内閣委員会 第3号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/08/05
会議録
○河本委員長 これより会議を開きます。 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前会に引き続き質疑を行ないます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。田口誠治君。
○田口(誠)委員 建設省設置法の一部を改正する法律案について質問申し上げたいと思いまするが、ただいまも理事会でいろいろと検討いたしてみましたが、本国会では審議する時間も少ないので、私のほうもまとめて質問を申し上げたいと思いますので、答弁のほうも要領よくお願いいたしたいと思います。 本設置法の改正案については、廃案または継続審議というような経過をたどって、五度目の提案だと思います。従来の改正案は、与野党ともに非常に無理な面がございまして反対をしてまいったのでございますが、今国会に提案をされた改正案は、われわれが最も反対をしてきた重要な点についでは削除をされておりますので、私どもも、その他の改正の内容をいろいろ検討をしてみまして、これに対する建設省当局の御見解を率直にいただいて、そしてこれの結論を決定いたしたい、かように考えおるようなわけでございます。 大体改正案の内容を仕分けしてみますと、本省計画局に宅地部を新設するというのが一つ。それから、現在ある建設研修所を建設大学校に名称を改変するということ。それから本省の付属機関としての建設審議会、中央建築士審査会、それからなお中部地方建設局に用地部を置き、定員が、一名でございますけれども、減になっております。それから公共用地の審議会に新たに諮問を求める制度をつくる。それから建築士法の一部の改正、それに首都圏整備法及び首都圏市街地開発区域整備法の改正に伴う条文の自動的な整備というものが内容になっているわけです。 そこで、私のほうから特にお聞きをいたしたいと思いますことは、従来この問題と取っ組んでまいりましたときに、社会党として一つの大きな問題として考えてきましたことは、建設省のもろもろの行政が国民の要請にこたえるような能率を発揮しておるかどうかという点について、非常に疑問があるわけでございます。したがって、そのことは、定員の問題とも関連をするわけでございまするが、私は宅地部あるいは用地部の新設に伴う質問をする前に、まず定員の問題について初めお聞きをして、あとから新設等の問題についてお聞きをしてまいりたい、かように考えております。 従来からの資料をずっと繰ってみますと、昭和三十六年度からこの四十年度までの定員数を見ますと、定員としては増加をいたしておりますけれども、これは臨時職員が本採用化、定員化されたのに過ぎないのでありまして、実人員というものがそんなに増加していないという数字になっておるわけでございます。したがって、この五ヵ年間の職員の実人員の増員等を私どもが考えてみましたときに、今後、仕事が非常に多くなった現在の段階において、今日までとられてきたような人事行政がとられるとするならば、働く職員は非常に労働強化されて、そして自分の健康すら守ることができないようになるのではないか、こういうことが憂えられるわけでございます。しかも、予算の面からいきますると、ここ数年間に予算の面では倍になっておるのでございます。この倍になっておるということは、すなわちそれだけ仕事を多く手をつけたということでもあり、また物価の上昇ということもありまするが、いずれにいたしましても予算が倍になっておりまして、そうして、仕事が増大してまいりましても定員が増加しておらないというところに問題があろうと思うわけでございます。そこで、現在ある定員すら、私のほうの調べでは千五百名ほどでございますが、欠員があるようでございます。したがって、この問題につきましても、閣議決定だと思いますけれども、千名近い九百名ほどの凍結がなされておるということも聞いておりますので、この点について、まず、現在の実情と、この欠員の補充、凍結の問題等について、建設省の考え方をお示しいただきたいと思います。
○瀬戸山国務大臣 いま田口さんお話しのとおり、御承知だと思いますが、建設省の定員は、中央・地方を通じて三万五千七百二十名ということになっておるようであります。反面、国民生活の基盤整備のための道路、河川あるいは住宅、下水その他都市等、いろいろさらに強化し、予算的にも増大する段階になってきておりまして、いまお話しのように、予算等も規模が非常に大きくなっておる実情であります。ただ、それだからといって、予算どおりに従って定員をふやし人員をふやすということは、御承知のように、すべて近代化と申しますか、機械化、施工方法の改良等によって能率をあげるということが、建設行政のみならず、その他においても当然なことでありますから、必ずしも事業量の増大あるいは予算規模の増大に正比例して定員をふやすということは適当でない。また、そういうことは考えておりません。けれども、吟後といえども、公共事業等を中心とする建設省関係の事業量は、ますます増大してまいります。それは必ずしも請負制度等の利用あるいは機械化等の能率向上だけでは、カバーできないということを私ども考えております。そういう時代でありますから、全体的な構想としては、今後ますます事業量を増大しなければならないという考え方をいま持っておりますから、必要に応じて必要な人員を増加しなければならない、こういう考え方を基本的に持っておるということを申し上げておきたいと思います。ただ、一面、これは建設省のみならず、御承知のとおり、行政機構が戦後膨大になってきた。したがって、公務員のあり方等についてもいろいろ国民的な論議がされており、すべて申し上げるまでもなく国民の負担でありますから、その負担ということも十分に検討すべきことは当然であります。世間では、必ずしも公務員の定員増ということを、国民の側からすると、歓迎をしておらない。これが実情であろうと思います。そういう諸般の事情から考えて、公務員の定員というものは考えなければならない、こういうことであると思います。これはまあ一般論であります。 そこで、具体的に申し上げまして、その定員三万五千余の中で、従来一千五百くらい欠員の状態になっております。この一千五百の中で、昭和四十年度の予算で約五百を増員する、四月から新規採用として増員することにいたしております。残りの約一千名というものについて、いまお話しのように、こういう情勢でありますから、他の産業の人手不足等の関係もあって、公務員の補充をしばらく見合わせよう、こういうことが先般来閣議の了解事項といいますか、方針として定められておるわけであります。けれども、これはまだ最終決定ではございませんが、建設省自体としては、建設事業の増大に伴って、このまま凍結するという態度は適当でない、こういうことで現在研究をいたしております。と同時に、最近の産業経済情勢の御承知のような停滞で、民間産業等の新規採用等がやや停滞ぎみになっております。これは新規卒業者等の就職問題に重大な問題でありますから、民間産業等においても、できるだけ新規採用をするようにということを政府は民間に勧奨をいたしておるわけで、民間に勧奨して政府の機関が新規採用を凍結するということは、これは矛盾でありますから、そういう点をさらに検討をしようということで、目下政府部内で、いわゆる増員問題をどの程度ゆるめるか、実情に応じて必要な人員は新規採用ということで補充をしなければならない。正確な数を出しておるわけではありませんが、そういう方向で検討をいたそう、こういうことになっておりますということを申し上げておきたいと思います。
○田口(誠)委員 お聞きしておりますると、私どもの要望しておる線に向かって努力していただいておるという点は了解できまするが、先ほども申しましたように、昭和三十六年度の建設省の事業予算、これは一般道路、治水、住宅、災害、下水まあいろいろございまするが、五千四百七億円だったと思いまするが、四十年度になりますると、一兆三百十七億円になって、先ほど申しましたように、五ヵ年間に約二倍の予算が取られておる。その陰には、それだけ仕事が増大しておるということが明確になっておりまするし、定員の関係は、先ほど大臣からもお話がありましたように、現在は定員としては三万五千七百二十名でありますけれども、しかし、定員が欠員をしておるということから、現場等へ行ってみますると、非常に労働強化がなされておるわけなんですが、ここでお聞きをしたいことは、どうして欠員になったんだ、定員が充足できないのかということですね。これを率直にひとつお聞きをいたしたいと思います。
○鶴海政府委員 昨年度定員が凍結されましたときに、相当数の欠員があったのでございます。約千名程度の欠員がございました。その欠員が当時充足されていなかった一番大きな原因は、特に技術系の職員でございますが、民間の求人需要が非常に多くございまして、政府のみならず、一般に人手不足という状態になっておりまして、そういう関係で充員が完全にできていなかったという状況でございます。
○田口(誠)委員 昨年までは一般事業所のほうが非常に景気もよく、学卒の新採用が多いということから、役所のほうでは非常に定員を充足するということについてむずかしかったわけなんですが、今年は御承知のとおり、非常に事業所がふるっておりませんので、まだ大学卒業生なんかは五〇%ぐらいしか新採用をする決定を事業所がいたしておりません。これは最終段階にいきましても、今年は例年に比べて相当新採用の数が少ないと思いますので、こういう時期に役所のほうでは定員の不足分を充足してもらわなければならないと思っておりますが、こういう点についての手回しは十分になされておるかどうか、この点も伺っておきたいと思います。
○鶴海政府委員 先ほど大臣からもお話がありましたように、凍結されました定員の取り扱いにつきまして、内閣におきまして検討が進められております。そういうこととにらみ合わせまして来年度の充員計画を樹立していきたいというふうに考えております。ちょうどだだいまお話がありましたように、民間の求人が減っておる時期でありますから、優秀な人材を確保するには一番いい時期であろうと思います。定員の取り扱いについての内閣としての方針がきまり次第、建設省としての充員計画をいたしたいと思っております。
○田口(誠)委員 政府自体として閣議決定等で了解を得なければならない問題もありますので、答弁としてはあまりすっきりした答弁のできないところもあるようでございますが、先ほど来申しておりますように、実際に現場へ行ってみますると、請負をさせた事業の推進状況に対しての監督業務とか、あるいは用地の関係、夜間作業の関係、道路・河川の管理、こういう点を実際に見ますと、人が足りないわけなのであります。特に道路の管理をするパトロールなんかの労働実態を見ますると、非常に目に余るものがあるわけなんです。目に余るということは、人員が足りない、労働強化が行なわれていて非常にかわいそうだ、こういう気持ちが出てくるわけです。そこで時間外等を調べてみますると、実際的には、時間外の手当というものは、全部が支給はされておりませんけれども、実時間外をやっておる時間数というものは、非常に多いわけなんです。労働基準法に照らしてみましても、これは違反をしておる状態になっておるわけなのでございますが、こういうことをまず解消してもらわなければならないと思います。したがって、地域、またその職種によっては、非常に労働強化がなされて、これが蓄積されたために身体が弱くなって病気にかかる。その病気もよくならずにとうとうこの世を去るというようなこともできておるということを、私は聞いて知っておるわけなんでございますが、こういう点を考えてみますると、これは本会議質問ではございませんけれども、総理大臣の人間尊重というような点からいきましても、これは建設省で十分に意をこの方面に向けていただいて、定員増加という面については、大きくこれから努力をしていただかなければならない問題であろうと思います。大綱的には私の申し上げておることを認めて努力するということでございますが、実際に現場のほうで私がただいま申しましたように非常に労働強化が職種によってはなされておるという実態は、つかんでおられるだろうと思うのです。特に中部地方の地建関係は、だいぶ足りないように思うのです。この辺について、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○鶴海政府委員 ただいまお話の問題でございますが、これは地方地方によって事情が異なっておりますし、また各工事事務所ごとにおきましても、事情が異なっております。道路の維持等特に夜間でなければ仕事ができないというふうなところもございまして、御指摘のような向きがあろうかと思いますが、全体を通じて見ますると、大体現在の事業量の消化ができる人員は、配属いたしております。ただし、事業が年度年度によりまして過不足が起こってきますが、人員のほうは必ずしも円滑に移動ができないような事情がございまして、そういう摩擦的な関係で一人当たりの事業消化量が多いとか少ないとかあろうと思います。 それで、御指摘の中部地建でございますが、中部地建につきましては、事業量と人員の関係を見ますと、大体各地建の中等位にございまして、特に中部地建がひどいという状況ではないというふうに考えております。
○瀬戸山国務大臣 私からもお答えをいたしておきますが、いまお話しのように、全体量からいうと——欠員の問題は先ほど申し上げたことで御了解願いたいと思いますが、全体からいうと、大体見合ったものという考え方で定員をきめております。ところが、いまお話しのような事態が部分的にはあるということは、私も承知をいたしております。いま官房長からお答えいたしましたように、事業場と申しますか、工事個所の移転、あるいは地方のたとえば道路にいたしますと、道路の事業量の増減があります。ところが、それに見合って全国的な視野に立って定員の増減をするということは、簡単にはできない。というのは、御承知のように、地方の事業所等に属する方々の中には、やはり地元出身という方が相当多いのでして、そこの事業量が減ったから直ちに他の事業量の増大したところに移転するということは、いろいろな生活条件等のために簡単にうまくいかない、こういう事情があるわけであります。しかし、事態は現にそういういまお話しのようなことがありますから。できるだけそういうことのないように私どもとしても研究をし、努力をいたしたい、かように考えております。
○田口(誠)委員 ただいま答弁のありましたように、地建ごとの事業量が違うということはわかりますし、それからその事業量に見合って定員をそれぞれ移動させるということは、職員の配置転換にからむことであるから、なかなか言いやすくやりにくいという点もわかるわけなんです。したがって、私の指摘しました中部地方の建設局管内が、大体中くらいだというお説でございますので、中くらいなところであの程度の人員不足ということになりますると、これは全体的に不足であるという点が完全に指摘できると思います。したがって、現在まで建設省のワクを持っておられる定員数というものは当然補充をして、そうしていまの労働強化をされておる実態を緩和してもらいたい。この点はいままでの答弁の中でありましたので、努力していただくということは了解していただけたものと思います。 それから凍結の問題につきましては、これはこれから努力をしていただかなくてはならぬわけなんですが、この凍結の問題も、軽率に何名凍結というようなことを一方的にきめて、建設省のみならず、各省に対して押しつけをするというようなことは、私は全く無理なやり方であろうと思いますので、極力こういう凍結を解除する点について、建設大臣が先頭になってひとつ努力をしていただきたいと思います。こういうことをしていただければ、いま職員が労働強化に悩まされておる面を緩和することができようと思いますので、この点については、ただいまの答弁はその方向に向かっておるというふうに私は受け取っておりまするので、期待をいたしておりますから、努力を心から要請をいたしておきます。 次に、宅地部の新設の関係でございまするが、少しくその必要性を説明していただきたいと思います。その説明のしかたとしては、現在こういう状態にあるが、やはり行政上こういう隘路があるから、宅地部を新設して、そして将来この宅地行政というものをこういう方向に持っていくのだということ、こういうように分けてわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○鶴海政府委員 土地問題が大きな問題であり、かつ差し迫った問題になっておりますことは、御承知のとおりだと思います。この土地問題に対しまして建設省が現在やっておりますことは、一つは、計画局におきまして宅地制度を将来どういうふうに持っていくかということの研究調査をやっております。また宅地の需給のアンバランスをできるだけ解消するという意味におきまして、宅地の供給をやっております。一つは、住宅局におきまして、新住宅市街地造成事業というのをやっておりますし、一つは、都市局におきまして、区画整理方式によりまして土地造成をやって、これを一般の市民に提供しておるという事業をやっております。要するに宅地制度の問題とそれから宅地を造成して供給するという事業、この二つが大筋になっておるわけでございます。 宅地の造成につきましては、現在公団あるいは地方公共団体あるいは土地区画整理組合というようなものを動員いたしまして手がけております。宅地の造成事業は、約九千万坪程度にのぼっております。かような大きな事業をやっておりますが、これがばらばらの局で行なわれておるという現在の状態では、強力な宅地行政を行なっていきます上にいろいろ支障がございますので、この際これを一元化して、宅地制度あるいは宅地の造成事業というものを一体といたしまして、この宅地部をつくりたいというふうに考えておる次第でございます。
○田口(誠)委員 そうしますると、地方公共団体とかあるいはその他の協会、公社が行なっておる宅地の取り扱い、こういうようなものについては、一括宅地部がやるのか、宅地部が指導の衝に当たるという程度なのか、この辺どういうことになっておりますか。
○鶴海政府委員 宅地の造成事業につきましては、建設省がみずから直轄の事業といたしまして行なうということは従来からもやっておりませんし、将来もやる方向には考えておりません。公庫であるとか公団であるとかあるいは公共団体であるとかいうところを指導いたしますと同時に、助成をいたしまして、あるいは資金を確保いたしまして、宅地の大量供給をそれらの機関にやってもらうという方向で考えておる次第でございます。
○田口(誠)委員 これは十分に説明を聞けばわかってくるだろうと思いますけれども、建設省に宅地部をつくるということにおいていろいろ心配をされておりまする一つのことは、土地の値上がりというものが、昭和十年、十一年ころから比べますると、非常に上昇をしてまいった。これは土地だけでなしに、その他の物価も上昇してきておるわけでありますが、しかし、物価の上昇に比較をして、土地の価格というものは非常に上がってきておる。こういうようなことから、現在では公営住宅すら都市部には建てることができない。ずっと市外地のほうへ住宅を建てる。したがって、働く労働者は、それがために通勤が遠くなる。交通地獄をかもし出す。こういうようなことで、この土地の値上がりということについて何とかならぬものか、こういうことがいわれておるわけですが、宅地部をつくってそして建設省がスムーズに事を運ぼうといたしますると、やはり問題は金を多く出さなければならないということになります。したがって、そのことにおいてこの土地の値上がりに拍車をかけることになるんじゃないか、こういう心配が地方でなされておるわけです。これは思い過ぎた心配かもわかりませんけれども、実際に今日の土地の値上がりからいって、そうして都市の現在価格からいって、働く労働者はなかなか住む家を建てることができない。そうして建ててある家を借りようといたしましても、労働賃金の三割とか、多いものは五割も出さなければ借りることができない、もっとも、公営住宅の場合は別でございますけれども、そういう実態でございまするので、こういう点をやはり解決してもらいたい、こういう要請があるわけなんです。しかし、このことは建設省に私どもが詰め寄ってみても、建設省で解決ができるものではないと思いまするが、ただ宅地部をつくることにおいて、ますますこの土地の値上がりに拍車をかけることになるんじゃないかというこの心配については、どういうお考えであるか、この点をひとつお伺いをいたしたいと思います。
○瀬戸山国務大臣 お説のとおりでありまして、宅地部を設けようというのも、先ほど官房長がお話をいたしましたように、宅地行政を一元化して強力に推進したい、これがねらいであります。御承知のように、住宅問題はきわめて重大な問題であります。従来、十分とは申し上げませんけれども、これに必要な努力をいたしてきております。しかし、政府といたしましては、一段の思い切った住宅改策を推進しようという考え方をいまいたしております。問題は、それに応じていわゆる住宅、宅地の確保、これの造成、これがその前提となりますので、住宅政策を強力に推進いたしますと、地価の問題に当然にかかわってまいります。いまお話のように、一般物価の上昇傾向、これは経済の伸展等に従ってある程度やむを得ないものもありますが、一般物価の上昇と全然比較にならない土地の上昇を来たしておりまして、個人といわず国といわず、住宅政策の推進に大きな支障を来たしているばかりでなくて、直接宅地の問題ではありませんけれども、先ほど定員の問題でお話になりましたように、いわゆる公共事業等は道路その他ますますその事業量を増大しなければいけない、そうして国民の期待にこたえようということで、一般公共用地の取得についても、この地価の上昇ということが、国家経済からいっても、あるいは国民経済からいいましても、非常な支障になっておるというのが現状であります。こういうことに対しましては、従来とも一般物価問題と同じよりも、土地の、特に宅地の値上がりというものについて何とか抑制をしなければならない、そういう意味で、政府施策でできるだけ大団地等を獲得し、あるいはすでに新住宅市街地開発法等、特別の法律をつくって、いわゆる収用法の適用などをいたしまして、できるだけそれを抑制する。あるいは税制の問題等、総合的にやってまいっておりますけれども、それほどたいした効果がないというふうな現状でございます。これはいまお話のように、全く政府ばかりでなく、国民的な一つの悩みと申しますか、割り切れない気持ちを持っているということが現状であると思っております。したがって、これはいま検討中でありますから、具体的なことを申し上げられる段階ではございませんけれども、もちろん建設省のみの施策でこの問題が解決するとは思っておりません。けれども、土地に関する多くの事業は建設省が所管いたしておりますので、私のほうでいろいろ検討をいたしておりますが、こういう事態になりますと、思い切って地価抑制策を講ずる時期である。ややおそきに先しておりますけれども、おそくとも将来まだまだ膨大な土地問題があるわけでありますから、思い切った措置を講じたい、こういう考え方でせっかくその方策を検討中であります。その考え方の基本は何かというと、土地というものは、一般財貨と違った観念で取り扱う必要がある。もちろんわが国においては、御承知のとおり、土地というものもやはり私有財産の目的になっておりまして、憲法その他の諸制度で御承知のとおりでありますが、しかし、私のいまの考え方では、人間がつくり出し得る、いわゆる増産し得る一般の財貨と、人間が増産し得ない、限定されておる、しかもその上ですべての人間活動が行なわれておるという、それ以外の方法はないという土地の価格の取り扱いについては、一般財貨の考え方と全然異なった考え方に立った措置をとるべきである、こういう基本的な考え方に基づいて今後の地価対策をすみやかに、相当強力な措置をとりたい、こういう考え方を持って、いませっかくその方策を検討中であるということを申し上げておきたいと思います。
○田口(誠)委員 直接に宅地の価格問題をどうこうしてもらわねばならぬということで質問をしておるのではございませんけれども、全国市街地の宅地価格の指数を見ましても、三十年度を一〇〇にして、十年後の三十九年度は七二六になっておる。こういう状態であるから、これから道路、ダムその他建設省が土地を手に入れられる場合には、非常に買収に困難が伴うと思うのです。この困難をスムーズにやろうとすると、金を多く出さなければならない。多く金を出すということになると、土地価格の引き上げに拍車をかける。こういうことが実際にできるのではないか、こういう心配をしておるのだから、そういう点については、ただいまも建設大臣から一つの将来の考え方も説明はされましたけれども、いまお考え方を持っておいでになれば、そういう心配はないのだという点を答弁の中でいただくわけにはいかないものか、非常にむつかしい問題だから今後努力するという範囲内のものか、その点をひとつ承っておきたいと思います。
○瀬戸山国務大臣 これは国民全体が私が申し上げたようなあらましの考え方を持っていただかなければ、解決しない問題だと思います。したがって、将来というよりも、私どもがいま検討いたしておりますのは、各種の公共事業が大幅に推進される。住宅の問題は御承知のとおりであります。そういう事態でありますから、将来といわず、来たる通常国会にそういう措置をとる提案をいたしたいと思いますから、ぜひひとつ実効の伴うように御協力を願いたいと思います。
○田口(誠)委員 この宅地部を設置して、宅地行政に対してのいろいろなこまかい私どもの要求なり問題はありますけれども、あとの質問者の都合で、大まかな聞き方をして大まかな答弁でいかなくちゃならないと思いますが、いずれにいたしましても、建設省としても、現在の宅地が他の物価の上昇率とは問題にならない非常な上昇率を示しておる、こういうことから、この問題の解決に非常に苦慮され、今後努力されようとしておるという真意はわかるわけでございます。したがって、将来こういう問題については、こうした公式の委員会だけでなしに、建設省のほうへ参って、いろいろと私どもの考え方を徹底をし、そして努力をしていただきたいと思います。したがって、この宅地部を設置することにおいての人員の配置状況は、どの程度考えておられるか。
○鶴海政府委員 宅地部を設けました場合に、現在宅地部にいくべき仕事をやっておりますところの職員を集めますほか、新たに増員もいたすわけでございますが、省内の現在やっております職員の振りかえを申し上げますと、計画局の総務課というところで制度をやっておりますが、そのうち四名を宅地部に持っていく、それから都市局の一画整理課というところで区画整理方式による土地造成をやっておる職員がおりますが、これが三名でございます。それから住宅局の宅地開発課におきまして、宅地開発行政をやっております者が十三名、合わせまして二十名は現在の職員を宅地部に振りかえることにいたしております。それだけでは足りませんので、さらにそのほかに七名の増員を認めていただいております。合わせまして二十七名でございますが、さらに将来この事業の増大にかんがみまして、機構の充実には努力いたしたいというふうに考えております。
○田口(誠)委員 定員の関係はただいま御説明があったわけでございますが、一番最後に私のほうの要求を申し上げたいと思いますが、それでは用地部の新設の必要性を御説明いただきたいと思います。
○鶴海政府委員 現在地方建設局におきましては、東北地方建設局、関東地方建設局、近畿地方建設局及び九州地方建設局の四地方建設局におきまして、用地部が設けられております。その他の四地方建設局には、現在設けられておりません。この用地部が設けられております地方建設局は、すでに数年前から用地を買収するという仕事が急激にふえてまいりましたので、それに対処する意味で用地関係の機構の充実をはかったわけでございます。ところが、最近になりまして、中部地方建設局の仕事が非常にふえてまいりましたのに伴いまして、用地の事業が急激にふえてまいっておりまして、今年度の見込みでは、用地補償費の推定約五十九億というところまでまいっております。これはすでに用地部を設けております関東地建その他の地建の用地の事業量にほとんど匹敵いたす額でございまして、そのような事態に対処いたします意味におきまして、中部地方建設局の用地事務の機構の充実をはかりたいというように考えているわけであります。
○田口(誠)委員 中部地方建設局には地方用地部がないから、仕事も非常に増大してきたから今度設けたい、そのお考え方はわかりますが、既存のものについては、仕事がちょっと減ったところもあると思うのですが、こういうところについては、もう用地部は必要がないから改廃するのだ、こういうところは現在のところでは別にないのですか。
○鶴海政府委員 現在までのところ、すでに設けております地方建設局の用地拡張費の額につきましては、若干の上がり下がりはございますけれども、用地部を廃止するのが適当であるというところまで用地拡張費が下がっているところはございません。
○田口(誠)委員 それでは次に移りますが、建設研修所を建設大学校、こういう名称に変えるわけなんですが、これはたいへんりっぱな名前で、ここで研修を受けた場合には、建設大学校を卒業したということになって幅がきくわけなんです。ただ、私がいろいろ心配しておりますることは、これは研修所にしておいてもそうですし、大学という名称に変えてもそういうことがあろうと思いますが、一般事業所の場合でも、いろいろ講習なり研修をさせる場合には、人の人選、こういう人の人選には私情がからむ場合がございますし、それからそこを出た者と出ない者が非常に格差をつけられた取り扱いがなされるわけなんです。こういうことから、いままでの実績からいってどうだということがお聞きしたいのと、それから今度名称を変える必要はどうしてあるのかということと、変えた後のそこを出られた職員の待遇等は、従来の研修所を出られた人と何ら差別はしないのかどうか、こういう点についてひとつお聞きをいたしたい。
○瀬戸山国務大臣 研修所あるいは今度皆さんから御賛成を得た場合に大学校になったその取り扱い等については、あとで事務当局から御説明させます。 建設大学校という名称になぜ変えるのか、なぜそういう制度にするのかという点について、私からお答えいたしておきます。これは御承知だと思いますが、この提案は昭和三十八年からいたしておるわけでありまして、最初、建設関係の事業がだんだん進歩いたしまして、いわゆる新しい考え方や新しい工法、機械等がいろいろ進歩してまいりますので、従来の建設事業関係の職員等も研修をしなければならない、こういうことで研修所というものを始めておるわけでありますが、その機構を整備あるいは拡大いたしまして、内容も充実し、そして建設大学校というものにして整備しよう、内容を強化しよう、こういうことで順次整備を続けてまいっておるわけであります。現在、四百人程度でないかと思いますが、最長一年あるいは六ヵ月で、それは対象によって違っておりますが、そういうことを今日まで進めてまいりまして、だんだんと、御承知のとおりに重要性を増す、しかも事業量等も膨大化してくるこの建設事業について、事務あるいは技術者の養成あるいは指導、再教育、こういうものをすることが適当である、こういうことできております。そういう意味で、たとえば地方自治についても、職員の諸君の自治大学というものをつくって大いに研修をし、そして新しいと申しますか、充実した内容を持った職員を多くつくり出したい、こういうことでやっておりますが、それと軌を同じくして、非常に予算規模も大きい建設事業関係の職員の養成をいたしたい、それは建設大学校というところまで持っていくことが適当である、またそこで研修される人も一段の励みをする、こういう考え方でぜひこれをお願いしたいというのが、この提案の考え方でございます。
○鶴海政府委員 そのほかの問題についてお答えいたします。 研修所に研修生として入ってくる場合の人選でございますが、現在は、建設省部内の職員につきましては、たとえば地方建設局におきましてそれぞれ選考いたしまして、受講適格者と申しますか、研修生を決定いたしておるわけでございます。御指摘のように、不公平という問題が起こらないようにいたしますためには、選抜につきましていろんな方法もございましょうが、要はこの研修機構を拡充、強化いたしまして、みんなの者ができるだけ研修を受ける機会を持つというふうにすることが先決問題であろうと思います。さような意味におきまして、過去数年にわたりましてこの建設研修所の機構の拡充をはかってまいったような次第でございます。将来もこの努力を続けまして、できるだけ広く職員に機会を与えたいというふうに考えております。 なお、この研修所が大学校になりました場合に、大学校卒業生ということで他の者と差別待遇をするのじゃないかという御質問でございましたが、これは普通の大学と違いまして、大学を卒業したというふうな特別の資格があるわけではございません。建設大学校になりました場合におきましても、その中の特定のコースを終了したということでございまして、大学校の卒業という取り扱いはいたしてまいらぬつもりでございます。したがいまして、大学校卒業者ということで特別な地位を付与するということは考えておりません。
○田口(誠)委員 大学校に名称を変えて、一人でも多くここで研修を受けさせるような、こういう考え方を持っておるということでございますが、これは研修科目というものが従来と変わるのか、ふえるのかどうかということなんです。従来のものは、技術関係がおもだったと思うのです。これは住宅関係とか営繕、河川管理、総合計画、都市計画というような技術関係だと思うのです。そこで、定員の関係で、技術屋を採用することが今日までは非常に困っておられたわけなんですが、そういう人たちが建設省の考えておるように採用できるということになりますれば、研修させる職員も少なくて済むのか、計画どおりに技術屋も十分に採用できても、なるべく多くの人にこの研修をさせて、技術関係のことを身につけさせるということなのか、科目は何かふえるのか、減るのか、その辺のところもちょっと内容について説明をいただきたいと思います。
○上條説明員 科目につきましては、従来から、ここに書いてありますように、一応当面建設行政を進めていきます上において必要な科目は取り上げてあるわけでございまして、科目自体はさしあたってそうふえることにはならぬと思いますが、現在の時点では、私ども考えますのに、普通工業高校程度を卒業した人たちを都道府県なり建設省が採用するという場合には、大学出は別といたしまして、現在でもここしばらくはそういう趨勢が続くのじゃなかろうか、こう考えるわけでございまして、したがいまして、その情勢とにらみ合わせながらそれらに必要な養成、研修は引き続きやらなければならぬと思います。いまお話のございました、そういう技術屋が採用できるような事態になった場合どうするかということでございますが、これはやはり人が不足する、しないという問題ではございませんで、質の向上をはかってまいる、そしてなるたけ全体的なレベルアップをするということが唯一の研修の目的であろうかと思いますので、引き続き積極的に進めていく必要があると考えます。
○田口(誠)委員 残余の問題は、また他の委員から質問を申し上げるので、私はこれで質問を終わりたいと思いますが、特に要望しておきたいことは、定員の問題が、すっきりした答弁はしていただいたものの、実際に行なう場合にはなかなか困難性も伴うと思いますが、この点については最大の努力をしてもらいたい、このことを要望して、私の質問を終わります。
○河本委員長 山内広君。
○山内委員 質問する予定はありませんでしたが、もう会期も終わりに近づきまして、賛否の態度をはっきりしなければならぬ大事な点だと思われる一点だけを、新しい大臣にお聞きしておきたい。 もちろん大臣御承知のとおり、建設省の設置法は非常に難航しまして、何回も廃案になった。またお出しになったわけですが、しかし、今回は私どもの反対した明瞭な理由が理解していただけたのか、全部それが削除されまして、こういう形で提案されてきたわけであります。 そこで、大臣に少し念を押しておきたいのであります。私ども反対した大きな理由の一つとして、地方建設局に権限を委譲する。それよりも地方公共団体にできるだけ権限を委譲すべきではないかという大きな立場から、私どもそういう主張をし続けてきたわけであります。今回その点がなくなりましたことは、賢明な提案だったと思いますけれども一、今回はむずかしいのは削除した。今度はこれが通ってしまうと、この次またそういうものをお出しになるのか。いわゆる外堀を埋めて内堀にまたかかる、こういう巧妙なやり方であれば、これは私どもたいへんなことだと思うので、大臣もかわられたことでもありますから、建設行政に対する基本的な新しい大臣の該博なお考えを聞かして、安心してこれに賛成のできるような御答弁をいただきたい。
○瀬戸山国務大臣 事、法案提案でありますから、決して外堀を埋めて云々という、そういうふまじめな考えは持っておりません。前に提案されておりましたのは、いま山内さんからお話のように、四回くらい提案されておるわけであります。これは一つの考え方ではあるわけであります。地方にある程度の事務を委譲しよう。御承知のとおり地方建設局は、現在全くいわゆる土木の現業官庁であります。しかし、現在の建設行政は、申し上げるまでもなく国全体そうでありますが、各地建のありますブロックブロックにおいて、農業でもあるいはその他全般の関係等をにらみ合わせて建設行政をやるべきである。これは当然なことであって、いわゆる広域的にものを考えて計画を立て、仕事を遂行する。これが当然なことでありますが、従来の地方建設局は必ずしもそういう状態ではなかった。一つの考え方として、ある程度本省における事務を地方に委譲しようという考え方は、そこに基づいておるのでありますから、考え方自体としては必ずしも全面的に不適当であるとは思っておりません。ただ、その事務の委譲自体が、しからばその趣旨に必ず沿うものかどうか、あるいは事務の簡素化になるのかどうかという点については、必ずしもすっきりしたものではなかった。これは率直に申し上げまして、社会党の皆さんも御反対でありましたが、党内においても、私どもの政府与党の中においても、その点についてはいろいろ議論があった問題であります。そういう事態もありますし、さらに御承知のとおりに、いわゆる臨時行政調査会の答申に基づいて、建設行政ばかりじゃありません、全般的な事務配分等、行政機構改革をすべきで、あるという御意見も出ておるのであります。その中で建設行政についても、いまむしろお話のように、直接いわゆる地方公共団体に委譲して、複雑な行政機構でないようにする、これが住民のしあわせじゃないかという御意見等も相当出ております。そういうものもいろいろ再検討して、そうしてなるほどと、思われる案でなければ出すべきでない、こういう考え方から、ただ一ぺん提案したからこれはあくまでも固執するという態度は、この際とらないほうが適当である、こういう考え方に基づいておりますので、これが済んだらあとでまた案を出すという考えは、全然いま持っておりません。
○山内委員 大体誠意のある御答弁と思って了解いたします。どうぞひとつ無理をなさらぬで、私どもの意見を十分取り入れて、どうせまた近く行政監理委員会も結論を出すと思います。十分案を練られていただきたいと思います。終わります。 ————◇—————
○河本委員長 国の防衛に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村高一君。
○中村(高)委員 横田飛行場の基地の周辺にあります民家の移転の問題についてお尋ねをいたしたいのでありますが、これだけ大量なものが飛行場の周辺で移転をするという事態は、いままでもなかったと思うのでありますから、いろいろ新しいケースなども出てくるとは存じますが、すでに防衛施設庁のほうで移転の対象になる方面は調査済みのようであります。現在までの調査で、調査は済んだのか。もう一つは調査いたしました範囲、対象であります。どの程度までを対象にせられたのか、大体どのくらいの戸数を移転の対象として調査せられましたのか、調査の結果について先に御報告を願いたいと思います。
○財満説明員 事務的な問題でございますので、私から御説明申し上げます。 調査に関しましては実情につきましてかなり進んでおりますが、完全に終わったという段階ではまだございません。ただいままでのところ横田飛行場の進入表面下にあります、私どもが措置を講じようといたしております家屋の戸数は、六百五十四戸が南側、それから五十九戸が北側、合計七百十三戸所在するというふうに考えております。
○中村(高)委員 これらの調査をもう一応お済みになったと思うのでありますが、まだ引き続いて調査をおやりになる予定でありますかどうですか。
○財満説明員 この調査の一部分についてはこれからいたしますし、さらに措置を実施いたします場合、その評価の問題がございます。したがいまして、その評価に関する部分の調査は、これからいたす所存でございます。
○中村(高)委員 これからも調査を要するものも出てくることだと思うのでありますが、現在調査せられましたのは、何か基準に基づいて御調査になっておられると思うのでありますが、どんな基準で御調査になったか。
○小幡政府委員 横田飛行場あるいは厚木飛行場といいますように、ジェット機の着陸する飛行場でひんぱん度の多い飛行場周辺の集団移転処理に関しまして一つの基準を設けたいという意図から、七月の三十日に基地問題等閣僚懇談会の了解を得まして、一応の目安をつけて処理をすることにいたしました。 その概要を申し上げますと、まず第一に、着陸帯から約一千メートルまでの進入表面下の必要と認められる区域にある建物などは、所有者等の申請によりまして移転費を補償いたしまして、その敷地を買収したい考えであります。なお進入表面下につきましては、必要な場合は勧奨によっても右の措置を講ずるということができるようにしたいという考えであります。第二点は、着陸帯から五百メートルまでの進入表面下の農地等も買収することができるという点であります。第三点は、進入表面下の区域のうちで一定の区域において将来新たに住宅等を建築されないよう必要な措置を講じまして、安全対策を確保したい。こういう諸点が閣僚懇談会で了解されまして、この原則に従いまして今後集団移転等の処理をやっていきたい、かように考えておる次第であります。
○中村(高)委員 土地の買収というようなことが大体御説明があったのでありますが、一番問題なのは家屋であります。土地の所有者である人、土地を賃借しております者あるいは借家、多種多様な居住者でありますが、土地と家屋を持っておる者、あるいはこういう者も中に含まれておりますが、そういう者に対しては、家屋の居住というようなことに対しては一体どういう政府側の方針になっておりますか、御説明願いたいと思います。
○小幡政府委員 特に横田周辺に多うございます借家人、これについて申し上げますと、借家人が移転される場合の補償につきましては、個々の実情に応じまして通常生ずべき損失について検討することはもちろんでございますが、たとえていいますと、新規借り上げに要する経費とかあるいは家賃の差額でございますね、これから先へ移る家賃の差額、それから動産等の移転費、そういったものを十分勘案いたしまして、適正な補償額を算定したいという考えであります。
○中村(高)委員 一番問題になるのは、家屋の所有者と家の居住者との話が当事者同士ではとても解決がつかぬという問題が、たくさん出てくると思うのであります。こういう場合には、政府側が中であっせんして片づけなければ、当事者同士でとても話がつくものでもありませんが、そういうものに対しては、今後調査が終わったあとで損失の基本の価格等をおきめになるのだろうと思いますが、その上で政府が中に入って解決する、そういう方針ですか。
○財満説明員 仰せのとおり、所有者と借家の方の間の話し合いで双方の意見がまとまりませんと、移転は円満に行なわれないと思います。したがいまして、私どもとしましては一番大きい、大部分を所有しております昭和飛行機株式会社と借家人の方との間に介入さしていただきまして、ごあっせん申し上げたいというふうに考えております。
○中村(高)委員 そういう場合に必ず問題になると思うのでありますが、居住者としては政府から出る立ちのき料によって自分で家のできる人もありましょうけれども、金額によってはとても自分で新しく家を建てるというようなこともできませんし、また急に相当の家族を持った人が、これだけの者が集団で家をさがすなんということは、今日の住宅事情からいってなかなか困難だと思うのであります。ある自治会では、一月について百八十万円ずつほしい、そういう要求も政府に出ておるようでありますが、そういうことはケースバイケースというか、個々の者とそういう折衝をするのか。それともこういう自治会、固まっておる者に対しては要求どおり金で解決するというようなことをおやりになるのか。その辺のところを御答弁願います。
○財満説明員 いま先生のお尋ねにありました個人個人に対して折衝するかあるいは自治会を対象として折衝するかというお話でございますが、いずれにいたしましても、私どもは正当な権利関係者を話し相手といたしまして折衝を進めていくという所存でございまして、自治会のほうで皆さんを代表していただき得ますれば、それは当然自治会と話し合いをしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。なお、百八十万円というお話がございました。一応そういう評価も地元のほうにおきましてはあろうかと存じますが、私どもとしまして、通常生ずべき損失の評価につきましては、現在評価中でございます。まだ結論が出ておりませんので、その点については、いずれそれがきまりました後に具体的な折衝の段階で地元にお話したい、こういうふうに考えます。
○中村(高)委員 そうすると、評価の金額、基本というようなものはまだ御決定になっていないのでありましょうが、これはどういうことになりますか。土地なら土地は現在の価格でおそらくは評価されるんでありましょうが、世間並みの評価でおやりになるのか。そういうことについて、土地並びに家屋について非常にいま不安を持っておるようでありますが、おそらくは現在の価格を標準にして判定をされると思うのでありますが、そういうことについての何か内部でおきまりになっていることがありますか。
○財満説明員 ただいまのお話は、評価方法の話であろうと存じますが、私どもといたしましては、一応日本不動産研究所あたりで発行しております土地建物指数というものがございます。そういうふうなものを参考にしながら、その近辺の実情を加味いたしましてやってまいりたい、こういうことでございまして、建物等につきましては、当然当該地の住宅等の実情に応じまして経年減価もしてまいらなければならない、こういうふうに考えております。
○中村(高)委員 そうしますと、これから具体的なことに入られると思うのでありますが、大体新聞などで発表されたのを見ますと、進入地点というか、あるいは着陸区の地点といいますか、そういうところから大体五百メートルぐらいまでは土地と家屋であって、それから先は家屋だけだというようなことが新聞などにすでに発表されておるのでありますけれども、それはそういうところまでもきまっておるのですか、そういう具体的なところまで。
○小幡政府委員 先ほど申し上げましたとおり、閣議了解の線で、千メートルまでの進入表面下におきましては、先ほど先生もおっしゃいましたように、建物並びにその敷地、それから五百メートルまでは農地も考える、かようにきまっております。
○中村(高)委員 この進入地点のほうはいまの御答弁でわかりますけれども、そうすると、その飛行場の進入地点から横のほうには、今度はどういうような基準で買収をされることになりますか。
○財満説明員 補足させていただきますが、いま先生がおっしゃいましたのは、転移表面のことであろうかと存じます。その部分につきましては、必要に応じまして、申請によって家屋の移転をしたいという方がございますれば移転していただきまして、移転費用をお支払いし、その土地の買収をいたします、こういうことにいたしております。
○中村(高)委員 それは何ですか、距離やなんかは制限なしですか。それとも希望があれば……。
○財満説明員 一定の距離はきまってございます。具体的に申し上げますと、滑走路の方向に向かいましては、千メートルの中でございます。転移表面といえども千メートルの中。それから側面、飛行場の長辺に面しましては約三百メートル程度を考えております。
○中村(高)委員 これは道路やなんかの場合と違って、道路にかかるからこれを買収するというようなものとちょっと違って、騒音ですから、なかなかむずかしいことだと思うのです。飛行機の音ですから、道路なら道路の買収に必要な幅員があればいいんですけれども、騒音はなかなか幅員のように簡単にはかることができないので、どこまでが一体うるさい範囲内になるのか。あなたがいま三百メートルというのは、何の基準か。科学的にそれほどの根拠があるとも思えないのです。大体この程度だろうというのでありますが、そういうことについては、ひとつ三百メートルとかいうことに固執されずに、現地を実際に調査されたりなんかして、これはとてもひどい、考えておったよりはひどいという場合も出てくると思いますから、そういうことに対する考慮の余地があると思いますがいかがですか。
○小幡政府委員 一応そういう基準を設けておりますのは、騒音もさることながら、危険という点も非常に重視いたしまして、過去の米軍並びに航空自衛隊の事故の実例等を科学的に研究いたしました結果、いままで申しましたような範囲のものを優先的に取り扱うのが妥当と考えた次第であります。いま先生もおっしゃいましたように、その境目の微妙な点につきましては、なお状況もいろいろあろうかと思いますので、よく調査をしたいと思っております。
○中村(高)委員 あまり窮屈な形でなく、とにかく対象になっておるものが七百戸もあるのでありますから、あまりとらわれないで、移転したいというやむを得ない者に対してはよく考慮して、調査の対象等を考えていただきたいと思うのであります。さっき長官からも御答弁の中にありましたが、いま実は住んでおる家屋が、平均して八百五十円とかいう非常に低家賃で住んである者が多いのですね。ですから、これからの家屋を借りるという場合には、そんな安いものがあるはずはありませんので、これに対しては居住者の要求は、二十ヵ年くらいは家賃の損失を移転補償の中に考えてもらいたいというようなことも陳情しておるようでありますが、その点はどうでございますか。
○財満説明員 一応、通常生ずべき損失といたしまして、そういう際に家賃の差額をお支払いするという例は、建設省等に実際にございます。ただ二十年というふうな長期に対しましては、これは現在のところ、おそらく私どもとしても不可能であろうというふうに考えます。これら年限につきまして地元の方とお話し申し上げ、適正なものにつけてまいりたいというふうに考えます。
○中村(高)委員 家屋の所有者と居住者との間になかなか難関だと思われるのは、家屋の所有者は全額補償を自分のほうにもらいたいという気持ちになると思う。そこで、これは家屋の借家人としては、長い間、ここにもう二十ヵ年以上も居住しておる人ばかりでありますから、居住権というものを認められないと、ただ家屋の中にある物件の移転費というものだけでは知れたものだと思うのであります。これは当然そういうことを政府側で考えていただかなければ、持ち主との間の折衝の場合にも支障になることは当然であります。居住権というようなものは、むろん政府では考慮されておると思いますけれども、その点はどういうふうにお考えになりますか。
○財満説明員 居住権と申しますか、この種の一種の権原に準ずべきものの存在は、これは当然認めていかなければならぬと思います。それを政府が負担するか、あるいは地主あるいは家主と申しますか、そういう方々との間で分収していただく、そういう問題は、今後の問題として十分に検討してまいりたいと思います。各地における慣行など見ましても、ほぼそれは政府の負担でなくて、分収する、分担するというふうなかっこうになっておるものが多いと思っております、検討いたします。
○中村(高)委員 いざとなったら、なかなか問題がたくさん出てくると思うのであります。やはり予算の関係もありますから、そう長いことひまを重ねておるばかりでは年度内に処理ができないというような問題も出ると思いますが、具体的な評価の基準ができて、そして折衝に入るというようなことは、大体いつごろをめどにしておられますか。
○財満説明員 ただいまの予定は、八月末に処理要領をつくり上げたいというふうに考えております。ただ、これは財政当局との折衝その他の問題もございますので、私のほうの予定ばかりでまいりかねるところもあろうかと思いますが、われわれの事務的な進行の予定は、そのように考えておる次第であります。
○中村(高)委員 そうしますと、八月中にはそういう原則的なものができて、それから折衝に入るとしまして、いつごろからそういう具体的なことにかかられるのか。それが一つと、思い切って政府が補償してくれれば問題ないのでありますけれども、居住者が予定したような金額が出ないというような場合には、なかなか政府で考えたようにスムーズにはいかない。そうしますと、これだけの集団のものを移転させるという場合には、やはり集団的に土地を求めるとか、集団家屋をあっせんするとか、何かそういうことがないと、なかなかこれを片づけるということもむずかしいと思いますが、政府は補償金額がきまってそれが片づけばそれでいいんだとはお考えになっておらぬと思いますけれども、ただ金だけがきまったからというて、なかなかどうも六百戸も七百戸も移転するということは、やはり政府で何か考えてもらわなければ、実際の解決はできないんじゃないか。私は、地元の地方自治体の責任者などにも、土地を見つけろ、そうでもしない限りには、これだけのものの移転はなかなかむずかしいぞということも言って協力を促しておるのでありますけれども、ただ金だけ、補償の金額がきまったというだけでは片づかぬと思いますが、それから先のこともお考えになっておられますか。
○小幡政府委員 お話のとおり、金だけで簡単にいくとは思いませんので、集団移転等の際には、十分われわれも関係省庁と協力いたしまして、少しでもお力になりたいというふうに考えております。
○中村(高)委員 移転者については大体のことをお聞きいたしたのでありますが、なお、付近の商店からもまた陳情書が出ておるのでありますが、付近の商店ではやはり一つの損失として、移転をせられるために非常に収入が減るとかいうようなことで、そういうことの補償も出してもらいたいというような要求も出ておりますが、そういうことについても考慮されるかどうか。
○財満説明員 商店の移転によって生じます問題につきましては、これは先ほど来申しましたように、通常生ずべき損失ということで補償いたします。ただ、いま先生がおっしゃいましたように、このような措置等のために営業上計画どおりの収入があがらなかった、そのために生ずる損失はどうするかというような問題につきましては、現在のところそれを直接的に補償するという方法はございません。たいへん遺憾でございますが、そのような無形の損害と申しますか、等につきまして、私どものほうでそれを確認し得る方法がございますれば別ですが、その方法もいまちょっとないかとも思いますので、これは将来の問題といたしまして——これは横田だけのことでございません、全国的な問題でございます。別途の問題として検討してまいりたいと思います。
○中村(高)委員 これは法律的にもなかなか問題があることも、われわれにもわかるのでありますが、これだけの六、七百戸も相手にして表に商店をつくってやっておったものが、ごそっといなくなってしまって、またこれも移転しなければ食えないという問題も出てくると思うのです。表に一並び商店があって、全部それは裏の住宅を相手にしていて、移転をされちゃってなお商店が残ってみたところが、しかたがない。これもやはり一つの損失として、政府の施策による損失としてやはり考えてやらなければ、だれも買い手のないところで商売していろというのもおかしいと思うのですが、それはどうですか。
○財満説明員 その場合に、私どもとしましては、その商店の方も一緒に移転していただきますように御勧奨申し上げたいというふうに、そっちのほうの方法をとりたいと考えております。
○中村(高)委員 そうしますと、多少いまいったような基本の距離などからは離れるというものも出てくるし、政府の基本の計画からは多少離れるものも出てくるが、そういうものも一十分考慮していただけると理解してよろしいですか。
○小幡政府委員 そういった直接的な因果関係のあるものにつきましては、十分考慮したいと思っております。
○中村(高)委員 それではこの施設関係についてはそれでよろしゅうございますが、あと労務関係で一つだけお聞きいたしておきたいと存じます。 いま王子のキャンプの閉鎖の問題が起こりまして、ストに入っておるのでありますが、米軍の司令部から施設庁への通告があったのだといわれますが、まだまだ個人には通達がありませんけれども、本年九月末日までに三百名、十二月二十四日までに百四十五名、来年の六月までに残りの二百三十名、これだけが解雇されるということが施設庁のほうに通知があったということでありますが、その事実はございましたでしょうか。
○小幡政府委員 いまおっしゃったとおりの通告があったことは、事実であります。
○中村(高)委員 そうしますと、一番早い組はこの九月末日までに三百名が首になるというのでありますが、これはもう政府でも十分考えていただかなければならぬ問題であります。アメリカ側の都合でいきなり解雇するとか閉鎖するとかいうことをいままでも言ってきておるのでありますが、はなはだわれわれとしては理解できないのでありまして、一方的に、もう終戦以来二十年も使っておった者を、ただアメリカ側の方針だけできめて、そしてそれを実行しろといわれても、なかなか多数の労務者にとっては重大なことでありますが、政府側としては一体どういう方針でこれに臨まれるのか。米軍に対して、そう突然にそういう指令を受けても、それを聞くことはできないというような折衝をしておられるのか。あるいはやむを得ないとして、何か別の交渉でもしておられるのか。一体米軍から通告を受けてから、いままでどんなことをおやりになっているのか、御説明願いたいと思います。
○小幡政府委員 お話のように三百名が、九月末日という比較的早い時期に整理されるという予告を受けて以来、鋭意米側と折衝しております。私自身も一昨日府中の参謀長に会いまして、ぜひともこの九月三十日の整理というものは、先にならぬかということを相当強く申し上げました。米軍としましては、今度の閉鎖は、地図局を日本本土以外の地区で分散してやりたい、一つはドル防衛と、もう一つは軍の機関の統合による経費の節約という面から考えておるのでありますが、この基本方針そのものはなかなか動かしにくいと思います。この離職対策が十分にいかないうちに早期に整理されるということは、われわれとしましても非常に苦慮しておりますので、何とかこの九月三十日というものをもっと先に延ばすということを強く申し入れ、その他いろいろと申し入れておりますが、幸い参謀長のほうも、非常に困難とは思うが、上級機関に対してあっせんの労をとろうという返事はしてくれております。結果については楽観いたしておりませんが、なお今後とも努力したいというつもりでおります。
○中村(高)委員 米軍側がこれからどうゆう回答をしてこられるかわかりませんけれども、いままでの例からいくと、米軍で決定したことは非常に強く実行されておるのであります。こういう場合がいきなりきたということは、もちろん米軍の都合でありますけれども、おそらく日限を待つということくらいは聞くのじゃないか。言い出したままで首にするということではなくて、方針は変わらないが、期限を延ばすということくらいはできるだろうとわれわれは思うのでありますけれども、ただそれは米軍にまかせるだけで、防衛庁の責任者なり何なりからそういりようなことを強硬にやることは、可能でありましょうかどうですか、そういう見通しですね。
○小幡政府委員 先ほど申しましたように、この人員整理が一次、二次、三次という区分けも含めて上級機関からきたと言っております。したがいまして、なかなか原則はかたいと思いますが、先ほど申しましたように、参謀長は困難とはわかっておっても、なおかつワシントンのほうへ上申するということを言ってくれておりますので、われわれもまたそれに協力して、他に方法があればその方法も考えまして、何とかひとつこの問題だけは努力したいと考えておりますが、楽観はできないというふうに考えております。
○中村(高)委員 そうしますと、延期をさせる間に政府と組合なら組合側で折衝して、解雇される者の再就職のことなども当然考えられなければならぬと思うのでありますが、そういうことの大体の対策が立つまででも待ってもらうというようなことでもしないと、いきなりほうり出されるだけでありますが、他の政府関係とも連絡する、内閣に中央離対協議会ですか、ありますが、そういうところにも持ち出して、他の役所ともひとつ協力して再就職のことなどもやってもらいたいと思うのですが、その点はどうです。
○小幡政府委員 その点につきましては、われわれもその気でおりまして、離対協にも連絡しておりますに加えまして、私の考えで防衛施設庁に王子の離職対策班をつくりまして、そこで王子の方方の職務の分析、あるいは本人の御希望もよく伺いまして、米軍の他の施設への配転、あるいは官庁への就職、あるいは民間への就職というようなことにつきまして、雇用主の立場から何とか応援申し上げたいというふうに考えております。
○中村(高)委員 われわれが希望したいのは、そういうような一つのあっせん、いろいろの協議をするまての間だけでも首切りを待ってもらって、全部とまではむろんいきますまいけれども、大体のめどをつけて、そしてそれからやむを得ないならやむを得ないということもあり得ると思うのです。それから人によっては、九月あるいは十月にやめなければならぬとするならば、自分で職を見つけて任意に退職するという者も出ると思いますが、これを任意退職として扱わずに、やはりこれは整理として、やむを得なかったんだという扱いはもちろんできると思いますけれども、それはどうですか。
○小幡政府委員 その点につきましても、一昨日参謀長とも話し合いまして、大体の了解はできております。大体と申しますのは、米軍の都合でどうしても事前にやめてもらっては困るというような人があります場合には、若干、残ってもらうということはあると思いますが、七月七日以降におきまして——七月七日といいますのは、ちょうど米軍から通告のあった日でありますが、それ以降にそういう先の離職を見越して自分から身を引こうという方につきましては、整理並みの扱いをするように申し入れてありますし、米軍も原則的には了承しております。
○中村(高)委員 もう一つだけで終わりにいたしますが、あの王子のキャンプのあとは、返還されてしまったならばどういうことになるか。政府の土地でありましょうが、米軍もいなくなり、みんないなくなって、あと土地あるいは施設が残るのですが、これに対しては、いままでの労務者などが使いたいとか、あるいはそこを何か訓練所にでもして、そうして再就職の職業訓練をさせるというようなお考えもあるように聞いておりますけれども、政府側としてはそういうようなことに対していろいろ考慮されておると思いますが、どんなことを考えられておりますか。
○小幡政府委員 王子につきましては、現在米軍が通告しております人数がかりに整理されましても、まだ若干の事務所等はすぐにはなくならぬ関係がありますので、現在のところ返還というようなことを決定的には申しておりませんが、もう少し成り行きを見まして、返還等のことがあれば、いまお話しのようなことも、この土地に限らず、具体案によってはわれわれも検討したいというふうに考えております。
○中村(高)委員 よろしゅうございます。
○河本委員長 楢崎弥之助君。
○楢崎委員 時間がありませんから、簡単に二点お伺いをして、あとは資料要求で終わりたいと思います。 一点目は、ここ数年来板付基地の問題については、返還かもしくは平和な国際空港かという問題で超党派的な運動が福岡市に起こっておることは、御存じのとおりであります。昨年十月以来、板付基地はいわゆる米軍の実戦機がいなくなりまして、予備基地としての性格になったわけでございます。最近の情勢を見ますならば、予備基地としての性格が、これはアジアの情勢に対して考えるならば、前進基地としての性格が、非常に強くなっている。したがって、せんだってのB52の緊急避難の問題、さらにC130の避難の問題、それらを考えるならば、この際私どもがかねて主張しておったとおり、板付基地を日本に返してもらうなり、もしくは平和な国際空港として、民間のための空港としての使用を強く米軍当局に訴えるべきであろうと私は思う。かねて主張しておったとおりです。B52が飛んできたら困るとか、C130が飛んでくることは好ましい状態ではないというような、単なる日本政府の願望だけでは問題は解決しない。具体的にいま使っていないのだから、福岡市に返す、あるいは民航の国際平和空港化への努力をさらに積極化する、こういう方策があってしかるべきだと思いますが、長官のお考えをお伺いしたい。
○小幡政府委員 板付飛行場が、現在予備基地あるいは訓練基地になりまして、常駐する米軍機が減っていることは事実でございますが、直ちにこれを返還どうこうという問題は、現在のところ不可能かと思っております。 なお、国際空港の問題でございますが、この問題は、そういう前提のもとで共存をして、そういう方向に若干ステップがとり得るんじゃないかというふうに考えております。
○楢崎委員 長官は、そういう私が申したような交渉を米軍にやる気はないのですか、やれないのですかどっちなんです。
○小幡政府委員 これは楢崎先生も御承知のように、基地を撤去する場合には、向こうが必要とする以上は日本側で代替基地を選定してやるということになるだろうと思いますが、おそらくあの辺に必要な基地の代替といいますと、やはり九州になると思います。現在のところ、われわれのほうも種々調査してきた経緯がございますけれども、そういった適地が九州にはないという前提で申し上げたわけでございます。
○楢崎委員 それは板付基地が実戦機の基地として使用されておった時代の話です。昨年の十月から、あすこはもういないのですよ。そしてときどきこういう事態になったときに、ああいう危険な使用が行なわれておる。だから、むしろ使ってないんだから、予備の基地なんといって、あんな一万フィート、三千三百メートルの滑走路を持つああいう基地を、米軍がいつか使用するのに必要だからというような、そのような薄弱な理由でいつまでもほうっておくということは、私は、日本国民の平和の立場に立つならば、妥当な態度ではないと思います。当然交渉してしかるべきだと私は思う。これは福岡市民七十万の願望であると同時に、いまや日本国民の願望になってまいっております。非常に危険な存在になってきておりますよ、板付の基地というのは。ああいう困った事態、B52、C130が飛んでこないようにするには、どうすればいいかということを考えてもらわなくちゃ困る。飛んできてもらうのは好ましい状態ではないというような、そういう単なる意思表示では、問題は解決しませんよ。私は、もう少し施設庁長官が、いままでの経過を知っておるんだから、前向きでこの板付基地の問題を米軍に提起してもらいたいと思う。かわりの基地がないからそれは言えないなんというような問題じゃないですよ。これは性格が変わっておるのです。実戦機がいなくて、余分にとっておこうというんだ。だから、問題があるときにはああいう飛行機が飛んでまいる。重ねて長官のお考えをお伺いしたいと思います。
○小幡政府委員 現在におきまして予備基地、訓練基地となっておりますが、なお米軍自身も月間約数百回利用しておるような状態でございまして、いますぐこれをどうこうということは、私はむずかしいと思います。
○楢崎委員 むずかしい、やさしいの問題じゃないと言うんです。私は、そういう交渉をすべきではないかと言っているのです。そういう姿勢になるべきではないかということを言っておるのですよ。成功するかどうかを言っておるんじゃないのです。可能かどうかを言っているんじゃないのです。まず日本政府がそういう姿勢になるべきではないか、それを言っているのです。それについての長官のお考えをお伺いしておるのです。
○小幡政府委員 それにつきまして、先ほど申しましたように、代替飛行場を用意しての話になると思いますが、現在の状況では、たとえそういう姿勢をとりましても、なかなか代替飛行場が見つからないという状態でございますので、御了解願いたいと思います。
○楢崎委員 昨年十月以来、板付基地が性格を変えましたね、予備もしくは訓練基地として。それから以降、われわれが絶えず言っていた要求について、あなたは、あるいは施設庁は、米軍に対してかけ合ったことがあるのですか。合同委員会などでかけ合ったことがあるのですか。
○財満説明員 板付飛行場の返還問題に関しまして、合同委員会に持ち出して話し合ったことはございません。
○楢崎委員 なぜしないのです。絶えずわれわれは要望し、福岡市長からも要望しているはずです。
○財満説明員 そのことと並行いたしまして、米軍の飛行機も飛んでおることだし、非常にやかましいので、騒音防止その他の調査を進めてもらいたいという問題もございまして、私どもはその両面に交渉をするに至らず、片一方の対策のほうをやっているというのが実情でございまして、もちろん移転促進協議会というものが現地にございます。したがって、移転促進協議会のほうから早く移転してくれという御要望も承っていることは事実でございますので、申しわけないと思っておりますが、現在までのところ、その交渉を合同委員会にいたしたことがないというのが事実でございます。
○楢崎委員 最近の板付の存在の意義といいますか、そういうものを考えるならば、私は、むしろ施設庁長官が、何回も言うように、過去の経過も知っているのですから、閣議なら閣議に出して、そして日米合同委員会にやっぱり板付基地の返還の問題について真剣に意見を出すべきだと思うのです。そうすべきだと思うのです。可能であるかどうかは、その次の問題です。そういう姿勢になられないかということを、私はお伺いをしているのです。なるべきです。長官のお考えを私はお伺いしているのです。これは、今度の臨時国会は期間が短いから深くは追及できないが、いずれ来たるべき臨時国会では徹底的にやります。いまのような答弁ではおさまりがつきません。再三ですが、重ねて長官の姿勢についてお伺いをしたい。
○小幡政府委員 私は、二ヵ月足らずでございますので、板付問題は十分検討いたしまして、また今後の方針をつくりたいと思っております。
○楢崎委員 二ヵ月しかたっていないとおっしゃいますが、あなたは板付基地の問題については、施設庁でも非常にうんちくの深い方です。したがって、いまのおことばは——私は単なるこの場のがれのことばではなしに、次の臨時国会で確たる長官のお考えをお伺いしたいと思います。したがって、前向きの姿勢でひとつ検討を加えていただきたい。二番目に、ただいまの板付基地の問題と関連をして、板付基地のかつて実動基地としての時代にいろいろな調査を政府はなさったと思うのですけれども、そのうち人体に対する影響について調査が行なわれたと思うのです。これは福岡市の要望で九大付属病院ですか、医大といいますか、医学部を通じてなさったと思うのですが、私は、その結果については時間がありませんから、あとで資料要求しますが、そのうち、この調査の結果は福岡市当局は独自で発表できないのですか。そういう規制を政府は加えておるのですか。
○財満説明員 先生おっしゃいますとおり、三十六年以来一般健康状態、それから乳幼児の発育調査、母乳の分泌の調査、難聴の問題、それから疲労度の問題、つまり騒音に関連して、そのような項目についてどのような影響があるかという調査を、九大に調査してもらっております。ただ、九大当局と打ち合わせをいたしたところ、なお数年結論を出すまでにはかかる、こういうふうな連絡でございます。したがいまして、私どもとしては、騒音が人体に及ぼす影響の調査は、その結果はたいへんに影響するところが大きいと見ておりまするので、途中で打ち切ることなく、九大になお今後継続して調査委託をいたしたい、こういうふうに考えておるものでございます。
○楢崎委員 私は、内容を聞いておるのじゃないんです。その調査の結果は、全々出ていないんですか。継続中のものもありましょうが、出ておるものもある、あるいは中間発表できるものも私はあるんではなかろうかと思うが、その辺はどうですか。
○財満説明員 私ども、九大当局と連絡したところによりますと、結論の中間的に出たものもあるようでございます。ただし、全体的な結論を待ってこれを発表しないと、不測の影響を及ぼすことが九大としてはやはりこわいということで、九大自体として発表したくないという意向でございます。私どもが、それは発表すべきではないというふうな規制を行なっておる次第ではございません。
○楢崎委員 そうしますと、じゃあ全然調査の結果については報告はないわけですね。
○財満説明員 私どもには報告はまいっておりません。
○楢崎委員 そうすると、福岡市のほうからいろいろ九大に連絡はとっておると思うんです。福岡市のほうに対して政府から、それについて、発表もしくは意見等を出すことは控えろという規制は、全然してないんですか。
○財満説明員 私どもとしては、全然その規制はいたしておりません。
○楢崎委員 それは福岡市当局の言っておることと食い違っておるんです。福岡市当局のほうは、政府から規制を受けて発表できないということを私に言いました。だから、その点を私は明確にしてもらいたいと思います。 なお、ここ数年かかるというようなことでは、いまの基地の状態、過去の経過からいって、そういうのんきなことを、ああそうですかで済まされないと思うのです。もう少し適切な——長期にわたるものもあろうが、短期で結論の出るものもあるはずだから、その辺はもう少し区分けをして、九大と連絡をとってもらわないと、相当の影響があるというわれわれは確信のもとに政府に要求をして、調査をやっていただいておるんだから、そのわれわれのそういう追及をはずすために、まあゆっくりやっておってくれというような、そういうことじゃないと思うけれども、結果としてはそういうことになりますからね。これに対しては、何かひとつ適切な指示を与えていただきたいと私は思います。
○財満説明員 御承知のとおり、昨年の五月から板付におきます騒音は、やや低下いたしております。そこで、九大としては、四十年度以降におきましては、臨床実験調査をしたいということを言っておるわけでございまして、それ以上私どもちょっとその方面の医学的な知識もございませんし、九大当局のそのようなおっしゃりようについて、一応感じとしてはごもっともだというふうに思いまして、そのような調査を、なお数年続けるということを了承しているわけでございまして、四十年度以降におきましても、予算要求をして継続してまいりたい。 なお、私どもが福岡市を抑圧して発表を差し控えさしておるというふうなお話でございますけれども、これは、私が先ほど申し上げましたように、その影響するところがきわめて大きいので、中間的に誤解を招くような発表をしたくない。こういう九大当局、医事部当局の御意向を私どもは尊重いたしまして、それでは続けてそのまま研究・調査をやっていただきたいというふうに取り計らったのが実情でございます。
○楢崎委員 それでは、これで最後にいたしますが、年度別のその調査のための予算と、それから調査項目、結果が出ていないのならばそれだけでけっこうでありますから、資料として出ていただきたい。それをお願いをいたしておきます。 それから、板付基地の返還の問題につきましては、これは長官、閣議にぜひとも持ち出してもらいたい。そうして返還につきましての前向きの姿勢を打ち出してもらいたい。これはひとつ宿題としてお与えをいたしておきますから、来たるべき臨時国会で防衛二法もかかることであろうから、徹底的にこの点は——きょうみたいな答弁では、これは進まぬということを、ひとつお覚悟の上御検討いただきたい。
○河本委員長 次会は、明六日、午前十時理事会、理事会散会後委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十六分散会