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49回国会衆議院1965/08/06

内閣委員会 第4号

発言数
65
登壇者
10
会派数
2
開催日
1965/08/06

会議録

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 これより会議を開きます。  建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。受田新吉君。

受田新吉民主社会党

○受田委員 この法案は先国会で十分質問させていただいている関係がありますので、新たに附帯決議の線に沿うた修正もされておるようでございますから、私、この前お尋ねした問題点で、その後における情勢の重大な変化に伴う建設省の御方針なりその他の御意見を伺って、質問を終わりたいと思います。  今度、法案の骨子ともいうべき宅地政策の強化拡充について、具体的な問題点を取り上げてみたいと思うのです。小山建設大臣は、先国会で私に対しても相当積極的な宅地政策をお述べになっておられました。ところが、いま日本人の一番問題としておることは、生活上住まいのないということである。これは文明諸国家で日本が一番落後している。この点をかけ足で追いつかなければならない。そのために、建設行政は拠点をここに置いて、衣食住生活のまず豊かなる住まいを、文化生活を営み得る最低限まで保障するという方針を確立していただきたいと思っております。わけて零細なる庶民の住まいなどというものは、もうこれは人間の住まいとしては言語に絶するような状況である。また、公務員にしても、公社その他のいろいろな手を通じて獲得したものを含めても、公務員住宅を中心にした住まいは、全体の公務員の三〇%にも足らない人しか利用できておらぬ。あとはばかげた高い家賃を払って、自分のささやかな給与の大きな部分をそれに充当するという困難をしておるわけです。そこで当局の御意見をこの前の国会で確かめたわけでございまするが、その後において、まず庶民の住宅に例をとるならば、神奈川県下において、先般の豪雨災害にも伴うわけでございますけれども、にわかづくりの宅地造成策の大失敗が、民間の業者に対する建設当局の驚くべき監督不行き届きが、多くの犠牲者を出しております。死者までもたくさん出した。これは私、この前の国会でも昨年の国会でも、何回も鋭く建設省に要求した問題ですけれども、何らの措置も——また審議会等もつくって積極的にやっておるんだというお話でございましたが、これらの民間業者に対する監督というのは、どのようなかっこうでされておるのか。神奈川県下の事件のごときは、明らかににわかづくりの住宅政策の民間への転移というものが、犠牲をこう大きくさせたと思うのです。政府自身が住宅政策に御自身で取り組んでおればいいんだけれども、民間に多くのウエートを置いた住宅政策をおとりになっている関係で、あのような不正な業者が金もうけ主義でにわかに土地造成を考え、そこへ湿気を呼び込むような海岸の砂を持ち込んで、それが原因で上から流れ落ちる、こういうような結果も生まれてくる。管理上の問題が一つある。それからもう一つは基礎的な問題がある。これらの点について、まず政務次官でけっこうでございますが、建設省はいかなる方法で、具体的にはいかにして民間の宅地造成政策に管理監督権を発動しておるのか。命を失わせるような、がけくずれの犠牲にさせるようなものを平然とお許しになっているということは、これは建設省としてはたいへんな怠慢であり、また建設担当の行政官としては、責任の重大であるということをお考えになっておると思います。この前の国会からの継続質問ではありますけれども、新しい事態に処する質問をして、御答弁を願いたいと思います。

谷垣專一自由民主党建設政務次官

○谷垣政府委員 宅地問題が非常に庶民の住宅に対しまする隘路になっておりますることは、御指摘のとおりでございます。特に宅地問題に明確に出ておるわけでございますけれども、いろんな理由が錯雑して、今日の地価対策の非常にむずかしい状況を来たしておると思うのでありますけれども、しかし、今日のこのような状況では、私たちの考えておりますような住宅政策はもちろん、さらに他の公共施設、道路等の問題につきましても、これが進行のために非常に大きな障害になっておりますので、建設省といたしましては、この土地問題についてひとつこのあたりで腹をきめて、対策を考えていく必要があるという基本的態度を持しております。すでに宅地の問題につきましては、先般の国会におきましても、新しい宅地の造成の法律等を決定願ったわけでありまして、それに伴いまする一つの地域の決定、さらには民間の工事をいたしまする諸君に対する監督、と同時に、それに対しましての金融であるとかその他の助成措置を講じて、これが適正な土地造成をさせるように努力をいたしておるわけであります。従来からやっておりまするように、宅地の需給を緩和しなければならぬという考え方から申しましても、公団あるいは公庫等の政府の機関をしてやらせる方向は、これはこれとして強力にとっておるわけでございますが、それでもなおかつこの地価の問題は解決の非常に困難な問題でございます。ことに先ほど御指摘になりましたような川崎の問題、これはもうたいへんに遺憾な事件でございまして、私たちも深く反省をいたしまして、同時にまた、これに対する基本的な対策を立てたいということに非常に苦慮いたしておるわけであります。川崎の問題につきましては、これは後ほど住宅局長のほうから御報告さしたいと思いますけれども、何と申しましても土地の需給を緩和させる、さらに住宅地の計画を計画的に持っていく、いわゆる土地利用の問題をはっきりと打ち出していくというような問題、さらに地価の公示制度というようなもの、これは地価の公示制度というようなものは、先般の国会でも議論になった問題でありますが、その前提といたしまするいわゆる地価評価の鑑定士の養成というような問題、こういうような点を現在政策といたしましてやっておるわけでございますが、その程度のことではなかなかむずかしい状況でございますので、根本的には土地所有権の問題であるというようなことについて、私有財産権に対しまする制約がどうであるかというような根本的な問題、いわゆる公益と私益の調整というような問題にも触れました積極的な態度で、基本的には今後この問題を取り上げていきたい、そういう形で現在検討いたしております。いずれ通常国会等におきましては、それらの問題について御審議にあずかれるように、ひとつ進めてまいりたいと思っております。当面いたしておりまする宅地の問題、ことに川崎等に起きました遺憾な事件につきましては、住宅局長のほうからお答えさしていただきたい、かように考えます。

尚明建設技官(住宅局長)

○尚政府委員 川崎市に起きました災害は、まことに遺憾な問題でございますが、あの久末地区というのは、三年前に法律が制定されました宅地造成等規制法による規制区域に入っていたわけでございます。この区域に入りました地区におきましては、住宅造成の工事をする場合に、都道府県知事の許可が要るという形になっております。この宅地造成等規制法は、がけくずれや土砂くずれを防ぐために主としてがけ地、山地について都市周辺において考えられておるわけであります。今回の事件は、まずこの地区にあったにもかかわらず、造成業者及び地主が許可を得ず、しかも材料を石炭灰と申しますか、火力発電から出る石炭灰を材料として使って組み立てをやっておったのでございます。それが始められましたのは昨年の秋らしく思われますが、一方川崎市のほうの監督体制といたしましては、土木局が主管いたしまして、この規制区域においての監督をやっておったわけでございまして、実は秋には発見できませんでしたけれども、この二月に無届け、無許可のまま仕事をしているということがパトロールの結果発見されまして、直ちに工事の中止を命令いたしているわけでございます。中止を命令をいたしておきまして、それからそのままでは危険であるので、至急に本格的な工事設計書を出して許可を得るようにということをすすめていたわけでございますが、そこに若干遺憾なことがございますのは、地主及び事業者は、その許可申請を即刻に出すということをしないで、ややおくらせがちにしていた感じがございます。そこで、さらに四月にまた催促をして、そしてそれを危険と思うので、許可申請をするまでも応急の措置をしろということで、これは簡単な土どめさく等でございますが、それを行なっていたわけでございます。そうこうしているうちに、去る六月の災害にあったわけでございまして、まことに残念なことは、パトロールの結果かなり早く発見していたが、民間企業者の非協力と、また官側からいえば、その督促等において十分な点がなかったのか、応急の措置のみにてじんぜん数カ月を過ごして、そのうちに大雨で流れ出たということになったわけでございます。  いま一つ私考えられますのは、石炭灰を積んでおりましたところを、押しつぶされました気の毒な住宅がございましたところとの間は、なだらかな傾斜で百五十メートルほど、かなりの距離がございます。したがいまして、川崎市として危険として感じて応急の措置は命じたけれども、それが水を含んで、まるで泥濘のごとく百五十メートルも平らに押し流れていくということまでは、十分に読み取っていなかったきらいがあった。それは一つの原因は、フライアッシュという特殊の材料が使われていた。普通の土でありましたら、私どもの経験からいっても、まるで平らに水が流れるごとく百五十メートルも流れるということは、通常は想像し得ない。しかし、特殊の土質等においてはこういうことが起こり得るということだったのだと思います。そういうような点でございまして、せっかく見つけておいたのが、臨時措置程度でもって十分の手当てをしなかったということが、一つの大きな起因をなしていると思います。  そこで私ども、これを契機といたしまして、さっそく通牒等をもちまして、まず第一には、この種の事故を防ぐためには、全国的に見ますと、山地等で危険なところであるにかかわらず、まだ宅地造成等規制法の区域の指定をしていない都市がございますので、それを即刻全国的に調査してやるようにということが一つ。それからパトロール等の人員を強化して、早期に発見することにつとめるようにすること、これが一つ。それから早期に発見したらば、なるべく早く中止の命令を出し、是正の命令を出して、遺憾のないように措置をすること。その場合、業者等が十分協力をしなかった場合には、至急手続等をとって、必要があれば強制の執行をするというようなところまでに、あぶないと見たら早く段取りをするようにというようなことが必要だ。それからいま一つは、技術的に新しい材料等が使われるときには、それがいかなる性質かということを常に十分研究し、重大な関心を持たねばならない。そういうような点につきまして深く教えられるところがあり、またそのことを各府県に通牒し、また現地各府県におもむいて、危険と思われるところ、すなわち神奈川県、横浜市とかあるいは兵庫県というところに注意も促して、さらにまた全国的ななにをする、こういう措置でございまして、私どもの今後の方針といたしましては、いま申し上げたようなことを各府県に徹底させ、そして実効をあげるというふうにいたしたい。なおまた、パトロール等いたしますにはやはり器材が必要でございますので、そういうものについての充実を応援するというような体制が必要だということを考えて、いま具体的な措置を考えております。

受田新吉民主社会党

○受田委員 政府のやっておられることを承っておると、何だかあとを追っかけてあと始末に狂奔しておるようなかっこうです。もっと根っこの問題と真剣に取っ組んで、宅地造成の以前に、かかる不幸な事態が起こらないように、これは私もう何回も、昨年も一昨年もことしも申し上げたのです。この事故は、最近における事故なんでございますから、もっと基本的な問題と取っ組んでもらいたいのです。河野建設大臣のときにも、私はずいぶん鋭く御要望申し上げておいたのですが、御安心願いたいというようなことを言っておられたわけです。もういま故人となられた偉大な政治家としても、たいへん御苦労されたと思うのですけれども、事務当局でひとつここを十分事務処理の問題としても行政事務の早急な打つ手をお考えになるべきだと思うのです。いま各地におそらく同じような条件の危険な、不正な宅地造成がされていると私は思います。これは人手の不足ということもございましょうが、人命に関する重大な問題でございますから、もっと積極的に実態調査をやっていただいて、手きびしく不正宅地造成業者を取り締まっていただきたい。不届きな分はどんどん免許の取り消し、あるいは懲罰を付して、後顧の憂いのないようにしてもらいたいと思うのです。  もう一つ、宅地部をせっかく新設されようという法案でありますので、当局の意気込みをおよそ御想像できるのでございますが、官庁をいろいろといじくって行政事務のポストをふやしただけでは、こういう問題は解決できるわけではないのです。そこで基本的な、これは政務次官、大臣にかわって御答弁願いたいのですが、いま日本の宅地政案の中で大欠陥は、低所得階層の住宅対策がないことです。一応日本住宅公団などが計画されているのを見ても、大体三万円以上の所得のある者しか利用できないようなものがつくってあります。年所得が二十万円以下の者が二割もいる日本の国情から見て、特に都市周辺の場合を考えてみても、低所得者にできれば耐火性を持つ集団建築をされて、安い収入の人に、できれば三寝室、三部屋は基礎的にあるような人間らしい住まいを与えてあげるという、そういうひとつ基本的なお考えを私はお持ちになるべきだと思う。日本住宅公団などでっかいものを各地におつくりになるけれども、低所得階層は指をくわえて見るようなことになっております。どうですか、そういう方々のために、ひとつ低家賃で幅広い利用者の利用できるような形のものを、日本住宅公団を改組して、もっと幅の広い国民住宅公社というようなものでもつくって、ひとつ全国民、低所得層をしっかり救うことのできるような規模の住宅政策をおとりになるべきではないか。

谷垣專一自由民主党建設政務次官

○谷垣政府委員 いわゆる低家賃、低所得者に対します住宅をこの際に大拡張せよ、そこに政治の非常に大切なポイントがあるのではないかという御指摘、これは私も大賛成、そのとおりだと思います。この低所得者に対します従来の政策といたしましては、御存じのように、いわゆる地方の公共団体等の建てます公営住宅というものに対して政府が補助する、あるいは起債等のめんどうを見るという形で従来指導してまいっております。  それから公団のほうは、これは低所得という考え方よりも、いわゆる都市その他における住宅の非常に逼迫している諸君に対するやや程度の高いというか、高いと言ったって、いまのあの基準が高いとは申されませんけれども、そういう形で実はやっておりますので、御趣旨のところの検討は十分いたさなければならぬと思いますけれども、従来の公営住宅の問題をどういうふうに今後進めていくか、一体住居の基準というものを従来公団等でやっております2DKなんというものは、さらに考え直さなければいかぬのじゃないか、寝室が三つあってやっていくようなところまで基準を上げていくべきであるということ、それとそこへ入っていかれる諸君の収入とのバランスをどうするかという問題、これは確かに大問題でございまして、実はこの二点につきましての審議をお願いしたいということで審議会等に諮問をいたしまして、せっかく御検討、御審議を願っておる点でございます。受田委員の御指摘になっておりまするところは、現在におきます政治の一つの基本的な問題点でありまして、私たち考え方につきましては全然同意でございます。ただ住宅のいわゆる基準というものを、いまの2DKからさらに余裕のあるものにするという点につきましては、これは何ぶん数の要求と質の向上との間に財政上の問題等もにらみ合わせての一つの調整が必要かと思いますので、思うようにいきかねておる点もひとつ御想像願いたい。そういうことでございますが、御指摘になっております点は、確かにこれからの私たちの政治の一番大切な点であるという認識におきましては、全然同意でございます。大臣が見えましたので……。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大臣がこられたようですが、いま政務次官から御答弁願ったのですが、何分おられるのですか。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 十一時までおります。

受田新吉民主社会党

○受田委員 それまでに採決に入るわけですね。そうすると、大臣、あなたに一つだけ質問しておきます。採決になると、あとは質問ができないことになるわけですね。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 お含みの上しかるべくお願いします。

受田新吉民主社会党

○受田委員 建設省設置法の改正案の中で一番ポイントは、宅地部の新設であると私は思うのです。その他の問題も重大でございますが、日本の国民で衣食住生活の基本は、まず家族との落ちついた住まいであるので、それに思い切った施策をとってもらいたい。歴代の建設大臣に勇敢なる構想を伺いましたが、一向らちがあいておりません。願わくば瀬戸山建設大臣、あなたの場合は外形的にも内形的にも充実したお力を持っておられると思いますので、ひとつ大急ぎでこの宅地政策を、そして住宅政策を解決していただきたい。いろいろな種類の審議会が、この付属機関についておるのです。これもいろいろな名前のものが、住宅対策審議会、宅地審議会、不動産鑑定士審査会といろいろなものがあるのだけれども、答申をまって手を打つなどといっても、答申などでもっと基本的な政策に触れろといったって、この審議会というところでそういう基本的な、あなた方をゆさぶるような答申はなかなか期待できません。やはり事務的な答申になってくると思うのです。政治的に大きな手を打って、この困難なる住まいの対策を大急ぎで解決していただきたい。基本的に住宅建設五カ年計画などがあるようでございますが、願わくば政府は政府直轄の住宅を思い切った比率で高めて、民間に住宅をつくることを勧奨するような、すすめるような形の政策を改めて、政府みずからが住宅をどんどんつくって、庶民もその恩恵に浴するというような、そういう政策に転換していただきたいと思うのです。政府自身の住宅五カ年計画で政府直轄住宅をどれだけ用意されておるか、それに対して大臣はこれをどのように大幅にワクを広げようという夢を持っておられるか、国民皆住宅の日はいつを願っておるか、大臣御就任とともに一つの御構想をお持ちだと思います。文明国で日本のような貧弱な住宅政策の国はないのでございます。安定した豊かな一部特権階級の豪壮な邸宅に反して、住まいのない庶民が、人間らしい暮らしのできない陰惨な一部屋で五人も六人も動物のような暮らしをしている人々がいかに多いかを思うときに、大臣の建設大臣たるの責任はきわめて重大であると思いますので、時間がきておるようでございますから、その一点だけ。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 受田さんの発言は、私はほんとうに真剣に承っております。そのとおりであると思います。なるほど、政府も従来からもちろん住宅の問題を軽んじてきておるわけではございませんけれども、敗戦後の日本のいろいろな施策をする場合に、この二十年間で各種の急速にやるべき問題が多々あったわけであります。いわゆる衣食住といわれておる中で、衣食はまずまずというところまできておりますが、住の問題になりますと、お説のとおりで、まだ三十八年の住宅調査の結果から見ましても、少なくとも過密、老朽あるいは同居、こういういわゆる住宅として適当でないというところにおられる方々が、三百万戸以上あります。もちろん現在はあまりいわゆる家の中におらぬという人はおりませんけれども、先ほどお話のように、ここに安住の地としておるという姿でない人が三百万戸以上ある、こういう状態であります。そこで御承知のように、昭和四十五年を目標に少なくともそういうことは全部解消しようということでいま進めておりますが、三十九年を起点といたしましたいわゆる七カ年計画、七百八十万戸の計画は、昭和三十三年の住宅調査に基づいた計画であります。これは御承知かと思いますが、五年ごとに住宅調査をいたしております。ところが、その後の状況の変化によって、三十八年の十月一日の住宅調査によりますと、御承知のとおり、現在の社会情勢といいますのは、いわゆる生活分離といいますか、世帯分離といいますか、できるだけ若夫婦などは同じ世帯におらない、いわゆる一戸建てといいますか、一つの世帯として暮らしていきたいというのが趨向であります。その傾向が非常に強い。したがって、今日までに努力して約三百万戸民間あるいは国で建てました家は、そういう世帯分離等によってほとんど帳消しになっておる、これが大体の状況でございます。したがって、今度私はそういうことを考え合わせて、三十八年度の調査に基づいて五カ年計画のいわゆる住宅計画の改定といたして、昭和四十五年までに一世帯一住宅を実現するという最終目標は変えておりませんが、したがってそうなりますと、その内容を変えなければならない。いま仰せのとおりに、いま何といっても国民は、申し上げるまでもなく、やはりどこかに住んでそれで諸般の活動をしなければならぬわけでありますから、その活動の基盤であるところがどうも不適当であるということは、国家のありさまとして全くそれこそ不適当である。この観点に立って、私のみならず、政府はそれに最大の努力をしようという方向をとっております。そういうこともありまして、四十年度では、あるいは公営住宅あるいは住宅公団あるいは金融公庫等、それからその他厚生省等の関係の住宅合わせまして、いわゆる政府施策住宅三十四万一千戸でありましたが、それに経済の刺激策も含めまして今度五万戸追加いたしまして、したがって、政府の力による住宅が約四十万戸、三十九万一千戸ということで、きょうの閣議でその方針を決定いたしたわけでありますが、それだけで満足はしておりません。今後、仰せのとおりに、できるだけいわゆる住宅に困っておる人々中心の目標として、この政策をもっと大幅に進めたい、こういう考えがあるということを申し上げておきます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 もう一つ宅地造成ということ、つまり低い価格でわが家の土地を獲得するというこの大きな仕事も、住宅建設の基本的な問題でございますが、建設大臣は地価抑制にどのような形で取り組もうとされておるのか。都市周辺の地価高騰は最近やや横ばいの傾向になっておりますけれども、ここに思い切った施策をおとりになられて、税制の上でも、新たに土地を得た者に譲渡所得の税金を免除するとかいうような、上積みされた利益分を新取得者がかつぐようなかっこうにならぬで、安い価格で土地を手に入れるというような方法もあるわけなんです。この地価抑制策、並びに空閑地を長く持ってぜいたくをする連中をこの機会にずばっと頭を押え込むような空閑地税等を創設するとか、そういうかっこうで土地を低廉に需要者に与えて幅広く利用させるというような施策も、あわせてお持ちいただきたいと思うのです。こういうことは、まず住まいをつくること、その基礎である土地を低所得者も自由に獲得できるように、これは政府みずからが手を入れなければ、民間にまかしたとか、あるいは審議会にまかしたでは片づきません。あなたの御在任中に果たすべき偉大な仕事、これをひとつ承りたい。

瀬戸山三男自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・首都圏整備委員会委員長

○瀬戸山国務大臣 住宅問題で一番ネックと申しますか、困難いたすのは、御承知のとおり土地の問題であります。これは先ほど、審議会等において検討することは必ずしも事を解決するゆえんでないというお話がありましたが、これは歴史的、社会的に、また法制的にいろいろ困難な問題を含んでおりますから、各方面から検討するということは、必ずしも不適当だとは思っておりません。けれども、私、従来から考えておるわけでありますけれども、いまやもう議論の段階ではないと思っております。各種の議論、あるいは各種の意見、各種の提案というものは、もう出尽くしておるというのが現状だと判断をいたしております。そこで、これは一建設大臣あるいは一建設省のできるなまやさしいわざではないと、私は思っております。国民をあげてこの問題を適正に解決する、この気魄がなければ、わが国におけるこの問題は容易なものではないという考えを持っておりますが、この際はもうすでにそれを断行すべき時期にきておる、こういう考えを持っております。  こまかい施策の内容は、いま申し上げましたように諸般のむずかしい問題を含んでおりますし、しかもこれは総合的な効果のある施策をとらなければなりませんから、こまかくここで御説明をいたすところまでの用意はいたしておりませんが、考え方の基礎を申し上げておきます。土地は人間がつくるものではない。したがって、土地はほかの財貨と違ってこれを商品として取り扱いをすべきものでない、これは間違いであるという考え方であります。しかし、憲法において私有財産権を認めておりますから、憲法の規定に反する制度や方策をとるわけにはまいりません。率直に申し上げてみますと、憲法の十二条、憲法の二十九条は、土地によって利益を得るということは期待いたしておりません。一般の国民の努力によって、あるいは公共事業をやることによって特定の土地所有者が特段の利益を得るということは、憲法では保障しておらないという考え方を私は持っております。したがって、そういう考え方の基礎に基づいて、それを維持する効果的な方策を講じたい、こういうことでせっかく検討中であります。もちろん私が今後提案する案が、必ずしも万全だとは思いません。しかし、万全な方策をとるということでやっておりますと、五年、十年かかる。相当思い切った措置をとる場合、ある程度の欠陥、ある程度のギャップがあっても、大筋を通していくということをやるべき時期だと思っておりますから、ぜひその際には、いま受田さんのおっしゃったとおりに、国民的な課題であるということで皆さんもぜひ御指導、御協力を賜わりたいとお願い申し上げます。

受田新吉民主社会党

○受田委員 大臣、憲法論をお出しになるのは非常にけっこうでありますが、同時に憲法にはすべての国民は健康で文化的な生活を営むことを保障されておる。一部の国民じゃない、すべての国民がですよ。そういう意味で、ひとつ憲法に規定した国民生活の健康さ、文化性を高めるという意味で、住宅政策をあなたの建設行政の骨子としていただいて、早急に解決していただくようにお願いし、神の声としてあなたがそれをお聞き取り願うことを要求して、私の質問を終わります。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。  建設省設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 本案の趣旨説明につきましては、すでに前国会において聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、これを許します。伊能繁次郎君。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正法律案につきましては、前国会において時間の関係上ついに審議をするに至らなかったのはまことに残念であり、政府に対してもはなはだ恐縮に存ずるのであります。今国会において幸いに審議の機会を得る予定でありましたが、御承知のような会期の関係で、今日すでに会期末も迫っておりますので、十分な審議ができないことも、またまことに遺憾でございます。きょう私ども新しい防衛庁長官を迎えて、この問題の質疑に入りたいと存じますが、その前に、前国会において、当委員会においてはついに審議を尽くすことができませんでしたが、予算委員会等で三矢研究の問題についてのいろいろな審議があり、結論的にはかなり前向きな御意見も出たやに承っておりますので、当時の予算委員会三矢小委員会委員長が現に防衛庁長官になっておられますので、その点の経過をまずお伺いをいたしたい、かように存ずる次第であります。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 先般の三矢小委員会においての結論は、三点ございます。  第一点は、この図上研究の性格は何であるか、第二点は、三矢研究が行き過ぎではなかったか、第三点は、シビリアンコントロールについて問題点があるのではないか、この三つが結論でございます。したがって、その後においては、この結論に従って政治介入の疑いがないことを今後必ず自衛隊は守ると同時に、私も就任以来それに心を尽くしております。  第一点の図上研究の性格とは何ぞやというのは、当初出ました状況とは、審議の内容においてはおのずから解明をされまして、そんな不穏なものではないという一つの結論が出ております。  最後に残りますのが、今後の運営についてシビリアンコントロールに間違いなきや、足らざるところなきや、改善すべきところなきや、これが最後の、実は今後の大きな問題点になっております。もちろん小委員会では、第三点の結論は出ておりません。方向づけとしてこの三点をもって小委員会が結論をつけたわけであります。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 ただいまの防衛庁長官の三矢研究に対する回答については、われわれもおおむね予算委員会等においてその事情を承知いたしておるわけでありますが、将来の問題として、小委員会で今後予算関係だけでなく、何らか防衛に関する特別な委員会といいますか、何らかの特別なものを持つかどうかというような問題についても論議があったやに伺っておりますが、その辺も、お差しつかえなければ御説明をいただきたい。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 最後の実は締めくくりと申しますか、最後の今後の問題として残りましたのが、自衛隊の実態を把握するため何らかの専門的な委員会を設けるべきであるという点で自民、社会、民社の各党とも意見の一致を見た。これが最後の実は結論でございまして、何らかの専門的な委員会というのが、最大公約数になっております。そのときに、自民党からは防衝常任委員会の主張が出ました。社会党からは自衛隊に関する調査特別委員会という提案がございました。民社党からはどちらにもよらないから、委員会、まん中をとって委員会というのが出ましたので、最大公約数は、何らかの専門委員会というのがこの結びになっております。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 以上で、大体かなりいろいろの問題についての突っ込んだ論議が三矢研究を通じて防衛問題についてもなされた、かように存じまして、私ども、三矢研究の最後のただいま長官の説明の、今後三党間において、内閣委員会あるいは予算委員会等を通じて前向きの結論を得たい、かように希望しておるものでありますが、その問題は将来に譲るといたしまして、当面の法案の問題についてお尋ねをいたします。  法案自体は御承知のように、わずか二カ条の修正でありまして、内容自体きわめて事務的なものでありますが、もちろんその底に流れるものは、日本の国力、国情に応じて将来の自主防衛体制を目標にした漸増体制の一環であろうかと存じます。このうち、自衛隊法の一部改正の予備自衛官の問題、また防衛庁設置法のほうにおいては、飛行部隊並びにナイキ部隊等の増強等についてもお考えがあるやに承っておりますが、私どもとしては、現在の自衛隊の実情を見て、将来の問題として——本法律案改正においてはわずか三千名の予備自衛官の増員でありますが、将来予備自衛官についてどういう増強の方針を持っておられるか。またナイキ、飛行部隊等の将来の増強の方向等も、あわせてこの改正案に関連しての大臣の御所見を伺いたい、かように考えます。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 当法案の内容は、定員の千五百人の増と予備自衛官の三千人の増であります。伊能委員のお尋ねのとおり、予備自衛官をどの程度にすればいいかという定義は、なかなか結論は出にくいかと思いますが、しかし、常識的に考えて、予備自衛官というのが日本の場合は二割くらいまでは最高期待されるのじゃなかろうか。私たちは、何も数の多いことを望むわけじゃございません。しかし、総体的に、日本のような少数の現役自衛官によって国を守るというには、おそらく予備自衛官というものが第二のささえとならなければ防衛の全うはできない。しかもなるべく経費を安くというなら、おのずから現役を少なくして予備自衛官をふやす傾向にある。これが少数精鋭ということばに通ずるかもしれません。今日はまだ三万名ですから、一割わずかしかないのじゃなかろうか。将来は二割くらいまでは予備自衛官の比率を拡充したい、それが実は私の構想でございますが、まだ日本においてはそこまでいっておりませんので、今回は非常に遠慮といいますか、実態から飛躍しないように、予備自衛官は三千名の増員をこの法案ではお願いしておるわけであります。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 ナイキの増強の御計画についても、御説明を願いたい。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 日本のような防衛だけを主目的とする防衛ということに考えますと、やはり外国から来るものを防ぐ、防ぐにはどうすれば最高の性能があげられるか、かく考えてまいりますと、諸外国の兵器、兵力が近代化するにつれて、日本の防衛力もそれに対抗するだけの防衛の任務を全うしなければならない。かく考えますと、ナイキ及びホークというものは、防衛として唯一の兵器である、また近代戦に対抗し得るものである。国の守りをするならば、やはりこういう近代的なものを持つことが最善の道だ。これなくして今日防衛をやれというなら、不可能じゃないかとさえ私は考える。もちろん自衛なんですから、われわれ自衛の兵器に限定するならば、ナイキ、ホークというものの増強をしなければならないと私は考えております。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員 最後に一点だけお尋ねいたしますが、先般、大臣、目下進行中の、現二法案とも関連があると思いますが、第二次防衛計画の進行と同時に、来たるべき第三次防衛計画等について今後いかに処すべきかというような点の基本的なお考えもちょっと明らかにせられたやに伺っておりますので、本法案の今後の問題の審議と同時に、将来防衛庁としてさらに第三次防衛計画というようなものについてどういう方針でいかれるか、承っておきたいと思います。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 第一次防衛計画、第二次防衛計画、今度が第三次になりますが、これをやってまいりまして、一次、二次の中において一番大きな問題は、年度別にこれを区切った。しかし、防衛力は、年度に区切れるものはほとんどございません。継続的行為でなければ、防衛の増強はできない。計画は年度別、実際の動きは継続的になる。この二つが常に、一次、二次の実は反省といえば反省であると私は思います。そこで、何とか二次と三次をつなげる方法はないだろうか。ぽっきり予算が切れるようなものでは、なかなか実際に合わない。そこである国においては、やはりこれをつなげるように継続的にリンクして、輪のようにいくところもありますし、どこでもいろいろな長所短所はあると思いますが、日本の場合は、その一番の短所を補うために第二次と第三次と重ねるわけにいかぬだろうか。第二次防衛計画の最終年度を第三次防衛計画の初年度にあわせて、第三次防衛計画の見通しというか、骨格というか、青写真を早くつくることのほうが、私は部隊の編成、装備の計画というものが円満にいく、かく考えまして、第二次防を四年で打ち切るという趣旨では実はございません、もちろん五年計画ですから、五年を実行いたしますが、五年目が実は第三次の初年度になるというと、そこに一年間の余裕ができるから、すべての準備計画がうまくいく。こんなことから実は考えついたわけで、まだ決定したわけでございませんので、私の考えがその辺から、いま実はいろいろな構想を持ち寄って研究をして、それで十月ごろまでには結論を得たいと思っておりますので、結論を得ておるわけではございませんが、実はそういう観点からこの問題を取り上げたわけであります。  なお、内容についてもいろいろございますが、一番の問題は、ただいま伊能委員の言われたように、近代的な防衛力、力に備わる実体がなければ国民に安心をいただけないというので、まず防空的なものというのは第三次防にはもちろん入ると思います。また空においては、いままでありました非常に古い輸送機を置きかえるということが、おそらく入るだろう。海については、潜水艦、対潜問題について重点が置かれるであろう。陸においても、装備がアメリカの提供物が相当な年代に達しましたので、これに対する新装備というものが行なわれるであろう。骨格は、こんなところがおそらく各幕から出てくるのではなかろうかと、私は実は予想しております。一言内容も触れてお答えとしたいと思います。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 高瀬傳君。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 実は伊能君が大体われわれが防衛庁に伺いたいことは伺ったようですから、私はネタもそうないのですが、この第二次防衛計画の実施状況を一応防衛庁当局から伺っておきたいと思うのであります。  それは、昭和四十一年度までに整備目標が、陸上自衛隊は自衛官が十八万人、海上自衛隊は艦艇約十四万トン、それから航空自衛隊は航空機約一千機、それから地対空の誘導弾部隊が四個部隊、こういうようなことが第二次防衛計画の骨子でなかったかと思う。したがって、いままでわれわれが国防部会で関係しておった防衛庁の予算を見ますと、国民所得の約一・三%、総予算の約八%くらいにしか当たっていないのですから、おそらくこの第二次防衛計画も、第三次防衛計画に一年間を組み入れるといたしますと、松野長官の言われるような構想は非常にけっこうなんでございますが、この第二次防衛計画の区切りをはっきりつけて第三次防に取り組まぬと、なかなか混乱が起きる、こう思うのでございますので、一体第二次防の計画がどの程度、何%程度に進んでおるか、その点をちょっと聞かしておいていただきたい。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 空については、大体本年度予算においてそうむずかしい大きな幅なしに完了できると思います。海については、四十一年度予算をいまから要求しますけれども、なかなか全部の消化はむずかしいじゃなかろうか。最後に残りますのが、艦艇のトン数で五、六千トンぐらいは、四十一年になかなか組み入れにくいんじゃなかろうか。要するに、御承知のように、来年は昨年予算の三割増しという程度が一応閣議できめてあります。三割増しの中でいろいろやりくりしてみますると、船が非常に残るんじゃなかろうか。それから陸で少し残ります。陸では人員の補充が少し残るんじゃなかろうか。この辺で進捗状況が、大体人員が八千から一万人実は問題点があるんじゃなかろうか。船で、五、六千トンの艦艇が残るんじゃなかろうか。空は大体完了できるんじゃなかろうか。これは来年、四十一年度予算を含めて、大体二次防の最終にはその辺までは完遂できる。予算総額は、いろいろな問題で大体最初の当初予定の一兆何千億というのは、第二次防の終わりでそれは完遂できると私は思っております。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 これらの計画を変更する場合には、やはり国防会議か何かの議を経てやらなくちゃいかぬのですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 国防会議の議を三次防においてはやらなければいけません。もちろん同時に、二次防の結論も報告しなければなりません。これはあわせて行ないたい。高瀬委員のおっしゃるように、混乱といわれると、確かに混乱もあります。私の構想については混乱があります。しかし、長所もありますので、混乱と長所をどう調整しようかというので、実は各幕が局内で一生懸命やっておるわけで、確かにおっしゃるように私の構想には混乱が付随します。しかし、長所もあるのだ。この二つが今日両立しておると、率直に申し上げておきます。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 その問題はよく了解いたします。  先ほど伊能君が三矢計画の問題についていろいろ質問をし、結論に従って常任委員会なりあるいは特別委員会、三党が合意したような形でならばどちらでもいいという御意見のように私は拝聴したのですが、ただこれは非常に国民の防衛上の不安、あるいは非常に最高機密というようなものが、簡単に巷間に漏れるといろ結果を来たしたのでございまして、一体日本の防衛計画には、仮装敵国といいますか、防衛上の仮装敵国を持つ防衛計画をしては悪いのかどうなのか。それからどんな計画をやったら、それが合法的なのか、あるいはそういうことは可能なのか、あるいは不可能であるか、そういう点が非常に国民の不安をあおったと思うのです。したがって、仮装敵国を持つ防衛計画をやるにいたしましても、その仮装敵国の名前を——これは政治上の含みもありますが、名前をあげては悪いのかいいのか、いろいろ問題があると思うのですが、こういうような点について、三矢研究の小委員会では非常に詳しく論議されましたかどうか。私は実はあの速記録も詳細に読んでいないので、つまらないことを聞くなと言われるかもわかりませんが、その辺はどんなものなんですか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 仮装敵国というものは、それは正直に申してありません。ただ、演習をするのですから、演習の場合は、白軍、赤軍、敵、味方というものは、味方同士でもつけなければ演習になりません。その意味で相手方というのはあると思います。しかし、それは敵国をどこの国と特定するものはありません。ただ三矢研究のときに問題になりましたのは、地図の上で、この国へ入るならこれはとこの国じゃないか——アジアの地図を広げまして、ここに来たときはどうだという矢じるしがついております。ここに来るといえば、相手の国はこの国じゃないか、これは仮装敵国じゃないかというのが、実は議論の焦点になりました。それは地図をさせばおのずから、千島はどうだとか、いや沖繩はどうだとか、小笠原はどうだとか、地図があるのですから、これに対して防衛庁は敵国としたのじゃないか。これは実は三矢小委員会における議論で、三矢研究には、仮装敵国として特定国は書いてありません。しかし、地図か何かあると、ここに上陸するようになっておるのじゃないか、それでは敵はこの国じゃないかというようなことが、実は議論の焦点になったので、何も仮装敵国という意味ではなかったというのが、小委員会における審議の状況です。したがって、どうぞそう御心配になるようなことは——仮装敵国なんということは、また外交上も軍事上も言うべきことでもなければ、あるべきことでありません。しかし、演習ですから、白軍、赤軍ということは、これはあるであろう。しかし、それをどこの国だというのは、少しそれは演習としても行き過ぎである。そんなものは私はなかろうと思います。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 これは防衛庁長官もいろいろ言いたいことはあるでしょうが、社会党の諸君も相当うるさいことを言われるので、この辺で私はやめにしておきます。私は、仮想敵国というものがあって防衛計画をやらなければできない。それをその名前をあげていくのが悪いのか、あるいはこの程度の防衛計画なら可能だし、これは不可能というものがちゃんと基準といいますか、そういう含みがあっていいと思っていますけれども、その辺は私の意見ですから。  そこで、ああいう違法な重大な問題が、社会党の岡田春男君がどういう手口で入手をしたのか、それはわかりませんけれども、わが党はそれは実は徹底的に調べて、彼の政治的立場を明らかにして三矢委員会を閉じていただきたかったと思うのです。ただ言われっぱなしで非常に防衛庁はお困りであった。しかし、また一方今度は防衛庁のほうから考えると、われわれが忌憚なく申し上げますと、どういうふうな経路であれが防衛庁から出て行ったか、それからそれらの人に対してどういうふうな処置かなんかされたのか、その点も一点伺っておきたいと思うのです。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 岡田さんの資料がどこから出たかということは、小委員会で実は議決が出まして、岡田委員に対する資料の信馮性のために入手経過を示せという動議が与党から出ました。それで岡田委員に、私が採決をする前に口頭で、こんな動議が出ておるがどうしようかという話をしようと思っておりましたが、岡田委員は約四回出て、一月間ばかり小委員会に御出席がなかった。したがって、そのことは口頭で伝えておきました。といって、議会が終わりますから、その問題のために三矢小委員会を締めくくるのをおくらせるわけにはいきませんので、その問題はそのままで、私の小委員長報告には、その字句だけ載せまして——岡田委員に資料入手経過について質疑があった、それだけでありまして、結論は実は出ておりません。もちろん入手経過もあれですが、今日になってみれば、三矢の全貌がわかれば、私は入手経過を岡田委員に問いただすという気持ちはありません。それよりも、庁内から出たのではないかという実はわが身のほうの自粛のほうに全力を尽くしまして、小泉長官のときに秘密保全対策委員会というのを事務次官を長にしてつくっておりますが、いかなることをしても、作戦をするのに漏れるのは漏らしたほうがまず負けだと私は思います。作戦というものは密なるをもってよしとす。といって、これは国会に対して非常に危険なものではないと私は思っています。そんなことで、今日、それではだれが漏らしたかという調査をいろいろしております。もちろん数がそうたくさんあるわけじゃない。一人一人について調査をしておりまして、これじゃなかろうかという者も、実は庁の中で出てきております。残念ながら的確なものが、おまえだという断定がなかなかしにくいのです。今日調査をして、相当調査も進んでおります。いずれこれはもう少しすれば明白になる時期があると私は思います。今日はまだ調査中ということでごかんべん願いたいと思います。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 それから第三次防衛計画などはこれは着々と進展していくと思うのですが、実はこれは防衛庁にこういうことを露骨に伺っていいかどらかわかりませんが、わが党の問題でもあるし、国防省の昇格の問題ですね、これはやはり第三次防衛計画の遂行ということに非延に重大な意義を持っておる。これは党でもぜひ急がなければなりませんが、いままで相当これは国会対策上の道具に使われた感なきにしもあらずなんです。事実この内閣委員会においても、伊能君等も非常に苦しい立場に立ったことは数回だったと思うのです。これはどうぞ将来社会党の諸君はどういうふうにおっしゃっても、われわれとしては党としての国防省昇格を大臣にやってもらわなければならぬ、こう思っているのですが、こういうような問題は、やはり自衛隊を置く以上は毎回出してごたごたするということは、自衛隊の士気に関しますから、今度はわれわれとしてやってもらいたいという熱意を持っておるのですが、大臣は立場上そう簡単にいくまいが、おれが防衛庁長官のときに絶対やるなどと言ってもらえばわれわれも非常にいいのですが、どういうふうなお考えか、ちょっと聞かしてくれませんか。

松野頼三自由民主党防衛庁長官

○松野国務大臣 通常国会には御審議願いたいと私は思います。  それからもう一つは、三矢小委員会において、社会党の代表の方も、自衛隊に対する感覚というか、発言がだいぶ変わって参りまして、自分たちは自衛隊に対する好意的な立場ではないが、今日の自衛隊を否定はしないという発言が、代表意見の中にも出てまいりました。だんだん時勢に応じて社会党のほうも私は御同調願えるのではないかと思います。民社党のほうは、積極的にはっきりやれ、自衛隊という中途はんぱがいけないんだ、やる以上はもっと国防だとはっきりやれというのが、民社党の代表者の御意見だったと記憶しております。そうなりますと、だんだん情勢は熟してくるのではないか。次の通常国会では、おそらくそう波乱なく、何なく国防省に昇格がお願いできると実は思っておりますので、もちろんのこと、私がおるうちに実は国防省にはお願いしたいと思っております。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 防衛庁長官の言明を聞いて、われわれも非常に安心しました。そのつもりで党側も大いにやっていきたいと思います。それからこれは重要なことなので、われわれもぜひ速記録に載せて、社会党の諸君も少し反省を願いたい。こういうわけです。これは私の考えだけれども……。  それか昭和三十七年の十二月に北海道の恵庭というところで事件が起きて、いま係争中になっておるようであります。これは自衛隊の島松演習場においてカノン砲の実弾射撃をやったところが、たまたまその周辺に酪農家があって、牛が死んだり、流産をしたり、乳が出なくなったり、いろいろ地元民から派閥をやめてほしいと要望があった。これは事務当局はよく御存じだと思うのです。ところが、いろいろな点で意見の疎隔があって、野崎という人が頭に来て、実弾射撃の際にいろいろな着弾の効果とかその他をはかる電線を十数カ所切断をした。防衛庁では器物損壊罪でこの野崎を告訴したわけです。札幌地検では、野崎を起訴していまだに公訴中のようであります。これに関連して共産党だの社会党の諸君の推すところの弁護士が、あれこれやっておる。それで自衛隊法の違反であるとかなんとかいうことを通り越して違憲問題、自衛隊そのものが憲法違反だというような騒ぎになっておるやに聞いておるのですが、これは一体防衛庁当局としてはどんなふうに見ておられるのですか。恵庭事件について事務当局に一応伺いたい。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 高瀬君に申し上げますが、予算委員会で大臣の出席要求がありますから、大臣は退席されてよろしいですか。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 けっこうです。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 大臣どうぞ。

大村筆雄防衛庁参事官(経理局長)

○大村政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、昭和三十七年十二月に北海道の島松演習場におきまして、実射の演習をいたしておりますときに、ちょうど野崎牧場と申しまして牧場があります。前から大砲の音で牛の乳量が減少するとか流産するとかいうので苦情の申し立てがあったのでございますが、たまたま演習中に演習を阻止する目的で通信線の切断をやりました。そのこと自体、自衛隊法第百二十一条違反ということで北部方面総監より告発をいたしまして、その件がただいま御承知の恵庭事件として係争中でございます。その訴訟の係属中におきまして、被告側より、自衛隊の存在自体が憲法違反ではないかという点から、訴訟が現在進行中であります。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 そうなりますと、これは一体自衛隊法違反という問題なのか、それとも憲法違反の問題であるのか。何か聞きますと、田中元陸将も呼び出されて、三矢事件がどうのこうのと言って、いろいろ社会党だの共産党関係の弁護士から聞かれておる。しかし、田中元陸将は、かつて公務員であったときの問題について、おそらく個人として出廷していると思うのです。それが公式に、たとえば国会で証言したことを北海道の恵庭で証言したことが食い違ったりなんかしてきますと、それは自衛隊自体に非常に重大な影響を及ぼす。一体、個人としていろいろ証言したものについて、政府は拘束を受けたりなにかするのかどうか、これが一つ。  それから、大体自衛隊法第百二十一条違反ということで訴えたのが、今度はほこ先をかえて、自衛隊法の問題でなくて、自衛隊自体が憲法違反だ。それでがたがた反対する学者だの、いろいろ共産党の弁護士などが来て、やれ自衛隊そのものが憲法違反だ、憲法違反だと言って騒いでいる。田中元陸将なんか、何のためにそういうところに呼び出されたのか、私には理解できないのですが、田中さんは一体どういう理由で呼び出され、どんな証言をしているのですか。

大村筆雄防衛庁参事官(経理局長)

○大村政府委員 お答え申し上げます。  事件は、ただいまもお答え申し上げましたとおり、自衛隊法第百二十一条違反の器物損壊のための告発事件でございますが、それに対する被告側の反論といたしまして、そもそも自衛隊の存在自体が憲法違反だという根本論に実は問題が発展しておるわけでございまして、その訴訟の進行中に、たまたま前国会中に三矢事件が起こりましたので、当時三矢問題につきましての統裁官でございました、当時統幕事務局長でございました田中陸将、現在退職しておりますが、これを個人の資格で証人に喚問されたわけでございます。したがいまして、政府としては田中証人の個人的な証言につきましては拘束を受けるものではないというふうに考えております。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 そうなりますと、この恵庭事件というのは、最初は自衛隊法違反でそういう問題であったわけですね。ところが反転して——反転だか何転であるか知りませんが、自衛隊そのものが憲法違反だという。そうなりますと、私は意見がある。これは政府にぜひ処置をしていただきたい。恵庭のようなああいう地方のローカル・コートで、違憲問題なんかごたごたやって、これを社会党だの共産党のサポーターからかき回されて、そしてほっておくというようなことは、これは政府の重大責任だと思うのです。したがって、これは明らかに憲法違反という問題は、最高裁判所で急速に扱うべきでございますから、最高裁判所に非常上告の手続をして、あの地方でわいわいやっていることをストップさせて、最高裁判所でこの問題を取り上げて、政府は急速に一体自衛隊が違憲であるかどうかということを非常上告をして解決すべき問題だ、私はそう考える。だから、恵庭のようなはるかあさってのほうでわいわいやられて、山内君は選挙区だからよく知っているでしょうけれども、そもそも法の精神をじゅうりんし、社会秩序を乱すようなことを、政府としてほうっておく必要はないと思うのです。だから、違憲問題としてただいま問題が集中しているならば、最高裁判所に緊急上告をしてこの問題を正式に処理すべきだ、こう思うわけです。その辺はほんとうに大臣に聞きたかったのだけれども、大臣いなくたっていいですよ。政務次官もおられる。あんなところでわいわいやらしておくということは、日本の社会秩序を乱し、社会悪化の一助ともなるものですから、ぜひ善処方をお願いしたい。それについての政府の見解をはっきりお伺いしたいと思います。

大村筆雄防衛庁参事官(経理局長)

○大村政府委員 高瀬先生の御意見も、私ども今後訴訟遂行にあたりまして十分参考にさせていただきたいと思うのでありますが、現在法務省を中心といたしまして、現地の札幌におきまして訴訟が進行中でございますので、しばらくその模様をながめながら政府として当然打つべき手は打って、適切に訴訟の終結をはかりたい、かように考えている次第であります。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 それはある程度の時間の制限をかけて——違憲問題などをああいう地方で騒ぐということは、社会秩序を乱し、法の権威を傷つけると思うのです。だから、ある一定の期間を区切って、非常上告というのか何というのか知りませんけれども、そういうことをやっていただきたい。  それからもう一つ聞きたいことがある。私は、実は戦犯の時効の問題についてちょっと伺っておきたい。それは、一カ月か二カ月前の新聞に小さく、戦犯の時効を延期するということについて国連当局から日本の政府に意見を聴取してきているという記事があったのです。ぼくはちょっと気がついたのだけれども、切り抜きも何もしていませんが、そういう事実があるかどうか。それから時効を延期するということに日本政府は反対なら反対、賛成なら賛成——これはやはりニュールンベルグ裁判に対するユダヤ人だの何だのの反撃だと思うのです。これは私の個人的見解です。しかし、ああいうことを日本政府はどういうふうに取り扱っているのか。それを受けているのかどうか。それに対して回答しているのかどうか。  それからもう一つ、伊能理事は早くやめろと言うからもうやめますが、戦犯の裁判は降伏文書で日本がアクセプトしているわけです。しかし、あの戦犯の裁判の性格というものを一体日本の政府当局はどういうふうに見ているのか。これは将来日本の子弟の教育だの何だのに重大な影響があるから聞きたい。せっかくしゃべれというから、この機会に関連したものを聞いているわけですから、お願いします。

山根治検事(大臣官房司法法制調査部司法法制課長)

○山根説明員 先ほどの戦犯の時効の問題につきましては、ドイツにおきましてナチ関係犯罪の処罰に関する法律というのがございます。その法律は、ドイツが降伏いたしましたときから二十年間ナチの犯罪について処罰を求めることになっておりまして、本年の五月八日でナチの犯罪については時効が切れるということになったものですから、ドイツの議会におきましてこれを延長する議決をいたしました。これはドイツの国会において、ナチの犯罪のみを対象といたしまして、いわゆる戦争犯罪の時効を延長したわけでございますが、日本におきましては、そういう戦争犯罪につきましての法律というものはわが国内法にございません。かつまたわが国内法といたしましては、殺人罪等の時効は十五年ということになっておりますので、すでに戦争終了後二十年たっております現在、時効を延長するということはわが国内法においてはあり得ないということになります。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 そういうことを日本政府に一応通告がきているという事実はありませんか。

山根治検事(大臣官房司法法制調査部司法法制課長)

○山根説明員 国連から、外務省を通じまして戦犯の時効の問題をどういうふうに考えるかということを法務省当局へも聞いてきております。ただ、これは今年の八月の末までに検討することになっております。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 日本としてはどういうふうに回答するのですか。

山根治検事(大臣官房司法法制調査部司法法制課長)

○山根説明員 これは、先ほど申し上げましたように、わが日本といたしましては、もうすでに戦犯の時効というものは国内法上切れておりますので、延長するという問題は関係がございません。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 わかりました。そうしますと、戦犯そのものの裁判、あれは平和条約でやむを得ないということになっているのですね。しかし、将来あの裁判が正しかったかどうかということについての法的見解というものはどうなんですか。これはおのずから東条さんだの何かの処刑をアクセプトするということと、あの裁判自体の正当性を日本がある程度見解を披瀝するということとは、別だと思うのです。これは将来子供さんなんかに非常に重大な影響があると思うので、その点どうですか。あなたに言明しろというのは無理かもわかりませんが、やはり政府としては統一見解を持っている必要がある、こう思うのです。

山根治検事(大臣官房司法法制調査部司法法制課長)

○山根説明員 この問題につきましては、先ほどもお話がございましたように、平和条約十一条におきまして、戦犯の裁判はわが国政府としては承認するということを明言しておるわけでございまして、いまその是非について論議するということは、研究者の立場といたしましては別でございますが、政府の立場といたしましては、これを誹議するということはできないではないかと考えております。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 そうすると、われわれが道義的にあんなことはだめだと言っても、言いわけをかってにしろというわけですか。

山根治検事(大臣官房司法法制調査部司法法制課長)

○山根説明員 戦争裁判につきましては、その当時の政府といたしまして一応その結果を承認いたしておりますので、いまさかのぼって政府としてこれを誹議するということはできないと存じます。

高瀬傳自由民主党

○高瀬委員 勝った者が負けた者を裁くということは、国際的にあまりあり得ないことなんで、おもしろくないと思うのです。だから、実際は、時期が来たらそういうことに対する政府の見解もちゃんとしておいてほしい。これは子孫に対する現在生きている者の義務ではないかと思うのです。いまここでわいわい申し上げてもいけないので、時間がないのでやめますが、そういうことについては私は多少の意見があるということだけ申し上げ、それだから伺ったわけですから、また研究しておいてください。

河本敏夫自由民主党

○河本委員長 次会は、来たる十一日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会

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