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49回国会衆議院1965/08/06

農林水産委員会 第3号

発言数
85
登壇者
11
会派数
3
開催日
1965/08/06

会議録

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。   質疑の申し出がありますので、これを許します。芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 一昨日の当委員会において問題を保留した点に対して、その後の経過並びに処理等について、農林大臣から御説明を願いたいと思います。  問題点といたしましては、ソ連産スケトウタラの輸入に関する問題、三十九年度産のバレイショでん粉政府買い入れの問題、それから林野庁の森尾調査官の出先における発言の問題、以上が保留した問題点であります。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 芳賀委員のお尋ねの問題、三点のうち、ソ連産スケトウタラの買い付けの件につきましては、まだ御報告をするところにきておりません。しかし、でき得る限り早くこれは決裁をいたしまして御報告できると思うので、しばらくお待ちを願いたいと思います。  それからバレイショでん粉の件につきましては、食糧庁長官からお答えさせることにいたします。  それから森尾調査官の発言等については、林野庁長官からお答えをいたさせます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 第一点のスケトウタラの問題については、私が農林大臣に質問したのは二日の午前中でありますが、たとえば中央紙であります日本経済新聞等においては、三日の午前中に農林省においてこの取り扱いが決定されたということが相当詳しく内容として伝えられているわけです。こういう内容というものは、根拠のない状態で有力な新聞が掲載するわけはありませんので、この際、日本経済新聞の八月四日の朝刊記載の内容等について、これは水産庁としていまだ決定してないとすれば、このような内容で許可する方針であるかどうか。いずれにいたしましても、ソ連側においてトロール船で漁獲したスケトウタラを北洋の洋上において日本の大手水産会社のミール加工船に買い取らせる、それを原料としてフィッシュミール等を中心とした加工を行なうということになっているわけでございますから、いまの時点でまだ正式に決定していないとしても、この問題の取り扱いに対する農林省としての原則的な方針あるいは許可の条件というものはすでに決定していなければ、その原則に照らしてこれは許可すべきかすべきでないかという結論も出てこないと思うわけでございますので、未決定であるとするならば、原則的な方針あるいは条件等については、どのような態度で対処するかという点に対して、大臣から御説明願いたいと思います。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 新聞紙上で何か水産庁から発表したとか、いろいろお話しでございますが、これは別に発表したものではなくして、目下事務当局が調整作業を進めております段階において検討中の数字でございまして、まだ最終的な決定を見ておるわけではございません。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは私のほうから二、三問題をあげて明確にしてもらいたいと思います。この取り扱いについては、水産庁が、二日の夕刻、一番地域的には関係の多い北海道の知事である町村金五君を招致して、そうしてこの問題に対する話し合いを行なったわけです。結果的には、その数量においては五万トンを許可するということに対して、町村北海道知事も了承をして、それを一番有力な根拠としてスケトウタラ原魚五万トンを許可する。そうしてこれを原料として加工する場合の対象はフィッシュミール、これは飼料用の魚粉ですね。それから魚油、濃縮魚液、これらが五万トンの原魚による加工の品目ということに限定して、それ以外のものは加工製造をさせない。それからなお、この原魚の魚体の中に当然ありますところのスケコ、一名タラコとも言いますが、これは魚体から分離して固有のスケコとしての処理あるいは販売はさせない。あくまでもスケトウタラ自体の原魚の腹に含まれておる部分として、これは同時にフィッシュミール等に加工しなければいけないというような制限を付すると同時に、許可する大手水産会社といたしましては、従来第一回の割り当てを受けた三万五千二百トンを同様の方針で処理しました北洋水産の鵬洋丸に対して、この一船団だけこれを許して、買い付けあるいは加をさせる、こういうことが内容になっておるわけです。こういうような内容というものは、これはやはり農林省あるいは水産庁から出た内容であるというふうに国民は考えておるわけでございますからして、この点に対して、これは全然関知しない問題であるか、作業を進めた段階においてこういうような取りきめがあったかどうかという点について、農林大臣としても全然無関心ではないと思いますので、内容を明らかにしてもらいたいと思うわけです。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 いまさような件で調整作業を進めておる最中でありますので、まだきまっていないものを私から何とも申し上げるわけにはいかないが、いまお話にあったようなことを中心にして作業を進めておるように聞いております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは水産庁長官からでもいいですが、まず第一点は、二日の夕刻、北海道知事の町村君と水産庁長官が会談して、数量の面については、北海道の町村知事は五万トン程度は了承する、こういうことになったということが伝えられておるわけですからして、この点はいかがですか。

亀長友義農林事務官(水産庁生産部長)

○亀長説明員 長官がただいま決算委員会に出ておりますので、私からお答えいたします。  二日の夜に北海道の知事が上京いたしまして、長官とこの問題について意見交換を行なったことは事実でございます。また、数量につきましても意見交換ございまして、各種の状況から見て、五万トンという線で各方面と話を進めるというようなことで相談のあったことは事実でございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、伝えられるごとく、北海道知事の立場においてその五万トンは了承するということは間違いないわけですね。

亀長友義農林事務官(水産庁生産部長)

○亀長説明員 北海道知事としましても、もちろん、関係の業界各方面とそういう線で話し合ってみようということであったと私ども了解しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうじゃないのです。これは私のほうへは正式にこういうことで了解しましたという連絡があるわけだから、これは間違いのないところだと思う。わざわざ北海道知事を招致したわけですからね。それは、国産のスケトウタラの大体九〇%程度は北海道の地域あるいは関係漁業者が漁獲しておるわけですからして、国内における一番の影響ということになれば、当然これは北海道地域における漁業の関係ということになるわけですし、その地域を所管しておる北海道知事の意見を徴するということは当然なことだと思うわけです。その場合、数量の面については、北海道の知事の町村君は五万トン程度はこれはやむを得ない、したがって了承するということにしたというふうにわれわれには連絡があるわけですから、これはあいまいな数字ではないと思うのです。北海道の知事が五万トンを了承したということは、これはこの機会に表明されても差しつかえないのじゃないですか。秘密に属する問題ではないと思いますが……。

亀長友義農林事務官(水産庁生産部長)

○亀長説明員 二日の夜は、先ほど申し上げましたとおり、五万トンという線で道としても各方面に当たってみるということでございました。その後、翌日になりまして、道としても各方面と相談をされた結果、五万トンならば大体納得し得る線であるという報告を受けたと私は了承しております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、一応その数字を基礎にして、許可の原則的な条件としては、この五万トンを買い付けた場合の処理というものは、これはあくまでもえさ用、飼料用の魚粉、当然そこから生産されてくるところの魚油であるとか濃縮魚液とか、そういうものに加工は限定する、スケコについても、それは別途にスケコとして分離してこれを国内に持ち込んで販売に供するということは絶対させない、それから許可する会社については、北洋水産の鵬洋丸を対象にして、この一船団において買い付けあるいは加工をやらせる、こういうことは水産庁の方針としてはきまっておるわけですね。

亀長友義農林事務官(水産庁生産部長)

○亀長説明員 実は先ほど大臣からも話しましたように、われわれの事務的作業の過程において、そういう道知事との話し合いが行なわれたわけでありまして、内容的には五万トン、それから船団はふやさない、従来の実績船団のみに限定をする。さらにタラコであるとかすり身であるとかいうようなものはつくらせない、全部ミールあるいはソリュブルというようなもののみに限ってつくることを認ゆる。そういうふうな方法でやるのが最も妥当であろうというふうなラインで作業が進められております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、それは農林省の中における水産庁としての原案的なものである、水産庁の方針であるというふうに解釈はできるわけですか。

亀長友義農林事務官(水産庁生産部長)

○亀長説明員 水産庁の方針と申しましても、もちろん、これはさらに私ども北海道知事以外の各方面とも相談をして、最終的に決定すべきものだと考えております。したがいまして、先ほど申し上げたのは、あくまで準備作業の第一段階として北海道知事と話し合ったということでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の聞いているのは、このスケトウタラの買い付けは、結局食用としてのたん白資源が不足しておるから、ソ連が漁獲したスケトウタラを輸入するということとは違うのですね。原魚はたとえば五万トンなら五万トン買い付けるが、目的は人間の食用として買い付けるわけじゃないでしょう。フィッシュミールということになれば、当然これの主要目的は家畜のえさということになるのですね。そうすると、食用として国内の生産だけではどうしても足りないから、必要最小限度を確保するために、ソ連が漁獲したスケトウタラを輸入させるということとは、全然目的が違うわけですね。そうなると、何のために必要になるかということになれば、加工目的が家畜の飼料を確保するということになれば、これはわが国の畜産政策上、どうしてもフィッシュミールをたとえば昭和四十年度あるいは四十一年度にこれだけ余分に確保しなければ、飼料需給安定法に基づく需給計画というものが完全に実施できないとか、支障がくるというような要請から、できればこれは輸入はしたくないが、やむを得ずこれはやらなければならぬという必要性から、水産庁としては取り上げたということにしかならぬと思うわけですが、その点はどうなんですか。

亀長友義農林事務官(水産庁生産部長)

○亀長説明員 もちろん、御指摘のように、飼料に生産をするわけでございます。もちろん、原魚をそのまま食用としてすり身等で持って帰るということも可能でございますけれども、国内のスケトウの食用としての生産と競合するという点も考慮しまして、さらに現在飼料のミールが非常に不足しておる段階にありますので、ミールとして生産するならば、国内の漁業生産者との競合はない、一方飼料のミールの不足という事態にも貢献する、かように考えております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、取り扱いは魚ですからして、水産庁ということになれば、実際の目的は、国内の飼料資源が不足しておるので、特にフィッツュミール等はどうしても輸入に依存しなければならぬので、そういうことから、この際、ソ連が漁獲したスケトウタラを原料として買い付けて、なるたけ安上がりのフィッシュミールの加工をわが国の水産会社に行なわして、それを自国に持ち帰って、そうして有効にえさとしてこれを供給するようにしていくということになれば、これは政策的には畜産局の切なる要請とか必要性から、それにこたえてこうするということになったとも考えるわけですが、その点はどうなんですか。

亀長友義農林事務官(水産庁生産部長)

○亀長説明員 実はこの事業はことしで二回目でございまして、昨年発足いたしますときにも、飼料という問題もあり、また当時の状況といたしまして、日本漁船は冬期に西カムチャッカの地区では操業しておらない。したがって、日本漁船との直接の競合はない。しかもその生産は、ミールを輸入する場合に比べて、原魚から製造するわけでありますから、当然日本としても経済的にも有利であるということで、日本とソ連の漁業との関係、それとミールの生産という両面から、昨年実施をいたしたわけでございまして、本年認めたのも昨年と同様の考えになっております。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 ですから、これは国内における特定の大手水産業者を擁護するために行なうのじゃないでしょう。そういうことは必要ないですからね。そうでないとすれば——そうであるということがわかれば、また問題は別ですよ。特定の水産会社に特定の利益を与えるためにこういうことを考えておるということであれば、これは率直に明確にしてもらいたいと思うのですよ。そうでなくて、農林省の中における大事な畜産行政を進める場合に、一番飼料の給源が不足しておるわけだし、特にその場合においても、動物質の飼料というものは国内では生産がなかなか十分できない。四十年度においてもフィッシュミールは大体十四万八千トンくらい輸入する計画になっておるわけですが、それでも足りないから、この際新しい方法として、スケトウタラの原魚の買い付けを行なって、それを加工して、そうして飼料の確保をはかるということであれば、これは水産庁の事業ということよりも、むしろ畜産局としてそういうことを案出して、ぜひこの問題は水産庁としても協力してやってもらいたいという部内の要請にこたえて、こういう方法を採用する方針になったのかどうか、この点は農林大臣から明確にしてもらいたいと思う。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 あるいは聞き違いかもしれませんが、畜産のいわゆる濃厚飼料の供給という面からいきますと、フィッシュミールというようなものが安価に手に入ることは、非常に畜産の発展のためにこれは重要なことであろうと思う。その点からいいますと、私はさように考えております。そこで、今度は北海道等のスケトウタラの問題になりますと、北海道の特産であるタラコのようなものは、これは北海道漁民に行なわしめていくという考えを私は強く持っております。それからミールのように畜産に飼料として使うという面については、できることならば、これは畜産の発展のためにきわめて安く提供されることを欲するわけでございます。そのほかに、同じところでスケトウタラを漁獲するのでありますから、その関係さえなければ、いま申しましたような条件が整っておれば、数量の問題は別に、私はその点だけからいえば問題ではないと思いますが、とにかく北海道の漁民の非常な大切な漁場においての作業でありますから、数量というものが非常に重要な問題になってくる、こういう原則的なことを考えておるのでありまして、その原則に即応して今度の問題も解決したい、こう念願しておるわけであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 いま大臣も聞かれておるとおり、今回のソ連産のスケトウタラの買い付けは、問題は、水産政策としてやるのか、畜産政策としてこれを進めるのかということなんです。どうしても西カムチャッカで漁獲されたスケトウタラを原料としてフィッシュミールを生産する以外に飼料を確保する手がないというのであれば、これは漁場における日本の漁業との競合の問題等を十分に検討して、これは影響がない、将来にわたって支障がないということになれば、これは一定の方針を出すということはあり得るとしても、どうも何を根拠にして今度はやるかということが明確にならないのですよ。これは当然重要な飼料の確保ということになれば、昭和四十年度の飼料需給計画の中にこれは包括されていなければならぬと思うのです。飼料需給安定審議会の会長は農林大臣ということになっておるわけですからして、これは坂田さんとしてもそういうことはわからぬということはないのです。水産のことはわからぬかもしれぬが、農業あるいはその一環である畜産のことは、相当あなたは権威者といわれておるわけだし、自他ともに任じておるわけですから、飼料政策の立場からこれは必要でやるのかどうか、その点はどうなんですか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 この問題については、いま申しましたように、やはり一つにぴちっと割り切ってやり得ないと思うのです。たとえば家畜の飼料という面だけからいえば、先ほど言うたように、安いミールが手に入るということは望ましいことである、こういうことになるわけです。ところが、いま言ったように、北海道の漁場というものは、北海道漁民、その他北海道ばかりではありませんでしょうが、近辺の漁民に対して非常に重要な漁場であります。したがって、この問題で北海道漁民の利益を阻害することがあまりに大きくなるということは、やはりわれわれとしてはとらざるところである。したがって、一つのことだけでこれを押し通すわけにはいかぬので、それらの間の調和が必要である。かように考えておるので、そういう趣旨から、いませっかく作業中である、こうお答えするよりほかないわけです。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 私の聞いておるのは、原則的な扱いの方針を農林大臣としてどう考えておるかということで、一番の親分が原則がわからぬじゃ困ると思うのですね。先ほど亀長生産部長から聞いた点にも、大手水産会社に特別の利益を与えるために考えたのではないというのです。これはもっともなことです。そうだとすれば——これはなるほどやりそうなことだということはわかるが、そうでないというりっぱなことを言うわけですからして、そうでないとすれば、そのスケトウタラは人間の食糧として必要だから買いつけるというわけじゃないのですね。国民の食糧に供されるスケトウタラは、これは日本の国内の漁業者の努力によって、十分供給能力があるわけだからして、ソ連の取ったスケトウタラを食糧として買いつけしなければならぬという必要性というものは、全然いまの時点ではないわけです。それでは何のためにやらせるかということになれば、国民の食糧確保のためでもない、大手水産会社の利益のためでもないということになれば、確保目的が家畜のえさを確保するためだ。そういうことになれば、当然これは現在のえさ事情からいっても、その六〇%以上を外国から輸入しておるわけですから、それを確保する手段として、北洋でソ連が漁獲したスケトウタラを原料にしてフィッシュミールを製造する。そしてそれを家畜の有効飼料として確保したいということであれば、一応の筋は通るわけだから、そうなれで、飼料確保のためにこういうことをやりますということにしかならぬわけですね。その場合、問題は、たとえば北海道沿岸における底びき船の北洋転換の問題等についても、これは農林省が方針を与えて漸次転換をさして、そうして北海道沿岸における底びき網漁業の沿岸漁業に対する悪い影響を排除することを進めておるわけです。それが順調に進んでいないのですね。特に大手水産会社が持っておる沿岸の底びき船というものは、いまだに転換されないという問題も一つ実はあるわけです。そうして北洋に転換された底びきは、大部分をスケトウタラの漁獲努力に向けておるわけですから、将来にわたって、五万トンあるいは七万トンというような数量が同一水域において漁獲されるということになれば、資源の面から見ても、これは将来において問題があることは当然なわけなんです。ですから、そういう配慮というものは十分に行なわなければならぬが、そういう心配があっても、なおかつどうしてもこの地域から家畜の飼料を確保しなければ解決の方法はないというものであるかどうか。その点を農林大臣としても、就任早々ではありますが、よく判断して、明快な指示を水産庁長官に与えるべきだと思いますが、いかがですか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 いま申したとおりでありまして、こういう機会に畜産用の飼料としてのミールを得られれば、それはよかろう、こういうことであります。したがって、先ほどお話しのようないろいろな点についても、条件等についても話し合いをしておることは当然であります。それと同時に、それだけでは、これは同じことをお答えするようだが、やはり北海道漁民の漁業というものを尊重すべきことは、これはいかなる場合でも重要なことでありますから、その点も考慮に入れつつ、これらの問題を進めていく、こういうことであります。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは、まだ新聞に出たのは決定ではない、しかし、内容は、大体水産庁として私が先ほど指摘したような案を固めてそうしてそれを基礎にして、今後農林大臣の意見を尊重するというより、結局は、農林大臣がこれはこうせいと言うわけですね。別にめくら判を押すわけではないでしょう。最後にきめるときは、あなたがこれは妥当とかいかぬということできめるわけですからして、これはわれわれとしては、こういうやり方には同意できないわけなんです。しかし、無理やり農林大臣としてやるとすれば、筋道の立ったようなやり方でないと、あとで国会においても指摘されるわけでありますし、どうも坂田農林大臣が就任早々大手水産会社に利益を与えるためにこういうことをやったということになれば、将来に汚名を残すことになるわけです。そこで、こういう方法をとる場合、第一回に北洋水産に三万五千トン認めておるわけですが、これもフィッシュミール生産という条件でやらしておるわけでありますが、この三万五千二百トンの原料を材料にしたフィッシュミールの生産というものは、現在どういう状態で生産されて、それがはたして四十年度の飼料計画の中に取り入れられて、完全に有効処理を行なうことになっておるかどうか、その点は御存じですか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 その数字は事務当局から説明させます。

太田康二農林事務官(畜産局参事官)

○太田説明員 今年の一月から三月までに洋上で操業いたしまして、漸次ミールに加工して、その製品の数量は、全部で歩どまり一六%で五千六百トン、これは飼料の需給計画上は、昭和四十年度の魚かす、魚粉の需給計画は、輸入が十四万八千トン、それから国内産が三十三万二千トンということになっておりまして、その三十三万二千トンのうちの五千六百トン、こういうことに相なっております。  〔委員長退席、舘林委員長代理着席〕

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは農林大臣においてまだ決定に至っていないというお話でありますから、これ以上はきょうは詳しく質問をしても前進はないと思うわけですから、少なくともいま私が指摘したような原則的な条件あるいは方針というものをまず明確にして、その原則に照らして今後外国からの水産物の輸入等についても、これは自由化品目でないわけですから、それを自由化にはなっておらないけれども、実質的には自由化されたのと同じようであるというようなことは絶対しないようにして、いつ国会で決定がどうなったということを聞かれても、明解な説明とか答弁ができるように、十分な配慮を行なってやってもらいたいと思う。そういうふうに申し上げまして、きょうはこの程度にしておきますが、これは先般も言ったとおり、八月八日までにきまるとかきめてもらえるということを関係業者は盛んに言っておるわけですからして、そうなれば、あと一日か二日しか余裕はないと思います。先日私が質問した場合にも、全然まだ問題は知らぬとか、二十日前にはきまらぬということを言っておきながら、次の日にはもうきまったという報道が出るような、そういうインチキだけはやらぬようにしてもらいたいと思う。  次に、でん粉の問題に対しては、まだ検討中であるということを言われましたので、これは来週の委員会において、方針がきまった暁に説明を聞かしてもらいたいと思うわけです。  それから林野庁の森尾調査官の発言というものは、内容についても、また発表の時期とか場所についても、われわれとしては相当問題があると考えておりますので、この点についても、先日、農林大臣及び林野庁長官は、内容を十分調査して委員会に報告しますということでありますので、この点の調査が終わっておれば、この機会に内容を明確にしておいてもらいたい。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 御質問の森尾調査官の発言は、この前の委員会で私から申し上げましたように、中央森林審議会で国有林のあり方について答申を出す過程において出ました意見について、紹介をしたということでございます。したがって、林野庁としての、あるいは農林省としての見解を述べたものではないということでございます。それで、七月の十四日に、北見の営林局で、森尾調査官がたまたま新聞記者から国有林のあり方についての中央森林審議会からの答申について質問を受けた際に行なった話でございまして、したがって、それは委員会の過程において出た委員の一つの意見にすぎないというふうに御了解いただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 それでは確認しておきますが、森尾君の当時の発言というものは、中央森林審議会が答申した答申の内容を、北見営林局管内の営林署長等を集めたその場所で、林野庁の役人、中央の林野庁の一担当者としての立場から、答申の内容はこういうものであったということを事務的に報告、説明したにすぎないというわけですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 そのとおりでございます。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そうであれば、何もわざわざ北海道の営林局まで行って説明しなくてもいい。こういうものは各営林局単位に配ってあるのですか。

田中重五林野庁長官

○田中(重)政府委員 森尾調査官が北海道の国有林について視察のために出張をしたわけでございまして、中央森林審議会の答申を説明するのを目的として出張したわけではない、こういうことでございます。たまたま署長も、森尾調査官が来たということで、いろいろ国有林やその他話を聞きたいということで集まった機会に出た話であるということに御了解をいただきたいと思います。

芳賀貢日本社会党

○芳賀委員 そういう説明を聞いてみればたいしたことはないが、しかし、新聞等にわずかな紙面に集約して記載する場合は、その感じ方は、農林省として今後国有林野事業のあり方とか、あるいは林野庁の組織体というものをこういうように改革するという方針がきまったように受け取られる場合があるわけです。長官や大臣から十分説明を聞けば、なるほど答申の内容の説明だけだったかということになるが、一般国民には、新聞紙等を通じてこれが林野庁の一役人の発言であったということになれば、間違った印象を与えやすいわけです。だから、決してそういうことを地方へ行っても言ってはならぬということを私は言うわけではないが、誤解を生じないようにしないといかないと思うのですよ。これは農林大臣も注意しておいてもらいたいと思う。かってに農林省の役人が地方へ出て、いまでも地方へ行くと、役人は偉いような扱いを受けておるわけですから、そういう人たちが善意な発言をしても、大きく取り扱われたり、誤った印象を国民に与えるような場合がないとは言えないですからね。箝口令をしくとかなんとかいうのではない。答申なら答申を伝える場合は、これは事務的にも流し方があると思うのですよ。まだ委員会にもこれは資料も配ってないのですからね。だから、地方へ行って演説をするひまがあれば、まず関係の農林委員会等には、こういう答申が出た場合は、資料要求されなくても、進んでこういう答申が出ましたくらいの配慮をするのは当然だと思うわけです。これは注意という意味で農林大臣に申し上げておきますので、今後この点については、あるいは類似な点に対しては、十分な配慮をしてもらいたい。御意見があればお聞きしたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 十分注意させるようにいたします。

舘林三喜男自由民主党

○舘林委員長代理 中村委員。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 きょうは、農林大臣の所信表明に対する質問の前に、委員長に一言言っておきたい。ただ、舘林委員長代理のようなまじめな方がここにすわっていらっしゃると言いにくいのですけれども、委員長によく伝えていただきたい。いま現在の出席数を見てごらんなさい。これでほんとうに委員会を成立さして真剣に農林行政を検討しようとしているのかどうか。私たちは少数だからめったに発言ができないので、ここで日ごろそういうふうに感じていることを明確にしておきたい。これは真剣に考えてもらわないと、ほんとうにただ冗談半分にやっておる事柄ではないと思う。このことは、特に現在いらっしゃる与党の方々、この方方は常日ごろ出席していらっしゃる。何名いらっしゃいますか、ごくわずかじゃないですか。農林大臣が出ていらっしゃるのは、一週間のうちでおそらく六時間か七時間かと思う。その間すらこういう状態で、ほんとうに審議ができるかどうかということは、もちろん私を含めて私たちは大いに反省をしなくちゃならぬ。これはやはりもう一度真剣にお互いに考えなくちゃならぬ問題じゃないかと思うから、このことは厳に委員長からお話を願っておきたい。  それから、まず、私は農林大臣にお尋ねをしておきたいのは、農林大臣がこの所信表明をする前に、基本的な問題として農業政策の問題を取り上げるとするならば、少なくとも世界の農業と日本の農業がどういう関連を持っておるかということが第一点、第二点は、日本の経済の中における農業の占める立場がどういう立場になっておるか、この二点が基本になって、やはり農業政策というものは生まれてくるものであろう、このように私は考えておる。そこで、世界農業と日本農業との対比という問題はあと回しにするとして、現在の日本経済の構造問題について、一、二お尋ねしておきたい。  現在の日本の経済というものは、御承知のように、不況と同時に、何といいますか、インフレという、二つの相反する問題がからみながら、非常に複雑な様相を呈して、経済というものが移行されておる。もちろん、その原因というものは、前池田内閣における高度経済成長というものが、あるところでたずなを締めなくちゃならないにかかわらず、突っ走ってしまった。その結果が、現在佐藤内閣において安定経済とかいうような一つの方向を打ち出さざるを得ないというような立場になっておる。しかし、いかなることがあろうとも、すべてそれは与党に責任があると私は感じておる。その問題をごまかして、ただ現象だけを一つ二つ取り上げて、こうしているのでございます。ああしているのでございますということは、これは私は国民を愚弄するものであると思っておる。そういう深い反省の中から現在の日本経済の基本になってあらわれているものは、私は金融資本が基本になって生まれておると思う。そこで、その金融資本が産業資本を支配して、ついには、政治よりも経済が先行してしまうという行き方になっておるのが、いまの日本経済じゃないかと思っておる。そこで、そういうような立場を政治と並列するためには、どういうふうに考えているか。日本経済の一つの基本をどういう立場であなたは掌握しておるか。その立場がはっきりしない限り、いまのひずみ是正とかいってみても、ほんとうのひずみ是正は私はでき得ないという結論を持っておりますが、あなたは、日本経済のいまのあり方について、どういう角度からこれを把握し、この日本経済の基本的な問題をどうしようとしているのか。ただ単に公債発行によって赤字をごまかそうとか、そういうことでなくして、どういう立場になっているかということをあなたがあなたなりに考えておる日本経済の骨子を話してもらいたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 中村委員から、非常に大切でありますけれども、たいへんむずかしい問題の御質問であります。もちろん、現在の日本経済全体といたしましては、いつも申しておりますように、やはり安定成長という点に向かって進んでいきたい。しこうして、その際において、農業なり中小企業が非常にその大きなひずみを受ける関係になりますことは、言うまでもありませんので、私どもといたしましては、この安定経済に持っていくと同時に、これはやはり中小企業及び農業というもののひずみを是正していくということであろうと思います。ある意味においては、安定経済を達成する途上において、農業の問題等においては、特に農業の近代化を進める基礎をこの際こそ拡大していくということは、結局現在の経済から安定経済に持っていく、非常に大事な過程でもある。農業から見まして、まあ大体さように感じております。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 経済論争というものは、非常に多岐にわたりますから、何かの機会にじっくり農林大臣と私は質疑応答をしてみたい。  ただ、私は一言言っておきたいことは、少なくとも先ほど言ったように、金融資本が産業資本を支配しているようなかっこうに現在のところはなっているのです。だからこそ、大きな企業にしても、ほとんどが借金企業をやっているような状態になってきておる。中小企業の一つを打ち出してみても、それは中小企業の上つらの層だけは何とかその恩典に浴するかもしれないけれども、下部のほうはほとんど切り捨てごめんのようなかっこうになっておる。そういうことはどういうところにあるかというと、あくまでも金融資本が産業資本を支配している。そうして、いま言ったように、経済が先行してしまうものですから、その言いなりに政治が動いてしまう。その事実は、実際に大銀行がほとんどがどうかといったら、政府のとっておるところの高度経済成長のひずみのために、何とか合理化をしなくちゃならないというような方向を打ち出してくれば、直ちにそれと結びついてくる。どちらが先とかどちらがあととか申しません。少なくともそのことは、合理化に名をかりて系列化をしていくというのが事実でしょう。だから銀行は銀行で、地方銀行を大手銀行が全部系列化していく。それに伴って、地方銀行の支配下にあるところの中小企業は、やはり同じような大きな企業体に吸収されていって、名目は合理化でありますが、吸収であります。そうして系列化していかないと系統の融資ができない。地方においては順位列の貸し出しをしていかざるを得ない。そうすれば、一般の企業の貸し付け対象は何もない。こういう結果になっているのです。その一つの原因は大手銀行のオーバーローンにあるわけなんです。そのオーバーローンを解消せずして、大蔵大臣のおっしゃっているような、ただ単なる公債発行によって——実際の税収が少なくなったから、あるいは集まりにくいから、そこで借金経済の上から、公債によって赤字を何とかしましょうというようなことでは、この日本の大きな経済の基本というものの是正はできない、こう考えられるわけなんです。そういう意味において、このような基本の上に立って、私は、農業経済というものとどう関連をするかという方向に裏づけをしていかないと、ほんとうの日本の農業政策というものは生まれてこないのではないか、このように思っている。これに対してどうお考えになっておりますか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 国民経済のいろいろの面において、このむずかしい問題を申し上げるよりも、農業政策をどこへ持っていくかということによって、それらの問題の解決をしていきたい、こう私は思っております。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 だから、そのためには、いまの日本経済の根拠というものの把握の上に立って——それがなかったらどのような解決ができるかといったら、できる道理はないのです。私はそう考えます。やはり一つの柱として、日本経済の一環としての農業というものが考えられてくるわけなんです。何も農業が舞台の主役ではない。ただ、私たちが農業政策というものだけを取り上げた場合には、そういう概念というものは生まれてくるけれども、やはりそういう一つの概念的な姿の上に立って、農業政策の姿を把握していくのが、私は今後の日本農政の基本になっていかなくてはならぬと思っているわけです。それに対して、農林大臣はそういう立場から今後進められていこうとしているのかどうかということをお聞きしておきたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 先ほども申しましたように、非常にむずかしい問題でありますが、要するに、安定経済に持っていくということは、これは言うまでもない。そういう途上において農業政策をどこへどういう政策に持っていくかということを考えることによって、それらの回答になる、こう私は思いますので、さように申し上げたわけであります。そしてその根本的な問題として、いまお話になりましたような、非常に急激なる経済成長というものが、中小企業及び農業に大きなひずみを与えておるという実態をよく認識してから、この問題を解決していかなければならぬことは、言うまでもないのです。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 ちょっと大臣と私の観点とが違うのです。私の言うのは、農業政策なり農業の一つの指向というものは、日本経済の基本があって、その一環として農業政策というものを取り上げるべきではないかという考え方、そのために日本の経済の一つの考え方の基本をどういうふうに把握するか、それはいま言ったように、金融資本が基本になっていまの行き方はいっているのではないか。そこで、金融資本の中心になっているものは何か、これを是正するためには、大手銀行のオーバーローンの解消がなかったら、いま言ったように、系統列になってしまって、中小企業に対する融資のほうは、系統列には貸すけれども、一般には貸さない。地方銀行に至っては順位列になってしまって、順位で大きなところには貸すけれども、小さいところには貸し付けをすることができないという結果が生まれてくる。その日本経済の骨子を——あなたも閣僚懇談会に出られる一人なんです。経済閣僚なんです。だから、そういうものの是正が基本的にあって、そうして農業政策というものも、並列的にあなたの考えていらっしゃる方向をとっていくのがほんとうではないかと私は聞いているのです。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 同じようなことを私は逆に申しておるように思うのでありまして、いまこの経済論争を申し上げるよりも、それを裏から申していきたい、こういうことを申しておるわけであります。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 どうも裏からが総裏になってしまいそうなんですけれども、そのことはそのことでまたゆっくり話をすることにして、そこで、本題に入りまして、第四十九国会におけるところの農林大臣の所信表明に対して、まず第一にお聞きしておきたいのは、この所信表明は、農林大臣が筆をおろされてきちっと自分が責任を持ってやられたものかどうか、これをひとつお聞きしておきたい。顔をしかめずと、ほんとうのことを言ってごらんなさい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 所信表明は自分の思うことを書いておるわけでありますが、なお、ささいな分と申しますか、非常に大切な面も、これだけの文章でありますから、十分尽くせないところはあるだろう、こういうふうに自分も思っております。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 私はなぜこれを聞いたかというと、あなたは米価問題で忙しかった。そうでしょう。米価が終わったとたんにアメリカへ行っていらっしゃる。あなたが自信を持ってその間にこれだけのことを書かれたかどうか、構想を練られたかどうかということになったら、幾らあなたの頭がよくても、私は不可能に近いんじゃないか、こう思っておる。そこで、一応お聞きしますけれども、これは農林省でつくられたものをざっと読まれて、大体自分の意に合っておるという立場で、このことをあなたは表明されたのかどうか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 もちろん、書いてあります範囲においては、自分の意思に沿っておるわけです。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 それでは一つお尋ねしますが、ここの二ページから六ページの間をまず第一に質問をしていってみたいと思います。この所信表明において、最近における消費形態の高度化に伴い、農業所得は順調に伸びたと、こう書いてある。しかし、就業人口の減少、第二種兼業農家の増加等により、土地利用率は低加し、わが国農業生産の伸びは停滞傾向にある、こういうふうに指摘しているわけなんです。これらの情勢に対処するためには、生産性の向上を進めなければならないが、開放経済への移行に伴って、国際競争力が高まらねばならぬと、このようにあなたは断定していらっしゃる。そうですね。——あなたは自分の所信を言っているのですよ。それを要約すればそうなるでしょう。一々これを読み直さなくちゃならぬというのは、どうもあなたの所信というものは、自分が書いたものでもなければ、自分が手をつけたものでもない、 ただこういうものが出たから、問題なかろうということになりそうですよ。そうですね。この基本的体制に対し私どもが最も考慮するのは、このあなたのおっしゃっている国際競争力という点に一番重点があるわけなんです。大臣はこの国際競争力の問題をどういうふうにお考えになっているのか。私は、この文章の上からいきますと、食糧農産物に結びつけておるのではないか、こう思っておるのですが、これはどうですか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 これはいろいろの問題を考えていきます際において、国際的な問題としては、やはりでき得る限り国際競争力をつけることに努力するということは必要だと思います。これが唯一の問題とは申しませんけれども、重要なことであるだろうと思っております。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 いや、私のお尋ねしておるのは——大臣のおっしゃることはよくわかるのですよ。しかし、私がいまお尋ねしたのは、この五ページのうしろから三行目に書いてあるように、「農産物の輸入が増大する傾向にあり、他面開放経済への移向に伴って、国際競争力の二そうの強化が強く要請されております。」この国際競争力というものは、食糧農産物というものに結びつけておるのではないかということをお聞きしているわけです。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 この国際競争力というのは、食糧農産物というものだけに限っておるものではなくして、これは全般的にかようなことをやはり考えていかねばならぬ、こういうことなんです。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 あなたのお考え方というものは、時によると変動するのですね。先ほどは裏からいって、農業政策をちゃんとしていけば安定経済になる、こうおっしゃった。これは舞台は農業政策を中心に考えている。そうすると、今度は逆に一般の物資を考えて、農業政策を考えているのですか。そうでなくして、ここで考えられたのは、文章のうらはらから見ると、あるいはあなたの御答弁から見ると、食糧農産物というものを主体に農業政策としての所信表明をやっていらっしゃるのではないか、こう聞いているのです。違いますかな。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 それは食糧農産物のほうが特に大きいことは申すまでもありません。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 そこで、お尋ねしたいのは、前池田総理が発表しているのは、これは予算委員会だったかどこだったか、ちょっと忘れましたが、農業は民族の苗しろであり、国内農産物価格は、単に国際価格との対比において定められるべきものではない、こういうふうに発言をしているところから考えると、大臣の考えていらっしゃることと若干ズレがあるのではないか、このように私は考えるわけなんですが、そこのところの御説明をひとつお願いしておきたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 部分的にいろいろお話をすると、いろいろな問題において誤解もあり、また十分にお互いにその意思の疎通ができないと思うのでありますが、もちろん、この国際競争力のないものは切ってしまえ、こんなようなことを考えるのではない。たとえば民族の苗しろとして経済的に重要であります農業、また経済的だけでなしに、国の構成上非常に重要な農村という面を強く重視していく必要のあることは、言うまでもありません。それであるがゆえに、単に価格問題だけでなしに、それはもちろん重要であるが、それとあわせて、この競争力も、つき得ないものは別として、でき得る限り競争力のつき得ることができる作物についてはやっていく。しかし、それをつけるのに非常な犠性を払わなければならぬというものであるならば、それは農村の全体の比重において、そこまで力を入れてもこれはあまり効果はないというものもありましょうし、そういうものはそれぞれにおいて考えていかなければならぬので、競争力をここでつけるように努力することを書いたからそれ一本でいくなんということは毛頭考えておりません。もちろん、農村のきわめて重要なことを——これは経済的に重要であるのみならず、経済を離れても、国の構成、社会の構成上から見ても、きわめて重要である、こう考えておるのでありますから、したがって、できることなら競争力を強めるということをあわせて考えることは重要であるけれども、それですべてを律していくなんということは毛頭考えておりません。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 だから、私が先ほど言った、まず日本の経済の骨子をやはり基本にしておいて、農業政策というものは考えるのであって、ただ一部面から取り上げて云々すべき筋合いではないのだということが、これで明確になったと思うのです。  そこで、いま国際競争力の問題が出ましたので、その問題と農産物価格を通じて、一、二点お尋ねしておきたい。  農業所得の都市との均衡の問題は、わが国農業の現行のもとでは一致すべからざるものが多いのではないか、私はこう思っておる。そこで、大臣はその点についてどのようにお考えになっているか。まず足元の問題からひとつお聞きしておきたい。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 競争力の点において、確かに非常に優秀なものはありません。しかし、比較的力のあるものもございます。それは作物それぞれにより、農産物それぞれによって、程度の差にある……。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 競争力のあるものがほとんどないといわれているが、それでは一体どちらに重点を置かれて施策を進められるのか。ある程度のものはあるとおっしゃるが、それの具体的な方向、将来への見通し、どのようなお考えを持っていらっしゃるか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 非常に問答がむずかしいので、中村委員のお考えになっていることも大体わかるようではあるし、なんでありますけれども、一本一本でやりますと、それがなかなかめんどうなんでありますが、たとえば米のようなもの、これは比較的競争力が強いと思うのです。と申しますのは、現在準内地米を輸入しようとしても、相当部分を輸入しようとするときは非常に困難である。たとえば日本の生産が千二百万トンくらいでありますが、そのうちのせめて一割というものが準内地米で輸入できるかというと、絶体できないのです。こういうときには、これはもうこれ以上多くのことを言う必要はないけれども、絶体これは日本のものとして強く持っていくべきものである、こう思います。それからまた品質においても、内地米と同じとはいうが、嗜好の相違もあって、これは詳しく申し上げるまでもないと思うのですが、非常に重要であります。これは一つの例を申したのでありますが、それならば畜産製品はどうか。これは全く競争力はありません。もっとも、日本のなま牛乳とドイツの牛乳とを比較した場合にはどうかという問題はもちろんあります。ありますけれども、それはなま牛乳の場合である。しかし、製品となったものとするならば、現在のところ非常に競争力はありません。競争力はありませんけれども、これはやはり日本のいわゆる構造改善なり、主産地形成なり、あるいは食糧の増強なり、健康の問題なり、いろいろの点から見て、これらはやはりとことんまで自由化はいたさない。競争力がついてくれば別です。そういう意味で、これらはでき得る限り競争力をつけるということに努力はするけれども、それはこれをやめるということはありません。それから今度は蔬菜とか魚は別になりますけれども、そういうような生鮮食料となりますと、これは競争力はあります。果実等においては、若干別のことが行なわれますけれども、非常に主力でありまする蔬菜のごときは、これは競争力があるというていいか、よそから輸入することは非常に不適当というか、そこらはいろいろの解釈もあろうけれども、これらの問題は強く増強していくべきものである、こういうぐあいにそれぞれ農産物によってそれは違う。しかし、そうかといって、私は、常に国際競争力の点は無視していいかというと、そうは考えません。でき得る限り競争力をつけていくという裏の努力はやはりやらなければならぬ、こう考えておるのであります。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 その問題は非常に重大な問題なので、いろいろ話をしたいのですが、次の国会かその次の国会に譲ることとして、というのは、あと時間が五分かそこらしかないものだから、言いたいことはたくさんあるのですが、もう一、二点だけにしぼってみましょう。  その次にお尋ねしたいのは、大臣は就任の当初にこういうことを言っていらっしゃる。三つの方針を立てられている。その一つに冷害対策、価格対策、それからもう一つは、明るい村づくりをやりましょう、非常にけっこうなことだと思うのです。これを打ち出して、もうかる農業という合理主義的農業はとりたくない、こういうように御発言をされていらっしゃる。そこで、いままでの農業政策といいますか、赤城農林大臣等の問題の中からは、主として自立経営を中心にし——これは御存じのとおりですね。そうして協業方式あるいは経営規模の拡大という農政の基本路線をいかに打ち出すかということで、いままでやっておったと思う。その問題と少し食い違いがあるんじゃないか。たとえば前国会に、農業構造改善事業の問題から端を発して、農地管理事業団法というものを出してきた。これは農地の拡大の一つの意味を出しておるわけであります。それらに対して、いまの大臣のこれらの発言から考えると、この農地管理事業団法の提案というのは、おそらくもう出すのかあるいは出さないのか、そこらの基本がずれてくるのではないか、こういう考え方が一つ生まれてくるだろうと思う。  それからもののついでですから、もう一つ、もうかる——もうかるということばづかいはちょっとどうかと思いますけれども、小農保護政策をいまの与党がとっておるとは思いませんが、一応われわれが考えておる小農保護政策のような形になったと仮定して、それらに対して、現在の若い人たちが農業外に出る、それはもうからないからだという意識のほうが、基本的な農政よりも直感的に強く出てきているのではないか。それで都市に出ていくほうが大きいんじゃないか。そういうときに、もうからない、もうかるという合理主義的な問題は除外してみようというお考え方はわかるのですけれども、発表の方法なり発言の方法として、私は、現実の効果としては逆の面が出てくるのではないか、このように考えるのですが、どうでしょうか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 中村委員なかなか鋭い御質問をなさるのでありますが、もうかる農業を指導するのではなしに、楽しい農業を指導していきたいということを申しておる意味は、私はもうかる農業が悪いという考えではありません。そうじゃなしに、多数の全体の問題として、行政としては、もうかるという問題よりも、楽しいという——これは非常に語弊はあるかもしれませんが、そのほうの行政を徹底することが必要であるのではないか、こう申しておるのであって、もうかる農業が悪いとか、もうかる農業はいけないとかいう考えは持っておりません。もうかる農業はどんどんあってよろしい。しかし、大衆的に指導していきまする際に、ごくわずかなもうかる農業をつくるために、多数の農民が放置されるようなことがかりにあるとすれば、それはよろしくない、こういうことを自分では考えておるのであって、その辺は誤解のないようにひとつお考えを願いたいと思います。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 あなたのおっしゃる精神的な、オーソドックスといいますか、そういう考え方はよくわかりますけれども、安定経済をつくるためには、いまの格差のひずみが都市と農村において非常に大きい。そこで、このひずみをなくそうということは、もうけなくちゃなくならないわけなんです。ですから、逆に言うと、農業はしっかりもうけましょうということを思い切って出して、それが実際明るい農村になっていくのです。もっと積極的にやられていいのではないか。それがまた基本の坂田農政として出てきてもいいのではないかということを私は言っておきます。  時間がないから、また次の機会に譲るとして、そういうふうなことを考えられることと、先ほど言った農地管理事業団法との関連について御答弁がない。なぜ私がそれを言ったかというと、国際競争力に勝とうと思うなれば、どうしたって農地が問題になってまいります。だから、農地の方向に大きなメスを入れる。そうすると、農地法が問題になってくる。御存じのように、農地法というのは、きょうはいらっしゃいませんが、たしかそのときの次官をしていらっしゃったのは、後段は山添さんがやったと思うのですが、前段は笹山さんだったと思うのです。そのお二人がやって、一貫されたもので、農林省当局もそこは聞いてごらんなさい。おそらく非常に文書としてはきちっとしてきておると思うのです。これを一つ織り込むと、方方に関連ができるから、これをなるべくさわりたくないというのが、私は基本的な考え方になっていはしないかと思うのです。本来、この農地法にメスを入れて、どこからどうしてやるかということが、基本的な問題として生まれてこなければならぬ。そのことで農地の拡大という一つの線が生まれ、競争力の基本として生まれてくるだろうと思うのです。これに対してどういうお考えを持っておりますか。これが一点。  それからもう一つ、時間がありませんから、もう二、三点だけ申しておきます。これは先般芳賀委員から質問がありましたが、韓国ノリの問題で、二億五千万枚を入れるという。そこで、これは三十六年だったと思うのですが、国会において衆参両院で、一方が一本化の線で打ち出してくる以上は、こちらも一本でいこうじゃないかということで、輸出入組合もつくられたはずであります。そのときの内容は、たしか一億枚、これを限度として認めて、しかし、それ以上の問題は日本の生産者との関連性があるので、この問題を取り上げて、これを協議をした結果においてじゃないといけないということになっておるはずであります。そういう立場があったから、前赤城農林大臣が、閣議決定をいたしましたときに、韓国ノリを入れることになった。しかし、その裏はどこにあったかというと、ほんとうの裏は、こう言っては失礼でありますが、なくなられた河野一郎さんが裏の指導者になっておったはずであります。そうして大野さんが韓国に行かれたときに、その交渉を進められた。その裏にあったのが御存じの丸紅です。これは韓国ノリを入れるということが主眼じゃなく、LCを組んでおいて肥料を輸出していく、そうしておいて、日韓交渉が妥結したときに自分がその発言権をとろうという考え方を持っておったのです。それを追及されて、この閣議決定はついに御破算になったはずであります。そういういきさつがあるときに、どういう理由で、この二億五千万枚は向こうの側の話し合いから出たものか、あるいは皆さん方の中から出たものか、一体どこから出たものか、これをまずお聞きしておきたい。  それからその次に、卵の問題、あるいはそのほか生乳の不足払いの問題、いろいろたくさんあるのですが、時間がないからやめます。  もう一点だけお尋ねをしておきたいのは、この韓国問題であります。現在、竹島の問題に対して、本日の新聞では、御存じのように、向こうの外務部長官の発表によりますと、竹島は韓国側に帰属するものだ、李ラインもそのままである、こうおっしゃっておる。これは水産関係に非常に大きな影響を持っているものであって、われわれは常に漁船が拿捕されていくその経過の中で、李ラインがなくなるということで、非常に大幅な譲歩をしながら、専管水域の問題も一応解決を見たはずであります。そういう立場にかかわらず、そういう発表をされておる。農林大臣は、その関連の問題として一体竹島の問題をどう考えておるか。条約の中には何も載ってない。載ってないということは、両国の領土でないということを示しているのかどうか。あるいは、いまの李ラインの問題に対してはどういうお考え方を持っておるのか。この点をお尋ねしておきたい。  それからもう一点、最後に、現在バナナの問題で、この前この委員会で話をしたそのときの目的は、第一に、外貨を一般のバナナ業者が目的外に使われておるような状態が生まれた。たとえば、プレミアムの問題なんかそうであります。そこで、外貨を節約するという立場を取り上げて第一点とする、第二点は、日本の在籍のない人たちが割り当てをもらっていることは不均衡じゃないかという問題を取り上げる、第三点は、向こう側が、要するに台湾側が一本化してきておるときに、日本側が個々ばらばらに交渉に入っていることは不自然だというような立場から、組合をつくって一本化すべきである、こう結論を出しているわけであります。それで、通産のほうでは、いままで八団体あったものを三団体にしぼられてきた。ところが、第一組合が先般大会を開いて、その際の大会の決議に対していろいろなことが問題になってきた。そこで、この問題で第一組合が分裂しかかったときに、これを文書でもいいから承認してくれれば、第一組合として一本化の方向がとれるのだ、法的にも疑義がないという立場から、この第一組合だけに許可を与えるから何とかしてくれというので、その判をとって回っていらっしゃる。現在六社が反対しておりますが、それもそういうような立場でやられるだろうと思います。ところが、その中には専業でない人がたくさん入っておる。一方、第二組合、第三組合は専業であります。そこで、そういう感情の対立が生まれてくる。だから、そういうことのないように、第一組合に許可をするのでなくて、第二、第三組合の専業者も含めて、理事あるいは発起人、そういう員数の調整をしながら、全部が一本になろうとしておるのですから、その一本化をはかって土俵の上に入れて、そうしてこれを認可していく方向をとるべきだろうと考えております。これが利害得失のない、正常な、ほんとうの立場であろうと思います。その中に政治家がうろうろして、これをどうせいこうせいと言う不純な姿を捨てて、そういう方向に推進されんことを要望いたしまして、時間がありませんから、あとのことはいつかの機会に譲ることとして、これでおくことといたします。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 いろいろな問題について簡単に申し上げてかえって誤解を起こすような場合もあろうと思いますので、ひとつ申し上げますと、もうかる農業とかいろいろな問題に関連して、農業基本法は自分が委員長の時分でしたが、この農業基本法にのっとりまして、近代化をはかっていくということによって生産を上げることに努力していきたいという熱情は、私は他の人に劣るものではないのでありますから、その点御了承願いたいのでありますが、この前の知事会議のときに、茨城の知事がこういうことを言いました。それは農林省で総合研究所をもっと充実してくれないかということです。その目的は、非常によいアイデアなり思想というものをすぐそのまま現在の行政に移す場合には、いろいろな弊害があるので、そこで、このりっぱな考え方なり一つの大きな主義、主張なりを現実に行政の面に乗せていく場合に、どの程度にどういう順序で乗せたらよいかという具体的な問題をよく研究することにしてほしいという意味合いから、総合研究所を拡充したらどうか、こういうことが提案されたのであります。私もその点は非常に共鳴する一人でありまして、たとえば農業は一人も残らずもうかる農業にすべきである、こういう一つのアイデアは私はりっぱだと思います。しかし、それを現実の行政にはめていったらどういうことになるか、こういう問題を考えて、私は、そういう一つのいろいろな考え方の経過を省略して、そうしてもうかる農業よりも楽しい農業をつくれ、こういうことを申し上げようとする一つの考え方も、そこからくるのであるというふうに御了承願いたいと思うのであります。それを一つのことばで申しますと、たいへん誤解が起こるわけでありますけれども、そういう考え方で進んでおることをここに再び申し上げるわけであります。したがって、この農地管理事業団の問題にいたしましても、だれにでも広く大きな面積を持たせてやりたいということを考えるのはあたりまえです。しかし、それを現実の上にはめようとする場合は、それは私だって農業をやるときには、十町どころか、できれは二百町歩ももらいたい。それは個人的に考えればあたりまえのことであります。けれども、そういうことが現実の中にはめられるかどうかという問題を考えますので、私は、このむずかしい土地面積というものでなしに、やはりいわゆる資本を含めて経営全体を大きくする、こういうことで、しかもその地方の実態に合わせながら進めていくべきものではないか、そういう点に立って、農地事業団の問題は、私はそういう意味で賛成なのでありまして、そこはちっとも問題がないのでありますから、その点は御了承願いたいと思います。そういうわけでありますから、事業団については、今度また皆さんにひとつ御審議を願うことの運びになろうかと思いますから、御了承願います。  それから韓国ノリの問題でありますが、これは先ほど申し上げましたように、まだはっきり最後の結論を得ておりませんので、この点は申し上げるところまでいっておりません。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 いつごろまでに出すか。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 きわめて近いうちに……。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 バナナの問題。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 バナナの問題については、これはただいまの御要望を承っておきたいと思います。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 李ラインの問題。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 李ラインの問題は、これは前赤城農林大臣からも、農林委員会において常に御説明のあった問題でありますので、私から繰り返して申し上げる必要はなかろうと思いますから、その点のひとつ速記録をごらん願いたいと思います。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 竹島の帰属。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 竹島の問題については、これは外交交渉で解決していただきたいと思います。

中村時雄民主社会党

○中村(時)委員 もう一点だけ、ちょっといまの蚕糸事業団の問題ですが、この問題に関して、日本のほうからこの六月に九百九十二俵というものを外国に出しておる。蚕糸局長に聞いてごらんになったらわかります。ところが、御存じのように、中共生糸が八百五十五俵だけ入ってきておる。そうすると、差し引き勘定したら、実際の輸出されたものは百三十七俵ということになる。そのようなことで、ただ単にこの事業団を簡単にどうするこうするという問題でなしに、十分にこの事業団の問題は慎重に審議してもらいたい、このように思っております。

坂田英一自由民主党農林大臣

○坂田国務大臣 慎重に御審議を願いたいと思います。     —————————————

舘林三喜男自由民主党

○舘林委員長代理 この際、資料要求の件について、湯山委員から発言を求められておりますので、これを許します。湯山委員。

湯山勇日本社会党

○湯山委員 先国会で、委員長提案によって山村振興法が本会議に上程されて、本院、さらに参議院を通過成立いたしました。これは議員立法でございますので、政府のほうでいろいろやっておられることがよくわからない点もございますから、この際、資料をお願いいたしたいと思います。  第一は、実施の体制、その機構がどのようになっておるか。  第二は、同法の審議会の委員の任命、それからその審議会の発足の時期、そういうものをお示し願いたいと思います。  第三は、この法律に伴う政省令の制定の状況、もしくはその案でもけっこうでございます。どういう政省令を出すか、そういう点を明らかにしていただきたいと思います。  それから第四番目は、来年度実施の諸方策、つまり、何をどうやろうとしておるかということをお示しいただきたいと思います。  山村振興法については、以上の四点です。  なお、それとは別に、国有林野事業の役割りと経営のあり方に関する答申がおありになるかと思います。四十年三月三十一日の中央森林審議会の国有林野部会のものでございます。これをひとつ御提示願いたいと思います。

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 企画庁のほうともよく相談いたしまして、出すようにいたしたいと思います。      ————◇—————

舘林三喜男自由民主党

○舘林委員長代理 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案及び日本蚕糸事業団法案の両案を一括して議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。仮谷農林政務次官。     —————————————

仮谷忠男自由民主党農林政務次官

○仮谷政府委員 繭糸価格安定法の一法を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  繭糸価格安定法の目的といたしますところは、生糸の輸出の増進及び蚕糸業の経営の安定をはかるために、繭及び生糸の価格の異常な変動を防止することにあるのでありまして、このような観点から、政府保有生糸については、申し込みに応じて最高価格で売り渡すこととしているのでありますが、最近における生糸輸出の状況を見ますと、わが国生糸の輸出はきわめて不振であり、これに反し、海外市場における他国産生糸の進出がきわめて顕著な現状であります。これはわが国における糸価の変動が激しかったこと、一方海外の需要者において糸価の変動に対応する力を欠いていること、他国産生糸が比較的低い価格水準で輸出されていること等がそのおもな原因と考えられるのであります。  このような事情を考えますと、今後わが国においては、糸価の変動をでき得る限り小幅にとどめることが輸出の増進のためにぜひとも必要であり、このような点をも勘案の上、別に日本蚕糸事業団法案を提案し、御審議を願うこととしているのでありますが、これとともに、政府保有生糸につきましても、生糸の価格の騰貴により生糸の輸出が減少しまたは減少するおそれがある場合において、生糸の輸出を確保するため、特に必要があるときは、一般競争入札等の方法により売り渡すこともできることとすることが必要であると考えられるのでありまして、このような観点から繭糸価格安定法の一部を改正しようとするのがこの法律案の提案の理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、日本蚕糸事業団法案につきまして、その提案の理由及びおもな内容を御説明申し上げます。  近年における生糸の需要は着実に増加しつつあり、今後なお長期的に見てかなりの需要の増加が期待されるのであります。このような情勢を考えますと、今後繭生産の増大をはかるべき余地もまたきわめて大きいと考えられます。  また、養蚕経営の面におきましても、近年、技術の開発普及に伴い、その労働生産性の向上がきわめて顕著でありまして、これが生産の振興をはかることはわが国農業の発展をはかる上にきわめて肝要なところであると考えられるのであります。  しかるに、最近における需給の動向を見ますと、内需につきましてはすこぶる堅調でありますが、輸出はここ数年間における糸価の大幅な変動等の原因により極度の不振におちいっているのであります。いまさらいうまでもないところでありますが、生糸の需要の増進と繭の生産増強のためには、何よりも繭糸価格の適正な水準における安定が必要であります。政府といたしましては、従来繭糸価格安定法、日本繭糸事業団法等の運用、あるいは生糸取引所に対する指導監督等の措置を通じまして、これについて最大の努力を傾注してまいったのでありますが、遺憾ながら、必ずしも十分な成果をおさめるには至っていないのであります。繭糸価格安定法がその目標といたしますところに、糸価の異常な変動を防止するところにあるのでありますが、養蚕農家の生産意欲か振起させ、一方生糸の需要、とりわけ海外における需要を確保するためには、繭糸価格の異常な変動を防止するにとどまらず、さらに一歩を進めて繭糸価格の変動をより小幅な範囲にとどめ、適正な水準に安定させるための努力が必要であると考えられるのであります。  このような観点から、日本蚕繭事業団と日本輸出生系保管株式会社とを総合し、さらに民間出資を加えまして、日本蚕糸事業団を設立し、繭糸価格安定法の最高価格と最低価格の中間における適正な水準に糸価を安定させる目標のもとに生糸の買い入れ及び売り渡しの業務を行なうほか、繭の取引が適正な水準以下の価格で行なわれるおそれがあると認められる場合には、委託を受けて乾繭の売り渡し等の業務を行なうことにより適正な繭価水準の実現をはかり、繭糸価格安定法の運用と相まって、繭糸価格の安定を一そう強化し、もって蚕糸業の経営の安定と生糸の輸出の増進を達成しようとするのが、この法律案の目的とするところであります。この法律案は、このために必要な日本蚕糸事業団の組織、業務、財務等に関し、所要の事項を定めたものであります。  以上がこの法律案を提案する理由でありますが、以下そのおもな内容について御説明申し上げます。  第一に、事業団の組織等につきましては、政府及び民間出資の法人とし、その資本金は、日本蚕繭事業団及び日本輸出生糸保管株式会社から引き継ぎます資本金と、養蚕業者が組織する農業協同組合等及び製糸業者の出資金を合計した金額とするとともに、必要に応じて資本金の増加ができることとしておりますほか、役員の定数及び任免、運営審議会等につき所要の規定を設けております。  第二に、事業団の業務に関する規定であります。  まず業務の範囲につきましては、生糸の買い入れ及び売り渡し、委託による乾繭の売り渡し、加工、生糸との交換等を行なうほか、農林大臣の認可を受けて繭または生糸の生産流通の合理化をはかるための事業に対する助成事業を行なうことができることとしております。  なお、生糸の買い入れ及び売り渡しにつきましては、事業団はあらかじめ農林大臣の認可を受けて買い入れ価格及び標準売り渡し価格を定めることとしておりますが、これらの価格は、繭糸価格安定法の最高価格と最低価格の安定帯の範囲内において、生糸の生産条件及び需給事情その他の経済事情から見て適正と認められる水準に生糸の価格を安定させることを旨として定めることとしております。また、事業団が生糸の買い入れを行なう場合には、出資者たる製糸業者からの申し込みにより買い入れるのでありますが、当該製糸業者は、繭の生産条件及び需給事情その他の経済事情から見て適正と認められる繭価水準の実現をはかることを旨として事業団が定める基準繭価を保証する業者に限ることとしており、これによって適正な繭価水準の維待をはかることとするよう配慮しているのであります。  第三に、事業団の業務及び会計につきましては、事業計画、予算等についての農林大臣の認可、借り入れ金等について所要の規定を設けております。  その他の規定といたしましては、繭の売買取引が基準繭価に達しない価格で行なわれるおそれがある場合において、必要があると認めるときは、農林大臣は製糸業者に対し繭の買い入れにあたって基準繭価以上の価格によるべきことを勧告することができる旨の規定、事業団に対する農林大臣の監督、罰則等の規定等を設けております。  以上のほか、附則におきまして、事業団の設立に関し必要な手続規定、日本蚕繭事業団及び日本輸出生糸保管株式会社の解散及びこれらに伴う経過規定、関係法律の一部改正等の規定を設けております。関係法律の一部改正のうち、繭糸価格安定法の一部改正といたしましては、政府は、輸出適格生糸を確保するため必要があると認めるときは、事業団が買い入れて保管する輸出適格生糸のうち、政令で定める期間を経過してなお保管しているものを買い入れる旨の契約を締結することができることとしているのであります。  以上がこの法律案の提案の理由及びおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。

舘林三喜男自由民主党

○舘林委員長代理 次に、日本蚕糸事業団法案について補足説明を聴取いたします。丸山蚕糸局長。

丸山文雄農林事務官(蚕糸局長)

○丸山政府委員 日本蚕糸事業団法案につきまして補足して御説明申し上げます。  この法律案を提案する理由につきましては、すでに提案理由の説明において申し述べましたので、ここでは省略することといたしまして、以下、この法律案の細目につき、若干補足して御説明申し上げます。  法律案の構成といたしましては、全七章及び附則からなっておりますが、以下、章を追って御説明申し上げます。  第一章は、目的、法人格、事務所、資本金、出資等総則に関する規定であります。  まず、第一条においては、日本蚕糸事業団は、蚕糸業の経営の安定と生糸の輸出の増進に資するため、生糸の買い入れ及び売り渡し、委託による乾繭の売り渡し等の操作を行なうことによって繭糸価格の適正な水準における安定をはかることを目的とすることを規定しております。繭糸価格安定法におきましては、繭及び生糸の価格の異常な変動を防止することをその目的としておりますが、この法律案は、同法とあわせて運用することにより、繭糸価格のより一そうの安定を確保しようとする意図に基づくものであります。  また、第四条におきましては、事業団の資本金は、日本蚕繭事業団に対する政府出資を承継して事業団に出資するものとする十億円及び日本輸出生糸保管株式会社が出資する営業の価格並びに事業団の設立に際して養蚕団体及び製糸業者が出資する金額の合計額とし、必要に応じ追加出資ができるものとしております。第五条におきまして、養蚕業者が直接または間接の構成員となっている農業協同組合並びに製糸業者及び製糸業者が直接または間接の構成員となっている商工組合等は、事業団に対して出資をすることができるものと規定しております。  第二章は、役員、職員及び運営審議会に関する規定であります。  役員の定数は、理事長一人、理事四人以内、監事一人のほか、非常勤の理事二人以内とし、理事長及び監事は農林大臣が任命し、理事は理事長が農林大臣の認可を受けて任命することといたしております。また、事業団に運営審議会を置くこととし、理事長が農林大臣の認可を受けて任命する十五人以内の委員をもって構成することとし、事業団の業務の運営に関する重要事項を調査審議することといたしております。その他役員の職務及び権限、役員の欠格条項、職員の任命等に関する規定を設けております。  第三章は、業務に関する規定であります。  まず、第二十八条第一項におきまして、事業団の本来の業務の範囲につき、生糸の買い入れ及び売り渡し、委託を受けて行なう乾繭の売り渡し、加工または生糸との交換、加工または交換にかかる生糸について当該委託者の委託を受けて行なう売り渡し、これらの業務に伴う生糸または乾繭の保管並びにこれらの業務に付帯する業務とする旨定めております。  また、同条第二項及び第三項におきまして、事業団は、あらかじめ農林大臣の認可を受けて、繭または生糸の生産または流通の合理化をはかるための事業に対する助成及び生糸の流通の円滑化をはかるための生糸の短期保管の業務を行なうことができることといたしております。  次に、第二十九条は、生糸の買い入れの方法について定めたものでありまして、事業団は、出資者たる製糸業者等の申し込みにより、その者の製造した生糸を買い入れることができることとしております。この場合の買い入れ価格は、第三十四条に規定しておりますとおり、繭糸価格安定法の最高価格と最低価格の中間において、生糸の生産条件及び需給事情その他の経済事情から見て適正と認められる水準に生糸の価格を安定させることを旨として農林大臣が定める基準糸価を基準として、事業団が定めることといたしております。なお、第二十九条第二項において、買い入れ後一定期間内は、買い入れの価格にその保管費用を加算した額で売り戻す旨の約定をしなければならないことといたしております。このようなことを定めておりますのは、買い入れまたは売り戻しによって極力糸価の安定を確保するとともに、一方製糸業者に対しては、糸価の変動に伴う負担を軽減し、もって基準繭価の確保を容易ならしめんとする意図に基づくものであります。なお、事業団が毎事業年度買い入れることができる数量につきましては、同条第三項において、政令で定めることといたしております。  次に、第三十条は、生糸の売り渡しについて定めたものであります。事業団は、その買い入れて保管する生糸のうち買い戻しの約定期間を経過してなお保管しているものを売り渡すことができることといたしております。この場合、政府以外の者に売り渡しをすることができるのは、糸価が、農林大臣の定める基準糸価を基準として事業団が定める標準売り渡し価格をこえて騰貴し、またはそのおそれがあると認められる場合に限られ、また、この場合の売り渡し方法は、一般競争入札を原則とすることといたしております。  また、第三十一条は、生糸の買い入れまたは売り渡しをしない場合について定めた規定であります。申し込みをした製糸業者が基準繭価に達しない価格で繭を買い入れまたは買い入れるおそれがあると認めるとき、売り渡しを受ける旨の申し込みが買い占めを目的として行なわれたと認めるとき等には、生糸の買い入れまたは売り渡しをしないことといたしております。  次に第三十三条は、乾繭の売り渡し等の受託について定めた規定でありまして、事業団は、繭の売買取引が基準繭価に達しない価格で行なわれるおそれがあると認められる場合には、農業協同組合連合会の申し込みによって、乾繭を売り渡し、加工し、または生糸と交換すべきことの委託を受けることができることとしております。これは、従来日本蚕繭事業団について認められておりましたものとほぼ同様の趣旨の規定であります。この場合、受託の数量の限度については、農林大臣の承認を受けて、事業団が定めることといたしております。  基準繭価につきましては、第三十四条において、繭の生産条件及び需給事情その他の経済事情から見て適正と認められる繭価水準の実現をはかることを旨として、農林大臣の定める基準糸価を参酌して、事業団が定めるものと規定いたしております。このほか、第三十二条において、保管生糸の品質低下による損失を避けるための買いかえの措置について、第三十五条において、事業団の業務方法書について、それぞれ規定しております。  第四章は、財務及び会計に関する規定であります。  第三十六条においては、事業団の事業年度を、生糸年度に合わせて、六月一日から翌年の五月三十一日までと定め、第三十七条において、事業計画、予算及び資金計画について農林大臣の認可を受けなければならないものとしているほか、第三十八条以下において、財務諸表、利益及び損失の処理、借入金、余裕金の運用等について定めております。  第五章は、事業団に対する農林大臣の一般的な監督に関する規定であります。  第六章は雑則に関する規定であります。  これらのうち、特に第四十六条においては、農林大臣は、繭の売買取引が基準繭価に達しない価格で行なわれるおそれがある場合に必要があるときは、製糸業者に対し、養蚕業者から繭を買い入れるにあたり基準繭価以上の価格で取引すべきことを勧告することができる旨を規定しております。  第七章は、罰則に関する規定であります。  附則におきましては、第二条から第六条までは、事業団の設立手続について、第七条及び第八条で日本蚕繭事業団及び日本輸出生糸保管株式会社の解散について、第十一条から第十三条まで事業団の助成事業及び事業年度についての経過措置をそれぞれ規定しております。また、第十八条として繭糸価格安定法の一部改正の規定を設けておりますが、これは政府が輸出適格生糸を確保する必要があると認める場合に、事業団が買い入れて保管する輸出適格生糸のうち、一定期間を経過してなお保管しているものを一定数量の範囲内で買い入れることができるようにするための同法第九条の二の改正を含むものでありまして、事業団の事業に対する政府の援助の意味を持つものであります。第十九条から第二十三条までは同法の一部改正に伴う経過規定であり、第二十四条から第三十三条までにおいては、糸価安定特別会計法その他各種関係法律について所要の改正を行なうことといたしております。  以上をもちまして、日本蚕糸事業団法案についての補足説明を終わります。

舘林三喜男自由民主党

○舘林委員長代理 次回は来たる九日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四分散会

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