地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1965/08/06
会議録
○中馬委員長 これより会議を開きます。 消防に関する件について調査を進めます。 去る三日発生した横浜市鶴見区の火災について質疑の通告がありますので、これを許します。門司亮君。
○門司委員 最初に消防関係について御質問を申し上げて、その後に建設省関係で一応私の不審に考えている点、それから将来どうあるべきかというようなことについても御質問申し上げたいと思います。 今月の三日でありますが、横浜の鶴見区の小野町という場所に火災が起こったことはすでに御承知と思いますが、この火災について私がきょう聞きたいと思いますことは、ここは非常な過密地帯というよりも、むしろそれを超越して住宅が過密でございます。それで、報告書を読んでみましても、消失した家屋が四十四棟で、そのうち全焼が三十六、半焼が六、これだけが人の住んでおったところで、人の住まないところで二棟焼けております。この火災の全体の焼失面積は、延べ坪数にして三千四百六平方メートルであって、ほとんどあき地がなかったといっても差しつかえのない過密した地帯でございました。同時に、この地区は、従来戦争中の高射砲陣地として公園を兼ねた約一万坪の土地であったわけであります。ところが、実際の高射砲陣地として使っておりませんでしたので、戦争が終わると同時に、あるいはその前から空襲で焼け出された諸君が、少なくとも約七千坪の空地があったわけでありますから、そこにほとんど無許可で無統制で移住を始めたというのがそもそもの原因であります。その後、焼けあとの区画整理を行なって、立ちのき場所のないような諸君に対しては、市役所がここに市営住宅を少し建てて移転をさせたという実は経緯があります。ところが、一方は公園予定地になっております関係から、公にここに建築を許可するわけにはいかない。したがって横浜市としてはとりあえず区画整理をしたあとに公園敷地を求めて、その後この公園敷地の予定地の開放を考えたわけでありますが、その間にすでにできるだけの家はできたというような形で、ほとんど全部が無届け、違法建築です。そういう経過がありましたので、その後、結局整理をだんだんしてまいりましたが、しかしここに建っております全部のむね数が二百数十戸あるわけでありまして、そのうちでまだ約六十戸に近いものが無届けで建てられてそのままになっておるわけであります。こういう形で、したがって、そこには家が建って人間が住んでおって、戦後二十年にもなりますから、結論としては水道も入らなければなりませんし、電気もつけなければならない。しかし表向きは公道というものがございませんので、したがって、ここには消火せんも何にも入っておらない。幸いにして川が非常に近い。鶴見川の近くにありますから、消火作業についての水は不足しなかったようでありますが、実際の問題から考えてまいりますと、消火せんがないという、こういう地区で思わざる大きな罹災をこうむったのであります。いま申し上げましたように、人間が住んでおったのはわずかに四十二むね、半焼までいれまして四十二むねでありますが罹災した世帯数は百二十世帯であって、まだこれから多少ふえるかもしれません。これはとりあえずの報告書でありますから、四百三十四人、こういう数字になっております。 こういうことを考えてまいりまして、消防庁として考えてもらいたいことは、こういう地帯はたくさんあるわけであります。方々に決してないわけじゃありません。話によれば横浜にもまだ数十ヵ所こういうものがあります。それからこの地区からそう離れていない場所にも、これは建設省の関係でありますが、国有地があります。河川敷でありますから。鶴見川は御承知のように国行河川でありまして、この河川敷にこういう部落が一つできています。しかしここにも人が住んでいるから、電気も水道もはいっている。もしこういう火事があって風向きが悪ければ、逃げる場所がない、一方は川の中でありますから。こういう危険な個所がここにもあります。こういうものに対しての消火施設として、一体消防庁は規則どおりに、そこに公道がないのだから、消火施設はなくてもいいのだというようなお考えであるのか、あるいはこういうところも現実にあるのですから、これを何とかしなければならないことはだれでもわかっているのだが、なかなか何とかならないところに問題がありますので、今日のままで消防施設は何にもしてなくてもよろしいというようなお考えであるのか、どうなのか、その辺を先に聞いておきたいと思います。
○松村政府委員 この地帯はいまお話しのように、戦後の急造バラックの密集地帯でございまして、しかも公園予定地でありますために、道路もつくらずに違法建築物が密集して、違法に建てられておった地帯でございます。現地の消防としましては、かねてからこの付近は危険区域であるということを指定いたしまして、平素から十分に万一の場合を考えて火災予防のためにいろいろ手を尽くすとともに、今回の火災発生の際にもその重要性を考えまして、局長が指揮をする最大の規模の消防体制をしいたのでございます。ただいま御質問の消火施設の問題につきましては、消防としましては、民家がある以上はできるだけの施設をいたすべきでございますが、ここでは幸いにして鶴見川という川にそれがございましたので、消防自動車は当該火災区域に入ることができませんでしたが、ホースを持って火災地帯に入って十分な放水をすることができたのでございます。消防としては、消火施設のうち、水利のことにつきましては、平素からどこに火事があった場合にはどこから水を引くということは十分考えておることであり、また、どうしても水利の便が悪いというような場合には、水をタンクに入れて現実の場所に持ち運ぶ、そこから放水の水を取る、こういうふうにできるだけの措置はいたしておるような事情でございます。
○門司委員 いまの御答弁ですが、私が聞いておりますのは、できるだけのという話でありますが、こういう無届けというよりも、むしろかりに届けてあるにしても、こういう過密地帯で、この種の地域がたくさんあって、できるだけというのでなくて、消火せんその他の設備を表向きはできないということは、私どもはわかるのであります。実際は公道というのはないのでありますから。ところが、曲がりくねってはおっても、かろうじて小さなごく小型の車ぐらいは入れば入れるぐらいの道路がここにもあったはずであります。そういうものについて、一体消火せんその他が入れられるかどうか。そういう施設をすればすっかり居ついてしまうから、どうも何かほんとうに公に認めたようになるから困るというような懸念も、実は多少あろうかと思います。だからといって、やらずにおけば、こういうときに、ここは水がそばにあったからいいのでありますが、水のないようなところは、結局災害があって、そしてあとの祭りで、あそこは不法建築であったからというようなことで濁されておる。それではやはり行政のたてまえからいけばあまり親切なやり方ではない。少なくとも人が住んでいる以上は、そこに万全の策を講ずるということが当然でなければならないと考えておりますが、その辺について、もう少しはっきりした答弁をこの際求めておく必要があろうかと思います。そうしませんと、地元の消防署としては実際は困るのです。これは消防署がやはりそういうはっきりした線を打ち出していただいておって、そうしてそれが市役所等についても十分に伝達されて、そうして消防署が考えておるような消火施設が行なわれれば、これは一応の問題の解決にはなろうかと思いますが、そういう施設をしないでおいて、そうして、これはこういう理由だからできなかったんだということだけでは罹災者が実際気の毒であって、それはそういうところに住んでいるほうが悪いんだといえばそれきりになると思いますが、それでは全く政治がないということになります。したがって、この際もう一度消防庁からはっきりと、そういう場所でも十分消火せんその他の設備はやれるのだというようなことを指示していただくか、それでなければ、そういう地帯にはあるいは水槽なら水槽をこしらえておくというようなことのいずれかを、ひとつこの際はっきりしておいていただきたいと思います。
○松村政府委員 この点につきましては、先ほど申し上げましたように、公道がなくても何らかの方法で消火せんを設けることが技術上可能なれば、消防としてもそういうことをすべきであろうと用いますが、ただ、そういう事情の有無にかかわらず、消防として、火災発生の場合に何らかの方法で水が確保される、先ほど申しましたように、いたし方なければタンク車で水を運ぶ、あるいはいまお話しのように、平素から貯水槽を設けておく、そういうことで、水の確保については消防としてもできるだけの措置はとらなければならないし、また、現実にもとっていることと思います。
○門司委員 現実にとっていることだということでありますけれども、実際には何もとっていないのですが、それはそれとして一応おいておきまして、次に、建設省関係で聞いておきたいと思います。 この地域で焼けたのは、いま申し上げましたように、半焼まで入れまして四十四むね程度でありますが、ここは実際はこの地域全体に二百三十戸ぐらいあります。そして、まだ許可を得ていないものは、その中で五十四戸というものは無許可のものが実はあるわけでありまして、こういう事態に対して、消防としては、そういう無許可のほう——ここだけではありませんが、すべてこういうものに対する許可の問題については、むろん消防の活動に対する不便の状態で許可をするわけはございません。ところが、一方は無届けが五十四戸もありますが、全体からいうと二百三十戸あるわけでありますから、残りの百八十戸近いものは、これは許可をされております。しかし、その許可をされたということは、先ほど申し上げましたような理由で、かってに建てたものを認めざるを得なくなってきたから一応認めたという、これには特殊の事情がございます。それにいたしましても、消防活動ができないような状態になっているときに、一体消防署の、あるいは消防局の要求をいれて、この中に不法建築とも思われるもの、あるいは消防活動に非常に支障があると考えられるようなところの立ちのきその他について、一体建設省としてはどういうお考えですかね。これはもうしかたがないのだというようなお考えなんですかね。その辺が、消防庁と地元の消防局と、それから地元の建設関係との間には、いろいろ私は問題があろうかと思う。しかし、これはかりに横浜の場合にすれば、建築許可は横浜市がやるということになりますので、結局市の中で両方けんかすることになる。これを解決しようとすれば、やはり建設省自身がかなり強い指示をするなり、あるいは解決の方法を見出さなければ、やっぱり私はなかなか問題の解決はつかないのじゃないかというように考えられるのであります。この点についてはどうですかね。
○三宅説明員 ただいまの御質問で、不法建築が非常に密集しておって、消防活動上非常に困難だ、現地でいろいろな問題が起こったじゃないかということでございますが、ただいまの御質問にもございましたように、終戦直後のどさくさ、混乱の時期に建てられた建物につきましては、現在建設省で実際施行事務をやっております建築基準法の施行につきましては、既存の建物については適用しないことになっておりますので、原則として、そういう建物につきましては、基準法では手を及ぼすことはできないことで、これはやむを得ない状況になっております。そこで、同じく建築基準法の規定の中で、既存の不適法な建物であっても、非常に危険なものにつきましては除却命令等を出させるような措置がございますが、これは条文の考え方から申し上げますと、建築物単体として、つまり建築物そのものとして老朽、腐敗等の状況から非常に危険だという見解で、建築物単体としての除却命令ができるという条文の考え方になっておりまして、集団的にあるものが非常に危険だという考え方で、その地区の建築物全体に対して除却命令を出すというようなことにつきましては、現在の建築基準法の既存不法建築物に関する措置の条文では、適用できないというようなことになっておるわけでございます。そこで私どもといたしましては、御指摘のような地区に対してどういう措置をとるかということでございますが、ただいま申し上げましたように、規制法、つまり建築物を規制をするというたてまえの建築基準法におきましては、やはり限界がございまして、そういう過密集団等につきましては、公の事業あるいはまた公の事業に準ずる事業を実施して、その地区をよい状態にするということが一番適当であろうかと思うわけでございます。つまり規制にも限界があって、事業としてやっていかねばならないということでございます。そこで具体的にそういう地区を改良する事業として現在どういう制度があるかと申し上げますと、住宅地区改良法に基づく事業あるいは防災建築街区造成法に基づく事業があるわけでございますが、この二つの事業につきましてこの地区を検討いたしますと、現在の住宅地区改良事業の適用ができるかどうかにつきまして、横浜市当局におきましても実際の調査をやっておるわけでございますが、どうもいまの状態では住宅地区改良事業として取り上げるのには適当でない。つまり住宅地区改良事業の対象にならない地区だという一応の現場の調査の結果の結論が出ております。それから防災建築街区造成事業につきましては、この地域は工業地域ではございますが、防火地域の指定はございません。防災建築街区造成事業を実施するためには、防火地域であるという前提が必要でございます。したがいまして、その地区全体のプランというものを立てて、防火地域の指定をどうするかということが先決問題になるわけでございます。いずれにいたしましても、住宅地区改良事業であれ、防災建築街区造成事業であれ、公の事業としてやるのに前提条件が整っていないのではないかという気がするわけでございますが、さらにこれらの事業が実施されるという段階になるといたしましたといたしましても、やはり移転先の問題であるとか、権利の問題であるとか、あるいは地元における財政力の問題、あるいは住民の資金力の問題等がいろいろありまして、なかなか困難であろうかとも思うわけでございます。しかし、何と申しましても現実にはそういう密集地区があるわけでございますので、私どもといたしますと、規制法のたてまえにおける個々の建築物の単体としての危険度というものにつきましては、さらに十分な監視をいたしまして、それだけの密集地区の中において、これだけは除却をしなければならないというものについてどうかということも慎重に検討を進めたいと思いますし、また両事業の対象になるかどうかということにつきましては、さらに横浜市当局と十分打ち合わせをいたしまして今後に備えていきたい、慎重に検討を進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
○門司委員 いまの答弁、非常に心細い。ここの不良住宅を改良するについては、実際は土地が足りないということです。別にできない問題じゃない。土地さえあればできるんです。小さな焼けあとにこれだけの人間を全部入れるだけのコンクリートの家を建てるのは困難だと思う。私はこういうことが現実だと思います。ところが、いまの答弁を聞いてみますと非常に心細い、というのは、実にやっかいな問題だと思うが、ここは御承知のように、きょうは横浜市で決定をするかどうかわかりませんが、きのうまで市がとってまいりました処置としては、ここに縦横に五本ぐらいの大体四メートルぐらいの道路をつけようという計画を立てておるようであります。そしてくい打ちは済んだ。きのうやったと思う。ところがそうなってまいりますと、結局ここの敷地が全部で約二割近く減歩ができるわけですね。厳格にいえば一八%だと思いますが、二割減歩をいたしますと、結局いまでさえどうしようもないようなところに二割減歩してまいりますと、行きどころのない諸君はまたここに同じような——今度は道路はできたが家は昔よりは小さな家を建てて、ますますひどくなるという状態が必ずできると思う、このままほっておけば。それでよろしいかどうかということです。私ども心配いたしますのは、いまの御答弁のように、ここはこうだからああだからと法律的ないろいろな問題があろうかと思いますが、ここは手続のいろいろの問題が済んでいないのじゃないかと思います。公園として予定しておったものが、潮田公園ができたからここは開放されるべきであるということは一応考えられる。しかし、ここを直ちにそれじゃどういう地区に編入するかというようなこと等については、まだおそらく未指定地のような形になっているんじゃないかと思います。未指定であれば、いまのお話のように、あの法律にひっかかる、この法律にひっかかるということで結局手がつけられない。手がつけられないが、しかし一応市有地でありますから、公有地でありますから、公有地の権利として、焼けたあとで地上権が消滅した以上は、ここに道路をつけようとかってにできるでしょう。ところが、結果はさっき申し上げましたように、従来より以上に小さなバラックがここに密集してくる可能性は非常に強いのであります。そうなってくると、ますますわれわれの考えておることと反する事態が起きてくる。と同時に、焼けあとだけではございませんで、焼けた地域は非常に狭いのであって、全体は約一万坪ですから三万三千平方メートルくらいあるのですが、実際使っているのは七千坪です。したがって焼けあとだけをどうするかということでなくして、実際はこの辺全体をどうするかということ。ここだけじゃありません。至るところにあります。横浜市を調べてみると、戦災のどさくさで公有地その他に無許可で建てた場所が六、七十カ所もあるといっておるのですが、東京にもまだかなりたくさんあるはずで、どこにも戦災後そういうものがあると思います。したがって、これらの問題についていまのような御答弁でよろしいというわけにはいかないと思います。ほんとうに建設省としてはこれに何かお考えがございますか。いま現実のあなた方の事務的なこの法律がこうなっておるからできないということになれば、いま申し上げましたように、以前より悪いような状態がかもし出されてくる、行くところはありませんから。ここに住んでおる人たちが資力を持っておるとは考えられません。それから火災保険にいたしましても、一体どのくらいつけているかと聞いてみると、大体二十万から三十万。保険会社が保険につけるところじゃないですから、ほとんど保険にもつけておらない。こういう状態で、どうにもこうにもならぬ零細な諸君がいるところですから、このまま置いておけば、何度も申し上げましたように、二割方狭められた土地にまた同じ数が入ってまいりまして、実際の場合では、道路はできておっても、いまの状態より悪い環境に置かれることは当然のことです。それがいまの答弁のようなことで手がつけられないということになっては、あまりにも私はおかしいじゃないかと思います。幸い次官がおいでになりましたから次官にお聞きをいたしておきますが、私はこれらの問題については何らかの法的措置を講じて、いまのお話のように、新しい家を建てて、そうして不良住宅を改良するという一つのいき方が従来ございます。そうして密集地帯のスラム街については新しい家を建てて、そこに移していくという法律が従来ないわけじゃありません。それをやってきたわけであります。ところが、この場所が現在できないというのは、実際焼けあとにそれだけの家を建てるだけのスペースがないという状態であって、困難な状態です。しかしいずれにいたしましても、速急に何か立法化して、これらのスラム街をなくするために、いまの法律より以上強い法律が必要になってきやしないか。現在の状態では、かりに不良住宅を改良するという法律があっても、全然違った場所に建ててそこへ移転しようというならばそれでもいいかもしれない。しかしこういう小さな土地で、わずか七千坪くらいのところで二百三十戸も家が建っているのでありますから、その中には商売をしておる人もありますし、いろいろな業態の人があって、そう簡単にここに全部つぶしてこっちに移れと言ったところで、移り得るものではなかなかないと思うのです。ないと思うが、しかし、そうだからといって、いつまでもほっておくわけにはいかない。だから、何か私は法的措置を必要とすると考えるんだが、ひとつ政府としての立場から、次官がおいでになりましたので、いまよりなお強い法的措置をとって、そして大体スラム街をなくするんだという方向に向けられないものかどうか、こういう点について次官から御答弁を願っておきたいと思います。
○大西政府委員 お説のように、密集をいたしましたいわゆるスラム街というものが現在至るところにあると思うのでございます。そうして、しかもそういう密集地帯が従来の法律では、冷厳な考え方をいたしますと、不法にそこを占拠しておるというふうな場合も現実の姿としてこれまた少なからずあると思うのでございます。これらを従来の法律によって冷厳な立場で解決するにはあまりに大きな社会問題であるとも思うのでございます。そこで、これは横浜市鶴見区の問題のようでございますが、現在過密都市と申しますか、そういうところにおきまして、そういった過密都市の問題はいろいろ多岐にわたるわけでございますが、過密都市の内部においてそれを再開発するということが、これから考えられなければならない一つの問題だと思うのでございます。ところで、この当面の問題につきましては、本来は建設省の所管の問題でございますので、私どもといたしましても建設省と十分連絡をいたしまして、前向きに善処をいたしたい、かように考える次第でございます。
○門司委員 建設省の問題だということですが、なるほど建物は建設省であることに間違いはない。しかし、いま次官がおっしゃいましたように、実際の問題として地方自治体全体の考え方からすれば、日本の都市改造というものは非常に大事なものであって、市街地の改造をはからなければならないことは当然であります。しかし、いま私がここで論じておりますのは、そういう大局に立った、いわゆる東京都がかりに近代国家としての市街地の様相をほんとうに呈しているかどうかといえば、そうではないのでありまして、東京都の建物の高さというのは平均して二階にならない。一・五から一・七ぐらいだ。これだけ高層ビルができても、パラックがまだたくさんあるから結局そういうことになると思うのです。これを欧米各国の近代都市の建物の大きさから比べてみますと話にならない。どこに行ってもそういうところがたくさんあることはわかる。東京都に参りましても旧態依然として、わずか三メートルから四メートルくらいの道路が至るところにあるのでございまして、日本の全体の都市改造としての問題は当然一番大きな問題として考えられなければなりません。しかし、これを前提としてこのスラム街の問題を考えるわけには私はいかないと思うのです。少なくともそういう大それた、何兆要るんだか、どれだけの日にちがかかるのだかわからぬような大計画、大理想というものをこの際私はここで議論しようとは考えておりません。それはそれとして、都市改造の問題として考えなければならないときもあるし、また、考えなければならないと思うのですが、しかし、当面私がいま聞いておるのは、こういうスラム街をどうするかということです。そしてこういうところで火事があれば、この火事ではたいした負傷者はなく、いずれも軽傷でありますが、人が死んだり、あるいは大けがをしたというときに、あとで問題になるのは、結局不法建築であったからとか、水利が悪かったからとか、建物がそういうことだったからということで、あたかも為政者のほうには何ら責任がないような形になっている。そして、そこにおった者が悪いんだ、こういうことをした人がよくないんだという印象を社会に与えてきておる。これが先ほど申しますように、政治がないということです。これはたとえ不法建築であろうと何であろうと人間が住んでおる。同時に不法建築するにいたしましても、一日や一時間で家ができるわけでありませんから、役所として処置をしようとすれば、処置ができないはずはなかったのである。にもかかわらず何らかの事情でそういうものができ上がってしまった。そしてそのあとの始末は、問題が起こっても、いかにも為政者のせいではないようなことになったのでは助からぬと思う。したがって、為政者として考えなければなりませんことは、そういう極端な過密地帯をなくすることのためには、いまの現行法だけでは私は非常に不十分だと思う。だからこれには、あるいは立ちのきなら立ちのきのそういう場合には、強制的に立ちのきをさせることができるとかというような、きつい法律をこしらえるか、さもなければ、そういうところには最初から家を建てさせないなら建てさせないという厳重な処置をとっていくか、いずれかにしませんと、結局問題が起こる。そして問題が起こっている土地は、いずれも大体私の土地ではないところが多いと思います。いずれも公有地である土地に必ずこういう問題が起こっておる。そういたしますと、問題はやはり為政者の責任だということが私には言えると思う。したがって、この問題の解決はあくまでも政治的に、いま申し上げましたような姿で解決していくことが私は至当だと考えております。ところがきょうの何新聞だったか、ちょっとのぞいてみすと、東京都のどこの団体でありましたかが、こういう過密地域に対しては、一応そこに住んでいる住民の三分の二の賛成があれば、そこをこわして新しく建てかえるという法律をこしらえたらどうかということが、小さな記事ですが発表されている。これに対して、何か自民党の幹部諸君も賛成だという意見がちょっとつけ加えられておるようでありますが、こういう構想が実はきょうの何新聞でありましたか、たしか東京ではないかと思いますが、書いてあったようであります。これも私は一つのヒントだと思います。こういうことによってスラム街の解消ができるならば非常によろしいと思いますが、そういう法的処置をとられるかとられないかということについてこの際、いまのようにそれは建設省の仕事だから建設省と相談してということでなくて、私は自治省自身が、さっき次官のお話のように、都市改造をしようとすれば一番先に手をつけるのはこういうところだと思います。どうにかこうにかやっておるところも、むろんさっき申し上げましたように、東京都も近代都市としての様相を備えておりませんので、これを近代都市化していくにはかなり大きな計画と大きな金が要ることはわかっております。しかしさしあたっては、こういう問題が起こる場所とは違うのであります。こういう問題の起こるところこそ一番先に直していくことが必要ではないか、こう考えております。そういう、建設省と相談してとか、建設省の仕事だということでなく、自治省は自治省の仕事として計画を立てて——そうしてこれは政府内部の話し合いでありますから……。この際、自治省の意見だけをはっきり聞かしておいていただきたいと思います。
○大西政府委員 お説、肯綮にあたる点が非常にあると思うのでありまして、それらの御意見を参考に承りまして、自治省としてできる限りのことはいたしたいと思います。
○門司委員 自治省がそういうことではとてもこの問題は解決がつかぬが、建設省、何かこの問題について御答弁できましたら……。いまの現行法では私はなかなか困難だと思います。ここの敷地でも、私も現場に行き、さらに消防署の諸君、区役所の諸君と打ち合わせてやり得るかと言ったら、土地が狭くてあそこに建てるわけにはいかぬでしょう、そしてあれだけの人間を収容する建物はいまの場合できないでしょうというのがそのときの結論であります。したがって、さっき申し上げましたように、結果は二割減歩されたところに同じ戸数ができるだろう、ということは過密がますます過密になるだろうという、こういう危惧があるから私は聞いたわけであります。さっきちょっと、きょうの新聞に書いてあったことを引用しましたけれども、こういう構想があるならこの際ひとつはっきりしていただいて、そうして問題の解決に当たっていきたいと思うのです。建設省側はどういうお考えですか。
○三宅説明員 ただいま御指摘の市街地の再開発の問題は非常に大事な問題でございます。そこで私どものほうといたしまして、住宅地区改良事業を中心といたしまして、これらの市街地開発の一連の事業をどう進めていくかということにつきまして前向きで積極的に、しかも慎重に現在検討いたしておりますので、よろしく御賢察のほどをお願いいたします。
○門司委員 検討しているというのは、そうしますと、これだけ最後に聞いておきますが、はっきりしておいてもらいたいのだが、立法措置をどうしても必要とすると私は思うのです。現行法ではとても困難だと思うのです。ですから何らかの立法措置をするほかに手はないと思うのだが、そういう新しい法律をこしらえるという意図だけぐらいの発表はできませんか。その内容をどうせよ、こうせよということは私はここでいま聞こうとは考えておりませんが……。
○三宅説明員 ただいま慎重に検討をいたしておりますので、ひとつよろしく御賢察をお願いいたします。
○門司委員 慎重にといえばそれだけのようですが、あまり慎重に考えても、火事はきょう起こるかあした起こるかわかりませんからね。考えているうちに焼けたのでは、これはどうにもならぬので、大体こういう実態があってそういう事態が方々に起こるのですから、そして現行法ではいかんともしがたいというならば、新しい法律を考えることが私は当然だと思うのです。そのくらいのことは言えると思うのですよ。課長さん、言い過ぎてあとで局長や大臣におこられてもかなわぬというので用心をされているかもしれませんけれども、やはりあなたなりの御意見があってしかるべきだと思うのです。どうもそういうことでは実際きょうの議論にならぬと思うのです。そしてわれわれの立場から考えれば、処置なしだということにする以外に私はないと思います。 同時にもう一つ、それはそれとして聞いておきたいと思いますことは、減歩をして、そうしてそれだけの土地が減りますから、それから本人たちの資力を考えてみますと、いま申し上げましたように火災保険もつけておりません。これはつけておるのがあるとすれば、市役所の関係で火災共済のほうにかりにこれをつけておるといたしましても、その程度は二十万か三十万の程度であって、新しい家を建てる用に役立つほどのものでは私はないと思う。保険会社はむろんこういうところに保険をつけるわけはありませんから、そういたしますと、自力でそこで建てられる人というのは少ないと思いますが、しかしかりに建てられるとしても、いままでよりももっと小さい——私はあまりこまかいことを計算しておりませんが、ここに全体の数字が書いてあります。焼けた場所もあります。それから各家の焼けた坪数も全部一応書いてあります。そうすると、これを見てみますと、ほとんど小さなうちは三坪かそこらのうちしかないような数字がここに出てきておる。こういううちがまたここにできても、これはしかたがないということにならざるを得ないと思います。したがって、これは現在の建築法に適合するかしないかということになると、かなり私は法律的に問題があろうかと思います。しかしそれを現在の建築法に当てはめて、そうしてあるいは市街地何とかというようなものに当てはめて家を建てさせようとすれば、ここにはほとんどこれだけの罹災者を収容するだけの家を建てることはとうてい困難だと思います。そうなってまいりますと、問題はますます紛糾してきて、それからはみ出した諸君を今度はどこに持っていくかという問題がまた出てくる。ここで聞いておきたいと思いますことは、この減歩された中にこれらの諸君がまた同じような家を建てることを非常に危惧しておるのであって、その場合に消防としても建設省としても、どういう態度をとられますか。はっきり市街地建築法なら建築法に適合したものをやられるのか、あるいはここは未指定地だから未指定地としての建築を許されるか。それにしてもやはり建蔽率等があります。こういうところは建蔽率もハチの頭もございませんから、ますますひどいものができていく。だから法に当てはまった建築だけしか許されないのか、一体どうなのか、その点をひとつはっきりしておいていただきたい。
○三宅説明員 ただいまの問題につきましては、新しく建てる場合につきましては、現在の法規に許されるものをはっきり線として許していくという方針をとっております。区画整理による道路四・五メートルのを二本つくりましたのも、これも道路に接するという原則を守らせるべくそういたしたわけでございます。さよう御了解いただきたいと思います。
○門司委員 そのことはわかるのです。二本じゃなくて、これは五本できているはずです。縦横に五つ通している。だから今度建てられる家は道路に面するであろうということは考えられます。しかし家の大きさはますます小さくならざるを得ないのです。その場合に、道路に面するからよろしいということだけでいいのですね。それで建蔽率その他は文句を言わぬ、こういうことですか。
○三宅説明員 道路の問題は一つの例示としてお話をいたしたのでございまして、そのほかの条項につきましても、現在の法規上許されるものにつきまして認めていくという態度をとっております。
○門司委員 そうなりますと、結局はここからはみ出す諸君ができて、私はやっぱり困るのじゃないか。それから問題は、これは住宅だけならまだよろしいかと思いますが、ここには御承知のように工場が幾つかあります。家具をこしらえておる工場がございます。これはかなりの敷地を持っております。それから焼けあとの図面を見てみましても、今まではアパートが三つ四つあるようであります。しかし、こういうものも考えてまいりますと、ほんとうにここにそういういままでの人が全部住めるかどうかということについては、いまの御答弁によりますとかなり私は疑問が出てくる。そうなりますと、また問題が出てまいります。それは焼け出されたのだからしかたがないから、どこにでも縁故のあるところへ行きなさいといえばそれで済みますが、なかなかそうもいかないのじゃないかと思います。それからさっきも申し上げましたように、本人たちの自力がなかなか弱いということ、したがってこの問題をすぐ解決するということには役立たないかもしれませんが、しかしこの種の問題を解決することのためには、さっきから何度も申し上げておりまするように、現行法でどうしてもこれを救えないとすれば、何らかの国の援助というようなもので、そうして代替地があれば、それで従来の不良住宅を解消していることは御承知のことと思います。ああいう処置がとれるかどうかということ、しかもそれはある程度の国の費用でやれるかどうかということ、こういうことは考えられませんか。
○三宅説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、その点につきましては十分検討いたしてまいりたいと思います。横浜市当局とも連日打ち合わせをやっておりますので、できるだけ前向きの姿勢で解決していくように努力いたしたいと考えております。
○門司委員 時間もありませんので、これ以上この問題で押し問答はいたしません。しかし私の感じとしては、少なくとも新しい法律をひとつこしらえてもらって、そうしてスラム街の解消については積極的に自治省も建設省も考えてもらいたいと思う。そうしませんと、この問題をこの種の問題の起こるたびに議論をして、結果は何もやられないという結果が出てまいっておりますから、この点はひとつ特に御留意を願いたいと思います。 それから、この次にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、不法建築に対する消防署との関係でありますが、消防署のほうで不法建築だからといって、これを認めないという態度をとられましても、どんどん家ができてしまう。それの取りこわしについて、あるいはこれの撤去については消防署からやかましく言うわけにはいかない。やはり建設関係の問題としてこれは取り扱われておる。その辺の関係はどうなりますか。これは消防署は消防活動上公共のためにこの家は不適当だ、こういう建て増しをされては困るというような意見が出てくる。ところが片っ方はいさいおかまいなしということで、消防署はこういうことを言ったけれども、建ててしまえばいいからということで建てられてしまう。そのあとの始末を、建設関係で消防署の言うように取りこわしを命じたり、あるいは撤去をさせるというようなことが今日まで私は十分に行なわれていないのじゃないかということがかなり考えられるのですが、その辺はどうなんですか。
○三宅説明員 ただいまの違反建築物の取り締まりにつきましては、私ども建築基準法の施行に当たっておりまする都道府県あるいは大都市の首長等に対しまして、十分積極的に違反の取り締まりに対処するように指示はいたしておりますけれども、いままでの社会情勢あるいは経済情勢等の影響で、御指摘のような点がなきにしもあらずということにつきましては、私もきわめて遺憾に思っておるわけでございます。しかし、といってこのままの状態ではもちろんよろしくございませんので、私どもといたしましても違反の取り締まりについて、特に社会的に重要な影響を与えるものにつきましては、緊急に措置するように都道府県等に対して指示をいたしておりますし、また今後もそういう趣旨の会合を積極的に持って指示をしていくつもりでおるわけでございます。 そこで消防署との連絡の件につきましては、現地の巡回等につきましては、消防署とこの建築業務をやっております地方公共団体の建築担当の者と十分に連絡をいたしまして、現地の巡回をやっております。消防署から連絡がございましたものにつきましては、建築基準法の条項によりまして、建築の担当者側として責任ある措置をとるということにして、前向きでいくようにつとめております。ただ現在の段階では若干御指摘の点もございますけれども、十分その点は考えて進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○門司委員 私はいまの答弁だけで満足するわけにはまいらぬと思います。火災の起こった場合に、いつでも、さっき申し上げましたようにあとの祭りになって、これは不法建築であったとかあるいは何かの問題が起こる。 それからもう一つこの機会に聞いておきたいと思いますことは、これだけではございませんで、よく屋根裏に住んでおって、それの焼死事件というものがかなりたくさんあるわけでございます。これもついでに聞いておきたいと思いますが、これらの問題について、消防署のほうでは、その建物に人間が住んでもいいということは決して言っていないと私は思う。そうしてそれの撤去を命ずることは、これもまた建築関係に問題が移ってくるので、これらの問題を調整して、そうしてああいう事故の起こらぬようにしていくということについて、もう少し私は消防の意見というものが重要視されてくるということが、この際必要ではないかと思う。建物のほうを受け持っておいでになる建設省のほうでは、人命にそれほど、直接御関係はないと言ってはおこられるかもしれませんが、考え方が薄いと思う。ところが消防の関係の方は、何といっても人命というものについてはかなり真剣な態度をとっており、またいなければならないはずである。したがって、そこの考え方の度合いがかなり違っていやしないか。消防署のほうでどんなにやかましく、こういう屋根裏に人を住まわしてもらっちゃ困るということを言っても、建築を監督しているほうの側は案外ルーズになっていやしないかということが多い。私はそう考えておるのですが、こういう事実はございませんか。私はそういう事実がかなりたくさんあるのではないかと思う。だから、むしろ私どものほうから考えてまいりますと、この屋根裏に人間を住まわしているということが、もし消阿署関係が見て回ってあるとすれば、むしろ消防署のほうにそれらのことについては、住むことのできないような処置をとるというような権限を与えたほうが、私は人命尊重の見地からいえばよろしいと思う。一方にまとめたほうがよろしいと思う。片方は注意をし、やかましいことを言うけれども、その家の構造のほうについては建設省のほうだということになると、結局この問題がちぐはぐになって、そうして時間的にうまくいかない。そのうちに不幸が生ずるというようなことになりやしないかと思うのですが、この点はどういうお考えですか。もう少し私は、消防庁の方のいる前でこんなことを言うとぐあいが悪いかもしれないけれども、消防の関係が、人間の生命を大事にしてこれを守ろうとする消防庁の意見というものが、かなり建築関係については重要視されるような立法措置がこの際必要ではないかというように考えられるのですが、建物のほうの監督をしている建設省側としてはどういう意見ですか。
○三宅説明員 御指摘の問題、あるいは木造の三階建ての問題かとも思われるわけでございますが、木造の三階建てにつきましては、私ども防災上最も悪いものだとして、現地消防署と建築担当の方と十分連絡をして、積極的にこれの除却命令、具体的には代執行という問題を持ち込んでかなり処理しておるわけでございまして、私どもも木浩三階建ての災害の問題につきましては十分承知をしておるわけでございまして、取り締まりの最重点にあげて指示をいたしております。 それから御指摘の国民の生命という問題でございますが、御存じのように建築基準法におきましては、第一条に建築基準法の目的といたしましてこれこれ、これこれといって、「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。」とはっきり法律の第一条の目的でうたっておるわけでございまして、建設当局といたしましては、建物のことは考えるけれども、人命尊重の点を考えないということは決してございませんで、建物を通じて生命の保護、財産の保護を考えておるわけでございます。 もちろん具体的な問題といたしまして、それでは建物自体の構造上、防災上の問題と、中へ住まって使う場合の使い方の問題となりますと、なかなかめんどうな問題が起こるわけでありまして、それらにつきましては、今後とも消防当局と十分連絡、協力して行政上の目的が果たせるように努力してまいりたいと思います。
○門司委員 私、最後にこれだけ聞いておきたいと思います。きょうは私もかなり散漫な質問をいたしましたが、究極の問題として、非常にくどく繰り返すようでありますが、それならば、スラム街を解消することのために一体建設省側としてのどういう処置をおとりになるのか。立法の問題については考えておるというお話だけでありますが、ひとつこの際所信を表明しておいていただきたいと思います。
○三宅説明員 住宅地区改良法に基づく改良事業の積極的な推進と、防災建築街区造成法に基づく防災建築の造成の推進、これが現在の制度の中で許されておる最も効果のある事業でございますので、これらの事業を可能な限りできるだけ拡大適用して、積極的に地区の改良、不良住宅の改良、防災上の措置というものをとってまいりたい、かように考えております。
○門司委員 大体その構想はわかりましたが、法律的に言えばそういうことですよ。法律的にはそういうことですけれども、考えてもらいたいのは、たとえばいま起こっておるこの鶴見の問題、ここは一体どういうことになっておりますか。この地区は住宅未指定地区です。公園予定地だったところにかろうじてできておるのですが、これは住宅地でも何でもないのです。今度やっとそういう処置をとり、区画整理をしようかという、焼けたから区画整理をしようかということになっておる。だから私が聞いておりますのは、現行法に基づいてはとてもやれないのです。実際問題として改革はできない。だから、具体的に申し上げてまいりますが、かりに不良住宅を改良しよう、あるいはなくしようという意思が市側にあるならば、大体やはり人間ですから、それに家をこしらえてやらないわけにまいりません。そういう場合に財政の問題は一体どう考えるかということです。ここでも、さっき言いましたように、土地が広ければ、これは不良住宅を改良するということで鉄筋のアパートができないわけではないと思います。しかし、いかんせん焼けあとの土地が狭いものですから、これに道路をとってつける余地はないというのが大体結論だと思います。ここは私はこれ以上申しません。いろいろ問題がありますが、協議すればできないことはないかもしれません。しかし問題になりますのは、いずれもそういう不良住宅の建物であるとか、あるいはここは商業地域であるとかいう法律にこだわらないで、そうしてそういう問題を解決していこうとするときに、財政援助その他が建設省で考えられておるかどうかということです。私が具体的に現行法で非常に困難だと言っておりますのはそういう問題です。ここでもかりに市役所が家を建てかえるということについて国の補助がどのくらいになっておるか。きわめてわずかですよ。そういうことでは、市役所も思い切ってやらないとなかなかできないですよ。このスラムをなくさなければならない、これを十分処置をしなければならないと考えておっても、財政が伴わなければなかなかできるものではない。したがって、建設省ではそれらの問題についてどう考えておるか。現行法でよろしいとお考えになっておるか、積極的にこれをなくすために財政援助までお考えになっておるかということを最後に聞いておきたいと思います。
○三宅説明員 現在鶴見地区の問題につきましては特別の措置ということを考えておりません。少なくとも現在の制度の適用される範囲についてできるだけの援助をしていく。建てかえ等の措置につきましても、行政指導でできるだけ便宜をはかっていくということについて横浜市と先日打ち合わせをしておりまして、また市のほうからもいろいろ提案があろうかと思いますが、基本的にはそういう考え方で、最大限の援助をするという方向でまいりたいと思います。特別の措置につきましては考えておりません。
○門司委員 これで終わります。
○中馬委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十分散会