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49回国会衆議院1965/08/06

文教委員会 第1号

発言数
147
登壇者
14
会派数
2
開催日
1965/08/06

会議録

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  一、文教行政の基本施策に関する事項  二、学校教育に関する事項  三、社会教育に関する事項  四、学術研究及び宗教に関する事項  五、国際文化交流に関する事項  六、文化財保護に関する事項以上各事項についてその実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面よりの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中に国政に関する調査を行ないたいと存じます。つきましては衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますか、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、文部大臣及び文部政務次官から発言を求められております。この際これを許します。文部大臣中村梅吉君。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 私は、先般の内閣改造の際に、はからずも文部大臣の重責をになうことになりましたので、この機会に一言就任のごあいさつを申し上げたいと存じます。  文教のことは、国家百年の大計であり、国家、民族の将来にとって最も基本的な部門でありますので、その責任の重かつ大なるを痛感いたしている次第であります。したがいまして文教委員各位の御協力を賜わりつつその重責を果たしてまいりたいと存じております。  わが国の教育は、現に世界的にも高い水準にあると思いますが、なお解決すべき課題がたくさんあると承知いたしております。この機会に、私といたしましては、さしあたり日ごろ考えております所信の一端を率直に申し上げまして、各位の御理解と御協力をいただきたいと存じます。  まず教育の質のことであります。わが国の教育は量的な普及度において世界最高の水準にあると思いますが、質的には一そうの改善充実が必要であると考えております。このため、施設設備の整備、教職員の適正な配置等は申すに及ばず、教職員の資質の向上と教職員に対する待遇の改善及び教育課程の刷新充実がきわめて大切であると存じます。  また、青少年の健全育成と不良化防止ということは近時特に重要な課題であると思います。この意味において特に体育の向上と徳育の充実を重視してまいりたいと思います。同時に勤労青少年が教育の機会を得、それぞれ健康に育ち幸福になることを願わずにはおられません。このため、家庭、学校、社会を通じて教育の諸条件を一段と整える必要があると思います。  家庭教育の重要性にかんがみ、いわゆるかぎっ子の問題についても大きな関心を持っている次第であります。  さらに私学の振興について一言いたしたいと思います。わが国の教育に占める私学の役割りはきわめて大きいものがあります。それだけに、私学の振興はわが国教育にとっての緊要事であります。前国会において私学振興方策調査会の設置が決定を見ましたので、同調査会の調査審議と相まって私学の健全なる育成振興に特に意を用いてまいりたいと存じております。  なお、教育の機会均等はきわめて重要な問題でありまして、経済的、地域的に、あるいは身体的に恵まれない子弟がそれぞれその能力をつちかい、個人的にも国家的にもりっぱな国民として育つことを心から望んでおります。このため、特に育英奨学事業の拡充、僻地教育の振興、特殊教育の伸展に一そうの努力をいたしたい考えであります。  以上、日ごろ感じていることの一端を申し述べ、かつ文教委員各位の格別な御指導と御鞭撻を御願い申上げまして就任のあいさつといたします。(拍手)

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 文部政務次官、中野文門君。

中野文門自由民主党文部政務次官

○中野政府委員 一言ごあいさつを申し上げます。  去る六月八日文部政務次官を拝命いたしました参議院議員の中野文門でございます。いたって未熟者でございますので、この上ながら皆さま方の御指導と御鞭撻をいただきまして大過なくこの職責を果たしたいと存じております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。上村千一郎君。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 少しく文教行政につきましてこの際お尋ねをいたしておきたいと思います。実は、きょうは大臣の最初の所信の表面をなされておりますので、同僚各委員の方々からも御質問がいろいろあるかと存じますので、私は論点を限りまして、本日お尋ねをいたしておきたいと思う次第でございます。  私が、きょうお尋ねを申し上げたい点は、実は教育という問題が、先ほど大臣もおっしゃいましたように、国の百年の大計を立つるものであり、また国家民族の将来にとって最も基本的な部面である。こういう点できわめて重要な問題である。それとともに世間の国民の方々もきわめて関心が深いわけでございます。去る六月十六日の朝日新聞が私の手元にあるわけでございますが、全国で今年度全国小中学校の文部省の学力調査が十六日の午前九時過ぎから小学校の五、六年生、中学二、三年生を対象にして行なわれ、調査の対象になったのは、小中学校とも二〇%抽出、小学生で四千八百三十校、約六十九万八千人、中学校が二千四百六十八校、約八十四万一千人、ほかに沖繩の小中学校三百八十五校、約十万七千人も調査に参加した、こういうような見出しとともに、福岡県におきまして小中学校の学力調査——文部省としましては、学力調査ということばで統一されておりますが、新聞紙の見出しには学力テストというような見出しが出ておりますが、全面中止に相なるという大きな報道がされて、非常に問題を提起いたしておるわけでございます。こういうことでございまするので、福岡県のこの学力調査という問題を中心としまして、全国一斉に行なわれておりまするところの統一学力調査という件につきまして、文部省のお考えをお尋ねいたしておきたい、こう思う次第でございます。  実はこの新聞によりますると、関東地区では東京、神奈川などで抽出校はもちろん非抽出校もほとんどが自由参加の形でテストに参加し、そしてきわめて平穏にこれが行なわれておる。しかるに福岡県が全面中止ということになるというようなことで、一つの大きな話題を提供いたしておるわけでございます。この全国一斉の義務教育課程においての学力調査というものは、いろいろな段階がございましょうし、そのやり方につきましては変化もございましょうが、昭和三十一年度からずっと実施されておる。そしてとにかくいろいろな多少の問題は生じてはおりますものの、全県でこれを中止していったということは、今回が初めてのようでございます。そういう意味から非常に大きな問題を投げかけておりますし、また教育問題としましても、非常に大きな問題に相なっておる、また注視すべき問題であろう、こういうふうに思うわけでございます。それでこの問題につままして、実は文部省のほうから正式に福岡県の行うへ御調査に行かれた、こういうふうに承っておるわけでございまするが、その調査の結果というものにつきまして、お尋ねをまずいたしておきたい、こう思う次第でございます。  まず第一に、この学力調査不実施に関する福岡県に対する調査団が、どういう経過によって編成され、またどういう人々が調査に行き、どういうような報告をいたしたものかという概略につきまして、まずお尋ねをいたしたいと思います。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 ただいま御質問にございましたように、全県学力調査の実施が不能になったという異例の事態が起こりましたので、六月二十四日から二十八日まで現地につきまして調査局の審議官——学力調査の実施につきましては調査局が担当いたしておりますので、審議官の西田亀久夫、初等中等教育局の当時の財務課長今村、渋谷中等教育課長、山川地方課長補佐、調査局の奥田調査課長と課長補佐の若菜、以上の団を編成いたしまして、県の教育委員会あるいは関係の団体あるいは地教委の関係等を調査いたしたわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 それでは多少具体的な問題につきましてお尋ねをいたしますが、その調査団は福岡県下の学力調査に関する全般の状況を把握するために行ったのであるかどうか。もちろん県下全体の状況について把握するためと存じまするが、しからばどのような方針で調査計画をお立てになったのかどうか、またどのような範囲をお調べになったのかどうか、具体的にお尋ねをいたしておきます。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 調査団の派遣を命ぜられまして、私のほうで当初全般的な調査をいたしますための調査の方針について申し上げます。  この調査団は、御存じのとおり法令に基づく調査対象といたしましては、いわゆる地教行法の五十三条によりまして教育委員会が直接の調査対象でございます。そこで実際に四日間の日程の中で可能な範囲の訪問の計画を立てたわけでありますが、できるだけ県下全般の情勢を把握したい、そのためには限られた教育委員会以外に全県的な団体や個別の代表者からも全般の状況をできるだけ伺いたい、かように考えまして、そこで私どものほうはあらかじめ福岡県の教育委員会のほうへお願いいたしまして、次に申し上げますような団体と連絡をとっていただきまして、私どもの日程の中でお目にかかる機会をつくっていただきたいというようにお願いいたしました。その団体といたしましては、福岡県の小学校長会、中学校長会、県のPTAの連合会、県の教師会、福岡県の教職員組合、それから県の教職員連盟、このような団体でございますが、さらに福岡県内は十六の市がございまして、その市の教育委員会の連合会の代表者にもお願いをいたしました。また郡部の地教委の連絡協議会の代表者にもお願いをいたしました。そのような団体をお願いいたしまして、実際に訪問いたしました教育委員会は、福岡県の教育委員会、それから市のほうは福岡市、北九州市、豊前市、飯塚市、八女市、大牟田市の六市でございますが、それらの市の近傍におられますところにも、その場所においでをいただきまして、それ以外に市が一つと町のほうから五カ所ほど教育長をお招きしまして、これらの方々から事情を伺ったわけでございます。したがって限られた日程の中で、できるだけ県下全般の事情を知るために全県的な立場からの方々の御意見を聞くとともに、それが個々の地域においてどの程度まで事実であったか、またそれぞれの立場において今回の問題をどのように把握されておるかということをいろいろ違った面から見るというように努力をいたしたわけであります。ただ、いま申し上げました中の福岡県教職員組合だけは、先方から説明にいく必要がないということでお断わりになりましたので、このお話だけは直接伺う機会がございませんでした。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 この調査にお行きになられた日はいつになっておりますか。その点につきましてお尋ねをいたしておくとともに、調査の結果をどういうふうなところへ御報告されたのか、またその調査結果につきましてどういうような処置がなされたのか、具体的な問題へ入る前に、その荒筋だけをお尋ねいたしておきます。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 先ほどお話ございましたとおりに、調査の実施は六月十六、十七日でございまして、ただいま御指摘のような福岡県の全面不実施の事実が直ちにわかってまいりました。県当局その他から福岡県の情勢についてそれぞれの立場からの報告がありました。それを検討いたしました結果、早急に調査団を派遣するということが文部省としてきめられまして、六月二十二日に文部省からこれらの福岡県に対して調査を実施する旨の通知を出されました。  私どもはできるだけ準備を整えまして、   〔委員長退席、坂田(道)委員長代理着席〕 早急に現地におもむきまして、調査の日程は、六月二十四日の午後から始まっております。したがって、二十四日、二十五日、二十六日の三日間続けました。二十七日は日曜日でございましたので、そのあと二十八日にわたって調査をいたしました。二十九日に東京に帰ってまいりました。帰ってまいりましてから、二日目に、私どもは調査団としての報告を文部大臣に提出をいたしました。さらに文部大臣のほかに、関係局課長に対しまして、調査団の結果を御報告を申し上げました。その報告の結果に基づく措置につきましては、その後、これをどう取り上げるかということが、文部省内部で検討されました結果、これについては別途文部省として福岡県に勧告を行なうというようなことがきめられたわけでございます。後段のほうにつきましては、私がお答えするのは必ずしも適当でないかと思いますので、以上、調査の日程だけを御報告申し上げます。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 七月八日付をもちまして、以上のような経緯がはっきりいたしましたので、次官名で福岡県における全国小中学校学力調査その他の教育行政の執行の改善についてという勧告を、福岡県教育委員会あてに通達をいたしました。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 大臣にお尋ねをするのは、あとから総括的な点につきましてお尋ねをすることといたしまして、具体的な問題については、むしろ御調査された方がよく存じておられると思うものですから、私は、一々名ざしをいたしませんけれども、適切な方からお答えを賜わればいいかと存じます。  それで、学力調査の不実施についてはお調べにいったというわけでございまするが、今度の調査の結果、学力調査不実施をするに至った、そういう原因と申しましょうか、いきさつと申しましょうか、そういう問題につきまして、概括的にひとつお答えを願いたいと思います。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 すでに調査団の報告書は新聞一般にも公表いたしておりますので、あるいはお目にとまっておるかと存じますが、調査の結果を概括いたしますと、当初、県教育委員会当局の御説明によりますと、教育の現場に混乱が生じないように、純粋に教育的な配慮から中止のやむなきに至ったというお話でございましたが、一口で申しますならば、これは、各種の事情を総合して私どもが判断いたしましたところは、今回の不実施の責任は、全面的に県教育委員会の責任である、しかもそれがやむを得ずして実施できなかったんではなくて、県教育委員会が長年にわたる県教組とのきわめて特異な関係に拘束されて、むしろ結果的に見ますと、行政指導によって全面的に不実施のほうに持っていったというように断定せざるを得ないというのが、一応調査の概括的な結論です。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 調査がそういうふうに出ておる、これはきわめて重要なことである。また教育行政上におきましても非常に重大な問題だというふうに私は思いますし、なお端的にいまの御結論が出ておるということにつきまして、これまたきわめて重大なことであろう、こう思うわけです。それで、その結果の基礎づけというような、具体的な事実につきまして、ひとつ御説明を賜わりたいと思います。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 最初に私どもの調査の具体的な事実を引用いたしまして、全面的不実施の責任が県教育委員会にあるということを判断した根拠を御説明申し上げたいと思います。  その根拠となるポイントは、大体四つぐらいに整理されると思います。第一点は、県教育委員会は学力調査を実施するという方針を立てた、そして県教組と交渉を開始したというように説明をされております。しかしながらその場合に、県教育委員会に六月二十四日に直接お目にかかりまして、県教組と交渉を開始されたといっておるけれども、昨年までの組合との交渉の経過から見て、組合を説得できる見通しを持っていらっしゃったかということについては、できるだけこちらの線に引き寄せるということを考えておったというような御返事でございます。しからば県の御方針としてはどういうようなたてまえであったか、テストをあらゆる方法を講じてあくまで実施するということであったか、それとも県が言われるような、不正常な形ではやりたくないというお考えであったかという質問に対しましては、県はあくまで組合と話し合って、正常な形で実施したいということでございました。しからば、正常な形で実施が困難ならばやらないというのが当初の方針だったわけですかということについて、教育委員長はそういうことになりますということを明確に答えておられます。したがって、私どもは組合の反対を押し切ってもこれを実施するというような決意は当初からなかった、しかも事実関係をながめて、県教育委員会の提出資料を見てみますと、六月十六日の、調査の前日まで組合との交渉を継続しておられます。私どもは調査を実施するというたてまえの県教育委員会が、おそらく福岡県が末端まで実施をするか取りやめるかという連絡をするには、少なくとも二日か三日前に方針をきめなければできないはずのを、前日の晩までやっておられるのは、実施をすることについてどういう関係があるのですかとお尋ねしましたら、明確なお答えは得られませんでした。そうしてさらに県教育委員会自体からいただきました組合との折衝の経過の資料を見ますと、六月八日に福岡県教員組合に対して、業務命令ででも指定校だけはやるという方針を持っておるわけではないということを、組合の折衝の席上で言っておられます。それからまた、福教組との話し合いの中で、県としては学力調査を中止するきめ手になる根拠がないんだ、このような発言をしておられます。これは県が調製された資料ですから、県のお立場を曲げたものではないと私は思います。したがって、私どもは当初からそれだけの見通しもなく、これを確実に実施するということでやっておられたとはいえないというのが第一の根拠であります。   〔「そんなこと文部省は関係する必要はないんだ。」と呼ぶ者あり〕

坂田道太自由民主党

○坂田(道)委員長代理 不規則発言を許しません。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 次に、第二のポイントといたしまして、できるだけの方法を講じて実施しようと地教委が努力しておりました、福岡県の現状では、各地教委のほうは組合と一切の摩擦なしに実施することは当初から考えられない、業務命令または校長その他の補助員による調査をやることもやむを得ないだろうというように考えておったわけでありますが、県教育委員会はそれらについて、すべて行政指導によって、これは不正常な実施であるから望ましくないという指導をされております。その結果、結果的には地方教育委員会が全部県教委に対して実施を断念したという形をとっておるわけでありますが、これは、私は形式上の責任を地教委に転嫁するきわめてずるいやり方だという印象を受けました。そのことは、具体的な例としましては、六月十五日、大牟田市の教育委員会が調査の前日になって、そのようなあらゆる手段をすべて好ましくないというように指導された結果、県教育委員会に実施を断念するための文書を出しておられます。その文書によりますと、このような通達及び指令のもとでは、この福岡県大牟田市においては実施は不可能でございますから、とりやめます。こういう返事をしておられます。このような県自身が責任転嫁ということを感じますさらにもう一つの根拠は、六月十一日に県と地教委とが実施についていろいろと協議をなしておられます。その席で、県の教育委員長が地教委に向かって、あなた方が全体でこれをやらないとおっしゃるならば、県はやらないように持っていきたいのだがというように誘いかけるような話をされておるわけであります。そして、先ほど申し上げましたように、調査の前日になって、地教委からすべて実施困難という報告をとって、地教委がすべてこれを断念したというような形に持っていかれた。これも県教育委員会としてはきわめて重大な責任があると思うわけであります。  次に、第三点を申し上げます。県教育委員会のそのような行政指導に対して、あくまで最後まで実施するということを堅持して、県から再々どうしてもやるのか、どうしてもやります。という押し返しをやっておりました福岡市の教育委員会がございます。この福岡市教育委員会だけに対しては、県教育委員会は明確に文書を出しまして、その通達で、事実上中止命令に準ずるようなもので報告を求めないというはっきりした通知を出しておられます。県教育委員会は、その場合に教育の現場にきわめて憂慮すべき混乱が発生する徴候があったということを理由としておられますが、福岡市教育委員会当事者は、私ども面接いたしまして、警察を要請したこともなければ、そのような混乱の発生する徴候は、市はみずからの責任において全然なかったということを断言しておられます。  最後に、県教育委員会が福教組との交渉の席におきまして、県が調製された資料を見ますと、組合側の要求で、希望参加についてはどうするかという問題についての話し合いが行なわれております。そこで県教育委員は暫時交渉を休憩して、別途教育委員が相談した結果、その交渉の席に戻ってこられて、希望参加の実施は県教育委員会としては期待しないということを組合に言明することをやっておられます。したがって、指定校以外の希望参加もすべて行政指導によってやめさせるということを、県は組合に六月の八日の折衝において約束をしておるわけであります。  このような経過全体から見まして、私どもは全面不実施の責任は県教育委員会のものであるというように断定をしたわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 実は、ただいま資料関係につきまして、各委員の方々に回っておられないような点がある。これは、私、回っておることだと思いまして、失礼をいたしました。  実はその結果につきまして、報告書では、全面不実施の責任は県教育委員会にあるというようにはっきり断定されておる。これは非常に重要なことでございますので、その具体的な論拠をお聞きしたわけでございます。  なお、この調査報告の中で、県教育委員会が組合の人事介入を容認するなど、行政事務の遂行について主体性を喪失していることが学力調査不実施の根本原因であると認めているようでございますが、これもまたきわめて重要な事項であると思いますので、この具体的な事例を御説明賜わりたいと思います。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 報告書の第二の根本の原因というところに、県教委がこのような問題を起こしました背景といたしまして、組合関係の問題を指摘しておるわけでございます。具体的根拠事例を四つほど報告書に書いておるわけでございますが、その中で特に人事関係について顕著な問題、人事関係その他、教育委員会が組合との間に行政機関としてきわめて主体性を喪失しておると私どもが判断しましたことを申し上げたいと思います。  実際の事例といたしましては、この報告書の六ページの(3)にあります。ある市教育委員会の教員人事の問題でございます。この点につきましては、私どもが飯塚市を訪問いたしました場合に、その市教育委員会の教育長から直接事情を承りまして、それによって、またそこでいただきました各種の公文書の写し等から判断したことでございます。この飯塚市の教員人事問題はたいへん複雑でございますが、概要をかいつまんで申し上げますと、産炭地の問題に対しまして、県教育委員会が文部省から配当されました充て指導主事二名というものの割り当てをいたしました。これをどのように配置するかということで市の教育委員会がいろいろ検討いたしまして、市としましては、この充て指導主事に教育長のもとにおける教育指導一般を担当させようという方針に対しまして、市の教員組合のほうは、その二名とも学校の現場の補導教諭として置くことを主張いたしまして、地元におきましてかなり市と組合との間の意見の対立があったわけでございます。御承知のとおりに、充て指導主事の人事につきましては、これを市教育委員会が発令をしますのには県教育委員会の同意を必要とするわけでございます。飯塚市の教育委員会としては、校長会の推薦により最も適任者と思われる人を予定いたしまして、これを県に上申をいたしまして県側の同意を再々に催促をしたわけでございますが、なかなからちがあかなかった。そこで県教育委員会から電話があって、教育長が会いたいという御連絡があったので、市の教育長が教育委員長とともに県の教育委員長のお部屋をたずねましたら、そこに県の教育委員長はおられませんで、教育委員長の部屋に福岡県教職員組合の幹部が、飯塚市の教育長の来られるために席をあけて待っておられた。そしてその席へすわれと言われて、なぜ人事を組合の言うようなほうに、飯塚市はそれを受け付けないのかというような詰問めいた話を受けたということで、飯塚市の教育委員会は非常に憤慨をしておられたわけであります。それから飯塚市の教育長はその席をけって市に帰りましてから、県の教育長に、なぜ自分は教育長にお会いをしたいのに組合の人に引き合わせたのかということを電話で抗議をしましたら、県の教育長は、自分は会う必要はないということを言われて、そして市のほうは内申書に異議がないのになぜ発令の同意を与えないのかということをいろいろ折衝しました結果、それでは県のほうから教育次長を飯塚市に派遣しようということになりました。ところがその飯塚市に来られました県の教育次長が、県の教職員組合の執行委員長を同道してやってこられたわけであります。そして市の教育長を目の前に置いて、二人で、なぜ組合の言うように人事を妥結しないかということで、組合と県の教育委員会とが立ち会いで市の教育委員会にそれを談判されるわけであります。さらに五月八日には県の教育次長が合いたいと言われて、市のほうから次長に会いに出向かれましたところが、やはりその席に県の組合の執行委員長が同席しておられた。組合と一緒に人事の話をするのは飯塚市としてはおかしいというので、別席を設けて教育次長だけおいでくださいというようにお願いをしたら、その席へ県の教育次長は重ねて組合の執行委員長を連れてやってこられたということで、飯塚市の教育長は県の立場に対してきわめて深い疑惑を持っておられたわけであります。   〔坂田(道)委員長代理退席、委員長着席〕 しかしながら、いろいろな経過を経ました結果、最終的にその人事の発令についてたびたび催促の末、県のほうはその人事に同意を与えることについては教育長それから教育次長すべて決裁が済んだから、きょうは係がいないから同意書を渡せないけれども、充て指導主事の発令はしてよろしいということの最終的な返事があったということになりました。そこで市の教育委員会は喜んでそれを校長に伝達し、校長は辞令を交付し、全教員に充て指導主事になられたことを披露して、これで一段落がついたと思っておったわけであります。ところが、そのあとで県教育委員会から県教組との間にいろいろ折衝したところ、あの充て指導主事の同意はやはり組合側が納得しないから、これをやめてもらいたいということを言ってこられました。そして追っかけて飯塚市に対して、県教育委員会の教育長の名前における公文書で、その充て指導主事の人事の同意を保留するということを出しておられます。その公文書の中を見ますと、この人事の問題に対しては福教組が次のような闘争計画を立てております。そういう行為は適当でないけれども、学校に及ぼす影響が大きいので、円満解決するまで県としては同意を保留するということで、以下に備考として、県教組の闘争計画を県の教育委員会の公文書の中で全部市教育委員会に対して伝達する文書を出しておられるわけであります。その結果飯塚市におきましては、すでに辞令をもらった充て指導主事予定者の身分が宙に浮いてしまったわけであります。さらに私どもが参りましたときに写しを拝見しますと、県の教育委員会の次長は県教組の執行委員長と覚え書きを取りかわして、六月二十一日飯塚市に対する充て指導主事の定員の配当を取り消すということを組合に約束をしておられるわけでございます。私どもは現地におきまして、その人事発令をした校長のほうから、このような県の態度がはたして現場においてどのように受け取られておるか、校長の立場も考えてもらいたいというような、泣くような陳情を受けました。私どもも、この件をもってきわめて冷静な調査ということを意図したわけでありますが、本件に関する限り、私どもはきわめて強い人間的な憤激を持ちましたし、組合の闘争指令を公文書に書くという行政官の感覚については、私はまことに意外でありました。この件におきまして、私どもは県教育委員会が組合との関係において、おそらくこのような人事介入が教育的配慮のもとになされたのだとは思いません。したがって、このような他の道徳資料の配付の問題等々をすべて見ますと、県が日常的に組合に対して教育行政機関としての主体性を喪失しているということの一般的な事情から、今回の学力調査も純粋に教育的配慮というのは名目にすぎないということを私どもは判断をしたわけでございます。  以上、人事の問題につきまして私どもの見てまいりました具体的事実を御報告申し上げます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 きょうはいろいろと他の方も発言があるでございましょうから、きょうは御報告を具体的に承って、それにつきましてのこちらの一々の意見とかあるいは問いということにしますと時間がかかりますから、お聞きしておくわけでございますが、そういうようなことが結局県の教育委員会が県教組と特異な関係にあるというようないろいろな諸事例というふうに見てもよろしいかどうか。あるいは報告書を見ますと、県教委が県教組と特異な関係にあるという報告文書になっておりますが、それ以外にもこの特異な関係性につきましての具体的な事例がありとすれば、御説明を賜わりたい。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 報告書に他の事例としてあげておりますことは、道徳指導の資料の配付の問題でございます。これにつきましては、福岡県では、文部省から学校用の配付しました道徳の指導資料の配付が昨年も多少ごたごたをいたしましたので、現地に参りました機会に、ことしはどうなっておりますかということを伺いました。そうすると、県の教育長と学校教育課長のお二人が事務当局にただして調べた結果、これはすでに現場に配付し、学校にいっているはずだ、さらに教育委員長は、これについて組合がいろいろ文句を言っておるが、いいものか悪いものかは、使うかどうかは現地にまかせればいいので、組合が文句を言うのはおかしいじゃないかということで、私は配らせることにしたというようなお話もその席で伺いました。ところが、福岡市、北九州市、飯塚市、八女市、これらの教育委員会の訪問の際に念のために聞いてみましたら、確かに六月四日付の教育長の公文書によりまして、その道徳指導資料の配付を指示した文書が出ております。ところがそれらのどこに寄って聞きましても、文書がつくかつかないかと同時におっつけて県または地方の出張所から電話がかかってきて、あれは文書ではああ指示したけれども、組合との話がつくまで学校への配付を見合わせるようにということを指示してきたので、いままだ教育委員会にとめおいて配っておりません。大牟田市などはそれが電話でございますから、さらにおかしいというので、県に尋ねたら、確かにしばらく待つようにというようなことを言っております。これは、この問題が学力調査における組合との折衝にからんで、この際組合を刺激するということを懸念されたのではあるまいかというように私どもは推測するのでありますが、このように県教育委員会の当事者が、およそ学力調査と直接の関係もなく、また組合の横やりによってどうこうすべきものでない道徳指導の資料の配付——この使用者は現場の学校であります。そのようなものの配付を公文書で指示したものを、組合との関係において電話一本でストップさせるというようなことがなされておることとを、まことに私どもは意外に感じたわけであります。したがって、県の教育行政において基本的に表面を流れている行政の線と、その裏を流れているものとの間に私どもはきわめて特異な関係があるということから、組合との特異な関係ということばによって報告書をまとめたわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 そういたしますと、今回の福岡県の学力調査一斉不実施というものにつきましての原因は、要するに学力調査その者が違法であるというような意味においての不実施か、いま言ったような理由が不実施の問題になっているのか、その点につきましてあらためてお尋ねをしておきます。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 私ども全般的には学力調査の実施の問題についていろいろな反対意見がある。あるいはこれについて問題になる点があるというのは聞いております。福岡県におきまして、この実施の責任を持っておられる県教育委員会、地教委等におきまして特にその点について当事者のお考えをできるだけ正確にただしたいということをいたしました。第一に、この調査には法的根拠に疑義があるという議論がよくございます。そこで県の教育委員会にまいりました場合に、私ども若輩で失礼でございますが、調査の責任上遠慮なくお聞きをいたしますということを前置きいたしまして、五人の教育委員の方にお一人ずつ学力調査を実施することは文部省から委託されたことで、やるかやらぬかは県がきめることなのか、それとも法律上の義務があるとお考えになりますかということに対して、五人の方がいずれも義務があるというように御回答になりました。したがって福岡県教育委員会におきましては、法律上の根拠の有無という問題か、県が全面中止をするということの大きな動機になったというようには私ども判断しなかったわけでございます。また学力調査にしばしば教育上の弊害があるという議論が出ておりますが、過去の実施状況を見まして、福岡県ではそのような意味でのいろいろな全県的な問題になるほどの実施状況が過去において行なわれていないわけであります。過去において大体福岡県は最もいい場合で七六%、その他の場合は大体五〇%を割る実施率でございます。そして私どもがお会いをしました県教育委員会、地方教育委員会のいずれも学力調査の教育的価値について疑問があるというようなお尋ねなりお話は一度もございませんでした。むしろPTAの連合会、その他の公聴会の方々から福岡県だけが他の県よりもいつまでもこういう状態でやっておっておくれていくのではないか。それを自分たちは全県的な各県にまたがる全国的な会合に出ていつも焦燥を感じておるということのお話がございました。そのような点で福岡県の全面不実施の根拠の中に、学力調査の教育上の疑義があるということがその根拠になっておるという事実も、私どもは見られなかったわけであります。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 そういたしますというと、先ほどの詳細ないろんな御報告の結果、全面不実施の責任は県教育委員会であるというふうに判断をされる、こういうわけですね。きわめていろいろと参考になる調査の結果であるという理解をいたしております。  次に、こういうようなお話がありましたかどうかお尋ねしておきます。特に福岡県の県教育委員会は、福岡県の何か特殊性というようなものが特にあるのだというようなことを、あなた方調査団の方がお行きになったときに言ったかどうか。言ったとすればどういうふうな内容だったかということをお尋ねしておきます。

西田亀久夫文部事務官(調査局審議官)

○西田(亀)説明員 私ども現地に調査に到着します前に、地元の県の教育長の談話が新聞に出ておりまして、調査団に対しては、県の特異性を十分理解してほしいというようなことを希望しておられる。これについて特に具体的に私どもは伺えるものと思っておったわけであります。しかしながら県教育委員会と直接お話しをいたしましたときも、教育委員長が福岡県の特殊性、特殊事情ということを言われました。私どもはそれに関連するいろいろなお話を聞きまして、ついに県の特殊事情とは何かということがわからなかったのであります。と申しますのは、ある人は福岡県の知事さんが社会党の知事さんだからというようなことを無責任に言う人がありますが、社会党の知事さんがいらっしゃるのは福岡県に限らないわけでありますから、これが特殊事情とは私どもは思いません。したがって私どもが判断いたしましたことは、結果的に言いますと、県教育委員会が組合とのこの不条理な関係を改めようという決意を持っておられないこと、そうして組合との摩擦を避けるということを何よりも優先的に考えるという態度があるということ、これがきわめて特殊だと思いました。学力調査を実施した場合に起こる何らかの摩擦、混乱と、これを実施しなかった場合の県と文部省との関係がまずくなるというようなことをてんびんに置いて考えられておるけれども、このようなやり方で教育行政を乱しておることが、県教育委員会に対する重大な不信感を全県下に引き起こしつつあるということについて十分な意識がないということを、私どもとしてはまことに特異なことと思います。  最後に、福岡県の地元における裁判所の判例等が絶えず話に出てまいりまして、県教育委員会は地教委に対しまして、このような刑事裁判の判決は行政を拘束しないということの説明がされております。しかしながら法的根拠の問題について行政庁として確信のある態度が県にないということも特異な事情の三番目の問題であるわけであります。  以上、特殊事情ということについて、私どもが私なりに理解をした内容はそういうことでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 きわめていろいろと重要な報告がある。何と言いますか、そういう意味から私はきわめて穏やかと申しましょうか、できる限り声を大きくしないで冷静にお聞きをいたしておるような次第でございまして、これは結果報告でございますので、きょうはその結果報告をすなおに承っておくわけでございます。そういたしますと、結局文部省が全国学力調査をなさっておられるその適法性、違法性という問題については、特に今回の福岡県下の学力調査全面中止という問題の調査の結果においては、特にそういう問題は大きな原因になっていない、こういうふうに理解をいたしておきまして、先ほどはっきりおっしゃっておられたのだからそういうふうに理解いたしておきます。そういたしますと、特にこの法律的な論拠という問題につきまして、きょう詳しくお尋ねするというよりも、他の機会のほうが、他の委員の方々も今回はお尋ねになられる時間がきっとおありでしょうから、これを簡単にしておきたいと思いまするが、ただ、この高知の地方裁判所の判決、あるいは高松の高裁の判決、山形地裁の判決、熊本地裁の各判決などは、従来の文部省の学力調査の適法性につきましてよく述べられております。それから福岡の地裁の小倉支部の判決、あるいは福岡高裁の判決につきましては異なった判例が出ておる。この問題につきまして、私は要するに文部省のとっておられるところの法律解釈は正しいというふうにかたく信じておる一人でございまするけれども、この際ひとつ今後の文部省の全国一斉学力調査遂行の意図にも関連をいたしますので、これが見解につきまして、この際いろいろと書面には出ております。詳細には、たとえば一九六二年の七月の文部省初等教育課編集の中等教育資料臨時増刊号などにも、詳細な法的論拠など、統一的な筋の通った見解が出ておりまするけれども、こういうふうに特に大きく問題になったときでございまするので、要旨でけっこうでございますが、はっきりと御見解をこの際承っておきたいと思います。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 学力調査その他の調査の法的根拠というお話でございますが、これは御承知のように地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第五十四条第二項によりまして、文部大臣は都道府県教育委員会に対して調査報告を求める権限を有し、報告を求められた都道府県の教育委員会は、これは調査報告を提出する義務を負うわけでございます。同じように、都道府県教育委員会は同条、同項の規定によりまして、市町村教育委員会に対して調査報告を求める権限があるわけでございます。ただいまお示しのように、福岡地裁小倉支部、福岡高裁は、五十四条第二項の観点等につきまして、違った判断をしておりますが、熊本地裁、高知地裁、山形地裁、高松高裁は文部省のとっている解釈と、趣旨におきましては同様の判例を示しておるわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 要は中村文部大臣も法律方面につきましてはきわめて専門的なお立場でおありになられておるわけでありますが、従来いろいろ学力調査の法的根拠という問題につきましては、荒木文部大臣当時いろいろと御質問がございますし、一貫して文部省の統一見解を発表されておられますが、私この相反する両者の判決内容など検討してみますというと、従来浮きぼりにされていない点が一つあるのではないか。と申しますのは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第五十三条の一項、二項が大きな論拠に相なってまいるわけでございますが、そのときに教育に関する事務といこうとばがある。この事務ということばがございまするので、これを両者の判決例など詳細に専門的に検討してまいりますと、そこに一つのニュアンスの差がついてくるのではないか。たとえば福岡の高裁などの判決例を見ますと、はっきりその点には触れておりませんけれどもが、事務というのをいわゆる外的事項と申しましょうか、施設だとか、あるいは教育活動なり教育内容なりという内的部面と外的事項とちょっと分離しましたような意味において、狭く解釈されておるように見える。それから高知地裁とか、高松の高裁、山形の地裁、熊本の地裁などの判決例を見ますと、これはこの事務というものを一つの権限とか仕事とかというような、少し事務的な事務というようなものにも範囲を広げまして、そして内的事項と不可分の関係を持っておるのだというような御解釈に見える。こういうようなところが、同じ日本の裁判所におきましても——まだ最高裁の判断か出ておりませんけれども、違った判断が出てきておるのじゃなかろうか、こう思うわけであります。そこでこの地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十三条一項、二項などにありますが、教育に関する事務、その事務という意味につきましてどういうふうなお考えに文部省は立たれておるかということにつきましてお尋ねをしておきます。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 法令の中に事務ということが、ことに団体の仕事、任務という条項を規定してあります部分にはかなり出てまいります。地方教育行政の組織及び運営に関する法律は、御承知のように地方自治法の一種の特例的な法律でございますが、地方自治法におきましてもこの地方教育行政の組織及び運営に関する法律におきましても、この事務というものは団体の事務にいたしましても機関の事務にいたしましても、他の例のように、たとえば事務職員は事務をつかさどるというように狭い意味でなくて、これは教育の問題で申しますれば、学校なりその他の教育機関を設置経営するというような、その全体の仕事をさしておるものでございまして、この事務というものがいわゆる普通事務屋とか庶務会計だとかいうふうに解釈はできない。いま御指摘のようにそのものが内的のものであろうと外的なものであろうと観念としては含むものであります。しかしそれらのものをどういうふうに権限を行使するかということは、この地方教育行政の組織及び運営に関する法律自体で文部大臣、都道府県の教育委員会、地方教育委員会、それぞれに規定してございまして、それらの関係を調整する規定をそれぞれ置いておるわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 その点につきましては、まあ要するに事務というのはいわゆる事務屋の事務というものとは非常に違うという意味ですね。まあいろいろなこまかい問題が入るでしょうけれども、外的事項だけではなくて、教育の内的な事項も入るのだ、そういうふうに解釈をしている、こういうわけですね。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 御指摘のとおりでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 だいぶ時間がたってきておりますので漸次結論に入ってまいりますが、同僚各位のいろいろな御質問もあるでありましょうから…。  この学力調査というような問題の適法性あるいは違法性という問題につきましていろいろとありましょうが、私は少なくともこの学力調査が小学校あるいは中学校の児童生徒の学力の実態を明らかにして、その学力の水準を向上させる、こういうことは法律が文部大臣にあるいは文部省に私は義務づけておるものだと解釈をいたしておる一人でございます。それは学校教育法の二十条あるいは三十八条、小学校につきましては二十条、中学校につきましては三十八条というふうに感じております。そういたしますと、児童生徒の学力を向上させ、そしてわが国の教育水準を高めるために、教育課程や学習指導の改善というふうなものについて絶えず努力をしなければならない、またそれのいわば統計なり資料なりを集めるということは、当然私はなすべき任務のあるものだ、権限はもちろんありますが、そういうふうに入って努力すべきものだというふうに思っておりますし、やり方におきましては違いましょうけれどもが、諸外国のアメリカにしましても、あるいはイギリスでもフランスでもソ連でも、これに類似したところのことをやっておる。こういうことは、よその国がやっているから日本の国もやらなくてはいかぬ、そういうような端的なものでなくて、要するに教育行政というもののあるべき姿のものだというふうであればこそ、諸外国におきましてもそういうふうな行政をとっておる、こういうような大筋から言いましても、私は文部省の従来の御見解が正しいものであろうというふうに感じておるものでございます。  いま西田さんから、いろいろと調査の御報告をお聞きしたわけでございますが、その報告に基づきまして、昭和四十年七月八日付で、いまはおやめになりましたようですが、文部事務次官の小林行雄さん名義で、福岡県教育委員会にあてて「福岡県における全国小・中学校学力調査その他の教育行政の執行の改善について」という文書をお出しになっておられるようでございまするが、それは確かか。それから昭和四十年七月八日付で福岡県の学力調査不実施について大臣談話がなされておるのであるが、それは事実であるか、事実であるとすれば、その大臣談話の内容はどういうものであるかということにつきましてお尋ねをいたしておきます。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 初めに御質問のありましたように、昭和四十年七月八日付で、当時の文部事務次官の小林行雄から福岡県教育委員会に対して「福岡県における全国小・中学校学力調査その他の教育行政の執行の改善について」という文書が出ております。  なお同日大臣談話が発表されておるわけでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 その大臣談話の内容並びに今後の処置というような問題につきまして、ただいまのところお考えがございますれば承っておきたいと思うわけであります。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 大臣談話は次のようなものでございます。「去る六月に全国一斉に実施した学力調査を福岡県だけが全面的に実施を中止したと報告を受けたときは、まことに意外に思った。それは、これまで一部の反対はあるにしても全国的に見れば、この調査の趣旨が次第によく理解され、この調査の結果が教育の現場に活用されるようになっていると考えていたからである。そこで、これには何か深い事情があるに相違ないと考えて調査を命じたところ、まことに憂慮すべき事態にあることが判明した。この報告を聞いて、最初に私が感じたことは、この実情を広く国民一般、特に福岡県民に知ってもらう必要があるということである。それは、このような県教育行政の不正常なことによる直接の被害者は福岡県民だからである。私は文部大臣として、法令に基づく権限により、とりあえず、福岡県教育委員会に対して必要な勧告を行ない、事態の改善を強く要望したいと考えている。しかしながら、その解決のかぎは、県当局者が、教育の現場で孤立しようとしている校長の強いささえとなるために、みずから姿勢を正し、行政秩序の確立をはかる勇気を持つかどうかにあると考える。私は、そのことを深く期待するとともに、文部省としてもあらゆる援助を惜しまないことを約束するものである。」以上でございます。  なお、勧告につきましては、とるべき具体策につきましてすみやかに御報告願いたいということを県の教育委員会に言っております。この報告を見ましても具体的な方法というものを研究してまいりたいと存じます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 そうすると、福岡県の教育委員会のほうなりからはまだ回答が来ていない、こういうふうに承っておいていいのですか。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 そのとおりでございます。

上村千一郎自由民主党

○上村委員 実はきょう私いろいろと御質問を申し上げ、そうして結果の御報告などを承ったのでございますが、はなはだ重要な問題をたくさん含んでおります。そうして文部大臣の談話の中にもございますように、きわめて憂慮すべき事態であるというふうに私は思うのでございます。正式な調査団が派遣されての調査でございますからよく承ったわけでございますけれども、国会なり委員会なりとしても、私はこういう問題につきましては真相をよく調査をし、いろいろと意見を述べるということでなければならないと思っておるわけでございます。  ただきょうは、冒頭に申し上げましたように、大臣の最初のごあいさつがあったときでありますし、同僚各委員の方々もいろいろ一般の御質問がございましょうから、私だけがたくさんの時間をおとりしてもかえって御迷惑でございましょう。そういう意味から、その要点をお聞きいたしまして、この問題につきまして今後いろいろと掘り下げ、また問題点をお聞きすることを留保いたしておきまして、私の質問をこの程度で終わらせていただきます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 三木喜夫君。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 きょうは新大臣の教育に対する所信の表明がありまして、私はその中にあらわれておる問題につきまして大臣の御所見をもう少し深く承っておきたい、これは文教行政の大きな問題が含まれておりますから、そのように思ったわけですが、たまたま福岡県の学力テストに関する問題が冒頭に出てまいりましたので、私はこの問題につきましてお伺いをしたい、こういうふうに思います。所信によって表明された残余の問題につきましては、重要な問題を含んでおりますので、これについては追って御質問申し上げたい、このように思います。  いま上村委員と、調査団として行かれた西田さんとの間でいろいろ質疑応答がかわされました。その質疑応答を聞いておりまして私思いましたことは、西田さんはこういうことを言っておられる。組合の闘争指令を書く行政官は常識を疑うとか、人間的怒りを持った、こういうようなお話でこの話が進められておりますので、私といたしましては、最初皆さんもおっしゃっておったように、もう少し冷静に、しかもこの問題について合理的に資料によって話が進められるものだと思っておりましたけれども、そういう感覚のもとでこの話が進められるというのならば、私たちはこれに対しまして——ここに報告書もかなり出ております。「福岡県における小・中学校学力調査不実施の経緯ならびに教育行政執行状況に関する調査報告」これはいま出たわけです。それから「福岡県の学力調査不実施に関する調査結果について」それから「福岡県における全国小・中学校学力調査その他の教育行政の執行の改善について」という勧告文もいま見たわけでありまして、私たちはこの件に関しては理事会でも話し合いまして、次会のときにこれについての特別の時間を設け、場合によっては参考人を招致して、この問題についての真偽を確かめていきたい、こういうことで保留しておりますから、あるいは後日にそれを託しておりますから、この問題については西田審議官がいま怒りを持って報告されたのですから、私たちも十分これを拝読させてもらいまして、そして検討をした上であなたに御質問申し上げたいと思うわけであります。  そこで、せっかく大臣が見えておりますので、大臣にお伺いしたいのです。私は端的に大臣に、この中に書いてある所信の表明とも関連がありますので、お伺いしたいのですが、いま概略申し上げまして、全国の青少年の不良化が非常に問題になり、その数字は、触法青少年は大体二十二万から二十三万の数になっておるそうです。毎年一万ずつふえていっております。これは全該当年齢の子供に対しまして百分の一に当たる。さらに警察にごやっかいになった人——このごろずいぶん政治家で警察のごやっかいになっておりますが、青少年もまねして警察にごやっかいになっておる者が該当年齢の大体十分の一、二百万を越したわけです。そこで大臣もおっしゃっておりますように、不良化の問題が非常に心配されるわけですが、分けても東京都の不良化の状況というものは見過ごすことができない問題だと私は思います。これはまた多い。三十七年で東京都の全人口の二〇%近くが——全国は一〇%です。東京都は二〇%近くが触法少年になっておる。少年のその数は三十七万、こういうことで、ほんとうに東京都なり日本の教育を憂えている者は、この真の原因がどこにあるかということに目をつけておるわけです。本委員会でもずいぶんこの問題については論議されましたけれども、それはいろいろ原因はあるけれども、識者は、世があげてテスト、テストに明け暮れておる、こういうところに目を向けておるわけです。あなたのおひざもとにおきまして東京都の住民が、これはただ読者の新聞に投書した投書とは違うのですよ。もう少しこの人を明らかにいたしますけれども、これはこういうことを言うておる。私たちはテストがあって授業がない、授業があって教育がないということをずいぶん言っておるのですけれども、文部省の役人にはこれは通じない、そしてもっぱら強行的にいままで悉皆テストをやってきたのです。しかし、昨年度から、やっとこれではいけないということで抽出的なものになったわけです。これは中村文部大臣にお聞きしたいのですが、こういうことを言っております。天の上に人をつくり、人の下に人をつくると子供たちは嘆いているが、これでは精神面、情操面の教育もくそもあったものではない、青少年非行化の有力な原因は教育過剰の世相にある、と指摘している。この試験、試験の問題です。父兄も学校も。それから書いてありませんけれども、文部省もそれに拍車をかけております。こういうことを中村文部大臣はどうお考えになりますか。まずそこからお聞きしたいと思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 御承知のとおり最近進学心といいますか向学心といいますか、上級学校に進学する希望が非常に旺盛であるということと、それに伴う急激なそういう状況に応ずるだけの上級学校がまだ整備されていないというような現状等もありまして、私は確かに子供が平常以上の負担をになっているという現状にあることは青少年の不良化の問題にも多大の関係があるのではないか、かように憂慮をいたしている一人でございます。ただ文部省の学力調査は、御承知のとおり特段の勉強をしなくても解答のできるような出題方法を講じておりますから、このテストは直接影響があるのではなくて、むしろ世の中の社会情勢のそういう問題が多い、こう考えております。  それから青少年の不良化については、これは幾多要素、原因があるのではないか。よけいなことをつけ加えるようですが、数年前の私は西ドイツに参りまして聞いたことですが、西ドイツでも近時非常に不良化が多くて困っている、いろいろな角度で調査をした結果、経済状態が非常に急激に向上したものですから、おとなの社会と子供の社会にギャップを生じている、これが最大の原因のようだ、何とかこれに対する対策を講じなければならぬという段階にあるということを聞いて帰りまして、日本国内でこれを考えてみますと、確かに経済的な発展と一般の社会生活というものの向上その他からやはりそういう関係があるのではないか、したがって、私は婦人会の会合などに参りますと、むしろ民謡をやったり、大いに文化的なことをやったり楽しく婦人が暮らすということはけっこうなことで、これを抑制すべき筋合いではありませんが、とにかく世の中がだんだんよくなって、みな着物を着て外へ出ていろいろ男女同権になってやることはいいが、やはりおかあさんが何と言ったって子供の一番身近な人なんだから、子供が学校から帰る時間にはおかあさんはどんな用があろうと、どんなレクリェーションがあろうと、やはり家庭に帰って子供を迎えるように心がけてもらわなければいけないのではないかと、私は説教がましく実は婦人の会合などでは申し上げておるのでありますが、確かに日本でもおとなの社会と子供の社会とのギャップがある。これを何とか調和することにつとめることが必要である。文部省で、私就任してまいりましたら、母親学級というものに力を入れているようで、これもだいぶ普及が始まっているようでございます。これらももう少し検討いたしまして、やはりおかあさんの心がまえというものを直してもらう、また一面には同じおかあさんの心がまえの中にもみえを飾って、何といいますか、地元の学校ではなくて、わざわざ競争率の高い越境入学、そういうようなことを無理にやらしたり、あるいは無理に子供をできるだけ競争率の高い学校に入れようとする考え方などについても根本的に社会教育の面でよく検討しまして、弊害の起こらないようにつとめていくことがわれわれの責任ではないか、かように実は考えておる次第で、とくにかく青少年の不良化防止対策というものは、国家的に最も重要な課題の一つになっておると思います。しかしそのよってきたる原因は非常に多いと思いますので、われわれも十分ひとつ御趣旨のあるところを体して検討してまいりたいと思います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 ただいまの大臣の御答弁は、私は、その声やよしというところで賛意を表する面がございます。しかしながら文部省のテストは準備をしなくてもよいんだ、平易な問題から出しておるんだというこの感覚は文部省の宣伝で、大臣はこれにだまされたら困ると思うのです。その例はあとからまた申し上げます。  いま資本主義国、自由主義国におきまして、特にドイツの不良化の問題を例にとられました。私はそういう分析は正しいんだと思いますけれども、一時私たちが不良化の問題を取り上げましたら、中に間違った政治家や行政家が、それは日教組があるからと言っておりましたけれども、しかし日教組よりも——アメリカの不良化のほうがよっぽど多い。あなたはドイツを言われましたけれども、アメリカも調べてください。日本以上です。アメリカには日教組がないです。一体これはどうしたらいいか。資本主義国においてはもうけ主義の売るためには手段を選ばぬというやり方もある。ただいま大臣が言われました母親があたたかく迎えるという、いわゆる家庭教育の中核をなす母親問題もあるでしょう。だからいろいろ原因はありますけれども、その原因を私は追及しておるわけじゃない。その一つとして大臣がテスト、テストに明け暮れるこの問題を把握されておることには、賛意を表したいと思うのです。  それから、次へ移りたいと思うのですが、その傾向が東京都では学習塾へかけつける。東京都内だけでも四千九百、そこに通うところの生徒、小中学生ですが、その数は百人のうち三十八人、これの月謝を見てみますと、千円と見て七百二十億の巨額がこれに投ぜられている。しかも人を引き落としてもいいというような、こういう精神面、情操面が考えられないことに拍車がかかっておるということも、ひとつ銘記をしておいていただきたいと思うのです。  そこで、これは初中局長にお聞きしたい。こういうテスト、テストに明け暮れして、それに耐えられない子供が一体何%くらいあると把握しておられるか。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 テストに耐えられないのが何%かという資料は、私拝見したことはございませんので、ちょっとお答えしにくいのでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 あなた社会教育局長もしておったでしょう。こういう問題なんかもひとつやっておく必要もあると思いますよ。それはいいです。わからぬのならあなたの知性に問題があるのか、文部省がこれをおくらしたのか、それはわからぬ。私はとにかく現場におりましたからよく知っておる。石の地蔵さんになって耐えられる子供たちはじいんとしておる。じいんとしておられない子供は悪いことをしている。これは大体の常道なんです。これを私は申し上げるのですが、これは文部省がばく然とした調査になる点もあろうと思います。しかしながら、調査する気なら、先生の主観も入れ得るかもしれませんけれども、調査はできるのです。テストの弊害というようなところをあなた方は避けようとしておるから、そういうものは調査してないと思います。いずれにいたしましても、こういう者が番長になったり、さらに番長グループに入ったり、ぐれん隊の予備軍になっていく。きょうはそれを言っていると長ったらしくなりますから申しません。そうして最後のところをこの人はこう書いておられる。「児童憲章にいわく「すべての児童は、個性と能力に応じて教育され、社会の一員としての責任を自主的に果たすように、みちびかれる。」と。ジョウダンじゃありませんぞ。人間形成にとっていちばん大切な時期を、テスト、テストで空費してよいものかどうか。佐藤さんも中村さんも、あるいは教育ママさんたちも、いま一度、児童憲章を読み返して、よく学びよく遊べの世の中にしてほしい。」ということを言われておるのです。これは「潮」という雑誌に出ておるのです。自民党系の人が書いておる文章がだいぶんあります。私は読ましてもらった。そうしたらこれは日教組じゃないのです。石橋恒喜という児童福祉審議会委員です。こういう感覚の人がいるんですから、困ったものです。それは児童福祉審議会委員で、児童対策を真剣に考えている人が中村さん、考えてくださいと「湖」という雑誌に書いているわけです。それはひとつよく御銘記をいただきたいと思うのです。どうですか、こういう問題に対してこそ大臣としての所信を表明されたらどうですか。私はこの石橋さんにかわってお聞きしておるが、先般大臣は所信を表明されましたが、中村さん、佐藤さんと呼びかけております。どういうぐあいにお考えになりますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 私はいろいろ原因はあると思いますが、過度の進学競争あるいは親の欲望、こういうことのために子供に過重な負担をかけておる、あるいは学校から帰ってきたら大いに遊び、大いに楽しく暮らすべき子供に、最近のように学習塾などが流行というか、はやりまして、親は無理にでも子供を学習塾に放校後にやる、こういうようなことがもっと無理なく行なわれ、無理なく進学のできるような社会をつくるということが私は先決問題じゃないか、そういう角度に立って私どものなし得る限りのことを今後検討して進めてまいりたいと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 私もそれに賛成なんです。無理なくひとつやってもらいたいと思うのですが、このテストの論議はずいぶん古くから論議をして繰り返しておるわけですが、特に私はテストをやるかやらぬかということにウエートが置かれておると思うのです。大臣そうお思いになりませんか。きょうのこのやり取りなんかは、明らかにやるかやらぬか、やらぬものはこれは違法だときめつけるルートの上に文部省が乗せたわけですね。だから、私はそれでなくて、テストを実施するときに、これは文部省も説明したはずですが、テストというものは教育の環境と条件を整えるためだ、こういうことなんです。私もそれに参加しておったから間違いない。そうしたところが、環境と条件は一向整えていない。いままでずっとやったのは何に使ってきたか。僻地の問題は、いまやっと限度政令から解きほぐして、僻地のほうへ問題がいっておる。佐藤さんが東北へ行って給食を受けられない、欠食児童が多いというところで涙を流し、そういうことをやってみたって、ひとつも血の通った政治は行き届いていない。現場でも給食をやってもらっても困っておる。三百校のうちで百校が返上しておりますよ。だから三分の一は不適当なことをやってくれるもので困るというようなやり方です。要するに、環境と条件を整えるはずだった。論議はやるかやらぬかというところに私はいまかかってきておると思うのですが、そういうところでお互いに目をつり上げてやるべき筋合いだろうか、それをふしぎに思うのです。初中局長にお聞きしたい、それから大臣にひとつお聞きしたい。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 いまの質問にお答えする前に、先ほどお返事ができなくて、質問の意味を間違えておりました。全般的に学習というもの、通常の授業に参加できないような知能なりあるいは行動なりの児童がどういうふうにいるかということでございますれば、文部省は、特殊教育の周辺をめぐりまして、ある程度の資料を持っておるわけでございます。ただ質問がテストを受けるというふうな御質問でございましたので、あのような答えをいたしたわけでございます。  ただいま御質問になりました全国学力調査の結果利用でございますが、これは目下大きくいって教育課程、学習指導の改善という事柄と、それから教育条件の整備という二点がございまして、現在その結果が文部省においてどう利用されているか、あるいは府県の段階あるいは学校の段階においてどう利用されているかということにつきましては、文部省といたしましては教育課程なり学習指導の改善ということにつきましては、大きく申しますれば、一つには教育課程の改善というものにつきましてこの調査結果を全面的に利用いたしまして、現在教育課程審議会において従来問題になっておりました教育課程の審議を始めていただいております。この審議の過程におきましてはこの調査結果が重要な働きをすると思うのであります。それから学習調査結果から明らかにされました学力の弱い点等につきましては、指導書を各般のものを作成して、これを配るというようなことをやっております。またいろいろの教育内容に関する研究集会あるいは研究大会等にはやはりこの結果を分析いたしまして、研究題目の決定や研究資料の作成にあたっておるわけでございます。さらに先ほど申しました教育課程審議会の検討が進み、さらにこまかい教材等の学習指導要領の点になりますれば、いままで行なっておりました結果というものは利用されると思います。それから条件の整備につきましては、これはおそいというおしかりがただいまございましたけれども、僻地教育の面あるいは理科教育の設備の面あるいは先般行ないまして進行中の学級編制及び教職員定数の改善という場合にも、この調査の結果と学級規模との相関関係ということを特に調査の報告としてその結果も利用しておるわけでございます。また特殊教育の充実につきましても、調査結果が示唆しているものを基礎として、養護学校あるいは精神薄弱児のための特殊学級等の増設も計画を立てております。また進路につきましては、高等学校の進学者のためにこの学力調査の結果というものを利用いたしまして、特奨制度ということを発足する場合の非常に有力な基礎資料としたわけでございます。それから教育委員会におきましても、それぞれ都道府県の教育委員会からの報告によりますと、学習指導の面あるいは研修会の面あるいは指導主事の学校訪問の際あるいは授業時間と学力との関係あるいは教員配置でありますとかあるいは教材教具の整備というような点に関して、府県の教育委員会においてはこれを活用されておるところが多いわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 局長、あなたがそうお考えならそれでよろしい。これは大事な問題ですから、長いこと論議してきて現場でも非常にトラブルを起こしておる問題ですから、教育の環境と条件、それから学習指導要領等がよくなったという点をひとつ資料にして出してください。あなたこれはどうせ歴史に残るのですよ。長いことお互いの間で抗争をやってきた問題ですからね。  それから局長も近くおなりになったので、私はあまり突っ込んだことを言いにくいわけなんですが、私たちが審議したときには順位を発表せぬということだった。いまは順位を発表して何々県は何位だ、それに奮励努力して——まあ私はテストがあって授業がないという状況が出てきておるところを中村文部大臣に申し上げたいと思うのですが、そういう順位を出さないというようなことを言っておったが、これはいかがですか。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 調査課の担当者に伺いましたところ、順位はこれは発表しないということになっております。  なおさきに御要求のございました調査結果の利用の概要につきましては、資料として提出したいと思います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣ひとついまの話について、条件を整えるということでこれは始めたのですが、条件はよくなっておるじゃないか、環境もよくなっておるじゃないか、それから指導の体系も非常にうまくいっておるじゃないか、新しい局長ですからこういう概括的なことしか言えないと思いますけれども、大臣はこれはどういうように——きょうはおそらくこれの論議が出るだろうということで、その功罪といいますか、よい点ですね、それを把握なさっておりますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 現在御承知のとおり、学習指導要領というものは教育上重要な部分を占めておると思います。これも逐次改善しておるように私も就任以来検討いたしましたところやっておるようで、学力テストはそれだけじゃなくて、教育課程の再編成の問題もありますし、あるいは学習指導要領の改善及び施設をできるだけ平準化をしていく、要するに全体的にいえば国全体の教育を平準化して、高いところがあったり低いところがあったり凹凸を逐次縮めていこう、それが国全体としての責任じゃないかというような角度に立ってやっておりまする次第で、特にテストの結果につきましては、最近私が就任いたしましてから教育課程の改善についての審議会に、いまの教育課程が昭和三十三年にできておりますから、相当年限も経ておりますので、ここの段階で再検討していただこうということで、審議会に実は諮問をいたしたわけでございます。私ども詳しいことはわかりませんが、いままで外部から見ていた感じあるいは自分の家庭その他環境から見まして、どうもいままでの教育課程には若干初等教育、中等教育の段階でいささか重過ぎて、大学へ行くと軽過ぎているのではないか。もっと成人になってきた大学生の段階でみっしりやるようにしたらどうかという、しろうとの実はばく然とした感じを持っております。こういう点も今度の教育課程の検討の段階で検討していただこう。そこで、いままでの学力調査の結果に基づく資料は、教育課程審議会で教育課程の再検討をしていただく場合の重要な資料として御検討いただきたいというように現在考えておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 大臣に要望しておきますが、その中から出てきて、ここがこうだからこういうように課程を変えなければいけない、こういうように私はやってもらいたいと思う。大臣にそれを要望するというのは無理だと思いますから、事務当局でひとつそれを明らかにしてもらいたいと思います。  順位は発表しませんとそこでのうのうと言われましたけれども、愛媛は二位だとか香川は三位だとかということはどこから出てきたのです。県ではそれをやかましく言っていますよ。それを自慢にしていますよ。このごろまたほかの県もそれを県行政の長所でもあるかのごとく言っておりますがね。その考え方が福岡に起こってくるのですよ。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 文部省は、全国順位を、府県の単位でありましても個々の学校につきましても発表しないことといたしております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 しないのにどうしてわかるんだ。それを聞いておるんだ。局長さんどうしてわかる。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 どういうふうな経路でそれが漏れていくのかということにつきましては私わかりませんが、これは初めから私ども担当の局にはおりませんでしたけれども、省内におりまして、この順位を発表しないということを承知しておりましたし、いま担当者に聞きましても、およそ発表はしていない、こういうことでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それは表向きはそうでしょう。しかしながら新聞あたりにどんどん書きますから、そこで、どこからかそれを知っておる、全体を把握しておるものがそれを流さなければ、府県単位ではわからないはずなんです。そうでしょう。しかしいいです。そんなことはこだわらぬと先に進みたいと思います。  そこで、きょうはテストの功罪というものについていい点をおっしゃいましたけれども、この問題の一番決着しておるところは、あの地教法の五十四条にあるところの、これは法律論議ですけれども「事務」ということをいま上村さんが言われました。高裁においても二つに分かれておるのです。狭義に解釈しておるのとそれから広義に解釈しておるのと。法律の専門家ですよ。ちょうど法律の専門家の弁護士さんもそういうぐあいにおっしゃっておる。そういう論議がいままだ結実していないのに、文部省どうですか、これは君らやらぬのはけしからぬじゃないかということで調査に行く。法律違反というか、法律に触れるからという立場でやっておるのでしょうけれども、憲法違反だというくらいまでこの学力テストはいわれておる。片方はそうでない。「事務」の解釈上こういうことになっておるわけなんで、大臣もこの問題については三論があるということを参議院の文教委員会でおっしゃったようです。四県がマルで二県が反対である、こういうような言い方をされておりますが、結論は出ていないので、これは最高裁でも持っていかなければいけないわけです。それを文部省がじゃんじゃんやるところに何かの意図がある。これがないといえますか、初中局長。大臣はこれはどっちかというと行政の最高責任者ですから、そういう点については穏やかにやりたいということばできょうは了承しておるわけなんです。しかしながら、文部省がうしろからネジを巻いたのか、あるいは自民党の文教部会でネジが回ったのか知りませんけれども文部省の見解を聞かせてください。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 四十八条の解釈で、はたしてこの「教育に関する事務」という広狭だけでいろいろな議論が分かれるかどうかについては、それぞれニュアンスがありますからもう少しこまかく申し上げなければならないかと思いますけれども、もし御説のようにこの「事務」を非常に狭くとるとせば、都道府県の教育委員会もまた市町村の教育委員会に指導もできないし、それから地方自治法等をどう読むかというので、私ども担当者としては非常に苦労して、ほとんどいままでやっておりますことは、単に学力調査でなくて学力調査の問題を、この四十八条の「事務」の狭い広いで全部読みますと、これはいろいろ文部省かほかの面でやっております行政のもとというものが全然くずれるようなことになるわけでございますので、これにつきましては、私どもこの「事務」というのはやはり相当行政の組織でありますとか、それから地方自治法等を読みますれば、やはり団体の事務あるいは機関の事務としていろいろ従来までとられ、それから立法のときもそういうことをふまえて書いておるわけでございますから、その点については私ども法律論議としてどうも消極に解するわけにはまいらないのでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 そういうことを言うとまた関係することができてきますよ。こういうように中央から強力に指導ができるというところに足がかりを求める。これは文部省の言い分としてはそう言わなければならぬ。それを聞いておるんじゃない。これに奮起させられて当然のかっこうであなた方がやったのか、何か問題が背景にあるのかということを聞いておる。それはよろしい。あなたはこれで奮起された、この法律の条項に従ってやったんだ、こういうことですからそれでけっこうです。それ以上聞きません。  そこでテストの功罪です。罪のほうです。中村文部大臣は、テストは非常にやりやすくしておる、準備せぬでもよろしいと言われるけれども、これは誤解です。認識を誤られております。これは愛媛の例をとりましょう。愛媛ではこのテストにつきましてはたいへんな準備をしておるわけです。私は現地に行って見ました。行って調べてください。一週間五時間あるとしたら、体操とか音楽なんかみんなのけて、それをテストの準備の時間に充てる。そうしてその上に補習の時間をつける。こういうようなぐあいにテストに対するところの準備をしております。これで準備がないというような認識になれば、文部省は何と大臣にうその報告をしておるわけなんです。どこでもこういうことになってきておるから、私は、テストというものは非常に準備をして、それに過重な労力を払っておるということを申し上げておるわけです。そういうことは文部省ないしは大臣としてはお聞きになっておりませんか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 個々の学校でどうしておるかは私どもよく承知をいたしかねるのでありますが、出題のやり方としては、学習指導要領等に基づいて、この学期のどの段階ならばこの辺までは来ておるということで、正常な勉強をしておる生徒であれば特に予習、勉強等をしなくても答え得る範囲の出題をしておる、こういうように承知をいたしておるわけでございます。もし特殊の学校が、災害があったとか何か特殊の事情で授業の進行がおくれておるという場合があれば、それは何かしなければ答えられぬ場合も起こるかもしれませんが、普通に進んでおれば特殊の勉強をしなくても答えられるような出題の方法を講じておる、かように私は承知しておるわけでございます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 その承知のしかたは間違っておりますからよく調べてください。これは私も行って見ましたから間違いないと思います。いま香川県と愛媛県の場合ですけれども、準備教育が非常に行なわれておりまして、成規の授業開始前に、あるいは終了後補習教育が行なわれておる。さらに成規の授業のときにもそれをやられておる。模擬テストをやる。それは、あなたのおっしゃる普通の授業さえしておればいいという問題じゃないのです。テストは前年度が出るのですから、本年度の問題じゃないのです。その前年度の分についてもやっておかなかったらできませんので、一学期は、六月にテストがありますからもっぱら前学年のやつをずっと復習をやるのです。成規の問題じゃないのです。それをやるのが成規だとおっしゃればそうでしょうけれども、それを時間外あるいは時間の中で他の教科を振り当てて二時間ないし三時間やっております。勉強というものは、体育も知育も音楽も一緒にやって、情操陶冶というものは一緒にやることが勉強ですが、そんなものははずしてしまっておるのです。テストをやるようにやらされておる。いま言った愛媛が二位ということは、非常に拍車をかけられるから勢い先生はやらされるわけですよ。これは大臣一ぺんよく調べてください。あなた穏やかにやりたいというお考えですから、そういう実態が私はこれは狂気のさただと思うのです。よくくさったやり方、教育がくさるとかいうようなことも言いますし、あるいはやり方によって方法は気違いじみておる、こういう場合もありますし、私はそのうちの狂気のさただと思います。あるいはもう少し内容的にくさった点も申し上げたいと思います。これはお耳に入るところのお考えがあれば聞いてください。私は何も事を拡大して申し上げておりません。  それから、二番目に香川県のある中学校の二年の五月の集金通知書を見ますと、二年生担当一同として、保護者各位に、前文がつきまして、三十九年の五月の二十日のワークブックを買わしておる、その値段が例記されております。「国語積上げテスト五〇円、文法七〇円、中学国語模擬テスト五〇円、国語錬成テスト三〇円、数学同三〇円、スケッチブック九〇円、家庭科ワークブック六〇円(女子)、英語ドリルブック六〇円、英語積上げテスト五〇円、中学英語基礎と完成六〇円、リレー式学習テスト五五円、私のあゆみ二冊六〇円、技術科ワークブック六五円、進級テスト四〇円、四月分牛乳代六六円(飲用者のみ)。」それで合計男子七百七十六円、テスト攻めの様子が物的条件でわかる、物的なものでおわかりになるだろうと思います。これが特異な学校だけかということをひとつよく調べてください。こういう面も大臣として調べていただかなかったら、まっしぐらに福岡がどうだこうだというて突撃をしていくところの文部省ですから、あなたが目を光らしておらなかったら……。  それから次に、当日の不正を申し上げます。私が行ったときの実感ですけれども、行きましたら、当日机の間隔を調査したら、間隔はあけた、こう言うのです。こちらとこちらと、よくできる者とよくできない者と並べるのです。そして、間隔をあけたと教育委員会は言う。それが学校側に聞いてみますと、詰めたんだと言う。わからなくなってよく調べてみますと、こうなんですよ。ふだんは、模擬テストのときにはかなりあいているそうです。これは実力をためさなければならぬ。ほんとうの試験のときには寄せるわけなんです。間はひっついているのですよ。片一方のよくできる子がよくできぬ子を教えなければならぬからひっつけておくわけだ。だから、それからいえば、五センチにあけたんだという。しかしながら、試験はふだんの実力をほんとうに見たいというときには、五十センチあけているものをそのままにしておいて、それを五センチに縮めておるわけだ。だから、見る者によってあけた、縮めたということになるわけなんです。それで、五センチにあけた、こう言うのです。たいていの場合、二列に並べた場合は、机はひっつくわけです。こまかいことを言うようですが、そういうようなトラブルが現地に起こるくらい、現地は神経過敏になっております。そして、これはことしもあったと言われております。ここに先生が大体よく似たところの問題を、答えを書いてぶら下げて持って歩く。(「カンニングをさせるような先生が悪い」と呼ぶ者あり)悪いようにしてあるのだよ。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 静粛に願います。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 それは先生が悪いという、こういう人もありますから、それは調べてください。そうさせられた先生が悪いのか、そうさした人が悪いのか、大臣、そこが問題です。ああいうような言われる方もありますから、私はこれはこういうことをやらされておるところに問題があると思います。  もう一つ、前日に栄養補給だといって、たとえば横浜と神戸までというのを、問題を変えて、神戸から横浜までとして、ほとんど同じような問題にしてやったと言われるようなことも言っておるわけなんです。こういうようなことが行なわれ、特に掲示物は当日たいがいわれわれとしてははずさなければならぬと思うのですが、特に張られるというような事態、こういうような事態に問題があるわけです。  そこでもう一つ、これは先生が悪いとか、それをやらしておるところの側が悪いとかいう論議がありますから、これは調べてください。これを調べてもらわなんだらだめです。自主性を失わしておるような教育のやり方。テストは自主性を失わしておるわけです。そういうようなことをやらされているということを私は指摘しておきます。  そこでもう一つ申し上げておきます。テストの当日休ませるのです。私もそれを調べた。テストのときに休ましたか休ませなかったかを調べてみたときに、あのときには定木を取りに帰らしたのです。その子供だけ定木を取りに帰らして、二時間テストの時間だけはずれている。それでおかあさんが、なぜ行かぬのですかといってやかましく言ったのですけれども、教師のほうはそんなことはなかった、おかあさんに聞いたら、早く行きなさいと言うたのだけれども、取りに帰れ、来いでもよろしい、こういうようなことを言われたのだ、こういうようなことを言っておったのを聞いて、私はりつ然としたわけなんです。こういうようなことでテストが行なわれ、テストによって授業が失われ、授業があっても教育が失われていくというこの姿の中で、文部省はなぜこういうことを強行するかということを非常に不審に思うわけですけれども、これは最初申し上げましたように、やるやらぬの論議がいま中心になってしまっているところに私は本質からはずれていっておると思うのです。こういうことがあるから、私たちは問題を最初から指摘しておったわけなんです。そういうことは大臣、お聞きになっていませんか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 いま御指摘のようなことは聞いておりませんが、新聞の投書などでは、テストのときに先生がわからない子供に教えてしまったというようなことがあるという新聞の投書がありましたから、たくさんの中にはどうもそういう不心得な先生があるように感じます。テストの実施をするのは何の目的でやっているか。別段その子供の現在の学力状況を調べようとしておるよりは、むしろ全体の水準を見て、これをいかに教育行政全体を改善していく上に材料にするかということが目的なんですから、全教職員の方々にもっと趣旨を徹底させるようにわれわれのほうも努力いたします。そうして、趣旨を徹底さして誤ったテストの実行をしないようにつとめていただくようにわれわれも最善を尽くしたいと思っております。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 いま大臣はそういう認識でものを言われている。それは正当な言い方なんです。あたりまえはそれでいいのですけれども、そうでない。先ほど言うたように、狂気じみているということを申し上げているのですが、その例を申し上げましょう。  不心得な者が一、二おるようだということですけれども、不心得な者ではない。愛媛県では、教育に、教育の行政官でないところの県の自民党の幹事長がこれに関与いたしまして、そうして各校長さんに業務命令式のものを出して——教育委員会を通さぬと業務命令は出ませんが——出して、そうして不正な教育テストが行なわれている——私がいま申し上げたようなことです。そういうことが言われているが、君たちはほんとうに不正なテストをやったかどうか書きなさいと、十九カ条にわたってアンケートを出した。それを書く人も書く人ですけれども、これを書いた愛媛県の自主性のない人がたくさんおる。全体でこういう数字になっておる。全体の数が一万ほどあったと思うのですが、ちょっと数字を見ます。中村教育長……(笑声)文部大臣の認識というものが誤っておりますから、よくここを申し上げておきたいと思うのですが、本来、教育長の気持ちになってもらわなければ困りますよ。とにかく六千ほどの人——これはちょっと数字はあとから訂正いたしますが、全体の八割か九割の人がこれについてアンケートに対して答えを出している。校長を通して。校長はそれを書かなければいけないと思いまして出したわけなんです。その中に、不正をやりましたかというのに、やりましたという人がたくさんあったわけです。一、二不心得な人じゃない。そういうことは、こうなってきたらやらないと書くのが普通、私たちは常識的にそう考えておった。正直に書きました。それはいま言われるように、自主性がないというのか、あるいは自主性があるというのか、どっちか知りません。それはもう少し調べなければわからない問題ですけれども、とにかく書いた人が百人余りもあったわけなんです。不正をやりました。一、二不心得な者があったということではなしに、権力が不当に介入して、それに尾を振って書いた人がほとんど大部分で、しかもその中で、やりましたと書いた人がだいぶあったというわけです。これには驚いて、こういうことでは愛媛の教育は微動だにもしないと、逆に強弁しておるところの幹事長があったわけですが、この人は、知事の選挙で容疑にかかっていま罪になっておるそうです。そういう人が教育支配をするところまで頭を突っ込んできているわけです。そういう状況が愛媛で起こっておるのですが、それでも中村教育長(笑声)——失礼、文部大臣は、そういうことが行なわれてない、一、二の不心得の者だ、こうお思いですか。こういう権力をもってやって、そんなことがないと答えが出るだろうと思ったところが、出たんですよ。たくさん出たんですよ。その辺をひとつよく。おだやかにやりたいとおっしゃっておりますから、私もこの問題は、このことが私としては非常に問題だと思いますので、強調いたしました。実態も一ぺん調べていただいて、もう少し認識を改めていただきたいと思うのです。今度の調査につきましての問題点は後日われわれとしても論議したいと思いますが、その点は保留しますが、山中さんが関連質問を要求しておりますから、ここでかわります。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 初めて大臣に御質問申し上げるのに、もっと前向きの質問をするのが自分の本旨ですけれども、こういう学力テストで大臣に質問を申し上げるのは、私はまことに遺憾に思うのですが、しかし上村委員の言うように非常に重要な問題でありますから、端的にお伺いしたいと思います。  福岡県の学力調査不実施についての大臣談話は、これは愛知大臣の時代ですか、中村大臣の時代ですか、どちらの時代ですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 私が就任してからでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 何日目でございますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 調査団を出しましたのが私、就任してから後でございまして、調査報告会を役所で関係者が集まりまして開きまして、私も万障繰り合わせてその会には出席いたしました。その報告の経過を聞き、その結論としていまの談話を発表したわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣が勧告を出すというふうなことは、これは上村委員も言ったように、まことに重大な問題であります。したがって、就任早々、まだ十分に日本の教育行政の実態を御存じないときに、簡単に勧告を出されたということは非常に軽率だと私は思うのです。一年、二年在任したあと、見きわめたあとされるのはいいのですが、事務当局の簡単な報告、それを十分御実態を見られないで——これは大臣の勧告ということは、地方教育行政にどれだけ大きい影響を与えるか、自主性というものに対する影響を与えるかということは、お考えになって明らかなんです。それを就任早々お出しになるということはまことに遺憾だと思うのですが、その点いかがですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 大臣としましてはきわめて簡単な談話を出しただけで、勧告は事務次官から出したわけです。次官の責任において。文部省の役所の事務としてやったわけでございます。しかしこれを出すかどうか、あるいはどういう趣旨の勧告をするかということにつきましては、報告会の席上も意見を交換し、私も最終的には、事務当局がいろいろ検討した結果この勧告がよろしいという結論になりましたので、決裁をいたしております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いま大臣は重大な発言をされたのですが、勧告は大臣はしていない、次官がした。これは明言をよく私はお聞きしておかなければならぬのですが、次官の名前によって出す場合も局長が出す場合も、文部大臣の意思と同じと私は思っておった。ただし、代決権その他の関係で、事項によって、局長代決権もあれば次官の代決権もある。大臣だけが本来の権限である。そういうときでありますから、次官が出しても大臣と同じと行政的には見てしかるべきなんですが、ニュアンスが違うというふうなお答えと思いますが、しかしいまのお話の中で、就任早々勧告などを直ちにするということは非常に軽卒であって、大臣みずから出すというようなお考えは持っていなかったと、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 役所ではよく大臣の名をもって関係官庁に通達あるいは指示をする場合もありますし、事項によりまして、次官通牒等次官名をもってする場合がございまして、これらは役所の従来の実績なり慣習もありましょうし、事の次第にもよりましょうし、概してそういう仕訳になっていると思います。本件の場合は、なるほど前大臣の時代から、文部大臣の責任において学力調査の実施を各都道府県の教育委員会に依頼をして調査報告を求めておるわけでございますが、この福岡県に限った問題については、やはりそれのあと始末の事務としての事情に属する、こういうことで、事務次官の意見を通達するのが適当だろう、こういうことになったと思います。もちろん、しかしながら、事務次官通牒にせよ、この次官名による勧告にせよ、大臣としては責任をになうべきことで、その点は承知をいたしております。なるほどおっしゃるとおり、私は就任早々でございまして、事情にはつまびらかでないことはよくわかっておりますが、しかしながら、役所は組織体でございまして、次官以下各局長、担当官がおりまして、これらが十分検討して結論を大臣の手元に出し、あるいは説明をし、それを説明を聞いてしかるべきものと思えば、われわれはそれに決裁を与え、執行させるというのが、われわれの責任でございますから、就任早々だからどうもどういう決裁も三カ月も四カ月も延ばすというわけにはまいりませんので、やはり起こってまいりました決裁事項は、そのつど説明を受けて判断を下して実施に移させるというのがわれわれの責任であろう。こう思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 学力テストについては、荒木文部大臣の時代から論議をされ、愛知大臣を経て、そうして一斉学力テストの弊害は認めて、希望テストに移っていくという段階にきておるわけで、それは御承知のとおりだと思います。それについていろいろ論議があって、三木委員からございましたが、極端な例をいえばあのとおり事実、あれは事実なんです。そういう問題のある学力テストに関連をして、文部省設置法からいえば、原則的には県の教育委員会と文部大臣には監督指導権がないのです。だから、勧告というのは例外中の例外として行政上慎重にやるべき事項である。したがって、学力テストに十分にタッチして、事務官僚が言うことだけでそうかというのではなくて、大臣自身が腹の底まで納得をして初めてやるべき重要な処理であると思う。したがって中村大臣が就任早々事務当局からこういうことがあったからということで出したことは軽率ではないか。内容は別にいたしましても、こういう勧告というものは三代、四代の大臣に一回か二回出すべき問題であり、大臣自身はよく納得と確信を持ったものでなければならぬと思うので、それを就任早々お出しになるということは、内容いかんに関してではなくて、勧告を出したというふうな処理は軽率ではないかとお聞きしておるのです。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 この学力調査の問題は古くから議論され、国会でも賛否両論あるようでございますが、文教委員会をはじめあらゆる機会に論議を尽くされてきておる問題で、私どもはこの調査を実施することは、なるほど実施について末端的にはいろいろな食い違いや不心得やいろいろあるかもしれませんが、実施すること自体は、私自身もまだ文部省に関係のない一国会議員でありましたころから賛成の気持ちでおるわけでございます。本件の勧告につきましても、表題は資料にお配りしたように、「福岡県における全国小・中学校学力調査その他の教育行政の執行の改善について」ということで、しまいのほうのどこかに勧告ということばがあったと思うのですけれども、何といいますか、福岡県の教育委員会に対して納得のできない点を反省してもらい改善をしてもらいたいという要望といいますか、勧告ということばを使っておる部分がおしまいのほうにあるようですから、勧告といわれて差しつかえないことと思いますが、そういう趣旨でございまして、調査団の帰りました報告会に私も出席をして逐一その報告を聞いておったのでありますが、どうも事態の全体から見て、福岡県の教育委員会に教育行政の運営について考え直しをしてもらい、改善をしてもらわなければならない余地が多分にある、こういう観点に立って、これに対しては私も承知を与えておるわけでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 表現は勧告だけれども、要望だ。こういう大臣のおことばだけれども、お聞きしておきます。間違いないですね。  次に、この大臣談話の最初のページの終わりから三行目に、「この報告を聞いて、最初にわたくしが感じたことは、この実情を広く国民一般、」国民一般ですよ。「とくに福岡県民に知ってもらう必要があるということである。それは、このような県教育行政の不正常なことによる直接の被害者は福岡県民だからである。」この文章はまことに政治的である。こんなに政治的な表現はないと思うのです。教育行政の最高の長官である文部大臣が、地方の教育行政機関に対してこれはこういうふうにしたほうがいいじゃないかと要望し——あなたのことばでは、勧告といっても要望、そういう意味だというのですが、これはむしろ内部的に指導さるべき問題だ。それが地方教育行政の自主性を守り、また改善を要望するならば、そういう方向で、ほんとうは直接大臣かお呼びになって県の教育委員会の代表とひざを交えて話すべき問題だと思う。そうあるべきなのに、この実情を広く国民一般に知らすということは何ごとですか。これはどういう意味なんですか。私はその意味においては憤りを感じます。西田審議官は向こうに行って何で憤りを感じたか知らないが、文部大臣は地方教育行政を親切に助言指導するというのが法律のたてまえなんだ。それを、まだ学力テストそのものの評価について判決もまちまちである。教育事務の内容についてもまちまちである。国会の中で反対賛成の論が熾烈に起こった問題なんです。そうして福岡県に対して一応調査団を派遣された。それはあとで問題にしますけれども、いずれにしてもこれは実情を国民に知らす問題ではない。教育行政機関と教育行政機関の内部の問題で、そういうものを外に出さないで、大臣が直接呼んでいろいろと話し合いをされてしかるべきものである。どうしてこういう発表をされたのですか。この点については大臣もこれを十分にお読みになって勧告をしたのか、よしと思ったかそれはわからぬですが、普通の教育行政の常識からいったら私はまことに不当だと思うのです。そういうようないき方の中で全国の地方教育行政の機関が文部大臣を信頼して文部大臣と一緒になって日本の教育行政をやる気になれますか。こういう赤恥を天下に知らすというような表現をしていかがですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 これは格別に赤恥を天下にさらすのではなくて、もう福岡県の新聞その他天下の新聞は福岡県はこういう結果になったということを報道しておりますので、私どもとしましては、民主主義の時代でございますから、われわれはわれわれの立場で勧告を行ない、申し上げるべきことは申し上げておきますが、その是非はやはり一般の国民にも判断をしてもらう必要があるという、若干感覚は違うかもしれませんが、私はそういう感じを実は持っております。  それと、学力調査をいたしますのは、文部省として国全体の教育課程その他の教育施策に重要な資料として活用することはもちろんでございますが、各県及び各市町村の教育委員会としては、やはり地方地方で自分のところの教育の指導その他教育の万全を期するためのいろいろなあらわれた結果を把握いたしまして利用しておるのが現状でございます。したがって同じ県内、同じ市町村の中でも格差もありますし、それから先生の素質の差がありますし、いたしますから、おそらく先生のそういう素質の違ったところは、いい先生ばかり集まっている学校としからざる素養程度の違う教師の集まっている学校とありましょうから、こういうものの人事異動にもおそらく利用しておるでしょうし、いろいろな面で教育を平準化して全体としての水準を向上させる、こういうことに各地方団体ごとに活用していると私は思うのです。この活用を福岡県だけがやらないということになれば、やはり福岡県の県民全体、県の児童全体がそういうような他の地方団体がやっておるような教育上の配慮を受けられないということになりますから、こういう点は私は、確かに県民の立場として県がこういうことを実施しないということはふしあわせなことだと、今日もさように考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この大臣談話は勧告の前ですかあとですか。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 同日付でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 勧告の趣旨は、大臣が勧告されてそれに回答を求めるというのが勧告の内容になっているのですね。回答を待たないでこういうものをお出しになるということは軽率じゃないですか。行政機関が行政機関に対して回答を求められているのですよ。その回答を見てそして指導をして、なお大臣としては日本の教育行政上いかぬというならわかるのです。あの文書を見ると回答を求めている。回答を求めておいてその返事が来ない前に天下の何だと言うようなことはおかしい。だから私はあけすけにいえば、参議院選挙のときだから、政治的に時期をここへ持ってきたところにほんとうをいえば間違いがあると思うのですよ。だから私は、自民党であろうが、社会党であろうが、こういう参議院選挙の投票日のときです。七月八日なんです。こういうときにお出しにならぬほうがいいですよ。選挙を有利にするとかしないなんということは、私は子供に関する教育の関係については、ほんとうのことをいえば遠慮をしてもらいたい。そこのところにこういう間違いが出てくると思うのです。文章だってこうなっている。誇張的になっている。こんなことは二度とされちゃ困ると思うのです。それは政党をこえて、自民党であろうが、創価学会であろうが、社会党であろうが、文部大臣としての場合については、そういう政治的雅量というのは、自制するということは、他の大臣以上に何倍か持っていただかなければ、これは始末がつかなくなるでしょう。あけすけにいえばそういうことになると思うのです。その点は、ほんとうの気持をひとつ大臣、今後の問題として言ってもらいたい。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 山中さんそうおっしゃいますが、私どもは政治的意図なんて毛頭ございません。それからもう一つは、回答、なるほど、次官の名による勧告では、末尾のほうにそういうことを記載しております。これはこれこれの点を改善方について勧告をするという注意の喚起でございますから、それに対して、今後しからばこの点については、こういうふうな方法をとっていきたい、この点についてはこういう方法をとっていきたいという結果を得て、その結果を報告してもらいたいということでございまして、こちらの調査に対する報告ではない。調査はもう調査団がまいりまして、じきじきに個人個人の教育委員にも全部当たり、関係方面にも当たって調査をしてきたのでありますから、調査の結果については、われわれ報告を求める必要はこの段階ではないわけで、むしろこちらが注意を喚起して勧告したことについて、この項についてはこうします。あるいはこれはこうしてみましたけれどもうまくまいりませんとかいうような結果の報告をしてもらいたい、こういう趣旨でありますから、誤解のないようにお読みいただきたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 時期はどうですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 時期は、なるほど選挙が始まっておりましたかな、そのような時期でございますが、しかし学力調査というものが、たまたまそういう選挙の始まるより前の時期に該当しまして、それがこういう結果にならなければこういうことは起こらなかったのですが、ありましたから、これもほうっておいて日時を経過してから調査に行ったんでは妥当でないし、また聞かれる人もそのときのいきさつはどうであった、こうであった、忘れる面もありましょうしいたしますから、調査団を出したいという事務当局の相談がありましたから、それは出すなら早いほうがいいねということで、急速に調査団を出し、調査団が帰ってまいりまして、これはすぐの結論でございまして、わざわざ引き延ばしていただいて選挙の時期に当てたとかいうようなことじゃないわけです。たまたまそういうことになったわけで、今後、選挙等がありまして、私もそういう時期にもし在任いたしますならば、ひとついまのような誤解や、あるいは世間に御心配をかけないように善処をいたしたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 調査は、事件が起こった場合の直後にするということは常識で、選挙があろうがなかろうが必要だ。大臣談話というやつはあとにしてもいい。それは政治配慮だと思うのです。教育行政上の問題ですから、政府みずから教育の中立性というものを法律まで出してきておるならば、利、不利にかかわらず、その辺は教育行政の責任は十分に慎重に配慮するのが常識じゃないですか。私はそう思うのです。そこでこの問題については、どうしても政治的なものがまつわって結果論としても出てくるものだから、私はこれを問題にしておる。教育行政そのものと、やはり政治の関係において、いろいろの角度から反対、賛成はあっても、やはり重大な要素が今後のあり方の中にあると思う。これは大臣は、こういう問題をさらに利用して、また何か県会のほうではそれを問題にするとかいうようなことをいっておるようでありますけれども、そういう最初のいろいろの問題の中で、教育行政を、政治の中に利、不利にかかかわらず、ほうり込むというような変なことは、私は、厳に慎しんでもらいたいと思うのです。  そこで大臣に根本的にお聞きします。それは、大臣と地方教育委員会との関係は、法律的にどういう関係にありますか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律によっておることと思います。なお条文がどうなっておるかということについては、事務当局からお答えさせます。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 地方教育行政に関する面の文部大臣と委員会との関係につきましては、先生すでに御承知のように、四十八条に根本的な規定がございます。ただ、法律全部がどうなっておるかと申しますと、それぞれの他の実体法がございます。学校教育法その他若干の法律がございますから、これだけが文部大臣の権限ということではなくて、いろいろの権限が文部大臣について留保されております。それらの各法律の規定を彼此勘案しながら、全部がどうだということを簡単に言えないと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 原則はどうだ。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 原則と申しますか、組織運営の通常のルールというものに他の特別の定めがなければ四十八条でいくということになると思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 先ほどのことでちょっと間違っておりますから……。政治的配慮がないと申し上げましたが、事実なかった証拠には、私も実は日にちなどよく覚えてなかった。八日に出したことは間違いないのですが、考えてみれば参議院選挙の投票日は七月四日でございます。私どもこの談話を発表しましたのは、それを過ぎまして七月八日でございます。八日に、次官名による先ほどの文書の発送と同時発表でございまして、選挙中ではなかったということを明らかにしておきます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 それならある意味においてはまだ少しは考えることもある。とにかく選挙のさなかに調査団が行って、そして西田審議官などは元大学学術局の課長をしておった。初中局調査のこの内容というのは、民衆と直接深い関係がある、それをただ調査は中立だ。調査というのは時期によって中立になったり偏向するのですよ。それを単に部分的に、木を見て森を見ずに、堂々と、いかにもえものをとったような言い方は遺憾ですよ、西田審議官。これはたいへんな問題ですよ。  次に、学力テストについては、地方教育委員会の考え方はさまざまある。私、大臣中心に聞きます。事務当局はあとにします。学力テストに対する地方教育委員会の考え方には、私は全国的に三通りあると思うのです。一つは学力テスト賛成の意見を持った委員会、それから学力テストの弊害を認めている委員会、それから、学力テストそのものがむしろ児童生徒の競争意識を惹起する、できない者は劣等感を持つ、できるやつは優越感を持つからこれは反対だという、三つの意見が地方教育委員会にあります。こういう場合、三つの意見に分かれることは妥当だと私は思うのです。地方地方の教育行政の実態が違う、したがって岩手のほうは学力テストは拒否をして天下にいろいろと問題を起こした。八五%拒否している。これは東京は拒否はしないと思うのです。ああいう僻地の多い、一人の先生が数学と音楽と国語を持っておるような中学校で同じテストをされたらたまったものではない。そういう中でああいう一つの動きがあるわけであり、農山村、都市、漁村、そういうところで違ってくるのですね。そういう雰囲気の中で現場の先生の動向が変わってくる、変わってくるから教育委員会はそれを配慮して、このテストをやるやらぬという最後の悩みを持ってきめるというのは、これは教育委員会の、いろいろの条件を加味した、自主的な、地域に即した判断であると私は信ずるのです。そのために地方教育委員会というのは独立した行政機関として戦後発足しているわけなんだ。それを文部省が画一的に全部やらなければいけないという思い詰めた行き方は間違いだ。少なくともそういう例外ができても勧告するということは戦後できた地方教育委員会制度に対する軽視きわまるものである。それが根本の私の考え方なんです。私は岩手県の初代の教育長で県の教育委員会をつくって全責任を持って率いて、岩手の教育行政をやってきた人間なんです。その当時文部省の教育長会議その他に行きましても、私はそのときは自主的な考えで、委員会の委員を代表して、東京の文部省のビルディングの窓で計画したものが僻地の多い岩手でそのまま適用されるはずはない、すれば教育上マイナスになる、したがって絶えず批判の立場におるということは堂々と認めておるのです。ここにおる局長らは知っておる。その当時といまの言動は少しも変わりはない。そういうときにこういう勧告をお出しになることはどうしても軽率である。だから政治的な問題、どこかから目に見えない一つの誘導勢力があって言っておるのは、大体お互いに委員長も政治家であるからわかっておるのだから、そういうことを阻止されるのが文部大臣じゃないか。ほかの大臣と違って、それは社会党に不利であろうが自民党に不利であろうが、教育行政においてはそういう部面について自制というものは何としても他の部門と違って必要なんだ。明確にこの問題を大臣も考えて、日本の教育行政が大臣ごとに右へ行ったり左へ行ったり偏向するようなことのない慣行をお互いに責任を持って確立してもらわなければ困る。その立場から一つの例外の問題として中村大臣が就任早々出てきた。大臣にとっては不幸かもしれない。しかしいつまでもこういうことを繰り返すことは私は非常に日本の教育行政上寒心にたえない。文部省と各地方教育委員会というものと、対等の行政庁である。しかし指導助言の立場の中にあって、全国的なる指導助言というものが認められておるので、監督指揮権はないわけなんですから、その趣旨の措置というものを考えてもらわなければ困る、こういうことであります。その点ひとつ大臣に御意見を聞いておきたいと思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 私も在野時代から学力調査の問題は皆さんも議論していらっしゃいますし、関心を持っておったのですが、そのころからの感覚としましても、また現在承知しておるところから言いましても、学力調査は決して画一的な結果なり成果を得ようとするのが目的じゃないので、それは逆なのでございまして、格差があれば格差があることがそのまま出てきてもらいたい。そして僻地なら僻地の教育は一人の先生が合併教育でやっておる、あるいは何科目も担当してやっておる、こういうようなところの学力は非常にこういうふうに低いということの結果があらわれてくれば、それに対して財政当局に予算を要求するにしても、結果がこういう結果でございますから先生はもっとふやして、たとえ人数は十人しかいなくても、八人しかいなくても、一学級は一人の先生でなければ困るし、一人の先生が三学級も持っておるということではだめなんだということで、積み上げて、学力水準をできるだけ平準化したいということがねらいでございます。したがって、僻地は僻地なりの成績が出てけっこう、それから児童生徒の格差もあってよし、できるだけ航空写真をとったような成果を期待しておるのが文部省であり、学力調査実施の目的だと思うのです。ところが末端で御指摘のように曲げられる場合があるようでございますから、こういう点はそういうことのないように今後十分の指導をしていかなければ、やはり国民の税金で施策をするのでありますから、つかみ金で見当だけでやるということはあやまる。やはり学力調査をやりまして、的確なデータを持って、そのデータに基づいて財政当局にも説明をする。そして教育の平準化と、できるだけ平準化された向上を期していくということが文教当局の責任であり目標であると思いますので、とにかくこの点はまだ学力調査の目的なり何なりが肝心な教鞭をとっていらっしゃる教職員の人たちにも十分理解が徹底していない向きがあるように承りますので、できるだけ全国の教職員全体にそういう目的の趣旨をとくと理解していただいて、教育現状というものを航空写真でとったような成果のあがるような方向に各方面の方々に御協力をいただきたい、かように思っておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣の希望的観測はそのとおりであり、お考えは正しいと思うのですが、現実にはもうどうにもならなくなっておる。テスト屋ができてテストで刺激を与えておる。愛媛の場合についてはこれはもう事実なのですよ、準備教育で。だからテストの学科の五つの学科だけを重点にやって、ほかの教科をやらなくなる、文部省の期待する教育課程も全部やらなくなってしまっている。そこまでいっておるので、文部省もこの弊害を認めて二〇%の希望テストに切りかえていくところまできておるわけですから、そこはもう事実上不可能になってしまっている。ことに日本人というのは競争の原理で学習を刺激した明治以来の長い習慣があるから、そういう日本の伝統の社会なるがゆえにこそ、学力テストについては慎重に文部省が考えなければならぬのに、軽率にこういうものをやって、あとはメンツだけで主張しようとするところに間違いがあるわけです。ですから、端的に大臣は、その点は弊害は弊害とお認めになり、そういうことはできないことがおわかりになれば、十分に過去の学力テストについてのあり方を是正される責任がある。これは大臣かわったときはできるのです。同じ大臣はできない。いまのお考えならば当然いままでの弊害を是正すべきである。そうしてその結果がわからないように——事実は子供に全部わかってしまっているのです。だから、一つのクラスの三分の一以下は劣等感におちいっておりまして、優秀な者は逆に優越感を持ってしまっている。その劣等感と優越感の重なり合っている日本人の意識こそ日本の教育課題として改正すべき一番重大な問題です。期待される人間像というならば、そういう弊害を除去するところに当面各学校の課題があるべきであるのに、助長をする弊害が現実に出ておるならば、率直に廃止すべきである。これはそういう切実なる問題を含んでおるのです。そういうふうに問題が、疑問があるからこそ、教育委員会においても、教員組合の抵抗があり、あるいはその他の現場の学者の意見もあり、反対、賛成の見られた中にこういうものは中止しようかどうかという悩みの多い結論が出る。しかし私はこれは自主的結論だと思うのです。私の経験からいえば。そこのところの判断を正確にされて、事務当局の諸君に対しても指導的にひとつ処置をお考え願いたい。  それから大臣にひとつ、この機会でありますから、来年の予算についても、一斉テストは弊害があるとわかって二〇%にしたのですが、ことしは二〇%の希望テストに切りかえたが全員に用紙を配ったわけで、そうして暗に全部がやるようにという前の一斉テストの延長のようにしてやったところに混乱が出ておると思うので、来年は二〇%以上の用紙を配付なさらないように、そういうことを明確にしてもらいたい。そうでないとまた問題が出る。大臣わからなければ局長に……。二〇%希望テスト以上に用紙を配るなんてばかなことはしていないでしょうね。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 これは希望の学校が、文部省のデータ以外に府県の教育行政の段階で非常に利用価値がある、しかもあの問題はかなり精選された問題でございまして、その学力の回答の到達度を今度は文部省の施策の樹立の参考にする以外に利用価値がかなりあるし、個々の学校で利用する場合にかなり利用価値もあるわけでございますから、いまお示しの点を直ちにどうこうするという考えはいまございません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 どうこうするというのはどういうことですか。いま一度。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 二〇%抽出の調査をする以外の用紙を刷るなということでございますけれども、そういうことを明年度やめるというようには考えておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 用紙を配付しないのですか、するのですか。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 これは来年度の予算のことでございますから、結果については予算折衝後でございますけれども、現在私どもといたしましては、希望調査の全部の面を含めて予算要求をするつもりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 具体的にどういう予算要求です。二〇%のテストをやる事業計画の中で、二〇%の用紙に必要な予算を算出基礎として出しておるのか、全国全部の児童生徒の数で出しているのか、どっちなんですか。そんなばかなことしてないでしょうな。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 予算要求のこまかいことは別といたしまして、予算要求の態度は全部の用紙を刷るということで検討を進めております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣、こういうことなんです。昨年から一斉テストの弊害がある。それは先ほどいろいろな問題が出たが、前の愛知大臣のときに抽出テストで二〇%の児童生徒を対象として切りかえる。これは天下に表明されておるのです。そして事実、教育条件の改善その他については大体二〇%も多過ぎるくらい、一〇%ぐらいで大体の農山村その他の条件はわかるのです。そういう調査の目的と方法というものは表裏一体なので、そういう点については明確に事業に沿うて予算は計上されておる。昨年の場合には、前から出たものだからやむを得ないという答弁でした。さらに来年出すというのは、これは国会をばかにするものですよ。そんなばかな事務当局の予算の出し方をしておるならば、これは責任を持って大臣——事業は二〇%、希望テストなんですから、二〇%以上の予算をこういう国家財政困難なときに出して、そしてどういうごまかしで大蔵省に説明するかしらないが、そこにメンツで教育行政のいままでのしきたりの中にあやまちがまだ出ておると思うのです。大臣はこの問題で勧告されたというような立場に立っておるのですが、その点は明確にいまのはチェックしていただきたい。よろしいですか。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 これは先ほども申し上げましたように、文部省としてもこの学力調査の資料を教育課程あるいは学習指導の改善その他教育環境の整備等の施策の上に重要な根拠的な資料として活用してまいりたいということでやっておるわけで、活用しつつあるわけでございますが、その結果全校について義務的にやるのもどうかということから、おそらく二〇%の抽出調査ということになったと思うのですが、そこで抽出調査に該当しない市町村等で、やはり自分のところは自分のところで文部省がせっかくやる学力調査と並行して希望参加をしてやって、その結果を自分の行政区域内の格差是正なりあるいは教育課程の改善なりに利用していこうという気持ちがあって希望参加を申し出てくれば、希望参加校は自費でやりなさい、紙代も持ちなさいというのもどうかという感じがいたします。ですから、希望参加にして、希望しないものにまでやるのはけしからぬじゃないか、これは押しつけになるじゃないか、これは言われればごもっともで、そういうことのないようにすべきだと思いますが、希望校に対しては、やはりせっかく文部省が調査をする機会に並行して調査をして、自分の行政区域の施策の材料に活用したい、こういう場合には用紙ぐらいは配ってあげてもしかるべきじゃないかと思うのです。けれども、これは、そうはいいましても、大蔵省の予算編成のところで、そんなよけいなことは要らぬから予算はつけないといわれれば、金がなくなればしたくもできなくなりますが、問題は、そういうような次第で、気持ちとしては、やっぱり希望校が出て希望すれば、希望者に対して、どうせつくるついでですから、用紙も一緒に利用されるように配付してあげるのは、親心として当然なことじゃないかという気持ちを私は持っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 中身はどうだか知らないが、希望もあるだろうから、二五%要求しているとか三〇%要求しているというならまだわかる。全部要求しているのじゃないですか。それでは問題にならない。  それからもう一つ、もっと文部省の文教行政を、信念を明確にしなさい。大体教育条件の改善その他の場合には、二〇%以上に国民の税金を使わなくてもわかるのだ。大学の統計学の先生に聞いてみなさい。日本の科学的天才を発見するというなら、一斉にしなければならぬ。アメリカの教育国防法のような目的でやるなら、それはそれでわかる。教育条件、教科課程の改善じゃないか。全部の千何百万のものにしなければわからぬというばかな統計学の原理がどこにある。

齋藤正文部事務官(初等中等教育局長)

○齋藤政府委員 こういうことでございます。二〇%の抽出調査をする、その結果だけは文部省へ持ってきて、そして分析をし、検討するわけでございます。昨年は、それ以外の希望の学校が一〇〇%、報告でありましたので、それに配るだけの用意をしたのでございます。御質問が、いまの段階で二〇%だけの予算をつくれということを要求されましたので、現在の段階では、これはまだ予算の問題は大臣とも御相談をしておりません。これからの仕事でございますが、いまの段階のわれわれの態度を聞かれましたから、おそらく昨年の経験に照らして、そして希望した結果はそれぞれのところで利用するわけでございますから、文部省へ持ってくるわけではございません。あくまで希望でございますから、希望参加に応じられるだけの予算を要求したいと思って、まだ検討している、こういうことでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 検討しているということだそうですから、大臣ひとつその趣旨を腹に含んで、なお必要によっては大蔵省の主計官を呼んで——私はそんなむだな金を使うことはおやめになったほうがいいし、趣旨を明確にしてやるなら明確にして、ほかのほうでけちけちして——一体PTAの負担ばかりかけておいて、何ですか。だからそこがおかしいと私は言うのですよ。PTAの寄付がどれだけふえているか、わかっているでしょう。理科の整備といったって、あの基準からいったら大体七〇%いっていない。そんな便宜主義なやり方は、私はとるべきでないと思う。大臣は初めていま文相になられたのですから、実感を持ってもらうために、はっきりここで論議をしておかなければならぬ。  そこで私は、この福岡の問題は、日本の地方教育行政機関と文部省の行政機関の問題であり、それから地方の教育委員会からいえば、やっぱり制度の趣旨から、自主性を持って、地域に即して教育行政をやろう。いろいろの条件、政治的条件ももちろんあるでしょう。しかし、判断は教育委員会がその地域の教育行政のいわゆる安定成長を考える、いろいろのことを苦心してやっておるので、いたずらに干渉されるということは好ましくない。伝家の宝刀として、そういうものは出すべきものでないというのが私の考えなんです。したがって、重要な問題を含んでおると思うのでありまして、なおかつ、一つ大臣に申し上げておきたいのですが、文部省設置法及び地方教育行政組織法に基づいて要望という文書を出された。文書を出すくらいのお気持ちというのは、地方教育行政を守るためにお出しになっている。懲罰ではないはずです。指導助言をしてよく改善をするようにという、そういう立場でないと、日本の最高の教育行政機関と地方の教育行政機関が一致協力して日本の教育のために尽くせないわけであります。そのときにまた地方の政治が動いて、本来何らの監督指導の権限のない者が政治的に動いて、県知事及び県会がどうするというような態度に出た場合には、大臣は外に対しては教育委員会を守るという立場をとるべきだと思う。ところが西田審議官は、県会が何をやろうがそれは当然でしょうということを回答しておる。そのときに次官もおられた。文部大臣が権限を行使する限りはその教育行政組織を守ってやるという親心がなければ、だれだって心服しない。行政機関と行政機関の関係であっても、文部大臣に対する信頼感というものをなくするようなことを下部の事務当局が放言をしておってはいかぬと思うのです。その点は大臣はよく現実を見られて、守る立場というものを堅持されて信頼される行き方をすべきだと思う。もう選挙は終わった、ある人は目的を果たしたと言っているかもしれない。それは政治問題であって、教育行政のあり方の中で文部大臣が信頼のあるイメージを出していただきたいと思うのです。一応約束の時間が二時でありますから保留します。  なお先ほど理事会でも申し上げましたけれども、教育行政のあり方について、地方教育委員会は反対、賛成であっても、国会としてはじかにそういう人たちの意見を聞く必要があると思うので、参考人を呼んで、この国会において中央教育行政機関と地方教育行政機関は将来どうあるべきかということを確かめたいので、参考人を呼ぶように委員長の特別の御配慮をお願いして、一応学力テストについての私の関連質問は保留して終わらしていただきます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 後刻理事会で検討させていただきたいと存じます。

三木喜夫日本社会党

○三木(喜)委員 山中さん、関連でありましたので、私もおけということですからこれでおきたいのですが、先ほどちょっと言い落としておりますから申し上げたいと思うのです。  愛媛の場合、幹事長がこれについてアンケートを求める、こういう天下一品のやり方をやりまして、調査をやってそれに応じた者が一万二千名中九百七十名です。そのうちで百名余りの人が不正をやりましたというのですから、五十人の子供といたしますと、五千人ほどの子供が不正な手段によって正義感が傷つけられたわけです。だから狂った教育、そしてくさった教育になっておると私たちは思うのです。だから今後こういう問題についても私たちが提起しておるのですから、よく相談をしておいていただいて、これも不正常な教育ですから、勧告ないしは調査をされるのが至当だろうと思いますので、それについて御相談をしておいていただきたいと思います。  なお先ほどもちょっと間違いましたけれども、県政の第一の実力者は久松知事の選挙の不正を訴追されて、この春になって総括主宰者として有罪の判決を受けておる。これを申し上げておきます。  そういうわけで、狂った、くさったところまで教育が進んでおりますので、いま中村大臣は曲げられていることは残念だ、国民の税金でこういうことをやられては困るので、航空写真をとったようにしたい、こう言われましても、こういう阻害があるのですから、ひとつこれこそ勧告あるいは指導行政の対象にしてもらいたいと思う。  それから先ほどの山中君との話の中で、間違って認識されておりますが、僻地なんかは格差ができるのだから、そういうものは如実に出してくれということですけれども、愛媛におきましては、僻地の人数の少ないところほどいい点をとっておるのです。ここに問題があるでしょう。そういう点もひとつぜひお調べいただきたいと思います。  この後に、これについての福岡の調査の問題もあり、参考人を呼ぶ問題もありますから、私もそれまで意見を保留して、本日はおきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 この際暫時休憩いたします。    午後二時六分休憩      ————◇—————    午後三時十二分開議

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、小委員会設置に関する件についておはかりいたします。  学校警備員に関する調査のため、小委員十名よりなる学校警備員小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  ただいま設置いたしました小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  それでは小委員に     上村千一郎君    大石 八治君     熊谷 義雄君    松山千惠子君     南  好雄君    八木 徹雄君     川崎 寛治君    長谷川正三君     三木 喜夫君    鈴木  一君をそれぞれ小委員に指名し、小委員長には南好雄君を指名いたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任の許可並びに小委員に欠員を生じた際の補欠選任につきましては、委員に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次に、文教行政の基本施策に関する件について質疑を続行いたします。高橋重信君。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 午前中に文部大臣の就任あいさつを承りまして、特にそこの中にあります文教のことは国家百年の大計であり、国家民族の将来にとっても最も基本的な部門でありますので、その責任の重かつ大なることを痛感しておる、こういうお話を承りまして、私最も同感いたしておるのであります。したがって、文教政策は百年の見通しに立ちまして大綱を立てなければならないということを強く訴える次第であります。特に福岡の学テ問題等を審議されたわけでありますが、あれを聞いておりましても、いかに政治的に利用されたか、こういう誤解を一般国民に与えておるということは事実だと思う。  特に私がこれからお尋ねする給食問題でありますが、この給食問題におきましても、過ぐる六月に佐藤首相が、僻地の欠食児童、貧困児童に対する給食問題を取り上げらたわけであります。これとても当然文教政策としては以前から論議され、取り上げられあるいは予算化されておらなければならないにもかかわらず、選挙のまっさ中にこれらが取り上げられたということは、やはり誤解を与えるものであり、そういう誤解を受けてもいたしかたないではないか、こういう点については新たに文部大臣に就任された中村文部大臣としては厳重にひとつ御配慮願いたいと思うわけであります。  さて、この僻地の文教問題の一環といたしまして、六月の二十九日に僻地学校給食特別措置についての大臣談話が出されておるわけでありますが、いまも申しましたように、これとても佐藤首相が言い出してから選挙のまっさ中にそういうことが出てきてから文部省が取り上げたということは事すでにおそい。特に年度途中においてこういうことを言い出しましても、実質的効果というものはなかなかあげることがむずかしいのではないか、かように思うわけであります。  そこで文部大臣にお尋ねいたす次第は、こういう問題を佐藤首相が取り上げられてから文部省が取り上げた、こういう印象を持つわけでありますし、これに対して文部大臣としてはどういうお感じを持っていらっしゃるか、率直に承りたいと思うわけであります。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 文部省の当局としましては、おそらく従来からこういう僻地等に対する給食のような重要な問題については、格差のある特別補助の道を講じたいという情熱を持っており、予算編成の際にも努力をしてきたと思うのでありますが、大体財政当局は、そういう全国一律の補助率等がきまっておる場合には、それに対する高率補助というものは災害等の場合を除いてはほとんど受け付けない、認めないという態度をとっておるのが従来の傾向だと思います。災害等については、高率補助等は激甚災害等について特別の法律もありますし、また必要ならば国会で新しい法律をつくりますが、そういう法律制度のないものについてはなかなか予算化というものは困難でございます。幸い、この僻地の給食につきましては、閣議の席上佐藤総理から、どうも僻地の給食状況というものについては何か特別の処置をしなければ気の毒じゃないかという御発言がありましたので、そこにはもちろん大蔵大臣もおりますので、それでは至急ひとつわれわれのほうで立案をしますが、大蔵大臣のほうもひとつ総理の御発言だから普通の場合のようにあまり異議を申さずに受け入れてもらいたいということでスタートをしまして、高率補助についての道を検討したような次第でございまして、従来から考えないわけではありませんが、予算編成というのはなかなか困難な作業でありまして、所管省が熱意を持ちましても予算化が筋道の上でなかなか困難であるという事情がございますので、この点をひとつおくみ取りいただきたいと思います。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 いまお話を承りますと、文部省も以前から討議をしたり研究しておったわけですが、予算化が非常にむずかしかったからおくれた、こういうふうに受け取ったわけであります。  そこで、文部大臣談話の内容として四項目出ておるわけでありますが、これに基づきまして文部省にお尋ねいたしたいと思います。  まず最初に、日の当たらぬところの子供に対して、人間尊重という佐藤内閣の方針からいっても、当然取り上げられなければならない問題だと思うわけでありますが、これは単に僻地だけの問題でなくて、都市におきましても欠食児童とか貧困家庭というものはあるわけであります。したがって、文部省としては、この欠食児童、貧困家庭というものは全国でどのくらいあるか、これを握っていらっしゃるかということについて、まず最初にお尋ねいたしたいと思います。

西田剛文部事務官(体育局課長)

○西田(剛)説明員 欠食児童につきましては、三十九年六月現在の調査によりますと、都市及び都市近郊では小学校で〇・一〇%、農村で〇・八八%、山村になりますと一・〇六%、漁村が一・一%、平均して〇・六六%というような状況でございまして、これを見ましても、どちらかと申しますと、農山漁村が特に欠食児童が多いという実情でございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 そうすると欠食児童が全国平均でいくと〇・六六%ある、これは学校給食をやっておるところやっておらないところを通算しての数字だと思うのです。少なくとも佐藤内閣の人間尊重の精神から言いまして、あるいは格差是正という立場から言いましても、昼御飯が食べられない、こういうことが少なくとも三十九年の六月の調査でわかっておりながらできなかった、しかも予算の関係だという御説明でありますが、今度の僻地学校の給食特別措置に伴う予算は、私が承るところによれば、わずか四億六百万円、非常に少ない金額であります。しかもこの金額は既定の予算の範囲内で処理する、こういうことを言われておるわけでありますが、しからばこういう既定予算の範囲内で処理できるような問題を、いままでなぜ放置しておったか、私は文部大臣の御説明に対して納得ができないわけであります。これが多額な金額ならいざ知らず、わずかの金額であり、しかも既定予算の範囲内で処理できるような問題をいままで放置されておったということは、これは明らかに文部当局の怠慢である、こういうことを私は率直に申し上げたいと思います。このことに対して大臣のお考えを承りたいと思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 御承知のとおり要保護世帯あるいは準要保護世帯につきましては全国的に特別の措置を講じておるわけでございますが、僻地等の農山村で給食が実施できない事情は、もちろん全国的の方針として要保護世帯、準要保護世帯に対しては国庫及び地方でそれぞれ負担をしまして、無料給食をできるようにするわけでございますが、問題は、資産もあり生計も困らない家庭というのが自己負担をするわけでございますので、それらの人たちが、僻地等の場合においてはやはり都会と違いまして、現金収入が乏しい、したがって今度せっかく高率補助の特別措置を講じましても、この措置を返上してきている区域がありますが、これらは要するに自己負担をしなければならないだけの財産なり資産なりを持った生活能力のある人たちが、現金で自己負担を年に何千円かするということがつらいということで反対をするということが大きな原因でございます。そのほかにいろいろな施設費等について国の補助があり、また高率補助を今度することになりましたが、若干地元の市町村も持ち出さなければならない。そうすると地元の市町村も現金的になかなか財政上困難であるというような事情で、わずか二割か三割かの自己負担がつらいからというて実施をしないという傾向にあるわけで、これを何とか全体的に実施のできるようにひとつ調節をはかっていきたいというのが、現在われわれ来年度予算編成を前にして検討をしておる状況でございます。  それとも一つ、四億六百万円ほどの本年度の特別措置の金が、従来の既定経費でまかなわれるというのはおかしいじゃないか。これはなるほどそういう感じがいたしますが、文部省といたしましては、次年度はどれだけに給食率を高めていくかということを一つの目標にしまして、その目標に従って予算を計上して、その予算をもらっておるわけであります。ところがいま申し上げたような諸般の事情で、地元市町村の自己負担分あるいは父兄の自己負担分等の関係で、文部省が期待するだけの分量が実施されていかない、そのために補助金に計上した金が例年若干ずつ余る、こういう状況にございまして、昨年の実績に照らして本年も西億ぐらいは余りそうである、そうすればわざわざ予算に計上しなくても、大蔵省の支出承認さえ受ければ実施ができる、こういう次第になりましたので、高率助成についての大蔵省の支出承認だけ受けて、新たに予備金支出等はいたさないで特別措置を講じた次第でございます。もし特別措置を実施して年度末までまいりました結果、万一若干の不足を生じた場合には予備費等から支出をしてもらうということについてはあらかじめ大蔵大臣の了解を得てこの措置を進行したわけでございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 時間がありませんので次に進ましていただきますが、今度の僻地学校給食特別措置は三級、四級、五級という非常に高いところに決定されたわけですが、なぜこの際思い切って僻地全体に及ぼされなかったか、もし及ぼすとするとどのくらいの経費が要るわけですか、その辺ひとつお尋ねしたいと思います。私は、大した経費が要らないのですから、昔の僻地といまの僻地とは違いまして、特に私の岐阜県あたりにも僻地があるわけですが、交通事情、経済事情も変わってきているわけですから、この際思い切って僻地全体に及ぼされていいのじゃないかと思うのですが、その点お尋ねいたします。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 御指摘のように近々僻地全体に及ぼすようにいたしたいということで、目下準備作業をいたしております。ただあの際は年度の途中に総理の発言もありまして、急遽特別措置を講ずることになりましたので、大蔵省としましても大体万事気前よくない役所でございますから、そう全般的にやらなくても、級別というのができているのだから、僻地度の高いところだけにしぼったらどうかというので、一時は四級、五級という説も出たのでありますが、できるだけ広げたいということで、われわれの努力の結果三級以上ということに落ちついた次第でございます。御趣意はまことにごもっともと思いますので、私どもその実現を期してまいりたいと思います。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 経費は全国でどんなものですか。

吉田寿雄文部事務官(体育局学校給食課長)

○吉田説明員 まだ完全に積み上げておりませんが、およそ十数億円で一応全部できるというめどでございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 十五、六億………。

吉田寿雄文部事務官(体育局学校給食課長)

○吉田説明員 そのくらいでございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 そこで第三の問題ですが、給食施設費に対して高度に補助率を上げた、高度に補助率を上げただけでは私は実際解決できないと思うのです。というのは、先般来各新聞社の社説なりあるいは報道等にも取り上げておるわけでありますが、せっかく文部省がこういう親心で考えられても、現場にはいろいろな問題があると思うのです。その一番大きな問題は何であるか。いろいろ各県の特殊事情もありますけれども、たとえば八月五日きのうの新聞に、これは山梨県ですが、産経に取り上げておるわけです。僻地校の完全給食に対して、山梨県は全校返上か、こういって取り上げております。岐阜県あたりもいろいろ現地へ行って聞いてみますと、文部省の気持ちはよくわかるわけですが、あれだけでは喜んで受け入れることができない、というのは、まず第一に、受け入れ態勢におきまして、人件費の問題だと思うのです。僻地の学校は、御承知のように先生も少ないし、その上小使さんもおらないわけであります。そういうところへ、いかに貧困児童や施設費の補助単価を上げて高率にいたしても、先ほどお話のあったように、市町村の負担はますます増すばかりでありますし、あるいはそれがPTAに転嫁される、こういうような点から非常に受け入れ態勢が悪いというわけです。これを文部省がほんとうに腹をきめて、少なくとも本年度は、三級、四級、五級だけでも完全にやるんだ、こういう気持ちならば、当然人件費の問題が出てくるわけですが、これは山梨県ばかりでもなく、岩手県、岐阜県、各僻地県は悩んでおるのですが、その点についてどういうお考えであるか、お尋ねします。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 確かに人件費の点が問題になっておると私ども承知いたしております。そこで人件費については、従来、地方交付税の積算の際に、その人件費を積算しまして、交付税でその分は各市町村に渡す、こういうことになっておるわけですが、積算の基準が、規模、児童数八百六十四人の学校で十八学級あるといたしますと、そこには四人と、それから四人のうち三人に対しては年額二十四万四千百五十五円というこまかい積算になっておりますが、それに対して、もう一人は小使さんのような人で、賃金ということになりまして、月額一万円、年額十二万円、これが一人分、こういう四人の配当がつきまして、その配当に基づいて地方交付税で積算をしておるわけでございますが、問題は、その僻地校になりますと、これだけの人数はありませんから、この人数割りでいきますと、一人も当たらない数の学校が出てくるわけです。これが要するに問題ですから、そこで私ども、かりに生徒が五十人しかいなくても、この積算で、生徒数幾らについて、学級数幾らについて何人という積算でなしに、ずっと積算をしていって、生徒五十人でも一人はつく、最小限度、生徒は何人だろうが、一学校一人だけはこの給食のこういう人件費がつく、こういうぐあいにいたしたいというつもりでいま研究をしておる段階であります。何とかそういう方向で財政当局に了解をとるようにこぎつけたいというようなつもりで現在はいるわけでございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 いま大臣が言われましたように、標準規模が、小学校八百六十四人で四人給与を交付金の中に充てておるわけです。三人までは給与費、一人が賃金。たとえば僻地において八十人の生徒数があるとすれば、これは十分の一ですから〇・四人分ということになる。〇・四人というようなことは頼むことができないわけですから、〇・六人分足らぬということになる。そうすればこの問題を完全に解決つけない限りは、せっかく親心でお考えになっても、実質的に私は返上という形で出てくると思う。したがって、この問題について幸い大蔵省からも来ていらっしゃるのですが、実際これを解決していく、しかもこれは佐藤首相のお声がかりで生まれた問題ですが、こういう点どういうお考えであるかということをこの際承りたいと思います。

小田村四郎大蔵事務官(主計官)

○小田村説明員 ただいま文部大臣からお話がございましたように、この問題一昨日新聞の夕刊に出まして、文部省からもさっそくお話を伺っております。実情はやはりそういう点が非常な問題である。この六月に問題になりましたときも、やはり人件費の問題をどうするかということが一つの問題のポイントではあったわけでございます。ただ財政当局といたしましては、人件費の補助ということはできるだけ避けたいというのが基本的な考え方でございます。特にこの学校給食は、学校の設置者でありますところの市町村の事務でございます。その事務のために雇用する地方公務員または雇用者でございますので、そういうものについての特別な補助を行なうということは、非常に各般に及ぼす影響が大きくなるわけでございます。そういうことで、大蔵省といたしましては人件費の補助はどうしても困るということで、文部省とお話し合いをして、一応それでいこうじゃないかということで話し合いがついたわけであります。なお文部省とされましては、そういう事情もよく御了承いただきまして、交付税の面で何らかの措置ができればということで、いま検討を進めておられるというふうに私ども承っております。そういう状況でございますので、私どもとしてもできるだけこの措置を推進するようにつとめたいと思いますが、やはりたてまえはたてまえでございますので、ほかに対する影響ということも考えなければなりません。このことは一概に人件費の補助を行なうという結論にはなかなか到達できない状況にあるわけでございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 大臣からと主計官からお話を聞きましたが、私はこの問題は二学期から早急に行なうということになっておるのですから、来年の四月の話ではないのですから、話し合いを早急につけていただかなければならない。そうしなければ実際現地においての受け入れ態勢は出てこないと思う。少なくとも文部省としては、大蔵省とこういう話し合いをしておる、こういう見通しに立っておるのだから、市町村においてはこうやって調理員を雇い入れてやれ、こういう指導まで持っていかなければ解決ができないと思います。従って私どもは、この機会に文部省の学校給食に対する方針ですが、こういう調理員とか、あるいは栄養士とか、いろいろな人が必要になってくるわけですが、これは先ほどの教育百年のたてまえからいいましても、今後教職員並みに取り扱って、そして学校給食の完全実施にまでいくんだ、こういう方針があるかどうか、これによって私は情熱のわき方も違ってくると思うのですが、そういう点について新文部大臣の御所見を承りたいと思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 目標年次でございます。たぶん四十六年度だと思いますが、それまでに完全全面実施をいたしたいという熱意を傾けて努力をしていきたいと思います。  そこで、いまの問題は主計官からも話がありましたように、いろいろな他と関連する事情もございますから、私どもとしては地方交付税の積算の場合に、従来やっておりますように、人件費を積算して交付税の中に入れて、市町村の財政に送ってやる。ただ、いままでですと、〇・幾らになったものは雇えませんから切られてしまっておりますが〇・幾らになっても最小限度一名は積算の際にみてもらうというようにして、何とかこういう人件費等も解決をして完全実施をはかりたいと考えております。  もう一つ考えられることは、今度実は山梨県で返上の説が起き、福島県で十何校は実施しましたが、僻地学校はしましたが、返上しました市町村もありますので、それを機会に各僻地をかかえております市町村に文部省からお願いをしておるわけですが、地元の県としても県庁所在地とかいいところだけをやって、僻地は県は知らないのだ、地元の市町村の責任なんだ、国が援助するのもそれはけっこうだが、国がやるのにわれわれのほうはそれ以上つけ足しをするわけにいかぬというような考え方も、やはり県内の住民ですから、県民ですから、どうか国がここまで高率補助を考えてやる以上は、その二割や三割の高率補助の自己負担分あるいはある程度の人件費の足し前くらいは地元の県で見てくれていいのじゃないか、県でもひとつ努力をしてもらいたい、県も国とまた所在市町村と協力して、完全実施に向かって協力をしていただきたいということを、実は最近公式にお願い申し上げておるようなわけでございます。何とか国と所在市町村と県の協力を得て完全実施に予定どおりこぎつけたい、こう思っているわけでございます。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 次は施設設備費についてでありますが、現在学校給食に対して、施設設備費に対して補助金が出ておるわけですが、その品目の内容を見てみると非常にお粗末である。私が申し上げるまでもなく、一番大切でありますところの消毒器、洗浄機、冷蔵庫、こういうものに対しての品目が入っておらないわけです。聞けばこれは文部省としては毎年予算を出されるそうでありますが、大蔵省の主計局かそこら辺で削られているそうですか、一番現場の先生で困っているのは、たとえば中毒事件が起きた、こういうことになれば責任問題にもなって、特に人命を扱う関係の深い給食でありますので、少なくとも消毒器くらいは補助対象に入れなければ文部省の誠意なり方針を疑う、こういう気持ちが非常に強いわけです。そういう点において来年度におきまして消毒器あるいは洗浄機あるいは冷蔵庫というものに対して文部省としてはどういうお考えであるか。なおそれに対して大蔵省としてはどういう態度を今後堅持されるのか、その点について承りたいと思います。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 先般の特別措置の際にも主計官に事務的な折衝をしまして御理解をいただいて、だいぶその施設等につきましても、たとえばいま御指摘の冷蔵庫でございますとかあるいはパンなどはとても僻地では運び込めませんから、現地で粉だけを買い入れてパンの製造をする簡易パン焼き器でありますとか牛乳の殺菌設備でありますとか、こういうものについても助成をしていただくように御了解を得て進めておるわけでございます。ただ一般的には御承知のとおり冷蔵庫、消毒器、ボイラー等、こういうものに対しての助成はございませんので、これはやはり給食施設としての一環の必要欠くべからざる施設でございますから、今後も大蔵省の了解を得るように努力をいたしまして、完全給食の実施にいまのような格差のないように完全給食を実施することに成功してまいりたい、こう思っております。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 いま大臣から御答弁いただきましたのですが、ぜひこの消毒器と洗浄機あるいは冷蔵庫、これだけはぜひ国にやっていただきたいと思います。遮断機がなくして交通事故を起こして、それを責めておるようなことになりやすいわけでありまして、中毒事件が起きてから、消毒器もなしにやっておって学校長なり現場の先生が責任追及にあう、こういうことでありますので、ぜひ来年度は実現していただきたいということを特にお願いいたしておきたい次第であります。  最後になりますが、給食費が物価の値上げによってだんだん上がってきておるわけなんです。父兄といたしましても一食三十円あるいは中学校になりますと四十円近くも出さなければならぬ。子供が二人も三人も学校に行っておると、経済的な負担も相当増してきて生活に困るわけです。そこで私はこの際文部省として思い切ってやっていただきたいことは、都道府県に学校給食会というものがあるわけです。これは文部省の方針で、法人としてできておるわけです。これの運用の内容を見ておりますと、いわゆる子供からピンはねと言っては悪いけれども、運営費というものを取っておるわけです。岐阜あたりの例を見ますと、約七百万くらいとっておる。全国的には大体三億円程度になると思うのですが、しかし地方本部にあります日本学校給食会、これに対しては文部省から五千万くらいの補助が出ておるわけです。地方には一銭もいかないわけです。ぜひこれもこの際取り上げていただいて、ちょうど学校安全会とかあるいは育英会というようなものがあるように、本部の都道府県支部にしていただいて、そうして人件費なり維持費だけくらいは出していただく、こういう方向へ持っていっていただきたいと思うのですが、それに対する大臣の御所見を伺いたい。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 これは御承知のとおり児童の負担する給食費のピンはねではないと思うのです。あるいは若干誤解があるかもしれませんが、実際上に都道府県の給食会はここが中心になりまして県内の給食用の資材の購入、配付をしておる、その関係で粉とかその他の資材の購入、配付をする段階で、その価格に若干の割り掛けをしまして、それで経費を捻出しておる。県によってこれは若干違うと思います。要するに経費、人間が幾ら必要で事務費が幾らかかってどれだけ要るから、要り用なだけをこういうふうな割り付けで資材費の中に含めて購入をするというような仕組みになっておるようでございますから、必ずしも父兄の——結果的には父兄の負担になるわけですけれども、いまのところはそういう運営をやっておるようです。今後については私まだ就任早々でございますから、御指摘の点については十分検討してまいりたいと思います。

高橋重信日本社会党

○高橋(重)委員 時間が四時までになっておりますので、まだ同僚議員の質問がありますから私はこれで打ち切らしていただきますが、ぜひいまの御答弁のように、就任早々でまだ研究が十分されておらないというお話ですから、今後大いに研究していただいて、完全給食の方向に持っていっていただくことをぜひお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 山中君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは私もあらかじめ質問通告の中に入っておるわけですが、今度の参議院選挙中に佐藤総理大臣が盛岡に来て、僻地給食は完全給食を実施する、予備費を六億ですか使ってやるという言明をしておる。一国の総理が僻地のまん中に来て宣言したことなので、私にとっては重大な問題なのです。言明は何に使われてもいいから、ぜひ実施をしてもらいたい。有言実行内閣の実をあげてもらいたい。僻地をだますようなことではけしからぬと思うので、認識を深めていただきたいと思いますので申し上げます。実施の要領を見ますと、三級から五級までにしております。実際は二級が一番困っておるのです。これは開拓地が多い、非常に貧困なんです。それから大体われわれの地域で見ると五級というのは古いのです。平家の落人とかなんとかという古い部落です。そういうところから考えて二級、三級から形式的に僻地の級が多いから、学校給食の補助の割合を率をふやしていくというのは、これは実際に合わない。そういうところですから、やるなら全画実施をされるのでないと非常に不公平で、あとで必ず議論が出るのです。これは貧乏のほうは率が少ない。そこで大蔵省主計官、これはなお調べてもらってけっこうですが、財源が少ないから三級から以上形式的にやると地方の実情に合わないのです。二級が一番貧困な地域なんです。しかし交通の便からいうと、たとえば盛岡市から距離は近い。しかしそこに入り込んだ開拓民だという関係が多いわけですから、そういう実態があるのです。それは僻地指定と言われるなら全部が実施されるのが正しいんじゃないかと思うので、それをひとつ間違えないように、ただ財源的に一級から三級まで、三級から上だというような査定で簡単にされないで、やるなら全部実施する方向にひとつ御検討願いたい。  それから次に人件費については、たてまえ論をいま主計官は出された。しかしたてまえ論が一番困るのが現実なんです。それは財政力指数の非常に低い市町村は、人件費が出せないから出さないのです。貧乏な村、財政指数の少ないところは人件費が出せないから、学校給食については、一番問題にされる学校においては、子供のためにやろうとしても従事員がいないからどうにもならない。たてまえはたてまえにしても貧村からいえば人件費が一番問題になるんだということを別な角度でやる。こういう問題は特に僻地の特別措置ですから、たてまえはあってもこれは例外措置としての一つの文教政策ですから、そのたてまえをとっていただきたい。一番問題になるのが逆にそれなんです。事実村が貧困だからです。  それから次に設備の関係もいま触れられたのですけれども、やはり単価が一番問題になるんですね。大蔵省の査定されるところの単価は三万九千円ですね。積雪地においては大体五万から六万円です。必ずプラスエックスが要るんです。現実に調べてみると。大体積雪地に行くと六万です。僻地は雪が多いところが多いわけです。そういう関係で単価が低いために現実に村の財政負担が多い。  いま一つ、これも主計官中心に聞いてもらいたい。現在市町村合併で、たとえば岩手に例をとると岩泉の町は十八校、山形村というところも十校ある。一校、二校じゃない。したがって八割の補助をしても単価も低いし、こっちにやってこっちにやらないというわけにはいかないのです。そこで村から言いますと、貧困財政の中で数校以上の学校給食設備をしてやらなければならない。単価を低くして六割だ七割だ八割だ、だから財政当局からいったら三百万円、四百万円の金になり、たった二割の負担の場合にもそうなってくる。したがってこれも文部大臣のほうへは通知を出しても、現地の教育委員会、町村長に頼んでも、金がないからだめだというのはそこから出てくるのです。そこで大臣のほうでは、総理大臣がやれという命令のように岩手で言われたものだから、緊急に関係の教育長を招集して仰せであるからやらなければならぬといって村々に頼む。ところが町村長に行くと金はない。いま申し上げたようなところから実際金が重なってきているというそういうふうな中で、総理大臣が厳命をして、教育行政のほうは一生懸命にやらなければならぬ。町村長のほうはそれくらいじゃとてもできぬというふうな中で、どこへしわ寄せがいくかというと、やはり最後にはPTAにいく。僻地のPTAなんていうのは、貧農ばかりですから、出かせぎに東京、北海道に行って妻子を捨てて半年も出かせぎをしているような家なんです。だからそういう実態を見れば完全無償——こういう少数のところですから十五、六億だ、総理大臣まで言っているのだ、それくらいおやりになってしかるべきじゃないか、そういうことをひとつ実感を持っていただきたい。大臣お聞き願いたい。  それから学校給食は、各町村ごとに小さい学校があるので、従事員が置けなければ、そういうところでも共同施設はできる。数校で一つの共同調理室をつくり運んでくるということはできるのです。その中で何か栄養士のくふうができないか。そこで私は一方に、僻地には給食のものを運んでやり、あるいは眼科の先生を迎えるためにあるいは歯医者を迎えるために、必要なときには子供を送ってやるために、分校、本校まであるいは山を越え谷を越えて行かなければならぬ学校は、国産品のジープを備えつけてやれば、その点は非常に経済的に、しかも本校、分校の関連もできるから、ぜひ国産のジープを置いてもらいたい。アメリカから輸入するんではなくて国産品でいいんだ。国内の産業発達にもなるというので、前の予算委員会で質問したら、愛知大臣はいいことだからやりましょうと言っておる。その僻地の学校給食とそういうジープといろいろなことを勘案をしながら、少なくともPTAの負担にならないような措置をしてください。いまのようなやり方ではいかぬと思うのです。お答えを受けると時間がかかるから言うだけ言う。特に主計官聞いておいてもらいたい、それが一つ。  前々から要望しておったのですが、僻地の学校にふろを置いてやるということ、これはきょうの新聞に出ているから間違いないと思うが、文部省は人から言われないでもいい着眼があると思ってほんとうに敬意を表する。僻地の学校に参りますと、農村においてふろのあるところはまず四分の一、そして鉄砲ぶろなんです。川の水です。したがってふろに入れない子供はたくさんおる。学校の教師も僻地の学校に行ったときに一番苦痛に感ずるのはふろがないことなんです。農家のふろをもらいぶろに行くということ、そういう中で環境条件が悪いものだから、教育に対する熱情その他の前に生活的に非常に不快指数がふえていろいろ不平不満が出ておるわけです。僻地の学校を巡回してみますと、何が一番ほしいんだというと一番ほしいのはふろだというわけなんです。そして自分もふろに入れないが、子供もふろに入れて帰したいというわけです。そこで僻地学校の施設の補助対象に、少なくともふろを一つ置ていやる。これは非常に少ない費用で子供の衛生、教員の精神衛生上、村全体のためにどれだけ大きい明るいものを与えるかわからない。そこでこれはおそらく文部省も予算要求をしておる。まだ局議になっていないでしょうが、これはけさ見たんですからね。大臣見ましたか。これはぜひ通してもらいたいと思うんです。主計官、これといったらすぱっと削る、そんなことをしないで入れてやってください。これはほんとうに喜ぶ。こういうのが生きた金の使い方なんです。だから学力テストはしなくてもいいからこういうことをしてやると、それでずっと一生懸命になる。それをぜひお願いしておきたい。これはいろいろ申し上げることがたくさんあるのですが、これだけは関連して申し上げておきます。  大臣、ひとつ頭に入れて、局長もあまり遠慮しないで、漸進的といわないで、そういう矛盾を五カ年、六カ年引き延ばすことは、僻地の学校同士で比較をされると非常に悪いと思うのです。それをぜひ努力をしていただきたい。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 川崎寛治君。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 四時までという大臣の御予定だったのですけれども、ぎりぎりどれくらい延ばしていただけるのですか。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 十分です。

川崎寛治日本社会党

○川崎(寛)委員 二十年間引き離されてきている沖繩の教育の問題を十分間で、しかも佐藤総理の随行の中で最大の任務を背負っておる文部大臣に、十分ではできませんので、委員長にひとつお願いしたいのですが、今度の臨時国会が終わるまでの間に、あらためて大臣に対する質疑の時間があるのかどうか、それによっては、私はきょうは保留しておきたいと思いますけれども、いかがですか。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 後刻、理事会でおはかりしますが、もう一回委員会をやる予定にしておりますので、その機会にぜひなにしたいと思いますが、あらかじめ理事の各位も御了承を賜わりたいと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 あと十分ほど大臣に、帰られるまでお聞きします。  大臣が全国知事会議その他のときに、特殊教育和非常に重視されておるあれを見て、非常に敬意を表しておりました。そこで特殊教育のことについて、いなかの養護学校の中において、せっかくつくっていただいたのですけれども、現実の学校経営で非常に困っておるところがある。そういうふうなところにひとつきめのこまかい御配慮願いたい。そのためにひとつお聞きをしておきたいのですけれども、寮母がございます。寮母は子供の数に応じて何名という算出の基礎で予算をとってある。一般の教員の場合は学級数でいっております。ところが生徒児童数でいっておるものですから、あの特殊児童というのは年々数が変わってくるのです。一般の子供でしたら、五十名ずつくらい学校に入るということで大体きまるのですが、特殊なものですから、生徒数が低くなると定員を減らされるわけです。生徒数によっての定員ですから。そこで寮室というのですか、そこに室がありますから、寮室単位で寮母の数をおきめになるのじゃないと、事実上昨年より数が減ったからことしは三名返るのだ、次の年はまた一名ふやすということで、そのためにまた学校をかわらざるを得ないという実際の行政があるのです。これはぜひ一般の教員と同じように、学級数に相当する寮室でおきめ願いたい。  それから一人一人が病気なものですから、一人一人を見て回っていくという必要があるので、一番困っておるのはやはり寮母の労働過重だと思うのです。全体として定員の増を考えてあげたいということが一つ。  それからあそこの寮母については、そのために講習会に出席するとか、研修というのが絶対できないのです。その点を配慮して、ああいう特殊学校の最も特殊な職員である寮母については特別の御配慮を願いたい。  それからそれに関連して養護教諭の問題なんですが、来年度の関係について国会で年次計画の充実を約束しておったわけですけれども、新設の養護教諭養成所の要求は、おそらく文部省は六校以上八校ぐらい要求しておると思うのです。ところが昨年は二校に限られた。今度は二校に限られるようなことでは、養護教諭の実際の増員は養成所ができなければ不可能なんで、その年次計画に即応するだけの養護教諭養成所の設置は、要求をされる限りについてはぜひ途中で後退しないでおとり願いたい。これが一つです。  それから育英会の適用については、国立の養護教諭養成所だけがそこの学校に入った生徒に育英会の奨学金の適用があって、県立の養成所には適用がないわけです。同じく卒業すれば養護教諭になるわけですから、その人には同じように育英会の適用ができるように拡大をしてもらいたい。これもできるはずですね。与野党一致で附帯決議をしてある事項です。それを忘れないようにしてもらいたい。  それから特殊教育というわけでもないのですが、僻地の学校の場合については校医その他は全然ないわけです。そういう配置をせいと言ったって、それは無理である。だから巡回医療の制度を考えてもらうというふうな姿の中で、いわゆる移動校医というのですか、そういうふうな制度をつくられれば、現実に合うのじゃないかと思うので、それは予算要求されていなければ、まだつくる余地があるのならばやっていただきたい。それを特にお願いしたいと思うのであります。

中村梅吉自由民主党文部大臣

○中村(梅)国務大臣 ひとつ十分に趣旨を体して努力をしてまいりたいと思います。

渡海元三郎自由民主党

○渡海委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時八分散会

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