農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 267 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/09/30
会議録
○濱地委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 でん粉等価格に関する問題につき質疑の申し出があります。順次これを許します。兒玉末男君。
○兒玉委員 食糧庁長官に、昭和四十年度産のカンショやバレイショでん粉等の件につきまして、お伺いしたいのでございますが、この点は、去る十三日、農林大臣に対しまして、社会党の立場から価格決定等に関する諸案件につきまして申し入れをいたしておりますので、その点をまず基本的にただしてまいりたいと思いますが、最初に、本年度のでん粉の需給関係は大体どういうふうな状況になり、見通しはどうか、この需給関係について、まず長官からお聞きしたいと思います。
○武田説明員 でん粉につきましての十月からの来年の見通しという御質問だと心得てよろしゅうございますか。——昭和四十イモ年度のでん粉の需給関係につきましては、御承知のように、まだカンショの予想収穫高がはっきり出ておりませんので、必ずしもはっきりした形で申し上げられないかもしれませんが、先般のバレイショの収穫予想につきましては、北海道におきましては、前年に比べましてだいぶ作付面積もふえてきております。また反収もやや上がっておりまして、バレイショの生産は、面積で九万二千八百ヘクタール、それから生産見込みが百九十七万トンということで、最近十数年の中では最高の生産予想に相なっております。一方カンショでございますが、これは作付面積が昨年よりも減っておりまして、二十五万六千七百ヘクタール、それから生産は、これは主要な産地をもとにいたしましての推定でございますので、今後数字が動いてまいると思いますが、四百九十五万トン程度の現在見通しに相なっております。こういったことを前提にいたしまして、昨年までのでん粉向けの商品化率等を織り込みまして、それぞれの四十年度の出回り数量といったようなものを考えてまいりますと、大体バレイショでん粉につきましては、四十年の見込みといたしましては、出回り量が約十九万トン程度というふうに概算推定されるわけでございます。そのほかに政府の現在在庫いたしておりますものが約四万二千トンございますので、バレイショでん粉につきましては、供給力として約二十三万二千トン程度というように想定をされるわけでございます。それから一方、カンショでん粉につきましては、先ほど申し上げました生産見込みに多少今後変動があると思いますけれども、一応それを前提といたしますと、約五十五万トン程度の出回り、さらに政府の現在手持ちをいたしておりますものが二万七千トンございますので、両者合計いたしますと、五十七万七千トンというものがカンショでん粉の供給としては考えられると思うのでございます。そのほかに、いまでん粉といたしましては、御承知のようにコーンスターチがあるわけでございますが、これは例のタリフクォータで十八万トン程度の線で一応輸入を見てまいりますと、総計いたしまして約百五万トン前後のでん粉の総供給力になるであろうというように予想をいたされます。 これに対します需要といたしましては、御承知の水あめ、ブドウ糖をはじめといたしまして、水産練り製品その他総計いたしまして約百十四万トン前後というような形に考えられまして、その間現在の見通しといたしましては、十万トン程度の供給の不足というようなものが予想されるのではないかというように考えておるわけでございます。
○兒玉委員 いまの長官の説明によりますと、カンショの収穫予想でございますけれども、大体でん粉にした場合に五十五万トンと言われておりますが、長官、非常に控え目な数字じゃないかと思うのです。そういうふうな要素が強いと、勢いこれはいわゆる外でんなり、またはコンス等の生産規制を緩和するような状況というのが非常に強くなってくるのじゃないか。これはせっかく持ち直しているでん粉の市況に私は重大な影響を与えるということを考えるわけでございますが、このようないわゆる国内産のでん粉の供給度を高めるという状態から考えますと、相当慎重を期する必要があると思うのですが、これらの点についてどういうふうなお考えを持っておるか、お聞かせをいただきたい。
○武田説明員 ただいま私が申し上げました供給見込みでございますが、これはカンショでん粉につきましては、収穫予想それ自身が今後まだ多少変動するという要素があると思っております。それからなお、でん粉向けに原料イモがどの程度の数量が向けられるかということの見込みにつきましては、おおむね昨年のでん粉向けのパーセンテージを前提にいたしております。これらの数字それ自身にいま少しお話のように検討を加えていかなければならない面があると思っておりますが、概数として現在はじきました数字が、以上申し上げたような姿に相なっておるわけでございます。
○兒玉委員 これはあとでも質問したいと思うのですが、コンスの制限については、前の国会におきまして関税定率法の改正によって、一応十八万トンを限界として高率課税でやって制限するということになっております。これらの点について、特に長官は相当慎重な態度で臨んでいただきたいと思うわけですが、この点についてどういうように考えられるか。あるいは日本コーンスターチ協会あたりから、現在のでん粉の需給関係から、政府手持ちも少ない、また全体的な国内の供給度が昨年より非常に低いという点から、私はかなり圧力がかけられているのじゃないかと思うのですが、その辺はどうでございますか。
○武田説明員 コーンスターチの原料としてのトウモロコシの輸入につきましては、現在私どもとしては例の十八万トンの線で考えておりますけれども、でん粉全体の需給関係が今後どう推移してまいりますか、それらの点も十分勘案をいたしまして善処をしてまいりたいというふうにいまは考えておりまして、現在すぐにコンスの原料を大量に輸入するとかいうようなことをいまの段階で考えておるわけではございません。
○兒玉委員 それから三十九年度産のイモでんについては、四月に四万トンの買い入れを発表したわけですが、八月末までに何万トン買い入れて、どれだけ払い出したか、その数量をひとつ示していただきたい。
○武田説明員 昨年の十月一日現在の政府の手持ちのカンショでん粉は二万六千トンでございます。その後十二月に、三十八年産の調整団体で手持ちをしておりましたものを五万トン買い入れをいたしました。それからさらに四月に三十九年産のカンショでん粉を四万トン買い入れまして、四月の政府の手持ちは十一万六千トンでございます。その後カンショでん粉の価格が急速に上がってまいりましたこと等で、六月、七月、八月と四回にわたりまして売却をいたしまして、その売却数量は、落札いたしました数量の合計は九万トンでございます。その結果として、現在政府が手持ちをいたしておりますカンショでん粉の在庫量は二万六千トンということでございます。
○兒玉委員 さっき長官は二万七千トンということを言われたようですが、これは千トン違いますが、数字の間違いでございますか。
○武田説明員 概数をいま申し上げましたので恐縮でございますが、四捨五入いたしますと二万七千トン程度に相なります。
○兒玉委員 三十九年度産の四万トンの買い入れは、基準の千六百八十円で買っていると思うのですが、払い出しは幾らで入札さしたものか、その点、金額を示していただきたい。
○岡田説明員 政府が売り渡しましたのが九万トンでございまして、四十四億四千八百万円ということになっておりまして、これをトン当たりの単価に換算してみますと四万九千六百五十九円ということになります。
○兒玉委員 特に私が問題にしたいのは、この三十九年度の四万トンを買ったものが、勘定は別になるけれども、政府の買い入れは千六百八十円、売りはおそらく十キロ当たり二百円以上私は高く売れているのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○岡田説明員 時期別に違っておるわけですけれども、全部を総計いたしますと、そういうふうに高くは売れておりません。
○兒玉委員 この点は、私は通常国会における委員会でだいぶ長官にもやかましく言ったのですが、政府が買い入れたカンショでん粉の価格については、当然政府は基準価格で買い入れるので、その差額については必ず生産農民に還元できるような行政指導をすべきだ、こういうことを強く指摘したわけですが、現実にその還元された金額をどの程度食糧庁としては把握しておるのか、その点明確にしていただきたいと思います。
○岡田説明員 還元いたしました金額につきましては、まだいまのところ正確に数字を把握いたしておりません。
○兒玉委員 私たちがこの休会中に鹿児島や宮崎県の各生産地を回ってみますと、大体還元されたところでも、一番高いところで貫当たり二十五円五十銭、まあ価格がこういうような状況なんですよ。そうしますと、実質的に農協等から農民にいったのは、三・七五キロ当たり結局三円かそこらしか還元されていないわけですが、政府が四万トン買えた分においても、実際には千六百八十円の基準価格が明らかにされておるにもかかわらず、農民にいっているのは、しかもそれは全部でないわけですが、政府の払った資金のうちの大半というものが農民に還元されていない実情なんです。これらの点については、私は、さらに今年度もそういうことが十分考慮されなければ、せっかく政府が基準価格をきめて、そうして政府の買い入れということででん粉の市況を安定さしても、その効果というものが生産農民に返ってこない。こういう現実をわれわれは把握しているわけです。その点、ひとつ早急にどういうふうな形で還元され、実際にはその中間の経費というものがどういうところに吸収されておるのか、これは調査の上、この委員会にぜひ資料を出していただきたい。こういうことを要望しておきます。 次に、農安法の第五条の規定によりますと、原料基準価格あるいは買い入れ基準価格は、一応現在の法律では十月末日までということに相なっておるわけでございますけれども、毎年この委員会において早くきめろということを常に要求いたしておるわけでございますが、大体バレイショについては八月二十日前後、カンショについては、本年は少しおくれておるようでございますが、大体例年ならば九月二十日前後から掘り出しに入り、すり込みに入るわけですけれども、問題は、やはりこの基準価格の決定ということが非常に重大な要素を持っておるわけですが、食糧庁としては現在どういうふうな作業を進めておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○武田説明員 法令上は、お話しのように十月末日までにきめるということに相なっておりますが、カンショの収獲予想の統計数字の確定の結果をまちまして、できるだけ早く来月の十日くらいまでにはぜひ決定をいたしたいというつもりでおります。
○兒玉委員 大体、現在の基準価格の決定のしかたについて相当問題が出ておりまして、先般、九月の九日でありましたか、特に鹿児島、宮崎県を中心とするカンショ生産県の代表の集会がありまして、長官のところにも陳情があったと思うのですが、その算定のしかたにつきまして、現在の農安法による価格の決定ではとうてい生産者としては納得ができない、こういうことで、特に本年度は、すでに長官のもとに資料は届いておると思うのですが、現行の基準価格のきめ方が妥当であるかどうか、現在の生産農民のいわゆる生産費をほんとうに償うだけの基準というものが明らかかどうか、この点について、先般十三日の農林大臣との折衝の際には、やはり大臣としても検討する時期にきている、こういうようなお話もあったわけですが、長官として、価格のきめ方について、現行のあり方がよいかどうかということについて、ひとつ見解を承りたいと思います。
○武田説明員 現在の価格のきめ方についてよいかどうかということの御質問でございますけれども、御承知のような農産物価格安定法の趣旨といたしておりますところが、やはり市場の実勢価格、市場におきます自由取引というものを前提といたしまして、その場合の下限支持価格というような考え方でこの価格をきめることに相なっておりますし、また現実問題といたしまして、農産物資そのものが、やはりそれに見合います需要が喚起されないということであっては、農産物生産としても問題があるわけであると思います。したがいまして、市場におきます自由な取引ということを前提といたしましての適正な価格をきめていくという考え方で進むべきではないかというように思っております。
○兒玉委員 大体三十九年度の実績から判断した場合に、昨年の実績で反収平均どの程度の収入があがっておるのか。同時に、いわゆる労力費といいますか、一日働いて得た収入というものを労働日数から計算した場合に、どの程度の農民の労力費といいますか、日当になるか、大体の概数でもけっこうでございますので、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○武田説明員 昨年の三十九年産のカンショの生産費調査によりますと、カンショにつきまして一日当たりの労働報酬が四百十四円という数字に相なっております。
○兒玉委員 一日当たりのそれは、大体時間にして何時間労働で四百十四円というのが出ておるのか、明らかにしていただきたい。
○武田説明員 一日八時間ということに換算をいたしての計算でございます。
○兒玉委員 少なくとも一日四百十四円という、そういうほんとうに低賃金に苦しんでいるのが、私は農民の実態だと思うのです。これはいろんな資料によりましても、たとえば肥料代あるいは薬剤その他農機具等、とにかくこの上昇率というのはものすごい率を示しておるわけであります。しかるに、労賃はわずかに四百十四円と、いま長官の答弁のとおりでありますが、こういうことで、農民は特にイモをつくる以外に食っていけない宿命的な立場にあるわけであります。そういう点から考えます場合に、これはやむを得ずというか、食うために、生きるためにやっておるわけですけれども、もう少しやはり農民も人間でありますから——何といっても、基準価格の算定を需要と供給の関係だけからはじき出すところに私は問題があると思うのですが、現在の四百十四円という一日の労働賃金というものが適正であり、妥当と長官はお考えになるのかどうか、この点ひとつお聞かせいただきたい。
○武田説明員 いまの三十九年産のカンショの生産費調査の結果に基づきます労働報酬が適正であるかどうかということに相なりますと、これはやはり相対的な問題でございますから、直ちにこれが適正でないとかどうとかいうことはなかなか判定しがたいことであろうと思います。特に当該農村におきます雇用労賃その他の関係との関連もあるわけでありますので、直ちにこれが非常に安過ぎるとかいうようなことは即断はできない、こういうように考えております。
○兒玉委員 きょうは大臣がおりませんので、最終的な答弁を聞き出すことは困難でありますが、特に長官としても、現行の農安法による付録算式ではとうてい生産農民の十分な所得をまかなうことは不可能だ。しかもそれに加えまして、でん粉の需給関係というのは、先ほど長官も答弁されたとおり、十万トンくらい不足するような状況にある。こういう点から考えます場合に、やはり何といっても、でん粉の国内におけるいわゆる供給度を高めていくという立場からも、生産農民にもう少し意欲を与えるようなやり方でなければいけないのではないか、こういうように考えますので、この際、ひとつ特に生産費・所得補償が行なわれるようなことを私は十分検討すべきだというふうに考えますが、長官としてはどういうふうなお考えか、お聞かせいただきたい。
○武田説明員 いまの農安法に基づきます価格の算定は、先生御承知のとおりでございますが、生産費・所得補償というような考え方を直ちにいまのバレイショあるいはカンショの価格の決定に取り入れてくるということは、非常にむずかしいことではないかというように考えております。物価、賃金等の上昇につきましては、農業パリティ指数の上昇ということに一面反映されておるわけでありまして、そういう面での価格というものを一つの基準として考えていくということでいまの価格形成あるいは価格算定が行なわれておるわけでありまして、直ちにお話のような姿のものをここに反映するということは困難であると思いまするし、またいまの安定法の考え方というものもそのようなことではないか、このように考えております。
○兒玉委員 一応この論争は保留しまして、次に、基準価格に関する歩どまりの点についてお聞きしたいのでございますが、昨年、カンショは二三・五%、バレイショについては一六%を基本として、歩どまりが下がるものについては、〇・五%につき三十七・五キロ当たり、十貫当たり五円の割合で減額する、ところが、それから上がる分についてはほおかぶりということでございます。この点私もいままで研究不足でありましたが、今回ずっと鹿児島、千葉あるいは宮崎県等の主生産地の農民あるいは農協なり関係の諸団体と打ち合わせをしたのですが、非常に品種の改良をやりまして、現在鹿児島、宮崎県等においては農林一、二号、それに最近アリアケというのを栽培しておりますが、大体歩どまりは最低でも二七から、いいのは二九%をこえるというのが、農協関係者から聞いた実情であります。そういうことを考えますと、農協等の場合ほとんど全部が委託でありますので、歩どまりについてもそれだけでん粉量がふえますから、農民に還元されるわけでありますけれども、一般のでん粉業者の場合については二三・五%が基準でありますので、いわゆる七、八というふうに歩どまりのいい分については業者はまるもうけ、もちろん、これは価格操作の面で一〇〇%そういう点は指摘されないわけでありますけれども、この歩どまりについて私は非常に矛盾を感ずるわけです。減る分について五円の割合で減額をしながら、上がる分については二三・五%という上限をきめて、それ以上は全然考慮しないということは、私は非常に不合理ではないかと考えるわけでございますが、どうしてこういうふうな歩どまり制度をとっているのか、それを明らかにしていただきたいと思います。
○武田説明員 現在標準といたしております歩どまり以下のものについて、いまお話しのように、〇・五%歩どまりが下がりますようなものについては五円下げというものを基準価格といたしておりますけれども、農安法での基準価格につきましては、市価の下ざさえという意味合いをもっておるものと思っております。いわば支持価格的な性質のものでございますので、その場合に、標準の歩どまり以下のものについては、市価が下がりましたときに、不当に買いたたかれるというような問題をできるだけ防いでまいりたいという気持ちでございます。標準歩どまり以上のものにつきましては、本来的にそれだけの価値を持つものでございますので、一般の取引におきまして、基準のものを下ざさえしてまいりますれば、当然にそれ以上の価格が実現するものというように考えておりまして、いま申し上げましたような意味での基準価格ということでございますので、基準歩どまり以下のものについて特に数字をはっきりさしていくということで、十分その役目は果たし得るものというように考えております。
○兒玉委員 私はどうもいまの長官の答弁は理解しがたいわけでありますが、特に関東関係においても、あるいはバレイショの場合においてもほとんど最近は二〇%以上の歩どまりに品質が改良されているのじゃないか。こういうことを考えますと、結果的に考えますと、農協関係以外の場合は不当な歩どまりの基準によって相当利益を得ているのじゃないか。現在、それでは二三・五%を基準にした場合、それ以上がカンショの場合について大体何割くらい占めておるのか。それから二三・五%の基準以下は大体何割くらいか。生産量についてはどの程度の量か、この点おわかりであったら教えていただきたい。 同時に、現在の関東方面のカンショでも、大体関東五十五号等の場合においても、二五%を最低として大体二六%平均だ。こういう点から考えますならば、いま長官の言われておる答弁は、どうも実情にそぐわない感がするわけでございますが、それらの点あわせて御答弁いただきたいと思います。
○武田説明員 いまお話のございました二三・五%以上の原料カンショが、現在どのくらい取引されておるかということにつきましては、いま不明でございます。 それからあとの御質問でございますが、これにつきましては、私どもとしては、下ざさえの意味を持った支持価格でございますので、そのときにきめてまいります基準価格としては、平均歩どまりないしそれ以下のものについて決定をしていけば十分下ざさえの効果を発揮するものというように考えておるわけでございます。
○兒玉委員 せっかく生産農民が品質改良に努力しているわけでございますから、結果的に農民にその分が還元されるようにひとつ指導を十分配慮していただきたい、このことを要望申し上げておきます。 次に、やはり毎年繰り返しておるわけですけれども、サツマイモが農民の手を離れて農協なりあるいはでん粉業者の手に入ってから、いつもでん粉の早期買い入れということでもって、生産農民にはそれが還元されない。こういう状況にございますが、本年は多少でん粉の市況もいいわけですけれども、政府のでん粉買い入れについては、生産者団体の申し込みがあった場合は、やはり無制限買い入れということを私は基本とすべきだと思うのですが、同時に、そのような予算措置を早急にすべきだ。しかも本年の場合は、すでに先ほど長官が答弁あったとおり九万トンのいわゆる売り渡しをしまして——これはまあ会計、勘定は別でございますけれども、当然そのような措置を早急にしないと、四十年度の予算が編成されて、四月以降に政府がでん粉の買い入れをする、こういうことで、いつもでん粉市況というものが混迷を続けているということでございますので、まず第一点の生産者団体の申し込みによった場合は、無制限買い入れという原則は私は通すべきだと思うのですが、この点いかがでございますか。
○武田説明員 政府のでん粉の買い入れ数量の問題でございますが、これはやはりそのときの市況を維持していくということがたてまえでございますから、生産者団体の申し込みによりまして、無制限に買い入れということは、本来的に問題ではないかというように考えております。
○兒玉委員 大体先ほど長官の答弁があったとおり、本年は特にでん粉の供給量が不足する。こういう状況にある場合は、やはり現在の市況を安定する上からも、当然政府の買い入れるべき余剰でん粉の量というものも、そうけたはずれた数量ではないのじゃないか、私はこういうふうに考えるわけです。四十年度の予算措置においても、大体八万トン程度は予備費を含めて予算化されましたけれども、実質的には買い入れた数量は、先ほど答弁があったとおり、四万トンという数量でございますから、実際予算計上の半分しか実績として買い入れしておらない。こういう点から考えます場合に、当然来年度も、四十年度にいわゆる予算措置をした程度の買い入れということは、やはり基準価格の告示と同時に、そういうふうな姿勢を明確にする必要があるのじゃないかと私は考えますが、その辺はいかがでございますか。
○武田説明員 政府の買い入れ予定数量と申しますか、買い入れのワクにつきましては、カンショでん粉の価格あるいはバレイショでん粉の価格ということをきめます支持価格を一応の前提といたしまして、その上でどの程度の買い上げのワクを設けておく必要があるかということをきめてまいるわけでございます。したがいまして、明年度の予算におきましても、そのような考え方で、それに必要な予算額は計上いたしてまいりたいというように考えております。
○兒玉委員 特に本年の場合は、三十九年度分につきましても基準価格よりも高く売れているということは答弁のとおりでありますし、今後の予算要求についても、昨年度よりも大蔵省に対して私は強気で臨んでもらいたいと思うわけです。ちゃんとそれだけ国がもうけておるわけですから、その点、ひとつ昨年度よりも強気の主張をしてもらって、そのようなでん粉買い入れに対して、やはり今後これ以上市況が低迷することのないような措置をぜひとっていただきたい。 加えまして、今回の現地の調査でわかったわけですけれども、せっかく政府が買い入れをしましても、その買い入れの対象となるでん粉が、農協関係以外の一般のでん粉業者が持っている手持ちのでん粉が、本年は非常に暴落の結果あまりなかったわけですけれども、基準価格で買い入れの対象とする原料イモについては、やはり三十円の基準価格によって農民から買い入れたものでなければでん粉買い入れの対象にしないということが明確にされているわけですけれども、いわゆる農協関係以外のでん粉については、その基準価格ではたして生産者から買ったものであるかどうかという、その信憑性というものが、私は非常に薄いと思うのですが、その辺は、今回の四万トン買い入れの際には、どういうふうな指導をやってそれを確認されているのか。これはもちろん長官が実際にやるわけではございませんが、やはり出先機関がそういうふうな確認をして一応やるわけですけれども、何しろばく大な数量でありますから、それが非常にあいまいな点があるのじゃないかということを考えるわけです。その辺はどういうふうな指導をされておったか、お聞きしたいと思います。
○岡田説明員 御質問の点にお答えいたします。 農協の場合は委託販売という形をとっておるわけでございますが、でん粉業者の場合においては、農民とでん粉業者との間に契約が行なわれて取引が行なわれるわけでございます。その際、基準価格が支払われておるということを契約書によって明確に領収証をチェックいたしまして、その結果買い上げるというふうな措置はいたしておるわけでございます。
○兒玉委員 現在私たちが調査した結果では、大半の地区が、先ほど申し上げましたとおりに、農協等が買い入れた場合においても、一番高いところで大体二十六円くらいにしかなっていないわけです。そうしてまた、一般の業者の還元したところでも、一番高いところで大体二十四円から二十五円という実情なんです。そういう点からいたしますと、もちろん、これは農協等の場合は一〇〇%政府に売っているわけではございません。これは農協系統でプールして農民に還元しますから、一〇〇%ということは言えないにしましても、やはり一般業者等の場合については、特定の対象で買い上げしておりますから、当然これはもう少し還元の金額が高くなければいけないにもかかわらず、実際は基準価格より五円も下回っておるという実情から勘案しますと、いま岡田部長の言われたような的確な措置がなされていないのではないか、私はこういう懸念をするわけですが、その辺はいかがなものでしょうか。
○岡田説明員 その点は、先ほど申し上げましたように、基準価格が支払われるということの領収書をチェックをいたしまして、その結果買い上げておるということにいたしているわけでございます。したがいまして、それはいろいろな点でチェックをいたしておりますけれども、それでは絶対にそうであるかということになりますと、それはなかなかむずかしい面もあるかと思います。しかし、われわれの考えられる限りにおきましてチェックいたしまして、あやまちなきを期してやっておるわけでございます。
○兒玉委員 これは農林省の責任だけを追及するわけではございませんけれども、宮崎県、鹿児島県等におきましては、大体三割程度が農協が集荷をして委託加工する、七割は一般業者が買い入れている、こういう実情にあるわけです。ですから、いま岡田部長が言われたような的確な還元ができるためには、やはりもう少し農協がしっかりしてもらわなければいかぬと同時に、生産農民にも言えるわけでありますけれども、農協に窓口を一本にして他のでん粉業者等に加工させる、こういうような強力な行政指導をこの際していかないと、政府がきめました基準価格で農民に還元される場合に、いわゆる中間の搾取が堂々と行なわれているという結果になるわけでございますので、その辺の一元集荷、特に農協機関系統を通じたところの強力な指導をする必要があるのではなかろうかと思うのですが、この辺いかがでございますか。
○武田説明員 農協の一元集荷ということにつきましては、これはやはり農業団体のみずからの力ででん粉あるいはその原料カンショの集荷ということに順次御努力を願うという以外にはいたし方ないと思うわけでございます。もちろん、農産物価格安定法の趣旨からいたしまして、農民に基準価格が確保されるというような方向で、それが農業団体でありましょうと、あるいはでん粉の事業協同組合でございましょうと、的確にそういうことが実現されますように、私どもとしては今後もより一そう努力をしなければいけない、また指導を加えていかなければならないというように考えますが、現実に農協が、いまお話しのように、南九州地帯では三割程度の集荷力しか持っておりませんので、これを一挙に一〇〇%やれといっても、これは非常にむずかしいことではないかというように考えております。
○兒玉委員 これはいろいろ複雑な要素があるわけですけれども、農民としては現在が端境期でふところぐあいが非常によくない、こういう時期でありますので、イモの売りあせりもあるわけですが、最大の原因を調べてみますと、やはり農協にしましても、でん粉企業にしましても、長持ちするだけの資金繰りができない。現金の支払いも内金で農協等もやっておりますけれども、やはりイモの出荷期というのが一定の期間に限定される、しかもでん粉を売りに出すまでの間どうしてもその資金繰りというのが困難だ、こういう関係で、勢い買いたたくという結果になるわけですが、特に政府のそういうふうな強力な指導によってきちんとした保証をするならば、金融面における操作も相当余裕を持って農協等もできるのじゃないか。特に農協等の場合は農林中金というバックがありますけれども、一般のでん粉企業等の場合はそういうバックがないために、勢い市中銀行の借り入れも限定される、こういうような金融上の措置もやはりこの際考慮しなければ、どうしても安定した価格の取引が不可能じゃないか。先ほど申し上げました一元集荷の問題と含めて、金融上の問題についても、やはりこの際検討を要する時期に来ているのじゃなかろうかと存じますが、その辺はいかがでございますか。
○武田説明員 いまのお話の金融問題、これは現実の取引としてお話のように非常に大事なことである。私どもとしましても、一般の農協系以外のものにつきましては、商工中金等を通じましてできるだけその資金が確保できますようにお願いをしておる次第でございます。
○兒玉委員 次に、これも先般大臣に申し上げたわけですけれでも、現在全国に国営のアルコール工場というのがあるわけです。鹿児島県は出水と鹿屋にございます。前は宮崎県の小林にもあったわけですけれども、国営のアルコール工場が買っているカンショの価格というのが、政府の基準価格以下でずっと取引されているわけです。特に昨年のような暴落した時期においても、全然この基準価格というものを無視した取引がなされている。少なくとも国営事業でありますから、これだけはやはり基準価格で買うのが常識ではなかろうかと思うのです。この点、価格が基準価格より上回った場合はこれは問題があるといたしましても、相場が下がっている場合、国営事業であるアルコール工場がそういうふうな買いたたきをすることは、どうも常識論としても私は考えられないし、そういう点から考えますと、特にアルコール工場等のこれについては、やはり協定をしていただいて、基準価格以上で買う、こういうことを措置すべきだと思うのですが、この辺はいかがでございますか。
○武田説明員 国営のアルコール工場での原料カンショの入手価格につきましては、アルコール工場としてはそのときの時価で買い入れをしておるのだろうと思いますが、私どもとしては、できるだけ基準価格での買い入れを実現してもらいますように協力方を毎年要望いたしておりますが、今後もこの点については強力にお願いをいたしたいというように考えております。
○兒玉委員 この点、ひとつその趣旨が徹底されるように強力な措置をとっていただきたい、このように考えます。 それから先ほどの問題でありますけれども、コーンスターチの規制ということは前の国会できまったわけですけれども、現在の状況等から判断いたしますと、特にコーンスターチ等が水あめ関係の製造まで工場設備を拡大しまして、イモでんを原料とする水あめ業関係にも相当の脅威を与える。これはひいてはカンショでん粉の価格にも直接影響を与える問題でございますが、これらの点については、一がいにそういう水あめ製造部門まで規制するということは困難にいたしましても、やはりでん粉全体に与える影響が大でありますので、さらにコーンスターチの規制は強化していくべきではなかろうかと考えます。そういうことをしないと、ますます国内におけるカンショ、バレイショでん粉等の生産意欲というものは圧迫されまして、低下を来たす危険が大であると思いますが、その辺、再度長官の答弁をいただきたいと存じます。
○武田説明員 コーンスターチの規制の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、現在十八万トンということを目途に考えておりますが、でん粉全体としての需給関係がどのように今後推移してまいりますかによりまして、今後もさらに一そう検討を加えてまいりたい。やはりでん粉に関連をいたしますブドウ糖あるいは水あめ等等の業者が、でん粉の供給不足ということによりまして、操業が円滑にいかないということに相なりますと、このことは、また勢い国内産のでん粉にも影響がはね返ってまいるわけでありまして、これらの点については十分慎重な検討を要すると思いますが、でん粉の需給関係が不当に異常な形で問題を起こすということのないような配慮を加えなければならない、今後の推移に基づきまして善処をいたしてまいりたいというように考えております。
○兒玉委員 次に、これはブドウ糖の価格の問題でございますけれども、これは糖価安定法によって、たしか国内産糖なりいろんな糖価等を基準とする条項によりまして、農林大臣のほうにおいて価格の告示をするようになっていると思うのですが、本年度はすでに事業団も発足する段階にきておるわけですけれども、いつごろ大体告示をする予定なのか、その点明らかにしていただきたい。
○武田説明員 事業団のブドウ糖の買い上げ価格をきめますのは、十一月十日までにきめたいというように考えております。
○兒玉委員 新聞を見ておるわけですけれども、現在ブドウ糖なり糖価全体の状況は大体どういうふうな状況ですか、参考までにひとつお聞かせ願いたい。
○武田説明員 糖価とブドウ糖の推移でございますが、糖価につきましては、本年の八月ごろが最低でございまして、九十一円九十銭ぐらいの価格に相なっておりましたが、最近は御承知のように、事業団発足等のこともございまして、百五、六円の水準になっております。それからブドウ糖につきましては、本年の七、八月ごろの水準が大体七十六円、最近のものが七十七、八円、やや強含みに今後なっていくような傾向を示しております。
○兒玉委員 最後に、このカンショ価格の問題について、先般生産者なりあるいは農協団体等からすでに政府に申し入れがあったと思うのですが、最低いま農民の要求している金額は、少なくとも十三貫当たり五百円、キロに直しますと三・七五キロ当たり三十九円、これは二三・五%の歩どまりの場合でございますが、それだけとらなければ、ほかの賃金労働なりあるいは他の農畜産物に比べてとても追いつけない。しかも、過去十数年間の価格の変動を見てまいりましても、イモの価格の上がる率というものが一番低いわけです。お米に比べても、あるいは公務員の賃金ベース等の上がる比率に比べましても、率にしても五分の一以下という非常に低価格にあるわけです。その辺のことをひとつ十分考慮していただきまして、価格の算定を十分配慮していただきたい、このことを最後に御要望申し上げ、さらにあとの委員からも質問があるようでありますので、私の質問はこれで終わります。
○濱地委員長 芳賀貢君。
○芳賀委員 本日は農林大臣が沖縄出張でおられませんので、主として武田食糧庁長官にお尋ねいたします。 本年度のカンショ、バレイショでん粉及び原料イモの基準価格というものの決定については、作業をすでに進めておられるわけでありますが、毎年の委員会において問題になっておるのは、農安法第五条に基づき、政府が買い入れ価格をきめる場合には、必ず生産者団体の意見を徴して、その意見を尊重してきめなければならぬということになっておりますが、これが具体的に行なわれていないわけです。それで昨年も取り上げた問題ですが、本年は法律に基づいて、ぜひ事前に生産者団体の意見を徴する、このことを行なって、その生産者団体から出された意見等については、当委員会に報告をしてもらうべきであると考えるわけですが、ことしはどのように考えておりますか。
○武田説明員 これにつきましては、毎年生産者団体の御意見は伺っておるわけでございますが、本年も生産者団体の御意見は十分伺ってまいりたいというように考えております。
○芳賀委員 どういう形式で聞きますか。
○武田説明員 毎年各生産者団体から口頭で御意見を伺っておりますが、本年も同様な手続でまいりたいというように考えております。
○芳賀委員 口頭というのは、これは全くの逃げ口上であって、従来の政府当局の説明によると、たとえば指定団体である全販連あるいは全澱連等は、業務の関係上始終農林省に来ておるし、顔を合わしておるので、あらためて聞くようなことはしないが、適宜に口頭で意見を聞いております。こういうまことに不明確な答弁が毎年繰り返されておるわけです。せっかく農安法の第五条に、農林大臣は価格をきめようとする場合は、必ず事前に生産者団体の意見を聞いて、それを尊重して定めなければならぬということになっておるわけですから、従来の弊害をこの際一掃するためにも、何月何日までにカンショでん粉あるいはバレイショでん粉、その原料となるカンショ、バレイショ等に対する価格決定上の意見というものを述べてもらいたい、こういう要請を正式に発して、当然生産者団体としてもそれに答えて、全国の生産者を代表する立場に立って、あるいはでん粉の集荷団体としての指定を受けておる団体の立場に立って、あとに残るそういう具体的な書面をもって正式な回答を求むべきであるというふうに考えるわけです。この点については、イモでん粉関係の当委員会における記録を検討しますと、昭和三十二年の価格決定の場合に、この問題が指摘されたわけです。当時、農林大臣は赤城農林大臣、政府次官はいま理事をやっておる同僚の本名委員、食糧庁長官は小倉武一君、これらの人が担当しておったわけですが、この点については、当時も、従来単に口頭で意見を聞くというようなことは、これは弊害がある、誤りであったと認めるので、今後は必ず正式な諮問あるいは意見の提出ということで必ずやりますということが、これは明らかになっておるわけです。その後も一向に改善のあとがないわけですが、この際できないことではないでしょう。何月何日までに意見を求める、向こうもそれに応じて意見を提出するということでいいわけですから、これは不可能ということにはならぬと思うのです。これはぜひことしは明らかに行なってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○武田説明員 お尋ねの点につきましては、今日までいろいろな経緯があって、今日のような意見の聴取のしかたをしてきておったものだと思います。この点につきましては、過去の経緯等も十分検討をいたしてみたい、こういうように考えております。
○芳賀委員 これが行政上不可能かどうか、どう思っておりますか。
○武田説明員 行政手続として不可能だということではないと思います。
○芳賀委員 たとえば大豆、なたねが、自由化される以前は農安法の対象であったわけですが、これが自民党政府が無理やり自由化するということで、その微温的な対策として、大豆なたね交付金法というものができて、それでいま大豆、なたねは農安法から一応はずされておるわけですね。法律では削除されていないが、農安法ではこれは眠らしておるわけです。その大豆なたね交付金法の場合でも、大豆、なたねの基準価格をきめる場合には、必ず指定団体の意見を聞かなければならないということになっておるわけです。これは当時交付金法の法律審議の場合にも、農安法における生産者団体の意見聴取の結果について指摘した関係もありますし、最近はまたやらなくなったようでありますが、その交付金法が出た当時は、正式に団体の意見を聴取して、それで全販連とか、あるいは全雑連、全集連、それぞれ大豆、なたねの価格決定上これこれが適当であり、こういう点を希望するというようなものは、書面で正式に出ておりまして、これは当委員会にも資料として政府から提出されておるわけです。ですから、やればそういうことはできるにもかかわらず、ことさらにやらない。問題をあいまいにしておくということは、これに生産者団体のほうにも問題があると思うわけです。たとえば昨年の価格決定の直前の委員会においても、私の質問に答えて、当時岡田部長は、全販連等の意見を聴取したが、口頭で前年同様でよろしゅうございますという、そういう意見でありましたということが、委員会に伝えられておるわけです。一体生産者の立場に立っておる者が、責任のある立場の者が、口頭でただ去年どおりでよろしゅうございますとか、去年より下げてもけっこうでありますというような、こういう答申のしかたというものはないと思うのですよ。それは口頭ですから、正式な意見を聞かれておるのであるか、常時のつき合い上、これを個人的に意見を聞かれておるのか、区別がつかないのですね。たまたま不用意に去年どおりでいいでしょう、あるいは下がってもやむを得ませんと言った言質が、今度は食糧庁のほうから見れば、これは全販連の代表が来て、安くてもかまわぬ、そういう意見を述べたということで、それが根拠にされる場合もあるわけであります。こういうことはまことに不明朗な点ですから、やはり法律の条文で明らかに示しておる点については、これは言われなくても、行政上の当然の措置として、期限を付して意見を求めて、その内容を十分検討し、尊重して、そうして価格を農林大臣があらためて告示する、これが当然のやり方だと思うわけです。そう思わぬですか。
○武田説明員 生産者団体の意見の聴取ということにつきまして、必ずしも農安法におきまして手続その他をきめておるわけではございませんので、この意見の聴取のしかたにつきましては、いろいろな考え方ができると思います。しかし、先生のお話の点につきましても、私どもとしては十分考慮に入れまして、今後この点についてどのようにいたしてまいったら最もよろしいか、過去の経緯等も十分検討いたしまして、考えてまいりたいというように思います。
○芳賀委員 考える余地ないじゃないですか。それじゃこういう場合どうするのですか。あなたのほうはあくまでも書面で正式に意見は聞きたくない。しかし、今度は生産者団体が積極的に、今年度の価格決定上については、これこれの点を十分尊重してきめてもらいたい、農安法に基づいて、われわれは農林大臣から正式に意見を聞くと言ってこないが、これは当然価格決定前に聞くべきものを怠っておるわけであるから、生産者団体として意見を述べます、こういうことで正式な書面を提出したら、これはだめだというわけにはいかぬでしょう。口頭で聞きたいのだからだめだというわけにはいかぬでしょう。どうですか。
○武田説明員 農林大臣からの意見聴取の要請に対して、農業団体のほうで、生産者団体のほうで、書面でそれの回答をいただけば、それは別に私どもとして拒否するものではございません。
○芳賀委員 そうでしょう。だから、そういうことにことしはなるわけですから、あなたのほうで口頭で聞きたいと言っても、いまのようなああいう姿勢じゃ、とても全国の生産者は、指定団体であるたとえば全販連にまかせておくわけにはいかぬ、こういうことになっているのですよ。だから、全販連が書類で出したくないと思っても、全国の連合会とか末端から、ぜひこれは正式にやれ、全販連が何を述べたかわかるようにしてくれと突き上げられれば、やらざるを得ないですよ。それができない場合には、指定団体を取り消せばいいわけですからね。そういうことになるわけであるから、そうであれば、賢明な役人の立場から見れば、ことしはやはり正式に意見を出してもらいたい、こういう一通の文書を出せば、それでいいんじゃないですか。そのことを私は言っておるわけです。
○武田説明員 いまのお話の点につきましては、できるだけ改善の道を講じてまいりたいというように思います。
○芳賀委員 改善の道というのは、私の言った点しかないわけですからね。そういうことでしょう。
○武田説明員 先生の御意見等も十分尊重いたしまして、改善の方途を講じたい、こういうふうに思います。
○芳賀委員 次にお尋ねしたいのは、これは当面した価格上の問題でなくて、前の臨時国会の際に、当委員会においても、昭和三十九年産のバレイショでん粉に対して一万三千トン程度買い上げが必要であるということを委員会としても指摘を行ないました結果、これは食糧庁長官のほうで完全に善処をされて、八月十一日に一万三千トンを買い入れるということになったわけです。これはまことに妥当な措置であったわけですが、その場合、これは農安法第五条第二項にも明らかにされておるわけですが、政府が生産者団体が調整保管しておるでん粉を買い上げする場合、その基準価格にでん粉の金利、保管料を加算して買い上げるということになっておるわけです。 〔委員長退席、舘林委員長代理着席〕 この金利、保管料の算定が、買い上げのつど内容が圧縮されておるというふうに見受けられるわけですが、この点はわれわれとして、どういう算定の根拠を使って毎回の買い上げの場合に金倉の計算が違うかという点がまことに理解できないわけです。ただ保管の期限何カ月、これは保管されたということの月別の加算は、集計には当然その違いが出てくるわけですが、この計算の単位をなすところの金利、倉敷等の計算が毎回変わっておるわけです。こういう点についてこの際明らかにしてもらいたい。
○岡田説明員 買い上げの際の金利、倉敷等の加算につきましては、本来的に申しますと、金利、倉敷料というものは変わるものでございますから、したがいまして、そのときの情勢によってもちろん変わり得ると思うのでございますけれども、本年の買い上げにつきましては、従来の買い上げの考え方と特に変えているという点はございません。保管の基数とかいろいろな点で変わり得る要素はあるわけです。これはそのときそのときによって変わってくると思うのでございますけれども、基本的な単価等につきまして特に本年変えたというふうには存じておらないわけでございます。
○芳賀委員 いや、その点が変わっておるのですよ。この金利、倉敷の基数については、これは買い上げ時期によって相違があるわけですからして、加算されるその金利、倉敷の額というものは、これは変化があってしかるべきであるが、この計算の基礎ですね、それが毎回変わってきておるわけですよ。これは大蔵省との話し合いとかそういう結果によって、今回は金利、倉敷の原単位をどうやるかということで変化がくるということは、おおよそ察知はつくが、しかし、法律に明らかに金利、倉敷を加算して買い上げるということになっておる以上、毎回その根拠が変わるということは、これはわれわれとして納得できないと思うのです。そういうことになると、安心して生産者団体が積極的な調整計画を立てて、農林大臣の承認を得て調整保管の努力をするということに不安を感ずるということになるわけですね。だから、これは今後根本的に改善を約束してもらわぬと、問題は、政府買い上げよりも、生産者団体の調整保管行為というものが積極的に計画的に行なわれれば、毎年のカンショでん粉の買い上げとか放出のようなことを繰り返す必要はないとわれわれは考えておるのです。バレイショでん粉のほうが、市況とか需給関係から見て事情が相当悪くても、農協が主体となって調整保管行為を計画的に強力にやるわけですからして、大体政府の支持価格というものはこれは維持しておるわけですね。ただ、その場合の問題は、でん粉年度内において完全にそれが販売できない、処分できないというような悩みが、需給上たまたま生ずることがあるわけですが、そういう場合には、先般食糧庁が行なわれたように、過剰と認められる分については政府が買い入れをする。その場合に、政府の基準価格を市況が下回っておらなくても、これは当然のこととして買い上げするという、そういう道を明らかにしてもらったわけですから、これは保管団体から見れば非常に将来に希望を持ってやれるということになると思うわけです。問題は、買い入れする場合の金利、倉敷等の計算の根拠というものを合理的に現実的に食糧庁が中心になって行なう、こういうものは当然大蔵省が認めるということにすべきだと思うわけですが、その点をこの際明確にしてもらいたい。
○岡田説明員 先ほど申し上げましたように、金利、倉敷につきましては、本年度特に変えておるということはございません。しかし、金利、倉敷が幾らかかるかという問題は、そのときの金利水準だとか倉敷料だとかということによって影響をされるわけでございますから、永久不変的に動かされないという性質のものではないので、相当の変動がございますと、その点は考慮して上げるとか下げるとかいうことに当然なってまいるわけであります。それで、現実に必要な金利と倉敷料が加算されればよろしいということになろうかと思うわけでございます。それ以上のものの必要はないわけでございます。そういう意味では、非常に変動がございますと、その点については考慮せざるを得ないということになりますけれども、それ以外の観点からこれを特に変えていくというふうな考え方は持っておらないわけでございます。
○芳賀委員 その点はわかりました。 次にお尋ねしたいのは、先ほど同僚の兒玉委員からも指摘がありましたが、毎年政府がイモ類の基準価格を決定して指示する場合に、その歩どまりに対する指示があるわけですね。いわゆるスライド制といわれておるわけですが、それはたとえば過去十カ年間の経過を見ると、決して、バレイショにしてもカンショにしても、歩どまり基準というものは、現在の基準ではないわけですね。たとえば昭和三十年から三十九年までの十カ年をとりますと、バレイショでん粉の三十年から三十一年までの歩どまり基準は一四・五%、三十二年から三十五年までの四年間は基準歩どまりが一五%、三十六年−三十七年が基準歩どまり一五・五%、三十八年−三十九年が基準歩どまり一六%というようになっておるわけです。それからカンショのほうは、昭和三十年から三十五年までの六カ年間は基準歩どまりは二一%、三十六年が二二%、三十七年が二二・五%、三十八年、三十九年が二三・五%ということになっておるわけです。このスライド制は、以前から歩どまりごとに格差をつけるということで始まったわけですから、たとえばバレイショの場合に、一四・五%とか一五%とかあるいは一五・五%の時代は、最高の限界を一六%に押えて、そうして〇・五%刻みに一定の格差をつけるというやり方でこれはきておるわけです。それで、歩どまりの最高が、最初からバレイショの場合には一六%まで、あるいはカンショの場合には二三・五%までということで、これはスライドの場合でも上位を押えてきたわけです。ところが最近は、そのバレイショもカンショも、ともにその上位といわれた一六%あるいは二三・五%にもう達しておるわけです。それでもう上がないから、歩どまりの悪い分だけを引き下げるという措置をやっているわけですね。これは誤りだと思うのです。最近の事情は、やはりバレイショの品種あるいはカンショの品種等についても、できるだけ高でん粉化の品種に改良されてきておるわけですから、そういうイモ類は、でん粉歩どまりも比較的少なくて水分の多いイモ類よりも、反当の収量は少ないということが定説になっておるわけです。しかし、生産者が改善して、従来は一四・五%とか一五%程度が標準であった平均歩どまりが相当高くなってきておるわけです。ということは、政府が一六%とかあるいはカンショの二三・五%をきめる場合は、これはこれ以上はないということを基準にしておるわけではないと思うのです。それ以上上位の歩どまりもある。しかしまた下位の歩どまりもある。大体平均的に見て、しかも品種改良の努力をさせるという刺激を与える意味からも、やや平均よりも上位に歩どまり基準を置くということで配慮されておると思うのです。ですからこの上があるわけですね。それをこれ以上の歩どまりについては一六%の価格と同一にする。これ以上の歩どまりについては二三・五%の価格と同様にするということで押える告示を出しているが、これは間違いだと思うのです。上を認めないというのであれば、下を認めなくてもいいじゃありませんか。農安法ができた当時の一本価格でいったほうがいいと思うのです。現に、たとえばカンショについても、これは関東と九州においては相当歩どまりが違うが、しかし、九州方面においてはもう二八%ぐらいの歩どまりの原料イモがどんどん出ておるわけですね。北海道においても品種改良の結果一七%台のイモもあるということになれば、そのイモ類については、ただイモそのものを買うわけではないでしょう。でん粉原料としてのバレイショ、カンショを買うのだから、当然そのイモに含有されておるでん粉を買うということになると思うわけです。ですから、これは政府にとっては何も損得のない問題じゃないですか。一六・五、一七%については、これはスライドで買いなさい、カンショについてもそのようにしなさいという告示をされても、何らこれは政府が財政上負担するとか実害を受けるという筋合いの問題ではないと思う。せっかくいままで生産者の努力とか農林省の指導等によって、でん粉歩どまりの優秀な原料イモが栽培されておるわけですから、この基準が上がるたびに、その上位についてもやはりスライド制を適用するという配慮は、これは指摘されなくても当然だと思うわけです。ですから、今年度決定する場合は、基準価格ももちろんでありますが、このスライド制に対して再検討を加えて改善をするということは言明してもらわなければならぬと思うわけです。
○武田説明員 私どもといたしましては、先ほど兒玉先生にもお答え申し上げたように、農安法に基づきます基準価格というものは下ささえの価格というようなものである。したがいまして、そのときのでん粉の市況というものの下ささえ価格として、基準のでん粉歩どまりの原料からのものを一本きめて、それ以下のものについて順次〇・五%の格差を算定をいたしておりますが、下のものをささえることによって上のものは当然にささえられてくるというように考えておりまして、各歩どまりごとにすべてをスライドさせるという必要はないのではないかというように考えております。
○芳賀委員 いや、それは間違いじゃないですか。何のために一六%あるいは二三・五%にしておるかということですね。結局これは基準価格の一六%あるいは二三・五%のイモは、政府の定めた価格によって取引しなければならぬ、それを下回ってでん粉製造業者が原料イモを買い入れた場合、その生産されたでん粉は政府の買い入れ対象にしないということが、これは第四条の買い入れ拒否条項としてうたわれておるわけですね。だから、歩どまりの悪いのはどんどん安く買いなさい、歩どまりのいいのは別に高く買わなくてもいいですよという、そういう思想は誤りじゃないですか。これは下ささえとか上ささえとかいう問題じゃないですよ。これは第四条に関連のある場合ですからね。だから、せっかくスライド制を採用したわけだから、一六%以下のイモについては、基準よりも安く買いなさい、安く買っても、その歩どまりの各段階に応じた価格で買えば、これは政府がでん粉を買ってあげましょう、しかし、一六%以上幾ら歩どまりのいいイモであっても、一六%の値段で買っても、でん粉は買い上げしてやりますよというのがいまの政府の考え方なんですよ。ですから、これは一六・五%、一七%の場合には、やはり〇・五%刻みで五円なら五円ずつ高く買いなさい、買わなければ買い入れ対象のでん粉としては認めませんということは、これは当然やらなければならぬじゃないですか。何のために農林省があるのですか。歩どまりのいいイモをつくれつくれと奨励してつくっても、一銭も高くは売れない。でん粉業者だけは歩どまりのいいイモを安く買えば、でん粉の回収率が多いわけですからして、企業者から見ればそのほうが有利になる。そういうことを一方的に認めるような農林省の態度というのは間違いだと思うのです。しかし、良心的な地域では、やはり上のほうもスライド制で買っているのですよ。たとえば私の町の農協の場合なんかは、こういうことは生産者である農協の組合員に説明がつかないのです。一六以下のものは〇・五刻みに安く買うが、一七%あるいはそれ以上のものは値段を高く買うわけにはいかないのだ、農林省はそうきめているから買うわけにはいかぬということは、これは説明がつかぬですよ。そうすると、当然これはスライド制を適用して、歩どまりの優秀なイモは当然それなりの価格で高く買うということでやっておるわけです。そういう現実というものをよく調査した場合においては、これは下ささえの法律だから歩どまりのいいのは安く買ってもいいというようなことにはならないわけです。
○武田説明員 これはかりにカンショについて二三・五%のものが三十円ということで、三十円以上で原料手当てをしたものでなければ政府は買わないという趣旨であると思うのであります。その場合に、歩どまりが二三・五%以下のものまで三十円で買いなさいというわけにはいきませんので、その〇・五%ごとに刻んだ標準の品質以下のものについては、幾ら以上でなければいかぬということをきめておるわけでございまして、三十円以上払ってはいけないとかそういう趣旨のものではないので、政府の買い入れをいたしますときの最低の下限をきめていくという趣旨でございますから、基準価格として採用しておりますものの基準歩どまり以下のものを例外的に規定をしていくということで、趣旨は通るのではないかというように考えております。
○芳賀委員 それじゃ一五%の時代に、どうして一五・五とか一六%を高く買わしたのですか。
○武田説明員 これは標準的な品質のイモというものを基準にしてきめておりますので、これが上がってまいりますれば、それに応じたものを基準価格としてきめてまいりたいという趣旨で、ほかの特別な意図があるわけのものではないと思っております。
○芳賀委員 だから、たとえば一五%か二一%をきめた、いまから四、五年前のでん粉用バレイショあるいはカンショは、大体標準的な歩どまりはその程度だったのですよ。それでなければ基準とか標準にならないでしょう。最高の歩どまりとか最低の歩どまりを把握するだけでは……。大体これはでん粉原料イモとしては、歩どまりとしてはこの程度が標準的なものであるということで、基準をそこに置いたのでしょう。ところが、その後、品種改良とか生産者の努力によって、今度は二一%は二三%くらいに上げても当然これが基準にふさわしい、あるいはバレイショの場合は一六%まで引き上げても、これは常識的に見ても妥当である、農林省の調査から見ても、そういう歩どまりの結果が出ておるということで、基準を上げたわけですね。最高をこういうふうにしたというのじゃないのですよ。標準が上がってきたわけですから、それに伴ってまだ上もあるし、またその下もあるということになるわけですから、当時の考え方というのは、標準的なものを基準価格に定めて、その歩どまりの上位、下位については〇・五%ずつに刻んで、価格差を設けるということでやってきておるわけだから、基準だけどんどん上に上げてしまって、もう上は必要ないというのはおかしいのですよ。これはそうじゃないですか。
○武田説明員 私どもの考え方としては、政府が買い上げます対象のでん粉の原料イモについて、たとえば三十円なら三十円ということで、それをそのまま強行いたしますと、それ以下の品質のものについては、現実にでん粉の買い上げということが非常に問題になるわけであります。したがいまして、三十円以下の品質しか持っていないものを原料とした場合には、それに応じた三十円見合いの価格で買ったものである場合も買い上げの対象といたしましょう、こういうことでございまして、現実の取引のカンショの値段を、それぞれ一番高いでん粉価を持つものから低いものまでいずれも規制していく、こういう考え方のものではないというふうに思っております。
○芳賀委員 その辺がわからないのですね。下はけしからぬと言っているのじゃないですよ。ただ、含有されたでん粉を買うのですから、基準が上がれば、基準の下の含有のイモが相当あることはわかるわけです。それは〇・五%刻みで安く買っておるわけだから、それがいけないというわけじゃない。ただ、下の歩どまりの悪いのは無制限にどんどん安く買わしておいて、上は同じ値段だ、何ぼ歩どまりがよくても、たとえば三十円とか二十三円で買えばいいんだという考えが誤りなんですよ。これだけが農安法の生産者に対するささえなんですよ。これ以外何もないでしょう。政府が指示した価格で原料イモを買わなければ、でん粉を政府が買い入れする場合に、そのでん粉は買い入れ対象にしませんよということを農安法の第四条でうたっておるわけですから、だから三十円以上に買わなくても、三十円で最高のものを買っていれば、それで買い入れ対象になるわけですからね。でん粉を直接買ってもらえる製造業者はそれでいいが、生産者としてはせっかく歩どまりのいいイモをつくっても、政府がそれを認めてくれないわけだ。やはり現実に一七%のバレイショも生産されておるし、二八%のカンショも生産されておるのだからして、スライドもそこまで及ぼすということは、当然政府として配慮しなければならぬ点なんですよ。そうなれば、一七%は二十三円で買うというわけにはいかぬから、たとえば二十四円で買わなければならぬ。二十四円以下で買った場合には、でん粉は買い入れしないということになるわけですから、これだけがイモづくり農家に対する法律上の一番のささえになるわけです。その突っかい棒をはずしてしまって、基準価格で、歩どまりの悪い分だけどんどん安く買いなさい、それは政府で安く買い入れるようにきめてあげますというやり方は間違いですよ。農林省としてはこれは間違いですよ。そういう冷淡なことをやれといってわれわれは議員立法でこれをつくったわけではないですからね。
○武田説明員 これは二三・五%というものを前提にして三十円という算出がされておりますけれども、本来的に三十円の原料イモを使ったでん粉を政府は買い上げるということが、この下ささえ価格あるいは政府買い入れ価格の基準としての三十円というものをきめたときの考え方であると思うわけです。したがいまして、三十円ということだけでまいりますと、それよりも品質の悪いものについては、これはでん粉を買い上げて価格の支持をすることができないということに相なりますので、その部分については、むしろ特例的な考え方で〇・五%ごとに五円下げということまで許容する、こういう考え方でございますので、特に非常に違った運用あるいは考え方であるというふうにはどうしても思えないわけでございます。
○芳賀委員 だから、たとえば二一%のときに、どうして二三・五%まで〇・五%きざみで基準価格より高く買いなさいと言ったのですか。一四・五%のときも、一六%まで上位三段階は高く買わしたのですよ。告示したのだから、高く買わなければでん粉は政府が買い入れしないわけですからね。スタートがそういうことになっておったのだ。いまは基準だけどんどん上げて——これはイモの値段を下げたいのだが、なかなか下げるわけにいかぬからして、基準歩どまりをどんどん上げて、いままでごまかしてきたわけでしょう。一五・五%でも二十三円である。一六%になっても二十三円である。生産者は実際は従来よりも〇・五%だけイモを安く売らなければならぬという結果になっているのですよ。これは全く農民をごまかしたインチキですからね。そういうインチキをやるつもりがなければ、以前のように一五%の基準でもいいのだから、以前の発足時代どういう思想で上下に格差を設けたかということをよく振りかえってもらいたいのですよ。
○武田説明員 私どもとしては、先ほど申し上げたような考え方でございますが、過去の経緯等ももう一度振り返って、よく検討はいたしてみたいというふうに思います。
○芳賀委員 これは再検討するというのですか。
○武田説明員 検討をさしていただきたいというふうに思います。
○芳賀委員 そこで、これに関連して、でん粉歩どまりがいいとか悪いという調査は、一体どこでやっておるのですか。
○岡田説明員 でん粉の歩どまりにつきましては、でん粉工場の調査の結果から標準歩どまりを出しております。
○芳賀委員 それは統計調査部ではないでしょう。食糧庁が都道府県の支所あるいは市町村に所在する出張所を通じて、指定したでん粉工場について歩どまり調査というのをやっておるわけですからね。統計調査部がやったのを資料にして取り上げてこういうことをやっておるわけではないですね、武田さんのところで自分でやっておるのですから。過去十年間の歩どまり調査というものの実績に基づいて、今年度は基準をもう少し上げる必要があるとかということを調査の根拠に基づいてやっておるわけだ。だからわれわれとしても、そういうことを現実にあなた方もやっておるし、現地で歩どまりがイモの品種改良によってもよくなっておる、あるいは工場の合理化等によってでん粉回収の成績が上がっておるという両面から見て、この基準が上がるということは、決して否定しておるわけではないのですよ。それに従って基準の上位のものについても、一定の約束に基づいて、生産者が含有量のいいイモをつくれば、収量では水分の多いイモより劣っても、含有量がいいから値段が高いということで、いまそれを奨励してやっておるわけですから、それが努力しても何にもならぬということになると、むしろ生産意欲を阻害するということにもなるわけです。これも全国のあなた方の出先がやっておるわけだから、ほんとうにこういう調査をして出た確信のある基礎であれば、やはりこの基準の上位というものがあるわけだからして、それによって適切な措置をしないといけないと思うのですよ。きょうは農林大臣もおられぬが、これは行政的にやれることで、法律に含有量によって値段をきめるなんということは何も書いてない。だから、食糧庁長官とか第二部長の良識によって、基準はたとえば一六であるが、一八までを今度は設けるとか、あるいはカンでんについては二五とか二六%まで今度は設定するとかいうことを行なってやれば、これは生産者としても非常に満足するし、その値段で買ったイモはでん粉の含有量が多いわけだから、でん粉製造業者としても損はないのですよ。なるたけ量的に少ないイモを扱って一定のでん粉が生産されれば、そのほうが有利なわけですからね。ただ、加工賃も上げないとか、イモの値段も据え置くということで、インチキだけやると、こういう障害にぶつかるわけですから、ぜひこの点は、新長官のもとにおいて、われわれとしてもなるほどこれはよくやったということで、ことしは作業を進めてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○武田説明員 先ほども申し上げましたように、私どもとしては、先ほど芳賀先生にお答え申し上げたような考え方でおるわけでございますが、過去の問題等もございますしいたしますので、もう一度検討をしてみたいというように考えております。
○舘林委員長代理 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、この際休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○濱地委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き質疑を続行いたします。芳賀さん。
○芳賀委員 午前に引き続いて質問をいたします。 お尋ねしたい点は、農産物価格安定法第五条の関係政令におきましても、毎年のカンショ、バレイショの基準価格をきめる場合には、農林大臣が行なう生産費調査の結果による生産費及び経済事情を参酌してきめなければならぬということになっておるわけです。 〔委員長退席、舘林委員長代理着席〕 そこで、九月四日に農林省の統計調査部から公表されました、昭和三十九年度のカンショ、バレイショ並びに大豆の生産費の結果が発表されておるわけでありますが、これはいずれも農安法によるとカンショ、バレイショ、大豆なたね交付金法によると大豆の価格決定に非常に重要な関係がありますので、この際、統計調査部のほうから、公表にかかる、特に本日はカンショ、バレイショの生産費の主要な点等について、概要の説明を願いたいと思います。
○堀江説明員 お答えいたします。 統計調査部におきますカンショ、バレイショ、大豆の生産費調査は、主としてバレイショにつきましては北海道に調査の重点を置いておりまして、種バレイショと一般の種バレイショ以外のバレイショとは分けて調査しております。 それで、一般のバレイショにつきましては、調査戸数は北海道で約百戸とってございまして、これの結果につきましては、九月四日の公表のとおりでございますが、最近の農業情勢を反映いたしまして、農具償却費が非常にふえてまいりまして、なお、労賃コストは、労賃の高騰によってかなりふえておりますけれども、全体としての労働の生産性の上昇を反映いたしまして、労働時間の減少ということがありましたので、この九月四日に公表いたしましたとおりの生産費でございますが、この場合の一日当たりの労働報酬につきましては千二百円見当についております。競争作物等に比較いたしまして、昨年の実績はほぼ従来同様、特に他のものに比して悪いというふうなことはなかったかと存じます。これの労働報酬の千二百円というのは、カンショの先ほどの四百十四円とお答えしましたのに対してかなり高いようでございますが、一つには、労働時間、経営規模が異なるという点と、それからこのバレイショには、でん原ばかりでなく、食用も込みで調査しておりまして、現在の調査の対象上、でん原だけとかあるいは食用だけとかいうふうに分けるということはいたしておりません。 なお、大豆の生産費につきましても、やはり調査戸数を重点的に北海道に配当してございますけれども、昨年度は御承知のように異常な減収でございまして、公表文にもございますように、収穫皆無のような農家もございまして、生産費を平均的なものとして表示することができず、やむを得ず、災害程度別に公表いたしたような次第でございます。なお、これにつきましては、したがいまして、いろいろ検討いたしました結果、被害があまりにひどく、平均的なものあるいは限界的なものというふうなものによって価格算定の基礎にすることがちょっと困難ではないかというふうに考えまして、この公表にあたりましては、災害程度別に一応取りまとめたというふうな次第でございます。 なお、これの生産費のやり方につきましては、米その他と同じく、自家労働は、すべてその地方におきまする農業臨時雇い賃金で評価いたしておる次第でございます。 簡単でございますが、一応……。
○芳賀委員 いまの説明の中で、労働報酬の基礎になるカンショ、バレイショの販売価格ですが、カンショは四百十二円ですか、カンショ、バレイショをちょっと……。
○堀江説明員 労働報酬の基礎になりまするものは、反当たりの粗収入を計算いたしまして、それから労働費以外のコストを引くことになっておるのでありますが、反当たりの粗収入はカンショの場合ですと——失礼いたしました。十アール当たりにいたしまして、カンショの場合は一万五千二百四十三円、それから三十九年産のバレイショの場合は、十アール当たりにいたしまして粗収入が一万五千三十八円で、なお十アール当たり収量は、調査農家につきまして、カンショの場合は二千五百九十九キロ、それからバレイショの場合は二千二百二十一キロで、この評価は、実際にその農家の販売いたしました実績価格によって評価してございます。
○芳賀委員 先ほどカンショ四百十二円と言われたのは、これはカンショの販売価格のことですか。
○堀江説明員 四百十四円と申しましたのは、これは農家の労働報酬でございまして、農家のただいま申し上げました十アール当たりの主産物収入がございます。カンショで申し上げますと一万五千二百四十三円、これからこれに要しまする一万八千七百二十五円という生産費を引きまして、それに評価によって入れてありまする自家労働費九千三百七十二円を加えまして、それを家族労働時間で除しますと、一時間当たりの労働報酬が出ます。それを八倍いたしまして、先ほど長官から申し上げましたように、一日八時間当たりと仮定して計算いたしますと、四百十四円というふうになるということでございまして、この場合、十アール当たりの家族労働時間というものは、カンショの場合でございますと十アールが百十一・三時間、それからバレイショの場合はずっと変わりまして、北海道のほうでございまして三十一・二時間というふうになっております。したがいまして、バレイショのほうの労働報酬が非常に高くつくというのは、反当の労働時間が非常に少ない、こういうことに大きな原因があるかと思います。
○芳賀委員 それじゃイモの販売価格でなくて、カンショの実質労働報酬が一日八時間で四百十四円、バレイショの場合には一日千二百円ということですね。
○堀江説明員 そのような計算になってございます。
○芳賀委員 そこで、お尋ねしたいのは、統計調査部の生産費調査は、いま言われたとおり、その地域における雇用労賃を主体にして計算されておるわけですが、三十九年度の生産費計算上の自家労賃に当てはめた雇用労賃の金額は、カンショ、バレイショそれぞれ幾らになっておりますか。
○堀江説明員 これは平均で申しますれば、ただいま申し上げましたカンショの場合でございますと、十アール当たりの自家労働費の評価額が九千三百七十二円となっておりまして、これに要する時間が百十一・三時間でございますから、平均値としては時間給八十七、八円になる、それからバレイショの場合ですと、家族労働費が十アール当たり二千八百八十円で、これが三十一時間でございますか、ですから、これを割りますと九十二、三円ということになっておりますが、これは平均でございまして、農林省の生産費調査では、市町村別の旬別に、しかも男女別に実際に行なわれておりまする農業雇用労働の賃金によって評価いたしまして、なおそれに現物まかない等がございますれば、それをも加えました賃金を基礎にして計算してございます。ですから、農繁期ですと日賃金はもちろん高くなりますが、労働時間も延びまするので、時間給としてはほぼ平準化されていくのではなかろうかと思っております。 なお、この八十円ないし九十円という格差、これは大体カンショの場合ですと、標本の重点が鹿児島と宮崎に片寄ります。それからバレイショですと北海道に片寄りまして、これの労賃単価は、農村物価賃金調査等から見まして、ほぼ見合った単価のように思われます。
○芳賀委員 そこで、生産費調査上の自家労賃の基礎は、雇用労賃方式によると、カンショは時間当たり八十七円ということですか。それからバレイショが時間当たり九十二円の労賃、こういうことになっておりますか。
○堀江説明員 ただいま申し上げましたように、これは平均でございまして、実際の積算は、もちろん百円以上の単価のもございますれば、五十円くらいの単価で評価したのもございますが、自家労働費の評価は、そのように旬別、月別に積算すると、提示いたしてありますような金額に評価されます。
○芳賀委員 私の聞いているのは、カンショの生産費については、十アール当たりの平均生産費が一万八千七百二十五円、それから百キログラム当たりの平均生産費が七百二十円、バレイショについては、十アール当たりの平均生産費が一万三千百九十一円、百キログラム当たりの平均生産費が五百九十四円、これが公表の内容ですからして、たとえばカンショの百キロ当たり七百二十円、バレイショの百キロ当たり五百九十四円の自家労賃というものが、つまり一時間当たり幾らあるいは八時間制にして幾らという、その点を明らかにしておいてもらいたい。
○堀江説明員 こちらの御説明がちょっと不適切のようでございましたが、この労働報酬と申しますものと、生産費を計算する場合の労働費のしかたとは、御承知のように違っておりまして、労働報酬のほうは、与えられた価格から自家労働費以外の現金支出を要する費用を差し引きました、いわば実現された所得というふうな意味になろうかと思います。それから、農村臨時雇い賃金で評価した生産費というものは、これはただいま先生の御指摘のように、カンショ百キロ七百二十円、バレイショ五百九十四円、これは百キロ当たりの生産費がそうなるということでございますが、この四百十四円とか、千二百十円とかいいますものは、実際に生産を行ないまして、生産物を販売いたしまして、現金支出を要するものその他費用を差し引いて、いわば所得になる額がこのくらいのかせぎにつく、こういう意味でございます。
○芳賀委員 その程度のことは、失礼ですけれども、わかっているのです。実質労働報酬が幾らかということになれば、その対象作物の実際の所得とみなされるものを実際の労働時間で割れば、一時間幾ら、一日幾らということになって、それがカンショは四百十四円、バレイショが千二百十円でしょう。それはいいのです。ただ、農林省が九月四日に公表した、カンショ百キロについては七百二十円、バレイショ百キロについては五百九十四円の算出の基礎の中に、自家労賃の評価というものが行なわれているわけでしょう。その評価というのは、従来農村の雇用労賃をそれに当てはめているわけですから、その当てはめた雇用労賃というものは、単価にして幾らだ、時間当たり幾らだ、八時間制で幾らだということを最初から聞いておるわけなのです。
○堀江説明員 バレイショの場合ですと、平均しまして時間当たり九十二円三十銭、それからカンショの場合ですと八十四円二十銭に、平均的にはそういうふうな賃金で評価してございます。
○芳賀委員 それではカンショの場合の自家労賃は時間当たり八十四円二十銭ですね。バレイショの場合には九十二円三十銭、これを基礎にして、投下したいわゆる自家労働時間をこれに乗じてできたものが、いわゆる七百二十円あるいは五百九十四円という中のいわゆる自家労賃ですね。そういうことになるわけですね。そこで、特に原料カンショ、原料バレイショの運搬費というものは見てないようですが、これはどういうことになっていますか。
○堀江説明員 この生産費は、圃場におきましてバレイショもしくはカンショという形質ができるまでのなまイモの裸そのままの費用を積み上げたものでございまして、搬出費、包装費その他一切含んでございません。
○芳賀委員 そうすると、調査したカンショあるいはバレイショが、その目的がでん粉の原料ということになれば、当然製造工場まで運ばなければならぬわけです。圃場に置いたままではでん粉にならぬのですからね。その運賃というのは、調査の結果はどういうことになっていますか。
○堀江説明員 現在統計調査部でやっておりますカンショ、バレイショは、圃場生産費に限定してございまして、それから先の販売費調査は、すべての作物を通じまして——若干例外は、牛乳あるいは米における保管調査のような例外はございますが、原則として圃場原価ということで、圃場生産費という段階までの生産費しかいたしてございません。
○芳賀委員 圃場価格ですね。そうすると、これをでん粉に製造する場合、原料イモの購入価格に製造諸経費を加算した値段が、いわゆる農安法からいうと、でん粉の政府買い入れ価格ということになるわけですからして、この方式でいくと、圃場から工場までの運搬費というものは、でん粉の加工経費の中に入れなければ包含できないということになるわけですね。生産費のほうに入っていないということになると、どこかに入れなければならぬわけですからね。そうすると、その分野は製造経費のほうに入ればいいということになるわけですか。
○岡田説明員 イモの価格なりでん粉の価格を算定いたします場合、過去三カ年の農家の販売価格というものを基礎にして計算をいたしておるわけでございます。その販売価格と申しますのは、工場まで持っていって売っておるものもあるし、それから庭先で売っておるものもあります。いろいろな形態がある。その形態がどういうふうな形のものであるかということについては明確でありませんけれども、調査をいたしましたところで、要するに、農家の手取りが幾らであるかということの販売価格を基礎にして計算をするという形になっておるわけでございます。
○芳賀委員 いや、岡田さんに聞いておるのではないですよ。あなたのほうはでん粉の値段をきめるときの答弁にしかならぬですからね。純然たる統計調査部の生産費調査の上から見た場合に、カンショ、バレイショの生産費の中には、特に原料イモの場合には、目的はでん粉の原料になるのであるけれども、それはあくまでも圃場価格であるということになれば、今度はでん粉の価格をもし統計調査部で生産費を計算するということになれば、運搬経費というものはどこかに見なければならぬでしょう。これは見ないというわけにはいかぬでしょうね。その場合には、結局生産費調査のほうに入れないとすると、でん粉の製造経費、その中に入れるより道はないのではないかということをいま聞いておるわけなんです。あくまでも統計学的な純粋な立場でもって答弁してもらわぬと……。
○堀江説明員 生産費によって価格算定の基礎にするという想定に立ちますれば、米の生産費の場合でもおわかりのように、統計調査部の米生産費と呼称しておりますものは、玄米という段階ができるまでの費用でございますから、米価算定に生産費及び所得補償方式で行なうということになりました場合には、別途に搬出費の調査、それから食糧庁のほうで御調査になりました荷づくり、包装を加えておるわけでございます。したがいまして、そうした意味におきます生産費、いわゆる販売原価というものまで行ないます場合は、これは別途の調査をその農家について起こさないとできないということになろうかと思います。
○芳賀委員 いや、そうではないのですよ。圃場までの生産費はいいのですよ。そのイモがでん粉に製造されなければならぬという場合に——圃場ですぐでん粉にならぬでしょう。それを加工工場の場所まで持っていかなければならぬでしょう。持っていくということになれば、労力もかかるし、費用もかかるわけだから、計算上はその費用は見ないというわけにはいかぬじゃないですか。だから、イモの生産費調査の中に見てないとすると、そのイモをでん粉にするということになれば、むしろ、でん粉の加工経費の調査の対象費目になるじゃないかというふうに私は聞いておるわけです。それはもう何も対象にならぬというのであればそれでもいいですよ。
○堀江説明員 要するに、原価計算でありますと、費用が抜けずダブらずというのが原則でございますから、生産費で一貫させるならば、調査の主体はともあれ、抜けてもいけないし、ダブってもいけませんから、全部が完成してでん粉という製品になるまで積み上げねばいかぬということになろうかと思います。したがいまして、ただこの間、もしこれでいくと、原料イモの生産に加工経費を加えただけではコストにならぬだろうとおっしゃれば、そのとおりということになります。したがいまして、繭の生産費あるいは米の生産費におきますように、やはり抜けずダブらずに、一応費用を積み重ねるということが至当と思います。
○芳賀委員 ですから、法律には、農林大臣は生産費を必ず調査してそれを参考に供さなければならぬということになっておるのに、あなたのほうは残念ながら圃場までの生産費しかやっていないのですね。ほんとうは、法律は食糧イモや何かを対象にしていないわけですから、それはあくまでもでん粉原料であるカンショ、バレイショの生産費調査、それを原料にしたでん粉のコスト調査というものは、むしろ一貫して行なわれたほうがいいわけなんですね。ところが、あなたのほうは圃場までしかやらぬ。あるいはやらされていないといえば語弊があるかもしれませんが、それで、それを接続した場合には、結局統計調査部の生産費調査とは別の時点で調査する場合の第一段階の費用ということに当然なるわけですね。その点が明らかにされればいいわけですが、その調査はいままでやったことはないのですか。
○堀江説明員 現在までカンショ、バレイショについてはいたしてございません。
○芳賀委員 そこで、生産費の計算方式を米価と同じように都市均衡労賃方式でやった場合、これがどういう価格になるか、ちょっと明らかにしてもらいたい。カンショの七百二十円は、都市均衡労賃方式でいけば幾らになるか、それからバレイショの百キロ五百九十四円は、米価方式のいわゆる都市均衡労賃でいけば幾らになるか、これをあわせて明らかにしてもらっておけば、後日食糧庁のほうでイモ価格をきめる場合にも、非常に作業が順調にいくと思うのですがね。
○堀江説明員 現在まだ試算はいたしてございません。
○芳賀委員 ことしの米価とイモ類でん紛をきめる時点が違うのですからして、必ずしも同様にはいかないわけですが、米価の場合の都市均衡労賃は、ことしは男女込み製造業五人規模以上の時間当たり賃金が百六十三円ということになっておるわけですね。だから行なうとすれば、同じ農林省が作業しておる均衡労賃を当てはめるということが一番妥当な作業だと思うわけですからして、これで大体見当がつくとすれば、自家労働の時間に時間当たり百六十三円を乗ずれば大体出てくるわけですね。ただだいぶ違うのですね。米価の場合には時間当たりが百六十三円である。ところが、カンショの場合には時間当たり八十四円であるのは、これは大体米価の半額ということになるのですね。労賃は二分の一。それからバレイショの場合にも九十二円ですから、大体五割五分、五五%くらいということになる。これは大体てん菜にしても、その他政府がおきめになる米麦以外の自家労賃というのは、食糧統計事務所の雇用労賃制でやっていけば、そう狂いはないわけです。ですから、これを採用した場合、生産費価格が幾らになるか、食糧庁のほうでもいいですが、これはいつも聞いているわけですが……。
○武田説明員 この統計調査部で調査されました三十九年産の生産費のうちの労働費部分、家族労働費部分につきまして、いまのお話の百六十三円、米のときの評価がえ労賃で算定をいたした場合、いま手元にございませんのですが、もし御必要でございますれば、できるだけ早く算定いたしまして、お示ししたいと思います。
○芳賀委員 それでは計算時間だけ必要でしょうから、あとに延ばして、結局八十四円二十銭を百六十三円に置きかえてやればできるわけですからね。これは四十年産米だし、いま私が論じておるのは三十九年のカンショ、バレイショだから、時点が違うが、おおよそ雇用労賃と均衡労賃を比較した場合の生産費というものはどうなるかということが、やや対比できればいいわけですから、そういうことについてちょっと計算してもらいたいと思います。 その間にお伺いしたいのは、農林省の告示によると、政府がきめたカンショ、バレイショの基準価格に基づく取引の場所というのは明らかになっていないわけですね。告示には載っておるわけですが、それは、この表の価格は、そのカンショまたはバレイショが生産された市町村の区域内において受け渡しが行なわれる場合の価格である。近ごろは市町村だってだいぶ広いですからね。その中のどこで取引されてもこの価格ということになると、圃場というふうにも解釈できるし、あるいは生産者がでん粉工場まで搬出してそこで渡すとも、解釈はいかようにもできるわけですが、大体食糧庁の考え方としては、同一市町村の区域内における受け渡しの場所というのをどのような場所が一番望ましいということで、この基準価格を取引価格として指定しておるか、その点をこの際明らかにしてもらいたい。
○岡田説明員 同一市町村内の取引ということで、特にどこが望ましいというふうには考えておらないわけですが、そのときの経済の実態によりましていろいろ変わってくると思うのでございます。
○芳賀委員 農林大臣くらいに岡田さんがなればそれでもいいが、残念ながらまだ第二部長ですから、それでは通らぬと思うのです。これは二様に利害が伴う。圃場ということになれば、圃場から工場までの運搬経費というものは、この基準価格に当然加算されなければならぬということになると思うのですよ。それは工場渡しということになれば、この基準価格によって工場まで持ち込んで渡す価格というふうに、そういう解釈も成り立つわけですね。ですから、前段の扱いでいけば、これは当然生産者が工場まで運搬した場合には、その運搬費というものは、生産者が行なえば生産者に支払われる、工場が行なえば工場の負担でそれが運搬されるということに当然なるわけです。最近は、ほとんど内地府県においても北海道においても、輸送手段ということになれば小型四輪とかトラックとかいうことがおもだと思うわけです。ですから、いずれにしても、運搬経費というものは、これは工場との距離によって差がありますけれども、最近は合理化工場がどんどん建設されておるわけです。大体北海道の場合は、一期間に一俵六十キロの単位で六十万俵ないし八十万俵くらいの処理する工場ができておるわけですから、自然その集荷距離、搬出距離というものは、たとえば半径二十キロとかそれ以上にだんだん及んでいくわけですが、これを一方的に生産者が二十キロも三十キロも運んで売り渡す値段が基準価格ということになると、これは相当生産者にとっては大きな負担ということになるわけです。ですから、この点は、先ほど統計調査部の担当者が説明されたとおり、生産費調査の時点では、これは費用に計算されていないわけですから、むしろ政府の買い上げでん粉の価格をきめる場合に、これは当然政府が決定するいまの基準価格に加算されるべきでん粉価格でなければいかぬと思うのですよ。その点はどうお考えですか。武田さんはことしからだから、過去の経緯にあまりこだわる必要はないと思うのですよ。
○武田説明員 告示にございます市町村の区域内において受け渡しが行なわれる場合の価格であるということでございますが、これはその土地におきます取引慣行その他でいろいろ違っておると思いますけれども、現実の価格算定の場合の私どもの考え方としては、工場持ち込みの場合もございましょうし、あるいは圃場での受け渡しということが行なわれている場合もございましょうし、いろいろその間には取引の形が変わっておると思いますけれども、私どもとしては、それらの平均的な意味での取引というものを前提にいたしまして、原料カンショの値段に工場のでん粉製造経費というものを加えて、でん粉の価格を算定する、こういう考え方でやっておるわけでございます。
○芳賀委員 いまの御説明によると、製造経費の中にそれが加算されるということになりますね。
○武田説明員 現実のカンショの取引価格というものを基準価格の三十円、こういうふうに置いて、それをもとにしてでん粉の製造経費を加える、こういうことでございますから、その運搬経費を——たとえばこの基準価格が圃場での価格であるということでありますれば、お話しのように運送経費というものを加える、それがでん粉の製造経費の中に入ってくるということになろうと思いますが、現実の取引を前提にしての三十円ということでございますので、運送賃を特に取り立てて計上するというよりも、現在の取引形態を前提にしたでん粉工場の平均的な経費というものを加算する、こういう考え方になっておるわけでございます。
○芳賀委員 ですから、イモの基準価格の中に、工場までの平均的な運賃というものは当然生産者負担という形で入っておるのだということになれば、基準価格から運搬経費を引いた残りがいわゆるその農家の手取り分ということになるわけですが、法律の運用はそういうことになっていないわけですね。ただ、今度はでん粉工場が運賃を負担するということになれば、それじゃ従来の加工経費の中にその分はどれだけ包括されているかというと、その根拠も従来は明らかになっていないわけです。そうすると、この運搬経費というものは、基準価格の中にも明確にされていない、でん粉の加工経費の中にも明らかにされていないということになると、この分だけは全く取り除かれておるということになるのですよ。だからこの際、政府として、この運搬経費というものは、たとえば六十キロを一俵にした場合、あるいは三十七・五キロを一俵にした場合、その単位については、平均的にどの程度の運搬経費が必要であるということになれば、当然これは工場渡しであればイモの基準価格の中に加算されなければならぬわけであるし、米の場合には、庭先から政府の売り渡し場所までの運搬費は、ことしは二十四円ですか、これはもう明らかに政府の買い入れ価格、基準価格に加算されておるわけです。だから、同じ政府がやるのに、運搬経費はわからぬというわけにはいかぬですよ。
○岡田説明員 それでは御説明申し上げますと、五条に、「政令の定めるところにより、農業パリテイ指数に基き算出した価格、生産費及び需給事情その他の経済事情を参しゃくして農林大臣が定める額に、加工に要する費用等を加えて得た額」、こういうことになっておりますから、ここにありますPOというものが、先ほどお話ししましたが、現実の取引形態において工場に運ぶ前にもあるし、あるいは庭先で売るという場合もありますし、そういうふうないろいろな形がありまして実現をした価格というものが、POという形になっております。したがって、いろいろなものが含まれておるわけでありますから、その中から輸送費とかなんとかいうものを引き抜いてやるという算定のしかたはしてないわけであります。そういうものが包括された形において現実に農家に手取りとして入る価格をPOという形で考えておるわけでありますから、したがいまして、先生のおっしゃるように峻別いたしますと、そういう議論ができるかと思いますが、もともとの計算の基礎が、そういうものを包括した形で計算することになっておりますので、そういう考えの前提のもとにおきましては、特にその輸送費をどちらに加えるかという問題は出ないのではないかというように考えておるわけであります。
○芳賀委員 従来はそうであっても、今後はそうであるというわけにはいかないと思います。したがって、農林大臣が行なう生産費調査の中に、ぜひことしは運搬経費というものを明らかにしてもらいたいと思います。生産者が工場渡しということであれば、従来の計算方式による基準価格にプラス運搬経費というものを明らかにすれば、それは生産者が工場まで持ち込めば、持ち込み価格幾らということになるわけですし、それから生産者に労力がなくて、工場側で車を出動して圃場で買い入れるということになれば、基準価格でそこで売ればいいわけですから、その場合に、むしろ今度は工場の加工経費の中に運搬経費というものが組まされる。いずれにしても、一俵三十円とか五十円とかいうものはどこかに入らないといけないと思います。何でもかんでも毎年据え置き、据え置きということで苦労されているが、こういう問題は、やはりこの際十分に取り上げて——生産者もだんだんりこうになってきておりますから、十年前にだましたようなことはいまは通らないですよ。われわれが地元に帰っても、いいかげんなことを言っても、だれも信用しませんからね。お互いに確信が持てて、これはこうなっている。運搬経費はこうなっておりますよということを、国の方針として末端に明らかにされなければ、非常に混乱が生ずる。こういうことですから、ぜひこれは十分検討して、価格決定前に委員会が当然あるわけですから、それまでに明確にできると思うのですが、いかがですか。
○武田説明員 農安法に基づきますでん粉の基準価格あるいはカンショの基準価格というものが、生産費だけできめていくというたてまえでございますれば、お話しのように、それぞれの段階についての経費を、それがでん粉工場の負担になるかあるいは農家の負担になるかは別といたしまして、調査をして積み上げていくという筋合いのものになろうかと思うのでありますが、現在のでん粉あるいはカンショ、バレイショの基準価格のきめ方は、現実の過去において実現されました取引価格を基準にして、それにパリティ指数を乗じ、あるいは需給の関係の指数を乗じて得ました答えを基準にして価格をきめていくというたてまえでございますので、それぞれの費用を構成する個々の費目について積み上げるということは、価格安定法に基づきます価格の算定としては非常にむずかしいことではないかというように考えるわけでございます。
○芳賀委員 そうじゃないですよ。これは時間がかかっても、あなたのほうの答弁が不十分だからやむを得ぬと思うのですが、第五条の買い入れ価格の具体的なきめ方については、第五条一項一号に、「甘しよ生切干、甘しよでん粉又は馬鈴しよでん粉については、その原料である甘しよ又は馬鈴しよにつき、政令の定めるところにより、農業パリティ指数に基き算出した価格、」これが一つですね。「生産費及び需給事情その他の経済事情を参しゃくして農林大臣が定める額」ここまでがイモのカンショ、バレイショの価格の算定ですね。これに「加工に要する費用等を加えて得た額」これがカンショでん粉、バレイショでん粉の価格ということになるわけだから、必ずしも既往のイモの価格だけにパリティ指数を乗じて算出した価格ということになっていないのです。むしろパリティだけでやろうとするならそれでもいいですよ。そうすれば、十年間も価格が据え置きとか、十年後に昭和二十九年より値段が下がっているなんというばかなことにはならないのですよ。生産費を調査するということになれば、さっき論議したように、これはどこかに入るのじゃないか。そういう点はいままで政府を信用してわれわれが黙認したような形になっておったが、いつまでもそういうわけにはいかぬということで、この際、この点を明確にして、ことしの価格算定の作業というものはぜひ進めてもらいたい、そういうことで繰り返して指摘しているのです。
○武田説明員 五条の政令で定めております算式については、私先ほど申し上げたわけで、生産費その他のしんしゃく事項についての生産費についてどう考えるかという問題につきましては、統計調査部の調査に基づきます生産費、これを基礎にして考えていくということでやってまいりたいというように考えておるわけでありますが、現実の取引の際に、工場持ち込みの場合に、どれだけが農家の負担になっておるか、あるいは庭先の取引のほうが多いか、それらの実態については、必ずしも現在明らかではございませんし、それらをいま直ちに調査して明確化するということも非常に困難なわけでございますが、ここでいう生産費というものについて、今後検討することについてはやぶさかでございません。
○芳賀委員 ではきょうは大臣も不在ですから、この程度にして、次会までに十分検討してもらいたいと思います。 それからこれとあわせて、でん粉の加工経費については、ここ数年間全く内容不明確で終わっているのですが、以前はこの内容について相当細目の資料を政府がお出しになって、当委員会の小委員会がこの審議会にかわる機関というような了解の上に立ってやってきたわけです。最近は与党と何かこそこそ話し合いをして、ことさら農林省案というものを予定した値段より少し下げて、それから与党の農林部会かあるいは農産物部会と話し合いをして、それで最初農林省が予定しておる値段まで少し上げて、大体前年据え置きということで毎回やってきたわけです。だから、そういう手の裏がみんなわかっておるのです。ことしもまたそういうことで、予定価格より少し下回ったものを持ち出して与党と話し合いをして、そうして与党の努力でこれだけ上がりましたということで、前年据え置きくらいにやるつもりかどうか。もう少し良心的に農林省の立場で、農安法に基づいて計算した場合はこうなりますということでやるお考えか、いかがですか。
○武田説明員 もちろん、与党のほうからの御要求がございますれば、私どもとしての算定基礎なりなんなりの御説明を申し上げなければなりませんが、私どもとしては、農産物価格安定法の趣旨に従って原案は決定してまいりたいというように考えております。
○芳賀委員 それならそれでもいいですよ。それじゃ加工経費についても、あしたでもいいですけれども、本年度予定される加工経費はどのくらいが妥当であるかという点について、これはぜひ提出してもらいたいのです。これは作況調査と違うわけだから、いますぐはできないでしょうから……。
○武田説明員 加工経費につきまして、いまいろいろデータを集めて検討いたしております段階でございまして、今度のでん粉価格をきめます際の加工経費を私どもとしてこういうふうに考えておるということの資料は、いますぐお出しするわけにはちょっとまいりません。
○芳賀委員 いや、それはあすでもいいですよ。ことしのをあすもし間に合わなければ——昨年、昭和三十九年度にきめた加工経費はわかるわけだから、その原料価格に加工経費を加算して政府の買い入れでん粉価格はきまっているわけだから、ことしのやつがあすすぐ間に合わなければ、昨年のでん粉決定価格の中における加工経費というものはこれだけである、各細目はこれこれというそれはあるでしょう。
○武田説明員 昨年のでん粉の価格をきめました際の加工経費につきましては、御必要がございますれば、お知らせいたします。
○芳賀委員 それでは明朝資料としてお出し願いたい。これは委員長、そういうようにお取り計らい願います。
○舘林委員長代理 承知いたしました。
○芳賀委員 それではもう少しお伺いしたいと思いますが、ことしのバレイショ、カンショの生産事情等については、午前中同僚の兒玉委員から質問がありましたので、おおよそ明らかになっていますが、これを昨年と比較して、特にでん粉年度における一年間の需給見込みあるいは需給計画を立てた場合に一体どうなるかということについて、もう少し詳しく説明を願いたいわけです。特に面積の点あるいは収穫量の点、でん粉の出回り、政府の手持ちとか、それからコーンスターチの生産事情とか、そういうものを昨年の実績と比較対照して、総合的に三十九年と四十年においてはどういうところに相違があるとか、特徴点があるとか、そういうことを基礎にして、政府としては今後一年間の需給計画とかその調整をどうやりたいということについて、前年との対比の中で、もう少し明瞭にしてもらいたいと思います。
○武田説明員 三十九年度と四十年度と並べて御説明を申し上げますが、三十九イモ年度におきましては、供給の総量は百二十五万一千トンというように考えられます。昨年の百二十五万一千トンと推定されます供給は、内訳といたしまして、前イモ年度からの調整団体の手持ち等が五万三千トン、それからカンショ、バレイショ、コーンスターチ等の出回り数量が百十万八千トン、それから政府の手持ちでん粉九万トンということで、合計百二十五万一千トンということでございます。これに対します需要といたしましては、大体百十四万八千トンのものが実需者に消化され、政府の買い上げが十万三千トン、合計百二十五万一千トンというように考えておるわけでございます。これに対しまして、四十年度の見込みといたしましては、先ほど申し上げましたように、供給といたしまして総計百四万八千トン、この内訳といたしましては、生産出回り数量として九十七万九千トン、それから政府の手持ちでん粉六万九千トン、合計いたしまして百四万八千トン。これに対する需要としては、昨年と同様というように考えまして百十四万八千トン。したがいまして、この間約十万トン程度の不足が見込まれる、こういうことでございます。
○芳賀委員 統計調査部にお尋ねしますが、四十年の春植えバレイショの予想収穫量は九月三日に公表されたわけですね。その後九月十五日にカンショの収穫量の調査の公表はすでに行なわれているのですか。
○青木説明員 お答えいたします。 ことしのカンショの予想でございますが、九月一日現在で調査いたしまして、この間、九月十五日に公表いたしました。これは先ほど食糧庁長官から申し上げましたとおりでございます。なお、この次が、九月二十日現在の調査を十月五日に公表いたします。これは前年度と比較いたしまして、十日早めて調査もし、公表もするという手はずで、いま検討いたしております。
○芳賀委員 そうしますと、バレイショについては、九月三日の公表で大体終わりですね。
○青木説明員 バレイショは、この間、九月三日でございますか、公表いたしましたが、内地は収穫高でございますけれども、北海道は予想収穫高でございます。北海道の実収高につきましては、十月五日ごろに報告を受け、十月十日に公表するようにしたいと考えております。
○芳賀委員 そうしますと、食糧庁のほうでは、それを待たなければきまらぬということじゃないですね。毎年の例からいくと、早いときは十月二日、あるいは十月十日前後に価格を決定して告示を行なっておるわけですから……。
○武田説明員 例年、バレイショにつきましては、九月の初めに公表されました予想収穫高に基づいてやっておりますので、本年もそのようにやりたいというように考えております。
○芳賀委員 先ほど説明された四十イモ年度におけるでん粉の需給見込みは、政府の見通しによると、十万トン供給不足ということになっておるわけですが、これはでん粉総体を見るとそういうことになるが、それをカンショでん粉あるいはバレイショでん粉というふうに区分した需給見通しを立てた場合においては、どういうことになるのですか。
○武田説明員 両者区分いたしました場合に、これは今度きめられます価格の見込みといったものによっても、その用途の入れ違いが出てくることもあるかと思いますが、かりに昨年とほぼ同じような需要の推移をたどるものというように考えました場合には、四十年度におきましては、カンショでん粉は、生産出回りが大体五十五万トン程度、それから政府が現在手持ちをいたしておりますのが二万七千トンで、合計五十七万七千トンの供給になるわけであります。これに対します需要としては、七十四万トン前後のものが、昨年とほぼ同じような需要というふうに考えますと、見込まれます。ただ、これは昨年はコーンスターチを原料にいたしておりましたものが、コーンスターチのほうの十八万トンという規制に基づきまして、一部カンショでん粉のほうに回るであろうというふうな置きかえをいたしました需要の見込みでございます。そういたしますと、カンショでん粉としましては約十六万五千トン程度の不足というようなことが結果されるものではないか。一方、バレイショのほうにおきましては、生産出回りとして約十九万トン程度、それに政府の手持ちでん粉が四万二千トンございますので、これの合計二十三万二千トンがバレイショでん粉の供給力になる。昨年と同様の需要数量があるといたしますと、これが十六万七千トンでございますので、バレイショでん粉におきましては、六万五千トン程度のものが過剰になってくるであろうというように考えておるわけでございます。
○芳賀委員 でん粉全体としては供給不足であるが、カンでん、バでんというように区分してそれぞれの需要を考えた場合には、不足になったり過剰になるという傾向があらわれるわけですね。これをどう調整するかということに対して、これがでん粉の需給調整上、政府として行なうべき一番重要な任務だと思われますが、それはどうお考えですか。
○武田説明員 その点につきましては、今後きめられます価格との関係もございますけれども、実は私個人的という面も多少ございますけれども、用途に多少の相違はございますが、バレイショでん粉とカンショでん粉、今年で申しますと、バレイショでん粉の値段が高いところにあり、カンショでん粉はそれに比べて安いところになっておる。明年どういうふうになるかわかりませんけれども、毎年カンショでん粉とバレイショでん粉との間にある価格の違いができております関係で、でん粉総体としての需要からいけば、両者の間に彼此融通ということが行なわれてもいいはずのものが、政府の買い入れ価格と申しますか、基準価格が違っております関係で、その間の消費なり流動化というものが円滑に行なわれていないということで、実は非常に苦慮いたしておるわけであります。これについて、いますぐこういうふうにいたしたいと申し上げられるような特別な考え方というものを実はいま持ち合わせているわけではございませんので、これらにつきましては、できるだけその間の彼此融通というものが何らかの形でできるようなことを今後考えていかなければなるまいというふうに思っておりますが、具体的にいますぐこういうふうにいたしたいということを申し上げられないことは、非常に私どもとして申しわけないのでありますが、非常に苦しい立場にございますことも御了承を願いたいと思います。
○芳賀委員 結局九万トン不足する。コーンスターチの供給を十八万トン見た場合に九万トン足らぬというわけですから、この点は先ほどから同僚委員等も危惧して質問している点です。これにまた便乗して、コーンスターチを増産させるような措置が講ぜられると、結局バイレショでん粉にしてもカンショでん粉にしても、大豆、なたねと同様に再び立ち上がることができないということになると思うのです。政府としては、農安法に基づくカンショ、バレイショ並びにでん粉、大豆、なたね、これはやはりいまの自民党の方針を尊重して、自由化がだんだん進んで、国産の自給度が低下して、将来は自滅してもやむを得ぬということで、長期見通しを立ててやるお考えですか。
○武田説明員 カンショ、バレイショが将来日本からなくなってもいいというようなことは、毛頭考えておらないわけでありますが、現実のでん粉の需要に見合った生産は、国内でできるだけ確保してまいりたいというように考えておりますけれども、同時に、バレイショでん粉あるいはカンショでん粉、いずれにいたしましても、ブドウ糖をはじめといたします大口の需要関係というものが成り立たないような価格であっては、やはりこれは何ともいたし方がないわけでございまして、やはりその間にそれぞれの需要部面というものが健全に発展をしていく、同時に、農家のバレイショあるいはカンショの生産それ自身も健全に経営されていくというような姿が実現されるように、われわれとしては努力をいたさなければなるまいというように考えておるところであります。
○芳賀委員 とにかく大豆、なたねにしても、自由化をやるために、交付金法というものをつくってやっておるが、これは毎年食糧庁の予算は確保されておるが、政府の基準価格あるいは販売標準価格のきめ方が不当なために、交付金を毎年ほとんど使わないで余しておるわけですね。そういうことが作用して、なたねについては、自由化になってから今日までの間に、以前の面積と比較すると、大体二〇%ないし三〇%の面積しかないわけです。大豆の場合にも、需要はどんどん伸びておるけれども、一方において国内の供給力が減退しておる。同じ時点で比べると、やはり七〇%くらいしか面積がないようになっている。それが今度はようやくカンショの面にもあらわれてきた。カンショは昨年の二百五十六万七百ヘクタールに対して、ことしは六万ヘクタールも反別が減っておる。これはそれだけの理由ではないですが、こういうことをそのまま進めていくと、結局自滅させるということにしかならぬと思うわけです。そこでことしは、コーンスターチについては関税定率法等の改正を行なって、いわゆるタリフクォータ制を採用したわけですが、第一次の関税割り当てを受ける分は十八万トンですね。これは農林省として、第一次の分は全部割り当てを終わって、全部輸入手配が済んでおるかどうか。それからそれを超過する、いわゆる二五%関税が適用される分については、どのくらい——これは第一次割り当てを受けた分を超過したものは二五%ということになるので、割り当てをした会社別に見るとわかると思うが、その範囲内にとどまっておるものであるか。それを越して今度は二五%のものをどんどん入れておるというような傾向であるか。これは大体本年度においては二十二万トン程度コーンスターチが生産されるということは、食糧庁でも明らかにされておる点です。タリフクォータ制というものが以前よりは全然効力がないとはわれわれは考えていない。ただ、関税定率法の改正によってどの程度の効果があらわれてきて、その運用に基づいて、特に競合するバレイショでん粉等、コーンスターチの市場における価格競争の問題であるとか、あるいは需要の変化というものに対しては、どういう事情になっておるか。
○岡田説明員 コーンスターチにつきましては、ことしの四月一日から関税割り当て制度にいたしまして、十八万トンということにいたしたわけでございますが、先年からコーンスターチの生産がどんどん伸びてきておることは、御承知のとおりだと思います。今年の能力からすると、二十七、八万トンくらいになるわけでございますが、それを十八万トンということで押えたということになっております。ことしの四月に、カンでんにつきましては四万トンの政府買い入れをいたしたわけでありますが、その後急速にカンでんの価格が騰貴してまいりました。これはいろいろな事情があると思うのでございますけれども、コーンスターチの規制というのも一つの要因ではなかろうかというふうに実は考えておるわけでございます。十八万トンの割り当てにつきましては、四月一日に第一次としまして九万トンの割り当てをいたしておるわけでございますが、第二次としまして、十月から残りの九万トンの割り当てをいたすことにいたしております。実績といたしましては、二十二万トン程度だと思われるわけでございますが、これは一部は、四月一日から関税割り当て制度で九万トンという制限をいたします前に、三十九イモ年度としては若干の持ち越しもあったと思うのです。そういうものと、それから工場はフル操業も非常に制限されまして、五、六割の生産になっておるわけでございます。したがいまして、コスト的に見ますと、非常に高いコストになっておるわけで、そこで、ある程度、二五%程度の関税のものも入れてやったほうが、工場としては非常に助かるというわけではございませんけれども、まあ非常に苦しいのをやや緩和できるという事情もあるかと思うのであります。そういう意味で、若干のものは二五%のもので入っております。したがいまして、二十二万トン程度ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○芳賀委員 昨年までは食糧庁として、コンスターチの生産がどんどんふえておることについて、これは決してバレイショでん粉あるいはカンショでん粉と分野において競合はない、新たなる分野においてコンスターチというものの需要が生じておるということの説明でありましたが、二十万トン、二十二万トンということになると、そういうことにはいかぬと思うのです。ですから、糖化原料にもしコンスターチが使われておるということになれば、これは明らかにカンショでん粉とその意味で競争するわけですね。カンでんの出回りが五十五万トンくらいに減ってしまえば、ことしは三十万トンくらいカンショでん粉からブドウ糖原料に回っておるわけでしょう。そうなると、今後ブドウ糖の育成ということから見ても、カンショでん粉重点ではなかなか不十分であるということになるわけでございますけれども、それではそこヘコーンスターチを持っていけばいいということには国内政策上いかぬと思うのです。そうすると、当然、ブドウ糖原料としても、バレイショでん粉もやはりそこへ向けられるということにならなければいかぬのじゃないですか。特に政府が買い入れて手持ちをしておるような分については、今後の需給見通しからいっても、それをまた一般のバレイショの需要面に政府が放出するということはできないと思うのです。そうなれば、量的な消費の対象ということになれば、やはりブドウ糖の原料のほうへ持っていくということが一番効果的ということになるが、しかし、この場合には、バでんとカンでんの価格が違うわけですから、今度の砂糖価格安定法によっても、政府が買い入れをするブドウ糖の価格については、農安法に基づくカンショでん粉の政府買い入れ価格を基準にして云々ということになっておるわけだからして、バレイショでん粉の価格をそのまま採用してブドウ糖の買い入れ価格をきめるということは、なかなか簡単にはいかない問題があるわけですね。これは何とか克服しなければならぬ問題だと思うわけですが、その点を一体どう考えておるか。 それから、競合はしないということをいままで農林省は主張してこられたけれども、実態はそういうことではないわけですね。ですから、二十万トン、二十二万トンのコーンスターチの出回りを認めておる、供給を認めておるという場合において、どういう分野で特に競合しておるか、今後バレイショでん粉をどういう状態で強く圧迫するようなことになるかという点について、二部長も考えておられると思うのです。その点をこの際できる限り明快にしておいていただきたいと思います。
○岡田説明員 ただいまの御質問の点でございますが、でん粉の種類の中には、御承知のようにカンでんとバでん、それからコーンスターチ、それから小麦でん粉があるわけでございます。最近小麦でん粉が急速に減ってまいっておるわけでありまして、そういう意味で、でん粉全体の供給量の中から小麦でん粉でまかなった分だけが減ってまいっておるというのが現実の姿であるわけでございます。 そこで、コーンスターチにつきましては、十八万トンということで押えたわけでありますが、二十二万トンということになってまいっておりますのは、一つは、生産が減少しております小麦でん粉に代替をするというような形が、若干出てまいったというふうに思われるわけでございます。もちろん、コーンスターチにつきましては、主たる用途というものは、御承知のように化工用のでん粉でございます。しかし、これが全然甘味的な用途に使われないかと申しますと、それはもちろん使えないことはないわけであります。価格だとかいろいろな状況のもとにおきましては、甘味の原料として使用されるということはあるわけでございます。しかし、主たる使用の道は、化工でん粉、こういうふうな形にいわれております。十八万トン割り当てをいたしますにつきましても、大部分のものがその本来の用途に使用されるということを前提にいたしまして、実は割り当てをいたしておるわけでございます。そういうふうな段階にあるわけでございます。 そこで、お尋ねのカンショでん粉でございますけれども、今年は相当生産量が減ってまいっております。したがいまして、先ほども需給計画で長官が申し上げましたように、カンでんだけを見ますと、十六万五千トンぐらいのものが不足する。一方バでんにつきましては、六万五千トン程度のものが、供給としては需要よりオーバーするものがあるということになるわけであります。先ほど長官も申し上げましたように、カンでんとバでんにつきましては、本来的な用途は別でありますけれども、同じでん粉として使用するということが相互の間にできないわけではございません。国民経済的に考えまして、国内でできるでん粉が、一方は過剰であり、一方は不足するというような事態があるということは、これは問題があるのではなかろうかということは、先生の御指摘のとおりでございます。したがいまして、カンでんとバでんとを彼此融通して使うというような状態が実現することが一番望ましいと思うのでございますけれども、この問題につきましては、先ほど長官が申し上げましたように、いかにしてそういうふうな望ましい姿にするかということにつきまして、実はいろいろと苦慮いたしておるわけでございまして、これにつきまして、まだ的確な、最終的な結論を得るというところに至っておらないわけでございます。
○芳賀委員 ですから、カンでん、バでんを一体のもとに扱うということになると、これはへたに政府がやられると、カンでん、バでんの値段を下げていわゆるカン、バ一体にすればいいというような、安易単純な構想を持つと、危険しごくなわけですね。でん粉で比較すれば、カンでんよりもバでんが高い価格できめられると思うが、原料イモで比較すれば、カンショの場合には三・七五キロで三十円でしょう。それからバレイショの場合は二十三円なんだからして、生産者の立場から見れば、バレイショのほうが安いわけなんですね。ただ、でん粉歩どまりが、政府の基準によっても、一方は二三・五%で、バレイショの場合は一六%、そういうことですからして、歩どまりの悪い原料イモを扱えば、自然製造過程においては経費がかさむということで、結局原料イモは、バレイショのほうが安いのだけれども、生産されたでん粉の値段は、逆に今度はカンでんよりバでんのほうが高いということになるわけですから、これを一致させるということはできないと思うのですね。バレイショの値段をカンショと同じようにしてくれるというならこれはいいが、そういうことでいけば、これはでん粉の価格差がますます拡大するということになるのですから、この調整は、やはり政府が政策的な施策の努力を通じて行なう以外に方法はないと思うのですよ。かつては、政府手持ちでん粉を、ブドウ糖育成のためとか、新しい用途拡大のために、必要な場合には百円程度安売りをして、ブドウ糖育成をした時代もあるし、そういう前例もあるわけです。ですから、総体のでん粉の供給力が衰えておる。しかも農安法上の価格を維持させるためには、政府が買って、手持ちを、たとえば四万二千トンのバレイショでん粉が放出できない。とすると、ますます供給が不足するようなことは、これはそのままではいけないと思うのですね。やはり政府の手持ち等についても、でん粉の価格を圧迫しないような体制の中で、有効に供給していかなければならぬということに当然当面すると思うわけでございまして、やはり四十年イモ年度におけるでん粉の総体的な需給計画というものを政府が明確に立てて、それに基づいて総合的な施策を進めるということでなければ、根本的な解決や調整はできないと思うのですが、その点はどうお考えですか。
○武田説明員 先ほど私からも、また部長からも申し上げたような段階でございまして、たとえばいま政府のでん粉をどういうふうな価格で売り出すとか、あるいはどういうふうに持っていくとかいうようなことにつきまして、直ちに申し上げられるような結論が出ておるわけでもございません。非常に長期的にはいろいろなことが考えられると思うのでございますが、短期的にいますぐどうだということになってまいりますと、なかなかむずかしい問題でございます。しかし、さりとて、これはほっておくわけにもまいらない問題でございますので、いろいろなところの影響等も十分慎重に考えながら、今後の対策を明確にしてまいりたいというように思っております。
○芳賀委員 次に、砂糖価格安定法あるいは甘味法との関係ですが、甘味法の最終時点で、ブドウ糖の買い入れをやるわけですね。砂糖価格安定法に移る前に、旧法による買い入れをもうおやりになったのですか。
○武田説明員 先日、ブドウ糖につきまして、約四千トンの買い入れをすることを決定いたしました。
○芳賀委員 その買い入れ価格の内容ですね。法律には、カンショでん粉の基準価格を基礎にするということになっておるのですが、それの資料をちょっとお出し願いたいと思います。 それから十月一日からは新法でやるわけですから、これはなかなかたいへんなことになると思うのですが、結局カンショでん粉を基礎にするということになれば、カンでんの政府決定価格とブドウ糖の政府買い入れ価格というものは、政府買い入れ価格の告示は十一月十日ですか、それまでには十分検討して告示しなければならぬということになっておるわけです。しかもカンでんの用途の大半がブドウ糖原料であるということになると、これは無関係に扱うわけにはいかないと思うのです。それで、この点の配慮というものは、砂糖価格安定法の立場からながめた場合と、農安法の立場からながめた場合と、両方の側面があると思うわけですが、しかし、扱う役所は食糧庁ですから、これは武田さんと岡田さんのところでどっちも扱うわけですから、この点は、長期の展望に立った場合において、それから国産糖の自給力向上の面から見ても、非常に重要な点だと思いますけれども、どういうような基本的な構想で扱うつもりか、考えが固まっておればお聞かせ願いたい。
○岡田説明員 それでは申し上げます。 先ほどお話がありましたブドウ糖の政府買い上げ価格でございますが、これは昨年十一月に決定いたしましたのが八十三円で、千六百八十円のでん粉を前提にいたしまして、ブドウ糖買い上げ価格が八十三円ということになっております。したがって、今回政府買い入れいたしましたブドウ糖の買い入れ値段は八十三円ということになっております。来砂糖年度に、十一月十日にブドウ糖の事業団の買い入れ価格をきめることになるわけでございますが、その際は、御承知のようにでん粉の基準価格を基礎にいたしまして、コスト計算をして買い入れるということになるわけでございます。砂糖の価格安定法を考えますときに、国産糖の合理化目標価格というものがあるわけでございますが、国内産糖につきましては、将来その点まで合理化をする目標だというふうに考えておるわけでございますが、その点につきましては、ブドウ糖についても、実は同じような考え方をいたしておるわけでございます。当時は千六百八十円というものを前提にいたしまして、ブドウ糖の価格がある程度合理化されるということを考えてきたわけでございます。それからでん粉の価格がどういうふうになるかということによっての制約もあるわけでございますので、国内産糖のように単純にはいかないと思いますけれども、そういう方向に向かって努力をするという点につきましては、国内産糖とひとしく考えておるわけでございます。
○芳賀委員 ブドウ糖の企業の状態を見ても、これは非常に混乱して、動揺しておるように見えるわけですが、これはやはり企業の善意な意味における合理化というものを進めないと、ブドウ糖の合理化目標価格から逆算していくということになれば、原料でん粉の価格を押えなければならぬということにもなるし、また、その原料であるイモの値段を圧迫するということになると、これはたいへんなことになる。そういうことは望んでいないわけでしょう。ですから、ブドウ糖の企業部門の中で、近代化、合理化というものを政府が十分てこ入れをして行なうということでなければ、いわゆる合理化目標の達成はできないと思うわけですが、そういう点に対する指導体制はとりつつあるのですか、放任しつつあるのですか。
○岡田説明員 御承知のように、でん粉の需要を開拓するという意味で、ブドウ糖工業が発展してまいったわけでございますけれども、ブドウ糖工業は、砂糖の価格と非常に密接な関係があるわけでございます。したがいまして、糖価いかんによりまして、ブドウ糖の価格というものは非常に変わってくるわけでございますけれども、ブドウ糖企業といたしましては、原料代の占める比率が非常に高いわけでございます。したがいまして、企業による努力というものも限界があるわけでございまして、無制限に合理化をするわけにもなかなかまいらぬ。しかしながら、企業の内部で合理化できるものにつきましては、最大限の合理化をする必要があるというふうに考えておりまして、現在ブドウ糖企業に対しまして、新しい合理化計画というものを、業界のほうの意見も聞きながら検討いたしておるわけでございます。
○芳賀委員 それでは他の同僚委員もまだ待機しておられるわけですから、きょうはこの程度にとどめておきますが、先ほどの、カンショ、バレイショの自家労賃を都市均衡労賃で計算した場合に幾らになるか、これはできたのですか。
○岡田説明員 それでは、先ほどのお話の点の計算ができましたので、お答えいたします。 カンショにつきましては、百キログラム当たり七百二十円でございますが、都市労賃に置きかえますと千六十円ということになります。それからバレイショにつきましては、五百九十四円でありますが、都市労賃に置きかえますと六百九十円ということになります。
○芳賀委員 それではちょっと資料の要求だけして終わりたいと思いますが、先ほどもちょっと触れましたカンショ、バレイショでん粉の加工経費、今年度のはまだまとまっていないとすれば、三十九年度の加工経費の実績調査はされておると思うわけですけれども、なるたけ根拠のある、加工経費の細目にわたっての内容が明らかになるような資料を出してもらいたいと思います。 それからコーンスターチのいわゆるタリフクォータによる十八万トン分の——先ほど第二部長は第一次、第二次割り当てでやっておると言われたのですが、これの割り当ての内訳、会社別数量、これが明らかにできれば、そういうことで出してもらいたいと思います。 それからコーンスターチの用途、たとえば二十二万トンの用途というのは、これはどういうほうに向けられておるかという資料と、それから同じ三十九年のカンショでん粉、バレイショでん粉の用途別数量、これらを明朝までに資料として提出するように委員長から御指示をお願いいたします。
○舘林委員長代理 いかがですか。
○武田説明員 できるだけ御要望の数字は取りまとめてお知らせいたしたいと思いますが、会社別のコーンスターチの割り当て内訳につきましては、会社の企業の内容にも関係することでございますので、できれば控えさせていただきたいというように思います。
○芳賀委員 それは秘密事項になるのですか。その程度のは、いままで輸入粗糖の割り当てをするときにも、全部商社別、会社別というのはお出しになったわけなんですから、関税の割り当ての内容くらい、公表じゃなくて、関係委員会に資料として出せぬということはないじゃないですか。きのうの決算委員会の国有財産の不当売り渡しとはちょっと違うと思うのですけれども……。
○武田説明員 そういった意味での秘密事項であるとかなんとかいうことではございませんので、検討させていただきます。
○芳賀委員 もう一点、けさの説明では、今年度のイモ類でん粉の価格計算上の作業というのが、まだ現在の時点では進んでおらぬというお話でしたが、明日参考的なものでももし出せるとすれば、まとめて委員会に提出してもらいたいと思います。全然そこまでいっていないとすれば、これはやむを得ないですけれどもね。
○武田説明員 まだ十分な検討なり作業に入っておりませんので、御参考になるようなものがお出しできるかどうかわかりませんが、私のほうでいまやっておりますことと関連をして、もし御参考になるようなことがあれば、できるだけお示しするようにいたします。
○舘林委員長代理 中川一郎委員。
○中川(一)委員 農安法についてのいろいろこまかい点については、それぞれ両先生から質問がありましたが、私は、農安法がなぜ制定をされて、そして過去十数年にわたってその目的が達成されてきたかどうかということについて、まず、大きな目で質問をさしていただきたいと存じます。 第一条に、「この法律は、米麦に次いで重要な農産物の価格が正常な水準から低落することを防止し、もって農業生産及び農家経済の安定に資することを目的とする。」と書いてございます。ところが、昭和二十九年から一つも値段は上がっておらない。一方、物価、あるいは賃金、あるいは農産物パリティ指数、すべてが六〇ないし七〇、ものによっては一〇〇%以上値上がりをいたしておる。言ってみるならば、貨幣価値が六〇ないし一〇〇%ぐらい下がっておる。言いかえるならば、バレイショの値段は、六〇ないし一〇〇%といかないまでも、実質的に相当下がっておると見てもいいと思うのでありまして、第一条にいう低落することを防止するはずの法律が、一つも防止できなかったのではないか。これはいろいろの事情があったでありましょうけれども、十年間の過去を振り返ってみると、そういうことが言えるのではないかと私は思うのでありますが。その点について食糧庁長官はどういうふうに考えられるか。十年間の農安法の功罪というか、目的達成はどういう結果であったかということについて、長官の御意見を承りたいと思います。
○武田説明員 どうも私がお答えしますのにはたいへん政策的な大きなお話でございますけれども。農産物価格安定法の第一条で申しております「正常な水準」というものをどういうふうに理解するかということにもかかってまいると思うのでございますが、カンショあるいはバレイショについての需要の態様というものも、過去から現在に至りますまでの間に相当違ってまいったと思います。現在これらから生産されますでん粉を消費いたしております各種需要面というものがまた倒れてしまいますれば、カンショ、バレイショそのものの生産もなかなか維持ができないということに相なってくるであろうと思います。カンショあるいはバレイショの個々の年々の価格というものは、多少の変動はございますけれども、ほぼ据え置きないしは多少の上がりという程度で来たことだけを着目いたしますと、ほかの農産物というものは、特に米その他について値上がりをいたしておりますけれども、一方で、やはりこれらのものについては、需要と供給との関係がその間に介在をいたしておるものと思っております。したがいまして、カンショ、バレイショについては、それらの需要の面も一面で非常に拡大をされてきておる。そういう中において実現されます市場実勢価格が不当に落ちないようにということの観点から、いままでの基準価格なり価格支持的な作用が、この法律に基づいて政府買い入れというような手続を通じて行なわれてきておりますわけで、これがはなはだしく法律の目的を達していないというふうには必ずしも思っておりません。それなりに効果をあげておるというふうに考えておりますけれども、それではこの法律で完全であるかということになると、それはそれぞれの立場からいろいろな御批判があるかと思いますが、農産物価格安定法の目的を全然達しておらないというようには考えておりません。
○中川(一)委員 私は端的に聞いておるのです。この法律で、たとえば目的は「正常な水準から低落することを防止し、」とはっきり書いてあるのですけれども、私は、貨幣価値がきわめて下がっておるのに一つも値段が上がっておらぬということは、暴落と見ておりますが、この十年間に暴落しなかったかどうか、この点について長官の御意見を承りたいわけです。
○武田説明員 これにつきまして、単に貨幣価値の変動ということからいきますと、同じ価格であるということは、貨幣価値が下落いたしますれば、それに応じて価値そのものとしては下がったということが言えると思いますけれども、一方で生産面における改善でございますとかいうような面も、全体としてはやはり考えてまいらねばならぬことでありましょうし、ここで申します正常な水準からの低落というのは、現実に想定されます市場実勢価格というものから不当に低落するということがないように、それを支持していこうというのが、この安定法の主たる目的ではないかというように理解をいたしておるわけでございます。
○中川(一)委員 それではその次に、「もって農業生産及び農家経済の安定に資することを目的とする。」とはっきり書いてあるのですが、この農安法によってどれほど農家経営が安定し、あるいは農家経済が安定したか、その点についてのこの法律の効果というものについて、農林省はどういう認識を持っておられますか。
○武田説明員 農業生産あるいは農家経済の安定にどの程度貢献したか、あるいは資したかということにつきまして、これは数字をもってどうこうと言うわけにもまいらないと思うのでありますが、先ほど諸先生からカンショの植えつけ面積の減少等の御指摘がございましたけれども、やはりカンショあるいはバレイショの生産そのものが、主産地におきましてはやはり重要な農産物として続けられてきておりますし、特に北海道等におきましては、昨年の冷害ということもあったと思いますけれども、バレイショの作付面積も増加をいたしておるというようなことでございまして、この法律はそれなりにやはり農家の生産あるいは農家経済に役立っておるものと考えております。
○中川(一)委員 それに関連いたしまして、第一番目に、米麦に次いでバレイショあるいは大豆は大事な重要な農産物だとはっきり書いてあるわけですが、私ども見るところでは、米麦については、御承知のように価格対策にしてもあるいは共済制度にしても、これも不十分でありますけれども、まあまあかっこうがついておる。ところが、一たびバレイショあるいは大豆になると、全く値段は上がらない。また交付金なども余してしまう。もう次いでじゃなくて、ずいぶんかけ離れたように私は思いますが、いまやっておる農林省の政策、たとえば食管会計でもって、一体どれくらいでん粉に対して過去十年間にめんどうを見てきたか、米についてはどれくらいめんどうを見てきたか、この数字から見ても、農林省は米麦に次いでやっているということを言い得る自信があるか。私どもは、全く次いでじゃなくて、かけ離れてということばを使いたくなるほど、めんどうを見ておらない。悪い意地悪的な言い方をするならば、この法律の精神を全く生かしていないのではないかというふうに私は思うのでございますが、そういった食管会計、農林省がめんどうを見た国の予算というか、金額の面から見て、米に次いでおるかどうか、その辺のところをひとつお聞かせを願いたいと思います。
○武田説明員 過去十年間に米麦の関係で財政負担がどのくらいあったか、あるいはカンショ、バレイショの価格安定のためにどういう財政支出がなされたかということにつきまして、いま手元に数字はございませんけれども、これはもちろん、米、麦に投じられた赤字補てんの額が圧倒的に多いということは、常識的にもおわかりだと思います。しかし、その金額の大小ということが、必ずしも直ちにこの価格ということにはならないのではないかというふうに思いますのは、米につきましては、食糧管理法に基づきまして完全な全面的統制を行なっているわけでございます。その間に生産者価格あるいは消費者価格というものが、精神としては一つの米というものの商品の価格でございますから、相関連をしたものとして考えらるべきであると思いますけれども、現実の算定としては、一方では家計の安定というような事柄から、一部財政で負担するというようなことが入ってきております。それに対しまして農産物価格安定法のきめ方というものは、自由な取引ということを前提にいたしまして、そこで実現されます適正と考えられる価格水準というものを維持していこうというのが、この農安法の考え方であると思いますので、そもそも法律の目的ないし態様というものが違っておりますので、それを二つ並べてどうこうということは、なかなか比較にはできないものというふうに考えておりますが、農産物価格安定法というものの意図するところに従ってのこれらの措置は、やはりカンショ、バレイショといったものの日本の農業における地位というものを考えて制定されておることでございますし、私どもとしても、法のたてまえに従いまして、そういう気持ちで運用をいたしてまいっておるつもりでございます。
○中川(一)委員 農安法と食管法との違いは、私も聞かなくてもよくわかっております。パリティ指数を下回る価格であってはいけないとか、全量買わなければいかぬという法律の性質が違うことは、私もよく知っておりますけれども、米麦に次いで大事な農産物だということだけは、法律にはっきり書いてあるわけです。だとするならば、その次いでといわれるほどの政策を行なってきたかどうか。法律は解釈のしようで、やろうと思うならば幾らでもいいことができますし、やるまいと思えばやらなくてもいいというのが、残念ながら日本の法律であるようでありますが、そういう意味において、その次いでという思想をもって尊重してやってきたかどうか。あなたは長官になられてから初めてでございますから、過去のやったことを悪かったとかいうことは言いにくかろうと思いますけれども、もう少しあたたかみというか、実態論に立ち至って、ちょっとこれでは残酷なことではなかったかという表現を使わなくても、もう少しやりようがあったのではないだろうかというところくらいまでは、長官のあたたかい回答をお聞きしたいわけです。
○武田説明員 私といたしましては、この農産物価格安定法の制定の趣旨なり目的に従いまして、適正な運営をはかってまいりたいというように考えております。
○中川(一)委員 そうしますと、われわれは過去の悪口、反省も必要でありますけれども、大事なことは前進であります。そういうことになりますと、今年度の価格決定に際しては、パリティ指数の面においてもはっきり上がっております。あるいは生産費も労賃その他からいって上がっておるはずであります。また需給状況からいっても、これは先ほどお話がありましたように、十万トンほどカンでんを合わせると足りないということからいくならば、ことしこそは上がる要素が全部そろった。いままではいろいろな事情で下がる要素があったのを食いとめてきた。これは農林省はあたたかい政策であったと言うでありましょうけれども、ことしこそは、政令で定めているPとかIとかQとか、すべてが上がる要素になったと私は思っておるのですが、農林省のいまの考えはどういうところにありますか。
○武田説明員 先ほど来需給関係については御説明を申し上げたとおりでございますが、農安法のたてまえによります価格の算定その他は、バレイショ、カンショ、別々に行なわれることになっておりますし、本年のバレイショで申しますと、バレイショの政府の手持ちでございますとか、あるいは出回り見込み数量、これに対応いたします需要というものを前提にして考えてまいらねばなりませんし、それからカンショはカンショの立場において考えていくという姿に相なりますので、必ずしも先生のお話のように全部が全部上げ歩調である、こういうことにはならないかもしれませんので、これは現在いろいろと私どもとしてはデータを収集いたしまして、検討をしておる最中でございます。
○中川(一)委員 私の概括的な考え方では、ことしこそは期待がかけられるというふうに思うわけですが、長官のほうでこれからカンショの出回り等を見て、慎重に検討していただくことだと思いますけれども、私どもは、ことしこそは、ひとつ新しく長官になられ、農民の味方として非常にあたたかい長官を迎えたので、大きな期待を持っておるわけですが、ひとつこの辺でちょっぴり長官のあたたかいこれからの姿勢というか、考え方を漏らしていただきたい。単に検討いたすとかなんとかではなく、一歩前進した考え方をお聞かせ願いたい。
○武田説明員 中川先生からえらくおだてられたようなお話を伺いまして、恐縮でございますが、私も農林省の一事務官でございますので、その分に応じまして農安法の適正な運営をはかってまいりたいというように考えております。
○中川(一)委員 これは私の意見になりますけれども、ことしも北海道は冷害でございます。昨年は申すに及ばずたいへんな冷害であった。ことし北見のほうに行って見てまいりますと、水稲がまず一、二分作、うまくいって三分作くらいではないか。ところが、そこら付近の農民あるいは農家の指導者の方々は、水田は北見に適しないのだということを言うてくれるなとはっきり言っております。どういうわけかというと、水田をやめるということになったらたいへんなことになる。ということは、水稲を栽培しておれば、土地改良にいたしましても、あるいは資金の面にしても、共済制度にしても、ある程度めんどうを見てくれるけれども、それ以外の作物をやったならば、農家として経営が安定しないから、言ってみるならば、水稲以外については農政なしという、まことに情けない状況であるがゆえに、水稲にかじりついておる。こういう点について、長官は一体どう考えるか。この辺のところで農安法の解釈をもう少し拡張解釈というか、あたたかく解釈をして、ジャガイモをどんどんつくって、そして冷害にならない農家をつくっていくことが、ほんとうの北海道の農業であり、農安法のねらいではないかと私は思うのです。特に米作と比較して、もう少し農安法をあたたかく解釈して、カンショ、バレイショが喜んでつくられるように持っていくべきだと私は思うのですが、その辺についてのベテランの長官の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○武田説明員 米とバレイショを比較いたしまして、いろいろな面におきまして、現在のこれに関連します法体系その他違っておるのは、お話しのとおりであろうと思います。カンショあるいはバレイショにつきましても、ただ単に農安法ということだけの中で、これの支持価格を使っていけばいいということではないので、やはり生産関係なり、あるいは品種の改良その他の技術の改良といった面での生産性の向上でございますとか、いろいろな面で、やはり農林省としては、カンショ、バレイショというものについての施策を進めていかなければならない。物別に申せばそういうことでございますが、同時に、畑作というものをどういうふうに今後考え、振興をしていくかということであろうと思います。したがいまして、農産物価格安定法というものの運用だけがバレイショならバレイショに対する政策というふうには考えておりませんので、私といたしましては、農産物価格安定法の運用としては、この法律に示されました範囲の中で、最も適正と考えられますような運用をはかってまいりたいというふうに考えております。
○中川(一)委員 どうもあたたかい返事とは私には残念ながら受け取れないわけでございます。たとえば畑作の振興は、価格対策だけじゃなくて、ほかの生産面でもめんどう見ておるのだと言いますけれども、それじゃ長官は、一体畑作に対してほかの施策、価格対策以外にどういうことをなされておるか。農政を担当し、しかも食糧庁の大幹部として、畑作に対してはこういうことがあるから、これでいいのだ、ただばく然とほかに生産施設についてもあるはずでございますじゃなくて、こういうことをやって、生産がこれだけ上がったじゃないかという点を持ち合わしての回答でなければ納得できないわけです。その点、どういうふうにどんなものが行なわれておるか、その点についての長官の御認識を承っておきたいと存じます。
○武田説明員 私申し上げましたのは、畑作関係についてきわめて十分なことが行なわれておるからいいのだというふうに申し上げたつもりではないのでございます。水田作等に比べまして、畑作についての今日までの施策というものにつきまして、たとえば土地改良といったような点から申しましても、水田についての土地改良というものは今日まで相当広く行なわれておる。しかし、畑作関係につきましては、畑地かんがいでございますとかいったようなものが行なわれておりますけれども、これがはたして今日まで十分であるかということになれば、これまた必ずしも十分だとは思いません。そういったようなことで、今後畑作というものについては、これは畜産の問題とも関係をすると思いますけれども、より広い立場からこれについての施策を強化してまいらねばなるまいというふうに私は考えておるということを申し上げた次第であります。
○中川(一)委員 過去十年間振り返ってみますと、価格対策においても、いま言ったとおり残酷無比な十年間の歴史であります。また土地改良についても、先ほど長官は畑地かんがいがあるはずだなんと言いますけれども、北海道には一町歩もございません。若干あったけれども、これも失敗に帰してない。あるいは試験研究においても、これまたまことに貧弱そのもの。まあ言うならば、何もなかったと言いたくなるくらいやっておらなかったわけであります。その結果どうなったかというと、農家には負債がどんどんできてまいります。そちらに資料がいっておるかどうか知りませんけれども、北海道の農家は千億に及ぶ負債をかかえておる。それから年々多数の離農者が出ておる。そういう結果が今日の姿であります。したがって、これ以上言いたくありませんけれども、この辺のところに十分の御認識を願って——いろいろ数字ははじけば出てくるのです。昨年もこの価格対策をやりましたけれども、最後は数字じゃなくなっちゃって、前年同額という政治的なきまり方、あるいは米価についても政治的なきまり方、すべて政治的なきまり方によって、最後はそれに合わせて計算をするというのが、価格対策の私の経験での話でありますけれども、実態であります。ですから、長官がその辺の認識をどう持つか持たないか。先ほど来歩どまりがどうの、出荷運賃がどうのこうのという、いろいろな議論がありますけれども、これはもちろん大事でありますが、長官の頭の心棒をどこに置くか置かないかが、一番大事だと私は思います。したがって、これらの認識を大いに深めていただきたい。その辺の勉強を十分されてこの問題と取り組んでおるのかどうか。先ほど来お話を承っておりますと、どうも残念ながら、あまり御検討いただいておらないで、ただ法律からいけばこうなるわけでございますというのでは、納得できがたいわけでございます。きょうは時間もございませんし、またこれから部会あるいは当委員会等において十分の長官の説明を承ってまいりたいと思いますけれども、その辺のところを十分考えてもらいたい。 特に、第二部長さんはもうこれで二年目ですが、第二部長さんの考え方もここでひとつ承っておきたい。というのは、先ほど来長官からお話があったとおりでございますと、おそらく逃げるであろうと思いますけれども、畑作の今日の状況、そして従来の農安法の価格対策があたたかいものであったかどうか、また目的が達成されたかどうか、そしてまたこれでいいのかどうか、私は絶対だめだと思う。今後この冷害を機会に寒地農業確立ということからいくならば、とりえずやりやすい価格対策、しかも、それほど金がかかるわけではありません。実績からいってもそんなに使ってはおりません。少ない金で寒地農業確立に効果のあるこのでん粉、バレイショ価格については、ことしこそ大いにがんばってもらいたいと思うのですが、第二部長さんの二年にわたる経験からいって、この際、考え方を承っておきたいと思います。
○岡田説明員 お話の点でありますが、答弁を先に言ってもらったようで、はなはだ恐縮なのでございますが、長官とよく相談をして進めていきたいと思います。長官と同じような考え方でまいりたいというふうに考えております。
○中川(一)委員 質問いたしたいことがたくさんございますけれども、以上、私は私なりの経験からいって、長官あるいは第二部長さん、その辺のうしろにすわっておる二、三の方々が、これはやってやろうと思えばできることなんです。やってやろうと思わないと、最後どうなるかというと、またわれわれは徒党を組んで大蔵大臣のところに飛んでいったり、あるいは総理大臣のところに飛んでいったりして、またいやな思いをしなければならぬ。そこで、ひとつ思いを新たにして、実態をよく御理解いただいて、あたたかいことしのでん粉、バレイショ価格の決定をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○舘林委員長代理 川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 朝からたいへん長い間努力をいただいておりますことに、まず敬意を表したいと思います。 実は私、明朝七時の飛行機で沖縄に行かなくちゃならぬのですけれども、アメリカが許可を出しておりません。たいへんいまもめているのですけれども、鹿児島にとって大事な問題でありますから、あえて最後まで残って、ぜひ質疑をいたしたい、こう思う立場でありますので、時間はなるべく短く、問題点をしぼって、先ほど来の芳賀委員あるいは兒玉委員の質疑と関連しながらいたしたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 まず、三十九会計年度においては、カンショでん粉一千トン程度の買い入れ予算、つまり、でん粉市況はかたい、こういう判断で、三十九年度は千トンの予算を組んだ。四十年度予算においては、非常に悪かろう、こういうことで、一切がっさい含めて約八万トンの予算を組んでまいったわけであります。ところが、実際は、三十八イモ年度にしても三十九イモ年度にしても、先ほど来の芳賀委員なり兒玉委員の質問で明らかなように、両年度とも裏目々々と出ておるわけであります。その狂ったのはなぜであるか、その原因を説明願いたいと思います。
○岡田説明員 四十会計年度におきましては、予算といたしましては七万六千トン、予備費として三万二千トンの買い入れ量になっております。三十八イモ年度には価格が非常に安くなりました。そういうふうな関係から、三十九年度におきますイモの価格は非常に安く推移したわけであります。そこで、需給計画といたしましては、大体とんとんであろうというふうに実は考えておったわけであります。 三十八年から三十九年に至ります当時非常に安くなりましたのは、一つは、糖価が非常に低落したというふうな原因もあったわけでありますけれども、三十八イモ年度におきましては、カンショの生産が非常に多かったというふうなこともあったわけでございますが、一方で、コーンスターチの生産がかなり伸びてまいったというふうな事情も、競合的な作用をいたしておったかと思うのであります。三十九イモ年度におきましては、カンショの生産量も三十八イモ年度よりは大体減っておりまして、需給計画上とんとんではなかろうかというふうにも考えておったわけでございますが、一方でコーンスターチの生産が相当伸びてくるというふうな状態もございまして、コーンスターチの規制もいたしたわけであります。そういうふうなことで、三十九イモ年度は、最初のうちは若干低目に推移してまいったわけですが、四月に、でん粉価格がなかなか回復しないという事情もありまして、四万トンの買い上げをいたして、これを境にしてカンでんの価格がかなり高くなってきたのであります。 三十九イモ年度の価格が騰貴してまいりました原因といたしましては、一方において若干需要が伸びたのではないかというふうに思われる点もあるのでございますけれども、コーンスターチを規制したということも一つの影響ではなかろうかというふうに実は考えているわけであります。 四十イモ年度につきましては、現在バレイショの予想数量は出ておりますけれども、カンショにつきましてはまだ最終的な数字が出ておりません。したがいまして、先ほど長官から四十年度の推計の需給計画を申し上げたわけでございますが、現在でん粉全体といたしましては、十万トン程度不足ではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、価格としましては、やや強含みということもあるのではなかろうかというふうな感じがいたすわけであります。
○川崎(寛)委員 すでに四十年の四月に買い上げを行ない、コンスの規制をやったから、カンでんの価格が上がってきたのだろう、こういうふうな言い方をしておるのでありますが、それならば、コンスの規制については、これは数年来生産者団体は規制を要望してきたわけです。ここまで低落をしなければやらなかったということについては、甘味資源の国内需給計画というものを前に持っていながら、しかも、世界的に見てカンでんの主要なる生産国であるにもかかわらず、コンスの状態というものを今日まで放置してきて、どうにもならなくなって規制をしてみたら、その効果があらわれたということになるならば、その点は、国内産との関連、あるいはバでんにいたしましても、国内産でん粉の生産並びに振興ということについての農林省の基本的な姿勢が、ここまで追い込まれなければ腹をきめられなかったというのはなぜであるか。
○岡田説明員 コーンスターチが当初は非常にわずかであったようでありますが、だんだん数量がふえてまいりまして、現実にいろいろと影響を与えるようになってまいりましたのは、三十八イモ年度からではなかろうか。特に三十九イモ年度におきましては設備の拡張が非常に行なわれて、その結果生産が非常にふえてくる、こういうふうなことが予想されましたので、そこで関税割り当て制度がとられるということになったと思うのであります。
○川崎(寛)委員 それは経過の説明であって、政策の基本的な態度じゃないわけです。三十年に六、七千トン生産が始まってからこちら、急速に年々伸びておるわけです。何もここまでこなければこういう措置をせざるを得ないという判断ができないほど、事態の推移というのは甘くなかった。それをなぜここまで延ばしてきたか、その点を尋ねているわけです。
○岡田説明員 コーンスターチにつきましては、数年前にでん粉が非常に窮屈になりまして、そういうふうな情勢を反映しまして、コーンスターチの生産が伸びてきたと思うのでございますけれども、その当時におきまして、でん粉の需給の上にコーンスターチというものが非常に大きな作用を及ぼしまして、大きな問題になるというふうには、当時の生産の状態では考えられなかったわけでございます。現実的に大きな影響を与えるというふうに考えられるようになったのは、特に三十九イモ年度以降でございます。したがいまして、三十九イモ年度にコンスの関税割り当て制度というのがとられるようになった、このように考えております。
○川崎(寛)委員 それならば、昨年の三十九イモ年度の価格決定が十月の十日になされたわけですね。すると、そのときには、もうすでにコンスの規制については非常な要望があったわけです。三十八、三十九と、貫当たりカンショの場合ですと三十円で押えられた。しかも昨年来糖価の下落という中で、イモの問題というのは、生産地の農民の間においては非常に不安が出ておったわけです。ところが、それが結局半年以上ずらされて、実際に措置をなされたのはことしの四十八通常国会なんです。そこで、貫当たり三十円という据え置かれた価格でありながら、その施策の不十分さのために、鹿児島県の農民をとってみれば、貫当たり平均二十三円六十四銭ということになったわけですね。そうしますと、先ほど中川委員からも御質問があったように、この農安法の第一条の目的というのは、三十九イモ年度にとってみるならば、明らかにその役割りを果たし得なかった、こういうことが言えると思うのです。しかもそのことは、昨年の価格決定の際にすでに問題になっていたものが、なおかつずるずるとおくらされてきたというわけです。その点どうですか。
○岡田説明員 昨年の価格決定の当時から、コーンスターチが相当生産が伸びるということでいろいろ影響があるということは、われわれも考えておったわけです。したがいまして、この生産制限をする必要があるということで、生産制限の方法につきましていろいろ検討いたしまして、当初行政勧告に基づく操短ということで準備を進めてまいっておったわけであります。ところが、これに対しまして、行政上の勧告操短ということでは実際上効果を発揮し得ないというふうな意見も一方にございまして、方法論につきましていろいろと議論があり、検討をいたしておる間に、最終的に関税割り当て制度というふうなことになったわけでございますが、もちろん、関税割り当て制度ということになりますれば、法的な措置が必要になるわけでございます。したがいまして、国会の開会を待ちまして関税割り当て制度がきめられまして、四十年度の上期から輸入制限が行なわれるということになったわけでございます。
○川崎(寛)委員 当初に申しましたように、私たいへん時間を制約されておりますので、いまの問題をさらにやりとりしておると時間がかかりますから、率直に長官にお尋ねしたいのですが、結果から見て、つまり、三十九イモ年度の結果というものは、見通しの誤り、それから施策の誤りというものが、原料カンショの価格の著しい低落というものをもたらした。そして四十年四月に買い上げて、五月からは今度は急速にカンでんが上がり出した、しかもそのときには在庫はなかった、こういう見通しの誤り、これらを率直に認められますか。
○武田説明員 三十九イモ年度につきましてのカンショでん粉の出回りその他につきましては、その当時の資料に基づいて適正な算定なり見通しを立てたものと思いますけれども、でん粉をめぐりますいろいろなその他の情勢の変化も随時起こってくるわけでありまして、特に当初の見通しが著しく誤ったというふうには必ずしも思っておりません。
○川崎(寛)委員 なかなか誤っておったとは言えないでしょうが、しかし、現実に基準価格は三十円、そして実際の農家の手取り価格は二十三円六十四銭、これは第一条でいっております目的からするならば、非常に農家経済の安定に資しておったかといえば、資していない、こう言えると思います。それから農業生産の安定に資していたかといえば、作付一割減、つまり、明らかに農民は現行の農安法に不安を持ち、不信を持っておるから、作付面積の減、こういう形であらわれてきた。そしてそのことが、先ほど芳賀委員の質問に対して御答弁がありましたように、カンショでん粉については十六万五千トンの今年度の不足、こう出てきておるわけです。でありますから、農安法の第一条の目的からしてみても、ここ一年間の実勢というものは、明らかにかけ離れていたというふうに判断せざるを得ないのですが、いかがですか。
○武田説明員 これにつきましては、先ほども第二部長からも申し上げましたように、コーンスターチにつきましての関税割り当て制度の実施でありますとか、いろいろなことが年度の途中において起こっておりまして、それぞれのいろいろな事態の変化というものが、そのときどきに影響を与えたものと思っております。三十円という昨年の基準価格に対して、農民の手取りが、お話によりますれば、鹿児島では二十三円余りであったということでございますけれども、これらにつきましては、やはり現実の農民からの原料によりますでん粉製造関係の人たちの間の力の関係というようなこともございましょうと思いますが、私どもとしては、今後とも基準価格というものができるだけ維持されてまいりますように努力をしてまいりたいと考えております。
○川崎(寛)委員 力関係というのは、たいへん重大な問題になってくると思うのですね。農安法の中には、そういう力関係というのは、価格なり生産水準なりの要素としては入ってないわけですね。ところが、力関係で非常に低落をしたということになったとするならば、その力関係を調整できなかったというのは、農林省の責任としてお認めになりますか。
○武田説明員 農林省の責任という形で私申し上げたのではありませんで、現実のいろいろな、何もカンショ、バレイショだけでございませんで、農産物の取引というものが行なわれております場合には、その間にその場におきます現実の価格というものが成立をしてまいる、それができるだけ低落をしないようにということで、でん粉の値段というものを通じてその価格の維持をはかっていこうとしておるのが、この農安法の精神であろうと思います。したがいまして、ただ単に価格をきめっぱなしでいいというふうには考えておりませんで、できるだけそのようなものが実現しますように、この法律にもございますように、基準価格で買い入れたものを原料としたでん粉を買い入れるということ等もうたっておるのでありまして、私ども農林省としても、また県の立場においても、あるいは農業団体の立場においても、それぞれがやはりそれぞれの立場において、こういった法の趣旨というものを実現するように努力していくということ以外にないと思います。
○川崎(寛)委員 でん粉の買い上げを通して、こういう現行の農安法のシステムになるわけでありますが、そういたしますと、昨年のきまりました基準価格三十円という価格が貫かれずに、二十三円六十四銭平均手取りでいったイモが、今日では四月の買い上げ後、つまりおくれて買い上げた結果、あとは上がっております。イモは上がっておりますが、現実に農民の手取りになっておるものは二十三円六十四銭政府は、前に兒玉委員も言われておったように、たいへんもうけられた、こういうことになるわけです。そこで、そういたしますと、今日の農安法の買い上げの時期というものが、この農安法の精神というものを貫かれない根本的な欠陥ではないか。このことについては、昨年の閉会中審査の際に、ただいま委員長席におられます当時の舘林政務次官も、農安法は完全に行き詰まっておる、こういうふうに答弁された。それは当時の議事録をごらんいただきますれば、明確に出ております。そういたしますと、三十九年度を振り返ってみますとき、三十九イモ年度の買い上げ価格あるいは基準価格というものが決定になった時期に、買い上げ数量というものが明確に明示をされて、いつでもささえに出る体制というものがあれば、ことしのような、生産者は非常に安いイモ、そしてでん粉業者は高いでん粉、こういう結果にならなかったと思うのですが、いかがですか。
○岡田説明員 ただいま御質問のございました買上げ数量の問題でございますけれども、これは四十年度の予算において、一応七万六千トンを買い上げるという予算数量は決定されておったわけでございます。
○川崎(寛)委員 それでいながら、四月に買い上げた。そのときには、実際には在庫はなかった。そしてそれまでの間は非常に下落しておって、農家の手取りは低かった。それをただ単にでん粉業者との力関係だけで農林省は片づけるのですか。
○岡田説明員 予算的には七万六千トンの数量を買い上げ得る道を開いてあったわけですが、現実的にそのうちどれだけ買うかというのは、でん粉の価格の推移を見まして買い上げるということになるわけでございます。したがいまして、その後の推移を見て、四月に七万六千トンのうち四万トンのでん粉を買い上げるということを決定いたしたわけであります。
○川崎(寛)委員 私が言いたいのは、農産物価格安定法というのが、実際には後手後手になっているわけですね。この三十九年度をとってみれば、後手後手になっているわけです。そのことを防げないかということです。つまり、いかにしたら防げるかということです。
○岡田説明員 御承知のとおりでございますが、農安法の運用といたしましては、でん粉の買い上げというものを通じまして、でん粉の価格なりイモの価格を支持するというふうなたてまえをとっておるわけでございます。したがいまして、法が期待いたしておりますのは、特に農産物、でん粉につきましての調整販売ということを期待いたしておりまして、それを通じて適切な価格調整がなされるというふうなことを考えておると思うわけでございます。したがいまして、この農産物価格安定法のもとにおきまして、でん粉の価格を通ずるという形をとらないで価格支持をはかるということは、なかなか困難ではなかろうかというふうに考えておるわけであります。
○川崎(寛)委員 現行農安法である限り、今日のような、つまり、国際的な糖価の見通しであるとか、生産数量の増減であるとか、いろいろな、当初予測をした観測とはずれた条件をいうものが、しょっちゅう出てくるわけです。そうしますと、結局その観測が誤ったために、現実には価格の低落、こういうことで農産物の価格の安定がはかれなかった。こういう事態になることを今回の三十九年度は明らかに示しておると思うのです。そういたしますと、現行農安法というものが、昨年当時の舘林政務次官も行き詰まっておると言われたように、少なくとも南九州なり千葉、茨城なり、代替物のないところの農民にとってみるならば、現行農安法では、将来にわたっても今回のような事態が起こり得るということになると思うのですが、いかがですか。
○武田説明員 カンショの価格を支持していくということのやり方といたしまして、現在の農安法におきましては、でん粉を通じてこれをささえていこう、こういうたてまえに相なっております。このような法律ができましたのは、やはりカンショあるいはバレイショといったものの性質から、でん粉というものが貯蔵しやすい、あるいはいつでも操作のできます形のものとして、これを買い上げ、あるいは売っていくというような形で、市場価格の不当な低落を防いでいこう、こういうことに技術的にもならざるを得なかったのであろうと思っております。したがいまして、現実のでん粉の市場価格を維持することを前提として、そのでん粉というものを中途に介在させまして、カンショあるいはバレイショの価格を維持していくということ以外には、技術的にも非常にむずかしいことであると思います。いまの農産物価格安定法のようなシステムは、やはりカンショ、バレイショというものの基準価格を何らかの形で支持していこうという場合には、このような形しかちょっとないのではなかろうかというふうに思っております。
○川崎(寛)委員 たいへん時間をあれですが、将来の問題について安定を保障できるかということに対して、長官はいま農安法の説明をしただけなんです。ですから、そこには全然前向きのものはないわけです。だから、三十九年度のような事態を繰り返さない保障はあるか、つまり、現行農安法で貫かれるか、こう言っておる私の質問に対しては、答弁になっていないわけです。ですから、こういうことを繰り返さないということのためには、やはり買い上げの方法というものが、今日のでん粉を通しての現行の農安法の中においては保障できないということを言外に認められたと言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。
○武田説明員 私どもといたしましては、現行の農産物価格安定法に定められております範囲内において、これをできるだけ適正に運用し、また見通しその他につきましても、できるだけ誤らないような慎重な検討を加えまして、お話のような事態が起こらないように努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○川崎(寛)委員 これは大臣がおられませんので、その点、政策的なほうに一歩も前進し得ないことをたいへん残念に思いますが、ここでおきたいと思います。やはりそのことは政策的な議論になるわけでありますけれども、買い上げの方式というものを、せめて麦類買い上げのような方式として完全な補償をしていくということ以外にない、こういうふうに思いますがいかがですか。
○武田説明員 実現されます市価の実勢価格というものが不当に暴落しないようにということを通じて、いわば自由なる取引というものを前提にいたしまして、カンショあるいはバレイショの価格を支持していこうということでございますので、全量無制限買い上げというようなことは、この法律のもとにおいては不可能であろう、またたてまえもそういうことではないように考えております。
○川崎(寛)委員 私は、現行農安法でということではなくて、つまり、これは昨年も審議をされましたように、農安法が行き詰まっておる。そしてまた、先ほど中川委員も言われておるように、抜け道があまりにも多い。こう言っておることは、つまりザル法だ、こういうことを今日農安法は実体を暴露しておるわけです。こういうふうに思うのですが、重ねていかがですか。
○武田説明員 農産物価格安定法におきましては、これは繰り返しになりますけれども、現実に実現されるであろうという市価というものを安定的に推移させていく。そういう条件の中において、でん粉の値段が下落をし、それがカンショあるいはバレイショの生産者のほうに影響を及ぼすようなことがないようにということが前提になっておるものと思います。したがいまして、この法律の目的というようなもの、あるいは法律で考えておりますことと全然別の次元に立っての問題ということになりますれば、それはまたそれの立場においていろいろな御議論があろうかというふうに思います。
○川崎(寛)委員 売りことばに買いことばのようなことになっていきそうでありますけれども、私はそれを避けたいと思います。 社会党の国会議員団が去る九月十三日に坂田農林大臣に会いましたときに、坂田農林大臣は、糖価安定法にいままで政府としては全力を尽くしてきた、だから、それが済んだ段階で農安法については検討したい、こういうふうなことを農林大臣自身が言っておられたわけです。そのことを事務当局としてどのように受けとめられておられますか。
○石田説明員 私も同席しまして、確かに大臣そういうことをおっしゃいました。私も参りましてから、事務的にも問題点が前から指摘されておるということを聞いておりますので、内々頭を悩ましておるわけでございますが、現在のところ、こうしたらいいという結論は出すに至っておりません。先生が先ほどから御指摘されておるような点につきまして、いろいろ考えておる段階でございます。
○川崎(寛)委員 大臣がおりませんので、これは保留いたします。しかし、この点は、今後われわれとしては検討を迫りたい、こういうふうに言っておきたいと思います。 次には、労賃の問題その他芳賀委員が追及された点について、いろいろと質問をいたしたい点もございますが、それは省略いたしたいと思います。 次に、カンでんの需要拡大の問題についてお尋ねすることにいたしますけれども、これも当時の舘林次官が私の質問に対しまして、家庭用砂糖にブドウ糖を混入をすることについては、農林省としては責任を持って検討する、当時こういう答弁をされたわけであります。その後、食糧庁としてどのように検討をしてこられたか、説明を願いたいと思います。
○岡田説明員 カンショでん粉が家庭で直接消費されるということはございませんので、カンショでん粉は主として水あめ、ブドウ糖という形になって使用されるのが一番大きな形態だと思います。従来ブドウ糖につきましては、業務用の消費が圧倒的に多いわけであります。今後需要を拡大いたしますとすれば、小袋にいたしまして家庭消費を拡大するということが必要であろうかと思うわけであります。そういう意味でぶどう糖工業会を指導いたしまして、小袋を製造いたしまして家庭用の消費をふやすということに努力させておるわけであります。
○川崎(寛)委員 私はそういうことを聞いておるのじゃないのですよ。いまは閉会中審査ですよ。しかし、これは委員長にもお尋ねしたいのだが、この委員会は権威があるのかどうか。私は農林水産委員でないですから、こういう機会でないとなかなか出してもらえない。またせっぱ詰まった問題のときにやるわけだけれども、しかし、ちょうど一年前の委員会で、当時の次官が責任を持って検討いたしますと答弁をしたことが、いまの答弁では答弁になっていないじゃないですか。
○岡田説明員 お話の点につきまして、前の国会の具体的なお話を承ってなかったものですから、ちょっと失礼いたしましたが、砂糖に対しましてブドウ糖を混入いたしまして、混糖を奨励するということで、税制上の軽減措置を講じまして、正式に砂糖に対するブドウ糖の混入を積極的に奨励するという措置をとったわけでございます。
○川崎(寛)委員 私が委員会の権限というか、委員会の権威を疑いたいということを言わざるを得ないのは、法律で規制をする、そういうことで、家庭用砂糖へのブドウ糖の混入ということについては検討しますということを、当時次官だった舘林さんが言われたのですよ。そのことが事務当局で受けとめられていなかったとしたら、ただ委員会での答弁だけだというふうに言わざるを得ないと思うのです。そこのところを聞いておるのです。
○岡田説明員 先ほどは失礼いたしましたが、お話の点が十分のみ込めなかった点がございまして、ずいぶん失礼申し上げたのですが、その当時から、砂糖に対するブドウ糖の混入というものは正式に認めまして、いわゆるJAS規格として、農林省としては、一定の比率におきまして砂糖にブドウ糖が加えられたものにつきましての奨励をいたしたわけでありますが、これをさらに一そう奨励するというために、税制上の措置をとりまして、促進方をはかったわけでありますが、ただいまお話がございました点で、前長官がお答えいたしました当時には、まだその措置が具体的にきまっておらなかったと思うのでございます。したがいまして、積極的にそういう方法をとるということを申し上げたと思うのでございますが、その後税務当局とも協議をいたしまして、さような方向で本年から措置をいたしておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 次に移ります。 原料イモの生産振興についてお尋ねしたいと思うのですけれども、カンでんの需要が、先ほどの芳賀委員の御質問あるいは求めておられます資料その他等から明確になってくると思うのですが、カンでんの需要は高いし、固いし、また年々増大をしておるという現実だと思うのです。そこで、そういたしますと、昨年の低落のために作付面積が減って、一割以上の減反、こういうことになり、来年度においては十六万五千トンのカンでんの不足、こういう事態になっておるわけでありますが、このこととイモ作振興との関係についてお尋ねしたいと思います。つまり、それだけ不足しておるということは、イモ作振興上の徹底した政策がないために、先ほども農安法に対する不信等申し上げましたが、そういうことで、農民自体は多年の経験で被害を避けるためにやめちゃう、そういうことが現実に出てきたわけですが、今後のこういう事態に対して、経験から見て、イモ作振興について積極的にどのようになされようとしておるか、その方針をお伺いしたいわけです。
○小林説明員 お答え申し上げます。 今年度のイモ作の面積が減っておりますことはお説のとおりでございまして、このイモの問題は、いろいろ価格の問題でございますとか、あるいは労働力の問題でございますとかあろうかと存じますけれども、園芸局といたしましては、本年もイモの奨励品種というものを決定し、原々種圃で大きくし、さらに原種圃でそれをふやして、農家の圃場まで優良な種苗を送りまして、それによりまして反収の増をはかる施策を続けていきたいというふうに考えておるわけでございますが、一方、やはりいろいろ生産費の問題等もございますので、栽培の合理化ということもはかっていかなければならぬと考えておるわけでございます。そのために、ホイールトラクターでございますとか、あるいは挿苗機でございますとか、つる切り機でございますとか、あるいは掘り取り機、あるいは土壌の消毒機というようなものによりまして省力をはかる。また、種イモの管理をよくするというような観点から、そういうことで実験集落、大体二十町歩単位のものを考えておるわけでございますが、二十町歩単位の実験集落を毎年つくりまして、そこで生産の合理化をはかっていく。そのいい方法をさらに普及していこうというような考え方から、そのような奨励措置をとり、また助成策を講じておるわけでございます。いずれにいたしましても、この作付面積の増ということは、それぞれの状況によって変わってくるわけでございまして、われわれとしましても、その需要に見合えるような生産が行なわれますよう、さらにそれが合理化して行なわれますように、最善の努力を尽くしたいと考えておる次第でございます。
○川崎(寛)委員 それじゃもっと端的な質問をいたしたいと思いますが、イモをうんとつくってほしいのか、つくってほしくないのか、どちらですか。
○小林説明員 この問題、先ほどからいろいろお話が出ております畑作関係の問題とも関連するわけでございまして、現在のところでは、関東地方におきましては、あるいは果樹園に切りかえられるとか、あるいは蔬菜地に切りかえられるとか、それぞれその地域によりましていろいろ適作が変わってきておるということは事実でございます。ただ、それにもかかわらず、イモが一番適作であるという地帯は、九州その他にたくさんあるわけでございますが、そういう地帯につきましては、そこの生産性を上げるということによりまして、農家所得も、あるいは原料といたしましてのカンショ生産を上げていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○川崎(寛)委員 どうもわかるようでわからぬわけですが、生産地が変わっていくという状況については、十分わかるわけです。特におっしゃられるように、鹿児島等については、むしろどんどんふえてきておるわけです。あるいは鹿児島、宮崎、千葉、茨城、そういうふうなことで、大体イモの主産地というものが数県にしぼられて、そこでふえておるわけです。だから、ここで安心をしてつくっていいと農林省はお考えなのか、いや、需要の状況を見ながらつくれ、あまりつくるなということなのか、どちらか、ひとつ単純にお尋ねしたい。
○小林説明員 どうも私まだそこまで勉強をしておりませんで、単純につくっていい、あるいはつくっちゃいけないという考えを持ち合わしておりません。いま申しましたのは、やはり適地適作でございますので、その適地につきましては、これはつくっていくことが当然経済の法則でございますし、そういう意味におきまして、そこの生産性を上げていくということをわれわれがお手伝いするのが、私たちの役目じゃないかというふうに考えておる次第であります。
○川崎(寛)委員 私がしつこくお尋ねいたしますのは、現在政府の最高責任者であります佐藤総理に尋ねなければわからぬことですが、佐藤総理が参議院選挙の最中に、六月二十五日鹿児島に参りましたときに、記者会見で、鹿児島の農民はイモをつくるのをやめてくれ、こういうことを言ったわけです。それは農林省の考えですか。
○小林説明員 その点につきましては、私聞いておりませんので、お答え申し上げるわけにまいりません。
○川崎(寛)委員 そうすると、佐藤総理の、鹿児島の農民に、あまりイモつくりをすることはやめてくれ、こういう考え方を総理の頭の中に入れさせるような、そういう指導というものは、これは本来農林大臣か次官にお尋ねしなくてはならぬ問題なんですが、南九州の台風常襲の特殊土壌地帯、あの地域の農業について、そういう考え方というものを佐藤総理に入れたことはないわけですね。
○小林説明員 私まだ着任以来一ヵ月足らずで、六月当時私その職にはいなかったものですから、その間の事情は存じ上げませんが、おそらく言われます趣旨は、イモ以外にいいものがあればそれをつくれということなんじゃないかと思われますが、そういう意味で私からは総理にそういうことを申し上げたこともございませんし、どうもその間の事情は私からはお答え申し上げかねるわけでございます。
○川崎(寛)委員 そうしますと、南九州等につきましては、イモ以外にこういうものがあるということを指導できる現在の段階にはないので、先ほど園芸局長の言われたように、やむを得ない、産地として生産性を上げるようにしてくれ、そのことについては十分の措置をしていきたい、具体的にはわからぬわけでありますけれども、そういうふうに抽象的にはお考えになっておるというふうに受け取ってよろしいですか。
○小林説明員 さようでございます。
○川崎(寛)委員 終わります。
○舘林委員長代理 赤路委員。
○赤路委員 資料要求です。ほかのことじゃないのですが、きょう陳情のときに、北海道のほうの農民同盟のほうから数字が出ているわけなんです。間違いないと思うのですけれでも、このバレイショなりあるいはバでんの過去十年間の価格の変動が出ているわけですね。間違いないと思いますけれども、一応食糧庁のほうからいただけるなればけっこうだと思います。それは過去十年間のバレイショとバでん、カンショとカンでん、これの価格の上昇率、率でけっこうです。それからそれと比較し得る物価上昇率、それから米価の上昇率、国民所得の伸び、それだけをひとついただきたい、これが第一。第二は、あすから糖安法関係が実施されるわけですが、先般発表されました中に、上白の上限と下限の価格が出ておりますね。百五円、百二十九円、これの算出の基礎の資料をいただきたい。それと、カンでんに伸ばした場合におけるカンでん価格とイモ価格、その場合はちょっと歩どまりの率、たとえばカンでんを水揚げをする場合、ブドウ糖にする場合の歩どまりの率がいろいろ違うと思いますが、それは平均でけっこうですから、それでひとつお出し願えればいただきたい。これだけです。二点だけ資料として明日までできますか。
○武田説明員 あした一ぱいにはできると思います。 なお、先生からのお話の、十年間のカンショ、バレイショあるいはでん粉の価格の変動というのは、政府の基準価格でございますか。
○赤路委員 百五円——もう一ぺん言いましょうか。こういうことなんです。百五円という下限を押えますね。これをカンでんにすると、カンでんでは何ぼになりますか。
○武田説明員 はい、わかりました。
○川崎(寛)委員 どうも一つ落としておりましたので、たいへん恐縮ですけれでも、これは先ほど芳賀委員からお尋ねがありました法第五条の問題です。芳賀委員はたいへん専門家でございますので、内部事情に通じておられますから、そういう観点からの御質問だったのですが、私はしろうとですから、この法第五条をそのまますなおにお尋ねしたいと思いますけれども、それは生産者団体の、今回の価格決定にあたっての最終的な統一要求の内容はどうなっておりますか。
○武田説明員 いろんなところから、今度のバレイショあるいはバレイショでん粉、カンショあるいはカンショでん粉につきましての御要望はいろいろと承っておりますけれども、それらのものが統一された形でこういうことを要望したいということについては、まだ何ら承っておりません。
○川崎(寛)委員 実は鹿児島県のカンショ対策協議会あるいは九州ブロックのカンショ対策協議会、四国ブロックのカンショ対策協議会、関東ブロックと、それぞれブロックが要求をまとめて、それをさらに生産者団体がこの二十五日ごろから全国の主産県の代表者を呼んでまとめていく、こういうふうに前に聞いているわけです。そうしますと、当然にそのブロック要求というものが全国的に集約されて、この法五条に基づいた農林省への意見という形で出てしかるべきだ、こういうふうに法どおりから考えると受け取られるわけです。でありますので、それならば、そうしたブロックごとにはいろいろと具体的な要求が出ているけれども、生産者団体からはそうした要求、集約をされた要求は何にもない、こういうふうに理解をしてよろしいのですか。
○武田説明員 生産者団体のほうでどういうようなお考えでございますか、私どもとして生産者団体の内部のことはわかりませんけれども、いま先生からお話しのように、全国一本に各ブロックのそういう御要望がこういうふうにまとまった、だからこういうことを実現するように頼むとかいうようなものは、まだ承っておりませんので、そういうものをいまおつくりになっている最中であるのか、全然出てこないのか、それらは私どもとしては承知をいたしておりません。
○川崎(寛)委員 わかりました。それでは、先ほどの芳賀委員の質問にも関連いたしますが、生産者団体が法第五条に基づいたそうした全国的な要求を集約し、そうしてそれを具体的に政府側に要望するという作業は——作業というか、実際のそういうことはなされていない、こういうふうに理解をするわけです。そこで、たとえば鹿児島県のカンショ対策協議会とか、あるいはこの間私たちも呼ばれました、陳情を受けました九州ブロックと四国ブロックの合同の会議においては、生産費・所得補償方式による反当たり歩どまり二三・五%で三十九円、こういう要望をわれわれは受けておるわけです。そのことを実現をしたい、またしてもらいたい、こういうことで、われわれが審議に参加をしておるわけでありますけれども、そうした末端の農民なり末端の生産者団体の要望というものは、まとめられて農林省にはあがっていない、こういうふうに理解をしてよろしいですね。
○武田説明員 それぞれいろいろな方面から陳情書その他の形で書願はいただいておりますけれども、これらのものをまとめて、こういうことであるということはまだ承っておりません。
○川崎(寛)委員 終わります。
○舘林委員長代理 次会は明十月一日開会することとし、本日はこれにて散会いたます。 午後五時八分散会