が不十分である、あるいは不注意で使った、それからまあ誤用した、そういう事例が非常に多いのでございまして、これに対しましては、農薬の最盛期にあたります前の五月中旬から一カ月間、毎年厚生省それから農林省及び都道府県が主体になりまして農薬の被害防止の運動をやっております。  それから、ただいま先生のお話しにございました農薬の残留毒の問題でございますが、この点につきましては、厚生省と農林省がこの研究に着手して現在盛んに進めておりまして、例を申しますと、いもち病の薬剤でございますが、いもち病の薬剤につきましては、二十七年ごろから水銀剤が使われまして、たいへん食糧確保に貢献したのでございますが、まあ先ほど先生の申されましたような不安がございますので、万一の場合を考慮いたしまして、これの開発普及につとめております。現在いもち病の薬剤につきますと、抗生物質が二剤、それから水銀でございません合成の薬が三つ出ておりまして、本年の生産額を見ますと、大体防除面積にいたしまして七十万ヘクタールになっております。今後われわれといたしましても、この低性の農薬の開発普及にさらに一そうの努力をいたしたい、こう考えておる次第でございます。

藤原道子日本社会党

○委員長(藤原道子君) この点につきましては、政務次官にも、非常に社会に不安を与えておりますし、害あるものは幾ら米にいいからいって使うわけにまいりません。こういう点で十分御研究、御指導を願いたい。強く要望しておきます。  他に御発言がなければ、本日の審査は、この程度にとどめたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会      ―――――・―――――

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