農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 305 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/10/01
会議録
○濱地委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 でん粉等価格に関する問題につき質疑の申し出があります。順次これを許します。永井勝次郎君。
○永井委員 バレイショ及びバレイショでん粉の問題を中心に少しくお尋ねをいたしたい。これらの問題について、昨日来同僚の芳賀君、児玉君等からいろいろ問題に触れておられますので、それらの点と重複をしないように話を進めたいと存じます。時間があまりないようでありますから、簡潔に、また要点に触れた答弁を期待したいと思います。 最初に、農業政策の上で、バレイショをどのような位置づけをしておるのか、これについて園芸局長にお尋ねいたします。
○小林説明員 お答え申し上げます。 バレイショの問題でございますが、畑作の中におきましてバレイショの占める地位が、それぞれ地帯によって違うわけでございますが、北海道の場合におきましては、過去の冷害等の経験にかんがみまして、やはりバレイショとか、あるいはビートでございますとか、そういう作物が非常に重要性を持っておるわけでございます。そういうことから申しまして、やはりこのような地帯におきましては、非常に重要な地位を占めておるというふうに考えておるわけでございます。
○永井委員 重要性というだけではわからないので、畑作経営の振興、あるいは寒地における農業の安定成長、そういうようないろいろなファクターを考えて、農業政策の上では姿勢がきちっときまっておるはずだと思うのです。そのような意味において、畑作地帯でありますから、もちろん輪作経営形態も必要でありましょうし、適地適産も必要でありましょうし、あるいはそれに伴う農家経営の安定という条件も必要でありましょうし、いろいろな問題があるわけですが、ことしはことし、来年は来年と出たとこ勝負ではなくて、そういう長期の展望を持った農政というものが確立されておる、そういう中においてバレイショはどのような位置づけをされておるのか。これを重要だというだけではいけないので、重要なことはもう言わなくたってわかっておる。その重要な認識の上に立って、どのような位置づけがされておるのか、これを聞いておる。
○小林説明員 バレイショの畑作の中に占める割合といいます点につきまして、その重要性のお尋ねでございますが、それにつきましては、畑作の場合ですと、いろいろそれぞれ収益性の問題もありますし、また全国的にバレイショをどの程度つくればいいかという、確固たる数字は持ち合わせていないのでございますけれども、先ほども申し上げましたように、冷害等に非常に強い作物として、北海道の場合には、その重要性が非常に高いわけでございます。したがいまして、園芸局といたしましても、これに力を注いでおるわけでございますけれども、従来からその問題につきましては、やはり優良の品種を育成して反収を上げていくということが一つの方法であろうかと思います。イモ類の奨励品種の決定でございますとか、あるいはイモの原種圃に対して助成をしておるわけでございます。あわせまして、やはりそこにおきます労働生産性を上げる必要があるという考え方から、機械化をいたしまして、農業労働の所得を上げるという観点で、実験集落等を設けまして、それでできました結果を普及いたしていきたいという考え方に立っておるわけでございます。さらに北海道の場合におきましては、病害の問題が相当大きな障害となっておりますので、バレイショの葉巻病につきましては、その採種圃の段階でこれを防除するという必要がございますので、実験的にその実験採種圃につきまして、それの防除のための予算を計上しておるわけでございます。繰り返しますが、畑作の中においてどのくらいの程度がいいだろうというお尋ねでございますけれども、まだ私どもとしましてはそれについて数字を持ち合わせていないので、御了承を願いたいと存じます。
○永井委員 数字を私は聞いておるのじゃないので、数字の問題はあとにしますが、北海道の寒地農業確立の上からいえば、畑作というものが重要なウエートを占めておる。耕作面積その他の事情からいっても、重要な地位を占めておる。その畑作を安定することが、寒地における農業の安定振興になるというその基盤に立って、それならばどういう作物が耐寒性を持ち、収穫は安定があるかということになれば、その大宗をなすものはバレイショであり、ビートである。それから豆等については、天候次第によっては相当リスクは高くなる。こういうような意味において、北海道の寒地農業における畑作の大宗はビート、バレイショである、こういう位置づけについてはいかがでありましよう。
○小林説明員 園芸局所管の対象物としましては、一番大きなウエートを占めるものでございます。たとえば、そのほかに、牧草であるとか、飼料であるとか、いろいろございます。また特産物としまして、それぞれハッカであるとか、亜麻であるとか、そういうものはございますけれども、やはりその中において大きな地位を占めるものはバレイショとビートであろうかと存じます。
○永井委員 亜麻は御承知のように、もう会社がつぶれて、減産を指導しておるという状態で、そんなものは問題になりません。またハッカについても、国際市場の関係から、そういう圧迫を受けて、新しい品種の育成はやっておりますけれども、その前途は大きいものではない。名目はハッカといいますけれども、耕作面積その他からいえば、農家経済のウエートからいえば、問題ではありません。そういう意味において、ビート、バレイショというものが耕作の大宗である、こういうことは、いま局長の言われたとおり、そのとおり了承いたします。 それならば、この適地適作であるということがはっきりし、それが大宗であるという事実がこれを証明しているわけでありますが、しからば、これの耕作について制限的な何か一つのめどを持っておるのか。地盤の造成ができ、またビートとかほかの作物等のからみ合わせを考えながら、輪作を合理的に回転していくという上において、バレイショがどんどんふえていくということは、これはますます寒地農業の適性を発揮することであり、また農家経営の安定になるわけだから、そういうことは非常に望ましいと考えておるのか、迷惑だと考えておるのか、その点はいかがですか。
○小林説明員 先ほども申し上げましたように、バレイショは、北海道におきまして大体九万ヘクタール程度作付が昨年も行なわれているわけであります。そういう意味からいきまして、非常に重要な作物でございます。一方、重要な作物でございますけれども、その中におきまして、やはり農家所得を上げていきます上におきましては、労働生産性を高めていくという方向と、それからその品種を改良していくということをあわせまして、やはり好ましい方法でバレイショが伸びていくということについては、私たち全力をあげてそれを推進しなければならぬというふうに考えておるわけであります。
○永井委員 食糧庁長官に伺いますが、いま園芸局長は、北海道の寒地農業安定の上から、その内容としては、ビートであるとかバレイショであるとか、こういうものが適性を持っておる、それから技術的な経営上の内容の問題はいろいろあるが、これは今後の問題として、多々ますます弁ずる、こういうふうに理解をしたのでありますが、食糧庁においても、このバレイショでん粉、こういうものの処理の上から考えて、バレイショというものは、今後大いに寒地農業の安定、農家経営の所得の向上、収入の向上等、いろいろな点から見て、ますます助長育成すべきものと考えておるのか、あるいは制限しなければならないと考えておるのか、消費の面からひとつ長官の所見を伺っておきたい。
○武田説明員 バレイショの北海道におきます寒地作物としての重要性は、ただいま園芸局長からのお話のとおりと思っております。バレイショの需要の問題でございますけれども、その相当大きな部分がでん粉加工用に回っておることは御承知のとおりでございます。そこで、でん粉の需要が今後どのように伸びていくか、また同時に、でん粉を需要する面におきまして、十分ペイし得る価格かどうであるかということとの関連から、その需要の伸びあるいは市場の大きさというものがきまってくると思うのでございます。したがいまして、やはりバレイショの生産あるいはそれに関連をいたしますでん粉というものを考えます場合には、その需要の増大並びにそれに関連いたします価格の問題をかみ合わせて考えていかなければなりませんし、でん粉の需要全体との間でバレイショでん粉というものが適正な地位を保持して、その需要が拡大していくようにということを私どもとしては期待をし、またそのようになっていきたいものだというふうに考えておるわけでございます。
○永井委員 そうすると、長官の答弁は、北海道の農業経営の上におけるバレイショの位置というものは今後ますます向上すべきものである、こういう展望をお持ちなのかどうか、これが一点。 それから農業政策上はそういう実情であっても、消費の面からこれは伸び悩む心配がある、そういう消費に合わせてその耕作を制限していかなければならない、こういうふうにお考えなのか、明確にその点を示していただきたい。
○武田説明員 私は、やはり需要に見合った生産ということが大切であろうと思うのでございます。したがいまして、今後バレイショでん粉の需要がどのように伸びていくかということにつきましては、これを消費しております各分野、並びに新規にどのような分野が開拓されるかということによって、需要の厚みあるいは広さというものが違ってまいりますし、同時にまた、でん粉の価格というものがいろいろと市場の大きさというものをきめてまいるわけでありますから、一がいにバレイショを制限しなければいかぬ、あるいはもう急速にどんどん増産しなければいかぬというような判断は、非常にむずかしいと思いますけれども、現在のでん粉市場の拡大のテンポというものは、それほど画期的に大きなものではございません。したがいまして、漸進的に着実にこの市場が伸びていくように、またそれに応じたバレイショの生産ができるようにということを考えているわけでございます。
○永井委員 これからでん粉の需要を開拓するという問題は未知数でありますから、これはしばらくおきます。現状においてでん粉の需要量というものは、昨日の長官の答弁にもありましたように、供給が不足する状態である。その不足しているという供給の面においては、コーンスターチなり何なり輸入のでん粉が相当なウエートを占めつつある。こういう条件、これは、貿易の上からある程度の輸入はやむを得ないとしても、国内のバレイショやビートより作付の安定した作物はないのだという北海道の寒地農業の確立の立場に立って見ますときに、そういう輸入のでん粉をどんどん入れて、そうして供給量はこれだけふえた、だから需給のバランスをとるために、国内のでん粉生産はこれだけにしなければいけないという思想があるのか。そういう北海道のバレイショが農業政策上適正に健康な形で伸びてくるということになれば、これらの国内の農業を守るために、輸入をどんどん減らしていく、輸入を押えて、でん粉の需要量に合わせるだけのものは国内で一〇〇%供給するということは、もう供給の上からいってあたりまえのことだと思うのですが、そういう前向きの関係でこの問題に取っ組んでいくお考えなのか。コーンスターチを輸入して、でん粉の価格の面で競争させて、そうしてそういう一つの制約の中で農業政策を考えるのか、こういうのか。農業政策の立場に立って考えるのか、消費の立場に立って考えるのか、この点を、分岐点になりますから、明確にしていただきたい。
○武田説明員 四十イモ年度におきますバレイショの需給の見通しにつきましては、昨日来申し上げておりますとおりで、でん粉全体といたしまして、必ずしも十分な供給ではない、やや引き締まりぎみであろうというふうに考えておりますが、そのうち、特にカンショでん粉につきましては、本年の作柄等の関係から、相当大幅に不足が見込まれる。一方、バレイショでん粉については、必ずしもそうではなくて、やや過剰ぎみの状態が推定されるわけであります。したがいまして、昨日も申し上げましたように、バレイショでん粉とカンショでん粉との間の代替関係あるいは価格の関係等から、これらのものが円滑に流れるようになればけっこうでございますが、その間に御承知のような価格の関係での差異がございまして、一方は著しく不足する、一方は相当の過剰を生じてくる。また一方で全体としてのでん粉の需給が、総体的に見ました場合に、やはり引き締まりぎみであるというようなこともございますので、コーンスターチなりいろいろなそのほかのでん粉原料につきましては、事態の推移を見ながら慎重に検討をいたしてまいりたいと思いますが、十八万トンのクォータに基づきます割り当てを特にいまの段階で変えるというようなことは考えておりません。
○永井委員 長官は昭和三十七年に食糧庁が道庁を呼んで、今後における北海道のバレイショでん粉生産について、いろいろ打ち合わせをし、一定の方針を授けた、こういう経過は御存じなのでありますか。存じておるとすれば、その内容をこの際明確にしていただきたい。
○武田説明員 私、不勉強でございまして、まだ十分その間の事情を承知しておりませんので、いまその内容を明らかに申し上げるわけにまいりません。
○永井委員 ではかわりの者を……。答弁できるのはだれですか。
○岡田説明員 三十七年当時にどのようなことが行なわれたかということについて、私も昨年参りましたから、具体的な内容は聞いておりませんので存じません。
○永井委員 そうすると、三十七年に、道庁との間に、北海道のバレイショ生産についての今後の中期計画、その中に織り込むべき条件として話し合いしたのは、いまのところ、食糧庁としては白紙の状態、そういうものはなかったものだ、こういう前提に立っていまお進みになっておるのですか。そういう一つの基礎が土台になって——知らないというのは、長官なり第二部長が不勉強で知らないというだけであって、実際はそういうワクの中で動いているのかどうか、その点を明確にしていただきたい。
○武田説明員 その当時の事情につきましては、よく調べてみたいと思いますけれども、私どもとしては、北海道におきますバレイショ生産が、先ほど申し上げましたように、需要に見合ったテンポで作付され、生産されていくことが最も望ましいというように考えております。
○永井委員 知らないと言って済まされる問題ではない。当時われわれの聞いているところでは、三十七年、食糧庁は道庁を呼んで、そうして、やたらにイモをふやしては困る、バレイショでん粉をふやしては困るという強い要求で、道庁は、そういうわけにはいかない、寒地農業の確立の上からは、ノモは農政上重要な位置を占めておるのであるし、ただそのときどきの消流関係だけで農業政策を振り回されては困るということでいろいろなにしたが、それならば、今後北海道におけるバレイショの問題は、農林省としては関知しないぞ、突き放すぞ、こういう非常な圧力を加えてきたから、道庁はあわてて、それではというので計画を出してきた。その計画は、四十一年の時点において需給バランスがとれる、こういう一つの展望の上に、北海道のバレイショでん粉は十五万五千トン限度、こういう一つの制限を加えて、それに基づいて現在バレイショでん粉の問題が考えられている、こういうふうに聞いておる。こういう一つの話し合いがあるとすれば、長官の言うように多々ますます弁じていく、健康な形で推移していくのだ、向上していくのだから、ますます伸びていくということとは矛盾すると思うのです。この基本的な姿勢の問題として、長官が個人的に知らないということと、農林省が政策として長期展望に立って進めてきていることとは違うわけです。それで、長官といえども、第二部長といえども、知らないでは済まされないし、政策としては動いておると思うので、事実は、北海道から来ると、事務当局は、おまえのほうは十五万トンが限度じゃなかったのか、それがやたらにふえるじゃないか、これは公式の文書ではないが、個人的には常にこう圧迫がきておる。そういうことが、北海道のバレイショ耕作上における非常な不安の因子になっておるわけであります。この点はこの際明確にしてもらいたい。そういう経過があるにしても、それは現在の食糧庁をあずかる者としては白紙である、増産を進めていくのである、こういう考え方に立つのか、その点を明確にしていただきたい。
○武田説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、食糧庁といたしましては、もちろん年々の豊凶のフレはあると思いますけれども、今後のバレイショでん粉についての需要に見合いました生産が行なわれることを希望し、かつ期待をいたしておるわけであります。
○永井委員 そういう抽象的な答弁でなく、具体的な問題を私は提起しておるのですから、その問題に対してなにしてもらわなければ、長官の個人的な主観的な答弁ではこれはいけません。ですから、そういう道庁とのいままでの話し合いは白紙にして長官としてはやっていく、こういう考えなのか、こういうものは知らなかったが、あるならばそのワク内で進めざるを得い、こういうお考えなのか、その点を聞いておるのです。
○武田説明員 過去の経緯につきましては、十分私といたしましてもその間の事情を検討いたしまして、その結果に基づいて、もし私どもとして道庁に何か申し上げるようなことがあれば、これはあらためて申し上げたいと思います。抽象的で恐縮でございますが、バレイショでん粉の需要というものは、年々もちろんある程度の推移をたどっておりますけれども、その需要水準に見合ったバレイショの作付が行なわれ、また生産が行なわれることを期待したいというように考えております。
○永井委員 長官のその需要というワクは、国産というワクの中で考えるのか、あるいはコーンスターチその他を輸入するのがどんどんふえてくるのを、それも内容として供給量の中に加えて考えるのか、その点はどうですか。
○武田説明員 御承知のように、バレイショでん粉、カンショでん粉、あるいはコーンスターチ、それぞれある程度の国有的な用途を持っております。それから別途その三者とも競合するような需要分野もあるわけでございます。したがいまして、今後のでん粉全体としての需要の伸び、あるいは特にバレイショでん粉を利用する分野の需要の伸びというようなものを、やはりかみ合わせて考えてまいらねばなるまいというように考えております。
○永井委員 この計画は、道庁と農林省との間の話し合いで、農業の生産農民あるいは諸団体、こういう関係は関知しないところである。したがって、何も知らないのに、農林省に来ると、おまえのほうは十五万トン限度でないか、あまり増産していくとあとのめんどうは見れないぞ、そういうようなことをにおわされる。こういうことで、北海道の生産団体、農民団体は、いまバレイショ対策協議会をつくって、その中の分科会において、この農林省がにしきの御旗にしている道庁との話し合い、こういうものを破っていこう、こういうことでいま分科会で検討中であります。三十五年を基準にして十カ年計画、これをやろうとしております。したがって、北海道の農業政策の立場に立って、適地通産であるバレイショというものを安定的に発展させるという考え方と、一定の需給のバランスをとっていくのだ、そうしてその供給の面には、当時あまりファクターを占めていなかったコーンスターチその他の輸入量がどんどんふえてきている、そういうものを加えて、国産のものを圧迫していくという制限に立ちますと、いまのように寒地農業として、バレイショはなくてはならないものだから助長育成をしていかなければならないという前向きの姿勢をとるのと、これは一定の制限をしていかなければだめなんだという基本的な姿勢をとるのとでは、価格政策から農業政策から、いろいろなものが変わってくるわけです。だんだんつくれないようにしようというならば、これはつくったって不利益になるような条件をどんどんつくってくるでしょう。それじゃ農家はつくりたくても、安定作物だけれども、つくれないようになる。価格政策で誘導してくる、ワクを加えていく、こういう政策をとりますし、農業政策上、園芸局長の言うように、これをふやしていかなければならないのだ、それにかわる作物はないのだ、こういう政策になれば、輸入量はある程度制限していかなければならぬ。国産優先の政策をとっていかなければならぬ。価格の面においては、病虫とかなんとかの対策とか、種子の改良とか、いろいろなことがありましょうけれども、ある程度助長政策をとっていかなければならぬ。こういうふうな政策ががらっと質的に変わってくるわけです。でありますから、私はこれからいろいろな価格問題その他についても尋ねていきますけれども、このバレイショ及びバレイショでん粉に対する国の基本的な政策というものが、寒地農業の農政に重点を置くのか、あるいは消流の関係に重点を置いて、あとは北海道の寒地農業が成り立とうと成り立つまいと、それはやむを得ないのだ、こういうことで突っ放すのか、こういうことで非常に政策が変わってくると思う。変わりませんか。長官、いかがですか。
○武田説明員 輸入のコーンスターチ原料の問題につきましては、昨日も申し上げましたように、最近におきまして非常にその生産が拡大される傾向になってきた。そのことが、カンショでん粉あるいはバレイショでん粉との競合の問題を起こすおそれがあるということに基づきまして、本年の四月から関税割り当て制度をしいたわけでございます。それによります十八万トン相当の輸入というもので規制していくということについては、今後もその考え方で進んでまいりたいというように考えておりまして、国内産のカンショあるいはバレイショというものは、でん粉の需要という面においてできるだけ促進をしてまいるという考え方を農林省としてはとっておるわけでございます。
○永井委員 長官、そういうわけのわからない抽象的な答弁を私は求めているのではなくて、関税をどうするとかこうするとかいうことは、それぞれの時点に起こってくる経済の起伏におけるところの対症療法なんです。基本的な対処じゃないのです。対症療法なんです。ですから、それをあずかる食糧庁が関税をこうしている、これはいまの時点の問題です。この先どうなるかわからないのですよ。その場合に、国産を守っていかなければならないという姿勢において問題を処理するのか、そうではなくて、そういうものに圧迫を受けて国産のほうを縮める、萎縮させるという方向にいくのか、これが政策の分岐点になると思うのです。 そこで、園芸局長にお尋ねしますが、いま言ったように、食糧庁では、いろいろなことを言っているが、北海道との話し合いは知らないというのですから、知らないでやっているのですから、世の中におそろしいことはないのです。そのときどき、知らないといってなにしている。その底に底流しているものは、そういうワクで動いている。無責任な答弁が短い期間の中でどんどん違って行なわれておるという、こういう無責任なことは、われわれは許されないと思うのですが、いずれ、そういう問題は時期を改めてなにしますが、もしかりに仮定として、需給のバランスの面から、バレイショはこの限度以上にふやしてもらっては困るというような問題が起こった場合に、農政の担当としては、その場合どういう態度をとるのか。それから、もしかりに制限をしなければならないという問題に当面した場合には、バレイショにかわるべき作物は何があるのか。また、北海道の寒地農業は、バレイショ、ビートだけではなくて、酪農もそうでありましょう。あるいは果樹を栽培するというのもそうでありましょう。蔬菜をつくるというのもそうだし、いろいろありましょうが、少なくも適地適産という立場に立って、バレイショというものの現在の農政上のウエートからいうと、これにかわるべきものはないと思うのですが、いかがでありますか。どういうふうにその場合の転換については考えを持つのか。あるいはバレイショはかわるべきものはない、一定の量は国の政策で補っていくということで、これを助長し、育成し、成長させるという立場をとるのか。この際、伺っておきたいと思います。
○小林説明員 寒地農業におきましてバレイショの占める割合が非常に重要なものであることは、お説のとおりでございます。先ほども申し上げたとおりでございますが、やはり農産物でございますので、食糧なりあるいはでん粉という消費の面が、これまた一つの制限因子になってくるわけでございまして、その点につきましては、道庁ともいろいろ御相談申し上げなければならぬと思いますが、いずれにしましても、その需要がどうなるかということにつきましても、やはり価格問題も相当大きなファクターになってくるわけでございます。そういうことからいきまして、やはりその中におきましては、生産を合理化していくということ、これはいずれの場合におきましても必要なことと思うわけでございますが、われわれとしましては、その数量的な問題は、先ほども申し上げましたように、これは持ち合わせをしておりませんので、お答えできないわけでございます。 また、バレイショにかわる作物は何かということにつきましても、これも代替作物についてのいろいろの経済計算あるいは労働力の事情と、いろいろあるわけでございまして、いまのところ、それにかわるいい作物は何かというものに、具体的にあげるものを持ち合わせておらぬわけでございます。いずれにしましても、寒地農業がどうあるべきかということにつきましては、道庁ともいろいろお打ち合わせをしまして、その辺については、今後検討をいたしたいというふうに存じております。
○永井委員 知らないで答弁しているのですから、この際、このいまの時点で、これ以上いろいろ質疑しても無意味でありますから、打ち切りますが、農林省としては、需要が減ったからさあ作物を減らせ、これは数字の上では、紙の上では、簡単に鉛筆と紙があれば、そういう数字の作業はできます。しかし、それを現場の経営の中で消化していくという農民は、そんな目先目先のしわ寄せを食って、はいそうですかとやっていけるわけはありません。でありますから、農業政策である以上、一定の長期の展望を持ち、長期の責任を持ってこれを指導しなければいけない、誘導しなければいけない、こう思うのです。減ったときには減ったように考える、それならば、いまから代替作物はこうだとかなんとかとあればいいのです。何もなくて、ただ減りましたよ、あとはうまく農家でおやりなさい、そんな無責任な話はないと思う。この問題は、いずれまた時期を改めて追及したいと思います。 次に、価格の問題ですが、きのうは芳賀委員の質問に対していろいろお答えがあったわけですが、価格決定をする期日についても非常に不明確だ。もう製造が現地で始まっているわけですから、何日ということがわからなければ、何日と何日の間にこれを決定するというお考えなのか、その期日の点について、もう一度縮めて御答弁を願いたいと思います。
○武田説明員 今月の十日までにきめたいというように考えております。
○永井委員 農安法による価格の決定の問題は、これは値下がりを防止するという予防的な性格があると思うのですが、いかがですか。
○武田説明員 想定されます市場実勢価格の下限を支持していくという考え方でできておるものと思っております。
○永井委員 そうすると、下限を支持するという一つの考え方の中には、そういう下限価格が維持できないという現実があらわれないと、それに対しては措置しない。あるいは価格でありますから、いろいろ動いていくわけですが、そういう展望を持って、このままほうっておけば下限を割る、非常に不利になるというようなことで、予防的な措置としてこれを運用するという考えはないのかどうか。予防的な点に重点を置くのか、現実があらわれなければ措置しないというのか、その点……。
○武田説明員 現実の市価が想定をいたしております下限価格というものを割るというような事態のもとにおいて発動するのが原則的なものだと思っております。
○永井委員 生産者があり、それから消費者があり、その中にメーカーがあり、こういう取引が行なわれるわけですが、経済の取引であります以上、生産者の意見というものをこの制度の中で正しく話し合いの中に参加させるということが、絶対に必要な条件だと思うのですが、きのう芳賀委員の質問に対しましても、生産農家あるいは生産団体、そういうものに対する正式な話し合いというものがない。そういうことは正常な取引、正常なルール、こういうふうにお考えなのかどうか。
○武田説明員 昨日も芳賀先生から御意見がございましたが、第五条の生産者団体にはかるということにつきましては、今日まで生産者団体から口頭でそのつどいろいろな御意見を伺って、その上で農林大臣が価格をきめるということをやってきておりますが、これをさらに明確にするような措置については、検討をいたしたいというように考えております。
○永井委員 今後改めていきたい——今後といっても、二年も三年も十年も先でなくて、直ちにそういう点については改めていく、こういうお考えですか。
○武田説明員 できるだけ早く明確にいたしてまいりたいというように考えております。
○永井委員 農安法の第四条には、「その原料である甘しょ又は馬鈴しょの生産者がその売渡の対価として受ける額が当該甘しょ又は馬鈴しょにつき定める次条第一項第一号の原料基準価格に基く額に達していないと認められるときは、その売渡の申込に応じないことができる。」こうあるのですが、この基準に基づいて、勧告あるいはそれの是正、あるいは申し込みに応じなかった、こういうような事実が従来あったかどうか。また、現状においてそういう事実を認めないのかどうか。そういう事実があるということを知らないのかどうか。あるいは事実があっても、こういう第四条で求めているような必要性を感じておらないのか。その点について伺います。
○岡田説明員 ただいまの御質問でございますが、政府が買い上げをいたします場合には、必ず基準価格の額を支払っておるということの証明を得まして、確認をいたしまして、買い上げをいたしておるわけでございます。
○永井委員 そうしますと、北海道の場合、原料イモの支持価格は六十キロ三百六十八円である。これに対して実際に取引している価格は、現在三百三十円から三百五十円、支持価格をずっと下回っております。支持価格に反して、第四条で求めておる取引をしておらない、こういう事実が明確であります。これは三十九年度ばかりでなくて、従来ずっとそうであります。この支持価格から加工費を差し引き、副産物収入を差し引きをする、こういうことになっておるのでありますが、実際に原料イモは、三百六十八円の支持価格に対して、三百三十円ないし三百五十円の中で取引されておる。こういうものに対しては、第四条違反でありますから、おまえのそういう原料で買っているでん粉は政府が買うわけにはいかない、こういうことを明確にされますかどうか。
○岡田説明員 農安法におきます基準価格は、最低の下限を支持するというたてまえになっておるわけですが、カンショ、バレイショ並びにでん粉につきましては、これは自由市場、自由流通ということを前提にしまして価格が形成される。その場合に、その価格が基準価格を下るということを防止するために、政府が買い上げをするというふうなたてまえになっておると思うのです。そこで、現実には自由な取引が行なわれるわけでございますけれども、それが下限価格、基準価格を割るというような状態になったときに、政府が支持をいたすということになっておりまして、その際に買い上げる場合には、基準価格どおりの価格を支払ったという証明がなければ買わないというたてまえにいたしておるわけでございますから、支持価格どおりの価格が払われていないものについては、買い上げをしないということになるわけでございます。現実問題としまして、農協が集荷をいたします場合には、これは御承知のように、集荷委託ということになるわけでございますから、そのような場合におきましては、事後にその価格が必ず払われるという形で、精算が行なわれるというふうに考えておるわけでございます。
○永井委員 そうすると、原料イモは、政府の支持したように六十キロ三百六十八円で買う、もちろん含でん率の内容もその中に入るでしょうが、そういうはっきりしたものは別として、そうでないものは三百六十八円で買っておるという証明がなければ買わない、こういうのですか。
○岡田説明員 政府が買い上げます場合には、そのでん粉の原料であるイモにつきまして、必ず基準価格が支払われておるという証明がなければ買わないということにいたしておるわけでございます。
○永井委員 ところが、実際には、政府の示しておる基準価格は三十九年度で三十七・五キロ当たり二百三十円、これを計算しますと、一キロ当たり六円十銭となります。一六%の歩どまりによる所要原料は、これによりますと約百六十キロ要るわけです。一六%の含でん率として百六十キロ要る。それに、一キロ当たり六円十銭ですから、これをかけますと、九百七十六円の原料が要るという計算です。これに加工費を加えますと、二十五キロで千二百五十二円という計算になります、表面に出た計算だけで。ところが、政府は末粉について基準価格を千百六十七円で買っておるのでありますから、すでに原料と加工賃に示されただけでも千二百五十二円ということで、これがメーカーのマイナスの持ち込みとなりますから、これだけでは買えないということで、政府の支持された価格からどれだけを差し引くかということで、常に問題になっておるわけであります。生産者団体が実地について加工費を調査いたしますと、副産物も差し引きまして、農協の合理化でん粉工場その他で調査しましても、これはどんなにしたって三十七・五キロ当たり四百十四円、二十五キロでは二百七十六円が加工費としてかかる、こういう計算になっております。そうすると、二百七十六円の加工費であるのに対して、政府はこれに百九十一円より支払われていない、こういうことになりますから、メーカーは、加工費はこれだけだから、原料はこれだけでしか買えないといって、農民にしわ寄せしている。こういう不合理な計算基礎では実情に合わないのでありますから、弱い者のところにしわ寄せがきているわけです。これに対して、政府は加工費について実情を調査して、現在の百九十一円を再検討するお考えがあるのかどうか。もしないにしても、これはメーカーの中で吸収すべきものであって、これを原料生産の農民に支持価格を割ってしわ寄せすべきではない、こういうふうにお考えになるかどうか。原料の支持価格にこういう加工費を上積みしてメーカーからの買い上げ価格を決定すべきであるとわれわれは考えるが、下の弱い者にしわ寄せしてこの問題を処理するという行き方で妥当であると考えるのかどうか。その点を明確にしていただきたい。
○岡田説明員 農産物価格安定法によりますと、でん粉の価格はカンショ、バレイショの原料価格に加工に要する費用を加えて得た額ということになっておりまして、加工に要する経費は工場によっていろいろ違うと思うのでございますけれども、それの標準的な加工経費というものを計算をいたしまして、それを足した額がでん粉の価格になるということにいたしておるわけでございます。今年のでん粉価格につきましては、現在検討をいたしておる段階でございまして、いかようにいたしますかということは、いろいろな資料に基づきまして、現在検討をいたしておる段階でございます。
○永井委員 そうすると、政府のほうは加工賃について百九十一円と計算しているのですが、かりに百九十一円で上がらないで、実際に原料イモに二百七十六円かかるとしても、それをしわ寄せするということは妥当でない。だから、どこまでも原料イモの購入価格は政府の支持価格で取引する、その証明がなければ買い上げない、こういうように理解してよろしいわけですか。
○岡田説明員 基準価格に標準的な加工経費を加えたものがでん粉の価格でございますので、でん粉の価格につきましては、その基準価格をもとにして政府が買い上げることになるわけでございます。したがいまして、イモにつきましては、イモの基準価格をきめておるわけでありますから、その基準価格のイモ代が支払われるということがでん粉を買い上げるときの条件になるわけでございます。
○永井委員 次に、昨日、バレイショの生産費コスト計算の中で、労働賃金の問題が芳賀委員の質問によって出されました。それに私の聞き間違いがあるかどうか、再確認いたしますが、十アール当たり五百九十四円、これだけ労働賃がかかっておる。そうすると、一時間当たり九十二円三十銭、こうなるわけですが、これは数字に間違いございませんか。
○岡田説明員 間違いございません。
○永井委員 そうすると、十アール当たり労働賃が五百九十四円、一時間当たり九十二円三十銭とすると、全作業を六時間余で仕上げなければこの賃金にならないわけでしょう。六時間でまきつけから除草、消毒、土寄せ、そうして収穫、こういうものが上がるのかどうか。六時間で全作業を仕上げるという根拠をひとつ示していただきたい。
○岡田説明員 昨日申し上げましたように、バレイショの五百九十四円というのは百キログラム当たりでございます。バレイショの反当の労働費として生産費調査で出ておりますのは二千八百八十円、時間数は約三十一時間ということに相なっております。
○永井委員 これは私のなにでした。 次に、これも歩どまりの問題ですが、歩どまりの基準をきめるというのは、どういう意味できめておるのか、これを伺います。
○武田説明員 標準的な原料イモに基づきまして歩どまりをきめる、その価格によりましてでん粉の支持価格というものをきめていく、こういうことでございます。
○永井委員 その最低の基準をきめるということはわかりますが、一六%より上の、たとえば一七%があった、一八%があったという場合でも、それは切り捨てだ、上のほうはかまわないのだ、最低だけはきめるのだ、こういう考えですか。そういう一つの効果として歩どまりの基準をきめておる、こういうふうに理解してよろしいのですか。
○武田説明員 市場実勢の下限の支持ということでございますので、標準的なでん粉含有率の原料イモからできましたでん粉の価格というものをきめておるわけでございまして、下限の支持でございますから、その標準的なものによって支持すればよろしいというように考えておるわけでございます。
○永井委員 そうすると、たとえばバレイショなりカンショのでん粉原料としてのイモの取引というのは、商品価値はでん粉にあるわけで、イモの目方にあるわけではない。内容としてのでん粉が商品取引の価値として取引されている場合、下限だけはきめて、下限以下の場合は差し引く、それ以上の場合はこれはおれのほうは知らないのだし、そういうものは価値がないのだ、こういうふうに切り捨てるという取引慣行、取引ルールというものが、普通の常識であり、損得なしの正常な取引とお考えでありますかどうか。実際の取り扱いは別として、一八%の含でんのイモを一六%で切り捨てて取引した場合、だれが得し、だれが損をするのか、そういうお考えがありましたらひとつ示してほしい。その損益がないのだというお考えならお考えでけっこうですが、示していただきたい。
○武田説明員 一八%含有しております原料イモの取引価格が、一六%のものと同じあるいはそれ以下で取引をされるということでございますれば、これはそのイモそれ自身については、でん粉業者としては利益を得るということに相なるものと思います。政府のほうででん粉の買い入れ価格あるいはそれにつきましての価格の決定については、下限価格でございますので、標準的なもので支持する。その標準的なものよりも品質の悪い原料イモについては、買いたたかれるというようなことが起こっても困りまするし、またそれ以下のものについて、北海道で昨年の場合でありますれば二十三円で買わなければいけないのだということを強制することも、これまた生産者に対しても問題があるわけでございますので、以下のものにつきましては、それぞれ〇・五%について五円ずつの格下げということで支持をいたしておるわけでございます。
○永井委員 私の聞いているのは、そういうことではないのです。一六%基準で取引の価格が決定されておる場合に、一六%を下がった場合は生産者に〇・五%で格下げがされる。一八%あったときはそのままだ。こういう取引はだれが損をし、だれが得をするのか、あるいは損得がないのか、その点を聞いているのです。
○武田説明員 一八%含有の原料バレイショを二十三円ということで仕切りました場合には、でん粉業者としてはそれに関連しての利益が残る場合が出てくると思います。
○永井委員 場合とかなんとか——もう明確じゃないですか。そういうことばや答弁で——何も責任を追及しているわけではないのです。実際の取引でだれが得をし、だれが損するのか。損をするのをそのままにほおかぶりしておくというのは、妥当な行政でない。価値判断はその次に出るのです。損か得かということの事実の認定だけを求めている。それは生産農民が損をして、もうかるのはメーカーだ、こういうことはお認めになりますね。
○武田説明員 単純にそれだけを比較いたしますれば、メーカーに利益が残ることになると思います。
○永井委員 下がった場合だけ格差をつけて、上がった場合は格差をつけないという、そういう行政、そういう指導というものは、公正であるべき行政として妥当であると考えますか、妥当でないと考えますか。
○武田説明員 農安法によります……。
○永井委員 農安法でないのです。取引として聞いているのです。農安法は運用なんだから。法律なんというものは、何も上のほうを見ていかないなんてきめていないのだから。
○武田説明員 農安法というようなことを全然別といたしまして、正常な取引が行なわれるものでございますれば、でん粉の含有率の高いものは、やはりメーカーとしては高く買うのが普通の市場の原則だろうと思います。
○永井委員 それからバレイショでん粉の含でん率を一六%基準、こういうふうに決定いたしましたのは、どういう手続を経て決定されたのか、これを明確にしていただきたい。
○岡田説明員 調査いたしました結果、標準的な歩どまりとして一六%ということが明らかになっておりますので、それに基づきまして、標準歩どまりといたしまして標準価格を決定いたしておるわけでございます。
○永井委員 その決定の手続はどういうふうにしたか。農林省の食糧庁で一六%と、こう独裁的にきめたのか、あるいはそういう実情を調査し、何かの機関の諮問を経て一六%ときめたのか、あるいはこれは取引上のいろいろな利害に関係する問題ですから、一方的ではなくて、生産者の意見も聞いてきめたという関係にあるのか。その一六%と決定しました手続、方法、それからきめた趣旨、そういうものを聞いているのです。
○岡田説明員 農林省で調査いたしました調査の結果に基づきまして、一六%をきめておるわけでございます。
○永井委員 農林省が一方的にきめた、こういうことですか。
○岡田説明員 一方的にきめたと申し上げればそういうことでございますけれども、むしろ価格は農林大臣が決定することになっておりますので、その際、調査をいたしまして、公正妥当な基礎に基づいて決定をするというふうなたてまえにいたしておりますので、そういう意味におきまして調査をいたしました結果、一六%が妥当である、こういうことできめたというふうに考えております。
○永井委員 公正妥当という基準は、これは主観的にあなたが考えたって、ドン・キホーテはどんなことだって正しいと思ってやるし、客観的に見て公正妥当という基準がなければ、公正妥当とは言えないわけです。ですから、独裁的に一方的にこれはきめたものである、こういうふうに認めてよろしいわけですね。そうすると、この一六%というのがだんだん改良されて、通常かりに一七%になった、こういうことになると、最低だけをきめる、上のほうはきめないという政府の趣旨ですから、そうすると、そういう条件が出てきたら、やがては一七%を基準歩どまりと、こういうふうに上置きしてきめるということも、一方的に可能なわけですね。その点はどうですか。
○岡田説明員 従来きめてまいっておりますのは、一応その年におきます標準的歩どまりというものを調査いたしまして、その結果に基づきまして、標準的歩どまりにつきまして基準価格をきめる、こういうことにいたしておるわけでございます。
○永井委員 調査した、調査したと言うけれども、全国の何をどんな基準でどういうふうに調査するのですか。何か抜き取り検査でしょう。その方法だって公開して、こういうふうな方法できめるのだ——取引の相手方である農民に全然何もわからせないで、そして一方的にきめてやるというやり方がまずふらちなのと、これをきめるということは、下に下がった場合はどんどん削るわけですから、だからやがて一七%というようなことに底上げしないとは限らないのですが、そういう考えはあるのですか、ないのですか。そういう場合は……。
○岡田説明員 ただいま申し上げましたように、その年の標準歩どまりというものを基礎にいたすということにいたしておりまして、従来も標準的な歩どまりが変わってまいった場合に、標準的な歩どまりというものを変えてきめておるというふうなことになっておるわけでございます。
○永井委員 上のほうはほったらかして、下をだんだん底上げしていったら、不利益を招くのは農民だけでしょう。こんなルールが世の中にありますか。農産物検査だって、一等検、二等検、三等検、検査する以上は、検査によって格差を取引上認めるのはあたりまえだし、それから歩どまりがある以上は、下に下がったら削る、上に上がったらそれだけ上置きする、これが取引のルールじゃありませんか。それをきのうから聞いておりましても、何かここに理屈があって、公正、妥当にわれわれがやっているんだ、それにいろいろ質問したりなんかするのは、おまえの質問するほうが間違っているというような、小理屈を並べてなにするなんて、まだこの段階でつべこべ答弁するというのは、良心的な問題だ。こんなばかでもわかることをなにするということはふらちだと思う。 そこで、主計官がお見えでありますが、このバレイショでん粉及びカンショでん粉に対する財政当局のこれらの買い上げ措置その他について、基本的に現状をどういうふうに見、それから価格支持についてどのような見解を持っておるのか、基本的な態度を簡単でいいですから、要点だけ示していただきたい。
○嶋崎説明員 私も、実はことしから初めて農業の担当の主計官になったわけなんで、次から次へといろいろなむずかしい問題に遭遇しておるので、先々のものまであまり勉強してないということを端的にあらかじめお断わりした上でのお答えを申し上げます。 御存じのように、農産物価格安定法によりまして、カンショ及びバレイショの価格の維持の政策をとっておるわけでございます。これらの生産の状況その他につきましては、私の知るところでは、必ずしも拡大の方向に向かっておらなくて、順次その生産数量自体は落ちてきておる。それに関連しまして、いろいろ価格の取り扱いにつきましても、現行のいわゆる需給を反映させて価格を決定をしていくという基本的な状況というものを前提に置きまして、それが需要の面で急に需要が不足するというようなことで、適正な価格が維持できないというようなときには、農安法の規定によりまして、バレイショでん粉またはカンショでん粉の政府買い入れというようなものを通じて、農産物の価格の安定をはかり、それらのイモ類の価格の安定をはかっていく、こういうたてまえになっております。しかもその場合に、間接的な価格支持でございますので、末端でイモ類の価格が適正なものになるためには、どうしてもそれらのでん粉製造業者が買い入れるイモの値段がある程度適正な水準でなければならぬ。そういうことで、バレイショ及びイモの価格について標準的な価格というものを毎年きめて、運用しているわけであります。 そういうような状況を前提にして、最近経済全般の動きが非常に激しいのみならず、農業の分野におきましても、いろいろな国際的な諸条件、あるいは国内的にも国民の消費需要の動向、さらにまた、でん粉を含めまして、農産物加工品の市場の著しい変化というようなことを反映しまして、価格の決定その他が非常にむずかしい段階に差しかかってきておるということは事実であろうと思います。特にそのでん粉の主要な得意先であるところの砂糖の値段が、国際的にも非常にやっかいな問題が出てきておる。それに対応するために、新しい制度等も発足しておるような実情にあるわけであります。 そういうような一般的な状況を前提にいたしまして、具体的にことしの価格をどのように決定していくかということになろうかと思うのでございます。本年の価格の決定あるいはその前提になる作柄、さらにイモをめぐる加工段階の、たとえばでん粉、さらにはブドウ糖の業界というようなものをにらみ合わせ、そういう経済事情を織り込みながら、片方、その他の農産物の価格の状況、あるいは農業のパリティの変動というようなものを見て決定しなければいかぬというようなことで、私は、ことしは価格決定というのは、いろいろな条件を考えなければならぬので、相当むずかしい問題が出てくるのではなかろうかというふうに予想をしておるわけでございます。何せここの経験も乏しく、ことしこれから勉強をするというようなことでございますので、この段階で、何か大蔵省としてあるいは主計官としての抱負を語れと言われても、端的に申し上げまして、そういう抱負は現在のところありません。しかし、せっかく勉強をしまして、公正妥当な価格の運用が行なわれるように考えていきたい、こういうぐあいに考えます。
○永井委員 私は、主計官の抱負経綸を個人的な立場で聞こうというのではなくて、大蔵省として価格対策に取っ組んでおる農産物及びその中におけるバレイショ、カンショのでん粉価格、こういう点についての大蔵省の基準を聞いておるわけでありまして、抱負経綸を聞いておるわけじゃないのです。 そこで、いまお話のあった、むずかしい問題がいろいろあるという問題のファクターは、一体項目的にあげてどういうことなのか、それを示していただきたい。
○嶋崎説明員 そういう点は、全く先ほど来私お話し申し上げた中に織り込んでおるつもりなんですが、表現が悪くて御理解できなかったのかもしれないと思っております。御承知のとおり、まず、カンショ、バレイショのでん粉の価格を決定する場合、こういう経済の体制のもとにおいては、第一次的に需給の関係というものが基本的になろうかと思うのです。そういう需給関係を見る場合に、それを原料とするところの、あるいはそれをなまで食べるところのいろいろな状況というものが片方考えられるとともに、生産量が逐年減少しておるような事情がありますから、その二つの変動する要因をまず考慮に入れなければならない。それからコストの計算の面におきましても、最近農業のパリティ指数というのは、四%というような相当高い伸び率を示しておりますけれども、そういう事情がはたして供給の面に影響を及ぼさないかどうかというような点も考慮しなければならない。それからそういうことのほかに、これといろいろ関連し、最終的には競合するところの、たとえば砂糖その他をめぐる甘味資源全体の状態というものをよく考慮に入れる必要があるだろう。そのほかに、主計局の担当分野としましては、要するに、価格政策的に使う金と、構造対策的に使われる金というもののバランスをどういうぐあいにしなければならぬかというような、いろんな問題が含まれていると思うのでございます。そういうようなことをおよそ考えておる次第でございます。
○永井委員 ただいまのお話では、甘味資源の関係で甘味資源の自給度を高めるという観点から、いまの甘味資源のいろいろな条件も考える、それから需給から考える、こういうお話で、農政上の立場から寒地農業の確立の中におけるバレイショのウエート、そうして適地適作という基本的な国の農業政策、そういうものの立場から農安法という法律ができて、その中で価格の問題が論議される、ここが重点になって、そうして従として甘味の問題も、需給の関係も、それからいろいろな物価対策その他の関係も、こういうふうにお考えになるのが、現在、個人的な主観ではなくて、国の政策としてとっておる総合的な施策から出てくる基本態度ではないかと思うのですが、先ほど来むずかしい問題としては、農政上の問題は全然お考えになっておらないようですが、これは全然無視してかかっているわけですか、農業政策の問題は。
○嶋崎説明員 私も、その点については、農業の最近の実情、特にパリティの動きというようなことで話をしましたけれども、生産費の動向ということももちろん考えなければならない。基本的に、農産物価格安定法の第一条にありますように、農業経済の安定に資することを目的とするという規定のあること、そのことはもう当然のこととして考えておるわけでございます。
○永井委員 先ほど来、豊凶、豊作であるか凶作であるかということも考えなければならぬと言うが、それは一応の考えでありましょうが、農業の場合は、農作の場合は値下がりする、凶作の場合は値上がりする。まじめな農業経営に対する農民の努力というものが、そういう関係で豊作の場合はどこかへ持っていかれてしまう。そのしわ寄せは全部くる。だから、悪くたって国で共済制度その他においてそれを認めてもらいたい。ところが、いままでは悪いときは悪いときで泣き寝入り、いいときもそのいい条件というものはみんなよそへ持っていかれてしまう。そうすると、凶作の年や何かに備える備蓄というものは農家に蓄積されない。こういうふうな関係にあるので、農作というものは、単に天候だけではなくて、消毒をするとか、技術を改良するとか、農家の非常な努力によって豊作の結果が出ておる。あるいは歩どまりの問題にいたしましても、品種を改良し、耕作技術を改良して、そうして歩どまりを上げる。歩どまりが上がったらそれは全部よそへ持っていかれてしまう、豊作のときは値段の値下がりでたたかれる、こういう農業政策では、まじめな農業経営というものは成り立つわけはないと思います。ですから、豊作の場合には、凶作の——去年は非常な凶作だったわけですから、豊作のときは、ボーナスとしてともどもに豊作を喜び合えるような政策をやってもらわなければいけない。先ほど来、食糧庁長官なり園芸局長なり第二部長なんかも、結局一つ一つの問題について論議をしていくと、でん粉という一つのワク内だけでも、幾つかの問題は農民の利益の立場で考慮されないで、メーカーや何かの利益の立場で問題が考えられ、処理されておる。そしてそれを合理化するために、つべこべいろいろの理屈をつけておる、さらに大蔵省が、このでん粉の問題について、いつでも値段をいかにして下げるかということに非常な力を置いて、そして農安法を、実は最低価格で押えていく、低い価格で安定させるという効果として存続していこう、こういうような政策をとっておるように思えてならないのであります。農林省のほうは農民の土くさいにおいを幾らかは代弁しますけれども、必ずしも生産農民の利益を代表する立場にない。大蔵省に至っては全くそういう土のにおいも何もない。こういうやり方で査定をされては困ると思うのです。ことに本年は豊作であるという予想、それから輸入その他でもう痛めつけられる。それは、数字の問題は紙と鉛筆で操作すれば簡単にできますけれども、農家が一年かかって苦労してつくり上げた品物が、そういう簡単な立場で査定されたのではたまったものではない、こう思うのですが、大蔵省としては、いま農林省との間に価格折衝をどのような形で進められており、そして価格決定の作業をいつごろ終わる予定にあるのか。それから大体の見通しとしては、ことしは下がるのか上がるのか。また、諸物価がこんなにどんどん上がっておるときに、イモの場合だけは何年も据え置きしておる。ここの段階にきてさらに下げられるというようなことがあってはたいへんなわけでありますが、いまの時点における具体的な点の見通しを明確にしていただきたい。
○嶋崎説明員 農産物につきましては、その生産対策等について、いろいろと国が相当の努力を払っておるという事実、これはいま一般的な認識になっておるのではなかろうかと私は思います。大蔵省の主計局に私いますけれども、いろいろなよその主計官と語りあった中でも、そういう議論が非常に多いわけであります。そういう意味から見て、私は具体的にどこがどうだというようなことは言いませんけれども、農業政策について、あらゆる問題を農民にしわ寄せするような形で現在の政策が行なわれておるというような前提でものを考えられておるとするならば、それは見解の相違であるというふうに私は考えております。 それからことしの価格をどういうぐあいに考えていくかという点でございますけれども、作況その他の数字、さらにまた新しい農業関係のいろいろな生産種目別の資料の収集等がありまして、作業は、現在の段階では、私のほうに具体的に数字を持ち込んで議論をする段階にきていないというふうに思っております。したがって、そういう意味合いから申しまして、ことしの価格を具体的に上げるつもりか、下げるつもりかというような点につきましては、全く何らの判断を現在の段階では持ち合わせておりません。そういう段階にあることを御了承願います。
○永井委員 もう時間がありませんから、最後に、いま主計官から、農民にしわ寄せしているという前提で話すのは間違いだと考えると言いますが、この議場では、でん粉という問題のワクの中で、先ほど来いかに農民にしわ寄せされているかということを、具体的に事例をあげて示してきたわけです。たとえば農安法の第二条に、「生産者団体の意見を聞き、」と、こうしてあるにもかかわらず、何ら生産者団体の意見を聞いておらない。あるいはイモのでん粉含有量を決定するための基準をきめる、一六%あるいは二三・五%というような基準をきめるについても、これは一方的に政府がきめて、生産者の農民をこれの決定に参加させるということは全然しておらない。それから歩どまりの問題についても、一定の基準の下に下がったものは歩引きする、上のほうに上がったものはそのままだ、こういうような一つの事例。それから原料イモの価格について、支持価格がバレイショの場合三百六十八円と指示されているにかかわらず、実際の取引価格は三百三十円から三百五十円とこれを切り下げられておる。そして、この中では、支持した価格で取引していなければそういうものは買い上げしないのだ、こういう制裁規定があるにもかかわらず、それがそのままに推移されておる。幾つかの具体的な事例をあげてお話をして、みんな農民へのしわ寄せじゃないか、農民のためにこれらの問題がそれぞれの問題点を処理されないで、メーカーの利益の立場でみんな問題を処理されているのではないか、こういうことを具体的に指摘して私は言っておるわけであります。単にでん粉だけではありません。そのほかのいろいろな農政諸般の問題をお考えになれば、これは私は、農民にしわ寄せしていないなどという大きな口はきけないと思うのです。心を鬼にして、農民は弱いものだから、踏みつぶしていけばいいという考えなら別だけれども、農民の立場を考えれば、諸物価の問題、その他いろいろな農政上の諸般の問題について、私はそういうことは言えないと思う。その意味において、私は、一つ一つの問題についてここでもう論議はいたしませんが、もう少し——汗を流して努力をしながら、その日の生計に困って離農していかなければならない、四十、五十になってから自分の職場を離れなければならないというような、非惨な状況にある現代農村、これは一朝一夕にできたものではありません。個人的な責任でできた問題ではありません。長い間の農業政策の農民しわ寄せ政策が、こういう形でいま顕在してきておる。潜在したものが顕在しつつある。これがもっとひどい状態になってくる。そういう一つの具体的な事例を見れば、農民へのしわ寄せなんです。 どうかそういう立場で、抽象的な議論はいたしませんが、もう少し額に汗して、一年間天候の心配をしながら苦労して戦ってきた農民の、その最終の収獲に対して水をかけたり、努力をする気持ちをスポイルするようなことのないように、公正な一つの取引ルールあるいは良識ある一つの価格設定、そういうものを期待して、私の質問を終わる次第であります。
○濱地委員長 有馬輝武君。
○有馬委員 昨日から各委員によりまして、バでん、カンでんに対するいろいろな問題点が指摘されまして、農林省としての考え方も述べられました。重複することを避けますし、また議論は全部避けますが、きのうからの政府側の答弁を伺っておりまして、いま少し合点のいかない問題についてだけしぼって、二、三点お伺いをしたいと思います。 そのまず第一点は、いわゆる基準価格以下で買ったでん粉に対する措置でありますが、ただいまも永井委員からお話がありましたように、農安法によりましては政府買い入れはしないということになっておるはずであります。 〔委員長退席、舘林委員長代理着席〕 この問題に関しまして、実は本委員会において、もう四、五年前になるか、あるいはもっと前になりますか、当時の須賀食糎庁長官がいまの趣旨を言明されまして、基準価格以下で買ったものについては、一袋も政府買い入れは行ないません。その趣旨を各業者に通達を出しますという言明を、私の質問に対してされたのでありますが、実際は昨年度におきましても、各委員から指摘になりましたように、大体関東で二十円、九州で二十四円というような、基準価格よりも貫当たり平均八円も下回った形で取引がされまして、その追加払いが行なわれていないという実態であります。これについて岡田部長のほうからは、その詳細な実態についてはつかんでいないという意味合いの答弁があったようでありますけれども、問題はやはりここら辺にあるのでありまして、私は、この実態を正確に食糧庁としてつかんでいただく。そしてこの追加払いをしない業者からは、農協からは、一袋も買わないということを徹底してもらう。全部の追加払いが行なわれて初めて買うという措置が、少なくとも農安法のたてまえとして当然とられなければならないと思うのでありますが、その点については岡田部長の言うように、領収書を見る方法もあるでしょう。また各市町村の食糧事務所に、まだ追加払いをここからはしてもらってはおりませんということを生産者が言った場合に、そこから買わないという方法もあるでしょう。方法論としてはいろいろあると思うのでありますが、この点について政務次官のほうから、追加払いをしないものについては絶対買いません、また、それまでこれが実行されるような具体的な措置をとらせますという言明を再度してもらいたいと思うわけであります。
○仮谷説明員 この問題はいつも議論されておることで、率直に言って、私どももイモの生産をする県の者として、強くいままで主張してきた問題であります。せっかく支持価格を出しながら、そのとおりに買われていないという現実は、昨年も一昨年もあったのでありまして、今年はそういうことをひとつ厳に励行するようにしようじゃないかということで、いろいろ話し合いをいたしておりますが、要するに、支持価格どおり買わないものは買い上げをしないという基本方針は、もちろん堅持をいたしますし、支持価格が決定すると同時にそういう通牒を出すといったような面は、これは明らかにすべきである、こういう考え方を持っておりますので、そういう処置をとってまいりたいと思っております。
○有馬委員 長官にお伺いしますが、これは昨年に限ったことではありませんで、もう長い間、いま政務次官の言われるとおりであります。この実態について御存じなんですから、いままでそれぞれの手を打たれてきたと思うのですが、それが効果をあげ得なかった点をどのように考えておられるかをお聞かせ願いたいと思います。
○武田説明員 でん粉の製造業者と農家との間の取引でございますから、これを全部個別に当たってどうこうということは、現実問題としても不可能であったろうと思うわけであります。また、買い入れましたでん粉との関連においての原料カンショということでございますから、この点における確認手続というようなものも、実際問題として非常にむずかしいものがあったろうと思うのであります。それらのいろいろなことがございまして、カンショで申しますれば、三十円というものが現実に農民に還元されておるかどうか。農協の場合におきましては、これは委託販売でございますから、過去の精算という手続の中にいろいろな農協団体としての処理方法があったろうと思うのであります。したがいまして、今日まで長い間、毎年いまお話のような点についての御議論があったわけでありますが、私どもといたしましては、今後とももう少しこの点については、確実に農民のほうにこの基準価格が守られますような方法をさらに検討をし、事態の改善を少しでもはかるように努力をいたしたいというふうに考えております。
○有馬委員 たとえばでん粉業者、一般の業者があれしないというなら別として、農協までそんな態度なんですね。で、いま長官が言われるように、これはもう去年、おととしのことじゃないわけなんです。それを放置されてきたところに問題があるのじゃないか。何も私が大蔵委員会からこの農林水産委員会に来て、こんなことを言わなきゃならぬ、そんな必要のないように、農林省はやはり適切な措置をとってもらう。検討しますというようなことじゃ、いつまでたってもこれは同じですよ。ですから、やはり私がお伺いしたいのは、議論をしたくないと申し上げたのはそこにあるわけなんです。もう実態はわかっておる。どうすべきかということもわかっておる。それを放置しておくというところに問題があるのです。政務次官どうですか。
○仮谷説明員 実際問題としては、非常にむずかしいと思うのですけれども、私どもは率直にいって、委託販売の委託を受けた農協がそういうことがあるとは、実は私ほんとうにいままで考えておりませんでした。それはほかの業者はいたしかたないといたしましても……。したがって、われわれは、基準価格で買い上げをしないものは買い上げをしないという基本方針はあくまでも貫いてまいります。もし買い上げをせられて、しかも払い戻しをしていない農協があるとすれば、これは農協幹部自体も大いに反省しなければならぬ。そういう農協自体がすでに農民から離れているのじゃないかと思いますが、そういう面は今後厳重に調査もし、実行もいたしてまいりたい、こういうふうに申し上げるよりしかたがないと思いますので、御了承願いたいと思います。
○有馬委員 問題は、やはり農家のほうも、これは実際農協の世話になっておる、あるいはでん粉業者から肥料その他の面でお世話を受けておるというようなことから、言いたくても言えない雰囲気があることは、これはもう政務次官も御承知のとおりであります。やはりそこら辺の間隙を農林省が埋めてやらなければ、これは法の趣旨というものは生かされていかないと思うのです。ですから、私はもうくどく申し上げませんが、来年再びこういうことが論議されないように措置をしますかどうか、この点をはっきりこの際言明しておいていただきたい。
○仮谷説明員 最善の努力をいたします。
○有馬委員 政務次官のお人柄は、私日ごろからわかっておりますから、いまのおことばをはっきり記憶いたしておきたいと思います。 次に、この前、私たちがイモ大会をやりまして、農林大臣と折衝しましたときに、岡田部長のほうから、早くきめ過ぎて困ったことがあったというようなことを聞きましたが、その理由はどういうことですか。
○岡田説明員 先般お話がありましたときに申し上げたのは、実は過去に一、二の例があるわけでございますが、カンショにつきましては、概況調査と予想収穫高調査とがあるわけでございます。概況調査に基づきまして出ました数字と、それから予想収穫高調査によって出ました数字とは、常に若干の狂いがある。したがいまして、当時早くきめるという必要から、概況調査に基づいて価格の算定をいたしたことがあるわけでございますが、その後の収穫高の予想調査が出まして、その結果狂いがあるというふうなことがありまして、その後予想収穫高調査に基づいて価格を算定するというふうな状態になってまいっておるわけでございます。以上の点をこの前申し上げたわけでございます。
○有馬委員 それはちっとも困りゃせぬじゃないですか。少々農林省が困ったって、生産者は困らぬじゃないですか。私は、困ったということばが出るからには、根拠があっておっしゃっておると伺っておったわけです。それをお聞かせいただきたいというわけです。
○岡田説明員 生産数量が違いますと、価格算定の基礎が変わってくるわけでございます。したがいまして、予想収穫高調査と概況調査が違います場合には、必然的にまた算定の結果も違ってくるということになりますので、したがいまして、正確な予想収穫高調査に基づいてやったほうが適当なんじゃなかろうかというふうに考えております。
○有馬委員 ここで先ほど申し上げましたように議論はしたくありませんけれども、米価だって御承知のような経緯で、いわゆる政治米価じゃないですか。それが少々予想収穫高と違ったからといったって、それは農林省は困りゃせぬで、ただ、何というのですかな、表現のしようがないような、ホンワカしたものでしかないのですよ。そういうことを理由にしてものを言われたんじゃ、これは生産者が困りますので、それは記憶にとどめておいていただきたいと思います。 それから次に、庭先価格か工場持ち込みかという問題について、その地域でというような答弁をきのうしておられたようでありますが、あなた方はそれでいいかもしれぬけれども、これは生産者には大きな問題なんです。これはどうして庭先か工場かきめられないのですか。
○岡田説明員 価格算定の基礎にいたしております農家の手取りというものが、庭先で売る場合もあるし、工場持ち込みというふうな場合もありまして、いろいろな場合がありますが、それらが全部集約されて農家の手取りということになっておるわけであります。したがいまして、農家の手取りの価格というものを基礎にいたしまして計算をいたすことになりますので、特に輸送費をどちらに入れるかというふうな問題にならないのではないかというふうに考えておるわけであります。
○有馬委員 そのおっしゃることはわかるのですよ。だけれども、生産者にとってはこれはたいへんな問題なんです。だから、何というか、農林省では農林省の立場でものを考えるということで、私は、生産者の立場に常に立ってものを考えるという方向に考え方をすなおにしてもらいたいと思うのです。ですから、いまおっしゃったような経緯できまるでしょう。きまるかもしれないけれども、これはきめたものは庭先価格だよ、工場価格だよといって指示しても悪いことはないでしょう。何か障害がありますか。
○岡田説明員 先ほど申し上げましたような考えになるわけですけれども、そこで、輸送費をどちらに入れるかということになってまいりますと、その取引の場所を指定いたしまして、それはどちらに入っておるかということを明らかにしなければならぬわけでございますが、現実の取引をもう前提にして考えておるわけでございますので、現実の取引はそういうふうな形になっておるわけでございますから、それを前提にいたしまして価格を算定することになっておるわけでございます。したがいまして、先ほどのようなお話を申し上げたわけであります。
○有馬委員 政務次官、いまお聞きのとおり、農安法による経済事情を参酌してというような、そういったものに比べると、いまのはきわめて微々たる問題ですね。ですから、この際、政務次官のほうでいずれかにきめますとお答えいただきたい。
○仮谷説明員 やはり現実の取引価格でいままで取引をしてきたから、いま言ったような問題ができたと思うのです。支持価格どおりぴっしゃりと買います、売りますということで、それがずっと守られてきておれば問題なかったはずなんです。結局工場に持っていけば、運賃は工場側が払わなきゃならぬ。現実に三十円という問題があり、支払価格は農民の手取りですが、しかし、それから上で売買した場合もあれば、いままではどっちかといえば、支持価格以下で取引したこともある。そういう現実があって、私ども現場の取引をよく知っていますが、農協あたりから一定のところに集めて、トラックを持ってきて工場へ持っていくというふうに内々でいろいろ話をして、集荷をしておるというような現実がある。そういうふうな現実からいくと、はっきり区別をつけにくかったというのがいままでの取引の状態ではなかったか、そういうふうに考えます。そういう意味で、ぴっしゃりと三十円できまって取引するということになれば問題はないと思っておりますが、そういうところに非常に現実的なむずかしい問題があったのではなかろうかと思いますので、この問題はひとつ検討させていただきたいと思います。
○有馬委員 政務次官は実態をよく御存じないんですよ。御存じだから、どちらにしますか——幸いまだ今後のあれがきまってないですから、きめるときには、ちゃんとそれはいずれか指示しますという御言明がいただきたい。やはり委員会の議論というのは、これは前向きで議論しなきゃいかぬので、マスターベーションでやっておるわけではないのですから、この際、いずれにしろ、きめますという御言明がいただければ幸いだと思うのです。政務次官もこっち側におられるときにはぼくらみたいな議論をされるけれども、そこへすわられると、政府側に立ってあいまいな議論をされるので困る。いま一度御答弁いただきたい。
○仮谷説明員 確かに、有馬先生のおっしゃる理屈からいったら、どっちかにきめればいいということになると思うのですが、どうもいろいろ事務的な問題も当局にあるようですから、まあ御趣旨は十分わかりますから、御趣旨に沿ってそういうふうな結論を出すようにいたしたいと思いますから、ひとつ検討さす時間を与えていただきたいということをお願いいたします。
○有馬委員 そこがやはり大臣、政務次官の仕事だと私は思うのです。委員会における答弁だと思うのです。それは事務当局にいろいろなあれがあるのは、私もよくわかるわけです。長官の下で仕事をしておったのですから。わかるが、それをわかった上で、やはり政治というものは、そこら辺をぴちっとするのが政治だと思うのです。いま一度……。
○仮谷説明員 それは政治的にいろいろ問題を解決するのがわれわれの役目だと思うのですけれども、どうせ決定して本年度の問題をはっきりするには、大臣とも十分相談をせなければなりません。沖縄へも行っておることですから、帰りましたら十分相談いたしまして、ひとつ措置をいたしたいと思いますから、御了承願えませんでしょうか。
○有馬委員 私、了承できないのですよ。大臣がいないときは政務次官が最高の責任者であります。これくらい大臣の留守中にちゃんとしておきましたよというのが、私は政務次官の仕事じゃなかろうかと思うので、いま一度御答弁をいただきたい。
○武田説明員 私が申し上げるのはいかがかと思いますが、先ほど来業務部長からも申し上げておりますように、現実の取引の状態というものが、御承知のように、いまいろいろな形で行なわれております。それらのものを総合いたしました価格としての取引価格を基準にして、現在の価格を決定するというたてまえになっておりますので、この際、この間の実態というものが十分調査されまして、その結果として、どこの地点を取引場所とする、そのときの価格が幾らということを明らかにしていかざるを得ないのであろうというように思うわけでございます。昨日も芳賀先生から、生産費調査の問題に関連をいたしまして、工場までの持ち込み経費なり何なりについての調査というものはどうなるか、これは現在統計調査部でもそこまではやっておらないわけでございまして、どのように保管して、その上で、この地点をもし具体的にきめるといたしますればきめるという姿にならざるを得ないかと思いますので、私どもとしては、こういった調査期間というものをある程度の期間いただきませんと、その点をすぐどうこうというふうにきめることは非常に困難だというふうに考えておるわけでございます。
○有馬委員 これは聞こえませんね。政務次官はまだ前向きの答弁だったけれども、長官の答弁はそれをぐっとうしろへ引き戻すような答弁になっておる。これは聞こえないです。とにかく私の質問の趣旨はよくわかっておるのだから、相談して、政務次官、ぜひこれははっきりさせていただきたいと思います。 それから歩どまりの問題について、永井さんとの先ほどの御議論を聞いておりまして、やりとりはあったわけですけれども、どうするということが返答がなかったのですが、政務次官、これはどうされますか。
○仮谷説明員 これは確かに、私も永井先生のいろいろお話を聞いておりましたが、私どもそのものだけを単純に見ますと、そういうメーカーだけに利益を与えるといったようなことになることはいなめないわけでありますけれども、しかし、でん粉の需給の問題あるいはカンショ、バレイショ等の豊凶の問題等をいろいろ考えてみますと、やはりその価格を安定していくということがきわめて大切であり、そういう趣旨から、いわゆる農民保護の観点からつくられたのが農安法であることは、御承知のとおりでありまして、ただ、それを運営する場合において、いわゆる法の趣旨が十分に生かされているかどうかといったようなところに、いろいろ永井先生の議論もあったのではないか、われわれも大いに検討しなければいけない面も確かにある、実はそういうふうに思っておるわけであります。したがって、その高い、広い観点から農安法自体を考えてみると、必ずしもこれは農民をしいたげるためにつくられた法律ではない、問題は運営にあるのではないかというふうにも考えておりますし、そういう面で今後十分に善処をいたしてまいりたい、こういう考え方を持っております。御了承願いたいと思います。
○有馬委員 仮谷さんまで善処次官になってしまっては困るのですが、この問題については、これは理屈もはっきりしておるし、議論の余地はないのですよ。あと残されたのは、農林省がその筋どおりにやるかやらないかということだけなんですから、これもぜひお願いしたいと思います。 次に、コーンスターチの問題、これは理事さん方と委員長さんの問で大体の時間があるようでございますから、あと七分間で私の質問は終わりますから、答弁も七分間で、議論ではなくて、答弁をしていただきたいと思います。 コーンスターチの問題でございますが、十八万トンを農林省としてはどの程度にさらに関税定率法との関連で下げられる意思か、コーンスターチに対する基本的な考え方を一分間でお答えをいただきたい。
○武田説明員 関税割り当ての十八万トンというものを現在変更する考えは持っておりません。
○有馬委員 これは簡単過ぎてけしからぬ答弁であります。少なくとも昭和三十八年の政府がとった砂糖の自由化のしりぬぐいは、政府が生産者のためにやらなければならぬ。これはいろいろな方法がある。その中でも、コーンスターチの問題については、やはりしゃんとした農家の立場に立った措置というものがとられてしかるべきであると思うのであります。カンでん、バでんの問題を考える場合に、コーンスターチの問題を抜きにしては考えられません。それについて現状を変更する考え方はないというのは、これは覺えません。政務次官、ひとつどうですか、これをさらに引き下げていく考え方がおありかどうか。私は経緯は十二分に知っておりますから、実際関税定率法をいじってきたのですから、その基本的な考え方だけをお聞かせ願いたい。
○仮谷説明員 いまのところ、それを引き下げるという考え方は持っておりません。
○有馬委員 仮谷さん、いつの間にか農林省のとりこになってしまって困る。生産者の立場に立ってコーンスターチはどうすべきか、おわかりじゃありませんか。長官の言うとおりの答弁をしたらいかぬですよ。政務次官、お聞かせ願いたい。
○仮谷説明員 これは率直に言いまして、検討するとか善処するとかいったところで御了解はいただけませんから、本年の場合は、先ほど申し上げたような答弁をしたわけでありますが、でん粉の今年のいろいろな需給の問題等を考えてみまして、本年はこの程度で、引き下げなくてもいいじゃないか、こういう考え方を持っておるということを申し上げたわけであります。御了解をいただきたいと思います。
○有馬委員 これは了解できませんので、いずれ日を改めてまた論議をさしていただきます。 次に、これは最後であります。四分間ですから……。 でん粉工場に対する商工中金の融資ですね。これは商工中金自体のものの考え方もあるでしょうけれども、タイミングが合わないことおびただしいですね。これは御承知のとおりであります。長官、これについて、サイトの問題とともに時期の問題について、どのような指導をする考え方、打ち合わせをする考え方があるか、この際、お聞かせをいただきたいと思います。運転資金のことです。
○武田説明員 でん粉工場に対します商工中金の融資の状況でございますけれども、お話のように、時期の問題その他いろいろまだ改善をしていかなければならない点が残っておると思います。これらにつきましては、先ほどの生産者に対します基準価格の確保というようなことにも至大の影響を持つものでございますから、商工中金のほうには、さらに積極的にこの貸し出しにつきまして協力をしていただくように折衝を進めてまいりたいというように考えております。
○有馬委員 以上で私の質問は終わりますが、コーンスターチの問題と庭先価格か工場価格かという問題については、政務次官の答弁を前向きのものとして理解をいたしまして、私の質問は終わりたいと思います。
○舘林委員長代理 午後一時四十分に開会することとし、この際、休憩いたします。 午後零時五十四分休憩 ————◇————— 午後二時十五分開議
○舘林委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き質疑を続行いたします。 各種災害による農作物の被害状況等について質疑の申し出があります。順次これを許します。栗林委員。
○栗林委員 私は、本年度の米作の状況、さらに、第一期は数県三日間も延期になりましたが、第一期をめぐっての出荷状況、さらにこれらの早場米の時期等につきまして、端的にお尋ねしてみたいと思います。 本年度の政府の買い入れ米価は不当に安い低米価にきめられたわけであります。したがって、本年度の米価の再検討を要求する猛運動が、農業団体、農民団体の間から非常な勢いで起こされておるわけであります。政府の本年度の買い入れ価格は一万六千三百七十五円と決定したのでありますが、これは諸加算等を含めての手取り価格であります。諸加算等を除くいわゆる基準価格は、一万五千八百三円と決定されておるわけであります。ところが、農協等の要求した価格は、申し上げるまでもなく一万八千九百八十六円と記憶しております。約一万九千円の米価を要求して、政府に強く善処を要望したわけであります。この農協等が要求した米価と、ことし決定した政府米価との差は、実に三千百八十三円という大差を生じておるわけであります。それでありますから、農協その他の農業団体、農民の不満は申し上げるまでもないわけでありまして、本年は何とかこの米価を再検討してもらいたいという要求が非常に強く出ておるわけであります。さらに農民組合等の団体の要求した米価は二万三千五百円でありますから、これに比較しますと、実に六千六百九十七円という、さらに大きな差を生じておるわけであります。したがいまして、私は、本年度米価に対しての再検討をしてみる意図がないかどうか、この再検討に対する問題もこの席上においてお尋ねしてみたいと考えておるものであります。さらに、本年度の米価を算定する方式は、従来の所得補償方式を改めて指数化方式に変えたのでありますが、この指数化方式に対しましても、あらゆる農業団体、農民団体は反対をしておるのであります。したがいまして、この算定方式に対しても私はお尋ねをしてみたいと考えておるものであります。さらに需給関係、次には消費者米価の問題、これらの問題をひとつ取り上げてお尋ねしてみたいと思いますが、さらに根本的には、日本の食糧政策としての米の増産対策を推進していくつもりでいるのか、あるいはこれを制約、抑制していくつもりであるのか、これらの米をめぐる根本的な諸問題につきましてお尋ねをいたしたいと思っておるものでありますが、本日は農林大臣も出席しておりません。しかも、本日のこの委員会でこれらの問題を取り上げて質疑をするということは、私は適当な機会でないと考えますので、これらの問題に対する質疑は、別に適当な機会を選んでいたしたいと考えておるものであります。したがいまして、きょうは端的に、先ほども申し上げましたように、本年度の作況、早場米の出荷の状況、さらに早場米の出荷時期の問題等についてお尋ねをしてみたいと思うのであります。どうかひとつ、私も端的にお尋ねをいたしますので、長官及び次官も端的な明確な御答弁をお願いいたしたいと思うものであります。 そこで、若干事務的な問題に入りますが、本年度の現時点における全国の作況をお聞かせ願いたいと思います。具体的には、作況指数について、昨年の指数等と比較して——全国指数でけっこうでございます。事務的なお尋ねで恐縮しますが、これらが基本になりますので、一応お聞かせ願いたいと思います。
○武田説明員 統計調査部のほうから申し上げればよろしいわけでありますが、九月十日現在の作柄の概況について指数で申し上げます。これは九月十日現在のものでございまして、したがいまして台風二十三号が参ります前のものでございます。全国の作柄、作況指数といたしましては、水稲は一〇〇%、それから陸稲も同様一〇〇%という作況指数に相なっております。これは九月の十日現在でございますが、この程度でよろしゅうございますか。
○栗林委員 お手元に数字がありましたら、特に早場米地帯といわれておる富山、新潟及び山形、秋田、北海道の作況指数をお聞かせ願いたいと思います。
○武田説明員 ただいまお話のございました地方につきまして申し上げますと、水稲につきまして、北海道は作況指数は九四、それから秋田県につきましては九八、山形につきましては一〇〇、富山が一〇四、新潟が一〇一、以上のようなことになっております。
○栗林委員 ただいまの指数は二十三号台風が含まれておらないというお話であります。そこで、お尋ねするまでもないことだと思いますが、念のためお尋ねいたします。秋田、北海道等は低温障害による不稔実という大被害が発生して、関係者や農民をろうばいさせておるのであります。これらの被害が、ただいま御報告されましたその指数の中に取り入れられておるのかどうか、この点をひとつお答え願いたいと思います。
○青木説明員 それではお答えいたします。 ことしの低温障害は七月二十日過ぎの低温、それから北海道におきましては八月上旬、中旬、そのときに十五度以下の温度がしばしば訪れたというようなことがございまして、花粉の障害、それから開花時の受精障害、そういうようなことが見られて、それがはっきり形になってあらわれてくるのは、まあ八月の終わりごろか九月ごろになってきます。それで九月十日現在においてつかみ得る限りにおきまして、これが入っておるのであります。九月十日は中間的に情報を求めて指数を一応出したわけでございまして、今度十月一日現在、現地で実際に穂の数やもみの数を勘定いたしまして、作況指数と低温障害を調査いたしました。その結果は十月十五日ごろに公表する予定でおります。
○栗林委員 もう一ぺん確認いたしたいと思いますが、九月十日現在における作況指数の中には、ただいま申し上げました秋田、北海道等に発生した低温障害に基づくものは含まれておらない、十月一日の指数にはこれを取り入れる、こういう御答弁と伺ってよろしゅうございますか。
○青木説明員 極力調査いたしまして、九月十日現在にはつかみ得ました範囲で入っておるわけでございます。さらに精細に十月一日で調査したいと思います。
○栗林委員 九月十日の指数の中にある程度——ある程度でもないですが、かなりこれらの低温障害の実態を把握してこの数字の中に盛り込んでおるような御答弁と伺ったわけであります。それならば秋田なり、あるいは北海道あるいはその他全国的なこれらの低温障害の発生の実態について、どこかの具体的な実例をあげてお答え願われませんか。どうも私には、九月十日に発表しました作況指数の中には、これらの点は若干取り入れられておるということはわかりますが、これはほんのわずかであって、ほとんどこの指数には採用されておらない、取り上げられてはおらないと私は思うのですが、これはどうですか。
○青木説明員 お答えいたします。 北海道の作況につきまして、この前八月十五日現在で公表いたしましたのは八五%という作況指数でございます。今度中間的に九月十日現在では九四%ということになっております。北海道も、内部的に見ますと、北見地方の作況は低温障害のために非常に低下いたしました。大まかに言えば半作以下くらいの作況に見ております。それから札幌のほうでは、今度御承知のように出穂期がだいぶおくれておりまして、いわゆる限界出穂期ぎりぎりの線でございますが、それで秋早く低温がくるのじゃなかろうかという心配が非常にあったわけでございます。幸いにして現在のところそういうようなことはございませんで、北見地方が一番悪いのでございますが、この面積が大体八千町歩くらいでございます。それで、北海道の二十二万町歩くらいの中では非常にわずかなものでございまして、そこが低温でずいぶんやられたのですけれども、作況指数としては北海道全体で九四、こういうぐあいになっております。
○栗林委員 ただいま北海道の作況につきましては御報告をいただいたわけでありますが、私は、不幸にして全国的な調査料の持ち合わせがないのであります。したがいまして、秋田県における被害状況を具体的に申し上げてみたいと思う。 まず秋田県では、一番最初に豪雪の災害を受けたわけであります。具体的には、このために苗しろの設置が非常におくれる、植えつけ作業がおくれる、こういうような結果が出たわけであります。この豪勢災害というものは実に甚大な被害を与えておるわけであります。次には、先ほど御答弁がありましたように、七月中における低温寡照——あとで私は具体的に数字を申し上げてみたいと思いますが、七月中における低温寡照、それからたび重なる集中豪雨や台風、これらに見舞われたために——これはひとり秋田県だけではないと思います。全国的に今年の作柄は極度の不安におちいったのであります。しかし、農民諸君の努力と関係当局、関係団体等の指導等によりまして最悪の状態からは脱却することができました。しかも、平年作に近い作柄までにこぎつけてまいったのであります。ところが秋田、北海道等は、先ほどもお話がありましたように、七月中における低温のために不稔実という大被害を招来して、全く予期ぜざる深刻な事態におちいっておるのが現状であります。そんななまやさしい実情ではないのであります。したがって、低温障害による不稔実被害の全国的な、状況はかなり深刻なものであろうと思う。これはひとり秋田、北海道だけではないと思うのであります。 そこで、この際秋田の低温障害の具体的な実情について申し上げてみますと、第一に、豪雪のため苗しろ作付が非常におくれたということ、その次に七月の豪雨、それに続く低温、冷温に見舞われた結果、おりから迎えた幼穂形成期の大事な時期に悪作用して、花粉生成に必要な温度に達しなかったわけであります。これが稔実不良という大被害を招来した根本の理由であります。北海道におきましても同様の大被害を受けておるのでありまして、私も八月に北海道に行ってまいりましたが、お話のごとく上川の北部地帯、北見寄りのほうですが、これらの地帯におきましては、初めは何とか平年作に近い作柄までに向上した、そこまで生育したと非常に喜んでおったが、いよいよ刈り入れをする時期になりまして、直接たんぼに入って手にしてみたところが、多くの稔実不良という現象が初めて発見されたわけです。それで農民も関係者も非常にろうばいして、道の知事はじめ関係者の皆さん、市町村の皆さん、関係諸団体の皆さんが深刻な様相で実態調査をしておりました。これは私は見てまいったのであります。秋田県も同様であります。まず、七月中における秋田県の気象状況を簡単に申し上げてみますと、七月二十六日における県内各市町村の気象状況、最高は大曲地区の十四・九度であります。最低は九・七度であります。さらに七月二十日から二十七日までの気温は、すべて十七度以下の気温が続いておったのであります。このために出穂時期がおくれ、不稔実障害が発生したことは当然といわなければなりません。 それならば秋田における被害面積はどの程度に及んでおるかと申しますと、秋田の作付全面積は十一万五千九百二十ヘクタールであります。そのうち、この不完全稔実の被害面積は一六%を占めており、一万八千二百ヘクタールに及んでおるわけであります。これに基づく減収量は、推定で二万四千九百トンでございます。私どもは、あまりトンであるとかそういうことはぴんときませんので俵に換算してみますと、二万四千九百トンは四十一万六千俵に相当する大量であります。これがこの被害による減収であります。この被害金額は実に二十六億六千三百万をこえておるわけであります。いま申し上げました二十六億六千三百万のこの被害は、すべて低温障害に基づく被害であります。水害や台風や豪雪被害もそれぞれ関係がありましょうが、これは直接それらと関係のない低温障害のみの被害額であります。秋田の場合、豪雪の被害はどの程度の数字を示しておるかと申しますと、これはすでに当局も御承知のとおり十一億九千一百万円にのぼっております。集中豪雨等に基づく災害は二十四億一千二百万円であります。低温障害が一番大きな被害で、二十六億六千三百万という数字を示しておるわけであります。したがって、私はこれらの災害対策をも取り上げてここで質問をしたかったのでありますけれども、これらの災害対策につきましては、災害対策特別委員会が開かれておりますし、さらに同僚芳賀委員からもこれらの災害につきまして詳しく質疑がある予定になっておりますので、私はこれらの災害対策につきましては質問を省略するつもりでありますが、ただ一言強く要請したいことは、これらの被害を含めて激甚災害の指定あるいは天災融資法の発動、自作農維持資金融通法に基づく資金ワクの拡大、その他貸し付け条件の緩和等あらゆる救済援護に万全を期してもらいたいということを強く要望しまして、私は災害対策についての質問は省略いたしたいと思います。 作況につきましてはこの程度にいたしまして、次に早場米の出荷の状況、さらにその時期等について質問を続けてまいりたいと思うものであります。 その前に、第一期の供出期限を三日間延長されまして、この延長の適用を受ける県は石川、富山、新潟、福井の北陸四県、さらに関東では栃木、千葉、茨城、これらの七県につきましては三日間の延長をきめられております。たび重なる豪雨と台風、打ち続くこれらの被害の中で、ややもすれば農民は非常に暗い気持ちに閉ざされておりましたが、これらの早場米地帯に対して、私は三日では少ないと思いますが、それでも三日間の延期を措置されたということにつきましては、関係七県の農民もやや明かるい気分を取り戻しておるであろうと思いまして、これらの措置につきましては心から喜びたいと思うものであります。ただ、なぜこの七県にしぼったかということであります。秋田、山形その他は、これらの七県に比較しては第一期供出量は非常に少ないのだが、それでもかなりの供出をされておる過去の実績があるのであります。それをなぜ七県だけに三日間の延長を認めたのか、なぜ他の県につきましては考慮を払わなかったのか、この点につきまして、ひとつお答えを願いたい。
○武田説明員 七県につきましては三日間の延長を認めたわけでございますが、これらの七県につきましては、いわゆる早場米がその県の売り渡し数量のうちの相当大きな比重を占めておりますことと、特に本年のこれをきめます当時におきまして見込まれました政府への売り渡し数量が、著しく作業の遅延等でおくれておったということから、この七県に限定いたしたわけでございます。
○栗林委員 そうしますと、その他の県は第一期の供出量が少ないから延長しなかった、こういうのでございますか。
○武田説明員 今日まで毎年、長雨でございますとかいろいろな関係で供出が非常におくれております県につきまして、限定的に、昨年も四県の地域につきまして第一期の売り渡し期間を三日間延ばしたのでございますが、その際にも、特に早場米というものが相当大きな数量を占め、かつ需給操作というような点も考慮いたしまして決定いたしたわけでございます。本年七県につきまして限定をしてきめましたのも、例年と同じような考え方に基づいて決定をいたした次第でございます。
○栗林委員 ただいまの御答弁の中に、これらの地帯は台風その他の災害に見舞われて非常に困難な時期を経過してきておる、こういうことも含め、さらに需給関係から大量の早期供出をしてもらわなければならないので、これらの地域に関して延長をした、こういうように私は受け取ったのでありますけれども、災害等をたびたび受けた、それらのことを考慮に入れたということになりますと、端的に先ほどの作況指数で申し上げますと、富山は一〇四という指数が出ております。新潟は一〇一であります。いずれもこれはオーバーしておる。してみると、災害を受けたということは理由にならない。私の聞き間違いであったかもわかりませんが、これらの災害の状態等も考慮したやの御答弁に承っておりますが、この点について、さらに確認したいと思いますから、再度御答弁を願いたい。
○武田説明員 北陸四県につきまして、台風以前の作況指数は先生のお話のとおりでございます。今回北陸四県について期限の延長をいたしましたのは、先般の二十三、四号あるいはそれにはさまりました集中豪雨、こういったものによりまして農作業が非常に遅延をいたしまして、出荷関係が大幅におくれる見込みが強かったということに基づきまして、これらの諸県については処理をいたしたわけでございます。
○栗林委員 それでは、現在における第一期供出の大体の状況でよろしゅうございますが、ひとつ出荷状況についてお知らせ願いたいと思います。あまり抽象的な質問もどうかと思いますので、まず代表として富山県の出荷状況、新潟県の出荷状況、これらの出荷状況がわかりますと、たいてい間違いない推定ができますから、これら両県の現時点における供出状況をひとつお知らせ願いたいと思います。
○武田説明員 全国的に申しますと、ごく最近までの数字がまだ手元に入っておりませんので、多少前で恐縮でございますが、二十五日現在で、昨年の全国の買い入れ数量は七十二万七千トンでございます。これに対しまして本年の総数が四十八万六千トンという姿に相なっております。このうち、新潟県におきましては十万五千トン、富山県は四万三千トンという数量でございます。
○栗林委員 これは二十五日の数字でございますが、もう少し最近時の数字が出ておりませんか。私の調査によりますと、これは食糧事務所からもらったのではありませんから、若干の違いはあろうかと思いますが、新潟県の場合は二十六日の集計を私は手元に資料として持っております。これによりますと、新潟は十万九千トン、約十一万トン出ておる。昨年はどの程度の第一期供出であったかといいますと、十三万一千トンであります。それでありますから、二十六日現在十一万トンの供出でありますので、三日間の延長をいたしますと、おそらく昨年並みもしくは昨年以上になろうかと思うのでありますが、私は重ねて申し上げます。このような措置によって農民の供出意欲を盛り上げたということ、この措置については心から歓迎するものであります。秋田その他の県には延長を認めてくれなかったからといって、嫉妬心からそう言うのでありません。富山の場合も、もう少し最近の数字はおわかりにならないでしょうか。
○武田説明員 私の手元に、両県については二十七日の分がございますから、それを申し上げますと、新潟が十四万八千トンでございます。それから富山が五万六千トンでございます。なお、昨年の数字と先生御比較がございましたが、新潟は昨年も長雨その他がございまして三日間の延長をいたしております。
○栗林委員 私の手元に富山県の二十九日現在の資料がありますが、これはもちろん情報として聞いていただきたいと思います。これによりますと、すでに八万八千トンをこえております。昨年の富山の第一期供出は九万四千トンでありますから、もう二十九日現在でややそれに近いところまでいっておるわけです。それですから、さらに三日延長されておりますので、富山県も新潟県と同様に昨年の供出量をオーバーする、そういう情勢が考えられるわけでありまして、私は心からこれを喜ぶものであります。 そこで、秋田や山形等の場合、ここに秋田の数字がありますが、秋田はもちろん北陸四県に比較しましては第一期供出の量は非常に少のうございます。しかし、それでも昨年は七千トンをこえておる出荷量になっておるのであります。七千トンをこえておるのであります。もしも秋田も昨年三日くらいの延長を認められていたならば、これは一万トンをこえておったと推定されるわけであります。とにかく、昨年は七千トンの供出をしたのであります。ところが、これは食糧事務所から出た数字でありますが、二十八日現在でわずか三百俵しか供出がないのであります。きのうの出荷状況を聞いてみましたが、これもはっきりした数字はまだ申し上げることはできないと思いますが、推定によりますと千五百トン内外の供出量になるであろう、こういう県当局の推定数字であります。そうしますと、いままで七千トン確保しておった秋田の第一期が、昨年の出荷量に比べますとわずか二〇%にしかなっておらないのであります。秋田の場合は、なぜ第一期供出が昨年に比べてこのように著しく低下をしておるか、この理由、原因を食糧庁はどう見ておるのか、これをひとつ承りたいと思うのであります。
○武田説明員 先ほど全国的な出荷の状況を二十五日現在で申し上げましたが、本年の稲作の状況は、御承知のように全国的に異常気象その他ございまして、ややおくれぎみでございます。秋田におきましても、先生から先ほどいろいろ生産初期からのお話ございましたけれども、それらのことがやはり成育の遅延というような姿で一部はあらわれておるのであろう。同時に、また作業も多少遅延しておる面もある。そのことがまず第一期における集荷にも影響を来たしておるのであろうと思いますが、これらの点につきましては、おおむね全国的にそのような傾向を持っておる、こういうふうに思っております。
○栗林委員 秋田における第一期のこのようなはなはだしい供出の低下は、作業のややおくれぎみに基づくものだというような御答弁がありました。異常天候によるややおくれぎみの作業がこのように供出を遅延せしめておる、こういう御答弁でありましたが、そのように受け取ってよろしゅうございますか。
○武田説明員 一応私どもとしては、いま申し上げたようなことではなかろうかというふうに思っております。
○栗林委員 ややおくれぎみの作業状況というような認識では私困ると思うのです。もっと深刻なものですよ。そういう認識であれば、私はもう少し細部にわたって当局に認識を新たにしてもらわなければならなくなります。ややおくれぎみという状態で、第一期供出が七千トンをこえておった秋田が、わずかその二割に達しない千五百トンというはなはだしい低下、こういう実態が生まれてくるはずがない。私はことばじりにとらわれるわけではありませんが、ややおくれぎみという、そういうような考えでは困る。もっと深刻な事態であるということを認識してもらいたいのであります。作業がおくれたということが北陸四県に対する三日間の延長の大きな理由になっておるのであります。してみれば、これらの北陸その他七県に比較すれば、第一期供出の量は非常に少ないが、それでも七千トン、八千トンを確保しておる。秋田の場合は異常天候その他によって作業がおくれておる。こういう実情に照らせば、私は、第一期供出の延長ももう少し積極的に御考慮願われるのではなかったかと思われてならないのであります。ややおくれぎみというこの認識を改めてもらいたい。もしもこの認識を改めなければ、さらに細部にわたって当局の認識を改めてもらわなければなりませんので、私は質疑を続けていかなければなりません。この点再度御答弁をお額いいたしたい。
○武田説明員 あるいは私の申し上げ方が悪かったのかもしれませんが、全国的にもそういう傾向を多く持っておりますし、秋田県におきましても、農作業の遅延ということの結果、第一期の売り渡しが本年は昨年程度必ずしも実現していないという状況であろうと思います。
○栗林委員 それでは私は、今後の二期、三期にも大きな影響を与えると想像されますので、なぜ第一期がこのようにおくれたかという理由、原因につきまして申し上げてみたいと思う。 できるだけ簡潔に申し上げますが、第一の理由は、不稔実が甚大であるということです。これは、もう申し上げるまでもありません。第二は、これが主要な原因でありますが、出穂期がおくれて、その結果刈り取り期が例年よりも非常におくれておるのであります。昨年に比較してどのくらい刈り取り期が遅延しているかといいますと、実に八日間のおくれを見ておるのであります。刈り取り期がおくれて、どうして例年どおり第一期の出荷をすることができるでしょうか。同様に、第二期、第三期供出に甚大な影響を与えることは申し上げるまでもないのであります。私は、この八日間の刈り取り期がおくれておるということを、県の試験場で科学的に調査した資料に基づいて品種別に申し上げてみたいと思う。 まず、刈り取り期が遅延をしたということは、わせ、なかて、おくても同様であります。不稔実被害を最も多くこうむったのはわせ種でありますから、わせについて具体的にそのおくれを申し上げてみましょう。 秋田のわせの代表品種はヨネシロ、さわにしき、ハツニシキ、トワダ等であります。これらのわせの作付面積は大体秋田の半分、四四・八%を占めておるのであります。これらのわせは、例年でありますと出穂期は八月の八日であります。私の申し上げる数字は、すべて県の試験場の発表であります。出穂期が昨年は八月の八日、本年は異常天候等に災いされて八月十三日にようやく出穂しておるわけであります。ですから、出穂期が五日おくれておるのであります。その次に、出穂期がおくれたのですから、全部の穂が出そろうのは、従来は四日間でありますが、ことしは七日間を要しておるのであります。してみれば、出そろい期間が三日おくれておる。出穂期が五日おくれておる。したがって、刈り取り期が八日おくれておるのであります。これは私のかってな数字ではありません。県の試験場が発表した数字であります。このように、秋田における約四〇%の作付けを占めるすべてのわせが八日間刈り取り期がおくれておるという。これは供出に大きな影響を与えることは当然ではないでしょうか。なかてについて申し上げますと、状況は大体同じでありますが、なかては、秋田の場合出穂期は例年八月十四日であります。昨年は八月十四日、本年は八月二十日であります。やはり六日間のおくれを示しておる。出そろい期はやはり七日間を要しておりますので、例年に比較いたしますと、やはり三日間おくれておる。それでありますから、なかての場合は九日間おくれておるのであります。このように気象、天候等に災いされて刈り取り期、収穫期が九日間もおくれるために出荷がおくれておるのでありまして、この事実を私はもっと深刻に認識してもらいたいと思うのであります。ただいま私が県の試験場で発表しました数字等に基づいて、収穫が非常におくれておる、これらから、第一期はすでに過ぎましたが、第二期、第三期の供出に大きな影響を与えるものと推定することは間違いでしょうか。はなはだしい作業のおくれと認識されないでしょうか。県の試験場の発表する数字を長官は信用しないのでしょうか。私はこの点につきまして、再度御答弁をわずらわしたいと思うものであります。
○武田説明員 私不勉強で、県の試験場のいま先生のおっしゃったような数字につきまして承知をいたしておりません。この試験場の数字によりますれば、これは非常な作業のおくれであるというように思います。
○栗林委員 ただいま申し上げましたような状態が秋田県の実情であります。それでありますから、今後残された第二期、第三期の供出に、期間的には大きな影響を与えるということは火を見るよりも明らかではないでしょうか。そこで秋田県におきましては、昨年の早場米期間中における供出全量は大体三十万トンであります。これによって得られる格差金は約四億八千万円をこえておるのであります。約五億円と申し上げて差しつかえないと思います。これが秋田の農民の受け取る三期を通じての昨年の早場米奨励金であり、加算金であり、格差金であります。したがいまして、この五億に近い時期別格差金の収入のいかんが秋田の農村に及ぼす影響、農民生活に与える影響は、きわめて大きいものといわなければならないのであります。私はこの際、第二期、第三期の供出に大きく期間的な影響を与えるということは火を見るよりも明らかなことでありますので、特に要望いたしたいことは、第二期の供出期間につきましては、これらの事情をさらに御調査の上に、できるだけ早い機会に——これはひとり秋田県ばかりではありません。同様の災害に悩んでおる北海道その他台風、集中豪雨等によって災害を受けておるすべての水稲地帯に対して、第二期供出の期間の延長に関して、積極的な御配慮を加える御用意があるかどうかにつきまして、まず長官から意中を聞かせていただきたい、お考えを聞かせていただきたいと思います。
○武田説明員 各期別末期の期間の延長の問題につきましては、第一期におきまして行ないましたのと同じような考え方で、それぞれの期におきましての出荷が非常に重要性を持っております県については、それぞれの県についてそれぞれ出荷の実情に基づきまして、特に必要があるというように考えられますところについては、善処をいたしたいというように考えております。
○栗林委員 もちろん、いまこの場で、この時点で、第二期の期間延長をする用意があるという御答弁のできないことは当然であります。また答弁を要求するほうも無理かと思います。ただし、私は、ただいま具体的に申し上げました事実に基づいて要請しておるのであります。それでありますから、これらの事実の上に立って、十分御調査、御検討を進められて、もしも延期を認めなければならないという場合には、最後の最後のぎりぎりの線に至ったときにやるのでなくて、もう少し早い時点で、しかも適当な機会を選んで私は示してもらいたいと思うのであります。延期を認めるということを、第二期の最後の十月十日の夕方になって告示をしても、そのこと自体は非常に効果はあると思いますけれども、私はそうではなくて、さらにその数日前にそういう措置をとってくれるならば、私は関係農民の暗い気持ちを一掃し、さらに供出意欲を一そう盛り上げることに効果があろうと考えられますので、どうかひとつぎりぎりのところで延ばすということでなしに、もっと効果的な御措置を強く長官に要望しておきたいと思いますが、最後に、これらの問題につきましては、特に多くの政治的配慮を必要とする問題かと思いますし、せっかく政務次官がここに出席されておりますので、ひとつ農林当局におきましても、政府当局におきましても、第二期以下の供出期限の期間の延長につきまして、私は積極的に取り組んでもらいたいと思う。これに対しての政務次官の率直なお答えを求めたいと思うものであります。
○仮谷説明員 第一期の期間延長の問題は、特に端境期の需給操作といった面を考慮されまして一応延長いたしたわけでありますが、第二期の場合は、やはり災害対策といった面でも考慮する必要ができるのじゃないかと思います。特に秋田県の問題等は、御承知のように、災害の地帯として政府の調査団も派遣をいたしまして、すでに調査の結果も報告されておりますし、そういった特別な災害地帯については、災害対策としても積極的に考えなければならない問題が数々あると思うのであります。第二期格差の期間延長の問題にいたしましても、そういうふうな、災害のために特に作業がおくれるとか、気象状況のために成育がおくれるとかいったような問題が関連をいたしまして、当然出すべきものが出にくいとか、あるいはいろいろな事情があるといったようなものを勘案いたしまして、出荷の状況、作業の状況等をも見合わして、適当に処置をいたしてまいりたい、こういう考え方を持っております。
○舘林委員長代理 中川一郎君。
○中川(一)委員 昨年北海道はたいへんな冷害で、農林省関係当局からあたたかい御指導、御指示をいただきまして、何とか年越しをいたしました。ところが、ことしの春さきから、ことしもまた天保以来の飢饉だといわれて心配しておったのですが、幸いにしまして、それほどの災害でなかったことは非常に喜ばしいところでありますけれども、局地的には天保以来の飢饉ともいうべき災害をこうむっておるわけでございます。北見地方の水稲、あるいは上川地方の北部あるいは十勝の豆等、それぞれ相当局地的な被害をこうむっておるのでございますが、これに対して農林省はどういう現状のつかみ方をし、そしてまた、これに対してどういう対策を講じようとしておるのか、現状における農林省の考え方を、まずお示しいただきたいと思います。
○大口説明員 北海道におきましてのいろいろな農産物の被害の状況等につきましては、現在統計調査部が中心になりまして調査をいたしており、ある程度結果のわかったものもございますけれども、まだ取りまとめ中のものもございます。たとえば米のごときは、まだ最終的なはっきりとした数字はわかっておりません。ただ米につきましては、たとえば上川の北部でありますとか、あるいは北見地区など、若干の地区につきましては冷害の起きた面積等ははっきりわかっておりまするが、最終的な数字の結論というものは、まだもう少しかかるかと思います。
○中川(一)委員 そこに、九月二十一日でありますか、現場を見に行ったそのときに持ってきた稲がございますが、七月下旬ないし八月上旬の異常低温によって、まず一分作か二分作という面積が北見地方だけでも七、八千町歩ある。これがもう実態でございます。農林省がいまだに、まだ被害面積もあり、最終的にまだわかりませんというような、なまやさしい実態でないことを、まず御報告申し上げておきます。これはきわめて深刻な状況にございます。したがって、できるならば早急にひとつ調査団を派遣して、ばく然としたことでなくて、もうすぐ見てもらいたい。なぜそう申しますかというと、昨年非常な冷害をこうむって打撃を受けております。その打撃の上にまた大きな被害をこうむって、いま悲嘆の涙にくれておる現状でございますので、ぜひともひとつ早急な現地調査を願いたいということが第一点。 ここで心配をいたしますのは、昨年も天災融資法改正のときに問題になりました資金ワクでございます。われわれは、もっと幅のある資金ワクを設定すべきだということで非常な努力をしたにもかかわらず、農林省は大蔵省と共謀したというか、われわれからいうならば、どうも納得のいかない数字で押えられたために、ことしは借金すらできないのじゃないかというふうな声でございますが、天災融資法のワクあるいは自作農維持資金のワクを一ぱい一ぱい使った農家は一体どうしてこれからやっていくのか、その点についての農林省の考え方を承っておきたいと思います。
○大口説明員 先ほどのお答えが十分でございませんでしたので、再度のお尋ねがあったわけでございますが、統計調査部の定期的な調査といたしまして、十月一日に定期的な調査をし、おおむね月の半ばに公表するということに相なっておりまするので、本日が十月一日でありますから、あと二週間ほとで十月一日のいわゆる統計調査部の定期調査の結果がはっきりいたすと思います。 それから先ほどの、米が不作になっておりまする地域の面積は私どもも相当正確につかんでおりまするが、まだはっきりわからぬと申し上げましたのは、それが最終的な実収としてどういうことになるかということが最終的にわからないという趣旨でお答えをいたしたのでございまして、その点、若干表現が至りませんでしたことはおわびを申し上げたいと思います。 それから天災融資の問題でございまするが、実は、まだ北海道の冷害につきましての天災融資法の発動の問題につきましては、目下検討をいたしている段階でございまして、この段階では天災融資法の発動ということについてはっきりとしたお答えをいたす段階にまだないわけでございます。と申しますのは、被害の金額その他がはっきり最終的にかたまった上でということになっておりまするので、将来天災融資法の発動等の問題がはっきり具体化いたした場合におきましての資金ワクの問題等につきましては、被害の実態に応じて十分のことをやってもらいたい、かように考えております。
○中川(一)委員 私の申し上げますのは、統計調査部の被害報告を待つのでなく、もうすぐ飛んで行って見てもらいたいほどはっきりいたしております。これから霜がくるとかこないとか、天候がよくなるとか、これらの条件でなく、そこにあるとおりはっきり結果は出ておる。それを、いまなお統計調査部の結果を待ってというような、なまやさしい事態ではない。もう行って見ればすぐわかる状況になっておるということを私は申し上げておる。 次に聞きたいのは、天災融資法の発動を受けたとしても、昨年の大きな被害によって一ぱい一ばい借りて使っているものは一体どうなるのか。そういう事態があるならば、五戸や十戸あってもいい、死んでもかまわないというのか、そういうものに対しては法律を改正するというのか、その辺のところを承っておるわけです。
○大口説明員 天災資金の問題でございまするが、たとえば、昨年天災資金を借りておりまして、その被害農家が再びことし被害を受けた場合に、昨年借りました天災資金の償還に要する金額があるわけでございますから、その償還に要する金額を加えたものを天災資金として貸し付ける道もあるわけでございます。それからまた、すでに天災資金の融資を受けておりまする農家が、本年の災害によりましてその償還が十分できないという場合につきましての償還に関する条件の緩和というものは、被害の実情に応じましてケース・バイ・ケースで従来も処置をいたしておりますが、今回の災害におきましても、そういう事態が生じますれば、特にそのような措置をとってまいる道は開かれております。
○中川(一)委員 私の申し上げているのは、重複災害の場合の特別措置等は法律規則に明示されていることはよく知っておりますけれども、昨年に引き続いて皆無にひとしい状態が二年も続いた場合には、いまの天災融資法ではとても救えないのだということを申し上げておる。そういう場合に一体どうするのか。われわれが昨年、天災融資法のワクはもう少しとっておけと言ったにもかかわらず、非常な反対をして最高六十万円でしたかで押えてしまった。そこに問題があるのですが、こういうふうに二年間もゼロにひとしい災害があった場合に、一体農林省はこれを救う道があると考えておるのか。抽象的な話になりますが、実際、いま北海道ではその問題で頭を痛くしております。もう官房長も申されるように、作物統計調査事務所の結果を見なければわからぬとか、あるいは先ほどの報告の五分作だとかいうものではなくて、もう一分か二分、一分か二分というとどういうことになるかというと、刈り取るのもめんどうだ、刈り取る費用にすらならない、残しておけば来年の耕作がめんどうだから、刈り取りによけいの費用をかけなければいかぬという、まさにゼロにひとしい北見の冷害地帯だ。こういう場合に助けていく融資の道は、いまの制度では私はないであろうと思うのですが、そういう場合どうするのかということを尋ねておるわけです。
○大口説明員 統計調査部の調査が済むまで何もしないで待っているのだという趣旨で申し上げたわけではないのでございまして、本年の冷害について天災融資法を発動することになるのかどうかということについては、従来とも、統計調査部の調査の結果がはっきりした上でその問題の結論が出ますので、その上でという趣旨でお答えをいたしたわけでございます。本年の特別被害のひどい冷害地帯に対する農家の救済措置につきまして、たとえば共済金の支払いでありまするとか、あるいは従来からきまっておりまする金融の措置でありまするとか、いろいろな措置を講じても、なおかつ実際上非常に被害のひどい地帯についてどうするかということにつきましては、私どもも慎重に検討さしていただきたいと思いまするが、金融並びに共済金の支払い等だけでもだめな農家、たとえばいま先生の御指摘のように、昨年も収穫ゼロであり、本年も収穫ゼロであるという農家につきましては、そのような措置だけではあるいは十分でない農家も出てまいるかと思いますので、もしそういう事態の農家がありますとするならば、私どもも北海道庁と協議をしつつ対策を検討してまいりたい、かように考えております。
○中川(一)委員 毎年災害の場合、われわれ強く感ずるのでありますけれども、後手後手に回る場合が多い。もうやがて北海道も雪が降ってきます。雪が降ってきてからいろいろ検討、検討と言っておるうちに、実際間に合わなくなる場合が多いわけでありますから、ことしの場合は、昨年と違って非常な重複災害で困っておるので、早急にひとつ調査員を派遣して、そうして超こり得るいろいろな事態を検討していただくと同時に、また農林省が下し得る政策について、先手でもって措置をしてもらいたいというのが私の願いであり、また質問を申し上げておる趣旨でございます。ひとつ近日中に責任あるというか、その筋の権威者を被害地にすぐ派遣していただいて、その実態を把握すると同時に、その措置を早く検討してもらいたい。この点について次官の所信をひとつ承っておきたいと思います。
○仮谷説明員 御趣旨を体してやります。今年の災害は全国的な問題でして、調査を集計するのに若干手間どっておる。どこへ行っても調査を早くして、早く必要なる天災融資法の発動、場合によっては激甚指定をしてくれという要望がある中で、全力をあげてそれと取り組んでおるわけであります。北海道、特に重複災害のものは、いまあなたの言われたとおりたいへんだと思うけれども、われわれのやれる手はできるだけ打ってみたいと思うし、それ以上の問題になりますと、これは社会的な問題にもなりますので、北海道庁とも御相談してできるだけやります。 それから調査の問題ですが、これは当局と相談しまして、すぐ派遣さすように取り計らいたいと思います。
○中川(一)委員 次に、災害が発生するたびに問題になりますのが、激甚災あるいは天災融資法の発動をする基準として、大きな災害が広範囲にわたってないと法の適用が発動されない、地域が狭い場合は個々の者がどれほど被害をこうむっても災害対策の恩典にあずからないという日本のいまの法律のたてまえでありますが、これではとても気の毒である。いかに地域が狭くても、被害総額が小さくても、個々の農家が大きな災害をこうむったときには、災害対策としてあたたかくめんどうを見る、立ち上がれるように仕組んでいく、これが当然のことではないかというふうに思うわけであります。今回を機会に、この点について改正をする、これは大きな問題でありますけれども、農林省当局は、ことしあたりこの問題と取り組んでもらいたいと思うのでありますが、その点についての考え方を担当の官房長からお伺いいたしたいと思います。
○大口説明員 天災融資法その他の災害立法の発動が、相当な大規模にわたったもの以外についてはなかなかしにくいという実情があることは、先生の御指摘のとおりでありまして、私は別に先生におことばを返すつもりで申し上げるわけではございませんけれども、各地方公共団体が第一義的に災害対策を講じ得ないような規模のものについて国が乗り出すという順序を考えておるので、さようなふうな発動の形というものが立法のたてまえになっておろうかと思います。ただ、われわれやはり災害の実務を担当しておりましての経験といたしましては、確かに地域は非常に狭いのでありますけれども、個々の農家については非常に災害の程度が激しい。しかも、当該市町村というものをとってみました場合には、その市町村財政力だけではなかなか措置ができないというような事態も現実にあることは確かでございます。それから、法律の発動そのものは、いまも申し上げたようなたてまえにはなっておりますが、その法律の発動と直接関係のないいろいろな制度が——天災融資法が発動されたかどうかということがいろいろな措置が講ぜられるための一つの内規的な基準になっておる実例もございまして、そのことが結局は大規模災害においては非常に手厚い保護が講ぜられるけれども、小規模でかつ激甚であるものについては必ずしもそれと均衡のとれたような措置が国として講ぜられないという実態は確かにあるわけでございます。基本的な災害対策の考え方というものは、冒頭に私が申し上げたような趣旨があろうかと思いますけれども、やはり本年のように非常に災害が多発をいたしましたような年には、いろいろな経験なり、いろいろな事態というものが起こってまいり、また過去においての経過から見まして、改むべき点というものもある程度はっきりしてまいりました場合においては、災害対策というものはその経験を積んだつど若干なりとも改善の方向に向かって現在までも進んでおるわけでありまして、いまここで、いつどこでどういうふうにする計画があるということはなかなか申し上げにくいのであります。災害対策が、災害を受けるごとにいろいろな点の手直しが行なわれて、農民のために完全な姿に向かって逐次近づいてきておることは事実でございます。今後とも、災害の経験等から現在の制度で十分でないという点がいろいろ痛感をされました場合には、いろいろな金融の基準の改正をするとか、あるいは場合によっては大きな法律改正という事態も将来の研究問題としてはあろうかと思います。
○中川(一)委員 規模の小さいものは地方でめんどうを見るのがたてまえだから、大きいものに限って国がやっておるのだ、簡単にいえばそういう趣旨であろうと思います。なるほど、そういうことがいえると思いますけれども、実際は、やはり国が規模は小さくてもこれを裏づけするのだ。たとえば天災融資法における利子補給のような場合も、国が義務づけることによって、何らか補償することによって、道なり地方が意気込んでやるというか、相呼応してやるようなかっこうになるわけでありまして、国がめんどうみないと、ややもすると地方でもめんどうみない場合が多いわけでありますから、できるならばひとつ農林省において、いかに小さい災害であっても、激甚な災害をこうむった農家に対してはめんどうみてやるということを、これを機会に根本的に検討していただきたいと思うわけでございます。 次に、今度の災害に天災融資法が適用になるかならぬか、私はなるものなりと思っておりますのは、異常低温による凶作、それから、この間の二十四号台風災害というものを合わせればかなりのものになると思うわけでございまして、この点について農林省は、前の冷害と今度の二十四号台風とは別々に考えるものなりと考えておるか、合わせて考えるべきものだというふうに考えておられるか、その辺のところを、現段階においての考え方を承っておきたいと思います。
○大口説明員 災害に対する天災融資法発動の従来の基本的な考え方は、やはり一つの災害ごとに発動すべきか、いなかを検討するというのが基本的な原則でございます。また発動いたします場合には一定の基準を設けまして、農作物の場合は、統計調査部における被害状況の調査の結果、一定の規模を越した場合には発動するということになっておることは御案内のとおりでございます。ただ、ある災害が起きまして、その災害に対する被害の調査を実施いたしておりまする途中で、つまり終了しない段階で、同じ地域が再び災害を受けた、したがって、その受けました被害が、はたして前の災害の被害なりやあとの災害の被害なりやが技術的に分離不可能だというような事態が、ことに今年のような場合には間々あるわけであります。そういうような場合には、先ほど申しましたような基本的なルールにかかわらず、二つ以上の災害を合わせて基準に該当するかどうかを検討し、それによって天災融資法の発動という措置を講じた例がございます。ただいま御指摘の台風二十三号及び二十四号等は日にちも非常にくっついておりますし、内地におきまする被害県も相当程度ダブっておりまして、現に被害の調査等が分離不可能だということになっておる事態があることはあるのでありまして、これらについては、おそらく両方の被害を区別しない形で天災融資法の発動という問題を検討するのが適当ではなかろうかというふうに現在のところでは考えております。ただ、いま御指摘になりました冷害の問題は、冷害とその後に起きました諸台風との被害の調査が技術的に分離不可能かどうかという問題につきましては、先ほどの、同じ地域が二度台風に続けていかれたという場合ほどはその分離がむずかしくないという事態もあるいはあろうかと思いますが、まだ政府部内におきましても、はっきり別にするとか一緒にするとかいう結論が出ておる問題でもございませんので、基本的な考え方だけお答えをさせていただきたいと思います。
○中川(一)委員 分離すれば分離できますし、分離できない理屈も出てくるだろうと思いますが、ぜひともひとつ分離しないでやっていただきたいというふうにこれは要望いたしておきます。 次に、ことしの二十三号、四号台風で問題になりましたのが、内水排除対策がおくれておることによる浸水の被害であります。特に北海道の場合、原始河川が多うございまして、最近ようやく築堤ができてきた。築堤ができたことは非常にありがたいのだけれども、内水が築堤によって阻止されて、かえって被害が大きいという場合があちらこちらに発生してまいりました。この点について、農林省は実態をどう把握し、これにどう対処しようとされておるか、この点をこの機会に承っておきたいと考えます。
○佐々木説明員 お答えいたします。 大きな川の沿岸にございます低い地域の排水の問題、特にこれが農地である場合に、農林省では、すでに御承知のように、土地改良事業の中の排水改良事業で、排水路なりあるいはポンプなり、そういうものを据えまして、これはもう相当前から内水の排除を進めてきておるわけでございます。ただ、いまお話しのように、北海道のような原始河川でございまして、河川の改修が非常に進んでいないというような場合には、どうしても河川工事が先行いたしませんと、こういう地域の排水は非常に困難であります。しかし、また一方、河川のほうでも、大きな川の堤防を築きまして洪水を処理すると同時に、その支川あるいは中小河川、そういう改修を並行して進めていって、さらにその場合にも、河川の側でも内水排除の方法をとりながら進めてきております。今回の災害なんかで非常にあの地域に大きな湛水を起こしたというのは、やはり原因は、千歳川をはじめああいう大きな川の改修の進度が非常におくれておるということ、そういうものが先行しなければ根本的には内水排除というものはなかなかむずかしい、そこが一番の問題であります。たまたま、御承知でしょうけれども、あの場合、二、三年前でございましたが、計画ができまして、目下仕事をやったておる最中にああいう災害、もしこれがあと何年かあとにくるならば、これはほとんど災害はなかったはずだ、私どもはそういうふうに判断しております。
○中川(一)委員 長沼の場合もそうでありますけれども、たとえば北見の網走川でありますか、あすこの護岸をやって、ようやく護岸ができたと思ったら、内水排除のポンプができておらない。そのためにかえって堤防がない場合よりも大きな被害をこうむったという例もございます。御承知のように、十勝川沿線はすべてそうである。築堤はできたけれども、内水排除の対策ができておらない。そのために大きな被害をこうむって、堤防をこわしてくれという声が非常に強い。これは農林省と建設省のなわ張り争いであって、建設省は農林省がやれという、農林省は建設省がやってくれるものなり、河川は建設省がやるわけですからね。そういう仕事の区分けができておらないということは、農林省と建設省との打ち合わせが十分できておらないというところに大きな根本的な原因があると私は思っておるのですが、参事官はどういうふうにお考えですか。
○佐々木説明員 この問題は、実は御承知のように、北海道では農林省は直轄明渠、直轄明渠というのは河川と実体は同じでございまして、結局直轄明渠を農林省がやるのと建設省が河川改修工事を進めていくのとは、方々でなわ張りを争ってやっておるというものじゃございませんで、実態は、両省が幾らやってもまだまだなかなか進まないという事情がほんとうだろうと思うのであります。それで、いま堤防ができたために内水の排除がむずかしくなったというのは、つまり、洪水を処理するための堤防でございますので、その水の高い期間だけは確かに出ませんけれども、その堤防がなかったら、さらにそこら辺がはんらんするわけでございまして、もっとひどくなる。堤防があったために確かに内水排除はむずかしくなっておりますが、もしその堤防がないとするならば、そのはんらんによって湛水の時間なり深さなりというものはさらに激しくなっておったのではないか、こういうふうに考えるわけであります。
○中川(一)委員 それは佐々木さんにしてはちょっと認識不足だと思うのです。と申し上げるのは、堤防がなくてはんらんしたときには三日間の浸水しかなかった。ところが、堤防ができると排除がおくれるために、川の水の水位が下がっても内水のほうの水位は下がらない。一週間も十日も排除しない例が幾らでもあるわけです。ですから、堤防をつくるときには、内水排除に対する考慮というものも当然考えていかなきゃいけない。本来ならば、河川の計画の中に含めなければならない。ところが、河川のほうでやらないで、これは農業がやるであろうということで農業にまかせてあるわけです。ところが、農業のほうはそこまで手が及ばぬということで、農業もやらない、河川もやらない。堤防はつくって感謝はされたのだけれども、実態は被害が大きいという例が十勝川でもありますし、網走川でも幾らでもあるのです。これをどう処理されるか、これは大きな問題になっております。地元でも、これは建設省に頼んだほうがいいとか、いや農林省に頼んだほうがいいとか、まあこの二つしかないわけですが、農林省に頼むのが一番いいんだけれども、農林省に頼むと、さあ調査費だ、実施設計費だといって、実際にポンプが上がるのは十年ぐらい先であろう。いままでの土地改良の例からいくと大体そうだ。河川にお願いしたいんだけれども、河川はまだ先の築堤をやらなきゃいかぬといって、これまた数年かかる。一番困っておるのは農民なんです。 そこで私がお願いしたいのは、これを機会にぜひ農林省でやっていただきたい。そして、あのしちめんどうくさい調査計画という、アメリカのだれかが置いていったあのルールをまねごとしないで、こういう災害に対しては、ポンプをつければいいだけのことなんですから、もう即着工に結びつく緊急対策を講じてもらいたい。そういうことはできないはずはないのですが、いかがですか。
○佐々木説明員 いまの御指摘の、調査計画にたいへん時間を要しまして仕事に手をつけるのに時間がかかる、これはある程度われわれもそのように考えております。それでもだいぶん改善されてきておりまして、最近はかなりスピードを上げてきております。そういう点、調査計画の段階であまりひまどらないように——ただああいう方式をとっておりますのは、何せ非常に多額の金をつぎ込む土木工事でございますので、調査計画をもし間違いますと禍根を永久に残すということで、あくまでこれは入念にやらなきやならないという原則は守っていかなければならない。それからもう一点、私どもは河川側のことをあまり申し上げるつもりはございませけれども、北海道の石狩川でも十勝川でも大きな堤防をつくっておりますが、ああいう堤防ができましたために、石狩川や十勝川やあの辺の大平野のはんらんが非常に低減されておるという事実は、これは認めていかなきゃならぬ。さらに今後の問題として、その支川、派川の小さな川の改修なりポンプをつけていくことなり、そういうものを進めていく、まず、そのもととなる幹をしっかりさせておかないと、あとのことが進まない、こういうことで、ああいうふうに排水あるいは洪水処理対策というものが進められているもの、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中川(一)委員 その点はこの程度にいたして、こういう問題で非常に困っておるという実態を御認識いただき、ひとつ御検討いただきたいと思います。 時間もありませんので、以上はなはだ簡単な質問に終りましたが、現状は、二年引き続いての非常な災害で困っておる、いろいろ、やっていただけばやっていただけるあたたかい措置というものがある。たとえば、早場米の取り扱いだとか、あるいは共済金の早期支払いであるとか、あるいは償還金の繰り延べであるとか、いろいろ手があろうと存じますので、早急に現地について御調査を願って、あたたかい策を講じ、ことしの冬に、いま検討中であります、調査中でありますということのないように、今回の災害に対しては農林省はずいぶん早くあたたかい措置を講じてくれたといわれるように、ぜひとも早急な理解ある措置を要望いたしまして、私の質問を終わります。
○舘林委員長代理 芳賀貢委員。
○芳賀委員 北海道、東北の低温障害による冷害の様態については、同僚の栗林委員から相当具体的な発言があったわけでございますが、この際、問題を北海道の地域に限定して、具体的な数点に対してお尋ねしたいと思うわけです。 先ほど統計調査部のほうからの九月十日現在の作況概況の中に、作況指数は北海道は九四%になっているが、結局平年作の一〇〇%に比べるとマイナス六%ということになっておるわけです。この中に、特に統計調査部でいいますと北見統計調査事務所の関係、これが行政単位でいくと網走支庁管内ということになるわけです。この面積がおおよそ一万町歩、それから次に札幌統計調査事務所の関係で、上川支庁管内のうちの北部上川といわれておる二市八カ町村、この地域の水稲面積がおおよそ二万町歩であります。その他、地域的に関連して低温障害を受けておる水稲地帯はそのほかにもあるわけでございますが、重点的に指摘できる地域ということになると、網走支庁管内並びに上川支庁管内の北部二市八カ町村、すなわち士別市、名寄市、和寒町、剣渕町、朝日町、風連町、下川町、美深町、中川町、音威子府村の区域が中心になるわけです。ですから、作況指数あるいは作況概況を出される場合には、そうした減収調査の結果生じた被害の実態というものが、抽象的でなくて具体的にわかるわけですね。したがいまして、北見統計調査事務所並びに札幌統計調査事務所、その他函館、帯広等、北海道には四つの統計調査事務所があるわけでして、この各事務所ごとに調査が行なわれて、それを合併して北海道の指数幾らということになるわけです。これは、もう十年も以前は北海道一本にしてあったわけですが、広大な北海道の地域の中で、特に統計調査事務所が四つ設けられておるではないか、それにもかかわらず、北海道だけを統一してやるのは不当であるということで、北海道については必ず統計調査事務所単位に内訳を付するということで、自来そういう扱いをやっておることは担当者も御承知のとおりであります。そこで、十月一日現在にさらに詳しい調査が行なわれるわけでありますが、九月十日現在の時点において、私が指摘した両地域における水稲の減収調査の結果というものはおおよそどうなっておるか、その点を明らかにしておいていただきたい。
○青木説明員 お答えいたします。 われわれの組織といたしまして、北海道を四つの事務所に分けて調査いたしておりますが、それぞれに九月十日現在で作況指数はどれくらいであるかということを中間的に報告を求めたわけでございます。それによりますと、札幌は九六%、北見が三五%、函館が九八%、帯広が九三%、こういうことになっております。
○芳賀委員 これを平均して、北海道は九四%ということになるわけですね。
○青木説明員 そうでございます。
○芳賀委員 そうすると、北見統計調査事務所管内というのは、これは私が言った網走支庁管内あるいは宗谷支庁管内のオホーツク海に面する市町村が入っておるわけですね。この地域には水稲が全然ないわけです。したがって、網走支庁管内が水稲の耕作をしておるということになるわけで、九月十日の時点で調査された指数によっても三五%ということになると、これは無作為にすれば三分五厘作ですね。平年作に比べると六割五分の減収ということになるわけですから、これは相当甚大な被害だったということがいえると思うのです。最近の様相は特に状態が悪くなった。低温障害だからそういうことになるわけですね。稔実と不稔実の関係が、開花期の済んだ直後あたりはわからぬわけだけれども、刈り取り前になると明確になるわけです。ことしは完全に実の入ったのと入らないのとに区分ができるわけですし、特にわせ系の水稲品種が大きな被害を受けておるわけですから、そういう品種については鶏に食わせるしいなはないわけですね。わせ糸の稲の場合、整粒かしからずんば全くの不稔実ということになるわけですから、そういう稲の状態というものは、刈り取りの直前には非常に見ずらくなるということになるわけです。したがって、十月一日の時点の減収調査の場合は、これよりも作況はさらに下回るのではないかというふうにわれわれは心配しておるわけです。これが指数三〇ということになれば極度な凶作ということになるわけですからね。特に北見統計調査事務所管内における水稲の冷害の様相というものは、昨年の状態よりもまだ程度がひどい面積が一万町歩程度ですから、北海道の二十二万町歩から見れば、総平均する場合には直ちに北海道全体の指数には響かぬということになっておるが、この点の認識は、統計調査部はそういうことを言っておるが、一体、災害担当の官房長としてはわかっておるのですか。
○大口説明員 北海道全体の中で冷害現象が著しい地域の面積は、先ほど申し上げたようにつかんでおるわけでありまして、この面積自体が北海道全体としては確かに一部であることは知っておりまするけれども、その地帯における稲の生育状況がきわめて悪いという状況は、私も報告を受けて承知をいたしております。
○芳賀委員 御存じであれば、それでは札幌統計調査事務所管内の上川支庁管内で、そのうちの三分の一の区域の北上川といわれる地区ですね。これは先ほども申したように二市八カ町村、この地帯はどういうように把握しておるのですか。
○大口説明員 いま御指摘の上川の北部の水稲につきましては、約二万町歩の水田のうち、一万町歩余りの水田について冷害現象が出ておるということを承知いたしております。
○芳賀委員 それでは二万町歩のうち一万町歩を区分した場合に、その一万町歩は、いま統計調査部で網走管内の作況を言われたような、そういう状態であるということを認識されておるわけですね。
○大口説明員 面積がどれくらいであるかということとか、作況のこまかい指数なり、具体的な実態そのものの詳細まで承知をしているということを申し上げますと、あるいは若干うそになるかと思います。ただ、北海道において被害が最もひどい地域が先ほどの北見地区とそれから上川の北部である、その面積は大体どの程度であるかということ、それからその地帯における現在の稲の生育の状況の悪いのがどういう状況であるかということの概括につきましては、報告を受けておりますので承知をいたしております。
○芳賀委員 ですから、上川支庁管内の約六万町歩のうちの三分の一の二万町歩が被害地域ということになるわけですが、官房長は、特に二万町歩のうちの一万町歩が冷害現象を受けたということを言われておるわけですから、その二万町歩に区分して、半分がそうだということになれば、その被害を受けた、官房長の表現によると冷害現象を受けたという一万町歩は、作況の状態、いわゆる減収率というものはどういうことになっておるか、わかっておれば……。わからなければいいのですよ。無理に言えというのではないですから。
○大口説明員 私の現在までに承知いたしておりましたのは、九月の十日現在の作柄で、北海道全体としてはいまの九四%であり、特に被害がひどいところがその二カ所であるということで、具体的にその二カ所において作況指数その他詳細にどの程度であるかというこまかい問題については、まだ十分勉強いたしておりませんので、これから十分勉強いたします。
○芳賀委員 それでは統計調査部のほうで、札幌統計調査事務所管内の北部上川地域におけるその状態は、どの程度の報告を受けておりますか。
○青木説明員 上川地区の被害は相当ひどいという報告は受けておりますが、九月十日現在の調査では、いろいろな情報と部分的な調査、そういうものから中間的な報告を求めたものでございまして、はっきりしたこまかい数字はまいっておりませんので申し上げられません。正確な調査は、十月一日、穂の数を勘定し、粒の数を勘定し、稔、不稔を勘定して推計するということになっておりますので、われわれとしてはそれを待ちたいと思っております。
○芳賀委員 北部上川地区の——個人的なことを言うと問題があるかもしれませんが、実は私の地元ですから、皆さんよりは私のほうがよくわかっておるわけです。大体二万町歩について、行政的に見ると市が二つと町村の数が八つあるわけです。各市町村別に被害調査の結果を集計したものによると、これはまだ正確な度合いというものは私も確信を持ってこれだと言うことはできませんが、九月二十日現在の時点では、統計調査部の行なういわゆる指数でいくと、大体六〇%台の指数、はっきり六〇%ということは断定できないが、あるいは六〇%になるか六三%になるか、それはむしろ十月一日の政府機関の調査の結果を待ったほうが正確になるわけですが、大体被害の判断としてはそういうような状態になっているのでありまして、特にこの地域は、旭川市に札幌統計調査事務所の、あれは何といいますか、数出張所を管轄しております係官が旭川にいますね。各出張所があるでしょう、統計調査部のその幾つかの出張所を総括して、あなたのほうの本庁並びに札幌事務所との連絡をとるとか、その所管しておる数個の統計調査出張所の調査を取りまとめるとか、指導を行なう担当官が旭川にいるんですよ。それはわからぬですか。
○青木説明員 試験地でございますか。
○芳賀委員 試験地じゃないですよ。旭川統計調査事務所出張所の中に特別に担当官がいるわけです。あなた方が現地に行けば、担当官が自分の受け持ち区域の統計調査事務所出張所の概況とか内容を報告する、そういう人物がおるんですよ。
○青木説明員 いまのお話は、われわれのほうで設置いたしております地区調整官というものがあるわけでございます。 上川北部の冷害でございますが、これは実は私の課の者も二回にわたって参っております。まだ八月上旬でございましたが、七月の低温があれだけ来たものでございますから、どんな状況かということを見にやりまして、一回回りました。その後もまた人をやっておりまして、現地の調査は万全を期しているつもりでございます。
○芳賀委員 そこで、現地の調査について、すでに台風二十四号の被害調査については衆議院の災害対策特別委員会から三個班の調査団を編成して、そのうちの一個班は北海道の二十四号台風による被害の中心地帯を調査して本日帰られておるわけです。冷害の関係については、これは当然農林省が所管する災害ということになるわけですが、いまだに中央においてもその事情が判明しておらない。したがって、現地調査等も行なっていないことは政務次官も御承知のとおりであります。しかし、ことしは春以来、天明以来の冷害の年である、百八十年ぶりの冷害が来るであろうという予測の上に立って、特に農林省においても異例の措置として冷害対策本部というものを設けて、これに備えて最大の努力をされてきたことは認めておるわけです。しかし最終段階において、北海道あるいは東北の地域に低温障害による被害が生じたということについては何らもう関心を示しておらぬということは、まことに遺憾なんですね。九月十日現在の作況概況というものは大体やや平年並みということで安心して、地域的な予想された低温障害に対して関心を払っていないということは、まことにけしからぬ態度だと思うのです。これは被害の総額の大小にかかわらず、その地域の農民の気持ちというものを考えた場合においては、やはり相当温情のある態度で臨んでもらいたいと思うわけです。 昨年のことをひとつ振り返ってみてもらいたいのです。昨年は北海道においても被害規模が六百億をこしたわけですから、これは甚大な被害ですね。去年の農林省の態度というものは、まず赤城農林大臣が非常な熱意をもって北海道の現地調査にも行かれた。これは大臣ですから簡単に行って帰ってきたようなことになるが、しかし、農林大臣が現地調査に来たということだけで、関係者に対する気持ちというものは相当違うわけです。それと同時に、並行して、いま委員長席におられる舘林政務次官が先頭になって、そうして時の中西官房長、それから食糧庁あるいは経済局、農地局等の責任の持てる担当官の一行が北海道に急遽おもむいて、そうしてつぶさに現地の被害状態というものを調査して——見て帰っただけではないのです、現地の被害実態というものを十分調査した上に立って、これに対する適切な対策というものをどうするかということを、可能なものについては現地において、農林省の出先機関あるいは開発局等に対して適切な指示、指導を行ない、あるいは中央の農林省あるいは政府の責任で処理するものについては、これこれの問題については直ちに実行しますとか、あるいは制度の改正をしなければならない天災融資法の改正であるとか、激甚法の改正であるとか、こういう問題については、必ず臨時国会あるいは通常国会を通じて法律の改正を行なって適切な災害対策を講じますということを、現地で政府の責任で明らかにして、そうして順調な災害対策というものが進んだことは、これは仮谷さんも御存じのとおりであります。ですから、同じ農林省の去年とことしの態度というものをわれわれが見ておると、災害の度合いが違うということでおられるかもしらぬが、しかし、地域に生じた被害に対する認識とか態度というものについては非常に違うのじゃないかと思うわけなのです。そういうことで、ぜひ現地の実情を調査すべきである。行かなくともわかっておるというなら、それでいいですよ。しかし、私が官房長に聞いても何にもわかっていないのですから、行かなくてわかっておらぬということになれば、みずから出向いて現地を見なければ、これはわからぬということに当然なるわけです。したがって、この際、十月五日から臨時国会の召集にはなりますが、農林省として直ちに方針を定めて、現地の実態調査を行なう。少なくとも、農林大臣が出かけることがやむを得ずできないとすれば、積極的な仮谷政務次官が先頭に立って、そうして大口官房長も行くべきだと思うのです。農林省きってのスタイリストといわれておるあなたは、現地の被害調査なんかには向かないかもしれぬが、官房長となって農林省の災害担当の責任者であるということになれば、どろくさいといってもこれは行かなければならないのじゃないかと思うわけですが、その点はどうですか。
○仮谷説明員 北海道の調査がおくれておりましてまことに申しわけありません。実は決して軽く見たわけではございませんけれども、大体全体の作況が九四%といった報告もあったわけでありまして、二十三、二十四号台風が御承知のように内地に非常に強い災害を与えたものですから、その方面に実は手をとられたと申しますか、いささか手不足であったということが今日おくれておる大きな原因ではないかと思います。決して故意とかなんとかであったわけではございません。実は、私も四国の調査団の団長として昨日帰ったばかりでございまして、そういうふうな状態で、たいへんおくれておることは申しわけありませんが、直ちに相談をいたしまして責任のある調査団を派遣する、こういうことにいたしたいと存じます。
○芳賀委員 それでは仮谷政務次官のただいまの御言明を信用して、直ちに実行に移してもらいたいと思うわけです。 それから中川委員も、いかにも被害額が少ないような心配をしておったが、これは被害が少ないに越したことはない。しかし、網走支庁官内で一万町歩の水田が、統計調査事務所の調査によっても、九月十日現在で作況指数三五であるということになると、たとえば平年反収がかりに六俵としても、被害額は四俵ということに当然なるわけですね。そうすると、一俵六千円のことしの米価にすれば、反当二万五千円程度の損害額ということに当然なる。六俵を平年反収とした場合、一万町歩ということになると、網走支庁管内だけの水稲の低温障害による被害が二十五億円ということになるのです。それから上川北部の二万町歩が、これが指数六〇%ということにしても、少なくとも反当二俵半程度の被害があるということになるわけです。そうすれば一反歩で一万五千円でしょう。二万町歩で三十億円。これを簡単に——簡単にと言っては語弊がありますけれども、この両地域を合わしただけでも優に五十億円以上の、水稲だけに限定された冷害の被害が生じておるということになるわけですから、この集中的な被害を受けた地域の生産農民の影響というものは甚大なものですね。去年その最大な被害を受けて、ことしまた反復して冷害を受けたということになると、これは経済的には救いがたいものがあるというふうにわれわれは心配しておるわけですから、こういう面については、天災融資法の発動をされるかされぬか心配だなんという問題じゃないですよ。こういうところは激甚指定はあるいは無理かもしれぬが、しかし、早期に被害実態が明らかになった場合には、台風によって全国的に生じた農作被害等についても激甚指定あるいは天災融資法等の指定を行なうわけでございますから、北海道あるいは東北の一部についても、これは天災融資法の指定地域として当然であるという農林省の確認が行なわれた場合においては、すみやかにこれは指定を行なう必要があると思うのです。何も指定のお墨つきをだれも好んでもらいたくはないが、そういう指定とか認定を受けることによって、来年のたとえば営農資金の確保、いわゆる再生産を続けるという問題であるとか、去年の激甚災による資金等については、ことしまた従来の政府資金とか、あるいは制度資金等については返済を要するような当面した問題も出てくるわけですから、そういうものを総合的に天災融資法の指定地域とすることによって、十分な施策は講ぜられるというふうにわれわれは考えておるわけですが、そういう点について、指定するかしないかという問題でなくて、実態調査をすれば当然こういうことになるわけですから、あらかじめそれに対する用意というものをされて、そうして現地におもむいてもらいたいと思うわけです。特にこの統計調査部のほうの関係は、出先もおることですが、問題は、やはりこの地域は当然共済制度の対象になるわけですから、この問題もことしは非常に複雑なわけです。農林省が奨励したわせ系の品種がちょうど低温障害を受けておるわけです。大体七月の二十日から八月の四日くらいまでの間に総体に低温障害を受けるという北海道の温度は、これは大体十四度というのが限界になっておるわけですが、十四度以下の日が大体七月の二十一日から、八月の四日ごろまで続いておるわけです。その間に、特に十度以下という日が前後五日間ぐらいきておるわけでして、この期間に出穂の一番早いわせ系の品種が、幼穂の形成期とか出穂期あるいは開花期にちょうどぶつかってしまって大きな障害を受けたということになるわけです。その時期をはずれた中生の品種等については、稔実割合は比較的いいわけです。特にことしは、昨晩電話で聞きましても、強度の霜がまだおりていないわけです。去年は九月二十七日と二十八日、連続零度以下の強霜が見舞ったわけですから、これは官房長の言うように全く冷凍してしまったわけですが、ことしはまだそこまできていないから、今後霜がいつ降るかということで、中生種等についてはまだ望みが持てるわけです。したがって、たとえば農家一軒一軒を調べても、三町歩の水田の耕作をしている場合に、三分の一がわせ系であるという場合には、一番早い稲が二分作、三分作というような状態になっておって、それ以外の中生種は、あるいは五分とか七分ということになっておるわけでありまして、去年のように遅延型の冷害がないから、言ってみれば総体に何分作ということにはなかなかならぬわけです。一軒の耕作面積の中における品種の違いによって冷害を受けた度合いが非常に違うわけですから、こういう点は、統計調査部で減収調査をやる場合も、あるいは共済組合の損害評価をやる場合にも、相当綿密に農林省がその調査方法等に対して指導を加えてやらないと、その結果に大きな食い違いとか、そごが生ずるということを非常にわれわれとしては心配しておるわけですから、こういう点については、調査団が現地に行かれる事前に、現地の出先機関等に十分な連絡とか指示を与えて、受け入れ態勢を十分整えておく必要があるのじゃないかと考えますが、この点はすでにやられておるか。やられていなければ、これからやるならやるということで進めてもらいたいと思うわけですが、いかがですか。
○大口説明員 ここには農政局も統計調査部も参っておりますので、ただいま先生御指摘のような点は十分に準備を整えたいと思っております。
○芳賀委員 なお、これに付随いたしまして、昨年の場合は、舘林政務次官はじめ現地でいろいろと把握されて、たとえば、政府の買い入れ米等については、先ほど同僚の栗林委員が言われたような、災害を受けたけれども、政府に売り渡す余裕がある農家の——これは当然あるわけですからして、そういう場合の時期別の、たとえば適切な延期の問題であるとか、あるいは政府が当初きめた政府買い入れ米の等級に該当しないような規格外の米があるというようなことも予想されるわけですからして、そういう場合には、昨年の前例にならって、規格外等級の設定等についても、仮谷次官が行かれた場合は十分担当者を督励して、必要ありやいなやということも判断してもらいたいと思うわけです。それからまた、共済金の完全払い等の問題は、これは当然昨年も完全にやってもらったわけですからして不安はないと思いますが、そういう点についても特段の御配慮をいまから希望しておきたいわけですが、いかがですか。
○仮谷説明員 今度の災害調査でも、いろいろそういった面で災害対策本部と相談をいたしたわけでありますが、共済金の概算払いはもちろん措置をいたします。 さらに、等外米ですが、等外上下の規格外買い入れというようなことも、大体そういう方針で進もうということで措置を進めておりますから、そういう点はもちろん御期待に沿えると思います。時期別格差の延長の問題につきましては、先ほど栗林委員にもお話申し上げましたように、今後の社会状況等も十分考慮して考えていきたい、こういうふうに思っております。
○芳賀委員 あと一、二点にとどめておきますが、これは必ずしも災害対策だけという問題ではありません。実は、昨年来問題になっておるわけですが、これは食糧庁長官によく聞いておいてもらいたいと思うわけです。 北海道の買い上げ米については、昭和三十六年までは、政府がおきめになる三等規格については、水分許容量が一六・五%ということになっておったわけです。それが三十七年度から三等規格の水分許容量が一六%ということになったわけでありますが、その直後に、昨年あるいは本年の冷害等が襲ってきたわけであります。これは冷害にも関係があるといえばあるし、最近の北海道の稲作の状態を見ても、比較的収穫時期のおそい品種を選んでおるような傾向が、特に主産地帯の空知、上川の中央部にあるわけです。そうして一方においては、農村の自家労力が非常に枯渇しておるので、北海道の収穫時期の天候の状態等を見て、わずか〇・五%ではありますけれども、水分を一六%までに乾燥させる場合と、一六・五%で三等規格の水分許容量になるという場合で非常に違うわけですね。したがって、経過については長官も十分御存じのとおりでありますからして、ここで一挙にどうするかということを究明する考えはないが、この際、実情というものを十分検討して、そうして一六・五%であっても、輸送上あるいは貯蔵上に、あるいは食味の上においても支障がない、三十六年度まで採用したこの規格で心配がないということが明らかにされる場合においては、ぜひこの際、規格内の等級についても、三等の場合に一六・五%というようなことで設定してもらえば、これは単に農家が損得上で助かるということでなくて、最近は、とにかく北海道が平年作のときには全国一の米の供給地ですから、よほど北海道を大事にしないと、政府としてもますます外米を輸入しなきゃならぬということになるわけですからして、どうしても一六・五では支障があるということになれば、その根拠を次の機会に明らかにしてもらって、そこで論議をすればいいわけですが、この点は、検査課のほうとも十分相談をしてもらって、できれば今年に間に合うような結論を出してもらいたいというふうに考えておるわけですが、長官の御意向はどうですか。
○武田説明員 北海道の米の検査規格は、従来一六・五%のものが一六%水分ということで、東北並みに引き上げられたわけでございますが、北海道が、先生のいまのお話にもございましたように非常な生産地になって、消費地方面に大量の米を供給するというようなことになってまいりまして、北海道産米についてのいろいろ評価等の問題があって、それらに関連して道のほうからのお話もあり、また、われわれのほうの要請もあったと思いますが、いまのような水分の規格になったわけでございます。これにつきまして、いますぐことしの米についてどうこうというわけにはまいらないと思いますが、水分規格の問題等については、もう一度当時の経緯も含めまして検討をすることにやぶさかではございません。けれども、私ども米を管理しております立場からは、できるだけ水分規格等につきましても、少ない、保管、管理上問題のないように、また、流通業者ないし消費者の手に渡りましたときに問題のないものを希望いたしておりまするわけで、いろいろな面から検討させていただきたいというように考えております。
○芳賀委員 次に、これは政務次官あるいは食糧庁長官にお尋ねしますが、今年度の政府買い入れ米について、従前どおり予約減税の措置を講ずる方針であるというふうにわれわれは理解しておるわけですが、この際、この点について当委員会ではまだ明らかにされていない経緯があるわけですから、明確にしてもらいたいと思います。ちょうど米価決定の直前に農林委員会を開いたところが、坂田農林大臣が雲隠れして出てこないのですよ。武田食糧庁長官も現われぬ、仮谷さんも来ないということで、せっかく開いた委員会が空転して終わったわけですね。翌日と思ったけれども、農林大臣は逃げるようにしてアメリカの経済合同会議か何かに行ってしまって、その後この問題を聞くいとまとか、今年の米価の内容等についても詳細な説明は聞かないままに今日に至っておるわけです。十月五日以降は、今度は臨時国会から通常国会に向けて長期に開かれるから、そこでもいいようなものだが、せっかくの機会ですから、四十年産米の政府買い入れについては、従前どおり予約減税を継続するという点について、政務次官から政府を代表して明確にしてもらいたい。
○仮谷説明員 大蔵省と実はまだ詰まってはいませんけれども、その方針で進むということには変わりはございません。
○芳賀委員 それではそれで押してもらいたいと思います。押せばこれは実現するわけですからね。そういうことで、これは仮谷政務次官一任ということで、ぜひ実現をはかってもらいたいと思います。 最後に、これは別の機会にも予定されておるわけですが、昨年の北海道の大冷害の場合も、特に水稲限界地帯あるいは畑作地帯においては、最近酪農の、特に専業化がどんどん進んでおる関係で、そういう地域は冷害あるいは水害等が生じても非常に抵抗力が強くなって、そこに自立的な酪農経営の見通しとか希望が持てるようになったわけでありますが、これとの関係で、今年の通常国会において、いわゆる新乳価法といいますか、加工牛乳に対する交付金法というものが出たわけであります。これは来年の四月一日から主として乳製品の原料に供される加工牛乳について政府が一定の補給金を支払う、いわゆる不足払い制度なるものが実現されるわけですが、これに関連して、新聞によりますと、九月二十九日に農林省は畜産物価格審議会を開いて、この加工牛乳補給金法に当然付随する政省令の内容について説明会を開いたということが出ておるわけです。これは法案審議の場合においても、当然のこととして、法案を政府が提案した場合には、それに必要な、法律の中にこれは政令にゆだねるとか省令にゆだねるとかいう箇所が随所にあるわけです。これは当然法律の審議と同時並行的に政府が政省令の案を提示して、そして内容を明らかにすべきであるということで審議したわけです。その際も、ある程度は政省令の案というものが委員会に出されたわけですが、全部がまだ用意されていなかったわけです。そこで問題は、政令、省令は、これは法律に基づいて行政府にまかしておるわけでして、法律の精神を逸脱してもいいということじゃないのですよ。法律の精神を十分理解して、その上に立って政省令を行政府がつくることをまかしておるわけですが、この国会以外の場所でそういうものをわざわざ説明したり何かするのであれば、法案審議の場合、間に合わなかった政省令については、こちらから要求がなくても、農林省あるいは畜産局長のほうから進んで、政省令の案の内容についてはこういうものが用意されましたというものを提示して、必要な場合には説明を行なうとか、また、委員会としてもその内容等について明らかにするということは当然なことであるというふうに思うわけです。この機会ですから、きょうは畜産局長は来れないということでありましたが、太田参事官が出席するという予定になっておりますので、この際、あわせて加工牛乳補給金法に付随すべき政省令の内容について、委員会に正式に内容を明確にしてもらいたいと思います。そのあとで、適当な機会に閣議においてこれを決定するとか、省令の場合には農林省において大臣がおきめになるということは差しつかえないが、よその審議会なんかにわざわざ持ち出して、一番大事な、法律の生みの親である当委員会を軽視するなんていうことは、これは断じて許せぬことですからして、ぜひこの際、これは災害対策じゃないが、関係があるわけですからして、提出を願いたい。
○大口説明員 私も、実はただいまお尋ねの審議会において説明したという経緯の詳細についてはちょっと承知をいたしておりませんので、いま畜産局の太田参事官が間もなくこちらへ参りますから、参事官に説明をいたさせたいと思います。
○芳賀委員 それでは参事官が出席した場合、その点だけを明らかにしてもらうということにして、一応低温障害による冷害対策の問題については、先ほどの仮谷政務次官あるいは各説明員の答弁を期待して、十分実のある仕事をやっていただくということにして、次の委員会等においては現地の調査の結果とか、講ずべき施策の内容等について明らかにしていただいて、われわれ委員会としても十分御協力を申し上げて、そうして対策を進めていきたいと思うわけであります。
○舘林委員長代理 安井吉典君。
○安井委員 北海道、東北の冷害対策につきまして、先ほど来の質問があり、大体問題点は出てしまったように思いますし、さらにまた、政府側の調査も現段階では十分ではないようでございますので、もう少し先の段階でひとついろいろ質問をすることにいたしまして、きょうは時間がだいぶ過ぎておりますので、ほんのわずかの時間、先ほど来の質問の補助的な意味でお尋ねをいたしたいと思います。 私もこの数日、北海道全道ではありませんけれども、上川の北部地帯その他につきまして現地を歩いてみて、思った以上の冷害の深刻さに驚いたわけです。手当たり次第に持ってきた稲のサンプルもそちらのほうにありますから、ひとつごらんになっていただきたいと思いますけれども、地域によっては、昨年に劣らないような、そういう深刻な状態があるということだけをはっきりと申し上げておきたいと思います。 先ほどの質問にも関連するわけでありますけれども、ことしの春、政府は、天明以来の飢謹だというふうな声の中から、かつてない決意をもって冷害対策についての組織をおつくりになり、坂田農林大臣も、就任第一声、まず冷害対策を徹底的にやるんだ、こういうふうな御発言があったように記憶をいたします。そこでちょっとお尋ねいたしますけれども、政府の冷害対策本部でしたか、そういうような組織ができていたと思いますが、政務次官にお聞きいたしますけれども、どういうふうな仕組みになっておりますか。
○仮谷説明員 これは総理府に災害対策本部ができまして、各省の関係者で組織しているわけですが、今度例の二十三号、二十四号が来たものですから、もう一緒に災害対策を行なって、それで進めております。
○安井委員 そうすると、冷害対策本部という機構ができた、それが私はなくなったというふうな発表を聞いたことがないのですが、どうなんですか。
○仮谷説明員 ちょっと誤解しておりました。農林省の中にも冷害対策、災害対策ができております。
○安井委員 この組織、機構はどういうふうになっておりますか。
○大口説明員 当初、冷害の予想が非常に濃くなりましたときに、農林省の中に災害対策本部を設けまして、本部長には事務次官がなり、関係の各局の職員をもって構成をいたしております。その後、同対策本部は、その後の台風その他の被害の対策もあわせて現在やっておりまして、機構はまだ存続をいたしており、活動をしております。
○安井委員 そこで、先ほどの芳賀委員の質問とつながるわけでありますけれども、そういうふうながっちりした組織は、実は昨年はなかったわけであります。ことしは、もう春先からそういうような機構ができていながら、実のところは、いままで全然活動されていなかった。北海道の地域的な冷害というふうな実態はわかっているということは、先ほども御説明があったわけです。だとすれば、そういうりっぱな組織がすぐさまぱっと出ていって活動する、こういうような仕組みであって、初めてあの春先の決意が生きてくるわけでありますけれども、どうもまだそういうふうな動きに今日までなっていなかった。特に二十三号や二十四号の台風が新たにあらわれてきたという事態はよくわかりますけれども、春先のあの決意がどこへ行ったか、こういう点については、現地の冷害を受けて苦しんでいる農民からすれば、あれはかけ声だけで終わったのか、きょうは坂田農林大臣おられないけれども、あの就任の決意の第一声は、冷害凶作対策であったわけです。それが少しも活動されていないという事実については、私もたいへん遺憾に思うわけであります。先ほどの御答弁でも、現地の実態調査等を早急に進めるという御発言がありましたけれども、どうですか、いつごろからどうするというふうなお考えを、きょうお聞かせ願えますか。
○仮谷説明員 災害対策本部ですが、実は相当活動したと私どもは思っております。まあ、その活動の結果が今日あれだけに食いとめたのじゃないかと思っておりますが、ただ九月に入りましてから、一応天候も非常に順調にいった面もございまして、どうも安心したというか、いま言ったような盲点も出たのじゃないかと思いますから、御了解いただきたいと思います。 調査は、きょうすぐ話をしまして、一両日中に決定したい、こういうふうに思っております。
○安井委員 いままでの活動されてきたという経過はよくわかりますが、その結果がどうなったのかというのを調査していただくのがいまの段階ではないかと思いますので、そういう意味で申し上げたわけです。いまの御発言で、一両日中ということでございますが、ひとつ、そういうことでお運びをいただきたいと思います。 ことしの冷害凶作の実態は、昨年は、ずっと引き続いての豊作であったものですから、若干気を許して晩生あるいは中生の晩といったようなのに作付が片寄った傾向があったわけであります。たとえば、昨年一躍有名になりましたユーカラ、こういうふうなのがずいぶんふえたわけでありますが、ことしは、いまの農林省の指導方針もあずかって中、晩生、特に晩生はおそろしい勢いで減っているわけです。ユーカラなどというものは上川の北部、北見はもちろんのこと、そういう地帯に行きますと、見ようたってありません。そういうふうな形で作付が行なわれたのにもかかわらず、春先の悪天候による生育遅延、その上に七月の下旬における低温、八月の上旬における低温等で障害を受けた、こういうことであります。だからことしの特徴は、たとえば農林一五号だとか二五号だとか、岩系一五号、北海一一二号あるいはフクユキ等の、比較的おくれても実るはずの稲が障害を受けて不稔が多くできた、こういうような実態のようです。つまり、わせに移行したのはよかったわけだが、ちょうどわせの穂ばらみ期に、あるいは八月の場合には開花期に低温にぶつかってしまった、実に運が悪くなってしまったわけです。昨年はまだ改良普及所その他の指導に従わないで、おそい稲を植えたために悪かった、こういう実態があったわけでありますけれども、ことしはそうでないわけです。全く指導のとおりやった。ところが運悪くそのときに低温がきた、こういうようなことであります。それだけに、現地を歩いてみますと、農民のほうからは、去年と違って、われわれは役所の言うとおりやったのだ、それで、この冷害なんだ、一体どうしてくれるのだ、こういうような悲痛な声も実は出ているわけであります。したがって、ことしは非常に個人差が多い。地域差が多い。ほんのわずかの差でその低温障害を生育期の置き方によってのがれた地域は、これはけっこう実が入っておりますけれども、不幸にしてぶつかったところはものすごい被害になっている。あぜ一本隔てたところでも違うわけです。地域でも違う。それから個人差が多い。こういう実態は、統計調査の数字だけではことしはもうつかみ切れないものがあると思うのです。統計数字というものは平均で出てくるわけですけれども、そうではなくて、そういう具体的な差というものが非常に大きいという実態、これはやはり今後の対策を立てる場合に、現地について見てもらわなければわからない点です。そういうような意味でも、ぜひ調査を確実におやりをいただきたいということをひとつ申し上げておくわけです。ですから、北見やあるいはまた上川地方の北部、もちろんこの地帯が中心でありますけれども、同じ上川管内の中央部だとか、あるいは富良野線といわれている南部地域、こういうような地域は、全体的には平年作に近いような作柄でありますけれども、ところが、その地域でも山沿い地域にいきますと、これはもうひどいわけです。特に上川町だと愛別町だとか、大雪山の山ろく地域になりますと、その被害が大きいようであります。ですから、そういうふうな地域差、個人差、そういうふうなものが大きいという実態だけはしっかり把握していただいて、それによる対策をぜひ立てていただかなくてはならないと思います。 昨年の災害対策の結果がありますから、ことしも災害対策、冷害対策についてのコースというものは一応できているわけです。昨年も激甚災害の指定であるとか、天災融資法の指定、救農土木事業の実施、農業共済金の早期支払い、あるいは時期別格差の期日の延長、青米混入の規格外の等級の設定、予約概算金の延納措置、冷害による特別交付金の措置、その他一応のコースはもうすっかりできているわけです。そのうち、どれを取り上げ、どれをどういうふうな適用をするかという問題だけが残っていると思うわけでありますので、一応それらの対策を昨年の結果から考えて、できるだけ早目に出していただく、発表していただく、これがことしの場合の大事な点ではないかと思います。そういう点につきましては、調査が終われば、その結果においてすみやかに措置されるものだと考えますが、どうですか。
○仮谷説明員 ほかの地域からもそういうふうな強い希望があるわけであります。御趣旨に沿うように努力いたします。
○安井委員 そこで最後に、一つだけ、これは新しい問題としてちょっと伺っておきたいのでありますが、ことしの冷害の特徴は、連続災害ということです。去年ひどくて、ことし災害がきた。したがって、収獲のきわめて悪い農家の苦しさというものは、昨年の苦しさの上にかぶさったという点でも、たいへんな事態であります。そういう点についても先ほどから論議されましたが、ことし平年作あるいはまた平年作柄が少し切れて、八分とか九分とか、それくらいの作柄でとどまった人もあるわけです。ところが、九分作、八分作程度でありますと、例年でありますと何ら冷害対策というものはありません。普通の場合ならそれでいいと思います。しかし、ことしのような去年の連続というふうな場合で、去年はものすごく悪くて、天災融資法その他の政府資金等もたくさん借りた。ところが、ことしも非常に悪ければ借りかえ資金を貸してくれるわけですが、しかし、ことし八分作くらいの人は共済金ももらえない。三割足切りですから、共済金ももらえない。その他いろいろな対策も、八分作程度では何ももらえない。ところが、去年の借金の返還時期は容赦なく迫ってくる。こういう農家の場合に、私は非常にめんどうな事態が起きてくると思うわけです。だから、非常にきびしい冷害の農家については、先ほど来の質問でも明らかなように、対策というものはあるわけです。これはぜひやっていただかなければならない。ただ、平年作は切れた、だが冷害対策を受けるところまではいかない、こういう中間的な農家の対策というものが、これは非常に重大な問題が出てくる可能性があると私は思うわけです。先ほどの大口官房長のお話の中でも、ケースバイケースで、たとえば天災融資法等の償還については措置できないものでもないというふうなお話があったようにも記憶するわけでありますが、この問題についてのお考えがありますかどうか。
○大口説明員 昨年受けました金融措置の償還の緩和の問題は、被害農家について、ケースバイケースで償還条件の緩和等の措置を講じた例もございますし、また本年の災害についても、そのようなことをやっていかなければならぬと思います。したがって、その問題はその問題として解決ができるわけでありますけれども、いま御指摘の、本年の被害の程度がいわゆる天災融資の基準に該当しない——というとえらいしゃくし定木な言い方ですけれども、天災融資を受け得るところまで被害を受けておらない農家に対して、本年さらに天災融資を受けられるかということになりますと、これはなかなかむずかしいのではないかと思います。しかし、今年の北海道の冷害地帯において、ごく限られた地域ではありますけれども、いろいろな困られておる事態もあろうかと思いますので、私どもももう少し事情を調べた上で、現在の制度の許す範囲でできるだけ手厚い措置を講ずるという考えで今後進んでいきたいと思っております。
○安井委員 新たに天災融資法による資金を借りるという措置ができればそれにこしたことはないが、本年の償還だけでも、これはもうきまっている償還期限の一番最後にもう一回繰り延べをするとか、こういうような措置はどうかということですが……。
○大口説明員 先ほど来私のお答えで必ずしも正確でなかった面もあるようでありますけれども、しかし、昨年の天災によりましてもろもろの融資を受けておる者の償還の納期の問題については、その農家の実情に応じて、金融機関とも相談をしながら、ケースバイケースで処置をしていかなければならぬ問題が多かろうと思います。一律的な原則をここでお答えしてもいかがかと思いますので、十分実情調査をいたした上で、被害の実態に応じた措置を講じていくのが望ましいのではないかというふうに考えております。
○舘林委員長代理 芳賀委員。
○芳賀委員 先ほど質問したわけでございますが、畜産局の太田参事官が出席しておられませんでしたので、重ねて申しますが、今年の通常国会において成立した加工牛乳補給金法について、当時法律は成立したわけでありますが、法律の内容において、随所に政令あるいは省令にゆだねるという事項があったわけです。この点についても、政府として、あらかじめ用意のできた政省令については委員会に提示して、内容の説明を受けたわけですが、たとえば肝心な指定乳製品の政令にまかせる品目等についてはまだ不明確であったわけです。そういうことで、当然、政府も決定前に、案がまとまれば、法律を生んだ当委員会に進んで政省令の内容を提示して説明をするとか、われわれの立場から見て、法律に照らしてこれは問題があるという点は指摘をする等、そういう機会は当然必要なことになるわけです。しかし、閉会中のことですからして、そういう適当な機会がいままでなかったことは十分わかるのですが、先日、九月二十九日に、新聞によりますれば、畜産物価格審議会を懇談会という形で開いて、そこで補給金法の政省令の内容について説明会を行なって、あわせて審議会委員の意見も聞いたということが、日本経済新聞等には詳しく載っておるわけです。それで、ちょうど委員会を開いた機会でありますので、こちらからは要求する必要はないわけですが、しかし、畜産局長のほうから進んでこういうふうにまとまりましたという案が出されない以上は、われわれのほうから要求する以外に方法はないわけです。それで、いま政府として、政令はもちろん閣議決定であるし、省令は農林大臣の手元できめるわけですからして、決定してしまうと、法律の場合は国会で改正等の措置が十分できるが、行政府にまかした政省令について、国会が一一改正案を出すなんというわけにはいかぬですから、この際、用意された政省令の内容を明らかにしてもらいたいのです。
○太田説明員 ただいま先生のお話にもありましたとおり、たしか法律の審議の段階で、私のほうで考えられる政省令の見込み等についてはお出ししたかと思います。その後、いまお話の出ました審議会の懇談会の問題でございますが、御承知のとおり、いろいろ新しい法律を施行してまいる場合に、あの法律で規定されております保証価格、基準取引価格、安定指標価格あるいは限度数量等につきまして、審議会に意見を聞くことになっております。そういったものにつきましての準備につきましては、まだデータ等の関係で今後にまたなければならないわけでございますが、一応あの法律が公布されまして以来、われわれが検討、準備してまいりましたところにつきまして、われわれの考えておるところを述べまして、懇談会の委員の方々の御意見を伺う、その中で準備の一つとして、現在政省令についてはこういうことを考えておりますということの開陳をいたしたような次第でございます。
○芳賀委員 それはいいのですよ。それがけしからぬとは言っていないわけだ。それだけの熱意とか配慮があれば、政省令は運営する場合には当然法律と一体になるものですから、法律を審議して成立させた委員会には何ら説明も報告もしないで、法律や政省令ができてしまってから、諮問機関として農林大臣が尋ねたりすることはこれはいいわけですが、いささかお門違いでないかということは、これは全委員の諸君が昨日来考えている点なんです。畜産局で審議会をわざわざ開いたわけでしょう。あなたのほうでは国会の委員会を開く権限は何もないが、しかし、昨日ときょう農林委員会が開かれておるということがわかれば、そう離れておるわけでもないのだし、いまはそれほど忙しくはないでしょう。進んで来て、こういうものがまとまりましたと言うくらいの熱意がないと、法律を通すときだけ低姿勢で一生懸命で努力して、法律が通ってしまえば、政省令はこっちがやるのだから、国会はどうでもかまわぬということは、ちょっと虫がよ過ぎるのではないかと思うのです。そういうことは、この機会には時間がそうないからとがめないが、国会で審議中に、こういうものを予定しておりますという政省令がそのとおり固まったら固まったでいいし、あのときまだ未熟であった分については、いまの時点でこういうふうにまとまりましたということを、この委員会に内容を明らかにして、みなに案を配るとか、そうして重点的なところは説明を加えるとか、そういうことをやっていただきたい。
○太田説明員 実は政省令ができました段階で、農林水産委員会にお出しして御説明申し上げるというようなことをやるのが常なのかどうか、私よく存じ上げていないのでありますが、いままでの例で申し上げますと、たとえば党のほうでひとつ説明にこいというようなことであれば、行きまして御説明を申し上げる機会は持っておるようなわけでございまして、今回の場合、もしきょうお時間をいただければ、まだ最終的に固まったものでありませんが、目下農林省で考えておるものの内容を御説明申し上げることを許していただきますれば、申し上げたいと思います。
○芳賀委員 その党というのは何ですか。たとえば公明党とか共産党のことですか。
○太田説明員 実は先生のお属しになる社会党のほうは、正式に今月の五日の午後二時から説明しろというふうにあれしております。それから与党である自民党のほうは、党に酪農対策特別委員会というのがございまして、そこにこの間出席を求められまして、どういう考えでいるかというようなこともありましたので、その際、そこで御説明申し上げたということはいたしております。
○芳賀委員 だから、従来も言っておるのだが、与党自民党については、来いと言われるとひょこひょこ出かける。こういうことを言うのはおかしいが、きのうなんか、部会があるから農林委員会は書前でやめてくれ——それは自民党が集まってやられるのはかまわないのですよ。ただ、部会が開かれれば、担当の食糧庁長官とか係官をそっちに呼ばなければ、内容の審議も検討もできないわけでしょう。政府委員がいなくなるから、委員会のほうはやめてくれ、こういう虫のいいお話があったが、賢明な委員長代理の舘林さんが、それは国会軽視でうまくない、そういうことで、でん粉価格対策部会というものは、小枝君が委員長でいられるが、きのうは取りやめになったのです。何をおいても、国会を軽視しても、与党にははせ参ずるというようなやり方は、適当な機会にやめてもらわなければいかぬと思うのですよ。権威ある野党については、呼び出しがなければ行かぬというわけでしょう。そういうことはまあいいが、用意したものを持ってきたのであれば、委員の皆さんにも配って、重点的なところだけ説明したらどうですか。
○仮谷説明員 決して与党とのなれ合いでかってに行っているわけじゃございませんから、いろいろ野党の方からも御要望があれば、出て行って御説明するのが従来の慣例になっております。ただ、政省令はどういうふうにきまったということを一々委員会に報告した例が少ないようでございますから、委員会でひとつ資料提出ということで御要望いただいて、そしてひとつ適当に資料を提出するということにいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○芳賀委員 けさの理事会で、特に加工乳補給金法に付随する政省令について成案があるらしいので、委員会にそれを提出して、説明を聞くということできめたわけです。ほんとうは冷害対策を終わってからになっておるのですが、まだ私らのあとで林委員が質問するわけでしょう。そのあとでということになると、これは相当また時間が先にいくわけだから、簡単な問題ですから、冷害対策の質疑に関連して先ほど私が発言したような、そういうことになっておるのです。
○太田説明員 実は配るものを用意いたしておりませんので、簡単にもしお時間をいただければ説明さしていただきたいと思います。
○芳賀委員 そういう点いろいろあるのですが、第一は、いわゆる交付金の対象になる原料牛乳ですか、結局加工乳製品については、これは畜案法第二条第二項に明記されておるのはもう明らかになっておるわけですから、あとは政令にゆだねた指定乳製品とは、これは当然新法で指定するところの交付金が交付される乳製品ということになるわけですが、それをどういうものを大体予定したかということ、それからもう一つは、畜産振興事業団が輸入する乳製品についても、その品目については政令あるいは省令で定めるということになっておるわけですね。これは非常に運用上重大な問題ですから、これをどれどれにしたか。まずきょうは、その二点について、案がまとまっておれば、口頭でもいいですから、説明してもらいたい。
○太田説明員 それでは現在検討中の政令の、いま先生から御質問のありました点にお答えいたします。 「指定乳製品以外で、その原料である生乳が加工原料となる乳製品は、バター、脱脂粉乳、全脂加糖れん乳および脱脂加糖れん乳で指定乳製品の規格に適合しないもの」御承知のように、規格に適合するものはすでに乳製品として出ておりますから、規格に適合しないもの並びに全粉乳、加糖粉乳、全脂無糖れん乳(かんに密封後滅菌したものに限る。)、ナチュラルチーズ」以上を考えております。なお、現在対象に加えたほうがいいのではないかということで、農家還元飼料用の脱脂乳について検討をいたしておる段階でございます。 それから第二のお尋ねの、事業団の一元輸入の対象となる乳製品の範囲でございますが、これも「指定乳製品以外で、畜産振興事業団が行なう一元輸入の対象となる乳製品は、全粉乳、バターミルクパウダーおよびホエイパウダーであって、一定の規格に適合するものとする。」これにも、実は全脂無糖練乳及び加糖粉乳につきまして、これも一元輸入の対象に加えたほうがいいのではないかということで、目下検討中でございます。
○芳賀委員 そうすると、いずれもまだ最終的な案としては固まっていないのですね。若干は検討中の品目もある。 そこで、お尋ねしたいのは、これは通常調製粉乳といわれているものがあるでしょう。もちろん、正式には粉乳ですがね。脱脂粉乳か全脂粉乳か、いずれかだから、これは問題がないが、ことさらに調製粉乳という名称をつけておるわけです。これは法律上から見れば、頭に何がつこうと、脱脂粉乳、全脂粉乳が対象になるということになれば、それでいいわけですが、この扱いについても、若干の意見がそれぞれの分野から出ておるように聞いておるわけですから、これはどういうふうに畜産局として理解してやっておるか。
○太田説明員 調製粉乳のお尋ねでございますが、調製粉乳につきましては、現に市乳地帯の調粉工場等で支払われている乳価を見ますと、相当高い乳価を支払い得る負担力があるのではないか。と申しますことは、これは政府が来年定めるわけでございますが、基準取引価格とか保証価格を定めてまいるわけでありますが、実際の取引において保証価格以上の対価を払い得る余地が調粉についてはあるのじゃないか。そういうことになりますと、調製粉乳はまさに乳製品ではありますが、その原料に対して実際取引は保証価格並みで取引されて、さらに不足払いの価格もその上に乗せるということは、この制度の趣旨から見ておかしいのではないかというのが第一点であります。それから第二点といたしまして、調粉を含めて基準取引価格というものをきめてまいりますと、基準取引価格が一応現在の想定ではかなり高い水準になるのではないか。そういたしますと、御承知のとおり、基準取引価格で加工原料乳については取引が行なわれるたてまえでございますので、まあ一部の大手メーカー、ごくわずかの中小メーカーが調粉をつくっておるということで、これを保証の対象に含めて考えますと、大部分の中小メーカーに高い乳価の支払いというものを強制することになるのではないか。これが第二点の理由でございます。それから第三点といたしまして、前に見込み事項の政令でもお出いたしましたが、二次加工品的な性格を調粉は持っておる。成分につきましては、各社別に非常に区々でございまして、これは技術的な問題であるわけでございますが、生乳数量の換算というものが非常に困難で、一体どれだけ実際に加工原料乳として調粉に使われたかということの判定が困難であるというようなこともございまして、以上のようなことを総合勘案いたしまして、一応調粉は除いてしかるべきなんじゃないかということを考えておるわけでございます。
○芳賀委員 そこで、調粉、調製粉乳ですね。これは法律的に解釈した場合に、どういう粉乳が調粉であるということになるのですか。たとえば省令でこれを対象にするという場合には、調製粉乳とは何ぞやということが明らかにならなければならぬ。これは独立して特に省令指定品目とする場合は、調製粉乳とはいかなるものかということを書かなければならぬと思うのですが、これはどういう解釈になるのですか、調製粉乳というのは。
○太田説明員 御承知のとおり、調製粉乳は乳児用の粉乳でございますが、今回の政令ではこれを対象にいたさないわけでございますから、特に調粉ということばは出てこない、こういうことに相なるわけでございます。
○芳賀委員 対象にしない場合にはあらわれてこぬが、対象にする場合はあらわれてくるでしょう。そういう場合はどういう表現を使うかということです。
○太田説明員 まあ先ほどの説明でも申し上げたのですが、非常に添加物等がございまして、製品が各社ごとに非常に区々であるようであります。そこで、常識的には先ほど申し上げたような育児用の粉乳というふうにわれわれは解釈をいたしております。
○芳賀委員 育児用の粉乳についてはよくわかるのですが、これをわざわざ調製粉乳というのは、調製ということばが、何か調整をはかるためとかいうことになると思うのですが……。
○太田説明員 まあ、一般的にそういうものを調製粉乳、こう言っておりますので、われわれ調製粉乳と呼んでおるわけです。
○芳賀委員 そこで、その調製粉乳の分については高乳価ということになると、これは加工用の乳価でなくて、用途別に区分すれば、飲用牛乳の価格でこの分の牛乳は取引されておるということですね。
○太田説明員 混合乳価でございますから、飲用とは限らないわけでございますが、今回、法律で御承知のとおり、保証価格というものを、主要加工原料乳地帯の生産者の再生産を確保することを旨として定めることになっております。それと、乳製品から逆算した基準取引価格との差額が不足払いの対象になるわけでございますが、現実の取引におきましては、調製粉乳の原料になります加工乳につきましは、保証価格並みで取引されるだろう。そういうことでございますから、不足払いの対象にこれを加えることは、さらに保証価格の上に不足払いのあれを上乗せするということで、制度の趣旨から見ればおかしいのではないかということで、除いておる、こういうことでございます。
○芳賀委員 しかし、それは生乳の生産者にはわからないでしょう。たとえば北海道を加工牛乳の主産地域として、政府が取引価格をきめる、あるいは保証価格もきまるという場合、この分だけは調製粉乳用の牛乳だから、これは加工用牛乳の数量からこれを除外するということになれば、その除外された調製粉乳用の牛乳の数量というのは、あらかじめ明示しておかぬと——明示してあれば、その分はその地域の飲用牛乳並みに取引させるということができるわけです。加工乳の取引価格を政府は安くきめて、会社に安く牛乳を買わせるわけだから、それに今度は不足払いをするわけですが、その対象にしないということになれば、当然これは対象にならない。飲用乳並みの取引がされてしかるべきであるということになるわけです。しかし、それをどの程度都道府県別の各社がやっておるかということはわからぬですから、除外するという場合には、その調製粉乳に必要な牛乳の数量というものを、北海道であれば何十万石とか、あるいは青森県は何万石とか、あわせてこれを指示するわけです。そうしなければ、一方的に農民が不利益を受けるということになるわけですね。
○太田説明員 これは政令でも規定してございますが、数量認定につきましては、都道府県知事が認定をいたすことになっておりまして、政令を御説明申し上げればよくわかると思いますが、少なくとも不足払いの対象になる加工原料乳の数量につきましては、全部都道府県知事のもとで認定をすることになっております。 それから、調製粉乳に回りました数量はどのくらいかというような問題につきましては、乳製品工場等でやっております配乳表に基づきまして、どのくらい回ったかということは把握できると存じております。
○芳賀委員 これはまだだいぶ複雑な内容を持っておりますから、きょうここで論議の時間はありませんから、臨時国会の会期に入ってから、政令が正式にきまる前に必ず議論するということで、これは保留しておきます。 それからもう一つ、輸入乳製品については、粗製チーズはいま自由化ということになっていますが、やはりこの機会に事業団が一手に買うという措置が一番正当だと思うのですよ。いまの太田さんの説明によると、これは除かれておるわけですから、これはやはり対象にするということでいかぬと、当委員会としては承服できないですよ。
○太田説明員 ナチュラルチーズにつきましては、御承知のように、現在自由化をいたしておるわけでありまして、自由化をいたしたときの理由といたしましては、自由化しても国内の乳製品等にあまり影響がないということでやったのだろうと思います。そういう理由があまり解消していない今日、これを一元の対象にすることはどうかということが第一点であります。 第二点といたしましては、事業団が一元輸入をする品目として適当であるかどうかということで、ナチュラルチーズにつきましては、品質が非常に区々でありまして、それぞれメーカーの方々の好みに応じたものを事業団というような形を通じてやることがよいかどうかというような点、技術上の問題もありまして、今回一元輸入の対象からははずしておるようなわけであります。
○芳賀委員 その点も非常に重大な点だからして、きょうここで五分や十分で論ずるわけにはいきませんから、あわせて先ほどの調製粉乳の問題とナチュラルチーズの事業団扱いの件は、御承知のように十月五日から臨時国会ですし、自民党の希望は七十日間やりたいというわけでありますから、相当期間があるわけです。特に新しい法律は来年四月一日から実施ということになるわけでありますから、食い逃げして、いやもうきまりましたというようなことは言わないようにして、必ずもう一度委員会の論議を通してから、政令、省令事項の大事な点はそれぞれきめるということにしてもらいたいと思います。
○太田説明員 五日の日に社会党にお伺いしてよく御説明申し上げますが、実は作業の準備として、いま直ちにわれわれが政省令をきめてしまうというようなことは考えておりませんが、準備の都合上できるだけ早くやりたいということも十分おくみ取りいただきたいと思います。
○芳賀委員 参事官の気持ちはわかりますが、あなたの上にはもう一人檜垣君という畜産局長がおり、その上には農林大臣もおるし、仮谷政務次官もおるわけでありますから、きょうの委員会で取り上げた問題点というものは、そう幅が広くないですから、もう少し掘り下げて農林委員会としても納得のできる状態で、政府が法律の精神を尊重して政省令をきめる、これは強要はしないが、そういうことはあたりまえじゃないですか。仮谷さん、答弁してください。
○仮谷説明員 よく御趣旨はわかりますから、そういう意味で御了解を得てやりたいと思います。
○舘林委員長代理 林百郎君。
○林委員 農林省では災害関係は官房長が担当されておると聞いておりますので、したがってあなたにお聞きするのでありますが、もっともこれは農林省だけできまらない要因がいろいろありますので、あなただけから決定的な答弁が得らないこともあり得ると思います。 二十三号、二十四号、さらに二十五号、三つの台風が近接してあったわけですが、これに対して激甚災害法の適用をするのか、天災融資法の適用をするのか、そういうようなことはいつごろきまるのか。この三つの台風は別々に考えられるのか。こういう近接したときに三つも起きておるわけでありますから、これをたとえば九月災害というようなことで一本として考えて、激甚災害ならば激甚災害として指定する可能性というものはないのかどうか、その辺のところの考えを聞かしてもらいたいと思います。これはあなただけできまるわけでもないと思いますが……。
○大口説明員 災害の際の天災融資法の発動並びに激甚災害法の指定の問題でございますが、まず天災融資法の指定をいたします際には、農作物の場合でありますと、統計調査部の被害調査がある程度まとまった段階で、これの指定をするかしないかという判断をいたすのでございまして、通常の例でありますと、災害から約二十日間くらいの期日を置いた上で調査の結果がまとまりますので、そういう時期に判定をいたしております。本年の累次の台風に際しましては、最初に参りました台風の被害調査をいたしておる期間、すなわち、いま申し上げました約二十日間を要する調査期間の最中に、次の台風が同じ地域を襲ったということになりますと、施設の被害のようなものはあるいは区別が可能かもしれませんけれども、農作物に与えられた被害の調査については、はたして前の台風によって受けた被害がどれだけで、これからあとはあとの台風というような区別が、技術的に非常につきにくいという事態が考えられるわけで、現に本年の災害においてもそのような事態があらわれております。そこで、二十三号台風の被害調査の最中二十四号が参ったというようなことで、現在それらを一括して調査をしておりますので、ただいま先生の御指摘のように私一存でものごとをきめるわけにまいりませんが、ただ、私の現在持っております見通しとしましては、二十三号、二十四号というものは区別ができないということで、最終的には一括した取り扱いになるのではなかろうかというふうに推測をいたしておりますが、まだ最終的な結論を得た段階ではございません。かような考え方をいたしております。
○林委員 そういう考え方でいきますと、天災融資法の適用のあるのは大体当然だと思いますが、いまあなたのような考え方でかりに対処するとすれば、激甚災の指定を受ける可能性というものはあるわけですか。その辺はどう考えていますか。まだ固まっていませんか。
○大口説明員 激甚災害の指定につきましては、それぞれ被害の及んだものがたとえば施設であるか、あるいは農作物であるかということによって、個々に別々の基準によって指定をされるわけでありますけれども、これも原則としては一災害ごとにやるというのが原則でございます。したがって、この激甚災害の指定にあたりましても、被害の調査に際しまして、二つ以上の災害の区別が非常につきにくいものと、それから比較的つきやすいもの等、いろいろ事情があろうかと思います。いま天災融資法の発動についてお答えをいたしましたと同じような事情が本年の災害については見られますので、この激甚災の指定につきましても、あるいは全部一本にまとめなければならないのじゃないかというような感じもいたしておりますが、これは天災融資法の場合と若干事情が異なる点もございますので、いま決定的なことは申し上げられませんが、ただ、被害の調査の区別が非常につきにくい事情にあるという点においては趣を同じゅうしておると思います。
○林委員 それと関連して、これは北海道の同僚議員からも質問があったのですが、台風の前後に、主として後ですけれども、冷害が襲ったという事情が北海道、長野県等にはあるわけですが、こういうようなものも非常に密接な台風との因果関係があるというので、そういうものをも台風の被害の範疇に入れるということもあり得るかどうか、それはどうでしょう。
○大口説明員 まだ決定的なことを申し上げる段階でないということを先ほど申し上げておきながら、やや決定的なようなことを申し上げて恐縮でございますが、冷害と台風とが被害の調査に技術的に区別がつきにくいという事情は、二つ以上の台風がきわめて時日を同じゅうして吹いた場合とは若干違うと思います。そこで、長野県につきましては、冷害の被害が約十五億ということを県から報告を受けておりますが、これも米の最終的な被害の金額等を確定いたしました上で、冷害は冷害ということで判断をしていくことになるのではなかろうかというふうに考えております。
○林委員 これは北海道の場合も同じですが、おそらく官房長の答弁も決定的ではないのですから、地元としては、やはり災害の補償として一括その範疇に入れたいという希望が非常に強いわけですけれども、これは仮定ですが、かりにあなたの言うように、冷害は冷害として、台風の被害と別個に切り離してするとして、その場合のこれに対する補償だとかあるいは対策は、具体的にはどういうことがあるのですか。
○大口説明員 冷害の被害と申しますと、主として水稲に対する被害だと思いまするが、地元で一括をしてもらいたいという御希望が、いまの長野県に限らず出るケースは、おそらく切り離した場合には被害の金額がさほど大きくないために、天災融資法が他の災害と一括をされれば発動すべかりしものが、切り離したために発動ができないということが予想される場合に、よく聞かれる声でございます。その天災融資法が発動されましたときの措置といたしましては、天災融資を受けられるということ、それからまた自作農維持資金の貸し出しが行なわれるということ、それから被害を受けた農作物に対する共済金の支払いが行なわれること、このような措置が制度としてきまっておる措置でございます。
○林委員 それからもう一つ問題は、先ほど同僚議員からも質問があったのですけれども、台風の被害が、局地的に非常に被害が激甚な地域、あるいは特別な農家に特に集中的に被害があるというような場合、全体が激甚災として指定された場合はいいのですけれども、かりに天災融資法の適用がある中で、実質的には激甚災と同じ被害を受けている特定の地域あるいは特定の農民がある場合に、それに対してはどういう救済の方法があるわけですか。一般の天災融資の補償のほかに、たとえば特別被害地域だとか特別被害農民あるいは林業者というのがありますけれども、そういう方法で考慮されるものであるかどうか、その辺、ちょっと技術的に複雑であるから、お聞きしたいのです。
○大口説明員 天災融資法が発動される地域の中で、特に災害の程度がひどい部分について、特別被害農家、特別被害地域という指定がありますと、同じ天災融資を受けまする場合に、金利に若干の差がある有利な条件で貸し出しを受けられるという制度がございますが、それには、やはり一定の基準に照らしてそのような地域が指定が行なわれた場合に、そのような低い金利が適用される制度になっておるわけでございます。
○林委員 わかりました。そうすると、もう一つ、技術的にお尋ねしますが、激甚な災害を受けた特別被害地域、特別被害農家、こういうものの認定は当該市町村にあるというようにわれわれは考えておりますが、そうですか。
○大口説明員 そのような基準がきまっておりまして、その特別被害地域を指定するのは各都道府県知事でございます。
○林委員 わかりました。各当該市町村の実情の報告によって都道府県知事が認定する、こういうように考えておりますが、これは次の質問とあわせて答えてください。 それから農業災害補償に基づく共済金の仮払いが非常に額が少ない。被害の算定についていろいろ問題点もありますけれども、そういう問題とからめて、支払いの時期が非常におそくて、実際は直接的な災害の補償の意味のないころ、しかも非常にわずかな金がくるというようなことで、非常にこれに対する不満があるわけなんですけれども、農業災害補償法に基づく共済金の仮払いについて、事実上災害農家の災害の補償に寄与するような被害の算定、それから仮払い金の補給の敏速な措置、こういうことについては何とか改善の方法がないだろうか、その点についてどう考えておりますか。
○大口説明員 いまの共済金の支払いの前に林委員がおっしゃいましたことは、そのとおりでありまして、特別被害地域というのは、一定の基準がございまして、これは旧市町村の区域を基準として判定をすることになっておりますけれども、その基準に照らしまして、各都道府県知事が農林大臣の承認を受けて指定をするという手続になっております。 それから共済金の支払いがおくれがちであるということでございますが、そのような実情にもありますることを考慮いたしまして、災害のつど、できるだけ早期に各被害農業者が現金の支払いを受けられるように概算払いをするというようなことで、災害対策の一環として実施をいたしておるのも、その趣旨でやっておるわけでございまして、今回の一連の台風等の災害におきましても、全く被害調査をしないで金を払うということはできませんけれども、できるだけ早い機会に概算払いという形でもって共済金の支払いをいたして、少しでも被害農家の保護に支障がないような措置をとるという方法を現に講じております。
○林委員 ところが、末端に行くと、あなたの言うようになっておらないので、国会の農林水産委員会でもそういうことが問題になったということを踏まえて、適切な行政的な指導をさらにしてもらいたいと思うわけです。 それからもう一つの問題は、時あたかも果樹が、リンゴにしてもミカンにしても、最盛期のころにこういう台風がありましたので、青森、長野あるいはミカンなどかんきつ栽培の地域、これは予想外の大きな被害を受けておるわけです。天災融資法の中にも、果樹の被害に対する一定の救済の方法はありますけれども、これはやはり若干普通の農産物より被害率も高い場合のことが規定されておるようであります。これに対して農林省は、大体どの程度を被害と見、その被害に対する救済の方法をどのように考えており、天災融資法の適用についてはどういう考慮を払っておるのか。特に今度の台風の特色——特色といっても、いつも秋に来るのですけれども、特に被害が多いようでありますが、これにからめてひょうなんかも降ってきまして、非常に大きな被害を果樹、ことにリンゴ栽培地域は受けておるようですけれども、これについてはどう考えておられますか。
○大口説明員 今回のひょう害並びに台風に際しましては、果樹の落果による被害並びに果樹だなの破損等、いろいろな被害があったことは承知をいたしております。果樹につきましては、現在まだ共済制度もございませんので、いまのところ、果樹生産者に対する災害の対策といたしましては、果樹だな並びに果樹園のもろもろの施設の復旧に対する金融措置ということで、ごめんどうを見るということになっておるのでございます。
○林委員 その金融的な措置ですが、具体的にはどういうことを考えられているのかということを聞きたいのです。それは天災融資法の中にもあるのですが、しかし、その天災融資法の中の運用と、それにからんで何か特別なことを考えられているのか、あなたの言う金融的な措置というのは、具体的にはどういうことをしようとしておるのか。
○森本説明員 果樹に対します災害融資の御質問でございますが、まず天災融資法に基づきます融資の点につきましては、通常の農業者に対する貸し付けの限度額に比しまして、特に果樹を栽培しております農家に対しましては、たとえば通常の農業者でありますと、一戸当たり二十万円という限度になっておりますところを、果樹の栽培者に対しましては五十万円といったようなことで、特別に限度額としては多く貸し付けるような措置になっております。なお、公庫の資金によります施設等に対する貸し付けにつきましては、現在一件当たり二十万円ということで災害資金の貸し出しをいたしておるわけでございますが、最近の被害の実態にかんがみまして、貸し付け限度額をもう少し引き上げるべきではないかといったような要望もございますので、貸し付け限度の引き上げにつきまして、目下財政当局等とも打ち合わせして、検討をいたしておるところでございます。
○林委員 次に、二点ほどお聞きしたいのですが、都道府県ではとりあえずの処置として、長野県もそうのようでありますが、ひもつきでなくて、総合助成という形で、都道府県がとりあえず緊急な予算措置を講じて、各市町村へ災害の対策として金を出しているわけなんです。これは現実には国の予算的な措置が非常におそいものですから、地方自治体、ことに都道府県としては、見るにしのびなくて早急の予算措置をするわけなんですけれども、実際は災害の補償に向けられるものであり、当然国が負担すべき部分も含まれて、とりあえずは総合助成という形で出ているわけですが、しかし、その総合助成が、地方の都道府県で予算措置をする場合は、総合助成という形で出して、市町村がそれを運用するという形で長野県なんか出しておるようなんですけれども、第一に、こういう場合の都道府県の予算支出に対して、これを助成すべきものだと思うわけですが、その助成の道が講ぜられるかどうか。第二に、総合助成という形で出されて、市町村へいって具体的な使途がきまるものですから、かりに助成ということがむずかしいというならば、将来の特別交付金ということでこれが考慮されるものであるかどうか。これは財政当局等の関連がありますので、農林省だけでこうしたい、ああしたいという責任ある回答は得られないとしても、とりあえず農林省としては、そういうことについてどう考えているのか、これは次官にお尋ねしておきたいと思います。
○仮谷説明員 災害のたびにそういう問題はあることでして、ただ、考え方によりましては、災害の救助は国が全部しなければならぬというだけの問題じゃなくて、やはり地方自治体、特に県も県の力に応じたことを考えるべきであって、そういう意味の総合助成等はどこもやっておる例があるわけです。ただ、その総合助成の内容において、たとえば立てかえ金的なものが、今度の一つの例には干ばつでやられたのがあって、井戸を掘るとかポンプを買うとかいったのを、市町村あたりが立てかえしたものがあるわけなんです。こういうものは、干ばつに対する助成というのは過去における例がありますから、一応われわれ折衝してこれは補助金を若干出すべきだという考え方は持っておりますけれども、その他総合助成として特別に支出をしたというもので、しかも国の法律に適用されないという問題は、市町村の財政支出になるわけですから、そういうふうな特殊な市町村に対しては、特別交付金とかいったようなものについて、われわれは努力をしていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○林委員 最後に、米作の問題で、御承知のとおり、米の予約概算金を受け取っておった稲作に予想外の被害があった、ところが、もう予約概算金は支払いを受けているという場合、その予約概算金の処置については、農林省ではどういう措置を講じているのですか。
○大口説明員 予約の概算金の支払いを受けた農家が、米の産額が減ったために、これが返納を要する場合の措置といたしましては、食糧管理特別会計と集荷業者との間では、払った概算金の返納を受けるわけでございますが、個々の被害農業者と集荷業者との間に、その返納に際して生じます金利その他につきましては、返納を求める際に減免の措置を講じて、ケースバイケースで処理をいたしておる次第でございます。
○林委員 米作農民の側からいいますと、ことし予想せざる災害があって、予約概算金の返納が不可能になったという事情から、この返還をある程度延期してもらいたい、災害を受けたその年にそれを返還しろというようなことを言われても、これはとうてい能力がないし、不可能なことなんで、これに対して一定の期間たな上げとか、あるいはある程度支払いを延期するとか、そういう行政指導はできないものですか。
○大口説明員 概算金の支払いが当該年度にできないものについて、返納の期限を延長したという例は過去においてもございます。ただ、たな上げということまではちょっとやった例がございません。
○林委員 最後に、一つだけ聞いておきますが、米の需給関係が非常に緊迫しておりますので、食糧庁長官おいでですか。——それでは官房長、ことしの災害で米の減収はどのくらいと見込んでおりますか。
○大口説明員 ことしの災害全部の減収をまとめることはまだやっておりませんが、実は台風二十三号の被害がまいります前の段階で、統計調査部でごく試算的に計算をいたしました全国の収量、これは普通の統計調査部の最終の実収量を計算するような方法とは違いまして、何割ぐらい減るだろうかということの掛け算だけをやった数字でございますから、きわめて試算的な数字でございますけれども、その数字で千二百八十五万トンぐらいというふうに聞いております。これは台風二十三号が吹く前の数字でございます。それで、これと比較をいたしますために、昨年の米の実収高は、たしか千二百五十八万トンでございましたので、災害が吹きます前の段階での米の収量は、昨年の実収高に対して、その計算の精粗の差はございますけれども、一応二十五万トンぐらい昨年よりも高い数字が集計をされておったのでございますが、その後、台風の二十三号並びに二十四号の被害を受けまして、この被害の数字をはっきりつかんでおりませんから、あまりいいかげんなことを申し上げるわけにはまいりませんけれども、二十三号で約二十万トンぐらいではなかろうかというふうな感触を統計調査部のほうでは持っております。台風二十四号の被害がまだはっきりわかっておりませんが、先ほど申し上げましたように、二十三号以前の数字が、昨年の実収高に対して約二十五万トンくらいプラスということになっておりますことを考え合わせますと、若干昨年の実収高よりは総体的には下回る結果になるのではなかろうかというふうに判断をしております。
○林委員 そうすると、ことしの米の輸入は何トンと政府は考えていたのですか。
○大口説明員 専門でございませんので、数字はあまりこまかく申し上げるわけにまいりませんが、本年は実は春以来、あるいは冷害によって米の減収が見込まれるのではなかろうかということから、準内地米の輸入につきましては、食糧庁としてもいち早く所要の手を打ちまして、現在私が承知をいたしておりますところでは、準内地米で約七十万トン、それから普通外米で二十万トン、合わせて約九十万トンの輸入をする予定と聞き及んでおります。もちろん、この数量というのは、本年の災害のために特にふやした数量と、通常必要とする輸入数量とを合わせた数字でございますので、そのように御承知おきいただきたいと思います。
○林委員 昨年の輸入量は幾らだったのですか。
○大口説明員 たまたま私はことしの数字を知っておったから、申し上げただけで、実は昨年の数字とか、あまりこまかいことになりますと、専門ではございませんので、あまりこまかくは存じておりませんが、たしかその数字のおおねむ半分くらいではなかったかという感じがいたしております。
○林委員 私は三十万トン前後と記憶していたのですけれども、いずれにしましても、そうすると、農林省は昨年の実収より二十五万トンくらいの増収を見込みながら、輸入は昨年の倍の手を打っていたというのは、その農林省のあなた方のことしの実収の見込みは非常に甘いか、あるいは事実はそれと違う見込みの数字をあなたのほうで出しているのじゃないかというようにわれわれは考えるわけですね。ところが、その非常に甘かった農林省の需給関係に、さらに予想せざるこういう台風があったということになれば、あなた方の米の需給、それから輸入計画に対して、このままで計画の変更がなくていいのですか。
○大口説明員 米を外国から輸入をいたします場合には、それぞれ輸出国における生産時期との関係で、買い付けの適期というものがございますので、本年は春以来、気象庁その他の情報からいたしましても、非常な異常気象によって米の収量が減るのではないかという予想のもとに、農林省といたしましても、いろいろな手を打った次第でございます。その一環といたしまして、当時からできるだけ適期をはずさないように準内地米の買い付けを進めたということでございます。したがいまして、当時、一体具体的に米の収量を幾らと見込んだかという、はっきりした数字をつかんだ上で、輸入数量の計算をしたということよりも、適期をはずさないように買い付けをして、先ほど申し上げたような数字の輸入の手当てをしたというふうに御理解をいただきたいと思います。
○林委員 いずれにしても、輸入の手配をどういう時期にどうするという技術的なことは別として、輸入量を昨年の二倍から三倍にしておるということは、普通でいってもことしは昨年より米の収穫が減る、そういうことを考えられていたのではないかと思うのです。しかし、それが先ほどの農林省の計算だと、二十五万トンくらいの増収の数字が出たということはおかしいと思うのですよ。だから、それはやはり甘いか、あるいは間違った数字を無理にそこに出しておるというふうにしか考えられないわけです。いずれにしても、米の需給関係は非常に窮迫してきておるし、米の生産が漸次下降線をたどってきておるということは、専門のあなた方も心しておると思うのです。 念のために、それじゃもう一つ、最後の質問をする前にお聞きしておきますけれども、九月の初めの在庫の米の総数量は幾らでしたか。それから現在は幾らあるのですか、一体わかりますか。
○大口説明員 ことしは春以来異常気象に対する対策といたしまして、いろいろ技術指導、その他あらゆる技術陣を動員いたしまして、米の異常気象による被害の防止の措置のあらゆる手を尽くしてまいったものでございまして、その結果、その後の気象の好転もございまして、全国的に見ますと、台風が参ります前の段階では、どうやら平年作に近いところまでこぎつけたというのが、私どもの見込みでは——見込み違いというおことばでございますけれども、非常にその努力の成果があらわれたというふうに、私のほうは実は評価をいたしておるのでございますが、これは見込み違いであったということであれば、残念ながら、その点では先生と見解が違うのだということにならざるを得ないかと思います。 それから米の在庫数量の詳細につきましては、私も直接担当いたしておりませんので、いま手元に資料を持っておりませんので、まことに申しわけございませんが、こまかい数字でお答えすることができないことをお許しいただきたいと思います。
○林委員 それじゃこの問題は、まだあとで赤路委員の質問もありますので、いずれ、米の需給関係については、これは国民生活にも非常に影響を及ぼすところですから、他の機会に質問の機会を与えていただきたいと思います。 最後に、当面の質問をいたしますが、御承知のように、米の需給関係というのは決して楽観を許さない。どうあなた方が楽観を装おうとしても、これは、事実がそれと裏の事実になっているわけですから、配給米を一度食べてみればわかるので、準内地米がまざっていて、とうてい消費者が満足できるような状態でなく、そのことが大きな問題になっていることは、御承知だと思うのですよ。だから農林省としても、あらためて日本の米の生産をどのような増産の方向へ積極的に転換させるかということを真剣に考えなければならぬと思うのです。米価も御承知のとおり、生産農民の要求とはほど遠いところに生産米価がきまっているような状態ですし、そういう中で今度の台風があり、先ほどの北海道の同僚の質問にもありましたように、米の冷害の問題もあるわけです。だから、これは二十三号、二十四号、二十五号の台風の全体的な被害からいえば、米作の被害というものが、総体的な数字はどういう数字になるかということは別として、質的には、これを非常に重視して、この際米作農民に激励を与えるような行政的な措置や政策をとらなければならないと思うのですよ。そういう意味で、私は、米作農民に対しては特別ないろいろな措置を考え、さらに予約概算金の仮受け金に対しては、こういう冷害を受けた、あるいは災害を受けた際に、十分な配慮をしてやるような、こういう行政指導を積極的にして、そして日本の米作農民の生産意欲を減退させないような配慮を——農林省としては、これは全国民の食生活の上からいっても緊急な課題だと思うわけです。そういう点について、次官と官房長の答弁を聞いて、この問題はまた別な機会に質問さしてもらうことにして、きょうの私の質問は終わりたいと思います。この点について次官と官房長の答弁をいただきます。
○仮谷説明員 水田のある限り米はつくらなければならぬし、つくる限りにおいては、技術の改良をして生産性を向上しなければならぬ。当然の考え方で、そういう考え方のもとに、明年度の施策も予算の要求も考えております。
○大口説明員 米の問題につきましては、ただいま政務次官もお答えになりましたが、わが国の国民の最も重要な食糧でございますので、従来から農林省としては、米作の技術指導なり、あるいは生産基盤の整備なりという、米に対してはいろいろな施策を講じてまいったわけでございますが、また、不幸にして災害の結果、被害を受けた農家に対しては、できるだけ手厚い措置を講ずることによって、明年以降の生産意欲が減退しないような配慮は、当然農林省としては講じていかなければならぬというように考えております。
○舘林委員長代理 赤路友藏君。
○赤路委員 私は、防疫問題について、二点だけ質問をいたします。 アリモドキゾウムシが心配されておりましたが、本土に上陸をした。幸いに発見が早かったので、被害は、焼却面積が四町歩、それから発生面積が七十五町歩、警戒面積が百五十町歩という程度でとどまっております。しかしながら、今後のこれに対する対処のしかたいかんでは、必ずしもこれが拡大しないとは言えない。ちょうど私は自分で記憶しておるのですが、たしか昭和三十四年でありましたか、種子島の馬毛島にこれが上陸したというときに、これはたいへんだと思った。万一本土へこれがやってくるということになれば、へたをすると、イモ地帯は全滅をする、こういうような非常な危惧の念を持ちましたので、当時県へ対しましても、みずから鹿児島化学に参りまして、技術屋の諸君あるいは会社のおもだった諸君に寄っていただいて、絶対本土に上陸させないようにということで努力してもらいたい、こうお願いした。ちょうど六年たった今日、私が心配するような事態が起こってきたわけなんです。先ほど申しますように、発見が早かったから、いま私が調査した範囲では、成虫、幼虫合わせて四十三しか出ていないようですが、その後調査の結果、どの程度までこれが出ておるか、これが一点。 それから今後のこれが対策。もちろん、わずかな面積ではあったのだが、官庁関係のほうでは十分これを警戒して、四町歩の焼却をやったわけなんですが、いま言うように、六年たって上陸しておる。しかも今日なお、奄美大島は発生地域として指定しておる。それから馬毛島も発生地域として指定しておる。種子島、屋久島の一部がやはり指定を受けておる。こういうような状態なんです。いまだに本土へ入った上陸の経路というものがわからない。この経路をどういうふうにして把握するかということが、今後の防疫対策にとって非常に大きなポイントになるのだと思いますが、そういう面に対してどういう措置をおとりになっておるか、この点をお聞きしたい。
○河原説明員 お答えいたします。 第一点の、その後の発生状況でございます。これは県並びに門司植物防疫所の連絡で調査しておりますけれども、その後発生はございません。見つかっておりません。 それから第二点の問題でございますが、先生御承知のとおり、馬毛島なり種子島に発生いたしまして、漁船が始終行き来するというような関係もございまして、なかなか監視が行き届かないというような点がございます。しかし、種子島には今年度も二百八十万円ばかり金を出しまして、とにかく種子島なり馬毛島でもって徹底的な防除をやって、とにかく根源をたたかなければいかぬということで、そういう防除をやっておるわけであります。 それから不幸にして上陸いたしました開聞町につきましては、先ほど先生御指摘のとおり、私どものほうから本年度百九十三万円ばかりでございますけれども、必要経費の全額を出しまして、焼却処分をしたわけでございます。この原因につきましては、なお門司防疫所のほうから県と連絡をいたしまして調査いたしておりますが、いま申しましたように、漁船が自由に行き来できるというようなかっこうになっておるものでございますから、なかなか原因の究明が困難ではないかというふうに考えております。
○赤路委員 私が特に言いたいのは、先ほども申しますように、これが万一たとえ一匹であろうとその他の地区にいったということになると、それをもとにしてこれは非常に大きな拡大をするだろう。だから、いままでの通常ベースといいますか、その考え方による防疫ではいけないのではないか。もっとここでとにかく一応せん滅してしまうということでないと、たいへんなことになると思います。いま六年たって出てきたんですからね。この間いろいろと経過があるだろうと思うのです。本土に入ったことは間違いないのだから、その点で、私は、やはり検疫の関係であるとかいろいろありましょうが、なんぼ検疫してもさっとくる場合もあり得るし、なかなかむずかしいのだが、検疫関係にしてもあるいは防疫関係にしても、思い切ってある程度のものを投入して集中的にやってもらわないと、非常に危険性がそのままあとに残るのではないか。そういう面で、ひとつ四十一年度は、従来のときのベースでなしに、思い切っておやりを願いたい。これを上陸したここで完全に覆滅してしまう、そとへ出さない。これを単に県にまかすとかあるいは地元にまかすというのではなしに、農林省のほうとしてもひとつ格段の努力をお願いしたい、こういうことなんです。
○河原説明員 御指摘のとおり、南九州の重要な基幹作物でございますし、あれから広がるということになりますと、非常に問題が大きいということは、私も十分承知いたしております。したがいまして、実はああいったような事態が起こりましたことを驚愕いたしておるわけでございますが、そこで、四十一年度の予算は特殊病害虫緊急防除費補助金を大幅に増額いたしまして、目下大蔵省のほうに要求中でございます。
○赤路委員 それでは次に、もう一つのほうをお尋ねいたしますが、紫紋葉の問題であります。案外これが対策が十分できていないように私は思う。もちろん、これは病虫でなくて、土壌菌だということでありますので、わりあい目立たない。それだけに、従来からも何か手ぬかりがあるように私は思うわけであります。たとえば、今回私は歩いて見てまいりましたが、紫紋葉についての農民の意識というものがわりあいないのですね。黒斑病についてはやはり長い期間やられておりますので、農民はそれをわきまえております。ところが、この紫紋葉については、単なる腐蝕、くされ、この程度しか考えない。私の見たのには、驚いたことに、それを農道の上にほうっておるのですね。そうしてこれをくずして足の裏につけて、そのまま新しい畑に入っていけば、そこへそのまままた菌が残る。だから、私の調査したのでは、最初は五千町歩程度、こういうふうに聞いておったのですが、こちらへまいりますときに県の統計を見てみますと、一万二千町歩になっている。倍以上になっておるのですね。もちろん、これの場合は全体に広がるのではなしに、部分部分で、菌ですからいっておりますが、しかもこれの防疫関係は反当七千円ぐらいかかるということになりますと、とてもじゃないが、農民に負担さすということはできないのですね。もちろん、県のほうでも町村のほうでも、これは重大な問題でありますから、相当な経費は組むと思いますが、政府のほうでも相当考えていただかなければならぬ。PRの方法あるいはこれに対する防疫の対策——どうもアリモドキゾウムシの場合は、新聞で書き立ててわっとやったものだから、かえって逆に農民のほうが実際の被害以上に大きく受け取った面があるわけです。ところが、この紫紋葉については全然何もない。しかし、被害はかなり大きい。ミカンにまで入っている。こういうことになってまいりますと、このままでこれは放置できないと思うが、これに対する対策を何かお持ちになっていますか。
○河原説明員 まだ実は私どものほうには鹿児島県当局から紫紋葉について何も報告をいただいておりませんが、先生御承知のとおり、紫紋葉というのは、サツマイモだけでなくて、いろいろな作物に幅広くつく病害でございます。したがいまして、このほかの病害も含めまして、三十九年から五カ年計画をもちまして、土壌病害虫の防除対策の一環といたしまして、パイロット事業をやっておるわけでございます。当然鹿児島の大隅地区なり薩摩半島の地区にもやられておると思うのでありますが、そういったような成績を県としては把握しまして、それによって徹底的に指導していただくように、なおわれわれのほうからも県に連絡いたしたい、かように考えております。
○赤路委員 私はこれで質問を終わりますが、次官と官房長、いまお聞きのとおりです。これは私は案外おそろしいと思っております。紫紋葉の場合は、極端にだだだっと広がって耕地面積全面にわたってということは、これはないと思う。いまここで相当予算を組んで、そうして足らざるところは、それぞれ門司の防疫所のほうからも、あるいは別途臨時でも、防疫関係の人たちを十分ひとつ配慮願って、せん滅するということにはならぬかもわかりませんが、この際、十分やっていただきたい。先ほど参事官がおっしゃったように、私の手元へ来ておりますものによりますと、その他のものでも、単にミカンだけでなしに、蔬菜にいっていますし、それから私のほうでは最近ビートをやっていますが、ビートにもこれがもうすでに派生している。こういう状態でありますので、ひとつ十分この点をお考え願って、対策をお立て願いたいと思うわけです。それだけを希望いたしまして、私の質問を終わります。
○舘林委員長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十一分散会