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49回国会衆議院1965/08/11

文教委員会 第2号

発言数
257
登壇者
18
会派数
2
開催日
1965/08/11

会議録

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 これにより会議を開きます。  本日の請願日程の請願全部を議題とし、審査に入ります。  本日の請願日程に掲載されております請願は五十件でございます。これらの請願につきましては、先刻の理事会において御検討願いましたので、紹介、説明、質疑、政府の所見聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。  日程第一、第二、第四ないし第三一、第三三、第三五、第三六、及び第三九ないし第五〇、以上四十五件の各請願は、いずれも採決の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議ないと認め、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 なお、本委員会に参考のため送付されました陳情書は全部で十三件でございます。念のため御報告申し上げます。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。  本委員会といたしましては、二宮武夫君外二十名提出の学校給食法の一部を改正する法律案、及び小平忠君外一名提出の学校給食法の一部を改正する法律案、並びに文教行政の基本施策に関する件、学校教育に関する件、社会教育に関する件、学術研究及び宗教に関する件、国際文化交流に関する件、及び文化財保護に関する件、以上の各案件につきまして、議長に対し閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が本委員会に付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間並びに承認申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。  閉会中審査案件が付託になりました場合、今会期中調査のため設置いたしました学校警備員小委員会につきましては、閉会中もなお引き続き存置し、調査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員長及び小委員の人選につきましては従前どおりとし、小委員長及び小委員の辞任の許可及び小委員に欠員を生じました場合の補欠選任、並びに参考人より意見を聴取する必要が生じました場合のその期日、人選その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 文教行政の基本施策に関する件、特に学力調査に関する問題について調査を進めます。  この際おはかりいたします。本問題について、本日、福岡県教育委員会委員長根津菊次郎君、北九州市教育委員会教育長小田郁男君、福岡市教育委員会教育長吉村一夫君、以上三名を参考人として、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  それでは、この際参考人の各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ御遠路御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会におきましては、目下学力調査に関する問題について調査を進めておりますので、何とぞ忌憚のない御意見をお述べくださるようお願い申し上げます。  なお、議事の都合上、最初各参考人の方々にそれぞれ御意見を約十分程度お述べいただき、その後委員からの質疑にお答えいただきたいと存じますので、さよう御了承願います。  それでは根津参考人からお願いいたします。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 根津でございます。福岡県の学力調査問題につきまして、これを経過的にお話ししておりますとなかなか時間がかかりますので、問題点だけにしぼりましてお話しいたしたい、こういうふうに考えております。  福岡県の学力調査は、昭和三十六年度に教組の強い反対と外部団体の介入によりまして混乱を起こしまして、きわめて低い実施率を示しましたが、その後三十七年度、三十八年度は平穏に推移いたしましてほぼ九五%から一〇〇%の実施状況となっておりました。ところが、この三十六年度の本県の学力調査の混乱事件につきまして、昭和三十九年三月、昨年の三月十六日に福岡地裁の判決がございまして、その判決理由の中で、学力テストそのものについては、行政調査の限界を越え、行政権力たる文部省が不当に教育内容に介入したもので違法である、こういう意見が付されました。また続いて荒尾事件につきましては、三十九年五月十三日、福岡高裁の判決でも同様に判決理由の中で、法第五十四条第二項は、もともと学力調査のような調査を予想しておらず、しいていえば同法第五十三条第二項に基づいて調査事務を機関委任する方法によるべきであり、特別の根拠規定を新設整備せずして、単に既存の前示関係法規の解釈によろうとしたのは失当である、こういう判断がなされたのであります。しかもこの福岡高裁の判決は、双方から控訴されないまま確定判決となっておるのであります。この判決の影響で市町村教育委員会が動揺いたしまして、三十九年度におきましては小学校三四%、中学校二一%が実施したにとどまりまして、全国最低の実施状況となったのでご、ざいます。  いま私がこういう裁判のことを申し上げますのは、全国四十六都道府県中、四十五都道府県が実施しておるのに、なぜ福岡県が実施できないのか、そうして裁判の判決は、山形、高知、高松、こういうふうに全く逆な判決もあるではないかという疑問が皆さんにもあろうかと思います。また文部省や他府県にもあることを私どもは十分知っております。ところが、これは私どもの福岡県の立場から見ますと、他の裁判所の判決は極端に言って何の役にも立ちません。それは御承知のように、昭和二十二年に公布されました下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律に基づきまして、福岡県下に起きた学力調査の訴訟事件を取り扱う管轄裁判所は第一審は福岡地裁であり、第二審は福岡高裁であるからであります。この二つの裁判所が、一つは学力調査そのものを違法といい、一つは失当と判決している事実を、皆さんは福岡県の当局の立場に立って考えていただいたことがあるでしょうか。私どもは私どもの力で現行法上この管轄裁判所を変える力を持っておりません。私どものところに今後起こる可能性のある学力調査についての訴訟事件につきまして、今後この二つの裁判をひっくり返して勝つという自信がない限り、福岡県の学力調査を強行することは困難でございます。これは日本全国で福岡県のみが持っている特殊事情でございます。  そこで、県教育委員会は市町村教育委員や教育長を集めまして、学力テストの実施について、昨年もことしも数回にわたって協議を続けまして、実施の方向に持っていこうと努力いたしました。しかし結論は、強行がどうしても困難であるということでありました。どうして困難であるかと申しますと、判決を根拠として絶対に協力しない態度をとっている教員にやらせる道はただ一つしかございません。それは職務命令を出して強行することでありまして、したがって違反者を厳罰に処することであります。その次に必然的に反対訴訟となると思いますが、その裁判所は福岡地裁であり、高裁であります。裁判は高裁まで持ち込んだ場合どうしても五年以上かかりますが、ほんとうに勝てる自信のない訴訟事件を争って、教育界に混乱を起こしてまでやる価値のあるものかどうか、ひとつその辺で冷静に考えてもらいたい、こういう意見が市町村教育委員会の中に強いのでありますが、私どもは何とかして実施したいという立場をとってまいりましたので、このような意見はつとめて押えてまいったのでありますが、このように福岡地裁と高裁の判決は重大な影響を持っておりました。  私どもは文部省の調査団が来県された際、本県の特殊事情を事こまかに説明しております。特殊事情とはただいままでに述べましたような地元裁判所の影響の重大性でありました。ところがはなはだ残念ながら、調査団の大臣あての報告書にもあるいは福岡県教育委員会に対する勧告書にも、なかなか用心深く、裁判の影響のことは一音半句も触れておられません。これでは調査団以外の人人は、大臣も含めて、このような福岡県の真相というものを知ることは不可能であると思います。  最後に、誤解がないように申し添えておきたいと思いますことは、福岡県教育委員会並びに市町村教育委員会はすべて学力調査は実施したくないと言っているのではございません。文部省当局がこれらの裁判の影響を真剣に考慮されまして、有効適切な法制措置などを早急に具体化していただかない限り実施は非常にむずかしい、こういうことを申し上げておきたいと思うわけでございます。  あととても一気には言い尽くせることでございませんので、御質問がございましたら、各項目につきましてお答えすることにいたします。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に小田参考人にお願いいたします。小田参考人。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 小田でございます。  北九州市は、ただいま県の根津教育委員長から申し述べられました裁判の一番近いところに位置しております。事件の起こりましたのは北九州市の隣の行橋市でございます。それから、福岡地裁小倉支部で裁判が行なわれたという関係もございまして、いま根津委員長から述べられました事件はそのまま北九州市で本年も学力調査の実施できなかった大きな理由になっております。  なお法的根拠云々ということのほかに、こまかいそういう法的な理解の困難な一般的な地域のムードと申しますか、それに出てきます世論あるいは父兄の声というものも、一部にはぜひやってほしいという声もありますけれども、強い実施の要望が出てこないという、そういう事情もあることを先般文部省の調査団のおいでになったときにも申し上げた次第でございます。  そのほかに、北九州市は地域における労働組合運動の盛んな、強いところでございまして、学力調査につきましても外部からの妨害ということが十分に予想されますので、そういうことを懸念いたしまして本年も実施に踏み切ることができずにやむなく中止するようになった。もちろん県の行政指導の趣旨も十分体していったのでございまして、一つのやり方として校長などを中心にして補助員を使ってやるというようなことも十分北九州市の教育委員会といたしましては検討もいたしました。しかしそういう校長だけでやるという事態のあとに来る児童生徒に及ぼす教育的な影響を考えましたし、また校長会からもきちんとした形でやれるように、そういうことにしてくれ、そうしないといろいろな問題があとに残るので困るというような申し入れもありましたために、中止のやむなきに至ったわけでございます。  なおこの機会に私一言申し述べさせていただきたいと思いますが、今後の見通し——来年もやれぬかというようなお尋ねも調査団からございました。そのときに委員長及び各委員から申されたことでございますが、いまのままの状態ではなかなか実施が困難である、こういう意見を述べられたのでございますけれども、学力調査そのものが、本年度は中学校も二0%の抽出になったというようなこと、あるいはいままでは各学年における到達度というもの、学習の到達度というものを見る、そういう問題であったけれども、四十年度は学年配当に関する資料を得るための問題になっておるということ、あるいはマル・カケ式の解答だけでなくて、自由記入の方法も加味されてきておるというようなことで、改善の実があがっておる、そういうことで教組側の理解を深める努力をいたしましたが、こういう点につきましても日教組全体として理解を深めていただきたいという希望がございますし、なお学力調査そのものは目的によりましては私は必要であろうかと考えておりますが、そのやり方が問題だと思うのであります。現在のような全国悉皆であるとかあるいは一斉というやり方には問題があるのではないかというふうに考えております。調査目的に応じましてあるいはより科学的な現代の統計推計学なんかを活用したやり方もあろうかと思いますし、また調査目的に応じては随時行なうというようなこともお考えいただけないものか あるいは学習指導法の改善につきましてはモデルスクールを指定して、より綿密な方法を研究していただくというようなことで、現在行なわれております学力調査は、先ほど申しましたように、改善のいろいろな方法が行なわれておりましても、歴史的には幾多の問題をはらんでおりますので、できれば文部省あたりでそういう方面の抜本的な検討をしていただいて、学力調査の必要なものは、こういう地教委あたりが非常な苦境に立っており、またやり方一つでは児童生徒に非常な悪影響を及ぼすような事態を一日も早く改善していただきたいものだという希望を持っております。  国会にこうして参考人として呼ばれました機会に、皆さまの御協力を心からお願いしたいのでございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に吉村参考人にお願いいたします。吉村参考人。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 福岡市の教育長の吉村でございます。県の委員長、北九州市の教育長から一応のお話がございましたが、福岡市におきます学力調査の簡単な経過を申し上げまして、市の委員会のこれに対する基本的な考え方を簡単に最初に申し上げたいと思います。  福岡市におきましては、この全国一斉学力調査は三十七年と三十八年が指定校だけが一応実施してきたということで、三十六年もほとんど実施いたしております。それから昨年の三十九年度は、実施当日の朝の五時に至りまして団交の結果中止する、こういう状態になっております。本年県のほうから五月二十九日付をもって四十年度の学力調査を実施するという通達がまいりましたので、市の教育委員会としましては六月の四日に委員会を開きまして本年の学力調査は実施する、こういう方針を決定して、最後の六月十六日の朝の七時半までその方針を持続したわけでございます。それにつきまして多少前任者のお考えと変わった点もございますが、私のほうの委員会の委員さん方の非常に強い考え方として、これはぜひ実施すべきだ、文部省の方針に従って、県の指示を受けて実施すべきだという考え方は、少しも最後まで変わっておりません。  ただ問題になります点を一、二申し上げますと、組合員はおそらく実施の労務を拒否するだろう、それから実施をさせようとした校長あるいは教頭に対して実施をするな、こういう説得活動は相当強くするだろう、こういうことを前提にいたしまして、私どもは校長及び教頭に対して業務命令を出しまして、なお校長の意見を聞きますと、二人ではどうしてもこれはむずかしいということでございましたので、小学校にはテスト補助員を一名、それから中学校には補助員を三名ないし四名、これだけを市の幹部を市当局からも要請いたしまして、それぞれ学校に配当し、これならば小学校のほうはかりに各教室でできなくても講堂に集めてやればできるのではないか、こういう現場の校長の意見もありましたので、そういう配置、手はずを一切整えたわけでございます。  それからもう一つ、校長先生方あるいは教頭の先生もそうでございますが、この学力調査につきましては、先ほど根津委員長からお話がありましたように、福岡県の特殊事情として、小倉地裁あるいは福岡高裁の判決の趣旨の中に、いま申されたようなことがございますので、かなり校長並びに教頭がこれについて確信を持たない、こう申しますか、自信が少ない、こういう点が察知されましたので、いままでかつてございませんでしたが、本年度におきましては、ここに一冊持っておりますが、「全国小中学校学力調査必携」こういうものを特に念を入れまして私のほうの委員会で作成いたしまして、法的の根拠なりあるいは全国各地の裁判の判例なりを全部収録いたしまして参考に供した、こういうことでございます。  そこで問題点を一、二申し上げますと、最終的には十六日の朝になりまして、県の委員会の御趣旨もありましたので中止いたしましたが、その理由としまして、特に学校の現場において非常に混乱が起こるのではないか、こういう御心配をいただいたようでございますが、福岡市の場合、私の観察しましたところでは、そうひどい混乱が起こる、こういう徴候は見えなかった。一、二の分会、学校におきまして執行部なりあるいは分会委員が相当強く校長に中止を迫って、ことばの上では相当強いやりとりがありたということをあとで聞きましたが、昨年のように教職員以外の他労組が入ってまいりまして、学校の内部で非常な混乱が起こる、こういう徴候は全然認められなかったわけでございます。昨年も実は取りやめました一番大きな理由は、そういう他労組が相当動員されて、教育の場を理解しない人たちによって大事な教育の場が非常に混乱するということではまことに遺憾であるということで、朝の五時になって中止したわけでございますが、ことしはそういう徴候はなかった。それからこれは公式の発言ではございませんが、教組の幹部の中には、われわれは校長、教頭に対して中止方を強く迫る説得をする、しかしそれでもなおかつ校長、教頭がやるということであれば、これはしかたがないではないか、こういう意見も非公式ではございましたがちらほら聞こえておったということで、私のほうの教育委員会としましては実施をいたしましてもそうたいした混乱は起こらないのではないか、むしろ、実施をしないことによって、学童、生徒がきょうはテスト、調査がある、こういうかまえで来ておったのが、またことしもやめになった、去年もやめたがことしもやめた、こう.いうことに対する、学校教育に対して校長以下を含めて、教育委員会も含めての、子供なりの不信感、こういうもののほうがむしろ将来にとって悪影響を与えるんではないか、こういう感じを私どもは持ったわけでございます。  それから第二点といたしまして、これは県のほうの観察と多少食い違っておる、私も非常に遺憾に思っておるわけでございますが、私ども学校の現場に調査をするために警察力の導入を要請をした、こういうことがいろいろの調査書に出ておりますが、私これは誓って申し上げますが、警察力の導入をしたことは一回もございません。また教育の場においてそういうことをやるべきでない、こういう確信を持っております。  それから教職員以外の補助員を使うことについての教育上の問題。校長、教頭だけでやって、全く教育の場におらない人が、かりに補助員という名前であってもそういう場においてやることはどうか、こういう御意見が私どものほうの地元で出ておるわけでございますが、私はそれはそのとおりだと思っております。正常な姿で、教職員が自分の担任しておるクラスをやることが最も望ましいことでございますが、いまのように教組がこれに対して協力をしない、こういう点がはっきりすれば、やはり次善の策として、校長と教頭と、事務的に答案用紙を運んだり配ったり、こういう事務的なことをするために事務員を使ってでもやることのほうがよろしい、こういう考え方でおったわけでございます。たまたま文部省にもそのことをお尋ねいたしましたら、正式に任命された補助員であれば差しつかえない、こういう御回答もいただきましたので、そういう配置を実は十分に遺憾なくやっておったようなわけでございます。  最終的に、先ほど申しましたようなことで、十六日の朝七時半から八時二十分にわたりまして中止ということになったわけでございます。この中止をいたしましたことは、県のほうで調査の結果の報告を求めない、こういう正式の通知があります。文書もいただきましたので、これ以上やることはどうであろうかということで、委員会で慎重に審議しました結果、本年度はまことに遺憾ながら中止せざるを得ないということで、十六日の朝八時になりまして中止の通知を出したわけでございます。大体以上概略申し上げました。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。     —————————————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に質疑の通告がありますのでこれを許します。川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 参考人の皆さん方たいへん御苦労さまだと思います。あるいは失礼にわたる点があるかもわかりませんが、質疑を通して文教行政のあるべき姿を追及いたしてまいりたいと思いますので、その点についてはお許しいただきたいと思います。   〔委員長退席、八木(徹)委員長代理着席〕  根津参考人からは、法的根拠については、福岡県としては裁判所の結論が出ておるのでそれに基づかざるを得ない、これは法治国家としての当然の姿ではないかと思います。そこで吉村参考人にお尋ねいたしたいと思いますが、全国学力調査の必携をおつくりになっていろいろと関係筋に対する教育をなされておるわけでありますけれども、そういう立場からしまして、全国学力調査についての法的な根拠というものをどのようにお考えになっておられますか、お尋ねいたしたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 学力調査についての法的の根拠につきましては、私どもも地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十四条二項によって、文部省を経て県教委、市教委、学校の校長ということで実施すべきだ、こういう見解でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 その点は一番問題になる点ではないかと思いますが、ここで参考人との間にいろいろ意見の交換をするということは趣旨でございませんので、次にお尋ねしたいと思いますことは、文部省が全国の学力調査を行なうにつきまして、各県教委を通してその実施要綱というものをおろしておるわけでありますが、それを見ますと、調査の結果というものを教育条件の整備に利用する目的だ、こういうふうになっておるわけでありますが、これまでの全国学力調査の結果というものが福岡市におきます教育条件の整備に具体的にどのように役立ってきたか、この点についてお伺いいたしたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 ただいまお尋ねの点につきましては、教組との団交その他においても非常に強く指摘せられる点でございます。私どもも一福岡市において三十七年、三十八年の調査の結果がこういうように具体的にこう出たという的確な資料と申しますか、それは率直に申しましてございません。ございませんが、全国的に見まして、やはり各府県あるいは町村に分けましてごく零細なものになっても、たとえば学級定員の減少であるとか、あるいは僻地の教育の費用の増であるとか、そのほか微細な各市町村にわたりますと非常に零細なことになりますが、ここ数年間の調査の結果がやはり教育財政の面にも幾分のプラスにはなっておる、こういうように考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 非常に混乱を通してまでその結果というものが役立っておる。それはただいま教育長の吉村参考人のお話では、福岡市にはたいして効果があったようには伺えなくて、僻地であるとか、そういったところにはあるんじゃないだろうか、こういう感じを受けるわけでありますけれども、実施をされるということについては、当然法的な根拠なり、あるいはその学力調査の結果というものが教育の面あるいは教育条件の整備、そうした点について、福岡市における教育行政の中において非常な混乱があっても、それを押し通してなおかつ大きなプラスがあるんだ、こういう確信をお持ちいただいての上での御指導ではないか、こういうふうに思うのでありますが、ただいまの御答弁ではたいへん薄弱なような感じがいたしますけれども、たいへんくどいようでありますが、重ねてお尋ねいたしたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 先ほど申しましたように、調査をしたから市の予算がこういうふうに措置されたとか、あるいは教職員の配置がどうなったということは的確に、具体的に数的には申し上げられませんけれども、私どもここ数年間の経験から見まして、たとえば、恥ずかしいことでございますが、理科教室の場合、ああいう特別教室が普通教室の増に追われましてなかなか十分でなかったのを、数年間の要望の結果、ことしからない学校については、中学校及び小学校の理科教室を整備していくという予算がわずかではありますがとれたわけであります。ただし、これは調査とこのこととが直接結びついておるということには、まだ少しはっきり言えないところがあると思いますが、そういう理科の点数などがよその何に比べても多少落ちておるんじゃないか、こういう感じもいたしますので、当然やるべきことをほかの要求より強く要望した、そういうことは言えると思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 全国学力調査についてという文部省の昨年の十月の十九日の福田初中局長並びに天城調査局長名の実施方針というものを読んでみますと、その中にいろいろ学力調査についての文部省の方針が出ておるわけでありますが、それらを福岡市の教育長さんとしてどのように受けとめられたか、そういう点についてお尋ねしたいと思います。  まず第一には、この文部省の通達によりますと、悉皆調査により得られる資料については一応調査の目的を達したものと考えられる。なお、そういう調査結果については教育課程審議会の検討等により専門的な検討を始めることとして、そこで今後の学力調査については、中学校、小学校とも従来の調査で解明されなかった諸点に重点を置いて実施するものとする、こういうふうになっておるわけでありますが、たいへんにもめてまいりました数年間のこの学力調査というものを通しまして、文部省のほうから、悉皆調査で得られる資料については調査の目的を達した、こう結論を出しておられるわけでありますが、それらの点はどのように各地教委の皆さん方に文部省側はこれまで説明をしてこられておるか、そして、どのように御理解になっておるか、お伺いしたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 悉皆調査については、過去四年間の調査によって一応目的を達成した。従来の調査によってなお明らかにされていない部分について、本年は特にそういうところに重点を入れて調査をする。これはいろいろ考えて批判すれば批判の余地はあろうかと思いますけれども、私はすなおに一応文部省の意図を受けて、そのままに受け取ったわけであります。別にこれに対して異議はありません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それではすなおに、調査の目的は達成された、こういうふうに御理解になり、そこで従来の調査で解明されなかった諸点というものは、どのように文部省は県教委を通して指導されておるのでありますか。そしてどのように御理解になっておるか、伺いたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 問題の内容その他を見まして、いわゆる従来の調査においては単なるマル・カケ式の問題が大部分であったのが、多少記述というような点をことしは伴っておるというふうな点が一つの進歩といいますか、私に言わせれば改善ではないか。その他具体的にいえばいろいろあろうと思いますけれども、一応私の頭にいますぐ浮かんできたのはそれでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それはテストの方法については、ただいま吉村参考人の言われたような、そういう変わった点が見られるわけでありますけれども、ただ、つまり調査をやってきた、そういうものが文教行政にどのように反映をしていくか、そういう立場で文部省はこれまで学力テストというのがきわめて有効なんだ。そして、このことが今回もまた二0%の抽出ということに方向が転換をされてきたわけでありますけれども、そういう中で、今回の学力調査においては中学校、小学校とも従来の調査で解明されなかった諸点に重点を置きたい、こういうふうに言っておられるわけでありますけれども、解明されなかった諸点というものが何であるか、そして、それをどのように御理解の上に、各学校長に対して実施すべきである、こういう御指導をなされたか、お尋ねしたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 私のほうの市だけについて申し上げますと、先ほど概括のときに申し上げましたけれども、三十七年と三十八年の両年は一応抽出だけは曲がりなりにもやって、三十八年はほとんどゼロに近い。昨年三十九年は全然指定校も希望校もやっていない。そういたしますと、過去の四回の調査というものが完全に一応行なわれたというのに五0%である。こういうことが過去の数字から言えるわけであります。したがいまして、私どもとしましてはそれなりに、市としては一生懸命やっておるつもりでありますが、やはり他府県なりあるいは他都市に比べましてどの程度まで達成しておるかということを知りたいというのが、いまいろいろ専門的なこまかな質問が出ておりますが、そういうものの前に、やはり父兄にしましても教育長としましても、関係者は思っておる。これは事実率直に認めなければならぬ、こう思っております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それでは根津参考人にお尋ねいたしたいのでありますが、ただいま吉村参考人にお尋ねしましたように、文部省は一応悉皆調査により得られる資料については調査の目的を達した、さらに今後、達成されなかった諸点に重点を置いてやるのだ、こういうように言っておられますが、文部省は各県の県教委に対しまして、その点をどのようにこれまで説明をしてこられたのか、お尋ねしたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 御承知のように私は委員長でございますので、事務的なこまかい点はよくわかりませんが、われわれの承知しておりますところでは、文部省は大体においてこの学力調査そのものの目的は達しておるのじゃないか。しかしながらまだ個別的な問題については調査をする必要がある、資料を提供する必要がある、こういうような文部省の御指導で県教育委員会に流れてまいりまして、それを市町村教委に流しておるというのが筋でございます。この内容につきまして、それじゃ調査の目的が達成されたかどうか、あるいは達成されていないかどうか、そういう点につきましては詳しくわかりません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次に、たくさんあと質問予定の方がございますので結論を急ぎたいと思いますが、昨年の本委員会におきます学力調査をめぐります質疑の際に、当時文部政務次官でありましたただいま委員長席におられます八木委員のほうからも、いろいろな弊害があったという点については率直にお認めになっておられるわけであります。そしてそのとき、四十年度における悉皆調査を変えていく、検討中だ、こういう答弁が当時の政務次官からあったわけでありますが、その点について、弊害があったのかどうか、この点をひとつ吉村参考人にお尋ねいたしたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 私の福岡市だけについて申し上げますと、弊害ということについて端的に指摘できることは、先ほど私が申しましたように、これによって学級担任の先生が自分の子供たちの学力水準をほんとうに正確に把握するということで、正常な姿でやるべきものが、教組の反対によって行なわれない。校長は管理職として、あるいは教頭もこれに従ってやるという点に、意見の相違というか食い違いによって起こる感情的なしこり、みぞ、こういうもの、これが後まで全然すきっとなっているということは言えない点が一つの大きな弊害だと思っております。  それから第二点として申し上げますと、これを父兄側から言わせますと、せっかく文部省が膨大な予算をかけて、しかも問題は日本の一流の先生方が慎重に、細心におつくりになった問題でござ  いますから、なぜこれをひとつやらしてみないか、こういうことに対する非常な不満といいますか——これは直接担当の先生には自分の子供を預けているからなかなか言わないが、教育委員会に対しては相当強く不満が出ておるということは、これははっきり言えると思います。それがいろいろ財政に及ぼしたとか行政に及ぼしたということはございませんけれども、気持ちの中の不満は相当あるということは言えると思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 先ほどの根津参考人あるいは吉村参考人の御答弁を通しましてうかがえますことは、文部省がこの学力調査について目的を達した、これから達していない点をやろう、そういった点については残念ながら県教委も地教委も、それらの点の明確な指導という点はないのじゃないか、こういうふうに受けとめられるわけであります。  そこで、次にお尋ねをいたしたいことは、文部省と県教委あるいは地教委の関係、これをどのようにお考えになっておられますか。まず吉村参考人にお尋ねしたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 文部省と県教委と地教委はどういう関係か、これは学力調査を通じて申し上げますと、先ほど申し上げました五十四条二項によって法律的な根拠がある。したがいまして文部省が指示をしたことについて、やはり県教委が動いていくべきだ、地教委も県教委の指示に対して動いていくべきだ、そのことを私どもも一応自分の信念としては最後まで通しましたが、最終的に県教委が報告を求めない、こういう最終判断をくだされたことについては、まあわれわれはそれに従って良心的に行動した、こう思っております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 吉村参考人に重ねてお伺いしたいのでありますが、文部省は指揮監督の官庁であるとお考えになっておられますか。つまり地方における教育行政の責任者であります地教委に対する指揮監督の官庁とお考えになっておられますか、どうでありますか。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 それは多少むずかしい御質問でございますが、新しい文部省設置法によりますと、これは指導助言ということが主体になっておるように存じております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それでは指揮監督の官庁ではない、こういうふうに吉村参考人もお受け取りになり、つまり法律の上に明示されております文部省設置法なり地方教育行政組織法の関係なり、それらの面からしますならば、指導助言の機関だ、こういうふうに受けとめていいと思うのでありますが、よろしゅうございますか。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 いまおっしゃいます限りにおいてはよろしいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 終わります。

八木徹雄自由民主党

○八木(徹)委員長代理 上村千一郎君。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 実はきょうは参考人の方にいろいろ御参考になる御意見を承るわけでございますので、議論にわたるような点は避けていきたいと思っております。また他にたくさん御質問をされる方もあるようだから、二重になってはかえって時間の浪費にもなると思いますので、できる限り要点だけをお尋ねをして、ひとつお教えを賜わりたい、こう思うわけであります。  まず第一に、根津委員長さんにお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、実は四十年度の学力調査の実施について、当初おやりになるというお心持ちであったのかどうか、またそれを現実には中止の通達をお出しになっておられるようですが、それは県教育委員会としては、どういう時点において決定をされたのか、その点についてまずお尋ねをいたしておきたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 四十年度、本年度の学力調査は、もちろん県教育委員会としましては実施をするという方針で貫いてまいりました。しかしながら先ほど総括の問題点のところでお話ししましたように、福岡県の特殊事情というような、つまり裁判の影響というようなものが起こってまいりましたし、もちろん県教育委員会としては実施をするというたてまえをとっておりますので、教組その他に対しましても、裁判所の判決はなるほど違法とか失当とかいうように出ておるけれども、これは文部省の解釈どおりに、そういうものは行政機構を拘束するものではないという文部省の見解をそのまま伝えまして、かなり説得に——実施に協力するように、教員組合とも根気強く交渉を続けてきたわけです。しかしいま申しますように、教員組合の側にはそういう裁判の——理屈はどうであろうと拘束しないとかいうようなことをいいましても、現実には福岡県の場合には二つの判決が出ておるというようなことで、なかなか納得が得られなかった。こういう面も一つございます。それから先ほども申しましたように、これまでの福岡県の実施の状況を経過的に見てまいりましてもおわかりになろうかと思うのですが、毎年毎年そういう混乱を繰り返しておるというようなことで、本年度の実施にあたりましては、市町村の教育委員会の意向、というものを十分に聞かなければならない、実施するのは、あるいは現実に混乱が起こるのは現場でありますから、その意向を十分聞く必要がある、こういうような見地から、十分手を尽くしまして、数回にわたりまして県教育委員会が市町村教育委員会あるいは教育長の方々に集まっていただいて、忌憚のない意見を聞いてまいりました。しかしながら市町村の教育委員会としましても、毎年、過去数年間にわたってこういう苦労をされているために、もう実のところ全く疲れ切っているというような実情なんであります。そこで市町村教育委員会と県教育委員会という、行政の円滑を将来もはかっていかなければならぬ、こういうような立場もございますので、市町村教育委員会の意見を十分に聞くということに、まず実施の準備段階ではっとめてまいったわけです。その結果としまして、市町村の教育委員会あるいは教育長あるいは校長会、そういう結集された意見は、どうしても正常な形でやってもらいたいのだ、校長だけで、教育の現場の混乱をおかしてまでやる必要があるのかどうか、こういうような意見が非常に強かったのであります。それでこちらといたしましては、県教育委員会としましては、何とか正常な形で——正常と申しますのは言うまでもありませんが、平素日常子供と一緒に勉強をしているそういう先生方の協力を得て、そして平常の姿で、あるいは静かな環境の中でほんとうにこの学力テストが実施できるような、そういう姿を正常な方法、こう言っておりますが、この正常な方法でやってもらいたい、こういう要望が非常に強かったわけであります。そこで、教員組合に対しましても何とか説得を続けてまいりたいと思いまして、ずいぶんわれわれとしましては実施する方向で努力を続けてまいりました。しかし、どうしても福岡県の特殊事情というようなものがおおいかぶさってまいりまして、なかなか説得力は弱まるばかりでございました。  そこで、その時期でございますが、どういう時期に中止というようなことを打ち出したか、こういう御質問でございますが、期日からいいますと、六月の十六、十七日が実施日でございますから、その前々日、十四日付で、実際には十五日に行なったわけでございますが、どうしても正常な方法で実施できなければ、混乱をおかしてまでこの学力テストを実施することは避けてもらいたい、こういうような行政指導を、教育長から市町村教育委員会に対していたしました。その結果でもありましょうし、またそういう行政指導を待たずに、それ以前にも福岡県下ほとんど全部の市町村教委が、どうしても正常な方法によらない限りは実施できない、それが困難であるとするならば、もうわれわれのほうでは実施を取りやめざるを得ない、こういうように市町村教委から県教委に対して中止を決定した、議決をしたというような報告が、十五日から十六日の朝にかけまして、実施当日の朝にかけまして次から次へ報告されてまいりました。結局、結果的に見ますと、福岡市教育委員会だけがあくまでも強行実施をする、こういう態度で進まれたようでございます。それも十六日の実施当日の朝方になってようやく市教委との連絡がとれまして、そういう実情がわかったわけでございます。それまでは連絡がとれなかったわけでございます。その時限におきまして、つまり十六日、実施当日の朝七時三十何分に至りまして、どうも福岡市だけは強行実施するようであるし、現場からのいろいろな情報なんかも入ってまいりまして、混乱が予想される。——ここで、こんなことは別に申し添える必要はないかと思いますけれども、福岡市の教育長さんから、警察力の導入はしなかった、こういう御意見がございました。私たちのほうも、警察力が導入されたからというような、そんな実態を見て中止を申し入れたわけではございません。かねがね市教委の責任者が責任ある場所あるいは公の場所で、ことしは警察力を導入してでも実施するんだ、こういうような表現で言明されておりましたので、これはたいへんなことだというので申し上げているわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 ちょっと途中でございますが、いま失礼になってはいかぬと思ってあれしていたのですが、質問は十分あてに制限されているのですが、いま非常に時間がかかっておる。だから私がお尋ねしたことだけにお答えしていただきますれば、順次やります。いまお尋ねしていないのに非常にたくさんおっしゃっておる。普通のときならばたくさんお聞きするのもけっこうだと思いますし、前に申し上げようと思いましたけれども、せっかくお見えになられて、失礼なことがあってはいかぬと思うから言わぬでいたのですが、まだ大ぜい御質問されますから、質問されたことにつきまして、簡明にひとつお答えくだされば幸いだと思うのです。  そうすると県教委としては、文部省のほうの通達によって、四十年度の福岡県下における労力調査は実施するという方針であった。またその旨各地教委のほうへ通達を出したわけなんだけれども、福岡県の特殊事情もあり、またできる限り地教委の方々との間の円満なお話し合いによって、混乱を招かないようにやるという方針のために、時間は延びたけれども大体中止をすることにしたんだ、こういう経過になるわけですね。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 そういうことであります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 それでこれはあとから文部省のほうで、福岡県の教育委員会のほうへ、当時の小林次官名でいわゆる書面が出されたり、あるいは文部大臣の談話が出たりというようなことが出ておりまするので、それに対するお考えをお尋ねするのですが、福岡県の教育委員会として中止をすると  いうようなことになったのは、これは実は福岡県下の特殊事情だ。文部省の方針としては、それはもうそのとおり、そういうふうに是認しておればこそ通達も出されておるというわけでしょうから、その特殊事情という問題につきましては、福岡地方裁判所の小倉支部の判決並びに福岡高裁の判決があった。もう一つ従来の福岡県下におきまするところの他の団体などのいろいろな事情ということも特殊事情に入るかどうか、その団体というのは県教組を言うのかどうか、簡単でよろしゅうございますが、お尋ねしておきたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 特殊事情と申しますのは、先ほど申し上げましたような裁判の影響というものが一番大きな特殊事情でございます。  それから県教職員組合との話し合いがうまくいかなかったというようなことも、もちろんそれに関連して起こってきている特殊事情と言えます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 判決の問題につきましては、これは先ほど根津参考人もおっしゃっておられましたが、この判決が行政機構を直ちに拘束するというふうにも考えられないけれどもというお話もある。これは法律関係でございましょう。  なお裁判という問題ですね。判決というものは、学力調査の判決につきましては、なるほど福岡の地裁の小倉支部の判決と、それから福岡高裁の判決、これは学力調査について、あるいは違法だとか不当だという一つの判断をされておる。けれども、高知の地方裁判所の判決あるいは高松の高裁の判決、あるいは山形の地裁の判決、お隣の熊本の地裁の判決などは、これまた逆の見解でございまして、文部省の見解と同一の見解をされておる。  これは多少専門的になるわけでございますので、こうお考えになったかどうかということをお尋ねするわけですが、裁判は、日本の裁判は、一つの具体的な問題について裁判所が判断するのであって、だから別な事件が起きますれば、福岡の地裁の小倉支部で別な判断をされたって、これは違法でも何でもない。福岡の裁判所で、本件と全然別な事件がきましても、他に別な判断をしましても、何ら違法でも不当でもない。日本はそういう裁判組織になっておる。それから、最高裁の判断のみが日本全体の下級裁判所の法的判断を拘束する力があるのであって、同じ裁判所におきましても、別個な事件につきましては全然拘束力を持ってない。まして福岡の裁判所以外の、お隣の裁判所あるいは多数の他の裁判所も別な判断、要するに文部省の判断を支持されておる。なお、福岡の県教育委員会としては、文部省の見解を是なりとして四十年度の学力調査を施行しようと御決意をされておる。こういう意味からいたしますれば、いまのような法的判断のもとに、その福岡の特殊事情とされておるところの福岡小倉支部の判決なり福岡高裁の判決などについて、判決というものはこういうものだというような御説得をされた努力があるかないか、この点をお尋ねをしておきたい。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 もちろん行政の執行でございますから、教員組合に対しましても、文部省の見解をもとにしまして、行政を拘束しないというふうには説明を十分してまいりました。しかし、福岡県の場合には、この地元に起こった問題で、それに対する判決が二つ出ている。こういうような……

上村千一郎自由民主党

○上村委員 私の申し上げているのはへ勧告をしているかどうか。先ほど申し上げたように、結論だけ申されればけっこうです。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 ですから、裁判の判決というものは、実際にそういう影響力があった、こういうことで、判決をそのままわれわれが認めているということではございません。そういう実情が影響してきた、こういうことであります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 実はなぜ参考人にそのことを申し上げるかといいますと、この前の当文教委員会におきまして、文部省から正式に派遣されました調査団の報告を求めた際に、実はこの裁判の判決という問題が、この実施、不実施という問題につきまして、さして影響がなかったというような報告をされておりますから、申し上げるわけです。  私のいま言うのは、いま言ったような裁判について福岡の県教育委員会が、福岡の県下の地方教育委員会にそういう趣旨のいわば説得と申しますか、あるいは理解を求めるとかいう努力をされたかどうかというだけの点をお尋ねしておるわけであります。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 それは十分してまいりました。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 それから、実は文部省から今回の福岡県一斉の学力調査中止の件につきまして調査団が派遣されたその報告などを聴取いたしておるわけでございます。先ほどの他の参考人の方々からのお話をも総合いたすわけでございまするが、要するに、県教組その他——おもに県教組の方々の圧力と申しましょうか、そういうものも今回の中止の特殊事情に入っておるのかどうか。  そして福岡県の県教組の場合において、調査団の報告によりますと、ある市の教育委員の上申した教育人事について、県教育委員の責任者がしばしば県教組の代表者と同席の上で市教育委員に指導を与えたり、一たん市教育委員に対して同意を与え、市教育委員会が辞令を交付した人事について、組合の反対運動のあることを理由にして、同意を保留する旨の通告をしたり、そのための定員配当を取り消すことを県教育委員会が県教組に約束をしたりした。そのことを委員長は承知しておるのかどうか。  第三の点としまして、同じく調査団の報告によりましても、県教育委員会は本年三月末文部省から送付した各学校用の道徳の指導資料を、六月弁口になって地方教育委員会に配付依頼の通達を発したが、その直後に県教組との関係を顧慮して、その学校への配付を見合わせるよう電話でもって指示を与えた。六月二十五日現在なお地方教育委員会に保管されたままであると述べられております。委員長はその点を承知しておるかどうか。  このことは、要するに福岡県の学力調査というものの中止の特殊事情というものに、県教組との間の不正常な関係、こういうような点も入るのかどうかというような点を知りたいという意味でお尋ねをするわけでございます。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 お答えします。  第一点は、教組の圧力に屈したというような文部省の報告が妥当かどうか、こういうようなお尋ねでございます。  実は、文部省の調査団がおいでになったときにも、われわれは十分その点を申し上げておりまして、福岡県の置かれております学力テスト実施についての苦労といいますか、県教委ばかりではありません。地教委がほんとうに毎年毎年苦労して疲れ切っておる。こういう実情を十分理解してもらいたい。こういうふうに要求したのでありますけれども、ついにそれは一方的な見解にとどまってまことに残念だと思っております。その中でも教組の圧力に屈した、こういうようなきめつけ方に対しまして、いまも御質問のようにこれは断じて教組の圧力に屈したものではございません。福岡県の、これも特殊事情で、ございますけれども、長年やはり円滑に教育行政を進めるためにどうしても教組と話し合いをしたほうがいい、こういうような関係が続いておりますので話し合いはしております。   〔八木(徹)委員長代理退席、委員長着席〕 話し合いはしておりますが、最終的には教組の圧力に屈するとか、思うとおりになったとかそういう事実はございません。  それから第二点、人事の問題につきましては、これはおそらく飯塚市の問題ではないかというふうに思うのでありますが、この問題についてはもちろん事務局で配慮して、できるだけこれまた教育の現場に混乱が起こらないように円滑にするために話し合いをした、結果としましては円満に地教委の内申どおりに解決をした、こういう報告を受けております。  それから指導資料の配付の問題につきましてはよく詳しくは存じておりません。これもやはり事務的に流しております。そして結果だけはわれわれ報告を受けております。これはもう現場に到達しているということを確認いたしております。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 実はただいま吉村教育長からの意見と陳述があった。これはこの場で出ておりまするから、お尋ねをせずにそのままお聞きになっておったことを前提として根津委員長にお尋ねするのですが、いま吉村教育長さんがおっしゃったようなことは、これは文部省の調査団の報告書と一致をいたしているわけでございます。それで少なくとも福岡市の教育委員会のほうで四十年度の学力テストをやるのだ、また根津参考人の御意見を承っても、その実施の当日に中止ということの話がまとまったようなお話であるわけです。もし福岡の県教育委員会として文部省の意向どおりやるという御意思であり、また御努力をされているとするならば、いま福岡市の教育委員会が、また福岡市の教育関係として混乱を生じない実情にある際ならば、少なくとも福岡市の学力テストくらいはおしろ進んでやらせるというような御決意がなかったのかどうか、あるいは繰り返せば、福岡県の県教育委員会は調査団の報告のごとく、むしろこの責任はあげて県教育委員会にありというような判断が感じられる。何とならば、もっと強く説得力、その趣旨を徹底されるということが必要ではなかろうかというような意味でお尋ねをするわけでございます。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 県教育委員会が最終的に福岡市の教育委員会のみに中止を決定した、こういう事実でございますが、それは全くもって現場に混乱が起こるという予想をいたしましてそれを判断の資料にいたしました。さらに福岡市だけが、しかも混乱の中で不正常な形で行なわれるといたしましても、学力テストが十分に達成されない、こういうことで、やはり価値判断というものも判断の材料にいたしました。これが十分に正常な形で実施されるということでありますならば、実施した効果も上がるでありましょうが、そういう形で、しかも混乱までおかして、今度も生徒を前にして混乱が起こる。その後も四年、五年という裁判の問題がつきまとってくる、こういうようなことを考えますと、混乱はさらに広がっていくのではないか、こういうようなことで全く純粋な教育的な配慮で決断をした、こういうことであります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 吉村参考人にお尋ねしたいと思います。この点はあなたは先ほどの御報告として、混乱はしないというふうにずっと説明になっておる、根津参考人は混乱するというふうに御判断をされておる。これは意見ではなくて事実の報告でございますので、あらためてお尋ねをしておきたいと思います。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 福岡市の教育委員会といたしましては、十五日の深夜におきまして県のほうからお尋ねがありまして、いわゆる補助員を使ったり教職員以外の調査は好ましくない、現場に混乱が起こる見込みがあればそういう混乱を起こしてまで実施することはというこの二点でございまして、私どもはこの点について十分慎重に考えまして、県教委に直ちにそのことの真意を確かめたわけであります。これは五月二十九日の実施の指示を否定される意味の通達でございますか。いやそうではない、いわゆる二十九日の通達に伴う指示でございますということであった。私どもはなお慎重を要すると思いましたので非常に時間はかかりましたが、文部省にこのことの解釈をお尋ねしましたら、先ほど私が申し上げましたように、補助員を使ってもこれが正式に任命されておる補助員ならば学力調査の価値には関係ない、こういう御回答をいただきましたのでやったわけでございますが、混乱については、もう少し率直に申し上げますと、県のほうで非常に御心配いただいた点は私どももありがたいと思います。現場に混乱を起こすことは決して好ましいことではありません。ただ私どもがつかみました情報では、市の教組が約四百人動員する。私ども実施校が小学校が十二校と中学は九校であります。二十一校に四百人を深夜にかけて動員をして、それぞれ校長や教頭に強力な説得をしたという事実はつかんでおりますが、良識ある先生方でありますから、いよいよ実施をしだした時点において他労組の介入がなければ、先ほど申しますように校長さんと教頭さんがやるということでおやりになるのを一応はとめるけれども、その現場にまで入り込んでどうこうということは考えていないやに幹部の意見もちらちら聞きましたので、これは私はやれば実施できる。  それから小学校は、決して正常ではございませんけれども、講堂がございますので、講堂に前の日に机を運び、その他の措置をいたしまして、校長が教頭を使ってやり、その間の連絡を補助員がやるということでできる。中学校の場合は必ずしもそうはまいりません。これは教室が分散しておりますから、あるいは連絡が不十分であると、その間における行き違いがあって、多少トラブルが起こるのじゃないか。しかしこのトラブルが起こった場合には、学校の校長が現場の状況を見て、あなた方の判断によって教育長に直ちに報告してほしい、生徒の前に見せたくないような混乱を起こしてまで私はやりなさいということは考えていなかった。その状況を判断した上で、やむを得ないということになれば、教育長としてもやむを得ず中止を命ずるかもしれないが、まず状況判断は校長が一番よく知っているから、校長さん方の御意見は十分私どもは考えますということで、少なくとも小学校のほうでは県で御心配なさったような事態は起こらないということで、教育委員会としては実施を決意しておったわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 一点だけ最後に根津委員長にお尋ねをしまして私の質問を終わりたいと思います。  実はきわめて重大な問題であろうというふうに考えて、お忙しい中を参考人としてお出ましを賜わったということになるわけであります。先ほど私は県教組のいわゆる人事権介入の問題につきまして、文部省の正式調査の結果をあげましてお尋ねしたわけでございます。そうしますと、その問題は、文部省の報告は違うというふうに御判断をされておるのか、その点を最後にお伺いしておきたい。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 先ほども申し上げましたように、どうも文部省の御理解が足りないのではないか、こういうふうに考えております。したがって、人事権の問題は、県教育委員会としましては、これはもう断じて他の影響を受けるというようなことはございません。その点は御心配ないように……。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 それではちょっと関連をして。先ほど申し上げました人事介入の事実はあったのかなかったのか。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 経過的には申しましたようにあって、その結果の報告を受けて、円満解決したのだ、こういう確認をしております。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 私が申し上げたのは、もう一度申し上げますと、こういうことなんです。「ある市教委の上申した教員人臓において県教委の責任者がしばしば県教組の代表者と同席の上で市教委に指導を与えたり一旦市教委に対して同意を与え、市教委が辞令を交付した人事について組合の反対運動のあることを理由にして同意を保留する旨通告し、そのための定員配当を取り消すことを県教委が県教組に約束したりしている」、こういう事実を明白に指示しておりますから、結論的には、こういう事実があったけれども、しかしながら私のほうの人事については御心配なく、少しも影響を受けておりません、こういう意味なのか、こういう事実そのものがなかったのか、この点だけを明白にしておきたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 いま申し上げましたように、経過的なそういうこまかいことは教育長の事務局でやっておりますので詳しいことはわかりませんが、結果の報告を受けておりまして、それは、なるほど人事問題について組合と話し合いというような場もあったけれども、結果的には内申どおりに円満解決して教員を配置しておる、こういう結果を私は承知しております。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 教育長がよく知っておるわけで詳細なことは委員長として御存じになっていない、結果の報告だ、こういうふうに理解をいたしておいていいわけですか。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 そのとおりでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 以上をもって私の質問を終えたいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 お三人の最初の御意見をお聞きしたり御答弁をお聞きして、学力テストに対するいろいろなお考えがあるにしても、真剣に教育行政を守るために努力されておることに非常に敬意を表したいと思うのです。私ば県の教育長を七年経験しておるものですから、困難な教育行政に努力しておられる三人の先生方にまず敬意を表したいと思います。  私のお聞きしたいのは、こういう地方の教育行政機関が独立の機関として設定をされておる日本の教育行政組織そのものを守っていきたいという立場で、重大な問題であると思うのでお聞きしておるわけであります。というのは、いろいろの御事情によって苦心惨たんをし、実施するしないにかかわらず皆さんが教育的におやりになったことについて、普通ほとんどしてはならない、予想されないような勧告を軽率に出されておるという行き方の中に、地方分権制というものを主として戦後発足をした日本の教育行政組織が、いわゆる中央集権的なものに逆戻りするということがあってはならない、これを心配をしてお聞きいたす次第であります。  それでこの勧告の内容について、まず県の関係においては根津先生、それから市町村関係においては小田、吉村両先生からそれぞれお答え願いたいと思います。この勧告といいますか、私に対しては大臣は勧告と言わないで要望と言っておりましたが、その一を見ますと、「純粋に教育的な配慮という名のもとに、調査の全面的中止の方向に行政指導を行ない、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十四条第二項に違反した。」こういう結論を出しております。私は非常に奇異に感ずるので、純粋に教育的に配慮なされたということを、立場は違ってもお三人の方が最初に意見を述べられたのでありますが、文部省のほうでは「名のもとに、」したがってそうでないという表現のしかたをしておる、これについて御意見をお聞きしたい。  それから、五十四条第二項に違反したと「違反」と書いております。これは、先ほど、福岡に関する限りについては違反でないという判決が、刑事裁判においても出ておる、し、さらに、他の県においては地方裁判所の判決であるが、福岡に関しては高等裁判所の判決が、唯一の判決が出ておるわけです。そういう事実を考えて、文部大臣がしかも就任早々「違反した。」と断言をするような書き方をしておるのは私は非常に奇異に感ずる。法治主義を主張する文部大臣らしくもないと思うのですが、この点について率直に御意見をお聞きしておきたいと思うのです。まず根津先生からお聞きいたしたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 第一の教育的配慮の問題でございますが、福岡市の教育委員会に対して中止を通達した、こういう点に関連してでございますが、県教育委員会としましては、福岡市が不正常な形で強硬実施するということになりますと、これは現場の混乱が起こるにきまっておる、そういう判断のもとで、混乱を防ぐために教育的に配慮をした、こういうことでございます。その混乱の問題で、ございますが、現場で先生方が反対をしまして、そしてそういう反対の立場で反対をするという、それに対して強硬実施をするという、まあ物理的な混乱、こういう面ももちろんございましょう。しかしそれだけではございません。児童生徒の前で、そういう教育的でないいろいろな動きが起こってくる、生徒はそれを見ているんだ、その中で強硬実施されても教育的な効果はあがらないであろうというような判断も混乱の一つでございます。あるいはまた先ほど申しましたような裁判の影響あるいは裁判の長年にわたって続くその間の教育界の混乱、先生と児童あるいは父兄あるいは教育行政機関、そういうものの中で起こってまいりますいろいろな不信感や非教育的な動きや摩擦や、そういうものも考えまして、これをやらなければ、福岡市だけが実施しなければ重大な損失が起こる、あるいは学力テストそのものが非常に重大な価値を持っておるんだということであるならば、あるいは少々の混乱はのけてもやらなければならないというような判断ができるでしょうが、その点、福岡市教育委員会、福岡市内の学校だけが不正常なそういう形で混乱をおかしてまでやる、その結果として出てまいりますものは、価値の薄い結果報告しか出てこないであろう、そういうことも踏まえまして、これはやはり教育的に配慮すべきである、いろいろな意味でのいろいろな混乱や摩擦や、そういうものを避けるために、どうしても教育的な見地から配慮をする必要があるというような判断に立ちまして行政指導もし、結果として中止になった、こういうことでございます。  それからそれに関連しまして五十四条二項に違反したかどうか、これは文部省の調査団がおいでになったときにも、われわれは、こんな、五十四条二項に違反した罪を犯したというような、何かそういう重大な気持ちはない、それは文部省から報告を求められて報告することができなかったことについてはまことに残念であるけれども、法に違反したというような、そんな気持ちはございませんということをお答えしておきましたが、いまも、お答えとしまして、違反したというような考えは持っておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 市の教育長さんも、御意見があればお聞きしておきたいと思います。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 北九州市の教育長としては別につけ加えることはありませんが、北九州市としましては純粋に教育的な配慮をいたしまして中止のやむなきに至ったということのほかに、御承知のように北九州市は五市が対等合併しました。そういう中で教育行政全般にいろいろな難問題を持っております。そういう中で人事の問題あるいは教員の待遇の問題なんかにつきましてもいろいろな問題がありながら行政的にはある筋を通してやっておりますので、学力調査で混乱を起こすことが全般の教育行政にも響いていくという配慮もいたした事情が一つございます。  なおあとの件につきましては、学力調査そのものにつきまして二つの考え方がございまして、そういう中でも教育委員会としては文部省の調査報告を求められたことに対し、県を通してきておるものに対しましてはやらなければならないという姿勢は持っておりますが、先ほど申しましたような事情でやむを得ず中止をいたしまして、遺憾に存じておるわけであります。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 私のこの問題についての意見は先ほどいろいろ申し上げておりますので……。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 次に、この文部省の意見の、その次の2の根本の原因というところを見ますと「重要な教育行政事務の遂行について主体性を喪失しており、」県の教育委員会は主体性を喪失して、今回の学力調査の不実施はその一つのあらわれにすぎないと書いてあります。私の経験から言うと、こういう主体性を喪失してとかってに書くことは、ふんまんにたえない。しかしこれは意見は述べません。  そこで現実に御苦心をなさっておられる県の根津委員長さんの率直な御意見をお聞きしたい。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 この主体性を失ったという、何かおしかりみたいなことなんですが、実は県教育委員会が地方教育行政につきましては責任を持っております。その責任で教育行政事務を遂行しておりますわけですが、ここに言われておる「県教職員組合との特異な関係に拘束され」というような誤解があると思います。これは誤解であろう、こういうふうにわれわれは考えておりまして、教職員組合と福岡県の場合には特にこれはいろいろな問題で、教育をよくする、あるいは教育の前進のため、改善のために、むしろ現場の先生方なんですから、その先生方の組合といろいろな意味で話し合いをする、そして円滑に円満に問題が解決されればよろしい、しかしどうしても人事の問題とかそういう問題で意見が一致しないというようなときには、もちろんこの人事権の問題につきましては主体性を確立するために努力もいたしておりますし、この点は明確に主体性を持っているということが言えると思います。断言できると思います。それから学力調査不実施はその一つのあらわれにすぎない、こういうようなことは、これまたその前段からの誤解のあらわれであろう、こういうふうにわれわれは考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 重複する点は省略をいたしまして、次に第三のところでありますが、ここには「県教育委員会が市町村教育委員会のいっさいの必要な措置を不可能とするような行政指導を行なった」。そしてやむなく県下の市町村教育委員会が断念をした。こういう文書を書いておるわけです。これは私の常識では県の教育委員会と市町村の教育委員会の運営の実際、全国的に私の体験からいうと、こんなことばあり得ないので、どうしてもわからないのです。  そこで福岡の実際の場合を、ひとつ県の教育委員会のほうと、市のほうと両方から率直にこれについてのお答えを願いたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 行政指導の問題でございますが、一番初めに私が申し上げましたように、市町村教育委員会の意見を聞かなければ、市町村教育委員会が実際の実施に当たるのであるから、その実施者のほんとうの気持ちというものを聞いてかからなければならない、こういうことで、ことしは特にその準備段階で、周到に市町村教育委員会の意見を十分徴取いたしました。その結果としてどうしても毎年毎年こういう混乱を起こされちゃ困る。ですから市町村教育委員会としては、正常な形で実施ができるように、県の段階であくまでもそういう姿でできるように努力してもらいたい。こういうような意見が最初から強かったわけでございますから、これをいれまして、むしろ市町村教育委員会の意見を十分尊重して、その結果正常な方法でどうもできない。強行すれば混乱が起こり得る。こういうようなことで市町村自身がそういう完全実施は不可能であるというような御意見、要望が非常に強かったわけでございます。これは資料もございます。お入り用ならございますが、市町村教育委員長会あるいは教育長会議で決議された要望書というものがございます。そういう要望をもとにいたしまして、行政指導というものを行なっていった、こういうことでございます。その行政指導は御承知のように正常な方法でやるべきである。現場の混乱をおかしてまで強行すべきではない、そういう意見であります。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 一切の必要な措置を不可能にするというようなそういう行政指導、私は北九州市としてはそのようには受け取っておりませんので、北九州市としましては、先ほど申しましたような事情で、どうしてもやれない事情がございまして、やむなく自主的な判断で中止に踏み切ったのでございます。  しかし一言つけ加えますと、実施前の十六市の教育長、教育委員会の意向あるいは郡市の意向というものと、それから調査が、その時期を過ぎまして調査団が見えるようになった。そういう段階における各十六市、郡市の地教委の気持ちの中には微妙な変化があって、あるいは調査団に対しましてはこのような判断をされるような資料を与えたかというふうに判断いたしております。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 この問題につきましては、具体的に申し上げますと、校長、教頭だけでやる、あるいは補助員を使ってやるということはなるべく避けてほしい。それから混乱が起こるなら強行しないようにということでございますが、それにつきまして、私は先ほど申しましたように、これは五月二十九日の通達を否定されることでございますかと聞きますと、そうではない、これに伴う注意事項だということでございますから、一切の措置をみな不可能にした、こういうようには私ども理解をいたしておりません。  ただし、一応常識的に考えまして、先生がしなければ管理職である校長あるいは教頭が教育委員会命令によって実施せざるを得ない、こういう道が残されておる。あるいはそれで人手が足りなければ補助員というような形で使わなければならないということは好ましくないということであれば、結局そういうことをしなくてもできる地教委はおやりなさい、それが非常に強行して、無理が起こるところはこれはやむを得ぬ、こういうふうに理解されるわけでございまして、やはり福岡県も相当広範囲にわたっておりますから、県全体からごらんになれば、そうむやみに抵抗の激しくないという地域も実はあるわけでございまして、そういうこともお含みになっての指示じゃないか。私ども福岡市として申し上げたいことは、一切の指導一切の措置ができないようにやられた、こういうふうには理解していないわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 文部省の文書はずいぶん独断が入っているようで、お三人の方々のことばで、大体私の想像しているような事実が明らかになりました。  次に5のところに、さらに市町村にも関係しているのですが、市町村教育委員会は、「県教育委員会の確固とした態度を期待するとともに、各種の困難を排除しても、これを実施することが、行政秩序の確立のため必要であると考えている者が多い。」と書いてあるのです。実施はやりたいけれども、困難は避けたいというお考えがみんなに多かったのではないかと前々から皆さんのお話で聞いたのですが、困難を全部排除してやれという考えが県下の市町村教育委員会で多数であるというような事実認識をしているのですが、これについてはいかがですか。これもお三方からお聞きしておきたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 各種の困難を排除してもこれを実施することがいい、必要であると考えている者が多いという点でございますが、これは先ほど来申しておりますように、市町村教育委員会は正常な方法以外では実施がむずかしいのだ、やり切れないのだ、こういうような要望、決議があったわけでございますし、そうしてその結果として行政指導というような前項の問題が出てきたわけなんですから、どうでもやれ、どんな強硬手段を講じてもやれというような意見を持たれている市町村教委というものはほんのわずかではないかあるいは福岡市だけではなかったか、こういう判断をしております。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 各種の困難を排除してもこれを実施することを強く希望しておったのは、これは少し県の委員長さんと判断が違いますけれども、福岡市ほか二、三あったと思います。また反対に実施はしたいけれども、しなければならぬと思っておるけれども、非常に困難があるからというので、北九州市もそちらのほうに入りますが、そういう市もまたあったと思いますし、そのどちらにもはっきりしたかたまりがない。残念なことですけれども、全県下の様子を見てという非常にひより見的な地教委もあったかと思いますが、先ほど申しましたように、調査以前の県教委と地教委の話し合いの段階と、文部省が調査においでになった段階との間では事情の変化が起こっておるというふうに考えております。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 私ども福岡市におきましては、多少の困難があってもぜひやるべきだという考え方は初めから終始一貫いたしております。ただし、その困難というのは現場の大混乱、こういう意味ではございませんので、その点は御了解願いたいと思います。ほかに私と同じような考えを持った教育長は相当数おります。それは半分になるか三分の一になるかという的確な数字はここでは申し上げられませんが、相当数おることは事実でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ここに「多い。」という断定を下しておるものですから……。いま小田さんが言われたように、文部省が行くと権威が高いから、そのときにはちょっと質問に対する答えのニュアンスが変わるので、あるいはそういう作文をしたかもしれませんけれども、いずれにしても大体わかりました。  そこで最後に、報告してほしいという事項の中に、「記」として載っておるのですが、その中で私が一番気にかかり、私の体験上遺憾に思うのは、(2)の「教職員人事の管理等について」である。これは県の教職員の任命権者は厳然として県の教育委員会であり、内申権は市町村教育委員会にある。これは固有の最も厳粛なる権利なので、それに対して文部大臣が運営その他についてあるいは要望することはあると思うが、人事についてまでかれこれつべこべ言うということについては、これは地方教育委員会制度を廃止するならいい。存在を認める限りにおいては、厳然たる任命権者である教育委員会に要望するのはけしからぬと私は実は思っておるのです。任命権者でないから文部大臣は日教組と中央交渉もしないという最高の理論を出しておる。私は遺憾千万なことだと思っているので、それをお聞きしたいと思うのです。この点についてば、何か校長及び市町村教育委員会の意見を尊重して事務処理を行なうことができるように、教職員の人事その他については改善措置を講ずることと、命令みたいなことを書いておるのですが、少なくとも人事権については他からの介入を許さないという中に、私は現場の先生の意見は、教育ですから聞かなければならぬと思うんだが、少なくとも他の団体、他の官庁からかれこれ言われるということについて何らかの自主的な御意見をお述べにならなければ、これはどうにもならないんじゃないかと思うので、その点表明できる範囲内において、個人的意見が入ってもけっこうですから、お聞きしておきたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 御承知のように、これは適当な措置をするなり態度を決定して報告せよ、こういうことでございまして、実ばまだ教育委員会としましては固まったこれに対する回答はいたしておりませんし、したがって具体的にこの内容についてとやかくいま私から申し上げる段階ではございません。しかしいま個人的な意見を許していただくならば、先ほど来何回となく申し上げておりますように、何か教育委員会と教職員組合との関係につきまして非常に大きな誤解があって、その誤解の上に立っていろいろな問題をその方向に持っていかれているんじゃないかというような無理解さといいますか、われわれが文部省の調査団に期待しておりましたそういう理解をほとんどしていただいていないという点につきましては、非常に不満に思っております。そして、教育委員会と教職員組合との関係につきましては、なるほど福岡県は他府県以上にいろいろな問題を話し合う範囲が広いとかいうことはございます。しかしながら、人事権につきましては確固として強い態度を持っておりまして、断じて教職員組合の思うとおりにはなっておりません。そういう点は明確に申し上げることができます。  学力テストの問題につきまして、今後いろいろと体制を確立しというようなことがいわれておりますが、この問題につきましても、先ほど申しましたように、学力テストそのものについてのいろいろな疑問の点が出てきておりますし、実施が非常にやりにくくなっているという面もございますので、五十四条二項で今後もおやりになるなら何とか考え直してもらわなくてはならぬ、学力調査そのものについての問題について、ここで当局の再検討を願わざるを得ない、こういうふうに私は考えております。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 この問題につきましては、県の委員長さんと多少見解は違いますが、学力調査が済みましてから、十六市の教育長が一応集まりましていろいろ反省をしたわけであります。その中で、調査が実施不能におちいったということについて、地教委の責任ということもみなそれぞれの立場において深刻に反省し、経過をそれぞれ率直に申し述べて、それぞれの参考意見として勉強さしていただいたわけであります。そのことといま問題になっている人事権の問題については、地教委の教育長みずからが姿勢を正さなければいかぬじゃないか、同時に、県に対しても強くこのことを申し入れをしようということに最終的には皆さんの意見が一致したようでございます。学力調査そのことよりも、そういうことについて一、二の例があるならば、これは重大な問題であるから、われわれ自身も十分姿勢を正す、同時に、県に対しても強くお願いしょうというような結論に相なっております。今後とも十分このことについては戒慎をしていきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 実際の人事の運営そのものについては、各県ごとに特質があり、いろいろ組合から基本方針については意見を聞く県もあります。また人事の中で、僻地に先生を出すという場合には、生活を守るために意見を聞いてやる、そういう意味の交渉は大体やっておるし、当然やるべきだと私は思っておるのですが、いずれにしても、任命権者であるところの地方教育委員会に人事権について内政干渉するような勧告を文部大臣がすることは軽率きわまると私は思っておるのです。ほかの事務運営はいい。教育長さん同士がお互いに反省して、今度はどうするかということを真摯にお考えになる、過去のあり方について反省して、未来のことを考える、それはいいのです。非常に敬意を表しますが、外部の文部大臣が人事権のことに関してまで勧告、措置要求をするのは、私は現在の大部省設置法の精神からいえばまことに不当だと思うので、実はお聞きをしたのです。  最後に、この勧告の中に、「今回の道徳資料の配布にみられるように、」と例をあげまして、「県教職員組合が反対の意向を有しているからという理由で、」配付を差しとめたということを例にとって、「行政事務のびん乱」ということばで非難をしておる。この点について、私は意見があるけれども申し上げませんが、こういう例をあげて出しておることについて、これは県の教育委員会のほうですから、委員長さんからお聞きしておきたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 道徳資料の配付の問題は事務的な問題でございまして、したがって、事務局で文部省から流れてきたものを市町村教委に流す、こういうことをやっていると思います。しかし、われわれ委員会としましては、その結果どうなっているかというような報告は受けますが、この資料配付の場合、日付はいまちょっと忘れましたが、とにかく結果的には、結末としてはすでにもう市町村教委にわたっておるということだけをわれわれ確認しております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ああいう資料配付は、文部省が命令するのではなくして、個々の先生に、あれを個人修養にやるんだということでつくったのであるから、ぜひ御迷惑だけれども御配付の労をとっていただきたいという性格のものなんです。それをこういう勧告の中に、配付しなかったからけしからぬ、行政紊乱だと書いておる文部省の調査局長、これに大臣が判こを押しているなら非常識で、まことに遺憾だと思うので言っておいたのです。  大体皆さんのことをおきいたしました。お聞きいたしますと、委員長が、こういう勧告が出たために一部の無理解な者が夜中あるいはその他に、脅迫をするような電話が入ったり電報が入ったりして、奥さんがノイローゼになられておるという。まことに申しわけないと思っておるのでありますが、こういうふうなことについて、私は文部省設置法の原則は、これは戦前と違って助言指導の官庁であって、指揮命令権はないという明確な立場で発足をして、そのために地方教育委員会制度ができて、地方の実情に即する、いわゆる自主的な教育行政をやるという制度ができた。そこから出発をしてきている趣旨からいって、勧告なんていうものはよほどのときしか出してはならないということを考えておったところ、こういうものが出たので私は遺憾に思い、お聞きしたわけでありますが、どうか地方の教育行政当局の皆さんは自主性をお持ちになって、内部のことは内部で処理するから、外部から言ってきたときは、中央権力というような中において、き然と地方の教育行政の自主性を守るという立場は法制上お持ち願わなければならぬのではないか。そういうのでないと、日本の戦後の教育行政組織そのものの趣旨が没却されるので、今後とも御奮闘願いたいと思いますが、私の感じでは、勧告はまことに不当な、誇張の多いものであるので、遺憾に思うことが明らかになったように思うのであります。  私の質問はこれで終わります。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 参考人の方がせっかくおいでいただいておりますので、私は三点ほどお伺いいたしたいと思います。  その一つは、文部省の今回の勧告というものが、いま山中さんもるる指摘いたしましたように、地方教委に対するところの一つの圧力になってきておる、この把握のしかたは、行政の府においても立法の府においても十分いまつかまえておかなければならない問題点だと思うわけです。文部省の言い分では、教組の圧力に屈した、こういう言い方でしたけれども、私はいまのお話を聞いておりまして、十分そうしたものに屈することなく配慮されておるということに非常に敬意を表したわけでありますが、反対にこういうことをやられることに対して、地方教委としては圧力とお考えになるかどうか、この点をひとつお聞きしておきたいと思うのです。圧力がある、ない、あるいはやり方が穏やかであるか激越であるか、いわゆるテストの実施のしかたですが、そのことはいろいろ今後論議があろうと思いますが、その中で皆さん方がお考えいただきますことは、地方教委としてこの学力テストというものがどんな効果があるか。これは中央においても十分検討しております。いまやかましく言って、その点を私たちは掘り下げているわけで、午後もその点に触れようと思っておりますが、地方教委としてのお考え、まずこの二つをお聞かせいただきたい。今回の措置は、私たちは反対に文部省の圧力だと思うのです。しかしながらそれをどういうように受けとめておられるか、さらに、圧力であろうがどんなやり方であろうが、非常に効果があるものならば、そこにそれなりに意義があるのですけれども、地方教委としてはその効果をどのように把握されておるか。この二点について順次簡単に御意見をお聞かせ願いたいと思います。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 勧告は非常に強い意味の指導助言である、こういう受け取り方をしておるわけでございます。その中でわれわれの純粋な教育的配慮で、混乱を防ぐために学力調査を中止したんだという、そういう県教育委員会あるいは地教委の真意というものが何一つ認められていない、取り上げられていない、そういう点につきましては非常に不満を持っております。もっと理解をしていただいて、その上で親切な指導助言をしていただくということであるならば、文部省がせっかく指導助言をしていただいたのですから、反省すべきは反省し、あるいはまた今後学力調査の問題につきましてもいろいろな点から考慮ができるということなのでありますが、こうきめつけられましては、そういう余地がもう全然ございません。何か、ちょうど子供が少しいたずらをしてどやしつけられたような、そんなかっこうのように思えてならないのであります。そういうことが圧力であると言われるならば圧力でありましょうが、私たちはあくまでも純粋な教育的な問題であるから、教育的な配慮が大事である、こういう観点からいっておりますので、別に圧力とかいうような、そんな重苦しいものとは考えておりません。悪いことをしたのではないという考えがありますので、むしろ教育の正常化のために混乱を防いだというような考え方を持っておりますので、そういう意味からは大きな圧力というような、そんな感じ方はしておりません。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 県教委に対する御指導で、地教委のほうからとやかく申し上げる筋じゃございませんけれども、やはりこういうふうなお示しに対して、できるだけ今後地教委の段階でも努力をしていかなければならぬものだと思っております。  それから、第二点の学力調査の効果の点でございますが、これはいままでもある程度文部省が尽力をしていただいておる点、これは感謝をいたしておりますが、むしろいままでの学力調査の結果をほんとうに生かしていただけるのは、今後の施策の中でではないかというふうに私は期待をいたします。と同時に、いままでのこの行きがかりのある学力調査につきましては、抜本的にお考え直し、再検討していただきたいというふうに、最初申し上げましたような気持ちでございます。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 第一点の圧力という問題でございますが、これは県教委に対する勧告でございますので、小田参考人が申し上げておるように、私からとやかく言うべきことではないのですが、私自身としましては、これは圧力とは考えておりません。  それから効果の点でございますが、はなはだ遺憾ながら、根津委員長さんはもうどうにもならぬ、こういう、ふうな御意見が出ましたが、私はそうではなくて、やはり効果のあがるように県並びに市教委、地教委は十分よく話し合って、今後やっていくべきだという見解を持っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 いろいろ見解の相違もあるでしょうが、学力テストそのものについてもお聞きしたわけです。私が非常に心配しておったことが、いまはしなくもおことばの中に出たわけですが、地方教育委員会を設置し、あるいは地教法をつくったにいたしましても、その中に指導監督という分野が非常に少なくて、むしろ助言監督、助言ということが大体多いわけです。そこで、いまおっしゃったように、親切な指導助言であってほしい、こういうような御要望でありますが、その裏には、教育的に非常に心魂を砕いてやったにもかかわらず、どやされたような感じで、その真意を認めてもらえなかった。こういう非常に不満なお気持ちを私は拝しまして、地方の教育を律しておられる皆さん方が非常に御苦心なさっておる。しかもそれを中央でとやかく指導助言という名のもとに圧力をかけていくことに、私たちは今後行政のあり方に非常に問題があろうということをはっきりしたわけです。  なお、この勧告文を見まして、真実を述べていないという点がいまのお三人の証言によって、だいぶはっきりしたと思われます。私はそんな公の文書が捏造されておるということになれば、そこにおける、それをやった責任者は当然処罰されるべきものだと思います。公的な文書において、事実をひん曲げておるということになれば、これはたいへんなことだと思いますので、その点は今後の論議の中で文部省とその点を明らかにしてまいりたい、こういうふうに思っております。  二番目に質問を移します。いまのお話しを聞いておりまして、この福岡市の教育長さんのお話では、効果のあがるようにしてくれたらいい。これは、おそらく環境と条件を整備するようにしてくれという意味だろうと思います。私たちもそれを望むわけです。僻地の問題とか、あるいはまた人数の多い学級とか、あるいは騒音の非常に多いところ、こういうところに子供を置いておいて、一方では学力テストで攻めていくということになれば、子供こそ非常に迷惑な点が多いわけです。そういう条件を整えることの効果を私は今後に期待をしたいと思うわけであります。  もう一つは、いまのお話の中で、やり方を考えてもらわなければならぬとおっしゃった。抜本的に改正すべきだ、こういうお話でございますが、先日の委員会で私は文部大臣にこのことをただした。そうすると文部大臣は、学力テストというものは穏やかにやりたい。このことに私も賛意を表しました。しかしいまの文部省のやり方は、これは穏やかならぬやり方だと思いますので、私は問題にしておるわけですが、いま抜本的に考えよう、今後のやり方を改正すべきではないかという御意見がありましたが、やり方としてはどういうふうにお考えになっておりますか。私は各県の教育委員会あるいは地方教育委員会のお方と接してお話しする機会は近畿以外にはございませんので、こういう機会に皆さんのお考えをごく簡単にお聞かせいただきたい。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 学力テストの効果とか価値につきまして、いろいろ意見が出ていることも知っております。実際にわれわれが毎年当面しておりますいまのような学力テストは、もうこの辺で切り上げるのが一番賢策ではないか、こんな考えも持ったりしております。しかしこれはあくまでも意見でありまして、行政のルートというものが続けられておりまして、その中で文部省がいまのままで求めるというような、そういうことをたてまえといたしますならば、これは五十四条二項では何かやりにくいのではないか、先ほど来、私がるる申し上げましたように、それを実施しにくいような条件というようなものが非常にたくさん出ているわけでございまして、これが福岡県の実情なんでございます。したがってこのままで文部省が続けられるというのであるならば、そのやり方を何か検討していただかなければ、実施は非常にむずかしい、こう言わざるを得ないと思います。  それから価値の問題でありますが、われわれがいま非常に苦しんでおりますのは、一つには、たとえば父兄たちが素朴な考え方で、なぜ学力テストを中止したかというような場合に、その言い方の背景には、素朴な考え方から、うちの子供たちはせっかく学力テストがあるのに、それを県教委が中止をしたというようなことであるならば、学力が非常に下がるのではないか、学力テストを実施しなかったために、うちの子供たちの学力が下がっていくのではないかというような懸念があります。これも私たちは素朴な誤解であろうと思うのでありますけれども、そういう誤解を解きますのに非常にまた別の苦労をしているわけでございます。一回だけの学力テストがかりに正常な形で行なわれたとしましても、学力テストを実施したために、それだけ子供たちの学力が上がったとはどうしても考えられません。したがって、これを中止したからといって、学力がそれだけ下がるというような、そんな考え方は杞憂にすぎません。したがってこの価値論につきましては、いろいろ意見や問題もございましょうけれども、要するに私たちの立場で考えますと、何とかこの辺で——先ほど小田教育長からもお話がありましたように、何とか考え直してもらわないと、このままでは意味がない。価値もつかむことができない、こういうのが現実ではないかというふうに考えております。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 私の意見は先ほど冒頭で述べましたのと同様でございます。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 この問題につきましては、実は都市教育長協議会におきましても最近問題にしまして、いろいろ検討したわけであります。現在のような行き方の学力調査については、もう過去四年間やったんだから、少し方式を改めてやられたらどうかという意見が出ております。具体的に申し上げますと、福岡県はいまいろいろ論議されておりますような状況でございますが、ほかの県におきまして問題になっておるのは希望校でございます。八〇%の希望校をどうするかということが非常に問題になっておるような県が間々あるようでございます。都市教育長協議会の結論と申しますか、文部省にお願いしょうという意見は、いま五年六年とかあるいは二年、三年とかいうことになっておるが、必ずしも最終学年でなくてもいいじゃないか、むしろ途中学年をやってみて、改正すべきことがあれば改正するということが効果的じゃないか、たとえば中学校ならば二年生をやる、あるいは小学校ならば三年生をやるような意見も出ております。もう一つは、毎年やらなくてもいいじゃないか、毎年やらなくても、そういう傾向はわかるのじゃないか、二年に一回とか三年に一回でもいいじゃないか、それから教科目についてもいまの英語、数学、社会、理科、国語ということだけでなくて、芸能関係についてもやはり何らかペーパーテストでできる面についてはやったらどうか、ということは、入学試験につながるというような印象を払拭する意味においてもそうしたほうが教育的でないか、こういうよう御意見が出ておりますが、やって効果がないという意見は全国都市教育長協議会では全然出ていないわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 ちょっといまのお話につきまして、追加して質問したいのですが、根津教育委員長のお話では、福岡としては真摯な態度でできるだけやりたかった、そして文部省の意向に従いたかったのだ、しかしながら、それについてはできなかった、いろいろな客観的な情勢があったということを申し述べられておりますが、私はこういう非常に真摯なまじめなお考えでものを言われておるからそういう表現になったのだと思いますけれども、山中さんは教育長で人に命令をする立場だ、私も教育委員会の中の役人をしておりまして、そして皆さんからいえば私は命令を受けるほうだ、しかしそういう感覚で教育委員会内部でいろいろ考えてみますと、教育委員会内部にはあるいは全国的に類推するわけにはいかぬでしょうけれども、文部省から言われたらしかたがない、メイファーズだというような、こういう考えが非常に支配的なわけです。これは長い間日本の教育が支配階級によって牛耳られておった。そういう関係もあろうと思いますけれども、そういう習慣がついておる関係もあろうと思いますけれども、そういうことだった。そこで私はそういう気持ちからこういうものをやっておられるということになれば、今度の勧告というものが非常に圧力の要素を持ってくると思う。それでもこうですよという意見を十分地方教育委員会が文部省に述べてくれればいいのですけれども、こういうように断定を下して、そうしてきめつけていくということになれば、そういう皆さんにお考えがありとするならば、だんだんと追い詰められていって、自主性がなくなってしまうと思いますので、そういう点非常に心配します。私もそういう経験から申し上げておるわけですが、そういう点を——御意見は要りません。  第三の問題に入りたいと思いますが、いまはしなくも教育委員長さんのお話では、福岡県ではいろいろいやがらせや暴力に近いところのことが行なわれておる、こういうようにおっしゃって、私そういうように聞いたのですけれども、これはたいへんなことだと思うのです。教育の場に、いや教組の圧力に屈したとかあるいは文部省の圧力に屈したとかいって両方の意見をたたかわしておる中に、第三者から圧力をかけてくるようなこんなことは、私は断じてあってはならないと思うのです。これは後刻警察庁にもその点を聞いてみたいと思うのですが、そういう事実はあったのですか。それはたいへんなことですよ。これは教育を純粋にまじめにやっていこうという考え、そして福岡県の教育をしっかり守ろうという考え方、混乱を起こさないようにしようという、こういう真摯な立場に立ってやっておられるにもかかわらず、これに対してそういうことをやるものがありとするならば問題だと思いますので、私はその点をはっきり聞いておきたい。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 脅迫といいますか、おどしといいますか、いやがらせといいますか、そういう電話なり手紙なり、そういうものはたびたび受けております。それで先ほどどなたかおっしゃいましたように、家族が少し病気になったという事実もございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 奥さんですか、家族の方ですか、御病気になられるような状況というのは放置できませんので、これはまた別の立場から私たちは問題にしていきたいと思います。  非常にお忙しいところをおいでいただきまして、時間は非常に短かったのですけれども、真髄に触れた、たいへんに貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 私がお尋ねをいたしたい点は大体同僚の方々からお尋ねしていただきましたが、私、文教委員会に来て発言するのは初めてですけれども、この調査報告その他を見ても、驚くべきものだということを感じたのです。一体こういうことが文教委員会では黙って許されるのだろうか、非常に奇異に感じたのです。もう私、からだの血が煮え狂ったような義憤を感じたわけです。これでは日本の教育はとても守れぬ、何と文部官僚というものは非常に陰惨な権力主義的なものであるかということを、これを読んでしみじみと感じたわけです。それでしかもきょう私はそういうことについて活眼を開いた。根津委員長以下お三人の方が非常に勇気を持って言っていただいたということ、いままで私こういうことはなかったのじゃな  いかと思う。  そこで私念には念を入れて四点だけ聞かせていただきたい。簡単なことですから。それで、私は、西田さんという方、顔を見たことがありません。しかしこの人の責任というのは重大だと思う。私は場合によってはこの人はやめてもらわなければならぬと思います。率直に、結論的に言うと。これは非常に重大な問題です。(「社労でやれ」と呼ぶ者あり)社労とかなんとかいっておりますけれども、私は何なら文教委員会にかわってきてもやります。  まず第一にお尋ねをいたしたいのは、根津委員長の御真情はよくわかりました。そこで問題は、福岡県の教育委員会が学力調査を実施する熱意がなかったという断定が行なわれておるわけです。これは根津委員長は、そんなことはない、あったのだ、こうおっしゃった。そうしますと問題は、客観的に根津委員長の立場をごらんになった福岡市の教育長さんと北九州市の教育長さんは、なかったというこういう断定ができるかどうか、これをひとつ……。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 これは少なくとも県教委におきましては二0%についてはぜひやりたいという、そういう熱意があったというふうに私は理解しております。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 私もその点は小田教育長と同じ意見でございますが、福岡市として考えまして、おそらく、いろいろ難航はしておるが、これは非指定校については非常に困難である、しかし非常に念を入れていろいろ組合と話をされておる結果は、これは曲がりなりにでも指定校だけはできる、その期待は私十分に持っておりました。熱意を持ってされたことは、私も十分理解いたしております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 第一問で、熱意があったことはわかりました。  次は県の教育委員会が市町村教育委員会に対する行政指導をほとんどやらなかった、いわばサボタージュをやった、その結果として市町村教育委員会も学テを断念せざるを得なかった、こういうことになっておる。一体根津委員長なり県の教育長が市町村教育委員会に対して学テをやる行政指導というものをやらなかったのかどうか、これをひとつお二方から御答弁願いたい。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 当然のこととして、私は、十分行政指導をなさって、その方向で地教委の段階でも努力を重ねていって学テ中止になったところが大部分であったということだと思っております。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 県の実施についての行政指導というものは、私はいま一歩というところがほしかったと思います。十分でなかったと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 実は市町村教育委員会の「一切の必要な措置を不可能とするような行政指導」こうなっておるわけです。いま一歩ということは、行政指導が行なわれたということは事実なんですね。この点だけはっきりしておいてください。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 先ほど陳述のときより申し上げましたように、数回にわたって地教委幹部並びに委員長を集めで、何とかして混乱をなくして実施をしようという熱意を持っての指導は十分されております。ただし私がいま一歩と申し上げましたのは、ああいう状態下で全然混乱なしということはなかなか望み得ない、とすれば、次善の策として、私どもがとったような方法ででもやっていいのじゃないか、こういう御指導はあってもよかったのじゃないか、これは福岡市一市だけの立場でございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 行政指導はやっておったのですね。  次は、この文部省の報告を見ますと、学力調査をやらないと日本の教育が全部崩壊してしまうようなことを書いておるわけです。学力テストというものを非常に過大評価しているのです。この点についての根津さんの見解は、さいぜんそれぞれの委員の質問に対してるるお述べいただいたわけですが、私、教育の地方におけるオーソリティというは、県なり市町村の教育委員会が一番のオーソリティだと思います。したがって文部省より何より地方教育におけるオーソリティというのは皆さん方だと思うのです。  そこで両教育長さんにお尋ねをするわけですが、御存じのとおり福岡県は非常な特殊事情にあります。卑近な例ですが、ものごとというものは私は茶わん蒸しと同じだと思う。やはり外があたたまってくると中の卵が固まって茶わん蒸しができるのです。こういう形のものなんです。教育だけを一つ純粋に取り出して、そうして学テはやれやれ、おまわりさんでも連れてきてやればやれぬことはないじゃないかというようなものの見方は本来教育的な見方じゃない、教育というのは学校だけでできるものじゃない、やはりその地域の社会、家庭教育、学校教育というものがこん然一体になってその地域の教育というものが前進していくわけです。したがって学力テストもまたその地域社会の意向というものを無視してできるものではないわけなのです。そういう前提があるわけですが、一体福岡県でここ一、二年、学力テストを休んだということで福岡県教育が崩壊をし、福岡県の学力が急速に低下しているという客観的な情勢があるかどうかということを両教育長さんにお尋ねしておきます。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 文字どおりの教育が崩壊するとか、極端に学力が低下するというようなことは、私は北九州市に関しては特にないと思いますが、やはり調査の持っております意義を生かしてやることには今後も努力をしなければならぬと思っております。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 大体小田教育長の申し上げましたことと同じでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 これは根津さんにお尋ねいたしますが、過去において、三十七年以来ですか——ことし福岡県は行なわれなかったわけですが、学力調査をおやりになったわけです。そしてその結果文部省から・学力調査の結果福岡県にはこういう悪い点が出ておる、したがって福岡県教育においてはこういう点とこういう点をこういうようにしなさいという、学力調査の結果に基づく指示か何かあったことがありますか。

根津菊次郎福岡県教育委員会委員長

○根津参考人 そういう事実はないと理解しております。大体学力テストはその結果を公表するということにはなっておりません。文部省ば公表しないという原則があるわけですから、したがってわれわれのほうとしましても、やった結果がどういうふうになっているか、それは理解しません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 金をかけていろいろおやりになったけれども、その結果については何も……。何々学校の滝井義高の点数が五十三点だった、全体の平均点数は他の県に比べて福岡県は非常に低い、だからけしからぬじゃないかという発表はする必要はないと思うのです。しかし福岡県には福岡県の教育の、たとえば鉄鋼の不況とか石炭の不況というような特殊性があるわけです。したがってもうすでに三回やったならば、三回の結果については具体的な指示がなければならぬ。たとえば産炭地教育について炭鉱の閉山のために児童が急速に減った。先生方はそれぞれ地域に祖先伝来の家も持っている。一挙に他の方向に転換ができない。そこで四十五人とか五十人の学級編制を三十五人とか四十人にしたらどうですかと七重のひざを八重に折ってもそういうことはやろうとしないのですね。そして西田さんを中心とする調査団を出しても、産炭地の実態その他一言も書いておらない。こういうばかげた調査というものはないわけです。学力調査に来たのだから、客観的な教育条件というものを整備するのは教育内容の大きな目的でしょう。そういうことをやられていないのですね。こういう点について何か来てお話があったことがあるのかどうかということです。学力調査と一緒に、そういう鉄鋼の不況、産炭地の不況、こういう経済的な諸条件のために非常に人心が荒廃をしておるというような問題について、何か御相談なり意見の開陳をしてくれということがあったかどうか。

小田郁男北九州市教育委員会教育長

○小田参考人 特にそういう求めばございませんでしたけれども、北九州市におきましては八幡のある地区に産炭地の一部がございますし、戸畑区におきましてそういう鉄鋼不況のある事実を申し述べまして御理解はいただいたと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 西田さんがおられれば西田さんにちょっと質問したいのです。詳細のことはあとでまた聞きますけれども、参考人の前でぜひお尋ねをさしておいていただきたいのは、いま「福岡県における小・中学校学力調査不実施の経緯ならびに教育執行状況に関する調査報告」というのをわれわれいただいておるわけです。この内容は、いまのお三方がここで口述をされたことと比較すると、月とスッポンの違いがある。非常に違いがある。われわれは今後実質的な審議をやる上に、月とスッポンのように、報告と口述をされたのがこれほどまでに違った前例を知らない。一体、あなたは調査されたところは、たくさんお書きになっておるけれども、非常な偏見を持ってやられておるんじゃないかという感じがするわけです。しかもこれは参議院選挙のさなかでしょう。そしてあなたが調査に来られてあと、参議院の某候補のごときは、あなたの発言と同じことを全部やったわけです。非常に政治的にこれを利用してきた。しかしそういうことは、これはいいです。一体、あなたは調査したところで、どういうこととどういうことを聞いてきたのか。全然違うですよ。いまの県の言うたことなんか、一つもこの報告書に出ていない。これは一体どうしたことですか。県の教育委員長なり教育長が言ったことは一つも出てない。一体、こういうばかげた調査がありますか。こういうことを国費を使い、税金を使ってやるなんていうのはけしからぬです。こういうことを黙って国会が許すこともけしからぬ。あなたはにやにや笑っているけれども、笑いごとじゃない。(発言する者あり)だから根津さんの言うようなことをあなたは調査報告になぜ書かなかったかということです。これは本人を前に置いてわざと聞いておるんです。これは生き証人を置いておかなければいかぬことですからね。根津さんの言ったことを一つも書いてないのはなぜかということです。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田説明員 私も、調査日程にありますようなスケジュールでいろいろな方からたくさんのお話を承りました。そして調査団が大臣に報告をいたします場合には、私どもが調査しました結論をそういうようにまとめたわけでございます。したがってその中にあります事柄について、これはいつどこでだれに会ってどういう資料に基づいてこういう判断をしたかということを一々お聞きくだされば、全部データをもって御説明いたします。その中に根津委員長の言われたことはこうであった、地教委の言われたことはこうであった。それから県の教育委員会が県教組との折衝の席でどういうことを言っておられたかというデータもございます。そういうことを総合判断して、必ずしも当事者の意見がそのまま調査団の結論にならないのだということは、私は当然だと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 福岡県における教育のオーソリティというものは一体どこです。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田説明員 私どもは、県の教育行政の責任を教育委員会がお持ちになっている。それが教育行政上の責任ある行動をしておられるとは思えないという不審を持って現地に調査に行ったわけです。その調査の結果、主体性を喪失しておるという判断をいたしたのが、私どもの調査団の結論です。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 そうするとあなたは予断を持って調査に行っているじゃないか。そういうことができるのですか。初めから調査に行くのに白紙の立場で調査に行くのが……。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田説明員 私が、いま不審と申しましたことばを漢字に直しますと、ふしぎの不という字と審査の審、ふしぎでたまらないという不審で、信用しないという不信ではございません。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 あなたの、そういう文部省の態度がいかぬというんだよ。大体、教育というものは話し合いの中からしか、説得からしか教育はできないですよ。福岡県教育委員会は話し合いをしようといっている。いま文部省自身も日教組と話し合いをすることになっておるでしょう。きょう十二日は総評と話し合いをすることになっている。(発言する者あり)

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 滝井君、質問をお願いいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 したがってあなたのように、初めからふしぎだとか、不信感を持っていく調査なんというものはないですよ。そういう調査は初めから予断じゃないですか。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田説明員 大臣談話にもございますように、学力調査は過去においていろいろな混乱がございましたが、全国的に見ますと毎年これが次第に円滑に実施されるようになっておりまして、福岡県におきましても過去数年間全面的不実施ということば一度もありませんでした。ですからそれがいま起きたというのはたいへんふしぎなことだという気持ちを持ったのは、私は文部省の担当者としては当然ではないかと思っております。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 滝井君に申し上げますが、午後も委員会を開きますので、本問題ございましたらひとつ打ち切っていただきたい。簡単にして、参考人に対する質疑をお願いたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 参考人の前で聞いておきたい。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 簡単にお願いいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いままで福岡県は一度も行なわなかったか、それは福岡県の特殊性だ。そういう特殊性を全然無視して教育というものがやれるか。馬を、水が飲みたくないのに、幾ら連れていっても飲まないのと同じだ。(「脅迫だ」と呼ぶ者あり)脅迫じゃない。だから、こういう形があるということを、客観的な姿を静かに聞いてみなけばいけないのですけれども、それをあなたのほうではもはや予断を持っている。よろしいです。そういう態度で西田君のほうで出れば、われわれもきちっと折り目を正して質問をいたします。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 参考人に質疑をお願いいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 もういいです。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 二宮君。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 参考人にちょっとお尋ねをいたしますが、福岡の教育委員会の責任者の吉村さんですか、今後この問題についていろいろ論議があるようですが、自民党の皆さん方が調査に行かれたらお会いになりますか。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 この問題につきまして過日社会党の国会議員団の二宮先生方がおいでになりましたが、私どもは会見をお断わりいたしました。自民党の議員団がお見えになってもお断わりいたします。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 そこでお尋ねしますが、私どもがまじめに実態の調査をしようということで申し入れをいたしまた際に、教育の中立性を守りたいので、事情聴取には応じられない。私は実態の報告をし、聴取をすること自体が中立を侵害するとは考えてはおらない、そういうような偏狭な考え方自体は私はちょっとおかしいのじゃないかと思うのです。非常に侮辱をされたような気持ちがするわけなんですけれども、これは自民党の方々がおいでになっても、自民党もやはりそのとおりのことをやれば……。(「文教委員会が行くだけだ、自民党としては行かないよ。」と呼ぶ者あり)行く行かぬは別だよ。国会からそういう事情の調査が来たというときには、やはり事情を述べるべきではないか。何がゆえに述べること自体が中立を侵害するのか、その点についてのお考えを伺いたい。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 学力調査の経過につきましては、私ども文部省の調査団に対しては十分に実情を申し上げたわけでありまして、その後いろいろな団体——社会党の議員もそのうちの一つでございますが、おいでになりましたが、非常に失礼とは思いましたけれども、教育委員会で十分慎重審議しました結果、そういうのには応じないということでやったわけでございます。その趣旨はいまあなたがおっしゃったように、中立を守る、政治問題化したくないというのが私どもの真意でございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 実際問題は政治問題化しているのです。あなたは御承知でしよう。だからあったことをそのまま話してもらう、そういうことをやること自体が中立を侵害するというような、そういう考え方は私はおかしいのじゃないかと思うのです。皆さん方がどのような御審議をされたか知りませんけれども、はなはだ失礼だということも、まあ率直に私も感じました。文部省だけには言うけれども、ほかの団体には何も言わぬのだ、そういう考え方自体私はちょっとおかしいのじゃないかと思う。なぜそこで中立が守れないのか、どういう論議の上でそういう決定が出たのです。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 失礼でございますけれども、国会議員団として正式のということでおいでになれば、当然これは調査権の発動によって、われわれはそれに対して答えなければならない。しかしいわゆる一党の立場でおいでになった場合に、われわれとしては会うべきでないということで、これはあなたと非常に見解の相違がございますけれども、私ども委員会としてはそういうふうに事前に決定をいたしておりましたので、そういう決定に従ったわけでございます。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 社会党国会議員団の学力テスト問題調査の団長から文書で申し入れをしたけれども云々ということが前にあるのです。私はそこまでこだわる必要はないと思うのですが、あなたのおっしゃることは、前には自民党から見えても言わぬと言うし、いまは国会から見えたらよう言うと言うし、自民党の国会議員団、社会党の国会議員団……。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 そうではございませんで、国会の文教委員会なら文教委員会が国会の権限に基づいて調査団としておいでになれば、これは当然お会いをし、実情を述べることもいたしますが、単に自民党あるいは社会党という場合にはお会いしないのがよいのではないか、こういうわれわれの見解であります。

二宮武夫日本社会党

○二宮委員 その点やはり意見が食い違うのですけれども、やはり私どもは私どもとしていろいろ聞いておきたいこともあるし、それによって判断したいと思っている。これに対して、これは文書ですが、正木という管理部長ですか、その人の回答として受け取ったわけです。私が団長で参りましたけれども、全然会わない。それは少し偏狭過ぎるのではございませんか。

吉村一夫福岡市教育委員会教育長

○吉村参考人 そういう御意見なり御批判があろうかと思いますが、教育委員会としてはそういうふうに決定しておりますので、それに従ったわけでございます。御承知のとおりに委員会は一教育長、一委員長だけの意見では動けないわけでございます。合議制によってきめたことについては教育長としては忠実に執行しなければならぬ、こういう立場にありますので、御了承願います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 これにて参考人に対する質疑は終わりました。  参考人の方々にはお忙しいところ長時間御出席いただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して委員長から厚く御礼を申し上げます。  この際暫時休憩いたします。    午後一時二十三分休憩      ————◇—————    午後三時開議

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許可いたします。長谷川正三君。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 文化財保護の問題について、従来いろいろお尋ねをし、また御善処を願ってきておりますけれども、その後の状況についてごく簡単に数点にわたってお尋ねを申し上げたいと思います。  第一は、過般新聞でたびたび報道されております登呂遺跡の問題ですが、最近、発掘調査の結果、学問的にも非常に貴重な幾多の新しい発見がなされているように新聞報道等で拝見しておりますけれども、これにつきまして、ごく要点だけでけっこうですから、その新しい成果並びに新しい発見と申しますか、発掘に伴って、この貴重な文化財の保存に対して今後どのように配慮をされようとしておるのか、その点についてお伺いします。

村山松雄文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○村山政府委員 登呂遺跡につきましては、指定地の南側に東名高速道路が建設されることになりまして、指定地外でございますが、地下には登呂遺跡の延長としての遺跡があるのではないかという予想のもとに、道路公団の協力を得まして、静岡県の教育委員会が考古学者等の協力も得まして、去る七月二十日から八月十日まで二十日間にわたりまして発掘調査をいたしまして、その結果東名高速道路予定地の地下に南北に走る水田の水路や水門のあとが発見されております。昨日まででほぼ調査は完了いたしまして、今後関係者と協議いたしまして対策を立てるという段階になっております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 今後のことはこれから協議というお話でございますが、すでに東名高速道路予定地でありまして、これを完全に保護するということになりますと相当大きな計画上の変更も必要になってきたり、あるいはそれはもう既成事実として譲れないということになると、結局記録等にとどめてその遺跡は破壊をするということになると思うのでありますが、これらについてこれから検討されるということですから、それ以上のことは言えないと思いますけれども、本来そういう貴重な場合には、当初の計画にそれが含まれてないわけでありますから、そういう点も考慮して再検討をしなければならない。これを単に道路公団が捻出する費用によって若干配慮をするという程度では、貴重な文化財の保護という問題がそこなわれるのではないか、こういう心配がありますが、その点についてどうお考えになりますか。お伺いします。

村山松雄文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○村山政府委員 この調査を開始する前の段階から、調査の結果重要な遺跡が出た場合にはどうするかということにつきましても、県の教育委員会あるいは道路公団側と文化財保護委員会と、いろいろ内々で相談をいたしております。要点といたしましては、発掘の結果出てまいりました遺跡等の記録保存はもちろんやりますが、さらに進んで道路を遺跡との関連において計画変更するかどうかの問題があるわけでございますが、いままでの段階では、公団側におきましては路線の迂回等つけかえまではできないというような意向でございます。そこでできるだけこの遺跡の保存に万全を尽くすために、次善の策として、道路公団の道路の計画は、登呂遺跡あたりの部分ですと、地表に盛り土をしましてその上に道路をつけるというような計画のようでございますが、そういう計画のままで道路をつけてしまいますと、遺構が実際問題として将来研究できなくなる、極端に言えば破壊されるという結果に相なりますので、重要な遺構の部分につきましては、たとえば道路を高架といたしまして、その下の部分が将来とも保存あるいは研究の対象になり得るような技術的な方法はとれないものだろうかというような相談をいたしておりまして、公団側におかれましてもできる限り遺跡の保存には協力をいたしたい、こういう意向でございます。今回一応の調査が完結いたしましたので、具体的に道路計画をどのようにするかは、調査の結果に基づきましてさらに協議をするという予定になっております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 ただいまの御答弁の趣旨が最も完全な形で生かされるように今後の御努力をひとつ強く要望いたしまして、登呂遺跡については終わります。  続いて千葉県の千葉市の加曽利貝塚の問題でございます。これも再三私が本委員会で質問をいたしておりまして、いろいろこれには経過がありまして、文化財保護委員会の御答弁も非常にその経過にこだわられた御答弁のように聞いておりますが、現在この加曽利貝塚は、北の部分については市が買ってすでに公園化する予定で、まだその実現といいますか完全な公園化ということに実態はできていないようでありますけれども、一応土地の確保は一億円以上の金を出して買ってある。そして南の部分については工場の敷地になっておって、それを工場が自由に使用することを一時待ってもらって調査をする、こういう段階になっておるようでありますけれども、その後一部調査にかかったところが、なかなかこれがまた非常に膨大な内容でもあり、また調査の技術にも限界がありましょうし、人の動員力にも限界がありましょうし、いろんな事情、それから学問上もやっぱり考古学界において各種の議論がおありになるようで、最近の考古学界の全体の結論としては、これはやはり全体に保存をするということに意見が一致したというふうに聞いておるのですが、一体加曽利貝塚はどうするつもりなのか。何かすでに発掘調査費も組んであるけれども、その行くえといいますか、方針がぐらついているというようなことから、調査費も支出しないまま、調査途中のまま、いま放置されておる。すでに会社との約束の期限は来て会社がここをどのようにいじってもしょうがなくなるのではないかというような状況にもなっているやに聞いておりますが、これについて、ひとつどういう経過で、今後どういうふうになさるつもりか、お伺いしたい。

村山松雄文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○村山政府委員 加曽利貝塚の保存問題の経過につきましては、大体お尋ねのような経過をたどっておりまして、繰り返しますと、南半分は民間会社の所有になりましたので、考古学界とも協議いたしまして、緊急発掘調査をするということになりまして、三十九年度に国庫補助予算を計上いたしまして、千葉市の教育委員会が主体となって考古学協会に依頼をして発掘調査をやりました。それで、昨年度一ぱいやったわけでございますが、考古学者の間で非常に規模が大きいものですから、発掘調査をするとしても相当の日時を要する。とても二年というようなことでは完全なことはできない。それよりもっと根本的には公有化して保存すべきであるという意見書が本年五月ごろに出てまいっております。そういう意向がございますので、本年度になりましてからは予算は計上してございますが、発掘調査は中絶状態になっております。文化財保護委員会といたしましては、公有化して保存という要望の趣旨につきましてはごもっともな点もあるようでございますけれども、従来の経過に必ずしもこだわるわけではございませんけれども、二年かかって調査をやるという前提で諸般の仕事を進めてまいった関係もございましたので、とりあえず会社に対してどういう計画であるか調べまして、調査期間は一応本年七月までということになっているようでございますが、七月以降貝塚を会社が自由に処置するというようなことのないように申し入れまして、会社側からも協力的な答えを得ております。なお、会社側が敷地をどのように使うかにつきましても、支障のない限り尋ねまして、会社側からは、とりあえず工場の建物などをつくるような計画はない、使うとしても、たとえば製品置場として野積みのような状態で使うというような返事をいただいておりまして、したがって、さしあたり、いま急に破壊されるおそれはないという判断のもとに、本年度の残された調査をどのようにするか。さらには、基本的には保存という御要望もあるわけでございますので、どのような根本的な対策を立てるか検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 私が質問申し上げたことが大体そのとおりだという御確認のような御答弁だったと思うのですが、これば実際発掘調査と申しましても、世界の文化の進んだ国々がこういう発掘調査をする場合に、どういう体制で調査をするのか、実は私不勉強でまだ十分調べておりませんけれども、実際伺ってみますと、考古学者の何人かの方にその大学の学生、ときには高等学校の生徒まで応援して一この加曽利貝塚の場合はそれとちょっと違うかもしれませんが、そして十分な手当もされないまま、全く学問への情熱による学生の勤労奉仕というようなかっこうの中で何人かの学者が指揮をとってやっておるというような状態で、今日一国の文化政策としてこういうような状態を続けておっていいのかどうかということを非常に心配するわけであります。私、何回もこの委員会で申し上げましたけれども、今日非常に急速な科学の進歩に伴い、国土の開発や新しい工業都市、あるいは新しい大きな住宅街の建設等が進みまして、国土開発ということが、同時に一さっきも道路公団のお話のように、国土の縦横に大きな道路が敷かれるということで、いま日本じゅうの国土が掘り返されているといっても過言ではない。その中で、地上に出ている文化についてはある程度わかりますけれども、この保護についても非常に寒心にたえないような状態であるが、地下に埋没されている貴重な文化については、これは相当専門的な事前の調査をしなければよくわかりませんけれども、ずさんな調査の上にただ計画だけが立てられ、工事が始まり、掘り返してみたら何か出てきた。そこのところを道路公団のほうからちょっと金を出させて若干調査をして、記録にとどめてあとはこわれてしまうというようなやり方を続けておったのでは一体これはどうなることか。一ぺん失なわれたものは永遠に返らないわけでありまして、これは日本の将来、後代の子孫に対しても、また、横の関係では世界の学界に対しても大きな責任のある問題だと思うのです。そういう場合に、この加曽利貝塚が文化財として保護するという立場から見て、一体どのくらいのクラス、重要度に属するかというような判断もはたしてどうなさっているのか。そういう基本的な判断が非常に貴重なものであって、これは世界的にもどうしても保存をする責任がある。また、後代にも学問上非常に貴重なものである、こういうことになれば、従来の行きがかりはありましょうけれども、これは加曽利貝塚の問題ではなくして、文化政策全体の問題だと思いますけれども、とにかく平城宮の問題がああいう形で一応一つの方向が出ておりますから、加曽利貝塚はそれに匹敵するくらい、伺いますと、評価のしかたは学者によっても違うと思いますが、ウルトラAクラスの文化遺跡であると見てよいのではないか。そういうふうに考えますと、いまのような形で逡巡しておったのでは、結局はうやむやのうちに破壊されるおそれが非常に濃いと思うのです。伺いますと、工場のほうでも別段そこの土地でなければならないような事情はないようでありまして、代替地があれば喜んでこれを国なり地方自治体なりに譲るということについて、そう支障がないということですので、この際、やはりこれは県というようなところにまかせないで、あるいは市にまかせないで、国として抜本的な方針を再度立てまして、完全な保存に向かって施策が進められるように強く要望したいと思いますが、これはひとつ担当の事務局長並びに大臣がおりませんから、次官からも御答弁をいただきたいと思います。

村山松雄文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○村山政府委員 加曽利貝塚の文化的な価値につきましては、世界的なことは知りませんが、わが国といたしましては最大の環状の貝塚だということになっておるものだそうでございます。しかも、北半分が縄文前期、南半分が縄文後期ということで、両方合わせましてわが国で最大、かつ最も貴重だというようなことが言われておるようでございます。これの保存につきましては、従来いろいろないきさつがあったことは御指摘のとおりでございまして、現在の段階では、先ほど御説明したような調査発掘に対して保存という要望が強く出されておる段階でもございますので、現在文化財保護委員会におきまして、埋蔵文化財の保存につきましては、いろいろな段階に応じて措置が進められております。御承知のように、原則としてはやはり所有者、管理者において必要な措置をとり、公共団体あるいは国が援助する、あるいはそれから次の段階として、公共団体が買い上げあるいは管理をし、国が補助する。国が直接管理するというのは、御指摘のように、平城宮跡のような特別な場合に限られておるわけでございますが、加曽利貝塚につきましてどのような扱いにするかは、今後の重要課題として、十分御趣旨を体しまして検討さしていただきたいと考えます。

中野文門自由民主党文部政務次官

○中野政府委員 ただいまの長谷川委員のお考え方、全部私同感でございます。せっかくの有力な文化財がこわれていくということは忍びないことでございまして、一たびこわれたものは再びもとに返らない事柄を思いますとき、こうした加曽利貝塚のごとき重要中の重要な文化財の保護、管理、維持等につきましては、役所といたしましても十分に前向きの姿勢で御趣旨の線に沿って検討いたしたい、かように存じますので御了承願います。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 たいへん力強い御答弁をいただいてありがたいと思いますが、ぜひそのような御努力を願いたいと思います。  そこで具体的なことを事務局長のほうにもうちょっと伺いますが、四十年度のこの発掘調査の計画がすでに成りまして、それが中絶状態になっておる、こういうことを伺っておるのですが、堀りかけてしまったので何とか一応の始末はつけておかなければならない。全面発掘でなくむしろ保存という方向に結論が変わっていったために、これはもうそのままやめてしまうのか、それにしても一応の区切りをつけなければならないのが、ちょうど掘りかけた半ばで放置されているというふうに聞いておりますけれども、これは一体どういう事情になっておって——聞くところによると、市と県がそれぞれその調査のためにことしの分として二百万円ずつの予算を組んでおるけれども、文部省から出す百万円の分が出ないために結局市と県は出すことができないという形で放置されているというふうに聞いておりますが、その辺の事情と、今後それをどうするつもりか、これを伺いたいと思います。

村山松雄文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○村山政府委員 加曽利貝塚の調査につきましては、三十九年度は五百万の予算で、うち国庫補助百万、県、市、それぞれ二百万の予算を計上いたしまして実施いたしました。敷地内に幅二メートル、長さ百十メートルのトレンチを東西南北に各三本掘りまして、したがいまして十六の区画になるわけでございますが、その区画のうちの一つを発掘調査したという経過になっております。四十年度も大体同じ規模の予算を計上してやる予定になっておったわけでありますけれども、先ほど御説明申し上げました考古学協会の要望もありまして中絶状態になっております。したがいまして、予算につきましても、実行計画が立たないものですから出ないということになっておりまして、これは別に差しとめておるわけではございませんので、計画が立てば予算としては用意いたしておるわけでございます。  今後どうするかという問題でございますが、御指摘のように、いわば掘りかけた状態に相なっておりまして、立場が違った考古学協会としては、保存の要望も出した手前、市としては一応ことしも発掘調査を進めたらどうかということを考古学協会に対して申し入れをしたそうでございますけれども、協会としてはおそらくやることはないのじゃないかと思います。そこで文化財保護委員会並びに県、市としては、さしあたり掘りかけのままで放置することもぐあいが悪いと考えられますので、所有者である会社とも相談いたしまして、たとえば最小限度必要なところはこわさない程度に整地をして埋め戻すというような措置をとらなければならないのじゃないかというような考えのもとに、目下協議中でございます。協議がまとまりましたならば、本年度は計画したような発掘調査はできないと思いますが、最小限度の応急措置は講じたいと考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 考古学者がやらないと、今度会社と市、文化財保護委員会、それらが合議して埋め戻すというような場合には、よほど慎重にやりませんと、専門家なしにやってとんでもないことをやってしまったらたいへんだと思いますから、その辺の扱いは御如才はないと思いますけれども、きわめて慎重にやっていただきたいということを要望し、できれば処理調査という形でやるならば、学者も応ずるのではないかと思うのですが、発掘調査はそれでおしまいでこれは終わりということにされては困るということを心配して——これは保存に方針を確立してもらいたいということになったために、従前の方針での調査は全面的にストップしておるということではないかと思いますから、その辺はひとつ十分考古学会等と話し合いもされまして御善処をいただきたいと思います。そして抜本的には、さっき次官からも表明がありましたような態度でこの保存に対して御努力をいただきたいと思います。  次に、都下国分寺の遺跡がいつの間にか土地ブローカーによって転売されて家が建ったという問題に関連して御質問申し上げて以来、急遽文化財保護委員会のほうでは御善処を願いまして、市当局も非常に管理のずさんさに気がつきまして、その後鋭意調査等も進めておられるということは、非常に適切な処置をとっていただいたと喜んでおりますけれども、その後これはまた国分寺の遺跡としては非常に完全な形といいますか、大きな規模の遺跡であって、でき得れば公園化して永久保存ができるような形にしたいという御方針も伺っておるわけです。それがその後どういうふうに進んでおるか。現在も発掘調査が今年度分が進められておるように伺っておりますけれども、その経過と今後の御方針について。

村山松雄文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○村山政府委員 史跡武蔵国分寺あとの調査並びに保存の問題でございますが、御指摘のように、これに関しましては三十九年度それから本年度、二年度にわたりまして国庫補助事業といたしまして発掘調査を進めております。その結果、重要なる遺跡等も発見されておりますので、別途当該史跡を公有化すべきであるという計画のもとに、東京都及び国分寺市に対しましてその措置を進めるように本委員会におきまして指導を進めてまいりまして、実は三十九年度におきましても若干の補助金をワクとして当方としては用意したのでありますが、都並びに市において具体的な計画が立ちませんために、三十九年度といたしましては買収に着手することができませんでした。引き続き、本年度においても相当額の補助金のワクを用意しておりまして、国分寺市が買い上げの計画を立てるならば補助をしたいという態勢でおります。最近国分寺市においても今後数年の計画で買収に踏み切りたいという意向のように伺っておりますので、市のほうでそういう計画を立てていただけるならば、国庫補助事業として買い上げのほうも具体的に進めたい、かように考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 大臣も見えましたから文化財問題について一応終わりたいと思いますが、ただいま国分寺のほうで年次計画を立てて、史跡に指定された部分の民有地を買い上げるという方針を立てておるので、これについては計画が立てば補助したいという話でけっこうなんですが、実は国分寺というところは非常な貧弱な町村である上に、人口の急増地帯でありまして、学校建築等にもどうにも手が回らない。駅の近くの学校を高い値段で売って、そのお金で学校を二つへんぴなほうへつくるといいますか、比較的土地の安いほうへつくるというような四苦八苦しておる状態であって、とうてい今日の地価の高い中で相当部分を市が負担してやるということは、背伸びした気持ちとしてはわかりましても、事実不可能に近いのじゃないかというふうに心配いたしますので、これはぜひ国が直接というわけにはいかないとすれば、国もできるだけ大幅な補助、ことに東京都とも十分交渉をされて、都の公園化というような形にでも持っていけば実現が可能ではないかと思いますから、そういう方向で私はもう少し話が進んでいるのではないかと思ったのですが、きょう伺いますとこの前伺ったときの答弁とこの公園化問題についてはあまり進んでいないような感じがしたのですけれども、その点はいかがでしょうか。

村山松雄文部事務官(文化財保護委員会事務局長)

○村山政府委員 市においては買収の決意は固めたようでございまして、目下具体的な計画を立案中のように聞いております。御指摘の問題は、補助率をなるべく高率にするとか、あるいは保存するとしても、国分寺だけが負担するのではなくて、東京都も協力するというようなことに相なろうかと思いますが、その二点につきましても十分御趣旨を体しまして積極的に検討、指導してまいりたい、そのように考えております。

長谷川正三日本社会党

○長谷川(正)委員 それじゃ以上で終わります。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 学力テストの問題について、午前中参考人からいろいろお話を伺い、後ほど質疑もいたしますが、私は中村文部大臣が佐藤総理に随行されまして、この十九日沖繩に参られるわけであります。昨年の十二月の本院予算委員会におきまして、私が総理に対する沖繩問題についての質疑をいたしました際に、初めて戦後の総理大臣として縄沖に行きたい、こういう意思を表明をされ、それ以後佐藤・ジョンソン会談のあとにおきましても沖繩に参られることを繰り返し表明をされてまいり、ようやく参られるわけであります。私が佐藤総理に要望いたしましたことは、でき得れば佐藤総理は佐藤・ジョンソン会談の前に現地に行っていただいて、その結果に基づいて佐藤・ジョンソン会談という最高レベルにおきます会談において、沖繩問題を解決していく、こういうことが望ましかったのでありますが、そのことは当時総理になられました直後でありましたし、時間的にも困難であって、今日の事態になってまいったことはやむを得ないと思います。そこでできれば佐藤総理に対する質問もいたしたいのでありますけれども、本臨時国会の会期等の関係からもいたしかねますので、中村文部大臣にお尋ねいたしてまいりたいと思います。  根本的な日米協議委員会の機能拡大その他の問題につきましては後ほど安井総務長官に対しましてお尋ねいたしてまいりたいと思いますけれども、これまで二十年間にわたって祖国から引き離されて異国の支配下に置かれ、たいへんに差別を受けて、同じ日本人でありながら日本政府の援助を受けないでやってまいりました実態については、私からるる申し上げる必要はないと思います。教育予算のうち八五%が沖繩におきます自前の教育予算である。アメリカ側からの援助が一二%、日本側からは、ただいまの援助方式のワクに縛られておるというもののわずかに三%である。こういう実態につきましても十分に御存じであろうかと思います。そこで二十年間にわたりまして日本人でありながらも平和条約の第三条に基づきます施政権の名のもとに日本人として扱えずにこられました。まあ、しかし、その点については、何とか前進をさせていきたいという努力については、十分に理解できる一面もあるわけでありますが、根本的な国際法との関係における議論は抜きまして、直接教育の問題について、お尋ねいたしてまいりたいと思います。  今回沖繩に参られますについて、本土並みに引き上げていくために具体案を持っていきたい、こういうことが新聞等を通じてうかがわれるのでありますが、過去二十年間におきますその大きな差というものを具体的にどのように埋めていこうとされるのか。それから現在政府として検討されております沖繩に対する教育援助の具体的な計画というものの内容をまずお伺いいたしたいのであります。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 考え方としましては、沖繩人の教育が本土並みの水準に向上されるようにわれわれは努力をすべきである、かように本質的に考えております。そこで具体的にどうすべきかということは、現在たくさんの項目にわたりまして沖繩からも要望が出ておりますので、それを目下一々詳細に検討を続けておる段階でございます。総理が沖繩へ出張されまするまでに、できるだけの結論を得たいと思いますが、それまでにあるいは結論を得られない問題もあるかもしれません。しかし、総理大臣に随行いたしまして、私どももともどもに参りまして沖繩の実情についてはだに触れて実態を見学してくるということは、必ずその成果をあげるためにはたいへん好影響のものであろう、かように存じておる次第でございます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 川崎君、安井長官は三時五十分にここを出られるようですから、できましたら集中的にやっていただきたいと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それでは安井総務長官にお尋ねをいたしたいと思います。沖繩援助につきましては、たいへんにいろいろの制約があるわけであります。ところが、ただいま新聞とかラジオとかテレビ、そうしたものを通してうかがえるものを見ますと、日米協議委員会、その他プライス法であるとか、そうしたもののワクを越えて、すでにアメリカ側との了解が十分ついて計画の中に出てきておるのかどうか、その辺私は非常に疑問を感ずる。なぜ私がその点についてお尋ねをいたすかと申しますと、たとえば八月の七日の毎日新聞に出ております教員給与の半額負担、これらについてはぜひお願いしたいわけであります。また部分的にではありましても、数次にわたります教育関係の団体の陳情の皆さん方がお見えになって、いろいろと悩みを訴えられて、そうしてそれを政府が受けとめられて、本土の県並みに扱っていこう、少しでも前進させていくことについては、私は全面的に賛成をいたします。ただ、心配をいたしますことは、こうした新聞等に出ておるものが、実際には現地に行って、現地の実情を調査をされて帰ってきて、それから具体的に日米協議委員会の話し合いになっていくのだ、こういうプロセスだと総理が持って行かれた計画というのが、実は裏づけのない計画になるわけです。そこでたいへんうがった見方をいたしますならば、十一月には立法院の選挙があるわけです。そしてB52の出撃その他の問題で総理を受け入れられる現地の空気というのは微妙である。そういうことについては民生安定であるとか、あるいは基本的人権の保障であるとか、あるいはあるいは祖国復帰であるとか、こういういろんな問題について非常に複雑な問題が渦を巻いておる。そこに沖繩の百万の皆さん方のおとうさん、おかあさんが、自分の子供のためにこれだけの教育のものが本土と結ばれるならば、こういうことで私は全面的に賛成をしてくれると思いますけれども、ただそれが十一月の立法院選挙の材料にされてしまったんでは、これはもうたいへんな問題だと思うのです。そこで、こうした新聞に出ております来年度に二十七億円、これはプライス法の千二百万ドルというワクの一つの限界もあります。あるいはワトソンが言っておりますように、日本の援助についてはアメリカ側の援助のワクをこえてもらっては困る、こういう原則等もあるわけでありますけれども、佐藤・ジョンソン会談以後、日米協議委員会の機能が拡大をされた中で、そうした教育等の問題については日本側の援助というものが十分に受け入れられるところまで発展をしてきておるのかどうか、そういう立場から、つまり現在文部省を中心に検討されております沖繩への教育の援助というものは、日米協議委員会においても十分な裏づけのある、またアメリカ側を説得したそういうものの上で、自信の上で進められているものであるかどうか、そうした点を日米協議委員会の機能拡大の問題と関連いたしまして、総務長官にお尋ねしたいと思います。

安井謙自由民主党総理府総務長官

○安井国務大臣 たいへんごもっともなお話だろうと思いますので、私どもも率直に申し上げたいと思いますが、今度の総理の沖繩行きにつきましては、おそらく、結論的にいいますと、何を幾ら出すとかというようなきまったものを持って行かれるわけじゃなかろうと思います。これは御承知のように、日米協議委員会の議を経て、両方の合意でなければものはきまらないわけでございます。しかしながら一国の総理が行かれまする限りはおおむね施策の中心になるべきもの、監督できるべきものというものはこれはお話しになることであろうと思います。したがいまして、それがほんとうにコンクリートにきまりますのは、いま御承知のとおり米国の大使もおりませんので、どう早く開かれましてもこれは八月末ぐらいになると思います。それ以降にきまるわけでございますが、それじゃ思わせぶりにしておいて、十一月の立法院の選挙までそんなものを引っぱっておくんじゃなかろうかという御懸念につきましては、これはそんなことはございません。少なくともそういう選挙があります前にもうはっきりとこの具体的な数字もいたす予定に相なると存じます。  そこで教育費が新聞に出ておりましたが、これは文部大臣もお答えになると存じますが、もし半額国庫負担をすればこういう金額である、約二十五億である、それから教科書の無償配付を全面実施すればあと一億何千万円要るというこの仮定といいますか原案の数字でございまして、いまそれがそうできるとか、こうすることにきまったという数字じゃございません。しかしお話のありますように、今度の大きな目標としましては、これは施政権の問題がございます、人権の問題もこれはもう大きな政治問題としてあると思いますが、私どもその中でも民生の安定あるいは暮らしの向上という意味と、教育制度は少なくともできるだけ早く日本のレベルへ引き上げるために今後も努力をしたい、そういう意味で文部大臣もいろいろ御協力をいただいて、いま案を考えておる最中でございまして、まだきまったものとしては現在のところないというのが現状でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 安井総務長官のたいへん確信を持たれた御答弁に敬意を表したいと思います。ぜひそれを貫いていただくように日米協議委員会においても確固たる方針で進めていただくことをお願いしたいと思います。教育費の増額、これは当然に沖繩におきます教育基本法が日本の教育基本法と違って別個の体系であるということは現実であります。しかし日本人としての教育をいたしてまいるわけであります。そこで本土政府が日本の県並みに行なっていただくということが当然のことなんであろうと思います。これは私はもっと時間があれば、平和条約の第三条なり、あるいは国連憲章との関係、憲法との関係においてもっと突っ込んだことをお尋ねいたしたい、また私たちの考えております立場についても、あるいは意見についても申し述べてみたいと思うのでありますけれども、時間的な制約がございますので、私はこれは省きたいと思いますが、ただ日本人としての教育をしていく、そしてこれまでたいへんに格差を受けてきておる。そこで本土並みに引き上げていくように持っていく、当然にこれまでのピックアップ方式の援助方式のワクというものを破っていく大きな問題がそこにあろうかと思います。憲法二十六条の義務教育、これは子供が義務教育を受ける権利を持ち、親はこれを受けさせなければならぬし、むろん国はこれを見なければならないわけであります。ところがきょうの長官の答弁等にいたしましても、施政権のもとに本土の法律は一切が適用できないのだ、こういうことで阻まれておるわけでありますけれども、その議論はさておきまして、教育については日本人としての教育をやるんだ、日本人なんだから進めていこう、その姿勢でいま私はやむを得ないと思う。  そこでひとつ総務長官にお尋ねしたいことは、そういう立場からいきますならば、生活保護であるとか老齢年金であるとか、こうした属人的な権利というものは、憲法の基本的な人権、これを保障するのは日本政府の責務であります。これは平和条約の三条である。議論はあろうとも教育に対する援助の増大ということは、当然に日本人としての権利であります。また基本的な人権である。そうした面については当然にやらなければならぬ、こう思うわけです。そこで教育の問題に引き続いて、当然に生活保護であるとか、老齢年金であるとかそういう属人的な権利のそういう問題については、具体的な予算措置の面において拡大をしていく腹があるのか。またそれを推し進めていかれようとしておるのか。そして特に佐藤・ジョンソン会談以後において、日米協議委員会の機能が拡大をされた中で、長期の計画を持つんだ、こういうことになっておられるわけでありますから、教育援助のその拡大の問題と関連をして、そうした厚生面における本土側としての責務を一これは法的に責務がないというふうにいわれる面もあるかもわかりません。しかし私は基本的な人権としては当然なことだと思いますけれども、それなんかを拡大をしていかれるという点についての方針をひとつお示しいただきたい。

安井謙自由民主党総理府総務長官

○安井国務大臣 お話のとおりと存じます。教育問題は何をおいても非常に優先した大事な問題と思いまして重点を置きますが、同時にいまお話の社会福祉の面につきましても、これは負けないだけの努力は払わなければならぬと思っております。御承知と思いますが、生活保護法なりあるいは児童福祉法、あるいは身体障害者福祉法、そういった一連のもの、あるいは今度立法院でもって医療保障制度の一部、あるいは公務員の退職年金制度、そういうものも通ってはおりますが、しかしまだ日本のレベルから比べますと、非常に見劣りしたものがたくさんあります。私どもは教育費も一生懸命やりますと同時に、そういったものの引き上げに対する援助費もこの際ぜひふやすようなことをやっていきたい。またどうしてもやらなければならない、こういうふうに考えております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 三時五十分という約束でありますから、それまでに私は終わります。  そこで最後に総務長官に。総理について行かれますについては、総務長官が全体的な取りまとめをされなければならぬ立場であろうかと思います。沖繩関係の責任者でもございます。ただ一つ、これは私の意見を言ってお願いをしたいわけですが、それは一国防長官の出先機関にすぎないワトソン高等弁務官の招待になった、このことは日本の領土に行かれる日本の総理大臣の行き方としてはたいへん遺憾である。どうかその点はひとつ腹に銘記をして行っていただきたい。またワトソン高等弁務官に会うにいたしましても、この点の態度だけはひとつ貫いていただきたい。これは私たち、十月、二月、二度社会党の調査団が参りましたけれども、それらの点に私たち自身もぶち当たったいろいろな問題がございますので、どうかその点についてはお願をいたしたい。  それから次には、各方面の各団体の皆さんが初めて見える総理に対してはすがりついてくるだろう。これはちょっとオーバーだろうと思うのです。少し思いあがり過ぎだと思うのです。そういうなまやさしいものではないと思うのです。二十生間ほったらかされているのですから、もっと謙虚な姿勢で政府の代表一行は行っていただきたい。そうして行かれたについては、各方面のイデオロギーがどうであろうが運動のしかたがどうであろうが、やはり日本人の各代表でありますから、率直に会っていただいて、率直に意見を聞くということだけはぜひ貫いていただきたい。このことをお願いしまして、たいへんまだ御質問いたしたいこともございますけれども、時間がございませんので、終わりたいと思います。

安井謙自由民主党総理府総務長官

○安井国務大臣 御趣旨はよく理解しておるつもりでございますが、そういうふうにはからうつもりでございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 あとつかえておりますから簡単にいたしますが、ただ検討中だということで終わったわけでありますが、今度はひとつ大臣にお願いをしたいことは、那覇とかあるいは大きな町のアメリカ側の援助でできているりっぱな建物があります。それを必ず民政府の諸君は見せます。それらだけに終わらないで、できましたら、私は一番北のほうの僻地の学校を見てきましたけれども、僻地の学校も十分に見ていただきたい。理科器材等は、陳情にもありますけれども、その中身が非常にみじめな状態です。そして二月にただいまの佐々木委員長団長で参りまして、帰ってきて佐藤総理に会いましたときに、こういうことを言いました。これは非常に小さな問題ですけれども、私はこれは政府の実行を確約願いたいと思うことは、アメリカが理科器材に五百ドルの援助を各学校にいたしております。ところがそれが実際に日本人の子弟には体格あるいは単位、名称それらで使いものにならないのがほとんどで、実際に役に立つのは八十ドル程度だ、こういわれております。こういう実情ですから、日本側からもっとやってくれ、こう言いましたら、総理は、それは日本の政府がやればいいじゃないか、こう言っておられたのです。ですから、そういった点はぜひ率直に実施していただきたい、こういう点をお願いしまして、なおいろいろ追求しましても時間的に無理だろうと思いますから、これで終わりたいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 中村大臣おいでになっていますので、愛知大臣のときの話だったのですが、何ら解決ついておりませんので、認識を新たにしてもらい、解決をつけてもらうように要請しておきたいと思います。  その一つは、私学振興ということで、調査会を設けたり、いろいろ進められております。これはけっこうなことです。しかしながら、公立の大学は、高崎経済大学のように、地元から要請されて、みな裏口入学のようにして入れなければならぬ。地方に財政をおんぶしておりますから、そういうことも出てきておりますので、公立大学の問題も私学の問題とあわして考えてもらいたいと思います。  そこで私学の問題でひとつ。国士館大学の問題は大臣は御存じないだろうと思いますので、私申し上げておきたいと思うのですが、国士館大学の学長の柴田学長が教授をステッキでなぐって暴力事件を起こしまして、いまそれについて書類送検されておるわけです。四月十九日です。これが何ら前進を見ない。検察当局にも問題があると思うのです。これはきょうは言いませんけれども、問題点も私は把握しておるのですが、そういうような事件を起こしておきながら、それに関連のあるところの教授を学長の独断で三名首を切りました。これにつきましてはいま地位保全の訴えがなされておりますけれども、私が申し上げたいのは、学則によらずして、学校教育法を無視して私学の教授が学長の恣意のままに首を切られるようだったら、安心して教育の座におられないということと、最高学府を自負している大学においてこういう前近代的なやり方がやられるということにつきましては、大臣としても十分見取っていただかなければならぬ、こう思うのです。大臣はこのことをお知りですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 存じておりません。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 要するに、教授会なんかに諮問する責任はないというような暴力的なことを言ってこれを進めておるようでありますから、よく銘記していただきたい。  それから三番目に申し上げたいのは、あとがつかえておりますから急ぎますが、そのときも問題になったんですが、選挙権銀行倶楽部というものを学内に置いておる。これは一人百円ずつ会費をとって選挙活動の費用にするわけです。そうして学生が悪いことをしますと、その懲罰として、銀行倶楽部の会員を募集してこい、だれでもかまわない。国に帰って五人でも十人でも連れてこなければ——教授をしごき、さらに首切りをしたんですから、学生をしごくくらいのことは朝めし前の学長です。こういうような学長のやり口でありまして、まことに嘆かわしいやり方なんですが、これについても愛知文部大臣のときにはまことに遺憾である。これについては十分に調べます。こういうことで、これは懸案になっておるわけです。この銀行倶楽部がいまなお活動を続けておる。いま文教調査室に聞きますと、これを続けておるという話です。そういう疑いがあるということなんですが、これはもってのほかだと思う。特に今度の都議選では御存じだと思いますが、刷新連盟なるものをつくって七名の候補者を出した。しかし七名ともみごとに落選したそうですけれども、そういうふうに学内でこんなことをやる。しかも暴力的なことをやるとなれば、私学の振興の問題に大きな汚点を残すと思う。国会においても私学振興に非常に力を入れておりますけれども、こういう大学があるということは非常に遺憾でありますので、きょうは私は問題点だけを指摘しておいて、今後この問題については発展的に取り扱っていただきたいと思いますので、きょうは管理局長もおられぬそうですから、大臣もこの点はひとつ銘記願いたいと思う。以上で終わります。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 滝井義高君。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 実は「福岡県における全国小・中学校学力調査その他の教育行政の執行の改善について」という文部省の勧告が小林事務次官の名前をもって福岡県教育委員会に出ておるわけです。その勧告が出た日に大臣の談話が出ておるわけですが、それによりますと、「去る六月に全国一斉に実施した学力調査を福岡県だけが全面的に実施を中止したと報告を受けたときは、まことに意外に思った。」と書いてあります。「そこで、これにはなにか深い事情があるに相違ないと考えて調査を命じたところ、まことに憂慮すべき事態にあることが判明した。この報告を聞いて、最初にわたくしが感じたことは、この実情を広く国民一般とくに福岡県民に知ってもらう必要があるということである。それは、このような県教育行政の不正常なことによる直接の被害者は福岡県民だからである。」云々と書いてある。そして結局勇気を持って行政秩序確立に当たれというようなことを最後にして結んでおるわけです。私、福岡県民の一人でございます。したがって、大臣のことばからいえば被害者の一人になるわけです。私はきょうはイデオロギーを越え、政党の立場を越えてお尋ねをしたいわけです。  私は福岡県に生まれて、福岡県で小学校、中等教育を受けました。そして私はそこで教師から真理を愛し、真理を信頼し、真理のためには身を挺して戦っていけということを習いました。そして私は中等教育を卒業して大学に行って医者になりました。そして福岡県の炭鉱で働きました。ところが、そこには、戦争中でございましたが、うんと結核患者が出たのです。この結核患者を何とかしてなおすことを当時私が勤務しておった経営者に口をすっぱくして言ったけれども、なかなかそのとおりにやってくれませんでした。私は青年時代に過ごした福岡県の教育というものの中から、社会的な理想をつくれということを習ったし、同時に学問的な理想に向かって邁進せよということも習いました。すなわち実証的な精神を持たなければならぬということも習いました。同時に、学問的な精神を学び、社会的な理想を建設するという理想を胸の中に燃やしたならば、それを実践しなければならぬということを習ったのです。いわば福岡県教育は私の心のふるさとであります。その心のふるさとがいわば一国の文部省から非常にげすのような非難を受けた。これは単に私のふるさとを傷つけられたばかりでなくして、もし福岡県教育がこういう実態であるならば、真理を愛し、真理を信頼し、真理に殉ずる私でございますから、身をもってこれは是正しなければならぬと考えております。しかし、もし文部省の言っておるような状態でないとすれば、率直に文部省も反省してもらわなければならぬと思います。問題はここにある。私はいままで文部委員会に来て質問をしたことはありません。しかしもしこういう実態であるならば、これは文教委員会にこれからしがみついてでもがんばらなければならぬという気持ちを持っております。  こういう前提に立って御質問を申し上げるわけです。まさか大臣は調査に行った調査官の文句をそのままうのみにしてめくら判を押したのではないと思うのです。事教育に関することですから、佐藤内閣における人間尊重のいわば基本をなす問題ですから、めくら判は押していないと思うのです。  そこで、私は大臣にまず第一はお尋ねをいたしたい点は、一体福岡県の教育委員会というものは学力調査を実施することについて全然熱意を有しなかったと見るかどうかという点です。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 県教育委員会が熱意を持っていたかどうかという点でございますが、調査団が帰りまして、役所としては関係官、私も出席をしまして、調査団の調査報告会を開きまして、逐一事情の説明を聞き、またそれに基づいて意見の交換もいたしました。総合して考える場合に、県教育委員会としてはどうも熱意に欠けるところがあった、こう思わざるを得ないと考えておるのであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 熱意に欠けるところがあったとあいまいなことをおっしゃいましたが、実はきょう県教育委員長なり北九州市、福岡市の教育長に来てもらった。ところが三人とも熱意があったと言うのです。これは福岡市には御存じのとおり社会党の二宮君が調査団長で行ったけれども、面会をしなかった。いわば教育は中立でなければならぬという人です。福岡市を押える者は福岡県を押えるというぐらいに福岡市は重要なところです。その教育長がそう言われるわけです。熱意はありました、認めるわけです。したがって、あなたの部下で調査されたところを私ずっと見てみました。なるほど相当広範に調査をされております。北九州あるいは福岡も調査をされておるわけです。それから県の教育委員長のところも調査をされております。ところがその一番大きな県の教育委員長なりあるいは福岡市なり北九州市、北九州市は百万都市、福岡市は六、七十万でしょう。そして四百万県民の教育のオーソリティは県の教育委員会でしょう。福岡県のいわば一番重要な三つの柱が熱意があった、こうおっしゃっておる。ところが世にもふしぎなことには西田審議官なる人の調査には、それが片りんだに出ていない。だからさいぜん私特に西田審議官の意見を聞いておかなければいかぬと思って聞きましたら、もう初めから私は福岡県は不信感を持って行きましたと言うのです。調査に行くのに初めから不信では困るわけです。裁判官がやるのに予断をもってしてはいかぬということは、弁護士である文部大臣身をもって体験しておられてよく御存じのとおりです。わが心のふるさと、いま言ったように、私は真理を愛し、真理を信頼し、真理のために身を挺していくということを福岡県教育で習いました。その福岡県の教育が足げにされたということは断じて許されない。しかもそれが、いま言ったように教育委員会が熱意がなかったというのは何ごとですか。幾分欠けておったというならいいですよ。熱意がない、こういう表現を一国の文教行政をあずかる人が、いままでは日教組が教育偏向をやるとかなんとか言われておった人が、こういう偏向を持って調査報告書を書くということはいかぬ。これはいわば大臣を誤らせることになる。いまの大臣のことばは欠けておった、こういうことなんです。欠けておったというならまだ私は話し合いの余地がある。大臣もいま縦に首を振られておりますけれども、そういう点、これは非常に予断をもってやった。だから、これはいま大臣の言われたとおり欠けておったというくらいの穏当なことにしないと、これはあまり……(「欠けていない」と呼ぶ者あり)私はそれだけの寛容の精神を持っておりますから……。  次は、それならば一体欠けておったという具体的な事実、福岡県の教育の学力調査に対する態度が全般的に熱意を持っていなかった、そういう具体的な事実というものが非常に広範に福岡県全体にあらわれておるかどうか。局部的に一つか二つそういうことがあったからといって、それは熱意がなかったという断定はあまりにも偏見ではないかということなんです。大臣お聞になって欠けておったということになれば、調査官の報告はもっと後退しておるわけです。その欠けておったという点はどういう点ですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 ことばはなかなかむずかしい問題でございますが、私どもの判断からしますと、県教組と教育委員会といろいろ折衝してきたようです。しかし、事柄が県教組本来の団体交渉に該当するような問題であれば、それは長期にわたる交渉もけっこうですけれども、こういう一つの行政事項でございますから、県教育委員会としては、本来からいえば県教組から何か意見を言ってきたらその意見を聞くのも場合によってやむを得ないかもしれないし、至当であるかもしれませんが、意見を聴取するのはけっこうだが、時間切れになってもう実施をしたくもする余裕のないところまで県教組と折衝を続けておったというのはどうも熱意があったとは思われない、熱意があれば、意見を聞くのは聞いた、こう聞いたからあとは自分のほうで判断をして処置をするという態度を、五日なり一週間なり適当に時間的に間に合う期間に決心をすべきである。その決心をしないで、まるで自分の自主性がなくなったというのも表現されておりますが、自主的な判断をする機会を持たずに、ずるずると時間切れまで、そういう教組のほうと話し合いをしてきたということは、これは熱意がなかった、熱意が欠けておった——欠けたとかなかったとかということはことばの表現で、若干ニュアンスが違いますけれども、私はそういう感じがいたします。  また県内には、例をあげれば、福岡市のごときは、何とか抽出調査はもちろん、全面的にテストをやりたい、こういう希望を持っておったところさえあったわけでありますが、それに対しても時間切れにしてしまって、調査実施のできないようなことになり、しかもその最後の通達を見ますると、かりにテストをやってもテストの結果の報告は求めませんと、こういう通知をしておるのですね。上級官庁がおまえのほうでかりに好きでやっても調査の結果の報告は求めないといわれれば、それはやってもむだでございますからやらぬということにならざるを得ない。こういう点も私は熱意が欠けておったと思う。報告を聞きまして、決して予断とかなんとかでなしに、大局からものを考えてそう判断せざるを得ないというように私は感じたわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 教育委員会が学校の諸先生方の意見を聞き、地方教育委員会の意見を聞き、それで判断をする。判断は二つあるのです。実施をする判断と実施をしない判断と二つある。大臣はいま教育委員会は判断をしなかったと言われたけれども、したわけですよ。やらないという判断をしたわけです。判断をしないのじゃない、したのです。だからここが間違いで、大臣は判断というものはやることだけが判断だと思っているから間違いなんです。判断というものはやる判断とやらない判断があるのです。やるというのは平静にほんとうに教育的な効果のある方法でやらなければだめです。これは大臣御存じのとおり。馬だって、動物だって水を飲まないものは連れていったって飲まないのですよ。これは地方の教育委員会の調べたものがある。どう書いてあるかというと、当校の先生の反対するようなものはやるのは反対だという教育委員会もあるのです。学校の先生の万対するものは、われわれは教育というものは先生にまかしたのだ、先生がこれはいかぬというものは、私たちは全面的にこれを信頼しますという人もあるのですよ。だから福岡の教育委員会は福岡県における教育のオーソリティなんだ。オーソリティがやらぬという判断に至った場合に、これは福岡の三十六年以来の歴史的な特殊事情、三十九年における福岡地方裁判所なりあるいは福岡高等裁判所の結論に基づいて、こういう特殊事情が航るから、やらないほうがいいという判断をしたわけです。この判断というものは間違っていない。われわれから言わせると間違っていない、いまの客観情勢から見ると。それをあたかも間違っておるがごとく言うところが文部省の独断であり、権力的な文部行政だと言われるわけです。日本の中で一つくらい——私はきょう来てみて感心した。あの教育委員長の勇気——あなたのこの文書に書いてある勇気。ほんとうに勇気を持っている人ですよ。蛮勇じゃない、ほんとうの勇気を持っていると思った。ああいう人が福岡の教育を守ってくれるならば、私たちはまかしてもいいという感じを持ちました。おそらく社会党の議員はみんな思った。自民党さんはどうか知らぬが、みんな思った。あのくらいのことを国会で言う人はそうおりませんよ。だからそういう意味で、大臣は判断というものはやることだけの判断とお思いになるけれども、いま言ったように、判断には二つある。あの情勢では教育効果というものはやらないほうがもっとあがるという判断をしたわけです。だからここを、ものごとを一方だけ見よるとやりそこなう。紙には表と裏があるのですよ。これが教育の教えるところなんです。私も科学者です。科学というものはそういう真実を見詰めていかなければならぬわけです。私は福岡の教育で習ってきた。もしそういうことを西田君が言うなら、この人は文部省の役人としての資格がない。だからきょうは私はおこっておるわけです。こういう独断をやって、こんなえこじな——県のオーソリティの教育委員会の委員長なり、北九州の教育長なり、福岡の教育委員会の教育長の言うことについて、報告にりっぱに書いていないじゃないですか。まるで国会をたばかるものです。そういうことは断じて許されない。いや私はほんとうにこれは許されないと思う。真実なんですから。だからそういう点では、大臣、いまの判断に二つある。一つじゃない。一つが真実だと思ったら間違いです。どちらが一体その場面における客観情勢の中で適合しておるものであるかということは、これを判断するのは現場が判断する。文部省が判断するものじゃないでしょう。それを間違えないようにしないと、四十六県のうちひとり福岡県がやらなかったから福岡県の教育行政は危機に直面する、欠陥があった、福岡県民は不幸であった、こういう断定をすることはいかぬということなんです。そうでしょう。判断というものは両方あるんですから。だからこの二つのどちらをとってもいいわけでしょうが、その段階でこれは教育委員会の判断にまかせていいのでしょう。まかせてはいけないということなんでしょうか。大臣、それはどういうことですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 まあいろいろ御意見承りましたが、私が報告会で聞いて判断の基礎になった一つの問題点がございます。それは調査団が参りまして一番先に各教育委員の方々に一人一人——これは全体だとまた全体に支配されて一人の意見、個人の意思がはっきりしないといけないということで、別室で一人一人の方に——教育委員の人にですね、学力テストについて意見を求めた。その結果教育委員の人々は、全員一人一人の意見として自由の意思で言われたことは、学力調査はやるべきである、またやりたいと思っておるという意思表示をされておったそうです。ですからやりたいとも、やるべきであるという考えが当初からあったとするならば、私が先ほど申し上げたように、時間切れになるまでもたもたしないで、ものごとは区切りをつけるべきところはつけるべきではなかったろうか、こう思うのです。  それからお説のように、やる、やらないのどちらが是か非かの問題ば別としても、しからばやはり三日なり五日なりそれぞれ下部機関というものは準備期間がありますから、その期間に、やるにしてもやらないにしても十分間に合う期間に決意をして、下部機関に指示をすべき性質のものじゃないだろうか。  それからもう一つは、やるべきでないという判断じゃなくて、どうも混乱を起こす危険性があるからやれないという判断に落ちついたように結論的に聞いておるわけでございまして、これらの諸般の状況を判断して、熱意がなかった、私自身もそう判断をいたしたわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 やれないという判断はやらないということに結果は同じなんです。こういうときは結果論でいかなければだめです。結果はやれないのですから。しかも御存じのとおり福岡県は他のところにない三十六年の混乱をした裁判の結論が出ているのですよ。しかもこれは終結しているのですよ。他のところと違って、係属しているわけじゃないのですから。こういう客観的な情勢というものを全然文教行政が無視をするというなら、文教行政というものはまるきり独裁ですよ。ヒトラー以上の独裁であるといわなければならぬ。われわれはそういう教育には反対をしている。戦争中のああいう独裁教育には反対している。どうも西田君の書いているのを見ると、ヒトラーの教育と同じですよ。こういうヒトラーの教育のようなものは日本の民主教育では許されないのですよ、私に言わせれば。  次は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十四条の二項に違反とこう頭からきめつけておる。福岡の地方教育委員会、市町村の教育委員会からアンケートをとったものを見てみますと、これはもう裁判でああいう結果が出ておる、県の教育委員会はそれに対する明快なる法律上の根拠を示してくれ、こういう要求が出ている。何なら文部省が示してくれと出ています。文部省はこれを示したことがありますか。——これは政治問題だから、あなた方はもう間違った答弁を書いているのだから、大臣が神のような気持ちで言うかどうかです。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 法的根拠については示しておると思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 裁判所は違ったことを示しておる。福岡の高等裁判所と地方裁判所は、不当であり違法である、こうやっている。こういう五十四条二項の手続だけではだめですよといっている。これはその裁判をした地域の学校の先生たちにとっても非常な力ですよ。そうでしょう。これはあなた弁護士だからおわかりだろうと思う。あなたがこの弁護に当たっておってごらんなさいよ、これは当然だ、こういうのですよ。だから、したがって、福岡県の教育委員会の世論を見てみると、二つに分かれてしまっておるのです。やるべきだ、やらぬべきだ、こういう形ですよ。こういう実態というものは何にも書かれていないでしょう。この報告書のどこに書いてありますか。何にも書かれてない。こういうように、まるきり予断をもって客観的な事実を歪曲していっていることは明々白々ですよ。  それから、福岡県の教育委員会というものが重要な教育行政遂行についての主体性を喪失しておる、こういうことになっておる。主体性を喪失して、そして教育行政が乱れ、その結果、これは重大な結果を招来する、こう書いてある。福岡県の学力調査というのは、これは三十六年以来いろいろごたごたしております。一体福岡県の学力の低下が他の諸県に比べてうんと悪くなっている実態があるのかどうか。大臣、そういうことをお聞きになったことがありますか。そういう実態がありますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 それはかってには判断のできない事項で、でありますから、教育課程を編成するとか、あるいは学習指導要領をつくるとか、あるいは教育水準を高めるための教育関係の諸施設をするとか、要するに、国全体としても教育水準にはアンバランスがありますが、おそらく福岡県の県内においてもアンバランスがあるに違いないわけです。そこで、文部省としては、そういうことを逐次是正をし、適正な教育行政をやりまして、教育水準を県内、国内できるだけ水準を一定に引き上げていきたいという角度から、学力調査をやっている次第でございますので、学力調査な今回のように福岡県がおやりにならなければ、県内のアンバランスもとれませんし、国内全体としてのアンバランスも実はとれないと思うのであります。さような次第で、私どもは学力調査を実施して、今後の教育行政の資料にし、また、昭和三十三年にできました教育課程は数年たった今日妥当であるかどうか、世間にも、初等、中等段階で非常に教育課程が重荷に過ぎ、大学へ行って軽過ぎるのじゃないか、もっと大学との均衡をとって是正をすべきじゃないかという意見もございますから、そういう点を是正をしていくために教育課程審議会に、私が就任いたしましてから、実は、新しい教育課程の検討、要するに、いままでの教育課程の再検討を諮問しておる次第でありまして、この教育課程審議の資料としても、学力調査の資料を十分整備いたしまして参考にしていただきたい、かように感じておる次第でございます。  それから、主体性喪失の点でいろいろ調査団から報告を聞きましたが、この問題についても、聞くべきことは聞くのはいいが、適当な段階でケリをつけないで、最後までもたついてきたということは、主体性の問題にも関係があると思うのです。もっと私は驚いたことは、飯塚市ですか、充て指導主事の人事をやりまして、人選をして辞令を交付して、本人は学校の関係者に、自分は今度充て指導主事になったという報告をしてしまつたあとに、教職員組合のほうから横やりが入った。それで、県教育委員会はその横やりに応じて、すでに発効したものに待ったを食らわして、しかもその待ったを食らわしてから後に、市の教育担当者を県の教育委員会へ呼んだそうです。呼ばれたから行きましたところが、教育長のところへ呼ばれて行きましたら、教育長はいないで、そこにはずらりと五人だか教職員組合の人たちがおって、そしてこれと話をしろ、こういうことを言ったそうです。それ自体おかしいと思いますのと、さらにそれは続きまして、市のほうで話があった際に、教育長が行くという——これは次長かなんか来たんでしょうが、行くというから待機して待っておりましたところが、教組の委員長か副委員長ですか、そういう人を同伴してきて、そして一緒に教組の委員長なり副委員長なりも同格においてこれは取りまとめてくれい、こういう談判なり話をしておるということを私は聞きまして、いよいよもって県教育委員会というものが教組に押されて、主体性を喪失しておる、こういうように私自身実は判断せざるを得なかったわけで、もっといろいろこまかい事情はあるかもしれませんが、私の頭に焼きついて記憶に残っておるのは、実はそういったような事情があるわけでございます。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 充て指導主事の問題は、これは御存じのとおり、産炭地は惨たんたる状態なんですね。ここなんですよ。あなたはいいところを言ってくれた。ここで私は真実を語れる。実は、充て指導主事をつくるようになったそもそもの理由は、ぼくが教組と一諸になって運動した。それはどうしてかというと、実は、いま御存じのとおり、飯塚、田川等の筑豊地帯の学校の中には、学童のうち半分以上が生活保護を受けているところがある。そこで、先生は、子供の衣類その他を買うのについても、ケースワーカーと同じ仕事をやらなければならぬ。そこで、この問題を解決するためにはカウンセラーというものを増加しなければならぬということで、第二次有澤調査団に書いてもらった。そしてそれが基礎になって三百名の予算がとれるようになった。これは御存じのとおりだ。そしてそのときに、あなたの前任者である愛知さんとぼくとが話した。これは学校の校長会の代表も来て愛知さんと面会した。そしてそのときに、これは法律は充て指導主事というのは教育委員会に置かなければならぬことになっておるのだ。しかし福岡県の教育の実情から、これは各学校に置いてもいいじゃないか。よく教組と相談をしてやるべきじゃないか、こういうことなんです。こういうあれがあったんですよ。したがって、教育というものは、何も人事を学校の先生と話し合って悪いなんていうばかなことはない。これはいい人を置くというのは当然ですから、お互いに話し合っていいのですよ。そういうことが官僚的なんですね。そういうことがほんとうに民主的教育の真髄を知らないのですよ。いま全国で一体学校の先生方と人事のことを話し合わぬ教育委員会がありますか。あったらひとつ聞かしてもらいたい。みんな紳士的に話し合っておりますよ。それを、教組の委員長がおったとか、話し合いなさいということが悪いなんというのは、文部省のほうがはるかかなた明治の教育ですよ。その点も間違いです。だから、こういう考え方で、そういう意図のあること、その趣旨を間違えて、今度これを組合対策とか管理対策に使おうとしていることがあるわけです。これはいわば青少年の不良化を防止するために充て指導主事というものは置いてもらおうじゃないかということになっていたんですよ。だから、教組と話し合っていいじゃないですか。それを何か重箱のすみをほじくるように、飯塚市に行ってたまたまそれを見つけたといって鬼の首でも取ったように、それが主体性の喪失の主たるものとして、おのれの頭に焼きつけられているという、そういう偏狭では、日本の文部行政というものはつとまらぬ。  私は、きょうは言いたいことを言わしてもらいたい。それではいかぬです。もう少し東京都の都連会長ともあろう人、一千万の自民党の都連会長なんですよ。だから、もう少し太っ腹——だから自民党は負けるのですよ。もう少し太っ腹にしなければならぬ。私は、中村さんに、率直に言わしてもらうならば、十七人の都会議員のなわつきを出して恋々として文部大臣の職におるということが日本の教育を毒している。やはり政治というものは姿勢を正さなければいかぬです。私は、ほんとうに真実の気持ちから言うのです。恋々として文部大臣にとどまっておって、日本の教育のえりが正せると思いますか。日本の子供は目をさらにしてあなたの行動を見ていますよ。都連の会長もやめないし、文部大臣もやめないで恋々としておるということこそが、ここで言う資格がないですよ。しかも、そういう部下の間違った報告を受けて、そうして言うなんていうのは、大間違いです。もう少しあなたば腹を太くしなければいかぬ。そういう重箱のすみをほじくるようなやり方、産炭地に行ってごらんなさい。弁当も持ってこぬで、めしも食えぬで、先生方はかゆいところに手が届くようにおかあさんのかわりになってやっているんですよ。そこに先生が余っておるから、七重のひざを八重に折って先生のカウンセラーを配置してくださいと言ったのに、配置したのは何人だ。たった三十人じゃないですか。これで一体民主教育と言えますか。こういう惨たんたる状態にしておいて、福岡県が学力調査をやらなかったと言っていたけだかになっておる。文部次官は福岡県出身じゃないか。文部次官が福岡県出身、その福岡県が恥ずべき教育か。それだったら事務次官をやめなければいかぬ。みずからのふるさとじゃないか。こういうところを——あなた方は笑っておるけれども、笑いごとじゃないですよ。東京都民に聞いてみなさいよ。あなたが文部大臣だからけしからぬと都民が言っておる。そういうところをもう少し——こういう飯塚市のような、炭鉱がつぶれてしまって悲惨な状態になって、先生方は目の色を変えているんですよ。そういう大事なカウンセラーの人事について、教組が話し合うのは当然です。それを何か、あたかも福岡県教育のグルントを破壊するような例にあげるというのはけしからぬです。だから、私たちは断じて西田君は許されぬ。これは党議決定でもって西田君はやめてもらうつもりです。こういう人が文部行政をあずかっておって、一体日本の文部行政がうまくいきますか。断じて許されぬです。(「僭越しごくな話だ」と呼ぶ者あり)何が僭越しごくですか。道徳教育の問題やその他のことを言っているんですよ。この報告書ぐらい道徳教育に関係のあることがありますか。見てごらんなさい、あの東京都民のあの声を。政治家はえりを正さなければならぬ。ばかじゃないですよ。真実じゃないですか。(「やめさせる、やめさせぬというのは言い過ぎだよ」と呼ぶ者あり)間違った報告書で責任をとらぬということはない。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 質問をお願いいたします。静粛に願います。滝井義高君、質問をお願いいたします。   〔「マドロス・パイプで何だその態度は、審議官」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 静粛に願います。質問をお願いいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 いまのように主体性を喪失したということを、そういう産炭地におけるカウンセラーの問題の一片をとって、あたかも全福岡県の教育委員会なり地方教育委員会も一体になって教育に対して主体性を喪失したようなことを言われることは非常に困るわけです。このことが福岡県の教育にどれほど大きな混乱を起こすかわからない。学テをやらなかったこと、こういうことを調査報告をして、そうしてそれを堂々と今度は参議院選に利用したわけです。これくらい悪質なことはない。教育を利用した。そういう点で、主体性を喪失するどころか、この勧告こそまさに福岡県の教育を混乱した元凶です、われわれに言わせれば。見てごらんなさい、福岡県の県議会なり教育の状態を。こういう教育というものは考えなければいかぬです。初めのうちは、これは政治的にしない、しちやいかぬといったのが、いよいよ参議院選挙の情勢が悪くなったら、がらりと態度を変えたでしょう。  次は、一体、県の教育委員会が市町村の教育委員会に対して一切必要な措置を可能にするような、市町村の教育委員会がいろいろ措置ができるような行政指導というものをやらなかった、こういうことを言っておるわけです。これもきょう聞いたところでは、そうではない。それは福岡市だけがいま一歩してもらったらよかった、こういうことなんです。しかしいろいろな措置を不可能にするような行政指導というものは、これはやっていません。いま一歩やってもらったらよかった、こういうことなんですね。これについては、一体大臣は、県の教育委員会というものは、そういう行政指導をサボっておったという実態というものをお認めになるのかどうか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 前のお話から、御発言がありましたから、お答えをいたしたいと思いますが、なるほど県教組に何か人事について意見があれば聞く場合もあるでしょう。聞くのもいいが、しかしそれによって左右された姿はおもしろくない。これは教育行政機関としての自主性の上から感心しないと思います。しかもすでに発令済みでございまして、たいていほかの団体にいたしましても、一ぺん役員なり人事をきめたら、それは人間ですから批判の余地もある、あれはきめたが、どうも適当でなかったという場合もあるかもしれませんよ。しかし一度きめたら、まあ時期なり一定任期中だけはしかたがない、これが普通じゃないかと思うのですが、この充て指導主事の辞令が発令されて、本人もその気になって大ぜいの人に披露してしまったあとに、それが撤回されてしまうというに至っては、まことに言語道断ではないかという気がいたします。ましてその撤回なり変更をさせるについて、県教育委員会なり教育長が組合の意見を聞いて、それによってもっともだと思って自主的に市の当局と交渉するなり話し合いをするならいいけれども、その席に、要するに人事を撤回させるべき動きをしていた地区教職員組合の委員長なり副委員長なり、そういう責任者を同列において同時に話をするということは、どうも私は主体性喪失という点から言えばそう認めざるを得ないという感じがするわけでございます。  次に都議会の問題、これはここで答弁をすべき事項でないと思いますが、私は、実は都連会長はあの都議会事件が起きまして以来辞意を漏らして、関係者には辞表も文書で提出したこともありますが、あとの適任者もなかなかすぐにはできないからとにかくということで慰留をされまして、最近ではいよいよ承認を受けまして、いま後任者は選考中でございます。  ただ一言申し上げたいことは、私どもの自由民主党は、完全な民主主義でございますから、国会議員であるからといって、あるいは都連会長であるかにといって、都議会というのは一種の自治体でございますから、自治体の行政なり自治体の議員の団体に対して、上から指示をするというようなことは、私どもは慎むべきである。結果的に……。(「どうして福岡県の教育委員会に提示したのだ」と呼び、その他発言する者多し)ちょっと黙って聞いてください。結果的に間違いが起こりましたけれども、間違いの起こる、起こらぬは別として、ほかの統制力のある統制団体というか、そういう政党と違いまして、われわれの政党は民主主義政党ですから、地方議会の自主性を侵すような指示をしたり、圧力を加えたりということは、従来慎むべきであるという観点に立っておったわけで、その結果都議会ではああいう事件が起きましたが、これは都議会のみならず全国的——人間のやることですから、常道を逸するような事件も絶無ではないと思います。私としては精神的には責任を感じて、実は都連会長は辞任をいたしておるわけでございますが、まあ、いま御指摘の点は、そういうような意見の食い違いであろうか、かように存じておる次第でございます。  最後の点は、私もよく御趣旨の急所が理解できませんでしたので、もう一ぺんお述べをいただくか、さもなければ、政府委員のうちで聞いておられて、趣旨がよくわかった者がいましたら、その者からお答えをさせるようにいたします。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 なるほど自由民主党が民主的な政党であるように、われわれもそうなんです。問題は、福岡県の教育委員会が、教育的な効果は、やらないほうがいいという判断をしてやったわけです。ちょうど文部大臣が都連の会長は辞意は出すけれども、文部大臣はやめないでそのままおったほうがいいだろう、こうお考えになっておるわけでしょう。われわれは日本の二千万に及ぶ小中学校等の子供が、東京都のあの事件、文部大臣の行動というものを四千万の眼をもって見守っておるんだ。これは見解の相違です。見解の相違ですからいいですが、いま言ったように、都議会について頭からわれわれはそんなこと言う必要もない、民主主義の党だというのと同じように、いま不規則発言があったように、教育委員会についてもその地域の教育のオーソリティというのは教育委員会ですよ。これが教育で最上であると言ったものを、わざわざ参議院の選挙のまつ最中に調査団を出して、そうして曲った報告を出させて、それを天下に公表するなんていうのは、いかにも民主主義的でないじゃないかということを言っている。語るに落ちたわけです。私が言いたいことをあなたは自民党の姿の中で言ってくれたわけです。だからそういう点はこのくらいにして、福岡県の教育委員会はいままで学力調査をおやりになっておるわけでしょう。おやりになっておって、今年ばできなかったけれども、いままでおやりになっておるわけです。それならばお聞きしますが、いままでおやりになった結果を福岡県の教育の上に具体的にどう一体指示をし、改善をしてくれたかということです。いままでおやりになったもので……。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 学校の施設その他について予算の配分等は考慮いたしておると思います。なお、教育課程の改善についての参考にすべき資料は、教育課程の審議会がいま始まっておるところでございますから、これから活用してまいりたいと思います。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 八木さんが政務次官のときも、いまのように一斉調査はいかぬ、これは悉皆調査でなくて、やっぱり二0%なら二0%抽出の調査をやらなければいかぬだろう、あなたの前任者の前任者の灘尾さんのときもやはり学力調査を再検討するときが来ているんだ、こうおっしゃっておるわけでしょう。そういう文部省自体の中においてさえも、時の代表の大臣なり政務次官がそういう発言をしているときなんですから、それをいまの中村さんたちの判断でいうと、何か福岡県の教育委員会はやれ、一定のところに来て意見を聞いたら聞く必要はない、あとは自衛隊を動員しても警察を動員しても、行政命令を出してでもやれ、こういうことらしいですね、いまのことばを聞いてみると。しかし教育がそういう力をもってやって一体効果があるのかということですよ。あるのか。ここですよ。何かいままでは政治権力をもって調査をしてやれる、こういうことが間違いなんですよ。たとえばわれわれの子供だって自由に学力をテストしょうということならみんな金を出して予備校その他に行っていますよ。やっぱりそういう形でけっこうこれは教育の状態というのはわかるわけですよ。何も一斉に権力をもってやらなくたってわかる。もう少し弾力とゆとりと平静さをもってこういう教育というものはやらなければいかぬですよ。それをしゃにむに何もかにも十ぱ一からげで一律でもってやろうとするところに、見てごらんなさい、日本の子供はみんなすらすらと背は伸びたけれども、みんなからだは弱いじゃないですか。今度の栄養調査や体力調査をごらんになってみると、みなすらすらっと伸びておって、ほんとうにからだが弱い、こういうところがあるわけでしょう。だからこういう点についても、もう少し広い立場からやはり学力調査というものを考えなければいかぬ時期が来たと思うのです。私がむしろこういう全く大臣と反対の見解を持った。福岡県の教育委員会はこういう結論を出していただいた。これは日本の学力テストに再検討する一つの大きな契機を与えた、こう思っている。いわば福岡県民は不幸どころかこれによって幸福になる。日本の教育のために貢献したとさえ思うわけです。したがってこれはもう私、これ以上言いません。あと質問者がありますから、あとは大臣の政治的判断にまかせるわけです。  そこで大臣に最後にお尋ねしたいのは、きょうの北九州等の教育長の御意見を聞いても、いまのような福岡県の情勢すなわち特殊事情というものが、裁判の結果その他から解消されていない。そういう中で学力調査を来年度以降やるということは非常に暗いですと、こう言っている。暗いです。そうして何か回答を出せというのもまだ回答は出しておりませんという御意見だった。そうしますと、やはり私はここでもう一回学力調査の問題については、前に政務次官等ももう抽出でいいだろう、きょうの福岡市の御意見等聞いてみても、もう一斉調査、あんな形でやってもだめですよ、やはり二年か三年に一回やったらいいという意見が堂々と出てきている。勇気があるですよ。文部省のお役人を前にしてあのくらい教育長さんが言うのですから、私は勇気があると思うのです。そういう段階があるので、この際大乗的見地に立って中村文部大臣としては学力調査を再検討する意思があるかどうか。それともいまのままで業務命令を出して、しゃにむに警察官を入れてでも、やっていくつもりかどうか。それを最後にお聞かせ願いたい。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 先ほど穏やかでない警察官を入れても、自衛隊を出動させてもというようなお話がございましたが、そういう事態を予想して、私はそういう事態で無理にやれとは考えておりません。ただ根本的な問題としてお考えをいただきたいと思いますことは、あなたの御意見からいたしますと、いろいろ教育課程の改善にせよ、学習指導要領の逐次改善にせよ、あるいは教育の環境の整備にせよ、まあ勘でやっていけということのようですけれども、これは国民の貴重な税金を使ってそういうような教育投資をやっていく以上は、これは勘では当たる場合もあるかもしれませんが、妥当ではない。やっぱり今日の科学時代でありますから、テストも全面的にやる必要があるか、抽出だけでいいかは判断の余地はありましょう。まあ最近は抽出ということでよろしいということになってきて、抽出を中心にやっておるわけでございますが、適当な水準のやはり国勢調査的の——国勢調査と比較してみれば、要するに学力の基本的な調査をして、それを精密に集計をして、そういうものに基づいて学力水準の均衡化をはかっていくとか、学習の向上をはかっていくということにつとめるのが貴重な税金でやります教育としては私は妥当ではないか、こういうふうに考えるのであります。したがって、もう教育課程の再検討の資料も整った、あるいは学習指導要領も、これ以上もう向上の余地がないという時期でも来れば別でありますが、学習指導要領なんというのは逐次やはりその時勢に応じて、状況に応じて、改善のできる点は、人間のやることですから、いいつもりでつくったものでも、これが万全ではない、やはりもっと改善をしたほうがいい。どこそこの県ではこういう学習指導要領を使っておるが、その結果は、学力テストの結果非常にいい、どこではこういう学習指導要領を使っておるが、あそこはあまりテストした結果よくないという場合は、いいほうへ右へならえするような学習指導要領の編成の方針もあるでしょうしいたしますから、できるだけ私どもとしては貴重な国民の税金を使って教育投資をするわけですから、科学的な運営なりなんなりの方法を進めていきたい、こういう考え方には今日も変わりがないわけであります。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 大臣は何か私が勘でやれということを言ったとおっしゃるけれども、私は科学者なんですから、絶対勘でやれなんということは言わない。私はさいぜんから言うように、いまのような全面的な一斉調査なんというものはやる必要はないじゃないか。電子計算機も発達しておるし、選挙の結果を見て.こらんなさい、午前中票が出たら、午後はだれが当選するということは、少しは間違いがありましたけれども、大体七、八割は合うのです。だから、それと同じです。いま何か全然一斉調査とか、抜き取り調査をやらなければ、教育課程なり、教育条件の改善ができないようなことを言われるけれども、それは学校はそれぞれテストをやって通信簿を持っているのですから、モデル校をつくってそれを聞いてもできるはずです。それができないはずがない。やはりそれは同じ教科書が類似のところは類似でやればいいのだから、だからこれは私たちだって子供の心理を勉強しています、小児科の医者ですから、勉強していますから、それは何だったら教育心理学だって負けやせぬですよ。だから、したがって勘でやれなんということは言わない。勘というものは、科学的なきちっとした経験と基礎の上にりっぱな勘が出るのであって、何も無調査で勘なんという非科学的なことを私は言っていない。私が大臣に言っているのは、いままでどおりのごり押しの一斉調査をやっていくのか、それとも福岡県のこれを契機にして、大乗的な謙虚な気持ちになって、ほんとうに民主的な教育を推進するために、いままでの調査をもう少し方向を変えて、いい方向でみんなが、協力できる形でやることにしないか、いわばこれを一つの足場にして、学力テストのあり方について再検討したらどうだ、こういう意見を言っているわけです。勘でやれということは言っていないですよ。その点ひとつもう一ぺん……。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 それでしたら私は適当な公正な方法による抽出調査でけっこうだと思っております。

滝井義高日本社会党

○滝井委員 わかりました。大臣は忘れないようにしておってください、全面調査でなくて抽出調査でけっこうだ、こういう御意見でございますから、これで私はやめます。ありがとうございました。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 午前中参考人に対して有意義な質問応答があったわけです。それを中心として大臣のお考えを聞きたいと思います。  その前に、いまテストの問題が出ましたので、過去の問題でなくて今後の問題で重要な問題ですから、大臣に申し上げておきたいと思うのですが、いまテストを実施して問題になっておるのは、いわゆる一斉テスト及びその延長の希望テストなんです。そうして文部省は教育課程に関する改善と学習指導要領の改善と教育条件の整備の三つを目的にしておるわけです。教育課程に関する方策というのは、日本の最高の教育学者、科学者、学者が知恵をしぼってつくるべきものなので、子供全部のテストをして、そこからつくるものじゃないのだと私は思っております。  さらに指導要領の改善についてば、文部省が画一的なテストをして、自由な学習指導とか教育を拘束してしまっては出てこないので、全国自由な教育をやらしたあと、ここに次点があり、ここに長所がある、それを集大成して、そうして十年、二十年の積み重ねた教育実績の中から、文部省において学習指導の改善の方針を立ててやるというのでなければ出っこないですよ。一斉に学力テストをしたあとから指導要領改善はできないので、いろいろの実験教育テスト、いわゆる学校経営その他もっと自由にしたあとで引き出してやるのがほんとう、だ。  だからあとに残るのはもう教育条件の整備しかないのだ。そうすると大体一0%以下で、教育条件の整備について漁村及び農村地帯、山村地帯、都市地帯のどこに欠陥があるかということは、少なくとも前から文部省が実施したあれでいいのである。そういう中で、いままでの長所、短所を含めて、行きがかりを考えないで、あるいはメンツを考えないで、根本的に検討していただきたい、よろしゅうございますね。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 テストは文部省としては適当な合理的な抽出調査でもいいと思います。ただその地方地方なり関係の一般の学校が希望調査といいますか、せっかく文部省がそういう調査をやられるならば、自分の学校でも学級別の差とか、そういうものを見たいから調査をしたいという希望があれば、やはりさせても差しつかえないじゃないか。無理に一斉に全般的にやれと言わないで、自分のところは自分のところで参考に資したいという希望者があれば、希望校にやらせることは私は支障がないことだと思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 教育条件の整備以外に抽出テストというふうなものの目的と手段の関連したものはないわけですから、こういう国民の税金でやるわけですから、むだな五〇%とか三〇%とかやる必要はないので、二〇%は私は税金のむだづかいがあると思うのです。一〇%以下だろうと思う。そういう既定方針のもとにテストをやるべきである。その他のものについては、希望があるというのはそのこと自身はいいのですが、現在の学力一斉テストの弊害で予備テストのテスト屋が盛んにテストのペ−パーを売り、金もうけの対象にしておる、また各学校では予備試験をするとか準備教育をするとかあるゆる弊害が出たあとの延長の問題であるから、そういうふうなものは一応切断をして、二、三年あとからまた検討し直すのはいいのだけれども、いままでの歴史的な沿革からいったら不適当である、私はそう思うのです。それを十分に検討してもらいたい、これは念を押して申し上げておきます。  午前中に私、県の代表一人の教育委員長と、市の代表二人の教育長の中で、特に学力テストをやりたいと一番熱のあった福岡市の教育長も含んで三人に平等にお聞きしたのです。その中で文部大臣の判こを押されたいわゆる勧告、文部大臣は前に、勧告というのは要望だというふうにお答えになっておった、その要望の中に「純粋に教育的な配慮という名のもとに、調査の全面的中止の方向に行政指導を行ない、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十四条第二項に違反した。」と書いてあるが、これについては県の委員長はどう思うかということについては、これはあらゆる点について純粋に教育的に考えた、名においてということは教育ということばをダシにしてという意味で、そういうことは絶対ない、学力テストはやりたいと思っていろいろ努力はしたけれども、福岡には特殊事情がある、すなわち福岡の地方裁判所、高等裁判所自体に、刑事判決の問題ではあるけれども、この学力テストは法律違反であるという判決が出ておる、その前の二ヵ年については福岡県は九〇%から一〇〇%の実施をしてあるのだ、岩手県のような全然実施しないのじゃないのだ、あとでそういう判決が出たために教育界においてもこれについていろいろの論議が出、そしてできないという事情が出た、これは福岡の特殊事情である、そういう事情の中で混乱を起こしてまで強行するという問題ではないのだ、学力テストそのものについての評価もいろいろ論議があるのであり、そういう混乱を押してまで実施をするほど大きい教育価値があるとは考えないということも含んで、そうして混乱をするくらいならとりやめるという純教育的立場に立った。私は正しいと思うのです。教育委員長もそう言い、二人の教育長もそう言っている。福岡のほうの教育長、これは自民党から推薦された教育長なのです。平等に聞いているのです。県のほうでは混乱が起こると思って指示をされたが、私らは混乱は起こると思っていなかった、警察導入までやるという考えはなかったと言い、その教育長もあとで、この学力テストについては私は意見がある、再検言すべきだというので、毎年やるよりは二、三年で一回やったらいいのではないかとか、やはり教育行政的な立場で学力テストに対して検討すべき意見を述べておるのです。私はこの三人の回答を聞いて、この勧告は一方的であると思う。あとで必ず速記録を読んでください。  次に、第五十四条第二項に違反したというがどうだろう。これについては違反をしていないと考えるので、その点は申し上げたけれども文部省の調査局にお聞き取り願えなかった。さらに福岡で起こった問題で福岡の地方裁判所及び高等裁判所が違法であるという判決を下している事実があるわけですね。他県のほうでは違法でないという判決も下しておる。しかし福岡の高等裁判所の判決の中で、この学力調査は第五十四条第二項に基づく調査には当たらない、第五十四条第二項はもともと、右のごとき調査要求を予想しておらず、しいていえば、むしろ同法第五十三条第二項に基き、調査事務を機関委任する方法によるべきであった、これは判決文であるわけです。これを現実に見て、教育委員会、教育委員長が、悩みながら、今度の学力テストに対して対処をしたのである。そういうときに、文部省において勧告なんというのは、もう伝家の宝刀であって、そう簡単に出すべきものではないはずのものを、福岡のものに対して、しかも福岡の中における判決において、違反だという二つの判決があるときに、五十四条第二項に違反したときめつけて、勧告をしておる、これは民主的でないと思うのです。大臣がいま民主的ということをおっしゃったが、こういうときになぜ勧告をお出しになるのですか。しかも大臣は、就任早々である。一年でも文部大臣をされて、見きわめられたあとならばいいです。それを就任された直後に、西田調査団長か知らないですけれども、報告をしたのを、ただことばを聞いて、そうしてその福岡の中において違反でないという判決、二つもある。それに対して、違反だ、形式論理で、刑事裁判の判決であるから、行政庁は拘束は受けない、それはそのとおりでしょう。それは形式論になる。これは行政指導の問題なんですね。行政指導で、文教政策の問題として、よほど至難なら至難で、疑問のある明確でないものは勧告なんか出すべきものではないのに出しておる。私はこれは不当であり、非常に軽率だと思うのです。この点はいかがでしょうか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 いろいろ裁判のお話が出ておるわけなんですが、全国で六ヵ所ほど学力調査に関連をした刑事事件で判決が出ておりまして、四ヵ所は五十四条二項による調査を妨害したとする行為、五十四条二項による調査の適法性を認めておるわけです。二つの裁判所が適法性を否認しておる。問題は、私の判断でございますが、私はこう思うのです。五十四条には事務ということばを使っておるわけで、この事務の判断の問題でございます。文部省としても、おそらくこれを肯定しました判決も、事務とは教育上の諸施設や施設の整備、設備、運営というものまで含まれておる、こういう解釈をしておるわけで、文部省もそういう解釈をしておるわけです。ところがこの事件は刑事事件でありまして、行政事件でございませんから、おそらく福岡の裁判所のような裁判をしたところは、事務ということばを文字どおりとって、これは単なる事務の報告である。したがって、その調査までを含んでいないんだという御判断をなすったものじゃないかと思うのです。ここに刑事事件としての判決の場合と、行政事件としての判決の場合には、裁判官の頭の配慮のしかたが違ってくると思うのです。行政事件であれば、事務ということばがありますが、これはほかの立法例なども全部調べてみれば、事務とは単なる庶務的な事務じゃなくて、もっと行政運営全体についての広い範囲であるという用語の使い方が、ほかの立法例にもたくさんあるわけで、この条文の場合を考えてみましても、事務とは学校を設備したり管理したり運営したり、教育の運営全体を含めた事務、これを用語上事務といっておる、こういうように解釈するのが妥当であると実は私どもは考えておるわけでございます。したがって、私どもとしましては、先ほど実は少し言い過ぎかと思いましたが、いろいろ福岡県教育委員会がとりました態度、あるいはその後の進め方、主体性とかあるいは熱意とかいう問題について私も解れましたが、どうもこういう点は、私は新任でございまして、過去の歴史は知りませんけれども、調査団から逐一報告を聞き、またふなれな私だけが聞いたんじゃありませんで、練達たんのうの文部省の関係官全員が出席をしまして、その席上でいろいろ納得のいかない点は質問したり討論をしたりいたしまして、出た結論でございますから、上司である私としても、同感の感じを持ち、さような処置をとった次第でございまして、今日もその勧告を出したことは失当ではないと私は考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この裁判に両面ある。しかし刑事事件であればわかっておるわけです。しかし、少なくとも裁判において疑義があるというその現実の中で、普通の、勧告なんというのを出すときはよほどのときしかないわけですから、なぜお出しになるのか。御指導なさるならいいです、大臣が呼び出してこれはもっとやれ、しっかりしなければいかぬというふうにやれば。勧告しておるということでわれわれは問題にしておるのです。しかも幾つかの裁判がございますけれども、福岡の場合は、高等裁判までいっておるのです。ほかは地方裁判でしょう。それが一つ。  それから私も常識的に見て、この裁判のほうは、文教行政の感覚からいったら私は正しいのではないかと思うのです。ちょっと聞いてください。福岡裁判の場合の判断は、「本件学力調査の目的は、児童、生徒の学力の実態をとらえ、学習指導、教育課程及び教育条件の整備改善に役立つ基礎資料をうるものとされてはいるが、その問題作成の方針は、文部省の定める学習指導要領を基準とし、その目的は、学習指導要領に対する到達度をみる点にある。いうなれば、学力評価の一種であって行政調査の限界をこえている。」ここの学力評価というのは、教師のいわゆる教育活動の中核であって、たとえば見識のある校長は、テストをもって人間を教育できないという教育信念を持って、私の学校はテストはやらない。ほんとうの人間形成をするんだと言って、その校長が自分の信念で学校経営をしたときには、私はむしろそういういき方に対して文部大臣は賞讃されると思うのです。そういう教育に対する学力評価というものの内容の学力テストについては、私はいわゆる調査の外にあって、それならばそれで別途のいき方をとるべきだという判断を、教育常識、教育行政常識から考えて正しいのではないかと思う。これは法律論は別にして、そういうやはりもっともな点があると思うのですね。そういう論議のさ中に、しかも就任早々文部大臣が一片の形式法理論をお聞きになったり、一回の調査団の話を聞いて、まだ文教行政全体を十分体得されていない以前にお出しになるのは何としても軽率ではないか、そういう性格のものではないと思うのです。すなわち本来原則は指導助言機関であって、そういう一つの権力的な行動をとるというたてまえに文部省と県の教育委がなっていないのですから、例外中の例外として処理すべきものですから、もっとそういう発動する場合においては自粛自戒すべきものである。だから私は前の委員会にも、なぜそのときに教育委員長をお呼びになって大臣室でお話にならないのか、そういう方法こそ民主的ではないかと私は申し上げたのであって、きょうのお三人の方々の考え方も大体これをこのまま認めていないのですよ。  その次、これだけではないのです。大臣おられなかったからよく納得していただかないと判断を間違えると思うから申し上げますが、その二に、主体性を喪失しており、今回の学力調査不実施はその一つのあらわれにすぎないということについては、県教育委員会と教員組合の関係を文部省は誤解をされておる。人事権については、私たちは人事権の立場というものを絶対守ってきておるのだ。しかし話し合いはしております。それはするのです。それはどこでもしておる。私もしておりました。それは僻地に先生をやるときには、やはり生活が困りますから、支度金をくれとか、あるいは六年以上同じ学校におれば転任をさす方針をとるとか、あるいは交通不便のときには旅費については十分にするとか、それで大体人事の基本原則は、これは当然教員組合は好ききらいにかかわらず、教師の団体でございますから、教師の団体と話し合いをしていかなければ地方の教育行政は成り立たない。それは人事権の自主性をなくしたことには絶対ならない。いま極端な飯塚市の充て指導主事の事例の話を聞いておりました。これは指導主事ですが、教員の身分です。そして産炭地区においては特別の事情があるから学校に配属するか教委に配置するかは実態に沿うてやってくれと愛知大臣が認めているわけですから、その極端な事例だけをもって大臣が、教育委員会の自主性喪失せりという判断をするのは、あまりにも教育委員会を侮辱しておるものだと私は思うのです。もっと実態をお調べください。そんなもんじゃないですから……。もっと真剣に考えて、いろいろな条件の中で苦心さんたんをしてやっておるのです。それを大臣が、県教育委員会に対してそういう断案を下されるのは、文部大臣としては非常に軽率だし、県の教育委員は決して文部大臣を尊敬しないと思うのです。そういう喪失はないと私は思っておる。これも速記録を読んでください。  それから次の3については、市町村教育委員会の「一切の必要な措置を不可能とするような行政」措置を県教育委員会がとった結果こうなったと書いてある。これについては三人に聞きました。そうすると県の教育委員長は、県の市町村の教育長会議教育委員会議を開いて、その決議によって、混乱をしないようにやってほしい、混乱するくらいならば強行しないほうがいいという意味の決議で要望されたによって、それで数次会談をしていったのだ。それを受けた二人の教育長のほうは、決してそういうような必要な措置を不可能にするような指導はいたしません。北九州の教育長も福岡の教育長も同じように言っておるのです。こういう県教育委員会に対して、現実にいろいろな立場を持っている三人の人がここで同じことを言っておる。よく答弁を読んでください。そういう措置ばなかった。それをあなたの部下が出しておる。そしてあなたが判こを押されておる。一体県の教育委員会とか市町村教育委員会をそういうようなことで侮辱するような勧告を出されるということはまことに遺憾です。将来の文教行政の、教育行政機関の信頼感に対してもまことに私は遺憾だと思う。きょうの私の質疑応答の中から申し上げているのです。  さらにその次に5のところに、市町村教育委員会は県教育委員会の「確固とした態度を期待するとともに、各種の困難を排除しても、これを実施することが、行政秩序の確立のため必要であると考えている者が多い」と書いてある。「多い」ということはどうだ、これについては多いわけじゃないのだ。多いという断案も間違いである。そういう強行してほしいという意見もあり、混乱をするならやらぬほうがいいという意見もあり、どっちつかずの人もあった。しかし多いということは事実に反する。これも明確に出ておるわけなんです。こういうふうにあなたの出された報告文の中には、少なくとも、私が遠慮をして言えば非常な誇張がある。間違いじゃないとしても誇張がある。そういう誇張に基づいて措置をされておるということは、十年に一回か二十年に一回、法律違反が裁判その他においてもう明確である、疑問の一点もないというときにのみ発動さるべき現在の文部大臣の立場、民主主義の原則を尊重されるたらば、そうやるべき措置をこうされておるのは重ことに軽率であると、私ばけさの質疑応答の中で感じておるわけなんです。  最後に申し上げますが、人事の問題についてどうも自主性がないとかいろいろとあげつらっておられますけれども、任命権者は県の教育委員会で、文部大臣ではないのですから、任命権者がいろいろな方法で人事を運営するということだけは、私は任命権を有する行政機関のいわゆる専属権限であると思う。みだりに外からそのやり方はいけない、けしからぬということを言われることは、そういうことを言われるくらいなら、教育行政組織を廃止されたらどうですか。任命権を有する県の教育委員会制度の廃止論を主張されたらどうですか。地方の教育委員はいろいろな苦心をして、そうして他の人事と違って、各県の教育委員会における一年の年度の人事というものは二千人から三千人、多いときには四千人の人事異動というものが例年行なわれるところなんです。そのときに、県会議員からも父兄からも、あらゆる点からやはり個人的事情でどこへ移してほしいがどうかというようなことを、そればやってきてしょうがないところなんです。そういう中で苦心をして、県の教育委員会がその人事権の中で全体として最も妥当な結論を出して、一月、二月関係者がかん詰めになるようなかっこうで案をつくってやっておるのですよ。それをちょっとしたいまのようなことで、文部大臣が東京のビルディングの窓から、けしからぬ、自主性を喪失した人事について何とかしろというふうな要望を出されるなんて、私はまことに県教育委員会を軽べつしておるものだと思う。そういう意味において、私は率直に、大臣が就任された直後、そうしてこの文書を、あとで参考人の答弁を読んでいただいたらわかると思うのですが、そういうことを将来同じような気持ちでやられたらたいへんである。そうしてこういうことについては、さらにあなたが勧告されたことによって、地元の県会がまた政治的に利用する、この機会に社会党の知事を落とす材料にするというようなことで、県会の権限からおかしいものを、委員長辞職勧告決議、教育長辞職勧告決議を出そうとして、県会が流れたという事実があるわけでありますが、そういうところで教育の中立性、自主性を侵すきっかけをあなたがおつくりになっておる、こういう現実を直視をされて、文部大臣はもっと冷静にこの問題について今後そういう欠点のないように処理をされる責任があるのじゃないですか。中村文部大臣は非常に常識的な人でとっぴなことをしない、これは世論の定評である。きょうの新聞を見たら、ある投書欄に、中村文部大臣は親孝行で、おかあさんを背中に負、ていって——これは中村文部大臣を、高校の生徒の投書であるが、非常に期待しておる、人格的に信頼を持っておる。そういうイメージを与えておられるので、そういうイメージをお持ちになっておる一般の青年諸君に対しても、こういうことは私は合わないと思う。その点を、お出しなされたことについてはやはり十分に妥当だなんというお考えで、あとはどうでもいいという考え方を捨てていただきたい。そうしてその点もっとまじめに今後の文教政策の全体の責任のある御答弁をここでいただきたいと思うのです。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 いろいろお話がございましたので、一々該当したお答えができるかどうかわかりませんが、大局的に申しまして、実はあの勧告の文章の中にいろいろこれこれこういうこと、こういうことをきめつけておるじゃないか、きめつけたことはよろしくない、こういう御意見が中心であったと思いますが、ただこちらのほうでは、別段外に対してどうしたわけではありませんので、責任者である県教育委員会に対して、このような勧告を発しまして、これに対して意見なり結果なりの報告を求めておるわけでありますから、そうする以上は、こちらとしてはこう思うというこちらの思い方だけば示してやらなければ意味ば通じません。そういう意味で、こちらとしては主体性の問題にせよ、熱意の問題にせよ、こう思うということを申し送っておる次第でございまして、もし先方にいやそれはそうおっしゃるがそうではない、こういう事情であった、あるいはこの点についてはこう考える、あるいはこの点についてはこう処置をいたしますという御意見なり結果があったらと実は報告を待っておる次第でございます。  とにかく相手に通ずるためには、こちらの思い方というものを示さなければこれは勧告になりませんから、そういう結果でございまして、まるで裁判の最終確定判決のようにきめつけておるわけではないということを御了承いただきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それではそういうあり方が、事実向こうの報告でそうでないことがわかれば大臣は訂正しますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 勧告はすでに出しておりますから訂正するわけにはまいりませんが、こちらの今後の処置なり考え方については、向こうから回答が参りましたらその回答を十分しんしゃくいたしまして検討いたしたい、かように存じております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 検討というのはどういう意味か、どういうふうになされますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 検討ということは、回答がきました上で検討をして善処すべき事柄があればこちらも善処します。お互いに教育関係の立場におりますから、日本の教育をいい方向へ持っていくということが目的なんでありますから、さように考えておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 勧告というのは、大臣は親切に指導しておるという意味なのですか、ほかに別な意味があるのですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 指導、助言をするための勧告でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 指導、助言のためをただ勧告ということばであらわした、そうでございますね。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 勧告ということばも、これはどこから出たか、この文章の結論のほうには実はあるのですけれども、表題は御承知のとおり、これこれについてということでございまして、まあ用語がよかったか悪かったか知りませんが、文章に勧告ということばがどこにか入っておりますから、まあそういうふうに議論をされておるわけでございますが、表題といたしましては「福岡県における全国小・中学校学力調査その他の教育行政の執行の改善について」こういうことでございまして指導、助言の考え方に基づいておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣のおっしゃるのは、これはいわゆる勧告という法律用語のものでなくて指導、助言だ、改善についての指導、助言の一つの手段であるということですね、間違いないですね。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 そうです。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それじゃ別に法的にどうということはないので、いわゆる文部省と地方教育委員会との間の指導、助言の一つのあらわれである。別にどうということはない。そういうことならば、今度はそれを利用して、地方のほうでは教育委員会に対して辞職をしろとか何しろとかそういうようなことを動くということは妥当でないと思うのですが、いかがですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 どうもそのほうのことは私の手の及ばないところでございますから、ちょっと見解を申し上げかねますが、考え方としましては県教育委員会が私どもの納得するような措置を講ずるなり、考え方をもちましてわれわれのほうに回答があり、今後はこういうふうな方法をとっていきたい、ついてば文部省も大いに協力をしてくれということであれば、それは協力は惜しみませんが、問題は、私のほうはいま出しております俗に申します勧告のとおりの見解に立って勧告をしておるわけでございますから、これに対して県教育委員会からどういう回答がくるか、それを実は首を長くして待っておるというのが現在の実情でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 回答とかそういうこととは無関係で、県の教育委員会と文部大臣とは指導、助言の関係にあるので指導、助言をされた、それについて報告を求めておるのですから、報告があるのでしょう。あるでしょうが、そういうことはいわゆる教育行政機関と教育行政機関の間の指導、助言関係のあらわれであります。それに対して一たび大臣が責任のある指導、助言をされたときに、系統的な教育行政機関でない他の者がかれこれ言うことば、これは適当でないと言うくらいの識見をお出しにならなければ、全国の教育委員会協議会を集め、教育長協議会を集めて年に一回、二回訓示——訓示ということばは不適当と思うのだが、日本の国の教育行政方針を述べられて、お互いに力を合わせて日本の教育をやろうという関係の信頼感は出ないではないですか。せめてここでそういうふうに責任をもって文部大臣が指導、助言をしておる最中なんだから、教育行政機関でないものがかれこれ言うことは不適当だという識見ば当然お出しにならなければこれはとても話にならぬ。そんなことをしなければだれだって信頼していかぬですよ。明確に言ってください。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 現段階はこちらの意見を県教育委員会に申し送りまして、向こうの回答なり報告を待っておる状態で、それを煮詰めて結論が出ない現状ですから、そういうことが政治問題として利用されることを私は遺憾に思いますが、しかしこれはいいとか悪いとか言いましても、それぞれその地方なりその区域なりの政治の情勢というものがあるわけでございますから、これに対してどうも私はとやかく申し上げる立場ではない、かように心得ております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 文部大臣が県の教育委員会に信頼されるように願ってぼくは言っておる。とにかく報告がなくても、文部大臣は指導助言をされておる最中なんです、だからかれこれ他からいろいろ政治的にこの問題を拡大し、利用することは不適当である。これはいま言われたですね、言いましたね、それを明確にしてください。不適当でしょう。それは文部大臣として識見をお出しにならなければ、これを言わんければどうにもならぬ。いま一度言ってください。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 どうも人のやることを、直接自分の権限に関係がないことを不適当だとはきめつけかねますが、とにかくいまの段階でそういう政治問題になっておることは、私ども教育を担当しておる者としては遺憾に存じます。ただそれはやはりその地区の政治情勢がからんでおりますから……。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この勧告については、なお文部大臣はきょうの参考人の答弁をお読み願いたい、必ず見てもらいたい。そうして冷静に悪例を残さないように、文部大臣のいわゆる勧告という名におけるいろいろの地方行政に対する内政干渉の危険のあるこういう行政措置については、自粛自戒をしてそう軽率にすべきものでないという慣行をつくる、将来に対する方針を明確にしていただきたいことが一つ。  それから大臣になって早々こんなことは申し送りなんぞしないようにやってもらいたい。大臣の知らないうちに判こを押されるということは、大体局長以下けしからぬと思う。そうして判こを押させた局長が次の二、三日すると次官になっておる。次官にしてやるからあれをやらせたようなかっこうにうかうかすれば邪推されますよ。そういうふうな点について、ことに乱用することを戒めるべきものを、こういう軽率なやり方をして前例を残されては困る。それと同時に、こういう問題を起こしておる学力テストについては真剣に再検討していただきたい、まじめに再検討していただきたいと思う。それをお答え願って私質問を終わります。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 山中委員の希望として承っておきます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 再検討はしておるのですから、事実再検討しておることを明確にしてもらいたい。希望を承っておくということではどっちのほうに承っておるかわからない。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 学力調査は目下のところその必要性を、先刻来しばしば申し上げたような理由から実施をいたしておりますが、今後の実施については一そう慎重を期したいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 能研テストについてお尋ねしたいと思います。  最近出されました東京芸術大学の四十一年度におきます学生募集要項、これを見てみますと、出願の手続といたしましては、出願手続のできる者は能力開発研究所の学力テストを受験した者に限る、こういう募集要項が国立大学の中において出されておるわけです。私が本委員会で五月十七日この能研テストの問題については、愛知文部大臣はいませんでしたが、押谷次官が出られまして、政府関係、文部省関係それぞれ質疑をいたしているわけですが、当然にこれは文部省とも十分な打ち合わせがなされていたと思うのでありますが、五月十七日の私に対する答弁からいたしますならば、これはたいへん行き過ぎた措置ではないか、こう思うのでありますが、文部省としてはこれをどう判断されてまいったか、お尋ねをしたいと思います。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 ただいまの五月十何日の押谷政務次官と先生とのやり取りは、実は私存じておりませんけれども、今度の東京芸術大学の四十一年度の入学試験にその能研テストを使うということにつきましてのいきさつを聞いてみますと、御承知のように芸術大学は特殊なああいう大学でございますので、従来入学試験のやり方といたしまして、一般教科と申しますか、学科試験を最初やる。大体三千人くらいの受験者がいまして、非常に多いものですから、大体三分の二は学科試験でふるい落としまして、残りの者についてさらに実技試験をやるということを今日までやってきたのであります。ところが、この学科試験で落ちたその三分の二の生徒の中にも、あるいは実技の非常にうまい、芸術大学の学生として適性な者がおるかもしれないということで、大学としては能研テストの内容を調べてみますと、大学で従来実施しておりました試験問題と、その趣旨も共通の点がある。また問題自身もよろしいという、大学自体の判断に立たれまして、そこで学科試験は能研テストでもってかえる。そのかわりみんな実技試験も受けさせまして、そうしてできるだけよりよい学生を集めたい、こういうことで、大学自体がお取り上げになった、かように聞いております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 押谷次官は、私の質問に対しましては次のように言っておられます。「私の考えとしては、能研テストの活用というものは、やはり能研テストの価値判断に大きなウエートがかかっている」と思うのであります。そういうあれからまいりまして、最後に「今日の時点におきまして直ちに能研テストに全部がたよるという程度に価値判断はされておらぬのではないかと遺憾ながら私、判断をいたしておりますので、こういう段階においていま研究、検討をしているという事態にあります。」なお当時の杉江局長はこういうふうに言っております。「大学入試方法改善に関する会議においては、四十一年度の試験方法について近く成案を得ることになろうと思いますが、四十一年度において能研の結果を一般的に利用するというような方針はおそらく出てまいらないであろう、」こういうふうに答弁をしておるわけです。五月の十七日の、つまり前の通常国会でこういう質疑がなされ、次官が政府の責任者として価値判断において不十分だ、こういうことをこの委員会において答弁をしておるわけです。でありますから、客観的な成果、客観的な結果というものは出ておりません今日、国立大学の中においていま言われましたような理由で、能研テストを大学入試の必要条件にしていく。このことはたいへんに影響が大きい、こう思うわけです。次官なり大学局長なりから私に答弁をされましたそういう範囲からしますならば、今日能研テストを受けなければこの芸術大学の受験ができない、そういうふうに民間の財団であります能力開発研究所がやっておりますものを、大学の入学試験の必要条件にしていく、こういうことはこれはたいへんに大きな問題だ、こう思うわけです。どうでありますか。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 大学の入学試験のやり方、方法につきましては、それぞれの各大学で自主的にお考えになってやっておられることは御承知のとおりでございます。御承摘のように能研は財団法人でございまして、その財団法人でいろいろテストをやったり、あるいはそのテストの結果について調査をやっておる。そういう仕事をとらえられまして、その大学において——芸術大学の場合はいま申しましたような特殊な性格はございますので、学科試験にかえるのに能研テストを利用する。しかしまた他の大学ではあるいは能研テストをその判断の一部に使われるということも考えられるところであります。高等学校から出てまいります内申とか、あるいは入学試験も従来どおり行なう、しかし能研の行ないました学力テストの結果も参考にしまして、総合的ないろいろな資料によって判断するということもあり得ると思いますけれども、やはりこれは一に各大学の自主性にまかしてございますので、別に能研がこれを押しつけたとか、いわんや文部省がこれを大学に押しつけたという事実は全くございません。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 たいへん自主性を言われますが、指導、助言、勧告、強い権限を持って指揮監督官庁のようなことをやっております文部省が、この問題については自主性だ、自主性だ、こういうことを言われる。しかし客観的な価値判断はまだできていない。追跡調査についても結果は出ていない。そのことについては前の調査局長も言っておるわけです。その中で、しかもそれが一部の参考にされるというならばともかく、この能研テストを受けなければ大学の入学試験が受けられないという、そういう事態ですから、これはたいへんな行き過ぎだ、こう言わざるを得ない。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 かわったばかりで詳しいことがよくわかりませんものですから、たいへん申しわけございません。いま担当官から聞きますと、文部省に入学試験制度協議会というのがありまして、そこでやはりばかられまして、いまの芸大がこの学力テストを取り上げるということについては承認を得られて、そして大学としては踏み切ったという経緯であるようであります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 何という会議ですか。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 入学試験制度協議会。これは文部省の中に設けられている委員会であります。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 五月十七日通常国会の際には、入試方法改善に関する会議では言っておりません。だから四十一年度には適用されない、こう言っておるのですよ。通常国会が終わったらさっさと文部省でそういう判断を出す。委員会軽視じゃないですか。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 昭和四十一年度の入学者選抜実施要綱につきましては、もしこの条項によって実施しがたい事情にある大学は、事前に文部省のこの協議会にはかって、そして実施するということになっておりますので、その手続によって芸術大学ばこの学力テストを参考にするということにした次第で、ございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それはいっそういうことにしたのですか。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 これは昭和四十年六月二日でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 なおさら許せぬですよ。五月十七日のこの委員会では、入試方法改善に関する会議では結論を出していないし、四十一年度にはされないでしょう、そう言っているんですよ。六月の二日ですか、ばかにしているじゃないですか。六月の二日というのは国会が終わった目じゃないですか、けしからぬですよ。委員会だけいいか、げんに通したらいいというのが文部省のやり方ですか。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 その要綱によりましてももちろん一斉にはやらない。しかし例外的にいま申しましたようにそういう場合があったときは事前に協議をしてやってくれ、こういうことになっております。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 次官はこう言っているんですよ。「これを活用してこの能研のテストの価値判断が十分に尊重される段階に達しておるかどうかということにつきまして、私自身は疑問を持っておるのであります。」こういうことを言っているんですよ、この委員会で。愚弄するもはなはだしいじゃありませんか。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 まことに当時の様子が私よくわかりませんけれども、次官がそういうふうにあるいは考えたかもしれませんが、芸術大学としましては、その能研の学力テストというものについて独自の判断を協議会等でされて、そしてこれを取り上げたほうがよろしかろうということでおやりになった、かように存じます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 それから杉江局長は四十一年度はされないだろう、こういうふうにも言っておりますし、さらには入試方法改善に関する会議では、大学入試に能研を活用するという、そこまで言っておりません、これはこの研究結果は十分尊重していきたいという気持ちですが、現実にそれを何か試験の一部にするとか、そういうところまで至っておりません、こういうふうに言っておるのですよ。ではなぜ部分的にやるかもしれませんということを本委員会で言わぬのですか。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 いまの芸術大学が能研のテストを入試に利用するということば国会以後のお話でございます。したがってその大学自体が、協議会において能研テストを利用することがこの大学に望ましいという判断のもとに立ちました場合には、文部省としてそれをとめるというわけにはいかないと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 文部省設置法では、大学教育に関しては指導、助言とちゃんと出ている。五月十七日に言ったのに、六月の二日にやるならば言いなさい、こういう文書を出しているんでしょう、どこに指導、助言がありますか。しかも本委員会ではそういう結論に達しておりません、こう言っているんです。

蒲生芳郎文部事務官(調査局長)

○蒲生政府委員 いま申しました六月二日に出しました入学者選抜実施要綱につきましては、能研とかあるいは能研の学力テストなどについては一切別に触れておりません。ただ、いま申しましたように、大学側におきましてその能研テストを利用したほうが大学のためによろしいという判断をなされ、そしてなおこの要綱につきましては、いま申しましたようにこの要綱によらないことがあれば事前に協議会に御協議を願いたい、こういうことでございますから、決して矛盾はしていないと思います。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 押し問答をやってもしようがないので大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、前の四十八通常国会における本委員会においては、能研テストの問題についてはそういうことで政府委員もまた次官も責任を持って答弁をしておるわけです。でありますからこの問題についてはこれは大学入試制度改善という最も大きな基本的な問題もありますし、それらの点についてはあらためて委員会でいろいろと質疑もいたしてまいりたいと思います。しかしいまお聞きのように五月十七日の本委員会において答弁をしたことが完全に無視をされ、しかも技術的にすりかえた形でそれが実際の行政としては進められておる、こういう実態にあるわけです。ですから大臣としてこの能研テストを大学入試制度の改善に利用する、そういうふうな問題等についてひとつ抜本的といいますか、根本的な価値判断のあれが出るはずです。やらない、また大学基準等研究協議会、そうしたところ等においてもいろいろと意見も出ておるわけでありますから、その点について大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 先ほど来押谷政務次官のお答え申し上げたことが話題に出ておりますが、おそらく押谷政務次官がお答えを申し上げたところには、能研の研究も来年度の入学試験に応用されるまでには達しないだろう、こういう判断であったと思います。その後芸術大学では利用してみようということになってきて、そうして協議会の機関に正規の手続でかけて同意を得たので利用しようということになったのだろうと思うのです。  そこで、実は私も在野時代から考えておって、この能研には関心を持っておったわけであります。近時入学試験というものは非常に激しくなりまして、同時に各学生が試験を受けるための準備勉強というものにまことにどうも見苦しいと言っては高い過ぎかもしれませんが、それに近いくらい激しい準備勉強をする、こういう短期間の準備勉強をして試験に合格した者よりは、能力開発の研究なりテストを順次やってまいりまして、そうして結論が出たほうがむしろふさわしいのであって、ああいった短期的な詰め込み勉強というものはいかがなものであろうかということを私ば考えております。能研のいまの考え方はその当時、私は在野時代から、能研ができましたころから、これは一体どういうシステムでいくんだということを聞きましたら、平素からテストをしてその人間の能力をためしておく、それからその人間が大学に入ってからもいわゆる追跡調査をする、大学に入って一年のときはどうであったか、二年のときはどうであったか、三年のときはどうであったか、激しい試験に合格して入った者よりも——能研のテストをした人間はずっと追跡調査をする。そうすると入学したときには下のほうの順位で入学をしたけれども、二年、三年になって、長い目で見るとその人のほうが能力があったという場合が出るのじゃないかということで、そういう追跡調査もしようということになっておるようです。したがって芸術大学というのは普通の文化系、理科系の大学と違いまして、人間のひとつの特殊本能を発揮することの必要である大学でありますから、そこでこの能研の構想、システムについて芸術大学が食いついてこれを利用してみようということになったのだろうと思うのです。ですからいろいろ議論の余地もあろうかと思いますが、芸術大学はそういう特殊の技能を発揮させることを目的とした大学でもありますから、私も実は正規に協議会の議を経て、承認を経てやるならばやらしてみたらばどうかというような感じを今日持っておる次第で、もう少し長い目でその成果というものを検討したらどうか、かように感じておるような次第でございます。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 公私立の二百に近い大学が参加をしている大学基準等研究協議会において、この能研テストというものを大学入試テストに画一的に採用するならば、そのための準備教育というものが必ず行なわれるであろう。こういうふうに言って疑問を投げかけている。学力テストの弊害、それは午前中からいろいろ議論されてきたと思うのであります。それを能研テストとしてまたやろうというふうなことになってまいるわけであります。文部大臣が言っております改善ということについては、今日の段階においては価値判断ができないという状態にあるわけであります。でありますから、大学入試制度改善そのものの根本的な問題とこの能研テストの問題についてはあらためてやりますけれども、しかしいま言ったような大学入試制度にやればいいんだとしごく簡単なように思われることに対してはたいへん問題だ、こう思いますので、ひとつ慎重に検討されますことを要望いたしまして終わることにいたします。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十一分散会

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