地方行政委員会 第1号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1965/07/31
会議録
○中馬委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 すなわち、衆議院規則第九十四条の規定に基づき、本会期中、当委員会の所管に属する事項につき、国政に関する調査を行ないたいと存じます。つきましては、地方自治行政の実情を調査し、その健全なる発展に資するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、地方自治、地方財政、警察及び消防に関する事項について国政に関する調査を行なうこととし、議長に対しその承認を求めたいと存じます。御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○中馬委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 この際、地方自治及び治安行政の当面の問題について永山国務大臣から説明を求めます。永山国務大臣。
○永山国務大臣 私は先般の内閣改造にあたりまして、自治大臣兼国家公安委員長に就任をいたしたのでありますが、地方自治と治安の問題につきまして日ごろ御尽瘁をいただいておりまする委員各位に対しまして、深く敬意を払っておるものでございますが、同時に、今後一そうの御指導と御協力をお願いをいたしたいと存ずる次第でございます。 この機会に、地方自治と治安行政の当面の問題につきまして、所懐の一端を申し述べさしていただきたいと存じます。 地方行政につきましては、社会、経済の発展に伴いまして、広域的処理を必要とする行政事務がますます増大してきておるのでありますが、自治省といたしましては、前国会において成立いたしました地方行政連絡会議法による地方行政連絡会議の積極的活動をはかることによりまして、これに対処いたしたいと存じております。さらに府県合併等の問題につきましては、ただいま鋭意御審議をお願いいたしておりまする地方制度調査会の答申をまちまして、前向きの姿勢で取り組んでいきたいと存じておるのでございます。 次に地方財政についてでございますが、最近の地方財政が再び悪化の傾向を強めてきておりますことは、まことに憂慮にたえないところでございます。私といたしましては、地方財源の一そうの充実強化に格段の努力をいたし、さらにまた地域格差を是正をし、社会開発を促進してまいる考えでございます。また同時に国民健康保険財政及び地方公営企業財政の健全化を一日もすみやかに実現して、この関連におきまして一般会計の財政健全化方策を進める必要があると考えておるのでございます。また、特に国庫補助負担金の算定の適正化に努力をいたしまして、地方団体の異常なる圧迫となっているいわゆる超過負担の解消に全力を注ぎたいと考えております。地方公共団体におきましても、この際、関係者が住民より負託された任務の重大なることに思いをいたされまして、冗費を省いて財源の重点的効率的使用に一そうの努力を払われんことを強く期待いたしておるものでございます。 地方公営企業につきましては、近く地方公営企業制度調査会の答申があるものと期待をいたしておるものでございますが、自治省といたしましては、この答申に基づきまして地方公営企業の経営合理化の指導の徹底、低利資金の確保、料金の適正化の推進等について一そうの努力を傾注してまいりたい所存でございます。 次に地方税につきましては、従来から地方税源の充実と税負担の均衡化、合理化につとめてまいったところでございますが、今後におきましても、昨年末における税制調査会の長期答申の内容を参酌いたしまして、最近の社会経済情勢の推移に対応しつつ、引き続き地方税の充実確保につとめるようにいたしたいと存じております。住民税につきましては、昭和三十九年及び四十年の両年度にわたりまして三百億にのぼる減税の結果を検討をいたしまして、さらに負担の合理化を進めていきたいという所存でございます。また、固定資産税につきましては、新評価の結果を税負担に適正に反映せしめることによりまして、負担の均衡化と合理化をはかるための具体的な方策を検討いたしたいと考えておるのでございます。 さらに消防の問題につきましては、改正消防法の徹底、科学消防力の増強等によりまして危険物施設の災害対策を推進する考えでございますが、なお、昨今火災、風水害その他の事故によりまして死傷者の続出することにかんがみまして、救急事業の充実やあるいは救助活動の強化、避難体制の確立等、人命保護のために一段の努力をいたしたいと思っておるのでございます。 次に、国家公安委員長といたしましての私の所信を申し述べたいと存じます。 去る六月に吉武前委員長のあとを受けまして国家公安委員会委員長に就任をいたしたのでございますが、皆さん方の一そうの御鞭撻と御後援をお願いをいたしたいと存じておりますが、私は真に国民の信頼をかち得る警察の確立のために努力いたしたいという考えでございます。当面警察運営の重点といたしましては、まず第一に交通事故の防止であります。交通事故による死者の数は、幸い本年に入りまして相当の減少を見ており、いささか意を強ういたしておるのでございますが、しかしながら車両の増加状態や、あるいは道路環境の現状等を考えますときに、決して楽観を許さないのみならず、将来非常にさらに重大な問題であると考えておるのでございます。私は今後関係各機関との緊密なる連絡をとり、かつ皆さん方の力強い御鞭撻、御指導をいただきまして交通安全教育の徹底、また交通安全施設の整備拡充、その他交通安全のための諸施設を積極的に推進をいたしまして、国民とともにこの問題の解決のために全力を傾けたいと存じておる所存でございます。 第二に暴力の絶滅でございますが、組織暴力の根絶をはかり、あわせて社会の各部門におけるあらゆる暴力を徹底的に排除して、明るく住みよい社会を建設することは、警察に課せられたる重大なる使命であると思うのでございます。幸い暴力排除の機運は国民各層の間に非常に盛り上がっておりますので、この国民の空気と相まちまして、成果をあげたいと存じておる次第でございます。私は、この機運をますます醸成することにつとめますと同時に、国民とともに暴力絶滅のために力強い行政を続けていきたいと考えておる次第でございます。 第三は青少年の非行防止でございます。青少年を取り巻く有害環境がその非行化の大きなる原因となっておることにかんがみまして、警察といたしましてはその実態調査にあわせまして、青少年の健全育成保護の見地から強力なる指導、取り締まりを実施してまいりたいと存じておりますが、いまなおその実態は憂慮にたえないものがございます。私はこのような有害環境の浄化につきまして、強力なる措置を講じたいと思っておるのでございます。同時に、青少年の補導については、一段とその体制を強化いたしまして、わが国の次代をになう青少年の健全なる育成にさらにさらに一段の努力を続けたいと考えておる次第でございます。 以上述べましたような諸施策は、単に警察の力のみによっては決してその目的を達成するものではないのであります。市民のこれに対する全面的な協力を得、市民と警察が一体となって強力にこれを推進することによって、初めてりっぱな成果があがるものであると信じておるのでございます。私はこの点に十分留意をいたしまして、このような機運をより一そう盛り上げるために全力を傾注いたしたいと考えておる次第でございます。 次に、このような民間協力の確立にあわせまして、警察力の充実をはかることがぜひとも必要であると考えております。このためには、優秀なる人材を警察に吸収するための積極的な努力をいたしますと同時に、教育訓練を充実強化いたしまして、警察官の資質の向上をはかりますとともに、その待遇についても十分な配慮をいたしまして、安心して職務に精励し得る体制を確立をいたし、あわせて警察の近代化、科学化につとめ、時代の進運に適応し、いかなる事態にも対処し得る体制を整備いたしまして、国民の信頼と期待に沿いたいと念願をいたしておる次第でございます。 以上、所管行政の当面の諸問題について所懐を申し上げさせていただきましたことを非常に光栄に存ずるものでありますが、各位の格別なる御協力によりまして実効をおさめることができますように一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第でございます。
○中馬委員長 この際、警察庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。新井警察庁長官。
○新井政府委員 新井でございます。去る五月十九日に江口前長官のあとを受けまして警察庁長官を命ぜられました。乏しい身でございますが、誠実に仕事をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしく御指導御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
○中馬委員長 これより、永山国務大臣の所信表明に対し質疑の通告がありますので、これを許します。安井吉典君。
○安井委員 ただいま永山自治大臣からごあいさつを伺い得たわけでありますが、私も、自治大臣並びに国家公安委員長としての御就任に対しお喜びを申し上げます。大臣は特に自治体の御経験がおありなそうですから、そういう意味でも私どもは期待を持っておりますし、なかなかの野人性の持ち主で、官僚機構のワクに負けないでひとつがんばっていただきたい、こういうふうに期待を申し上げるわけであります。 しかし、その反面、若干不安もなくはありません。永山さんのことを日の丸大臣だとかうしろ向き大臣だとか、そういうたいへん不遠慮な批評をする人もあります。これはいままでの大臣のお働きなさってきましたその経過の中からそういうふうなことも出てくるのだろうと思いますが、私どもは、自民党が健全な保守主義という方向で、それが党是であってお進みになることについて異議を持つものではありませんけれども、しかしその上に超だとかウルトラだなどとつくと、これはやはり国民は心配になってくるわけであります。大臣という重大なお立場に立たれたそういう段階におきまして、地方自治も新しい近代性が要求されておりますし、それからまた、警察、公安行政も憲法の精神にのっとっての正しい運用の方向が当然なくてはならないわけであります。そういうような意味におきまして、最初のごあいさつに対してお祝辞を申し上げながら、少し聞きづらいことまで申し上げて恐縮でございますけれども、大臣の政治理念とでもいいますか、そういうような点につきまして、この際お聞かせを願えれば幸いだと思います。
○永山国務大臣 お説のように、新しい近代国家に即応し、憲法の運用に対してもきわめて正しい方向で進んでいきたいという考えでございまして、私が国会へ出ましてどうも自分の思う委員会へ配属されずに、内閣委員会のほうへ大体いっておりましたので、取り扱う方向がいろいろそういう方面が多かった関係で、いろいろなお話がございますが、私は精神年齢はやっぱり若いのでございますから、若さと勇気をもってやりたいと考えております。
○安井委員 内閣委員会は祝日法案とか、だいぶいろいろ問題になる法案があって、そちらのほうの御担当だったので、今度は地方自治という新しい分野の中で気持ちを新たにしてやりたい、そういうふうなお気持ちと一応受け取って、憲法に対する地方自治や警察の制度の正しい運用の方向、いまおっしゃったとおりの形でぜひお進みをいただきたいと思います。この問題については、いろいろまだお尋ねしたいこともほかの同僚の委員の諸君にもあると思うのですけれども、後に譲りまして、先ほど御説明をいただきました御所信の順序に従いまして、若干お尋ねを続けてまいりたいと思います。 まず、地方行政の一般的な傾向は、私、心配いたしておりますのは、いま大臣がおっしゃったような憲法の精神はあくまでも地方自治の本旨を尊重するという行き方でなくてはならない、九十二条は明らかに規定をいたしているわけでありますが、それにもかかわらず、行政的にもたとえば広域行政という考え方、これも近代的な経済の進んでまいりましたいまの段階で、行政の近代化や、あるいは広域化というのはやむを得ない要請だとは考えられますけれども、これの運用を間違えましたら、逆に地方自治そのものに対するきびしい制限や、あるいはそれに対する圧力という形になりかねないわけであります。府県合併の問題等についても私どもはそういうおそれを持っております。さらに財政の面では憲法のうたい文句にもかかわらず、実際上は地方公共団体が自主的に仕事をするにはお金が要る、そのお金のほうはすべて政府の手に握られて三割自治とか、一割自治とか、そういう言い方が当てはまるのが現在の地方自治体の姿ではないかと私は考えるわけであります。このような中央集権化に対して、自治大臣としてはきちっとしたかまえでやはり当たっていただかなくてはならないのではないか、こう思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○永山国務大臣 ただいまのお説のとおりでございます。権力主義による地方自治の関与等は一切やらない。同時に中央集権的な性格を逸脱して地方自治の自主性を尊重していくという方向でいきたい。したがいまして財源等も皆さんと御相談をして、できるだけひとつ自主性を保つことができるような方向へ進んでいきたいと考えております。
○安井委員 地方自治の尊重というたてまえをいま大臣も強調されたわけでありますが、最近東京都議会の解散による選挙が行なわれたわけであります。あの解散の基礎になりました特例法の問題では、この地方行政委員会が前の国会の最終段階では、もう実に量的にも質的にも全力をつぎ込んでこさえ上げたあの法律でありますけれども、それが基礎になって一応解散、そして選挙と、こういうことになったわけであります。あの選挙の結果、自由民主党は大幅に後退をして、社会党が第一党になったのは御承知のとおりでありますが、地方自治の高揚といいますか、そういうような意味では、私はこのマンモス大都市で地域性とか郷土性というようなものが薄れている都民の中に、そういう気持ちをつぎ込んだという意味で、非常に効果があったのではないかと思います。そういうふうな事態に対しまして、報道によりますと、自民党の田中幹事長等の談話では、自由民主党の中に都政調査会を設けて、そうして首都圏庁というふうな考え方で、もう少し国家行政の立場を強めていこうと、こういうふうな考え方が漏らされているようであります。これは自治省の見解というわけでもなしに、自民党の正式な党議を経た見解かどうか、これは私はわかりませんけれども、そういう問題をも含めまして、この間行なわれました都議会選挙についての大臣の御感想、さらにはそれから起きてくる首都圏庁の考え方等についてのお考え方、そいつをひとつお漏らしい願いたいと思います。
○永山国務大臣 東京都民が表示いたしました選挙の結果については、深く敬意を払っております。われわれもこれら諸種の点について反省をすべきものがあると考えております。 さらにまた、首都圏庁等の問題については、権力行政は一切やらないという自治体の本質に従っていきたいと考えております。しかし、政府としましては、いかにもマンモス都市でございますから、十分ひとつ東京都の行政がより以上向上いたしますのに、一段の御協力を申し上げていくことが必要ではないかというように考えておる次第でございます。
○安井委員 たくさん問題はありますけれども、きょうは最初の機会でございますので、各論的な問題は後日、日をあらためてお尋ねをすることにして進みたいと思いますが、ただ府県合併の問題につきましての大臣のお考え方だけは、この際聞いておきたいと思うわけです。
○永山国務大臣 行政の能率化と近代化とあわせまして、広域行政が地域間の格差是正と所得水準の向上の面から必然的に要望されておる点については、われわれは率直に認めなければならぬと思うのでございますが、府県合併を権力主義によって行なうということは断じてやるべきではない、干渉をすべきではない、ただ地方の自主制を尊重して助言、指導あるいは助長、あらゆる面で広域行政をよくアドバイスし協力するということは必要ではないかというように考えておるのでございます。
○安井委員 府県合併の問題は地方制度調査会でも現在検討中で、今後の地方自治行政についての非常に重大な問題として浮かび上がってくる問題ではないかと私は考えるわけでありますが、それだけに、この扱いについては私どももいろいろ考え方を持っているわけであります。ひとつ慎重な態度でぜひ当たっていただくべきであるということだけ申し上げておきたいと思います。 次に地方財政の問題でありますが、先ほども若干申し上げましたように、最近の地方財政の悪化はきわ立ってきております。ちょうど自民党の政府の高度経済成長政策の動きと軌を一にして、設備投資等が大幅にふえてくる、それに従って地方公共団体のほうも、社会資本の充実というふうな形で投資を要請されてくる、ところが一方財源のほうはそれに伴わないものですから、三十六、七年ごろ、つまり高度経済成長政策なるものが積極化しだした段階から、いままでわりあいによくなってきて上り坂に来ていたものが、折れ曲がって下りの方向に向いてしまって、その方向を一そう毎年毎年強めつつある、これが実態ではないかと思うわけであります。したがって、これらの問題に対しては、先ほどのごあいさつの中でもいろいろお話があったわけでありますが、これまた重大な今後の課題となってくると思うわけであります。そのうち税制改革の問題についてどういうふうなお考えを持っておられるか、これをまずお聞きをいたしたいわけであります。特に最近の政府の言明では、長期減税計画と財政計画を並行して審議するというふうな方針を七月初め明らかにされておりますし、また最近の不況対策という形でもお出しになっているようであります。これについて、たとえば住民税についても、現在の課税最低限度が非常に高くて、所得税のほうは減税になっているけれども、住民税のほうは実質的にはむしろ増税になってきておる、所得がふえて最低限度は押えられているわけですから、むしろ税金がふえてきているというふうな実態になっている点を指摘しておりますし、また固定資産税については明後年から暫定措置が切れて——昨年評価を大幅に引き上げられたわけでありますが、その新しい評価額による課税が、来年といいますか、四十二年の一月一日から行なわれる、そういう問題がございます。それからもう一つは、各種の租税特別措置が国税にも地方税にもたくさんあるわけです。まだ大臣そこまで御検討が進んでいないかもしれませんけれども、そういうような特別措置はたくさんあって、それはほとんど大企業その他に向けられていて、農業とか中小企業やあるいは勤労者のほうは少しもそういう恩典がないわけであります。そこで税の不均衡が起きている、こういう問題もあるわけであります。私どもは、税金は大衆課税はできるだけ安くして、しかし一方地方財源は減らさないような考え方で進まなくてはならない、だから減税措置が行なわれればそれは必ず国が補てんをするとか、そういう仕組みで地方財政は充実をしながら、しかも大衆負担はできるだけ少なくしていく、こういう考え方でなくてはならないと今日まで主張し続けてきているわけであります。この地方税の問題につきましての大臣のお考え方をひとつ伺いたいと思います。
○永山国務大臣 税の問題はちょっと私弱いのでございますが、御説のとおりに地方の税負担が非常に重いのみならず、均衡を失しておるのでございますから、これが軽減、合理化を考慮せなければならぬと考えておるのでございますが、やはりその場合におきましては、負担力のある中央のほうから応援をいただかなければ地方財源が枯渇いたしますので、税制調査会の答申を待ちまして、ただいま御説にありましたような方向で、負担の軽減と均衡化に対して一段の努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
○安井委員 まだ御就任間もないから、弱いとおっしゃったのも無理ないと思うのですが、地方税の問題が地方財政の重大な中心課題になってまいりますので、ひとつこれから先十分御勉強を願って、問題を解決するような御努力を願っておきたいと思います。 それから地方財政の問題で、先ほどのお話の中にもあるわけでありますけれども、超過負担の問題であります。社会党の私どもは、この間の通常国会の中でもずいぶん多くの資料を全国の各都道府県あるいは市町村から集めまして、教育、建設、民生一般、農林等、全体的に当然国が負担しなければならないものまで地方が負担させられているという実態のある点を、国会の審議を通しましても強く指摘をいたしてまいりました。知事会のほうも最近は特にそのための小委員会をつくる等の形で、問題解決への取り組みをしているようでありますし、新聞で見ましても、自治省のほうもことしは特にこの問題を重点に置いて解消に努力をいたしたいというふうなかまえが報ぜられているわけで、その点私もたいへん心強く感じているわけでありますが、地方交付税率を上げて——去年も〇・六%上げて大騒ぎをいたしましたけれども、これもたいへんだったわけですね。それがあれだけの大騒ぎをして、百六十億円くらいです。ところが超過負担のほうは、去年の自治省の調べでも八百五、六十億円です。ですから、この超過負担という問題は非常に大事な問題に今日なってきているのではないかと思います。法律の上では何割補助というふうになっていても、実際はその単価が安いものですから、あるいはまたその単価の中に当然必要な費用が入っていないという形で計上されているものですから、実際は五割補助といっても三割補助にしかなっていない。残りの分は地方負担になっている。こういう実態があるわけです。こういうふうな問題は、やはり野人的な大臣でなくては、こんなところはなかなかうまくいかぬのではないかと私は思うのです。いまの全体的な機構の中で大体慣習的になってしまっているわけです。厚生省のほうだって、実際は五百万円かかる保育所をつくるのに、希望が多いというので、いままでは十カ所予定していたのを十二カ所にして、予算のほうはそのままにしておくわけですから、結局国のほうは十二カ所つくったというかもしれませんけれども、地方はそれだけよけいな負担を出してやっている。しかもその単価はものすごく安い。こういうふうな実態があって、地方のほうは何とかして仕事をやりたい。ところが国のほうはできるだけ少ない金を出して、あとは地方にみなやらせる。こういうようなかまえで今日までずるずるときているわけです。私は、この超過負担の問題は、ずるずるということばがしっくりするような、そういう形で今日まできているのではないかと思うわけです。この際やはり勇断をもって大臣は各省との折衝の中からその超過負担解消のための御努力をぜひやっていただくべきだ、こう思うのですが、どうでしょうか。
○永山国務大臣 お説のように、超過負担の解消問題には、ひとつ勇気をもって努力をいたしたいと考えております。先般の閣議で、予算編成にあたっては、各省基準単価等適正のものを出せ、大蔵省で査定することはあると思うのですが、原案が出ておらないと困るからということをも強く要望いたして、ぜひ超過負担解消には全力をあげたいと考えておる次第でございます。
○安井委員 そのおことばに私もぜひ期待をいたしたいと思います。 財政問題もたくさんあるわけですが、きょうはその要点にしぼっておきたいと思うわけでありますが、なお国鉄が利用債を発行しているわけですね。これを全部とは言いませんけれども、地方自治団体に非常に強くかぶせてきているという実態があるわけであります。この問題については、おそらく大臣はまだそこまで検討は進んでおられないので、あるいは財政局長からお答えを願ってもけっこうでありますが、超過負担とは違いますけれども、若干それに似たような性格があるわけです。つまり国鉄が当然やらなければいけない施設を、たとえばそこの駅を改修する金がないから、その自治体で金を見つけてくれという形で利用債を押しつけてくる。電化をするための費用を押しつけてくる。あるいはまた最近は料金の値上げをしないためにはやはり金が要るから、それを特別利用債という形で引き受けてくれというような形でもってくる。さらには今度建設公団ができたわけでありますが、その建設公団の公団債までを地方公団に押しつけてくる、こういう実態があるわけです。これは地方財政計画に沿っているような問題ではなしに、全く新しい負担という形で押しつけてくる。もっとも地方自治体はそれだけ金がないものですから、地方銀行に肩がわりするというような形をもっている向きもあるようでありますけれども、しかし自治体は、自分の運用資金を地方銀行から借りなければいかぬわけですから、利用債の分だけ地方銀行から借りてしまえば、当然自分の必要な金を借りることができない、こういうような形での圧迫もあるわけです。この昭和四十年度の段階におけるこの利用債の実態はどうなっているか、これに対して自治省はどういうふうに対処するのか、これをひとつこの際伺っておきたいと思います。
○永山国務大臣 実態関係については、ひとつ局長から答弁をさせていただきまして、御意思の点は十分ひとつ尊重して、善処したいと考えております。
○柴田政府委員 国鉄利用債の問題につきましては、従来から問題がございまして、私どものほうと国鉄当局の間に、その運用につきまして、地方財政を圧迫をしないようにという前提で申し合わせがございます。ところが本年度は、それに特別利用債という新たな事態が起こってまいりました。地方財政が窮迫をいたしております際でもございますので、ともすればこれが乱用されますと、御指摘のように超過負担と同じような問題を起こしがちであります。地方公共団体の立場におきましては、やはり受け身の立場に立つわけでございます。個々の地方団体にまかせておくということは、かえって財政的見地からは苦痛を与えることになるであろうということで、本年度私どものほうで関係当局と話し合いをすることにいたしまして、その話し合いに基づいて地方公共団体が処理するということにいたしたのであります。いろいろ話し合いをいたしましたが、結局基本的な考え方は、国鉄利用債ということは、国鉄の現状からする一つの財政処理でございますが、それが御指摘のように地方財政とぶつかる部面があるわけでございます。しかしまた地方団体側といたしましては、それによって得られました資金によって、地方開発というものが進められていくという利点もある。私どもといたしましては、この利用債の消化について地方公共団体があっせんの労をとることは、これは妨げない。しかし国鉄当局に対しましては、それによって地方公共団体に不当な財政的圧迫というものをしないようにしていただきたい、こういうことで大体話が進められ、そういう方向で、消化については地方公共団体があっせんの労をとるという方向でこれを片づけております。大体、現状までは、非常にことしは額が多うございましたので、地方からも問題がございました。大体その話し合いの線に従って、今後、各地方団体において処理されるというように考えております。まだ具体的にその処理の結果というものは私どもの手元にはわかっておりませんけれども、おおむねそれによって地方公共団体に不当な財政的なしわが寄るということはないようにいたしたい、またないであろうというように考えるわけでございます。なお、昭和四十一年度以降におきましては、こういう措置につきましては考え直してもらうということにいたしております。
○安井委員 私の聞くところでは、従来、国鉄利用債はことし百三十億円、それから運賃値上げ防止等の意味を含めた特別利用債は二百億円、そのほかにことしは新たに鉄道建設公団債が二十五億ないし三十億円、合計いたしますと四百億円に近いような額になるようであります。これは地方財政計画にも織り込まれていないし、それからまたなるほど開発に役に立つという、そういう言い方もありますけれども、消化能力のあるところは仕事をしてやる、消化能力のないところは消化ができないんですから、駅の建物もできないし、電化もできない、こういうことになるおそれがあるわけです。この点は、地域格差の是正だとかなんとか言っていることと全く矛盾をするわけです。国全体の調達資金がおくれている地域に重点的に投資される、こういう形で初めて格差是正ができるわけです。このようなやり方で陳情運動なんかして、さあやってやる、そのかわり金持ってくれ、こういわれたら、自治体のほうは弱いものですから、はい、承知しましたということで、それを承知すれば、本来の福祉行政というものは、その金がなくなるわけですからできないことになる、こういう実態ではないかと思うわけです。自治省のほうも、こういう実態をあらかじめ理解した上で、財政計画なりなんなりをお立てになってしかるべきではなかったかと思うのですが、ことしはもう、少し時期がおくれてしまったからという局長の御答弁であります。その点残念ですが、明年度以降の段階では、これはやはりこういうような問題を根本的に解決できる、そういう仕組みをぜひおつくりを願いたいと思います。大臣の先ほどの言明で、そういう御努力をなさるということでありますので、そのことをぜひお願いをいたしておきたいと思います。 それから、これも地方財政への非常に大きな影響で、最近までいわれておりましたのは、公共事業の一割留保の問題であります。しかし最近の閣議の決定では、これを解くというふうな御方針をおきめになったようでありますが、これは大蔵省その他関係各省の問題かもしれませんけれども、いつごろからこれは解除されて支障のない形になっていくのか、そのお見通し等について伺いたいと思います。
○永山国務大臣 もう指令を出したのでございますから、すぐ解除されていく状況でございます。解除通達をいたしております。
○安井委員 たとえば、地方では一千万円の公営住宅の建設事業がある、ところが一割だというので機械的に切られて、とうとう半棟だけはみ出てしまった、そういうような事態がたくさんあるわけですよ。そして請負に出して工事はやっている。しかしそれが、あとのやつが解除にできないからはじかれている、こういう事態がたくさんあるわけですね。だから、これはやはり具体的なケースに従って十分によく見ていただかなければ、私は非常に大きなそごが末端においてできるおそれがあるのではないか、こう思いますので、その点ひとつ御注意を願っておきたいと思います。 次に、地方公営企業の問題につきましてお尋ねをいたしたいのでありますが、前国会におきまして水道料金の値上げ問題が非常に大きな政治の課題となってまいり、この委員会においても私からお尋ねをいたしまして、吉武自治大臣から御答弁を願うという形で、政府の考え方をお約束願っている経過もございますが、地方公営企業の財政悪化は三十九年度の決算見積りの中でもさらに拡大をされている。こういう実態があるわけであります。この問題については、一般会計さえよければどうでもいいという問題ではなしに、むしろ最近の危機はこの地方公営企業の面において強くあらわれているわけなんです。この問題について大臣はどうお考えですか。
○永山国務大臣 地方公営企業の関係は、やはり第一は経営の合理化、近代化に自主的に進んでもらいたいと考えております。引き続いて政府としましては、これに対しては、できる限り低利その他の長期の融資等、財政的な援助のできる範囲で進めていきまして、そして企業の健全化に向かうように全力をあげたいと考えておる次第でございます。
○安井委員 ずいぶん既往債があるわけですね。すでに借りた額が非常に多いわけであります。それからもう一つは、過去の赤字があります。合理化とか近代化といっても限度があるので、それらの過去の大きな赤字については、赤字たな上げでありますとか、そういうようなもっと積極的な手が当然打たれなくてはならないのではないかと思うのでありますが、どうですか。
○永山国務大臣 この点に関して審議会でも審議を続けておりまして、過去の赤字等はたな上げ方式をとらなければいかぬのではないかというような議論が強く出ておりますので、十分検討をいたしたいと考えております。
○安井委員 料金の問題だとか、その他たくさんあるわけでありますけれども、これは重大な問題ですから、後にもっと時間をかけてお尋ねをすることにいたしたいと思います。 次に、国民健康保険事業についての問題でありますが、これも前国会におきましてこの委員会でも非常に大きな課題として取り上げた点であります。赤字がどんどんふえてくるし、その上に前国会では例の九・五%の医療費値上げの問題がからんでくる。そういうことで、国民健康保険税あるいは国民健康保険料の大幅な値上げが相次ぐ、こういう段階での論議であったわけです。予算通過の最終段階での政府と社会党との間の取りきめも、医療費問題という形で、個々の問題も含めた形で取りきめもなされているわけでありますが、一応国庫負担の不足分についての繰り上げ支払い、あるいはまた調整交付金の予備費からの支出という形で政府の方針をきめられているそうでありますが、この個々の問題はただそれだけで解決するわけではなく、新たに予算計上がなされなければ、三十九年度の分に四十年度の金で、予算を補正しないでそのまま埋めただけですから、四十年度が猛烈に大きな穴があいているわけです。必ず四十年度において大幅な補正が行なわれなければならぬわけです。そういう問題が一つと、それから過去の赤字が非常に大きい、この問題についての対策はどうなのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。
○永山国務大臣 とりあえずの関係は、三十九年度の予算の不足見込みの分の四十億は予備費で出しましたし、その他定率補助の不足分百十億は繰り上げ支給をいたしておりまして、お説のように四十年度は大幅にひとつこれに対して政府が財政的処置をせなければならぬ状態にあると考えておりまして、この方途について強く大蔵省と折衝をいたす考えでございます。なお赤字の問題も、これをどう処置するかについて検討をせなきゃならぬと考えておる次第でございます。また抜本的な処置をも皆さんの御相談をいただいて、基本的な医療制度の問題についても検討を続ける時期が来ておるのじゃないかというように考えておる次第でございます。
○安井委員 ごく抽象的なお話でありますが、これは厚生大臣のほうが主管で、自治大臣のほうはむしろネーベンのほうになっているわけですから、そういう点も考えあわせながら、いまおっしゃったような検討を真剣に進めていただかなくてはならぬ、そういうふうに思うわけであります。ただ大臣のいまの御発言の中に定率補助というふうなおことばがありましたけれども、これは二五%の療養給付費に対する国庫負担のことをおっしゃるのだろうと思うのですけれども、法律は、補助ではなしに負担なんですよ。この点は私は非常にあやふやなことばの表現で、新聞の記事にもそういうふうに書かれていますけれども、これはやはり問題だと思うのですよ。補助というのは、たとえば五割から七割に上げたというふうなときには、奨励的な意味で補助というようなことばが使われているが、二五%というのは国の負担ということになっておるわけです。事務費においても国が負担するということになっているわけです。負担と補助と法律の上ではっきり使い分けをしているわけです。それを政府のほうではあまりお考えなしに、補助も負担もごっちゃに使っている。私はそういう一つのことばの使い方ですけれども、政府の国保に対する取り組みの甘さというものが私はあるように思うわけです。国民健康保険事業というものは、これはあくまでも国の仕事なわけですから、ことばの意味のとおり国民を相手にした仕事なわけです。そういう立場から委任を市町村にしているだけであります。だから国が本来やるべき仕事だから、したがって、市町村に預けるがその費用は負担をする、そういうことばを使っているわけです。ただ、七割給付にする、引き上げをする際は、当面は奨励的な意味だから補助ということばが使われております。その補助ということばも事実これはおかしいので、私どもはそういうふうな七割アップ、全国民を七割までの給付にするんだという国の方針があるんだったら、これもやはり法律のことばからして負担ということばに直すべきだと思いますけれども、これはそういうことばになっておりません。しかし二五%の給付費、これはあくまでも負担なんだ、そういうたてまえに立てば、これはもう補正予算を組んだり予備費から流用する、そんな大騒ぎをする必要はないわけですよ。あたりまえなんですから。そういう点を私はひとつ指摘をしておきたいと思います。国民健康保険事業が市町村財政に対して非常に大きな影響を与えている。市町村が悪いものですから、都道府県までがそれこそ補助をしている、こういうふうな仕組みさえあります。都道府県の仕事でも何でもないやつに、都道府県が国の仕事であるのに、補助をしなければやれない。こういうふうな実態は私は非常におかしいと思うわけです。だから行政事務の再検討といいますか、そういうような意味も含めて、いま行なわれている国の本来の仕事と、それから都道府県や市町村に対する委任事務と、こういうものをけじめをはっきりつけるべき時期にいま来ておると思うのです。どうでしょうか。
○永山国務大臣 二割五分の補助と申しましたのは私が言い間違いでございまして、定率国庫負担でございまして、お説のようにもう根本的にこの問題を解決する時期が来ておる、十分ひとつ御意思を尊重してやりたいと考えております。
○安井委員 医療の問題が出てまいりましたから、そのついでに市町村や都道府県の共済組合の問題でありますけれども、これもやはり医療費の値上げがまだはっきりしない、それに伴う健康保険法等の改正の問題もきまらない、こういう段階でありますが、それにもかかわらず各共済組合の掛け金の引き上げというふうな事態が起きつつあるように聞くわけであります。国家公務員の各共済組合の掛け金の引き上げの問題が最近大きな問題になりつつあるわけであります。市町村共済や都道府県の地方公務員共済のほうの最近の情勢はどうなのか。それからそういうような場合も、やはり社会保険審議会等に政府は諮問中でありますから、そういうふうなものが明らかになるまでは引き上げは行なわない、こういう態度で進むべきではないかと思うわけですが、どうですか。
○永山国務大臣 お説のように社会保険審議会の議を待ち、この問題が解決されなければならぬ一連の問題であると考えております。もちろん赤字経営に悩んでおるのでございますので、保険三法の改正と関連をして解決をされるものであると考えております。
○安井委員 そういたしますと、保険三法の問題の結論が出るまでは掛け金率を上げるとか、そういうふうなことは考えない、こういうことですね。
○永山国務大臣 そのとおりでございます。
○安井委員 地方公務員に関する問題について二、三伺っておきたいわけでありますが、時間もだいぶ回っておりますので、そう詳しく触れるゆとりはないかと思います。ILO特別委員会で永山さんが御発言になったのを、私も特別委員の一人でお聞きもしていたわけでありますが、一応今度関係国内法も施行の段階になってまいりました。これに伴って自治省ではどういうかまえで問題を御処理なさろうということかというふうな点を伺いたいのでありますが、十分時間がありませんので、あとは警察の問題を伺いたいために十分時間をおくわけにはまいりませんが、その点について若干伺っておきたいと思います。地方公務員法の改正法案はいつごろ施行のお見込みか、それについての自治省の体制整備はどうなのか、こういう点でありますが、いかがですか。
○永山国務大臣 政令は八月十五日までに出す分がございますので、そのほうはいま準備をいたしております。その他具体的な関係は局長から答弁させます。
○佐久間政府委員 御承知のように法律の規定の中には、法律が公布になりましてから三カ月以内で政令で定める日から施行になります分と、別に政令で定める日から施行になります分と両方ございます。前者につきましてはその三カ月の期限が八月十五日でございますので、ただいま大臣が御答弁になりましたように現在政令施行の準備をいたしております。後者につきましてはその内容、時期等につきましては現在政府部内におきまして検討中でございます。
○安井委員 地方公務員制度の問題については問題がたくさんありますので、ひとつあとで時間も十分とりましてもう少しお尋ねもし、私どもの考え方も申し上げることにいたしたいと思います。ただ地方公務員給与の問題については、人事院勧告の時期が迫っておりますので、この点だけ伺っておきたいと思うわけでありますが、政府としては大体いつごろになるというふうにお考えになっておられるのか、見通しはどういうふうなことなのか。それから、特に地方公務員については毎年財源措置が問題になるわけです。国家公務員に措置が行なわれれば当然地方公務員にも同様の措置が講ぜられるべきであり、この点ひっくるめまして政府の考えを伺いたいと思います。
○永山国務大臣 人事院勧告がいつごろどういうように行なわれるかということに対しては、私のほうでまだ十分承っておらぬのでございますが、やはりこれは鋭意人事院で検討を続けておるようでございますから、勧告が行なわれる場合におきましては、やはり国家公務員と同じように地方公務員のほうも進んでいきたいというように考えておるのでございます。その財源的処置に対しましては、できる限り地方の合理化を進めていただき、しかしそれの財源を見出し得ない点については政府のほうでめんどうを十分見なければならぬという考え方で折衝を続けたいと考えておる次第であります。
○安井委員 いまのお話でちょっと思い出したのですけれども、大臣御就任のころの新聞記者との会見の中で、まず人件費の節約だというふうな、徹底的な合理化主義者だというふうなことで新聞は書いていたわけでありますが、その片りんが何かいまあらわれたのじゃないかと思って私は心配するわけです。人件費を合理化して、それで生み出した金を充てていくというのがまず先決で、それからあとで対策をする、こういうような御方針だというふうにちょっと聞こえたわけでありますが、そこでちょっと誤解を招くおそれがあると思いますので、もう少し御説明願いたいと思います。
○永山国務大臣 体質を改善するということは、この場合あらゆる面において必要なことであると考えております。地方におきましても中央におきましても、能率の合理化をはかっていくという体質改善をこの場合優先的に推し進めるという考えでございます。しかしそれは観念論でございますから、どこをどうせいということではないのですが、とにかく私は所得が倍増になれば人間も倍増する、人もふやし、機構もふやし、給料もふやしというような状態に、役人亡国にならぬようにしなければならぬのである、どうしても体質の改善をして、合理化して能率化をするという基本的政治の姿をやらなければいかぬ、したがいまして本年度予算要求に対しましても、いわゆる増員をできるだけ避けていかなければならぬというように進んでいるわけでございます。そういう具体的にどうしろということではないのですが、その基本的姿勢のもとで行政を進めていきたいという考えでございます。
○安井委員 それとベースアップの財源の問題とは積極的なからみ合いを持つわけですか。
○永山国務大臣 必ずしも積極的な関連を持つものではございません。各能率化に全力をあげるという基本的態度を言っているのでございます。
○安井委員 その基本的な態度は態度として、ベースアップというのは、現在まで働いている人の給与が、これは内閣委員会で大臣おられたわけですから御承知のように、大企業のベースと比べて低いからそこまで上げなさい、こういうかまえなわけです。ですからそれと——この合理化とおっしゃるのは、首を切れという意味と私は即断しているのかもしれませんけれども、それとからんできて財源措置を考えるのだ、こういうことではどうも筋が通ってこないような気がするわけです。どうですか。
○永山国務大臣 そういうことでは全然ございません。私も内閣委員会におりましたのでございまして、決して首切れ、あるいは給与を下げろとかいう意味ではないのであります。能率化に全力をあげていく、そして国家公務員に準じて地方公務員の給与ももちろん改定する、そしてどうしても財源のない場合は、政府がこれに対して処置すべきである、しかも私は積極的に、公務員は特に日本丸を運営している枢軸である、最も優秀な人を持ってこなければならぬのだから、このベースを特に下げるというようなことは毛頭考えていないのであります。待遇に関しても最善を尽くすべきであるという思想を持っておるのであります。
○安井委員 いまの大臣のお話の中に、どうもちょっと危険なものを感ずるわけですけれども、それはさらにあとでもっと詰めてお尋ねする機会もあるかと思いますが、ただ、いままでの例を見ますと、地方財政は弱いので、地方公務員の給与財源が十分ないのだ、だから国家公務員を上げてしまえば地方公務員も上げなければいけないから、地方財政のことをも考えあわせて国家公務員のベースアップはできるだけ低くしなさい、こういうような動きに従来なりがちなんですよ。そういう経過があります。そうだったと私は申し上げませんけれども、現実にそういう問題があらわれているわけです。大臣はいまも、日本丸の船員の給与をよくしなければいけない、こうおっしゃるわけですけれども、それを自治大臣という立場で何か足を引っぱらなければいけないというふうな形にならないように、当然上げるものは上げなければいけないわけですよ。そうして、それに必要な自治体の財源補てんというようなものは国が責任を負う。こういうたてまえでお進みになるべきで、地方公務員給与の問題が逆に国家公務員の給与ベースのアップの足を引っぱる、こういうような形にならないような御配慮がぜひ必要だと思うのですが、どうですか。
○永山国務大臣 お説のとおりでございます。そういう方向で努力を旧来もいたしておりますし、今後もいたしたいと思います。
○安井委員 次に消防の問題でございますが、これもたくさん問題がありますし、また大臣からもいろいろお話がございました。科学消防の増強の問題だとか、危険物施設の災害対策だとか、そういうような形でさらに一そう御努力を願いたいと思うわけでありますが、ちょうど全国消防長会からの要望書がここにきています。消防団員の遺族扶助制度を設けてもらいたい。たくさんありますけれども、その中で特にこの問題と、それから現在の消防についての財源措置は国があまり出していないわけです。補助金もほとんど出していないし、起債のほうも大部分が火災保険会社が引き受ける損保債でまかなっていて、政府が金を出していないわけですね。そういうことから、この要望書の中にも、政府債を大幅に増してもらいたい、こういうのが出ております。問題はたくさんありますけれども、その政府債を設定せよという要求につきまして、一つは遺族扶助制度を設けてもらいたいという要望があるようですが、これについてはどうですか。
○永山国務大臣 私もこの間の消防大会へ出てまいりました。遺族扶助制度の問題並びに政府債の問題は、実現すべく最善を尽くしたいと考えております。
○安井委員 それから次に、国家公安委員長としての大臣にお尋ねを続けてまいりたいと思います。 これも先ほどのごあいさつの中に、真に国民の信頼をかち得る警察の確立に努力したい、こういうふうなことばがございまして、そういう形で今後の大臣のお仕事が進んでいくであろうと理解をいたしますが、交通事故防止の問題、それから青少年の非行防止、それから暴力の絶滅、これらはいずれも重大な課題であり、今後もあらゆる国会の論議を通しまして私どもの意見も率直に申し上げるし、それについての十分な御措置をお願いをいたしたいと思うわけであります。特に警察庁長官が今度新しくかわられたわけですから、それらの点について期待をいたしているわけであります。きょうは一つだけ、デモ等の運動に対するいろいろな規制措置が、大臣がかわられたことでむしろ強まるのではないかというふうな風聞があるわけでありますが、私はまあそういうようなものではないと思うのでありますけれども、その点、一般の風聞的なものを打ち消していただくような大臣の御発言が当然いただけるかと思うのです。いかがですか。
○永山国務大臣 旧来と何ら変わりはございません。御了承を願いたいと思います。
○安井委員 旧来と変わりない方向ということでの御言明があったわけでありますが、いずれにいたしましても、憲法十六条の請願権あるいは二十一条の表現の自由、これは、国民は明らかに保障されておるわけであります。もちろん全く無制限というわけにはあるいはいかないかもしれませんが、しかし、この自由をあくまでも守るのだというそういう書き方のほうを憲法は強く押し出しておるわけでありますから、そういう点をお含みになった形で当然御処理なさるべきだ、こういうふうに思うわけであります。警察庁長官の御意見はどうですか。
○新井政府委員 ただいまお尋ねのように、憲法に保障されております思想、表現の自由については、最大限度に尊重いたしてまいる所存であります。ただデモその他につきましては、それに内在する物理的なものがございまして、最高裁の判決でもそういうふうなことを申しておりますので、そういう秩序ある方向で行なわれるように最小限度の規制を加える、そういう方針で今後もやってまいりたいと思います。
○安井委員 警察には、さらにボーリング場やあるいは深夜映画、さらにトルコぶろ等新しい問題が新聞にも報ぜられておりまして、私ども非常に関心を持っておるわけでありますが、これはこの委員会にも小委員会がありますので、その中でもっと論議をする機会を持ちたいと思います。 きょうの場合は、七月二十九日に神奈川県で警察官の射殺事件が起きており、それは、最終の段階では渋谷で大きな市街戦というような形で世人を騒がせた結果に終わっておるわけでありますが、この問題について、きょうは、ごく新しい最近の問題でありますし、これに関する警察の捜査体系がよかったのか悪かったのか、そういうような問題にも関係を持っておりますので、大臣の所信表明ということからいうとあまりにも具体的過ぎますけれども、それを一つの具体例として今後の問題処理に当たる態度を明らかにしていただきたいと思うのであります。 初めに、この事件の概要等をまずお話し願いたいと思います。
○日原政府委員 神奈川県の座間町における警察官被害の強盗殺人事件の概要について申し上げます。 七月二十九日の午前十時四十分ごろ大和署に、ひばりが丘で子供四、五人が標的をつくって空気銃を撃っているから来てくれ、こういう一一〇番による届け出があったわけであります。本署の指示によりまして鶴間派出所の田所巡査がモーターバイクで、続いて菅原、谷山両巡査がパトカーで現場に急行いたしました。菅原、谷山両巡査が座間町の栗原地内の林道上で田所巡査のモーターバイクを発見いたしまして、両巡査が下車いたしますと、付近の草むらの中からヘルメットをかぶった若い男があらわれまして、こっちだ、こっちだ、こう誘った。そこでその男のほうに近づきますと、いきなり両巡査に拳銃を突きつけまして、ホールドアップと脅迫をいたした。それで拳銃の撃ち合いとなりまして、被疑者の発射した弾丸二発のうち一発が菅原巡査の大腿部を貫通いたし、他の一発が谷山巡査の帯革の金具に命中をいたしました。谷山巡査は付近の加入電話で即刻その状況を本署に急報いたしまして、これによって所轄の署員が現場に急行したわけでございますが、すでに被疑者は逃走をしておりました。駐車していたパトカーから五十メートルぐらい離れた林道上で、重傷を受けて倒れている田所巡査を発見いたしました。田所巡査は、病院に収容後、この日の午後二時三十五分に死亡をいたしております。 被疑者は、その後、同町栗原七〇八、宮坂方に参りまして、警察の者だが車を出してくれと言って、同人にマツダクーペを運転させて逃走したわけでございますが、さらに通りかかった自動車の運転手を拳銃で脅迫いたしまして、これに運転させて、途中二回にわたって自動車を乗りかえて、都内小金井市、通称小金井公園を経て、この日の午後六時少し前ごろ、被疑者がかつて猟銃を購入して知っている渋谷のロイヤル商事株式会社という銃砲店に乗りつけたのであります。 そして被疑者は、店内に居合わせた店員等四名に挙銃を突きつけて脅迫をして、店員に店内にあったカービン銃に弾丸三十発を装てんさせまして、これを強奪した上、三名の店員を連れてこの店の二階に上がりまして、この被疑者の所在を認知して急行したパトカー等に対しましてカービン銃等を発射した。 ロイヤル商事を包囲した警察隊は、再三にわたり説得を試みたのでございますが、被疑者はこれに応ずることなく、銃を撃ち続けて抵抗をするので、やむなく催涙ガスを使用して、同日午後七時十九分、同店前路上に出てきた被疑者を、殺人未遂及び銃砲刀剣類所持等取締法違反の現行犯人として逮捕し、田所巡査から奪った挙銃等を差し押えております。 逮捕後、身柄を渋谷署に引致いたしまして、午後十一時には田所巡査被害の強盗殺人罪の逮捕状によって通常逮捕いたしております。 なお、この際の逮捕時の負傷者につきましては、被疑者がロイヤル商事で発射した弾丸によりまして、逮捕現場付近で警察官六名、一般人十一名、計十七名の負傷者が判明しております。 概要でございますが、以上のとおりでございます。
○安井委員 その少年の問題でありますけれども、精神鑑定はどうなのか。それから、鉄砲好きの少年だというふうな書かれ方が新聞になされているわけでありますが、単なる興味的な行動なのか、それともずっと計画的な行動で終始しているのか。また、新聞の報道では、銃砲店の鏡に自分のかっこうを映したりしているようなことも書かれておりますけれども、何かテレビだとか映画だとか、そういうようなものから影響を受けた一つの行動であるのか、そういうような点についてのいままでの取り調べの結果について、お答え願いたいと思います。
○日原政府委員 現在取り調べ中でございますし、また、こまかい点について、それぞれ現場検証その他をやっております最中でございます。ので、十分な結論は出ておりません。ただ、お話の中の、まあ精神異常とも見られるような行動をしておるわけでございますけれども、取り調べの係官からすると、特に異常と認められるような状態には、現在のところないということでございますが、いま少し検討いたしまして、精神鑑定の要否をきめることになろうかと思います。なお。ガンマニアであるということはいわれております。そのとおりであろうと思いますが、本人の供述を十分調べまして、はっきりしたことは申し上げたいと思います。
○安井委員 それはもう少し調査の結果を待ちたいと思いますが、警察のほうの初動捜査から最終段階の逮捕に至るまでの経過の中で、私はよくわかりませんが、警察として、こういう点がまずかったのではないか、今後こういう点は改善する必要があるのではないか、そういうふうに自己批判をされている点、あるいはまた、こういう点は非常によかったので今後さらに充実すべきだ、こういうようにお考えになっている点、そういう点をひとつ伺いたいと思います。
○日原政府委員 最近の犯罪は広域化、スピード化いたしておるわけでございまして、この犯罪、あるいはその逃走の経路は、まさにその典型的なものであったわけでございます。したがいまして、われわれとしてもさらに詳しく捜査の過程を検討いたしまして、最近のスピード化、広域化した犯罪及びその逃走実態に即応した捜査体制を整備してまいりたいと考えておるわけでございますが、とりあえずこの事件について私どもがいろいろ考えておりますことを申し上げますと、これは現場の警察官から大和署に、撃たれたという第一報が入ったのが十一時三十分でございます。それから、大和署から神奈川県警本部に報告があったのは十一時五十七分でございますが、この時間的な関係は、事件の内容などが非常に不明である、最初の一人が死亡、次の一人が重態ということで、状況が非常にわからなかった、あらためて本署員が現地に急行して事実を確認してきたというようなことから、時間を要しております。それから、犯人の行動の経路の詳細は、現在調査中でございまして、まだ確定的な結論は出ておりませんが、今回のこの犯人のように次々と車を何台も乗りかえて行動した場合に、乗りかえた事実の確認にも時間が要る、っそれから手配が次の検問所などに徹底することが若干おくれるというやむを得ない点があったわけでございます。それからまた同時に、東京のような交通ひんぱんな地域であらゆる車両を一時停止させて検問することが、実際的には非常に困難であるというような悪条件があったこともあるわけでございまして、今後ともさらに研究をしていかなければならないわけでございますが、さしあたり、われわれとして、今後におけるこの種事犯に対処するために、まず都会地における検問方法をもう少し強化、改善をしていきたいということと、それから府県警察相互間における連絡協調体制、これはこの事件についてはそれほど悪かった連絡の状況にあったとは思わないのでありますが、さらにこれも、スピード化する犯罪に対処するために、緊密化をはかっていきたい。なお、そのほかに、捜査用の車両に対する無線機の整備とか、あるいは張り込み、検問員に対する携帯無線通信器材の充実とか、あるいは市街密集地における逮捕器材の整備というような点を重点として十分検討してまいりたいと考えております。
○安井委員 初めの田所巡査が胸部貫通銃創でやられたという点でありますけれども、鉄砲を持っているということが明らかであることからいえば、そういうような犯人に対する近接について、これは巡査は殉職されたわけですからよけいなことを言う必要はないかもしれませんけれども、しかし人命を保護するというふうな立場から、そういうような場合の訓練において十分でなかった点があったのではないかと思うのですが、どうですか。
○日原政府委員 一番最初の電話は、子供が空気銃を撃っているから来てくれ、こういう電話届け出であったわけであります。この届け出についても、現在のところ届け出者がわかっておりません。犯人は否定をしております。それともう一つは、この田所巡査に指示すると同時にパトカーにも指示しておりますが、その当時、交信が不能の状態にありました。交信がつく時期になってすぐパトカーがかけつけたわけでございます。 なお、この田所巡査の死亡した状況というものは、これは犯人の取り調べでしかわからないわけでございますが、犯人の言っておるところによりますと、標的に十二、三発を雑木林で撃った。そうして弾丸は五十発ぐらい持って行ったらしいのですが、午前十時過ぎにラビットに乗った制服の巡査が来て、所持品を見せろと言った。射撃場以外の場所での射撃は悪いことを知っていたのでまずいと思った。おどかすつもりで右手に持っていた銃に左手を添えて、これをゴルフのバットのようにスイングをした。弾丸は装てんして、引き鉄に指が入っていたので、振った拍子に発射した。それで巡査が倒れた。ここまでのところは、いかにも殺人の故意がなかったような表現になっております。 その後、拳銃を取り出そうと巡査がしたので、ライフルで拳銃を払い落として、気絶させようと頭を二、三回なぐった。こういうような表現をいたしております。なお、これもさらに十分取り調べてみて、このままの結論かどうかは今後に待たなければなりません。いままでのところはそういうことになっております。
○安井委員 私が申し上げているのは、凶器を持っている相手、それから特に近ごろのような、これは衝動的なものかどうかわかりませんけれども、衝動的な犯罪というものの起きる可能性が非常にあるわけですから、それについて警察官が近接していくような場合は、よほど細心な注意をもって行け、こういうような指導が私は非常に大事だと思うのですよ。一般の人を助けるために警察官があるのだけれども、警察官の命もやはり大事にしなければいかぬ。犯人の命よりも警察官の命を大事にする、そういうたてまえを貫くべきだと思うのです。そういうような意味で、今後いろいろ指導をされる場合に、ひとつこれを重大な教訓として進んでいただきたいと思うわけであります。それがどういう理由、あるいはどういう経過であったのか、私は知りませんよ。知りませんけれども、それがどういうことであろうと、こういうような意味を含んだ指導というものが当然強化さるべきだ、こういうことを申し上げておきたいわけであります。 それから警備体制の問題で、先ほどのお話の中にも、府県間の共助体制について、そう不備であったとも思わないけれどもさらに強化をしたい、こういうお話があったことで尽きていると思うのですが、今度の逃走経路が神奈川県になったり、町田から川崎へ、それから小金井へと、ちょうど東京の警視庁と神奈川県警との境の辺にうろうろしている形でなかなか見つかりにくかったという点も私はあるのではないかと思います。なるほど車がふくそうしている東京のような事態で一台一台車をとめてやるわけにはいかないにしても、県境の事件というふうな点ではこれまた一つの教訓になるのではないかと思うのでありますが、それについていままで特別な配慮があったのかどうか。 それから昨年ですか、警察法の改正で、県境の事件については若干ゆとりができたような改正が行なわれていたように記憶するわけでありますが、その点どうでしょうか。
○新井政府委員 警察法の改正から申し上げますと、これはあのときに例として申し上げましたのは、東京と神奈川にまたがりますこどもの国の遊園地を主として目ざしたものでございます。今度のようなものに特に適用のあるような考え方は実はしておりませんので、あのために特にやったことはございません。ただ御指摘のように県境はいろんな意味で弱点がございますので、たとえば県境の交番同士の電話は県境同士で、本署を通じないでもすぐ通ずるようにするという手はよほど前から打っております。 問題はもう一つありまして、パトカー同士の波が違いますのと、一ぺん親局にいってから交信するのとパトカー同士が交信するのと、二つ方法があるわけであります。そこいらの問題についてはまだまだ不十分であったということを私は率直に思います。これらにつきまして相当予算をかける方法もあるようですけれども、かけないでもある程度できる方法もあるのじゃないかと思いますので、早急にこの辺は東京と神奈川のみならず、大都市周辺と大都市そのものにつきまして、今後もっともっとスピードを早めて改善をしていきたいと思います。
○安井委員 それから検問の方法についても、もっと改善をしたいという先ほどのお話でありますが、新聞の報道によりますと、逃走中の車が途中何度も検問所を通った。そういうふうな形で、犯人はますますおもしろがって、あそこも無事通った、あそこも通った、それでスリルをさらに増しながら逃走を続けた、こういうことでないかと思うのです。それだけに、犯人の心理の判断からしても、検問所での検問がしっかり行なわれるということが非常に大切なことではないかと思うのです。小金井から渋谷まで乗せた後藤さんという人が拳銃をつきつけられながら運転をしていたわけですが、神宮外苑の入口近くで前照灯を点滅、合い図をした。それに対して警察官は逆に、こんなことをしてはいけないという合い図をしてそのまま検問所を通り抜けてしまった、こういう報道が新聞にあるわけでありますが、これについてはどうですか。
○新井政府委員 まさにそのとおりでございまして、御承知のように円タクにつきましては、自動車強盗がしばしば横行いたしましたので、防犯灯をつけまして、点滅をすれば警察官は事故ありと認知をするという共通の意識があるのですけれども、一般の乗用車につきましては実はそういうことが全然ございませんでした。それと、おそらくこれを認知した警察官がこの事件の発生を知らなかったと思われるわけであります。これは今後調べなければわかりませんけれども、そういう意味においてそれを見過ごしてしまったということであります。 それで、お尋ねがないのにこういうことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、十時半に事件が発生いたしまして、それを認知するのに約一時間近くかかっております。それから手配をいたしております。それからまた犯人が何人であるかということも、一人である、あるいは二人である、あるいはその当時現場付近でピストルようのものをかまえていた強盗があった、それじゃないだろうかということで、この犯人を特定するのにたいへん手間どっております。そういうようなことが、次々にそういう検問というものをのがれた一つの理由ではないかと思います。なお、この点は十分に調査をいたしまして、どこに欠陥があったか、それはこういうふうにすれば直る、あるいはどう調べてみましても、おそらくこれはやむを得ないというものも出てくると思うのですけれども、まだまだ私どものほうとして、こういうような犯罪というものを予想した体制は十分できていないと思っております。
○安井委員 いまのお話の中でありました前照灯、ライトを点滅するという行き方、それが唯一の道かどうかわかりませんけれども、一般乗用車の場合も、何か危害を加えられるような情勢にあるというふうなことを、外を歩いている人、特に警察官が立っておられるわけですから、そういうのに知ってもらう、そういう仕組みについても、もう少し検討する必要があるのではないかと思いますので、その点もひとつお願いをしておきたいと思います。 もう時間がまいりましたので、あともう二、三点で終わりますが、渋谷におけるいわゆる市街戦、これは新聞の記事によりますと一時間二十分ぐらいかかったというふうに書かれているわけでありますが、ガス弾の使用時期をもっと早めるというふうなことで、この一時間二十分をもっと短縮することはできなかったのか、そういうことで負傷者の数も少なくて済んだのではないかと思うのですが、その点はどうですか。
○新井政府委員 ガス弾の使用の時期、方法等につきましては、確かに御指摘のように問題があると思います。ただ現場の警察官の身になって一応考えてやりますと、何といっても人質にとられておるということ、そして犯人がどういう行動に出るか必ずしも明確にわからないということ、そういうことで、へたに手出しをして、犯人は逮捕できたけれども、そこにいる人が全部殺されてしまったということになってはたいへん残念であるということで、おそらくそういう犯人の行動を見きわめるために手間どった点もあると思います。しかし実を申しますと、このガス弾というものも日本の警察はそうあまりひんぱんに利用しておりませんので、戦術的な判断というものについて、確かにおくれはあったと私ども思います。結果といたしましては、けが人は出ましたけれども、死人が出なかった結果からいいますと、あるいはあのほうがよかったのかもしれませんが、そこらはもう少し調べてみないと、ちょっと結論がつきかねるような状況であります。
○安井委員 最後に、銃砲刀剣類所持等取締法でしたか、ことしも改正いたしましたけれども、その法律の運用について、あるいはまた現行法の規定について、この事件を契機に考える点はないのかどうか、その点はどうでしょう。
○新井政府委員 御承知のように、銃刀法はこの数年、数回改正をされておりまして、前は十四歳で持っていた猟銃を十八歳に引き上げたのが数年前でございます。このときにも、実際は委員会等でも、二十歳に上げたらどうだという議論も出たわけでありますけれども、火薬の取り扱いが十八歳ということを境にしておりますので、ほんとうは狩猟の免許に合わせれば二十歳が妥当なわけであります。今度の機会に、十八歳未満というのはそう数も多いわけではございませんので、その辺は十分に検討いたしまして、日本人のわれわれの感覚からいえば、何も狩猟の免許が二十歳であるのに猟銃の許可を十八歳にしなければならない理由はないんじゃないかと思うのです。ただ、空気銃というものが運動競技の中に入っておりまして、これは十四歳から持たしてくれという運動団体からの陳情がございましたので、一つはそういうものも考慮して、猟銃と空気銃とあまり離れてはおかしいというような非常に常識的な考えから、猟銃のほうも十八歳というふうにやりました。しかし、今度の事件を契機といたしまして、もしこれを二十歳に上げれば、そういう子供たちの一種のブーム的な気持ちに水をさすことはできる。あるいは取り締まりすることができるという見通しがつけば、私はやはり率直に改正を考えるべきだと思っておるのです。ただ、もう新聞にも報じられておりますので御承知と思いますけれども、この弟に、どういう思惑があってか知りませんけれども、姉が、これはもう成人でございますが、弟が十八歳になる前から、弟のために自分の名義で猟銃の所持許可を受けておりまして、弟が十八歳になったのを機会に弟に名義を書きかえておるわけであります。そういうような実態がありますと、二十歳に上げたから全部問題は片づくとも言いかねるのですけれども、しかし、十八歳になればああいうものを振り回してもいいんだ、そういう資格を国から認められたんだという考えを少年に与えるということであれば、それは思い切って改正したほうがいいんじゃないかというふうにも考えます。こういう深刻な事態ができましたので、私どもも真剣に検討いたしたいと思います。
○門司委員 いまの答弁だけではちょっとわからぬところがあるから……。それは調べておいでになると思いますが、猟銃と狩猟免許との関係、いわゆる所持者と、ほんとうに鉄砲を撃つという意思があって狩猟免許を受けて使う、要するに所持の目的どおりにやっている人との食い違いがかなりあるように私ども聞いておるのですが、その辺調べたことはございますか。たとえば東京都で鉄砲を持つことのできる、許可を持っている人が約十万人くらいある。しかしほんとうの狩猟に使っている人はその二割くらいしかない。そうするとあとの八割というのは何のために鉄砲を持っているのかわからぬということになる。こういう点を調べられたことはありますか。
○新井政府委員 二割とおっしゃいましたけれども、猟銃については七、八割が狩猟免許を持っておるようであります。空気銃は狩猟にはそう役には立ちませんので、これは一割くらいしか狩猟免許を持っておりません。それ以外はどうするんだというと、そこにさっきお話が出たガンマニアというのがおって、なで回して喜んでおる者もおるわけですけれども、この子供は射撃場へ行けば撃てるわけであります。射撃場で撃って喜んでおる。こういうものはスポーツだというふうにいわれておる。また現にスポーツとして、たとえばスイスのように射撃が国民に行き渡っておるという国もあるわけです。そういうことでスポーツに使っている部面もございます。
○門司委員 それでもう一つ聞いておきたいんだが、いまの話で私は、ほんとうの狩猟に使っている人は非常に少ないんだということを聞くと、さらにそういう印象を受けるのです。いまの統計ではそういうことになっておるかもしれない。しかし問題になるのは、銃砲を所持する目的というのから離れて、結局所持しておることを喜んでおるということ自体にも私はかなりルーズな問題が残りやしないかと思うのです。したがって、そういうものについての免許の取り消しその他等については何か考えられていることがございますか。たとえば鉄砲を持つことの免許は受けておるが、狩猟にはそれを使わないんだということになると、それはそれだけ余分に社会に不必要なもの、危険なものが出ている、こういうことになろうかと思うのですが、それらに対する考え方は何かございますか。
○新井政府委員 これはたいへん根本的な問題でございまして、いま門司委員のおっしゃいますように、元来狩猟に使わるべきものだというふうに割り切ってしまえば、狩猟に使っていないものはやめなさいということは言えますけれども、いま申しましたようにスポーツに使うことも認めておりますし、また美術品的な考えで持つということも否定はいたしておりません。それからまた狩猟に使っているかどうかというのは、要するに私どもの統計というのは、狩猟免許を持っているかどうか、狩猟免許を持っているからといって狩猟する人とは限りませんから、免許は持っているけれども狩猟はしないという人をとれば、それからどんどん減ってくるわけであります。そこいらはたいへん根本的な問題でございますので、部内でも検討したいと言っておりますけれども、これはちょっと早急には結論を出しかねるのじゃないかと思っております。
○安井委員 大臣もずっとお聞きになっておられたわけでありますが、デモの禁止の問題も重大であるかもしれませんけれども、こういう問題が次々出てくる可能性があるわけですから、いまの警察の体制についての十分な反省の上に立って今後の事態に処していただきたいし、それから、この事件を起こしたのは警察が悪いのではなしに、やはり犯人が悪いのですが、こういう事態が起きないような、そういう仕組み、これは学校で幾らいろいろなことを教えていっても、テレビを見たり、あるいは映画を見て、保安官の攻撃に対して女の子かなにかをたてにして防いでいく犯人などの、そういうシーンは、やはり若い人たちの非常な刺激になっているという事実もあると思うわけです。そういう点もぜひ、これは自治大臣の責任というわけじゃありませんけれども、政府全体の施策の中で御検討を願わなくてはならないと思うわけであります。その点だけ最後にお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 なお、最後に資料として委員長にお願いしたいのは、超過負担あるいは税外負担についての最近の自治省の調査がありましたらその資料。それからもう一つは、地方公営企業それから国民健康保険事業について三十九年度の決算の、いまの段階ですから見込みだろうと思うのですが、そういうようなものについて、はっきりしたものがありましたら、それをひとつお願いしたいと思います。
○中馬委員長 わかりました。 ————◇—————
○中馬委員長 理事の補欠選任の件についておはかりいたします。 去る六月八日理事久保田円次君及び理事田川誠一君の委員辞任に伴いまして、理事が二名欠員となっております。この補欠選任につきましては、先例によって委員長において指名することにいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。それでは理事に 奥野誠亮君纐纈彌三君を指名いたします。 ————◇—————
○中馬委員長 次に、小委員会設置の件についておはかりいたします。 地方公営企業に関する調査のため、小委員十名からなる地方公営企業に関する調査小委員会を設置するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小委員及び小委員長の選任につきましておはかりいたします。 小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。それでは、小委員に 奥野 誠亮君 武市 恭信君 登坂重次郎君 藤田 義光君 森下 元晴君 和爾俊二郎君 佐野 憲治君 重盛 寿治君 華山 親義君 門司 亮君を指名いたします。 小委員長には藤田義光君を指名いたします。 次に、風俗に関する法制の整備及び運用の適正を期するため、小委員十名からなる風俗営業等に関する調査小委員会を設置するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小委員及び小委員長の選任についておはかりいたします。 小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。それでは小委員に 大石八治君 奥野誠亮君 亀山孝一君 纐纈彌三君 田村良平君 森下元晴君 秋山徳雄君 川村継義君 安井吉典君 吉田賢一君を指名いたします。 小委員長には亀山孝一君を指名いたします。 なお、おはかりいたします。 ただいま設置いたしました両小委員会の小委員及び小委員長の辞任の許可及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時十五分散会